JP2022510436A - アルストレーム症候群の治療における2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの使用 - Google Patents

アルストレーム症候群の治療における2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの使用 Download PDF

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Abstract

2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を、約500mg~約1500mgの日用量で投与することを含む、アルストレーム症候群に罹患している患者における、肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪組織、及び代謝パラメータのうちの少なくとも1つを改善するための方法、製剤/組成物及び使用を記載する。治療は、好ましくは48週間超の期間にわたって行い、15日以上中断しない。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月5日に出願された米国仮出願第62/775,849号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
本開示は、一般的に、アルストレーム症候群(ALMS)の病理学的特性の管理に関する。
ALMSは、希少性常染色体劣性遺伝性疾患であり、推定有病率は100万人に1人未満である。この疾患は、錐体桿体ジストロフィー、難聴、小児体幹肥満、インスリン抵抗性及び高インスリン血症、2型糖尿病、高トリグリセリド血症、成人期低身長、心筋症、ならびに進行性の肺、肝臓、及び腎機能障害を特徴とする。症状は乳児期に最初に現れ、多臓器病変の進行性の発達は平均余命の低下をもたらす。発症年齢及び臨床症状の重症度が家族内であってもばらつくのは、それが遺伝的バックグラウンドに起因している可能性が高い。重度の疾患は、多くの場合、臓器不全をもたらし、平均余命を縮め、50年を超えることはめったにない。複数の内分泌障害、感音難聴、心臓、腎臓、及び肝臓の異常が複合するために、個体の臨床ケアは複雑である。特定の治療法はなく、個々の症状に基づいて個体を治療し、モニタリングする。
したがって、ALMSの管理のための新規治療アプローチが必要である。
本明細書は、いくつかの文献に言及しており、その内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
本開示は、ALMSの病理学的特性の管理に関する。
より具体的には、本開示の態様及び実施形態に従って、以下の項目を提供する。
1.ALMSに罹患している患者における肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪組織及び血糖コントロールのうちの少なくとも1つの改善方法であって、前記方法が、前記患者に2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、48週超の治療期間にわたって、約500mg~約1500mgの日用量で投与し、その場合、前記治療期間中に投与を15日以上中断しない、前記改善方法。
2.前記治療期間が、54週間超である、項目1に記載の方法。
3.前記治療期間が、60週間超である、項目1に記載の方法。
4.前記投与を30日以上中断しない、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
5.前記方法が、少なくとも肝臓組織の改善を目的とする、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
6.肝臓組織の改善が、肝硬度を低下させることを含む、項目5に記載の方法。
7.前記肝硬度を、トランジェントエラストグラフィによる測定で、前記投与前に比べて少なくとも2kPa低下させる、項目6に記載の方法。
8.前記肝硬度を、トランジェントエラストグラフィによる測定で、前記投与前に比べて少なくとも2.25kPa低下させる、項目7に記載の方法。
9.肝臓組織の改善が、Metavirスコアを少なくとも1グレードまたは1ステージ低下させることを含む、項目5~8のいずれか一項に記載の方法。
10.前記方法が、少なくとも心臓組織の改善を目的とする、項目1~9のいずれか一項に記載の方法。
11.心臓組織の改善が、左心室機能(LVF)の向上を含む、項目1~10のいずれか一項に記載の方法。
12.前記LVFが、左心室拡張末期容積(LVEDV)及び/または左心室収縮末期容積(LVESV)を含む、項目11に記載の方法。
13.前記LVFが、LVEDVを含む、項目11に記載の方法。
14.前記方法が、心臓磁気共鳴画像法(MRI)による測定で、前記投与前に比べて、LVEDVを少なくとも6ml増加させることを目的とする、項目12または13に記載の方法。
15.心臓組織の改善が、短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)を短縮することを含む、項目10~14のいずれか一項に記載の方法。
16.前記SAX T1が、Basal SAX T1及び/またはMid SAX T1である、項目15に記載の方法。
17.前記方法が、心臓MRIによる測定で、前記投与前に比べて、Basal SAX T1を少なくとも40ms短縮することを目的とする、項目16に記載の方法。
18.前記方法が、心臓MRIによる測定で、前記投与前に比べて、Mid SAX T1を少なくとも25ms短縮することを目的とする、項目16または17に記載の方法。
19.前記方法が、少なくとも腎臓組織の改善を目的とする、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
20.腎臓組織の改善が、腎臓障害または腎臓損傷を制限することを含む、項目1~19のいずれか一項に記載の方法。
21.腎臓組織の改善が、前記投与前に比べて、腎臓損傷の1つ以上のバイオマーカーのレベルを低下させることを含む、項目19または20の方法。
22.前記腎臓損傷の1つ以上のバイオマーカーが、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、腎臓損傷分子-1(KIM-1)、クラステリン、シスタチンC、及びオステオポンチンである、項目21に記載の方法。
23.前記方法が、前記1つ以上のバイオマーカーのレベルを少なくとも10%低下させることを目的とする、項目22に記載の方法。
24.前記方法が、少なくとも脂肪組織の改善を目的とする、項目1~23のいずれか一項に記載の方法。
25.脂肪組織の改善が、平均脂肪細胞面積を減少させることを含む、項目24に記載の方法。
26.前記方法が、平均脂肪細胞面積を少なくとも10%減少させることを目的とする、項目25に記載の方法。
27.前記方法が、少なくとも血糖コントロールを改善することを目的とする、項目1~26のいずれか一項に記載の方法。
28.血糖コントロールの改善が、糖化ヘモグロビン(HbA1c)を減少させることを含む、項目1~27のいずれか一項に記載の方法。
29.前記対象が、投与前に9%超のHbA1cを有する、項目28に記載の方法。
30.前記方法が、HbA1cを少なくとも1%(絶対)減少させることを目的とする、項目28または29に記載の方法。
31.血糖コントロールの改善が、C-ペプチド及び空腹時血漿グルコースに基づく定常状態β細胞機能の恒常性モデル評価(HOMA-B[C-ペプチド/FPG])を増加させることを含む、項目1~30のいずれか一項に記載の方法。
32.前記方法が、HOMA-B[C-ペプチド/FPG]を少なくとも20増加させる、項目31に記載の方法。
33.糖尿病を有するALMS患者における血糖コントロールの改善方法であって、前記方法が、前記患者に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記改善方法。
34.前記患者が、2型糖尿病を患っている、項目33に記載の方法。
35.肝疾患を有するALMS患者の肝機能の改善方法であって、前記方法が、前記患者に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記改善方法。
36.前記肝疾患が、肝線維症を含む、項目35に記載の方法。
37.前記患者が、Metavirスコアリングシステムによる線維症ステージF2、F3、またはF4を有する、項目36に記載の方法。
38.ALMS患者の心機能の改善方法であって、前記方法が、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記改善方法。
39.前記心機能が、左心室機能(LVF)及び/または短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)である、項目38に記載の方法。
40.前記LVFが、左心室拡張末期容積(LVEDV)及び/または左心室収縮末期容積(LVESV)を含む、請求項39に記載の方法。
41.前記患者が、正常よりも低いLVFを有する、項目39または40に記載の方法。
42.(i)前記患者が男性であり、106mL未満のLVEDV及び/または26mL未満のLVESVを有するか、または(ii)前記患者が女性であり、86mL未満のLVEDV及び/または22mL未満のLVESVを有する、請求項41に記載の方法。
43.腎臓障害または腎臓損傷に罹患しているALMS患者の腎機能の改善方法であって、前記方法が、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記改善方法。
44.前記患者が、腎臓毒性の1つ以上のバイオマーカーを正常よりも高いレベルで有する、項目43に記載の方法。
45.前記腎臓損傷の1つ以上のバイオマーカーが、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、腎臓損傷分子-1(KIM-1)、クラステリン、シスタチンC、及びオステオポンチンである、項目44に記載の方法。
46.ALMS患者における脂肪組織機能の改善方法であって、前記方法が、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記改善方法。
47.前記脂肪組織機能が、血管周囲脂肪組織機能である、項目46に記載の方法。
48.前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも24週間の治療期間にわたって投与する、項目33~47のいずれか一項に記載の方法。
49.前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも48週間の治療期間にわたって投与する、項目48に記載の方法。
50.前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも60週間の治療期間にわたって投与する、項目48に記載の方法。
51.前記日用量が、約700mg~約900mgである、項目1~50のいずれか一項に記載の方法。
52.前記日用量が約800mgである、項目51に記載の方法。
53.前記日用量が、約1100mg~約1300mgである、項目1~50のいずれか一項に記載の方法。
54.前記日用量が約1200mgである、項目53に記載の方法。
55.前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムを含む、項目1~54のいずれか一項に記載の方法。
56.前記医薬経口製剤が、カプセルまたは錠剤である、項目1~55のいずれか一項に記載の方法。
57.前記対象が、25.0kg/m以上の肥満度指数(BMI)を有する、項目1~56のいずれか一項に記載の方法。
58.前記対象が男性であり、腰囲が94cm以上であるか、または前記対象が女性であり、腰囲が80cm以上である、項目1~57のいずれか一項に記載の方法。
59.ALMSに罹患している患者における肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪組織及び血糖コントロールの少なくとも1つの改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩が、48週間超の治療期間にわたって、約500mg~約1500mgの日用量で投与することを目的とし、前記治療期間中に前記投与を15日以上中断しない、前記医薬経口製剤。
60.前記治療期間が、54週間超である、項目59に記載の使用のための製剤。
61.前記治療期間が、60週間超である、項目59に記載の使用のための製剤。
62.前記投与を、30日以上中断しない、項目59~61のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
63.前記方法が、少なくとも肝臓組織の改善を目的とする、項目59~62のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
64.肝臓組織の改善が、肝硬度を低下させることを含む、項目63に記載の使用のための製剤。
65.前記肝硬度を、トランジェントエラストグラフィによる測定で、前記投与前に比べて少なくとも2kPa低下させる、項目64に記載の使用のための製剤。
66.前記肝硬度を、トランジェントエラストグラフィによる測定で、前記投与前に比べて少なくとも2.25kPa低下させる、項目65に記載の使用のための製剤。
67.肝臓組織の改善が、Metavirスコアを少なくとも1グレードまたは1ステージ低下させることを含む、項目63~68のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
68.前記方法が、少なくとも心臓組織の改善を目的とする、項目59~67のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
69.心臓組織の改善が、左心室機能(LVF)の向上を含む、項目59~70のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
70.前記LVFが、左心室拡張末期容積(LVEDV)及び/または左心室収縮末期容積(LVESV)を含む、項目69に記載の使用のための製剤。
71.前記LVFが、LVEDVを含む、項目70に記載の使用のための製剤。
72.前記方法が、心臓磁気共鳴画像法(MRI)による測定で、前記投与前に比べてLVEDVを少なくとも6ml増加させることを目的とする、項目70または71に記載の使用のための製剤。
73.心臓組織の改善が、短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)を短縮することを含む、項目68~71のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
74.前記SAX T1が、Basal SAX T1及び/またはMid SAX T1である、項目73に記載の使用のための製剤。
75.前記方法が、心臓MRIによる測定で、前記投与前に比べてBasal SAX T1を少なくとも40ms短縮することを目的とする、項目74に記載の使用のための製剤。
76.前記方法が、心臓MRIによる測定で、前記投与前に比べてMid SAX T1を少なくとも25ms短縮することを目的とする、項目74または75に記載の使用のための製剤。
77.前記方法が、少なくとも腎臓組織を改善することを目的とする、項目59~76のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
78.腎臓組織の改善が、腎臓障害または腎臓損傷を制限することを含む、項目59~77のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
79.腎臓組織の改善が、前記投与前に比べて、腎臓損傷の1つ以上のバイオマーカーのレベルを低下させることを含む、項目77または78に記載の使用のための製剤。
80.前記腎臓障害の1つ以上のバイオマーカーが、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、腎臓損傷分子-1(KIM-1)、クラステリン、シスタチンC、及びオステオポンチンである、項目79に記載の使用のための製剤。
81.前記方法が、前記1つ以上のバイオマーカーのレベルを少なくとも10%低下させることを目的とする、項目80に記載の使用のための製剤。
82.前記方法が、少なくとも脂肪組織を改善することを目的とする、項目59~81のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
83.脂肪組織の改善が、平均脂肪細胞面積を減少させることを含む、項目82に記載の使用のための製剤。
84.前記方法が、平均脂肪細胞面積を少なくとも10%減少させることを目的とする、項目83に記載の使用のための製剤。
85.前記方法が、少なくとも血糖コントロールの改善を目的とする、項目59~84のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
86.血糖コントロールの改善が、糖化ヘモグロビン(HbA1c)の減少を含む、項目1~85のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
87.前記対象が、投与前に9%超のHbA1cを有する、項目86に記載の使用のための製剤。
88.前記方法が、HbA1cを少なくとも1%(絶対)減少させることを目的とする、項目86または87に記載の使用のための製剤。
89.血糖コントロールの改善が、C-ペプチド及び空腹時血漿グルコースに基づく定常状態β細胞機能の恒常性モデル評価(HOMA-B[C-ペプチド/FPG])の増加を含む、項目59~88のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
90.前記方法が、HOMA-B[C-ペプチド/FPG]を少なくとも20増加させることを目的とする、項目89に記載の使用のための製剤。
91.糖尿病を有するALMS患者の血糖コントロールの改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記医薬経口製剤。
92.前記患者が、2型糖尿病を患っている、項目91に記載の使用のための製剤。
93.肝疾患を有するALMS患者の肝機能の改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記医薬経口製剤。
94.前記肝疾患が、肝線維症を含む、項目93に記載の使用のための製剤。
95.前記患者が、Metavirスコアリングシステムによる線維症ステージF2、F3またはF4を有する、項目94に記載の使用のための製剤。
96.ALMS患者における心機能の改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記医薬経口製剤。
97.前記心機能が、左心室機能(LVF)及び/または短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)である、項目96に記載の使用のための製剤。
98.前記LVFが、左心室拡張末期容積(LVEDV)及び/または左心室収縮末期容積(LVESV)を含む、項目97に記載の使用のための製剤。
99.前記患者が、正常よりも低いLVFを有する、項目97または98に記載の使用のための製剤。
100.(i)前記患者が男性であり、106mL未満のLVEDV及び/または26mL未満のLVESVを有するか、または(ii)前記患者が女性であり、86mL未満のLVEDV及び/または22mL未満のLVESVを有する、項目99に記載の使用のための製剤。
101.腎臓障害または腎臓損傷に罹患しているALMS患者における腎機能の改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記方法が、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記医薬経口製剤。
102.前記患者が、腎臓毒性の1つ以上のバイオマーカーを正常よりも高いレベルで有する、項目101に記載の使用のための製剤。
103.前記腎臓損傷の1つ以上のバイオマーカーが、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、腎臓損傷分子-1(KIM-1)、クラステリン、シスタチンC、及びオステオポンチンである、項目102に記載の使用のための製剤。
104.ALMS患者における脂肪組織機能の改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記方法が、前記対象に2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記医薬経口製剤。
105.前記脂肪組織機能が血管周囲脂肪組織機能である、項目104に記載の使用のための製剤。
106.前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも24週間の治療期間にわたって投与する、項目91~105のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
107.前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも48週間の治療期間にわたって投与する、項目106に記載の使用のための製剤。
108.前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも60週間の治療期間にわたって投与する、項目106に記載の使用のための製剤。
109.前記日用量が約700mg~約900mgである、項目59~108のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
110.前記日用量が約800mgである、項目109に記載の使用のための製剤。
111.前記日用量が約1100mg~約1300mgである、項目59~108のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
112.前記日用量が約1200mgである、項目111に記載の使用のための製剤。
113.前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムを含む、項目59~112のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
114.前記医薬経口製剤が、カプセルまたは錠剤である、項目59~113のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
115.前記対象が、25.0kg/m以上の肥満度指数(BMI)を有する、項目59~114のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
116.前記対象が男性であり、胴囲が94cm以上であるか、または前記対象が女性であり、胴囲が80cm以上である、項目59~115のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
本開示の他の目的、利点及び特徴は、添付の図面を参照して単に例としてのみ与えられる、その特定の実施形態の以下の非限定的な説明を読むことにより、より明らかになるであろう。
添付の図面は以下のとおりである。
試験デザインのフローチャートを示す。 2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる24週間の治療前のALMS対象における脂肪細胞組織の組織学的画像である。アスタリスク()は、より大きな小胞空胞化/脂肪症(大型小胞空胞化)を形成する脂肪細胞の合体を表す。 2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる24週間の治療後のALMS対象における脂肪細胞組織の組織学的画像である。 2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる24週間の治療前のALMS対象における脂肪細胞組織動脈の組織学的画像である。 2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる24週間の治療後のALMS対象における脂肪細胞組織動脈の組織学的画像である。
本明細書に開示する様々な態様及び実施形態の記載に関して(特に以下の特許請求の範囲に関して)、用語「a」及び「an」及び「the」及び同様の指示対象の使用は、本明細書に別段の記載がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を対象とすると解釈されるべきである。
「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含む(containing)」という用語は、特に明記しない限り、非制限用語(すなわち、「含むが、これらに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。
本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内にある各個別の値を個別に参照する簡略化された方法として機能することを単に意図するものであり、各個別の値は、あたかもそれぞれが本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に援用される。範囲内の値のすべてのサブセットもまた、あたかもそれらが本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に援用される。
本明細書に開示する実施形態及び特性のありとあらゆる組み合わせ及び部分組み合わせは、本開示に包含される。
本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の記載がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。
本明細書において提供するありとあらゆる実施例、または例示の言語(例えば、「など」)の使用は、単に開示をよりよく説明することを意図しており、別段の請求がない限り、開示の範囲を制限するものではない。
本明細書のいかなる文言も、本明細書に開示する様々な態様及び実施形態の実施に不可欠であるとして請求されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
本明細書において、「約」という用語は、その通常の意味を有する。「約」という用語は、値が、値を決定するために使用する装置または方法に固有の誤差の変動を含むこと、または記載の値に近い値、例えば、記載の値(または値の範囲)の10%以内を包含することを示すために使用される。
本明細書に記載の試験では、800mgの2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの持続投与は、ALMSに罹患している対象におけるいくつかの臓器/組織の病理学的特徴、及び特定の代謝パラメータを改善し、治療期間内での治療の大幅な中断は、症状の悪化をもたらし得る。
したがって、第1の態様では、本開示は、ALMSに罹患している対象における、肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪細胞組織、及び代謝パラメータ(例えば、血糖コントロール)のうちの少なくとも1つの改善方法を提供し、前記方法は、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、48週間超の治療期間にわたって約500mg~約1500mgの日用量で投与し、その場合、前記治療期間中に投与を15日以上中断しない。
本開示はまた、ALMSに罹患している対象における肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪細胞組織及び代謝パラメータ(例えば、血糖コントロール)の少なくとも1つを改善するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で、48週間超の治療期間にわたって投与し、その場合、前記治療期間中に治療を15日以上中断しない。
本開示はまた、ALMSに罹患している対象における肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪細胞組織及び代謝パラメータ(例えば、血糖コントロール)のうちの少なくとも1つを改善するための薬剤を製造するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記薬剤は、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を48週間超の治療期間にわたる約500mg~約1500mgの日用量での投与に適しており、その場合、治療期間中に治療を15日以上中断しない。
本開示はまた、ALMSに罹患している対象における肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪細胞組織及び代謝パラメータ(例えば、血糖コントロール)のうちの少なくとも1つの改善に使用するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩、及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、48週間超の治療期間にわたって約500mg~約1500mgの日用量で投与し、その場合、治療期間中に治療を15日以上中断しない。
本開示はまた、糖尿病を有するALMS患者における血糖コントロールの改善方法を提供し、前記方法は、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する。
本開示はまた、糖尿病を有するALMS患者における血糖コントロールを改善するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
本開示はまた、糖尿病を有するALMS患者における血糖コントロールを改善するための薬剤の製造のための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記薬剤は、約500mg~約1500mgの日用量で2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を投与するためのものである。
本開示はまた、糖尿病を有するALMS患者における血糖コントロールの改善に使用するための2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
本開示はまた、肝疾患を有するALMS患者における肝機能の改善方法を提供し、前記方法は、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を前記対象に投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する。
本開示はまた、肝線維症を有する(例えば、MetavirスコアリングシステムによるステージF2、F3またはF4線維症を有する)ALMS患者における肝機能を改善するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
本開示はまた、肝線維症を有する(例えば、MetavirスコアリングシステムによるステージF2、F3またはF4線維症を有する)ALMS患者における肝機能を改善するための薬剤の製造のための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記薬剤は、約500mg~約1500mgの日用量で2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を投与するためのものである。
本開示はまた、肝線維症を有する(例えば、MetavirスコアリングシステムによるステージF2、F3またはF4線維症を有する)ALMS患者における肝機能の改善に使用するための2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
一実施形態では、肝疾患は、肝線維症、例えば、MetavirスコアリングシステムによるステージF2、F3またはF4線維症を含む。
本開示はまた、ALMS患者における左心室機能の改善方法を提供し、前記方法は、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する。
本開示はまた、ALMS患者における左心室機能を改善するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
本開示はまた、ALMS患者における左心室機能を改善するための薬剤の製造のための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
本開示はまた、ALMS患者における左心室機能の改善に使用するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテート、またはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
一実施形態では、LVFは、左心室拡張末期容積(LVEDV)及び/または左心室収縮末期容積(LVESV)を含む。一実施形態では、ALMS患者は、正常範囲よりも低い左心室機能を有する。正常なLVEDVの範囲は、男性で106~214mL、女性で86~178mLであり、正常なLVESVの範囲は、男性で26~82mL、女性で22~66mLである。一実施形態では、患者は男性であり、106mL未満のLVEDV及び/または26mL未満のLVESVを有する。別の実施形態では、患者は女性であり、86mL未満のLVEDV及び/または22mL未満のLVESVを有する。
本開示はまた、ALMS患者における短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)の改善方法を提供し、前記方法は、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたは薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する。
本開示はまた、ALMS患者における短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)を改善するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
本開示はまた、ALMS患者における短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)を改善するための薬剤を製造するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記薬剤は、約500mg~約1500mgの日用量で2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を投与するためのものである。
本開示はまた、ALMS患者における短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)の改善に使用するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
本開示はまた、腎臓障害または腎臓損傷に罹患しているALMS患者における腎機能の改善方法を提供し、前記方法は、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容可能な添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する。
本開示はまた、腎臓障害または腎臓損傷に罹患しているALMS患者における腎機能を改善するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
本開示はまた、腎臓障害または腎臓損傷に罹患しているALMS患者における腎機能を改善するための薬剤の製造のための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記薬剤は、約500mg~約1500mgの日用量で2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を投与するためのものである。
本開示はまた、腎臓障害または腎臓損傷に罹患しているALMS患者における腎機能の改善に使用するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
本開示はまた、ALMS患者における脂肪組織機能(例えば、血管周囲脂肪組織機能)の改善方法を提供し、前記方法は、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を前記対象に投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する。
本開示はまた、ALMS患者における脂肪組織機能(例えば、血管周囲脂肪組織機能)を改善するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
本開示はまた、ALMS患者における脂肪組織機能(例えば、血管周囲脂肪組織機能)を改善するための薬剤の製造のための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤の使用を提供し、前記薬剤は、約500mg~約1500mgの日用量で2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を投与するためのものである。
本開示はまた、ALMS患者における脂肪組織機能(例えば、血管周囲脂肪組織機能)の改善に使用するための、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を提供し、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩は、約500mg~約1500mgの日用量で投与するためのものである。
2-(3-ペンチルフェニル)アセテートは、以下の構造:
Figure 2022510436000002
を有する(対応する酸として示す)。
2-(3-ペンチルフェニル)アセテートの塩は、薬学的に許容される塩である。「薬学的に許容される塩」という用語は、薬理学的に許容され、それらを投与する対象に対して実質的に無毒である2-(3-ペンチルフェニル)アセテートの塩を指す。より具体的には、これらの塩は、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートの生物学的有効性及び特性を保持し、適切な非毒性の有機または無機の酸または塩基から形成される。
一実施形態では、塩は、無機または有機塩基で形成される塩基塩である。そのような塩として、ナトリウム、リチウム、及びカリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩などの金属塩;トリメチルアンモニウム塩などの、アンモニウム塩または置換アンモニウム塩などの無機アミン塩;ならびに有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、例えば、クロロプロカイン塩、ジベンジルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ジエタノールアミン塩、エチルアミン塩(ジエチルアミン塩及びトリエチルアミン塩を含む)、エチレンジアミン塩、グルコサミン塩、グアニジン塩、メチルアミン塩(ジメチルアミン塩及びトリメチルアミン塩を含む)、モルホリン塩、モルホリン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、N-ベンジル-フェネチルアミン塩、N-メチルグルカミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、ピペラジン塩、ピペリジン塩、プロカイン塩、t-ブチルアミン塩、テトラメチルアンモニウム塩、t-オクチルアミン塩、トリス-(2-ヒドロキシエチル)アミン塩、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩が挙げられる。一実施形態では、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートの薬学的に許容される塩基塩は、金属塩、好ましくはナトリウム塩である。したがって、一実施形態では、医薬経口製剤は、以下の構造:
Figure 2022510436000003
を有する、3-ペンチルベンゼン酢酸ナトリウム塩とも呼ばれる2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムを含む。
一実施形態では、方法、製剤または使用は、少なくとも肝臓組織を改善するためのものである。一実施形態では、方法、製剤または使用は、少なくとも心臓組織を改善するためのものである。一実施形態では、方法、製剤または使用は、少なくとも腎臓組織を改善するためのものである。一実施形態では、方法、製剤または使用は、少なくとも脂肪組織を改善するためのものである。一実施形態では、方法、製剤または使用は、少なくとも代謝パラメータ(例えば、血糖コントロール)を改善するためのものである。一実施形態では、方法、製剤または使用は、肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪組織(例えば、血管周囲脂肪組織)及び代謝パラメータ(例えば、血糖コントロール)のうちの少なくとも2つの特性を改善するためのものである。一実施形態では、方法、製剤または使用は、肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪組織、及び代謝パラメータ(例えば、血糖コントロール)のうちの少なくとも3つの特性を改善するためのものである。一実施形態では、方法、製剤または使用は、肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪組織、及び代謝パラメータ(例えば、血糖コントロール)のうちの少なくとも4つの特性を改善するためのものである。一実施形態では、方法、製剤または使用は、肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪組織、及び代謝パラメーター(例えば、血糖コントロール)を改善するためのものである。
本明細書中で使用する「肝臓組織の改善」、「心臓組織の改善」、「腎臓組織の改善」、及び「脂肪組織の改善」という用語は、方法、製剤または使用が、治療前に患者由来の列挙された臓器または組織に存在していたALMSに関連する1つ以上の病理学的特徴を是正またはそれらの進行を遅延させることを意味する。改善は、適切な試験またはアッセイを使用して、治療期間の前後の1つ以上の病理学的特徴の程度または重症度を比較することによって判定し得る。改善はまた、1つ以上の組織病理学的特徴の程度または重症度が、未治療の患者と比較して、治療期間後に悪化していない(すなわち、安定している)か、または治療期間後により遅いペースで悪化した(すなわち、治療によって病理学的特徴が遅延する)ことを意味し得る。
ALMSに関連する病理学的特徴には、一般的に正常な臓器または組織の機能を妨げる、臓器または組織の正常な構造またはアーキテクチャの変化、例えば、臓器または組織に障害または損傷が存在すること、瘢痕組織が存在すること、及び/または臓器または組織に異常な細胞が存在することが含まれる。
肝臓におけるALMSに関連する病理学的特徴の1つは、肝硬度の増加である。したがって、実施形態では、肝臓組織の改善には、肝硬度を低下させること、または肝硬度の進行を遅延させることが含まれる。肝硬度は、トランジェントエラストグラフィ(例えば、FibroScan(登録商標)を使用)を含む周知の方法及びアッセイを使用して測定し得る。一実施形態では、肝硬度が、トランジェントエラストグラフィによる測定で、投与前に比べて少なくとも2kPa低下する。別の実施形態では、肝硬度が、トランジェントエラストグラフィによる測定で、投与前に比べて、少なくとも2.1、2.2、2.25、2.3、2.35、2.4、2.45または2.5kPa低下する。肝硬度の程度または重症度は、Metavirスコアリングシステムなどの適切なスコアリングシステムを使用して評価し得る。METAVIRスコアリングシステムは、患者の肝生検における組織病理学的評価によって炎症と線維症の程度を評価するために使用され、以下のグレードとステージを含む:
活性グレード:A0=活性なし、A1=軽度の活性、A2:中等度の活性、A3:重度の活性
線維症のステージ:F0=線維症なし、F1=中隔のない門脈線維症、F2=中隔がほとんどない門脈線維症、F3=肝硬変のない多数の中隔、F4=肝硬変。
一実施形態では、肝臓組織の改善は、Metavirスコアを少なくとも1グレードまたは1ステージ低下させること、例えば、肝線維症を少なくとも1グレード低下させることを含む。別の実施形態では、肝臓組織の改善は、Metavirスコアを少なくとも2グレードまたは2ステージ低下させること、例えば、肝線維症を少なくとも2グレード低下させることを含む。別の実施形態では、肝臓組織の改善は、Metavirスコアを3グレードまたは3ステージ低下させること、例えば、肝線維症を3グレード低下させることを含む。
心臓におけるALMSに関連する組織病理学的特徴の1つは、左心室機能(LVF)の低下である。したがって、実施形態では、心臓組織の改善には、左心室機能(LVF)を向上させること、またはLVFの低下の進行を遅延させることが含まれる。LVFは、心臓磁気共鳴画像法(MRI)を含む周知の方法及びアッセイを使用して測定し得る。一実施形態では、LVFの向上は、左心室拡張末期容積(LVEDV)及び/または左心室収縮末期容積(LVESV)を増加させることを含む。一実施形態では、LVFの向上は、左心室拡張末期容積(LVEDV)を増加させることを含む。一実施形態では、方法、製剤、または使用は、心臓MRIによる測定で、投与前に比べて、LVEDVを少なくとも6ml増加させる。別の実施形態では、方法、製剤または使用は、心臓MRIによる測定で、投与前に比べて、LVEDVを少なくとも6.5、7、7.5または8ml増加させる。
心臓におけるALMSに関連する別の組織病理学的特徴は、短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)である。したがって、一実施形態では、心臓組織の改善は、Basal SAX T1及び/またはMid SAX T1などのSAX T1を短縮することを含む。SAX T1は、心臓MRIを含む周知の方法及びアッセイを使用して測定し得る。一実施形態では、方法、製剤、または使用は、心臓MRIによる測定で、投与前に比べて、Basal SAX T1を少なくとも40ms短縮するためのものである。別の実施形態では、方法、製剤または使用は、心臓MRIによる測定で、投与前に比べて、Basal SAX T1を少なくとも45、50、55または60ms短縮するためのものである。一実施形態では、方法、製剤、または使用は、心臓MRIによる測定で、投与前に比べて、Mid SAX T1を少なくとも25ms短縮するためのものである。別の実施形態では、方法、製剤または使用は、心臓MRIによる測定で、投与前に比べて、Mid SAX T1を少なくとも30、35、40または45ms短縮するためのものである。
腎臓におけるALMSに関連する組織病理学的特徴の1つは、腎臓障害または腎臓損傷の存在である。したがって、一実施形態では、腎臓組織の改善には、腎臓障害または腎臓損傷の進行を阻害または遅延させることが含まれる。腎臓障害または腎臓損傷は、周知の方法及びアッセイを使用して、例えば、アルブミン対クレアチニン比(ACR)または単球走化性タンパク質1(MCP-1)、腎臓損傷分子-1(KIM-1)、クラステリン、シスタチンC及びオステオポンチンを測定することによって判定し得る。一実施形態では、方法、製剤または使用は、対象におけるACRの増加を阻害または遅延させるためのものである。別の実施形態では、方法、製剤または使用は、対象におけるACRの増加を阻害または遅延させるためのものである。別の実施形態では、方法、製剤または使用は、腎臓損傷の1つ以上のバイオマーカーのレベルを低下させるためのものである。一実施形態では、MCP-1、KIM-1、クラステリン、シスタチンC及びオステオポンチンのうちの1つ以上のレベルが低下する。さらなる実施形態では、MCP-1、KIM-1、クラステリン、シスタチンC及びオステオポンチンのレベルが低下する。一実施形態では、1つ以上のバイオマーカーのレベルが、治療前に比べて少なくとも10%低下する。別の実施形態では、1つ以上のバイオマーカーのレベルが、治療前に比べて、少なくとも15%、20%、25%、または30%低下する。
脂肪組織におけるALMSに関連する組織病理学的特徴の1つは、巨大な小胞空胞化/脂肪症を形成する、脂肪細胞の肥大及び合体である。したがって、一実施形態では、脂肪組織の改善は、平均脂肪細胞面積を減少させることを含む。一実施形態では、方法、製剤または使用は、投与前に比べて平均脂肪細胞面積を少なくとも10%減少させるためのものである。別の実施形態では、方法、製剤または使用は、投与前に比べて、平均脂肪細胞面積を少なくとも15%または20%減少させるためのものである。
ALMS患者における脂肪組織動脈(血管周囲脂肪組織)は、ジストロフィーの徴候、平滑筋細胞の均質化されたぼやけた細胞質、及び不規則な形状の核を特徴とする。したがって、一実施形態では、脂肪組織の改善は、正常な脂肪組織動脈を回復させることを含む。
ALMSは、いくつかの代謝異常にも関連している。インスリン抵抗性、高インスリン血症、及び耐糖能障害は、幼児期に多く認められる。2型糖尿病(T2DM)は、小児期、青年期、または成人期に発症し、平均発症年齢は16歳である。ALMSの子供はまた、幼少期に高い脂質レベルを有することが多い。したがって、一実施形態では、代謝パラメータの改善は、血糖コントロールを改善することを含む。血糖コントロールは、周知の方法及びアッセイを使用して評価し得る。さらなる実施形態では、血糖コントロールの改善は、糖化ヘモグロビン(HbA1c)を減少させることを含む。一実施形態では、方法、製剤または使用は、HbA1cを少なくとも0.5%または1%(絶対)減少させるためのものである。
別の実施形態では、血糖コントロールの改善は、Cペプチド及び空腹時血漿グルコースに基づく定常状態β細胞機能の恒常性モデル評価(HOMA-B[C-ペプチド/FPG])を増加させることを含む。一実施形態では、方法、製剤または使用は、投与前と比較して、HOMA-B[C-ペプチド/FPG]を少なくとも20増加させるためのものである。別の実施形態では、方法、製剤または使用は、投与前と比較して、HOMA-B[C-ペプチド/FPG]を少なくとも25、30、または35増加させるためのものである。
一実施形態では、ALMS患者は過体重であり、すなわち、肥満度指数(BMI)が25.0kg/m以上である。別の実施形態では、ALMS患者は肥満であり、すなわち、BMIが30.0kg/m以上である。
一実施形態では、ALMS患者は男性であり、腰囲が94cm以上である。別の実施形態では、ALMS患者は女性であり、腰囲が80cm以上である。
一実施形態では、ALMS患者は糖尿病に罹患している。さらなる実施形態では、ALMS患者は、1型糖尿病に罹患している。別の実施形態では、ALMS患者は2型糖尿病に罹患している。
一実施形態では、ALMS患者は、F2以上のMetavirスコア(肝臓のFibroScan結果に基づいて決定)を有する。一実施形態では、ALMS患者は、F3以上のMetavirスコア(肝臓のFibroScan結果に基づく)を有する。一実施形態では、ALMS患者は、F4のMetavirスコア(肝臓のFibroScan結果に基づく)を有する。
一実施形態では、ALMS患者は小児患者(17歳以下)である。別の実施形態では、ALMS患者は成人患者である。別の実施形態では、ALMS患者は、18~52歳、例えば、20~35歳である。
一実施形態では、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mg、約600mg~約1400mg、約700mg~約1300mg、約600mg~約1000mg、約700mg~約900mg、約750mg~約850mg、約775mg~約825mg、約900mg~約1500mg、約1000mg~約1400mg、約1100mg~約1300mg、約1150mg~約1250mg、または約11750mg~約1225mgの日用量で投与するか、または投与することを目的とする。さらなる実施形態では、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約800mg、約900mg、約1000mg、約1100mg、または約1200mgの日用量で投与するか、または投与することを目的とする。日用量は、単一の剤形を使用して、または複数の剤形(例えば、錠剤、カプセル)を使用して投与してもよい。複数の剤形(例えば、2つ、3つまたは4つの剤形)を使用して日用量を投与する場合、複数の剤形を同時に、または日中の異なる時間に服用させてもよい。一実施形態では、複数の剤形を同時に服用させる。
一実施形態では、前記治療期間中に20日(例えば、連続日)以上治療中断しない。一実施形態では、前記治療期間中に25日(例えば、連続日)以上治療中断しない。一実施形態では、前記治療期間中に30日(例えば、連続日)以上治療中断しない。本明細書で使用する用語「治療中断」とは、治療期間中の指定された日数の間、上記の日用量の2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を服用しない対象を意味する。
一実施形態では、治療期間は少なくとも54週間である。別の実施形態では、治療期間は少なくとも60週間である。
医薬経口製剤は、所望の純度を有する2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を1つ以上の薬学的に許容される添加剤と混合することにより、当技術分野で公知の標準的な方法を使用することによって調製し得る(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,by Loyd V Allen,Jr.,2012,22nd edition,Pharmaceutical Press、Handbook of Pharmaceutical Excipients,by Rowe et al.,2012,7th edition,Pharmaceutical Pressを参照されたい)。
本明細書中で使用する「薬学的に許容される添加剤」は、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩の生物学的活性の有効性を妨害せず、対象に対して毒性がない、すなわち、添加剤の一種であり、及び/または毒性がない量で使用するための任意の添加剤を指す。添加剤は当技術分野で周知であり、本発明の経口製剤はこれらの点で限定されない。ある特定の実施形態では、医薬経口製剤は、例えば、限定されないが、1つ以上の結合剤、増粘剤、界面活性剤、希釈剤、放出遅延剤、着色剤、香味剤、賦形剤、崩壊剤/溶解促進剤、滑沢剤、可塑剤、シリカ潤沢剤、流動促進剤、固結防止剤、粘着防止剤、安定剤、帯電防止剤、膨潤剤及びそれらの任意の組み合わせを含む添加剤を含む。当業者であれば認識するであろうが、単一の添加剤は、一度に2つ以上の機能を果たすことができ、例えば、結合剤及び増粘剤の両方として作用し得る。当業者であればこれもまた認識するであろうが、これらの用語は必ずしも相互に排他的である必要はない。
有用な希釈剤、例えば、賦形剤として、例えば、限定されないが、リン酸二カルシウム、二リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、デンプン、粉末糖、コロイド状二酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナ、タルク、コロイド状シリカ、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース及びそれらの組み合わせが挙げられる。適切なサイズと重量の錠剤を製造するために最小限の薬剤用量で錠剤に嵩を加えることができる賦形剤として、クロスカルメロースナトリウムNF/EP(例えば、Ac-Di-SoI)、無水ラクトースNF/EP(例えば、Pharmatose(商標)DCL21)、及び/またはポビドンUSP/EPが挙げられる。
結合剤材料として、例えば、限定されないが、デンプン(コーンスターチ及びアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロース及びラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、ポビドン、ワックス、ならびに天然ゴム及び合成ゴム、例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素NF/EP(例えば、Cab-O-Sil(商標)M5P)、ケイ化微結晶セルロース(SMCC)、例えば、ケイ化微結晶性セルロースNF/EP(例えば、Prosolv(商標)SMCC90)、及び二酸化ケイ素、それらの混合物など)、ビーガム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
有用な滑沢剤として、例えば、カノーラ油、パルミトステアリン酸グリセリル、水素化植物油(I型)、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸フマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク及び、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸グリセリル、ラウリル硫酸マグネシウム、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム/酢酸ナトリウム(組み合わせ)、DL-ロイシン、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、それらの混合物などが挙げられる。
増量剤として、例として、微結晶性セルロース、例えば、AVICEL(登録商標)(FMC Corp.)またはEMCOCEL(登録商標)(Mendell Inc.)(結合剤特性も有する);リン酸二カルシウム、例えば、EMCOMPRESS(登録商標)(Mendell Inc.);硫酸カルシウム、例えば、COMPACTROL(登録商標)(Mendell Inc.);及びデンプン、例えば、Starch1500;ならびにポリエチレングリコール(CARBOWAX(登録商標))が挙げられる。
崩壊剤または溶解促進剤として、デンプン、粘土、セルロース、アルギン酸塩、ゴム、架橋ポリマー、コロイド状二酸化ケイ素、浸透圧剤、それらの混合物など、例えば、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(AC-DI-SOL(登録商標))、ナトリウムクロスカルメロース、デンプングリコレートナトリウム(EXPLOTAB(登録商標)、PRIMO JEL(登録商標))架橋ポリビニルポリピロリドン(PLASONE-XL(登録商標))、塩化ナトリウム、スクロース、ラクトース及びマンニトールが挙げられる。
固体経口剤形のコア及び/またはコーティングに使用可能な付着防止剤及び流動促進剤として、とりわけ、タルク、デンプン(例えば、コーンスターチ)、セルロース、二酸化ケイ素、ラウリル硫酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸金属が挙げられ得る。
シリカ潤沢剤の例として、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、グアーガムが挙げられる。
適切な界面活性剤には、薬学的に許容される非イオン性、イオン性及び陰イオン性界面活性剤が含まれる。界面活性剤の一例はラウリル硫酸ナトリウムである。所望により、投与する医薬組成物にはまた、少量の非毒性補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、酢酸トリエタノールアミン、オレイン酸トリエタノールアミンなどを含有させてもよい。所望により、香味剤、着色剤、及び/または甘味剤もまた、加えてよい。
安定剤の例として、アカシア、アルブミン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、ベントナイト、リン酸二カルシウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素、シクロデキストリン、モノステアリン酸グリセリル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、三ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、カルナウバロウ、キサンタンガム、デンプン、ステアリン酸塩(複数可)、ステアリン酸、ステアリン酸モノグリセリド及びステアリルアルコールが挙げられる。
増粘剤の例として、タルクUSP/EP、グアーガムもしくはアラビアゴムなどの天然ゴム、または微結晶性セルロースNF/EP(例えば、Avicel(商標)PH102)、メチルセルロース、エチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体が挙げられる。有用な増粘剤は、様々な粘度グレードで入手可能なアジュバントであるヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
可塑剤の例として、アセチル化モノグリセリド(これらは食品添加物として使用することができる)、クエン酸アルキル(食品包装、医療製品、化粧品及び子供のおもちゃに使用される)、クエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸アセチルトリエチル(ATEC)(TECよりも沸点が高く、揮発性が低い)、クエン酸トリブチル(TBC)、クエン酸トリブチルアセチル(ATBC)(PVC及び塩化ビニルコポリマーと適合する)、クエン酸トリオクチル(TOC)(ゴム及び徐放性医薬品にも使用される)、クエン酸アセチルトリオクチル(ATOC)(印刷インクにも使用される)、クエン酸トリヘキシル(THC)(PVCと適合し、徐放性医薬品にも使用される)、アセチルクエン酸トリヘキシル(ATHC)(PVCに適合する)、クエン酸ブチリルトリヘキシル(BTHC、クエン酸トリヘキシルo-ブチリル)(PVCと適合する)、クエン酸トリメチル(TMC)(PVCと適合する)、アルキルスルホン酸フェニルエステル、ポリエチレングリコール(PEG)またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。場合により、可塑剤はクエン酸トリエチルNF/EPを含み得る。
浸透促進剤の例として、スルホキシド(ジメチルスルホキシド、DMSOなど)、アゾン(例えば、ラウロカプラム)、ピロリドン(例えば、2-ピロリドン、2P)、アルコール及びアルカノール(エタノール、またはデカノール)、グリコール(例えば、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール)、界面活性剤ならびにテルペンが挙げられる。
経口投与に適した製剤として、カプセル、サシェまたは錠剤が挙げられ、それぞれが、液体、固体、顆粒またはゼラチンとして、所定量の有効成分を含む。錠剤形態は、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、コーンスターチ、ポテトスターチ、微結晶性セルロース、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及び他の添加剤、着色剤、賦形剤、結合剤、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤、香味剤、染料、崩壊剤、及び薬学的に適合性のある担体を含み得る。トローチ形態は、スクロースなどの香味剤中の有効成分、ならびに有効成分、当技術分野で公知の担体に加えて、ゼラチン及びグリセリンまたはスクロース及びアカシア乳濁液、ゲルなどを含む不活性塩基中に有効成分を含むトローチを含み得る。
一実施形態では、医薬経口製剤は、カプセルまたは錠剤である。一実施形態では、医薬経口製剤はカプセルである。別の実施形態では、医薬経口製剤は錠剤である。
本開示を、以下の非限定的な実施例によってさらに詳細に示す。
実施例1:臨床試験の詳細
方法
この試験は、2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの第2相、単一施設、単一群、非盲検試験であり、ALMSを有する対象において、合計経口日用量800mgで最大72週間の投与に着手した。試験の最初の期間は24週間であり、対象は36週間または48週間の延長相に登録するように勧められた。参加者の登録、介入、及び評価のための試験手順のスケジュールの概要を、図1に示す。
2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムを、カプセルあたり200mgの2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウム(アモルファス粉末)、ポリエチレングリコール400、National Formulary(NF)、塩酸(pH調整用)、及び水を含有するソフトゼラチンカプセルに製剤化した。
試験集団及び適格基準
合計15人の被験者が試験に参加した。3人の被験者は適格基準を満たしていなかったため、試験に登録されなかった(すなわち、スクリーニング不合格)。12人の被験者が適格基準を満たし、800mgの2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムを少なくとも1回投与され、12人の被験者全員が計画通りに最初の24週間の治療期間を完了した。36週間の延長相を試験プロトコールに追加した(表1)。最初の24週間の治験薬治療期間を完了した12人の被験者のうち10(10)人は延長相で継続し、そのうち6人の被験者は、延長相において、修正が実行されるまで治療を中断した後に治療を継続し、4人の被験者は、延長相において、治療を中断することなく継続した。2人の被験者(826-001-002及び826-001-014)は、最初の24週間の試験薬治療期間の後に試験を完了した。
Figure 2022510436000004
ID=識別番号、NA=該当なし。
延長相で試験薬治療を継続していた10人の被験者のうち、1人を除くすべての被験者が計画通りに試験を完了した。
被験者集団の平均年齢(範囲)は26.1歳(17~52歳)であり、ほとんどの被験者は男性及び白人(66.7%)であり、ヒスパニックまたはラテン系の被験者はいなかった(表2)。被験者の半数は肥満であり(肥満指数[BMI]≧30.0kg/m)、1人を除くすべての被験者は少なくとも肥満であった(BMI≧25.0kg/m)。さらに、ほとんどの被験者は、健康上の問題のリスクが高い腰囲を有していた(男性≧94cm及び女性≧80cm)。
Figure 2022510436000005
BMI=肥満指数、ID=識別番号、NHL=ヒスパニック系/ラテン系ではない
ALMSの持続期間の中央値(範囲)は13.2年(3~22年)であり、ほとんどの被験者は2型糖尿病(T2D;83.3%)、著しい肝線維症(Metavirスコア≧2、72.7%)、及び腎臓病(75.0%、表3)を有していた。注目すべきことに、被験者826-001-003は1型糖尿病(T1D)とT2Dの両方を有していた。被験者826001-007及び826001-015は肝硬変の可能性があり(FibroScan(登録商標)の結果に基づく)、被験者826-001-012は心不全の可能性を有していた。
Figure 2022510436000006
---=利用可能なデータなし、ACR=アルブミン/クレアチニン比、ALMS=アルストレーム症候群、ICF=同意説明文書、ID=識別番号、NT-pro-BNP=脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N末端フラグメント。
ALMS持続期間は、診断日からICF日まで測定した。
Metavirスコアリングシステムは、トランジェントエラストグラフィ(FibroScan(登録商標))を使用して肝線維症の重症度を評価するために使用されるツールである。MetavirスコアF0~F1:線維症なしまたは軽度の線維症(FibroScan(登録商標)で2.5~7.0kPa)、MetavirスコアF2:著しい線維症(FibroScanで7.1kPa以上~9.5kPa未満)、MetavirスコアF3:重度の線維症(FibroScan(登録商標)で9.5以上~<12.5kPa未満、及びMetavirスコアF4:肝硬変(FibroScan(登録商標)で12.5kPa以上)。
正常範囲:0~74歳の被験者で125ng/L未満。
ACR<3.39mg/mmol=正常、ACR 3.39~33.9mg/mmol=初期腎疾患(微量アルブミン尿症)、及びACR>33.9mg/mmol=より進行した腎疾患(マクロアルブミン尿症)。
実施例2:肝臓に対する800mgの2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果
アルストレーム症候群ではゆっくりと進行する肝機能障害には表現型の変化があり、これは臨床的にサイレントなトランスアミナーゼの上昇と脂肪症から始まる。初期症状は通常、脂肪症と肝脾腫であり、その後、門脈及び実質領域にリンパ球浸潤を伴う線維性及び炎症性のプロセスが続く。肝疾患の最終過程では、著しい線維症、肝硬変、及び門脈圧亢進症がある(Marshall et al.,CurrGenomics.2011 May;12(3):225-235)。
A)肝硬度
ALMS患者における肝臓組織に対する2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果を、肝硬度を測定することによって最初に評価した。肝硬度は、肝臓の健康状態を反映する物理的パラメータであり、一般的に肝疾患の診断に使用される。肝硬度の増加は、肝機能障害に関連している場合がある。
FibroScan(登録商標)を介したトランジェントエラストグラフィで測定した、ベースラインからの肝硬度の統計的に有意な減少が、2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウム(2.59kPa、p=0.0207、表4)による60週間の治療後に認められた。
Figure 2022510436000007
CI=信頼区間、EP=延長期間、PT=対応t検定、SD=標準偏差、SW=シャピロ-ウィルク検定、WS=ウィルコクソン符号順位検定。
肝硬度はベースラインにおいて5.1~21.1kPaの範囲で様々に異なっており(表5)、肝疾患の病歴のない非糖尿病患者(826-001-005)において最も低いベースライン肝硬度を生じ、異常な肝機能の進行中の病歴を有するT2D被験者(826-001-007)において最も高いベースライン肝硬度を生じた。肝硬度は、800mgの2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる試験薬治療後、大多数の被験者(8/11、72.3%)においてベースラインから低下した。ベースラインからの肝硬度の低下は、0.6~8.0kPaの範囲であった。注目すべきことに、合計4人の被験者(826-001-001、826-001-004、826-001-012、及び826-001-015)は、試験薬物治療後のMetavirスコアリングシステムによる評価で、肝線維症が少なくとも1ステージ低下していた。これには、MetavirスコアがF4(ベースライン)からF0/1(60週目)に低下した1人の被験者(826-001-015)が含まれていた。ベースラインからの肝硬度の最大の増加は、24週目からEPの開始までの間に試験薬治療において30日間の中断をとった被験者826-001-013(1.8kPa)で生じていた。
Figure 2022510436000008
---=利用可能なデータなし、EP=延長期間、ID=識別番号。
Metavirスコアリングシステムは、トランジェントエラストグラフィ(FibroScan)を使用して肝線維症の重症度を評価するために使用されるツールである。MetavirスコアF0~F1:線維症なしまたは軽度の線維症(FibroScan(登録商標)で2.5~7.0kPa);MetavirスコアF2:著しい線維症(FibroScan(登録商標)で7.1以上~9.5kPa未満)、MetavirスコアF3:重度の線維症(FibroScan(登録商標)で9.5以上~12.5kPa未満、及びMetavirスコアF4:肝硬変(FibroScan(登録商標)で12.5kPa以上)。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における204日間の中断。
被験者は、肝障害(例えば、脂肪肝、肝障害、及び/または肝機能異常)の進行中の病歴を有していた。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における32日間の中断。
インスリン依存性T2D被験者。
24週目~EP0日目(EP治験薬治療の初日)の試験薬治療における30日間の中断。
非糖尿病。
24週目~EP0日目(EP治験薬治療の初日)の試験薬治療における39日間の中断。
これらの結果は、2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる48週間以上、好ましくは少なくとも60週間の治療が、ALMS患者における肝臓組織の大幅な改善をもたらし、治療の中断が肝臓組織の悪化をもたらし得るというエビデンスを提供する。
B)NAFLD線維症スコア
ALMS患者における肝臓組織に対する2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果を、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)線維症スコアを測定することによっても評価した。NAFLD線維症スコアの増加は、肝機能障害に関連している場合がある。
結果を表6に示す。
Figure 2022510436000009
CI=信頼区間、EP=延長期間、FPG=空腹時血糖値、NAFLD=非アルコール性脂肪性肝疾患、NASH=非アルコール性脂肪性肝炎、PT=対応t検定、SD=標準偏差、SW=シャピローウィルク検定、WS=ウィルコクソン符号順位検定。
NAFLD線維症スコア:-1.455未満(NASHの可能性が低い)、-1.455~0.676(NASHの不確定な可能性)、0.676超(NASHの可能性が高い)。
ベースラインNAFLD線維症スコアは、ベースラインFPGが5.6mmol/L超または6.0mmol/L超の被験者において-4.6~0.9の範囲であり(表7)、ほとんどの被験者(66.7%)が、低い非アルコール性脂肪性肝炎の可能性と相関するNAFLD線維症スコアを有していた。NAFLD線維症スコアは、800mgの2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる試験薬治療後、大多数の被験者(7/12、58.3%)においてベースラインから低下するか、または変化していなかった。注目すべきことに、ベースラインからのNAFLD線維症スコアの増加が、24週目~EP開始の間に試験薬治療において204日間の中断をとった被験者826-001-001(0.7)で生じていた。
Figure 2022510436000010
---=利用可能なデータなし、EP=延長期間、FPG=空腹時血糖値、ID=識別番号、NAFLD=非アルコール性脂肪性肝疾患、NASH=非アルコール性脂肪性肝炎。
NAFLD線維症スコア:-1.455未満(NASHの可能性が低い)、-1.455~0.676(NASHの不確定な可能性)、0.676超(NASHの可能性が高い)。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における204日間の中断。
被験者は、肝障害(例えば、脂肪肝、肝障害、及び/または肝機能異常)の進行中の病歴を有していた。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における32日間の中断。
インスリン依存性T2D被験者。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における30日間の中断。
非糖尿病。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における39日間の中断。
C)強化肝線維症試験
ALMS患者における肝臓組織に対する2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果はまた、強化肝線維症(ELF(商標))血液試験を使用して評価した。ELF(商標)血液試験は、3つの血清バイオマーカー(ヒアルロン酸(HA)、プロコラーゲンIIIアミノ末端ペプチド(PIIINP)、及び組織メタロプロテイナーゼ阻害因子1(TIMP-1))を組み合わせて、これらが相関する場合、肝線維症の定量化可能なレベルを同定することができる。
結果(ベースラインからの変化)を表8に示す。
Figure 2022510436000011
CI=信頼区間、ELF=強化肝線維症、EP=延長期間、PT=対応t検定、SD=標準偏差、SW=シャピローウィルク検定、WS=ウィルコクソン符号順位検定。
ベースラインELF試験スコアは7.11~11.65の範囲で、ほとんどの被験者(66.7%)が中等度の線維症を患っていた(表9)。ELF試験スコアは、試験薬治療後の被験者の半数(6/12、50.0%)においてベースラインから低下していた。ベースラインからのELF試験スコアの低下は0.1~1.75の範囲であった。注目すべきことに、ベースラインからのELF試験スコアの最大の増加は、24週目~EP開始の間に試験薬治療を中断した被験者826-001-001(1.36)及び826-001-004(1.17)(被験者826-001-001及び826-001-004について、それぞれ204日及び30日)で生じていた。
Figure 2022510436000012
---=利用可能なデータなし、ELF=強化肝線維症、EP=延長期間、ID=識別番号、NA=該当なし。
ELF試験スコア:なし~軽度の線維症<7.7、中等度の線維症≧7.7~<9.8;及び重度の線維症≧9.8。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における204日間の中断。
被験者は、肝障害(例えば、脂肪肝、肝障害、及び/または肝機能異常)の進行中の病歴を有していた。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における32日間の中断。
インスリン依存性T2D被験者。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における30日間の中断。
非糖尿病。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における39日間の中断。
ELF試験に基づく肝線維症の重症度は、治療後の大多数の被験者(10/12、83.3%)において安定しているか、ベースラインから改善していた(表10)。中等度から重度への肝線維症の増加が、試験薬治療において204日間の中断をとった被験者826-001-001で検出された。
Figure 2022510436000013
---=利用可能なデータなし、ELF=強化肝線維症、EP=延長期間、ID=識別番号、NTM=正常~軽度;Mod=中等度、Sev=重度。
ELF試験スコア:なし~軽度の線維症<7.7、中等度の線維症≧7.7~<9.8、及び重度の線維症≧9.8。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における204日間の中断。
被験者は、肝障害(例えば、脂肪肝、肝障害、及び/または肝機能異常)の進行中の病歴を有していた。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における32日間の中断。
インスリン依存性T2D被験者。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における30日間の中断。
非糖尿病。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における39日間の中断。
これらの結果は、2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる48週間を超える、好ましくは少なくとも60週間の治療が、ALMS患者における肝臓組織(より具体的には肝硬度)の著しい改善をもたらし、その治療の中断が、様々なパラメータを使用して評価されるように、肝臓組織の悪化と相関するというエビデンスを提供する。
実施例3:心臓組織に対する800mgの2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果
心筋症は、ALMSを有する乳児ならびに年長の子供や大人においてよく認められる特徴である。組織病理学及び心臓磁気共鳴画像法(MRI)分析により、ALMS患者の心筋に影響を与える間質性線維症が明らかになった(Brofferio et al.,Mol Genet Metab.2017 Aug;121(4):336-343)。
A)左心室機能の心臓磁気共鳴画像
ALMS患者における心臓組織に対する2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果を、左心室機能(LVF)を測定することによって評価した。LVF測定は、左心室が心拍ごとに体を通して血液をどれだけうまく送り出すことができるかを定量化できるようにし、これはまた、急性心筋梗塞の予後因子でもある。
表11Aに示す結果は、左心室拡張末期容積(LVEDV)における統計的に有意な平均増加7.75mL(p=0.0294)と、左心室収縮末期容積(LVESV)における60週間の治療後のベースラインから増加へと向かう強い傾向を示している。
Figure 2022510436000014
CI=信頼区間、LVEDV=左心室拡張末期容積、LVESV=左心室の1回拍出量;PT=対応t検定、SD=標準偏差、SW=シャピローウィルク検定、WS=ウィルコクソン符号順位検定。
左心室機能の心臓MRIは、ベースラインにおいて様々に異なっていた(表11B)。LVEDVは、治療後に大多数の被験者(10/12、83.3%)においてベースラインから増加し、2~42mLの範囲で増加していた。LVESVは、治療後、大多数の被験者(9/12、75.0%)においてベースラインから増加していたか、または変化せず、増加は1~15mLの範囲であった。興味深いことに、被験者826-001-002及び826-001-004は、ベースラインではLVEDV及びLVESVが正常値を下回っていたが、治療期間後は正常範囲内であった。治療後のLVESVの正常化は、被験者826-001-015でも生じており、これは、2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムが、左心室機能(例えば、LVEDV及び/またはLVESV)に障害のある(つまり正常よりも低い)ALMS患者の左心室機能を正常化するのに有用であり得ることを示唆している。
B)心筋線維症の心臓磁気共鳴画像
ALMS患者における心臓組織に対する2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果を、短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)を測定することによっても評価した。緩和時間の短縮は、心筋線維症の減少などの心臓組織の改善を反映しており、心不全のリスクを低減する。
表12に示す結果は、2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる60週間の治療後、Basal SAX T1(84.75ms;p=0.0274)及びMid SAX T1(54.63ms;p=0.0349)におけるベースラインからの統計的に有意な平均減少を示している。
Figure 2022510436000015
実施例4:腎臓組織に対する800mgの2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果
腎疾患はALMSの特徴であり、早期に始まり、年齢とともに進行し、ALMS患者において、高い有病率で若年での進行性慢性腎臓病(CKD)をもたらす(Baig et al.,Nephrol Dial Transplant.2018 Oct 10.doi:10.1093/ndt/gfy293。[Epub出版前])。
A)アルブミン対クレアチニンの比率(ACR)
尿中アルブミンの排泄の増加であるアルブミン尿は、腎臓障害のマーカーであり、ACRを測定することによって評価される。ALMS患者の腎臓組織/障害に対する2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果を、ACRを測定することによって評価した。結果を表13に報告する。
Figure 2022510436000016
ACR=アルブミン/クレアチニン比、CI=信頼区間、EP=延長期間、PT=対応t検定、SD=標準偏差;SW=シャピローウィルク検定、WS=ウィルコクソン符号順位検定。
ACRはベースラインにおいて様々に異なっており、0.7~44.5ng/Lの範囲であり(表14)、2人の被験者(被験者826-001-007及び826-001-013)が、より進行した疾患(33.9mg/mmol超)を有していた。注目すべきことに、被験者826-001-007は微量アルブミン尿症の病歴を有し、被験者826001-013は高血圧の病歴を有していた。注目すべきことに、ACRのベースラインからの最大の増加は、被験者826-001-003(13.8mg/mmol)、826-001-007(133.8mg/mmol)、及び826-001-013(43.9mg/mmol)で生じており、各被験者は、24週目~EP開始の間に、試験薬治療を中断していた(それぞれ32日、32日、及び30日)。これは、2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる継続的な治療が、被験者の腎臓障害/腎臓損傷の進行を制限する可能性があることを示唆している。
Figure 2022510436000017
---=利用可能なデータなし、ACR=アルブミン/クレアチニン比、EP=延長期間、ID=識別番号。
ACR<3.39mg/mmol=正常、ACR 3.39~33.9mg/mmol=初期腎疾患(微量アルブミン尿症)、及びACR>33.9mg/mmol=より進行した腎疾患(マクロアルブミン尿症)。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における204日間の中断。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における32日間の中断。
インスリン依存性T2D被験者。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における30日間の中断。
非糖尿病。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における39日間の中断。
被験者は進行中の慢性腎臓病の病歴を有していた。
B)腎臓損傷のバイオマーカー
単球走化性タンパク質1(MCP-1)、腎臓損傷分子-1(KIM-1)、クラステリン、シスタチンC、オステオポンチンなどの尿タンパク質は、腎臓損傷の指標であることが示されている。これらのマーカーのレベルを、ALMS患者におけるベースライン時及び2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる治療の24週間後に評価し、結果を表15に報告する。
Figure 2022510436000018
KIM-1=腎臓損傷マーカー-1、MCP-1=単球走化性タンパク質-1、SD=標準偏差。
腎臓毒性パネルは、尿試料中のバイオマーカーのレベルを試験した、被験者の結果は、所与の分析物/クレアチニンレベル(ng/nmol)の比率として生成した。
実施例5:代謝パラメータに対する800mgの2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果
ALMSはいくつかの代謝異常に関連している。重度のインスリン抵抗性、高インスリン血症、及び耐糖能障害は、幼児期に多く認められ、黒色表皮腫を伴うことがよくある。T2DMは、小児期、青年期、または成人期に発症し、平均発症年齢は16歳である。ALMSを有する子供はまた、幼少期に高い脂質レベルを有することがよくある。
A)糖化ヘモグロビン(HbA1c)
糖化ヘモグロビン(HbA1c)は、主に3か月平均血糖値を測定するために測定され、糖尿病の診断試験及び糖尿病患者の血糖コントロールの評価試験として使用される。2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムで治療したALMS患者において、HbA1cを評価した。12週間の治療後、HbA1cにおいてベースラインから統計的に有意な平均減少0.53%(p=0.0144)があった(表16)。
Figure 2022510436000019
CI=信頼区間、HbA1c=糖化ヘモグロビン、EP=延長期間、PT=対応t検定、SD=標準偏差、SW=シャピローウィルク検定、WS=ウィルコクソン符号順位検定。
HbA1cはベースラインにおいて様々に異なっており、4.8%~11.9%の範囲であった(表17)。最も低いベースラインHbA1cは、T2Dを有していない被験者826-001-005で生じ、最も高いベースラインHbA1cは、インスリン依存性T2Dを有する被験者826-001-003及び826-001-014で生じていた。HbA1cは、治療後、大多数の被験者(8/12、66.7%)においてベースラインから減少したか、または変化していなかった。注目すべきことに、被験者826-001-007、826-001-009、及び826-001-014は、試験薬治療後にHbA1cがベースラインより1%以上減少しており、これらの被験者のうちの2人(826-001-007及び826-001-014)では、ベースラインHbA1cは9%超であった。対照的に、24週目~EP開始の間に試験薬治療において204日間の中断をとった被験者826-001-001は、前回の試験来診でのベースラインよりもHbA1cが1%以上増加していた。
Figure 2022510436000020
---=利用可能なデータなし、EP=延長期間、HbA1c=糖化ヘモグロビン、ID=識別番号、T1D=1型糖尿病、T2D=2型糖尿病。
糖尿病を有さない正常≦5.6%、糖尿病を有する正常<6.5%。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における204日間の中断。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における32日間の中断。
インスリン依存性T2D被験者。
T1Dも併発。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における30日間の中断。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における39日間の中断。
非糖尿病。
B)空腹時血漿グルコース(FPG)
FPGレベルに対する2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果を評価し、結果を表18に示す。
Figure 2022510436000021
CI=信頼区間、EP=延長期間、FPG=空腹時血糖値、PT=対応t検定、SD=標準偏差、SW=シャピローウィルク検定、WS=ウィルコクソン符号順位検定。
FPGはベースラインにおいて様々に異なっており、4.7~20.0mmol/Lの範囲であった(表19)。最も低いベースラインFPGは、T2Dを有さない被験者826-001-005で生じ、最も高いベースラインFPGは、インスリン依存性T2Dを有する被験者826-001-003及び826-001-014で生じていた。注目すべきことに、ベースラインからのFPGにおける最大の増加は、被験者826-001-001(7.4mmol/L)及び826-001-007(7.9mmol/L)で生じており、各被験者は、24週目~EP開始の試験薬治療において中断を有していた(それぞれ204日及び32日)。
Figure 2022510436000022
---=利用可能なデータなし、EP=延長期間、FPG=空腹時血糖値、ID=識別番号、T1D=1型糖尿病、T2D=2型糖尿病。
正常FPG<5.5mmol/L。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における204日間の中断。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における32日間の中断。
インスリン依存性T2D被験者。
T1Dも併発。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における30日間の中断。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における39日間の中断。
非糖尿病。
C)空腹時インスリン
空腹時インスリンレベルに対する2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果を評価し、結果を表20に示す。
Figure 2022510436000023
CI=信頼区間、EP=延長期間、PT=対応t検定、SD=標準偏差、SW=シャピローウィルク検定、WS=ウィルコクソン符号順位検定。
空腹時インスリンはベースラインにおいて様々に異なっており、110~12,750pmol/Lの範囲であった(表21)。1人の非糖尿病被験者(825-001-005)を除くすべての被験者は、インスリン抵抗性を示す空腹時インスリンレベルを示し、最大のベースラインレベルは、T1D/T2Dの両方を有するインスリン依存性被験者(826-001-003)で生じていた。注目すべきことに、被験者826-001-003は、12,750pmol/Lのベースライン空腹時インスリンを有し、試験薬治療の24週間後にはほぼ30%減少し、72週間後には96%超減少しており、この被験者はインスリン依存性T2Dを有していた。ベースラインからの空腹時インスリンの最大の増加は、被験者826-001-001(420pmol/L)、826-001-004(298pmol/L)、826-001-007(1,970pmol/L)、及び826-001-013(1,160pmol/L)で生じており、各被験者は、24週目~EP開始の間に治療を中断していた(それぞれ、204、30、32、及び30日)。
Figure 2022510436000024
---=利用可能なデータなし、EP=延長期間、ID=識別番号、T1D=1型糖尿病、T2D=2型糖尿病。
空腹時インスリンレベル>174pmol/Lは、インスリン抵抗性とみなされる。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における204日間の中断。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における32日間の中断。
インスリン依存性T2D被験者。
T1Dも併発。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における30日間の中断。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における39日間の中断。
非糖尿病。
D)C-ペプチド
C-ペプチドレベルに対する2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果を評価し、結果を表22に示す。
Figure 2022510436000025
CI=信頼区間、EP=延長期間、PT=対応t検定、SD=標準偏差、SW=シャピローウィルク検定、WS=ウィルコクソン符号順位検定。
C-ペプチドはベースラインにおいて様々に異なっており、94~3,895pmol/Lの範囲であった(表23)。ほとんどの被験者は、正常範囲外のベースラインC-ペプチドレベルを有していた。最も低いベースラインC-ペプチドは、T1Dを有する1人の被験者(826-001-003)を含む2人のインスリン依存性T2D被験者(826-001-003及び826-001-014)で生じていた。注目すべきことに、低Cペプチドレベルは、T1Dのリスクを有する被験者を特徴付けるためのバイオマーカーであると報告された。C-ペプチドのベースラインからの減少は、64~1,713pmol/Lの範囲であった。注目すべきことに、C-ペプチドのベースラインからの最大の増加は、被験者826-001-001(817pmol/L)、826-001-004(1.757pmol/L)、826-001-005(737pmol/L)、及び826-001-007(3,578pmol/L)で生じており、各被験者は、24週目~EP開始の間に試験薬治療を中断していた(それぞれ204、30、39、及び32日)。
Figure 2022510436000026
---=利用可能なデータなし、EP=延長期間、ID=識別番号、T1D=1型糖尿病、T2D=2型糖尿病。
C-ペプチドの正常範囲:364.1~1456.4pmol/L。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における204日間の中断。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における32日間の中断。
インスリン依存性T2D被験者。
T1Dも併発。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における30日間の中断。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における39日間の中断。
非糖尿病。
E)C-ペプチド及び空腹時血漿グルコースに基づく定常状態β細胞機能の恒常性モデル評価(HOMA-B[C-ペプチド/FPG])
HOMA-B(Cペプチド/FPG)に対する2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果を評価し、結果を表24に示す。
Figure 2022510436000027
CI=信頼区間、EP=延長期間、FPG=空腹時血糖値、HOMA-B=定常状態β細胞機能の恒常性モデル評価、PT=対応t検定、SD=標準偏差、SW=シャピローウィルク検定、WS=ウィルコクソン符号順位検定。
HOMA-B(C-ペプチド/FPG)はベースラインにおいて様々に異なっており、2.4~306.4の範囲であり(表25)、最も低いベースラインHOMA-B(C-ペプチド/FPG)は、2人のインスリン依存性T2D被験者(826-001-003及び826-001-014)で生じていた。治療後、ほとんどの被験者(9/12、75.0%)においてHOMA-B(C-ペプチド/FPG)はベースラインから増加していた。注目すべきことに、HOMA-B(Cペプチド/FPG)の最大の減少は、被験者826-001-001(62.4)、826-001-007(33.4)、及び826-001-013(96.7)で生じており、各被験者は、24週目~EP開始の間に、試験薬治療を中断していた(それぞれ、204日、32日、及び30日)。
Figure 2022510436000028
---=利用可能なデータなし、EP=延長期間、FPG=空腹時血糖値、HOMA-B=定常状態β細胞機能の恒常性モデル評価、ID=識別番号、T1D=1型糖尿病、T2D=2型糖尿病。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における204日間の中断。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における32日間の中断。
インスリン依存性T2D被験者。
T1Dも併発。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における30日間の中断。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における39日間の中断。
非糖尿病。
実施例6:脂肪組織に対する800mgの2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムの効果
ALMS被験者(試験薬治療前)における脂肪細胞組織の組織学的検査は、脂肪細胞の肥大及び合体を特徴とし、巨大な小胞空胞化/脂肪症を形成した(図2A)。800mgの2-(3-ペンチルフェニル)アセテートで24週間治療した後、サイズが小さく、合体が観察されない、より明確な脂肪細胞が認められた(図2B)。
平均脂肪細胞面積は、24週間の治療後に大多数の被験者(6/9、66.7%)においてベースラインから減少していた(表26)。平均脂肪細胞面積のベースラインからの減少は、11%~26%の範囲であった。注目すべきことに、平均脂肪細胞面積のベースラインからの最大の増加は、甲状腺機能低下症、心筋虚血、T2D、慢性腎臓病、及び脂質異常症の進行中の病歴を有していた被験者826-001-012(25%)で生じていた。この被験者はまた、38.13kg/mのベースラインBMIを有する肥満を特徴としていた。
Figure 2022510436000029
---=利用可能なデータなし、ID=識別番号、NS=サンプルなし、T2D=2型糖尿病。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における204日間の中断。
被験者は進行中のT2D及び/または他の代謝障害を有していた。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における32日間の中断。
インスリン依存性T2D被験者。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における30日間の中断。
非糖尿病。
24週目~EP0日目(EP試験薬治療の初日)の試験薬治療における39日間の中断。
ALMS被験者における脂肪細胞組織動脈(血管周囲脂肪組織)のベースライン組織学的検査は、ジストロフィーの徴候、平滑筋細胞における均質化されたぼやけた細胞質、及び不規則な形状の核によって特徴決定した(図3A)。800mgの2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムによる24週間の試験薬治療後、脂肪細胞組織動脈は、より正常に見えた(図3B)。
特許請求の範囲は、実施例に記載した実施形態によって限定されるべきではなく、全体としての説明と一致する最も広い解釈を与えられるべきである。

Claims (116)

  1. ALMSに罹患している患者における肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪組織及び血糖コントロールのうちの少なくとも1つの改善方法であって、前記方法が、前記患者に2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、48週超の治療期間にわたって、約500mg~約1500mgの日用量で投与し、その場合、前記治療期間中に前記投与を15日以上中断しない、前記改善方法。
  2. 前記治療期間が、54週間超である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記治療期間が、60週間超である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記投与を30日以上中断しない、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記方法が、少なくとも肝臓組織の改善を目的とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 肝臓組織の改善が、肝硬度を低下させることを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記肝硬度が、トランジェントエラストグラフィによる測定で、前記投与前に比べて少なくとも2kPa低下する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記肝硬度が、トランジェントエラストグラフィによる測定で、前記投与前に比べて少なくとも2.25kPa低下する、請求項7に記載の方法。
  9. 肝臓組織の改善が、Metavirスコアを少なくとも1グレードまたは1ステージ低下させることを含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記方法が、少なくとも心臓組織の改善を目的とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 心臓組織の改善が、左心室機能(LVF)の向上を含む、項目1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記LVFが、左心室拡張末期容積(LVEDV)及び/または左心室収縮末期容積(LVESV)を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記LVFが、LVEDVを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記方法が、心臓磁気共鳴画像法(MRI)による測定で、前記投与前に比べて、LVEDVを少なくとも6ml増加させることを目的とする、請求項12または13に記載の方法。
  15. 心臓組織の改善が、短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)を短縮することを含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記SAX T1が、Basal SAX T1及び/またはMid SAX T1である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記方法が、心臓MRIによる測定で、前記投与前に比べて、Basal SAX T1を少なくとも40ms短縮することを目的とする、請求項16に記載の方法。
  18. 前記方法が、心臓MRIによる測定で、前記投与前に比べて、Mid SAX T1を少なくとも25ms短縮することを目的とする、請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記方法が、少なくとも腎臓組織の改善を目的とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 腎臓組織の改善が、腎臓障害または腎臓損傷を制限することを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 腎臓組織の改善が、前記投与前に比べて、腎臓損傷の1つ以上のバイオマーカーのレベルを低下させることを含む、請求項19または20の方法。
  22. 前記腎臓損傷の1つ以上のバイオマーカーが、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、腎臓損傷分子-1(KIM-1)、クラステリン、シスタチンC、及びオステオポンチンである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記方法が、前記1つ以上のバイオマーカーのレベルを少なくとも10%低下させることを目的とする、請求項22に記載の方法。
  24. 前記方法が、少なくとも脂肪組織の改善を目的とする、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 脂肪組織の改善が、平均脂肪細胞面積を減少させることを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記方法が、平均脂肪細胞面積を少なくとも10%減少させることを目的とする、請求項25に記載の方法。
  27. 前記方法が、少なくとも血糖コントロールを改善することを目的とする、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 血糖コントロールの改善が、糖化ヘモグロビン(HbA1c)を減少させることを含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記対象が、投与前に9%超のHbA1cを有する、請求項28に記載の方法。
  30. 前記方法が、HbA1cを少なくとも1%(絶対)減少させることを目的とする、請求項28または29に記載の方法。
  31. 血糖コントロールの改善が、C-ペプチド及び空腹時血漿グルコースに基づく定常状態β細胞機能の恒常性モデル評価(HOMA-B[C-ペプチド/FPG])を増加させることを含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記方法が、HOMA-B[C-ペプチド/FPG]を少なくとも20増加させる、請求項31に記載の方法。
  33. 糖尿病を有するALMS患者における血糖コントロールの改善方法であって、前記方法が、前記患者に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記改善方法。
  34. 前記患者が、2型糖尿病を患っている、請求項33に記載の方法。
  35. 肝疾患を有するALMS患者の肝機能の改善方法であって、前記方法が、前記患者に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記改善方法。
  36. 前記肝疾患が、肝線維症を含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記患者が、Metavirスコアリングシステムによる線維症ステージF2、F3またはF4を有する、請求項36に記載の方法。
  38. ALMS患者の心機能の改善方法であって、前記方法が、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記改善方法。
  39. 前記心機能が、左心室機能(LVF)及び/または短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記LVFが、左心室拡張末期容積(LVEDV)及び/または左心室収縮末期容積(LVESV)を含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記患者が、正常よりも低いLVFを有する、請求項39または40に記載の方法。
  42. (i)前記患者が男性であり、106mL未満のLVEDV及び/または26mL未満のLVESVを有するか、または(ii)前記患者が女性であり、86mL未満のLVEDV及び/または22mL未満のLVESVを有する、請求項41に記載の方法。
  43. 腎臓障害または腎臓損傷に罹患しているALMS患者の腎機能の改善方法であって、前記方法が、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記改善方法。
  44. 前記患者が、腎臓毒性の1つ以上のバイオマーカーを正常よりも高いレベルで有する、請求項43に記載の方法。
  45. 前記腎臓損傷の1つ以上のバイオマーカーが、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、腎臓損傷分子-1(KIM-1)、クラステリン、シスタチンC、及びオステオポンチンである、請求項44に記載の方法。
  46. ALMS患者における脂肪組織機能の改善方法であって、前記方法が、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記改善方法。
  47. 前記脂肪組織機能が、血管周囲脂肪組織機能である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも24週間の治療期間にわたって投与する、請求項33~47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも48週間の治療期間にわたって投与する、請求項48に記載の方法。
  50. 前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも60週間の治療期間にわたって投与する、請求項48に記載の方法。
  51. 前記日用量が、約700mg~約900mgである、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記日用量が約800mgである、請求項51に記載の方法。
  53. 前記日用量が、約1100mg~約1300mgである、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記日用量が約1200mgである、請求項53に記載の方法。
  55. 前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムを含む、請求項1~54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記医薬経口製剤が、カプセルまたは錠剤である、請求項1~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記対象が、25.0kg/m以上の肥満度指数(BMI)を有する、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記対象が男性であり、腰囲が94cm以上であるか、または前記対象が女性であり、腰囲が80cm以上である、請求項1~57のいずれか一項に記載の方法。
  59. ALMSに罹患している患者における肝臓組織、心臓組織、腎臓組織、脂肪組織及び血糖コントロールの少なくとも1つの改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩が、48週間超の治療期間にわたって、約500mg~約1500mgの日用量で投与することを目的とし、前記治療期間中に前記投与を15日以上中断しない、前記医薬経口製剤。
  60. 前記治療期間が、54週間超である、請求項59に記載の使用のための製剤。
  61. 前記治療期間が、60週間超である、請求項59に記載の使用のための製剤。
  62. 前記投与を、30日以上中断しない、請求項59~61のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  63. 前記方法が、少なくとも肝臓組織の改善を目的とする、請求項59~62のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  64. 肝臓組織の改善が、肝硬度を低下させることを含む、請求項63に記載の使用のための製剤。
  65. 前記肝硬度が、トランジェントエラストグラフィによる測定で、前記投与前に比べて少なくとも2kPa低下する、請求項64に記載の使用のための製剤。
  66. 前記肝硬度が、トランジェントエラストグラフィによる測定で、前記投与前に比べて少なくとも2.25kPa低下する、請求項65に記載の使用のための製剤。
  67. 肝臓組織の改善が、Metavirスコアを少なくとも1グレードまたは1ステージ低下させることを含む、請求項63~68のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  68. 前記方法が、少なくとも心臓組織の改善を目的とする、請求項59~67のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  69. 心臓組織の改善が、左心室機能(LVF)の向上を含む、請求項59~70のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  70. 前記LVFが、左心室拡張末期容積(LVEDV)及び/または左心室収縮末期容積(LVESV)を含む、請求項69に記載の使用のための製剤。
  71. 前記LVFが、LVEDVを含む、請求項70に記載の使用のための製剤。
  72. 前記方法が、心臓磁気共鳴画像法(MRI)による測定で、前記投与前に比べてLVEDVを少なくとも6ml増加させることを目的とする、請求項70または71に記載の使用のための製剤。
  73. 心臓組織の改善が、短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)を短縮することを含む、請求項68~71のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  74. 前記SAX T1が、Basal SAX T1及び/またはMid SAX T1である、請求項73に記載の使用のための製剤。
  75. 前記方法が、心臓MRIによる測定で、前記投与前に比べてBasal SAX T1を少なくとも40ms短縮することを目的とする、請求項74に記載の使用のための製剤。
  76. 前記方法が、心臓MRIによる測定で、前記投与前に比べてMid SAX T1を少なくとも25ms短縮することを目的とする、請求項74または75に記載の使用のための製剤。
  77. 前記方法が、少なくとも腎臓組織を改善することを目的とする、請求項59~76のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  78. 腎臓組織の改善が、腎臓障害または腎臓損傷を制限することを含む、請求項59~77のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  79. 腎臓組織の改善が、前記投与前に比べて、腎臓損傷の1つ以上のバイオマーカーのレベルを低下させることを含む、請求項77または78に記載の使用のための製剤。
  80. 前記腎臓障害の1つ以上のバイオマーカーが、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、腎臓損傷分子-1(KIM-1)、クラステリン、シスタチンC、及びオステオポンチンである、請求項79に記載の使用のための製剤。
  81. 前記方法が、前記1つ以上のバイオマーカーのレベルを少なくとも10%低下させることを目的とする、請求項80に記載の使用のための製剤。
  82. 前記方法が、少なくとも脂肪組織を改善することを目的とする、請求項59~81のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  83. 脂肪組織の改善が、平均脂肪細胞面積を減少させることを含む、請求項82に記載の使用のための製剤。
  84. 前記方法が、平均脂肪細胞面積を少なくとも10%減少させることを目的とする、請求項83に記載の使用のための製剤。
  85. 前記方法が、少なくとも血糖コントロールの改善を目的とする、請求項59~84のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  86. 血糖コントロールの改善が、糖化ヘモグロビン(HbA1c)の減少を含む、請求項1~85のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  87. 前記対象が、投与前に9%超のHbA1cを有する、請求項86に記載の使用のための製剤。
  88. 前記方法が、HbA1cを少なくとも1%(絶対)減少させることを目的とする、請求項86または87に記載の使用のための製剤。
  89. 血糖コントロールの改善が、C-ペプチド及び空腹時血漿グルコースに基づく定常状態β細胞機能の恒常性モデル評価(HOMA-B[C-ペプチド/FPG])の増加を含む、請求項59~88のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  90. 前記方法が、HOMA-B[C-ペプチド/FPG]を少なくとも20増加させることを目的とする、請求項89に記載の使用のための製剤。
  91. 糖尿病を有するALMS患者の血糖コントロールの改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記医薬経口製剤。
  92. 前記患者が、2型糖尿病を患っている、請求項91に記載の使用のための製剤。
  93. 肝疾患を有するALMS患者の肝機能の改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記医薬経口製剤。
  94. 前記肝疾患が、肝線維症を含む、請求項93に記載の使用のための製剤。
  95. 前記患者が、Metavirスコアリングシステムによる線維症ステージF2、F3またはF4を有する、請求項94に記載の使用のための製剤。
  96. ALMS患者における心機能の改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記医薬経口製剤。
  97. 前記心機能が、左心室機能(LVF)及び/または短軸(平面)縦緩和時間(SAX T1)である、請求項96に記載の使用のための製剤。
  98. 前記LVFが、左心室拡張末期容積(LVEDV)及び/または左心室収縮末期容積(LVESV)を含む、請求項97に記載の使用のための製剤。
  99. 前記患者が、正常よりも低いLVFを有する、請求項97または98に記載の使用のための製剤。
  100. (i)前記患者が男性であり、106mL未満のLVEDV及び/または26mL未満のLVESVを有するか、または(ii)前記患者が女性であり、86mL未満のLVEDV及び/または22mL未満のLVESVを有する、請求項99に記載の使用のための製剤。
  101. 腎臓障害または腎臓損傷に罹患しているALMS患者における腎機能の改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記方法が、前記対象に、2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記医薬経口製剤。
  102. 前記患者が、腎臓毒性の1つ以上のバイオマーカーを正常よりも高いレベルで有する、請求項101に記載の使用のための製剤。
  103. 前記腎臓損傷の1つ以上のバイオマーカーが、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、腎臓損傷分子-1(KIM-1)、クラステリン、シスタチンC、及びオステオポンチンである、請求項102に記載の使用のための製剤。
  104. ALMS患者における脂肪組織機能の改善に使用するための医薬経口製剤であって、前記方法が、前記対象に2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬経口製剤を投与することを含み、前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、約500mg~約1500mgの日用量で投与する、前記医薬経口製剤。
  105. 前記脂肪組織機能が血管周囲脂肪組織機能である、請求項104に記載の使用のための製剤。
  106. 前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも24週間の治療期間にわたって投与する、請求項91~105のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  107. 前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも48週間の治療期間にわたって投与する、請求項106に記載の使用のための製剤。
  108. 前記2-(3-ペンチルフェニル)アセテートまたはその薬学的塩を、少なくとも60週間の治療期間にわたって投与する、請求項106に記載の使用のための製剤。
  109. 前記日用量が約700mg~約900mgである、請求項59~108のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  110. 前記日用量が約800mgである、請求項109に記載の使用のための製剤。
  111. 前記日用量が約1100mg~約1300mgである、請求項59~108のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  112. 前記日用量が約1200mgである、請求項111に記載の使用のための製剤。
  113. 前記医薬経口製剤が、2-(3-ペンチルフェニル)酢酸ナトリウムを含む、請求項59~112のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  114. 前記医薬経口製剤が、カプセルまたは錠剤である、請求項59~113のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  115. 前記対象が、25.0kg/m以上の肥満度指数(BMI)を有する、請求項59~114のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
  116. 前記対象が男性であり、胴囲が94cm以上であるか、または前記対象が女性であり、胴囲80cm以上である、請求項59~115のいずれか一項に記載の使用のための製剤。
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