JP2022190921A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリの発熱を抑制しつつ、受電機会の逸失を抑制することである。【解決手段】非接触充電100は、サーバ1と、車両3と、送電システム5とを備える。送電システム5は、走行レーン6に設けられ、送電システム5が設置された走行レーン(給電レーン)を走行する車両3の受電装置45に非接触で電力を伝送する。車両3のバッテリ30の温度が第1閾値Tth1より高い場合には、車両3のECU41は、送電システム5からの受電電力をバッテリ30の充電に用いず、電気負荷の駆動に用いる。【選択図】図1
Description
本開示は、車両に関し、より特定的には、送電装置から非接触で電力を受電可能な受電装置を備えた車両に関する。
特開2019-170024号公報(特許文献1)には、受電装置を含み、複数の送電装置が埋め込まれた走行レーンを走行しながら送電装置から非接触で電力を受け、当該電力を用いて車載のバッテリを充電する車両が開示されている。この車両は、バッテリの温度が所定値以上である場合には、充電の実行可否を判断するための蓄電量の下限値を引き下げて受電機会を減らし、バッテリの発熱を抑制する。これによって、バッテリの劣化を抑制している。
特許文献1に開示された車両では、バッテリの発熱を抑制することができる一方で、受電機会を逸失してしまう。バッテリの発熱の抑制と、受電機会の逸失の抑制とを両立させることが望ましい。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、バッテリの発熱を抑制しつつ、受電機会の逸失を抑制することである。
本開示のある局面に係る車両は、走行レーンに設けられた送電装置から非接触で電力を受電可能に構成された受電装置と、受電装置の受電電力を用いた充電が可能に構成されたバッテリと、バッテリの温度を検出する温度センサと、電気負荷と、受電装置および電気負荷を制御する制御装置とを備える。バッテリの温度が閾値よりも高い場合、制御装置は、受電電力を上記充電に用いずに、電気負荷の駆動に用いる。
上記構成によれば、バッテリの温度が閾値よりも高い場合には、受電装置が受電した受電電力は、バッテリの充電ではなく、電気負荷(たとえば、走行用モータや補機装置等を含む)の駆動に用いられる。走行レーンを走行しながら送電装置から電力の供給を受けても、その受電電力はバッテリの充電に用いられないので、バッテリの発熱が抑制される。そして、受電電力は電気負荷の駆動に用いられ、受電電力を有効に活用することができる。よって、上記構成によれば、バッテリの発熱を抑制しつつ、受電機会の逸失を抑制することができる。
本開示によれば、バッテリの発熱を抑制しつつ、受電機会の逸失を抑制することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
<システム構成>
図1は、実施の形態に係る非接触充電システム100の構成を概略的に示す図である。非接触充電システム100は、サーバ1と、車両3と、送電システム5とを備える。送電システム5は、車両3が走行可能な走行レーン6の地面下に設けられており、送電システム5が設けられた走行レーンを走行する車両3に対して、非接触で電力を供給する。なお、以下では、走行レーンのうち、送電システム5が設けられた箇所を「給電レーン」とも称する。
図1は、実施の形態に係る非接触充電システム100の構成を概略的に示す図である。非接触充電システム100は、サーバ1と、車両3と、送電システム5とを備える。送電システム5は、車両3が走行可能な走行レーン6の地面下に設けられており、送電システム5が設けられた走行レーンを走行する車両3に対して、非接触で電力を供給する。なお、以下では、走行レーンのうち、送電システム5が設けられた箇所を「給電レーン」とも称する。
送電システム5は、複数の送電装置50を含み、送電装置50の各々は、送電コイル51を有している。車両3は、受電コイル46を有する受電装置45を含み、給電レーンを走行することにより(送電装置50の上を走行することにより)、送電コイル51から非接触で電力を受ける。サーバ1は、車両3および送電システム5を管理しており、給電レーンへの車両3の進入を検知すると、送電システム5を駆動させて、車両3(受電装置45)への電力の供給を行なう。
サーバ1は、制御装置10と、記憶装置12と、通信装置14とを含む。制御装置10、記憶装置12および通信装置14は、通信バス16によって接続されている。
制御装置10は、たとえばCPU(Central Processing Unit)を含む集積回路によって構成される。制御装置10は、プログラムに記述された所定の演算処理を実行するように構成されている。
記憶装置12は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを含む。ROMは、制御装置10により実行されるプログラムを格納する。RAMは、制御装置10におけるプログラムの実行により生成されるデータと、通信装置14を介して入力されたデータとを一時的に格納する。RAMは、作業領域として利用される一時的なデータメモリとしても機能する。
通信装置14は、外部の機器との間で双方向の通信が可能に構成されている。外部の機器は、たとえば、車両3の通信装置42、および、送電システム5に含まれる各送電装置50の通信装置550(図3)を含む。通信装置14と外部の機器との通信は、たとえば、無線通信により行なわれる。
制御装置10は、通信装置14を介して、車両3から位置情報、車両IDの情報および給電電力の情報を取得する。位置情報は、たとえば、所定の制御周期毎に取得される。制御装置10は、位置情報を用いて、車両3の給電レーンへの進入を検知する。
車両IDの情報および給電電力の情報は、たとえば、車両3が給電レーンへ侵入し、給電レーンからの給電を要求する場合に車両3からサーバ1に送られる。車両IDの情報は、車両3を一意に特定するための情報であり、たとえば、VIN(Vehicle Identification Number)であってもよい。給電電力の情報は、車両3が給電レーンから得たい電力を示す。サーバ1は、車両IDの情報と、給電電力の情報とを紐付けて、送電システム5に含まれる送電装置50の各々に送信する。後にも説明するが、車両3の通信装置42は、送電装置50と近距離通信が可能に構成される。送電装置50は、車両3から近距離通信で車両IDを受けると、車両IDに紐付けられた給電電力が示す電力を供給するように駆動する。
車両3は、電気自動車である。なお、車両3は、たとえば、プラグインハイブリッド自動車であってもよい。図2は、車両3の構成を概略的に示す図である。
図1および図2を参照して、車両3は、バッテリ30と、監視ユニット31と、システムメインリレー(以下「SMR(System Main Relay)」とも称する)35と、パワーコントロールユニット(以下「PCU(Power Control Unit)」とも称する)36と、モータジェネレータ37と、伝達ギヤ38と、駆動輪39と、サブDC/DCコンバータ40と、ECU(Electronic Control Unit)41と、通信装置42と、補機装置43と、補機バッテリ44とを含む。
バッテリ30は、車両3の駆動電源(すなわち動力源)として搭載される。バッテリ30は、積層された複数の電池を含んで構成される。電池は、たとえば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池である。また、電池は、正極と負極との間に液体電解質を有する電池であってもよいし、固体電解質を有する電池(全固体電池)であってもよい。
監視ユニット31は、バッテリ30の状態を監視する。監視ユニット31は、電圧センサ32と、電流センサ33と、温度センサ34とを含む。電圧センサ32は、バッテリ30の電圧(バッテリ電圧)VBを検出し、その検出結果を示す信号をECU41に出力する。電流センサ33は、バッテリ30の入出力電流(バッテリ電流)IBを検出し、その検出結果を示す信号をECU41に出力する。温度センサ34は、バッテリ30の温度(バッテリ温度)TBを検出し、その検出結果を示す信号をECU41に出力する。
SMR35は、PCU36とバッテリ30とを結ぶ電力線PL,NLに電気的に接続されている。SMR25が閉成状態であると、バッテリ30からPCU36に電力が供給される。SMR35が開放状態であると、バッテリ30からPCU36に電力が供給されない。SMR35は、ECU41からの制御信号に従って、閉成状態と開放状態とを切り替える。
PCU36は、ECU41からの制御信号に応じて、バッテリ30に蓄えられた直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ37に供給する。また、PCU36は、モータジェネレータ37が発電した交流電力を直流電力に変換してバッテリ30に供給する。PCU36は、たとえば、インバータと、インバータに供給される直流電圧をバッテリ30の出力電圧以上に昇圧するコンバータとを含んで構成される。
モータジェネレータ37は、たとえば、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。モータジェネレータ37は、PCU36により駆動されて回転駆動力を発生する。モータジェネレータ37が発生した駆動力は、伝達ギヤ38を介して駆動輪39に伝達される。
サブDC/DCコンバータ40は、電力線PL,NLと低電圧線ELとの間に電気的に接続されている。サブDC/DCコンバータ40は、電力線PL,NL間の電力の電圧を降圧して低電圧線ELに供給する。サブDC/DCコンバータ40は、ECU41からの制御信号に応じて動作する。
低電圧線ELには、ECU41、通信装置42、補機装置43、および、補機バッテリ44が電気的に接続されている。
通信装置42は、サーバ1の通信装置14との双方向通信が可能に構成されている。通信装置42と通信装置14との通信は、たとえば、無線通信により行なわれる。また、通信装置42は、送電装置50の通信装置550との双方向通信が可能に構成されている。通信装置42と通信装置14との通信は、たとえば、近距離通信により行なわれる。
ECU41は、CPUと、メモリ(ROMおよびRAM)と、各種信号が入出力される入出力ポートとを含んで構成される(いずれも図示せず)。ECU41は、各センサなどからの信号の入力および各機器への制御信号の出力を行なうとともに、各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
ECU41は、バッテリ30のSOC(State Of Charge)を算出可能に構成される。SOCの算出方法としては、たとえば、電流値積算(クーロンカウント)による手法、または、開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)の推定による手法など、種々の公知の手法を採用できる。
ECU41は、車両3の走行時には、通信装置42を介して、所定の制御周期で自身の位置情報をサーバ1に送信する。サーバ1に送信された位置情報は、サーバ1において、車両3の位置を特定するために用いられる。また、ECU41は、給電レーン(送電システム5)からの給電を要求する際に、通信装置42を介して、車両IDの情報および給電電力の情報をサーバ1に送信する。
また、ECU41は、通信装置42を介して、近距離通信により、送電装置50(具体的には、図3の通信装置550)に車両IDの情報を送信する。近距離通信により車両IDの情報を受けることで、送電装置50は、車両3が自身の頭上を通過することを検知する。
補機装置43は、低電圧線ELから供給される電力で作動する。補機装置43は、たとえば、照明装置、ワイパー装置、オーディオ装置、ナビゲーション装置、パワーステアリング装置、メータパネル、ヘッドライトシステム、等を含む。
補機バッテリ44は、たとえば、鉛蓄電池を含んで構成される。補機バッテリ44の電圧は、バッテリ30の電圧よりも低く、たとえば、12V程度である。
さらに、車両3は、非接触充電を行なう構成として、受電装置45と、充電リレー47と、DC/DCコンバータ48とを含む。
DC/DCコンバータ48は、受電装置45と、電力線PL,NLとの間に電気的に接続されている。DC/DCコンバータ48は、ECU41からの制御信号に従って、受電装置45から受ける直流電力の電圧を、バッテリ30を充電するための電圧に変換する。
充電リレー47は、受電装置45とDC/DCコンバータ48との電気的な接続/遮断を行なうためのリレーである。充電リレー47は、ECU41からの制御信号に従って、閉成状態と開放状態とを切り替える。
受電装置45は、たとえば、車両3のフロアパネルの下面に配置されている。受電装置45は、受電コイル46を含む。受電コイル46は、送電装置50から伝送される電力を非接触で受電する。受電装置45は、送電装置50から伝送された電力を整流し、充電リレー47へ出力する。受電装置45および送電装置50の詳細な構成は、後述する。
図1を参照し、送電システム5は、複数の送電装置50と、交流電源52とを含む。図1では、送電システム5には、4つの送電装置50が含まれる例を示しているが、送電システム5に含まれる送電装置50の数は4つに限られるものではない。送電システム5に含まれる送電装置50の数は、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。送電装置50の各々は、走行レーンにおいて、たとえば、車両3の進行方向に沿って一列に配置されている。
交流電源52は、たとえば、商用系統電源である。送電装置50の各々は、交流電源52から電力の供給を受ける。送電装置50の各々は、送電コイル51を含む。送電装置50は、近距離通信により車両3から車両IDの情報を受けると、交流電源52から交流電力の供給を受け、送電コイル51の周囲に電磁界を形成する。たとえば、送電装置50は、近距離通信により車両3から車両IDの情報を受けてから、所定の時間が経過するまで動作を継続する。車両3が送電装置50の頭上を通過すると、車両3の受電装置45の受電コイル46に電力が非接触で伝送される。なお、送電装置50は、サーバ1からの制御信号に従って、動作/非動作を切り替えるように構成されてもよい。この場合には、たとえば、サーバ1は、車両3の位置情報に基づいて、車両3が通過する送電装置50を特定し、当該送電装置50に対して動作を指令する制御信号(動作指令)を出力してもよい。また、サーバ1は、車両3が送電装置50を通過した後には、当該送電装置50に対して非動作を指令する制御信号(非動作指令)を出力してもよい。あるいは、サーバ1は、給電レーンへの車両3の侵入を検知した場合に、車両3が給電レーンを通過するまで送電システム5の送電装置50を一括して動作させてもよい。
図3は、送電装置50および受電装置45の詳細な構成を説明するための図である。送電装置50は、力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路510と、インバータ回路520と、フィルタ回路530と、送電部540と、通信装置550と、制御装置560とを含む。送電部540は、送電コイル51を含む。受電装置45は、受電部451と、フィルタ回路452と、整流部453とを含む。受電装置45は、受電コイル46を含む。
PFC回路510は、交流電源52から供給される交流電力を整流および昇圧し、その電力をインバータ回路520に供給する。インバータ回路520は、PFC回路510で整流された電力を交流電力に変換して出力する。インバータ回路520から出力される交流電力は、フィルタ回路530を通じて送電部540へ供給される。送電部540および受電部451の各々は、共振回路を含み、送電電力の周波数において共振するように設計されている。
インバータ回路520からフィルタ回路530を通じて送電部540へ交流電力が供給されると、送電部540の送電コイル51と、受電部451の受電コイル46との間に磁界が形成される。この磁界を通じて、送電コイル51から受電コイル46へエネルギー(電力)が移動する。受電コイル46へ移動したエネルギー(電力)は、フィルタ回路452でノイズが除去され、整流部453で交流電力から直流電力に変換される。そして、当該直流電力が充電リレー47を介してDC/DCコンバータ48に供給される。
送電装置50の通信装置550は、サーバ1の通信装置14と双方向通信が可能に構成されている。また、通信装置550は、車両3の通信装置42と近距離通信が可能に構成されている。
送電装置50の制御装置560は、CPU、メモリ、各種信号を入出力するための入出力ポート等を含み(いずれも図示せず)、送電装置50における各種機器の制御を実行する。制御装置560は、通信装置550を介して、サーバ1から車両IDの情報および給電電力の情報を受けると、これらの情報を、たとえば、メモリに記憶する。あるいは、制御装置560は、車両IDの情報および給電電力の情報を、送電装置50に含まれる記憶装置(図示せず)に記憶してもよい。制御装置560は、通信装置550を介して、車両3から車両IDの情報を受けると、車両IDに基づいて、メモリから給電電力の情報を読み出す。そして、制御装置560は、給電電力の情報が示す電力を供給するように、たとえば、PFC回路510およびインバータ回路520を動作させて、送電コイル51の周囲に電磁界を形成させる。
上記のような構成により、本実施の形態に係る非接触充電システム100では、給電レーンを車両3が走行することにより、送電システム5の送電装置50から車両3(受電装置45)に非接触で電力が供給される。車両は、当該電力を用いて車両3のバッテリ30を充電することが可能である。
ここで、バッテリ30は、電力の入出力に起因して発熱する。バッテリ30の過度の発熱は、バッテリ30の劣化を進行させてしまう。そのため、バッテリ30が過度に発熱しないように、バッテリ30の温度を管理することが求められる。たとえば、バッテリ30の温度(バッテリ温度TB)が閾値を超えた場合には、給電レーンを走行中に、送電システム5からの電力の供給を受けないようにすることも考えられる。しかしながら、この場合には、走行中の受電機会を逸失してしまうことになる。受電機会を逸失することなく、かつ、バッテリ30の発熱を抑制することが望ましい。
そこで、本実施の形態では、バッテリ温度TBが閾値を超えた場合には、送電システム5(送電装置50)から受けた電力をバッテリ30の充電に用いずに、車両3の電気負荷の駆動に用いる。電気負荷は、たとえば、PCU36,モータジェネレータ37、サブDC/DC40、ECU41,通信装置42、および、補機装置43を含む。送電システム5から受けた電力(受電電力)を電気負荷の駆動に用いることにより、バッテリ30に電力が入力されないので、バッテリ30の発熱を抑制することができる。そして、受電電力で電気負荷を駆動させるので、受電電力が有効に活用され、受電機会の逸失を抑制することができる。
より具体的には、本実施の形態においては、閾値として、第1閾値Tth1および第2閾値Tth2の2つの閾値が用意されている。第1閾値Tth1は、バッテリ30の劣化を抑制するために定められる温度閾値であり、第2閾値Tth2よりも低い温度である。第2閾値Tth2(>Tth1)は、バッテリ30の仕様に基づいて使用上限として定められる温度閾値である。
給電レーンの走行において、ECU41は、バッテリ温度TBに応じて、通常制御、第1抑制制御および第2抑制制御のうちの制御のいずれかを実行する。
(1)バッテリ温度TBが第1閾値Tth1以下である場合(TB≦Tth1)には、ECU41は、通常制御を実行する。通常制御は、給電レーンの走行時に、送電システム5から伝送された電力(受電電力)を用いてバッテリ30を充電しつつ、車両3を所望の状態にするために要求される電力(以下「要求電力」とも称する)を供給するための電力をバッテリ30から持ち出す(供給する)制御である。要求電力は、たとえば、モータジェネレータ37を駆動させるための電力、ならびに、ECU41、通信装置42および補機装置43等を駆動させるための電力を含む。
(2)バッテリ温度TBが第1閾値Tth1より高く、かつ、第2閾値Tth2以下である場合(Tth1<TB≦Tth2)には、ECU41は、第1抑制制御を実行する。第1抑制制御は、送電システム5から伝送された電力(受電電力)を用いたバッテリ30の充電を停止し、受電電力を電気負荷の駆動に用いる制御である。具体的には、受電電力は、PCU26およびサブDC/DCコンバータ40に供給され、これらで電力変換された後にモータジェネレータ37、ECU41、通信装置42および補機装置43等に供給される。第1抑制制御では、要求電力が受電電力を上回る場合には、不足分の電力がバッテリ30から持ち出される。
(3)バッテリ温度TBが第2閾値Tth2より高い場合(Tth2<TB)には、ECU41は、第2抑制制御を実行する。第2抑制制御も第1抑制制御と同様に、送電システム5から伝送された電力を用いたバッテリ30の充電を停止し、受電電力を電気負荷の駆動に用いる制御である。第1抑制制御と第2抑制制御とは、要求電力が受電電力を上回った場合の制御が異なる。第2抑制制御では、要求電力が受電電力を上回る場合には、車両3の走行状態が所定の走行状態であるか否かが判断され、車両3の走行状態が所定の走行状態でないときには、電気負荷の使用電力が受電電力に収まるように、モータジェネレータ37および補機装置43等の電気負荷の動作が制限される。一方、車両3の走行状態が所定の走行状態であるときには、不足分の電力がバッテリ30から持ち出される。所定の走行状態とは、たとえば、緊急ブレーキシステムが作動している等の状況回避を行なっている状態、および、アクセルペダルが所定量以上踏み込まれている状態等を含む。
以下、図4から図6を参照しながら、給電レーンの走行中にECU41が実行する処理の詳細を説明する。図4は、給電レーンの走行中にECU41が実行する処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、給電レーンに進入した際にECU41により開始される。図4および後述の図7に示すフローチャートの各ステップ(以下ステップを「S」と略す)は、ECU41によるソフトウェア処理によって実現される場合について説明するが、その一部あるいは全部が、ECU41内に作製されたハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
S1において、ECU41は、バッテリ温度TBと第1閾値Tth1とを比較し、バッテリ温度TBが第1閾値th1より高いか否かを判断する。第1閾値Tth1および第2閾値Tth2は、たとえばECU41のメモリに予め記憶されており、S1および後述のS3において、メモリから第1閾値Tth1および第2閾値Tth2がそれぞれ読み出される。バッテリ温度TBが第1閾値Tth1以下である場合(S1においてNO)、ECU41は、処理をS2に進める。バッテリ温度TBが第1閾値Tth1より高い場合(S1においてYES)、ECU41は、処理をS3に進める。
S2において、ECU41は、通常制御を実行する。すなわち、ECU41は、送電システム5から伝送された電力(受電電力)を用いてバッテリ30を充電しつつ、車両3の要求電力に相当する電力をバッテリ30から持ち出して電気負荷に供給するようにPCU36およびサブDC/DCコンバータ40を制御する。なお、S2においては、後述のS44(図5)の処理と同様の処理が実行され、車両3が走行レーンを抜けたと判断された場合には、図4の一連の処理が終了される。
S3において、ECU41は、バッテリ温度TBと第2閾値Tth2とを比較し、バッテリ温度TBが第2閾値th2より高いか否かを判断する。バッテリ温度TBが第2閾値Tth2以下である場合(S3においてNO)、ECU41は、処理をS4に進める。バッテリ温度TBが第2閾値th2より高い場合(S3においてYES)、ECU41は、処理をS5に進める。
S4において、ECU41は、第1抑制処理を実行する。図5は、第1抑制処理の手順を示すフローチャートである。
S40において、ECU41は、要求電力と受電電力とを比較し、要求電力が受電電力よりも大きいか否かを判断する。要求電力は、たとえば、車速およびアクセルペダルの踏み込み量等に基づいて算出されるモータジェネレータ37を駆動するための電力、ならびに、ECU41、通信装置42および補機装置43等の動作状態に基づいて算出される消費電力を加算して算出される。要求電力が受電電力よりも大きい場合(S40においてYES)、ECU41は、処理をS41に進める。要求電力が受電電力以下である場合(S40においてNO)、ECU41は、処理をS42に進める。
S41において、ECU41は、要求電力に対する受電電力の不足分の電力をバッテリ30から持ち出すことを決定する。不足分の電力をバッテリ30から持ち出すことで、要求電力に相当する電力を確保できるようにする。
S42において、ECU41は、受電電力を要求電力と等しい電力に制限することを決定する。ECU41は、たとえば、受電装置45の整流部453を制御して、受電電力を要求電力と等しくすることを決定する。あるいは、ECU41は、受電電力と要求電力とを等しくするために、給電電力の情報を更新して、更新された給電電力の情報を、通信装置42を介してサーバ1に送信することを決定してもよい。これは、後述のS51においても同様である。
S43において、ECU41は、送電システム5から伝送された電力(受電電力)を用いたバッテリ30の充電を停止し、S41またはS42の決定に基づいた制御を実行して、受電電力を電気負荷に供給する。具体的には、S41で要求電力に対する受電電力の不足分の電力をバッテリ30から持ち出すことを決定した場合には、ECU41は、受電電力にバッテリからの持ち出し電力を加算した電力を、PCU36およびサブDC/DCコンバータ40に出力する。S42で受電電力を要求電力と等しい電力に制限することを決定した場合には、ECU41は、たとえば、受電装置45の整流部453を制御して受電電力を要求電力と等しくし、その受電電力をPCU36およびサブDC/DCコンバータ40に出力する。ECU41は、PCU36、サブDC/DCコンバータ40およびDC/DCコンバータ48を制御して、受電電力でモータジェネレータ37、ECU41、通信装置42および補機装置43等の電気負荷を駆動させる。いずれの場合においても、バッテリ30に入出力される電流(バッテリ電流IB)がゼロとなるようにすることができる。ゆえに、バッテリ30の発熱が抑制される。
S44において、ECU41は、車両3が給電レーンを抜けたか否かを判断する。給電レーンを抜けたか否かの判断は、たとえば、ECU41が車両3の位置情報に基づいて判断してもよい。あるいは、ECU41は、サーバ1から給電レーンを抜けたことを示す情報を受けたことをもって、車両3が給電レーンを抜けたと判断してもよい。車両3が給電レーンを抜けていないと判断した場合(S44においてNO)、ECU41は、処理をS40に返す。車両3が給電レーンを抜けたと判断した場合(S44においてYES)、ECU41は、処理を終了させる。
再び図4を参照して、S4の処理を終えると、ECU41は、図4の一連の処理を終了させる。
S5において、ECU41は、第2抑制処理を実行する。図6は、第2抑制処理の手順を示すフローチャートである。
S50において、ECU41は、要求電力と受電電力とを比較し、要求電力が受電電力よりも大きいか否かを判断する。要求電力が受電電力よりも大きい場合(S50においてYES)、ECU41は、処理をS52に進める。要求電力が受電電力以下である場合(S52においてNO)、ECU41は、処理をS51に進める。
S51において、ECU41は、受電電力を要求電力と等しい電力に制限することを決定する。この処理は、上述のS42の処理と同様である。
S52において、ECU41は、車両3の走行状態が所定の走行状態であるか否かを判断する。車両3の走行状態が所定の走行状態でないと判断した場合(S52においてNO)、ECU41は、処理をS53に進める。車両3の走行状態が所定の走行状態であると判断した場合(S52においてYES)、ECU41は、処理をS54に進める。
S53において、ECU41は、電気負荷の使用電力が受電電力に収まるように、モータジェネレータ37および補機装置43等の電気負荷の動作を制限することを決定する。車両3の走行状態が所定の走行状態でない場合には、電気負荷の動作を制限して、バッテリ30の劣化の抑制を優先させる。ECU41は、たとえば、予め定められた優先度の情報に基づいて、優先度の低い電気負荷の動作から制限し、電気負荷の使用電力が受電電力に収まるようにする。たとえば、走る、曲がる、止まる等の車両3の走行に関連する電気負荷の優先度は高く設定し、車両3の走行に関係しない電気負荷の優先度は低く設定してもよい。優先度の情報は、たとえば、ECU41のメモリに予め記憶されてもよい。
S54において、ECU41は、要求電力に対する受電電力の不足分の電力をバッテリ30から持ち出すことを決定する。バッテリ温度TBが第2閾値Tth2を上回っているものの、車両3の走行状態が所定の走行状態であるため、緊急を要することが想定され、走行状態を維持することが望ましい。そのため、この場合には、走行状態の維持を優先させて、バッテリ30から電力を持ち出す。
S55において、ECU41は、送電システム5から伝送された電力(受電電力)を用いたバッテリ30の充電を停止し、S51、S53またはS54の決定に基づいた制御を実行して、受電電力を電気負荷に供給する。具体的には、S51で受電電力を要求電力と等しい電力に制限することを決定した場合には、ECU41は、たとえば、受電装置45の整流部453を制御して受電電力を要求電力と等しくし、受電電力をPCU36およびサブDC/DCコンバータ40に出力する。S53で電気負荷の動作を制限することを決定した場合には、ECU41は、受電電力をPCU36およびサブDC/DCコンバータ40に出力し、優先度の情報に基づいて電気負荷の動作を制限して、電気負荷の使用電力が受電電力に収まるようにする。S54で要求電力に対する受電電力の不足分の電力をバッテリ30から持ち出すことを決定した場合には、ECU41は、受電電力にバッテリからの持ち出し電力を加算した電力を、PCU36およびサブDC/DCコンバータ40に出力する。いずれの場合においても、バッテリ30に入出力される電流(バッテリ電流IB)がゼロとなるようにすることができる。ゆえに、バッテリ30の発熱が抑制される。
S56において、ECU41は、車両3が給電レーンを抜けたか否かを判断する。S56の処理は、上述のS44の処理と同様である。車両3が給電レーンを抜けていないと判断した場合(S56においてNO)、ECU41は、処理をS50に返す。車両3が給電レーンを抜けたと判断した場合(S56においてYES)、ECU41は、処理を終了させる。
再び図4を参照して、S5の処理を終えると、ECU41は、図4の一連の処理を終了させる。
以上のように、本実施の形態に係る非接触充電システム100では、給電レーンの走行時において、バッテリ30が発熱し、バッテリ温度TBが第1閾値Tth1より高く、かつ、第2閾値Tth2以下になった場合(Tth1<TB≦Tth2)には、ECU41は、第1抑制制御を実行する。第1抑制制御では、送電システム5(送電装置50)から受電装置45が受電した電力(受電電力)は、バッテリ30の充電には用いられず、電気負荷の駆動に用いられる。すなわち、バッテリ30が充電されないので、バッテリ30の発熱を抑制することができる。そして、受電電力は、電気負荷の駆動に用いられるので、受電電力を有効に活用することができ、受電機会の逸失を抑制することができる。
[変形例]
実施の形態では、バッテリ30の劣化を抑制するための温度閾値として、第1閾値Tth1および第2閾値Tth2の2つの閾値を設けた。変形例では、バッテリ30の劣化を抑制するための温度閾値として、単一の閾値Tthを設ける例について説明する。
実施の形態では、バッテリ30の劣化を抑制するための温度閾値として、第1閾値Tth1および第2閾値Tth2の2つの閾値を設けた。変形例では、バッテリ30の劣化を抑制するための温度閾値として、単一の閾値Tthを設ける例について説明する。
変形例に係る閾値Tthは、たとえば、実施の形態に係る第1閾値Tth1と第2閾値Tth2との間の値に設定される(Tth1≦Tth≦Tth2)。閾値Tthは、第1閾値Tth1と第2閾値Tth2との間で、車両3の仕様等に応じて適宜設定することができる。
給電レーンの走行時において、バッテリ30が発熱し、バッテリ温度TBが閾値Ththを上回った場合、ECU41は、抑制制御を実行する。変形例に係る抑制制御は、実施の形態に係る第1抑制制御と同様の制御であり、送電システム5から伝送された電力(受電電力)を用いたバッテリ30の充電を停止し、受電電力を電気負荷の駆動に用いる制御である。具体的には、受電電力は、PCU26およびサブDC/DCコンバータ40に供給され、これらで電力変換された後に電気負荷の各々に供給される。抑制制御では、要求電力が受電電力を上回る場合には、不足分の電力がバッテリ30から持ち出される。
図7は、変形例において、給電レーンの走行中にECU41が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
S60において、ECU41は、バッテリ温度TBと閾値Tthとを比較し、バッテリ温度TBが閾値thより高いか否かを判断する。閾値Tthは、たとえばECU41のメモリに予め記憶されており、S60において、メモリから読み出される。バッテリ温度TBが閾値Tth以下である場合(S60においてNO)、ECU41は、処理をS61に進める。バッテリ温度TBが第1閾値Tth1より高い場合(S1においてYES)、ECU41は、処理をS62に進め抑制制御を実行する。
S61において、ECU41は、通常制御を実行する。通常制御については、実施の形態において図4のS2で説明したとおりであるため、繰り返し説明しない。
S62において、ECU41は、要求電力と受電電力とを比較し、要求電力が受電電力よりも大きいか否かを判断する。要求電力が受電電力よりも大きい場合(S62においてYES)、ECU41は、処理をS63に進める。要求電力が受電電力以下である場合(S62においてNO)、ECU41は、処理をS64に進める。
S63において、ECU41は、要求電力に対する受電電力の不足分の電力をバッテリ30から持ち出すことを決定する。
S64において、ECU41は、受電電力を要求電力と等しい電力に制限することを決定する。この処理は、上述のS42およびS51の処理と同様である。
S65において、ECU41は、送電システム5から伝送された電力(受電電力)を用いたバッテリ30の充電を停止し、S63またはS64の決定に基づいた制御を実行して、受電電力を電気負荷に供給する。具体的には、S63で要求電力に対する受電電力の不足分の電力をバッテリ30から持ち出すことを決定した場合には、ECU41は、受電電力にバッテリからの持ち出し電力を加算した電力を、PCU36およびサブDC/DCコンバータ40に出力する。S64で受電電力を要求電力と等しい電力に制限することを決定した場合には、ECU41は、たとえば、受電装置45の整流部453を制御して受電電力を要求電力と等しくし、受電電力をPCU36およびサブDC/DCコンバータ40に出力する。ECU41は、PCU36、サブDC/DCコンバータ40およびDC/DCコンバータ48を制御して、受電電力でモータジェネレータ37、ECU41、通信装置42および補機装置43等の電気負荷を駆動させる。いずれの場合においても、バッテリ30に入出力される電流(バッテリ電流IB)がゼロとなるようにすることができる。ゆえに、バッテリ30の発熱が抑制される。
S66において、ECU41は、車両3が給電レーンを抜けたか否かを判断する。S66の処理は、上述のS44の処理と同様である。車両3が給電レーンを抜けていないと判断した場合(S66においてNO)、ECU41は、処理をS60に返す。車両3が給電レーンを抜けたと判断した場合(S66においてYES)、ECU41は、図7の一連の処理を終了させる。なお、変形例では、車両3が給電レーンを抜けていない場合には、S60の処理が再び実行されるが、実施の形態と同様に、車両3が給電レーンを抜けていないと判断した場合に処理がS61またはS62に返されてもよい。
なお、抑制制御において、第2抑制制御のS52およびS53の処理を追加し、車両3の走行状態が所定の走行状態であるか否かに応じて、電気負荷の駆動を制限するか、要求電力に対する受電電力の不足分の電力をバッテリ30から持ち出すかを判断することも可能である。
以上のように、変形例に係る非接触充電システム100では、給電レーンの走行時において、バッテリ30が発熱し、バッテリ温度TBが閾値Tthを上回ると、ECU41は、抑制制御を実行する。抑制制御では、送電システム5(送電装置50)から受電装置45が受電した電力(受電電力)は、バッテリ30の充電には用いられず、電気負荷の駆動に用いられる。すなわち、バッテリ30が充電されないので、バッテリ30の発熱を抑制することができる。そして、受電電力は、電気負荷の駆動に用いられるので、受電電力を有効に活用することができ、受電機会の逸失を抑制することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 サーバ、3 車両、5 送電システム、10 制御装置、12 記憶装置、14 通信装置、16 通信バス、30 バッテリ、31 監視ユニット、32 電圧センサ、33 電流センサ、34 温度センサ、35 SMR、36 PCU、37 モータジェネレータ、38 伝達ギヤ、39 駆動輪、40 サブDC/DCコンバータ、41 ECU、42 通信装置、43 補機装置、44 補機バッテリ、45 受電装置、46 受電コイル、47 充電リレー、48 DC/DCコンバータ、50 送電装置、51 送電コイル、52 交流電源、100 非接触充電システム、451 受電部、452 フィルタ回路、453 整流部、510 PFC回路、520 インバータ回路、530 フィルタ回路、540 送電部、550 通信装置、560 制御装置、EL 低電圧線、NL,PL 電力線。
Claims (1)
- 走行レーンに設けられた送電装置から非接触で電力を受電可能に構成された受電装置と、
前記受電装置の受電電力を用いた充電が可能に構成されたバッテリと、
前記バッテリの温度を検出する温度センサと、
電気負荷と、
前記受電装置および前記電気負荷を制御する制御装置とを備え、
前記バッテリの温度が閾値よりも高い場合、前記制御装置は、前記受電電力を前記充電に用いずに、前記電気負荷の駆動に用いる、車両。
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JP2021099457A Pending JP2022190921A (ja) | 2021-06-15 | 2021-06-15 | 車両 |
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- 2021-06-15 JP JP2021099457A patent/JP2022190921A/ja active Pending
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