JP2022513098A - 体重減少及び/又は食物摂取量低減に使用するためのgdf15類似体及び方法 - Google Patents

体重減少及び/又は食物摂取量低減に使用するためのgdf15類似体及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、半減期延長タンパク質、リンカー、及びGDF15アゴニストとして機能するGDF15タンパク質を含む融合タンパク質に関する。これらのGDF15アゴニストは、肥満の治療、体重の減少、食物摂取量の減少、又は食欲の減少に有用となり得る。

Description

本発明は、GDF15融合タンパク質に関する。詳細には、本発明は、半減期延長タンパク質、リンカー、及びGDF15タンパク質を含む融合タンパク質、融合タンパク質をコードする核酸及び発現ベクター、その組換え細胞、並びに融合タンパク質を含む医薬組成物に関する。融合タンパク質を使用して体重を減少させる、及び/又は食物摂取量を低減する方法が提供される。
GDF15は、TGFβファミリーのメンバーであり、25kDaのホモダイマーとして血漿中を循環する分泌タンパク質である。GDF15の血漿中濃度は多くの個人で150~1150pg/mlの範囲である(Tsai et al.,J Cachexia Sarcopenia Muscle.2012,3:239-243)。GDF15の高い血漿中濃度は、がんにおける食欲不振及び悪液質による体重減少、また腎不全及び心不全における体重減少と関連している。臨床試験では、GDF15レベルは、肥満の非糖尿病対象者におけるインスリン抵抗性の独立予測因子とされていた(Kempf et al.,Eur.J.Endo.2012,167:671-678)。双子における研究により、双子のペアにおけるGDF15のレベルの差がそのペアのBMIの差に相関していることが示され、GDF15がエネルギーホメオスタシスの長期的な調節因子として機能していることを示唆している(Tsai et al.,PLoS One.2015,10(7):e0133362)。
多くの報告で、GDF15タンパク質による処理によりマウスモデルにおいて耐糖能及びインスリン感受性の改善が示されている。GDF15を過剰発現するトランスジェニックマウスの2つの独立した系統で、体重及び体脂肪量が減少し、耐糖能が改善された(Johnen et al.,Nat.Med.2007,13:1333-1340;Macia et al.,PLoS One.2012,7:e34868;Chrysovergis et al.,Int.J.Obesity.2014,38:1555-1564)。GDF15マウスにおいて全身のエネルギー消費量及び酸化的代謝量の増加が報告されている(Chrysovergis et al.,2014、同上)。これらは、褐色脂肪組織における熱発生遺伝子の発現の増加、及び白色脂肪組織における脂肪分解遺伝子の増加を伴う。GDF15遺伝子を欠損したマウスでは、体重及び体脂肪量が増加した(Tsai et al.,PLoS One.2013,8(2):e55174)。GDF15のFc融合タンパク質は、肥満カニクイザルモデルにおいて週1回、6週にわたって投与した場合に体重を減少させ、耐糖能及びインスリン感受性を改善することが示されている(国際公開第2013/113008号)。
体重に対するGDF15の効果は、食物摂取量の低減及びおそらくはエネルギー消費量の増加を介して示されると考えられている。GDF15は、体重依存性及びおそらくは非依存性の機序によって血糖コントロールを改善している可能性がある。
これらの観察を考え合わせると、GDF15のレベルを増加させることは代謝性疾患の治療法として有用であり得る。代謝性疾患、障害、又は状態を治療若しくは予防するために使用することができるGDF15を用いた組成物が当該技術分野で求められている。
現在の肥満治療としては、食事介入及び行動介入、薬物療法、並びに肥満手術が挙げられる。食事及び身体活動の増加を含む生活習慣の介入は、あらゆる体重減少の取り組みの基礎をなすものであり、短期間(3~6ヶ月)で体重減少を達成するうえで有効となり得る。しかしながら、多くの場合、生活習慣の介入により達成される体重減少は長期間は持続されず、長期にわたって大幅な体重減少を持続することができるのは個人のわずかに5~10%に過ぎない。(Fisher BL and Schauer P.,Am J Surg.2002 184:9 S-16 S,Rueda-Claussen CF et al.,Annu.Rev.Nutr.2015 35:475-516)。生活習慣の変化が大幅な体重減少を達成するうえで効果的でない場合、薬物療法は第二選択療法として推奨される。長期にわたる体重管理のために米国及びEUで認可されている薬物としては、オルリスタット(消化管リパーゼ阻害剤)、ナルトレキソン/ブプロピオン(オピオイドアンタゴニストとドーパミン/ノルエピネフリン再取り込み阻害剤との組み合わせ)、及びリラグルチド(グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト)が挙げられ、米国内では、ロルカセリン(選択的5-HTC受容体アゴニスト)及びフェンテルミン/トピラマート(交感神経刺激アミンと抗てんかんとの組み合わせ)も入手可能である。更に、フェンテルミン、並びに他のいくつかの食欲抑制剤(ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、及びフェンジメトラジンを含む)は、短期使用(最大12週間)用として米国内で登録されている。行動介入と組み合わせて、これらの薬理剤は、様々な効果を有し、初期体重の2%~10%の範囲の更なる体重減少をもたらす。更に、薬理剤の使用は、胃腸作用(すなわち、悪心、嘔吐、膨満、下痢)、神経精神作用(すなわち、認知障害、睡眠障害)、及び心拍数の上昇(特定の薬物に応じて)を含む副作用によって制限され得る。利用可能な薬理学的アプローチのこれらの固有の制限(限定的な効果、安全性プロファイル、及び30~65%の範囲のノンレスポンダーの割合)のため、心血管疾患、2型糖尿病、及び高血圧などの肥満関連の併存疾患の改善も可能な、肥満に対してより効果的で忍容性が高く、かつ安全な薬理学的療法に対する明らかに満たされていない医療上のニーズが依然、存在する。肥満手術(胃バンディング術、スリーブ状胃切除術、及びRoux-en-Y胃バイパス)により、10年後の体重減少が約15%~30%の範囲で、医学療法よりも持続的な体重減少がもたらされ、著しい健康状態の改善をもたらすことが可能であり、重度の肥満、術中(例えば、静脈血栓塞栓症)及び術後(例えば、悪心、ダンピング症候群、脂溶性ビタミン吸収不良)合併症を有する患者において、死亡率を低減することができる。更に、多くの医療保険制度におけるコスト及び外科的能力の両方の制限を考慮すると、肥満手術は、適格患者のごく一部にしか対応できない(Rueda-Claussen CF et al.,Annu.Rev.Nutr.2015;35:475-516)。したがって、高血圧症、脂質異常症、及び2型糖尿病などの肥満関連の併存疾患にもプラスの影響を及ぼし得る、より効果的かつ忍容性の高い長期的な体重管理療法が必要とされている。
本発明は、食物摂取量の減少及び体重減少の達成のための新規な作用機序を示すGDF15アゴニストであるFP2を提供することにより、この必要性を満たすものである。非臨床的な薬理学的及び安全性試験において、FP2は、臨床開発への移行の候補として適格な好ましい薬理学的効果及び有望な安全特性を示すことが示されている。
一態様では、本発明は、対象の体重を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、当該融合タンパク質が約0.8mg~約90mgの範囲の用量で投与され、対象の体重が約80kg以上である、方法を提供する。本発明の一態様では、対象は過体重である。本発明の一態様では、対象は、約25kg/m以上のBMIを有する。本発明の一態様では、対象は、25kg/m~29.9kg/mの範囲のBMIを有する。本発明の一態様では、融合タンパク質は、約0.8mg、約2.5mg、約7.5mg、約15mg、約30mg、約60mg、及び約90mgからなる群から選択される用量で投与される。本発明の一態様では、融合タンパク質は、約0.01mg/kg~約1.08mg/kgの用量範囲で投与される。本発明の一態様では、融合タンパク質は、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.09mg/kg、約0.18mg/kg、約0.36mg/kg、約0.72mg/kg、及び約1.08mg/kgからなる群から選択される用量で投与される。
本発明の一態様では、融合タンパク質は皮下注射により投与される。
本発明の一態様では、融合タンパク質は、対象に週1回投与される。
一態様では、本発明は、対象の食物摂取量を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、当該融合タンパク質が約0.8mg~約90mgの範囲の用量で投与され、対象の体重が80kg以上である、方法を提供する。本発明の一態様では、対象は過体重である。本発明の一態様では、対象は、25kg/m以上のBMIを有する。本発明の一態様では、対象は、25kg/m~29.9kg/mの範囲のBMIを有する。本発明の一態様では、融合タンパク質は、約0.8mg、約2.5mg、約7.5mg、約15mg、約30mg、約60mg、及び約90mgからなる群から選択される用量で投与される。本発明の一態様では、融合タンパク質は、約0.01mg/kg~約1.08mg/kgの用量範囲で投与される。本発明の一態様では、融合タンパク質は、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.09mg/kg、約0.18mg/kg、約0.36mg/kg、約0.72mg/kg、及び約1.08mg/kgからなる群から選択される用量で投与される。
本発明の一態様では、融合タンパク質は皮下注射により投与される。
本発明の一態様では、融合タンパク質は、対象に週1回投与される。
本発明の他の態様、特徴、及び利点は、発明の詳細な説明、並びにその好ましい実施形態及び添付の特許請求の範囲を含む以下の開示より明らかとなろう。
上述の「課題を解決するための手段」及び以降の「発明を実施するための形態」は、添付の図面と併せて読むことでより良好に理解されるであろう。本発明は、図面に示される実施形態そのものに限定されない点は理解される必要がある。
図面は、以下のとおりである。
第1のシステイン残基と第2のシステイン残基とのジスルフィドペアリング(C1~C2)がタンパク質のN末端にループを形成しているGDF15の結晶構造を示す。 第1のシステイン残基と第2のシステイン残基とのジスルフィドペアリング(C1~C2)がタンパク質のN末端にループを形成しているGDF15の結晶構造を示す。 C57Bl/6マウスの食物摂取量に対する本発明の実施形態に基づく融合タンパク質(例えば、融合タンパク質FP1(配列番号60)及び6xHis-FP1(N末端に6xHisタグが結合された配列番号26))の皮下投与の効果を示し、投与24時間後の累積食物摂取量が示されている。各棒内に示される値は、溶媒(PBS)群±SEMと比較した低下率(%)である。全ての群で各群N=8匹の動物(FP1の16nmol/kg群のN=9を除く)。溶媒と比較してp<0.05;p値は、一元配置ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて計算した。 Sprague-Dawleyラットの食物摂取量に対するFP1及び6xHis-FP1(N末端に6xHisタグが結合された配列番号26)の皮下投与の効果を示し、投与48時間後の累積食物摂取量が示されている。各棒内に示される値は、溶媒(PBS)群±SEMと比較した低下率(%)である。各群N=8匹の動物。溶媒と比較してp<0.05;p値は、一元配置ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて計算した。 FP1による処理の間の食餌誘発性肥満(DIO)の体重の変化を示す。矢印は、初回投与(0日目)後の皮下投与の時間(日)を示す。各群N=8匹の動物。溶媒と比較したFP1の1nmol/kg群ではp<0.05;#溶媒と比較したFP1の10nmol/kg群ではp<0.05;p値は、二元配置RM ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて計算した。 3日ごと(q3d)に14日間FP1を投与した後の経口グルコース負荷試験(OGTT)の間のDIOマウスの血糖値を示し、各値は曲線下面積として表されている。各群N=8匹の動物。溶媒と比較したFP1の1nmol/kg群ではp<0.05;p値は、一元配置ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて計算した。 3日ごと(q3d)に14日間FP1を投与した後の経口グルコース負荷試験(OGTT)の間のDIOマウスの血糖値を示し、各値は曲線下面積として表されている。各群N=8匹の動物。溶媒と比較したFP1の1nmol/kg群ではp<0.05;p値は、一元配置ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて計算した。 FP1による処理の間のDIOマウスの摂食血糖値を示す。各群N=8匹の動物。溶媒と比較してp<0.05;p値は、二元配置RM ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて計算した。 FP1による14日間の処理の後のDIOマウスにおけるインスリン抵抗性の4時間絶食ホメオスタシスモデル評価(HOMA-IR)を示す。各群N=8匹の動物。溶媒と比較してp<0.05;p値は、一元配置ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて計算した。 3日ごと(qd3)のFP1による処理の間のob/obマウスの体重変化を示す。矢印は、初回投与(0日目)後の皮下投与の時間(日)を示す。各群N=9匹の動物。溶媒と比較したFP1の10nmol/kg群ではp<0.05;#溶媒と比較したFP1の1nmol/kg群ではp<0.05;p値は、二元配置RM ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて計算した。 FP1による処理の間のob/obマウスの血糖値を示す。矢印は、初回投与(0日目)後の皮下投与の時間(日)を示す。各群N=9匹の動物。溶媒と比較したFP1の10nmol/kg群ではp<0.05;#溶媒と比較したFP1の1nmol/kg群ではp<0.05;p値は、二元配置RM ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて計算した。 C57Bl/6マウスにおける2mg/kgの静脈内(IV)及び皮下(SC)投与後のFP1の血清薬物濃度-時間プロファイルの平均(±標準偏差、SD)を示す。 Sprague-Dawleyラットにおける2mg/kgのIV及びSC投与後のFP1の血清薬物濃度-時間プロファイルの平均(±SD)を示す。 イムノアッセイにより測定した、カニクイザルにおける1mg/kgのIV及びSC投与後のFP1の血清薬物濃度-時間プロファイルの平均(±SD)を示す。 免疫親和性(IA)捕捉LCMS分析により測定した、カニクイザルにおける単回IV投与後の経時的な完全な二量体としてのFP1の血清濃度(ng/mL)を示す。 免疫親和性捕捉LCMS分析により測定した、カニクイザルにおける単回SC投与後の経時的な完全な二量体としてのFP1の血清濃度(ng/mL)を示す。 イムノアッセイにより測定した、2人のヒト被験者(Sub)から得た血漿中でのex vivoインキュベーションの0、4、24、及び48時間後の開始濃度の割合(%)として表したFP1の濃度を示す。 完全マス免疫親和性捕捉LCMS分析により測定した、2人のヒト被験者(Sub)から得た血漿中でのex vivoインキュベーションの0、4、24、及び48時間後の完全な二量体としての時間0の割合(%)として表した平均のFP1の濃度を示す。 GDF15の異なるN末端欠失変異体の投与の前後の痩身C57BL6N雄性マウスにおける急性食物摂取量を示す。(欠失のない野生型融合体(N末端に6xHisタグが結合された配列番号26)に対して、配列番号92、111、及び112)。各群N=8匹の動物。溶媒と比較してp<0.05;p値は、二元配置RM ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて計算した。 C57Bl/6マウスの食物摂取量に対するFP2の単回投与の効果を示す。詳細には、投与後24時間の累積食物摂取量を示す。各棒内に示される値は、PBS群(平均±SEM)と比較した低下率(%)である。全ての群で各群N=8匹の動物(6xHis-FP1のN=6を除く)。**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001;p値は、二元配置ANOVA及びダネットの多重比較検定を用いて計算した。 FP2の単回用量の投与後24時間にSprague-Dawleyラットで測定された累積食物摂取量を示す。各棒内に示される値は、PBS群(平均±SEM)と比較した低下率(%)である。各群N=8匹の動物。**p<0.01、p値は、二元配置ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて計算した。 DIOマウスのFP2によるq3d処理の間の体重の変化率(%)を示す。矢印は、FP2の皮下注射の時点を示す。各群N=6匹の動物。p,0.05、p値は、二元配置ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いて溶媒と比較。 DIOマウスにおける14日間のFP2のq3d投与後のOGTTの間の血糖値の曲線下面積(AUC)を示す。p<0.05、一元配置ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用い、各群N=8匹の動物を用いた。 DIOマウスにおける14日間のFP2のq3d投与後のOGTTの間の血糖値の曲線下面積(AUC)を示す。p<0.05、一元配置ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用い、各群N=8匹の動物を用いた。 DIOマウスにおける8日間のFP2のq3d投与後のOGTTの間の血漿インスリン値を示す。p<0.05、溶媒に対するFP2(0.3nmol/kg);FP2(10nmol/kg);及びロシグリタゾン。#p<0.05、二元配置RM ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用いてロシグリタゾン(10mg/kg)と比較。 DIOマウスにおける8日間のFP2のq3d投与後のOGTTの間の血漿インスリン値のAUCを示す。p<0.05、溶媒と比較、#p<0.05、ロシグリタゾンと比較。 DIOマウスにおける8日間のFP2のq3d投与後の摂食血糖値を示す。p<0.05、二元配置RM ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用い、各群N=8匹の動物を用い、溶媒と比較。 DIOマウスで14日間のFP2によるq3d処理後、14日目に5時間絶食させた後の絶食HOMA-IRを示す。p<0.05、一元配置ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用い、各群N=8匹の動物について、溶媒と比較。 C57Bl/6マウスにおける2mg/kg静脈内(IV)及び2mg/kg皮下(SC)投与後のFP2の血清濃度を示す。各値は、平均±SDを表す(各時点につきn=5の試料)。 Sprague Dawleyラットにおける2mg/kg静脈内(IV)及び2mg/kg皮下(SC)投与後のFP2の血清濃度を示す。各時点につき、n=5試料。 イムノアッセイにより分析したカニクイザルにおけるFP2の血漿中濃度を示す。各値は、22日目(528時間)のIVのn=2を除き、n=3の平均±SDを示す。IV=静脈内、SC=皮下。 LCMSにより分析したカニクイザルにおける完全な二量体としてのFP2の血漿中濃度を示す。各値は、168時間の皮下投与(SC)のn=2、120時間及び432時間のSCのn=1、並びに168時間及び432時間の静脈内(IV)のn=1を除き、n=3の平均±SEMを示す。 イムノアッセイにより測定したヒト血漿中での48時間のFP2のex vivo安定性(正規化した回復率(%))を示す。 完全LC/MSにより測定したヒト血漿中での48時間のFP2のex vivo安定性(正規化した回復率(%))を示す。 カニクイザルにおけるFP1の単回投与の前後の1日食物摂取量(g)を示す。溶媒と比較したFP1の10mg/kgではp<0.05とした。 カニクイザルにおけるFP1の単回投与の前後の体重の変化率(%)を示す。溶媒と比較したFP1の10mg/kgではp<0.05とした。p<0.05、二元配置RM ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用い、各群N=8匹の動物で溶媒と比較した3mg/kgの場合。 カニクイザルにおけるFP2の単回投与の前後の1日食物摂取量(g)を示す。p<0.05、二元配置RM ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用い、各群N=8匹の動物で溶媒と比較した場合。 カニクイザルにおけるFP2の単回投与の前後の体重の変化率(%)を示す。p<0.05、溶媒と比較した10nmol/kgのFP2の場合、#p<0.05、溶媒と比較した3nmol/kgのFP2の場合、&p<0.05、溶媒と比較した1nmol/kgのFP2の場合(二元配置RM ANOVA及びテューキーの多重比較検定を用い、各群N=8匹の動物で)。 ベースラインからの低下率(%)として正規化された、投与前の週の間の平均1日食物摂取量として計算した、FP2の12週間の週1回皮下投与の長期における自然発生的に肥満のカニクイザルの食物摂取量を示す。データは平均±SEMを示し、グラフの下に動物の数Nを示す。エラーバーは、N=2における±範囲とした。 FP2の12週間の週1回皮下投与の長期における自然発生的に肥満のカニクイザルの体重(ベースラインからの変化率(%))を示す。データは平均±SEMを示し、グラフの下に動物の数Nを示す。エラーバーは、N=2における±範囲とした。 FP2の12週間の週1回皮下投与の長期における自然発生的に肥満のカニクイザルにおけるイムノアッセイにより測定されたFP2の血清濃度(nM)を示す。データは平均±SEMを示し、グラフの下に検出可能な曝露を有する動物の数Nを示す。エラーバーは、N=2における±範囲とした。 試験の模式的概要を示す。DG-投与群。
背景技術において、また、本明細書全体を通じて各種刊行物、論文及び特許を引用又は記載する。これら参照文献の各々はその全容が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれる文書、操作、材料、デバイス、物品などの考察は、本発明のコンテキストを与えるためのものである。かかる考察は、これらの事物のいずれか又は全てが、開示又は特許請求されるいかなる発明に対しても先行技術の一部を構成することを認めるものではない。
別の定義がなされない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に全般的に理解されるものと同じ意味を有する。そうでない場合、本明細書で使用される特定の用語は、本明細書に記載される意味を有するものである。本明細書に引用する全ての特許、公開された特許出願及び刊行物は、参照によってあたかもその全体が本明細書に記載されているものと同様にして組み込まれる。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、特に文脈上明らかでない限り、複数の指示対象物を含むことに留意する必要がある。
本発明は、(a)半減期延長タンパク質、(b)リンカー、及び(c)GDF15タンパク質を含み、N末端からC末端に(a)-(b)-(c)の順序で配列された融合タンパク質に関する。
半減期延長タンパク質、リンカー及びGDF15タンパク質を含む、本発明の実施形態に基づく融合タンパク質は、GDF15タンパク質の半減期を増大させるため、本発明の融合タンパク質は、代謝性疾患、障害又は状態を治療及び予防するための治療薬としての適性を示す代謝効果を示すことが見出された。このような効果としては、これらに限定されるものではないが、融合タンパク質を投与した動物の体重の減少、耐糖能の向上、インスリン感受性の改善が挙げられる。
本明細書で使用するところの「融合タンパク質」なる用語は、それぞれの部分が異なるタンパク質に由来する、互いに共有結合された2つ以上の部分を有するタンパク質を指す。
本発明の実施形態に基づく融合タンパク質は、任意のGDF15タンパク質を含むことができる。本明細書で使用するところの「GDF15タンパク質」なる用語は、天然に存在する野生型増殖分化因子15タンパク質、又はその機能的変異体を指す。GDF15タンパク質は、ヒト、又はマウス、ウサギ、ラット、ブタ、イヌ、若しくは霊長類などの他の適当な哺乳動物のような任意の哺乳動物に由来するものとすることができる。特定の実施形態では、GDF15タンパク質は、ヒトGDF15タンパク質又はその機能的変異体である。好ましい実施形態では、GDF15タンパク質は、成熟GDF15タンパク質又はその機能的変異体である。
本明細書で使用するところの「成熟GDF15タンパク質」とは、RXXRのフーリン様切断部位での細胞内切断後に完全長タンパク質から放出されるGDF15のプレプロタンパク質の部分を指す。成熟GDF15タンパク質は、ジスルフィド結合により連結されたホモ二量体として分泌される。本発明の一実施形態では、成熟GDF15タンパク質(GDF15(197~308)(配列番号6)と略記される)は、完全長ヒトGDF15タンパク質のアミノ酸197~308を含む。
本明細書で使用するところの「機能的変異体」とは、親タンパク質と実質的な、又は相当の配列同一性を有し、親タンパク質の生物学的活性の少なくとも1つを保持している親タンパク質の変異体を指す。親タンパク質の機能的変異体は、本開示を考慮することで当該技術分野では周知の手段により調製することができる。機能的変異体は、親タンパク質のアミノ酸配列に対する1つ以上の改変を含むことができる。かかる改変は、例えば、ポリペプチドの熱安定性を向上させ、基質特異性を変化させ、最適pHを変化させることなどによってポリペプチドの物理化学特性を変化させることができる。かかる改変は、親タンパク質の生物学的活性の全てを喪失又は消失させないものであれば、親タンパク質の生物学的活性を変化させることもできる。かかる改変は、1つ以上のアミノ酸の欠失又は挿入であってもよい。
本発明の他の実施形態によれば、親タンパク質の機能的変異体は、親タンパク質に対する1つ以上のアミノ酸の欠失及び/又は挿入を含む。例えば、成熟GDF15タンパク質の機能的変異体は、成熟GDF15タンパク質に対する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個、又はそれ以上のアミノ酸の欠失及び/又は挿入、好ましくは、成熟GDF15タンパク質のN末端の1~30個のアミノ酸の欠失を含むことができる。
本発明の実施形態によれば、本発明の融合タンパク質は、GDF15(197~308)(配列番号6)などの成熟GDF15のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列、又は、GDF15(200~308)(配列番号7)、GDF15(201~308)(配列番号8)、GDF15(202~308)(配列番号9)、GDF15(203~308)(配列番号10)、又はGDF15(211~308)(配列番号11)などの、N末端が切り詰められた成熟GDF15のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するGDF15タンパク質を含む。GDF15タンパク質は、食物摂取、血糖値、インスリン抵抗性、及び体重などに対するその効果など、GDF15タンパク質の生物学的活性の少なくとも1つを維持する限り、配列番号6、7、8、9、10又は11に対する置換、挿入、及び欠失の少なくとも1つを有することができる。
特定の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、配列番号6、7、8、9、10、又は11のアミノ酸配列を含むがこれらに限定されない、配列番号11のアミノ酸配列を含むGDF15タンパク質を含む。
任意の適当な半減期延長タンパク質を本発明の実施形態に基づく融合タンパク質に使用することができる。本明細書で使用するところの「半減期延長タンパク質」なる用語は、半減期延長タンパク質が融合されたタンパク質の半減期を延長することが知られている任意のタンパク質又はそのフラグメントであってよい。かかる半減期延長タンパク質の例としては、これらに限定されるものではないが、ヒト血清アルブミン(HSA)、イムノグロブリン(Ig)の定常フラグメントドメイン(Fc)、又はトランスフェリン(Tf)が挙げられる。本発明の実施形態では、半減期延長タンパク質は、HSA又はその機能的変異体を含む。本発明の特定の実施形態では、半減期延長タンパク質は、配列番号1と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。本発明の好ましい実施形態では、半減期延長タンパク質は、HSAの34位のシステイン残基がセリン又はアラニンに置換されたHSA又はその機能的変異体を含む。
特定の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、配列番号1~3からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する半減期延長タンパク質を含む。
任意の適当なリンカーを、本発明の実施形態に基づく融合タンパク質に使用することができる。本明細書で使用するところの「リンカー」なる用語は、ペプチドリンカーを含む連結部分を指す。リンカーは、適正なフォールディングを確実とし、立体障害を最小化し、融合タンパク質内のそれぞれの機能的要素の構造に大きく干渉しないことが好ましい。本発明の特定の実施形態では、ペプチドリンカーは、2~120個のアミノ酸を含む。例えば、ペプチドリンカーは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、又は120個のアミノ酸を含む。
本発明の実施形態では、リンカーは、融合タンパク質要素の柔軟性を増大させる。本発明の特定の実施形態では、リンカーは、GS-(GGGGS)n又はAS-(GGGGS)n-GTを含むがこれらに限定されない、配列(GGGGS)n(ただし、nは2~20、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15である)を含む柔軟性リンカーとすることができる。
本発明の他の実施形態では、リンカーは構造化されたものである。本発明の特定の実施形態では、リンカーは、AS-(AP)n-GT又はAS-(EAAAK)n-GTを含むがこれらに限定されない、配列(AP)n又は(EAAAK)n(ただし、nは2~20、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15である)を含む構造化リンカーとすることができる。本発明の他の実施形態では、リンカーは、配列(GGGGA)、(PGGGS)、(AGGGS)又はGGS-(EGKSSGSGSESKST)-GGS(nは2~20である)を含む。
本発明の実施形態では、融合タンパク質は、配列番号5、25~30、36~37、40、48、55~56、59~60又は64~75と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。本発明の特定の実施形態では、融合タンパク質は、配列番号5、25~30、36~37、40、48、55~56、59~60及び64~75からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。本発明のより特定の実施形態では、融合タンパク質は、配列番号5、25~30、40、55~56、55~56、59~60、及び70からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。本発明の更なるより特定の実施形態では、融合タンパク質は、配列番号92、配列番号60、又は配列番号26のアミノ酸配列を含む。融合タンパク質は、タンパク質のアミノ末端又はカルボキシル末端に、ポリヒスチジンタグ、抗原性エピトープ、又は結合ドメインなどの、精製を容易にするタグなどの小さい延長部分を有してもよい。
本明細書に開示される融合タンパク質は、これらに限定されるものではないが、食物摂取量に対する効果、経口耐糖能試験、血糖値の測定、インスリン抵抗性の分析、体重変化、薬物動態分析、毒物動態分析、完全長の融合タンパク質のレベル及び安定性のイムノアッセイ及び質量分析、並びにヒト血漿中でのex vivo安定性分析を含むGDF15の生物学的活性について特性評価又は評価を行うことができる。
本発明は、本発明の融合タンパク質をコードする単離核酸分子も提供する。本発明の実施形態では、単離核酸分子は、配列番号5、25~30、36~37、40、48、55~56、59~60、64~75又は92と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む融合タンパク質をコードする。特定の実施形態では、単離核酸分子は、配列番号5、25~31、36~37、40、48、55~56、59~60、64~75、及び92からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む融合タンパク質をコードする。より特定の実施形態では、単離核酸分子は、配列番号5、25~30、40、55~56、59~60、70、及び92からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む融合タンパク質をコードする。より特定の実施形態では、単離核酸分子は、配列番号76~91、95、及び110のヌクレオチド配列を含む。
本発明の他の実施形態によれば、融合タンパク質をコードする核酸分子は、発現ベクター内に存在させることができる。発現ベクターとしては、これらに限定されるものではないが、組換えタンパク質を発現させるためのベクター、及びウイルスベクターなどの、対象の体内に核酸を送達させて対象の組織で発現させるためのベクターなどが挙げられる。本発明との使用に適したウイルスベクターの例としては、これらに限定されるものではないが、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レンチウイルスベクターなどが挙げられる。ベクターは非ウイルスベクターであってもよい。非ウイルスベクターの例としては、これらに限定されるものではないが、プラスミド、細菌人工染色体、酵母人工染色体、バクテリオファージなどが挙げられる。ベクターは、発現ベクターの従来の機能を確立するための任意のエレメント、例えば、プロモーター、リボソーム結合エレメント、ターミネーター、エンハンサー、選択マーカー、又は複製起点を含むことができる。
本発明の他の実施形態によれば、融合タンパク質をコードする核酸分子は、ヒト胎児由来腎細胞(HEK)又はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの所望の宿主細胞からの組換えによる発現を向上させるため、本開示を考慮して当該技術分野では周知の技術を用いてコドン最適化することができる。
本発明は、本発明の融合タンパク質をコードする核酸分子を含む宿主細胞も提供する。宿主細胞としては、これらに限定されるものではないが、組換えタンパク質を発現させるための宿主細胞、及び対象の体内に核酸を送達させて対象の組織で発現させるための宿主細胞などが挙げられる。本発明との使用に適した宿主細胞の例としては、これらに限定されるものではないが、HEK又はCHO細胞が挙げられる。
別の全般的な態様では、本発明は、本発明の融合タンパク質を得る方法に関する。全般的な態様では、かかる方法は、(1)融合タンパク質が生成する条件下で、融合タンパク質をコードする核酸分子を含む宿主細胞を培養することと、(2)宿主細胞により産生された融合タンパク質を回収することと、を含む。融合タンパク質は、更に当該技術分野では周知の方法を用いて精製することができる。
特定の実施形態では、融合タンパク質は、宿主細胞中で発現させられ、これらに限定されるものではないが、親和性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、限外濾過、及び透析を含む1以上の標準的な精製方法の組み合わせを用いて宿主細胞から精製される。好ましくは、融合タンパク質は、プロテアーゼを含まないように精製される。
本発明は、本発明の融合タンパク質と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物も提供する。
本発明は、本発明の融合タンパク質をコードする核酸分子と、薬学的に許容される担体とを含む組成物を更に提供する。本発明の融合タンパク質をコードする核酸分子を含む組成物は、融合タンパク質を発現させるために核酸分子を細胞内に導入するための送達媒介物を含むことができる。核酸送達媒介物の例としては、リポソーム、天然ポリマー及び合成ポリマーを含む生体適合性ポリマー、リポ蛋白質、ポリペプチド、多糖類、リポ多糖類、人工ウイルスエンベロープ、金属粒子、及び細菌、バキュロウイルス、アデノウイルス及びレトロウイルスウイルスなどのウイルス、バクテリオファージ、コスミド、プラスミド、真菌ベクター、並びに各種の真核宿主での発現について記載されている当該技術分野で通常用いられている他の組換え用媒介物が挙げられる。
本発明は、本発明の医薬組成物を含むキットにも関する。かかるキットは、本発明の乾燥融合タンパク質を有する第1の容器と、対象への投与に先立って乾燥融合タンパク質と混合される水溶液を有する第2の容器とを含むか、又は本発明の液体医薬組成物が入った単一の容器を含むことができる。かかるキットは、本発明の医薬組成物の単回投与単位又は複数回投与単位を含むことができる。かかるキットは、1以上の予め充填された注射器(例えば、液体注射器及びリオシリンジ(lyosyringe))を含んでもよい。キットはその使用説明書を含んでもよい。かかる使用説明書は、キット内で与えられる材料の使用及び性質について記載したものでよく、治療される正確な代謝性疾患に適合したものとすることができる。
本発明は、2型糖尿病、血糖値の上昇、インスリン値の上昇、肥満、脂質異常症、糖尿病性腎症、心筋虚血性障害、鬱血性心不全、又は慢性関節リウマチなどの代謝性疾患、障害又は状態を治療又は予防するための本明細書に記載される医薬組成物の使用にも関する。本発明の実施形態によれば、治療を要する対象の代謝性疾患、障害、又は状態を治療又は防止する方法は、対象に治療上又は予防上の有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む。本発明の融合タンパク質を含む医薬組成物又は融合タンパク質をコードする核酸を含む医薬組成物を含む、本明細書に記載される医薬組成物のいずれのものも、本発明の方法で使用することができる。
本明細書では、対象の体重を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、当該融合タンパク質が約0.8mg~約90mgの範囲の用量で投与され、対象の体重が80kg以上である、方法が提供される。
特定の実施形態によれば、対象は過体重である。本発明の特定の実施形態では、対象は25kg/m以上のBMIを有し、また、特定の実施形態では、対象は、25kg/m~29.9kg/mの範囲のBMIを有する。
特定の実施形態によれば、融合タンパク質は、約0.8mg、約2.5mg、約7.5mg、約15mg、約30mg、約60mg、及び約90mgからなる群から選択される用量で投与される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、約0.8mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約2.5mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約7.5mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約15mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約30mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約60mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約90mgの用量で投与される。
特定の実施形態によれば、融合タンパク質は、約0.01mg/kg~約1.08mg/kgの用量範囲で投与される。特定のかかる実施形態では、融合タンパク質は、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.09mg/kg、約0.18mg/kg、約0.36mg/kg、約0.72mg/kg、及び約1.08mg/kgからなる群から選択される用量で投与される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、約0.01mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約0.03mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約0.09mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約0.18mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約0.36mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約0.72mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約1.08mg/kgの用量で投与される。
本発明の特定の実施形態によれば、融合タンパク質は皮下注射によって投与される。
本発明の特定の実施形態によれば、融合タンパク質は、対象に週1回投与される。
本明細書では、対象の食物摂取量を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、当該組成物が約0.8mg~約90mgの範囲の用量で投与され、対象の体重が80kg以上である、方法が提供される。
特定の実施形態によれば、対象は過体重である。本発明の特定の実施形態では、対象は25kg/m以上のBMIを有し、また、特定の実施形態では、対象は、25kg/m~29.9kg/mの範囲のBMIを有する。
特定の実施形態によれば、融合タンパク質は、約0.8mg、約2.5mg、約7.5mg、約15mg、約30mg、約60mg、及び約90mgからなる群から選択される用量で投与される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、約0.8mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約2.5mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約7.5mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約15mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約30mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約60mgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約90mgの用量で投与される。
特定の実施形態によれば、融合タンパク質は、約0.01mg/kg~約1.08mg/kgの用量範囲で投与される。特定のかかる実施形態では、融合タンパク質は、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.09mg/kg、約0.18mg/kg、約0.36mg/kg、約0.72mg/kg、及び約1.08mg/kgからなる群から選択される用量で投与される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、約0.01mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約0.03mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約0.09mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約0.18mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約0.36mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約0.72mg/kgの用量で投与される。他の実施形態では、融合タンパク質は、約1.08mg/kgの用量で投与される。
本発明の特定の実施形態によれば、融合タンパク質は皮下注射によって投与される。
本発明の特定の実施形態によれば、融合タンパク質は、対象に週1回投与される。
数値範囲、カットオフ、又は特定の値に言及するときに用いる場合、「約」という用語は、引用した値が、記載値から最大10%変動し得ることを示すために用いる。したがって、「約」という用語は、規定値からの±10%以下の変動、±5%以下の変動、±1%以下の変動、±0.5%以下の変動、±5%以下の変動、又は±0.1%以下の変動を包含するために用いられる。
本明細書で使用するところの「対象」とは、本発明の実施形態による方法によって治療される、又は治療された任意の動物、詳細には哺乳動物、最も詳細にはヒトを意味する。本明細書で使用するとき、用語「哺乳動物」とは、あらゆる哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、これらに限定されるものではないが、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル又は類人猿などの非ヒト霊長類(NHP)、より詳細にはヒトが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「過体重」とは、過剰な体重を指す。対象の年齢、身長、性別、及び健康状態などの様々なパラメータを使用して、対象が、基準となる健康な個体と比較して過体重であるかどうかを判定する。例えば、キログラムで表される対象の体重を、メートルで表される対象の身長の2乗で割ることによって計算される対象のボディマス指数(BMI)を評価することによって、対象は過体重又は肥満とみなされ得る。18.5~24.9kg/mの範囲のBMIを有する成人は、正常体重を有するとみなされ、25~29.9kg/mのBMIを有する成人は、過体重(前肥満)とみなされ得、30kg/m以上のBMIを有する成人は肥満であるとみなされ得る。食欲増進は、過剰な体重に寄与することがよくある。
「代謝性疾患、障害又は状態」とは、異常代謝に関連するあらゆる障害を指す。本発明の方法に従って治療することができる代謝性疾患、障害又は状態の例としては、これらに限定されるものではないが、2型糖尿病、血糖値の上昇、インスリン値の上昇、肥満、過体重である、脂質異常症、糖尿病性腎症、心筋虚血性障害、鬱血性心不全、又は慢性関節リウマチが挙げられる。
本明細書で使用するところの「治療する」、「治療される」、及び「治療」なる用語は、対象に組成物を投与して対象で所望の治療的又は臨床的転帰を得ることを指す。一実施形態では、「治療する」、「治療される」、及び「治療」なる用語は、本発明の医薬組成物を投与することにより、2型糖尿病、血糖値の上昇、インスリン値の上昇、肥満、脂質異常症、糖尿病性腎症、心筋虚血性障害、鬱血性心不全、又は慢性関節リウマチなどの代謝性疾患の進行又は進展を低減、緩和又は遅延させることを指す。
本発明の実施形態によれば、本発明の医薬組成物は、筋肉内、皮下、経口、静脈内、皮膚、粘膜内(例えば、腸内)、鼻腔内又は腹腔内の投与経路などの、本開示を考慮することで当業者には周知の任意の方法によって対象に投与することができる。特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、静脈内注射又は皮下注射によって対象に投与される。
本明細書で使用するとき、「週1回」の投与は、1日の中で行われる。好ましくは、「週1回」の投与は、単回の注射などの単回のステップで行われる。
特定の実施形態では、本発明は、対象の体重を減少させる方法で使用するための配列番号92を含む配列を有する、臨床的に安全性が証明され、かつ臨床的に有効性が証明されたGDF15融合タンパク質の用量を提供し、当該臨床的に安全性が証明され、かつ臨床的に有効性が証明された用量は、体重80kg以上の対象に0.8mg~90mgの範囲の用量で投与される単回皮下(SC)注射である。
特定の実施形態では、本発明は、対象の食物摂取量を減少させる方法で使用するための配列番号92を含む配列を有する、臨床的に安全性が証明され、かつ臨床的に有効性が証明されたGDF15融合タンパク質の用量を提供し、当該臨床的に安全性が証明され、かつ臨床的に有効性が証明された用量は、体重80kg以上の対象に0.8mg~90mgの範囲の用量で投与される単回皮下(SC)注射である。
本明細書で定義される本発明によれば、「臨床的に安全性が証明された」という用語は、配列番号92を含む配列を有するGDF15融合タンパク質の用量又はそれによる治療に関して好ましいリスク:ベネフィット比を指し、有害なバイタルサイン(心拍数、収縮期及び拡張期血圧、体温)、有害な標準的臨床検査(血液学、臨床化学、尿検査、脂質、凝固)、アレルギー反応/過敏症、有害な局所注射部位反応、又は有害なEKGを含む有害事象の頻度が比較的低いか若しくは低下しており、かつ/又は重症度が低いか若しくは低下している。
本明細書で定義される本発明によれば、「臨床的に有効性が証明された」又は「臨床的に効果が証明された」という用語は、配列番号92を含む配列を有するGDF15融合タンパク質の用量、投与レジメン、又はそれによる治療に関して、食物摂取量の減少、食欲評価の低下、質問票を使用して評価される食品嗜好性の低下、又は体重の減少を指す。
本明細書で使用するとき、体重の減少は、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、又はこれらの値の間の任意の数値の減少である。
本明細書で使用するとき、食物摂取量の減少は、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、又はこれらの値の間の任意の数値の減少である。食物摂取量は、各食物品目の消費されたグラム数、及びその栄養含量に基づいて推定されるカロリーを測定することによって測定することができる。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「臨床的に証明された」(独立して、又は用語「安全性」及び/又は「有効性」を修飾するために使用される)は、臨床試験によって証明されており、臨床試験が、米国食品医薬品局、EMEA、又は対応する国家規制機関の基準を満たしていることを意味するものとする。例えば、臨床試験は、薬物の効果を臨床的に証明するために使用される、適切なサイズのランダム化二重盲検試験であってもよい。いくつかの実施形態では、「臨床的に証明された」とは、第I相臨床試験のための米国食品医薬品局、EMEA、又は対応する国立規制機関の基準を満たした臨床試験によって証明されていることを示す。
実施形態
1.対象の体重を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、当該融合タンパク質が0.8mg~90mgの範囲の用量で投与され、対象の体重が80kg以上である、方法。
2.対象が過体重である、実施形態1に記載の方法。
3.対象が、25kg/m2以上のBMIを有する、実施形態2に記載の方法。
4.対象が、25kg/m2~29.9kg/m2の範囲のBMIを有する、実施形態3に記載の方法。
5.融合タンパク質が、0.8mg、2.5mg、7.5mg、15mg、30mg、60mg、及び90mgからなる群から選択される用量で投与される、実施形態1に記載の方法。
6.融合タンパク質が、0.8mgの用量で投与される、実施形態5に記載の方法。
7.融合タンパク質が、2.5mgの用量で投与される、実施形態5に記載の方法。
8.融合タンパク質が、7.5mgの用量で投与される、実施形態5に記載の方法。
9.融合タンパク質が、15mgの用量で投与される、実施形態5に記載の方法。
10.融合タンパク質が、30mgの用量で投与される、実施形態5に記載の方法。
11.融合タンパク質が、60mgの用量で投与される、実施形態5に記載の方法。
12.融合タンパク質が、90mgの用量で投与される、実施形態5に記載の方法。
13.融合タンパク質が、皮下注射により投与される、実施形態1に記載の方法。
14.対象の体重を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、当該融合タンパク質が、0.01mg/kg~1.08mg/kgの範囲の用量で投与される、方法。
15.当該融合タンパク質が、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.09mg/kg、0.18mg/kg、0.36mg/kg、0.72mg/kg、及び1.08mg/kgからなる群から選択される用量で投与される、実施形態14に記載の方法。
16.融合タンパク質が、0.01mg/kgの用量で投与される、実施形態15に記載の方法。
17.融合タンパク質が、0.03mg/kgの用量で投与される、実施形態15に記載の方法。
18.融合タンパク質が、0.09mg/kgの用量で投与される、実施形態15に記載の方法。
19.融合タンパク質が、0.18mg/kgの用量で投与される、実施形態15に記載の方法。
20.融合タンパク質が、0.36mg/kgの用量で投与される、実施形態15に記載の方法。
21.融合タンパク質が、0.72mg/kgの用量で投与される、実施形態15に記載の方法。
22.融合タンパク質が、1.08mg/kgの用量で投与される、実施形態15に記載の方法。
23.融合タンパク質が、皮下注射により投与される、実施形態14に記載の方法。
24.組成物が対象に週1回投与される、実施形態14に記載の方法。
25.組成物が対象に週1回投与される、実施形態1に記載の方法。
1A.対象の食物摂取量を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、当該融合タンパク質が0.8mg~90mgの範囲の用量で投与され、対象の体重が80kg以上である、方法。
2A.対象が過体重である、実施形態1Aに記載の方法。
3A.対象が、25kg/m2以上のBMIを有する、実施形態2Aに記載の方法。
4A.対象が、25kg/m2~29.9kg/m2の範囲のBMIを有する、実施形態3Aに記載の方法。
5A.融合タンパク質が、0.8mg、2.5mg、7.5mg、15mg、30mg、60mg、及び90mgからなる群から選択される用量で投与される、実施形態1Aに記載の方法。
6A.融合タンパク質が、0.8mgの用量で投与される、実施形態5Aに記載の方法。
7A.融合タンパク質が、2.5mgの用量で投与される、実施形態5Aに記載の方法。
8A.融合タンパク質が、7.5mgの用量で投与される、実施形態5Aに記載の方法。
9A.融合タンパク質が、15mgの用量で投与される、実施形態5Aに記載の方法。
10A.融合タンパク質が、30mgの用量で投与される、実施形態5Aに記載の方法。
11A.融合タンパク質が、60mgの用量で投与される、実施形態5Aに記載の方法。
12A.融合タンパク質が、90mgの用量で投与される、実施形態5Aに記載の方法。
13A.融合タンパク質が、皮下注射により投与される、実施形態1Aに記載の方法。
14A.対象の食物摂取量を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、当該融合タンパク質が、0.01mg/kg~1.08mg/kgの範囲の用量で投与される、方法。
15A.当該融合タンパク質が、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.09mg/kg、0.18mg/kg、0.36mg/kg、0.72mg/kg、及び1.08mg/kgからなる群から選択される用量で投与される、実施形態14Aに記載の方法。
16A.融合タンパク質が、0.01mg/kgの用量で投与される、実施形態15Aに記載の方法。
17A.融合タンパク質が、0.03mg/kgの用量で投与される、実施形態15Aに記載の方法。
18A.融合タンパク質が、0.09mg/kgの用量で投与される、実施形態15Aに記載の方法。
19A.融合タンパク質が、0.18mg/kgの用量で投与される、実施形態15Aに記載の方法。
20A.融合タンパク質が、0.36mg/kgの用量で投与される、実施形態15Aに記載の方法。
21A.融合タンパク質が、0.72mg/kgの用量で投与される、実施形態15Aに記載の方法。
22A.融合タンパク質が、1.08mg/kgの用量で投与される、実施形態15Aに記載の方法。
23A.融合タンパク質が、皮下注射により投与される、実施形態15Aに記載の方法。
24A.組成物が対象に週1回投与される、実施形態14Aに記載の方法。
25A.組成物が対象に週1回投与される、実施形態1Aに記載の方法。
1B.対象の体重を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を対象に週1回投与することを含み、当該融合タンパク質が0.8mg~90mgの範囲の用量で投与され、対象の体重が80kg以上である、方法。
2B.対象が過体重である、実施形態1Bに記載の方法。
3B.対象が、25kg/m2以上のBMIを有する、実施形態2Bに記載の方法。
4B.対象が、25kg/m2~29.9kg/m2の範囲のBMIを有する、実施形態3Bに記載の方法。
5B.融合タンパク質が、0.8mg、2.5mg、7.5mg、15mg、30mg、60mg、及び90mgからなる群から選択される用量で投与される、実施形態1Bに記載の方法。
6B.融合タンパク質が、0.8mgの用量で投与される、実施形態5Bに記載の方法。
7B.融合タンパク質が、2.5mgの用量で投与される、実施形態5Bに記載の方法。
8B.融合タンパク質が、7.5mgの用量で投与される、実施形態5Bに記載の方法。
9B.融合タンパク質が、15mgの用量で投与される、実施形態5Bに記載の方法。
10B.融合タンパク質が、30mgの用量で投与される、実施形態5Bに記載の方法。
11B.融合タンパク質が、60mgの用量で投与される、実施形態5Bに記載の方法。
12B.融合タンパク質が、90mgの用量で投与される、実施形態5Bに記載の方法。
13B.融合タンパク質が、皮下注射により投与される、実施形態1Bに記載の方法。
14B.対象の体重を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を対象に週1回投与することを含み、当該融合タンパク質が、0.01mg/kg~1.08mg/kgの範囲の用量で投与される、方法。
15B.当該融合タンパク質が、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.09mg/kg、0.18mg/kg、0.36mg/kg、0.72mg/kg、及び1.08mg/kgからなる群から選択される用量で投与される、実施形態14Bに記載の方法。
16B.融合タンパク質が、0.01mg/kgの用量で投与される、実施形態15Bに記載の方法。
17B.融合タンパク質が、0.03mg/kgの用量で投与される、実施形態15Bに記載の方法。
18B.融合タンパク質が、0.09mg/kgの用量で投与される、実施形態15Bに記載の方法。
19B.融合タンパク質が、0.18mg/kgの用量で投与される、実施形態15Bに記載の方法。
20B.融合タンパク質が、0.36mg/kgの用量で投与される、実施形態15Bに記載の方法。
21B.融合タンパク質が、0.72mg/kgの用量で投与される、実施形態15Bに記載の方法。
22B.融合タンパク質が、1.08mg/kgの用量で投与される、実施形態15Bに記載の方法。
23B.融合タンパク質が、皮下注射により投与される、実施形態22Bに記載の方法。
1C.対象の食物摂取量を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を対象に週1回投与することを含み、当該融合タンパク質が0.8mg~90mgの範囲の用量で投与され、対象の体重が80kg以上である、方法。
2C.対象が過体重である、実施形態1Cに記載の方法。
3C.対象が、25kg/m2以上のBMIを有する、実施形態2Cに記載の方法。
4C.対象が、25kg/m2~29.9kg/m2の範囲のBMIを有する、実施形態3Cに記載の方法。
5C.融合タンパク質が、0.8mg、2.5mg、7.5mg、15mg、30mg、60mg、及び90mgからなる群から選択される用量で投与される、実施形態1Cに記載の方法。
6C.融合タンパク質が、0.8mgの用量で投与される、実施形態5Cに記載の方法。
7C.融合タンパク質が、2.5mgの用量で投与される、実施形態5Cに記載の方法。
8C.融合タンパク質が、7.5mgの用量で投与される、実施形態5Cに記載の方法。
9C.融合タンパク質が、15mgの用量で投与される、実施形態5Cに記載の方法。
10C.融合タンパク質が、30mgの用量で投与される、実施形態5Cに記載の方法。
11C.融合タンパク質が、60mgの用量で投与される、実施形態5Cに記載の方法。
12C.融合タンパク質が、90mgの用量で投与される、実施形態5Cに記載の方法。
13C.融合タンパク質が、皮下注射により投与される、実施形態1Cに記載の方法。
14C.対象の食物摂取量を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を対象に週1回投与することを含み、当該融合タンパク質が、0.01mg/kg~1.08mg/kgの範囲の用量で投与される、方法。
15C.当該融合タンパク質が、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.09mg/kg、0.18mg/kg、0.36mg/kg、0.72mg/kg、及び1.08mg/kgからなる群から選択される用量で投与される、実施形態14Cに記載の方法。
16C.融合タンパク質が、0.01mg/kgの用量で投与される、実施形態15Cに記載の方法。
17C.融合タンパク質が、0.03mgの用量で投与される、実施形態15Cに記載の方法。
18C.融合タンパク質が、0.09mg/kgの用量で投与される、実施形態15Cに記載の方法。
19C.融合タンパク質が、0.18mgの用量で投与される、実施形態15Cに記載の方法。
20C.融合タンパク質が、0.36mg/kgの用量で投与される、実施形態15Cに記載の方法。
21C.融合タンパク質が、0.72mgの用量で投与される、実施形態15Cに記載の方法。
22C.融合タンパク質が、1.08mg/kgの用量で投与される、実施形態15Cに記載の方法。
23C.融合タンパク質が、皮下注射により投与される、実施形態22Cに記載の方法。
以下の本発明の実施例は、本発明の本質を更に説明するためのものである。当業者であれば、上記の説明及び以下の例示的な実施例を利用することで、本発明を製造及び使用し、特許請求される方法を実施することが可能であるものと考えられる。以下の実施例は本発明を限定するものではなく、本発明の範囲は添付の請求項によって定められる点を理解されたい。
実施例1:GDF15を含む融合分子の設計(GDF15の短縮化の影響)
他のTGFβファミリーのメンバーと同様、GDF15は、小胞体内で二量体を形成し、フーリン様に切断されて分泌型の成熟GDF15(アミノ酸197~308)を生じるプレプロタンパク質として合成される。分泌型の成熟GDF15ホモ二量体は約25kDaであり、各単量体は最大で4つの分子内ジスルフィド結合を形成することができ、1つの分子間ジスルフィド結合によってホモ二量体の構成要素同士が連結されている。
本発明ではGDF15の結晶構造を決定し、これを図1A及び図1Bに示す。この結晶構造は、成熟GDF15のC末端が二量体の界面に埋め込まれているのに対して、N末端は露出していることを示している。この露出した末端は、GDF15のN末端に対する半減期延長タンパク質などの融合タンパク質の連結を可能とする。
この結晶構造は、GDF15のシステイン残基の新規なジスルフィドのペアリングパターンも示している。TGFβ1がC1~C3及びC2~C7のペアリング(すなわち、その1番目と3番目のシステイン残基間のペアリングと、その2番目と7番目のシステイン残基間のペアリング)を有しているのに対して、GDF15はC1~C2及びC3~C7のペアリングを有している(図1A及び図1Bを参照)。この固有のジスルフィドペアリングは、タンパク質のN末端に、他のジスルフィド結合を含むシステインノットから離れて位置するC1~C2ペアリングによって形成されたループを生じる。この構造により、GDF15のN末端が二量体の形成又は全体のタンパク質のフォールディングにとって重要ではない可能性があり、GDF15及びそのN末端融合タンパク質は、C1及びC2、C1~C2ループ内の残基、又は更にはC2のC末端側の残基を欠失させるN末端欠失によっても影響を受けない可能性が予測される。
実施例2:GDF15を含む融合分子の設計(リンカーの影響)
HSA分子とGDF15分子との間の異なるリンカーについて評価した。配列(GGGGS)nを含む可撓性リンカーと、配列(AP)n又は(EAAAK)nを含む構造化リンカー(ただし、nは2~20である)の両方を評価した。
異なるリンカーを含む融合タンパク質を、それらの生物物理特性、痩身マウスの食物摂取の効果に対するそれらの影響、それらのマウスでの薬物動態(PK)値、及びヒト血液中でのそれらのex vivo安定性について比較した。試験したリンカー変異体の結果を表1に示す。(EAAAK)リンカーを含む、配列番号31を含む分子は、HPLCにより凝集を示した。表1の残りの7種類のリンカー変異体は、凝集を示さなかった。
Figure 2022513098000002
精製目的でN末端に6xHisタグを結合した
これらの変異体においても、マウスでのin vivo試験により、また、ヒトの全血及び血漿試料中でのex vivo安定性試験により、リンカーの安定性を評価した。2つの検出の形態を用いてこれらの試験からの結果を分析した。抗GDF15捕捉抗体と抗HSA検出抗体のペアを用いたイムノアッセイを用いて、リンカーの両側の両分子の存在を測定することにより、リンカーがどの程度、完全であるかを評価した。分子全体の完全性の大まかな状態を、HSA及びGDF15からの異なる代理ペプチド配列を用いて液体クロマトグラフィー/質量分析(LC-MS)により分析した。イムノアッセイは、全てのリンカー変異体について安定したPKプロファイルを示し、いずれのリンカー変異体についても血漿中の試料濃度のスパイクの消失は48時間にわたって認められなかった。LC-MSの結果はイムノアッセイと一致し、HSA及びGDF15分子の異なる部分からの代理ペプチドが完全であることを示した。代理ペプチドを用いてLC-MSにより分析したリンカー変異体のPKプロファイルは、異なるリンカー変異体で同様の傾向を示し、いずれのリンカー変異体も7日目において検出可能なレベルを示した。表1の全ての変異体は、配列番号31を除き、所望の生物物理特性及びPK値を示した。
各リンカー変異体を、痩身マウスで食物摂取試験を行うことによりそれらのin vivo活性について評価した。表2は、食物摂取量の減少における融合タンパク質の効果に対するリンカー変異体の影響を示す。効果に対するリンカーの明らかな影響が認められた。柔軟な(GGGGS)nリンカーでは、リンカーの長さを2個~4個~8個に増やすことで融合タンパク質の効果が大幅に増大した。より固い(AP)nリンカーでは、この傾向はそれほど顕著ではなく、融合タンパク質内のGDF15分子の自由度がその効果に重要な役割を果たしていることを示唆している。
Figure 2022513098000003
精製目的でN末端に6xHisタグを結合した
実施例3:GDF15を含む融合分子の設計(HSA突然変異の影響)
半減期延長タンパク質としてのヒト血清アルブミンを、GDF15のN末端にリンカーによって融合させた組換えタンパク質を設計した。この設計によれば、GDF15の二量体化のための界面が不安定化しないため、天然の分子間鎖ジスルフィド結合が形成され、融合されたHSAタンパク質がそれぞれのGDF15アームから伸びたGDF15ホモ二量体が得られる。このアプローチによれば、HSA-GDF15ホモ二量体を作製するうえで1個の遺伝子しか必要としない。
天然のヒト血清アルブミンタンパク質は、17個のジスルフィド結合を形成する35個のシステイン(Cys、C)残基を含んでおり、Cys-34残基が分子中で唯一の遊離システインである。この遊離Cys-34は、複数の活性酸素種(ROS)及び活性窒素種(RNS)を捕捉することにより、フリーラジカルスカベンジャーとして機能することが示されている。そこでこの遊離Cysを変異させて酸化による不均一性が生じるリスクを最小とした。
HSAの34位の遊離システインをセリン又はアラニンに変異させ、これらのHSA(C34S)又はHSA(C34A)変異を有するGDF15融合分子を分析した。これらの分子はいずれも、(i)イオン交換クロマトグラフィー、(ii)疎水性相互作用クロマトグラフィー、及び(iii)サイズ排除クロマトグラフィー、の3段階の精製方法を用いて精製した。これらの分子が最初に作製された時点では、HPLC分析はどちらの分子も純粋であり、凝集がないことを示した(表3)。
しかしながら、作製の2週後、HSA(C34S)変異を有する融合タンパク質(配列番号48を含む)は、HPLCにより凝集を示したのに対して、HSA(C34A)変異を有するタンパク質(配列番号40)は、4週後でも凝集がないままであった。
Figure 2022513098000004
実施例4:GDF15のプロテアーゼ切断傾向
本発明者らはGDF15のアミノ酸位置198のアルギニン残基(R198)がHSA-GDF15融合分子内でプロテアーゼ分解を受けやすいことを観察した。このような分解によって不均一な集団が生じ、治療組成物としては望ましくない。このような切断は、プロテアーゼ阻害剤カクテルによって防止することができる。各精製方法をプロテアーゼの除去について調べた。表4に、HPLCにより測定される、HSA-GDF15融合タンパク質の精製について試験した2種類のHSAアフィニティーカラムを示す。精製の時点で、いずれの方法によって精製されたHSA-GDF15融合タンパク質も純度100%であり、完全であった。低濃度(2~5mg/ml)では、いずれの方法により精製されたタンパク質も4週間の試験期間全体にわたって完全に保たれた。しかしながら、高濃度(40~50mg/ml)では、抗体に基づいたHSA樹脂(CaptureSelect社)のみがプロテアーゼを含まないタンパク質を生じ、これは4週間の試験期間全体にわたって完全に保たれた。HSA-リガンドに基づいた樹脂(Albupure社)により得られたタンパク質は、初期には完全であったが、高濃度で保存した場合、時間とともに分解した。プロテアーゼ阻害剤カクテル(PI)及びEDTAの添加により、Albupure社の樹脂を用いて精製された高濃度のHSA-GDF15融合タンパク質の分解は完全に停止した。したがって、精製法は、安定した治療組成物を生成するうえで重要な役割を担っている。これに相当する分解は、in vivoでもex vivoでも観察されず、治療組成物がいったんプロテアーゼを含まないものとして調製されると、融合タンパク質の分解はin vivoでは問題とならないことを示している。したがって、CaptureSelect社の樹脂を用いた方法のように、製造時に潜在的なプロテアーゼを効果的に除去することができる精製法は、均質で完全かつ安定したGDF15治療薬を効果的に製造するうえで不可欠である。
Figure 2022513098000005
実施例5:GDF15のN末端欠失変異体
図1A及び図1Bに示されるGDF15結晶構造によれば、欠失変異体に関与するGDF15のN末端は、二量体形成及び全体のタンパク質フォールディングにとって重要ではないことが予測される。この結晶構造によれば、このようなN末端欠失はいずれの潜在的な受容体相互作用にも影響しないことも予測される。GDF15のN末端の様々な欠失を含むHSA-GDF15融合タンパク質をin vivo活性について試験した。
GDF15のプロテアーゼ切断部位(R198)を除去したGDF15のN末端欠失変異体を設計した。R198残基の直後には残基N199~G200の潜在的脱アミノ化部位があるが、基質の脱アミノ化は治療組成物ではやはり好ましくない。GDF15のN末端欠失は、タンパク分解切断部位及び脱アミノ化部位の両方を除去することができる。HSAとの融合タンパク質に組み込まれた、得られたGDF15欠失変異体は、GDF15(201~308;配列番号8)、GDF15(202~308;配列番号9)、及びGDF15(211~308;配列番号11)を含んでいた。マウスでのin vivo試験により、GDF15のN末端欠失変異体は食物摂取量を低減させるうえで依然活性を有していることが示された(図17)。試験の結果より、これらのGDF15のN末端欠失変異体は、適正に発現され、適切な二量体を形成し、in vivoで活性であることが確認された。
実施例6:GDF15の不活性突然変異体
表5は、GDF15のin vivo活性を消失させ、GDF15の機能的エピトープを同定するために作製したGDF15の12種類の突然変異体を示している。これらの突然変異体には、5種類の1重突然変異体、2種類の2重突然変異体、及び5種類の3重突然変異体が含まれる。これらの突然変異を含むHSA-GDF15融合タンパク質をそれらの生物物理特性及び活性について特性評価を行った(表5)。12種類の突然変異体のうち、1つは発現がみられず、4つは時間とともに凝集体を形成し、これらの変異がタンパク質フォールディング及び生物物理特性を妨げることを示した。残りの7種類の突然変異体のうち、4つはGDF15の1重突然変異を有するものであり、これらの変異体を、マウスで野生型と比較した食物摂取量の低下について試験した。3つの1重突然変異体(I89R、I89W及びW32A)はin vivo活性を失ったが、残りの変異体(Q60W)は野生型と同様の活性を示した。これらの結果は、I89R、I89W及びW32A変異が、GDF15の受容体/共受容体との相互作用を妨げることを示し、GDF15の機能性エピトープが残基I89及びW32の周辺にあることを示唆するものであった。突然変異の番号付けは、融合タンパク質中に存在する成熟GDF15に基づいている。例えば、「1」は成熟GDF15(配列番号6)の1番目のアミノ酸を指し、「89」は成熟GDF15タンパク質の89番目のアミノ酸を指す。
Figure 2022513098000006
精製目的でN末端に6xHisタグを結合した
実施例7:発現及び精製方法
発現
20mlよりも多く発現させるため、Expi293(商標)発現培地中で増殖させたHEK Expi293(商標)細胞を用いて発現を行った。細胞を8%CO2下で125RPMで振盪しながら37℃で増殖させた。Expi293(商標)発現キットを使用して細胞を1ml当たり2.5×10個でトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞1Lにつき、1mgの全DNAを25mlのOpti-MEMに希釈し、2.6mlのExpi293(商標)試薬を25mlのOpti-MEMに希釈し、室温で5分間インキュベートした。希釈したDNAと希釈したExpi293試薬を加え合わせ、室温で20分間インキュベートした。次に、このDNA複合体を細胞に加えた。細胞を振盪インキュベーターに一晩入れた。トランスフェクションの翌日、5mlのキットのEnhancer1を50mlのキットのEnhancer2に希釈し、2つのEnhancerの全量を細胞に加えた。トランスフェクトした細胞をインキュベーター内に再び4日間戻してから収穫した。細胞を6000gで30分間遠心分離して濃縮した後、精製工程に先立って0.2μmのフィルターで濾過した。
発現をCHO細胞でも行った。プラスミドを精製し、特性評価を行った。トランスフェクションに先立ち、HSA-GDF15のコーディング領域を含むプラスミドDNA200μgの1つのアリコートをAcl Iによる制限酵素消化によって直鎖化した。この制限エンドヌクレアーゼによる消化によって、アンピシリン耐性遺伝子が確実に除去される。2つの15μgの直鎖化DNAアリコートを、BTX ECM 830Electro Cellマニピュレータ(Harvard Apparatus社、マサチューセッツ州ホリストン)を使用して2つの1×10細胞(トランスフェクションプールA及びBとした)にトランスフェクトした。細胞を、電極ギャップ4mmのキュベット中、15ミリ秒のパルス長及び5秒のパルス間隔で250Vで3回電気穿孔した。トランスフェクトした細胞を振盪フラスク内のMACH-1+L-グルタミンに移し、1日間インキュベートした。トランスフェクションプールA及びトランスフェクションプールBを遠心し、MACH-1+MSX中に再懸濁し、振盪フラスコに移して6日間インキュベートした。トランスフェクションプールA及びトランスフェクションプールBからのトランスフェクトしたHSA融合タンパク質産生細胞をプールし、電気穿孔から8日目にメチルセルロースに播種した。
精製
CaptureSelect樹脂及びサイズ排除クロマトグラフィーを用いた2段階精製を用いた。一過性にトランスフェクトしたExpi293(商標)細胞からの細胞上清を、樹脂1ml当たりタンパク質10mgの適当な容量で、予め平衡化した(PBS、pH7.2)HSA CaptureSelectカラム(ThermoFisher Scientific社より販売されるCaptureSelectヒトアルブミンアフィニティーマトリクス)にロードした。ローディング後、未結合タンパク質をカラム容量(CV)の10倍量のPBS(pH7.2)でカラムを洗浄することによって除去した。カラムに結合したHSA-GDF15を10CVの20mM Tris(pH7.0)中の2M MgClで溶出した。ピーク画分をプールし、濾過(0.2μ)し、4℃のPBS(pH7.2)に対して透析した。透析後、タンパク質を再び濾過し(0.2μ)、適当な容量にまで濃縮した後、26/60Superdex200カラム(GE Healthcare社)にロードした。高い純度でサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)から溶出したタンパク質画分(SDS-PAGEにより測定したもの)をプールした。タンパク質の濃度は、BioTek Synergy HTTM分光光度計で280nmの吸光度で測定した。精製したタンパク質の質を、SDS-PAGE、及び分析用サイズ排除HPLC(SE-HPLC、Dionex HPLC system社)によって評価した。内毒素レベルをLALアッセイ(Pyrotell(登録商標)-T、Associates of Cape Cod社)を用いて測定した。
Albupure樹脂及びSECを用いた2段階精製を用いた。HSA-GDF15融合タンパク質を、HSAに選択的に結合するように固定化した合成トリアジンリガンドを用いたAlbuPure樹脂(ProMetic BioSciences社)を用いて室温で精製した。発現用上清をAlbuPure樹脂に流した。次いで、樹脂を最初に4CVのPBS(pH7.2)で、次に4CVの50mM Tris(pH 8.0)、150mM NaClバッファで洗浄した。カラムに結合したHSA-GDF15を100mMのオクタン酸Naを含む4CVのPBSバッファ(pH7.2)で溶出した。タンパク質を含む画分を、カットオフ値が分子量30,000kDaのスピンコンセントレータ(Amicon社)を使用して10mLの容量にまで濃縮してから、PBSバッファ(pH7.2)で平衡化した26/60Superdex S200pgカラム(GE)に流した。HSA-GDF15二量体を含むSEC画分をSDS-PAGEにより同定し、分析用にプールした。SDS-PAGE及びSE-HPLCによりタンパク質の純度を評価した。
実施例8~14、及び実施例19では、配列番号60のアミノ酸配列を有する本発明の例示的な融合タンパク質の特性評価を行っている。この融合タンパク質は、グリシン及びセリン残基からなるアミノ酸42個のリンカーGS-(GGGGS)を介した、HSAの成熟ヒトGDF15との融合体のホモ二量体として存在する完全な組換えタンパク質である。この融合タンパク質の予測される分子量は、162,696Daであり、HSAの34位の1個の天然遊離システインがセリンに変異している。この特定のHSA-GDF15融合タンパク質を、簡潔にするために、以下の実施例では単に「FP1」と呼ぶものとする。AS-(GGGGS)x8-GTリンカーを含むFP1の6xHisタグ付加変異体(6xHis-FP1、配列番号26)を、以下の実施例の一部で比較のために使用した。
実施例8:C57B1/6マウスの食物摂取量に対するFP1の効果
この試験の目的は、C57B1/6マウスの食物摂取の阻害に対するFP1の用量応答性の効果を実証することであった。
雄性C57Bl/6マウスをBioDAQケージ内で最低72時間、環境順応させた。その後、マウスを食物摂取量に基づいて1群8匹ずつの6群に事前の24時間にグループ分けした。午後4:00~5:00の間に、動物の体重を測定し、溶媒又はFP1を含む組成物を皮下注射により投与した。各ケージについて、食物摂取量の変化をBioDAQシステムにより、注射後48時間にわたって継続的に記録した。この試験では、6xHis-FP1を比較に用いた。
結果(図2及び表6)を、所定の時間間隔での累積食物摂取量の平均として表した。結果は、C57Bl/6マウスへのFP1の皮下投与が、試験した全ての用量及び時点において食物摂取を溶媒処理した動物に対して有意に阻害したことを示した。6xHis-FP1は、8nmol/kgの用量で食物摂取を低減させた。
Figure 2022513098000007
データは、平均値±SEMとして表す。
PBSに対してp≦0.05;**PBSに対してp≦0.01;***PBSに対してp≦0.001;****PBSに対してp≦0.0001
一元配置ANOVA:テューキーの多重比較検定;n=8/群
実施例9:Sprague Dawleyラットの食物摂取量に対するFP1の効果
この試験の目的は、Sprague Dawleyラットの食物摂取の阻害に対するFP1の用量応答性の効果を実証することであった。
雄性Sprague-DawleyラットをBioDAQケージ内で最低72時間、環境順応させた。その後、ラットを食物摂取量に基づいて1群8匹ずつの6群に事前の24時間にグループ分けした。午後4:00~5:00の間に、動物の体重を測定し、溶媒又は融合タンパク質を含む組成物を皮下注射により投与した。各ケージについて、食物摂取量の変化をBioDAQシステムにより、注射後48時間にわたって継続的に記録した。この試験では、6xHis-FP1を比較に用いた。
結果を図3及び図7に示す。FP1の皮下投与は、溶媒処理動物と比較して2.5nmol/kg及び10nmol/kgの用量で食物摂取を阻害した。阻害率は、投与24及び48時間後で、試験した最高用量(10nmol/kg)でのみ有意差に達した。FP1は、用量8nmol/kgで食物摂取を低下させ、その効果は24及び48時間で有意であった。
Figure 2022513098000008
データは、平均値±SEMとして表す。
PBSに対してp≦0.05;**PBSに対してp≦0.01
一元配置ANOVA:テューキーの多重比較検定;n=8/群
実施例10:食餌誘発性肥満(DIO)マウスにおけるグルコースホメオスタシス及び体重に対するFP1の効果
この試験の目的は、DIOC57Bl/6マウスに処理を行った2週間全体を通じて食物摂取量、体重、及びグルコースホメオスタシスに対するFP1の効果を評価することであった。
雄性DIOマウスの体重を測定し、FP1を0、3、6、9、及び12日目の3日ごと(q3d)に2mL/kgを皮下投与した。溶媒処理群及びロシグリタゾン処理群に同様のレジメンでPBSを投与した。対照のロシグリタゾンは、0.015%で食餌中で自由に与えた。マウス及び食餌重量を毎日記録した。血糖値測定器(One Touch(登録商標)Ultra(登録商標)、Lifescan、カリフォルニア州ミルピタス)を用いて血糖値を測定した。体脂肪量及び除脂肪量を、Bruker Mini-Spec LF110を使用し、時間領域NMR(TD-NMR)により覚醒状態のマウスで定量した。経口グルコース負荷試験(OGTT)において、マウスを4時間絶食させた。2g/kgのグルコースを10mL/kgで強制経口投与した0、30、60、90、及び120分後に尾を切って血糖値を測定した。グルコース投与の0、30、及び90分後にインスリンを測定した。
試験の終了時にマウスをCO2吸入により安楽死させ、最終血液試料を採取した。血清を濡れた氷の入った96穴プレートに入れた後、-80℃で保存した。肝臓を摘出し、肝臓切片の合計質量に対する脂肪含量を、製造者の指示に従ってBruker MiniSpec mq60でTD-NMRを用いて評価した。
インスリン抵抗性の絶食ホメオスタシスモデル(HOMA-IR)を、絶食血糖値(mg/dL)とインスリン値(mU/L)との積を405の因数で割ることによって計算した。
DIOマウスを1nmol/kg及び10nmol/kgのFP1によりq3dで処理することにより、体重(表8)及び食物摂取量(表9)が低下した。低下量は、下記に述べる特定の時点でのみ有意差に達した。
FP1は、DIOマウスで1(2~14日目)及び10nmol/kg(1~14日目)の用量で体重を減少させた(表8及び図4)。食物摂取量の有意な低下は、1nmol/kgの用量で試験の1及び2日目に、10nmol/kgの用量で1、8、及び9日目に認められた(表9)。
Figure 2022513098000009
Figure 2022513098000010
試験14日目に実施したOGTTにおいて、FP1は、試験した3つの用量全てで、時点0以降の全ての時点において溶媒処理動物と比較して血糖値を有意に低下させた(表10)。これを、曲線下面積(AUC)及びΔAUCとして更に定量したところ、試験した3つの用量全てで溶媒と比較して有意に低かった(表10及び図5A及び図5B)。
Figure 2022513098000011
摂食血糖値を、試験開始(0日目)、7日目、及び13日目に測定した(表11、及び図6)。FP1は、試験の13日目に1nmol/kg及び10nmol/kgの用量で血糖値を統計的に有意に低下させた。
Figure 2022513098000012
データは平均±SEMとして表す。n=8/群
溶媒処理群と比較してp<0.05
OGTTの間の血漿インスリン値は、FP1では、30分において0.1nmol/kgの用量で対応する溶媒群よりも有意に高く、同じ時点で1及び10nmol/kgの用量で低かった(表12)。全AUCにより測定されるOGTTの間のインスリン変動は、0.1nmol/kgのFP1の用量では溶媒群よりも高く(表12)、1及び10nmol/kgの用量ではより低かった。いずれの場合も、最低用量においてのみ有意差に達した。90分の時点で1及び10nmol/kgのFP1で処理したマウスはより低いインスリン値を示したが、この効果は統計的有意差を示さなかった。インスリン感受性の指標として用いたHOMA-IRは、試験の14日目に測定した。この時点で、FP1は、10nmol/kgでHOMA-IRを低下させ、インスリン感受性を改善した(表13及び図7)。
Figure 2022513098000013
データは平均±SEMとして表す。n=8/群
溶媒処理群と比較してp<0.05
Figure 2022513098000014
データは、平均値±SEMとして表す。
n=8/群
溶媒処理群と比較してp<0.05
13日目までに達成された体重減少の大きさは、いずれの用量でも絶対体脂肪量又は体脂肪率(%)の測定可能な変化を生じなかった(表14)。10nmol/kgの用量では、絶対除脂肪量に有意な減少が認められた。この減少は、除脂肪率(%)として表した場合には認められなかった。試験の15日目に最終的な剖検を行って肝重量を測定した(表15)。FP1は、10nmol/kgの用量で絶対肝重量及び体重の割合(%)としての肝重量を減少させた。1nmol/kgの用量で減少が認められたが、これはどちらのパラメータでも有意差には達しなかった。肝脂肪を生検でNMRにより測定した(表16)。FP1融合タンパク質は、1及び10nmol/kgの用量で、肝生検重量の割合(%)として表される肝脂肪含有率を減少させた。この低下はより高い用量で有意であった。
Figure 2022513098000015
データは平均±SEMとして表す。n=8/群
溶媒処理群と比較してp<0.05
Figure 2022513098000016
データは平均±SEMとして表す。n=8/群
溶媒処理群と比較してp<0.05
Figure 2022513098000017
データは平均±SEMとして表す。n=8/群
溶媒処理群と比較してp<0.05
実施例11:ob/obマウスにおける血糖値及び体重に対するFP1の効果
この試験の目的は、肥満で高血糖症のレプチン欠損ob/obマウスにおける8日間の処理にわたって体重及び血糖値に対するFP1の効果を評価することにあった。
雄性ob/obマウスの体重を測定し、FP1を0、3、及び6日目の3日ごと(q3d)に2mL/kgを皮下投与した。マウス及び食餌重量を毎日記録した。血糖値測定器を使用して血糖値を毎日測定した。試験の終了時にマウスを安楽死させ、最終血液試料を採取した。
FP1は、1nmol/kgの用量で、ob/obマウスにおいて溶媒処理マウスに対して、2日目~8日目までに有意に体重を減少させた(開始体重の割合(%)として表される)。FP1は、10nmol/kgの用量で、ob/obマウスにおいて溶媒処理マウスに対して1日目~8日目までに体重を減少させた(開始体重の割合(%)として表される)(表17及び図8)。
Figure 2022513098000018
データは平均±SEMとして表す。n=8/群
溶媒処理群と比較してp<0.05
FP1は、10nmol/kgの用量で、ob/obマウスにおいて試験の1日目及び2日目、並びに4日目~8日目までに溶媒処理マウスに対して摂食血糖値を減少させた。1nmol/kgで血糖値の低下が観察されたが、この効果は有意差に達しなかった(表18及び図9)。
Figure 2022513098000019
実施例12:複数種における薬物動態
マウスにおける薬物動態
FP1を、雌性C57Bl/6マウスに、PBS(pH7)中、2mg/kgの用量で静脈内及び皮下投与した。両方の投与経路後に、血液試料を採取し、血清を処理して、薬物濃度を7日間にわたって測定した。FP1の濃度を、イムノアッセイ法により測定した。血清中の薬物濃度/時間プロファイルを表19及び20にまとめて示し、図10に示す。
Figure 2022513098000020
Figure 2022513098000021
薬物動態学分析により、皮下及び静脈内投与後のC57Bl/6マウスにおいてそれぞれ、1.67及び1.57日のFP1の最終半減期が示された(表21)。FP1は、皮下投与後に約71%の平均バイオアベイラビリティーを示した。
Figure 2022513098000022
注:Tmax(中央値)
ラットにおける薬物動態
FP1を、雌性Sprague Dawleyラットに、PBS(pH7)中、2mg/kgの用量で静脈内及び皮下投与した。両方の投与経路後に、血液試料を採取し、血清を処理して、薬物濃度を7日間にわたって測定した。FP1の濃度を、イムノアッセイ法により測定した。血清中の薬物濃度/時間プロファイルを表22及び23にまとめて示し、図11に示す。
Figure 2022513098000023
Figure 2022513098000024
繰り返しの分析により結果を確認した
薬物動態学分析により、皮下及び静脈内投与後のSprague Dawleyラットにおいてそれぞれ、1.34及び1.51日のFP1の最終半減期が示された(表24)。FP1は、皮下投与後に約23%の平均バイオアベイラビリティーを示した。
Figure 2022513098000025
注:Tmax(中央値)
サルにおける薬物動態
FP1を、ナイーブな雄性カニクイザル(Macaca fascicularis)に、PBS(pH7)中、1mg/kgの用量で静脈内及び皮下投与した。両方の投与経路後に、血液試料を採取し、血清を処理し、イムノアッセイバイオアナリシスを用いて、薬物濃度を21日間にわたって測定した。血清中の薬物濃度/時間プロファイルを表25及び26にまとめて示し、図12に示す。
Figure 2022513098000026
Figure 2022513098000027
薬物動態学分析により、皮下及び静脈内投与後のカニクイザルにおいてそれぞれ、8.5及び9.2日のFP1の最終半減期が示され、皮下投与後の平均バイオアベイラビリティーは約88%であった(表27)。
Figure 2022513098000028
注:Tmax(中央値)
免疫親和性捕捉LCMS分析を用いて、静脈内及び皮下投与後のカニクイザルの血清中に存在する完全な二量体の濃度を定量した(表28及び29、並びに図13及び14)。この方法により測定された濃度は、イムノアッセイ(IA)により測定された濃度と同様であり、FP1が完全な二量体として循環しており、カニクイザルでは検出可能な代謝不安定性はないことを示している。
Figure 2022513098000029
Figure 2022513098000030
静脈内及び皮下投与後のカニクイザル血清中の被検質の濃度も免疫親和性捕捉トリプシン消化LC-MS/MS分析によって測定した(表30及び31)。FP1内のHSA領域のN末端近く、GDF15のN末端近く、及びGDF15のC末端近くにそれぞれ位置するトリプシン消化ペプチド、すなわち、ALV(ALVLIAFAQYLQQSPFEDHVK)、ASL(ASLEDLGWADWVLSPR)、及びTDT(TDTGVSLQTYDDLLAK)を選択した。これらのペプチドをFP1の代理ペプチドとして観察した。代理ペプチドの全ての濃度は互いと、また、イムノアッセイにより測定された濃度と同程度であり、FP1内のGDF15配列が完全に保たれ、in vivoで完全なHSA配列に連結されていることが示された。
Figure 2022513098000031
Figure 2022513098000032
ヒト血漿安定性アッセイ
この研究の目的は、ヒト血漿中のFP1のex vivo安定性を分析することにあった。新鮮な非凍結ヒト血漿を、遠心分離により2名の被験者(男性1人、女性1人)のヘパリン添加血から調製した。FP1を、静かに混合しながらこの基質中で、0、4、24及び48時間、37℃でインキュベートした。FP1の濃度を、イムノアッセイ法により測定した。開始濃度(0時間)からの平均の差(%)は、-4.1~-12.9の範囲であり、経時的な増加はみられず、FP1がex vivoのヒト血漿中で48時間まで安定であることが示された(表32及び図15)。
Figure 2022513098000033
免疫親和性捕捉LCMSを用いて、ヒト血漿中でのインキュベーション後に存在する完全な二量体の濃度を定量した。この方法で測定された濃度は経時的(0、4、24、及び48時間)に安定であり、FP1が、ex vivoのヒト血漿中で最大48時間、完全な二量体に保たれることが示された(表33及び図16)。
Figure 2022513098000034
実施例15~19では、配列番号92のアミノ酸配列(配列番号95(コドン最適化1)及び配列番号110(コドン最適化2)のヌクレオチド配列によりコードされる)を有する、実施例5で述べた本発明の例示的な融合タンパク質の特性評価を行う。この融合タンパク質は、グリシン及びセリン残基からなるアミノ酸42個のリンカーGS-(GGGGS)を介した、HSA(C34S)の成熟ヒトGDF15の欠失変異体(201~308、配列番号8)との融合体のホモ二量体として存在する完全な組換えタンパク質である。HSAの34位の1個の天然の遊離システインがセリンに変異している。この特定のHSA-GDF15融合タンパク質を、簡潔にするために、以下の実施例では「FP2」と呼ぶものとする。
配列番号92:
DAHKSEVAHRFKDLGEENFKALVLIAFAQYLQQSPFEDHVKLVNEVTEFAKTCVADESAENCDKSLHTLFGDKLCTVATLRETYGEMADCCAKQEPERNECFLQHKDDNPNLPRLVRPEVDVMCTAFHDNEETFLKKYLYEIARRHPYFYAPELLFFAKRYKAAFTECCQAADKAACLLPKLDELRDEGKASSAKQRLKCASLQKFGERAFKAWAVARLSQRFPKAEFAEVSKLVTDLTKVHTECCHGDLLECADDRADLAKYICENQDSISSKLKECCEKPLLEKSHCIAEVENDEMPADLPSLAADFVESKDVCKNYAEAKDVFLGMFLYEYARRHPDYSVVLLLRLAKTYETTLEKCCAAADPHECYAKVFDEFKPLVEEPQNLIKQNCELFEQLGEYKFQNALLVRYTKKVPQVSTPTLVEVSRNLGKVGSKCCKHPEAKRMPCAEDYLSVVLNQLCVLHEKTPVSDRVTKCCTESLVNRRPCFSALEVDETYVPKEFNAETFTFHADICTLSEKERQIKKQTALVELVKHKPKATKEQLKAVMDDFAAFVEKCCKADDKETCFAEEGKKLVAASQAALGLGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANMHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI
実施例13:FP2のin vitroアゴニスト効力
FP2のin vitroのアゴニスト効力を、ヒトGDF15受容体(GFRAL)を安定的に過剰発現するSK-N-AS細胞を用いた細胞ベースのpAKTアッセイを用いて評価した。GFRAL活性を、ヒトGFRALを過剰発現させるために安定的にトランスフェクトされたSK-N-ASヒト神経芽腫細胞(ATCC)中のリン酸化AKT(Ser473)レベルを測定することによって決定した。様々な濃度の試験物を有するGFRAL発現細胞を処理した後のAKTのリン酸化を、製造元の指示に従ってPhospho-AKT(Ser473)Assayキット(Cisbio,Beford,MA)を使用して測定した。得られたデータを使用して、Prism統計ソフトウェア(GraphPad Software San Diego)を用いEC50値を計算した。FP2は、2.908±0.239nM(N=3)の半数効果濃度(EC50)でpAKTを活性化した。天然のGDF15はアッセイの対照として機能し、0.153±0.008nM(N=3)のEC50でアゴニスト活性を示した。
実施例14:C57Bl/6マウスの食物摂取量に対するFP2の効果
FP2を、単回投与後に雄性C57Bl/6マウスの食物摂取量を低下させる性質について評価した。Taconic Biosciences社(ニューヨーク州ハドソン)より入手した雄性C57Bl/6Nマウス(10~12週齢)を試験で使用した。マウスは、12時間の明暗サイクル(午前6時/午後6時)を行った調温室内で1匹ずつ収容し、水及び食餌を自由に取らせた。雄性C57Bl/6マウスはBioDAQケージ内で最低72時間、環境順応させた。その後、マウスを食物摂取量に基づいて1群8匹ずつの6群に最後の24時間にグループ分けした。午後4:00~5:00の間に、動物の体重を測定し、溶媒又は化合物を皮下注射により投与した。各ケージについて、食物摂取量の変化を、BioDAQシステムにより、化合物の投与後48時間にわたって継続的に記録した。この試験では、6xHis-FP1を比較に用いた。
FP2は、試験した全ての用量レベルにおいて投与12、24、及び48時間後に食物摂取量を低減させる有意な効果を示した(表34)。マウスで全ての時点及び全ての用量レベルにおいてPBSに対して食物摂取量の変化率(%)の低下がみられた(表35)。
Figure 2022513098000035
データは、平均値±SEMとして表す。
それぞれ、PBSに対してp≦0.05
**PBSに対してp≦0.01
***PBSに対してp≦0.001
****PBSに対してp≦0.0001
使用した統計分析法は、ANOVA及びダネットの多重比較検定である。
6xHis-FP1の8nmol/kg投与群(n=6)を除き、n=8/群とした。
Figure 2022513098000036
FP2の食欲抑制効果を、それぞれのPBSコントロールと比較した食物摂取量の相対低下率として表す。
データは、平均値±SEMとして表す。
それぞれ、PBSに対してp≦0.05
**PBSに対してp≦0.01
***PBSに対してp≦0.001
****PBSに対してp≦0.0001
使用した統計分析法は、ANOVA及びダネットの多重比較検定である。
6xHis-FP1の8nmol/kg投与群(n=6)を除き、n=8/群とした。
実施例15:Sprague Dawleyラットの食物摂取量に対するFP2の効果
FP2を、単回投与後に雄性Sprague-Dawleyラットの食物摂取量及び体重増加を低下させる能力について評価した。動物は、体重200~225gのものをCharles River Labs(Wilmington,MA)より得、配送の1週間以内に使用した。動物は、12時間の明暗サイクルを行った調温室内で、Alphaドライ床材及び濃縮用プラスチックチューブの入ったケージに1匹ずつ収容した。ラットには自由に水を摂取させ、試験用のげっ歯類の食餌;Irradiated Certified PicoLab(登録商標)Rodent Diet 20,5K75(Purina Mills,St.Louis,MO via ASAP Quakertown,PAから供給された)を与えた。投与に先立って各ラットについて動物の体重を測定し、記録した。
動物はBioDAQケージ内で最低72時間、環境順応させた。その後、ラットを食物摂取量に基づいて1群8匹ずつの6群に最後の24時間にグループ分けした。午後4:00~5:00の間に、動物の体重を測定し、溶媒又は化合物を皮下注射により投与した。各ケージについて、食物摂取量の変化を、BioDAQシステムにより、化合物の投与後48時間にわたって継続的に記録した。この試験では、6XHis-FP1を比較に用いた。
FP2の単回投与後に食物摂取量の用量依存的な低下について試験した。0.3nmol/kgの用量では、食物摂取量に有意差は認められなかった。1nmol/kgでは、食物摂取量を低下させる有意な効果が12時間で認められたが、24又は48時間では認められなかった。3及び10nmol/kgの用量レベルでは、食物摂取量の有意な低下が全ての時点で認められた(表36、図19)。全ての時点及び全ての用量レベルにおいてPBSに対して食物摂取量の変化率(%)の低下がみられた(表37)。
Figure 2022513098000037
データは、平均値±SEMとして表す。
それぞれ、PBSに対してp≦0.05
**PBSに対してp≦0.01
****PBSに対してp≦0.001
使用した統計分析法は、ANOVA及びダネットの多重比較検定である。
n=8/群
Figure 2022513098000038
FP2の食欲抑制効果を、それぞれのPBSコントロールと比較した食物摂取量の相対低下率として表す。
データは、平均値±SEMとして表す。
それぞれ、PBSに対してp≦0.05
**PBSに対してp≦0.01
***PBSに対してp≦0.001
使用した統計分析法は、ANOVA及びダネットの多重比較検定である。
n=8/群
実施例16:食餌誘発性肥満(DIO)C57Bl/6マウスの食物摂取量、体重、及びグルコースホメオスタシスに対するFP2の効果
FP2を、8日間にわたって雄性DIO C57Bl/6マウスに反復投与し、食物摂取量及び体重を低下させ、グルコースホメオスタシスを改善する能力について評価した。Taconic Biosciences社(ニューヨーク州ハドソン)より入手した雄性DIO C57Bl/6マウス(21週齢、高脂肪食を15週間与えたもの)を試験で使用した。マウスは、12時間の明暗サイクル(午前6時/午後6時)を行った調温室内で1匹ずつ収容し、水を自由摂取させ、研究用食事D12492(Research Diets社、ニュージャージー州ニューブランズウィック)を与えた。マウスを1週間以上マウス飼育室で環境順応させてから試験に供した。試験のエンドポイントは、食物摂取量、体重、体組成、及び血糖エンドポイント(OGTT、血糖値)の測定値とした。投与の1日前に動物の体重を測定し、体重(BW)別にグループ分けした。皮下注射によりマウスに投与した。FP2を投与した動物には、この化合物を0日目、3日目、及び6日目、9日目、及び12日目に投与した。溶媒群及びロシグリタゾン群には、滅菌PBSをこれらの日に同様に投与した。ロシグリタゾンは、0.015重量/重量%で食餌中で自由に与えた。体重及び食物摂取量を、15日間にわたり毎日記録した。血糖値を0、7、及び13日目に測定した。経口グルコース負荷試験(OGTT)を14日目に実施した。OGTTの間、インスリン値を選択された時点に測定した。15日目にマウスをCOで安楽死させ、曝露用の最終血液試料を心臓穿刺により採取した。各投与群3匹のマウスで合計15匹のマウスで別々のPKアームを行った。
DIOマウスにおけるFP2に対する曝露-反応(E-R)分析
薬力学(PD)(効果)アームの大半の動物が、おそらくは免疫原性のために、薬物動態(PK)試料を得た最後の試験日には検出不能な薬物濃度を有していた。したがって、PDアームからの個々のPKの代わりに、PKアームからの平均PKプロファイルを使用して、対応する用量レベルでPDアームのベースラインからの体重変化率(%)について曝露-反応(それぞれ、3、6及び9日目)を実施した。この方法では、PKアームが薬物曝露に関してPDアームと同様の挙動を示すと仮定している。
maxモデル(GraphPad Prism 6、反応に対するアゴニストの対数値)を用いて曝露量を反応データと相関させた(対数値を薬物濃度に変換した)。Hill Slopeは1に設定した。EC50値に対してEC10を当てはめたモデルは、Emax推定値が異なった(Emax=それぞれ、-4.26%、-8.18%及び-9.85%)にもかかわらず、3、6及び9日目で2倍以内であった。9日目に、一部の動物が、潜在的なADAの形成のために薬物曝露の消失をやはり示したため、9日目のデータに基づいたE-Rパラメータは解釈に注意を要する。
食物摂取量、体重、グルコースホメオスタシス、及び肝脂肪含有率に対する2週間のFP2の曝露の効果を、食餌誘発性肥満雄性C57Bl/6マウスで評価した。0.3nmol/kg処理群の1.7~3.3nMのFP2、1.0nmol/kg処理群の7.1~14nM、3.0nmol/kg処理群の20.8~41.6nM、及び10nmol/kg処理群の28.5~112.9nMのFP2のトラフ曝露値を、試験のPKアームで9日目まで維持した(n=2又は3、表49)。9日目以降、q3d投与を継続したにもかかわらず、循環値の減少が大半の動物で認められた(表49)。この加速したクリアランスと一致して、試験のPDアームの動物の大半が15日目に検出不能なFP2の循環値を有していた(表50)。
q3dのFP2によるDIOマウスの処理は、溶媒処理(表43及び図23)と比較して、食物摂取量(表38)、体重(表39、40及び図20)、及び摂食血糖値を低下させた。食物摂取量の有意な低下が、0.3nmol/kgでは2日目、5日目、及び8日目で、1.0nmol/kgでは1日目~7日目を通じて、3.0nmol/kgでは1日目、2日目、4日目~6日目、及び8日目に、10.0nmol/kgでは1日目、3日目~6日目、8日目、及び9日目でみられた。体重変化率(%)は、0.3nmol/kgでは5日目~13日目で、1.0nmol/kg及び10.0nmol/kgでは3日目~13日目で、3.0nmol/kgでは4日目から13日目で有意であった。体重の変化(g)は、0.3nmol/kgでは8日目から、1.0nmol/kgでは6日目から、3.0nmol/kgでは7日目から、10.0nmol/kgでは5日目から有意であった。摂食血糖値の減少は、3.0nmol/kgの用量レベルの動物では7日目で有意であり、3.0及び10.0nmol/kgの用量レベルの動物では13日目で有意であった。
q3dのFP2で処理したDIOマウスは、経口グルコースチャレンジにおいて溶媒処理群と比較して14日目に耐糖能の改善がみられた(表41、図21A及び21B)。血糖値は、0.3nmol/kg群では30分で、1.0nmol/kg群では60分及び120分で、3.0nmol/kg群では120分で、10.0nmol/kg群では30、90、及び120分で有意に低かった。全曲線下面積は、全ての投与群で有意であった。グルコースチャレンジにおけるインスリン値は、0.3及び10.0nmol/kg群で30分で有意に低かった(表42、図22A及び22B)。更に、溶媒処理動物と比較して、14日間の10.0nmol/kgのFP2によるq3d処理後のDIOマウスで絶食HOMA-IR計算値に有意な低下がみられ、インスリン感受性の改善を示した(表44及び図24)。
試験開始前の-1日目及び13日目にMRIにより体組成を測定した(表47及び表48)。1.0nmol/kg及び10.0nmol/kgのFP2で処理したDIOマウスが13日目に体脂肪量の有意な低下を示したのに対して、いずれの処理群でも除脂肪量の変化はみられなかった。13日目に、10.0nmol/kg処理群は、溶媒処理群と比較して除脂肪率(%)の有意な増加及び体脂肪率(%)の有意な低下を示した。-1日目~13日目の変化は除脂肪量について0.3nmol/kg、1.0nmol/kg、及び10.0nmol/kg処理群で有意であり、除脂肪率(%)について1.0、3.0、及び10.0nmol/kg処理群で有意であった。-1日目~13日目の変化は、溶媒と比較して全ての処理群で体脂肪量及び除脂肪率(%)について有意であった。
溶媒処理動物と、q3dのFP2で15日間処理したマウスとの間で内因性マウスGDF15の血清レベルに有意差はみられなかった(表46)。
結論:これらの結果は、高い薬物曝露が概して、3、6、及び9日目に試験した投与群全てにおいて、集団レベルでベースラインからのより大きな体重変化率(%)を伴うことを示している。
2週にわたるFP2への曝露は、DIOマウスで食物摂取量の低下、体重減少、血糖値の減少、耐糖能及びインスリン感受性の改善につながった。q3dの1.0、3.0、及び10.0nmol/kgで複数の日数にわたって食物摂取量の有意な減少が得られた。試験開始の3日~5日後から体重が有意に減少した。13日目の摂食血糖値は3.0及び10.0nmol/kgのFP2のq3d投与後に有意に減少した。絶食HOMA-IRの有意な減少により示されるインスリン感受性は、10.0nmol/kgのFP2のq3d投与の14日後に得られた。13日目に、10.0nmol/kgのFP2でq3d処理されたDIOマウスにおいて、除脂肪率(%)の有意な増大及び体脂肪率(%)の有意な減少が認められた。
Figure 2022513098000039
各値は、n=7の場合(^により示される)を除き、8匹の動物からのデータについて時間当たり、群当たりの平均±SEMを表す。
溶媒に対してp<0.05
使用した統計分析法は、二元配置ANOVA RM、テューキーの多重比較検定である。
Figure 2022513098000040
各値は、8匹の動物からのデータについて時間当たり、群当たりの平均±SEMを表す。
溶媒に対してp<0.05
使用した統計分析法は、二元配置ANOVA RM、テューキーの多重比較検定である。
Figure 2022513098000041
各値は、8匹の動物からのデータについて時間当たり、群当たりの平均±SEMを表す。
溶媒に対してp<0.05
使用した統計分析法は、二元配置ANOVA RM、テューキーの多重比較検定である。
Figure 2022513098000042
各値は、8匹の動物からのデータについて時間当たり、群当たりの平均±SEMを表す。
溶媒に対してp<0.05
使用した統計分析法は、血糖値については、二元配置ANOVA RM、テューキーの多重比較検定、
AUCについては、一元配置ANOVA、テューキーの多重比較検定である。
Figure 2022513098000043
各値は、8匹の動物からのデータについて時間当たり、群当たりの平均±SEMを表す。
溶媒に対してp<0.05
使用した統計分析法は、インスリン値については、二元配置ANOVA RM、テューキーの多重比較検定、
AUCについては、一元配置ANOVA、テューキーの多重比較検定である。
Figure 2022513098000044
各値は、8匹の動物からのデータについて時間当たり、群当たりの平均±SEMを表す。
溶媒に対してp<0.05
使用した統計分析法は、二元配置ANOVA RM、テューキーの多重比較検定である。
Figure 2022513098000045
各値は、8匹の動物からのデータについて時間当たり、群当たりの平均±SEMを表す。
溶媒に対してp<0.05
使用した統計分析法は、一元配置ANOVA、テューキーの多重比較検定である。
Figure 2022513098000046
各値は、8匹の動物からのデータについて時間当たり、群当たりの平均±SEMを表す。
溶媒に対してp<0.05
使用した統計分析法は、一元配置ANOVA、テューキーの多重比較検定である。
Figure 2022513098000047
各値は、8匹の動物からのデータについて時間当たり、群当たりの平均±SEMを表す。
溶媒に対してp<0.05
使用した統計分析法は、一元配置ANOVA、テューキーの多重比較検定である。
Figure 2022513098000048
各値は、8匹の動物からのデータについて時間当たり、群当たりの平均±SEMを表す。
溶媒に対してp<0.05
使用した統計分析法は、一元配置ANOVA、テューキーの多重比較検定である。
Figure 2022513098000049
各値は、8匹の動物からのデータについて時間当たり、群当たりの平均±SEMを表す。
溶媒に対してp<0.05
使用した統計分析法は、一元配置ANOVA、テューキーの多重比較検定である。
Figure 2022513098000050
データは、各動物における濃度として表す。
<LOQ=定量限界未満;LOQは0.494nMである。
**3、6、9及び12日目の値は、次の投与の直前の値である。
Figure 2022513098000051
データは、各動物における濃度として表す。
<LOQ=定量限界未満;LOQは0.494nMである。
実施例17:FP2の複数種における薬物動態及び免疫応答
マウスにおける薬物動態
FP2を雌性C57Bl/6マウスに皮下投与した場合の薬物動態特性を評価した。FP2を雌性C57Bl/6マウス(Sage Laboratories社、ミズーリ州セントルイス)にPBS(pH7.3~7.5)中、2.0mg/kgの用量レベルで、皮下(各時点につきn=5の試料)及び静脈内(各時点につきn=5の試料)投与した。最後の時点の試料の採取は、最終瀉血により行った。血液試料を採取し、血清を処理し、薬物濃度を168時間まで測定した。FP2の濃度は、イムノアッセイ法により測定した。血漿中の薬物濃度プロファイルを表51及び52にまとめて示し、図25に示す。
C57Bl/6マウスにおけるFP2の薬物動態分析により、静脈内及び皮下投与後の最終半減期は、それぞれ約1.51日及び約1.76日であり、皮下投与後の平均バイオアベイラビリティーは約61%であることが示された。
Figure 2022513098000052
Figure 2022513098000053
Figure 2022513098000054
ラットにおける薬物動態
FP2をSprague-Dawleyラット(Sage Laboratories社、ミズーリ州セントルイス)にPBS(pH7.3~7.5)中、2.0mg/kgの用量レベルで、皮下(各時点につきn=5の試料)及び静脈内(各時点につきn=5の試料)投与した。最後の時点の試料の採取は、最終瀉血により行った。血液試料を採取し、血清を処理し、薬物濃度を168時間まで測定した。FP2の濃度は、イムノアッセイ法により測定した。血漿中の薬物濃度プロファイルを表54及び55にまとめて示し、図26に示す。これらのデータから計算した薬物動態パラメータを表56にまとめて示す。
Sprague DawleyラットにおけるFP2の薬物動態分析により、静脈内及び皮下投与後の最終半減期は、それぞれ約1.46日及び約1.37日であり、皮下投与後の平均バイオアベイラビリティーは約28%であることが示された。
Figure 2022513098000055
Figure 2022513098000056
Figure 2022513098000057
サルにおける薬物動態
FP2を、3匹の雄のカニクイザルにそれぞれPBS(pH7.0~7.6)中、1mg/kgで皮下に、1mg/kgで静脈内に投与した。血液試料を採取し、血漿を処理し、薬物濃度を21日目まで測定した。
FP2の薬物動態(PK)を、カニクイザルに単回静脈内(IV)(1.0mg/kg)及び皮下(SC)(1.0mg/kg)投与した後に特性評価した。SC投与後の血漿中の薬物濃度-時間プロファイルを、イムノアッセイ及びLCMS分析について表57及び58にそれぞれ示し、IV投与後の血漿中の薬物濃度-時間プロファイルをイムノアッセイ及びLCMS分析について表59及び60にそれぞれ示す。イムノアッセイのデータを図27にグラフで示し、LCMSのデータを図28に示す。
イムノアッセイ分析の結果を用いると、平均NCAに基づいたFP2の最終半減期(t1/2)は、IV及びSC投与後にそれぞれ約7.05日及び約8.51日であった。IV及びSC投与後の平均PKパラメータを表61に示す。イムノアッセイ生体分析の結果を用いると、平均の非コンパートメントモデルで推定したFP2の最終半減期(t1/2)は、IV及びSC投与後にそれぞれ約7.05日及び約8.51日であった。FP2の平均バイオアベイラビリティー(F%)は、SC投与後のカニクイザルでAUC0~最終に基づいて約98.5%と推定され、AUC0~無限に基づいて約109.2%と推定された。
Figure 2022513098000058
N/A=適用できず
Figure 2022513098000059
-=最初の測定が失敗し、繰り返し分析を行うための試料が充分ではなかった
#=チューブのラベリングに誤りがあったため、分析から試料を除外した
N/A=適用できず
Figure 2022513098000060
N/A=適用できず
Figure 2022513098000061
-=最初の測定が失敗し、繰り返し分析を行うための試料が充分ではなかった
N/A=適用できず
#=チューブのラベリングに誤りがあったため、分析から試料を除外した
Figure 2022513098000062
PKパラメータは、イムノアッセイのPKデータのNCAに基づいた平均値である。
Tmax(中央値)
ヒト血漿安定性アッセイ
FP2のex vivo安定性を、新鮮なヘパリン添加血漿中、37℃で48時間まで調べた。新鮮な非凍結ヒト血漿を、遠心分離により2名の被験者(男性1人、女性1人)のヘパリン添加血から調製した。FP2を、静かに混合しながらこの基質中で、0、4、24及び48時間、37℃でインキュベートした。FP2の濃度を、イムノアッセイ法により測定した。独立した免疫親和性捕捉の後にLCMSを行って、アッセイ条件下でこの基質中に存在する完全な二量体の濃度を定量した。
イムノアッセイ法では、開始濃度からの回復率は104.8~94.1の範囲であり、経時的な減少はみられず、FP2がex vivoのヒト血漿中で48時間まで安定であることが示された(図29及び表62)。LCMS法では、濃度は経時的に安定しており、FP2がex vivoのヒト血漿中で48時間まで完全な二量体に保たれることが示された(図30及び表63)。
Figure 2022513098000063
Figure 2022513098000064
実施例18:カニクイザルにおける単回投与FP1及びFP2の効果
ナイーブなカニクイザルへの単回投与後の食物摂取量及び体重に対するFP1及びFP2の影響を評価した。
FP1は、ナイーブなカニクイザルのコホートに1、3及び10nmol/kgの3つの用量レベルで皮下投与した。溶媒処理群も含めた。動物は盲検で処理した。試験は、2週間のベースライン食物摂取量測定及びデータ収集、化合物の単回投与後の4週間のデータ収集の合計6週間で行った。血漿薬物曝露量を投与の1、7、14、21、及び28日目に測定した。
単回投与のFP1によるカニクイザルの処理は、溶媒処理と比較して食物摂取量及び体重を減少させた(図31~32)。1日食物摂取量の有意な低下が、10nmol/kgの用量レベルで4、5、6、及び8~12日目にみられた(図31)。1日食物摂取量の週平均値は、10nmol/kgの用量レベルで投与後2週目の間、有意に低下した。3nmol/kgの用量レベルでは、投与後2週目の投与の前に平均の週食物摂取量から有意な低下率(%)を示し、10nmol/kgの用量レベルでは、投与後1及び2週目の投与の前に平均の週食物摂取量から有意な低下率(%)を示した。0日目からの体重変化率(%)の有意な低下が、3nmol/kgの用量レベルで28日目に、10nmol/kgの用量レベルでは14、21、及び28日目にみられた(図32)。
FP2は、ナイーブなカニクイザルのコホートに1、3及び10nmol/kgの3つの用量レベルで皮下投与した。溶媒処理群も含めた。動物は盲検で処理した。試験は、5週間のベースライン食物摂取量測定及びデータ収集、1週間の処理、及び5週間の休薬期データ収集の合計11週間で行った。血漿薬物曝露量を投与の1、7、14、21、28、35、及び42日目に測定した。
単回投与のFP2によるカニクイザルの処理は、溶媒処理と比較して食物摂取量及び体重を減少させた(図33~34)。1日食物摂取量の有意な低下が、3nmol/kgの用量レベルで3、5~8、10及び12日目に、10nmol/kgの用量レベルで3~38日目、及び40日目にみられた(図33)。1日食物摂取量の週平均値は、3nmol/kgの用量レベルで投与後1週目に有意に低下し、10nmol/kgの用量レベルで1~6週目に有意に低下した。3nmol/kgの用量レベルでは、投与後2週目に、週平均の1日食物摂取量に投与の前の週から有意な低下率(%)がみられ、10nmol/kgの用量レベルでは、投与後1及び6週目に、週平均の1日食物摂取量に投与の前の週から有意な低下率(%)がみられた。0日目からの体重変化率(%)の有意な低下が、1nmol/kgの用量レベルでは21~42日目に、3nmol/kgの用量レベルでは14~42日目に、10nmol/kgの用量レベルでは7~42日目にみられた(図33)。
実施例19:カニクイザルにおける複数回投与のFP2の効果
FP2の効果を、0.3、1、及び10nmol/kgの3つの投与レベルで、ナイーブな自発的に過体重のカニクイザルのコホート(年齢8~20才、体重8.0~11.9kg)への週1回の皮下注射により評価した。摂餌量を毎日測定し、体重を毎週測定し、動物の一般状態を毎日評価した。週12回のFP2による過体重カニクイザルの処置は、溶媒処置と比較して食物摂取量(図35)及び体重(図36)を低減した。循環FP2濃度をイムノアッセイにより測定した(図37)。おそらくは抗薬物抗体(ADA)の生成によるものと思われる、FP2への曝露の喪失が後の時点で一部の動物において観察された。図は、曝露の喪失(同じ動物についての前の測定からのトラフ血清薬物濃度の40%以上の減少として定義される)前の点まで収集されたデータを示す。試験の全体を通じて、治療に関連する毒性影響は認められなかった。
実施例20:リンカーの熱安定性
HSAとGDF15とを連結する異なるリンカーの熱安定性を調べた。フラグメント化及び凝集する性質を評価するため、異なるリンカーを有するHSA-GDF15融合タンパク質を10mg/mlに希釈した。EDTA及びメチオニンを加えた後、試料を40℃以下で14日間インキュベートした。次いで試料を1mg/mlの濃度に希釈し、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE-HPLC)で評価した。完全なタンパク質並びに凝集体及びフラグメントの割合(%)をこれらのタンパク質について定量した。表64は、APの繰り返しからなるリンカーを有するHSA-GDF15タンパク質が熱ストレス下でフラグメント化に対して最も安定的であることを示している。
これらのリンカーがGDF15とその受容体との相互作用に影響するか否かを評価するため、GFRAL-FC融合タンパク質をプレートにコートし、抗GDF15又は抗HSAによる検出を行うイムノアッセイを、GDF15(Janssen社)及びHSA(Kerafast,Inc.社、マサチューセッツ州ボストン)に対するモノクローナル抗体を使用して行った。このアッセイにより、表66に示されるこれらのリンカーはいずれも受容体に同様の結合性を有することが示された。
Figure 2022513098000065
実施例21:臨床試験のプロトコル
過体重である以外は健康な被験者に皮下投与されたFP2の安全性、忍容性、薬物動態(絶対バイオアベイラビリティーを含む)、及び免疫原性を調べるための二重盲検、プラセボ対照、ランダム化、単回用量漸増投与試験
プロトコル64739090EDI1001;第1相
EudraCT番号:2018-000324-34
Figure 2022513098000066
Figure 2022513098000067
Figure 2022513098000068
Figure 2022513098000069
Figure 2022513098000070
Figure 2022513098000071
Figure 2022513098000072
Figure 2022513098000073
a-第1部は二重盲検であり、最大7つの投与群からなる。
第2部は、非盲検であり、単回投与群からなる。
b-スクリーニング-手順は、1日目の試験薬の投与の4週間(28日)前以内に行われる必要がある。
c-インフォームドコンセント-任意の試験関連手順を開始する前に得る必要がある。
d-組み入れ/除外基準-適格性基準をサポートする文書の利用可能性の最低基準は、「セクション4被験者集団の適格性」に記載されており、投与前のベースライン評価の検証後に確認される。
e-得られる臨床検査のリストについては、「実施例21セクション9.6.2臨床検査」を参照されたい。被験者は、血液を採取する前に少なくとも10時間絶食する必要がある(すなわち、食物又は(水を除く)飲料を摂らない)。1日目のランダム化及び投与の前に検証するための結果が与えられるものとして、ベースラインの臨床検査は、-2日目又は-1日目に得られてもよい。
f-全て女性の被験者のみで得られる。
g-ランダム化は、-2日目及び-1日目の全ての評価が行われ、検討、検証されて、被験者が全ての組み込み基準を満たし、排除基準を満たさないこと(例えば、検査結果、ECGなど)が確認された後、1日目に実施される。
h-第1部用量漸増/皮下(SC)投与:被験者にFP2又はプラセボ(最大容量2mL)を単回投与する。第2部:被験者に30分間にわたってIV注入(一定速度)にてFP2を単回投与する(一定速度)。第1部及び第2部の全ての被験者は、投与前~投与後3時間まで一晩(少なくとも10時間)絶食する必要がある。第1部の時間0は、SCによる試験薬の注射時間であり、第2部の時間0は、試験薬のIV注入の開始時間である。
i-バイタルサインは、仰臥位での5分間の休息後に測定する必要があり、安静時心拍数(HR)及び血圧(BP)が含まれる必要がある。血液サンプリング又はバイタルサイン測定がECG記録と同じ時点でスケジュールされた場合、各処置は、バイタルサイン、ECG、PK、安全のための採血叉は探索的バイオマーカー分析の順序で行われる必要がある。測定値は、完全に自動化された血圧計で測定される。全ての時点で単一の血圧及び時間を測定し、記録する。
j-連続的第II誘導ECGモニタリングは、第2部でのみ行われ、1日目のIV注入開始の30分前から開始され、注入終了の2時間後まで行う必要がある。治験責任医師の裁量により、心臓モニタリングの継続時間を延長することができる。
k-12誘導ECG:スクリーニングECGを除き、全てのECGは3回測定する。被験者には、気を散らすもの(例えば、テレビ、携帯電話)を避け、静かな状況で仰臥位で少なくとも5分間休息する必要があり、会話又は手足を動かすことは控えてもらう。3回のECGは、各時点で2分以内に個別に得る必要がある。ECGがPK試料と同じ試験の時点で行われる場合、ECGの直後にPK試料を採取する必要がある。
-1日目の12誘導ECGは、1日目にスケジュールされた12誘導ECG(すなわち、投与前、投与の1、2、4、8、12、及び24時間後)に時間を一致させる必要がある(同時)。
m-体重:朝食前並びに-1、2、3、4日及び5日目の排尿後、及び1日目の排尿後、投与前に得る。体重は、2回測定する必要がある。被験者は、靴を履かず、ガウンを着用した状態で、較正された秤で計量する必要がある。
n-投与前の手順は、試験薬投与の30分前以内に得る必要がある。
o-24時間の食物摂取評価及びVAS質問票のタイミングの詳細な説明については、「実施例21セクション9.3、薬力学的評価」、「食事及びVAS質問票の時間及び事象のスケジュール」を参照されたい。
p-Atスクリーニング、血清妊娠検査は、全ての女性に必要である。尿妊娠検査は、他の全ての時点で得ることができる。
q-試料採取手順及びプロセスの説明書きについては、ラボマニュアルを参照のこと。
r-薬物動態評価:全てのPK採血は、スケジュールされた時点のできるだけ近くで行われる必要がある。ECGが同じ時点で行われる場合、PK検体は、ECGの終了直後に採取する必要がある。第2部(IV注入)では、全ての採取時点は、注入の終了時に対するものである。薬物動態試料採取のタイミングは、前の用量からの予備PKデータによって示される場合、変更されてもよい(ただし、追加の試料は採取されない)。
s-時点0.5(=t(注入終了時)は、第2部におけるIV投与にのみ適用可能である。
t-薬理ゲノミクス(DNA)試料は、指定の時点で採取する必要があるが、必要であれば、プロトコルから逸脱することなく、後の時点で採取されてもよい。
u-有害事象及び併用薬は、インフォームドコンセントの署名後から開始して試験終了時の来院における最終試験手順まで記録する。更に、有害事象について、試験全体を通じて(無指示の質問を用いて)指定の時点でクエリがなされる。
v-局所注射部位反応の毒性の報告に関するガイドラインについては、「実施例21セクション9.6.8局所注射部位反応」の表70を参照のこと。
w-アレルギー反応及び/又は過敏反応の管理に関するガイドラインについては、「実施例21セクション9.6.7アレルギー反応/一般的な過敏症」を参照のこと。
Figure 2022513098000074
a- 時刻は、必要に応じて±15分間調整することができる。
b- 時間0は、-1、2、3、4及び5日目の朝食の開始時、並びに1日目の投与後の最初の食事の開始時を指す。
c- 全ての被験者に全ての日で同時(±15分)に食事が与えられる必要がある。食事のタイミングは、-1日目のECG測定と重複しないように決められており、ECGが午前7時前、及びその後、0800、0900、1100、1500、及び1900(1日目の投与が0700に行われる場合)、又は1000、1100、1300、1700、及び2100(1日目の投与が0900に行われる場合)に行われるものと仮定して計算されている。
d- 朝食、昼食、軽食及び夕食は、-1日目と3日目で同じで、他の日に投与される食事とは異なっている必要がある。
e- -1日目及び3日目に、他の被験者に影響されないよう、食事を取る際に被験者同士は互いから視覚的に隔離する必要がある。
f- -1日目及び3日目には、各食事は30分以内に食べ終わる必要があり、被験者は、食事が30分前に終了した場合には試験官に報告する必要がある。食事の開始及び終了時間は記録する必要がある。
g- -1日目及び3日目には、各食事の各品目を消費の前後に計量する必要があり、その後のカロリー計算を行うために消費量を記録する必要がある。
h- 「食欲評価に関するVAS質問票」は、各食事の前及び終了時、-1日目及び3日目の毎時間、並びに1、2、4日目及び5日目の3時間毎に与えられる必要がある。「食欲評価に関するVAS質問票」に関する詳細については、「実施例21セクション9.3、薬力学的評価」を参照のこと。
i- 1日目には、「食欲評価に関するVAS質問票」は、その日の最初の食事(投与3時間後)から開始して与えられる必要がある。
j- 「食品嗜好性に関するVAS質問票」は、食物を一口食べた後に被験者によって記入する必要がある。「食品嗜好性に関するVAS質問票」に関する詳細については、「実施例21セクション9.3、薬力学的評価」を参照のこと。
Figure 2022513098000075
a-外来患者来院:来院は、試験手順の前に被験者を少なくとも10時間(一晩)絶食させ、午前中に行われる必要がある。スケジュールされた時点(すなわち、各来院の特定の日)で外来患者来院を行うためのあらゆる無理のない試みが行われる必要があるが、±1日間以内のウインドウが第4週目(28日目)まで許容され、±3日間のウインドウが、第12週目(84日目)まで残りの外来患者来院について許容される。全ての後続の来院は、以前のスケジュール変更された来院の日付ではなく、第1の試験薬投与(1日目)の日付に対してスケジュールされる必要がある。
b-バイタルサインは、仰臥位での5分間の休息後に測定する必要があり、鼓膜温度、安静時心拍数(HR)及び血圧が含まれる必要がある。血液サンプリング又はバイタルサイン測定がECG記録と同じ時点でスケジュールされた場合、各処置は、バイタルサイン、ECG、採血の順序で行われる必要がある。測定値は、完全に自動化された血圧計で測定される。全ての時点で単一の血圧及び時間を測定し、記録する。
c-12誘導ECG:全てのECGは3回測定される。被験者には、気を散らすもの(例えば、テレビ、携帯電話)を避け、静かな状況で仰臥位で少なくとも5分間休息する必要があり、会話又は手足を動かすことは控えてもらう。3回のECGは、各時点で2分以内に個別に得る必要がある。ECGがPK試料と同じ試験の時点で行われる場合、ECGの直後にPK試料を採取する必要がある。
d-得られる臨床検査のリストについては、「プロトコルセクション9.6.2臨床検査」を参照されたい。被験者は、血液が採取される前に少なくとも10時間絶食する必要がある(すなわち、食物又は(水を除く)飲料を摂らない)。
e-試料採取手順及びプロセスの説明書きについては、ラボマニュアルを参照のこと。
f-薬物動態評価:全てのPK採血は、スケジュールされた時点のできるだけ近くで行われる必要がある。ECGが同じ時点で行われる場合、PK検体は、ECGの終了直後に採取する必要がある。第2部(IV注入)では、全ての採取時点は、注入の終了時に対するものである。薬物動態試料採取のタイミングは、前の用量からの予備PKデータによって示される場合、変更されてもよい(ただし、追加の試料は採取されない)。
g-有害事象及び併用薬は、インフォームドコンセントの署名後から開始して試験終了時の来院における最終試験手順まで記録する。更に、有害事象について、試験全体を通じて(無指示の質問を用いて)指定の時点でクエリがなされる。
h-試験終了時の来院は、84日目の外来患者来院の7~10日後に行われる必要がある。早期に試験を中止する被験者については、試験終了時の評価は、試験薬投与後にできるだけ早く行われる必要がある。
1.序論
増殖分化因子15(GDF15)は、ヒト血漿中に25kDaの二量体として存在する循環タンパク質因子である。公開されているデータ及び内部のデータは、主としてエネルギーに影響を及ぼすエネルギー収支の調節(すなわち、食物摂取)におけるその役割を支持している。
FP2の皮下(SC)投与は、げっ歯類及び非ヒト霊長類における食物摂取量の減少及びその後の体重(BW)減少をもたらす。更に、FP2によるSC処置は、おそらくは体重減少に起因して、食餌誘発性肥満(DIO)マウスにおけるグルコースホメオスタシスの改善をもたらし、インスリン抵抗性を改善する。FP2は、主として中枢神経系(CNS)の最後野で発現される、近年同定されたGDF15受容体であるGDNFファミリー受容体α様(GFRAL)に結合することによってその作用を示す5,17,24,15。FP2は食物摂取量を減少させ、その結果、肥満の被験者の体重減少をもたらし、肥満関連の併存疾患の改善につながるものと仮定される。
1.1背景
1.1.1.非臨床試験
薬理学プロファイル
FP2のin vitroのアゴニスト効力を、ヒトGFRAL受容体を安定的に過剰発現するSK-N-AS細胞を用いた細胞ベースのpAKTアッセイを用いて評価した。FP2は、2.908±0.239nM(N=3)の半数効果濃度(EC50)でpAKTを活性化した(実施例14を参照)。天然のGDF15はアッセイの対照として機能し、0.153±0.008nM(N=3)のEC50でアゴニスト活性を示した。
FP2を、複数種において食物摂取量を低減するその能力について評価した。FP2の単回SC投与は、雄C57Bl/6マウス(実施例14を参照)及びSprague-Dawley(SD)ラット(実施例15を参照)における食物摂取を強く阻害した。ナイーブな自発的に過体重のカニクイザルへのFP2の単回SC投与は、溶媒処置動物と比較して投与後4週間までに食物摂取量の低減及びその結果として有意な体重減少をもたらした(実施例18)。
2週間にわたる3日毎のFP2の反復投与は、DIOマウスにおける食物摂取量及び体重を減少させ、恒常性モデル評価(インスリン抵抗性)により測定される耐糖能及びインスリン感受性を改善した(実施例16を参照)。12週間にわたるナイーブな自発的に過体重のカニクイザルのコホートへのFP2の週1回の投与により、溶媒処置と比較して、食物摂取量及び体重が有意に低下した(実施例19を参照)。おそらくは抗薬物抗体(ADA)の生成により、一部の動物において後の時点での曝露の喪失が観察された。試験の全体を通じて、治療に関連する毒性影響は認められなかった。
安全性の薬理学
安全性の薬理学的エンドポイント(心血管[CV]、呼吸器系及び中枢神経系[CNS]機能)を、医薬品規制調和国際会議(ICH)のS6(R1)ガイドラインに従って、カニクイザル(試験番号8372593)及びSDラット(試験番号8371098)における医薬品安全性試験実施基準(GLP)の4週間反復投与毒性試験の一環として評価した。更に、スタンドアローンCV安全薬理学試験(試験番号T-2017-044)をテレメトリ装置を装着したカニクイザルで行った。
全体として、最高用量までのFP2のIV及びSC投与は、CVエンドポイント、中核体温、呼吸数、神経学的又は行動的エンドポイントに影響を及ぼさなかった。
毒性
非臨床安全性試験(表65を参照)が、GLP、21CFR、パート58、及び/又は経済協力開発機構(OECD)の化学品安全性データの相互受理に加盟している国々でOECD-GLPの原理に準拠して行われており、適切な文書化を含むものである。非臨床安全性試験に使用されるFP2試験物質(バッチ番号CVC_PCM01)は、臨床試験物質を代表するものとみなされる。
Figure 2022513098000076
凡例:biw=週2回、IV=静脈内;qw=週1回;SC=皮下;SD=Sprague Dawley。
カニクイザル及びSDラットにおけるFP2の反復投与は、全般的によく忍容された。死亡例はなく、明らかな徴候はなかった。いくつかの所見(例えば、食物摂取量及び体重の減少)は、想定された作用機序の結果と考えられ、毒性影響とはみなされない。
関連する生物種の選択
FP2は、天然アミノ酸からなる短いペプチドを介して連結されたヒトGDF15とHSAドメインの両方を有する完全組換え融合タンパク質であるため、毒性プログラムは、主としてICHガイドラインS6(R1)「Preclinical Safety Evaluation of Biotechnology-Derived Pharmaceuticals」(バイオテクノロジーの前臨床安全性評価-誘導医薬品)に従って設計される。
関連する動物種の決定に関して、FP2のGDF15部分が生物学的活性成分であるのに対し、HSA成分は、主として新生児Fc受容体(FcRn)との相互作用を介して機能して半減期を延長し、それによりFP2の曝露を増加させる。GDF15受容体(GFRAL)及びGFRALシグナル伝達共受容体(RET)は、最近になって同定された17,24,5,15
異なる生物種における生物学的活性成分(GDF15)、その受容体(GFRAL及びRET)、その半減期延長成分(HSA)、及びアルブミン受容体(FcRn)のインシリコでのアミノ酸配列相同性分析により、ヒトとサル(すなわち、カニクイザル)との間で最も高い類似度(95~100%)、及びヒトとラットとの間で相応に高い類似度(78~100%)が明らかとなった(表66)。
Figure 2022513098000077
凡例:Cyno=カニクイザル;FcRn=新生児Fc受容体GFRAL=GDNFファミリー受容体α様;RET=GFRALシグナル伝達共受容体、毒性試験用に選択された非げっ歯類及び**げっ歯類種。
in vitro結合分析は、ヒト、ラット、及びカニクイザルの組換えGFRAL融合タンパク質に対するFP2結合を示し、ヒトとカニクイザルとの間で2倍の範囲内、ヒトとラットとの間で5倍の範囲内の親和性を示した。更に、異なる生物種におけるGFRAL受容体の組織発現分析により、ラット、サル、及びヒトにおいて、同等の発現パターン(主に後脳の最後野)が明らかになった24
in vivo薬力学(PD)試験は、カニクイザル及びラットの両方でFP2の仮定されたPD効果(例えば、食物摂取量及び体重の減少)を実証した。
しかしながら、単回投与PK試験は、ラットFcRn受容体に対するヒトHSAのより低い親和性、及びカニクイザルFcRnに対するヒトHSAの同様の親和性のため、カニクイザル(T1/2:約7~9日)とSDラット(T1/2:約1~2日)との間でPKのある程度の有意差も示している。
したがって、カニクイザルが、最も関連する/予測的な動物種であると考えられ、ファースト・イン・ヒューマン(FIH)を可能とする非臨床安全性試験を行うための非げっ歯類種として選択した。ラットは、PKにおけるいくつかの制限を有するげっ歯類毒性試験動物種として選択した。
薬物動態プロファイル
FP2のPK及び毒物動態(TK)を、単回投与後及び4週間までの長期投与後に、げっ歯類及び痩せたカニクイザルで特性評価した。最大濃度(Tmax)に達するまでの時間の中央値は、マウス、ラット、及びカニクイザルでそれぞれ1日、1日、及び1.67日であると推定された。FP2のクリアランス(それぞれげっ歯類及びサルで約25及び5mL/日/kg)及び消失半減期(それぞれげっ歯類及びサルで約1.5及び7.1日)は、おそらくはげっ歯類又はサルFcRnに対するHSAの親和性の違い(すなわち、HSAはヒトFcRnよりも低い親和性でげっ歯類FcRnに結合するのに対して、HSAのサルFcRnに対する親和性はヒトに対する親和性と同様である)に起因してサルとげっ歯類との間で有意に異なる。したがって、サルは、ヒトにおいてげっ歯類よりもよりFP2のPKの予測的な種であると考えられる。90kgのヒトでは、予測される消失半減期は約12~17日である。
FP2は、完全な二量体としてex vivoではヒト血漿中で最大48時間、in vivoではSC及びIV投与後のカニクイザルで安定的であることが示されている。完全なFP2の代謝は、標準的なタンパク質分解経路を介していると予想される。
1.1.2.臨床試験
これは、ヒトにおけるFP2の最初の投与であるため、臨床経験は存在していない。
ヒトでの薬物動態及び免疫原性
現在まで、FP2を用いたヒトPK試験は行われていない。
効果/安全性試験
現在まで、FP2を用いた臨床試験は行われていない。
2.目的及び仮説
2.1目的
2.1.1.第1部:用量漸増単回投与
過体重(BMIが25以上~29.9kg/m以下)である以外は健康な被験者において、FP2の単回の用量漸増SC投与後:
主目的
皮下(SC)投与されたFP2の安全性及び忍容性を評価する。
副次的目的
・FP2のPKを評価する。
・潜在的なADA形成の観点からFP2の免疫原性を評価すること、また内因性GDF15に対する抗体形成の可能性を評価する。
・体重及び食物摂取量などの薬力学的(PD)エンドポイントを評価する。
探索的目的
・FP2の投与が、ビジュアルアナログスケール(VAS)質問票を使用して評価された食欲評価、及び食品嗜好性などのPDエンドポイントの変化と関連しているかどうかを評価する。
・GDF15の内因性レベルがPDエンドポイントと関連しているかどうかを評価する。
・FP2のPKがPDエンドポイントと関連しているかどうかを評価する。
2.1.2.第2部:絶対的バイオアベイラビリティー
過体重(BMIが25以上~29.9kg/m以下)である以外は健康な被験者において、FP2の単回静脈内(IV)投与の後:
主目的
年齢、性別、及び体重を一致させた(第1部における上記の用量漸増SC投与群の1つに参加している被験者に一致させた)被験者への30分間の短期IV注入(一定速度)による単回投与によってFP2の絶対的SCバイオアベイラビリティーを推定する。
副次的目的
IV投与されたFP2の安全性及び忍容性を評価する
2.2.仮説
主目的が安全性及び忍容性であるという前提により、この試験において正式な統計的仮説の検定は予定外である。全ての他の分析は、探索的である。
3.試験設計及び理論的根拠
試験設計の概要
これは、FP2についてのファースト・イン・ヒューマン(FIH)試験である。この研究は2部構成であり、過体重である以外は健康な被験者において、単一の試験施設で実施される。第1部は、FP2の単回用量漸増SC投与の安全性、忍容性、及びPKを評価するためのランダム化、二重盲検のプラセボ対照試験である。第2部は、30分間にわたる単回用量の短期IV注入(一定速度)として単回投与されたFP2の全身曝露及びPKを評価するための非盲検のシングルアーム試験である。
最大でおよそ62人の過体重(BMIが25以上~29.9kg/m以下)である以外は健康な男性及び女性(妊娠の可能性のない)被験者がこの試験に参加するように計画する(第1部及び第2部)。最大でおよそ56人の被験者をこの研究の第1部にランダムに割り当て、約6人の被験者を第2部に割り当てる。
-28日目~-3日目に被験者を適格性についてスクリーニングする。適格とされた被験者は、実施医療機関(CRU)に-2日目に入院してもらい、ベースラインの安全性評価を受けてもらう。-1日目及び-3日目に、被験者に24時間の食物摂取量の測定を受けてもらい、食欲評価及び食品嗜好性を評価するためのVAS質問票に記入してもらう。被験者に1日目に試験薬を投与し、安全性、忍容性、PK/ADA、及びPD評価を行うために5日目の朝までCRUに引き続き滞在してもらい、試験評価を完了した時点で退院してもらってよい。被験者には、第1週(7日目)、第2週(14日目)、第3週(21日目)、第4週(28日目)、第6週(42日目)、第8週(56日目)、第10週(70日目)、第12週目(84日目)、及び試験終了時の来院(7~10日後)に外来患者来院でCRUに戻ってもらうように求める。各被験者の全試験継続期間はおよそ17週間となる。
図38に、試験計画の概略を示す。
3.1.1.第1部:単回用量漸増投与
過体重である以外は健康な被験者の最大7つの投与群(DG)で順次試験する(DG当たり8人の被験者)。各DG内で、6人の被験者をFP2にランダム化し、2人の被験者をマッチングさせたプラセボにランダム化する。したがって、活性薬物とプラセボとの比は、各用量レベルで3:1である(表67を参照)。4人の男性被験者及び4人の女性被験者(各性別群で3人を活性物質に、1人をプラセボにランダム化する)を、試験の第2部の対応するIV投与群と各被験者をマッチングさせることができるように未希釈の試験薬(すなわち、50mg/mLの未希釈製剤)の投与が計画された第1部の第1のDGに登録する。
FP2の計画された用量漸増スキームを、以下の表67に記載する。試験中に投与される用量は、縦列「FP2(mgSC)」に指定される、80kgの個人について計算されたフラット用量手法に基づく。
Figure 2022513098000078
処置は二重盲検とし、各用量レベルでランダム化する。
各用量レベルで被験者を4つのサブグループ(n=最大2/サブグループ)に分け、異なる日に投与を行う。最初に2人のセンチネル被験者に同日に同時に投与し(1人にプラセボ、1人にFP2)、72時間の安全性監視期間を完了した後、そのDGの次の被験者に投与を行うことができる。安全性データを検証した後、全ての被験者が投与を完了するまで、1日当たり最大2人の更なる被験者に投与を行うことができる(約2時間間隔で)。前の群の最後の被験者と続くDGの最初の被験者との間に少なくとも10日間を置く。
それぞれ用量レベルの完了後、予備安全性及びPKデータを治験依頼者及び治験責任医師(PI)が検証して次の計画投与レベルを決定する。各用量漸増の決定は、投与後少なくとも72時間で特定のDGの全ての被験者で収集された盲検の予備安全性、忍容性、及びPKデータに基づく。用量漸増の検証に必要とされる評価可能な被験者(すなわち、最低でも投与後72時間の試験手順を完了した被験者)の最小数は、DG当たりN=7である。
FP2の予測される平均血清曝露(Cmax又はAUC0~48時間)が、最も関連する種(すなわち、カニクイザル)における1ヶ月のGLP毒性試験から得られた最低の無毒性量(NOAEL)の曝露を上回る用量は投与されない。
3.1.2.第2部:絶対的バイオアベイラビリティー
第2部は、健康な過体重(BMIが25以上~29.9kg/m以下)の男性及び女性被験者に対する、30分間にわたるIV注入(一定速度)としてのFP2の単回投与の全身曝露及びPKを評価するための非盲検のシングルアーム試験である。第2部からのPKデータを用いてSCによるFP2剤形の絶対的バイオアベイラビリティーを測定する。
第2部では、6人の過体重(BMIが25以上~29.9kg/m以下)である以外は健康な男性(n=3)及び女性(n=3)被験者を登録する。被験者は、第1部からのSC投与群の被験者(おそらくDG5;50mg/mLの未希釈のFP2製剤が使用される30mgの第1の投与群)と性別、年齢(±5歳)、及び体重(±5kg)を一致させる。第2部は、試験の第1部の前のDGからの盲検の予備安全性及び忍容性データを治験依頼者及び治験責任医師(PI)が検証した後、試験の第1部の完了前に開始することができる。
第2部における各適格被験者には、適当な前腕静脈内の留置カテーテルを介して30分間にわたる一定速度の短期注入として投与されるFP2の単回IV用量を投与する。第2部におけるIV用量は、第1部における予備安全性及びPKデータに基づいて選択される。選択されたIV用量は、IV投与時の最大曝露レベルの予想される差、及び場合によっては、SC製剤の不完全なバイオアベイラビリティーを考慮するために、第1部において充分に許容されるものとして既に評価されている用量の3分の1を超えない。詳細については、実施例21のセクション3.5、用量選択の第2部を参照されたい。安全性のモニタリングのため、1人のセンチネル被験者に最初に投与し、72時間の安全監視期間を完了した後、次の被験者に投与を行うことができる。残りの5人の被験者をサブグループに更に分け(少なくとも24時間間隔で投与)、1日に2人よりも多い被験者に投与が行われないようにする(約2時間間隔で)。
3.2.試験設計の理論的根拠
3.2.1.全般的な試験設計における考慮事項
提案される試験は、HSAに融合されたGDF15の完全組換えホモ二量体であるFP2の安全性、忍容性、PK、免疫原性、及びPD(すなわち、食物摂取量、体重、食欲評価及び食品嗜好性)を評価するための、過体重である以外は健康な成人被験者における、FIH、二重盲検のランダム化されたプラセボ対照の単回用量漸増投与(SAD)試験である。
この試験は、ファースト・イン・ヒューマン及び他の初期臨床開発試験に対する関連規制ガイドライン(EMA Guidance EMEA/CHMP/SWP/28367/07 Rev.1,2017;FDA Guidance for Industry,2005)に従って設計されている。
予想される全身安全性に関して、利用可能な非臨床データ及び薬理学的特性に基づけば、FP2は、EMAの「Guideline on strategies to identify and mitigate risks for first-in-human clinical trials with investigational medicinal products」(治験医薬品によるファースト・イン・ヒューマン試験におけるリスクを特定及び低減するための戦略に対するガイドライン)に概説される基準に従って「高リスク」の新規生物学的実体(NBE)であるとはみなされない
安全開始用量(推定最小薬理作用量[MABEL]、薬理学的活性用量[PAD]及びNOAELデータに基づく)の決定、用量漸増戦略及び中止基準の定義などの重要な試験設計要素は、現在の科学的、医学的及び倫理的基準及び要件(実施例21のセクション3.3、3.4、3.5、3.6)を満たし、同様の目的を有する同等の製品を検討する他の現在のFIH試験の設計と一致する。
標的化された患者集団はよく定義されており、適用可能な組み入れ及び除外基準の包括的なセットに基づいて慎重に選択される(プロトコルのセクション4被験者集団を参照)。全ての被験者を、投与後13週間にわたって定期的な安全性フォローアップで監視する。
この試験は、必要に応じて、高い確率での有害事象の早期検出及び適当な治療的介入を確実とする医療監視条件下で、専門のCRUにおいて設計され、実施される。
3.2.2.盲検、対照、試験の相/期間、処置群
第1部
二重盲検、プラセボ対照のランダム化された試験設計は、データ収集の間の潜在的なバイアスを最小化することによるFP2の安全性及び忍容性プロファイルの最良の実用的評価及び臨床的エンドポイントの評価を可能とする。能動的治療が行われない場合に起こり得る臨床的エンドポイントにおける変化の頻度及び大きさを評価するために、第1部ではプラセボ対照が用いられる。ランダム化を用いて、処置群への被験者の割り当てにおけるバイアスを最小化し、既知及び未知の被験者属性(例えば、人口統計的特性及びベースライン特性)が処置群間で均等にバランスが取られる可能性を高める。
第2部
第2部は、非盲検のシングルアーム試験設計であり、他の方法では取得できないFP2の消失に関する製剤と独立したIVのPKデータを提供し、SCによるFP2剤形の絶対的バイオアベイラビリティー(BA)を推定するために用いられる。
3.2.3.試験集団
過体重である以外は健康な被験者を登録する理論的根拠は、以下のとおりである。
FP2はSC経路によって投与され、SC組織からの薬物吸収特性(すなわち、吸収速度及び吸収量)は、異なる被験者(例えば、男性と女性)及び対象集団(すなわち、痩せた被験者と過体重被験者と肥満被験者)間で異なる傾向がある。したがって、この試験は、より長期の試験に過体重又は肥満の被験者を曝露する前に、標的集団に近い集団における反復投与のPK及び用量選択の確実な予測を可能にするため、関連集団における初期のヒトPKを決定することを目的とする。
過体重である以外は健康な被験者の被験者リスクは、スクリーニング基準によって過体重の個人においてより高頻度に見られることが知られている臨床的に有意な状態(例えば、2型糖尿病、高血圧)を有する被験者は除外されるため、痩せた健康な被験者の被験者リスクと同等であるとみなされる。
過体重である以外は健康な被験者の登録は、第2相に登録されることが予想される試験集団に近い/同等である被験者集団におけるFP2の安全性及びPD効果(食品摂取量、体重、食欲評価及び食品嗜好性など)の予備評価を可能とする。
3.2.4.薬物動態及び薬力学
この試験におけるPKサンプリングのタイミング及び持続時間は、アロメトリックモデル予測を含む非臨床的PKデータに基づく。この情報を使用することで、頻繁な血液試料採取スケジュールによって、PKプロファイルの完全な特性評価が可能となり、更なる臨床開発を支援するために必要な主要なPKパラメータを定義するために必要とされるデータが与えられる。
食物摂取量(投与前及び予測されたTmaxにおける)の24時間評価、及び試験全体を通じた体重の監視により、FP2の単回投与の際に起こり得る食物摂取量の減少(すなわち、カロリー摂取量の減少、及び見込まれる体重減少)の評価が可能となる。VAS質問票に頻繁に記入してもらうことで、FP2の単回投与による治療時の食物摂取量の減少及び体重減少に関連し得る食欲挙動の変化の特性評価を行うことができる。
3.2.5.安全性及び忍容性
FP2を用いたラット及びサルにおける1ヶ月のGLP毒性試験で記録された所見の大部分は、観察された有意な食物摂取量の減少及び体重減少に2次的なものであると考えられ、これはこのクラスの薬物で仮定された標的薬理学的動態であった。全体として、FP2は、毒性試験において充分に忍容され、特別な監視を必要とする所見は認められなかった。
したがって、この試験における安全モニタリングは、バイタルサイン(心拍数、収縮期及び拡張期血圧、体温)、標準的な臨床検査(血液学、臨床化学、臨床化学、尿検査、脂質、凝固)、身体検査、アレルギー反応/過敏症及び局所注射部位反応を含む治療により発現した兆候及び症状/有害事象[TEAE]のモニタリング、並びに一連の標準12誘導ECGの文書化などの一連の標準的な安全性評価からなるものとなる。連続的な第II誘導ECGモニタリングは第2部でも行われる。
3.2.6.免疫原性
NBEの免疫原性能力はその全体的な安全性プロファイルの一部であるため、FP2の潜在的免疫原性は、ADAの一連の定量、及び内因性GDF15に対して形成され得る抗体のスクリーニングによって監視される。
3.2.9.IV投与(第2部)
試験の第2部は、適当なSC参照群(未希釈の研究薬が投与される部分1の第1投与群)と年齢、性別及び体重について一致させた、過体重である以外は健康な被験者に対して30分間にわたってIV注入(一定速度)として単回投与したFP2の全身曝露及びPKを評価するための非盲検のシングルアーム試験である。第2部は、他の方法では取得できないFP2の消失に関する製剤と独立したIVのPKデータを提供し、SCによるFP2剤形の絶対的バイオアベイラビリティー(BA)を推定するために用いられる。第2部でFP2をIV投与した6人の被験者は、絶対的BAの推定において通例であり、SC剤形の医薬品品質属性の評価のベンチマークとして機能する。
3.3.第1部における用量選択及び漸増の理論的根拠
過体重カニクイザルにおける反復投与試験で試験した3つの用量レベル(実施例19を参照)において、FP2のPK及びPD(ベースラインと比較した食物摂取量及びBWの変化率(%))を同時に特性評価するため、食物摂取量と体重(BW)との間の関係の生理学的表現と組み合わせた、FP2のPKと食物摂取量との間の間接的反応PK/PDモデルを開発した。この試験では、食物摂取量の減少が2週目~3週目で最大であり、持続的な治療とともに用量依存的な減弱を示したのに対して、体重は、4週目(1nmol/kg群)又は7週目(10nmol/kg群)まで連続的に減少し、その後、プラトーに達した。これらの観察結果を特徴付けるため、体重減少に応答して生じる食物摂取量及びエネルギー消費の補償的変化を記述する項を含むことによって、食品摂取量(FI)及びその結果として生じる体重(BW)の両方における治療誘発変化を記述する、新規な生理機能に基づいたPK/PDモデルを開発した。体重の変化は、食物摂取量の変化の長期的な影響を経時的なエネルギー消費量の変化と併せたものとして記述された。このPK/PDモデルは、12週間の試験中の食物摂取量及び体重の軌跡を記述することができ、過体重のカニクイザルにおけるFP2の曝露-反応関係を与えた。このモデルにおける体重減少依存性の補償的な食品摂取量の項によって、特定の曝露について食物摂取量に対する薬物の効果のパラメータが経時的に一定に維持される。カニクイザルで開発されたこの半機械論的モデルは、ヒトにおけるエネルギー摂取量と体重の変化との既知の関係に基づいて更なる変換可能なモデリングを可能とし、その結果は、特定のエネルギー摂取量の減少率(%)ではカニクイザルと比べてヒトの体重の減少率(%)がより大きいことを示している。このモデリング結果はまた、FP2の作用機序を定量的に支持するものであり、体重減少は、過体重カニクイザルでは薬物により誘発される食物摂取量の減少によって主としてもたらされる。このモデリングアプローチを用いて、ヒトにおけるPAD及び有効な臨床用量/曝露を決定した。
FP2のPK/PDの関係性、並びに生理学的に関連するパラメータ及びSCバイオアベイラビリティーが、過体重のカニクイザルとヒトとの間で変換可能であると仮定すると、12週目に20%の食物摂取量の減少をもたらすと予想される、事前に予測されるヒトでの週1回のSC用量は、約0.08mg/kg(約0.5nmol/kg)である。公開文献13、12、11及びモデルシミュレーションに基づけば、週1回のSC投与後の12週目に食物摂取量の20%の減少をもたらす用量は、1年間の治療後の10%超の体重減少に相当し得る。
3.3.1.開始用量が正当である理由
この試験の開始用量は、毒性(NOAEL)及び薬理学的データ(PAD)に基づいて、ファースト・イン・ヒューマン試験の関連する規制ガイドライン3,6に従って選択した。
1ヶ月の毒性試験におけるラット及びカニクイザルのNOAEL用量は、ラットでは100mg/kg、カニクイザルでは50mg/kgであった。人体等価用量(HED)は、体表面積に対して用量を正規化することによって計算した。最大推奨開始用量(MRSD)の計算には、初期臨床用量を投与したヒト被験者を保護するための安全性のマージンを与えるデフォルトの安全係数として10を用いる。以下に記載される曝露比計算で反映されるように、安全係数として10を使用した場合、FP2のMRSDは1.6mg/kg BWと計算された。体重80kgのヒトの場合、MRSD用量は128mgと計算された。
その薬理学的作用に基づけば、FP2は、内因性GDF15のように機能して食物摂取量を減少させ、体重の減少をもたらすことが予想される。FP2の作用機序及び非臨床的安全性プロファイルは、FP2が高リスク医薬品とみなされるための基準を満たさないことを示唆するものである。
反復投与のカニクイザルの試験結果は、大幅に低い用量での薬理活性(すなわち、食物摂取量の減少)を示したため、MRSDは、PADベースのアプローチによって誘導される必要がある。この目的のため、FP2のヒトPKパラメータを、過体重のカニクイザルにおける単回SC投与後の体重に基づく、モデルから推定されたPKパラメータの固定指数アロメトリックスケーリングによって予測した。
これに基づいて、カニクイザルにおける3つの試験用量レベルにわたるPK及びPDデータを用いてFP2のPK/PDモデルが開発され、このモデルにより、0.05mg/kg(約0.3nmol/kg)の単回SC用量が、薬理活性を示すうえで有意な閾値とみなされる、約10%の最大食物摂取量の減少をもたらすと予測された。0.05mg/kgに伴う食物摂取量減少の予測レベルは被験者の安全性にとって重大であるとはみなされず、他の既知の安全性に関わる重要なPD効果はないことから、安全係数5(デフォルトの安全係数10の代わりに)を、モデルから推定された0.05mg/kg用量に適用する。この安全係数の選択はまた、ヒト及びカニクイザルの組換えGFRAL融合タンパク質に対するFP2のin vitro結合親和性の2倍の範囲内の値、並びにサル及びヒトにおけるGFRAL受容体の同等の組織発現パターンも考慮しており、0.01mg/kgのMRSDを与える。この試験では体重80kgに対するフラット投与アプローチが用いられるため、PADに基づくMRSDは、0.8mg(0.01mg/kg×80kg)と計算された。これは、PADに基づいたMRSDがNOAELに基づいたMRSDよりも約160倍低いことを示す。
0.01mg/kgのPADに基づくMRSDは、約0.6nMの最大血清薬物濃度をもたらすものと予測され、これは、内因性GDF15の正常な範囲レベル(すなわち、約0.046nM又は1.15ng/mL)よりも13倍高く、また、合併症のない妊娠中の女性で見られる内因性GDF15レベルの中央値(すなわち、約3.2nM又は80,000pg/mL)よりも5倍低い20。この濃度の値は、1)ヒトGFRAL受容体結合親和性(内因性GDF15と比較した場合に11倍低いFP2の結合親和性)の差、及び2)in vitro機能アッセイの効力の差(rhGFRAL発現SK-N-AS細胞を用いたpAKT機能的アッセイにおける内因性GDF15に対するFP2の約19倍低いEC50値)の差について補正した場合、0.01mg/kgの単回SC投与後のヒトにおけるFP2の予想される最大濃度は、痩せた個人における内因性GDF15の正常な上限の1.2倍以内であるとの予測を与える。
更に、0.01mg/kgの開始用量からのCmaxは、rhGFRAL発現細胞を使用したpAKT機能的アッセイの読み取り値のEC10よりも低いと予想される。
3.3.2.最大用量
4週間のGLPラット又はカニクイザル毒性試験におけるNOAEL用量は、それぞれ、415μg/mL(1~4日目、雌及び雄)及び1117μg/mL(22~29日目、雌及び雄)の平均Cmax値、並びに883μg・日/mL(1~4日目、雄及び雌)及び6341μg・日/mL(22~29日目、雄及び雌)の平均AUC値を与えた。雄と雌のカニクイザルの間で、性別による平均薬物曝露(Cmax及びAUCによって評価される)及び他のTKパラメータの明らかな差は認められなかった。雌ラットにおける薬物曝露(最初の用量後のCmax及びAUC1~4日目によって評価される)は、雄ラットよりもわずかに高い傾向がみられた。第1部で計画された1.08mg/kg(BW)の最大用量は、カニクイザルのNOAEL用量における平均Cmax及びAUC曝露の約97~21倍低い平均Cmax及びAUC曝露を与えることが予想される。この試験の第1部の進行に従って、各連続したDGからのPKデータをFP2の全身曝露を予測するシミュレーションに用い、これらの曝露推定値を更に改善する。その後の用量を新たな安全性、忍容性、及びPKデータの検証に基づいて調整することができるが、計画された最大用量を超えないようにする。
機器を装着したカニクイザルにおけるCV安全性試験は、50mg/kgで試験した最も高いSC用量まで何らの有意な所見も示さなかったため、上記に要約した計画された最大曝露を制限するものとはみなされなかった。
3.4.用量漸増
第1部における計画された用量範囲は、肥満被験者における将来的な試験で検討されるであろう治療有効用量の予想される反復投与曝露からの安全性マージン(≧10倍)を与えることが予想される用量を特徴付けることを可能とするものであり、特別な集団(例えば、腎障害及び肝障害を有する被験者)及び状況(例えば、薬物-薬物相互作用試験、thorough QT/QTc試験など)における潜在的曝露の増加を説明するであろう。
提案される用量漸増戦略は、前の用量レベルが安全であることが示され、曝露レベル(Cmax及びAUC0~72時間)が概ね用量に比例した線形PK(又は比例しない曝露量の増加)を示す場合、試験の最初の2つの用量漸増ステップから第3の用量レベルまで約3倍刻みの用量増分の概念に従う。同じ規定の下で、用量レベル4、5、及び6への第3、第4、及び第5の用量漸増ステップは約2倍の用量漸増からなるのに対して、全ての後続の用量漸増ステップ(もしあれば)は、約50%の用量増分で計画される(表3)。
それぞれ用量レベルの完了後、予備安全性及びPKデータを治験依頼者及びPIが検証して次の計画投与レベルへの漸増量を決定する。各用量漸増の決定は、投与後少なくとも72時間で特定の投与群の全ての被験者で収集された盲検の予備安全性、忍容性、及びPKデータ、並びに投与後少なくとも72時間で得られた予備PKデータに基づく。検証に必要とされる評価可能な被験者(すなわち、最低でも投与後72時間の試験手順を完了した被験者)の最小数は、投与群当たりN=7である。投与後72時間から検討会議までのあらゆる更なる臨床的関連情報は、検討会議において治験責任医師によって報告される。試験の進行に伴い、前の投与群の累積安全性データも各漸増用量決定会議の一環として定期的に検証する。計画された用量は、前の投与からの予備PK、安全性、及び/又は忍容性データによって支持される場合には変更されてもよく、減らすか又は反復することができるが、試験プロトコルに対する大幅な補正が発布されて法的資格を有する保健当局(HA)及び独立倫理委員会(IEC)に提出されない限りは増やされることはない。
前の投与群の最後の被験者と続くDGの最初の被験者との間に少なくとも10日間を置く。
4週間のGLPラット又はカニクイザルの毒性試験におけるNOAEL用量を用いて、この試験において目標とされる曝露上限が誘導される(詳細については実施例21、セクション3.3.2を参照)。
3.5.用量選択第2部
第2部の用量強度は、第1部における予備安全性及びPKデータに基づいて選択され、第1部で充分に忍容されるものとして評価された用量の1/3を超えないようにすることで、過体重のヒト被験者におけるFP2のSCによるBAが痩せたカニクイザルで決定されたものよりも大幅に低い場合(1.0mg/kgの単回IV投与時の絶対BAが99%)に約3倍の安全マージンを与える。4週間のカニクイザルTK試験におけるIV投与時に観察されたCmax値(50mg/kg(BW))は、同じ用量のSC投与で観察されたものよりも約2倍高かっただけであるため、忍容性の高いSC用量の3倍の低減は、30分間にわたるFP2の一定速度のIV注入で予想される安全な最大曝露(Cmax)についても適切なマージンを与えることが予想される。例えば、投与群5に投与された30mgのSC用量が安全かつ忍容性が高いと考えられる場合、第2部のIV用量は、このDGに基づいて選択することができ、30mgの1/3、すなわち10mgとなるであろう。これは、過体重被験者におけるSC投与時の絶対BAが約33%と低く、したがって、10mgのIV用量強度では、IV投与時のAUCは、30mgのSC投与後に得られるAUCを確実に超えないという仮定に基づいたものである。BAはAUC(Cmaxではない)から計算され、33%BAの仮定は控えめであるため、SC用量の1/3のIV用量強度は、30mgSCのIV用量強度よりも低いCmax(すなわち、注入の終了時)となる可能性が高い。
3.6.中止基準
3.6.1.個々の中止基準-第1部
試験の第1部ではFP2の単回SC投与のみを行っているため、試験薬の個々の中止基準(投与の中断など)は適用できない。しかしながら、ランダム化された被験者には、試験を中止した場合に試験薬は投与されない(実施例21、セクション10.2を参照)。
3.6.2.個々の中止基準-第2部
IV注入は、医学的に重要なAEの場合には中断され、治験責任医師によって判断された被験者に対する潜在的リスクを意味する。このような医学的に重要なAEとしては、これらに限定されるものではないが、以下の所見が挙げられる。
被験者は、Fridericiaの式(QTcF)に従って補正された絶対QTが500ミリ秒以上であるか、又は最初の発生後の2回の連続測定(15分間隔)におけるベースラインからのQTcFの増加が60ミリ秒よりも大きい。
継続的な心拍数モニタリングに基づき、最初の発生後少なくとも15分間にわたって持続する安静時の仰臥位心拍数が100bpm超として定義される頻脈を有する被験者。
継続的な心拍数モニタリングに基づき、最初の発生後少なくとも15分間にわたって持続する安静時の仰臥位心拍数が45bpm未満として定義される徐脈を有する被験者。
180mmHgを超える安静時収縮期血圧(SBP)として定義され、最初の発生後少なくとも15分間にわたって持続する高血圧症を発症した被験者。
被験者が重度又は重篤な有害事象を有しており、治験責任医師が安全性の理由から、静脈内注入を中断することが被験者の最善の利益であると考えている。
これらの理由の1つのために中止された時点で、試験薬投与は明確に終了されたものとみなされる(すなわち、再開されない)。試験薬中止の理由は文書化される。
3.6.3.試験中止基準
試験の進行(まだ完了していないDG内での、又はより高い用量レベルへの進行)は、下記の場合、いつでも保留される。すなわち、
-2人の被験者で、-治験責任医師によって、可能性として、おそらくは、又は高い確率で試験薬に関連していると評価された何らかの医学的に重要又は重篤な有害事象(SAE)を有することによって、試験が中止される(投与群又は期間に関係なく)場合、又は
-1人の被験者が、治験責任医師によって、可能性として、おそらくは、又は高い確率で試験薬に関連していると評価されたSAEを有する場合。
臨床試験チームとは独立した内部のDRCを招集することができる(セクション11.8を参照されたい)。DRCの目的は、全ての非盲検化された安全性データを検証することである。この詳細な安全性の検証の終了時に、以下の推奨のうちの1つが行われる。すわわち、
計画された研究を継続すること(すなわち、重大な安全性の懸念がない)。
より多くの被験者で現在の用量を反復することによって試験を継続すること。
現在の用量と次の計画された用量の間の用量、又は現在の用量と前のより低い用量の間の用量で試験を継続すること。
試験を終了すること。
4.被験者集団
適格な被験者のためのスクリーニングは、試験薬の投与前28日以内に実施される。
第1部及び第2部の両方について、少なくとも2人の更なる予備被験者に入院患者期間の-2日目に入院してもらい、投与に至るまでの全ての評価を行って全投与群が確実にランダム化されるようにする。
交代が必要である場合には、更なる被験者を登録できる。各交代用被験者は、ランダム化スケジュールに従って交代用被験者が交代する被験者についての全試験を完了する(プロトコルのセクション5、試験薬の割り当て及び盲検化を参照)。どの被験者も複数の投与群又はこの試験の一部だけには参加しない。予備被験者には、試験の別の投与群に参加するための再スクリーニングを行うことができる。
第1部では、4人の男性及び4人の女性(各性別群で3人を活性物質に、1人をプラセボにランダム化する)を、試験の第2部の対応するIV投与群と各被験者をマッチングさせることができるように未希釈の試験薬(すなわち、50mg/mLの未希釈製剤)の投与が計画された第1の投与群に登録する。
この試験に被験者を登録するための組み入れ基準及び除外基準は、以下の2つのサブセクションに記述される。以下の組み入れ基準又は除外基準について疑問がある場合、治験責任医師は、適切な治験依頼者の担当者に相談し、試験に被験者を登録する前に全ての問題を解決する。逸脱事例は許可されない。
被験者選択の統計的考慮事項の考察については、実施例21の「セクション11.2標本サイズの決定」を参照する。
4.1.組み入れ基準
各潜在被験者は、この試験に登録されるためには以下の基準の全てを満たす。すなわち、
男性又は女性
18~45歳(境界値を含む)。
ボディマス指数(BMI)が25.0~29.9kg/m(境界値を含む)であり、かつ体重80kg以上。
身体検査、病歴、バイタルサイン、臨床検査、並びにスクリーニング及びベースライン(-2日目及び/又は-1日目)で行われた12誘導ECGに基づいて健康である。結果のいずれかが異常である場合、治験責任医師が異常又は正常からの逸脱が臨床的に重要でないと判断した場合にのみ、被験者を組み入れることができる。この決定は、被験者の原試料に記録され、治験責任医師によって署名される。
被験者が試験の目的及びそれに必要な手順を理解し、試験に参加する意思があることを示すインフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名する。
女性は、以下のいずれかとして定義される、妊娠の可能性のない女性である。すなわち、
閉経後
閉経後状態は、他の医学的原因なしで少なくとも12ヶ月間生理がなく、かつスクリーニング時の卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルが閉経後範囲(>40IU/L又はmIU/mL)であるものとして定義される。しかしながら、被験者の無月経期間が12ヶ月未満である場合、2回のFSH測定(1回は被験者の医療記録から得られてもよい)が閉経後状態を確認するために求められる。全ての女性は、スクリーニング時の血清βヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)妊娠検査が陰性であり、かつ-2日目の入院時の尿妊娠検査が陰性である必要がある。
永久不妊
永久不妊方法としては、医療記録に文書化された、子宮摘出術、両側卵管切除術、両側卵管閉塞/結紮術、及び両側卵巣摘出術により、又は他の形で妊娠不能であることが挙げられる。全ての女性は、スクリーニング時の血清hCG妊娠検査が陰性であり、かつ-2日目の入院時の尿妊娠検査が陰性である必要がある。
安静時心拍数(被験者が5分間仰臥位を取った後の)が50~90回拍動/分(bpm)である。心拍数が範囲外である場合、最大2回の反復評価が許可される。
血圧(被験者が5分間仰臥位を取った後の)が、収縮期で90~140mmHg(境界値を含む)、拡張期で90mmHg以下である。血圧が範囲外である場合、最大2回の反復評価が許可される。
男性(精管切除を行っている男性を含め)は、パートナーが妊娠している場合であっても、コンドームの使用に同意し(胎児が膣吸収によって試験薬に曝露されないようにするため)、試験期間中及び試験終了後3ヶ月間に精子を提供しないことに同意する。男性被験者は、男性被験者が使用するコンドーム以外に、有効な避妊法(例えば、処方経口避妊薬、避妊薬注射、子宮内器具、ダブルバリア法、及び避妊用パッチ)を使用するように女性パートナーを促さる必要がある。
試験プロトコルで指定された禁止事項及び制限事項を守る意思があること。
被験者は、24時間の食物摂取量評価のために供される食事品目(少なくとも、メインディッシュと、昼食及び夕食メニューからのサイドディッシュのうちの1つ)を好み、典型的には摂食し、1日3食(朝食、昼食、及び夕食)の習慣的な食事パターンを有する。
研究用に任意のDNA試料を提供することに同意する場合は、別のインフォームドコンセントフォームに署名する。任意のDNA研究試料の提供への同意に対する拒否は、この試験への参加から被験者を除外しない。
4.2.除外基準
以下の基準のいずれかに該当する潜在被験者は、試験への参加から除外される。すなわち、
CV疾患(心不整脈、心筋梗塞、脳卒中、末梢血管疾患を含む)、内分泌又は代謝疾患(例えば、糖尿病、甲状腺機能亢進/低下、重度の高トリグリセリド血症[>400mg/dL])、血液疾患(例えば、ヴォン・ヴィレブランド病又は他の出血性疾患)、呼吸器疾患、肝臓若しくは消化器疾患、神経若しくは精神疾患、眼疾患(網膜障害若しくは白内障を含む)、腫瘍性疾患、皮膚疾患、腎疾患、又は治験責任医師が被験者を除外すべきとみなすか又は試験結果の解釈を妨げる可能性のある他の病気を含む(ただしこれらに限定されない)重大な疾患又は医学的障害の病歴、又は現時点の活性。
以前の肥満の外科処置、又は、商業的な体重減少プログラムを含む食事療法、若しくはスクリーニングの6ヶ月以内の薬物治療による最近の体重変化(≧5%)。
何らかの摂食障害の生涯病歴、又は摂食障害の高いリスク(摂食及び体重パターンに関する質問票5[QEWP-5]を使用)25。補遺1を参照されたい。
悪性腫瘍の生涯病歴、又は家族の同じ側の少なくとも2人の近親者(親、きょうだい、子供、祖父母、叔母、叔父、甥、姪として定義される)における同じタイプのがん若しくは近親者である1人における複数のタイプのがんとして定義される、悪性腫瘍に対する感受性の家族歴、又は
若年(50歳未満)で癌を発症した近親者、又は1対の臓器の両方(例えば、両方の腎臓)に発生するがん、又はきょうだいにおける複数の小児がん、又は男性近親者における乳癌、又は多くの世代(例えば、祖父、父親、息子)に発生するがんを有する近親者も除外される。
通常のがんスクリーニング検査(例えば、男性における前立腺特異的抗原[PSA]、パパニコロウ[PAP]塗抹、又は女性におけるマンモグラム)における異常な又は陽性の結果の履歴。
がんに罹りやすくなる遺伝子症候群(例えば、BRCA1及びBRCA2、リンチ症候群、家族性大腸腺腫症候群、リ・フラウメニ症候群、及び多発性内分泌腫瘍症候群)。
スクリーニング時又は-2日目の入院時の臨床検査室の基準範囲の基準値上限(ULN)を上回るアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)。
ジルベール症候群(UGT1A1多型による無害な先天性非溶血性低悪性度の高ビリルビン血症)を示唆する、ULNの1.5倍(すなわち、1.5×ULN)を上回る総ビリルビン。
スクリーニング時又は-2日目の入院時の臨床検査室の基準範囲の基準値下限を下回るヘモグロビン、ヘマトクリット値、又は赤血球数。
スクリーニング時又は2日目の異常空腹時血糖(すなわち、>125mg/dL又は>6.9mmol/L;静脈血液試料からのマトリクス血漿)及び/又はヘモグロビンA1c(HbA1c)(すなわち、>6.4%[高性能液体クロマトグラフィー]又は>42mmol/mol(Hb)。必要とされる終夜絶食期間に食事不遵守が疑われる場合に、スクリーニング期間中に血糖値測定を繰り返すことができる。
スクリーニング時又は-2日目の入院時の臨床試験室の基準範囲のULNを上回る血清クレアチニン。
スクリーニング時の臨床試験室の基準範囲の基準限界値の外側の甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベル。
計画された試験薬の第1の用量の最大30日前までに何らかの不許可治療、予備試験、及び併用治療を行った。
スクリーニングの2年前以内の「精神疾患の診断及び統計マニュアル」(第5版)(DSM-V)基準による薬物若しくはアルコール乱用の履歴、又はスクリーニング時若しくは-2日目のアルコール若しくは薬物の乱用(バルビツール、オピエート、コカイン、カンナビノイド、アンフェタミン、及びベンゾジアゼピンを含むがこれらに限定されない)についての検査結果が陽性。
FP2の賦形剤のいずれかに対する既知のアレルギー、過敏症、又は不耐性(「IB、セクション2.3製剤情報」を参照)。
試験薬の初回投与の2ヶ月前以内に血液若しくは血液製剤(約450mL)を献血した、又は大量の血液を失った。
試験薬の計画された初回投与の前の1ヶ月以内又は薬物の半減期の10倍未満の期間内のうち、いずれか長い方において、治験薬(治験ワクチンを含む)を投与したか又は侵襲性の治験医療装置を使用した。
この試験に登録している間、又は試験薬の最終投与後12週間以内に妊娠していたか又は授乳中であったか又は妊娠を計画していた。
この試験に登録している間、又は試験薬の最終投与後12週間以内に子供を作ることを計画していた。
B型肝炎表面抗原(HBsAg)若しくはC型肝炎抗体(抗HCV)陽性又は他の臨床的に活性な肝疾患の履歴、又はスクリーニング時のHBsAg若しくは抗HCV検査が陽性。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体陽性の履歴、又はスクリーニング時のHIV検査が陽性。
スクリーニング前6ヶ月以内に大きな手術(例えば、全身麻酔を要する)を受けたか、又は手術から完全に回復していないか、又は被験者が試験に参加することが予想される期間若しくは試験薬物投与の最終投与後12週間以内に手術が予定されている。注:局所麻酔下で行われる外科手術が予定されている被験者は、治験責任医師によって承認される場合には参加可能である。
被験者が、試験薬投与の3ヶ月前にタバコ(又は同等物)を喫煙したかかつ/又はニコチンを用いた製品を使用したか、又はスクリーニング時若しくは-2日目の入院時のコチニン検査が陽性。
1日当たり平均して1200mL超(すなわち、5カップ、加え合わせた総容積)の茶/コーヒー/ココア/コーラ/カフェイン添加飲料(例えば、エネルギー飲料)を飲んでいる。
完全菜食主義者又は菜食主義者である被験者が、食物アレルギー又は食物不耐性を有する。
インフォームドコンセントを無効とするような、又は被験者が試験の要件に準拠する能力を制限するような心理的及び/又は感情的問題。
被験者が、低い忍容性又は静脈へのアクセスが困難であるために、複数回の静脈穿刺を行うことができない、又は行う意思がない場合。
治験責任医師の意見によれば、参加が被験者の最善の利益とならない(例えば、健全性を損ねる)か、又はプロトコルに指定された評価を妨げる、制限する、若しくは混乱させる可能性がある何らかの条件。
治験依頼者、治験責任医師又は治験実施施設の被雇用者であり、その治験責任医師若しくは治験実施施設の指示に基づいて提案される試験又は他の試験に直接的に関与している者、並びにそのような被雇用者若しくは治験責任医師若しくは治験依頼者の家族。
被験者が裁判所又は機関の命令により施設で生活している。
この試験の前の投与群でランダム化されている。
4.3.禁止事項及び制限事項
潜在被験者は、試験期間中に参加に適格であるためには、以下の禁止事項及び制限事項を遵守する意思があり、遵守する必要がある。
組み入れ及び除外基準(例えば、避妊要件)に記載された、試験中に満たされる全ての要件に従うことに同意する。
激しい運動は、試験により指定される評価及び安全性検査結果に影響を及ぼし得る。そのため、激しい運動(例えば、5km/日の長い距離のランニング、ウェイトリフティング、又は被験者が慣れていないあらゆる身体活動)は、試験の3日前から開始して、試験全体を通じて、試験終了時の来院の完了まで避ける必要がある。
被験者は、試験の終了(すなわち、試験終了時の来院)後少なくとも3ヶ月間、献血を避けるように指示される。
アルコール消費又はアルコール含有製品は、スクリーニング及び-2日目のCRUへの入院の少なくとも24時間前から開始して、5日目の滞在期間の終了まで、並びに他の全ての外来診療来院の少なくとも24時間前には許可されない。試験の残り日数の間、アルコール消費量は、男性で1日当たり最大量24グラム(すなわち、1日当たり0.5Lのビール又は1日当たり0.25Lのワイン、又は1日当たりグラス3杯[グラス1杯当たり2cL)の蒸留酒、また、女性で1日当たり12グラム(すなわち、1日当たり0.25Lのビール又は1日当たり0.125Lのワイン又は1日当たりグラス1.5杯[グラス1杯当たり2cL]の蒸留酒)に制限する必要がある。
被験者は、1日目の48時間前から5日目の滞在期間の終了までグレープフルーツジュース、セビルオレンジ(オレンジマーマレードを含む)、又はキニーネ(例えば、トニックウォーター)を含有するあらゆる食品又は飲料を摂取しない方がよい。
被験者は、1日目の試験薬投与の48時間前から5日目まであらゆるメチルキサンチン含有製品(例えば、チョコレートバー若しくは飲料、コーヒー、茶、コーラ、又はエネルギードリンク)の使用を控える。スクリーニングとフォローアップ来院との間のその他の日には、被験者は、平均して1日当たり1200mLを超える茶/コーヒー/ココア/コーラ(5カップ、加え合わせた総容量)を飲まないように指示される。
被験者は、薬物スクリーニングを妨げうることから、CRUへの入院の少なくとも72時間前にケシの実の摂取を控えるように指示される。
タバコ(又は等価物)の喫煙、及び/又はニコチンを用いた製品の使用は、試験薬投与の3ヶ月前から試験終了時の来院の完了まで許可されない。
被験者は、入院フェーズの間は治験実施施設の職員によって提供されるもの以外のあらゆる食物又は飲料を摂取しない。
組み入れ基準に記載される避妊要件に従うことに同意する。精子又は体内での精子の産生に対するFP2の影響に関する情報はなく、胎児の発育に及ぼす影響に関する情報もない。被験者及び被験者のパートナーは、試験期間中又は試験後最大3ヶ月間は妊娠しないことが重要である。被験者は、試験期間中又は試験終了(すなわち、試験終了時の来院)後3ヶ月以内にパートナーが妊娠した場合には治験責任医師に報告する必要がある。
5.試験薬の割り当て及び盲検化
第1部
試験参加に適格であった全ての被験者を、1日目の試験薬投与の前にランダム化する。コンピュータで作成されたランダム化スケジュールが治験依頼者によって提供され、CRUの薬局で保有される。
各DG内で、被験者は、治験依頼者により、又はその監督下で試験前に作成された、コンピュータ作成ランダム化スケジュールに基づいて、活性薬治療(FP2)又はプラセボにランダムに割り当てられる。ランダム化は、ランダムに並べ替えられたブロックを使用することによってバランス調整される。各DG内で合計6人の被験者にFP2を投与し、2人の被験者にプラセボを投与する。第2部とマッチングさせる第1部のDGについて、4人の女性及び4人の男性を、各性別群を3:1でランダム化(3人のFP2と1人のプラセボ)して登録する。
各DGで被験者を4つのサブグループ(n=最大2/サブグループ)に分け、異なる日に投与を行う。各DGの1日目に、2人の被験者からなる第1のサブグループ(センチネルグループ)を、1:1の比でFP2又はプラセボのいずれかにランダムに割り当て、同じ日のほぼ同じ時間に投与を行うことで72時間までの安全性及び忍容性を評価することができる。DG内の残りの被験者の投与に影響を及ぼし得る、第1のサブグループ内で投与された被験者で報告/観察されたあらゆるAEは、更なる被験者のランダム化及び投与の前に治験依頼者に報告される。残りの6人の被験者(1人のプラセボ、5人のFP2)は、5:1の比(5人のFP2と1人のプラセボ)でFP2又はプラセボのいずれかにランダムに割り当てられる。センチネル被験者が投与された後、各DGで、残りの6人の被験者に、2人からなる群(約2時間の投与間隔)で約3日間(少なくとも24時間間隔で)にわたって投与を行う。
CRUの盲検化されていない薬剤師が、ランダム化スケジュールに従って個々の被験者の試験薬用量を調製し、分注の前に盲検化されたラベルを貼付して注射器をマスクすることで、溶液の色による偶発的な非盲検化を防止する。試験薬の投与は、試験のいずれの安全性評価にも関与しない治験担当者によって行われる。治験責任医師には、試験薬のコード化された詳細を含む、各被験者についてのシールされたランダム化コードが提供される。これらのシールされたコードは、1日当たり24時間アクセス可能な限られたアクセスエリア内で一緒に保管される。全てのランダム化コードは、開封されているか又はシールされているかによらず、被験者の試験における参加の終了後に回収される。
試験薬の割り当てを潜在的に非盲検化し得るデータ(すなわち、試験薬の血清濃度、FP2に対する抗薬物抗体のデータ、試験薬調製/アカウンタビリティのデータ、治療の割り当て)は、盲検の完全性を維持し、バイアスの可能性を最小限に抑えるように特別な注意を払って取り扱う。これは、データベースのロック及び非盲検化の時点まで、必要に応じて治験責任医師、臨床チーム、又はその他が当該データを見ることができないようにすることなどの特別の規定を設けることを含み得る。PKデータへの任意の実施施設又は試験チームによるアクセスは匿名化される(すなわち、個々の被験者データが割り当てられたグループレベルのデータ及び/又はダミー被験者番号のみ)である。
通常の状況下では、全ての被験者が試験を終了し、データベースが確定されるまで、盲検が解除されてはならない。そうでない場合には、被験者の治療ステータスを知ることによって特定の緊急処置/一連の行動が指定される場合に限り、個々の被験者の盲検は解除する必要がある。そのような場合、治験責任医師は、緊急措置としてシールされたコードを開封することにより試験薬が何であるかを決定することができる。治験責任医師は、盲検を解除する前に、可能であれば治験依頼者又はその指定担当者に連絡して、その特定の状況について検討することが推奨される。治験依頼者又はその指定担当者との電話連絡は、1日24時間、週7日間行うことができる。盲検が解除された場合、治験依頼者にはできるだけ速やかに通知する必要がある。非盲検化の日付、時間及び理由は、原資料に文書化される。
試験薬の割り当てが非盲検化されている被験者は、引き続きスケジュールされた評価に戻って行われる必要がある。
概して、ランダム化コードは、試験が完了し、臨床データベースがロックされている場合にのみ、完全に開示される。しかしながら、非盲検化されたDRCによる検証を行うためには、ランダム化コード並びに必要に応じてランダム化コードの処置群及びプラセボ群への変換が、権限を有する者に対して開示される。
第2部
第2部は、単回治療を行う非盲検であり、全ての被験者に同じIV用量のFP2が投与されることから、ランダム化又は治療割り当てのための他の特別な規定は必要とされない。
被験者は、性別、年齢(±5歳)、及び体重(±5kg)について、試験の第1部の参照SC投与群の個々の被験者に一致するように選択される。
第1部及び第2部
第1部及び第2部の両方について、及び各DGについて、少なくとも2人の更なる予備被験者に-2日目に入院してもらい、投与に至るまでの全ての評価を行って全投与群が確実にランダム化されるようにする。
ランダム化番号を、第1部では1001から、第2部では3001から始めて適格被験者に順番に割り当てる。更なる被験者を交代用の被験者として登録することで、第1部で投与群当たり少なくとも7人の被験者が最低でも投与後72時間の試験手順を完了し、第2部で6人の被験者がFP2の半減期(第1部の前の投与群からのPKデータに基づいて決定される)の少なくとも2倍に相当する時間にわたって試験手順を完了するようにしてもよい。交代用の被験者には、交代される被験者と同じ治療を行い、交代される被験者のランダム化番号と同じであるが最初の数字が第1部では「2」に、第2部では「4」に置き換えられた新しいランダム化番号を割り当てる。例えば、第1部において被験者1004は被験者2004により交代され、第2部において被験者3006は被験者4006により交代される。第2部では、全ての被験者に非盲検形式でFP2を投与する。
6.投与量及び投与
6.1試験薬
FP2は、注射用の無菌溶液として供給され、-40℃で保存され、光から遮断される。この溶液は、黄褐色の外観であり、pH6.5で、10mMリン酸ナトリウム、8%スクロース、及び0.04%ポリソルベート20中、50mg/mLのFP2濃度を有する。FP2は、1.2mLの充填容量を有するR2ガラスバイアル中で凍結された状態で提供される(表68)。
FP2製剤中に使用される製剤化緩衝液は、この試験においてプラセボ製剤としても使用され、また最初のFP2のSC用量(DG1~DG4)の調製における希釈剤として使用されるために供給される。この製剤化緩衝液は、10mMリン酸ナトリウム、8.0%スクロース及び0.04%ポリソルベート20からなる無菌透明溶液である。製剤化緩衝液はプラセボ注射液を調製するために使用される。製剤化緩衝液は、1.2mLの充填容積を有するR2ガラスバイアル中で凍結された状態で提供される。
Figure 2022513098000079
FP2医薬品(黄褐色溶液)とプラセボ(透明無色溶液)とは外観が異なるため、盲検化されていない薬剤師が、「Investigational Medicinal Product(IMP)Handling Manual」の指示に従って、第1部において試験を盲検に維持し、試験担当者及び被験者による製品の視認を防止する。
用量調製、投与手順、及び保存条件に関する詳細な指示は、追加の指針資料として治験実施施設に別に提供される。
第1部投与:
試験薬は、試験チームとは独立した、臨床試験の実施のいずれの他の側面にも関与しない、指定された、訓練された、有資格の実施施設担当者によって投与される。少なくとも10時間の一晩絶食後、試験薬(FP2又はプラセボ)を、単回SC用量(最大容量2mL)として1.0mLのインスリン注射器(DG1、DG2、及びDG5)又は2.0mL注射器(DG3、DG4、DG6、及びDG7)を使用して、腹部の右下四分区画に1日目に投与する。各投与群で被験者を4つのサブグループ(n=最大2/サブグループ)に分け、異なる日に投与を行う。最初に2人のセンチネル被験者に同日のほぼ同じ時間に投与し(1人にプラセボ、1人にFP2)、72時間の安全性監視期間を完了した後、そのDGの次の被験者に投与を行うことができる。盲検化された安全性データの検証の後、投与群の全ての被験者が投与を完了するまで、1日当たり最大2人の更なる被験者に交互に投与を行うことができる(およそ2時間間隔で、1人の被験者に午前7時頃に投与し、1人の被験者に午前9時頃に投与する)。
時間ゼロ(0)は、試験薬注射の時間である。
全てのSC注射は、臍の周囲の2インチ(約5cm)の範囲を避けて前腹壁に行われる。注射を行う前に、担当の実施施設担当者が、計画された注入部位を検査/触診する。注射は、異常と評価された腹壁の範囲に行ってはならない。
救急医療及び救急用機器(アナフィラキシーの治療のための即時使用用薬剤を含む)で経験を積み、訓練された医師が、試験薬の投与中、常時、投与室内で直ちに診療に当たれるようにする。
第2部投与:
自動注入装置(Braun Perfusor(登録商標)Compact S又は同等の装置)を使用し、フィルターを備えた投与セットを使用して別のラインを介して適当な前腕静脈内に留置カテーテルを介して、30分間かけて定速注入液としてFP2を単回投与する。投与は、各日のほぼ同じ時間に行われるが、交互に行われる(1日当たり1人の被験者に午前7時頃、及び1人の被験者に午前9時頃)。2人のセンチネル被験者に最初に投与し、2人のセンチネル被験者が投与された少なくとも24時間後に次の2人の被験者に投与し、その少なくとも24時間後に最後の2人の被験者を処置する。1人のセンチネル被験者に最初に投与し、72時間の安全監視期間を完了した後、次の被験者に投与を行うことができる。残りの5人の被験者をサブグループに更に分け(少なくとも24時間間隔で投与)、1日に2人よりも多い被験者に投与が行われないようにする(約2時間間隔で)。
時間ゼロ(0)は、試験薬のIV注入の開始時間である。
FP2のIV投与についてプラセボ比較は予定されないため、試験薬を盲検化する措置は必要ではない。
救急医療及び救急用機器(アナフィラキシーの治療のための即時使用用薬剤を含む)で経験を積み、訓練された医師が、試験薬の投与中、常時、投与室内で直ちに診療に当たれるようにする。
試験薬投与の一時的な中断を要する技術的問題(例えば、留置カテーテルの故障、及び新しいカテーテルを留置する必要がある場合など)が生じる場合がある。この場合、注入をできるだけ早く再開することができ、中断時間及びそれぞれの理由は文書化する必要がある。
7.治療コンプライアンス
試験薬は、有資格の試験実施施設担当者によってSC注射液(第1部)として、又はIV注入液(第2部)として投与され、それぞれの投与の詳細は、適用可能な場合、電子データ収集システムに記録される[第1部SC:注射日、注射時間、注射容量、注入部位;第2部IV:IV注入の開始及び停止時間、並びに注入容量]。
8.試験前治療及び併用治療
試験薬の最初の投与の30日前までに投与された試験前治療は記録される。試験の全体を通じ、試験薬の計画された最初の投与前の30日以内及び試験中にパラセタモールを例外として、いっさいの治療は認められない(ワクチン、ビタミン、ミネラルサプリメント、栄養補給剤、ハーブサプリメント[セント・ジョーンズ・ワート、ニンニクエキス及びハーブティーを含む]を含む処方薬又は市販薬)。被験者が試験中に処方薬又は非処方薬の投与を必要とする場合、被験者は治験依頼者(又は指定担当者)及び治験責任医師の同意及び承認を得て試験に登録されるか又は継続することができる。
何らかの併用治療の投与が必要となる場合、電子症例報告書(eCRF)の適当なセクションに報告される。記録される情報には、薬物の説明、治療期間、投与レジメン、投与経路、及びその適応が含まれる。
パラセタモールの使用は、試験薬投与の3日前まで許容される。試験全体を通じて、1日当たり最大で3回の500mg用量、かつ1週当たり3g以下のパラセタモールが、頭痛又は他の疼痛の治療のために許可される。
併用治療は、試験薬の最初の投与の開始から試験終了時の来院まで試験全体を通じて記録される。併用療法は、新たな又は悪化する有害事象及び基準を満たす重篤な有害事象を伴う場合にのみ、試験終了時の来院以降にも記録する必要がある。
9.試験の評価
9.1.試験の手順
9.1.1.概論
「時間及び事象のスケジュール」では、本試験に適用可能なPKの頻度及びタイミング、免疫原性、PD、探索的バイオマーカー、薬理ゲノミクス、及び安全性測定について要約している。
食事及びVAS質問票のタイミングは、「食事及びVAS質問票時間及び事象のスケジュール」において指定されている。
複数の評価が同じ時点でスケジュールされている場合、及び/又は1つ以上の評価が食事と同時にスケジュールされている場合、バイタルサイン、ECG、PK、採血、食欲評価についてのVAS質問票、食事、及び食品嗜好性についてのVAS質問票(食品の最初のひとくちの後)の順序で手順が行われることが推奨される。PK評価のための採血は、指定の時間にできるだけ近く保たれる必要がある。ECGがPKと同じ時点で行われる場合、PK検体は、ECGの終了直後に採取する必要がある。必要に応じて、指定の時点よりも先に他の測定を行うことができる。同じ時点での複数の評価の順序は、試験全体を通じて同じである必要がある。実際の評価日及び時間は、原資料及びeCRFに記録する。
可能な場合、バイタルサイン(すなわち、血圧[BP]、心拍数[HR])は、血液試料が採取される腕とは反対の腕から記録する必要がある(IV注入時間の間を除く)。
全ての女性にスクリーニング時及び試験全体を通じて妊娠検査を行う。血清妊娠検査をスクリーニング時に行い、尿妊娠検査を「時間及び事象のスケジュール」の他の全ての時点で得る。
Figure 2022513098000080
試料当たりの血液の量を乗じた試料の数として計算される。
血清化学は、血清学(HBsAg、抗HCV抗体、HIV 1及び2抗体)及び血清β-hCG妊娠検査を含む。
女性被験者のみ。
血液試料は、研究用に任意のDNA試料を提供することに同意した被験者からのみ採取される。
安全上の理由で、又は試料に関する技術的問題のため、反復試料又はスケジュール外の試料を採取してもよい。注:血液試料採取に留置静脈内カニューレを使用してもよい。[マンダリン(オブチュレータ)を使用する場合、廃棄による血液損失は予想されない。]
これらの容量は、本試験において各被験者から採取される血液の最大量が500mLを超えない限り、最終的な検査マニュアルで調整することができる(採血チューブの径の変更又はアベイラビリティを許容する)。更なる血液試料を、必要に応じて、得られたデータに基づく更なる安全性、免疫原性、又はPK評価を行うために採取することができるが、本試験において個々の被験者から採取される総血液量は、事前の独立倫理委員会(IEC)及び保健当局の承認なしに、本試験のプロトコルに記載される量を超えることはない。反復試料又はスケジュール外の試料を、安全上の理由で、又は試料に関する技術的問題のために採取することができ、事前の独立倫理委員会(IEC)及び保健当局の承認を必要としない。
各被験者について、この試験で採取される血液の最大量は、500mLを超えない。各被験者から採取される総血液容量はおよそ315mLである。
9.1.2.スクリーニング期間(第1部及び第2部)
潜在被験者は、1日目の試験薬投与前、28日以内にスクリーニング来院で受診して試験参加の被験者の適格性が判定される。被験者が登録基準を満たす場合、-2日目にCRUに入院する。
いずれかの試験手順を行う前に、PI(又は指定された試験担当者)が書面のICFを確認し、各被験者に説明する。被験者がICFに署名するまで、試験手順(試験の臨床検査のための絶食を含む)を実施することはできない。スクリーニング来院では、被験者によって報告される全ての評価は、これらの組み入れ基準のいずれかを満たさない被験者を中止するため、あらゆる試験、手順、又は相談の前に行われる必要がある。
治験責任医師(又は指定された試験担当者)はまた、薬理ゲノミクス血液サンプリングの前に、任意の遺伝子研究試料について記載されたICFの確認及び説明も行う。
全ての有害事象は、重篤であるかないかにかかわらず、署名及び日付が記入されたインフォームドコンセントフォームが得られた時点から、最後の試験終了時の来院時の最終試験手順まで報告され、また特定の時点における直接の質問により報告される。(「時間及び事象のスケジュール」を参照)
除外につながり得る異常値の再検査は、1回のみ許容される。再検査は、スケジュール外の来院の間に行うことができる。いずれかのスクリーニング試験が反復される場合、検査結果はCRUへの入院の前(例えば、-2日目)に適格性要件を満たし、治験責任医師による検証のために与えられる。
9.1.3.入院患者治療期間(第1部及び第2部)
-2日目及び-1日目(ベースライン)
適格とされた被験者は、「時間及び事象のスケジュール」に指定されるように、-2日目にCRUに入院させ、ベースラインの安全性評価(-2日目)及び-1日目のベースラインのECG収集(1日目のECGと時間を一致させた)を行う。-1日目に、被験者は24時間の食物摂取量の測定も行い、食欲評価及び食品嗜好性を評価するためのVAS質問票に記入する。
1日目/ランダム化及び投与
全ての登録基準が満たされたことを確認した後、適格被験者を1日目の試験薬投与の直前にランダム化する。
試験薬は、PI又はその指定担当者の監督下で投与される。試験手順の詳細及び時点については「時間及び事象のスケジュール」を参照されたい。
第1部及び第2部の各用量レベルについて、被験者を1日当たり2人以上の被験者が投与されないようにサブグループに分け、異なる日に投与を行う。最初に第1部の2人のセンチネル被験者(1人のプラセボ、1人のFP2)及び第2部の1人のセンチネル被験者(FP2)に投与を行い、72時間の安全監視期間を完了した後、投与群の後続の被験者に投与を行うことができる。安全性データを検証した後、全ての被験者が投与を完了するまで、1日当たり最大2人の更なる被験者に交互に投与を行うことができる(約2時間間隔で)。
3日目~5日目
3日目に、24時間の食物摂取量の測定及びVAS質問票の実施を反復する。
被験者は、安全性、忍容性、PK及びPD評価を行うために5日目の朝までCRUに引き続き滞在し、試験評価を完了した時点で退院することができる。
9.1.4.外来患者期間(第1部及び第2部)
被験者は、「時間及び事象のスケジュール」で詳しく述べたように、CRUに戻り、安全性、忍容性、PK、PD、及び免疫原性評価を行うために絶食する(少なくとも10時間)。試験終了時の来院の完了は、試験への被験者の参加の終了を構成する。スケジュールされた時点(すなわち、各来院の特定の日)で外来患者来院を行うために無理のない範囲でできる限りの取り組みが行われる必要があるが、±1日間以内のウインドウが第4週目(28日目)まで許容され、±3日間のウインドウが、試験終了時の来院まで残りの外来患者来院について許容される。全ての後続の来院は、以前のスケジュール変更された来院の日付ではなく、第1の試験薬投与(1日目)の日付に対してスケジュールされる必要がある。
早期の中止
被験者が、外来患者期間の終了前に何らかの理由で試験を中止する場合、試験終了時の評価を得る必要がある。
9.2.薬物動態及び免疫原性
「時間及び事象のスケジュール」に示されるように静脈血試料を経時的に採取する。PKサンプリング時間は、前の投与群からの予備PKデータに基づいて調整することができる(例えば、FP2の血清濃度が定量下限値[(LLOQ]未満である場合には、後のサンプリング時間を省略することができる)。各PK及び免疫原性血液試料(ADA)採取の実際の日付及び時間は、電子データ収集システム内のeCRF上に記録される。試験への参加を途中で終了する被験者は、最終評価試料を終了時に採取する必要がある。
9.2.1.評価
FP2の血清濃度及びFP2に対する抗体の分析のために採取された試料を更に用いて、免疫原性の更なる特性評価又は関連バイオマーカーの評価のために、試験期間中又は期間後に生じる懸念に対処する安全性又は効力の側面を評価することができる。被験者の機密は保持される。
9.2.2.分析手順
薬物動態
治験依頼者により、又はその監督下で血清試料を分析し、検証されている特異的かつ感受性の高いイムノアッセイ法を用いてFP2の濃度を決定する。
免疫原性
治験依頼者により、又はその監督下で、抗FP2抗体及び血清中の内因性GDF15に対する潜在的抗体の検出及び特性評価を、検証されているアッセイ法を用いて行うことができる。ADAを検出するために採取された全ての試料をFP2血清濃度についても評価することで抗体データの解釈が可能となる。
9.2.3.薬物動態パラメータ
FP2の薬物動態パラメータは、ノンコンパートメント分析を用いて血清濃度-時間プロファイルから計算される。FP2の単回投与後の薬物動態パラメータとしては、これらに限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。
max:最大観察血清濃度
max:最大観察血清濃度に達するまでの時間。
AUCinf:末端消失相を外挿した時間0~無限大までの血清濃度時間曲線下面積。
AUClast:時間0~最終定量可能濃度に対応する時間までの血清濃度時間曲線下面積。
1/2=終末消失半減期。
CL:総全身クリアランス(IVのみ)。
CL/F:血管外投与後の見かけの総全身クリアランス(SCのみ)。
Vz:末端消失相に基づく分布の容量(IVのみ)。
Vz/F:血管外投与後の末端消失相に基づく見かけの分布容量(SCのみ)。
F(%):全身的に利用可能な投与量の割合として計算される絶対SCバイオアベイラビリティーを百分率で表したもの。絶対バイオアベイラビリティーは、下式を用いて計算される。
Figure 2022513098000081
9.2.4.免疫原性の評価
「時間及び事象のスケジュール」に従って、抗FP2抗体を全ての被験者から採取された血液について評価する。更に、血液試料は、試験を中止した被験者の試験終了時の来院時にも採取する必要がある。これらの試料は、治験依頼者又は治験依頼者の指定担当者により検査される。
血清試料は、FP2に結合する抗体についてスクリーニングされ、確認された陽性試料の力価が報告される。その他の分析を実施して、FP2の免疫原性を更に特性評価することができる。
9.3.薬力学的評価
体重は、「時間及び事象のスケジュール」で詳しく述べたように、午前中の朝食前と排尿後に2回測定される。被験者は、靴を履かず、ガウン又は軽い屋内用の衣服を着用した状態で、較正された秤で計量される。
24時間の食物摂取を、-1日目及び3日目に、両方の日に同時に供される4回の食事(朝食、昼食、軽食、及び夕食)を提供することによって評価する。食事は、各日間で標準化される(-1日目と3日目で同じ食事)。食事はまた、全ての被験者について組成及び一人前の分量が同じとなるように被験者間でも標準化され、試験栄養士により評価される地域的嗜好及びガイドラインに基づいたものとする。各食事の各品目は摂食前及び摂食後に計量し、各食事品目の摂食されたグラム数を計算し、記録する。消費されるカロリーを、各食事品目の消費されたグラム数、及びその栄養素量に基づいて推定する。24時間のカロリー摂取量の1日目から3日目までの変化を評価する。食物摂取量が記録されない日(-2、1、2、4,日目及び5日目)では、全ての食事(朝食及び軽食を含む)は、-1日目及び3日目に提供される食事と異なる必要がある。
食欲評価(空腹、乾き、むかつき、及び満腹度)を評価するためのVAS質問票を、-1日目及び3日目の覚醒時間中の毎時間、1、2、4、及び5日目の覚醒時間中の3時間毎、並びに各食事の直前及び終了時(-1日目~5日目)に実施する。食品嗜好性(可能な食物嫌悪を示し得る)を評価するためのVAS質問票は、食べ物の匂い、味、及び食事の食感の快感に関する質問を含み、各食事のメインディッシュの最初のひとくちを食べた直後に被験者によって記入される(-1日目~5日目)。VAS質問票が実施される時点の詳細な説明については、「食物摂取に関する時間及び事象のスケジュール及びVAS質問票」を参照されたい。
9.6.安全性の評価
9.6.2.臨床検査
化学的検査、血液学的検査、凝固検査、脂質検査用の空腹時血液試料、及び尿検査用の尿試料を採取する。被験者は、全ての検査用試料の採取前に、一晩、少なくとも10時間絶食する。臨床検査評価の時間については、「時間及び事象のスケジュール」を参照されたい。治験責任医師は、検査結果を検証し、この検証を文書化し、試験の間に生じたあらゆる臨床的に関連する変化をeCRFの有害事象セクションに記録する。検査報告は、原資料と共に提出される。
以下の検査が各検査施設によって行われる。
Figure 2022513098000082
注:WBC評価はあらゆる異常細胞を含んでよく、異常細胞はその後、検査施設によって報告される。RBC評価は、RBC数、RBCパラメータ、又はRBCの形態の異常を含んでよく、異常はその後、検査施設によって報告される。更に、血液塗抹中のあらゆる他の異常細胞も報告される。
Figure 2022513098000083
Figure 2022513098000084
ディップスティックの結果が異常である場合、顕微鏡検査を用いて沈殿物を測定する。
顕微鏡検査では、WBC、RBC、及び円柱細胞の存在以外の観察結果も検査施設によって報告され得る。
他の臨床検査
以下の臨床検査は、「時間及び事象のスケジュール」に示される時点において実施される。
血清及び尿妊娠検査(β-hCG)が全ての女性に対して行われる。
FSH(女性のみ)、TSH及びHbA1c
血清学(HIV1及び2抗体、HBsAg,及び抗HCV抗体)
尿薬物(アンフェタミン、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、カンナビノイド、コカイン、オピエート、メタドン)及びコチニンスクリーン
アルコール呼気検査
9.6.3.心電図
標準的な12誘導ECGを、「時間及び事象のスケジュール」に示されるように収集する。各ECGを印刷し、治験実施施設において被験者の医療ファイルに保管する。更に、ECGデータを、ICH E14の推奨に従って中央分析を行うために特殊なECG検査施設(Nabios GmbH,Munich)に電子的に転送する。ECG分析の方法、用量漸増会議の結果の読み取り及び送達のタイミング並びにフォーマットの詳細は、別のECGマニュアルに詳しく記載されている。
12誘導ECGは、被験者が仰臥位で少なくとも5分間安静にし、会話又は手足を動かすことを控えた後の各時点で2分以内に個別に3回捕捉する。ECGを収集する間、被験者は、気を散らすもの(例えば、テレビ、携帯電話)がない静かな環境にいる必要がある。複数の評価が同じ時点でスケジュールされている場合、及び/又は1つ以上の評価が食事と同時にスケジュールされている場合、バイタルサイン、ECG、PK、採血、食欲評価についてのVAS質問票、食事、及び食品嗜好性についてのVAS質問票(食品の最初のひとくちの後)の順序で手順が行われることが推奨される。PK評価のための採血は、指定の時間にできるだけ近く保たれる必要がある。ECGがPKと同じ時点で行われる場合、PK検体は、ECGの終了直後に採取する必要がある。必要に応じて、指定の時点よりも先に他の測定を行うことができる。同じ時点での複数の評価の順序は、試験全体を通じて同じである必要がある。
ECGは、より正確なQTc間隔の変化の評価を行うために、スケジュールされた各時点で3回行われる。-1日目に得られたECGは、1日目に得られたECGと時間を一致させる必要がある。3回のECGが必要とされる各時点で、3つの個々のECGトレーシングは、連続してできるだけ近くで、ただし2分間以下の間隔で得られる必要がある。3回のECGの全セットは、4分未満で完了する必要がある。
-1日目の各時点における3回の測定値の平均は、1日目の対応するパラメータについて各被験者の時間一致ベースライン値としての役割を果たす。
ECGのオフサイトの中央読み取りプロセスとは別に、各ECGは、有資格の治験実施施設の医師によって収集された後、可能性のある臨床安全性関連性(例えば、QTc間隔の延長)の所見について検証する必要がある。あらゆる病理学的所見及びそれぞれの医療的介入(もしあれば)は、eCRFで文書化される。
9.6.4.連続的第II誘導ECGモニタリング(第2部のみ)
連続的第II誘導ECGモニタリングは、1日目のIV注入の開始の30分前から、注入の終了の2時間後まで第2部でのみ行われる。治験責任医師(又は指定担当者)の裁量により、連続的第II誘導ECGモニタリングを延長することができる。これらのデータは、リアルタイムの視覚的モニタリングのためのものであり、ECG監視装置によって、又は治験責任医師によって検出されたあらゆる異常は印刷され、原データとして保持される。異常が特定された後、できるだけ速やかにスケジュール外の12誘導ECG測定も行われる必要がある。臨床的に有意な異常は有害事象として記録される。
9.6.5.バイタルサイン
血圧測定及びHR測定は、完全自動オシロメトリック装置を用いて仰臥位で評価される。自動装置が利用できない場合にのみマニュアル法を用いた。バイタルサインは、血液試料が採取される腕とは反対の腕から記録する必要がある(IV注入時間の間を除く)。
血圧及びHR測定の前に、気を散らすもの(例えば、テレビ、携帯電話)がない静かな環境で少なくとも5分間安静にする必要がある。全ての時点で単一のBP及びHR測定を行って、記録する。
体温測定(すなわち、鼓膜)におけるのと同じ方法が、試験期間全体にわたって全ての被験者の全ての測定に使用される。
これらの検査の時点は、「時間及び事象のスケジュール」に指定される。
9.6.6.身体検査
完全な身体検査は、全般的な外観、神経学的、眼、耳/鼻/咽喉、甲状腺、心臓血管、呼吸器、腹部/消化器、肝臓、筋骨格、及び皮膚科学的検査を含む、通常の医学的検査を含む。
簡単な物理的検査には、皮膚、呼吸器系、心臓血管系、腹部(肝臓、脾臓)及び中枢神経系の評価が含まれる。
これらの検査の時点は、「時間及び事象のスケジュール」に指定される。「スクリーニング」に記載されていない新たな臨床的に有意な所見(治験責任医師の所見)は、AEとして捉えられる。
9.6.7.アレルギー反応/全身性過敏症
全ての被験者を、試験中、あらゆるアレルギー反応の発生について、また、パート2におけるIV試験薬投与中のあらゆる注入反応について観察し、慎重に監視する。
試験薬の投与中、医師が治験実施施設で常時、直ちに診療に当たれるようにする。
全ての被験者は、「時間及び事象のスケジュール」に示されるように、IV投与の間及びその後の注入反応の症状について慎重に観察される。治験責任医師は、あらゆる注入反応の強度を評価する際に臨床的判断を用いる必要がある。
注入反応が観察された場合、アレルギー反応の性質及び症状の重症度に応じて、経口パラセタモール及び/又は経口/IV抗ヒスタミン剤及び/又は吸入型βアゴニスト及び/又はIVコルチコステロイド及び/又はIVエピネフリンなどの治療薬を投与することができる。以下の予防措置が、第2部における試験薬のIV投与中に適用する必要がある。
注入が開始される前に、適切な人員、薬剤(例えば、エピネフリン、吸入型β-アゴニスト、抗ヒスタミン剤、及びコルチコステロイド)、並びにアナフィラキシーを含むアレルギー反応を治療するための注入溶液などの他の要件を利用可能とする。
被験者が中度又は重度の注入反応を有する場合には注入を直ちに中止する必要があり、被験者を施設のガイドラインに従って適切に治療する必要がある。
注入反応のために試験薬を中止する被験者は、試験終了時の来院までのスケジュールされた全ての来院において必要な評価を行うために戻るように求められる。
薬物投与後の反応は注入又は注射の1~21日後に起こり得るが、発現は徴候及び症状において異なり得るものであり、常に著明ではない(これらに限定されるものではないが、発熱を伴う筋肉痛及び/又は関節痛及び/又は発疹を含み[他の認識されている臨床的症候群の徴候及び症状を代表するものではない]、掻痒、顔、手、又は唇の浮腫、嚥下障害、じんましん、咽頭痛、及び/又は頭痛を含む他の症状を伴い得る)。いずれのアレルギー反応又は過敏症もAEとして記録する必要があり、反応の種類が示される必要がある。被験者が注入の遅延又は注入反応を示す場合、被験者は、更なるスケジュール外の試料(炎症性マーカー用の尿、血清、及び血漿)を提供するように求められる。これらの試料を、遅延過敏症反応を示唆する有害事象の発生のできるだけ近くで採取するためにあらゆる取り組みが行われる必要がある。これらの試料は、症状の病因を試し、理解するために使用される。皮膚反応(すなわち、発疹)が観察された場合、やはり発疹の原因を理解するために用いられる皮膚生検を得るための許可が被験者に求められる。
9.6.8.局所注射部位反応(第1部)
試験薬のSC投与後の注射部位を、「時間及び事象のスケジュール」に示される時点における局所注射部位反応について評価する。
あらゆる有害反応(例えば、疼痛、紅斑、及び/又は硬結)は、文書に記録され、1)疼痛度、2)圧痛、3)紅斑/発赤、4)硬結/腫脹の4つのパラメータに基づき、「Toxicity Grading Scale for Healthy Adult and Adolescent Volunteers Enrolled in Preventive Vaccine Clinical Trials」に記載されるように特徴付けが行われる必要がある。詳細は以下の表70を参照されたい。
Figure 2022513098000085
ER=救急外来
最大の単一直径で測定された局所反応を等級付けする以外に、測定値は連続変数として記録する必要がある。硬結/腫脹は、機能的スケール並びに実際の測定値を用いて評価及び等級付けする必要がある。
視覚的所見(例えば、発赤、硬結、腫脹)を有するAEとして捉えられた全ての局所注射部位反応は、後の評価のために指標定規と共に写真撮影するものとする。
9.7.試料の採取及び取り扱い
試料採取の正確な日付及び時間をeCRFに記録する。留置カニューレを介して血液試料を採取する場合、各血液試料が採取される前に、ロックのデッドスペース容量よりもわずかに多い適量(1mL)の漿液をカニューレから除去し、廃棄する。血液試料採取後、カニューレを、0.9%塩化ナトリウムでフラッシュし、ロックのデッドスペース容量に等しい量を充填した。マンダリン(オブチュレータ)を使用する場合、廃棄による血液損失は予想されない。ヘパリンによるフラッシングは許容されない。
全ての試料採取のタイミング及び頻度については「時間及び事象のスケジュール」を参照されたい。
試料の収集、取り扱い、保管及び輸送に関する指示は、提供される検査室マニュアルに示される。試料の採取、取り扱い、保管、及び輸送は、検査室マニュアルに示されるように、指定された、また適用可能な場合には、調節された温度条件下で行われる。
10.被験者の試験処置の完了/中断/試験の中止
10.1.完了
被験者は、試験終了時の来院で評価を完了した場合に試験を完了したものとみなされる。
10.2.試験治療の中断/試験の中止
被験者は、以下の理由のいずれによっても自動的に試験を中止する。
フォローアップ不能
同意の撤回
死亡
被験者が、外来患者期間の終了前に何らかの理由で試験を中止する場合、試験終了時の評価を得る必要がある。被験者が、試験終了時の来院までのいずれかの来院において戻る意思がある場合、あらゆる追加の情報が収集され、許容されるあらゆる手順が行われる。
被験者がフォローアップ不能となった場合、実施施設担当者により、被験者と連絡を取って中断/中止の理由を決定するための無理のない範囲のあらゆる取り組みが行われる。フォローアップのために取られた措置は文書化する必要がある。
被験者が試験を完了する前に中止する場合、中止の理由は、eCRF及び原資料に文書化する必要がある。中止した被験者に割り当てられた試験薬は、別の被験者に割り当てられなくてもよい。中止する被験者は交代させることができる。
PI又は治験依頼者が、更なる試験参加を中止することが被験者の最善の利益であると考える場合(例えば、安全性の理由又は忍容性の理由から)、それは許容されるが、被験者は試験終了時の来院により試験評価を完了する必要がある。
11.統計的方法
統計的分析は、治験依頼者によって、又は治験依頼者の権限の下で行われる。
試験の探索的及び記述的性質のため、正式な仮説検定は計画されない。
11.1.被験者情報
少なくとも部分用量の試験薬が投与される全ての被験者は、記述統計及び安全性の分析に含まれる。
11.2.標本サイズの決定
FP2に関して利用可能なヒトPKデータは存在しないため、この最初のFIH第1相試験では、正式な標本サイズの計算は行わなかった。各投与群で計画される被験者の数は、研究の主目的が安全性及び忍容性であり、副次的目的のうちの1つがPKプロファイルを評価することである、新規薬物の単回用量漸増投与第1相試験における通常の標本サイズと一致する。各投与群で6人の被験者をFP2にランダム化し、2人の被験者をプラセボにランダム化する。したがって、活性試験薬とプラセボとの比は、各投与群内で3:1となる。計画される被験者の数は、更なる臨床開発の可能性の評価を可能とするようなFP2の安全性、忍容性、及び薬物動態に関する充分な情報を与えるものと予想される。投与群当たり2人のプラセボが投与される被験者は、各用量レベルでの安全性及び忍容性の判断を可能とするうえで充分なはずであり、適切な場合、プラセボ被験者は、試験の完了時にデータ分析の目的でプールされる。異質分散などの問題のためにプラセボ被験者をプールすることが適当ではない場合、代替的な統計的方法(対数変換など)を用いてデータの全てを分析に利用できるようにすることができる。
用量レベル当たり6人のFP2で処理された被験者の標本サイズは、安全性シグナル(例えば、過敏症)の確率を推定するのに充分である。約10%の安全性シグナルの真のリスクを仮定すると、活性薬剤が投与される6人の被験者は、約47%の確率で少なくとも1つの事象を検出することを可能とする。一方、約50%のリスクを仮定すると、少なくとも1つの事象が検出される確率は約98%である。
薬物動態パラメータについては、第2部においてFP2のIV投与が行われる6人の被験者(男性3人、女性3人)は、絶対バイオアベイラビリティーの推定に適切な精度を与えるものと予想される。6人の被験者の標本サイズは、IV投与時のFP2のAUCを推定するための適切な精度を与え、SC剤形の薬学的品質特性を評価するためのベンチマークとして機能するものと予想される。
11.3.薬物動態の分析
少なくとも1回用量の試験薬が投与され、投与後に少なくとも1つのPK及び免疫原性試料を採取した全ての被験者が、PKデータの分析及び報告に含まれる。被験者は、被験者のデータがPKの正確な評価を可能にしない場合(例えば、試験薬の不完全な投与、投与時間及び試料採取時間の情報がない場合、濃度データがPKパラメータの計算に充分でない場合)には、PK分析から除外される。
記述統計(平均値、中央値、標準偏差、及び変動係数)を用いて、各試料採取時点におけるFP2の血清濃度を要約し、また各DGのFP2のPKパラメータについても要約する。最低定量可能濃度(BLQ)未満の全ての血清濃度は要約統計量において0として補完され、PK分析から除外された全ての被験者及び試料は明確に文章化される。PKパラメータはまた、DGごとにも要約される。
平均及び/又は中央値の血清FP2の濃度時間プロファイルを、試験薬投与後の完全なプロファイルにわたってプロットする。平均プロットでは、BLQ値は0に設定される。個々の血清濃度時間プロファイルでは、最初の測定濃度までのBLQ値を0に設定し、最後の測定濃度の後のBLQ値は分析から除外する。
PKデータの統計分析は、少なくとも1回のFP2用量が投与された全ての被験者について行われる。幾何平均Cmax及びAUCを、用量比例性を視覚的に評価するために用量に対してプロットする。FP2のSC投与時の用量比例性は、自然対数変換したCmax及びAUCデータ(パワーモデル)の線形回帰分析を用いて調べることができる。必要に応じてデータの更なる分析を行うことができる。
絶対SCバイオアベイラビリティーは、全身的に利用可能な投与量の割合として計算され、百分率で表される。個々のバイオアベイラビリティーを調べるには、SC投与からの個々の用量正規化AUCinfとIV投与群からの用量正規化AUCinfの幾何平均との比を計算し、百分率として表す。適切であるとみなされる場合、AUCinfの代わりに、部分AUC(0~4週間)を使用してもよい。FP2の絶対SCバイオアベイラビリティーは、上記に述べた個々の絶対SCバイオアベイラビリティーの平均を計算することによって導出される。個々の絶対SCバイオアベイラビリティーの95%信頼区間及びプロットを検討することもできる。
11.4.免疫原性の分析
抗FP2抗体の発生率を、FP2の少なくとも1回用量が投与され、かつFP2に対する抗体の検出に適当な試料を有する全ての被験者(すなわち、FP2の投与後に少なくとも1つの試料を得た被験者)について要約する。
FP2に対する抗体について陽性である被験者のリストが提供される。FP2に対する抗体の最大力価も、FP2に対する抗体について陽性である被験者について報告される。
FP2に対する中和抗体(NAb)の発生率を、FP2に対する抗体について陽性であり、かつFP2に対するNAbについて評価可能な試料を有する被験者について要約する。
11.5.薬力学分析(体重、食物摂取量)並びに探索的PD評価(VAS)及びバイオマーカー
薬力学分析は、少なくとも1回用量の試験薬(FP2又はプラセボ)が投与され、治療後少なくとも1回のPD評価を行った全ての被験者について実施される。各用量について、各PDエンドポイント(例えば、体重、食物摂取量)並びに探索的PD転帰(VAS)及びバイオマーカーパラメータについて各時点で記述統計量を計算する。パラメータは、1)各被験者について、及び2)用量関連効果の視覚的評価のための各エンドポイントについての用量対計画された試料採取時間により平均値±標準偏差(又は他の適切な要約手段)として、グラフで表示することができる。更なる記述統計分析には、選択された薬力学的及び探索的バイオマーカーのベースライン(すなわち、投与前の)値からの変化及び変化率(%)が含まれてもよい。
薬力学的及び探索的バイオマーカーは、単回用量漸増投与、連続的パネル設計に適切な混合効果モデルを用いて分析することができる。混合効果モデルは、治療、来院ごとの治療相互作用、ベースライン、及び来院ごとのベースライン相互作用についての固定因子を、被験者のランダム因子とともに含み得る。ベースライン共変量がモデルに含まれてもよい(例えば、年齢、性別、体重など)。適切な場合、ベースラインからの最小二乗平均の変化量の差(治療-プールされたプラセボ)及び平均の差の90%信頼区間を、線形モデルからの平均二乗誤差を用い、t分布を参照して得ることができる。ベースライン(投与前)からのPD/バイオマーカーエンドポイントの変化の最小二乗平均及び90%信頼区間も、治療群ごとに計算することができる。
必要に応じて更なる探索的分析を行うことができる。VASなどのPDパラメータは、上記に述べた線形混合効果モデルにおける分析に先立って、曲線下面積(台形法)又は時間加重平均を用いて来院内で経時的に要約することができる。
11.6.薬物動態/薬力学分析
PKデータとPDデータとの間の関係を検証することができる。適切な場合、血清薬物濃度と対応するPD測定値をプロットして、それらの関係を評価することができる。適切であるとみなされる場合、曝露効果関係を記述するために適当なモデルを適用することができる。
PK/PDの関係はグラフで調べることができ、適切であるとみなされる場合、適当な統計的方法を使用して更に分析することができる。PD変数(例えば、体重、食物摂取量、VAS)に対するPK曝露(Cmax及び/又はAUCinf)はグラフで調べることができる。この関係のグラフ表示が妥当であるとみなされる場合、これらのデータを適当なモデルを用いて統計的に分析することができる。
安全性変数(例えば、ECG応答)に対するPK曝露(Cmax及び/又はAUCinf)はグラフで調べることができる。この関係のグラフ表示が妥当であるとみなされる場合、これらのデータを適当なモデルを用いて統計的に分析することができる。
11.7.安全性分析
FP2又はプラセボの少なくとも1回用量が投与された全ての被験者の安全データの報告には、有害事象の発生率及び種類、並びに投与前から最終の投与後時点までの血圧、心拍数、臨床検査データ、及び12誘導ECGデータの絶対値及び変化が含まれる。
有害事象
治験責任医師によりeCRFで有害事象を特定するために使用される用語は、医薬規制用語集(MedDRA)を使用して逐語的にコード化される。試験薬により発現する有害事象は、介入期中に発生する有害事象であるか、又はベースラインから悪化した既往症の結果である有害事象である。報告された全ての有害事象を分析に含める。各有害事象について、特定の事象の少なくとも1回の発生があった被験者の割合を介入群ごとに要約する。更に、適切な場合、介入群間の比較が与えられる。
有害事象のために死亡した、試験薬を中止した、又は重度若しくは重篤な有害事象を有した被験者の要約、リスト、データセット、又は被験者のナラティブが適宜与えられてもよい。
臨床検査
臨床検査の種類ごとに検査データをまとめる。基準範囲及び著しく異常な結果(「統計分析プラン」に示される)は、検査データの要約に使用する。記述統計量を、ベースラインの各検査検体について、並びにスケジュールされた各時点における観測値及びベースラインからの変化について計算する。ベースライン結果からの変化は、介入前対介入後のクロス集計で提示される(正常範囲よりも下、正常範囲内、及び正常範囲を超えるクラスにより)。基準範囲外のあらゆる検査結果を有する被験者のリストが与えられる。あらゆる著しく異常な検査結果を有する被験者のリストも与えられる。
心電図(ECG)
分析されるECG変数は、心拍数、PR間隔、QRS間隔、QT間隔、及び、以下の補正方法、すなわち、Bazettの式に従って補正されたQT(QTcB)、及びFridericiaの式に従って補正されたQT(QTcF)1,19,14,16を使用して補正されたQT(QTc)間隔である。
QTc間隔の記述統計量及びベースラインからの変化を、スケジュールされた各時点で要約する。QTc間隔が>450ms、>480ms、又は>500msである被験者の割合を要約し、同様にベースラインからのQTc間隔の増加が>30ms、又は>60msである被験者の割合も要約する。
ベースライン読み取り値からの変化量であるECG波形の全ての臨床的に関連のある異常は報告される(例えば、T波形態の変化又はU波の発生)。
JNJ-64379090血清濃度と主要エンドポイントΔΔQTC(時間一致ベースラインQTcからのプラセボ補正された変化)との間の関係は、適切な場合、線形又は非線形混合効果モデリングアプローチを用いて定量化することができる。
バイタルサイン
HR及び血圧(収縮期及び拡張期)(仰臥位)の値並びにベースラインからの変化の記述統計量を、スケジュールされた各時点で要約する。臨床的に重要な限界値を超える値を有する被験者の割合を要約する。
身体検査
ベースラインからの変化の記述統計量を、スケジュールされた各時点で要約する。
11.8.中間分析/データ検証委員会
中間分析は計画されていない。しかしながら、用量漸増決定を行う目的で各投与群が完了した後、盲検化データ検証を試験チームによって実施することができる。
12.有害事象の報告
臨床試験からの安全性情報の適時の、正確、かつ完全な報告及び分析は、被験者、治験責任医師、及び治験依頼者の保護にとって重要であり、世界中の規制機関によって命じられている。治験依頼者は、安全性情報の適切な報告を確実にするために世界的な規制要件に準拠して標準業務手順(Standard Operating Procedures)を確立し、治験依頼者又はその関係者によって実施される全ての臨床試験は、これらの手順に従って実施される。
有害事象及び重篤な有害事象を検出する方法
AES又はSAEを検出する際にバイアスを導入しないよう注意する。被験者の非盲検かつ非誘導的な言葉による質問は、有害事象の発生について問診するための好ましい方法である。
非自発的な有害事象
非自発的AEは、被験者がそれについて具体的に質問される既定の局所的及び全身的事象である。この試験では、局所注射部位反応(痛み又は痒みなど)は、「時間及び事象のスケジュール」に示されるように非自発的である。
自発的な有害事象
自発的AEは、自発的に報告される全ての有害事象である(すなわち、被験者はそれについて具体的に質問されない)。
12.1.定義
12.1.1.有害事象の定義及び分類
有害事象
有害事象とは、医薬品(治験用又は非治験用医薬品)を投与された臨床試験被験者における任意の好ましくない医療上の出来事である。有害事象は、必ずしも介入と因果関係を有するわけではない。したがって、有害事象とは、医薬品(治験用又は非治験用)医薬品の使用と時間的に関連のある、あらゆる好ましくない、意図しない徴候(例えば、臨床検査値の異常)、症状又は疾患のことであり得、医薬品(治験用又は非治験用)医薬品との因果関係の有無は問わない。(医薬品規制調和国際会議([International Conference on Harmonisation、ICH]による定義)。
これには、新たな発症又はベースライン状態からの重症度若しくは頻度における悪化である任意の発症、あるいは検査室試験の異常を含む診断手順の異常な結果が含まれる。
治験依頼者はICFの署名の時点から有害事象を収集する。
重篤な有害事象
ヒト使用のための医薬品の安全性情報監視のICH及びEUガイドライン(ICH and EU Guidelines on Pharmacovigilance for Medicinal Products for Human Use)に基づく重篤な有害事象とは、任意の用量で、
死に至る、
生命に関わる、
(被験者はその事象の時点において死の危険に曝されていたものである。「命に関わる」とは、仮により重度であれば死を招いたかもしれない事象を指すわけではない。)
入院又は現行の入院期間の延長が必要となる、
永続的又は重大な障害/機能不全に至る、
先天異常/先天性欠損を来す、
医薬品を介した任意の感染因子の疑いのある伝播を来す、
医学的に重要である、好ましくないあらゆる医療上の出来事である。
直ちに生命を脅かしたり、又は死や入院に至らなくとも、被験者を危険にさらす恐れがあったり、又は上記の定義に挙げられている他の結果のうちの1つを防止するための介入が必要となり得る重要な医学的事象などの他の状況においても適切であるかどうかを決定する際に、医学的及び科学的判断を実行する必要がある。これらは通常、重篤であるとみなされる必要がある。
試験介入と事象(例えば、アナフィラキシーによる死)との間の因果関係を示唆する証拠が存在する重篤かつ予期せぬ有害事象が発生した場合、それが試験エンドポイントの構成要素(例えば、総死亡率)である場合であっても、その事象は、重篤かつ予期せぬ疑われる有害反応として報告される。
未記載の(予測できない)有害事象/安全に関する参考情報
性質又は重症度が適用可能な製品参照安全性情報と一致しない場合、有害事象は、列挙されていないと考えられる。FP2については、有害事象の期待度は、治験薬概要書に記載されているか否かによって決定される。
介入の使用に関連する有害事象
セクション12.1.2「因果関係の定義」に記載される定義によって、因果関係が考えられるか、因果関係がおそらくあるか、又は因果関係がある可能性が極めて高い場合、有害事象は介入の使用に関連していると考えられる。
これまでにFP2で臨床試験は行われていないため、ヒトにおけるFP2の影響に関するデータは存在していない。
12.1.2.因果関係の定義
関連なし
介入の使用に関連しない有害事象。
ほぼ関連なし
代替的な説明がより可能性が高い有害事象、例えば、併用薬、併発症、又は時間の関係は、因果関係がおそらくないことを示唆する。
可能性あり
介入の使用に起因し得る有害事象。代替的な説明、例えば、併用薬、併発症は決定的ではない。時間の関係は合理的であり、したがって、因果関係を除外することができない。
多分関連あり
介入の使用に起因し得る有害事象。時間の関係は、暗示的である(例えば、薬剤の投与中断によって確認される)。代替的な説明、例えば、併用薬、併発症は可能性が低い。
非常に可能性が高い
有害事象は、可能な有害反応として列挙され、代替的な説明、例えば、併用薬、併発症によって合理的に説明することができない。時間の関係は、非常に暗示的である(例えば、薬剤の投与中断及び再開によって確認される)。
12.1.3.重症度基準
重症度グレードの評価は、以下の全般的なカテゴリー記述子を使用して行われる:
軽度:容易に耐容され、最小限の不快感を引き起こし、日常活動を妨害しない症状の認識。
中程度:普段の活動の妨害を引き起こすような十分な不快感が存在する。
重度:機能の重大な障害又は機能不全を引き起こす、極度の苦痛。正常な日常活動が妨害される。
治験責任医師は、被験者が直接経験していない事象の重症度(例えば、検査室の異常)を評価する際に臨床的判断を使用する必要がある。
12.1.特別な報告状況
緊急報告又は安全性評価を必要とし得る治験依頼者治験介入に対する関心の安全性事象としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
治験依頼者治験介入の過剰投与
治験依頼者治験介入の乱用/誤用の疑い
治験依頼者治験介入への不注意又は偶発的曝露
治験依頼者製剤に関与する投薬エラー(治験依頼者治験介入への被験者/患者の曝露を伴うか又は伴わない、例えば、名前の混乱)
特別な報告状況は、eCRFに記録する必要がある。重篤な有害事象の基準を満たす任意の特別な報告状況は、eCRFの重篤な有害事象ページに記録する必要がある。
12.3.手順
12.3.1.全ての有害事象
重篤であるか非重篤であるかにかかわらず、全ての有害事象及び特別な報告状況は、署名され、かつ日付を記入したICFが取得された時間から、安全性の経過観察のための連絡を含み得る、被験者の最後の試験関連処置の完了まで報告される。試験終了時の来院までに治験責任医師に自発的に報告されたものを含む重篤な有害事象は、「重篤な有害事象フォーム」を使用して報告される。治験依頼者は、プロトコルに指定された時間枠を越えて治験責任医師によって自発的に報告された全ての安全性情報を評価する。
重篤な有害事象の定義を満たす全ての事象は、それらがプロトコル特異的評価であるかどうかにかかわらず、重篤な有害事象として報告される。
全ての有害事象は、治験介入に対する重篤性、重症度、又は推定される関係にかかわらず、医療専門用語を使用して原資料及びeCRFに記録される。可能な場合はいつでも、徴候及び症状が、全般的な病因のために、診断を行う必要がある(例えば、咳、鼻音、くしゃみ、咽頭炎、及び鼻詰まりが「上気道感染」として報告されるべきである)。治験責任医師は、試験療法に対する有害事象の関係に関する意見をeCRFに記録する。有害事象管理に必要な全ての測定は、原資料に記録され、治験依頼者命令に従って報告される。
14.試験薬情報
14.1.試験薬の物理的記述
この試験のために供給されるFP2は、pH6.5の、10mMリン酸ナトリウム、8%スクロース、及び0.04%ポリソルベート20中、50mg/mLの濃度を有する無菌の黄褐色溶液である。
FP2は、1.2mLの充填容積を有するガラスバイアル中で凍結された状態で提供される。
この試験のために供給される製剤化緩衝液は、10mMリン酸ナトリウム、8.0%スクロース及び0.04%ポリソルベート20からなる無菌透明溶液である。製剤化緩衝液は、プラセボ注射液を調製するために、また、最初のFP2のSC用量の調製における希釈剤として使用される。
製剤化緩衝液は、1.2mLの充填容積を有するガラスバイアル中で凍結された状態で提供される。
これは、治験依頼者の責任の下で製造及び提供される。賦形剤のリストを上記に示す。
14.2.パッケージング
試験薬(FP2と、FP2の希釈用及びプラセボとしての製剤緩衝液)は、バルク供給品として提供される。試験薬は、施錠された薬局で保管され、IV注入液(第2部)の調製後、又はSC注射液(第1部)の盲検化調製後に投与するため、適当な資格を有する試験チームのメンバーにのみ渡される。
14.3.ラベル付与
試験薬のラベルは、適用可能な規制要件を満たす情報を含む。
14.4.調製、取り扱い、及び保管
全ての試験薬は、-30℃~-40℃の範囲に調節された温度で保存され、光から遮断される。
最初の4つの計画されたSC投与群では、製剤化緩衝液を用いて薬剤を使用前に必要な濃度に希釈する(DG1 0.5mg/mL、DG2及びDG3 5.0mg/mL、DG 4 10.0mg/mL)。IV投与用の薬剤は10mg/mLの濃度に希釈し、インライン濾過して投与する。
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実施例22:臨床試験の結果
以下の点を除いて、実施例21に記載のプロトコルに従って実施した。すなわち、(1)試験の第2部(絶対バイオアベイラビリティー)を実施しなかった点、(2)参加者年齢を定義する組み入れ基準を、適格上限年齢を55歳まで上げた点。(3)尿コチニン検査が陽性である参加者に基づく除外基準を、入院期間中に喫煙を控えてもらえる軽度及び断続的喫煙者を組み入れるように変更した点。コホート1~6の投与が完了したのに対して、コホート7の投与は継続中である。それぞれ8人の被験者からなる6つのコホート(コホート1~6)に分けられた48人の被験者を、単回投与のFP2又は一致するプラセボのいずれかに曝露した。各コホートにおいて、6人の被験者にFP2を投与し、2人の被験者に一致するプラセボを投与した。以下は、各コホート1~6に投与されるFP2(又は一致するプラセボ)の用量の要約である(表71)。
Figure 2022513098000086
盲検化した安全性及び忍容性情報が、投与を行った全ての被験者について利用可能である(コホート1~6)。群レベルの要約した薬物動態(PK)及び薬力学(PD)の結果が、コホート1~5について利用可能である。
安全性及び忍容性:処置は概して安全で忍容性が高いと考えられた。
薬物動態
薬物動態データは、コホート1~5について利用可能であった。投与するFP2の用量を増加させると、概ね用量比例的な形で曝露が増加した。Tmaxは6日目に生じ、T1/2は約12日であったことから、週1回の投与を支持した。
Figure 2022513098000087
72はCmaxの72%を表す
薬力学
食物摂取量の評価は、ベースライン(-1日目)及び試験薬投与後の3日目に再び行った。このSAD試験の最初の4つのコホートで観察されたTmaxは概ね6日目であり、3日目のFP2の血漿濃度は、6日目に得られた濃度の約70~80%である。
食物摂取量を評価するため、4回の標準化された食事(朝食、昼食、軽食、夕食)を被験者に与えた。各被験者に同じ食事(同じ食料品及び同じ量)を両方の日(すなわち、-1日目と3日目)に与えた。4回の食事で消費されたカロリーを合計して、ベースライン(-1日目)及び3日目に消費された総カロリーを得た。ベースラインから3日目までの食物摂取量の変化を、FP2の薬力学的作用機序の探索的尺度として用いた。
食物摂取量の変化は、プラセボ及び活性薬剤を投与した両方の被験者で変動し、ベースラインに対する3日目の変化はコホート1~4で約±20%であった。しかしながら、食物摂取量は、30mgのFP2で処置した6人の被験者(コホート5)のうち、4人で50%よりも大きく(55~96%の範囲で)減少した。これに対して、併せたプラセボ群(10人の被験者)で、30%を上回る食物摂取量の減少を達成した者はいなかった。この同じ投与群(コホート5、30mg)では、食物摂取量の最大減少率を示した2人の被験者(食物摂取量の-85%及び-96%の減少)は、最も高いFP2の曝露に達した被験者でもあった。プラセボ又はFP2を投与した被験者におけるベースラインから投与後3日目までの食事摂取量の変化率のパーセントの中央値を表73に示す。
Figure 2022513098000088
以上、本発明を詳細に、かつその具体的な実施形態を参照して説明したが、当業者には、発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更及び改変を行い得る点は明らかであろう。

Claims (50)

  1. 対象の体重を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、前記融合タンパク質が0.8mg~90mgの範囲の用量で投与され、前記対象の体重が80kg以上である、方法。
  2. 前記対象が、過体重である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象が、25kg/m2以上のBMIを有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記対象が、25kg/m2~29.9kg/m2の範囲のBMIを有する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記融合タンパク質が、0.8mg、2.5mg、7.5mg、15mg、30mg、60mg、及び90mgからなる群から選択される用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  6. 融合タンパク質が、0.8mgの用量で投与される、請求項5に記載の方法。
  7. 融合タンパク質が、2.5mgの用量で投与される、請求項5に記載の方法。
  8. 融合タンパク質が、7.5mgの用量で投与される、請求項5に記載の方法。
  9. 融合タンパク質が、15mgの用量で投与される、請求項5に記載の方法。
  10. 融合タンパク質が、30mgの用量で投与される、請求項5に記載の方法。
  11. 融合タンパク質が、60mgの用量で投与される、請求項5に記載の方法。
  12. 融合タンパク質が、90mgの用量で投与される、請求項5に記載の方法。
  13. 融合タンパク質が、皮下注射により投与される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記組成物が、前記対象に週1回投与される、請求項1に記載の方法。
  15. 対象の食物摂取量を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、前記融合タンパク質が0.8mg~90mgの範囲の用量で投与され、前記対象の体重が80kg以上である、方法。
  16. 前記対象が、過体重である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記対象が、25kg/m2以上のBMIを有する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記対象が、25kg/m2~29.9kg/m2の範囲のBMIを有する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記融合タンパク質が、0.8mg、2.5mg、7.5mg、15mg、30mg、60mg、及び90mgからなる群から選択される用量で投与される、請求項15に記載の方法。
  20. 融合タンパク質が、0.8mgの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
  21. 融合タンパク質が、2.5mgの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
  22. 融合タンパク質が、7.5mgの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
  23. 融合タンパク質が、15mgの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
  24. 融合タンパク質が、30mgの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
  25. 融合タンパク質が、60mgの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
  26. 融合タンパク質が、90mgの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
  27. 前記融合タンパク質が、皮下注射により投与される、請求項15に記載の方法。
  28. 前記組成物が、前記対象に週1回投与される、請求項15に記載の方法。
  29. 対象の体重を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、前記組成物が、0.01mg/kg~1.08mg/kgの範囲の用量で投与される、方法。
  30. 前記組成物が、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.09mg/kg、0.18mg/kg、0.36mg/kg、0.72mg/kg、及び1.08mg/kgからなる群から選択される用量で投与される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記組成物が、0.01mg/kgの用量で投与される、請求項29に記載の方法。
  32. 前記組成物が、0.03mg/kgの用量で投与される、請求項29に記載の方法。
  33. 前記組成物が、0.09mg/kgの用量で投与される、請求項29に記載の方法。
  34. 前記組成物が、0.18mg/kgの用量で投与される、請求項29に記載の方法。
  35. 前記組成物が、0.36mg/kgの用量で投与される、請求項29に記載の方法。
  36. 前記組成物が、0.72mg/kgの用量で投与される、請求項29に記載の方法。
  37. 前記組成物が、1.08mg/kgの用量で投与される、請求項29に記載の方法。
  38. 前記融合タンパク質が、皮下注射により投与される、請求項29に記載の方法。
  39. 前記組成物が、前記対象に週1回投与される、請求項29に記載の方法。
  40. 対象の食物摂取量を減少させる方法であって、配列番号92を有する融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物を投与することを含み、前記組成物が、0.01mg/kg~1.08mg/kgの範囲の用量で投与される、方法。
  41. 前記組成物が、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.09mg/kg、0.18mg/kg、0.36mg/kg、0.72mg/kg、及び1.08mg/kgからなる群から選択される用量で投与される、請求項40に記載の方法。
  42. 前記組成物が、0.01mg/kgの用量で投与される、請求項41に記載の方法。
  43. 前記組成物が、0.03mg/kgの用量で投与される、請求項41に記載の方法。
  44. 前記組成物が、0.09mg/kgの用量で投与される、請求項41に記載の方法。
  45. 前記組成物が、0.18mg/kgの用量で投与される、請求項41に記載の方法。
  46. 前記組成物が、0.36mg/kgの用量で投与される、請求項41に記載の方法。
  47. 前記組成物が、0.72mg/kgの用量で投与される、請求項41に記載の方法。
  48. 前記組成物が、1.08mg/kgの用量で投与される、請求項41に記載の方法。
  49. 前記融合タンパク質が、皮下注射により投与される、請求項41に記載の方法。
  50. 前記組成物が、前記対象に週1回投与される、請求項41に記載の方法。
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