JP2022513440A - ストレス障害に対する訓練 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022513440000001
心的外傷によって発症したストレス障害と診断された対象の訓練のための方法であって、対象のストレス障害の症状を誘発すると考えられる試練を選択し、対象を試練に曝露し、曝露と連動して対象の脳が生じる電気信号を少なくとも1つの電極で記録し、少なくとも1つの特定脳領域における活動レベルを推定するために記録した電気信号を処理し、推定した活動レベルの少なくとも1つの指標を対象に提供し、記録、処理および提供を繰り返すことを含む、方法。

Description

関連出願
本願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年12月9日出願の米国仮特許出願第62/777,187号について、米国特許法第119条(e)の下の優先権に基づく利益を主張するものである。
本発明は、そのいくつかの実施の形態において、ストレス障害に対する訓練、より具体的には、心的外傷後ストレス障害に対する訓練に関するが、これに限定されるものではない。
本発明のいくつかの実施形態のいくつかの例を以下に列挙した。いかなる例の要素も他の例の要素と組み合わせて使用することができる点に留意されたい。
例1. ストレス障害と診断された対象の訓練のための方法であって、
ストレス障害と診断された対象を心的外傷関連試練に曝露し、
前記曝露の最中に、前記対象に1つ以上の脳領域および/または神経回路の活動レベルに関するフィードバックを送達する
ことを含む方法。
例2. 前記心的外傷関連試練に対する前記曝露が前記1つ以上の脳領域および/または神経回路の活動に影響を与える、例1の方法。
例3. 前記曝露中または曝露後に、前記対象の電気信号を記録し、
前記1つ以上の脳領域および/または神経回路の現在の活動レベルに関連する電気フィンガープリント(EFP)を、記録した前記電気信号の少なくとも一部に基づき発生させることを含み、前記送達は、前記1つ以上の脳領域および/または神経回路の現在の活動レベルに対応したフィードバックの送達である、例1の方法。
例4. 前記フィードバックの送達が、現在の活動レベルに応じて前記心的外傷関連試練を改変することを含む、例3の方法。
例5. 前記電気信号がEEGおよび/またはEMG電気信号である、例3または4の方法。
例6. 前記心的外傷関連試練が、扁桃体および/または扁桃体関連神経回路を活性化するように選択された試練を含む、上記例のいずれか1つの方法。
例7. 前記心的外傷関連試練が、前記対象の特定の心的外傷および/または特定のストレス障害に合わせた試練を含む、上記例のいずれか1つの方法。
例8. 前記ストレス障害が、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を含む、上記例のいずれか1つの方法。
例9. 前記心的外傷関連試練が、前記1つ以上の脳領域の活動を上方制御するように選択され、前記対象が前記活動レベルを下方制御する能力に応じて前記フィードバックが送達される、上記例のいずれか1つの方法。
例10. 前記送達が、前記対象が前記心的外傷関連試練を対処する能力に応じて前記フィードバックを前記対象に送達することを含む、上記例のいずれか1つの方法。
例11. ストレス障害と診断された対象の訓練のための方法であって、
ストレス障害と診断された対象を非特異的ストレス試練に曝露し、
前記対象が前記非特異的ストレス試練に対処する能力を評価し、
前記評価の結果に応じて前記対象に合わせたストレス関連試練を提供する、
ことを含む方法。
例12. 前記曝露が、1つ以上の脳領域を活性化するために選択された非特異的ストレス試練に前記対象を曝露することを含み、前記評価が、前記非特異的ストレス試練による前記1つ以上の脳領域の活性化に前記対象が対処する能力の評価を含む、例11の方法。
例13. 前記評価が、前記対象が前記1つ以上の脳領域の活性化に影響を与える能力の評価を含む、例12の方法。
例14. 前記非特異的ストレス試練が、扁桃体および/または扁桃体関連神経回路の活動を上方制御するように構成されている、例12または13の方法。
例15. 前記評価が、前記曝露中の前記扁桃体および/または前記扁桃体関連回路の活動を前記対象が下方制御する能力の評価を含む、例14の方法。
例16. ストレス障害と診断された対象の訓練のための方法であって、
ストレス障害と診断された対象をストレス関連試練に曝露し、
前記曝露中に前記ストレス関連試練を改変してフィードバックを前記対象に提供する
ことを含む方法。
例17. 前記曝露後に1つ以上の脳領域の活動レベルを決定することを含み、前記提供は、決定した前記活動レベルに応じて前記ストレス関連試練を改変することで前記フィードバックを提供することを含む、例16の方法。
例18. 前記決定が、前記1つ以上の脳領域の活動レベルが下方制御されていることの決定を含み、前記提供が、前記ストレス関連チャンネルの強度の減少を含む、例17の方法。
例19. 上記請求項に記載の1以上の曝露、評価および/またはフィードバックの送達を提供するように構成された装置プログラム。
本発明のいくつかの実施形態のさらなる例を以下に列挙する。いかなる例の要素も他の例の要素と組み合わせて使用することができる点に留意されたい。
例1: 心的外傷によって発症したストレス障害と診断された対象の訓練のための方法であって、
前記対象の前記ストレス障害の症状を誘発すると考えられる試練を選択し、
前記対象を前記試練に曝露し、
前記曝露と連動して、前記対象の脳が生じる電気信号を少なくとも1つの電極で記録し、
少なくとも1つの特定脳領域における活動レベルを推定するために、記録した前記電気信号を処理し、
推定した前記活動レベルの少なくとも1つの指標を前記対象に提供し、
前記記録、前記処理および前記提供を繰り返す
ことを含む、方法。
例2: 前記試練への前記曝露が、前記少なくとも1つの特定脳領域における活動レベルに影響を与える、例1に記載の方法。
例3: 前記記録した電気信号の少なくとも一部と、前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを表す電気フィンガープリントとの関係を同定することをさらに含み、前記生成は、前記同定した関係に基づいて前記少なくとも1つの指標を生成することを含む、例1または2に記載の方法。
例4: 前記提供が、前記少なくとも1つの脳領域における前記活動レベルに基づいて前記試練を改変することを含む、上記例のいずれか1つに記載の方法。
例5: 前記少なくとも1つの脳領域が、大脳辺縁系の脳領域であって、大脳辺縁系体積の少なくとも20%の体積を有する、上記例のいずれかに記載の方法。
例6: 前記試練が、扁桃体および/または神経回路網によって扁桃体と結合した脳領域を活性化するために選択された試練を含む、上記例のいずれか1つに記載の方法。
例7: 前記少なくとも1つの特定脳領域が、2つ以上の特定脳領域を含む、上記例のいずれか1つに記載の方法。
例8: 前記少なくとも1つの特定脳領域が扁桃体を含まない、上記例のいずれか1つに記載の方法。
例9: 前記ストレス障害が、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)を含む、上記例のいずれか1つに記載の方法。
例10: 前記少なくとも1つの特定脳領域を上方制御するように前記試練を選択し、前記対象が前記活動レベルを下方制御する能力に応じて前記少なくとも1つの指標を提供する、上記例のいずれか1つに記載の方法。
例11: 前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルに影響を与えるように選択された少なくとも1種の実習を行うように前記対象に指示することを含む、上記例のいずれか1つに記載の方法。
例12: 前記提供が、前記対象が前記少なくとも1種の実習を実施することで前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを調節する能力に応じて、前記少なくとも1つの指標を提供することを含む、例11に記載の方法。
例13: 前記曝露との連動が、曝露前、曝露中、および/または曝露後の連動を含む、上記例のいずれか1つに記載の方法。
例14: ストレス障害に対する訓練の対象者を選択するための方法であって、
心的外傷によって発症したストレス障害と診断された対象を評価して、前記対象において前記心的外傷を誘発すると考えられる少なくとも1種の心的外傷関連試練と、前記対象において前記心的外傷を誘発しないと考えられる少なくとも1種の非特異的ストレス試練とを同定し、
前記対象を前記少なくとも1種の非特異的ストレス試練に曝露し、
前記曝露の際中および/または後に、前記心的外傷による影響を受ける少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを前記対象が自己調整する能力を評価し、
前記評価の結果に応じて、前記少なくとも1種の心的外傷関連試練を前記対象に提供することを含む、方法。
例15: 前記ストレス障害が、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)を含む、例14に記載の方法。
例16: 前記少なくとも1種の非特異的ストレス試練が、扁桃体および/または神経回路網によって扁桃体と結合した脳領域の活動を上方制御するように構成されている、例14または15に記載の方法。
例17: 前記評価が、前記曝露の際中および/または後に、前記対象が前記扁桃体および/または前記扁桃体関連回路の活動を下方制御する能力の評価を含む、例16に記載の方法。
例18: 前記曝露の際中および/または後に少なくとも1つの電極によって前記対象から電気信号を記録することを含み、記録した前記電気信号の少なくとも一部が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを示し、前記評価が、前記少なくとも1つの特定脳領域の活動に前記対象が影響を与える能力を前記記録した電気信号に基づいて評価することを含む、上記例のいずれか1つに記載の方法。
例19: 前記電気信号は、少なくとも1つのEEG電極によって記録したEEG信号を含む、例18に記載の方法。
例20: 前記少なくとも1つの特定脳領域が扁桃体を含まない、例14~19のいずれか1つに記載の方法。
例21: 心的外傷によって発症したストレス障害と診断された対象の訓練のための方法であって、
前記対象において前記心的外傷を誘発すると考えられる試練を選択し、
前記対象を前記試練に曝露し、
前記試練に対する前記対象の応答を測定し、
測定した前記応答に応じて前記試練を改変することで、前記対象に対してフィードバックを提供する
ことを含む、方法。
例22: 前記測定が、少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを決定することを含み、且つ前記提供が、決定された前記活動レベルに応じて前記試練を改変することによって前記対象にフィードバックを提供することを含む、例21に記載の方法。
例23: 前記曝露と連動して少なくとも1つの電極によって前記対象の電気信号を記録することを含み、記録した前記電気信号の少なくとも一部が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルの指標であり、前記決定が、前記電気信号に基づいて前記少なくとも1つの特定脳領域の前記活動レベルを決定することを含む、例21または22に記載の方法。
例24: 前記電気信号が、少なくとも1つのEEG電極によって記録されたEEG信号を含む、例23に記載の方法。
例25: 前記決定が、記録された前記EEG信号の少なくとも一部と、記録媒体に保存された少なくとも1種のEEG署名またはその指標との関係を同定することを含み、前記少なくとも1種のEEG署名が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを表す、例24に記載の方法。
例26: 前記曝露との連動が、曝露前、曝露中および/または曝露後の連動を含む、例23~25のいずれか1つに記載の方法。
例27: 前記少なくとも1つの特定脳領域が扁桃体を含む、例23~26のいずれか1つに記載の方法。
例28: 前記曝露が、ストレス障害と診断された前記対象が画像化システムに閉じ込められていない状態で、ストレス関連試練に前記対象を曝露することを含む、例21~27のいずれか1つに記載の方法。
例29: 心的外傷によって発症したストレス障害と診断された対象の訓練のための方法であって、
前記対象の前記ストレス障害において損なわれた少なくとも1種の神経行動学的プロセスを評価し、
同定された前記損なわれた神経行動学的プロセスに応じて試練を選択し、
前記対象を選択した前記試練に曝露し、
前記曝露と連動して、前記対象の脳が生じる電気信号を少なくとも1つの電極で記録し、
少なくとも1つの特定脳領域における活動レベルを推定するために、記録した前記電気信号を処理し、
推定した前記活動レベルの少なくとも1つの指標を前記対象に提供し、
前記記録、前記処理および前記提供を繰り返す
ことを含む、方法。
例30: 前記損なわれた神経行動学的プロセスに応じて前記試練を特異的に設計することを含む、例29に記載の方法。
例31: 前記対象の前記ストレス障害の少なくとも1種の症状の発現を評価することを含み、前記評価が、前記少なくとも1種の症状の前記発現に基づき、前記少なくとも1種の損なわれた神経行動学的プロセスを評価することを含む、例29または30に記載の方法。
例32: 前記少なくとも1種の損なわれた神経行動学的プロセスが、損なわれたストレス検知プロセス、損なわれた感情制御プロセスおよび損なわれた恐怖消去プロセスから選ばれる少なくとも1種を含む、例29~31のいずれか1つに記載の方法。
例33: 前記ストレス障害が、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)を含む、例29~32のいずれか1つに記載の方法。
例34: 前記曝露と調節された関係で、前記対象に少なくとも1種の実習を行うように指示することを含み、前記少なくとも1種の実習が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルに影響を与えるように構成されたものである、例29~33のいずれか1つに記載の方法。
例35: 記録された前記電気信号の少なくとも一部と、記録媒体に保存された少なくとも1種の電気署名またはその指標との関係を同定することによって、前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを決定することを含み、前記少なくとも1種の電気署名またはその指標が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを表す、例29~34のいずれか1つに記載の方法。
例36: 前記少なくとも1つの脳領域が、大脳辺縁系の脳領域であって、大脳辺縁系体積の少なくとも20%の体積を有する領域を含む、例29~35のいずれか1つに記載の方法。
例37: 前記少なくとも1つの特定脳領域が扁桃体を含む、例29~36のいずれか1つに記載の方法。
例38: 前記曝露が、ストレス障害と診断された前記対象が画像化システムに閉じ込められていない状態で、損なわれた神経行動学的プロセス関連試練に前記対象を曝露することを含む、例29~37のいずれか1つに記載の方法。
例39: うつ病または不安障害の治療方法であって、
PTSDとうつ病、あるいはPTSDと不安障害と診断された対象を提供し、
PTSDの重症度を低下させるために、少なくとも1つの特定脳領域の活動を制御するためのニューロフィードバックを用いて前記対象の訓練を行い、うつ病または不安障害の症状を改善する
ことを含む、方法。
例40: 前記訓練後に前記対象の前記うつ病または前記不安障害を評価し、
前記評価の結果に基づき、前記ニューロフィードバックによる訓練を改変する
ことをさらに含む、例39に記載の方法。
例41: 前記訓練の成功に基づき、前記対象におけるうつ病または不安障害を治療するための、少なくとも1種の生物活性化合物による既存の投与計画を調整する、あるいは前記対象におけるうつ病または不安障害を治療するための、少なくとも1種の生物活性化合物を含む新しい投与計画を設定することをさらに含む、例39または40に記載の方法。
例42: ニューロフィードバックによる訓練が、
前記対象の心的外傷と関連した試練に前記対象を曝露し、
前記曝露と連動して少なくとも1種の実習を実施するよう前記対象に指示し、前記少なくとも1種の実習が、少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルに影響を与えるように構成されたものであり、
前記曝露の際中および/または後に少なくとも1つの電極で前記対象から電気信号を記録し、記録した前記電気信号の少なくとも一部が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを示し、
前記記録した電気信号に基づき、前記曝露と連動して、前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルについて、前記対象に対してフィードバックを提供する
ことを含む、例39~41のいずれか1つに記載の方法。
例43: 前記電気信号がEEG電気信号を含む、例42に記載の方法。
例44: 前記対象が画像化システムに閉じ込められていない状態で、前記訓練を実施する、例39~43のいずれか1つに記載の方法。
例45: 予期されるストレス障害のトリガーに対して対象を準備させるための方法であって、
少なくとも1つの特定脳領域の活動を変化させる実習のリストを提供し、
対象をストレス障害トリガーに曝露する前に指標を受けとり、
前記ストレス障害と診断された対象に、前記実習のリストから少なくとも1種の実習を実施するように指示する
ことを含む、方法。
例46: 前記対象の脳が発生したEEG信号を記録し、
記録した前記EEG信号に基づき、前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを推定し、
推定した前記活動レベルの少なくとも1つの指標を前記対象に提供する
ことを含む、前記例42に記載の方法。
例47: ストレス障害に対する訓練を送達するための装置であって、
記録媒体と、
前記記録媒体に機能的に連結された制御回路と
を備え、
前記対象の前記ストレス障害の少なくとも1種の症状を誘発するように構成された試練を前記対象に送達し、
前記対象の脳が発生した少なくとも1つの電気信号を受信し、
受信した前記電気信号を用いて、少なくとも1つの特定脳領域に対する前記試練の影響、および前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルの前記対象に対する影響を評価し、
前記評価の結果に基づき、ヒトが検知可能な指標を自動的に生成する
ように構成された、装置。
例48: ユーザーインターフェースをさらにを含み、前記ユーザーインターフェースを用いて使用者が前記記録媒体に保存された試練のリストから前記試練を選択するように構成された、例47に記載の装置。
例49: 前記記録媒体に保存された試練のリストから前記試練を選択するように前記制御回路が構成されている、例47に記載の装置。
例50: 前記試練をどのように変化させるかを決定するために前記影響を処理するように前記制御回路が構成されている、例47~49のいずれか1つに記載の装置。
例51: 前記少なくとも1つの電気信号がEEG信号を含む、例47~50のいずれか1つに記載の装置。
特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術および/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様のまたは等価な方法および材料を、本発明の実施形態の実践または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を下記に記載する。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。加えて、材料、方法、および実施例は単なる例示であり、必ずしも限定を意図するものではない。
当業者には理解されるように、本発明のいくつかの実施形態は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として実施することができる。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアの側面とハードウェアの側面を組み合わせた実施形態、の形をとることができ、これらはいずれも本明細書においては、一般に「回路」、「モジュール」、または「システム」と称することがある。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、コンピュータ可読プログラムコードを実装した1つまたは複数のコンピュータ可読媒体に実施されたコンピュータプログラム製品の形をとってもよい。本発明のいくつかの実施形態の方法および/またはシステムの実施は、選択されたタスクを、手動で、または自動的に、またはこれらを組み合わせて、実行および/または完了することを含むことができる。さらに、本発明の方法および/またはシステムのいくつかの実施形態の実際の機器よび装置によれば、いくつかの選択されたタスクを、ハードウェアによって、またはソフトウェアによって、またはファームウェアによって、および/またはこれらの組合せによって(例:オペレーティングシステムを使用して)、実施することができる。
例えば、本発明のいくつかの実施形態に係る選択されたタスクを実行するハードウェアを、チップまたは回路として実施することができる。ソフトウェアとしては、本発明のいくつかの実施形態に係る選択されたタスクを、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実施することができる。本発明の例示的な実施形態においては、本明細書に記載されている方法および/またはシステムのいくつかの例示的な実施形態に係る1つまたは複数のタスクは、データプロセッサ(複数の命令を実行するコンピューティングプラットフォームなど)によって実行される。データプロセッサは、オプションとして、命令もしくはデータまたはその両方を記憶する揮発性メモリ、および/または、命令もしくはデータまたはその両方を記憶する不揮発性記憶装置(例えば磁気ハードディスクおよび/またはリムーバブル媒体)、を含む。オプションとして、ネットワーク接続も提供される。オプションとして、ディスプレイおよび/またはユーザ入力デバイス(キーボードやマウスなど)も提供される。
本発明のいくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組合せを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体とすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、以下に限定されないが、電子式、磁気式、光学式、電磁式、赤外線式、または半導体の、システム、装置、またはデバイス、またはこれらの任意の適切な組合せ、とすることができる。コンピュータ可読記憶媒体のさらに具体的な例としては(ただしすべてを網羅していない)、以下、すなわち、1本または複数本のワイヤを有する電気接続、携帯型コンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、またはこれらの任意の適切な組合せ、が挙げられる。本文書の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令を実行するシステム、装置、またはデバイスによって使用するためのプログラム、またはこれらのシステム、装置、またはデバイスに関連して使用するためのプログラム、を含むかまたは格納することのできる任意の有形媒体とすることができる。
コンピュータ可読信号媒体としては、コンピュータ可読プログラムコードが、例えばベースバンドにおいて、または搬送波の一部として実施されている、伝搬されるデータ信号、が挙げられる。このような伝搬信号は、さまざまな形(以下に限定されないが、電磁気、光、またはこれらの任意の適切な組合せを含む)のいずれかをとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、かつ、命令を実行するシステム、装置、またはデバイスによって使用するためのプログラム、あるいはこれらのシステム、装置、またはデバイスに関連して使用するためのプログラム、を伝える、伝搬させる、または運ぶことのできる、任意のコンピュータ可読媒体、とすることができる。
コンピュータ可読媒体に実施されているプログラムコード、および/または、このようなプログラムコードによって使用されるデータは、任意の適切な媒体(以下に限定されないが、ワイヤレス、有線、光ファイバケーブル、無線周波数など、またはこれらの任意の適切な組合せを含む)を使用して送信することができる。
本発明のいくつかの実施形態の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1種類または複数種類のプログラミング言語(オブジェクト指向プログラミング言語(Java、Smalltalk、C++など)および従来の手続き型プログラミング言語(「C」プログラミング言語または類似するプログラミング言語など)を含む)の任意の組合せにおいて書くことができる。プログラムコードは、その全体を使用者のコンピュータ上で実行する、またはその一部を独立したソフトウェアパッケージとして使用者のコンピュータ上で実行する、または一部を使用者のコンピュータ上で実行しかつ一部を遠隔のコンピュータ上で実行する、または全体を遠隔のコンピュータまたはサーバー上で実行する、ことができる。後者のシナリオでは、遠隔のコンピュータは、任意のタイプのネットワーク(ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む)を通じて使用者のコンピュータに接続することができる、または、(例えばインターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部のコンピュータへの接続を形成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/またはブロック図を参照しながら、以下に説明されている。流れ図および/またはブロック図の各ブロック、および、流れ図および/またはブロック図におけるブロックの組合せを、コンピュータプログラム命令によって実施できることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはマシンを形成する他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供することができ、したがってこれらの命令(コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される)は、流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロックに指定されている機能/動作を実施する手段を形成する。
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の装置が特定の方法で機能するように導くことができるコンピュータ可読媒体に格納してもよく、したがって、コンピュータ可読媒体に格納されている命令は、流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロックに指定されている機能/動作を実施する命令を含む製品を形成する。
コンピュータまたは他のプログラマブル装置で実行される命令が、流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロックに指定されている機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータプログラム命令を、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の装置にロードして、一連の動作ステップがコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の装置で実行されて、コンピュータによって実施されるプロセスが生成されるようにしてもよい。
本明細書に記載されている方法のいくつかは、一般的にコンピュータによる使用のみを目的として設計されており、専門家が純粋に手動で実行するには適していない、または実用的ではないかもしれない。類似するタスク(脳領域の活動レベルの決定など)を手動で実行することを望む専門家は、まったく異なる方法(例えば、専門知識および/または人の脳のパターン認識能力を利用する)を使用することが予想され、それは本明細書に記載されている方法のステップを手動で行うよりもはるかに効率的である。
本発明のいくつかの実施形態について、その例示のみを目的として付属の図面を参照して本明細書に記載する。以下、特に図面を詳細に参照して示す細部は、例示を目的とし、また本発明の実施形態の詳細な説明を目的とすることを強調する。同様に、図面と共に説明を見ることで、本発明の実施形態をどのように実践し得るかが当業者には明らかとなる。
本発明のいくつかの実施形態に係る、ストレス障害ニューロフィードバック(NF)訓練のプロセス、例えば、電気フィンガープリントニューロフィードバック(EFP-NF)訓練プロセス、を患者の視点から捉えたフローチャートである。 本発明のいくつかの実施形態に係る、NF訓練プロセス、例えば、EFP-NF訓練プロセス、のフローチャートである。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、患者、例えば、ストレス障害と診断された患者、の評価の種類を示す模式図である。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ストレス障害(例えばPTSD)のいくつかの症状と損なわれた神経行動学的プロセスとの関係を示すマトリクスの略図である。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、被訓練者の症状および/または損なわれた神経行動学的プロセスに基づき発生させ、被訓練者に送達したインターフェースの略図である。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、被訓練者の症状および/または損なわれた神経行動学的プロセスに基づき発生させ、被訓練者に送達したインターフェースの略図である。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、被訓練者の症状および/または損なわれた神経行動学的プロセスに基づき発生させ、被訓練者に送達したインターフェースの略図である。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、被訓練者のストレス障害関連症状および/または損なわれた神経行動学的プロセスに応じて被訓練者に合わせたNF訓練プロセスのフローチャートである。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、NF訓練後にCAPS-5サブスケールを用いて測定した、ストレス障害関連症状の変化を示すグラフである。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、NF訓練後にCAPS-5サブスケールを用いて測定した、ストレス障害関連症状の変化を示すグラフである。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、NF訓練後にCAPS-5サブスケールを用いて測定した、ストレス障害関連症状の変化を示すグラフである。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、NF訓練後にCAPS-5サブスケールを用いて測定した、ストレス障害関連症状の変化を示すグラフである。 本発明のいくつかの実施形態に係る、曝露インターフェース、例えば、NF訓練の心的外傷関連曝露インターフェース、を改変することで、NF訓練プロセス中に患者にフィードバックを提供するためのプロセスのフローチャートである。 本発明のいくつかの実施形態に係る、NF訓練、例えばFP-NF訓練、の送達のためのシステムのブロック図である。 被験者の募集から追跡調査までを含む試験の全体的工程の詳細を示す、実証実験の概要である。 実験の参加者群に関する人口統計学的および基本的臨床情報を示す表である。 介入群における介入セッションの全体的な順番を示す。 動画シナリオ中立インターフェースのためのプロトコルを示す。 聴覚中立インターフェースを示す。 曝露群の患者の個別の心的外傷の内容に対する段階的な曝露の詳細を示すプロトコル部分を示し、ここで患者は中立的なコンテクストで訓練を開始し、技術水準に達したら、曝露セッションにおける個別の心的外傷を用いた訓練に移行する。 曝露群の一人の患者における、第1の曝露セッション中のEFP信号の変化の一例を示すグラフである。 図11に現れる患者の実験において、異なるセッションで生じたEFP信号の変化を示すグラフである。 図11に現れる患者の実験において、異なるセッションで生じたEFP信号の変化を示すグラフである。 図11に現れる患者の実験において、異なるセッションで生じたEFP信号の変化を示すグラフである。 図11に現れる患者の実験において、異なるセッションで生じたEFP信号の変化を示すグラフである。 図11に現れる患者の実験において、異なるセッションで生じたEFP信号の変化を示すグラフである。 図11に現れる患者の実験において、異なるセッションで生じたEFP信号の変化を示すグラフである。 図11に現れる患者の実験において、異なるセッションで生じたEFP信号の変化を示すグラフである。 実験における13週にわたるNF訓練中のEFP Zスコアの平均値の変化を示すグラフである。 AおよびBは実験の異なる群におけるEFP Zスコアの平均値の変化を示すグラフである。 NF訓練後の実験の3郡の参加者におけるCAPS-5総スコアの変化を示すグラフである。 実験中に中立的なコンテクストでEFP-NFを受けた個別の被訓練者におけるCAPS-5総スコアの変化を示すグラフである。 実験中に曝露コンテクストでEFP-NFを受けた個別の被訓練者におけるCAPS-5総スコアの変化を示すグラフである。 実験の各群において、CAPS-5総スコアについて5ポイントを超える改善を示した参加者のパーセンテージを示すグラフである。 実験の種々の群間の、異なるCAPS-5サブスケールにおける変化を示すグラフである。 実験の種々の群間の、PCLスコアの変化を示すグラフである。 訓練後の標的(例えば扁桃体)エンゲージメントを表す。 EFP訓練成功インデックスと、続くリアルタイムfMRIニューロフィードバック中のBOLDの活性化との相関を示すグラフである。この正の相関は、訓練セッション中に自身のEFP信号を非常にうまく下方制御することのできた(即ち、総合的に最適パフォーマンスのセッションの)参加者達は、介入後のリアルタイムニューロフィードバックの際に自らの扁桃体BOLD信号の下方制御についてもより優れていた。 実験プロセスの略図である。 図21Aの実験で実施した訓練セッションの略図である。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、図21Aの実験で実施したNF訓練の際の扁桃体EFP信号の変化として表した、NF訓練の学習効果を表す2つのグラフを示す。 図21Aの実験で実施したNF訓練後の総CAPS-5スコアの変化を示すグラフである。 図21Aの実験で実施したNF訓練後のTP1からTP2への総CAPS-5スコアパーセント症状減少(Percent Symptom Reduction)の変化を示すグラフである。 図21Aの実験で実施したNF訓練後に評価した総PCLの変化を示すグラフである。 図21Aの実験で実施したNF訓練後に評価した、実験中から追跡調査における総PCLの変化を示すグラフである。 図21Aの実験におけるrtfMRI-NF標的エンゲージメントを示すグラフおよび脳の略図である。 図21Aの実験のCONSORTフローチャートである。 rtfMRI-NFパラダイムの略図である。 NF訓練後のBDI-IIスコアの変化を示すグラフである。 NF訓練後のSTAIスコアの変化を示すグラフである。
本発明は、そのいくつかの実施の形態において、ストレス障害に対する訓練、より具体的には、心的外傷後ストレス障害に対する訓練に関するが、これに限定されるものではない。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、例えば、感情の過剰な反応および感情制御の喪失によって特徴づけられ、これらは少なくとも1つの脳領域の活動レベルの変化、例えば、過活動性扁桃体および低活動性前頭前野腹内側部(vmPFC)、に対応する。PTSDの治療における問題の1つは、このようなプロセス異常の非特異的ターゲティングである。本発明のいくつかの実施形態においては、扁桃体の活動または他のストレス関連領域の下方制御を目的として、ニューロフィードバック(NF)介入、例えば、PTSD患者用の電気フィンガープリント(EFP)-NFを適応させる。いくつかの実施形態においては、障害特異的なプロセスを標的化するために、学習フィードバックとしてテーラーメイドの心的外傷関連内容を適応し、個人に合わせたプロセスに基づくNFを可能にする。いくつかの実施形態においては、電気フィンガープリント(EFP)を、例えば、米国特許第13/983,419号に記載のように発生させる。
いくつかの実施形態によると、脳領域とは、脳の種々の神経解剖学的階層、例えば、脳の神経解剖学的領域の第1の階層、第2の階層および第3の階層、の部分である脳の領域である。いくつかの実施形態においては、脳領域は、後脳、中脳および前脳の少なくとも1つ、例えば第2の階層または第3の階層、に位置する脳の領域である。いくつかの実施形態においては、脳領域は、大脳辺縁系の少なくとも1つの脳領域であり、例えば、大脳辺縁系の総体積の少なくとも20%未満、10%未満、5%未満またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きなパーセント値の体積を有する大脳辺縁系の脳領域である。いくつかの実施形態においては、脳領域は、脳の総体積の10%未満、8%未満、5%未満、1%未満またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きなパーセント値の体積を有する。いくつかの実施形態においては、脳領域は、大脳辺縁系、顕著性ネットワーク、中脳辺縁系、報酬回路、前頭前野制御回路、前頭前野腹内側部、脳幹、脅威(Threat)回路および小脳の少なくとも1つの部分である。
いくつかの実施形態によると、EFP-NF処置の後および/または前に、例えば、臨床的重症度を決定するためにCAPS-5および/またはPCL評価方法を用いて、PTSD患者を評価する。任意で、扁桃体fMRI-NFを用いて神経ターゲットエンゲージメントについて、PTSD患者を評価する。
いくつかの実施形態によると、例えば、個人に合わせた心的外傷インターフェースと共にEFP-NFを用いた、EFP-NF訓練によって処置された、ストレス障害と診断された患者は、EFP-NFの際に学習した実習を実行し、任意でフィードバックを受けることなく、AmygEFP信号および/または少なくとも1つのストレス関連脳領域の活動を下方制御する。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、ストレス障害、例えば、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、に苦しむ対象の、ニューロフィードバック(NF)訓練、例えば、電気フィンガープリント-ニューロフィードバック(EFP-NF)、を用いた訓練に関連する。いくつかの実施形態においては、電気フィンガープリント(EFP)は、1つ以上の脳領域の活動レベルに関連した脳波記録法(EEG)フィンガープリント、例えば、US20140148657A1に記載のもの、である。いくつかの実施形態においては、EFP-NF訓練は、ストレス障害に関連した脳領域および/または神経回路、例えば、ストレス障害のトリガーの記憶、の活動レベルに影響を与える。いくつかの実施形態においては、EFP-NFは心的外傷事象、例えば、ストレス障害(例えば、PTSD)のトリガーとなった心的外傷事象、の記憶に関連した脳領域および/または神経回路の活動レベルに影響を与える。いくつかの実施形態においては、ストレス障害は、パニック障害の既往歴を伴わない広場恐怖症、社会不安障害、限局性恐怖症、強迫性障害、うつ病、物質乱用を含む。
いくつかの実施形態によると、電気フィンガープリント(EFP)は、扁桃体および/または1以上のストレス障害(例えば、PTSD)に関連する他の脳領域のEEG電気フィンガープリントを含む。いくつかの実施形態においては、EFP-NF訓練は、ストレス障害関連脳領域および/または神経回路に選択的に影響を与えるために使用される。いくつかの実施形態においては、EFP-NF訓練は、ストレス障害関連脳領域および/または神経回路の活動レベルを減少させる。この代わりに、またはこれに加えて、EFP-NF訓練は、ストレス障害関連脳領域および/または神経回路の活動レベルを増加させる。いくつかの実施形態においては、ストレス障害(例えば、PTSD)EFP-NF訓練は扁桃体の活動を減少させるために使用される。.
いくつかの実施形態によると、EFP-NF訓練中、EEG信号を対象者(例えば、被訓練者)から記録する。いくつかの実施形態においては、被訓練者は、ストレス障害と診断された患者である。いくつかの実施形態においては、例えば、選択した脳領域(例えば、扁桃体)の現在の活動状態を決定するために、記録されたEEG信号の少なくとも一部を解析する。いくつかの実施形態においては、脳領域の特定の活動レベルと関連する保存されたEEG電気フィンガープリントを用い、例えば、記録したEEG信号と保存されたEEG信号とを相関させることで、脳レベルでの現在の活動レベルを決定する。
いくつかの実施形態によると、EFP-NF訓練中、選択した脳領域(例えば、扁桃体)の活動レベルをモニタリングする。いくつかの実施形態においては、被訓練者は、脳領域の活動を調節する方法、例えば、脳領域の活動を上方制御する方法および/または活動を下方制御する方法を学習する。いくつかの実施形態においては、被訓練者は所望の活動レベルへの到達の成功についてのフィードバックを受ける。
いくつかの実施形態によると、フィードバックはオンラインである、例えば、対象が脳領域の活動の調節のために1以上の実習を実施中に行う。この代わりに、またはこれに加えて、フィードバックは連続的である。いくつかの実施形態においては、フィードバックは対象および/またはEFP-NFプロセスのモニタリングを行う監督者に対して提供される。いくつかの実施形態においては、フィードバックは、対象に提供されたインターフェース(例えば、シナリオ)を改変することで提供される。いくつかの実施形態においては、フィードバックは、脳領域の活動を上方制御および/または下方制御するように設計されたインターフェースを改変することで提供される。いくつかの実施形態においては、フィードバックはEEG信号の記録から10秒以内、例えば、5秒以内、2秒以内、またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きな値で提供される。さらにフィードバックは連続的なフィードバックである、例えば、フィードバックは少なくとも30秒以内の時間内で送達され、この時間内の脳領域の活動レベルの変化と関連付けられる。
いくつかの実施形態によると、ストレス障害EFP-NF訓練を曝露療法と組み合わせる。いくつかの実施形態の組み合わせNF訓練において、EFP-NF訓練中に対象に提供されるインターフェース(例えば、試練)は、特定のストレス障害、例えば、ストレス障害の特定のトリガーと関連する。いくつかの実施形態においては、組み合わせEFP-NF訓練中に対象はストレス障害のトリガーに段階的に曝露される。いくつかの実施形態においては、インターフェースは、そこに含まれる心的外傷に関連する要因が増えていくように、段階的に調整される。この代わりに、またはこれに加えて、心的外傷関連要因に対する対象の曝露時間を増加する。いくつかの実施形態においては、心的外傷関連要因は、特定の心的外傷に対する被訓練者の応答を喚起する、例えば、1つ以上の脳領域および/または神経回路を活性化するように選択する。
いくつかの実施形態によると、対象に提供される試練はストレス障害に特異的である。例えば、PTSDに対しての試練は、引き金となる音、刺激および/または光景の(例えば、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)による)送達を含み、パニック障害の既往歴を伴わない広場恐怖症に対しての試練は、視覚化された空間の(例えば、VRやARによる)送達を含み、社会不安障害に対しての試練は、社会的交互作用、質問する顔のイメージ、あいまいな批判を受ける様子を含み、限局性恐怖症の試練は蜘蛛を含み、自殺衝動を伴ううつ病に対しての試練は自殺に関する要因を含み、物質乱用に対しての試練は、薬物使用器具の画像を含む。
いくつかの実施形態によると、NF訓練(例えば、EFP-NF訓練)は、選択的に活性化される1つ以上の脳領域および/または神経回路の活動を下方制御するために、ストレス障害(例えば、PTSD)を患う対象の訓練に使用される。いくつかの実施形態においては、1つ以上の脳領域および/または神経回路(例えば、扁桃体)は、NF訓練中に選択的に活性化される。いくつかの実施形態においては、対象(例えば、ストレス障害を患う対象)に送達されるインターフェースは、ストレス障害のトリガーに関連した1以上の要因を含む。いくつかの実施形態においては、1以上の要因は、ストレス障害に関連した音、画像、匂いおよび/または刺激を含む。
ストレス関連脳領域の活性化を制御する対象の能力に対する、(例えば、個人に合わせた心的外傷トリガーの曝露中に)オンラインおよび連続的フィードバックを受けることの、潜在的な利点は、例えば、MRI(例えば、fMRI)に基づくNF訓練法と比べて、はるかに高い時間分解能を有する効率的且つ連続的な訓練プロセスを可能にする点にある。対象が個人に合わせた心的外傷トリガーに曝露されながらオンラインおよび連続的フィードバックを受けることの、対象の脳領域の活性化を制御する能力に対するさらなる潜在的な利点は、望ましくない活性レベルに関連したEEG信号を記録することで、対象の心的外傷トリガーに対する曝露を10秒以内、例えば、5秒以内、2秒以内、またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きな値で停止できる点にある。
いくつかの実施形態の一態様は、対象に特異的なストレス関連トリガー(例えば、心的外傷関連トリガー)に対象を曝露する前に、1つ以上の脳領域および/または神経回路の活動レベルを対象が制御する能力を検査することに関する。いくつかの実施形態においては、ストレス障害(例えば、PTSD)を患う対象を、対象に特異的なストレス・トリガーに曝露する前に、非特異的なストレス・トリガーに曝露する。
いくつかの実施形態によると、特異的な(例えば、個人に合わせた)ストレス・トリガーは、感情制御および/または心的外傷の記憶と関連する1つ以上の脳領域および/または神経回路の活動を選択的に活性化する、例えば、選択的に上方制御する。いくつかの実施形態においては、対象が活動を制御する(例えば、特定のストレス・トリガーによって活性化されると予想される1つ以上の脳領域および/または神経回路の活動を下方制御する)能力を、個人に合わせたストレス・トリガー(例えば、個人に合わせた心的外傷トリガー)に曝露する前に検査する。
いくつかの実施形態によると、監督者、例えば、心理学者、精神科医、メンタルヘルスの専門家が、非特異的なストレス・トリガーおよび/またはストレス特異的トリガー(例えば、心的外傷特異的トリガー)に対する対象の反応、例えば、対象の生理学的および/または行動学的反応のモニタリングを行う。いくつかの実施形態においては、NF訓練中(例えば、EFP-NF訓練中)に監督者は対象の反応をオンラインでモニタリングする。いくつかの実施形態においては、監督者は、対象の反応に応じて、NF訓練の1種以上のパラメータを改変する。代わりに、NF訓練の1種以上のパラメータをシステムの制御回路が自動的に改変する。いくつかの実施形態においては、1種以上のパラメータは、NF訓練のインターフェース(例えば、ストレス・トリガーインターフェース)を含み、インターフェースは特異的および非特異的なストレス・トリガー(例えば、インターフェースに含まれる音声および/または画像のシナリオ、音、匂いおよび/または刺激がインターフェースには含まれる。いくつかの実施形態においては、インターフェースは仮想現実(VR)または拡張現実(AR)のインターフェースを含む。いくつかの実施形態においては、NF訓練の1種以上のパラメータは、全体的な訓練期間、各訓練セッションの期間、訓練セッション間の休憩期間、ストレス・トリガーインターフェースの内容および/または種類、非特異的なストレス・トリガーインターフェースから特異的ストレス・トリガーインターフェース(例えば、特異的心的外傷または対象に特異的な心的外傷記憶をトリガーするように個人に合わせたインターフェース)への移行を含む。
いくつかの実施形態によると、対象は、EFP-NF訓練手順の間、心的外傷事象(例えば、心的外傷事象のトリガー)に対して連続的に曝露される。いくつかの実施形態においては、EFP-NF訓練手順の間、心的外傷事象に曝露されながら、対象が所望の活動レベルへの到達に成功する程度に応じて、提供された曝露は調製される。いくつかの実施形態においては、NF訓練セッション中に閉鎖ループフィードバックによって連続的な曝露と曝露の調整とが生成される。
いくつかの実施形態によると、曝露は、事前の詳細な面談、例えば、ストレス障害(例えば、PTSD)の診断の一部である面談、を通じて各個人のために抽出した心的外傷の内容を含む。いくつかの実施形態においては、心的外傷物語を聴覚、視覚および/または他の種類の感覚によって提供する。いくつかの実施形態においては、感覚の種類は、心的外傷の感情/ストレス、例えば、匂い、感触、視覚または聴覚的なきっかけと適合する。いくつかの実施形態においては、提供は、没入的ではない(天然の)環境を含む。代わりに、提供は、没入的な環境、例えば、仮想または拡張現実的環境を含む。
いくつかの実施形態によると、心的外傷の内容を、内容の感情的強度が段階的になるように導入する、例えば、心的外傷の内容の段階的な導入を任意で、NF訓練前に、被訓練者ごとに個人に合わせる。いくつかの実施形態においては、心的外傷の内容は、聴覚的なインターフェース、例えば、心的外傷事象を二人称で説明する他人の声を用いて段階的に導入し、その後そこに心的外傷記憶の一部であり得る特定の音声(例えば、泣き声や叫び声)を加える。この代わりに、またはこれに加えて、心的外傷の内容を、視覚的インターフェース、例えば、物語の画像的提供を用いて段階的に導入し、その後そこに、物語に関与した物体、色または人を導入する。
いくつかの実施形態によると、心的外傷事象への曝露の連続的な調整および/または段階的に導入される心的外傷の内容の調整によってフィードバックを提供する。いくつかの実施形態においては、EFP-NG訓練セッション中に記録したEEG信号に基づき、EFP信号を常にモニタリングすることでフィードバックを提供する。いくつかの実施形態においては、フィードバック(例えば、感覚報酬フィードバック)は所望の方向への信号の変化、例えば、基線または以前の信号値に対する下方または上方制御、に応じて提供する。
いくつかの実施形態によると、報酬は曝露強度の低下、例えば、感覚的提供の鮮明度または内容の強度の低下および/または心的外傷の中心からより離れるような物語の変更によって認知される。いくつかの実施形態においては、フィードバックは、連続的フィードバックを含む。代わりに、フィードバックは、2~30秒毎の範囲内、例えば、2~15秒毎、10~20秒毎、17~30秒毎またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きな範囲の値で被訓練者に提供される間欠的フィードバックを含む。いくつかの実施形態においては、被訓練者は心的外傷の内容を5~90秒の範囲内の選択された時間中、例えば、5~30秒、20~60秒、50~90秒またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きな範囲の値にわたり知覚する。いくつかの実施形態においては、被訓練者は脳信号の調整を試みながら心的外傷の内容を知覚し、成功に関するフィードバックを、例えば、上述したように、別のスクリーンから得る。この代わりに、またはこれに加えて、フィードバックは基準、例えば、変化の成功の程度を示す目盛りの提供によって送達される。
いかなる論理にも縛られるものではないが、NF訓練中の患者特異的コンテクストという発想は、2つの原理として機能すると考えられる:第1は、適切な脳回路のより正確な同定に関連する。たとえ1つ以上の脳領域を標的としても、これら1つ以上の脳領域を調整しながら特異的内容を提供することで、最も適切な病因的メカニズムを呼び起こすことができ得る。第2はNF中のフィードバックメカニズムに関連する。正のフィードバックは通常、報酬回路を含むが、報酬が心的外傷のコンテクストにおいて正/望ましい変化である場合、それは心的外傷の内容を報酬に結び付ける新しい学習につなげ、脅威の自動的な意味と相反する。
いくつかの実施形態によると、NF訓練(例えば、EFP-NF訓練)は段階的な手順である、例えば、被訓練者は、初めに中立な(障害特異的ではない)コンテクストで標的脳信号を調整するスキルを確立し、そうなってから障害(および苦痛な)コンテクスト、例えば、心的外傷物語等に直面する。いくつかの実施形態においては、介入の第一相において、被訓練者は非特異的なフィードバック(例えば、音声化または視聴覚化されたアニメーションのシナリオ)による1以上のNFセッションを受ける。いくつかの実施形態においては、このような1以上のセッション中にEFP信号を低下させるのに成功した被訓練者はNF訓練の第二相に続く。いくつかの実施形態においては、第二相は、障害特異的な内容およびコンテクスト(例えば、心的外傷特異的な内容およびコンテクスト)への曝露中に行われる。
いくつかの実施形態によると、曝露セッション中に被訓練者が適切な脳信号を探索し、挑戦的な介入にかかわらず、それを調整するために自らの既に確立された技術を使用することができることを保証するために、苦痛な内容に移動する際の基準が向けられる。
EFP-NFを使用する潜在的な利点は、複数の相、複数のセッション、オンラインであり、任意で連続的なフィードバック、および監督者による綿密なモニタリングを可能にする点であり、一方、他の脳領域活性化NF技術(例えば、fMRI-NF)では、これらの能力はかなり制限されている。EFPは、fMRIによる空間情報とEEGの接近性の両方を提供する。
いくつかの実施形態によると、苦痛な内容に初めて曝露されるとき、監督者(例えば、臨床医)は訓練ルームに付き添い、被訓練者が状況に圧倒されることなく、訓練を受けられることを綿密にモニタリングし、再保証する。いくつかの実施形態においては、さらに苦痛な環境に直面したときに患者を導くために訓練された臨床医が参加する。いくつかの実施形態においては、NF訓練の各サイクル後に、患者がその経験を共有し、上手く使用することのできた心理学的手法について検討することを臨床医が可能にする。加えてまたは代わりに、各セッション後に、学習グラフを被訓練者に提供し、任意で、成功した点について臨床医が被訓練者と詳細を検討する。これらの安全工程はEEG-NFのセットアップに容易に導入されるが、fMRI-NFでは実質的に不可能である。
いくつかの実施形態によると、フィードバックとして被訓練者に再生される曝露用の物語は、各対象個人のために作成した、個人用の曝露用物語である。いくつかの実施形態においては、NF訓練の開始前に、訓練された臨床医が患者に対して面談を行い、彼/彼女に固有の心的外傷事象について記録する。いくつかの実施形態においては、面談後に情報を編集する、例えば、その強度や特定の心的外傷の焦点に対する近接性に基づき、等級をつける。いくつかの実施形態においては、焦点は、その説明に用いられる数々の感情用語や、この部分を開示する際の患者の行動によって定義する。いくつかの実施形態においては、不明確な場合は、心的外傷焦点を定義するために患者に対して、例えば、「あなたの記憶の中で最も苦痛である部分を示してください」といった質問を使用する。
いくつかの実施形態によると、質問(例:誘導質問)を使用してデータを収集し、経験の感情的、感覚的および身体的な観点を特徴づけ(例:どのように感じましたか?通常とは感じ方が異なっていましたか?何を見ましたか/聞きましたか?何を考えましたか?何を行いましたか?)。いくつかの実施形態においては、臨床医はコンテクストに関する情報、例えば、経験の場所、他の人々および時間についての情報を得る。いくつかの実施形態においては、面談の際に得た情報を20秒~10分の範囲内(例えば、20秒~3分、1分~7分、5分~10分またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きな範囲の値)の長さの1以上の台本に編集する。いくつかの実施形態においては、台本が音声台本を含む場合、音声台本は二人称の声で被訓練者に提供される。いくつかの実施形態においては、いくつかのNF訓練セッションのそれぞれまたは少なくとも一部は、医院における各サイクルに続く報告を含み、これは脳の調整を促進するためにもっと有用な技術を見出せるように各患者を導くためである。
いくつかの実施形態によると、対象に送達されるフィードバックは、対象による脳領域の活動の調整の成功に基づいて調整される。いくつかの実施形態においては、調整されたフィードバックは、例えば、上述したような調整された曝露用の物語として送達される。いくつかの実施形態においては、5分未満(例えば、3分未満、1分未満、30分未満、またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きな値)の「休憩期間」中にEFP値(例えば、各被訓練者の休憩中の平均EFP値および/またはこの平均に対する標準偏差(STD))の計算を実施する。
いくつかの実施形態によると、フィードバックは、例えば、10分未満(例えば、5分未満、3分未満またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きな値)の短い聴覚的な中立コンテクストの環境フィードバック(例えば、被訓練者の心的外傷に対して特異的ではないフィードバック)を含む聴覚的なフィードバックを含む。いくつかの実施形態においては、中立コンテクストのフィードバックは、一曲のジャズ音楽を含む。代わりに、短い聴覚的なフィードバックは、曝露セッション中に送達された心的外傷特異的なコンテクストを含む。いくつかの実施形態においては、測定したEFP信号に対して計算した統計的パラメータ値の増加または低下(例えば、amyg-EFP値の1つのSTDの変化(上昇または下降)は、聴覚的なフィードバックの音量の対応する変化、例えば、10dBの変化、を生じる。いくつかの実施形態において、各NF期間後には、最後のNF期間等の際に記録した標的信号値に基づきSTDをリセットする。
いくつかの実施形態によると、心的外傷のコンテクスト、心的外傷の内容および/または心的外傷トリガーへの曝露を含むEFP-NFは、心的外傷的記憶および経験の統合/消滅に関与する精神的処理を引き起こしながらも、脳のメカニズムを直接標的とする。いかなる論理にも縛られるものではないが、記憶は思い出されるたびに再統合される。よって再統合は、感情的な記憶を書き換える機会を与え、そこに関与する回路を必要とする。即ち、再統合のウインドウ(reconsolidation window)の際には、古い心的外傷的経験はアップデート可能であり、再コンテクスト化(recontextualized)することができる(Nader et al., 2000、Dudai et al., 2006、Schiller et al., 2010、Kandler et al., 2014)。したがって、適切な回路を操作しながらの再統合は、心的外傷的記憶の経験を変えるのみならず、その下にある神経メカニズムまでも改変する、非侵襲的介入を可能にする。
扁桃体の活動を自発的に下方制御するための訓練と、その最中の心的外傷事象の内容に対する曝露とを組み合わせたEFP-NF訓練の潜在的な利点は、PTSDにおいてきっかけによって発生する(cued provoked)症状に対する神経系の感度に対して有利な影響を与え得ることである。EFP-NF訓練プログラムにおいてフィードバックそれ自体と組み合わされた心的外傷特異的試練に対する曝露は、心的外傷的経験をコードする脳プロセスを活性化し、(オンラインで)調整する。心的外傷の記録された物語に対する曝露は、心的外傷事象の記憶をコードし、維持し、統合する神経プロセスおよびネットワークを活性化するように設定された、個人的で試練となるコンテクストである。これら神経プロセスおよびネットワークが活性化される中で辺縁系を調整する訓練の参加者たちは、やがてその動作を変化させて望ましい方向に変えることができる。
EFP-NFのさらなる潜在的な利点は、患者の不快感およびその後の脱落を最小にする種々のレベルの難易度を有し、制御された、段階的なペースで実施される点である。よって、コンテクスト関連NFは、複数の難易度を組み込まなければならない療法的設計の構築に導入することもできる。単純で非有害なフィードバック環境において被訓練者がうまく制御することができるため、フィードバックそのものが患者の病理的コンテクストにどんどん関連するものとなり、より感情を奮い起こさせる、段階的な試練を治療期間中に創作する。
いくつかの実施形態によると、EFP-NFは種々のコンテクスト特異的障害(例えば、強迫性障害(OCD)、限局性恐怖症および/または社会不安障害)に適応される。いくつかの実施形態においては、OCDに対するフィードバック、例えば、正のフィードバックは、執着および/または衝動の内容に関連するもの、例えば、汚い部屋がきれいになる、散らかった部屋が片付くといったものとなり得る。いくつかの実施形態においては、例えば高所に対する限局性恐怖症については、降りて行くエレベーターまたはより早く締まる扉、あるいは恐ろしいもの又は虫が好ましいものに変形するといったことである。いくつかの実施形態においては、例えば社会不安障害については、被訓練者は他人の前で課題を実行しながら制御する必要があり、被訓練者のパフォーマンスに対する言動/表情/ジェスチャーのフィードバックは、中立/不確定から正(笑顔、よい言葉、被訓練者に興味を持った傾倒)へと段階的に変化する。
いくつかの実施形態によると、獲得したスキルを試験するためにコンテクストを使用する。いくつかの実施形態においては、学習後に困難(例えば、ADHDに対する実行機能課題、軽度認知障害に対する記憶課題、線維筋痛症に対する痛みの誘導、抑うつ患者に対する嗜好性の発動、境界性パーソナリティ障害または関連障害(例:月経後不快性障害)に対する社会的関わり)に挑戦するために使用する。
いくつかの実施形態の一態様は、対象が試練(例えば、ストレス関連試練)に曝露中にオンラインで連続的なフィードバックを対象に提供することに関する。いくつかの実施形態においては、対象が試練を克服する(negotiates)ごとにフィードバックを提供する。いくつかの実施形態においては、試練は非特異的ストレス試練を含む。代わりに、試練はストレス障害特異的ストレス試練を含む。いくつかの実施形態においては、試練を改変することでフィードバックを提供する。
いくつかの実施形態の一態様は、対象を画像化システム内に閉じ込めていない状況で、対象を試練(例えば、ストレス関連試練)に曝露することに関する。いくつかの実施形態においては、対象は画像化システム(例えば、MRIまたはfMRI装置)に閉じ込められていない、例えば、覆われていない。いくつかの実施形態においては、監督者は、例えば、曝露が強すぎた場合に対象に迅速に接近できるように、曝露およびNFの際に対象の近く(例えば、対象から10メートル以内の距離)に位置する。
いくつかの実施形態の一態様は、対象に送達したストレス関連試練を改変しながらフィードバックを提供することにに関する。いくつかの実施形態においては、試練の影響を受けた1つ以上の脳領域の活動レベルに応じてフィードバックを提供する。いくつかの実施形態においては、対象が1つ以上の脳領域の活性化を改変する能力に応じてフィードバックを提供する。いくつかの実施形態においては、対象が1つ以上の脳領域の活動の下方制御に成功したら、試練の強度または重症度を下げる。いくつかの実施形態においては、対象が1つ以上の脳領域の活動の下方制御に失敗したら、試練の強度または重症度を同じに保つ。いくつかの実施形態においては、フィードバックを連続的におよび/またはオンラインで送達する。
いくつかの実施形態の一態様は、心的外傷またはストレス障害トリガーへの曝露と調節された関係で前記対象の少なくとも1のストレス関連脳領域の活動を調整する少なくとも1種の実習(例えば、身体的または精神的な実習)を行うように対象を教育することに関する。いくつかの実施形態においては、EFP-NF訓練中に少なくとも1種の実習は選択および/または開発され、対象が少なくとも1のストレス関連脳領域の活性化を調節する能力を、少なくとも1種の電気生理学的パラメータ、例えば、特定の少なくとも1のストレス関連脳領域の活動レベルを示すEEG信号を測定することで、モニタリングする。
いくつかの実施形態によると、対象は少なくとも1種の実習を、EFP-NF訓練の完了後、例えば、EFP-NF訓練の完了から1週間、14日、1か月、6か月、またはいかなる中間値、これらよりも短いか長い期間の後に実行する。いくつかの実施形態においては、対象は少なくとも1種の実習を医院の外、例えば、対象が自宅、職場または移動中に実施する。いくつかの実施形態においては、対象は、少なくとも1のストレス障害関連脳領域の活動レベルの指標なる少なくとも1種の生理学的パラメータ(例えば、EEG信号)を測定するモバイルシステムからフィードバックを受けながら、少なくとも1種の実習を実施する。代わりに、対象は、少なくとも1のストレス障害関連脳領域の活動レベルに関するフィードバックを受けずに、少なくとも1種の実習を実施する。
いくつかの例示的な実施形態によると、対象は、対象用に合わせたストレス関連または心的外傷関連インターフェースの曝露を受けながら、少なくとも1種の実習を実施する。いくつかの実施形態においては、インターフェースは、モバイル機器のユーザーインターフェース、例えば、モバイル機器のディスプレイおよび/またはスピーカによって対象に送達される。この代わりに、またはこれに加えて、対象はストレス障害関連トリガーまたは心的外傷関連トリガーの出現前に警告情報、例えば、メディア放送組織または放送局が送達する警告情報を受信した際に、実習を実施する。
いくつかの実施形態の一態様は、NF訓練中に対象をストレス関連試練に曝露する際の安全特性に関する。いくつかの実施形態においては、曝露の効果が強すぎる場合に、対象は、例えば、薬剤および/または実習によって落ち着かされる。この代わりに、またはこれに加えて、NF訓練を停止または改変する。
いくつかの実施形態の一態様は、被訓練者(例えば、ストレス障害と診断された対象)の少なくとも1種の損なわれた神経行動学的プロセスに基づき設計されたストレス障害関連試練に被訓練者を曝露しながら、NF訓練(例えば、EFP-NF訓練)を送達することに関する。いくつかの実施形態においては、少なくとも1種の損なわれた神経行動学的プロセスは、被訓練者の評価、例えば、ストレス障害の症状の評価、に基づき同定される。
いくつかの実施形態によると、NF訓練のゴールは、ストレス障害の少なくとも1種の症状の発現レベルの低下および損なわれた神経行動学的プロセスから損なわれた程度の低い、異なる神経行動学的プロセスまたは損なわれていない神経行動学的プロセスへの被訓練者の転換の内の少なくとも1種を含む。この代わりに、またはこれに加えて、少なくとも1種のNF訓練のゴールは、NF訓練後および/またはNF訓練中の、被訓練者における損なわれた神経行動学的プロセスの損傷レベルの低下を含む。
いくつかの実施形態によると、ストレス障害(例えば、PTSD)における少なくとも1種の損なわれた神経行動学的プロセスは、脅威の検知、感情制御、恐怖の喪失、報酬の消費、顕著性ホメオスタシス、エピソード記憶による符号化と再現、実行機能の1以上を含む。いくつかの実施形態においては、NF訓練はストレス障害と診断された対象が少なくとも1種の損なわれた神経行動学的プロセスに関連する少なくとも1つの脳領域(例えば、大脳辺縁系の脳領域、脳の皮質層の下に位置する脳深部領域、および/または神経回路)の活動レベルを調整できるように訓練する。
いくつかの実施形態によると、損なわれた脅威検知プロセスには、前島、前頭前野腹内側部(vmPFC)、中脳水道周囲灰白質(PAG)および青斑核(LC)、ならびに扁桃体の1以上が関与する。いくつかの実施形態においては、損なわれた脅威検知プロセスに関与する1つ以上の脳領域の活動レベルを特異的に調整できるように被訓練者を教育するためにNF訓練を使用する。いくつかの実施形態においては、被訓練者は、対象における損なわれた脅威検知プロセスに基づき個人に合わせたインターフェースに曝露されながら、少なくとも1つの脳領域の活動レベルを調整する。
いくつかの実施形態によると、損なわれた感情制御プロセスには、内側前頭前野(mPFC)、背外側前頭前野(dlPFC)、左背内側前頭前野(dmPFC)および扁桃体の1以上が関与する。いくつかの実施形態においては、損なわれた感情制御プロセスに関与する1つ以上の脳領域の活動レベルを特異的に調整できるように被訓練者を教育するためにNF訓練を使用する。いくつかの実施形態においては、被訓練者は、対象における損なわれた感情制御プロセスに基づき個人に合わせたインターフェースに曝露されながら、少なくとも1つの脳領域の活動レベルを調整する。
いくつかの実施形態によると、損なわれた恐怖消去プロセスには、前帯状皮質背側部(dACC)、vmPFC、海馬および扁桃体の1以上が関与する。いくつかの実施形態においては、損なわれた恐怖消去プロセスに関与する1つ以上の脳領域の活動レベルを特異的に調整できるように被訓練者を教育するためにNF訓練を使用する。いくつかの実施形態においては、被訓練者は、対象における損なわれた恐怖消去プロセスに基づき個人に合わせたインターフェースに曝露されながら、少なくとも1つの脳領域の活動レベルを調整する。
いくつかの実施形態によると、ストレス障害患者(例えば、PTSD患者)のNF処置はNF訓練(例えば、EFP-NF訓練)の設計と実践にプロセスに基づくアプローチを導入することで増強される。いくつかの実施形態においては、複数のストレス障害プロセス(例えば、PTSDストレス障害プロセス)が、関連ネットワークのニューロモデュレーション中にコンテクストに基づくインターフェースによって活性化される。いくつかの実施形態においては、損なわれたプロセスの種々の組み合わせが臨床現象学を発生させることから、交互作用する傾向にある。
いくつかの実施形態の一態様は、ストレス障害と診断された患者のうつ病の処置におけるNF訓練(例えば、EFP-NF訓練)の使用に関する。いくつかの実施形態においては、EFP-NF訓練は、少なくとも1つの特定脳領域(例えば、ストレス障害に関連する少なくとも1つの特定脳領域)の活動を調整(例えば、積極的に調整)することを患者に教育するために使用される。いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの特定脳領域の活動の調整は、患者のうつ病症状の発現を減少させる。
いくつかの実施形態によると、NF訓練の少なくとも1種のパラメータを、ストレス障害と診断された患者のうつ病を処置するために調節する。いくつかの実施形態においては、少なくとも1種のパラメータは、インターフェース、例えば、患者に送達される試練および/または患者が実行する少なくとも1種の実習(例えば、身体的実習および/または精神的実習)を含む。いくつかの実施形態においては、NF訓練は、ストレス障害と診断され、うつ病症状を減少させるための生物活性化合物で処置された患者のうつ病を処置するために調節する。
いくつかの実施形態によると、NF訓練後にうつ病を評価する。いくつかの実施形態においては、NF訓練後に、少なくとも1種のうつ病症状の発現レベルを評価する。いくつかの実施形態においては、NF訓練は評価結果に基づき改変される。例えば、少なくとも1つの脳領域の調整が不十分または所望の方向ではない、および/またはNF訓練後のうつ病レベルの減少が不十分な場合、他の実習または改変した実習の指示を患者に送達する。
いくつかの実施形態によると、NF訓練後に、例えば、NF訓練の結果に基づいて、うつ病治療のための少なくとも1種の生物活性化合物による既存の投与計画を改変するか、新しい投与計画を開始する。いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの特定脳領域の活動の調整が所望のレベルである、および/またはNF訓練が患者のうつ病の少なくとも1種の症状の減少に効果的であった場合に、少なくとも1種の生物活性化合物の投与量を減少させる。少なくとも1種の生物活性化合物の投与量を減少させること、または低い投与量の新規な生物活性化合物を処方することの潜在的な利点は、生物活性化合物によって生じる副反応を減少させ得ることである。
いくつかの実施形態によると、うつ病を有するPTSD患者に提供される試練(例えば、インターフェース)は、正の自伝的記憶、報酬消費パラダイム(さらなる努力に対して報酬を得ること)、嗜好性の音楽の思い出しを誘導または促進する少なくとも1種の環境またはプロトコル(指示)を含む。
いくつかの実施形態の一態様は、ストレス障害と診断された患者の不安障害を処置するためのNF訓練(例えば、EFP-NF訓練)の使用に関する。いくつかの実施形態においては、EFP-NF訓練は、少なくとも1つの特定脳領域(例えば、ストレス障害に関連する少なくとも1つの特定脳領域)の活動を調整(例えば、積極的に調整)することを患者に教育するために使用される。いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの特定脳領域の活動の調整は、患者の不安障害症状の発現を減少させる。
いくつかの実施形態によると、NF訓練の少なくとも1種のパラメータを、ストレス障害と診断された患者の不安障害を処置するために調節する。いくつかの実施形態においては、少なくとも1種のパラメータは、インターフェース、例えば、患者に送達される試練および/または患者が実行する少なくとも1種の実習(例えば、身体的実習および/または精神的実習)を含む。いくつかの実施形態においては、ストレス障害と診断され不安障害症状を減少させるための生物活性化合物で処置された患者のうつ病を処置するためにNF訓練を調節する。
いくつかの実施形態によると、NF訓練後に不安障害を評価する。いくつかの実施形態においては、NF訓練後に、少なくとも1種の不安障害症状の発現レベルを評価する。いくつかの実施形態においては、NF訓練は評価結果に基づき改変される。例えば、少なくとも1つの脳領域の調整が不十分または所望の方向ではない、および/またはNF訓練後の不安障害レベルの減少が不十分な場合、他の実習または改変した実習の指示を患者に送達する。
いくつかの実施形態によると、NF訓練後に、例えば、NF訓練の結果に基づいて、不安障害治療のための少なくとも1種の生物活性化合物による既存の投与計画を改変するか、新しい投与計画を開始する。いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの特定脳領域の活動の調整が所望のレベルである、および/またはNF訓練が患者の不安障害の少なくとも1種の症状の減少に効果的であった場合に、少なくとも1種の生物活性化合物の投与量を減少させる。少なくとも1種の生物活性化合物の投与量を減少させること、または低い投与量の新規な生物活性化合物を処方することの潜在的な利点は、生物活性化合物によって生じる副反応を減少させ得ることである。
いくつかの実施形態の一態様は、予定されたストレス障害のトリガーへの曝露前に、前記ストレス障害のトリガー、例えば、患者における前記ストレス障害の少なくとも1種の症状に対するトリガー、に関連する少なくとも1つの特定脳領域を調節するようにストレス障害患者に指標を送達することに関する。いくつかの実施形態においては、患者は、ストレス障害のトリガーへの曝露前に、対象の少なくとも1つの特定脳領域の活性化を調整するように選択された少なくとも1種の実習を行うための指標(例えば、人が検知可能な指標)を受け取る。いくつかの実施形態においては、予期される心的外傷トリガーの警告が同定されたら、患者は指標を、任意で自動的に、受け取る。
いくつかの実施形態によると、患者の自宅、患者自身、および/または患者の近傍(例えば、患者から20メートル以内、例えば、10メートル以内、5メートル以内、2メートル以内、またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きな患者からの距離)に位置する装置(例えば、個人補助装置)が患者のストレス障害のトリガーへの予想される曝露に対する少なくとも1種の警告信号を同定する。いくつかの実施形態においては、装置の制御回路が、マイク(例えば、装置のマイク)からまたは警告信号源(例えば、警告信号を発信するメディアの放送装置)から直接信号を受信して、警告信号を同定する。
いくつかの実施形態によると、装置は同定された警告信号に基づき、実習のリストから少なくとも1種の実習を選択する。いくつかの実施形態においては、実習のリストは装置の記録媒体内に保存されている。代わりに、実習のリストは、遠隔の保存用記録媒体、例えば、クラウドストレージまたはリモートサーバーに保存されている。いくつかの実施形態においては、装置は、警告信号(例えば、ストレス障害に応じて予期されるストレス障害のトリガー)、少なくとも1種の実習による影響を受けなければならない少なくとも1つの脳領域、ストレス障害のトリガーに曝露されると予測されるまでの患者の時間、および患者に関する情報(例えば、臨床および/または個人情報)の少なくとも1種に応じて、少なくとも1種の実習を選択する。いくつかの実施形態においては、装置は、少なくとも1種の選択した実習を実行するように、人が検知可能な指標を患者に送達する。いくつかの実施形態においては、人が検知可能な指標、例えば、音声および/または視覚的指標は、少なくとも1種の選択した実習を行うための指示を含む。
いくつかの実施形態によると、装置は、患者の少なくとも1つの特定脳領域の活動を、例えば、少なくとも1種の実習の実行および/または少なくとも1種のストレス障害のトリガーへの曝露と共に(例えば、曝露前、曝露中および/または曝露後に)モニタリングする。いくつかの実施形態においては、装置(例えば、装置の制御回路)は、少なくとも1種の電気信号、例えば、患者からの電気信号(例えば、患者の脳の発生した電気信号)を受信することで、少なくとも1つの特定脳領域の活動をモニタリングする。いくつかの実施形態においては、電気信号はEEG信号を含む。いくつかの実施形態においては、装置の制御回路は患者に取り付けられた少なくとも1つのEEG電極からEEG信号を受信する。いくつかの実施形態においては、装置は無線で少なくとも1つのEEG電極に接続されている。
いくつかの実施形態によると、装置の制御回路は、少なくとも1つの特定脳領域の活動署名(例えば、ここではEEG電気フィンガープリント(EEG-EFP)とも命名した活動署名)と、少なくとも1種の電気信号の少なくとも一部との関係を同定するために、少なくとも1種の電気信号を処理する。いくつかの実施形態においては、受信した電気信号の処理は制御回路によって装置内で行われる。いくつかの実施形態においては、装置の記録媒体は少なくとも1つのEEG-EFPまたは複数のEEG-EFPを含み、これらは任意で患者に個別に合わせたものであり、患者の少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルの指標となる。代わりに、少なくとも1つのEEG-EFPまたは複数のEEG-EFPであって、任意で患者に個別に合わせたものは、リモートサーバー、例えば、クラウドストレージのリモートサーバーに保存されている。いくつかの実施形態においては、装置の制御回路は受信した電気信号をリモートサーバーに送信し、受信した電気信号の少なくとも一部と、少なくとも1種の保存されたEEG-EFPとの関係は、リモートサーバーにおいて、例えば、リモートサーバーに保存された少なくとも1種のアルゴリズムまたは参照表を用いて、同定する。
いくつかの実施形態によると、装置、例えば、装置の制御回路が、少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルに応じて、患者に人が検知可能な指標を送達する。いくつかの実施形態においては、装置は、少なくとも1つの脳領域の活動の所望の方向への調整(例えば、上方制御または下方制御)の成功に応じて、および/または調整レベル(例えば調整のレベルを示すスコア)に応じて、人が検知可能な指標を送達する。いくつかの実施形態においては、装置、例えば、装置の制御回路が、少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルおよび/または患者による実習を用いた少なくとも1つの特定脳領域の活動の調整の成功に基づき、患者に送達する指示を変化させる、および/または患者に送達する実習を変化させる。
本発明のいくつかの実施形態に係る、ストレス障害と診断された対象(例えば、患者および/またはNF訓練の被訓練者)に送達されるフィードバックは、少なくとも1つの特定脳領域の調整の方向に関する情報、例えば、下方制御または上方制御および/または調整について測定した程度を表すレベル(例えば、スコア)を含む。
本発明のいくつかの実施形態に係る、少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルおよび/または患者による少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルの調整の成功に関するフィードバックは、患者が試練に曝露されている間にオンラインで送達される。いくつかの実施形態においては、NF訓練の送達または少なくとも1つの脳領域の活動レベルのモニタリングに使用される装置の制御回路は、電気信号(例えば、患者の脳によって生成された電気信号)を連続的且つ繰り返し受信し、受信した電気信号の少なくとも一部と保存された署名(例えば、EEG-EFP署名)との関係を同定し、患者にフィードバックを送達する。いくつかの実施形態においては、制御回路は、少なくとも1種の電気信号を受信し、少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを信号に基づき決定し、そして決定した活動レベルに関する患者へのフィードバックを30秒以内、例えば、15秒以内、10秒以内、5秒以内、2秒以内、またはいかなる中間値、これらよりも短いか長い時間で生成する。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、必ずしもその用途が、以下の記載に示す、および/または図面および/または実施例で例示する、構成の詳細および要素の配置および/または方法に限定されるものではないことを理解するべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、また、さまざまな手段で実施または実行することが可能である。
序章
嫌悪や潜在的な心的外傷事象に対する曝露は現在の生活には蔓延している。心的外傷的曝露に続く一般的な精神病理の1つが心的外傷後ストレス障害(PTSD)であり、これは急性の精神的疾患であり、生涯有病率は1.3から12.2%にわたり、衰弱性の予後を伴う。機能的神経画像処理研究は、PTSDの考えられる神経メカニズムとして辺縁系の調節不全を指摘しており、任意で、扁桃体および/または前帯状皮質背側部(dACC)の過活動、これと並んで前頭前野腹内側部(vmPFCおよび/または下前頭回(IFG)の活動低下も明らかとなっている。
扁桃体は、例えば、ストレス応答の開始および制御を含む感情の処理に関与し、さらに効果的な感情制御の助けとなる。よって、扁桃体の機能性を、ニューロフィードバック(NF)を介した脳誘導性介入の効果的な標的とみなすのは妥当である。いくつかの例示的な実施形態によると、NF学習は、脳活動の自己調整に基づく、これは任意で特定の神経信号の調整の成功を反映する随伴性強化フィードバックによって誘導されるものである。
いくつかの例示的な実施形態によると、個別に仕立てた心的外傷関連フィードバック内容を用いた、個人用のプロセスに基づくEFP-NF介入をストレス障害(例えば、PTSD)と診断された対象に送達する。いくつかの実施形態においては、EFP-NF介入は、PTSDの神経ノードである扁桃体の活動を調整し、任意で、フィードバックインターフェースとしての個人に合わせた心的外傷物語への曝露と組み合わされる。いくつかの実施形態においては、EFP-NF介入は、例えば、ストレス関連異常プロセスの自己ニューロモデュレーションのカスタマイズを可能にし、よって処置の効果を増加させる。
NF訓練プロセスによる例示的な患者の処置
いくつかの例示的な実施形態によると、ストレス障害(例えば、PTSD)と診断された対象は、ストレス障害に関連する1つ以上の脳領域の活性化を制御するように訓練される。いくつかの実施形態においては、対象は、ストレス障害関連心的外傷の記憶、例えば、心的外傷事象または心的外傷関連コンテクストによって活性化される1つ以上の脳領域の活動を下方制御するように訓練される。いくつかの実施形態においては、NF訓練(例えば、EFP-NF訓練)は、心的外傷に関連する内容に対して曝露されながらの訓練を含む。いくつかの実施形態においては、例えば、心的外傷のきっかけの回避、過覚醒、思考や感覚の介入、快感消失状態といった感情的経験の変化、苦痛な記憶の再経験、分裂状態、心的外傷に関連するきっかけからの一般的な回避、身体不快感および/または快感消失状態、怒りの爆発等のストレス関連症状の減少を達成するために、対象は順を追って訓練される。ここで本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ストレス関連症状を減少させるためのプロセスを患者の視点から表した図1に参照する。
いくつかの例示的な実施形態によると、102において、患者はストレス障害のトリガー、例えば、PTSDのトリガーに曝露される。いくつかの実施形態においては、PTSDのトリガーは、心的外傷性環境および/または心的外傷性交互作用を含む。いくつかの実施形態においては、PTSDのトリガーは、24時間まで(例えば、12時間まで、1時間まで、またはいかなる中間値、これらよりも短いか長い時間)持続される一時的なトリガーを含む。いくつかの実施形態においては、トリガーは、24時間超(例えば、2日超、7日超、またはいかなる中間値、これらよりも短いか長い時間)持続される連続的なトリガーを含む。
いくつかの例示的な実施形態によると、104において、対象はストレス障害(例えば、PTSD)と診断される。いくつかの実施形態においては、対象はストレス・トリガーへの曝露から少なくとも1日の期間後(例えば、ストレス・トリガーへの曝露から少なくとも1週間後、6か月という期間後および/または数年という期間後、またはいかなる中間値、これらよりも短いか長い期間後)に診断される。いくつかの実施形態においては、対象は、1以上のストレス関連症状に基づき診断される。いくつかの実施形態においては、対象は精神科医または他の臨床医によって診断される。
いくつかの例示的な実施形態によると、106において、対象(例えば、患者)は、任意で、生物活性化合物によって処置される。いくつかの実施形態においては、生物活性化合物は1種以上の薬物および/または医薬物質を含む。いくつかの実施形態においては、生物活性化合物は、ストレス関連症状の処置を目的とする。この代わりに、またはこれに加えて、生物活性化合物は、1つ以上の脳領域および/または神経回路、例えば、ストレス障害(例えば、ストレス障害記憶)に関連する脳領域または神経回路の活性化に影響を与えることを目的とする。いくつかの実施形態においては、生物活性化合物は、1種以上の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、即ち、精神安定剤として使用される新世代の抗てんかん薬(例:トパマックス、ブプロピオン、ケタミン、カンナビス)を含む。
いくつかの実施形態によると、NF訓練前またはNF訓練中に、例えば、NF訓練の効果を増強するために、薬剤は対象によって摂取される。この代わりに、またはこれに加えて、例えば、ストレス関連試練への曝露の効果から対象を保護するために、薬剤はNF訓練中に対象によって摂取される。
いくつかの例示的な実施形態によると、108において、患者はEFP-NF訓練手順に従って訓練を受ける。いくつかの実施形態においては、患者は生物活性化合物を摂取しながら訓練を受ける。いくつかの実施形態においては、EFP-NF訓練手順は特定の患者に個別に合わせたもの、例えば、特定のストレス障害および/またはストレス障害を引き起こした特定の心的外傷に合わせたものである。この代わりに、またはこれに加えて、患者が摂取する特定の生物活性化合物に応じてEFP-NF訓練手順を改変する。
いくつかの実施形態によると、患者(例えば、被訓練者)は、ストレス障害および/または心的外傷に関連する1つ以上の脳領域、例えば、心的外傷の記憶に関連する1つ以上の脳領域、の活動レベルを制御するためにEFP-NFを用いて訓練される。いくつかの実施形態においては、患者は、1つ以上の脳領域、例えば扁桃体の活性化を下方制御するように訓練される。任意で、患者は、心的外傷、例えば、被訓練者に影響を与えた特定の心的外傷に関連する内容および/またはコンテクストへの曝露中、例えば、段階的な曝露中に、扁桃体の活動レベル活性化を下方制御するように訓練される。
いくつかの実施形態によると、110において、EFP-NF訓練による所望の成果の達成、例えば、ストレス関連症状を減少させるか、または1つ以上の脳領域の活動レベルを所望の活動レベルへと到達させる能力を評価する。いくつかの実施形態においては、評価は、EFP-NFから選択した期間(例えば、少なくとも1日後、例えば、翌日、翌週、翌月またはいかなる中間値、これらよりも短いか長い期間)の後の患者との面談、を含む。この代わりに、またはこれに加えて、評価は、1種以上の臨床パラメータ、例えば、心拍数、血圧またはストレスおよび/または不安障害に関連する他の臨床パラメータの値の記録を含む。いくつかの実施形態においては、評価は、訓練後のEEG信号および/またはfMRI信号の記録を含む。任意でEEG信号および/またはfMRI信号は、心的外傷関連内容またはコンテクストへの曝露との時間関係をもって(例えば、曝露中および/または曝露後に)記録する。
いくつかの例示的な実施形態によると、122において、EFP-NFP訓練が所望の成果に到達しなかった場合、EFP-NF訓練の少なくとも1種のパラメータを改変する。いくつかの実施形態においては、少なくとも1種のパラメータは、セッションの回数、訓練中に被訓練者に送達されるインターフェースの内容、各セッションの長さ、EFP-NF訓練中に使用するEFPを含む。任意で、被訓練者が摂取している生物活性化合物を他の生物活性化合物に置き換える、いくつかの実施形態においては、108において、被訓練者は改変したEFP-NFプロトコルを用いてEFP-NF訓練を繰り返す。
いくつかの例示的な実施形態によると、114において、EFP-NF訓練が所望のゴールに到達したとき、被訓練者は、維持NFセッションに招かれる。いくつかの実施形態においては、維持セッションは、被訓練者が1つ以上の脳領域の活動に影響を与える能力を、例えば、被訓練者が108のNF訓練中に獲得したスキルを用いて、維持するように構成される。いくつかの実施形態においては、NF維持セッションは、NF訓練後の1週間、1か月、1年、またはいかなる中間値、これらよりも短いか長い期間実施される。いくつかの実施形態においては、維持訓練は、EEG信号の記録または1つ以上の脳領域の活動によって間接的に影響される1以上の臨床パラメータ値の記録に基づく。任意で、維持NFは選択した1つ以上の脳領域のEFPを含む。
いくつかの例示的な実施形態によると、維持セッションは、EFP-NF訓練セッションを経験した対象によって実施される。いくつかの実施形態においては、維持セッションは、例えば、自宅や医院からは離れた他の場所で、対象自身によって実施される。いくつかの実施形態においては、維持セッションは、対象を少なくとも1種の心的外傷トリガー、例えば、被訓練者個人に合わせたに少なくとも1種の心的外傷トリガーに曝露することで実施する。いくつかの実施形態においては、個人に合わせた心的外傷トリガーは、EFP-NF訓練中に対象に提供した、個人に合わせた心的外傷関連シナリオに基づく。
いくつかの例示的な実施形態によると、対象は、少なくとも1種の実習(例えば、身体的または精神的実習)を、個人に合わせた心的外傷トリガーへの曝露との時間関係をもって、例えば、曝露前、曝露中および/または曝露後に、実施する。いくつかの実施形態においては、少なくとも1種の実習は、心的外傷トリガー警告の出現に応じておよび/または予想される心的外傷トリガーの前に対象によって実施される。いくつかの実施形態においては、対象はフィードバックの不在下で少なくとも1種の実習を実施する。
例示的なEFP-NFの手順
ここで本発明のいくつかの例示的な実施形態に係るEFP-NF訓練プロセスを表す図2に参照する。
いくつかの例示的な実施形態によると、202において、EFP-NF訓練のための対象を選択する。いくつかの実施形態においては、対象、例えば、ストレス障害(例えば、PTSD)と診断された対象は、EFP-NF訓練の前に臨床医によって選択される。いくつかの実施形態においては、対象はストレス障害の種類、ストレス障害のトリガーまたは心的外傷事象から経過した時間、既往歴、投薬歴に基づき選択される。
いくつかの例示的な実施形態によると、204において、対象は、EFP-NF訓練の前に、臨床医によって選択される。いくつかの実施形態においては、例えば、特定の対象にEFP-NF訓練を合わせるために、対象は評価される。いくつかの実施形態においては、臨床医は心的外傷(例えば、ストレス障害をもたらした心的外傷トリガーおよび/または心的外傷事象)についての面談によって、対象から情報を収集する。
いくつかの例示的な実施形態によると、206において、対象は中立コンテクストでEFP-NFを用いて訓練される。いくつかの実施形態においては、中立コンテクストは、特定の対象の心的外傷に対して非特異的なコンテクストである。いくつかの実施形態においては、中立コンテクストのEFP-NF訓練手順では、対象は、非特異的なストレス・トリガー(例えば、騒音)に反応しながら、1つ以上の脳領域(例えば、扁桃体)の活性化をどのように調整するかを学習する。いくつかの実施形態においては、神経コンテクストのEFP-NFの間に、扁桃体の活動を調整(例えば、下方制御)するための1以上の実習(例えば、身体的または精神的実習)を行うように対象は訓練される。
いくつかの例示的な実施形態によると、208において、対象(例えば、被訓練者)による1つ以上の脳領域の所望の活動レベルへの達成の成功を評価する。いくつかの実施形態においては、208において、被訓練者による非特異的なストレス・トリガーに反応しながらの扁桃体活動レベルの下方制御の成功を評価する。
いくつかの例示的な実施形態によると、EFP-NFによって被訓練者が所望の活動レベルへの達成に成功しなかった場合は、210において、任意で、中立コンテクストのEFP-NFの少なくとも1種のパラメータを改変する。いくつかの実施形態においては、少なくとも1種のパラメータは、訓練の期間、各セッションの期間、非特異的なストレス・トリガーの種類および/または内容、非特異的なストレス・トリガーが被訓練者に送達される方法、特定の対象において効果的な活動調整を可能にする実習を見出すための手法を含む。
いくつかの例示的な実施形態によると、中立コンテクストのEFP-NFによって被訓練者が所望の活性化の達成に成功した場合は、212において、被訓練者は個人に合わせたストレスコンテクストにおけるEFP-NF訓練プロトコルを開始する。いくつかの実施形態においては、被訓練者は個人的な心的外傷に関連する内容に反応しながら、中立コンテクストのEFP-NFで学習した実習を実施する。任意で、心的外傷特異的な内容は、被訓練者に段階的に送達される。いくつかの実施形態においては、心的外傷特異的内容は監督者(例えば、臨床医)の監督下で被訓練者に送達される。いくつかの実施形態においては、被訓練者および/または監督者は、心的外傷特異的内容に反応しながら被訓練者が1つ以上の脳領域を所望の活動レベルに達することができたことに対するフィードバックをオンラインで受信し、任意で継続させる。
いくつかの例示的な実施形態によると、212において訓練後の評価を行う。いくつかの実施形態においては、訓練後の評価は、1つ以上の脳領域の基線または前回の活動の測定値と比較して、被訓練者の経過を評価する。いくつかの実施形態においては、訓練後の評価は、fMRI信号、EEG信号または少なくとも1種の臨床パラメータ値(例えば、1つ以上の脳領域の活動レベルに関連する臨床パラメータ)の測定によって実施する。
PTSDのための、例示的な症状またはプロセスに基づくNF
いくつかの例示的な実施形態によると、対象は、以下の5種の主要な基準からなるDSM-5に基づくPTSDの伝統的な定義を用いてPTSDと診断される:(A)心的外傷的経験(死、死に対する脅迫、実際の重度の障害または重度の障害に対する脅迫、実際の性的暴行または性的暴行に対する脅迫と定義)への曝露および当該事象から1か月以上の間の苦痛の経験、(B)心的外傷事象の記憶および感情の侵入的再経験、(C)事象を思い出させるきっかけの忌避、(D)事象に関する記憶の欠如を含む認知の改変、乏しい感情の認知プロセス(即ち、失感情症)、喜びの喪失に関連した気分変調、乏しい感情制御および感情的爆発、並びに(E)一般的な過覚醒および不眠症。しかし、いくつかの実施形態においては、この分類は、個別の患者に合わせた管理の劣化につながり得る、臨床的不均一をもたらす。
いくつかの例示的な実施形態によると、DSM-5に基づくPTSD診断に加えてまたは代えて、例えば、恐怖の学習および喪失、脅威検知、感情制御等といった、神経行動学的プロセスの種々の潜在的な障害を同定する。いくつかの実施形態においては、神経行動学的プロセスのこれら障害は、扁桃体活動に関連する。
いくつかの例示的な実施形態によると、脳のメカニズムを考慮すると、例えば、Fenster RJ et al. 2018に記載のように、概念化等は、他の辺縁系、顕著性および前頭前野領域との関連において、PTSDの種々の側面における扁桃体の中心的役割を強調する。例えば、変更された恐怖学習、損なわれた喪失および安全信号処理はPTSD症候学において重要であるが、しかし扁桃体の亜核および種々の細胞種の機能性と共に、不適応性トップダウン皮質性抑制にも依存する。同様に、極端な感情の反応性、興奮性および衝動性をもたらす感情の調節不全は、例えば、Etkin A. et al., 2015に記載のように、扁桃体の反応性に対する皮質制御の不足に裏付けられることが知られており、扁桃体と、vmPFCおよびdlPFCとの損なわれた接続パターンによって特に示されている。さらに、不適応な脅威検知は、脅威または顕在化刺激に対する増加した配慮と反応の発生をもたらす可能性があり、これらは扁桃体のみならず、島皮質、vmPFC、dACC等の皮質領域、並びにPAGおよび青斑核等の脳幹の仲介する過覚醒および関連攻撃行動を伴う。
ここで本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、個人に合わせたプロセスに基づくNF訓練を表す図2B~2Fに参照する。
いくつかの例示的な実施形態によると、PTSD患者は、PTSDに関連する損なわれたプロセスの評価を経験する。いくつかの実施形態においては、損なわれたプロセスの特徴付けは、PTSDの主たる症状クラスターを裏付ける推定神経科学メカニズムによって導かれる。いくつかの実施形態においては、例えば図2Bに示したように、評価は、例えば、面談および/または少なくとも1種の問診表の記入に基づく臨床評価220を含む。加えてまたは代わりに、評価は、生理学的評価222、例えば、少なくとも1種の生理学的パラメータ(例えば、心拍数、血圧、筋電図および/または皮膚電動性)の測定を含む。加えてまたは代わりに、評価は、例えば、対象の(例えば、任意で対象に特異的な心的外傷である外部摂動に対する)応答のモニタリングまたは可視化による行動評価224を含む。
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば図2Cに示されるように、対象におけるPTSD症状(例えば、DSMに基づくPTSD症状)の発現レベルは、図2Bで行われる評価に基づき決定される。いくつかの実施形態においては、PTSDの症状は、侵入、回避、認知および気分の変調、覚醒および反応性の変調を含む。
いくつかの例示的な実施形態によると、行動および生理学的評価に基づき、PTSD患者の、個別に作成したプロセス関連特徴付けが可能である。いくつかの実施形態においては、例えば図2Cに示されるように、異なるプロセスがPTSD異常(例えば、脅威検知、感情制御および恐怖消去)に関連する。いくつかの実施形態においては、行動課題、例えば、脅威検知のための予測可能および予測不能の衝撃課題(Schmitz A. et, al., 2012)、感情制御のための感情制御課題(Shafir R. et, al., 2015)および恐怖消去のための嫌悪学習課題(Shalev L., et, al., 2018)を与えることによってプロセスを測定する。いくつかの実施形態においては、PTSD症状クラスター、例えば、侵入、回避、認知および気分の変調、覚醒および反応性の変調は、例えば、図2Cの表に示されるように、患者ごとの主要機能不全プロセスにおけるそれぞれの提案された重みに基づき、表される。いくつかの実施形態においては、損なわれたプロセスは、PTSD症状のそれぞれの重みまたは発現のレベルに基づき、同定される。加えてまたは代わりに、損なわれたプロセスは、図2Bで実施した評価に基づき同定される。
いくつかの例示的な実施形態によると、PTSDにおいて損なわれたプロセス、例えば、脅威検知、感情制御および恐怖消去はPTSD症状と接続されており、任意で、PTSDの重症度の増加と関連付けられている。
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば図2D~2Fに示したように、個人合わせたプロセスに基づくNFの送達に機能不全プロセスを使用する。いくつかの実施形態においては、機能不全プロセスは、対応する介入インターフェースの選択である初期評価バッテリーガイドから誘導する。いくつかの実施形態においては、それぞれのインターフェースは、扁桃体を含む指定された脳回路の活動を刺激することで損なわれたプロセスを特異的に標的化するように構成される。いくつかの実施形態においては、各独自のコンテクストにおける扁桃体の自己調整が、目的とする潜在的な回路に特異的な調整パターンをもたらす。
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば図2Dに示されるように、脅威検知プロセス230の傷害の場合、脅威に関連したきっかけを含むインターフェースが対象に送達され、扁桃体活動フィードバックは、例えば、救急車のサイレンの音量に対応する。いくつかの実施形態においては、このプロセス特異的コンテクストは、例えば、注意の増加、脅威刺激に対する反応性および過覚醒の少なくとも1種に関与する、前島238、前頭前野腹内側部(vmPFC)240、中脳水道周囲灰白質(PAG)234と青斑核(LC)236、および扁桃体232等の脅威検知関連回路の調整を刺激する。いくつかの実施形態においては、扁桃体およびその1以上の領域の電気フィンガープリント(EFP)をこれら領域の活動レベルの決定、並びに決定した活動レベルに基づく対象へのフィードバックの生成および/または改変に使用する。
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば図2Eに示したように、感情制御プロセス242の傷害の場合は、感情に関連したきっかけを含むインターフェースを対象に送達し、扁桃体活動のフィードバックは、例えば、インターフェースの明るさのレベルに対応する。いくつかの実施形態においては、このプロセス特異的コンテクストは、内側前頭前野(mPFC)248、背外側前頭前野(dlPFC)246、左背内側前頭前野(dmPFC)244、および扁桃体232の少なくとも1種の関与する感情制御関連回路の調整を刺激する。いくつかの実施形態においては、扁桃体およびその1以上の領域の電気フィンガープリント(EFP)をこれら領域の活動レベルの決定、並びに決定した活動レベルに基づく対象へのフィードバックの生成および/または改変に使用する。
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば図2Fに示したように、恐怖消去プロセス250の障害の場合は、恐怖に関連したきっかけを含むインターフェースを対象に送達し、扁桃体活動のフィードバックは、例えば、インターフェースの内容に対応する。いくつかの実施形態においては、このプロセス特異的コンテクストは、前帯状皮質背側部(dACC)258、vmPFC240、海馬256および扁桃体232の少なくとも1種の関与する恐怖消去関連回路の調整を刺激する。いくつかの実施形態においては、扁桃体およびその1以上の領域の電気フィンガープリント(EFP)をこれら領域の活動レベルの決定、並びに決定した活動レベルに基づく対象へのフィードバックの生成および/または改変に使用する。
症状またはプロセスに基づくNF訓練の例示的な手順
いくつかの例示的な実施形態によると、ストレス障害(例えば、PTSD)と診断された対象のためのNF訓練プログラムは、特定の対象個人に合わせたものである。いくつかの実施形態においては、NF訓練プログラムは、過去に心的外傷を生じた少なくとも1種のトリガー、心的外傷に関連した少なくとも1種のストレス症状を生じる現在のトリガー、少なくとも1種のストレス障害症状、およびストレス障害に関連する少なくとも1種の異常プロセスに応じて、個人に合わせる。ここで本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ストレス障害(例えば、PTSD)と診断された対象のためのNF訓練手順を表す図2Gに参照する。
いくつかの例示的な実施形態によると、ブロック250において、対象はストレス障害と診断される。いくつかの実施形態においては、ストレス障害はPTSD、急性ストレス障害、適応障害、反応性アタッチメント障害(RAD)、脱抑制型対人交流障害(DSED)、強迫性障害、恐怖症、一般的な不安障害、社会不安障害、境界性パーソナリティ障害を含む。いくつかの実施形態においては、対象は、精神的障害のための診断および統計マニュアル(DMS)に基づき、ストレス障害と診断される。例えば、DSM第5版の「他の心的外傷性およびストレス性の障害または関連障害」または「非特異的心的外傷性およびストレス性の障害または関連障害」の分類のストレス障害である。
いくつかの例示的な実施形態によると、対象はメンタルヘルスの専門家、例えば、精神科医による観察および/または面談に基づき、ストレス障害と診断される。この代わりに、またはこれに加えて、対象は、少なくとも1種の生理学的パラメータ(例えば、心拍数、血圧および/または皮膚の電気導電性)の測定結果に基づき、ストレス障害と診断される。
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば、ブロック252でストレス障害の症状を評価する。いくつかの実施形態においては、症状の評価は、例えば図2Bに示したように行われる。いくつかの実施形態においては、症状は、メンタルヘルスの専門家、例えば、精神科医による観察および/または面談に基づき評価される。この代わりに、またはこれに加えて、症状は、少なくとも1種の生理学的パラメータ(例えば、心拍数、血圧および/または皮膚の電気導電性)の測定結果に基づき評価される。加えてまたは代わりに、症状は、評価問診表、例えば、PTSD臨床診断面接尺度(CAPS)(例えば、CAPS-DSM-5(CAPS-5))またはその変法を用いて評価される。いくつかの実施形態においては、症状はCAPS-5のサブクラスに基づき評価される。いくつかの実施形態においては、症状は、侵入、回避、認知および気分の変調、覚醒および反応性の変調を含む。いくつかの実施形態においては、評価は、強度の決定、例えば、特定の対象における各症状の発現レベルの決定を含む。
いくつかの例示的な実施形態によると、ブロック254において、異常神経行動学的プロセス、例えば、異常ストレス関連神経行動学的プロセスを同定する。いくつかの実施形態においては、ブロック252で実施したストレス障害症状の評価に基づき(例えば、特定の対象における各症状の発現レベルに基づき)異常神経行動学的プロセスを同定する。この代わりに、またはこれに加えて、ブロック250で実施した対象の診断に基づき異常神経行動学的プロセスを同定する
いくつかの例示的な実施形態によると、異常神経行動学的プロセスは、PTSD関連異常神経行動学的プロセス(例えば、損なわれた脅威検知プロセス、損なわれた感情制御プロセスおよび/または損なわれた恐怖消去プロセス)を含む。
いくつかの例示的な実施形態によると、ブロック256で、診断後の対象(例えば、PTSD患者)にNF訓練を送達する。いくつかの実施形態においては、送達されたNF訓練は電気フィンガープリント(EFP)-NF訓練である。いくつかの実施形態においては、ブロック256において送達されたEFP-NF訓練は中立コンテクストのものであり、心的外傷、心的外傷のトリガー、PTSD関連症状またはPTSD関連異常神経行動学的プロセスに関連するコンテクストのものではない。
いくつかの例示的な実施形態によると、中立コンテクストのEFP-NFでは、患者は、(例えば、仮想現実を用いてまたはディスプレイ上の)触覚、音声および/またはビデオ信号によって送達されたインターフェースと交互作用しながら(例えば、感じながら、見ながらおよび/または聞きながら)少なくとも1種の実習(例えば、身体的または精神的実習)を行うよう指示される。いくつかの実施形態においては、インターフェースは中立インターフェース、例えば、PTSDに関連しないものである。
いくつかの例示的な実施形態によると、少なくとも1種の実習の実行によって、少なくとも1種の神経回路または少なくとも1つの脳領域(例えば、大脳辺縁系に関連する少なくとも1つの脳領域)の活動レベルが調整される。いくつかの実施形態においては、脳辺縁系に関連する少なくとも1つの脳領域は、扁桃体を含む。いくつかの実施形態においては、対象は、少なくとも1種の神経回路または少なくとも1つの脳領域の活動レベルに応じてフィードバックを受ける。いくつかの実施形態においては、インターフェースを調整することでフィードバックが送達される。
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば、対象における少なくとも1つの脳領域の活動の調整について、他の実習と比べて高効率である実習(例えば、身体的および/または精神的実習)を見出すために、対象は中立コンテクスト下のEFP-NFを実施する。さらに、中立コンテクスト下のEFP-NFの実施は、例えば、対象が心的外傷コンテクストにおけるEFP-NFセッションへ移行する要件を満たすか否かを決定することも可能にする。
いくつかの例示的な実施形態によると、ブロック258において、NF訓練(例えば、EFP-NF訓練)は、心的外傷コンテクストで送達される。いくつかの実施形態においては、心的外傷コンテクストは被訓練者個人に合わせたものである。いくつかの実施形態においては、心的外傷コンテクストは、被訓練者のPTSD症状(例えば、ブロック252で評価したPTSD症状)のコンテクストにおけるEFP-NF訓練を含む。この代わりに、またはこれに加えて、心的外傷コンテクストは、被訓練者のPTSD関連異常神経行動学的プロセス(例えば、ブロック254で同定した異常プロセス)のコンテクストにおけるEFP-NF訓練を含む。
いくつかの例示的な実施形態によると、ブロック260において、評価した症状および/または同定した異常プロセスの変化を決定する。いくつかの実施形態においては、評価した症状および/または同定した異常プロセスの変化は、訓練セッション中、例えば、訓練セッションの開始時および/または終了時(例えば、被訓練者が医院にいる間)に決定する。この代わりに、またはこれに加えて、評価した症状および/または同定した異常プロセスの変化は、訓練セッション間、例えば、被訓練者が医院ではなく自宅にいるとき、または医院にいるときに決定する。
いくつかの例示的な実施形態によると、決定した変化が望まれた変化、例えば、症状の発現を減少させるおよび/または異常プロセスを所望にレベルへと改変する変化である場合、NF訓練を停止する。代わりに、決定した変化が望まれた変化ではない、例えば、症状の発現を減少させないおよび/または異常プロセスを所望のレベルへと改変しない変化である場合、NF訓練を継続するか繰り返す。代わりに、EFP-NF訓練を停止する。
いくつかの例示的な実施形態によると、ブロック262において、EFP-NFを改変する。いくつかの実施形態においては、被訓練者が実施する少なくとも1種の実習を改変する。この代わりに、またはこれに加えて、被訓練者に送達される心的外傷関連インターフェースを改変する。
いくつかの例示的な実施形態によると、EFP-NFの完了に成功した後、例えば、訓練の所望のゴールを達成した後(例えば、所望の変化の達成後)に、ブロック264において、被訓練者は少なくとも1種の追加の維持訓練セッションを実施する。いくつかの実施形態においては、維持訓練セッションは、EFP-NF訓練の完了後、少なくとも1週間(例えば、少なくとも2週間、少なくとも1ヶ月、またはいかなる中間値、これらよりも短いか長い期間)実施する。いくつかの実施形態においては、維持訓練セッションは、少なくとも1つの脳領域および/または神経回路の活動レベルと関連するフィードバックを受けることなく実施する。いくつかの実施形態においては、維持訓練セッションは、被訓練者が医院にいないときに実施される。いくつかの実施形態においては、ブロック258において、維持訓練セッション中に被訓練者は少なくとも1種の実習、例えば、訓練セッション中に被訓練者が実施した実習を実施する。代わりに、被訓練者は、被訓練者の病態および/またはPTSD症状のレベルに基づき任意で選択された異なる実習を実施する。
処置後の症状の例示的な変化
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば、図2Gのブロック260に示されているように、NF訓練後および/またはNF訓練の訓練セッション間にストレス関連症状のモニタリングを行う。任意で、症状の変化に応じて、ストレス関連異常神経行動学的プロセスの変化を決定する。ここで本発明のいくつかの例示的な実施形態に係るEFP-NF訓練の後のストレス関連症状(例えば、PTSD関連症状)の変化を表す図2H~2Kに参照する。
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば図2Hに示されるように、心的外傷NF訓練270において心的外傷関連インターフェースに曝露された被訓練者は、TP1 274の訓練の前(訓練前のテストポイント)の侵入レベルと比べて、TP2 276の訓練後に(訓練後のテストポイントで)侵入のレベルの減少を示した。心的外傷と関連しない中立インターフェースによる中立NF訓練272を実施した被訓練者においても、侵入レベルは減少した。
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば図2Iに示されるように、心的外傷NF訓練270において心的外傷関連インターフェースに曝露された被訓練者は、TP1 274の訓練の前(訓練前のテストポイント)の認知および気分の変調のレベルと比べて、TP2 276の訓練後に(訓練後のテストポイントで)認知および気分の変調のレベルの減少を示した。心的外傷と関連しない中立インターフェースによる中立NF訓練272を実施した被訓練者においても、認知および気分の変調レベルは減少したが、減少は心的外傷NF訓練270群と比べて小さかった。
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば図2Jに示されるように、心的外傷NF訓練270において心的外傷関連インターフェースに曝露された被訓練者は、TP1 274の訓練の前(訓練前のテストポイントで)の回避レベルと比べて、TP2 276の訓練後に(訓練後のテストポイントで)回避レベルの減少を示した。心的外傷と関連しない中立インターフェースによる中立NF訓練272を実施した被訓練者においても、回避レベルは減少したが、減少は心的外傷NF訓練270群と比べて小さかった。
いくつかの例示的な実施形態によると、例えば図2Kに示されるように、心的外傷NF訓練270において心的外傷関連インターフェースに曝露された被訓練者は、TP1 274の訓練の前(訓練前のテストポイント)の覚醒レベルと比べて、TP2 276の訓練後に(訓練後のテストポイントで)覚醒レベルの減少を示した。心的外傷と関連しない中立インターフェースによる中立NF訓練272を実施した被訓練者においても、覚醒レベルは減少したが、減少は心的外傷NF訓練270群と比べて小さかった。
例示的なフィードバックの送達
いくつかの例示的な実施形態によると、被訓練者は、心的外傷関連内容に活性化される1つ以上の脳領域の活性化を調整するための訓練中に、心的外傷関連内容、例えば、被訓練者の特定の心的外傷に合わせた心的外傷に関連する内容に曝露される。いくつかの実施形態においては、被訓練者は、1以上の実習(例えば、精神的および/または身体的実習)によって活動レベルを下方制御するための訓練中に、扁桃体の活動レベルを上方制御する心的外傷関連内容に曝露される。いくつかの実施形態においては、被訓練者による脳活動領域の調整の成功に関するフィードバックは、心的外傷関連内容を改変することで送達される。いくつかの実施形態においては、被訓練者が扁桃体活動レベルの下方制御に成功すると、曝露の強度が下がる。いくつかの実施形態においては、被訓練者の心的外傷関連内容に対する曝露のレベルは、扁桃体の活動レベルの変化に準ずる。いくつかの実施形態においては、扁桃体活動レベルが低下したら、心的外傷関連内容に対する曝露のレベル、例えば、曝露時間または曝露内容が下がる。ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、被訓練者に送達されるフィードバックを改変するためのプロセスを表す図3に参照する。
いくつかの例示的な実施形態によると、302において、心的外傷関連内容(例えば、心的外傷関連試練)が被訓練者に送達される。いくつかの実施形態においては、心的外傷関連試練は、例えば、臨床医との面談に基づくおよび/または他の情報源に基づく、被訓練者に特異的な個人に合わせた内容を含む。いくつかの実施形態においては、心的外傷関連試練は1以上の音、画像、匂い、触覚または他のインターフェースによって送達される。
いくつかの例示的な実施形態によると、304において、被訓練者は、選択した1つ以上の脳領域の活動に影響を与えるように訓練される。いくつかの実施形態においては、対象は、心的外傷関連試練の送達との時間関係(例えば、試練の送達時または試練の送達後)の中で訓練される。いくつかの実施形態においては、訓練は、あらかじめ決めておいた実習、例えば、1つ以上の脳領域の活動に影響を与えるように選択された身体的および/または精神的実習を含む。代わりに、対象は、例えば自らの能力に合うように実習を開発するか、公知の実習を調整することを推奨されるかまたは行うよう求められる。
いくつかの例示的な実施形態によると、306において、1つ以上の脳領域の活動レベルが測定される。いくつかの実施形態においては、活動レベルは、例えば、EFP-NF訓練中に、被訓練者の頭部から記録されたEEG信号に基づき測定される。いくつかの実施形態においては、記録されたEEG信号は解析されて、記録されたEEG信号に基づきEFPが生成される。いくつかの実施形態においては、生成されたEFPは1つ以上の脳領域の活動レベルと関連する。
いくつかの例示的な実施形態によると、308において、NF訓練の効果、例えば、1つ以上の脳領域の活動に対するEFP-NF訓練の効果を決定する。いくつかの実施形態においては、NFの効果は、生成されたEFPおよび所望の活動と関連する所望のEFPに基づき決定される。
いくつかの例示的な実施形態によると、310において、被訓練者に送達される心的外傷関連試練は、1つ以上の脳領域の現在の活動レベルに応じて改変される。いくつかの実施形態においては、被訓練者に送達される心的外傷関連試練は、被訓練者による1つ以上の脳領域において所望の活動レベルへの到達の成功に応じて改変される。この代わりに、またはこれに加えて、心的外傷関連試練は、EEG信号および/または抽出されたEFP信号の所望の方向への変化(例えば、基線または以前の信号値に対する下方または上方制御)に応じて改変される。いくつかの実施形態においては、心的外傷関連試練の改変は、NF訓練のフィードバック、例えば、NFプロセスの感覚報酬フィードバックとして送達される。
いくつかの例示的な実施形態によると、改変された試練は、被訓練者に対して連続的または漸増的に送達される。この代わりに、またはこれに加えて、フィードバックは、被訓練者にNF訓練中にオンラインで、例えば、EEG信号の測定から30秒以内、例えば、20秒以内、10秒以内、またはいかなる中間値、より短いか長い期間に送達される。
ストレス障害に対する訓練のための、NFを送達するための例示的なシステム
ここで本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、NF(例えば、ストレス障害に対する訓練のためのEFP-NF)の送達のためのシステムを表す図4に参照する。
いくつかの例示的な実施形態によると、システム(例えば、システム400)は、制御ユニット402と、制御ユニット402に電気的に接続したEEG測定ユニット404とを含む。いくつかの実施形態においては、EEG測定ユニットは1以上のEEG電極、例えば、対象406の頭皮412に取り付けられたEEG電極408と410を含む。いくつかの実施形態においては、1以上のEEG電極は、EEG信号を、例えば、EFP-NF訓練中に測定するように構成されている。
いくつかの例示的な実施形態によると、制御ユニット402は、制御回路416と、制御回路416に電気的に接続したEEG記録ユニット414とを含む。いくつかの実施形態においてはEEG電極、例えば、EEG電極408と410はEEG記録ユニット414と電気的に接続している。いくつかの実施形態においては、EEG記録ユニット414は記録したEEG信号を制御回路416に送信する。
いくつかの例示的な実施形態によると、制御ユニット402は、制御回路416に電気的に接続したメモリ418を含む。いくつかの実施形態においては、メモリ418は記録したEEG信号を保存し、保存されたEFP信号は、例えば、1つ以上の脳領域の特定の活動レベルに関連する一般的なEFP信号および/または個人に合わせたEFP信号である。いくつかの実施形態においては、例えば、1つ以上の脳領域の現在の活動レベルに関連するEFPを生成するために、制御回路416は記録したEEG信号の少なくとも一部を解析する。いくつかの実施形態においては、制御回路416は、メモリ418に保存されたアルゴリズムを用いてEFP信号を生成する。
いくつかの例示的な実施形態によると、被訓練者インターフェース424は、制御回路に電気的に接続している。いくつかの実施形態においては、被訓練者インターフェース424は聴覚インターフェースおよび/またはディスプレイ含む。いくつかの実施形態においては、NF訓練中に制御回路は試練(例えば、中立試練および/または心的外傷特異的試練)を、被訓練者インターフェースによって被訓練者に送達する。いくつかの実施形態においては、中立試練および/または心的外傷特異的試練に関連する少なくとも1種のパラメータの値はメモリ418に保存される。いくつかの実施形態においては、被訓練者インターフェース424は聴覚および/または視覚信号を生成することで試練を送達する。代わりにまたは加えて、被訓練者インターフェース424は匂いを生成することで被訓練者406に試練を送達する。
いくつかの例示的な実施形態によると、監督者回路420は制御回路416に電気的に接続している。いくつかの実施形態においては、監督者インターフェース420はNF訓練プロセスに関する1以上の指標を監督者、例えば、NF訓練をモニタリング中の臨床医に送達する。いくつかの実施形態においては、監督者インターフェースは被訓練者406の近傍、例えば、被訓練者と同じ部屋および/または被訓練者から10メートル未満の距離、例えば、7メートル未満、5メートル未満、3メートル未満の距離、またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きなの距離で、位置する。
いくつかの例示的な実施形態によると、制御回路は、例えば、被訓練者406への試練の送達時に1以上のEEG電極からのEEG信号を記録するように構成されている。加えて制御回路は、被訓練者が1つ以上の脳領域の活動を調整するための実習を実施したときに1以上のEEG電極からのEEG信号を記録するように構成されている。いくつかの実施形態においては、制御回路416は、試練の送達中および/または実習の実行後に、記録されたEEG信号を解析し、1つ以上の脳領域の活動レベルに関連するEFPを生成するように構成されている。
いくつかの例示的な実施形態によると、制御回路416は、実行された実習後に生成されたEFP信号が、保存されたEFP信号に基づき、任意でメモリ418に保存された参照用の表および/またはアルゴリズムを用いて、1つ以上の脳領域の所望の活動レベルに関連するか否かを決定するように構成されている。いくつかの実施形態においては、制御回路はフィードバック(例えば、指標)を被訓練者406に、任意で被訓練者インターフェース424によって送達するように構成されている。いくつかの実施形態においては、フィードバックは、対象406が1つ以上の脳領域の活動の所望の方向への改変(例えば、活動の上方制御または活動の下方制御)に成功したことと関連する。
いくつかの例示的な実施形態によると、制御回路416は、被訓練者による1つ以上の脳領域の活動レベルの調整の成功レベルに応じて、および/または1つ以上の脳領域の活動レベルに応じて、被訓練者406送達される試練の少なくとも1種のパラメータを調整するように構成されている。いくつかの実施形態においては、制御回路416は、被訓練者406に送達される試練を、メモリ418に保存された、試練の1種以上のパラメータ値(例えば、試練の内容、試練の種類、試練の期間、音の強度、光の強度、色、色の強度、匂いの強度、異なる音源の大きさ(ヒトまたは物体)、触覚の外観(例:風または水)、訓練インターフェースの人のアバター(有または無し))に基づき調整する。
いくつかの例示的な実施形態によると、監督者は、制御回路416から1以上の指標を監督者インターフェース420で受信することで、被訓練者406のパフォーマンスをモニタリングする。いくつかの実施形態においては、制御ユニットは、被訓練者の少なくとも1種の生理学的パラメータ値(例えば、心拍数、血圧、皮膚導電性、瞳孔拡張、曝露された刺激に対する特定の眼球運動、筋張力の筋電図(EMG)、または特定ゴールへの到達のための反応時間、あるいはストレスに対する生理学的応答に関連するその他の生理学的パラメータ)を測定するように構成されている。いくつかの実施形態においては、制御回路416は、測定した少なくとも1種の生理学的パラメータおよび/または記録したEEG信号が、被訓練者の試練(例えば、中立試練または心的外傷関連試練)に対する応答がメモリ418に保存されている前もって決めた値よりも強いことを示したときに、NF訓練を自動的に停止するように構成されている。この代わりに、またはこれに加えて、測定した少なくとも1種の生理学的パラメータおよび/または記録したEEG信号が、被訓練者の試練(例えば、中立試練または心的外傷関連試練)に対する応答がメモリ418に保存されている前もって決めた値よりも強いことを示したときに、監督者インターフェースを使用する監督者が手動でNF訓練を停止する。
いくつかの例示的な実施形態によると、システム(例えば、システム400)のユーザー、例えば、技師、看護師、医師は、患者(例えば、ストレス障害と診断された対象406)のストレス障害に関する情報および/または特徴を記録媒体(例えば、制御ユニット402のメモリ418)に導入する。いくつかの実施形態においては、ユーザーは、制御ユニットのユーザーインターフェース(例えば、監督者インターフェース420)によって、情報を導入する。代わりに、患者の情報および/または特徴を制御ユニットのコミュニケーション回路によってメモリ418送達する。いくつかの実施形態においては、情報は、患者においてストレス障害を初めて引き起こした心的外傷事象、患者の発現するストレス障害の少なくとも1種の症状および/またはストレス障害に関連する、患者の少なくとも1種の損なわれた神経行動学的プロセスに関する情報を含む。
いくつかの例示的な実施形態によると、記録媒体に加えられる情報は、患者のストレス障害の少なくとも1種の症状を引き起こすように構成された少なくとも1種の試練を含む。この代わりに、またはこれに加えて、記録媒体に加えられる情報は、対象のストレス障害の少なくとも1種の症状を引き起こさないように構成された少なくとも1種の非特異的な試練を含む。いくつかの実施形態においては、非特異的な試練は、患者のストレス障害によっても影響を受ける患者の少なくとも1つの脳領域に対して、活性化に影響を与えるが、患者のストレス障害の少なくとも1種の症状を引き起こさないように構成されている。
いくつかの例示的な実施形態によると、制御回路(例えば制御回路416)は、患者に提供するために、記録媒体に保存された試練のリストから試練を選択する。いくつかの実施形態においては、制御回路は、記録媒体に保存された患者情報(例えば、ストレス障害を引き起こした心的外傷に関する情報、少なくとも1種のストレス障害のトリガー関する情報、患者の発現するストレス障害の少なくとも1種の症状に関する情報、および患者のストレス障害の少なくとも1種の損なわれた神経行動学的プロセスに関する情報)に基づき試練を選択する。この代わりに、またはこれに加えて、制御回路は、記録媒体に保存された少なくとも1種の生理学的パラメータ(例えば、心拍数、血圧、皮膚導電性)の値または指標に基づき試練を選択する。この代わりに、またはこれに加えて、制御回路は、患者に対して実施した少なくとも1種の臨床評価(例えば、CAPS-5評価またはその変法、うつ病評価および/または不安障害評価)の結果に基づき試練を選択する。
いくつかの例示的な実施形態によると、制御回路(例えば、制御回路416)は、例えば、視覚および/または聴覚信号によって、ユーザーまたは制御回路によって選択された少なくとも1種の試練を、例えば、被訓練者インターフェース(例えば、被訓練者インターフェース424)を用いて、患者に提供する。いくつかの実施形態においては、制御回路(例えば、制御回路416)は、少なくとも1種の電気信号、例えば、患者の少なくとも1種の試練への曝露に伴い(例えば、曝露前、曝露中および/または曝露後に)、患者の脳によって生成された少なくとも1種の電気信号を受信する。いくつかの実施形態においては、受信した電気信号はEEG信号である。いくつかの実施形態においては、制御回路は少なくとも1種の電気信号を記録ユニット(例えば、EEG記録ユニット414)から受信する。
いくつかの例示的な実施形態によると、制御回路(例えば、制御回路416)は、受信した少なくとも1種の電気信号を用いて、患者の脳の少なくとも1つの特定脳領域(例えば、大脳辺縁系の脳領域)の活動レベルをモニタリングする。いくつかの実施形態においては、制御回路は、例えば、米国特許公開第13/983,419号に記載のように、受信した少なくとも1種の電気信号を、少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを示す少なくとも1種の電気信号の少なくとも部分を同定するために処理する。
いくつかの例示的な実施形態によると、制御回路(例えば、制御回路416)は、受信した電気信号の少なくとも一部と、記録媒体(例えば、メモリ418)に保存された署名(ここではEEG電気フィンガープリント(EEG-EFP)とも称する)との関係を同定する。いくつかの実施形態においては、署名は、少なくとも1つの特定脳領域(例えば、扁桃体または大脳辺縁系の他の脳領域)の活動レベル署名である。
いくつかの例示的な実施形態によると、制御回路(例えば、制御回路416)は、患者が少なくとも1つの脳領域の活性化を調整する能力のモニタリングを、例えば、受信した少なくとも1種の電気信号を用いて実施する。いくつかの実施形態においては、制御回路は、少なくとも1の特定脳領域の活性化に影響を与えるように形成された少なくとも1種の実習(例えば、精神的または身体的実習)を実施するように、前記患者に指示を送達する。いくつかの実施形態においては、制御回路は、記録媒体に保存された実習のリストから実習を選択する。いくつかの実施形態においては、制御回路は、記録媒体に保存された患者情報に基づき、および/または少なくとも1つの特定脳領域に基づき、および/または少なくとも1つの特定脳領域の活動に対する所望の効果に基づき、実習を選択する。
いくつかの例示的な実施形態によると、制御回路(例えば、制御回路416)は、受信した電気信号に基づき、対象に提供する少なくとも1種の試練および/または実習のための指示をどのように改変するか、任意で自動的に改変するかを決定する。いくつかの実施形態においては、制御回路は、対象に提供する少なくとも1種の試練、および/または少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルに基づく実習のための指示、および/または患者による少なくとも1つの脳領域の活動の調整の成功を改変する。
例示的な実証実験
上述し、特許請求の範囲に記載した本発明の種々の実施形態および態様は、以下の実証実験から実験的根拠を見出すことができる。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、過剰な感情反応性および減少した感情制御によって特徴づけることができる。これらのプロセスの異常は、それぞれ過活動性扁桃体および過少活動性腹内側PFCに対応し得る。任意で、これらプロセスの非特異的な標的化は、PTSDにおける治療効果の低さを説明し得る。したがって、新規なプロセス志向性ニューロフィードバック(NF)標的化fMRIから想起された、個人の心的外傷物語への曝露のコンテクストにおける扁桃体(Amyg-EFP)のEEGフィンガープリント(EFP)が示唆される。この介入は、感情の反応性および制御に関連するPTSDにおける、症状の減少および機能不全性神経処理の変更をもたらし得る。
中立コンテクストのAmyg-EFP-NF(n=14)、心的外傷的コンテクストのAmyg-EFP-NF(n=13)または対照群(通常の処置、n=13)のいずれかに患者を乱数的に振り分けた。2つの試験群では、患者は15セッション(各20分)のNF訓練を受け、その前後に臨床評価、扁桃体-fMRI-NFおよび感情反応性fMRIタスクを受けた。評価結果は、2つの試験群の患者が介入に続き減少したPTSD症状を示すものの、対照群の参加者は改善せず(sig交互作用グループ療法)、心的外傷コンテクストが最も大きな臨床効果を示すことを明らかにした。通常の処置群と比較した、試験群におけるNF処置に続く減少した扁桃体BOLD活性は、標的エンゲージメントを示した。
以下の実施例はPTSDの影響力のあるNFのための障害特異的コンテクストの役割を示す。さらに結果は、PTSDの症状の改善が、根源であるPTSD神経メカニズムの調整と関連し得ることを暗示する。
実験においては、PTSD症状を14ヶ月以上患っていた慢性PTSD集団の、PTSD症状の減少における扁桃体標的化NF処置の実行可能性および効果について調査した。慢性患者を標的とすることは、症状および関与する脳メカニズムがある程度は強化されたという条件で、(例えばNFを通じて)扁桃体活動に影響を与えることが効率的な介入方法であるか否かの調査を可能にする。実験は、NF訓練のコンテクストの影響についての調査も可能にする。
研究は、心的外傷特異的である試練に続き、扁桃体の下方制御を訓練する試験群を含む。本発明のいくつかの実施形態および研究において、心的外傷コンテクスト群の患者は、(音声台本の形の)心的外傷事象から得た内容によって段階的に試練を受け、扁桃体の活性化を増加させると考えられるこのような試練のコンテクストにおいて、下方制御の訓練を受ける。
本発明のいくつかの実施形態および研究において、臨床成果の測定はCAPS、BDI、STAI、ERQを含む。神経性成果の測定は、安静状態機能的連絡シーケンス、扁桃体反応性タスク(Hariri)、感情介入タスク(感情的ストループ)および2つ短いサイクルの扁桃体rt-fMRI-NFを含む。
ここで実験の一般的な概要および実験に含まれる種々の試験群をそれぞれ表す図5および6に参照する。
少なくとも14ヶ月前に心的外傷事象に曝露された年齢18~65歳の参加者を、TASMCの心的外傷医院およびテルアビブ近郊の他の医院から集めた。いくつかの実施形態においては、NF-処置または評価会議の少なくとも6ヶ月、例えば、少なくとも10ヶ月、少なくとも12ヶ月またはいかなる中間値、これらよりも小さいか大きな期間前に心的外傷事象に曝露された対象を、例えば図2Aのブロック202に記載のEFP-NF処置のために選択した。いくつかの実施形態においては、ストレス障害の診断に至る心的外傷事象に曝露された対象をEFP-NF処置のために選択した。
導入および排除: 本発明のいくつかの実施形態および研究において、参加者は、(SCIDを用いて)、DSM axis-I障害の存在についてスクリーニングされ(そして排除された)。本発明のいくつかの実施形態および研究において、CAPSに基づくPTSD症状を示す参加者は加えられた。本発明のいくつかの実施形態において、実験中に対象の評価に使用された評価方法は図2Aのブロック204における評価の一部としても使用された。評価後に参加者は、例えば、図6に示したように、乱数的に3群に分けられた:amy-EFP-NF-中立群(n=20)、amy-EFP-NF-心的外傷群(n=20)、および他の処置プログラムを継続し、NF訓練を受けることのない、通常の処置(TAU)群(n=20)。
実験および本発明のいくつかの実施形態においては、例えば、図2Aのブロック204のように、対象の評価を、タイムポイント1-前処置に記載のように実施した:第1のタイムポイント(TP1)基本的評価を2~3のセッションで行い、ここには臨床評価、心理学的問診表およびfMRIスキャンが含まれた。
以下の訓練相は、図2Aのブロック206で行われる、本発明のいくつかの実施形態におけるEFP-NF訓練の例である。訓練相:(2つの試験群の)各参加者は、15のNFセッションを13週間の期間内に受けた(初めの2週間は週2回のセッション、その後は週1回のセッション)。セッションの回数は、慣例的な期間および/または一般的なPTSD介入(介入を含むCPT(Resick & Schnicke, 1993)およびPE(Rauch et al., 2009)等)のセッション数と同様である。amy-EFP-NF-中立群の介入プロトコルは、間に挟まれる2種のインターフェースを含んでいた:第1のセッションは聴覚的なインターフェースを使用し、第2のセッションおよび続くセッションにおいては、介入期の最後のセッションまで、ウエイティングルームシナリオインターフェース(上記にても説明)を使用する。
本発明のいくつかの実施形態および実験においては、amy-EFP-NF-心的外傷群用のプロトコルは、第1のセッションは同様であり、その後、心的外傷的試練NFを段階的に加えていった。少なくとも4回のセッションを含む第一相では、中立群と同じNFセッションによって参加者は訓練された。例えば図2Aのブロック208および実験において実行されたように、最後の5回のセッションのうちの3回において、訓練中に(基線と比べて)EFP信号の低下に成功した参加者は、次の相の訓練を継続する資格を得た。成功しなかった参加者は、残りのセッションにおいて中立コンテクストで訓練を継続した。
以下は、図2aのブロック212で実施した、本発明のいくつかの実施形態における、個人に合わせたストレスコンテクストのEFP-NF訓練の例示である。実験において、第二相では、上述したように成功した参加者は、自らの心的外傷物語のコンテクストで訓練された。第1のセッションにおいて、参加者は、コンテクストを創作するための思想、気持ち、感覚、特定の情報(週の曜日、天気等)を含む詳細な一連の事象の原稿を作成するために、訓練されたチームメンバーによって心的外傷事象についての面談を受けた。
感情的な試練を創出すると期待された面談後に、参加者は、一人のチームメンバーの付き添いの元、通常の中立NF訓練を受けた。セッション中にEFP信号の下方制御に成功した参加者は、心的外傷試練フィードバックによる訓練を続くセッションで受けた。本発明のいくつかの実施形態および実験においては、各原稿化された事象は、長さが少なくとも30秒の音声ファイル(例えば、3分の音声ファイル)に加工され、任意で、現在形および二人称(即ち、「あなたは自分の車を運転している...」)で事象を語る男性の声で録音された。実験および本発明のいくつかの実施形態のその後のセッションにおいては、EFP信号を表すフィードバックは、心的外傷記録の音量であった。即ち、EFP信号の減少の成功は、心的外傷記録の音量も減少させた。(中立コンテクストで)自らのEFP信号の下方制御に成功しなかった参加者は、心的外傷記録の傾聴直後に以下のNF-Nセッションにおいて再挑戦した。
どちらの群でも、各NF練習セッションは、3分のNFの5ブロックからなるものであった。各ブロックに、スタッフのメンバーが参加者と共に前回のブロックの結果について復習し、彼または彼女が使用した戦略およびブロック中の主観的な気持ちについて尋ねた。最後の3回のセッションは、2つの追加の「移行」ブロックをセッションの開始時に含んでいた。
訓練相中に全群の参加者は、侵入的思想と感情、回避、認知および気分の症状、睡眠障害、および覚醒に関する質問を含む、隔週の症状モニタリング問診表に記入した。
図7は、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係り、実験において実行された訓練プロトコルのNFセッションを表し、これは、聴覚的なNF(青い箱702)、ウエイティングルームNF(緑704)および心的外傷NF(紫706)を伴うセッションを含む。図は、心的外傷-EFP-NFプロトコルおよび中立EFP-NFプロトコルにおける各セッションの順番を示す。
図8は、マルチモーダルなインターフェース:例えば、図1、2Aおよび2Bのそれぞれのブロック108、206および226におけるウエイティングルームの視聴覚アニメ化シナリオ、を伴うNFを表す。
図9は、例えば、図1、2Aおよび2Bのそれぞれのブロック108、206および226で実施された、単一モーダルな聴覚的なインターフェースを表す。
図10は、例えば、図1、2Aおよび2Bのそれぞれのブロック108、212および228で実施された、段階的な曝露を伴うNFを表す。
実験結果
図11は、対象が心的外傷事象の詳細な説明を受けている際の、時間に対するEFP信号の変化を表す。シナリオはコンテクスト情報(日付、天気、そこに誰がいたか等)のみならず、患者の感情的、身体的および認知的な経験と、事象が明らかになるにつれてそれらがどのように変化するかを表す。
図12A~12Gは、セッションが進行するにつれて患者はより多くのEFP信号の下方制御の実行が可能となり、この下方制御は、心的外傷台本の「ピーク」によって生じる集中的な感情的試練に直面した時でさえ明確であることを表している。
図11および図12A~12Gに示すように、対象は、「ホットスポット」(例えば、特異的心的外傷の焦点(黄色の部分))を表す部分を含むシナリオに曝露されながらも、EFP信号を調整する。
図13は、訓練セッション中の有意な学習(即ち、扁桃体EFP下方制御)を表す。患者は、13週間の訓練後に自らの扁桃体(EFP)活動の下方制御に成功した。グラフに示したように、EFP信号は1週目と13週目の間で減少した(1週目+2週目は週2回のセッション。3~13週目は週1回のセッション、合計で13週間に15セッション)。
図14Aおよび14Bは、処置型(中立対曝露)ごとのNF学習を表す。図14Aは、全体平均表し、図14Bは個人のスコアのばらつきを示す。グラフは、中立コンテクストで訓練された患者は、試験の第一部から試験の第2部まで、自らのEFP信号の下方制御に成功したことを示す。一方、曝露群の患者は、中立コンテクストのセッションと比べて、曝露セッション中にEFP信号のより大きな減少を示した。この図は、個人の心的外傷コンテクストにおけるEFPの訓練は、中立コンテクストの訓練に対して付加的な効果を有することを示す。
図15は、実験の種々の群間のCAPS-5総スコアの変化を表す。CAPS(PTSD臨床診断面接尺度)は、PTSD症状の重症度のための、確立され、一般的な構成的臨床面談評価である。図に示されるように、EFP訓練を受けた患者は、訓練を受けていない患者と比べて、CAPSスコアの有意な減少を示した。この減少は曝露群の患者でより大きかった。いくつかの実施形態においては、CAPS-5または他のPTSD臨床診断面接尺度の変化を、EFP-NF訓練後の対象の状態の評価に使用する。
図16A、16Bおよび16Cは、中立(neural)コンテクスト群(図16A)および曝露群(図16B)の患者の個別のCAPS結果を示す。図16Cは、介入後のCAPSスコアが5ポイント超減少した参加者のパーセンテージを示す。これは、曝露群の患者の大部分(75%)が、介入後に意味のあるCAPSスコアの減少を示したことを示している。
図17は、種々の群間のCAPS-5サブスケールの変化を表す。これらサブスケールは、PTSD症状クラスター:回避、侵入、覚醒、並びに認知および気分の変調について、個別に評価した。いくつかの実施形態においては、CAPS-5サブスケールの変化を、EFP-NF訓練後の対象の状態またはステータスの評価に使用する。
図18は、種々の群間のPCLスコア(自己報告)の変化を表す。PCLは、PTSD症状の評価のための確立され、一般的な自己報告手段である。結果は、介入を受けない患者(TAU群)と比べて、介入後に、両方のEFP群(中立群および曝露群)の患者がPTSD症状の減少を示したことを表した。このPTSDスコアの減少は、介入後3および6ヶ月間保持された。これらの結果は、EFP介入の効果が長期間維持されることを表している。
図19は、種々の群間の介入前(左カラム、「前」と表記)および介入後(右カラム、「後」と表記)のfMRI測定値の変化を表す。左には、患者の1回目のfMRI測定を示す。右には、介入後セッションの学習中のリアルタイムfMRI(即ち、セッションの第1および第2のサイクルの差)を表す。図は、EFPを使用せずに訓練された参加者(NF訓練を受けなかった通常の処置(TAU)群)と比べて、扁桃体EFPを用いて訓練された患者は、EEG訓練セッション後のBOLD扁桃体活動の下方制御にも成功することを表した。図からは、扁桃体-EFP_NF処置を経験した患者は、扁桃体-MRI-NFの前よりも処置後に有意により良いパフォーマンスを示すことが見て取れる。これは、EFP-NFによる訓練後には、処置群の患者の方が非処置群群よりも扁桃体BOLD活動の下方制御に優れていたことを意味する。図中、中立(n=10)+心的外傷(n=8)対TAU。前:調節-観察、第1サイクルのみ。後:調節-観察、全2サイクルの平均。
図20は、EFP訓練と、続くリアルタイムfMRIニューロフィードバック中のBOLD活性化との相関を表す。この正の相関は、訓練セッション中のEFP信号の下方制御が非常に成功した(即ち、全体的に最もパフォーマンスの良かったセッションの)参加者は、介入後のリアルタイムニューロフィードバック中の扁桃体BOLD信号の下方制御についても長けていたことを表す。図20は、EFP-NFの変化は(EFP-NFセッション数は考慮しない)EFP-NFの最高の変化と相関したことを示す。
実証実験のまとめ
実証実験は、PTSDにおける辺縁系の調整のための信頼性の高いニューロフィードバックプローブとしてニューロフィードバック技術fMRIインフォームドEEGを用いた、精神障害の根底にあるプロセス調整の研究を目的とした。
結果のまとめ: 対照-EFP-NFと比べて、Amyg-EFP-NFは、健康な参加者(n=38)およびPTSD患者(n=29)の両方において、扁桃体-BOLD下方制御の改善をもたらした。最後に、拡張性NFプローブとしてのその実効性を証明するために、Amyg-EFP NF訓練の繰り返しに続く扁桃体関連行動改変を試験した。健康な参加者(n=約150)においては、結果は、対照-NFに対してAmyg-EFP-NFが、情動ストループ課題で測定したときに、より大きな失感情症の減少と改善された感情制御をもたらすことを示した。さらにPTSD患者(n=40)の結果は、Amyg-EFP-NFがPTSD評価(Caps-5で~10ポイント)の低下につながり、この減少はAmyg-EFP下方制御の成功と相関することを示した。
結論: 結果は、健常者および患者の辺縁系活動を標的としたNFにおけるEEGの使用の実効性を表した。
例示的な追加の実証実験
例示的な方法
参加者
実験には、59人の成人、年齢18~65歳、PTSDのDSM-5基準を満たしたものが参加した。40人が治験を完了し(中立NFはn=14、心的外傷NFはn=13、NFなしはn=13;付属の図24Bのコンソート図を参照)。募集会場にはメンタルヘルスクリニックおよびソーシャルメディアの広告が含まれた。全患者が、訓練された精神科医による、DSM-IV axis I障害(SCID)の臨床診断面接尺度およびPTSD臨床診断面接尺度(CAPS-5)に基づく臨床評価を受けた(排除基準については付属資料を参照)。基線では、いずれの群も、平均年齢および心的外傷からの時間、さらに女性の割合に有意な違いはなかった(表1a,b参照)。患者は参加に対するインフォームドコンセントを書面で提出し、金銭的報酬を受けとった。プロトコルはテルアビブ・スーラスキー・メディカルセンターの機関審査委員会の承認を得、ClinicalTrials.gov.に登録された。
Figure 2022513440000002
Figure 2022513440000003
表1a.人口統計学的特徴。乱数化は、年齢(40歳未満または以上)および心的外傷からの時間(5年未満または以上)によってバランスを取った。基線の特徴について群の比較を行うために一元配置分散分析およびχ二乗検定を実施した。TP1のCAPS-5スコア:F(2,35)=1.22、p=.306;心的外傷からの時間:F(2,36)=.16、p=.84;年齢:F(2,36)=2.01、p=.14;性別χ2(2)=1.08、p=.58。
一般的な手順
実験およびいくつかの実施形態においては、介入(TP1、TP2)の前および直後、さらにはその完了から3ヶ月および6ヶ月後に参加者を評価した(図21A参照)。実験およびいくつかの実施形態においては、例えば、図1、2Aおよび2Gに示した、主要臨床成果測定には、CAPS-5面談およびPTSDチェックリスト問診表(PCL)が含まれた(27)。二次臨床成果の測定には、さらに患者を臨床的に特徴づけるための、状態・特性不安検査(STAI)(28)およびベック・うつ病調査表-II(BDI-II)(29)と、感情調節能力を評価するためのトロント・アフレキシサイミア尺度(TAS-20)(30)および感情調節尺度(ERQ)(31)が含まれた。TP1に続き、患者は3つの研究群に乱数的に割り当てられた:心的外傷NF、中立NF、およびNFなし。いずれの臨床測定(総CAPS-5、PCL、STAI、BDI-II、TAS-20およびERQ)についても基線では群間の違いはなかった。いくつかの実施形態においては、例えば、図2Aのブロック204および図2Gのブロック250、252および254のように、少なくとも1種の臨床成果の測定には、上述した尺度および問診表を訓練前のPTSD患者の評価にも使用した。
ここで研究手順を示す図21Aに参照する。臨床評価、構造的スキャンおよびrtfMRI-NFスキャンをタイムポイント1(TP1)およびタイムポイント2(TP2)で行った。追跡調査評価は、TP2後3ヶ月目および6ヶ月目にオンラインの問診票で実施した。
ここで本発明のいくつかの実施形態における介入プロトコル実験を表す図21Bに参照する。介入相は15回の訓練セッションを含み、週2回を2週間から始まり、その後、週1回とした(合計13週間)。各セッションは、準備時間を含め約40分であった。患者は、静かな部屋で、ヘッドホンを付けてコンピュータースクリーンの前に座らされた。最初の5回のセッションは両方の群で同一であり、中立聴覚的なインターフェースと、次のセッションではマルチモーダルなシナリオインターフェースとの2種のフィードバックインターフェースを交互に使用した。聴覚的なインターフェースは歌詞のないジャズの曲であり、マルチモーダルなアニメ化シナリオインターフェースは、キャラクターが座っているか、歩いており、受付に向かう仮想の病院の待合室を表していた(インターフェースの説明については付属資料を参照)。聴覚的なセッションは5つの連続した、各3分の訓練ブロックを含んでいた。音量はAmygEFP信号の出力の関数(単位はそれぞれ10dB)として増加または減少させることができる。マルチモーダルなシナリオセッション型も5つの連続したブロックを含み、それぞれが1分間の活性化基線(部屋の未休止レベルを75%に設定し、参加者による調節の影響を受けない)、患者が自らの脳信号を調節するように訓練され、部屋のシナリオを通じてフィードバックを受ける、3分間のNFを含む(マルチモーダルなアニメ化シナリオのオンライン計算についてのさらなる詳細については、付属資料を参照)。患者は、自ら開発した種々の精神的技法を用いて聴覚的なトーンを減少させるか、またはアニメ化シナリオをゆったりしたものに変えるよう誘導される。中立NF群の患者は、15回の介入セッションが完了するまでこれらインターフェースを交互に用いて訓練を継続し、一方、心的外傷NF群の患者で基準を満たしたもの(付属資料の心的外傷NF基準を参照)は、心的外傷関連インターフェースを含む第二相の訓練に移動した。
AmygEFP-NF訓練プロトコル
実験およびいくつかの実施形態においては、各NFセッションは基線AmygEFP信号の3分間の静止記録から始まり、聴覚的またはマルチモーダルのいずれかのフィードバックインターフェースによる、5回の3分間訓練ブロックが続いた(図21B)。各訓練ブロックは、ブロック中に患者が使用したテクニックについての報告およびそのAmygEFP活動の図示により終了した(即ち、NF成功)。心的外傷NF群における手順も、第1のセッションで患者が心的外傷物語NFを開始する基準に達するまでは中立NF群と同一であった(約第7~8のセッション、付属の心的外傷NF基準を参照)。心的外傷関連NFセッションにおいては、AmygEFP信号を表すフィードバックは、心的外傷物語記録の音量であった。AmygEFP信号の減少の成功は心的外傷物語の音量を低下させた。各セッションは、基線AmygEFP信号の3分間の休止録音から始まり、1ブロックの中立聴覚的なNFが続き、その後、3ブロックの記録した心的外傷物語によるNFを行った。各ブロックの後には報告と個人のパフォーマンスの図示が続いた。
AmygEFPの振幅を、Pzチャネルから記録したデータに基づき、社内アルゴリズムを用いて、オンラインで計算した(22,23)。下記式を用い、各セッションの各対象の個人的NFサクセスインデックスを計算することで(即ち、5のNFブロックの平均引く基線ブロックの平均、割る平均基線標準偏差)、AmygEFP信号の下方制御を評価した。
Figure 2022513440000004
所望の結果は、基線のときよりも低い、調節の間のAmygEFP値であり、これはより負のNFサクセスインデックスをもたらす(EEGデータ記録の詳細について付属を参照)。
rtfMRI-NFパラダイム
実験においては、MRIスキャンを、20チャネルのヘッドコイルを用いて3.0T Siemens MRIシステム(MAGNETOM Prisma)で実施した。前処理および統計解析はBrain Voyager QXバージョン2.8(Brain Innovation)を用いて実施した(付属を参照)。AmygEFP-NF訓練のターゲット・エンゲージメントを表すために、TP1およびTP2で全患者が視覚的インターフェースを用いてrtfMRI-NFを完了した(付属の図2を参照)。フィードバックは、右扁桃体のタライラッハ空間内の6mmの球体から誘導した(座標、20、-5、-14)。扁桃体活動のレベルは、スケーターの速度で表された((24,26)に基づく)。患者は、自らにあった任意の精神的技法を用いてスケーターの速度を下げるように指示される。低下した速度は、NF中に基線に対して低下した扁桃体BOLD活動に対応した(付属方法を参照)。
統計
Rバージョン1.70、SPSSバージョン20およびSTATISTICApバージョン10を統計解析に使用した。複数比較微差修正は、各仮定について、FDR(≦.05)を用いて実施した。
例示的な結果
AmygEFP-NFの学習効果
実行可能性を示すために、患者が自らのAmygEFP信号を自発的に下方制御する能力について調査した。患者繰り返し測定ネステッドモデル解析を適応した:群(中立NF、心的外傷NF)の固定効果および時間(13回の毎週の訓練セッション)を適合させた。AmygEFP群間の調整の差に対するコンテクストのインパクトの探査分析を可能にするために、セッションの種類の固定効果も適応させた(パート1:中立NFセッション1~7、曝露前の心的外傷NFセッション;パート2:中立NFセッション8~13、曝露を含む心的外傷NFセッション)。研究の入れ子構造を考慮して、群間で入れ子になった時間の乱数効果を含む患者特異的乱数効果も含めた。統計的優位性の評価は尤度比検定(LRT)および対比較の事後解析を用いて実施した。結果は、基線ブロックと比べて調節時の値が小さいことによって表されるように、両方の処置群が、AmygEFP信号のより大きな下方制御を示すことを明らかにした。セッションの種類(パート1、2)はLRTで試験し、時間と群因子との乱数的な交互作用は見られなかったが(χ(1)=1.77、p=.18)、セッションを超えたAmygEFP信号の変化における有意な固定主効果が見られた(χ(1)=4.91、p=.026)。セッションの種類(パート1対パート2)を比較する事後解析は、時間主効果は介入の後半における脳信号のより大きな下方制御によって発生することをさらに明確にした(p=.057)。仮定したように、処置群は、介入セッションを通じて改善された調整を示した(図22参照)。
ここで、NF学習効果を表す図22に参照する。心的外傷NF群(左パネル)および中立NF(右パネル)は、個人のAmygEFP-NF成功を介入週の関数として表す。セッションの種類をオレンジ色(心的外傷NF群の中立インターフェースによる毎週のセッション;中立NF群の毎週のセッション1~7)および緑(心的外傷物語のある心的外傷NF群セッション;中立NF群セッション8~13)で示す。黒色の線は、報告されたネステッド・ミックスモデルによって求め、局所重み付け回帰(Loess regression)によって平滑化したタイムポイント平均の予測を示す。結果はセッションの種類に対して有意な固定主効果を示し、セッションにわたるAmygEFP信号の変化(χ2(1)=4.91、p=.026)および介入後半の特に大きな下方制御を表していた。
さらなる探査分析は、心的外傷NFと中立NFとの学習を比較することで、調整に対する心的外傷物語のインパクトを評価することを目的とした。LRTは2群間の有意差を示さなかった(χ(3)=1.64、p=.65)。セッションの種類によって条件付けした群間の事後比較は、パート1(p=.48)またはパート2(p=.48)のどちらでも群間の差を示さなかった。総合的にこの探査分析は、処置群間の調整は、介入の初期および後期の両方で類似していることを明らかにした。それでも、各群の調整の変化を具体的に評価するために、セッションの種類を群で条件付けし、その後、事後解析を行うLRTで評価した。この解析は、両方の群におけるパート2セッション種のAmygEFP-NFサクセスインデックスの有意な減少を明らかにした(中立NFはp=.06、心的外傷NFはp=.007)。重要なことは、各群における開始から終了までの単調減少する曲線は、介入による改善が中立NF群と比べて心的外傷NFにおいてより急勾配を有することを明示した(図22参照)。
AmygEFP-NF臨床効能
実験においては、処置群とNFなし群との間のTP1からTP2への主要臨床成果測定値(総CAPS-5およびPCL)の時間(TP1、TP2)に対する変化を、対象内の個別変数および群(中立NF、心的外傷NFおよびNFなし)内の対象間の個別変数として、2要因繰り返し測定分散分析(2-way repeated measures ANOVA)を用いて比較した。
CAPS-5総スコア解析は、NFなし群と比べてAmygEFP-NF群においてより大きな改善と、心的外傷NF群におけるさらに大きな改善を明らかにした(時間と群の交互作用はF(2,35)=3.99、p=.02、η =0.18;群主効果はF(2,35)=4.94、p=.02、η =0.22;時間主効果はF(1,35)=18.20、p=.0007、η =0.34;図23A参照)。計画的対比は、処置に対する臨床改善を明らかにしたが、NFなし群に対してはなかった(群ごとの時間単純効果:中立NF群はF=7.22、p=.02;心的外傷NF群はF=18.12、p=.0007;NFなし群はF=0.13、p=.71)。さらなる解析は、TP2においては、NFなし群と比べて心的外傷NFにより大きな改善が生じ(F=14.83、p=.0001)、一方、中立NFとNFなしとの差は有意ではない(F=2.39、p=.15)ことを示した。処置の効能は、TP2におけるCAPS-5に準じたPTSD診断の喪失の達成に基づく治療必要数(NNT)指標によってさらに評価し、処置群をNFなしと比較した:NNT=3.9(中立NF対NFなし、NNT=6.5;心的外傷NF対NFなし、NNT=2.7)。総CAPS-5スコアの症状減少のパーセントは群間で異なることをさらに示した(群主効果、F(2,35)=6.67、p=.01、η =0.27;図23B)。改善を示さないNFなし群(-0.23%)と比べて、心的外傷NFは最も大きな減少(-35.13%;F=13.25、p=.0008)を示し、中立NF群(-19.48%;F=4.203、p=.04)がそれに続いた。
同様にPCL解析は、仮定したように、処置群の患者はNFなし群よりも改善することを明らかにした(時間と群の交互作用はF(2,34)=4.403、p=.02、η =0.20;時間主効果はF(1,34)=6.14、p=.02、η =0.15;図23C参照)。計画的対比は、TP1からTP2へのPCL減少を中立NF群(Δ=-9.07;F=9.13、p=.01)および心的外傷NF群(Δ=-7.16;F=5.25、p=.02)について明らかにしたものの、NFなし群には見られなかった(Δ=-2.84;F=0.92、p=.36)。処置群とNFなしとを比較した、PCLスコアの変化に関するNNTは、NNT=2.4を示した。
処置の長期効果を調査するために、TP2から3ヶ月後および6ヶ月後にPCLスコアを解析した。追跡調査評価における応答速度は中庸(61.2%)であった。偏りのない解析を確実にするために、PCLの4つのタイムポイントを有する患者のみから得たデータを用いて解析した。対象内の個別変数および群(AmygEFP-NFおよびNFなし)内の対象間の個別変数について、時間に対するPCL総スコアの2要因繰り返し測定分散分析を実施した(TP1、TP2、3ヶ月後および6ヶ月後の追跡調査評価)。結果は、時間が経つにつれてPTSD症状が減少し、NFなし群よりも処置群においてより顕著であることを示した(時間と群の交互作用はF(3,48)=5.83、p=.001、ηp2=.26)。事後解析は、処置群において、PCLの減少がTP1から3ヶ月後追跡調査(F=7.9、p=.012)およびTP1から6ヶ月後追跡調査(F=8.34、p=.008)の間に生じたことを明らかにした(図23D)。総合するとこれら結果は、第2および第3の過程を立証し、NFなし群と比べた、PTSD患者に対するAmygEFP介入の臨床効果を明らかにした。
ここで、臨床成果の測定値を示す図23A~23Dに参照する。図23A: 心的外傷NF群、中立NF群およびNFなし群のTP1およびTP2において評価したPTSD症状の重症度を反映する総CAPS-5(PTSD臨床診断面接尺度)スコア。箱は第1および第3四分位を表し、線は中央値を表し、「x」は平均を表し、ひげは第1および第3四分位の外の最小値および最大値を示す。結果は、中立群および心的外傷NF群における介入後のCAPS-5スコアの有意な減少を示すが、NFなしの対照群には示さない(時間と群の交互作用はF(2,35)=3.99、p=.02、ηp2=0.18;時間主効果はF(1,35)=18.20、p=.0007、ηp2=0.34;群当たりの時間の単純効果:中立NF群はF=7.22、p=.02;心的外傷NF群はF=18.12、p=.0007;NFなし群はF=0.13、p=.71)。TP2においては、NFなし群と比べて心的外傷NFに大きな改善が見られたが(F=14.83、p=.0001)、一方、中立NFとNFなしとの間の差は有意ではなかった(F=2.39、p=.15)。
図23B: TP1からTP2への総CAPS-5スコア症状減少パーセント。結果は、CAPS-5に基づく、群間の総症状減少のパーセントの有意差を表す(群主効果、F(2,35)=6.67、p=.01、ηp2=0.27)。改善を示さなかったNFなし群(-0.23%)と比べて、心的外傷NFは最も大きな減少(-35.13%;F=13.25、p=.0008)を示し、中立NF群(-19.48%;F=4.203、p=.04)が続いた。
図23C: TP1およびTP2で評価した総PCL(PTSDチェックリスト)。結果は、NFなしの対象と比べて両方の処置群において、介入後の主観的PTSD重症度の有意な減少を示した(時間と群の交互作用はF(2,34)=4.403、p=.02、ηp2=0.20;時間主効果はF(1,34)=6.14、p=.02、ηp2=0.15)。計画的対比は、TP1からTP2へのPCLの減少を、中立NF群(Δ=-9.07;F=9.13、p=.01)および心的外傷NF群(Δ=-7.16;F=5.25、p=.02)において明らかにしたが、NFなし群(Δ=-2.84;F=0.92、p=.36)には見られなかった。
図23D: 研究を通じての総PCL。TP1、TP2、介入から3ヶ月後および6ヶ月後。結果は、NFなしの対照と比べて両方の処置群において、介入後の主観的PTSD重症度の減少を研究を通じて示した(時間と群の交互作用はF(3,48)=5.83、p=.001、ηp2=.26)。事後解析は、処置群におけるPCL減少をTP1から3ヶ月後追跡調査(F=7.9、p=.012)およびTP1から6ヶ月後追跡調査(F=8.34、p=.008)について明らかにした。
rtfMRI-NF
扁桃体の探索におけるAmygEFP-NFの標的エンゲージメントを試験するために、扁桃体BOLD信号の下方制御に成功したrtfMRI-NFを評価した。AmygEFP処置群およびNFなし群の患者間で、扁桃体信号変化の変量効果一般直接モデル(random-effects general linear model)によって、扁桃体活動を比較した(調節対観察、モデルの詳細については、図24Aおよび付属1.4を参照)。右扁桃体β値を従属変数とし、群(AmygEFP-NF、NFなし)および時間(TP1、TP2)を独立変数として、2要因繰り返し測定分散分析を実施した。MRへの不適合故に初めから6人の患者はfMRI試験には含まれておらず、さらに3人の患者が1つのTPにおけるデータの損失故に除外され、さらに2人の患者が過剰な頭部の動き故に除外され、結果として、rtfMRI解析におけるAmygEFP-NF群はn=20、NFなし群はn=11となった。結果は予想通りであり、対照群と比べて処置群において介入後の扁桃体-BOLD信号のより大きな減少が見られた(時間と群の交互作用はF(1,29)=10.31、p=.004、η =.26)。各群の時間の経過に伴う変化の計画的比較は、処置群における所望のNF効果を示したが(F=10.85、p=.004)、NFなしの対照群には示さなかった(F=2.41、p=.13)(図4参照)。この知見は、右扁桃体におけるAmygEFP-NF処置の標的エンゲージメントを支持する。
ここでrtfMRI-NF標的エンゲージメントを表す図24Aに参照する。rtfMRI-NFの際に調整の標的として用いた右扁桃体から得た平均ベータ値。モデルはTP1およびTP2のそれぞれにおける各サイクル(基線、NFおよび落伍者)の各条件のための6個の独立変数(regressors)を含んでいた。独立変数は標準的な血行力学的応答関数と畳み込まれた。追加の攪乱変数には、頭部運動再調整パラメータが含まれていた。調整はTP1(第1のサイクル)およびTP2(2つのサイクルの平均)におけるAmygEFP-NF群とNFなし群について示された、調整対参加試験(attend trials)の差によって表される。時間と群の交互作用はF(1,29)=10.31、p=.004、ηp2=.26;AmygEFP-NFの時間単純主効果、F=10.85、p=.004およびNFなし、F=2.41、p=.13。
考察
現在の研究は、PTSD患者における扁桃体の拡張性のある下方制御を目的とした、プロセスに基づくNF介入の乱数化制御試験を提供する。我々の第一の仮説の通り、処置群の患者は、NFセッションの全体を通じて、ニューロモデュレーション学習を示し、中立NFと比べて心的外傷NFがより深い改善を示した。我々の第二および第三の仮説に即して、処置群の患者は、NFなし群と比べて、介入後のCAPS-5およびPCL測定値の低下で表される臨床改善を示し、心的外傷NF群が最も大きな低下を示した。興味深いことに、3ヶ月後および6ヶ月後のPCLポイントにおける追跡調査は、処置群のみにおけるさらなる症状の減少を指し示した。最後に我々は、rtfMRI-NFの単一セッションにおける患者の扁桃体BOLD信号の、NFなし群と比べて処置群においてより優れた下方制御によって表される、AmygEFP-NF介入の標的エンゲージメントを証明した。これは、個人に合わせた形式で心的外傷関連プロセスを標的化しながら、fMRI先端EEG-NF(fMRI-inspired EEG-NF)訓練を用いたPTSDにおける臨床効果に関する初めての証明である。
学習効果
患者は、障害特異的または非特異的な内容のフィードバックを伴う訓練セッションの繰り返しを通じて、AmygEFP信号を下方制御することを学習した。学習は主として訓練の後半部で生じた(図2)。興味深いことに、個人に合わせた心的外傷物語フィードバックは、学習に干渉せず、むしろ加速させた可能性がある。より嫌忌的なきっかけの段階的除去(即ち、心的外傷物語の音量の減少)が、報酬の増加およびより迅速な学習につなげた可能性もある(32)。将来の研究では、さらに増した曝露の導入の成功、あるいは断続的フィードバックを用いた曝露と報酬との分断によって、この選択肢を試験することができる。我々のプロトコルは、他の一般的な精神療法のプロトコルと合うように設計された15回のNFセッションを使用したが、他の回数のセッションが良いまたはより良い学習および臨床効果を達成することができる可能性もある。学習能力の大きな異種性を考慮すると、個人の患者にプロトコルを合わせる、または最初のNFの成功から臨床利点の予測を試みることが利点となり得る(33~35)。
臨床効果
結果は慢性PTSDに対する大きな臨床効果を示し、総CAPS-5スコアの変化は心的外傷NF群において大きな効果量(CohenのDは1.229;Hedgesのgは0.828)、中立NF群において中程度の効果量(CohenのDは0.636;Hedgesのgは0.4306)、そして処置群をまとめたときに大きな効果量(CohenのDは0.853;Hedgesのgは0.591)を示した。重要なことに、臨床効果は、NFなしと比べて(-0.23%;図3b)、処置に続く大きな症状減少(心的外傷NFは-35.13%、中立NFは-19.48%)によってもたらされた。AmygEFP介入は、一般的に使用される認知行動療法にも同様の臨床的有用性を示した。例示は、PTSDにおける持続曝露療法(PE)が大きな効果量(Hedgesのg=1.08、95%CIが0.69~1.46)をもって対照条件を超える効果を発揮することを示すメタ解析(21)、ならびに心理療法(g=1.14(95%CIが0.97~1.3))および身体処置(g=1.24(95%CIが0.35~2.13))を含む、112の乱数化臨床試験における全体の効果量がg=0.81(95%CIが0.71~0.91)であることを示すWatts et al. (2013)である。我々の結果は、TP2におけるCAPS-5に基づくPTSD診断の喪失について、NFなしと比べて両方の処置群はNNT=3.9(および総PCLスコアは2.4)を得ることをさらに示した。これらの結果は、心理療法に続くPTSD診断の喪失の達成のためのNNT≦4という報告と矛盾しない(37)。興味深いことに、介入から3ヶ月および6ヶ月後の追跡調査評価において、患者はPCLで表されるPTSD重症度の継続した改善を示した(図3d)。これは、NF介入の終了から数週間後の継続した改善について蓄積される報告に沿っている(25、38)。1つの説明は、NFを患者の日常生活において(意図的または自動的に)実施されるスキル学習と同等と考えることである。別の可能性は、NF学習において典型的な統合プロセスおよび再統合プロセスが、訓練完了後に標的とした脳回路の同調を通じて生じることである。総合すると、我々の研究の臨床結果は、心的外傷の内容の根底にある辺縁系関連メカニズムの1つを標的としながら、心的外傷の内容を加工することの可能性および効果を証明する。
曝露に基づく心理療法の公知の効果に沿って、心的外傷-NFについて見いだされた大きな効果はNFの処置と心的外傷内容に対する曝露の繰り返しとの組み合わせによるものであると主張することもできる(21)。しかし、我々は、この説では我々の結果の大きさを説明することができないと主張する。これは、心的外傷NFが持続曝露療法の一般的な実践に従わないものであり、比較的低用量(7回のセッション)、短い期間(3分の区分対40~60分)、そして内容が限定的であり(心的外傷記録の要点のみであって、拡張された物語ではない)、さらに自身によって作成されたものではないためである。注目すべきことは、AmyEFP-NF中の脱落率は、心的外傷NFおよび中立NFのそれぞれで10%および15.7%であり(付属の図1のCONSORT図を参照)、一方、曝露に基づく処置は多くの場合、最大40%という高い脱落率となる(39)。AmygEFP介入は、言語的および対人的交互作用も、繰り返される長期曝露も必要としないにもかかわらず、それでも類似した臨床利点と低い脱落率を示す。
NFメカニズムの考察
注目すべきことに、PTSD症状のみならず、不安障害およびうつ病症状が処置群において時間経過とともに改善し、追跡調査の間も維持された(付属2.2参照)。主として大うつ病、不安障害および物質使用障害は、PTSDの依存疾患となる確率が高い(40、41)。これら知見は、PTSDにおいて依存疾患を評価することの重要性を強調するだけでなく、AmygEFP-NFは、障害の根底にあるメカニズムである、診断横断的に関連する感情制御を探索するという我々の着想を支持する。さらなる研究は、PTSD及びその併存症の根底にある他のプロセス、例えば、(中脳辺縁系回路の上方制御による)報酬プロセスまたは(注意回路の上方制御による)認知制御といった、うつ病、物質使用障害および/またはPTSDに関連するもの全ての臨床効果を叙述することができると考えられる。
結果は、NFなし群に対して、処置群において患者のrtfMRI-NFの際の改善された扁桃体BOLD信号の下方制御を示すことで、AmygEFP-NF介入の標的エンゲージメントを証明した。AmygEFP-NF介入とrtfMRI-NF標的エンゲージメントとの間の関連を明らかにすることは利点となり得る。しかし、この臨床集団からデータを得ることの複雑さおよび研究費が高額であることは、このような関連を見出すための本研究を減速させた。メカニズムの特異性を研究するための別の方法は、AmygEFP介入と臨床成果との間の相関を証明することである。Goldway et al. (2018)と同様に、本研究はAmygEFP学習と臨床成果との間の相関を示さなかった(付属2.3を参照)。ストレス回復力向上のための同様の訓練をうけた先験的に健康な戦士から見いだされた我々の知見とは反する(26)。1つの説明は、患者における臨床変化はNFの上達レベルと直線的に相関しないというものである。むしろスキルは、獲得されて行動目録に加えられる(42)。したがって、上達レベルではなく、スキルの獲得が臨床変化の駆動因子である。また、メカニズムの特異性を好む証拠を我々の知見から見出すことができ、中立NFで訓練されたものに対して、心的外傷物語インターフェースを用いて訓練された患者は、CAPS-5のいくつかの症状クラスターについて改善を示した(侵入、回避と覚醒、付属書類2.1参照)。より大きなサンプルサイズの将来の研究は、特定のプロセス関連成果測定値(例:認知試験、感情的試練等)を探求し、学習特異的兆候を、特に患者のさらなる成功の指標として追及することができると考えられる。
結論
我々は、PTSD患者が、個人に合わせた心的外傷の内容に曝露されることで、自らのAmygEFP信号の下方制御に成功したことを示した。乱数化制御状態で、我々はPTSD患者において、NFなしの対照と比べて、AmygEFP-NF処置に続く臨床改善が中程度の効果であることを証明した。興味深いことに、フィードバックインターフェースとして心的外傷物語で訓練された患者の方が臨床改善の効果は大きく、プロセスに基づくNFアプローチを支持していた。重要なことは、標的エンゲージメントおよび一般化可能性については、処置群の患者は、NFなしと比べて、rtfMRIの際に、種々のインターフェースに対して扁桃体BOLD信号のより大きな下方制御を示すことが示された。最後に、本研究は、PTSDの根底にある神経メカニズムに基づく拡張性ニューロフィードバック介入の可能性および臨床効率を証明した。これは神経科学によって想起される、精神医学におけるより多くの脳主導処置の視野を広げることとなる。
参考文献
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例示的な追加研究のための付属資料
1. 方法
1.1. 参加者
ここでCONSORTフローチャートを示す図24Bに参照する。各群の脱落率は次のとおりである:中立NFが26.3%、心的外傷NFが25%、そしてNFなし群が10%。乱数的に心的外傷NF群に振り分けられた1人の追加の参加者は、「心的外傷関連NFインターフェースおよび手順」に記載の基準を満たさなかったため、心的外傷NF群の解析から除外した。
実験および本発明のいくつかの実施形態においては、除外基準には現在の妊娠、主要な医学または神経学的疾患、精神異常、大うつ病、精神分裂病および重篤な自殺念が含まれる。現在心理療法および/または薬理治療を受けている患者は研究に含められたが、但し、少なくとも過去3ヶ月間および本研究の完了までの期間の間に治療プランの変更のないものという条件付きである。
1.2. 一般手順
Figure 2022513440000005
表1.臨床成果の測定.表1は、群ごとに、4つのタイムポイント(TP1、TP2、3ヶ月後および6ヶ月後の追跡調査)における臨床変化を評価するために使用された各臨床測定の結果を表す。群間のTP1における違いを検討するために、群(心的外傷NF、中立NF、NFなし)を独立変数として一元配置分散分析を実施した。解析はいかなる臨床測定においても、基線で群間の差を示さなかった:CAPS-5(F(2,35)=1.22、p=.306、η =.06)、PCL(F(2,35)=1.13、p=.33、η =.06)、STAI(F(2,34)=1.12、p=.33、η =.06)、BDI-II(F(2,34)=.76、p=.47、η =.04)、TAS-20(F(2,31)=.71、p=.49、η =.04)、ERQ再評価(F(2,34)=1.15、p=.32、η =.06)、ERQ抑制(F(2,34)=1.74、p=.19、η =.09)。
実験およびいくつかの実施形態における、例示的なマルチモーダルなアニメ化シナリオのオンライン計算。シナリオは、忙しい救急病棟の雑談や騒動の音を含んでいる。シナリオは、静止状態(全ての人が着席し、音量が低い)から興奮状態(人々が受付に押し寄せ、大きな声で文句を言っている)の間で段階的に変化させ、元に戻すことができる。部屋の全体的な不安のレベルはEFP信号の出力によって決定される。着席しているキャラクターと、受付で文句を言っているキャラクターとの比は、2状態ボルツマン分布にあると考えられ、その発生は温度が標的信号出力(AmygEFP)の瞬間値から誘導される「仮想温度」によって駆動される。シナリオは、調整時の瞬間信号値の確率(P値)が前回の参加分布の下でサンプリングされるように使用する。このP値は、仮想の部屋で仮想のキャラクターが動く確率を決定するために使用され、キャラクターの分布は順次更新される。実際の病院内で録音した、合っているサウンドトラックが、システムのアウトプットを補足する。異なる興奮レベルの3種の代替的なサウンドトラックが製造され、信号値に応じて切り替えられた。参加状態においては、キャラクターの75%が、それぞれの不満を身振りや言葉で表しながら、正面のデスクに殺到する。システムはUnreal Development Kitのゲームエンジンを備え、これは適切なアニメーション(歩く、座る、立つ、怒る)のみならず、個別のキャラクターの変遷をも制御する。
本発明のいくつかの実施形態および実験における、例示的な心的外傷NF基準。最後の5回のセッションの内の3回あるいは合計6回のセッションの内の4回において、訓練中にAmygEFP信号の低下に成功した患者は継続した。成功しなかった患者は、残りのセッションにおいて中立コンテクストでの訓練を継続した。訓練の第二相では、心的外傷NF群の患者は、自らの心的外傷物語のコンテクストにおけるフィードバックを受けながら訓練された。1回目のセッションにおいて患者は、思想、感情、衝撃および前後関係の情報を含む一連の事象の台本を作成するために、DSM-5基準Aを満たした心的外傷事象について一般的な方法(Shalev, Orr & Pitman, 1993;Rauch. 1996)を用いた面談を受けた。面談は編集され、3分間の音節(現在形の二人称の男性の声)として録音された。面談後に患者は、再び中立NFインターフェースで訓練された。このセッションにおいて、自らのAmygEFP信号の下方制御に成功した患者は、続くセッションにおいて心的外傷物語フィードバックによる訓練へと継続した。
・Shalev AY, Orr SP, Pitman RK: Psychophysiologic assessment of traumatic imagery in Israeli civilian patients with posttraumatic stress disorder. Am J Psychiatry 1993; 150:620-624
・Rauch SL: A Symptom Provocation Study of Posttraumatic Stress Disorder Using Positron Emission Tomography and Script-Driven Imagery. Arch Gen Psychiatry 1996; 53:380
1.3 例示的なEEGデータ記録法
EEGデータは、V-AmpTMEEG増幅器(ドイツ国、ミュンヘン、Brain ProductsTM)およびAg/AgCI焼結リング電極を有するBrain CapTM電極キャップ(ドイツ国、Herrsching-Breitburnn、Falk-Minow ServicesTM)を用いて取得した。電極を標準10/20システムにしたがって配置した。参照電極はFzおよびCzの間とした。生EEG信号を250Hzでサンプリングし、Brain Vision RecorderTMソフトウエア(Brain Products)を用いて記録した。聴覚的なセッションの基線は最初の休憩期間であり、マルチモーダルなアニメーションシナリオにおける基線は、各訓練サイクルの活動基線ブロックであった。
1.4 例示的なfMRIデータの取得と処理
高解像度の構造イメージを可能にするために、T1重みづけ3次元(3D)矢状断MPRAGEパルス配列(繰り返し時間/エコー時間=1,860/2.74ms、フリップ角=8°、ピクセルサイズ=1×1mm、視野=256×256mm)を使用した。機能的な全脳のスキャンは、T2*-重みづけ段階的エコープラナー画像化パルス配列(繰り返し時間/エコー時間=2,500/30ms、フリップ角=82°、ピクセルサイズ=2.3mm、視野=220×220mm、スライス厚=3mm、体積当たり42スライス)を使用し、インターリーブで上から下への順番で実施した。スライススキャン時間の補正は、3次スプライン補間法で実施した。頭部の動きは、3種の翻訳パラメータおよび3種の回転パラメータを使用した形状保存変換で補正し、中央の画像が参照定積として機能した。頭部の動きの検知には三線補間法を適応し、シンク補間法をその補正に用いた。一時的なスムージングプロセスは、線形傾向の除去および1/128Hの高域透過型フィルターの使用を含む。対応する構造地図に対して機能性地図を手動で共登録し、それと共に、三線補間を通じて3Dデータセットに導入させた。完全なデータセットはタライラッハ空間に変換し、半値ガウス核において等方性の6mm全幅で空間的にスムージングした。
例示的なrtfMRI-NFパラダイム
本研究およびいくつかの実施形態におけるrtfMRI-NFパラダイムを表す図25にここで参照する。視覚化フィードバックインターフェースは、2D単様式フラッシュに基づくグラフィックからなり、道路でスケートするアニメ化した造形を含む。NFパラダイムは5種の条件を含む。各回の第1ブロックにしか現れない「包括的基線」(54秒)では、患者はバツ印に視線を合わせるように指示される。「活動基線」条件(60秒)では、スケートボードの走者は平均固定速度で滑り、速度計は提供されない。患者はスケートボード走者を眺めるだけで、眺める以外のいかなる精神的活動にも参加しないよう指示される。患者は、有意な精神的違いを条件ごとに開発することの重要性を強調しながら、いかなる精神的戦略や、この条件における過去の成功や失敗を考慮しないように指導される。「ニューロフィードバック」条件(90秒)の際に患者は、速度計の速度表示を伴う、走者の変化するスピードに内包される、その右扁桃体BOLD活動に対する連続的フィードバックを提供される(オンラインフィードバック計算については下記に詳述する)。指示は、患者がうまくいくと思う任意の精神的戦略を練習することでスケートボード走者の速度を下げるというものである。「バー」条件(9秒)では、対象は、以前の基線ブロックに対する、最後のNFブロックの成功を表す自身の平均速度が告げられ、これは成功する戦略の練習を継続するか、失敗した戦略を別のものと置き換えるか決定するための補助となる。「失敗」条件(15秒)では、対象はすべての熟慮および自己反映をやめて、次の基線ブロックに備えるように指示される。パラダイムは、初めに一度現れた「包括的基線」の他に、4種すべての条件(活動基線、ニューロフィードバック、バー、失敗)を含む2種のサイクルからなる。
例示的なrtfMRI-NFパラダイムのオンライン計算
定義済みの扁桃体ROI(ROIの全ボクセルにわたる平均値)の瞬間的ベータ重量を、Turbo Brain voyager 3.0(Brain Innovation)を用いてオンラインで抽出した。次にベータ重量をMATLABTMに移動した。各TRについて、右扁桃体活動を初めに標準化スコアに変換した。
Figure 2022513440000006
式中、B(t)はタイムポイントtにおける右扁桃体BOLD活動値、μ(B_BL)は前回の「活動基線」の際の平均BOLD値である。値は、基線の平均から-4std.から平均より4std.上まで変動した。次に、各値を下記式を用いて速度基準に変換した。
Figure 2022513440000007
この式は、前回の「活動基線」平均値に等しいの右扁桃体BOLD値は60km/hに設定され、1std.の増加または減少は15km/hの変化という事実をもたらす。-4から4の限界は、0~120km/hの可能速度目盛りに翻訳される。さらに、NFパラダイムをより対話的で、調節および試練に柔軟にするために、アップデート原理を導入した。NFブロックにおいては、代表的な値を4std.の間隔で限定したところ、速度目盛りの60km/h間隔が得られた。1回目の運転の第1のブロックにおいて、提供された間隔は、平均速度(60km/h)付近で対称的であった:-2から2(30km/hから90km/h)。各連続する運転において間隔は、前回の運転時の患者の成功に基づき、次の工程によってアップデートされた。
1.第1のサイクルにおいてNFスクリーンの間隔は-2から2に設定された。
2.NFスクリーンが現在のブロックを終了すると、現在のブロックのサクセスインデックスを下記のように計算する(nはサイクルの序数を表す)。
Figure 2022513440000008
平均NFの標準化された値をプール平均で除することで、対象がNFブロック中に自らの右扁桃体活動の調整に成功する能力のみならず、「活動基線」ブロック中も可能な限り一定にそれを維持する能力を指標として導入した。
3.次のサイクル(n+1)の区間[下限上限]は、[下限=(成功_指標(n)-学習_速度) 上限=(成功_指標(n)-学習_速度+4)]にアップデートされる。学習速度パラメータは、学習速度=1に予め設定されている。
このプロセスは、1回の実行で有意な制御を可能にし、続く実行でさらなる制御を達成することを目的とする。これによってNFパラダイムがより挑戦的、且つ動的で、制御を最大化に向けて促すものとなる。
2. 結果
2.1 AmygEFP-NF臨床効率
ここでCAPS-5のサブスケール、実験およびいくつかの実施形態における変化を表す図2H~2Kに参照する。
フィードバックの種類(心的外傷対中立)に関する臨床効果を、処置群におけるCAPS-5サブスケール(即ち、侵入、回避、認知および気分の変調、覚醒)の変化を調べることで探求した。時間(TP1、TP2)ごとの各CAPS-5サブスケールについて、対象内の個別変数および群(中立NFおよび心的外傷NF)内の対象間の個別変数の2要因繰り返し測定分散分析を行った。全てのスケールが時間に対して類似した改善を示し、時間と群の交互作用はなかった(時間主効果:回避はF(1,23)=15.75、p=.0006、ηp2=.406;侵入はF(1,23)=9.73、p=.004、ηp2=.29;認知および気分の変調はF(1,23)=15.43、p=.0004、ηp2=.41;覚醒F(1,23)=16.54、p=.004、ηp2=.41、図2H~2K参照)。有意な交互作用は見いだされなかったものの、さらなる事後検定においては、全てのサブスケールについて、心的外傷NF群に対して中立NF群における症状の減少が小さいことは明らかであった(時間単純主効果:侵入:心的外傷NFのΔ=-1.5、F=6.34、p=.01;中立NFのΔ=-1.07、F=3.54、p=.072;回避:心的外傷NFのΔ=-2.75、F=12.46、p=.001;中立NFのΔ=-1.54、F=4.22、p=.051;認知および気分の変調:心的外傷NFのΔ=-4.25、F=10.204、p=.004;中立NFのΔ=-3.23、F=6.38、p=.01;覚醒:心的外傷NFのΔ=-3.42、F=16.11、p=.0005;中立NFのΔ=-1.39、F=2.86、p=.103)。
図2H~2Kは、実験およびいくつかの実施形態におけるCAPS-5サブスケールを表す。侵入(図2H)、回避(図2J)、認知および気分の変調(図2I)、および覚醒(図2K)。スコアは、心的外傷NFおよび中立NF群におけるTP1とTP2との間のPTSD症状サブスケールの重症度の変化を反映する。箱は第1および第3四分位を表し、線は中央値を表し、「x」は平均を表し、ひげは第1および第3四分位の外の最小値および最大値を示す。
2.2 例示的な二次臨床成果
我々は自己採点する問診表に基づく二次臨床評価を使用した。失感情症:TAS-20(n=33)、うつ病:BDI-II(n=35)、不安障害:STAI(n=35)、そして感情制御:ERQ(n=35)。時間(TP1、TP2)を対象内の個別変数および群(中立NF、心的外傷NFおよびNFなし)内の対象間の個別変数として2要因繰り返し測定分散分析を実施した。
結果は、NFなし群と比べて処置群において時間に対するBDI-IIスコアの改善を示した(時間と群の交互作用はF(2,32)=3.48、p=.04、ηp2=.17;時間主効果はF(1,32)=7.28、p=.01、ηp2=.18、図26A)。事後解析は、中立NF群におけるうつ病症状の減少(時間単純主効果;F=11.14、p=.002;Δ=-11.92)、および心的外傷NF群におけるわずかな減少(F=3.47、p=.07;Δ=-5.16)を明らかにしたが、NFなし群では変化はなかった(F=.19、p=.66;Δ=-4.08)。STAIスケールの変化の解析は、処置群における時間に対する不安障害症状の減少を示したが、対照群にはなかった(わずかな時間と群の交互作用はF(2,32)=3.28、p=.0504、ηp2=.17、時間主効果はF(1,32)=4.69、p=.03、ηp2=.12、図26B)。事後解析は、不安障害症状の減少を中立NF群(時間単純主効果;F=6.8、p=.01;Δ=-9.91)および心的外傷NF群(F=4.24、p=.04;Δ=-7.83)について明らかにしたが、NFなし群は変化なしであった(F=.67、p=.41;Δ=3.27)。失感情症および感情制御における変化の解析は、処置群とNFなし群との間の差を明らかにしなかった:TAS-20は時間と群の交互作用を示さず(F(2,30)=.66、p=.52、η =0.04)、ERQスコアは再評価と抑制の2つのスケールに分断され、有意な時間と群の交互作用が再評価には見いだされた(F(2,32)=5.03、p=.01、η =.23)が、抑制にはなかった(F(2,32)=.11、p=.89、η =.007)。
図26Aおよび図26Bは、二次臨床成果を証明する。スコアは、心的外傷NF群、中立NF群およびNFなし群のそれぞれにおけるTP1とTP2との間のうつ病(図26A)および不安障害(図26B)の症状の変化を反映する。箱は第1および第3四分位を表し、線は中央値を表し、「x」は平均を表し、ひげは第1および第3四分位の外の最小値および最大値を示す。
2.3 例示的なAmygEFP学習と臨床改善の相関
我々は、処置群で見られた臨床改善がNF学習効果に対応するのか調査した。臨床変化(総CAPS-5およびPCLスコアの減少)とAmygEFP学習(平均および最小NFサクセスインデックスで測定)との関係を評価するためにピアーソン相関係数を計算した。一人の患者は、最小AmygEFP NFサクセスインデックスよりも2.5std低い値故に除外した。結果は、平均および最小AmygEFP NFサクセスインデックスのみが相関できることを示した(表2参照)。
Figure 2022513440000009
本願から成立する特許の存続期間中には、該当するEEG電極が開発されると期待される。よって、EEG電極という用語は、先験的にそのような新たな技術のすべてを包含することを意図するものである。
本明細書において、量または値について使用する「約」という用語は、±10%を指す。
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」およびその活用形は、「限定されるものではないが、含む(including but not limited to)」を意味する。
「からなる」という用語は、「含み、限定される」ことを意味する。
「から実質的になる」という用語は、組成物、方法または構造が追加の成分、工程および/または部分を含み得ることを意味する。但しこれは、追加の成分、工程および/または部分が、請求項に記載の組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限られる。
本明細書において、単数形を表す「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他を示さない限り、複数をも対象とする。例えば、「化合物(a compound)」または「少なくとも1種の化合物」には、複数の化合物が含まれ、それらの混合物をも含み得る。
本願全体を通して、本発明のさまざまな実施形態は、範囲形式にて示され得る。範囲形式での記載は、単に利便性および簡潔さのためであり、本発明の範囲の柔軟性を欠く制限ではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、可能な下位の範囲の全部、およびその範囲内の個々の数値を特異的に開示していると考えるべきである。例えば、「1~6」といった範囲の記載は、「1~3」、「1~4」、「1~5」、「2~4」、「2~6」、「3~6」等の部分範囲のみならず、その範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5および6も具体的に開示するものとする。これは、範囲の大きさに関わらず適用される。
本明細書中に数値範囲(例えば「10~15」、「10から15」、または別のこのような範囲の指示によって組み合わされている任意の一対の数)が示されているときには、示された範囲の境界内の任意の数(分数または整数)(特に明記されない限りは範囲の境界を含む)が含まれるものとする。第1の指示数と第2の指示数「の間の範囲」、および、第1の指示数「から」「最大で」第2の指示数「まで(until)」または「まで(through)」(またはこのような範囲を示す別の語)「の範囲」という表現は、本明細書においては互換的に使用され、第1の示された数および第2の示された数と、それらの間のすべての分数および整数を含むものとする。
当業者には理解されるように、本明細書で使用されている数値およびそれらに基づく数値範囲は、特に明記されていない限り、妥当な測定誤差および丸め誤差の精度の範囲内の近似値である。
本明細書で使用する「方法」という用語は、所定の課題を達成するための様式、手段、技術および手順を意味し、化学、薬理学、生物学、生化学および医療の各分野の従事者に既知のもの、または既知の様式、手段、技術および手順から従事者が容易に開発できるものが含まれるが、これらに限定されない。
異常な活性、疾病または病態と関連して本明細書で使用する「処置する」という用語は、病態の進行の抑止、実質的な阻害、遅延または逆転、病態の臨床的または審美的な症状の実質的な寛解、あるいは病態の臨床的または審美的な症状の悪化の実質的な予防を含む。
明確さのために別個の実施形態に関連して記載した本発明の所定の特徴はまた、1つの実施形態において、これら特徴を組み合わせて提供され得ることを理解されたい。逆に、簡潔さのために1つの実施形態に関連して記載した本発明の複数の特徴はまた、別々に、または任意の好適な部分的な組み合わせ、または適当な他の記載された実施形態に対しても提供され得る。さまざまな実施形態に関連して記載される所定の特徴は、その要素なしでは特定の実施形態が動作不能でない限り、その実施形態の必須要件であると捉えてはならない。
本発明をその特定の実施形態との関連で説明したが、多数の代替、修正および変種が当業者には明らかであろう。したがって、そのような代替、修正および変種の全ては、付属の特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内に含まれることを意図するものである。
本明細書で言及した全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許および特許出願のそれぞれについて具体的且つ個別の参照により本明細書に組み込む場合と同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。加えて、本願におけるいかなる参考文献の引用または特定は、このような参考文献が本発明の先行技術として使用できることの容認として解釈されるべきではない。また、各節の表題が使用される範囲において、必ずしも限定として解釈されるべきではない。
さらに、本願に対するいかなる優先権書類をも本参照をもって本明細書に組み込まれたものとする。

Claims (51)

  1. 心的外傷によって発症したストレス障害と診断された対象の訓練のための方法であって、
    前記対象の前記ストレス障害の症状を誘発すると考えられる試練を選択し、
    前記対象を前記試練に曝露し、
    前記曝露と連動して、前記対象の脳が生じる電気信号を少なくとも1つの電極で記録し、
    少なくとも1つの特定脳領域における活動レベルを推定するために、記録した前記電気信号を処理し、
    推定した前記活動レベルの少なくとも1つの指標を前記対象に提供し、
    前記記録、前記処理および前記提供を繰り返す
    ことを含む、方法。
  2. 前記試練への前記曝露が、前記少なくとも1つの特定脳領域における活動レベルに影響を与える、請求項1に記載の方法。
  3. 前記記録した電気信号の少なくとも一部と、前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを表す電気フィンガープリントとの関係を同定することをさらに含み、前記生成は、前記同定した関係に基づいて前記少なくとも1つの指標を生成することを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記提供が、前記少なくとも1つの脳領域における前記活動レベルに基づいて前記試練を改変することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つの脳領域が、大脳辺縁系の脳領域であって、大脳辺縁系体積の少なくとも20%の体積を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記試練が、扁桃体および/または神経回路網によって扁桃体と結合した脳領域を活性化するために選択された試練を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つの特定脳領域が、2つ以上の特定脳領域を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つの特定脳領域が扁桃体を含まない、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ストレス障害が、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記少なくとも1つの特定脳領域を上方制御するように前記試練を選択し、前記対象が前記活動レベルを下方制御する能力に応じて前記少なくとも1つの指標を提供する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルに影響を与えるように選択された少なくとも1種の実習を行うように前記対象に指示することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記提供が、前記対象が前記少なくとも1種の実習を実施することで前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを調節する能力に応じて、前記少なくとも1つの指標を提供することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記曝露との連動が、曝露前、曝露中および/または曝露後の連動を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. ストレス障害に対する訓練の対象者を選択するための方法であって、
    心的外傷によって発症したストレス障害と診断された対象を評価して、前記対象において前記心的外傷を誘発すると考えられる少なくとも1種の心的外傷関連試練と、前記対象において前記心的外傷を誘発しないと考えられる少なくとも1種の非特異的ストレス試練とを同定し、
    前記対象を前記少なくとも1種の非特異的ストレス試練に曝露し、
    前記曝露の際中および/または後に、前記心的外傷による影響を受ける少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを前記対象が自己調整する能力を評価し、
    前記評価の結果に応じて、前記少なくとも1種の心的外傷関連試練を前記対象に提供する
    ことを含む、方法。
  15. 前記ストレス障害が、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記少なくとも1種の非特異的ストレス試練が、扁桃体および/または扁桃体関連神経回路の活動を上方制御するように構成されている、請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記評価が、前記曝露の際中および/または後に、前記対象が前記扁桃体および/または前記扁桃体関連神経回路の活動を下方制御する能力の評価を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記曝露の際中および/または後に少なくとも1つの電極によって前記対象から電気信号を記録することを含み、記録した前記電気信号の少なくとも一部が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを示し、前記評価が、前記少なくとも1つの特定脳領域の活動に前記対象が影響を与える能力を前記記録した電気信号に基づいて評価することを含む、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記電気信号が、少なくとも1つのEEG電極によって記録されたEEG信号を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記少なくとも1つの特定脳領域が扁桃体を含まない、請求項14~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 心的外傷によって発症したストレス障害と診断された対象の訓練のための方法であって、
    前記対象において前記心的外傷を誘発すると考えられる試練を選択し、
    前記対象を前記試練に曝露し、
    前記試練に対する前記対象の応答を測定し、
    測定した前記応答に応じて前記試練を改変することで、前記対象に対してフィードバックを提供する
    ことを含む、方法。
  22. 前記測定が、少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを決定することを含み、且つ前記提供が、決定された前記活動レベルに応じて前記試練を改変することによって前記対象にフィードバックを提供することを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記曝露と連動して少なくとも1つの電極によって前記対象の電気信号を記録することを含み、記録した前記電気信号の少なくとも一部が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルの指標であり、前記決定が、前記電気信号に基づいて前記少なくとも1つの特定脳領域の前記活動レベルを決定することを含む、請求項21または22に記載の方法。
  24. 前記電気信号が、少なくとも1つのEEG電極によって記録されたEEG信号を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記決定が、記録された前記EEG信号の少なくとも一部と、記録媒体に保存された少なくとも1種のEEG署名またはその指標との関係を同定することを含み、前記少なくとも1種のEEG署名が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを表す、請求項24に記載の方法。
  26. 前記曝露との連動が、曝露中および/または曝露後の連動を含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記少なくとも1つの特定脳領域が扁桃体を含む、請求項23~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記曝露が、ストレス障害と診断された前記対象が画像化システムに閉じ込められていない状態で、ストレス関連試練に前記対象を曝露することを含む、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 心的外傷によって発症したストレス障害と診断された対象の訓練のための方法であって、
    前記対象の前記ストレス障害において損なわれた少なくとも1種の神経行動学的プロセスを評価し、
    同定された前記損なわれた神経行動学的プロセスに応じて試練を選択し、
    前記対象を選択した前記試練に曝露し、
    前記曝露と連動して、前記対象の脳が生じる電気信号を少なくとも1つの電極で記録し、
    少なくとも1つの特定脳領域における活動レベルを推定するために、記録した前記電気信号を処理し、
    推定した前記活動レベルの少なくとも1つの指標を前記対象に提供し、
    前記記録、前記処理および前記提供を繰り返す
    ことを含む、方法。
  30. 前記損なわれた神経行動学的プロセスに応じて前記試練を特異的に設計することを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記対象の前記ストレス障害の少なくとも1種の症状の発現を評価することを含み、前記評価が、前記少なくとも1種の症状の前記発現に基づき、前記少なくとも1種の損なわれた神経行動学的プロセスを評価することを含む、請求項29または30に記載の方法。
  32. 前記少なくとも1種の損なわれた神経行動学的プロセスが、損なわれたストレス検知プロセス、損なわれた検知プロセス、損なわれた感情制御プロセスおよび損なわれた恐怖消去プロセスから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項29~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記ストレス障害が、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)を含む、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記曝露と調節された関係で、前記対象に少なくとも1種の実習を行うように指示することを含み、前記少なくとも1種の実習が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルに影響を与えるように構成されたものである、請求項29~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 記録された前記電気信号の少なくとも一部と、記録媒体に保存された少なくとも1種の電気署名またはその指標との関係を同定することによって、前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを決定することを含み、前記少なくとも1種の電子署名またはその指標が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを表す、請求項29~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記少なくとも1つの特定脳領域が、大脳辺縁系の脳領域であって、大脳辺縁系体積の少なくとも20%の体積を有する領域を含む、請求項29~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記少なくとも1つの特定脳領域が扁桃体を含む、請求項29~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記曝露が、ストレス障害と診断された前記対象が画像化システムに閉じ込められていない状態で、損なわれた神経行動学的プロセスに関連する試練に前記対象を曝露することを含む、請求項29~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. うつ病または不安障害の治療方法であって、
    PTSDとうつ病、あるいはPTSDと不安障害と診断された対象を提供し、
    PTSDの重症度を低下させるために、少なくとも1つの特定脳領域の活動を制御するためのニューロフィードバックを用いて前記対象の訓練を行い、うつ病または不安障害の症状を改善する
    ことを含む、方法。
  40. 前記訓練の後に前記対象の前記うつ病または前記不安障害を評価し、
    前記評価の結果に基づき、前記ニューロフィードバックによる訓練を改変する
    ことをさらに含む、請求項36に記載の方法。
  41. 前記訓練の成功に基づき、前記対象におけるうつ病または不安障害を治療するための、少なくとも1種の生物活性化合物による既存の投与計画を調整する、あるいは前記対象におけるうつ病または不安障害を治療するための、少なくとも1種の生物活性化合物を含む新しい投与計画を設定することをさらに含む、請求項39または40に記載の方法。
  42. ニューロフィードバックによる訓練が、
    前記対象の心的外傷と関連した試練に前記対象を曝露し、
    前記曝露と連動して少なくとも1種の実習を実施するよう前記対象に指示し、前記少なくとも1種の実習が、少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルに影響を与えるように構成されたものであり、
    前記曝露の際中および/または曝露後に少なくとも1つの電極で前記対象から電気信号を記録し、記録した前記電気信号の少なくとも一部が前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを示し、
    前記記録した電気信号に基づき、前記曝露と連動して、前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルについて、前記対象に対してフィードバックを提供する
    ことを含む、請求項39~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記電気信号がEEG電気信号を含む、請求項42に記載の方法。
  44. 前記対象が画像化システムに閉じ込められていない状態で、前記訓練を実施する、請求項39~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 予期されるストレス障害のトリガーに対して対象を準備させるための方法であって、
    少なくとも1つの特定脳領域の活動を変化させる実習のリストを提供し、
    対象をストレス障害トリガーに曝露する前に指標を受けとり、
    前記ストレス障害と診断された対象に、前記実習のリストから少なくとも1種の実習を実施するように指示する
    ことを含む、方法。
  46. 前記対象の脳が発生したEEG信号を記録し、
    記録した前記EEG信号に基づき、前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルを推定し、
    推定した前記活動レベルの少なくとも1つの指標を前記対象に提供する
    ことを含む、前記請求項42に記載の方法。
  47. ストレス障害に対する訓練を送達するための装置であって、
    記録媒体と、
    前記記録媒体に機能的に連結された制御回路と
    を備え、
    対象の前記ストレス障害の少なくとも1種の症状を誘発するように構成された試練を前記対象に送達し、
    前記対象の脳が発生した少なくとも1つの電気信号を受信し、
    受信した前記電気信号を用いて、少なくとも1つの特定脳領域に対する前記試練の影響、および前記少なくとも1つの特定脳領域の活動レベルの前記対象に対する影響を評価し、
    前記評価の結果に基づき、ヒトが検知可能な指標を自動的に発生する
    ように構成された、装置。
  48. ユーザーインターフェースをさらに含み、前記ユーザーインターフェースを用いて使用者が前記記録媒体に保存された試練のリストから前記試練を選択するように構成された、請求項47に記載の装置。
  49. 前記記録媒体に保存された試練のリストから前記試練を選択するように前記制御回路が構成されている、請求項47に記載の装置。
  50. 前記試練をどのように変化させるかを決定するために前記影響を処理するように前記制御回路が構成されている、請求項47~49のいずれか一項に記載の装置。
  51. 前記少なくとも1つの電気信号がEEG信号を含む、請求項47~50のいずれか一項に記載の装置。
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