JP2022513532A - 視覚障害における、機械受容チャネルの方法、組成物及び用途、並びに機械受容チャネルの他の用途 - Google Patents

視覚障害における、機械受容チャネルの方法、組成物及び用途、並びに機械受容チャネルの他の用途 Download PDF

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Abstract

本発明のいくつかの実施形態は、一般に、視覚障害、神経障害、及び他の障害の治療における機械受容チャネルに関わる新規な方法、組成物、及び用途に関する。具体的には、本発明のいくつかの実施形態は、緑内障、ドライアイ疾患、及び機械的ストレス又は浸透圧ストレスを受けやすい細胞に関わる他の疾患などの様々な疾患の治療において、機械受容チャネルの固有の特性を、トランスジェニック圧力調節機構及び代替的流出アクチュエータとして活用することに関する。更に、本発明のいくつかの実施形態は、内部及び外部の機械的刺激によってトリガされる機械受容チャネルを、細胞を刺激するため及び細胞へ分子を導入するために活用することに関する。

Description

(相互参照)
本出願は、2018年12月31日に出願された米国仮出願第62/786,955号の利益を主張し、同仮出願は参照により、本明細書に組み込まれる。
いくつかの参考文献は、刊行物、特許及び特許明細書を含んでいてもよく、本発明の記載に引用され、記載されている。このような参考文献の引用及び/又は説明は、単に、本発明の説明を明確にするために与えられており、このような任意の参考文献が、本明細書に記載する本発明の「従来技術」であることを認めたものではない。本明細書で引用され、記載される全ての参考文献は、その全体が本明細書に参照により組み込まれ、それぞれの参考文献は、個々に参照により組み込まれるのと同じ程度まで組み込まれる。
(電子的に提出されたテキストファイルの説明)
本明細書に電子的に提出されたテキストフィールドの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。配列表のコンピュータ可読フォーマットコピー(ファイル名:CHINENYE_SL_2019.txt、記録日:12/04/19、ファイルサイズ9キロバイト)。
(発明の分野)
本発明は、一般に、目及び他の器官の異なる障害の治療における機械受容チャネルの新規な方法、組成物、及び用途に関する。具体的には、本発明は、緑内障、ドライアイ、及び機械的又は浸透圧ストレスを起こしやすい細胞が関与する他の疾患の治療における、トランスジェニック圧力調節因子及び代替的な流出作動装置としての、大きなコンダクタンスの固有特性を有する機械受容チャネル(MscL)の活用に関する。更に、本発明は、内部及び外部の機械的刺激によって誘発される分子導入のための機械受容チャネルの活用に関する。
身体内の異なる器官の細胞は、神経疾患、心臓血管疾患、眼疾患、及び腎疾患を含む様々な疾患において変化する、ある範囲の機械的圧力及び浸透圧を受ける。細菌では、大きなコンダクタンスの機械受容チャネル(MscL)は、浸透圧調節機構として機能し、低浸透圧ショック時に細胞を溶解から保護するが、そのようなチャネルは哺乳類細胞中には存在しない。
対象とする圧力関連障害の一例として、緑内障による視力喪失は、米国における視覚消失症の2番目に多い原因である。緑内障患者及びそれらの家族の生計、独立性、及び生活の質は、この広汎に見られる疾患によって破壊されている。
緑内障は、一群の眼の異常として定義され、これは通常、眼圧(IOP)の上昇による視神経の損傷を引き起こす。緑内障の最も一般的な形態は、原発性開放隅角緑内障(POAG)であり、従来の流出経路を通じた眼房水の排水不良を特徴とする。従来の流出経路では、眼房水は、線維柱帯(TM)を通ってシュレム管に入り、更に強膜上静脈内へと排出される。いくつかの研究は、緑内障眼における線維柱帯(TM)細胞プロセス及びタンパク質性構造における異なる変化の特徴を説明しており、それにより、増加した線維柱帯(TM)剛性及び水性の房流出抵抗が説明されていると言われている。
眼は、その形態及び機能を維持するために健全な内圧を維持しなければならない。健全な眼圧(IOP)を保持し続けるには、硝子体液及び眼房水の処理を連続的に維持しなければならない。眼房水は、前眼房の組織の構造、栄養、及び衛生に関与し、その流入及び流出バランスの適切な調節が非常に重要である。眼房水は毛様体によって生成され、瞳孔を通って流れ、従来の流出経路又はぶどう膜強膜流出路のいずれかを通って排出される。従来の流出経路では、眼房水は、線維柱帯(TM)を通ってシュレム管に流れ、更にシュレム管から分岐するダクトを通って、強膜上血管内に流出する。緑内障は、通常、眼圧(IOP)の上昇による視神経の損傷を引き起こす、一群の眼の異常として定義される。眼圧(IOP)を減少させることができる主要な手段として、以下、i)眼房水の産生を低減すること、ii)ぶどう膜強膜流出路を通じた流出を増加させること、iii)従来の経路を通じた排液を改善すること、又は、iv)代替的な流出経路を作り出すことの4つの手段が存在する。
緑内障に対して現在利用可能な薬理学的処置及び外科的処置には、著しい限界及び副作用がある。これらの望ましくない副作用としては、薬物に対する全身性反応、患者ノンコンプライアンス、眼の感染症、外科用装置の故障、及び眼の他の構造体への損傷が挙げられる。病気の進行を未然に防ぐために、ほとんどの緑内障症例においては、長い時間をかけて複数の医療介入を行う必要がある。例えば、手術後でさえも、緑内障患者の中には、いつまでという期限が定まらないまま、毎日点眼する必要がある者がいる。緑内障の普遍的な治療のための、安全で効果的な、一度の投与で長時間効果が持続する治療薬の開発が望まれている。
制御不能な緑内障を治療するための他の選択肢としては手術がある。最も一般的な緑内障手術は線維柱帯切除術であるが、それにおいては、代替的な流出経路は強膜、シュレム管、及び線維柱帯(TM)の切片を除去し、濾過胞を結膜組織弁から成形することによって作製される。他の外科的方法としては、管形成術、レーザ線維柱帯形成術、レーザ周辺光彩切開術、深部非穿孔強膜切開術、及び排液装置の埋め込みが挙げられる。全ての手術と同様に、感染症、全身性副作用、及び人的ミス/装置不良のリスクがある。手術部位に手術後、瘢痕が残るのは一般的であり、瘢痕組織は、新たに作成された排液経路を遮断あるいは移動させる場合があり得る。費用、患者の回復時間、及び手術の結果がまちまちであることを考慮すると、緑内障に対する新たなしかも革新的な治療法が必要であるということは明らかである。
上述の課題に対処するために、本発明は、線維柱帯細胞及び上皮細胞を含む哺乳類細胞において、張力により作動される圧力開放弁として異種的に発現された機械受容チャネルの、新規な方法、組成物、及び用途を提供する。
細菌では、大きなコンダクタンスの機械受容チャネル(MscL)が、浸透圧調節機構として機能し、低浸透圧ショック時に細胞を溶解から保護する。MscLは、膨潤細胞の脂質二重膜における張力を直接感知し、それに応じて、その大きな非特異的細孔を瞬間的に開放して細胞質流体を放出し、それによって、次第に高まっている膨圧を緩和する。
本発明の一態様では、本発明は、緑内障の目の障害のあるTM細胞において、ウイルス送達されるトランスジェニック圧力調節因子としてMscLを使用する方法を記述している。
本発明の一実施形態では、本発明は、MscL1タンパク質及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列を記述し、この配列は、哺乳類細胞膜上で発現されるとき、圧力変化を感知し、細胞内圧力を調節し、又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する、MscL1タンパク質(配列番号1)を含む。
本発明の別の実施形態では、本発明は、1つ以上の単独の突然変異又は1つ以上の突然変異の組み合わせが、圧力感受性、孔径、ゲート開閉、又は動態を調節するタンパク質を記述している。例えば、本発明は、MscL配列(配列番号1)の位置113におけるアミノ酸Iに対応するアミノ酸残基におけるIからLへの置換により、非常に低い圧力下で超音波による活性化に対して細胞を増感させるということを実証している。更に、伸張力に対する過敏性(MscSの閾値をはるかに下回って活性化される)及び圧力感受性の向上が、MscL(配列番号1)の位置43におけるアミノ酸Gに対応するアミノ酸残基における、Gから任意の他の19の天然起源アミノ酸への置換によって達成される。
別の実施形態では、本発明は、タンパク質が記述され、そのタンパク質内では、MscL(配列番号1)の位置44におけるアミノ酸Vに対応するアミノ酸残基における、VからCへのアミノ酸置換が実施されて、圧力感受性が向上し、開放時間が短縮される。また、圧力感受性の向上及びより短い開放時間は、MscL(配列番号1)の位置(複数可)131~133、131~136又は131~157から、アミノ酸(複数可)を欠失させることによっても実現される。
本発明の別の実施形態では、本発明は、位置122のKをアミノ酸残基で、任意の負に帯電したアミノ酸に置換することにより、タンパク質(配列番号1)の圧力感受性の向上が実現することを実証している。更に、MscL(配列番号1)の位置52におけるKの置換により、圧力感受性の向上及びより短い平均開放時間、より低い遷移関門がもたらされる。MscL(配列番号1)の位置77におけるアミノ酸Qに対応するアミノ酸残基における、QからC又はP又はF又はW又はY又はHへのアミノ酸置換によって、圧力感受性の向上及び平均開放時間の増加、高い遷移関門がもたらされる。加えて、MscL(配列番号1)の位置40におけるアミノ酸Lに対応するアミノ酸残基における、LからCへのアミノ酸置換により、より高いゲート開閉閾値に対する感応性が結果としてもたらされる。
本発明の別の実施形態では、本発明は、MscL2タンパク質(配列番号2)及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列を記述する。MscL2タンパク質は、哺乳類細胞膜上で発現されるとき、圧力変化を感知し、細胞内圧力を調節し、又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する。
本発明の別の実施形態では、本発明は、MscL3タンパク質及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列を記述する。MscL3タンパク質(配列番号3)は、哺乳類細胞膜上で発現させた場合、圧力変化を感知し、細胞内圧力を調節し、又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する。
本発明の別の実施形態では、本発明は、MscL4タンパク質及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列を記述し、この配列は、哺乳類細胞膜上で発現されるとき、圧力変化を感知し、細胞内圧力を調節する、又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する、MscL4タンパク質(配列番号4)を含む。
本発明の別の実施形態では、本発明は、細胞内に発現された1つ以上のMscLタンパク質、又は異なるMscLタンパク質(複数可)若しくはMscLモノマーの鎖状体の配列要素のキメラが、シグナルペプチド、小胞体(ER)輸送シグナル、膜輸送シグナル、及びN末端ゴルジ輸出シグナルからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列モチーフに融合している合成ポリペプチド配列を記述している。具体的には、信号はMLPQQVGFVCAVLALVCCASGからなる。シグナル伝達配列はまた、MGRLLALVVGAALVSSAC若しくはMAVPARTCGASRPGPART、又は任意のシグナル伝達ペプチド配列から選択することもできる。
本発明の別の実施形態では、本発明は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2-10)、TRPV1-TRPV5チャネル、ピエゾチャネル又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体が、治療目的のために機械的圧力又は浸透圧に供される、体内の線維柱帯細胞、上皮細胞、及び他の細胞を含む細胞において、張力により活性化される圧力開放弁として使用されるという方法を記述する。
本発明の別の実施形態では、本発明は、MscLホモログ株が、細菌、真菌、酵母などを含むがこれらに限定されない、方法及び組成物を記述する。
更に別の実施形態では、本発明は、Msclホモログ株が、大腸菌、結核菌、コレラ菌、枯草菌、らい菌、緑色硫黄光合成細菌、高度好熱菌、インフルエンザ菌、エルウィニア・カロトボーラ、蛍光菌、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、大便連鎖球菌、ラクチス乳酸菌、マルタ熱菌、カウロバクター・クレセンタス、ヒストリチクム菌、有核紡錘菌亜種、ミヤコグサ根粒菌、出血性敗血症菌、軟腐病菌、緑膿菌、ネズミチフス菌、腸チフス菌、ピアス病菌、コリネバクテリウム・グルタミクム、デイノコッカス・ラディオデュランス、乳酸連鎖球菌、青枯病菌、アルファルファ根粒菌、肺炎連鎖球菌、化膿連鎖球菌、ストレプトマイセス・セリカラー、メタノサルシナ・アセチボランス、リステリア・イノキュア、リステリア・モノサイトゲネス等に由来するMscLを含むが、ただしそれらに限らない組成物を記述している。
別の実施形態では、本発明は、MscLが原発性開放隅角緑内障(POAG)の治療のための代替的な流出アクチュエータとして機能する方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、MscL機能が、TMの内皮細胞の周囲及び内皮細胞を貫通する眼房水の移動における天然のパラシトーシス及びトランスサイトーシスを補助し、それによって、原発性開放隅角緑内障(POAG)の治療のための流出抵抗を軽減し、眼圧(IOP)を低下させる方法を提供する。
本発明の更に別の実施形態では、本発明は、前記機械受容チャネル(例えば、MscL)がウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス)によって、又は非ウイルス的方法によって送達され、上記チャネルは、マトリクスGlaタンパク質(MGP)プロモータなどのプロモータを使用することによって、選択された一部の、しかしこれらに限定されない線維柱帯(TM)細胞において、緑内障眼の障害細胞におけるトランスジェニック圧力調節機構として作用するという方法を記述している。
本発明の別の実施形態では、本発明は、標的組織に、遺伝子をエンコードしている機械受容チャネルを送達するための非ウイルス的方法(リポフェクション、ナノ粒子/レーザ媒介型送達)を記述している。
本発明の別の態様は、線維柱帯細胞中の排水弁として使用するための理想的な候補としてのMscLの適用を説明する。理想的であるという理由は、MscLが比較的小さいホモ-オリゴマーチャネルであり、組み付けたり機能させたりするために何らの関連するタンパク質又はエネルギー源を必要としないためである。
更に別の実施形態では、本発明は、機械受容チャネル、その変異体、及び生成された部位に特異的な突然変異体が、例えば20mmHgより大きい眼内圧力、又は120~200mmHg(収縮期)及び80~110mmHg(拡張期)の動脈内圧力、又は15mmHgより大きい頭蓋内圧に限定されないものの選択される、生理学的及び非生理学的圧力で活性化されるという方法を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、線維柱帯(TM)の細胞におけるMscLの導入及び発現を実証する。MscL細菌チャネルは、TMの外来環境において機能し、緑内障患者における眼圧(IOP)の低下につながる。
更に別の実施形態では、本発明は、マイボーム腺内皮細胞、角膜上皮細胞などにおける、機械受容チャネルの発現が、機械的刺激の有無に関わらず、涙液膜の水相の分泌の向上、ひいてはドライアイ疾患の緩和(DED)をもたらすという方法を提供する。
更に別の実施形態では、本発明は、哺乳類細胞で発現させた場合に、MscL、若しくはその変異体、又は生成された部位に特異的な突然変異体を、浸透ストレス又は、超音波及び流体力学的圧力に限定されない他の機械的作動を含む細胞外の刺激を適用することにより、細胞への分子導入のために使用することができるという方法を提供する。
更に別の実施形態では、本発明は、哺乳類細胞で発現される場合、MscL、又はその変異体、又は生成された部位に特異的な突然変異体を、超音波変調に限定されない細胞外刺激の適用によって、細胞の刺激に使用することができるという方法を提供する。
より広範な実施形態では、本発明は、MscL、又はその変異体、又は生成された部位に特異的な突然変異体が、ウイルス的又は非ウイルス的(物理的、化学的)方法によって送達され、プロモータ特異的な方法で標的化された哺乳類細胞において発現され、その微生物チャネル(複数可)が、身体内部で生成された、特定の範囲の機械的刺激又は浸透ストレスの下で、又は超音波変調に限定されない、身体の外部の特定の装置を使用して、異物環境において機能するという組成物及び方法を提供している。
本明細書に記述の方法、装置、又は組成物の任意の実施形態を、本明細書に記述する任意の他の方法、装置、又は組成物について実施することができるということが想定される。
一態様では、アミノ酸は、配列番号1、2、3、4、5、又は6に対して75%、85%、95%、又は100%の同一性のうちの少なくとも1つを有する。
上述の実施形態及び他の実施形態に関連する詳細を、以下に説明する。
本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるだろう。しかし、本発明の趣旨及び範囲内での種々の変更及び修正は、この詳細な説明から当業者には明らかになるため、詳細な記述及び具体的な実施例は、本発明の具体的な実施形態を示しているものの、単なる実例として与えられていることが理解されるべきである。
以下の図面は、一例を示し、限定するものではない。簡潔さ及び明瞭さのために、所与の構造の全ての特徴が、その構造が現れる全ての図面に常に示されているわけではない。以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明の特定の態様を更に説明するために含まれている。本発明は、本明細書に提示する具体的な実施形態の詳細な記載と組み合わせて、1つ以上のこれらの図面を参照することによって、よりよく理解されるだろう。
表1~6は、異なるMscL(MscL1、MscL2、MscL3、及びMscL4)のアミノ酸配列を示す。異なるプロモータ(例えば、pMGP、CAG)が、例として特定の細胞を標的化するためにMscL配列の上流領域で使用される。
5’プロモータ配列及び3’蛍光(mCherry)レポーター配列を有するMscL遺伝子構築物の典型的なドメイン構造を示す。 2箇所の制限部位(BamH I及びSal I)間でクローン化されたMscL遺伝子構築物の挿入を示す、典型的な円形DNAプラスミドマップを示す。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入されたHEK293細胞の明視野像を示す。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入されたHEK293細胞の赤色濾過共焦点蛍光画像を示し、488nm励起及び560~660nm発光フィルタを用いたものを示す。 低浸透圧ショック前の、EcMscLを発現しているHEK293細胞の安定電流プロファイルを示す。 低浸透圧ショック(20体積/体積%の水の添加)に応答した、EcMscLを発現しているHEK293細胞の内向き電流プロファイルを示す。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入された胎生ラットの線維柱帯細胞の明視野及び赤色濾過共焦点蛍光画像の複合図を示す。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入された胎性ラットの2つの線維柱帯細胞の、拡大された共焦点蛍光(560~660nmの発光)画像を示す。 低浸透圧ショック(約20体積/体積%の水の添加)に応答した、EcMscL発現ラットTM細胞の内向き電流プロファイルを示す。 TM細胞とHEK細胞とにおける、EcMscLチャネルのピーク電流及び開放ドゥエル時間をそれぞれ比較して示したものであり、ただし、N=5、AV±S.D.、p<0.001である。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入された胎性ラットの線維柱帯細胞の明視野画像を示す。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入された胎性ラットの線維柱帯細胞の共焦点蛍光(560~660nm発光)画像を示す。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入された胎性ラットの線維柱帯細胞の共焦点蛍光(488nmの励起及び505~525nmの発光を用いる)画像を示す。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入した胎性ラットの線維柱帯細胞の、約1U/mLのAlexa Fluor(商標)488ファロイジン染料を用いた明視野画像を示す。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入した胎性ラットの線維柱帯細胞の、約1U/mLのAlexa Fluor(商標)488ファロイジン染料を用いた共焦点蛍光(488nmの励起及び505~525nmの発光を用いる)画像を示す。 約2U/mLのAlexa Fluor(商標)488ファロイジン染料で、EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入された胎性ラットの線維柱帯細胞の、約2U/mLのAlexa Fluor(商標)488ファロイジン染料を用いた共焦点蛍光(488nmの励起及び505~525nmの発光を用いる)画像を示す。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入した胎性ラットの線維柱帯細胞の、約2U/mLのAlexa Fluor(商標)488ファロイジン染料を用いた明視野画像を示し、低浸透圧ショック(20体積/体積%水の添加)の15分後の画像であり、また対照(EcMscL-mCherryを発現していない)を矢印で示している。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入された胎性ラットの線維柱帯細胞の、約2U/mLのAlexa Fluor(商標)488ファロイジン染料を用いた共焦点蛍光(488nmの励起及び505~525nmの発光を用いる)画像を示す。低浸透圧ショック(20体積/体積%水の添加)の7分半後の画像であり、488nm励起及び505~525nm発光フィルタを用いたものを示す。 EcMscL-mCherry遺伝子を含有するプラスミドDNAで形質移入した胎性ラットの線維柱帯細胞の、約2U/mLのAlexa Fluor(商標)488ファロイジン染料を用いた緑色フィルタを通した共焦点画像を示し、低浸透圧ショック(20体積/体積%水の添加)の15分後の画像であり、488nm励起及び505~525nm発光フィルタを用いたものを示す。 細胞における緑色蛍光の強度の動態を示し、EcMscL発現細胞のみが染料を取り込んでいるのが示されている一方で、形質移入されていない細胞は暗いままである。 MscLで感作された細胞の、機械的な力の刺激によって誘発される膜張力/膜変形に対する応答の原理を示す。 線維柱帯細胞のMscLによる感作を利用して眼圧を制御する原理を示す。 AAV8ウイルスにパッケージ化されたMGP-EcMscL-mCherry遺伝子を、前房内注射によってマウスの眼の前房に送達し、線維柱帯(TM)で発現するようにした。 AAV8ウイルスにパッケージ化されたMGP-EcMscL-mCherry遺伝子で処理された眼の断面の虹彩角膜領域の、DAPI色素で(青色蛍光に)染色された共焦点画像であり、角膜及びTM内の細胞を示す。 AAV8ウイルスにパッケージ化されたMGP-EcMscL-mCherry遺伝子で処理された眼の断面の、抗mCherry抗体で(赤色蛍光に)染色された共焦点画像である。TMに見られるレポーター(mCherry)の強い赤色蛍光は、TMに標的化されたEcMscL-mCherryの発現が成功したことを示している。 0.1%のデキサメタゾン(DEX)を毎日3回局所適用して処理したマウスにおいて、IOPが上昇するのを示す。(N=7)。 TMに標的化された右眼(OD)への、ウイルスに担持させたEcMscLの前房内注射から3週間後に、右眼の眼圧(IOP)が減少するのを示す。(N=4)。平均値±標準偏差を示す。 右眼におけるウイルス担持EcMscLの前房内注射から3週間後に、反対側の眼=左眼(OS)の眼圧(IOP)が減少するのを示す。(N=4)。平均値±標準偏差を示す。 硝子体内注射と、非ウイルス型(レーザ支援型)形質移入法の1タイプである、ナノ強化型光学送達(NOD)とによって、EcMscL-二重変異体(I113L/I70E、配列番号5)で形質移入された、平らに貼り付けたマウスの網膜の共焦点画像を示す。レーザ照射が矩形領域(点線境界によってマークされている)で行われたので、抗mCherry抗体免疫で染色された網膜は、形質移入された領域において赤色蛍光を示す。 MGGP-EcMscL(配列番号1)-mCherry遺伝子は、AAV8ウイルスにパッケージ化され、マウスへの外側尾静脈側方注射を介して送達され、脳領域内で発現した。 小脳領域における、EcMscL-mCherryで形質移入されたマウスの脳の一部の、DAPIで染色した(青色蛍光)共焦点画像を示す。スケールバーは、20マイクロメートルである。 小脳の縁部における形質移入及びEcMscL発現を示す、抗mCherry抗体で染色した(赤色蛍光)共焦点画像を示す。矢印は、形質移入された領域を示す。 脳橋及び延髄領域における、EcMscL-mCherryで形質移入されたマウスの脳の一部の、DAPIで染色した(青色蛍光)共焦点画像を示す。 脳橋及び延髄領域における、形質移入及びEcMscL発現を示す、抗領域を示す。 MtMscL-mCherry(配列番号2を参照)を発現している、レポーター(mCherry)蛍光で形質移入されたHEK293細胞の共焦点画像であり、タンパク質発現の原形質膜局在を示す。 低浸透圧ショック(20体積/体積%の水の添加)後の、パッチ型MtMscLを発現しているHEK293細胞の内向きの電流プロファイルを示す。 膜不透過性染料(Alexa Fluor(商標)488カルボン酸スクシンイミジルエステル、緑色)を含有する溶液中のMtMscL-mCherry遺伝子で形質移入されたHEK293細胞の、赤色フィルタ処理共焦点画像及び緑色フィルタ処理共焦点画像を重ね合わせた画像であって、低浸透圧ショックから25分後の画像を示す。画像は、染料(緑色蛍光)の取り込みがMtMscL発現細胞においてのみなされているのを示す。 細胞における緑色蛍光の強度の動態を示し、MtMscL発現細胞(例えば、細胞1、細胞2、細胞3)が染料を取り込んでいるのが示されている一方で、形質移入されていない細胞は暗いままである。 膜不透過性染料であるAlexa Fluor(商標)488カルボン酸スクシンイミジルエステルを含有する溶液中のEcMscL(I113L/I70E)-mCherry遺伝子(配列番号5を参照)で形質移入した、HEK293細胞の共焦点画像を示す。 低浸透圧ショック(20体積/体積%の水の添加)に応答した、パッチ型EcMscL(I113L/I70E)を発言しているHEK293細胞の内向き電流プロファイルを示す。 細胞における膜不透過性染料(Alexa Fluor(商標)488カルボン酸スクシンイミジルエステル)の緑色蛍光の強度の動態を示し、EcMscL(I113L/I70E)発現細胞(例えば、細胞1、細胞2、及び細胞3)のみが染料を取り込んでいるのが示されている一方で、形質移入されていない細胞は暗いままである。 膜不透過性染料(Alexa Fluor(商標)488カルボン酸スクシンイミジルエステル)を含有する溶液中のVcMscL-mCherry遺伝子(配列番号4を参照)で形質移入されたHEK293細胞の、赤色フィルタ処理共焦点画像及び緑色フィルタ処理共焦点画像を重ね合わせた画像示す。 細胞における緑色蛍光の強度の動態を示し、VcMscL発現細胞(例えば、細胞1、細胞2、細胞3、及び細胞4)のみが膜不透過性染料であるAlexa Fluor(商標)488カルボン酸スクシンイミジルエステルを取り込んでいるのが示されている一方で、形質移入されていない細胞は暗いままである。 マウスにおける抗mCherry抗体免疫染色された血管の共焦点画像を示す。 EcMscL-二重変異体(I113L/I70E、配列番号5)で形質移入されたマウスにおける抗mCherry抗体免疫染色された血管の共焦点画像であり、血管の壁に赤色蛍光を示している。 低浸透圧ショック(20体積/体積%の水の添加)に応答して、マルチ電極アレイ(MEA)ペトリ皿上で増殖させた、EcMscLを発現しているHEK293細胞の細胞外電位を示す。スパイクのバーストが、13~14.5秒の間の信号中に見ることができるが、それは、旺盛なEcMscLチャネル活性を示す。 多電極アレイ(MEA)ペトリ皿上で増殖させたHEK293細胞(-VE対照)の細胞外電位を示す。 多電極アレイ(MEA)ペトリ皿を使用して細胞外電位によって測定した、EcMscLを発現しているHEK293細胞における超音波刺激(パルス幅:250ms、繰り返し速度:2Hz、周波数:1.1MHz)によって誘導されるEcMscLチャネル活性を示す。 AAV8ベースの形質導入を介してEcMscL-mCherryで形質移入されたマウス角膜の共焦点画像を示す。レポーター-mCherryの発現が赤色蛍光により示されている。 AAVベースの形質導入を介してEcMscL-mCherryで形質移入されたマウス心臓の共焦点画像を示す。レポーター-mCherryの発現が赤色蛍光により示されている。 AAVベースの形質導入を介してEcMscL-mCherryで形質移入されたマウス腎臓の共焦点画像を示す。レポーター-mCherryの発現が赤色蛍光により示されている。 AAVベースの形質導入を介してEcMscL-mCherryで形質移入されたマウス肝臓の共焦点画像を示す。レポーター-mCherryの発現が赤色蛍光により示されている。 AAVベースの形質導入を介してEcMscL-mCherryで形質移入されたマウス肺の共焦点画像を示す。レポーター-mCherryの発現が赤色蛍光により示されている。
緑内障は、発症時には無症状であることも多く、罹患者が問題を認識できるのが後になって視力が相当程度低下してからである。そのため緑内障は、「視力のコソ泥」というあだ名で呼ばれてきた。緑内障は高齢者、アフリカ系アメリカ人、糖尿病、及び同じ疾患を有する家族がいる人々の間でより広く見られるものの、それでもなお、全ての人口統計学的集団の中に特に緑内障にならないという集団が存在するわけではない。緑内障は治療が非常に困難であり、両宮内省になった結果として視神経が受けた損傷は不可逆的である。緑内障の安全で効果的な、一度の投与で長時間効果が持続する治療法を開発することは、多くの緑内障患者の生活を改善し、緑内障を治療する方法に革命的変化をもたらすものである。
緑内障は、通常、眼圧(IOP=Intra Ocular Pressure)の上昇による視神経の損傷を引き起こす、一群の眼の異常として定義される。健全な眼圧(IOP)を保持し続けるには、硝子体液及び眼房水の処理を連続的に維持しなければならない。緑内障患者の場合、線維柱帯を通る眼房水の流れに制約があり、これはシュレム管及び強膜上血管への排液を遮断し、その結果眼圧(IOP)の上昇をもたらす。眼圧(IOP)を減少させることができる主要な手段として、以下、i)眼房水の産生を低減すること、ii)ぶどう膜強膜流出路を通じた流出を増加させること、iii)従来の経路を通じた排液を改善すること、又は、iv)代替的な流出経路を作り出すことの4つの手段が存在する。
現在の緑内障治療用医薬品及び外科療法には、著しい制約とともに副作用がある。従来の医薬的アプローチは、毎日の点眼、軟膏塗布、又は錠剤の経口投与による、薬物の送達を伴う。望ましくない副作用以外にも、これらの患者に依存する治療プロトコルには、患者コンプライアンスの悪さという主要な問題が存在する。コンプライアンスの問題に対処するために、研究者らは、数ヶ月にわたって眼内に薬物をゆっくりと放出する、非侵襲的眼用インプラントを開発し始めている。しかしながら、多くの患者は、薬物応答性及び病状が変化するため、時が経つにつれて、彼らに適用される薬剤及び投薬レジメンに対して常に調節をする必要があるであろう。
外科的方法の選択肢としては、線維柱帯切除術、管形成術、レーザ線維柱帯形成術、レーザ周辺光彩切開術、深部非穿孔強膜切開術、及び排液装置移植術が挙げられる。全ての手術と同様に、感染症、全身性副作用、及び人的ミス/装置不良のリスクがある。手術部位に手術後、瘢痕が残るのは一般的であり、瘢痕組織は、新たに作成された排液経路を遮断あるいは移動させる場合があり得る。費用、患者の回復時間、及び手術の結果がまちまちであることを考慮すると、緑内障に対する新たなしかも革新的な治療法が必要であるということは明らかである。
外科的及び薬理学的治療の代替として、本発明は、緑内障を治療するための新規かつ固有の方法及び組成物を記載する。本発明は、眼圧(IOP)を低下させ、それによって緑内障患者における継続的な視神経損傷を防止する方法を提供する。
眼房水の排液の80~90%は、従来の流出経路を通じて行われていることが推定されている。また、原発性開放隅角緑内障(POAG)の多くの場合、眼圧(IOP)の上昇は、TMを通じた流出への抵抗の上昇に関連するということも、研究の結果明らかになっている。したがって従来の流出路経路を通じた流出の改善に対処しているものが、既存の緑内障外科手術にはほとんど存在せず、米国食品医薬品局(FDA)に最近認可された緑内障治療薬でも僅かに1種しかない3、4ということが見いだされたことは印象的である。その代わりに、多くの手術や薬品は、眼房水の産生を低減する(例えば、β遮断薬)か、又は、ぶどう膜強膜からの流出を増加させる(例えば、プロスタグランジン類似体)かのいずれかを試みている。
一実施形態では、本発明は、外因性高分子圧力センサ及び流出アクチュエータを利用して、TMを通じた流出設備を増加させることによって、眼圧(IOP)を調節する方法及び組成物を提供する。
別の実施形態では、本発明は、外因性高分子圧力センサが、大きなコンダクタンスの機械受容チャネル及びその変異体である、方法及び組成物を提供する。
更に別の実施形態では、配列番号1~4のMscLタンパク質及びその部位は、哺乳類細胞膜上で発現された場合に生じた突然変異体は、圧力変化を感知し、細胞内圧力又は分子(水性流体及び治療分子に限定されない)の輸送を調節する。
本発明の別の実施形態では、本発明は、MscLホモログ株として、細菌、真菌、酵母などが挙げられるがこれらに限定されない方法及び組成物を記述している。
更に別の実施形態では、本発明は、MscLホモログ株が、大腸菌、結核菌、コレラ菌、枯草菌、らい菌、緑色硫黄光合成細菌、高度好熱菌、インフルエンザ菌、エルウィニア・カロトボーラ、蛍光菌、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、大便連鎖球菌、ラクチス乳酸菌、マルタ熱菌、カウロバクター・クレセンタス、ヒストリチクム菌、有核紡錘菌亜種、ミヤコグサ根粒菌、出血性敗血症菌、軟腐病菌、緑膿菌、ネズミチフス菌、腸チフス菌、ピアス病菌、コリネバクテリウム・グルタミクム、デイノコッカス・ラディオデュランス、乳酸連鎖球菌、青枯病菌、アルファルファ根粒菌、肺炎連鎖球菌、化膿連鎖球菌、ストレプトマイセス・セリカラー、メタノサルシナ・アセチボランス、リステリア・イノキュア、リステリア・モノサイトゲネス等に由来するMscLを含むが、ただしそれらに限らない組成物を記述している。
更に別の実施形態では、本開示はまた、哺乳類細胞の原形質膜への輸送を強化する、1つ以上のアミノ酸配列モチーフの付加/欠失、トランケーション、又は置換によって細胞内で発現されるMscLタンパク質の改変を提供する。したがって、一部の実施形態では、細胞で発現されるMscLタンパク質は、シグナルペプチド、小胞体(ER)輸送シグナル、膜輸送シグナル、及びN末端ゴルジ輸送シグナルからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列モチーフに融合される。哺乳類細胞の原形質膜へのMscLタンパク質輸送を強化する1つ以上のアミノ酸配列モチーフを、MscLタンパク質のN末端、C末端、又はN末端及びC末端の両方に融合させることができる。
本発明の別の態様は、大きなコンダクタンスの機械受容チャネル(MscL)に対する導入遺伝子エンコードをTM細胞にウイルス送達することを記述しており、そのエンコードが翻訳され細胞膜へ組み込まれると、チャネルが、眼圧(IOP)の増加に応答して、細胞外への流体の移動を促進することができるようになっている。
一実施形態では、本発明は、分泌された細胞液の一部がシュレム管、更に血管系内へと排出され、それによって眼内の流体の体積を減少させる方法及び組成物を提供する。論理的に、この流体体積の減少は、眼圧(IOP)の減少をもたらす。
以前の研究では、TM細胞の収縮性が阻害されると、細胞が形状を変化させ、それによって、より多くの細胞間空間を作り出し、結果として、TMを介した眼房水(AH)の流出をより容易にすることが示されている。本発明の別の態様は、MscLの活性化は同様の利益をもたらすことであるが、それは、MscLの活性化の結果として生じる細胞サイズの減少が、より多くの細胞間空間を作り出し、眼房水の傍細胞輸送を必然的に増加させるからである。
別の実施形態では、本発明は、MscL活性化後の細胞平衡のシフトによって引き起こされる細胞回復プロセスが、TM細胞の機能に影響を及ぼし得るいくつかのシグナル伝達カスケードをトリガし得る方法及び組成物を提供する。例えば、細菌においては、熱ショックタンパク質の発現が、低浸透圧ショック中のMscLゲーティング後に、増加されることが示されている。また同時に、変異体ミオシン(一部の患者では原発性開放隅角緑内障(POAG)の原因)を発現する緑内障のTM細胞は流出抵抗が増加しているが、タンパク質折り畳みシャペロン(熱ショックタンパク質を含む)が共発現されると、流出がより容易になる(改善される)ことが判明している。上記の改善は、シャペロンが、突然変異体のミオシリン誘発性タンパク質の凝集を防止すること(それにより、細胞の機能が回復すること)に起因するものと考えられる。これらの2つの研究を念頭に置けば、MscL活性化が、突然変異体ミオシリン誘導性緑内障TM細胞において熱ショックタンパク質発現をトリガする場合には、眼房水(AH)の流出もまた容易になる(改善される)はずであると仮定することができる。
更に別の実施形態では、本発明は、MscLの活性化が、シュレム管への流体の排出、細胞の収縮、及び細胞間空間の増加をもたらし、かつ保護遺伝子を増加させ得る細胞プロセスをトリガする方法及び組成物を提供する。
本発明の別の態様は、機能を果たすためにパートナー又はエネルギー源を必要としない、自律的センサ及びアクチュエータとしてのMscLを記述する。MscLは、本質的に、脂質二重膜の張力を感知し、この機械的刺激に直接応答してゲートを開閉する。
好ましい実施形態では、本発明は、アデノ随伴ウイルス(AAV)適合性プラスミドDNA構築物が、MSCL遺伝子及びTM特異的プロモータをコードしており、TM細胞におけるMscLの発現をもたらす方法及び組成物を記載する。好ましくは、大腸菌MscL(EcMscL)が選択されるが、それは、EcMscLが最も堅牢であり、かつその特徴が良好に判明しているMscLホモログであるからである。A136アミノ酸モノマーをエンコードするBL21(DE3)大腸菌株からMscL遺伝子を回収し、哺乳類細胞での発現用にコドンを最適化した。遺伝子を、TM特異的プロモータの制御下に置いた。いくつかの研究では、眼においては、マトリックスGlaタンパク質(MGP)がTM細胞で優先的に発現され、そのプロモータ配列が遺伝子発現を標的化するために使用されていることが判明している。染色体12の14886367~14885792上に位置するMGPプロモータ配列(pMGP)を、Lintonら(2005)のプライマーを使用して同定し、ヒトゲノムGRCh38.p12の逆相補鎖に対するアラインメント検索を実行する。得られた576bpのプロモータ配列を、EcMscL遺伝子の5’末端に配置した。融合蛍光レポーターが、遺伝子の発現及び膜の局在を示す視覚的マーカーとして機能するように選択された。EcMscLがホモオリゴマーであり、翻訳後に機能性複合体にアセンブルする必要があるため、厳密にモノマー性の蛍光タンパク質を選択して、混乱を引き起こしかねないいかなる相互作用も回避することが必要であった。この目的のために、単量体蛍光タンパク質M-Cherryを、MscLにC末端融合させた。最後に、pAAV-MCSプラスミドバックボーンは、HTMへの遺伝子のウイルス導入に成功裡に使用されているため、注目すべき塩基である。
別の実施形態では、本発明は、初代培養されたTM細胞が、リポフェクション法によってMscLプラスミドDNAで形質移入され、タンパク質発現及び局在性が、エピ蛍光共焦点顕微鏡法によりアッセイされる方法を記述している。また、細胞を透過型顕微鏡によってモニタリングして、それらの形態構造又は増殖サイクルに何らかの変化がないか確認した。抗mCherry(レポーター)抗体を用いたタンパク質局在試験を、ウェスタンブロット法を用いて行った。
更に別の実施形態では、本発明は、TM細胞膜におけるEcMscLの本来の機能が保持されていることが、EcMscL発現HTM細胞の表面から切り取られた膜パッチから、チャネルゲーティング記録を電気生理学的に測定することを通じて示される方法を提供する。機械的刺激は、パッチクランプピペットに吸引を適用して負圧を生成することによって誘導した。
別の実施形態では、本発明は、緑内障の治療のために、眼の他の細胞において機械受容チャネルを発現させることができる方法及び組成物を提供する。眼細胞としては、シュレム管細胞、網膜神経節細胞、グリア細胞、毛様体細胞、角膜細胞、双極細胞、及び光受容体細胞が挙げられるが、これらに限定されない。この役割では、機械受容チャネルは、浸透圧調節機構として作用し、眼房水及び硝子体液の産生及び組成に影響を及ぼし、圧縮応力を保護し、神経活性を補い、また上記のような他の機能を果たし得る。
本発明の別の態様では、機械受容チャネルの方法及び組成物は、あらゆる既知の、機械的に/伸張により活性化されるチャネル及びタンパク質を指し、MscS、MscK、MscG、MSL2~MSL10、MCA、TPK、ピエゾチャネル、TRPV1~TRPV5、OSM-9、Mys1、Mys2、及びMSC1が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の別の態様は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発現された機械受容チャネルが、低血圧及び高血圧の治療及び予防において、動脈系の上皮細胞に、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として使用される方法を記述している。
本発明の別の実施形態では、本発明は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった機械受容チャネルが、造血幹細胞で発現される場合に、高血圧及び低血圧関連疾患の治療及び予防において浸透圧調節機構として機能し、浸透圧ショックに対する耐性を有する赤血球を生成するという方法を記述している。
本発明の別の実施形態では、本発明は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発言された機械受容チャネルが、腎臓結石及び慢性腎疾患の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される、腎臓系における浸透圧調節機構又は利尿機構として使用されるという方法を記述している。
本発明の別の態様は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はその生成された部位に特異的な突然変異体といった異種的に発現された機械受容チャネルが、胆石の治療及び予防において、肝臓系の肝、胆嚢、又は胆管細胞において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される胆汁調節機構として使用されるという方法を記述している。
本発明の別の態様は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発現された機械受容チャネルが、浮腫の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として、及び流体のための代替的な流出/流入経路として使用されるという方法を記述している。これらの疾患としては、受動網膜下浮腫、嚢胞状黄斑浮腫、リンパ浮腫、末梢浮腫、肺水腫、及び足の浮腫、並びに骨関節炎に関連する膝関節及び他の関節の腫張が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の別の実施形態では、本発明は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発言された機械受容チャネルが、生殖器系において、勃起機能不全、膣乾燥、良性前立腺肥大症、及び多嚢胞性卵巣症候群の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として、及び流体のための代替的な流出/流入経路として使用されるという方法を記述している。
本発明の更に別の実施形態では、本発明は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発現された機械受容チャネルが、汗腺の機能不全などのような任意の皮膚関連疾患の治療において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として、及び流体のための代替的な流出/流入経路として使用されるという方法を記述している。
本発明の更に別の実施形態では、本発明は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発現された機械受容チャネルが、特発性頭蓋内圧亢進症の治療において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として、及び流体のための代替的な流出/流入経路として使用されるという方法を記述している。
本発明の別の実施形態では、本発明は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発現された機械受容チャネルが、癌を含む疾患に対する治療の有効性を高めるために、薬物送達の増強のための、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される細胞内膜貫通ポートとして使用されるという方法を記述している。
本発明の別の態様は、上皮成長因子受容体(EGFR)などの特定の受容体又はpH環境によって標的化された癌細胞における、機械受容チャネルの発現を利用して、恒常的に開放された「漏れのある」チャネルを生物工学的に作り出すか、又はチャネルを過剰に刺激することによって、細胞死を促進させるという方法を記述している。
本発明の別の態様は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発現された機械受容チャネルが、例えば疼痛、てんかん、脳卒中、並びに心血管疾患及び筋ジストロフィーなどの神経疾患が挙げられるがこれらに限定されない様々な疾患の治療及び予防のために、例えば神経細胞、心細胞、及び筋細胞などを含む、細胞の刺激に使用されるという方法を記述している。
本発明の別の実施形態では、本発明は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発現された機械受容チャネルが、神経細胞において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化され、震盪などの傷害を修復し、神経の再生、学習及び記憶の処理の加速化を強化させるために神経活性を調節するという方法を記述している。
本発明の別の実施形態では、本発明は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発現された機械受容チャネルが、神経細胞において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化されて、休眠状態の神経細胞内の活性を調節して、昏睡状態及び持続的な植物状態からの回復を実現するという方法を記述している。
本発明の更に別の実施形態では、本発明は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発現された機械受容チャネルが、例えば血液脳脊髄液(CSF)関門、血液脳関門(BBB)、血液網膜関門、及び血液脊髄関門などの、中枢神経系(CNS)媒介性関門に、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として使用されるという方法を記述している。
本発明の別の態様は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発現された機械受容チャネルが、内部又は外部機械的刺激によって活性化され、アルツハイマー病、パーキンソン病、及びハンチントン病を含むがこれらに限定されない神経変性疾患において、例えばβアミロイド、τ及びαシヌクレイン、並びにポリグルタミンのような毒素を、中枢神経系から除去して、血液脳関門(BBB)、血液網膜関門、及び血液脊髄関門を介して血流に流すのを可能にする流出口として使用される方法を記述している。
本発明の別の態様は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、肺細胞において異種的に発現された機械受容チャネルが、内部又は外部の機械的刺激によって活性化され、炭塵肺(炭鉱労働者の塵肺症)を含むがこれらに限定されない肺疾患において、肺細胞を介して肺胞から毛細血管へ、又はその逆方向で酸素と二酸化炭素とを交換するためのポートとして使用されるという方法を記述している。
本発明の更に別の実施形態では、本発明は、細菌性機械受容チャネル(MscL、MscS、MscK、MscG)、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、機械受容チャネルを発言している細胞が、ナノプローブの融合又は接合の有無にかかわらず、その持続時間、周波数、及び強度が、所望の治療結果をもたらすように制御された刺激、分子導入、又は細胞死が得られるように調整され得る外部の機械的力又は磁場を提供する装置によって活性化されるという方法を記述している。
ここで、本開示は、添付の図面を参照しつつ、以下に更に完全に記載し、本発明のいくつかの例示的な実施形態が示される。しかし、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載する実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分に完全であり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように与えられる。
「1つの(a又はan)」という用語の使用は、特許請求の範囲及び/又は明細書中で「~を含む(comprising)」という用語と組み合わせて使用される場合、「1つ」を意味してもよいが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、「1つ、又は1つより多い」の意味とも一致する。
特許請求の範囲において「又は(若しくは)」という用語の使用は、特に明記されない限り、代替物のみを指すか、又は代替物が相互に排他的であることを指すように、「及び/又は」を意味するように使用されるが、本開示は、代替物と「及び/又は」のみを指す定義を支持する。
「1つ(a及びan)」という用語は、本開示が明示的に他の意味であることを必要としていない限り、1つ以上であると定義される。当業者に理解されるように、用語「実質的に」は、指定されているものの必ずしも全体ではないものの大部分として定義される(かつ、指定されているものを含む、例えば、「実質的に90度」とは90度を含み、「実質的に平行」には平行が含まれる)。任意の開示される実施形態では、「実質的に」、「おおよそ」、「約」という用語は、明記されているものの「~[パーセント]以内に」と置き換えられてもよく、このパーセントは、0.1%、1%、5%、及び10%を含む。
本出願全体で、「約」という用語は、ある値が、その値を決定するために使用される装置又は方法についての誤差の標準偏差を含むことを示すために使用される。
更に、特定の様式で構成される分子又は方法は、少なくともその様式で構成されるが、具体的に開示されるもの以外の様式で構成されてもよい。
「~を備える・含む(comprise)」(及び備える・含む(comprise)の任意の形態、例えば、「comprises」及び「comprising」)、「~を有する(have)」(及び有する(have)の任意の形態、例えば、「has」及び「having」)、「~を含む(include)」(及び含む(include)の任意の形態、例えば、「includes」及び「including」)及び「~を含有する(contain)」(及び含有する(contain)の任意の形態、例えば、「contains」及び「containing」)との用語は、制限のない接続動詞である。結果として、1つ以上の要素「~を備える・含む(comprises)」、「~を有する(has)」、「~を含む(includes)」又は「~を含有する(contains)」装置は、1つ以上の要素を含むが、それらの要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の工程「~を含む(comprises)」、「~を有する(has)」、「~を含む(includes)」又は「~を含有する(contains)」方法は、1つ以上の工程を含むが、その1つ以上の工程のみを有することに限定されない。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「~を備える・含む(comprising)」(及び含む(comprising)の任意の形態、例えば、「comprise」及び「comprises」)、「~を有する(having)」(及び有する(having)の任意の形態、例えば、「have」及び「has」)、「~を含む(including)」(及び含む(including)の任意の形態、例えば、「includes」及び「includ」)又は「~を含有する(containing)」(及び含有する(containing)の任意の形態、例えば、「contains」及び「contain」)との用語は、包括的又は無制限的であり、引用されていない追加的な構成要素又は方法の工程を除外しない。
装置、システム及び方法のいずれかの実施形態が、記載されている工程、構成要素及び/又は特徴のいずれかを備える・含む(comprise)/含む(include)/含有する(contain)/有する(have)のではなく、これらからなる(consist of)か、又は本質的にこれらからなっていて(consist essentially of)もよい。したがって、特許請求の範囲のいずれかにおいて、「~からなる」又は「本質的に~からなる」は、わざわざそれらを使わなければ無制限的な接続動詞を用いるであろう所与の特許請求の範囲を変えるために、上に引用した無制限的な任意の接続動詞に換えて用いることができる。
ある実施形態の1つ以上の特徴が記載されておらず、示されていない場合であっても、本開示によって明示的に禁止されていない限り、又は実施形態の性質から明示的に禁止されていない限り、そのある実施形態の1つ以上の特徴を、他の実施形態に適用してもよい。
上述の参考文献又は他の文献の具体的な開示内容が、本発明の任意の一般的な態様を予測するために考慮され得る程度まで、本発明の開示は、既に開示されたこのようないかなるの種類をも放棄するという但し書きを含むことを理解すべきである。本発明の態様は、このような文献の開示内容によって予測されず、これらの刊行物の開示内容から自明でもないが、それは本明細書に開示されるか又は主張される予想外の優れた結果の少なくとも一部分によるものである。
以下、ここに開示する発明を、単に説明のために与えられ、したがって、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない実施例として更に説明する。
実施例1.以下に概説される実験は、細菌性機械受容チャネルが、哺乳類細胞、特に線維柱帯細胞において発現され得ることを実証するものである。大腸菌MscL(EcMscL)は、モデルチャネルとして選択されており、これは、EcMscLが最も堅牢であり、かつその特徴が良好に判明している機械受容チャネルであるためである。A136アミノ酸モノマーをエンコードするBL21(DE3)大腸菌株からのMscL遺伝子を、哺乳類細胞での発現用にコドン最適化し、TM特異的プロモータの制御下に置いた。いくつかの研究では、眼においては、マトリックスGlaタンパク質(MGP)がTM細胞で優先的に発現され、そのプロモータ配列が遺伝子発現を標的化するために使用されていることが判明している。染色体12の14886367~14885792上に位置するMGPプロモータ配列(pMGP)を、Lintonら(2005)からのプライマーを使用して同定し、ヒトゲノムGRCh38.p12の逆相補鎖に対するアライメント検索を実行した。得られた576bpのプロモータ配列を、EcMscL遺伝子の5’末端に配置した。融合蛍光レポーターが、遺伝子の発現及び膜の局在を示す視覚的マーカーとして機能するように選択された。EcMscLがホモオリゴマーであり、翻訳後に機能性複合体にアセンブルする必要があるため、厳密にモノマー性の蛍光タンパク質を選択して、混乱を引き起こしかねないいかなる相互作用も回避することが必要であった。この目的のために、単量体蛍光タンパク質M-Cherryを、MscLにC末端融合させた。このように設計されたDNAセグメントを、2つの制限部位BamH IとSal Iとの間のベクターに挿入した[図1A及び図1B]。2つの哺乳類細胞型(HEK239細胞及び初代胎性ラットの線維柱帯細胞)を、pMGP-EcMscL-mCherry構築物で形質移入させた。両方の細胞型を、35mmのペトリ皿中の標準的なDMEM増殖培地1mL中で培養した。JetPRIME(PolyPlus)を使用して、2pgのpMGP-EcMscL-mCherryプラスミドDNAを各皿に送達した。生細胞の蛍光共焦点顕微鏡法を使用して、蛍光レポーター結合遺伝子の正常な形質移入及び発現を確認した。サンプルを488nmで励起し、560~660nmの赤色発光フィルタを使用して、mCherry蛍光を可視化した。HEK293細胞の集団[図2A及び図2B]及び胎性ラット線維柱帯細胞の集団[図3A及び図3B]は蛍光であり、それにより、MscLが、意図された宿主(ヒト細胞)と生物学的に類似した哺乳類宿主において発現され得ることが示された。
実施例2-以下に概説される実験は、細菌性機械受容チャネルが、哺乳類細胞においてもそれらの本来の機能を保持し、分子導入及び浸透圧制御に使用され得ることを実証するものである。EcMscLは、膨圧によって引き起こされる細胞膜の伸張に応答する、浸透圧調節機構及びゲートである。EcMscLチャネルが開くと、膜不透過性分子が、開放孔を通って細胞の内部及び細胞の外部に拡散することができる。したがって、細胞外の膜不透過性分子(染料又は治療薬を含む)の存在下で低浸透圧ショックを受けたとき、機能性EcMscLを発現する細胞は、その分子を取り込むはずである。pMGP-EcMscL-mCherryプラスミドDNAを形質移入した初代培養胎性ラットの線維柱帯細胞を、2U/mLのAlexa Fluor(商標)488カルボン酸スクシンイミジルエステル(Invitrogen社製)の存在下で、20体積/体積%の水を添加することにより、低浸透圧ショックに供した。次いで、細胞を488nmで励起し、共焦点蛍光顕微鏡によって15分間モニタリングし、緑色発光フィルタ(505~525nm)のいずれかを介して検出した。明視野画像及び蛍光画像には、低浸透圧ショック後、赤色(発光フィルタ:560~660nm)蛍光EcMscLを発現している細胞のみが、緑色染料を取り込んだことが示されている[図4A~図4I]。蛍光画像の分析により、低浸透圧ショック後、赤色蛍光EcMscLを発現している細胞のみが、緑色染料を取り込んだことが示されている[図4J]。非蛍光細胞は、低浸透圧ショック後も膨張し、暗いままであり、EcMscL活性が存在しなかった(すなわち、細胞外の不透過性染料Alexa Fluor(商標)488カルボン酸スクシンイミジルエステルの輸送が存在しなかった)ことを示す。したがって、赤色蛍光がEcMscL活性と相関し、EcMscL-mCherry構築物の形質移入は、浸透圧調整及び分子導入をもたらした機能性膜統合型EcMscL-mCherryチャネルタンパク質の発現をもたらしたと推定することができる。
実施例3-図5Aは、機械的力の刺激によって誘発される膜張力/膜変形に対する、MscLで感作された細胞の応答の原理を示す。線維柱帯細胞のMscL感作を使用して眼圧を制御する原理を、図5Bに示す。以下に概説される実験は、細菌性機械受容チャネルが、哺乳類細胞においてもそれらの本来の機能を保持し、外部の機械的圧力又は浸透圧によって刺激することができることを実証するものである。哺乳類細胞におけるEcMscLチャネル機能は、HEK293の全細胞パッチ及びEcMscL-mCherryを発現する胎性ラットのTM細胞から、電気生理学的測定値を記録することによって調べた。パッチクランプ記録セットアップは、増幅器システム(Axon Multiclamp 700B、Molecular Devices社製)を使用したNikon社製倒立型蛍光顕微鏡(TS100)プラットフォームを含む。130mMのK-グルコン酸、7mMのKCl、2mMのNaCl、1mMのMgCl、0.4mMのEGTA、10mMのHEPES、2mMのATP-Mg、0.3mMのGTP-トリス、及び20mMのスクロースを含有する溶液で満たしたときに、3~5MΩの抵抗性を達成するため、2段階ピペットプラー(Narshinghe社製)を使用してマイクロピペットを引っ張った。マイクロピペット電極をマイクロマニピュレータ上に取り付けた。150mMのNaCl、10mMのグルコース、5mMのKCl、2mMのCaCl、1mMのMgClを含有する細胞外溶液を、10mMのHEPES(pH7.3)で緩衝した。電圧クランプ内に細胞を約70mVで保持しながら、光電流を測定した。増幅器からの電気生理学的信号を、パッチクランプソフトウェア(Molecular Devices社製Clampex)とインターフェース接続したDigidata 1440(Molecular Devices社製)を使用してデジタル化した。データの分析には、pClamp10ソフトウェアを用いた。20体積/体積%の水を添加することにより、パッチセルを低浸透圧ショックにさらすことによって、チャネル活性を誘導した[図2C及び図3C]。安定したギガオーム封止が達成され、電流トレースは、低浸透圧ショックに応答したチャネル活性を示す。HEK293細胞におけるチャネル活性と胎性ラットTM細胞におけるチャネル活性の比較により、ピーク電流と開放ドゥエル時間とについて、両細胞の差を示す[図3D]。
実施例4-以下に概説される実験は、EcMscLが線維柱帯(TM)で発現されるとき、そのEcMscLが眼圧(IOP)を低下させ、それによって緑内障を治療することができるということを実証するものである。眼圧(IOP)に対するウイルス送達EcMscLの効果に関する研究は、緑内障のグルココルチコイド誘導マウスモデルにおいて実施された。野生型C57BL/6Jマウスにおいて眼圧(IOP)の上昇を誘導するために、0.1%デキサメタゾン(DEX)眼用溶液を、試験期間の間、毎日3回、マウスの眼に投与した。眼圧(IOP)は、TonoVet(リバウンド式トノメーター)を使用して測定した。各眼の眼圧(IOP)測定値を3回取り、平均測定値を記録した。対照群のマウス[図6C]は、眼圧(IOP)の上昇を示した。別の群のマウスを、EcMscL-mCherry遺伝子を含有するアデノ随伴ウイルス(AAV)を、眼の前室(AAV2/8-pMGP-EcMscL mCherryへの前房内注射で処理した(6.75×1010gc/眼))。針を、角膜を通して虹彩角膜角の前方に挿入し、3μlのウイルスを、1μl/分の速度で、眼内に注入した。注射後、針を眼内の適所に1分間放置した後、ゆっくりと後退させた。治療前及び治療後は毎週、眼圧(IOP)を測定した。未処理対照マウス群[図6C参照]と比較して、TMに標的化されたウイルス担持EcMscLの前房内注射の3週間後に、眼圧(IOP)が減少するということが判明した[図6D、図6E]。研究の最後に、マウスを屠殺し、それらの眼を免疫組織化学解析用に切片化した。抗mCherry抗体による免疫染色は、EcMscL-mCherryがTMで正常に発現したことを示した[図6A、図6Bを参照]。この研究の結果は、TMにおけるEcMscLの発現が、上昇した眼圧(IOP)の低下と相関し、緑内障の治療における機械受容チャネルの有用性を実証することができるということを示す。したがって、浸透圧調節機構として使用される、細菌性機械受容チャネル(MscL)又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体などの、異種的に発現された機械受容チャネルは、内部又は外部の機械的刺激によって活性化され、かつ、受動網膜下浮腫、嚢胞状黄斑浮腫、リンパ浮腫、末梢浮腫、肺水腫、及び足の浮腫、並びに骨関節炎に関連する膝関節及び他の関節の腫張の治療及び予防における流体の代替的な流出/流入経路となる。
実施例5-以下で概説される実験は、EcMscL(I113L/I70E)-mCherry(配列番号5を参照)を、非ウイルス的方法によって臓器の空間的に標的化された組織領域に生体内で送達することができるということを実証するためのものである。使用されるレーザ支援形質移入法は、ナノ強化型光学送達(NOD)と呼ばれ、低電力連続波レーザビームが、金のナノ粒子によって組織付近の表面プラズモン共鳴により局所的に強化されて、ホットスポットで局所的に温度が上昇することによって、細胞膜に一時的な穿孔を生じさせる。任意の組織を標的とすることができるが、例として網膜を使用した。最初に、1μlの金ナノロッド(GNR)を、マウスの眼の硝子体内に注入した。約30~45分後、EcMscL(I113L/I70E)遺伝子を含有する1μlのプラスミドDNAを、同じ眼の硝子体内に再度注入した。OCT(光干渉断層撮影)誘導連続波レーザビームを使用して、眼の網膜に、空間的に制御された様式で照射した。照射の2週間後、マウスを屠殺し、それらの眼が固定され、網膜の平坦マウントが、免疫組織化学分析のために作製された。抗mCherry抗体による免疫染色は、処置された眼におけるEcMscL(I113L/I70E)-mCherryの発現を示す[図7]一方で、対照例の眼においては発現が見られなかった。
実施例6-以下に概説される実験は、EcMscL-mCherry遺伝子(配列番号1を参照)が、アデノ随伴ウイルス(AAV)に担持されたEcMscL-mCherry遺伝子の静脈内注射後に、マウス脳内で発現することができるということを実証するものである。ウイルスは、外側尾静脈を通して投与された。まず、ランプを使用して尾部を加熱し、静脈を可視化した。次いで、約100μlのウイルス、合計約1×1011vgを、外側尾静脈に注射した(AAV2/8-pMGP-EcMscL-mCherry)。注射の4週間後、マウスを屠殺し、それらの脳を固定し、免疫組織化学解析用に切片化した。抗mCherry抗体による免疫染色により、EcMscLが、小脳の縁部[図8A、図8B]と、脳橋及び延髄領域[図8C、図8D]と、において発現を示した。これらの結果は、静脈内に注射されたウイルスが血液脳関門を横切って、脳におけるMscL発現の形質導入をもたらし得ることを実証するものである。
実施例7-以下に概説される実験は、哺乳類細胞内で結核菌MscL(MtMscL)を発現させ、機能させることができ、分子導入及び浸透圧制御に使用することができるということを実証するものである。A151アミノ酸モノマーをエンコードする、H37Rv結核菌株からのMscL遺伝子を、哺乳類細胞における発現のためにコドン最適化し、シグナルペプチドにN末端融合させ、mCherryにC末端融合させた(配列番号2を参照)。シグナルペプチドを使用して、タンパク質を原形質膜に標的化し、蛍光レポーターを、遺伝子の発現及び膜の局在性を示す視覚的マーカーとして機能するように選択した。HEK293細胞に構築物を形質移入し、35mmのペトリ皿中の標準的なDMEM増殖培地1mL中で培養した。リポフェクション剤を使用して、プラスミドDNAを細胞に送達した。生細胞の蛍光共焦点顕微鏡法を使用して、蛍光レポーター結合遺伝子の正常な形質移入及び発現を確認した。560~660nmの赤色発光フィルタを使用して、mCherry蛍光を可視化した。MtMscL-mCherry形質移入されたHEK293細胞の集団[図9A]は蛍光を放ち、それにより、MtMscLが哺乳類宿主において発現され得ることを示した。加えて、蛍光は主として、細胞の原形質膜において見られ、それによって、シグナルペプチドによる膜の標的化が成功していることが示された。
哺乳類細胞におけるMtMscLチャネル機能もまた、MtMscL-mCherryを発現しているHEK293細胞の全細胞パッチから、電気生理学的測定値を記録することによって調べた。パッチクランプ記録セットアップは、増幅器システム(Axon Multiclamp 700B、Molecular Devices社製)を使用したNikon社製倒立型蛍光顕微鏡(TS100)プラットフォームを含む。130mMのK-グルコン酸、7mMのKCl、2mMのNaCl、1mMのMgCl2、0.4mMのEGTA、10mMのHEPES、2mMのATP-Mg、0.3mMのGTP-トリス、及び20mMのスクロースを含有する溶液で満たしたときに、3~5MΩの抵抗性を達成するため2段階ピペットプラー(Narshinghe社製)を使用してマイクロピペットを引っ張った。マイクロピペット電極をマイクロマニピュレータ上に取り付けた。150mMのNaCl、10mMのグルコース、5mMのKCl、2mMのCaCl2、1mMのMgCl2を含有する細胞外溶液を、10mMのHEPES(pH7.3)で緩衝した。電圧クランプ内に細胞を約70mVで保持しながら、電流を測定した。増幅器からの電気生理学的信号を、パッチクランプソフトウェア(Molecular Devices社製Clampex)とインターフェース接続したDigidata 1440(Molecular Devices社製)を使用してデジタル化した。データの分析には、pClamp10ソフトウェアを用いた。20~40体積/体積%の水を添加することにより、パッチセルを低浸透圧ショックにさらすことによって、チャネル活性を誘導した。安定したギガオームシールが達成され、電流トレースは、低浸透圧ショックの後にのみチャネル活性を示した[図9B]ため、MtMscLチャネルが哺乳類細胞において機能していることが実証されている。
MtMscL-mCherryを発現しているHEK293細胞を、膜不透過性染料、すなわちAlexa Fluor(商標)488カルボン酸スクシンイミジルエステルの存在下で、20~40体積/体積%の水を添加することによって、低浸透圧ショックに供した。次いで、細胞を、赤色チャネル(mCherryに対して、543nmで励起、かつ560~660nmで発光)及び緑色チャネル(膜不透過性染料に対して、488nmで励起及び505~525nmの発光フィルタによる検出)で10~25分間にわたり、共焦点蛍光顕微鏡によってモニタリングした[図9C:緑色チャネル及び赤色チャネルを重ね合わせたもの]。蛍光画像の分析により、低浸透圧ショック後、細胞赤色(mCherry)蛍光MtMscLを発現している細胞のみが、緑色不透過性染料を取り込んだことが示されている[図9D]。非蛍光細胞は、低浸透圧ショック後も膨張し、暗いままであり、MtMscL活性が存在しなかった(すなわち、細胞外の不透過性染料の輸送が存在しなかった)ことを示す。したがって、赤色蛍光がMtMscL活性と相関し、MtMscL-mCherry構築物での形質移入が、浸透圧調整及び分子導入が可能な機能性膜統合型MtMscL-mCherryチャネルタンパク質の発現をもたらしたと推定することができる。
実施例8-以下に概説する実験は、大腸菌MscL(EcMscL)の変異体、EcMscL(I113L/I70E)を、哺乳類細胞中で発現させ、機能させることができ、分子導入及び浸透圧制御に使用することができということ、及びEcMscL(I113L/I70E)が、野生型のチャネルとは異なるゲーティング動態を有することを示す。A136アミノ酸モノマーをエンコードするBL21(DE3)大腸菌株からのMscL遺伝子を、哺乳類細胞における発現のためにコドン最適化し、シグナルペプチドにN末端融合させ、mCherryにC末端融合させ、I113及びI70残基を変異させた(配列番号5を参照)。シグナルペプチドを使用して、タンパク質を原形質膜に標的化し、蛍光レポーターを、遺伝子発現及び膜局在の視覚的マーカーとして機能するように選択し、変異に、チャネル動態を改変させた。HEK293細胞に構築物を形質移入し、35mmのペトリ皿中の1mLの標準的なDMEM増殖培地で培養した。リポフェクション剤を使用して、プラスミドDNAを細胞に送達した。生細胞の蛍光共焦点顕微鏡法を使用して、蛍光レポーター結合遺伝子の正常な形質移入及び発現を確認した。560~660nmの赤色発光フィルタを使用して、mCherry蛍光を可視化した。HEK293細胞の集団[図10A]は蛍光を放ち、それにより、EcMscL(I113L/I70E)が哺乳類宿主で発現され得ることを示した。
EcMscL(I113L/I70Eを参照)(配列番号5を参照)の、哺乳類細胞におけるチャネル機能は、EcMscL(I113L/I70E)-mCherryを発現しているHEK293細胞の全細胞パッチからの電気生理学的測定値を記録することにより調べた。パッチクランプ記録セットアップは、増幅器システム(Axon Multiclamp 700B、Molecular Devices社製)を使用したNikon社製倒立型蛍光顕微鏡(TS100)プラットフォームを含む。130mMのK-グルコン酸、7mMのKCl、2mMのNaCl、1mMのMgCl2、0.4mMのEGTA、10mMのHEPES、2mMのATP-Mg、0.3mMのGTP-トリス、及び20mMのスクロースを含有する溶液で満たしたときに、3~5MΩの抵抗性を達成するため2段階ピペットプラー(Narshinghe社製)を使用してマイクロピペットを引っ張った。マイクロピペット電極をマイクロマニピュレータ上に取り付けた。150mMのNaCl、10mMのグルコース、5mMのKCl、2mMのCaCl2、1mMのMgCl2を含有する細胞外溶液を、10mMのHEPES(pH7.3)で緩衝した。電圧クランプ内に細胞を約70mVで保持しながら、電流を測定した。増幅器からの電気生理学的信号を、パッチクランプソフトウェア(Molecular Devices社製Clampex)とインターフェース接続したDigidata 1440(Molecular Devices社製)を使用してデジタル化した。データの分析には、pClamp10ソフトウェアを用いた。20~40体積/体積%の水を添加することにより、パッチセルを低浸透圧ショックにさらすことによって、チャネル活性を誘導した。安定したギガオームシールが達成され、電流トレースは、低浸透圧ショックの後にのみチャネル活性を示した[図10B]ため、EcMscL(I113L/I70E)チャネルが哺乳類細胞において機能していることが実証されている。
EcMscL(I113L/I70E)-mCherryを発現しているHEK293細胞(赤色発光フィルタ(560~660nm)を介してモニタリング)を、膜不透過性染料である、Alexa Fluor(商標)488カルボン酸スクシンイミジルエステルの存在下で、20~40体積/体積%の水を添加することによって、低浸透圧ショックに供した。次いで、細胞を488nmで励起し、共焦点蛍光顕微鏡によって10~15分間モニタリングし、緑色発光フィルタ(505~525nm)を介して検出した。蛍光画像の分析により、低浸透圧ショック後、赤色蛍光EcMscL(I113L/I70E)を発現している細胞のみが、緑色染料を取り込んだことが示されている[図10C]。非蛍光細胞は、低浸透圧ショック後も膨張し、暗いままであり、EcMscL(I113L/I70E)活性が存在しなかった(すなわち、細胞外の不透過性染料の輸送が存在しなかった)ことを示す。したがって、赤色蛍光がEcMscL(I113L/I70E)活性と相関し、EcMscL(I113L/I70E)-mCherry構築物での形質移入が、浸透圧調整及び分子導入が可能な機能性膜統合型EcMscL(I113L/I70E)-mCherryチャネルタンパク質の発現をもたらしたと推定することができる。
実施例9-以下に概説される実験は、哺乳類細胞内でコレラ菌MscL(VcMscL)を発現させ、機能させることができ、分子導入及び浸透圧制御に使用することができることを実証するものである。A136アミノ酸モノマーをエンコードする0395コレラ菌株からのMscL遺伝子を、哺乳類細胞における発現のためにコドン最適化し、シグナルペプチドにN末端融合させ、mCherryにC末端融合させた(配列番号2を参照)。シグナルペプチドを使用して、タンパク質を原形質膜に標的化し、蛍光レポーターを、遺伝子の発現及び膜の局在性を示す視覚的マーカーとして機能するように選択した。HEK293細胞に構築物を形質移入し、35mmのペトリ皿中の1mLの標準的なDMEM増殖培地で培養した。リポフェクション剤を使用して、プラスミドDNAを細胞に送達した。生細胞の蛍光共焦点顕微鏡法を使用して、蛍光レポーター結合遺伝子の正常な形質移入及び発現を確認した。サンプルを543nmで励起し、560~660nm赤色発光フィルタを使用して、mCherry蛍光を可視化した。HEK293細胞の集団[図11A]は蛍光を放ち、それにより、VcMscLが哺乳類宿主において発現され得ることを示した。VcMscL-mCherryを発現しているHEK293細胞(赤色発光フィルタ(560~660nm)を介してモニタリング)を、Alexa Fluor(商標)488カルボン酸スクシンイミジルエステルの存在下で、20~40体積/体積%の水を添加することによって、低浸透圧ショックに供した。次いで、細胞を488nmで励起し、共焦点蛍光顕微鏡によって10~25分間モニタリングし、緑色発光フィルタ(505~525nm)を介して検出した[図11A]。蛍光画像の分析により、低浸透圧ショック後、赤色蛍光VcMscLを発現している細胞のみが、緑色染料を取り込んだことが示されている[図11B]。非蛍光細胞は、低浸透圧ショック後も膨張し、暗いままであり、VcMscL活性が存在しなかった(すなわち、細胞外の不透過性染料の輸送が存在しなかった)ことを示す。したがって、赤色蛍光がVcMscL活性と相関し、VcMscL-mCherry構築物での形質移入が、浸透圧調整及び分子導入が可能な機能性膜統合型VcMscL-mCherryチャネルタンパク質の発現をもたらしたと推定することができる。
実施例10-以下に概説される実験は、EcMscL-mCherry遺伝子(配列番号1を参照)をマウス血管内で発現させることができるということを実証するものである。対照例のマウスでは、抗mCherry抗体による免疫染色は、血管周囲でのmCherryの発現を示さなかった[図12A]。EcMscL-mCherry(I113L/I70E、配列番号5)遺伝子を形質移入したマウスの血管の境界におけるEcMscL発現[図12B]。血管内で発現するこのような細菌性機械受容チャネルは、対象とする標的器官への治療薬の送達、及び毒素の除去を可能にするための、内部又は外部の機械的刺激による活性化を可能にする。したがって、この方法により、アルツハイマー病、パーキンソン病、及びハンチントン病が挙げられるがこれらに限定されない神経変性疾患において、血液脳関門(BBS)、血液網膜関門、及び血液脊髄関門を介して、βアミロイド、τ及びαシヌクレイン、並びにポリグルタミンを、中枢神経系から血流に除去することが可能となる。
実施例11-以下に概説される実験は、哺乳類細胞において発現されたときに、低浸透圧性の環境において、電気活動のバーストを生成することを示すものである。HEK293細胞を、多電極アレイ(MEA)ペトリ皿上の標準的なDMEM増殖培地中で培養し、リポフェクション剤を使用して、EcMscL-mCherry遺伝子(I113L/I70E、配列番号5)プラスミドDNAで細胞に形質移入した。多電極アレイ(MEA)ペトリ皿上で増殖させた、EcMscLを発現しているHEK293細胞の細胞外電位を、低浸透圧ショック(20体積/体積%の水の添加)の不在下及び存在下でそれぞれ測定した。スパイクのバーストが、13~14.5秒の間の信号中に見ることができ[図13]、それは、旺盛なEcMscLチャネル活性を示す。この結果を、図4Gに示される結果と組み合わせると、MscL又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体が、細胞内で発現されると、浸透圧ショックに応答して、浸透圧調節機構として作用し、電気的活性を生成することが示される。したがって、高血圧及び低血圧関連疾患の治療及び予防において、MsCLを発現している造血幹細胞は、浸透圧調節機構として作用し、かつ浸透圧ショックに対する耐性を有する赤血球を生成する。
実施例12-以下に概説する実験は、大腸菌MscL(EcMscL)チャネル活性を、超音波刺激によって、HEK細胞(神経細胞及び心臓細胞などの興奮性細胞のモデル)に誘導することができるということを実証するものである。HEK293細胞を、多電極アレイ(MEA)ペトリ皿上の標準的なDMEM増殖培地中で培養し、リポフェクション剤を使用して、プラスミドDNAを用いて細胞に形質移入した。MEAプレートを超音波装置上に配置し、全ての電極からの電気信号を同時に記録するように設定した。したがって、電極に取り付けられた細胞内のいかなるチャネル活性も、その電極からの電気信号のスパイクをもたらすはずであった。超音波刺激(パルス幅:250ms、繰り返し速度:2Hz、周波数:1.1MHz)を用いて、MEAプレート上の細胞を刺激した。超音波で刺激された対照細胞(EcMscLでの形質移入はされていない)や、EcMscLで形質移入されたが、超音波での刺激をされていない細胞では、電気活性は観察されなかった[図14A]。電気記録は、超音波刺激後に、いくつかの電極上信号におけるスパイクを示す[図14B]。実験の結果によれば、MscLチャネル活性が超音波により刺激され得ることが確認される。したがって、神経細胞内の、細菌性機械受容チャネル又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体などの、異種的に発現された機械受容チャネルは、内部又は外部の機械的刺激によって活性化され、休眠状態の神経細胞内の活性を調節して、昏睡状態及び持続的な植物状態からの回復を実現する。したがって、神経細胞内の異種的に発現された機械受容チャネル、又はそれらの生成された部位指向性突然変異体は、内部若しくは外部の機械的刺激によって活性化することができ、震盪などの傷害を修復し、神経の再生、学習及び記憶の処理の加速化を強化させるために神経活性を調節する。上記のような外部刺激プロセスの効率は、ナノプローブの接合を用いて又は用いずに向上させることができるが、外部の機械的力又は磁場を提供する装置は、刺激の持続時間、周波数、及び強度を調整するように制御され得る。これは、所望の治療結果をもたらすように分子導入、刺激、又は細胞死を制御することを可能にする。
実施例13-以下に記載される実験は、機械受容チャネル(MscL)を角膜上皮細胞内で発現させることができるかどうか、そしてその結果、それらの細胞の活性を、ドライアイ疾患(DED)の緩和のために調節することができるかどうかをテストするために実施された。マウスを、EcMscL-mCherry遺伝子(AAV2/8-EcMscL-mCherry、6.75×1010vg/眼)を含有するアデノ随伴ウイルスの、眼の前室への前房内注射で処置した。針を、角膜を通して虹彩角膜角の前方に挿入し、3μlのウイルスを、1μl/分の速度で、眼内に注入した。注射後、針を眼内の適所に1分間放置した後、ゆっくりと後退させた。図15は、EcMscL-mCherryで形質移入されたマウス角膜の切片の共焦点画像を示す。レポーター-mCherryの発現は、543nmの励起及び560~660nmの発光によって検出される赤色蛍光を示した。このウイルス形質導入法を使用して、マイボーム腺内皮細胞も、MscLを発現するようにさせることができるが、これらの細胞は、(図14BのHEK細胞のモデルに実証されたように)機械的に刺激することができる。これは、涙液膜の水相の分泌を向上させ、したがってドライアイ疾患(DED)の緩和をもたらす。
実施例14-以下に記載される実施例は、細胞機能及びその機能に関連する治療結果の調節を可能にするために、MscL-mCherry遺伝子を心臓、及び例えば腎臓などの他の生命維持に重要な器官で発現させることができるということを実証するものである。アデノ随伴ウイルス(AAV)に担持させたEcMscL-mCherry遺伝子を、外側尾静脈を通じて投与した。まず、ランプを使用して尾部を加熱し、静脈を可視化した。次いで、約100μlのウイルス、合計約1×1011vgを、外側尾静脈に注射した。注射の4週間後、マウスを屠殺し、それらの心臓及び腎臓を固定し、免疫組織化学解析用に切片化した。抗mCherry抗体による免疫染色は、心臓におけるEcMscLの発現を示した[図16A]。図16Bは、AAVベースの形質導入を介してEcMscL-mCherryで形質移入されたマウス腎臓の共焦点画像を示す。560~660nmの発光帯における特徴的な赤色蛍光によって、レポーター-mCherryの発現が示された。したがって、機械受容チャネル(例えば、MscL)又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を発現している心細胞若しくは腎細胞は、内部又は外部の機械的刺激によって活性化され、腎結石及び慢性腎疾患の治療及び予防のために、腎系内の浸透圧調節機構又は利尿機構として使用することができる。
実施例15-以下に記載される例は、細胞機能及びその機能に関連する治療結果の調節を可能にするために、MscL-mCherry遺伝子を肝臓内で発現させることができるということを示す。肝臓における形質導入を実現するために、アデノ随伴ウイルス(AAV)に担持させたEcMscL-mCherry遺伝子を、外側尾静脈を通じて投与した。まず、ランプを使用して尾部を加熱し、静脈を可視化した。次いで、約100μlのウイルス、合計約1×1011vgを、外側尾静脈に注射した。注射の4週間後、マウスを屠殺し、それらの肝臓を固定し、免疫組織化学解析用に切片化した。抗mCherry抗体による免疫染色は、AAVベースの遺伝子形質導入を介してEcMscL-mCherryで形質移入された肝臓における、EcMscLの発現を示した[図16C]。レポーター-mCherryの発現が、特徴的な赤色蛍光により示された。したがって、肝臓系の肝細胞、胆嚢細胞、若しくは胆管細胞で発現された、細菌性機械受容チャネル(MscL)、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、異種的に発現された機械受容チャネルが、胆石の治療及び予防のため、内部又は外部機械的刺激によって活性化される胆汁調節機構として使用され得る。
実施例16-以下に記載される実施例は、細胞機能及びその関連する治療結果の調節を可能にするために、MscL-mCherry遺伝子を肺内で発現させることができることを示す。肺における形質導入を実現するために、アデノ随伴ウイルス(AAV)に担持させたEcMscL-mCherry遺伝子を、外側尾静脈を通じて投与した。まず、ランプを使用して尾部を加熱し、静脈を可視化した。次いで、約100μlのウイルス、合計約1×1011vgを、外側尾静脈に注射した。注射の4週間後、マウスを屠殺し、それらの肺を固定し、免疫組織化学解析用に切片化した。抗mCherry抗体による免疫染色は、AAVベースの遺伝子形質導入を介してEcMscL-mCherryで形質移入された肺における、EcMscLの発現を示した[図16D]。レポーター-mCherryの発現が赤色蛍光により示されている。細菌性機械受容チャネル(MscL)、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体といった、肺細胞において異種的に発現された機械受容チャネルは、肺胞から毛細血管へ、又はその逆方向で酸素と二酸化炭素とを交換するためのポートとして使用され得る。肺細胞上のこれらのチャネル/ポートの活性は、炭塵肺(炭鉱労働者の塵肺症)を含むがこれらに限定されない肺疾患の治療のために、内部又は外部の機械的刺激によって更に調節することができる。
表01:哺乳類の原形質膜標的化のためのシグナル伝達ペプチドを有する、大腸菌MscL由来の合成機械受容チャネルのアミノ酸配列。
Met Leu Pro Gln Gln Val Gly Phe Val Cys Ala Val Leu Ala Leu Val Cys Cys Ala Ser Gly Met Ser Ile Ile Lys Glu Phe Arg Glu Phe Ala Met Arg Gly Asn Val Val Asp Leu Ala Val Gly Val Ile Ile Gly Ala Ala Phe Gly Lys Ile Val Ser Ser Leu Val Ala Asp Ile Ile Met Pro Pro Leu Gly Leu Leu Ile Gly Gly Ile Asp Phe Lys Gln Phe Ala Val Thr Leu Arg Asp Ala Gln Gly Asp Ile Pro Ala Val Val Met His Tyr Gly Val Phe Ile Gln Asn Val Phe Asp Phe Leu Ile Val Ala Phe Ala Ile Phe Met Ala Ile Lys Leu Ile Asn Lys Leu Asn Arg Lys Lys Glu Glu Pro Ala Ala Ala Pro Ala Pro Thr Lys Glu Glu Val Leu Leu Thr Glu Ile Arg Asp Leu Leu Lys Glu Gln Asn Asn Arg Ser(配列番号:1)
表02:哺乳類の原形質膜標的化のためのシグナル伝達ペプチドを有する、結核菌MscL由来の合成機械受容チャネルのアミノ酸配列。
Met Leu Pro Gln Gln Val Gly Phe Val Cys Ala Val Leu Ala Leu Val Cys Cys Ala Ser Gly Met Leu Lys Gly Phe Lys Glu Phe Leu Ala Arg Gly Asn Ile Val Asp Leu Ala Val Ala Val Val Ile Gly Thr Ala Phe Thr Ala Leu Val Thr Lys Phe Thr Asp Ser Ile Ile Thr Pro Leu Ile Asn Arg Ile Gly Val Asn Ala Gln Ser Asp Val Gly Ile Leu Arg Ile Gly Ile Gly Gly Gly Gln Thr Ile Asp Leu Asn Val Leu Leu Ser Ala Ala Ile Asn Phe Phe Leu Ile Ala Phe Ala Val Tyr Phe Leu Val Val Leu Pro Tyr Asn Thr Leu Arg Lys Lys Gly Glu Val Glu Gln Pro Gly Asp Thr Gln Val Val Leu Leu Thr Glu Ile Arg Asp Leu Leu Ala Gln Thr Asn Gly Asp Ser Pro Gly Arg His Gly Gly Arg Gly Thr Pro Ser Pro Thr Asp Gly Pro Arg Ala Ser Thr Glu Ser Gln(配列番号No:2)
表03:哺乳類の原形質膜標的化のためのシグナル伝達ペプチドを有する、黄色ブドウ球菌MscL由来の合成機械受容チャネルのアミノ酸配列。
Met Leu Pro Gln Gln Val Gly Phe Val Cys Ala Val Leu Ala Leu Val Cys Cys Ala Ser Gly Met Leu Lys Glu Phe Lys Glu Phe Ala Leu Lys Gly Asn Val Leu Asp Leu Ala Ile Ala Val Val Met Gly Ala Ala Phe Asn Lys Ile Ile Ser Ser Leu Val Glu Asn Ile Ile Met Pro Leu Ile Gly Lys Ile Phe Gly Ser Val Asp Phe Ala Lys Glu Trp Ser Phe Trp Gly Ile Lys Tyr Gly Leu Phe Ile Gln Ser Val Ile Asp Phe Ile Ile Ile Ala Phe Ala Leu Phe Ile Phe Val Lys Ile Ala Asn Thr Leu Met Lys Lys Glu Glu Ala GluGlu Glu Ala Val Val Glu Glu Asn Val Val Leu Leu Thr Glu Ile Arg Asp Leu Leu Arg Glu Lys Lys(配列番号:3)
表04:哺乳類の原形質膜標的化のためのシグナル伝達ペプチドを有する、コレラ菌由来の合成機械受容チャネルのアミノ酸配列。
Met Leu Pro Gln Gln Val Gly Phe Val Cys Ala Val Leu Ala Leu Val Cys Cys Ala Ser Gly Met Ser Leu Leu Lys Glu Phe Lys Ala Phe Ala Ser Arg Gly Asn Val Ile Asp Met Ala Val Gly Ile Ile Ile Gly Ala Ala Phe Gly Lys Ile Val Ser Ser Phe Val Ala Asp Ile Ile Met Pro Pro Ile Gly Ile Ile Leu Gly Gly Val Asn Phe Ser Asp Leu Ser Phe Val Leu Leu Ala Ala Gln Gly Asp Ala Pro Ala Val Val Ile Ala Tyr Gly Lys Phe Ile Gln Thr Val Val Asp Phe Thr Ile Ile Ala Phe Ala Ile Phe Met Gly Leu Lys Ala Ile Asn Ser Leu Lys Arg Lys Glu Glu Glu Ala Pro Lys Ala Pro Pro Ala Pro Thr Lys Asp Gln Glu Leu Leu Ser Glu Ile Arg Asp Leu Leu Lys Ala Gln Gln Asp Lys(配列番号:4)
表05:変異(I113L/I70E)を有する、哺乳類の原形質膜標的化のためのシグナル伝達ペプチドを有する、大腸菌MscL由来の合成機械受容チャネルのアミノ酸配列。
Met Leu Pro Gln Gln Val Gly Phe Val Cys Ala Val Leu Ala Leu Val Cys Cys Ala Ser Gly Met Ser Ile Ile Lys Glu Phe Arg Glu Phe Ala Met Arg Gly Asn Val Val Asp Leu Ala Val Gly Val Ile Ile Gly Ala Ala Phe Gly Lys Ile Val Ser Ser Leu Val Ala Asp Ile Ile Met Pro Pro Leu Gly Leu Leu Glu Gly Gly Ile Asp Phe Lys Gln Phe Ala Val Thr Leu Arg Asp Ala Gln Gly Asp Ile Pro Ala Val Val Met His Tyr Gly Val Phe Ile Gln Asn Val Phe Asp Phe Leu Ile Val Ala Phe Ala Leu Phe Met Ala Ile Lys Leu Ile Asn Lys Leu Asn Arg Lys Lys Glu Glu Pro Ala Ala Ala Pro Ala Pro Thr Lys Glu Glu Val Leu Leu Thr Glu Ile Arg Asp Leu Leu Lys Glu Gln Asn Asn Arg Ser(配列番号:5)
表06:変異(I113L/K122T)を有する、哺乳類の原形質膜標的化のためのシグナル伝達ペプチドを有する、大腸菌MscL由来の合成機械受容チャネルのアミノ酸配列。
Met Leu Pro Gln Gln Val Gly Phe Val Cys Ala Val Leu Ala Leu Val Cys Cys Ala Ser Gly Met Ser Ile Ile Lys Glu Phe Arg Glu Phe Ala Met Arg Gly Asn Val Val Asp Leu Ala Val Gly Val Ile Ile Gly Ala Ala Phe Gly Lys Ile Val Ser Ser Leu Val Ala Asp Ile Ile Met Pro Pro Leu Gly Leu Leu Ile Gly Gly Ile Asp Phe Lys Gln Phe Ala Val Thr Leu Arg Asp Ala Gln Gly Asp Ile Pro Ala Val Val Met His Tyr Gly Val Phe Ile Gln Asn Val Phe Asp Phe Leu Ile Val Ala Phe Ala Leu Phe Met Ala Ile Lys Leu Ile Asn Thr Leu Asn Arg Lys Lys Glu Glu Pro Ala Ala Ala Pro Ala Pro Thr Lys Glu Glu Val Leu Leu Thr Glu Ile Arg Asp Leu Leu Lys Glu Gln Asn Asn Arg Ser(配列番号:6)
本明細書及び実施例は、実例となる実施形態の構造及び使用の完全な説明を与える。特定の具体性をもって、又は1つ以上の個々の実施形態を参照しつつ、特定の実施形態を記載してきたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態の多くの改変を行うことができる。このように、デバイスの種々の実例となる実施形態を、開示される特定の形態に限定することは意図していない。むしろ、特許請求の範囲に入る全ての改変及び代替を含み、示されているもの以外の実施形態は、示されている実施形態の特徴の一部又は全てを含んでいてもよい。例えば、構成要素は、省略されてもよく、又は単一の構造として合わされてもよく、及び/又は接続が置換されてもよい。更に、適切な場合、匹敵する特性又は異なる特性を有し、同じ問題又は異なる問題に対処する更なる実施例を作り出すために、上に記載されるいずれかの実施例の態様を、記載される任意の他の実施例の態様と組み合わせてもよい。同様に、上に記述した長所及び利点は、1つの実施形態に関連していてもよく、又はいくつかの実施形態に関連していてもよいことが理解されるだろう。
本発明の組成物及び方法を、好ましい実施形態という観点で記述してきたが、本発明の概念、趣旨、及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載する組成物及び/又は方法、並びに、方法の工程又は方法の工程の順序に、変更が適用されてもよいことは当業者には明らかであろう。更に具体的には、同じ結果又は類似の結果が達成される限りにおいて、化学的及び生理学的に関連する特定の薬剤を、本明細書に記載する薬剤と置き換えてもよいことが明らかであろう。当業者には明らかな、そのような類似の代替物及び修正は全て、本発明の趣旨、範囲、及び概念の範囲内であると見なされる。
更に、特許請求の範囲は、「~のための手段」又は「~のための工程」という句をそれぞれ用いて、所与の請求項にこのような限定が明示的に引用されていない限り、ミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの限定を含むことを意図しておらず、また、含むと解釈すべきではない。
項目
以下の項目は、本明細書で定義される本発明の開示の一部を形成することが理解されるであろう。より具体的には、本明細書の発明は、以下に詳述されるような項目の特徴の組み合わせによって定義されてもよく、当該項目は、本出願の請求項の特徴の組み合わせを修正するために利用されてもよい。
1.哺乳類細胞膜上で発現されるとき、圧力変化を感知し、細胞内圧力又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する、MscL1タンパク質を含み、MscL1タンパク質が配列番号1を有する、MscL1タンパク質及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列。
2.1つ以上の単独の変異又は変異の組み合わせが、圧力感受性、孔径、ゲート開閉、又は動態を調節し、変異及び/又は欠失が、
MscL配列(配列番号1)の位置113におけるアミノ酸Iに対応するアミノ酸残基におけるIからLへの置換が、非常に低い圧力下で超音波により活性化された音波応答を増感させることと、
MscLチャネルの孔径を調節して、チャネルを介して輸送され得る分子のサイズを制御する、MscL(配列番号1)の位置131におけるアミノ酸Aに対応するアミノ酸残基における、AからH又はCへの置換、
MscLのナノバルブのサイズを調節し、ナノバルブを介した拡散及び能動輸送を制御する、MscL(配列番号1)の位置133におけるアミノ酸Aに対応するアミノ酸残基における、AからH又はCへの置換、
MscL(配列番号1)の位置43におけるアミノ酸Gに対応するアミノ酸残基における、Gから任意の他の19の天然起源のアミノ酸への置換が、低閾値で活性化される伸張力に対する感受性高進及び圧力感受性上昇をもたらすことと、
MscLチャネル動態及び機械的感受性を制御するために、MscL(配列番号1)の位置70におけるアミノ酸Iに対応するアミノ酸残基における、Iから任意の他の19の天然起源のアミノ酸への置換、
圧力感受性を高め、開放時間を短縮する、MscL(配列番号1)の位置44のアミノ酸Vに対応するアミノ酸残基における、VからCへのアミノ酸置換、
圧力感受性を高め、平均開放時間を短縮し、遷移関門を低下させるための、MscL(配列番号1)の位置52におけるアミノ酸Kに対応するアミノ酸残基における、KからD又はEへのアミノ酸置換、
圧力感受性を高め、平均開放時間を短縮し、遷移関門を低下させるための、MscL(配列番号1)の位置77におけるアミノ酸Qに対応するアミノ酸残基における、QからC、P、F、W、Y、又はHへのアミノ酸置換、
より高いゲート開閉閾値に対する感受性を高めるための、MscL(配列番号1)の位置40のアミノ酸Lに対応するアミノ酸残基における、LからCへのアミノ酸置換、
MscLチャネルの機械的感受性及び動態を調整する、MscL(配列番号1)の位置122におけるアミノ酸Kに対応するアミノ酸残基における、Kから任意の負に帯電したアミノ酸への置換、
機能的変更のための、MscL(配列番号1)の位置39又は位置42におけるアミノ酸Dに対応するアミノ酸残基における、Dから任意のアミノ酸への置換、 前記圧力感受性を高め、開放時間を短縮するための、MscL(配列番号1)の位置(複数可)131~133、131~136、又は131~157からのアミノ酸(複数可)の欠失、
から選択されるがそれに限らない、
項目1に記載のタンパク質。
3.哺乳類細胞膜上で発現されるとき、圧力変化を感知し、細胞内圧力又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する、MscL2タンパク質を含み、MscL2タンパク質が配列番号2を有する、MscL2タンパク質及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列。
4.哺乳類細胞膜上で発現されるとき、圧力変化を感知し、細胞内圧力又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する、MscL3タンパク質を含み、MscL3タンパク質が配列番号3を有する、MscL3タンパク質及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列。
5.哺乳類細胞膜上で発現されるとき、圧力変化を感知し、細胞内圧力又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する、MscL4タンパク質を含み、MscL4タンパク質が配列番号4を有する、MscL4タンパク質及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列。
6.細胞内に発現された1つ以上のMscLタンパク質、又は異なるMscLタンパク質(複数可)若しくはMscLモノマーの鎖状体の配列要素のキメラが、シグナルペプチド、小胞体(ER)輸送シグナル、膜輸送シグナル、及びN末端ゴルジ輸出シグナルからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列モチーフに融合しており、具体的には、シグナルは、MLPQQVGFVCAVLALVCCASGからなり、
任意選択的に、シグナル配列は、MGRLLALVVGAALVSSAC、MAVPARTCGASRPGPART、又は任意のシグナル伝達ペプチド配列から選択される、
項目1~5のいずれか一項目に記載の合成ポリペプチド配列。
7.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、治療目的のために機械的圧力又は浸透圧に供される、線維柱帯細胞、上皮細胞、及び身体の他の細胞を含む細胞において、張力により活性化される圧力開放弁として使用されるという方法における使用のための、項目1~6のいずれか一項目に記載のタンパク質。
8.MscLホモログ株が、大腸菌、結核菌、コレラ菌、枯草菌、らい菌、緑色硫黄光合成細菌、高度好熱菌、インフルエンザ菌、エルウィニア・カロトボーラ、蛍光菌、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、大便連鎖球菌、ラクチス乳酸菌、マルタ熱菌、カウロバクター・クレセンタス、ヒストリチクム菌、有核紡錘菌亜種、ミヤコグサ根粒菌、出血性敗血症菌、軟腐病菌、緑膿菌、ネズミチフス菌、腸チフス菌、ピアス病菌、コリネバクテリウム・グルタミクム、デイノコッカス・ラディオデュランス、乳酸連鎖球菌、青枯病菌、アルファルファ根粒菌、肺炎連鎖球菌、化膿連鎖球菌、ストレプトマイセス・セリカラー、メタノサルシナ・アセチボランス、リステリア・イノキュア、リステリア・モノサイトゲネスに由来するMscLを含むが、ただしそれらに限らない、項目7のタンパク質。
9.機械受容チャネル(例えば、MscL)が、ウイルスベクター又は非ウイルス的方法によって送達され、チャネルが、マトリクスGlaタンパク質(MGP)プロモータを任意選択的に含むプロモータを使用することにより、限定されないものの選択された線維柱帯(TM)細胞において、緑内障眼の障害細胞におけるトランスジェニック圧力調節機構として作用する、項目7に記載のタンパク質。
10.ウイルスベクターが、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、及びレンチウイルスから選択されるが、それらに限定されず、標的部位(複数可)への機械受容チャネル促進遺伝子の送達のための非ウイルス的方法が、光、レーザ、超音波、若しくは電界を任意選択的に含む物理的方法、又は脂質キャリア、若しくはDEAA-デキストランを任意選択的に含む化学的方法から選択されるが、それに限定されない、項目9に記載のタンパク質。
11.機械受容チャネルが、代替的な流出アクチュエータとして機能し、かつTMの内皮細胞を通る眼房水の移動における天然のパラサイトーシス及びトランスサイトーシスを補助し、それによって、原発性開放隅角緑内障(POAG)の治療のために流出抵抗を軽減し、眼圧(IOP)を低下させる、項目7に記載のタンパク質。
12.機械受容チャネル、その変異体、及び生成された部位に特異的な突然変異体が、例えば20mmHgより大きい眼内圧力、又は120~200mmHg(収縮期)及び80~110mmHg(拡張期)の動脈内圧力、又は15mmHgより大きい頭蓋内圧、から、限定されないものの選択された生理学的及び非生理学的圧力で活性化される、項目7に記載のタンパク質。
13.機械受容チャネル、その変異体、及び生成された部位に特異的な突然変異体が、超音波作動又は他の物理的摂動を任意選択的に含む外部装置の補助を伴って標的部位で活性化される、項目7に記載のタンパク質。
14.角膜上皮細胞内の機械受容チャネルの発現が、機械的刺激を伴う又は伴わないに関わらず、涙液膜の水相の分泌を強化して、ドライアイ疾患(DED)を緩和する、項目7に記載のタンパク質。
15.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、低血圧及び高血圧の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として動脈系の上皮細胞に使用される、項目7に記載のタンパク質。
16.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、機械受容チャネルが、造血幹細胞で発現される場合に、高血圧及び低血圧関連疾患の治療及び予防において浸透圧調節機構として作用し、浸透圧ショックに対する耐性を有する赤血球を生成する、項目7に記載のタンパク質。
17.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、腎臓結石及び慢性腎疾患の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構又は利尿機構として腎系において使用される、項目7に記載のタンパク質。
18.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、胆石の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される胆汁調節機構として、肝臓系の肝、胆嚢、又は胆管細胞において使用される、項目7に記載のタンパク質。
19.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、浮腫の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として、及び流体のための代替的な流出/流入経路として使用され、前記浮腫が、任意選択的に、受動網膜下浮腫、嚢胞状黄斑浮腫、リンパ浮腫、末梢浮腫、肺水腫、及び足の浮腫、並びに骨関節炎に関連する膝関節及び他の関節の腫張を含むが、これらに限定されない、項目7に記載のタンパク質。
20.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、生殖器系において、勃起機能不全、膣乾燥、良性前立腺肥大症、及び多嚢胞性卵巣症候群の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として、及び流体のための代替的な流出/流入経路として使用される、項目7に記載のタンパク質。
21.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として、及び汗腺の機能不全を任意選択的に含む任意の皮膚関連疾患の治療における流体のための代替的な流出/流入経路として使用される、項目7に記載のタンパク質。
22.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、特発性頭蓋内圧亢進症の治療において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される高分子圧力開放弁として、及び流体のための代替的な流出経路として使用される、項目7に記載のタンパク質。
23.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、眼を含む疾患に対する治療の有効性を高めるために、薬物送達の増強のための、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される細胞内膜貫通ポートとして使用される、項目7に記載のタンパク質。
24.上皮成長因子受容体(EGFR)を任意選択的に含む特定の受容体又はpH環境によって標的化された癌細胞における、機械受容チャネルの発現を利用して、恒常的に開放された「漏れのある」チャネルを生物工学的に作り出すか、又はチャネルを過剰に刺激することによって、細胞死を促進させる、項目7に記載のタンパク質。
25.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、例えば疼痛、てんかん、脳卒中、並びに心血管疾患及び筋ジストロフィーなどの神経疾患を任意選択的に含むがそれらに限らない疾患の治療及び予防のために、例えば神経細胞、心細胞、及び筋細胞などを含む、細胞の刺激に使用される、項目7に記載のタンパク質。
26.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、神経細胞において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化されて、神経活性を調節して、任意選択的に震盪を含む傷害を修復し、神経の再生、学習及び記憶の処理の加速化を強化させるために神経活性を調節する、項目7に記載のタンパク質。
27.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、神経細胞において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化され、休眠状態の神経細胞内の活性を調節して、昏睡状態及び持続的な植物状態からの回復を実現する、項目7に記載のタンパク質。
28.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、血液脳脊髄液(CSF)関門、血液脳関門(BBB)、血液網膜関門、及び血液脊髄関門などの、中枢神経系(CNS)媒介関門において、内部又は外部機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として使用される、項目7に記載のタンパク質。
29.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、内部又は外部機械的刺激によって活性化され、アルツハイマー病、パーキンソン病、及びハンチントン病を任意選択的に含むがこれらに限定されない神経変性疾患において、例えばβアミロイド、τ及びαシヌクレイン、並びにポリグルタミンのような毒素を、中枢神経系から除去して、血液脳関門(BBB)、血液網膜関門、及び血液脊髄関門を介して血流に流すのを可能にする流出口として使用される、項目7に記載のタンパク質。
30.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、肺細胞において異種発現している機械受容チャネルが、内部又は外部の機械的刺激によって活性化され、炭塵肺(炭鉱労働者の塵肺症)を任意選択的に含むがこれらに限定されない肺疾患において、肺細胞を介して肺胞から毛細血管へ、又はその逆方向で酸素と二酸化炭素とを交換するためのポートとして使用される、第7項に記載のタンパク質。
31.MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、前記機械受容チャネルを発現している前記細胞が、ナノプローブの融合又は接合の有無にかかわらず、外部の機械的力又は磁場を提供する装置によって活性化され、前記外部の機械的力又は磁場の持続時間、周波数、及び強度が、所望の治療結果をもたらすように制御される刺激、分子導入、又は細胞死のために調整可能である、項目7に記載のタンパク質。

Claims (31)

  1. 哺乳類細胞膜上で発現されるとき、圧力変化を感知し、細胞内圧力又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する、MscL1タンパク質を含み、戦記MscL1タンパク質が配列番号1を有する、MscL1タンパク質及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列。
  2. 1つ以上の単独の変異又は変異の組み合わせが、圧力感受性、孔径、ゲート開閉、又は動態を調節し、前記変異及び/又は欠失が、
    前記MscL配列(配列番号1)の位置113におけるアミノ酸Iに対応するアミノ酸残基におけるIからLへの置換が非常に低い圧力下で超音波により活性化された音波応答を増感させることと、
    前記MscLチャネルの孔径を調節して、チャネルを介して輸送され得る分子のサイズを制御する、前記MscL(配列番号1)の位置131におけるアミノ酸Aに対応するアミノ酸残基における、AからH又はCへの置換、
    前記MscLのナノバルブのサイズを調節し、ナノバルブを介した拡散及び能動輸送を制御する、前記MscL(配列番号1)の位置133におけるアミノ酸Aに対応するアミノ酸残基における、AからH又はCへの置換、
    前記MscL(配列番号1)の位置43におけるアミノ酸Gに対応するアミノ酸残基における、Gから任意の他の19の天然起源のアミノ酸への置換が、低閾値で活性化される伸張力に対する感受性高進及び圧力感受性上昇をもたらすことと、
    MscLチャネル動態及び機械的感受性を制御するために、前記MscL(配列番号1)の位置70におけるアミノ酸Iに対応するアミノ酸残基における、Iから任意の他の19の天然起源のアミノ酸への置換、
    圧力感受性を高め、開放時間を短縮する、前記MscL(配列番号1)の位置44のアミノ酸Vに対応するアミノ酸残基における、VからCへのアミノ酸置換、
    圧力感受性を高め、平均開放時間を短縮し、遷移関門を低下させるための、前記MscL(配列番号1)の位置52におけるアミノ酸Kに対応するアミノ酸残基における、KからD又はEへのアミノ酸置換、
    圧力感受性を高め、平均開放時間を短縮し、遷移関門を低下させるための、前記MscL(配列番号1)の位置77におけるアミノ酸Qに対応するアミノ酸残基における、QからC、P、F、W、Y、又はHへのアミノ酸置換、
    より高いゲート開閉閾値に対する感受性を高めるための、前記MscL(配列番号1)の位置40のアミノ酸Lに対応するアミノ酸残基における、LからCへのアミノ酸置換、
    MscLチャネルの機械的感受性及び動態を調整する、前記MscL(配列番号1)の位置122におけるアミノ酸Kに対応するアミノ酸残基における、Kから任意の負に帯電したアミノ酸への置換、
    機能的変更のための、前記MscL(配列番号1)の位置39又は位置42におけるアミノ酸Dに対応するアミノ酸残基における、Dから任意のアミノ酸への置換、
    前記圧力感受性を高め、開放時間を短縮するための、前記MscL(配列番号1)の位置(複数可)131~133、131~136、又は131~157からのアミノ酸(複数可)の欠失、
    から選択されるがそれらに限らない、
    請求項1に記載のタンパク質。
  3. 哺乳類細胞膜上で発現されるとき、圧力変化を感知し、細胞内圧力又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する、MscL2タンパク質を含み、前記MscL2タンパク質が配列番号2を有する、MscL2タンパク質及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列。
  4. 哺乳類細胞膜上で発現されるとき、圧力変化を感知し、細胞内圧力又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する、MscL3タンパク質を含み、前記MscL3タンパク質が配列番号3を有する、MscL3タンパク質及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列。
  5. 哺乳類細胞膜上で発現されるとき、圧力変化を感知し、細胞内圧力又は水性流体及び治療分子に限定されない分子の輸送を調節する、MscL4タンパク質を含み、前記MscL4タンパク質が配列番号4を有する、MscL4タンパク質及びその生成された部位に特異的な突然変異体の合成ポリペプチド配列。
  6. 細胞内に発現された、1つ以上のMscLタンパク質、又は異なるMscLタンパク質(複数可)若しくはMscLモノマーの鎖状体の配列要素のキメラが、シグナルペプチド、小胞体(ER)輸送シグナル、膜輸送シグナル、及びN末端ゴルジ輸出シグナルからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列モチーフに融合しており、具体的には、前記シグナルは、MLPQQVGFVCAVLALVCCASGからなり、
    任意選択的に、シグナル配列は、MGRLLALVVGAALVSSAC、MAVPARTCGASRPGPART、又は任意のシグナル伝達ペプチド配列から選択される、
    請求項1に記載の合成ポリペプチド配列。
  7. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、治療目的のために機械的圧力又は浸透圧に供される、線維柱帯細胞、上皮細胞、及び身体の他の細胞を含む細胞において、張力により活性化される圧力開放弁として使用されるという方法における使用のための、請求項1に記載のタンパク質。
  8. 前記MscLホモログ株が、大腸菌、結核菌、コレラ菌、枯草菌、らい菌、緑色硫黄光合成細菌、高度好熱菌、インフルエンザ菌、エルウィニア・カロトボーラ、蛍光菌、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、大便連鎖球菌、ラクチス乳酸菌、マルタ熱菌、カウロバクター・クレセンタス、ヒストリチクム菌、有核紡錘菌亜種、ミヤコグサ根粒菌、出血性敗血症菌、軟腐病菌、緑膿菌、ネズミチフス菌、腸チフス菌、ピアス病菌、コリネバクテリウム・グルタミクム、デイノコッカス・ラディオデュランス、乳酸連鎖球菌、青枯病菌、アルファルファ根粒菌、肺炎連鎖球菌、化膿連鎖球菌、ストレプトマイセス・セリカラー、メタノサルシナ・アセチボランス、リステリア・イノキュア、リステリア・モノサイトゲネスに由来するMscLを含むが、ただしそれらに限らない、請求項7に記載のタンパク質。
  9. 前記機械受容チャネル(例えば、MscL)が、ウイルスベクター又は非ウイルス的方法によって送達され、前記チャネルが、マトリクスGlaタンパク質(MGP)プロモータを任意選択的に含むプロモータを使用することにより、限定されないものの選択された線維柱帯(TM)細胞において、緑内障眼の障害細胞におけるトランスジェニック圧力調節機構として作用する、請求項7に記載のタンパク質。
  10. 前記ウイルスベクターが、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、及びレンチウイルスから選択されるが、それらに限定されず、標的部位(複数可)への機械受容チャネル促進遺伝子の送達のための非ウイルス的方法が、光、レーザ、超音波、若しくは電界を任意選択的に含む物理的方法、又は脂質キャリア、若しくはDEAA-デキストランを任意選択的に含む化学的方法から選択されるが、それに限定されない、請求項9に記載のタンパク質。
  11. 前記機械受容チャネルが、代替的な流出アクチュエータとして機能し、かつ前記TMの内皮細胞を通る眼房水の移動における天然のパラサイトーシス及びトランスサイトーシスを補助し、それによって、原発性開放隅角緑内障(POAG)の治療のために流出抵抗を軽減し、眼圧(IOP)を低下させる、請求項7に記載のタンパク質。
  12. 前記機械受容チャネル、その変異体、及び前記生成された部位に特異的な突然変異体が、例えば20mmHgより大きい眼内圧力、又は120~200mmHg(収縮期)及び80~110(拡張期)の動脈内圧力、又は15mmHgより大きい頭蓋内圧、から、限定されないものの選択された生理学的及び非生理学的圧力で活性化される、請求項7に記載のタンパク質。
  13. 機械受容チャネル、その変異体、及び生成された部位に特異的な突然変異体が、超音波作動又は他の物理的摂動を任意選択的に含む外部装置の補助を伴って標的部位で活性化される、請求項7に記載のタンパク質。
  14. 角膜上皮細胞内の前記機械受容チャネルの発現が、機械的刺激を伴う又は伴わないに関わらず、涙液膜の水相の分泌を強化して、ドライアイ疾患(DED)を緩和する、請求項7に記載のタンパク質。
  15. MscL、MscS、MscK、又はMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、低血圧及び高血圧の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として動脈系の上皮細胞に使用される、請求項7に記載のタンパク質。
  16. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、前記機械受容チャネルが、造血幹細胞で発現される場合に、高血圧及び低血圧関連疾患の治療及び予防において浸透圧調節機構として作用し、浸透圧ショックに対する耐性を有する赤血球を生成する、請求項7に記載のタンパク質。
  17. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、腎臓結石及び慢性腎疾患の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構又は利尿機構として腎系において使用される、請求項7に記載のタンパク質。
  18. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、胆石の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される胆汁調節機構として、肝臓系の肝、胆嚢、又は胆管細胞において使用される、請求項7に記載のタンパク質。
  19. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、浮腫の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として、及び流体のための代替的な流出/流入経路として使用され、前記浮腫が、任意選択的に、受動網膜下浮腫、嚢胞状黄斑浮腫、リンパ浮腫、末梢浮腫、肺水腫、及び足の浮腫、並びに骨関節炎に関連する膝関節及び他の関節の腫張を含むが、これらに限定されない、請求項7に記載のタンパク質。
  20. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、生殖器系において、勃起機能不全、膣乾燥、良性前立腺肥大症、及び多嚢胞性卵巣症候群の治療及び予防において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として、及び流体のための代替的な流出/流入経路として使用される、請求項7に記載のタンパク質。
  21. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として、及び汗腺の機能不全を任意選択的に含む任意の皮膚関連疾患の治療における流体のための代替的な流出/流入経路として使用される、請求項7に記載のタンパク質。
  22. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、特発性頭蓋内圧亢進症の治療において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される高分子圧力開放弁として、及び流体のための代替的な流出経路として使用される、請求項7に記載のタンパク質。
  23. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、眼を含む疾患に対する治療の有効性を高めるために、薬物送達の増強のための、内部又は外部の機械的刺激によって活性化される細胞内膜貫通ポートとして使用される、請求項7に記載のタンパク質。
  24. 上皮成長因子受容体(EGFR)を任意選択的に含む特定の受容体又はpH環境によって標的化された癌細胞における、前記機械受容チャネルの前記発現を利用して、恒常的に開放された「漏れのある」チャネルを生物工学的に作り出すか、又はチャネルを過剰に刺激することによって、細胞死を促進させる、請求項7に記載のタンパク質。
  25. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、例えば疼痛、てんかん、脳卒中、並びに心血管疾患及び筋ジストロフィーなどの神経疾患を任意選択的に含むがそれらに限らない疾患の治療及び予防のために、例えば神経細胞、心細胞、及び筋細胞などを含む、細胞の刺激に使用される、請求項7に記載のタンパク質。
  26. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、神経細胞において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化されて、任意選択的に震盪を含む傷害を修復し、神経の再生、学習及び記憶の処理の加速化を強化させるために神経活性を調節する、請求項7に記載のタンパク質。
  27. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、神経細胞において、内部又は外部の機械的刺激によって活性化され、休眠状態の神経細胞内の活性を調節して、昏睡状態及び持続的な植物状態からの回復を実現する、請求項7に記載のタンパク質。
  28. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、血液脳脊髄液(CSF)関門、血液脳関門(BBB)、血液網膜関門、及び血液脊髄関門などの、中枢神経系(CNS)媒介関門において、内部又は外部機械的刺激によって活性化される浸透圧調節機構として使用される、請求項7に記載のタンパク質。
  29. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、異種的に発現された機械受容チャネルが、内部又は外部機械的刺激によって活性化され、アルツハイマー病、パーキンソン病、及びハンチントン病を任意選択的に含むがこれらに限定されない神経変性疾患において、例えばβアミロイド、τ及びαシヌクレイン、並びにポリグルタミンのような毒素を、中枢神経系から除去して、血液脳関門(BBB)、血液網膜関門、及び血液脊髄関門を介して血流に流すのを可能にする流出口として使用される、請求項7に記載のタンパク質。
  30. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、肺細胞において異種発現している機械受容チャネルが、内部又は外部の機械的刺激によって活性化され、炭塵肺(炭鉱労働者の塵肺症)を任意選択的に含むがこれらに限定されない肺疾患において、肺細胞を介して肺胞から毛細血管へ、又はその逆方向で酸素と二酸化炭素とを交換するためのポートとして使用される、請求項7に記載のタンパク質。
  31. MscL、MscS、MscK、若しくはMscGを任意選択的に含む細菌性機械受容チャネル、植物性機械受容チャネル(MSL2~10)、TRPV1~TRPV5チャネル、ピエゾチャネル、又はそれらの生成された部位に特異的な突然変異体を任意選択的に含む、前記機械受容チャネルを発現している前記細胞が、ナノプローブの融合又は接合の有無にかかわらず、外部の機械的力又は磁場を提供する装置によって活性化され、前記外部の機械的力又は磁場の持続時間、周波数、及び強度が、所望の治療結果をもたらすように制御される刺激、分子導入、又は細胞死のために調整可能である、請求項7に記載のタンパク質。
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