JP2022506683A - 膵臓移植のファシリテーターとして繊維芽細胞を用いる1型糖尿病の治療方法および組成物 - Google Patents

膵臓移植のファシリテーターとして繊維芽細胞を用いる1型糖尿病の治療方法および組成物 Download PDF

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Abstract

本開示の実施形態は、インスリン産生細胞の置換による糖尿病の治療に関する。特定の実施形態において、本開示は、インスリン産生細胞の生存、生着及び、寛容生成を増強するための細胞アジュバントの使用を含む。場合によっては、本開示が同種インスリン産生細胞の統合を可能にするために、増強されたレベルで免疫学的寛容を促進するための肝微小環境の操作に関する。特定の実施形態は、生着時のインスリン産生細胞に対する免疫学的寛容を増強するために線維芽細胞を使用する。【選択図】図1

Description

本出願は、2018年11月4日に出願された米国仮特許出願第62/755,523号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(技術分野)
本開示の実施形態は、少なくとも細胞生物学、分子生物学、生理学、及び、糖尿病医学を含む医学の分野に関するものである。
1型糖尿病は、生涯にわたるインスリン療法又は膵臓移植によって伝統的に治療されてきた自己免疫状態である。しかしながら、低血糖の頻発エピソードは生涯にわたるインスリン療法を受けている患者では一般的であり、全膵臓移植は重大なリスクを伴う侵襲的な外科的処置である。ランゲルハンス島細胞移植は、1型糖尿病の従来の治療法に代わる魅力的な代替法である。しかしながら、臨床的に膵島細胞移植の広範な使用における主要な制限因子の2つは、十分な数の膵島が使用可能であること、及び、移植された膵島を長期間保護するための現在の免疫抑制治療が不可能であることである。それにもかかわらず、膵島移植は一部の患者で「治癒」が得られているという意味で、1型糖尿病の治療に革命をもたらした[1]。膵島移植の欠点としては、複数のドナーが必要であること[2]、安定した生着が得られないこと(5年で依然として10%しか移植片がない)[3]、継続的な免疫抑制が必要であること[4]があげられる。生着を増強するために様々な戦略が用いられているが、大きな臨床的成功は見られていない。これまで膵島細胞移植で用いられてきた多くの免疫抑制プロトコルは、膵β細胞機能及び、インスリン感受性に負の影響を及ぼすことが示されているカルシニューリン阻害薬に依存している。したがって、宿主の免疫攻撃からの防御を提供するにもかかわらず、これらの薬剤自体が移植片機能を低下させ、移植された膵島の機能不全の一因となる可能性がある。さらに、膵島移植片のレシピエントは最初にそれらの疾患をもたらし、それによって移植された膵島の機能に長期的に影響する糖尿病発症の自己免疫効果を依然として実証する。
本開示は、糖尿病治療のための当技術分野において長い間感じられてきた必要性を満たす。
本開示の実施形態は、少なくとも細胞移植及び、同種移植片治療を含む、細胞治療に関連する方法及び、組成物を含む。特定の局面において、この方法及び、組成物は移植される特定の型の細胞(例えば、糖尿病の処置に有益である少なくとも細胞を含む)の移植を容易にする。少なくともいくつかの場合では、異なる細胞型の併用療法が別の型の細胞の受容及び、免疫寛容を容易にする。特定の実施形態では線維芽細胞(単独で、又は他の細胞と組み合わせて)は膵島細胞の有効な移植を容易にする。
特に開示されているのは、例えば、(1)同種内皮前駆細胞(EPC)、及び、/又は(2)同種線維芽細胞の同時投与を介して、肝微小環境における膵島同種移植片の生着、生存性及び、機能を増強する手段である。本開示の1つの実施形態において、肝微小環境はEPC(及び、/又はEPCによって分泌される上清)の投与、続いて、線維芽細胞の投与の間、又はその後によってプライミングされ;このようなプライミングは少なくとも初期の炎症又は「危険」シグナルを抑制し、そして寛容発生及び、膵島同種移植片の組み込みを可能にするために、肝微小環境の調節を容易にする。同種EPCの投与は、膵島の移植又は膵島細胞の移植、並びに線維芽細胞投与と併せて行うことができる。1つの実施形態において、同種異系線維芽細胞は同種異系EPCの移植を支持するために、EPC投与の後、間、及び、/又は前に(例えば、門脈内に)投与され、これは、最終的に、内因性EPCが同種異系島移植片を取り囲むことを可能にし、したがって、移植に必要とされるドナー材料の量の減少を可能にする。特定の実施形態では場合によっては同種EPCが移植され、場合によっては島細胞(又は島)が移植されるか、又はその両方である。
本開示の実施形態は個体における同種又は自己インスリン産生細胞の移植の前、同時、及び、/又は後に、有効量の内皮前駆細胞(EPC)及び、/又は線維芽細胞を投与する工程を含む、個体における同種又は自己インスリン産生細胞の生存を増強する方法を含む。特定の場合、線維芽細胞及び、/又はEPCは、個人に対して同種である。同種インスリン産生細胞は、膵臓ドナーに由来し得る。同種異系インスリン産生細胞は、島細胞塊から構成され得る。同種インスリン産生細胞は、前駆細胞の集団からのインビトロ分化に由来し得る。特定の場合において、EPCは、a)flk-1;b)CD31;c)CD34;d)CD133;f)PDGF-R;g)hTERT;及び、h)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを発現する。EPCは(i)哺乳動物細胞集団を単離する工程;(ii)CD45表現型プロファイルを発現する工程(i)の細胞の亜集団を濃縮する工程;(iii)CD34表現型プロファイルを発現する工程(ii)に由来するCD45細胞の亜集団を濃縮する工程;及び、(iv)CD31lo/-表現型プロファイルを発現する工程(iii)に由来するCD34細胞の亜集団を単離し、それによって内皮前駆細胞を単離する工程を含む方法によって誘導され得る。EPCは、胎盤組織、骨髄、脂肪組織、大網、又はそれらの組合せに由来することができる。胎盤由来EPCは胎児由来である可能性がある。線維芽細胞は、軟骨細胞系統に分化することができる。特定の場合には、線維芽細胞がa)NANOG;b)OCT-4;c)SSEA-4;d)幹細胞因子受容体;及び、e)それらの組合せからなる群より選択される1以上のマーカーを発現する。具体的な場合には、線維芽細胞が(i)哺乳動物細胞集団を単離する工程;(ii)CD45表現型プロファイルを発現する工程(i)の細胞の亜集団を濃縮する工程;及び、(a)CD34表現型プロファイルを発現する工程(ii)に由来するCD45細胞の亜集団を濃縮する工程、及び、前記CD34細胞の亜集団を単離し、それによって再生特性を有する線維芽細胞を単離する工程を含む方法によって単離される。本開示の方法において使用される線維芽細胞は、a)包皮;b)タミータック;c)胎盤;d)耳たぶ;e)脂肪組織;f)網;g)ウォートンゼリー;及び、h)それらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上の組織供給源に由来し得る。使用する場合、胎盤線維芽細胞は、胎盤の胎児側に由来してもよい。特定の実施形態では、CD45陰性線維芽細胞は胎児由来である。線維芽細胞は、a)磁気活性化細胞選別;b)フローサイトメトリー選別;c)細胞パニング;d)再生能力の細胞を選択的に選択するためのアフィニティーベースの手段;e)再生能力を有する細胞を選択するための大きさベースの手段;及び、f)それらの組合せからなる群より選択される方法を使用して、再生能力の1つ以上のマーカーの発現のために精製され得る。
一実施形態において、インスリン産生細胞に関連する1つ以上の抗原に対する寛容原性免疫応答を個体において刺激する方法であって、有効量の同種異系インスリン産生細胞、同種異系EPC、及び、同種異系線維芽細胞を投与する工程を含む方法が存在する。別の場合では、インシュリン産生細胞、EPC、及び、線維芽細胞の1つ又はそれ以上が個体に対して自己である。特定の実施形態において、寛容原性応答は、抗原特異的T調節細胞の刺激を含む。T調節細胞は、インスリン産生細胞の活性を殺傷又は抑制する細胞を阻害する能力を有している可能性がある。特定の実施形態において、T調節細胞は、転写因子FoxP3を発現する。特定の実施形態において、寛容原性応答は抗原特異的B調節細胞(例えば、CD10を発現するB調節細胞)の刺激を含む。B調節細胞は、プロプラズマ芽球であってもよい。
上記は以下の詳細な説明がより良く理解され得るように、本開示の特徴及び、技術的利点をかなり広く概説した。本明細書の特許請求の範囲の主題を形成する追加の特徴及び、利点を以下に説明する。開示された概念及び、特定の実施形態は本設計の同じ目的を実行するために他の構造を修正又は設計するための基礎として容易に使用され得ることが、当業者によって理解されるべきである。また、そのような同等の構成は、添付の特許請求の範囲に記載される精神及び、範囲から逸脱しないことが当業者によって理解されるべきである。本明細書に開示される設計の特徴であると考えられる新規な特徴はさらなる目的及び、利点とともに、動作の構成及び、方法の両方に関して、添付の図面と関連して考慮される場合、以下の説明からより良く理解される。しかしながら、各図は、例示及び、説明の目的のためだけに提供され、本開示の限定の定義として意図されないことが明確に理解されるべきである。
本開示をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
図1は、ストレプトゾシン(対照);ストレプトゾシン(S);ストレプトゾシン+骨髄間葉系幹細胞(S+MSC)及び、CD73(S+線維芽細胞)について選択されたストレプトゾシン+線維芽細胞(左から右へ)の存在下における血中グルコースレベルを示す。
発明の詳細な説明
本明細書で使用されるとき、「a」又は「an」は1つ又は複数を意味することができ、本明細書で使用されるとき、「含む」という語と併せて使用されるとき、「a」又は「an」という語は1つ又は複数を意味することができ、本明細書で使用されるとき、「別の」は少なくとも2つ又は複数を意味することができ、特定の実施形態では、本発明の態様が、例えば、本発明の1つ又は複数の配列から「本質的になる」又は「からなる」。本発明のいくつかの実施形態は、本発明の1つ以上の要素、方法ステップ、及び、/又は方法から構成されてもよく、又は本質的にそれらから構成されてもよい。本明細書中に記載されるいずれの方法又は組成物も、本明細書中に記載される任意の他の方法又は組成物に関して使用され得ることが意図される。
長年の特許法条約に従い、「a」および「an」という語は特許請求の範囲を含む、本明細書中で使用される場合、「1つまたは複数の」ことを意味し、開示の一部の実施形態は、開示の1つまたは複数の要素、方法ステップ、および/または方法から成るか、または本質的に成ることができる。本明細書に記載される任意の方法または組成物は、開示される本明細書に記載される任意の他の方法または組成物に関して実施され得、それでもなお、開示の精神および範囲から逸脱することなく、類似のまたは類似の結果を得ることが企図される。特許請求の範囲における「または」という用語の使用は代替のみを指すことが明示的に示されない限り、「および/または」を意味するために使用されるか、または代替は相互に排他的であるが、開示は代替および「および/または」のみを指す定義をサポートする。
本明細書全体にわたって、文脈がそわないことを必要とする場合を除いて、単語は「含む」、「含む」、「構成する」とは規定されたステップ又は要素群の包含を意味するが、他のステップ又は要素又は要素群の排除を意味しないと理解されるのであろう。ステップ又は要素又は要素群の除外を意味するわけではない。「構成する」とは以下の「から成る」ことを意味する。従って、「から成る」とは列挙された要素が必要又は必須であることを示し、他の要素が存在する可能性があることを示す。「から成る」とは表現後に列挙された任意の要素を含み、他の要素が存在する可能性があることを意味する。「本質的に構成する」とは列挙された要素の活性又は作用に影響を及ぼすか否かに応じて、列挙された要素が必要又は必須であるが、他の要素が任意であり。
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「実施形態」、「特定の実施形態」、「関連する実施形態」、「特定の実施形態」、「追加の実施形態」、又は「さらなる実施形態」、又はそれらの組み合わせへの言及は、実施形態に関連して記載された特定の機能、構成、又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを手段する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における前述の語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照しているわけではない。さらに、特別な特徴、構造又は特質は1以上の実施形態において任意の適当な方法で組み合わせられ得る。
本明細書で使用されるように、「又は」及び、/又は「及び、」又は「及び、/又は」という用語は、複数の構成要素を互いに組み合わせ又は排他的に説明するために使用され、例えば、「x、y、及び、/又はz」は「x」単独、「y」単独、「z」単独、「x、y、及び、z」、「(x及び、y)又はz」、「(x又は(y及び、z)」又は「x又はy又はz」を意味することができ、具体的には、x、y、又はzが実施形態から具体的に除外されてもよいことが具体的に企図されている。
本出願を通して、用語「約」は、値が値を決定するために使用されるデバイス又は方法についての誤差の標準偏差を含むことを示すために、細胞及び、分子生物学の分野におけるその単純かつ通常の意味に従って使用される。
「対象」及び、「被験者」及び、「個体」は、霊長類、哺乳類、及び、脊椎動物等のヒト又は非ヒトのいずれかを意味する。特定の実施形態では、対象がヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ等である。
疾患又は状態の「処置する」又は処置は、疾患の少なくとも1つの徴候又は症状を軽減するために、1つ以上の薬物又は治療(細胞を含む)を患者に投与することを含み得るプロトコールを実行することをいう。治療の望ましくなる効果としては、疾患の進行速度を低下させること、病態を改善又は緩和すること、少なくとも1つの症状の発現を遅らせること、及び、寛解又は予後を改善することがあげられる。軽減は、疾患又は症状が現れる前、並びにその出現後、又はその両方に生じ得る。したがって、「治療する」又は「治療する」は疾患又は望ましくない状態の「予防する」又は「予防する」ことを含むことができ、さらに、「治療する」又は「治療する」は1つ又は複数の徴候又は症状の完全な緩和を必要とせず、治癒を必要とせず、具体的には患者にわずかな影響しか及ぼさないプロトコールを含む。
本明細書で使用される場合、「予防する」、及び、「予防する」、「予防する」等の類似語は、疾患又は状態の発生又は再発の可能性を予防、阻害、又は低減するためのアプローチを示し、例えば、癌、疾患又は状態の発生又は再発を遅延させる、又は疾患又は状態の症状の発生又は再発を遅延させる、又は本明細書で使用される場合、「予防する」及び、類似語は、疾患又は状態の発症又は再発前の疾患又は状態の強度、効果、症状及び、/又は負荷を低減することも含む。
本明細書中で使用される用語「薬学的に」又は「薬理学的に許容される」は、動物又はヒトに投与された場合に、有害な、アレルギー性の、又は他の不都合な反応を生じない分子実体及び、組成物をいう。
本明細書中で使用される用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び、液体ポリエチレングリコール等)、それらの適切な混合物、並びに植物油、コーティング、等張性及び、吸収遅延剤、リポソーム、商業的に入手可能な洗浄剤等を含むが、これらに限定されない、任意の及び、全ての溶媒、又は分散媒体を含む。補助的な生物活性成分もまた、このようなキャリアに組み込まれ得る。
I.
定義例
細胞培養は一般に、生体から採取され、制御された条件下(「培養」又は「培養」)で増殖される細胞を指す。初代培養細胞とは、最初の継代培養の前に生物から直接採取した細胞、組織、又は器官の培養である。細胞は、細胞の増殖及び、/又は分裂を容易にする条件下で増殖培地中に置かれる場合、培養物中で増殖され、細胞のより大きな集団を生じる。細胞を培養で増殖させる場合、細胞増殖速度は、細胞が倍加時間と呼ばれる数を倍加するのに必要な時間の量によって測定されることがある。
細胞株は、初代細胞培養物の1つ以上の継代培養によって形成される細胞の集団である。継代培養の各ラウンドは継代と呼ばれる。細胞が継代培養される場合、それらは継代されたものと呼ばれる。特定の細胞集団、又は細胞株は時に、それが継代された回数に言及されるか、又は特徴付けられる。例えば、10回継代された培養細胞集団は、P10培養物と呼ぶことができる。初代培養、すなわち組織から細胞を単離した後の最初の培養をP0とする。最初の継代培養に続いて、細胞を二次培養(P1又は継代1)として記載する。2回目の継代培養後、細胞は三次培養(P2又は継代2)になり、以下同様である。継代の期間中に多くの集団倍加があり得ること;したがって、培養物の集団倍加の数は継代数よりも多いことが、当業者によって理解される。継代間の期間中の細胞の増殖(すなわち、集団倍加の数)は、播種密度、基質、培地、増殖条件、及び、継代間の時間を含むがこれらに限定されない多くの因子に依存する。
条件培地は、特定の細胞又は細胞集団が培養され、次いで除去された培地である。細胞を培地で培養すると、他の細胞に栄養支持を提供できる細胞因子を分泌することがある。このような栄養因子にはホルモン、サイトカイン、細胞外マトリックス(ECM)、タンパク質、小胞、抗体、及び、顆粒が含まれるが、これらに限定されない。細胞因子を含有する培地は、ならし培地である。いくつかの実施形態において、本発明は、寛容形成を促進するための、ならし培地、又は濃縮ならし培地、又はEPCもしくは線維芽細胞のならし培地から単離されたエキソソームの使用を教示する。
本明細書中で使用される場合、用語「増殖培地」は一般に、臍由来細胞の培養に十分な培地をいう。特に、本明細書中の本発明の細胞の培養のための1つの特定の培地は、ダルベッコの改変必須培地(本明細書中でDMEMとも略される)を含む。特に好ましいのは、DMEM-低グルコース(本明細書中ではDMEM-LGも)(Invitrogen、Carlsbad、CA)である。DMEM低グルコースは好ましくは15%(v/v)ウシ胎仔血清(例えば、規定ウシ胎仔血清、Hyclone、Logan Utah)、抗生物質/抗真菌薬(好ましくは、ペニシリン(100単位/ミリリットル)、ストレプトマイシン(100ミリグラム/ミリリットル)、及び、アンホテリシンB(0.25マイクログラム/ミリリットル)、(Invitrogen、Carlsbad、CA)、並びに0.001%(v/v)2-メルカプトエタノール(Sigma、St.Louis Mo)で補充される。いくつかの場合において、異なる増殖培地が使用されるか、又は異なる補充物が提供され、そしてこれらは、通常、増殖培地への補充物として本文中に示される。
また、本発明に関連して、本明細書で使用される「標準増殖条件」という語は、5%のCOを含む標準大気中で37℃で細胞を培養することを指す。相対湿度を約100%に維持する。前述の条件は培養に有益であるが、このような条件は細胞を培養するために当業者が使用可能な選択肢、例えば、体温、CO、相対湿度、酸素、増殖培地等を変化させることによって変化させることができることを理解されたい。
いくつかの実施形態における「線維芽細胞」は(1)プラスチックに接着し、(2)CD73、CD90、及び、CD105抗原を発現し、一方、CD14、CD34、CD45、及び、HLA-DR陰性であり、(3)以下の3つの系統のうち少なくとも1つに分化する能力を有する細胞を指す:骨形成性、軟骨形成性及び、脂肪形成性の系統線維芽細胞様の特性を有する他の細胞は「線維芽細胞」の定義の中に含まれ、細胞が以下の(少なくともいくつかの場合において)少なくとも1つを有する状態:a)再生活性;b)成長因子の産生;c)直接的に、又は内因性宿主修復機構の誘発を介して、治癒反応を誘導する能力を有する。線維芽細胞は例えば、骨髄、脂肪組織、羊水、子宮内膜、栄養膜由来組織、臍帯血、Whartonゼリー、胎盤、羊膜組織を含むが、これらに限定されない任意の組織に由来することができる。「線維芽細胞」のいくつかの定義では細胞が組織からの最初の単離時にCD34陽性であるが、表現型及び、機能的に記載された細胞と類似している細胞を含む。本明細書で使用される場合、「線維芽細胞」は次のリストから選択される細胞表面マーカーを用いて組織から単離される細胞を含み得る:NGF-R、PDGF-R、EGF-R、IGF-R、CD29、CD49a、CD56、CD63、CD73、CD105、CD106、CD140b、CD146、CD271、MSCA-1、SSEA4、STRO-1及び、/又はSTRO-3、又はそれらの任意の組み合わせ。
II.
一般的な実施形態
本開示の実施態様は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ等を含む哺乳動物個体に対する細胞移植(同種細胞移植を含む)の改善を含む。改善には、少なくとも、個体に投与された移植細胞集団に対してインビボでより大きな免疫寛容を有する能力が含まれる。特定の実施形態において、同種又は自己内皮前駆細胞(EPC)及び、/又は同種又は自己線維芽細胞は、改善された同種膵島移植を可能にする。特定の実施形態では、胎盤由来EPC等の同種内皮前駆細胞(EPC)を、即時拒絶なしに(例えば、門脈内に)投与することができ、EPC細胞は単独で、又は線維芽細胞と一緒に肝微小環境を調節して、同種膵島移植の増強を可能にする。
EPCはこれまで膵島の生着を支持するために自己由来の方法で使用されてきたが[5]、これらは動物実験のみであり、実際にはEPCは自己由来の方法、特に基礎病態の結果としてEPCが損なわれている糖尿病患者では使用が困難である[6、7]。したがって、本発明は、膵島移植の促進剤としてEPC(胎盤由来を含む)及び、線維芽細胞を使用する手段を提供する。1つの実施形態において、EPC細胞及び、/又は膵島及び、/又は膵島細胞は局所的又は全身的に(注射によって、及び、場合によっては門脈内を含む)投与されて、門脈内寛容発生の天然に生じる機構を使用し、これは、以前に、門脈内に免疫原性起源の種々の細胞を投与することによって実証されている[8]。本開示の1つの実施形態において、EPC及び、線維芽細胞は両方とも同種異系であり、そして同じドナー起源である。特定の実施形態において、線維芽細胞は寛容原性事象を刺激するために最初に(例えば、門脈内に)投与され、続いてEPCの投与されるが、線維芽細胞はまた、EPCの投与と共に、及び、/又はEPCの投与の後に送達されてもよく、又はその代わりに送達されてもよい。
III.
使用方法
本開示の実施形態は、それを必要とする個体における島の生着を増強するために線維芽細胞を使用する方法を含む。膵島移植を増強するための線維芽細胞の使用は任意の手段によってなし得るが、特定の実施形態において、線維芽細胞は膵島移植に対する有害な免疫系反応を抑制する。免疫反応の抑制又は減少は、特定の実施形態において、肝臓において生じる。特定の実施形態において、EPCは肝臓の一部をプライミングして、膵島移植片の生存率及び、機能を増強するために、線維芽細胞と組み合わせて使用され;このような効果は、EPCの血管新生効果及び、/又は寛容原性抗原提示細胞として作用するそれらの能力のために生じ得る。本明細書中で使用される場合、「膵島移植片」は、ランゲルハンス細胞の任意の種類の膵島の任意の集合体をいう。
現在の本開示の範囲内では、線維芽細胞は、その使用が線維芽細胞に類似したもののためであり得るような免疫調節の観点から、間葉系幹細胞に類似した特性を有するという考察がある。したがって、本開示の方法を実施するものを提供するためのMSCの既知の特性は、本明細書において、MSCから線維芽細胞に外挿される。MSCの免疫抑制作用のいくつかは、局所炎症の存在によって誘導可能であると思われる。例えば、最近の研究では、MSC上のTLR活性化がDC成熟の遮断を介してMSCのT細胞活性化を抑制する能力を増大させることが示された[17]。他の研究では、IL-1ベータ等の炎症性メディエーターによるMSCの治療が実際にはDC成熟を阻止するIL-10等のサイトカインの産生を刺激することが示されている。IL-1処理MSCはDSS誘発大腸炎等の炎症性疾患を抑制する優れインビボ能力を有する[18]。また、炎症性サイトカインの前投与によるMSCの抗炎症活性の同様の増強がIFN-γによる治療によっても報告されている[19~21]。細胞レベルでは、MSCを単球と共培養すると、一部はIL-1を産生した単球を介してMSCの免疫抑制活性が亢進することが報告されている[22]。MSCによるT細胞反応性の阻害は広く記載されている。これを支持する最初の発表の1つは、ヒのMSCが同種リンパ球から増殖反応を誘発し、進行中の同種反応を阻害し、強力なT細胞マイトジェンに対する増殖反応を阻害する能力について、インビトロでヒヒのMSCを評価した。MSCは同種リンパ球から増殖反応を誘発できないことが分かった。0日目又は3日目のいずれかの混合リンパ球反応に加えたMSC、又はマイトジェン刺激リンパ球に加えたMSCは、増殖活性の50%を超える減少をもたらした。この効果は、MSCの用量を増加させることによって最大化され得、そして外因性IL-2の添加によって減少され得る。MSCのインビボ投与は、対照動物と比較した場合、皮膚移植片の生存期間の延長につながった[23、24]。T細胞増殖の抑制は、共刺激やMSCをIFN-γで前処理しても回復できなかった[25]。このことは前述した先行研究でIL-2がMSCを介した抑制を克服できることが示されたことを考えると興味深い。ヒト化マウスを用いたインビボ試験では、ヒトMSCはインビボでヒトT細胞応答を抑制することが可能であり、同種異系応答と抗原特異的応答の両方が可能であることが実証された[26]。T細胞活性の抑制は増殖に限らず、CD8 T細胞の細胞傷害活性の抑制も含まれることが実証された[27、28]。IL-2受容体α(CD25)の阻害[29]、分裂停止の誘導[30、31]、T細胞アネルギーの直接的な誘導[32]又は未成熟DCを介した誘導[33]、IL-2シグナル伝達の遮断及び、PGE2産生の誘導[36-41]、TGF-β[42]の誘導、セリンプロテアーゼ阻害剤6[44]の発現、一酸化窒素放出の刺激[45-47]、CD39及び、CD73等のアデノシン生成外酵素の発現[52、53]、ガレクチン発現[54、57]、PD1経路の活性化[54、58-60]、Fasリガンド発現等、いくつかの機序が報告されている[61]CD200発現[63]、Th2偏位[64-66]、Th17の阻害分化[67-71]、TSG-6発現[72]、NOTCH-1発現[73]、Treg細胞生成刺激[74-81]。
したがって、特定の実施形態では、複数の線維芽細胞及び、複数のEPCが膵島移植の対象である個体に使用される。線維芽細胞及び、/又はEPCを受領する個体は糖尿病性、前糖尿病性、又は糖尿病のリスク(例えば、家族歴又は個人歴)を有し得る。線維芽細胞とEPCとの組み合わせの使用は、移植片が個体において成功する改善された能力を提供する。線維芽細胞及び、EPCは任意の経路及び、任意の場所に投与され得るが、特定の場合には線維芽細胞及び、EPCの両方が膵島生着の位置又は膵島生着の最終的な位置を含む、同じ位置に投与される。いくつかの場合において、投与の位置は、本質的に前寛容原性である。
すでに寛容性を促進している環境(例えば、門脈内)で投与された線維芽細胞の組合せは寛容性を増強するが、寛容性の増大の開示の実践のためには直接的な血管新生支持を提供するだけでなく、寛容性抗原提示細胞としても作用する同種EPCの投与によって支持され得る。EPCは、代替の実施形態において、線維芽細胞の代替であり得る。本開示の方法の実施のために、以下は本開示の方法の実施者が当該分野で公知の手段を使用し得るように、線維芽細胞が免疫系を調節する種々の方法である。例えば、線維芽細胞は樹状細胞活性を調節する。樹状細胞(DC)は免疫応答の主要な標識と考えられており、T制御細胞の刺激と免疫の抑制に対して、生産的な免疫が保証されるかどうかを決定する上で重要な役割を果たしている[9、10]。DCにはさまざまなサブタイプが存在し、さまざまな特殊な機能をもつが、共通するテーマの1つは未熟な骨髄型DCが末梢で未熟な状態に存在することであると思われる。未熟な骨髄型DCは抗原を飲み込み、リンパ節のT細胞に寛容原性の様式で存在する。これは、自己許容性が維持されるメカニズムの1つである。具体的には、少数の自己反応性T細胞が胸腺選択過程を逃れるが、これらのT細胞は、未熟な樹状細胞が自己反応性T細胞に自己抗原を提示した結果、生成されたT制御細胞によって、活性化されるか、または活性が抑制される。一方、Toll様受容体アゴニストのような「危険」なシグナルが存在すると、未熟な樹状細胞は、コスティミュレーター分子の高発現を特徴とする成熟した表現型をとり、その後、T細胞の活性化を誘導する[11-13]。T1Dに関しては、糖尿病の原因となる自己抗原を未熟なDCにターゲティングすることで、病気の予防につながることが実証されています[14]。10人のT1D患者に未熟なDCを投与したところ、C-ペプチドレベルが上昇し、免疫調整作用があることが示唆された[15]。
本開示のいくつかの実施形態において、線維芽細胞と同時移植された膵島によってグルコース制御を増強する方法が存在する。特定の場合には、線維芽細胞を、それを必要とする個体に膵島細胞(同種又は自家)を投与する。線維芽細胞は、例えばCD73のような1つ以上の特異的マーカーを有していても、有していなくてもよい。
本開示の1つの実施形態において、線維芽細胞は、DCを未成熟状態に維持するために使用される。具体的には、DCとともに線維芽細胞を投与すると、寛容形成が亢進する。免疫対寛容の制御におけるDCの役割を考えると、線維芽細胞によるDC成熟の操作は、線維芽細胞の免疫調節的役割を強く支持するのであろう。初期の研究では線維芽細胞はインビトロ系を用いてDCのCD4及び、CD8細胞刺激能を阻害する可能性が示唆されたが、線維芽細胞もT細胞活性化を直接阻害することが実証された[16]。
特定の実施形態では、個体における同種異系インスリン産生細胞(膵臓ドナーに由来し得るか、又は前駆細胞の集団からのインビトロ分化に由来し得るか、及び、/又は膵島細胞塊から構成される)の生存を増強する方法が存在し、これは同種異系EPC及び、同種異系線維芽細胞の有効量を個体に提供する工程を含む。本開示の1つの実施形態において、以下のステップを含む個体における同種インスリン産生細胞の生存を増強する方法(膵臓ドナーに由来するか、又は前駆細胞集団からのインビトロ分化に由来する可能性があり、及び、/又は膵島細胞集団を含む)がある:a)同種内皮前駆細胞(EPC)の集団を得る;b)同種線維芽細胞の集団を得る;及び、c)同種EPC及び、同種線維芽細胞を同種インスリン産生細胞の移植前、及び、/又は移植と同時に、及び、/又はその後に投与する。同種EPCは、a)flk-1;b)CD31;c)CD34;d)CD133;f)PDGF-R;g)hTERT;及び、h)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを発現してもしなくてもよい。同種EPCは(i)哺乳動物細胞集団を単離する工程;(ii)CD45表現型プロファイルを発現する工程(i)の細胞の亜集団を濃縮する工程;(iii)CD34表現型プロファイルを発現する工程(ii)に由来するCD45細胞の亜集団を濃縮する工程;及び、(iv)CD31lo/-表現型プロファイルを発現する工程(iii)に由来するCD34細胞の亜集団を単離し、それによって内皮前駆細胞を単離する工程を含む方法によって誘導され得る。同種EPCは、胎盤組織;骨髄;脂肪組織;大網、又は胎盤由来EPCに由来することができる。
一実施形態では、インスリン産生細胞に関連する抗原に対する寛容原性免疫応答を刺激する方法であって、同種異系EPC及び、同種異系線維芽細胞と共に有効量の同種異系インスリン産生細胞を投与する工程を含む方法がある。寛容原性応答は抗原特異的T調節細胞の刺激を含み得、そしてT調節細胞はインスリン産生細胞の活性を殺すか又は抑制する細胞を阻害する能力を有し得る。T調節細胞は、転写因子FoxP3を発現する場合としない場合がある。特定の実施形態では寛容原性応答が抗原特異的B調節細胞の刺激を含み、B調節細胞はCD10を発現してもしなくてもよく、プロプラズマ芽細胞であってもなくてもよい。
本開示の一実施形態では、ドナー特異的寛容原性事象を誘導するために、膵臓同種移植片と同じドナーの線維芽細胞を個体に投与する(例えば、門脈内及び、/又は全身に)。別の実施形態において、線維芽細胞は、ドナーから得られ、及び、/又は生成され、免疫隔離チャンバーに配置され、寛容発生を誘導する。別の実施形態では、ドナー特異的線維芽細胞及び、/又は樹状細胞(DC)が個体において一緒に投与される。DCが投与される場合、DCは、共刺激分子の活性化又はアップレギュレーションを防止する様式で処置され得る。1つは、IL-10、アスピリン、NF-カッパB阻害剤、及び、toll様受容体及び、TLRの下流シグナル伝達の阻害剤等の樹状細胞成熟の阻害剤で治療することができる。線維芽細胞及び、/又はDCは骨髄、末梢血、死体骨髄を含む任意の供給源に由来してもよく、又は、例えば、iPSテクノロジーの手段によって生成されてもよい。
有効量の線維芽細胞及び、EPCがインスリン産生細胞(膵島細胞であり得る)の生着を増強するために個体に投与される場合、異なる細胞が個体に投与される順序は、任意の種類であり得る。ある場合には、線維芽細胞はEPCの前に投与されるが、他の場合には線維芽細胞はEPCの後に投与される。線維芽細胞は、EPCと同時に投与され得る。ある場合には膵島細胞の生着が線維芽細胞及び、/又はEPCの投与前に起こり、一方、他の場合には膵島細胞の生着が線維芽細胞及び、/又はEPCの投与後に起こる。線維芽細胞の投与経路は、EPCと同じであってもなくてもよい。
線維芽細胞の有効量は、任意の種類であり得、臨床医によって決定され得るが、具体的な実施形態では、その量が投与あたり10~10線維芽細胞/kgレシピエント塊の範囲内である。いくつかの実施形態において、投与当たりの最適投与量は、10~10線維芽細胞/kgである。多くの実施形態において、投与当たりの最適投与量は、5×10~5×10線維芽細胞/kgであろう。EPCの有効量は、任意の種類であってもよく、臨床医によって決定されてもよい。いくつかの場合において、EPCに対する線維芽細胞の特定の比率が、異なる細胞の投与において使用される。一例として、EPCに対する線維芽細胞の比は、1:1;1:2;1:10;1:25;1:50;1:100;1:1000等であり得る。別の例として、EPC対線維芽細胞の比は、1:1;1:2;1:10;1:25;1:50;1:100;1:1000等であり得る。
いくつかの実施形態において、線維芽細胞は、1回の用量で主題に投与される。他のものでは、線維芽細胞を、連続して2回又はそれ以上の用量で被験体に投与する。線維芽細胞が、単回用量、2回用量、及び、/又は3回以上用量で投与されるいくつかの他の実施形態において、用量は同じであっても異なっていてもよく、それらはそれらの間で等しい間隔で、又は等しくない間隔で投与されてもよい。
線維芽細胞及び、/又はEPCは、広範囲の時間にわたって多くの頻度で投与され得る。いくつかの実施形態において、線維芽細胞及び、/又はEPCは、1日未満の期間にわたって投与される。他の実施形態において、それらは、2、3、4、5、又は6日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、線維芽細胞及び、/又はEPCが場合によっては数週間にわたる期間を含めて、1週間に1回以上投与される。他の実施形態において、それらは、1~数ヶ月間、数週間の期間にわたって投与される。種々の実施形態において、それらは、数ヶ月の期間にわたって投与され得る。他の実施形態では、それらは1年以上の期間にわたって投与されてもよい。一般に、治療の長さは、疾患プロセスの長さ、適用される治療の有効性、並びに治療される対象の状態及び、応答に比例する。細胞の単一用量は、一度に全て、部分的に、又はある期間にわたって連続的に送達され得ることが理解されるべきである。用量全体はまた、単一の位置に送達され得るか、又はいくつかの位置にわたって部分的に広がり得る。最初の投与及び、その後の投与のための、又は連続投与のための適切なレジメンは、全て同じであり得るか、又は可変であり得る。適切なレジメンは、当業者によって、この本開示、本明細書中に引用される文書、及び、当技術分野における知識から確認され得る。
種々の実施形態において、線維芽細胞及び、/又はEPCは、初期用量で投与され得、その後、線維芽細胞及び、/又はEPCのさらなる投与によって維持され得る。線維芽細胞及び、/又はEPCは、最初に1つの方法によって投与され得、その後、同じ方法又は1つ以上の異なる方法によって投与され得る。被験者の線維芽細胞レベルは、進行中の細胞の投与によって維持することができる。様々な実施形態は線維芽細胞の最初の投与、又は対象における線維芽細胞のレベルを維持するための投与、又はその両方を含み、特定の例では、それは静脈内注射によるものであってもよい。様々な実施形態において、個体の状態及び、本明細書の他の箇所で議論される他の因子に依存して、他の投与形態が使用される。
ヒトの被験者は一般に実験動物よりも長い治療を受けるが、治療は一般に疾患過程の長さと治療の有効性に比例する長さを有することが注目される。当業者はヒト及び、/又はラット、マウス、非ヒト霊長類等の動物において実施される他の手順の結果を使用して、ヒトのための適切な用量を決定する際に、これを考慮する。このような決定はこれらの考察に基づき、そして本開示及び、先行技術によって提供されるガイダンスを考慮に入れて、当業者が過度の実験なしにそうすることを可能にする。
治療の用量、頻度、及び、/又は期間は、疾患の性質、被験体、及び、投与され得る他の治療法を含む因子に依存し得る。したがって、線維芽細胞及び、/又はEPCを投与するために、多種多様なレジメンを使用することができる。一実施形態では、本方法が単離された哺乳動物内皮前駆細胞を使用し、本方法は(i)哺乳動物細胞集団を単離するステップと、(ii)CD45表現型プロファイルを発現するステップ(i)の細胞の亜集団を濃縮するステップと、(iii)CD34表現型プロファイルを発現するステップ(ii)に由来するCD45細胞の亜集団を濃縮するステップと、(iv)CD31lo/-表現型プロファイルを発現するステップ(iii)に由来するCD34細胞の亜集団を単離し、それによって内皮前駆細胞を単離するステップとを含む。内皮前駆細胞は投与(少なくとも門脈内を含む)、膵島移植の前、及び、/又は同時、及び、/又はその後に、同種の様式で使用され得る。別の局面において、膵島移植で使用される哺乳動物内皮前駆細胞を単離する方法であって、(i)哺乳動物細胞集団を単離する工程;(ii)CD45表現型プロファイルを発現する工程(i)の細胞の亜集団を濃縮する工程;(iii)CD34表現型プロファイルを発現する工程(ii)に由来するCD45細胞の亜集団を濃縮する工程;及び、(iv)CD31lo/-表現型プロファイルを発現する工程(iii)に由来するCD34細胞の亜集団を単離し、それによって内皮前駆細胞を単離する工程;の連続工程を含む方法が提供される。
IV.
線維芽細胞
線維芽細胞は、肝臓位置への移植を含む、移植のための同種細胞の耐性を増強するために、本明細書中で使用される。線維芽細胞は、生着を受けているか又は受けているのであろう個体に関して同種であってもよく、そわなくてもよい。線維芽細胞は、任意の種類のものであり得る。線維芽細胞は、個体への送達の前等、それらの使用の前に改変されてもされなくてもよい。このような修飾は例えば、出発集団として線維芽細胞によって発現されなかった1つ以上のマーカーを発現するように修飾されることを含む、任意の種類のものであり得る。
線維芽細胞は、軟骨細胞系統に分化することができる。それらは、a)NANOG;b)OCT-4;c)SSEA-4;d)幹細胞因子受容体;及び、e)それらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のマーカーを発現してもしなくてもよい。具体的な場合において、線維芽細胞は(i)哺乳動物細胞集団を単離する工程;(ii)CD45表現型プロファイルを発現する工程(i)の細胞の亜集団を濃縮する工程;及び、(a)CD34表現型プロファイルを発現する工程(ii)に由来するCD45細胞の亜集団を濃縮する工程、及び、前記CD34細胞の亜集団を単離し、それによって再生特性を有する線維芽細胞を単離する工程を含む方法によって単離され得る。線維芽細胞は、a)包皮;b)タミータック;c)胎盤;d)耳垂;e)脂肪組織;f)大網;及び、/又はg)ウォートンゼリーから選択される一群の組織源に由来し得る。特定の実施形態では、胎盤線維芽細胞が使用され、それらは胎盤の胎児側に由来し得る。特定の局面において、胎児由来であるCD45陰性線維芽細胞が使用される。線維芽細胞は、a)磁気活性化細胞選別;b)フローサイトメトリー選別;c)細胞パニング;d)再生能力の細胞を選択的に選択するための親和性に基づく手段;及び、/又はe)再生能力を有する細胞を選択するためのサイズに基づく手段から選択される方法を使用して、再生能力のマーカーの発現のために精製され得る。
本開示のいくつかの実施形態において、線維芽細胞は、OCT-4の胎盤発現のために選択される。他の実施形態において、OCT-4発現は、種々の培養条件下への曝露後の培養及び、増殖のための細胞を同定する手段として使用される。Oct-4(ヒトのoct-3)は、胞胚前期胚、初期卵割期胚、胚盤胞の内部細胞塊の細胞、及び、胚性癌(”EC”)細胞に発現する転写因子であり(Nichols、J.ら.(1998)Cell 95:379-91)、細胞が分化誘導されるとダウンレギュレートされる。oct-4遺伝子(ヒトではoct-3)は、ヒトでは少なくとも2つのスプライスバリアントであるoct-3Aとoct-3Bに転写される。oct-3Bスプライスバリアントは多くの分化細胞に見出されるが、oct-3Aスプライスバリアント(以前にoct-3/4とも呼ばれた)は未分化胚性幹細胞に特異的であることが報告されている。Shimozakiら(2003)Development 130:2505-12を参照のこと。oct-3/4の発現は、胚発生及び、分化の初期段階を決定するのに重要な役割を果たす。Oct-3/4は、rox-1と組み合わせて、未分化状態でES細胞を維持するためにも必要とされるZnフィンガータンパク質rex-1の転写活性化を引き起こす(Rosfjord、E.及び、Rizzino、A.(1997)Biochem Biophys Res Commun 203:1795-802;Ben-Shushan、E.ら(1998)Mol Cell Biol 18:1866-78)。
本開示の種々の実施形態に従って使用するのに適切な線維芽細胞の用量は、多数の因子に依存する。それは、異なる状況に対してかなり変化し得る。一次及び、補助療法のために投与される胎盤線維芽細胞の最適用量を決定するパラメータは、一般的に、以下のいくつか又は全てを含もう:治療される疾患及び、その病期;被験体の種、その健康、性別、年齢、体重、及び、代謝速度;被験体の免疫能;投与される他の治療法;被験体の病歴又は遺伝子型から予想される合併症。パラメーターはまた、胎盤線維芽細胞が同系、自家、同種、又は異種のいずれであるか;それらの効力(比活性);線維芽細胞が有効であるために標的化されなければならない部位及び、/又は分布;及び、線維芽細胞へのアクセス及び、/又は線維芽細胞の生着のような部位のそのような特徴を含み得る。その他のパラメータには、他の因子(成長因子及び、サイトカイン等)の線維芽細胞との同時投与が含まれる。所与の状況における最適用量はまた、細胞が処方される様式、それらが投与される様式、及び、細胞が投与後に標的部位に局在化される程度を考慮する。最後に、至適用量の決定は必然的に、最大有益効果の閾値を下回ることもなく、線維芽細胞の用量に関連する有害作用が増量した用量の利点を上回る閾値を上回る有効用量を提供するのであろう。
いくつかの実施形態についての線維芽細胞(場合によっては胎盤)の最適用量は、自己単核骨髄移植に使用される用量の範囲内である。胎盤線維芽細胞のかなり純粋な調製物については、種々の実施形態における最適用量が投与あたり10~10の胎盤線維芽細胞/kgのレシピエント塊であろう。いくつかの実施形態において、投与当たりの最適投与量は、10~10胎盤線維芽細胞/kgである。多くの実施形態において、管理当たりの最適管理量は、5×10~5×10胎盤線維芽細胞/kgであろう。参考にすると、上記のより高い線量は、自家単核骨髄移植に用いられる有核細胞の線量と類似している。低用量のいくつかは、自家単核骨髄移植で使用されるCD34細胞数/kgに類似している。
特定の実施形態では線維芽細胞が実質的な均質性を有するように単離され、特定の実施形態では、胎児起源である。
分化(Differentiation)とは特定化されていない(”コミットメントされていない”)細胞、あるいはそれほど特殊化していない細胞が例えば神経細胞や筋細胞のような特殊化した細胞の特徴を獲得する過程である。分化した細胞は細胞の系譜の中でより特殊化した(”コミットされた”)位置をとったものである。運命拘束された用語は分化の過程に適用される場合、分化経路において、正常な状況下では特定の細胞型又は細胞型のサブセットに分化し続け、正常な状況下では異なる細胞型に分化するか、又はより分化していない細胞型に戻すことができない点まで進んだ細胞を意味する。脱分化とは、細胞が細胞株内のあまり特殊化されていない(又は確定されていない)位置に戻るプロセスをいう。本明細書で使用されるように、細胞の系統は細胞の遺伝性、すなわち、細胞がどんな細胞から来たか、及び、細胞がどんな細胞を生じさせることができるかを定義する。細胞の系譜によって、細胞は開発と分化の遺伝的図式の中に配置される。
現在の本開示の文脈の中で、胎児由来の線維芽細胞は胎盤治療効果を有するように、部分的には、主として胎児組織起源の幹細胞を選択することによって、抽出されるか、単離される。
本明細書中で使用されるように、フレーズは中胚葉系列、外胚葉系列又は内胚葉系列に分化し、それぞれ、特定の中胚葉系列、外胚葉系列又は内胚葉系列に運命拘束されるようになる細胞を指す。中胚葉系列に分化する、又は特定の中胚葉細胞を生じる細胞の例としては脂肪生成細胞、軟骨形成細胞、心原性細胞、皮膚形成細胞、造血細胞、血管新生細胞、筋原性細胞、腎原性細胞、泌尿器原性細胞、骨原性細胞、心膜原性細胞、又は間質細胞があげられるが、これらに限定されない。外胚葉系列に分化する細胞の例としては表皮細胞、神経原性細胞、及び、神経膠原性細胞があげられるが、これらに限定されない。内胚葉系列に分化する細胞の例としては限定されるわけではないが、胸膜形成細胞、肝臓形成細胞、腸の内層を生じる細胞、及び、膵臓形成細胞及び、内臓形成細胞を生じる細胞があげられる。
V.
細胞の獲得、産生及び、/又は操作
特定の実施形態において、細胞は、操作及び、/又は使用の前に組織及び、/又は器官から単離される;細胞は、線維芽細胞、EPC、又はインスリン産生細胞(例えば、島細胞)であり得る。特定の場合において、単離手順は酵素消化プロセスを使用する。酵素は組織を解離して細胞集団を抽出するために使用され、その後、胎児由来線維芽細胞の単離のために収集され、そして増殖される。多くの酵素が培養物中での増殖を容易にするために、複雑な組織マトリックスから個々の細胞を単離するために有用であることが、当該分野で公知である。組織からの細胞単離において使用するための広範囲の消化酵素は弱消化性(例えば、デオキシリボヌクレアーゼ及び、中性プロテアーゼ、ディスパーゼ)から強消化性(例えば、パパイン及び、トリプシン)までの範囲で当業者に使用可能であり、そしてこのような酵素は、商業的に使用可能である。本明細書と適合する酵素の非網羅的なリストには、粘液溶解酵素活性、メタロプロテアーゼ、中性プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン、又はエラスターゼ等)、及び、デオキシリボヌクレアーゼが含まれる。特定の場合は、メタロプロテアーゼ、中性プロテアーゼ及び、粘液溶解活性から選択される酵素活性である。例えば、コラゲナーゼは、組織から種々の細胞を単離するために有用であることが知られている。デオキシリボヌクレアーゼは、一本鎖DNAを消化することができ、単離中の細胞凝集を最小限にすることができる。酵素は、単独で、又は組み合わせて使用することができる。セリンプロテアーゼは、使用される他の酵素を分解し得るので、好ましくは他の酵素の使用に続いて、配列で使用される。セリンプロテアーゼとの接触の温度及び、時間をモニターしなければならない。セリンプロテアーゼは、血清中のα2ミクログロブリンで阻害することができ、したがって、消化に使用される培地は、好ましくは無血清である。EDTA及び、DNaseが一般に使用され、収率又は効率を改善することができる。好ましい方法は、例えば、コラゲナーゼ及び、ディスパーゼ、又はコラゲナーゼ、ディスパーゼ、及び、ヒアルロニダーゼによる酵素処理を含み、このような方法が提供され、特定の好ましい実施形態において、コラゲナーゼ及び、中性プロテアーゼディスパーゼの混合物が、解離工程において使用される。より好ましいのは、ヒストリチクム菌由来の少なくとも1つのコラゲナーゼ、並びにプロテアーゼ活性、ディスパーゼ及び、サーモリシンのいずれかの存在下での消化を用いる方法である。さらに、より好ましいのは、コラゲナーゼ及び、ディスパーゼ酵素活性の両方による消化を用いる方法である。コラゲナーゼ及び、ディスパーゼ活性に加えてヒアルロニダーゼ活性による消化を含む方法も好ましい。当業者は、種々の組織供給源から細胞を単離するための多くのこのような酵素処理が当該分野で公知であることを理解する。例えば、リベラーズブレンドザイム(LIBERASE BLENDZYME)(Roche)シリーズのコラゲナーゼ及び、中性プロテアーゼの酵素組み合わせは、非常に有用であり、本方法において使用され得る。他の酵素源が知られており、当業者はまた、そのような酵素をその天然源から直接得ることができる。当業者はまた、本発明の細胞を単離する際のそれらの有用性について、新規の、又は追加の酵素又は酵素の組み合わせを評価するために十分に装備されている。特定の酵素処理は、0.5、1、1.5、又は2時間以上である。他の好ましい態様において、組織は、解離工程の酵素処理中に37℃でインキュベートされる。消化物を希釈することはまた、細胞が粘性消化物内に捕捉され得るので、細胞の収率を改善し得る。
酵素活性の使用が利用され得るが、本明細書中に提供されるような単離方法には必要とされない。機械的分離のみに基づく方法は上記のように、臍から本細胞を単離するのに成功し得る。
細胞は、組織が本明細書中で上記したような任意の培養培地に解離された後、再懸濁され得る。細胞は遠心分離工程の後に再懸濁されて、細胞を組織又は他の破片から分離し、試験することができる。再懸濁は、細胞への培養培地の再懸濁及び、/又は単純な添加の機械的方法を含み得る。
適切な増殖条件を提供することは、培養培地、サプリメント、大気条件、及び、細胞の相対湿度に関する広範囲の選択肢を可能にする。特定の温度は37℃であるが、温度は他の培養条件及び、細胞又は培養物の所望の使用に応じて、約35℃~39℃の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、増殖培地と共に提供される補足血清中で使用可能であることを除いて、外因性増殖因子を必要としない細胞を提供する方法がある。特定の増殖因子の非存在下で増殖することができる臍細胞を誘導する方法もまた、本明細書中に提供される。この方法は上記の方法と同様であるが、これらは細胞が最終的に再懸濁され、そして増殖される培養培地中に、特定の増殖因子(このために、細胞は必要とされない)が存在しないことを必要とする。この意味で、この方法は、特定の増殖因子の非存在下で分裂することができる細胞に対して選択的である。特定の細胞は、いくつかの実施形態において、血清を添加しない化学的に規定された増殖培地中で増殖及び、増殖することができる。このような場合、細胞は、細胞を支持及び、維持するために培地に添加され得る特定の増殖因子を必要とし得る。無血清培地上又は中での増殖のために添加される特定の因子には、FGF、EGF、IGF、及び、PDGFのうちの1つ以上が含まれる。より特定の実施形態では、2つ、3つ、又は4つ全ての因子が無血清培地又は化学的に規定された培地に添加される。他の実施形態において、LIFは、細胞の増殖を支持又は改善するために無血清培地に添加される。
また、細胞が、それらの雰囲気中で約5%~約20%の酸素の存在下で膨張し得る方法も提供される。L-バリンを必要とする細胞を得るための方法は、細胞をL-バリンの存在下で培養することを必要とする。細胞が得られた後、L-バリンの必要性を試験し、L-異性体を欠くD-バリン含有培地上で増殖させることによって確認することができる。
老化状態に達する前に、細胞が少なくとも25、30、35、又は40回の倍加を受けることができる方法が提供される。1014以上の細胞に達するように倍加することができる細胞を誘導するための方法が提供される。特定の方法は、少なくとも約1014、1015、1016、又は1017以上のセルを、文化において約10から約10セル/cmまでシードしたときに生成するのに十分に倍にできるセルを導出する方法である。特に、これらの細胞数は、80、70、又は60日以内に産生される。一実施形態では、組織線維芽細胞を単離し、増殖させ、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、CD141、PDGFr-α、HLA-A、B、C、及び、それらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のマーカーを有する。さらに、細胞は、特定の症例において、CD31、CD45、CD117、CD141、又はHLA-DR、DP、DQの1つ以上を産生することも、産生しないこともある。
VI.
膵臓の膵島細胞
本開示の方法において医師を補助するために、膵島細胞を単離する方法が提供され、そして参照により組み込まれる。一実施形態では、米国特許出願第2006/0182722号に記載されている方法が提供される:膵臓が男性又は女性のドナーから入手することができ、肝臓及び、膵臓の十二指腸の調達を組み合わせるために開発された技術である(Marshら、Surg.Gynecol.Obstet.1989;168:254-258)。ドナーは、典型的には15~50歳の年齢の範囲である。一般的な除外基準には、例えば、全身性細菌感染症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ栄養ウイルス(HTLV)、B型肝炎ウイルス、又はC型肝炎ウイルス(HCV)等のウイルス、糖尿病の既往、頭蓋外腫瘍、及び、AIDSの危険因子が含まれる。ドナー膵臓は膵組織アデノシン三リン酸(ATP)含量を改善し、貯蔵膵臓から単離された膵島の収率を増加させ、膵島単離及び、移植のためのマージナルドナー膵臓の使用を可能にし、膵島単離成功率を改善し、単離された膵島の完全性を保存する(例えば、単離された膵島が糖尿病を逆転させることができるように)2層膵臓保存法を用いて保存することができる。一般に、低温ウィスコンシン大学(UW)溶液(ViaSpan(登録商標)、DuPont Pharma、Wilmington、DE)(米国特許第4,798,824号及び、第4,879,283号を参照のこと)又は改変UW溶液を、等容量の低温ペルフルオロデカリン(FluoroMed、L.P、Round Rock、TX)の上に注ぐことができる。典型的には、2層保存方法は、例えば、ステンレス鋼メッシュプレートが取り付けられた取り外し可能な蓋と、入口及び、出口ポートとを有する臓器輸送容器内で実施される。例えば、米国特許6,490,880の臓器輸送容器を参照されたい。ペルフルオロデカリンの比重はViaSpan(登録商標)及び、改質-UW溶液よりも大きいので、ViaSpan(登録商標)又は改質UW溶液をペルフルオロデカリンに添加した後、2つの層が形成される。改質UW溶液は、0.35~0.45g/Lの水酸化カリウム、3.00~4.00g/Lの一リン酸ナトリウム一水和物、0.05~1.00g/Lの塩化カルシウム二水和物、1.10~1.30g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、33.00~38.00g/Lのラクトビオン酸、4.00~5.00g/Lのヒスチジン、15.00~20.00g/Lのラフィノース、4.00~5.00g/Lの水酸化ナトリウム、15.00~25.00g/Lのペンタデンプン、1.00~1.50g/Lのアデノシン、及び、0.75~1.50gのグルタチオンを含む。特に、改質UW溶液は、0.39g/Lの水酸化カリウム、3.45g/Lの一リン酸ナトリウム一水和物、0.074g/Lの塩化カルシウム二水和物、1.23g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、35.83g/Lのラクトビオン酸、4.66g/Lのヒスチジン、17.84g/Lのラフィノース、4.60g/Lの水酸化ナトリウム、20.00g/Lのペンタデンプン、1.34g/Lのアデノシン、及び、0.92g/Lのグルタチオンをを含み得る。典型的には、ペルフルオロデカリンが30~70分間(例えば、40~60分間)酸素化される。例えば、医療グレードの酸素は、0.2mmフィルター(Gelman Sciences、Ann Arbor、MI)及び、輸送容器の入口ポートを通して2.5L/分の速度で濾過することができる。好ましくは、ドナー膵臓の冷蔵時間が12時間未満(例えば、10、8、6、4、又は2時間未満)である。ドナー膵臓を受け取ると、出荷コンテナの完全性は、目視検査によって検証することができる。膵臓を取り出し、8.00~10.00g/Lのマンニトール、3.00~6.00g/Lのヒスチジン、18.00~21.00g/Lのグルコン酸、0.50~2.00g/Lの水酸化カリウム、0.01~0.05g/Lの塩化カルシウム、0.50~2.00g/Lの硫酸マグネシウム、0.40~0.80g/Lのニコチンアミド、0.30~0.70g/Lのピルビン酸、及び、1.50~3.50g/Lのリン酸カリウム一塩基性物質を含有する低温輸送溶液ですすぐことができる。例えば、低温輸送溶液は、8.50~9.50g/L(例えば、9.11g/L)のD-マンニトール、4.00~5.00g/L(例えば、4.67g/L)のL-ヒスチジン、18.50~20.50g/L(例えば、19.63g/L)のD-グルコン酸ナトリウム塩、0.80~1.40g/L(例えば、1.12g/L)の水酸化カリウム、0.025~0.045g/L(例えば、0.037g/L)の塩化カルシウム二水和物、1.00~1.50g/L(例えば、1.23g/L)の硫酸マグネシウム七水和物、0.55~0.65g/L(例えば、0.61g/L ピルビン酸ナトリウム0.60g/L(例えば、0.55g/L)、リン酸カリウム1塩基2.50~3.25g/L(例えば、2.72g/L)を含み得る。膵島は、膵臓組織解離の自動化された方法を使用して、ドナー膵臓から単離され得る。例えば、Ricordiら、Diabetes 1988;37:413-420を参照のこと。この方法は、1)解離;2)膨張;3)解離;及び、4)収集の一般的な工程を含む。膵臓の解離は、外来脂肪(膨張中の漏出を最小限にするためにいくらかの脂肪を保持しながら)及び、非膵臓組織を除去することを含み得る。典型的には、脂肪の約80%~約95%が除去される。解剖された膵臓は、例えば、ゲンタマイシン(Elkins-Sinn社)、セファゾリン(SmithKline Beecham Pharmaceutical)、及び、アンホテリシン-B(Apothecon(登録商標))を冷輸送溶液中に含有する局所抗生物質溶液中でインキュベートされ得、次いで、フェノールレッドフリーハンクス平衡塩類溶液(Mediatech社、Herndon、Va)中で連続的にリンスされ得る。膵臓は頸部で「体と尾」と「頭」に分けることができ、以下のステップが各部分で行われる。一般に、血管カテーテル(16~20ゲージ)を用いて膵管にカニューレを挿入し、初期圧80mmHgに続いて拡張手技の残りの部分の圧力を180mmHgに上昇させる等、制御された条件下で膵臓を潅流することができる。第I相溶液は、膵臓を潅流するために使用することができる。第I相溶液は、5.00~6.00g/Lのマンニトール、0.50~0.70g/Lの水酸化ナトリウム、5.00~7.00g/Lの塩化ナトリウム、0.25~0.40g/Lの水酸化カリウム、0.05~0.15g/Lの塩化カルシウム、0.15~0.25g/Lの硫酸マグネシウム、及び、3.00~4.00g/Lのリン酸一塩基性ナトリウムを含む。例えば、第I相溶液は、5.47g/LのD-マンニトール、0.60g/Lの水酸化ナトリウム、6.14g/Lの塩化ナトリウム、0.33g/Lの水酸化カリウム、0.11g/Lの塩化カルシウム二水和物、0.20g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、及び、3.45g/Lのリン酸ナトリウムを含み得る。典型的には、第I相溶液は、コラゲナーゼの1,000~3,600 Wunsch単位(コラゲナーゼ活性)又は28,000~128,500カゼイナーゼ単位(タンパク質分解活性)を含有する。例えば、第I相溶液は、1500~3000(例えば、1,562~2,954又は2,082~2,363)Wunsch単位、又は42,000~108,000(例えば、42,328~107,064又は56,437~85,651)カゼイナーゼ単位のコラゲナーゼを含み得る。適切なコラゲナーゼには、ヒト膵島の分離手順用に特別に配合されたLiberase.TM.HI(Roche Molecular Biochemicals、Indianapolis、Ind.)が含まれる。Linetskyら、Diabetes 1997;46:1120-1123を参照のこと。好ましくは、粉末状のLiberase.TM.HIは、第I相溶液に添加する少なくとも20分前から2時間以内に再構成される。第I相溶液はまた、プロテアーゼ阻害剤(例えば、4-(2-アミノエチル)-ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩(Pefabloc(登録商標)SC PLUS)、TLCK(1-クロロ-3-トシルアミド-7-アミノ-2-ヘプタノン塩酸塩)、または大豆由来のトリプシン阻害剤などのトリプシン阻害剤)を含み得る。例えば、第I相溶液は、内因性プロテアーゼを特異的に阻害し、自己消化を減少させるPefablocSC PLUSを0.05~0.15mg/mL含み得る。また、第I相溶液は、8~12単位/mLのヘパリン(例えば、Monoparin(登録商標)、Accurate Chemical and Scientific Corporation)を含み得る。例えば、第I相溶液は、10単位/mLのヘパリンを含み得る。
いくつかの実施形態では、第I相溶液が1,000~3,600Wunsch単位のコラゲナーゼ、0.05~0.15mg/mLのトリプシン阻害剤、及び、10単位/mLのヘパリンを含有する。十分な期間、例えば、8~20分間の冷潅流の後、膨張した膵臓は残りのカプセルをさらに切り取り、解離チャンバ(例えば、Ricordiチャンバとしても知られる無菌ステンレス鋼チャンバ(Wahoffら、Ann.Surg.1995;222:562-579))に入れることができる。膨張した膵臓から「漏れた」コラゲナーゼをチャンバーに添加することができる。典型的には、Ricordiチャンバが熱交換コイル(例えば、ステンレス鋼コイル)、ポンプ、温度モニタ及び、センサ、装填フラスコ、流体収集フラスコ、サンプル収集フラスコ、並びに構成要素を流体接続するための管を含む循環システム内にある。流れ方向は、例えば、バルブ又はクランプを使用して制御することができる。熱交換コイルは、水浴中に配置することができる。Ricordiチャンバーを収容する循環システムの一実施形態には、熱交換用のステンレススチール製コイル、小径の6つのチューブ(Master Flexチューブ、サイズ16)、大径の4つのチューブ(Master Flexチューブ、サイズ17)、サンプリング用のスチール製3方活栓、4つのプラスチッククランプ、250mLの円錐チューブ、三方注入型使い捨てビーカー、1000mL、ベル型プラスチックカバー、2つのT型コネクター、(1)ルアーロックポート付きのT型コネクター、及び、2つのアームを備えた18インチスチール製リングスタンド、Ismatecポンプ、Mon-a-therm温度モニター及び、センサー、及び、水浴がある。この系を第I相溶液で満たし、空気を排気して消化段階を開始することができる。特に、第I相溶液は、ローディングフラスコからポンプ、熱交換コイル、及び、Ricordiチャンバーを通って流体収集フラスコに流れることができる。第I相溶液の体積の10%~30%が流体収集フラスコに到達した後、第I相溶液がシステムを通って再循環されるように、すなわち、第I相溶液が流体収集フラスコからチャンバへ、及び、チャンバから流体収集フラスコへ流れるように、システムの流れを調節することができる。チャンバは、組織解離を補助するために流体が再循環されている間に撹拌され得る。流体の温度は25℃~37℃に維持することができ、収集段階は、一旦、チャンバから遊離される組織の量が増加すると開始することができ、膵島の大部分又は全ては周囲の腺房組織を含まず、無傷の膵島が観察され、腺房組織はより細かくなる(小細胞クラスター)。ジフェニルチオカルバゾン(DTZ)染色を用いて、島を非島組織から区別することができる。Latifら、Transplantation 1988;45:827-830を参照のこと。DTZは、島β細胞顆粒中の亜鉛-インスリン複合体に選択的に結合し、島の赤色染色を生じる。DTZ染色は、腺房組織からの膵島の識別のための迅速な手段を提供し、陽性反応は、インスリン含有β細胞が存在することを示す。収集段階の間、システムの温度を約10℃~約30℃に下げることができ、流体収集フラスコ内の流体をポンプ及び、熱交換コイルを通してRicordiチャンバ内に流すことができ、第II相溶液(RPMI 1640、カタログ番号99-595-CM、Mediatech社、Herndon、Va)をローディングフラスコに添加することができる。第II相溶液は、コラゲナーゼを希釈し、そして組織を洗浄するために、循環系を通してポンプ輸送され得る。消化された物質は、第II相溶液及び、ヒト血清アルブミン(HSA)を含むフラスコに収集することができ、収集された物質は、冷蔵溶液を使用して2~5回洗浄された。冷貯蔵液は、16.00から20.00g/Lのラフィノース、4.00から6.00g/Lのヒスチジン、4.00から5.00g/Lの水酸化ナトリウム、30.00から40.00g/Lのラクトビオン酸、0.30から0.50g/Lの水酸化カリウム、0.05から0.10g/Lの塩化カルシウム、1.00から1.50g/Lの硫酸マグネシウム、3.00から4.00g/Lの一塩基性リン酸ナトリウム、19.00から21.00g/Lのペンタスターチ、8.00から12.00U/mLのヘパリン、及び、8.00から12.00μg/mLのインシュリンを含み得る。例えば、冷貯蔵溶液は、17.84g/LのD(+)ラフィノース、4.66g/Lのヒスチジン、4.60g/Lの水酸化ナトリウム、35.83g/Lのラクトビオン酸、0.39g/Lの水酸化カリウム、0.39g/Lの塩化カルシウム二水和物、1.23g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、3.45g/Lの一塩基性リン酸ナトリウム、2%五澱粉、10U/mLのヘパリン、及び、10μg/mLのインスリンを含み得る。冷貯蔵溶液はH相II溶液(80体積%)を10%ペンタデンプン(すなわち、100g/L)(20体積%)と組み合わせ、8.00~12.00U/mLヘパリン、及び、8.00~12.00μg/mLインスリンを添加することによって作製することができる。H相溶液は、16.00~20.00g/Lラフィノース、4.00~6.00g/Lヒスチジン、4.00~5.00g/L水酸化ナトリウム、30.00~40.00g/Lラクトビオン酸、0.30~0.50g/L水酸化カリウム、0.05~0.10g/L塩化カルシウム、1.00~1.50g/L硫酸マグネシウム、3.00~4.00g/Lリン酸一塩基ナトリウムを含む。H相II溶液のpHは、塩酸又は水酸化ナトリウムを用いて7.3~7.5のpHに調整することができる。H相II溶液の密度は、典型的には1.063±0.003である。例えば、H相II溶液は、17.84g/LのD(+)ラフィノース、4.66g/Lのヒスチジン、4.60g/Lの水酸化ナトリウム、35.83g/Lのラクトビオン酸、0.39g/Lの水酸化カリウム、0.39g/Lの塩化カルシウム二水和物、1.23g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、及び、3.45g/Lの一塩基性リン酸ナトリウムを含み得る。洗浄した組織はキャッピング層溶液及び、HSA(例えば、25% HSA)に再懸濁することができ、キャッピング層溶液は、l6.00~20.00g/Lラフィノース;4.00~6.00g/Lヒスチジン;4.00~5.00g/L水酸化ナトリウム;30.00~40.00g/Lラクトビオン酸;0.30~0.50g/L水酸化カリウム;0.05~0.10g/L塩化カルシウム;1.00~1.50g/L硫酸マグネシウム;3.00~4.00g/Lリン酸一塩基ナトリウム;及び、19.00~21.00g/Lペンタスタッチを含み得る。例えば、キャップ層液は、1.035~1.036g/cmの濃度を有することができ、17.84g/LのD(+)ラフィノース、4.67g/Lのヒスチジン、4.6g/Lの水酸化ナトリウム、35.83g/Lのラクトビオン酸、0.393g/Lの水酸化カリウム、0.07g/Lの塩化カルシウム二水和物、1.23g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、3.45g/Lのリン酸ナトリウム一塩基性、及び、2%の五澱粉を含み得る。キャップ層溶液はH相II溶液(80体積%)を10%ペンタデンプン(すなわち、100g/L)(20体積%)と組み合わせることによって作製し得る。島は、連続密度勾配分離を用いて精製することができる。勾配は、イオジキサノール(OptiPrep(登録商標)、Nycomed、Roskilde、Denmark)(密度1.32g/cm)及び、キャップ層溶液、冷蔵溶液及び、/又は高密度(HD)原液を用いて調製することができる。HD原液は、16.00~20.00g/Lのラフィノース;4.00~6.00g/Lのヒスチジン;4.00~5.00g/Lの水酸化ナトリウム;30.00~40.00g/Lのラクトビオン酸;0.30~0.50g/Lの水酸化カリウム;0.05~0.10g/Lの塩化カルシウム;1.00~1.50g/Lの硫酸マグネシウム;3.00~4.00g/Lの一塩基性リン酸ナトリウム;15.00~25.00g/Lのペンタスターチ;及び、200~300ml。HD原液の密度は、典型的には1.112±0.003g/cm2・sup.3である。例えば、HD原液は、17.84g/LのD(+)ラフィノース、4.67g/Lのヒスチジン、4.6g/Lの水酸化ナトリウム、35.83g/Lのラクトビオン酸、0.39g/Lの水酸化カリウム、0.07g/Lの塩化カルシウム二水和物、1.23g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、3.45g/Lの一塩基性リン酸ナトリウム、20g/Lのペンタデンプン、及び、250mL/Lのイオジキサノール(OptiprepTM)を含み得る。いくつかの実施形態において、HDストック溶液はまた、8.00~12.00U/mLのヘパリン及び、/又は8.00~12.00μg/mLのインスリンを含み得る。1.08~1.13g/cmの範囲の密度を有する底部密度勾配溶液は、HD原液と冷貯蔵溶液とを混合することによって調製することができる。密度1.050~1.080g/cm3の軽密度勾配溶液はイオジキサノールと低温貯蔵溶液を混合することによって作ることができ、一方、密度1.06~1.13g/cmの重密度勾配溶液は、低温貯蔵溶液と高温貯蔵溶液とを混合することによって作り得る。
連続勾配は例えば、デュアルチャンバ勾配メーカーにおいて、軽密度勾配溶液と重密度勾配溶液とを組み合わせることによって作ることができる。底部密度勾配はCobe 2991セルセパレータ(Lakewood、CO)等のセルセパレータ用のセル処理バッグに移すことができ、連続勾配を底部密度勾配上に重ねることができる。再懸濁された組織(上記のように)を連続勾配上に配置し、続いてキャッピング層溶液を配置し、次いで勾配を回転させて膵島を分離することができる。画分を収集し、そして以下に記載されるように、島の存在についてアッセイし得る。膵島純度(DTZ陽性細胞のパーセンテージ)>10%を有する画分を、培養のために合わせることができる。精製された膵島は、培養条件下でヒト膵島の生存率を維持するために有効である化学的に規定された培養培地を使用して培養され得る。典型的には島は22℃又は37℃で、95%大気及び、5%COの大気中で培養される。いくつかの実施形態では島は室内空気の雰囲気中で培養することができる。島の生存率は、トリパンブルー又は蛍光色素包接/排除アッセイを用いて評価することができる。例えば、Barnettら、Cell Transplant、2004;13(5):481-8を参照のこと。化学的に規定された培養培地は、インスリン、硫酸亜鉛、セレン、トランスフェリン、ピルビン酸ナトリウム、HEPES(N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N’[2-エタンスルホン酸])、HSA、及び、ヘパリンのうちの1つ以上を含み得る。例えば、化学的に規定された培養培地は5.50~7.50μg/mLのインスリン、15~18μMの硫酸亜鉛、5.50~7.50ng/mLのセレン(例えば、亜セレン酸)、及び、5.50~7.50μg/mLのトランスフェリン(例えば、ヒトトランスフェリン)を含み得る。このような培養培地は、以下の1つ以上をさらに含み得る:3~7mMのピルビン酸ナトリウム、20~30mMのHEPES、0.50~1.50mg/mLのHSA、8.00~12.00 U/mLのヘパリン、1~3mMのL-アリニル-L-グルタミン、及び、4.50~6.50μg/mLのリノール酸。典型的には、細胞が95%の室内空気及び、5%のCO.sub.2下で培養される場合、化学的に規定された培養培地は重炭酸塩(例えば、2.2g/L等の1.75~2.75g/L)を含む。細胞を100%の室内空気中で培養すると、重炭酸塩濃度を低下させることができる。いくつかの実施形態において、化学的に規定された培養培地はまた、シプロフロキサシン(Bayer Corporation)のような抗生物質を含む。一実施形態では、化学的に規定された培養培地が25mMのHEPES、2mMのL-アリニル-L-グルタミン、5mMのピルビン酸ナトリウム、1%(vol/vol)、ITS添加剤(6.25μg/mLのヒト組換えインスリン、6.25μg/mLのヒトトランスフェリン、6.25ng/mLの亜セレン酸、1.25mg/mLのHSA、5.35μg/mLのリノール酸)、16.7μMの硫酸亜鉛、20μg/mLのシプロフロキサシン(Bayer Corporation)、及び、0.5%の最終濃度の25% HSAを補充したCMRL 1066(Mediatech社、Herndon、Va)であり得る。ヒトインスリン様成長因子-I(IGF-I、GRO PEP Pty社、Adelaide、South Australia)を膵島培養物に添加することができる。例えば、90~110ng/mL(例えば、100ng/mL)のIGF-1を培養物に添加することができる。典型的には膵島を37℃で一晩培養し、次いで22℃でさらに1~3日間、膵島の移植前培養は有益な代謝及び、免疫学的効果を提供することができる。例えば、2日間の膵島の培養は、新たに単離された膵島と比較して、培養された膵島の代謝効力を改善することができる。移植前の膵島培養によって、移植前にレシピエントにおいてT細胞指向性免疫抑制が達成される時間も可能となる。特定の機構に拘束されることなく、T細胞指向性免疫抑制を達成することは、移植された膵島が直ちに露出される自己反応性でプライミングされたT細胞によって媒介される膵島指向性免疫応答を低下させる可能性がある。本明細書中に記載されるように、T細胞枯渇抗体による治療の開始後2日まで移植を遅延させることは、移植された膵島の、第1及び、第2の抗体注入に関連する種々の程度のサイトカイン放出への曝露を防止する。さらに、膵島の移植前培養は、組織の注入前に品質管理研究を実施することを可能にする。
精製された膵島細胞は、ジメチルスルホキシド(DMSO)もしくはエチレングリコール、又は凍結保存剤の混合物等の凍結保存剤中に細胞を懸濁することによって凍結保存することができる。例えば、Miyamotoら、Cell Transplant 2001;10(4-5):363-71;Evansら、Transplantation 1990;50(2):202-206;及び、Lakeyら、Cell Transplant 1996;5(3):395-404を参照のこと。膵島細胞は、精製又は培養後に凍結保存することができる。典型的には、凍結保存剤を段階的に添加し、島をゆっくりと-40℃に冷却し、次いで-196℃で貯蔵し、島を急速に解凍し(例えば、37℃の水浴中で)、使用前にアッセイすることができる。凍結保存は後の移植又は他の目的のために、これらの細胞の長期保存を可能にすることができる。膵島細胞の精製された集団の凍結保存コレクションは、膵島バンクを産生するために特に有用である。
本明細書中に記載される方法を使用して精製された同質遺伝子島細胞の調製は、典型的には、少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%)の患者において成功した移植を生じる。移植は、患者がインスリン非依存性、正常血糖、及び、単ドナー膵島移植後少なくとも1年間低血糖がない状態を維持した場合に成功とみなされる。
精製された膵島細胞の調製物は、膵島が移植されるのに十分な効力を有することを確認するためにアッセイされ得る。本明細書中で使用される場合、「移植効力」は膵島調製物が患者に首尾よく移植され得る確率の推定値を指し、以下のパラメーターの1つ以上に基づく:膵島調製物の安全性、膵島細胞数、膵島調製物の細胞組成、β細胞の数、インスリン含量、組織体積、生存率、ATP含量、細胞培養後に回収された膵島当量のパーセント、壊死細胞及び、アポトーシス細胞のパーセント、グルコース刺激インスリン放出、並びに酸素消費速度(OCR)。例えば、移植効力は、ATP/DNA比、OCR/DNA比、及び、β細胞数に基づいて推定することができる。成功した移植を構成する確率が少なくとも60%である精製島の調製物が特に有用である。膵島調製物の安全性は公知の技術を使用して、好気性及び、嫌気性生物並びに真菌、マイコプラズマ、及び、他の外来性因子(例えば、ウイルス)の存在についてアッセイすることによって決定され得る。例えば、サンプルをグラム染色して細菌を検出することができる。移植に適した膵島細胞は、検出可能な生物を含まず、機能的に無菌である。安全性を評価することはまた、調製物中に存在するエンドトキシンを測定することを含み得る。移植に適した膵島細胞調製物は、1.7EU/mL(5EU/kgレシピエント体重)以下のエンドトキシン含量を有する。島細胞数はDTZで染色し、接眼マイクロメーターを用いた光学顕微鏡を用いて染色細胞のサイズ分布を定量することによって評価することができる。Ricordiら、Acta Diabetolを参照のこと。Lat.1990;27:185-195。島体積は島が球形であるという仮定に基づいて計算することができ、島の数は島当量(IE)で表され、1つのIEは直径150μmの島に等しい。少なくとも2.2x10 IE(例えば、2.7x10、3.5x10、4.5x10、5.5x10、7.0x10、9.0x10、1.1x10、又は1.4x10 IE)を含むisletの準備は、5,000~20,000 IEが移植可能/kg受信者体重として特に有用である。1つのIEは、約600~約8600個の細胞を含み得る。膵島調製物の細胞組成は、標準的なイムノアッセイ法を用いて評価することができる。インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、膵臓ポリペプチド、アミラーゼ、及び、サイトケラチン19に対する結合親和性を有する抗体は、それぞれ、β細胞、α細胞、δ細胞、pp細胞、腺房細胞、及び、管細胞を同定するために使用され得る。このような抗体は例えば、DAKO、Carpinteria、CA又はSigma Chemical Co.、St.Louis、Moから市販されている。結合は特定のタンパク質(例えば、インスリン)に対する結合親和性を有する抗体、又はこのような抗体に結合する二次抗体を、直接的又は間接的のいずれかで標識することによって検出され得る。適当な標識としては限定されるものではないが、放射性核種(例えば、1251、131I、35S、H、32P、33P、又は14C)、放射性部分(例えば、フルオレセイン、FITC、PerCP、rhodamine又はPE)、ルミネセンス部分(例えば、Quantum Dot Corporation、パロアルト、カリフォルニア州、パロアルトによって供給されるQdotTMナノ物質)、定義されたスペクトルの光を吸収する物質、又はエンザイム(例えば、アルカタス又はホースラディッシュペロキシダズ)があげられる。抗体は、ビオチンとの結合によって間接的に標識され得、次いで、上記の分子で標識されたアビジン又はストレプトアビジンで検出され得る。標識を検出又は定量する方法は標識の性質に依存し、当技術分野で公知である。検出器の例としてはx線フィルム、放射能カウンター、シンチレーションカウンター、分光光度計、比色計、蛍光光度計、ルミノメーター、及び、濃度計があげられるが、これらに限定されない。免疫学的アッセイは、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ(競合RIA)、又はブリッジイムノアッセイを含む、種々の公知の形式で実施され得る。例えば、米国特許5,296,347;4,233,402;4,233,402、4,098,876、4,034,074を参照されたい。ベータ細胞の数は、細胞組成物試料中で同定されたベータ細胞の総DNA含量及び、割合に基づいて計算することができる。1つのIEは、約145~4000のベータ細胞を含み得る。少なくとも1×10β細胞/kg体重のレシピエント(すなわち、45kgのレシピエントについては4.5×10β細胞、50kgのレシピエントについては5×10β細胞、55kgのレシピエントについては5.5×10β細胞)を含有する膵島細胞の調製物を使用することができる。より多数のβ細胞(例えば、レシピエントの体重1kgあたり少なくとも2×10β細胞、レシピエントの体重1kgあたり少なくとも3.5×10β細胞、又はレシピエントの体重1kgあたり少なくとも5.0×10β細胞)を含む調製物が特に有効である。例えば、受領者の少なくとも3.5x10ベータセル/kg体重を含む製剤(すなわち、45kg受領者の約1.58x10ベータセル、50kg受領者の約1.75x10ベータセル、及び、55kg受領者の約1.9x10ベータセル)は、少なくとも1年間はインスリンの独立性を維持できる。インスリン含量はイムノアッセイ、例えば、スウェーデン、Mercodiaからのヒトインスリン酵素免疫測定法(EIA)キットを用いて評価し、DNA含量について補正することができる。Pico Greenを用いてDNA含量を評価することができる。Pico Green法では、膵島細胞を、水酸化アンモニウム及び、非イオン性界面活性剤を含有する溶液で溶解することができる。ピコグリーンを試料に添加し、暗所でインキュベートすることができる。検体を、480nmの励起及び、520nmの発光を有する蛍光光度計で読み取り、標準曲線と比較する。典型的には、1つのIEが約4~約60ngのDNAを含み得る。調製物の組織体積は、移植前の膵島細胞ペレットの体積を指す。膵島細胞は予め秤量した組織培養フラスコに収集することができ、膵島は一定期間(例えば、5分間)にわたってフラスコの底部コーナーに沈降させることができる。培地をフラスコから除去し、質量を記録することができる。膵島細胞の適切な調製物は10mL以下(例えば、8mL以下、7.0mL以下、5mL以下、3mL以下、又は2mL以下)の体積を有する。膵島細胞調製物のATP含量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、又はイムノアッセイ(例えば、Invitrogen社、Carlsbad、CAからのATP決定キット)を使用することによって評価され得る。いずれの方法においても、Micheliら、Clin.Chem.Acta 1993、220:1-17(トリクロロ酢酸を用いてATPを抽出し、フレオン/アミン溶液を用いて試料を中和する)の方法を用いて試料を調製することができる。HPLCで測定して少なくとも76pmol ATP/μg DNA(例えば、少なくとも80、90、100、110、150、175、190、又は193)を有する膵島細胞の調製物は、移植に特に有用である。蛍光色素包接/排除アッセイを使用して、生存率を評価することができる。例えば、Londonら、Hormone & Metabolic Researchを参照のこと 補遺1990;25:82-87。例えば、フルオレセインジアセテート及び、ヨウ化プロピジウム(PI)を使用して生存率を評価することができる。フルオレセインジアセテートは細胞内酵素によって遊離フルオレセインに解離され、これは、青色光励起(490nm)下で緑色に蛍光を発し、そして細胞が生きており、そして代謝的に活性であるという証拠を提供する。細胞膜が損傷を受けている場合、PIは細胞に入り、核DNAに挿入され、緑色光励起(545nm)下で赤色蛍光を発することができる。緑色(生存可能)及び、赤色(死んだ)細胞の割合は、膵島調製物の生存能力の指標を与える。あるいは、SYTO-13/臭化エチジウム(SYTO/EB)及び、カルセインAM/エチジウムホモダイマー(C/EthD)蛍光染色を使用して、生存率を評価し得る。例えば、Barnettら、Cell Transplantを参照のこと。2004;13(5):481-8.少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、又は97%)の生存細胞を含む膵島の調製物は、移植に特に有用である。
培養後に回収されたIEのパーセントは、上記のようにDTZを用いて決定することができる。IEの少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、又は95%)が培養後に回収された膵島の調製物は、移植に特に有用である。壊死細胞及び、アポトーシス細胞のパーセントは、公知の方法を用いて評価することができる。例えば、アポトーシスは、DNA断片化を試験することによって評価され得る。例えば、Cell Death Detection ELISA.supである。Plus(Roche Biochemicals、Indianapolis、IN)は、細胞質ヒストン関連DNAフラグメントを検出するために使用され得る。細胞の30%以下(例えば、25%、20%、15%、10%、5%、又はそれ以下)がアポトーシス性又は壊死性である島の調製物は、移植に有用である。グルコース刺激インスリン放出は、調製物の機能的能力の尺度である。静的インキュベーション及び、DNA含量について補正されたインスリン放出の評価のための標準的な技術は、膵島の機能的能力を決定するために使用される。Ricordiら、Acta Diabetol.Lat.1990;27:185-195。刺激指数は、16.7mMグルコースでのインスリン放出を1.7mMグルコースでのインスリン放出で割ることによって計算される。>1(例えば、>4、>7、>10、>14、>17、又は>27)の刺激指数を有する膵島の調製物は、移植に特に有用である。OCRはOCRチャンバ(例えば、Instech Laboratories社、Plymouth Meeting、Paから)を使用して測定することができる。例えば、Papasら、Cell Transplantを参照のこと。2003;12:177;Papasら、Cell Transplant.2003;12:176;及び、Papasら、Cell Transplant. 2001;10:519.>75nmol/分/mg DNA(例えば、>100、>150、>200、又は>230nmol/分/mg DNA)のOCRを有する膵島の調製物は、移植に特に有用である。膵島細胞は、例えば、小開腹術又は経皮経肝門脈カテーテル法のような外科技術を用いて患者の門脈に移植することができる。移植前に、患者は異なる治療レジメンを用いて導入免疫抑制を受けることができる。患者はまた、移植後免疫抑制レジメンを受けることができる。例えば、寛解導入療法には、ウサギ抗胸腺細胞グロブリン(RATG)、ダクリズマブ、及び、エタネルセプト(すなわち、可溶性腫瘍壊死因子(TNF)受容体)による治療を含めることができる。RATGは強力な誘導物質であり、走化性シグナルに対する白血球の応答も妨げ、強固な細胞接着に必要なインテグリンの発現を阻害する。移植周辺期におけるTNFαの選択的阻害は、辺縁塊膵島移植後の糖尿病の逆転を促進できる可能性がある。移植後、移植後1カ月の時点でタクロリムスを補充又は最小限にすることにより、生着した膵島の機能が増強される可能性がある。誘導療法の別の例は、自己反応性の、プライミングされた、移植直後の膵島指向性T細胞を不活性化することができる抗CD3 mAb hOKT3γ1(Ala-Ala)の使用を含み得る。抗CD3 mAb、hOKT3γ1(Ala-Ala)はOKT3の結合領域を保持するが、マウスフレームワークをヒトアミノ酸で置換するヒト化抗体である。さらに、ヒトIgG1 Fcは、Fc受容体(FcR)への結合を防止するために変異される。臨床的には、この遺伝子操作された抗体が新規発症1型糖尿病における残存β細胞機能の保存に有効であることが証明されている。加えて、hOKT3γ1(Ala‐Ala)は腎移植片拒絶を逆転させた。自己反応性及び、同種反応性T細胞応答の両方に対するこの二重活性は、親OKT3抗体と比較して、副作用が著しく少なかった。
本開示の1つの実施形態において、線維芽細胞は、同種膵島又は自己膵島の寛容を増強するために使用される。線維芽細胞は、操作されない様式で使用され得るか、又は培養条件によって操作され得るか、又は遺伝的に操作され得る。遺伝子操作には、免疫抑制/免疫調節面の増大、及び、/又は自己抗原によるトランスフェクションが含まれ得る。糖尿病の場合、前記自己抗原は、島自己抗原、例えばGAD、ISLA-1、インスリン、プロインスリン、NRP、又はそれらのペプチドを含む。1つの実施形態において、線維芽細胞は、骨髄由来MSCを使用する患者の処置のために以前に使用されたプロトコールに従って生成される。いくつかの実施形態では、トランスフェクションはレンチウイルスベクターの使用によって達成され、レンチウイルス媒介トランスフェクションを行う前記手段は当技術分野で周知であり、以下の参考文献[82~88]で論じられている。接着細胞への遺伝子のトランスフェクションのいくつかの特定の例は幹細胞ホーミングを促進するためのSDF-1のトランスフェクション[89]、又はFGF-18[91]、HGF[92]、akt[93]、TRAIL[94-97]、遊走を増強するためのNUR77[100]、HIF-1α[101]、CCL2[102]、免疫抑制活性を増強するためのHLA-G[104]、シトシンデアミナーゼ[106]、老化を減少させるためのOCT-4[107、108]、TGF発現を減少させるためのBAMBI[109]、抗アポトーシスのためのHO-1[111]、血管形成を増強するためのmiR-126[112、113]、アポトーシスを防止するためのbcl-2を含む[114]テロメラーゼ及び、ミオカルジンは心臓形成を誘導し[115]、CXCR4は造血回復を促進し[116]、腎臓同種移植片拒絶を減少させる[117]wnt11[118]、膵臓分化を促進するためのIslet-1[119]、自己免疫疾患を減少させるためのIL-27[120]、敗血症を減少させるためのACE-2[121]、肝不全を減少させるためのCXCR4[122、123]、及び、癌を減少させるためのHGFアンタゴニストNK4[124]。
細胞培養は、毎週無菌性を、エンドトキシンはリムルス・アメボサイト溶解物試験で、マイコプラズマはDNA-フルオロクローム染色で検査される。
線維芽細胞培養物の質を決定するために、フローサイトメトリーを、SH-2、SH-3、SH-4 MSCマーカーの表面発現、及び、汚染CD14陽性細胞及び、CD-45陽性細胞の欠如について、すべての培養物について実施する。細胞を0.05%トリプシン-EDTAで分離し、DPBS +2%ウシアルブミンで洗浄し、1%パラホルムアルデヒド中で固定し、10%血清中でブロックし、一次SH-2、SH-3及び、SH-4抗体、続いてPE結合抗マウスIgG(H+L)抗体と別々にインキュベートした。175cmフラスコ中のコンフルエントな線維芽細胞をタイロード塩溶液で洗浄し、培地199(M199)と共に60分間インキュベートし、そして0.05%トリプシン-EDTA(Gibco)で分離する。10個のフラスコからの細胞を一度に分離し、線維芽細胞を40mlのM199+1%ヒト血清アルブミン(HSA;American Red Cross、Washington DC、USA)に再懸濁した。各10フラスコセットから採取した線維芽細胞を4℃で4時間まで保存し、採取の終わりに合わせた。全部で2~10’10線維芽細胞/kgをM199 + 1% HSAに再懸濁し、20℃で10分間460gで遠心分離した。細胞ペレットを新鮮なM199 + 1% HSA培地に再懸濁し、460gで10分間、20℃でさらに3回遠心分離した。全収穫時間は、フラスコ当たりのMSC収量及び、標的用量に基づいて2~4時間であった。回収した線維芽細胞を、10% DMSO(Research Industries、Salt Lake City、UT、USA)及び、5%HSAの最終濃度で速度制御フリーザーを使用して、Cryocyte(Baxter、Deerfield、IL、USA)フリーズバッグ中で凍結保存する。注入当日、凍結保存したユニットを37℃の水浴中でベッドサイドで解凍し、5分以内に60mlのシリンジに移し、10~15分にわたって患者に静脈内注入した。患者には、アセトアミノフェン325~650mg及び、ジフェンヒドラミン12.5~25mgを経口投与する前投薬を行う。血圧、脈拍、呼吸数、温度及び、酸素飽和度を、注入時及び、その後15分ごとに3時間モニターし、続いて2時間ごとに6時間モニターする。
以下の実施例は、本開示の好ましい実施形態を実証するために含まれる。以下の実施例に開示される技術は本開示の実施において良好に機能することが本発明者によって発見された技術を表し、したがって、その実施のための好ましい形態を構成すると考えることができることを当業者は理解されたい。しかしながら、当業者は本開示に照らして、開示された特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、それでも、本開示の精神及び、範囲から逸脱することなく、同様の又は類似の結果を得ることができることを理解すべきである。
実施例1
線維芽細胞と同時移植した膵島によるグルコース制御の増強
β細胞毒性抗生物質ストレプトゾシン(STZ)(Sigma-Aldrich St.Lois、MO、USA)を使用して、BALB/cマウスにおいて糖尿病を誘導した(65mg/kgで5日間)。C57/BL6マウスから、定常コラゲナーゼ消化及び、Ficoll密度精製、続いてハンドピッキングを用いて島を単離した。BALB/cレシピエント(雌雄とも)は膵島移植前1~3週間糖尿病であった。
レシピエントをAvertin(2,2,2,-トリブロモエタノール)で麻酔し、側腹部切開を行い、左腎を動員した。腎上極に小切開を加え、腎下面、前外側面に向けて微細なガラスプローブで被膜と腎実質を分離してパウチを作成した。新たに単離及び、精製した島(>95%純度)を、25mM HEPES、10%ウシ胎仔血清、並びに1%ペニシリン及び、ストレプトマイシンを補充したRPMI-1640中の10×35mmペトリ皿の中心にもたらし、次いで、付属のマイクロマニピュレーターシリンジを用いてPE-50カテーテル(内径0.76mm、長さ30cm)中に引き上げた。カテーテル先端を血液クリップで閉じ、シリンジ及び、カテーテル全体を350rpmで15~20秒間回転させて、先端で島をペレット化した。血液クリップを除去した後、先端を腎臓被膜の下に挿入し、膵島ペレットをパウチ内にゆっくりと前進させた。カテーテルを取り出し、入口を眼科焼灼器で密封した。非空腹時血糖が2~3日(10)以内に正常(<9.4mM)に戻った場合、移植は技術的に成功したとみなされた。膵島移植片機能を以下のように評価した。マウスに以下のいずれかを投与した:a)ストレプトゾシンなし;b)ストレプトゾシン;c)ストレプトゾシン+骨髄間葉系幹細胞(100,000細胞)(AllCells社から購入)及び、d)ストレプトゾシン+CD73に選択した線維芽細胞(100,000細胞)。
腹腔内ブドウ糖負荷試験(IPGTT)は、以前に報告されたプロトコル(アンジオテンシンIIタイプ2受容体が膵島様細胞クラスターへのヒト胎児膵臓前駆細胞の発達とその移植の可能性に重要である。Leung KK、Liang J、Ma MT、Leung PS Stem Cells 2012 Mar;30(3):525-36)に従って、移植後30日に実施した。手短に言えば、全ての群は、6時間の絶食後に水溶性グルコース(1g/kg体重)の腹腔内注射を受け、血中グルコースをグルコース注射の50、100、150分後にモニターした。図1は、血中グルコースレベルに基づいて、線維芽細胞と同時移植された膵島によるグルコース制御の増強を実証する。
参考文献
本明細書において言及される全ての特許及び、刊行物は、本発明が関係する当業者のレベルを示す。すべての特許及び、刊行物はあたかも各個々の刊行物が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されたかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
特許及び、特許出願
U.S.Pat.No.4,034,074
U.S.Pat.No.4,098,876
U.S.Pat.No.4,233,402
U.S.Pat.No.4,798,824
U.S.Pat.No.4,879,283
U.S.Pat.No.5,296,347
U.S.Pat.No.6,490,880
U.S.PatentApplication US 2006/0182722
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本開示及び、その利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される設計の精神及び、範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び、変更を本明細書で行うことができることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、及び、ステップの特定の実施形態に限定されることを意図していない。当業者であれば、本開示から容易に理解するように、本明細書で説明される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、又は実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか又は後に開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、又はステップを、本開示に従って使用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲はその範囲内に、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップを含むことが意図される。

Claims (23)

  1. 個体における同種又は自己インスリン産生細胞の生存を増強する方法であって、個体における同種又は自己インスリン産生細胞の移植の前、同時、及び、/又は後に、有効量の内皮前駆細胞(EPC)及び、/又は線維芽細胞を投与する工程を含む、方法。
  2. 前記線維芽細胞及び、/又はEPCは、個体に対して同種異系である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記同種異系インスリン産生細胞は、膵臓提供者に由来する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記同種異系インスリン産生細胞は、島細胞塊からなる、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記同種インシュリン産生細胞は、前駆細胞の集団からのインビトロ分化に由来する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記EPCは、a)flk-1;b)CD31;c)CD34;d)CD133;f)PDGF-R;g)hTERT;及び、h)それらの組合せからなる群より選択されるマーカーを発現する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記EPCは、(i)哺乳動物細胞集団を単離する工程;(ii)CD45表現型プロファイルを発現する工程(i)の細胞の亜集団を濃縮する工程;(iii)CD34表現型プロファイルを発現する工程(ii)に由来するCD45細胞の亜集団を濃縮する工程;及び、(iv)CD31lo/-表現型プロファイルを発現する工程(iii)に由来するCD34細胞の亜集団を単離し、それによって内皮前駆細胞を単離する工程を含む方法によって誘導される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記EPCは、胎盤組織、骨髄、脂肪組織、網、又はそれらの組合せに由来する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記胎盤由来EPCは、胎児起源である請求項8に記載の方法。
  10. 前記線維芽細胞は、軟骨細胞系統に分化することができる、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記線維芽細胞は、a)NANOG;b)OCT-4;c)SSEA-4;d)幹細胞因子受容体;及び、e)それらの組合せからなる群より選択される1つ以上のマーカーを発現する、請求項10に記載の方法。
  12. (i)哺乳動物細胞集団を単離する工程、(ii)CD45表現型プロファイルを発現する工程(i)の細胞の亜集団を濃縮する工程、及び、(a)CD34表現型プロファイルを発現する工程(ii)由来のCD45細胞の亜集団を濃縮する工程、及び、それにより再生特性を有する線維芽細胞を単離するために前記CD34細胞の亜集団を単離する工程を含む方法により、前記線維芽細胞が単離される、請求項1~11のいずれか一項記載の方法。
  13. 前記線維芽細胞は、a)包皮;b)タミータック;c)胎盤;d)耳たぶ;e)脂肪組織;f)網;g)ウォートンゼリー;及び、h)それらの組合せからなる群より選択される1つ以上の組織供給源に由来する、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記胎盤線維芽細胞は、胎盤の胎児側部に由来する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記CD45線維芽細胞は、胎児由来である、請求項12に記載の方法。
  16. 前記線維芽細胞が、a)磁気活性化細胞選別;b)フローサイトメトリー選別;c)細胞パニング;d)再生能力の細胞を選択的に選択するためのアフィニティーベースの手段;e)再生能力を有する細胞を選択するための大きさベースの手段;及び、f)それらの組合せからなる群より選択される方法を使用して、再生能力の1つ以上のマーカーの発現のために精製される、請求項12に記載の方法。
  17. インスリン産生細胞に関連する1つ以上の抗原に対する寛容原性免疫反応を個体において刺激する方法であって、有効量の同種異系インスリン産生細胞、同種異系EPC、及び、同種異系線維芽細胞を投与する工程を含む、方法。
  18. 前記寛容原性反応は、抗原特異的T調節細胞の刺激を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記T調節細胞は、インシュリン産生細胞の活性を殺すか又は抑制する細胞を阻害する機能を有する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記T調節細胞は、転写因子FoxP3を発現する、請求項18又は19に記載の方法。
  21. 前記寛容原性反応は、抗原特異的B調節細胞の刺激を含む、請求項17に記載の方法。
  22. 前記B調節細胞は、CD10を発現する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記B調節細胞は、プロプラズマ芽細胞であるm請求項21又は22に記載の方法。
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