JP2022510070A - 天然植物素材を含有する機能性タバコフィルター、タバコ、及びその製造方法 - Google Patents

天然植物素材を含有する機能性タバコフィルター、タバコ、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本発明は、天然植物素材と結合剤からなる天然植物顆粒と、前記天然植物顆粒を収容するフィルター部を含むタバコフィルターであって、前記結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であり、前記天然植物素材と結合剤の重量比は95~99%:5~1%であるタバコフィルター、これを含むタバコ及びその製造方法に関する。

Description

本発明は、タバコ由来の匂い成分及び口腔内の口臭誘発物質を低減させる天然植物素材含有のタバコフィルターと、それを含むタバコ及びその製造方法に関する。
一般に、タバコを製造するために、まず様々な種類の葉タバコ(leaf tobacco)を所望する香りと風味がよいように配合して加工する。次に、加工した葉タバコを折角して刻み(cigarette filler)を製造し、シガレットペーパーで刻みを巻き、フィルターのない巻タバコを製造する。次に、必要に応じてフィルターのない巻タバコにフィルターを取り付ける。
タバコは代表的な嗜好品の1つであって、消費者は喫煙によって様々な満足感を得る。特に、消費者が好みの天然植物素材の香りを喫煙と同時に感じることができるよう、タバコに天然植物素材を添加する研究が盛んに行われている。また、喫煙後に喫煙者の口や手に残っているタバコの匂いは周りの人たちに否定的な認識を与えたりもするため、タバコの匂いが残らないタバコ及びその製造方法に対する研究が盛んに行われている。
例えば、天然植物素材の揮発性物質の化学、抗菌、及びマスキング作用を介して、揮発成分が煙中に移行されながら口腔内の口臭成分を低減する効果を確認することができる。ここで、気体分子は、100~1、000m/sの速度で飛び、1mm進行中に約2万回以上の他の分子と衝突することで上記効果を有することができる。また、天然植物素材の不揮発性物質の化学及び吸着作用を用いて、タバコで由来する口臭誘発成分の減少効果を期待することができる。従って、天然植物素材物質をタバコフィルターに適用してタバコ由来の匂い成分及び口腔内の口臭誘発物質を低減させ得る最適化された方法に対する研究が求められている。
韓国特許公開公報10-2009-0110733号
本発明の目的は、天然植物素材と結合剤からなる天然植物顆粒、及び前記天然植物顆粒を収容するフィルター部を含むタバコフィルターであって、前記結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であり、前記天然植物素材と結合剤の重量比は95~99%、5~1%であるタバコフィルターを提供することにある。
本発明の他の目的は、前記タバコフィルターを含むタバコを提供することにある。
本発明の更なる目的は、天然植物素材に結合剤を投入して天然植物顆粒を製造するステップと、前記天然植物顆粒を乾燥して分級するステップと、前記分級された天然植物顆粒をタバコフィルターに添加するステップとを含むタバコフィルターの製造方法であって、前記結合剤は、粘度50cpsのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であり、前記天然植物素材と結合剤の重量比は95~99%:5~1%であるタバコフィルターの製造方法を提供することにある。
しかし、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されない更なる課題は下記記載によって当技術分野の通常の知識を有する者にとって明確に理解できるものである。
本発明の一実施例によれば、天然植物素材と結合剤からなる天然植物顆粒と、前記天然植物顆粒を収容するフィルター部を含むタバコフィルターであって、前記結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であり、前記天然植物素材と結合剤の重量比は95~99%:5~1%であるタバコフィルターが提供される。
一側面によると、前記天然植物素材は、ローズマリー、松葉、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、パイナップル、カモミルラ、オレンジ、ユーカリ、タイム、ゼラニウム、ジャスミン、ローズマリー、ラベンダー、レモングラス、パインニードル、クロバー、セージ、タキソール、ベルガモット、バジル、タイム、バレリアン、ヒソップ、ティーツリー、ミルラ、ジュニパーのいずれか1つ以上であるタバコフィルターであってもよい。
一側面によると、前記天然植物顆粒の硬度は90.0~99.0%であるタバコフィルターであってもよい。
一側面によると、前記天然植物顆粒の大きさは0.25~2.0mmであるタバコフィルターであってもよい。
一側面によると、前記天然植物顆粒の水分含量は、天然植物顆粒の総重量対比5~12%であるタバコフィルターであってもよい。
一側面によると、前記タバコフィルターは単一フィルター又は多重フィルターであるタバコフィルターであってもよい。
一側面によると、前記タバコフィルターは、前記天然植物素材から抽出されたオイル成分が含まれているハブオイルカプセルをさらに含むタバコフィルターであってもよい。
本発明の他の一実施形態によると、前記タバコフィルターを含むタバコが提供される。
一側面によると、前記タバコは、口臭誘発成分であるメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)を低減させるタバコであってもよい。
一側面によると、前記タバコは、タバコ匂い誘発成分であるアンモニア(Ammonia)、アクロレイン(Acrolein)、クロトンアルデヒド(Crotonaldehyde)、メチルエチルケトン(MEK)、1、3-ブタジエン(1、3-butadiene)、アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ベンゼン(benzene)、及びピリジン(Pyridine)成分を9~55%低減させるタバコであってもよい。
本発明の更なる一実施形態によると、天然植物素材に結合剤を投入して天然植物顆粒を製造するステップと、前記天然植物顆粒を乾燥して分級するステップと、前記分級された天然植物顆粒をタバコフィルターに添加するステップを含むタバコフィルターの製造方法であって、前記天然植物顆粒を製造するステップにおいて、前記結合剤は、粘度50cpsのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であり、前記天然植物素材と結合剤の重量比は95~99%:5~1%であるタバコフィルターの製造方法が提供される。
一側面によると、前記天然植物顆粒を製造する方法は、粘度50cpsのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Hydroxy propyl methyl cellulose)結合剤を50%エタノールに2%添加して溶解させた溶液を製造した後、粉砕された天然植物粉末と前記製造された結合剤溶液とを混合して撹拌した後、成形及び分級する過程を含むタバコフィルターの製造方法であってもよい。
一側面によると、前記天然植物顆粒を乾燥する方法は、凍結乾燥、熱風乾燥、温風乾燥、及び流動層乾燥方法のいずれか1つであるタバコフィルターの製造方法であってもよい。
一側面によると、前記分級された天然植物顆粒の大きさは0.25~2.0mmであるタバコフィルターの製造方法であってもよい。
一側面によると、前記分級された天然植物顆粒をタバコフィルターに添加するステップにおいて、アセテートトウにスプレー噴霧方式又はノズルなどによる放出方式(TJNS)でハブ抽出物を添加するタバコフィルターの製造方法であってもよい。
一側面によると、前記天然植物素材から抽出されたオイル成分が含まれているハブオイルカプセルをカプセル投入設備を用いて前記タバコフィルターに投入するステップをさらに含むタバコフィルターの製造方法であってもよい。
一側面によると、前記分級された天然植物顆粒をタバコフィルターに添加するステップにおいて、顆粒の投入量は0.5~4mg/mmであるタバコフィルターの製造方法であってもよい。
本発明による天然植物顆粒を含むタバコフィルターは、タバコ由来の匂い成分または口臭誘発成分を吸着・結合・中和することで、喫煙者の口からのタバコ由来の特有な匂いと口臭減少の特性を具現することができる。また、天然植物顆粒の他に、ハーブ抽出物またはハーブオイルカプセルを追加的に含むタバコフィルターは、上記の口臭減少の効果をさらに高め、喫煙者だけでなく、非喫煙者にも不快感を最小化するタバコを提供することができる。
また、本発明は、硬度が90.0~99.0%であり、水分含量が5~12%である天然植物顆粒を提供する。前記特徴を有する天然植物顆粒を製造することで、タバコフィルターに適用される2次添加物として活性炭を使用しなくてもよい効果を有し、天然植物顆粒をタバコフィルターに適用するとき、フィルターの製造作業性が改善されることができる。
本発明の効果は、前記効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は請求範囲に記載されている発明の構成から推論可能な全ての効果を含むものとして理解しなければならない。
本発明に係る3重複合フィルターの一例を示すものである。 本発明に係る2重複合フィルターの一例を示すものである。 本発明に係る2重複合フィルターの一例を示すものである。 本発明に係る2重複合フィルターの更なる一例を示すものである。 LC/MS/MSの分析を介して松葉及びローズマリー原料の指標成分及び指標香り成分を標準化した定量を確認した結果を示したグラフである。 SPME分析を介して松葉及びローズマリーの煙のうち香り成分を分析した結果を示したグラフである。 松葉顆粒を添加して製造したタバコ(NRP5-2)及びローズマリー顆粒を添加して製造したタバコ(NRP5-4)を製造してから90日後、それぞれ製品(NRP5-2、NRP5-4)の煙のうち香り移行成分を分析した結果松葉とローズマリーの共通している煙のうち、香り移行成分であるボルネオール(Borneol)、酢酸ボルニル(Bonyl acetate)、1、8-シネオール(1、8-Cineol)の含量(ug/pad)を分析した結果を示したグラフである。 松葉及びローズマリーの煙のうち、香り移行成分であるボルネオール(Borneol)、酢酸ボルニル(Bonyl acetate)、シネオール(Cineol)、ピネン(Pinene)それぞれの濃度に応じる口臭誘発成分であるメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)の減少能を確認した結果を示したグラフである。 吸光分析を介して口臭成分の沈殿度を測定し、松葉及びローズマリーの煙のうち香り移行成分であるボルネオール(Borneol)、酢酸ボルニル(Bonyl acetate)、シネオール(Cineol)、ピネン(Pinene)の口臭成分の減少能を確認した結果を示したグラフである。 主流煙の固相分画(TPM)のAmes test結果と主流煙の固相分画(TPM)の細胞機能影響評価の結果を示したグラフである。
以下で、添付の図面を参照して実施形態を詳細に説明する。しかし、実施形態は様々な変更が加えられることがあり、特許出願の権利範囲がこのような実施形態に制限されたり限定されることはない。実施形態の全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれるものとして理解されなければならない。
実施形態にて使用される用語は、単に、説明するために用いられるものであって、限定する意図をもって解釈されることはない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
異なる定義がされない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
また、図面を参照して説明する際に、図面符号に拘わらず同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。実施形態の説明において関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
本発明は、タバコ由来の匂い成分及び口腔内の口臭誘発物質を低減させるために、天然植物顆粒をタバコフィルターに適用したタバコフィルターに関する。本発明の一実施例によれば、天然植物素材と結合剤からなる天然植物顆粒と、前記天然植物顆粒を収容するフィルター部を含むタバコフィルターであって、前記結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であり、前記天然植物素材と結合剤の重量比は95~99%:5~1%であるタバコフィルターである。
本発明は、顆粒化された天然植物素材をタバコフィルターに添加し、喫煙中に一口目から最後の一口目まで新鮮でさっぱりした香味を均一に伝達し、喫煙時に付随的に発生する悪い匂いを中和して取り除くことのできるタバコフィルターを提供することを目的とする。
本発明の天然植物素材は、ローズマリー、松葉、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、パイナップル、カモミルラ、オレンジ、ユーカリ、タイム、ゼラニウム、ジャスミン、ローズマリー、ラベンダー、レモングラス、パインニードル、クロバー、セージ、タキソール、ベルガモット、バジル、タイム、バレリアン、ヒソップ、ティーツリー、ミルラ、ジュニパーのいずれか1つ以上を使用することができるが、これに限定されることはない。本発明で加工される天然植物素材は、食品添加物法上、許容可能な植物であれば単独又は複数に組み合わせて適用でき、植物体部位のうち、天然香りの成分が最も多く含まれている部位(例えば、葉、茎、根、実などを選択して利用)を天然状態又はその素材を製品タバコに適用することが適するように加工してから使用することができる。
以下、実施例において、松葉とローズマリーを天然植物素材として選定し、これらの成分及び有効性を分析した。
本発明の松葉とローズマリー天然植物素材をタバコフィルターとして適用したとき、タバコ由来の口臭成分の減少効果、天然植物の風味の発現を増加させるという効果を確認することができる。タバコ由来の口臭成分の減少効果は、テルペン類の揮発性香り成分の化学的中和作用とポリフェノールの香り成分の化学作用及び顆粒多孔質及び食物繊維による物理的な吸着作用により実現でき、天然植物の風味発現の増加効果は、揮発性香り成分の揮散作用として実現できるものの、これに限定されることはない。
本発明の結合剤は、天然植物素材との結合が容易で、天然植物顆粒の大きさと硬度を適切に製造できるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を結合剤として使用することが好ましいが、これに限定されることはない。本発明の結合剤は、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、単糖類、二糖類、糖アルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のいずれか1つであってもよい。親水性ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ゼラチン、澱粉、デキストラン硫酸、砂糖、カルボキシメチルセルロース(CMC)、キトサン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アラビノガラクタン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアガム及びアルギン酸ナトリウムからなる群より1つが選択されてもよい。一方、疎水性ポリマーは、エチルセルロース、メタクリル酸の高分子及びこのエステル類、ポリエチレン、ポリアミド、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリエチレンビニルアセテート、セルロースニトレート、シリコン及びポリ(ラクチド・コ・グリコール酸)(poly(lactide-co-glycolic acid))からなる群より1つが選択されてもよい。一方、単糖類は、グルコース、フルクトース、トリセルロース及びガラクトースからなる群より1つが選択され、二糖類は、キシロース、D-マンノース、ソルボース、ラクトース及びマルトースからなる群より1つが選択されてもよい。また、糖アルコールは、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、グリセロール及びアラビトールからなる群より1つが選択されてもよい。前記ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)結合剤は、2、15、20、50cps粘度の条件で試験し、好ましくは、50cps粘度の結合剤を使用する。
ここで、天然植物素材と結合する結合剤の含量は1~5%にし、好ましくは、2%にして天然植物素材と結合剤の重量比を98%:2%にする。一方、結合剤の製造時に吸着能を向上させるために、様々な天然植物の抽出物を添加して製造することができ、前記抽出物を抽出するアルコール濃度は0~100%であってもよく、好ましくは、アルコール濃度50%であるものを使用する。一方、天然植物顆粒粉末の成形性を増加させるために、シリカ、ケイ酸塩、ベントナイトから選択される無機系の結合剤を天然植物素材に対して1~30%重量比になるよう加えて添加してもよい。一方、前記天然植物顆粒を湿式又は乾式顆粒に製造してフィルターに添加することで、喫煙時に天然植物の香りを初期から最後まで均一に移行することができる。
天然植物顆粒の形態は、湿式及び乾式顆粒にして製造することが好ましいが、抽出物、カプセル、混合物の形態を含んでもよい。
前記天然植物顆粒の大きさは0.25~2.0mmであり、好ましくは、0.5~1.0mmであるものを使用する。ここで、製造された天然植物顆粒の大きさが0.25mmよりも小さい場合、タバコフィルターを製造するとき顆粒の飛散程度が増加することでフィルター汚染の原因となり、その反対に、天然植物顆粒の大きさが2.0mmよりも大きい場合、タバコフィルター内の顆粒投入時に一定量の投入が困難であることから、タバコフィルターの品質の均一性を担保し難しいという問題が発生する恐れがある。
最適な顆粒化条件で作られた天然植物顆粒の水分含量は、天然植物顆粒の総重量対比5~12%であり、好ましくは、7~10%であることを用いてタバコフィルター内に投入する。前記範囲他で顆粒の水分含量を有すれば、顆粒が壊れやすいという現象が生じ、壊された微粉によってフィルターの汚染問題を引き起こすことがある。従って、顆粒が適用されたタバコフィルターの生産性及び品質が全て低下する。
天然植物顆粒の硬度は90.0~99.0%であることが好ましい。天然植物素材と結合剤の重量比98%:2%及び50cps粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の結合剤を使用する場合、天然植物顆粒の硬度は90.0~99.0%に製造されてもよい。この場合、タバコフィルターに適用される顆粒が壊れたり変形されることなく、また、タバコフィルターに投入しようとする顆粒量を投入することができる。一方、タバコフィルターに投入する顆粒量は、3mg/mmTipである場合、最大の香りを発現することができ、顆粒をフィルターに適用する作業性における効率も高められる。
本発明は、天然植物顆粒を収容するフィルター部を含むタバコフィルターに関し、天然植物顆粒をタバコの刻み部に添加せず、タバコフィルター部に添加することを特徴とする。タバコの刻み部に添加する従来の方法は、タバコが燃焼するとき天然植物の香りが熱分解や合成によって変形され、悪い匂い(刺激性、魚臭、焦げた臭、辛い臭、硫黄臭、タマゴ臭)を誘発するのに対して、本発明は、タバコの刻み部ではないタバコフィルター部にだけ天然植物顆粒を添加することから、天然植物本来の香味を熱分解や合成によって変形されない状態で喫煙者に伝達することになる。
一方、本発明のタバコフィルターは、天然植物素材から抽出されたオイル成分が含まれているハブオイルカプセルをさらに含むタバコフィルターである。これによって、天然植物の香り増加及び香りの保留性が強化されたタバコフィルターを提供することができる。ハブオイルカプセルは、松葉及びローズマリーといった天然植物素材から抽出したものを用いてもよい。
松葉抽出物として、松葉天然オイル形態のピネン(Pine)、ユーカリ(Eucalyptus)、ローズマリー(Rosemary)、メントール(Menthol)、MCTGを使用してもよいが、これに限定されることはない。
また、ローズマリー抽出物として、シトラス系ローズマリー(Herb-401)とスパイシー系ローズマリーといった2種類のローズマリー抽出物を用いてもよい。シトラス系ローズマリーは、オレンジ(Orange)、マンダリン(Mandarin)、コニャック(Cognac)、イランイラン(Ylang Ylang)、リング(Ling)、ゼラニウム(Genrani um)、メントール(Menthol)、安息香酸ベンジル(Benzyl bentoate)、クエン酸トリエチル(Triethyl citrate)、PG、Ethanol(エタノール)を用いてもよい。スパイシー系ローズマリー(Herb-402)は、マンダリン(Mandarin)、ヤンヤン(Ylang Ylang)、ローズマリー(Rosemary)、ラバンジン(Lavindin)、ベチバー(Vitiver)、カシア(cassia)、ジャスミン(Jasmine)、メントール(Menthol)、安息香酸塩(Benzoate)、クエン酸トリエチル(Triethyl citrate)、PG、Ethanol(エタノール)を用いてもよいが、これに限定されることはない。
本発明のタバコフィルターは、単一フィルター又は多重フィルターであるタバコフィルターであってもよい。
本発明のタバコフィルターは、27mmの単一フィルターであってもよい。前記単一フィルターは、外部に顆粒が露出及び放出される問題が生じる。
また、本発明のタバコフィルターは多重フィルターであってもよい。多重フィルター体制のタバコフィルターは、空洞フィルター部を含む3重複合フィルター、15+12mmの2重複合フィルター、9+18mmの2重複合フィルター体制のタバコフィルターであってもよいが、これに限定されることはない。本発明の好ましいタバコフィルター体制は、天然植物顆粒の投入量と顆粒がタバコフィルター刻み部(TE部)及び口部(ME部)に適用される作業性を考慮して確認することができる。本発明のタバコフィルター体制の好ましい例として、9+18mmの2重複合フィルター体制のタバコフィルターと、15+12mmの2重複合フィルター体制のタバコフィルターが挙げられるが、これに限定されることはない。
以下、本発明のより具体的な説明のために図面を参照して説明する。本発明で例示される図面は一例だけで、これに限定されず、容易に変更できるということは自明である。
本発明の一実施例に係るタバコフィルターについて図1~図4を参考にして詳細に説明する。
図1~図4は、それぞれ本発明の一実施例に係るタバコを概略的に示した断面図である。
本発明のタバコ(cigarette)は、火によって燃焼するタバコの刻み部(cigarette filter portion)10と、タバコの煙をフィルターリングするタバコフィルター部(cigarette filter portion)20を含む。タバコの刻み部10とタバコフィルター部20は、チップペーパー(tipping paper)によって連結される。
多重フィルターを含む場合は2つ以上のフィルターを含むが、例を挙げて説明ると、次の通りである。タバコフィルター部20は、口部(ME部)22、刻み部21、空洞部23を必要に応じて適切に含むことができる。また、各フィルター部21,22,23は、繊維上又はフィラメント上のアセテートトウを含んでもよい。
図1は、9+18mmの2重複合フィルター体制のタバコフィルターを含むタバコを概略的に示した断面図である。
図1に示すように、本発明の9+18mmの2重複合フィルター体制のタバコフィルターは、繊維上又はフィラメント上のアセテートトウに天然植物顆粒31を添加した刻み部(TE部)21、アセテートトウ又は炭素繊維で満たされている口部(ME部)22からなるタバコフィルターであってもよい。一方、口部(ME部)22に天然植物顆粒31を添加してもよい。
また、本発明の9+18mmの2重複合フィルター体制のタバコフィルターは、繊維上又はフィラメント上のアセテートトウにハブ抽出物(加香液)32を添加した口部(ME部、9mm)22、繊維上又はフィラメント上のアセテートトウに天然植物顆粒31又はハブ抽出物(加香液)32(10ul)を添加した刻み部(TE部、18mm)21からなるタバコフィルターであってもよい。
一方、天然植物顆粒31は、広げられた状態のアセテートトウバンド上に自由落下する方式を用いて投入された後、アセテートトウが棒状に巻かれてもよい。
一方、ハブ抽出物は、天然植物顆粒とは異なるものとして、液相や粉末の状態であってもよい。ハブ抽出物は、ハブ植物の天然抽出物又は合成香液であってもよい。
一方、本発明のハブ抽出物は、スプレー噴霧方式又はノズルによる放出方式(TJNS)によって添加されてもよい。スプレー噴霧方式は、酸浴槽タイプの噴霧方式である。また、ハブオイルカプセルは、カプセル投入設備を用いてフィルター内に投入される。カプセル投入設備は、韓国特許出願番号第10-2009-0101822に開示されている装置であるが、これに限定されず、カプセルをフィルター内に投入される様々な装置が使用されることができる。
前記ハブ抽出物又はハブオイルカプセルをタバコフィルター部に添加する方式について、下記で説明する本発明の他のタバコフィルターを製造する過程においても同じ方式で適用される。
図2は、空洞フィルター部を含む3重複合フィルター体制のタバコフィルターを含むタバコを概略的に示した断面図である。
図2に示すように、刻み部(TE部)21は、繊維上又はフィラメント上のアセテートトウ又は炭素繊維からなる。
一方、口部(ME部)は天然植物顆粒31を含んでもよく、また、繊維上又はフィラメント上のアセテートトウにハブ抽出物(加香液)32をさらに含んでもよい。
一方、概略0.5~1.0mmの大きさを有する天然植物顆粒31は充填された形態で、タバコフィルター部20の一定領域に含まれ、この場合、アセテートトウは含まれていなくてもよい。アセテートトウなしで天然植物顆粒31だけが充填されたフィルターは、空洞(cavity)フィルターと命名し、図2は、天然植物顆粒31が充填された空洞部23を含む。
図3は、15+12mmの2重複合フィルター体制(108×24.2mm、PD460mm HO)のタバコフィルターを含むタバコを概略的に示した断面図である。
図3に示すように、本発明の15+12mmの2重複合フィルター体制のタバコフィルターは、ハブ抽出物(加香液)32を添加した口部(ME部、15mm)22、天然植物顆粒31及びハブ抽出物(加香液)32を添加した刻み部(TE部、12mm)21からなるタバコフィルターである。一方、口部(ME部)22に天然植物顆粒31を添加してもよい。
図4は、更なる15+12mmの2重複合フィルター体制(108×24.2mm、PD460mm HO)のタバコフィルターを含むタバコを概略的に示した断面図である。
図4に示すように、本発明の15+12mmの2重複合フィルター体制のタバコフィルター刻み部(TE部、12mm)にハブオイルカプセル33を添加する。また、本発明の15+12mmの2重複合フィルター体制のタバコフィルターは、ハブ抽出物(加香液)32又はハブオイルカプセル33を添加した刻み部(TE部、12mm)21、ハブ抽出物(加香液)32を添加した口部(ME部、15mm)22からなるタバコフィルターである。
また、口部(ME部、15mm)22に天然植物顆粒31をさらに添加してもよい。
本発明は、先に説明したタバコフィルターを含むタバコを提供する。
本発明のタバコは、口臭誘発成分であるメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)を低減させるタバコであってもよい。
また、本発明のタバコは、タバコ匂いの誘発成分であるアンモニア(Ammonia)、アクロレイン(Acrolein)、クロトンアルデヒド(Crotonaldehyde)、メチルエチルケトン(MEK)、1、3-ブタジエン(1、3-butadiene)、アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ベンゼン(benzene)、及びピリジン(Pyridine)成分を9~55%低減させるタバコである。
下記の実施例24-1及び24-2において、本発明のタバコの物理的特性、タバコの煙成分及び口臭誘発物質の減少能を確認した。また、タバコの主流煙のうち、口臭低減関連の香り成分を確認し、主流煙のうち、臭気及び毒性成分の減少能を確認した。
好ましい実施例として、ローズマリー抽出物とローズマリーオイルカプセルを添加したタバコフィルターを含む実施例24-2で製造されたタバコにおいて、口臭誘発成分であるメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)低減効果が最も高いことが確認されたが、実施例がこれに限定されることはない。本発明のタバコの他の実施例及びタバコの特性試験については、下記の実施例24-1及び24-2でより詳細に説明する。
本発明義胆船フィルターは、下記の製造方法に基づいて製造してもよい。
天然植物素材に結合剤を投入して天然植物顆粒を製造するステップと、前記天然植物顆粒を乾燥して分級するステップと、前記分級された天然植物顆粒をタバコフィルターに添加するステップを含むタバコフィルターの製造方法であって、前記結合剤は、粘度50cpsのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であり、前記天然植物素材と結合剤の重量比は95~99%:5~1%であるタバコフィルターの製造方法が提供される。
天然植物素材に結合剤を投入して天然植物顆粒を製造するステップにおいて、天然植物顆粒を製造する方法は、粘度50cpsのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Hydroxy propyl methyl cellulose)結合剤2%を50%エタノールに添加して溶解させた溶液を製造した後、粉砕された天然植物粉末と前記製造された結合剤溶液とを混合して撹拌した後、成形及び分級する過程を含む。
天然植物顆粒を乾燥するステップにおいて、顆粒の乾燥方法は、凍結乾燥、熱風乾燥、温風乾燥、及び流動層乾燥方法のいずれか1つを選択して用いられる。熱風乾燥方法を適用する場合、乾燥温度40℃~70℃で乾燥時間は90分ないし300分間に天然植物顆粒を乾燥し、好ましくは、乾燥温度45℃で乾燥時間90分の間に熱風乾燥したとき、最適の顆粒物理性と天然香りの強度の改善された天然植物顆粒を取得することができる。
天然植物顆粒を分級するステップにおいて、分級された天然植物顆粒の大きさは0.25~2.0mmにし、より好ましくは、0.5~1.0mmの大きさになるよう製造することが好ましい。分級された天然植物顆粒の大きさが0.25mm未満である場合、タバコフィルターを製造するとき、顆粒の飛散(飛び)程度が増加してフィルター汚染の原因になり、反対に、顆粒の大きさが2.0mmを超過する場合、タバコフィルター内の顆粒投入のとき、一定の量投入することが難しく、タバコフィルター品質の均一性を担保し難しいという問題が生じる恐れがある。
分級された天然植物顆粒をタバコフィルターに添加するステップにおいて、タバコフィルター内の天然植物顆粒は、フィルター製造工程のうち広げられた状態のアセテートトウバンド上に自由落下する方式を用いて投入される。投入されて残った顆粒は、再使用されて再び投入される。一方、分級された天然植物顆粒をタバコフィルターに添加するステップにおいて、アセテートトウに酸浴槽タイプのスプレー噴霧方式又はノズルなどによる放出方式(TJNS方式)でハブ抽出物(加香液)をさらに添加してもよい。
また、本発明のタバコフィルター製造方法は、天然植物素材から抽出されたオイル成分が含まれているハブオイルカプセルをカプセル投入設備を用いてタバコフィルターに投入するステップをさらに含んでもよい。
一方、分級された天然植物顆粒をタバコフィルターに添加するステップにおいて、顆粒の投入量は0.5~4mg/mmTipになるようにすることが好ましい。顆粒の投入量が0.5mg/mmTip未満である場合、天然の風味の発現率が低く、4mg/mmTipを超過すれば、顆粒をタバコフィルターに添加できないという問題が生じる恐れがある。
以下、試験例及び実施例によって本発明をより具体的に説明するが、下記の試験例及び実施例は本発明の理解を助けるためのものであって、本発明の範囲を制限することはない。
試験例1:天然植物素材の成分分析試験
天然植物素材である松葉とローズマリーの指標成分を定量化する試験を行った。
松葉指標成分の分析試験
天然植物素材原料物質である松葉の指標成分を定量化する試験を行った。
天然植物素材の松葉試料0.5gに内部標準物質(ナイカルバジン、Nicarbazine 40μg/ml)が含まれている80%メタノール水溶液50mlを添加した。これを200rpmで30分間振盪し、0.2μm syringeフィルターを用いて濾過したものをLC/MS/MS分析を行った。LC/MS/MSの分析条件として、Phenomenex Luna C18[2]5μm、100A、150×2.0mmであるカラムを使用し、カラム温度は20℃、試料注入量は10ulにし、0.2μmの大きさのsyringeフィルターを用いて濾過してから、LC/MS/MSの分析試験を行った。一方、前記LC/MS/MSの分析試験は、移動相で連続的に有機溶媒の濃度をわずかに変化させながら、試料が留まる時間を大きく変化させ得る方法、特に、溶出時間が長い広範囲な疎水性分子試料の短い分離時間に有用な方法である勾配法を用いて質量分析した。また、本試験において、水溶性フィルター(PVDF)に適用される有機溶媒は水(HO)に溶解された0.1%ギ酸を使用し、脂溶性フィルター(PTFE)に適用される有機溶媒は、メタノール(MeOH)に溶解された0.1%ギ酸を使用した。
試験の結果、松葉の指標成分のケンペロール(Kaempferol)を確認した。一方、松葉の前記成分を得る推奨植物は、海松及びシベリア松であるが、これに限定されることはない。LC/MS/MSの分析を介して松葉の指標成分を標準化した定量が確認された結果を図5に示す(図5参照)。
ローズマリー指標成分の分析試験
天然植物素材の原料物質であるローズマリーの指標成分を定量化する試験を行った。
天然植物素材のローズマリー試料0.1gにメタノール溶液100ulを添加し、200rpmで60分間振盪した後、0.2μm syringe filterを用いて濾過する試験を行った。濾過した溶液0.2mlを減らして25ml容量フラスコに入れて内部標準物質(Nicarbazine 1μg/ml)を1ml添加した後、メタノールを添加してLC/MS/MSの分析試験を行った。LC/MS/MSの分析条件は、前記松葉成分の分析試験と同一に適用した。
試験の結果、ローズマリーの指標成分ローズマリン酸(Rosemarinic acid)を確認した。一方、ローズマリーの前記成分を得る推奨植物は、チュニジア及びモロッコ産のローズマリーであってもよいが、これに限定されることはない。LC/MS/MSの分析を介してローズマリーの指標成分を標準化した定量を確認した結果を図5に示す(図5参照)。
実施例1~11:松葉顆粒製造
松葉顆粒製造
実施例1~11の松葉顆粒を製造した。
実施例1~11の松葉顆粒は、原料物質松葉(葉、茎、根の使用)に結合剤を添加して45℃又は65℃の温度条件で10~300時間の間に乾燥して製造した。前記松葉粉末と結合剤の重量比は98%:2%にして製造した。
原料物質松葉(葉、茎、根の使用)は、常温~50℃で24~120時間の間に乾燥してから粉砕機(ピンクラッシャー)を用いて粉砕した後、150μmのふるいで分級した150μm以下の通過分を使用した。結合剤は、粘度2、15、50cpsのいずれか1つであるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Hydroxy propyl methyl cellulose)2%と50%エタノールを結合したものを使用した。
実施例1~11の松葉顆粒のうち、物理的特性及び天然香り発現効果が最も好ましい実施例として、実施例6の松葉顆粒を製造した。flow shear混合器(ドイツ、Lodige社)に粉砕された松葉粉末を入れ、粘度50cpsであるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)2%と50%アルコールとを結合した結合剤溶液を投入して撹拌した後、直径0.25~2.0mm、好ましくは、0.5~1.0mmのふるいを用いて、前記松葉粉末と結合剤を撹拌した溶液を成形及び分級した後、45℃で90分間熱風乾燥して、0.5~1.0mmの大きさを有する実施例6の松葉顆粒を製造した。
また、実施例1~5及び実施例7~11において、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の粘度(cps)及び顆粒の乾燥方法、乾燥温度(℃)、乾燥時間(min)条件を相違にして松葉顆粒を製造した(表1参照)。
松葉顆粒の特性試験
実施例1~11で製造された松葉顆粒の物理的特性及び天然香り発現効果を確認する試験を行った(表1参照)。
好ましい実施例として、実施例6で製造された松葉顆粒は、硬度98.1%、粒度98.4%、充填密度0.431g/cc、水分7.9%の物性を有することが確認された。これは、最適な顆粒化条件において実施例6で製造された松葉顆粒の硬度は、実施例1の顆粒対比13.6%増加し、松葉の総香り成分は、実施例11の顆粒対比約60%増加した試験結果が確認された。
好ましい実施例として、実施例6で製造された松葉顆粒が刻みの水分変化を最も最小化し、最大の天然香り発現を実現することが確認された。しかし、実施例がこれに限定されることなく、実施例1~5及び実施例7~11の松葉顆粒の物理性及び天然香り発現効果も下記示した表1を参照して確認することができる。
Figure 2022510070000002
実施例12~22:ローズマリー顆粒製造
ローズマリー顆粒製造
実施例12~22のローズマリー顆粒を製造した。
前記松葉顆粒の製造条件及び方法は、実施例12~22のローズマリー顆粒製造と同一に適用した。
実施例12~22のローズマリー顆粒のうち、物理的特性及び天然香り発現効果が最も好ましい実施例として、実施例17のローズマリー顆粒を製造した。
また、実施例12~16及び実施例18~22において、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の粘度(cps)及び顆粒の乾燥方法、乾燥温度(℃)、乾燥時間(min)の条件を相違にしてローズマリー顆粒を製造した(表2参照)。
ローズマリー顆粒の特性試験
実施例12~22で製造された松葉顆粒の物理的特性及び天然香り発現効果を確認する試験を行った(表2参照)。
好ましい実施例として、実施例17で製造されたローズマリー顆粒は硬度92.0%、粒度99.0%、充填密度0.436g/cc、水分9.9%の物性を有することが確認された。これは、最適の顆粒化条件で実施例17で製造されたローズマリー顆粒の硬度は、実施例12の顆粒対比20%増加し、ローズマリーの総香り成分は、実施例14の顆粒対比約100%増加した試験結果が確認された。
好ましい実施例として、実施例17で製造されたローズマリー顆粒がタバコ刻みの水分変化を最も最小化し、最大の天然香り発現を実現することが確認された。しかし、実施例がこれに限定されることなく、実施例12~16及び実施例18~22のローズマリー顆粒の物理性及び天然香り発現効果も下記示した表2を参照して確認することができる。
Figure 2022510070000003
実施例23:タバコフィルター製造
実施例23-1及び23-2のタバコフィルターに適用される天然植物素材は、ハブオイルカプセル2種ローズマリーと松葉、ハブ抽出物(加香液)2種ローズマリーと松葉、天然植物顆粒2種ローズマリーと松葉を使用した。
天然植物顆粒は、実施例1~22で製造された天然植物顆粒のうち、最も顆粒の物理性及び天然風味の発現効果が高い実施例6の松葉顆粒と実施例17のローズマリー顆粒を使用し、これを含むタバコフィルターを製造した。
実施例23-1:9+18mmの2重複合フィルター製造
繊維上、又はフィラメント上のアセテートトウに天然植物顆粒31を添加した刻み部(TE部)21、アセテートトウ又は炭素繊維で満たされた口部(ME部)22からなる2重複合フィルター体制のタバコフィルターを製造した。
繊維上又はフィラメント上のアセテートトウに天然植物顆粒31を添加した刻み部(TE部)21、アセテートトウ又は炭素繊維で満たされた口部(ME部)22からなる2重複合フィルター体制のタバコフィルターを製造した。
また、繊維上又はフィラメント上のアセテートトウにハブ抽出物(加香液)32を添加した口部(ME部、9mm)22、繊維上又はフィラメント上のアセテートトウに天然植物顆粒31及びハブ抽出物(加香液)32(10ul)を添加した刻み部(TE部、18mm)21からなる2重複合フィルター体制のタバコフィルターを製造した(図1参照)。
実施例23-2:空洞フィルター部を含む3重複合フィルター製造
繊維上又はフィラメント上のアセテートトウにハブ抽出物(加香液)32を添加した口部(ME部)22、天然植物顆粒31を添加した空洞部23、アセテートトウ又は炭素繊維で満たされた刻み部(TE部)21からなる3重複合フィルター体制のタバコフィルターを製造した。
また、口部(ME部)22に天然植物顆粒31を添加した3重複合フィルター体制のタバコフィルターを製造した(図2参照)。
実施例23-3:15+12mmの2重複合フィルター製造
実施例23-3のタバコフィルターに適用される天然植物素材はハブオイルカプセル2種ローズマリーと松葉(オイルはHanbit香料、カプセルはFuturetech製造)、ハブ抽出物(加香液)2種ローズマリーと松葉(ナチュラルソリューション製造)、天然植物顆粒1種(ローズマリー:松葉=2:8混合、Natural Way)を使用した。
天然植物顆粒は、実施例1~22で製造された天然植物顆粒のうち、最も顆粒の物理性及び天然風味の発現効果が高い実施例6の松葉顆粒と、実施例17のローズマリー顆粒を2:8で混合したものを使用し、これを含むタバコフィルターを下記のように製造した。
ハブ抽出物(加香液)ハブ抽出物(加香液)32を添加した口部(ME部、15mm)22、天然植物顆粒31、及びハブ抽出物(加香液)32を添加した刻み部(TE部、12mm)21からなる2重複合フィルター体制(108×24.2mm、PD460mm HO)のタバコフィルターを製造した。
また、口部(ME部)22に天然植物顆粒31を添加したタバコフィルターを製造した(図3参照)。
また、刻み部(TE部、12mm)にハブオイルカプセル33を添加し、繊維上又はフィラメント上のアセテートトウで満たされた口部(ME部、15mm)からなる2重複合フィルター体制(108×24.2mm、PD460mm HO)のタバコフィルターを製造した。
また、口部(ME部、15mm)に天然植物顆粒31をさらに添加したタバコフィルターを製造した。
また、刻み部(TE部、12mm)及び口部(ME部、15mm)にハブ抽出物(加香液)32をさらに添加したタバコフィルターを製造した(図4参照)。
ハブ抽出物(加香液)32は、繊維上又はフィラメント上のアセテートトウに酸浴槽タイプのスプレー噴霧方式及びノズルなどによる放出方式(TJNS)を用いて添加した。
より詳細な15+12mmの2重複合フィルター体制のタバコフィルター製造に対する説明は下記の表3に示す。
Figure 2022510070000004
15+12mmの2重複合フィルター体制のタバコフィルターの物理性確認
実施例23-3で製造されたタバコフィルター(15+12mmの2重複合フィルター)の物理性を確認した(表4参照)。
Figure 2022510070000005
実施例24:タバコ製造
実施例24-1:実施例23-1で製造されたタバコフィルターを含むタバコ製造
実施例23-1で製造されたタバコフィルター(9+18mmの2重複合フィルター)を含むタバコフィルター部20及び2次無香料刻み部10を連結してタバコを製造した(図1参照)。
タバコの特性試験
実施例24-1で製造されたタバコは、下記のような特性を有することが確認された。
タバコ煙のうち口臭低減関連の香り成分移行分析
実施例24-1で製造されたタバコを用いて松葉及びローズマリーの煙のうち香り成分移行を分析する試験を行った。
固形抽出分析(SPME、Solid phase microextraction)方法を用いて、松葉とローズマリー、これらのそれぞれの煙のうち香り成分を確認する試験を行った。
松葉とローズマリーの煙のうち香り成分抽出のために、松葉とローズマリーそれぞれの試料0.5gに適用するSPMEファイバ(PDMS/DVB)を80°Cで加熱し30分間抽出した。ファイバ吸着5分、ファイバ脱着3分間試料前処理する過程を行った。一方、ファイバ(Fiber)は、PA(polyacrylate)、PDMS(polydimethylsiloxane)、CAR(Carboxen)/PDMS、又はPDMS/DVB(Divinylbenzene)を含むが、これに制限されることなく、本試験ではPDMS/DVB(Divinylbenzene)を使用した。ファイバ(Fiber)は、GERSTEL社のMPS(Multi Purpose Sampler)を用いて、GC-MS(agilent社の5973MSD systemと5975Cinert XL mass spectrometerが連動されたGC-MS)に注入した。
松葉及びローズマリーの煙のうち、香り成分の移行分析試験は、松葉及びローズマリーの試料前処理後、定量分析する方法により試験した。試料前処理過程で、タバコ(Smoking Cigarette)は20本、44mmフィルターパッドを使用した。ドライアイスを用いてケンブリッジフィルターパッドにタバコの煙を捕集し、インピンジャを連結し、20mlメタノール(MeOH)で1時間ずつ交互に抽出した後、孔径0.45μmPVDFフィルターで濾過した。
次に、前記前処理された試料をGC/MS、SIM mode分析方法で定量分析した。
試験の結果、松葉の煙のうち、香り移行成分はボルネオール(Borneol)、酢酸ボルニル(Bonyl acetate)、1、8-Cineol(1、8-シネオール)、デルタ-カジネン(δ-cadinene)、アルファ-カジネン(α-cadinene)、リモネン(Limonene)、ベンズアルデヒド(Benzaldehyde)成分が含まれていることが確認された。ローズマリーの煙のうち香り移行成分は、ボルネオール(Borneol)、酢酸ボルニル(Bonyl acetate)、1、8-Cineol(1、8-シネオール)、ベータ-カリオフィレン(β-Caryophyllene)、アルファ-フムレン(α-Humulene)、デルタ-テルピネオール(δ-Terpineol)、アルファ-テルピネオール(α-Terpineol)成分が含まれていることが確認された(図6参照)。
煙のうち香り成分の定量分析時に松葉及びローズマリーの煙のうち香り成分を効率よく分離するためにagilent社のDB-Wax column(length30m、I.D.0.25mm、film thickness 0.25μm)を使用し、不活性ガスであるヘリウムガスがcarrier gasとして使用された。流速は1ml/minであり、試料は注入された後splitless modeで250℃の注入温度で機器に注入された。
松葉及びローズマリーの煙のうち香り成分を検出するために、GC-MSの温度プログラムを設定し、35℃で10分間保持することを始めとし、2℃/minの速度で100℃まで温度を上げ、再び1℃/min速度で200℃まで温度を上げ、3℃/min速度で230℃まで上げて10分間温度を保持した。分離された成分はヘリウムガスに沿ってMSに入り、これを検出するためにion sourceは250℃、transfer lineは240℃、quadrupoleは150℃に設定した。ionization energyは、electron impact(EI)で共通的に用いられる70eVを使用した。
天然植物素材の松葉及びローズマリー顆粒を適用したタバコフィルターを含むタバコを製造した後、90日が経過したタバコを用いて松葉及びローズマリーの香り成分を分析した(図7参照)。試験の結果、松葉及びローズマリーの一部成分の煙のうち、移行を確認して下記の表5に示した。従って、天然植物素材の松葉及びローズマリー顆粒を適用したタバコフィルターを含むタバコを製造した時、天然風味の発現及び機能性付与の可能性を確認することができた。
Figure 2022510070000006
口臭誘発物質の減少効果確認
実施例24-1で製造されたタバコを用いて、タバコの煙のうち代表的な口臭成分であるメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)の口臭減少能を確認する試験を行った。
松葉及びローズマリーの粉末、顆粒、オイル、加香液だけでなく、松葉の場合、煙移行成分のうちアルファ-ピネン(α-pinene)、酢酸ボルニル(Bonyl acetate)、ローズマリーの場合、1、8-シネオール(1、8-Cineol)、ボルネオール(Borneol)をタバコフィルターに添加し、これを含むタバコを製造してメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)の減少能を確認した。
メチルメルカプタン(Methyl mercaptan)は、1ppm[1μg/ml]2mlを用いて、松葉及びローズマリーの粉末及び顆粒を用いた場合、試料10mgを水2mlで抽出した後使用した。一方、松葉及びローズマリーのオイル及び加香液を用いた場合、2mlを用いて単一成分は試料3ppm(3μg/ml)を水2mlで抽出した後使用した。
メチルメルカプタン(Methyl mercaptan)成分の減少能の分析試験は、試料前処理過程とHeadspace Sampler条件とGC/MS-SIM条件で分析する過程に分類して実施した。まず、松葉及びローズマリーの粉末、顆粒試料10mgを20ml vialに入れ、水2mlに1時間の間に浸漬した。次に、0.2M Potassium phosphate 2mlを入れ、pH7.5に調節した。その後、メチルメルカプタン(Methyl mercaptan)(1μg/ml)2mlを入れてから密封した後、Vortex mixerで5秒間撹拌した。Headspace Samplerで42℃で6分間反応させ、Headspaceに遊離したメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)を直接GC/MSの分析を行った。GC/MSの分析結果を取得されたメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)の面積を対照区と比較して減少率を測定した。
Deodorizing Activity(DA、%)=[C-S]/C×100
・ C:対照区のMethyl mercaptanの面積
・ S:試験区のMethyl mercaptanの面積
-Tokita、F.et al.Nippon Nogeikagaku Kaishi 586、p585~589[1984]参照。
GC/MSの機器分析条件は、次のように設定して試験した。Headspace Samplerの条件は、培養温度42℃、培養時間6分、Transfer liner温度100℃に設定した。
GC/MS-SIMの条件は、DB-624(60m、0.25mm、0.25μm)カラムを用いて、Oven Temp.35℃で10分間、Post run 250℃で30分間適用した。Injector/Interface Temp.は150℃又は220℃を適用し、InjectionはSplit 10:1、Flow rate 1ml/min、メチルメルカプタンイオン(m/z)は、定量イオン47、定性イオン48と45を適用して試験した。
松葉及びローズマリーの粉末、顆粒、オイル、フィルター加香液、煙のうち香り移行成分であるシネオール(Cineol)、酢酸ボルニル(Bonyl acetate)、ボルネオール(Borneol)をタバコフィルターとして適用してメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)の減少能を確認し、下記の表6に示した(図8参照)。一方、試験の結果、松葉及びローズマリーを適用したフィルターを付着したタバコのメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)の減少能を確認したが、喫煙量の差によってタバコ(cigarette)の直接分析には検出の限界があった。
Figure 2022510070000007
吸光分析を通した口臭成分の沈殿度測定
実施例24-1で製造されたタバコを用いて、吸光分析を介して口臭成分の沈殿度を測定し、松葉及びローズマリーを適用したフィルターを付着したタバコの口腔微生物由来の口臭成分の減少能を確認する試験を行った。
口臭成分の沈殿度測定試験は、唾液の口腔細菌を培養するとき発生する口臭成分である揮発性硫化物のうち、硫化水素を液体状態で鉄成分と結合させ、硫化鉄(FeS)の黒色の沈殿物の形態に結合させることで、口臭成分の沈殿率を比較して実施した。まず、全唾液(whole saliva)を37℃、嫌気的条件で48時間の間に培養した。その後、0.5mlの培養唾液にオイル50mlの試験物質又は単一成分20ulの試験物質を入れ、0.05gの界面活性剤を入れてから、0.05gの硫酸鉄II(FeSO4、ferrous sulfate)を混合した。これを37℃、嫌気的条件で24時間培養した後、700nmで吸光度を測定して口臭成分の沈殿度を確認した。
松葉及びローズマリーのオイル、加香液、煙のうち香り移行成分であるアルファ-ピネン(α-Pinene)、1、8-シネオール(1、8-Cineol)、酢酸ボルニル(Bonyl acetate)、ボルネオール(Borneol)をタバコフィルターに適用して口臭成分の減少能を確認し、下記の表7に示した(図9参照)。一方、試験の結果、松葉及びローズマリーを適用したフィルターを付着したタバコの口腔微生物由来の口臭成分の減少能を確認したが、喫煙量の差に応じて、タバコ(cigarette)の直接分析には検出の限界があった。
Figure 2022510070000008
タバコ煙のうち、臭気及び毒性成分の減少能分析
実施例24-1で製造されたタバコを用いて、タバコの煙のうち臭気及び毒性成分の減少能を確認する試験を行った。
ローズマリー及び松葉の顆粒それぞれ3mg/mm Tipをタバコフィルターに適用して試験した。煙のうちタール(Tar)当たり臭気成分と毒性成分の減少率(%)を測定した結果、アンモニア(Ammonia)、アクロレイン(Acrolein)、クロトンアルデヒド(Crotonaldehyde)、メチルエチルケトン(MEK)、1、3-ブタジエン(1、3-butadiene)、アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ベンゼン(benzene)、及びピリジン(Pyridine)成分を9~55%低減させることが確認された。一方、タール内に含まれているタバコ匂いの誘発成分であるカルボニル成分は、アクロレイン(Acrolein)、クロトンアルデヒド(Crotonaldehyde)、メチルエチルケトン(MEK)があり、揮発性有機化合物は、1、3-ブタジエン(1、3-butadiene)、アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ベンゼン(benzene)がある。不揮発性有機化合物成分はピリジンがある。
松葉及びローズマリー顆粒を適用したフィルター付着タバコの煙のうち、臭気及び毒性成分の減少能を分析した結果は下記の表8に示した。
Figure 2022510070000009
タバコの特性及び官能評価
実施例24-1で製造されたタバコを用いて香り成分のうち煙移行成分の確認、煙のうち危害成分の確認、官能評価、機能性評価、安全性評価、及び格納性評価を実施した。
天然植物顆粒及び加香液をタバコフィルターに添加されていないタバコ(対照群NRP5-1)と松葉顆粒を添加したタバコ(NRP5-2)、松葉顆粒と加香液を添加したタバコ(NRP5-3)、ローズマリー顆粒を添加したタバコ(NRP5-4)、及びローズマリー顆粒と加香液を添加したタバコ(NRP5-5)に分類して各分析項目を評価し、下記の表9に示した。
Figure 2022510070000010
官能評価
実施例24-1で製造されたタバコを用いて、天然植物素材顆粒によるタバコ味の属性及び口臭減少の効果を評価する試験を行った。
熟練された官能評価パネル48名を対象にして、定量評価(blind test)を実施し、7点尺度法に基づいてスコアがつけられ、その平均値をPaired t Test方法に基づいて下記の表10~表13に示した。一方、官能評価パネル48名は、喫煙者パネル12人ずつ4セッションに区分して試験を実施した。試験結果、ローズマリー顆粒が適用された試料は、対照群に比べて喫煙前の外観選好度が高まり、喫煙時に異臭味が低下し、バランス及びのど超しがスムーズになり、喫煙後の味覚の鮮度が増加し、不快な残在臭が減少したことが分析された。
Figure 2022510070000011
Figure 2022510070000012
Figure 2022510070000013
Figure 2022510070000014
実施例24-2:実施例23-3で製造されたタバコフィルターを含むタバコ製造
実施例23-3で製造された2重複合フィルター体制(108×24.2mm、PD460mm HO)のタバコフィルター部20及び2次無香料刻み部10を連結してタバコを製造した(図4参照)。
タバコの物理性確認
実施例24-2で製造されたタバコの物理性を確認した。
試験結果の対照区と試験区の物理性は、等しいレベルであることを確認した(表14参照)。
Figure 2022510070000015
タバコの煙成分確認
実施例24-2で製造されたタバコの煙成分を分析した。
試験結果対照区と試験区の煙成分は等しいレベルであることが確認された(表15参照)。
Figure 2022510070000016
口臭誘発物質の減少効果の確認
実施例24-2で製造されたタバコを用いて、口臭誘発の主な原因物質である揮発性硫化物(Volatile sulfur compounds、VSCs)を確認する試験を行った。
口臭の主な成分は、揮発性硫化物(VSCs)であり、喫煙は口の中のVSCsの濃度を高める原因となる。揮発性硫化物が煙のうち移行される量は1%内外レベルであるものの、閾値が極めて低く、匂いの特性が腐った玉ネギ及びニンニクなどのように刺激的である。
分析指標物質として、硫化水素(HS)及びメチルメルカプタン(MM、Methyl mercaptan)を指定して口臭誘発物質を分析した。口臭捕集グループは、喫煙者のうち、RAISON BLACKといったタバコ消費グループの合計30人を対象にした。口臭捕集方法は、製品ごとに1本を喫煙して30分の間隔で2分間喫煙した後に口臭を捕集した(Tedlar Bag、3L)。口臭分析器は熱吸脱着システム(TD-GC/MS)及びPFPD(Pursed Frame Photometric Detector、パルス型炎光光度検出器)と、悪臭工程試験基準(国立環境科学研究所告示)に準ずるTD/GC-PFPDを活用した。
試験の結果、硫化水素(HS)の場合、閾値以下の濃度で検出された。一方、口臭誘発成分であるメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)は、天然植物素材(ローズマリー及び松葉)が適用されたタバコフィルターにおいて低減される効果が確認された。特に、ローズマリー抽出物とローズマリーオイルカプセルが適用された場合、メチルメルカプタン(Methyl mercaptan)は67.4%減少して低減される効果が最も高く、松葉抽出物と松葉オイルカプセルが適用された場合、30.7%減少する効果があった(表16参照)。
Figure 2022510070000017
タバコの煙のうち口臭低減に関する香り成分の移行分析試験
実施例24-2で製造されたタバコの主流煙のうち、移行されるメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)の低減効果があった香り成分の分析結果、前記表16に示したメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)低減効果のあるローズマリー抽出物とローズマリーオイルカプセル(RE+RC)、松葉抽出物と松葉オイルカプセル(PE+PC)を添加したフィルターを含むタバコで酢酸ボルニル(Bonyl acetate)、1、8-シネオール(1、8-cineol)、及び消臭効能のあるテルペン系の化合物リモネン(Limonene)、b-カリオフィレン(b-caryophllene)が多量検出されたことが確認された(表17参照)。
Figure 2022510070000018
タバコの煙のうち臭気及び毒性成分の分析試験
実施例24-2で製造されたタバコの主流煙のうち移行される臭気及び毒性成分のタール(Tar)当たり減少率(%)を確認した。前記表16のメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)の低減効果が高いローズマリー抽出物とローズマリーオイルカプセル(RE+RC)、松葉抽出物と松葉オイルカプセル(PE+PC)を添加したフィルターを含むタバコにおいて、臭気及び毒性成分が12.4~29.2%減少する効果が確認された(表18参照)。
Figure 2022510070000019
天然植物素材適用タバコの安全性評価
実施例24-1で製造されたタバコを用いて、天然植物素材の松葉及びローズマリーを適用したタバコ製品の安全性を検証した。
検討基準
当該の天然植物素材は物質自体の安全性イシューがなく、不燃焼の箇所に適用しているが、単一物質から構成された化学物質とは異なって構成要素が不明であり、同じ用途でタバコの使用事例がない。従って、不燃焼部のタバコ材料品の添加物安全性評価に対するIn-house評価基準に準じて検討を行った。
基本情報評価
当該の天然植物素材の松葉及びローズマリーの基本情報を評価した。当該の天然植物素材の2種は、KFDAの使用可能な食品原材料リストに登載されており、原材料そのものに対する発ガン、生殖毒性などの毒性情報が報告されていない。また、使用許容量に対する国内外の規制がなく、主な競争会社及び自社がタバコに用いた事例がない。但し、松葉とローズマリーから抽出した「Pine Needle oil」と「Rosemary oil」を使用していることを確認した。
煙成分の寄与度評価
Purge & Trap分析方法によって当該の天然植物素材が適用されたタバコの煙成分の寄与度を評価した。その結果、USFDAの食品添加物で登載されたローズマリー2成分、松葉1成分の他には毒性情報が不充分で、おそれ程度の高い濃度(>5ppm)であり、タバコの煙に存在しない成分であるため、生物学的活性に対する寄与度評価が要求されるものと判断した。
生物学的活性評価
当該の天然植物素材が適用されたタバコの煙成分の生物学的活性を評価した。対照群(顆粒無添加製品)と試験群(顆粒添加製品)に対する細胞機能及び遺伝機能の影響を比較分析した結果、2つの試料間の有意的な差(P<0.05)はなかった。従って、当該の顆粒2種が生物学的な活性増減に及ぼす影響はないものと判断することができる。主流煙の固相分画(TPM)のAmes test結果と主流煙の固相分画(TPM)の細胞機能影響の評価結果を図10に示した(図10参照)。
松葉及びローズマリー天然植物素材は、食品原材料として認定された物質(KFDA)であり、タバコの不燃焼箇所に制限的に適用され、個別の成分も5ppm以下の低い濃度として存在し、タバコの煙の生物学的活性に対する寄与度が無視できるレベルであるため、総合的にまとめると、現在の使容量レベルではフィルターに使用可能であることが判断された。
天然植物素材適用タバコの格納性評価
実施例24-1で製造されたタバコを用いて天然植物素材の松葉及びローズマリーを適用したタバコ製品の格納性を検証した。
天然植物素材顆粒のタバコ製品適用によるLife Cycleを決定する目的で試験を実施した。天然植物素材顆粒3mg/mm Tipをタバコフィルター内に適用し、試験条件は乾期と雨期に分類して実施した。乾期条件の場合、温度15℃、湿度45%RHに設定し、雨期条件の場合、温度25℃、湿度59%RHに設定した。実施例24-1のタバコ製品を製造し、1ヶ月経過後にタバコ製品の水分含量、製品形態の変化に問題が発見されておらず、微生物の変化も確認されていないため、当該の天然植物素材顆粒を適用したタバコ製品の格納性を検証することができた。
以上、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順に実行されたり、及び/又は説明された構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合せわされたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果が達成されることができる。
従って、他の具現、他の実施例、及び特許請求の範囲と均等なものなども後述する請求範囲の範囲に属する。
10:タバコの刻み部
20:タバコフィルター部
21:刻み部(TE部)
22:口部(ME部)
23:空洞部
31:天然植物顆粒
32:ハブ抽出物(加香液)
33:ハブオイルカプセル

Claims (17)

  1. 天然植物素材と結合剤からなる天然植物顆粒と、
    前記天然植物顆粒を収容するフィルター部を含むタバコフィルターであって、
    前記結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であり、
    前記天然植物素材と結合剤の重量比は95~99%:5~1%である、タバコフィルター。
  2. 前記天然植物素材は、ローズマリー、松葉、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、パイナップル、カモミルラ、オレンジ、ユーカリ、タイム、ゼラニウム、ジャスミン、ローズマリー、ラベンダー、レモングラス、パインニードル、クロバー、セージ、タキソール、ベルガモット、バジル、タイム、バレリアン、ヒソップ、ティーツリー、ミルラ、ジュニパーのいずれか1つ以上である、請求項1に記載のタバコフィルター。
  3. 前記天然植物顆粒の硬度は90.0~99.0%である、請求項1に記載のタバコフィルター。
  4. 前記天然植物顆粒の大きさは0.25~2.0mmである、請求項1に記載のタバコフィルター。
  5. 前記天然植物顆粒の水分含量は、天然植物顆粒の総重量対比5~12%である、請求項1に記載のタバコフィルター。
  6. 前記タバコフィルターは単一フィルター又は多重フィルターである、請求項1に記載のタバコフィルター。
  7. 前記タバコフィルターは、前記天然植物素材から抽出されたオイル成分が含まれているハブオイルカプセルをさらに含む、請求項1に記載のタバコフィルター。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項から選択されるタバコフィルターを含む、タバコ。
  9. 前記タバコは、口臭誘発成分であるメチルメルカプタン(Methyl mercaptan)を低減させる、請求項8に記載のタバコ。
  10. 前記タバコは、タバコ匂い誘発成分であるアンモニア(Ammonia)、アクロレイン(Acrolein)、クロトンアルデヒド(Crotonaldehyde)、メチルエチルケトン(MEK)、1、3-ブタジエン(1、3-butadiene)、アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ベンゼン(benzene)、及びピリジン(Pyridine)成分を9~55%低減させる、請求項8に記載のタバコ。
  11. 天然植物素材に結合剤を投入して天然植物顆粒を製造するステップと、
    前記天然植物顆粒を乾燥して分級するステップと、
    前記分級された天然植物顆粒をタバコフィルターに添加するステップを含むタバコフィルターの製造方法であって、
    前記天然植物顆粒を製造するステップにおいて、前記結合剤は、粘度50cpsのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であり、前記天然植物素材と結合剤の重量比は95~99%:5~1%である、タバコフィルターの製造方法。
  12. 前記天然植物顆粒を製造する方法は、粘度50cpsのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Hydroxy propyl methyl cellulose)結合剤を50%エタノールに2%添加して溶解させた溶液を製造した後、粉砕された天然植物粉末と前記製造された結合剤溶液とを混合して撹拌した後、成形及び分級する過程を含む、請求項11に記載のタバコフィルターの製造方法。
  13. 前記天然植物顆粒を乾燥する方法は、凍結乾燥、熱風乾燥、温風乾燥、及び流動層乾燥方法のいずれか1つである、請求項11に記載のタバコフィルターの製造方法。
  14. 前記分級された天然植物顆粒の大きさは0.25~2.0mmである、請求項11に記載のタバコフィルターの製造方法。
  15. 前記分級された天然植物顆粒をタバコフィルターに添加するステップにおいて、アセテートトウにスプレー噴霧方式又はノズルなどによる放出方式(TJNS)でハブ抽出物を添加する、請求項11に記載のタバコフィルターの製造方法。
  16. 前記天然植物素材から抽出されたオイル成分が含まれているハブオイルカプセルをカプセル投入設備を用いて前記タバコフィルターに投入するステップをさらに含む、請求項11に記載のタバコフィルターの製造方法。
  17. 前記分級された天然植物顆粒をタバコフィルターに添加するステップにおいて、顆粒の投入量は0.5~4mg/mmである、請求項11に記載のタバコフィルターの製造方法。
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