JP2022509051A - 下垂体腫瘍を縮小させるための方法 - Google Patents

下垂体腫瘍を縮小させるための方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022509051000001
レラコリラントの投与により、下垂体腫瘍のサイズが減少しうる。下垂体腫瘍としては、非分泌性腫瘍、ホルモン分泌性腫瘍、腺腫、及び癌腫が挙げられるが、これらに限定はされない。レラコリラント投与は、ホルモン分泌性下垂体腫瘍からのホルモン分泌を減少させるのに有効であり得、例えば、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌を減少させるのに有効でありうる。下垂体腫瘍は、レラコリラント投与の前及び/又は後にイメージングされうる。レラコリラントは、下垂体腫瘍を処置するために、手術とは独立して、手術前、手術中、又は手術後に、投与されうる。レラコリラントは、手術成績を補助又は改善し、手術前の下垂体腫瘍組織、及び外科的処置後に残存するあらゆる腫瘍組織のサイズ又は成長を低減しうる。レラコリラントは、下垂体腫瘍の処置のために経口投与されうる。レラコリラントは、絶食患者又は食事を与えられた患者に経口投与されうる。レラコリラントは、外科的処置、放射線処置、癌腫に対する化学療法、及び他の薬物療法を含む、他の下垂体腫瘍を標的とする処置と組み合わせて投与されうる。

Description

関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)に基づいて、2018年11月9日に出願された米国仮特許出願第62/758,477号に基づく優先権及びその利益を主張するものであり、上記出願の全内容は全体として参照によって本明細書に援用されたものとする。
下垂体は、視床下部の制御下で、種々の身体機能に影響するホルモンを分泌する。下垂体は血液脳関門(BBB)の外側のトルコ鞍内に位置しており、前部である下垂体前葉、中間部(ヒトでは痕跡的)、及び後部である神経下垂体から構成される。下垂体は、神経下垂体の下垂体茎(漏斗)を介して脳の視床下部に接続されている。下垂体前葉の内分泌細胞はホルモンを分泌するが、これらのホルモンとしては、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、プロラクチン(PRL)、成長ホルモン(GH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、及びβ-リポトロピンなどが挙げられる。神経下垂体は、ペプチドホルモンであるオキシトシン及びバソプレシン(抗利尿ホルモン、ADH)を分泌する。
クッシング症候群は、高コルチゾール値に起因する消耗性の慢性疾患であり、高血糖値、高血圧、体重増加(首又は背中の特徴的な「こぶ」を含む)、多毛症、うつ病、及びその他の症状を特徴とする。コルチゾールはACTHに応答して副腎で産生されるが、クッシング症候群のいくつかの症例では、コルチゾールの過剰が副腎の異常(例えば、副腎腫瘍)により生じている。他の症例では、コルチゾールの過剰は、下垂体からの過剰なACTH分泌が、副腎に対し作用し、過剰なコルチゾールを産生させることによるものである。このような下垂体からのACTH分泌過剰は、通常、下垂体腫瘍によって引き起こされる。下垂体からのACTH分泌過剰がコルチゾール過剰を引き起こした場合、その障害は「クッシング病」と称される。
下垂体腫瘍は、非機能的(すなわち、非ホルモン分泌性)腫瘍である場合もあれば、あるいはホルモン分泌性腫瘍である場合もある。下垂体腫瘍は、通常、巨大腺腫及び微小腺腫を包含する腺腫(良性の非癌性の腫瘍)であり、例えば、副腎皮質刺激ホルモン産生細胞、成長ホルモン分泌細胞、プロラクチン分泌細胞、又は性腺刺激ホルモン分泌細胞である場合がある(Kovacsら、Endocrine Pathology、11巻(3号):2670275(2000年))。クッシング病に対する第一選択処置は通常、下垂体腫瘍を除去するための手術を含むが、多くの症例において、患者は手術を受けることができないか、あるいは、腫瘍の全てを切除することができない(例えば、腫瘍がトルコ鞍の外側の頭側領域に浸潤していた場合、又は骨に浸潤していた場合、又は他の理由で)、あるいは、腫瘍が再度成長する場合がある、あるいは、腫瘍が転移している場合がある。いくつかの症例では、手術後などに放射線処置が適用される。他の腫瘍に対してしばしば用いられる従来の化学療法は、下垂体腫瘍には適用できない場合や、あるいは、下垂体腫瘍を有する患者に対して好適でない場合がある。クッシング症候群を処置するために、コルチゾール産生を低減させる内科的処置が処方されている。過剰コルチゾールの作用を低減する内科処置がしばしば実施され、特に症状が手術後も持続する場合に実施される(例えば、ミフェプリストン(KORLYM(登録商標)として処方);また、米国特許第9,956,216号を参照)。しかし、手術、放射線、及び標準的な化学療法は、効果が不完全である場合があり、また、重篤な副作用を示す場合があり、これらにより、上記療法がクッシング病患者に不適当とされる場合がある。すなわち、クッシング病の原因となる下垂体腫瘍に対する内科的な(すなわち、非外科的な)処置が依然として不足している。
よって、下垂体腫瘍に対する新規の内科的処置が求められており、例えば、クッシング病を引き起こす下垂体腫瘍に対する新規な内科的処置が求められている。
本明細書において、レラコリラントの投与が、下垂体腫瘍を縮小させる(すなわち、そのサイズを減少させる)のに有効でありうることが、出願人により開示される。いくつかの実施形態において、レラコリラントの投与により縮小されることになる下垂体腫瘍は、臨床的イメージング技術を用いて確認できる。いくつかの実施形態において、上記方法は、臨床的イメージング技術を用いて確認でき且つ測定可能でありうる下垂体腫瘍を有する患者を選択することを含む。いくつかの実施形態において、上記患者は、クッシング症候群の症状を呈するものである。いくつかの実施形態において、上記患者は、クッシング病患者である。いくつかの実施形態において、上記方法は、第一選択処置として提供されるか、又は他の処置と併用して提供されるかにかかわらず、本方法が好適である患者を選択することを含み、いくつかの実施形態においては、本方法が他の方法よりも好ましい患者を選択することを含む。これを受けて、下垂体腫瘍を有する患者を対象とする新規の驚くべき処置法が、出願人によって本明細書で開示される。これらの新規の方法は、下垂体腫瘍を処置するために用いられる単独処置としてもよく、また、外科的処置及び放射線処置を包含する他の処置と併用して用いられてもよい。
処置される(すなわち、縮小される)ことになる下垂体腫瘍は、非機能的(非分泌性)腫瘍、ホルモン分泌性腫瘍、良性腫瘍、又は悪性腫瘍であり得、転移していてもしていなくてもよい。下垂体腫瘍は通常、非下垂体転移性腫瘍ではない。しかし、いくつかの実施形態では、下垂体腫瘍は、浸潤性腫瘍でありうる。よって、処置されることになる下垂体腫瘍は、腺腫であっても癌腫であってもよく、非機能的(非分泌性)腫瘍、又はホルモン分泌性腫瘍(例えば、ホルモン分泌性神経内分泌腫瘍)などでありうる。いくつかの実施形態において、処置されることになる下垂体腫瘍は、下垂体腺腫である。いくつかの実施形態において、処置されることになる下垂体腺腫は、巨大腺腫である。いくつかの実施形態において、下垂体腺腫は、副腎皮質刺激ホルモン産生細胞(かなりの量のクルックヒアリン変化を含む副腎皮質刺激ホルモン産生細胞、クルックヒアリン変化がほとんどない副腎皮質刺激ホルモン産生細胞、及び無症候性の副腎皮質刺激ホルモン産生細胞を包含する)、成長ホルモン分泌細胞、プロラクチン分泌細胞、甲状腺刺激ホルモン分泌細胞、性腺刺激ホルモン分泌細胞、及びオンコサイトーマから選択される腺腫である。いくつかの実施形態において、サイズが減少させられることになる下垂体腫瘍は、非機能性下垂体腫瘍、成長ホルモン分泌性腫瘍、又はゴナドトロピン分泌性腫瘍(例えば、LH又はFSHを分泌する腫瘍)などから選択される下垂体腫瘍である。
下垂体腫瘍のサイズを減少させるための方法は、下記の構造を有するレラコリラント((R)-(1-(4-フルオロフェニル)-6-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-g]イソキノリン-4a-イル)(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノン)の投与を含む。
Figure 2022509051000002
レラコリラントは、CORT125134としても知られている。レラコリラントは、プロゲステロンにも、鉱質コルチコイドにも、アンドロゲンにも、又はエストロゲン受容体にも重大な影響を及ぼさない、グルココルチコイド受容体調節剤(GRM)である(例えば、米国特許第8,859,774号、同第9,273,047号、同第9,707,223号、及び同第9,956,216号を参照されたい、上記特許全ての内容全体は全体として参照によって本明細書に援用されたものとする)。いくつかの実施形態において、レラコリラントは、経口投与される。
いくつかの実施形態では、下垂体腫瘍の画像(例えば、磁気共鳴画像法(MRI)画像、陽電子断層撮影法(PET)画像、又はコンピュータ断層撮影法(CAT)画像など)が作製された後、レラコリラントが投与される。下垂体腫瘍の画像は、患者の脳の少なくとも一部、及び患者の近傍の解剖学的領域のイメージングから取得されうる。いくつかの実施形態において、このようなイメージングは、患者の下垂体又はその近傍にある解剖学的ランドマーク及び解剖学的領域に対しての腫瘍の位置を大まかに同定可能とするものであり得、いくつかの実施形態では、正確な腫瘍の位置同定を可能にするものでありうる。このような解剖学的ランドマーク及び解剖学的領域として、例えば、トルコ鞍(sella turcia)、下垂体茎、視床下部、側頭葉、脳室、視神経又は視交叉、脳幹、脳梁、及び、下垂体近傍にあるか又は下垂体を含む画像で確認できる他の解剖学的構造を挙げることができるが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態では、下垂体腫瘍の画像を用いて腫瘍の寸法が測定される。いくつかの実施形態では、下垂体腫瘍の第一画像(例えば、MRI画像、PET画像、又はCAT画像など)が作製され、その後レラコリラントが投与され、レラコリラント処置期間の後、下垂体腫瘍の第二画像(例えば、MRI画像、PET画像、又はCAT画像など)が作製される。いくつかの実施形態では、下垂体腫瘍の第一画像が作製され、その後レラコリラントが投与され、レラコリラント処置期間の後、下垂体腫瘍の第二画像が作製され、その後さらなる処置が下垂体腫瘍に適用される。いくつかの実施形態では、このようなさらなる処置は、外科的処置、放射線処置、又は薬物療法若しくは化学療法、又はこれらの組み合わせである。上記期間は、例えば、1日、1週間、又は1か月、又は数か月であり得、その間患者はレラコリラントを定期的に投与され、このような定期投与とは、例えば、レラコリラントの毎日投与でありうる。レラコリラントの投与は、レラコリラントの経口投与でありうる。
これを受けて、いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的な、下垂体腫瘍を有する患者へのレラコリラントの投与を含む、下垂体腫瘍を有する患者を対象とする新規であり驚くべき処置法が、出願人によって本明細書で開示される。例えば、数か月間のレラコリラント処置が2名のクッシング病患者における下垂体腫瘍(両方の巨大腺腫)のサイズを減少させるのに有効であったことが、出願人によって本明細書で開示される。
例えば、24週間のミフェプリストン処置を受けた視認できる腫瘍を有する17人のクッシング病患者(そのうち10人は巨大腺腫患者)のいずれにおいても退縮が見られなかったという所見を考慮すると、これらの方法は驚くべきものである。これらの腫瘍を、磁気共鳴画像法(MRI)を用いてイメージングしたところ、MRI画像は、10週間のミフェプリストン処置により腫瘍サイズが増加した1人を除いた全ての患者で安定であった(Fleseriuら、J. Clin Endocrin Metab、97巻(6号):頁2039~2049(2012年))。
いくつかの実施形態において、例えば下垂体腺腫でありうる、下垂体腫瘍を有する患者の腫瘍を対象とする新規の驚くべき処置法が、出願人によって本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、上記処置法は、非機能性である(すなわち、非分泌性である)下垂体腫瘍を有する患者を対象とする。いくつかの実施形態において、上記処置法は、ホルモン分泌性下垂体腫瘍を有する患者を対象とし、上記ホルモン分泌性下垂体腫瘍は、例えば、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌性下垂体腫瘍でありうる。いくつかの実施形態において、上記処置法は、ホルモン分泌性下垂体腫瘍を有する患者を対象とし、上記ホルモン分泌性下垂体腫瘍は、例えば、GH分泌性、TSH分泌性、PRL分泌性、MSH分泌性、FSH分泌性、LH分泌性、又はβ-リポトロピン分泌性の下垂体腫瘍でありうる。
本方法は、上記腫瘍の第一選択処置として、上記腫瘍のネオアジュバント処置として(すなわち、上記腫瘍の放射線処置又は外科的処置などの後の処置に先行する(例えば、このような処置の準備として))、上記腫瘍のアジュバント処置として(すなわち、下垂体腫瘍の外科的処置又は放射線処置などの後に)、並びに、他の使用及び組み合わせにおいて、下垂体腫瘍を有する患者に、適用され得、下垂体腫瘍を縮小させるのに効果的でありうる。本方法は、臨床的イメージングを用いて確認できる下垂体腫瘍を有する患者に適用されうる。本方法は、臨床的イメージングを用いて測定可能なサイズを有する下垂体腫瘍を有する患者に適用されうる。下垂体腫瘍は外科的な処置を受ける場合が多い。このような下垂体腫瘍に対する外科的処置は、例えば、経蝶形骨洞手術でありうる。いくつかの実施形態において、上記処置法は、手術の候補者ではない、又は手術を拒否した、又は手術が失敗した、下垂体腫瘍を有する患者を対象とするものであり、上記手術は経蝶形骨洞手術又は下垂体腫瘍の処置のための他の手術でありうる、処置法である。いくつかの実施形態において、上記処置法は、手術の候補者ではない患者、手術をまだ受けていない患者、下垂体腫瘍を有する患者を対象とするものであり、上記手術は経蝶形骨洞手術又は下垂体腫瘍の処置のための他の手術でありうる、処置法である。いくつかの実施形態において、上記処置法は、手術が計画されているが、手術をまだ受けていない、下垂体腫瘍を有する患者を対象とするものであり、レラコリラントの投与が手術の準備又は前処置を含み、上記手術は経蝶形骨洞手術又は下垂体腫瘍の処置のための他の手術でありうる、処置法である。いくつかの実施形態において、上記処置法は、下垂体腫瘍を有する患者を対象とするものであり、上記患者は下垂体腫瘍の処置のための手術を以前に受けたことがある患者であり、上記処置は成功しなかったか、又は完全には成功しなかったか、又はその後に上記腫瘍の再成長が起こった処置であり、上記手術は経蝶形骨洞手術又は上記腫瘍の処置のための他の手術でありうる、処置法である。いくつかの実施形態において、上記処置法は、下垂体腫瘍を有する患者を対象とするものであり、上記患者は下垂体腫瘍に対する放射線処置を以前に受けたことがある患者であり、上記処置は成功しなかったか、又は完全には成功しなかったか、又はその後に上記腫瘍の再成長が起こった処置である、処置法である。
これを受けて、出願人は本明細書で、患者にレラコリラントを投与することを含む、視認できる下垂体腫瘍を処置する方法であって、前記処置が下垂体腫瘍のサイズを減少させることを含む方法を開示する。該方法は下垂体腫瘍を処置するのに効果的である。出願人は本明細書で、患者にレラコリラントを投与することを含む、下垂体腫瘍のサイズを減少させる方法であって、かかる下垂体腫瘍のサイズの減少が下垂体腫瘍の機能状態を問わないものでありうる方法を開示する。該方法は下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的である。出願人は本明細書で、患者にレラコリラントを投与することを含む、視認できる下垂体腫瘍の処置法を開示する。該方法は視認できる下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的である。出願人は本明細書で、患者にレラコリラントを投与することを含む、下垂体腫瘍の処置法を開示する。該方法は下垂体腫瘍からのホルモン分泌を減少させるのに効果的である。出願人は本明細書で、患者にレラコリラントを投与することを含む、下垂体腫瘍の処置法を開示する。該方法は下垂体腫瘍からのACTH分泌を減少させるために下垂体腫瘍を処置するのに効果的である。上記方法は、このような処置のための患者を選択することを含み得る。ここで上記患者はこのような下垂体腫瘍を有するものであるか、上記患者は視認できる下垂体腫瘍を有するものであるか、上記患者は測定可能な下垂体腫瘍を有するものである。上記方法は、このような処置のための患者を選択することを含み得る。ここで上記患者は、このような下垂体腫瘍を有し且つクッシング症候群の症状を呈するものであるか、過剰なACTH値を呈するものであるか、過剰なコルチゾール値を呈するものであるか、又はクッシング症候群の症状を引き起こす下垂体腫瘍を有するものである。
レラコリラント投与は、レラコリラントの経口投与を含み得、絶食状態又は摂食状態の患者に対するものでありうる。下垂体腫瘍は腺腫であり得、ホルモン分泌性下垂体腫瘍でありうる。下垂体腫瘍はACTH分泌性下垂体腫瘍でありうる。上記処置は、下垂体手術前のレラコリラント投与、下垂体手術中のレラコリラント投与、下垂体手術後のレラコリラント投与、及びこれらの組み合わせを含み得る(このような下垂体手術は、例えば、当該腫瘍の外科的切除を含み得る)。いくつかの実施形態において、上記処置法は、放射線処置、又は(下垂体癌の場合)化学療法をさらに含み得る。このような放射線処置又は化学療法は、手術前、手術中、手術後、又はこれらを組み合わせて、実施されうる。
下垂体腫瘍を有する患者にレラコリラントを投与することを含む本方法は、例えば、下垂体腫瘍を有する、又は下垂体腫瘍を有していた、クッシング病患者などの患者に対する、新規の有用な処置を提供する。このような下垂体腫瘍は、例えば、下垂体又はその近傍の腺腫であり得、且つ、視認できる腫瘍であり得、且つ、測定可能な腫瘍でありうる。本方法は、手術を行うことなく、下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに有用でありうる。本方法は、下垂体腫瘍を有する患者を経蝶形骨洞手術に備えさせるのに有用であり得、下垂体腫瘍組織を縮小させることで、当該腫瘍組織をより外科的切除に適したものとすることにより、かかる手術の有効性を改善しうる。レラコリラントの投与を含む本方法は、経蝶形骨洞手術中に有用でありうる。レラコリラントの投与を含む本方法は、経蝶形骨洞手術後に残存する腫瘍組織の、サイズを減少させること、その再成長を遅くする又は防止すること、及びその増殖を低減又は防止することにより、経蝶形骨洞手術後に有用でありうる。
これを受けて、本方法は、下垂体腫瘍の経蝶形骨洞手術又は他の外科的処置の代替及び補助を提供することによって、下垂体腫瘍を有するクッシング病患者などの下垂体腫瘍を有する患者に対してさらなる新規の有用な処置を提供する。これらの方法は、手術の代替を含む、新規の代替処置を提供すること、術前処置を提供すること、外科的処置及び結果を改善すること、並びに、さらなる手術の必要性を低減しうる術後処置(単独、又は放射線処置若しくはがん化学療法などと組み合わせた)を提供すること、を含む、利点を提供する。本方法は、手術後のクッシング病症状の再発を防止、低減、又は遅延するのに効果的な、手術前、又は手術中、又はその両方において、下垂体腫瘍組織を縮小させることによる、及び、手術後に残存しうるあらゆる下垂体腫瘍組織を縮小させることによる、下垂体腫瘍を有する患者にとっての重大な利点を提供すると考えられる。
下垂体腺腫に対する内科的処置が欠如していることを含め、下垂体腫瘍に対する内科的な(すなわち、非外科的な)療法が欠如していることを考慮すると、手術を行うことなく、且つ短い処置継続期間で、下垂体腫瘍のサイズを減少させることができることは、驚くべきであり利点である。このような短い処置継続期間による下垂体腫瘍のサイズの減少は、当該腫瘍からのホルモン分泌を減少させるのに効果的であり得、これも驚くべきであり利点である。
図1Aは、下垂体への照射歴がない下垂体性クッシング症候群を有する患者から得られた、冠状面の磁気共鳴画像法(MRI)画像を示す。(この患者については実施例1で論じる。)この画像は、処置前の患者の巨大腺腫の断面を示す。巨大腺腫は、レラコリラント処置前では、1.001センチメーター(cm)(14.236画素)×0.629cm(8.947画素)の寸法を有していた。図1Bは、図1Aと同じ下垂体性クッシング症候群患者から得られた、その後の冠状面MRI画像を示す。この画像は、3か月間のレラコリラント処置後の患者の巨大腺腫の断面を示す。図示されているように、この処置後、巨大腺腫は縮小し、0.570cm(11.108画素)×0.804cm(15.661画素)の寸法を有していた。(側脳室の相対サイズから分かるように、この画像は図1Aの画像と比較して拡大されている) 図2Aは、下垂体照射歴のない、巨大腺腫に起因する下垂体性クッシング症候群を呈する患者の診断時に撮影された、冠状面の造影後(post-contrast)(ガドリニウム造影剤を使用)MRI画像を示す。(この患者については実施例2で論じる。)この画像は、レラコリラント処置前の、22×25×26ミリメートル(mm)の寸法を有する、患者の巨大腺腫を示す。点線の矢印は、中心線からの下垂体茎の転位を示す。図2Bは、同じ下垂体性クッシング症候群患者から図2Aの画像の6か月後に得られた、レラコリラント処置後の、図2Aの患者のその後の冠状面MRI画像を示す。処置後、巨大腺腫の寸法は21×22×19mmに縮小した。図2Cは、図2Aの処置前画像であり、各線は腫瘍の2つの測定寸法を示す。レラコリラント処置前では、腫瘍は22×25×26ミリメートル(mm)の寸法であった。図2Dは、図2Bの処置後画像であり、各線は腫瘍の2つの測定寸法を示す。レラコリラント処置の6か月後、腫瘍は21×22×19mmの寸法であった。 図3Aは、下垂体性クッシング症候群患者の処置前の下垂体のMRI画像を示す(図2A及び図2Bの患者から得られた更なる画像である)。この画像は、前後方向の冠状面像であり、患者の巨大腺腫を示す。左右の大脳動脈が矢印で示されている。図3Bは、図2A、図2B、及び図3Aにおいて画像診断された同じ患者から図3Aの画像の後に得られた、レラコリラント処置後の、その後の前後方向冠状面MRI画像を示す。図3Cは、図2A、図2B、図3A、及び図3Bの患者から得られた、処置前MRI画像を示しており、冠状断側面像で患者の巨大腺腫を示す。図3Dは、図2A、図2B、図3A、図3B、及び図3Cの患者から得られた、処置後MRI画像を示しており、冠状断側面像で患者の巨大腺腫を示す。
A.序論
本明細書で開示される方法を用いることで、下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的なレラコリラントを投与することにより、下垂体腫瘍を有する患者を処置することができる。いくつかの実施形態において、患者はクッシング症候群の症状を呈するものであり、クッシング病患者であってもよい。下垂体腫瘍は視認できる下垂体腫瘍でありうる(すなわち、臨床的イメージング技術によって確認できるものでありうる)。下垂体腫瘍は測定可能な下垂体腫瘍でありうる(すなわち、少なくとも1つの寸法などの、下垂体腫瘍のサイズが、臨床的イメージングなどの技術によって測定できるものでありうる)。下垂体腫瘍は視認でき且つ測定可能なものでありうる。いくつかの実施形態において、上記方法は、下垂体腫瘍を有し、且つクッシング症候群の症状を呈する患者を選択することと、下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的なレラコリラントを投与すること、を含む。処置のための患者を選択する際にイメージング技術を利用してもよい。いくつかの実施形態において、上記腫瘍は、非機能的(非分泌性)下垂体腫瘍であり得、あるいは、ホルモン分泌性下垂体腫瘍でありうる。いくつかの実施形態において、上記腫瘍は下垂体腺腫(例えば、巨大下垂体腫瘍)でありうる。いくつかの実施形態において、上記方法は、下垂体腫瘍を有し、且つ過剰な副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)値を有する患者を選択することと、下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的なレラコリラントを投与すること、を含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、下垂体腫瘍を有し、且つ過剰なコルチゾール値を有する患者を選択することと、下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的なレラコリラントを投与すること、を含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、クッシング症候群の症状を引き起こす下垂体腫瘍を有する患者を選択することと、下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的なレラコリラントを投与すること、を含む。上記腫瘍は、ホルモン分泌性神経内分泌腫瘍であってもよく、腺腫であってもよく、巨大腺腫であってもよい。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍は、下垂体腺腫であり得、巨大下垂体腫瘍でありうる。いくつかの実施形態において、上記処置法は、ホルモン分泌性下垂体腫瘍を有する患者を対象とする。いくつかの実施形態において、ホルモン分泌性下垂体腫瘍は、例えば、ACTH、GH、TSH、PRL、MSH、FSH、LH、β-リポトロピン、オキシトシン、又はバソプレシンなどのホルモンを分泌するものでありうる。いくつかの実施形態において、上記処置法は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌するホルモン分泌性下垂体腫瘍を有する患者を対象とする。いくつかの実施形態において、上記方法は、ホルモン分泌性下垂体腫瘍を有する患者を選択することと、下垂体腫瘍のサイズを減少させ且つ/又は当該腫瘍からのホルモン分泌を減少させるのに効果的なレラコリラントを投与すること、を含む。
本明細書で開示される新規の処置法は、下垂体腫瘍を有する患者にレラコリラントを投与することを含み、下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的である。レラコリラントによる視認できる下垂体腫瘍を有する患者の処置が、下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的であることが、本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、上記方法は、第一選択処置として提供されるか、又は他の処置と併用して提供されるかにかかわらず、下垂体腫瘍を検出するなどにより本方法が好適である患者を特定することを含み、いくつかの実施形態においては、本方法が他の方法よりも好ましい患者を特定することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、第一選択処置として提供されるか、又は他の処置と併用して提供されるかにかかわらず、下垂体腫瘍を検出する、下垂体腫瘍を分類する、又は下垂体腫瘍のサイズを測定するなどにより、本方法が好適である患者を選択することを含み、いくつかの実施形態においては、本方法が他の方法よりも好ましい患者を選択することを含む。
いくつかの実施形態において、上記方法は、臨床的イメージング技術(例えば、MRI、PET、及びCATなどのイメージング手法及び技術)を用いて視認でき且つ測定可能でありうる下垂体腫瘍を有する患者を選択することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、巨大下垂体腫瘍(少なくとも1つの寸法で10ミリメートル(mm)以上の寸法を有する下垂体腺腫)を有する患者を選択することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、下垂体微小腺腫(3つ全ての寸法で10mm未満の寸法を有する下垂体腺腫)を有する患者を選択することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、約5ミリメートル(mm)(1つの寸法で)よりもサイズが大きい、又は、約20mmよりも大きな断面積を有する、又は、約100mmよりも大きいと推定される体積を有する、下垂体腫瘍を有する患者を選択することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、視認できる下垂体腫瘍を有し、且つクッシング症候群の症状を呈する患者を選択すること;又は、視認できる下垂体腫瘍を有し、且つ過剰な副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)値(例えば、約10pmol/L超)を有する患者を選択すること;又は、視認できる下垂体腫瘍を有し、且つ過剰なコルチゾール値(例えば、夜に約3nmol/L超若しくは約4nmol/L超、又は朝に約23nmol/L超若しくは約27nmol/L超)を有する患者を選択すること;又は、クッシング症候群の症状を引き起こす視認できる下垂体腫瘍を有する患者を選択すること;又は、視認できる下垂体腫瘍を有し、且つデキサメタゾン抑制試験(DST)の結果が1.8マイクログラム/デシリットル(mcg/dL)未満である患者を選択すること;又は、視認できる下垂体腫瘍を有し、且つ深夜血清コルチゾール(LNSC)が18ナノグラム/ミリリットル(ng/mL)超(50ナノモル/リットル(nmol/l)超)である患者を選択すること;又は、視認できる下垂体腫瘍を有し、且つ尿中遊離コルチゾール(UFC)が正常範囲の上限を超えている(例えば、該当性別の患者の正常範囲上限値を超えている、又はUFCを求めるのに使用された特定のアッセイの正常範囲上限を超えている)患者を選択すること;並びに、下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的なレラコリラントを投与すること、を含む。いくつかの実施形態において、視認できる下垂体腫瘍は測定可能な下垂体腫瘍であり、すなわち、腫瘍サイズが(少なくとも1つの寸法で)臨床的イメージングなどの技術を用いて測定可能である。
下垂体腫瘍は下垂体腺腫(例えば、巨大下垂体腫瘍又は下垂体微小腺腫を含む)であってもよく;レラコリラントによる下垂体腺腫を有する患者の処置が下垂体腺腫のサイズを減少させるのに効果的であることが本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、上記腫瘍は非浸潤性腫瘍である。いくつかの実施形態において、上記腫瘍は転移性ではない。いくつかの実施形態において、上記腫瘍は浸潤性腫瘍である。いくつかの実施形態において、上記腫瘍は転移性腫瘍である。下垂体腺腫を有する患者へのレラコリラントの投与は、下垂体腺腫からのホルモン分泌を減少させるのに効果的でありうる。下垂体腫瘍を有する患者へのレラコリラントの投与は、下垂体腫瘍に付随する症状を改善するのに効果的でありうる。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍に付随する症状は、クッシング症候群の症状を含み、クッシング病の症状を含みうる。いくつかの実施形態において、患者はクッシング症候群患者である。いくつかの実施形態において、患者はクッシング病患者である。いくつかの実施形態において、患者は、そのような下垂体腫瘍を有する、又は、そのような症状若しくは障害の1若しくは複数を呈すると特定され、その特定に基づいて処置のために選択される。
下垂体腺腫に対する内科的処置が欠如していることを含め、下垂体腫瘍に対する内科(すなわち、非外科的)療法が欠如していることを考慮すると、手術を行うことなく、且つ短い処置継続期間で、下垂体腫瘍のサイズを減少させることができることは、驚くべきであり利点である。このような短い処置継続期間による下垂体腫瘍のサイズの減少は、当該腫瘍からのホルモン分泌を減少させるのに効果的であり得、これも驚くべきであり利点である。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される方法は、下垂体腫瘍を標的とする処置(例えば、外科的処置、放射線処置、薬物療法、化学療法、又はこれらの組み合わせ)と組み合わせて、有効量のレラコリラントを投与することを含む。いくつかの実施形態では、手術前にレラコリラント処置を受けた患者に、このような併用療法が実施される。いくつかの実施形態では、下垂体腫瘍のサイズを減少させるため、又は下垂体腫瘍を除去するために、手術後の患者にこのような併用療法が実施される。
これを受けて、患者にレラコリラントを投与することを含む、下垂体腫瘍の処置法が、出願人によって本明細書で開示され、該処置法は下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的である。いくつかの実施形態において、患者における下垂体腫瘍の処置法は、下垂体腫瘍からのホルモン分泌を減少させるのに効果的な、患者にレラコリラントを投与することを含む。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍の処置法は、下垂体腫瘍の外科的処置前に、患者にレラコリラントを投与することを含む。いくつかの実施形態において、このような下垂体腫瘍の外科的処置は、上記腫瘍の外科的切除を含む。経蝶形骨洞手術は、下垂体腫瘍の外科的切除を行うためにしばしば用いられる。上記腫瘍の外科的切除が、下垂体腫瘍の、部分切除を含んでもよく、また、完全切除を含んでもよいことは理解されよう。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍の処置法は、下垂体腫瘍の外科的処置前に患者にレラコリラントを投与することを含み、下垂体腫瘍の外科的処置前に下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的である。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍の処置法は、下垂体腫瘍の外科的処置後に、患者にレラコリラントを投与することを含む。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍の処置法は、下垂体腫瘍の外科的処置後に、患者にレラコリラントと、放射線処置及びがん化学療法の一方又は両方とを実施すること、を含む。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍の外科的処置後にレラコリラント投与を含む方法は、上記外科的処置後に残存する下垂体腫瘍組織を処置するのに効果的である。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍の外科的処置後にレラコリラント投与を含む方法は、上記外科的処置後に残存する下垂体腫瘍組織のサイズを減少させるのに効果的である。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍の外科的処置後にレラコリラント投与を含む方法は、上記外科的処置後に残存する下垂体腫瘍組織のその後の成長を低減させるのに効果的である。
好ましい実施形態では、レラコリラントの投与はレラコリラントの経口投与を含む。いくつかの実施形態において、レラコリラントは、絶食患者に、すなわちレラコリラント投与前の期間に食物を食べていない患者に、食物なしで経口投与される。いくつかの実施形態において、レラコリラントは、食物と一緒に、又は患者が食事を開始してから短期間の内に(例えば、食事の開始後1時間以内、又は30分以内)、経口投与される。いくつかの実施形態において、レラコリラントは、別の治療的処置と併用して投与され、ここで、「併用して」とは、同時投与を包含し、予め別の治療的処置を受けた、又は投与直後に別の治療的処置を受ける、患者へのレラコリラント投与を含む。このような他の治療的処置は、例えば、下垂体腫瘍を標的とする処置(例えば、外科的処置、放射線処置、薬物療法、腫瘍が癌腫であるがん化学療法、又はこれらの組み合わせ)とすることができる。
本方法は、下垂体腫瘍処置のための手術後の患者において、手術後の内科的処置としてレラコリラントの投与をさらに行うことによる、下垂体腫瘍を有する患者に対する更なる新規の有用な処置を提供する。腫瘍の外科的な摘出又は切除は必ずしも完全とは限らず、いくらかの腫瘍組織が手術後に残る場合や、あるいは、手術後に成長して元の状態に戻る場合がある。手術後のレラコリラント投与を行う本方法には、腫瘍を外科的に除去する、又は腫瘍のサイズを外科的に減少させるための手術の後の、腫瘍成長の再発を防止、低減、又は遅延するという利点がある。このような手術後のレラコリラント処置には、単独又は下垂体腫瘍を標的とする処置(例えば、さらなる外科的処置、放射線処置、薬物療法、腫瘍が癌腫であるがん化学療法、又はこれらの組み合わせ)との組み合わせにおいて、手術後に残存しうるあらゆる腫瘍組織を縮小させることにより、腫瘍成長、又は腫瘍の存在若しくは手術後の成長に関連した症状の再発を防止、低減、又は遅延するのに効果的であり、下垂体腫瘍を有する腫瘍患者に対して大きな利点をもたらすと考えられる。
下垂体腫瘍を有するか又は下垂体腫瘍を有していた患者にレラコリラントを投与する本方法は、例えば、クッシング病患者などの患者に対する、新規の有用な処置を提供する。本明細書で開示されるレラコリラント処置が有用である患者には、下垂体腫瘍を有するクッシング病患者が含まれ、外科的処置又は放射線処置などの処置により前処置を受けた下垂体腫瘍を有するクッシング病患者が含まれうる。このような下垂体腫瘍は、例えば、下垂体内又はその近傍の腺腫でありうる。本方法によれば、レラコリラントの下垂体腫瘍を有する患者への投与が行われ、腫瘍のサイズを減少させる(腫瘍を縮小させる)ために、若しくは、腫瘍を縮小させることによりクッシング病の症状を低減させるために、又は両方に効果的でありうる。さらに、本方法によれば、レラコリラントの、下垂体腫瘍の一部又は全てを除去するための手術前の下垂体腫瘍を有する患者への投与が行われ、手術の容易さを改善すること、又は手術の成績を改善すること、又は手術中の腫瘍のアクセシビリティを改善すること、又は手術によって除去される腫瘍の割合を増やすことに(これらは全て、事前のレラコリラント処置なしで行われた同一手術で期待される、容易さ、成績、アクセシビリティ、又は除去が期待される割合に対する比較として)効果的でありうる。
本方法は、例えば巨大腺腫などの下垂体腫瘍を有するクッシング病患者などの、下垂体腫瘍を有する患者に対する、新規の有用な処置を提供する。下垂体腫瘍サイズの減少のためのレラコリラント投与は、このような腫瘍に対する新規の処置を可能にし、外科的処置の代替法としたり、あるいは、手術などの下垂体を標的とした処置と一緒に用いたりすることができる。例えば、下垂体腫瘍を有する患者へのレラコリラント投与を、腫瘍を縮小させるために当該患者に適用される、最初の、且つ唯一の処置とすることができる。すなわち、手術の代替として、レラコリラント投与単独を、下垂体腫瘍を有する患者の処置に用いることができ、腫瘍のサイズを減少させるのに効果的である。下垂体腫瘍の外科的処置の補助として、手術(例えば、下垂体腫瘍を切除するための経蝶形骨洞手術)の前、間、及び後に、いつでも、レラコリラントを投与することができる。よって、いくつかの実施形態では、本方法を第一選択処置とすることができる。いくつかの実施形態では、本方法をネオアジュバント処置とすることができ、いくつかの実施形態では、アジュバント処置とすることができる。いくつかの実施形態では、このようなネオアジュバント処置及びアジュバント処置を、下垂体腫瘍の外科的処置と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、このようなネオアジュバント処置及びアジュバント処置を、下垂体腫瘍の放射線処置と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、このようなネオアジュバント処置及びアジュバント処置を、下垂体腫瘍の内科的(例えば、薬物)処置と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、このようなネオアジュバント処置及びアジュバント処置を、下垂体腫瘍のがん化学療法(例えば、下垂体腫瘍が癌腫であるがん化学療法)と組み合わせることができる。
本方法は、クッシング病患者において手術前の内科的処置としてレラコリラント投与を提供する。このような、下垂体腫瘍を縮小させるための手術前処置には、当該腫瘍を外科的に除去するか又は当該腫瘍のサイズを外科的に減少させるためのその後の手術を、補助するという利点がある。このような、下垂体腫瘍を縮小させるための手術前レラコリラント処置には、手術前に骨などの頭蓋領域の腫瘍浸潤を減少させる又は除去するのに効果的な手術の前に腫瘍を縮小させることで、外科的切除に適している腫瘍の量を改善するという、下垂体腫瘍を有する患者に対しての大きな利点があると考えられる。手術中のレラコリラント投与も、手術中及び手術後の処置を補助しうる。
本方法は、クッシング病患者において手術後の内科的処置としてレラコリラント投与をさらに提供することによる、例えば巨大腺腫などの下垂体腫瘍を有するクッシング病患者などの、下垂体腫瘍を有する患者に対する、更なる新規の有用な処置を提供する。下垂体腫瘍の外科的な切除は必ずしも完全とは限らず、いくらかの腫瘍組織が手術後に残る場合や、あるいは、手術後に成長して元の状態に戻ってしまう場合がある。手術後のレラコリラント投与を行う本方法には、腫瘍を外科的に除去する、又は腫瘍のサイズを外科的に減少させるための手術の後の、クッシング病症状の再発を防止、低減、又は遅延させるという利点がある。このような手術後のレラコリラント処置には、単独でも、下垂体を標的とした処置(例えば、外科的処置、放射線処置、薬物療法、腫瘍が癌腫であるがん化学療法、又はこれらの組み合わせ)との組み合わせでも、手術後に残存しうるあらゆる腫瘍組織を縮小させることにより、手術後のクッシング病症状の再発を防止、低減、又は遅延させるのに効果的であり、手術後の下垂体腫瘍患者に対する大きな利点があると考えられる。
下垂体腫瘍を有する患者における下垂体腫瘍のサイズを減少させるためのレラコリラントの使用が、出願人によって本明細書で開示される。下垂体腫瘍は視認できる下垂体腫瘍でありうる(すなわち、臨床的イメージング技術によって確認できるものでありうる)。下垂体腫瘍は測定可能な下垂体腫瘍でありうる(すなわち、少なくとも1つの寸法などの、下垂体腫瘍のサイズが、臨床的イメージングなどの技術によって測定できるものでありうる)。下垂体腫瘍は視認でき且つ測定可能なものでありうる。処置のための患者を特定する際及び選択する際にイメージング技術を利用してもよい。いくつかの実施形態において、上記腫瘍は、非機能的(非分泌性)下垂体腫瘍であり得、または、ホルモン分泌性下垂体腫瘍でありうる。いくつかの実施形態において、上記腫瘍は下垂体腺腫(例えば、巨大下垂体腫瘍)でありうる。
いくつかの実施形態において、レラコリラントの使用は、ホルモン分泌性下垂体腫瘍を有する患者を対象とする。ホルモン分泌性下垂体腫瘍からのホルモン分泌を減少させるためのレラコリラントの使用が、出願人によって本明細書で開示される。上記腫瘍は、ホルモン分泌性神経内分泌腫瘍であってもよく、腺腫であってもよく、且つ巨大腺腫であってもよい。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍は、下垂体腺腫であり、巨大下垂体腫瘍であってもよい。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)値を分泌し、患者においてACTH過剰を引き起こすものでありうる。レラコリラントを投与することは下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに効果的である。いくつかの実施形態では、下垂体腫瘍からのACTH分泌を減少させるためのレラコリラントの使用によって、患者における過剰なコルチゾール活性が処置されうる。いくつかの実施形態では、下垂体腫瘍を有する患者を処置する際にレラコリラントを使用することによって、クッシング症候群の症状が低減され得、また、クッシング病の症状が低減されうる。いくつかの実施形態において、ホルモン分泌性下垂体腫瘍は、例えば、ACTH、GH、TSH、PRL、MSH、FSH、LH、β-リポトロピン、オキシトシン、又はバソプレシンなどのホルモンを分泌するものでありうる。いくつかの実施形態において、レラコリラントの使用は、下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに、及び当該腫瘍からのホルモン分泌を減少させるのに効果的である。
B.定義
本明細書中で使用される用語「副腎皮質刺激ホルモン」(ACTH)は、下垂体前葉によって産生されるペプチドホルモンであって、グルココルチコイドホルモン(これは、細胞がグルコースを合成し、タンパク質を異化し、遊離脂肪酸を動員し、アレルギー反応における炎症を阻害するのを助ける)を分泌するように副腎皮質を刺激するペプチドホルモンのことを指す。かかるグルココルチコイドホルモンの1つは、炭水化物、脂肪およびタンパク質の代謝を調節するコルチゾールである。
本明細書で使用される場合、用語「クッシング症候群」とは、過剰コルチゾールを原因とする一連の症状を指す。クッシング症候群としては、内因性クッシング症候群及び異所性クッシング症候群が挙げられる。このような症状としては、例えば、血圧上昇、血糖上昇、体重増加(典型的には胴体中央部での体重増加、特徴的な「満月様顔貌」の原因となる顔面での体重増加)、免疫抑制、菲薄皮膚、ざ瘡、うつ病、多毛症などの症状が挙げられる。クッシング症候群患者は、典型的には、高血糖、高血圧、体重増加(首又は背中の特徴的な「こぶ」を含む)、多毛症、うつ病などの症状のうちの1又は複数を有している。
本明細書で使用される場合、「クッシング症候群を呈する患者」とは、内因性クッシング症候群を含むクッシング症候群、クッシング病、又はクッシング症候群と関連した状態を呈する、あらゆる患者を指す。クッシング症候群と関連した状態として、内因性クッシング症候群と関連した状態、コルチゾール過剰症に続発する高血糖症、2型糖尿病又は耐糖性異常を有する内因性クッシング症候群患者におけるコルチゾール過剰症の状態、2型糖尿病又は耐糖性異常を有する内因性クッシング症候群患者におけるコルチゾール過剰症に続発する高血糖症の状態、及びクッシング症候群と関連した他の状態があるが、これらに限定はされない。
本明細書で使用される場合、用語「クッシング病」とは、下垂体依存性のクッシング症候群を指し、例えば、下垂体異常(典型的には下垂体腫瘍)を原因とする過剰コルチゾールである。クッシング病は、すなわち、クッシング症候群のうちの特殊な型の疾患である。よって、クッシング症候群という用語にはクッシング病に対する言及も含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「腫瘍」とは、過剰な細胞分裂を原因とする組織の異常成長を指す。腫瘍は、例えば腺腫など、良性(非がん性)腫瘍である場合がある。通常、良性腫瘍は転移しない。腫瘍は、癌腫(悪性(がん性)腫瘍)である場合がある。腫瘍は非浸潤性である場合がある(すなわち、所定の位置では成長するが、当該腫瘍が生じた組織以外の組織中へは成長しないものである場合があり、「上皮内癌」と称す場合がある)。腫瘍は非転移性である場合がある(当該腫瘍が生じた部位以外の身体部位に広がらない)。腫瘍は浸潤性である場合がある(当該腫瘍が生じた組織周辺の組織の中へと成長する)。腫瘍、例えば悪性腫瘍は、転移する場合がある(当該腫瘍が生じた部位以外の、且つ当該部位から離れていることがある、身体部位に広がる)。腫瘍は転移する場合がある。
下垂体腫瘍は腺腫又は癌腫でありる。下垂体腫瘍は非機能的(すなわち、非分泌性)腫瘍でありうる。下垂体腫瘍は分泌性腫瘍(ホルモン分泌性腺腫(例えば、ACTH分泌性腺腫)を含む)でありうる。下垂体腫瘍は神経内分泌腫瘍などの腫瘍である場合がある。腺腫は、例えば、巨大腺腫(少なくとも1つの寸法で10mm以上の寸法を有する)である場合と、微小腺腫(10mm以上の寸法がない)である場合がある。稀ではあるが、下垂体腫瘍は癌腫である場合があり、さらに稀な症例では、異なる場所で生じた腫瘍の転位である場合がある。
本明細書で使用される場合、用語「ホルモン分泌性腫瘍」とは、ホルモンを分泌する、腺腫又は神経内分泌腫瘍などの腫瘍を指す。分泌は、血液中、又はリンパ液中、又は周辺組織若しくは間質液中への、(ホルモンの)放出を含む。例えば、ホルモン分泌性下垂体腫瘍はACTHを分泌する場合がある。ホルモン分泌性腫瘍が2種以上のホルモンを分泌する場合があることも理解されよう。ホルモン分泌性腫瘍がこのようなホルモンの非活性型を分泌する場合があることも理解されよう。下垂体によって分泌される、且つホルモン分泌性下垂体腫瘍によって分泌される場合がある、他のホルモンとしては、成長ホルモン(GH)、プロラクチン(PRL)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、β-リポトロピン、オキシトシン、及びバソプレシンが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「分類する(classifying)」、「分類すること(to classify)」、「分類(classification)」などの用語は、下垂体腫瘍の1又は複数の特徴を判定し、その判定を用いて当該下垂体腫瘍を適切に分類することを指す。このような分類は、例えば、腺腫(巨大腺腫又は微小腺腫を包含し、さらに、副腎皮質刺激ホルモン産生細胞、成長ホルモン分泌細胞、プロラクチン分泌細胞、又は性腺刺激ホルモン分泌細胞に分類されうる)、神経内分泌性、非機能的、ホルモン分泌性、良性、非浸潤性、非転移性、悪性、浸潤性、転移性などのうちの1又は複数を含みうる。
本明細書で使用される場合、「特定する(identifying)」、「特定すること(to identify)」、「特定(identification)」などの用語は、下垂体腫瘍を有する患者が、又は患者の下垂体腫瘍が、レラコリラント投与によって腫瘍サイズを減少させる処置に適しているかどうかを判定することを指す。視認できる下垂体腫瘍、及び視認できる下垂体腫瘍を有する患者は、レラコリラント投与によって腫瘍サイズを減少させる処置に適した腫瘍である。測定可能な下垂体腫瘍、及び測定可能な下垂体腫瘍を有する患者は、レラコリラント投与によって腫瘍サイズを減少させる処置に適した腫瘍である。レラコリラント投与によって腫瘍サイズを減少させる処置に適した測定可能な腫瘍は、巨大腺腫である場合と、イメージングによって視認できる微小腺腫である場合がある。サイズが(1つの寸法で)約9ミリメートル(mm)超、又はサイズが8mm超、又は7mm超、又は6mm超、又は5mm超、又は4mm超、又は3mm超、又は2mm超、又は1mm超、又は1mm未満であるがイメージングで視認できる、微小腺腫は、レラコリラント投与によって腫瘍サイズを減少させる処置に適した腫瘍と特定することができる。約5平方ミリメートル(mm)超、又は約10mm超、又は約20mm超、又は約30mm超、又は約40mm超、又は約50mm超、又は約75mm超、又は約100mm超、又はそれ以上の断面積を有する下垂体腫瘍は、レラコリラント投与によって腫瘍サイズを減少させる処置に適した腫瘍と特定することができる。約5立方ミリメートル(mm)超、又は約10mm超、又は約20mm超、又は約30mm超、又は約40mm超、又は約50mm超、又は約75mm超、又は約100mm超、又は約150mm超、又は約200mm超、又はそれ以上の推定体積を有する下垂体腫瘍は、レラコリラント投与によって腫瘍サイズを減少させる処置に適した腫瘍と特定することができる。レラコリラント投与によって腫瘍サイズを減少させる処置に適した視認できる下垂体腫瘍を有する患者を特定するために使用されうるさらなる判定基準としては、過剰なACTH値(例えば、約10pmol/L超);過剰なコルチゾール値(例えば、夜に約3nmol/L超若しくは約4nmol/L超、又は朝に約23nmol/L超若しくは約27nmol/L超);患者におけるクッシング症候群の症状;1.8マイクログラム/デシリットル(mcg/dL)未満のデキサメタゾン抑制試験(DST)結果;18ナノグラム/ミリリットル(ng/mL)超(50ナノモル/リットル(nmol/l)超)の深夜血清コルチゾール(LNSC);及び正常範囲上限を超えるUFCが挙げられる。視認できる腫瘍を有し、且つこのような特徴のうちの1又は複数を有する患者は、下垂体腫瘍サイズを減少させるためのレラコリラント投与に適していると特定することができる。本明細書で開示される方法による処置のために、このような患者を選択することができる。
本明細書で使用される場合、「サイズを減少させる(reduce in size)」、「サイズを減少させること(reducing in size)」、「サイズの減少(reduction in size)」などの表現は、それが言及する物体又は構(例えば、腫瘍)のサイズを小さくすることを言う。物体又は構造のサイズの減少とは、寸法、又は面積、又は体積の減少である場合があり、これは物体又は構造のサイズの、そのような寸法、又は面積、又は体積についての、1回目の測定が行われ、後に(例えば、レラコリラント投与などの処置後に)行われた当該寸法、面積、又は体積の2回目の測定値が、1回目の測定値未満と判定されることである。
本明細書で使用される場合、用語「患者」とは、疾患又は状態に対する医療を受けている、受ける予定である、又は受けていた、ヒトを指す。
本明細書で使用される場合、用語「イメージング」とは、患者の解剖学的形態、又は患者の解剖学的形態の一部を表現する任意の方法を指す。このような表現は「像」であり、スクリーン上、印刷物上、写真上、又は閲覧、検査、及び使用が可能な他の方法で得られるものの上に得ることができる。イメージング技術としては、磁気共鳴画像法(MRI);コンピュータ断層撮影法(CAT)イメージング;ポジトロン放出断層撮影法(PET)イメージング;X線イメージング;などのイメージングの形態及び技術が挙げられるが、これらに限定はされない。
本明細書で使用される場合、例えば「視認できる腫瘍」という表現における、「視認できる」という用語は、腫瘍などの物体が、イメージングを用いて、人又は自動化技術によって見ることができるか又は検出できることを指す。例えば、患者がイメージングにかけられ、患者の下垂体を含む脳及び解剖学的領域の画像が作製された場合、臨床医、放射線科医、若しくはMRI技師などの、イメージング技術(例えば、MRIスキャン)のアウトプットを検査する人によって観察可能若しくは検出可能である腫瘍、又は、自動化された若しくはコンピュータを利用した画像解析技術によって特定可能である腫瘍は、「視認できる腫瘍」である。
本明細書で使用される場合、例えば「測定可能な腫瘍」という表現における、「測定可能」という用語は、腫瘍などの物体が、イメージングの使用により人又は自動化技術によって検査又は定量できることを指す。例えば、患者がイメージングにかけられ、患者の下垂体を含む脳及び解剖学的領域の画像が作製された場合、臨床医、放射線科医、若しくはMRI技師などの、イメージング技術(例えば、MRIスキャン)のアウトプットを検査する人によって測定又は推定できるサイズ(長さ(単一の寸法)、面積(すなわち、断面積、二次元測定)、又は体積(三次元測定)を問わない)を有する腫瘍は、「測定可能な腫瘍」である。下垂体腫瘍のサイズの測定値を含むいかなる測定も、その測定を得るために用いられたイメージングなどの技術の通常且つ一般に認められた許容誤差、精度、及び正確度を基準にして行われることは理解されよう。
本明細書で使用される場合、例えば「腫瘍を位置同定する」という表現における、「位置同定する」、「位置同定」、及び「位置同定可能」という用語は、患者内の腫瘍の位置の決定を指す。このような位置同定では、例えば、トルコ鞍(sella turcia)、下垂体茎、視床下部、側頭葉、脳室、視神経又は視交叉、脳幹、脳梁、及び下垂体近傍の、又は下垂体を含む画像で視認できる他の解剖学的構造などの、患者の下垂体又はその近傍の解剖学的ランドマーク及び解剖学的領域を基準にして、下垂体腫瘍が位置同定されうる。腫瘍の位置同定は、イメージングで補助することができ、イメージングを用いて実行することができる。このような位置同定は、おおよその位置同定であってもよいし、あるいは、具体的な位置同定であってもよく、すなわち、イメージング技術を用いて患者の頭蓋内の下垂体腫瘍の正確な位置を同定してもよい(ここで、正確なとは、使用された技術の通常且つ一般に認められた許容誤差、精度、及び正確度を基準にして正確であることと理解されよう)。
本明細書中で使用される用語「投与する」、「投与すること」、「投与される」または「投与」とは、化合物または組成物(例えば、本明細書中に記載されるもの)を対象または患者に提供することを指す。例えば、化合物または組成物は患者に経口投与される。
本明細書中で使用される用語「有効量」または「治療量」とは、処置される疾患の少なくとも1つの症状を処置、排除または緩和するために有効な薬理学的薬剤の量のことを指す。いくつかの場合において、「治療有効量」または「有効量」とは、検出可能な治療効果または阻害効果を示すために有用な機能的薬剤または医薬組成物の量のことを指しうる。この効果は、当該分野で公知の任意のアッセイ方法によって検出されうる。
本明細書で使用される場合、用語「期間」とは、2つのイベント間の間隔を指す。例えば、「レラコリラント投与前の期間に食物を食べていない」という表現で言われる期間とは、対象が食べた最後の食事の終わり(1つ目のイベント)と、レラコリラントの投与時期(2つ目のイベント)との間の時間間隔である。食事についての「短期間」とは、例えば、15分、又は30分、又は1時間とすることができる。期間は、患者が例えばレラコリラントの毎日投与などの処置を受ける期間を指す場合もある。レラコリラント投与についての期間とは、数日間、又は数週間、又は数か月間、又は数年間の、当該投与を指す場合がある。このような投与は、その期間におけるレラコリラントの毎日投与であってもよいし、あるいは、1日おきの投与、又は2日おきの投与、又は3日おきの投与、又は毎週の投与、又は他の投与スケジュールであってもよい。
本明細書で使用される場合、例えば患者の処置継続期間に適用されているような、用語「継続期間」とは、患者が処置を受ける期間を指す。このような処置は、通常、薬剤(例えば、レラコリラント)の毎日投与、又は一日おき、若しくはいくつかの他の投与スケジュールによる薬剤の投与などの、反復的な処置である。投与の継続期間は、数日間、1週間、若しくは数週間、1か月間、若しくは数か月間、若しくは6か月間超、又は1年間、若しくは2年間、又はそれ以上とすることができる。短い処置継続期間は、1年間以下、又は11か月間以下、又は10か月間以下、又は9か月間以下、又は6か月間以下、又は3か月間以下とすることができる。短い処置継続期間とは、別の処置に比してのものであってもよく、例えば、別の処置が1年間、又は2年間適用される場合、1年間未満の処置継続期間が短い処置継続期間となる。
本明細書中で使用される用語「併用療法」とは、疾患を処置するために少なくとも2つの薬剤(pharmaceutical agents)又は医薬処置剤(medical treatments)(、又は少なくとも、1つの薬剤と1つの医薬処置剤)を対象に投与することを指す。併用療法における少なくとも2つの薬剤又は医薬処置剤は、互いと連動して投与される。少なくとも2つの薬剤又は医薬処置剤は、処置期間の全体または一部において、同時投与されうるか、または任意の順序で逐次投与されうる。少なくとも2つの薬剤又は医薬処置剤は、同じまたは異なる投与レジメンにしたがって投与されうる。いくつかの場合において、一方の薬剤又は医薬処置剤は、計画的レジメンにしたがって投与され、他方の薬剤又は医薬処置剤は断続的に投与される。いくつかの場合において、両薬剤又は両医薬処置剤は断続的に投与される。いくつかの実施形態において、一方の薬剤、例えばレラコリラントは毎日投与され、他方の薬剤又は医薬処置剤、例えば放射線処置(radiation therapy)又は化学療法は1回、又は2日、3日、4日ごと若しくはその他の間隔又は期間で投与される。
本明細書で使用される場合、用語「組成物」は、上記化合物、その互変異性型、その誘導体、その類似体、その多形、その重水素化種、その医薬的に許容できる代謝産物、異性体の混合物、その医薬的に許容できる溶媒和物、及び医薬的に許容できる組成物などの成分を特定の量含む生成物、並びに、特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的又は間接的に得られるあらゆる生成物を包含することが意図される。医薬組成物に関してのかかる用語は、有効成分と、キャリアを構成する不活性成分と、を含む生成物、並びに、直接的又は間接的に、任意の2以上の成分の組み合わせ、複合体形成、若しくは凝集をもたらす、又は1若しくは複数の成分の解離から生じる、又は1若しくは複数の成分の他の種類の反応若しくは相互作用から生じる、あらゆる生成物、を包含することが意図される。これを受けて、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容できるキャリアとを混合することにより作製されるあらゆる組成物を包含することが意図される。
本明細書で使用される場合、用語「医薬的に許容できるキャリア」は、薬剤投与に適合する、あらゆる全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤、抗真菌剤、抗酸化剤、等張化剤、吸収遅延剤などを包含することが意図される。医薬的に許容できるエクシピエントの非限定例としては、水、NaCl、生理食塩液、乳酸加リンガー液、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、増量剤、崩壊剤、カプセル化剤、可塑剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味剤、加香剤、及び着色剤などが挙げられる。他の医薬的エクシピエントも本発明において有用であることは、当業者には理解されよう。医薬的に活性な物質へのこのような媒体及び薬剤の使用は当該技術分野において周知である。従来の媒体又は薬剤が活性化合物と不適合性でない限り、上記組成物中のその使用が企図される。補足的な活性化合物を上記組成物に組み入れることもできる。
本明細書中で使用される場合、用語「グルココルチコイドレセプター」(「GR」)は、コルチゾールおよび/またはデキサメタゾンのようなコルチゾールアナログに特異的に結合する細胞内レセプターのファミリーであるタイプIIGRのことを指す (例えばTurner & Muller, J. Mol. Endocrinol. October 1, 2005, 35:283-292を参照)。グルココルチコイドレセプターはまた、コルチゾールレセプターとも称される。この用語は、GRのアイソフォーム、組換えGRおよび変異型GRを包含する。
「グルココルチコイドレセプターモジュレーター」(GRM)は、アゴニストへのGRの結合に関連する任意の生物学的応答を調節する(modulates)任意の化合物のことを指す。デキサメタゾンなどの、アゴニストとして振る舞うGRMは、HepG2細胞(ヒト肝臓肝細胞癌細胞株;ECACC,UK)におけるチロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)の活性を増加させる。ミフェプリストンなどの、アンタゴニストとして振る舞うGRMは、HepG2細胞におけるチロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)の活性を低減させる。TAT活性は、文献A.Aliら、J.Med.Chem.,2004,47,2441-2452に概説されているように計測されうる。
本明細書中で使用される場合、用語「選択的なグルココルチコイドレセプターモジュレーター」(SGRM)とは、アゴニストへのGRの結合に関連する任意の生物学的応答を阻害する任意の化合物のことを指す。「選択的な」とは、他の核レセプター(例えば、プロゲステロンレセプター(PR)、鉱質コルチコイドレセプター(MR)またはアンドロゲンレセプター(AR))よりもGRに優先的に結合する化合物である。SGRMは、MR、ARもしくはPR、MRとPRの両方、MRとARの両方、ARとPRの両方またはMR、ARおよびPRに対する親和性より10倍高い親和性(1/10のKd値)でGRに結合することが好ましい。より好ましい実施形態では、SGRMは、MR、ARもしくはPR、MRとPRの両方、MRとARの両方、ARとPRの両方またはMR、ARおよびPRに対する親和性よりも100倍高い親和性(1/100のKd値)でGRに結合する。別の実施形態において、SGRMは、MR、ARもしくはPR、MRとPRの両方、MRとARの両方、ARとPRの両方またはMR、ARおよびPRに対する親和性よりも1000倍高い親和性(1/1000のKd値)でGRに結合する。レラコリラントはSGRMである。
処置方法
通常、下垂体腫瘍の処置は、有効量のレラコリラントを投与することで達成することができる。本明細書において開示されるように、下垂体腫瘍のサイズを、レラコリラントの投与によって減少させうる。いくつかの実施形態では、下垂体腫瘍を処置するための手術を受けた患者の処置を、有効量のレラコリラントの投与と、放射線処置及びがん化学療法の一方又は両方とを実施することにより達成することができる。
いくつかの場合で、有効量のレラコリラントは、1~100mg/kg/日の一日量である。いくつかの実施形態において、レラコリラントの一日量は、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100mg/kg/日である。いくつかの実施形態において、レラコリラントの一日量は、10、20、40、60、80、100、125、150、200、250、300、350、400、450、500、又は750mg/日である。いくつかの実施形態において、レラコリラントは、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも13週間、少なくとも14週間、少なくとも15週間、少なくとも16週間、少なくとも17週間、少なくとも18週間、少なくとも19週間、少なくとも20週間、少なくとも25週間、少なくとも30週間、少なくとも35週間、少なくとも40週間、少なくとも45週間、少なくとも50週間、少なくとも55週間、少なくとも60週間、少なくとも65週間、少なくとも70週間、少なくとも75週間、又は少なくとも80週間投与される。
レラコリラント(別名CORT125134)は、(R)-(1-(4-フルオロフェニル)-6-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-g]イソキノリン-4a-イル)(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノンであり、下記の構造を有する。
Figure 2022509051000003
(その全体が参照によって本明細書に援用されたものとされる米国特許第8,859,774号の実施例18を参照のこと。)
医薬組成物及び投与
いくつかの実施形態において、本発明は、下垂体腫瘍を処置するためのレラコリラントを含有する医薬組成物であって、医薬的に許容できるエクシピエントとレラコリラントとを含む、医薬組成物を提供する。
下垂体腫瘍を縮小させるためのレラコリラントは、種々様々な経口剤形、非経口剤形、及び局所剤形として調製及び投与することができる。米国特許第8,859,774号に、レラコリラントを含有する医薬組成物及び剤形が開示されており、当該米国特許の全内容が全体として参照によって本明細書に援用されたものとする。レラコリラントの経口剤としては、患者による摂取に好適な、錠剤、丸剤、散剤、糖剤、カプセル剤、液剤、菓子錠剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などを挙げることができる。レラコリラントは、注射、すなわち、静脈内注射、筋肉内注射、皮内注射、皮下注射、十二指腸内注射、若しくは腹腔内注射によって、又は、あらゆる他の好適な投与手段若しくは投与経路で、投与することができる。このような、米国特許第8,859,774号で開示されたレラコリラントを含有する医薬組成物及び剤形のあらゆる全てが、下垂体腫瘍を縮小させる際の使用に好適でありうる。
下垂体腫瘍を縮小させるための医薬製剤は、レラコリラントを含有し、ユニット剤形の形態であることが好ましい。かかる形態では、製剤は、適切な量のレラコリラントを有効成分として含有するユニット剤形に小分けされる。このユニット剤形形態は、パッケージ化された製剤とすることができ、ここでパッケージは個別量の製剤を含有するものであり、錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル内でパッケージ化された散剤などである。また、このユニット剤形形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又は菓子錠剤そのものとすることもできるし、あるいは、これらのいずれかを適切な数だけパッケージ化した形態とすることもできる。
ユニット剤形製剤中のレラコリラントの量は、0.1mg~10000mgの範囲で変更又は調整することができ、より典型的なものとしては1.0mg~6000mg、最も典型的なものとしては50mg~500mgの範囲で変更又は調整することができる。また、好適な用量として、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、約750mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg、約1500mg、約1600mg、約1700mg、約1800mg、約1900mg、又は約2000mgが挙げられる。いくつかの実施形態において、レラコリラントは、20ミリグラム(mg)、30mg、40mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、又は1000mgのシングルユニット剤形で、患者に投与することができる。上記組成物には、必要であれば、他の適合性の治療薬を含有させることもできる。
患者が必要とし耐容性を示す投与量及び頻度に基づいて、製剤の単回投与又は複数回投与を実施することができる。製剤は、病的状態を効果的に処置するのに十分な量の活性薬剤を与えるものである必要がある。レラコリラントは、食物と一緒に経口投与することができ、あるいは食物なしで経口投与することもできる。よって、1つの実施形態では、レラコリラントの経口投与用の医薬製剤は、約0.01~約150mg/キログラム体重/日(mg/kg/日)の一日量を与えるものである。いくつかの実施形態では、一日量は約0.1~100mg/kg/日である。いくつかの実施形態では、一日量は約0.1mg/kg/日~約20mg/kg/日である。いくつかの実施形態において、一日量は約0.5mg/kg/日~約15mg/kg/日である。いくつかの実施形態において、一日量は約0.75mg/kg/日~約10mg/kg/日である。いくつかの実施形態において、一日量は約1mg/kg/日~約8mg/kg/日である。特に上記薬剤が、経口投与とは異なって、解剖学的に隔離された場所に、血流中に、体腔内に、又は臓器の内腔内に投与される場合、より少ない用量を用いることもできる。局所投与では、ずっとより高い用量を用いることができる。非経口投与用製剤を調製するための実際の方法は、公知であるか当業者には明らかなものであり、(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)、第22版、ファーマシューティカル・プレス社(Pharmaceutical Press)、フィラデルフィア、ペンシルベニア州、2013年、などの刊行物により詳細に説明されている。また、Nieman、「Receptor Mediated Antisteroid Action」、Agarwalら(編)、デ・グロイター社(De Gruyter)、ニューヨーク(1987年)も参照されたい。
下垂体腫瘍のサイズを減少させるため、下垂体腫瘍からのホルモン分泌を減少させるため、又は下垂体腫瘍を処置する若しくは下垂体腫瘍を原因とする症状を改善するための、レラコリラント処置の期間は、対象における状態の重症度及び対象のレラコリラントに対する応答に応じて、変更しうる。いくつかの実施形態において、レラコリラントは毎日投与されてもよく、毎日経口投与されてもよい。いくつかの実施形態において、レラコリラントは、1週間、又は2週間、又は3週間、又は1か月間、又は2か月間、又は3か月間、又は4か月間、又は5か月間、又は6か月間、又は9か月間、又は1年間、毎日投与されてもよい。いくつかの実施形態では、レラコリラントは、約1週間~104週間(2年間)の期間、より典型的には約6週間~80週間の期間、最も典型的なものとしては約9週間~60週間の期間、投与できる。下垂体腫瘍を縮小させるためのレラコリラント投与の好適な期間として、5~9週間、5~16週間、9~16週間、16~24週間、16~32週間、24~32週間、24~48週間、32~48週間、32~52週間、48~52週間、48~64週間、52~64週間、52~72週間、64~72週間、64~80週間、72~80週間、72~88週間、80~88週間、80~96週間、88~96週間、及び96~104週間も挙げられる。好適な投与期間として、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、24週間、25週間、30週間、32週間、35週間、40週間、45週間、48週間、50週間、52週間、55週間、60週間、64週間、65週間、68週間、70週間、72週間、75週間、80週間、85週間、88週間、90週間、95週間、96週間、100週間、及び104週間も挙げられる。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍を縮小させる際に使用されるレラコリラントは、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも13週間、少なくとも14週間、少なくとも15週間、少なくとも16週間、少なくとも17週間、少なくとも18週間、少なくとも19週間、少なくとも20週間、少なくとも25週間、少なくとも30週間、少なくとも35週間、少なくとも40週間、少なくとも45週間、少なくとも50週間、少なくとも55週間、少なくとも60週間、少なくとも65週間、少なくとも70週間、少なくとも75週間、又は少なくとも80週間投与される。本発明によるレラコリラントを用いた処置は、2年以上もの間続いてもよい。
いくつかの実施形態では、レラコリラント投与は、連続的ではなく、1又は複数の中止期間と、その後に1又は複数のレラコリラント投与再開期間を置くことができる。好適なレラコリラント投与中止期間としては、5~9週間、5~16週間、9~16週間、16~24週間、16~32週間、24~32週間、24~48週間、32~48週間、32~52週間、48~52週間、48~64週間、52~64週間、52~72週間、64~72週間、64~80週間、72~80週間、72~88週間、80~88週間、80~96週間、88~96週間、及び96~100週間が挙げられる。好適なレラコリラント投与中止期間として、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、24週間、25週間、30週間、32週間、35週間、40週間、45週間、48週間、50週間、52週間、55週間、60週間、64週間、65週間、68週間、70週間、72週間、75週間、80週間、85週間、88週間、90週間、95週間、96週間、及び100週間も挙げられる。
投与計画では、当該技術分野において周知の薬物動態学的パラメーター、すなわち、吸収速度、生物学的利用能、代謝、クリアランスなども考慮される(例えば、Hidalgo-Aragones(1996年)、J.Steroid Biochem.Mol.Biol.、58巻:頁611~617;Groning(1996年)、Pharmazie、51巻:頁337~341;Fotherby(1996年)、Contraception、54巻:頁59~69;Johnson(1995年)、J.Pharm.Sci.、84巻:頁1144~1146;Rohatagi(1995年)、Pharmazie、50巻:頁610~613;Brophy(1983年)、Eur.J.Clin.Pharmacol.、24巻:頁103~108;及び(Remington:The Science and Practice of Pharmacy)、第22版、ファーマシューティカル・プレス社、フィラデルフィア、ペンシルベニア州、2013年を参照されたい)。いくつかの実施形態では、患者の処置を行っている臨床医が、個々の患者に対する投与計画を決定しうる。
下垂体腫瘍を縮小させるためのレラコリラントは、他の活性薬剤と組み合わせて用いてもよいし、あるいは、レラコリラントの効力に寄与しうる補助薬と組み合わせて用いてもよい。
いくつかの実施形態では、同時投与は、第二の薬剤の0.5時間以内、1時間以内、2時間以内、4時間以内、6時間以内、8時間以内、10時間以内、12時間以内、16時間以内、20時間以内、又は24時間以内にレラコリラントを投与することを含む。同時投与は、2つの薬剤を、同時に、およそ同時に(例えば、互いに約1分間以内、約5分間以内、約10分間以内、約15分間以内、約20分間以内、又は約30分間以内)、又は任意の順番で順次に、投与することを含む。いくつかの実施形態では、同時投与は、配合剤によって、すなわち両方の活性薬剤を含む単一医薬組成物を調製することによって、達成できる。他の実施形態では、上記の活性薬剤は別々に製剤化できる。別の実施形態では、上記薬剤は互いに連結又は複合化していてもよい。
レラコリラントを含む医薬組成物を、許容できるキャリア内で製剤化した後、適切な容器に入れ、指定状態の処置用に標識することができる。下垂体腫瘍を縮小させるためのレラコリラント投与において、このような標識としては、例えば、レラコリラント投与の量、頻度、及び方法に関する指示が挙げられよう。
下垂体腫瘍を縮小させるためのレラコリラントの投与は、手術、放射線、癌腫に対するがん化学療法、標的療法、免疫療法、増殖因子阻害剤の使用、又は抗血管新生因子の投与などの、他の処置手段と組み合わせることができる。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍を縮小させるためのレラコリラントによる処置の後、下垂体腫瘍を減少又は除去するための手術を受けた患者は、手術後にレラコリラント処置をさらに受けてもよく、このような手術後のレラコリラント処置は、放射線、癌腫に対するがん化学療法、標的療法、免疫療法、増殖因子阻害剤の使用、又は抗血管新生因子の投与などの他の処置手段を伴ってもよい。癌腫に対するがん化学療法としては、例えば、微小管阻害剤(例えば、タキサン及びビンカアルカロイド)、トポイソメラーゼ阻害剤及び代謝拮抗剤(例えば、そのようなものとして作用するヌクレオシド類似体、例えば、ゲムシタビン)、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、有糸分裂阻害剤、アントラサイクリン、挿入剤(intercalating agents)、シグナル伝達経路に干渉可能な薬剤、アポトーシスを促進する薬剤、プロテオソーム阻害剤などを挙げることができる。例えば、下垂体腫瘍(癌腫に対するがん化学療法を含む)に対する薬物療法などの医学療法としては、ソマトスタチン類似体、ドパミンアゴニスト、上皮増殖因子受容体(EGFR)アンタゴニスト(例えば、抗EGFR抗体などの抗EGFR剤)、テモゾラミド、ロムスチン(5-フルオロウラシル(5FU)と使用してよい)、メトトレキサート(5FUと使用してよい)、シスプラチン、タモキシフェン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、セリシクリブ、エトポシド、ユビキチンカルボキシ末端加水分解酵素8(USP8)阻害剤、クロロキン、ペプチド受容体放射性核種療法(PPRT)、及びこれらの組み合わせのうちの1又は複数の投与を挙げることができる。PPRT、別名ラジオアイソトープ療法は、注射による薬物療法又は内科的処置として実施される放射線処置の一形態である。例えば、PPRTが放射性標識ソマトスタチン受容体リガンド(オクトレオチドなど)を含む場合、このPPRTは、ソマトスタチン受容体を発現する(又はそれを発現するよう処置されうる)下垂体を対象とした標的放射線処置である。
本明細書で開示されるレラコリラント投与は、腫瘍サイズを減少させ、下垂体腫瘍を有する患者に対し有益な臨床成績を与えることができる。下垂体腫瘍のサイズを測定するための方法は、当該技術分野の当業者に周知である。例えば、磁気共鳴画像法(MRI)などのイメージング法を用いて、腫瘍縮小を検出することができる。腫瘍サイズに対するがん治療の効果を確認するための他の方法も、当該技術分野において公知であり、例えば、Chalianら、Radiographics、31巻(7号):頁2093~2105(2011年)で論じられており、ウェブサイト「ctep.cancer.gov」の「protocolDevelopment/docs/recist_guideline.pdf」で入手できる、固形腫瘍効果判定基準(「RECIST」)ガイドラインに記載されているような方法である。
腫瘍サイズの測定は、通常、イメージングをベースとした技術によって達成され、磁気共鳴画像法(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)、及びポジトロン放出断層撮影法(PET)などの技術が挙げられる。例えば、MRIスキャン、CTスキャン、及びPETスキャンは、既存の病変の成長、又は新規の病変若しくは腫瘍転移の発生を特定することにより、腫瘍の縮小又は成長についてだけでなく、疾患の進行についても、正確且つ信頼できる解剖学的情報を提供することができる。腫瘍サイズの減少を含め、腫瘍サイズは:腫瘍の長さ寸法(linear dimension)を測定すること(測定は、例えば、デジタル画像上の画素を数えることにより、印刷画像上で距離を測定することにより、若しくはスクリーン上に投射された画像から距離を測定することにより、達成できる);腫瘍の2つの異なる長さ寸法を測定すること;腫瘍の3つ以上の異なる長さ寸法を測定すること;腫瘍の断面積を算出すること(若しくは測定値に基づいて推定すること);腫瘍の体積を算出すること(若しくは測定値に基づいて推定すること);又は当該技術分野において公知の他の手段、によって求めることができる。
いくつかの実施形態において、腫瘍サイズの減少は、機能代謝イメージング技術(functional and metabolic imaging techniques)によって評価することができる。これらの技術では、灌流、酸素化、及び代謝における変化を観察することにより、治療応答をより早期に評価することができる。例えば、18F-FDG PETでは、放射標識グルコース類似体分子を用いて、組織代謝の評価を行う。腫瘍では通常、グルコース取り込み量が上昇しており、腫瘍組織代謝の減少に対応する値の変化は腫瘍量の減少を示す。同様のイメージング技術が、Kangら、Korean J.Radiol.、(2012年)、13巻(4号)、371~390頁で開示されている。
いくつかの実施形態において、腫瘍サイズの減少は、下垂体腫瘍からの、ACTH分泌を減少させるか、他のホルモンの分泌を減少させる。ACTH又は他のホルモンの分泌は、例えば、下錐体静脈洞から血液をサンプリングすることによって、測定してもよい。いくつかの実施形態において、下垂体腫瘍からのACTH分泌を減少させる腫瘍サイズの減少は、コルチゾール値の減少をもたらすこととなり、コルチゾール値の減少は、例えば、患者から得られた血液試料(血漿又は血清)中、尿(例えば、尿中遊離コルチゾール)から、又は唾液から、測定することができる。
以下の実施例は、限定のためではなく例証のために提供されているに過ぎない。当業者であれば、本質的に同様の結果を得るために変更または改変されうる様々な重要ではないパラメータを容易に認識するであろう。
以下の実施例は、下垂体腫瘍を有する患者へのレラコリラント投与の結果を示す。レラコリラントは臨床研究では良好な耐容性を示し、内因性コルチゾール過剰症患者において、血糖コントロールと高血圧コントロールに加え、コルチゾール過剰の他の症状発現を有意に改善した。レラコリラント処置を受けた2人のクッシング病患者は、3か月間のレラコリラント毎日投与後、有意な下垂体腫瘍縮小を示した。
実施例1
10ミリメートル(mm)×6.3mm(磁気共鳴画像法(MRI)でなされた測定)寸法の巨大下垂体腫瘍を有する50歳女性患者は、検診後にクッシング様特徴(満月様顔貌、背中の脂肪、鎖骨上の脂肪、多血症、中心性肥満、顔の赤み、痣ができやすい、腹部の皮膚線条)を呈していた。生化学的検査においてコルチゾール過剰症が示され、クッシング病の診断と一致し、診断の確証が得られた(ACTH:12.2pmol/L(正常範囲(NR)は1.3~11.1pmol/L);深夜血清コルチゾール(LNSC):2.25nmol/L(NR≦2.5nmol/L)、尿中遊離コルチゾール(UFC):177.7nmol/d(11.1~138nmol/日);デキサメタゾン抑制試験(DST):156ng/mL(15.6mcg/dL))。レラコリラント処置開始前に、患者の下垂体を含むMRI画像を撮影した(図1A)。
患者は、事前に予定された経蝶形骨下垂体手術に先立って3か月間のレラコリラント投与を受けた。レラコリラントは朝、朝食前に(すなわち、絶食状態の)患者に投与した。レラコリラント投与の1回目の4週間については、一日量は、100ミリグラム(mg)/日のレラコリラントの朝の経口投与とした。レラコリラント投与の2回目の4週間については、一日量は、150mg/日のレラコリラントの朝の経口投与とした。レラコリラント投与の3回目の4週間については、一日量は、200mg/日のレラコリラントの朝の経口投与とした。
3か月間のレラコリラント投与後、経蝶形骨下垂体手術の前に撮影されたMRI画像の測定により、レラコリラント処置前のサイズと比較して、腫瘍サイズが減少していることが明らかとなった。当該患者の場合、下垂体腫瘍は、処置前の10mm×6.3mmから、3か月間のレラコリラント処置後の8.0mm×5.7mmへと減少した。当該患者の、最初のMRI画像(レラコリラント処置前)を図1Aに示す。処置後のMRI画像(3か月間のレラコリラント処置後)を図1Bに示す。
これらのMRI画像は、当該患者の下垂体腫瘍が、3か月間のレラコリラント投与後に、レラコリラント処置開始前のものよりも小さくなったことを示す。当該患者の下垂体腫瘍はレラコリラント処置後に縮小した。
実施例2
43歳男性患者が、MRIにより、22ミリメートル(mm)×25mm×26mmの寸法の巨大下垂体腫瘍を有していることが確認された。この巨大腺腫は鞍上進展を伴っており、左海綿静脈洞の浸潤を呈していた。このMRIではさらに、当該患者が下垂体茎の右方転位を呈していることが示された。検診により、当該患者がクッシング様特徴を示すことが確認された。生化学的検査によりコルチゾール過剰症が確認され、クッシング病と合致するものであった(ACTH:20.9pmol/L(NR:1.3~11.1pmol/L);LNSC:15.8nmol/L(NR:≦2.5nmol/L);UFC:356.5nmol/日(11.1~138nmol/日);DST:247ng/mL(24.7mcg/dL))。
当該患者は、巨大下垂体腫瘍を切除するための経蝶形骨下垂体手術前に3か月間、レラコリラント投与も受けた。レラコリラントは朝、朝食前に(すなわち、絶食状態の)患者に投与した。レラコリラント投与の1回目の4週間については、一日量は、100ミリグラム(mg)/日のレラコリラントの朝の経口投与とした。レラコリラント投与の2回目の4週間については、一日量は、150mg/日のレラコリラントの朝の経口投与とした。レラコリラント投与の3回目の4週間については、一日量は、200mg/日のレラコリラントの朝の経口投与とした。
当該患者の、最初のMRI画像(レラコリラント処置前)を図2A、図2C、図3A、及び図3Cに示す。処置後のMRI画像(3か月間のレラコリラント処置後)を図2B、図2D、図3B、及び図3Dに示す。これらのMRI画像(レラコリラント処置の6か月後、及び患者の経蝶形骨下垂体手術前)より得られた測定値から、巨大腺腫のサイズが、処置前の22mm×25mm×26mmから、レラコリラント処置後の21mm×22mm×19mmへ減少していることが示された。これらのMRI測定値は、3か月間のレラコリラント処置後に腫瘍が縮小したことを示すものである。
腫瘍は立方体ではないため、各寸法の測定値の単なる乗算は真の腫瘍体積を与えるものではないが、このような、3つの直交する寸法の各々において測定された長さの乗算は、腫瘍体積の指標となる。このような乗算が腫瘍体積の指標となる範囲内で、3つの処置前測定値の乗算の結果、14,300mmの大きさとなり、3つの処置後測定値の乗算の結果、8,778mmの大きさとなる。すなわち、MRI測定値は、3か月間のレラコリラント投与後に腫瘍体積が40%近く縮小したことを示す。
本明細書に記載された全ての特許、特許公報、及び特許出願は、個々の公報又は特許出願が参照により援用されると明確且つ個別に示された場合と同程度に、全体が参照により本明細書に援用されたものとする。
理解を明確にするため、説明及び例示として、上記に本発明を多少詳細に記述したが、本発明の教示に照らし合わせて、添付の特許請求の範囲の要旨から逸脱しない範囲で、特定の変形及び変更を行うことができることは、当業者には容易に理解されよう。
理解を明確にするため、説明及び例示として、上記に本発明を多少詳細に記述したが、本発明の教示に照らし合わせて、添付の特許請求の範囲の要旨から逸脱しない範囲で、特定の変形及び変更を行うことができることは、当業者には容易に理解されよう。
本発明の例示的な態様を以下に記載する。
<1>
サイズを減少させるのに適した下垂体腫瘍を有する患者を選択すること、ここで、前記選択することは、前記腫瘍が視認可能であることを判定するのに有効である前記下垂体腫瘍のイメージングを含む、及び
選択された前記患者に有効量のレラコリラントを投与すること、ここで該投与は前記下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに有効である、を含み、
レラコリラントは、以下の構造を有する(R)-(1-(4-フルオロフェニル)-6-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-g]イソキノリン-4a-イル)(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノンである、患者における視認できる下垂体腫瘍のサイズを減少させる方法。
Figure 2022509051000008

<2>
前記選択することが、前記患者がクッシング症候群の症状を有していることを判定することをさらに含む、<1>に記載の方法。
<3>
前記下垂体腫瘍を測定することをさらに含む、<1>に記載の方法。
<4>
レラコリラント投与後に前記下垂体腫瘍を測定することをさらに含み、前記測定することが下垂体腫瘍の二度目のイメージングを含む、<1>に記載の方法。
<5>
前記レラコリラント投与がレラコリラントの経口投与を含む、<1>に記載の方法。
<6>
前記下垂体腫瘍が非分泌性下垂体腫瘍である、<1>に記載の方法。
<7>
前記下垂体腫瘍がホルモン分泌性腫瘍であり、前記処置が、前記下垂体腫瘍のサイズを減少させること及び前記下垂体腫瘍からのホルモン分泌を減少させるのに有効である、<1>に記載の方法。
<8>
前記レラコリラント投与が一日当たり約20ミリグラム(mg)~約800mgのレラコリラントの投与を含む、<1>に記載の方法。
<9>
前記レラコリラント投与がシングルユニット剤形形態のレラコリラントの毎日投与を含み、各シングルユニット剤形形態が、50ミリグラム(mg)、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、及び500mgのレラコリラントから選択されるレラコリラント量を含有する、<1>に記載の方法。
<10>
前記下垂体腫瘍の二度目のイメージングの後に、下垂体腫瘍を標的とするさらなる処置を適用することをさらに含む、<4>に記載の方法。
<11>
前記下垂体腫瘍を標的とする処置が外科的処置を含む、<10>に記載の方法。
<12>
前記レラコリラント投与が絶食患者へのレラコリラントの経口投与を含む、<5>に記載の方法。
<13>
前記絶食患者が、前記レラコリラント投与の2時間以上前から食事又はその他のやり方での食物摂取をしていない患者である、<12>に記載の方法。
<14>
前記レラコリラント投与が、食事を与えられた患者へのレラコリラントの経口投与を含む、<5>に記載の方法。
<15>
前記食事を与えられた患者が、前記レラコリラント投与の約30分前又はそれ以降に食事を開始した患者である、<14>に記載の方法。
<16>
食事を与えられた患者が、前記レラコリラント投与の約1時間前又はそれ以降に食事を開始した患者である、<14>に記載の方法。
<17>
前記レラコリラント投与が、下垂体腫瘍切除のための手術の前のレラコリラント投与を含む、<1>に記載の方法。
<18>
前記レラコリラント投与が、下垂体腫瘍切除のための手術の後のレラコリラント投与を含む、<1>に記載の方法。
<19>
前記腫瘍切除のための手術の後の前記レラコリラント投与が、前記外科的処置後の患者に残存する腫瘍組織のサイズを減少させる又はその成長を低減するのに有効である、<18>に記載の方法。
<20>
腫瘍切除のための手術の後にレラコリラント投与を受ける前記患者に対しての、放射線処置若しくはがん化学療法処置又はその両方の実施をさらに含む、<19>に記載の方法。
<21>
前記レラコリラント投与が、前記レラコリラント投与の前又は前記レラコリラント投与と同時に別の薬物療法又は内科的処置を受けた患者に対しての、レラコリラント投与を含む、<1>に記載の方法。
<22>
前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後さらにレラコリラントを投与することを含む、<1>に記載の方法。
<23>
前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後、前記下垂体腫瘍及び/又は前記下垂体腫瘍が以前に占めていた部位付近の領域を標的とする放射線処置を行うこと、を含む、<1>に記載の方法。
<24>
前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後さらにレラコリラントを投与することを含む、<5>に記載の方法。
<25>
前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後、前記下垂体腫瘍及び/又は前記下垂体腫瘍が以前に占めていた部位付近の領域を標的とする放射線処置を行うこと、を含む、<5>に記載の方法。
<26>
前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後さらにレラコリラントを投与することを含む、<14>に記載の方法。
<27>
前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後、前記下垂体腫瘍及び/又は前記下垂体腫瘍が以前に占めていた部位付近の領域を標的とする放射線処置を行うこと、を含む、<14>に記載の方法。
<28>
前記下垂体腫瘍がホルモン分泌性腫瘍であり、前記腫瘍が、副腎皮質刺激ホルモン、プロラクチン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、β-リポトロピン、オキシトシン、及びバソプレシンから選択されるホルモンを分泌する、<1>に記載の方法。
<29>
前記下垂体腫瘍がホルモン分泌性腫瘍であり、前記腫瘍が、副腎皮質刺激ホルモン、プロラクチン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、β-リポトロピン、オキシトシン、及びバソプレシンから選択されるホルモンを分泌する、<5>に記載の方法。
<30>
前記下垂体腫瘍がホルモン分泌性腫瘍であり、前記腫瘍が、副腎皮質刺激ホルモン、プロラクチン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、β-リポトロピン、オキシトシン、及びバソプレシンから選択されるホルモンを分泌する、<7>に記載の方法。

Claims (30)

  1. サイズを減少させるのに適した下垂体腫瘍を有する患者を選択すること、ここで、前記選択することは、前記腫瘍が視認可能であることを判定するのに有効である前記下垂体腫瘍のイメージングを含む、及び
    選択された前記患者に有効量のレラコリラントを投与すること、ここで該投与は前記下垂体腫瘍のサイズを減少させるのに有効である、を含み、
    レラコリラントは、以下の構造を有する(R)-(1-(4-フルオロフェニル)-6-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-g]イソキノリン-4a-イル)(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノンである、患者における視認できる下垂体腫瘍のサイズを減少させる方法。
    Figure 2022509051000004
  2. 前記選択することが、前記患者がクッシング症候群の症状を有していることを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記下垂体腫瘍を測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. レラコリラント投与後に前記下垂体腫瘍を測定することをさらに含み、前記測定することが下垂体腫瘍の二度目のイメージングを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記レラコリラント投与がレラコリラントの経口投与を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記下垂体腫瘍が非分泌性下垂体腫瘍である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記下垂体腫瘍がホルモン分泌性腫瘍であり、前記処置が、前記下垂体腫瘍のサイズを減少させること及び前記下垂体腫瘍からのホルモン分泌を減少させるのに有効である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記レラコリラント投与が一日当たり約20ミリグラム(mg)~約800mgのレラコリラントの投与を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記レラコリラント投与がシングルユニット剤形形態のレラコリラントの毎日投与を含み、各シングルユニット剤形形態が、50ミリグラム(mg)、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、及び500mgのレラコリラントから選択されるレラコリラント量を含有する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記下垂体腫瘍の二度目のイメージングの後に、下垂体腫瘍を標的とするさらなる処置を適用することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  11. 前記下垂体腫瘍を標的とする処置が外科的処置を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記レラコリラント投与が絶食患者へのレラコリラントの経口投与を含む、請求項5に記載の方法。
  13. 前記絶食患者が、前記レラコリラント投与の2時間以上前から食事又はその他のやり方での食物摂取をしていない患者である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記レラコリラント投与が、食事を与えられた患者へのレラコリラントの経口投与を含む、請求項5に記載の方法。
  15. 前記食事を与えられた患者が、前記レラコリラント投与の約30分前又はそれ以降に食事を開始した患者である、請求項14に記載の方法。
  16. 食事を与えられた患者が、前記レラコリラント投与の約1時間前又はそれ以降に食事を開始した患者である、請求項14に記載の方法。
  17. 前記レラコリラント投与が、下垂体腫瘍切除のための手術の前のレラコリラント投与を含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記レラコリラント投与が、下垂体腫瘍切除のための手術の後のレラコリラント投与を含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記腫瘍切除のための手術の後の前記レラコリラント投与が、前記外科的処置後の患者に残存する腫瘍組織のサイズを減少させる又はその成長を低減するのに有効である、請求項18に記載の方法。
  20. 腫瘍切除のための手術の後にレラコリラント投与を受ける前記患者に対しての、放射線処置若しくはがん化学療法処置又はその両方の実施をさらに含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記レラコリラント投与が、前記レラコリラント投与の前又は前記レラコリラント投与と同時に別の薬物療法又は内科的処置を受けた患者に対しての、レラコリラント投与を含む、請求項1に記載の方法。
  22. 前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後さらにレラコリラントを投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  23. 前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後、前記下垂体腫瘍及び/又は前記下垂体腫瘍が以前に占めていた部位付近の領域を標的とする放射線処置を行うこと、を含む、請求項1に記載の方法。
  24. 前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後さらにレラコリラントを投与することを含む、請求項5に記載の方法。
  25. 前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後、前記下垂体腫瘍及び/又は前記下垂体腫瘍が以前に占めていた部位付近の領域を標的とする放射線処置を行うこと、を含む、請求項5に記載の方法。
  26. 前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後さらにレラコリラントを投与することを含む、請求項14に記載の方法。
  27. 前記レラコリラント投与が、患者へのレラコリラント投与後、外科的処置により前記下垂体腫瘍を切除し、その後、前記下垂体腫瘍及び/又は前記下垂体腫瘍が以前に占めていた部位付近の領域を標的とする放射線処置を行うこと、を含む、請求項14に記載の方法。
  28. 前記下垂体腫瘍がホルモン分泌性腫瘍であり、前記腫瘍が、副腎皮質刺激ホルモン、プロラクチン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、β-リポトロピン、オキシトシン、及びバソプレシンから選択されるホルモンを分泌する、請求項1に記載の方法。
  29. 前記下垂体腫瘍がホルモン分泌性腫瘍であり、前記腫瘍が、副腎皮質刺激ホルモン、プロラクチン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、β-リポトロピン、オキシトシン、及びバソプレシンから選択されるホルモンを分泌する、請求項5に記載の方法。
  30. 前記下垂体腫瘍がホルモン分泌性腫瘍であり、前記腫瘍が、副腎皮質刺激ホルモン、プロラクチン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、β-リポトロピン、オキシトシン、及びバソプレシンから選択されるホルモンを分泌する、請求項7に記載の方法。

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