JP2022500546A - 水性エアロゾル塗料組成物の調製方法および塗料材料の使用 - Google Patents

水性エアロゾル塗料組成物の調製方法および塗料材料の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、コーティング材料と噴射剤との相互適合性を検査する及び高濃度のコーティング材料を有する水性エアロゾル塗料組成物の調製方法に関する。前記方法は、−ポリマー樹脂と噴射剤の少なくとも1つのペアを選択すること、ここで、前記ポリマー樹脂はA1〜A9の群から選択され、前記噴射剤はB1〜B3の群から選択される:−噴射剤及びポリマー樹脂が水系溶媒の存在下での加圧容器内における相互適合性検査を合格するように、選択された噴射剤−ポリマー樹脂の前記ペアをさらに選択すること、ここで噴射剤とポリマー樹脂の濃度ペア群について、相互適合性が少なくとも、塗料材料の異常(disturbances)、形成された塗料膜の異常(disturbances)、及びエアロゾル缶からの塗料材料のスプレー特性の異常(disturbances)を考慮した検査判定基準で検査され:そして、ポリマー樹脂及び噴射剤の検査された濃度範囲内で上記に定義した噴射剤とポリマー樹脂との相互適合性を確実にした後に、−A)50〜85重量%のコーティング材料、ここで前記コーティング材料は17〜60重量%の範囲、好ましくは30〜50重量%の範囲の不揮発分、及び40〜83重量%の範囲、好ましくは50〜70重量%の範囲の揮発分からなり、前記揮発分は水又は水と水相溶性共溶媒との混合物を含み、前記不揮発分は、35〜90重量%の範囲の選択されたポリマー樹脂、総計0〜30重量%の範囲の着色顔料、分散剤及び存在してもしなくてもよいフィラー、並びに9重量%以下の添加剤を含むが、ただし、前記ポリマー樹脂は、水性エアロゾル塗料組成物の総重量の8重量%以上(乾燥重量 6重量%以上)を構成している、並びにB)選択された前記噴射剤15〜50重量%、をエアロゾル缶内に供給すること:−方法の段階A及びBにおいて成分を加えた後又は加える前に、缶に封をすること、を含む。

Description

本発明は、コーティング材料と噴射剤(propellant)との相互適合性を検査すること、及び高濃度のコーティング材料を有する水性エアロゾル塗料を調製することを含む、請求項1で規定する方法に関わる。
本発明はまた、ポリマー樹脂と噴射剤の少なくとも1つのペア及び水系溶媒を含む塗料材料の、エアロゾル缶内に封入され加圧された水性エアロゾル塗料における塗料組成物としての使用にも関わる。
水性塗料を調製するために用いられる樹脂の大半は、ジメチルエーテルなど最も一般的な噴射剤と不適合であり、それゆえに、エアロゾル塗料の調製におけるそれらの使用は限定されている。
いくつかのラテックス又はスチレン−ブタジエン系樹脂は、水性エアロゾル塗料(水性エアロゾル塗料さえ)を調製する上でより成功裏に用いられているが、ラテックス塗料の利便性は、高い温度でも耐える、硬い、ガラス状の塗装表面が必要とされる場合には、かなり限定される。この種の用途は、例えば、自動車の塗装である。耐久性のある自動車塗装のためには、我々は硬い(rigidでガラス状の状態)表面を必要としており、コーティング膜は高い温度においてもこの硬くガラス状の状態のままでいることが求められる。日照下の車(車室内及び車室外)の表面温度は、50〜70℃にまで上がる。黒い車のボンネットは快晴時にはさらに暑くなり得る。
ラテックス又はスチレン−ブタジエンバインダーは、通常この種の用途に用いることはできない。なぜなら、そのためには、バインダーのTg(ガラス転移状態)は少なくとも50℃より高い必要があり、さらに80〜100℃より高いことが好ましいからである。その一方で、MFT(樹脂の最低造膜温度)は20℃未満であることが求められる。
ジメチルエーテル自体は、極性があり、水相溶性の溶媒であるが、非常に強力な希釈剤でもあり、保管時間が長くなると、ジメチルエーテルは水系溶媒システムにおいて一般的なバインダーの多くを攻撃して、それらを粘着性で巨大な分子にする。ゆえに、この種のエアロゾル塗料の貯蔵寿命すなわち保管時間は、バインダー濃度が高い場合は非常に限定されたものであった。DMEを含む水系溶媒におけるバインダーの、この基本的な不適合性を予防するために、エアロゾル塗料においてはバインダー濃度は非常に低いものにされてきた。バインダー組成物の濃度が低いことにより、塗料成分(顔料、添加剤、など)の量はかなり限定され、形成される膜は低品質で低光沢なものとなりうる。
現在入手可能な、揮発性の有機化合物を含まないエアロゾル塗料はほとんど無い。このことは、エアロゾル塗料中に著しい量の揮発性有機化合物を追加するエアロゾル塗料中の噴射剤(propellant)の存在に起因している。噴射剤が無ければ、エアロゾル塗料はエアロゾル缶からスプレーされることができない。エアロゾル塗料で用いられる他の成分(補助剤(adjuvant)、分散剤、バインダー、など)は、VOCフリー材料である化合物から選ばれるように選択することが求められる。
上記の問題を出発点として、本発明の主な課題は以下の通りであった。
第一の課題は、バインダー濃度が高く、車の表面などの目的物にスプレーされた際に、硬く弾力性のある塗装面を与える、水性エアロゾル塗料を調製することであった。
第二の課題は、約40〜80℃の温度で用いられた場合に硬く脆い又は低質(rubbish)な塗装面を与える水性エアロゾル塗料を除外することであった。
さらなる課題は、VOC値の低い水性エアロゾル塗料を調製することであった。
上記の問題は、請求項1で規定する方法で解決、又は少なくとも緩和することができる。
前記の方法において、コーティング材料と噴射剤との相互適合性が検査され、そして高濃度のコーティング材料を有する水性エアロゾル塗料が調製される。前記方法は以下を含む:
−ポリマー樹脂と噴射剤の少なくとも1つのペアを選択すること、ここで、前記ポリマー樹脂はA1〜A9の群の中から選ばれ:
A1)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40%未満であるけん化/中和化された短油アルキド
A2)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40〜60%であるけん化/中和化された中油アルキド
A3)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の短油アルキド
A4)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の中油アルキド
A5)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の、中油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
A6)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の、短油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
A7)水系溶媒中に分散可能又は乳化可能なアクリル樹脂
A8)水系溶媒中に分散可能又は乳化可能なポリウレタン変性アクリル樹脂
A9)ポリウレタン樹脂
かつ、前記噴射剤はB1〜B3の群の中から選ばれる
B1)ジメチルエーテル(DME)
B2)プロパン、ブタン、イソブテン、及びこれらの混合物
B3)2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン
−噴射剤及びポリマー樹脂が水系溶媒の存在下での加圧容器内における相互適合性検査を合格するように、選択された噴射剤−ポリマー樹脂の前記ペアをさらに選択すること、ここで前記相互適合性検査において、噴射剤とポリマー樹脂との相互適合性が、噴射剤とポリマー樹脂の濃度ペア群について検査され、各濃度ペアは、ポリマー樹脂検査濃度群に属する第1の濃度を有する或る(a member of)ポリマー樹脂と、噴射剤検査濃度群に属する第2の濃度を有する或る(a member of)噴射剤濃度とを含み、
前記ポリマー樹脂濃度群は、ポリマー樹脂の検査濃度範囲をカバーするポリマー樹脂濃度の列からなり、好ましくは25重量%〜75重量%のポリマー樹脂濃度範囲、より好ましくは10重量%〜90重量%のポリマー樹脂濃度範囲をカバーし、前記ジメチルエーテル検査濃度群は、ジメチルエーテル濃度列からなり、好ましくは25重量%〜75重量%の濃度範囲、より好ましくは10重量%〜90重量%の濃度範囲をカバーし、
ジメチルエーテルとポリマー樹脂の前記濃度ペア群について、相互適合性が、少なくとも、塗料材料、形成された塗料膜、及びエアロゾル缶からの塗料材料のスプレー特性における以下の異常(disturbances)t1〜t3を考慮した検査判定基準により検査され:
−t1)塗料膜形成における異常:低光沢及び透明性、膜中における粒子の異常形成
−t2)エアロゾル缶からスプレーした際の、塗料材料のスプレーパターンにおける異常(エアロゾル缶のバルブの妨害)
そして検査判定基準t1及びt2に合格した場合は、
−t3)エアロゾル缶内で長期間保管された際の、塗料材料の光沢又は透明性の異常
並びに、上に定義した相互適合性検査における噴射剤とポリマー樹脂との相互適合性を確実とした後に、
−以下のA)及びB)をエアロゾル缶内に供給すること
A)50〜85重量%のコーティング材料、ここで前記コーティング材料は17〜60重量%の範囲、好ましくは30〜50重量%の範囲の不揮発分、及び40〜83重量%の範囲、好ましくは50〜70重量%の範囲の揮発分からなり、前記揮発分は水又は水と水相溶性共溶媒との混合物を含み、前記不揮発分は、35〜90重量%(乾燥重量)の範囲の選択されt1〜t3の検査判定基準に合格したポリマー樹脂、総計0〜30重量%の範囲の着色顔料、分散剤及び存在してもしなくてもよいフィラー、並びに9重量%以下の添加剤を含むが、ただし、前記ポリマー樹脂は、水性エアロゾル塗料組成物の総重量の8重量%以上(6%乾燥重量)を構成している、並びに
B)選択された噴射剤15〜50重量%
−方法の段階A及びBにおいて成分を加えた後又は加える前に、前記缶に封をすること。
本発明に係る好ましい方法においては、ポリマー樹脂はA1〜A6の群から選ばれる:
A1)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40%未満であるけん化/中和化された短油アルキド
A2)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40〜60%であるけん化/中和化された中油アルキド
A3)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の短油アルキド
A4)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の中油アルキド
A5)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の、中油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
A6)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の、短油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド。
好ましい噴射剤はジメチルエーテルである。
高い乾燥重量を有し、揮発性有機化合物(VOC)の含有量を低減した不燃性の水性エアロゾル塗料も、上記の方法で水系溶媒として水を選択することにより得られる。この種の水性エアロゾル塗料は、共溶媒を含まない。
前記塗料の使用は、ポリマー樹脂と噴射剤の少なくとも1つのペア及び水系溶媒を含んでおり、前記ポリマー樹脂はA1〜A9の群から選ばれ:
A1)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40%未満であるけん化/ 中和化された短油アルキド
A2)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40〜60%であるけん化/中和化された中油アルキド
A3)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の短油アルキド
A4)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の中油アルキド
A5)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の、中油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
A6)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の、短油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
A7)水系溶媒中に分散可能又は乳化可能なアクリル樹脂
A8)水系溶媒中に分散可能又は乳化可能なポリウレタン変性アクリル樹脂
A9)ポリウレタン樹脂
そして、噴射剤はジメチルエーテル(DME)であり、
−水系溶媒の存在下での加圧容器内における相互適合性検査を合格するように、噴射剤とポリマー樹脂の前記ペアはさらに選択され、
ここで前記相互適合性検査において、相互適合性が濃度ペア群について検査され、各濃度ペアは、第1の濃度を有するポリマー樹脂濃度群の構成員(member)及び第2の濃度を有するジメチルエーテル濃度群の構成員(member)を含み、
前記ポリマー樹脂濃度群は、ポリマー樹脂の検査濃度範囲をカバーするポリマー濃度列からなり、好ましくは25重量%〜75重量%の濃度範囲をカバーし、より好ましくは10重量%〜90重量%の濃度範囲をカバーし、前記ジメチルエーテル濃度群は、ジメチルエーテルの検査濃度範囲をカバーするジメチルエーテル濃度列を含み、好ましくは25重量%〜75重量%の濃度範囲をカバーし、より好ましくは10重量%〜90重量%の濃度範囲をカバーし、
−第1のポリマー樹脂濃度と第2のジメチルエーテル濃度との濃度ペアのそれぞれは、検査濃度範囲内で、少なくとも以下の異常:
・エアロゾル缶から目標位置に向かってスプレーされるエアロゾル塗料組成物の膜形成特性の異常
・形成された塗料膜の乾燥時間における異常
・エアロゾル缶内で長期間保管された際における、エアロゾル塗料組成物の色又は透明性における異常
・エアロゾル塗料組成物のスプレー特性における異常
を考慮に入れた検査判定基準で検査され、かつ
−前記塗料材料が、
10〜50重量%の範囲のジメチルエーテル(DME)
10〜60重量%の範囲の選択されたポリマー樹脂
4〜60重量%の範囲の水系溶媒
を、エアロゾル缶内に封入され加圧された水性エアロゾル塗料中の塗料組成物として含む。
乾燥重量が大きく揮発性有機化合物(VOC)の量が少ない不燃性水性エアロゾル塗料もまた、上記の塗料材料を用いて調製可能である。その場合、前記塗料材料は、
・24重量%以下の、ジメチルエーテル(DME)である噴射剤
・B)76重量%以下の、65〜95重量%の範囲の不揮発分及び5〜35重量%の範囲の揮発分からなるコーティング剤
を含み、
−前記揮発分は、0〜100重量%の範囲の水、並びに総計で0〜9重量%の揮発性液体を構成する添加剤、共溶媒、及び分散剤を含んでおり、揮発性有機化合物(VOC)は0〜10重量%、好ましくは5重量%未満であり、
ただし、揮発性液体におけるジメチルエーテル(DME)と揮発性有機化合物(VOC)の総量は、VOC濃度が186g/l(DME換算で約24重量%に相当)未満となる量であり、かつ
−前記不揮発分は、0〜30重量%の範囲の着色顔料と存在してもしなくてもよいフィラー、25〜99重量%の範囲、好ましくは35〜90重量%の範囲のポリマー樹脂、並びに9重量%以下の添加剤を含み、前記ポリマー樹脂は、水とジメチルエーテル(DME)とを含む水混和性溶媒中に乳化分散物として存在する。
ある不燃性水性エアロゾル塗料組成物は、24重量%以下のジメチルエーテル(DME)、30〜65重量%の範囲のポリウレタン変性アルキド樹脂又はアルキド樹脂、0〜2重量%の範囲の添加剤及び分散剤、0〜20重量%の範囲の着色顔料、フィラー及びマット剤、を含み、残部は水である。
ある不燃性水性エアロゾル塗料組成物は、24重量%以下のジメチルエーテル(DME)、30〜65重量%の範囲のポリウレタン変性アルキド樹脂又はアルキド樹脂、0〜2重量%の範囲の添加剤及び分散剤、及び水である残部、からなる。
ある不燃性水性エアロゾル塗料組成物は、乾燥重量が不揮発分の40〜45重量%の範囲であって、エアロゾル塗料組成物の総重量に対しては30〜37重量%、好ましくは32〜35重量%である。
本発明はまた、水性エアロゾル塗料中の塗料組成物としての塗料材料の使用にも関わる。この場合、前記エアロゾル塗料組成物は可燃性であって、
− ジメチルエーテル(噴射剤)25〜50重量%
−50〜85重量%のコーティング材料、ここで該コーティング材料は、17〜60重量%の範囲、好ましくは30〜50重量%の範囲の不揮発分、並びに40〜83重量%の範囲、好ましくは50〜70重量%の範囲の揮発成分からなる
を含み、
ここで、前記揮発分は、水、又は水と水相溶性溶媒との混合物を含み、
前記不揮発分は、17〜60重量%(乾燥重量)の範囲の選択されたポリマー樹脂、総計で0〜30重量%の範囲の着色顔料、分散剤、及び存在してもしなくてもよいフィラー、並びに9重量%以下の添加剤、を含み、ただし、前記ポリマー樹脂は前記水性エアロゾル塗料組成物の8重量%以上(乾燥重量)を構成している。
本明細書中で、ポリウレタン変性アルキド樹脂又はアルキド樹脂とは、油分を有するアルキド油樹脂又はポリウレタンアルキド油樹脂を意味する。
本明細書中で、共溶媒とは、水と共にバインダーポリマー(膜形成ポリマー)を溶解させることが可能な水相溶性液体を意味する。
適切な水相溶性共溶媒は、低級アルコール、グリコールエーテル、エチレングリコール又はプロピレングリコールのアルキルエーテルである。
本明細書中で、揮発性剤とは、合一している塗料膜から一部又は全部が離脱する薬剤を意味する。揮発性剤は、通常、揮発性有機化合物でもある。
本明細書中で、揮発性有機化合物(VOC)とは、標準気圧101.3kPaの下で沸点が250℃未満であり、通常の室温(20℃)での蒸気圧が0.01kPa以上である有機化合物を意味する。
本明細書中で、不燃性エアロゾルとは、欧州指令2008/47/EYの6.3.1及び6.3.2によれば不燃性であるエアロゾルを意味する。
本発明は、2つの主な発案に基づいている。第一の発案は、エアロゾル塗料に用いられる主な噴射剤のうちのいくつかと適合性のある、良好なバインダーの候補を同定することである。これらの噴射剤には、特に、ジメチルエーテルが含まれる。検査判定基準は、不良な膜形成特性、不良なスプレーパターン、及び短いエアロゾル塗料貯蔵寿命をもたらす以下の異常(disturbance)を考慮することが求められる:
-ISO 2813で定義される光沢が80未満であることとして、及びヨウ素価として定義される透明度が5超であることとして測定される、エアロゾル缶から目的位置にスプレーされた塗料材料の膜形成特性の欠陥
- ISO 2813で定義される光沢が80未満であることとして、及びヨウ素価として定義される透明度が5超であることとして測定される、エアロゾル缶内で長期間貯蔵された際のエアロゾル塗料組成物の光沢及び透明性の異常、
- 塗料材料の粒子に起因するバルブの詰まりとして検出される、エアロゾル塗料組成物のスプレー特性の異常。
本発明の発明的な方法において、噴射剤、特にDME、と共に用いることが可能な良好なバインダーの潜在的な候補を見つけるための、これら主要な異常を考慮した上述の同定方法論が用いられる。
しかしながら、この種の試験方法は有効で、膜形成や塗料表面の質に影響するエアロゾル塗料の主な特性を考慮しているものではあるが、多くの可能性のあるバインダーから適切な候補を見つけるのは面倒となり得る。
この理由で、発明者は、エアロゾル塗料に用いられる噴射剤と適合性のあるバインダーを特定するのに良好な出発点となる、適切なバインダー候補のいくつかのグループをさらに特定した。
ゆえに、第二の発案は、ほぼ乳化剤及び/又は界面活性剤無しにアルキドエマルジョン及びポリウレタン変性アルキドエマルジョンが作られるという事実案(fact idea)に基づいている。ほとんどの場合、液相(アルキド液ポリマー+乳化剤又はアルキド−ポリウレタン液ポリマー+乳化剤)中に蒸気を導入することによりすでに十分である。
Figure 2022500546

結果は、以下のとおりである。
Figure 2022500546
乳化剤の疎水性部が、油変性アルキド樹脂又は油変性ポリウレタンアルキド分子の「油性の」すなわち脂肪酸の部分において非常に居心地よく感じて、乳化剤の親水性部に対するジメチルエーテル(DME)の影響は無視することができる。
このことは、エアロゾル缶のバルブ系を詰まらせることなく容易にスプレーすることが可能な、エアロゾル缶内の安定な混合物をもたらす。その湿った膜は、共溶媒を必要とせずに流動し造膜する能力を有する。
望ましいアルキド樹脂(又はポリウレタン変性)アルキド樹脂は、40重量%未満の脂肪酸を含む(短油アルキド樹脂)か、又は40〜60重量%の脂肪酸を含む中長油アルキド樹脂(又はポリウレタン変性アルキド樹脂)である。
短油アルキド樹脂は、短油:アルキド樹脂の比を有するよう作られたアルキドバインダーである。短油アルキド樹脂における脂肪酸の割合は、40パーセント未満である。これらの脂肪酸は、樹脂中で変性剤として作用する。短油アルキド樹脂は、空気中で乾燥させることができないので、一般的にはオーブンで乾燥させる。これらの製品のための典型的な溶媒系は、脂肪族系の溶媒である。いくつかは、高固形分(high solids)のため芳香族溶媒又は酸素化溶媒(oxygenated solvent)中に薄められる(cut)ものもある。ほとんどが、脂肪族の溶媒で無限に希釈可能である。短油アルキドの場合、これらの樹脂は通常オーブンで乾燥され、芳香族溶媒及びその他の非脂肪族溶媒だけでは、限られた溶解度しか示さない。
短油アルキド樹脂とは別に、さらに2つのタイプのアルキド樹脂があり、それは長油アルキド樹脂、及び中油アルキド樹脂である。
- 長油アルキド樹脂は、60重量%超の脂肪酸を含む。
- 中油アルキド樹脂は、40重量%〜60重量%の脂肪酸を含む。
- 短油アルキド樹脂は、40重量%未満の脂肪酸を含む。
構造:
Figure 2022500546
アルキド油樹脂又はアルキドポリウレタン油樹脂のこの構造は、フレキシブルで、ジメチルエーテルの存在による攻撃を受けない。原理的には、全成分に適合性がある。
この種のポリマーは、液相が蒸発した際に、乳化された粒子の流れ(フロー)のための膜を自ら形成するために共溶媒を必要としない。
これとは対照的に、アクリル及びアクリル/アルキドエマルジョンの粒子は、アクリルのシェルが硬いので、乳化剤に対してそれほど敏感ではない(乳化剤の疎水性部が侵入することが難しい)。このことが、それらの粒子が、界面活性剤の助けを借りて乳化される代わりに、水に分散されていることの理由である。
もし、噴射剤がジメチルエーテル(ジメチルエーテルは、エアロゾル缶内に25〜40重量%存在していると強力な溶媒である)であるエアロゾルにおいてこれらの分散物が用いられたならば、ジメチルエーテルは硬いアクリルのシェルを攻撃し、シェルを(部分的に)分解又は可塑化するであろう。このことによりアクリル又はアクリル/アルキドエマルジョンの異常(disturbance)がもたらされる。なぜなら、粘着性で半ば分解したバインダーの部分は(最初の分散物よりもはるかに大きな)塊を形成し、エアロゾル缶のバルブ系を詰まらせてしまうからである。共溶媒は、アクリルシェルの粘着性を上げ/部分的に分解し、膜を形成する。
好ましいアルキド油又はアルキドウレタン油樹脂は、分類A1)〜A6)の樹脂から選択され、バインダー濃度の高い水性エアロゾル塗料の促進に用いられる:
A1)水に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40%未満であるけん化/中和化された短油アルキド
A2)水に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40〜60%であるけん化/中和化された中油アルキド
A3)乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の短油アルキド
A4)乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の中油アルキド
A5)乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の、中油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
A6)乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の、短油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド。
分類A1からA6の例示的バインダー
本発明において、エアロゾル塗料組成物は、好ましくは大分類A1)〜A6)のアルキド油樹脂又はポリウレタンアルキド樹脂に基づくもので、バインダー濃度の高い水性エアロゾル塗料の促進のために用いることができる。表1には、上記の大分類A1)〜A6)のそれぞれにおける例示的バインダーを示す。
種々のバインダーから、VOC非含有、あるいはVOC量が少ないものを選択することができる。VOCの値は、サプライヤの製品データシート又は安全データシートに記載されている。以下には、サプライヤの安全及び製品データシートに示されるVOC値と共に、例示的バインダーを示す。
表1 上記の大分類a〜fの例示的バインダー
Figure 2022500546
Synaqua 4804
APEO アンモニアと無溶媒の短油アルキドエマルジョン(分類A1)
Necowel 4300は、共溶媒を含まず、カチオン変性された中油アルキドで、水での乳化が可能なようにアンモニアで中性化されている(分類b)。
Synthalat PWM 883 S
溶媒も界面活性剤も含まない中油ウレタンアルキドエマルジョン(分類A5)
Necowel 586 N
共溶媒を含まない変性アルキドエマルジョンで中油の長さ(分類A2)
Worleesol E330W
無溶媒の短油変性ポリウレタンアルキドエマルジョン(分類A6)
Worleesol E927W
無溶媒の短油変性ポリウレタンアルキドエマルジョン(分類A6)
DOMALKYD 0545 40 Wa(分類A4)
ポリウレタン樹脂のアニオン性エマルジョン、
上記バインダーの特性:
NECOWEL 586 N
共溶媒非含有の変性アルキドエマルジョンで中油の長さ(分類A2)
NECOWEL 586 Nは芳香族性ポリウレタン変性アルキドエマルジョンで中油の長さ。
このエマルジョンはAPEOを含まず、VOC及びSVOCも含まない。
分析データ・
固形分: 47〜50%・
油の長さ: 約50%・
油のタイプ: 大豆油・
粘度: 2.0〜3.5 Pas、20℃・
pH値: 7〜8・・
溶媒: 水
DOMALKYD 0545 40 Wa(分類A4)
特性
Domalkyd 0545 40 Waは、ポリウレタン樹脂のアニオン性エマルジョンで、植物脂肪酸(vegetable fatty acids)で変性されている。水中に40%として供給される。
物理的性質
不揮発分 40±1%
DIN EN ISO 3251
油分 約44%
ヒドロキシル含有量(樹脂固形分) 約1%
DIN ISO 4629
粘度(100 1/s、23℃) 50〜500 mPas
DIE EN ISO 3219
pH 7〜8
DIN 19268
密度(約) 1.02 g/cm
ISO 2811
特性:空気中で速乾性、高い光沢と良好な流動性。顕著な密着性及び弾性。高硬度であり、水及び化学薬品への耐性が良好。
用途:Domalkyd 0545 40 Waは、産業用途(空気乾燥及び強制乾燥並びに収納システム)のための、木、鉄及びアルミニウム上の、優れた光沢の保持及び弾性を有する黄変耐性の表面コート及びワンコート(1回塗り)塗料として用いられる。Domalkyd 0545 40 Waは、乳化剤を含まず、水でどのような割合にでも薄めることができる。Domalkyd 0545 40 Waに基づくコーティングシステムは、物理的な乾燥が非常に速い。しかしながら、何らかの水性ドライヤーを使うことを助言する。そのドライヤー(siccative)は、攪拌中に注意深く添加すべきである。Domalkyd 0545 40 Waは、水希釈型のメラミン樹脂と混合することができる。ベーキング条件は、メラミン樹脂の反応性に依存する(最高で140℃)
Synaqua 4804(分類A3)
Synaquaは、短油アルキドエマルジョンである。APEO及びアンモニアを含まず、VOCが少ない(50g/l未満)もの(alternative)が入手可能である。
総固形分 50±1% w/w
粘度 300 Cps
密度 9,9
pH 7.0
溶媒 水
WorleeSol NW 410
これは、無溶媒の中油特殊変性アルキドエマルジョンである(分類A4)。
外観は乳白色液体で、配送形態は水中46%である。
不揮発分 46%±2
油分(1h/125℃) 約40%
定義は DIN EN ISO 3251による
粘度、20℃ 最大 3,000mPas
定義は Brookfield,spindle 4/20rpm
DIN EN ISO 2555
23℃での密度 1.050g/cm
定義は DIN EN ISO 2811−1による
WorleeSol NW 410樹脂は、水希釈性の装飾塗料及びDIY塗料の生産に用いられ、これら塗料は、特に、良好なはけさばき性、優れた平坦性、及び良好な充填性を示す。高光沢のトップコートに特に薦められる。ウッドプロテクションステインの配合も可能である。
Necowel 4300
水での乳化が可能なようにアンモニアで中性化されている、共溶媒非含有のカチオン変性中油アルキド(分類A2)。
固形分含有量 41〜45%
油の長さ 約35%
粘度(25℃) 50〜150mPas
pH 5.5〜6.5
溶媒: 水
Crosscore 5000
固形分50%の範囲の中油アルキドエマルジョン(分類A4)
特性:
中油〜短油アルキドエマルジョン、油の長さ40%
外観 乳白色、固形分50%
油タイプの大豆脂肪酸を含み、共溶媒は非含有、アミンは非含有
粒子サイズ ±200nm
粘度 23℃ pH±7で 20mPas。
これは大分類d)の樹脂の例である。
さらなる性質:VOCを含まず、乾燥に共溶媒を必要としないアルキドエマルジョン。乾燥し固化した後は、さらなるVOCの放出はない。
用途:木、金属、及び建具類用の、インテリア及びエクステリアのプライマー及びトップコート、腐食防止プライマー
WorleeSol E330W
短油変性ポリウレタンアルキドエマルジョン、水希釈可能(分類A6)
不揮発分 42±2
定義は DIN EN ISO 3251による
油分 33%
粘度 最大 10,000 mPas
定義は DIN EN ISO 2555による
固体上の酸価(acid value on solids)15〜20
定義は DIN EN ISO 2555による
pH 7.5〜8.5
密度 20℃ 1.046 g/cm
定義は DIN EN ISI 2811−1による
納品(形態):水中42%、VOC非含有。
WorleeSol E927W
水系溶媒システム用の、短油ポリウレタンアルキドエマルジョン(分類A6)
アクリル系分散剤と適合性が高い
不揮発分 40%±2
定義は DIN EN ISO 3251による
油分 約27%
密度 20℃ 約1.04 g/cm
定義は DIN EN ISO 2811−1による
固体上の酸価(acid value on solids)最大30
定義は DIN EN ISO 3682による
pHの値 6.8〜7.5
定義は DIN ISO 976による
粘度(20℃) 最大10.000 mPas
定義は DIN EN ISO 2555による
外観は乳白色液状
Synthalat PWM 883 S
溶媒及び界面活性剤を含まない、中油樹脂を基にしたウレタンアルキドエマルジョンで、キシレンは0.1%未満
油分 約45%
特殊乾燥性脂肪酸
水中45%で供給
粘度(mPas) 200〜700(供給状態)
(社内法 AV−F−V005)
不揮発分 45±2%(供給状態)
(社内法 AV−F−F003)
pH値 7.0〜9.0
(供給状態)(社内法 AV−F−P001)
酸価 単位 mg KOH/gで <30
(社内法 AV−F−S001)o
有機溶媒 アセトン <0.3%
Synthalat PWM 883/45%は、ドライヤー量の低減された高速乾燥水性産業用ラッカーのための単独使用の(sole)バインダーとして適している。
添加剤
不燃性エアロゾル塗料の場合、添加剤は、VOCフリーなものでも、あるいはVOC含有量が低いものでもよい。どの添加剤でも、VOC値はサプライヤの製品カタログや安全データシートから得ることができる。もし、特定の添加剤中に何らかの揮発性有機化合物が存在する場合は、この添加剤の安全データシートにそのことが記載されていなければならない。
以下に、不燃性エアロゾル塗料組成物用にVOCフリー及び低VOCの添加剤を選ぶ際の、非限定的なガイドラインをいくつか挙げる。
水系用途のための濡れ性(wetting)向上及び分散用の添加剤は、エレクトロステリック(electrosteric)な安定化を用いる。添加する分散剤の量は、顔料(pigment)の質に主に依存し、通常は顔料の量に対して6〜90%という非常に幅広い範囲にある。
水性塗料用のVOCフリーな濡れ性(wetting)向上及び分散用添加剤のいくつかの例示:
Byk 191、顔料親和性基を有する共重合体の水中溶液。この添加剤は、立体的(steric)安定化によって、顔料を脱凝集させる。
TEGO(登録商標) Dispers 653、これは顔料を湿らせて分散させる添加剤である。この添加剤は、顔料親和性の高い基を有する変性ポリエーテルを含む。
消泡剤。泡の生成を防ぎ、また泡が存在する場合は破壊するために、配合物には消泡剤が添加されなければならない。ほとんどの消泡剤は脱気剤としてもある程度有効であり、その逆もまた成り立つ。消泡剤は、消泡されるべき配合物に不溶性でなければならず、配合物中では、細分化された小滴の形で存在することが求められる。さらに、消泡剤は、クレーターなどの表面欠陥の原因にならないために、消泡される媒体との適合性が十分にある必要がある。最もよく用いられる消泡剤は、ポリジメチルシロキサン及び変性ポリシロキサンである。
VOCフリーの消泡剤/脱気剤の例:
Tego Airex 902W。ヒュームドシリカを含むポリエーテルシロキサン共重合体のエマルジョン。不揮発分は約24%。添加量は配合物全体に対して0.2〜3.0%。
Tego Foamex 840。シリカ非含有のポリエーテルシロキサン共重合体。技術情報−外観は透明な液体−活性分含有量100%。添加量は配合物全体に対して0.05〜0.5%。添加は、練肉(grind)中に行ってもレット・ダウン方式の間に行ってもよい。
Byk 1617。消泡性ポリシロキサン、疎水性固体及び乳化剤のエマルジョン。密度(20℃):1.00g/ml。不揮発分(60分、105℃):12.5%。キャリア:水。
粘度調整剤。水性配合物においては、バインダーは分散されたポリマー粒子形態であるので、分子量を変えることによる流動挙動制御はできない。ゆえに、水性のコーティング及び印刷インクの流動性を調節するためにはレオロジー添加剤(増粘剤)が使われなければならない。
レオロジー添加剤は、大きく、無機増粘剤及び有機増粘剤、あるいは、溶剤系コーティング用増粘剤又は水系コーティング用増粘剤に分けられる。
以下は、溶剤系システム用又は水系システム用の改変された(modified)無機増粘剤の例である。このリストは網羅的であることを意図してはいない。
溶剤系システム及び水系システム:ベントナイト、合成格子層シリケート、焼成シリカ(有機変性される場合もある)。
溶剤系又は水系のシステム用の有機増粘剤の例は、以下を含む:ポリウレア、セルロース誘導体、ポリアミド。水性コーティング用の有機増粘剤の例は、以下を含む:会合型増粘剤、非会合型増粘剤。
密着性付与剤(AP)は、コーティングと基材との間の接着力を増加させる二官能性材料であり、カップリング剤と呼ばれることもある。
チタネート及びジルコネートは、カップリング剤及び密着性付与剤であり、衝撃強度及び耐薬品性を高め、物理的特性、配合上の特性、及び用途上の特性を向上させる。
単量体リン酸化合物及びリン酸エステルは、フリーラジカルエマルジョン重合に用いられる物質で、基材への湿潤接着結合を与えるものである。
オリゴマーシラン。接着性向上に今もなお使われている第一世代のカップリング剤は、単官能である。これらの単官能シラン密着性付与剤は、ますますオリゴマーによって置き換えられている。オリゴマーの分子は、多少高い分子量を有し、どちらのタイプの反応基についても複数の官能性を有する:メトキシ(−O−CH)基は、シリコン(Si)原子に直接結合しており、金属基材のヒドロキシ(−OH)基と共有結合を形成する。エポキシ基は膜形成の間にバインダー系と架橋結合する。添加剤のコアは、強いシロキサンネットワークで形成されており、該ネットワークは、例えば、加水分解、化学薬品、及びUV照射に対して、優れた耐性を有する。分子量の増大にもかかわらず、単官能シランと比較して、オリゴマーは粘性が低く、広範囲の適合性がある。
組成物(compositions)からの例
エアロゾル缶用塗料組成物
以下の組成物は、コーティング材料でエアロゾル缶を満たして缶を閉じることにより、エアロゾル缶内に準備された。閉じた缶は、液化されたジメチルエーテル(DME)噴射剤で満たされた。缶の充填容積は、400ml又は675mlのいずれかである。記載された例のいずれにおいても、表1に記載の全てのバインダーが使用可能である。
例において用いられているポリマー樹脂は、水を含んでおり、その乾燥成分含有量は通常6〜30%であった。括弧内には乾燥樹脂の割合を示す。
例1
高光沢トップコート
Figure 2022500546

Necowell 4300の代わりに、表1に記載の他のバインダーも用いることができる。
例2
耐錆プライマー
Figure 2022500546

Synaqua 4804の代わりに、表1に記載の他のバインダーも用いることができる。
例3
クリアトップコート
Figure 2022500546

Worleesol E330Wの代わりに、WorleeSol NW 410を用いることもできる。また、表1に記載の他のバインダーも用いることができる。
例4
耐食性に優れた速乾性高光沢カラートップコート
Figure 2022500546

Worleesol E927W、Domalkyd 0545 40 Wa又はNecowel 586 Nの代わりに、表1に記載の他のバインダーも用いることができる。
例5
本発明の典型的な水性エアロゾルベース塗料は、ポリウレタン変性樹脂 80〜100g(バインダー)、水 100〜150g、様々な添加剤 2〜11g、及びジメチルエーテル(DME) 75〜95gを含み、例えば、充填容積400mlのエアロゾルボトルに詰められる。
充填容積400mlの加圧されたエアロゾルボトル内に存在する、本発明のすぐに使用可能なエアロゾルベース塗料の典型的な一つは、以下のように調製される:
−ポリウレタン変性樹脂及び添加剤をエアロゾルボトル内に分注する
−噴射剤(DME)をエアロゾルボトル内に加え、ボトルに封をして密封とする。
こうして、充填容積400mlの加圧エアロゾルボトルに以下の液相のエアロゾルベース塗料成分が収容される:
Figure 2022500546

このエアロゾルベース塗料の密度は約1g/cmで、そのためエアロゾルボトルの充填容積(400ml)に占める液相の体積は約300mlである。
このようなエアロゾルベース塗料はそれ自体は可燃性であるが、しかしバインダー含有量が高く(約30重量%)、ジメチルエーテル(DME)の量が比較的少なく(27重量%)、そして不燃性エアロゾル組成物の調製にも用いることができる。
このエアロゾルベース塗料は、ほとんどの水性塗料用の市販の調色装置との適合性がある、すなわち、0.1〜0.2mlの分注量精度を有する分注デバイスにより機械的な手法で分注された顔料(着色ペースト)を含んでいてもよい。
このエアロゾルベース塗料は、任意の所望された光沢レベル(マット、半光沢、光沢)を有する塗料膜を提供することを可能にする。
全く同じエアロゾルベース塗料は正確に所望の色合いに着色されるのに適し、前記色合いは、例えば、RAL色彩マッチングシステム(168色調)、又はNCS色調システム(1668色調)によるものである。
ポリウレタン変性アルキドの代わりに、アルキド、エポキシ変性アルキド、及びガラス転移温度の低いいくつかのスチレン−ブタジエン乳化物/分散物(ラテックス)を用いることもできる。
例6
エアロゾル缶内に不燃性塗料を調製するためのベース塗料;
アルキド樹脂の量という点で改変された第1のエアロゾルベース塗料
Figure 2022500546
充填容積400mlのエアロゾルボトルに詰められた例1のエアロゾルベース塗料において、アルキド樹脂の量を、どの成分が100mlの注入カップからエアロゾルボトル内に存在するエアロゾルベース塗料中に加えられるかに応じて変更した。その注入カップは、さらに、最小分注量が色材ペースト0.1mlである調色分注デバイスと機能的に連通していた。
アルキド樹脂の量について変更された第1のエアロゾルベース塗料を、各色調のレシピに応じて1〜35mlの量の色材ペースト、並びに合計50mlのバインダー及び水(50体積%の水と50体積%のポリウレタン変性アルキド樹脂)とともに、調色分注デバイスの注入カップから供給するように改変した。これによって、即使用(readiness)用に調色されたエアロゾル塗料を得たが、充填容積400mlのエアロゾルボトルにおいて、その占めるスペースは350〜400mlであった。
例7
アルキド樹脂の量という点で変性された第2のエアロゾルベース塗料:
Figure 2022500546
第2の改変エアロゾルベース塗料においては、各色調のレシピに応じて1〜35mlの量の色材ペースト、並びに水50mlとともに、調色分注デバイスの注入カップから供給されるように、例1のエアロゾルベース塗料におけるアルキド樹脂の量が変更されている。これによって、即使用(readiness)用に調色されたエアロゾル塗料を得たが、充填容積400mlのエアロゾルボトルにおいて、その占めるスペースは350〜400mlであった。
例8A及び8B
例8A
例5のエアロゾルベース塗料を、白色のベース塗料を得るように改変し、充填容積400mlのエアロゾル缶に詰め、最小分注量が色材ペースト化合物0.1mlである市販の分注機(図1参照)によって機械的手法で調色した。
色材ペースト混合物は、各色調のレシピに沿って1〜50mlの量を分注機の注入カップに分注し、同じ注入カップに40mlのバインダー(ポリウレタン変性アルキド樹脂)を加えた。これによって、即使用用に調色されたエアロゾル塗料を得たが、充填容積400mlのエアロゾル缶において、その占めるスペースは350〜400mlであった。
パートA:充填されたエアロゾル缶
白色ベース塗料 247g(185ml)
DME(ジメチルエーテル) 73g(110ml)
パートB:パートAのエアロゾル缶に加える注入カップ
Domalkyd 0545 40 Wa又は Necowel 586 N (バインダー)(40重量% 水中エマルジョン)40g
色材ペースト混合物 20〜50g(20〜50ml)
パートA+Bの組み合わせ、形成されたエアロゾル塗料の主成分
バインダー(Domalkyd 0545 40 Wa又は Necowel 586 N) 31重量%
水 10重量%
DME 19重量%
TiO 25重量%
他の顔料 5〜12重量%
添加剤 5〜12重量%、
各添加剤の添加量は、それぞれ0.1〜1.5重量%である
白色ベース塗料組成物とその揮発性有機化合物
ポリウレタン変性アルキドエマルジョン
− Domalkyd 0545 40 Wa又は Necowel 586 N 水中40重量%、VOCフリー
シッカチーフ 0.22重量%
− ドライヤー
Dextrol OC−180
− 分散剤)
TiO
Capstone SF 65
− 表面張力調整剤、VOCフリー
BYk 349
− 表面張力調整剤
Rheolate 310
− レオロジー調整剤、VOCフリー
Diosperbyk 199
− 湿潤分散剤、VOCフリー、顔料安定剤
AMP
− pH調整剤
水(ミネラル除去)
Acemat Ok 520
− 固形マット剤
以上に見られるように、添加剤、バインダー及び顔料のいずれも、揮発性有機化合物(VOC)を含んでいない。唯一のVOC源は、既製(readymade)の缶入り(400ml)のエアロゾル塗料の総重量の19重量%を占めるDMEであった。このエアロゾル塗料のVOC含有量は19%であり、後述の試験で不燃性であった。
例8B
例1のエアロゾルベース塗料を、透明(clear)なベース塗料を得るように改変し、充填容積400mlのエアロゾル缶に詰め、最小分注量が色材ペースト化合物0.1mlである市販の分注機(図1参照)によって機械的手法で調色した。
色材ペースト混合物は、各色調のレシピに沿って1〜50mlの量を分注機の注入カップに分注し、同じ注入カップに40mlのバインダー(ポリウレタン変性アルキド樹脂)が加えた。これによって、即使用用に調色されたエアロゾル塗料を得たが、充填容積400mlのエアロゾル缶において、その占めるスペースは350〜400mlであった。
パートA:充填されたエアロゾル缶
透明バインダー混合物 185g(185ml)
DME(ジメチルエーテル) 73g(110ml)
パートB:パートAのエアロゾル缶に加える注入カップ
Domalkyd 0545 40 Wa又は Necowel 586 N (バインダー)(40重量% 水中エマルジョン)40g
色材ペースト混合物 20〜50g(20〜50ml)
パートA+Bの組み合わせ、形成されたエアロゾル塗料の主成分
バインダー(Domalkyd 0545 40 Wa又は Necowel 586 N) 48重量%
水 6重量%
DME 21重量%
顔料 7〜15重量%
添加剤 5〜10重量%、
各添加剤の添加量は、それぞれ0.1〜1.5重量%である
透明バインダー混合物ベース塗料組成物とその揮発性有機化合物
ポリウレタン変性アルキドエマルジョン
− Domalkyd 0545 40 Wa又は Necowel 586 N 水中40重量%、VOCフリー
Borchi oxy coat、VOCフリー
− ドライヤー
Dextrol OC−180
− 分散剤)
TiO
Capstone SF 65
− 表面張力調整剤、VOCフリー
BYk 349
− 表面張力調整剤
Rheolate 310
− レオロジー調整剤、VOCフリー
Diosperbyk 199
− 湿潤分散剤、VOCフリー、顔料安定剤
AMP
− pH調整剤
水(ミネラル除去)
以上に見られるように、添加剤、バインダー及び顔料のいずれも、揮発性有機化合物(VOC)を含んでいない。唯一のVOC源は、既製(readymade)の缶入り(400ml)のエアロゾル塗料の総重量の19重量%を占めるDMEであった。このエアロゾル塗料のVOC含有量は21%であり、後述の試験で不燃性であった。
例9〜11では、関連する試験で可燃性かもしれないエアロゾル塗料の、例示的で非限定的な例をいくつか示す。ここでもまた、エアロゾル塗料組成物のいくつかの主成分について、括弧内に乾燥重量パーセントの値を示す。
例9
Figure 2022500546
例10
Figure 2022500546
例11
Figure 2022500546
例12
比較と適合性検査
12a)エアロゾル塗料組成物のエージングについての比較試験
概論
エアロゾル缶から発せられるスプレーパターンは、缶の内容物それぞれの割合の組み合わせであり、圧力、粘度、液化された噴射剤の量、及び当然ながらバルブとアクチュエーター内を輸送された固形粒子がどの程度微細であるか、ということである。
スプレー中のバルブ及びアクチュエーターにおける開口の直径の指標としては、0.1から0.5mmの間である。
このことは、もし缶中の塗料の凝集が始まったり、バインダーが噴射剤(DME)の攻撃を受けて隠れて(cloak together)しまう場合に、スプレーの結果に直接の影響が及ぶことを意味している。それにより、固形粒子が湿潤膜を妨害し、また乾燥膜中で見えてしまい、ついにはバルブ及びアクチュエーターが完全にふさがれてしまう。
エージング試験は、配合物1〜3を用いて行われた。
配合物1
ポリウレタン変性短油及び中油アルキドエマルジョンの混合物ベースの着色トップコート
Figure 2022500546
配合物 3I:アクリル分散剤ベースの着色トップコート
Figure 2022500546
配合物 3I
透明アクリルワニス
Figure 2022500546
結果
1週間の間隔を空けたオーブンでの40℃及び20℃でのエージング試験の後、スプレー試験を行った。
12b)噴射剤とバインダーとの間の適合性検査方法
水性バインダーと液化された噴射剤との間の適合性を決定する検査方法。
適合性の検査もまた、配合物1〜3を用いて行った(以下参照)。
検査の説明と目的。
様々な混合比での、水性バインダーと炭化水素噴射剤、特にジメチルエーテル(DME)、との適合性の検査、ここで、バインダーの膜形成に必要な場合は、共溶媒も共に用いた。バインダー及び噴射剤は、どちらも均一な溶液形態で、そしてこれらの溶液を混ぜ合わせる。検査において、バインダー分散/乳化物と液体噴射剤の重量(w/w)が与えられる。
バインダー分散物及び乳化物は、炭化水素、又はより一般的には、ジメチルエーテルDMEのような有機の液体を加えることで、異常となりうる(DMEはエアロゾル缶内で少なくとも一部が液体である)。
バインダー乳化物及び分散物の異常は、エアロゾルバルブでは扱いきれないほどのサイズを有するバインダーの凝集体を生じ得、閉塞及び非機能的な製品につながる。
乳化物及び/又は分散物が異常となることによって、バインダー粒子の保護はより弱いものとなり、液状DMEによって攻撃されうる結果、粒子の粘着性が上がり(tackify)、凝集体につながる。この凝集体は、上記のようにエアロゾルバルブを詰まらせる効果を有する。このようなバインダー凝集体は、膜形成プロセスの異常も引き起こす。バインダー粒子(凝集体)のサイズが35〜40umの場合、目視検査可能である。
バインダーとDMEとの適合性を検査するために、DME、バインダー、存在してもしなくてもよい共溶媒、及び水からなる塗料材料組成物を含むエアロゾル充填物(fillings)を様々な濃度で作製し、これは特に、圧力下での混合物の状況を観察することからガラス製のエアロゾル缶内とすることが好ましい。もし、ガラス製のエアロゾル缶が入手できなければ、通常の金属缶を用いることもできる。
検査の判定基準:
スプレー缶やボトルの機能性とは、スムーズなスプレーパターン、及びアクチュエーターバルブなどの詰まりがないことを意味する。
ガラス製エアロゾルの場合、容器内の混合物の不均一性を観察する。
目標表面/位置(site)へ塗料コーティング材料をスプレーして、膜形成特性を検出する:
−膜形成:膜形成プロセスに関与しない目に見えるバインダー部分なしに、スムーズな塗料膜が形成されることが求められる。バインダー粒子は35〜40μm未満であることが求められる。
−形成された塗料膜の透明性又は退色、及び塗料膜の光沢は、適切であることが求められる。
ISO 2813により決定される塗料膜の光沢は、80超であることが求められ、または、ヨウ素色数として決定される膜の透明性(透明さ、曇り具合)は4〜5未満であることが求められる。これは、DIN EN 1557及び DIN 6162の規格に沿って行うことができる。もし、塗料膜又はエアロゾル缶内部の塗料材料組成物の透明性を目視で調べる場合には、セーボルト色度スケール(ASTM D 156)を使うことができる。
ヨウ素値は種々の方法で決定することができる(例えば、Wikipedia: methods for determination of iodine valueを参照)。
ヨウ素色数の代わりに、ガーディナーカラースケールを用いることもできる(ASTM規格D1544及びD6045)
−膜の乾燥時間が適切である。この検査判定基準はやや主観的であり、適切な塗料膜の質が最も重要な面であるので、注意深く適用しなければならない。
適合性検査:結果
検査1
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検査2
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検査3
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結論
配合物1
1週間、高い光沢、良好な不透明度、スプレー欠陥なし。結局、この配合物は20℃で約3年の貯蔵寿命を有する。
配合物2
1週間で、検査開始時のできたての缶と比べて少し光沢が低下した。不透明度はOK。
2週間では、スプレー中にスプレーパターンを乱す固形粒子があり、湿潤及び乾燥した膜中で目視可能であった。
3週間では、攪拌ボールを勢いよく振る試みを行ったが、バルブ/アクチュエーター系は完全にふさがっていた。缶のガスを抜いた(無教養(uncultured)にピンで)後、缶内の塗料を観察した。全体が凝固したバインダー及び着色顔料が見られた。
結論:安定ではなく、貯蔵寿命は短い。
配合物3
缶作製後すぐ(約1時間後)に、アクチュエーターを押してもスプレーすることができなかった。バルブ及びアクチュエーターは完全に閉塞していた。
缶のガスを抜いた(無教養(uncultured)にピンで)後、缶内の塗料を観察した。全体が凝固したバインダー及び着色顔料が見られた。
結論:安定ではなく、貯蔵寿命は非常に短い。
結論:水系エアロゾル塗料のアクリル分散物(配合物1及び2)は、これらのアクリル樹脂が噴射剤であるジメチルエーテル(DME)と不適合であるので、十分な貯蔵寿命がない。アルキドポリウレタン変性短油及び中油エマルジョンが樹脂として用いられた場合には、十分な貯蔵寿命が実現された。

Claims (27)

  1. 高濃度のコーティング材料を有する水性エアロゾル塗料組成物の調製方法であって、
    前記方法において、コーティング材料のポリマー樹脂と噴射剤は、それらが適合性検査を合格するように選択され、前記選択は、
    −ポリマー樹脂と噴射剤の少なくとも1つのペアを選択すること、ここで、前記ポリマー樹脂はA1〜A9の群から選択され:
    A1)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40%未満であるけん化/中和化された短油アルキド
    A2)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40〜60%であるけん化/中和化された中油アルキド
    A3)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の短油アルキド
    A4)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の中油アルキド
    A5)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の、中油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
    A6)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の、短油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
    A7)水性溶媒中に分散可能又は乳化可能なアクリル樹脂
    A8)水性溶媒中に分散可能又は乳化可能なポリウレタン変性アクリル樹脂
    A9)ポリウレタン樹脂
    前記噴射剤はB1〜B3の群から選択される:
    B1)ジメチルエーテル(DME)
    B2)プロパン、ブタン、イソブテン、及びこれらの混合物
    B3)2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン
    −噴射剤及びポリマー樹脂が水系溶媒の存在下での加圧容器内における相互適合性検査を合格するように、選択された噴射剤−ポリマー樹脂の前記ペアをさらに選択すること、ここで前記相互適合性検査は、噴射剤とポリマー樹脂との相互適合性を、噴射剤とポリマー樹脂の選択された濃度ペア群について検査することを含み、各濃度ペアは、ポリマー樹脂濃度群に属する第1の濃度を有する或る(a member of)ポリマー樹脂と、噴射剤濃度群に属する第2の濃度を有する或る(a member of)噴射剤濃度とを含むものであり、
    前記ポリマー樹脂濃度群は、ポリマー樹脂の検査濃度範囲をカバーするポリマー濃度列からなり、前記検査範囲は、好ましくは25重量%〜75重量%(湿潤)であり、より好ましくは10重量%〜90重量%(湿潤)であり、前記噴射剤濃度群は、噴射剤の検査濃度範囲をカバーする噴射剤濃度列からなり、前記検査範囲は、好ましくは75重量%〜25重量%であり、より好ましくは90重量%〜10重量%であり、
    検査濃度範囲内のポリマー樹脂と噴射剤の前記濃度ペア群について、相互適合性が、少なくとも、塗料材料の異常(disturbances)、形成された塗料膜の異常(disturbances)、及びエアロゾル缶からの塗料材料のスプレー特性の異常(disturbances)を考慮したt1〜t3の検査判定基準で検査され、
    t1)塗料膜形成における異常:低光沢及び透明性、膜中における粒子の異常形成
    t2)エアロゾル缶からスプレーした際の、塗料材料のスプレーパターンにおける異常(エアロゾル缶のバルブの妨害)
    検査判定基準t1及びt2に合格した場合は、t3)エアロゾル缶内で40℃以上の上昇させた温度で1週間以上の長期間貯蔵された際の、塗料材料の光沢又は透明性の異常
    そして、ポリマー樹脂及び噴射剤の検査濃度範囲内で検査判定基準t1〜t3による上記に定義した相互適合性検査を噴射剤及びポリマー樹脂が合格することを確実にした後に、
    −以下のA)及びB)をエアロゾル缶内に供給すること
    A)50〜85重量%のコーティング材料、ここで前記コーティング材料は17〜60重量%の範囲、好ましくは30〜50重量%の範囲の不揮発分、及び40〜83重量%の範囲、好ましくは50〜70重量%の範囲の揮発分からなり、前記揮発分は水又は水と水相溶性共溶媒との混合物を含み、前記不揮発分は、35〜90重量%の範囲の選択されt1〜t3の検査判定基準に合格したポリマー樹脂、総計0〜30重量%の範囲の着色顔料、分散剤及び存在してもしなくてもよいフィラー、並びに9重量%以下の添加剤を含むが、ただし、前記ポリマー樹脂は、水性エアロゾル塗料組成物の総重量の8重量%以上(乾燥重量 6重量%以上)を構成している、並びに
    B)選択され検査された前記噴射剤15〜50重量%
    −方法の段階A及びBにおいて成分を加えた後又は加える前に、前記缶に封をすること
    を含む、前記方法。
  2. 噴射剤がジメチルエーテル(DME)である、請求項1に記載の調製方法。
  3. 前記ポリマー樹脂がA1〜A6の群から選択される、請求項1に記載の調製方法。
    A1)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40%未満であるけん化/中和化された短油アルキド
    A2)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40〜60%であるけん化/中和化された中油アルキド
    A3)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の短油アルキド
    A4)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の中油アルキド
    A5)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の、中油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
    A6)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の、短油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド。
  4. 噴射剤、選択されたポリマー樹脂、及び共溶媒を含んでいてもいなくてもよい水系溶媒を含む塗料材料の適合性不合格(不適合性)の検査判定基準は以下のとおりである、前記請求項のいずれか一項に記載の方法
    −エアロゾル缶から目標位置(target site)にスプレーされた塗料材料の膜形成特性の異常、ここで、異常は、ISO 2813で定義される光沢が80未満であることとして、及びヨウ素色数として定義される透明性が5超であることとして測定される、
    −エアロゾル缶内で長期間貯蔵されたエアロゾル塗料組成物の光沢又は透明性の異常、ここで、異常は、ISO 2813で定義される光沢が80未満であることとして、及びDIN 6162によるヨウ素色数として定義される透明度が5超であることとして測定される、
    −塗料材料の粒子に起因するエアロゾル缶のバルブの詰まりとして検出される、エアロゾル塗料組成物のスプレーパターン特性の異常、
    t1)塗料膜形成における異常:低光沢及び透明性、膜中における粒子の異常形成
    t2)エアロゾル缶からスプレーした際の、塗料材料のスプレーパターンにおける異常。
  5. 前記水性溶媒が、a)共溶媒を伴わない水、又はb)水と水相溶性共溶媒との混合物であって、共溶媒の量がエアロゾル塗料組成物の総重量の0.1〜4重量%の範囲、好ましくは0.1〜2重量%の範囲である混合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 水と水相溶性共溶媒との混合物において、前記共溶媒が、低級アルコール、グリコールエーテル、エチレングリコール又はプロピレングリコールのアルキルエーテルを含む群から選択される1つ以上の溶媒であって、前記共溶媒の総濃度が、エアロゾル塗料組成物の総重量の0.1〜4重量%の範囲である、請求項5に記載の方法。
  7. 調製される水性エアロゾル塗料の樹脂が、室温で数か月(several months)の貯蔵寿命を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. スチレン、スチレン−ブタジエン又はラテックス樹脂を含まない水性エアロゾル塗料組成物の調製のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ポリマー樹脂のTg(ガラス転移状態)が55超である、及び/又は、前記ポリマー樹脂のMTF(最低造膜温度)が20℃未満である水性エアロゾル塗料組成物の調製のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 段階A及びBにおいて、エアロゾル缶にコーティング材料を充填すること、缶を閉じること、及びエアロゾル缶に封をする前又は封をした後に、閉じた缶にジメチルエーテル(DME)である噴射剤を充填することを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記エアロゾル缶の充填容積が400ml又は675mlである、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  12. エアロゾル缶内に封入及び加圧された水性エアロゾル塗料組成物の塗料材料組成物としての、水系溶媒及びポリマー樹脂と噴射剤とからなる少なくとも1つのペアを含む塗料材料の使用であって、
    前記ポリマー樹脂はA1〜A9の群から選択され:
    A1)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40%未満であるけん化/中和化された短油アルキド
    A2)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40〜60%であるけん化/中和化された中油アルキド
    A3)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の短油アルキド
    A4)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の中油アルキド
    A5)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の、中油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
    A6)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の、短油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
    A7)水系溶媒中に分散可能又は乳化可能なアクリル樹脂
    A8)水系溶媒中に分散可能又は乳化可能なポリウレタン変性アクリル樹脂
    A9)ポリウレタン樹脂
    前記噴射剤はジメチルエーテル(DME)であり、
    −水系溶媒の存在下での加圧容器内における相互適合性検査を合格したことにより、ジメチルエーテル(DME)とポリマー樹脂の選択された前記ペアはさらに選択されており、
    ここで前記相互適合性検査において、噴射剤とポリマー樹脂との相互適合性が、ジメチルエーテルとポリマー樹脂の選択された濃度ペア群について検査され、各濃度ペアは、ポリマー樹脂濃度群に属する第1の濃度を有する或る(a member of)ポリマー樹脂と、ジメチルエーテル濃度群に属する第2の濃度を有する或る(a member of)ジメチルエーテル濃度とを含むものであり、
    前記ポリマー樹脂濃度群は、ポリマー樹脂の検査濃度範囲をカバーするポリマー濃度列からなり、前記検査範囲は、好ましくは25重量%(湿潤)〜75重量%(湿潤)であり、より好ましくは10重量%(湿潤)〜90重量%(湿潤)であり、前記ジメチルエーテル濃度群は、検査濃度範囲をカバーするジメチルエーテル濃度列からなり、前記検査範囲は、好ましくはジメチルエーテル75重量%〜25重量%であり、より好ましくはジメチルエーテル90重量%〜10重量%であり、
    検査濃度範囲内のポリマー樹脂とジメチルエーテルの前記濃度ペア群について、相互適合性が、少なくとも、以下の異常(disturbances)を考慮したt1〜t3の検査判定基準で検査され、
    t1)エアロゾル缶から目標位置(target site)にスプレーされたエアロゾル塗料組成物の塗料膜形成特性における異常
    t2)塗料材料がエアロゾル缶からスプレーされた際の、スプレーパターンにおける異常(エアロゾル缶のバルブの妨害)
    検査判定基準t1及びt2に合格した場合は、t3)エアロゾル缶内で40℃以上の上昇させた温度で1週間以上の長期間貯蔵された際の、塗料材料の光沢又は透明性の異常、
    −ここで、前記塗料材料はさらに、
    10〜50重量%の範囲のジメチルエーテル(DME)
    8〜60重量%(乾燥重量 6〜30重量%)の範囲の、選択され、検査判定基準t1〜t3に合格したポリマー樹脂
    4〜60重量%の範囲の水系溶媒
    を含む。
  13. 噴射剤、選択されたポリマー樹脂、及び共溶媒を含んでいてもいなくてもよい水系溶媒を含む塗料材料の適合性不合格(不適合性)の検査判定基準は以下のとおりである、請求項12に記載の、水性エアロゾル塗料組成物の塗料材料組成物としての塗料材料の使用
    −エアロゾル缶から目標位置(target site)にスプレーされた塗料材料の膜形成特性の異常、ここで、異常は、ISO 2813で定義される膜の光沢が80未満であることとして、及びDIN 6162によるヨウ素価として定義される透明度が5超であることとして測定される
    −塗料材料の粒子に起因するバルブの詰まりとして検出される、エアロゾル塗料組成物のスプレーパターン特性の異常、及び利用可能ならば
    −エアロゾル缶内で長期間貯蔵されたエアロゾル塗料組成物の光沢又は透明性の異常、ここで、異常は、ISO 2813で定義される光沢が80未満であることとして、及びDIN 6162によるヨウ素価として定義される透明度が5超であることとして測定される。
  14. 前記塗料材料が不燃性であり、かつ、
    −24重量%以下の、ジメチルエーテル(DME)である噴射剤
    −76重量%以下の、65〜95重量%の範囲の不揮発分及び5〜35重量%の範囲の揮発分からなるコーティング剤
    を含み
    −前記揮発分は、添加剤、水相溶性共溶媒、及び分散剤を含む揮発性液体、並びに100重量%以下の水を含み、揮発性液体は総計で揮発分の0〜9重量%、好ましくは5重量%未満を構成しており、前記揮発性液体は前記揮発分中の揮発性有機化合物(VOC)の量を決定し、ただし、揮発性液体におけるジメチルエーテル(DME)と揮発性有機化合物(VOC)との総量は、VOC濃度が186g/l(DME換算で約24重量%に相当)未満となる量であり、かつ、
    −前記不揮発分は、0〜30重量%の範囲の着色顔料及び存在してもしなくてもよいフィラー、25〜99重量%の範囲、好ましくは35〜90重量%の範囲のポリマー樹脂、9重量%以下の添加剤を含み、前記ポリマー樹脂は、水及びジメチルエーテル(DME)を含む水混和性溶媒中に乳化分散物として存在する。
    請求項13又は14に記載の、水性エアロゾル塗料組成物の塗料材料組成物としての塗料材料の使用。
  15. 塗料材料は、
    −24重量%以下のジメチルエーテル(DME)
    −30〜65重量%の範囲のポリマー樹脂
    −0〜2重量%の範囲の添加剤、分散剤、及び水混和性共溶媒
    −0〜20重量%の範囲の着色顔料、フィラー、及びマット剤
    水である残部
    からなる請求項14に記載の使用。
  16. 水性エアロゾル塗料組成物は、
    −24重量%以下のジメチルエーテル(DME)
    −30〜65重量%の範囲のポリウレタン変性アルキド樹脂又はアルキド樹脂
    −0〜2重量%の範囲の添加剤及び分散剤
    −水である残部
    からなる請求項15に記載の使用。
  17. 水性エアロゾル塗料組成物は、乾燥重量が該エアロゾル塗料組成物の不揮発分の総重量に対して40〜45重量%の範囲であって、エアロゾル塗料組成物の総重量に対しては30〜37重量%、好ましくは32〜35重量%である、請求項12〜16のいずれか一項に記載の使用。
  18. 前記水性エアロゾル塗料組成物は水相溶性共溶媒を含まない、請求項13〜17のいずれか一項に記載の使用。
  19. 前記エアロゾル塗料組成物は可燃性であって、かつ、以下を含む、請求項13に記載の、水性エアロゾル塗料の塗料組成物としての塗料材料の使用。
    − ジメチルエーテル(噴射剤)25〜50重量%、
    −50〜85重量%のコーティング材料、ここで前記コーティング材料は17〜60重量%の範囲、好ましくは30〜50重量%の範囲の不揮発分、及び40〜83重量%の範囲、好ましくは50〜70重量%の範囲の揮発分からなり、前記揮発分は水系溶媒を含み、該水系溶媒は、水又は水と水相溶性共溶媒との混合物であり、
    前記不揮発分は、17〜60重量%の範囲の選択されたポリマー樹脂(ここで、前記ポリマー樹脂は、水性エアロゾル塗料組成物の8重量%以上(乾燥重量 6重量%以上)を構成している)、総計0〜30重量%の範囲の着色顔料、分散剤及び存在してもしなくてもよいフィラー、並びに9重量%以下の添加剤を含む。
  20. 前記水混和性共溶媒が、前記揮発分の4〜31重量%を占める、請求項19に記載の使用。
  21. 前記塗料材料が以下を含む、請求項19又は20に記載の使用:
    −8〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の濃度の、水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の、中油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
    −ジメチルエーテル25〜50重量%
    −60重量%以下の、水又は水と水相溶性共溶媒との混合物、ここで、水相溶性共溶媒は該混合物の4〜31重量%を構成する。
  22. 前記樹脂の乾燥重量が、含水塗料材料100gあたり6〜30重量%、好ましくは10〜30重量%であることを特徴とする、請求項21に記載の使用。
  23. 以下により製造される水性エアロゾル塗料:
    ●ポリマー樹脂及び噴射剤からなる少なくとも1つのペア及び水系溶媒を含む塗料材料を選択すること、
    前記ポリマー樹脂はA1〜A9の群から選択され:
    A1)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40%未満であるけん化/中和化された短油アルキド
    A2)水系溶媒中に希釈可能/乳化可能であり、脂肪酸量が40〜60%であるけん化/中和化された中油アルキド
    A3)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の短油アルキド
    A4)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の中油アルキド
    A5)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の、中油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
    A6)水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40%未満の、短油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
    A7)水系溶媒中に分散可能又は乳化可能なアクリル樹脂
    A8)水系溶媒中に分散可能又は乳化可能なポリウレタン変性アクリル樹脂
    A9)ポリウレタン樹脂
    前記噴射剤はジメチルエーテル(DME)であり、
    −水系溶媒の存在下での加圧容器内における相互適合性検査を合格したことにより、ジメチルエーテル(DME)とポリマー樹脂の選択された前記ペアはさらに選択されており、
    ここで前記相互適合性検査において、噴射剤とポリマー樹脂との相互適合性が、ジメチルエーテルとポリマー樹脂の濃度ペア群について検査され、各濃度ペアは、ポリマー樹脂濃度群に属する第1の濃度を有する或る(a member of)ポリマー樹脂と、ジメチルエーテル濃度群に属する第2の濃度を有する或る(a member of)ジメチルエーテル濃度とを含むものであり、
    前記ポリマー樹脂濃度群は、ポリマー樹脂の検査濃度範囲をカバーするポリマー濃度列からなり、前記検査範囲は、好ましくは25重量%(湿潤)〜75重量%(湿潤)であり、より好ましくは10重量%(湿潤)〜90重量%(湿潤)であり、前記ジメチルエーテル濃度群は、好ましくは75重量%〜25重量%の濃度範囲をカバーし、より好ましくは90重量%〜10重量%の濃度範囲をカバーするジメチルエーテル検査濃度列からなり、
    ポリマー樹脂とジメチルエーテルの前記濃度ペア群について、相互適合性が、少なくとも以下の塗料材料の異常(disturbances)、形成された塗料膜の異常(disturbances)、及びエアロゾル缶からの塗料材料のスプレー特性の異常(disturbances)を考慮したt1〜t3の検査判定基準で検査され、
    t1)エアロゾル缶から目標位置(target site)にスプレーされたエアロゾル塗料組成物の膜形成特性における異常
    t2)エアロゾル缶内で長期間貯蔵された際の、塗料材料の光沢又は透明性の異常
    t3)エアロゾル缶からの塗料材料のスプレーにおける異常、並びに
    ●前記塗料材料をエアロゾル缶に添加すること、
    ここで、前記塗料材料は、
    10〜50重量%の範囲のジメチルエーテル(DME)
    10〜60重量%の範囲の、選択され、検査判定基準t1〜t3に合格したポリマー樹脂
    4〜60重量%の範囲の水又は水系溶媒
    を含む
    ●分散剤及び存在してもしなくてもよい補助剤(adjuvant)をエアロゾル缶に添加し、該エアロゾル缶に封をすること、
    ここで前記水性エアロゾル塗料は可燃性であり、以下を含む:
    − ジメチルエーテル(噴射剤)25〜50重量%
    −50〜85重量%のコーティング材料、ここで前記コーティング材料は17〜60重量%の範囲、好ましくは30〜50重量%の範囲の不揮発分、及び83〜40重量%の範囲、好ましくは70〜50重量%の範囲の揮発分からなり、前記揮発分は水系溶媒を含み、該水系溶媒は、水又は水と水相溶性共溶媒との混合物であり、
    前記不揮発分は、17〜60重量%の範囲の選択され、検査判定基準t1〜t3に合格したポリマー樹脂(ここで、前記ポリマー樹脂は、水性エアロゾル塗料組成物の8重量%以上(乾燥重量 6重量%以上)を構成している)、総計0〜30重量%の範囲の着色顔料、分散剤及び存在してもしなくてもよいフィラー、並びに9重量%以下の添加剤を含む。
  24. −8〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の濃度の、水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の、中油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
    −ジメチルエーテル25〜50重量%
    −60重量%以下の、水又は水と水相溶性共溶媒との混合物、ここで、水相溶性共溶媒は該混合物の4〜31重量%を構成する。
    を含む、請求項23に記載の水性エアロゾル塗料。
  25. 缶内の塗料材料組成物が、
    −8〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の濃度の、水系溶媒中に乳化された/分散された、脂肪酸量が40〜60%の、中油と連結した(chained)ポリウレタン変性アルキド
    −ジメチルエーテル25〜50重量%
    −60重量%以下の、水又は水と水相溶性共溶媒との混合物、ここで、水相溶性共溶媒は該混合物の4〜31重量%を構成する。
    を含む、請求項23に記載の水性エアロゾル塗料。
  26. 前記樹脂の乾燥重量が、含水塗料材料100gあたり6〜30重量%、好ましくは10〜30重量%であることを特徴とする、請求項25に記載の水性エアロゾル塗料。
  27. スチレン、スチレン−ブタジエン又はラテックス樹脂を含まない、請求項23〜26のいずれか一項に記載の水性エアロゾル塗料。
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