発明の詳細な説明
本出願は、2018年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/756,363号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
本明細書では、気象データの測定に関連する技術が提供される。本明細書では、特に、大気水象(例えば、降雨)を感知し、かつ、大気水象特性(例えば、体積、速度、サイズ分布など)を測定するための装置、方法、およびシステムが提供されるが、それらに限定されない。
[背景]
気象データは、解析および情報提供の目的のために、政府機関および様々な産業などの多数の団体(事業体,組織)によって使用される。例えば、正確な気象データを典型的に必要とする一部の産業には、電力トレーダー、公益事業会社、保険会社、農業、および研究機関が含まれる。さらに、正確なデータは、代替エネルギー計画および/またはモニタリングのみならず、気象予報および気象学にとっても重要である。特に、大気水象(例えば、降雨)に関するデータを収集することは、食料生産、損失防止、気候調査、および都市計画において重要である。
多くの異なる降雨感知技術が開発されている。これらのセンサは、その分解能および精度のみならず、その検出メカニズムにおいても異なる。一般のレベルでは、主なタイプのレインセンサ(雨センサ,降雨センサ)は、(i)雨滴を物理的に収集して蓄積水量を測定するか、(ii)蓄積重量を直接測定するか、または、(iii)個々の大気水象の影響を測定して蓄積量を計算するか、のいずれかである。一般的なタイプのレインセンサは、レインゲージ(雨量計)である。当該レインゲージは、例えば、降雨を収集するために使用される、既知の断面積を有する防水収集容器である。レインゲージの欠点は、各降雨イベントの後に、ユーザが蓄積された降雨を読み取り、当該レインゲージを空にすることが必要となることである。これらの動作は、センサおよび作動によって自動化することができるが、当該技術には可動部品が必要である。自動レインセンサの1つのタイプは、転倒バケツレインゲージ(転倒ます形レインゲージ)(tipping bucket rain gauge)である。転倒バケツレインゲージは、レインゲージの一種である。転倒バケツレインゲージでは、収集された水が別個のレセプタクル(容器)に流し込まれるのだが、既知の量の降雨が生じるたびに、当該レセプタクルは転倒し、中身を空にし、リセットされる。総雨量を測定するために、転倒の回数が測定される。自動化されている一方で、転倒バケツレインゲージの欠点には、精度、取付け、および長期メンテナンスが含まれる。さらに、転倒バケツレインゲージの性能は、機械的問題(例えば、動物または死んだ植物の部位によって引き起こされる、ベアリングの汚れまたは凍結、および注入経路の詰まり)によって影響を受ける。こうした機械的問題は、(i)転倒を妨げうる、あるいは、(ii)雨または完全な充填がない状態において“偽の”転倒がカウントされることを引き起こしうる。
さらに、ディスドロメータ(雨滴粒径分布測定装置)は、個々の大気水象に関する情報をキャプチャ(捕捉)し、かつ、異なるタイプの大気水象を区別することができる。最も一般的なディスドロメータは、個々の大気水象の規模(size)および速度を特定し、かつ、ある量の時間に亘る降雨率を計算するために、フォトゲートまたは関連する光学技術を使用する。一部のディスドロメータは、降雪率、混合降水特性(mixed precipitation characteristics)などの他のパラメータを計算し、かつ、ひょうまたはあられを特定できる。しかしながら、それらは、過剰な電力を必要とし、かつ高価である。
一部の技術は、雨滴の運動エネルギーを測定するための圧電デバイスの使用を含む。例えば、Madden, Phytopathology88:950(1998),Forster, Journal of Atmospheric and Oceanic Technology21:179(2004)を参照のこと。しかしながら、圧電デバイスでは、検出プレートに圧電コンポーネントを物理的に取り付ける必要がある。したがって、前記レインゲージの性能は、取り付け方法と他のコンポーネントの仕様との両方に依存する。これらの技術では、圧電センサの動的応答は、表面への直接取り付けによって大きく影響される。特に、例えば、接着剤、融着、またはボルト止めを用いて、前記圧電部品を表面に取り付けることは、前記センサと検出表面領域との間の「スプリング(ばね)」および「ダンパ」の動的関係に影響を及ぼす。したがって、これらの関係の複雑性を考慮に入れなければならない。例えば、圧電素子を使用する測定における補正(較正)は、ポアソン比効果およびせん断遅れ効果を説明するためにしばしばなされる。例えば、Sirohi,Journal of Intelligent Material Systems and Structures 11:246(2000)を参照のこと。さらに、圧電素子は温度依存性を有している。このことは、温度の変化を経験している記録環境において、圧電デバイスが使用されている期間において、雨の測定に誤差(エラー)を引き起こす。圧電デバイスは、その動作範囲に亘って、キャパシタンス(静電容量)について最大50%の変化を示しうる。したがって、圧電素子を含むデバイスは、これらの変動を補正するための付加的なコンポーネントおよび複雑性を有する。それゆえ、当該デバイスでは、故障モードが増加している。
一部の技術では、雨滴衝突を測定するための衝突ターゲットにトランスデューサ(変換器)を機械的にリンクする。例えば、Mikhaylovskaya,Sov,Hydrol,Selected Papers1:85-90(1964)を参照のこと。他の一部の技術では、音響信号が流体(例えば、液体または空気)を通してトランスデューサに伝送される。例えば、Kinnell,Journal of Applied Meteorology 11:691(1972)を参照のこと。これらの機器は、低降雨強度の測定に限定されており、位置依存性のセンサ感度を示し、かつ、風流によって引き起こされる落下速度および衝突角度の変動に起因して誤差を引き起こす。個々の雨滴衝突を検出するために音響信号の検出を伴う追加の技術には、例えば、以下に記載されているものが含まれる。米国特許番号7,249,502;7,286,935;7,286,935;8,448,507;6,892,580;9,244,192;および米国特許出願公開番号2016/0327687。
Nystuenは、17か月の収集期間に亘って、計量型ディスドロメータ、キャパシタンス型ディスドロメータ、転倒バケツ型ディスドロメータ、光学型ディスドロメータ、および複数の音響式レインゲージを試験した。Nystuen,Journal of Atmospheric and Oceanic Technology 15:1253(1998);Nystuen, Journal of Atmospheric and Oceanic Technology16:1025(1998)を参照のこと。試験されたレインゲージの各々は、測定上の欠陥(例えば、生物学的汚損、再較正の要件に起因する測定の誤差、および季節的変動によって生じる欠陥)を有しており、かつ、限界(例えば、小滴の非検出、ノイズの混じったデータ、高い降雨率の過小評価、降雨率の過大評価、高い変動性、および風によって引き起こされた誤差)を示した。さらに、1998年のNystuenの研究では、前記レインゲージが電力消費を制限するために低デューティサイクル(低負荷サイクル)(10%)でのサンプリングを行う必要があった。それゆえ、数ヶ月に亘る記録が起きる可能性があった。
したがって、大気水象(例えば、降雨)データの収集は、改良された技術から利益を得るであろう。
[概要]
本明細書では、自動化された大気水象についての複数の実施形態が提供される。一部の実施形態では、可動部品を有さず、かつ、圧電コンポーネントを含まないデバイスおよび/または装置を、本技術は提供する。したがって、一部の実施形態では、本技術は「圧電コンポーネント無(圧電コンポーネントを含まない)(piezoelectric component-free)」実施形態を含む。
一部の実施形態では、(例えば、圧電素子を備えた一部のデバイスと同様に)本技術は、降雨によって衝突を受ける表面に取り付けられた感知素子を備えていないデバイスおよび/または装置を提供する。したがって、一部の実施形態では、本技術は「表面取付センサ無(表面に取り付けられたセンサを含まない)(surface-attached sensor-free)」実施形態を含む。
一部の実施形態では、本技術は、ファントム電源を必要としないエレクトレットマイクロフォンの使用を含む。したがって、一部の実施形態では、本技術は、コンデンサマイクロフォン(例えば、ファントム電源を必要とするマイクロフォン)を備えていない。したがって、一部の実施形態では、本技術は、「コンデンサマイクロフォン無(コンデンサマイクロフォンを含まない)(condenser microphone-free)」の実施形態を含む。
様々な実施形態では、本技術は類似の技術よりも低コストであり、メンテナンスは最小限でよいか、またはまったく必要としない。一部の実施形態では、前記大気水象センサ技術は、例えば、大気水象特性の決定量(determinations)(例えば、大気水象質量、大気水象サイズ、大気水象体積、累積大気水象質量または累積大気水象体積、大気水象衝突速度、大気水象衝突力、大気水象衝突角度、大気水象衝突運動量)を補正するために風センサと一体化される。一部の実施形態では、大気水象センサ技術は、例えば、ひょうではない(例えば、降雨滴)特性の決定量(例えば、落下質量、落下サイズ、落下体積、蓄積落下質量または蓄積落下体積、落下衝突速度、落下衝突力、落下衝突角度、落下衝突運動量)を補正するために、ひょうセンサと一体化される。
したがって、本明細書では、雨を検出し、および/または、降雨率を決定(定量)するための技術が提供される。例えば、一部の実施形態では、本技術は、中空ゾンデ(中空のゾンデ)(hollow sonde)とトランスデューサとを備える雨感知装置を提供する。一部の実施形態では、前記雨感知装置は、さらに、その上部に前記トランスデューサが取り付けられるストーク(柄)をさらに備える。
本技術は、前記ゾンデの形状に限定されない。一部の実施形態では、前記ゾンデは球である。しかしながら、本技術は、球体であるゾンデに限定されず、任意の形状のゾンデを含む実施形態を含む。例えば、本技術は、ゾンデが本質的に、実質的に、または機能的に球体である実施形態を含む。一部の実施形態では、ゾンデは、エリプソイド(楕円体)、スフェロイド(回転楕円体)、トロイド(環状体)、ディスク(円板)、プリズム(柱体)、円錐部、球体またはスフェロイドの一部、または前述のいずれかの一部(例えば、半球体など)である。一部の実施形態では、前記ゾンデの一部が除去され、別のコンポーネントに置き換えられる。当該別のコンポーネントは、例えば、コーンコンポーネントである。当該コーンコンポーネントは、例えば、「ドラムヘッド」コンポーネントと、音を前記トランスデューサに伝えるコーンボディ(コーン本体)と、を備える。
本技術は、前記ゾンデが作成される材料において、限定されない。一部の実施形態では、本明細書において説明される通り、前記ゾンデの「ベル状の」属性を提供する金属(例えば、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、青銅、錫、金属合金など)で作られている。
一部の実施形態では、前記ゾンデは100~500mmの直径を有する(例えば、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、または500mm)。一部の実施形態では、ゾンデシェル(ゾンデのシェル)は、0.5~5mmの厚さである(例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5.0mm)。一部の実施形態では、前記ゾンデは、6~10kHzの特性周波数を有する(例えば、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0kHz)。
一部の実施形態では、前記トランスデューサは、エレクトレットマイクロフォン、ピエゾマイクロフォン、またはコンデンサマイクロフォンである。一部の実施形態では、本技術は圧電コンポーネントを含むが、前記圧電コンポーネントは、大気水象が衝突する構造またはコンポーネントのいかなる表面にも直接的に接触しない。すなわち、圧電コンポーネントを含む一部の実施形態では、前記圧電コンポーネントは、ギャップ(空隙)またはギャップの隙間によって、大気水象が衝突する構造またはコンポーネントから分離される。圧電コンポーネントを含む一部の実施形態では、前記圧電コンポーネントは、大気水象が前記圧電コンポーネントに衝突するコンポーネントから非固体(例えば、ガス)を通って伝播された音波を検出する。
一部の実施形態では、前記トランスデューサは、前記ゾンデの中心から約20~80mm(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、または80mm)離れている(例えば、前記ゾンデの中心に対して、上方、下方、側方などに)。一部の実施形態では、前記トランスデューサは、前記ゾンデの垂直軸上に配置されている。一部の実施形態では、前記トランスデューサは、前記ゾンデの中心から約25~75mm(例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74,75mm)離れている(例えば、前記ゾンデの中心に対して、上方、下方、側方などに)。
一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデのサイズ(例えば、直径(D)および/または半径(R))に対して測定される、前記ゾンデ内のある位置に配置されている。したがって、一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの垂直軸上のある位置に配置され、かつ、前記ゾンデの中心の上方に、約0.05×D~0.95×Dの距離(例えば、前記ゾンデの中心の上方に、約0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95×Dである距離)をとるように配置されている。一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの垂直軸上のある位置に配置され、かつ、前記ゾンデの中心の上方に、約0.2×D~0.8×Dの距離(例えば、前記ゾンデの中心の上方に、約0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8×Dの距離)をとるように配置される。一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの垂直軸上のある位置に配置され、かつ、前記ゾンデの中心の上方に、約0.3×D~0.7×Dの距離(例えば、前記ゾンデの中心の上方に、約0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7×Dの距離)をとるように配置される。一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの垂直軸上に配置されない。例えば、一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの中心から、約0.05×D~0.95×Dだけ離れて配置されている(例えば、任意の方向に、ゾンデ中心から、約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95×Dだけ離れて)。
一部の実施形態では、前記ゾンデは、制限された降雨サンプリングエリアを含む(例えば、一部の実施形態では、前記ゾンデは、「ドラムヘッド」を有するコーンコンポーネントと、前記トランスデューサに音を伝えるコーンと、を含む)。一部の実施形態では、前記装置は、ソーラー放射輝度センサをさらに含む。
さらに、方法についての複数の実施形態が提供される。例えば、一部の実施形態では、本技術は、降雨率を決定する方法を提供する。前記方法は、本明細書に記載された通りの装置(例えば、中空ゾンデおよびトランスデューサを備えている)を提供することと、前記装置の前記ゾンデに衝突する雨滴のリアルタイム音響信号を取得することと、前記リアルタイム音響信号を処理して音響パワーデータまたは音響エネルギーデータを生成することと、前記音響パワーデータまたは前記音響エネルギーデータから降雨率を決定することと、を含む。一部の実施形態では、前記音響パワーデータまたは前記音響エネルギーデータから降雨率を定量することは、音響パワーデータまたは音響エネルギーデータの分布から統計的パラメータを生成することを含む。一部の実施形態では、前記リアルタイム音響信号を処理することは、アナログ電圧をサンプリングしてデジタル時変信号を生成することを含む。一部の実施形態では、前記リアルタイム音響信号を処理することは、振幅変調信号を復調することを含む。一部の実施形態では、前記リアルタイム音響信号を処理することは、前記デジタル時変信号にエンベロープを適用することを含む。一部の実施形態では、前記リアルタイム音響信号を処理することは、前記デジタル時変信号をダウンサンプリングすることを含む。一部の実施形態では、前記音響パワーデータまたは前記音響エネルギーデータから降雨率を定量することは、複数の液滴衝突のアグリゲート信号(総合信号,集約信号)と、降雨率と、の間の相関を使用することを含む。一部の実施形態では、前記音響パワーデータまたは前記音響エネルギーデータから降雨率を決定することは、複数の液滴衝突のアグリゲート信号と降雨率とを相関させるためにパワー関数(べき乗関数)を使用することを含む。
一部の実施形態では、方法は、本明細書において記載されている装置によって検出された、前記音響パワーおよび/または前記音響エネルギーを正規化(規格化)することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書において記載されている機器によって検出された、前記音響パワーおよび/または前記音響エネルギーを正規化することは、通常の雨(例えば、直径約4.0mmまたは5.0mmまでの最大雨滴サイズを有する(例えば直径約0.5mmから4.0mmまたは5.0mmまでの間に雨滴が分布する(例えば、約0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5.0mmの直径)))の前記音響パワーおよび/または前記音響エネルギーの実験的な測定を用いる。一部の実施形態では、前記音響パワーデータおよび/または前記音響エネルギーデータを正規化することは、通常の降雨において検出された最大マイクロフォン信号に基づく正規化定数(規格化定数)を使用する。一部の実施形態では、方法は(例えば、本明細書にそっくりそのまま組み込まれている米国特許番号9,846,092および9,958,346に記載されている気象感知デバイスによって検出された)風速に応じて前記音響パワーデータおよび/または前記音響エネルギーデータを補正することを含む。
さらなる実施形態は、本明細書において記載されている複数の雨感知デバイス(例えば、ゾンデおよびトランスデューサを含んでいる)を備えたシステムに関する。
一部の実施形態は、降雨(例えば、降雨率、降雨蓄積)を検出するためのゾンデおよびトランスデューサを備えた装置の使用に関する。
追加の実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて、関連技術の当業者には明らかであろう。
[図面の簡単な説明]
本技術のこれらおよび他の構成、態様、および利点は以下の図面を提示することにより、より良く理解されるのであろう。
図1は、本明細書に記載されている雨感知装置100の一実施形態の概略図である。当該雨感知装置は、例えば、ゾンデ110と、当該ゾンデ内の容積160内のストーク120上のマイクロフォン130と、を備える。
図2は、本明細書に記載されている雨感知装置の一実施形態に衝突する雨滴280および雨滴281を示す概略図である。
図3は、本明細書に記載されている雨感知装置の一実施形態に衝突する雨滴380および雨滴381を示す概略図である。
図4Aは、本明細書に記載されている技術に係る雨検出装置の、前記ゾンデに衝突する一連の雨滴についての音響信号(マイクロフォン信号を測定する任意単位)対時間を示すプロットである。本明細書に記載されている通り、前記音響信号は、前記ゾンデ内部のマイクロフォンによって記録された。雨滴は、1.2mの高さから放出され、ゾンデの「北極(north pole)」(例えば、垂直軸がゾンデ表面と交差する位置)において、1Hzの周波数によってゾンデに衝突した。試験液滴の直径は、2.419±0.089mm(偏差3.70%)、質量は7.41±0.82mg(偏差11.00%)であった。
図4Bは、図4Aから抽出した単一のパルスを示すプロットである。
図4Cは、図4Aおよび図4Bに示される信号の微細構造を示すプロットである。
図5は、本明細書に記載されている装置の、前記ゾンデに衝突する単一の液滴についての前記音響パワー(Pa)対時間のプロットである。前記音響パワーは、本明細書に記載されている装置の一実施形態に衝突する単一の雨滴の1つの音響シグネチャを提供する。オーディオ信号(音声信号)から得られる前記音響パワーのピークエクスカーションは、「P値」と呼ばれる。
図6は、本明細書に記載されている装置の、前記ゾンデに衝突する単一の雨滴についての、音響エネルギー(「Ea」、単一の雨滴衝突からの、または概ね一定時間に亘る、前記音響パワー信号の数値和)対時間のグラフである。図6に示される前記音響エネルギー(Ea)は、本明細書に記載されている装置の一実施形態に衝突する単一の雨滴の1つの音響シグネチャを提供する。
図7は、音響パワー(黒点)の復調を示すプロットである。ピークの絶対値が同定され、補間により中間点(白点)が推定される。
図8は、エンベロープ(「エアプレーン」)フィルタによる復調信号(復調された信号)の変換を示すプロットである。復調信号は黒点によって示されており、エンベロープフィルタによる変換後の信号は白点によって示される。
図9は、前記ゾンデに種々の角度(表面に対する法線から、θ=0°、20°、40°、および60°;図2および図3参照)によって衝突する単一の3.55mm液滴についてのピーク音響パワー(P値)対マイクロフォン位置のプロットである。マイクロフォンは、赤道の下側(-値)および上側(+値)における様々な距離(mm単位)において、Z軸上に配置された(例えば、図1参照)。
図10Aは、異なるサイズ(2.41mmおよび3.50mm)の液滴についての、ピーク音響パワー(P値)対衝突角度(表面に対する法線から、θ=0°、20°、40°、および60°;図2および図3参照)のプロットである。
図10Bは、様々なサイズ(2.41mmおよび3.50mm)の液滴およびマイクロフォン配置(94mmまたは-95mm)についての、音響エネルギー(Ea)対衝突角度(表面に対する法線から、θ=0°、20°、40°、および60°;図2および図3参照)のグラフである。
図11Aは2mm/時および10mm/時という一定の降雨率に関し、時間の関数としてシミュレートされた音響パワー(Pa)のプロットである。信号は、デバイスによって記録された個々の雨滴衝突のピークを示す。
図11Bは、100mm/時という一定の降雨率に関し、時間の関数としてのシミュレートされた音響パワー(Pa)のプロットである。信号は、デバイスによって記録された個々の雨滴衝突のピークを示す。
図12は、時間対、(i)べき乗則関数(power law function)および本明細書に記載された通りに処理された音響信号を用いて決定された降雨率(実線)、および、(ii)ディスドロメータによって決定された降雨率(破線)、のプロットである。
図13は、(i)べき乗則関数および本明細書に記載された通りに処理された音響信号を用いた決定された累積雨量(黒線)、(ii)ディスドロメータによって決定された降雨率を用いて決定された累積雨量(灰色線)、および、(iii)転倒バケツレインゲージによって決定された降雨率を用いて決定された累積雨量(円)についての、経時的な測定のプロットである。
図14は、制限された雨感知領域を有する装置を提供するために、円錐部200を備えた雨感知装置の一実施形態の概略図である。他の番号付けされたコンポーネントは、本明細書中の図1に記載されている通りである。
図15は、マイクロフォン領域(210)の近くにピラノメータ(日射計)または他のソーラー放射輝度センサを備える雨感知装置の一実施形態の概略図である。一部の実施形態では、前記装置は、光学的に透明な、半透明な、あるいはその他の態様によってピラノメータまたは他のソーラー放射輝度センサへの太陽放射の伝達を可能とする部分(ドラムヘッド部)220をさらに備える。他の番号を付されたコンポーネントは、本明細書の図1に記載されている通りである。
図16は、本明細書に記載されている雨検出装置の一実施形態についての、前記トランスデューサ信号の絶対値の合計の対数(底10)対風の速さのプロットである。
図17は、10秒の時間間隔に亘るトランスデューサ信号の絶対値の対数(底10)に対する、10秒の時間間隔に亘るトランスデューサ信号の絶対値の合計の対数(底10)のプロットである。
図18Aは、特定の雨検出デバイス(84eb18eb2a8b)を用いて記録された、複数の異なる雨嵐に対する雨量のプロットである。当該プロットは、風に応じて補正された前記音響パワーが表す、前記雨嵐の降雨率の10秒間隔の数の関数である。
図18Bは、特定の雨検出デバイス(84eb18eb2a8b)を用いて記録された、複数の異なる雨嵐に対する雨量のプロットである。当該プロットは、風に応じて補正されない音響パワーが表す、前記雨嵐の降雨率の10秒間隔の数の関数である。
図19は、同じ場所に配置された(co-localized)転倒バケツ測定デバイスによって決定された降雨率に対する、本明細書に記載されている6つの異なる雨検出デバイスによって決定された降雨率のプロットである。
各図面は必ずしも一定の縮尺によって描かれているわけではなく、図面中の各物体は必ずしも互いに対して一定の縮尺によって描かれているわけでもないことを理解されたい。各図面は、本明細書において開示されている装置、システム、および方法についての様々な実施形態を明確にし、理解しやすくすることを意図した描写である。図面において、同一または類似のパーツに対しては、可能な限り同一の参照番号を用いる。さらに、各図面は、本教示の範囲を決して限定することを意図していないことを理解されたい。
[詳細な説明]
本明細書では、気象データの測定に関連する技術が提供される。本明細書では、特に、大気水象(例えば、降雨)を感知し、大気水象特性(例えば、体積、率、サイズ分布など)を測定するための装置、方法、およびシステムが提供されるが、それらに限定されない。
様々な実施形態についてのこの詳細な説明において、説明のために、開示された実施形態の完全な理解を可能にするために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細の有無によらず、これらの様々な実施形態が実施され得ることを理解するであろう。他の例では、構造およびデバイスがブロック図の形式によって示されている。さらに、当業者であれば、方法が提示され、実行される特定の順序が例示的なものであり、順序を変更することができ、それでもなお、本明細書で開示される様々な実施形態の趣旨および範囲内にあることが企図されていることを容易に理解することができる。
本出願において引用されている全ての文献および類似の資料(materials)(特許、特許出願、論説、本、論文、およびインターネットウェブページを含むが、これらに限定されない)、は任意の目的のために、それらの全体が参照により明示的に組み込まれる。別段の定義がない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本明細書において説明される様々な実施形態が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。組み込まれた参照文献における用語の定義が、本教示において提供されている定義と異なると思われる場合、本教示において提供されている定義が支配するものとする。本明細書で使用されるセクション見出し(項目見出し)は、整理目的のためだけのものであり、説明される主題をいかなる形でも限定するものとして解釈されるべきではない。
(定義)
本技術の理解を容易にするために、複数の用語(ターム)および語句(フレーズ)を以下に定義する。詳細な説明の全体に亘って、追加の定義が示されている。
本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、以下の各用語は、文脈がその限りではないことを明示していない限り、本明細書中において明示的に関連付けられている意味を帯びる。本明細書において使用されている「一実施形態において(in one embodiment)」という語句は、必ずしも同一の実施形態を指すわけではないが、同一の実施形態を指す場合もある。さらに、本明細書において使用されている「別の実施形態において(in another embodiment)」という語句は、必ずしも異なる実施形態を指すわけではないが、異なる実施形態を指す場合もある。したがって、以下にて説明する通り、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な実施形態を容易に組み合わせることができる。
さらに、本明細書において使用される場合、「または(or)」という用語は、文脈がその限りでないと明示していない限り、非排他的な(包括的な)「or」演算子(オペレータ)であり、「および/または(and/or)」という用語と同等である。「に基づく(based on)」という用語は、排他的ではなく、文脈がその限りではないことを明示していない限り、記載されていない追加の要因に基づいていることが容認される。さらに、「a(ある)」、「an(ある)」、および「the(その,前記,上記)」の意味は、明細書全体を通じて、複数形の意味を含む。「in」の意味は、「in」および「on」を含む。
本明細書において使用される場合、「雨量(rain volume)」という用語は、雨の量(volume of rain)を指す。一部の実施形態では、雨量は、体積の絶対測定値(例えば、体積の単位で表される)である。一部の実施形態では、雨量は、別の測定値(例えば、単位時間当たりの体積、単位表面積当たりの体積)の関数として表される。表面積あたりの体積の単位によって表される雨量は、一部の実施形態では、例えば、従来の雨量計によって提供される場合と同様に、雨の蓄積の一次元測定値に単純化される。一部の実施形態では、この測定値は、平底容器上の降雨柱の垂直高さである。
本明細書において使用される場合、「降雨率(rain rate)」または「降雨強度(rain intensity)」という用語は、時間の関数として表面に衝突する雨の量を指す。一部の実施形態では、降雨率は、離散時間における降雨率の瞬間的な測定値である。一部の実施形態では、降雨率は、指定された時間間隔に亘る総雨量の合計された(例えば、積分された)測定値である。一部の実施形態では、降雨量は、指定された時間間隔に亘る雨の蓄積の平均化された尺度(averaged measure)である。
本明細書において使用される場合、「雨サイズ分布(rain size distribution)」(または「液滴サイズ分布(drop size distribution)」または同様の用語)という用語は、指定された期間中に表面に衝突する雨滴についての雨滴サイズの分布を指す。一部の実施形態では、液滴サイズ分布の測定は、(i)液滴をカウントすること、および、(ii)体積、サイズ(例えば、直径)、および/または質量に基づいて、当該液滴をカテゴリまたはビンに配置すること、を含む。本明細書において使用される場合、「ディスドロメトリ(disdrometry)」または「ディスドロメトリック(disdrometric)」という用語は、大気水象(例えば、雨滴)のサイズ分布を指す。
本明細書において使用される場合、「溶接物(weldment)」という用語は、例えば、より小さいコンポーネントを溶接することによって接合された、当該より小さいコンポーネントのアセンブリから構築されたコンポーネントを指す。
本明細書中において使用される場合、「約(about)」、「ほぼ(approximately)」、「実質的に(substantially)」、および「有意に(significantly)」という用語は、当業者によって理解され、かつ、それらの用語が使用される文脈において、ある程度変化しうる。それらの用語が使用される文脈において当業者に明らかでない、当該用語の使用がある場合、「約」および「ほぼ」は、特定の用語のプラスまたはマイナス10%以下を意味し、「実質的に」および「有意に」は、特定の用語のプラスまたはマイナス10%以上を意味する。
本明細書において使用される場合、接尾辞「-free(~なし)」は、「-free」が付されている単語の大元の(base root)特徴を省略した技術の一実施形態を指す。すなわち、本明細書において使用される場合、「X-free」とは、「Xなし(without X)」を意味する。この場合、Xは、当該「X-free」技術において省略された技術的特徴である。例えば、「Calcium-free」組成物は、カルシウムを含まず、「mixing-free」方法は、混合ステップ等を含まない。
本明細書において使用される場合、「増加(increase)」または「減少(decrease)」は、予め測定された変数の値、予め確立された値、および/または標準管理値(value of standard control)の値に対する、変数の値の検出可能な(例えば、測定された)正または負の変化を指す。増加は、予め測定された変数の値、予め確立された値、および/または、標準管理値に対する、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは50%、さらにより好ましくは2倍、さらにより好ましくは少なくとも5倍、最も好ましくは少なくとも10倍の正の変化である。同様に、減少は、予め測定された変数の値、予め確立された値、および/または標準対照の値に対する、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは50%、さらにより好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の負の変化である。「より多い(more)」または「より少ない(less)」などの、定量的な変更または差異を示す他の用語は、本明細書において、上記と同じ様式によって使用される。
本明細書において使用される場合、「降雨イベント(rain event)」は、降水、好ましくは測定可能な降水をもたらす気象条件である。例えば、一部の実施形態では、「降雨イベント」という用語は、本明細書において説明されているデバイスの実施形態に対する大気水象衝突(例えば、降雨)を指す。但し、「降雨イベント」という用語は、大気水象(例えば、降雨)衝突に限定されず、したがって、他の気象関連の影響力(force)および現象を含む。
本明細書において使用される場合、「気象データ(weather data)」という用語は、例えば、降雨、降水、温度、風速、曇り、圧、降雪、氷雨(sleet)、みぞれ(hail)、および凍結(ice)などの、任意の測定可能または定量可能な気象条件または気象現象(weather or meteorological condition or phenomena)を指す。
本明細書において使用される場合、「降水レベル(precipitation levels)」という用語は、任意の源(例えば、好ましくは、雨、氷雨、雪、および、ひょうなどの大気気象)に由来する任意の量の水を指す。降水量は、一般的には降雨量に関連している。本明細書に記載されている通り、一部の実施形態では、降水量は、アルゴリズム、補間法、および当業者に知られている他の計算手法(calculations)を使用して計算される。
本明細書において使用される場合、「リアルタイム(real-time)」という用語は、イベントの報告またはイベントの記録(例えば、「取得(acquiring)」)が、イベントと同時(あるいは、実質的にまたは事実上同時)であるか、または別のイベントおよび/または発生と同時に(あるいは実質的にまたは事実上同時に)発生する時間を指す。
本明細書において使用される場合、「音響パワー(acoustic power)」または「P-Acoustic」または「Pa」という用語は、トランスデューサ(例えば、マイクロフォン)によって記録された復調音響信号の(カウント単位での)瞬間値を指す。
本明細書において使用される場合、「P値(P-value)」という用語は、単一の大気水象(例えば、単一の雨滴)によって生成される音響信号に由来するピーク音響パワー(カウント単位)を指す。単一の大気水象について記録された音響パワーは、典型的には、指数関数的減衰に先立つ、ピーク値(P値)に達するまでの鋭いスパイクを含むシグネチャ形状を有する。
本明細書において使用される場合、「音響エネルギー(acoustic energy)」または「Ea」という用語は、所定の期間に亘って生じる積分音響パワー(積分された音響パワー)を指す。
(説明)
本明細書において提供される技術は、気象データの測定に関する。当該技術は、特に、大気水象(例えば、降雨)を感知し、個々の大気水象特性および大規模な大気水象特性(例えば、体積、率、サイズ分布など)を測定するための装置、方法、およびシステムに関するが、それらに限定されない。本明細書における開示は、特定の例示された実施形態を指すが、これらの実施形態は、例示のために提示されており、限定のために提示されているわけではないことを理解されたい。
(雨感知装置)
一部の実施形態では、本技術は、ゾンデ、ストーク、およびマイクロフォンを備えた雨感知装置に関する。一部の実施形態では、本技術は、図1に示されるレインセンサに関する。当該レインセンサは、例えば、ゾンデ110、ストーク120、およびマイクロフォン130を備える。
一部の実施形態では、前記ゾンデは球である。一部の実施形態では、前記ゾンデは中空である。しかしながら、本技術は、球体であるゾンデに限定されず、任意の形状のゾンデを含む実施形態を含む。例えば、本技術は、前記ゾンデが本質的に、実質的に、または機能的に球体である実施形態を含む。一部かの実施形態では、前記ゾンデは、エリプソイド、スフェロイド、トロイド、ディスク、プリズム、円錐部、球体またはスフェロイドの一部、または前述のいずれかの一部(例えば、半球体など)である。
一部の実施態様では、前記ゾンデは、鋼(例えば、ステンレス鋼)によって作成されている。一部の実施形態では、前記ゾンデは、別の金属(例えば、アルミニウム、銅、青銅、錫、金属合金など)によって作成されている。一部の実施形態では、音響的特性、音波的(例えば、ベル状)特性を前記ゾンデに与えるように、材料が選択される。例えば、一部の実施形態では、大気水象(例えば、降雨)によって衝突されたときに、特定の周波数および/または周波数範囲の音を発生させるように材料が選択される。
特定の実施形態(例えば、球状ゾンデを含む実施形態)では、前記ゾンデは、中心と、当該中心を通る軸とを有する。球形の幾何学的形状について当技術分野で知られている用語は、球状ゾンデを含む実施形態に適用される。例えば、測地線(geodesic)は、球体の表面上の2つの点を接続する。球体の大円(great circle)(またはオルソドローム(orthodrome))は、球体と、当該球体の中心点を通る平面との交面である。大円は、任意の所与の球上に描かれうる最大の円である。任意の大円の任意の直径は球の直径と一致する。したがって、すべての大円は、互いに同じ中心および円周を有する。
特定の実施形態では、前記球状ゾンデは、垂直軸(例えば、重力ベクトルと同方向の軸(例えば、球の中心を通過し、必ず地球の中心を通過する軸))を有する。赤道(equator)は、垂直軸に垂直な特定の大円である。本明細書において使用される場合、球体に関して定義される「Z次元(Z寸法)(Z dimension)」または「Z軸(Z axis)」は、球状ゾンデの垂直軸によって定義される(例えば、球状ゾンデの垂直軸と一致している、および/または、当該垂直軸と平行である)。図1は、ゾンデ110と、ストーク120と、マイクロフォン130とを備えた雨感知装置100の実施形態を示す。中心190を通る垂直軸150、および赤道140も、参考のために示されている。
一部の実施形態では、前記ゾンデは中空である。したがって、一部の実施形態では、前記ゾンデは、ある厚さを有し、かつ、内部容積160を画定する「シェル(shell)」を備える。さらに、前記シェルは、内部容積160を外部環境から分離する。一部の実施形態では、前記シェルは、約0.5mm~5mmの厚さを有する(例えば、約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5.0mm)。一部の実施形態では、前記シェルは、約100~500mmの直径を有する(例えば、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、または500mm)。本技術は、これらの直径および厚さの範囲によって限定されず、本明細書において説明されている原理にしたがって動作する他の直径および厚さを想定している。
例えば、実施形態は、前記ゾンデが大気水象(例えば、降雨)によって衝突されたときに、6kHzから約10kHzまでの範囲における特性周波数(characteristic frequency)を有する音を発生させる(前記特性周波数は、例えば、約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0kHz)。一部の実施形態では、前記特性周波数は、前記ゾンデの材料、直径(例えば体積)、およびシェルの厚さの関数である。一部の実施形態では、前記特性周波数は、環境変数(環境的な変数)の関数である。前記環境変数は、例えば、温度、大気圧、湿度、大気の組成、衝突している大気水象の組成、衝突している大気水象の相(例えば液体の降雨または固体のひょう、または氷雨など)である。
雨感知装置は、トランスデューサをさらに備える。当該トランスデューサは、音を電気信号(例えば、音響信号のセンサ)に変換する。一部の実施形態では、前記雨感知装置は、マイクロフォンを備える。本技術は、使用されるマイクロフォンのタイプにおいて限定されない。例えば、一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、エレクトレットマイクロフォンである。一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、コンデンサマイクロフォンである。一部の実施形態では、本技術は、ファントム電源を必要としないエレクトレットマイクロフォンの使用を含む。したがって、一部の実施形態では、本技術は、コンデンサマイクロフォン(例えば、ファントム電源を必要とするマイクロフォン)を備えず、したがって、一部の実施形態では「コンデンサマイクロフォン無」の雨感知装置である。
一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、圧電マイクロフォンである。圧電マイクロフォンの実施形態では、圧電素子は、(例えば、衝突される表面への付着によって)表面の衝突を直接的には検出しない。その代わりに、当該圧電素子は、接触した表面(例えば、ゾンデシェル)から内部容積内の前記マイクロフォンへと非固相(例えば、気体(例えば、空気))を介して伝播された音響信号を検出する。
一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、リボンマイクロフォン、カーボンマイクロフォン、光ファイバマイクロフォン(例えば、本明細書に参考文献として組み込まれたParitsky and Kots (1997)“Fiber optic microphone as a realization of fiber optic positioning sensors”Proceedings of the International Society for Optical Engineering(SPIE). 10th Meeting on Optical Engineering in Israel. 3110: 408-09を参照)、レーザーマイクロフォン、または微小電気機械システム(microelectrical-mechanical systems,MEMS)マイクロフォンである。
前記マイクロフォンは、前記ゾンデの外表面(例えば、前記ゾンデシェルの外表面)に大気水象が衝突することによって生じた音響信号を検出する。音響信号の変換、処理、および解析により、ゾンデに衝突する雨滴を特徴付ける情報が得られる。一部の実施形態では、マイクロフォンからゾンデ表面上の異なる点までの距離が相違するように、当該マイクロフォンは球体の中心に配置されない。これにより、信号は、ゾンデへの落下衝突の位置に関する情報を含む。
したがって、一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの垂直軸上において、前記球中心から約20~80mmの位置に配置されている。一部の実施形態では、マイクロフォンは、ゾンデの垂直軸上において、球中心から上方に約25~75mmの位置に配置されている。一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、ゾンデの垂直軸上において、前記球中心から上方に約30~70mmの位置に配置されている。
一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの垂直軸上において、前記球中心から上方に、約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、または70mmの位置に配置されている。
一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの垂直軸上に配置されない。例えば、一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記球体中心から任意の方向に、約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67,68、または70mmだけ離れて配置されている。一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記球体中心に配置されている。
一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデのサイズ(例えば、直径(D)および/または半径(R))に対して測定される、前記ゾンデ内のある位置に配置される。したがって、一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの垂直軸上において、ある位置に配置され、前記ゾンデ中心から上方に約0.05×D~0.95×Dの距離をとるように配置されている(例えば、前記マイクロフォンは、前記ゾンデ中心から上方に、約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95×Dの距離をとる)。一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの垂直軸上に位置において、前記ゾンデ中心から上方に、約0.2×D~0.8×Dの距離をとるように配置されている(例えば、前記マイクロフォンは、前記ゾンデ中心から上方に、約0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8×Dの距離をとる)。一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの垂直軸上において、前記ゾンデ中心から上方に約0.3×D~0.7×Dの距離をとるように配置されている。(例えば、前記マイクロフォンは、前記ゾンデ中心から上方に、約0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7×Dの距離をとる)。一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデの垂直軸上に配置されない。例えば、一部の実施形態では、前記マイクロフォンは、前記ゾンデ中心から約0.05×D~0.95×Dだけ離れて配置されている(例えば、前記マイクロフォンは、前記ゾンデ中心から任意の方向に、約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95×Dだけ離れている)。
(雨感知技術を統合した気象感知デバイス)
一部の実施形態では、雨感知技術(例えば、その装置またはコンポーネント)は、各々の全体が本明細書中に参照文献として組み込まれている米国特許番号9,846,092および9,958,346に記載されている通り、気象感知装置内に統合されている。実施例1を参照のこと。例えば、一部の実施形態では、前記雨感知技術は、気象感知デバイス内に組み込まれる。前記気象感知デバイスは、例えば、風速および/または風向、大気水象の大きさ、体積、質量などの気象データ、大気データ、環境データなど、および/または、大気水象の衝突速度、力、方向、速度、数、運動エネルギーなどを感知、測定、および/または収集するためのデバイスである。本技術に係る気象感知デバイスの例示的な実施形態は、1つ以上の応力感知デバイスおよび/または応力コンポーネントまたは歪コンポーネントによって接地フィクスチャ(接地されたフィクスチャ)(grounded fixture)に取り付けられたドラッグ発生コンポーネント(任意にシャフトを含む)を含む。前記ドラッグ発生コンポーネント(任意にシャフトを含む)に生じた応力は、前記ドラッグ発生コンポーネント(任意にシャフトを含む)に取り付けられた2つ以上の歪感知デバイスまたは応力感知デバイス(例えば、ロードセル、および/または、ロードセルを含むコンポーネント)によって感知される。なお、本技術は、前記ドラッグ発生コンポーネントの形状において限定されない。一部の実施形態では、前記ドラッグ発生コンポーネントは、球である。一部の実施態様では、前記ドラッグ発生コンポーネントは、スフェロイド、エリプソイド、円筒形または多面体である。一部の実施形態では、前記気象感知デバイスの前記ドラッグ発生コンポーネント(例えば、風速および/または風向きを検出するため、および/または、大気水象の速度および/または方向を検出するためのドラッグ発生コンポーネント)もまた、前記雨検出技術の前記ゾンデである。例えば、前記気象感知デバイスの1つのコンポーネントは、前記ゾンデおよび前記ドラッグ発生コンポーネント(例えば、ゾンデ/ドラッグ発生コンポーネント)の両方である。
一部の実施形態では、前記ドラッグ発生コンポーネント(任意にシャフトを含む)は、1つ以上の応力感知デバイスによって、リジッド接地フィクスチャ(剛性を有する接地フィクスチャ)に取り付けられている。すなわち、一部の実施形態では、1つ以上の応力感知デバイスが前記ドラッグ発生コンポーネント(任意にシャフトを含む)に直接的に取り付けられており、1つ以上の前記応力感知デバイスが当該リジッド接地フィクスチャに直接的取り付けられている。一部の実施形態では、1つ以上の応力感知デバイスがシャフトに直接的に取り付けられており(ドラッグ発生コンポーネントに接続されており)、1つ以上の応力感知デバイスがリジッド接地フィクスチャに直接的に取り付けられる。一部の実施形態では、前記歪感知デバイスまたは応力感知デバイスは、例えば、歪ゲージ(ストレインゲージ)、半導体歪ゲージ、ピエゾ結晶、抵抗素子、容量性素子、誘導性素子、音響センサ、光センサ、ロードセルなどである。歪感知デバイスまたは応力感知デバイスのそれぞれによって検出される応力または歪は、デバイスの電子コンポーネントによって、例えば、電圧、電流、抵抗等の電気信号に変換される。一部の実施形態では、アナログ信号は、例えば、アナログ/デジタル(analog/digital,A/D)コンバータによって、デジタル信号へとさらに変換される。一部の実施形態では、マイクロプロセッサは、デジタル信号を受信し、かつ処理するように構成されている。一部の実施形態では、前記気象感知デバイスは、大気水象による衝突を記述するデータを補正する場合に用いられる音センサ(例えば、マイクロフォン)を備える。
前記歪感知デバイスは、当該デバイスによって検出される気象関連現象(例えば、ひょう、風)の大きさおよび/または方向ベクトルを決定するためのアルゴリズムまたはモデルに入力されるデータを生成する。特に、各歪感知デバイスまたは応力感知デバイスにおける相対的な歪は、当該デバイスによって検出される気象関連現象の大きさおよび/または前記方向ベクトルを計算するために使用される。一部の実施形態では、前記気象関連現象(例えば、大気水象衝突および/または風)の大きさおよび/または方向ベクトルを補正するために、サウンドデータが使用される。一部の実施形態では、前記ベクトルは、2次元座標系において決定される。一部の実施形態では、前記ベクトルは3次元座標系において決定される。一部の実施形態では、前記センサは、前記ベクトルが決定される座標系内に存在している。一部の実施形態では、前記センサは、2次元または3次元においてベクトルを決定するために使用される座標系を確立するために使用される。
一部の実施形態では、前記歪感知デバイスまたは応力感知デバイスのうちの1つ以上は、ロードセル、または、ロードセルを含むコンポーネント(例えば、ドラッグ発生コンポーネントを接地フィクスチャに接続するコンポーネント)である。一部の実施形態では、ロードセルは、歪感知デバイスまたは応力感知装置を含む。ロードセルは、市販品として広く使用されているコンポーネントであり、商業的に入手可能である(例えば、HBM、Inc.、Marlborough,MAから)。一部の実施形態では、ロードセルは、1つ以上の歪ゲージを含む。一部の実施形態では、ロードセルは、穴またはカットアウト(切欠き)を含む。一部の実施形態では、前記ドラッグ発生コンポーネント(任意にシャフトを含む)は、1つ以上のロードセルによって、リジッド接地フィクスチャに取り付けられている。例えば、一部の実施形態では、1つ以上の応力感知デバイスが前記ドラッグ発生コンポーネントおよび/またはシャフトに直接的に取り付けられており、1つ以上の応力感知デバイスがリジッド接地フィクスチャに直接的に取り付けられている。一部の実施形態では、ロードセルは、当該ロードセルに応力および/または歪を感知する能力を与えるデザインおよび/または構造を含む。
一部の実施形態では、ロードセルは、自身の長軸方向に沿った曲げモーメントのみに高感度であるように設計されている。一部の実施形態では、ロードセルは、例えば、当該ロードセルの長軸方向に垂直な、1つ以上の穴または切欠きを含む。しかしながら、本技術は、前記ロードセルの正確な構成に限定されないことを理解されたい。所望の歪特性を得るために、前記ロードセルを位置決めし、かつ、ビーム(梁)に穴を設ける方法は、異なる数多くのものが存在している。一部の実施形態では、長軸の周りのねじれ、および/または、長軸に沿って印加される力を測定するために、ロードセルが使用される。一部の実施形態では、ロードセルは、長軸方向の荷重に高感度であり、垂直に取り付けられる。一部の実施形態では、ロードセルは、ねじれ荷重に対して感度を有しており、例えば、シャフトにねじれを誘発する力を測定するために、シャフトの下方またはシャフトの周辺に取り付けられる。一部の実施形態では、ロードセルは、シャフトの中央に取り付けられる。一部の実施形態では、ロードセルは、例えば、シャフトを含まないデバイスの実施形態を提供するために、前記ドラッグ発生コンポーネントに直接的に取り付けられる。本技術は、任意の数の歪感知デバイス(例えば、ロードセル)を含んだデバイスに適用可能である。一部の実施形態では、解析(分析)は、例えば、前記歪感知デバイスによって検出される(experienced)力(例えば、力ベクトルによって表される力)を加えることによって、前記ドラッグ発生コンポーネントにおける力を計算することを含む。例示的な実施形態では、3つの力ベクトルが加えられて、前記ドラッグ発生コンポーネントに与えられる力(例えば、大きさおよび角度)が決定される。
一部の実施形態では、前記気象検知装置は、風速(例えば、速度および方向)を測定し、個々の大気水象(例えば、降ひょう)を検出する。一部の実施形態では、本明細書に記載されている前記雨感知装置は(例えば、米国特許番号9,846,092および9,958,346に記載されている)、統合(一体化)されているが、本技術は当該実施形態に限定されない。したがって、一部の実施形態では、前記雨感知デバイスは、本明細書に記載されているゾンデ、ストーク、およびマイクロフォンを含んでいるが、必ずしも、ドラッグ発生コンポーネント、ストークまたはチューブ、歪センサ(例えば、ロードセル)、および/または、米国特許番号9,846,092および9,958,346に記載されている気象感知装置の他のコンポーネントを含んでいない。
さらに、一部の実施形態では、本明細書に記載の技術は、候補大気水象(例えば、ひょう)の衝突を受け入れるか、または拒絶するために、本明細書に記載されているマイクロフォンを使用することを含む。例えば、一部の実施形態では、大気水象の衝突が検出された後(例えばドラッグ発生コンポーネントを剛性の基板に取り付けている1つ以上のロードセル中において)、マイクロフォンデータの先行する約2ms(1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5.0ms)は、マイクロフォンデータの後続する10ms(例えば、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、または15.0ms)とともに保存される。次に、一部の実施形態では、音速にしたがって、マイクロフォン信号のスパイクが大気水象のピークに位置合わせされる。一部の実施形態では、大気水象(例えば、降ひょう)の衝突のパワーを供給するために、マイクロフォン信号ピークが測定され、かつ特徴付けられる。信号ピークによって表される大気水象(例えば、降ひょう)の衝突のパワーが鋭く、かつ十分に高い場合、候補大気水象(例えば、降ひょう)の衝突は、検証された大気水象(例えば、降ひょう)の衝突として特定される。例えば、一部の実施形態では、1msの時間内に少なくとも10,000ビット(例えば、16ビットコンバータにおいて)を変化させるサンプルは、検証された大気水象であるために、鋭く、かつ十分に高いと考えられる。一部の実施形態では、0,1~10msの時間内(例えば、およそ0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9ms、または10.0ms)に、少なくとも1,000~100,000ビット(例えば、およそ1,000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、または100000ビット)を変化させるサンプルは、検証された大気水象であるために、鋭く、かつ十分な高さであると考えられる。一部の実施形態では、マイクロフォンデータおよび/または大気水象衝突データは、本明細書において説明されている追加の処理のために伝達される。
(制限された雨サンプリングエリア)
一部の実施形態では、本技術は制限された雨サンプリングエリア(limited rain sampling area)を含む雨感知装置を提供する(図14)。一部の実施形態では、前記雨サンプリングエリアを制限することにより、観察される水滴がより少なくなり、当該サンプリングエリアの外側にある液滴シグネチャが効果的に遮断される。一部の実施形態では、雨検出のエリアを制限することは、前記ゾンデにおける個々の雨滴を定量化する。したがって、例えば、一部の実施形態では、従来の大気水象の一部の機能を模倣および/または提供する、より多くの大気水象情報がもたらされる。
一部の実施形態では、制限された雨サンプリングエリアを含む雨感知装置は、穴を有するゾンデ(例えば、中空ゾンデ)と、当該穴に設置された円錐部と、を備える。一部の実施形態では、前記円錐部は、(i)前記ゾンデ表面に位置する「ドラムヘッド」(200)と、(ii)マイクロフォンの頂部の周囲に設置され、マイクロフォンに音波を伝える(tunneling)円錐本体と、を備える。一部の実施態様では、前記円錐部を設置することは、前記円錐部(例えば、円錐本体およびドラムヘッドを含む)にねじ止めすることを含む。一部の実施形態では、交換を容易にするために、前記円錐部は、マイクロフォンを含む。一部の実施形態では、ドラムヘッドは、前記ゾンデとは異なる材料によって作成される。一部の実施形態では、ドラムヘッドは、前記ゾンデと同じ材料によって作成される。一部の実施形態では、前記ドラムヘッドは、前記ゾンデとは異なる音響特性を提供する。前記コーン/ドラムヘッドと金属シェルとの間のシール(密閉体)は、耐候化および音響減衰特性のために重要であろう。
一部の実施形態では、本明細書において提供されている装置は、ピラノメータまたは他のソーラー放射輝度センサを備える。一部の実施形態では、ピラノメータまたは他のソーラー放射輝度センサは、マイクロフォンエリア(210)の近くに配置されている。そして、前記ドラムヘッドは、光学的に透明なプラスチックまたは他の拡散材料(220)である。前記拡散材料によれば、円錐部アセンブリをデュアルレインセンサ/ソーラー放射輝度センサにすることが可能である。一部の実施形態では、コスト節約のために、および、暴風雨の前進のデュアル予測器を提供するために、降雨測定およびソーラー放射輝度測定が組み合わせられる。一部の実施形態では、マイクロフォンエリア(210)は、ユニットに電力を供給するために、光電池を含む。
(雨検知方法)
本技術は、雨(例えば、個々の液滴、雨の蓄積、降雨率など)を検出する方法をさらに提供する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載されている装置を提供することを含む。一部の実施形態では、本技術は、本明細書に記載されている装置を使用して、雨(例えば、個々の雨滴、累積雨量、および/または降雨率)を検出する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載されている雨感知装置(例えば、ゾンデおよびトランスデューサ、ならびに一部の実施形態ではストークを備える)を、取得すること、作成すること、使用すること、および/または、提供することを含む。一部の実施形態では、方法は、完全な雨感知装置を提供するために、本明細書に記載されている雨感知装置の1つ以上のコンポーネント(例えば、ゾンデまたはトランスデューサ、あるいは一部の実施形態ではストークを含む、1つ以上の第1コンポーネント)を、本明細書に記載されている雨検出装置の追加のコンポーネント(例えば、ゾンデまたはストーク、あるいは一部の実施形態ではトランスデューサを含む1つ以上の第2コンポーネント)と組み合わせるために、取得すること、作成すること、使用すること、および/または、提供することを含む。
一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載されている機器の一実施形態の前記ゾンデの表面において、1つ以上の雨滴の衝突を検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、前記ゾンデの表面における雨滴の衝突角度を決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、前記ゾンデの表面における雨滴の衝突位置を決定することを含む。一部の実施形態では、前記ゾンデとの衝突の瞬間における雨滴の動き(motion)を記述するベクトルが決定される。
一部の実施形態では、方法は、雨滴衝突によって前記ゾンデに伝達される衝突エネルギーを決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、ゾンデへの雨滴の衝突によって生じた音響信号を記録および/または取得することを含む。一部の実施形態では、方法は、約6~約10kHzの範囲(例えば、約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0kHz)内における振動を有する音響信号を記録および/または取得することを含む。一部の実施形態では、方法は、前記ゾンデに固有の、1次周波数(primary frequency)(例えば、約6~約10kHz(例えば、約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6,7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0kHz))を包含する周波数領域における音響信号を記録および/または取得することを含む。
一部の実施形態において、方法は、時変信号(time-varying signal)を算出、生成、および/または記録することを含む。当該時変信号は、例えば、約25~100kHzの周波数(例えば25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100kHz)において、装置(例えば装置トランスデューサなど)のアナログ出力をサンプリングすることによって生成されるデジタル時変信号である。
一部の実施形態では、方法は、(例えば、トランスデューサからの)アナログ電圧を記録および/または取得することを含む。一部の実施形態では、方法は、デジタル時変信号を生成するために、25~50kHz(例えば、25.0、25.1、25.2、25.3、25.4、25.5、25.6、25.7、25.8、25.9、26.0、26.1、26.2、26.3、26.4、26.5、26.6、26.7、26.8、26.9、27.0、27.1、27.2、27.3、27.4、27.5、27.6、27.7、27.8、27.9、28.0、28.1、28.2、28.3、28.4、28.5、28.6、28.7、28.8、28.9、29.0、29.1、29.2、29.3、29.4、29.5、29.6、29.7、29.8、29.9、30.0、30.1、30.2、30.3、30.4、30.5、30.6、30.7、30.8、30.9、31.0、31.1、31.2、31.3、31.4、31.5、31.6、31.7、31.8、31.9、32.0、32.1、32.2、32.3、32.4、32.5、32.6、32.7、32.8、32.9、33.0、33.1、33.2、33.3、33.4、33.5、33.6、33.7、33.8、33.9、34.0、34.1、34.2、34.3、34.4、34.5、34.6、34.7、34.8、34.9、35.0、35.1、35.2、35.3、35.4、35.5、35.6、35.7、35.8、35.9、36.0、36.1、36.2、36.3、36.4、36.5、36.6、36.7、36.8、36.9、37.0、37.1、37.2、37.3、37.4、37.5、37.6、37.7、37.8、37.9、38.0、38.1、38.2、38.3、38.4、38.5、38.6、38.7、38.8、38.9、39.0、39.1、39.2、39.3、39.4、39.5、39.6、39.7、39.8、39.9、40.0、40.1、40.2、40.3、40.4、40.5、40.6、40.7、40.8、40.9、41.0、41.1、41.2、41.3、41.4、41.5、41.6、41.7、41.8、41.9、42.0、42.1、42.2、42.3、42.4、42.5、42.6、42.7、42.8、42.9、43.0、43.1、43.2、43.3、43.4、43.5、43.6、43.7、43.8、43.9、44.0、44.1、44.2、44.3、44.4、44.5、44.6、44.7、44.8、44.9、45.0、45.1、45.2、45.3、45.4、45.5、45.6、45.7、45.8、45.9、46.0、46.1、46.2、46.3、46.4、46.5、46.6、46.7、46.8、46.9、47.0、47.1、47.2、47.3、47.4、47.5、47.6、47.7、47.8、47.9、48.0、48.1、48.2、48.3、48.4、48.5、48.6、48.7、48.8、48.9、49.0、49.1、49.2、49.3、49.4、49.5、49.6、49.7、49.8、49.9、または50.0kHz)においてアナログ電圧をサンプリングすることを含む。
一部の実施形態では、デジタル時変信号を生成するために、アナログ電圧は、32kHzまたは44.1kHzにおいてサンプリングされる。一部の実施形態では、アナログ電圧は8、12、16、24、32、64、128、または256ビットの分解能でサンプリングされる。
一部の実施形態では、方法は、(例えば、トランスデューサからの)アナログ電圧を記録および/または取得することを含む。一部の実施形態では、方法は、デジタル時変信号を生成するために、25~100kHz(例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100kHz)においてアナログ電圧をサンプリングすることを含む。一部の実施形態では、デジタル時変信号を生成するために、アナログ電圧は、32kHz、44.1kHz、または96kHzにおいてサンプリングされる。一部の実施形態では、アナログ電圧は、8、12、16、24、32、64、128、または256ビットの分解能においてサンプリングされる。
一部の実施形態では、方法は、アナログ信号および/またはデジタル信号を使用して、ゾンデ表面における雨滴の衝突位置(θ)を検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、アナログ信号および/またはデジタル信号を使用して、ゾンデ表面上における雨滴の衝突角度(ψ2)を検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、アナログ信号および/またはデジタル信号を使用して、ゾンデ表面における雨滴の衝突時間を検出することを含む。
一部の実施形態では、方法は、ゾンデ表面に衝突する雨滴の、速度(velocity)、速さ(speed)、方向、加速度、運動量、サイズ、体積、質量、組成、または形状を検出および/または測定することを含む。一部の実施形態では、方法は、前記ゾンデ表面に衝突する雨滴の、速度、運動量、方向、および/または加速度を記述するベクトルを決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、ゾンデ表面に衝突する雨滴の、速度、速さ、方向、加速度、運動量、サイズ、体積、質量、組成、または形状を計算することを含む。一部の実施形態では、方法は、前記ゾンデ表面に衝突する雨滴の、速度、運動量、方向、および/または加速度を記述するベクトルを計算することを含む。一部の実施形態では、方法は、雨滴から前記ゾンデに伝達される衝突(例えば、運動)エネルギーの量を検出、決定、および/または計算することを含む。
一部の実施形態では、方法は、デジタル時変信号をデータストリームとしてリアルタイムにて提供することを含む。一部の実施形態では、方法は、デジタル時変信号(データストリーム)をリアルタイムにて解析することを含む。一部の実施形態では、前記データストリームは、雨に対応しており、かつ雨を特徴付ける統計的パラメータを計算するように構成された機器のコンポーネントによって解析される。一部の実施形態では、前記データストリームは、リモートコンポーネント(遠隔コンポーネント)に送信される。前記リモートコンポーネントは、雨に対応しており、かつ雨を特徴付ける統計的パラメータを計算するように構成されている。したがって、方法は、雨を記述する統計的パラメータ(例えば、降雨率、蓄積雨量など)をデータストリームから計算することを含む。
一部の実施形態では、方法は、例えば、時変デジタル信号によって提供されるデータストリームを、(例えば、リアルタイムにて)解析することを含む。一部の実施形態では、方法は、例えば、時変デジタル信号によって提供されるデータストリームから統計的パラメータを計算することを含む。当該統計的パラメータは、降雨、雨滴、雨量、および/または、雨量および/または雨滴の特性(例えば、ゾンデ表面における雨滴の衝突位置(θ)、ゾンデ表面における雨滴の衝突角度(ψ2)、降雨率、雨滴速度、雨滴速さ、雨滴方向、雨滴加速度、雨滴運動量、雨滴サイズ、雨滴体積、雨滴質量、雨滴組成、雨滴形状、雨滴速度ベクトル、雨滴運動量ベクトル、雨滴方向ベクトル、雨滴加速度ベクトル、および/または雨滴から前記ゾンデへ伝達される衝突量(例えば、運動量)エネルギー)に対応および/または相関する。一部の実施形態では、方法は、降雨および/または雨滴特性(例えば、前記ゾンデ表面における雨滴の衝突位置(θ)、前記ゾンデ表面における雨滴の衝突角度(ψ2)、降雨率、雨滴速度、雨滴方向、雨滴加速度、雨滴運動量、雨滴サイズ、雨滴体積、雨滴質量、雨滴組成、雨滴形状、雨滴速度ベクトル、雨滴運動量ベクトル、雨滴方向ベクトル、雨滴加速度ベクトル、および/または雨滴から前記ゾンデへ伝達される衝突量(例えば、運動量)エネルギー)の、平均、メジアン(中央値)、範囲、最大値、最小値、モード(最頻値)、分布、標準偏差または他の統計的処理量(statistical treatment)を計算することを含む。
一部の実施形態では、方法は、雨の音響シグネチャ、例えば、前記ゾンデへの単一の雨滴衝突または複数の雨滴衝突の特性シグネチャ(characteristic signature)を検出、測定、および/または計算することを含む。一部の実施形態では、方法は、ゾンデに対する雨滴の衝突によって生じたパルス列を記録することを含む。一部の実施形態では、方法は、例えば、単一の雨滴または複数の雨滴によって生じた振動を検出、測定、および/または計算することを含む。当該振動は、前記ゾンデの固有周波数(例えば、約6~10kHz(例えば、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10kHz)の周波数)に対応する。一部の実施形態では、方法は、単一の雨滴または複数の雨滴によって生じた振動を解析して、1次リング周波数(primary ring frequency)の振幅変調(AM)を検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、単一の雨滴または複数の雨滴によって生じた振動を解析して、当該雨滴または複数の雨滴の特性AMシグネチャを識別することを含む。一部の実施形態では、当該雨滴または複数の雨滴の特性AMシグネチャは、個々の衝突する液滴のパラメータ、(例えば、ゾンデ表面における降雨の衝突位置(θ)、ゾンデ表面における降雨の衝突角度(ψ2)、降雨速度、降雨速さ、降雨方向、降雨加速度、降雨運動量、降雨サイズ、降雨体積、降雨質量、降雨組成、降雨形状、降雨速度ベクトル、降雨運動量ベクトル、降雨方向ベクトル、降雨加速度ベクトル、および/または降雨からゾンデへ伝達される衝突量(例えば、運動量)エネルギー)と相関する成分を含む。
一部の実施形態では、方法は、例えば、前記ゾンデ表面における液滴サイズおよび/または液滴衝突の位置を記述する信号またはデータを提供するために、振幅変調信号を復調することを含む。一部の実施形態では、方法は、例えば、前記ゾンデ表面における液滴衝突についての平均液滴サイズおよび/または平均位置を記述する信号またはデータを提供するために、振幅変調信号を復調することを含む。一部の実施形態では、方法は、音響信号(例えば、振幅変調された音響信号)を変換して、復調信号を提供することを含む。一部の実施形態では、音響信号を変換することは、(i)(例えば、実行中の方法を使用して)離散点に連続的に復調を適用すること、(ii)信号強度の絶対値におけるピークを識別すること、および/または、(iii)既知の複数のピーク間の中間点を、(例えば、式1にしたがって)補間すること、を含む。
一部の実施形態では、方法は、ピーク音響パワー(P値)および/または音響エネルギー(Ea)を計算することを含む。一部の実施形態では、復調信号は、1次リング振動(1次リングオシレーション)の瞬時的な振幅に対応する正の値を含む。一部の実施形態では、方法は、復調信号のピークを識別することを含む。一部の実施形態では、方法は、ピーク音響パワー(P値)を復調信号のピーク値に割り当てることを含む。一部の実施態様では、方法は、単一の液滴衝突の音響パワーシグネチャを数値的に合計することを含む。一部の実施形態では、単一の液滴衝突の音響パワーシグネチャを数値的に合計することにより、漸近値に近づく曲線が生成される。一部の実施態様では、方法は、単一の液滴衝突についての数値的に合計された音響パワーシグネチャの漸近値を識別することを含む。一部の実施形態では、方法は、液滴衝突に関連する総音響エネルギー(Ea)を、単一の液滴衝突の数値的に合計された音響パワーシグネチャの漸近値に割り当てることを含む。
一部の実施形態では、方法は、前記ゾンデ表面における雨滴の衝突位置(θ)、前記ゾンデ表面における雨滴の衝突角度(ψ2)、雨滴速度、雨滴速さ、雨滴方向、雨滴加速度、雨滴運動量、雨滴サイズ、雨滴体積、雨滴質量、雨滴組成、雨滴形状、雨滴速度ベクトル、雨滴運動量ベクトル、雨滴方向ベクトル、雨滴加速度ベクトル、および/または、雨滴から前記ゾンデに移動する衝突量(例えば、運動量)エネルギーを、雨滴衝突に関連する全音響エネルギー(Ea)を用いて計算することを含む。
一部の実施形態では、方法は、音響エネルギー(Ea)の値を提供するために、単一の液滴の音響パワーを数値的に合計することを含む。一部の実施形態では、方法は、単一の雨滴衝突のピーク音響パワー(P値)を、検出、測定、および/または計算することを含む。一部の実施形態では、方法は、単一の雨滴衝突の音響エネルギー(Ea)を、検出、測定、および/または計算することを含む。
一部の実施形態では、方法は、本明細書において提供される装置の前記ゾンデに対する雨滴衝突に由来する音響信号を解析することを含む。一部の実施形態では、方法は、(例えば、マイクロフォンによって得られる)前記ゾンデへの雨滴衝突に由来する音響信号を得ることと、前記音響信号をデジタル化することと、デジタル化音響信号(デジタル化された前記音響信号)を処理することとを含む。一部の実施形態では、デジタル化音響信号を処理することは、振幅変調信号(振幅変調された信号)を復調することを含む。一部の実施形態では、前記振幅変調信号を復調することは、例えば、(例えば、実行中の方法を使用して離散点に対して)復調を連続的に適用することによって、リアルタイムデジタル信号を復調することを含む。一部の実施形態では、振幅変調信号を復調することは、信号強度の絶対値におけるピークを識別することを含む。一部の実施形態では、振幅変調信号を復調することは、既知の複数のピーク間を補間することを含む。一部の実施形態では、デジタル化音響信号を処理することは、エンベロープ(例えば、「エアプレーン」フィルタ)をデジタル音響信号に適用することを含む。一部の実施形態では、エンベロープまたはフィルタをデジタル音響信号に適用することは、個々の雨滴衝突のP値および音響エネルギー(Ea)を保存することを含む。
一部の実施形態では、方法は、式2を用いてエアプレーンフィルタを適用することを含む。fcは、鋭い上昇によって初期ピーク(P値)を保存することが可能となるように調整される。グライド関数(glide function)fgは、約1~約10ミリ秒のオーダ(例えば、約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0ミリ秒)の時定数を有する指数形(exponential form)である。
一部の実施形態では、エンベロープまたはフィルタ(例えば、グライド関数fgによって提供されるショートグライドを有するエアプレーンフィルタ)をデジタル音響信号に適用することによって、振動における微細な(例えば、約1~3Hz)構造を保存できる。したがって、一部の実施形態では、方法は、振動中の微細な(例えば、約1~3Hz)構造を保存することを含む。
一部の実施形態では、エンベロープまたはフィルタ(例えば、グライド関数fgによって提供されるロンググライドを有するエアプレーンフィルタ)をデジタル音響信号に適用することは、振動における微細な(例えば、約1~3Hz)構造を除去することを含む。したがって、一部の実施形態では、方法は、P値およびEaパラメータを依然として保存しつつ、音響デジタル信号を約3.2Hz(例えば、約2.5~4.0Hz(例えば、約2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、または4.0Hz))にダウンサンプリングするためにロンググライド関数を使用することを含む。したがって、一部の実施形態では、方法は、デジタル音響信号を約3.2Hz(例えば、約2.5~4.0Hz(例えば、約2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、または4.0Hz)にダウンサンプリングし、P値およびEaパラメータを保存することを含む。
一部の実施形態では、方法は、リアルタイムデジタル信号をフィルタリングすることを含む。一部の実施形態では、方法は、復調リアルタイムデジタル信号(復調されたリアルタイムデジタル信号)をフィルタリングすることを含む。一部の実施形態では、リアルタイムデジタル信号(例えば、復調リアルタイムデジタル信号)をフィルタリングすることは、復調リアルタイムデジタル信号から新しい系列(シリーズ)を生成するために、リアルタイムデジタル信号に対して実行中の計算を適用することを含む。一部の実施形態では、リアルタイムデジタル信号(例えば、復調リアルタイムデジタル信号)をフィルタリングすることは、個々の雨滴衝突のP値を保存することを含む。一部の実施形態では、リアルタイムデジタル信号(例えば、復調リアルタイムデジタル信号)をフィルタリングすることは、個々の雨滴衝突の音響エネルギー(Ea)を保存することを含む。一部の実施形態では、リアルタイムデジタル信号(例えば、復調リアルタイムデジタル信号)をフィルタリングすることは、振動における微細な(例えば、約1~3Hz(例えば、約1、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、または3.0Hz)構造を保持することを含む。一部の実施形態では、方法は、微細な(例えば、約1~3Hz(例えば、約1、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、または3.0Hz))構造から、衝突位置および/または水溜り(特定の雨滴が衝突する前に、すでに溜まっていた水:water puddling)に関する情報を計算することを含む。一部の実施形態では、リアルタイムデジタル信号(例えば、復調リアルタイムデジタル信号)をフィルタリングすることは、振動における微細な(例えば、約1~3Hz(例えば、約1、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、または3.0Hz)構造を除去することを含む。
一部の実施形態では、リアルタイムデジタル信号(例えば、復調されたリアルタイムデジタル信号)をフィルタリングすることは、リアルタイムデジタル信号(例えば、復調リアルタイムデジタル信号)をダウンサンプリングして、ダウンサンプリングされたリアルタイムデジタル信号を生成することを含む。一部の実施形態では、リアルタイムデジタル信号(例えば、復調リアルタイムデジタル信号)をフィルタリングすることは、リアルタイムデジタル信号(例えば、復調リアルタイムデジタル信号)をダウンサンプリングして、約2.5~4.0Hz(例えば、約2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、または4.0Hz)の周波数の、ダウンサンプリングされたリアルタイムデジタル信号を生成することを含む。一部の実施形態では、リアルタイムデジタル信号(例えば、復調リアルタイムデジタル信号)をダウンサンプリングすることは、P値および/またはEa値を保存することを含む。したがって、一部の実施形態では、ダウンサンプリングされたリアルタイムデジタル信号は、約2.5~4.0Hz(例えば、約2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、または4.0Hz)の周波数を有する。一部の実施形態では、ダウンサンプリングされたリアルタイムデジタル信号は、P値を保存する。一部の実施形態では、ダウンサンプリングされたリアルタイムデジタル信号は、Eaを保存する。
一部の実施形態では、方法は、P値から液滴サイズを決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、Eaから液滴サイズを決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、ゾンデにおける液滴衝突位置をP値から決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、ゾンデにおける液滴衝突位置をEaから決定することを含む。
一部の実施形態では、方法は、降雨率を決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、降雨率を検出し、測定し、および/または計算することを含む。一部の実施形態では、方法は、信号処理および/または統計解析を使用して、音響信号から降雨率を決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、信号処理および/または統計解析を使用して、時変信号、デジタル時変信号、変換された音響信号、復調された音響信号、フィルタリングされたリアルタイムデジタル信号、および/またはダウンサンプリングされた前記リアルタイムデジタル信号から降雨率を決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、音響信号、時変信号、デジタル時変信号、変換された音響信号、復調された音響信号、フィルタリングされたリアルタイムデジタル信号、ダウンサンプリングされたリアルタイムデジタル信号についての統計的処理量を使用して、降雨率を決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、降雨のディスドロメトリック特性に関連する(例えば、音響信号の)信号特性を識別することを含む。一部の実施形態では、方法は、降雨率に相関する(例えば、音響信号の)信号特性を識別することを含む。一部の実施形態では、方法は、経時的に降雨率を推定することを含む。一部の実施形態では、方法は、推定降雨率を用いて降雨累積量を計算することを含む。
一部の実施形態では、方法は、液滴サイズおよび/またはゾンデにおける衝突位置(θ)に対する音響信号の依存性を、測定すること、決定すること、および/または、計算することを含む。一部の実施形態では、降雨率を測定すること、決定すること、および/または、計算することは、液滴サイズおよび/またはゾンデにおける衝突位置(θ)についての音響信号の依存性を、測定、決定、および/または、計算することを含む。一部の実施形態では、降雨率を測定すること、決定すること、および/または、計算することは、P値を、測定すること、決定すること、および/または、計算することを含む。一部の実施形態では、降雨率を測定すること、決定すること、および/または、計算することは、Ea値を、測定すること、決定すること、および/または、計算することを含む。
一部の実施形態では、降雨率を決定することは、本明細書に記載されている装置(例えば、ゾンデおよびマイクロフォンを備える)を提供することを含む。一部の実施形態では、降雨率を決定する方法は、前記ゾンデの外部に衝突する雨滴のオーディオ信号を記録および/または取得することをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、音響信号中の特性パルスを記録および/または取得することを含み、各パルスは単一の液滴に対応する。一部の実施形態では、降雨率を決定する方法は、例えば、各パルスのエンベロープを抽出するために、リアルタイムオーディオ信号をダウンサンプリングすることを含む。一部の実施形態では、方法は、パルスパラメータと液滴サイズとの間の関係、および/または、パルスパラメータと液滴位置との間の関係を使用して、液滴サイズおよび/または液滴位置を決定することを含む。
一部の実施形態では、方法は、複数の液滴衝突(液滴打撃)(droplet strike)についてのアグリゲート信号(および/またはアグリゲート信号のパラメータ)と降雨率との間の統計的相関を用いて、降雨率を決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、個々の液滴をカウントすることなく、降雨率を決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、液滴シグネチャを統計的に平均化する相関を使用して、降雨率を決定することを含む。
一部の実施形態では、降雨率を決定する方法は、リアルタイム音響信号またはフィルタリングされた音響パワー信号に関連する、統計的に平均化された量を決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、時変音響パワー信号に対して統計的処理を適用して、降雨率の尺度(measure)を得ることを含む。一部の実施形態では、方法は、時変音響パワー信号の分布(例えば、ピーク高さ、様々な周波数帯における周波数、平均振幅、分布の尾部の形状および長さ、分布の形状など)から、統計的パラメータを決定することを含む。
例えば、一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載されている、オーディオ信号(例えば、アナログ信号、デジタル(例えば、離散化された)音響信号、および/またはリアルタイムデジタル(例えば、離散化された)信号)をフィルタリングして、対象とする周波数範囲(frequency range of interest)(例えば約6kHz~約10kHz(例えば、約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0kHz))、および/または、約25~100kHz(例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100kHz))の外側の情報を除去および/または最小化することを含む。一部の実施形態では、フィルタは、デジタルフィルタである。一部の実施形態では、オーディオ信号をフィルタリングすることは、周波数データ(例えば、本明細書に記載されている、オーディオ信号(アナログ信号、デジタル(例えば、離散化された)音響信号および/またはリアルタイムデジタル(例えば、離散化された)信号によって提供されるデジタル信号、および/または本明細書に記載されているリアルタイムデジタル(例えば、離散化)信号(例えば、本明細書に記載されているアナログ-デジタル変換器サンプリングアナログマイクロフォンデータからのデジタル信号)に、デジタルフィルタ(例えば、有限インパルス応答ノッチフィルタ)を適用し、対象とする(例えば、約6kHz~約10kHz(例えば、約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0kHz)、および/または、約25~100kHz(例えば25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100kHz))の外側の情報を除去および/または最小化することを含む。例えば、Oppenheim et al(1983)Signals and Systems(Englewood Cliffs, New Jersey;Prentice-Hall, Inc.)を参照されたい。
次いで、一部の実施形態では、上述のフィルタリングされた信号(例えば、フィルタリングされたデジタル信号)の音響パワーは、定義された期間(window)(例えば、約1~60秒(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、52、54、55、56、57、58、59、または60秒))に亘る時間領域において合計される。一部の実施形態では、フィルタリングされた信号(例えば、フィルタリングされたデジタル信号)の音響パワーは、約10秒(例えば、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6。7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、または15.0秒)の定義された期間に亘る時間領域において合計される。一部の実施形態では、フィルタリングされた信号(例えば、フィルタリングされたデジタル信号)の音響パワーは、定義された期間(例えば、約10秒)に亘る時間領域において合計され、かつ、応答を正規化するために、第2の定義された期間(例えば、約20~300秒(例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115,120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、または300秒))に亘る風速が用いられる。一部の実施形態では、フィルタリングされた信号(例えば、フィルタリングされたデジタル信号)の音響パワーは、定義された期間(例えば、約10秒)に亘る時間領域において合計され、かつ、応答を正規化するために第2の定義された期間(例えば、約60秒)に亘る風速が用いられる。したがって、一部の実施形態では、フィルタリングされた信号(例えば、フィルタリングされたデジタル信号)の音響パワーが加算される、定義された期間に応じて、降雨率が定義される。風正規化係数(例えば、第2の定義された期間に亘って決定される)が計算され、(例えば、雨検出装置から遠隔したサーバ、コンピュータ、仮想マシンなどにおける)クラウドにおける降雨率に、当該風正規化係数が適用される。一部の実施形態では、デバイス固有の工場定義済の較正係数(device-specific factory-defined calibration factor)が、(例えば、雨検出装置から遠隔したサーバ、コンピュータ、仮想マシンなどにおける)クラウドにおいて、音響パワーが合計される定義された期間に適用される。次いで、音響パワーが合計され、当該音響パワーは微小粒度に集約される。例えば、フィルタリングされた信号(例えば、フィルタリングされたデジタル信号)の音響パワーを合計するための10秒の定義された期間、および、風の読み取り値に関する第2の定義された期間(例えば、約60秒)に亘って計算された風正規化係数に応じて、正規化係数が計算され、同一の正規化係数が6つの別々の10秒降雨率読み取り値に対して適用される。しかしながら、本技術は、これらの特定の期間に限定されず、(i)フィルタリングされた信号(例えば、フィルタリングされたデジタル信号)の音響パワーを合計するための、より長いまたはより短い定義された期間と、(ii)風正規化係数を計算するための第2の定義された期間と、を含む。
一部の実施形態では、方法は、フィルタリングされた音響パワー信号("P-Acoustic")にピークフィッティングを適用することを含む。一部の実施形態では、方法は、P-Acoustic値を解析することによって、降雨率を決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、例えばピークデータセットを提供するために、(i)個々のピークと、(ii)それらピークの発生時間および振幅(P値)と、を識別することを含む。一部の実施形態では、方法は、ピークを補正すること(例えば、重ね合わせ)を含む。一部の実施形態では、方法は、ピークデータセット中のピークのピーク属性(例えば、ピーク高さ、発生時間)の分布に対して、統計的処理を適用することを含む。一部の実施形態では、方法は、P値の増加を検出することによって、降雨率の増加を決定することを含む。
一部の実施形態では、方法は、生の音響パワー信号データ(未加工の音響パワー信号データ)またはフィルタリングされた音響パワー信号データの分布から、パラメータ(例えば、ピーク高さ、特性幅、および/または、様々な帯域内での発生頻度)を決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、パラメータを使用して、生の音響パワー信号データまたはフィルタリングされた音響パワー信号データの分布から、降雨率を計算することを含む。一部の実施形態では、方法は、音響パワー分布の複数の特性を組み込んだブレンド音響パラメータ(混合音響パラメータ)を導出することを含む。一部の実施形態では、降雨率を決定することは、ブレンド音響パラメータまたはP値を入力として使用する相関関数の使用を含む。
一部の実施形態では、方法は、(i)マイクロフォン音響信号と、(ii)当該音響信号から降雨率を計算するためのべき乗則関数と、を使用して、瞬時的な降雨率を測定することを含む。
一部の実施形態では、方法は、例えば、雨滴を検出するための、音響信号を生成するための、および/または降雨率を決定するための装置の精度を改善することを目的として、本明細書に記載されている装置を較正することを含む。一部の実施形態では、方法は、生の生データストリームを、当該生のデータストリームよりも改善された精度によって降雨率を測定するデータストリームに変換するためのリアルタイムおよび/または後処理数値(または解析)変換を含む。
一部の実施形態では、方法は、降雨率、音響パワー、音響エネルギー、および/または風に対する(例えば、風速に対する)他の測定値を補正することを含む。一部の実施形態では、1つ以上の雨滴の速さおよび/または方向は、風に対して補正される。一部の実施形態では、トランスデューサによって検出された生の音響信号が風に対して補正される。一部の実施形態では、処理された信号(例えば、復調された信号、合計された信号など)は、風に対して補正される。一部の実施形態では、方法は、雨検出装置を較正することを含む。一部の実施形態では、雨検出装置を較正することは、正規化定数(例えば、装置固有の正規化定数)を提供すること(例えば、計算すること、生成すること、決定すること)を含む。一部の実施形態では、正規化定数は、既知の降雨率について測定された信号に基づいている。一部の実施形態では、既知の降雨率は、通常の降雨である。一部の実施態様において、通常の降雨は、直径約4.0mmの最大液滴サイズを有する液滴サイズ分布を有する。一部の実施形態では、通常の降雨は、直径0.5~4.0または5.0mm(例えば、約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または、5.0mmの直径)の液滴サイズ分布を有する。一部の実施形態では、雨検出装置を較正することは、装置の製造後(例えば、装置の配送前)に、個々の装置ごとに較正係数(例えば、正規化定数)を決定することを含む。一部の実施形態では、デバイス固有の較正係数(例えば、正規化定数)は、デバイスに応じて決定され、かつ、特定のデバイスについて記録される(例えば、正規化定数をデバイスおよび/または一意識別子に関連付けるデバイスの一意識別子を使用して)。一部の実施形態では、デバイス固有の較正係数(例えば、正規化定数)は、クラウド内において、デバイスによって取得され、かつ、クラウドに送信されるデータに対して適用される。
(雨検知システム)
一部の実施形態では、本技術は、本明細書に記載されている雨感知装置の実施形態を含むシステムの実施形態を提供する。システムの例示的な実施形態は、本明細書に記載されている雨感知装置と、当該装置と通信するコンピュータとを備える。一部の実施形態では、システムは、第1の装置と通信する、および/またはコンピュータと通信する、本明細書に記載されている第2の装置を備える。システムは、一部の実施形態では、ある地理的領域に設置された1つ以上の装置によって記録され、かつ処理された音響信号に基づいて、降雨量を計算するために使用されるアルゴリズムおよびモデルを実装するための、ソフトウェアコンポーネントをさらに備える。一部の実施形態では、装置のうちの1つ以上は、降雨率を計算するためのソフトウェアコンポーネントを備える。一部の実施形態では、音響信号(例えば、生の音響信号、フィルタリングされた音響信号、および/または処理された音響信号)は、降雨率を計算するためのソフトウェアコンポーネントを備えるコンピュータに送信される。
一部の実施形態では、コンピュータは、複数の装置からデータを収集する。そして、当該コンピュータは、ある地理的領域全体に亘って設置された2つ以上の装置から収集されたデータに基づいて降雨率を決定するための、ソフトウェアコンポーネントを備える。一部の実施形態では、ソフトウェアコンポーネントは、将来の気象イベントを予測する。一部の実施形態では、システムは、例えば、予測された気象イベントに適したアクションが取られるように、ユーザまたは別の団体に警告(アラート)を発する警告コンポーネントをさらに備える。システムの実施形態は、例えば、装置のネットワークにおいて実施される。また、一部の実施形態では、システムの実施形態は、コンピュータにおいて実施される。ある地理的領域は、互いに通信する装置のネットワークまたは「マイクログリッド」によってカバーされてもよい。また、一部の実施形態では、ある地理的領域は、複数の装置からのデータを解析する(例えば、データの統計的解析を適用する)ためのコンピュータ(例えば、データサーバ)によってカバーされてもよい。一部の実施形態では、システムは、(i)履歴記録を提供し、(ii)リアルタイムモニタリングを提供し、および/または、(iii)気象イベント(嵐、温度、前線の動き、雨、雪、気圧系、風速、風向、紫外線放射、熱指数、空気の質、露点、周囲のノイズなど)の予測を提供する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている装置、方法、およびシステムは、本明細書に記載されている方法によって提供される一連の算術演算または論理演算を実行するように設計されたプログラマブルマシンに関連付けられている。
例えば、本技術の一部の実施形態は、コンピュータソフトウェアおよび/またはコンピュータハードウェアに関連付けられている(例えば、コンピュータソフトウェアおよび/またはコンピュータハードウェアによって実施される)。一態様において、本技術は、メモリの形態を有するコンピュータ、算術演算および論理演算を行うための素子、およびデータを読み取り、操作し、かつ格納するための一連の命令(例えば、本明細書において提供されている方法)を実行するための処理素子(例えば、マイクロプロセッサ)に関する。一部の実施形態では、マイクロプロセッサは、音響信号を収集し、音響信号を処理し、降雨率を決定し、および/または気象データをモデル化するためのシステムの一部である。一部の実施形態は、記憶媒体およびメモリコンポーネントを備える。メモリコンポーネント(例えば、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリ)は、命令(例えば、本明細書において提供されているプロセスの実施形態)および/またはデータ(例えば、音響信号、処理またはフィルタリングされた音響信号、P値、P-Acoustic、Eaなどのワークピース)を記憶する用途がある。一部の実施形態は、CPU、グラフィックスカード、およびユーザインターフェース(例えば、ディスプレイなどの出力装置およびキーボードなどの入力装置を含む)のうちの1つ以上を含むシステムに関する。
本技術に関連するプログラマブルマシンは、(i)従来の既存の技術と(ii)開発中または未だ開発されていない技術(例えば、量子コンピュータ、化学コンピュータ、DNAコンピュータ、光学コンピュータ、スピントロニクスベースのコンピュータなど)と、を含む。
一部の実施形態では、本技術は、データを伝送するための有線伝送媒体(例えば、金属ケーブル、光ファイバ)または無線伝送媒体を備える。例えば、一部の実施形態は、ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、アドホックネットワーク、インターネットなど)を介したデータ伝送に関する。一部の実施形態では、プログラマブルマシンは、ピアなどのネットワーク上に存在する。一部の実施形態では、プログラマブルマシンは、クライアント/サーバ関係を有する。
一部の実施形態では、データは、ハードディスク、フラッシュメモリ、光媒体、フロッピーディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶される。
一部の実施形態では、本明細書において提供されている技術は、本明細書に記載されている方法を実行するために協調して動作する複数のプログラマブルデバイスに関連付けられている。例えば、一部の実施形態では、(例えば、ネットワークによって接続された)複数のコンピュータは、例えば、イーサネット、光ファイバ、または無線ネットワーク技術などの従来のネットワークインターフェースによってネットワーク(プライベート、パブリック、またはインターネット)に接続された完全なコンピュータ(オンボードCPU、ストレージ、電源、ネットワークインターフェースなどを有する)に依拠するクラスタコンピューティング、グリッドコンピューティング、または他の何らかの分散コンピュータアーキテクチャの実装形態にて、データを収集および処理するために、並列に動作してよい。
例えば、一部の実施形態は、コンピュータ読み取り可能な媒体を含むコンピュータを提供する。当該実施形態の1つは、プロセッサに接続されたランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。当該プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能なプログラム命令を実行する。当該プロセッサは、マイクロプロセッサ、ASIC、ステートマシン(状態機械)、または他のプロセッサを含みうる。また、当該プロセッサは、カリフォルニア州サンタクララのインテル社(Intel Corporation)およびイリノイ州シャウンブルグのモトローラ社(Motorola Corporation)からのプロセッサなど、多数のコンピュータプロセッサのうちの任意のものであってよい。当該プロセッサは、当該プロセッサによって実行された場合に、本明細書に記載されているステップを当該プロセッサに実行させる命令を記憶する媒体(例えば、コンピュータ読み取り可能媒体)と通信してもよい。
コンピュータ読み取り可能な媒体の実施形態は、プロセッサにコンピュータ読み取り可能な命令を提供することができる、電子的な、光学的な、磁気的な、または他の記憶装置または伝送装置を含むが、これらに限定されない。適切な媒体の他の実施例としては、フロッピーディスク、CD-ROM、DVD、磁気ディスク、メモリチップ、ROM、RAM、ASIC、構成されたプロセッサ、全ての光媒体、全ての磁気テープもしくは他の磁気媒体、またはコンピュータプロセッサが命令を読み取ることができる他の任意の媒体が挙げられるが、これらに限定されない。また、コンピュータ読み取り可能な媒体の様々な他の形態は、ルータ、プライベートもしくはパブリックネットワーク、または他の伝送装置もしくはチャネル、有線および無線の両方を含む命令をコンピュータに送信または搬送しうる。当該命令は、例えば、C、C++、C#、Visual Basic、Java、Python、Perl、Julia、およびJavaScriptを含む、任意の適切なコンピュータプログラミング言語からのコードを含みうる。
コンピュータは、一部の実施形態ではネットワークに接続される。コンピュータはさらに、マウス、CD-ROM、DVD、キーボード、ディスプレイ、または他の入力もしくは出力デバイスなどの多数の外部または内部装置を含んでもよい。コンピュータの例は、パーソナルコンピュータ、デジタルアシスタント、パーソナルデジタルアシスタント、無線端末器、無線電話機、スマートフォン、ポケットベル、デジタルタブレット、ラップトップコンピュータ、インターネットアプライアンス、および他のプロセッサベースの装置である。一般に、本明細書において提供されている技術の態様に関連するコンピュータは、本明細書において提供されている技術を含む1つ以上のプログラムをサポートすることができる、Microsoft Windows、Linux、UNIX、Mac OS Xなどの任意のオペレーティングシステム上において作動する、任意のタイプのプロセッサベースのプラットフォームであってもよい。一部の実施形態は、他のアプリケーションプログラム(例えば、アプリケーション)を実行するパーソナルコンピュータを含む。アプリケーションは、メモリ内に収容されてよい。アプリケーションは、例えば、ワードプロセッシングアプリケーション、スプレッドシートアプリケーション、電子メールアプリケーション、インスタントメッセンジャーアプリケーション、プレゼンテーションアプリケーション、インターネットブラウザアプリケーション、カレンダー/オーガナイザアプリケーション、およびクライアントデバイスによって実行されることが可能な他の任意のアプリケーションを含みうる。
本技術に関連して本明細書に記載されている当該コンポーネント、コンピュータ、およびシステムは全て、論理的または仮想的でありうる。
一部の実施形態では、コンピュータまたはシステムが本明細書において提供されている1つ以上の気象感知装置に関する診断情報を提供する。例えば、一部の実施形態では、デバイス、デバイスの集合、および/またはシステムは、自己チェックおよび/または問題をユーザに報告することができる。一部の実施形態では、コンピュータまたはシステムは、デバイス、システム、またはデバイスの集合についての自動較正を提供する。
[複数の実施例]
(実施例1 -雨感知装置の設計)
一部の実施形態では、本技術は、雨センサ装置および関連する雨感知方法および雨感知システムに関する。したがって、本明細書に記載されている技術の実施形態の開発中に、雨感知装置の例示的な実施形態が設計され、製造され、かつ試験された。
例示的なレインセンサ100は、ゾンデ110(例えば、中空のステンレス鋼球(例えば、直径約200mm、厚さ約1.2mm))、ストーク120、およびマイクロフォン130を備える(図1)。ストークは、ゾンデ110の内側の容積160内に延在し、マイクロフォン130は、ストーク120の頂部に取り付けられた。ストーク120は、ゾンデ110および/またはストーク120の中心垂直軸150と本質的におよび/または実質的に方向合わせされていた。例えば、ゾンデ110の容積160内部の音響信号に対するレインセンサ100の結合を最大化するために、マイクロフォン130は、ゾンデ110の赤道140の上方に配置された。しかしながら、本技術は、マイクロフォン130の前記配置に限定されない。一部の実施形態では、マイクロフォンは、ゾンデ110の赤道140の位置に配置され、またはゾンデ110の赤道140の下部に配置される。あるいは、マイクロフォンは、ゾンデ110の垂直軸150から横方向に変位して配置される。前記の様々な実施形態では、ストーク120のサイズ、長さ、位置などは、マイクロフォン130を状況に応じて適切に位置決めできるように、レインセンサ100内に設けられる。
マイクロフォン130は、回路を備え、かつ、エレクトレットデザインを有する。マイクロフォンは、約6~約10kHzの範囲(例えば、約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10kHz)の音響信号に対して非常に高感度である。マイクロフォン130は、音響パワーに比例するアナログ電圧を生成する。一部の実施形態では、アナログ電圧は、デジタル時変信号を生成するために、32kHz、16ビットにおいてサンプリングされる。一部の実施形態では、アナログ電圧は、44.1kHzにおいてサンプリングされる。本技術はエレクトレットマイクロフォンを含むものとして記載されているが、エレクトレットマイクロフォンに限定されているわけではない。したがって、一部の実施形態では、本技術は、音響信号を電気出力に変換するコンデンサマイクロフォンまたは他の電気機械コンポーネントを含む。
一部の実施形態では、レインセンサは、チューブ(例えば、約38.1mmの外径および約1.24mmの壁厚を有する)をさらに備える。一部の実施形態では、チューブは、ゾンデから下方(例えば、約200mm)に延在する。一部の実施形態では、チューブはプラグで終結する。一部の実施形態では、上述のとおり、ストークは、チューブを通って球体内に延在している。一部の実施態様において、チューブは、ステンレス鋼によって製作されている。一部の実施態様において、プラグは、アルミニウムによって作成されている。一部の実施形態では、歪センサまたは力センサ(例えば、ロードセル)は、プラグおよびチューブに取り付けられ、チューブに機械的支持を提供し、かつ、ゾンデに加えられる機械的な力を感知する。一部の実施形態では、器具によって感知される例示的な力は、例えば、静的荷重(例えば、風)または動的荷重(例えば、突風、大気水象(例えば、ひょう)の衝突など)を含む。一部の実施形態では、雨感知装置は、米国特許番号9,846,092および9,958,346(これらの各々は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれている)に記載されているとおり、気象感知装置に統合される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている雨感知装置は、(例えば、米国特許番号9,846,092および9,958,346に記載されているとおり)気象検知装置に統合されるが、本技術は当該実施形態に限定されない。したがって、一部の実施形態では、雨感知装置は、本明細書に記載されているゾンデ、ストーク、およびマイクロフォンを含むが、必ずしも、ドラッグ発生コンポーネント、ストークもしくはチューブ、歪センサ(例えば、ロードセル)、および/または米国特許番号9,846,092および9,958,346に記載されている気象感知装置の他のコンポーネントを含まない。
(実施例2-雨の影響の検出)
降下する雨は、ゾンデ表面の様々な位置においてゾンデに衝突する。通常はゾンデが球状である実施形態では、雨は、ゾンデの上半球に衝突する。さらに、雨は、ゾンデの軸(例えば、ゾンデ表面に垂直な軸(例えば、ゾンデが球体である実施形態では、軸はゾンデ表面に垂直であり、かつ、ゾンデ中心を通って延在している)に対して、さまざまな角度においてゾンデに衝突しうる。例えば、雨は、(例えば、風の存在下で)側面からゾンデに衝突しうる。したがって、ゾンデ表面への雨の衝突の位置および衝突位置でのゾンデ表面への雨の衝突角度は、両方とも変化しうる。ゾンデへの降雨衝突についての一部の解析では、降雨衝突角度の限界は水平である(例えば、図1に示されているがゾンデ100の垂直軸(縦軸)150に対して垂直)。
図2は、(i)ゾンデ表面に対して垂直に、ゾンデに衝突する雨滴280の衝突位置および衝突角度と、(ii)衝突角度θ261においてゾンデに衝突する雨滴281の衝突位置および衝突角度と、を示す。ベクトル270は、ゾンデと雨滴280との衝突の瞬間における、雨滴280の動作方向を含む。同様に、ベクトル271は、ゾンデと雨滴281との衝突の瞬間における、雨滴281の動作方向を含む。ゾンデ表面とベクトル270およびベクトル271との交点はそれぞれ、雨滴280および雨滴281の衝突位置を規定する。軸250は、ゾンデ表面に垂直であり、かつ、雨滴280とゾンデ中心290との衝突の位置を通過する。軸251は、ゾンデ表面に垂直であり、かつ、雨滴281とゾンデ中心290との衝突の位置を通過する。雨滴280は、ゾンデ表面に直交するように当該ゾンデ表面に衝突し、したがって、0°(ゼロ度)の衝突角度を有する。雨滴281は、衝突角度θ261においてゾンデの表面に衝突する。衝突角度θ261は、雨滴281の衝突の瞬間における雨滴281の運動方向を含むベクトル271と、雨滴281の衝突サイトにおけるゾンデ表面に垂直な軸251との間において測定される。(角度θ261と)同じ角度θ260は、雨滴281の衝突サイトにおいてゾンデ表面に垂直な軸251と、垂直軸250との間に形成される。
球状ゾンデを含む実施形態では、球の形状は、衝突する雨に対してすべての方向において同じに見える。したがって、ゾンデ表面に対する衝突形状の取り扱いは、衝突位置にかかわらず同じである。液滴は、衝突の位置においてゾンデ表面に垂直な軸に対して角度θ(例えば、0≦θ≦90°)にてゾンデに衝突しうる。例えば、当該衝突は、表面に垂直(0°)な衝突から、斜め衝突(glancing impact)(90°に近づいている)までに亘る。
したがって、図3は、衝突角度θ360にてゾンデに衝突している雨滴380の衝突と、ゾンデ表面に対して垂直にゾンデに衝突している雨滴381とに関連した測定を示す(図2と類似)。ベクトル370は、雨滴380がゾンデに衝突した瞬間における、雨滴380の動作方向を含む。同様に、ベクトル371は、雨滴381がゾンデに衝突した瞬間における、雨滴381の動作方向を含む。ベクトル370およびベクトル371とゾンデ表面との交点はそれぞれ、雨滴380および雨滴381の衝突位置を規定する。軸350は、ゾンデ表面に垂直であり、かつ、雨滴380およびゾンデ中心390との衝突の位置を通過する。軸351は、ゾンデ表面に垂直であり、かつ、雨滴381とゾンデ中心390との衝突の位置を通過する。雨滴381は、ゾンデ表面に直交するように当該ゾンデ表面に衝突し、したがって、0°(ゼロ度)の衝突角度を有する。雨滴380は、衝突角度θ360においてゾンデの表面に衝突する。衝突角度θ360は、雨滴380の衝突の瞬間における雨滴380の動作方向を含むベクトル370と、雨滴380の衝突位置においてゾンデ表面に垂直な軸350との間において測定される。
ゾンデに衝突する雨滴の衝突位置および衝突角度は、ゾンデに伝達される衝突エネルギーの量に影響を与え、その結果、マイクロフォンによって検出される、音響信号に影響を与える。さらに、ゾンデに伝達される衝突エネルギーは、液滴の流体力学によって媒介され、その位置において表面上に既に存在する(溜まった)水によって影響を受けうる場合がある。衝突エネルギーは、ゾンデに機械的に衝撃(shock)を与え、これによりゾンデが振動し、ゾンデ容積内部に音響振動(リンギング)が発生する。本明細書に記載されている本技術の実施形態の開発中に行われた実験中に、水自体によって生成された音響信号がゾンデ内に伝播しうることが企図された。しかしながら、収集された実験データは、ゾンデ内部の音響信号が約6kHzから約10kHz(例えば、約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0kHz)の範囲の単一の振動によって支配されることを示した。理論に拘束されることなく、および理論を完全に理解することなく本技術を実施できるという理解をもって、この周波数範囲は、ベルと同様に作用する球状ゾンデの固有振動数と考えられる。
上記のとおり、マイクロフォンは、雨の衝突に起因してゾンデによって生じた、例えば約6kHzから約10kHz(例えば約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0kHz)という特性周波数範囲において、音響信号に対して特に高感度である。上述のとおり、マイクロフォンは、音響パワーに比例するアナログ電圧を生成する。一部の実施形態では、アナログ電圧は、デジタル時変信号を生成するために、32kHz、16ビットにおいてサンプリングされる。一部の実施形態では、アナログ電圧は、44.1kHzにおいてサンプリングされる。一部の実施形態では、デジタル時変信号は、リアルタイムにて解析されるデータストリームを提供する。一部の実施形態では、データストリームは、雨に対応し、かつ、雨を特徴付ける統計的パラメータを計算するように構成された装置のコンポーネントによって解析される。本技術の実施形態の開発中に行われた実験は、サンプリングレートが、約6~10kHzのキャリア周波数から有用な情報を抽出するように選択されつつ、信号を解析する場合の計算負荷および電力消費を最小化できることを示した。
(実施例3-雨の音響シグネチャ)
本明細書に記載されている技術の実施形態の開発中に、本明細書に記載されている技術に係る雨検出装置のゾンデに対する雨滴衝突の特性シグネチャを生じさせるための実験が行われた。指定されたサイズおよび周波数の降雨を生じさせるための降雨装置を開発した。本技術の実施形態の開発中に行われた実験中に、前記降雨装置を使用して、1Hzの周波数を有する、一連のほぼ同一の雨滴を生成した。試験液滴の直径は2.419±0.089mm(偏差3.70%)であり、当該試験液滴の質量は7.41±0.82mg(偏差11.00%)であった。雨滴は、ゾンデ表面上の同じ位置においてゾンデに衝突した。前記ゾンデ表面上の同じ位置は、垂直軸がゾンデ表面と交差する、ゾンデの「北極」であった。液滴は、ゾンデの表面に対して1.2mの高さからゾンデ上に滴下した。ゾンデ内部に配置されたマイクロフォンを用いて、32kHzにおいて連続的にサンプリングされた音響信号を記録した。
液滴は、バックグラウンドノイズレベルをはるかに上回る振幅を有する鋭いスパイクの列を生じさせた(図4A)。単一パルスの信号をより精密に検査したところ、信号が急激に増加し、続いて約100ミリ秒に亘って減衰振動が生じることが示された(図4B)。前記振動は、例えばゾンデシェルの固有周波数数に対応する強い一次周波数数を有していた。異なるゾンデ溶接物の試験中に収集されたデータは、ゾンデの一次周波数シグネチャは、約6~10kHzの範囲において変化することを示した。
減衰振動として、データは、信号が約100ミリ秒に亘って徐々に減少することを示した。さらなる解析により、データは一次リング周波数の振幅変調(AM)を含む、より微細な構造を有することが示された(図4C)。データの解析により、信号が様々な特性AMシグネチャを有することが示された。当該特性AMシグネチャは、ゾンデ表面上の液滴衝突の液滴サイズおよび位置などの、個々の衝突液滴についての様々なパラメータと相関する成分を含む。
本明細書に記載されている本技術の開発中に、単一の液滴衝突の音響シグネチャを特徴付けるために、2つの主要なパラメータ、すなわち、ピーク音響パワー(P値)および音響エネルギー(Ea)が開発された。
ピーク音響パワー(P値)は、オーディオ信号から得られる音響パワーのピークエクスカーション(peak excursion)として定義される。図5に示すとおり、生の(未加工の)(AM)音響信号を変換して、一次リング振動の瞬時的な振幅に対応する正の値を有する、復調信号を提供した。ピーク音響パワー(P値)は、この関数のピークである。収集され、かつ、図5に示されるデータに関して、P値は970カウントであった。これらの実験中に収集されたデータは、ピークが理想的な減衰振動系から予期されたであろう落下衝突の瞬間に、典型的には発生しないことを示した。差異は、マイクロフォンの記録および/またはゾンデ(例えば、空気)容積内部における音響信号の取得によるものであり、ゾンデシェル自体の直接的な機械的振動によるものではない。
単一の液滴衝突の音響パワーシグネチャの数値和は、落下衝突に関連する総音響エネルギー(Ea)に対応する漸近値に向けて、急速に上昇するカーブを生じさせる。Eaと、さまざまな液滴サイズとに関する、ゾンデに対する液滴衝突位置とのプロットが作成された(例えば、図10Bを参照)。理想的な減衰振動では、エネルギーは、ピーク値と減衰定数とによって完全に決定される。しかしながら、本明細書に記載されている装置の実施形態では、この相関関係は常に固定されているわけではなく、衝突の幾何学的形状、位置、および流体力学によって影響を受けると思われることを、収集されたデータは示した。したがって、音響エネルギー(Ea)は、ピーク音響パワー解析によってキャプチャされない衝突に関する付加的情報を提供する。
(実施例4-信号処理)
本明細書に記載されている技術の実施形態の開発中に、ゾンデへの雨滴衝突に由来する音響信号を解析する方法が開発された。特に、本明細書に提供されている降雨測定方法の実施形態は、ゾンデへの雨滴衝突に由来する音響信号を得る(例えば、マイクロフォンによって得られる)ことと、音響信号をデジタル化することと、デジタル化された音響信号を処理することと、を含む。本明細書において論じられているとおり、単一の液滴に対する生の32kHz信号は、ゾンデに固有の一次リング周波数における減衰振動に類似している。
第1のデータ処理ステップは、振幅変調(AM)信号を復調することである。AM信号は、リアルタイムのデジタル信号でありうる。したがって、復調は、例えば、実行中の方法を使用して、離散点(図7、黒点)に連続的に適用される。このアルゴリズムは信号強度の絶対値(abs(yi)など)のピークを特定しながら、時間的に前方を検索する。中間点(図7、白点)は、例えば、式1にしたがって、既知のピーク間の補間によって推定される:
式1において、pi1は解析によって決定される補間点であり、yi0はi0において前に同定されたピークであり、yi2はi2において次に同定されたピークであり、電流インデックスは、i1である。
第2のデータ処理ステップは、エンベロープ(例えば、「エアプレーン」)関数(例えばリアルタイム信号に対する実行計算として適用される)の使用を含む。図8に概略的に示すとおり、新しい系列は例えば、式2にしたがって、以前に復調された信号から生成される:
式2において、iは以前に計算されたインデックスであり、i+1は、計算される新しいインデックスである。
新しい系列は、各上昇に亘って立ち上がり、次いでピークを越えて滑下し、ピークの裏側における後続の構造を平滑化する(smoothing out)。クライム関数(climb function)fcとグライド関数fgとは、任意の形式でであってよく、かつ、個別に調整されうる。本明細書中において述べられている本技術の開発中、fcの急激な上昇が初期ピーク(P値)を保持することを可能とするように、fcが調節された。fgは、約1ミリ秒から約10ミリ秒(例えば、約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4,6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0ミリ秒)のオーダの時定数を有する指数形式である。
エアプレーンフィルタは、個々の雨滴衝突のP値および音響エネルギー(Ea)の両方を保存するように設計されている。ショートグライドを使用する一部の実施形態では、発振時の微細(例えば、約1~3Hz)構造が保持される。当該発振時の微細構造は、衝突位置と水溜りについての付加的情報を含んでいる。ロンググライドを使用する一部の実施形態では、この微細構造は除去される。ロンググライド関数は、P値およびEaパラメータを依然として保存しながら、サンプルを約3.2Hz(例えば、約2.5~4.0Hz(例えば、約2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、または4.0Hz))にダウンサンプリングすることを可能にする。
(実施例5-降雨率の決定)
本明細書に記載されている本技術の実施形態の開発中に、記載されているレインセンサ技術の実施形態を使用して、降雨率を決定するための実験が行われた。一部の実施形態では、降雨測定システムは、ユニットの上部に位置している球形ゾンデの内側に配置されたマイクロフォンを使用する。次いで、一部の実施形態では、マイクロフォンは、ゾンデの外側に衝突する雨滴のオーディオ信号を記録する。したがって、単一の液滴による各衝突は、特性パルスを生じさせる(例えば、図4A、4B、および4Cを参照のこと)。さらに、一部の実施形態では、各パルスのエンベロープを抽出するために、リアルタイムオーディオ信号が、前処理され、かつ、ダウンサンプリングされる。本明細書に開示されている本技術の実施形態の開発中に、本明細書に記載されている解析によって決定されるパルスパラメータと、液滴サイズおよび液滴位置との間の関係を評価するために、実験が行われた。
降雨イベントの間、毎秒数百の液滴がゾンデに衝突しうる。この割合によって液滴がゾンデに衝突すると、個々のパルスが重なり合いうる。その結果、個々の液滴の衝突を区別および測定することは困難となりうる。したがって、本明細書に記載されている技術の一部の実施形態では、降雨率測定は、このアグリゲート信号におけるパラメータと降雨率との間の統計的相関に基づく。
本明細書に記載されている技術の実施形態の開発中に、単一の液滴衝突を解析し、装置内のマイクロフォン配置を評価するための実験が行われた。特に、ゾンデの頂部に衝突する一連の単一の液滴を用いて実験を行い、落下衝突に由来する音響信号を、装置内部のマイクロフォンを用いて記録した。
これらの実験において、ゾンデのZ軸上に位置するマイクロフォンの垂直配置を変化させ、頂部に対して異なる衝突角度(θ)においてゾンデに衝突する、少なくとも10の液滴衝突に由来するデータを記録した。データをフィルタリングおよび解析して、ピーク(P値)振幅、および音響エネルギー(Ea)を抽出した。平均P値をゾンデ中のマイクロフォンの垂直位置に対してプロットした。例えば、図9を参照されたい。
図9のデータプロットは、オーディオ信号がマイクロフォンの位置によってかなり変化することを示した。例えば、信号はゾンデの頂部付近において最も強かった(例えば、Z=100mm)。しかし、信号は衝突ごとに大きく変化し、個々のゾンデ間でのばらつき(variation)は、もっとも激しかった。信号は底部付近において同様に強かったが、底部においても信号のばらつきが見られた。ゾンデの中心付近では、信号はほぼゼロであった。この挙動は、ゾンデ内部の音波モード構造(acoustic wave mode structure)に起因していた。多くの調査の後、Z=50~70mm(例えば、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70mm)のマイクロフォン位置を、信号強度と、信号品質との釣り合いを保つ位置として選択した。したがって、一部の実施形態では、マイクロフォンは、ゾンデの中心垂直軸上において、赤道の上方50~70mm、かつ、北半球のほぼ中央に配置される。この位置では、信号は適度に強いが、比較的安定しており、ゾンデごとのばらつきも大きくなかった。
高い信号強度と信号品質とを提供するマイクロフォンの位置を特定した後、(ゾンデの頂部に対して)ゾンデ上の液滴サイズと衝突位置とに対する信号依存性を測定する技術の実施形態の開発中に、追加の実験が行われた。ゾンデ上の液滴サイズと衝突位置はともに、降雨率相関関数を開発するための、鍵となる入力である。ピーク音響パワー(P値)および音響エネルギー(Ea)をゾンデ上の液滴の衝突位置の関数としてプロットした。例えば、P値プロットおよびEaプロットについては、それぞれ図10Aおよび10Bを参照のこと。異なるサイズの液滴についてデータを収集した。例えば、図10Aおよび10Bを参照のこと。
データは、液滴サイズが3.5mmから2.4mmに減少するにつれて、PおよびEaの両方が減少することを示した。データはまた、ゾンデ上の液滴の衝突位置が(ゾンデの頂部に対して)0°から60°まで変化するにつれて、特定のサイズの液滴が、比例してより小さくなるシグネチャを生じさせることを明確に示した。これらのデータは、本技術がゾンデ上の液滴サイズおよび衝突位置を決定(resolve)するが、ゾンデ上の液滴サイズおよび衝突位置は、独立した量ではないことを示した。したがって、液滴サイズおよび衝突位置の、この相互依存性ならびに音響信号の両変数への関係は、個々の液滴をカウントすることによる降雨率の直接的な測定を制限する。したがって、本技術の実施形態は代わりに、液滴シグネチャを統計的に平均化する相関にしたがって降雨率を測定する。
本明細書において論じられているとおり、何百もの大気水象(例えば、降雨)が降雨イベント中に毎秒ゾンデに衝突しうる。その結果、衝突シグネチャが重なり合いうる。例えば、本明細書の技術の開発中に、本明細書に提供されている技術の、ある実施形態によって記録された音響シグネチャは、2mm/時(図11A)、10mm/時(図11B)、および100mm/時(図11B)という降雨率についてシミュレートされた。個々の衝突は観察可能であったが、しばしば重複し、多くの小さい衝突は十分に解析されなかった。さらに、本明細書に提供されている技術の開発中に行われた実験は、音響シグネチャが液滴サイズおよび衝突位置の両方に依存することを示した。
一部の実施形態において、本技術の実施形態の開発中に収集されたデータは、リアルタイム音響信号に関連する、統計的に平均化された量が降雨率の尺度を提供することを示した。例えば、一部の実施形態では、本技術は、降雨率の尺度を得るために、時変音響パワー信号に統計的処理を適用することを含む。例えば、一部の実施形態では、本技術は、時変音響パワー信号の分布(例えば、ピークの高さ、様々な周波数帯における周波数、平均振幅、分布の尾部の形状および長さ、分布の形状など)から、統計的パラメータを決定することを含む。
特に、一部の実施形態では、フィルタリングされた音響パワー信号(例えば、図11Aおよび図11Bに示されるP-Acoustic)のyi値が収集され、かつ、(例えば、降雨率の尺度を提供する統計的パラメータを抽出するために)解析される。本技術の実施形態の開発中に収集されたデータは、yiの分布が降雨率の関数として変化したことを示した。特に、分布は、降雨率が増加するにつれて広がり、かつ、より高いP-Acoustic値に向かって移動した。生の音響信号の解析(例えば、図11Aおよび11Bを参照のこと)は、より高い降雨率についての高い振幅のスパイクの数の増加、および、より高い降雨率での多数の衝突の重なり合いによって引き起こされる、信号ベースラインの付随する増加によって、分布の変化が引き起こされることを示した。
一部の実施形態では、フィルタリングされた音響パワー信号(例えば、図11Aおよび図11Bに示されるP-Acoustic)が、ピーク検出アルゴリズムを使用して解析される方法が使用される。一部の実施形態では、当該アルゴリズムは、個々のピークおよびそれらの発生時間および振幅(P値)を識別する。一部の実施形態では、前記ピークは重なり合い作用について適切に補正される。次に、一部の実施形態では、本技術は、ピークデータセット内のピークのピーク属性(例えば、ピークの高さ、発生時間)の分布に統計的処理を適用することを含む。本明細書に記載されている技術の実施形態の開発中に、ピークデータ(発生時間および振幅)は、異なる(シミュレートされた)定降雨率(constant rain rate)について収集され、かつ、統計的に処理された。データは、P値が降雨率の増加関数として増加することを示した。
(実施例6-降雨率相関)
上述したとおり、一部の実施形態では、本明細書において提供されている降雨測定方法は、ゾンデ内部のマイクロフォンによって記録された音響パワー信号に統計的解析を適用することを含む。一部の実施形態では、信号は、フィルタリングされ、かつ、固定された時間間隔に亘って解析される。一部の実施形態では、生の音響パワー信号データ、またはフィルタリングされた音響パワー信号データの分布、例えば、ピークの高さ、特性幅、および/または様々な帯域内の発生頻度から、多くのパラメータが計算される。十分な測定時間に亘って、サンプリング周期あたりのエラーを最小化する音響パワー分布の複数の特性を組み込んだ、ブレンド音響パラメータ(blended acoustic parameter)を導出することができる。
本明細書に提供されている技術の実施形態の開発中に、本明細書に記載されている装置によって記録される降雨率について、統計的パラメータが計算される実験が行われた。これらの実験中、およびその後のデータ解析中に収集したデータは、ブレンド音響パラメータとP値とが、降雨率に相関することを示した。したがって、本明細書に提供される技術の実施形態の開発中に実験が行われ、降雨率データを収集し、ブレンド音響パラメータおよびP値を用いて、降雨率の相関関数を開発した。さらに、本明細書に提供されている技術の実施形態の開発中に実験が行われ、降雨率データを収集し、P値分布を用いて降雨率の相関関数を開発した。
本明細書において提供されている技術の実施形態の開発中に、本明細書に記載されている装置に衝突する雨に対する音響信号由来パラメータ(acoustic signal derived parameter)(例えば、音響パラメータ)と、装置と屋外の同じ場所に配置されたディスドロメータによって測定された降雨率とを比較することによって、相関関数を開発するために実験が行われた。同じ場所に配置された装置およびディスドロメータは、間隔、風の影響などに関する適切な予防措置のもとで、降雨イベント中にデータを収集した。これらの実験の間、上記時間間隔に亘ってゾンデによって収集されたデータから計算されたブレンド音響パラメータは、同じ時間間隔についてディスドロメータによって測定された降雨率に対してプロットされた。データの解析は、べき乗則関数が、本明細書に記載されている技術にしたがって計算されるブレンド音響パラメータと、ディスドロメータデータとの間の関係を説明することを示した。
本明細書に記載の技術の開発中に、これらのデータを解析して、べき乗則相関のための最良適合パラメータを決定した。その結果、本技術は、マイクロフォン音響信号から直接、即時降雨率(instantaneous rain rate)を測定(例えば推定)する方法を提供する。特に、実験は、本明細書に記載されている技術の実施形態の開発中に行われ、本明細書に記載されている装置からの音響信号と、上述の解析から決定される、べき乗則パラメータとを使用して、降雨イベントについてのディスドロメータによって決定された降雨率と、同一の降雨イベントについて計算された即時降雨率とを比較した(図12)。音響信号とべき乗則パラメータとを用いて計算された推定降雨率は、ディスロメータによって記録されたデータと一致した(図12)。さらに、音響信号および、べき乗則パラメータを使用して累積降雨量を決定することは、ディスドロメータおよび同じ場所に配置された転倒バケツレインゲージによって収集されたデータとも一致した(図13)。
したがって、本明細書では、本明細書において説明されている装置(例えば、ゾンデと、当該ゾンデの内側に配置されたマイクロフォンとを備える装置)を使用して、即時降雨率を推定するための技術が提供される。一部の実施形態では、個々の雨滴の衝突およびサイズは、降雨イベント中にはあまり決定されないが、実施形態は統計的方法および相関関数の使用を含み、降雨率および累積雨量の有用な定量的尺度をもたらす。
(実施例7-雨のタイプについての変動性)
液滴サイズ分布は、雨が出現する気象条件に応じて顕著に変化しうる。例えば、10mm/時の定常率において計算した異なるタイプの降雨について観察された液滴サイズ分布は、0.5~1.6mmの範囲の平均液滴直径を有する。例えば、Ulbrich,(1983)“Natural variations in analytical form of raindrop size distribution”Journal of Climate and Applied Meteorology 22: 1764を参照されたい。さらに、大きい液滴の集団(例えば、2.5mmを超える)は、広範に異なりうる(Id)。これらのデータは、種々の降雨タイプ(例えば、約0から約1cm3/m3/mmの体積分布の範囲と、約0よりわずかに大きい値(例えば、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5mm)から5mmの範囲の液滴直径とを有し、一部の観察結果によれば、約6mmもの大きさを有する)が、マイクロフォン音響信号の振幅および統計的特性に影響することを示す。したがって、一部の実施形態では、これらの差異によって最小限の影響を受ける統計的パラメータ(および相関関数)は、すべての条件および降雨タイプの下で降雨量を正確に推定する。
(実施例8-風の補正と校正)
本明細書に記載されており、かつ実施された実験中に収集されたデータによって示されるとおり、音響パラメータに基づく相関関数は、降雨率を正確に測定する。特に、本明細書において提供されている雨量を測定するための方法は、ディスドロメータおよび転倒バケツ規格と同様の尺度を提供する。しかしながら、異なるゾンデおよび/または異なるマイクロフォンの音響応答の差異は、異なる雨感知装置ユニット間に存在しうる。いかなる特定の理論にも束縛されることなく、変動性は、(ベルと同様に作用する)ゾンデの機械的および構造的態様、ならびに回路コンポーネントの電子的特性を含む多くの事柄に起因しうることが企図される。改良された設計および製造技術は、この変動性を減少させることができる。しかしながら、これらの製造されたユニットには、幾分かの感度差が残る可能性はある。
例えば、大規模な製造環境において実際の降雨データを収集することは効率的ではなく、音響入力を生成すること、または、実際の降雨に密接に合致する室内の「降雨」チャンバを開発することは困難であるため、個々の装置を標準に対して較正することは、非実用的であると考えられる。このため、一部の実施形態では、本技術は例えば、測定サイトでの測定のために配備されたときに自己較正を実行する、本明細書に記載されている装置を提供する。
例えば、一部の実施形態では、本明細書において説明されている装置は、降雨を正確に予測する相関関数を生成するために、標準に対して較正される。本技術の実施形態の開発中に実行された実験は、装置ユニット間の信号出力における主要な差異は、ゾンデ応答および/またはマイクロフォン測定から生じることを示した。したがって、一部の実施形態では、リアルタイムおよび/または後処理数値(または解析)変換は、生のデータストリームを、降雨率をより正確に測定するデータストリームに変換する。
特に、一部の実施形態では、本技術は、風による落下特性(例えば、落下速度、運動量、サイズ、体積など)を補正することを含む。本明細書において論じられているが、一部の実施形態では、雨感知装置は、米国特許番号9,846,092および9,958,346(これらの各々は、その全体が本明細書中に組み込まれている)に記載されている気象感知デバイスに統合される。一部の実施形態では、気象検知装置は、風速(例えば、速さおよび方向)を測定し、個々の大気水象(例えば、みぞれ)を検出する。
一部の実施形態では、雨の音響エネルギー(例えば、トランスデューサによって記録された音の絶対値の和)は、本明細書に記載されている雨検出器に衝突する雨量に対する線形応答として近似される。一般に、降雨イベント(例えば、暴風雨)によって生じる液滴サイズの分布および液滴の速さの分布は、降雨イベント間で実質的に変化しない。すなわち、降雨イベントは、降雨イベントごと実質的に変化しない液滴サイズの分布および液滴の速さの分布を有する雨を生じさせる。したがって、雨量例えば、一定期間内に雨検知器に衝突する総計の液滴)は、特定の雨検出デバイスにおける固定された音響信号を生じさせる。
一部の実施形態では、風速に応じて音響信号が補正される。雨は、一般的に風がない場合には垂直に降る。しかしながら、風の存在は、雨の速度に水平成分を追加し、場合によっては、ある体積の雨における雨滴の総速度を増加させる。したがって、風によって加速された雨滴の速度は、所与の体積の雨に対して雨検出器によって検出される、人工的に増加した音響パワーを生じさせうる(例えば、図16)。したがって、風に応じて音響パワーおよび/または降雨率および/または雨量を補正することは、測定された信号(例えば、音響パワーまたは音響エネルギー)と雨量および/または雨量との相関を改善する。
一部の実施形態では、風に応じて降雨率および/または雨量を補正することは、プロキシである音響パワーを提供する。当該音響パワーは、降雨率および/または雨量に比例するが、同時に(例えば、各デバイスの構成におけるニュアンスに起因して)降雨を測定するために使用される特定の雨検出デバイスに固有である。
したがって、実施形態は、雨感知デバイスによって測定される音響パワーが、個々のデバイスにかかわらず降雨率に相関するように、雨感知デバイスに応じた較正点を決定する方法を提供する。本明細書に記載されている本技術の実施形態の開発中に、較正方法を試験するために実験を行った。データが収集され、雨滴サイズ分布に基づく較正が、本明細書に記載されるとおり生成される、任意の特殊な雨検出デバイスに応じた降雨測定を調整する方法を提供することを示した。
水蒸気が大気中において凝縮するとき、様々なサイズの雨滴が生成される。特に、地面に降る雨滴の一般的な直径は、約0.5~4.0mmまたは5.0mm(例えば、約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5.0mmの直径)の範囲であるが、大気中のより高い場所において、この範囲外の雨滴が形成されうる。この現象の理由には、2つの要素がある:第1に、約0.5mm未満の直径(例えば、0.3、0.4、0.5mm)を有する液滴は、空気流によって上方に保持され、したがって地面に到達することはない;第2に、約4.0mmまたは5.0mmより大きい直径を有する液滴は、空気摩擦ゆえに不安定な形状をとり、したがって、4.0mmまたは5.0mmより大きい直径を有する液滴は、より小さい直径を有する2つ以上の液滴に分割される。約4.0mmまたは5.0mmというこの最大液滴サイズは、通常の雨によって生じる最大トランスデューサ信号も存在することを意味する。ある時間間隔における降雨量(降雨率)が増加すると、当該時間間隔における液滴の最大サイズも増加するが、液滴の大部分は最大のものよりはるかに小さい。したがって、液滴サイズの変化は、本明細書において提供されている雨検出器によって検出される信号の最大値および信号の合計値に、比例的な増加を生じさせる(例えば、図17を参照)。
ある時点において、最大液滴サイズは直径約4.0mmまたは5.0mmに達する。そして、上述のとおり、最大液滴サイズは、直径約4.0mmまたは5.0mmを超えて増加しない。したがって、信号最大値対合計信号のプロットは、プラトーに達する。当該プラトーの垂直幅が液滴サイズ分布の垂直幅に影響する点は、既知の降雨率を表す。したがって、一部の実施形態では、当該プラトー点における音響パワーは、個々の降雨検出器からの音響パワーの読み取り値を、既知の降雨率の時間間隔の相当数(equivalent number)に変換するための正規化定数として使用される。図17に示すプロットでは、上述のプラトー点は、合計が約107.25の点に位置しており、1時間当たり約30mmの降雨率を表す。
次に、一部の実施形態では、上述の正規化定数が得られた後、音響パワー値を正規化定数によって除して、既知の降雨率についての多数の等価時間間隔を提供する(例えば、図18Aおよび図18Bを参照)。図18Aおよび図18Bのプロットは、ある特定の雨検出器(84eb18eb2a8b)を用いて複数の異なる暴風の期間において検出された降雨量を、風補正なし(図18A)および風補正あり(図18B)の音響パワーが表す、前記降雨の率の10秒間隔の数の関数として、示している。図18Aおよび図18Bのデータは、転倒バケツ雨測定デバイスによって測定された降雨に対してプロットされている。
次に、一部の実施形態では、方法は、固定(された)降雨率の等価時間間隔の数から、現実の降雨率を計算することを含む。一部の実施形態では、現実の降雨率を計算することは、固定降雨率の等価時間間隔の数に、上記時間間隔における固定雨量(この例では30[mm/hr]/360[10秒間隔]=0.083)において蓄積された雨量を乗算することを含む。本明細書で提供される技術の開発中に、データは、複数の雨検出デバイス(例えば、6つの異なるデバイス)から収集された。降雨率は、上述の方法および同一位置の転倒バケツによって収集されたデータに対してプロットされたデータにしたがって、各デバイスについて決定された(図19)。
上記明細書に記載された全ての刊行物および特許は、全ての目的のためにその全体が、参照により本明細書に組み込まれる。記載された組成、方法、および技術の使用の種々の改変およびバリエーションは、記載された技術の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者にとって明らかである。本技術は特定の例示的な実施形態に関連して説明されてきたが、クレームされる本発明は、その種の特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際に、当業者に明らかな、本発明を実施するための記載されたモードの種々の改変は、以下のクレームの範囲内にあることが意図される。
本明細書に記載されている雨感知装置100の一実施形態の概略図である。当該雨感知装置は、例えば、ゾンデ110と、当該ゾンデ内の容積160内のストーク120上のマイクロフォン130と、を備える。
本明細書に記載されている雨感知装置の一実施形態に衝突する雨滴280および雨滴281を示す概略図である。
本明細書に記載されている雨感知装置の一実施形態に衝突する雨滴380および雨滴381を示す概略図である。
本明細書に記載されている技術に係る雨検出装置の、前記ゾンデに衝突する一連の雨滴についての音響信号(マイクロフォン信号を測定する任意単位)対時間を示すプロットである。本明細書に記載されている通り、前記音響信号は、前記ゾンデ内部のマイクロフォンによって記録された。雨滴は、1.2mの高さから放出され、ゾンデの「北極」(例えば、垂直軸がゾンデ表面と交差する位置)において、1Hzの周波数によってゾンデに衝突した。試験液滴の直径は、2.419±0.089mm(偏差3.70%)、質量は7.41±0.82mg(偏差11.00%)であった。
図4Aから抽出した単一のパルスを示すプロットである。
図4Aおよび図4Bに示される信号の微細構造を示すプロットである。
本明細書に記載されている装置の、前記ゾンデに衝突する単一の液滴についての前記音響パワー(Pa)対時間のプロットである。前記音響パワーは、本明細書に記載されている装置の一実施形態に衝突する単一の雨滴の1つの音響シグネチャを提供する。オーディオ信号(音声信号)から得られる前記音響パワーのピークエクスカーションは、「P値」と呼ばれる。
本明細書に記載されている装置の、前記ゾンデに衝突する単一の雨滴についての、音響エネルギー(「Ea」、単一の雨滴衝突からの、または概ね一定時間に亘る、前記音響パワー信号の数値和)対時間のグラフである。図6に示される前記音響エネルギー(Ea)は、本明細書に記載されている装置の一実施形態に衝突する単一の雨滴の1つの音響シグネチャを提供する。
音響パワー(黒点)の復調を示すプロットである。ピークの絶対値が同定され、補間により中間点(白点)が推定される。
エンベロープ(「エアプレーン」)フィルタによる復調信号(復調された信号)の変換を示すプロットである。復調信号は黒点によって示されており、エンベロープフィルタによる変換後の信号は白点によって示される。
前記ゾンデに種々の角度(表面に対する法線から、θ=0°、20°、40°、および60°;図2および図3参照)において衝突する単一の3.55mm液滴についてのピーク音響パワー(P値)対マイクロフォン位置のプロットである。マイクロフォンは、赤道の下側(-値)および上側(+値)における様々な距離(mm単位)において、Z軸上に配置された(例えば、図1参照)。
異なるサイズ(2.41mmおよび3.50mm)の液滴についての、ピーク音響パワー(P値)対衝突角度(表面に対する法線から、θ=0°、20°、40°、および60°;図2および図3参照)のプロットである。
異なるサイズ(2.41mmおよび3.50mm)の液滴およびマイクロフォン配置(94mmまたは-95mm)についての、音響エネルギー(Ea)対衝突角度(表面に対する法線から、θ=0°、20°、40°、および60°;図2および図3参照)のグラフである。
2mm/時および10mm/時という一定の降雨率に関し、時間の関数としてシミュレートされた音響パワー(Pa)のプロットである。信号は、デバイスによって記録された個々の雨滴衝突のピークを示す。
100mm/時という一定の降雨率に関し、時間の関数としてシミュレートされた音響パワー(Pa)のプロットである。信号は、デバイスによって記録された個々の雨滴衝突のピークを示す。
時間対、(i)べき乗則関数および本明細書に記載された通りに処理された音響信号を用いて決定された降雨率(実線)、および、(ii)ディスドロメータによって決定された降雨率(破線)、のプロットである。
(i)べき乗則関数および本明細書に記載された通りに処理された音響信号を用いた決定された累積雨量(黒線)、(ii)ディスドロメータによって決定された降雨率を用いて決定された累積雨量(灰色線)、および、(iii)転倒バケツレインゲージによって決定された降雨率を用いて決定された累積雨量(円)についての、経時的な測定のプロットである。
制限された雨感知エリアを有する装置を提供するために、円錐部200を備えた雨感知装置の一実施形態の概略図である。他の番号付けされたコンポーネントは、本明細書中の図1に記載されている通りである。
マイクロフォン領域(210)の近くにピラノメータ(日射計)または他のソーラー放射輝度センサを備える雨感知装置の一実施形態の概略図である。一部の実施形態では、前記装置は、光学的に透明な、半透明な、あるいはその他の態様によってピラノメータまたは他のソーラー放射輝度センサへの太陽放射の伝達を可能とする部分(ドラムヘッド部)220をさらに備える。他の番号を付されたコンポーネントは、本明細書の図1に記載されている通りである。
本明細書に記載されている雨検出装置の一実施形態についての、前記トランスデューサ信号の絶対値の合計の対数(底10)対風の速さのプロットである。
10秒の時間間隔に亘るトランスデューサ信号の絶対値の対数(底10)に対する、10秒の時間間隔に亘るトランスデューサ信号の絶対値の合計の対数(底10)のプロットである。
特定の雨検出デバイス(84eb18eb2a8b)を用いて記録された、複数の異なる雨嵐に対する雨量のプロットである。当該プロットは、風に応じて補正された前記音響パワーが表す、前記雨嵐の降雨率の10秒間隔の数の関数である。
特定の雨検出デバイス(84eb18eb2a8b)を用いて記録された、複数の異なる雨嵐に対する雨量のプロットである。当該プロットは、風に応じて補正されない音響パワーが表す、前記雨嵐の降雨率の10秒間隔の数の関数である。
同じ場所に配置された転倒バケツ測定デバイスによって決定された降雨率に対する、本明細書に記載されている6つの異なる雨検出デバイスによって決定された降雨率のプロットである。