本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有し、前記判別手段により判別されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な事前判別手段と、その事前判別手段による判別結果に基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間を設定可能な禁止期間設定手段と、を有し、前記禁止期間設定手段は、複数の異なる禁止期間を設定可能に構成されているものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記禁止期間設定手段は、前記記憶手段に前記特定の判別結果と判別される情報が記憶される数に対応させた禁止期間を設定可能に構成されているものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項1または2記載の遊技機において、所定条件の成立に基づいて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有し、前記禁止期間設定手段は、前記特定演出が実行される期間に対応して禁止期間を設定可能に構成されているものである。
請求項1記載の遊技機によれば、情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有し、前記判別手段により判別されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な事前判別手段と、その事前判別手段による判別結果に基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間を設定可能な禁止期間設定手段と、を有し、前記禁止期間設定手段は、複数の異なる禁止期間を設定可能に構成されているものである。
よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記禁止期間設定手段は、前記記憶手段に前記特定の判別結果と判別される情報が記憶される数に対応させた禁止期間を設定可能に構成されているものである。
よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定条件の成立に基づいて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有し、前記禁止期間設定手段は、前記特定演出が実行される期間に対応して禁止期間を設定可能に構成されているものである。
よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
遊技盤の分解斜視正面図である。
図2のVI-VI線における遊技盤の断面図である。
(a)は、送球ユニットの正面図であり、(b)は、送球ユニットの側面図である。
(a)は、送球ユニットの分解斜視正面図であり、(b)は、送球ユニットの分解斜視背面図である。
(a)は、振分けユニットの正面図であり、(b)は、振分けユニットの側面図である。
振分けユニットの分解斜視正面図である。
振分けユニットの分解斜視背面図である。
(a)は、図9(a)のXIIa-XIIa線における振分けユニットの断面図であり、(b)は、図12(a)のXIIb-XIIbにおける振分けユニットの断面図である。
(a)及び(b)は、図12(b)の範囲XIIIaにおける振分けユニットの部分拡大断面図である。
(a)は、通路ユニットの正面図であり、(b)は、通路ユニットの側面図である。
通路ユニットの分解斜視正面図である。
通路ユニットの分解斜視背面図である。
第2実施形態における遊技盤及び動作ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤の正面図である。
遊技盤の背面図である。
遊技盤の正面斜視図である。
遊技盤の背面斜視図である。
遊技盤の分解正面斜視図である。
遊技盤の分解背面斜視図である。
中央構成ユニットの分解正面斜視図である。
中央構成ユニットの分解背面斜視図である。
図18の範囲XXVIにおける遊技盤の拡大正面図である。
図27は、図26のXXVII-XXVII線における遊技盤の部分断面図である。
図26のXXVIII-XXVIII線における遊技盤の部分断面図である。
遊技盤の分解正面斜視図である。
遊技盤の分解背面斜視図である。
図18の範囲XXXIにおける遊技盤の拡大正面図である。
図31のXXXII-XXXII線における遊技盤の部分断面図である。
振分ユニットの分解正面斜視図である。
振分ユニットの分解背面斜視図である。
図18の範囲XXXVにおける遊技盤の部分拡大正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの分解正面斜視図である。
動作ユニットの分解背面斜視図である。
動作ユニットの分解正面斜視図である。
動作ユニットの分解背面斜視図である。
図36のXLIV-XLIV線における動作ユニットの断面図である。
図44の範囲XLVにおける動作ユニットの部分拡大断面図である。
図36のXLIV-XLIV線における動作ユニットの断面図である。
動作ユニットの分解正面斜視図である。
動作ユニットの分解背面斜視図である。
(a)は、図47の範囲XLIXaにおける外側部材、昇降板部材及び抵抗発生装置の分解正面斜視図であり、(b)は、図47の範囲XLIXbにおける外側部材の正面斜視図である。
(a)は、図47の範囲Laにおける昇降板部材、内側部材、変位部材及び回転姿勢補助部材の分解正面斜視図であり、(b)は、図47の範囲Lbにおける変位部材及び回転姿勢補助部材の分解正面斜視図である。
発光動作演出ユニットの分解正面斜視図である。
発光動作演出ユニットの背面分解斜視図である。
発光動作演出ユニットの分解正面斜視図である。
(a)は、右側の中間連結部材の正面図であり、(b)は、図54(a)の矢印LIVb方向視における中間連結部材の側面図であり、(c)は、図54(a)の矢印LIVc方向視における中間連結部材の側面図であり、(d)は、図54(a)のLIVd-LIVd線における中間連結部材の断面図である。
図36のLV-LV線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図36のLV-LV線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図36のLV-LV線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
(a)から(c)は、第1長孔、第2長孔及び湾曲長孔を模式的に示す第1長孔、第2長孔及び湾曲長孔の模式側面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
(a)から(c)は、変位部材の締結部と、被連結孔の長孔及び支持孔と、の模式正面図である。
図36のLXIV-LXIV線における動作ユニットの断面図である。
図36のLXIV-LXIV線における動作ユニットの断面図である。
図36のLXIV-LXIV線における動作ユニットの断面図である。
図36のLXVII-LXVII線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図36のLXVII-LXVII線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図36のLXVII-LXVII線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
(a)は、第3実施形態における振分ユニットの正面図であり、(b)は、振分ユニットの背面図である。
(a)は、第4実施形態における振分ユニットの正面図であり、(b)は、振分ユニットの背面図である。
第5実施形態における遊技盤の部分拡大正面図である。
図72のLXXIII-LXXIII線における遊技盤の部分断面図である。
図36のLV-LV線に対応する線における第6実施形態におけるパチンコ機の部分断面図である。
図36のLV-LV線に対応する線におけるパチンコ機の部分断面図である。
(a)から(c)は、第7実施形態におけるガイド部及びL字長孔を模式的に示すガイド部及びL字長孔の模式側面図である。
(a)から(c)は、第8実施形態における第2長孔、湾曲長孔、第3長孔、第1長孔上部及び第1長孔下部を模式的に示す第2長孔、湾曲長孔、第3長孔、第1長孔上部及び第1長孔下部の模式側面図である。
(a)及び(b)は、図37のLXXVIIIa-LXXVIIIa線に対応する線における第9実施形態における変位部材及び発光動作演出ユニットの部分断面図である。
(a)及び(b)は、第10実施形態における回転部材及び姿勢検出手段の正面図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
振分装置の部分拡大正面図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の背面図である。
(a)~(d)は、第1実施形態において設定変更を行うための手順を模式的に示した模式図であり、(e)~(g)は、第1実施形態において設定確認を行うための手順を模式的に示した模式図である。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留先読み演出の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留先読み演出の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留上限到達時の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留上限到達時に大当たり保留がある場合の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム中の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム中の30回転目の表示態様の一例を示した図である。
第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される枠ボタン22を押下した後のSPタイム中30回転目の変動演出の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における先読み演出の種別と、先読み禁止期間との関係を模式的に示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される残変動時間が20秒以上ある場合のSPタイム終了時点の変動演出の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される示唆演出高確期間中の表示態様の一例を示した図である。
第1実施形態におけるSPタイム中の設定示唆演出の一例を模式的に示した模式図である。
(a)~(d)は、第1実施形態における電源投入からの時間経過と変動演出の流れを示したタイミングチャートである。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される確変状態で特図変動が81回目の高速変動モードの表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される確変状態で特図変動の81回目が6秒外れ変動の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される確変状態で特図変動81回目が12秒当たり変動である場合の高速変動モードの表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される疑似高速変動終了後に実行される疑似当たり変動演出(6秒)の表示態様の一例を示した図である。
(a-1)~(c-2)は、第1実施形態における高速変動期間が設定される場合に実行される演出の流れを示したタイミングチャートである。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される大当たり遊技中の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される大当たり遊技中の所定賞球数獲得の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される大当たり遊技中の追加特典表示画面の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における昇格演出の特典内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム中の大当たり終了時の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム抜け時の大当たり終了時の表示態様の一例を示した図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
第1実施形態における各種カウンタの概要を示した図である。
(a)は、第1実施形態における主制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における主制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における特別図柄大当たり乱数テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における普通図柄当たり乱数テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における大当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における変動パターン選択テーブルの一部である通常用変動パターンテーブルを模式的に示した模式図であり、(c)は、第1実施形態における変動パターン選択テーブルの一部である時短・確変用テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における変動パターン選択テーブルの一部である高速変動用変動パターン選択テーブルの一例を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における変動パターンシナリオテーブルを模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における演出切替テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における設定示唆演出選択テーブルを模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における先読み禁止期間選択テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における保留上限時演出選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における演出実行数選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態におけるミッション選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における昇格ポイント選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における昇格演出選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における計時装置の電気的構成を示したブロック図である。
第1実施形態におけるレジスタテーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における表示制御装置の電気的構成を示したブロック図である。
(a)~(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。
(a)~(d)は、ブート処理時画像を説明する説明図である。
(a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。
第1実施形態における表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における描画リストの一例を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される変動実行判定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄1変動開始処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄2変動開始処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される初期設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される設定値制御処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時刻取得処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される待機処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留球数コマンド受信処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される先読み演出実行決定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞コマンド受信処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるラウンド演出設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるブート完了処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出態様設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時短・確変用演出設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される期間演出設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止種別演出設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される経過時間確認処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特化モード設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される変動停止コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される報知コマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
(a)は、第2実施形態における第3図柄表示装置81において表示される大当たり遊技中の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるラッキー演出抽選の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第2実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム期間と重複がない場合の保留連演出の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留連演出中の表示態様の一例を示した図である。
第2実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイムと一部が重複した場合の短縮保留連演出中の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第2実施形態における先読み規制期間テーブルを模式的に示した模式図である。
第2実施形態における代替演出選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理2を示したフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるラウンド演出設定処理2を示したフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留連演出設定処理を示したフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される代替演出設定処理を示したフローチャートである。
(a)は、第2実施形態の変形例における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム準備中の先読み演出画面の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態の変形例における第3図柄表示装置81において表示される先読み演出中にSPタイム突入した場合の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第3実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留変化演出によって保留図柄の表示態様が特定表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、(b)は、第3実施形態における第3図柄表示装置81において特定表示態様の保留図柄が表示されている状態で保留記憶を8個獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、(c)は、第3実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留変化演出によって特定表示態様が通常表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、(d)は、保留変化演出によって保留図柄の表示態様が特定表示態様から特殊表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
(a)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第3実施形態における保留変化演出選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留球数コマンド処理3を示したフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留態様設定処理を示したフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞コマンド受信処理3を示したフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留変化演出設定処理を示したフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理3を示したフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される液晶演出実行管理処理3を示したフローチャートである。
(a)は、第4実施形態における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第4実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第4実施形態における変動パターン選択4テーブルを模式的に示した模式図である。
第4実施形態における終了時態様選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第4実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される経過時間確認処理4を示したフローチャートである。
第4実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される終了画面設定処理を示したフローチャートである。
第5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される待機処理5を示したフローチャートである。
第6実施形態における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第6実施形態における演出切替6テーブルを模式的に示した模式図である。
第6実施形態における先読み禁止期間選択6テーブルを模式的に示した模式図である。
第6実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される先読み演出実行決定処理6を示したフローチャートである。
第6実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞コマンド受信処理6を示したフローチャートである。
(a)は、第7実施形態における第3図柄表示装置81において表示される高速変動モード中の1.5秒擬似外れ変動1回目の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第7実施形態における第3図柄表示装置81において表示される高速変動モード中の1.5秒擬似外れ変動2回目の表示態様の一例を示した図である。
(a)~(f)は、第7実施形態における高速変動モード中の保留図柄の表示内容を示したタイミングチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞コマンド受信処理7を示したフローチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される高速表示中入賞演出設定処理を示したフローチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止処理7を示したフローチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時短・確変用演出設定処理7を示したフローチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される液晶演出実行管理処理7を示したフローチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される擬似保留演出設定処理を示したフローチャートである。
(a)は、第8実施形態における第3図柄表示装置81において表示される高速変動モード中の設定変更中におけるブート処理後の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第8実施形態における第3図柄表示装置81において表示される設定変更中に音量レベルを上げた場合の表示態様の一例を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図16を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(センターフレーム86の下方において図示し、遊技領域の上半部においては図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は、光透過性の樹脂材料から形成されており、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となっている。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60を木製の板部材から形成しても良い。この場合、センターフレーム86の外側において、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認不能に遮蔽することが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口140へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、4R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「4R通常大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)、大当たり確率がアップし、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
本実施形態では、後述する振分装置300の確変検出センサSE11の貫通孔を、大当たり遊技の1ラウンド目に遊技球が通過したと判定された時に、その大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、高確率状態となる。なお、確変検出センサSE11の貫通孔に遊技球が通過したと判定されなかったら大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、時短状態となる。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する電動役物140a(電動役物)が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物140aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物140aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物140aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間および1回の当たりで電動役物140aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物140aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口140への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、正面視において可変表示装置ユニット80の第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81は遊技盤13の背面に固定される背面ケースに締結固定され、センターフレーム86はベース板60の窓部(中央開口60b)を縁取るように配設されている。即ち、正面視では第3図柄表示装置81の外周を囲むようにセンターフレーム86が配設されているように見えるが、実際は、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86とは前後に離れて配置されている。
第3図柄表示装置81は、例えば9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された電動役物140aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。
よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の電動役物140aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。この第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には電動役物140aが付随されている。この電動役物140aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物140aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物140aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口140を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口140への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,140にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている(図2では不図示)。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板65b(図2参照)の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ648,820、ソレノイド651等が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図5及び図6を参照して、第1実施形態における遊技盤13のベース板に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970について説明する。なお、図5及び図6の説明では図2を適宜参照する。
図5は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図5では、ベース板60に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970以外のユニット(例えば、センターフレーム86(図2参照)など)の図示が省略される。
図5に示すように、ベース板60には、センターフレーム86(図2参照)が取り付けられる中央開口の重力方向下側(図5下側)にベース板60の厚み方向に貫通する貫通孔60aがルータ加工によって形成される。
貫通孔60aは、後述する正面ユニット940の正面視における外形よりも若干小さく形成され、内側に正面ユニット940に配設される駆動ユニット960及び特定入賞口ユニット950が挿入される。
ベース板60には、遊技領域(正面)側から入賞口ユニット930が配設され、遊技領域と反対(背面)側から送球ユニット970が配設され、それぞれタッピングネジ等により締結固定される。なお、入賞口ユニット930及び送球ユニット970の詳細な構成については後述する。
図6は、図2のVI-VI線における遊技盤13の断面図である。図6では、組立状態における入賞口ユニット930及び送球ユニット970の配置について図示される。
図6に示すように、正面ユニット940及び送球ユニット970の各通路の連結は、前後方向(図6左右方向)に当接した状態とされると共に、送球ユニット970に形成される凸部が、正面ユニット940に形成される突部に挿入される。
詳しく説明すると、第1送球部942gと流入口982dとは、第1送球部942gに形成される第1凹欠部942g1の内側に流入口982dに形成される第2突起982d1が配置される。また、第2送球部942cと側壁部981bとは、第2送球部942cに形成される第2凹欠部942c1の内側に、側壁部981bに形成される突起981b1が配置される。これにより、ベース板60に組み付ける際の正面ユニット940及び送球ユニット970の位置合わせを容易に行うことができる。
次いで、図7及び図8を参照して、送球ユニット970の全体構成について説明する。
図7(a)は、送球ユニット970の正面図であり、図7(b)は、送球ユニット970の側面図である。図8(a)は、送球ユニット970の分解斜視正面図であり、図8(b)は、送球ユニット970の分解斜視背面図である。
図7及び図8に示すように、送球ユニット970は、遊技者側(遊技領域側)に配設され内部に遊技球を挿通可能な空間を備える振分けユニット980と、その振分けユニット980の遊技領域と反対側に配設される通路ユニット990とを備えて形成される。
振分けユニット980は、上述した入賞口ユニット930の第1入賞口64及び第2入賞口140と連なる開口(流入口982d及び側壁部981b)を備えており、その開口(流入口982d及び側壁部981b)から第1入賞口64及び第2入賞口140の介して遊技領域と反対側に送球される遊技球を内部に受け入れることができる。なお、振分けユニット980についての詳しい説明は後述する。
通路ユニット990は、振分けユニット980の重力方向一側(重力方向下側)に配設される。通路ユニット990は、振分けユニット980との対向面に複数の開口(第1挿通孔991a~第2挿通孔991dを備えており、振分けユニット980の内部を送球される遊技球をその開口から受け入れることができる。なお、通路ユニット990についての詳しい説明は後述する。
次いで、図9から図12を参照して、振分けユニット980の構成について詳細な説明をする。図9(a)は、振分けユニット980の正面図であり、図9(b)は、振分けユニット980の側面図である。図10は、振分けユニット980の分解斜視正面図であり、図11は、振分けユニット980の分解斜視背面図である。図12(a)は、図9(a)のXIIa-XIIa線における振分けユニット980の断面図であり、図12(b)は、図12(a)のXIIb-XIIbにおける振分けユニット980の断面図である。
図9から図12に示すように、振分けユニット980は、背面ベース985と、その背面ベース985の遊技者側に配設される正面ベース981と、その正面ベース981と背面ベースとの間に回転可能な状態で配設される振分け部983と、背面ベース985の背面側に振分け部983と対応する位置に配設されるカバー部材987とを主に備えて形成される。
背面ベース985は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成され、板状体に形成されるベース部985aと、そのベース部985aの厚み方向に貫通する複数の開口(開口985b~985g)と、その複数の開口の重力方向他側(重力方向上側)に凹設される凹部985hと、その凹部985hの反対面から突出する収容部986b及び突設部986eとを主に備えて形成される。
ベース部985aは、正面視縦長矩形に形成され、その外縁部に円形状に貫通する複数の締結孔986c及び986dと、正面ベース981側と反対側に重力方向一側に向かって傾斜する傾斜面986aとを備えて形成される。締結孔986cは、後述する正面ベース981を挿通したネジを螺合する孔である。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を締結固定することができる。また、締結孔986dは、後述する通路ユニット990を挿通するネジを螺合する孔である。これにより、背面ベース985(振分けユニット980)及び通路ユニット990を締結固定することができる。
傾斜面986aは、後述する開口985b~985fの重力方向他側の一部と重なる位置に形成される。また、傾斜面986aは、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において、正面ベース981の傾斜部982bと対向する位置に形成される。これにより、重力方向に流下する遊技球の流下方向を開口985b~985f側に案内することができる。その結果、遊技球を開口985b~985fに流入させやすくできる。
凹部985hは、正面ベース981と反対側(図9(b)紙面手前側)に向かって凹設されると共に、ベース部985aの短手方向(図9(b)左右方向)略中央位置に形成される。また、凹部985hは、内側に後述する振分け部983の一部を収容可能な大きさに形成されると共に、底面に円環状に突出する軸受部985jを備える。軸受部985jは、振分け部983を軸支する軸部材988aの一端が挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも大きい内径に形成される。
開口985b及び開口985cは、それぞれベース部985aの短手方向両端部に形成されるとともに、内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、開口985b及び開口985cは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981側と反対側に転動させることができる。
開口985dは、ベース部985aの短手方向(図9(b)左右方向)略中央位置に形成され、重力方向(図9(b)上下方向)における位置が開口985b及び開口985cと略同一の位置に設定される。また、開口985dは、開口985b及び開口985cと同様に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981側と反対側に転動させることができる。
開口985eは、開口985b及び開口985dの間に形成され、開口985fは、開口985c及び開口985dの間に形成される。また、開口985e,985fは、正面ベース981側に開口する空間の流入通路985e1,985f1と、正面ベース981側と反対側に開口する空間の排出通路985e3,985f3と、重力方向に延設され流入通路985e1,985f1及び排出通路985e3,985f3を連通する中間通路985e2,985f2と,を主に備えて形成される。
流入通路985e1,985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第1通路TR1及び第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路を流下する遊技球を流入通路985e1,985f1に流入させることができる。
中間通路985e2,985f2は、重力方向に延設して形成され、重力方向他側(重力方向上側)が流入通路985e1,985f1に連通されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、流入通路985e1,985f1を通過する遊技球を中間通路985e2,985f2に流入させることができる。
また、中間通路985e2,985f2には、遊技球の送球方向(重力方向)と略直交する方向に凹設される凹設部985f4が形成される。凹設部985f4は、その内側に後述する検出装置SE3を配設するための切り欠きであり、背面視において検出装置SE3の外形と略同一に設定される。これにより、検出装置SE3をベース部985aの背面側(正面ベース981と反対側)から挿入して配設することができる。
検出装置SE3は、遊技球の通過を検知する装置であり、その厚み方向に遊技球よりも若干大きい内径の検出孔SE1aが貫通形成される。検出孔SE1aは、背面視横長矩形の状態で配設される検出装置SE3の長手方向のどちらか一方または他方に偏って形成されており、検出孔SE1aが形成されていない長手方向のどちらか他方または一方に検出装置SE3を制御する検出基板SE1bが配設される。
本実施形態では、検出装置SE3により遊技球の通過が検知されると、5個の賞球が払い出されると共に、第1図柄の抽選が実行される。この抽選に対応して、第3図柄表示装置81で第3図柄の変動表示が実行される。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が中間通路985e2,985f2の延設方向に平行に設定されると共に、検出孔SE1aの内部空間と中間通路985e2,985f2の空間とが略一致する位置に配置される。これにより、遊技球が中間通路985e2,985f2の重力方向他側(重力方向上側)から重力方向一側(重力方向下側)に流下する場合に、検出装置SE3の検出孔SE1aを通過させることができる。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を通過する遊技球を検出することができる。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が重力方向と平行に形成されるので、遊技球を検出孔SE1aに送球する際に、遊技球の自重を利用しやすくできる。その結果、遊技球が中間通路985e2,985f2及び検出孔SE1aとの連結部分に引っ掛ることを抑制できる。
凹設部985e4,985f4は、流入通路985e1,985f1及び排出通路985e3,985f3の空間と連なって形成される。即ち、中間通路985e2,985f2は、検出装置SE3を利用して形成される。これにより、中間通路985e2,985f2の重力方向の長さ寸法が大きくなることを抑制できる。その結果、背面ベース985が重力方向に大型化することを抑制できる。
排出通路985e3,985f3は、中間通路985e2,985f2の重力方向一側(重力方向下側)に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。また、排出通路985e3,985f3は、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、後述する通路ユニット990の第3挿通孔991c及び第4挿通孔991dに連結される。これにより、中間通路985e2,985f2を通過する遊技球を、排出通路985e3,985f3に流入させることができると共に、その空間を通過させて通路ユニット990に送球できる。
開口985gは、開口985dの重力方向一側(重力方向下側)に形成される。また、開口985gは、開口985dと同様に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつてれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981と反対側に転動させることができる。
流入通路985e1,985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第1通路TR1及び第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を流入通路985e1,985f1に流入させることができる。
収容部986bは、一対の半円環体から形成される。また、収容部986bは、後述する磁性体988bを内側に収容する部分であり、その内径が、円柱体に形成される磁性体988bの外径と略同一に設定される。また、収容部986bの突設寸法は、磁性体988bの軸方向寸法よりも大きく設定される。これにより、収容部986bの内側に磁性体988bを収容できる。また、収容部986bは、一対の半円環体から形成されるので、磁性体988bの外径が製造の誤差により微小に大きく形成された場合でも、一対の半円環体を弾性変形させて磁性体988bを配設できる。
突設部986eは、上述した軸受部985jとベース部985aを挟んで反対側の位置から円柱状に突設される。また、突設部986eは、その軸に円形状に凹設される締結孔を備える。締結孔は、後述するカバー部材987を挿通するネジの先端を螺合させる孔であり、カバー部材987を当接させた状態でネジを螺合することで、カバー部材987を背面ベース985に締結固定できる。
磁性体988bは、磁石から形成されており、収容部986bに配設されることで、ベース部985aを介して正面ベース981側に磁界を発生させることができる。これにより、後述する振分け部983に配設される磁性体988cを反発させて振分け部983を変位させやすくできる。
正面ベース981は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成される。また、正面ベース981は、正面視において背面ベース985よりも大きい略矩形状に形成されると共に、ベース板981aとそのベース板981aから遊技者側(背面ベース986と反対側)に膨出する膨出部982とを主に備えて形成される。
ベース板981aは、正面視略矩形状の板部材に形成され、その外周縁部に板厚方向に貫通する複数の挿通孔981gと、背面ベース985側に向けて突設される第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dと、その第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dの近傍に貫通する第2挿通孔981eと、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に板厚方向に貫通する貫通孔981cとを主に備えて形成される。
挿通孔981gは、組み立て状態の送球ユニット970をベース板60(図5参照)に締結するネジ(図示しない)を挿通する孔であり、ネジの先端部分の外径よりも大きい内径に設定される。
第1ガイド壁981fは、半円の円環形状に形成されると共に、後述する膨出部982を間に挟む状態で短手方向に一対形成される。また、第1ガイド壁981fは、半円の開放部分をベース板981aの短手方向略中央側に向けて形成される。
第2ガイド壁981dは、円環形状に形成されると共に、ベース板981aの短手方向に2箇所形成される。また、第2ガイド壁981dは、後述する膨出部982の重力方向下側に形成されると共に、2箇所の間に貫通孔981cが形成される。
第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dは、その内縁形状が上述した背面ベース985の締結孔986cの周囲の外形形状と略同一に形成される。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた場合に、第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dの内側に締結孔986cの周囲の壁部を挿入でき、第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dを位置決めすることができる。
第2挿通孔981eは、第1ガイド壁981fの半円の中心および第2ガイド壁981dの中心に形成される。第2挿通孔981eは、正面ベース981及び背面ベース985が組み立られた状態において、締結孔986cと同軸上に形成されており、正面ベース981側からネジを挿通して締結孔986dに螺合させることで、正面ベース981と背面ベース985とを締結できる。
貫通孔981cは、一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に貫通形成される。また、貫通孔981cは、その縁部に沿って背面ベース985側と反対側(図9(a)紙面手前側)に立設される側壁部981bを備えて形成される。また、貫通孔981cは、上述した入賞口ユニット930の第2入賞口140に連通する部分であり、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、第2入賞口140に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
側壁部981bは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、立設先端面が入賞口ユニット930の第2送球部942cと当接する寸法に形成される。また、側壁部981bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面の転動面981c1が、転動部943aの端面943a1よりも重力方向一側に位置されると共に、背面ベース985側に向かって下降傾斜して形成される(図6参照)。
さらに、側壁部981bは、立設先端面から突設される突起981b1を備える。突起981b1は、転動面981c1から重力方向へ遊技球の半径分離間した位置に形成される。これにより、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合に、遊技球が転動部943aと貫通孔981cとの間に挟まりにくくできる。なお、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合についての詳しい説明は後述する。
膨出部982は、ベース板981aから膨出するドーム状に形成されると共に、その内側に遊技球を挿通可能な大きさに設定され、その内側に流入口982dから流入される遊技球が通過する送球通路TR0と、その送球通路TR0から分岐する第1通路TR1及び第2通路TR2とを備えて形成される。膨出部982は、正面視縦長矩形に形成されると共に、重力方向上端部を切り欠いて形成される流入口982dと、正面視略中間位置に背面ベース985側に向かって屈曲して立設する立設壁982aと、重力方向他側の複数箇所に凹設される凹部982e~982jとを主に備えて形成される。
流入口982dは、正面視略U字状に切り欠き形成される。また、流入口982dは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、内縁部分が、入賞口ユニット930の第1入賞口64に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
また、流入口982dは、重力方向他側(重力方向上側)の縁部に背面ベース985側と反対側に突出する第2突起982d1を備える。第2突起982d1は、上述した入賞口ユニット930の第1凹欠部942g1の内縁形状に形成されており、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に配設された場合に、第1凹欠部942g1の内縁に第2突起982d1が当接される。
また、第2突起982d1から流入口982dの重力方向一側(重力方向下側)の端面までの距離寸法L14(図9(a)参照)は、第1凹欠部942g1の内縁から第1送球部942gの重力方向一側の内縁までの距離寸法L35(図87(b)参照)までの距離寸法よりも大きく設定される。これにより、第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球された遊技球が、流入口982dに流入する際に、流入口982d(膨出部982)と第1送球部942gとの間に挟まりにくくできる。
立設壁982aは、正面視において膨出部982の外縁形状と所定の間隔を隔てる矩形状に形成される。また、立設壁982aは、流入口982dの重力方向下側に形成されると共に、重力方向上側に立設方向視三角形状に形成される当接部982a1を備えて形成される。
立設壁982aは、膨出部982の外周部分の内縁と水平方向における離間距離L16(図12(b)参照)が、遊技球の直径よりも大きく設定されており、その対向間に遊技球が通過可能な空間の第1通路TR1及び第2通路TR2が形成される。
第1通路TR1及び第2通路TR2は、後述する振分け部983の下流側に形成されており、振分け部983を通過する遊技球がどちらかに送球される。振分け部983は、流入口982dに流入する遊技球を、第1通路TR1及び第2通路TR2に交互に送球可能に設定される。これにより、第1入賞口64に流入する遊技球の送球が単調になることを抑制できる。その結果、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
立設壁982aの重力方向他側(重力方向上側)には、膨出部982の内側面から背面ベース985側に円環状に突出する軸受部982cが形成される。軸受部982cは、後述する振分け部983を軸支する軸部材988aの他端側を支持する部分であり、内径が軸部材988aの外径と略同一に設定される。よって、軸部材988aを軸受部982cに挿入することで、軸部材988aの他端側を支持できる。
また、上述したように、軸部材988aの一端側は、背面ベース985の軸受部985jに挿入されるので、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせる際に、軸部材988aの一端を軸受部985jに挿入すると共に、軸部材988aの他端側を軸受部982cに挿入することで、軸部材988aを正面ベース981及び背面ベース985の間に支持できる。
当接部982a1は、後述する振分け部983の回転軌跡上に形成されており、振分け部983の作用部983aが当接することで、振分け部983の回転変位量が規制される。なお、当接部982a1と振分け部983との当接状態についての詳しい説明は後述する。
凹部982e及び凹部982fは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と略直交する方向に凹設される。
また、凹部982e及び凹部982fの内側には、第1通路TR1又は第2通路TR2と連通する空間の第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2が形成される。
第1分岐通路BK1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985bと連通される。従って、第1分岐通路BK1は、第1通路TR1を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985bに流入可能とされる。
第2分岐通路BK2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985cと連通される。従って、第2分岐通路BK2は、第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985cに流入可能とされる。
凹部982h及び凹部982jは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向に凹設される。即ち、第1通路TR1及び第2通路TR2は、凹部982h及び凹部982jの分、重力方向一側に延設される。
第1通路TR1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985eと連通される。従って、第1通路TR1は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985eに流入可能とされる。
第2通路TR2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985fと連通される。従って、第2通路TR2は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985fに流入可能とされる。
凹部982gは、凹部982h及び凹部982jの間に形成されると共に、凹設方向が第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と平行に設定される。また、凹部982gの内側には、第1通路TR1及び第2通路TR2と連通する空間の第3分岐通路BK3が形成される。よって、第1通路TR1及び第2通路TR2に連通する第3分岐通路BK3が、第1通路TR1及び第2通路TR2との間に形成されるので、振分けユニット980の小型化を図ることができる。
第3分岐通路BK3は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985dと連通される。従って、第3分岐通路BK3は、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985dに流入可能とされる。
傾斜部982bは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に形成されると共に、重力方向一側に向かって背面ベース985側に傾斜して延設される。また、傾斜部982bは、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた状態において、開口985bから開口985fと対向する位置に形成される。これにより、第1通路TR1、第2通路TR2、第1分岐通路BK1、第2分岐通路BK2及び第3分岐通路BK3を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させることで、流下する遊技球を開口985b~985f側に案内して開口985b~985fに流入させ易くできる。
案内部982h1,982j1は、凹部982h及び凹部982jと傾斜部982bとに連結されると共に、立設先端面が背面ベース985側(図9(b)紙面手前側)に向かって下降傾斜される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を、案内部982h1,982j1の立設先端面に当接させて、開口985e及び開口985f側に案内して、開口985e及び開口985fに流入しやすくできる。
また、案内部982h1,982j1は、傾斜部982bと連結して形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させて背面ベース985側に案内しつつ案内部982h1,982j1に衝突させることで、遊技球を開口985e及び開口985fに流入させすくできる。さらに、傾斜部982bの傾斜の分、案内部982h1,982j1の立設距離を小さくすることができるので、案内部982h1,982j1の剛性を高めて耐久性の向上を図ることができる。
ここで、上述したように、振分けユニット980(送球ユニット970)は、遊技者側に配設される正面ユニット940(入賞口ユニット930)を介して遊技者から視認可能とされる。そのため、正面ユニット940を介す分、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球は、遊技者側から視認し難くなる。さらに、開口985e及び開口985fの正面側に案内部982h1,982j1が立設されると、その案内部982h1,982j1の厚みの分、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球が遊技者から視認し難くなるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、案内部982h1,982j1は、傾斜部982bと連結して形成されるので、傾斜部982bの立設寸法を小さくできる。従って、開口985e及び開口985fに送球される遊技球(第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球)を、正面ユニット940を介した状態であっても視認させやすくすることができる。即ち、本実施形態では、傾斜部982bが、遊技球の流下方向へ向かうに従って背面ベース985側に位置するように傾斜されることで、剛性の確保と遊技球の案内とを可能としつつ、案内部982h1,982j1の前後方向の厚みを薄くすることができるので、遊技球の視認性を確保できる。
振分け部983は、正面ベース981及び背面ベース985の対向間の寸法よりも若干小さい厚みに設定されると共に、正面視略T字状に形成される。また、振分け部983は、T字状の一辺側の作用部983aと、その作用部983aの延設方向略中央位置から突出する中間板983bと、作用部983a及び中間板983bの連結部分に貫通される貫通孔983cと、その貫通孔983cの軸を中心に円形状に膨出する当接部983dと、作用部983a及び中間板983bの背面ベース985側に連結して形成される壁部983eとを主に備えて形成される。
貫通孔983cは、正面ベース981及び背面ベース985の対向間に支持される軸部材988aが挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも若干大きく形成される。
これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み上げる場合に、軸部材988aを振分け部983の貫通孔983cに挿入した状態とすることで、振分け部983が回転可能な状態で正面ベース981及び背面ベース985の対向間に配設される。
中間板983bは、貫通孔983cの径方向外側に向かって延設して形成されると共に、振分け部983の変位が一方または他方に回転して規制された状態において、その先端から中間板983bの内側までの離間距離L17(図12(b)参照)が遊技球の直径よりも小さい寸法とされる。これにより、遊技球の送球が第1通路TR1又は第2通路TR2の一方または他方のどちらかに規制される。また、中間板983bは、振分け部983が貫通孔983cを中心に回転されることで、第1通路TR1の一方に遊技球の送球を規制した状態から第2通路TR2の他方に遊技球の送球を規制した状態に切り換えられる。
作用部983aは、正面視において中間板983bの延設方向と略直交する方向に延設して形成される。また、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも重力方向一側(重力方向下側)に設定される。
これにより、流入口982dを介して振分け部983に送球される遊技球は、作用部983a側に荷重をかけた状態とされる。その結果、振分け部983は、貫通孔983cを中心に回転変位される。
壁部983eは、作用部983a及び中間板983bに連結されると共に、貫通孔983cの軸方向視において略半円状の板状に形成される。壁部983eは、貫通孔983cの軸と直交する方向において作用部983a及び中間板983bよりも外側に突出して形成されると共に、厚み寸法が上述した背面ベース985の凹部985hの凹設寸法よりも小さく設定される。よって、背面ベース985及び正面ベース981の対向間に振分け部983を配設した状態において、凹部985hの内部に壁部983eを配置できる。これにより、流入口982dから振分けユニット980の内部に送球される遊技球が、凹部985hの内部に引っ掛ることで、その遊技球の流下が阻害されることを抑制できる。
また、壁部983eは、中間板983bの背面側であって、貫通孔983cから径方向外側端部に、中間板983b側に向かって凹設される収容部983e1を備える。収容部983e1は、円柱状体に形成される磁性体988cを内側に収容する部分であり、磁性体988cの外径と略同一の内径の円形に凹設される。また、収容部983e1は、背面ベース985側から正面ベース981側に向かって凹設されており、磁性体988cが背面ベース985側から内部に収容される。
磁性体988cは、磁石から形成されており、背面ベース985に配設される磁性体988bと反発する状態で配設される。これにより、振分け部983は、磁性体988cが背面ベース985に配設される磁性体988bから磁力が作用されて、貫通孔983cを軸に回転して作用部983aの延設方向を一方または他方に傾いた状態にできる。
また、磁性体988cと磁性体988bとが反発される状態に配設されると共に、収容部983e1が正面側に向かって凹設されるので、収容部983e1に挿入する磁性体988cが収容部983e1から抜け出ることを抑制できる。即ち、収容部983e1に挿入される磁性体988cを係止する部分を必要としないので、振分け部983の構造を簡易にできると共に、振分け部983への磁性体988cの配設を簡易にできる。
なお、磁性体988b及び磁性体988cの磁力は、遊技球の荷重よりも小さい磁着力に設定される。これにより、振分けユニット980の内側を送球される遊技球が磁性体988b及び磁性体988cに磁着して、振分けユニット980の内側に停滞することを抑制できる。
カバー部材987は、上面視縦長矩形に形成されると共に、背面ベース985の凹部985hの正面ベース981側と反対側に配設される。また、カバー部材987は、正面視円形状に重力方向に並んで凹設される2つの第1凹部987a及び第2凹部987bを備えて形成される。
第1凹部987aは、内側に上述した背面ベース985の収容部986bを収容する部分であり、収容部986bの外径と略同一の内径に設定される。よって、上述したように収容部986bの内部に磁性体988bを収容した状態で、第1凹部987aに収容部986bの先端を収容することで、収容部986bの内側に収容した磁性体988bが収容部986bから抜け出ることを抑制できる。
第2凹部987bは、その凹設底面に背面ベース985に締結固定するための貫通孔987b1を備える。また、第2凹部987bは、凹設部分の内形が、上述した背面ベース985の突設部986eの外径と略同一の内径に形成される。これにより、カバー部材987は、背面ベース985の突設部986eに第2凹部987bを収容して位置決め配置できると共に、位置決めした状態で貫通孔987b1を介してネジを突設部986eの締結孔に締結できる。
次いで、図13を参照して、流入口982dから遊技球が振分けユニット980に流入した場合の振り分け部983の動作について説明する。図13(a)及び図13(b)は、図12(b)の範囲XIIIaにおける振分けユニット980の部分拡大断面図である。なお、以下では、振分け部983の作用部983aが第1通路TR1の一方へ遊技球の送球を規制する状態から、第2通路TR2の他方への遊技球の送球を規制する状態へ変位される場合のみを説明し、第2通路TR2の他方への遊技球の送球を規制する状態から、第1通路TR1の一方への遊技球の送球を規制する場合の説明は省略する。
図13(a)及び図13(b)に示すように、振分け部983に遊技球が送球される前(作用部983aに遊技球が当接する前)では、上述したように、振分け983に配設される磁性体988cが磁性体988b(図10参照)と反発することで、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bが、第2通路TR2側へ傾いた状態とされる。なお、第2通路TR2側の作用部983aが正面ベース981の当接部982a1に当接することで、その回転量が規制される(図13(a)参照)。
この状態で遊技球が振分け部983に送球されると、遊技球は、中間板983b及び第1通路TR1側の作用部983aとの間に送球される。上述したように、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも重力方向一側(重力方向下側)に設定されるので、遊技球の荷重を第1通路TR1側の作用部983aに作用させることができる。
これにより、振分け部983は、図13(b)に示すように、貫通孔983cを軸に回転変位され、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bが、第1通路TR1側へ傾いた状態とされる。なお、第1通路TR1側の作用部983aが正面ベース981の当接部982a1に当接することで、その回転量が規制される。また、この場合、磁性体988cの反発方向が、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bを第2通路TR2側へ作用する状態から第1通路TR1側へ作用する状態に切り換えられる。
従って、振分け部983は、遊技球の荷重および磁性体988cの反発力を利用して、貫通孔983cを軸に回転変位させることができる。また、磁性体988cの反発力の方向が切り替わるので、振分け部983が回転した状態を維持させることができる。従って、振分け部983は、遊技球が送球される都度、中間板983bの傾き方向を変位させて、遊技球を第1通路TR1及び第2通路TR2に一球ずつ送球できる。
次いで、図14から図16を参照して、通路ユニット990の構成について説明する。
図14(a)は、通路ユニット990の正面図であり、図14(b)は、通路ユニット990の側面図である。図15は、通路ユニット990の分解斜視正面図であり、図16は、通路ユニット990の分解斜視背面図である。
図14から図16に示すように、通路ユニット990は、振分けユニット980側が開口する複数の開口を備える第1通路部材991と、その第1通路部材991に配設される第1通路部材991を通過する遊技球を送球する第2通路部材992と、第2通路部材992に配設され第2通路部材992を通過した遊技球を送球する第3通路部材993と、第2通路部材992及び第3通路部材993の間に配設される検出装置SE4とを主に備えて形成される。
第1通路部材991は、正面視横長矩形に形成されると共に第2通路部材992側に所定の幅を備えて形成される。また、第1通路部材991は、振分けユニット980側の重力方向他側(重力方向上側)に貫通形成される第1挿通孔991aと、その第1挿通孔991aの重力方向一側(重力方向下側)に貫通形成される第2挿通孔991bと、その第2挿通孔991bの水平方向両隣に形成される貫通形成される第3挿通孔991c及び第4挿通孔991dと、正面視における外側周囲に円形状に複数個貫通形成される貫通孔991fとを主に備えて形成される。
第1挿通孔991aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第1挿通孔991aは、振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態において、振分けユニット980の開口985dと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985dを通過する遊技球を第1挿通孔991aに受け入れることができる。
また、第1挿通孔991aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1挿通孔991aに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
さらに、第1挿通孔991aには、第2通路部材992を挿通するネジを螺合する締結孔991g1を備える円環状の円環突起991gが外周部分に連結して形成される。これにより、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定することができる。
第2挿通孔991bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2挿通孔991bは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985gと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985gを通過する遊技球を第2挿通孔991bに受け入れることができる。
また、第2挿通孔991bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2挿通孔991bに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
第3挿通孔991cは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第3挿通孔991cは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985eの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部(第1通路TR1)を流下して開口985eを通過する遊技球を第3挿通孔991cに受け入れることができる。
また、第3挿通孔991cは、重力方向他側(重力方向上側)に水平方向両側に凹設される凹設部991c1を備える。凹設部991c1は、振分けユニット980に配設される検出装置SE3の検出基板SE1bを内部に収容する部分であり、検出装置SE3の外形と略同一の寸法に形成される。これにより、検出装置SE3の検出基板SE1b側を凹設部991c1により保護することができると共に、検出装置SE3が振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態で外部から不正に操作されることを抑制できる。
さらに、振分けユニット980と通路ユニット990とを組み合わせる場合に、振分けユニット980に配設する検出装置SE3の検出基板SE1bを通路ユニット990の凹設部991c1の内部に受け入れることができるので、振分けユニット980と通路ユニット990との位置決めとすることができる。これにより、検出装置SE3の一部が外部に張り出すことを抑制して、送球ユニット970の全体としての小型化を図ることができる。
第3挿通孔991cは、第2通路部材992側の内縁に第2挿通孔991b側から突出する突設部991c2を備えると共に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が水平方向に隣り合う第2挿通孔991bから離間する方向に下降傾斜して形成される。これにより、第3挿通孔991cに流入した遊技球を突設部991c2に衝突させると共に、第2挿通孔991bから離間する方向(図14(a)左方向)に転動させることができる。
第4挿通孔991dは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第4挿通孔991dは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985fの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部(第2通路TR2)を流下して開口985fを通過する遊技球を第4挿通孔991dに受け入れることができる。
また、第4挿通孔991dは、重力方向他側(重力方向上側)に水平方向両側に凹設される凹設部991d1を備える。凹設部991d1は、振分けユニット980に配設される検出装置SE3の検出基板SE1bを内部に収容する部分であり、検出装置SE3の外形と略同一の寸法に形成される。これにより、検出装置SE3の検出基板SE1b側を凹設部991d1により保護することができると共に、検出装置SE3が振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態で外部から不正に操作されることを抑制できる。
さらに、第4挿通孔991dは、第2通路部材992側の内縁に第2挿通孔991b側から突出する突設部991d2を備えると共に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が水平方向に隣り合う第2挿通孔991bから離間する方向に下降傾斜して形成される。これにより、第4挿通孔991dに流入した遊技球を突設部991d2に衝突させると共に、第2挿通孔991bから離間する方向(図14(a)右方向)に転動させることができる。
第2通路部材992は、正面視において上下反対の略T字状の板状に形成されると共に、重力方向他側(重力方向上側)に貫通する第5挿通孔992bと、その第5挿通孔992bの重力方向一側(重力方向下側)に貫通する第6挿通孔992cと、第5挿通孔992bの内周縁に立設される立設壁992aとを主に備えて形成される。
第5挿通孔992bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第5挿通孔992bは、第1通路部材991及び第2通路部材992が組み合わされた状態において、第1通路部材991の第1挿通孔991aの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、第1通路部材991の第1挿通孔991aを通過する遊技球を第5挿通孔992bに受け入れることができる。
立設壁992aは、第5挿通孔992bの縁部全域から第3通路部材993側に向かって立設される。また、立設壁992aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第3通路部材993側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第5挿通孔992bに送球された遊技球を第3通路部材993側(図14(b)右側)に転動させることができる。
立設壁992aの外周面には、水平方向に突出する係合部992dと、第1通路部材991側の端部から水平方向に突出する突設壁992eとを備えて形成される。係合部992dは、水平方向に突出すると共に、その先端が第3通路部材993側に屈曲するL字状に形成される。係合部992dは、立設壁992aとの対向間に後述する検出装置SE4及び振分けユニット980に配設される検出装置SE3の配線が挿入される。これにより、検出装置SE3及び検出装置SE4の配線を係止することができるので、検出装置SE3及び検出装置SE4が振分けユニット980及び通路ユニット990から抜け出ることを抑制できる。
突設壁992eは、立設壁992aの水平方向両側に正面視半円状に突出して形成され、その半円の軸に貫通する貫通孔992e1を備える。また、突設壁992eは、第1通路部材991及び第2通路部材992が組み合わされた状態において、第1通路部材991の円環突起991gと対向する位置に形成されると共に、貫通孔992e1が締結孔991g1と同軸上に位置される。これにより、第2通路部材992側から貫通孔992e1にネジを挿通すると共に、そのネジを締結孔991g1に螺合することで、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定できる。
第6挿通孔992cは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第6挿通孔992cは、第1通路部材991及び第2通路部材992を組み合わせた状態において、その内部空間が第1通路部材991の第2挿通孔991bの内部空間と連なる位置に形成される。これにより、第1通路部材991の第2挿通孔991bを通過する遊技球を第6挿通孔992cに受け入れることができる。
また、第6挿通孔992cの周囲には、第3通路部材993側に向かって立設されるガイド壁992c1が形成される。ガイド壁992c1は、第6挿通孔992cの重力方向一側(重力方向下側)に立設される第1壁部992c2と、その第1壁部992c2の延設方向の端部と連なると共に重力方向に延設される第2壁部992c3とから形成される。
第1壁部992c2及び第2壁部992c3は、検出装置SE4を配設する位置決めとなる壁面であり、第3通路部材993に形成される立設壁993e及び係合部993dとの対向間における寸法が検出装置SE4の対向における寸法と略同一に設定される。
また、検出装置SE4は、検出孔SE1aの内部空間が第6挿通孔992cの内部空間と連なる位置に配置される。これにより、第6挿通孔992cを通過する遊技球は、検出孔SE1aを通過して検出装置SE4に検出されると共に、第3通路部材993側に送球される。
また、第2通路部材992は、第6挿通孔992cから水平方向(図14(a)左右方向)に離間した位置に、第3通路部材993側に突設される円環突起992fを備える。
円環突起992fは、その軸に円形状の孔の締結孔992f1を備える。締結孔992f1は、第3通路部材993を挿通したネジを螺合する孔であり、これにより、第2通路部材992及び第3通路部材993を締結固定できる。
第1挿通孔991aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第1挿通孔991aは、振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態において、振分けユニット980の開口985dと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985dを通過する遊技球を第1挿通孔991aに受け入れることができる。
また、第1挿通孔991aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1挿通孔991aに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
さらに、第1挿通孔991aには、第2通路部材992を挿通するネジを螺合する締結孔991g1を備える円環状の円環突起991gが外周部分に連結して形成される。これにより、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定することができる。
第2挿通孔991bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2挿通孔991bは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985gと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985gを通過する遊技球を第2挿通孔991bに受け入れることができる。
また、第2挿通孔991bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2挿通孔991bに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
第3通路部材993は、正面視横長矩形の板状に形成される。第3通路部材993は、長手方向略中間位置に貫通形成される第7挿通孔993aと、その第7挿通孔993aの縁部から立設される案内壁993bと、重力方向他側の縁部から第2通路部材992側に立設される立設壁993eと、長手方向に突出する係合部993dと、第2通路部材992側の側面に凹設される凹部993cとを主に備えて形成される。
第7挿通孔993aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも多きい正方形に形成される。また、第7挿通孔993aは、第2通路部材992及び第3通路部材993を組み合わせた状態において、第2通路部材992に配設される検出装置SE4の内部空間と連なる位置に形成される。これにより、第2通路部材992の第7挿通孔993a及び検出装置SE4の検出孔SE1aを通過した遊技球を第7挿通孔993aに受け入れることができる。
案内壁993bは、第7挿通孔993aの重力方向他側(重力方向上側)を除く3方向の縁部から第2通路部材992側と反対側に向かって立設される。また、案内壁993bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって上方傾斜(第2通路部材992側と反対側に向かって下降傾斜)して形成される。これにより、第7挿通孔993aに送球された遊技球を第2通路部材992側と反対側(図14(b)右側)に転動させることができる。
また、第3通路部材993は、図14(b)に示すように、第2通路部材992の立設壁992aの重力方向一側(図14(b)下側)に配設される。上述したように、第3通路部材993は、重力方向他側(図14(b)上側)が開放されるので、その分、第3通路部材993を立設壁992aに近づけて配設できる。その結果、上述した振分けユニット980の開口985dと開口985gとを近づけることができ、振分けユニット980及び通路ユニット990の重力方向における外形を小型化することができる。
立設壁993eは、第2通路部材992及び第3通路部材993が組み合わされた状態において、第2通路部材992の第1壁部992c2との対向間の距離寸法が、検出装置SE4の検出孔SE1aの軸と直交する方向における短手側の距離寸法と略同一に設定される。これにより、検出装置SE4の重力方向における位置決めをすることができる。
また、遊技球が送球される上流側(第2通路部材992側)に、検出装置SE4の重力方向下側の位置決めをする第1壁部992c2が形成される。これにより、第6挿通孔992cを通過する遊技球を検出装置SE4の検出孔SE1aに挿通させやすくできる。
即ち、検出孔SE1aは、遊技者の不正を防止する目的で、遊技球の直径よりも若干大きい寸法に形成されるため、遊技球の転動面の高さの微小な位置ずれにより、その内部に遊技球が挿通できなくなるところ、本実施形態では、遊技球が送球される上流側(第2通路部材992側)に、検出装置SE4の重力方向下側の位置決めをする第1壁部992c2が形成されるので、第6挿通孔992cと検出孔SE1aと転動面の高さが位置ずれすることを抑制できる。その結果、第6挿通孔992cを挿通する遊技球を検出孔SE1aに挿通させやすくできる。
係合部993dは、第3通路部材993の長手方向に突出して形成されると共に、その突出先端に第2通路部材992側に屈曲する屈曲部993d1を備える。屈曲部993d1は、第2通路部材992及び第3通路部材993が組み合わされた状態において、第2通路部材992の第2壁部992c3との対向間の距離寸法が、検出装置SE4の検出孔SE1aの軸と直交する方向における長手側の距離寸法と略同一に設定される。これにより、検出装置SE4の水平方向における位置決めをすることができる。
凹部993cは、第2通路部材992と第3通路部材993とが組み合わされた状態において、第2通路部材992の円環突起992fと対向する位置に形成されると共に、円環突起992fの外径よりも大きい内縁形状に形成される。また、凹部993cは、その凹設底面に円環突起992fの締結孔992f1と同軸上に貫通形成される貫通孔993c1を備える。これにより、凹部993cに第2通路部材992の円環突起992fを挿入すると共に、ネジを第3通路部材993側から貫通孔993c1を挿通させて締結孔992f1に螺合させることで、第2通路部材992及び第3通路部材993を締結固定できる。
以上のように構成される送球ユニット970によれば、送球ユニット970が、第1入賞口64及び第2入賞口140と異なるユニットから形成されると共に、第1入賞口64及び第2入賞口140を備える正面ユニット940の背面側(遊技領域と反対側)に配設されるので、送球ユニット970(振分けユニット980)を交換して別のユニットを配設することで、遊技領域を流下する遊技球の流下に影響することなく、別の遊技形態とできる。
次いで、図17から図69を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、振分ユニット980の第1通路TR1及び第2通路TR2が球を前戻りさせずに後方へ案内する通路として形成される場合を説明したが、第2実施形態の振分ユニット300では、球の前戻りを許容するように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
まず、図17から図35を参照して遊技盤13の構成の詳細を説明し、その後で、図36から図69を参照して動作ユニット500の構成の詳細を説明する。
図17は、第2実施形態における遊技盤13及び動作ユニット500の正面分解斜視図である。図17に示すように、遊技盤13の内部に配設されるセンターフレーム86には内部開口が形成されており、遊技者は、このセンターフレーム86の内部開口を通して動作ユニット500を視認可能となる。
これに加えて、本実施形態では、遊技盤13のベース板60が光透過性の樹脂材料から形成されているので、センターフレーム86の内部開口を通した視認態様に限定されず、センターフレーム86の外側に位置するベース板60を介して動作ユニット500を視認可能となる。
図18は、遊技盤13の正面図であり、図19は、遊技盤13の背面図であり、図20は、遊技盤13の正面斜視図であり、図21は、遊技盤13の背面斜視図である。図18では、図2においては図示を省略していた風車FS1や釘KG1についても図示されている。
本実施形態では、後述するように、球の流下経路を振り分けるという釘の機能を代替する上部連結部材270を備えており、上部連結部材270が配設される範囲では、釘KG1が配置されていない。
これにより、釘KG1の非透過性が欠点として作用することを回避することができる。
換言すれば、上部連結部材270が配設されるセンターフレーム86の上方位置(センターフレーム86の上方かつ外レール62の下方である位置)から釘KG1を排除することで、センターフレーム86の上方位置を通過する光が釘KG1により様々な方向に反射したり、遮られたりすることを回避することができるので、センターフレーム86の上方位置における光演出の視認性を向上することができる。なお、センターフレーム86の上方位置における光演出の態様については後述する。
図19では、ベース板60の中央開口60bの形状が、左右中央位置において上方に凹設される形状から形成されることや、その凹設部分に配置される電飾基板251に接続される電気配線DH1を保持するためにも利用されるセンサカバー254が図示されている。
図19に示すように、センターフレーム86の下方位置において、ベース板60の背面側には、一般入賞口63に入球した球の流下経路を構成する集合樋480と、その集合樋480の上方に配設されると共に第1入賞口64の後側を跨ぐような形状で形成される幅広装飾部材490と、が締結固定される。
集合樋480は、無色透明の樹脂材料から形成される。これにより、集合樋480が背面側からの光の入射を遮ることを防止することができる。また、正面視で、一般入賞口63に入球して集合樋480を流下する球の視認性を向上することができる。
幅広装飾部材490は、有色透明(本実施形態では青色)の樹脂材料から形成される。
これにより、遊技領域を正面視で視認する遊技者に対して、幅広装飾部材490を目立たせることができる。
幅広装飾部材490は、左右端部に締結ネジの挿通孔491を備える。その挿通孔491には、集合樋480に螺入される締結ネジが挿通され、その締結ネジにより幅広装飾部材490が集合樋480に締結固定される。これにより、幅広装飾部材490に対する注目力を、集合樋480を流下する球に対する注目力に繋げることができる。
幅広装飾部材490は、一般入賞口63の上方において球を転動させる板状部(天井板部455)の背後において、その板状部と同様の傾斜角度で形成される左右一対の傾斜形成部492と、その傾斜形成部492の左右内側において左右方向に延設される中央形成部493と、を備える。
傾斜形成部492は、部材の上面が、正面視において、一般入賞口63の上方において球を転動させる板状部(天井板部455)に沿うように配置される。そのため、球を転動させる板状部が無色透明の樹脂材料から形成される場合であっても、正面視において、あたかも球が傾斜形成部492を転がっているように見せることができ、球の流下経路の把握をさせ易くすることができる。
中央形成部493は、第1入賞口64に入球した球の流下経路(後述する傾斜延設部315)の天井部を構成する。これにより、球が流下経路から脱落することを防止することができると共に、第1入賞口64に入球した球の流下経路が無色透明の樹脂材料から形成される場合であっても、有色透明の樹脂材料から形成される中央形成部493により球の流下経路を正面視で把握し易くすることができる。
図20では、センターフレーム86の上方および下方において、遊技領域に張り出す部分を有し光透過性の樹脂材料から形成される上部連結部材270や、入賞口構成部材400等の樹脂部材が図示されている。これらの樹脂部材により、球の流下態様を安定的に維持する効果を生じさせることができるが、詳細は後述する。なお、図20では、釘KG1および風車FS1の図示は省略されている。
先に概要を説明すると、上部連結部材270や入賞口構成部材400等の樹脂部材の共通の効果として、割れたり欠けたりした時の修理が容易であることが挙げられる。この効果は、通常用いられる金属製の釘を利用する場合には奏しない効果である。
ベース板60に植設される釘の場合、球が衝突したり、作業者が釘に誤って過負荷をかけたりした場合等に、釘が曲がったり折れたりする可能性がある。曲がった場合には同じだけ逆側に曲げれば元通りにできる可能性があるが、折れた場合には元通りにすることは困難である。
そもそも、ベース板60への釘の打ち込みは自動機で行うものであり、一本ずつ単独で打ち込むものではなく、遊技盤全体にまとめて打ち込む方法が一般的である。そのため、一本の釘が欠損しただけであっても、他の釘が植設されている状態で欠損した単独の釘を新たに打ち直すことは困難であり、ベース板60ごと交換する必要が生じる可能性がある。
この際、ベース板60には、レール61,62や外縁部材73等が組み付けられているので、これらの組み付けられていた部材を、交換先のベース板60に組み付け直すか、又は、これらの部材ごと交換する必要があり、いずれにせよ、修理費用が嵩み易い。
これに対し、上部連結部材270や入賞口構成部材400等の樹脂部材の一部が割れたり欠けたりした場合、新たな部材と交換することにより修理を完了することができ、ベース板60を交換する必要がない。また、樹脂部材は、レール61,62や外縁部材73等とは独立しているので、樹脂部材の交換の際にレール61,62や外縁部材73等に関連する費用は生じないので、修理費用を抑制することができる。
図21では、センターフレーム86の上部に配置される電飾基板251及び基板保持板252について、基板保持板252がベース板60の板厚寸法内に入り込むように配置されており、基板保持板252の前側に配置される電飾基板251に至ってはベース板60の厚み寸法の内側位置に収まるように配置されることが図示されているが、詳細は後述する。
図21に示すように、ベース板60の板背面から背面側へ向けて外形部が先細りする円筒状に突設形成される複数の嵌合部60cを備える。嵌合部60cは、内径側に雌ネジが形成されており、動作ユニット500をベース板60に締結固定する際に締結ネジが螺入される部分として機能する。
図22は、遊技盤13の分解正面斜視図であり、図23は、遊技盤13の分解背面斜視図である。図22及び図23に示すように、遊技盤13は、ベース板60と、そのベース板60の内側に配置されると共にセンターフレーム86を有する中央構成ユニット240と、その中央構成ユニット240の上部とベース板60とを連結すると共に遊技領域を流下する球の流下方向を制限する上部連結部材270と、その上部連結部材270と中央構成ユニット240との間に配置される薄板部材290と、を備える。
中央構成ユニット240の詳細については後述するが、図22で拡大図として示すように、中央構成ユニット240には、薄板部材290の位置決め及び固定に利用される固定用部244が形成される。
図24は、中央構成ユニット240の分解正面斜視図であり、図25は、中央構成ユニット240の分解背面斜視図である。中央構成ユニット240は、ベース板60の中央開口60bに配設される際に環状に組み立てられるユニットであって、センターフレーム86を有しており、球の流下を案内する。
中央構成ユニット240は、センターフレーム86の上側部を構成する上側構成部材241と、センターフレーム86の下側部を構成する下側構成部材261と、を備える。上側構成部材241及び下側構成部材261が、光透過性の樹脂材料から、それぞれ環形状の上下半分を構成することで、組立状態(図18参照)において正面視で第3図柄表示装置を囲むセンターフレーム86を構成する。
このように、センターフレーム86を単品で環状に構成するのではなく、複数部材を組み合わせて環状に構成することにより、樹脂部材の成形に必要となる樹脂金型の大きさを小さくすることができる。これにより、樹脂金型の製造コストを抑えることができる。
例えば、ベース板60の中央開口60bの上縁部の形状が、本実施形態のように左右中央部において薄板部242の形状に対応して上向きに凹設される形状ではなく、略円弧形状で形成されるようにベース板60の設計変更を行う場合、上半分(上側構成部材241)のみ対応して設計変更すればベース板60にセンターフレーム86を組み付けることができることから、下半分(下側構成部材261)については本実施形態に対応させて設計した部材を流用することができる。
これにより、ベース板60の設計変更や、センターフレーム86の形状を変えて見映えを変えることにより行うマイナーチェンジのために、センターフレーム86の全体を包含するような大きな金型を新たに製造する必要がないので、金型費用の削減を図ることができる。
上側構成部材241は、組立状態(図18参照)においてベース板60の板正面と面一で配置される薄板部242と、その薄板部242の正面側に帯状に延設され、遊技中においてガラスユニット16(図1参照)との間に球を通さない寸法で形成されると共に球の流下を案内可能に形成される帯状フレーム部245と、その帯状フレーム部245の下側および左右内側に配設され略円弧形状を形成する装飾部247と、を備える。
薄板部242は、左右および上側の縁部において補強のために背面側に延設される延設部243と、上部連結部材270(図22及び図23参照)との位置決め及び固定に利用される固定用部244と、を備える。
延設部243は、前後幅がベース板60の板厚と同程度の長さとなるように設計される。即ち、延設部243よりも前後幅が短い薄板部242の前後厚みは、ベース板60の板厚よりも薄く設計されている。これにより、薄板部242の背面側にスペースを確保し易くすることができる。
固定用部244は、上部連結部材270(図22及び図23参照)との位置決めのために凹設される凹設部244aと、その凹設部244aに近接配置され正面側に突設される突設部244bと、上部連結部材271に正面側から挿通される締結ネジが螺入される締結部244cと、を左右対称位置に備えている。
薄板部242はベース板60と面一で配置され、突設部244bを正面側の任意の位置から形成することができる。そのため、上部連結部材270(図22及び図23参照)との位置決めの設計自由度を向上することができる。なお、固定用部244を利用した上部連結部材270の組み付けについては後述する。
装飾部247は、複数の立体的な模様や図形が形成されており、薄板部242に比較して光透過性が低くなるように形成されている。これにより、装飾部247を、光透過性を若干残しながら、視界を分断する部分として利用することができる。
ここまでは、上側構成部材241の正面側の構成を主に説明した。次に、上側構成部材241の背面側に配設される構成について説明する。上側構成部材241は、薄板部242の背面側に形成される締結部に締結固定される電飾基板251と、その電飾基板251を締結固定する締結ネジで共締めされる基板保持板252と、電飾基板251と薄板部242とに挟持されると共に正面側に末広がりとなる皿形状に形成される皿状部材253と、上側構成部材241の左右片側(本実施形態では右側)において装飾部247の背面側となる位置に締結固定されるセンサカバー254と、を備える。
基板保持板252は、左右対称形状ではなく、左側部と比較して右下部の形成が省略されている。これにより、センサカバー254側から通される電気配線DH1(図19参照)の接続を容易にすることができる。即ち、電飾基板251の接続端子251aは、基板の右下側部の板背面に配置されており、この位置への電気配線DH1の接続が容易となるように基板保持板252の形状が設計されている。
更に、基板保持板252は、左右中央位置において上に凸の湾曲形状で凹設形成される凹設部252aを備える。凹設部252aは、動作ユニット500の配置の自由度を向上させる目的で形成される部分であるが、詳細は後述する。
センサカバー254は、内部に静電容量センサ(例えば、遊技者がガラスユニット16の正面側に手をかざしたことを検知可能なセンサ)を配置し、その静電容量センサを固定するための固定部材である。本実施形態では、静電容量センサの固定だけではなく、電飾基板251に接続される電気配線DH1の中継部分としても兼用されている。
即ち、電飾基板251に形成される鉤形状部に結束バンド等で電気配線DH1を固定することで、電気配線DH1を装飾部247の背面位置に保持することができる。これにより、電気配線DH1を遊技者の視界に入り難いように隠すことができる。このように、センサカバー254を利用して電気配線DH1の配置を保持することで、電気配線DH1の配置を保持するための専用部材を用意する場合に比較して、組み付け工数を削減したり、材料コストを低減したりすることができる。
下側構成部材261は、組立状態(図18参照)においてベース板60の板正面に締結固定される薄板部262と、その薄板部262から背面側へ帯状に延設される帯状延設部263と、その帯状延設部263の延設端部に形成される締結部に締結固定されると共に帯状延設部263の背面側を塞ぐように覆う背面覆設部264と、薄板部262の左右下端部の正面側に締結固定され薄板部262との間で球を背面側へ流すための流下経路を構成する左右一対の流路前構成部265と、薄板部262の左右下端部の背面側に締結固定され流路前構成部265の薄板部262から左右内側にはみ出した半構成部と合体することで球を帯状延設部263の上面に案内する流下経路を構成する左右一対の流路後構成部266と、を備える。
帯状延設部263は、左右中央部へ向けて下降傾斜する上面部を備えており、転動した球をベース板60の正面側へ戻すように機能する。帯状延設部263の左右中央部には、左右方向の速度が収まった球を背面側へ流し易いよう背面側へ下降傾斜する中央後傾斜部263aと、その中央後傾斜部263aの左右両側において中央後傾斜部263aよりも若干下側に配置され左右方向の速度が収まった球を正面側へ流し易いよう正面側へ下降傾斜する一対の左右前傾斜部263bと、中央後傾斜部263aにより背面側へ流され流下した後で背面覆設部264に正面側へ案内された球をベース板60の正面側へ排出可能に貫通形成される球排出孔263cと、を備える。
帯状延設部263との関係において、背面覆設部264は基本的には帯状延設部263の背面側端部からの球の脱落を防止するように塞ぐが、中央後傾斜部263aの後方に限っては、帯状延設部263との間で球を下方に流下させることができる隙間を形成する。
この隙間を通り正面側へ案内された球が球排出孔263cから排出される。
球排出孔263cは左右中央位置に配置され、その下方には第1入賞口64が配設されているので(図18参照)、球排出孔263cから排出された球は、高確率で(釘KG1に弾かれながら第1入賞口64に近づく球よりも高確率で)第1入賞口64に入球する。
そのため、帯状延設部263に球が案内された場合に、その球に対する注目力を向上させることができる。
流路前構成部265は、薄板部262の正面側を流下する球を背面側に案内する案内経路を形成し、流路後構成部266は、その案内経路の後端面を形成することで球を帯状延設部263の上面に案内する。換言すれば、流路前構成部265及び流路後構成部266によって、ベース板60の正面側から流入した球を、帯状延設部263の上面に排出するトンネル状部が形成される。
図22及び図23に戻って説明する。上部連結部材270は、光透過性の樹脂材料から形成される部材であって、薄肉の板状部271と、その板状部271を基端として背面側から正面側に押し出されるように張り出す張出部272~277と、板状部271の背面側において部分的に肉薄に形成される肉薄部278と、その肉薄部278において背面側に突設するように形成される突設部279と、を備える。
板状部271は、正面視で左右に長い左右対称の弓形状に形成され、下縁部の形状がセンターフレーム86の上縁部の形状に沿う形状とされる。また、板状部271は、上縁部が湾曲形状とされており、詳細には、板状部271の上縁部の特定の点における接線が、その特定の点に近接配置される外レール62の対応する点の接線と平行となる形状とされる。
外レール62と板状部271とは、球(遊技球)の直径程度の間隔が空けられている(図18参照)。これにより、外レール62に沿って転動する球が板状部271と衝突して勢いが減衰される事態の発生を回避し易くすることができる。
即ち、遊技領域に導入された球が板状部271に衝突する前に、球は外レール62から離れるよう構成される。換言すれば、外レール62に接触している限り、球が板状部271と衝突することは無いので、最大の発射強度で発射させる球(例えば、返しゴム69に衝突するまで外レール62に接触して転動する球)が板状部271に衝突して勢いが減衰されることを回避することができる。
これにより、球の不要な減衰を避けることができると共に、最大の発射強度の球が板状部271と衝突することで板状部271が割れたり欠けたりすることを回避することができる。
なお、外レール62と板状部271との間隔については、球の直径程度の間隔に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、球の形状を考慮して、球と板状部271との衝突を避けられるように、前後方向で間隔を変化させる(ベース板60から離れるほど間隔が広くなる)ようにしても良い。この場合において、ベース板60に近い側における板状部271と外レール62との間隔を狭めることができるので、板状部271に装飾を施す場合に、その装飾の形成面積を広げることができる。
張出部272~277は、板状部271の左右中心を基準として左右対称となる位置から、板状部271の左右中心を基準とする左右対称形状で、板状部271の背面側から正面側へ向けて張り出される部分であり、それぞれが、釘の機能を代替する。
左右中央側から、第1張出部272、第2張出部273、第3張出部274、第4張出部275、第5張出部276、第6張出部277と称して説明する。
第1張出部272及び第2張出部273は、薄板部材290を介して中央構成ユニット240の正面に配置される。第3張出部274は、中央構成ユニット240とベース板60とを跨ぐように配置される。第4張出部275、第5張出部276及び第6張出部277は、ベース板60の正面に配置される。
このように、各張出部272~277は、どの部材の正面側に配置されるかが異なるので、その機能や、設計思想に違いが生じ得るが、詳細は後述する。
肉薄部278は、薄板部材290を配置するために、板背面が薄板部材290の厚み寸法分または厚み寸法を若干超えた寸法分だけ正面側にずれることで、肉薄に形成される部分である。本実施形態では、肉薄部278から薄板部材290に押圧力が負荷されることで薄板部材290を保持する態様ではなく、固定用部244(図22参照)によって薄板部材290を保持する態様を採用している。
なお、肉薄部278における板背面の正面側へのずれ寸法は、薄板部材290の厚み寸法以上で形成される場合に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、板背面の正面側へのずれが、薄板部材290の厚み寸法未満の寸法で設計されても良い。この場合、薄板部材290が厚み方向に伸縮可能(圧縮可能)に形成されることで、薄板部材290に過度な圧力が加えられることを回避しながら、薄板部材290の配置を固定し易くすることができる。
また、例えば、薄板部材290の縁部に対応する部分だけ、肉薄部278の板背面の正面側へのずれを小さくするようにしても良い。この場合、薄板部材290に圧力が加えられる範囲を薄板部材290の縁部に限定することができる。
突設部279は、薄板部材290に穿設される位置決め孔291に挿通される部分であって、薄板部材290を位置決めするための突状部分である。肉薄部278における第1張出部272又は第2張出部273の配置位置の裏側には、張出部272,273の形状に対応した凹部(窪み)が形成されることから、この位置から突設部279を突設させることはできない。即ち、突設部279は、肉薄部278の内、第1張出部272や、第2張出部273の配置を避けた位置から突設される。
薄板部材290は、光透過性の樹脂材料から薄板状(シート状)に形成される部材であって、組み付け時の位置決め用に穿設される複数の位置決め孔291と、上部連結部材270を中央構成ユニット240に締結固定する締結ネジを挿通させるための孔として穿設される複数の挿通孔292と、を備える。
位置決め孔291は、左右外側に穿設され中央構成ユニット240の突設部244bが挿通される孔291aと、左右内側に穿設され上部連結部材270の突設部279が挿通される孔291bと、を備える。即ち、薄板部材290は、中央構成ユニット240及び上部連結部材270の双方との位置決めに利用される。
なお、本実施形態において、左右外側とは、正面視における遊技盤13又は動作ユニット500の左右縁側を意味し、左右内側とは、正面視における遊技盤13又は動作ユニット500の左右中央部側を意味する。
図22及び図23に示すように、突設部244bは、第2張出部273の背面側の凹設部と対向配置される位置に形成される。そのため、正面視において、突設部244bは第2張出部273に目隠しされる。これにより、突設部244bの視認性は低下させながら、突設部244bによる薄板部材290の位置決め(位置安定)作用を生じさせることができる。
図22及び図23に示すように、上部連結部材270に形成する部分を孔部ではなく突設部279とすることで、張出部272,273の境界位置という狭い範囲においても問題なく位置決め用の部分を構成することができる。換言すれば、狭い範囲において貫通孔や凹部を形成する際には、部材肉厚が過度に薄くなり強度が不足する事態となる可能性があるが、その事態を回避することができる。
換言すれば、薄板部材290の位置決め用の部分のために、張出部272,273の配置が制限されたり、強度が低下したりすることを回避し易くすることができる。即ち、張出部272,273の境界位置に位置決め用の孔部を形成する場合には、張出部272,273の境界位置の幅長さを孔部の幅長さ以上(孔部が円形状であれば直径以上)にする必要が生じるし、孔部により材料が削られる分、張出部272,273の強度低下が生じる可能性があるところ、本実施形態によれば、これらの問題点を解消し易くすることができる。
一方で、上述のように、張出部272,273の背面は窪んでいるので突設部279を形成することができないところ、この位置については、図22に示すように、中央構成ユニット240から突設部244bを突設させることで対応できるので、張出部272,273の配置に制限されることなく薄板部材290の位置決め用の部分(突設部244b,279)を配置することができる。
このように、本実施形態によれば、薄板部材290の位置決め用の突設部244b,279を、中央構成ユニット240及び上部連結部材270の双方に形成させることにより、上部連結部材270の設計自由度や強度を高く維持しながら、薄板部材290の位置決め用部分の配置が制限されることを回避することができるので、薄板部材290の位置を安定させることができる。
更に、薄板部材290に挿通した突設部279が中央構成ユニット240の凹設部244aに挿通可能となるように設計されることで、中央構成ユニット240及び上部連結部材270に対して薄板部材290を位置決めするのと同時に、中央構成ユニット240に対する上部連結部材270の位置決めを行うことができる。
薄板部材290は、上部連結部材270を介して遊技者が視認可能となる部材である。
敢えて図示はしないが、本実施形態では、薄板部材290の板正面に模様、図形、文字またはキャラクターが色彩豊かに描かれており、中央構成ユニット240の電飾基板251に配置されるLEDから照射される光の発光態様の違い(色味や明暗の態様の違い)に応じて、薄板部材290を通して視認される色彩や明暗の態様が様々に変化する。
模様、図形、文字またはキャラクターをベース板60に直接描く場合と異なり、本実施形態によれば、薄板部材290を取り外せば薄板部材290に描かれた模様、図形、文字またはキャラクターを遊技盤13から取り去ることができるので、遊技盤13の見映えを容易に異ならせることができる。
例えば、遊技盤13の形状は同じものを流用しながら、遊技性を変える場合に(所謂、スペック違い)、遊技盤13に描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等を異ならせて、遊技者が遊技性を把握し易いようにする場合がある。
模様、図形、文字またはキャラクターがベース板60に直接描かれている場合には、ベース板60ごと取り替える必要が生じるので、実質、遊技盤13全体を取り替えることになり易く、遊技性変更にあたりコストが嵩み易い。
一方、本実施形態によれば、薄板部材290を、描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等が異なる別の薄板部材290と交換することで足りるので、遊技盤13全体を取り替える必要は無い。従って、遊技性変更のためのコストを抑制し易くすることができる。
図26は、図18の範囲XXVIにおける遊技盤13の拡大正面図であり、図27は、図26のXXVII-XXVII線における遊技盤13の部分断面図であり、図28は、図26のXXVIII-XXVIII線における遊技盤13の部分断面図である。
図26に図示されるように、張出部272~277は、それぞれ個別の形状で形成される一方で、遊技領域に導入された球が衝突した場合には、その球の勢いを落としながら、その球をセンターフレーム86の左右側へ流下させるという共通の目的を有する。
従来から、同様の配置で植設されることのあった釘の代替品として張出部272~277を形成している。即ち、植設される複数の釘を正面視で囲むような形状から各張出部272~277が設計されている。
第1張出部272、第2張出部273及び第3張出部274で共通してみられるように、上側面が他の側面に比較して広く形成されている。これにより、上側面のどの位置に乗るかに寄らず、乗った球を上側面の傾斜に沿って同一の方向に流すよう構成することができる。これにより、発射力の調整が多少ずれても、球を類似の流下経路で流下させ易くなるので、同様の経路で球を流下させたい遊技者の遊技中のストレスを緩和することができる。
第3張出部274と第4張出部275は、隣り合って配設されているため、球の発射力調整が少しずれるだけでどちらに球が到達するかが変化することになるが、上側面の傾斜が大きく異なる。即ち、第3張出部274の上側面は、左右内側に向かって緩く傾斜する下降傾斜面であるのに対し、第4張出部275の上側面は、左右内側に向かって急激に傾斜する下降傾斜面として形成される。
そのため、第4張出部275の上側面に到達して流下する球は、センターフレーム86との衝突時に上向きに大きく跳ね返ることになり、勢いが失われ易い。そのため、遊技領域の下流側において第1入賞口64まで到達せずに、アウト口71へ向かって流下したり、一般入賞口63へ向かって流下したり、しやすい。
一方で、第3張出部274の上側面に到達して流下する球は、センターフレーム86と左右方向で衝突し、跳ね返り方向の負荷も流下の勢いとして利用できるので、遊技領域の下流側において第1入賞口64まで到達し易い。
即ち、どの張出部272~276に球が到達するかによって、遊技領域の下流側における球の流下態様が変化するように張出部272~276の形状を設計している。これにより、遊技者に球の発射力の調整を意欲的に行わせることができる。
図27及び図28に図示されるように、ベース板60と中央構成ユニット240の延設部243とは、上下間に中央構成ユニット240の薄板部242の板厚程度の隙間CL1,CL2を空けて配置されるよう設計される。
即ち、ベース板60の中央開口60bに中央構成ユニット240が位置決めされる設計思想ではなく、ベース板60の中央開口60bと中央構成ユニット240との間には隙間を空けておき、上部連結部材270による締結固定(連結)の際にベース板60に対する中央構成ユニット240の位置合わせを同時に行うという設計思想から設計される。
図27及び図28に図示されるように、第1張出部272の背面には薄板部材290及び中央構成ユニット240が配置される一方で、第3張出部274の背面にはベース板60が配置される。このように、張出部272~277の背面に配置される部材は全て同じでは無く、異なる場合がある。
図27に示すように、中央構成ユニット240の薄板部242が薄肉で形成されることから、例えば、第1張出部272に負荷が与えられることで第1張出部272に撓み変形が生じる場合、中央構成ユニット240の薄板部242も撓み変形することができるので、第1張出部272に加えられる負荷を吸収することができる。これにより、第1張出部272が割れたり欠けたりする可能性を低くすることができる。
そのため、例えば、第1張出部272に球が衝突する際に、その球の勢いが非常に大きかったとしても、第1張出部272の撓み変形や、その撓み変形の影響で生じる薄板部242の撓み変形によって、球の勢いを十分に低下させることができるので、第1張出部272に衝突した後の球の流下を落ち着かせることができる。
薄板部242の撓み変形は、上述のように、薄板部242とベース板60とが嵌合される構成ではなく、間に隙間CL1,CL2が設けられる構成を採用したことによって生じ易くなっている。即ち、本実施形態では、薄板部242とベース板60との間に隙間CL1,CL2を設けることにより、中央構成ユニット240を撓み変形させることによって、第1張出部272に与えられる負荷を逃がすことができる。
同様の作用が、第2張出部273にも期待できる。なお、第1張出部272に与えられる負荷としては、遊技球の衝突による負荷や、遊技領域における球詰まりを解消する際に遊技機店の店員から加えられる負荷や、メンテナンス作業を行う作業者から加えられる負荷等が想定される。
一方、図28に示すように、ベース板60は、撓みが生じない程度に厚肉で形成されるので、例えば、第3張出部274に負荷が与えられた場合に、ベース板60の撓み変形により負荷を逃がす作用を期待することはできないが、第3張出部274の高さ位置は、張出部272,273よりも低い位置にあるので、衝突する球の勢いは比較的小さい。そのため、第3張出部274をベース板60の正面に配置する構成でも、第3張出部274が割れたり欠けたりする可能性を低くすることができる。
更に、衝突する球の勢いが比較的小さい箇所で、第3張出部274に衝突した球の勢いを過度に低下させると、球の流下が停止する可能性があることを考慮して、本実施形態では、第3張出部274をベース板60の正面に配置する構成を採用している。
また、第3張出部274の撓みは抑えられ、状態が安定していることから、センターフレーム86の左右側に振り分けられて、釘が植設されている遊技領域としての、センターフレーム86の左右側領域や下側領域に近い配置において、球の案内を安定化させることができるので、球の発射強度と、球の流下態様との対応を安定させることができる。
なお、第3張出部274が割れたり欠けたりすることを確実に避けるためには、球との衝突角度や、第3張出部274の形状等を、第3張出部274に与えられる負荷が小さくなるように(負荷が逃げやすくなるように)設計することが好ましい。第4張出部275~第6張出部277についても、同様の設計思想を採用することが好ましい。
張出部272~277を、ベース板60に植設される釘KG1の代替品として利用することの利点について説明する。特に、演出効果の向上を図ることができる。即ち、光透過性の樹脂材料から形成される張出部272~277の場合、金属製の釘KG1に比較して、遊技者にとって目隠しとなる部分が少ない。
例えば、本実施形態のように、張出部272,273の背面側に電飾基板251や薄板部材290を配置する構成であっても(図27参照)、張出部272,273が光を透過させるので、電飾基板251に配設されるLED等の発光手段から照射される光や、薄板部材290に描かれた模様、図形、文字またはキャラクターを遊技者が視認し易いようにすることができる。
電飾基板251は、下側部中央位置に配置される4個のLEDから構成される中央発光手段251bと、その中央発光手段251bの左右側および上側を囲むように配設される7個のLEDから構成される周囲発光手段251cと、左右両端部付近に2個ずつ配設されるLEDから構成される遠方発光手段251dと、を備えており、図26において本実施形態における配置が隠れ線で図示される。各発光手段251b,251c,251dは、光の照射方向が必ずしも統一されておらず、光らせようとする対象がそれぞれ異なる。
中央発光手段251bは、光の照射方向が前方向(光軸が前後方向)であり、中央構成ユニット240の装飾部247の左右中央部におけるシンボルマーク(図26において白塗で図示)を照らす。そのシンボルマークの全体を淡く発光させるために、中央発光手段251bから照射される光の光軸を基準とした照射方向の幅角度が大きくなるように設計される。
周囲発光手段251cは、光の照射方向が前方向(光軸が前後方向)であり、帯状フレーム部245や、張出部272,273の縁部等、前後方向に幅を持つ部分に光を導入させるように配置されている。前後方向の幅が長い部分を通過した後において遊技者に視認される光が弱弱しくならないように、光のエネルギーを光軸に集めるために、周囲発光手段251cから照射される光の光軸を基準とした照射方向の幅角度は小さくなるように設計される。
これにより、光の明暗の付け方や、色の変化により、光の経路(帯状フレーム部245や張出部272,273を通過する光の経路)を直接的に目立たせ、その目立たせ方に差をつける演出を行うことができる。例えば、左右で光の明暗に差をつけることで、球を発射する方向を暗に示唆する発光演出を実行することができる。
例えば、第1張出部272の下縁部272aの後方に配置されている周囲発光手段251cのLEDは、第1張出部272の下縁部272aから、左右外側縁部272bに光を導光させるように配置されている。これにより、遊技者は、第1張出部272の光を目印に球を発射することで、第1張出部272の左右外側縁部272bに球を到達させ易くなる。光の光軸は第1張出部272の前後幅が長い位置を通過しており、第1張出部272の内部で光を全反射させ易くすることができる。
また、第1張出部272の内部形状は、後方が内側に突設されるように湾曲形成されているので、第1張出部272の内側に進行した光を第1張出部272の内部で繰り返し反射させ、第1張出部272の内側に光を集め易くすることができる。これにより、正面視において第1張出部272を周囲に比較して明るく発光させることができる。
図27に図示されるように、中央構成ユニット240の薄板部242の背面側に電飾基板251が配置される。本実施形態では、正面側で球が案内される範囲における上部連結部材270の背面において、ベース板60の肉厚部分(釘KG1を打ち込むために必要となる厚み部分)の厚み寸法内(前後方向寸法内)に電飾基板251を配置している。即ち、ベース板60の肉厚部分の背側面の前後位置よりも、電飾基板251の前後位置の方が正面側に設定される。
これは、球を案内するための部品としての釘KG1をベース板60に打ち込んでいる範囲においては、不可能な基板配置である。換言すれば、釘KG1が打ち込まれる範囲においては、ベース板60を十分に肉厚に形成せざるを得ないので、ベース板60の厚み寸法内(ベース板60の肉厚部分の背側面の前後位置よりも正面側)に電飾基板251を配置するスペースを確保することができない。
これに対し、本実施形態では、球を案内するための部品として、釘KG1ではなく薄肉の上部連結部材270を採用し、その背面にベース板60の中央開口60bを配置してベース板60の代わりに中央構成ユニット240の薄板部242を配置することで、球が案内される範囲の背面側において電飾基板251を配置するためのスペースを確保するようにしている。
これにより、電飾基板251をベース板60の背面側に配置せざるを得ない場合に比較して、電飾基板251の配置の設計自由度を向上することができると共に、電飾基板251の配置を前側に寄せることができる。
電飾基板251の配置を前側に寄せることで、遊技盤13の背面側に配置される動作ユニット500の回転演出装置800(図17参照)の配置を前側に寄せ易くすることができると共に、電飾基板251に配設される中央発光手段251bや周囲発光手段251cや、回転演出装置800に配設される光源が、前側に配置されることになるので、遊技者に視認させる光をより明るくすることができる。
遠方発光手段251dは、光の照射方向(光軸方向)が前後方向と交差する方向(図26において矢印で図示される方向)であり、左右外側に配設される張出部274~276や、帯状フレーム部245や、外レール62等に光を照射するように配置されている。
これにより、強度確保のためにベース板60の板厚部分を形成し、その板厚部分の正面に張出部274~276を配設する本実施形態のような構成であっても、遠方発光手段251dからの光照射を利用して張出部274~276を十分に照らすことができる。
特に、本実施形態では、電飾基板251がベース板60の板厚後端よりも前端側に寄せられている(板厚寸法内に配設されている)ことから、遠方発光手段251dから前後方向と交差する方向に照射される光を、左右外側に離れた第5張出部276まで到達させ易くすることができる。
遠方発光手段251dからの光を受ける張出部274~276の形状は、光量を確保し易くなるように形状が工夫されている。即ち、例えば、第3張出部274において、遠方発光手段251d側の側面274a(左右内側かつ上側の側面)が広く形成され、遠方発光手段251dからの光を面で受けるように形成されている。
また、遠方発光手段251dの反対側(左右外側かつ下側)においては、面と面との連結位置に角部274bが形成され、張出部274に形成されるカットをこの角部274bに光を集中させるような形状から形成している。これにより、遠方発光手段251dから離れた角部274bにおいても、発光強度を確保することができる。
なお、第6張出部277への光照射については、電飾基板251からの光照射ではなく、第6張出部277の正面視左右内側に配置される薄板部242(左右中央ではなく左右外側の薄板部242)を正面側へ透過する光により行っている。
また、第6張出部277の発光演出は、後述する回転演出装置800の回転部材810から照射される光によっても実行されるが、回転部材810から照射される光が正面側へ向かうための構成や、その強弱の設定については、後述する。
図20に戻って説明する。図20に示すように、センターフレーム86の下方に配設される入賞口63,64等は、光透過性の樹脂材料から形成される入賞口構成部材400の一部として形成される。
図29は、遊技盤13の分解正面斜視図であり、図30は、遊技盤13の分解背面斜視図である。図29及び図30では、入賞口構成部材400が分解された状態が図示される。
入賞口構成部材400は、遊技盤13の左右中央部においてベース板60に締結固定される中央構成部材410と、その中央構成部材410の下部を正面側から覆う形状で構成される覆設部材430と、中央構成部材410の左側に配置されベース板60に締結固定される左部構成部材450と、中央構成部材410の右側に配置されベース板60に締結固定される右部構成部材470と、を備える。なお、右部構成部材470は、左部構成部材450と概略左右対称形状で形成される。
中央構成部材410は、ベース板60に面で接触した状態で締結固定される平板状の本体板部411と、特定入賞口65aを構成する開口部として形成される横長開口412と、その横長開口412の左右側部に上方において球の流下経路を振分可能に張出形成される左右一対の振分部413と、その振分部413の上方において上側面が湾曲板状に形成されると共に球の流下経路を振分可能に正面側に突設される左右一対の湾曲状突設部414と、横長開口412の左右端部から左右外側に離れた位置に球を排出可能な大きさで穿設される左右一対のアウト口415と、を備える。
本体板部411は、左右両側において背面側から板厚を薄くするように凹設されるシート配設用凹部411aを備える。シート配設用凹部411aは、演出用のシート部材(薄板部材380)の外形に応じた形状で凹設され、そのシート部材の厚みと略同等の凹設深さで形成される。
振分部413と湾曲状突設部414との間の隙間は、球の直径よりも大きく形成される。これにより、振分部413と湾曲状突設部414との間の隙間を通して球を流下させることができるので、球の流下のランダム性を高めることができ、球への注目力を向上させることができる。
振分部413は、左右内側(第2入賞口140側)の側面から突設される複数の突条部413aを備える。突条部413aは、流下する球に当接することで球の流下速度を減速させるために設けられる形状部であり、突条部413aによる減速効果によって、特定入賞口65aの開閉板65bに球から与えられる衝突力を低減することができる。これにより、開閉板65bの破損を防止することができる。
湾曲状突設部414の湾曲面の下端部を通る湾曲面の接線HL1(図31参照)は、振分部413の左右内側側面(第1入賞口64側の側面)を通るように設計されている。そのため、湾曲状突設部414の湾曲面を下端部まで転動した球が、振分部413の左右内側側面に到達する事態が生じやすい。
覆設部材430は、光透過性の樹脂材料から形成され、薄板状に形成される本体板部431と、その本体板部431の左右側端部から左右内側部へ向けて延びる帯形状で背面側へ延設される左右一対の帯状部432と、その帯状部432の左右内側端部と連結されると共に鉛直方向に長尺の板形状で背面側へ延設される左右一対の鉛直板部433と、その鉛直板部433の上端部から左右内側へ向かう程に上昇傾斜する姿勢の長尺板形状で背面側へ延設される左右一対の傾斜板部434と、電動役物140aの回転角度を規制するように電動役物140aの下側において本体板部431から背面側に立設形成される立設部435と、を備える。
帯状部432、鉛直板部433、傾斜板部434及び立設部435は、覆設部材430が中央構成部材410に締結固定された状態において、その先端部が中央構成部材410の本体板部411に当接可能な長さで形成される。即ち、帯状部432、鉛直板部433、傾斜板部434及び立設部435により球の流下経路が変化されると共に、球の流下経路が振り分けられる。
帯状部432は、アウト口415の左右外側および下側に沿うように配設され、帯状部432に転動して流下する球は、アウト口415に案内され、遊技領域から排出される。
傾斜板部434は、アウト口415よりも特定入賞口65a側に配置されているが、上側面の傾斜方向がアウト口415側へ下降傾斜する方向なので、傾斜板部434に転動した流下する球も、アウト口415に案内され、遊技領域から排出される。
立設部435は、中央構成部材410と覆設部材430との組立状態(図17参照)において中央構成部材410の振分部413の左右内側に、球の直径以上の隙間を空けて配置される。これにより、振分部413と立設部435との間を球が流下可能となっている。
左部構成部材450は、無色透明の樹脂材料から形成され、ベース板60に面で接触した状態で締結固定される平板状の本体板部451と、その本体板部451の左部広範囲で正面側に張出形成される張出部453と、その張出部453との間に球が通過可能な大きさの隙間を空けて左端部が配置される板状部であり、右側へ向かうほど下降傾斜する形状から形成される天井板部455と、その天井板部455よりも下側において一般入賞口63へ球を案内可能な形状で形成される複数の球案内部457,459と、を備える。
天井板部455は、張出部453と天井板部455との間の隙間を通過した球のみが球案内部457,459を流下可能となるようにするために、途中で分断されることない板状に形成される。
左部構成部材450の背面側および右部構成部材470の背面側には、背面側から板厚を薄くするように凹設されるシート配設用凹部451b,471bが形成される。シート配設用凹部451b,471bは、演出用のシート部材(図示せず)の外形に応じた形状で凹設され、そのシート部材の厚みと略同等の凹設深さで形成される。なお、このシート部材の装飾の例は、薄板部材380における説明で代用する。
図31は、図18の範囲XXXIにおける遊技盤13の拡大正面図である。張出部453と天井板部455との間の隙間を通過せず、天井板部455の上面を転動して流下する球は、案内部457,459へ案内されることはなく、中央構成部材410側へ案内されるように流下する。左部構成部材450や中央構成部材410の上流側からの球の流下経路について説明する。
図31に示すように、ベース板60に植設される複数の釘KG1は、左右方向内側へ向かう程に下降傾斜する直線に沿って球の直径未満の隙間を空けて並べられることで、左右中央側へ向かって流下する球の道筋(主経路FL1)が形成される一方、所々で球の直径を超える隙間を空けていることで、その隙間を通過して主経路から外れる球の脱落経路FL2,FL3が形成される。
天井板部455は、球が上面を転動可能となるように形成されるが、天井板部455を転動する球の転動速度は、主経路FL1から下方へ脱落するタイミングにより異なる。詳述すると、主経路FL1から脱落経路FL2に球の経路が変化する場合、球の流下速度は、主に左右方向を向く状態から、主に上下方向を向く状態に切り替えられる。
そして、天井板部455に到達してから再び速度が左右方向を向く状態に切り替えられるので、天井板部455に球が到達するタイミングが早いほど(流下経路の上流側であるほど)、天井板部455を流下する際の球の転動速度(勢い)が大きくなり、遊技領域の左右内側(特定入賞口65a側)に到達し易い。
また、天井板部455の上面の左右内側端部(下端部)は、隣り合う湾曲状突設部414の上端部よりも上方に配置されていることから、天井板部455を転動し左右内側に過ぎる球が湾曲状突設部414の左右外側側面にせき止められることを回避し易い。
天井板部455を流下する際の球の転動速度を大きくし、その速度のまま特定入賞口65aに到達すると、球から開閉板65bに大きな衝撃力が伝えられることによる開閉板65bの破損が危惧されるが、本実施形態では、開閉板65bまでの球の流下経路に突条部413aが配設されており、球の流下速度を減速させている。
加えて、突条部413aの左右内側には立設部435が対向配置されており、複数の球が横並びで流下することを防止している。これにより、突条部413aと立設部435との間で球詰まりが生じることを回避することができる(整流作用)と共に、球が開閉板65bに同時に着地する事態の発生を回避し易くすることができることから開閉板65bの破損を防止し易くすることができる(耐久性向上)。
このように、球の流下速度が落とされつつ、球の流下経路が制限されている。これにより、開閉板65bに球が衝突する際に生じる衝突力を低減することができるので、開閉板65bが破損する不具合の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、突条部413aは立設部435を基準として左右対称位置に配置されるので、左右一対の突条部413aと立設部435とにより形成される一対の流下経路において、球が同時に流下した場合には、開閉板65bに複数の球が同時に着地することは生じ得る。
そのため、特別遊技状態において、球を左右に打ち分けることにより、特定入賞口65aに複数の球を同時に入球させ易くすることができる。これにより、特別遊技状態の進行が遅くなりすぎる事態を回避し易くすることができる。
天井板部455の上面は左右に幅広の傾斜面として形成されているので、天井板部455で複数の球を同時に受け入れることができ、それらの球を整列させた状態で勢いよく左右内側(特定入賞口65a側)に流すことができる。
そして、左右内側に流された球は振分部413の左右内側(突条部413aが形成される側)を順番に通り、開放状態の開閉板65bに順番に到達する。このように、本実施形態によれば、開閉板65bに到達する球の道筋が振分部413の左右内側を通る道筋にまとめられているので、開閉板65bの上流側において球同士が衝突して、球が特定入賞口65aから逸れてしまう事態の発生を抑制することができる。
更に、振分部413の突条部413aに当接しながら流下し開閉板65bに到達する位置よりも、特定入賞口65a及び開閉板65bの左右端が左右外側に位置するように設計することで、開閉板65bの上で球同士が衝突して左右に跳ねた場合であっても、球が開閉板65bの上面に乗っている状態を依然として維持することができる。従って、開閉板65bから球が零れる事態の発生を抑制することができる。
なお、球が開閉板65bの左右端部から密に複数個滞留した場合であっても、本実施形態では傾斜板部434の下方に空間が形成されており、球を開閉板65bの左右外側に流せるようになっているので、振分部413の左右内側を通る球の経路が詰まる事態は回避することができる。
本実施形態では、天井板部455と湾曲状突設部414との間に球の直径を超える隙間を配置することで、この隙間を通る球の流下を許容している。例えば、天井板部455を転動し流下する球が、内側脱落経路FL3を通り流下する球に衝突すると、天井板部455を転動してきた球が左右方向速度を低下され、天井板部455と湾曲状突設部414との間の隙間に入り込み易い。
主経路FL1を流下する球が、外側脱落経路FL2で流下する頻度や、内側脱落経路FL3で流下する頻度は、釘KG1の状態(汚れの付着、生産ロット)により変わり得る。
そのため、対策なしでは、釘KG1の状態により遊技効率や遊技利益が左右され、平等な条件での遊技を提供することができない。
これに対し、本実施形態では、外側脱落経路FL2を通り天井板部455を転動する球の方が、内側脱落経路FL3で流下する球よりも高頻度で生じる場合、第1入賞口64まで到達する球が少なくなるので、抽選を受けて大当たりを目指す遊技状態(通常状態、時短状態、高確率状態など)の場合には不利だが、特定入賞口65aが開閉する大当たり遊技状態では、天井板部455と湾曲状突設部414との間の隙間に球が入り込む可能性を少なくでき、天井板部455に到達したほとんどの球を特定入賞口65aへ案内することができるので、遊技効率を向上させることができる(例えば、大当たり遊技に要する時間を短縮できる)。
一方、内側脱落経路FL3を流下する球の方が、外側脱落経路FL2を通り天井板部455を転動する球よりも高頻度で生じる場合、第1入賞口64まで到達する球は多くなるので、抽選を受けて大当たりを目指す遊技状態(通常状態、時短状態、高確率状態など)の場合には有利だが、特定入賞口65aが開閉する大当たり遊技状態では、天井板部455を転動して流下する球の経路に内側脱落経路FL3から下方へ流下した球が衝突し、天井板部455と湾曲状突設部414との間の隙間に落下する球や、振分部413と湾曲状突設部414との間の隙間を通過してアウト口415側へ流れる球が頻発する。これにより、特定入賞口65aから逸れる球が増えるので、大当たり遊技の遊技効率は低下することになる。
このように、本実施形態では、外側脱落経路FL2を通り天井板部455を転動する球の発生頻度と内側脱落経路FL3を流下する球の発生頻度との大小関係が切り替わると、遊技状態として有利な状態と不利な状態とが切り替わるのであって、遊技者が一方的に有利になったり、一方的に不利になったりするものではなくなるように設計されている。
即ち、釘KG1の状態が異なることは許容しながら、どのような釘KG1の状態であったとしても、ある状態では遊技者に有利となり、他のある状態では遊技者に不利となる関係を保つようにすることで、平等な条件での遊技の提供を図っている。
外側脱落経路FL2で流下して、天井板部455の左端部において上方向に延設される延設板部455aと、その延設板部455aと対向配置される張出部453の左右内側において左右外側下方へ向けて湾曲形成される側壁部453aとの間を流下する球の流下経路について説明する。
この流下経路へ球が案内される割合は、近接する釘KG2の状態(球が流下する位置における間隔)により、変動する。釘KG2は、球の衝突や、遊技機店の店員が触れること等により、状態が変動する場合がある。
また、釘KG2の直前まで球が到達するか割合は、球が側壁部453の上面を転動するかによって変動する。球が側壁部453の上面に到達するかどうかは、側壁部453の上方に配置される風車FS1の状態によって変動する。風車FS1も、回転軸が釘KG2と同様にベース板60に打ち込まれているので、球の衝突や、遊技機店の店員が触れること等により、状態が変動する場合がある。
延設板部455aと側壁部453aとの間の流下経路の真下には第1球案内部457が配設されているので、通常は、流下した球は第1球案内部457を通り遊技領域から排出される。第1球案内部457は一般入賞口63を構成しており、第1球案内部457に球が案内されると、遊技者に対して賞球の払い出しが実行される。
本実施形態では、延設板部455aと側壁部453aとの間を球が真下に流下する場合、その球は、8割の確率で第1球案内部457に入球し、1割の確率で左に逸れ、1割の確率で右に逸れるように構成されている。なお、この割合は、延設板部455a及び側壁部453aの形状(傾斜や間隔等)や、第1球案内部457の配置により、異なるように設計することが可能である。
これに対し、例えば、第1球案内部457に到達した球が未だ第1球案内部457に留まっている間に、次の球が第1球案内部457に到達した場合には、次の球は第1球案内部457の左右に逸れて流下し易くなる。また、例えば、第1球案内部457へ向けて複数の球が集まった状態で流れると、その複数の球の内の数個は第1球案内部457の左右に逸れて流下し易くなる。
第1球案内部457から左右外側に逸れると、その下流側には入賞口は配設されておらず、アウト口415から排出される。一方、第1球案内部457から左右内側に逸れると、第1球案内部457から左右内側へ突設される傾斜案内部458を転動して第2球案内部459に到達し得る。第2球案内部459は一般入賞口63を構成しており、第2球案内部459に球が案内されると、遊技者に対して賞球の払い出しが実行される。
第1球案内部457に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数と、第2球案内部459に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数とは、任意に設定可能であるが、本実施形態では、下流側に球が案内された方が払い出される賞球個数が多くなるように設定している。
即ち、第2球案内部459に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数の方が、第1球案内部457に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数よりも多くなるように設定されている。
これにより、天井坂部455の左端よりも左側に球が流下した場合に、その球が第1球案内部457には入らずに、右側(第2球案内部459側)に逸れることを、遊技者が望むような遊技性を作ることができ、左部構成部材450への注目力を向上させることができる。
例えば、第1球案内部457に球が案内されることに伴い、賞球が1個払い出されるよう設定される場合には、第1案内部457へ向かう球が、左右外側(図31左側)に逸れると遊技者の手持ちの球数が減り、第1案内部457に案内されると球数は現状維持(発射1個に対して賞球1個)、左右内側(図31右側)に逸れると第2球案内部459に球が案内されて賞球(1個よりも多い個数、一般的に、2個~15個)が払い出されることにより、手持ちの球数が増える可能性があるという遊技性を構成することができる。
これにより、第1案内部457付近の球の流れと遊技者が得られる利益の大小とを分かり易く対応づけることができるので、第1案内部457付近の球の流れに対する注目力を向上させることができる。
第1案内部457の右方に延びる傾斜案内部458は、樹脂材料から形成されているので、曲げなどが生じた場合には容易に折れ損する。そのため、釘KG1と異なり状態の変化が把握し易い。折れ損した状態を把握できれば、部材を交換するまでパチンコ機10を稼働停止することで、遊技者が不測の不利益を被ることを回避することができる。
本実施形態では、傾斜案内部458を転動した球が第2球案内部459に高確率で案内されるように、種々の形状的工夫がされている。第1に、第2球案内部459の左上位置において天井板部455の下面側に膨らむ膨出部456が形成される。
傾斜案内部458の上面を転動開始し、上下への跳ねが十分には収まっていない球は膨出部456に左右方向で当接することになり、球の速度方向が下方に向き変えられる。これにより、傾斜案内部458の上面を転動した球が、勢いのままに第2球案内部459の右側へ逸れることを防止することができる。
第2に、傾斜案内部458が、第2球案内部459との間の左右方向間隔が球の半径よりも短い間隔となると共に、第2球案内部459との間の上下方向間隔が球の直径よりも短い間隔となる位置まで第2球案内部459側へ張り出している(傾斜案内部458と第2球案内部459との間の球の通過を許容しない寸法関係で形成されている)ので、傾斜案内部458により、第2球案内部459の左側へ球が逸れることを防止し易くすることができる。
入賞口構成部材400は、樹脂成形部材であり、ベース板60への組み付けは締結ネジによる締結固定なので、不良が生じた場合の交換は、釘KG1を交換(打ち直し)する場合に比較して容易である。
例えば、釘KG1が折れた場合には長期間に亘り遊技機の稼働を停止することになる可能性が高いところ、通常、釘KG1の打ち込みは一本ごとに打ち込むのではなく、多数の釘KG1を自動機で打ち込むことから、一部の釘KG1が折れたからといって釘KG1を打ち込み直すことは容易では無い。
そのため、修復のためには、遊技盤全体の取り換えが必要になることが多いが、取り替え費用を賄えないと判断した場合には、釘KG1の他に故障している箇所が無いにも関わらず、再稼働することなく倉庫にしまわれる可能性がある。即ち、メンテナンス性および遊技機の稼働期間向上の観点から改良の余地があった。
本実施形態では、釘KG1の不良が極力生じないようにするために、上下方向に落下してくる球の受け止めを左部構成部材450の張出部453で行い、受け止めた球を張出部453の上面で左右に転動させることで上下方向の勢いを低減してから、その下流側の釘KG1に当接させるようにしている。これにより、球から釘KG1へ与えられる負荷を低減することができ、釘KG1の不良の発生を抑制することができる。
また、外側脱落経路FL2の左右外側に配置される釘KG1に着目すると、その左右外側は張出部453に覆われているので、これらの釘KG1に球が左右外側から衝突することはない。そのため、釘KG1がランダムな方向から負荷を受ける場合に比較して、釘KG1が折れるまでの期間を長くすることができる。
左部構成部材450の正面側を流下した球はアウト口415を通りベース板60の背面側に排出される。この時、鉛直板部433により左右内側(開閉板65bに近接する側)への球の通過が規制されていることから、アウト口415を通らずに、開閉板65b側へ球が流れることを防止することができる。
そのため、開閉板65bの回動軸は左部構成部材450側から球が流れ込むことを防止することができるので、球詰まりに対する対策として開閉板65bと内レール61との間を常に球が通過可能に空けておく必要が無く、内レール61と開閉板65bの回動軸(下縁部)との上下間隔を球の直径未満に設定することができる。
また、そのように構成したとしても、開閉板65bに乗っていた球が左右に零れた場合には、鉛直板部433と開閉板65bとの間に仮置きすることができ、開閉板65bが閉鎖状態となれば、球の流下経路を遮っていた開閉板65bが球の流下経路から退避するので、仮置きされていた球はアウト口71へ向けて流下することになる。従って、球詰まりが生じる可能性を低くすることができる。
図32は、図31のXXXII-XXXII線における遊技盤13の部分断面図である。左部構成部材450の本体板部451は、左右内側縁部からベース板60の前面に沿って薄肉板状(本体板部451の厚みよりも薄い板状)で延設される延設部451aを備え、中央構成部材410の本体板部411は、左右外側縁部から正面側側面に沿って延設される覆設延設部411bを備える。
本実施形態では、覆設延設部411bとベース板60とにより延設部451aが挟持される。これにより、挟持される側である左部構成部材450の左右内側端部から固定用の締結ネジを取り払うことができるので、その分、左部構成部材450に装飾を施す場合に締結ネジの存在が目立ってしまうことで演出効果を低下させるという不具合を生じさせないようにし易くすることができる。加えて、部材を締結固定するための締結ネジの本数を削減することができるので、組立の工数や、材料コストを削減することができる。
延設部451aをベース板60との間で挟持している状態における覆設延設部411bの前端部の前後位置は、本体板部451の前端部の前後位置よりも背面側に位置している。これにより、本体板部451の前面側を流下する球が本体板部411の前面側へ向けて流れる際に、覆設延設部411bの前端部と球とが衝突して、球が左右外側に跳ね返される事態の発生を防止することができる。
図33は、振分ユニット300の分解正面斜視図であり、図34は、振分ユニット300の分解背面斜視図である。図33及び図34に図示されるように、振分ユニット300の内部には上述した振分け部983が回転可能な状態で配設されており、第1入賞口64を通り振分ユニット300の内部に案内された球が交互に左右に振り分けられるように構成される。
振分ユニット300は、背面側から振分け部983が回転可能な状態で配設される部材であって第1入賞口64を通過した球を左右に振分けて流下させる流下経路を構成する第1構成部材310と、第1入賞口64を通過した球が後方に流下する経路の天井を構成する天井構成部材330と、第1構成部材310と共に振分け部983の軸部材988aを両持ちで支持すると共に振分け部983に当接して流れる球の背面側への脱落を規制する第1補助部材340と、第1構成部材310の下流側から後方に排出された球の排出経路を構成する第2構成部材350と、その第2構成部材350が締結固定される部材であって第2構成部材350により構成される排出経路の後方および上方を覆うように配設され第1構成部材310に締結固定される左右一対の第2補助部材370と、第1構成部材310の正面側に配置され第1構成部材310と中央構成部材410の本体板部411との間に左右一対で配設される薄板部材380と、を備える。
第1構成部材310は、無色半透明の樹脂材料から形成され、前後方向と直交する面に沿って形成される板状の中央板部311と、その中央板部311の上端から正面側に延設される延設板部313と、中央板部311の背面側に延設され左右外側へ向けて下降傾斜する方向に帯状に延びる一対の傾斜延設部315と、その傾斜延設部315の左右外側端部に連接され球の流下方向を切り替える(本実施形態では左右方向から前後方向に90度切り替える)一対の方向切替部317と、中央板部311の正面側において球が通過可能な大きさの開口が左右に複数並べられる左右一対の開口形成部320と、を備える。
中央板部311は、延設板部313の後端部の真下において、振分け部983を軸支する軸部材988aの一端が挿入される略円筒状の軸受部312を備える。軸受部312は軸部材988aの外径よりも大きい内径に形成される。
延設板部313は、左右中央部に沿って上端面が後方へ向かうほど下降傾斜する突条として形成され球の転動路を形成する突条部313aと、左右縁部から立設され球を後方に案内する左右一対の壁状部314と、を備える。
傾斜延設部315を流下する球は、第2補助部材370の前板部371に背面側への脱落を規制されながら、左右外側に流下する。なお、第2補助部材370は、検出装置SE3の抜け止め用の部材としても利用される。
方向切替部317は、傾斜延設部315の左右端部の左右外側において傾斜延設部315よりも一段下がった位置で球が転動可能な板面として形成され正面側へ向けて下降傾斜する傾斜面部318と、その傾斜面部318の後側縁部および左右外側縁部から立設され球を正面側に案内可能な形状で正面側へ向けて湾曲形成される立設湾曲部319と、を備える。
開口形成部320は、検出装置SE3が背面側から挿通されるセンサ配置用開口321と、そのセンサ配置用開口321の左右側面に沿って正面側に延設され検出センサSE3の左右端部を支持する左右一対の支持延設部322と、その支持延設部322の間において球が通過可能に開口形成される入賞用開口部323と、支持延設部322を基準とした入賞用開口部323の左右反対側において球が通過可能に開口形成される一対の排出用開口部325と、入賞用開口部323及び排出用開口部325を通過した球を受け止めて背面側へ案内可能な形状で底面部が後方へ向けて湾曲形成される底面構成部327と、その底面構成部327の上面側を仕切るように支持延設部322の下縁から底面構成部327に向けて延設される一対の仕切り壁部328と、を備える。
センサ配置用開口321に検出装置SE3を挿通する際に、検出孔SE1aが入賞用開口部323の内側に配置されるように設計されている。支持延設部322の前縁部から突設される位置決め突部322aと検出装置SE3の前端部とが当接することで検出装置SE3の前後位置を容易に位置決めすることができる。
方向切替部317を通過し開口形成部320に到達した球は、入賞用開口部323又は排出用開口部325のいずれかを通過して、底面構成部327の上面を転動して背面側へ案内される。各転動経路は仕切り壁部328によって分断されているので、底面構成部327の上面で球が交差したり、衝突したりする可能性を低くすることができる。これにより、球の流れを整流化することができるので、球詰まりや、球が停滞することを防止することができる。
底面構成部327の上面を転動する球の内、入賞用開口部323を通過した球は検出装置SE3に通過を検知される。一方、排出用開口部325を通過した球は検出装置SE3には通過を検知されない。なお、いずれにしても、底面構成部327の上面を転動した球は、球の排出を検知する検出装置(図示せず)に検知された後、図示しない球排出路へと案内される。
図示しない球排出路へは、球は第2補助部材370に背面側への脱落を規制されながら、第2構成部材350の転動面351を左右内側へ向けて転動し、左右それぞれに配設される共通落下流路352を流れて案内される。
第2補助部材370は、傾斜延設部315の背面側に開いている空間に蓋をして球の脱落を防止する前板部371と、第2構成部材350の転動面351及び共通落下流路352に沿って流下する球の流下経路の上面側および背面側を塞いで球の脱落を防止する後板部372と、第1構成部材310の締結部329に螺入される締結ネジを挿通可能に前板部371に穿設される挿通孔373と、第2構成部材350の締結部353に螺入される締結ネジを挿通可能に後板部372に穿設される挿通孔374と、を備える。
なお、第2構成部材350及び第2補助部材370を形成する材料は任意に設定可能であるが、本実施形態では、第2構成部材350を有色不透明の樹脂材料から形成し、第2補助部材370を無色透明の樹脂材料から形成している。
これにより、共通落下流路352を流れる球の視認性を落とし排出された球に対する注目力を下げることができると共に、第2補助部材370の背面側から光を取り入れることができるので、取り入れられる光によって手前側に配設される第1構成部材310を明るく照らすことができ、第1構成部材310を流下する球の視認性を向上することができる。
薄板部材380は、本体板部411のシート配設用凹部411a(図30参照)に収容されることで位置決めされる。このように位置決めされた状態で、遊技盤13の組立が行われ、薄板部材380は本体板部411と第1構成部材310とに前後方向で挟持される。
第1入賞口64に入球した球の流下の過程における前後左右の変位(配置変化)について説明する。まず、第1入賞口64に入球した球は、延設板部313に沿って後方に変位する。その後、第1実施形態で説明した振分け部983の回転変位によって左右に振り分けられ、傾斜延設部315に沿って左右外側へ変位する。
その後、方向切替部317によって流下方向を正面側へ切り替えられ、前方に変位する。球の流下方向を切り替えるための湾曲面が形成される案内部が流下する球の正面側に配置される場合には、その案内部が球への視線を遮り易く、視認性が低下する可能性があるが、本実施形態では、案内部としての立設湾曲部319は球の背面側に配置されるので、立設湾曲部319が球への視線を遮る可能性は低い。これにより、球の視認性を確保し易くすることができる。
その後、入賞用開口部323を真下に流下する球は、検出装置SE3に検知された後で、底面構成部327に沿って後方へ変位する。また、入賞用開口部323の上方において左右いずれかに変位し、排出用開口部325の真上に到達した球は、排出用開口部325を通過して底面構成部327に沿って後方へ変位する。
このように、本実施形態では、第1入賞口64に入球した球の配置を、入球当初は後側に寄せ、左右に流し、検出装置SE3を通過する直前で手前側に寄せるようにしている。
これにより、第1実施形態の構成に比較して、振分け部983の配置を後方に寄せることができると共に、延設板部313の下側にスペースを空けることができる。
この空いたスペースは、第2入賞口140の電動役物140aを動作させるための駆動機構を配置するためのスペースとして利用することができる。これにより、本実施形態では、第1実施形態に比較して、第2入賞口140の配置を第1入賞口64に近づけることができる。
また、振り分けられた後の球が流下する経路を、前後方向へ経路を切り替えるようにして構成することで、流路を一貫して上下方向に並べて構成する場合(例えば、振分ユニット980で上述した構成の場合)に比較して、流路の正面視における上下幅を短縮することができる。これにより、第1入賞口64に対する検出装置SE3の相対的な上下配置の設計自由度を向上することができる。
図35は、図18の範囲XXXVにおける遊技盤13の部分拡大正面図である。図35では、中央構成部材410及び薄板部材380が半透明に図示され、振分ユニット300が視認可能とされる。また、図35では、説明の便宜のために、電動役物140aの閉鎖状態および開放状態における外形が共に図示されている。なお、図35の説明では、図33及び図34を適宜参照する。
薄板部材380は、光透過性の樹脂材料から薄板状(シート状)に形成される部材であって、中央構成部材410を介して遊技者が視認可能となる部材である。敢えて図示はしないが、本実施形態では、薄板部材380の板正面に模様、図形、文字またはキャラクターが色彩豊かに描かれており、照射される光の態様の違い(色味や明暗の態様の違い)に応じて、薄板部材380を通して視認される色彩や明暗の態様が様々に変化する。
模様、図形、文字またはキャラクターをベース板60に直接描く場合と異なり、本実施形態によれば、薄板部材380を取り外せば薄板部材380に描かれた模様、図形、文字またはキャラクターを遊技盤13から取り去ることができるので、遊技盤13の見映えを容易に異ならせることができる。
例えば、遊技盤13の形状は同じものを流用しながら、遊技性を変える場合に(所謂、スペック違い)、遊技盤13に描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等を異ならせて、遊技者が遊技性を把握し易いようにする場合がある。
模様、図形、文字またはキャラクターがベース板60に直接描かれている場合には、ベース板60ごと取り替える必要が生じるので、実質、遊技盤13全体を取り替えることになり易く、遊技性変更にあたりコストが嵩み易い。
一方、本実施形態によれば、薄板部材380を、描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等が異なる別の薄板部材380と交換することで足りるので、遊技盤13全体を取り替える必要は無い。従って、遊技性変更のためのコストを抑制し易くすることができる。
薄板部材380に施す装飾の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、検出装置SE3の上方において無色透明な範囲を形成することで傾斜面部318を転動する球の視認性を向上させ、その他の部分においては図形や模様を密に描画して装飾性を向上させるようにしても良い。また、例えば、正面視で入賞用開口部323や、排出用開口部325に対応する箇所に数字等で目印をそれぞれ描き、どの目印に近接して球が流下したかによって遊技者が得られる利益を把握し易くするようにしても良い。
薄板部材380は、貫通孔60aよりも左右外側に張り出すように大きな形状で設計されており、ベース板60と中央構成部材410の本体板部411との間に挟まれるようにして配設される。
本実施形態では、薄板部材380の後端面と、第1構成部材310の前端部(例えば、支持延設部322の前端部)とが当接するように配置される。即ち、検出装置SE3が薄板部材380と近接配置されるので、検出装置SE3の検出孔SE1aを遊技者側に寄せることができる。これにより、検出装置SE3を通過する球の視認性を向上することができ、検出装置SE3を通過する球を見逃す事態が発生することを回避し易くすることができる。
また、検出装置SE3は、正面視において電動役物140aよりも左右外側に配置されており、電動役物140aに隠されることが無い。これにより、球の流下経路が電動役物140aに隠される場合(図5参照)に比較して、電動役物140aの状態(開放状態、閉鎖状態)に関わらず、検出装置SE3を通過する球の視認性を向上させることができる。
また、検出装置SE3は、中央構成部材410の本体板部411よりも後方に配置されているので、本体板部411の正面側における球の流下態様に影響を与えるものではない。即ち、検出装置SE3が本体板部411よりも前側(ベース板60の前端面よりも前側)に張り出して配置される場合に比較して、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
強度の関係で、本体板部411に釘を配設することはされないが、本実施形態では、釘の代替品として振分部413や湾曲状突設部414により球の経路を振り分けるよう構成されている。これにより、本体板部411の正面側における球の流下経路が単調となることを回避することができる。
検出装置SE3の検出孔SE1aを通って検出装置SE3に検知される球(入賞用開口部323を通過する球)と、排出用開口部325を通過する球とは、双方共に、傾斜面部318を転動して正面側へ変位する経路を通る。そのため、傾斜面部318に到達した球の個数と、検出装置SE3に検知される球の個数とには、差異が生じる場合がある。
傾斜面部318により球が手前側に変位することで球の視認性を向上することができるものの、入賞用開口部323を通ったのか、排出用開口部325を通ったのかの識別がし難い構成では、球が検出装置SE3を本当に通っていないのか、検出装置SE3を通っているのに検知不良が生じているのかの判別ができず、遊技者が不満を感じる可能性があった。
これに対し、本実施形態では、傾斜面部318から入賞用開口部323を通過する球は、入賞時流下経路FL31に沿って、正面視で下方へ流下するように視認されるのに対し、傾斜面部318から排出用開口部325を通過する球は、非入賞時流下経路FL32に沿って、正面視における流下方向が下向きから左右向きに90度切り替えられる。
即ち、球の流下方向に左右方向成分があるか、否かで、球が検出装置SE3を通過するか、否かの判別を行うことができるので、球の通過箇所を見間違う可能性を低くすることができる。これにより、検出装置SE3の検出孔SE1aを球が通過したか否かの判別を容易とすることができる。
入賞時流下経路FL31に沿って流下する遊技球も、非入賞時流下経路FL32に沿って流下する遊技球も、正面視において振分部413や湾曲状突設部414の付近を流下することから、その流下経路は特定入賞口65aへ向けて流下する遊技球の流下経路と重なるように視認される。
そのため、傾斜面部318を経て流下する遊技球が、あたかも特定入賞口65aへ向けて流下しているように遊技者に見せることができる。遊技者は、発射した遊技球の内、開閉板65bの上方までは到達したが特定入賞口65aに入らなかった遊技球(開閉板65bが閉鎖状態の時に通り過ぎた遊技球)の個数を、アウト口71に向けて内レール61を転動する遊技球を目視で確認して把握することが多い。しかし、傾斜面部318を経て流下する遊技球は入賞時流下経路FL31又は非入賞時流下経路FL32を流下した後は底面構成部327(図34参照)に沿って後方に流されるので、遊技球はアウト口71の手前には登場しない。
これにより、大当たり遊技実行中において第1入賞口64に入球した遊技球を、特定入賞口65aへ向けて流下しているように見える遊技球の個数に加算させることができるので、第1入賞口64に入球した遊技球の個数に関わらず、発射した遊技球のほとんどが特定入賞口65aに入球しているように錯覚させることができる。
更に、傾斜面部318を経て流下する遊技球と、実際に特定入賞口65aへ向けて流下している遊技球とは、配置が薄板部材380により前後で分断されているので、互いに衝突することは無い。これにより、特定入賞口65aへ向けて流下している遊技球の流下を阻害することなく、上述の錯覚を生じさせることができる。
なお、本実施形態では、非入賞時流下経路FL32が左右方向に流れる流路として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出装置SE3へ向けて傾斜面部318を流下した球が流れる経路において本体板部411及び薄板部材380に開口が前後方向に穿設されるように構成し、この開口を通ることで、非入賞時流下経路FL32が正面側に球が流れる流路として形成しても良い。
即ち、非入賞時流下経路FL32を流れる球が、本体板部411の正面側に再び戻り、アウト口71へ向けて流下するようにしても良い。この場合、開閉板65bが開放状態となっていれば、非入賞時流下経路FL32を流れた球が開閉板65bに拾われて、特定入賞口65aに入球し得る。
即ち、第1入賞口64に入球した球が本体板部411の前側に再び戻った後で、特定入賞口65aに入球し得るという遊技性を構成することができるので、第1入賞口64に入球した球に対する注目力(特に、開閉板65bが開閉動作する大当たり遊技中における注目力)を向上させることができる。
次いで、遊技盤13の背面側に締結固定される動作ユニット500(図17参照)の構造について説明する。動作ユニット500は、遊技盤13のベース板60(図2参照)に背面側から締結固定される。
図36、図37、図38及び図39は、動作ユニット500の正面図である。図36では、動作ユニット500の内部動作ユニット600の退避状態が図示され、図37では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図38では、内部動作ユニット600の張出状態が図示され、図39では、内部動作ユニット600の一の動作誤差限界状態が図示される。
本実施形態において、退避状態は、内部動作ユニット600の発光動作演出ユニット700が上下動作範囲の上側端位置に配置された状態であり、中間状態は、発光動作演出ユニット700が退避状態から前後傾倒方向の姿勢が維持されたまま動作可能な範囲の下側端位置に配置された状態であり、張出状態は、発光動作演出ユニット700が上下動作範囲の下側端位置に配置され、回転演出装置800の回転軸RJ1が前後方向を向いた状態である。
中間状態から張出状態への状態変化では、発光動作演出ユニット700の前後方向の姿勢変化(傾倒動作)が生じる。この姿勢変化は、所定の回転軸線(後述する中心軸J1)を中心とする回転動作として実行される。
本実施形態において、一の動作誤差限界状態は、発光動作ユニット700に設計上許容される左右方向の傾きが限界となった状態の内の一つの状態である。図39では、便宜上、発光動作ユニット700の右側部が退避状態と同じ位置に配置され、左側部が下方に位置ずれした状態として図示される。本実施形態では、一の動作誤差限界状態の傾斜角度を保ったまま、発光動作ユニット700を上下方向に動作させることが可能となるように、動作ユニット500が構成されているが、詳細は後述する。
図36に示すように、内部動作ユニット600の退避状態では、回転演出装置800の回転部材810は、装飾用の図形や模様が形成される装飾板811を正面側へ向けた姿勢とされる。
装飾板811に形成される図形や模様は、図37に示すように、背面ケース510の底壁部511に形成される図形や模様と関連する態様で形成され、内部動作ユニット600の中間状態において一体的に視認される(放射状に延びる直線形状および左右外側に形成される波模様の内、直線形状も含めて回転部材810に形成された状態で視認される)。
即ち、装飾板811に形成される図形や模様を、底壁部511と一体的に視認される図形の一部として設計することができるので、回転部材810の大きさが、回転部材810に形成される図形や模様を限定することを避けることができる。
また、図38に示すように、内部動作ユニット600の張出状態においては、発光動作演出ユニット700が前転方向に傾倒し、発光動作演出ユニット700の本体部材710に形成される図形や模様が正面視で視認される。
この図形や模様についても、背面ケース510の底壁部511に形成される図形や模様と関連する態様で形成され、内部動作ユニット600の張出状態において一体的に視認される(放射状に延びる直線形状および左右外側に形成される波模様の内、直線形状は底壁部511のみに形成され、本体部材710には波模様が形成された状態で視認される)。
即ち、本体部材710に形成される図形や模様を、底壁部511と一体的に視認される図形の一部として設計することができるので、本体部材710の大きさが、本体部材710に形成される図形や模様を限定することを避けることができる。
退避状態から張出状態へ向けて発光動作演出ユニット700は上下方向に変位するので、固定の底壁部511との関係において、退避状態で図形や模様が一体的に視認される状態から、底壁部511に形成される図形や模様と、回転部材810に形成される図形や模様とが、ずれ始める。
このずれは、上下方向の変位量が大きくなるほど目立つことになる。これに対し、本実施形態では、張出状態において発光動作演出ユニット700が傾倒変位することで遊技者に視認させる面を切り替え、底壁部511と一体的に視認される図形や模様を新たに遊技者に視認させることができる。従って、底壁部511に形成される図形や模様と、上下方向に変位する発光動作演出ユニット700(本体部材710、回転部材810)に形成される図形や模様とを、退避状態および張出状態において一体的に視認させるよう構成することができる。
ここで説明した発光動作演出ユニット700の上下方向変位中に、発光動作演出ユニット700の正面視における外形が変化する。これにより、単一の演出ユニットを、あたかも複数の異なる演出ユニットのように錯覚させることができ、動作演出の設計自由度を向上させることができる。
図40は、動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図41は、動作ユニット500の分解背面斜視図である。なお、図40及び図41では、背面ケース510の開口511aに配設される液晶表示装置(第3図柄表示装置81)の図示が省略され、開口511aを通して奥側を視認可能に図示される。
動作ユニット500は、底壁部511と、その底壁部511の外縁から立設される外壁部512とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース510を備える。背面ケース510は、底壁部511の中央に矩形状の開口511aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口511aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケース510は、外壁部512の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部513を備える。
支持板部513は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて円環状に突設される複数の位置決め凸部513aと、その位置決め凸部513aの中心部においてベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔513bと、をそれぞれ複数備える。
ベース板60の嵌合部60c(図21参照)に位置決め凸部513aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース510を位置決めし、締結ネジを挿通孔513bに挿通し、嵌合部60cの雌ネジに螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット500とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット500の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部513aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合部60cの外形(本実施形態では、円形)よりも若干小さな外形の環状の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(大径の環形状)の突部でも良い。また、嵌合部60cの外形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部513aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
動作ユニット500は、遊技盤13の背面側に配置され、発光手段や、動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニット500は、背面ケース510と、その背面ケース510に正面側から差し込まれて締結固定される装飾固定部材520と、背面ケース510の内側上部に配設される内部動作ユニット600と、背面ケース510の内側下部に配設される発光演出ユニット518と、を備える。
発光演出ユニット518は、振分ユニット300や入賞口構成部材400(図29参照)の後方から、前方に光を照射するユニットであって、振分ユニット300や入賞口構成部材400により形成される球の通過経路を明るく照らすよう機能する。
装飾固定部材520は、光透過性の樹脂材料から形成され、左右両位置に対称配置されると共にそれぞれ上下に分割可能な複数の薄板状部材から構成されるものであって、左上側に配置される第1固定部材530と、左下側に配置される第2固定部材540と、右上側に配置される第3固定部材550と、右下側に配置される第4固定部材560と、第1固定部材530及び第2固定部材540の背面側に配設される左側電飾基板570と、第3固定部材550及び第4固定部材560の背面側に配設される右側電飾基板580と、を備える。各部分の構成および役割について、図42及び図43を参照して説明する。
図42は、動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図43は、動作ユニット500の分解背面斜視図である。図42及び図43では、背面ケース510から装飾固定部材520が分解されて前方に配置され、背面ケース510から内部動作ユニット600が分解されて背面ケース510と装飾固定部材520との間に配置される状態が図示される。
第1固定部材530は、前後方向に延びる薄板状の差し込み板部531と、その差し込み板部531の前側部から右方に延設される前板部534と、差し込み板部531の前側部から左方に延設される外板部537と、を備える。
差し込み板部531は、内部動作ユニット600の受入孔623に差し込み可能な形状および配置で延設先端部から背面側に突設される複数の差し込み突部532を備え、内部動作ユニット600の外側部材610の外側傾斜変位を防止する役割がある。差し込み板部531と外側部材610との相対的な機能の説明は後述する。
前板部534は、左側電飾基板570の正面に配置され左側電飾基板570の外形に対応した形状から形成される(左側電飾基板570を覆うように形成される)板状部であって、左側電飾基板570の正面側に配設されるLED等の発光手段からの光を拡散させるために裏側に光拡散加工が形成される。尚且つ、内部動作ユニット600の外側部材610に締結固定される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔535を備える。
外板部537は、背面ケース510の外壁部512の前面部に当接可能な部分であって、外壁部512に形成される締結部512aに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔538を備える。
即ち、第1固定部材530は、動作ユニット500の組立状態(図36参照)において、背面ケース510の外壁部512と内部動作ユニット600の外側部材610とを連結固定する。
第2固定部材540は、第1固定部材530の前板部534と同様の前後位置で配置される板状部であって前板部534の下端から若干間隔を空けて配置される前板部541と、その前板部541の右下側部から右方に延設される締結用延設部544と、前板部541の左端部から左側へ延設される外板部547と、を備える。
前板部541は、左側電飾基板570の正面に配置され左側電飾基板570の外形に対応した形状から形成される(左側電飾基板570を覆うように形成される)板状部であって、左側電飾基板570の正面側に配設されるLED等の発光手段からの光を拡散させるために裏側に光拡散加工が形成される。
尚且つ、内部動作ユニット600の外側部材610に締結固定される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔542と、内部動作ユニット600の内側部材670に締結固定される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔543と、を備える。即ち、前板部541を介した締結固定によって、内部動作ユニット600の外側部材610と内側部材670との連結固定することができる。
連結用延設部544は、発光演出ユニット518の締結部518aに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔545を備える。外板部547は、背面ケース510の外壁部512の前面部に当接可能な部分であって、外壁部512に形成される締結部512bに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔548を備える。
即ち、第2固定部材540は、動作ユニット500の組立状態(図36参照)において、背面ケース510の外壁部512と、内部動作ユニット600の外側部材610及び内側部材670と、発光演出ユニット518と、を連結固定する。
第3固定部材550、第4固定部材560及び右側電飾基板580は、背面側に配置され覆われる対象となる内部動作ユニット600の内側部材670の形状の違いに起因して、第1固定部材530、第2固定部材540及び左側電飾基板570と形状が多少異なるが、基本的には第1固定部材530及び第2固定部材540と左右対称に形成され、有する構成と、各構成の役割は同様なので、重複する部分についての説明は省略すると共に第1固定部材530及び第2固定部材540の説明で上述した符号を便宜上図示する。
内部動作ユニット600及び装飾固定部材520の背面ケース510への組み付け順序について説明する。背面ケース510への組み付けは、まず内部動作ユニット600を先に背面ケース510に組み付けて(図40参照)、その後で装飾固定部材520を背面ケース510に組み付ける。
概要として、内部動作ユニット600の背面ケース510への組み付け工程は、まず左右の外側部材610及び内側部材670を背面ケース510に締結固定し、その後で背面ケース510の内側に正面側から発光動作演出ユニット700を入れて左右の外側部材610及び内側部材670の間に配置し、発光動作演出ユニット700を変位部材680との組み付け位置に配置し、脱落防止のための部材(ネジやカラー等)を正面側から締結部682に組み付けるという順序で作業を行う。
本実施形態では、発光動作演出ユニット700の組み付け作業時において、装飾固定部材520を背面ケース510に組み付けることを要しないので、背面ケース510の正面側を広く開け放つことができ、装飾固定部材520に作業者の手の動線が遮られることを回避することができる。これにより、作業効率を向上することができる。
尚且つ、装飾固定部材520の挿通孔535,538,542,543,545,548に締結ネジを挿通して締結固定する作業は、背面ケース510の正面側から行うことができるので、発光動作演出ユニット700を変位部材680に組み付ける作業の終了後に、背面ケース510の姿勢を変えずに、続けて装飾固定部材520の締結固定のための作業を行うことができる。これにより、作業効率を更に向上させることができる。次いで、組み付け作業の詳細について説明する。
図44は、図36のXLIV-XLIV線における動作ユニット500の断面図であり、図45は、図44の範囲XLVにおける動作ユニット500の部分拡大断面図であり、図46は、図36のXLIV-XLIV線における動作ユニット500の断面図である。
図44及び図45では、発光動作演出ユニット700が背面ケース510から分解されると共に、装飾固定部材520を組み付ける前の状態として装飾固定部材520の図示が省略される。一方、図46では、発光動作演出ユニット700及び装飾固定部材520が背面ケース510に組み付けられた状態(図36参照)が図示される。
本実施形態では、内部動作ユニット600と背面ケース510との固定のみでは十分な剛性を発揮しないように、締結位置が設計されており(例えば、締結位置が上下一方の端部のみに配置されており)、内部動作ユニット600は背面ケース510に対して左右外側に撓み変形可能(姿勢変化可能)に構成される(図45の想像線を参照)。
この撓み変形を利用して、発光動作演出ユニット700の組み付けを迅速に行うことが可能である。即ち、発光動作演出ユニット700の組み付けは、締結部682を発光動作演出ユニット700の被連結孔764に挿通させた状態で締結部682に締結ネジを螺入することで行われるところ、内部動作ユニット600が左右外側に撓み変形することで、発光動作演出ユニット700を締結部682へ向けて進入させる経路の寸法を固定時幅寸法W1から撓み時幅寸法W2に左右に広げることができるので、組み付け作業の作業性の向上を図ることができる。
この際、内部動作ユニット600が左右外側に撓み変形することにより、締結部682への締結ネジの進入方向が、背面側へ向かう程に左右内側へ向くような傾斜方向(正面側が左右外側に広がる傾斜方向)となる。
この場合、締結ネジを前後方向で進入させる場合に比較して、締結ネジを螺入するためのドライバーを発光動作演出ユニット700の装飾部材750から離した(避けた)状態(前後方向に対して傾斜した方向)で背面ケース510内に締結ネジを進入させることができる。
そのため、締結作業を容易とすることができると共に、ドライバーとの接触を避けることを目的の一つとして形状が設計される発光動作演出ユニット700の装飾部材750の設計自由度を向上させることができる。即ち、発光動作演出ユニット700の組み付け作業の作業効率を向上させると共に、装飾部材750の設計自由度を向上させることができる。
この効果を発揮可能とするために、本実施形態では、締結ネジが挿通される被連結孔764の長孔764aの左右方向寸法は、内部動作ユニット600の撓み変形による締結部682の配置ずれに対応可能な寸法(十分な左右長さ)で設計される。
なお、左右内側への内部動作ユニット600の撓み変形は、筒状部材695が背面ケース510の底壁部511に当接し抵抗が生じることから、左右外側への撓み変形に比較して生じ難いように構成されている。
本実施形態では、装飾固定部材520が組み付けられることにより、内部動作ユニット600の左右外側への撓み変形が抑制されるよう構成される。これは、内部動作ユニット600と背面ケース510との締結位置(背面ケース510の底壁部511に配置される締結位置、背面側寄りに配置される締結位置)よりも、内部動作ユニット600、装飾固定部材520及び背面ケース510の締結位置(背面ケース510の外壁部512や内部動作ユニット600の正面側に配置される締結位置、正面側寄りに配置される締結位置)の方が多いことや、装飾固定部材520の形状的工夫から効果が発揮される。
第1に、装飾固定部材520は、外壁部512又は支持板部513に締結固定される外板部547を備え、外壁部512と一体的に構成されている支持板部513はベース板60に締結固定される(図42参照)。即ち、支持板部513を介してベース板60に装飾固定部材520は変位を規制される。これにより、ベース板60の剛性を利用して、装飾固定部材520及び内部動作ユニット600の剛性を向上させることができることから、内部動作ユニット600の左右外側への撓み変形を抑制することができる。
第2に、装飾固定部材520の差し込み板部531が、内部動作ユニット600の左右外側に当接配置される。即ち、差し込み板部531により内部動作ユニット600の左右外側への撓み変形を抑制することができる。
これら第1の構成および第2の構成から、装飾固定部材520が組み付けられた状態において内部動作ユニット600が左右外側に撓み変形することを防止することができる。
加えて、装飾固定部材520は背面ケース510に正面側から組み付けられるよう構成されており、発光動作演出ユニット700は背面ケース510に正面側から組み付けられるよう構成されているので、背面ケース510の姿勢を変えることなく、発光動作演出ユニット700の組み付けに続いて装飾固定部材520を組み付けるように一連の流れで組み付け作業を行うことができる。従って、組み付け作業の効率化を図ることができる。
一方、メンテナンス等で発光動作演出ユニット700を締結部682から取り外す作業が、装飾固定部材520を取り外すことなく実行可能に構成した方が、メンテナンス作業の工数を減らすことができ効率が良い。
ここで、装飾固定部材520の背面側には電飾基板570,580が配設されており(図42参照)、電飾基板570,580を左右内側に張り出すように構成した方が、発光演出の演出範囲を広げることができ、演出効果を向上させることができる。
これに対し、本実施形態のように電飾基板570,580が左右内側に張り出して配置されていると、メンテナンス作業者が発光動作演出ユニット700を正面側に移動させる際に、発光動作演出ユニット700の左右端部に形成される連結板部765が電飾基板570,580と衝突し、電飾基板570,580が破損する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、後述する内側部材670の延設壁部677の正面側縁部から左右内側へ向けて、電飾基板570,580の背面を覆うために十分な形状で保護延設部677bが延設される(図42参照)。
保護延設部677bは、電飾基板570,580の上側部における左右内側の縁部の形状に対応した形状線S51(図42参照)と同様の形状で左右内側端部が形成され、形状線S51に対応する位置まで延設される。
これにより、電飾基板570,580を背面側から支える面積を大きくすることができると共に、電飾基板570,580の上側部の背面を保護延設部677bにより防護することができるので、メンテナンス作業時に電飾基板570,580と発光動作演出ユニット700とが接触することを回避することができる。
一方、形状線S51の下端よりも下方では、電飾基板570,580の形状によらず、左右内側への延設部分の形成が省略される。従って、この位置において発光動作演出ユニット700を取り外す作業を行う場合には、発光動作演出ユニット700と電飾基板570,580とが接触する可能性が残る。
これに対し、本実施形態では、発光動作演出ユニット700が下降変位すると共に姿勢変化するよう構成されており(図37及び図38参照)、姿勢変化により締結部682の向きが前後方向から上下方向に変化して締結ネジにドライバーを差しこむことができなくなるので、発光動作演出ユニット700を取り外す作業は、発光動作演出ユニット700の姿勢が変化する前に実行されるよう構成される。従って、保護延設部677bは、発光動作演出ユニット700の姿勢が変化する前に配置される位置において形成すれば十分であり、本実施形態では、そのように設計されている(図37参照)。
このように、保護延設部677bを上下全範囲に亘り形成するのではなく、発光動作演出ユニット700と電飾基板570,580との接触を避けるための必要最小限の範囲の形成に留めることにより、保護延設部677bの形成範囲を狭めることができる。
換言すれば、本実施形態では、発光動作演出ユニット700を取り外す作業を行うことができる発光動作演出ユニット700の配置を内部動作ユニット600の退避状態と中間状態との間の配置に制限するように構成することで、保護延設部677bの形成範囲の縮小を図っている。
なお、本実施形態では、装飾固定部材520を背面ケース510から取り外した後で発光動作演出ユニット700を取り外すことも当然可能である。この場合には、組み付け作業時と同様に、内部動作ユニット600を左右外側に撓み変形させることで、発光動作演出ユニット700を取り出す経路の左右幅を広くすることができるので、発光動作演出ユニット700が保護延設部677bと接触することを回避することができる。
図47は、動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図48は、動作ユニット500の分解背面斜視図である。図47及び図48では、主に内部動作ユニット600を分解した状態が図示されており、装飾固定部材520の図示が省略される。
図47及び図48に示すように、内部動作ユニット600は、背面ケース510の底板部511に締結固定される外側部材610と、その外側部材610に上下方向へ変位可能に支持されると共に左右方向内側に配置される昇降板部材630と、その昇降板部材630を昇降させるための駆動力を発生させる装置であって外側部材610に締結固定される駆動モータ648と、その駆動モータ648の駆動軸に固定され昇降板部材630に駆動力を伝達する伝達ギア649と、昇降板部材630に上向きの付勢力(引っ張り方向の負荷)を与えるコイルスプリングSP1と、を備える。
また、内部動作ユニット600は、昇降板部材630の移動の抵抗力を発生可能に構成される抵抗発生装置650と、外側部材610との間に昇降板部材630を配置させるよう左右方向内側に配置され外側部材610に左右方向で挿通される締結ネジによって外側部材610に締結固定される内側部材670と、その内側部材670に変位可能に支持されると共に左右方向内側に配置される変位部材680と、内側部材670の上端部背面側において左右内側から締結固定される回転姿勢補助部材690と、変位部材680に両端部を連結される発光動作演出ユニット700と、を備える。
内部動作ユニット600は、概略左右対称に構成されるユニットであって、発光動作演出ユニット700が左右中心に配置され、発光動作演出ユニット700の左右両側において背面ケース510側に固定配置される略共通の構成により発光動作演出ユニット700が動作可能に支持される。
以下、内部動作ユニット600の各構成の詳細について、図47の各範囲を拡大して図示した図49及び図50を参照して説明する。なお、図49及び図50の説明では、図47及び図48を適宜参照する。
図49(a)は、図47の範囲XLIXaにおける外側部材610、昇降板部材630及び抵抗発生装置650の分解正面斜視図であり、図49(b)は、図47の範囲XLIXbにおける外側部材610の正面斜視図であり、図50(a)は、図47の範囲Laにおける昇降板部材630、内側部材670、変位部材680及び回転姿勢補助部材690の分解正面斜視図であり、図50(b)は、図47の範囲Lbにおける変位部材680及び回転姿勢補助部材690の分解正面斜視図である。
図49(a)及び図49(b)に示すように、外側部材610は、上下方向に長尺の板状に形成される板状部611と、その板状部611の左右外側(背面ケース510の外壁部512であって組立状態において近接する外壁部512側)に壁状に延設されると共に板状部611の左右外側の領域を区画するように形成される延設壁部621と、を備える。
板状部611は、上下方向に長尺の長円形で穿設される上下一対の長孔612と、上側の長孔612の後方において上下方向に長尺で幅広(長孔612よりも幅広)の長円形で穿設される配線通し孔613と、下側の長孔612の後方において左右外側に円柱状に突設される上下一対の案内突設部614と、を備える。
長孔612は、昇降板部材630の変位方向を制限するための長孔であり、上側と下側とに一対が配置される。長孔612の前後幅は、挿通される昇降板部材630の上締結部632及び下締結部633の直径よりも若干広く形成されているので、昇降板部材630の前後方向への変位は小さくなる。これら一対の長孔612は、前後配置を敢えてずらして形成されている。即ち、下側の長孔612の方が、上側の長孔612に比較して前側に配置されている。
これにより、昇降板部材630の上側部の支持位置が昇降板部材630の下側部の支持位置に比較して後側となるので、昇降板部材630の上側部に吊り下げられる態様の昇降板部材630の下側部は、重力により後側に付勢される。
これにより、昇降板部材630のラックギア部634を伝達ギア649側に寄せることができるので、ラックギア部634が伝達ギア649から脱落することを回避することができ、歯合関係の適正化を図ることができる。
配線通し孔613は、発光動作演出ユニット700の内部において接続される電気配線であって、脱落防止カラー部材685の異形開口部685aを通り内側部材670の左右外側に位置した電気配線を通し、外側部材610の左右外側へ排出するための開口部である。
案内突設部614は、抵抗発生装置650の前後変位部材653の変位を案内する部分として機能する。即ち、前後変位部材653が前後方向に変位できるよう案内すると共に、前後変位部材653が前後に傾倒して姿勢変化することを防止するように機能するが、詳細は後述する。
延設壁部621は、正面側端部に配置され装飾固定部材520に挿通される締結ネジを螺入可能に構成される複数の締結部622と、背面側に配置され装飾固定部材520の差し込み板部531の差し込み突部532(図43参照)を差し込み可能に形成される上下一対の受入孔623と、を備える。なお、正面側端部に配置される締結部622以外の締結部は、主に電飾基板570,580(図40参照)を締結固定するための締結部である。
昇降板部材630は、長尺方向を上下方向に向ける長尺本体部631と、その長尺本体部631から左右外側に突設形成され外側部材610の上側の長孔612に挿通されると共に締結ネジを螺入可能に形成される一対の上締結部632と、長尺本体部631から左右外側に突設形成され外側部材610の下側の長孔612に挿通されると共に締結ネジを螺入可能に形成される一対の下締結部633と、長尺本体部631の背面側にギア歯状に形成され伝達ギア649と歯合されるラックギア部634と、を備える。
また、昇降板部材630は、長尺本体部631の下端部から背面側に延設され不図示の位置検出装置の検出溝に配置されることで長尺本体部631の位置を検出可能に構成される被検出部635と、一対の上締結部632の中間位置において前後方向に長尺の長孔として長尺本体部631に穿設される前後長孔636と、板状部611の左右外側に配置され挿通されている締結ネジにより上締結部632に締結固定される脱落防止板637と、板状部611の左右外側に配置され挿通されている締結ネジにより下締結部633に締結固定される被当接板638と、動作時の摩擦抵抗の低減のために上締結部632及び下締結部633に組み付けられるリング部材C1と、を備える。
上締結部632と下締結部633とは、外側部材610の長孔612の前後配置に対応して配置される。そのため、下締結部633は、上締結部632よりも前側に配置される。
前後長孔636は、内側部材670の第2長孔673や湾曲長孔674に挿通される金属棒状部材686の前後移動を案内する長孔であり、第2長孔673及び湾曲長孔674が形成される範囲の前後幅以上の前後長さで形成される。
昇降板部材630の上締結部632が上側の長孔612に挿通された状態で上締結部632の先端側に脱落防止板637が締結固定され、且つ、下締結部633が下側の長孔612に挿通された状態で下締結部633の先端側に被当接板638が締結固定されることにより、外側部材610に昇降動作可能に支持される昇降板部材630の外側部材610からの脱落を防止し易くすることができる。
被当接板638は、左右外側にコイルスプリングSP1の下端部を係止するための係止部を備える。コイルスプリングSP1の上端部は外側部材610の板状部611の左右外側に形成される係止部638aに係止される。即ち、コイルスプリングSP1は、被当接板638を上方に付勢する付勢力(引っ張り力)を生じる。
脱落防止板637が長円形で形成されているのに対して、被当接板638は、矩形状に形成されている。これにより、抵抗発生装置650との当接面積を大きくすることができ、衝突時に生じる単位面積当たりの負荷の大きさを低減することができるが、詳細は後述する。
抵抗発生装置650は、プランジャーの出没方向を前後方向とするソレノイド651と、そのソレノイド651を収容し外側部材610の左右外側に固定するための固定カバー652と、ソレノイド651のプランジャーに係止されると共に外側部材610の案内突設部614に案内されることで前後方向に変位可能に構成される前後変位部材653と、を備える。
固定カバー652は、外側部材610に螺入される締結ネジを挿通可能な挿通孔としてソレノイド651の上下両位置に穿設される複数の挿通孔652aと、外側部材610の案内突設部614の先端部が嵌合可能な配置寸法で凹設される上下一対の嵌合部652bと、を備える。
前後変位部材653は、上下両側において案内突設部614が挿通される長孔として前後長尺で穿設される一対の被案内長孔653aを備える。被案内長孔653aが案内突設部614に挿通された状態で、案内突設部614の先端部に固定カバー652の嵌合部652bが嵌合されることにより、前後変位部材653の案内突設部614からの脱落防止を図ることができる。
内側部材670は、図50(a)及び図50(b)に示すように、外側部材610の板状部611と左右方向で対向配置される板状部671と、その板状部671の左右外側に壁状に延設される延設壁部677と、板状部671の上端側後方部において左右内側に矩形状に張出形成される矩形張出部678と、を備える。
板状部671は、昇降板部材630の前後位置よりも背面側において上下方向に長尺の長孔として穿設される第1長孔672と、その第1長孔672よりも正面側で第1長孔672の上端部よりも上側に位置ずれした上端部から第1長孔672と平行に延びる長孔として穿設される第2長孔673と、その第2長孔673の下端部に連結される湾曲形状の長孔として穿設される湾曲長孔674と、を備える。
板状部671の背面ケース510との連結部として、図48では左側の内側部材670の上端部背面側においてのみ締結部が図示されており、その他に内側部材670の背面側に締結部の図示は無い。このことからも分かるように、板状部671の位置固定は、主には背面ケース510との直接の締結固定ではなく、背面ケース510に締結固定される外側部材610や装飾固定部材520(図40参照)を介しての締結固定によるものである。換言すれば、板状部671は背面ケース510との間接的な締結固定により、背面ケース510との固定力が生じている。
板状部671は、外側部材610の板状部611に左右外側から左右方向に挿通される締結ネジが螺入される締結部671aを複数備えており、締結ネジの螺入により内側部材670が外側部材610に締結固定される。
第1長孔672は、第2長孔673及び湾曲長孔674の幅よりも幅が太く形成される。これにより、本実施形態では、第1長孔672を電気配線の通し孔として利用することができ、発光動作演出ユニット700に接続される電気配線が左右一対の内側部材670の左右内側領域に露出することを防止することができるが、詳細は後述する。
第2長孔673及び湾曲長孔674は、同一幅で形成されている。湾曲長孔674の湾曲形状は、第1長孔672に案内される変位部材680の筒状部684が第1長孔672の下端に位置する状態で筒状部684の中心を軸とする円弧形状として形成される。
延設壁部677は、板状部671から左右外側へ第1長孔672を囲むように形成される区画壁部677aと、正面側縁部から左右内側へ向けて電飾基板570,580の背面を覆うために十分な形状で延設される保護延設部677bと、を備える。
変位部材680は、左右内側が開放される略矩形の箱形状に形成される箱状本体部681と、その箱状本体部681の短手方向側壁部から外側に突設形成される一対の締結部682と、箱状本体部681の左右外側側面に沿って延設される延設部683と、箱状本体部681の隅部から左右外側方向に円筒状に張り出す筒状部684と、その筒状部684の先端側に締結固定される脱落防止カラー部材685と、延設部683の基端側において円形の凹部として形成される嵌合凹部683aに嵌合固定される金属棒状部材686と、相対変位する部材間の隙間に配置され金属棒状部材686が挿通される複数のリング部材687と、筒状部684が挿通される大径リング部材688と、発光動作演出ユニット700を前後で挟むように配置された状態で(図46参照)、締結部682に挿通される前後リング部材689と、を備える。
締結部682は、発光動作演出ユニット700の被連結孔764に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部を有しており、この締結ネジにより、発光動作演出ユニット700が変位部材680に連結される。
延設部683は、発光動作演出ユニット700を変位部材680に組み付ける際に、発光動作演出ユニット700が内側部材670に接触しないように防護する部分として機能する(延設部683及び発光動作演出ユニット700の配置関係について図45及び図46参照)。
筒状部684は、内周側において箱状単体部681を左右方向に貫通するように形成される異形開口部684bと、その異形開口部684aを通る中心軸を挟んだ両位置に脱落防止カラー部材685に挿通された締結ネジを螺入可能に形成される締結部684aを備える。
筒状部684は、内側部材670の第1長孔672に挿通された状態で、脱落防止カラー部材685が締結固定される。脱落防止カラー部材685の中央部には、筒状部684の異形開口部684bと同程度の大きさの開口として異形開口部685aが形成されている。
即ち、脱落防止カラー部材685が筒状部684に締結固定された状態において、筒状部684及び脱落防止カラー部材685の内周側には左右方向に貫通する開口が形成される。この開口は、発光動作演出ユニット700に接続される電気配線の通し孔としての機能を有する。このことについて、ここで説明する。
発光動作演出ユニット700に一端が接続されている電気配線の他端側は、発光動作演出ユニット700の配線通し孔762(図48参照)から外側に出され、変位部材680の筒状部684の異形開口部684bおよび脱落防止カラー部材685の異形開口部685aを通って内側部材670の第1長孔672よりも左右外側に出され、更に、外側部材610の配線通し孔613を通って板状部611よりも左右外側に出される。
異形開口部685aは、単純な円形開口ではなく、円形状の直径位置から内側に突設される突設部(締結ネジが挿通される部分)を備えており、異形開口部685aが周方向で回転した場合に突設部が電気配線を引っ掛けることで、電気配線を周方向に変位させる。
これにより、異形開口部685aと電気配線との間で生じる擦れを抑制できるので、電気配線の断線を防止し易くすることができる。
電気配線の他端側は板状部611よりも左右外側から背面ケース510の背面側に這わされ、個別の中継基板に接続される。板状部611よりも左右外側の領域は、少なくとも装飾固定部材520に隠される(図40参照)。
電気配線の一端側において、発光動作演出ユニット700と変位部材680との間の位置において電気配線が露見する可能性が考えられるが、本実施形態では、箱状本体部681が電気配線を覆い隠すように左右内側に延設されていると共に、発光動作演出ユニット700の延設板部763が配線通し孔762よりも前側において電気配線を正面視で覆うように延設されている(図48参照)。これにより、発光動作演出ユニット700と変位部材680との間の位置において電気配線が露見することを防止し易くすることができる。
このように電気配線を通すことによって、左右一対の内側部材670の左右内側の領域に電気配線が露見する事態を回避することができる。そのため、遊技者に電気配線が視認される場合に生じがちな問題点として、電気配線が第3図柄表示装置81の手前側に配置され表示を隠すことにより視認性を低下させるという問題点や、電気配線がまとまりなく配置されることで汚く見えてしまい演出効果を低下させるという問題点を、解消することができる。即ち、第3図柄表示装置81の視認性を向上することができると共に電気配線を遊技者から隠すことができる。
この時、区画壁部677aによって、外側部材610と内側部材670との間の隙間における電気配線の配置を制限することができるので、区画壁部677aよりも正面側に配置される昇降板部材630と電気配線とが接触する事態を回避することができる。
金属棒状部材686は、左右外側の端部にEリングが嵌め込まれることで鍔付きの棒形状とされることで、左右外側端部から部材が脱落することを防止している。金属棒状部材686の挿通順序としては、左右内側の端部が、リング部材687、昇降板部材630の前後長孔636、リング部材687、内側部材670の第2長孔673(湾曲長孔674)、リング部材687、変位部材680の嵌合凹部683aの順に差し込まれ、延設部683の嵌合凹部683aに嵌合固定される。
このように、金属棒状部材686は、昇降板部材630及び内側部材670に挿通される部材であって、上下方向配置は昇降板部材630の昇降動作による配置変化に依存し、前後方向配置は第2長孔673及び湾曲長孔674の配置に依存する。この金属棒状部材686の配置の変化により、金属棒状部材686が嵌合固定される変位部材680及び発光動作演出ユニット700の配置や姿勢が変化するよう構成されているが、変位部材680及び発光動作演出ユニット700の配置や姿勢の変化については後述する。
前後リング部材689は、箱状本体部681側に配置される板状リング部材689aと、円筒の端部に外側に広がる鍔が形成される鍔付きリング部材689bと、を備える。
板状リング部材689aと鍔付きリング部材689bは、前後に並ぶそれぞれの板状部によって発光動作演出ユニット700を挟むように構成され、鍔付きリング部材689bの円筒状部689b1が、後述する中間連結部材760の被連結孔764の内周側に配置される。
回転姿勢補助部材690は、内側部材670の矩形張出部678の左右内側に配置され、左右内側から挿通される締結ネジが矩形張出部678の締結部に螺入されることにより矩形張出部678に締結固定される。
回転姿勢補助部材690は、左右内側が開放される箱状に形成され矩形張出部678に締結固定される箱状本体部691と、その箱状本体部691の左右内側に配置され箱状本体部691に回転可能に軸支される筒状部材695と、を備える。
箱状本体部691は、背面側の左右内側端部から下方へ延設される延設部692を備え、その延設部692の左右内側において左右方向に延びる回転軸で筒状部材695が支持されている。即ち、筒状部材695は、箱状本体部691の背面側端部および下側位置に配置されており、遊技者から遠ざけられた配置であるので、筒状部材695が過度に目立つことを避けることができる。
発光動作演出ユニット700は、左右両側に配置される変位部材680の締結部682に連結されるユニットであり、左右両側の変位部材680の配置や姿勢が変化することによって配置や姿勢が変化する。
図51は、発光動作演出ユニット700の分解正面斜視図であり、図52は、発光動作演出ユニット700の背面分解斜視図であり、図53は、発光動作演出ユニット700の分解正面斜視図である。なお、図53では、発光動作演出ユニット700を見上げる方向視における分解図が図示される。また、図53では、発光動作演出ユニット700に加えて、変位部材680が対応する配置で図示される。
発光動作演出ユニット700は、回転演出装置800が配設される本体部材710と、その本体部材710の下側に配置され本体部材710に締結固定される下板部材730と、本体部材710と下板部材730との間に配置され空間の正面側を塞ぐ中間板部材740と、その中間板部材740の正面側に固定される複数の装飾部材750と、本体部材710の左右両側に配置され左右外側から挿通される締結ネジにより本体部材710に締結固定される左右一対の中間連結部材760と、を備える。
本体部材710は、下側および正面側が開放される箱形状に形成され、下板部材730に下方から挿通される締結ネジが螺入可能に形成される複数の締結部711と、天板の正面側縁から下方に延設される前縁部712と、その前縁部712との間に中間板部材740を挟持可能な寸法で前縁部712に対向配置される複数の挟持部713と、左右両側において天板と背面側壁部とを連結するように形成される左右一対の被固定板部720と、を備える。
被固定板部720は、中間連結部材760を面で支持可能となるように左右方向軸と交差する平面に沿う平板形状で形成され、中間連結部材760に左右外側から挿通される締結ネジが螺入可能に形成され中間部材760の締結固定に利用される複数の締結部721と、背面側下端部において略半円形状に凹設される凹設部722と、を備える。
凹設部722は、半円形状の中心軸が、中間連結部材760に穿設される配線通し孔762の中心軸と揃うように形成される。これにより、凹設部722と下板部材730とで形成される開口部と、配線通し孔762とを左右一直線に並べることができるので、電気配線を配線通し孔762に通し易くすることができる。
下板部材730は、本体部材710の締結部711に螺入される締結ネジを挿通するための複数の挿通孔731と、前縁部付近において、前後に対向配置される複数の突条部732と、を備える。
下板部材730は、下面左右外側部に光拡散加工が施されており、部材を通して奥側を見る際の視認性が低下するように形成されている。これにより、見上げる方向視(図53参照)で下板部材730側から発光動作演出ユニット700を視認する場合であっても、その内部に配置される電気配線や、駆動装置等を視認し難くすることができる。
また、下板部材730の下面左右内側部(図53において略円形の白塗り部)には、模様や図形等を描くようにしても良い。これにより、発光動作演出ユニット700が内部動作ユニット600の退避状態(図36参照)において、第3図柄表示装置81の前方上側に配置されることで遊技者に下面が視認される状況においても、発光動作演出ユニット700の模様や図形を遊技者に視認させることで、演出効果を維持することができる。
突条部732は、本体部材710の前縁部712及び挟持部713と同様の機能を奏するように形成される。即ち、中間板部材740を挟持可能な寸法で前後に並べて併設される。
中間板部材740は、下板部材730の前縁部の形状に沿って左右中央部が正面側に張り出すように湾曲する薄板形状に形成され、背面側に複数の電飾基板741が締結固定される。
中間板部材740は、本体部材710と下板部材730とに挟まれることにより保持される。即ち、中間板部材740の上縁部は本体部材710の前縁部712と挟持部713とに挟持され、中間板部材740の下縁部は下板部材730の突条部732に挟持されることにより保持される。従って、中間板部材740を本体部材710や下板部材730に締結固定する場合に比較して、組立用の締結ネジの本数を削減することができる。
電飾基板741は、左右中央と、左右両側とに配置され、正面側に配置されるLED等の発光手段から正面側に光を照射可能に構成される。これにより、装飾部材750を発光させる発光演出を実行することができる。
電飾基板741に配置される発光手段からは正面側へ光が照射されるのみであり、下方(下板部材730側)に光を照射する発光手段が配置されてはいないが、下板部材730を遊技者が視認する場合、発光動作演出ユニット700の配置は第3図柄表示装置81の斜め前上側(図36参照)となるので、第3図柄表示装置81から照射される光が下板部材730に照射されることになる。即ち、下板部材730の明るさを第3図柄表示装置81から照射される光により確保することができるので、下板部材730の演出効果が低下する可能性を低くできる。
装飾部材750は、中間板部材740の左右中央位置に配置される装飾部材であって薄肉形成される樹脂材料によって立体形状を構成した中央装飾部材751と、その中央装飾部材751の左右両側に配置され中間板部材740に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで中間板部材740に締結固定される左右一対の被締結部材755と、を備える。
被締結部材755は、締結ネジが螺入される複数の締結部756を備えており、中央装飾部材751は、締結部756の外径よりも若干大きな内径で締結部756に対応する位置に穿設される複数の位置保持用孔752を備える。
中央装飾部材751の中間板部材740への固定は、中央装飾部材751専用の固定手段によるものではなく、被締結部材755を中間板部材740に締結固定するための締結部756を挿通させることで行われている。そのため、中央装飾部材751を中間板部材740に組み付けるための作業工数を削減することができると共に締結ネジの本数を削減することができる。
また、本実施形態では、複数の締結部756の間が断面湾曲形状の板状部757により連結されるよう形成されている。板状部757は、中央装飾部材751の縁部であって中間板部材740の前面に面で当接する基端側当接面部753に対応する形状とされる。
これにより、締結部756に締結ネジが螺入されることで被締結部材755が中間板部材740に締結固定された状態において、基端側当接面部753を、板状部757と中間板部材740とで挟むようにして支持することができるので、中央装飾部材751の配置を安定させることができる。
図54(a)から図54(d)を参照して、中間連結部材760について説明する。なお、図54(a)から図54(d)の説明では、図51から図53を適宜参照する。
図54(a)は、右側の中間連結部材760の正面図であり、図54(b)は、図54(a)の矢印LIVb方向視における中間連結部材760の側面図であり、図54(c)は、図54(a)の矢印LIVc方向視における中間連結部材760の側面図であり、図54(d)は、図54(a)のLIVd-LIVd線における中間連結部材760の断面図である。
中間連結部材760は、本体部材710の被固定板部720と対向配置される部分であって締結部721に螺入される締結ネジが挿通される複数の挿通孔761aを有する板状部761と、その板状部761の背面側下部において左右方向に穿設される配線通し孔762と、板状部761から左右方向に平面板状に延設される延設板部763と、その延設板部763の幅方向外側部において穿設される被連結孔764と、延設板部763の幅方向中央部において板状部761と連結するように延設される一対の連結板部765と、延設板部763の幅方向片側端部(下板部材730側端部)から正面側(中間板部材740側)に延設される遮蔽延設板766と、を備える。
中間連結部材760の上下方向略中央部において前後に配置される2つの挿通孔761aを結ぶ直線と、水平に向く水平直線HL71との間の角度は、傾斜角度θ71として設計されている。傾斜角度θ71の角度は何ら限定されるものではないが、本実施形態では、傾斜角度θ71は約5度とされる。
延設板部763が形成される平面は、重力の方向に向く(水平直線HL71に対して直角な方向を向く)鉛直直線VL71上に配置される(角度が0とされる)。延設板部763が鉛直直線VL71上に配置されることで、上述したような、発光動作演出ユニット700を変位部材680へ前側から組み付ける際の作業を行い易くすることができる。
挿通孔761aの傾斜角度θ71は、変位部材680に発光動作演出ユニット700が組み付けられた状態における回転演出装置800の回転部材810の傾斜角度に対応する。従って、中間連結部材760を変位部材680に組み付ける作業の作業性は維持しながら、発光動作演出ユニット700の回転演出装置800の初期姿勢を傾斜させるという設計(図55参照)を実現することができる。
この場合、内部動作ユニット600の退避状態または中間状態においても、回転演出装置800の回転部材810から照射される光の光軸を斜め前方向に向けることができる。
これにより、回転部材810から照射される光によって、遊技盤13の周縁部付近(例えば、第3図柄表示装置81からの光が届きにくい箇所)を照らすことができるので、遊技盤13の全体を明るく視認させ易くすることができる。
被連結孔764は、延設板部763に2箇所ずつ形成されるが、左右で形状が異なるように形成されている。即ち、左側の中間連結部材760では、延設板部763の幅方向両側共に、左右に長尺の長孔764aが形成される。一方、右側の中間連結部材760では、延設板部763の幅方向片側(図36上側)においては長孔764aが形成され、幅方向反対側(図36下側)においては略円形状で穿設される支持孔764bが形成される(図36参照)。
連結板部765は、板状部761と延設板部763との角度関係(位置関係)を保持可能に補強するための部分である。図53に示す姿勢では、板状部761を支える延設板部763の幅方向が上下方向(重力方向)に沿うので、発光動作演出ユニット700の自重によって板状部761に対して延設板部763が折れ難い。
一方で、後述するように、中間連結部材760は傾倒動作可能に構成されており、約90度前倒れした場合には延設板部763の幅方向が前後方向(重力方向と直交する方向)に沿うので、発光演出ユニット700の自重によって板状部761に対して延設板部763が折れ易い。
これに対し、本実施形態では、連結板部765によって補強がされているので、板状部761に対して延設板部763が折れる事態の発生を防止し易くすることができる。即ち、中間連結部材760が姿勢変化することにより生じる不具合(折れ損の発生)を回避し易くすることができる。
遮蔽延設板766は、見上げる方向視において被連結孔764への視界を遮る機能(図53参照)と、外側面(図53下面)に装飾模様が形成されていることで装飾による演出面積を広げる機能と、を備える。
図53に示すように、中間連結部材760の遮蔽延設板766の下側面に装飾模様が形成されているのと同様に、変位部材680の箱状本体部681の下側面にも縞模様が形成されている。そのため、遮蔽延設板766の下側面と箱状本体部681の下側面とを一体的に視認させ易くすることができるので、装飾用の模様(装飾模様、縞模様)が形成されている面積を広げて視認させることができる。
これにより、動作ユニット500の組立状態(図36参照)において、発光動作演出ユニット700を見上げる方向視における中間連結部材760及び変位部材680の演出効果を向上させることができる。
従って、見上げる方向視において、発光動作演出ユニット700の左右中央部を視認される場合だけでなく、左右端部を視認される場合においても、発光動作演出ユニット700を利用した演出効果を向上することができる。
回転演出装置800は、回転部材810と、その回転部材810を回転変位させるための駆動力を発生する駆動モータ820と、回転部材810と同期回転し回転部材810の姿勢を検出する姿勢検出手段830と、を備える。
回転部材810は、発光動作演出ユニット700の本体部材710に回転可能に支持されるところ、その支持には低摩擦のベアリングを利用している。これにより、回転部材810が回転駆動される場合においても、回転部材810の回転に伴う負荷の内、発光動作演出ユニット700に伝達される程度を低減することができる。
回転部材810は、装飾が形成される装飾板811と、装飾板811と対応する外形形状で形成され装飾板811と対向配置される放熱板812と、装飾板811及び放熱板812が締結固定され断面円形で形成されると共にその断面円形状の中心位置で円周方向に回転可能となるように本体部材710に支持される回転基礎部材813と、装飾板811と放熱板812との間に配置されるアーチ形状透過部材814と、を備える。
装飾板811及び放熱板812は、有色(本実施形態では黒色)の樹脂材料から形成される類似形状の部材であって、装飾板811には主に図形や模様などの装飾が形成される一方、放熱板812には回転基端側としての回転基礎部材813側から、回転先端側(回転部材810の長手方向端側)へ向けて列設される吸気用開口812aが穿設される。
アーチ形状透過部材814は、無色透明の樹脂材料から形成されると共に装飾板811及び放熱板812の湾曲面に沿った形状のアーチ形状とされており、装飾板811と放熱板812との間に固定されている。アーチ形状透過部材814を通して、装飾板811と放熱板812との間に配設される電飾基板(図示せず)に配置されるLED等の発光手段から照射される光が、回転部材810の回転軸と平行な方向に進行する。
電飾基板に配設されるLED等の発光手段は、吸気用開口812aと同様に回転部材810の湾曲形状に沿って列設され、その列設の間隔は吸気用開口812aよりも狭く設定される。この複数のLEDの点灯消灯を、回転部材810の回転(回転発光演出)に合わせて実行することで、光の残像によって特定の表示を視認させる残像表示(残像効果による残像表示)を実行可能となる。
各LEDから照射される光は、回転部材810の内部において回転径方向で隣り合わせとなるように仕切られると共に回転軸と平行な方向に延びる各通路を進行するように構成され、他の通路に入り込まないように形成される。これにより、各LEDから照射される光の進行経路(回転発光演出におけるLED光の変位軌跡の直径)を明確とすることができるので、残像表示を明確な表示として視認させることができる。
アーチ形状透過部材814の凹側面には、粗面加工(拡散加工)が形成される。これにより、LED光を乱反射させて拡散させることができるので、LED光を直接視認する場合に比較して、眩しさが抑えられる。
放熱板812の吸気用開口812aについて説明する。吸気用開口812aは、回転部材810の回転周方向の接線方向に穿設されており、回転部材810の回転変位時に装飾板811と放熱板812との間に空気を取り込むように作用する。
装飾板811及び放熱板812の間の位置の構成の内、アーチ形状透過部材814の反対側(図51下側)は開放されており、空気を排出することが可能となっている。また、装飾板811と放熱板812との間には、回転径方向に延びるアーチ形状に沿って連続的に延びる凹部が空気の通り道として形成される。
即ち、回転部材810の回転実行時において、吸気用開口812aから吸気された空気は、アーチ形状透過部材814のアーチ形状に沿う凹部を通り回転径方向外側へ流れ、背面側へ排出されることで、空気を大気中に排出することができる。この空気の流れにより、回転部材810の内側の熱を外部に放散(放熱)させることができるので、電飾基板が高温となることによる不具合を避け易くすることができる。
アーチ形状透過部材814のアーチ形状により、空気を滑らかに背面側へ送ることができ、渦が発生することを回避することができる。これにより、回転基礎部材813側の背面側からの空気の取込をスムーズに行うことができるので、回転軸付近における冷却を実行することができる。
換言すれば、径方向外側へ空気を流すと、径方向内側の気圧が下がるので、背面側から空気を取り込むことができ、回転中において空気の流れを循環させることができる。これにより、放熱効果を持続的に生じさせることができる。
空気の流れによる冷却作用は、回転発光演出の実行時にのみ期待されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、内部動作ユニット600の退避状態や中間状態において、回転部材810を首振り往復動作させる場合にも、吸気用開口812aを通る空気の循環が発生し、電飾基板の冷却を実行することができる。
本実施形態では、装飾性を考慮して、装飾板811には吸気用開口812aは形成されていない(図37参照)。吸気用開口812aを通した空気の取込は、吸気用開口812aの進行方向にある空気を取り込むように作用するので、回転方向が一方向で固定とされると、空気を取り込む側が、回転部材810の長手方向一側に偏ることになり、電飾基板の冷却効果が半減する可能性がある。
そのため、本実施形態では、回転部材810の回転方向を一方向で固定するのではなく、第1の演出態様では一の回転方向で回転し、異なる第2の演出態様では他の回転方向で回転するように制御している。これにより、空気の取り込む側が回転部材810の長手方向一側に偏ることを回避することができ、十分な電飾基板の冷却効果を期待することができる。
姿勢検出手段830は、回転部材810の回転軸に軸支されるギア部と歯合して回転部材810と同期回転する検出用ギア831と、検出用ギア831の径方向外側部から軸方向と平行に延設される延設部が進入可能な位置に検出溝が配置され、その延設部が検出溝に進入したことを検知して検出用ギア831の位相を検出可能な検出センサ832と、を備える。
姿勢検出手段830の設計として、回転部材810がどの姿勢である場合を検出するかを任意に設計することができるが、本実施形態では、回転部材810が、装飾部材750側に装飾板811を配置させた状態において回転部材810の長手方向が左右方向に沿う姿勢であって装飾板811が正面側に配置されている姿勢(適正姿勢、図51参照)となっていることを少なくとも検出することができるように検出用ギア831の延設部の形成位置が設計される。
図55から図57は、図36のLV-LV線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。図36では遊技盤13は図示されていないが、図55から図57では組立状態における配置での遊技盤13の断面図が図示される。図55から図57では、内部動作ユニット600が退避状態から張出状態へ変化する様子が時系列で図示される。
即ち、図55では、内部動作ユニット600が退避状態で図示され、図56では、内部動作ユニット600が中間状態で図示され、図57では、内部動作ユニット600が張出状態で図示される。
図55から図57に示すように、内部動作ユニット600は、退避状態から張出状態へ状態が変化する過程で、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が変位するよう構成される。発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の変位は、上下方向の変位と、前転方向の変位とが、段階的に生じるように構成されるが、詳細は後述する。
本実施形態における構成において、特に注目力の高い回転演出装置800の配置について、説明する。発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が前転方向に姿勢変化することから、退避状態および中間状態における回転演出装置800の前後方向配置に比較して、張出状態における回転演出装置800の前後方向配置の方が、正面側に位置する。
これにより、退避状態においては回転演出装置800を背面側に位置させることで、回転演出装置800の正面側にスペースを確保できることで、装飾部247や電飾基板251を前寄りに配置して演出効果を向上させることが可能である一方、張出状態において回転演出装置800を回転させる回転発光演出を実行させる際の回転演出装置800の位置を遊技者側に近づけることができるので、回転発光演出の迫力を増加させることができる。従って、退避状態における演出効果も、張出状態における演出効果も、双方共に向上させることができる。
本実施形態では、回転演出装置800からの光の照射方向LD81は、張出状態では正面側に設定される。一方で、中間状態および退避状態においても光演出に利用することを考慮して、光の照射方向LD81を真上ではなく、斜め前方に向けた方向に設定している。これにより、中間状態および退避状態において回転演出装置800の光演出手段としての利用価値が極端に低下することを避けることができる。なお、光演出の詳細については後述する。
内部動作ユニット600の退避状態における回転演出装置800の光の照射方向LD81を斜め前方に設定したことに伴って、内部動作ユニット600の中間状態から張出状態への発光動作演出ユニット700の姿勢変化に要する前転方向の姿勢変化角度は、90度よりも小さくなる。これにより、姿勢変化角度が90度で構成される場合に比較して、姿勢変化に要する時間やスペースを短縮することができる。
内部動作ユニット600の退避状態において、回転演出装置800を支える発光動作演出ユニット700が前転方向に傾斜した姿勢となるので、前後幅が若干嵩むことになる。
そのため、通常であれば、発光動作演出ユニット700を背面側寄りに配置したり、発光動作演出ユニット700の変位を正面視でベース板60の中央開口60bの内側で抑えるように設計したりして、発光動作演出ユニット700とベース板60との衝突の回避を図ることになる。
しかし、発光動作演出ユニット700が背面側寄りに配置される場合には、発光動作演出ユニット700が遊技者から遠いため、演出の迫力が半減する可能性がある。また、発光動作演出ユニット700の変位を中央開口60bの内側で抑える場合には、動作が小さくなりがちになり演出の迫力が半減する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、ベース板60よりも薄肉の中央構成ユニット240を利用することで背面側のスペース確保を図っている。更に、演出効果向上のための電飾基板251の前後方向配置はベース板60の厚み寸法内に収め、更に基板保持板252に凹設部252aを形成して発光動作演出ユニット700との間に隙間を形成するよう図っている。これにより、発光動作演出ユニット700の姿勢や配置の自由度向上を図りながら、発光動作演出ユニット700が、遊技盤13の構成と衝突することを避けている。
発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の前転方向の姿勢変化は、退避状態において開始されるものではなく、中間状態までは同一姿勢のまま下降し、中間状態から姿勢変化が開始される。この姿勢変化の開始位置は、後述するように第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674の形状により規定されるものであって、駆動装置(駆動モータ648、ソレノイド651)の制御態様によっては変更されないように構成される。
中間状態では、左右中央の断面における装飾部247の下縁部の上下位置H1(図56参照)よりも回転演出装置800が下側に位置していることからわかるように、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の前方には中央開口60bが位置し、遊技盤13のベース板60は配設されないので、衝突の可能性が無い。
この衝突の可能性が無い状態から発光動作演出ユニット700の前転方向の姿勢変化が開始されることにより、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が遊技盤13に衝突する可能性を低くすることができる。
これにより、電飾基板251及び装飾部247を配設するスペースが、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の前転方向変位の変位軌跡と重なることで制限されることを避けることができる。従って、電飾基板251及び装飾部247の配設位置の設計自由度を向上することができる。
次いで、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の変位態様を段階的に分けるための構成について説明する。本実施形態では、発光動作演出ユニット700の変位が、形状の異なる2本の長孔に案内されるように構成されている。
図58(a)から図58(c)は、第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674を模式的に示す第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674の模式側面図である。
図58(a)では、内部動作ユニット600の退避状態における構成の配置が図示され、図58(b)では、内部動作ユニット600の中間状態における構成の配置が図示され、図58(c)では、内部動作ユニット600の張出状態における構成の配置が図示される。
図58(a)から図58(c)では、理解を容易とするために、昇降板部材630の前後長孔636、変位部材680の箱状本体部681及び延設部683の外形が想像線で図示され、変位部材680の筒状部684及び金属棒状部材686の外形線(第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674に周囲を囲まれる部分の外形線)が実線で図示される。
図58(a)から図58(c)に示すように、本実施形態では、第1長孔672と、第2長孔673及び湾曲長孔674とが、異なる形状から形成され、発光動作演出ユニット700の上下位置および姿勢に対応する筒状部684及び金属棒状部材686の案内のされ方が配置により変化することで、発光演出ユニット700が段階的に変位するよう構成される。以下、詳述する。
発光演出ユニット700を保持する変位部材680への駆動力の伝達は、昇降板部材630を介して行われる。即ち、図58(a)から図58(c)においては、前後長孔636が、駆動モータ648(図47参照)で生じる駆動力の伝達経路の最上流側となる。
即ち、昇降板部材630が上下方向に昇降変位することに伴い、前後長孔636の内側に配置される金属棒状部材686が許容される方向に変位し、金属棒状部材686の変位に他の部分が追従して変位する。
まず、第1長孔672及び第2長孔673は、長尺方向が上下方向に合致し、互いに平行となるように配置される。そのため、第2長孔673に金属棒状部材686が案内され、第1長孔672に筒状部684が案内される間(退避状態と中間状態との間)は、変位部材680に連結される発光演出ユニット700の前転方向の変位は抑制され、上下方向に平行変位する。
次いで、金属棒状部材686が湾曲長孔674に案内されるが、湾曲長孔674は、内部動作ユニット600の中間状態(筒状部684が第1長孔672の下端に当接している状態)における筒状部684の中心を中心軸J1とする円弧に沿って形成され、第2長孔673の下端と連結される。
そのため、湾曲長孔674に金属棒状部材686が案内される間(中間状態と張出状態との間)は、筒状部684の上下位置は維持され、金属棒状部材686が中心軸J1を中心に回転変位することで、発光演出ユニット700が中心軸J1を中心に前転方向に変位する。
図58(c)の状態から、昇降板部材630を上昇移動させる場合において、金属棒状部材686には前後長孔636を介して駆動力が伝達されるが、筒状部684へは昇降板部材630からの直接的な駆動力伝達は生じない。
そのため、内部動作ユニット600の中間状態(図58(b)参照)となるまでは筒状部684の配置は、第1長孔672の下端に当接している状態で維持される。そして、内部動作ユニット600の中間状態から退避状態(図58(a)参照)へ向けて移動する際には、金属棒状部材686が固定される箱状本体部681を介して筒状部684が昇降板部材630に吊り上げられる態様で、筒状部684が上昇移動する。
即ち、昇降板部材630が下降することに伴う変位部材680の変位は、図58(a)の状態から、図58(b)の状態を経て、図58(c)の状態に至る変位として設計され、昇降板部材630が上昇することに伴う変位部材680の変位は、図58(c)の状態から、図58(b)の状態を経て、図58(a)の状態に至る変位として設計される。
これらの変位の駆動力を伝達するのは前後長孔636であり、その変位方向は上下方向(直線方向)として規定されており、前後長さは金属棒状部材686が湾曲長孔674を通ることを許容するのに十分な長さとして設定される。即ち、発光演出ユニット700の変位態様の変化に合わせて前後長孔636の変位方向を切り替える必要がないので、昇降板部材630の設計を単純化することができる。
なお、退避状態における回転演出装置800の光の照射方向LD81が斜め前方に設定される一方で、張出状態における回転演出装置800の光の照射方向LD81が前方に設定されるので、発光演出ユニット700の前転方向の変位角度は90度よりも若干小さい角度として設計される。
図58(a)から図58(c)に図示されるように、第1長孔672が幅広に形成されているのは、筒状部684の異形開口部684b(図50(a)参照)が電気配線を通す配線通し孔として機能するので、電気配線を通すのに十分大きな隙間を形成することが一つの目的である。
また、他の目的として、発光演出ユニット700の前転方向への変位時に支持される軸が大径である方が、支持面積(周面の面積)を増大させることができる。これにより、姿勢変化の伴う変位時に支持部(第1長孔672)の単位面積当たりに生じる負荷(摩擦力)を低減することができるので、局所的に摩耗することを避けることができ、筒状部684及び第1長孔672の耐久性を向上させることができる。これにより、部材の材料の設計自由度を向上することができ、例えば、筒状部684が樹脂材料により形成されていても、十分な耐久性を持たせることができる。
第2長孔673及び湾曲長孔674は、金属棒状部材686の変位を案内するための長孔であり、第1長孔672に比較して幅が狭い。駆動モータ648で発生した駆動力は、昇降板部材630を介して金属棒状部材686に伝達される。金属棒状部材686は細径ではあるが、金属製であり、内部に電気配線を通すことが不要であり内部が充填されているので、十分な強度を発揮できる。
第2長孔673及び湾曲長孔674の幅が狭く形成されていることで、金属棒状部材686との間のクリアランスを小さくすることができるので、発光動作演出ユニット700の変位を安定させることができる。
そのため、内部動作ユニット600の中間状態(上下方向の変位と、前転方向の変位とが切り替えられる状態)における金属棒状部材686の配置ずれを小さくすることができる。これにより、発光動作演出ユニット700の変位の段階的な切替を滑らかに実行することができる。
発光動作演出ユニット700の自重が、変位の過程において、どの方向に作用するかについて説明する。図58(a)から図58(c)では、発光動作演出ユニット700の重心位置G1が図示される。
変位部材680の上下方向変位を規制するのは昇降板部材630であるが、その昇降板部材630に筒状部684は直接的には支えられていない。そのため、筒状部684は、箱状本体部681、延設部683及び金属棒状部材686を介して昇降板部材630に吊り下げられており、第1長孔672に変位が制限されることで配置が維持されている。
従って、内部動作ユニット600の退避状態から中間状態までは、発光動作演出ユニット700の自重によって、金属棒状部材686を回転軸とする方向に沿って筒状部684を下向きに変位させる負荷(金属棒状部材686を中心とする後転方向の負荷)が生じるので、発光動作演出ユニット700の自重によって筒状部684は前斜め下方向に付勢される。
これにより、筒状部684を第1長孔672の前側面に当接させ、大径リング部材688(図50(a)参照)を一方向に転動させるように構成することができるので、回転方向が定まらずに摺動する場合に比較して、筒状部684、大径リング部材688及び第1長孔672の摩耗を抑制することができる。
一方、内部動作ユニット600の中間状態から張出状態までは、筒状部684が第1長孔672に下支えされる(下方への変位が規制される)。そのため、発光動作演出ユニット700の自重によって、筒状部684の配置が第1長孔672の下端に維持されると共に、筒状部684を回転軸とする方向に沿って金属棒状部材686を下向きに変位させる負荷(筒状部684を中心とする前転方向の負荷)が生じるので、発光動作演出ユニット700の自重によって金属棒状部材686は中心軸J1を中心とする円弧に沿う方向で付勢される。
従って、内部動作ユニット600が中間状態から張出状態への状態変化を開始する場合の負荷が自重により生じるので、変位を滑らかに生じさせることができる。なお、本実施形態では、重心位置G1が前後方向において金属棒状部材686と筒状部684との間に配置されているので、軸となる金属棒状部材686及び筒状部684から重心位置G1までの距離が過度に長くなることを避けることができる。
これにより、金属棒状部材686を中心とする回転方向の負荷も、筒状部684を中心とする回転方向の負荷も、それぞれ過大となることを避け、適正な大きさで生じさせることができる。
変位部材680の上下方向変位中において、金属棒状部材686が筒状部684を追い抜くように構成される。この構成により、筒状部684は停止させて金属棒状部材686のみを上下方向変位させることができる。
内部動作ユニット600の張出状態からの金属棒状部材686の上昇変位開始時に筒状部684を共に上昇変位させる場合に比較して、変位部材680の上昇変位を開始させるために必要となる駆動力を低減することができる。これにより、駆動モータ648の小形化を図ることができる。
また、筒状部684の上下変位幅を短くすることで、筒状部684に挿通されている電気配線の上下方向変位幅を短くすることができる。そのため、電気配線の断線の発生を防止し易くすることができる。
正面視における発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の見え方について説明する。本実施形態では、発光動作演出ユニット700を前転方向に変位させることにより、異なる態様の発光演出を実行するように構成されている。
図59から図61は、動作ユニット500の正面図である。なお、図59から図61では、説明の便宜上、外レール62、中央構成ユニット240の装飾部247及び電飾基板251の外形が模式的に図示され、装飾部247及び電飾基板251の内側が白塗りされた状態で図示される。
図59から図61において装飾部247及び電飾基板251の内側を白塗りとすることで、光透過性が低くなることを表現している。なお実際は、電飾基板251は不透過性の材料から形成されており遊技者の視界を遮るが、装飾部247は光透過性の材料から形成されているので、光透過性が低いとは言え、遊技者の視界は通る(装飾部247を介して背面側の構成を視認することが可能となる)。
図59では、内部動作ユニット600の退避状態が図示され、図60では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図61では、内部動作ユニット600の張出状態が図示される。
図59に示すように、内部動作ユニット600の退避状態では、回転演出装置800は、装飾部247や電飾基板251の後ろに配置され、正面視ではその大部分が隠される。
そのため、回転演出装置800自体の視認性は低くなる。この状態において、被検出部635が検出装置(図示せず)の検出溝に進入することで検出装置に検出されることで、昇降板部材630が上下方向変位の上端に配置されていることが音声ランプ制御装置113(図4参照)で判定される。
また、内部動作ユニット600の退避状態では、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が装飾部247により分断された状態で視認される。そのため、発光動作ユニット700は装飾部材750に電飾基板741(図51参照)から照射される光を当てることにより実行される正面側向きの光演出を実行し、回転演出装置800は外レール62へ向けて光を照射する上側向きの光演出を実行する場合に、それぞれの光演出を分けて視認させることができるので、それぞれの光演出を際立たせることができる。
本実施形態では、回転演出装置800から光を照射する部分として弓なりに湾曲する面(正面視で外レール62と上下方向で対向配置される面)と、外レール62とが、上に凸の湾曲形状として類似の形状で設計される。
そのため、回転演出装置800が、後述する回転発光演出を実行する姿勢とは異なる姿勢とされる場合に、回転演出装置800を、あたかも外レール62を照らすための部材であるかのように視認させることができる。これにより、内部動作ユニット600の退避状態における回転演出装置800の利用価値を高めることができ、内部動作ユニット600の退避状態における遊技盤13及び動作ユニット500の見映えを良くすることができる。
回転演出装置800から外レール62へ照射される光により行うことで効果的な演出として、光が球の経路で移動しているように光を視認させる右打ち示唆演出が想定される。
例えば、回転演出装置800から光を照射する順番を、左端のLEDで上方に配置される外レール62の範囲E1に光を照射する時を起点として、右隣のLEDで外レール62の範囲E2に光を照射するように変化させ、順に範囲E3,E4と変化させると共に、光照射したLEDは照射タイミングから一定時間(例えば、1秒)経過したら消灯する第1発光制御態様に設定することで、あたかも、光が外レール62に沿って右に移動しているように見せることができ、これにより右打ちを行うタイミングであることを遊技者に報知することができる。
この場合、右打ち示唆演出を行うために、遊技盤13(図18参照)に電飾基板を点在させたり、第3図柄表示装置81で表示する右打ち示唆用の図形や絵を設計したりする労力を省くことができる。
なお、右打ち示唆演出としては、回転演出装置800による発光演出のみで実行する場合に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、回転演出装置800による発光演出に加えて、遊技盤13に点在される電飾基板に配置される発光手段を発光させるようにしても良いし、回転演出装置800による発光演出に加えて、第3図柄表示装置81で右打ち示唆用の図形や絵を表示しても良い。
内部動作ユニット600の退避状態における回転演出装置800の配置位置は、透明樹脂からなる上部連結部材270の背面側に設定されているので、回転演出装置800の前方に釘は配置されていない。これにより、釘による反射の影響を受けることが無いので、回転演出装置800から照射される光を遊技者に視認させ易くすることができる。
加えて、回転演出装置800は、後述するように、内部動作ユニット600の張出状態における回転発光演出を実行可能であるにも関わらず、内部動作ユニット600の張出状態とは姿勢の異なる退避状態において外レール62に光を当てて右打ち示唆演出を実行可能な装置として利用される。即ち、回転演出装置800を異なる目的の演出に兼用することができる。
なお、回転演出装置800により実行される光演出は、右打ち示唆演出に限られるものではない。例えば、演出装置としての電飾基板251の中央発光手段251bが発光演出を実行する予告演出として、上向きの矢印を遊技者に視認させるような光演出を実行しても良い。
図60に示すように、内部動作ユニット600の中間状態では、回転演出装置800が装飾部247の下側に配置される。これにより、退避状態に比較して、装飾部247に遮蔽されていない分だけ発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の視認性が高くなる。
更に、退避状態に比較して、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が一体的に構成されることを把握し易くなると共に、外レール62と回転演出装置800との上下間隔が広くなる。
従って、回転演出装置800の役割として、外レール62を照らすための部材ではなく、発光動作演出ユニット700の装飾部材750と一体的に光演出を実行する部材として認識され易くすることができる。
これにより、内部動作ユニット600の退避状態では中央装飾部材751が何とか視認される程度の小さな演出体だったものが、中間状態では中央装飾部材751のみではなく回転演出装置800を含む大きな演出体に変化したかのような錯覚を遊技者に与えることができる。
図61に示すように、回転演出装置800は、内部動作ユニット600の張出状態において光の照射方向LD81が正面側を向く姿勢とされる。この状態で、上述の第1発光制御態様で回転演出装置800から光を照射する場合、左右方向に沿って光が右方に移動するように視認させることができる。この手法によっても、右打ち示唆演出として遊技者に把握させることができる。
なお、本実施形態における遊技領域における特定入賞口65aの配置(図31参照)とは異なり、特定入賞口65aが遊技領域の右下側に配置される場合には、回転演出装置800の長手方向が右下がりの傾斜姿勢となるように回転演出装置800の姿勢を変化させ、その姿勢で上述の第1発光制御態様で光を照射しても良い。この場合、光の移動する先に特定入賞口65aが配置されているので、特定入賞口65aに向けて球を発射すべき状態であることを遊技者が理解し易くすることができる。
回転演出装置800は、内部動作ユニット600の張出状態において1回転以上の回転動作を実行可能となるように配置される。回転動作の動作速度について特に限定されるものではないが、例えば、高速回転させる際に、回転演出装置800から照射される光の配置毎の点滅を細かく制御することで、回転中に図形や絵柄が視認されるように構成しても良い(所謂、バーサライタ装置として構成しても良い)。
図61では、昇降板部材630が上下方向変位の下端に配置されたことが被検出部635が検出装置(図示せず)の検出溝に進入することで検出装置に検出されることにより、回転部材810の回転軸RJ1が前後方向に向いた状態であることを音声ランプ制御装置113(図4参照)で判定可能となる。
この検出をフラグとして、回転部材810の回転発光演出を実行可能となるように制御しても良い。即ち、昇降板部材630の移動終端を検出する検出装置を、回転部材810の回転発光演出の開始可能タイミングを検出する検出装置として兼用することができる。
図62は、動作ユニット500の正面図である。なお、図62では、説明の便宜上、外レール62、中央構成ユニット240の装飾部247及び電飾基板251の外形が模式的に図示され、装飾部247及び電飾基板251の内側が白塗りされた状態で図示される。
図62では、内部動作ユニット600の張出状態において、回転演出装置800の回転部材810が高速回転している状態における残像の外形線が想像線で図示される。
なお、回転部材810の高速回転の速度は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、残像により背面側の構成が視認し難くなるほどの回転速度でも良いし、残像は生じるものの、回転部材810が配置されていない位置を通して背面側の構成を視認できる程度の回転速度でも良い。
図62では、回転演出装置800の光演出(回転発光演出)として、残像により背面側の構成が視認し難くなるほどの回転速度で回転部材810が回転されると共に、回転中に視認可能に制御される図形の一例(右向きの大きな矢印)が図示される状態が図示される。
なお、図62では、理解を容易とするために、回転部材810の取り得る配置が45度ずつ角度ずれして図示されるが、実際は残像が見えるのみであり、回転部材810の外形を明確に視認することは困難となる程度の回転速度で回転する。図62に示すように図形が視認可能となるようにすることで、遊技者に対して報知を実行することができる(右打ちすべきタイミングであることを把握させることができる)。
回転発光演出の具体的な実施方法について説明する。回転部材810の内部には、アーチ形状透過部材814を介して正面側へ向けて光を進行させるよう配置されるLEDが回転部材810の長手方向に沿って複数並べられている。そのため、回転軸RJ1を中心に回転部材810を回転させる際にLEDが移動する軌跡(円形経路)の直径は、回転軸RJ1からの距離に応じて異なる。
図62において、回転部材810の高速回転に伴う移動中の各LEDの配置が、表示しようとしている図形(図62では、右向きの矢印)の内側にあるか、外側にあるかに応じて、各LEDのオンオフを切り替えると、アーチ形状透過部材814を通して視認される光の残像が一体的に視認されることで、特定の図形(図62では、右向きの矢印)を遊技者に視認させることができる。
表示される図形は、回転部材810の回転に対応して各LEDのオンオフ制御のタイミングを切り替えることで多様に変化させることができるので、回転部材810を利用した発光演出の演出自由度を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、回転演出装置800を利用して、同様の目的の報知演出(右打ち示唆演出)を様々な態様で実行することができる。即ち、内部動作ユニット600の退避状態では、外レール62に光を照射する態様で実行でき、内部動作ユニット600の張出状態では、回転演出装置800を回転させない態様または回転させる態様の双方で実行することができる。
従って、報知演出のバリエーションが少ない(例えば、一つである)場合に比較して、演出の予想をされ難くすることができる。これにより、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、右打ち示唆の報知演出を一例として説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無く、種々の演出が例示される。例えば、光の向きや矢印の向きを左右交互に入れ替え、球の発射を左右交互に切り替えることを示唆する報知演出でも良いし、左の向きや矢印の向きを左向きとすることで、左打ちに戻すことを示唆する報知演出を行っても良い。
また、例えば、張出状態における回転発光演出における高速回転中に外レール62と同心の円弧形状を表示するように発光演出を行うことで、退避状態における回転演出装置800と同様に、外レール62の形状に合わせた発光演出を張出状態においても継続させることができる。これにより、発光演出に一貫性を持たせることができる。
図62に示すように、回転演出装置800は、内部動作ユニット600の張出状態において高速回転可能とされるが、回転発光演出は、回転演出装置800の回転軸が維持されることを前提に設計されるので、高速回転により回転軸に対して直角方向に生じる負荷で回転演出装置800が変位しないように支える構成を本実施形態では採用している。
まず、回転演出装置800の左右方向の変位の規制について説明する。発光動作演出ユニット700の保持は、変位部材680の締結部682に中間連結部材760の被連結孔764が連結されることで行われるところ、左右一対ずつの被連結孔764の内、右下の一つのみが長孔では無く略円形状の支持孔764bとして形成され、その他は、長孔764aとして形成される。
ここで、締結部682が連結される被連結孔764を長孔764aとすることで、発光動作演出ユニット700を上下方向に変位させる際の左右両側の変位部材680の上下位置ずれを許容することができる(図39参照)。一方で、長孔764aのみで構成すると、回転演出装置800が高速回転する際に回転演出装置800が左右方向に配置ずれする可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、少なくとも一つの孔を支持孔764bとすることにより、支持孔764bにより締結部682の左右方向の移動を規制することができるので、回転発光演出において回転演出装置800が高速回転したとしても、回転演出装置800の左右方向への位置ずれを抑制することができる。
図63(a)から図63(c)は、変位部材680の締結部682と、被連結孔764の長孔764a及び支持孔764bと、の模式正面図である。図63(a)から図63(c)では、発光動作演出ユニット700の長手方向(左右幅方向)が模式直線700Lとして模式的に図示される。
即ち、図63(a)では、模式直線700Lが左右方向に沿うように配置されることから発光動作演出ユニット700が水平な姿勢で保たれる状態が図示され、図63(b)では、模式直線700Lが左上りで傾斜することから発光動作演出ユニット700が傾斜した姿勢の状態が、許容される最大の傾斜角度で図示され、図63(c)では、模式直線700Lが右上りで傾斜することから発光動作演出ユニット700が傾斜した姿勢の状態が、許容される最大の傾斜角度で図示される。なお、図63(a)に示す状態は、図36及び図37に示す状態に対応し、図63(c)に示す状態は、図39に示す状態に対応する。
図63(a)から図63(c)に図示されるように、模式直線700Lの傾斜は、支持孔764bを支点とする回動変位により生じる。図63(b)では、図面左上に配置される長孔764aの左端部に前後リング部材689の円筒状部689b1が当接する位置が図示されており、この状態まで模式直線700L(発光動作演出ユニット700に対応)の回動(正面視時計回り方向の回動)は許容される。
図63(c)では、図面右上に配置される長孔764aの右端部に前後リング部材689の円筒状部689b1が当接する位置が図示されており、この状態まで模式直線700L(発光動作演出ユニット700に対応)の回動(正面視反時計回り方向の回動)は許容される。
このように、本実施形態では、支持孔764bを複数位置で採用する場合と異なり、左右に配置される締結部682の上下方向に沿う直線UD71方向の位置ずれを許容することができる。そのため、発光動作演出ユニット700の昇降動作が、左右にそれぞれ配置される駆動モータ648を同時に駆動させることにより実行される構成において、駆動モータ648同士の動作タイミングのずれや、回転速度がばらつきの発生を許容することができる。
支持孔764bを起点とする模式直線700Lの回動は、図63に示されるように支持孔764bの開口方向が前後方向とされる場合(内部動作ユニット600の退避状態や中間状態)では、昇降板部材630の移動方向(直線UD71に沿う方向、上下方向)に向けた変位として許容される。
一方、発光動作演出ユニット700が傾倒変位して支持孔764bの開口方向が略上下方向とされる場合(本実施形態では上下方向に対する角度が5度となる方向とされる場合、即ち、内部動作ユニット600の張出状態の場合、図62参照)、支持孔764bを起点とする模式直線700Lの回動方向は直線UD71と略直交する平面に沿う方向(本実施形態では、前後方向に対する角度が5度となる平面に沿う方向)となり、直線UD71と略直角に交差する。
昇降板部材630は、長孔612(図49参照)により直線UD71方向に変位するように案内される一方、前後方向変位が規制されていることから、発光動作演出ユニット700の前後方向変位は抑制されている。そのため、支持孔764bを起点とする模式直線700Lの回動方向が直線UD71と略直交する平面に沿う方向である場合、模式直線700Lの回動の許容幅は抑制される。
即ち、長孔764aが形成されている条件下においても、内部動作ユニット600の張出状態において発光動作演出ユニット700の昇降板部材630に対する位置ずれを抑制することができる。
この場合、上述したように、回転部材810が高速回転する回転発光演出を、内部動作ユニット600の張出状態で実行するように制御することで、回転部材810の回転軸RJ1の配置が回転発光演出中にずれることを防止することができる。これにより、回転部材810の回転軸RJ1の配置を固定するための別部材の配設を省略することができる。
また、本実施形態では、支持孔764bが回転部材810の逆側(図62の状態において後側)に配置されるので、回転部材810に近い側に支持孔764bが配設される場合に比較して、回転部材810の回転により生じる配置ずれ(発光動作演出ユニット700の正面側で生じる配置ずれ)を制限し易くすることができる。
発光動作演出ユニット700が傾倒変位する場合、回転方向の負荷によって、中間連結部材760に対して変位部材680から離れる方向(締結部682(図50参照)が張り出す方向)に負荷が生じる(図53参照)。そのため、対策なしでは、締結部682に過負荷が生じ破損する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、発光動作演出ユニット700が若干傾倒する姿勢(図55参照)を初期姿勢とすることで、傾倒変位前から中間連結部材760が変位部材680の下縁部側に近接する方向に付勢される。即ち、変位部材680の回転軸としての筒状部684(図50(a)参照)に近い側で中間連結部材760が変位部材680に近接配置されるので、中間連結部材760に対して変位部材680から離れる方向に生じる負荷を変位部材680の回転方向の負荷として生じさせ易くすることができ、締結部682に加えられる負荷を低減することができる。
次に、回転演出装置800の上下方向の変位の規制について説明する。本実施形態では、昇降板部材630の被当接板638の上下方向の変位を抵抗発生装置650により規制可能に構成されており、その規制を内部動作ユニット600の張出状態において実行可能に構成される。
図64から図66は、図36のLXIV-LXIV線における動作ユニット500の断面図である。LXIV-LXIV線は、昇降板部材630の被当接板638(図49参照)の板厚の中心を通る線として設定される。図36では遊技盤13は図示されていないが、図64から図66では組立状態における配置での遊技盤13の断面図が図示される。
図64では、内部動作ユニット600の退避状態が図示され、図65では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図66では、内部動作ユニット600の張出状態が図示される。
また、図64から図66では、ソレノイド651に通電されておらず、ソレノイド651が非励磁の状態が図示される。加えて、図65では、参考としてソレノイド651に通電されソレノイド651が励磁された状態が部分的に切り取られて図示される。
図64及び図66に示すように、ソレノイド651が非励磁の状態では、抵抗発生装置650の前後変位部材653が正面側に位置し、昇降板部材630の被当接板638の移動経路に入り込む。
被当接板638の上下両側面および前後変位部材653の上下両側面は、上下方向と直交する平面状に形成される。これにより、被当接板638の移動方向(上下方向)と、その移動方向で被当接板638が前後変位部材653の上下両側面から受ける負荷の方向とを合致させることができる。
そのため、被当接板638から前後変位部材653に与えられる負荷が後方へ向く成分を持たないので、前後変位部材653が背面側に押し出されることを回避できる。従って、前後変位部材653が正面側に位置する状態をが維持される。
図64に示す状態では、前後変位部材653は、被当接板638と上下方向で当接し、被当接板638の下降変位を防止するように機能する。即ち、駆動モータ648に通電させずとも、前後変位部材653によって昇降板部材630が自重で下降変位することを防止することができるので、内部動作ユニット600を退避状態で維持することができる。
なお、本実施形態では昇降板部材630に対してコイルスプリングSP1(図47参照)から上方向への付勢力が生じているので、コイルスプリングSP1の付勢力を、内部動作ユニット600を退避状態で維持するために十分な大きさで設計することで、前後変位部材653を機能させずとも内部動作ユニット600を退避状態で維持することが可能である。
一方、この場合には、コイルスプリングSP1の付勢力が大きくなり、昇降板部材630を下降変位させるために駆動モータ648に発生させる駆動力が大きくなることから、駆動モータ648を大型化することが必要になる可能性がある。これに対し、本実施形態のように前後変位部材653により内部動作ユニット600を退避状態に維持する構成を採用することにより、コイルスプリングSP1の付勢力は、あくまで補助的なものとして小さくすることができるので、駆動モータ648の小形化を図ることができる。
図66に示す状態では、前後変位部材653は、被当接板638と上下方向で当接し、被当接板638の上昇変位を防止するように機能する。即ち、駆動モータ648に通電させずとも、前後変位部材653によって昇降板部材630が上昇変位することを防止することができるので、内部動作ユニット600を張出状態で維持することができる。
昇降板部材630を上昇変位させる負荷としては、回転演出装置800(図62参照)の回転発光演出の際の慣性による負荷が想定される。即ち、回転演出装置800が高速回転する際に回転演出装置800が回転軸と直角な方向に変位する可能性があるが、上下方向の変位については前後変位部材653によって防止することができる。
このように、本実施形態では、前後変位部材653によって、内部動作ユニット600の退避状態における昇降板部材630の下降変位のみならず、内部動作ユニット600の張出状態における昇降板部材630の上昇変位をも防止することができる。
図65に示す状態は、ソレノイド651に通電され励磁された状態(図65において切り取られた範囲を参照)において昇降板部材630が下降変位し、その後でソレノイド651への通電が解除された非励磁の状態に対応する。
即ち、本実施形態では、ソレノイド651が励磁された状態となると、前後変位部材653が被当接板638の変位軌跡から退避することで、昇降板部材630の上下変位が許容されるところ、昇降板部材630の上下変位の途中でソレノイド651が非励磁の状態となったとしても、直ちに昇降板部材630の上下変位が規制されるものではなく、被当接板638が前後変位部材653の前側面に摺動する状態で上下変位を継続させることができる。
換言すれば、昇降板部材630が上下変位中に受ける負荷の態様として、前後変位部材653が被当接板638と接触しないことから前後変位部材653からの負荷は受けない態様と、前後変位部材653と接触することで摩擦力を受ける態様とを構成可能であり、これらをソレノイド651への通電の有無により切り替えることができる。
被当接板638と当接する前後変位部材653の前側面の形状は何ら限定されるものではないが、本実施形態では、上下一対の案内突設部614に亘って前後方向と直交する平面形状とされ、案内突設部614よりも上下外側において被当接板638から逃げる側に湾曲する湾曲面形状とされる。
これにより、背面側側面が前後方向と直交する平面形状とされる被当接板638との接触面の上下幅を広げることができ、接触面積を確保することができるので、前後変位部材653から昇降板部材630が受ける摩擦力を大きくすることができ、昇降板部材630を制動させる程度を上下両方向で大きくすることができる。
このように、本実施形態では、前後変位部材653によって、上下変位中の昇降板部材630を制動(又は停止)させることができる。即ち、前後変位部材653を、昇降板部材630の配置を上下端(内部動作ユニット600の退避状態および張出状態)で維持するための部材と、変位中の昇降板部材630を制動させるための部材として、兼用することができる。
昇降板部材630のラックギア部634へは、歯合される伝達ギア649を介して駆動力が伝達されるところ、上述したように、昇降板部材630のラックギア部634が自重により後方へ付勢されることでラックギア634と伝達ギア649との歯合状態が適正化され、駆動力の伝達効率が向上している。
これに対し、昇降板部材630を制動させる際に、前後変位部材653から被当接板638へ加えられる負荷は正面側向きの負荷であり、ラックギア634を伝達ギア649から離すように作用する。
そのため、前後変位部材653が被当接板638に当接することで、当接位置で生じる摩擦力により制動されることによる減速の効果だけではなく、ラックギア634と伝達ギア649との歯合状態を悪くする(噛み合いの程度を低くして駆動力の伝達効率を悪くする)ことによる減速の効果を生じさせることができる。これにより、昇降板部材630を効率的に制動(減速)させることができる。
ソレノイド651の通電の切り替え制御の一例について説明する。内部動作ユニット600の退避状態を基準として説明する。まず、駆動モータ648を駆動開始するよりも前にソレノイド651に通電し、前後変位部材653を被当接板638の変位軌跡から退避させる。
これにより、昇降板部材630が上下方向に変位可能となるので、駆動モータ648を駆動開始し、内部動作ユニット600を張出状態へ向けて下降変位させる。張出状態となる前の状態(例えば、内部動作ユニット600の中間状態)においてソレノイド651への通電を解除することで、前後変位部材653が被当接板638に押し当てられるので(図65参照)、摩擦力により昇降板部材630を制動させることができる。
この状態で内部動作ユニット600の張出状態に到達すると、被当接板638が前後変位部材653の変位軌跡よりも下側に配置されるので、前後変位部材653はソレノイド651の戻りバネにより正面側の位置に変位する(図66参照)。
従って、前後変位部材653から被当接板638に与えられる作用を、ソレノイド651の通電の有無の切り替えを行うことなく、制動から、位置の規制に、滑らかに変化させることができる。
一方、内部動作ユニット600の張出状態からの上昇変位の際には、昇降板部材630の上下方向の変位中はソレノイド651への通電を維持することで、前後変位部材653が被当接板638に接触しない状態を維持することができる。これにより、前後変位部材653と被当接板638との間の摩擦抵抗を発生させないようにすることができるので、昇降板部材630の上昇変位に必要な駆動力を低減することができ、駆動モータ648の小形化を図ることができる。
内部動作ユニット600の状態変化に対応して、回転演出装置800の回転動作の態様が変化することについて説明する。本実施形態では、発光動作演出ユニット700の姿勢が前転方向または後転方向に変化することで回転演出装置800の姿勢も変化するが、この姿勢ごとに許容される回転動作(回転角度)が変化する。
図67から図69は、図36のLXVII-LXVII線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。LXVII-LXVII線は、回転姿勢補助部材690の筒状部材695(図37参照)の幅寸法の中央を通る線に対応する。図36では遊技盤13は図示されていないが、図67から図69では組立状態における配置での遊技盤13の断面図が図示される。
図67では、内部動作ユニット600の張出状態が図示され、図68(a)及び図68(b)では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図69(a)及び図69(b)では、内部動作ユニット600の退避状態が図示される。即ち、図67から図69では、内部動作ユニット600が張出状態から中間状態を経て退避状態へ変化する様子が時系列で図示される。
なお、図68(a)及び図69(a)では、回転部材810の長手方向が左右方向に沿う適正姿勢における回転部材810が図示され、図68(b)及び図69(b)では、回転部材810の図面手前側端部が、許容される背面側への移動終端に到達した状態が図示される。
即ち、図68(b)では、回転部材810の端部が背面ケース510の底壁部511と当接している状態が図示され(図68(b)においては非当接で図示されるが、図示された断面よりも右方(図68(b)紙面手前側)において当接している)、図69(b)では、回転部材810の端部が回転姿勢補助部材690の筒状部材695と当接している状態が図示される(図69(b)においては非当接で図示されるが、図示された断面よりも右方(図69(b)紙面手前側)において当接している)。
図67に示す内部動作ユニット600の張出状態では、回転演出装置800の回転部材810が、回転発光演出を一例とする、回転軸RJ1を中心とした回転方向RD1に一周以上(360度以上)の回転動作を可能となるように構成される。即ち、センターフレーム86に配設される装飾部247等が、回転演出装置800の回転部材810の動作軌跡に入り込まない位置に配置される。
図68では、回転演出装置800の回転部材810の背面側に背面ケース510の底壁部511が配設されるので、回転演出装置800の回転部材810の回転可能な角度は、回転部材810が回転方向RD1で変位して背面ケース510と当接するまでの角度に制限される(図68(b)参照)。
基本的には、内部動作ユニット600の張出状態から中間状態へ向けて状態変化する前に、回転演出装置800の回転部材810の長手方向が左右方向に沿うように回転部材810の姿勢が制御され(適正姿勢に制御され)、その上で中間状態へ向けて状態変化させるように制御されるので、回転部材810と底壁部511とが衝突する可能性は低い。
本実施形態では、誤制御により回転演出装置800の回転部材810が底壁部511と衝突する事態が生じたとしても、回転部材810が底壁部511の開口511aの上縁よりも上側において底壁部511と衝突するように配置されているので、回転部材810が第3図柄表示装置81と衝突する事態を回避することができる。
図69では、回転演出装置800の回転部材810の背面側に回転姿勢補助部材690の筒状部材695が配設されるので、回転演出装置800の回転部材810の回転可能な角度は、回転部材810が回転方向RD1で変位して筒状部材695と当接するまでの角度に制限される。即ち、回転演出装置800の回転部材810の回転可能な角度は、中間状態(図68(b)参照)における角度よりも、退避状態における角度の方が小さくなる(図69(b)参照)。
本実施形態では、内部動作ユニット600の中間状態において回転部材810が底壁部511と当接するまで回転変位している場合に、そのまま内部動作ユニット600の退避状態まで状態変化が継続した場合であっても、その状態変化(発光動作演出ユニット700の上昇変位)の過程において回転部材810が筒状部材695に当接することで前側に押し出されることで、回転部材810の適正姿勢との姿勢差が小さくなるように回転部材810の姿勢が修正されるよう構成される。
回転部材810が、適正姿勢において左右対称形状とされており(図61参照)、筒状部材695が左右対称位置に配置されていることから、回転部材810の姿勢差が左右どちらで生じたとしても(回転軸RJ1を中心とする何れの回転方向で生じたとしても)、回転部材810の適正姿勢との姿勢差が小さくなるように回転部材810の姿勢が修正される。
回転部材810は回転軸RJ1を中心に回転動作しているので、回転部材810が背面側に変位して筒状部材695と当接する側(左右一側、図69参照)の反対側(左右他側)では、回転部材810がベース板60に近接することになる。適正姿勢からの姿勢ずれが大きいと、回転部材810とベース板60とが擦れることで回転部材810が摩耗したり、衝突により破損したりする可能性がある。
これに対し、上述のように筒状部材695が機能することで、内部動作ユニット600が退避状態へ向けて状態変化する過程で、適正姿勢に戻る側に回転部材810の姿勢が変化するので、左右他側の回転部材810をベース板60から離す方向に変位させることができる。これにより、回転部材810とベース板60との接触を回避することができる。
筒状部材695は、上述のように、回転部材810と当接して回転部材810を正面側に押し出すように機能する部材であって、回転部材810の摩耗を避けるために転動可能な真円形状の筒状に形成されている。即ち、回転部材810との接触時に筒状部材695が回転することで、回転部材810に摺れ傷を残さないように構成されている。
この機能を維持するために、装飾形状は極力省くことが好ましいところ、筒状部材695が遊技者に視認されると、他の装飾部分と同時に見た場合に形状が簡素過ぎて、違和感を与える可能性がある。
これに対し、本実施形態では、筒状部材695は内部動作ユニット600の張出状態における回転部材810の配置よりも退避位置側(上側かつ背面側)に配置されているので、筒状部材695に対する注目力を低くすることができる。
更に、内部動作ユニット600の退避状態では、筒状部材695は回転部材810の背面側に配置されるよう設計されているので(図36参照)、回転部材810によって筒状部材695の視認性を低下させることができる。
従って、筒状部材695の形状は回転部材810の摩耗を回避するために最適な形状に設計しながら、筒状部材695の視認性を下げることで、筒状部材695が遊技者に見られる可能性を低下させることができ、違和感なく遊技を継続させることができる。
内部動作ユニット600の退避状態において回転部材810に許容される姿勢変化により可能となる光演出について説明する。上述のように、内部動作ユニット600の退避状態においては、回転演出装置800から照射される光が外レール62に照射され、外レール62を発光させる演出が可能となっている。
これに加え、回転部材810が回転軸RJ1を中心として姿勢変化することで、回転部材810の回転先端部の片方を前側に変位させることができる。例えば、図69(b)において、紙面奥側(左側)の回転先端部を正面側に寄せることができるので、外レール62の左側をより明るく発光させ、右側は若干暗く発光させることができる。また、回転部材810の姿勢変化の方向を逆にすれば、左右の明暗の違いを逆転させることができる。
これにより、外レール62の発光強度を部位ごとに変化させる演出を実行することができる。例えば、回転部材810からの光照射の発光強度は変化させずに、回転部材810を回転軸RJ1中心の回転方向で往復させるように繰り返し姿勢変化させることで、外レール62の左右に照射された光による見かけの明るさを、左右交互に切り替えることができる。
内部動作ユニット600の中間状態において回転部材810に許容される姿勢変化により可能となる光演出について説明する。上述のように、内部動作ユニット600の中間状態においては、退避状態における姿勢変化角度よりも大きな角度で回転部材810が姿勢変化可能となっている。そのため、回転演出装置800から照射される光が外レール62に照射され、外レール62を発光させる演出における光の到達位置を、より正面側に位置させることができる。
これにより、LED等の発光手段を備える回転部材810が外レール62から遠ざかったとしても、外レール62で光が反射する位置を正面側(遊技者側)に変化させることで、外レール62に照射され反射する光の強度の変化が、遊技者から見て目立たないようにすることができる。
また、光の到達範囲を外レール62に限定されるものではなく、上部連結部材270の第6張出部277等(図26参照)の外レール62から離れて配置される部分へも光を到達させることができる。
回転部材810は左右中央位置に配設される回転軸RJ1を中心として首振り動作することで、左右外側に配置される長手方向端部を片側ずつ前寄せ配置させることができるので、ベース板60の強度面から配置が左右中央位置に設計された電飾基板251ではカバーし難い範囲(左右外側位置)における光演出を補助することができる。
これにより、電飾基板251の配置が限定される場合であっても、電飾基板251が配置されていない箇所における光演出の演出性能を、動作ユニット500に配設される回転演出装置800の発光演出により向上させることができる。
次いで、図70を参照して第3実施形態について説明する。第1実施形態では、遊技球を第1通路TR1又は第2通路TR2から排出するための凹部982e,982f,982gが、第1通路TR1又は第2通路TR2の左右に配置される場合を説明したが、第3実施形態の振分ユニット3980では、球の排出経路が、第1通路TR1及び第2通路TR2を形成する膨出部3982の前側に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図70(a)は、第3実施形態における振分ユニット3980の正面図であり、図70(b)は、振分ユニット3980の背面図である。図70(a)及び図70(b)に示すように、振分ユニット3980では、開口985e,985fの上流側において球を正面側に排出可能に構成される。
即ち、振分ユニット3980の正面ベース3981は、膨出部982に貫通形成される一対の開口3982kと、その開口3982kを通過して膨出部982の正面側に排出された球を左方向に流下させ背面側へ排出する排出樋3982lと、を備える。
開口3982kは、第1通路TR1又は第2通路TR2の正面側に配置され、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下している球が通過可能となる大きさの矩形状で貫通形成される。
排出樋3982lは、左右に長い部分は左方へ向けて下降傾斜しており、その左端に形成される前後に長い部分は後方へ向けて下降傾斜する。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2から開口3982kを通過して排出樋3982lに乗った球は、排出樋3982lに沿って左方へ流され、左端位置において流下方向が後方側へ切り替わり、後方へ流される。
なお、本実施形態では、排出樋3982lは、一対の開口3982kの両側において球を受け入れるよう構成されることで、部品数を抑える形で部品コストを低減しているが、各開口3982kにそれぞれ排出樋3982lを設けるようにしても良い。この場合、左の開口3982kの正面側に配設される排出樋3982lは左方へ向けて下降傾斜し、右の開口3982kの正面側に配設される排出樋3982lは右方へ向けて下降傾斜するよう構成することで、排出樋3982l単体の長さを短くすることができる。
流入口982dを通過した球の見え方について説明する。正面ベース3981は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成されており、流入口982dを通過して膨出部982の背面側を流下する球を膨出部982を通して視認することができる。
一方で、球が流下する第1通路TR1及び第2通路TR2は電動役物140aの後方まで延びて形成されているので、電動役物140aの後方の範囲においては電動役物140aが遮蔽物として作用して、球の視認性が悪くなる。
検出装置SE3に球が検知されるか否かの差が、電動役物140aの後方の範囲における球の流下方向で生じるとなると、視認性の悪い範囲における球に注目する必要があり、遊技者に疲労感を与える可能性がある。
これに対し、本実施形態では、検出装置SE3へ向かう経路から逸れる球は開口3982kを通って正面側に流れることから遊技者目線で球が近づいてくるだけでなく、正面側への流れが電動役物140aに隠される範囲よりも上方において生じることから、流入口982dを通過した球の内、検出装置SE3から逸れる方向に流れる球の視認性を確保することができる。
これにより、流入口982dを球が通過しているのに特別図柄の抽選が生じなかった場合に、球が検出装置SE3から逸れたことによる結果であることを容易に把握することができる。
振分けユニット3980の形状的な他の工夫について説明する。本実施形態では、開口3982kを形成して球の排出経路を確保した代わりに、背面ベース3985では、第1実施形態における背面ベース985から開口985b,985c(図8参照)の形成が省略されており、それに対応して膨出部982の下端付近における左右幅が短縮されている。
これにより、振分ユニット3980の左右幅を短縮することができるので、ベース板60の貫通孔60a(図5参照)の形状を小さくすることができることにより、ベース板60の厚肉部(釘を植設可能な部分)の面積を確保することができる。これにより、釘の配置自由度を向上することができる。
また、電動役物140aの近傍に釘を配置できるようになるので、電動役物140aに球を案内するための釘の配置自由度を向上することができる。
次いで、図71を参照して第4実施形態について説明する。第1実施形態では、遊技球を第1通路TR1又は第2通路TR2から排出するための凹部982e,982f,982gが、第1通路TR1又は第2通路TR2の左右に配置される場合を説明したが、第4実施形態の振分ユニット4980では、球の排出経路が、第1通路TR1及び第2通路TR2の背面側を形成する背面ベース4985の後側に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図71(a)は、第4実施形態における振分ユニット4980の正面図であり、図71(b)は、振分ユニット4980の背面図である。図71(a)及び図71(b)に示すように、振分ユニット4980では、開口985e,985fの上流側において球を背面側に排出可能に構成される。
即ち、振分ユニット4980の背面ベース4985は、左右一対で貫通形成される開口4985kと、その開口4985kを通過して背面ベース4985の背面側に排出された球を左方向に流下させ背面側へ排出する排出樋4985lと、を備える。
開口4985kは、第1通路TR1又は第2通路TR2の背面側に配置され、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下している球が通過可能となる大きさの矩形状で貫通形成される。
排出樋4985lは、左右に長い部分は左方へ向けて下降傾斜しており、その左端に形成される前後に長い部分は後方へ向けて下降傾斜する。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2から開口4985kを通過して排出樋4985lに乗った球は、排出樋4985lに沿って左方へ流され、左端位置において流下方向が後方側へ切り替わり、後方へ流される。
排出樋4985lは背面ベース4985の背面側に配置されており、遊技者から離れて配置されているが、その手前側に配置される正面ベース981及び背面ベース4985は、半透明の樹脂材料から形成されているので、遊技者は正面ベース981及び背面ベース4985を介して、排出樋4985l及び排出樋4985lを転動する球を視認可能である。
なお、本実施形態では、排出樋4985lは、一対の開口4985kの両側において球を受け入れるよう構成されることで、部品数を抑える形で部品コストを低減しているが、各開口4985kにそれぞれ排出樋4985lを設けるようにしても良い。この場合、各開口4985lから少なくとも後側に球を流せば、球を排出することができるので、排出樋4985lを左右に長く形成することを不要とすることができる。これにより、排出樋4985lの形状を単純化することができる。
排出樋4985lを背面側に形成する本実施形態の構成によれば、排出樋4985lが目立つことを避けることができるので、ベース板60(図5参照)の貫通孔60a付近におけるベース板60のデザインに排出樋4985lが影響を与えることを避けることができる。従って、ベース板60の装飾模様の設計自由度を向上することができる。
振分けユニット4980の形状的な他の工夫について説明する。本実施形態では、開口4985kを形成して球の排出経路を確保した代わりに、背面ベース4985では、第1実施形態における背面ベース985から開口985b,985c(図8参照)の形成が省略されており、それに対応して膨出部982の下端付近における左右幅が短縮されている。
これにより、振分ユニット4980の左右幅を短縮することができるので、ベース板60の貫通孔60a(図5参照)の形状を小さくすることができることにより、ベース板60の厚肉部(釘を植設可能な部分)の面積を確保することができる。これにより、釘の配置自由度を向上することができる。
また、電動役物140aの近傍に釘を配置できるようになるので、電動役物140aに球を案内するための釘の配置自由度を向上することができる。
開口4985kを背面側に形成する構成によれば、開口を正面側に形成する構成(図70参照)に比較して、開口4985kの上下配置を電動役物140aの配置によらずに任意に設計可能となる。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球が逸れることなく検出装置SE3に検知される(検出孔SE1aを通過する)確率を形状から調整することができる。
例えば、開口4985kの上下幅を球の直径と同等の幅長さで設計する場合、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球のほとんどは開口4985kを通過せず、検出装置SE3の検出孔SE1aを通過することになる。
一方、開口4985kの上下幅を球の直径の1.5倍の幅長さで設計する場合、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球の20%程度が開口4985kを通過し、残りの80%程度が検出装置SE3の検出孔SE1aを通過することになる。即ち、開口4985kの上下幅の長さを任意に設計することで、検出装置SE3に検知される確率を調整することができる。
次いで、図72及び図73を参照して、第5実施形態について説明する。第2実施形態では、上部連結部材270に到達した球は滑らかに左右に案内される場合を説明したが、第5実施形態の上部連結部材5270では、球の左右方向への滑らかな案内が抑制される種々の工夫が施されている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図72は、第5実施形態における遊技盤13の部分拡大正面図であり、図73は、図72のLXXIII-LXXIII線における遊技盤13の部分断面図である。
図72に示すように、センターフレーム86を構成する上側構成部材5241は、帯状フレーム部245から第2張出部5273へ向けて突設形成される左右突設部5246を備える。第2張出部5273は、下端部から、減速突設部5246の左右位置へ向けて突設される減速突設部5273aを備える。
本実施形態によれば、左右一対の第1張出部272の間や、第1張出部272と第2張出部5273との間を流下した球が帯状フレーム部245に到達し、左右に転動する場合、左右突設部5246から左右外側へ射出されるように流下し、減速突設部5273aに衝突して減速される。
即ち、左右一対の第1張出部272の間や、第1張出部272と第2張出部5273との間にまで到達する程に発射の勢いが大きく、大きな運動エネルギーを有する球の速度を、減速突設部5273aとの衝突により減速させることができる。
減速突設部5273aへの球の当接に係る重なり幅(上下寸法)は、左右突設部5246を通過する際の球の速度の大小によって異なる。即ち、高速で左右突設部5246を通過する球は、より高い位置で減速突設部5273aと広範囲で当接する一方、左右突設部5246を通過する際の速度が遅い球は、減速突設部5273aとの当接前から低い位置に変位し、減速突設部5273aと擦れる程度の当接に留められる。
従って、左右突設部5246を通過する際の速度が高速である場合には、大きな減速作用を期待できる一方、左右突設部5246を通過する際の速度が遅い場合には、減速作用を抑えることができ、球が停留することを回避することができる。
本実施形態によれば、強めの発射力で発射経路HL51に沿って発射され左右突設部5246よりも上流側(左右内側)で帯状フレーム部245に到達した球には、転動の過程で減速突設部5273aに当接することによる減速作用が生じる一方、弱めの発射力で発射経路HL52に沿って発射され左右突設部5246の下流側(左右外側)で帯状フレーム部245に到達した球には、減速突設部5273aによる減速作用は生じないように構成している。
即ち、遊技領域の左右中央にまで届く強めの発射力で発射された球には減速突設部5273aによる減速作用が生じ、遊技領域の左右外側(左側)に到達する弱めの発射力で発射された球には減速突設部5273aによる減速作用が生じない。これにより、発射力の大小(運動エネルギーの大小)による球の流下(帯状フレーム部245の下端側を通過する時の流下)の速度差を小さくすることができる。
図73に示すように、第3張出部5274の上面には、球が通過可能な大きさで開口5274aが貫通形成される。開口5274aは、球の直径程度の左右幅で形成され、板状部271が切り欠かれる態様で形成される凹設部5271aと合同で球の通路を形成する。凹設部5271aにより球を開口5274a側に案内し易くすることができる。
ベース板60には、開口5274aに入球した球の通路として貫通路5060dが前後方向に貫通形成される。ベース板60の背面側には、貫通路5060dを通過した球を受け入れ、左右外側かつ下方へ向けて球を案内する案内流路5295aを備える流路構成部材5295が締結固定される。
案内流路5295aは、帯状延設部263の上面に球を送る部材としての流路後構成部266(図25参照)に内部経路を連通させるようにして連結される。これにより、ベース板60の背面側へ流れた球を、帯状延設部263の上面に再び登場させるように球の経路を構成することができる。
帯状延設部263(図24参照)を転動する球は、中央後傾斜部263aを通り球排出孔263cから排出されると、第1入賞口64へ向けて落下する(図18参照)。このような配置関係から、帯状延設部263を転動する球は第1入賞口64に入球する可能性が著しく高まる。
そのため、開口5274aを通りベース板60の背面側に流れた球に対する注目力を向上させることができる。加えて、開口5274aを球が通るように発射力を調整する遊技者の意欲を高めることができる。
なお、背面側に流れた球のその後の流下経路については、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、流路前構成部265(図18参照)の左右外側位置においてベース板60の正面側に戻るようにベース板60に貫通孔が形成されていても良いし、左部構成部材450や右部構成部材470の背後を流下するように流下経路が下方に延設されても良い。
左部構成部材450や右部構成部材470の背後を流下するように流下経路が下方に延設されている場合、その流下経路が、外側脱落経路FL2(図31参照)と正面視で少なくとも部分的に重なるように配置することで、ベース板60の背面側を流下する球が、あたかも第1球案内部457へ向けて流下するように見せることができる。これにより、ベース板60の背面側を流下する球に対する注目力を向上することができる。
次いで、図74及び図75を参照して第6実施形態について説明する。第2実施形態では、発光動作演出ユニット700が遊技盤13の背面側に配置される場合を説明したが、第6実施形態では、発光動作演出ユニット6700が遊技盤13の正面側に配置される。
なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図74及び図75は、図36のLV-LV線に対応する線における第6実施形態におけるパチンコ機6010の部分断面図である。図74では、発光動作演出ユニット6700が上端位置に配置された状態が図示され、図75では、発光動作演出ユニット6700が下端位置に配置された状態が図示される。
図74及び図75に示すように、パチンコ機6010は、遊技盤13の正面側に正面枠6014を備えており、その正面枠6014が外枠11に施錠された状態で第1ガラスユニット6016aが遊技領域の正面側を塞ぐよう構成される。
正面枠6014は、上述の第1ガラスユニット6016aと、正面側へ向かう程上昇傾斜する傾斜姿勢とされ正面側寄りに配置される第2ガラスユニット6016bと、を備える。
第1ガラスユニット6016aは、センターフレーム86を基準として、遊技領域側に板状ガラス部が形成され、その反対側に開口部6016cが貫通形成される。即ち、第1ガラスユニット6016aは、センターフレーム86の正面が開放されているので、正面視においてガラスユニット6016aが視界を遮らない分、センターフレーム86及びその内側に配設される第3図柄表示装置81の表示の視認性を向上することができる。
第2ガラスユニット6016bは、正面枠6014の周囲を構成する支持部6014aの内側に嵌め込まれる形で固定される。第2ガラスユニット6016bが遊技者と動作ユニット500とを隔絶するので、第1ガラスユニット6016aに開口部6016cが形成されている場合であっても、遊技者が動作ユニット500に触れるという事態を避けることができる。
支持部6014aは、不透過性の樹脂材料および金属材料から形成されており、その背面側に配置される構成を隠すように機能する。
発光動作演出ユニット6700は、配置が違うことを除いては、第2実施形態で説明した発光動作演出ユニット700と同一である。即ち、発光動作演出ユニット6700には、回転演出装置800が回転可能に配設されている。
正面枠6014の内側には、第2実施形態で説明した第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674と同一形状の第1長孔6672、第2長孔6673及び湾曲長孔6674が、第2実施形態における姿勢に対して前転方向に約25度傾斜した状態で形成される。
配置の変化に伴う、発光動作演出ユニット6700の見え方の変化について説明する。
図74に示すように、発光動作演出ユニット6700が上端位置に配置されると、中央装飾部材751が、辛うじて視認され、回転部材810の全貌は正面枠6014の支持部6014aに目隠しされる。即ち、発光動作演出ユニット6700が上端位置に配置されると、発光動作演出ユニット6700の視認性は低下する。
一方、発光動作演出ユニット6700が斜め後ろ方向へ向けて下降変位すると、支持部6014aに隠されていた部分が第2ガラスユニット6016bの後方に配置され、回転部材810の全貌を視認可能となる。また、回転部材810が回転軸RJ1を中心に高速回転して回転発光演出を実行した場合であっても、回転部材810の回転先端側まで遊技者に視認させることができる。即ち、発光動作演出ユニット6700が下端位置に配置されると、発光動作演出ユニット6700の視認性は向上する。
なお、図75に想像線で示すように、回転部材810の回転軌跡は、第1ガラスユニット6014aの厚み寸法内に進入しているが、その進入した位置には開口部6016cが形成されており、第1ガラスユニット6014aと回転部材810との接触を回避している。即ち、開口部6016cは、回転部材810との接触を避けることで、回転部材810の配置自由度を向上させるように機能する。
本実施形態では、遊技盤13の正面側には発光動作演出ユニット6700が配設される一方、遊技盤13の背面側には発光動作演出ユニット700が配設される。発光動作演出ユニット700の動作態様は第2実施形態で上述した通りである。
そのため、本実施形態によれば、第3図柄表示装置81の表示領域の正面側に可動ユニットが張り出す演出動作として、発光動作演出ユニット6700を下端位置へ向けて移動させても良いし、発光動作演出ユニット700を内部動作ユニット600の張出状態とするようにしても良い。
また、回転演出装置800の回転発光演出を、発光動作演出ユニット700の回転部材810で実行しても良いし、発光動作演出ユニット6700の回転部材810で実行しても良い。これにより、回転発光演出の実行位置の設定自由度を向上することができると共に、実行のバリエーション(発光動作演出ユニット700又は発光動作演出ユニット6700の片方で回転発光演出を実行するか、交互に回転発光演出を実行するか、同時に回転発光演出を実行するか、等のバリエーション)の設計自由度を向上させることができる。
なお、背面ケース510内にも発光動作演出ユニット700が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面ケース510の内部に発光動作演出ユニット700を配置しないように構成しても良い。
この場合、内部動作ユニット600の退避状態において発光動作演出ユニット700によって視界が遮られることが無くなるので、第3図柄表示装置81の上縁部を上方に引き上げて、第3図柄表示装置81の表示領域の面積を増加させることができる。また、発光動作演出ユニット700を収容するために必要だった背面ケース510の前後幅を短縮することができるので、センターフレーム86と第3図柄表示装置81との前後間隔を短縮することができ、第3図柄表示装置81による表示の視認性を向上することができる。
次いで、図76を参照して第7実施形態について説明する。第2実施形態では、金属棒状部材686が、直線形状の第2長孔673と、湾曲形成される湾曲長孔674とに案内されることで、発光動作演出ユニット700が平行移動する状態と、筒状部684の中心軸J1を中心として発光動作演出ユニット700が回動する状態とが切り替えられる場合を説明したが、第7実施形態のガイド部7673は、上下方向に沿って直線的に延びる突条形状で形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図76(a)から図76(c)は、第7実施形態におけるガイド部7673及びL字長孔7674を模式的に示すガイド部7673及びL字長孔7674の模式側面図である。
図76(a)では、内部動作ユニット600の退避状態における高さにおける構成の配置が図示され、図76(b)では、内部動作ユニット600の中間状態における高さにおける構成の配置が図示され、図76(c)では、内部動作ユニット600の張出状態における高さにおける構成の配置が図示される。
なお、張出状態における発光動作演出ユニット700の配置は、筒状部684の配置が後方に位置ずれしていることからも分かるように、第2実施形態で説明した内部動作ユニット600の張出状態における発光動作演出ユニット700の配置よりも後方にずれる。
ガイド部7673は、第2実施形態で説明した第2長孔673の延設方向に沿って形成され、更に下方に向けて延設される板状部として外側部材610の左右内側面に形成され、金属棒状部材686の前後方向変位を規制するように配設される。L字長孔7674は、第2実施形態で説明した湾曲長孔674の下端部から後方に向けて筒状部684を受け入れられる幅の凹設部7674aが形成される。
変位部材680の下降変位について説明する。図76(a)から図76(b)までの変位は、変位部材680の姿勢を維持したまま行われる平行移動である。図76(b)から図76(c)までの変位では、筒状部684を中心として金属棒状部材686が回転変位することで、変位部材680が前転方向に傾倒する。
この時、筒状部684は、金属棒状部材686との距離が維持される関係から、凹設部7674aに進入および退避する態様で前後方向に変位する。即ち、変位部材680の姿勢変化中において、筒状部684は配置が維持されるものではなく、筒状部684の前後方向への変位が生じたままの状態で、変位部材680を傾倒変位させることができる。
次いで、図77を参照して第8実施形態について説明する。第2実施形態では、金属棒状部材686を案内する第2長孔673が上下方向に沿って延設される場合を説明したが、第8実施形態の第2長孔8673は、上下方向に対して傾斜した方向に沿って延設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図77(a)から図77(c)は、第8実施形態における第2長孔8673、湾曲長孔8674、第3長孔8675、第1長孔上部8672a及び第1長孔下部8672bを模式的に示す第2長孔8673、湾曲長孔8674、第3長孔8675、第1長孔上部8672a及び第1長孔下部8672bの模式側面図である。
図77(a)では、金属棒状部材686及び筒状部684が変位範囲の上端位置に配置された状態が図示され、図77(b)では、金属棒状部材686が第2長孔8673と湾曲長孔8674との連結位置に配置された状態が位置され、図77(c)では、金属棒状部材686が湾曲長孔8674と第3長孔8675との連結位置に配置された状態が図示される。
第1長孔上部8672a及び第2長孔8673は、後方に向けて前後方向に対して約70度の傾斜角度で下降傾斜する方向に延設される。第2長孔8673の下端部に湾曲長孔8674が連結される。
湾曲長孔8674は、筒状部684が第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に配置された状態における筒状部684の中心軸J81を中心とする円弧に沿う湾曲形状で延設される。
湾曲長孔8674の下端部に第3長孔8675の上端部が連結される。第1長孔上部8672aの下端部に連結される第1長孔下部8672bと第3長孔8675は、前方に向けて前後方向に対して約70度の傾斜角度で下降傾斜する方向に延設される。
金属棒状部材686は、昇降板部材630の前後長孔636に挿通されており、昇降板部材630が上下方向に移動することに伴って上下位置が変化する。金属棒状部材686の配置変化に伴う変位部材680の変位について説明する。
図77(a)から図77(b)までの変位は、変位部材680の姿勢を維持したまま行われる平行移動である。この時、変位部材680の変位方向は鉛直方向ではなく、前後方向の成分を有する方向となる。遊技者から見ると、変位部材680が下がりながら後方へ向けて退避しているように見えるので、発光動作演出ユニット700が下降して現れるにつれて、発光動作演出ユニット700の大きさが小さくなっている(遠ざかっている)用に見せることができる。
図77(b)から図77(c)までの変位では、筒状部684を中心として金属棒状部材686が回転変位することで、変位部材680が前転方向に傾倒する。これに伴い、発光動作演出ユニット700の視認される面を切り替えることができる。本実施形態では、第2実施形態に比較して傾倒角度が大きいので、回転部材810(図51参照)の裏面側を遊技者に視認させることができる。
この時、筒状部684は、金属棒状部材686との距離が維持される関係から、凹設部7674aに進入および退避する態様で前後方向に変位する。即ち、変位部材680の姿勢変化中において、筒状部684は配置が維持されるものではなく、筒状部684の前後方向への変位が生じたままの状態で、変位部材680を傾倒変位させることができる。
図77(c)に示す状態から、更に金属棒状部材686が下降変位すると、変位部材680は第3長孔8675に沿って前方へ向けて変位する。そのため、遊技者に対して変位部材680が下がりながら前方へ向けて張り出してきているように見せることができる。
この際、第2長孔8673に沿って一旦後方に変位している分、前方への張り出しを際立たせることができる。
本実施形態では、第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に筒状部684が配置された状態において、筒状部684の変位抵抗が増加するように構成している。即ち、図77(b)において筒状部684の後側部と当接する第1長孔下部8672bの内面が、第1長孔下部8672bのその他の部分や第1長孔上部8672aの内面の摩擦係数に比較して、摩擦係数が大きな材料から形成されている。
これにより、金属棒状部材686が湾曲長孔8674の終端位置に到達するまで、第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に筒状部684を維持し易くすることができる。
なお、筒状部684を第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に維持する手法は、摩擦係数の大きな材料を採用することに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1長孔上部8672a又は第1長孔下部8672bの内面の形状を摩擦係数の大きな形状(例えば、シボ加工形状)から形成するようにしても良い。
次いで、図78を参照して第9実施形態について説明する。第2実施形態では、締結部682が挿通される長孔764aが左右方向に長く上下方向に短い場合を説明したが、第9実施形態の大径孔9764aは、鍔付きリング部材9689bの円筒状部689b1の外径よりも十分に大きな内径の円形孔とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図78(a)及び図78(b)は、図37のLXXVIIIa-LXXVIIIa線に対応する線における第9実施形態における変位部材9680及び発光動作演出ユニット9700の部分断面図である。
図78(a)では、締結部682が略前後方向(前方に向けて3度上昇傾斜する方向)に向き、大径孔9764aの上縁部が円筒状部689b1と当接して支えられている状態が図示される。図78(b)では、締結部682が下向きとなる姿勢に変位部材9680の姿勢が切り替えられ、締結部682に締結される締結ビスB91の頭部に鍔付きリング部材9689b及び発光動作演出ユニット9700が下支えされている状態が図示される。
本実施形態では、大径孔9764aを両側から挟む板状リング部材689aと、鍔付きリング部材9689bとでは、発光動作演出ユニット9700との当接の態様が異なる。
即ち、板状リング部材689aは、板平面部で発光動作演出ユニット9700と当接する。一方、鍔付きリング部材9689bは鍔部の先端から円筒状部689b1側へ向けて360度に亘って形成される傾斜面部9689b2が、大径孔9764aの端部に360度に亘って形成される面取り傾斜部9764a1に面で当接する。
図78(a)に示す状態(内部動作ユニット600の退避状態や中間状態に相当する状態)では、締結部682が後倒れ方向に傾斜しているので、発光動作演出ユニット9700は後方に寄ることになり、板状リング部材989aと当接する。
この当接は平面上における当接なので、締結部682を中心とする発光動作演出ユニット9700の回動変位に対する摺動摩擦力は小さくされており、少なくとも大径孔9764aと円筒状部689b1との間の隙間分だけ発光動作演出ユニット9700は変位できる。従って、発光動作演出ユニット9700の回動変位を許容することができる。
一方、図78(b)に示す状態(内部動作ユニット600の張出状態に相当する状態)では、締結部682の先端が下向きとなることで発光動作演出ユニット9700は下方に沈み込み、鍔付きリング部材9689bと当接する。
この当接は、360度に亘って形成される傾斜面部9689b2と、360度に亘って形成される面取り傾斜部9764a1との当接なので、大径孔9764aの中心が締結部682の中心と合うように発光動作演出ユニット9700が配置されると共に、大径孔9764aの面取り傾斜部9764a1と鍔付きリング部材9689bの傾斜面部9689b2との間の、締結部682の中心軸と直交する方向における隙間を埋めることで発光動作演出ユニット9700の変位を制限(規制)することができる。
発光動作演出ユニット9700の自重は、面取り傾斜部9764a1が傾斜面部9689b2に押し付けられる方向に作用するので、重力を利用して、発光動作演出ユニット9700の変位の制限の度合いを強めることができる。
このように、本実施形態では、変位部材9680の姿勢の変化に伴って、発光動作演出ユニット9700の変位の許容(制限)の度合いを切り替えることができる。そのため、断面が単純な円形状の貫通孔である大径孔9764aを採用した場合であっても、変位部材9680が傾倒変位した状態(図78(b)参照)において発光動作演出ユニット9700が前後方向および左右方向に位置ずれすることを防止することができる。
これにより、回転部材810(図62参照)の高速回転時に発光動作演出ユニット9700の配置がずれることを防止することができるので、回転部材810による残像表示を有利に実行可能となる。
次いで、図79を参照して第10実施形態について説明する。第2実施形態では、検出センサ832により回転部材810が適正姿勢となったことが検知され、これにより回転演出装置800の前後方向の傾倒変位を容易とする場合を説明したが、第10実施形態の回転部材810は、姿勢検出手段10830により適正姿勢に付勢される。なお、なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図79(a)及び図79(b)は、第10実施形態における回転部材810及び姿勢検出手段10830の正面図である。図79(a)及び図79(b)では、内部動作ユニット600の張出状態における配置で図示されており、回転部材810の外径が想像線で図示され、回転部材810に固定される固定ギア10815が実線で図示される。また、図79(b)では、回転部材810の適正姿勢が図示され、図79(a)では、回転部材810が適正姿勢から角度ずれ(回転軸RJ1を中心に約15度回転方向に変位)した状態が図示されており、図79(b)に示す状態へ向けての各ギア10815,10821,10831の回転方向が矢印で図示される。
図79(a)及び図79(b)に示すように、回転部材810は、駆動モータ820の駆動軸に固着される駆動ギア10821の駆動力がギアの噛み合いで固定ギア10815に伝達されることで回転可能に構成され、その固定ギア10815は、姿勢検出手段10830の検出用ギア10831と歯合されている。
検出用ギア10831は、回転軸を中心とする180度の角度範囲に亘って圧肉形成される錘部10831aを備える。錘部10831aは、本実施形態では、金属製の部材が検出用ギア10831に嵌合されるが、樹脂材料から一体形成するようにしても良い。
この構成によれば、検出用ギア10831の重心は錘部10831aの中心側(回転軸と円弧の中心とを結ぶ線上)に配置されることから、回転部材810の回転が適正姿勢と異なる姿勢(図79(a)参照)で停止した場合であっても、検出用ギア10831が重力で付勢されることにより、回転部材810が適正姿勢となるまで回転して姿勢を戻すことができる。
従って、内部動作ユニット600の張出状態(図61参照)において回転発光演出を実行した後の、駆動モータ820の停止姿勢として、回転部材810を適正姿勢で正確に停止させることができなくとも、その後で回転部材810を適正姿勢に戻すことができるので、回転部材810の姿勢検出の正確さを緩和することができる。これにより、製品コストを低減させることができる。
本実施形態では、内部動作ユニット600の中間状態および張出状態における回転軸RJ1は、鉛直方向を向くのではなく前傾方向を向いている(図68及び図69参照)。そのため、錘部10831aを利用した重力による付勢を、回転部材810の前傾方向の姿勢に関わらず生じさせることができる。
これにより、内部動作ユニット600の張出状態において回転部材810を適正姿勢としてから回転演出装置800を起き上がり方向に姿勢変化させる移動態様のみならず、回転演出装置800の起き上がり動作中や、上下方向変位中において回転部材810を適正姿勢に戻しながら移動させる移動態様を実現可能である。
また、図79(a)の姿勢から、回転演出装置800が起き上がり動作する場合(図67から図69の時系列を参照)、回転部材810が背面側で空気抵抗を受けて、適正姿勢に戻され得る。即ち、本実施形態では、回転部材810が短手方向側側面から空気抵抗を受けやすい形状とされていることで、起き上がり動作する場合に回転部材810を適正姿勢に戻しやすくすることができる。
なお、回転部材810の短手方向側側面が空気抵抗を受け難い細幅形状から形成されても良い。この場合、回転部材810の回転発光演出の動作抵抗を低減することができる。
適正姿勢に回転部材810を戻す作用は、錘部10831aにより生じさせることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第2実施形態では、センターフレーム86とベース板60とを連結する上部連結部材270に、球の流下経路の振分を行う張出部272~277が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、球の流下経路の振分を行う部分が、張り出すのではなく、凹部として形成されても良い。また、その凹部を介して球を案内する流路が形成され、球を遊技領域の他の箇所へ案内できるようにしても良い。
例えば、センターフレーム86とベース板60とを連結する部材が、センターフレーム86の下側に配設される等して、いずれかの入賞口63,64,65a,140に球を案内する受入部を備えるように構成しても良い。また、例えば、センターフレーム86とベース板60とを連結する部材が、スルーゲート67が配設されるように構成しても良い。
また、上部連結部材270は、ベース板60の表面側に沿って延設され、ガラスユニット16との間に遊技領域が構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面枠14が閉じられた状態におけるガラスユニット16の裏面側に沿うように延設され、ベース板60との間に遊技領域が構成されるようにしても良い。この場合、ベース板60側に張り出す張出部を形成し、球の流下経路の振分を行うようにしても良い。
この場合、ベース板60との締結位置が重要となるが、例えば、内レール61付近で球の流下に影響を与えにくい箇所(戻り球防止部材68の左下方等)に締結位置を配置すれば、遊技領域の広さを十分に確保することができる。
上記第2実施形態では、上部連結部材270が左右対称な形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレーム86の形状が、左側は球の流下経路を確保するために内レール61から離れて内レール61との間に大きなスペースを形成する一方、右側は外レール62との間に球の直径よりも若干長い程度のスペースを空けるように設計される場合(一般的な右打ち機の場合)、上部連結部材270が遊技領域の左側にのみ形成することは十分に想定される。また、左右逆で設計することもあり得る。
また、上部連結部材270の背面に、ベース板60又はセンターフレーム86の少なくとも一方が配設される構成に限定されるものではなく、上部連結部材270に十分な剛性を持たせれば、上部連結部材270が、背面側にベース板60もセンターフレーム86も配置されない部分を有することは十分に想定される。
また、センターフレーム86が薄板部242を構成して張り出す位置は、左右中央である必要はない。例えば、左右両側に形成されるようにしても良いし、複数位置で薄板部242として張り出してベース板60と噛み合う(隙間を空けて交互に進入し合う)ように構成しても良い。
また、薄板部242が、上部連結部材270の左右幅のほとんどを占める大きさで形成されるようにしても良い。この場合、電飾基板251を配設可能な左右幅を拡大することができる。
また、電飾基板251が薄板部242の背面側に配置されベース板60の厚み寸法内に収まる構成について、電飾基板251の配置はセンターフレーム86の上側に限定されるものではない。例えば、上部連結部材270のように、ベース板60の前面と連なって遊技領域の一面を構成する薄板部材がセンターフレーム86の左右側に形成されれば、センターフレーム86の左右側に電飾基板251を配置することが可能となるし、ベース板60の下方に配設される振分ユニット300や入賞口構成部材400に電飾基板251を組み込んで、ベース板60の厚み寸法内に収めるように構成しても良い。
上記第2実施形態では、上部連結部材270の背面側に、ベース板60に固定される形で電飾基板251が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面ケース510に配設される発光演出ユニット518と同様の構成(機種に対応するロゴ等が形成され、内部に配設される電飾基板のLEDにより発光演出を行う構成)が、上部連結部材270の背後位置に配設され、上部連結部材270側を照らすようにしても良いし、敢えて電飾基板251の配設を省略して回転演出装置800からの光が上部連結部材270を通して遊技者側に通り易くしても良い。
上記第2実施形態では、周囲発光手段251cのLEDからの光が、第1張出部272の下縁部272aに照射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、LEDが正面視における第1張出部272の内側に配置されても良い。この場合、第1張出部272の凹部側に光拡散加工を設けたり、凹設方向に深くなるほど先細りする形状で凹設したりすることにより、第1張出部272の内側に照射された光を拡散させることができ、LEDの外形の視認性を低下させると共に、LEDから照射された光の視認性を向上することができる。
上記第2実施形態では、薄板部材290は、板正面に模様、図形、文字またはキャラクターが色彩豊かに描かに描かれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、薄板部材290の少なくとも一部に光拡散加工やシボ加工を形成しても良いし、第1張出部272や第2張出部273の窪みに入り込むような形状(例えば、凸レンズ形状や、立体的な形状)で薄板部材290の表面を形成しても良い。
上記第2実施形態では、薄板部材290に形成される孔291a,291bが、センターフレーム86側から突設される突設部244bと、上部連結部材270から突設される突設部279とを受け入れることで、薄板部材290の位置ずれが抑制される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、薄板部材290の孔291a,291bに挿通される突設部は、センターフレーム86又は上部連結部材270のいずれか一方から突設されるように構成しても良い。
また、突設部244bと突設部279とが異なる孔291a,291bに挿通されるのではなく、薄板部材290に形成される単一の孔に共通で挿通されるようにしても良い。これにより、薄板部材290の位置決めになると共に、センターフレーム86及び上部連結部材270の連結にも利用することができる。
上記第2実施形態では、センターフレーム86側から突設される突設部244bが、第2張出部273の背面側の凹部の内側に形成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部244bが板状部271の背面側に(板状部271と前後方向で対向配置されるように)配設されても良い。なお、第2張出部273の背面側の凹部の内側に突設部244bが形成される場合には、第2張出部273が突設部244bの目隠しとして機能する。
上記第2実施形態では、側壁部453aと延設板部455aとの間を流下した球が第1球案内部457に確率で流れこむ場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、側壁部453a及び延設板部455aと、球案内部457との間隔が空けられ、間に振分け部983が配設されることで、2個の内の1個は、確実に球案内部457に流れ込むようにしても良い。即ち、振分け部983の2姿勢の内、どちらの姿勢の状態で球が案内されるかによって、球案内部457に入球する割合が変わるように構成しても良い。
上記第2実施形態では、傾斜案内部458が一方向(右下方向)に傾斜して、第2球案内部459に直接的に球を案内する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜案内部458が球案内部457の左右両方から左右反対方向に延設されても良いし、例えば、傾斜案内部458が、球を左右に蛇行させて案内するよう構成され、左右への切り返し位置で一定の確率で球を第2球案内部459から逸らすように構成されても良い。
また、例えば、傾斜案内部458が、単一の球を案内する場合と複数の球を同時に案内する場合とで第2球案内部459への球の到達確率を変更するように構成しても良い。例えば、第2球案内部459の配置を現状よりも左右方向で傾斜案内部458に近づく方向に変位させることで、先に第2球案内部459に到達した球が流下しきる前に後追いの球が第2球案内部459に到達すると、先の球に行く手を阻まれて第2球案内部459から逸れやすくなるという構成を実現することができる。
逆に、例えば、第2球案内部459の配置を現状よりも左右方向で傾斜案内部458から若干離す方向に変位させることで、先に第2球案内部459に到達しそうな球であって傾斜案内部458との間から落下しかけた球が落下しきる前に後追いの球が第2球案内部459に到達すると、先の球の上を転がって第2球案内部459に到達し易くなるという構成を実現することができる。
単一の球を案内する場合の方が第2球案内部459への球の到達確率が低ければ、第2球案内部459に複数球が入球して一度に払い出される賞球が過剰となる事態を避けることができる。一方で、複数の球を案内する場合の方が第2球案内部459への球の到達確率が高ければ、傾斜案内部458に複数の球が到達した場合における傾斜案内部458周辺に対する注目力を向上させることができる。
上記第2実施形態では、傾斜案内部458が固定されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜案内部458が前後に出没可能に構成されても良い。この場合、突出状態では、第2実施形態と同様に球を第2球案内部459に流れ込ませることができる一方で、退避状態では、第1球案内部457の上流で右側に流れた球が第2球案内部459に到達する割合を低下させる。また、傾斜案内部458が出没変位する場合に限られるものではなく、傾斜角度が変化するように前後方向に延びる回転軸を中心に、一定間隔で傾倒動作可能に構成しても良い。
上記第2実施形態では、第1球案内部457に入球した場合の賞球個数よりも、第2球案内部459に入球した場合の賞球個数の方が多い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、賞球個数を同じとしても良いし、入球により遊技者が得られる利益の質が違うように構成しても良い。
例えば、利益として、賞球の払い出しではなく、図柄の抽選の利益を得られるようにしても良いし、大当たり遊技開始前に入球することで大当たり遊技のラウンド数を選択(変動)可能な利益でも良いし、大当たり遊技中に入球することで大当たり遊技後の図柄の当たり確率が変化(上昇)する利益を得られるようにしても良い。これらの利益を、第1球案内部457や第2球案内部459に任意に設定することができる。
上記第2実施形態では、天井板部455の傾斜がほぼ一定である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、天井板部455の傾斜角度が、途中位置から上流側において水平に対して大きな角度とされ、同じ途中位置から下流側において水平に対して小さな角度とされても良い。この場合、途中位置の上流側で球が天井板部455に着地するか、途中位置の下流側で球が天井板部455に着地するかで球の転動速度が変化し易くなるので、その後の球の流下経路を予想し易い。即ち、天井板部455の途中位置に対する注目力を向上させることができる。
また、天井板部455の上面に、球の転動速度を減速させるための複数の突条を形成するようにしても良い。この場合において、突条の形成位置は、天井板部455の左右幅の全域に形成される必要はなく、傾斜の変化と同様に、一部範囲に形成するようにしても良い。
また、減速用の複数の突条は、天井板部455の上面に限定されるものではない。例えば、第1球案内部457へ向けて球を下方に案内する案内流路を構成する樹脂壁から案内流路側に突設されても良いし、膨出部456の下面側や傾斜案内部458の上面側から球の流下経路側に突設されても良い。
また、突条の形成方向は前後方向と交差する方向に限定されるものではない。例えば、本体板部451から正面側に突条が突設されても良いし、本体板部451の正面側に本体板部451と平行な平面に沿う平板形状から形成される前板部材が配設され、本体板部451との間に球の流下経路を構成する場合、前板部材から背面側に突条が突設されるようにしても良い。
上記第2実施形態では、第1球案内部457に落下した球が一般入賞口63に円滑に案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1球案内部457の内部形状がすり鉢状に形成され、下端部の開口が球の直径よりも若干大きい程度の大きさで形成される場合、第1球案内部457を球が通過するまでの時間を引き延ばすことができる。
この場合、第1球案内部457に球が留まっている間に第1球案内部457に後追いの球が到達すれば、その球を傾斜案内部458側へ案内し易く、第2案内部459への球の入球確率を増加させることができる。従って、複数の球が連なって第1球案内部457に到達するという稀な状況を待たずとも、球が第2案内部459側に案内されるという状況が生じるように構成することができる。
また、第1球案内部457の形状を工夫する以外の手法として、球の重みで変位する可動部材を配設しても良い。その可動部材は、球が第1球案内部457に入球してから所定期間において第1球案内部457への入球を塞ぐよう構成され、可動部材に到達した球を傾斜案内部458側に案内するように構成される。これにより、先の球が第1球案内部457を通過してから所定期間において、第2球案内部459へ球が到達する確率を向上させることができる。
上記第2実施形態では、左部構成部材450が固定の樹脂部材から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動の可動役物により球の流下経路が変更されるようにしても良い。この場合において、傾斜案内部458が前後に出没可能に構成されても良い。即ち、前方に突出した状態においては球を第2球案内部459側へ案内するが、後方に没入した状態では球が第2球案内部459側に案内されず、落下するようにしても良い。
また、例えば、第1球案内部457を塞ぐように配置される板状部材が前後に出没可能に配設されても良い。即ち、板状部材が前方に突出した状態においては、板状部材に到達した球は傾斜案内部458側に案内され第2球案内部459に入球し易くなるが、板状部材が後方に没入した状態では、球が第1球案内部457に落下し易い構成とすることができる。
また、例えば、傾斜板部434が、開閉板65bの開閉と同期して、傾斜方向が左右反転するように動作するよう構成しても良い。開閉板65bが開放状態となった場合に傾斜板部434の傾斜方向を左右内側へ向けた下降傾斜とすることで、第2球案内部459を左右内側に逸れた球や、天井板部455と湾曲状突設部414との間に落下した球を、開閉板65b側に流れ込ませる構成とすることができる。これにより、球が広範囲から開閉板65b側へ案内されるよう構成することができる。
なお、傾斜板部434の傾斜は、電動の有無とは関係なく、左右内側に下降傾斜するよう構成しても良い。この場合であっても、開閉板65bが閉鎖状態の時に傾斜板部434の上面を転動した球が行きつく先は変わらずアウト口71なので、遊技性を維持することができる。
上記第2実施形態では、アウト口415を通して遊技領域から球を排出可能に構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、鉛直板部433の形成を省略し、アウト口415の形成を省略して、左部構成部材450を通過した球が開閉板65b側に流下するように構成しても良い。これにより、開閉板65bへ向かう球の流下経路のバリエーションを増やすことができる。
上記第2実施形態では、開閉板65bが下縁に沿って左右に延びる回転軸で回転変位する正面視長方形形状の板部材から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視で上縁部が左右中央部へ向けて上昇傾斜するよう形成されることによる正面視5角形形状(ホームベースに類似の形状)で構成されても良い。これにより、上縁部に球が当接した場合に、球を上縁部の形状に沿って左右外側に流し易くすることができる。
なお、開閉板65bの上縁部で左右外側に流された球の流下態様を調整するための調整手段を備えても良い。例えば、傾斜板部434の左右内側先端部から鉛直板部433と平行に下方に延びる延設板と、その延設板に球が通過可能な大きさで左右方向に貫通形成される球通過孔と、を備えるようにしても良い。
例えば、球通過孔の配置を、開閉板65bの開放状態において開閉板65bの上縁部65bに左右外側に流された球の配置とずれた位置とし(上側にずれた位置とし)、開閉板65bが開放状態と閉鎖状態との間の状態において開閉板65bの上縁部65bに左右外側に流された球の通過を許容する位置として設計しても良い。
この場合、延設板および球通過孔により、開閉板65bの開放状態においては球を開閉板65bの上側に留めて左右漏れを防止する一方、閉鎖途中においては開閉板65bが球を左右に流す(こぼす)ことができるように構成することができる。
なお、開閉板65bの開放状態における姿勢を維持するために下支え可能な位置で覆設部材430の本体板部431の背面側から背面側へ向けて突設される突設部を覆設部材430に形成しても良い。更に、突設部が開閉板65bの左右幅方向両端部において開閉板65bを傾倒方向で当接するようにしても良い。この場合、開閉板65bの開放状態における姿勢を維持し易くなる。
上記第2実施形態では、振分ユニット300が、方向切替部317で前方に案内された球が検出装置SE3の上方で左右方向に流下方向が切り替えられてから排出用開口部325を通過する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入賞用開口部323を排出用開口部として利用して球を排出するようにしても良い。この場合、方向切替部317の下面に球が落下可能な大きさの貫通孔を形成し、その貫通孔に落下した球が検出装置SE3に検知されるように構成するようにすれば良い。また、同様の構成として、排出用開口部と、検出装置SE3との配置を逆としても良い。
また、方向切替部317による流路の切り替え方向が、前方側ではなく後方側として、同様の構成を採用しても良いし、入賞用開口部323の上方から前方に球が通過してベース板60の前側に排出されるよう構成しても良い。
この場合、排出用開口部325を検出装置SE3の左右側に配設する必要が無いので、左右一対の検出装置SE3の左右間隔を狭めることができたり、検出装置SE3の左右のスペースを釘の植設スペース等に有効利用したりすることができる。
また、これらの構成は、左右の検出装置SE3周りで同一とする必要は無く、左右別々の構成を採用しても良い。例えば、大当たり遊技中において、入賞用開口部323の上方から前方に通過した球が開閉板65bに拾われ得る構成を左右片側で採用するようにしてもよく、この場合、入賞用開口部323の上方から前方に球が通過する構成の側に球が案内される場合と、逆の場合とで、第1入賞口64に入球した球がベース板60の正面側に戻って開閉板65bに拾われる確率が変化する。そのため、第1入賞口64に入球した球に対する注目力を向上することができる。
上記第2実施形態では、センターフレーム86の上方において発光動作演出ユニット700が退避して、張出状態では第3図柄表示装置81の前方に発光動作演出ユニット700が配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700を縦長に構成して、センターフレーム86の左右側に退避するように構成しても良い。
また、正面枠14の上縁部から前方に張り出すよう構成されることに倣って、正面枠14の左右縁部から前方に張り出すような構成を採用し、その張り出した部分に発光動作演出ユニット700を退避させるように構成しても良い。この場合、左右両縁の前側に退避しておき、張出状態では第3図柄表示装置81の正面側に発光動作演出ユニット700が後退しながら配置されるよう構成することができる。
上記第2実施形態では、回転部材810と当接する部材として、筒状部材695について説明したが、筒状部材695の材質は何ら限定されるものではない。例えば、回転部材810から与えられる負荷程度では形状変形しない硬質の樹脂材料から形成されるようにしても良い。この場合、回転部材810の過度な変位を抑制することができる。
また、回転部材810から与えられる負荷程度であっても変形(径方向で潰れる変形)可能な軟質の樹脂材料から形成されるようにしても良い。この場合、筒状部材695が緩衝材として機能し、回転部材810の破損を回避し易くすることができる。
上記第2実施形態では、装飾板811に形成される図形や模様を、内部動作ユニット600の中間状態において底壁部511に形成される図形や模様と一体的に視認されるよう設計したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700が特定の上下配置で左右どちらかに傾く傾斜姿勢となった場合に、底壁部511に形成される図形や模様と一体的に視認されるように装飾板811に形成される図形や模様を設計しても良い。この場合、一体的に視認される内容が、発光動作演出ユニット700が左側に傾く場合と、右側に傾く場合とで異なるように設計することで、底壁部511及び装飾板811の演出効果を向上させることができる。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700が、上下に昇降変位しながら傾倒することで、正面視における発光動作演出ユニット700の外形の変化と、発光動作演出ユニット700の上下位置の変化とが同時に生じる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、発光動作演出ユニット700の上下配置は維持したまま、発光動作演出ユニット700の正面視における外形が変化するように構成しても良い。上記第2実施形態においても、例えば、発光動作演出ユニット700が内部動作ユニット600の中間状態において回転部材810が回転軸RJ1を中心に所定角度回転変位することで、回転部材810の投影方向が変わることから、回転部材810の正面視における外形を変化させることができる。
上記第2実施形態では、昇降板部材630の昇降変位に対する抵抗を生じさせる前後変位部材653が、ソレノイド651によって前後方向変位する部材として構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータの駆動力で変位する回動アームが、被当接板638に対して近接または離間する方向に変位可能とされ、被当接板638との間で摩擦力を生じたり、移動方向を遮ったりすることで、昇降板部材630の変位抵抗を生じさせても良い。
上記第2実施形態では、前後変位部材653の変位方向が昇降板部材630の変位方向と直交する方向(昇降板部材630の移動方向と直交する平面上の方向)で設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。即ち、前後変位部材653の変位方向と、昇降板部材630の変位方向(上下方向)との成す角度が直角でなくても良い。
例えば、前後変位部材653の変位方向が、前方に向かうにつれて上昇傾斜するように設計される場合、前後変位部材653が前方に変位する際には、昇降板部材630が下降変位していれば、摺動摩擦の他に、上向きの負荷を加えることで昇降板部材630の停止までの時間を短くすることができる。一方で、昇降板部材630が上昇変位していれば、摺動摩擦の他に、上向きの負荷を加えることで昇降板部材630の急な減速を避けつつ、昇降板部材630の運動エネルギーを削ぐことができる。
また、前後変位部材653の変位方向を、前方に向かうにつれて下降傾斜するように設計する場合、前後変位部材653が前方に変位する際には、昇降板部材630が上昇変位していれば、摺動摩擦の他に、下向きの負荷を加えることで昇降板部材630の停止までの時間を短くすることができる。一方で、昇降板部材630が下降変位していれば、摺動摩擦の他に、下向きの負荷を加えることで昇降板部材630の急な減速を避けつつ、昇降板部材630の運動エネルギーを削ぐことができる。
上記第2実施形態では、内部動作ユニット600の退避状態においても、張出状態においても、被当接板638と前後変位部材653との上下方向視における重なり前後幅はほぼ同じとなるように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、前後変位部材653の前端面の形状が、上方へ向かう程に後傾斜する傾斜面で形成されるようにしても良い。この場合、被当接板638が下降変位する際に前後変位部材653が前方へ向けて変位すると、被当接板638に対して前後変位部材653の前端面から拾い上げるような方向の負荷を生じさせることができるので、昇降板部材630を制動させる作用を強化することができる。
また、例えば、前後変位部材653の前端面の形状が、下方へ向かう程に後傾斜する傾斜面で形成されるようにしても良い。この場合、被当接板638が上昇変位する際に前後変位部材653が前方へ向けて変位すると、被当接板638に対して前後変位部材653の前端面から下に押し付けるような方向の負荷を生じさせることができるので、昇降板部材630を制動させる作用を強化することができる。
また、例えば、前後変位部材653の前端面の形状が、下端位置から上方へ向かう程に後傾斜する傾斜面と、上端位置から下方へ向かう程に後傾斜する傾斜面とが、所定の中間位置で合体するように形成され、これに対応して、被当接板638の後端面の中間位置に後方へ張り出す張出部が形成されるようにしても良い。
この場合、前後変位部材653の正面側に被当接板638が配置された状態で前後変位部材653が前方に変位されると、前後変位部材653の前端面の所定の中間位置に被当接板638の張出部が収容される態様で昇降板部材630の上下位置を安定させることができる。
この場合において、下側に向けて後方傾斜する傾斜面と、上側に向けて後方傾斜する傾斜面とが合体する部分の個数は、前後変位部材653の前端面において限定されるものではない。例えば、合体する部分を複数構成するような形状(例えば、鋸刃形状、ギザギザ形状)としても良い。この場合、昇降板部材630の上下位置を複数位置で安定させることができる。
上記第2実施形態では、左右一対の昇降板部材630が上下位置ずれ可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700に対して左右の昇降板部材630が締結固定され、左右一対の昇降板部材630の上下位置ずれが許容されないような構成としても良い。この場合、昇降板部材630の変位抵抗を生じさせるための抵抗発生装置650は左右片側にのみ構成すれば十分となる。
一方で、本実施形態では、左右一対の昇降板部材630の上下位置ずれが許容されているので、抵抗発生装置650を左右両側に配置することが好ましい。この構成を利用して、左右のソレノイド651の励磁のタイミングをずらす制御を行っても良い。
例えば、内部動作ユニット600の退避状態から中間状態へ向けて下降変位させる際に、左右一対のソレノイド651を励磁して前後変位部材653を後方に配置した状態で実行される駆動モータ648の駆動制御と同様の駆動制御を、左側のソレノイド651は励磁して、右側のソレノイド651は非励磁とした状態で実行すると、発光動作演出ユニット700が右側に対して左側が下方に配置される傾斜姿勢となるような演出動作を実行することができる。
この演出動作は、内部動作ユニット600の動作誤差限界状態までは、内部動作ユニット600に負荷を与えることなく実行することができる。また、この演出動作用に駆動モータ648の駆動パターンを増やすのではなく、内部動作ユニット600の下降変位の際に利用される駆動モータ648の駆動パターンを流用し、ソレノイド651の励磁を異なる励磁パターンで実行することで、演出動作を実行するようにしている。そのため、駆動モータ648に要求される駆動パターンを低減することができる。
また、右側のソレノイド651を非励磁とするタイミングは、内部動作ユニット600の退避状態からに限定されるものではない。例えば、内部動作ユニット600の退避状態では左右両側のソレノイド651が励磁され、内部動作ユニット600が退避状態から中間状態となる途中で右側のソレノイド651を非励磁としても良い。この場合、摩擦力により右側の昇降板部材630の下降変位を遅らせることができ、発光動作演出ユニット700が右側に対して左側が下方に配置される傾斜姿勢となるような演出動作を実行することができる。
なお、演出動作として、内部動作ユニット600の退避状態からの例を説明したが、上下方向を逆とすることが当然に想定される。即ち、上述した左右一対のソレノイド651の励磁のパターンを、内部動作ユニット600の張出状態からの変位に合わせて実行するようにしても良い。
上記第2実施形態では、内部動作ユニット600の張出状態において、昇降板部材630の被当接板638の上方向の変位が前後変位部材653に規制された状態で、回転演出装置800の回転発光演出が実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、内部動作ユニット600の張出状態で実行される回転発光演出の種類として、回転軸RJ1を固定した状態で実行される大当たり報知のための演出とは異なる、抽選のはずれ演出として、左右両側または左右片側のソレノイド651を励磁した状態において回転演出装置800の回転発光演出を実行するようにしても良い。
この場合、ソレノイド651が励磁された側では前後変位部材653が被当接板638の移動経路から退避しているので、回転部材810の回転の遠心力により発光動作演出ユニット700や昇降板部材630が上昇変位したとしても、その上昇変位を前後変位部材653が押さえる作用は生じない。
そのため、回転部材810の回転軸RJ1は容易に位置ずれすることになる。これにより、回転部材810の回転発光演出を回転軸RJ1が固定されない状態で実行する動作演出を行うことができるので、回転発光演出における回転部材810の回転速度と回転部材810から照射される光の発光パターンは同じとしながら、回転部材810の残像表示により視認される図形を異ならせることができる。
なお、回転軸RJ1が固定されない状態を形成するためには、左右両側のソレノイド651を励磁した状態としても、左右片側のソレノイド651を励磁した状態としても良いが、左右片側のソレノイド651を励磁して、もう片側のソレノイド651は非励磁とすることで、非励磁とした側の上昇板部材630の上下方向変位を規制することができるので、発光動作演出ユニット700や昇降板部材630が過度に上昇変位することを抑制することができ、発光動作演出ユニット700や昇降板部材630の破損を回避することができる。
上記第2実施形態では、ラックギア部634が伝達ギア649に対して近接離反することで、伝達効率が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータ648及び駆動軸を前後に変位可能に構成して、ラックギア部634に対して伝達ギア649が前後に変位可能としても良い。
また、伝達ギア649の直径長さが軸方向で変化するように伝達ギア649を形成しても良い。この場合、伝達ギア649又は昇降板部材630を駆動軸方向に変位させることで、伝達効率を変化させることができる。
ラックギア部634と伝達ギア649との噛み合いが維持された状態におけるラックギア部634の変位について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ラックギア部634が伝達ギア649から噛み合いが外れる程度まで離れられるように構成しても良い。この場合、駆動モータ648が暴走した場合であっても、ラックギア部634に過負荷が生じる前にラックギア部634が伝達ギア649から離れるように構成することで、ラックギア部634及び伝達ギア649の破損を回避することができる。
上記第2実施形態では、ラックギア部634が昇降板部材630の自重で伝達ギア649側に押し付けられ、ギアの歯合状態が適正化される一方、ソレノイド651の駆動力によってラックギア部634が伝達ギア649から離れる側に押される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ラックギア部634の変位の方向によらず、両方向とも、ソレノイド651の駆動力で変位するように構成しても良い。また、ソレノイド651の駆動力の発生方向を逆にしても良い。また、伝達ギア649又は駆動モータ648が駆動軸の軸直角方向に変位可能に構成しても良い。
上記第2実施形態では、長孔672~674に案内される筒状部684及び金属棒状部材686の太さについて、筒状部684の内部に電気配線が挿通されることを理由に筒状部684の方が金属棒状部材686よりも太い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内部が空洞ではなく閉塞される構成であっても、筒状部684の方が金属棒状部材686よりも太く形成されても良いし、筒状部684よりも金属棒状部材686の方が太く形成されても良い。
金属棒状部材686(前側の部材)を太く形成することで、発光動作演出ユニット700の傾倒変位時に、中心軸J1から遠い位置で生じる負荷を大面積で耐えることができる。これにより、金属棒状部材686の耐久性を向上することができるので、例えば、同部材を樹脂材料から形成した場合の耐久性を向上することができる。
また、筒状部684と金属棒状部材686とが同様の太さで形成されても良い。この場合、長孔672~674に設定されるクリアランスを同様の数値で設計することができ、長孔672~674の摩耗の度合いを均一化することができる。
上記第2実施形態では、上下一対の長孔612が、昇降板部材630の締結部632,633との前後方向のクリアランスを同等で設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上の長孔612と昇降板部材630の上締結部632とのクリアランスよりも、下の長孔612と昇降板部材630の下締結部633とのクリアランスの方が大きくなるように形成しても良い。この場合、昇降板部材630の下側部が前後方向に変位する許容幅を大きくすることができるので、ラックギア部634と伝達ギア649との歯合状態を、昇降板部材630の前後変位によって変化させ易くすることができる。
上記第2実施形態では、第2長孔673が上下に延びる長孔として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、湾曲長孔674と連結される第2長孔673が、湾曲長孔674に近い側ほど前方に配置されるように前側へ向けて下降傾斜して延設されるように構成しても良い。この場合、金属棒状部材686が第2長孔673に案内されている状態において、金属棒状部材686を前後方向に変位させることができる。
即ち、内部動作ユニット600の退避状態から中間状態に到達する前の状態において、発光動作演出ユニット700の姿勢を傾倒方向に徐々に変化させるような動作を実現させることができる。
なお、第2長孔673の傾斜は、上端部から形成される必要はなく、上端部から途中までは上下方向に長い長孔として形成し、途中から下降傾斜する方向に延設されるように構成しても良い。この場合、内部動作ユニット600の退避状態からの昇降板部材630の始動時においては発光動作演出ユニット700の姿勢を維持することができるので、ベース板60と発光動作演出ユニット700とが衝突することを回避することができる。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700の重心位置G1が筒状部684と金属棒状部材686との間に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、重心位置G1が、金属棒状部材686を基準として筒状部684の反対側に配置されても良いし、筒状部684を基準として金属棒状部材686の反対側に配置されても良い。
上記第2実施形態では、筒状部684を支持する形状部が長孔で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、固定の軸で軸回転可能に筒状部684を構成しても良い。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700を支持する変位部材680が発光動作演出ユニット700の左右両側に配設され、上下方向に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700が前後方向または前後方向および上下方向が合成された方向に変位するように構成しても良いし、発光動作演出ユニット700の左右片側に変位部材680が配設されるように構成しても良いし、変位部材680が発光動作演出ユニット700の上下に配置され、左右方向または前後方向に変位するように構成しても良い。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700に配設される可動部材として、回転動作する回転演出装置800が採用された場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直線方向で往復動作する可動部材を採用しても良いし、振動する可動部材を採用しても良い。
上記第2実施形態では、上下2個の被連結孔764の内、支持孔764bが下側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側に支持孔764bが配設されても良いし、上下とも支持孔764bとしても良い。
右側の被連結孔764の内、上下とも支持孔764bとして、左側の被連結孔764の上下ともを長孔764aとする場合、変位部材680に対する発光動作演出ユニット700の左右方向の配置ずれのみが許容され、発光動作演出ユニット700の締結部682を軸とした回動方向の姿勢変化を抑制することができる。
また、長孔764aに限定されるものではなく、支持孔764bよりもクリアランスの大きな形状の貫通孔を任意に設計することができる。例えば、締結部684の外径よりも十分に内径の大きな真円形状の貫通孔として形成するようにしても良い。また、例えば、支持孔764bとして、長孔764aよりも長手方向の長さが短い長孔を採用しても良い。この場合、発光動作演出ユニット700が左右方向の水平動作をすることが可能となる。
なお、左右の被連結孔764の形状の設定の内、対角線上の被連結孔764を共に支持孔764bとすると、発光動作演出ユニット700の左右方向の配置ずれも、締結部682を軸とした回動方向の姿勢変化も抑制される。そのため、配置ずれが生じないように、十分な強度で形成し、動作制御も精密に行う場合には良いが、そうでない場合には、少しの動作不良が発光動作演出ユニット700の破損につながるので、注意が必要となる。
上記第3実施形態では第1通路TR1及び第2通路TR2の前側に開口3982kが形成される場合を説明し、上記第4実施形態では第1通路TR1及び第2通路TR2の後側に開口4985kが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開口3982k,4985kの双方が形成されるように構成しても良い。この場合、球詰まりにおける耐性を向上させることができる。
また、例えば、第1通路TR1の前側に開口が形成され、第2通路TR2の後側に開口が形成されるようにしても良い。更に、これら開口から排出された球を下流側で合流させる合流流路が形成されても良い。この場合、左右に流下する球の見え方を変化させることができるので、球を利用した演出の演出効果を向上させることができる。
また、例えば、第1通路TR1からは、前側または後側の少なくとも一方に開口が形成され、第2通路TR2からは、左側または右側の少なくとも一方に開口が形成され、それぞれの開口を通して第1通路TR1や第2通路TR2から球が排出されるように構成しても良い。
上記第3実施形態および上記第4実施形態では、開口985dがある場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開口985dの形成を省略して、検出装置SE3の真上における第1通路TR1と第2通路TR2との間の間隔を狭め、これに伴い検出装置SE3の左右間隔を狭め、開口985e,985fの左右間隔を狭めるようにしても良い。この場合、膨出部982の下端部における左右幅を更に短縮することができる。
上記第3実施形態および上記第4実施形態では、第1通路TR1と第2通路TR2との間に配設される立設壁982aの間に空間が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、7セグ表示装置を配置して7セグによる演出範囲として利用しても良いし、小型の液晶表示装置を配置するようにしても良い。
上記第5実施形態では、遊技領域の裏側に遊技球を案内する通路が、ベース板60及び上部連結部材5270に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技球を案内する通路が、上部連結部材270及びセンターフレーム86に形成されるようにしても良いし、センターフレーム86及びベース板60に形成されるようにしても良いし、ベース板60、センターフレーム86及び上部連結部材5270を通るように形成しても良いし、ベース板60、センターフレーム86及び上部連結部材5270の何れかに形成されるようにしても良い。
上記第5実施形態では、第3張出部5274に開口5274aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、他の張出部272,5273,275~277のいずれに形成されるようにしても良い。また、開口ごとに流下後の球の行先を異ならせても良い。
例えば、第1の開口を通過した球は帯状延設部263の上面に到達し、第2の開口を通過した球は釘KG2の真上からベース板60の正面側に戻り、第3の開口を通過した球は湾曲状突設部414の真上からベース板60の正面側に戻るようにしても良い。この場合、第1の開口を狙えば球を第1入賞口64に入球させ易い一方で、第2の開口または第3の開口を狙えば球は第1入賞口64へは向かい難できると共に、球案内部457,459や特定入賞口65aへ球を案内させ易くすることができる。
第6実施形態では、遊技盤13の前側で発光動作演出ユニット6700が往復動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2実施形態で説明した内部動作ユニット600の退避状態における位置(遊技盤13の背面側の位置)にまで発光動作演出ユニット6700が移動可能に構成されるように構成しても良い。
この場合、遊技者から見え難い状態を、遊技盤13の背面側に配置される退避状態における位置と、発光動作演出ユニット6700の上端位置との、2位置で構成することができる。そのため、遊技者の視界を遮るためのシャッターや導光板等を第2ガラスユニット6016bに配設し、遊技者の視界を遮っている状態で発光動作演出ユニット6700を移動させ、見え難い状態とすることで、発光動作演出ユニット6700が2位置の内のどちらの位置に配置されているか分からないようにできる。これにより、発光動作演出ユニット6700による動作演出を予想させ難くすることができる。
上記第7実施形態では、L字長孔7674が途中まで上下方向に延びる長孔として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下方向ではなく、凹設部7674aに近接するほど後方に向かう方向に傾斜または湾曲しているように構成しても良い。この場合、筒状部684が下降変位する期間に、同時に後方へも変位されるので、変位部材680が、下降変位すると同時に、変位部材680が前転方向へ姿勢変化するように構成できる。
第7実施形態では、L字長孔7674が下端部で後方に延びる形でL字形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹設部7674aの上下位置から、更に下方に延びるように形成しても良い。この場合、凹設部7674aに進入させることで、筒状部684の上下方向変位可能範囲の途中位置で筒状部684の上下方向変位を規制することができる。規制による負荷が生じても、筒状部684が太く形成されているので、破損を回避し易くすることができる。
上記第8実施形態では、金属棒状部材686が湾曲長孔8674の途中位置に配置される状態で、回転部材810の回転軸RJ1が前後方向と一致する姿勢となる。その状態で、回転部材810を高速回転させ、回転発光演出を実行するようにしても良い。金属棒状部材686が湾曲長孔8674の途中位置に配置されていても、抵抗発生装置650により昇降板部材630の上下変位を規制することで、発光動作演出ユニット700の姿勢を維持することができ、回転軸RJ1の配置ずれを抑制することができる。
上記第8実施形態では、傾倒前において変位部材680が前転方向に傾斜する姿勢となっているので、傾倒変位後には、回転部材810の裏面側(放熱板812側)を遊技者側に向ける姿勢となっている。この場合であっても、回転部材810の裏面側は放熱板812により蓋をされており、電飾基板も内側に収容されており露見することがない。
上記第8実施形態では、変位部材680が下降変位しながら前後方向変位する場合を説明したが、この場合において、回転演出装置800の前後位置が、変位部材680が傾倒変位する前と、傾倒変位した後とで同様の位置となるように設計しても良い。これにより、例えば、変位部材680、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800のセットを前後方向で複数個積層配置させる場合の設計難易度を低くすることができる。
なお、長孔8672a,8672b,8673,8674,8675の形状は、何ら限定されるものではない。例えば、波形状でも良いし、直線形状の孔と波形状(湾曲形状)の孔との組み合わせでも良い。
上記第9実施形態では、傾斜面部9689b2と面取り傾斜部9764a1との間の負荷が変位部材9680の姿勢により変化することで、発光動作演出ユニット9700の位置ずれのし易さが変化するように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜面部9689b2と面取り傾斜部9764a1との設計に寄らずとも、押し付け合う箇所に高摩擦の樹脂材料を配置しても良いし、押し付け合う箇所に高粘度のシート部材を配置しても良いし、押し付け合う箇所に互いに嵌合する単数または複数の凹部および凸部を形成しても良い。
なお、凹部および凸部の形状は、点を中心として凹凸形成されるものでも良いし、直線や曲線を中心として形成される突条や凹溝でも良い。突条や凹溝の場合は、その延設方向に沿う方向の発光動作演出ユニット9700の位置ずれは許容し易い一方で、延設方向と交差する方向の発光動作演出ユニット9700の位置ずれは制限し易くすることができる。
上記第10実施形態では、回転部材810を適正姿勢にする作用が、検出用ギア10831の自重による付勢によって生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転部材810の姿勢を厳格に制御するようにしても良い。
また、回転部材810が適正姿勢となるまでは回転部材810が後転方向に起き上がり動作しないようにしても良い。例えば、回転部材810が適正姿勢の時には左右内側に退避し、回転部材810が適正姿勢から外れている時には左右外側に突出する係合部が回転演出装置800に配設され、突出時には係合部が内側部材670に嵌合可能(挿通可能)とされ、嵌合時には回転部材810の起き上がり方向の動作が規制されるようにしても良い。この場合、回転部材810が適正姿勢にならずに起き上がり動作することを機械的に防止できるので、予期せず回転部材810が破損することを回避することができる。
上記各実施形態では、第1入賞口64の下流側に配設される検出装置SE3の前後位置が同一となるようにして左右に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出装置SE3の配置が前後にずれていても良い。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図80は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図81はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図82は遊技盤13に設けられる振分装置700の正面図であり、図83はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図80に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図80参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図81参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図99参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図80参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図80参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上方には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図81参照)で表示される演出のステージ(背景画像)を変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「砂浜ステージ」,「深海ステージ」の2つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「砂浜ステージ」→「深海ステージ」→「砂浜ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「砂浜ステージ」が設定される。
なお、詳細な説明は後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、上述したステージ(背景画像)以外にも、遊技状況に応じて様々なステージ(背景画像)を表示可能に構成している。例えば、計時された時間が予め定められた時間となった場合に所定期間(3分)の間、専用の演出(SP演出)を実行可能に構成しており、そのSP演出が実行されている期間はSP演出専用のステージ(背景画像)が表示される。また、始動入賞に基づいて実行される特別図柄抽選の結果が大当たりとなることを遊技者に事前に報知するための事前演出(先読み演出)を実行可能に構成しており、その先読み演出が実行されている期間は先読み演出専用のステージ(背景画像)が表示される。
このように、本実施形態におけるパチンコ機10では、演出のステージ(背景画像)を、遊技者による枠ボタン22への操作に基づいて変更する機能と、実行される遊技の状況に応じて、遊技者による枠ボタン22への操作に関わらず変更する機能と、を有しているため、遊技者が意図的にステージを変更することで実行される演出内容を異ならせることにより遊技(実行される演出)が単調になることを抑制し、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができると共に、遊技者の意図しないタイミングでもステージが変更されるため、遊技者に意外性のある演出を実行することができる。
なお、演出のステージ(背景画像)を変更するための変更条件として、本実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者の操作に基づいて成立し得る変更条件と、計時時間に基づいて成立し得る変更条件と、特別図柄抽選の結果に基づいて成立し得る変更条件と、を設けているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選が実行された回数が所定回数に到達した場合に成立し得る変更条件や、特別図柄抽選によって大当たり当選した回数が所定回数に到達した場合に成立し得る変更条件や、ステージを変更するか否かを決定するための変更抽選を実行可能に構成し、その変更抽選の結果に基づいて成立する変更条件を設けても良い。
また、本実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者が枠ボタン22を操作することにより変更可能なステージの種別と、遊技状況に応じて変更されるステージの種別と、を異ならせることにより、ステージが変更された場合に、成立した変更条件が何であるかを遊技者に把握させ易くするように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が枠ボタン22を操作することにより変更可能なステージの種別と、遊技状況に応じて変更されるステージの種別との全部、或いは、一部において、共通の種別となるように構成しても良い。このように構成することで、ステージが変更された場合に、何を契機にステージが変更されたのかを遊技者に分かり難くすることができるため、ステージが変更された後の遊技内容(特別図柄抽選の結果を示すための変動演出内容)に興味を持たせることができる。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図80参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図81参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面視下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図81は第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図81に示すように、第1実施形態における遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入球口63、第2入球口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80、振分装置700等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図80参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入球口63、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80、振分装置700は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。また、詳細については後述するが、振分装置700の内部には、球が入球し得る第1入球口64、および右第2入球口640rが設けられている。詳細は図82を参照して後述するが、振分装置700の開口部710aへと入球した球は、振分装置700によって第1入球口64、および右第2入球口640rのいずれかに振り分けられる(図82参照)。
遊技盤13の前面中央部分は、前扉5の窓部5c(図80参照)を通じて内枠4の前面側から視認することができる。以下に、主に図81を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール77が植立され、その外レール77の内側位置には外レール77と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール76が植立される。この内レール76と外レール77とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図80参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール76,77とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール76,77は、球発射ユニット112a(図99参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール76の先端部分(図81の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール77の先端部(図81の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図81左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図99参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本第1実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640または右第2入球口640rへ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640または右第2入球口640rへ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たり(大当たりA1~D1)に対応した図柄か通常大当たり(大当たりE1)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入球口64,第2入球口640,右第2入球口640rのいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、10R確変大当たり(大当たりA1)、10R確変大当たり(大当たりB1)、5R確変大当たり(大当たりC1)、2R確変大当たり(大当たりD1)、10R時短100回大当たり(大当たりE1)が用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
「10R確変大当たり」(大当たりA1)とは、第3図柄が同一図柄のぞろ目で停止表示することで大当たりであることが報知された後に、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり遊技の後に、確変状態が設定される大当たりのことである。ここで、確変状態とは特別図柄抽選により大当たり当選する確率が通常状態(低確率状態)よりも高い状態(特別図柄の高確率状態)となり、さらに、特別図柄抽選が通常状態よりも実行され易い状態(普通図柄の高確率状態)となる遊技状態のことである。つまり、確変状態は、特別図柄抽選が実行され易く、且つ、特別図柄抽選で大当たり当選し易い遊技状態であり、遊技者にとって最も有利な遊技状態となる。「10R確変大当たり」(大当たりB1)とは、上述した(大当たりA1)と同一の大当たりであり、「5R確変大当たり」(大当たりC1)とは、上述した(大当たりA1)に対して、大当たり遊技の最大ラウンド数が5ラウンドに規定されている点でのみ相違する大当たりであり、「2R確変大当たり」(大当たりD1)とは、上述した(大当たりA1)に対して、大当たり遊技の最大ラウンド数が2ラウンドに規定されている点でのみ相違する大当たりである。そして、「10R時短100回大当たり」(大当たりE1)とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり遊技の後に、時短状態が設定される大当たりのことである。ここで、時短状態とは特別図柄抽選により大当たり当選する確率は通常状態(低確率状態)であるが、特別図柄抽選が通常状態よりも実行され易い状態(普通図柄の高確率状態)となる遊技状態のことである。つまり、時短状態は、通常状態よりも特別図柄抽選が実行され易い遊技状態であり、遊技者にとって、通常状態よりは有利となり、且つ、確変状態よりは不利となる遊技状態である。
本第1実施形態では、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定された場合には、次に特別図柄抽選で大当たり当選するまで確変状態が継続するように構成しており、時短状態が設定された場合には、時短状態中に実行される特別図柄抽選の回数が100回(所定回数)に到達するまで継続するように構成している。なお、各遊技状態が継続する期間はこれに限ること無く、例えば、確変状態が設定された場合において、確変状態中に実行される特別図柄抽選の回数が100回(所定回数)に到達するまで確変状態が継続するように構成しても良いし、次に特別図柄抽選で大当たり当選するまで時短状態が継続するように構成しても良い。また、確変状態が設定された場合において、特別図柄の高確率状態が終了する条件と、普通図柄の高確率状態が終了する条件と、を異ならせても良く、例えば、特別図柄の高確率状態が終了する条件として特別図柄抽選の実行回数が50回、普通図柄の高確率状態が終了する条件として特別図柄抽選の実行回数が100回と規定しても良い。
このように構成することで、確変状態が設定されてから特別図柄抽選が50回実行されるまでは、確変状態中の遊技が実行され、その後、特別図柄抽選が50回実行されるまでは、時短状態中の遊技が実行され、その後、通常状態中の遊技が実行される。これにより、遊技者に対して有利度合いが段階的に低下するように複数の遊技状態で遊技を行わせることができるため、確変状態が設定された場合に、いち早く大当たり当選することを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄抽選の回数が増加するほど遊技者に対する有利度合いが高まるように段階的に遊技状態が変更するように構成しても良い。これにより、大当たり当選しない期間が長時間継続してしまい、遊技者の遊技に対する意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に第3図柄表示装置81の表示面を用いて実行される演出(大当たり中演出)として、上述した各大当たり種別(大当たりA1~大当たりE1)に応じて異なる演出を実行するように構成している。具体的には、大当たり種別が大当たりB1,C1,D1の何れかである場合には、大当たり中演出として、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定されることを予め報知した上で、大当たり遊技が何ラウンド継続するのかを遊技者に楽しませるための大当たり中演出(ランクアップ演出)が実行される。また、大当たり種別が大当たりA1,E1である場合には、大当たり遊技が10ラウンド継続することを予め報知した上で、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を大当たり遊技中に遊技者に報知可能な大当たり中演出(確変昇格演出)が実行される。
このように構成することで、設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技中に実行される大当たり中演出に対して、遊技者が様々な期待感を持つことができるため、大当たり中演出の演出効果を高めることができる。
ここで、本実施形態におけるパチンコ機10において設定される遊技状態の種別について説明をする。本実施形態では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成している。
「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり遊技終了後の付加価値として、その後の大当たり確率がアップした状態をいう。換言すれば、遊技者に有利な大当たり遊技状態(特別遊技状態)へ移行し易い状態のことである。また、「普通図柄の高確率状態」とは、第2図柄抽選の当たり当選確率が高く設定され、第2図柄の変動時間も短く設定される状態をいう。第2図柄抽選で当たり当選した場合には、第2入球口640へと球が入球し易い状態(第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される状態)となる普図当たり遊戯が実行される。つまり、「普通図柄の高確率状態」とは、第2入球口640へと球が入球し易くなることにより、特別図柄抽選が実行され易くなる状態のことである。
一方、「特別図柄の低確率状態」とは、大当たり確率が通常の状態、即ち、「特別図柄の高確率状態」より大当たり確率が低い状態をいう。また、「普通図柄の低確率状態」とは、第2図柄抽選(普通図柄抽選)の当たり確率が通常の状態、即ち、「普通図柄の高確率状態」より当たり確率が低い状態をいう。
「普通図柄の高確率状態」では、第2図柄抽選の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、「普通図柄の低確率状態」と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、「普通図柄の高確率状態」が設定される確変状態中や時短状態中は、第2入球口640へ球が入賞し易い状態となり、特別図柄抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、「普通図柄の高確率状態」中の普図当たり遊技における電動役物640aに対する制御内容としては、「普通図柄の低確率状態」中の普図当たり遊技よりも、第2入球口640へと球が入球し易くなるように制御されていれば良く、例えば、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、1回の普図当たり遊技にて電動役物640aが開放される回数を「普通図柄の低確率状態」よりも増やすように構成しても良いし、普図当たり遊技中に電動役物640aが開放されるタイミングを変更することにより「普通図柄の低確率状態」中の普図当たり遊技よりも、第2入球口640へと球が入球し易くなるように構成してもよい。また、第2図柄抽選の当たり確率を変更することなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄抽選の当たり確率を「普通図柄の低確率状態」と比してアップするよう変更したり、第2図柄抽選の変動時間を「普通図柄の低確率状態」と比して短縮するよう変更したりしてもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入球口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64、第2入球口640、右第2入球口640rのいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。また、センターフレーム86は、遊技盤13の前面側に突出して第3図柄表示装置81の周囲を囲んでおり、第3図柄表示装置81に遊技球が当接することを防止している。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図99参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図99参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常状態(普通図柄の低確率状態)の場合よりも、確変状態や時短状態(普通図柄の高確率状態)の方が短くなるように設定される。これにより、確変状態や時短状態は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普図当たり抽選を通常状態よりも多く行うことができる。よって、普図当たり抽選において当たり当選となる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変状態や時短状態は、特別図柄抽選を実行させる観点において遊技者に有利な遊技状態となる。
なお、確変状態や時短状態において、普図当たり確率を高める、1回に普図当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変状態や時短状態中に第2入球口640へと球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変状態や時短状態において通常状態よりも短く設定する場合は、普図当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の両側の領域において遊技盤に組み付けられる。スルーゲート67は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤13を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37a,37bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37a,37bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37a,37bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る振分装置700が配設されている。この振分装置700に対して、開口部710aを介して球が入賞(入球)すると、その入球した球が第1入球口64、または右第2入球口640rへと交互に振り分けられる。球が第1入球口64へ入賞(入球)すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図99参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。また、球が第2入球口640rへ入賞すると、第2入球口640の場合と同様に、遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図99参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。
一方、振分装置700の正面視下方には、球が入賞し得る第2入球口640が配設されている。第2入球口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図99参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。この第2入球口640は、通常時は羽根形状で構成された左右の電動役物640aが直立した状態で遊技球が入球することを規制することにより遊技球が入球しない(し難い)構成とされ、後述する普通図柄の当たりとなった場合に、一定の動作パターンで電動役物640aが開放動作として外側方向に約45度回動して逆八の字となることで、第2入球口640へと遊技球を誘導して、第2入球口640へ遊技球が入球し易く構成している。
また、第1入球口64および右第2入球口640rは、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出され、第2入球口640は、2個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と、右第2入球口640rへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数に構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と右第2入球口640rへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じ数として構成してもよい。
また、本実施形態では、振分装置700の開口部710aへと流入した球が第1入球口64および右第2入球口640rへと入賞した場合に賞球が払い出されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1入球口64に球が入賞した場合と、右第2入球口640rに球が入賞した場合と、で同一数の賞球が払い出されるように構成している場合には、開口部710aへと球が流入したことを検知するための検知スイッチを開口部710aの近傍に設け、その検知スイッチが球を検知した場合に賞球を払い出すように構成しても良い。このように構成することで、振分装置700の開口部710aへと球が流入してから実際に賞球が払い出されるまでのタイムラグを軽減することができる。さらに、上述した検知スイッチが球を検知してから、第1入球口64または右第2入球口640rへと球が入賞するまでの流下期間を計測することで振分装置700内の球流路の状況を判別可能に構成しても良い。
さらに、その流下期間を用いた演出を実行するように構成しても良い。この場合、本実施形態のように振分装置700へと流入した球が第1入球口64と、右第2入球口640rとに交互に振り分けられる構成よりも、振分装置700へと流入した球が何れの入球口へと入球するのかを遊技者が把握困難な構成を採用したり、振分装置700の開口部710aへと流入した球が第1入球口64へと入賞するのに要する期間(第1球流下期間)と、振分装置700の開口部710aへと流入した球が右第2入球口640rへと入賞するのに要する期間(第2球流下期間)と、が異なるように構成したりすると良い。これにより、振分装置700へと流入した球の流下期間を用いた演出によって、次に入球する入球口の種別を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。また、この場合、流下期間が長いほど遊技者に有利となる入球口へと球が入球し易くなるように振分装置700を構成すると良い。
加えて、本実施形態では、振分装置700へと流入した球が第1入球口64または右第2入球口640rの何れかに必ず入球する構成、即ち、振分装置700へと球が流入することで、賞球が払い出され、且つ、特別図柄抽選が実行されるという特典が付与される構成としているが、これに限ること無く、振分装置700内の球の流下結果に応じて、賞球が払い出される特典以外の特典(例えば、特別図柄抽選の実行)が付与される場合と、付与されない場合と、が発生するように構成しても良い。このように構成することで、振分装置700へと球が流入した場合において遊技者に付与される特典の有利度合いを大きく異ならせることができるため、振分装置700へと流入した球の流下状況に対して遊技者により興味を持たせることができる。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変状態や時短状態は、通常状態と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変状態や時短状態は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態より長くなる。よって、確変状態や時短状態は、通常状態と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
よって、通常状態においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入賞しづらいので、基本的に開口部710aへと球が入球し、その入球した球が第1入球口64、または右第2入球口640rへと振り分けられることで大当たり抽選(特別図柄抽選)が実行される。
一方、確変状態や時短状態は、左右どちらかのスルーゲート67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640に入賞しやすい状態であるので、開口部710aへと入球した球が第1入球口64、または右第2入球口640rへと振り分けられることに加えて、第2入球口640へと入球したことに伴う大当たり抽選も実行され易くなる。従って、通常状態よりも大当たり抽選(特別図柄抽選)の実行機会が多くなるので、通常状態に比較して遊技者に有利となる。
このように、遊技盤13に設けられた遊技領域のうち、可変表示ユニット80の下方位置に振分装置700、第2入球口640、可変入賞装置65を配設しており、左側の遊技領域(可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域)に向けて球を発射する遊技(左打ち遊技)を行った場合も、右側の遊技領域(可変表示ユニット80の右側に形成される遊技領域)に向けて球を発射する遊技(右打ち遊技)を行った場合も、振分装置700、第2入球口640、可変入賞装置65へと到達する球の割合が同一となるように構成している。よって、どのような遊技方法で遊技を行ったとしても遊技者に対して同一の有利度合いを付与することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、図81に示した通り、遊技盤13に設けられた遊技領域のうち、可変表示ユニット80の下方位置に振分装置700、第2入球口640、可変入賞装置65を配設しており、左側の遊技領域(可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域)に向けて球を発射する遊技(左打ち遊技)を行った場合も、右側の遊技領域(可変表示ユニット80の右側に形成される遊技領域)に向けて球を発射する遊技(右打ち遊技)を行った場合も、振分装置700、第2入球口640、可変入賞装置65へと到達する球の割合が同一となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、左打ち遊技を行った場合のほうが、右打ち遊技を行った場合よりも振分装置700へと球を流入させ易く、且つ、右打ち遊技を行った場合のほうが、左打ち遊技を行った場合よりも第2入球口640、可変入賞装置65へと球を到達させ易くなるように構成しても良い。つまり、設定されている遊技状態に応じて、遊技者に対して有利となる遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)が切り替わるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
振分装置700の下側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64、第2入球口640、右第2入球口640rのいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選(特別図柄抽選)で大当たり当選すると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37a又は第1図柄表示装置37bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37a,37bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も振分装置700の正面視下側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前扉5の小窓35(図80参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入球口63,64,65a,640,640rにも入賞しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口66は、振分装置700の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
次いで、図82を参照して、振分装置700について説明する。図82は、振分装置700の部分拡大正面図である。図81に示すように、振分装置700は、遊技盤13の可変表示装置ユニット80の下側に配設される。遊技盤13に形成された貫通孔に開口部710aに入球した遊技球が流下する流路部と、第2入球口640に入球した遊技球が流下する流路部とが納められて振分装置700のベース部材により遊技盤13に前面側よりビス留めされるように構成されている。
入賞部材730は、正面視横長矩形に形成されると共に、左右方向中央上部に位置する上述した開口部710aと、開口部710aの下側に位置する電動役物640aと、その電動役物640aの左右方向両側に位置し前後方向に貫通形成される貫通孔(図示せず)と、その貫通孔の下側に位置し前後方向に貫通形成される下側挿通孔(図示せず)と、を主に備えて形成される。
振分け部材760は、正面視横長矩形に形成されると共に、正面側が開放された箱状体に形成される。また、振分け部材760は、正面視において左右方向略中央位置で屈曲されており、左右方向略中央位置から左右方向外側に向かうに従って下側に傾斜して形成される。また、振分け部材760の左右方向の両端部は、上述した入賞部材730の貫通孔と対向する位置に設定される。
振分け部材760は、正面視における左右方向中央位置から左右両側へ向けて下方傾斜する一対の傾斜面761と、その互いの傾斜面761の中央に配置される振分部材762と、振分部材762の上方に形成される送球口と、を主に備えて形成される。
振分部材762は、円環形状に形成されると共に、その外縁部から軸周りに90度の間隔を隔てて外側に突設される3つの突起762aと、円環形状の内側に挿通される軸部762bと、を備えて形成される。
軸部762bは、振分部材762を軸周りに回転させるための軸支部であり、円柱形状に形成されると共に、振分部材762の円環内側に挿通される。この状態で、軸部762bが、介設部材と振分部材760との間に挟持されることで、振分部材762は軸部762bを軸に回転可能に配置される。
突起762aは、開口部710aを通過した球が送球される際に、球を左右の傾斜面761に交互に一球ずつ振り分けるための突起であり、中央部の突起762aの先端が位置する方向と左右方向反対側に球が送球される。即ち、中央部の突起762aにより開口部710aより送球される球を左右方向に送球することができる。両端に突設される突起762aは、振分部材762の変位を規制すると共に、球の通過した際にかかる重みにより、中央部の突起762aの先端が位置する方向を変位させる(振分部材762を回転させる)部材であり、突起762aの先端面と傾斜面とが当接することで振分部材762の回転が規制される。一方、傾斜面と当接していない突起762aは、球が中央部の突起762aに案内されると、案内された球がその突起762aと衝突して下方に押し下げられる。これにより反対側の突起762aが上方に変位されると共に、下方に変位された突起762aの先端が傾斜面と当接してその変位が規制される。
傾斜面は、上述した振分部材762によって左右に振り分けられた球が転動して送球される経路(以下、「第3送球経路KR3」と称す)の転動面であり、振分け部材760の左右方向中央位置から外側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、振分け部材760の振分部材762によって左右に振り分けられた球は、傾斜面761上を転動されて、傾斜面761の下降側の端部に送球(転動)される。
傾斜面761の下降側の端部には、その端部に向かうに従って、背面側の側面が前方に厚みを増すように介設部材へ近接する方向へ傾斜して形成される。これにより、傾斜面761を転動してその端部まで送球された球を、振分け部材760の前方に配設される介設部材の第1入球口64、または右第2入球口640rに送球することができる。より具体的には、振分部材762によって正面視左側に振り分けられ、傾斜面761を転動した球が、第1入球口64へと送球される(入球する)。一方、振分部材762によって正面視右側に振り分けられ、傾斜面761を転動した球が、右第2入球口640rへと送球される(入球する)。
第1入球口64、および右第2入球口640rは、それぞれ振分け部材760の左右両端部の正面側に形成されると共に、入賞部材730の貫通孔の背面側に形成される。よって、振分け部材760の左右両端部の空間と、入賞部材730の貫通孔の内部空間とが第1入球口64、および右第2入球口640rを介して連結される。従って、上述した振分け部材760の傾斜面761の上部を転動する球を、第1入球口64を通過させて、入賞部材730の貫通孔に送球する経路と、右第2入球口640rを通過させて、入賞部材730の貫通孔に送球する経路とを形成することができる。
さらに、本実施形態では、振分装置700の開口部710aへと流入した球が、振分部材462aによって左右方向へと振り分けられ、左右いずれかの第3送球経路KR3を転動し、第1入球口64、或いは右第2入球口640rへと入球するまでの球の転動状況を遊技者が視認可能となるように構成している。具体的には、振分装置700の一部を透過性の高い材料(例えば、ポリカーボネート)で構成しており、振分装置700の内部を視認可能に構成している。これにより、振分装置700の内部を転動する球の状況を遊技者に把握させ易くすることができる。加えて、振分装置700の内部構造を破壊することで振分装置700の開口部710aへと流入した球が遊技者に有利となる領域に向けてのみ転動するように不正行為が行われた場合、例えば、振分部材762aを破壊し、一方の第3送球経路KR3のみに球を転動させるように不正行為が行われた場合において、遊技場の店員がその破壊状況を容易に確認することができるため不正行為によって発生し得る被害を最低限に抑え易くすることができる。
以上のように構成される振分装置700は、次のように送球される。開口部710aから入る球は、振分け部材760に送球されて振分け部材760の振分部材762により左右方向どちらか一方の第3送球経路KR3に送球される。左方向の第3送球経路KR3を送球される球は、その第3送球経路KR3の端部まで送球されると第1入球口64に送球される。ここで、第1入球口64に入球した遊技球は、検出スイッチ(センサ)により検出されて、第1入球口64に遊技球が入球したことが検出される。
一方、左方向の第3送球経路KR3を送球される球は、その第3送球経路KR3の端部まで送球されると右第2入球口640rに送球される。ここで、第2入球口640に入球した遊技球は、検出スイッチ(センサ)により検出されて、右第2入球口640rに遊技球が入球したことが検出される。
このように、開口部710aに入球した遊技球は、振分部材762により交互に第1入球口64と右第2入球口640とに振分けられるので、均等に第1入球口64と右第2入球口640rとに遊技球を入球させて、保留球を均一に発生させることが可能となる。これにより、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを均等に発生させることができ、一方の保留球数が上限となり、保留球として記憶されないオーバーフローを抑制できる。
なお、本実施形態では、特定の流路(振分装置700の開口部710aから振分部材762aまでの流離)を流下した球が振分手段(振分部材762a)によって2つの流路(左側の第3送球経路KR3と、右側の第3送球経路KR3)に向けて交互に振り分けられる構成を用いているが、特定の流路を流下した球を振り分ける構成はこれに限ること無く、例えば、3つ以上の流路に振り分け可能な構成を用いても良い。さらに、各流路に対して球を均等に振り分けることの無い構成を用いても良く、例えば、振分部材762aが電気的駆動源により駆動される構成を用いることにより、球が振分手段へと到達したタイミングによって振り分け先が切り替わるように構成しても良い。
図83に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図99参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図99参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
さらに、本実施形態では、主制御装置110に対して、設定値を表示させることが可能な設定値表示装置110aと、設定変更動作(および設定確認動作)を受け付ける状態と、受け付けない状態(通常遊技状態)とを切り替えることが可能な設定キー110bと、設定変更動作を受け付ける状態(設定変更状態)において操作者(例えば、パチンコ機10を設置しているホールの店員)の操作に応じてパチンコ機10の設定値を変更することが可能な設定スイッチ110cと、で少なくとも構成されている設定変更機構が設けられている。この設定変更機構を用いた設定変更の方法、および設定確認の方法について、図84を参照して詳細に説明する。
まず、図84(a)~(d)を参照して、設定変更機構を用いたパチンコ機10の設定変更手順について説明する。図84(a)~(d)に示した通り、パチンコ機10の設定を変更するためには、まず、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bを時計回りに回動することによりON位置へと回動させる(図84(a)参照)。つまり、設定変更を行うためには、まず、パチンコ機10の電源を遮断しておく必要がある。次に、設定キー110bをON側に回動させた状態でRAMクリアスイッチ122をオンにしてパチンコ機10の電源を投入する(図84(b)参照)。これにより、電源投入後のパチンコ機10の状態が設定変更中であることを示す設定変更状態に設定される。設定変更状態になると、4桁の7セグメントディスプレイで構成された設定値表示装置110aの各桁に対して、「-」が表示される。この表示内容により、設定変更状態に正常に遷移したということを操作者(例えば、ホールの店員)に対して容易に理解させることができる。
設定変更状態に移行すると、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定値が1ずつ切り替わる(図84(c)参照)。なお、本第1実施形態では、設定1~3の3種類の設定値が設けられており、数値が大きくなる程大当たり確率が高くなるように構成されている。即ち、設定1の大当たり確率が最も低く(例えば、低確率状態で1/262、高確率(確変)状態で1/65)、設定3の大当たり確率が最も高くなる(例えば、低確率状態で1/218、高確率状態で1/55)ように構成されている。設定変更状態では、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定が1→2→3→1・・・といった具合に変更されていく。また、設定値が3の状態で設定スイッチ110cが押下された場合は、設定値が1に戻るようにロータリー式で構成されている。また、設定スイッチ110cが押下される毎に、設定値表示装置110aに対して現在の設定値を示す数字が表示される。なお、図84(c)は、設定値が「3」に設定されている状態における表示態様を示した図である。図84(c)に示した通り、設定スイッチ110cに対する押下操作によって設定値が3に切り替えられると、設定値表示装置110aにおける下1桁に対して、設定3を示す「3」という数字が表示される。
操作者が所望の設定値への切り替え動作を完了した後は、設定キー110bを反時計回りに回動させて設定キー110bをOFF位置に配置させることにより、設定変更状態が終了する(図84(d)参照)。なお、設定キー110bは、鍵型のキー部と、キー部に合致する鍵穴形状の鍵穴部と、で構成されており、キー部を取り外すことができる。これにより、操作者(例えば、ホールの店員)が設定変更動作を行う際にのみキー部を鍵穴部に挿入し、設定変更動作を終了した際にはキー部を取り外して保管しておくことができる。これにより、不正遊技者等が営業中にパチンコ機10の設定を不正に変更することを抑制することができるので、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを防止することができる。
そして、設定変更動作が終了することで、主制御装置110の初期設定処理が再開される。再開後の初期設定処理では、設定変更動作が完了したことを示す設定変更完了コマンドや、設定変更動作によって決定した設定値を示す設定値コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信するための処理が実行される。また、設定変更動作が終了するまで待機される音声ランプ制御装置113の初期設定処理を再開させるためのコマンド(初期化コマンド)を送信するための処理が実行される。
上述した通り、本実施形態では、パチンコ機10の設定値を変更する場合に、RAMクリアスイッチ122をオンにした状態で電源を投入する必要がある。即ち、設定値を変更する場合には、パチンコ機10に設けられた各種制御装置(主制御装置110、音声ランプ制御装置113等)が初期化処理を実行することになる。そして、設定変更動作は操作者が手動で設定スイッチ110cを押下することにより行われることから、設定変更動作に要する期間は、操作者の操作熟練度や、変更する設定値に応じて大きく異なる。
このような状況において、各種制御装置がパチンコ機10の電源投入を契機に初期設定処理を実行してしまうと、設定変更動作の有無や、設定変更動作に要する期間の長さによって、各種制御装置における初期設定処理の終了順序が異なる事象が発生する場合がある。例えば、設定変更動作を実行すること無くパチンコ機10の電源を投入した場合には、主制御装置110の初期設定処理が音声ランプ制御装置113の初期設定処理よりも先に終了し、設定変更動作を実行するためにパチンコ機10の電源を投入した場合には、主制御装置110の初期設定処理よりも先に音声ランプ制御装置113の初期設定処理が終了する事象が発生する場合がある。
近年のパチンコ機10では、適切では無い方法でパチンコ機10から賞球を獲得しようとする行為(不正行為)が行われることを防ぐために様々な監視処理が実行されるように構成されており、特に、電源を遮断させたり、電源と投入したりする行為に対して厳しい監視処理が実行されるように構成している。つまり、不正行為としてパチンコ機10に対して特殊な制御手段(不正基板)を取り付ける場合には、パチンコ機10の電源を一度遮断させる必要があり、不正基板を用いた遊技を行うためには、パチンコ機10の電源を投入する必要があるため、パチンコ機10の電源遮断、電源投入に対しては厳しい監視処理が実行される。
このように構成されたパチンコ機10では、適正にパチンコ機10の電源遮断、電源投入が為された場合に実行される初期化処理の内容(処理の流れ)を固定化することにより、パチンコ機10の電源遮断、電源投入が為された場合に実行される初期化処理の内容(処理の流れ)が適正であるか否かを判別し易くすることができる。しかしながら、上述した通り、設定変更動作の有無や、設定変更動作に要する期間の長さによって、各種制御装置における初期設定処理の終了順序が異なる事象が発生してしまうと、適正にパチンコ機10の電源遮断、電源投入を行った場合において実行される初期化処理の内容(処理の流れ)に複数のパターンが発生することになり、パチンコ機10の電源遮断、電源投入が為された場合に実行される初期化処理の内容(処理の流れ)が適正であるか否かを判別し難くなるという問題があった。
また、従来より、パチンコ機10では、遊技結果に影響を与える主制御処理(遊技者に賞球を付与するか否かを決定したり、賞球を付与し易い遊技状態を設定するか否かを決定するための処理等)を主制御手段である主制御装置110が実行し、その主制御手段にて実行された各種制御処理の結果を示すための各種コマンドが、従制御手段である音声ランプ制御装置113へと送信され、音声ランプ制御装置113にて受信した各種コマンドに基づく演出を実行することにより、遊技者に対して主制御手段にて実行された各種制御処理の結果を分かり易く報知するように構成されている。
そして、主制御手段(主制御装置110)にて実行される各種制御処理の内容、即ち、主制御処理の内容が改ざんされることを防止するために、コマンドの送信方向が主制御手段から従制御手段へと一方向に構成されている。よって、主制御手段側では、従制御手段側の初期設定処理の進行状況を把握することが出来ない。このように構成されたパチンコ機10において、設定変更動作の有無や、設定変更動作に要する期間の長さによって、各種制御装置における初期設定処理の終了順序が異なる事象が発生してしまうと、主制御手段(主制御装置110)の初期設定処理が完了した状態において、音声ランプ制御装置113へと主制御処理の結果を示すためのコマンドを送信したとしても、従制御手段(音声ランプ制御装置113)の初期設定処理が完了していなければ送信されたコマンドに対して適正な処理を実行することが出来ず、主制御処理の処理内容とは異なる演出が実行されてしまい遊技者を困惑させてしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、設定変更動作が実行される場合も、設定変更動作が実行されない場合も、主制御装置110の初期設定処理が完了するタイミングと、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が完了するタイミングとの関係が一定となるように構成している。具体的には、主制御装置110の初期設定処理として、設定変更動作の有無に関わらず実行される処理であって、設定変更動作を実行する場合にはその設定変更動作が完了した後に実行される特定処理を実行する段階で音声ランプ制御装置113へと特定処理が実行されたことを示す特定コマンドを送信し、音声ランプ制御装置113側ではパチンコ機10の電源投入に基づいて初期設定処理の一部を実行し、その後、主制御装置110から送信される特定コマンドを受信するまで残りの初期設定処理の実行を待機させるように構成している。
このように構成することで、適正にパチンコ機10の電源を投入した場合に実行される各種制御装置の初期設定処理の処理内容(処理完了順序)を固定化することができる。また、主制御手段(主制御装置110)から従制御手段(音声ランプ制御装置113)へと一方向の通信形態を用いた場合であっても、各種制御装置にて適正な処理を実行させることができる。
本実施形態では、表示制御装置114(図99参照)によって、液晶ディスプレイで形成される第3図柄表示装置81の表示制御を実行するように構成しており、パチンコ機10の電源が投入された場合には、その電源投入に基づいて、液晶ディスプレイを起動させるためのブート処理が実行されるように構成している。この第3図柄表示装置81には、音声ランプ制御装置113から送信される表示用コマンドを表示制御装置114が受信し、その受信した表示用コマンドに基づいた画像が表示されるように構成している。第3図柄表示装置81に表示される画像としては、例えば、遊技者によって枠ボタン22(図99参照)が操作されたことを音声ランプ制御装置113が判別し、その判別結果に基づいてステージ(背景画像)の表示態様を変更させるための表示用コマンドを表示制御装置114へと送信し、表示制御装置114では受信した表示用コマンドに基づいてステージ(背景画像)変化させて表示させるものがある。
ここで、上述した通り、本実施形態におけるパチンコ機10は、設定値(大当たり確率)を変更可能の機能(設定機能)を有しており、設定変更動作の有無や、設定変更動作に要する期間の長さによって、主制御装置110の初期設定処理の処理期間の長さが異なるように構成している。そして、主制御装置110の初期設定処理が完了するタイミングと、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が完了するタイミングとの関係性が同一となるように構成しているため、主制御装置110の初期設定処理の処理期間の長さに応じて、パチンコ機10に電源が投入されてから音声ランプ制御装置113の初期設定処理が完了するまでの期間の長さも、設定変更動作の有無や、設定変更動作に要する期間の長さによって異なることになる。
このように構成されたパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が完了するタイミングと、第3図柄表示装置81のブート処理が完了するタイミングとに一定の関係性を持たせることができず、例えば、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が第3図柄表示装置81のブート処理よりも早く完了する場合や、音声ランプ制御装置113の初期設定処理よりも第3図柄表示装置81のブート処理のほうが早く完了する場合が発生し得る。
よって、音声ランプ制御装置113にて、ステージ(背景画像)の表示態様を変更させるための表示用コマンドを表示制御装置114へと送信した場合であっても、第3図柄表示装置81のブート処理が完了していない状態では、送信した表示用コマンドに応じたステージ(背景画像)での表示を実行することができず、音声ランプ制御装置113にて把握している表示中のステージを示すためのステージ情報と、実際に第3図柄表示装置81にて表示されているステージとが相違してしまうという問題があった。
また、上述した問題を解決するために、パチンコ機10に電源が投入された場合において、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと表示用コマンドを送信することを禁止する禁止期間を、第3図柄表示装置81のブート処理が終了するまでの期間よりも長い特定期間実行するように構成することで、第3図柄表示装置81が起動していない状態(ブート処理が完了していない状態)で、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと表示用コマンドを送信しないようにすることは可能であるが、このように構成した場合、例えば、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が完了するまでに長時間を要する場合、即ち、設定変更動作が実行された場合において、第3図柄表示装置81が起動中であるにも関わらず、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと表示用コマンドを送信することが禁止される禁止期間が継続してしまうため、第3図柄表示装置81を用いることで演出効果を高めることができないという問題があった。
これに対して、本実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113の初期設定処理の完了タイミングと、第3図柄表示装置81を起動させるためのブート処理が完了するタイミングと、に基づいて、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと表示用コマンドが送信されることを禁止する禁止区間の設定の有無、及び、禁止区間の長さを決定可能に構成している。
このように構成することで、第3図柄表示装置81にて実行される演出の精度を高めることができると共に、主制御手段(主制御手段)により実行される主制御処理の内容に応じた演出を第3図柄表示装置81にて実行することができる。
次に、図84(e)~(g)を参照して、設定確認を行ための手順(設定確認動作)について説明する。設定確認を行うためには、まず、設定変更動作と同様に、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bをON位置に回動させる(図84(e)参照)。そして、RAMクリアスイッチ122をオンにせずに(即ち、オフの状態のままで)パチンコ機10の電源を投入することにより、設定確認状態に設定される(図84(f)参照)。設定確認状態に移行すると、設定値表示装置110aに対して現在設定されている設定値が表示される。図84(f)の例では、設定値として「3」が設定されている状態を示している。操作者による設定の確認が終了すると、設定キー110bをON側に回動することで設定確認状態が終了されて通常遊技が可能な状態に移行される(図82(g)参照)。
なお、本第1実施形態では、設定キー110bと設定スイッチ110cとを別々に設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、設定スイッチ110cを削除して、設定キー110bの回動量に応じて設定を変更することができるように構成してもよい。より具体的には、設定キー110bを60度回動させる毎に、設定が1→2→3→1・・・設定キー110bのキー部を鍵穴部から引き抜くことで通常遊技が可能な状態に戻すように構成してもよい。このように構成することで、設定変更機構の構成を簡素化することができるので、部品点数の削減を図ることができる。よって、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。
本第1実施形態では、図83に示した通り、パチンコ機10の背面側、即ち、遊技中の遊技者が視認し得ない位置に設定変更機構を設けている。よって、遊技中に設定変更機構が操作されてしまうことを確実に抑制することができる。また、実際に設定変更動作を行う場合には、パチンコ機10の背面側に設けられている設定キー110bや設定スイッチ110cを操作するために内枠12および正面枠14を開放する必要があるが、これらが開放した状態においては、内枠12および外枠14が開閉軸のみによって支持された比較的不安定な状態となる。このような状況にてパチンコ機10の電源を投入し、パチンコ機10に設けられた装飾用の役物の復帰動作が実行してしまうと、開閉軸等に過剰な負荷が掛ってしまい破損を招来してしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態では、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が待機される待機処理が終了した後に、役物の復帰動作が実行されるように構成している。つまり、設定変更動作中に役物の復帰動作が実行されることが無いように構成している。このように構成することで、設定変更動作中に役物の復帰動作が実行されてしまい、パチンコ機10が破損してしまう事態が発生することを抑制することができる。また、操作者が設定スイッチ110cを操作している最中に役物の復帰動作が実行される場合に比べて、設定変更動作中にパチンコ機10が振動し難くすることができるため、設定スイッチ110cの誤操作が発生し難くすることができる。
本実施形態では設定変更動作を実行する場合に、必ずRAMクリアスイッチ122をオンに設定するように構成しているため、例えば、遊技者に有利な確変状態が設定されている状態を維持したまま設定変更動作を行うことができない。つまり、設定変更操作が実行された後に設定される遊技状態が初期状態(通常状態)となる。よって、設定変更動作が行われた後に実行される遊技に対して、設定値に基づく大当たり確率の相違以外の遊技条件を統一することができるため、遊技者に対して公平な遊技を提供し易くすることができる。
次に、図85~図98を参照して、本第1実施形態における第3図柄表示装置81で表示される演出表示態様について説明する。図85(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、上側の2/3が主に第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の下側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1~Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1~Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順に主図柄が配列され、各図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。この主表示領域Dmの略中央が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
本実施形態では、上述した通り、各図柄列Z1~Z3が上から下へとスクロールして変動表示した後、予め定められた図柄の組合せ(表示態様)で停止表示される構成を用いることで、特別図柄抽選が実行されてから特別図柄抽選の結果が表示されるまでの期間(変動表示期間)において、第3図柄がどの表示態様で停止表示されるかを遊技者に予測させる楽しみを提供することが可能としているが、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄(識別情報)が停止表示されるまで第3図柄を動的表示させていれば良く、例えば、有効ラインL1上にて複数の識別情報が切り替わって表示される動的表示態様を用いても良いし、複数(4つ以上)の識別情報が表示領域内を漂うように移動させる動的表示態様を用いても良い。
また、図85を用いて示した例によれば、第3図柄として数字を模した図柄が変動表示(動的表示)する態様を用いているが、遊技者に対して特別図柄抽選の結果を示すことが可能な態様であればそれ以外の態様を用いても良く、例えば、数字に代えてキャラクタを模した複数の画像が動的表示するように構成しても良いし、主表示領域Dmにてストーリー性のある動画像を表示し、そのストーリーの結果によって特別図柄抽選の結果を遊技者に報知するように構成しても良い。つまり、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が表示されるまでの期間を用いて、遊技者に対して特別図柄抽選の結果を予測させる楽しみを提供可能な態様であればどのような態様を用いても良い。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられており、さらに左右方向に2つの小領域Ds1~Ds2に区分されている。このうち、小領域Ds1は、主表示領域Dmにおいて保留されていた保留球が変動表示(動的表示)される場合に、変動が実行される保留図柄が移動して表示される実行表示領域である。実行表示領域へと移動された保留図柄は、対応する特別図柄の変動が実行中であることが識別できるように、保留図柄よりも大きい図柄で表示される。なお、変動が実行される場合に、図柄の色を可変させたり、図柄の模様を可変させたりすることで、変動している特別図柄の抽選結果を示唆するように構成されている。
小領域Ds2は、第1入球口64または右第2入球口640r、第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数や予告演出画像を表示する領域である。さらに、小領域Ds2には、遊技内容を案内するためのキャラクタ画像が表示されるキャラクタ表示領域Cが設定されている。このキャラクタ表示領域では、今後実行される遊技の内容や、今後実行される演出の内容を遊技者に分かり易く案内するための案内表示態様として、キャラクタのコメントが表示されたり、キャラクタの表情や仕草を可変表示したりするように構成している。このように、第3図柄表示装置81の表示画面の特定領域を遊技(演出)の案内領域として用いることにより、複数の情報が期間を重複して表示される場合であっても分かり易い遊技を提供することができる。なお、キャラクタ表示領域Cを用いた詳細な案内表示態様については、図86~図98を参照して後述する。
実際の表示画面では、図85(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計3個停止表示される。なお、変動表示される場合には、中央部に表示される主図柄以外にも、その前後に配置された主図柄が視認可能に表示されるので、最大で合計9個主図柄が表示される場合もある。副表示領域Dsにおいては、小領域Ds1には、実行中の特別図柄に対応する保留球が移動して表示されるエリアであることを示す実行中図柄用台座m0が表示されており、図86(a)に示すように特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動が実行される場合には、丸図柄が表示される。なお、小領域Ds2に表示されていた保留図柄(丸図柄)のうち、最も保留された順序が先であることを示す一番左側に表示されている丸図柄が非表示となり、その後に小領域Ds1に保留図柄よりも直径が大きい丸図柄が表示される。この場合、小領域Ds2に表示されていた保留図柄は、非表示となった一番左側の保留図柄が表示されていた位置へとその後に続けて並べて表示されている保留図柄が移動して表示される。保留図柄が小領域Ds1へと移動して実行中の図柄として表示される場合には、変動開始される特別図柄の抽選結果や、選択されている変動パターン等に基づいて所定の演出抽選が実行されて、実行中の図柄の色や図柄が決定されて表示される。このように構成することで、小領域Ds1に表示される実行中の図柄により、変動開始される特別図柄の抽選結果や選択されている変動パターンを早期に遊技者が判別することができ、遊技の興趣を向上できる。なお、小領域Ds1に表示される実行中の図柄は、変動開始時に色や模様等を可変させる演出に限らず、特別図柄が変動している期間内に可変させる演出も実行される。例えば、第3図柄が高速変動から低速変動に切り替わるタイミングや、リーチ表示態様(左図柄と右図柄とが同一の図柄で仮停止表示されて中図柄がスクロール表示されている表示態様)となったタイミングや、特定の演出(例えば、所定のムービー演出が実行される場合等)が実行されるタイミング等に実行される。
図85(b)に示すように、小領域Ds2には、最も変動順序が先となる保留順序であることを示す保留図柄が表示されるエリアであることを示す第1保留図柄用台座m1が左端に表示されている。第1保留図柄用台座m1の右側には、保留順序が2番目であることを示す第2保留図柄用台座m2、保留順序が3番目であることを示す第3保留図柄用台座m3、保留順序が4番目であることを示す第4保留図柄用台座m4、保留順序が5番目であることを示す第5保留図柄用台座m5、保留順序が6番目であることを示す第6保留図柄用台座m6、保留順序が7番目であることを示す第7保留図柄用台座m7、保留順序が8番目であることを示す第8保留図柄用台座m8がそれぞれ保留図柄の表示されていない状態であっても表示されている。
第5保留図柄用台座m5~第8保留図柄用台座m8の上部には、保留図柄が所定個数以上表示されていない状態である場合には、それぞれ保留個数示唆図柄Pが表示されている。保留個数示唆図柄Pは、第5保留図柄用台座m5の上部には、保留順序が5番目である事を示す「5」の文字が表示された可変蓋形状で構成されている。同様に、第6保留図柄用台座m6の上部には、保留順序が6番目である事を示す「6」の文字が表示され、第7保留図柄用台座m7の上部には、保留順序が7番目である事を示す「7」の文字が表示され、第8保留図柄用台座m8の上部には、保留順序が8番目である事を示す「8」の文字がそれぞれ表示された可変蓋形状の図柄で構成されている。
図85(b)に示すように、保留個数が0個である場合には、第5保留図柄用台座m5から第8保留図柄用台座m8までの領域に跨がって保留個数示唆図柄Pが表示されており、遊技者が最大の保留個数は、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせて8個であることを認識できるように構成されている。なお、本実施形態では、第1特別図柄に対して最大4個、第2特別図柄に対して最大4個が設定されている。また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ最大個数を設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄との保留数を合わせた最大個数を設定するようにして、オーバーフローが発生するのを抑制されるように構成してもよい。
なお、本実施形態では、図85(b)に示した通り、表示可能な保留図柄の最大個数が8個であることを遊技者に報知するために保留図柄用台座m1~m8を表示しているが、これに限ること無く、保留図柄用台座m1~m8を表示しないように構成しても良い。
第8保留図柄用台座m8の右側には、予告用キャラクタが表示される領域であることを示すキャラクタ表示台座C1が表示されている。このように構成することで、予告用キャラクタが表示されていない場合にも、遊技者がキャラクタの表示されるエリアを事前に確認することができ、分かりやすく遊技を行うことができる。
次に、図86を参照して、本実施形態のパチンコ機10において実行される演出の1つである保留先読み演出について説明をする。この保留先読み演出とは、新たな特別図柄変動を開始することが出来ない状態、例えば、特別図柄変動が実行されている状態や、大当たり遊技が実行されている状態で、第1入球口64または右第2入球口640r、第2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて獲得した保留球(入賞情報)の内容を、実際に特別図柄抽選が実行されるよりも前に判別し(先読みし)、その判別結果(先読み結果)を用いて、遊技者に対して今後実行される特別図柄抽選の結果を事前に示唆するための演出である。
この保留先読み演出を実行することにより、実際に特別図柄抽選が実行されるよりも前の時点から特別図柄抽選の結果を遊技者に示唆することができるため、例えば、先読み結果が大当たり当選である場合には、より長い期間遊技者に対して大当たり当選する可能性が高いことを示唆することが可能となる。これにより、遊技者に対して大当たり当選の期待感を長期間高めることができると共に、実際に特別図柄抽選が実行されてからその抽選結果が停止表示されるまでの期間(変動期間)よりも長い先読み演出期間を用いて先読み演出を実行することができるため、実行する演出のバリエーションを増加させ易くすることができる。
先読み結果に基づいて保留先読み演出を実行すると判別された場合には、その保留先読み演出の対象となる保留図柄を遊技者に報知するために副表示領域Dsの小領域Ds2に表示される保留図柄のうち、特定の保留図柄の表示態様が可変される。図86(a)に示した表示画面では、第4保留図柄用台座m4に表示されている保留図柄(4の数字が付された保留図柄)の表示態様が可変表示されている。
そして、保留先読み演出の対象となる保留図柄の表示態様は、様々なタイミングで表示態様が可変されていき、保留先読み演出の対象となる保留図柄(4の数字が付された保留図柄)が実行中図柄用台座m0まで移動すると、図86(b)に示した通り、保留先読み演出の対象となる保留図柄に対応する変動演出が実行される。つまり、図86を用いた例では、保留先読み演出の対象となる保留図柄が第4保留図柄用台座m4に表示されてから、実際に特別図柄抽選が実行されるまでの期間となるため、対象の特別図柄抽選が実行されてから停止表示されるまでお期間よりも長い期間を用いて保留先読み演出を実行することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、保留先読み演出の対象となる保留図柄の表示態様を変更させる演出態様は、先読み処理の結果(事前当否判定結果)と、保留球数と、に基づいて決定されるように構成していおり、例えば、保留先読み演出の対象となる保留図柄が表示されるタイミングや、保留図柄の表示位置がシフト(移行)するタイミングや、保留先読み演出中に実行される他の特別図柄抽選結果を示すための変動演出にて特定演出が実行されたタイミングや、遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングに対して、どの表示態様へと可変表示させるかが決定される。このように長期間に渡って実行される保留先読み演出において、その演出期間中のどのタイミングでどの表示態様へと可変させるかを規定した演出態様を決定することにより、遊技者に対して違和感を与えること無い一連の演出を実行し易くすることができる。
次に、図87を参照して、獲得した保留球が上限数(8個)に到達した場合に実行される演出の内容について説明をする。図87(a)は、保留球が上限数(8個)に到達した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図87(b)は、保留上限時演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
本実施形態では、保留球数が上限に到達した場合に、獲得済みの保留球内に大当たり当選を示す入賞情報が含まれているかを判別し、その判別結果に基づいて保留上限時演出を実行するように構成している。そして、大当たり当選を示す入賞情報が含まれていることを報知する(大当たり当選することを報知する)演出態様(魚群まつり)と、大当たり当選する期待度が高いことを報知する演出態様(チャンス告知)と、で保留上限時演出を実行可能に構成している。
より具体的には、保留球を獲得したことを示す保留球数コマンドが主制御装置110から出力され、音声ランプ制御装置113にて保留球数コマンドを受信した場合に実行される保留球数コマンド受信処理(図145のS2208参照)において、今回受信した保留球数コマンドに基づいて、保留球数が上限に到達したかが判別され(S2304)、上限に到達した場合に、保留上限時演出選択テーブル222e(図110(b)参照)を参照して、実行する演出態様(演出パターン)を決定する。そして、決定された演出態様にて保留上限時演出を実行可能な状況であるかを判別し、実行可能な状態であれば保留上限時演出が実行される。
ここで、本実施形態では、特別図柄抽選が行われることに基づいて実行される各種演出に加え、時刻情報に基づいて電源投入されてからの経過時間を判別し、その経過時間に基づいて異なる態様の演出(期間演出)を実行可能に構成している。このように構成することで、複数のパチンコ機10に対して、同一タイミングで期間演出を実行させることが可能となるため、複数のパチンコ機10を用いた一体的な演出を実行することにより、1台のパチンコ機10のみで演出が実行される場合よりも演出効果を高めることができる。
しかしながら、この期間演出が実行される期間と、上述した保留上限時演出が実行される期間とが重複してしまうと、各演出の表示態様が混在してしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。また、期間演出は上述した通り、複数のパチンコ機10に対して同一タイミングで同一の演出を実行させるものであるため、各パチンコ機10の遊技状況に応じて、期間演出の実行の有無を決定したり、期間演出の実行タイミングを遅らせたりしてしまうと、期間演出の演出効果が著しく低下してしまうという問題があった。
そこで、本実施形態では、先読み演出(保留先読み演出、保留上限時演出)が実行される条件が成立した場合に、実行し得る先読み演出の演出態様を決定し、その後、先読み演出を実行可能な状況であるか否かを時刻情報に基づいて判別し、実行できない状況である場合には先読み演出の実行を禁止するように構成している。このように構成することで、期間演出の実行期間と、先読み演出の実行期間と、が重複してしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、先読み演出の対象となる保留球数や、先読み演出が終了するまでに実行される特別図柄抽選の結果に基づいて、実行され得る先読み演出の演出期間の上限期間を算出し、その算出された上限期間と期間演出が実行される期間と、が重複するか否かを判別するように構成している。これにより、先読み演出の実行を禁止する禁止期間を期間演出の実行タイミングに基づいて一義的に規定する場合に比べて、先読み演出を実行させ易くすることができる。
つまり、先読み演出とは、獲得した保留球に対して先読み処理を実行し、その先読み結果に基づく演出を実際に特別図柄抽選が実行されるよりも前に遊技者に対して事前に報知(示唆)するための演出であり、先読み演出の対象となる保留球数に応じて実行期間が大きく異なるものである。よって、実際に実行される先読み演出の内容(演出期間)を特定すること無く、先読み演出の実行を禁止する禁止期間を規定する場合には、最も長い演出期間となる先読み演出、即ち、保留球の上限個数(本実施形態では8個)分の特別図柄抽選が実行される期間に跨がって実行される先読み演出であって、各特別図柄抽選の結果が表示されるまでの期間(特別図柄の変動表示期間)として、最も長い期間(例えば、60秒)が設定された場合であっても、先読み演出が実行される期間と、期間演出が実行される期間とが重複しないように禁止期間を規定する必要があった。
このように禁止期間を規定することにより、先読み演出と期間演出とが重複して実行されてしまうことを確実に防ぐことが可能となるが、禁止期間が無用に長くなってしまい、先読み演出の実行頻度が著しく低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、実際に実行され得る先読み演出の演出期間を特定し、その特定した演出期間が期間演出と重複するか否かを判別し、重複すると判別した場合にのみ先読み演出の実行を禁止するように構成している。このように構成することで、特定の禁止期間を規定する場合に比べて、短い演出期間が設定される先読み演出を実行させ易くすることができる。
ここで、図89(b)を参照して、先読み演出の種別と先読み禁止期間との関係について説明をする。図89(b)は、先読み演出の種別と先読み禁止期間との関係を示した図である。図89(b)に示した通り、期間演出(SPタイム演出)が実行される期間に対して、先読み演出の実行を禁止する禁止期間を設定可能に構成し、先読み演出を実行すると判別されたタイミングが上述した禁止期間に該当する場合には、先読み演出の実行を禁止するように構成している。そして、先読み演出の種別として、大当たり遊技期間を介さない通常先読み(先読み演出期間が比較的短い先読み)と、大当たり遊技期間を介する大当たり時先読み(先読み演出期間が比較的長い先読み)と、を有しており、実行される先読み演出として設定され得る先読み演出の種別に応じて先読み禁止期間の長さを異ならせている。このように構成することで、特定の禁止期間を規定する場合に比べて、短い演出期間が設定される先読み演出を実行させ易くすることができる。
なお、先読み演出の種別を3つ以上設けても良く、この場合、先読み演出の演出期間を大まかに特定するための要素として、大当たり遊技の有無以外に、先読み演出中に実行される特別図柄変動回数や、特別図柄変動時間を要素としても良い。
図87(b)に戻り、説明を続ける。保留上限時演出として「魚群まつり」が決定された場合には、8個の保留図柄(図87(a)の小領域Ds2に表示される1~8の数字が付された8個の保留図柄)が消化される期間を用いた一連の演出として魚群まつり演出が実行される。図87(b)に示した通り、魚群まつり演出が実行されると、主表示領域Dmの上部に表示領域HR1が形成され、「魚群まつり突入」の文字がテロップ表示される。そして、主表示領域Dmの右側に、魚群が待機している表示態様が表示される。また、主表示領域Dmの中央部には、魚群まつり演出が終了するまで(大当たり当選した特別図柄が停止表示されるまで)、継続して変動表示される疑似図柄変動が実行される。
さらに、魚群まつり演出が実行されている期間中は、小領域Ds2に保留図柄が表示されず、小領域Ds1の実行中図柄用台座m0には、魚群まつり演出が終了するまで継続して表示される疑似保留図柄tm0が表示される。つまり、魚群まつり演出中は、特別図柄抽選が何回実行されたのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。このように構成することで、魚群まつり演出がいつまで継続するのかを分かり難くすることができる。また、どの保留図柄で大当たり当選したのかを分かり難くすることができる。
図87(b)に示した図では、主表示領域Dmに表示領域HR2と表示領域HR3を形成し、実際の特別図柄変動と同期して変動表示される第3図柄が表示領域HR3に、実際の保留図柄数を示す情報が表示領域HR2に表示されている。これにより、疑似的な変動表示と、疑似的な実行中図柄表示とが実行される魚群まつり演出中においても、実際の遊技状況を報知することができる。なお、表示領域HR2と表示領域HR3を形成する場合においては、各表示領域にて表示される情報(実際の保留図柄数、及び、第3図柄の変動状況)を遊技者が視認し難い態様で表示すると良い。このように構成することで、疑似的な変動表示と、疑似的な実行中図柄表示とが実行される魚群まつり演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
また、魚群まつり演出中において実際の保留図柄数、及び、第3図柄の変動状況を報知可能に構成する場合は、第3図柄表示装置81の表示画面とは異なる領域、例えば、遊技盤13に設けられたLEDの点灯態様によって実際の保留図柄数、及び、第3図柄の変動状況を報知するように構成しても良い。これにより、魚群まつり演出中に第3図柄表示装置81の表示画面を注視している遊技者が、実際の保留図柄数の変化や第3図柄の変動状況を把握してしまうことを確実に防止することができる。さらに、魚群まつり演出が実行されている期間中は、実際の保留図柄数、及び、第3図柄の変動状況を報知しないように構成しても良い。
図87(b)に示した通り、魚群まつり演出中に、小領域Ds1の実行中図柄用台座m0に表示される疑似保留図柄tm0は、複数の星印が付された表示態様で表示されている。詳細な説明は省略するが、この疑似保留図柄tm0の表示態様は、保留上限時演出の演出態様を決定する際に参照した情報(保留内に含まれる大当たり個数)に基づいて決定されるものであって、星印の個数が多いほど、保留内に多くの大当たりが含まれている可能性が高くなるように構成している。なお、疑似保留図柄tm0の表示態様を、魚群まつり演出の演出期間中に可変表示するように構成しても良く、この場合、魚群まつり演出の演出期間中に星印の個数が増加するように可変表示させると良い。これにより、魚群まつり演出が実行された後、即ち、間もなく大当たり当選することが報知された後も、実行される魚群まつり演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。また、魚群まつり演出の演出期間中に疑似保留図柄tm0の表示態様として、星印の個数が減少する可変表示パターンを設けても良い。この場合、星印の個数が多い状態で魚群まつり演出が終了することを期待させるという新たな遊技性を提供することができる。さらに、本実施形態におけるパチンコ機10のように、魚群まつり演出の終了タイミングを分かり難くした構成に、疑似保留図柄tm0の表示態様として、星印の個数が増減する可変パターンを設けた場合には、魚群まつり演出の終了タイミングを予測することも、星印の個数の推移を予測することも困難となるため、魚群まつり演出が終了するまで常に星印の個数の推移状況に興味を持たせることができる。
なお、魚群まつり演出中に表示される疑似保留図柄tm0の表示態様を、保留内の大当たり個数以外の情報に基づいて決定しても良く、例えば、魚群まつり演出が実行されてから最初に大当たり当選するまでに消費される保留図柄の個数に基づいて決定しても良いし、パチンコ機10に設定されている設定値(「1」~「3」)に基づいて決定しても良い。また、上述した各要件を組み合わせて決定しても良い。ここで、複数の要件を組み合わせて疑似保留図柄tm0の表示態様を決定する場合には、1の要件が遊技者に有利であって、他の要件が遊技者に不利である場合と、1の要件が遊技者に不利であって、他の要件が遊技者に有利である場合と、で同一の表示態様が決定され易くなるように構成すると良い。
具体的には、疑似保留図柄tm0の表示態様として星印の個数が「3」個の表示態様が決定され易い状況として、保留内の大当たり個数が1個であって、パチンコ機10に設定されている設定値が3である場合、即ち、保留内の大当たり個数を示す要件が遊技者に不利な状況であって、設定値を示す要件が遊技者に有利な状況である場合と、保留内の大当たり個数が3個であって、パチンコ機10に設定されている設定値が1である場合、即ち、保留内の大当たり個数を示す要件が遊技者に有利な状況であって、設定値を示す要件が遊技者に不利な状況である場合と、を規定するように構成すると良い。このように構成することで、魚群まつり演出中に疑似保留図柄tm0の表示態様として星印の個数が3個の表示態様が表示された場合に、遊技者は、設定値は低いが多くの大当たりが保留内に存在する状況であるか、保留内の大当たり個数は少ないが設定値が高い状況であるかを想定しながら実際に大当たり当選するまで魚群まつり演出を注視することになる。
よって、魚群まつり演出が実行されてから大当たり当選するまでの期間が長くなるほど、保留内の大当たり個数が少ないのではと予測することになり、設定値が高いことに期待することになる。これにより、複数の要件の有利度合いを複合的に予測しながら演出の進行状況に対して遊技者を注視させることができるため、演出効果を高めることができる。
なお、魚群まつり演出中に表示される疑似保留図柄tm0の表示態様はそれ以外の条件で決定しても良く、例えば複数の要件が有利な状況である場合にのみ表示される特定表示態様(例えば、星印の個数が7個)を規定しても良い。このように構成することで、特定表示態様が表示された遊技者に対して安心して魚群まつり演出を楽しませることができる。
詳細な図示は省略したが、図87(b)に示した表示画面が表示された後に魚群まつり演出が進行し、大当たり当選した特別図柄変動が実行されると、主表示領域Dmの右側位置にて待機していた魚群が主表示領域Dmの全面を覆うように左方向へと移動する魚群演出が実行され、その後、大当たり当選したことを示す表示態様で図柄が停止表示されることで、大当たり当選したことを遊技者に報知する演出が実行される。
なお、本実施形態では、魚群まつり演出中に大当たり当選したことを示す表示態様で図柄が停止表示されるまで疑似的な図柄変動表示を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の大当たり変動が実行されるタイミングに合わせて、主表示領域Dmにて変動表示される対象を疑似的な図柄から第3図柄へと切り替えるように構成しても良い。このように構成することで、疑似的な図柄を変動表示させるための演出データとして、図柄を停止表示させる態様に対応させた演出データを設ける必要が無くなり、演出データのデータ量を削減することができる。
つまり、魚群まつり演出が実行された場合に、主表示領域Dmにて実行される疑似図柄の変動表示に対応した演出データとして、変動表示されている各図柄を遊技者が識別困難な程度の速度(高速度)で変動表示させる態様に対応した演出データのみを容易しておき、特別図柄の大当たり変動が実行されるまで疑似図柄を高速変動させる。そして、特別図柄の大当たり変動が実行された場合には、高速変動中の疑似図柄に代えて、高速変動中の第3図柄の変動表示を実行するように構成する。この場合、第3図柄の変動表示は、通常の状態においても、特別図柄変動の開始に合わせて高速変動を開始する変動演出が用いられるため、通常状態における第3図柄の変動演出(大当たり変動演出)に用いる演出データが適用される。これにより、専用の演出データを用いること無く魚群まつり演出において大当たり当選を示す図柄を停止表示させることができる。さらに、疑似図柄から第3図柄へと切り替えるタイミングを、図柄の高速変動中としているため、切り替わる瞬間に主表示領域Dmに表示される図柄の種別が異なったとしても、その状況を遊技者に気付かれ難くすることができるため、遊技者に違和感を与える演出が実行されることを抑制することができる。
なお、上述した例では、疑似的な図柄の変動表示と、第3図柄の変動表示とを切り替える際に遊技者に違和感を与えることが無いように構成した例を示したが、これに限ること無く、意図的に違和感を与えるように疑似的な図柄の変動表示と、第3図柄の変動表示とを切り替えるように構成しても良く、例えば、変動表示速度が上述した高速度よりも低く、遊技者が変動表示中の各図柄を識別可能な程度の低速度で図柄が変動表示されている状況、或いは、少なくとも1の図柄が停止表示されている状況において疑似的な図柄の変動表示から第3図柄の変動表示へと切り替えるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、第3図柄の変動表示が実行されたこと(特別図柄の大当たり変動が開始されたこと)を把握させることが可能となるため、特別図柄の大当たり当選タイミングをいち早く知りたい遊技者に対して、図柄の切り替わりタイミングを見つけるために魚群まつり演出中に実行される図柄の変動表示内容に注視させることができる。
本実施形態では、保留内に大当たり当選する保留図柄が少なくとも1個含まれている状況でのみ魚群まつり演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、保留内に大当たり当選する保留図柄が2個以上ある場合にのみ実行可能に構成しても良い。このように構成することで、魚群まつり演出が実行されることによる付加価値をより高めることができる。また、保留内に大当たり保留が存在しない場合の一部(例えば1%)においても魚群まつり演出が実行されるように構成しても良い。これにより、魚群まつり演出が実行された場合に、大当たり当選しない可能性を若干残すことができるため、大当たり当選するまでの間、遊技者に緊張感を持たせた遊技を行わせることができる。
次に、図88、及び図89を参照して、パチンコ機10に電源が投入されてからの経過時間が所定期間となった場合に実行される期間演出の演出内容について説明をする。本実施形態におけるパチンコ機10は、現在の時刻を計時するためのRTC(リアルタイムクロック)を有しており、RTCが計時する時刻情報に基づいて、パチンコ機10に電源が投入されてからの経過時間が所定時間(約2時間)が経過すると、約3分間の期間演出(SPタイム)を実行するように構成している。通常、パチンコホールにおいては、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源を投入する作業を実行しているため、同一種類のパチンコ機10が複数設置されているパチンコホールでは、特定タイミングに合わせて一斉に期間演出(SPタイム)が実行される。このように複数のパチンコ機10が同一の期間演出を同一のタイミングで実行するように構成することでパチンコホールにおける演出効果を著しく向上させることができる。
なお、本実施形態では、電源が投入されてからの経過時間に基づいて期間演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、RTCが計時する時刻が所定時刻となった場合に、期間演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、パチンコ機10に対して電源を投入するタイミングが相違した場合や、パチンコ機10に不具合が発生し電源を一旦遮断する必要があった場合においても、複数のパチンコ機10が同一の期間演出を同一のタイミングで実行するように構成することでパチンコホールにおける演出効果を著しく向上させることができる。
詳細は、図108を参照して後述するが、本実施形態では、RTCが計時する時刻情報に基づいて、パチンコ機10における演出期間を、通常演出期間と、SPタイム期間と、SPタイム期間が間もなく到来することを示すSPタイム準備期間と、切り替え可能に構成している。演出期間として通常演出期間が設定されている場合には、RTCが計時する時刻情報に関わらず通常の演出が実行される。また、SPタイム準備期間が設定されている場合には、通常演出期間と同一態様の演出が実行されると共に、SPタイム期間が間もなく到来することを示す表示態様として、「SPタイムが間もなく始まります」とのコメントを第3図柄表示装置81の表示画面の表示領域HR1にてテロップ表示すると共に、SPタイム期間が到来するまでの残時間が30秒となった時点で、SPタイム期間が到来するまでの秒数を示すためのカウントダウン表示が実行される。
そして、SPタイム期間が設定されている場合には、専用のステージ(背景画像)が表示されると共に、専用の楽曲が音声出力装置226から出力される。本実施形態では、通常演出期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間の切替タイミングが予め規定されており、90分~120分の通常演出期間を経て、約2分間のSPタイム準備期間が設定され、その後、約3分間のSPタイム期間が設定される。つまり、通常演出期間に対してSPタイム期間が短くなるように規定されている。このように構成することで、SPタイム期間中に実行される各種演出に対して付加価値を持たせることができるため、パチンコ機10の遊技を行っている遊技者に対して、次のSPタイム期間が設定されるまで遊技を継続しようと思わせることができる。
加えて、本実施形態では、通常演出期間中に実行される変動演出(特別図柄抽選に基づいて実行される演出)よりも、SPタイム期間中に実行される変動演出のほうが、対応する特別図柄抽選の結果に関わらず、遊技者に有利な特典を付与可能に構成している。具体的には、SPタイム期間中に変動演出が実行された場合のほうが、通常演出期間中に変動演出が実行される場合よりも、現状の設定値を示唆するための設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、SPタイム期間中における遊技者の遊技意欲をより高めることができる。
また、上述した通り、本実施形態ではSPタイム期間中に実行される変動演出にて設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。よって、SPタイム期間が設定された状態において、球を発射していない遊技者(特別図柄抽選が実行されていない遊技者)は、設定示唆演出を実行させることができないように構成している。このように構成することで、SPタイム期間中における遊技者の遊技意欲をより高めることができる。
このように構成された遊技機では、SPタイム期間中に特別図柄抽選を多く実行することで、多くの設定示唆演出を実行させることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるものであったが、例えば、SPタイム期間が設定された直後に大当たり当選した場合は、SPタイム期間中に特別図柄抽選を多く実行することができず、遊技者に対して現状の設定値を推測するための情報を提供し難くなるという問題があった。つまり、特別図柄抽選で大当たり当選するという遊技者に有利な状況が発生したことによって、遊技者に不利な状況(設定値を推測するための情報を集め難い状況)が創出されてしまい、大当たり当選するタイミングによって遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、大当たり遊技の実行タイミング(開始タイミング)においてパチンコ機10に設定されている演出期間(通常演出期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間)や、大当たり遊技の終了タイミングにおいてパチンコ機10に設定されている演出期間(通常演出期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間)に基づいて、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出態様や、大当たり遊技の終了画面に表示される表示態様を決定するように構成している。
具体的には、大当たり遊技が実行されることにより、変動演出を用いた設定示唆演出が実行され難い状況である場合には、大当たり遊技演出として設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、SPタイム期間を少なくとも含む期間において大当たり遊技が実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、図88(a)を参照して、SPタイム期間中(SPタイム中)に実行される演出(期間演出)の演出内容について説明をする。図88(a)は、SPタイムが設定されてから約50秒が経過した時点における表示画面の一例を示した図である。図88(a)に示した通り、SPタイムが設定されると、期間演出として、主表示領域Dmの背景画像(ステージ)として通常演出期間よりも煌びやかな背景画像(ステージ)が表示され、表示領域HR1には、現在がSPタイム期間中であることを遊技者に報知するための報知態様として「SPタイム中」のコメントがテロップ表示される。さらに、主表示領域Dmの左上部に形成された表示領域HR4には、SPタイム期間の残時間を示すための残時間表示態様が表示されており、図88(a)では、残時間が2分10秒であることを示す表示態様が表示されている。
また、主表示領域Dmの右上側には、表示領域HR5,HR6が形成され、SPタイム期間中に実行すべき指令内容(ミッション内容)と、そのミッション内容に対する現状の達成度と、が表示される。ここで、本実施形態では、SPタイム期間中に遊技者に付与可能な付加価値として、現状の設定値を示唆可能な設定示唆演出を実行可能に構成している。そして、表示領域HR5,HR6に表示されているミッション内容をクリアした場合に、設定示唆演出を実行可能に構成している。
さらに、本実施形態では、SPタイム期間中に設定されるミッション内容として、達成し易いミッション内容(第1ミッション内容)と、第1ミッション内容よりも達成し難いミッション内容(第2ミッション内容)と、を含む複数のミッション内容の中から1のミッション内容を選択可能に構成している。そして、パチンコ機10の設定値に応じて各ミッション内容の選択割合を異ならせるように構成している。
つまり、SPタイム期間中に設定されるミッション内容自体も設定値を推測するための要素が含まれており、且つ、設定されたミッションを達成することにより、設定値を推測するための新たな情報を獲得できるように構成している。このように構成することで、ミッションを達成することが出来なかった遊技者に対してもSPタイム期間中において付加価値(設定推測要素)を付与することができるため、SPタイム期間中に遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。加えて、ミッションを達成することにより更に付加価値(設定推測要素)を付与することができるため、より意欲的に遊技者に遊技を行わせることができる。
図88(a)に示した表示画面では、ミッション内容として、SPタイム期間中に実行される特別図柄変動の回数が30回に到達した場合、或いは、SPタイム期間中に実行されるリーチ演出回数が5回に到達した場合に達成するミッションが設定されていることを示しており、表示領域HR5には特別図柄変動の回数が対象であることを示す「変動数」の文字が表示され、ミッションを達成するための回数を示す達成回数Pbに「30」が表示され、現時点で実行されている回数(特別図柄変動の回数)を示す現状回数Paに「5」が表示されている。そして、表示領域HR6にはリーチ演出の回数が対象であることを示す「リーチ数」の文字が表示され、ミッションを達成するための回数を示す達成回数Pdに「5」が表示され、現時点で実行されている回数(リーチ演出の回数)を示す現状回数Pcに「0」が表示されている。
つまり、図88(a)に示した表示画面は、SPタイム期間が設定されてから5回目の特別図柄変動が実行されている状態であって、SPタイム期間中に一度もリーチ演出が実行されていない状態であることを示す表示画面である。
図88(a)に示した表示画面が表示されてから、1分5秒が経過した状態の一例を、図88(b)を参照して説明をする。図88(b)は、SPタイム期間が設定されてから2分55秒が経過した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図88(b)に示した状態は、表示領域HR5に示した通り、SPタイム期間中に実行された特別図柄変動の回数が30回となりミッションを達成した状態である。そして、主表示領域Dmの中央部には、ミッションを達成した場合に付与される付加価値演出として、宝箱801と、遊技者に枠ボタン22を押下させることを案内するためのボタンアイコン802と、が表示される。この状態で遊技者が枠ボタン22を押下すると、宝箱801が開放する演出が実行される。
次に、図89を参照して、図88(b)に示した表示画面が表示された状態で枠ボタン22を押下した場合の演出内容について説明をする。図89(a)は、SPタイム期間中にミッションを達成したことに基づいて特典(設定推測要素)が付与された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図89(a)は、上述した図88(b)の表示画面が表示されている状態にて枠ボタン22を押下し、2秒が経過した状態を示したものであり、表示領域HR4には残り時間が2秒であることを示す残時間表示態様が表示されている。
そして、宝箱801が開放し、設定推測要素801aとして「A」が表示されている。また、表示領域HR5に示した特別図柄変動の回数を対象としたミッションを達成したことを示す「クリア」の文字が表示されている。
SPタイム期間中にミッションを達成し、設定推測要素801aが付与された(表示された)場合には、表示領域HR7が形成され、既に獲得した設定推測要素801aが履歴として表示されるように構成している。このように構成することで、1回のSPタイム期間中に複数の設定推測要素801aを獲得した場合に、表示領域HR7に表示される履歴表示を見ることで、実際に設定されている設定値を予測し易くすることができる。
ここで、設定示唆演出が実行される場合に遊技者に付与される設定推測要素の内容について説明をする。本実施形態では、遊技者に対して付与可能な設定推測要素の態様として、何れの設定値であっても略同一の割合で選択される設定推測効果の低い態様「A」と、現在設定されている設定値が、遊技者にとって最も不利な設定値(設定1)では無いことを示す態様「B」と、現在設定されている設定値が高設定(設定3)である可能性を若干高いことを示す態様「C」と、現在設定されている設定値が高設定(設定3)である可能性が高いことを示す態様「D」と、現在設定されている設定値が高設定(設定3)であることを示す態様「E」と、を決定可能に構成している。
また、設定示唆演出として実行される各種演出態様のそれぞれに対して、設定推測要素「A」~「E」に対応した表示態様が規定されている。よって、設定示唆演出が実行される場合には、まず、今回の設定示唆演出によって付与される設定推測要素が決定され、その後、決定された設定推測要素に対応する設定示唆演出の演出態様が決定されるように構成している。なお、1の設定示唆演出において複数個の設定推測要素を付与可能に構成した場合には、複数個の設定推測要素の組合せに対応させて設定示唆演出の演出態様を予め規定しておくと良い。このように構成することで、例えば、複数個の設定推測要素として態様「D」が2個決定された場合には、態様「D」と態様「C」が1個ずつ決定された場合よりも、高設定が設定されている可能性が高いことを示す複合演出態様で設定示唆演出を実行することが可能となる。よって、1の設定示唆演出に単数の設定推測要素が付与される場合よりも、複数の設定推測要素が付与される場合のほうが遊技者に対して設定されている設定値を把握させ易い演出を実行することができる。
なお、設定推測要素の態様種別としては、上述した態様「A」~「E」に限られること無く、例えば、設定値が奇数であることを示す態様種別や、設定値が偶数であることを示す態様種別や、設定変更動作が実行されたことを示す態様種別や、前回設定された設定値を記憶可能な記憶手段を設け、前回設定された設定値よりも現在の設定値のほうが高いことを示す態様種別や、前回設定された設定値よりも現在の設定値のほうが低いことを示す態様種別等を決定可能に構成しても良い。また、パチンコ機10の設定値として本実施形態では3種類の設定値を設けているがこれに限ること無く、4種類以上の設定値を設定可能に構成しても良い。このように4種類以上の設定値を設定可能に構成し、且つ、設定推測要素の態様種別を増加させることにより、設定示唆演出の演出態様にバリエーションを持たせることが出来ると共に、獲得した設定推測要素の態様種別に基づいて、様々な視点から現在の設定値を推測する楽しみを提供することができる。
本実施形態では、図89(a)に示した通り、所定期間内(SPタイム期間内)に獲得した設定推測要素を履歴表示可能に構成しているが、この機能に加え、複数の設定推測要素を獲得した場合に、所定の法則性に基づいて各設定推測要素を相殺し、余った設定推測要素のみを表示するように構成しても良いし、獲得した複数の設定推測要素に基づいて解析された設定値予測情報を表示するように構成しても良い。このように構成することで、設定推測要素を多く獲得し過ぎたことにより、遊技者が混乱してしまうことを抑制することができると共に、設定推測要素を獲得すればするほど精度の高い設定推測を実行し易くすることができるため、設定推測要素を獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、過去に獲得した設定推測要素を履歴表示可能な機能を有するパチンコ機10においては、遊技者が遊技を終了する際に、過去に獲得した設定推測要素の履歴情報を消去可能な消去手段を設けると良い。このように構成することで、獲得した設定推測要素を他の遊技者に知られてしまうことを確実に抑制することができる。
次に、図90を参照して、期間演出であるSPタイム期間が終了する場合に実行される演出の内容について説明をする。上述した通り、SPタイム期間は、RTCが計時する時刻情報に基づいて設定されるものである。よって、特別図柄変動の変動状況によって、実行中の特別図柄変動の残変動時間が短い状態でSPタイム期間が終了する場合、実行中の特別図柄変動の残変動時間が長い状態でSPタイム期間が終了する場合、特別図柄変動が実行されていない状態でSPタイム期間が終了する場合と、が発生する。
ここで、上述した通り、SPタイム期間中は、他の期間とは異なる演出(期間演出)を実行するように構成しており、その期間演出は、開始タイミングおよび終了タイミングが特定時刻(特定時間)となるように規定することで複数のパチンコ機10に対して同期して同一の演出を実行することで演出効果を高めるものであった。
よって、例えば、SPタイム期間の終了タイミングにて実行中の特別図柄変動が終了するまで期間演出を継続するように構成した場合、各パチンコ機10における期間演出の終了タイミングが異なってしまい、演出効果が低下するという問題があった。そこで、SPタイム期間の終了タイミングにて実行中の特別図柄変動の残変動時間に関わらず、SPタイム期間が終了したタイミングにおいて、SPタイム期間が終了したことを示す終了態様で期間演出を実行し、その終了態様を実行中の特別図柄変動が終了するまで継続する技術が考えられる。
上述した技術を用いることにより、終了態様の期間演出が実行されるタイミングを各パチンコ機10で同期させることが可能となり、複数のパチンコ機10にて一体感のある演出を実行させることが可能となるが、例えば、SPタイム期間の終了タイミングにおいて実行中の特別図柄変動の残変動時間が長い場合には、終了態様の期間演出が継続する時間が単に長くなるだけであり、遊技者に対して単調な演出を低下してしまい遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングにおいて実行中の特別図柄変動の残変動時間が所定時間(20秒)よりも長い場合に、専用の演出(特殊残変動演出)を実行可能に構成している。このように、期間演出の終了タイミングにおいて所定条件を満たしている場合に、専用の演出を実行可能に構成することで、期間演出による演出効果の向上を図りながらも、期間演出が終了した後の遊技に対しても演出効果を高めることができる。
また、本実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングにおける実行中の特別図柄変動の残変動時間の長さによって、特殊残変動演出を実行するように構成している。つまり、SPタイム期間が終了してしまうことを察知した遊技者が、SPタイム期間の終了間際に遊技を止めてしまうと、SPタイム期間の終了タイミングを跨ぐ様に特別図柄変動が実行され難くなることから、特殊変動演出が実行され難くなるように構成している。
このように構成することで、期間演出が実行されるSPタイム期間が終了するまで遊技者に対して意欲的に遊技を継続させることができる。
さらに、本実施形態では、特殊残変動演出として、現在設定されている設定値を示唆するための設定示唆演出、即ち、遊技者に有利となる情報を含む演出を実行可能に構成している。よって、SPタイム期間が終了する場合において、有利な情報を獲得しようと意欲的遊技者に対してSPタイム期間の終了タイミングを跨いで実行される特別図柄変動の変動時間に対して興味を持たせることができ、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、図90(a)を参照して、特殊残変動演出が実行される場合の表示画面について説明をする。図90(a)は、期間演出(SPタイム)が終了した時点において第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容の一例を示した図であって、期間演出が終了した後に特殊残変動演出が実行される場合における表示内容の一例を示した図である。
図90(a)に示した通り、表示領域HR1にはSPタイム期間が終了したことを示すための終了案内態様として「SPタイム終了」の文字がテロップ表示されると共に、表示領域HR4には残り時間が0秒(終了)であることを示す残時間表示態様が表示されている。そして、現在実行中の特別図柄変動が終了するまで(残変動時間が0秒になるまで)の期間が、設定示唆演出が高確率(他の期間よりも高確率)で実行される示唆演出高確期間であることを示すための案内報知態様として「示唆演出大量GETチャンス」のコメントが、副表示領域Dsの小領域Ds2に表示されたキャラクタJ0が話しかけるような態様で表示される。
また、主表示領域Dmの右側には設定示唆演出として実行された演出結果(演出態様)の履歴を表示するための履歴表示領域として表示領域HR7が形成される。図90(a)に示した表示画面は、示唆演出高確期間に到達した直後に表示される表示画面であるため、表示領域HR7には演出結果の履歴が表示されていないが、示唆演出高確期間中に実行された複数の設定示唆演出の履歴を表示することができる。
このように構成することで、短期間で複数の設定示唆演出が実行された場合、特に、1の設定示唆演出と、その1設定示唆演出とは異なる他の設定示唆演出との実行期間の少なくとも一部が重複して実行された場合において、遊技者が実行中の複数の設定示唆演出の全てを把握出来なかったとしても、履歴表示領域に表示された内容(演出結果)を把握することにより既に実行された設定示唆演出の内容を容易に把握することができる。
なお、この履歴表示領域に表示される表示態様としては、実際に実行された設定示唆演出の演出態様を示すための表示態様でも良いし、実際に実行された設定示唆演出に含まれる設定示唆内容を示すための表示態様でも良い。ここで、実際に実行された設定示唆演出の演出態様としては、例えば、設定示唆演出として複数のキャラクタの中から1のキャラクタを表示可能とし、表示されたキャラクタの種別に応じて設定示唆内容(例えば、設定されている設定値が偶数であることを示唆したり、奇数であることを示唆したり、特定の設定値では無いことを示唆したりする示唆内容)が異なるものである場合には、設定示唆演出として表示されたキャラクタの種別を遊技者が識別可能な表示態様(例えば、キャラクタ画像を模したアイコン態様)を履歴表示領域に表示するように構成すると良い。
このような設定示唆演出を実行する場合には、同一の設定示唆内容を示すための演出態様が複数種類あるため、履歴表示領域に表示された複数の表示態様に基づいて遊技者に対して設定値を予測させる楽しみを提供することができる。
なお、本実施形態では、表示領域HR7(履歴表示領域)に表示される表示態様を所定期間が経過するまで(示唆演出高確期間が終了するまで)表示するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が操作手段(操作ボタン22)を操作することにより表示領域HR7(履歴表示態様)に表示される表示態様の全て或いは一部を任意に削除(非表示)可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技者が把握済みの設定示唆演出に対応する履歴表示が表示領域HR7に継続して表示されることを防ぐことができるため、例えば、設定示唆演出の演出態様として、遊技者に最も有利な演出態様(最高設定であることを報知する演出態様)で設定示唆演出が実行された場合に、その演出態様を示す表示態様が履歴表示領域に継続して表示されてしまうことにより、遊技を行っていない遊技者に設定値を容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、表示領域HR7を主表示領域Dmの特定箇所に形成するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が任意の位置を選択可能となるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者自信は表示態様を把握し易く、且つ、他の遊技者には把握され難い箇所に履歴表示領域を形成することができる。
なお、本実施形態では履歴表示領域には実行された設定示唆演出の演出態様に基づく表示態様が表示されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、履歴表示領域に表示された複数の表示態様が所定条件を満たした場合に、所定条件を満たしたことに基づいた新たな表示態様を表示するように構成しても良く、例えば、履歴表示領域に表示された表示態様として、実際の設定値を把握し難い表示態様(弱示唆態様)が所定個数(例えば、3個)表示された場合に、その弱示唆態様よりも実際の設定値を把握し易い表示態様(強示唆態様)が表示されるように構成しても良い。このように構成することで、示唆演出高確期間中に多くの設定示唆演出が実行された方が、設定値を把握し易くすることができるため、遊技者に対して、示唆演出高確期間中に多くの設定示唆演出が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
加えて、履歴表示領域に表示させることが可能な表示態様の個数に上限(例えば5個)を設け、示唆演出高確期間中における設定示唆演出の実行順に対応させて表示態様が上限数まで表示されるように構成し、複数の弱示唆態様が表示されたことに基づいて強示唆態様が表示された場合には、その複数の弱示唆態様が消去され、新たな表示態様を履歴表示領域に表示させることができるように構成しても良い。
また、この場合、強示唆態様の表示条件とは異なる消去条件を設定可能に構成し、消去条件が成立した場合に弱示唆態様が消去されるように構成しても良く、例えば、示唆演出高確期間中に特定の演出が実行された場合や、遊技者が枠ボタン22に対して特定の操作を実行した場合に消去条件が成立するように構成すると良い。これにより、消去条件が成立したことに基づいてより多くの表示態様を履歴表示領域に表示させることができるため、遊技者に設定値を予測させ易くすることができる。
消去条件が成立したことに基づいて履歴表示領域から消去される表示態様は、履歴表示領域に表示されている表示期間が長い順、即ち、先に表示された表示態様から順に消去されるように構成すると良い。これにより、長時間履歴表示領域に表示された表示態様、即ち、遊技者が把握済の可能性が高い表示態様から順に消去されていき、新たな表示態様を表示させることができるため、履歴表示領域に表示された直後に表示態様が消去されてしまい遊技者が設定示唆演出の設定示唆内容を把握し難くなってしまうことを抑制することができる。
また、履歴表示領域に表示されている表示態様の種別を判別し、実際の設定値を把握し難い表示態様の種別(例えば、弱示唆態様)から順に消去するように構成しても良い。このように構成することで、示唆演出高確期間が進行するにつれて設定値を予測し易い表示態様が表示され易くなる。よって、示唆演出高確期間が長く継続し、その期間中に設定示唆演出が多く実行されることを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図90(b)を参照して、示唆演出高確期間中における第3図柄表示装置81の表示面に表示される演出内容について説明をする。図90(b)は、示唆演出高確期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。
図90(b)に示した通り、示唆演出高確期間中には、様々な演出を用いて設定示唆演出が実行される。具体的には、主表示領域Dmにて実行される変動演出に対応させた設定示唆演出801a,801bや、副表示領域Dsの小領域Ds1に表示される実行中図柄用台座m0に表示される保留図柄に対応させた設定示唆演出801cや、キャラクタJ0に対応させた設定示唆演出801dが実行されるように構成している。
そして、示唆演出高確期間中に実行された各種設定示唆演出に含まれる設定示唆内容(A~D)が表示領域HR7の履歴表示領域に表示される。また、主表示領域Dmの中央上部には示唆演出高確期間の残期間を示すための残期間表示態様として「特化ゾーン終了まであと5秒」の文字が表示される。つまり、図90(b)は、実行中の特別図柄変動の残変動時間が5秒の状態における表示画面となる。
ここで、本実施形態における設定示唆演出の各演出態様に含まれる設定示唆内容について説明をする。本実施形態におけるパチンコ機10では、上述した通り、特別図柄抽選で大当たり当選する確率を異ならせた設定値を3段階(設定1~3)で設定可能に構成しており、パチンコ機10に対して電源が投入されていない状態にて特定の操作条件を成立させた状態で電源を投入することにより、設定値を変更可能な設定変更状態へ移行可能に構成している。そして、設定変更状態にて任意の設定値を決定するための決定操作を行うことで設定値を決定することにより、決定された設定値に対応する遊技仕様(特別図柄の大当たり確率)で遊技が実行される。
上述した通り、設定値に応じて特別図柄の大当たり確率を異ならせているため、設定変更状態にて実行される設定値を変更させる操作は、遊技者への有利度合いを可変させるための遊技度合い可変操作となる。なお、本実施形態では設定値に応じて特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しているが、遊技者への有利度合いを可変させるための要素(設定差要素)として特別図柄の大当たり確率以外の要素を用いても良く、例えば、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、確変状態)が設定される割合を設定差要素としても良いし、特別図柄抽選の結果が、大当たり以外であり、大当たり遊技とは異なる当たり遊技が実行される小当たりとなる確率(小当たり確率)を設定差要素としても良いし、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、確変状態)を終了させるための終了抽選(転落抽選)の当選確率(確変状態を終了させて他の遊技状態へと移行させる確率)を設定差要素としても良い。また、特別図柄抽選の実行のさせ易さを設定差要素としても良く、例えば、普通図柄抽選で当たり当選する確率に設定差を設けたり、普図当たり遊技中の電動役物640aの開放動作パターンを設定毎に異ならせたりすることで、電動役物640aが付随する第2入球口640への球の入球のし易さを異ならせても良い。
また、本実施形態では、設定される設定値によって遊技者の有利度合いを異ならせる技術思想の基、設定値を変更可能に構成しているがこれに限ること無く、遊技者の有利度合いは同程度であるが遊技者に付与され易い特典種別を異ならせることができるように設定差要素を設けても良く、例えば、第1設定値が設定された場合には、特別図柄抽選の大当たり確率が第1値となり、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される割合(確変移行割合)が第1割合となるように構成し、第1設定値とは異なる第2設定値が設定された場合には、特別図柄抽選の大当たり確率が第1値よりも低い(当たり難い)第2値となり、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される割合(確変移行割合)が第1割合よりも高い(確変状態が設定され易い)第2割合となるように構成すると良い。
このように構成することで、同一の有利度合いを遊技者に付与可能な遊技仕様として、異なる遊技性を提供することが可能となるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
図91に戻り、説明を続ける。本実施形態では、様々な演出の一部、或いは全部を用いて設定値を示唆するための示唆態様を含んだ設定示唆演出を実行可能に構成しており、具体的には、図90(b)に示した通り、主表示領域Dmにて実行される変動演出に対応させた設定示唆演出801a,801bや、副表示領域Dsの小領域Ds1に表示される実行中図柄用台座m0に表示される保留図柄に対応させた設定示唆演出801cや、キャラクタJ0に対応させた設定示唆演出801dが実行されるように構成している。
それぞれの設定示唆演出は、基となる演出の態様に応じて演出態様が予め規定されているものであり、例えば、変動演出に対応させた設定示唆演出801a,801bは、変動中の第3図柄や停止表示されている第3図柄から設定値を示唆するための示唆アイコンが飛び出す演出であって、設定示唆内容に応じて異なる種別の示唆アイコン(図ではアルファベット種別で表示)が表示される。
実行中図柄用台座m0に対応させた設定示唆演出801cは、実行中図柄用台座m0に表示される実行中図柄(図では丸形図柄で表示)の表示態様を可変させる過程にて示唆アイコンが表示される演出であって、設定示唆内容に応じて異なる種別の示唆アイコン(図ではアルファベット種別で表示)が表示される。また、キャラクタJ0に対応させた設定示唆演出801dは、キャラクタJ0がコメントを発する演出であって、設定示唆内容に応じて異なるコメント(図ではアルファベット種別で表示)が表示される。
つまり、実行される設定示唆演出の演出態様が、設定示唆内容と、対応する演出の種別とに応じて予め規定されている。このように構成することで、対応する演出の種別に関わらず同一態様の設定示唆演出が実行される場合よりも、各演出(特別図柄抽選の結果を示すための演出)と対応する設定示唆演出とに関連性を持たせ易くすることができ、演出効果を高めることができる。
なお、このように特別図柄抽選の結果を示すための演出と、対応する設定示唆演出との演出態様に関連性を持たせた場合には、実行中の演出に対応する演出が実行された場合に、その演出が設定示唆演出であるか、それとも特別図柄抽選の結果を示すための演出の一部であるかを遊技者に分かり難くするように構成すると良い。このように構成することで、実行中の演出に対して追加演出が実行された場合に、その追加演出の演出態様に基づいてパチンコ機10の設定値を予測する楽しみと、実行中の特別図柄抽選の結果を予測する楽しみと、を遊技者に重複して提供することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、この場合、追加演出の演出態様として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合、或いは、パチンコ機10の設定値として高設定(例えば、設定3)が設定されている場合に選択され易い(実行され易い)特殊演出態様を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、特殊演出態様で追加演出が実行された場合には、実行中の特別図柄抽選で大当たり当選している可能性、または、パチンコ機10に設定されている設定値が遊技者に有利な設定値(高設定)である可能性が高くなる。
よって、次の大当たり遊技が実行され難い(特別図柄抽選で外れ当選した可能性が高い)状態(例えば、特別図柄の低確率状態)で特殊演出態様の追加演出が実行された場合には、遊技者に対して大当たり当選を期待させ、次の大当たり遊技が実行され易い(特別図柄抽選で大当たり当選する可能性が高い)状態(例えば、確変状態)が次の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり遊技を実行させるための条件が成立するまで)の間は、大当たり遊技終了。
次に、図91を参照して、設定示唆演出の内容について説明をする。図91は、設定示唆演出に含まれる示唆態様の種別を示した図である。図91に示した通り、設定示唆演出の演出パターン(示唆態様)として本実施形態では、5種類(A~D)の演出パターン(示唆態様)を設定可能に構成しており、設定されている設定値に基づいて後述する設定示唆演出選択テーブル222cを参照することで演出パターン(示唆態様)が決定される。
設定示唆演出選択テーブル222cは、設定値に応じて各演出パターン(示唆態様)の選択割合が設定値に応じて異なるように規定されている。これにより、特定の設定値のみ選択割合が高い演出パターン(示唆態様)や、所定条件を満たした複数の設定値のほうが他の設定値よりも選択割合が高い演出パターン(示唆態様)や、何れの設定値であっても選択割合が高い演出パターン(示唆態様)といった演出パターンを創出することができる。
図91に示した通り、演出パターンA(示唆態様A)は、何れの設定値であっても選択割合が高い、換言すれば設定値を予測し難い演出パターン(示唆態様)である。この演出パターンAの態様を含む設定示唆演出が実行された場合には、遊技者が設定値を予測することが困難であるため本示唆態様は、遊技者に不利となる示唆態様(弱示唆態様)となる。なお、この弱示唆態様は、選択割合が各設定値に対して同一となるように規定されている示唆態様は勿論のこと、遊技者がその差分を識別することが困難である程度の誤差で規定されている示唆態様も、当該示唆態様が表示された場合に遊技者が設定値を予測することが他の示唆態様が表示される場合よりも困難となるため弱示唆態様に該当する。
演出パターンB(示唆態様B)は、特定の設定値(設定1)のみ選択されることが無いように選択割合が規定されている演出パターン(示唆態様)である。この演出パターンBの態様を含む設定示唆演出が実行された場合には、設定値が設定1、即ち、遊技者に最も不利となる設定値では無いことを把握することができる。このように、特定の設定値では無いことを遊技者に示す場合であっても、複数の候補(設定値)の中から候補を1つ排除することにより、設定されている設定値を遊技者に予測させ易くすることができる。
本実施形態では、示唆態様Bの設定示唆演出が実行されることで、遊技者に最も不利となる設定値(設定1)が否定されるため、遊技者に対して、最も不利な遊技状況では無いことを把握させることができる。よって、設定示唆演出として最初に示唆態様Bが表示された場合には、遊技者に対して継続して遊技を行わせながら設定値を予測させることができる。また、他の示唆態様(例えば、設定値が奇数であることを報知する示唆態様)の設定示唆演出が実行された後に、示唆態様Bが表示された場合には、表示された示唆態様の内容を組み合わせることにより、設定値の予測精度を高めることができる。
なお、本実施形態では、演出パターン(示唆態様)Bが遊技者に最も不利となる設定値(設定1)を否定するように構成しているが、特定の設定値(中間設定や最も有利となる設定等)、或いは、特定範囲(例えば、設定1~2)を否定するように構成しても良いし、示唆態様Bを複数種類(例えば、設定1を否定する示唆態様B1と、設定2を否定する示唆態様B2等)設けても良く、例えば、遊技者に最も有利となる設定(設定3)を否定する示唆態様で設定示唆演出が実行された場合には、それを把握した遊技者は早急に他のパチンコ機10へと移動し易くなる。よって、遊技者が無駄に長時間遊技を実行してしまう事態が発生することを抑制することができる。
演出パターンC(示唆態様C)、及び演出パターンD(示唆態様D)は、設定値が高いほど多く選択されるように選択割合が規定されている演出パターン(示唆態様)であり、示唆態様Cよりも示唆態様Dのほうが、選択割合における設定差が大きくなるように規定されている。つまり、低い設定値(設定1)よりも高い設定値(設定3)のほうが、示唆態様Cの設定示唆演出も、示唆態様Dの設定示唆演出も実行され易くなるように規定している。
さらに、示唆態様Cよりも示唆態様Dのほうが選択割合における設定差が大きくなるように規定されているため、示唆態様Cの設定示唆演出の実行回数に対して示唆態様Dの設定示唆演出の実行回数が多くなるほど高い設定値が設定されている可能性が高くなる。
このように、何れの設定値が設定されている場合であっても選択され得る複数の示唆態様として、各設定における選択割合を異ならせることにより、各示唆態様の設定示唆演出の実行回数を複合的に判別することで設定値を遊技者に予測させることができる。
なお、上述した示唆態様C、及び示唆態様Dのように、高い設定値が設定されているほど選択割合が高くなる示唆態様を複数設けた場合において、各設定値における示唆態様Cの選択割合と示唆態様Dの選択割合と、の差分が高い設定値になるほど大きくなるように各選択割合を規定すると良い。これにより、高い設定値が設定されるほど、示唆態様Cと、示唆態様Dとの実行回数に差が生じやすくすることができるため、遊技者に設定値を予測させ易くすることができる。
一方、各設定値における示唆態様Cの選択割合と示唆態様Dの選択割合との差分が均等となるように各選択割合を規定しても良い。このように構成することで、示唆態様Cの設定示唆演出と示唆態様Dの設定示唆演出との合算実行回数が、設定値が低い場合よりも高い場合のほうが多くなる。よって、遊技者に対して、示唆態様Dの設定示唆演出の実行回数のみを参考にして設定値を予測するか、示唆態様Cの設定示唆演出と示唆態様Dの設定示唆演出との合算実行回数を参考にして設定値を予測するか、両方の回数を複合的に判断して設定値を予測するかを遊技者に選択させることができるため、設定値を予測するためのバリエーションを増加させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
演出パターンE(示唆態様E)は、本パチンコ機10において遊技者に最も有利な設定値である設定3が設定されている場合のみ選択され得る(設定3以外の場合においてごく稀に選択される場合も含む概念)演出パターン(示唆態様)である。つまり、示唆態様Eの設定示唆演出が実行された場合には、遊技者に対して最も有利となる設定値(設定3)が設定されていることを分かり易く報知することができる。
なお、詳細な説明は後述するが、この示唆態様Eは、選択割合が他の示唆態様に比べて極端に低くなるように規定されており、設定3のパチンコ機10を1日中遊技した場合であっても示唆態様Eの設定示唆演出が実行される確率が50%程度となるように選択割合が規定されている。このように選択割合を低く規定することにより、示唆態様Eの設定示唆演出が実行された遊技者に対して、遊技者に最も有利な設定値(設定3)が設定されていることを報知(示唆)するともに、実行確率が低い演出を実行させたことについて優越感を提供することができる。
また、示唆態様Eの設定示唆演出が実行される割合を低くすることにより、示唆態様Eの設定示唆演出が実行されていないパチンコ機10でも設定3が設定されている可能性を残すことができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図92を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10における電源投入からの時間経過と実行される期間演出の流れについて説明をする。図92は、電源投入からの時間経過と変動演出の流れを示した図であって、図92(a)は、電源投入からの時間経過を示した遷移図であって、図92(b)は、各時間における演出期間を示した図であって、図92(c)は、特別図柄変動が実行される期間と、演出期間との関係性を示す一例として変動パターンAを示した図であり、図92(d)は、特別図柄変動が実行される期間と、演出期間との関係性を示す一例として変動パターンBを示した図である。
本実施形態におけるパチンコ機10では、電源投入からの経過時間に基づいて異なる演出期間が設定されるように構成しており、演出期間として、所定期間(3分間)の間、期間演出(SPタイム演出)が実行される演出期間(SPタイム期間)を設定可能に構成している。この期間演出(SPタイム演出)は、特別図柄変動の有無に関わらず電源投入からの経過時間に基づいて実行される演出であるため、複数のパチンコ機10が一斉に期間演出を実行することになる。このように複数のパチンコ機10が一体感のある演出を実行することにより、遊技者に対してインパクトのある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、期間演出として実行される演出態様がパチンコ機10単体で完結する演出態様であるため、複数のパチンコ機10にて一斉に期間演出が実行された場合に、各パチンコ機10で同一の演出態様が実行されるが、これに限ること無く、例えば、期間演出の演出態様として、複数(3種類)の演出態様種別を設定可能に構成し、隣接するパチンコ機10を3台用いて1つの期間演出が実行されるように構成しても良い。この場合、期間演出の演出態様種別として、3台のうち左側のパチンコ機10に対応する第1演出態様種別と、3台のうち中央のパチンコ機10に対応する第2演出態様種別と、3台のうち右側のパチンコ機10に対応する第3演出態様種別と、を予め用意しておき、設置されるパチンコ機10の設置状況に応じて個々に演出態様種別を決定可能に構成すると良い。
これにより、設置されているパチンコ機10に対して演出態様種別を設定することが可能となり、パチンコ機10を3台分用いて1の期間演出を実行する場合に、演出態様種別が順序良く設定されておらず期間演出の演出効果が低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、この場合、期間演出の演出態様種別として、1台で完結する期間演出に対応した演出態様種別と、少数台(例えば、3台)で完結する期間演出に対応した演出態様種別と、多数台(例えば、20台)で完結する期間演出に対応した演出態様種別と、を選択可能に構成すると良い。このように構成することで、複数のパチンコ機10の設置状況に応じて期間演出の演出態様を設定することができ、設置状況に応じて演出効果を高めることができる。
また、本実施形態では、上述したSPタイム期間が到来することを遊技者に事前に報知するための演出期間としてSPタイム準備期間が設定されるように構成している。具体的には、電源投入からの経過時間がSPタイム期間の開始タイミングの2分前となってからSPタイム期間が設定されるまでの期間においてSPタイム準備期間が設定される。このSPタイム準備期間は、遊技者に対して、間もなくSPタイム期間が設定されることを分かり易く事前報知するものである。
このSPタイム準備期間中は、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmでは、通常の演出期間にて実行される通常演出と同様の演出が実行されるものであって、その通常演出の実行画面にてSPタイム期間が設定されるまでの残期間(残時間)が表示される。このように構成することで、遊技者に対して、期間演出が実行されるまでの残時間を分かり易く把握させることが可能となり、例えば、期間演出が実行されるまでの残時間内に休憩を取ることができるため、遊技者に優しい遊技性を提供することができる。
図92(a)に示した通り、パチンコ機10に電源が投入されると、計時装置(RTC)292に基づいて経過時間が計測される。そして、経過時間が88分を経過すると、経過時間が90分~93分の間に設定される演出期間(SPタイム期間)が到来することを遊技者に示すためのSPタイム準備期間が経過時間88分~経過時間90分の範囲内に設定される。そして、1回目の演出期間(SPタイム期間)が終了すると、再度、通常演出が実行される演出期間が設定される。以降、経過時間に基づいて、SP準備期間、SPタイム期間、通常期間が順に設定される。
なお、経過時間に基づいて設定される各主演出期間は、後述した演出切替テーブル222b(図108参照)に基づいて設定されるように構成している。つまり、演出切替テーブル222bには、計時装置292にて計時された情報に対応させて複数の演出態様が規定されており、選択された演出態様に基づく演出が実行されるよう構成している。
次に、図92(b)を参照して、電源投入からの経過時間に基づいて設定される各種演出期間と、その演出期間にて実行される演出の内容について説明をする。図92(a)を参照して上述した通り、本実施形態では、電源投入からの経過時間に基づいて通常期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間の順で演出期間が繰り返し設定されるように構成しており、演出期間として通常期間が設定されている場合には、各パチンコ機10にて実行される特別図柄抽選の結果を示すための通常演出(図86、図87参照)が実行される。
そして、SPタイム準備期間中は、通常期間中と同一の通常演出が実行される期間であるが、その表示画面の一部を用いて、間もなくSPタイム期間が到来することを遊技者に案内するための案内態様として「間もなくSPタイム突入」のコメントが表示される。また、SPタイム準備期間の残時間が30秒となった場合には、上述した案内態様に加え、その案内態様よりもSPタイム期間が到来するまでの残時間を具体的に示した残時間報知態様であるカウントダウン表示が実行される。
このカウントダウン表示は、実際にSPタイム期間が設定されるまでの残時間を秒単位で示すための表示であって、計時装置292にて計時された時間情報に基づいて、SPタイム期間が設定されるタイミングでカウントダウン表示が0秒となるように30秒間のカウントダウン表示が実行される。
このようにカウントダウン表示を実行することにより、SPタイム期間中の期間演出(SPタイム演出)が開始されるタイミングを見逃してしまい、複数のパチンコ機10を用いた一体感のある演出を好適に体感することができない事態が発生することを抑制することができる。
また、SPタイム準備期間中は、第3図柄表示装置81の表示画面の一部分(例えば、上部)に現在がSPタイム準備期間中であることを示す「SPタイム準備中」の文字がテロップ表示される。このテロップ表示は、特別図柄変動が実行されている特図変動中画面でも、特別図柄変動が実行されていないデモ待機画面でも表示されるように構成している。これにより、遊技者が遊技を行っていないパチンコ機10でも間もなくSPタイム期間が設定される(期間演出が実行される)ことを報知することができるため、期間演出中の遊技が行いたい遊技者が、期間演出が実行されるパチンコ機10を容易に見つけ出すことができる。
そして、SPタイム期間が設定されると期間演出(SPタイム演出)が実行される。本実施形態ではSPタイム演出として、特殊背景(図88参照)が表示されると共に、設定値を示唆するための設定示唆演出が他の演出期間よりも実行され易くなる演出が実行されるように構成している。このSPタイム期間中は、第3図柄表示装置81の表示画面の一部分(例えば、上部)に現在がSPタイム期間中であることを示す「SPタイム中」の文字がテロップ表示される(図88(a)の表示領域HR1参照)。
次に、SPタイム期間の終了タイミングと、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の終了タイミングと、実行される演出の内容と、の関係について図92(c),(d)を参照して説明する。上述した通り、SPタイム期間は電源投入からの経過時間に基づいて設定されるものであり、特別図柄変動の実行の有無や、残時間に応じてその期間が可変するものでは無い。よって、特別図柄変動の実行中にSPタイム期間が終了する可能性がある。この場合、SPタイム期間が終了したタイミング(通常期間が設定されたタイミング)において、通常演出を開始してしまうと、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出が急に切り替わってしまったと遊技者を困惑させてしまうという問題があった。また、SPタイム期間が終了した時点において実行中の特別図柄変動が終了するまでの間、期間演出(SPタイム演出)を継続させる(延長させる)ことも考えられるが、この場合、複数のパチンコ機10にて一体感のある演出として実行される期間演出の終了タイミングが各パチンコ機10の特別図柄変動の状況に応じて異なってしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して本実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングにて特別図柄変動が実行されている状態において、その特別図柄変動の残時間(残変動時間)を判別し、その残変動時間の長さに応じて異なる演出態様を決定するように構成している。具体的には、SPタイム期間の終了タイミングにおける残変動時間が所定時間未満(例えば、5秒未満)である場合には、SPタイム期間の終了を示す表示態様を継続して表示し、残変動時間が所定時間以上(例えば、5秒以上)である場合には、その残変動時間が経過するまでの期間が特化ゾーン(図90(b)参照)となり、設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出が急に切り替わってしまう事態が発生することを抑制することができる。また、期間演出(SPタイム演出)を長時間継続(延長)させてしまい、複数のパチンコ機10にて一体感のある演出として実行される期間演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、SPタイム期間の終了タイミングにおいて実行中の特別図柄変動の残変動時間が所定時間(例えば、20秒)以上である場合には、その残変動時間を用いて設定示唆演出が他の期間よりも実行され易い特化モードを設定することができるため、期間演出(SPタイム演出)が実行されるSPタイム期間が終了するタイミング、即ち、遊技者に有利となる特典が付与される特定期間が終了するタイミングであって、従来であれば遊技者の遊技意欲が低下し得るタイミングであっても、特別図柄変動の残変動時間によっては遊技者に有利となる特典が付与される特化モードが設定されるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、この場合、SPタイム期間が終了するタイミングを示すための終了情報と、実行中の特別図柄変動の残変動時間を示すための残変動時間情報と、を遊技者に報知可能に構成すると良い。このように構成することで、SPタイム期間の終了時における特別図柄変動の残変動時間を、SPタイム期間中に予測し易くすることができるため、遊技者に対して後に実行される演出の内容を予測させ易くすることができ、分かり易い遊技を提供することができる。また、SPタイム期間の終了タイミングの直前に実行中の特別図柄変動が停止表示されることを遊技者が把握した場合には、次に実行される特別図柄変動の期間中にSPタイム期間が終了する可能性が高いことを遊技者が事前に認識できるため、次に実行される特別図柄変動の変動時間として長い変動時間が設定されることを期待する楽しみを提供することができる。
さらに、特化モードが設定され易くするために、SPタイム期間中に遊技を中断し、SPタイム期間の終了間際に特別図柄変動が開始されるように調整をした遊技を遊技者に行わせることが可能となる。よって、SPタイム期間中に多くの特別図柄抽選を実行することで設定示唆演出を多く実行させる遊技と、特化モードが設定され易くするためにSPタイム期間中に実行される特別図柄変動回数を減らし(SPタイム期間中に設定示唆演出が実行され難く)、特化モード期間中に多くの設定示唆演出が実行させる遊技と、を遊技者に選択させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図93から図95を参照して、特別図柄変動の変動時間として、短い変動時間(例えば、1.5秒)が選択され易くなる高速変動モード中における演出内容について説明をする。本実施形態におけるパチンコ機10では、普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)のほうが、普通図柄の低確率状態(通常状態)よりも特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易くなるように構成している。
より具体的に説明をすると、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態は、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態よりも電動役物640が開放し、第2入球口640へと球が入球し易くなるように構成している。つまり、普通図柄の高確率状態は、普通図柄の低確率状態よりも特別図柄抽選の実行権利を獲得し易くなるように構成している。特別図柄抽選の実行権利は所定数を上限に記憶可能(保留記憶可能)となるように構成している。
よって、普通図柄の高確率状態が設定されている間は、保留記憶数が上限に到達している状態で第2入球口640へと球が入球する事態、即ち、特別図柄抽選の実行権利を獲得可能な契機が成立したにも関わらず、新たな実行権利を記憶することが出来ない状態が発生し、遊技者に不快な思いをさせてしまうことを抑制するために、短い時間の特別図柄変動が選択され易くすることで、単位時間当たりに実行可能な特別図柄抽選の回数を増加させるように構成している。
なお、普通図柄の低確率状態が設定されている状態、即ち、第2入球口640へと球を入球させ難い状態においても特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易くしてしまうと、特別図柄抽選の実行権利を獲得していない(保留記憶されていない)状態で特別図柄変動が終了してしまう事態が発生し易くなり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうため、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定されている状態のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている状態よりも短い変動時間の特別図柄変動が実行され易くしている。このように構成することで、単位時間当たりに実行可能な特別図柄抽選の回数を増加させ易くすることができると共に、特別図柄変動が実行されていない期間が無用に長くなり遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、本実施形態では普通図柄の高確率状態が設定されている状態において、大当たり遊技が終了してから所定期間(特別図柄変動が80回実行される期間)が経過した場合のほうが、所定期間が経過していない場合よりもさらに短い変動時間が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技の終了後に普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)が設定された場合において、大当たり遊技終了直後から短時間の特別図柄変動が実行されることにより短期間で複数回の大当たり遊技が実行されてしまい遊技者に過剰に特典(賞球)が付与されてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定された場合には、確変状態が次の大当たり遊技が実行されるまで継続する遊技仕様でパチンコ機10が構成されているため、確変状態が設定された場合には、特別図柄の高確率状態が大当たり当選するまで継続することが確定する。この状態において特別図柄抽選で大当たり当選しない期間が長くなると、遊技者に対して無駄に時間を掛けさせた遊技を実行させることになり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、確変状態が設定されてから特別図柄抽選が80回実行された場合、即ち、確変状態中に実行される特別図柄抽選で大当たり当選すること無く、所定期間が経過した場合には、所定期間が経過するよりも前の期間(確変状態が設定されてから特別図柄抽選が80回実行されるまでの期間)と比較して、特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態である確変状態が無用に長時間継続することを抑制することができる。
図93(a)は、確変状態が設定されてから所定期間(特別図柄抽選が80回実行される期間)が経過した場合に設定される高速変動期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。図93(a)に示した通り、表示領域HR1には、特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易い高速変動期間中であることを示すための案内態様として「高速変動中」の文字がテロップ表示される。そして、副表示領域Dsの小領域Ds2には、特別図柄変動が短変動となることを示すための態様として「スピードアップ」のセリフをキャラクタJ0が発している表示態様が表示される。このように高速変動期間が設定されたことを遊技者に案内することにより、特別図柄変動の変動時間が急に短くなり遊技者が困惑してしまう事態が発生することを抑制することができる。
図93(a)に示した図では、高速変動期間が設定されている状態(確変状態設定後における81回目の特別図柄変動が開始される状態)において高速変動期間が設定されていることを遊技者に報知するための表示画面を示しているが、高速変動期間への移行に関する情報を遊技者に報知するタイミングはこれに限ること無く、例えば、確変状態設定後における75回目の特別図柄変動が開始される場合、即ち、高速変動期間へと移行する(高速変動期間が設定される)よりも所定期間前のタイミングにて、間もなく高速変動期間へと移行することを遊技者に事前に報知するように構成しても良い。このように構成することで、高速変動期間への突入を遊技者が事前に把握することができるため、特別図柄変動の変動時間が急に短くなり遊技者が困惑してしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、高速変動期間へと移行することを事前に遊技者に報知可能な事前報知構成を用いた場合には、例えば、特図保留を先読みし、その先読み結果に基づいて高速変動期間へと移行することが確定した場合に事前報知を実行するように構成すると良い。具体的には、高速変動期間への移行条件(80回の特別図柄抽選の実行)が成立することを、特図保留の先読み結果に基づいて判別し、高速変動期間への移行条件が成立すると事前判別した場合(移行条件が成立するまでに実行される特別図柄抽選の結果が全部外れであると事前判別した場合)に、高速変動期間への移行を報知可能に構成しても良い。
このように構成することで、高速変動期間へと移行し得ることを遊技者に報知(事前報知)したにも関わらず、高速変動期間が設定されない事態(大当たり当選する事態)が発生することを抑制することができる。
また、本実施形態では、高速変動期間中は他の期間よりも短い変動時間(例えば1.5秒~12秒)を設定可能に構成しており、対応する特別図柄抽選の結果や、取得した変動パターンの種別に応じて異なる変動時間が選択されるように構成している。このように構成することで、高速変動期間中において実行される特別図柄変動に対しても当たり期待度を異ならせた変動演出(変動時間に対応する変動演出)を実行することが可能となる。
ここで、例えば、特別図柄変動として短時間(例えば、変動時間1.5秒)の変動パターンが選択され易い高速変動期間が設定されてから実行される1回目の特別図柄変動として短時間以外の変動パターン(例えば、変動時間6秒)が選択された場合には、図93(a)に示した表示画面が表示された状態、即ち、高速変動期間に移行したことを遊技者に報知した状態において高速変動(1.5秒変動)が実行されない状況が発生する。
つまり、本実施形態では、高速変動期間中であっても、選択される変動パターンに応じて遊技者に対して大当たり当選を期待させる変動演出を実行するために、異なる長さの変動時間(例えば、6秒や12秒)を選択可能に構成していることから、上述した状況(高速変動期間に移行したことを遊技者に報知した状態において高速変動(1.5秒変動)が実行されない状況)が発生し得る。この場合、特別図柄の高速変動が実行されると報知したにも関わらず、特別図柄の高速変動が実行されないため、パチンコ機10が故障しているのでは?と遊技者に不信感を与えてしまい、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄変動が実行される場合に、その特別図柄変動の変動パターンを判別可能に構成し、その判別結果に基づいて高速変動期間が設定されたこと(高速変動期間へと移行したこと)を報知するタイミングを異ならせるように構成している。具体的には、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄変動が高速変動(1.5秒変動)では無い場合には、高速変動期間が設定されたことを報知しないように構成している。
このように構成することで、高速変動期間が設定されたことを報知したにも関わらず、特別図柄の高速変動が実行されないことにより発生する不具合を抑制することができる。
加えて、本実施形態では、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄抽選で大当たり当選した場合、即ち、1回目の特別図柄変動が大当たり変動である場合には、その大当たり変動の変動時間(例えば、12秒)を用いて、疑似的に複数回の特別図柄変動(変動演出)を実行するように構成している。具体的には、12秒間の特別図柄変動に対して、疑似高速変動(1.5秒)を4回実行した後に、6秒間の大当たり変動を実行するように構成している。
このように構成することで、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄抽選で大当たり当選した場合であっても、第3図柄表示装置81の表示画面にて複数回(4回)の疑似高速変動が実行された後に、疑似大当たり変動(6秒)が実行されることになる。よって、遊技者に対して高速変動期間が設定されたことを分かり易く報知することができると共に、高速変動期間中に特別図柄の高速変動が実行されたと思わせることができる。
ここで、図93(b)を参照して、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄変動が高速変動(1.5秒)以外であった場合に表示される表示内容について説明をする。図93(b)は、確変状態中における81回目の特別図柄変動(高速変動期間が設定される特別図柄変動)にて、高速変動(1.5秒)以外の変動時間(6秒)が選択された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図93(b)に示した通り、高速変動期間が設定されてから最初に実行される特別図柄変動が高速変動(1.5秒変動)では無い場合には、高速変動期間が設定されたことを遊技者に報知する表示態様(図93(a)参照)に代えて、高速変動期間が間もなく設定されることを遊技者に案内するための案内態様として表示領域HR1に「高速変動準備中」の文字がテロップ表示される。
このように、実際には高速変動期間へと移行している場合であっても、最初に高速変動が実行されるまでは「高速変動準備中」と表示することにより、高速変動期間が設定されたことを報知したにも関わらず、特別図柄の高速変動が実行されないことにより発生する不具合を抑制することができる。なお、図93(b)に示した案内態様を、実際に高速変動期間が設定されるよりも前の時点から表示するように構成しても良い。
さらに、図93(b)に示した状況は、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄変動にて高速変動以外の変動パターンが設定された場合にのみ発生する状況であるため、この状況が発生した場合(「高速変動準備中」のテロップ表示が実行されている場合)には設定示唆演出が他の高速変動期間中よりも実行され易くなるように構成しても良い。このように、特定の変動パターンが選択され易い特定期間において、特定の変動パターン以外の変動パターンが選択された場合に、特定の変動パターンが選択された場合よりも、遊技者に付与され易い特典を設けることにより、何れの変動パターンが選択された場合であっても遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
次に、図94を参照して、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される演出内容について説明をする。図94(a)は、確変状態中における81回目の特別図柄変動(高速変動期間が設定される特別図柄変動)にて、大当たり変動(12秒)が選択された場合に実行される疑似高速変動演出(1.5秒)の表示画面の一例を示した図であり、図94(b)は、疑似高速変動終了後に実行される疑似当たり変動演出(6秒)の表示画面の一例を示した図である。
図94(a)に示した通り、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄変動が、変動時間12秒の大当たり変動である場合には、1.5秒の疑似高速変動演出が4回実行された後、6秒の疑似当たり変動演出が実行されるように構成している。つまり、12秒の特別図柄変動が1回実行される期間に対して、1.5秒の疑似変動が4回、6秒の疑似変動が1回実行されたと遊技者に思わせるように疑似変動演出が実行されるように構成している。
よって、図94(a)に示した通り、主表示領域Dmの表示領域HR1には、図93(a)と同様に「高速変動中」の文字がテロップ表示される。そして、1.5秒経過後に疑似的に第3図柄変動が疑似停止表示(図では、第3図柄の左右に波線を付して表示)される。つまり、実際に1.5秒の高速変動が実行された場合に対して、第3図柄の停止表示態様を若干(遊技者が容易に識別することが困難な程度)異ならせている以外は同一の変動演出が実行される。
なお、本実施形態では、実際の特別図柄変動が停止表示されていない期間において第3図柄を完全に停止表示させてしまうと遊技者が混乱してしまう虞があるため、疑似停止表示するように構成しているが、これに限ること無く、疑似高速変動演出の停止タイミングにおいて、第3図柄を完全に停止させた停止表示態様を表示するように構成しても良く、この場合、主表示領域Dmの中央付近にて変動している図柄として第3図柄(特別図柄の変動状況に対応させて変動表示させる図柄)に代えて、演出用の演出図柄を用いるように構成し、実際の第3図柄は異なる領域(例えば、第3図柄表示装置81の表示面以外の領域)にて変動表示されるように構成しても良い。
そして、疑似高速変動演出(4回)が終了すると、次に、図94(b)に示した通り、6秒間の疑似当たり変動演出が実行される。よって、実際には1回の特別図柄変動が実行されるだけの期間に対して、疑似的に5回分の変動演出を実行可能となるため、遊技者に対して、高速変動期間が設定された場合に、高速変動演出(疑似高速変動演出)を確実に実行することができる。また、6秒間に渡って4回の疑似高速変動が実行されるため、表示領域HR1に表示される「高速変動中」の文字を遊技者が認識するための時間を確保することができる。
なお、図94に示した通り、本実施形態では、疑似高速変動演出を4回実行するように構成しているが、疑似高速変動演出の実行回数はこれに限ること無く、例えば、実行回数が3回以下や、4回よりも多くなるように疑似高速変動演出を実行するように構成して良い。また、高速変動以外の変動パターンとして複数の変動時間(例えば、15秒、20秒)を選択可能に構成している場合には、選択された変動パターンに対応する変動時間の長さに応じて疑似高速変動演出の実行回数や演出内容を決定するように構成すると良い。
次に、図95を参照して、本実施形態における高速変動期間が設定される場合において実行される演出の流れについて説明をする。図95(a-1)は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合における特別図柄変動回数(特別図柄抽選回数)と、選択される変動時間との関係性を示した図であって、高速変動期間中に高速変動(1.5秒)が実行された場合を示した図であり、図95(a-2)は、図95(a-1)に示した状況で設定される演出モードの推移を示した図である。図95(b-1)は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合における特別図柄変動回数(特別図柄抽選回数)と、選択される変動時間との関係性を示した図であって、高速変動期間の1回目に非高速変動(6秒)が実行された場合を示した図であり、図95(b-2)は、図95(b-1)に示した状況で設定される演出モードの推移を示した図である。図95(c-1)は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合における特別図柄変動回数(特別図柄抽選回数)と、選択される変動時間との関係性を示した図であって、高速変動期間の1回目に大当たり変動(12秒)が実行された場合を示した図であり、図95(c-2)は、図95(c-1)に示した状況で設定される演出モードの推移を示した図である。
図95(a-1)に示した通り、本実施形態では確変状態が設定されてから特別図柄変動が80回実行されるまでの期間(確変第1期間)と、81回以降の特別図柄変動が実行される期間(確変第2期間)と、で特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルを異ならせるように構成しており、確変第1期間においては、通常状態が設定されている場合よりは短い変動時間であるが、後述する確変第2期間中よりも比較的長い変動時間が選択され易い変動パターンテーブルが参照され、確変第2期間においては、確変第1期間中よりも短い変動時間が選択され易い変動パターンテーブルが参照されるように構成している。なお、各期間において参照される変動パターンテーブルの詳細については、図104を参照して後述する。
つまり、確変状態が設定されてから所定期間が経過するまでの確変第1期間は、所定期間が経過した後の確変第2期間よりも比較的長い変動時間で特別図柄変動が実行されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された直後から確変第2期間と同様の変動時間が選択される場合に比べて、大当たり遊技間を長くすることができる。よって、短時間で複数回の大当たり遊技が実行されることにより、短時間で遊技者に過剰に特典(賞球)を付与してしまうことを抑制することができる。換言すれば、遊技者に有利な遊技状況(確変状態)が短時間で終了してしまうことを抑制することができる。
図95(a-2)に示した通り、確変第2期間(81回目以降の特別図柄変動期間)にて高速変動(1.5秒)が実行される場合には、81回目の特別図柄変動の開始タイミングにて高速変動期間が設定されることを遊技者に報知するための案内態様(図93(a)参照)が表示される。この高速変動期間は特別図柄変動が1000回実行されるまでの間設定されるため、実質、次回の大当たりに当選するまで特別図柄変動が高速変動することになる。よって、特別図柄の高確率状態である確変状態が設定されたにも関わらず、特別図柄抽選で大当たり当選すること無く80回以上の特別図柄抽選が実行された遊技者に対して、単位時間当たりの特別図柄抽選回数を増加させることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、図95(b-1)は、確変第2期間における最初の特別図柄変動(高速変動期間における1回目の特別図柄変動)、即ち、81回転目の特別図柄変動の変動パターンが変動時間6秒の外れ変動であり、82回転目に高速変動(1.5秒)が実行されるパターンを示している。
この場合、図95(b-2)に示した通り、81回転目の特別図柄変動開始タイミングで高速変動期間が設定されることを遊技者に報知するための案内態様(図93(a)参照)を表示してしまうと、高速変動期間に突入したにも関わらず、高速変動が実行される遊技者に違和感を与えてしまう虞があるため、高速変動期間が設定されてから実際に高速変動が実行されるまでの間(82回目の特別図柄変動が実行されるまでの期間)、間もなく高速変動期間が設定される(高速変動期間へと移行する)ことを遊技者に案内するための準備報知として事前案内態様(図93(b)参照)が表示される。そして、82回目の特別図柄変動開始タイミング、即ち、高速変動期間が設定されてから最初に高速変動が実行されるタイミングにて高速変動期間が設定されることを遊技者に報知するための案内態様(図93(a)参照)が表示される。
これにより、高速変動期間への突入報知が、実際に高速変動が実行されるタイミングに合わせて実行されるため、遊技者に分かり易い報知をすることができる。なお、本実施形態では、高速変動期間が設定されてから実際に高速変動が実行されるまでの期間を用いて準備報知を行うように構成し、遊技者に対して高速変動が急に実行されてしまうことで特別図柄抽選の結果を把握し難くなる事態の発生を抑制しているが、これに限ること無く、高速変動期間が設定されてから実際に高速変動が実行されるまでの期間は、確変第1期間と同一の変動演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングから高速変動期間へと突入報知が実行されるのかを遊技者に分かり難くすることができる。
次に、図95(C-1)は、確変第2期間における最初の特別図柄変動(高速変動期間における1回目の特別図柄変動)、即ち、81回転目の特別図柄変動の変動パターンが変動時間12秒の大当たり変動であるパターンを示している。
この場合、図95(c-2)に示した通り、81回転目の特別図柄変動開始タイミングで高速変動期間が設定されることを遊技者に報知するための案内態様(図93(a)参照)を表示し、81回転目の特別図柄変動期間(12秒)を用いて、疑似変動演出が実行される。具体的には、前半の6秒間を用いて疑似的に高速変動演出(図94(a)参照)を4回実行し、後半の6秒間を用いて疑似的に大当たり変動演出(図94(b)参照)を実行する。つまり、12秒間の特別図柄変動1回の変動期間中に、4回の高速変動(1.5秒)と、1回の大当たり変動(6秒)が実行されたかのような疑似変動演出を実行し、12秒の特別図柄変動(大当たり変動)が停止表示された場合に大当たり遊技が実行される。
このように構成することで、確変第2期間における最初の特別図柄変動が大当たり変動である場合も、確変第2期間における変動演出(高速変動演出)を遊技者に体感させることができるため、演出効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、確変第2期間の最初の特別図柄変動の変動パターンに基づいて上述した通り、高速変動期間の突入報知タイミングを異ならせるように構成しているが、これ以外の構成を用いても良く、例えば、確変第2期間の最初の特別図柄変動(81回目の特別図柄変動)に加え、事前判別の結果、82回目の特別図柄変動も変動時間が6秒の外れ変動であると判別した場合には、81回目の特別図柄変動と82回目の特別図柄変動との合算時間である12秒間を用いて、疑似高速変動演出を8回実行するように構成し、81回目の特別図柄変動の開始タイミングにて高速変動期間に突入したことを遊技者に案内するための案内報知(図93(a)参照)を実行するように構成しても良い。
また、確変第2期間の最初の特別図柄変動(81回目の特別図柄変動)の変動期間中における特定タイミングにて案内報知を実行するように構成しても良く、例えば、81回目の特別図柄変動の変動時間が長時間(例えば、30秒)である場合に、最初の24秒間は、確変第1期間と同様の変動演出を実行し、残りの6秒間にて疑似高速変動演出を4回実行するように構成し、81回目の特別図柄変動が開始されてから24秒後に案内報知を実行するように構成しても良い。このように特別図柄変動中の特定タイミングにて案内報知を実行可能に構成することで、疑似高速変動演出の回数を任意に設定することができるため、無用に疑似高速変動演出が多く実行されてしまうことを抑制することができる。
本実施形態では、確変第2期間が設定された場合において高速変動期間に突入したことを遊技者に案内するための案内報知を実行する構成を用いているが、これに限ること無く、例えば、確変第1期間の終盤(79回目や80回目の特別図柄変動)において短い変動時間が選択された場合に、その特別図柄変動の開始タイミングにて高速変動期間に突入したことを報知するための案内報知を実行するように構成しても良い。
このように、実際に変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルが切り替わるタイミングでは無く、特別図柄変動の変動時間として第1変動時間が選択され易い状態から第1変動時間とは異なる第2変動時間が選択され易くなる条件が成立し易い状態、或いは、成立した状態において、第2変動時間、或いは、第1変動時間よりも第2変動時間に近似する変動時間が選択されたことに基づいて第2変動時間が選択され易い期間に突入したことを遊技者に報知することで、報知内容と実際の特別図柄変動時間とが合致し、遊技者に違和感の無い演出を実行することができる。
さらに、本実施形態では、高速変動モードが設定された状態において高速変動モードに突入したことを遊技者に案内するための案内報知を実行するタイミングを遅延した場合に、間もなく高速変動モードが設定されることを示すための準備報知を実行するように構成しているが、これに限ること無く、高速変動モードが設定されたタイミングで高速変動モードに突入したことを遊技者に案内するための案内報知が実行される場合において、高速変動モードが設定されるよりも前に準備報知を実行するように構成しても良い。
次に、図96から図98を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10にて実行される大当たり遊技中の演出内容について説明をする。本実施形態では、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出として、大当たり遊技の進行度合いを遊技者に示すための基本演出を実行する。この基本演出の内容については図96(a)を参照して後述する。さらに、遊技者に有利な状態(時短状態、確変状態、大当たり遊技中)が継続している有利期間中に払い出された賞球数の量が所定数(200個単位)に到達した場合に、遊技者を祝福するための演出として所定数獲得演出を実行する。この所定数獲得演出の内容については、図96(b)を参照して後述する。さらに、この所定数獲得演出が実行される際に所定条件(ラウンド数と、賞球数との関係が特定条件を満たした場合)に追加特典を付与するための追加特典演出を実行する。この追加特典演出の内容については図97を参照して後述する。加えて、大当たり遊技の終了画面(エンディング画面)にて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態や、設定値を示唆する終了画面演出を実行する。この終了画面演出は、大当たり遊技が実行されるタイミング(期間演出と重複しているか否か)に応じて演出態様を異ならせるように構成しており、詳細な内容については、図98を参照して後述する。
まず、図96(a)を参照して、大当たり遊技中における基本演出の内容について説明をする。図96(a)は、大当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図である。図96(a)に示した通り、大当たり遊技中は、主表示領域Dmの左上側に表示領域HR11、表示領域HR12が形成される。表示領域HR11は、現在のラウンド数を示すための表示領域であって、ラウンド数報知態様として、現在のラウンド数(図では「2」を表示)が表示されている。つまり、図96(a)に示した表示画面は、大当たり遊技の2ラウンド目が実行されている状態の表示画面である。なお、本実施形態では、ラウンド数報知態様として現在のラウンド数のみを表示するように構成している。
よって、今回の大当たり遊技が何ラウンド目まで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができるが、これに限ること無く、表示領域HR11に最大ラウンド数、即ち、今回の大当たり遊技にて実行されるラウンド数(ラウンド遊技の数)も報知可能に構成しても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技がどこまで継続するのかを分かり易く報知することができるため、安心して大当たり遊技を実行されることができる。なお、この場合、今回の大当たり遊技にて実行されるラウンド数の最大値(例えば、10ラウンド)の一部(例えば5ラウンド)を最大ラウンド数として表示しておき、大当たり遊技中に更新条件(例えば、4ラウンド目が終了した場合に成立する更新条件)が成立したことに基づいて、最大ラウンド数を10ラウンドへと更新表示するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができる。
表示領域HR12は、今回の大当たり遊技中に獲得した賞球数を示すための表示領域であって、大当たり遊技中賞球数報知態様として、今回の大当たり遊技中に獲得した賞球数(図では「255GET」を表示)が表示されている。つまり、図96(a)に示した表示画面は、2ラウンド目の途中であって、今回の大当たり遊技中に255個の賞球が払い出された状態の表示画面である。この表示領域HR12においても、今回の大当たり遊技にて想定される想定総賞球数、即ち、今回の大当たり遊技にて実行されるラウンド数の最大値と、1回のラウンド遊技にて獲得可能な賞球数とに基づいて算出した総賞球数を予め表示画面に表示するように構成しても良い。このように構成することで、今回の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を事前に把握することができると共に、実際に獲得した賞球数が、想定される賞球数よりも多いか少ないかを遊技者が分析することが可能となる。よって、想定される賞球数よりも実際に獲得した賞球数のほうが多い場合には、遊技者により有利なパチンコ機10であると考え、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、想定される賞球数のほうが実際に獲得した賞球数よりも多い場合には、他のパチンコ機10への移動も考えながら今後の遊技を遊技者に検討させることができる。
主表示領域Dmの右上側には、表示領域HR13が形成され、大当たり当選した場合に停止表示された第3図柄の組合せが表示されている。つまり、表示領域HR13には、大当たり図柄の履歴(図では「666」を表示)が表示されている。表示領域HR13の下方には、表示領域HR14と、表示領域HR15が形成され、有利期間において払い出された賞球の総獲得量を示す総獲得賞球報知態様として表示領域HR14に「960」が表示されている。この総獲得賞球数とは、遊技者に有利な状態(時短状態、確変状態、大当たり遊技中)が継続している有利期間中に払出制御装置111から払い出された賞球の総数を示すものであり、例えば、大当たり遊技(1回目)の終了後に確変状態が設定され、その確変状態中に大当たり当選し、再度大当たり遊技(2回目)が実行された場合には、2回目の大当たり遊技中に表示される総獲得賞球報知態様として、1回目の大当たり遊技で払い出された賞球数と、確変状態中に払い出された賞球数と、2回目の大当たり遊技中に払い出された賞球数との合算値を示す情報が表示される。
このように構成することで、有利期間中に大当たり遊技が複数回実行された場合には、その複数回の大当たり遊技にて払い出された賞球数が合算して表示されるため、1回の大当たり遊技では獲得し得ない量の賞球数を表示することが可能となる。よって、有利期間を長時間継続させた遊技者に対して、多くの賞球数が表示されることで優越感を提供することができる。
本実施形態では、有利期間中に払い出された全ての賞球数、即ち、確変状態や時短状態中に一般入球口63や第1入球口64や第2入球口640等に球が入球したことに基づいて払い出された賞球数も加算して総獲得賞球数が表示されるように構成しているため、大当たりに当選すること無く確変状態が長時間経過した場合に総獲得賞球数を多くすることができるため、確変状態中に実行される特別図柄抽選にて大当たり当選しない期間が長く継続している遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、総獲得賞球数に加算される賞球数を有利期間中に実行された大当たり遊技中に払い出された賞球数のみとするように構成しても良い。これにより、大当たり遊技中に払い出された賞球数の合算値を遊技者に容易に把握させることができる。
さらに、本実施形態では、払出制御装置111により実際に払い出された賞球数を表示可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、払出制御装置111によって払い出されることが確定した賞球数、即ち、主制御装置110から払出制御装置111へと賞球を払い出すための払出指示(払出コマンド)が出力されることに基づいて賞球数を加算させるように構成しても良い。この場合、実際に賞球が払い出された後に賞球数を加算表示させる場合に比べて、賞球の払出条件が成立(入球口へと球が入球したことを検知)してから賞球数を加算表示させるまでのタイムラグを少なくすることができるため、遊技盤13上の球の流下状況(各入球口(入賞口)への球の入球(入賞)状況)を注視している遊技者に対して、違和感を与える事無く総獲得賞球数を加算表示させることができる。
また、本実施形態では、賞球数に基づく表示を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、賞球数から球の発射数を差し引いた数、即ち、遊技者の持ち玉の増加分に対応する球数を表示可能に構成しても良い。このように構成することで、実際に増加した分の球量を遊技者に分かり易く報知することができる。
また、表示領域HR15には、有利期間中における大当たり遊技の実行回数(連チャン回数)を示すための連チャン回数表示態様として「2回目」が表示されている。つまり、図96(a)は、有利期間中における2回目(2連チャン目)の大当たり遊技中における表示画面を示している。
なお、本実施形態では、有利期間中に実行された全ての大当たり遊技回数を連チャン回数として加算表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、複数種類の大当たり遊技を実行可能なパチンコ機10において、遊技者に付与可能な特典の量が所定量以上である大当たり遊技(5ラウンド以上の大当たり遊技)の実行回数のみを加算表示するように構成しても良い。また、連チャン回数表示態様に対して、実行済の大当たり遊技の内容を示す情報を追加して表示するように構成しても良い。
以上、図96(a)を参照して、大当たり遊技中に表示画面に表示される基本演出(基本表示)の内容について説明をしたが、上述した基本演出の各要素を示す情報に関わる表示態様を大当たり遊技中以外の期間、例えば、有利期間中であって大当たり遊技が実行されていない期間(特別図柄変動を実行可能な期間)において、上述した基本演出の各要素のうち、総獲得賞球数を示す情報に関わる表示態様を表示するように構成しても良い。
次に、図96(b)を参照して、大当たり遊技中に実行される所定数獲得演出の演出内容について説明をする。本実施形態では大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出として、大当たり遊技のオープニング期間に対応して実行されるオープニング演出と、大当たり遊技のラウンド遊技期間に対応して実行されるラウンド演出と、大当たり遊技のエンディング期間に対応して実行されるエンディング演出と、を少なくとも実行可能に構成している。
そして、ラウンド演出が実行される期間であるラウンド遊技期間は、大当たり遊技中において可変入賞装置65の特定入賞口65aへと球を入賞させることが可能な期間である。本実施形態では、このラウンド遊技期間中に実行されるラウンド演出の一部で、有利期間中に獲得した総獲得賞球数が所定数に到達したことを祝福するための所定数獲得演出を実行可能に構成している。具体的には、ラウンド遊技が開始されるタイミングにおいて、既に獲得済みの総獲得賞球数を読み出し、今回実行されるラウンド遊技中に総獲得賞球数が所定数に到達し得るかを判別する。そして所定数に到達し得ると判別した場合に、所定数獲得演出に対応させたラウンド演出の演出態様を決定する。このように、実際に総獲得賞球数が所定数に到達するよりも前に、総獲得賞球数が所定数に到達し得るタイミングを判別することで、次に実行されるラウンド遊技中に所定数獲得演出を実行する必要があるか否かを特定することが可能となる。
よって、ラウンド演出の演出態様を決定する際に、所定数獲得演出の有無に対応させた演出態様を決定し易くすることができる。
図96(b)に示した通り、所定数獲得演出が実行されると、主表示領域Dmの略中央にてウサギを模したキャラクタ810がプラカード811を持って登場する演出態様が表示される。そして、総獲得賞球数が所定個数(図では1000個)に到達した場合に、プラカード811を上に掲げ「1000」と表示された表示面が表示される。
つまり、所定数獲得演出が実行され得るラウンド遊技に対応したラウンド演出では、キャラクタ810が登場する演出が予め実行されるため、遊技者に対して違和感を与えることなく所定数獲得演出(「1000」の文字が記されたプラカード811を掲げる演出)を実行することができる。また、所定数獲得演出が実行され得ないラウンド遊技を特定することが可能となるため、例えば、所定数獲得演出が実行され得ないラウンド遊技に対応したラウンド演出の演出態様として、キャラクタ810が登場しない演出態様を決定することができるため、ラウンド演出のバリエーションを増加させることで演出効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、所定数獲得演出にて表示される総獲得賞球数と、所定数獲得演出が実行されるラウンド数との組合せに応じて追加特典が付与される追加特典演出を実行可能に構成しており、図96(b)に示した例によれば、ラウンド数が「3」、総獲得賞球数が「1000」の組合せが追加特典演出の実行条件を満たしているため、追加特典演出が実行されることを示唆するための宝袋811aがプラカード811と連結して表示されている。
その後、図97(a)に示した通り、宝袋811aの中身として追加特典を示すための追加特典態様として「確」の文字が付されたボール812が出現する追加特典演出が実行される。この「確」の文字が付されたボール812で示される追加特典態様は、今回の大当たり遊技終了後に遊技者に有利な有利遊技状態である確変状態が設定されることを示すものである。なお、本実施形態では、追加特典態様として様々な種別の特典を遊技者に付与可能に構成しており、その内容については図97(b)を参照して後述する。
このように、大当たり遊技のラウンド数と、総獲得賞球数との組合せに応じて追加特典を遊技者に付与するか否かを決定することで、遊技者に対して追加特典遊技が実行されるタイミングを分かり難くすることができるため、大当たり遊技中の各ラウンド演出に対して、追加特典演出が実行されることを期待させることができる。
また、本実施形態では、少なくとも所定数獲得演出が実行されるラウンド演出中に追加特典演出を実行可能に構成しているため、遊技者に対して大当たり遊技中に多くの球を入賞させようと意欲的に遊技を行わせることができる。さらに、本実施形態では総獲得賞球数として確変状態や時短状態が設定されている状態において各入球口へと球を入球させた場合に払い出される賞球数も加算するように構成しているため、例えば、大当たり遊技が実行されるまで(特別図柄抽選で大当たり当選するまで)に、総獲得賞球数を調整することが可能となる。
よって、特別図柄抽選の結果が大当たりである可能性が高い変動演出が実行されている間、或いは、特別図柄の保留記憶数が上限数である間といった、従来であれば遊技者が遊技(球の発射)を一時的に中断し易い期間においても、総獲得賞球数を調整することを目的として、継続して遊技を行わせ易くすることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
また、この場合、大当たり遊技中に追加特典演出が実行され易い状況を、大当たり遊技が実行されるよりも前に遊技者に案内可能な案内演出を実行可能に構成すると良く、例えば、確変状態や時短状態における特別図柄変動期間中に総獲得賞球数を表示するように構成し、大当たり遊技が開始されるタイミングにおける総獲得賞球数が特定範囲である場合に、追加特典演出が実行され易くなることを遊技者に報知するように構成すると良い。より具体的には、総獲得賞球数が1000個に到達するタイミングが大当たり遊技の1ラウンド目である場合に追加特典演出が実行されるように規定されている場合において、大当たり遊技が実行されるよりも前である特別図柄変動期間中において、総獲得賞球数が「910~990個」の範囲で大当たり遊技が実行されることにより、追加特典演出が実行され易くなることを報知するように構成すると良い。このように構成することで、大当たり遊技が開始されるまでの期間を用いて総獲得賞球数を増加させるための遊技を遊技者に行わせることができる。
なお、上述した追加特典演出が実行され易くするための案内報知を大当たり遊技中に実行しても良い。このように構成することで、追加特典演出が実行されるラウンド数と総獲得賞球数との組合せが創出されるように、ラウンド遊技中に球を可変入賞装置65の特定入賞口65aへと入賞させない(これ以上賞球が払い出されない)ように遊技を行うという斬新な遊技性を提供することができる。また、ラウンド遊技間に設定されるインターバル期間中に賞球数を増加させるための遊技を行わせることで遊技の稼働を向上させることができる。
ここで、追加特典演出中に遊技者に付与される特典の種別について図97(b)を参照して説明をする。上述した図97(a)に示した表示画面では、追加特典態様として「確」の文字が付されたボール812が表示され、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定されることを示した態様(確変昇格態様)を表示しているが、それ以外に、「10」の文字が付されたボール812が表示された場合には、今回の大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数が遊技者に最も有利なラウンド数である「10ラウンド」であることを示した態様(ラウンド昇格態様)や、「高」の文字が付されたボール812が表示された場合には、パチンコ機10に設定されている設定値が遊技者に有利な設定値(高設定)であることを示した態様(高設定報知態様)や、「連」の文字が付されたボール812が表示された場合には、獲得済みの特別図柄の保留記憶(特図保留)内に抽選結果が大当たりであることを示す情報が含まれていることを示した態様(保留連態様)を設定可能に構成している。
このように追加特典態様として複数の種別を設定可能に構成することにより、追加特典演出の実行条件が成立したにも関わらず、遊技者に付与すべき特典が存在しない事態が発生することを抑制することができる。なお、本実施形態では、追加特典演出が実行された場合に遊技者に付与される追加特典として、遊技者に有利な遊技状況を示すための特典のみを対象としているが、これに限ること無く、例えば、追加特典演出が実行された場合にのみ遊技者に提供可能な特典画像を付与可能に構成したり、パチンコ機10の演出態様を切り替えるための権利を付与可能に構成したりするように構成しても良い。また、遊技者に不利となる遊技状況を示すための情報を追加特典として付与可能に構成しても良い。
次に、図98を参照して、大当たり遊技の終了画面(エンディング画面)にて表示される終了画面演出の内容について説明をする。図98(a)は、SPタイム中(SPタイム期間中)に大当たり遊技の終了画面が表示される場合における終了画面演出の一例を示した図であり、図98(b)は、大当たり遊技中にSPタイム(SPタイム期間)が終了した場合における終了画面演出の一例を示した図である。
本実施形態では、上述した通り、SPタイム期間中に特別図柄抽選(特別図柄変動)が実行されるほど、設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。つまり、SPタイム期間中に大当たり遊技が実行されている場合は、SPタイム期間中に大当たり遊技が実行されていない場合よりも、特別図柄抽選(特別図柄変動)が実行され難くなるため、SPタイム期間中における設定示唆演出が実行され難くなる。
この場合、遊技者に有利な遊技状況である大当たり遊技が実行された場合であっても、その大当たり遊技の実行期間がSPタイム期間と重複した場合において、遊技者に不利な状況(設定示唆演出が実行され難い状況)が発生するため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。特に、通常であれば遊技者に有利となるラウンド数の多い大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技期間が長くなる分、SPタイム期間と大当たり遊技期間とが重複する可能性が高くなることから上述した問題が発生し易くなるため、大当たり遊技の中でも、遊技者により有利となる大当たり遊技(ラウンド数が多い大当たり遊技)が実行された場合のほうが、他の大当たり遊技(ラウンド数が比較的少ない大当たり遊技)が実行された場合よりも遊技者の遊技意欲が低下してしまうという従来には無い新たな問題が発生してしまう虞があった。
これに対して、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に実行される終了画面演出として設定示唆演出を実行可能に構成し、さらに、大当たり遊技期間とSPタイム期間との重複状況に応じて終了画面演出として実行される設定示唆演出の演出態様を異ならせることができるように構成している。
具体的には、大当たり遊技が実行されたことによってSPタイム期間中に設定示唆演出が実行され難い状況(特別図柄変動の実行回数が少なくなった状況)である場合には、他の状況である場合よりも、終了画面演出として実行される設定示唆演出(終了画面設定示唆演出)の演出態様が、遊技者に有利な演出態様となり易くなるように構成している。より具体的には、終了画面設定示唆演出の演出態様として、複数の設定示唆演出を重複させて実行させ易くなるように構成している。
このように構成することで、SPタイム期間中に設定示唆演出が実行され難くなるタイミングで大当たり遊技が実行された場合であっても、その大当たり遊技の終了画面演出にて設定示唆演出を補完することができるため、大当たり遊技が実行されたことに基づいて遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題が発生することを抑制することができる。
大当たり遊技の終了画面演出が実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面にて当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に報知するための遊技状態報知態様と、設定値を示唆するための設定示唆態様と、が表示されるように構成しており、図98(a)に示した図では、遊技状態報知態様として、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを遊技者に報知するための態様として「もう1回」のコメントが表示される。つまり、もう一度大当たり遊技が実行されるまで特別図柄の高確率状態が設定されることを遊技者に報知するための遊技状態報知態様が表示されている。
なお、遊技状態報知態様として、大当たり遊技終了後に時短状態(時短100回)が設定されることを示す場合には、「チャンス100回」のコメントが表示される。つまり、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態(時短状態)であって、さらに、その遊技状態が継続する期間が100回(特図変動100回)であることを遊技者に報知するための態様が表示される。このように、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を、遊技者にとって最も不利な遊技状態(通常状態)と比較した場合の有利度合いを報知することにより、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に分かり易く予測させることができる。
ここで、終了画面演出にて表示される遊技状態報知態様として「チャンス100回」、即ち、時短状態が設定される場合に対応する報知態様が表示された場合であっても、その報知対象となる遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態(確変状態)が設定される可能性を残すように構成すると良い。このように構成することで、遊技状態報知態様として「チャンス100回」が表示された遊技者に対して、最後まで(時短状態の終了条件(特別図柄変動が100回に到達した場合に成立する終了条件)が成立するまで)確変状態が設定されていることに期待を持たせながら遊技を行わせることができる。この場合、時短状態の終了条件が成立し得る段階において、実際に設定されている遊技状態が時短状態では無く、確変状態であることを遊技者に報知するように構成すると良い。これにより、時短状態が終了するまで確変状態が設定されていることに期待を持たせながら遊技を行わせることができる。なお、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合において、遊技状態報知態様として時短状態に対応する報知態様が表示された場合には、実際の遊技状態が確変状態であることを示唆するための示唆演出を、時短状態の終了条件が成立し得るまでの期間内にて実行可能に構成すると良い。これにより、確変状態が設定されていることを期待しながら遊技を行っている遊技者が実行される演出を注視することになるため、演出効果を高めることができる。
なお、実際に設定される遊技状態とは異なる遊技状態に対応した報知態様が表示される頻度をパチンコ機10に設定されている設定値に応じて異ならせるように構成しても良く、例えば、遊技者に有利な設定値(例えば、設定3)が設定されているほうが、遊技者に不利な設定値(例えば、設定1)が設定されている場合よりも、実際に設定される遊技状態とは異なる遊技状態に対応した報知態様が表示される頻度が低くなるように構成すると良い。このように構成することで、遊技状態報知態様として時短状態に対応する報知態様が表示された場合に、実際に時短状態が設定される可能性が遊技者に有利な設定値(例えば、設定3)が設定されている場合のほうが高くなる。
よって、遊技状態報知態様として時短状態に対応する報知態様が表示された後に、時短終了条件が成立し、通常状態へと遊技状態が移行する事象が多く発生するほど、遊技者に有利な設定値(例えば、設定3)が設定されている可能性を高くすることができる。このように、パチンコ機10において実行される遊技として、遊技者に不利な条件(例えば、時短状態の終了)が成立した場合に、遊技者に有利な情報(例えば、高設定報知(示唆))が提供され易くなるように構成することで、遊技者に不利な状況が重複して発生してしまい、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
なお、これに限ること無く、遊技者に有利な設定値(例えば、設定3)が設定されている場合よりも、遊技者に不利な設定値(例えば、設定1)が設定されている場合のほうが、実際に設定される遊技状態とは異なる遊技状態に対応した報知態様が表示される頻度が低くなるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に有利な条件(例えば、確変状態が設定されていることを報知するための条件、高設定報知(示唆)を実行する条件)が重複して実行され得るため、例えば、高設定値が設定されている遊技者に対して、より有利な特典を付与することができる。よって、遊技者に対して、有利な特典が多く付与されることを期待させながら意欲的に遊技を行わせることができる。
図98(b)に戻り、説明を続ける。大当たり遊技の終了期間がSPタイム期間を経過していると判別した場合、即ち、大当たり遊技中、或いは、大当たり遊技前にSPタイム期間が設定され、そのSP期間を終了するタイミングが大当たり遊技中である場合には、大当たり遊技終了後にSPタイム期間中の特別図柄変動を実行することが出来ない(困難である)ため、終了画面演出中にて複数の設定示唆演出が設定される(図98(b)参照)。
<第1実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図99を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図99は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図138参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図135参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図134参照)が即座に実行される。
ここで、図100を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する特別当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する特別当たり種別カウンタC2と、特別図柄の停止種別(リーチ当たり種別、リーチ以外外れ(外れ長A、外れ短A)、リーチ外れ種別)を決定するための停止種別選択カウンタC3、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、特別当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、が用いられる。また、普通図柄の抽選には、普通当たり乱数カウンタC4が用いられ、普通当たり乱数カウンタC4の初期値設定には普通初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図124参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図138参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、第1特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる特別図柄1保留球格納エリア203aと、第2特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる特別図柄2保留球格納エリア203bとがそれぞれ設けられており、第1特別図柄と第2特別図柄との共通の特別図柄保留球実行エリアが設けられている。特別図柄1保留球格納エリア203aの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。同様に、特別図柄2保留球格納エリア203bの各エリアについても、右第2入球口640rへの入球タイミングに合わせて、同様の値がそれぞれ格納される。
また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、普通当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。特別当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~65535)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~65535の値を取り得るカウンタの場合は65535)に達した後0に戻る構成となっている。特に、特別当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該特別当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、初期値乱数カウンタCINI1は、特別当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、特別当たり乱数カウンタC1が0~65535の値を取り得るループカウンタである場合には、初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~65535の範囲のループカウンタである。この初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図124参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図138参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
特別当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または右第2入球口640rに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a)参照)によって設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a)参照)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a)参照)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
特別当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。特別当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または右第2入球口640rに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されている特別当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。本実施形態では、大当たり種別は、「大当たりA1」、「大当たりB1」、「大当たりC1」、「大当たりD1」、「大当たりE1」との5種類が設定されており、特別当たり種別カウンタC2によって、「大当たりA1」、「大当たりB1」、「大当たりC1」、「大当たりD1」、「大当たりE1」のうちいずれかが決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。なお、本実施形態の特別図柄抽選における大当たり当選確率の詳細については、特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a))を参照して後述する。
また、本実施形態のパチンコ機10における特別当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図103に示すように、大当たり種別を決定するための大当たり種別選択テーブル202dには、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とで同一の(共通の)内容が規定されている。つまり、本実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄抽選が実行された場合と、第2特別図柄抽選が実行された場合とで、遊技者への有利度合いが同一の特別図柄抽選が実行されるように構成している。このように構成することで、何れの特別図柄抽選が実行されたとしても遊技者に付与される特典(大当たり遊技の提供)に差が生じることが無いため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
なお、これに限ること無く、大当たり種別選択テーブル202dとして、第1特別図柄の抽選に対応して参照される特図1大当たり種別選択テーブル202d1と第2特別図柄の抽選に対応して参照される特図2大当たり種別選択テーブル202d2とを規定し、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで選択され得る大当たり種別を異ならせたり、選択割合を異ならせたりすることで、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、有利度合いを異ならせるように構成しても良い。この場合、遊技状態として初期状態である通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合に、実行契機が比較的成立し難い第2特別図柄抽選のほうが、第1特別図柄抽選よりも有利度合いが高くなるように構成すると良い。これにより、初期状態の遊技を行っている遊技者に対して、異なる遊技状態(第2特別図柄抽選の実行契機が通常状態よりも成立し易い遊技状態)が設定されることを目指しながら意欲的に遊技を行わせることができる。
変動種別カウンタCS1は、0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。上述した停止種別選択カウンタC3と変動種別カウンタCS1とによって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図138参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202b(図104参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
普通当たり乱数カウンタC4は、例えば0~239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、普通当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の普通初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普通当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。普通当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)によって設定されており、普通当たり乱数カウンタC4の値が、普通当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)は、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。さらに、普通図柄の当たりの種別は、通常当たりと長時間当たりとが設定されており、それぞれ普通当たり乱数カウンタC4の値が設定されている。
ここで、普通図柄の通常当たりは、通常遊技状態(低確率遊技状態)、大当たり遊技状態では、0.2秒の開放時間で電動役物640aが開放状態に作動される動作が、1回実行される当たりである。また、時短中、確変期間においては、2秒間の開放時間で電動役物640aが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。一方、長時間当たりは、遊技状態に関わらず、2秒間の開放時間で電動役物640aが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。
なお、本実施形態では、通常当たりにおける時短中、確変期間で実行される電動役物640aの開放動作と長時間当たりにおける開放動作とを同じに設定したが、それに限らず、長時間当たりを別の開放動作としてもよい。具体的には、例えば3秒間の間、開放状態となる動作を1回行うようにしてもよい。このように構成することで、長時間当たり時に、より第1入球口64または右第2入球口640rへ球を入球させることができ、通常遊技中に、第2特別図柄での変動表示を実行させ易くすることができ、新鮮味のある予告表示等が表示される第2特別図柄の変動表示により遊技者に遊技演出の変化を楽しませることができる。
なお、本実施形態では、図102(b)に示すように、普通図柄の低確率時において、取得した普通当たり乱数カウンタC4の値が5から6のいずれかであれば、普通図柄の当たりであると判別される。一方、普通図柄の高確率時において、取得した普通当たり乱数カウンタC4の値が5から204のいずれかであれば、普通図柄の当たりであると判別される。なお、本実施形態では普通図柄抽選で当たり当選した場合に、設定されている遊技状態に応じて異なる普図当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で普図当たり当選した場合に、球を第2入球口640へと入球困難な普図当たり遊技(短当たり)と、その短当たりよりも第2入球口640へと球を入球させ易い普図当たり遊技(長当たり)と、を実行可能に構成しても良い。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5,6」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、普通当たり乱数カウンタC4の値が「5,6」であれば、当たりとして、電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放(開放作動)される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5~204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「2秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、右第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入球口640が「2秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
普通初期値乱数カウンタCINI2は、普通当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~239)、タイマ割込処理(図124参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図138参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図99に戻り説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37a,37b、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
さらに、入出力ポート205には、設定スイッチ110cと設定キー110bが接続され、MPU201は設定キー110bや設定スイッチ110cへの操作に応じて出力される信号に基づいて設定値を変更する処理や、設定値を表示する処理を実行する。なお、設定キー110bや設定スイッチ110cを用いた各種操作の内容については、図84を参照して上述したため、その説明を省略する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ290により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、タッチセンサ290、発射センサ293、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図83参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図83参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1実施形態における主制御装置110の電気的構成について>
次に、図101(a)を参照して、本第1実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図101(a)は、本第1実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図101(a)に示した通り、本第1実施形態におけるROM202は、特別図柄大当たり乱数テーブル202aと、変動パターン選択テーブル202bと、普通図柄当たり乱数テーブル202cと、大当たり種別選択テーブル202dと、変動パターンシナリオテーブル202eと、で少なくとも構成されている。
まず、図102(a)を参照して、特別図柄大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。この特別図柄大当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の抽選を実行する際に参照されるデータテーブルであり、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲が、特別図柄の状態、および設定値毎に規定されている。図102(a)は、この特別図柄大当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。
図102(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、設定値「1」に対して「0~249」の250個が設定され、設定値「2」に対して「0~274」の275個が設定され、設定値「3」に対して、「0~299」の300個が設定されている。一方、図102(a)に示した通り、確変遊技状態(特別遊技状態)において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)としては、設定値「1」に対して「0~999」の1000個が設定され、設定値「2」に対して「0~1099」の1100個が設定され、設定値「3」に対して「0~1199」の1200個が設定されている。
本実施形態では、第1当たり乱数カウンタの取り得る値が「0~65535」の65536通りであることから、設定「1」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり当選する確率(大当たり確率)が約1/262となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/65となる。また、設定「2」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり確率が約1/238となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/60となる。また、設定「3」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり確率が約1/218となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/55となる。
よって、設定「1」が最も大当たり当選し難い設定値(不利設定値)となり、設定「3」が最も大当たり当選し易い設定値(有利設定値)となる。そして、上述した通り、本実施形態では、何れの設定値が設定されている場合であっても、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が4倍となるように構成している。つまり、何れの設定値が設定されている場合であっても、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合に、同一の特典(大当たり当選し易くするための特典)を遊技者に提供するように構成している。このように構成することで、複数段階の設定値を設定可能に構成したパチンコ機10において、特別図柄の確率状態が切り替わる際に付与される特典を設定値に関わらず均一にすることができるため、設定値に応じて遊技内容が過剰に異なってしまうことを抑制することができる。
なお、設定値に応じて、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合に付与される特典内容を異ならせても良く、例えば、設定「1」よりも設定「3」のほうが、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合における大当たり確率の可変度合いが大きくなるように構成しても良く、設定「1」の場合は、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が4倍となり、設定「3」の場合は、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が6倍となるように構成しても良い。このように構成することで、不利設定である設定「1」に対する有利設定である設定「3」の有利度合いをより大きくすることができるため、遊技者に対して、有利な設定値が設定されているパチンコ機10にて遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。
本実施形態では、パチンコ機10に設けられた設定値を3段階としているが、これに限ること無く、設定値を2段階にしても良いし、4段階以上(例えば、6段階)にしても良い。さらに、本実施形態では、特別図柄の大当たり確率に設定差を設けているが、これに限ること無く、例えば、大当たり確率や小当たり確率や確変状態の設定確率や確変状態が継続する期間や、大当たり遊技の遊技内容といった遊技の有利度合いを可変可能な各種要素に対して設定差を設けるように構成しても良い。このような場合であっても、設定される設定値に応じて遊技者に異なる有利度合いを提供することができるため、遊技者に対して、有利な設定値が設定されているパチンコ機10にて遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図102(b)を参照して、上述した普通図柄当たり乱数テーブル202cの詳細について説明する。図102(b)は、この普通図柄当たり乱数テーブル202cの規定内容を示した図である。図102(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、普通当たり乱数カウンタC4の値が「5,6」が普通図柄の当たりに対応する乱数値(カウンタ値)として規定されている。一方、普通図柄の高確率状態である場合は、普通当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲が普通図柄の当たりに対応する乱数値(カウンタ値)として規定されている。
つまり、本実施形態では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率が低確率(1/120)に設定されている。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率が高確率(1/1.2)に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
次に、図103を参照して、大当たり種別選択テーブル202dの詳細について説明する。図103は、この大当たり種別選択テーブル202dの規定内容を示した図である。図103に示した通り、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~39」の範囲に対して、大当たりA1(10R確変大当たり)が対応付けて規定され、「40,41」の範囲に対して、大当たりB1(10R確変大当たり)が対応付けて規定され、「42~47」の範囲に対して、大当たりC1(5R確変大当たり)が対応付けて規定され、「48~59」の範囲に対して、大当たりD1(2R確変大当たり)が対応付けて規定され、「60~99」の範囲に対して、大当たりE1(10R通常大当たり、時短100回)が対応付けて規定されている。よって、60%の割合で確変大当たりとなって大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な確変遊技状態に設定され、40%の割合で通常大当たりとなって大当たり終了後の遊技状態が確変遊技状態よりも有利度合いが低い時短遊技状態に設定される。
ここで、図103に示して上述した通り、同一内容の大当たり遊技(10R確変大当たり)が実行される大当たり種別として大当たりA1と大当たりB1とを規定している。つまり、大当たり種別として大当たりA1が選択された場合も、大当たりB1が選択された場合も、同一の大当たり遊技が実行されるように構成している。このように同一の大当たり遊技に対して異なる大当たり種別を規定することにより、大当たり種別を示すためのコマンド(入賞コマンド、当たり関連コマンド等)を音声ランプ制御装置113にて受信した場合に、大当たり種別に応じて異なる大当たり遊技演出を実行することが可能となる。
詳細な説明は省略するが、本実施形態では、大当たり種別として大当たりA1が選択された場合と、大当たりE1が選択された場合には、大当たり遊技演出として、10ラウンドの大当たり遊技であることを報知した後に、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を示唆するための演出(確変昇格演出)を実行可能な大当たり遊技演出が実行されるように構成している。
一方、大当たり種別として大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1が選択された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知した後に、今回の大当たり遊技が何ラウンド継続するかを示唆するための演出(ラウンド昇格演出)を実行可能な大当たり遊技演出が実行されるように構成している。
このように、大当たり遊技演出として意味合いを異ならせた複数種類の大当たり遊技演出(確変昇格演出、ラウンド昇格演出)を実行するように構成した場合において、何れの大当たり遊技演出も実行可能な大当たり遊技(10R確変大当たり)を1の大当たり種別で規定してしまうと、10R確変大当たりに対応する大当たり種別を示すためのコマンド(入賞コマンド、当たり関連コマンド等)を音声ランプ制御装置113が受信した場合に、何れの大当たり遊技演出を実行するかがランダムに決定されることになり、各大当たり遊技演出における10R確変大当たりの占める割合を固定し難いという問題があった。
これに対して、本実施形態では、10R確変大当たりを示す大当たり種別を2種類(大当たりA1、大当たりB1)設け、大当たりA1が選択された場合には確変昇格演出が実行される大当たり遊技演出が、大当たりB1が選択された場合にはラウンド昇格演出が実行されるように音声ランプ制御装置113側の処理規則を規定している。
このように構成することで、各大当たり遊技演出における各大当たり遊技の占める割合を、大当たり種別選択テーブル202dに規定されている各大当たり種別の選択割合に合わせることができる。具体的には、確変昇格演出が実行される場合には(大当たりA1、大当たりE1が選択された場合には)、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される割合が50%となる。また、ラウンド昇格演出が実行される場合には(大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1が選択された場合には)、10%の割合で10R大当たりが実行され、30%の割合で5R大当たりが実行され、60%の割合で2R大当たりが実行されることになる。
次に、図104(a)を参照して、本第1実施形態における変動パターン選択テーブル202bの詳細について説明する。図104(a)は、本第1実施形態における変動パターンテーブル202bの構成を示したブロック図である。図104(a)に示した通り、本第1実施形態における変動パターン選択テーブル202bは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果に応じて変動パターンを選択するために参照される通常用変動パターン選択テーブル202b1と、確変状態および時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果に応じて変動パターンを選択するために参照される時短・確変用変動パターンテーブル202b2と、確変状態において特別図柄の抽選が実行された場合に参照されるものであって、時短・確変用変動パターンテーブル202b2よりも短い変動時間が選択され易く規定されている高速変動用変動パターンテーブル202b3と、で少なくとも構成されている。
まず、図104(b)を参照して、上述した通常用変動パターンテーブル202b1の詳細について説明する。図104(b)は、この通常用変動パターン選択テーブル202b1の内容を模式的に示したデータテーブルである。通常用変動パターン選択テーブル202b1では、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ設定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値の範囲が対応付けて規定されている。
より具体的には、図104(b)に示すように、当否判定結果が当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が20秒間の当たり変動Aが対応付けて規定され、「50~99」の範囲に対して、変動時間が60秒間の当たり変動Bが対応付けて規定され、「100~198」の範囲に対して、変動時間が90秒間の当たり変動Cが対応付けて規定されている。このため、通常遊技状態において大当たりに当選した場合は、約25%の割合(50/199)で変動時間が20秒間に設定され、約25%の割合(50/199)で変動時間が60秒に設定され、約50%の割合(99/199)で変動時間が90秒間に設定される。
一方、当否判定結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が5秒間の外れ変動Aが対応付けて規定され、「150~194」の範囲に対して、変動時間が20秒間の外れ変動Bが対応付けて規定され、「195~198」の範囲に対して、変動時間が60秒間の外れ変動Cが対応付けて規定されている。このため、通常遊技状態において特別図柄の抽選で外れとなった場合は、約75%の割合(150/199)で変動時間が5秒間に設定され、約23%の割合(45/199)で変動時間が20秒に設定され、約2%の割合(4/199)で変動時間が60秒間に設定される。
このように、当否判定結果が当たりである場合は、外れである場合にに比較して長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成されているため、第1図柄や第3図柄が長く変動表示を行っているほど、大当たりに対する期待感を高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図104(c)を参照して、上述した時短・確変用変動パターンテーブル202b2の詳細について説明する。図104(c)は、この時短・確変用変動パターンテーブル202b2の内容を模式的に示したデータテーブルである。図104(c)に示したように、当否判定結果が当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が20秒間の当たり変動Aが対応付けて規定され、「50~198」の範囲に対して、変動時間が60秒間の当たり変動Bが対応付けて規定されている。このため、通常遊技状態において大当たりに当選した場合は、約25%の割合(50/199)で変動時間が20秒間に設定され、約75%の割合(149/199)で変動時間が60秒に設定される。
一方、当否判定結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~179」の範囲に対して、変動時間が3秒間の外れ変動Dが対応付けて規定され、「180~197」の範囲に対して、変動時間が20秒間の外れ変動Bが対応付けて規定され、「198」に対して、変動時間が60秒間の外れ変動Cが対応付けて規定されている。このため、通常遊技状態において特別図柄の抽選で外れとなった場合は、約90%の割合(150/199)で変動時間が3秒間に設定され、約9%の割合(18/199)で変動時間が20秒に設定され、約0.5%の割合(1/199)で変動時間が60秒間に設定される。
このように、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照された場合は、通常用変動パターンテーブル202b1が参照された場合に比較して短い変動時間が選択され易くなる。よって、普通図柄の時短状態に設定される高確率遊技状態や時短遊技状態における遊技効率を向上させることができる。よって、遊技にメリハリをつけることができる。
次に、図105を参照して、上述した高速変動用変動パターンテーブル202b3の詳細について説明をする。図105は、本第1実施形態における高速変動用変動パターンテーブル202b3の規定内容を示した図である。図105に示した通り、当否判定結果が当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の範囲に対して、変動時間が6秒間の短当たり変動Aが対応付けて規定され、「100~198」の範囲に対して、変動時間が12秒間の短当たり変動Bが対応付けて規定されている。このため、確変状態であって、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照される状態において特別図柄の抽選で当たり(大当たり)となった場合は、約50%の割合(100/199)で変動時間が6秒間に設定され、約50%の割合(99/199)で変動時間が12秒に設定される。
一方、当否判定結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~189」の範囲に対して、変動時間が1.5秒間の短外れ変動Aが対応付けて規定され、「190~198」の範囲に対して、変動時間が6秒間の短外れ変動Bが対応付けて規定されている。このため、確変状態であって、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照される状態において特別図柄の抽選で外れとなった場合は、約50%の割合(100/199)で変動時間が6秒間に設定され、約50%の割合(99/199)で変動時間が12秒に設定される。
本実施形態では、確変状態が設定されている状態において、確変状態が設定される契機となる大当たり種別、および、特別図柄抽選(変動)の実行回数に応じて特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルを、時短・確変用変動パターンテーブル202b2、或いは、高速変動用変動パターンテーブル202b3を切り替えて用いるように構成しており、後述する変動パターンシナリオテーブル202f(図106参照)の規定内容に対応して変動パターンテーブルを切り替えるように構成している。
これにより、確変状態が設定されている期間を、比較的長い変動時間の変動パターンが選択され易い確変第1期間と、その確変第1期間よりも比較的短い変動時間の変動パターンが選択され易い確変第2期間と、を設定することが可能となる。よって、大当たり遊技が終了した後に短い変動時間の変動パターンが連続して選択されることにより、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数が過剰に増加してしまう事態を抑制するように変動パターンテーブルを切り替えたり、大当たり当選することなく確変状態が長く継続した場合に、単位時間当たりにおける特別図柄抽選回数を増加させるように変動パターンを切り替えたりすることができる。
なお、本実施形態では、確変状態が設定されている場合において、上述した2種類の変動パターンテーブルを参照可能に構成しているが、これに限ること無く、3種類以上の変動パターンテーブルを参照可能に構成しても良い。また、複数種類の変動パターンテーブルを参照可能な遊技状態も確変状態に限定されるものでは無く、他の遊技状態において複数種類の変動パターンテーブルを参照可能に構成しても良い。
次に、図106を参照して、変動パターンシナリオテーブル202fの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202fは、大当たり遊技が終了後に実行される特別図柄抽選の実行回数に応じて参照される変動パターンテーブルが規定されているものであって、前回実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別、及び、前回大当たり当選した時点で設定されていた遊技状態に応じて異なるシナリオが規定されている。
具体的には、大当たりA1に基づいて確変状態が設定された場合には、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選回数「1回~80回」の範囲は、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照され、「81回~999回」の範囲は、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照され、「1000回~」の範囲は、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
また、大当たりB1,C1、D1に基づいて確変状態が設定された場合であって、大当たり当選時の遊技状態が通常状態である場合には、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選回数「1回~80回」の範囲で、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照され、「81回~999回」の範囲で、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照され、「1000回~」の範囲で、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照される変動パターンシナリオが規定されており、大当たり当選時の遊技状態が時短状態或いは確変状態である場合には、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選回数「1回~999回」の範囲で、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照され、「1000回~」の範囲で、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
さらに、大当たりE1に基づいて時短状態が設定された場合は、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選回数「1回~100回」の範囲で、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照され、「101回~」の範囲で、通常用変動パターンテーブル202b1が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
なお、図示は省略しているが、パチンコ機10の電源投入時にRAMクリアスイッチ122を操作している場合、即ち、パチンコ機10の初期化処理を実行した場合には、専用の変動パターンシナリオ(リセット時用変動パターンテーブル)が参照されるように構成しており、初期化処理後に実行される特別図柄抽選回数「1回~100回」の範囲で、通常用変動パターンテーブル202b1が参照され、「101回~110回」の範囲で、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照され、「111回~」の範囲で、通常用変動パターンテーブル202b1が参照される変動パターンシナリオが規定されている。つまり、設定変更操作を実行した場合等、RAMクリアスイッチ122が操作された場合には、遊技状態として初期状態である通常状態が設定され、その通常状態において実行される特別図柄抽選の回数が100回を越えると、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照されて短い変動時間の変動パターンが選択される特定期間へと移行するように構成している。
このように構成することで、設定変更された後のパチンコ機10では、大当たり当選すること無く実行された特別図柄抽選の回数が100回を越えた場合に、高速変動が実行されることになる。よって、通常状態が設定されているパチンコ機10にて特別図柄変動の変動パターンとして高速変動が実行される変動パターンが設定された場合に、遊技者に対して設定値が変更されたのでは?と予測させることができる。
なお、初期化処理した後に選択され得る変動パターンシナリオ(初期時変動パターンシナリオ)を複数設け、例えば、設定値「1」が設定された場合と、設定値「3」が設定された場合とで、異なる初期時変動パターンシナリオが選択される(選択され易くする)ように構成しても良い。このように構成することで、初期時変動パターンシナリオが設定されていることを把握することで設定変更が行われたことを予測すると共に、設定されている初期時変動パターンシナリオの種別に基づいて設定値を予測することが可能となる。
さらに、本実施形態では、電源投入時にRAMクリアスイッチ122を操作した場合(初期化処理が実行された場合)に、初期時変動パターンシナリオが設定されるように構成しているが、これに限ること無く、設定変更操作が行われた場合に初期時変動パターンシナリオが設定されるように構成しても良い。これにより、設定変更操作を行うこと無くRAMクリアスイッチ122を操作した場合には、設定変更操作が行われた場合とは異なる変動パターンシナリオが設定されることになるため、遊技者に対して実行される特別図柄変動の変動パターンを把握することで設定変更の有無をより予測し易くすることができる。
次に、図101(b)を参照して、本第1実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図101(b)は、RAM203の構成を示したブロック図である。図101(b)に示した通り、本第1実施形態におけるRAM203は、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eと、普通図柄保留球数カウンタ203fと、設定値格納エリア203gと、当選時状態格納エリア203hと、変動回数カウンタ203iと、時短中カウンタ203jと、変動実行フラグ203kと、確変フラグ203mと、大当たり中フラグ203nと、変動順格納エリア203pと、その他メモリエリア203zと、を有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、第1特別図柄に対する1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア~第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。また、特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第2特別図柄に対応する記憶エリアであることが相違するのみである。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、普通当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、右第2入球口640rに入賞したことに基づく保留球をカウントするカウンタであり、その他の構成については、特別図柄1保留球数カウンタ203dと同一であるのでその詳細な説明は省略する。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223a、特別図柄2保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される。
球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される。一方、球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない。
設定値格納エリア203gは、パチンコ機10の設定値に対応するデータを格納しておくための記憶領域である。より具体的には、設定値格納エリア203gにデータとして「00H」が格納されていれば、設定値「1」が設定されていることを示し、データとして「01H」が格納されていれば、設定値「2」が設定されていることを示し、データとして「02H」が格納されていれば、設定値「3」が設定されていることを示す。特別図柄の抽選を実行する際は、この設定値格納エリア203gのデータを読み出して、その読み出したデータが示す設定値に対応する抽選確率で特別図柄の抽選(大当たり抽選)を実行する。即ち、特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a)参照)のうち、設定値格納エリア203gのデータが示す設定値に対応する乱数値の範囲と、実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値とを比較することにより特別図柄の抽選を実行する。なお、設定値格納エリア203gの値は、初期値が「00H」に設定されており、設定変更状態において設定スイッチ110cが押下(操作)される毎に、「01H」→「02H」と「01H」ずつ値が更新され、データが「02H」の状態で更に設定スイッチ110cが押下されると、データが「01H」に更新される。なお、RAMクリアスイッチ122の押下を伴って電源が投入されると、RAM203のデータは全て初期値にリセット(クリア)される。よって、単にRAMクリア操作のみを行った場合、設定値格納エリア203gの値も初期値である「00H」にリセットされる。即ち、設定変更動作を実行せずに、単にRAMクリア動作のみを行ったとしても、設定1には変更することができる。これにより、ホールの利便性を向上させることができる。
当選時状態格納エリア203hは、大当たりに当選した時点における遊技状態を示す情報を格納するための記憶領域である。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が通常状態であれば(時短中カウンタ203jの値が0で、確変フラグ203mがオフであれば)、この当選時状態格納エリア203hに、通常状態を示す情報として「00H」が格納される。一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が時短状態であれば(時短中カウンタ203jの値が1以上で、確変フラグ203mがオフであれば)、この当選時状態格納エリア203hに、時短状態を示す情報として「01H」が格納される。また、大当たりに当選した時点の遊技状態が確変状態であれば(時短中カウンタ203jの値が1以上で、確変フラグ203mがオンであれば)、この当選時状態格納エリア203hに、確変状態を示す情報として「02H」が格納される。この当選時状態格納エリア203hに格納された情報は、大当たりの終了時まで保持され、大当たりが終了した後の遊技状態を設定する際に参照される。
変動回数カウンタ203iは、特別図柄変動の変動回数を計測するためのカウンタであって、特別図柄変動が実行されたことに基づいてそのカウンタ値が更新されるものである。
時短中カウンタ203jは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203jの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203jの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203jは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203jの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
変動実行フラグ203kは、第1特別図柄の変動を実行するか、第2特別図柄の変動を実行するかを識別するためのフラグである。本実施形態では、第1入球口64と右第2入球口640rとにそれぞれ入球した順序(保留記憶された順序)に従って変動が開始される。ここで、特別図柄の変動が停止して、保留球に対応する次の特別図柄の変動が開始される場合には、主制御装置110のMPU201が実行する変動実行判定処理により後述する変動順格納エリア203pに記憶されている保留記憶の順序データに基づいて次に記憶されている変動が第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに対応した保留データであるか判別されて、その判別結果に従って対応する変動実行フラグ203kがオンに設定される。
確変フラグ203mは、現在の遊技状態が確変状態であるかを判別するためのフラグである。この確変フラグ203mは、確変状態が設定されている場合にオンに設定される。この確変フラグ203mは、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(図139参照)内のS1113の処理において、実行されていた大当たり遊技が大当たりE以外であると判別された場合(S1113:No)に、オンに設定される。また、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理(図125参照)内のS220の処理において、大当たりとなる特別図柄の変動表示を停止する場合にオフに設定される。
大当たり中フラグ203nは、遊技状態が大当たり遊技中であることを示すフラグである。この大当たり中フラグ203nは、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理(図125参照)のS221の処理において、大当たり遊技の開始が設定されるとオンに設定される。また、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(図139参照)の中で、大当たりの終了タイミングとなった場合(S1110:Yes)に実行されるS1117の処理においてオフに設定される。
変動順格納エリア203pは、第1入球口64または右第2入球口640rや第2入球口640に遊技球が入球し、保留球として記憶(保留記憶)される場合に、その保留記憶された順序が記憶されるエリアである。本実施形態では、特別図柄の変動は、保留記憶された順に実行されるように構成されており、どちらか一方の特別図柄が優先して実行されるものではない。また、本実施形態では、振分装置700により、第1入球口64と右第2入球口640rとに交互に振分けられるように構成されているので、保留記憶された順に変動を開始することで、特別図柄の変動においても、第1特別図柄と第2特別図柄とが交互に実行されることとなり、どちらか一方の保留球のみが消化されることで、その特別図柄の保留球がオーバーフローしてしまう不具合を抑制することができる。
その他メモリエリア203zには、主制御装置110のMPUが実行するその他の制御処理における必要なフラグ、カウンタ、記憶データ等が設定されるが、詳細については省略する。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図134参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ290により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される背景モードを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図101(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222a、演出切替テーブル222b、設定示唆演出選択テーブル222c、先読み禁止期間選択テーブル222d、保留上限時演出選択テーブル222e、演出実行数選択テーブル222f、ミッション選択テーブル222g、昇格ポイント選択テーブル222h、昇格演出選択テーブル222iと、が少なくとも格納されている。
変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110より出力された変動パターンコマンドに基づいて変動パターンを決定するための選択テーブルである。変動パターンコマンドに対応した変動時間、変動パターン種別に対応してそれぞれ複数の変動パターンが設定されており、図示しない選択用のカウンタ値を取得して1の変動パターンを決定する。
主制御装置110より出力された変動パターンコマンドには、例えば、特別図柄抽選の結果を示すための情報や、特別図柄の変動パターン(変動時間、停止図柄、リーチ演出の有無、抽選結果に基づいて実行される当たり遊技種別)を示すための情報が含まれている。そして、音声ランプ制御装置113では、対応する特別図柄変動に対応する変動パターンで第3図柄の変動演出を実行するために、変動パターンコマンドを受信した場合に、変動パターン選択テーブル222aを参照して変動パターン(演出用変動パターン)を決定する。
演出切替テーブル222bは、計時装置292の時刻情報(計時情報)に基づいて、演出期間を切り替える際に参照されるデータテーブルである。本実施形態では、設定されている演出期間に応じて異なる演出を実行可能に構成している。そして、演出切替テーブル222bは、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出(演出態様)を実行するための演出期間を選択するために用いられる。
この演出態様の決定は、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理の経過時間確認処理(図158のS2111参照)の中で行われ、図108に示す演出切替テーブル222bの判定値と、計時装置292の時刻情報(計時情報)に基づいて判断される経過時間T(図158のS3602参照)とに応じて演出期間が特定される(図158のS3603参照)。
図108は、ROM222に記憶される演出切替テーブル222bの一例を模式的に示した図である。図108に示すように、演出切替テーブル222bでは、演出期間の種別が、遊技機に対する電源投入を行った後の経過時間Tの値に対応付けられて規定されている。
本実施形態では、演出期間として、通常演出期間と、SPタイム準備期間と、SPタイム期間とを設定可能に構成している。SPタイム期間は、計時時間に基づく専用の演出態様が決定される演出期間であって、複数のパチンコ機10において一体感のある演出(期間演出)が実行される期間となる。そして、通常演出期間は、各パチンコ機10において特別図柄抽選の結果に応じて独立した演出が実行される期間となる。また、SPタイム準備期間は、通常演出期間と同様の演出が実行される期間であり、且つ、SPタイム期間が間もなく設定されることを遊技者に報知するための準備期間となる。よって、SPタイム準備期間中は、通常演出期間と同様の演出が実行される第3図柄表示装置81の表示画面の一部において、SPタイム期間が近付いていることを案内するための案内態様が表示される。
図158の経過時間確認処理(S2111参照)において経過時間Tの値が通常演出期間を示すものであった場合は、後述する音声ランプ制御装置113のRAM223内に設けられた期間演出中フラグ223pがオフとなり、表示制御装置114のワークRAM233内に設けられた記憶領域に格納されているSPタイム期間中であることを示すための情報がクリアされる。そして、これらの処理結果に基づいて、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出が通常の演出態様(通常演出期間中に実行される演出の演出態様)で行われる。一方、経過時間Tの値がSPタイム期間を示すものであった場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223内に設けられた期間演出中フラグ223pがオンに設定され、さらに、表示制御装置114のワークRAM233内に設けられた記憶領域にSPタイム期間中であることを示す情報が格納される。そして、これらの処理結果に基づいて、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出が特別な演出態様で行われる。
図108に示す通り、本実施形態では、計時装置292により計時される時間の大半に対して通常演出期間が設定され、SPタイム期間が設定される期間が短くなるように構成している。このように構成することで、SPタイム期間中に実行される期間演出(SPタイム演出)を遊技者に体験させ難くすることができるため、SPタイム期間中に遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。また、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、計時装置292が計時を開始してからSPタイム期間が設定された回数に応じて、SPタイム期間中に異なる演出を実行するように構成しており、計時装置292が計時を開始してから1回目のSPタイム期間では楽曲Aが再生されると共に、楽曲Aに応じて演出態様で期間演出(SPタイム演出)が実行される。そして、計時装置292が計時を開始してから2回目のSPタイム期間では楽曲Aとは異なる楽曲Bが再生されると共に、楽曲Bに応じた演出態様で期間演出(SPタイム演出)が実行される。
よって、様々なタイミングでSPタイム演出を実行しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
演出切替テーブル222bに規定されている内容について詳細に説明をすると、演出切替テーブル222bには、計時装置292の計時内容に基づいて算出された経過時間T(電源が投入されてからの経過時間)に応じて演出期間が規定されており、経過時間Tが88分以内の範囲には通常演出期間が規定され、88分~90分の範囲にはSPタイム準備期間が規定され、90分~93分の範囲にはSPタイム期間(楽曲A用)が規定されている。そして、93分~213分の範囲には、再度、通常演出期間が規定され、213分~215分の範囲にはSPタイム準備期間が規定され、215分~219分の範囲にはSPタイム期間(楽曲B用)が規定されている。
以降、経過時間に対して、通常演出期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間とがそれぞれ規定されている。
上述した通り、本実施形態では、SPタイム期間の長さが、実行される演出の態様に応じて異なるように規定されている。つまり、楽曲A用のSPタイム期間が設定された場合にはSPタイム期間が3分間、楽曲B用のSPタイム期間が設定された場合にはSPタイム期間が4分間となるように規定している。このように構成することで、再生される楽曲の長さに対応したSPタイム期間を容易に設定することができる。
一方で、SPタイム準備期間の長さは、何れのSPタイム期間が設定される場合であっても同一の長さ(2分間)としている。このように構成することで、SPタイム準備期間専用の演出態様(例えば、「間もなくSP期間突入」のテロップ表示等)を設定するための演出データを共通化することができる。
また、SPタイム準備期間中には、SPタイム期間が設定される期間が近付いていることを遊技者に案内するための案内態様に加え、次に設定されるSPタイム期間中に実行されるSPタイム演出の演出態様を遊技者に予告するための予測態様も設定されるように構成しても良い。この場合、予告態様としては例えば、「次回、楽曲Bスタート」のように、次回のSPタイム期間中に実行される演出の一部(再生される楽曲)を遊技者が把握可能な態様が用いられる。
なお、本実施形態では、SPタイム期間が設定されるよりも所定期間(2分間)前の期間にSPタイム準備期間を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、SPタイム準備期間を設定すること無く、通常演出期間中において常にSPタイム期間が設定されるまでの残時間を遊技者に報知するための報知態様を表示するように構成しても良い。この場合、次にSPタイム期間が設定されるまでの残時間が長いことを遊技者に把握させることが可能となるため、SPタイム期間中の遊技を所望する遊技者に対して、そのSPタイム期間中に遊技を行うための準備期間を長く確保させることができる。よって、SPタイム期間中に遊技を行うことができず遊技意欲が低下してしまうことを抑制し易くすることができる。
一方、本実施形態のように、通常演出期間中はSPタイム期間が設定されるまでの残時間を表示すること無く、SPタイム準備期間中にSPタイム期間が設定されるまでの残時間を表示するように構成することで、遊技者に対してどのタイミングでSPタイム期間が設定されるのかを把握させ難くすることができる。よって、通常演出期間中の遊技を行っている遊技者に対して、SPタイム期間が設定されることを期待させながら継続して遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、複数のパチンコ機10において一体感のある演出(期間演出)が実行される期間と、各パチンコ機10において独立した演出(通常演出)とが実行される期間と、を設定可能に構成し、さらに、期間演出の演出態様として複数種類の演出態様を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、通常演出に対しても複数種類の演出態様を設定可能に構成しても良い。
この場合、通常演出期間が設定される際に所定の演出抽選を実行し、その演出結果に基づいて演出内容が決定されるように構成しても良い。このように構成することで、通常演出に対しても、計時装置292にて計時された情報に基づいて異なる演出を実行することが可能となるため、遊技者の遊技意欲をたかめることができる。
また、本実施形態では、複数のパチンコ機10にて一体感のある期間演出を実行するために、どのパチンコ機10に対しても電源投入からの経過時間Tに応じて同一の演出期間が設定されるように演出切替テーブル222bの内容が規定されているが、これに限ること無く、例えば、設定値に応じてSPタイム準備期間が設定されるタイミングを異ならせたり、SPタイム期間が設定されるタイミングを異ならせたりするように構成しても良い。
より具体的には、設定されている設定値が高設定である場合のほうが、低設定である場合よりも、SPタイム準備期間中において案内態様(テロップ表示)が表示されるタイミングや、報知音声の出力タイミングが遅れ易くなるように演出切替テーブル222bの規定内容を設定値に応じて異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、複数のパチンコ機10にて一体感のある期間演出を実行することを前提とし、意図的に一体感の無い演出(遅れ演出)を実行することにより、遊技者に対して何らかの違和感を与えることが可能となる。なお、上述した例では、高設定である場合のほうが、低設定である場合よりも遅れ演出が実行され易くなるように構成しているため、SPタイム準備期間が設定されるタイミングから遊技者に実行される演出を注視させることができる。
また、1のパチンコ機10だけでは、期間演出が遅れて実行されたことを把握するのは困難であるが、隣接する複数のパチンコ機10にて実行される期間演出と比較することにより期間演出の実行タイミングが遅れたことを把握し易くすることができる。よって、複数のパチンコ機10にて実行される期間演出に対して興味を持たせることができる。
なお、上述した遅れ演出を実行する場合には、実行される全ての演出を遅らせるのでは無く、演出の実行タイミングとしては通常の演出タイミングを設定しておき、一部の演出(例えば、音声)のみ実行タイミングをずらす(遅らせる)ように構成しても良いし、一部の演出の実行タイミングを速めるように構成しても良い。
なお、図108において経過時間Tが339分以降における経過時間Tと演出期間との対応関係を省略して記載しているが、実際には339分以降も、2分間分間の特別演出期間と50分の通常演出期間とが交互に繰り返されるように設定される。この演出切替テーブル222bにおける経過時間Tの範囲は最低限ホールの1日の営業時間分だけ設定されていればよく、例えば経過時間Tが1440分(24時間)未満の範囲で経過時間Tと演出期間との対応関係を設定しておいても良いし、数日分の対応関係を設定しておいてもよい。また、演出期間の種類は必ずしも通常演出期間とSPタイム準備期間とSPタイム期間との3種類に限られるものではなく、実行される演出の態様が互いに異なる4種類以上の演出期間を設けても良い。
更に、本実施形態では経過時間Tの値毎に演出期間の種別を規定したテーブルを規定しているが、必ずしも全てのTの値に対応させたテーブルを用意しておかなくても良い。例えば、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲と、SPタイム期間となる経過時間Tの値の範囲とを1種類ずつ規定しておき、経過時間Tの値が規定されている値の範囲外となる際は、規定されている経過時間Tの値の範囲に所定の値を加算するように構成しても良い。具体例としては、例えば、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲を0分00秒~50分00秒、SPタイム期間となる経過時間Tの値の範囲を50分00秒~60分00秒と規定しておき、経過時間Tの値が60分00秒に達する際に、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲と、SPタイム期間となる経過時間Tの値の範囲とにそれぞれ60分00秒を加算し、60分00秒~120分00秒までの経過時間Tの値の範囲における演出期間の種別を再設定するように制御しても良い。
より詳述すると、演出切替テーブル222bには、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲は0分00秒~50分00秒であり、SPタイム期間となる経過時間Tの値の範囲は50分00秒~60分00秒であるとの情報のみが規定される。そして、電源投入に基づいて、演出切替テーブル222bに規定された情報がRAM223の所定の領域に複製され、その複製された情報に基づいて演出期間の種別が判別される。そして、経過時間Tが、複製された情報に規定されている経過時間Tの値の最大値である60分00秒に達する場合には、複製された情報に60分00秒を加えて新たな情報に更新する。即ち、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲は60分00秒~110分00秒であり、特別演出期間となる経過時間Tの値の範囲は110分00秒~120分00秒であるとの情報に更新される。以降、60分00秒が経過する毎に、複製された情報に60分00秒を加えて新たな情報に更新するように制御し、更新された情報と、経過時間Tとに基づいて演出期間の種別を判別する。
この場合、演出切替テーブル222bのデータ量が少なくなるため、ROM222の容量を削減することができる。よって、ROM222の低価格化を図ることができる。
設定示唆演出選択テーブル222cは、設定示唆演出を実行する際に、その演出態様(演出パターン)を選択するために参照されるデータテーブルであって、設定されている設定値と、取得した演出カウンタ223gの値とに応じて異なる演出パターン(演出態様)が規定されている。
この設定示唆演出選択テーブル222cには、演出パターンが規定されているのみであり、設定示唆演出の種別と、選択された演出パターンと、に基づいて実際に実行される設定示唆演出の演出態様が決定される。本実施形態では、様々な演出によって設定示唆演出が実行されるように構成しており(図90(b)参照)、各演出に応じた態様で設定示唆演出を実行可能に構成している。よって、設定示唆演出選択テーブル222cに具体的な演出態様まで規定してしまうと、規定する演出量が増加してしまい、RAM222のデータ量が増加してしまうという問題があった。また、設定示唆演出選択テーブル222cにて具体的な演出態様、即ち、どの演出を用いて設定示唆演出をどの態様で実行するかを決定してしまうと、設定示唆演出を別の演出に切り替えて実行することが困難となり、演出のバリエーションを増加させ難いという問題があった。
これに対して、本実施形態では、設定示唆演出の演出パターン(設定示唆内容)のみを選択するように構成している。このように構成することで、設定示唆演出が実行される演出に対して、決定された設定示唆演出の演出パターンに応じた演出態様を設定することができるため、例えば、設定示唆演出を実行権利のみを予め獲得可能に構成し、獲得した実行権利を遊技者が任意の演出に対して用いることが可能となる。よって、演出のバリエーションを増加させる場合において、その処理負荷を軽減させることができる。
本実施形態では、設定示唆演出選択テーブル222cにて選択された演出パターンを用いて設定示唆演出が実行されるように構成しているがこれに限ること無く、例えば、設定示唆演出選択テーブル222cにて選択された演出パターンを複数個記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている複数の演出パターンを合算することで新たな演出パターンを生成可能な生成手段と、を設け、その生成手段により生成された演出パターンに基づいた設定示唆演出を実行可能に構成しても良い。
この場合、生成手段により生成される演出パターンは、設定示唆演出選択テーブル222cに規定されている演出パターンよりも設定値を具体的に示唆可能な演出パターンとなるように構成すると良く、例えば、パチンコ機10の設定値として6段階の設定値を設定可能に構成している場合では、設定示唆演出選択テーブル222cには、設定値を最高でも2種類までしか絞ることの出来ない演出パターン(例えば、設定1又は6を示す演出パターン、設定2又は6を示す演出パターン等)を規定し、生成される演出パターンとしては設定値を具体的に報知可能な演出パターン(例えば、設定6等)が生成されるように構成すると良い。このように構成することで、生成手段により新たな演出パターンが生成されることにより、遊技者が設定値を把握し易くなるため、生成手段により新たな演出パターンが生成されることを期待しながら意欲的に遊技(設定示唆演出の実行権利を獲得するための遊技)を行わせることができる。
また、この場合、記憶手段に記憶されている実行権利を用いて、設定示唆演出選択テーブル222cにて選択された演出パターンで設定示唆演出を実行するか否かを遊技者が選択可能に構成しても良い。このように構成することで、設定値を具体的に報知することの出来ない設定示唆演出(分かり難い設定示唆演出)を多く実行させることにより、現在の設定値を複合的に判別するか、設定示唆演出の実行回数を減らすことで設定値を具体的に報知し得る設定示唆演出(分かり易い設定示唆演出)の実行を目指すのかを遊技者に選択させることができる。
さらに、記憶手段に設定示唆演出の実行権利を記憶可能な期間に上限を設けると良く、例えば、記憶手段に記憶されている情報(実行権利)を消去可能な消去手段を設け、消去抽選に当選した場合に消去手段により実行権利を消去したり、記憶されてからの経過期間を判別可能な判別手段を設け、その判別手段により所定の経過期間(例えば、1時間経過や、特別図柄抽選の実行回数が100回の到達)が経過したことを判別した場合に消去手段により実行権利を消去したりするように構成しても良い。このように構成することで、生成手段により新たな演出パターンを生成するか否かの選択に対してゲーム性を持たせることができる。つまり、消去手段により実行権利が消去されてしまう可能性を持たせることで、設定値を具体的に報知し得る設定示唆演出(分かり易い設定示唆演出)を実行させ難くすることができるため、遊技者が何れの設定示唆演出を実行させるかの選択結果に大きな意味を持たせることができる。
図109に示した通り、設定示唆演出選択テーブル222cには、演出パターンA~演出パターンEの5種類の演出パターンが規定されており、設定1が設定されている場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「35~79」の範囲で「演出パターンA」が、「80~94」の範囲で「選出パターンC」が、「95~99」の範囲で「演出パターンD」が選択されるように規定されている。なお、取得した演出カウンタ223gの値が「0~34」の範囲である場合には、設定示唆演出が実行されないように規定している。
また、設定2が設定されている場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「5~49」の範囲で「演出パターンA」が、「50~74」の範囲で「演出パターンB」が、「75~89」の範囲で「演出パターンC」が、「90~99」の範囲で「演出パターンD」が選択されるように規定されている。なお、取得した演出カウンタ223gの値が「0~4」である場合には、設定示唆演出が実行されないように規定している。
さらに、設定3が設定されている場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「0~44」の範囲で「演出パターンA」が、「45~64」の範囲で「演出パターンB」が、「65~84」の範囲で「演出パターンC」が、「85~96」の範囲で「演出パターンD」が、「99~99」の範囲で「演出パターンE」が選択されるように規定されている。
つまり、演出パターンAは、何れの設定値が設定されている場合であっても同一の選択割合(45%)で選択される演出パターン(デフォルト演出パターン)となる。このデフォルト演出パターンに基づく演出が実行された場合には、その演出態様から設定を示唆することが出来ないが、設定示唆演出が実行されたことを把握することはできる。よって、設定示唆演出が実行された回数を判別することにより、例えば、所定期間内における設定示唆演出の実行回数に基づいて設定値を予測したり、設定示唆演出が実行された総回数に対して特定の演出パターンで実行された設定示唆演出の回数を分析することにより設定値を予測したりする際に参考となる情報を提供するものである。
また、演出パターンBは、設定1では選択され得ない演出パターン、即ち、実行された時点で設定1が否定される演出パターンとなる。この演出パターンBは、設定されていない設定値を遊技者に報知するための演出パターンである。つまり、演出パターンBが直接設定値を報知することは無いが、他に実行された設定示唆演出の情報と複合的に組み合わせることにより設定推測を捗らせることが可能な演出パターンとなる。
演出パターンCは、低設定よりも高設定のほうが選択され易い演出パターンではあるが、選択割合の差が少ないため、設定値を予測し難い演出態様となる。演出パターンDは、上述した演出パターンCと同様に、低設定よりも高設定のほうが選択され易い演出パターンであるとともに、上述した演出パターンCよりも選択割合に大きな差が生じるように規定している。つまり、設定パターンCと演出パターンDとは、実行されればされるほどこ高設定に期待が持てる演出となる。
最後に、演出パターンEは、高設定(設定3)が設定されている状態のみ選択可能な演出パターンである。この演出パターンに基づく演出が実行された場合には、最高設定(設定「3)が確定するため、その出現率が他の演出パターンよりも低くなるように構成している。これにより、遊技者に即座に設定値が把握されてしまうという問題を解決することができる。
先読み禁止期間選択テーブル222dは、先読み演出の実行を禁止する期間を選択する際に参照されるデータテーブルであって、主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに基づいて先読み演出の実行条件が成立したと判別した場合に参照される。そして選択された先読み禁止期間とSPタイム期間とが重複すると判別された場合には、先読み演出の実行が禁止される。
この先読み禁止期間選択テーブル222dには、先読み演出の実行対象となる保留図柄(演出対象保留)の保留位置と、先読み演出期間内における大当たり当選の有無と、大当たり当選数とに基づいて異なる禁止期間が規定されている。このように構成することで、先読み演出期間が長くなり易い大当たり当選を含む第1先読み演出と、大当たり当選が含まれないため第1先読み演出よりも先読み演出期間が短くなり易い第2先読み演出とで先読み禁止期間を異ならせることができる。
ここで、従来より、異なる実行契機に基づいて様々な演出を実行させることにより、実行される演出のバリエーションを増加し、演出効果を高めたパチンコ機10がある。このようなパチンコ機10では、複数の演出が異なる契機の成立によって実行されるため、各演出の実行タイミングによっては、複数の演出が重複して実行されてしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。そこで従来型のパチンコ機10では、特定の演出を実行させるための実行契機が成立した場合に、他の演出の実行状況を判別し、その判別結果に基づいて特定の演出の実行の有無を決定することで遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制するものがある。
しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制するために、必要以上に特定の演出の実行を禁止してしまい、演出効果を好適に高めることができないという問題があった。これに対して、本実施形態では、特定の演出の実行契機が成立した場合に、その特定の演出の実行期間を算出し、その算出結果に基づいて他の演出との重複期間を予測し、その予測結果に基づいて特定の演出の実行の有無を決定するように構成している。さらに、特定の演出の実行期間を算出する際に、特定の演出(先読み演出)の演出期間に大きな差を生み出すこととなる要素として、大当たり当選の有無と、演出対象保留と、を含ませるように構成している。
よって、特定の演出(先読み演出)の実行期間を算出する際の精度を高めることができ、従来では特定の演出の実行が禁止されてしまうようなタイミングにおいても特定の演出(先読み演出)を実行させることが可能となり、パチンコ機10の演出効果を好適に高めることができる。
図110(a)を参照して先読み禁止期間選択テーブル222dに規定されている内容について具体的に説明をすると、演出対象保留が「1」で、先読み演出期間中の大当たりが「あり」で、その大当たり数が「1」の場合には禁止期間として「460秒」が、演出対象保留が「1」で、先読み演出期間中の大当たりが「なし」の場合には禁止期間として「110秒」が規定されている。また、演出対象保留が「2」で、先読み演出期間中の大当たりが「あり」で、その大当たり数が「1」の場合には禁止期間として「480秒」が、大当たり数が「2」の場合には禁止期間として「830秒」が規定されており、演出対象保留が「2」で、先読み演出期間中の大当たりが「なし」の場合には禁止期間として「130秒」が規定されている。
さらに、演出対象保留が「3」で、先読み演出期間中の大当たりが「あり」で、その大当たり数が「1」の場合には禁止期間として「500秒」が、大当たり数が「2以上」の場合には無条件で先読み演出の実行を禁止し、演出対象保留が「3」で、先読み演出期間中の大当たりが「なし」の場合には禁止期間として「150秒」が規定されている。そして、演出対象保留が「4」で、先読み演出期間中の大当たりが「あり」で、その大当たり数が「1」の場合には禁止期間として「520秒」が、大当たり数が「2以上」の場合には無条件で先読み演出の実行を禁止し、演出対象保留が「4」で、先読み演出期間中の大当たりが「なし」の場合には禁止期間として「170秒」が規定されている。
つまり、受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて先読み演出の実行契機が成立した場合において、その実行契機が成立した特図保留の保留位置が大きいほど、即ち、先読み演出が実行される先読み演出期間中に実行される特別図柄抽選の回数が多いほど、必然的に先読み演出期間が長くなり易いことから、禁止期間が長く規定されている。より具体的には、先読み演出期間中に実行され得る特別図柄変動の最大変動時間(20秒)が設定された場合であっても問題が無いように禁止期間が規定されている。
さらに、先読み演出期間中に大当たり遊技が実行され得る場合には、即ち、大当たり遊技を挟んで先読み演出が実行される場合には、特別図柄変動期間に加え、大当たり遊技期間も考慮して禁止期間が規定されており、大当たり遊技が実行される場合のほうが、大当たり遊技が実行されない場合よりも長い禁止期間が規定されている。このように、大当たり遊技の実行の有無に応じて、先読み演出の禁止期間の長さを大きく異ならせることができる。また、先読み演出期間内に複数の大当たり当選が含まれている場合には、先読み演出禁止期間とSPタイム期間との重複度合いを判別すること無く、先読み演出の実行が禁止されるように構成している。これにより、先読み禁止期間が長くなり得る状況が発生した場合には、SPタイム期間との重複度合いを判別することなく先読み演出の実行を禁止することが可能となるため音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
なお、本実施形態では、上述した通り、先読み演出の実行契機が成立した場合において、実行され得る先読み演出の最大時間を算出し、その最大時間が経過するまでの間にSPタイム期間が設定される場合において、先読み演出の実行を禁止することにより、先読み演出中にSPタイム期間が設定されてしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制することができる構成を用いているが、これに限ること無く、算出された先読み演出の最大時間を補正する補正処理を実行可能に構成しても良い。つまり、最大時間に基づいて算出された先読み演出の実行期間に対して、実際に実行された先読み演出の演出期間(先読み演出の一部期間)を示す情報に基づいて、先読み演出の最大時間を徐々に補正するように構成しても良い。これにより、実際に実行され得る先読み演出の最大時間の算出精度を高めることができるため、他の演出に重複すること無く、先読み演出を実行させることが可能な期間を特定し易くすることができる。
保留上限値演出選択テーブル222eは、保留図柄の記憶数が上限数(8個)に到達した場合に実行される保留上限時演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、保留記憶されている保留図柄内に大当たり当選する保留図柄(当たり保留)が存在しているか否か、また、当たり保留の存在数と、取得した演出カウンタ223gの値とに基づいて、異なる演出パターン(演出態様)が規定されている。
具体的には、当たり保留がある場合で、その当たり保留の個数が1個の場合は、取得した演出カウンタ223gの値が「0~44」の範囲にて、「上限報知」の演出パターンが、「45~69」の範囲にて、「チャンス告知」の演出パターンが、「70~99」の範囲にて、「魚群祭り」の演出パターンが、それぞれ規定されている。また、当たり保留がある場合で、その当たり保留の個数が2個の場合は、取得した演出カウンタ223gの値が「0~39」の範囲にて、「チャンス告知」の演出パターンが、「40~99」の範囲にて、「魚群祭り」の演出パターンが、それぞれ規定されている。さらに、当たり保留がある場合で、その当たり保留の個数が3個以上の場合は、取得した演出カウンタ223gの値が「0~99」の範囲にて、「魚群祭り」の演出パターンが、それぞれ規定されている。
一方、当たり保留が無い場合は、取得した演出カウンタ223gの値が「0~64」の範囲にて、「上限報知」の演出パターンが、「65~99」の範囲にて、「チャンス告知」の演出パターンが、それぞれ規定されている。
演出実行数選択テーブル222fは、特化モードに突入した際に、その特化モード期間中に実行される設定示唆演出の個数(演出実行数)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、特化モード突入時における特化モード残期間(特図残変動時間)の長さと、設定値と、取得した演出カウンタ223gの値とに基づいて様々な数が規定されている。
ここで、図111を参照して演出実行数選択テーブル222fに規定されている内容について詳細な説明をする。図111は、演出実行数選択テーブル222fに規定されている内容を模式的に示した図である。図111に示した通り、演出実行数選択テーブル222fには、設定値と、特化モードの残期間と、取得した演出カウンタ223gの値とに基づいて、演出実行数として異なる数が規定されている。
ミッション選択テーブル222gは、SPタイム期間中に実行されるミッション内容を決定する際に参照されるデータテーブルであって、設定値と取得した演出カウンタ223gの値とに応じて異なるミッション(演出パターン)が規定されている。つまり、SPタイム期間中に実行されるミッションの内容によって、遊技者に設定値を予測させることが可能となる。さらに、本実施形態では選択されたミッションの内容を達成した場合にも、設定値を示唆するための設定示唆演出を実行するように構成している。
よって、一連の演出(ミッション演出)において、複数のタイミング、即ち、ミッション内容が表示された時点と、そのミッションを達成した時点で設定示唆演出を実行することが可能となる。
ここで、図112を参照してミッション選択テーブル222gの内容について詳細な説明をする。図112は、ミッション選択テーブル222gに規定されている内容を模式的に示した図である。図112に示した通り、ミッション選択テーブル222gには、設定値と、取得した演出カウンタ223gの値とに応じて4種類の演出パターン(ミッション内容)が規定されている。そして、規定されている4種類のミッション内容は、設定値に応じて選択率を異ならせると共に、ミッションの達成難易度が異なる内容が規定されている。
昇格ポイント選択テーブル222hは、大当たり遊技中演出におけるラウンド演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、図113に示した通り、大当たり種別と、表示獲得球数と、ラウンド数とに対応させて異なるポイント数(付与ポイント数)が規定されている。ここで付与されたポイント数に基づいて、後述する昇格演出選択テーブル222iを参照することでラウンド演出中におけるラウンド演出の演出態様が決定される(図114参照)。
昇格演出選択テーブル222iは、昇格ポイント選択テーブル222hを参照して獲得した付与ポイント数と演出カウンタ223gの値とに基づいて、実行される昇格演出の演出内容を決定する際に参照されるデータテーブルであって、付与ポイント数の合算値(合算ポイント)が大きいほど、遊技者にとって付与される特典量が大きな演出内容で昇格演出が実行されるように構成している(図114参照)。
また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、図107(b)に示すように、特別図柄1保留球数カウンタ223a、特別図柄2保留球数カウンタ223b、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、入賞情報格納エリア223f、演出カウンタ223g、演出状態記憶エリア223h、設定値格納エリア223i、設定変更中フラグ223j、実行済設定示唆演出記憶エリア223k、獲得球数格納エリア223n、期間演出中フラグ223p、ミッション情報記憶エリア223q、時刻情報記憶エリア223r、操作無効タイマ223s、連続予告実行フラグ223t、連続予告カウンタ223u、背景モード記憶エリア223v、特化モード中フラグ223w、ラウンド数カウンタ223x、キャラ表示フラグ223y、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
特別図柄1保留球数カウンタ223aは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動表示であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタで、入賞情報コマンドを受信した場合や、変動パターンコマンドを受信した場合といった保留球数が増減するタイミングに合わせて更新する。
特別図柄2保留球数カウンタ223bは、特別図柄1保留球数カウンタ223aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第2特別図柄の変動表示であって、主制御装置110において保留されている第2特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタで、入賞情報コマンドを受信した場合や、変動パターンコマンドを受信した場合といった保留球数が増減するタイミングに合わせて更新する。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dや特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223a、および特別図柄2保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、始動入賞を検出して変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bのうち、コマンドに対応するカウンタに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223a、および特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223a、および特別図柄2保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更され、特別図柄2保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される第1特別図柄の変動パターンコマンド、または第2特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理のコマンド出力処理の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される特別図柄の停止種別コマンドを受信した場合にそれぞれオンされ、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
入賞情報格納エリア223fは、1つの実行エリアと、第1特別図柄に対応する4つのエリア(第1エリア~第4エリア)と、第2特別図柄に対応する4つのエリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において第1入球口64、または第2入球口640に対する始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、及び変動種別カウンタCS1の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223fに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、入球を検出した入球口の種別(第1入球口64、または第2入球口640)に対応する4つのエリア(第1エリア~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
なお、本第1実施形態では、主制御装置110において、始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)に基づいて入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、始動入賞が発生した場合に、その始動入賞に対応して予測された各種情報に、既に、特別図柄1保留球格納エリア203a或いは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されている各種情報を加えて入賞情報コマンドを設定する設定手段と、入賞情報コマンドを受信した場合に、既に、入賞情報格納エリア223fに格納されている各種情報(入賞情報)と、受信した入賞情報コマンドに含まれる各種情報(入賞情報)とが合致するかを判別する判別手段とを設ける構成としてもよい。これにより、入賞情報格納エリア223fに格納されている各種情報(入賞情報)が適切に格納されているかを判別することが可能となる。
また、本第1実施形態では、新たな始動入賞が発生した場合に入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知するタイミングは、上述したタイミング(入賞情報コマンドを設定したタイミング)に限定されるものでは無く、例えば、入賞情報コマンドを一時的に記憶する記憶手段を設け、始動入賞したタイミングに加え、定期的(例えば、5秒間隔)、遊技条件可変時(例えば、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した場合や、大当たり遊技が開始又は終了した場合等)、または、特別図柄の変動開始(又は停止)時に、記憶手段に記憶されている入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いても良い。このように構成することで、入賞情報格納エリア223fに格納されている入賞情報を用いた演出(所謂、先読み演出)を適切に実行することができる。
本実施形態では、入賞情報格納エリア223fに格納された各入賞情報に基づいて、先読み演出として、保留図柄の表示色の変更等の演出態様の設定等が実行される。このように、入賞情報格納エリア223fに格納された各入賞情報に基づいて各種演出(先読み演出)を実行することで、変動表示が開始されるよりも前から各保留球に対して遊技者に大当たりとなる期待感を抱かせることができる。また、複数回の変動表示期間を用いた長期間の演出を実行することも可能となる。
演出カウンタ223gは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタであって、0から98の範囲で繰り返し更新される。なお、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。
なお、本実施形態では、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタを総称して演出カウンタ223gと称しているが、この演出カウンタ223gは、複数のカウンタで構成されており、各カウンタは音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理によって、定期的にその値が更新されるように構成しているが、更新後の値が重複しないように、各カウンタの更新内容が同期しないように構成している。つまり、同一条件で値の更新が実行されるが、その更新後の値に関連性が発生しない複数のカウンタによって構成されている。そして、各種演出の態様を選択する際に、異なるカウンタの値を参照するように構成している。このように構成することで、同一の処理内で複数の演出態様を決定する場合において、同一のカウンタ値に基づいて複数の演出の演出態様が決定されてしまい、演出のバリエーションが少なくなることを抑制することができる。
本実施形態では、演出カウンタ223gが複数のカウンタを設けた構成としているが、これに限ること無く、例えば、取得した演出カウンタ223gの値に対して所定の演算処理を実行し、その演算結果に基づいて、各種演出の態様を選択するように構成しても良く、この場合、演出カウンタ223gの値を読み出す場合に所定の演算処理を実行するように構成すれば良い。このように構成することで、演出カウンタ223gが有する同一のカウンタの値に基づいて複数の演出の演出態様を選択する場合であっても、演出のバリエーションが少なくなることを抑制することができる。
演出状態記憶エリア223hは、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理によって決定された演出状態(演出内容)を一時的に記憶するための記憶領域であって、各種制御処理によって決定された内容(情報)が記憶される。そして、演出状態記憶エリア223hに記憶されている情報を読み出すことにより、決定された演出状態に対応した演出態様が設定される。
この演出状態記憶エリア223hに演出状態(演出内容)を記憶させることにより、演出状態(演出内容)を決定するタイミングと、演出態様を設定するタイミングとが異なる場合であっても、決定された演出状態(演出内容)に対応する演出態様を確実に設定することができる。
設定値格納エリア223iは、主制御装置110から出力される設定値に関する情報を受信した場合に、その情報に基づいた設定値を格納するための記憶領域である。具体的には、主制御装置110の立ち上げ処理(図135参照)にて設定値に関する情報を含む状態コマンドが設定され(図135のS913参照)、その状態コマンドを受信した場合に、受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて設定値を特定し、特定した設定値を示す情報が設定値格納エリア223iに格納される。
そして、設定値格納エリア223iに格納された情報が、設定示唆演出の演出態様を決定する際に参照される。詳細な説明は後述するが、本実施形態では、設定値を変更するための設定変更操作を実行する場合に、必ずパチンコ機10の電源を投入する動作を必要とするように構成し、且つ、設定変更操作が完了した後に、設定値に関する情報を含む状態コマンドが設定されるように構成している。さらに、パチンコ機10に電源が投入される毎に(主制御装置110の立ち上げ処理(図135参照)が実行される毎に)、設定値に関する情報を含む状態コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力されるように構成している。このように構成することで、電源投入時という限定されたタイミングでのみ設定値に関する情報を主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力するように構成したとしても、音声ランプ制御装置113側で現在の設定値を確実に把握させることができる。
また、設定値に関する情報が出力される機会を最小限に抑えることにより、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。さらに、本実施形態では、パチンコ機10に設定される設定値を示す信号を直接外部に出力するのでは無く、設定値に関する情報を出力するように構成しているため、万が一、不正に取得されたとしても、その情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。加えて、本実施形態では、遊技状態を示すための状態コマンドの一部(例えば、状態コマンドを生成するための8ビットのうち空きビットとなり易い上位ビット)を用いて設定値に関する情報を設定するように構成しているため、設定値に関する情報を単独で出力する場合よりも、出力された情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。
さらに、設置値を示す値では無く、設定値を示すための情報を、設定値格納エリア223iに格納するように構成しているため、設定値格納エリア223iに格納されている情報を不正に取得された場合であっても、出力された情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を格納するための記憶領域として設定値格納エリア223iという専用の記憶領域を設けているが、これに限ること無く、他の記憶エリアの一部(空き領域)を用いて設定値を示すための情報を記憶するように構成し、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)が格納されている記憶領域を示すアドレスを特定の領域に記憶させるように構成しても良く、この場合、定期的、或いは不規則に設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を記憶する領域を変更させるように構成すると良い。
また、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を記憶する記憶領域の仕様に対応させて予め定められた規則に従って設定値に関する情報を加工するように構成すると良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のRAM223に記憶されている情報に基づいて設定値を不正に取得されてしまう事態が発生し難くすることができる。
設定変更中フラグ223jは、現在が設定変更中であることを示すためのフラグであって、設定変更中であることを示す変更中コマンドが主制御装置110から出力された場合に、オンに設定される(図142のS2073参照)。そして、待機処理(図142のS2012参照)において参照され(図142のS2071参照)、設定変更が完了したことを示す変更完了コマンドを受信したと判別した場合にオフに設定される(図142のS2077参照)。
この設定変更中フラグ223jを設けることにより、主制御装置110にて実行される設定変更操作の操作状況を音声ランプ制御装置113側で把握することが可能となるため、設定変更操作が完了するまでの間実行される待機処理(図142のS2012参照)の処理を設定変更操作の操作状況に応じて切り替えることができる。よって、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
実行済設定示唆演出記憶エリア223kは、大当たり遊技中に実行された設定示唆演出の内容を一時的に記憶するための記憶領域であって、ラウンド演出の一部として設定示唆演出が設定された場合に、その演出態様(演出内容)を示す情報が記憶される。そして、大当たり遊技のエンディング期間にて実行される終了画面演出の演出態様を選択する際に記憶されている情報が参照される。本実施形態では、大当たり遊技中に実行される設定示唆演出によって遊技者に付与される情報を均等にするために、大当たり遊技中に実行された設定示唆演出の内容に基づいて、終了画面演出にて実行される設定示唆演出の内容を決定するように構成している。このように構成することで、1回の大当たり遊技にて遊技者に提供される設定示唆演出の演出量(設定値を予測するための情報量)を調整することができ、1回の大当たり遊技にて設定示唆演出が全く実行されず、遊技者の遊技意欲が低下してしまったり、1回の大当たり遊技にて過剰に設定示唆演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
そして、終了画面演出の演出態様を決定した後に、実行済設定示唆演出記憶エリア223kに記憶されている情報がクリアされる。
獲得球数格納エリア223nは、払い出された賞球を累積記憶するための記憶領域であって、主制御装置110から賞球数を示す情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合に、そのコマンドに含まれる情報に基づいて賞球数が累積記憶される。この獲得球数格納エリア223nには、時短状態、確変状態、大当たり遊技中といった遊技者に有利な有利期間中に払い出された賞球の数が累積記憶される。そして、有利期間が終了した場合、即ち、遊技状態が通常状態へと移行した場合に記憶されている情報がクリアされる。
この獲得球数格納エリア223nに格納されている情報は、有利期間中に遊技者に払い出された球数を報知するための獲得球数表示の態様を更新する際に参照される。なお、本実施形態では有利期間が終了した場合に獲得球数格納エリア223nに記憶されている情報がクリアされるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、有利期間が終了した後、所定条件(特別図柄抽選が10回実行された場合に成立する条件)が成立したことに基づいて情報をクリアするように構成しても良い。このように構成することで、1回の有利期間が終了した直後に再度有利期間が設定された場合には、前回の有利期間中に獲得した賞球数を引き継いだ内容で獲得球数を表示(引き戻し表示)することが可能となる。よって、獲得数表示として多くの球数を表示させたい遊技者に対して、有利期間が終了した後でも次の大当たり遊技を目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
期間演出中フラグ223pは、SPタイム演出が実行されていることを示すためのフラグであって、計時装置292にて計時される時刻情報に基づいて算出される経過時間TがSPタイム期間となった場合にオンに設定される。そして、経過時間がSPタイム期間を経過した場合であって、SPタイム演出の終了条件が成立した場合にオフに設定される。
この期間演出中フラグ223pがオンに設定されている場合には、変動演出の演出態様を設定する際に、期間演出(SPタイム演出)専用の演出態様が設定されたり、第3図柄表示装置81の表示面に表示される背景画像が専用の背景画像となる。
ミッション情報記憶エリア223qは、SPタイム演出として実行されるミッション演出の演出態様(ミッション内容)及び、ミッションの到達度合いを記憶するための記録領域であって、SPタイム演出が実行される場合にミッション選択テーブル222gを参照して決定された演出内容を記憶される。そして、SPタイム期間中に特別図柄抽選が実行される毎に(変動演出が実行される毎に)更新されるミッションの到達度合いを示すための情報が更新記憶される。
時刻情報記憶エリア223rは、パチンコ機10への電源を投入した際に、計時装置292の時刻情報(計時情報)が格納される領域である。MPU221により実行される立ち上げ処理の時刻取得処理(図141のS2011参照)の中で、計時装置292より取得した現在の時刻情報(計時情報)が格納される。格納された計時情報は、MPU221により実行されるメイン処理の経過時間確認処理(図158のS2111参照)の中で、電源投入からの経過時間Tを算出し、通常演出期間であるかSP期間(SPタイム期間)であるかを判別するために用いられる(図158のS3604参照)。なお、RAM223に記憶された内容はバックアップされないため、パチンコ機10の電源供給が断された電断状態となった場合、時刻情報格納エリア223fに格納された計時情報はクリアされる。
本実施形態のパチンコ機10では、立ち上げ処理の際に計時装置292より取得され、時刻情報記憶エリア223rに格納された時刻情報に基づいて演出期間の種別を判断するので、ホールの複数のパチンコ機10において、立ち上げ処理が行われるタイミングを合わせておけば、各パチンコ機10の時刻情報記憶エリア223rに時刻情報が格納されるタイミングも合わせることができる。時刻情報記憶エリア223rに時刻情報が格納されるタイミングが合っていれば、各パチンコ機10において経過時間確認処理(S2111)の中で算出される経過時間Tも合わせることができるので、その経過時間Tに基づいて通常演出期間からSPタイム期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間からSPタイム期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。これにより、ホールの関係者は、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源投入をしておくだけで、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができる。よって、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10はSPタイム期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。なお、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源を投入する方法としては、例えば、複数のパチンコ機10で構成される島を設けておき、島単位で電源を投入することのできる外部電源を設けておけばよい。
また、本実施形態では、計時装置292の時刻情報から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理(S2111)の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、各パチンコ機10の計時装置292の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、その互いにずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間からSPタイム期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいてSPタイム期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10はSPタイム期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
操作無効タイマ223sは、枠ボタン22への操作を有効に判別しない期間を設定するためのカウンタであって、操作無効タイマ223sに値がセットされている期間は枠ボタン22への操作が有効に判別されない(無効になる)。この操作無効タイマ223sは、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理の終了タイミングが第3図柄表示装置81のブート処理の終了タイミングよりも早い場合に所定期間(5秒)を示す値がセットされる。
このように構成することで、ブート処理が完了していない状態、即ち、第3図柄表示装置81の表示面に必要な情報を表示することができない状態において枠ボタン22への操作を有効に判別してしまい、音声ランプ制御装置113側で特定した枠ボタン22への操作結果と、表示制御装置114側(第3図柄表示装置81側)で特定した枠ボタン22への操作結果とが相違してしまうことを抑制することができる。
連続予告実行フラグ223tは、先読み演出が実行されていることを示すためのフラグであって、先読み演出が実行される場合にオンに設定される。そして、先読み演出の対象となる特別図柄変動が実行されることでオフに設定される。
その他メモリエリア223zは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理における各種データ、フラグ、カウンタ等が設定または記憶される領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図144参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図117を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図83参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図134参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図83参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
計時装置292は、主制御装置110に接続され、現在時刻を計時することができるリアルタイムクロック(RTC)を有して構成されている。ここで、計時装置292の構成について、図115及び図116を参照して説明をする。図115は、計時装置292の電気的構成を示すブロック図である。計時装置292は、入出力ポート350と、装置制御部351と、レジスタ352とを有している。また、計時装置292には、計時装置用電源293が接続されている。この計時装置用電源293は、パチンコ機10の電源とは異なる計時装置292専用の電源であり、パチンコ機10の電源が断された電断状態でも計時装置292に電力を供給することができる。この計時装置用電源293には、ボタン型電池が用いられている。
計時装置292の装置制御部351には、入出力ポート350と、レジスタ352とが接続されている。入出力ポート350は音声ランプ制御装置113と相互通信可能に接続されている。装置制御部351は、レジスタ352を利用(制御)して、現在時刻の計時や設定時刻でのアラームの実行など各種の制御を行う。ここで、レジスタ352は、図116に示すように、複数のレジスタからなるレジスタテーブルを有している。このレジスタテーブルには、計時レジスタ352aと、投入時刻格納エリア352bとが含まれている。即ち、図115に示す通り、計時装置292のレジスタ352には、計時レジスタ352aと、投入時刻格納エリア352bとが少なくとも設けられている。
計時レジスタ352aは、現在時刻を計時するためのレジスタであり、1秒毎にレジスタ値が更新される。また、投入時刻格納エリア352bは、計時情報等の様々な情報を書き込むことができ、記憶された情報を上書きすることができる記憶領域である。投入時刻格納エリア352bには、MPU221により実行されるメイン処理の中で、電源断の発生情報があった場合にRAM203の時刻情報格納エリア223baに格納された計時情報が書き込まれるエリアである。
ここで、図116を参照して、レジスタ352の有するレジスタテーブルについて詳細に説明する。図116は、レジスタ352のレジスタテーブルの一部を模式的に表した図である。図116に示す通り、レジスタ352は、レジスタテーブルの0H~EHの15のアドレスのそれぞれに最大8ビットのデータを保持することができる。これらのアドレスのうち、アドレス0H~6Hが計時レジスタ352aに相当し、各アドレスは、秒、分、時間、曜日、日、月、年をそれぞれ表している。
計時レジスタ352bの詳細について、秒を表すアドレス0Hを例に取って説明する。アドレス0Hのbit7はL固定の書き換え不能なbitとなっており、bit0~bit6を用いて現在の秒数が表現される。なお、図116のbit7に付された”○”との記号は、書き換え不能なbitであることを示す記号であり、他のアドレスにおいても同一の意味を示すものである。また、bit0~bit6は、それぞれ1秒、2秒、4秒、8秒、10秒、20秒、40秒に対応しており、各bitがHかLかによって現在時刻の秒数がいくつであるかが示される。
例えば、現在時刻の秒数が5秒である場合は、1秒を表すbit0と、4秒を表すbit2とが共にHとなり、bit1,3,4,5,6は全てLとなる。これにより、Hのbitにより表される秒数の和である5秒が現在時刻の秒数であると表現することができる。また、現在時刻の秒数が29秒である場合は、1秒を表すbit0と、8秒を表すbit3と、20秒を表すbit5とがHとなり、bit1,2,4,6は全てLとなる。これにより、Hのbitにより表される秒数の和である29秒が現在時刻の秒数であると表現することができる。
分を表すアドレス1H、時間を表すアドレス2H、日を表すアドレス4H、月を表すアドレス5H、年を表すアドレス6Hに関しても、秒を表すアドレス0Hと同様に、Hとなっているbitに対応した数値の総和によって現在時刻が表現される。なお、年を表すアドレス6Hに関しては、西暦の下2桁を表しており、西暦の上2桁は20固定となっている。つまり、年を表すアドレス6Hでは、2000年~2099年の間のみを表現することができる。
また、曜日を表すアドレス3Hに関しては、bit0~bit6が、それぞれ日曜日、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日に対応しており、いずれか1つのbitがHとなり、その他のbitがLとなることで特定の曜日を表現することができる。例えば、現在が水曜日であれば、bit3がHとなり、bit0,1,2,4,5,6,はLとなる。
アドレス7H~9Hは投入時刻格納エリア352bに相当し、最大3バイトのデータを格納することができる。投入時刻格納エリア352bには、秒を格納するレジスタ(アドレス7Hに対応)、分を格納するレジスタ(アドレス8Hに対応)、時間を格納するレジスタ(アドレス9Hに対応)がそれぞれ1バイトずつ割り当てられている。また、各bitと秒、分、時間との対応関係は、アドレス0H~2Hと同様の対応関係となっている。
即ち、秒を格納するレジスタのbit0~bit6は、それぞれ1秒、2秒、4秒、8秒、10秒、20秒、40秒に対応しており、分を格納するレジスタのbit0~bit6は、それぞれ1分、2分、4分、8分、10分、20分、40分に対応しており、時間を格納するレジスタのbit0~bit5は、それぞれ1時間、2時間、4時間、3時間、10時間、20時間に対応している。なお、図116に置いては、全てのbitに”●”との記号が付されているが、これは情報の書き換え及び読み出しが可能なbitであることを示す記号であり、他のアドレスにおいても同一の意味を示すものである。
計時レジスタ352aおよび投入時刻格納エリア352bの各bitと秒数や分数等との対応関係は本実施形態の形態に限られるものではない。例えば、各bitの数値に2のべき乗を対応付けても良い。また、本実施形態では、投入時刻格納エリア352bを3バイトで構成しているが、例えば記憶する時間の情報として、時間と分の値のみを格納することによりバイト数を減らしても良い。また、秒、分、時間に加えてミリ秒が格納可能なレジスタを加えることでバイト数を増やしても良い。更に、計時情報を投入時刻格納エリア352bに記憶させるのではなく、計時装置292の外部にRAM等の記憶手段を設けるようにしても良い。この場合、記憶手段への電源供給を計時装置用電源293により行うよう構成しても良いし、記憶手段専用の電源を別個に設けても良い。
アドレスAH~CHは設定した時刻にアラーム信号を出力させるために用いられるレジスタであり、アドレスDH,EHは設定した周期毎に割込信号を出力させることができるレジスタである。なお、アラーム機能や割込機能を使用しない場合は、アドレス7H~9Hの代わりにアドレスAH~EHを投入時刻格納エリア352bとして使用することもできる。この場合、アドレス7H~9Hの3バイトを削減することができるので、レジスタが少なくて済むため、計時装置262の低価格化を図ることができる。
なお、図116にはアドレス0H~EHに割り当てられたレジスタのみが記載されているが、これらの他に、0H~EH以外のアドレスが割り当てられたレジスタが設けられており、例えば、アラーム機能や割込機能等の設定を変更するためのレジスタ等が設けられている。
<第1実施形態における表示制御装置114の電気的構成について>
次に、図117を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図117は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート262と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート262が接続されている。また、出力ポート262の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図161のS6001参照)の終了後に実行される初期化処理(図160のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図123参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図162(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図160参照)。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像(図118参照)を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は、それを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合はそれを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」、「×」を示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図117に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図120を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図120は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図120(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図120(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図120に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A,Bに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別の変更が決定され、ステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図120(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「砂浜ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「砂浜ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「深海ステージ」に対応する背面Bは、図120(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図120(a)~(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図120(a)~(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図117参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図117に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図85参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64または右第2入球口640rまたは第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」、「女の子」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背景モード記憶エリア233k、実行演出記憶エリア233l、設定値記憶エリア233m、表示更新フラグ233n、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233xを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入球口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されている主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図121を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図121は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。
MPU231は、この背面種別によって、背景モードに対応した背景(海中、浜辺、準備期間の背景、時間演出専用の背景)のいずれかを表示させることが特定される場合は、背景のうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図121の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図123参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図122を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図122は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図122のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図122のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図122の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図123参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図123の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図118に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図160参照)の中でオンに設定される(図160のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図172(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図162(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図162(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図162(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図163~図168参照)および表示設定処理(図169~図171参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図172(a)のS6305参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図172(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図173参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図123参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図123参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図123参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図169のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図171のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図123参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図123を参照して、描画リストの詳細について説明する。図123は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図123に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図162(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図169のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図160のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図173参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図173のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図173のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図174のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図162(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図174のS7802参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図168(a)のS7001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図173のS7709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図173のS7710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図168(a)のS7002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
次に、図119を参照して、パチンコ機10の設定値を変更するための設定変更操作を実行している場合の第3図柄表示装置81の表示画面の表示内容について説明をする。本実施形態では、上述した通り、特別図柄抽選による大当たり当選確率を異ならせた複数の設定値の中から1の設定値を設定可能に構成しており、パチンコ機10に対して特定の操作(設定キー110bの回動操作)を実行した状態で電源を投入することで、主制御装置110の立ち上げ処理中に設定値を変更するための設定変更操作を実行可能に構成している。
パチンコ機10に対して電源が供給されると、電源装置115(図99参照)から、各種制御装置へと電力が供給され、各制御装置にて立ち上げ処理が実行されるように構成している。ここで従来型のパチンコ機10、即ち、電源投入時に設定変更操作が実行されることの無いパチンコ機10では、各制御装置の立ち上げ処理中に操作者の操作に基づく処理(設定変更操作を実行する処理)が実行されることが無いため、各制御装置の立ち上げ処理が正常に実行された場合には、その所要時間が略一定となる。よって、各制御装置の立ち上がり順序(立ち上がり処理が終了する順序)を規定することができるため、その規定された順序に沿った処理を実行するだけでよかったが、本実施形態では、主制御装置110の立ち上げ処理中に設定変更操作を実行可能としているため、その設定変更操作に要する期間によって、主制御装置110の立ち上げ処理のほうが、表示制御装置114の立ち上げ処理(第3図柄表示装置81のブート処理)よりも先に終了する場合と、後に終了する場合と、が発生し得る。
そこで、本実施形態では、表示制御装置114によるブート処理が終了した時点における他の制御装置の処理状況に応じて異なる表示画面を表示可能に構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面を視認することにより、現状の処理状況を分かりやすく報知することができる。
図119(a)は、表示制御装置114のブート処理が実行されている場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図119(b)は、表示制御装置114のブート処理が完了した状態であって、設定変更操作の実行中である場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図119(c)は、表示制御装置114のブート処理が完了した状態であって、設定変更操作は終了したが主制御装置110の立ち上げ処理が実行されている場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図119(d)は、表示制御装置114のブート処理が完了した状態であって、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が完了している場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図119(a)に示した通り、表示制御装置114によるブート処理が実行されると、第3図柄表示装置81の表示領域全面に対して、カラーバーが表示される表示画像が表示されるこの、カラーバーは、液晶ディスプレイに表示される色調を正しく調整するために表示されるものであって、例えば、白、黄、シアン、マゼンタ、赤、青、黒の順、即ち、輝度の高い順に並び、RGB3原色とその補色で構成されるSMPTEカラーバー等が表示される。
そして、表示画面に表示された表示内容は、伝送系の直線性やカラー信号周波数帯域の振幅、位相特性のチェックに用いられる。これにより、表示制御装置114のブート処理を適正に実行することができる。尚、図119(a)に示した例では、テスト用のカラーバーを静止画像で表示しているが、これに限ること無く定期的にカラーバーの表示位置が切り替わる動画像を表示するように構成しても良い。このように構成することで、作業者が第3図柄表示装置81の表示画面を視認することで定期的に切り替わる画像情報が正常に表示されているか(フリーズしてないか)を容易に把握することができる。
そして、表示制御装置114がブート処理を終えると、ブート処理を終えたことを示すためのコマンド(ブート完了コマンド)を音声ランプ制御装置113へと出力する。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から出力される設定変更中であることを示すためのコマンドや、設定変更完了を示すためのコマンドを受信することで現在の設定変更状況を判別し、表示制御装置114から出力されたブート完了コマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面に表示させる表示画像を示すための情報を決定する。
なお、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が完了していない状態では、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと表示画像を示すための情報(表示用コマンド)を出力することができない状態であるため、表示制御装置114のブート処理が完了した後、音声ランプ制御装置113から何れの表示用コマンドも受信していない場合は、図119(b)に示した画像が表示される。つまり、表示制御装置114には、ブート処理完了後に第3図柄表示装置81の表示面に表示させる初期表示画像として「設定変更中」の文字が付された初期表示画像データが記憶されており、ブート処理が完了したと判別した後に、音声ランプ制御装置113から表示用コマンドを受信しているか判別する。そして、表示用コマンドを受信していないと判別した場合は、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が完了していない場合であるため、図119(b)に示した通り、「設定変更中」の文字が付された初期表示画像データが表示される。
ここで、例えば、パチンコ機10の電源投入時に設定変更操作を実行しない場合は、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113では、各MPUによって各RAMの初期化処理や、各ROMに記憶されている情報に基づく初期制御処理を実行するための立ち上げ処理が実行されることになるが、この初期制御処理を実行する際に費やす時間は、表示制御装置114のブート処理、つまり、液晶ディスプレイで構成されている第3図柄表示装置81を起動させるための処理に費やす時間よりも遙かに短い時間となる。
よって、表示制御装置114にてブート処理が完了した時点で音声ランプ制御装置113から表示用コマンド(初期設定中(立ち上げ処理中)を示す表示用コマンドや、初期設定完了(立ち上げ処理完了)を示す表示用コマンド)が出力されていない場合は、設定変更操作が実行されている場合となる。そこで、本実施形態では、図119(b)に示した表示画像が初期表示画像となるように構成している。
このように構成することで、表示制御装置114にてブート処理が完了した時点で音声ランプ制御装置113から表示用コマンドが出力されていない場合において、現在の状況を示すための報知態様を表示することができる。
また、表示制御装置114にてブート処理が完了した時点で音声ランプ制御装置113から設定変更が完了したことを示す表示用コマンドが出力された場合には、図119(c)に示す表示画像が表示され、表示制御装置114にてブート処理が完了した時点で音声ランプ制御装置113から初期設定が完了したことを示す表示用コマンドが出力された場合は、図119(d)に示した正常の待機画面(デモ画面)が表示される。
<主制御装置110の制御処理について>
次に、図124から図139のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図124は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、普通当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、普通当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図125~図130を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図131および図133を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ290により検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図125を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図125は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図124参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判別する(S201)。ここでは、大当たり中フラグ203nがオンであるか判別され、オンであれば、大当たり中であると判別される。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)と特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を取得する(S203)。各カウンタの値を取得した後、変動実行判定処理を実行する(S204)。尚、変動実行判定処理の詳細は図126を参照して、後述するが、この変動実行判定処理(S204)では、次に変動する順序となる特別図柄が判別される処理が実行される。
次に、変動実行判定処理(S204)で判定された次の変動順序が特図1(第1特別図柄)であるか判断し(S205)、特図1(第1特別図柄)での変動実行であれば、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S206)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S207)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図138参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223aに格納する。
S207の処理により、保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S208)。S208の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留エリア1~保留エリア4に格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第一図柄表示装置にて変動表示を開始するための特別図柄1変動開始処理を実行する(S209)。尚、特別図柄1変動開始処理(S209)については、図127を参照して後述する。特別図柄1変動開始処理(S209)では、第1特別図柄の変動を開始する上で必要な変動パターン(変動期間)の選択等の処理が実行される。
S205の処理で、変動実行判定処理(S204)において判別された次の変動順序が特図1での変動実行ではないと判別された場合には(S205:No)、特図2(第2特別図柄)での変動実行か否か判別する(S210)。尚、特図2の変動実行でなければ(S210:No)、即ち、第1特別図柄、第2特別図柄共に保留球が記憶されていない状態であるので、本処理は終了する。一方、特図2での変動実行であれば(S210:Yes)、特別図柄2の保留球について、上述した特別図柄1の保留球についての処理と同様の処理を行う。
具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)の値を1減算し(S211)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を示す保留球数コマンドを設定する(S212)。ここで設定された保留球数コマンドにより、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図138参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223bに格納する。
S212の処理により、保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S213)。S213の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留エリア1~保留エリア4に格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第一図柄表示装置にて変動表示を開始するための特別図柄2変動開始処理を実行する(S214)。尚、特別図柄2変動開始処理については、図128を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S215)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S215:No)、第1図柄表示装置の表示を更新し(S216)、本処理を終了する。
一方、S215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S215:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S217)。停止図柄の設定は、図127を参照して後述する特別図柄1変動開始処理(S209)または、図128を参照して後述する特別図柄2変動開始処理(S214)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとに共通して設けられた実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、第1特別図柄および第2特別図柄の大当たりである場合には、特別当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1、大当たりE1となるかが決定される。
尚、本実施形態では、抽選結果に基づいて、第1図柄表示装置37で点灯させるLEDの色を異ならせるよう構成している。例えば、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。大当たりCになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S218:Yes)、大当たりの開始を設定し(S219)、確変フラグ203mをオフにし、時短中カウンタ203jおよび変動回数カウンタ203iの値を0に設定する(S220)。その後、大当たり中フラグ203nをオンに設定し(S221)、停止コマンドを設定し(S225)、本処理を終了する。即ち、大当たり遊技中には、低確率の遊技状態が設定されて、電サポ遊技状態(時短遊技状態)も解除されて非電サポ遊技状態が設定される。
一方、S218の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S218:No)、時短中カウンタ203jの値が1以上であるかを判別し(S222)、時短中カウンタ203jの値が1以上であれば(S222:Yes)、時短中カウンタ203jの値を1減算して(S223)、変動回数カウンタ203iの値を1加算する(S224)。次に、上述したS225の処理を実行し、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203jの値が0であれば(S222:No)、S223の処理をスキップして、S225の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図126を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動実行判定処理(S204)について説明する。図126は変動実行判定処理(S204)を示したフローチャートである。この変動実行判定処理(S204)は、タイマ割込処理(図124参照)の特別図柄変動処理(図125参照)の中で実行される処理であり、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの、どちらの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて実行するかを判定するための処理である。
変動実行判定処理(S204)では、まず、変動実行フラグ203kをオフ(値として「0」)に設定することで、初期化を行い(S241)、RAM203内に格納された変動順格納エリア203pのデータを取得する(S242)。次に、変動順格納エリア203pのデータをシフトする(S243)。次に、実行エリアのデータは特図1であるか否かを判別する(S244)。実行エリアのデータが特図1であれば(S244:Yes)、変動実行フラグ203kを特図1で変動実行に設定し(S245)、本処理を終了する。
一方、S244の処理において、実行エリアのデータが特図1での変動実行ではないと判別した場合には(S244:No)、実行エリアのデータは特図2での変動実行であるか判別し(S246)、特図2での変動実行であると判別された場合には(S246:Yes)、変動実行フラグ203kを特図2で変動実行に設定し(S247)、本処理を終了する。尚、S246の処理で、実行エリアのデータは特図2での変動実行ではないと判別された場合には(S246:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図127を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄1変動開始処理(S209)について説明する。図127は、特別図柄1変動開始処理(S209)を示したフローチャートである。この特別図柄1変動開始処理(S209)は、タイマ割込処理(図124参照)の特別図柄変動処理(図125参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄1変動開始処理(S209)では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を取得する(S251)。次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(S252)。なお、確変期間であるか否かの判断は、確変フラグ203mがオンであるか判別することにより実行される。この確変フラグ203mは、大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1に基づく大当たり遊技が終了したことに基づいて、オンに設定される(S1113:図139参照)。一方、大当たり遊技の開始に基づいて、オフに設定される(S220:図125参照)。
S252の処理において、現在の遊技状態が確変中であると判別された場合には(S252:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S253の処理に移行する。S253の処理では、S251の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S253)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202aに格納されている65536個の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、確変遊技状態(特別遊技状態)における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、現在の設定値が「1」に設定されている場合には、「0~999」の1000個が設定されており、現在の設定値が「2」に設定されている場合には「0~1099」の1100個が設定されている。そして、現在の設定値が「3」に設定されている場合には、「0~1199」の1200個が特別図柄の大当たりとなる乱数値として設定されている。特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S255の処理へ移行する。
一方、S252の処理において、パチンコ機10が特別図柄の通常遊技状態(低確率遊技状態)であると判別した場合には(S252:No)、S254の処理を実行する。S254の処理では、S251の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S254)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202aに格納されている65535個の乱数値と1つ1つ比較する。通常遊技状態(低確率遊技状態)における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、現在の設定値が「1」に設定されている場合には、「0~249」の250個が設定されており、現在の設定値が「2」に設定されている場合には、「0~274」の275個が設定されている。そして、現在の設定値が「3」に設定されている場合には、「0~299」の300個が特別図柄の大当たりとなる乱数値として設定されている。特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S255の処理へ移行する。
S255の処理では、S253またはS254の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるか(即ち、取得している特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202aに設定されている判定値と一致するか)を判別し(S255)、特別図柄の大当たりであると判別された場合には(S255:Yes)、S251の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S256)。より具体的には、S251の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別選択テーブル202dに格納されている乱数値とを比較し、5種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1、大当たりE1)のうち、大当たり種別が何であるかを判別する。上述したように、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~39」の範囲にあれば、大当たりA(10R確変大当たり)であると判別し、「40,41」であれば、大当たりB1(10R確変大当たり)であると判別し、「42~47」の範囲にあれば、大当たりC1(5R確変大当たり)であると判別し、「48~59」の範囲にあれば、大当たりD1(2R確変大当たり)であると判別し、「60~99」の範囲にあれば、大当たりE1(10R通常大当たり、時短100回)であると判別する(図103参照)。
このS256の処理では、判別された大当たり種別(大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1、大当たりE1)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1、大当たりE1)が停止種別として設定される。
一方、S255の処理において、特別図柄の外れであると判別された場合には(S255:No)、外れ時の表示態様を設定する(S257)。S257の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
S256、或いは、S257の処理を実行した後、次に、変動回数カウンタ203iの値を取得し(S258)、取得した変動回数カウンタ203iの値と、変動パターンシナリオテーブル202eとに基づいて、参照する変動パターンテーブルを決定する(S259)。本実施形態では、上述したように、変動回数カウンタ203iの値と変動パターンシナリオテーブル202eとに基づいて、変動パターン選択テーブル202b内の参照する変動パターンテーブルを決定する。S259の処理において、変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81においてS253、或いは、S254の処理において取得した抽選結果を示すための表示態様で第3図柄が停止するまでの変動時間が決定される。
例えば、前回の大当たり種別が、大当たりB1(10R確変大当たり)、大当たりC1(5R確変大当たり)、大当たりD1(2R確変大当たり)のいずれかであり、その大当たり時の遊技状態が、通常遊技状態であり、S258の処理で取得した変動回数カウンタ203iの値が1~80回の範囲値であれば、時短・確変用テーブル202b2を参照して変動パターン(変動時間)を決定する。そして、S253の処理において取得した当否判定結果と変動種別カウンタCS1とに基づいて変動時間(変動パターン)を決定する。例えば、S259の処理において、時短・確変用変動パターンテーブル202b2を参照する変動パターンテーブルとして決定した場合に、S253の処理で取得した当否判定結果が当たりであり、変動種別カウンタCS1の値が、「0~49」の範囲値である場合には、変動パターンとして、「当たり変動A」が設定され、変動時間として「20秒」が設定される。(図104(c)参照)。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
次に、S259の処理で決定した変動パターンテーブルに基づいて、変動パターンを決定する(S260)。次に、S260の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S261)。次いで、S261の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S262)。S262の処理が終わると、特別図柄変動処理(S104)へ戻る。
次に、図128を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄2変動開始処理(S214)について説明する。図128は、特別図柄2変動開始処理(S214)を示したフローチャートである。この特別図柄2変動開始処理(S214)は、タイマ割込処理(図124参照)の特別図柄変動処理(図125参照)の中で実行される処理であり、特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
この特別図柄2変動開始処理(S214)では、特別図柄1変動開始処理(S209)と同様に、まずS271の処理によって取得した、特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2の各値を取得する(S271)。
次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(S272)確変期間中であると判別された場合には(S272:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S273の処理に移行する。S273の処理では、S271の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S273)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202aに格納されている65536個の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)である場合に、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、現在の設定値として、「1」が設定されている場合には、「0~999」の1000個が設定されており、「2」が設定されている場合には、「0~1099」の1100個が設定されている。そして、現在の設定値として「3」が設定されている場合には、「0~1199」の1200個が特別図柄の大当たりとなる乱数値として設定されている。特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判別する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S275の処理へ移行する。
一方、S272の処理において、パチンコ機10が確変状態でないと判別した場合には(S272:No)、S274の処理を実行する。S274の処理では、S271の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S274)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202aに格納されている65536個の乱数値と1つ1つ比較する。遊技状態が通常期間中(低確率遊技状態)である場合に、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、現在の設定値として「1」が設定されている場合には、「0~249」の250個が設定されており、「2」が設定されている場合には、「0~274」の275個が設定されている。そして、現在の設定値が「3」である場合には、「0~299」の300個が特別図柄の大当たりとなる乱数値として設定されている。特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判別する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S275の処理へ移行する。
S275の処理では、S273またはS274の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判別し(S275)、特別図柄の大当たりであると判別された場合には(S275:Yes)、S271の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S276)。より具体的には、S271の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別選択テーブル202dに格納されている乱数値とを比較し、5種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1、大当たりE1)のうち、大当たり種別が何であるかを判別する。上述したように、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~39」の範囲にあれば、大当たりA1(10R確変大当たり)であると判別し、「40,41」の範囲にあれば、大当たりB1(10R確変大当たり)であると判別し、「42~47」の範囲にあれば、大当たりC1(5R確変大当たり)であると判別し、「48~59」の範囲にあれば、大当たりD1(2R確変大当たり)であると判別し、「60~99」の範囲にあれば、大当たりE1(10R通常大当たり、時短100回)であると判別する(図103参照)。
一方、S275の処理において、特別図柄の外れであると判別された場合には(S275:No)、外れ時の表示態様を設定する(S277)。S277の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
S276、或いは、S277の処理を実行した後、次に、変動回数カウンタ203iの値を取得し(S278)、S278の処理において取得した変動回数カウンタ203iの値と、変動パターンシナリオテーブル202eとに基づいて、参照する変動パターンテーブルを決定する(S279)。本実施形態では、上述したように、変動回数カウンタ203iの値と変動パターンシナリオテーブル202eとに基づいて、変動パターン選択テーブル202b内の参照する変動パターンテーブルを決定する。S279の処理において、変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81においてS273、或いは、S274の処理において取得した抽選結果を示すための表示態様で第3図柄が停止するまでの変動時間が決定される。
例えば、前回の大当たり種別が、大当たりB1(10R確変大当たり)、大当たりC1(5R確変大当たり)、大当たりD1(2R確変大当たり)いずれかであり、その大当たり時の遊技状態が、通常遊技状態であり、S258の処理で取得した変動回数カウンタ203iの値が1~80回の範囲値であれば、時短・確変用テーブル202b2を参照して変動パターン(変動時間)を決定する。そして、S253の処理において取得した当否判定結果と変動種別カウンタCS1とに基づいて変動時間(変動パターン)を決定する。例えば、S259の処理において、時短・確変用変動パターンテーブル202b2を参照する変動パターンテーブルとして決定した場合に、S253の処理で取得した当否判定結果が当たりであり、変動種別カウンタCS1の値が、「0~49」の範囲値である場合には、変動パターンとして、「当たり変動A」が設定され、変動時間として「20秒」が設定される。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
次に、S279の処理において、決定した変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定し(S280)、S280の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S281)。次いで、S281の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S282)。S282の処理が終わると、特別図柄変動処理(S104)へ戻る。
次に、図129を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図129は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図124参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理(S105:図129参照)が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S301)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S301:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S302)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S303)。一方、S301の処理において、球が第1入球口64へ入球していないと判別された場合には(S301:No)、S302~S308およびS320の処理をスキップし、S309の処理に移行する。
そして、S303の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S303:No)、オーバー入賞情報コマンドを設定し(S304)、S309の処理へ移行する。一方、S303の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S303:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S305)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す第1特別図柄の保留球数コマンドを設定する(S306)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図138参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223aに格納する。
S306の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理(図124参照)のS103で更新した特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留エリア1~保留エリア4)のうち最初のエリアに格納する(S307)。尚、S307の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留エリア1を最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留エリア2を、その値が2であれば保留エリア3を、その値が3であれば保留エリア4を、それぞれ最初のエリアとする。次に変動順格納エリア203pの最下位に特図1を設定し(S308)、先読み処理(S320)を実行する。先読み処理(S320)については、図130を参照して後述する。
次に、S309~S316については、上記説明したS301~S308およびS320の各処理について、第1入球口64に入賞したことに対する処理が右第2入球口640rまたは第2入球口640に入賞したことに対する処理に変更されるのみで、同様の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。なお、右第2入球口640rまたは第2入球口640に遊技球が入賞した場合に、保留球として記憶される場合にも、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2の各値が取得されて、対応する特別図柄2保留球格納エリア203bの空き保留エリアに記憶される。
このように、右第2入球口640rまたは第2入球口640への入球に基づく、第2特別図柄に対しても第1特別図柄と同様の特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別選択カウンタCS1の各値を取得することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の乱数を用いて抽選が実行できるので、第1特別図柄と第2特別図柄とでも当たり確率を一定にすることができる。
S308の処理、または、S316の処理を実行した後には、先読み処理(S320)を実行する。先読み処理(S320)についての詳細は、上述したように、図130を参照して、詳細について説明するが、第1入球口64または右第2入球口640r、第2入球口640への入球に対して取得された各種カウンタの値に基づいて、変動開始時に実行される各抽選結果を事前に判定する処理を実行する。
なお、本実施形態では、各カウンタの値を入球に基づいて、選択するように構成したが、変動開始時に選択するように構成してもよい。このように構成することで、変動開始時まで、各カウンタの値を記憶しておく記憶領域が必要なく、RAM203の記憶領域の使用を抑制できる。また、各カウンタのうち、一部のカウンタ(例えば、変動種別カウンタCS1のみ)を変動開始時に取得するように構成してもよい。このように構成することで、入球時に当否判定に関わるカウンタを取得し、当否判定に関わらないカウンタについては、後から取得することができ、遊技の公平性を保ちつつ、記憶するデータ量を抑制することができる。
次に、図130を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)内の一処理である先読み処理(S320)について説明する。図130は、この先読み処理(S320)を示したフローチャートである。
先読み処理(S320)では、まず、取得した特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、変動開始時の当否判定を判定する(S351)。この当否判定では、上述した特別図柄1変動開始処理(S209:図127参照)におけるS255の処理、特別図柄2変動開始処理(S214:図128参照)におけるS275の処理と同様の処理が実行される。なお、この当否判定は、変動開始時の当否判定(判別)(特別図柄1変動開始処理(S209:図127参照)におけるS255の処理、特別図柄2変動開始処理(S214:図128参照)におけるS275の処理)よりも先に実行される事前当否判定(事前判別)に該当する。次に、S351の処理において実行した判別結果が当たり(特定の判別結果とも言う)であるか判別する(S352)。判別結果が当たりであると判別した場合には(S352:Yes)、取得した停止種別カウンタC3と変動種別カウンタCS1とに基づいて、変動パターン選択テーブル202bより変動パターン種別を取得(判別)する(S353)。次に取得した変動パターン種別に基づいて、入賞コマンドテーブル202eより当たり入賞情報コマンドを設定(選択または生成)し(S354)、本処理を終了する。一方、S352の処理で、当否判定結果は外れと判別した場合には(S352:No)、取得した停止種別カウンタC3と変動種別カウンタCS1とに基づいて、変動パターン選択テーブル202bより変動パターン種別を取得する(S355)。次に取得した変動パターン種別に基づいて、入賞コマンドテーブル202eより外れ入賞情報コマンドを設定し(S356)、本処理を終了する。
このように、変動開始となる前に、事前に当否判定をした結果が、保留球が成立した毎に音声ランプ制御装置113に対して入賞コマンドとして出力されるので、音声ランプ制御装置113は、事前に当否判定結果とその当たり種別を認識できる。よって、音声ランプ制御装置113によって、入賞コマンドに基づいて、遊技者に事前に保留球に対する当否判定結果を報知する予告演出(例えば、保留図柄の色について当否判定結果を報知する色に可変させる、保留球の中の当否判定結果を報知するための報知音を出力する等の演出)を実行させることができる。また、入賞コマンドは、保留球が成立した毎にその保留球に対して一つの入賞コマンドが出力されるので、音声ランプ制御装置113では、保留球の成立に対しても認識することができる。
次に、図131を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図131は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図124参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S401)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判別の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S401:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S402)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S402:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S404)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S405)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S405:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S405:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S406)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S407)。S407の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている普通当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S408)。
次に、普通図柄変動開始処理を実行して(S409)、本処理を終了する。尚、普通図柄変動開始処理は図132を参照して後述するが、普通図柄(第2図柄)の当否判定を実行して、その当否判定結果に基づいて、普通図柄の変動期間(変動時間または動的表示時間)を決定して、当否判定結果が当たりである場合には、その当たり種別に対応して電動役物640aの開放動作(普図当たり遊技の動作パターン)を設定する処理等が実行する。
S402の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S402:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S410)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、図132のS432の処理またはS433の処理によって予め設定された時間である。
S410の処理において、変動時間が経過していなければ(S410:No)、本処理を終了する。一方、S410の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S410:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S411)。S411の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、図132のS426の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、図132のS434の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S411の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図138参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、図132のS426の処理またはS434の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。なお、本実施形態では、普通図柄の当たり種別として、1種類を設定しているが、長時間当たりや短時間当たりなどの1種類以上の当たり種別を設定するよう構成してもよい。このように構成する場合には、第2図柄表示装置83に点灯表示される当たりを示す「○」図柄を、普通図柄の当たり種別に応じた図柄を点灯表示(例えば、長時間当たりであれば「◎」、通常当たりであれば「○」、短時間当たりである場合には「△」)するように構成するといい。このように構成することで、遊技者は表示態様で普通図柄の当たり種別を判別することができ、分かり易い遊技を提供することができる。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(S412)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S412:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S413)、本処理を終了する。S412の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図138参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、図132のS429の処理またはS430の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S412の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S412:No)、S413の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図132のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動開始処理(S408)を説明する。図132は、この普通図柄変動開始処理(S408)を示すフローチャートである。この普通図柄変動開始処理(S408)は、タイマ割込処理(図124参照)の中で実行される普通図柄変動処理(図132参照)の中で実行される普通図柄の変動開始時の設定を実行するための処理である。
今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判別する(S421)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S421:Yes)、S424の処理に移行する。S421の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S421:No)、確変中または時短中であるか否かを判別する(S422)。確変中でも時短中でもなければ(S422:No)、S424の処理に移行する。
確変中または時短中であれば(S422:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、図131のS408の処理で取得した普通当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)と基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S423)。具体的には、普通当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「0~4,205~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図102(b)参照)。
S424の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、図131のS408の処理で取得した普通当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S424)。具体的には、普通当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~6」の範囲にあれば、普通図柄の通常当たりであると判別し、「0~4,7~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図102(b)参照)。
本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されて、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特定入賞口65aは、第2入球口640の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第2入球口640に球が入ることを抑制していても、第2入球口640には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第2入球口640についての保留球数は最大(4回)になる。
次に、S423またはS424の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判別し(S425)、普通図柄の当たりであると判別された場合には(S425:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S426)。このS425の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。次に、現在の遊技状態が確変中または時短中であるか判別する(S427)。現在の遊技状態が、確変中または時短中であると判別した場合には(S427:Yes)、特別図柄の大当たり中であるか判別する(S428)。判別の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S428:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S429)、S431の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640aの開放回数および開放時間が設定される。また、S427の処理において、現在の遊技状態が確変又は時短中ではないと判別した場合にも(S427:No)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S429)、S431の処理に移行する。
一方、S428の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S428:No)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を2秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S430)、S431の処理へ移行する。
一方、S425の処理において、普通図柄の外れであると判別された場合には(S425:No)、外れ時の表示態様を設定する(S434)。このS434の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S431の処理へ移行する。
S431の処理では、確変中か否かを判別し(S431)、確変中であれば(S431:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S432)、本処理を終了する。一方、S431の処理で確変中ではないと判別された場合には(S431:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S433)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
次に、図133を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図133は、このスルーゲート通過処理(S107)のを示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図124参照)の中で実行され、スルーゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、普通当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判別する(S501)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判別されると(S501:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S502)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S503)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S501:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S503:No)、本処理を終了する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S501:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S503:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S504)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した普通当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S505)、本処理は終了する。尚、S505の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図134は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図135を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図135は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。初期設定処理(S901)の説明については図136を参照し、後述するが、例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
次に、設定キー110bがオン位置に配置されているか否かを判別する(S904)。S904の処理において、設定キー110bがオン位置に配置されていると判別した場合は(S904:Yes)、設定変更状態、若しくは設定確認状態に設定されていることを意味するため、これらの状態に対応する制御を行うための設定値制御処理を実行し(S905)、後述するS912の処理へ移行する。この設定値制御処理(S905)の詳細については、図137を参照して後述する。一方、S904の処理において、設定キー110bがオン位置ではないと判別した場合には(S904:No)、S906の処理に移行する。
S906の処理では、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図83参照)がオンされているか否かを判別し(S906)、オンされていれば(S906:Yes)、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S906:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S907)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S907:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS915へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S907:Yes)、RAM判定値を算出し(S908)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S909:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、図138のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S915)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S916,S917)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S916,S917)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S916,S917)を実行する。RAMの初期化処理(S916,S917)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S916)、その後、RAM203の初期値を設定する(S917)。RAM203の初期化処理の実行後は、S912の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S906:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S907:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S909:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S910)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S911)、S912の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S912の処理では、演出許可を示す初期化コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S913)、割込み許可を設定し(S914)、メイン処理に移行する。
次に、図136を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理(図135参照)の中の一処理である初期設定処理(S901)について説明する。図136は、この初期設定処理(S901)の内容を示すフローチャートである。
初期設定処理(S901)では、まず、電源が投入されたことを示すための立ち上げコマンドを音声ランプ制御装置113に送信する(S951)。音声ランプ制御装置113は、ここで設定された立ち上げコマンドを受信したと判別するまで、立ち上げ処理を実行しない。次に、その他初期設定処理を実行し(S952)、本処理を終了する。
次に、図137を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理(図135参照)の中の一処理である設定値制御処理(S905)の内容について説明をする。図137は、設定値制御処理(S905)の詳細な内容を示したフローチャートである。
図137に示した通り、設定値制御処理(S905)では、まず、RAM消去スイッチ122(図83参照)がオンされているか否かを判別し(S971)、オンされていれば(S971:Yes)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S972)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S973、S974)を実行する。RAMの初期化処理(S973、S974)では、RAM203の使用領域をクリアし(S973)、その後、RAM203の初期値を設定する(S974)。RAM203の初期化処理の実行後は、設定変更中を示す変更中コマンドを送信し(S975)、処理をS976へと移行する。
S976の処理では、設定スイッチ110cがオンさたか(押下されたか)否かを判別する(S976)。S976の処理において、設定スイッチ110cがオンされた(押下された)と判別した場合は(S976:Yes)、設定値格納エリア203gのデータを1加算することにより更新し(S977)、S978の処理へ移行する。一方、S976の処理において、設定スイッチがオフであると判別した場合は(S976:No)、S977の処理をスキップし、S978の処理へ移行する。
S978の処理では、設定キー110bがオフ位置に配置されているか否かを判別し(S978)。設定キー110bがオフ位置に配置されていると判別した場合は(S978:Yes)、設定変更完了を示す変更完了コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し(S979)、本処理を終了する。即ち、設定変更状態を終了して、立ち上げ処理(図135参照)へと戻る。これにより、通常の遊技が可能な遊技可能状態に移行させることができる。
一方、S978の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていないと判別した場合は(S978:No)、S976の処理へと戻る。つまり、S978の処理において設定キー110bがオフ位置に配置されたと判別されるまで、S976~S978の各処理が繰り返される。
また、S971の処理において、RAM消去スイッチ122がオンされていないと判別した場合は(S971:No)、まず、払出制御装置111へ払出復帰コマンドを送信し(S980)、次いで、設定値格納エリア203gのデータを読み出す(S981)。S981の処理が終了すると、次に、読み出したデータに対応する設定値を設定値表示装置110aに表示させ(S982)、設定確認状態を示す状態コマンドを設定して(S983)、設定キー110bがオフ位置に配置されているか否かを判別する(S984)。S984の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていると判別した場合には(S984:Yes)、そのまま本処理を終了する。つまり、遊技可能状態に移行させる。一方、S984の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていないと判別した場合は(S984:No)、S984の処理を繰り返し実行する。つまり、設定キー110bがオフ位置に配置されるまで、設定確認状態を継続させる。
この設定値制御処理(S905:図137参照)を実行することにより、設定変更状態において設定スイッチ110cに対する操作に応じて設定値を可変させることができる。また、設定確認状態において、設定スイッチ110bがオフ位置に配置されるまで、設定値表示装置110aに対して設定値を表示させ続けることができる。
次に、図138を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図138は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001~S1007およびS1021の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図124参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図124参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図125参照)や始動入賞処理(図129参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理や先読み処理(図130参照)で設定された入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、読み出した賞球計数を示す入賞賞球コマンドを設定する(S1021)。次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。尚、大当たり制御処理(S1004)の詳細については、図139を参照して後述する。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理(S1005)では、普通図柄変動処理(S106:図131参照)のS413の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄1変動開始処理(S209:図127参照)のS260の処理、または特別図柄2変動開始処理(S214:図128参照)のS280の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理(S1006)では、特別図柄1変動開始処理(S209:図127参照)のS260の処理、または特別図柄2変動開始処理(S214:図128参照)のS280の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄1変動開始処理(S209:図127参照)のS256の処理またはS257の処理、または特別図柄2変動開始処理(S214:図128参照)のS276の処理またはS277の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理(S1007)では、普通図柄変動開始処理(S408:図132参照)のS432の処理またはS433の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(S106:図131参照)のS411の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(S408:図132参照)のS426の処理またはS434の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1、普通初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001~S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2(即ち、特別当たり乱数カウンタC1の初期値、普通当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図134のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001~S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図139のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図139は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図138)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを解放または閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(S1104:図139参照)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判別する(S1101)。特別図柄変動処理(図125参照)のS219の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始を設定し、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1116)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図138参照)の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって、表示用オープニングコマンドを受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判別する(S1102)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1102の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1102:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1102の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1102:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S1103)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1103:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを解放し(S1104)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1105)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203内に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図138参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1103の処理において、新たなラウンド数開始のタイミングでなければ(S1103:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判別する(S1106)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1106の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1106:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1107)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1106:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1108)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(10ラウンド、5ラウンドまたは2ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判別する。
S1108の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1108:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1109)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図138参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223fに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1108の処理において、エンディング開始タイミングではなければ(S1108:No)、大当たり終了のタイミングかどうか判別される(S1110)。大当たり終了タイミングとは、所定のエンディング期間(例えば、10秒)が経過したタイミングである。大当たり終了のタイミングではないと判別された場合には(S1110:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1110の処理において、大当たり終了のタイミングであると判別された場合には(S1110:Yes)、S1111の処理において、今回の大当たり種別が大当たりE1であるか判別する(S1111)。今回の大当たり種別が大当たりE1(10R時短100回大当たり)であれば(S1111:Yes)、時短中カウンタ203jの値を100に設定する(S1112)。次に、大当たり中フラグ203nをオフに設定し(S1115)、本処理を終了する。
一方、今回の大当たり種別が、大当たりE1ではない場合には(S1111:No)、確変フラグ203mをオンに設定し(S1113)、時短中カウンタ203jの値に65536を設定する(S1114)。次に、大当たり中フラグ203nをオフに設定し(S1115)、本処理を終了する。
<音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図140から図159を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図140を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図140は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、主制御装置110より立ち上げコマンドを受信したか判別する(S2001)。立ち上げコマンドを受信していないと判別した場合には(S2001:No)、S2001の処理を繰り返す。即ち、主制御装置110より立ち上げコマンドを受信するまで立ち上げ処理を実行しない。一方、立ち上げコマンドを受信したと判別した場合には(S2001:Yes)、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2002)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2118の電源断処理(図143参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2003)。図143を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図143のS2115参照)、S2118の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2118の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2003:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2004)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2005の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2004:Yes)、S2005へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2004:No)、S2009の処理へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2004:Yes)、S2005へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2004:No)、S2209の処理へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2003:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2118の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2006:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2007)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2006:No)、RAM223の異常を報知して(S2008)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2009)。電源断フラグはS2118の電源断処理の実行時にオンされる(図143のS2117参照)。つまり、電源断フラグは、S2118の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2009:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2010)、S2011の処理に移行する。
S2011の処理では、時刻取得処理(S2011)の処理を実行する。この時刻取得処理(S2011)の詳細な説明については、図141を参照して後述するが、電源投入を行った時刻を記憶するための処理であり、記憶した時刻情報と記憶した時刻情報からの経過期間とに基づいて、SPタイム期間などの期間演出が設定される。次に、待機処理を実行する(S2012)。待機処理(S2012)の詳細な説明については、図142を参照して後述するが、主制御装置110より設定変更完了S2012の処理を実行した後、RAM223の初期値を設定し(S2010)、割込み許可を設定して(S2011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2009の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2005からS2007の処理を経由してS2009の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2009:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2010をスキップして、上述したS2011およびS2012の処理を実行し、RAM223の初期値を設定した後(S2013)、割込み許可を設定して(S2014)、メイン処理へ移行する。
なお、S2010のクリア処理をスキップするのは、S2005からS2007の処理を経由してS2009の処理へ至った場合には、S2005の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図141を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理の中でMPU221により実行される時刻取得処理(S2011)について説明する。この時刻取得処理(S2011)は、電源投入を行った時刻を記憶するための処理である。本処理により取得された時刻情報が、後述する音声ランプ制御装置113のメイン処理の中で行われる経過時間確認処理(図158のS2111参照)において、電源投入からの経過時間を判断するために用いられる。
図141は、この時刻取得処理(S1011)を示したフローチャートである。時刻取得処理(S1011)が実行されると、まず、RAM消去スイッチ122(図83参照)がオンされているか否かを判別し(S2051)、オンされていなければ(S2051:No)、計時装置262の計時レジスタ352aから現在時刻の情報を取得して(S2054)、処理をS2055に移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされていれば(S2051:Yes)、計時装置262のレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出し(S2052)、投入時刻格納エリア352bに時刻情報が格納されているかを判別する(S2053)。その結果、時刻情報が格納されていないと判別した場合は(S2053:No)、計時装置262の計時レジスタ352aから現在時刻の情報を取得して(S2054)、処理をS2055に移行する。これに対し、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに時刻情報が格納されていると判別した場合は(S2053:Yes)、S2054の処理をスキップして処理をS2055に移行する。
S2055の処理では、S2052の処理又はS2054の処理で読み出した時刻情報をRAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納し(S2055)、本処理を終了する。
このように、本処理によって、演出期間の種別を判断するための時刻情報がRAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納されるので、ホールの複数のパチンコ機10において、立ち上げ処理が行われるタイミングを合わせておけば、各パチンコ機10の時刻情報記憶エリア223rに時刻情報が格納されるタイミングも合わせることができる。時刻情報記憶エリア223rに時刻情報が格納されるタイミングが合っていれば、各パチンコ機10において経過時間確認処理(図158のS2111参照)の中で算出される経過時間Tも合わせることができるので、その経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。これにより、ホールの関係者は、ホールの複数のパチンコ機10に対して一斉に電源投入をしておくだけで、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができる。よって、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は特別演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、計時装置262の時刻情報から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、各パチンコ機10の計時装置262の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、その互いにずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は特別演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、RAM消去スイッチ122がオンされていない状態(即ち、オフ状態)でパチンコ機10の電源が投入された場合に、電源投入を行った際の時刻情報がRAMの時刻情報記憶エリア223rへ格納されるが、その時刻情報記憶エリア223rへ格納された時刻情報は、後述するメイン処理(図143)において、パチンコ機10が電断状態とされる場合に、計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ記憶される。計時装置262は、パチンコ機10が電断状態であっても、計時装置用電源263からの電源供給に基づいて動作するため、投入時刻格納エリア352bへ記憶された時刻情報は、パチンコ機10が電断状態中であっても保持される。そして、電源投入の際にRAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10へ電源が投入された場合は、現在の時刻情報の代わりに、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶され、電断状態中も保持されていた時刻情報が読み出され、RAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納される。
これにより、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、営業中に一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、前回RAM消去スイッチ122をオフした状態で電源を投入した際に時刻取得処理によりRAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納され、電断状態とする際に計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ記憶された時刻情報を、再度RAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納させることができる。よって、ホールの複数のパチンコ機10に対して、RAM消去スイッチ122をオフした状態で一斉に電源を投入しておけば、その後に一のパチンコ機10が電断状態とされた場合であっても、そのパチンコ機10へ電源を再投入する際にRAM消去スイッチ122をオンしておくだけで、一斉に電源を投入した際の時刻情報を時刻情報記憶エリア223rに格納させることができるので、電源投入の前後で、同一の時刻情報に基づいて経過時間Tを判別することができる。従って、他の遊技機と同じ経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができるので、電断状態とされたパチンコ機10のみ演出態様を切り替えられるタイミングがずれてしまうことを抑制でき、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、時刻取得処理において(図141のS1011参照)、RAM消去スイッチ122がオンされていると検出された場合に計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出して(S2052参照)、RAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納するように制御しているが(S2055参照)、この形態に限られるものではない。例えば、RAM消去スイッチ122とは異なる時刻取得処理に専用に用いられるスイッチ手段を設けておき、時刻取得処理(S1011)において、そのスイッチ手段がオンであった場合に計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出すように構成しても良い。
これにより、電断状態とされる前にRAM203に記憶されていた情報を保持したまま、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報をRAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納することができる。よって、保留球が残っている状態で電断状態とされた場合や、特別図柄の高確率状態中に電断状態とされた場合であっても、電源の再投入に基づいて、残っていた保留球が消滅したり、特別図柄の高確率状態から低確率状態へ移行してしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益が発生することを抑制することができる。
また、RAM消去スイッチ122等のスイッチ手段を用いるのではなく、計時装置262の計時する時刻が所定の時間帯であった場合に、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出すように構成しても良い。この場合において、所定の時間帯としては、例えば10:00~22:45のようにホールの営業時間を設定しても良い。
これにより、ホールの従業員が、営業時間中に電断状態とされたパチンコ機10に対し、ミスによりRAM消去スイッチ122をオンとしないまま再度電源を投入してしまうことで、その電源の再投入を行った時刻がRAM233の時刻情報記憶エリア223rに格納されてしまい、経過時間Tが電断状態とされなかった他のパチンコ機10とずれてしまうことを抑制できる。よって、営業時間中に電断状態とされたパチンコ機10と、電断状態とされなかったパチンコ機10とで、演出期間が切り替えられるタイミングを確実に合わせることができる。また、計時装置262の計時する時刻情報(計時情報)に応じて、時刻情報格納エリア233fに格納される時刻情報が選択されるので、ホールの従業員は、電源投入の際に特別な操作をする必要がなく、ホールの従業員の手間を軽減することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、S2052の処理又はS2054の処理で読み出した時刻情報を時刻情報記憶エリア223rに格納するように構成されているが、これに代えて、レジスタ352に設けられたレジスタテーブル(図116参照)の使用していないbitに記憶させるように構成しても良い。ここで言う使用していないbitとは、例えば、アドレスBHのbit6や、アドレスEHのbit4~bit7を指し、図116において”●”の符号が付されたbitのうち、投入時刻格納エリア352b以外のbitを指す。前述の通り、これらのbitは情報の書き換え、及び読み出しが可能なbitであり、データを書き換えたとしても、計時装置262の動作には一切の影響を与えないbitである。これにより、レジスタ352に設けられたレジスタテーブルを効率的に用いることができるので、投入時刻格納エリア352bに割り当てるアドレスを減らすことができる。
具体的には、例えば、アドレス7Hのbit0~bit6に秒を表す情報を記憶させ、アドレス7Hのbit7、及びアドレス8Hのbit0~bit5に分を表す情報を記憶させ、アドレス8Hのbit6、bit7、及びアドレスEHのbit4~bit7に時間を表す情報を記憶させても良い。これにより、データの記憶に使用しないアドレス9Hを削減することができ、レジスタ352の容量を削減することができるので、計時装置262の低価格化を図ることができる。
なお、本実施形態のレジスタ352に設けられたレジスタテーブルでは、図116において、”○”の符号が付されたbitはL固定の書き換え不能なbitとされていたが、これら”○”の符号が付されたbitを書き換え可能に構成し、S2052の処理又はS2054の処理で読み出した時刻情報を、”○”の符号が付されたbitにも記憶させるように構成しても良い。これにより、”●”の符号が付されたbitのみに時刻情報を記憶させるよりも、更にレジスタテーブルを効率的に用いることができるので、レジスタ352の容量を更に削減することができ、計時装置262の更なる低価格化を図ることができる。
次に、図142を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理の中でMPU221により実行される待機処理(S2012)について説明する。図142は、待機処理(S2012)の詳細な内容を示したフローチャートである。この待機処理(S2012)は、主制御装置110より設定を変更していることを示す変更中コマンドを受信した場合に、設定の変更が完了したことを示す変更完了コマンドを受信するまで、立ち上げ処理の完了を待機させるための処理である。
待機処理(S2012)では、まず、設定変更中フラグ223jがオンであるか判別する(S2071)。設定変更中フラグ223jがオンではないと判別した場合には(S2071:No)、変更中コマンドを受信したか判別する(S2072)。この変更中コマンドは、主制御装置110より、設定キー110bがオン位置である場合に、RAMの初期設定が実行された後、送信されるコマンドであり、設定変更中を示すためのコマンドである(S975:図137参照)。S2072の処理において、変更中コマンドを受信したと判別した場合には(S2072:Yes)、設定変更中フラグ223jをオンに設定し(S2073)、S2074の処理に移行する。
この設定変更中フラグ223jをオンに設定することで、後述するS2076の処理において、変更完了コマンドを受信したと判別するまで、待機処理(S2012)を継続させることができる。一方、S2071の処理において、設定変更中フラグ223jがオンではないと判別した場合(S2071:No)、或いは、S2072の処理において、主制御装置110より変更中コマンドを受信していないと判別した場合には(S2072:No)、S2074の処理に移行する。
S2074の処理では、主制御装置110より初期化コマンドを受信したか判別する(S2074)。この初期化コマンドは、主制御装置110の立ち上げ処理(図135参照)において送信され、演出許可を示すためのコマンドである。S2074の処理において初期化コマンドを受信していないと判別した場合には(S2074:No)、主制御装置110の立ち上げ処理が完了していないため、上述したS2071の処理に戻る。一方、S2074の処理において、主制御装置110より初期化コマンドを受信したと判別した場合には(S2074:Yes)、S2075の処理に移行する。
S2075の処理では、設定変更中フラグ223jがオンであるか判別する(S2075)。設定変更中フラグ223jがオンであると判別した場合には(S2075:Yes)、変更完了コマンドを受信したかどうか判別する(S2076)。この変更完了コマンドは、主制御装置110の設定値制御処理(S508:図137参照)において、設定キー110bがオフ位置であると判別した場合に送信されるコマンドであり、設定変更を示すためのコマンドである(S979:図137参照)。
S2076の処理において、変更完了コマンドを受信したと判別した場合には(S2076:Yes)、設定変更中フラグ223jをオフに設定し(S2077)、S2078の処理に移行する。一方、S2076の処理において、変更完了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2076:No)、変更完了コマンドを受信したと判別するまで、S2076の処理を繰り返し実行する。このように制御することで、設定制御処理が完了し、設定キー110bがオフ位置で検出されるまで、メイン処理が実行されることがない。一方、S2075の処理において、設定変更中フラグ223jがオフであると判別した場合には(S2075:No)、S2076およびS2077の処理をスキップし、S2078の処理に移行する。S2078の処理では、操作無効タイマ223sに5秒に対応する値を設定し(S2078)、本処理を終了する。
次に、図143を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図143は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1m秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102~S2112の処理を行わずにS2113の処理へ移行する。S2101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S2102~S2112が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2113のコマンド判定処理や、S2114の変動表示設定処理や、図示を省略した各種カウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2112の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1m秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2103~S2114の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。枠ボタン入力監視・演出処理の詳細については、図157を参照して、後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S2110)、S2111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108のランプ編集処理が実行される。なお、S2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S2110の処理が終わると、経過時間確認処理を実行する(S2111)。この経過時間確認処理(S2111)については、図158を参照して、詳細について後述する。S2111の処理が終わると、コマンド判定処理を実行する(S2113)。このコマンド判定処理(S2113)については、図144を参照して、詳細について後述する。コマンド判定処理(S2113)を実行した後には、変動表示設定処理が実行される(S2114)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図152を参照して後述する。
S2114の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2115)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2115:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2117)、電源断処理を実行する(S2118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2115:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2116)、RAM223が破壊されていなければ(S2116:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2116:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図144を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2113)について説明する。図144は、このコマンド判定処理(S2113)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図143参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S2113:図144)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2201)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201:Yes)、変動開始フラグ223dをオンに設定し(S2202)、受信したコマンドから変動パターンを抽出し(S2203)、本処理を終了する。
一方、S2201の処理において、変動パターンコマンドを受信しなかった場合には(S2201:No)、停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2204)。停止種別コマンドを受信した場合には(S2204:Yes)、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223eをオンにし(S2205)、受信したコマンドから停止種別を抽出し(S2206)、本処理を終了する。
S2204の処理において、停止種別コマンドを受信しなかった場合には(S2204:No)、保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2207)。保留球数コマンドを受信した場合には(S2207:Yes)、保留球数コマンド処理を実行し(S2208)、本処理を終了する。保留球数コマンド処理(S2208)の詳細な説明については、図145を参照して後述する。
一方、S2207の処理において、保留球数コマンドを受信しなかった場合には(S2207:No)、特別図柄の入賞コマンドを受信したか否かを判別する(S2209)。特別図柄の入賞コマンドを受信した場合には(S2209:Yes)、入賞コマンド受信処理を開始し(S2210)、本処理を終了する。入賞コマンド受信処理(S2210)の詳細については、図147を参照して、後述するが、主制御装置110より出力された入賞コマンドに基づいて、保留された特別図柄の当否判定結果や変動種別等を判別する事前判別を実行して、その事前判別結果に基づいて実行すると決定された各保留演出を実行するための設定処理が実行される。一方、S2208の処理において、特別図柄の入賞コマンドを受信しなかった場合には(S2208:No)、大当たり関連コマンドを受信したか否かを判別する(S2211)。大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(S2211:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S2212)、本処理を終了する。大当たり関連処理(S2212)の詳細な説明については、図148を参照して後述する。
一方、S2211の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S2211:No)、停止コマンドを受信したか否かを判別する(S2213)。停止コマンドを受信したと判別した場合には(S2213:Yes)、停止処理を実行し(S2214)、本処理を終了する。停止処理(S2214)の詳細な説明については、図150を参照して後述する。
一方、S2213の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合には(S2213:No)、ブート完了コマンドを受信したか否か判別する(S2215)。ブート完了コマンドを受信したと判別した場合には(S2215:Yes)、ブート完了処理(S2216)を実行し、本処理を終了する。ブート完了処理(S2216)の詳細な説明については、図151を参照して後述する。一方、ブート完了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2215:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2261)、本処理を終了する。
ここで、図145を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(S2113:図144)内の一処理である保留球数コマンド処理(S2208)の詳細について説明する。図145は、保留球数コマンド処理(S2208)の内容を示したフローチャートである。この保留球数コマンド処理(S2208)では、受信した保留球数コマンドに基づいて、保留球数を抽出し特別図柄保留球数カウンタに格納する処理や保留上限時に実行される連続予告の演出の設定等がされる。
保留球数コマンド処理(S2208)では、まず、受信したコマンドから保留球数を抽出し、対応する特別図柄保留球数カウンタに格納する(S2301)。次に、連続予告実行フラグ223tがオンであるか、即ち、現在が連続予告演出の実行中であるか否かを判別する(S2302)。連続予告実行フラグ223tがオンであると判別した場合には(S2302:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、連続予告実行フラグ223jがオンではないと判別した場合には(S2302:No)、期間演出中フラグ223pがオンであるか、即ち、現在の遊技状況として、期間演出が実行されている期間であるか否かを判別する(S2303)。期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合には(S2303:Yes)、連続予告を実行できる期間ではないため、そのまま本処理を終了する。一方、S2302の処理において、期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合には(S2303:No)、S2301の処理において格納した特別図柄保留球数格納カウンタの値は上限であるか判別する(S2304)。
S2304の処理において、格納した特別図柄保留球数カウンタの値が上限ではないと判別した場合には(S2304:No)、そのまま本処理を終了する。一方、格納した特別図柄保留球数カウンタの値が上限値である場合には(S2304:Yes)、保留上限時演出選択テーブル222e(図110(b)参照)を参照して保留上限時演出を決定する(S2305)。この保留上限時演出選択テーブル222eは、上述したように、保留内の大当たり個数と演出カウンタ223gとに基づいて選択される演出内容が規定されている。次に、先読み演出実行決定処理(S2306)を実行し、S2307の処理に移行する。
ここで、図146を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する保留球数コマンド処理(S2208:図145)内の一処理である先読み演出実行決定処理(S2306)の詳細について説明する。図146は、先読み演出実行決定処理(S2306)の内容を示したフローチャートである。この先読み演出実行決定処理(S2306)は、SPタイム演出が実行される期間と、連続演出の実行期間とを判別し、重複する場合に連続予告の演出の実行を禁止するための処理である。
先読み演出実行決定処理(S2306)では、まず、入賞情報格納エリア223fに格納されている情報の読み出しを実行する(S2401)。次に、S2401の処理において読み出した情報に基づいて、先読み演出の対象となる入賞情報よりも先に消化される入賞情報の内容を抽出し(S2402)、抽出した内容と、先読み禁止期間選択テーブル222d(図110(a)参照)とに基づいて先読み禁止期間を決定する(S2403)。
次に、時刻情報記憶エリア223rに記憶されている計時情報に基づいてSPタイム演出が実行されるSPタイム期間を特定する(S2404)。次に、S2403の処理において決定した先読み禁止期間と、S2404の処理において特定したSPタイム期間とが重複しているかを判別する(S2405)。先読み禁止期間とSPタイム期間とが重複していないと判別した場合には(S2405:No)、先読み演出の実行を決定し(S2406)、実行する保留上限時演出の内容を演出状態記憶エリア223hに格納し(S2407)、本処理を終了する。一方、S2405の処理において、先読み禁止期間とSPタイム期間とが重複していると判別した場合には(S2405)、先読み演出を実行できないため、S2406およびS2407の処理をスキップし、本処理を終了する。
図145に戻り説明を続ける。先読み演出実行決定処理(S2306)を実行した後、次に、保留上限時演出を実行するか判別する(S2307)。保留上限時演出は、上述した先読み演出実行決定処理(S2306)において、先読み禁止期間とSPタイム期間とが重複していないと判別した場合に、実行が決定される。S2307の処理において、保留上限時演出を実行すると判別した場合には(S2307:Yes)、実行する保留上限時演出の内容を演出状態記憶エリア223hに格納する(S2308)。
S2308の処理を実行した後、次に、連続予告実行フラグ223tをオンに設定し(S2309)、対象の入賞情報に対応する特図変動までの回数を連続予告カウンタ223uにセットし(S2310)、本処理を終了する。一方、S2307の処理の処理において、保留上限時演出を実行しないと判別した場合には(S2307:No)、S2308~S2310の処理をスキップし、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、SPタイム演出の開始期間と連続予告の演出期間とが重複した場合には、連続予告の演出の実行を禁止するよう構成したが、これに限ることなく、SPタイム演出の開始期間と連続予告の演出期間とが重複するまでの時間を算出し、重複しない連続予告の演出を実行するよう構成してもよい。このように構成することで、SPタイム演出の開始期間までの期間を有効に活用することができ、また、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、先読み演出期間とSPタイム期間とが重複してしまった場合でも、第3図柄表示装置81に表示される表示領域を分けるなど、遊技者に分かり易い表示態様で各演出を実行してもよい。
次に、図147を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(S2113:図144)内の一処理である入賞コマンド受信処理(S2210)の詳細について説明する。図147は、入賞コマンド受信処理(S2210)の内容を示したフローチャートである。
入賞コマンド受信処理(S2210)では、まず、現在の遊技状態が大当たり中、又は、確変中、或いは、時短中のいずれかの遊技状態であるかを判別する(S2501)。現在の遊技状態が、大当たり中、又は、確変中、或いは、時短中のいずれかであると判別した場合には(S2501:Yes)、次に、入賞賞球コマンドを受信したか否かを判別する(S2502)。入賞賞球コマンドを受信したと判別した場合には(S2502:Yes)、受信したコマンドが示す賞球情報を、獲得球数格納エリア223nに格納し(S2503)、S2504の処理に移行する。
一方、S2501の処理において、現在の遊技状態が大当たり中、又は、確変中、或いは、時短中のいずれかの遊技状態ではない(即ち、通常状態である)と判別した場合(S2501:No)、或いは、S2502の処理において、主制御装置110より入賞賞球コマンドを受信していないと判別した場合には(S2502:No)、上述したS2503の処理をスキップし、S2504の処理に移行する。
なお、本実施形態では、上述したように、遊技状態が、大当たり中、又は確変中、或いは、時短中のいずれかの遊技状態である場合に、賞球情報をRAM223に設けられている獲得球数格納エリア223nに格納するよう構成したが、これに限ることなく、大当たり中にのみ受信した入賞賞球コマンドに基づいて、賞球情報を獲得球数格納エリア223nに格納するよう構成してもよい。このように構成することで、処理負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、賞球数のみを獲得球数格納エリア223nに格納するよう構成したが、これに限ることなく、打ち出した球をカウントし、払い出された賞球数との差玉数を算出し、獲得球数格納エリア223nに格納するよう構成してもよい。このように構成することで、遊技者の遊技方法によって、昇格演出を実行する際に参照する獲得球数格納エリア223nの値を異ならせることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
S2504の処理では、受信したコマンドが示す入賞情報を入賞情報格納エリア223fに設定する(S2504)。次に、期間演出中フラグ223pがオンであるか判別する(S2505)。期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合には(S2505:Yes)、SPタイム期間の演出の実行中であるため、そのまま本処理を終了する。一方、S2505の処理において、期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合には(S2505:No)、連続予告演出実行フラグ223tがオンであるか判別する(S2506)。連続予告実行フラグ223tがオンであると判別した場合には(S2506:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2506の処理において、連続予告実行フラグ223tがオンではないと判別した場合には(S2506:No)、S2504の処理において入賞情報格納エリア223fに設定した入賞情報を抽出する(S2507)。次に、S2507の処理において抽出した入賞情報に先読み演出を示す情報があるか判別する(S2508)。抽出した入賞情報に先読み演出を示す情報がないと判別した場合には(S2508:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2508の処理において、抽出した入賞情報に先読み演出を示す情報があると判別した場合には(S2508:Yes)、上述した先読み演出実行決定処理(S2306:図146参照)を実行し(S2509(S2306))、S2510の処理に移行する。S2510の処理では、先読み演出を実行するか判別する(S2510)。先読み演出を実行しないと判別した場合には(S2510:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2510の処理において、先読み演出を実行すると判別した場合には(S2510:Yes)、今回実行される変動演出にて先読み演出を実行するか判別する(S2511)。今回実行される変動演出にて先読み演出を実行すると判別した場合には(S2511:Yes)、連続予告実行フラグ223tをオンに設定し(S2512)、S2514の処理に移行する。一方、今回実行される変動演出にて先読み演出を実行しないと判別した場合には(S2511:No)、対象の保留図柄の表示態様を変化させるための表示用コマンドを設定し(S2513)、S2514の処理に移行する。
S2512、或いは、S2513の処理を実行した後、次に、決定された先読み演出の内容を演出状態記憶エリア223hに格納し(S2514)、対象の入賞情報に対応する特図変動までの回数を連続予告カウンタ223uの値にセットし(S2515)、本処理を終了する。
次に、図148を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(S2113:図144)内の一処理である大当たり関連処理(S2212)の詳細について説明する。図148は、大当たり関連処理(S2212)の内容を示したフローチャートである。この大当たり関連処理(S2212)は、主制御装置110より当たり関連のコマンドを受信した場合に実行される処理である。
大当たり関連処理(S2212)では、まず、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか判別する(S2601)。オープニングコマンドを受信したと判別した場合には(S2601:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定し(S2602)、次に、現在の期間演出状況を演出状態記憶エリア223hに格納し(S2603)、本処理を終了する。
一方、S2601の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合には(S2601:No)、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S2604)。ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合(S2604:Yes)、ラウンド数カウンタ223xを1加算し(S2605)、次に、ラウンド演出設定処理を実行する(S2606)。このラウンド演出設定処理(S2606)の詳細な説明については、図149を参照して後述する。ラウンド演出設定処理(S2606)を実行した後、次に、ラウンド数カウンタ223xに基づいて、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2607)、本処理を終了する。
ここで、図149を参照して、音声ランプ制御装置のMPU221が実行する大当たり関連処理(S2212)内の一処理であるラウンド演出設定処理(S2606)の詳細について説明する。図149は、ラウンド演出設定処理(S2606)の内容を示したフローチャートである。
ラウンド演出設定処理(S2606)では、まず、獲得球数格納エリア223nに格納されている獲得済情報の読み出しを実行する(S2701)。次に、読み出した獲得済情報に今回実行されるラウンド中に獲得し得る球数を加算した期待値を算出する(S2702)。そして、算出した期待値に基づいて、昇格ポイント選択テーブル222h(図113参照)を参照して、今回実行されるラウンドの付与ポイント数を決定する(S2703)。次に、S2703の処理において決定した付与ポイント数と、昇格演出選択テーブル222i(図114参照)とに基づいて、ラウンド中の演出態様を決定する(S2704)。
次に、S2704の処理において決定した演出態様で設定示唆演出の実行があるか判別する(S2705)。設定示唆演出の実行があると判別した場合には(S2705:Yes)、実行される演出内容を実行済設定示唆演出記憶エリア223kに格納し(S2706)、次に、決定した演出内容を示す情報を演出状態記憶エリア223hに格納し(S2707)、本処理を終了する。一方、S2705の処理において、設定示唆演出の実行がないと判別した場合には(S2705:No)、S2706の処理をスキップし、上述したS2707の処理を実行し、本処理を終了する。
図148に戻り説明を続ける。S2604の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S2604:No)、エンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S2608)。エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S2608:Yes)、演出状態記憶エリア223hに格納されている大当たり中に実行した演出情報の読み出しを実行し(S2609)、次に、実行済設定示唆演出記憶エリア223kに格納されている情報の読み出しを実行する(S2610)。そして、大当たり開始時の期間演出状況を演出状態記憶エリア223hから読み出し(S2611)、次に、現在の期間演出状況と、S2609~S2611の処理において読み出した情報に対応する表示用エンディングコマンドを設定し(S2612)、実行済設定示唆演出記憶エリア223kの情報をクリアし(S2614)、ラウンド数カウンタ223xの値を0に設定し(S2615)、本処理を終了する。一方、S2608の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合には(S2608:No)、そのまま本処理を終了する。
本実施形態では、上述したように、大当たり遊技の開始タイミングと大当たり開始時の期間演出の経過状況とに基づいて、大当たりのエンディング時に実行される設定示唆演出の内容を決定する。このように構成することで、先読み演出などによって、遊技者が、大当たり遊技が実行されることを把握している場合に、その大当たりに当選するまでの時間をただ待つだけではなく、期間演出のどのタイミングに大当たり遊技が開始されるのかというタイミングについても興味を持つことが出来るため、大当たりに当選するまでの時間も遊技に集中させることができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技の開始時と大当たり開始時の期間演出の経過状況とに基づいて設定示唆演出の内容を決定するよう構成したが、これに限ることなく、その大当たりに当選する特図変動の開始タイミングなども含めて複合的に設定示唆演出の内容を決定してもよい。
また、大当たり遊技の開始時に代えて、特定のラウンドの開始時と期間演出の経過状況とに基づいて、設定示唆演出の内容を決定するよう構成してもよい。このように構成することで、より長い期間遊技者に設定示唆演出について興味を持たせることができる。
次に、図150を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(S2113:図144)内の一処理である停止処理(S2214)の詳細について説明する。図150は、停止処理(S2214)の内容を示したフローチャートである。この停止処理(S2214)は、主制御装置110より停止コマンドを受信した場合に実行される処理である。
停止処理(S2214)では、まず、連続予告カウンタ223uの値を0より大きい値であるか判別する(S2801)。連続予告カウンタ223uの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2801:Yes)、連続予告カウンタ223uの値を1減算する(S2802)。次に、減算した連続予告カウンタ223uの値が0であるか判別する(S2803)。連続予告カウンタ223uの値は0であると判別した場合には(S2803:Yes)、連続予告実行フラグ223tをオフに設定し(S2804)、S2805の処理に移行する。一方、S2801の処理において、連続予告カウンタ223uの値が0より大きい値ではない(S2801:No)、或いは、S2803の処理において連続予告カウンタ223uの値が0ではないと判別した場合には(S2803:No)、S2805の処理に移行する。
S2805の処理では、特化モード中フラグ223wがオンであるか判別する(S2805)。特化モード中フラグ223wがオンであると判別した場合には(S2805:Yes)、特化モード中フラグ223wをオフに設定し(S2806)、S2807の処理に移行する。一方、S2805の処理において、特化モード中フラグ223wがオンではないと判別した場合には(S2805:No)、S2806の処理をスキップし、S2807の処理に移行する。
S2807の処理では、今回受信した停止コマンドが時短状態の最終変動の停止を示す停止コマンドであるか判別する(S2807)。今回受信した停止コマンドが時短状態の最終変動を示す停止コマンドであると判別した場合には(S2807:Yes)、時短終了を示すための表示用終了コマンドを設定する(S2808)。次に、獲得球数格納エリア223nの情報をクリアし(S2809)、S2810の処理に移行する。一方、S2807の処理において、今回の特別図柄の変動が時短の最終変動ではないと判別した場合には(S2807:No)、S2808およびS2809の処理をスキップし、S2810の処理に移行する。
なお、本実施形態では、時短の最終変動の停止コマンドを受信した場合に、獲得球数格納エリア223nの値をクリアするよう構成したが、これに限ることなく、特定の条件が成立している場合には、獲得球数格納エリア223nの値をクリアせず、次回の大当たり遊技の際に、今回格納した獲得済み情報も参照できるよう構成してもよい。このように、参照できる値を増やすことで、昇格演出の設定により幅を持たせることができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを防ぐことができる。
S2810の処理では、キャラ表示フラグ223yがオンであるか判別する(S2810)。キャラ表示フラグ223yがオンに設定されていると判別した場合には(S2810:Yes)、音声ランプ制御装置のROM222に規定されている設定示唆演出選択テーブル222c(図109参照)を参照して、演出態様を決定する(S2811)。次に、S2811の処理において決定した演出態様に対応するキャラを示すための表示用コマンドを設定し(S2812)、キャラ表示フラグ223yをオフに設定する(S2813)。そして、今回受信した停止コマンドに対応する第3図柄の停止表示を設定し(S2814)、本処理を終了する。一方、S2810の処理において、キャラ表示フラグ223yがオンではないと判別した場合には(S2810:No)、S2811~S2813の処理をスキップし、上述したS2814の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図151を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(S2113:図144)内の一処理であるブート完了処理(S2216)の詳細について説明する。図151は、ブート完了処理(S2216)の内容を示したフローチャートである。このブート完了処理(S2216)は、表示制御装置114よりブート完了コマンドを受信した場合にボタン操作無効期間の解除が実行される処理である。
ブート完了処理(S2216)では、まず、操作無効タイマ223sの値が0より大きい値であるか判別する(S2901)。操作無効タイマ223sが0より大きい値であると判別した場合には(S2901:Yes)、操作無効タイマ223sの値を0にリセットし(S2902)、ボタン操作が有効になったことを示すための表示用コマンドを設定し(S2903)、本処理を終了する。一方、S2901の処理において、操作無効タイマ223sの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S2901:No)、S2902およびS2903の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
なお、ボタン操作無効期間がクリアされるタイミングは、これに限ることなく、電源投入時の役物動作処理など状況に応じて異なる動作期間が設定される処理が実行される場合には、役物動作処理と第3図柄表示装置81のブート処理とが終了した場合に、ボタン操作無効期間を解除するよう構成してもよい。また、ボタン操作無効期間は、タイマで設定するものに限らず、フラグなどを用いて設定し、第3図柄表示装置81のブート処理が完了し、ブート完了コマンドを受信した場合に解除するよう構成してもよい。
次に、図152を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2114)について説明する。図152は、この変動表示設定処理(S2114)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2114)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図143参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S2114:図152)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S3001)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S3001:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S3008の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別した場合には(S3001:Yes)、変動開始フラグ223dをオフに設定し(S3002)、表示用変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S3003)。
次に、連続予告実行フラグ223tがオンか否かを判別する(S3004)。連続予告実行フラグ223tがオンではないと判別した場合には(S3004:No)、演出態様設定処理を実行し(S3005)、S3007の処理に移行する。演出態様設定処理(S3005)の詳細な説明については、図153を参照して、後述する。連続予告実行フラグ223tがオンであると判別した場合には(S3004:Yes)、S3003の処理において取得した変動パターンと連続予告演出とに基づいて演出態様を決定する(S3006)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3007)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、図示は省略したが、入賞情報格納エリア223fに格納されたデータをシフトする。この処理では、入賞情報格納エリア223fの第1エリア~第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S3008の処理へ移行する。
S3008の処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S3008)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S3008:No)、本処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合には(S3008:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S3009)、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S3010)。次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S3011)、停止種別演出設定処理を実行し(S3012)、S3013の処理に移行する。停止種別演出設定処理(S3012)の詳細については、図156を参照して、後述する。
S3013の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3013)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。S3013の処理が実行された後、本処理を終了する。
次に、図153を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2114:図152参照)で実行される演出態様設定処理(S3005)について説明する。図153は、演出態様設定処理の内容を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S3005)では、時短中や確変中の高速変動演出を設定する処理やSPタイム期間の演出を設定するための処理である。
演出態様設定処理(S3005)では、まず、現在の遊技状態が通常状態であるか判別する(S3101)。現在の遊技状態が通常状態ではないと判別した場合には(S3101:No)、時短・確変中演出設定処理を実行し(S3102)、本処理を終了する。
ここで、図154を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される演出態様設定処理(S3005:図153参照)内の一処理である時短・確変用演出設定処理(S3102)について説明する。図154は、時短・確変用演出設定処理(S3102)の詳細を示したフローチャートである。
時短・確変用演出設定処理(S3102)では、まず、今回の特図変動は、遊技状態が時短状態、或いは、確変状態に移行してから81回転目であるか否か判別する(S3201)。今回の特図変動は81回転目ではないと判別した場合には(S3201:No)、対応する演出態様を決定し(S3202)、本処理を終了する。
一方、S3201の処理において、遊技状態が時短状態、あるいは、確変状態に移行してから81回転目であると判別した場合には(S3201:Yes)、今回開始する特図変動の変動秒数は1.5秒であるか判別する(S3203)。今回開始する特図変動の変動秒数は1.5秒であると判別した場合には(S3203:Yes)、対応する演出態様を決定し(S3204)、高速変動モード突入を示す表示用コマンドを設定し(S3205)、本処理を終了する。この高速変動モード突入を示す表示用コマンドが表示制御装置113に対して設定されると、第3図柄表示装置81に図93(a)に示した表示画面が表示される。
一方、S3203の処理において、今回開始する特図変動の変動秒数は1.5秒ではないと判別した場合には(S3203:No)、変動秒数は12秒であるか判別する(S3206)。変動秒数が12秒ではないと判別した場合には(S3206:No)、上述したS3202の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S3206の処理において、今回の特図変動の変動秒数は12秒であると判別した場合には(S3206:Yes)、1.5秒変動を4回と、6秒変動を1回とで構成される演出態様(合算して12秒)を決定し(S3207)、上述したS3205の処理を実行し、本処理を終了する。
本実施形態では、上述したように、確変状態、或いは、時短状態に遊技状態が移行し、移行した遊技状態での変動が81回転となると、高速変動モードに突入するよう構成している。しかしながら、高速変動モードに突入する演出が実行された直後に、大当たり変動などのロング変動が実行されると遊技者に違和感を与えてしまう問題があった。
そこで、本実施形態では、81回転目に12秒の変動が実行される場合には、12秒の変動1.5秒×4回の短変動と6秒の大当たり変動演出を実行することで高速変動モード突入演出を実行する。このように構成することで、遊技者に違和感のない演出を提供することができる。
なお、81回転目がロング変動の場合、上述したように短変動に分けて変動演出を実行することに限ることなく、高速変動モード以外の特殊モード(例えば、設定示唆モード)など異なる特典を遊技者に付与するよう構成してもよい。このように構成することで、演出を多様化することができ、また、遊技者も思わぬ特典が得られることで喜びを得ることができ、遊技の継続意欲を向上させることができる。
また、81回点目がロング変動の場合には、高速変動モードの突入演出を実行しないよう構成してもよい。このように構成することで、違和感のない遊技を遊技者に提供することができる。
図153に戻り説明を続ける。一方、S3101の処理において現在の遊技状態が通常状態であると判別した場合には、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられている連続予告実行フラグ223tがオンであるか否かを判別する(S3103)。連続予告実行フラグ223tがオンであると判別した場合には(S3103:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S3103の処理において、連続予告実行フラグ223tがオンではないと判別した場合に(S3103:No)、期間演出中フラグ223pがオンであるか否かを判別する(S3104)。期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合には(S3104:Yes)、期間演出設定処理を実行し(S3105)、対応する演出態様を決定し(S3106)、本処理を終了する。一方、期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合には(S3104:No)、上述したS3106の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図155を参照し、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する演出態様設定処理(S3005:図153参照)内の一処理である期間演出設定処理(S3105)について説明する。図155は、期間演出設定処理(S3105)の内容を示したフローチャートである。この期間演出設定処理(S3105)では、SPタイム期間中に実行されたリーチ回数や特別図柄の変動回数に基づいて、設定示唆演出の実行を設定するための処理を実行する。
期間演出設定処理(S3105)では、まず、今回実行する変動が大当たり変動であるか否かを判別する(S3301)。今回実行する特図変動が大当たり変動であると判別した場合には(S3301:Yes)、大当たり当選を示すための演出態様を決定し(S3312)、本処理を終了する。一方、S3301の処理において、今回実行する変動が大当たり変動ではないと判別した場合には(S3301:No)、取得した変動パターンに基づいて今回の変動パターンがリーチであるかを特定する(S3302)。次に、S3302の処理において特定した変動パターンはリーチ変動であるか判別する(S3303)。リーチ変動であると判別した場合には(S3303:Yes)、ミッション情報記憶エリア223qのリーチ回数を示す値を更新する(S3304)。
次に、更新したリーチ回数は、ミッション情報記憶エリア223qに設定された回数と同じ値であるか判別する(S3305)。更新したリーチ回数は、設定回数と同じ値であると判別した場合には(S3305:Yes)、設定示唆演出選択テーブル222cを参照して演出態様を決定する(S3306)。次に、決定した演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S3307)、S3308の処理に移行する。一方、S3305の処理において、リーチ回数と設定回数とが同じ値ではないと判別した場合には(S3305:No)、S3306およびS3307の処理をスキップし、S3308の処理に移行する。
次に、ミッション情報記憶エリア223qの変動回数を示す値を更新する(S3308)。そして更新した変動回数と設定回数とが同じ値であるか判別する(S3309)。更新した変動回数と設定回数とが同じ値であると判別した場合には(S3309:Yes)、設定示唆演出選択テーブル222cを参照して演出態様を決定し(S3310)、決定した演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S3311)、本処理を終了する。一方、S3309の処理において、変動回数と設定回数とが同じ値ではないと判別した場合には(S3309:No)、そのまま本処理を終了する。
上述したように、本実施形態では、SPタイム期間中に実行された特別図柄の変動回数と、そのリーチ回数とに基づいて、設定示唆演出を実行できるよう構成している。このように構成することで、遊技者にSPタイム期間中により多くの変動が実行されるよう願いながら遊技を実行させることができるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
なお、SPタイム演出期間中に実行される設定示唆演出の実行条件として、SPタイム演出期間中に実行された変動時間の合算に基づいて実行してもよい。このように構成することで、変動時間の長い特図抽選が実行され、その抽選結果が外れである場合にも、これからの遊技に期待を持たせることができる。
また、実行された演出結果を、ポイントとして記憶させておき、その記憶されたポイントを遊技者自身が使うか否かを決定し、そのポイントに基づいて、信頼度の高い設定示唆演出を実行するよう構成してもよい。このように、遊技者自身に設定示唆演出を見るタイミングを決定させることで、遊技の自由度を向上させることができる。
次に、図156を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する変動表示設定処理(S2114:図152参照)内の一処理である停止種別演出設定処理(S3012)について説明する。図156は、停止種別演出設定処理(S3012)の内容を示したフローチャートである。この停止種別演出設定処理(S3012)、期間演出中に特図変動の停止種別がリーチ外れである場合に、特定の設定示唆演出を実行するための処理である。
停止種別演出設定処理(S3012)が実行されると、まず、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられている期間演出中フラグ223pがオンに設定されているか、即ち、現在が期間演出中であるか判別する(S3401)。期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合には(S3401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S3401の処理において期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合には(S3401:Yes)、S3402の処理に移行する。
S3402の処理では、今回実行されている特図変動の停止種別は、リーチ外れであるか否かを判別する(S3402)。特図変動の停止種別がリーチ外れではないと判別した場合には(S3402:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特図変動の停止種別がリーチ外れであると判別した場合には(S3402:Yes)、キャラ表示フラグ223yをオンに設定し(S3403)、本処理を終了する。
次に、図157を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図143参照)内の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)の詳細について説明する。図157は、枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)の詳細な内容を示したフローチャートである。枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)では、枠ボタン22の押下動作が判別されて、押下されたことに基づいて、予告演出等の実行が設定される。
枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)では、まず、操作無効タイマ223sの値が0より大きい値であるか、即ち、ボタン操作の無効期間が設定されているか判別する(S3501)。操作無効タイマ223sの値が0より大きいと判別した場合には(S3501:Yes)、枠ボタン22の操作無効期間であるため、そのまま本処理を終了する。一方、操作無効タイマの値が0より大きい値ではない、即ち、枠ボタン22の操作無効期間ではないと判別した場合には(S3501:No)、枠ボタン22の押下を検出したか判別する(S3502)。枠ボタン22の押下を検出していないと判別した場合には(S3502:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S3502の処理において、枠ボタン22が押下されたと判別した場合には(S3502:No)、予告演出の実行中であるか判別する(S3503)。予告演出中であると判別した場合には(S3503:Yes)、抽選で決定された予告演出を示す表示用予告表示コマンドを表示制御装置114に対し設定し(S3504)、そのまま本処理を終了する。
一方、S3503の処理において、予告演出の実行中ではないと判別した場合には(S3503:No)、背景モードを1加算して、背景モード記憶エリア223vに設定し(S3505)、S3505の処理において設定した背景モードに対応した変動パターンへの表示用切替コマンドを表示制御装置114に対して設定し(S3506)、本処理を終了する。
なお、枠ボタン22が押下された回数を、カウンタ等を設け記憶しておき、その合計回数に基づいて、設定示唆演出が実行されるよう構成してもよい。また、枠ボタン22の長押し演出が実行された場合に、遊技者が枠ボタン22を長押しした時間を計測しておき、その合計時間に基づいて、設定示唆演出が実行されるよう構成してもよい。このように構成することで、遊技者に意欲的に枠ボタン22を押下する演出に参加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図158を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図143参照)内の一処理である経過時間確認処理(S2111)の詳細について説明する。図158は、経過時間確認処理(S2111)の詳細な内容を示したフローチャートである。この経過時間確認処理(S2111)では、現在の時刻情報と電源投入からの経過時間とに基づいて、現在の演出期間を設定するための処理が実行される。
経過時間確認処理(S2111)では、まず、計時装置292(図99参照)の計時する現在の時刻情報の読み出しを実行し(S3601)、次に、電源投入からの経過時間Tを算出する(S3602)。そして、S3602の処理において算出した経過時間Tに基づいて、演出切替テーブル222b(図108参照)より現在の演出期間を特定する(S3603)。
次に、S3603の処理において、演出切替テーブル222bより特定した演出期間は、SPタイム期間であるか判別する(S3604)。特定した演出期間は、SPタイム期間であると判別した場合には(S3604:Yes)、期間演出中フラグ223pがオンであるか、即ち、すでにSPタイム期間を設定しているか判別する(S3605)。期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合には(S3605:Yes)、SPタイム期間を設定する必要が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S3605の処理において、期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合には(S3605:No)、期間演出中フラグ223pをオンに設定し(S3606)、SPタイム期間に移行したことを示すための背面画像変更コマンドを表示制御装置114に対し設定し(S3607)、本処理を終了する。一方、S3604の処理において、特定した演出期間がSPタイム期間ではないと判別した場合には(S3604:No)、特化モード中フラグ223wがオンであるか否かを判別する(S3608)。
S3608の処理において、特化モード中フラグ223wがオンであると判別した場合には(S3608:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S3608の処理において特化モード中フラグ223wがオンではないと判別した場合には(S3608:No)、期間演出中フラグ223pがオンであるか、即ち、現在がSPタイム期間の終了が設定されているかを判別する。(S3609)。期間演出中フラグ223pがオンである、即ち、SPタイム期間の終了が設定されていないと判別した場合には(S3609:Yes)、特別図柄の変動中であるか判別する(S3610)。特別図柄の変動中であると判別した場合には(S3610:Yes)、特化モード設定処理(S3611)を実行し、本処理を終了する。この特化モード設定処理(S3611)の詳細な説明については、図159を参照して後述する。
一方、S3610の処理において、特別図柄の変動中ではないと判別した場合には(S3610:No)、期間演出中フラグ223pをオフに設定し(S3612)、次に、現在の遊技状態が確変中であるか判別する(S3613)。現在の遊技状態が確変中であると判別した場合には(S3613:Yes)、設定値を示唆する演出態様(図91参照)を抽選で決定し(S3616)、S3615の処理に移行する。一方、S3613の処理において、現在の遊技状態が確変中ではないと判別した場合には(S3614)、音声ランプ制御装置113のROM222に設けられている設定示唆演出選択テーブル222cを参照して、演出態様を決定し(S3614)、S3615の処理に移行する。S3615の処理では、S3614の処理、或いは、S3616の処理において決定した演出態様に対応する表示用コマンドを設定し(S3615)、背面画像表示用コマンドを設定し(S3617)、S3618の処理に移行する。
本実施形態では、SPタイム期間の終了時に、特図が変動中ではない、且つ、遊技状態が確変中である場合には、設定示唆演出として、SPタイム期間の終了時に遊技状態が確変状態ではない場合よりも信頼度の高い設定示唆演出が実行されるよう構成されている。このように構成することで、SPタイム期間を確変状態で終了し、信頼度の高い設定示唆演出を見たいと所望しながら遊技を実行するという新しい遊技性をもたせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上述したように、本実施形態では、SPタイム期間の終了時に設定示唆演出を表示するよう構成したが、これに限ることなく、SPタイム期間の開始時に設定示唆演出を実行するよう構成してもよい。このように構成することで、SPタイム期間の開始前に遊技を中止しようか考えている遊技者に対して、SPタイム期間の開始まで遊技を続行し、設定示唆演出を見るまで遊技を継続しようという遊技の継続意欲を持たせることができる。
また、上述したように、SPタイム期間の終了時の遊技状態に基づいて、信頼度の高い設定示唆演出を実行するよう構成したが、これに限ることなく、今回実行したSPタイム期間中の遊技結果に基づいて、SPタイム期間の終了時に信頼度の高い設定示唆演出を実行するよう構成してもよい。
このように構成する場合には、今回のSPタイム期間中に、遊技状態が複数回移行したかを判別し、その結果に基づいて、信頼度の高い設定示唆演出が実行されるようにするとよい。例えば、今回のSPタイム期間中に、遊技状態が2回移行(例えば、通常状態から時短状態、さらに確変状態に移行)した場合には、遊技状態が1回移行した場合、或いは、遊技状態が移行しなかった場合と比較して、信頼度の高い示唆演出を実行する。このように構成することで、遊技者は、SPタイム期間中になるべく多くの大当たりに当選し、遊技状態がより多く移行させることを所望しながら遊技を実行するので、SPタイム期間中に意欲的に遊技に参加することができる。
一方、S3609の処理において、期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合(S3609:No)、或いは、上述したS3617の処理を実行した後、次に、SPタイム期間までの残時間を算出する(S3618)。そして、S3618の処理で算出したSPタイム期間までの残時間を示す情報を時刻情報記憶エリア223rに格納し(S3619)、本処理を終了する。
次に、図159を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する経過時間確認処理(S2111:図158参照)内の一処理である特化モード設定処理(S3610)について説明する。図159は、特化モード設定処理(S3610)の内容を示したフローチャートである。この特化モード設定処理(S3610)は、SPタイム期間の終了タイミングに特別図柄が変動している場合に実行される処理であり、SPタイム期間の終了後の特図変動期間において設定示唆演出が実行されやすいモードを設定するための処理である。
特化モード設定処理(S3610)では、実行されている特別図柄の残り変動時間が5秒より長い時間であるか判別する(S3701)。実行されている特別図柄の残り変動時間が、5秒より短い時間であると判別した場合には(S3701:No)、残り変動時間では、特化モード演出を設定できないため、そのまま本処理を終了する。一方、実行されている特別図柄の残り変動時間が5秒よりも長い時間であると判別した場合には(S3701:Yes)、特化モード突入を示すための表示用コマンドを設定し(S3702)、特化モード中フラグ223wをオンに設定し(S3703)、S3704の処理に移行する。
S3704の処理では、音声ランプ制御装置113のROM222に設けられている演出実行数選択テーブル222f(図111参照)を参照して、特化モード中における示唆演出の実行数を決定する(S3704)。次に、実行中の特図変動演出に対して、示唆演出の実行を追加するための表示用コマンドを設定し(S3705)、実行済設定演出記憶エリア223kに、今回の特化モード中に実行される示唆演出の種別を格納し(S3506)、本処理を終了する。
上述したように、本実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングを跨ぐように、特別図柄の変動演出が実行されている場合において、残変動期間の長さに基づいて実行する演出を切り替えることができるよう構成している。このように構成することで、SPタイム期間の終了演出が急に切り替わってしまうなどの違和感の無い演出を提供することができる。
なお、本実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングに、特別図柄が変動中であるかを判別し、その残期間に応じて、特化モード演出を実行するか否かを判別するよう構成したがこれに限ることなく、特別図柄の変動開始時に、SPタイム期間の終了タイミングを跨いで実行されるかを判別し、その判別結果に基づいて変動開始時に特化モードを設定するよう構成してもよい。このように構成することで、より多くの時間を特化モードとして設定することが出来るので、より多様な演出態様を遊技者に提供することができる。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図160から図174を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図160を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図160は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図161を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図161は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図160のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図160のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定し(S6105)、ブート処理の完了を示すための完了コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S6106)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図161に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103~S6106の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103~S6106の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103~S6106の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図160の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図172(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図172(a)のS7502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図162(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図162(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図162(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、特図入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図162(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図162(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図162(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図162(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図162(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図163~図168を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図169~図171を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図172および図173を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図123に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図174を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、大当たりE、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図163~図168を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図163は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図163に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図164(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図164(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図163の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図164(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図164(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA~E、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図162(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図163に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図165(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図165(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図163に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図165(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図165(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図163に戻って説明を続ける。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図166を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図166は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図163に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動停止コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、表示用変動停止コマンドがあれば(S6414:Yes)、変動停止コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図167(a)を参照して、変動停止コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図167(a)は、変動停止コマンド処理を示すフローチャートである。この変動停止コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動停止コマンドに対応する処理を実行するものである。
この表示用変動停止コマンドとは、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図152のS2114参照)において設定された表示用変動パターンコマンドの終了タイミング、即ち、主制御装置110における各特別図柄の変動パターンを設定する処理にて設定された変動パターン(変動時間)の終了タイミング(主制御装置110が停止コマンドを設定するタイミング)にて、音声ランプ制御装置113から出力される表示用停止コマンド(正常停止コマンド)と、音声ランプ制御装置113の停止処理(図150のS2214参照)にて設定された各種表示コマンドを示すものである。
変動停止コマンド処理では、まず、表示用変動停止コマンドによって示される変動停止データテーブルを決定し、その決定した変動停止データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6931)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6932)。
次いで、S6931の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動停止データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6933)、ポインタ233fを0に初期化する(S6934)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6935)、変動停止コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図163に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、変動停止コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用報知コマンドがあるか否かを判別し(S6416)、表示用報知コマンドがあれば(S6416:Yes)、報知コマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図167(b)を参照して、報知コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図167(b)は、報知コマンド処理を示すフローチャートである。この報知コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した(表示用)報知コマンドに対応する処理を実行するものである。
この報知コマンドは、主制御装置110にて設定された各種異常状態を示すためのコマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合に設定される各種報知コマンドのうち、表示制御装置114に出力された表示用報知コマンドを表示制御装置114が受信した場合に実行される処理である。
報知コマンド処理では、まず、報知コマンドによって示される報知態様に対応した表示(報知)データテーブルを決定し、その決定した表示(報知)データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6951)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6952)。
次いで、S6951の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示(報知)データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6953)、ポインタ233fを0に初期化する(S6954)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6955)、報知コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113の設定した各種報知コマンドのうち、報知対象が第3図柄表示装置81(表示装置)であることを示す表示用コマンドのみを表示制御装置114が判別するように構成しているが、これに限ること無く、表示用コマンド以外の発光用コマンドや、音声出力用コマンドや、役物駆動用コマンドといった関連コマンドも一旦受信し、表示制御装置114の処理にて設定されたデータ内容(表示態様)を示すための情報を追加した状態で、関連コマンドを対応する制御装置に出力するように構成しても良い。
図163に戻り、説明を続ける。S6416の処理において、表示用報知コマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6418)、背面画像変更コマンドがあれば(S6418:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図168を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6419)の詳細について説明する。図168は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7503)に通知する背面画像変更フラグ233wをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグ233xの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグ233xから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図163の説明に戻る。S6418の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6418:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6420)、エラーコマンドがあれば(S6420:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6421)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図168(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6421)の詳細について説明する。図168(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102の処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図163の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6420:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6422)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402~S6422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401~S6422の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図162(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図164(a)参照)および停止種別コマンド処理(図164(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図164(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図169~図171を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図169は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図169に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202~S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203~S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。
ここで、図170を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図170は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図169の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図171を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図171は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402)。その結果、End情報であれば(S7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図169に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図162(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図172及び図173を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図172(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図172(b)を参照して後述する。
一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図173を参照して後述する。
次いで、図172(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図172(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。
S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図162(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図162(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図162(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図163~図168参照)および表示設定処理(図169~図171参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図173参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図172(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図173を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図173は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。
また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。
S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。
S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図174を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図174は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図123)を生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図162(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第2実施形態について>
次に、図175から図184を参照して第2実施形態について説明をする。本第2実施形態におけるパチンコ機10は、上述した第1実施形態に対して、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技中演出として、先読み演出が実行される場合に、その先読み演出期間とSPタイム期間との重複度合いに基づいて実行される演出の内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。なお、上述した第1実施形態と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
ここで、上述した第1実施形態では、特図変動演出の一部として実行される先読み演出の禁止期間を設定する際に、実行され得る先読み演出の実行期間を算出し、その算出結果とSPタイム期間とが重複した場合に、先読み演出の実行を禁止するように構成していた。これに対して、本第2実施形態では、大当たり遊技中に実行される先読み演出に対しても禁止期間を設定するように構成している。これにより、大当たり遊技中に実行される先読み演出がSPタイム期間と重複してしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第2実施形態では、先読み演出期間と、SPタイム期間とが重複した場合において、先読み演出の演出態様を可変させることにより、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制するように構成している。
<第2実施形態における演出内容について>
まず、図175から図177を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。図175(a)は、大当たり遊技中に実行される特典演出の1つであるラッキー演出が開始された時点における表示画面の一例を示した図である。図175(a)に示した通り、本実施形態では、大当たり遊技の最初のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)が開始されると「ラッキー演出抽選開始」の文字が表示される。このラッキー演出とは、大当たり遊技中に実行される特典演出であって、獲得済みの特図保留内に大当たり当選する特図保留(当たり保留)が存在することを遊技者に報知するための演出(保留連演出)が実行されるか否かを遊技者に報知するための演出である。
また、詳細な説明は後述するが、ラッキー演出抽選に当選した場合であっても、大当たり遊技終了後の遊技状況(SPタイム期間の設定状況)によっては、保留連演出が実行されない場合がある。このような場合には、ラッキー演出の演出態様として保留連演出以外の演出(代替演出)が実行されることを示す演出態様が設定されるように構成している。
図175(b)は、ラッキー演出の演出態様として、保留連演出が実行されることを遊技者に報知するための演出態様が設定された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。図175(b)に示した通り、保留連演出が実行される場合には、キャラクタ810が「保留連」の文字が付されたプラカード1811を掲げる演出が実行される。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に再度大当たり当選することを分かり易く報知することができる。
なお、図175(b)に示した図では、1ラウンド目のラウンド遊技期間中にラッキー演出が開始され、そのラウンド遊技期間中にラッキー演出の演出結果が表示されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技中のどのタイミングでラッキー演出を開始させても良いし、ラッキー演出が開始されたラウンドとは異なるラウンドでラッキー演出の演出結果を表示するように構成しても良い。さらに、この場合、ラッキー演出が開始され易いラウンドを、設定値によって異ならせるように構成しても良いし、ラッキー演出の演出結果に基づいて異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、どのタイミングでラッキー演出が実行されるのかを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。また、ラッキー演出が実行されない大当たり遊技中演出を実行可能に構成しても良い。
次に、図176(a)を参照して、保留連演出の演出内容について説明をする。本実施形態では、大当たり遊技のエンディング期間から保留連演出が開始され、大当たり遊技の終了後、特別図柄抽選で大当たり当選するまでの期間、保留連演出が実行される。そして、保留連演出の演出態様として、多くの魚(魚群)が、第3図柄表示装置81の表示画面を右から左へと移動する演出態様が設定される。
具体的には、図176(a)に示した通り、大当たり遊技の終了画面にて保留連演出が実行されることを示す「魚群まつり突入」の文字が表示されると共に、表示画面の右側にて魚群が待機している画像が表示される。
そして、魚群まつり中における特別図柄変動画面では、図176(b)に示した通り、魚群が右から左へと移動する演出が実行された後に、第3図柄が大当たり当選を示す停止表示態様(777)で停止表示される。
このように、大当たり遊技中から保留連演出を実行することにより、遊技者に対して、大当たり遊技が実行されること(保留連すること)を前回の大当たり遊技期間中に報知することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
一方で、本実施形態では、保留連演出が実行される先読み演出期間と、SPタイム期間と、が重複すると判別された状態のうち、その重複期間が所定期間(2秒)未満である場合には、保留連演出の演出態様を通常の演出態様(図176(b)参照)から、短縮演出態様へと切り替えて実行するように構成している。
図177は、保留連演出の短縮演出態様を示すための表示画面である。図177に示した通り、短縮演出態様が設定された場合には、特別図柄が停止表示されるよりも前に、表示画面にて魚群が右から左へと移動する演出を実行させた後に、第3図柄を、大当たり当選を示す停止表示態様で仮停止させる演出が実行される。つまり、SPタイム期間が設定されるタイミングと、保留連演出期間とが若干重複する場合には、保留連演出の演出結果を示すタイミングが、SPタイム期間が設定されるタイミングよりも前(2秒前)となるように構成している。これにより、SPタイム期間と重複すること無く、保留連演出を実行させることができ易くすることができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図178から図180を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成について説明をする。まず、図178(a)を参照して音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図178(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容を模式的に示した図である。
図178(a)に示した通り、本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、先読み規制期間テーブル222aaと、代替演出選択テーブル222abと、を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
先読み規制期間テーブル222aaは、大当たり遊技中に実行される保留連演出の演出期間を算出する際に参照されるデータテーブルであって、ラッキー演出の抽選にて保留連演出を実行し得る契機が成立したと判別した場合に、その演出期間を算出する際に参照されるものである。
本実施形態では、大当たり遊技の遊技期間として、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技数と、1のラウンド遊技にて費やし得る最大時間(30秒)と、に基づいて1回の大当たり遊技に用いられる最大時間を算出し、その最大時間を考慮した保留連演出期間を算出するように構成している。そして、その最大時間内にSPタイム期間が設定されるか否かを判別し、設定されないと判別した場合には、保留連演出を実行するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中にどのように遊技が行われた場合であっても、SPタイム期間と保留連演出期間とが重複することが無いため、遊技者に対して分かり難い演出が実行されることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技の最大時間とSPタイム期間とを比較する構成を用いているが、これに限ること無く、大当たり遊技の最大時間を大当たり遊技の進行度合いに応じて補正する補正処理を実行するように構成しても良い。この場合、大当たり遊技にて新たなラウンド遊技が実行される場合に、残りのラウンド遊技数と、各ラウンド遊技にて費やし得る最大時間(30秒)とに基づいて保留連演出の演出期間を補正すれば良い。このように構成することで、1回のラウンド遊技が30秒未満で終了した場合、即ち、30秒が経過するよりも前に、特定入賞口65aへと球を9個入賞させることによってラウンド遊技の終了条件を成立させた場合に対応させて大当たり遊技の最大時間を可変算出することができるため、保留連演出を実行させ易くすることができる。
さらに、この場合、大当たり遊技の開始タイミングでは、SPタイム期間と保留連演出期間とが重複する状態であって、大当たり遊技の進行状況に応じてSPタイム期間と保留連演出期間とが重複しないように遷移する可能性がある。このような状況が発生した場合には、大当たり遊技の開始タイミングにおいて保留連演出を実行可能と判別した場合よりも、遊技者に有利な特典を付した保留連演出を実行可能に構成すると良く、例えば、保留連演出に加えて、設定値を示唆するための設定示唆演出を特典として追加するように構成すると良い。さらに、大当たり遊技中の遊技者に対して、SPタイム期間と保留連演出期間とが重複した状態から重複しない状態へと遷移させるための遊技条件を報知する条件報知手段を設けると良い。これにより、様々な特典を獲得しようと、条件報知手段により報知された遊技条件を成立させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、保留連演出期間を速めることによりSPタイム期間との重複関係を解消する技術思想でパチンコ機10を構成しているが、これとは異なり、例えば、保留連演出の開始期間を遅らせることによりSPタイム期間が終了した後に保留連演出を実行させる技術思想に基づく構成としても良く、例えば、大当たり遊技の特定タイミング(エンディング期間)から保留連演出を実行するように構成した場合には、実行中の大当たり遊技を早く進行させる第1遊技を実行した場合には、保留連演出の実行タイミングがSPタイム期間と重複し、第1遊技よりも大当たり遊技を遅く進行させる第2遊技を実行した場合には、保留連演出の実行タイミングがSPタイム期間と重複しないと判別した場合には、遊技者に対して第2遊技(例えば、球を発射しない遊技)を促す案内態様を表示するように構成しても良い。
ここで、図179を参照して、先読み規制期間テーブル222aaの内容について説明をする。図179が先読み規制期間テーブル222aaに規定されている内容を示した図である。図179に示した通り、先読み規制期間テーブル222aaには、先読み演出(保留連演出)の対象となる特図保留の位置と、先読み演出期間内における大当たり数と、に基づいて規制対象期間(秒)が規定されている。
具体的には、演出対象保留が「1」、即ち、大当たり遊技終了後に実行される1回目の特別図柄抽選にて大当たり当選することを示す先読み演出(保留連演出)が実行される場合には、1回の大当たり遊技における最大期間と、1回の特別図柄変動における最大期間と、を合算した「440秒」が規制対象期間として規定されている。この規制対象期間内において、SPタイム期間が設定されない場合には、先読み演出を実行した場合であても、その先読み演出期間中にSPタイム期間が設定されることが無いため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
以下、演出対象保留が「2」、期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「880秒」が、演出対象保留が「3」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「900秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1250秒」が規定され、演出対象保留が「4」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「920秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1270秒」が規定され、期間内大当たり数が「3」の場合には、規制対象期間として「1620秒」が規定される。
また、演出対象保留が「5」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「940秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1290秒」が規定され、期間内大当たり数が「3」の場合には、規制対象期間として「1640秒」が規定され、期間内大当たり数が「4」の場合には、規制対象期間として「1990秒」が規定される。演出対象保留が「6」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「960秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1310秒」が規定され、期間内大当たり数が「3」の場合には、規制対象期間として「1660秒」が規定され、期間内大当たり数が「4」の場合には、規制対象期間として「2010秒」が規定され、期間内大当たり数が「5」の場合には、規制対象期間として「2360秒」が規定される。
演出対象保留が「7」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「980秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1330秒」が規定され、期間内大当たり数が「3」の場合には、規制対象期間として「1680秒」が規定され、期間内大当たり数が「4」の場合には、規制対象期間として「2030秒」が規定され、期間内大当たり数が「5」の場合には、規制対象期間として「2380秒」が規定され、期間内大当たり数が「6」の場合には、規制対象期間として「2730秒」が規定される。そして、演出対象保留が「8」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「1000秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1350秒」が規定され、期間内大当たり数が「3」の場合には、規制対象期間として「1700秒」が規定され、期間内大当たり数が「4」の場合には、規制対象期間として「2050秒」が規定され、期間内大当たり数が「5」の場合には、規制対象期間として「2400秒」が規定され、期間内大当たり数が「6」の場合には、規制対象期間として「2750秒」が規定され、期間内大当たり数が「7」の場合には、規制対象期間として「3000秒」が規定される。
このように構成することで、大当たり遊技中に実行される先読み演出(保留連演出)として、複数の大当たり遊技を対象に保留連演出を実行可能に構成した場合において、その保留連演出の最後までSPタイム期間が設定されないか否かを予め判別することで、遊技者に対して保留連演出を分かり易く提供することができる。
代替演出選択テーブル222abは、ラッキー演出にて保留連演出の実行契機が成立したと判別された場合であって、保留連演出の実行が禁止された場合におけるラッキー演出の演出態様及び、保留連演出の代わりに実行される代替演出の態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。
ここで、図180を参照して、代替演出選択テーブル222abの詳細な説明をする。図180は、代替演出選択テーブル222abに規定されている内容を示した図である。図180に示した通り、代替演出選択テーブル222abには、先読み演出(ラッキー演出)の対象期間内に発生し得る大当たり当選数(期間内大当たり数)と、先読み演出期間と、SPタイム期間との重複期間の長さと、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて、異なる演出態様が規定されている。なお、代替演出選択テーブル222abに規定されている各種演出態様は、実行可能な演出態様であって、決定された演出態様の実行条件が成立している場合に決定された演出態様を代替演出として実行させるように構成している。
より具体的には、大当たり個数(期間内大当たり数)が「1~3」であって、重複期間が「2~10秒」の場合は、取得した演出カウンタ223gの範囲が「0~69」の範囲に「重複態様」が、「70~89」の範囲に「設定示唆」が、「90~99」の範囲に「演出なし」が規定され、重複期間が「10~30秒」の場合は、取得した演出カウンタ223gの範囲が「0~69」の範囲に「設定示唆」が、「70~89」の範囲に「演出なし」が、「90~99」の範囲に「重複態様」が規定され、重複期間が「30秒~」の場合は、取得した演出カウンタ223gの範囲が「0~89」の範囲に「演出なし」が、「90~99」の範囲に「強制保留連」が規定されている。
また、大当たり個数(期間内大当たり数)が「4~」であって、重複期間が「2~10秒」の場合は、取得した演出カウンタ223gの範囲が「0~69」の範囲に「重複態様」が、「70~89」の範囲に「設定示唆」が、「90~99」の範囲に「強制保留連」が規定され、重複期間が「10~」の場合は、取得した演出カウンタ223gの範囲が「0~89」の範囲に「強制保留連」が、「90~99」の範囲に「演出なし」が規定されている。
なお、上述した通り、重複期間が2秒以内である場合には、図177を参照して説明をした短縮保留連演出が実行されるため、代替演出選択テーブル222abには規定されていない。
ここで、代替演出の演出態様として、「設定示唆」が選択された場合には、保留連演出が実行されること無く、代わりに、SPタイム期間が設定されるまでの期間を用いて設定値を遊技者に示唆するための設定示唆態様が決定され、「重複態様」が選択された場合には、後述する図185(b)に示した表示内容のように、ラッキー演出(先読み演出)と、SPタイム演出(期間演出)との表示領域を区分けして両方の演出を重複して実行させる演出態様が決定される。
また、「強制保留連」が選択された場合は、SPタイム期間が設定された場合でも、SPタイム演出を実行すること無く、ラッキー演出として保留連演出を強制的に実行するための演出態様が決定される。つまり、「強制保留連」が選択された場合には、周囲のパチンコ機10にてSPタイム演出が実行されている状態において、SPタイム演出が実行されず保留連演出が継続して実行されるため、遊技者に対して大きな違和感を与える演出を実行することができる。なお、「演出なし」が選択された場合には、代替演出が実行されない。
以上、説明をした通り、代替演出選択テーブル222abは、先読み演出(ラッキー演出)の対象期間内に発生し得る大当たり当選数(期間内大当たり数)と、先読み演出期間と、SPタイム期間との重複期間の長さと、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて、複数の演出態様を選択可能に構成されており、期間内大当たり数、即ち、大当たり当選し得る回数が多いほど、「強制保留連」の演出態様が選択され易くなるように構成している。よって、「強制保留連」が選択され、周囲のパチンコ機10にてSPタイム演出が実行されている状態にてSPタイム演出が実行されず保留連演出が継続して実行された場合には、多くの大当たりに当選し得る状態であることを遊技者に報知することができる。
また、先読み演出期間と、SPタイム期間との重複期間の長さに応じて、他の演出態様の選択割合を異ならせている。よって、どのタイミングで先読み演出が実行されるかに応じて代替演出として選択される(選択され易い)演出態様を異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。また、先読み演出期間と、SPタイム期間との重複期間が短いほうが、代替演出として「重複態様」を選択し易く構成しているため、重複態様で各演出を実行することで演出効果を高めながらも、長時間の間、重複態様で各演出が実行され難くすることができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図181から図184を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容について説明をする。本実施形態では、上述した第1実施形態に対して、大当たり関連処理(図148のS2212参照)に代えて大当たり関連処理2(図181のS2252参照)を、ラウンド演出設定処理(図149のS2606参照)に代えてラウンド演出設定処理2(図182のS2651参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図181を参照して、大当たり関連処理2(S2252)の処理内容について説明をする、図181は、大当たり関連処理2(S2252)の処理内容を示すためのフローチャートである。この大当たり関連処理2(S2252)は、上述した第1実施形態の大当たり関連処理(図148のS2212参照)に対して、ラウンド数コマンドを受信した場合に実行される処理内容と、エンディングコマンドを受信した場合に実行される処理内容と、の一部を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
大当たり関連処理2(S2252)が実行されると、上述した大当たり関連処理(図148のS2212参照)と同一のS2603~S2605の処理を実行し、S2605の処理を終えると、ラウンド演出設定処理2(S2651)を実行し、その後、上述した大当たり関連処理(図148のS2212参照)と同一のS2607の処理を実行した後に、本処理を終了する。なお、S2651の処理にて実行されるラウンド演出設定処理2の詳細な内容については、図182を参照して後述する。
一方、S2604の処理においてラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S2604:No)、次に、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S2608)、エンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S2608:Yes)、保留連演出実行フラグ223aaがオンに設定されているか、即ち、エンディング期間中に実行される終了画面演出として保留連演出が実行されるかを判別し(S2652)、保留連演出実行フラグ223aaがオンに設定されていると判別した場合は(S2652:Yes)、保留連演出用の背景モード(魚群まつり用の背景モード)を背景モード記憶エリア223vに格納し(S2653)、表示用エンディングコマンドを設定し(S2654)、ラウンド数カウンタ223xの値を0に設定し(S2655)、本処理を終了する。
次に、図182を参照して、ラウンド演出設定処理2(S2651)の処理内容について説明をする。図182はラウンド演出設定処理2(S2651)の処理内容を示すためのフローチャートである。このラウンド演出設定処理2(S2651)では、上述したラウンド演出設定処理(図149のS2606参照)に対して、1ラウンド目のラウンド遊技が開始される場合に、保留連演出の実行条件が成立したかを判別するための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ラウンド演出設定処理2(S2651)が実行されると、まず、ラウンド数カウンタ223xの値に基づいて、今回実行されるラウンドが1ラウンド目であるかを判別し(S2751)、1ラウンド目では無いと判別した場合には(S2751:No)、上述した第1実施形態のラウンド演出設定処理(図149のS2606参照)と同一のS2701~S2707の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S2751の処理において、今回のラウンドが1ラウンド目であると判別した場合は(S2751:Yes)、保留連演出設定処理を実行し(S2752)、次に、S2752の処理によって、保留連演出の実行が決定されたかを判別する(S2753)。S2753の処理において、保留連演出の実行が決定されたと判別した場合は(S2753:Yes)、保留連演出実行フラグ223aaをオンに設定し(S2754)、上述したS2701の処理へ移行する。
また、S2753の処理において、保留連演出の実行が決定されていないと判別した場合は(S2753:No)、S2754の処理をスキップして、S2701の処理へ移行する。
なお、本実施形態では、保留連演出の実行を決定するための処理(保留連演出設定処理)を、1ラウンド目に実行可能に構成しているが、これに限定されること無く、任意のラウンド数で実行するように構成しても良く、例えば、特定の大当たり種別(大当たりA1、B1)が設定された大当たり遊技のみ実行されるラウンド数(8ラウンド目)の実行タイミングにて保留連演出設定処理を実行するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり種別に応じて、保留連演出設定処理の実行の有無を決定することができるため、短いラウンド数の大当たり遊技が実行された場合には、保留連演出が実行されない場合であっても、保留連に期待させながら大当たり遊技終了後の遊技を行わせることができる。
また、1回の大当たり遊技中において、保留連演出設定処理を複数回(例えば、1ラウンド目と8ラウンド目)実行可能に構成し、最後に実行された保留連演出設定処理にて決定された内容に基づいて演出態様を最終決定するように構成しても良い。この場合、大当たり遊技中に新たに獲得した特図保留内に大当たり当選を示す情報が含まれている場合であっても保留連演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
次に、図183を参照して、保留連演出設定処理(S2752)の処理内容について説明をする。図183は保留連演出設定処理(S2752)の処理内容を示すためのフローチャートである。この保留連演出設定処理(S2752)では、保留連演出の実行条件が成立しているか否かを判別するための処理と、保留連演出の実行条件が成立している場合において、保留連演出の演出期間を算定し、SPタイム期間との重複度合いに基づいて実際に実行する演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
保留連演出設定処理(S2752)が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223fに格納されている情報を読み出し(S3801)、読み出した情報に含まれている大当たり当選情報(大当たり当選することを示す情報)を、入賞情報格納エリア223fに格納されている格納位置に対応付けて特定する(S3802)。つまり、S3802の処理では、獲得済みの特図保留が当たり保留であるか否かを、保留記憶順序(特別図柄抽選の実行順序)に対応させて特定する。
S3802の処理を終えると、先読み規制期間選択テーブル222aaを参照して、保留連演出の実行期間を算出し(S3803)、次いで、計時情報記憶エリア(時刻情報記憶エリア)223rに記憶されている計時情報に基づいてSPタイム演出が実行されるSP期間(SPタイム期間)を特定する(S3804)。
次に、S3803の処理で算出した保留連演出の演出期間と、S3804の処理で特定したSP期間とが重複するかを判別し(S3805)、重複しないと判別した場合は(S3805:No)、保留連演出の実行を決定し(S3806)、本処理を終了する。即ち、算出した保留連演出の演出期間をフルに用いた保留連演出が実行された場合であっても、保留連演出の演出期間中にSPタイム演出が実行されないと判別した場合は、保留連演出をそのまま実行する。
一方、S3805の処理において、重複すると判別した場合は(S3805:Yes)、保留連演出の代わりに実行する代替演出を設定するための代替演出設定処理を実行し(S3807)、本処理を終了する。
ここで、図184を参照して、代替演出設定処理(S3807)の処理内容について説明する。図184は、代替演出設定処理(S3807)の処理内容を示すためのフローチャートである。この代替演出設定処理(S3807)では、先読み演出(ラッキー演出)の対象期間内に発生し得る大当たり当選数(期間内大当たり数)と、先読み演出期間と、SPタイム期間との重複期間の長さと、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて、異なる演出態様の代替演出を決定するための処理が実行される。
代替演出設定処理(S3807)が実行されると、まず、保留連演出の演出期間とSP期間(SPタイム期間)との重複状況(重複期間)を判定し(S3901)、S3901の判定結果に基づいて、重複期間が2秒以内であるかを判別する(S3902)。S3902の処理において、2秒以内であると判別した場合は(S3902:Yes)、SPタイム演出よりも、保留連演出が先に実行される重複関係であるかを判別し(S3903)、保留連演出が先に実行されると判別した場合に(S3903:Yes)、短縮保留連演出の実行を決定し(S3904)、本処理を終了する。
ここで、短縮保留連演出が実行されると、図177に示した通り、SPタイム期間が設定される前に保留連演出の演出結果が表示させる短縮演出態様が決定される。このように、重複期間が短い場合には、一方の演出期間を短縮させる処理を実行するように構成することで、複数の演出が重複して実行されてしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
一方、S3902の処理において、重複期間が2秒以上であると判別した場合には(S3902:No)、代替演出選択テーブル222abを参照して、代替演出の演出態様を決定し(S3905)、決定した演出態様に応じた各種演出の実行を決定し(S3907,S3908)、本処理を終了する。
<第2実施形態の変形例について>
次に、図185を参照して、第2実施形態における技術思想を用いた変形例について説明をする。上述した第2実施形態では、先読み演出期間とSPタイム期間とが重複した場合において、重複して各演出が実行されたとしても遊技者が困惑をすることが無い演出態様(重複演出態様)で各演出を実行可能な技術思想が記載されていた。
この技術思想を、上述した第1実施形態における先読み演出、即ち、特別図柄変動に対応して実行される先読み演出に用いても良い。
具体的には、先読み演出である「魚群まつり」の実行期間中に、SPタイム準備期間中に突入すると、図185(a)に示した表示画面が表示される。そして、その後、SPタイム期間が設定されると、図185(b)に示した通り、魚群まつりの演出態様(魚群画像)が表示領域HR1へと移動し、表示領域HR1内で先読み演出が実行される重複演出態様が設定される。つまり、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmでは、複数のパチンコ機10にて同期して実行される期間演出(SPタイム演出)を実行することで、複数のパチンコ機10に一体感を持たせた演出を実行させながら、主表示領域Dmの一部領域(表示領域HR1)を用いて、先読み演出を継続して実行させる。
このように、各演出が実行される領域を区画することにより、遊技者に対して複数の演出を重複させて実行した場合であっても、演出内容が混同してしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本変形例では、SPタイム演出の表示領域を先読み演出の表示領域よりも大きくした例を示しているが、これに限ること無く、SPタイム演出よりも先読み演出の表示領域を大きく構成しても良いし、先読み演出の演出結果(大当たり当選の有無)に応じて、先読み演出の演出領域(表示領域HR1)の大きさを異ならせても良く、例えば、先読み演出の演出結果が遊技者に有利な結果(有利な大当たりに当選)である場合のほうが、遊技者に不利な結果(不利な大当たりに当選)である場合よりも、演出領域が大きくなるように構成すると良い。このように構成することで、SPタイム期間と、先読み演出期間とが重複する場合のみ、先読み演出の演出結果を、演出領域の大きさに基づいて遊技者に予測させることができるため、各演出の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができる。
また、本変形例では、SPタイム演出も先読み演出も第3図柄表示装置81の表示画面にて表示するように構成しているが、これに限ること無く、演出の実行期間が重複した場合には、何れかの演出を、第3図柄表示装置81以外の表示装置(例えば、サブ液晶表示装置)の表示画面にて表示するように構成しても良いし、パチンコ機10に設けられる装飾用の役物を用いて何れかの演出を実行するように構成しても良い。この場合、SPタイム演出期間と、先読み演出期間とが重複した場合のみ設定される専用演出態様で演出を実行させることができるため、様々な演出を体感したい遊技者に対して、各演出の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができる。
<第3実施形態について>
次に、図186から図194を参照して、第3実施形態について説明をする。上述した第1実施形態および第2実施形態では、様々な演出を用いて設定示唆演出を実行可能に構成することで、どのタイミングで設定示唆演出を実行するかを遊技者に分かり難くし、実行される様々な演出に対して興味を持たせ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるものであった。
これに対して、本第3実施形態では、遊技者に対して、設定示唆演出が実行され得る実行条件を予め報知可能に構成し、その実行条件が成立するように遊技者が遊技を行うことで設定示唆演出を実行させ易くする構成を追加している点で上述した第1実施形態、及び第2実施形態と相違している。なお、それ以外の内容は同一であり、同一の内容については詳細な説明を省略する。
<第3実施形態における演出内容について>
まず、図186を参照して、本第3実施形態のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、通常状態が設定されている状態で、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)と、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)と、を獲得順に記憶可能に構成しており、各保留記憶数を示すための保留図柄を最大で8個表示可能に構成している。
そして、保留図柄の表示態様を可変させる演出である保留変化演出が実行され、1の保留図柄の表示態様が特定表示態様となった場合において、その特定表示態様が表示されている期間中に、所定数(例えば6個以上)の保留記憶を獲得することで、保留図柄の表示態様を用いて設定示唆演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、設定示唆演出を多く実行させようと、多くの保留記憶を獲得させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、本第3実施形態では、上述した特定表示態様で表示されている保留図柄を、異なる表示態様へと可変させるように保留変化演出の可変シナリオを設定可能に構成しており、特定表示態様で表示されている保留図柄に対応した特別図柄変動が実行されるまでの期間、或いは、特定表示態様が異なる表示態様へと切り替わるまでの期間を、設定示唆演出が実行され易い期間として設定可能に構成している。これにより、遊技者に対して設定示唆演出が実行され易い期間がいつまで継続するのかを分かり難くすることができるため、特定表示態様の保留図柄が表示された直後から遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、保留変化演出の可変シナリオとして、特定表示態様で表示されている保留図柄の表示態様を、特定表示態様よりも遊技者に有利となる特殊表示態様へと可変させる可変シナリオを設定可能に構成しており、保留図柄の表示態様が特殊表示態様へと可変された場合には、特定表示態様の保留図柄が表示されている場合よりも、設定示唆演出が実行される保留図柄の範囲が拡大するように構成している。このように構成することで、特定表示態様の保留図柄に対して、表示態様を可変させる可変演出が実行された場合に、特殊表示態様へと可変し、遊技者により有利な状態(設定示唆演出が実行され易い状態)が創出されるか、特定表示態様が通常の表示態様へと可変し、遊技者に不利な状態(設定示唆演出が実行され難い状態)が創出されるかを注目させることができる。
また、詳細な説明は省略するが、本第3実施形態においても、上述した第1実施形態と同様に、保留変化演出を用いて、当該保留に対応する特別図柄抽選の結果が遊技者に有利な結果(大当たり当選)であることを示唆可能に構成している。つまり、保留変化演出が実行された場合には、当該保留の特別図柄抽選の結果を示唆する表示態様、或いは、設定示唆演出の実行頻度を異ならせるための表示態様の何れかを表示可能に構成している。よって、保留変化演出の演出結果によって、遊技者に対して様々な特典を付与することができるため、演出効果を高めることができる。
ここで、図186を参照して、保留変化演出の演出内容について説明をする。図186(a)は、保留変化演出によって保留図柄の表示態様が特定表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図186(b)は、特定表示態様の保留図柄が表示されている状態で保留記憶を8個獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図186(c)は、保留変化演出によって特定表示態様が通常表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図186(d)は、保留変化演出によって保留図柄の表示態様が特定表示態様から特殊表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図186(a)に示した通り、特定表示態様(図では「?」を付した表示態様で表示)の保留図柄が保留図柄用台座m4に表示されると、保留用台座m6~m8の領域、即ち、特図保留数が6~8個に対応する領域が、設定示唆演出が実行される領域となることを遊技者に案内するための案内態様として「特殊図柄表示ゾーン」として表示される。そして、キャラクタJ0が遊技者に特図保留を獲得させる遊技を促すための案内態様として「?がある間に保留を貯めてね」のコメントが表示される。
この特殊図柄表示ゾーンが表示されている期間中に、特図保留数が6個以上になると、保留用台座m6~m8の領域に表示される保留図柄の表示態様を用いた設定示唆演出が実行される。具体的には、保留図柄の色や形状を可変させることにより、現在設定されている設定値を示唆するための表示態様で保留図柄が表示される。なお、この場合も上述した第1実施形態と同様に、設定示唆演出選択テーブル222cを参照して演出パターン(設定示唆内容)が決定され、その演出パターンに対応した表示態様で保留図柄が表示される。
これにより、保留図柄の表示態様として特定表示態様(?を付した表示態様)が表示された場合には、遊技者に対して保留記憶を多く獲得し、保留図柄の表示態様を用いた設定示唆演出を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
ここで、特定表示態様が表示されている期間中に特図保留を所定数(6個)以上獲得すると、図186(b)に示した通り、各保留図柄の表示態様を用いた設定示唆演出が実行される。図186(b)に示した図では、第6保留用台座m6の保留図柄に対して演出パターンAの表示態様(図では「A」を付した表示態様で表示)が、第7保留用台座m7、および第8保留用台座の保留図柄に対して演出パターンBの表示態様(図では「B」を付した表示態様で表示)が表示されている。
そして、特殊図柄表示ゾーンに表示された各表示態様(設定示唆演出の演出結果)の履歴情報を示すためのコメントとして「A×1,B×2GET!」のコメントをキャラクタJ0が発している態様の履歴表示が実行される。これにより、特定表示態様の保留図柄の表示位置が特別図柄変動の実行に基づいて移動(シフト)することにより、新たに特殊図柄表示ゾーンに保留図柄を表示させた場合においても、特殊図柄表示ゾーンに表示された保留図柄の表示態様の全貌を遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本実施形態では、特殊図柄表示ゾーンの領域にて設定示唆演出の表示態様が設定された保留図柄が、特殊図柄表示ゾーン外へと移動(シフト)した場合に、設定示唆演出の表示態様がクリアされるように構成している。よって、表示画面には設定示唆演出に対応して表示される保留図柄の表示態様は最大で3個まで表示可能となる。このように、特殊図柄表示ゾーンから外れた保留図柄の表示態様が設定示唆演出に対応する表示態様では無くなるように構成することで、特殊図柄表示ゾーン内で表示された設定示唆演出の表示態様を記憶する必要が生じる。よって、長時間遊技を行っている遊技者のほうが、多くの設定示唆演出の演出態様を把握し易くすることができる。
また、図186(b)に示した状態で保留変化演出が実行され、特定表示態様で表示されていた保留図柄が通常表示態様(図では黒色の丸で表示)へと変化すると、保留図柄を用いた設定示唆演出の実行条件が成立していない状態(特定表示態様が表示されていない状態)となるため、図186(c)に示した通り、特殊図柄表示ゾーンの表示が消去され、設定示唆演出が実行され易い期間が終了したことを示すためのコメントとして「終了」のコメントをキャラクタJ0が発している態様が表示される。
一方で、図186(b)に示した状態で保留変化演出が実行され、特定表示態様で表示されていた保留図柄が特殊表示態様(図では星印で表示)へと変化すると、図186(d)に示した通り、特定表示態様の保留図柄が表示されている場合よりも、設定示唆演出が実行される保留図柄の範囲(特殊図柄表示ゾーン)が拡大表示される。このように構成することで、特定表示態様の保留図柄に対して、表示態様を可変させる可変演出が実行された場合に、特殊表示態様へと可変し、遊技者により有利な状態(設定示唆演出が実行され易い状態)が創出されるか、特定表示態様が通常の表示態様へと可変し、遊技者に不利な状態(設定示唆演出が実行され難い状態)が創出されるかを注目させることができる。
<第3実施形態の電気的構成について>
次に、図187および図188を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成について説明をする。まず、図187(a)を参照して音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図187(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容を模式的に示した図である。
図187(a)に示した通り、本第3実施形態では、上述した第1実施形態に対して、保留変化演出選択テーブル222baを追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
保留変化演出選択テーブル222baは、先読み演出の1つとして実行される保留変化演出の演出シナリオを選択する際に参照されるデータテーブルであって、先読み演出として保留図柄の表示態様を可変させる保留変化演出を実行すると判別した場合(図191のS2508参照)に、実行される保留変化演出設定処理(図192のS2560参照)において参照される。
この保留変化演出選択テーブル222baを参照して選択された保留変化演出の変化パターンが保留変化パターン格納エリア112bbに格納され、格納されている保留変化パターンに基づいて保留図柄の変化タイミングであると判別した場合に、保留変化パターンに規定されている表示態様へと保留図柄の表示態様が変化される。
ここで、図188を参照して、保留変化演出選択テーブル222baの内容について詳細に説明をする。図188は保留変化演出選択テーブル222baに規定されている内容を模式的に示した図である。図188に示した通り、保留変化演出選択テーブル222baには、保留変化演出の対象となる特図保留が示す当否判定結果と、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて、4種類の保留変化パターンが規定されている。
具体的には、対象保留の当否判定結果が当たりであって、取得した演出カウンタ223gの値が「0~59」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン1」が、取得した演出カウンタ223gの値が「60~89」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン2」が、取得した演出カウンタ223gの値が「90~98」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン3」が、規定されている。
一方、対象保留の当否判定結果が外れであって、取得した演出カウンタ223gの値が「0~69」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン4」が、取得した演出カウンタ223gの値が「70~89」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン1」が、取得した演出カウンタ223gの値が「90~98」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン2」が、規定されている。
ここで、各保留変化パターンの内容について説明をする。「パターン1」は、対象保留を獲得したことを示す保留図柄が表示されてから2秒後に表示態様が第1態様(特定表示態様)へと変化し、その対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまで継続して第1態様が標示される保留変化パターンである。
「パターン2」は、対象保留を獲得したことを示す保留図柄が表示された後、次の特別図柄変動が開始されるタイミングで表示態様が第1態様(特定表示態様)へと変化し、その対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまで継続して第1態様が表示される保留変化パターンである。
「パターン3」は、対象保留を獲得したことを示す保留図柄が表示された後、次の特別図柄変動が開始されるタイミングで表示態様が第1態様(特定表示態様)へと変化し、2回目の特別図柄変動(次々回の特別図柄変動)が開始されるタイミングで表示態様が第2態様(特殊表示態様)へと変化し、その対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまで継続して第2態様が標示される保留変化パターンである。
「パターン4」は、次の特別図柄変動が開始されるタイミングで表示態様が第1態様(特定表示態様)へと変化し、2回目の特別図柄変動(次々回の特別図柄変動)が開始されるタイミングで表示態様が第1態様(特定表示態様)から、第3態様(通常表示態様)へと変化する保留変化パターンである。
このように、選択される保留変化パターンに応じて、特殊図柄表示ゾーンが表示される期間を異ならせるように構成することで、遊技者に対して、特殊図柄表示ゾーンが表示される期間がどの程度継続するのかを分かり難くすることができる。よって、特殊図柄表示ゾーンが表示された直後から意欲的に特図保留を獲得しようと遊技を行わせることができる。
<第3実施形態における制御処理について>
次に、図189から図194を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容について説明をする。本実施形態では、上述した第1実施形態に対して、保留球数コマンド受信処理(図145のS2208参照)に代えて保留球数コマンド処理(図189のS2258参照)を、入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)に代えて入賞コマンド受信処理3(図191のS2260参照)を、変動表示設定処理(図152のS2114参照)に代えて変動表示設定処理3(図193のS2164参照)を、液晶演出実行管理処理(図143のS2110)に代えて液晶演出実行管理処理3(図194のS2160参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図189を参照して、保留球数コマンド処理3(S2258)の制御処理の内容について説明をする。図189は、保留球数コマンド処理3(S2258)の処理内容を示したフローチャートである。図189に示した通り、保留球数コマンド処理3(S2258)では、上述した保留球数コマンド受信処理(図145のS2208参照)に対して、保留態様設定処理(S2351)の処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、図190を参照して、保留態様設定処理(S2351)の内容について説明をする。図190は、保留態様設定処理(S2351)の処理内容を示すためのフローチャートである。この保留態様設定処理(S2351)では、新たな保留図柄を表示する際に、今回表示する保留図柄が特殊図柄表示ゾーン(特殊表示ゾーン)内であるかを判別し、その判別結果に基づいた表示態様(演出態様)を決定するための処理が実行される。
保留態様設定処理(S2351)が実行されると、まず、特殊保留演出実行中フラグ223baがオンに設定されているかを判別し(S4001)、オンに設定されていると判別した場合は(S4001:Yes)、次に、格納した値、即ち、保留球数コマンド処理3(図189のS2258参照)にて実行されるS2301の処理において特別図柄保留球数カウンタに格納された値(何個目の特図保留となるかを示すための情報)が、現在設定されている特殊表示ゾーン(特殊図柄表示ゾーン)に該当するかを判別する(S4002)。
S4002の処理において、特殊表示ゾーン内であると判別した場合は(S4002:Yes)、設定示唆演出として保留図柄の表示態様を決定するために、設定示唆演出選択テーブル222bを参照して今回の保留図柄表示に用いる演出パターン(演出態様)を決定し(S4003)、決定した演出態様に対応する保留図柄の表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4004)、本処理を終了する。
次に、図191を参照して、入賞コマンド受信処理3(S2260)の処理内容について説明をする。図191は、入賞コマンド受信処理3(S2260)の処理内容を示すためのフローチャートである。この入賞コマンド受信処理3(S2260)では、上述した入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)に対して、変動演出以外の先読み演出を実行すると判別した場合に(S2508:No)、保留変化演出設定処理(図192のS2560)を実行するように構成した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、図192を参照して、保留変化演出設定処理(S2560)の処理内容について説明をする。図192は、保留変化演出設定処理(S2560)の処理内容を示すためのフローチャートである。この保留変化演出設定処理(S2560)では、保留変化演出が実行される場合において、その保留変化パターン(変化シナリオ)を決定するための処理が実行される。
保留変化演出設定処理(S2560)が実行されると、まず、保留変化演出選択テーブル222baを参照して保留変化パターンを決定し(S4101)、決定した保留変化パターンを保留変化パターン格納エリア223bbに格納し(S4102)、格納された保留変化パターンが特殊保留演出(特殊図柄表示ゾーンが表示される演出)を含むものであるかを判別する(S4103)。
そして、特殊保留演出が含まれると判別した場合は(S4103:Yes)、特殊保留演出実行中フラグ223baをオンに設定し(S4104)、本処理を終了する。一方、S4103の処理において、特殊保留演出が含まれないと判別した場合は(S4103:No)、S4104の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図193を参照して、変動表示設定処理3(S2164)の内容について説明をする。図193は、変動表示設定処理3(S2164)の処理内容を示すためのフローチャートである。この変動表示設定処理3(S2164)では、上述した変動表示設定処理(図152のS2114参照)に対して、特殊保留演出(図186参照)に関わる処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動表示設定処理3(S2164)が実行されると、まず、上述した変動表示設定処理(図152のS2114参照)と同一のS3001~S3003の処理を実行する。そして、S3003の処理を終えると、次に、特殊保留演出実行中フラグ223baがオンに設定されているかを判別し(S4201)、オンに設定されていると判別した場合は(S4201:Yes)、今回の変動が、特殊保留演出の対象保留に係る変動であるかを判別し(S4202)、対象保留に係る変動であると判別した場合は(S4202:Yes)、特殊保留演出実行中フラグ223baをオフに設定し(S4203)、以降、上述した変動表示設定処理(図152のS2114参照)と同一のS3004~S3013の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S4201の処理において、特殊保留演出実行中フラグ223baがオンに設定されていない、即ち、特殊保留演出が実行されていないと判別した場合(S4201:No)、或いは、S4202の処理において、特殊保留演出の対象保留に係らない変動、即ち、特殊保留演出の対象となる保留図柄に対応する特別図柄変動以外の特別図柄変動が実行されると判別した場合は(S4202:No)、S4203の処理をスキップして、上述した変動表示設定処理(図152のS2114参照)と同一のS3004~S3013の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図194を参照して、液晶演出実行管理処理3(S2160)の処理内容について説明をする。図194は、液晶演出実行管理処理3(S2160)の処理内容を示すためのフローチャートである。この液晶演出実行管理処理3(S2160)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図143参照)にて1ミリ秒毎に実行される処理であって、実行中の演出の内容を定期的に更新するための処理が実行される。例えば、演出の進行内容を経過時間に基づいて可変させていくための演出シナリオを決定し、その演出シナリオに基づいて演出態様を可変させる場合には、液晶演出実行管理処理3(S2160)にて経過時間を特定し、特定した経過時間が演出シナリオに規定されている演出態様の可変タイミングと合致したと判別した場合に、演出態様を可変させるための表示用コマンドが設定される。
<第4実施形態について>
次に、第4実施形態について説明をする。上述した第1実施形態では、設定されている遊技状態に応じて異なる変動パターンを選択するように変動パターン選択テーブル222aを規定し、遊技状態に応じて、リーチ外れ演出が実行される割合を異ならせるように構成していた。そして、SPタイム期間中においてリーチ外れ演出が実行された場合には、特典として設定示唆演出が実行されるように構成していた。そして、リーチ外れ演出が実行され難い遊技状態のほうが、変動演出として設定示唆演出を実行させ難くなるため、他の演出を用いて設定示唆演出を実行するように構成した。つまり、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、SPタイム期間中において実行される設定示唆演出の回数が均等となるように構成していた。
これに対して、本第4実施形態では、同一の遊技状態(例えば、通常状態)が設定されている状態においても、リーチ外れ演出が選択される割合を可変させることが可能に構成している。具体的には、遊技者が枠ボタン22を操作することにより背景モードを変更可能に構成し、選択されている背景モードに応じて、同一の変動パターンが選択された場合であっても、リーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度を異ならせるように構成している。
このように、遊技者が選択した背景モードによってリーチ外れ演出の実行頻度を異ならせるように構成することで、リーチ演出が実行された場合における大当たり当選の期待度を異ならせることができる。よって、大当たり当選の有無に関わらずリーチ演出を見たい遊技者は、リーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度が高い背景モードを選択し、リーチ演出の大当たり期待度を高めたい遊技者は、リーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度が低い背景モードを選択することで所望の演出で遊技を行うことができる。
また、上述した第1実施形態と同様に、SPタイム期間中においてリーチ外れ演出が実行された場合には、設定示唆演出が実行されるように構成しているため、設定示唆演出の実行頻度についても遊技者が選択可能となる。よって、既に設定されている設定値を把握している遊技者は、他の遊技者(隣で遊技を行っている遊技者)に設定値を把握され難くするために設定示唆演出の実行頻度が低い背景モードを選択し、いち早く設定値を把握したい遊技者は、設定示唆演出の実行頻度が高い背景モードを選択することができる。
さらに本実施形態では、リーチ演出の実行頻度が低い状態(リーチ外れ演出が実行され難い状態)では、設定示唆演出として、現在設定されている設定値を遊技者が予測し易い演出態様(強示唆態様)が選択され易くなるように構成し、リーチ演出の実行頻度が高い状態(リーチ外れ演出が実行され易い状態)では、設定示唆演出として、現在設定されている設定値を遊技者が予測し難い演出態様(弱示唆態様)が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、設定示唆演出が実行され易いが弱示唆態様が選択され易い遊技と、設定示唆演出が実行され難いが強示唆態様が選択され易い遊技と、を遊技者に選択させることが可能となる。
つまり、本実施形態では、設定示唆演出の実行回数を均一化させるのでは無く、実行される設定示唆演出によって遊技者が獲得する設定値を予測するための情報量を均一化させるという技術思想の基、為された発明となる。
さらに、本技術思想に基づく発明として、実現頻度が低い遊技状況が発生するほど、強示唆態様が選択され易くすると良く、例えば、1回のSPタイム期間中に複数回の大当たり遊技が実行された場合に、強示唆態様が選択され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、よりレアな遊技状況を創出させることにより、設定値を予測し易い情報を付与することが可能となるため、遊技者に対して様々な遊技状況を創出させようと工夫をしながら遊技を行わせることができる。
<第4実施形態における電気的構成について>
まず、図195及び図196を参照して、本実施形態における電気的構成について説明をする。本第4実施形態におけるパチンコ機10は、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外の構成、即ち、主制御装置110のMPU201が有するROM202及びRAM203の構成や、表示制御装置113の各電気的構成の内容については同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図195(a)は、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図195(a)に示した通り、本実施形態のROM222は、上述した第1実施形態のROM222に対して、変動パターン選択テーブル222aに代えて変動パターン選択4テーブル222caを設け、新たに終了時態様選択テーブル222cbを追加した点で相違しており、それ以外が同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動パターン選択4テーブル222caは、上述した変動パターン選択テーブル222aと同様に、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、実行させる変動演出の演出パターンを選択する際に参照されるデータテーブルである。上述した第1実施形態では、その詳細な説明を省略したが、受信した変動パターンを示す情報や、現在の遊技状態や、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて各種変動演出の演出パターンが規定されている。
ここで、図196を参照して、変動パターン選択4テーブル222caの詳細な内容について説明をする。図196は、変動パターン選択4テーブル222caに規定されている内容のうち、特徴的な規定内容を模式的に示した図である。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態のパチンコ機10は、複数種類のリーチ演出を実行可能に構成しており、変動パターン選択4テーブル222caには、受信した変動パターンコマンドに対応しさせて各種リーチ演出の種別が規定されている。
図196に示した通り、変動パターン選択4テーブル222caには、現在の遊技状態(特別図柄、及び普通図柄の確率状態に加え、選択されている背景モードに応じた遊技状態)と、主制御装置110から受信した変動パターン種別と、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて各種変動演出パターンが規定されている。
具体的には、遊技状態が「通常1」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「砂浜ステージ」であって、受信した変動パターンが「当たり各種」、即ち、主制御装置110の変動パターン選択テーブル202bを参照して選択された変動パターンが当たり変動A~当たり変動Cである場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「各種当たり」が規定されている。
図196では詳細な図示は省略しているが、実際には、受信した変動パターンが示す変動時間の長さと、取得した演出カウンタ223gの値と、に対応させて複数種類の変動演出(リーチ演出)のうち、何れかの変動演出(リーチ演出)が規定されている。なお、特別図柄の当たり当選に対応する変動パターンを受信した場合には、変動演出の結果が大当たり当選を示す結果となるため、リーチ外れ演出が実行されることが無い。
次に、遊技状態が「通常1」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「砂浜ステージ」であって、受信した変動パターンが「外れ変動A」、即ち、主制御装置110の通常用変動パターンテーブル202b1を参照して選択された変動パターンが外れ変動A(変動時間5秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「短外れ」が規定されている。この「短外れ」が選択された場合には、リーチ演出が実行されること無く、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための表示態様で第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。
遊技状態が「通常1」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「砂浜ステージ」であって、受信した変動パターンが「外れ変動B」、即ち、主制御装置110の通常用変動パターンテーブル202b1を参照して選択された変動パターンが外れ変動B(変動時間20秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「0~49」の範囲に対して、変動演出として「中外れ」が規定され、「50~98」の範囲に対して、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。「中外れ」が選択された場合には、変動演出としてリーチ演出が実行されるか否かを煽る演出が実行された後に、リーチ演出が実行されること無く、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための表示態様で第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。
ここで、「中外れ」に対応する変動演出の具体例としては、第3図柄が外れを示す表示態様(大当たり当選を示す表示態様以外)で仮停止した後に、再度、第3図柄を変動させる疑似変動演出を実行することでリーチ演出が実行されることを遊技者に期待させる変動演出や、変動表示中の第3図柄の変動速度を一時的に低速にすることで、上述した短外れに対応する変動演出よりも、リーチ演出が実行される(リーチ演出が実行されることになる組合せで第3図柄の一部を停止表示させる)期待度を高めた変動演出がある。
このような「中外れ」の変動演出に対応する演出態様は、何れもリーチ外れ演出やリーチ当たり演出においても途中まで同様の演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、中外れの変動演出が実行されている場合において、遊技者に対して実行されている変動演出が「中外れ」、「リーチ外れ」、「リーチ当たり」の何れに基づいて実行された変動演出であるかを分かり難くすることができる。
また、「リーチ外れ」に対応する変動演出の具体例としては、第3図柄が外れを示す表示態様(大当たり当選を示す表示態様以外)で仮停止した後に、再度、第3図柄を変動させる疑似変動演出を実行することでリーチ演出が実行されることを遊技者に期待させた後に、リーチ演出が実行される変動演出や、変動表示中の第3図柄の変動速度を一時的に低速にすることで、上述した短外れに対応する変動演出よりも、リーチ演出が実行される(リーチ演出が実行されることになる組合せで第3図柄の一部を停止表示させる)期待度を高めた後にリーチ演出を実行する変動演出がある。
そして、遊技状態が「通常1」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「砂浜ステージ」であって、受信した変動パターンが「外れ変動C」、即ち、主制御装置110の通常用変動パターンテーブル202b1を参照して選択された変動パターンが外れ変動C(変動時間60秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。つまり、外れ変動Cが選択された場合には、必ずリーチ外れの変動演出が実行されるように構成している。
一方、遊技状態が「通常2」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「深海ステージ」であって、受信した変動パターンが「当たり各種」である場合、即ち、主制御装置110の変動パターン選択テーブル202bを参照して選択された変動パターンが当たり変動A~当たり変動Cである場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「各種当たり」が規定されている。なお、変動演出として「各種当たり」が選択された場合に実行される変動演出の内容については、上述した通常1の場合と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
遊技状態が「通常2」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「深海ステージ」であって、受信した変動パターンが「外れ変動A」、即ち、主制御装置110の通常用変動パターンテーブル202b1を参照して選択された変動パターンが外れ変動A(変動時間5秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「0~49」の範囲に対して、変動演出として「短外れ」が規定され、「50~98」の範囲に対して、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。
この、外れ変動Aに対して実行されるリーチ外れ演出は、第3図柄変動が実行された直後(2秒後)にリーチ演出が実行され、その2秒後にリーチ外れを示す表示態様で第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。つまり、遊技者に対して大当たり当選するか否かを煽ることで演出効果を高める目的では無く、リーチ外れ演出の実行頻度を高めることを目的とした変動演出が実行される。なお、このように短時間でリーチ演出(リーチ外れ演出)を実行する場合には、例えば、変動演出が実行される場合に、3つの第3図柄のうち、1つの第3図柄を停止表示させたまま、他の1つの第3図柄を停止表示させたままの第3図柄と同一の表示態様で即座に停止表示させることで短時間でリーチ状態となるように構成すると良い。このように、全ての第3図柄を変動表示させること無くリーチ状態を創出するように構成することで、遊技者に分かり易い演出態様でリーチ状態を短時間で創出することができる。なお、この場合、変動表示されない第3図柄に対して、変動表示されないこと(停止表示されたままであること)を遊技者に報知するための報知態様として、例えば「LOCK」の文字が付されたアイコンを付加すると良い。これにより、変動表示されることの無い第3図柄が存在することを遊技者に分かり易く報知することができる。
遊技状態が「通常2」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「深海ステージ」であって、受信した変動パターンが「外れ変動B」、即ち、主制御装置110の通常用変動パターンテーブル202b1を参照して選択された変動パターンが外れ変動B(変動時間20秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「0~9」の範囲に対して、変動演出として「中外れ」が規定され、「10~98」の範囲に対して、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。そして、受信した変動パターンが「外れ変動C」、即ち、変動時間が60秒である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。つまり、外れ変動Cが選択された場合には、必ずリーチ外れの変動演出が実行されるように構成している。
以上、説明をした通り、本実施形態では、通常状態が設定されている場合において、選択されている背景モードに応じてリーチ外れ演出が実行される頻度を異ならせている。具体的には、背景モードとして「砂浜ステージ」が選択されている場合(通常1の場合)よりも、「深海ステージ」が選択されている場合(通常2の場合)のほうが、リーチ外れ演出が実行され易くなるように構成している。よって、同一の遊技状態(通常状態)が設定されている場合においてもリーチ外れ演出、ひいてはリーチ演出の実行頻度を異ならせることができるため、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。
なお、本実施形態では、遊技者が枠ボタン22を操作することにより、背景モードを変更可能に構成し、設定された背景モードに応じてリーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度を異ならせているが、リーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度を異ならせるための構成はこれに限られるものでは無く、例えば、遊技状態が変更されること無く実行される特別図柄抽選の回数が所定回数(例えば、50回)に到達した場合に背景モードが切り替わるように構成しても良いし、計時装置292により計時される時刻が所定時刻(例えば、午後1時)となった場合に背景モードが切り替わるように構成しても良いし、大当たり遊技終了後に特定の遊技状態(例えば、確変状態)が設定される大当たり種別を複数有する場合には、大当たり遊技終了後に特定の遊技状態が設定される複数の大当たり種別のうち、第1大当たり種別が設定された場合と、第2大当たり種別が設定された場合と、で特定の遊技状態が設定された場合に異なる背景モードが設定されるように構成しても良い。
このように、遊技者が任意に背景モードを選択できない仕様であったとしても、遊技者に対してリーチ演出の実行頻度を異ならせた遊技を実行させることができるため、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。
次に、遊技状態が時短状態、或いは確変状態である場合には、背景モードに関わらず、同一の変動演出が実行されるように変動演出が規定されており、遊技状態が「時短・確変」、即ち、遊技状態が時短状態、或いは確変状態であって、受信した変動パターンが「当たり各種」である場合、即ち、主制御装置110の時短・確変用変動パターンテーブル202b2を参照して選択された変動パターンが当たり変動A、当たり変動Bである場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「各種当たり」が規定されている。なお、変動演出として「各種当たり」が選択された場合に実行される変動演出の内容については、上述した通常1の場合と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
また、受信した変動パターンが「外れ変動D」である場合、即ち、主制御装置110の時短・確変用変動パターンテーブル202b2を参照して選択された変動パターンが外れ変動D(変動時間3秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「短外れ」が規定されている。つまり、変動時間が3秒と短い変動パターンではリーチ演出が実行されること無く、外れを示す第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。
受信した変動パターンが「外れ変動B,C」である場合、即ち、主制御装置110の時短・確変用変動パターンテーブル202b2を参照して選択された変動パターンが外れ変動B(変動時間20秒)、或いは、外れ変動C(変動時間60秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。
さらに、遊技状態が確変状態であって、高速変動モードである場合には、背景モードに関わらず、同一の変動演出が実行されるように変動演出が規定されており、遊技状態が「確変高速変動期間」、即ち、遊技状態が確変状態、且つ、高速変動モードであって、受信した変動パターンが「当たり各種」である場合、即ち、主制御装置110の高速変動用変動パターンテーブル202b3を参照して選択された変動パターンが短当たり変動A、短当たり変動Bである場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「各種当たり」が規定されている。なお、変動演出として「各種当たり」が選択された場合に実行される変動演出の内容については、上述した通常1の場合と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
また、受信した変動パターンが「外れ各種」である場合、即ち、主制御装置110の高速変動用変動パターンテーブル202b3を参照して選択された変動パターンが短外れ変動A(変動時間1.5秒)、短外れ変動B(変動時間6秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「短外れ」が規定されている。つまり、高速変動モード中はリーチ外れ演出が実行されること無く、リーチ演出が実行された時点で大当たり当選していることが報知されることになる。
以上、説明をした通り、本実施形態では、主制御装置110の制御処理において選択された変動パターンに対応する変動演出を実行する場合において、遊技状態(現在設定されている遊技状態や背景モード)に基づいて異なる変動演出が決定され得るように構成し、遊技状態に応じてリーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度を異ならせるように構成している。
そして、遊技状態としては、通常状態が最もリーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度、即ち、所定回数の特別図柄抽選が実行された場合にその抽選結果を示すための変動演出の演出態様としてリーチ演出が実行される頻度が最も高くなり、次いで、時短状態、確変状態の順でリーチ演出の実行頻度が低くなるように構成している。さらに、確変状態が設定されている場合のうち、高速変動モード中においてはリーチ外れ演出が実行されないように構成している。このように構成することで、各遊技状態におけるリーチ外れ演出の実行頻度を明確に規定することができる。
図195(a)に戻り説明を続ける。終了時態様選択テーブル222cbは、期間演出(SPタイム演出)の終了時に実行される設定示唆演出の演出内容(示唆態様)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、期間演出の開始タイミングにおける遊技状態と、期間演出の終了タイミングにおける遊技状態と、に対応させて異なる示唆態様が規定されている。
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、期間演出が実行されている場合には、期間演出が実行されていない場合よりも、変動演出に基づいて設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。より具体的には、期間演出中に実行される特別図柄抽選の実行回数やリーチ演出の実行回数に基づいて設定示唆演出を実行したり、リーチ外れ演出が実行された場合に設定示唆演出を実行したりするように構成している。
つまり、期間演出(SPタイム演出)が実行されるSPタイム期間は、遊技者に対して設定値を予測させるための情報が多く提供されるため、遊技者に有利な特典(設定示唆情報)が付与され易くなる特典期間となる。しかしながら、このSPタイム期間は、計時装置292による計時結果に基づいて設定される期間であり、実際の遊技内容に関わらず設定されるものであるため、例えば、大当たり遊技中にSPタイム期間が設定されたり、リーチ外れ演出が実行され難い遊技状態(高速変動モード)中にSPタイム期間が設定されたりする場合がある。
このように、SPタイム期間が設定された場合であっても、そのSPタイム期間中における遊技状況によって、設定示唆演出の実行頻度が異なってしまうため遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して本第4実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングにおいて設定値を示唆する演出態様で演出(期間演出終了時演出)を実行可能に構成し、期間演出終了時演出の演出態様を、SPタイム期間が設定された時点における遊技状態(特別図柄の確率状態、普通図柄の確率状態、背景モード、大当たり遊技中か否かによって特定される遊技の状態)と、SPタイム期間が終了した時点における遊技状態とに基づいて決定するように構成している。
具体的には、SPタイム期間中が変動演出に基づく設定示唆演出が実行され難い遊技状態である場合のほうが、変動演出に基づく設定示唆演出が実行され易い遊技状態である場合よりも期間演出終了時演出中に設定値を予測し易い態様(強示唆態様)で設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。つまり、設定示唆演出が実行され難い状況でSPタイム期間中の遊技が実行された場合には、SPタイム期間の終了タイミングにおいて、強示唆態様の設定示唆演出が実行され易くなる。このように構成することで、遊技状態に関わらず、SPタイム期間中に遊技を行った遊技者に対して設定値を予測するための情報(設定推測要素)を均等に付与することができる。よって、どのような遊技状態でSPタイム期間が設定された場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、図197を参照して、終了時態様選択テーブル222cbの内容について説明をする。図197は終了時態様選択テーブル222cbに規定されている内容を模式的に示した図である。この終了時態様選択テーブル222cbは、SPタイム期間(SPタイム演出)の終了画面にて実行される設定示唆演出の示唆態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、設定値の予測し易さに応じた5段階の示唆態様(最低示唆態様、低示唆態様、中示唆態様、高示唆態様、最高示唆態様)が、SP期間開始時の遊技状態と、SPタイム期間終了時の遊技状態との組合せに対応させて選択されるように規定されている。
具体的には、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常1」で、終了時の遊技状態が「通常1」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「低示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常1」で、終了時の遊技状態が「通常2」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「低示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常1」で、終了時の遊技状態が「時短・確変」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「中示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常1」で、終了時の遊技状態が「高速変動」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常1」で、終了時の遊技状態が「大当たり中」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」がそれぞれ選択されるように規定している。
SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常2」で、終了時の遊技状態が「通常1」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「低示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常2」で、終了時の遊技状態が「通常2」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「最低示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常2」で、終了時の遊技状態が「時短・確変」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「中示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常2」で、終了時の遊技状態が「高速変動」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常2」で、終了時の遊技状態が「大当たり中」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」がそれぞれ選択されるように規定している。
また、SPタイム期間開始時の遊技状態が「時短・確変」で、終了時の遊技状態が「通常1、通常2」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「中示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「時短・確変」で、終了時の遊技状態が「時短・確変」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「時短・確変」で、終了時の遊技状態が「高速変動」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「最高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「時短・確変」で、終了時の遊技状態が「大当たり中」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「最高示唆態様」がそれぞれ選択されるように規定している。
SPタイム期間開始時の遊技状態が「高速変動」で、終了時の遊技状態が「高速変動」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「最高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「高速変動」で、終了時の遊技状態が「大当たり中」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「最高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「高速変動」で、終了時の遊技状態が「高速変動、大当たり中以外」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「大当たり中」で、終了時の遊技状態が「大当たり中」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「確定報知」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「大当たり中」で、終了時の遊技状態が「大当たり中以外」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」がそれぞれ選択されるように規定している。
<第4実施形態における制御処理について>
次に、図198、及び図199を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、経過時間確認処理(図158のS2111参照)に代えて経過時間確認処理4(図198のS2171参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図198を参照して、経過時間確認処理4(S2171)の内容について説明をする。図198は、経過時間確認処理4(S2171)の処理内容を示すためのフローチャートである。この経過時間確認処理4(S2171)は、上述した経過時間確認処理(図158のS2111参照)に対して、期間演出(SPタイム演出)の終了時に表示される終了画面の表示態様を設定するための処理の内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図198に示した通り、経過時間確認処理4(S2171)が実行されると、上述した経過時間確認処理(図158のS2111参照)と同一のS3601~S3607の処理が実行され、S3607の処理を終えると、次に、現在の遊技状態を遊技状態格納エリア223caに格納し(S3671)、本処理を終了する。このS3671の処理では、現在の遊技状態、即ち、期間演出が実行されるSP期間(SPタイム期間)の開始タイミングにて設定されている遊技状態として、特別図柄の確率状態、普通図柄の確率状態に加え、選択中の背景モードの種別(砂浜ステージ、深海ステージ)を示す情報と、高速変動モード中であるか否かを示す情報と、大当たり遊技中であることを示す情報と、を含む遊技状態情報が遊技状態格納エリア223caに格納される。ここで遊技状態格納エリア223caに格納された遊技状態情報は、期間演出終了時に表示される終了画面の表示態様を決定する際に参照される。
また、S3604の処理において、現在の演出期間がSP期間(SPタイム期間)では無いと判別した場合は(S3604:No)、次に、特化モード中フラグ223wがオンに設定されているかを判別し(S3608)、特化モード中フラグ223wがオンに設定されていないと判別した場合は(S3608:No)、期間演出中フラグ223pがオンに設定されているかを判別する(S3609)。
S3609の処理において、期間演出中フラグ223pがオンに設定されている、即ち、現在がSP期間(SPタイム期間)が終了したタイミングであって、SPタイム演出が実行中であることを示す期間演出中フラグ223pがオンのままの状態(期間演出の終了を設定するタイミング)であると判別した場合には(S3609:Yes)、次いで、特別図柄変動が実行されている状態であるかを判別し(S3610)、特別図柄変動中であると判別した場合には(S3610:Yes)、上述した経過時間確認処理(図158のS2111参照)と同一のS3611の処理を実行し、本処理を終了する。詳細な説明は省略するが、S3611の処理では、SPタイム期間(SP期間)の終了タイミングにおいて実行されている特別図柄変動の残変動時間(SPタイム期間の終了時点から実行中の特別図柄変動が停止表示されるまでの期間)に応じて、その残変動時間中に実行させる演出態様を決定するための処理が実行される。
一方、S3610の処理において特図変動中では無いと判別した場合は(S3610:No)、次に、終了画面設定処理を実行し(S3672)、期間演出中フラグ223pをオフに設定し(S3612)、第3図柄表示装置81の表示画面の背景画像種別を、SPタイム期間を示す背景画像から通常演出期間を示す背景画像へと切り替えるための背面画像変更コマンドを設定し(S3613)、次いで、上述した経過時間確認処理(図158のS2111参照)と同一のS3614,S3615の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図199を参照して、終了画面設定処理(S3672)の内容について説明をする。図199は、終了画面設定処理(S3672)の処理内容を示すためのフローチャートである。この終了画面設定処理(S3672)は、上述した経過時間確認処理4(図198のS2171参照)において、期間演出(SPタイム演出)を終了させるための条件(SPタイム期間が終了し、特図変動演出が停止表示されている)が成立した場合に実行されるものであって、SPタイム演出の終了画面に表示される表示態様として、SPタイム期間中における遊技状態(遊技状況)に応じて異なる表示態様を決定するための処理が実行される。
終了画面設定処理(S3672)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア223caから期間演出開始時の遊技状態、即ち、経過時間確認処理4(図198のS2171参照)にて実行されるS3671の処理にて格納された遊技状態と、現時点における遊技状態と、を読み出し(S4401)、S4401の処理にて読み出した各遊技状態(期間演出開始時の遊技状態と、期間演出終了時の遊技状態)に基づいて終了時態様選択テーブル222cbを参照して、期間演出終了画面に表示する設定示唆態様を決定する(S4402)。
そして、決定した設定示唆態様と、現在の遊技状態とに対応する表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4403)、本処理を終了する。
なお、上述した各実施形態では、リーチ外れ演出の実行頻度を可変させることにより、設定示唆演出の実行頻度を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、リーチ外れ演出の実行頻度を変えること無く、リーチ外れ演出が選択された場合において設定示唆演出を実行する頻度を可変可能に構成しても良い。
この場合、リーチ外れ演出中に設定示唆演出が実行されるか否かを遊技者に煽るための示唆予告演出を実行し、示唆予告演出の演出結果に基づいて設定示唆演出が実行されるか否かを遊技者に報知するように構成すると良い。これにより、設定示唆演出が実行されないリーチ外れ演出が実行された場合であっても、示唆予告演出が実行されることにより、最後まで設定示唆演出が実行されることを期待させることができるため実行される演出に興味を持たせることができる。
さらに、示唆予告演出を実行する場合には、その演出結果として、リーチ外れ演出がリーチ当たり演出へと切り替わる復活態様も実行され得るように構成すると良く、例えば、リーチ外れ演出の演出結果として、第3図柄を大当たり当選とは異なる組合せで停止表示させた後に、示唆予告演出を実行し、示唆予告演出として第1演出が実行された場合には、設定示唆演出が実行され、第2演出が実行された場合には、設定示唆演出が実行されずそのまま変動演出が終了し、第3演出が実行された場合には、外れ停止している第3図柄を再変動させ大当たり当選を示す表示態様で第3図柄を停止表示させるように構成すると良い。
このように構成することで、示唆予告演出が実行された場合に、設定示唆演出の有無だけでは無く、大当たり当選に対しても期待を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
<第5実施形態>
次に、図200から図202を参照して、第5実施形態について説明をする。本第5実施形態は、上述した第1実施形態に対して、パチンコ機10への電源投入時に実行される各種処理(各種立ち上げ処理)の処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
上述した第1実施形態では、パチンコ機10に電源が投入されると、主制御装置110、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114といった各種制御装置が起動し、主制御装置110にて実行される立ち上げ処理(図135参照)にて設定される立ち上げコマンドが音声ランプ制御装置113へと出力され、音声ランプ制御装置113にて立ち上げコマンドを受信した場合に、音声ランプ制御装置113にて立ち上げ処理が開始されるように構成していた。
つまり、音声ランプ制御装置113にて実行される立ち上げ処理の実行タイミングを、電源投入時では無く、主制御装置110から立ち上げコマンドを受信したタイミングとするように構成していた。これにより、主制御装置110の立ち上げ処理の実行期間と音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理の実行期間とに一定の関連性を持たせることができ、例えば、主制御装置110の故障により立ち上げ処理が実行されない事態が発生した場合に、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理のみ実行されてしまうことを抑制することができるものであった。
また、主制御装置110から出力される立ち上げコマンドを受信しない限り音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理を進行させることができないため、例えば、悪意のある遊技者が正規の主制御装置110に代えて非正規の主制御装置を取り付けて不正遊技を行う場合において、パチンコ機10を動作させるために必要な情報(コマンド)の数を増加させることで不正遊技を行われ難くすることができるものであった。
これに対して、本実施形態では、パチンコ機10に電源が投入されると、電源装置115から各種制御装置に対して一斉に所定の電力が供給されるように構成し、電源装置115から供給された所定の電力を各種制御装置が受け取った際に、立ち上げ処理が実行されるように構成している。つまり、電源装置115から各種制御装置への電力供給タイミングに基づいて、各種制御装置にて実行される立ち上げ処理の実行タイミングに一定の関連性を持たせることができるように構成している。
このように構成することで、主制御装置110から立ち上げコマンドを音声ランプ制御装置113へと出力するための処理を省略することができ、主制御装置110における制御処理を簡素化することができる。
なお、電源投入されてから電源装置115により所定電力が供給されるまでは、電源が投入されてから所定電圧(例えば、直列5V)へと電圧が上昇し、安定するまでの起動期間を要する必要がある。そして、所定電力が供給された場合に、リセット信号も合わせて出力される(立ち上げ後、最初に所定電力が供給された場合に処理内容がリセットされる)ように構成している。これにより、所定電力が供給されるまでの起動期間中において微量な電力が各種制御装置へと出力され、立ち上げ処理等の制御処理が実行されてしまうという不具合が発生した場合であっても、その不具合を確実に解消することができる。
さらに、本第5実施形態では、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理において表示制御装置114から第3図柄表示装置81のブート処理が完了したことを示すためのブート完了コマンドを受信したかを判別する処理を実行するように構成し、立ち上げ処理中にブート完了コマンドを受信した場合、即ち、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が完了するよりも前に、第3図柄表示装置81のブート処理が完了している場合には、枠ボタン22に対する操作を無効にする操作無効期間を設定するための処理(操作無効タイマ223sをセットする処理)をスキップするように構成している。
このように構成することで、例えば、設定変更操作に時間を費やしたことにより、パチンコ機10に電源が投入されてから音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が終了するまでの時間が長くなった場合(第3図柄表示装置81のブート処理が終了するまでの期間よりも長くなった場合)における音声ランプ制御装置113の制御処理の負荷を軽減することができる。
<第5実施形態における主制御装置110の制御処理について>
ここで、図200を参照して、本第5実施形態における主制御装置110のMPU211にて実行される処理の内容について説明をする。本第5実施形態では、上述した第1実施形態に対して、立ち上げ処理の一部内容を変更した処理が実行され、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図200は本第5実施形態における主制御装置110の立ち上げ処理の処理内容を示すためのフローチャートである。図200に示した通り、立ち上げ処理が実行されると、初期設定処理(S951)が実行され、それ以外は上述した第1実施形態と同一の処理(S902~S917)が実行される。
ここで、S951の処理は、上述した初期設定処理(S901)に対して、音声ランプ制御装置113へと出力するための立ち上げコマンドを設定するための処理が実行されない点で相違している。よって、本第5実施形態では、主制御装置110の立ち上げ処理が実行されたことを示す情報が音声ランプ制御装置113へと出力されることが無い。よって、主制御装置110にて実行される制御処理の処理負荷を軽減することができる。
<第5実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図201及び図202を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される処理の内容について説明をする。本第5実施形態では、上述した第1実施形態に対して、立ち上げ処理(図140参照)に代えて立ち上げ処理(図201参照)を実行する点と、立ち上げ処理(図201参照)において実行される待機処理(図142のS2012参照)に代えて、待機処理5(図202のS2051参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図201に示した通り、立ち上げ処理が実行されると、まず待機処理5を実行し(S2051)、その後、上述した立ち上げ処理(図140参照)と同一のS2002~S2014の処理を実行し、本処理終了を終了する。
次に、図202を参照して、待機処理5の(S2051)の処理内容について説明をする、図202は、待機処理5(S2051)の処理内容を示すためのフローチャートである。この待機処理5(S2051)は、上述した第1実施形態の待機処理(図142のS2012参照)に対して、ブート完了コマンドの受信に関する処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
待機処理5(S2051)が実行されると、まず、上述した第1実施形態の待機処理(図142のS2012参照)と同一のS2071~S2077の処理を実行し、その後、表示制御装置114から出力されるブート完了コマンドを受信したかを判別する(S2091)。S2091の処理において、ブート完了コマンドを受信したと判別した場合は(S2091:Yes)、ボタン操作が有効であることを示すための表示用コマンドを設定し(S2092)、メイン処理へ移行する。一方、S2091の処理において、ブート完了コマンドを受信していないと判別した場合は(S2091:No)、上述した第1実施形態の待機処理(図142のS2012参照)と同一のS2078の処理を実行し、メイン処理へと移行する。
以上、説明をした通り、本第5実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される立ち上げ処理(図201参照)において、ブート完了コマンドを受信したことを判別可能な処理を実行するように構成しているため、音声ランプ制御装置113の立ち上がり処理が完了するよりも前に、第3図柄表示装置81のブート処理が完了している場合には、操作無効タイマ223sをセットする処理を排除することができる。よって、パチンコ機10を立ち上げるための処理の簡素化することができる。また、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理のほうが、第3図柄表示装置81のブート処理よりも先に完了した場合には、上述した第1実施形態と同様に操作無効タイマ223sをセットするように構成しているため、第3図柄表示装置81のブート処理が完了するよりも前に操作手段(枠ボタン22)への操作が有効に判別されることを禁止することができる。
なお、本実施形態では、操作無効タイマ223sに対して所定期間(5秒)を示すための値をセットすることにより、操作手段(枠ボタン22)への操作が有効に判別されることを禁止する期間を設定するように構成している。そして、操作無効タイマ223sにセットされる値として、第3図柄表示装置81のブート処理が完了するのに要する期間よりも長い期間をセットするように構成している。
このように構成することで、操作無効タイマ223sにセットされている値が0に更新されるまでの間は無条件で操作手段(枠ボタン22)への操作が無効となるように制御を行えば良く、パチンコ機10を立ち上げるための処理の簡素化することができる。
なお、この構成に限ること無く、例えば、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が完了した時点において第3図柄表示装置81のブート処理が完了していないと判別した場合に、その状態を示すための待機フラグをオンに設定し、第3図柄表示装置81のブート処理が完了したと判別した場合に待機フラグをオフに設定するように構成し、待機フラグがオンに設定されている間、枠ボタン22への操作が無効となるように構成しても良い。このように構成することで、待機フラグの設定状況を定期的に判別する処理を追加する必要が生じるが、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理と第3図柄表示装置81のブート処理とが何れも終了した時点まで確実に枠ボタン22への操作を無効とし、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理と第3図柄表示装置81のブート処理とが共に終了したタイミングで確実に枠ボタン22への操作を有効に判別することができる。
なお、本実施形態では、操作手段(枠ボタン22)に対する操作の有無、及び操作内容を音声ランプ制御装置113が判別(特定)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、表示制御装置114が操作手段(枠ボタン22)に対する操作の有無、及び操作内容を判別可能に構成しても良い。この場合、第3図柄表示装置81のブート処理が完了した状態において、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が終了している場合と、終了していない場合、即ち、パチンコ機10に電源が投入された後、枠ボタン22への操作を有効に判別可能であるが、全ての制御装置の立ち上げ処理が終了していない第1状態と、パチンコ機10が有する全ての制御装置の立ち上げ処理が終了し正常に遊技が可能な第2状態と、で枠ボタン22への操作に対する処理内容を可変させても良い。
具体的には、第1状態中(設定変更操作中)は、枠ボタン22を操作した場合に、パチンコ機10の音量調整を実行する処理を実行し、第2状態中(遊技状態中)は、枠ボタン22を操作した場合に、パチンコ機10の音量調整を実行する処理に加え、背景モードを選択する処理や、変動演出に関わる処理を実行するように構成すると良い。このように、パチンコ機10の起動状況に応じて、枠ボタン22を操作した場合に実行される処理内容を切り替えることで、起動状況に適した操作のみを実行することが可能となる。
<第6実施形態について>
次に、図203から図207を参照して、第6実施形態について説明をする。上述した第1実施形態および第2実施形態では、先読み演出の実行の有無を決定する際に、今回実行され得る先読み演出の演出期間を算出し、その算出した演出期間と、SPタイム期間との重複関係を判別し、その判別結果に基づいて先読み演出の実行の有無や、演出態様を決定するように構成していた。このように構成した場合には、先読み演出の実行契機が成立した場合において、先読み演出の演出期間を詳細に算出した上でSPタイム期間との重複関係を判別することにより、可能な限り先読み演出を実行することができるものであったが、先読み演出の実行契機が成立したタイミングがどのタイミングであっても、SPタイム期間との重複関係を判別するための処理を実行する必要があり、音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理の処理負荷が増大してしまうという問題があった。
これに対して本第6実施形態では、計時装置292により計時される時刻情報に基づいて電源投入されてからの計時期間を特定可能に構成し、その計時期間に対して、SPタイム期間と先読み演出の演出期間とが重複しない(し難い)ように、先読み演出の実行を禁止する禁止期間を規定するように構成している。
つまり、計時期間として先読み演出が禁止されている期間に突入した場合には、先読み演出の実行契機が成立したかの判別をすること無く、先読み演出の実行を禁止するように構成している。このように、計時期間に対して予め先読み演出の実行を禁止する期間(先読み禁止期間)を規定しておくことにより、先読み演出とSPタイム演出とが重複して実行されてしまい遊技者に分かり難い演出が実行されることを禁止(抑制)するための処理を簡素化することができる。
さらに、本実施形態では、特図保留数と保留内の大当たり当選の有無とに基づいて異なる先読み禁止期間を規定している。つまり、先読み演出が実行されるまで、或いは、先読み演出中に大当たり遊技が実行される場合と、先読み演出が実行されるまで、或いは、先読み演出中に大当たり遊技が実行されない場合と、で先読み禁止期間の長さを異ならせるように構成している。
このように、今後実行される(され得る)先読み演出として、先読み演出が実行されるまでの期間が長い場合、或いは、先読み演出期間自体が長い演出パターンと、先読み演出が実行されるまでの期間が短い場合、或いは、先読み演出期間自体が短い演出パターンとを区分けし、各パターンに対応させて先読み禁止期間を規定することで、先読み禁止期間が無用に長くなることを抑制することができる。よって、先読み演出の実行頻度を高めることができ、演出効果を高めることができる。
また、本第6実施形態では、大当たり当選の有無に応じて、先読み演出期間を第1パターン(先読み演出が実行されるまでの期間が長い場合、或いは、先読み演出期間自体が長い演出パターン)と第2パターン(先読み演出が実行されるまでの期間が短い場合、或いは、先読み演出期間自体が短い演出パターン)とに区分けするように構成している。
これにより、大当たり遊技期間が関連することにより、先読み演出期間が長くなる(先読み演出が実行されるまでの期間が長くなる)ことが考えられる状況においては、長い先読み禁止期間が参照され、大当たり遊技期間が関連することの無い状況において、短い先読み禁止期間が参照される。このように大当たり遊技期間という長い期間を先読み演出期間を識別するための判断材料として用いることで、先読み禁止期間が無用に長くなることを抑制することができる。よって、先読み演出の実行頻度を高めることができ、演出効果を高めることができる。
加えて、本第6実施形態では、上述した第1実施形態、及び、第2実施形態とは異なる、先読み演出が実行されるか否かの判別を実行するよりも前に、今回入賞した特図保留の位置(特図保留数)と、獲得済みの特図保留内の大当たり当選の有無とに基づいて、先読み演出の実行有無を判別するか否かを決定しているように構成している。このように構成することで、先読み禁止期間中である場合に、先読み演出の実行有無を判別する処理が実行されることを抑制することができるため、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、上述した通り、先読み禁止期間を特定するための要素として大当たり当選の有無(大当たり遊技期間の有無)を用いているが、これに限ること無く、例えば、実行される大当たり遊技の種別(ラウンド数)を要素としても良いし、各特図保留に対応する特別図柄変動の変動パターンとして、所定時間(例えば60秒)以上の変動時間が設定される変動パターンを示す情報が格納されている特図保留が所定個数(例えば、1個)以上格納されているか否かの判別結果を要素としても良い。つまり、今回獲得した特図保留に基づいて先読み演出が実行された場合に、先読み演出期間がどのタイミングで設定されるかを大まかに特定し得る情報を用いて対応する先読み禁止期間を特定可能に構成すれば良い。
<第6実施形態における電気的構成について>
次に、図203から図205を参照して、本第6実施形態における電気的構成について説明をする。本第6実施形態では、上述した第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の一部構成を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成についてはその詳細な説明を省略する。まず、図203を参照して、本第6実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するROM202の構成について説明をする。図203は、主制御装置110のROM202の構成を模式的に示した図である。
図203に示した通り、本第6実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するROM202は、上述した第1実施形態に対して、演出切替テーブル222bに代えて演出切替6テーブル222faを、先読み禁止期間選択テーブル222dに代えて先読み禁止期間選択6テーブル222fbを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出切替6テーブル222faは、上述した第1実施形態の演出切替テーブル222b(図108参照)と同様に、計時装置292の時刻情報(計時情報)に基づいて、演出期間を切り替える際に参照されるデータテーブルである。本実施形態では、設定されている演出期間に応じて異なる演出を実行可能に構成している。そして、演出切替6テーブル222faは、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出(演出態様)を実行するための演出期間を選択するために用いられる。さらに、演出期間に加え、先読み演出の実行有無を判別するための処理(先読み演出実行決定処理(図207のS2509参照))の実行を禁止するための先読み禁止期間が規定されているデータテーブルである。
この演出切替6テーブル222faは、新たな入賞情報(特図保留)を獲得したことを示すためのコマンドを受信した場合に参照され、先読み禁止期間に該当すると判定された場合には、先読み演出実行決定処理(図207のS2509参照)がスキップされる。これにより、先読み禁止期間において先読み演出実行決定処理が(図207のS2509参照)が実行されることを抑制することができるため、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理を簡素化することができる。
ここで、図204を参照して、演出切替6テーブル222faの詳細な内容について説明をする。図204は、演出切替6テーブル222faに規定されている内容を模式的に示した図である。図204に示した通り、演出切替6テーブル222faは、演出切替テーブル222b(図108参照)に対して、演出期間に加えて、先読み禁止期間を複数の種別(禁則レベル)で規定している点で相違している。この禁則レベルは、後述する先読み禁止期間選択6テーブル222fbを参照して決定されるものであって、新たな入賞情報(特図保留)を獲得したことを示すためのコマンドを受信した場合における特図保留状況に対応して異なる種別が決定されるように構成している。
より具体的には、特図保留状況として、獲得済みの特図保留球数(1~8個)と、対象となる特図保留に対応する特別図柄変動が実行されるまでの期間において大当たり遊技が実行され得るか否か(今回獲得した特図保留以外の特図保留に大当たり当選を示す情報が含まれているか否か)の判別結果と、に基づいて禁則レベルが決定されるように構成している。そして、決定された禁則レベルと、現在の経過時間T(電源投入からの経過時間)とに基づいて、先読み禁止期間に該当するかを判別し、先読み禁止期間に該当すると判別した場合に、先読み演出実行決定処理(図207のS2509参照)がスキップされる。
ここで、図204を参照して、演出切替6テーブル222faに規定されている内容を具体的に説明すると、計時装置292の計時内容に基づいて算出された経過時間T(電源が投入されてからの経過時間)に応じて演出期間が規定されており、経過時間Tが88分以内の範囲には通常演出期間が規定されている。
そして、通常演出期間が規定されている経過時間Tのうち、経過時間Tが83分以内の範囲、即ち、SPタイム期間が設定されるまでの猶予期間が7分以上ある範囲においては、大当たり遊技期間を含む先読み演出、または大当たり遊技終了後に実行される先読み演出の実行が決定されたとしても(長い先読み演出期間が設定されたとしても)、SPタイム期間と先読み演出期間とが重複し得ない範囲であるため、「禁則無し」が規定されている。
また、通常演出期間が規定されている経過時間Tのうち、経過時間Tが83分~85分10秒の範囲には、「禁則レベル5」が、経過時間Tが85分10秒~85分30秒の範囲には、「禁則レベル4」が、経過時間Tが85分30秒~85分50秒の範囲には、「禁則レベル3」が、経過時間Tが85分50秒~86分10秒の範囲には、「禁則レベル2」が、経過時間Tが86分10秒~88分の範囲には、「禁則レベル1」が、それぞれ規定されている。
そして、経過時間Tが88分~90分の範囲にはSPタイム準備期間が規定され、SPタイム準備期間中には、「先読み禁止」が規定され、経過時間Tが90分~93分の範囲にはSPタイム期間(楽曲A用)が規定されている。以降、上述した第1実施形態の演出切替テーブル222b(図108参照)と同様に、経過時間に対して、通常演出期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間とがそれぞれ規定されておる、SPタイム期間が設定されるまでの猶予期間の長さに応じて、異なる種別の禁則レベルが規定されている。
先読み禁止期間選択6テーブル222fbは、該当する先読み禁止期間の種別(禁則レベル)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、判別の対象となる特図保留数(対象保留の格納位置)と、期間中の大当たり有無(対象保留以外の特図保留に大当たりがあるいか否か)を示す情報と、に基づいて異なる禁則レベルが規定されている。つまり、この先読み禁止期間選択6テーブル222fbでは、対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまで(先読み演出が終了するまで)の期間(先読み演出が実行され得る期間)を、特図保留数と大当たり遊技の有無とに基づいて大まかに特定し、その特定された期間において先読み演出を実行可能か否かを判別するように構成している。
よって、対象保留の値が大きくなるほど、対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまでの間に多くの特別図柄保留が実行されることで、先読み演出が実行され得る期間が長くなるため、禁則レベルとして先読み禁止期間が長い種別(高レベルの禁則種別)が決定され易くなる。同様に、対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるよりも前に、大当たり遊技が実行された場合には、対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまでの期間が長くなる(大当たり遊技終了後になる)ことで、先読み演出が実行され得る期間が長くなるため、禁則レベルとして先読み禁止期間が長い種別(レベルが高い禁則種別)が決定され易くなる。
一方で、対象保留の値が小さいほど、或いは、特図保留内に大当たり当選を示す情報が無い場合は、対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまでの期間が短くなるため、禁則レベルとして先読み禁止期間が短い種別(低レベルの禁則種別)が決定され易くなる。
具体的には、対象保留が「1」であって、期間中の大当たり当選が「あり」の場合は、禁則レベルとして「レベル5」が規定されており、期間中の大当たり当選が「なし」の場合は、禁則レベル「レベル1」が規定されている。また、対象保留が「2」であって、期間中の大当たり当選が「あり」の場合は、禁則レベルとして「レベル5」が規定されており、期間中の大当たり当選が「なし」の場合は、禁則レベル「レベル2」が規定されている。対象保留が「3」であって、期間中の大当たり当選が「あり」の場合は、禁則レベルとして「レベル5」が規定されており、期間中の大当たり当選が「なし」の場合は、禁則レベル「レベル3」が規定されている。また、対象保留が「4」であって、期間中の大当たり当選が「あり」の場合は、禁則レベルとして「レベル5」が規定されており、期間中の大当たり当選が「なし」の場合は、禁則レベル「レベル4」が規定されている。
<第6実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図206及び図207を参照して本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第6実施形態では、上述した第1実施形態に対して、先読み演出実行決定処理(図146のS2306参照)に代えて先読み演出実行決定処理6(図206のS2376参照)を、入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)に代えて入賞コマンド受信処理6(図207のS2280参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図206を参照して、先読み演出実行決定処理6(S2376)の内容について説明をする。図206は、先読み演出実行決定処理6(S2376)の処理内容を示すためのフローチャートである。この先読み演出実行決定処理6(S2376)では、入賞情報格納エリア223fに格納されている(保留記憶されている)情報を読み出し、格納されている情報の個数(特図保留球数)と、大当たり当選を示す情報の有無を特定する処理を実行し、その処理結果に基づいて、現在が先読み禁止期間であるかを判別する処理を実行するように構成している。
つまり、上述した第1実施形態および第2実施形態のように、実際に実行され得る先読み演出の演出態様(演出期間)を決定し、その決定された先読み演出の演出期間がSPタイム期間と重複するかを判別するのでは無く、入賞情報格納エリア223fに格納されている情報に基づいて先読み演出が実行され得る期間を大まかに特定し、その特定した期間に対応する禁則レベルを決定し、決定された禁則レベルが規定されているタイミングであるかを経過時間Tに基づいて判定するように構成している。そして、決定された禁則レベルが規定されているタイミングであれば、先読み演出の実行の有無を決定する処理、及び、先読み演出の演出態様を決定する処理をスキップし、決定された禁則レベルが規定されていないタイミングであれば、先読み演出の実行の有無を決定する処理、及び、先読み演出の演出態様を決定する処理を実行可能に構成している。
このように構成することで、実行されない可能性がある先読み演出の演出態様を決定する処理を予め実行することが無くなるため、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理(各種演出内容を決定するための処理)の処理負荷を軽減することができる。
この先読み演出実行決定処理6(S2376)が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223fに格納されている情報(特別図柄抽選の結果を示すための情報、変動パターンを示すための情報、特別図柄1保留球数カウンタ223a、或いは、特別図柄2保留球数カウンタ223bのカウンタ値に対応する情報(保留球数を示すための情報))を読み出し(S2401)、次に、S2401の処理に基づいて、今回受信した入賞情報コマンドよりも前に受信した入賞情報コマンドに対応する情報、即ち、今回受信した入賞情報コマンドよりも先に特別図柄変動が実行される入賞情報コマンドに対応する情報に大当たり当選を示す情報が含まれているかを抽出する(S2402)。
即ち、S2402の処理では、今回の先読み演出実行決定処理6(S2376)の対象となる入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が実行されるよりも前に、大当たり遊技が実行される可能性があるかを判別する際に参照される情報(先読み大当たり情報)が抽出される。
そして、S2402の処理を終えると、次に、S2401、及びS2402の処理にて抽出した内容(各種情報)と、先読み禁止期間選択6テーブル222fbと、に基づいて現在の禁則レベル(禁則無し、禁則レベル1~5、先読み禁止)を決定し(S2471)、演出切替6テーブル223faを参照して、現時点における禁則レベルを特定し(S2472)、S2471の処理にて決定された禁則レベルが、現時点における禁則レベルとして規定されているかを判別し(S2473)、規定されていると判別した場合には(S2473)、今回受信した入賞情報コマンドに対応する特図保留を対象として先読み演出を実行することが出来ない(困難)な状態であるため、先読み演出の実行の有無を決定する処理(S2475)、及び、先読み演出の演出態様を決定する処理(S2476~S2479)をスキップして、そのまま本処理を終了する。
一方、S2473の処理において、S2471の処理にて決定された禁則レベルが、現時点における禁則レベルとして規定されていないと判別した場合は(S2473:No)、今回受信した入賞情報コマンドに対応する特図保留を対象として先読み演出を実行するかを判別し(S2474)、先読み演出を実行しないと判別した場合は(S2474:No)、そのまま本処理を終了する。また、先読み演出を実行すると判別した場合、即ち、受信した入賞情報コマンドに、先読み演出を実行するための情報が含まれていると判別した場合は(S2474:Yes)、今回実行する先読み演出が、変動演出(特別図柄変動に対応させて実行される変動演出)を用いた先読み演出(複数の変動演出を用いた先読み演出)であるかを判別し(S2475)、変動演出を用いた先読み演出であると判別した場合は(S2475:Yes)、連続予告223tをオンに設定し(S2476)、決定された先読み演出の内容を演出状態記憶エリア223hに格納し(S2478)、先読み演出の対象となる入賞情報に対応する特図変動(特別図柄変動)までの回数(変動回数)を連続予告カウンタ223uにセットし(S2479)、本処理を終了する。
一方、S2475の処理において、変動演出にて先読み演出を実行しない(保留先読み演出を実行する)と判別した場合は(S2475;No)、対象の保留図柄の表示態様を変化させるための表示用コマンドを設定し、本処理を終了する。
ここで、上述した先読み演出の演出態様について、説明をする。具体的には、連続する3つの特別図柄変動に対応する変動演出の演出期間を用いた先読み演出として、最初に実行される変動演出(1回目の変動演出)にて先読み演出が実行されたことを示すための先読み表示態様(例えば、新たな変動演出(特別図柄変動)が実行される毎にカウントダウンされる数字を表示する表示態様や、新たな変動演出(特別図柄変動)が実行される毎に色が可変される可変表示態様を表示する表示態様や、先読み演出中であることを遊技者に示すための表示態様(所謂、チャンス目)で第3図柄を停止表示させる表示態様)を表示し、遊技者に対して、先読み演出が実行されたことを分かり易く報知する。そして、次に実行される変動演出(2回目の変動演出)にて、先読み演出が実行されたことを示すための先読み表示態様を可変表示、或いは、継続表示することで先読み演出が継続することを遊技者に分かり易く報知する。最後に、最終変動演出(3回目の変動演出)にて、今回の変動演出が、先読み演出の対象となる変動演出(先読み演出の演出内容を決定する要素である特別図柄変動)であることを示すための先読み結果表示態様を表示する先読み演出が実行される。
このように、変動演出を用いた先読み演出を実行することにより、先読み演出がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすると共に、その先読み演出中に実行される個々の変動演出に対して演出結果が表示されるため、遊技者は変動演出の演出結果が表示される場合に、今回の変動演出が先読み結果を示す変動演出であって、対応する特別図柄の抽選結果が大当たりであることを期待させると共に、先読み演出が継続することも期待させることができ演出効果を高めることができる。
なお、先読み演出中の変動演出であることを遊技者に分かり易く報知するための表示態様を表示するタイミングは対象となる変動演出の開始タイミングでも良いし、終了タイミングでも良い。つまり、変動演出が開始されてから、次の変動演出が開始されるまでの間に、遊技者に対して、先読み演出中の変動演出であることを把握させることができるタイミングであればいつでも良い。
また、先読み演出中の変動演出であることを遊技者に分かり易く報知するための表示態様を表示させる期間としては、先読み演出が実行される全ての期間を設定しても良いし、特定のタイミング(例えば、第3図柄が変動を開始させるタイミングや、変動を停止させるタイミング)のみ表示させるように構成しても良い。さらに、複数の変動演出を跨ぐように表示させるように構成しても良い。
このように、先読み演出中の変動演出であることを遊技者に分かり易く報知するための表示態様を表示するタイミングや表示期間を異ならせることにより、遊技者に対して先読み演出が開始された変動演出や、先読み演出が終了した変動演出を把握させ難くすることができ、意外性のある演出、例えば、先読み演出が終了したと思わせながら実際には継続している先読み演出を提供することが可能となる。よって、演出効果を高めることができる。また、詳細な説明は省略するが、変動演出を用いた先読み演出では、先読み演出の対象となる変動演出数(特別図柄変動回数)が多い程、大当たり当選の期待度が高くなるように構成されている。このように構成することで、遊技者は先読み演出中に実行される変動演出数(特別図柄変動回数)に対して注視することになるため、遊技者に対して先読み演出が開始された変動演出や、先読み演出が終了した変動演出を把握させ難くすることで遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方で、変動演出を用いること無く実行される先読み演出としては、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される保留図柄を用いた保留先読み演出(図86参照)が実行される。図86に示した通り、この保留先読み演出は、先読み演出の対象となる(先読み演出の演出結果が表示される)保留図柄(特別図柄変動)を遊技者に分かり易く報知した状態で、その保留図柄の表示態様を可変させることにより、先読み演出の演出結果が大当たり当選である期待度を高める演出が実行される。つまり、上述した変動演出を用いた先読み演出では、先読み演出の対象がどの保留図柄(特別図柄変動)であるかを遊技者に分かり難くすることで、変動演出が終了する毎に先読み演出が継続することを期待させ、演出効果を高めるものであったのに対し、保留先読み演出は、先読み演出の対象となる保留図柄に対応する特別図柄変動が実行されるまでに保留図柄の表示態様が大当たり当選の期待度が高い表示態様へと表示されることを期待させることで演出効果を高めるものである。
このように、実行される先読み演出の態様によって、異なる要因で演出効果を高めることができるように構成することで、実行される演出が単調となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、上述したように異なる態様の先読み演出を実行可能に構成したパチンコ機10であれば、過去に実行された先読み演出の態様に関する情報(実行回数、実行内容、演出結果(当否判定結果))を一時的に記憶可能な記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている情報に基づいて、新たに実行される先読み演出の態様を決定するように構成しても良い。これにより、先読み演出の態様が偏ってしまい、実行される演出の内容が単調となったしまうことを抑制することができる。
次に、図207を参照して、入賞コマンド受信処理6(S2280)の処理内容について説明をする。図207は、入賞コマンド受信処理6(S2280)の処理内容を示すためのフローチャートである。図207に示した通り、本実施形態における入賞コマンド受信処理6(S2280)のは、上述した第1実施形態の入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)に対して、先読み演出実行決定処理6(図206のS2276参照)を実行可能に構成した点で相違している。
入賞コマンド受信処理6(S2280)が実行されると、まず、上述した第1実施形態の入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)と同一のS2501~S2506の処理を実行し、次いで、先読み演出実行決定処理6(S2509(S2376))の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、上述した第1実施形態の入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)にて実行されたS2510~S2515に関連する処理は、本第6実施形態では、先読み演出実行決定処理6(図206のS2376参照)にて実行されるように構成しているため、本図では省略している。また、上述した第1実施形態では、2つのタイミングにおける判別結果に基づいて先読み演出実行決定処理(図146のS2306)を実行可能に構成しており、本第6実施形態も同一の2つのタイミングにおける判別結果に基づいて先読み演出実行決定処理6(図206のS2376)を実行可能に構成しているが、実行されるタイミング(実行するために必要となる契機)が同一となる側の処理内容(図145に記載の処理内容)については、その詳細な説明を省略している。
<第7実施形態>
次に、図208から図216を参照して、第7実施形態について説明をする。本第7実施形態では、上述した第1実施形態に対して、高速変動モード中に実行される擬似変動演出(図15(a)参照)の演出内容を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
上述した第1実施形態では、高速変動モードが設定される場合、即ち、特別図柄変動の変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブルの種別を切り替えることで、比較的短い変動時間の変動パターンが選択され易い高速変動パターンテーブルが参照される状態となった場合に、遊技者に対して高速変動モードが設定されたことを報知してしまうと、高速変動モードが設定されたことを報知したにも関わらず、高速変動以外の変動パターンで特別図柄変動が実行される可能性があり、遊技者に違和感のある演出が実行されてしまうという問題を解決するために、高速変動モードに対応する高速変動パターンテーブルが設定されたことに加え、実際に決定される変動パターンが高速変動であることを条件に高速変動モードが設定されたことを遊技者に報知するように構成していた。
つまり、実際に特別図柄変動が高速変動する場合に、高速変動モードが設定されたことを遊技者に報知するように構成し、遊技者に報知した内容と、実際の遊技内容とが合致し、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるように構成していた。
さらに、高速変動パターンテーブルを参照して特別図柄変動の変動パターンが決定される状態において、高速変動(変動時間1.5秒)以外の変動パターンとして変動時間が6秒の外れ変動パターンが決定された場合には、高速変動モードが設定されたことを報知すること無く、高速変動モードが間もなく到来することを遊技者に告知するために「高速変動準備中」の文字を表示するように構成していた(図94(b)参照)。つまり、内部的には、高速変動パターンテーブルが参照される遊技状態へと移行したにも関わらず、高速変動モードが設定されたことを遊技者に報知するタイミングを遅延させるように構成していた。そして、高速変動(変動時間1.5秒)の変動パターンが決定されるまで、高速変動モードが設定されたことを遊技者に報知する報知タイミングを遅延させるように構成していた。
また、高速変動(変動時間1.5秒)以外の変動パターンとして変動時間が12秒の当たり変動パターンが決定された場合には、上述したように高速変動モードが設定されたことを報知する報知タイミングを遅延させる処理を実行してしまうと、高速変動モードが設定されたにも関わらず、高速変動モードが設定されたことを遊技者に把握させること無く大当たり遊技が開始されてしまうため、例えば、高速変動モードが設定されたことを遊技者に報知するための報知態様として、遊技者に特典を付与可能な報知態様(設定示唆態様、他では見ることの出来ない付加価値のある演出動画等)を設定可能に構成されたパチンコ機10では、特典を獲得し得る状態であったにも関わらず、大当たり当選によって特典を獲得する機会を失ってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
そこで、上述した第1実施形態では、高速変動モードが設定された直後に実行された特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、高速変動以外の変動パターン(例えば、変動時間が12秒の変動パターン)が決定された場合には、その大当たり変動(12秒変動)が開始されるタイミングで高速変動モードが設定されたことを示すための報知態様が設定され、その12秒間の変動期間中において、擬似変動演出(図94参照)を実行するように構成していた。つまり、1回の特別図柄変動期間の間に、あたかも複数回の特別図柄変動が実行されたかのような変動演出を実行可能に構成していた。
ここで、上述した第1実施形態において実行される擬似変動演出(12秒)では、図15(a)に示した通り、変動演出として1.5秒の擬似外れ変動演出が4回、6秒の擬似当たり変動演出が1回実行される擬似変動演出を実行するように構成し、遊技者に対して、あたかも1.5秒の特図変動(外れ変動)が4回実行された後に、6秒の特図変動(当たり変動)が1回実行されたように思わせることができるものであったが、実際には、1回の特別図柄変動期間中に複数回(計5回)の変動演出が実行されるだけであるため、図15(a)に示した通り、特図保留数を示すための保留図柄の表示数が変わらず、遊技者に擬似変動演出が実行されることを把握されてしまうという問題があった。
これに対して、本第7実施形態では、変動演出として擬似変動演出が実行される場合に、特図保留数を示すための保留図柄の表示領域を切り替えると共に、切り替え前の保留図柄が表示されていた表示領域に演出用の擬似保留図柄を表示するように構成している。そして、擬似保留図柄は、擬似変動演出が実行される毎に表示数が可変(減少)するように構成している。このように構成することで、擬似変動演出が実行される毎に疑似保留図柄が1個減少する演出を実行することが可能となり、遊技者に対して、実行中の変動演出が擬似変動演出であるか否かを分かり難くすることができる。
また、実際の特図保留数は、別の表示領域にて表示されるため、実際の特図保留数が急に表示されなくなり遊技者が困惑してしまう事態が発生することを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、擬似変動演出が実行されることで擬似保留図柄の表示数が減少し、擬似保留図柄を表示する表示領域に空きが生じた場合に、その空き表示領域を用いて設定示唆演出を実行可能に構成している。詳細な説明は後述するが、空き表示領域が発生している状態で新たな特別図柄の入賞情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合に、新たな疑似保留図柄が空き表示領域に表示され、その新たな擬似保留図柄の表示態様を用いて設定示唆演出を実行するように構成している。
つまり、擬似変動演出の実行回数に応じて疑似保留図柄の表示数を可変させる演出を実行している期間中に第1入球口64や第2入球口640へと球が入球した場合には、疑似保留図柄の表示数が増加する演出を実行するように構成している。このように構成することで、擬似変動演出と疑似保留図柄と、を用いて実行される擬似演出の可変状況を、実際の変動演出と保留図柄と、を用いて実行される演出の可変状況に近似させ易くすることができ、遊技者に対して、実行中の変動演出が擬似変動演出であるか否かを分かり難くすることができる。
加えて、特図保留数が上限に到達している状態で擬似変動演出が実行され、その擬似変動演出中に空き表示領域が発生した状態で新たな特別図柄の入賞情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合、即ち、今回受信した入賞情報コマンドが新たな特図保留として記憶することができない入賞情報(オーバーフロー入賞情報)である場合には、新たな特図保留として記憶可能な入賞情報(通常入賞情報)である場合よりも、遊技者に設定値を予測させ易い態様(強示唆態様)に対応した表示態様が表示され易くなるように構成している。
このように構成することで、実際の特図保留数が上限に到達している状態であっても、遊技者に対して、意欲的に第1入球口64や第2入球口640へと球を入球させる遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
<第7実施形態のパチンコ機10にて実行される演出内容について>
次に、図208及び図209を参照して、本第7実施形態のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち特徴的な演出内容として、高速変動モード中に実行される擬似変動演出の演出内容について説明をする。なお、高速変動モードが設定されたことを報知するための報知態様や、高速変動モード中に擬似変動演出が実行される条件、擬似変動演出における基本的な演出内容については、上述した第1実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
まず、図208(a)を参照して、高速変動モード中に実行される擬似変動演出のうち、1回目の擬似変動演出(1.5秒外れ擬似変動)中の表示内容について説明をする。図208(a)は、高速変動モード中に実行される擬似変動演出のうち、1回目の擬似変動演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。図208(a)に示した通り、本演出中に表示される表示画面は、上述した第1実施形態における擬似変動演出中に表示される表示画面(図94(a)参照)に対して、副表示領域Dsの表示内容を変更した点と、主表示領域Dmの一部領域の表示内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の表示内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図208(a)に示した通り、擬似変動演出が実行されると、副表示領域Dsに表示されていた特図保留数を示すための保留図柄表示に代えて、演出用の疑似保留図柄gm0~gm4が表示される。そして、高速変動モードが設定されたことを示す案内態様として「スピードUP」のコメントをキャラクタJ0が発しているような態様で表示される。
また、主表示領域Dmの右上側には表示領域HR2が形成され、実際の特図保留数を示すための保留数表示態様として「4」の値が表示されている。つまり、図208(a)に示した図は、特図保留数が4個の状態を示している。
そして、図208(a)に示した状態(1回目の擬似変動演出が終了した状態)から、2回目の擬似変動演出(1.5秒外れ変動)が実行されると、図208(b)に示した表示画面が表示される。図208(b)は、高速変動モード中に実行される擬似変動演出のうち、2回目の擬似変動演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。
図208(b)に示した通り、新たな(2回目の)擬似変動演出が実行されると、副表示領域Dsに表示されている疑似保留図柄がスライド表示される。これにより、1回目の疑似変動演出の実行中は実行中図柄用台座m0に第1疑似保留図柄gm0が表示されていたが、新たな(2回目)に実行される擬似変動演出に対応されて実行中図柄用台座m0に第2擬似保留図柄gm1が表示される。そして、第3疑似保留図柄gm2~第5疑似保留図柄gm4も順にスライド表示され、第4保留図柄用台座m4に空き表示領域が発生する。
そして、第4保留図柄用台座m4に生じた空き表示領域が、設定示唆演出の実行領域となることを示すための報知態様として「特殊図柄表示ゾーン」の文字を付した旗アイコンが表示され、キャラクタJ0が「ゾーン出現」のコメントを発しているような表示態様が表示される。なお、特殊図柄表示ゾーンに関する詳細な演出内容については、上述した第3実施形態(図186参照)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。なお、図208(b)に示した状態は、図208(a)に示した状態において実行中の特別図柄変動が継続して変動している状態であるため、主表示領域Dmに形成された表示領域HR2に表示される特図保留数が「4」のままである。
図208(b)に示した状態において、遊技者が第1入球口64や第2入球口640へと球を入球させると、特殊図柄表示ゾーンに新たな疑似保留図柄が、設定示唆態様を含む表示態様で表示される。
次に、図209を参照して、高速変動モード中の保留図柄表示内容について説明をする。図209(a)は、パチンコ機10の遊技モード(遊技状況)の移行状況を示した図であり、図209(b)は、特別図柄変動回数の移行状況を示した図であり、図209(c)は、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出の概要を示した図であり、図209(d)は、特別図柄の保留球数(特図保留数)の移行状況を示した図であり、図209(e)は、第3図柄表示装置81の表示面の副表示領域Dsの小表示領域(保留表示領域)Ds1の表示態様の移行状況を示した図であり、図209(f)は、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmの表示領域(切替表示領域)HR2の表示態様を示した図である。
なお、確変モードから高速変動モードへと移行する流れについては、上述した第1実施形態と同一(図95参照)であるため、その詳細な説明を省略する。
高速変動モードが設定されるまでは、図209(e)に示した通り、保留表示領域Ds1にて特図保留数に対応した数の保留図柄が表示される。そして、高速変動モードが設定された場合も、決定された特図変動時間が1.5秒(高速変動)である場合には、保留表示領域Ds1にて特図保留数に対応した数の保留図柄が継続表示される(特図保留表示期間が設定される)。
一方、高速変動モードが設定されている状態で、非高速変動(図では12秒の大当たり変動)が設定された場合には、擬似変動演出が実行されると共に、保留表示領域Ds1に擬似保留図柄が表示され、特図保留数が切替表示領域HR2に表示される。
図209(e)に示した通り、擬似保留図柄が表示されると、その表示数が擬似変動演出が実行される毎に減算表示される。なお、82回目の特別図柄変動(12秒大当たり変動)の変動期間中に5回の擬似変動演出が実行されるため、図209(d)に示した通り、擬似変動演出中に特図保留数が減算表示されることが無い。
この状態において、新たな入賞(特図の始動入賞)が発生した場合は、特図保留数が加算表示されると共に、擬似保留図柄も加算表示される。そして、擬似保留図柄が加算表示される場合には、図208(b)に示した特殊図柄表示ゾーンに新たな擬似保留図柄が表示されることになるため、設定示唆演出が実行される。
なお、図209に示した通り、本実施形態では、保留表示領域Ds1にて、常に、特図保留、或いは擬似保留の図柄が表示されるように構成している。よって、擬似保留図柄を表示させる場合に遊技者に違和感を与えることが無い。また、擬似変動演出が実行されていることを遊技者に分かり難くするために、擬似変動演出が実行された場合に、保留表示領域Ds1を非表示にする(特図保留数の減算表示の有無を判別され難くするために特図保留図柄を表示しないようにする)場合に比べても、遊技者に違和感を与えることが無い。
加えて、本実施形態では、図209(e)に示した通り、擬似保留図柄が表示される際の初期表示態様として、直前の保留表示領域Ds1に表示されていた特図保留数に対応した表示態様を設定するように構成している。これにより、表示対象となる図柄を切り替えた場合に遊技者に違和感を与え難くすることができる。
<第7実施形態における電気的構成について>
次に、本第7実施形態における電気的構成について説明をする。本第7実施形態は、上述した第3実施形態における電気的構成に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成の一部を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
図210は、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図210に示した通り、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図187(b)参照)に対して、擬似保留表示中フラグ223gaと、擬似空き領域格納エリア223gbと、を新たに設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
擬似保留表示中フラグ223gaは、擬似変動演出が実行に合わせて擬似保留図柄gmが表示されていることを示すためのフラグであって、擬似保留図柄gmを表示する場合にオンに設定される。そして、擬似保留図柄gmを用いた擬似演出が実行されているかを判別する場合に参照され、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されている状態で特別図柄変動が停止表示されたことを示す停止コマンドを受信した場合にオフに設定される。
擬似空き領域格納エリア223gbは、擬似保留図柄gmを用いた擬似演出が実行されている状態において、擬似保留図柄gmがスライド移動(シフト)し、空き表示領域が生じたことを示す情報が格納される記憶領域であって、空き表示領域の数、即ち、新たに擬似保留図柄gmを追加表示させることが可能な数が記憶される。
この擬似空き領域格納エリア223gbに格納される情報は、新たな空き表示領域が発生した場合、即ち、擬似変動演出の実行に対応して擬似保留図柄gmがスライド移動(シフト)した場合に、新たに発生した空き表示領域の数に対応して更新され、新たな擬似保留図柄が表示された場合に更新される。
<第7実施形態における制御処理内容について>
次に、図211から図216を参照して、本第7実施形態における制御処理内容について説明をする。本第7実施形態は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の一部内容を上述した第3実施形態に対して異ならせており、それ以外の制御処理内容については同一である。本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容は、上述した第3実施形態に対して、入賞コマンド受信処理3(図191のS2260参照)に代えて入賞コマンド受信処理7(図211のS22690参照)を、停止処理(図150のS2214参照)に代えて停止処理7(図212のS2294参照)を、時短・確変用演出設定処理(図154のS3102参照)に代えて時短・確変用演出設定処理7(図214のS3192参照)を、液晶演出実行管理処理3(図194のS2160参照)に代えて液晶演出実行管理処理7(図215のS2190参照)を、実行する点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図211を参照して、入賞コマンド受信処理7(S2290)の処理内容について説明をする。図211は、入賞コマンド受信処理7(S2290)の処理内容を示すためのフローチャートである。この入賞コマンド受信処理7(S2290)は、上述した第3実施形態の入賞コマンド受信処理3(図191のS2260参照)に対して、期間演出中フラグ223pがオンに設定されていると判別した場合(S2502:Yes)に実行される処理の内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
入賞コマンド受信処理7(S2290)が実行されると、まず、受信したコマンドが示す入賞情報を入賞情報格納エリア223fに格納(設定)し(S2501)、期間演出中フラグ223pがオンであるか、即ち、現在がSPタイム演出中であるかを判別する(S2502)。そして、期間演出中フラグ223pがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S2502:No)、上述した第3実施形態の入賞コマンド受信処理3(図191のS2260参照)と同一のS2503~S2512,S2560の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S2502の処理において、期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合は(S2502:Yes)、次に、現在が高速変動中であるかを判別し(S2591)、高速変動中であると判別した場合は(S2591:Yes)、高速変動中に入賞コマンドを受信した場合における演出態様を設定するための高速表示中入賞演出設定処理を実行し(S2592)、本処理を終了する。S2591の処理において、現在が高速変動中では無いと判別した場合は(S2591:No)、S2592の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図212を参照して、高速表示中入賞演出設定処理(S2592)の内容について説明をする。図212は、高速表示中入賞演出設定処理(S2592)の処理内容を示すためのフローチャートである。この高速表示中入賞演出設定処理(S2592)は、入賞コマンド受信処理7(図211のS2290参照)において、高速変動中(高速変動モードが設定されている状態における特別図柄変動中)に入賞コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理である。
この高速表示中入賞演出設定処理(S2592)では、擬似空き領域に対して擬似保留図柄を表示する演出を設定するための処理が実行される。ここで、通常の保留図柄を表示する場合は、主制御装置110から出力される保留球数コマンドを受信した場合に実行される保留球数コマンド処理(図145のS2208参照)において、受信した保留球数コマンドに含まれる保留球数を抽出し、特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223a、或いは、特別図柄2保留球数カウンタ223b)の値を抽出した保留球数に更新し(図145のS2301)、その更新した値に対応するように保留図柄を副表示領域Dsの小表示領域Ds1に表示する処理が実行されるが、擬似保留図柄は特図保留球数が増加する場合だけで無く、第1入球口64及び第2入球口640へと球が入球したにも関わらず、特図保留球数が増加しない場合(オーバーフロー入賞した場合)にも表示数が増加し得るように構成しているため、主制御装置110から出力される入賞情報コマンドを受信した場合に実行される。
なお、本実施形態の構成に限ること無く、通常の保留図柄表示と同様に、保留球数コマンドを受信した場合にのみ擬似保留図柄の表示数が増加するように構成しても良いし、遊技者が枠ボタン22に対して特定の操作を実行した場合に擬似保留図柄の表示数が増加するように構成しても良い。つまり、擬似保留図柄は、特別図柄の保留球数を示すための表示態様では無く、擬似変動演出の実行回数に応じて減算される表示態様であるため、新たな擬似変動演出が実行される毎に表示数が可変(減算)されれば良く、それ以外の要件で表示数が可変(加算)されても良い。
高速表示中入賞演出設定処理(S2592)が実行されると、まず、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されているかを判別し(S4501)、オンに設定されていると判別した場合は(S4501:Yes)、次に、今回受信した入賞情報コマンドが特図入賞、即ち、特別図柄抽選の実行契機となり得る入球口(第1入球口64,第2入球口640,右第2入球口640r)への球の入球に基づいて設定された入賞情報コマンドであるかを判別し(S4502)、特図入賞であると判別した場合は(S4502:Yes)、擬似空き領域格納エリア223gbに格納されている情報に基づいて、擬似空き領域があるかを判別する(S4503)。
S4503の処理において、擬似空き領域があると判別した場合は(S4503:Yes)、今回受信した特図入賞がオーバーフロー入賞であるかを判別し(S4504)、オーバーフロー入賞であると判別した場合は(S4504:Yes)、擬似空き領域に対して実行する設定示唆演出として遊技者が設定値を予測し易い示唆態様(高示唆態様)に対応した表示態様を決定し(S4505)、その後、S4505の処理にて設定示唆演出が実行される擬似空き領域に対応させて、擬似空き領域格納エリア223gbに格納されている擬似空き領域の情報を更新し(S4507)、本処理を終了する。
一方、S4504の処理において、オーバーフロー入賞では無いと判別した場合は(S4504:No)、擬似空き領域に対して実行する設定示唆演出として遊技者が設定値を予測し難い示唆態様(低示唆態様)に対応した表示態様を決定し(S4506)、その後、S4505の処理にて設定示唆演出が実行される擬似空き領域に対応させて、擬似空き領域格納エリア223gbに格納されている擬似空き領域の情報を更新し(S4507)、本処理を終了する。
次に、図213を参照して、停止処理7(S2294)の処理内容について説明をする。図213は、停止処理7(S2294)の処理内容を示すためのフローチャートである。この停止処理7(S2294)は、上述した停止処理(図150のS2214参照)に対して、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されている場合の処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。なお、図213では、説明の便宜上、停止処理(図150のS2214参照)において実行されるS2801~S2804の処理については、S2894の処理に置き換えて示しているが、実際に実行される処理内容は同一であり、その説明を省略する。
停止処理7(S2294)が実行されると、まず、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されているかを判別し(S2891)、オンに設定されていると判別した場合は(S2891:Yes)、擬似保留表示中フラグ223gaをオフに設定し(S2892)、擬似空き領域格納エリア223gbに格納されている情報をクリア(消去)する(S2893)。その後、上述した停止処理(図150のS2214参照)と同一のSPタイム期間2805~S2813の処理を実行し、その他処理を実行し(S2894)、対応する第3図柄の停止表示を設定し(S2814)、本処理を終了する。一方、S2891の処理において、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されていないと判別した場合は(S2891:No)、S2892、及びS2893の処理をスキップして、S2805の処理へ移行する。
次に、図214を参照して、時短・確変用演出設定処理7(S3192)の処理内容について説明をする。図214は、時短・確変用演出設定処理7(S3192)の処理内容を示すためのフローチャートである。この時短・確変用演出設定処理7(S3192)は、上述した第1実施形態の時短・確変用演出設定処理(図154のS3102参照)に対して、擬似変動演出に対応する演出態様が決定された場合に、擬似保留図柄を表示する演出態様を決定するための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
時短・確変用演出設定処理7(S3192)が実行されると、上述した第1実施形態の時短・確変用演出設定処理(図154のS3102参照)と同一のS3201~S3206の処理を実行する。そして、S3206の処理を終えると、即ち、高速変動モード中において変動時間が12秒の変動パターン(非高速変動パターン)に対して、擬似変動演出である演出態様を決定するための処理(S3206)を終えると、次に、擬似保留図柄を表示させるための演出態様を決定し(S3291)、擬似保留表示中フラグ223gaをオンに設定し(S3292)、S3205の処理へ移行する。
S3291の処理では、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄の表示領域を擬似変動演出中専用の表示領域(図208(a)の表示領域HR2参照)に切り替え、保留図柄の表示態様を擬似変動演出中専用の表示態様(図208(a)の表示領域HR2に表示される数字で示した表示態様)に切り替えるための演出態様と、切り替え前の保留図柄が表示されていた表示領域(図208(a)の副表示領域Ds)に対して擬似保留図柄を表示させるための演出態様が決定される。このように、擬似変動演出の演出態様を決定する処理に合わせて、擬似保留図柄表示の演出態様も決定するように構成することで、擬似変動演出の実行タイミングと、擬似保留図柄表示の実行タイミングと、を同期させることができるため、遊技者に違和感を与えることの無い演出を実行することができる。
なお、擬似変動演出、及び、擬似保留図柄を用いた演出が実行される場合に、第3図柄表示装置81の表示面に表示される背景画像を専用の背景画像へと切り替えると共に、擬似保留図柄の表示態様を、通常の保留図柄の表示態様とは異ならせ、専用の背景画像に対応した表示態様で表示するように構成すると良い。
次に、図215を参照して、液晶演出実行管理処理7(S2190)の処理内容について説明をする。図215は、液晶演出実行管理処理7(S2190)の処理内容を示すためのフローチャートである。この液晶演出実行管理処理7(S2190)は、上述した第3実施形態の液晶演出実行管理処理3(図194のS2160参照)に対して、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されている状態において実行される処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
液晶演出実行管理処理7(S2190)が実行されると、まず、上述した第3実施形態の液晶演出実行管理処理3(図194のS2160参照)と同一のS4301~S4312の処理を実行し、その後、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されているかを判別し(S4391)、オンに設定されていると判別した場合は(S4391;Yes)、擬似保留図柄が表示されている状態における演出内容を決定するための擬似保留演出設定処理を実行し(S4392)、本処理を終了する。一方、S4391の処理において、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されていないと判別した場合は(S4391:No)、S4392の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図216を参照して、液晶演出実行管理処理7(図215のS2190)にて実行される擬似保留演出設定処理(S4392)の処理内容について説明をする。図216は、擬似保留演出設定処理(S4392)の処理内容を示すためのフローチャートである。この擬似保留演出設定処理(S4392)では、経過時間に対応させて実行中の各種演出の演出態様を切り替えるための処理が実行される。
擬似保留演出設定処理(S4392)が実行されると、擬似変動(擬似変動演出)の開始タイミングであるかを判別し(S4601)、開始タイミングであると判別した場合は(S4602)、新たな擬似変動演出が実行されるタイミングであるため、擬似変動(擬似変動演出)の実行に合わせて、擬似保留図柄の表示位置をスライド移動(シフト)させるためのスライド表示態様を決定し(S4602)、擬似保留図柄表示領域に擬似空き表示領域があるかを判別し(S4603)、擬似空き表示領域があると判別した場合は(S4603:Yes)、スライド移動後の擬似空き領域の内容に対応させて擬似空き領域格納エリア223gbに格納されている情報を更新し(S4604)、本処理を終了する。また、S4601の処理において、擬似変動(擬似変動演出)の開始タイミングでは無いと判別した場合(S4601:No)、或いは、S4603の処理において擬似空き領域が存在しないと判別した場合(S4603:No)は、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第7実施形態では、擬似変動演出の実行に対応させて表示数が減算される擬似保留図柄を、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄と切り替えて表示するように構成しているため、1回の特別図柄変動期間中に、擬似変動演出が複数回実行される擬似変動演出が実行される場合において、1の特別図柄変動に対して、1の擬似変動演出が実行されていると遊技者に思わせ易くすることができる。
また、本第7実施形態では、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄が表示されていた表示領域を用いて、擬似保留図柄を表示するように構成し、擬似変動演出が実行されている期間中は、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄を他の表示領域にて表示するように構成している。これにより、遊技者に対して擬似保留図柄を違和感無く表示することができる。
さらに、擬似変動演出中は、擬似保留図柄のほうが特別図柄の保留球数を示すための保留図柄よりも遊技者に把握され易い表示態様で表示するように構成している。これにより、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄よりも、擬似保留図柄の表示数の増減に対して遊技者の注目を集め易くすることができる。
また、本第7実施形態では、擬似変動演出の実行に伴い、擬似保留図柄の表示数が減少した場合(スライド移動した場合)に生じる擬似空き表示領域に対して、特定条件が成立した場合(特別図柄抽選の実行契機となる入球口へと球が入球した場合)に、新たな擬似保留図柄を表示させるように構成している。よって、擬似保留図柄が特別図柄の保留数を示すための保留図柄であると遊技者に思わせ易くすることができる。
さらに、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で擬似変動演出が実行された場合、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態において擬似空き領域が表示されている場合において、特別図柄抽選の実行契機となる入球口へと球が入球(オーバーフロー入賞)に基づいて新たな擬似保留図柄を表示可能に構成している。よって、擬似保留図柄が特別図柄の保留数を示すための保留図柄であると遊技者に思わせ易くすることができる。
加えて、擬似空き領域に表示される擬似保留図柄の表示態様を用いて設定示唆演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
以上、説明をした通り、本第7実施形態では、擬似変動演出が実行される毎に、保留図柄(擬似保留図柄)の表示数を減少させることで、擬似変動演出があたかも特別図柄変動演出であるかのように遊技者に思わせ易くするように構成していたが、擬似変動演出が実行されていると遊技者に容易に把握されないようにするために、これ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄の表示態様を可変させることで、擬似変動演出が実行された場合に、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄の表示数が減少したように見せる構成を用いても良く、この場合、例えば、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄が4個表示されている状態で擬似変動演出が実行されると、4個目の保留図柄の表示態様を、通常よりも遊技者が把握困難な表示態様へと可変させることで、特別図柄の保留球数が3個になったと思わせる演出を実行するように構成しても良い。
ここで、遊技者が把握困難な表示態様としては、例えば、4個目の保留図柄の表示拡大率を他の保留図柄の表示拡大率よりも小さくすることで、遊技者が把握し難い表示態様としたり、4個目の保留図柄の透明度を他の保留図柄の透明度よりも高くすることで、遊技者が把握し難い表示態様としたり、4個目の保留図柄の表示色を他の保留図柄の表示色よりも、背景画像の色に近づけることで、遊技者が把握し難い表示態様としたり、することが考えられる。このように構成することで、擬似保留図柄を用いること無く、擬似変動演出があたかも特別図柄変動演出であるかのように遊技者に思わせ易くすることができるため、擬似変動演出を遊技者に違和感無く実行するための処理負荷、及び、演出データ容量を削減することができる。
なお、本実施形態では、擬似変動演出の実行に合わせて表示数が可変する表示対象として、保留図柄(擬似保留図柄)を用いているが、これに限ること無く、他の表示態様を用いても良い。また、本第7実施形態では、擬似変動演出が実行されている間、継続して擬似保留図柄を表示するように構成しているが、これに限ること無く、少なくとも、擬似変動演出が実行されるタイミングに合わせて、対象となる表示態様(擬似保留図柄)の表示数が減少する演出が実行されれば良く、表示数が減少した後に対象となる表示態様を一時的に非表示とするように構成しても良い。
また、本実施形態では、擬似変動演出が実行される場合に表示される擬似保留図柄の表示数を、特別図柄の保留球数に対応した表示数で表示するように構成することで、特別図柄の保留球数を示す保留図柄から擬似保留図柄へと遊技者に違和感を与えること無く切り替えるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、擬似変動演出の実行回数に基づいて擬似保留図柄の初期表示数を決定しても良い。
さらに、本実施形態では、擬似空き表示領域が形成された場合に、その擬似空き表示領域の範囲内のみ設定示唆演出が実行され得る特殊図柄表示ゾーンとなるように構成しているが、これに限ること無く、擬似空き領域が形成された表示領域よりも後ろの表示領域の所定範囲、或いは全範囲を特殊図柄表示ゾーンとして利用しても良い。
また、本第7実施形態では、1の特別図柄変動の全期間を用いて複数回の擬似変動演出を実行する場合における擬似保留図柄の演出内容(表示数の可変内容)について説明をしたが、本第7実施形態にて用いた技術思想を他の技術に用いても良く、例えば、2つ以上の連続する特別図柄変動の変動期間を用いて3つ以上の擬似変動演出を実行する場合に本第7実施形態にて説明をした各種技術思想を適用しても良い。
さらに、複数回の特別図柄変動に対して擬似変動演出を1回実行する場合において、擬似変動演出中に特別図柄の保留球数を示す保留図柄の表示数が減少することにより、実行中の変動演出が擬似変動演出であることを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制するための技術思想として、上述した第7実施形態の技術思想、即ち、特別図柄の保留球数を示す保留図柄に代えて擬似保留図柄を表示し、その擬似保留図柄の表示数を擬似変動演出の実行回数に基づいて可変(減少)させる技術を用いても良い。これにより、実行中の変動演出が擬似変動演出であることを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
<第8実施形態について>
次に、図217を参照して、第8実施形態について説明をする。本第8実施形態では、上述した第1実施形態に対して、設定変更中における規制内容を異ならせ、その表示内容についても異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
上述した第1実施形態では、遊技機の設定値を変更する処理が実行されている最中、即ち、主制御装置110の立ち上げ処理が完了していない状態では、表示制御装置114のブート処理の進行状況に関わらず、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理も完了することが無いため、枠ボタン22等の操作手段の操作が無効に設定されるように構成していた。これに対して、本第8実施形態では、操作手段として第1枠ボタン22aと第2枠ボタン22bを設け、設定変更操作中においても、一方の操作手段(第2枠ボタン22b)に対する操作を有効に判別可能に構成している点で相違している。
具体的には、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図140参照)において、主制御装置110から設定変更操作が完了したことを示すためのコマンド(初期化コマンド)が出力されることを待機する待機処理(図142のS2012参照)よりも前段において、第2枠ボタン22bの操作を有効に設定するための第1操作有効設定処理を実行するように構成する。この第1操作有効設定処理では、パチンコ機10が有する複数の操作手段のうち、一部の操作手段のみ操作を有効に判別するための設定処理を実行する。
そして、待機処理(図142のS2012参照)よりも後段に実行される処理において、全ての操作手段への操作を有効にする第2操作有効設定処理を実行可能に構成する。
ここで、第1操作有効設定処理において操作が有効に判別される操作手段は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223に情報を書き込まれる操作以外の操作を実行可能な操作手段、即ち、何らかの変更情報(例えば、音量調整や輝度調整の結果を示す情報)を決定するための操作手段では無く、何らかの情報を変更(例えば、音量や輝度を変更)するための操作(変更操作)をするための操作手段(枠ボタン22b)が該当する。
つまり、設定変更操作中であっても、音量や輝度を変更するための操作は有効に判別されるが、変更後の音量や輝度を決定(RAM223の記憶エリアに書き込む)するための操作(決定操作)をするための操作手段(枠ボタン22a)は、設定変更操作完了後に有効となるように構成している。このように構成することで、設定変更操作中であっても、情報を変更するための変更操作を実行することが可能となるため、複数の作業を重複して実行することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
ここで、設定変更操作が実行されている状態では、表示制御装置114のブート処理が完了している場合と、完了していない場合と、があり、ブート処理が完了していない場合は、第3図柄表示装置81の表示画面には変更操作に関わる情報が表示されないため、変更操作を実行した場合に、どの程度変更操作を実行したのかを作業者が把握し難いという問題があった。また、ブート処理が完了している状態であっても、設定変更操作を実行している最中は、パチンコ機10の裏面側に対して作業者が対峙している状況であり、第3図柄表示装置81の表示面を視認し難い状態であることから、変更操作の内容を第3図柄表示装置81の表示画面を視認することで把握することが困難となる。
そこで、本第8実施形態では、設定変更中に音声出力装置226から出力される音量を変更操作に応じて可変させることにより、作業者に対して変更操作の操作度合いを把握させ易く構成している。このように構成することで、パチンコ機10の裏面側に対峙している作業者に対して音声で変更操作内容を把握させることができるため、複数の作業を重複して実行することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
加えて、本第8実施形態では、初期化状態で設定されるデフォルトの環境状況(初期音量レベル)と、変更操作によって変更された環境状況(変更後音量レベル)と、を切り替えた環境状況報知(音声出力)を実行可能に構成している。これにより、変更操作によって変更された環境状況(変更後音量レベル)のみ報知される場合に比べて、変更後の環境状況を相対的に把握することができるため、変更操作の内容を視覚的に把握することが困難な状況において、作業者に変更操作の内容を把握させ易くすることができる。
ここで、図217を参照して、本第8実施形態における設定変更操作中に表示される表示内容について説明をする。図217(a)は、設定変更中の表示画面を模式的に示した図であり、図217(b)は、設定変更中に音量レベルの変更をした場合の表示画面を模式的に示した図である。
図217(a)に示した通り、表示制御装置114のブート処理が完了した状態で設定変更操作が実行されている場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に「設定変更中」の文字が表示されると共に、表示領域HR31にて、現在の状況において、作業者が操作可能な操作手段と、操作不可能な操作手段とを示す情報が表示される。図217(a)に示した図では、枠ボタン22b(図では、三角印で表示)は有効で、枠ボタン22a(図では、丸印で表示)は無効であることを示す情報が表示されている。これにより、現時点において操作可能な操作手段を分かり易く報知することができる。
そして、表示領域HR30には、初期状態で設定されるデフォルトの環境情報として音量レベルを示す表示態様が表示されており、図では、3段階の音量レベルのうち2段階目の音量レベルがデフォルトの環境情報として設定されていることを示す表示態様が表示されている。この音量レベルは段階を異ならせることで音声出力装置226から出力される音量の大きさを可変させることができることを示すものであって、音量レベルを上げると音声出力装置226から出力される音量が大きくなる。図217(a)では、黒色で塗りつぶした数が音量レベルを示しており、3つ全て黒色で塗りつぶした状態が、最大音量が出力される音量レベル3を示す。
また、設定変更中は、音声出力装置226から現在の状況が設定変更中であることを音声で報知するための報知態様として、「設定変更中」のメッセージが、デフォルトの音量レベルで出力されるように構成している。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面を視認できない位置に位置する作業者(例えば、設定変更操作を実行するために、パチンコ機10の背面側に位置する作業者)に対して、現在の状況を分かりやすく報知することができる。また、不正に設定変更操作が行われた場合であっても、その状況をいち早く察知することができる。
本実施形態では、この設定変更中において枠ボタン22bへの操作が有効に判別されるため、設定変更中であっても、音量レベルを変更することが可能であるため、表示画面には、枠ボタン22bを操作することで音量レベルを変更することができる旨を報知するための表示態様が表示されている。
なお、図217(a)に示した表示内容は、全て、表示制御装置114のブート処理が完了した状態において、音声ランプ制御装置113から出力される状態を示すコマンド(例えば、立ち上げ処理が完了したことを示すコマンドや設定変更処理が完了したことを示すコマンド)を受信していない場合に表示されるデフォルト画像(初期画像)として画像データが格納されているものである。なお、この初期画像の説明については、第1実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図217(a)に示した状態で、枠ボタン22bを操作した場合には、図217(b)に示した通り、音量調整中の文字が表示されると共に、変更操作に対応した音量レベル(音量レベル3)を示す表示態様が表示領域HR30に表示される。そして、音声出力装置226からは、デフォルトの音量レベル(音量レベル2)と、変更後の音量レベル(音量レベル3)と、を切り替えて「設定変更中」のメッセージが交互に出力される。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面を視認できない位置に位置する作業者(例えば、設定変更操作を実行するために、パチンコ機10の背面側に位置する作業者)に対して、現在の状況を分かりやすく報知することができる。また、不正に設定変更操作が行われた場合であっても、その状況をいち早く察知することができる。
以上、説明をした通り、第8実施形態では、設定変更中である場合、即ち、パチンコ機10の初期化処理(立ち上げ処理)が全て完了していない場合であっても、操作手段のうち一部の操作手段を有効に判別可能に構成することで、複数の作業を重複して実行することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
なお、本第8実施形態では、パチンコ機10の設定変更中を対象に、複数種類の操作手段に対して操作無効期間を異ならせるように構成しているが、操作無効期間を設定するタイミングは、パチンコ機10の設定変更中に限ること無く、初期化処理中であっても良いし、パチンコ機10の初期化処理が終了している状態において作業者が特定の操作を実行することにより通常の遊技可能状態とは異なる設定状態へと切り替えた期間でも良いし、パチンコ機10にて異常が発生し、遊技が一時的に不能となる期間でも良い。また、通常の遊技可能状態において、実行される演出が途中で停止したように見せる演出(フリーズ演出)が実行されている期間に対して、操作無効期間を設定するように構成しても良いし、計時装置292により計時された時刻が特定時刻(例えば、遊技場の閉店時刻)を越えた期間でも良い。
<設定示唆演出の別例について>
上述した各実施形態では、設定される期間に応じて設定示唆演出の実行頻度を異ならせ、各期間内で設定示唆演出を実行するように構成していた。即ち、設定されている期間に対応した実行頻度で設定示唆演出の実行を決定し、その決定した設定示唆演出を当該期間内にて実行するように構成していた。
これに対して、本別例では、設定示唆演出の実行を決定する期間と、実際に設定示唆演出を実行する期間と、を異ならせることが可能に構成している。
具体的には、特定期間(例えば、SPタイム期間や確変状態中)にて特定条件(例えば、大当たり当選した場合に成立する条件や、リーチ回数が所定回数(3回)に到達した場合に成立する条件)が成立した場合に、設定示唆演出の実行権利として、設定示唆演出を示す要素となり得る表示態様(例えば、ピースの足りないパズルを示した表示態様)が表示される。
次に、設定示唆演出の実行権利が成立している状態において、追加情報(例えば、パズルのピース)を取得可能に構成する。より具体的には、操作手段に対する操作に基づいて追加情報を獲得するか否かの判別手段や、実行権利が成立してからの期間にて獲得した賞球数が所定数単位(例えば、1000個単位)に到達した場合に追加情報を獲得する獲得手段を設ける。
そして、設定示唆演出の実行権利が成立している状態において、追加情報を獲得する毎に、設定示唆演出を示す要素となり得る表示態様(例えば、ピースの足りないパズルを示した表示態様)に追加情報に対応する表示態様(要素)が付加される演出を実行する。そして、十分量の追加情報が付加された場合に、設定値を示唆するための表示態様が形成される(設定示唆演出が実行される)。
このように構成することで、特定期間内において、設定示唆演出の実行権利を獲得した遊技者に対して、設定示唆演出が実行されるまで継続して遊技を行わせ易くすることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、上述した別例の構成を用いる場合には、設定示唆演出の実行権利を保持する期間に上限を設けると良い。これにより、設定示唆演出の実行権利を保持している期間内に設定示唆演出を実行させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、設定示唆演出の実行権利を保持する期間に上限を設けた場合には、その上限期間を延長させるための延長条件(例えば、特定態様のリーチ演出を実行させた場合に成立する条件や、操作手段に対して特定の操作を行った場合に成立する条件や、特定の大当たり種別の大当たりに当選した場合に成立する条件)を設定可能に構成し、延長条件が成立したと判別した場合に、上限期間を延長させる処理を実行するように構成すると良い。このように構成することで、設定示唆演出の実行権利を保持している期間内に設定示唆演出を実行させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせると共に、上限期間を延長させることで設定示唆演出を実行させ易くすることを狙う遊技も行わせることができ、遊技者を意欲的に遊技へと参加させることができる。
加えて、延長条件とは異なる特殊条件(例えば、保留連)が成立した場合には、上限期間を撤廃するように構成しても良い。
さらに、上限期間を設定可能に構成した場合には、上限期間までの残期間を報知可能に構成すると良い。これにより、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、定示唆演出を示す要素となり得る表示態様(例えば、ピースの足りないパズルを示した表示態様)として、追加情報が付与される毎に、徐々に設定推測可能となる表示態様を設定すると良い。これにより、全ての追加情報を獲得し得ない状態であっても、遊技者に対して設定値を予測させることができる。
<設定示唆演出の定義について>
次に、上述した各実施形態にて用いられた設定示唆演出の演出態様の別例について説明をする。ここで、設定示唆演出とは、遊技者に対して設定値を示すための情報を提供することを目的とした演出だけで無く、設置値に関する情報に基づいて選択される演出態様の全てが設定示唆演出に該当するものである。
また、演出の実行とは、上述した各実施形態にて説明をしたような、遊技者が視認可能な表示態様を表示させることは勿論のこと、遊技者が視認可能な表示態様させない態様も演出の実行の概念に含まれるものである。
また、上述した各実施形態では、設定示唆演出として特定の表示態様を表示する例を示しているが、これに限ること無く、個々に設定される複数種類の表示態様を重複して表示することにより、遊技者に設定値を推測させる態様も設定示唆演出の概念に含まれるものである。
<第1変形例>
次に、第1実施形態及び第8実施形態において説明をした立ち上げ処理中における操作手段への操作に関する処理に関する第1変形例について説明をする。上述した各実施形態では、パチンコ機10の前面側(図81参照)に設けられた操作手段(枠ボタン22等)を対象に、操作無効期間を設定するように構成していたが、対象の操作手段をパチンコ機10の背面側(図83参照)に設けても良い。この場合、パチンコ機10の背面側に設けられた操作手段(管理用操作手段)は、遊技者が操作不可能(困難)な位置に設けられ、作業者が操作することにより、パチンコ機10の環境を設定可能な管理用操作手段として用いると良い。
具体的には、遊技者が枠ボタン22等の操作手段を操作することで設定可能な音量レベルや輝度の調整範囲を管理用操作手段操作手段に対する操作で制限したり、遊技者が操作手段を操作することによりパチンコ機10にて実行される演出態様を可変させるカスタム選択にて選択可能な演出態様の種別を管理用操作手段操作手段に対する操作で制限したりするように構成すると良い。
そして、上述した操作手段と、管理用操作手段とで、パチンコ機10の立ち上げ処理中における操作無効期間を異ならせて設定可能に構成し、操作手段よりも、管理用操作手段のほうが、無効期間が短くなる(無効期間を設定しない)ように構成すると良い。
<第2変形例>
次に、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技中の演出内容について、上述した第1実施形態の図96(b)を参照して説明した例の変形例について説明をする。
上述した第1実施形態では、ラウンド遊技中に実行されるラウンド演出の演出態様として、獲得球数が所定個数単位(200個単位)に到達し得るラウンド数を特定し、そのラウンド演出の演出態様として、実行されるラウンド数と、表示される獲得球数との対応関係に基づいて、ラウンド演出の演出態様を決定するように構成していた。
これに対して、本第2変形例では、大当たり遊技の何ラウンド目で昇格演出を実行するかを決定する決定手段を設け、決定されたラウンド数を記憶可能な記憶手段を設ける。そして、獲得球数が所定個数単位(200個単位)に到達し得るラウンド数を特定する特定手段によって特定されるラウンド数のうち、記憶手段に記憶されたラウンド数以降のラウンド数で昇格演出を実行する実行手段を設ける。
このように構成することで、昇格演出を、獲得球数が所定個数単位に到達したことを祝福する所定数獲得演出が実行されるラウンド数と同期して実行させることができる。
ここで、第2変形例では、所定数獲得演出として、獲得球数に応じて異なる演出態様(例えば、キャラクタの種別を異ならせた態様や、キャラクタの発するコメントの種類(方言など)を異ならせた態様)を決定可能に構成しており、所定数獲得演出が実行されるラウンド数のラウンド遊技が実行されると特定された場合に、演出態様を決定し、その決定された演出態様に対応した動画像データ、或いは静止画像データを生成し、ラウンド遊技中の演出として実行し、実際に獲得球数が所定個数に到達した場合に、所定個数を示すための画像を追加表示するように構成している。
このように構成されたパチンコ機10では、所定数獲得演出の演出態様の設定と、昇格演出の決定と、を独立して実行してしまうと、所定数獲得演出の実行中に昇格演出が実行されてしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまう虞があった。
より具体的には、所定数獲得演出に用いられる演出態様は、決定手段により決定された演出態様に対応した動画像データ、或いは静止画像データに基づいて実行され、且つ、実行される演出態様に対応させた音声データ(セリフ等)も設定されるため、所定数獲得演出が実行されるラウンド遊技中に昇格演出を実行してしまうと、所定数獲得演出の演出効果が著しく低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第2変形例では、所定数獲得演出の演出態様の設定するための処理と、昇格演出を決定するための処理と、複合させて実行することができるため、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。
上述した各実施形態では、特別図柄抽選の実行回数に基づいて、短い変動時間の変動パターンが選択され易くなる高速変動モードを設定可能に構成していたが、この高速変動モードへの移行条件として特別図柄抽選の実行回数以外を設けても良く、特別図柄抽選の結果が、大当たり当選以外の特定抽選結果となった場合、例えば、大当たり当選していないが、可変入賞装置65aを一時的に開放させる小当たり遊技が実行される小当たりに当選したことに基づいて高速変動モードを設定可能に構成したり、大当たり遊技期間が短い大当たり遊技を跨いで高速変動モードを設定可能に構成したり、特別図柄や普通図柄の抽選とは別に特定のモード移行抽選を実行可能に構成し、モード移行抽選に当選した場合に高速変動モードを設定可能に構成しても良い。
また、高速変動モードを設定する際に用いられる各種条件と同様の要素を用いて、高速変動モードを終了させる終了条件を設定しても良く、この場合、高速変動モードを設定する際に用いられる各種条件の数値(パラメータ)を異ならせて終了条件を設定するように構成すると良い。これにより、高速変動モードの設定条件と終了条件とを値を異ならせるだけで設定することができるため、高速変動モードの設定に関する情報を記憶するためのデータ容量を削減することができる。
さらに、上述した各実施形態では、特別図柄抽選(特別図柄変動)の内容に基づいて高速変動モードの設定の有無を決定するように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄抽選(普通図柄変動)の内容に基づいて高速変動モードの設定の有無を決定するように構成しても良い。この場合、例えば、普通図柄変動として電動役物640aが長期間開放されるロング普図当たりに当選している普通図柄変動中や、ロング普図当たり遊技中といった、遊技者に対して、普通図柄抽選(普通図柄変動)の結果に注視させる状況であるか否かを判別し、普通図柄抽選(普通図柄変動)の結果に遊技者を注視させるための演出が実行されている期間、或いは、実行されることが決定している期間については、高速変動モード中における特別図柄の高速変動が実行されたとしても、その旨を報知するための演出態様が設定されないように構成しても良い。
このように、特別図柄抽選(特別図柄変動)よりも、遊技者に注視させるべき内容の演出が実行されている期間、或いは、特別図柄抽選(特別図柄変動)よりも、遊技者に注視させるべき内容の演出が実行されることが確定した期間において、高速変動モード中における特別図柄の高速変動が実行されたとしても、その旨を報知するための演出態様が設定されないように構成することで、遊技者に対して最も注視すべき演出を分かり易く報知することができる。
上記実施形態では、画像コントローラ236が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ236は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記実施形態において、デモ演出は、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものであってもよい。また、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態において、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出を実行してもよいし、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、連続予告演出を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29~33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および第1図柄表示装置37)において変動演出が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29~33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29~33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるで、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29~33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29~33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
尚、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29~33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29~33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
また、連続予告演出が行われる場合に、変動演出とは別の連続予告演出用の画像が第3図柄表示装置81に表示させてもよいし、連続予告演出を、変動演出が終了したときに表示される停止図柄として、所定の図柄の組み合わせである、所謂「チャンス目」を表示させることによって行ってもよい。この場合、表示制御装置114のMPU221で実行されるコマンド判定処理(図395(c)のS1602)にて連続予告コマンドの受信を判断すると、チャンス目に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄判別フラグをオフに設定するようにしてもよい。コマンド判定処理では、停止識別コマンド処理の後にその他コマンド処理の中で連続予告コマンドに対応する処理を実行するので、表示用停止識別コマンドの受信によって設定された停止図柄に代えて、チャンス目が停止図柄として設定される。よって、変動停止時にチャンス目を確定表示させることができる。そして、第3図柄表示装置81において、変動演出ごとに停止図柄としてチャンス目が連続して表示されれば、遊技者に対して、最終的に大当たりが得られる期待感を持たせることができる。
上記実施形態において、主制御装置110は、第1始動口64a,第2始動口64bへの入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得された各カウンタC1~C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1~C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられたものであってもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する先読み情報第1~第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、保留球数コマンドを受信した場合に、該保留球数コマンドにて示される各カウンタC1~C3,CS1の値そのものをRAM223に格納してもよいし、保留球数コマンド(又は、各カウンタの値が示されるコマンド)を受信した場合に、該コマンドにて示される各カウンタの値に基づいて、大当たりか否か、大当たりの場合の大当たり種別、外れの場合の外れ種別等の一部または全部を判定し、これらの判定結果を、該コマンドにて示される各カウンタの値に代えて、または、該カウンタの値の一部または全部とあわせて、RAM223に格納してもよい。
上記各実施形態では、第1始動口64a及び第2始動口64bのどちらに球が入賞したかに関係なく、1つの保留球数カウンタ203aを用いて、主制御装置110にて保留球数をカウントする場合について説明した。これに対し、第1始動口64aに対応する第1始動口用の保留球数カウンタと、第2始動口64bに対応する第2始動口用の保留球数カウンタと主制御装置110のRAM203に用意し、第1始動口64aへの始動入賞に伴う保留球数と、第2始動口64bへの始動入賞に保留球数とを、それぞれ別個にカウントしてもよい。
また、上記各実施形態では、第1始動口64a及び第2始動口64bのどちらに球が入賞したかに関係なく、保留可能な最大保留球数を「4」に定める場合について説明したが、第1始動口64aへの始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数と、第2始動口64bへの始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数とを、別個に定めて管理してもよい。例えば、第1始動口64aへの始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数を「4」とし、第2始動口64bへの始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数を「4」として、ある時点において、第1始動口64aへの始動入賞に伴って保留された保留球数が「4」であって、第2始動口64bへの始動入賞に伴って保留された保留球数が「2」である状況では、第1始動口64aにこれ以上始動入賞があっても、その始動入賞は保留されないが、第2始動口64bに始動入賞があった場合は保留されるようにしてもよい。これにより、第1始動口64aと第2始動口64bとが別個のものとして遊技者に認識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、例えば、第2始動口64bへの始動入賞に基づく変動演出が、第1始動口64aへの始動入賞に基づく変動演出に対して優先して行われるようにしてもよい。または、第1始動口64aへの始動入賞に基づく変動演出が、第2始動口64bへの始動入賞に基づく変動演出に対して優先して行われるようにしてもよい。これにより、優先して変動演出が行われる始動口を、遊技者に対してより注目させることができる。
上記実施形態において、入球した場合に大当たりの抽選が開始される始動口として、第1始動口64a及び第2始動口64bと2つの始動口が遊技盤13に配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、始動口の数は1つであってもよいし、3つ以上の複数であってもよい。なお、始動口が2以上ある場合、各々の始動口に対して、対応する保留球数カウンタをRAM203に用意し、始動口毎に、対応する始動口への入賞に伴って保留された保留球数をカウントするようにしてもよい。また、始動口毎に、対応する始動口への始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数を設定してもよい。
また、始動口が2以上ある場合、始動口への入賞に伴って保留が行われたことを通知するために主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの始動口への入賞によって保留が行われたかものかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、始動口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタを1減らせば、始動口毎に保留球数をカウントすることができる。
また、複数の始動口が遊技盤13に配設される場合、それぞれの始動口への入賞(始動入賞)に伴って取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113へ通知してもよい。この場合、主制御装置110が始動入賞に伴い取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドには、いずれの始動口への始動入賞に伴って取得されたものであるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動口への始動入賞に伴う変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。更に、音声ランプ制御装置113のRAM223において、始動口毎にそれぞれ先読み情報格納エリアを用意し、対応する始動口への始動入賞に伴って主制御装置110より送信された各カウンタ値を、対応する先読み情報格納エリアに格納してもよい。これにより、変動パターンコマンドを受信する毎に、その変動パターンコマンドで示される変動演出の実行契機となった始動入賞を検出した始動口に対応する先読み情報格納エリアに対してシフト処理を行うことができる。よって、始動口毎に保留中の変動演出に対応する各カウンタの値を、音声ランプ制御装置113においても保持させることができる。従って、始動入賞した始動口により、大当たりとなる確率や大当たり種別の振り分け確率、外れ種別の振り分け確率等が異なるような場合に、先読み処理において、それぞれの変動演出について、大当たりとなるか否か、大当たりとなる場合の大当たり種別、外れとなる場合の外れ種別などを、どの始動口への始動入賞かに基づいて正しく判定することができる。また、1の始動口への始動入賞に基づく変動演出が、他の始動口への始動入賞に基づく変動演出に優先して行われるような場合に、1の始動口への始動入賞に基づく変動演出に対応するカウンタの値から順番に先読み処理を行うことができ、直近で大当たりとなる変動演出の保留回数を正しく判断することができる。
また、複数の始動口が設けられている場合、音声ランプ制御装置113は、始動口への始動入賞に基づいて取得された各カウンタの値をコマンドにより主制御装置110から受信した場合に連続予告演出の開始を決定すると、始動入賞があった始動口に関わらず、その時点で保留されている全ての変動演出(保留球)にわたって、連続予告演出を実行させてもよい。また、複数の始動口が設けられており、一の始動口への入賞に対する変動演出を、他の始動口への入賞に対する変動演出よりも優先的に実行するパチンコ機においては、その優先的に変動演出が実行される始動口への入賞に対して取得されたカウンタ値の先読み結果のみから、連続予告演出の開始を決定するようにしてもよい。これにより、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されない。仮に、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して連続予告演出が開始され、優先度の高い始動口に絶え間なく変動演出が保留される場合に、連続予告演出がなかなか終了しないという事態が生じるおそれがある。これに対し、本変形例では、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されないので、そのような事態が生じることを抑えることができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、RAM223に記憶された保留球数の値を1減らす(図394のS1107参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図381参照)において、変動開始処理(S307)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を(図381のS305参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113では、より正確に主制御装置110に保留された保留球の数を把握することができる。尚、この場合、図394のS1107は省略される。また、変動パターンコマンドに、減算後の保留球数カウンタ203aの値(N)を含めてもよい。この場合、音声ランプ制御装置113では、変動パターンコマンドを受信した場合に該変動パターンコマンドに含まれる保留球数(N)を抽出して、RAM223に記憶された保留球数に設定すればよい。
上記実施形態においては、第1始動口64a及び第2始動口64bへの入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1始動口64a及び第2始動口64bへの入賞に対し、始動口によって別箇に最大保留球数を設定するようにしてもよく、各々の始動口における最大保留球数は「4」以外の任意の数であってもよい。また、各始動口における最大保留球数は必ずしも同一の値とする必要はなく、異なる値であってもよい。また、第1始動口64a及び第2始動口64bへの入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1~Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1~Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1~Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロットマシンでは、所定期間中に払い出された遊技媒体(コイン、メダル)の総数に対する、ボーナス(役物)により払い出された遊技媒体の数の比率が役物比率となる。そこで、各役が成立した場合に払い出される遊技媒体の数を、賞球数テーブル202eに代えて主制御装置のROMに格納しておき、役物比率管理チップ又は役物比率管理チップと同等の機能を実行する制御装置にて、非ボーナスゲーム期間(通常期間)において成立した(有効ライン上に図柄が揃った)役の数、ボーナスゲーム期間中において成立した役の数、AT期間中において成立した役の数を計数して、役物比率や連続役物比率を管理してもよい。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。なお、以下に示す各種発明の概念は、それぞれ、他の発明の概念が有する構成の一部または複数部分を、その発明の概念に追加し或いはその他の発明の概念が有する構成の一部または複数部分と交換等することにより、その発明の概念を変形して構成するようにしても良い。
<釘の代わりとなる樹脂構成部材>
遊技盤本体と、その遊技盤本体に対して配置が固定される被固定部材と、前記遊技盤本体および前記被固定部材を連結する連結部材と、を備える遊技機において、前記連結部材は、遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち込まれた釘によって遊技球の流下経路をランダムに構成する遊技機がある(例えば、特開2007-325743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下経路が釘によってのみ構成されていることから、遊技盤のほぼ全領域に釘を打ち込む必要があるところ、釘を打つ部分の強度を確保するために遊技盤を肉厚にする必要があるので、特に厚み方向の設計において、遊技盤の形状の設計自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、遊技盤本体と被固定部材とを連結する連結部材によって遊技球を案内可能に構成されているので、連結部材が配置される範囲については、遊技盤本体に釘を打ち込む必要が無くなる。そのため、連結部材が配置される範囲では、遊技盤本体の、特に厚み方向の設計において、形状の設計自由度を向上することができる。
例えば、任意に厚みを設計できる箇所について薄肉に形成することで、遊技盤全体で要する部材の体積を減らすことで材料コストを削減できたり、薄肉とした結果として空いたスペースに演出用部材(電飾基板等)を配置して多様な発光演出を実行可能としたりすることができる。
なお、連結部材の配置は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、連結部材は、遊技領域に導入された遊技球が最初に衝突する部分を構成するように遊技盤のセンターフレームの上方に配置されても良いし、スルーゲートを内部に保持する部材としてセンターフレームの左右側に配置されても良いし、遊技球を入賞口へ案内するための部材としてセンターフレームの下側に配置されても良い。
また、連結部材は、左右対称形状で構成されても良いし、左右非対称形状で構成されても良い。基本的には、遊技領域が左右対称形状である場合には連結部材も左右対称形状で構成されることが好ましく、遊技領域が左右非対称形状である場合(例えば、右打ち機の場合)には連結部材も左右非対称形状で構成されることが好ましい。
遊技機A1において、前記連結部材は、遊技球を案内可能に構成される案内部を備え、その案内部は、遊技領域側に張り出すように構成されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、遊技領域側に張出形成されていた釘と同様の作用効果を、案内部によって生じさせることができることに加え、連結部材が光透過性の樹脂材料から形成される場合には、釘よりも光を透過させ易くすることができる。従って、案内部が配置される範囲においても、案内部の背後から遊技者側に照射される光の視認性が低下することを回避することができる。
なお、案内部の形状としては、釘の形状を模倣しても良いが、釘の細い形状を樹脂材料から形成する場合には金属材料の釘に比較して強度が落ちるため、複数の釘が配置される範囲を単一の案内部で囲むような形状から形成するようにしても良い。これにより、樹脂材料から形成する場合であっても、強度不足を解消することができる。
遊技機A2において、前記案内部は、前記遊技領域側の反対側に凹設部を備えることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、連結部材の軽量化を図ることができる。更に、案内部の肉厚が薄くなることで案内部を撓み易くすることができ、遊技球が案内部に衝突した際に案内部に撓みが生じることで、遊技球と案内部との間で生じる負荷を和らげることができるので、衝撃時の負荷による案内部の破損を回避し易くすることができる。
遊技機A2又はA3において、前記案内部は、前記遊技盤本体に近接配置される第1案内部と、前記被固定部材に近接配置される第2案内部と、を備え、前記第1案内部は、前記第2案内部に比較して、細幅に形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、第1案内部が細幅なので、案内部自体が撓み易く、遊技盤本体が撓まなくても負荷を逃がすことができる。一方で、第2案内部は、案内部自体が撓まずとも、薄板として形成される被固定部材が撓むことで負荷を逃がすことができる。
なお、細幅の態様は、最大幅が小さいとの設定でも良いし、形状が三角形である場合のように細幅の部分があることで特定しても良い。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記案内部は、張出方向視における枠形状を構成する辺同士が交差する角度が最大となる部分が上端位置よりも下側に配置されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、角度が最大となる部分を軸とした撓み変形を許容して、遊技球の衝突に対して堪えやすくすることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記被固定部材は、環状に構成され、前記遊技盤本体の内側に固定されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、被固定部材の形状を遊技盤本体の剛性により保持し易くすることができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記連結部材と、遊技盤本体または被固定部材と、が重なるように構成され、箇所によって、重なる対象が変わることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤本体の形成を省略して被固定部材でまかなうことにより、遊技盤本体を省略せずに形成する場合に比較して、遊技盤本体に要する材料コストを削減することができる。
また、被固定部材と連結部材とが重なる範囲においては、背面から照射される光を通り易くすることができると共に、被固定部材を薄肉形成することで背面側のスペースを確保することができることから、演出装置の配設自由度を向上することができる。
遊技機A7において、前記被固定部材と前記連結部材とが重なる箇所の後方に発光手段が配置される遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、遊技盤本体の後方に発光手段を配設する場合に比較して、被固定部材を薄肉で形成することにより発光手段の配設スペースを確保し易くすることができる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記被固定部材と、前記連結部材との間に配設される薄肉装飾部材を備え、その薄肉装飾部材は、前記被固定部材に形成される第1位置決め部と、前記連結部材に形成される第2位置決め部と、に位置合わせされることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、被固定部材や連結部材の各形状に制限されることなく薄肉装飾部材の位置合わせを行うことができる。
遊技機A9において、前記第1位置決め部と、前記第2位置決め部とが係合することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、第1位置決め部および第2位置決め部によって、被固定部材と連結部材との位置合わせを行うことができる。
<釘なし振分>
遊技球が通過可能な通過領域と、前記通過領域に遊技球を案内可能に構成される案内手段と、前記通過領域を通過した遊技球を流下させる流下領域と、を備え、前記案内手段は、前記通過領域へ遊技球を案内する割合を変化可能に構成され、前記流下領域は、遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口を備え、前記第1入球口に遊技球が入球する割合および前記第2入球口に遊技球が入球する割合を維持可能に構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち込まれた釘によって遊技球を入賞口へ振り分ける遊技機がある(例えば、特開2007-325743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下経路の振分に利用する釘は、遊技球との衝突によりベース板に対する状態が変化することがあり、その状態の変化によって入賞口に入球し易い状態や、入球し難い状態が形成され得るので、遊技の公平性という観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、案内手段が遊技球を通過領域へ案内する割合が変化可能な状況において、流下領域は、第1入球口に遊技球が入球する割合および前記第2入球口に遊技球が入球する割合を維持可能に構成されるので、遊技球が第1入球口や第2入球口に入球し易くなったり、入球し難くなったりすることを避けることができ、遊技の公平性という観点から改善することができる。
遊技機B1において、前記流下領域は、樹脂材料から形成されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、流下領域が樹脂材料から形成されるので、流下領域を形成する樹脂部材の一部が破損した場合には、樹脂部材自体を取り替えることで容易に元通りに修復することができる。従って、釘で遊技球の振分を行う場合に比較して、メンテナンス性および遊技機の稼働期間向上の観点において改良することができる。
また、釘の場合、曲げが生じていたとしても目視では判別し難く、遊技球の振分の状態(バランス)が出荷時から変化した状態での稼働が生じ得る一方で、樹脂材料から流下領域が形成される場合、曲げが生じ難い形状としたり、曲げが生じたら容易に破損する設計としたりすることで、出荷時の状態と異なる状態が構成され難くすることができる。これにより、遊技球の振分の状態(バランス)を出荷時のまま維持し易くすることができる。
遊技機B1又はB2において、前記第2入球口の上流側に前記第1入球口が配設され、前記第2入球口に遊技球が入球した場合に遊技者が得られる利益が、前記第1入球口に遊技球が入球した場合に遊技者が得られる利益に比較して大きくなることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、第2入球口側へ遊技球が流下するかについて注目させることができる。
なお、遊技者が得られる利益の態様は何ら限定されるものではない。例えば、賞球の有無や賞球個数でも良いし、図柄の抽選の有無でも良いし、遊技球の通過によって抽選の確率が変化する利益でも良いし、これらの組み合わせでも良い。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記通過領域の上流側に配置され、遊技球を前記通過領域とは異なる第3の方向に案内可能な上流側手段を備え、その上流側手段は、前記第2入球口への遊技球の流下を防止するように構成され、前記第3の方向に振り分けられた遊技球は、入球した場合に遊技者が利益を得られる利益通過手段を通過する経路で流下可能に構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、通過領域側へ行かなかった遊技球は、第2入球口へ向かう球の流下を妨害することが無く、更に、利益通過手段を通過する可能性があるので、通過領域側から逸れた遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機B4において、前記上流側手段により前記第3の方向に案内される遊技球は、案内が開始される地点が上流側である方が、前記利益通過手段への入球可能性が高くなるよう構成されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、上流側手段の注目力を、利益通過手段側に配置される下流側だけでなく、上流側においても向上させることができる。換言すれば、通常遊技で不満でも、大当たり遊技では快適となるように遊技領域を構成することができる。
遊技機B5において、一般入賞口側を構成する第1部材と、利益通過手段側を構成する第2部材とが、樹脂構成部材同士の係合で位置決めされることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第1部材と第2部材とを金属製の締結ビスで固定する場合に比較して、締結ビスを省くことができるので、第1部材と第2部材との重なり位置における視認性を向上することができる。
遊技機B6において、位置決めの手法が遊技盤との挟み込みであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、遊技領域と対向配置される部分における第1部材と第2部材との位置関係を規定し易くすることができる。これにより、第1部材や第2部材に当接しながら流下する遊技球の流れが不規則に乱れることを回避することができる。即ち、締結ビスで部材を遊技盤本体に固定する場合に生じがちな、第1部材と第2部材との前後位置の反転が発生する可能性を低くすることができる。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、前記利益通過手段の真上に来るまでは遊技機の勢いを確保し、真上にきてから減速させる減速突部を備えることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が利益通過手段に高速で衝突することによる利益通過手段の破損を回避することができる。
遊技機B8において、左右広い範囲からまとめて集めて、その先の利益通過手段が、左右広めに構成されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、利益通過手段に連続で遊技球が到達した場合でも、先に到達した遊技球を左右に流すことで、後追いの遊技球を受け入れやすくすることができる。これにより、遊技球が利益通過手段に連続で到達した場合における入球不良を回避し易くすることができる。
遊技機B8又はB9において、前記利益通過手段への遊技球の流下経路の後方において、遊技球の流下を所定の態様で補助する補助手段が配設されることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B8又はB9の奏する効果に加え、補助手段によって利益通過手段への遊技球の流下を所定の態様で補助することができるので、遊技球の流下に関する問題点を所定の態様で改善することができる。
遊技機B10において、前記補助手段は、所定の入賞口に入球し流下する遊技球および遊技球の流下経路であることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B10の奏する効果に加え、所定の入賞口に入球して流下する遊技球を、あたかも利益通過手段へ向けて流下しているように見せることができる。これにより、大当たり遊技実行中において所定の入賞口に入球した遊技球を、利益通過手段へ入球するように見える遊技球の個数として加算することができるので、発射した遊技球のほとんどが利益通過手段に入球しているように錯覚させることができる。
遊技機B10において、前記補助手段は、前記利益通過手段への流下経路を後方から装飾する装飾手段であることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B10の奏する効果に加え、利益通過手段への流下経路に遊技者の注目が集まった場合に、装飾が施されていない場合に比較して、装飾手段により遊技者の興趣の向上を図ることができる。
遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記流下領域における前記第1入球口に遊技球が入球する割合および前記第2入球口に遊技球が入球する割合の維持を、異なる割合とされる複数状態で実行可能とされることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B1からB12のいずれかの奏する効果に加え、流下領域で維持される状態を、複数状態で変化させることができる。例えば、流下領域に一定間隔で出没する出没手段を配設しても良いし、第1入球口と第2入球口との間に配設される傾斜板の傾斜角度を変化させるように制御しても良い。
<遊技球左右振分の装置をコンパクトにする>
遊技盤本体と、その遊技盤本体の前端面よりも後方において複数の入球口に振り分ける態様で遊技球を流下可能に構成される流下手段と、を備える遊技機において、前記遊技盤本体は、遊技球の流路を振り分ける釘を配設可能な配設領域と、釘の配設が不可能な非配設領域と、を備え、前記流下手段は、遊技球の流下経路が、前記非配設領域の後方を含む範囲に配設されることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、左右に併設される第1入球口および第2入球口と、第1入球口または第2入球口へ向けて遊技球が流下可能に構成される振分流路と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報、特に図4を参照)。振分流路は樹脂材料により形成されており、その内部を遊技球が流下可能に形成されるところ、球詰まりが生じた場合の対策を容易とするため等の理由から、第1入球口および第2入球口の上流側(入球する直前位置)において、遊技球が通過可能な大きさの空隙部が形成されている。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1入球口および第2入球口が遊技盤の手前側に張り出して構成されているので、振分流路の手前側に遊技領域を構成することが困難であるという問題点があった。換言すれば、遊技領域の形成範囲を大きく確保するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
換言すれば、第1入球口および第2入球口を配置するために必要な領域が部分的に遊技盤の正面側に張出ていることで、遊技球を流下させられる他の範囲が狭まってしまい、遊技球を流下させる範囲の設計自由度が低下する可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、流下手段が遊技盤本体の前端面よりも後方において配設されるので、遊技盤本体の前端面よりも正面側において遊技球を案内する他の部材を配設することができることから、遊技領域の形成範囲を大きく確保することができる。
遊技機C1において、前記複数の入球口は、第1入球口を備え、前記第1入球口は、遊技領域に配設される可動役物と正面視で重ならないよう配置されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、可動役物によって、第1入球口に入球する遊技球の視認性が低下することを防止できる。
遊技機C1又はC2において、前記第1入球口から逸れて流下する遊技球の流下経路は、遊技領域に配設される可動役物と正面視で重なる位置に少なくとも一部が配置されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、第1入球口から逸れて流下する遊技球を可動役物で隠すことができる。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記流下手段は、前記複数の入球口の上流側において遊技者側に遊技球を流下させるように構成される方向切替部を備えることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、方向切替部によって、流下手段を流下する遊技球を複数の入球口の直前で遊技者側に流すことで遊技球の視認性を向上させると共に、複数の入球口へ向けて流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機C4において、前記遊技盤本体の正面側における前記方向切替部の正面位置において、遊技球の流下方向を振り分ける振分手段を備えることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、釘を打つことが困難となる遊技盤本体の正面位置においても、振分手段によって遊技球の振分を行うことができる。これにより、遊技領域の設計自由度を向上することができる。
遊技機C5において、前記振分手段によって振り分けられた遊技球の少なくとも一部が入球可能に構成される入球手段を備え、前記流下手段を流下し前記方向切替部を流下した遊技球は、背面側へ排出され、前記流下手段を流下する遊技球は、前記遊技盤本体を通して視認可能に構成されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、方向切替部を流下した遊技球のその後の視認性が低下することで、あたかも遊技球が入球手段に入球したものだと錯覚させることができる。これにより、流下手段を流下する遊技球を、入球手段に向かって流下する遊技球の個数に加算することができ、入球手段へ向かって多量の遊技球が流下しているように見せることができる。
この場合において、流下手段を流下する遊技球と、遊技盤本体の正面側を流下する遊技球とは、遊技盤本体によって隔絶されており衝突し得ないので、実際に入球手段へ向かって流下している遊技球の流下が、流下手段を流下する遊技球によって阻害されることを回避することができる。即ち、実際に入球手段へ向かって流下している遊技球の入球効率は確保しながら、更に多くの遊技球が入球手段へ向かって流下しているように遊技者に見せる演出を実行することができる。
遊技機C1において、第1入球口および第2入球口と、前記第1入球口に向けて遊技球が流下可能に構成される第1流路と、を備え、その第1流路は、前記第1入球口の上流側において、遊技球が前記第1入球口から逸れる方向に流れる枝分かれ流路を備えることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、第1流路において第1入球口側に球詰まりが生じたとしても、枝分かれ流路から遊技球を排出することができるので、球詰まりの解消を容易とすることができる。
遊技機C7において、前記第1流路は、前記第1入球口の上流側において、前記第1入球口と前記第2入球口とを結ぶ所定直線と交差する方向に遊技球を進行させて、遊技球を前記第1入球口から逸らすよう構成されることを特徴とする遊技機C8。
パチンコ機等の遊技機において、左右に併設される第1入球口および第2入球口と、第1入球口または第2入球口へ向けて遊技球が流下可能に構成される振分流路と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報、特に図4を参照)。振分流路は樹脂材料により形成されており、その内部を遊技球が流下可能に形成されるところ、球詰まりが生じた場合の対策を容易とするため等の理由から、第1入球口および第2入球口の上流側(入球する直前位置)において、遊技球が通過可能な大きさの空隙部が形成されている。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1入球口および第2入球口の上流側において遊技球を排出可能な大きさで形成される空隙部が、遊技球を左右方向に排出する態様で形成されているので、遊技球の通過領域を確保するために、第1入球口へ向けて遊技球を流下させるための流路と、第2入球口へ向けて遊技球を流下させるための流路と、の配置の左右間隔を、遊技球の直径以上は空ける必要が生じるため、第1入球口および第2入球口の実際の左右幅に比較して、第1入球口および第2入球口を配置するための左右幅が過大となるという問題点があった。
換言すれば、第1入球口および第2入球口を配置するために必要な左右幅(領域)が過大となることで、遊技盤の前側または後側において遊技球の流下経路を形成可能な範囲が狭まってしまい、遊技球を流下させる範囲の設計自由度が低下する可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C8によれば、第1入球口から遊技球を逸らすための構成が所定直線と交差する方向に遊技球を進行させるよう構成されているので、第1入球口と第2入球口との間隔を遊技球の直径以上とする必要性を排除できることから、第1入球口および第2入球口を配置するための左右幅(領域)を抑えることができる。従って、遊技球を流下させる範囲の設計自由度を向上させることができる。
なお、遊技球を流下させる範囲の設計の態様としては、何ら限定されるものではない。
例えば、遊技盤と扉枠のガラス板との間の領域(所謂、遊技領域)の設計の態様であっても良いし、遊技盤の前端面よりも後側の領域(例えば、樹脂製の内部流路)の設計の態様であっても良い。前者の場合、遊技球を案内する部材として遊技盤に打ち込まれる釘の配置の設計の態様も含まれる。
遊技機C8において、前記第2入球口に向けて遊技球が流下可能に構成される第2流路を備え、その第2流路は、前記第2入球口の上流側において、前記第1入球口と前記第2入球口とを結ぶ所定直線と交差する方向に遊技球を進行させて、遊技球を前記第2入球口から逸らすよう構成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、第1入球口および第2入球口を配置するための左右幅を(領域)を更に抑えることができる。
遊技機C8又はC9において、前記第2入球口に向けて遊技球が流下可能に構成される第2流路と、前記第1流路を流下した遊技球であって前記第1入球口から逸れた遊技球および前記第2流路を流下した遊技球であって前記第2入球口から逸れた遊技球を受け入れ可能に構成される受入手段と、を備えることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C8又はC9の奏する効果に加え、第1入球口から逸れた遊技球を受け入れる手段と、第2入球口から逸れた遊技球を受け入れる手段とを単一の手段とすることができるので、部品数を抑える形で部品コストを抑えることができる。
遊技機C10において、前記受入手段は、前記所定直線の正面側に配置されることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、受入手段に受け入れられた遊技球の視認性を向上させることができるので、流下手段に入球した遊技球が第1入球口または第2入球口を通過したのか、第1入球口および第2入球口から逸れて受入手段に受け入れられたのか、の判断を容易とすることができる。
遊技機C10において、前記受入手段は、前記所定直線の背面側に配置されることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、流下手段の正面側に遊技球の流路が形成される場合に比較して、流下手段の視認性を向上させることができるので、流下手段の下流側に配設される第1入球口および第2入球口を遊技球が通過していることを判別し易くすることができる。
<演出は見易い側で行い、退避は見難い側への移動として行う>
動作演出を行う第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを移動可能な移動手段を備え、前記第2位置は、前記第1位置よりも、移動手段の視認性が低い位置であることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、画像表示装置を臨む開口の内側において昇降変位する可動体に軸支される回転動作部材を備える遊技機がある(例えば、特開2010-200914号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回転動作部材が常に開口の内側において視認可能とされているので、制御不良による回転動作部材の姿勢ずれや、過回転した後の回転動作部材を遊技者に視認され易く、演出効果を低下させる可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、動作演出を実行する第1位置に比較して、第2位置における移動手段の視認性を低くしているので、第2位置において、姿勢ずれや過回転が生じたとしても、その状態を遊技者に視認され難くすることができ、演出効果が低下することを防止することができる。
なお、移動手段の視認性を低くする態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、透明部材か、不透明部材かに関わらず、移動手段と遊技者との間に視界を遮るような部材が配置される態様でも良いし、移動手段を、遊技者の注目が集まり易い液晶表示装置の正面側の領域から外方に変位(退避)させる態様でも良い。
遊技機D1において、前記第1位置の方が、前記第2位置よりも遊技機正面側に配置されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第2位置から第1位置へ移動手段が移動することで、移動手段自体の視認される大きさを拡大することができる。
遊技機D2において、前記移動手段は、所定の回転軸で回転動作可能とされ、その回転動作によって前後配置が変化することを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、移動手段を前後に平行移動させることを不要としながら、移動手段の前後配置を変化させることができる。従って、移動手段の前後配置を変化させるための構造を簡易とすることができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第2位置に配置された移動手段の状態を適正な側に保つよう補助する補助手段を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、第2位置において補助手段で移動手段の状態を適正にすることで、第1位置における移動手段の演出を適切に実行することができる。
なお、補助の態様は何ら限定されるものではない。例えば、当接により移動手段の姿勢を適正な側に修正する態様でも良いし、付勢力により移動手段を適正な側に維持する態様でも良い。
遊技機D4において、前記補助手段は、前記第1位置を基準として、前記第2位置側に配置されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、目立たない側に補助手段を置くことで、補助手段を隠しやすくできる。そのため、補助手段を隠すための別部材を不要とでき、補助手段の手前側のスペースを演出スペースとして確保することができる。
なお、第2位置側の配置の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、単純に目立たない側でも良いし、前後方向後側でも良いし、液晶装置を臨む遊技盤の中央開口の外方側でも良い。
遊技機D5において、前記第2位置は、前記第1位置よりも遊技機背面側に設定され、前記補助手段は、前記移動手段が前記第2位置に配置されると前記移動手段により遊技者の視線を遮られるよう配設されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、移動手段を利用して補助手段を隠すことができるので、補助手段の万が一の露見を避け易く、移動手段が退避している時の見映えが良い。これにより、補助手段の設計自由度を高めることができる。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記移動手段の移動は、前記第1位置へ向かう第1の移動と、その第1の移動が可能な状態に前記移動手段を配置させるための第2の移動とから構成され、前記第2の移動時に前記移動手段の状態を適正な側に近づけるよう構成されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6のいずれかの奏する効果に加え、第1位置へ向かう移動時に移動手段が不適正な状態となっている事態を回避することができる。
遊技機D7において、前記移動手段は、付勢力によって状態が適正な側に近づけられることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、制御に寄ることなく、移動手段を適正な側に近づけることができる。
遊技機D7又はD8において、前記第2の移動は、所定の回動軸を中心とする回転動作であることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D7又はD8の奏する効果に加え、移動手段の姿勢の変化途中で、移動手段を適正な側に近づけるように状態変化させることができる。
遊技機D7からD9のいずれかにおいて、前記第1の移動時に、移動手段の正面側と背面側とが異なる態様で形成されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D7からD9のいずれかの奏する効果に加え、遊技者に見られる正面側は装飾として適した形に形成し、背面側は機能的に適した形に形成することができる。
<演出装置の見せる面を変化させる演出>
所定の演出を実行可能な第1手段を備え、その第1手段は、所定の演出として、第1の演出を行う第1姿勢と、第2の演出を行う第2姿勢とに変化可能とされ、前記第1姿勢と前記第2姿勢とで、正面を向く側が変化することを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、画像表示装置を臨む開口の内側において昇降変位する可動体に軸支される姿勢変化部材を備える遊技機がある(例えば、特開2010-200914号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、姿勢変化部材が常に同じ側を正面側に向けており、姿勢が変わる以上の見映えの変化が生じないので、姿勢変化部材を利用した演出効果を向上させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、第1手段の正面を向く側が、第1姿勢と第2姿勢とで変化するように構成されているので、第1手段という単一の可動手段の各側面を異なる態様で設計しておけば、見られる側(正面側)を変化させることができるので、第1手段を全く異なる物のように遊技者に見せることができる。従って、第1手段の演出効果を向上させる観点で改良することができる。
なお、所定の演出の態様としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1手段の少なくとも一部が動作する動作演出でも良いし、第1手段が有する発光手段から照射される光を利用した発光演出でも良い。
遊技機E1において、前記第1手段は、発光される光で図形を視認可能となるように所定の形状に沿って並べられる所定発光手段を備え、その所定発光手段により視認される図形が、前記第1姿勢と前記第2姿勢とで変化可能に構成されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、所定発光手段により視認される図形を変化させることで、第1手段の演出効果を向上させることができる。
なお、所定発光手段により視認される図形の変化の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、停止した状態における所定発光手段の各発光素子の発光パターンを制御することで視認させる図形を変化させるようにする態様でも良いし、所定発光手段の各発光素子の発光状態は固定して所定発光手段を動作させることで視認させる図形(残像等)を変化させるようにする態様でも良いし、これらを組み合わせた態様でも良い。
遊技機E1又はE2において、前記第1手段は、第1位置と第2位置とを移動可能とされ、前記第1位置において視認可能とされる第1手段の外形と、前記第2位置において視認可能とされる第1手段の外形と、が異なることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、第1手段が、移動しながら視認される外形が変化するように構成されるので、単一の部材では実現し難い演出を遊技者に視認させることができる。これにより、第1手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機E3において、前記第1手段が演出動作可能な領域が、演出態様に対応して設定されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、第1手段で実行される演出動作に必要な領域が演出の態様に対応して大小変化するように構成することで、第1手段の配置毎に第1手段が演出動作可能な領域が変化したとしても、その領域に合わせた演出の態様で第1手段を動作させることができるので、第1手段の動作演出の設計自由度を向上することができる。
遊技機E3又はE4において、前記第1位置に配置された前記第1手段を所定方向視で分断するよう配置される分断手段を備えることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E3又はE4の奏する効果に加え、分断手段により、第1位置における第1手段の見え方と、第2位置(非分断)における第1手段の見え方と、を異ならせることができる。
遊技機E3からE5のいずれかにおいて、前記所定発光手段は、前記第1位置において前記第1姿勢で視認される図形が、遊技領域における遊技球の進行を補助する進行補助手段の形状に対応するよう構成されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E3からE5のいずれかの奏する効果に加え、第1姿勢における発光により、遊技球の進行方向を遊技者に示唆する演出を行うことができるので、第1手段単独の演出に加え、遊技球の進行方向に関わる演出と兼用することができる。
なお、進行補助手段の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、発射球を遊技領域に案内する部分を含む金属レールでも良いし、遊技領域に配置され遊技球の流下を案内する案内手段でも良いし、遊技球の通過を許容する状態と制限する状態とで切り替え可能な球通過状態切替手段でも良い。
遊技機E6において、前記第2位置において前記第2姿勢で視認される図形が、遊技球が入球可能な所定の入球領域に注目させるための図形であることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、同様の目的で実行される光演出として、別の態様の光演出を単一の第1手段で行うことができる。これにより、遊技者が演出に飽きることを防止し易くすることができる。
遊技機E3からE7のいずれかにおいて、前記第1手段の移動は、前記第1位置へ向かう第1の移動と、その第1の移動が可能な状態に前記移動手段を配置させるための第2の移動とから構成され、前記第2の移動時に前記第1手段の状態を適正な側に近づけるよう構成されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E3からE7のいずれかの奏する効果に加え、第1位置へ向かう移動時に移動手段が不適正な状態となっている事態を回避することができる。
遊技機E8において、前記第1手段は、付勢力によって状態が適正な側に近づけられることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、制御に寄ることなく、第1手段を適正な側に近づけることができる。
遊技機E8又はE9において、前記第2の移動は、所定の回動軸を中心とする回転動作であることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E8又はE9の奏する効果に加え、変位手段の姿勢の変化途中で、移動手段を適正な側に近づけるように状態変化させることができる。
遊技機E8からE10のいずれかにおいて、前記第1の移動時に、変位手段の正面側と背面側とが異なる態様で形成されることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E8からE10のいずれかの奏する効果に加え、遊技者に見られる正面側は装飾として適した形に形成し、背面側は機能的に適した形に形成することができる。
<被動作部材の支持構造>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段を支持する支持手段と、を備え、その支持手段は、前記変位手段の変位を許容可能な許容部と、前記変位手段の変位を制限可能な制限部と、を備えることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、左右一対の駆動装置の駆動により昇降動作する可動ユニットが、個別の駆動装置で回転駆動される回転動作部材を備える遊技機がある(例えば、特開2013-000482号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動ユニットは、左右両側において上下に延びる板部に上下方向に直動する態様で支持されているので、左右一対の駆動装置の駆動タイミングのずれが生じて可動ユニットの姿勢が崩れる(傾斜する)方向に負荷が生じると、可動ユニットの動作の滑らかさが失われると共に、動作抵抗が増大することで動力伝達系が損傷する可能性が高くなるという問題点があった。即ち、演出性および耐久性の観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、変位手段を支持する支持手段が、変位手段の変位を制限する制限部に加えて、変位手段の変位を許容する許容部を備えるので、変位手段を駆動させる駆動タイミングのずれが生じたとしても、支持手段に対する変位手段の変位が予め許容されることから、その許容幅において変位手段の動作の滑らかさを維持できると共に、支持手段と変位手段との間で変位手段に加えられる負荷を低減することができる。これにより、演出性および耐久性の観点からの改善を図ることができる。
また、変位手段の支持態様として、許容部が影響する割合を大きくするか、制限部が影響する割合を大きくするかを適宜選択可能に構成することで、2通りの支持態様を構成することができる。
なお、従来の遊技機では可動ユニットが上下方向に変位するものとして説明されたが、変位手段の変位方向は何ら限定されるものではない。例えば、上下方向でも良いし、左右方向でも良いし、前後方向でも良いし、所定の回転軸を中心とした回転方向でも良いし、これらの組み合わせでも良い。
なお、許容部および制限部の構成は、形状を任意に設定することができ、種々の態様が例示される。例えば、許容部は第1方向に延設される長孔として形成され、制限部は許容部の長手方向寸法よりも短い直径の真円形状で形成されても良い。
遊技機F1において、前記許容部は、前記制限部により前記変位手段の被制限部の変位が制限された状態で、前記変位手段の変位を許容可能となるように構成されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、制限部を基端とする変位手段の変位を許容することができる。これにより、変位の制限の有無を電気制御で切り替える場合に比較して、制御が不要な分、変位手段の変位の滑らかさを確保し易くすることができる。
遊技機F1又はF2において、前記許容部は、前記変位手段の変位を第1許容幅で許容する第1許容状態と、前記変位手段の変位を前記第1許容幅よりも小さな第2許容幅で許容する第2許容状態と、で状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、変位手段の変位の種類に対応した変位幅が異なる場合であっても、一の許容部により異なる変位幅に対応することができる。
遊技機F3において、前記状態変化は、前記変位手段の姿勢が変化することにより生じることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、変位手段の姿勢変化により許容部が許容する許容幅の変更が生じることから、変位の許容および制限を受ける変位手段の姿勢と、変位の許容幅の大きさと、を直接的に結びつけることができるので、変位手段の動作不良を予め回避することができる。また、変位手段を押さえて変位を制限するための別の制限部材を採用する場合に比較して、構成部材の個数を削減することができる。
遊技機F4において、前記変位手段は、前記支持手段に第1方向に沿って変位するように支持され、前記第1許容状態は、前記許容部により許容される前記変位手段の変位の方向が前記第1方向と平行な所定平面上に含まれ、前記第2許容状態は、前記許容部により許容される前記変位手段の変位の方向が前記所定平面と交差することを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、第1方向に対する変位手段の変位の方向として許容部が許容する方向を切り替えることで、許容部による変位の許容幅を変化させることができる。
これにより、変位手段を駆動する駆動装置の制御との関係において、変位手段と支持手段との第1方向における位置ずれが生じ易い範囲においては変位手段の姿勢を第1許容状態で維持する一方、位置ずれを生じないようにできるか又は位置ずれを防止したい範囲においては変位手段の姿勢を第2許容状態とすることで、変位手段の変位を柔らかすぎることなく、且つ硬すぎることなく、メリハリのある変位態様にすることができる。
遊技機F3からF5のいずれかにおいて、前記変位手段は動作可能に構成される動作手段を支持しており、前記動作手段は高速動作可能に構成され、その高速動作は、前記許容部が前記第2許容状態とされている状態において実行可能とされることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F3からF5のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の高速動作により生じる慣性負荷で変位手段の配置がずれることを防止し易くすることができる。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記変位手段を両側から支持する一対の部材から構成されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、変位手段を安定して支持することができる。
遊技機F7において、前記一対の部材が第1軸を同軸の中心として回動変位可能に構成され、前記許容部の許容幅は、前記第1軸方向に沿って延びるよう形成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、許容部に許容される許容幅内での変位手段の変位を、第1軸を中心とする円筒の接平面上で生じさせることができる。換言すれば、許容部に許容される変位を、第1軸に対して変位手段が捻られる態様の変位として生じさせることができる。
これにより、左右両側の駆動伝達機構にギアを用いる際に生じ得るバックラッシュ等の回避困難な変位量のずれに立体的に対応することができ、第1軸を中心とする変位手段の回動変位をスムーズに生じさせることができる。
遊技機F8において、一方の前記支持手段が前記制限部を備えることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、他方の支持手段と移動手段との組み付け時の配置ずれを許容でき、組み付けを容易とすることができる。
遊技機F1からF9のいずれかにおいて、前記許容部は長孔として形成され、前記制限部は、長手方向が前記許容部の長手方向よりも短い長孔として形成されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F1からF9のいずれかの奏する効果に加え、制限部および許容部の長手方向に移動手段をスライド移動させることができる。これにより、移動手段に生じる負荷を逃がしたり、移動手段の動作演出に活用したりすることができる。
<移動手段の固定力が複数種類設定される技術思想>
移動可能な移動手段と、その移動手段に負荷を付与可能な負荷付与手段と、を備え、その負荷付与手段は、前記移動手段の状態に対応して、付与する負荷を切替可能とされることを特徴とする遊技機G1。
パチンコ機等の遊技機において、昇降変位する移動手段の移動を規制可能な位置まで移動可能に構成される規制手段(負荷付与手段)を備える遊技機がある(例えば、特開2016-54856号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、規制手段により移動手段の移動を規制することができるものの、それ以上の効果は望めず、規制手段の占める体積分に対する費用対効果が低くなっていた。即ち、規制手段を有効活用するという観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、負荷付与手段から移動手段に付与される負荷が、移動手段の状態に対応して切替可能とされるので、単一の負荷付与手段で、移動手段の移動に複数種類の影響を与えることができる。即ち、負荷付与手段を有効活用することができる。
なお、負荷付与手段の負荷の切替の基準として採用される移動手段の状態の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、移動手段の状態の違いとして、移動手段の配置の違いを採用しても良いし、動作態様の違いを採用しても良い。
動作態様が違う状態としては、例えば、移動手段が能動的に動作する状態と、移動手段に保持される他の可動手段または移動手段の外方に配置される他の可動手段の動作を受けて受動的に動作する状態と、が例示される。
なお、付与する負荷の切替の態様としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、移動手段の移動方向を基準とする負荷の方向が切り替えられても良いし(移動手段の移動方向に対向する方向と、移動手段の移動方向に交差する方向と、で切り替えられても良いし)、移動手段の移動開始からの経過時間により負荷付与手段から付与される負荷の態様が切り替えられても良い。
また、負荷の切替の態様としては、負荷の大小の切り替えでも良いし、負荷の発生態様の切り替えでも良い。負荷の発生態様としては、例えば、移動手段との擦れによる摩擦力(ブレーキ)としての態様でも良いし、自らの移動許容幅の限界に到達したことにより生じる規制力(ストッパ)としての態様でも良い。
遊技機G1において、前記負荷付与手段は、前記移動手段の移動方向に対向する方向に負荷を付与する対向状態と、前記移動手段の移動方向と交差する方向に負荷を付与する交差状態と、で付与する負荷を切替可能とされることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、移動手段の移動経路に対する負荷付与手段の配置を変えることで、負荷付与手段から移動手段に付与される負荷を切り替えることができるので、負荷の切り替えのための複雑な形状を不要とし、負荷付与手段を簡易に構成することができる。
遊技機G1又はG2において、前記負荷付与手段は、前記移動手段の移動方向と交差する方向に移動可能な負荷付与移動手段を備え、その負荷付与移動手段は、前記移動手段と当接可能に構成されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、負荷付与移動手段が、直線的な動作(直動)により移動手段の移動経路に対する出没を実行するよう構成することができるので、負荷付与手段から移動手段に付与される負荷の態様を切り替えるために負荷付与移動手段に要求される移動幅(動作のばらつきを考慮した移動幅)を小さくすることができる。
従って、負荷付与移動手段を配置するためのスペースを抑制することができる。パチンコ機等の遊技機は、通常、移動手段や負荷付与手段を配置するスペースが、所定の規格により決められた大きさ(体積)の内部に制限されるので、負荷付与移動手段を配置するためのスペースを抑制することによって、移動手段や負荷付与手段の配置の自由度を向上させることができる。
遊技機G3において、前記負荷付与手段は、移動方向が前記移動手段の移動方向と直角に交差するよう構成され、前記移動手段の移動方向への移動が制限されるよう構成されることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、負荷付与手段について、最小限の移動幅で、移動手段に与える負荷の態様の違いを大きくすることができる。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記負荷付与手段により付与される負荷の切り替えは、前記移動手段の位置に対応して実行されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、移動手段の演出動作が、位置が異なると違うように構成される場合に対応できる。
例えば、移動手段が所定の動作手段を備える場合において、移動手段の位置が停止している時に動作手段が高速動作する一方で、移動手段が移動する時には動作手段は停止または低速で動作するような演出が実行される場合には、移動手段の位置が停止している時に移動手段を確実に固定するという要求が生じ得る一方で、移動手段が移動する時には緩やかな固定(制動)としたいという要求が生じ得る。
負荷付与手段による付与される負荷の切り替えが移動手段の位置に対応して実行されるようにすることで、移動手段の配置の違いによる異なる要求を満たすことができる。
遊技機G1からG5のいずれかにおいて、前記負荷付与手段は、前記移動手段が正方向に移動する場合には負荷を付与する一方、前記移動手段が逆方向に移動する場合には負荷の付与を解除することを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5のいずれかの奏する効果に加え、移動方向の正逆の違いに対する対応を、負荷付与手段からの負荷の有無(大小)により行うことができる。
遊技機G1からG6のいずれかにおいて、前記移動手段を移動させるための駆動力を発生させる駆動手段を備え、前記移動手段と前記駆動手段とを離す方向で発生する離間負荷が生じることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G1からG6のいずれかの奏する効果に加え、離間負荷が生じることにより、移動手段を駆動手段から離すことができ、駆動力の伝達効率を低下させることができる。
遊技機G7において、前記離間負荷は、前記負荷付与手段から生じることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、負荷付与手段を多機能で構成することができる。
遊技機G7において、前記離間負荷は、前記駆動手段に生じることを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、駆動力の伝達経路の上流側で駆動力の伝達効率を低下させることができる。
遊技機G1からG9のいずれかにおいて、前記負荷付与手段から前記移動手段に摩擦力が負荷される場合と、前記負荷付与手段が前記移動手段の移動を制限する場合と、を構成可能であることを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G1からG9のいずれかの奏する効果に加え、同様の駆動力を生じさせて移動手段を移動させる場合であっても、移動手段の移動態様のバリエーションを増加させることができる。
<移動手段の移動を案内する複数の案内手段の態様が異なる>
移動可能な移動手段と、その移動手段の移動を案内する第1案内手段と、その第1案内手段とは異なる態様で前記移動手段の移動を案内する第2案内手段と、を備えることを特徴とする遊技機H1。
パチンコ機等の遊技機において、移動手段が同一の態様からなる一対の案内手段に移動を案内される遊技機がある(例えば、特開2012-157474号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、移動手段の部分であって、案内手段に案内される一対の部分に与えられる負荷の態様が共通となっており、耐久性向上のためには、それぞれ同様に強度を高める必要があることから、移動手段(の部分であって一対の案内手段に案内される部分)の設計自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機H1によれば、移動手段の移動を案内する第1案内手段と第2案内手段との案内態様が異なるので、与えられる負荷の態様や、耐久性向上のために必要な強度の数値が異なるようにすることができる。そのため、移動手段の部分であって複数の案内手段に案内される部分の形状や強度を異なるように構成することができることから、移動手段(の部分であって複数の案内手段に案内される部分)の設計自由度を向上させることができる。
なお、第1案内手段と第2案内手段との態様の違いとしては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1案内手段は案内レールとして構成される一方、第2案内手段は案内孔として構成されても良いし、第1案内手段は所定の回転軸で軸支される回転案内手段である一方、第2案内手段はガイド溝として構成されても良いし、各構成の組み合わせ方を変更した態様でも良い。
例えば、第1案内手段および第2案内手段がガイド溝である場合に、第1案内手段および第2案内手段で溝の延設方向が平行である一方、溝の幅が異なる態様でも良いし、第1案内手段および第2案内手段で溝の延設方向が非平行とされる一方、溝の幅が共通とされる態様でも良い。
遊技機H1において、前記第2案内手段は、少なくとも一部が前記第1案内手段に沿うように配置されることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第2案内手段は少なくとも一部が第1案内手段に沿うので、移動手段を2段階動作させることができる。
遊技機H2において、前記第2案内手段は、前記第1案内手段に沿う併設部と、その併設部に案内される場合とは異なる方向で前記移動手段を案内する補助部と、を備えることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、併設部と補助部との境界において、移動手段が案内されて移動する移動方向を変化させることができる。そのため、移動手段の移動態様を複雑化することができる。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記移動手段を移動させるための駆動力を前記移動手段に伝達させる伝達手段を備え、その伝達手段の変位方向は、移動手段の移動方向に関わらず一方向に固定されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかの奏する効果に加え、移動手段の移動中に伝達手段の変位方向を切り替える場合に比較して、駆動力伝達系の設計を容易とすることができる。
遊技機H4において、前記伝達手段は、前記第2案内手段に案内される被案内部を介して駆動力を伝達するよう構成されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、幅の細い第2案内手段に案内される被案内部を介して駆動力が伝達されるので、駆動力伝達時における被案内部の配置ずれを抑制することができる。
遊技機H5において、前記被案内部は、前記第1案内手段に案内される補助案内部を前記伝達手段の移動方向で追い抜くよう構成されることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、補助案内部側の全重量が被案内部側にかけられ、その全重量に対抗して駆動される場合に比較して、移動手段の移動開始時に要する駆動力を低減することができる。
遊技機H2からH6のいずれかにおいて、前記移動手段が前記併設部に案内されている状態では、前記移動手段の前記第2案内手段側を回転軸とする回転方向に前記移動手段の前記第1案内手段側が付勢され、前記移動手段が前記補助部に案内されている状態では、前記移動手段の前記第1案内手段側を回転軸とする回転方向に前記移動手段の前記第2案内手段側が付勢されることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H2からH6のいずれかの奏する効果に加え、案内手段に案内されるローラーを構成として採用した場合にローラーを回転させ易くなるので、案内される部材としてのローラーの摩耗を低減することができる。
遊技機H3からH7のいずれかにおいて、前記移動手段が前記補助部に案内される場合に、前記移動手段は、前記第1案内手段の所定部に維持され、前記第1案内手段は、前記第2案内手段に比較して幅広で形成されることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H3からH7のいずれかの奏する効果に加え、所定部での維持を、幅の広い第1案内手段で行うことができるので、補助部に案内される移動手段の移動を安定させることができる。そのため、移動手段の一部であって第2案内手段に案内される部分が、併設部と補助部との境界を通過する際に不安定になることを防止し易くすることができる。これにより、移動手段の移動を安定させることができると共に、移動が段階的に切り替わるよう構成される場合において滑らかな段階切替を行うことができる。
また、第1案内手段の所定部における支持面積を増大させることができるので、移動手段と第1案内手段との間で局所的な摩耗が生じることを回避し易くすることができる。
遊技機H8において、前記所定部は、少なくとも移動手段の上下方向の変位を抑制するように構成されることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H8の奏する効果に加え、第1案内手段に案内される部分において、移動手段を移動させるために必要となる負荷を低減することができる。
遊技機H8又はH9において、前記移動手段に接続される電気配線が、前記第1案内手段を通して配設されることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、遊技機H8又はH9の奏する効果に加え、電気配線を通す断面積を十分に確保することができると共に、移動手段が補助部に案内される場合における電気配線の変位を抑制することができるので、電気配線の耐久性を向上することができる。
<特徴A群>(無効制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、遊技者の操作が可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいた態様を前記表示手段に表示させることが可能な表示制御手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、電源の供給が開始された場合に第1処理を実行可能な第1処理実行手段と、少なくとも前記第1処理の実行が終了するまでの期間で前記操作手段の操作を無効として処理させることが可能な無効制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。遊技機に電源が投入されると、電源投入時の処理として初期設定が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、初期設定が実行される場合に遊技が開始可能となるまでの期間で遊技の実行を規制する必要があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、好適に初期設定を実行することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、第1処理が実行されている期間に操作手段が操作された場合に、その操作を無効とすることができるので、第1処理が実行されていることにより操作手段の操作制御が妨げられる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記第1処理は、前記態様を前記表示手段に表示するために必要な処理が実行されるものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、前記態様を表示手段に表示するために必要な処理が実行される第1処理が実行される期間には、操作手段の操作が無効となる処理が実行されるので、不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記無効制御手段は、所定条件の成立した場合に、前記第1処理が終了していなければ前記操作手段の操作を無効とする無効期間を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、所定条件が成立するまでの期間で第1処理が完了していれば、無効期間が設定されないので、操作手段が操作できない期間が長期間となってしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、設定情報に基づいた設定処理を実行可能な設定処理実行手段を有し、前記第1処理実行手段は、前記設定処理が実行されている期間にも前記第1処理を実行可能に構成され、前記所定条件は、前記設定処理実行手段により前記設定処理が完了した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、設定処理が実行される期間が長期間となり、第1処理が完了している場合には、操作手段が無効とされないので、操作手段が無効となる期間が長期間となる不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴B群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により判別されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な事前判別手段と、その事前判別手段による判別結果に基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間を設定可能な禁止期間設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。始動口に遊技球が入球されると遊技の抽選等を実行するための乱数値等が取得され、保留球として抽選が実行されるまで記憶され、抽選が実行されるよりも前に、事前の保留球の当否判定等の判別が実行され、その先読み結果に基づいた予告演出等が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、先読み結果に基づく演出が実行されることで遊技の演出の実行等に不具合がある場合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間が設定されるので新たな事前判定に基づく演出が実行できない期間が設定されることとなり、事前判定に基づく演出を抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、禁止期間設定手段は、第1禁止期間とその第1禁止期間よりも長期間である第2禁止期間とを設定可能であり、前記事前判別手段は、特定条件が成立している場合には、前記第2禁止期間内でなければ前記事前判別を実行し、前記特定条件が成立していない場合には前記第1禁止期間内でなければ前記事前判別を実行することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第1禁止期間と第2禁止期間とが使い分けられることで、事前判別が実行されない期間を状況によって切り替えることができ、状況に合わせた好適な制御を実行できるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、所定条件の成立に基づいて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有し、前記禁止期間設定手段は、前記特定演出が実行される期間に対応して禁止期間を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、特定演出が実行される期間に対応して禁止期間が設定されるので、特定演出が開始されることで事前判別による演出が途切れてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴C群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により判別されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な事前判別手段と、その事前判別手段による判別結果に基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間を設定可能な禁止期間設定手段と、を有し、前記禁止期間設定手段は、複数の異なる禁止期間を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。始動口に遊技球が入球されると遊技の抽選等を実行するための乱数値等が取得され、保留球として抽選が実行されるまで記憶され、抽選が実行されるよりも前に、事前の保留球の当否判定等の判別が実行され、その先読み結果に基づいた予告演出等が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、先読み結果に基づく演出が実行されることで遊技の演出の実行等に不具合がある場合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、複数の異なる禁止期間を設定することができるので、状態によって禁止期間の長さを異ならせることができ、禁止期間が無駄に長くなってしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1において、前記禁止期間設定手段は、前記記憶手段に前記特定の判別結果と判別される情報が記憶される数に対応させた禁止期間を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、特定の判別結果と記憶手段に記憶される数に対応させた禁止期間が設定されるので、記憶手段に記憶された状況に応じて禁止期間が設定されるので、禁止期間が長期間となってしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、所定条件の成立に基づいて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有し、前記禁止期間設定手段は、前記特定演出が実行される期間に対応して禁止期間を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、定演出が実行される期間に対応して禁止期間が設定されるので、特定演出が開始されることで事前判別による演出が途切れてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴D群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技は、複数の小特典遊技で構成されており、前記遊技機は、前記小特典遊技において遊技者に付与された特典に対応する示唆態様を実行可能な示唆態様実行手段と、前記示唆態様実行手段により前記示唆態様が実行される場合に、特定情報を付与することが可能な付与手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。当たり等の抽選結果が報知される当たり遊技が実行され、特定のタイミングに遊技者に有利な確変当たりであること等の報知が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、報知が実行されるタイミングが一定となり易く、遊技が単調となる不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、小特典遊技において特典が付与され、示唆態様が実行されるタイミングで特定情報が報知されることが可能となるので、特定情報が報知されるタイミングを多様にすることができるという効果がある。
遊技機D1において、遊技球が入球可能な第1状態と前記第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、前記小特典遊技は、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態へと可変可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、小特典遊技が実行されることで、可変入球手段に遊技球を入球させ、特典を得ることが可能となるので、遊技に新鮮味を与えることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、前記複数の小特典遊技のうち、前記特定情報が付与されることが可能な前記小特典遊技を決定することが可能な決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、特定情報が付与される小特典遊技が決定手段に決定されることで、特典遊技のうち、どの小特典遊技で特定情報が付与されるかを多様にすることができ、多様な遊技を提供できるという効果がある。
<特徴E群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間として異なる動的表示期間が複数設定された動的表示期間群が複数記憶された記憶手段を有し、前記動的期間群には、設定されている前記動的表示期間に対して前記動的表示期間決定手段により決定される決定確率が予め設定されており、前記複数の動的表示期間群には、特定動的表示期間が決定される確率が他の動的表示期間よりも高く設定された特定動的表示期間群が設定されており、前記動的表示期間決定手段は、所定条件が成立したことに基づいて前記特定動的表示期間群より動的表示期間を決定するものであり、前記遊技機は、前記所定条件が成立することが事前に決定されている場合に、特定演出を実行することが可能な特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機E1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。当たり等の抽選結果が報知される当たり遊技が実行され、特定のタイミングに遊技者に有利な確変当たりであること等の報知が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となる不具合があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となる不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、特定動的表示期間群より動的表示期間が決定されることが特定演出により事前に判別できるので、特定動的表示期間で動的表示がされることを期待させることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記動的表示期間決定手段は、前記所定条件が成立した場合には、終了条件が成立するまで前記特定動的表示期間群より前記動的表示期間を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E1によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、特定動的表示期間群より動的表示期間が決定される状態が、終了条件が成立するまで継続されるので、特定動的表示期間が連続して実行され易くでき、特殊な動的表示期間により遊技に新鮮味を与えることができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、前記動的表示期間決定手段により前記特定動的表示期間群より動的表示期間を決定した場合に前記特定動的表示期間とは異なる動的表示期間が決定された場合に特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、決定される確率が低い動的表示期間が決定されることで特殊演出が実行されるので、連続して特殊演出が実行されることで特定動的表示期間群が継続して設定されていることを判別でき、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴F群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間として異なる動的表示期間が複数設定された動的表示期間群が複数記憶された記憶手段を有し、前記動的期間群には、設定されている前記動的表示期間に対して前記動的表示期間決定手段により決定される決定確率が予め設定されており、前記複数の動的表示期間群には、特定動的表示期間が決定される確率が他の動的表示期間よりも高く設定された特定動的表示期間群が設定されており、前記動的表示期間決定手段は、所定条件が成立したことに基づいて前記特定動的表示期間群より動的表示期間を決定するものであり、前記特定動的表示期間群より前記動的表示期間が決定される場合に、遊技者に特定の示唆態様が報知されるものであることを特徴とする遊技機F1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。当たり等の抽選結果が報知される当たり遊技が実行され、特定のタイミングに遊技者に有利な確変当たりであること等の報知が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、報知が実行されるタイミングが一定となり易く、遊技が単調となる不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となる不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機F1によれば、示唆態様が報知されることで特定動的表示期間により動的表示がされることを期待させることで遊技が単調となる不具合を抑制することができるという効果がある。
<特徴G群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、設定情報に基づいて演出を実行可能な演出実行手段と、前記識別情報が動的表示されている期間に成立可能な特定条件が成立することに基づいて情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機G1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。遊技者に抽選結果に関する情報等の遊技に関わる情報が遊技者に報知される構成が提案されている(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となり、早期に遊技に飽きてしまう不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機G1によれば、記憶手段に記憶されている情報に基づいて演出が実行されるので、識別情報を動的表示させることで演出の実行がされることとなり、遊技を継続して実行させ易くできるという効果がある。
遊技機G1において、前記演出条件の成立に基づいて特定演出が実行することが可能な特定演出実行手段を有し、前記所定条件は、前記特定演出が実行されている期間に成立可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、特定演出が実行されている期間に所定条件が成立するように構成されていることで、特定演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴H群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に対応した識別図柄を前記表示手段に表示させることが可能な識別図柄表示手段と、設定情報に対応した演出を実行可能な演出実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記識別図柄が表示されることに基づいて前記演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機H1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。遊技者に抽選結果に関する情報等の遊技に関わる情報が遊技者に報知される構成が提案されている(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となり、早期に遊技に飽きてしまう不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機H1によれば、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴GB1群>(設定示唆演出が実行され易い期間と、され難い期間と、を決定)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の前記判別結果である場合に、特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定された第1設定値と、前記第1確率よりも高確率に設定された第2設定値と、を少なくとも含む複数の設定値の中から1の設定値を設定可能な設定値設定手段と、その設定値設定手段により設定された設定値に関する情報を記憶可能な設定値記憶手段と、その設定値記憶手段に記憶されている情報に基づく演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記演出実行手段により前記演出を実行することが可能な第1期間と、その第1期間よりも前記演出が実行され難くなる第2期間と、を少なくとも設定可能な期間設定手段を有することを特徴とする遊技機GB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、当たり遊技が実行されるか否かについては遊技者に興味を持たせることができるが、遊技が実行される期間に応じて遊技内容を異ならせることができず、遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機GB1によれば、期間設定手段により設定される期間に応じて演出の実行され易さを異ならせることができるので、遊技期間に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機GB1において、前記判別手段による前記判別結果を示すための識別情報を動的表示可能な動的表示手段と、その動的表示手段により前記識別情報が動的表示されている期間を用いて所定演出を実行可能な動的表示演出実行手段と、その動的表示演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記演出態様決定手段により前記特定の判別結果であることを示すための演出態様とは異なる演出態様が決定された場合に前記演出を実行可能であることを特徴とする遊技機GB2。
遊技機GB2によれば、遊技機GB1の奏する効果に加え、判別手段の判別結果が前記特定の判別結果では無いことを示す演出が実行された場合に、演出実行手段により設定値に関する演出が実行されるため、遊技者の遊技意欲が低下する事態を抑制することができるという効果がある。
<特徴GC群>(設定示唆演出が実行される頻度に応じて演出内容を決定)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の前記判別結果である場合に、特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定された第1設定値と、前記第1確率よりも高確率に設定された第2設定値と、を少なくとも含む複数の設定値の中から1の設定値を設定可能な設定値設定手段と、その設定値設定手段により設定された設定値に関する情報を記憶可能な設定値記憶手段と、その設定値記憶手段に記憶されている情報に基づく演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技機は、前記演出実行手段による前記演出の実行頻度に基づいて、前記演出の演出態様を決定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機GC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、当たり遊技が実行されるか否かについては遊技者に興味を持たせることができるが、遊技が実行される期間に応じて遊技内容を異ならせることができず、遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機GC1によれば、期間設定手段により設定される期間に応じて演出の実行され易さを異ならせることができるので、遊技期間に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機GC1によれば、設定値に関する演出の実行頻度に基づいて、その演出の演出態様を決定することができるため、実行される演出に基づいて、遊技者に容易に設定値を予測されてしまうことを抑制することができる。一方、演出の実行頻度が少ない場合であっても、遊技者が設定値を予測することができず、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GC1において、前記演出実行手段により実行される前記演出の演出態様として、前記情報を把握可能な第1態様と、その第1態様よりも前記情報を把握困難な第2態様と、を含む複数の態様の中から所定の態様を設定可能な演出態様設定手段を有し、前記演出態様設定手段は、所定期間内における前記演出の実行回数が特定回数未満である場合に、前記特定回数以上である場合よりも前記第1態様を設定し易いものであることを特徴とする遊技機GC2。
遊技機GC2によれば、遊技機GC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間における演出の実行回数が少ない場合には、設定値が分かり易い態様の演出が実行され易くなるため、演出が実行されないことを期待させるという斬新な遊技性を提供することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機GC1またはGC2において、遊技者が操作可能な操作手段と、前記演出実行手段による前記演出の実行頻度を異ならせた状態として、前記演出が実行され難い第1状態と、その第1状態よりも前記演出が実行され易い第2状態と、を少なくとも設定可能な状態設定手段と、前記操作手段に対する操作に基づいて、前記状態設定手段により設定される前記状態として、前記第1状態、或いは前記第2状態を選択可能な選択手段と、を有することを特徴とする遊技機GC3。
遊技機GC3によれば、遊技機GC1またはGC2の奏する効果に加え、選択手段により第1状態、第2状態を選択することが可能となる。よって、演出の実行頻度を高くすることで設定値を予測する遊技性と、演出の内容に基づいて設定値を予測する遊技性と、を遊技者に選択させることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴I群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に前記情報が記憶されたことに対応して識別図柄を表示手段の識別図柄表示領域に表示させることが可能な識別図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別図柄表示手段は、前記記憶手段に前記情報が記憶された場合に記憶されている前記情報の数に対応した位置に前記識別図柄を表示させ、前記識別情報の動的表示が開始される場合に対応する識別図柄を前記識別図柄表示領域に表示させないようにし、表示されている前記識別図柄の表示位置を更新し表示させることが可能に構成され、所定条件の成立に基づいて、1の識別図柄に表示されていた態様をその識別図柄とは異なる前記識別図柄の態様として移動させて表示させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機I1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。始動口に遊技球が入球し、当たり乱数等の情報が取得されると所定数までは保留球として記憶されることが可能に構成され、記憶されている保留数を示すための保留図柄が保留球に対応して1ずつ表示され、その保留球に対応する特別図柄の変動表示が開始される場合に非表示にされ、表示されている保留図柄の順序が更新されて表示される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、保留図柄による演出が単調であり、遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機I1によれば、識別図柄の態様を他の識別図柄の態様として移動し表示させることで、識別情報の動的表示が開始されていない場合にも、識別情報が動的表示されて識別図柄の表示位置が更新されたように思わせることができ、遊技性を多様にすることで遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機I1において、前記識別図柄表示手段は、前記識別図柄の態様を移動させて表示させる場合には、表示されている前記識別図柄よりも先に表示されている前記識別図柄に移動させて表示させるものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、識別情報の動的表示が開始されていない場合にも識別情報が新たに動的表示されたように思わせることで、動的表示回数を実際よりも多く思わせることができるという効果がある。
遊技機I1またはI2において、前記識別情報が動的表示される動的表示態様として、前記識別情報が動的表示された後に仮停止表示され、再び動的表示が開始される特殊動的表示態様が設定されており、前記所定条件は、前記特殊動的表示態様において成立可能にされているものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1またはI2の奏する効果に加え、特殊動的表示態様を実際に複数回動的表示が実行されているように遊技者に識別図柄の態様が移動することで思わせ易くできるという効果がある。
<特徴J群>
特定条件が成立した場合に遊技に必要な特定処理を実行可能な処理実行手段と、前記処理実行手段により前記特定処理が実行されている場合に特定の音声を出力させることが可能な音声出力手段と、を有した遊技機において、前記音声出力手段により出力される音量を設定可能な音量設定手段を有し、前記音声出力手段は、前記特定の音声を出力する場合に前記音量設定手段により設定されている音量で前記特定の音声を出力する場合と、前記音量とは異なる音量で前記特定の音声を出力する場合とを切り替えて出力させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機J1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。遊技機に電源が投入された場合に遊技に必要な初期処理が実行された後に、遊技が可能な状態となる遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技機が初期処理等の特定の処理が実行されている場合に、外部にどのような処理が実行されているか分かり難いという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、実行されている処理が分かり易い遊技機を提供することを目的とする。
遊技機J1によれば、特定処理が実行される場合に、特定の音声が出力されることで特定処理が実行されていることを分かり易くし、設定されている音量で報知される場合と、異なる音量で報知される場合とがあるので報知に気づきやすくすることができるという効果がある。
遊技機J1において、前記特定処理は、遊技の設定が遊技機外部からの操作に基づいて実行されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、不正に設定が切り替えられることを抑制できるという効果がある。
遊技機J1またはJ2において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記遊技機は、前記操作手段の操作に基づいて音量を可変して設定可能に構成され、前記特定処理が実行されている期間に前記操作手段が操作された場合には、新たに設定された音量で前記特定の音声が出力可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1またはJ2の奏する効果に加え、特定処理が実行されている場合にも操作手段による音量設定を分かり易く実行できるという効果がある。
<特徴K群>(大当たり遊技の開始タイミングに応じて異なる設定示唆内容を決定)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の前記判別結果である場合に、特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技において、特定期間を設定可能な特定期間設定手段を有し、前記演出実行手段は、前記特典遊技が実行されるタイミングが前記特定期間である場合と、前記特定期間では無い場合とで、予め定められた特定演出の実行のし易さが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、当たり遊技が実行されるか否かについては遊技者に興味を持たせることができるが、どのタイミングで当たり遊技が実行された場合であっても遊技者への有利度合いが一定であるため、当たり遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができず、遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機K1によれば、特典遊技が実行されるタイミングによって、特定演出の実行し易さを異ならせることができるので、特典遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K1において、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定された第1設定値と、前記第1確率よりも高確率に設定された第2設定値と、を少なくとも含む複数の設定値の中から1の設定値を設定可能な設定値設定手段と、その設定値設定手段により設定された設定値に関する情報を記憶可能な設定値記憶手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記設定値記憶手段により記憶されている前記情報に基づく演出を前記特定演出として実行可能であることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、演出実行手段により設定値に関する情報に基づいた演出を特定演出として実行することができるため、特典遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K1またはK2において、前記演出実行手段は、前記特典遊技が実行されるタイミングが前記特定期間である場合のうち、前記特典遊技が終了したタイミングが前記特定期間内である場合のほうが、前記特定期間内では無い場合よりも、前記特定演出を実行し易いものであることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1またはK2の奏する効果に加え、特典遊技が実行されるタイミングだけでは無く、特典遊技が終了するタイミングにも基づいて特定演出を実行のし易さを異ならせることができる。さらに、特典遊技が実行されるタイミングも終了するタイミングも特定期間内であるほうが特定演出を実行させ易くすることができる。よって、遊技者に対して、特定期間内で特典遊技を終了させようと意欲的に遊技を行わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが出来るという効果がある。
<特徴L群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技中に付与された特典に対応する示唆態様を実行可能な示唆態様実行手段と、前記示唆態様実行手段により前記示唆態様が実行される場合に、特定情報を付与することが可能な付与手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機L1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。当たり等の抽選結果が報知される当たり遊技が実行され、特定のタイミングに遊技者に有利な確変当たりであること等の報知が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、報知が実行されるタイミングが一定となり易く、遊技が単調となる不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機L1によれば、特典遊技中に付与された特典に対応した示唆態様が実行されるタイミングで特定情報が報知されることが可能となるので、特定情報が報知されるタイミングを多様にすることができるという効果がある。
遊技機L1において、前記特典遊技中に付与される前記特典の特典量を判別可能な特典量判別手段と、所定の前記特典量が付与されたタイミングを判別可能な付与タイミング判別手段と、を有し、前記付与手段は、前記特典量判別手段の判別結果と、前記付与タイミング判別手段の判別結果とに基づいて前記特定情報を付与可能であることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、特典量と付与タイミングとに基づいて、特定情報を付与されるため、遊技者に対して特典の付与度合いに興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機L2において、遊技者に有利な有利期間を設定可能な有利期間設定手段を有し、前記有利期間設定手段は、少なくとも前記特典遊技が実行される期間を含む期間を前記有利期間として設定可能であり、前記特典量判別手段は、前記有利期間中に付与された前記特典の特典量を判別可能であることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、有利期間中に付与される特典量に基づいて特定情報を付与されるため、遊技者に対して特典遊技以外の期間に付与される特典についても興味を持たせることができるという効果がある。
<特徴M群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間として異なる動的表示期間が複数設定された動的表示期間群が複数記憶された記憶手段を有し、前記動的期間群には、設定されている前記動的表示期間に対して前記動的表示期間決定手段により決定される決定確率が予め設定されており、前記複数の動的表示期間群には、特定動的表示期間が決定される確率が他の動的表示期間よりも高く設定された特定動的表示期間群が設定されており、所定条件が成立している状態で、前記特定動的表示期間が決定される場合に、特定演出を実行することが可能な特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機M1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。当たり等の抽選結果が報知される当たり遊技が実行され、特定のタイミングに遊技者に有利な確変当たりであること等の報知が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となる不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となる不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機M1によれば、特定動的表示期間が決定される場合に特定演出を実行することができるため、特定動的表示期間で動的表示がされることを遊技者に分かり易く報知することができるという効果がある。
遊技機M1において、前記動的表示期間決定手段は、終了条件が成立するまで前記特定動的表示期間群より前記動的表示期間を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、特定動的表示期間群より動的表示期間が決定される状態が、特定動的表示期間が連続して実行され易くでき、特殊な動的表示期間により遊技に新鮮味を与えることができるという効果がある。
遊技機M1またはM2において、前記動的表示期間決定手段により前記特定動的表示期間群より動的表示期間を決定した場合に前記特定動的表示期間とは異なる動的表示期間が決定された場合に特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機M3。
<特徴N群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に前記情報が記憶されたことに対応して識別図柄を表示手段の識別図柄表示領域に表示させることが可能な識別図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別図柄表示手段は、前記記憶手段に前記情報が記憶された場合に記憶されている前記情報の数に対応した位置に前記識別図柄を表示させ、前記識別情報の動的表示が開始される場合に対応する識別図柄を前記識別図柄表示領域に表示させないようにし、表示されている前記識別図柄の表示位置を更新し表示させることが可能に構成され、前記遊技機は、所定条件の成立に基づいて、前記識別図柄の表示態様を可変させることが可能な表示態様可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機N1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。始動口に遊技球が入球し、当たり乱数等の情報が取得されると所定数までは保留球として記憶されることが可能に構成され、記憶されている保留数を示すための保留図柄が保留球に対応して1ずつ表示され、その保留球に対応する特別図柄の変動表示が開始される場合に非表示にされ、表示されている保留図柄の順序が更新されて表示される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、保留図柄による演出が単調であり、遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機N1よれば、識別図柄の態様を他の識別図柄の態様として移動し表示させることで、識別情報の動的表示が開始されていない場合にも、識別情報が動的表示されて識別図柄の表示位置が更新されたように思わせることができ、遊技性を多様にすることで遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機N1において、前記識別図柄表示手段は、前記識別図柄の態様を移動させて表示させる場合には、表示されている前記識別図柄よりも先に表示されている前記識別図柄に移動させて表示させるものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、識別情報の動的表示が開始されていない場合にも識別情報が新たに動的表示されたように思わせることで、動的表示回数を実際よりも多く思わせることができるという効果がある。
遊技機N1またはN2において、前記識別情報が動的表示される動的表示態様として、前記識別情報が動的表示された後に仮停止表示され、再び動的表示が開始される特殊動的表示態様が設定されており、前記所定条件は、前記特殊動的表示態様において成立可能にされているものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N1またはN2の奏する効果に加え、特殊動的表示態様を実際に複数回動的表示が実行されているように遊技者に識別図柄の態様が移動することで思わせ易くできるという効果がある。
<特徴O群>(大当たり遊技の開始タイミングに応じて異なる設定示唆内容を決定)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の前記判別結果である場合に、特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技において、特定期間を設定可能な特定期間設定手段を有し、前記演出実行手段は、前記特典遊技が実行されるタイミングが前記特定期間である場合と、前記特定期間では無い場合とで、予め定められた特定演出の実行のし易さが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機O1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、当たり遊技が実行されるか否かについては遊技者に興味を持たせることができるが、どのタイミングで当たり遊技が実行された場合であっても遊技者への有利度合いが一定であるため、当たり遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができず、遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機K1によれば、特典遊技が実行されるタイミングによって、特定演出の実行し易さを異ならせることができるので、特典遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O1において、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定された第1設定値と、前記第1確率よりも高確率に設定された第2設定値と、を少なくとも含む複数の設定値の中から1の設定値を設定可能な設定値設定手段と、その設定値設定手段により設定された設定値に関する情報を記憶可能な設定値記憶手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記設定値記憶手段により記憶されている前記情報に基づく演出を前記特定演出として実行可能であることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、演出実行手段により設定値に関する情報に基づいた演出を特定演出として実行することができるため、特典遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O1またはO2において、前記演出実行手段は、前記特典遊技が実行されるタイミングが前記特定期間である場合のうち、前記特典遊技が終了したタイミングが前記特定期間内である場合のほうが、前記特定期間内では無い場合よりも、前記特定演出を実行し易いものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O1またはO2の奏する効果に加え、特典遊技が実行されるタイミングだけでは無く、特典遊技が終了するタイミングにも基づいて特定演出を実行のし易さを異ならせることができる。さらに、特典遊技が実行されるタイミングも終了するタイミングも特定期間内であるほうが特定演出を実行させ易くすることができる。よって、遊技者に対して、特定期間内で特典遊技を終了させようと意欲的に遊技を行わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが出来るという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有し、前記判別手段により判別されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な事前判別手段と、その事前判別手段による判別結果に基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間を設定可能な禁止期間設定手段と、を有し、前記禁止期間設定手段は、複数の異なる禁止期間を設定可能に構成されているものである。
請求項1記載の遊技機によれば、情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有し、前記判別手段により判別されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な事前判別手段と、その事前判別手段による判別結果に基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間を設定可能な禁止期間設定手段と、を有し、前記禁止期間設定手段は、複数の異なる禁止期間を設定可能に構成されているものである。
よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
遊技盤の分解斜視正面図である。
図2のVI-VI線における遊技盤の断面図である。
(a)は、送球ユニットの正面図であり、(b)は、送球ユニットの側面図である。
(a)は、送球ユニットの分解斜視正面図であり、(b)は、送球ユニットの分解斜視背面図である。
(a)は、振分けユニットの正面図であり、(b)は、振分けユニットの側面図である。
振分けユニットの分解斜視正面図である。
振分けユニットの分解斜視背面図である。
(a)は、図9(a)のXIIa-XIIa線における振分けユニットの断面図であり、(b)は、図12(a)のXIIb-XIIbにおける振分けユニットの断面図である。
(a)及び(b)は、図12(b)の範囲XIIIaにおける振分けユニットの部分拡大断面図である。
(a)は、通路ユニットの正面図であり、(b)は、通路ユニットの側面図である。
通路ユニットの分解斜視正面図である。
通路ユニットの分解斜視背面図である。
第2実施形態における遊技盤及び動作ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤の正面図である。
遊技盤の背面図である。
遊技盤の正面斜視図である。
遊技盤の背面斜視図である。
遊技盤の分解正面斜視図である。
遊技盤の分解背面斜視図である。
中央構成ユニットの分解正面斜視図である。
中央構成ユニットの分解背面斜視図である。
図18の範囲XXVIにおける遊技盤の拡大正面図である。
図27は、図26のXXVII-XXVII線における遊技盤の部分断面図である。
図26のXXVIII-XXVIII線における遊技盤の部分断面図である。
遊技盤の分解正面斜視図である。
遊技盤の分解背面斜視図である。
図18の範囲XXXIにおける遊技盤の拡大正面図である。
図31のXXXII-XXXII線における遊技盤の部分断面図である。
振分ユニットの分解正面斜視図である。
振分ユニットの分解背面斜視図である。
図18の範囲XXXVにおける遊技盤の部分拡大正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの分解正面斜視図である。
動作ユニットの分解背面斜視図である。
動作ユニットの分解正面斜視図である。
動作ユニットの分解背面斜視図である。
図36のXLIV-XLIV線における動作ユニットの断面図である。
図44の範囲XLVにおける動作ユニットの部分拡大断面図である。
図36のXLIV-XLIV線における動作ユニットの断面図である。
動作ユニットの分解正面斜視図である。
動作ユニットの分解背面斜視図である。
(a)は、図47の範囲XLIXaにおける外側部材、昇降板部材及び抵抗発生装置の分解正面斜視図であり、(b)は、図47の範囲XLIXbにおける外側部材の正面斜視図である。
(a)は、図47の範囲Laにおける昇降板部材、内側部材、変位部材及び回転姿勢補助部材の分解正面斜視図であり、(b)は、図47の範囲Lbにおける変位部材及び回転姿勢補助部材の分解正面斜視図である。
発光動作演出ユニットの分解正面斜視図である。
発光動作演出ユニットの背面分解斜視図である。
発光動作演出ユニットの分解正面斜視図である。
(a)は、右側の中間連結部材の正面図であり、(b)は、図54(a)の矢印LIVb方向視における中間連結部材の側面図であり、(c)は、図54(a)の矢印LIVc方向視における中間連結部材の側面図であり、(d)は、図54(a)のLIVd-LIVd線における中間連結部材の断面図である。
図36のLV-LV線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図36のLV-LV線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図36のLV-LV線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
(a)から(c)は、第1長孔、第2長孔及び湾曲長孔を模式的に示す第1長孔、第2長孔及び湾曲長孔の模式側面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
(a)から(c)は、変位部材の締結部と、被連結孔の長孔及び支持孔と、の模式正面図である。
図36のLXIV-LXIV線における動作ユニットの断面図である。
図36のLXIV-LXIV線における動作ユニットの断面図である。
図36のLXIV-LXIV線における動作ユニットの断面図である。
図36のLXVII-LXVII線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図36のLXVII-LXVII線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図36のLXVII-LXVII線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
(a)は、第3実施形態における振分ユニットの正面図であり、(b)は、振分ユニットの背面図である。
(a)は、第4実施形態における振分ユニットの正面図であり、(b)は、振分ユニットの背面図である。
第5実施形態における遊技盤の部分拡大正面図である。
図72のLXXIII-LXXIII線における遊技盤の部分断面図である。
図36のLV-LV線に対応する線における第6実施形態におけるパチンコ機の部分断面図である。
図36のLV-LV線に対応する線におけるパチンコ機の部分断面図である。
(a)から(c)は、第7実施形態におけるガイド部及びL字長孔を模式的に示すガイド部及びL字長孔の模式側面図である。
(a)から(c)は、第8実施形態における第2長孔、湾曲長孔、第3長孔、第1長孔上部及び第1長孔下部を模式的に示す第2長孔、湾曲長孔、第3長孔、第1長孔上部及び第1長孔下部の模式側面図である。
(a)及び(b)は、図37のLXXVIIIa-LXXVIIIa線に対応する線における第9実施形態における変位部材及び発光動作演出ユニットの部分断面図である。
(a)及び(b)は、第10実施形態における回転部材及び姿勢検出手段の正面図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
振分装置の部分拡大正面図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の背面図である。
(a)~(d)は、第1実施形態において設定変更を行うための手順を模式的に示した模式図であり、(e)~(g)は、第1実施形態において設定確認を行うための手順を模式的に示した模式図である。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留先読み演出の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留先読み演出の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留上限到達時の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留上限到達時に大当たり保留がある場合の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム中の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム中の30回転目の表示態様の一例を示した図である。
第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される枠ボタン22を押下した後のSPタイム中30回転目の変動演出の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における先読み演出の種別と、先読み禁止期間との関係を模式的に示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される残変動時間が20秒以上ある場合のSPタイム終了時点の変動演出の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される示唆演出高確期間中の表示態様の一例を示した図である。
第1実施形態におけるSPタイム中の設定示唆演出の一例を模式的に示した模式図である。
(a)~(d)は、第1実施形態における電源投入からの時間経過と変動演出の流れを示したタイミングチャートである。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される確変状態で特図変動が81回目の高速変動モードの表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される確変状態で特図変動の81回目が6秒外れ変動の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される確変状態で特図変動81回目が12秒当たり変動である場合の高速変動モードの表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される疑似高速変動終了後に実行される疑似当たり変動演出(6秒)の表示態様の一例を示した図である。
(a-1)~(c-2)は、第1実施形態における高速変動期間が設定される場合に実行される演出の流れを示したタイミングチャートである。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される大当たり遊技中の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される大当たり遊技中の所定賞球数獲得の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示される大当たり遊技中の追加特典表示画面の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における昇格演出の特典内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム中の大当たり終了時の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム抜け時の大当たり終了時の表示態様の一例を示した図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
第1実施形態における各種カウンタの概要を示した図である。
(a)は、第1実施形態における主制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における主制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における特別図柄大当たり乱数テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における普通図柄当たり乱数テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における大当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における変動パターン選択テーブルの一部である通常用変動パターンテーブルを模式的に示した模式図であり、(c)は、第1実施形態における変動パターン選択テーブルの一部である時短・確変用テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における変動パターン選択テーブルの一部である高速変動用変動パターン選択テーブルの一例を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における変動パターンシナリオテーブルを模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における演出切替テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における設定示唆演出選択テーブルを模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における先読み禁止期間選択テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における保留上限時演出選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における演出実行数選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態におけるミッション選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における昇格ポイント選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における昇格演出選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における計時装置の電気的構成を示したブロック図である。
第1実施形態におけるレジスタテーブルを模式的に示した模式図である。
第1実施形態における表示制御装置の電気的構成を示したブロック図である。
(a)~(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。
(a)~(d)は、ブート処理時画像を説明する説明図である。
(a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。
第1実施形態における表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における描画リストの一例を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される変動実行判定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄1変動開始処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄2変動開始処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される初期設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される設定値制御処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時刻取得処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される待機処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留球数コマンド受信処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される先読み演出実行決定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞コマンド受信処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるラウンド演出設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるブート完了処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出態様設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時短・確変用演出設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される期間演出設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止種別演出設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される経過時間確認処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特化モード設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される変動停止コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される報知コマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
(a)は、第2実施形態における第3図柄表示装置81において表示される大当たり遊技中の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるラッキー演出抽選の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第2実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム期間と重複がない場合の保留連演出の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留連演出中の表示態様の一例を示した図である。
第2実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイムと一部が重複した場合の短縮保留連演出中の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第2実施形態における先読み規制期間テーブルを模式的に示した模式図である。
第2実施形態における代替演出選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理2を示したフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるラウンド演出設定処理2を示したフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留連演出設定処理を示したフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される代替演出設定処理を示したフローチャートである。
(a)は、第2実施形態の変形例における第3図柄表示装置81において表示されるSPタイム準備中の先読み演出画面の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態の変形例における第3図柄表示装置81において表示される先読み演出中にSPタイム突入した場合の表示態様の一例を示した図である。
(a)は、第3実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留変化演出によって保留図柄の表示態様が特定表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、(b)は、第3実施形態における第3図柄表示装置81において特定表示態様の保留図柄が表示されている状態で保留記憶を8個獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、(c)は、第3実施形態における第3図柄表示装置81において表示される保留変化演出によって特定表示態様が通常表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、(d)は、保留変化演出によって保留図柄の表示態様が特定表示態様から特殊表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
(a)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第3実施形態における保留変化演出選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留球数コマンド処理3を示したフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留態様設定処理を示したフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞コマンド受信処理3を示したフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留変化演出設定処理を示したフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理3を示したフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される液晶演出実行管理処理3を示したフローチャートである。
(a)は、第4実施形態における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第4実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第4実施形態における変動パターン選択4テーブルを模式的に示した模式図である。
第4実施形態における終了時態様選択テーブルを模式的に示した模式図である。
第4実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される経過時間確認処理4を示したフローチャートである。
第4実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される終了画面設定処理を示したフローチャートである。
第5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される待機処理5を示したフローチャートである。
第6実施形態における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第6実施形態における演出切替6テーブルを模式的に示した模式図である。
第6実施形態における先読み禁止期間選択6テーブルを模式的に示した模式図である。
第6実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される先読み演出実行決定処理6を示したフローチャートである。
第6実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞コマンド受信処理6を示したフローチャートである。
(a)は、第7実施形態における第3図柄表示装置81において表示される高速変動モード中の1.5秒擬似外れ変動1回目の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第7実施形態における第3図柄表示装置81において表示される高速変動モード中の1.5秒擬似外れ変動2回目の表示態様の一例を示した図である。
(a)~(f)は、第7実施形態における高速変動モード中の保留図柄の表示内容を示したタイミングチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞コマンド受信処理7を示したフローチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される高速表示中入賞演出設定処理を示したフローチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止処理7を示したフローチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時短・確変用演出設定処理7を示したフローチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される液晶演出実行管理処理7を示したフローチャートである。
第7実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される擬似保留演出設定処理を示したフローチャートである。
(a)は、第8実施形態における第3図柄表示装置81において表示される高速変動モード中の設定変更中におけるブート処理後の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、第8実施形態における第3図柄表示装置81において表示される設定変更中に音量レベルを上げた場合の表示態様の一例を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図16を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(センターフレーム86の下方において図示し、遊技領域の上半部においては図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は、光透過性の樹脂材料から形成されており、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となっている。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60を木製の板部材から形成しても良い。この場合、センターフレーム86の外側において、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認不能に遮蔽することが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口140へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、4R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「4R通常大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)、大当たり確率がアップし、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
本実施形態では、後述する振分装置300の確変検出センサSE11の貫通孔を、大当たり遊技の1ラウンド目に遊技球が通過したと判定された時に、その大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、高確率状態となる。なお、確変検出センサSE11の貫通孔に遊技球が通過したと判定されなかったら大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、時短状態となる。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する電動役物140a(電動役物)が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物140aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物140aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物140aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間および1回の当たりで電動役物140aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物140aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口140への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、正面視において可変表示装置ユニット80の第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81は遊技盤13の背面に固定される背面ケースに締結固定され、センターフレーム86はベース板60の窓部(中央開口60b)を縁取るように配設されている。即ち、正面視では第3図柄表示装置81の外周を囲むようにセンターフレーム86が配設されているように見えるが、実際は、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86とは前後に離れて配置されている。
第3図柄表示装置81は、例えば9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された電動役物140aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。
よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の電動役物140aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。この第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には電動役物140aが付随されている。この電動役物140aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物140aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物140aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口140を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口140への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,140にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている(図2では不図示)。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板65b(図2参照)の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ648,820、ソレノイド651等が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図5及び図6を参照して、第1実施形態における遊技盤13のベース板に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970について説明する。なお、図5及び図6の説明では図2を適宜参照する。
図5は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図5では、ベース板60に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970以外のユニット(例えば、センターフレーム86(図2参照)など)の図示が省略される。
図5に示すように、ベース板60には、センターフレーム86(図2参照)が取り付けられる中央開口の重力方向下側(図5下側)にベース板60の厚み方向に貫通する貫通孔60aがルータ加工によって形成される。
貫通孔60aは、後述する正面ユニット940の正面視における外形よりも若干小さく形成され、内側に正面ユニット940に配設される駆動ユニット960及び特定入賞口ユニット950が挿入される。
ベース板60には、遊技領域(正面)側から入賞口ユニット930が配設され、遊技領域と反対(背面)側から送球ユニット970が配設され、それぞれタッピングネジ等により締結固定される。なお、入賞口ユニット930及び送球ユニット970の詳細な構成については後述する。
図6は、図2のVI-VI線における遊技盤13の断面図である。図6では、組立状態における入賞口ユニット930及び送球ユニット970の配置について図示される。
図6に示すように、正面ユニット940及び送球ユニット970の各通路の連結は、前後方向(図6左右方向)に当接した状態とされると共に、送球ユニット970に形成される凸部が、正面ユニット940に形成される突部に挿入される。
詳しく説明すると、第1送球部942gと流入口982dとは、第1送球部942gに形成される第1凹欠部942g1の内側に流入口982dに形成される第2突起982d1が配置される。また、第2送球部942cと側壁部981bとは、第2送球部942cに形成される第2凹欠部942c1の内側に、側壁部981bに形成される突起981b1が配置される。これにより、ベース板60に組み付ける際の正面ユニット940及び送球ユニット970の位置合わせを容易に行うことができる。
次いで、図7及び図8を参照して、送球ユニット970の全体構成について説明する。
図7(a)は、送球ユニット970の正面図であり、図7(b)は、送球ユニット970の側面図である。図8(a)は、送球ユニット970の分解斜視正面図であり、図8(b)は、送球ユニット970の分解斜視背面図である。
図7及び図8に示すように、送球ユニット970は、遊技者側(遊技領域側)に配設され内部に遊技球を挿通可能な空間を備える振分けユニット980と、その振分けユニット980の遊技領域と反対側に配設される通路ユニット990とを備えて形成される。
振分けユニット980は、上述した入賞口ユニット930の第1入賞口64及び第2入賞口140と連なる開口(流入口982d及び側壁部981b)を備えており、その開口(流入口982d及び側壁部981b)から第1入賞口64及び第2入賞口140の介して遊技領域と反対側に送球される遊技球を内部に受け入れることができる。なお、振分けユニット980についての詳しい説明は後述する。
通路ユニット990は、振分けユニット980の重力方向一側(重力方向下側)に配設される。通路ユニット990は、振分けユニット980との対向面に複数の開口(第1挿通孔991a~第2挿通孔991dを備えており、振分けユニット980の内部を送球される遊技球をその開口から受け入れることができる。なお、通路ユニット990についての詳しい説明は後述する。
次いで、図9から図12を参照して、振分けユニット980の構成について詳細な説明をする。図9(a)は、振分けユニット980の正面図であり、図9(b)は、振分けユニット980の側面図である。図10は、振分けユニット980の分解斜視正面図であり、図11は、振分けユニット980の分解斜視背面図である。図12(a)は、図9(a)のXIIa-XIIa線における振分けユニット980の断面図であり、図12(b)は、図12(a)のXIIb-XIIbにおける振分けユニット980の断面図である。
図9から図12に示すように、振分けユニット980は、背面ベース985と、その背面ベース985の遊技者側に配設される正面ベース981と、その正面ベース981と背面ベースとの間に回転可能な状態で配設される振分け部983と、背面ベース985の背面側に振分け部983と対応する位置に配設されるカバー部材987とを主に備えて形成される。
背面ベース985は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成され、板状体に形成されるベース部985aと、そのベース部985aの厚み方向に貫通する複数の開口(開口985b~985g)と、その複数の開口の重力方向他側(重力方向上側)に凹設される凹部985hと、その凹部985hの反対面から突出する収容部986b及び突設部986eとを主に備えて形成される。
ベース部985aは、正面視縦長矩形に形成され、その外縁部に円形状に貫通する複数の締結孔986c及び986dと、正面ベース981側と反対側に重力方向一側に向かって傾斜する傾斜面986aとを備えて形成される。締結孔986cは、後述する正面ベース981を挿通したネジを螺合する孔である。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を締結固定することができる。また、締結孔986dは、後述する通路ユニット990を挿通するネジを螺合する孔である。これにより、背面ベース985(振分けユニット980)及び通路ユニット990を締結固定することができる。
傾斜面986aは、後述する開口985b~985fの重力方向他側の一部と重なる位置に形成される。また、傾斜面986aは、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において、正面ベース981の傾斜部982bと対向する位置に形成される。これにより、重力方向に流下する遊技球の流下方向を開口985b~985f側に案内することができる。その結果、遊技球を開口985b~985fに流入させやすくできる。
凹部985hは、正面ベース981と反対側(図9(b)紙面手前側)に向かって凹設されると共に、ベース部985aの短手方向(図9(b)左右方向)略中央位置に形成される。また、凹部985hは、内側に後述する振分け部983の一部を収容可能な大きさに形成されると共に、底面に円環状に突出する軸受部985jを備える。軸受部985jは、振分け部983を軸支する軸部材988aの一端が挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも大きい内径に形成される。
開口985b及び開口985cは、それぞれベース部985aの短手方向両端部に形成されるとともに、内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、開口985b及び開口985cは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981側と反対側に転動させることができる。
開口985dは、ベース部985aの短手方向(図9(b)左右方向)略中央位置に形成され、重力方向(図9(b)上下方向)における位置が開口985b及び開口985cと略同一の位置に設定される。また、開口985dは、開口985b及び開口985cと同様に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981側と反対側に転動させることができる。
開口985eは、開口985b及び開口985dの間に形成され、開口985fは、開口985c及び開口985dの間に形成される。また、開口985e,985fは、正面ベース981側に開口する空間の流入通路985e1,985f1と、正面ベース981側と反対側に開口する空間の排出通路985e3,985f3と、重力方向に延設され流入通路985e1,985f1及び排出通路985e3,985f3を連通する中間通路985e2,985f2と,を主に備えて形成される。
流入通路985e1,985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第1通路TR1及び第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路を流下する遊技球を流入通路985e1,985f1に流入させることができる。
中間通路985e2,985f2は、重力方向に延設して形成され、重力方向他側(重力方向上側)が流入通路985e1,985f1に連通されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、流入通路985e1,985f1を通過する遊技球を中間通路985e2,985f2に流入させることができる。
また、中間通路985e2,985f2には、遊技球の送球方向(重力方向)と略直交する方向に凹設される凹設部985f4が形成される。凹設部985f4は、その内側に後述する検出装置SE3を配設するための切り欠きであり、背面視において検出装置SE3の外形と略同一に設定される。これにより、検出装置SE3をベース部985aの背面側(正面ベース981と反対側)から挿入して配設することができる。
検出装置SE3は、遊技球の通過を検知する装置であり、その厚み方向に遊技球よりも若干大きい内径の検出孔SE1aが貫通形成される。検出孔SE1aは、背面視横長矩形の状態で配設される検出装置SE3の長手方向のどちらか一方または他方に偏って形成されており、検出孔SE1aが形成されていない長手方向のどちらか他方または一方に検出装置SE3を制御する検出基板SE1bが配設される。
本実施形態では、検出装置SE3により遊技球の通過が検知されると、5個の賞球が払い出されると共に、第1図柄の抽選が実行される。この抽選に対応して、第3図柄表示装置81で第3図柄の変動表示が実行される。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が中間通路985e2,985f2の延設方向に平行に設定されると共に、検出孔SE1aの内部空間と中間通路985e2,985f2の空間とが略一致する位置に配置される。これにより、遊技球が中間通路985e2,985f2の重力方向他側(重力方向上側)から重力方向一側(重力方向下側)に流下する場合に、検出装置SE3の検出孔SE1aを通過させることができる。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を通過する遊技球を検出することができる。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が重力方向と平行に形成されるので、遊技球を検出孔SE1aに送球する際に、遊技球の自重を利用しやすくできる。その結果、遊技球が中間通路985e2,985f2及び検出孔SE1aとの連結部分に引っ掛ることを抑制できる。
凹設部985e4,985f4は、流入通路985e1,985f1及び排出通路985e3,985f3の空間と連なって形成される。即ち、中間通路985e2,985f2は、検出装置SE3を利用して形成される。これにより、中間通路985e2,985f2の重力方向の長さ寸法が大きくなることを抑制できる。その結果、背面ベース985が重力方向に大型化することを抑制できる。
排出通路985e3,985f3は、中間通路985e2,985f2の重力方向一側(重力方向下側)に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。また、排出通路985e3,985f3は、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、後述する通路ユニット990の第3挿通孔991c及び第4挿通孔991dに連結される。これにより、中間通路985e2,985f2を通過する遊技球を、排出通路985e3,985f3に流入させることができると共に、その空間を通過させて通路ユニット990に送球できる。
開口985gは、開口985dの重力方向一側(重力方向下側)に形成される。また、開口985gは、開口985dと同様に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつてれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981と反対側に転動させることができる。
流入通路985e1,985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第1通路TR1及び第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を流入通路985e1,985f1に流入させることができる。
収容部986bは、一対の半円環体から形成される。また、収容部986bは、後述する磁性体988bを内側に収容する部分であり、その内径が、円柱体に形成される磁性体988bの外径と略同一に設定される。また、収容部986bの突設寸法は、磁性体988bの軸方向寸法よりも大きく設定される。これにより、収容部986bの内側に磁性体988bを収容できる。また、収容部986bは、一対の半円環体から形成されるので、磁性体988bの外径が製造の誤差により微小に大きく形成された場合でも、一対の半円環体を弾性変形させて磁性体988bを配設できる。
突設部986eは、上述した軸受部985jとベース部985aを挟んで反対側の位置から円柱状に突設される。また、突設部986eは、その軸に円形状に凹設される締結孔を備える。締結孔は、後述するカバー部材987を挿通するネジの先端を螺合させる孔であり、カバー部材987を当接させた状態でネジを螺合することで、カバー部材987を背面ベース985に締結固定できる。
磁性体988bは、磁石から形成されており、収容部986bに配設されることで、ベース部985aを介して正面ベース981側に磁界を発生させることができる。これにより、後述する振分け部983に配設される磁性体988cを反発させて振分け部983を変位させやすくできる。
正面ベース981は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成される。また、正面ベース981は、正面視において背面ベース985よりも大きい略矩形状に形成されると共に、ベース板981aとそのベース板981aから遊技者側(背面ベース986と反対側)に膨出する膨出部982とを主に備えて形成される。
ベース板981aは、正面視略矩形状の板部材に形成され、その外周縁部に板厚方向に貫通する複数の挿通孔981gと、背面ベース985側に向けて突設される第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dと、その第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dの近傍に貫通する第2挿通孔981eと、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に板厚方向に貫通する貫通孔981cとを主に備えて形成される。
挿通孔981gは、組み立て状態の送球ユニット970をベース板60(図5参照)に締結するネジ(図示しない)を挿通する孔であり、ネジの先端部分の外径よりも大きい内径に設定される。
第1ガイド壁981fは、半円の円環形状に形成されると共に、後述する膨出部982を間に挟む状態で短手方向に一対形成される。また、第1ガイド壁981fは、半円の開放部分をベース板981aの短手方向略中央側に向けて形成される。
第2ガイド壁981dは、円環形状に形成されると共に、ベース板981aの短手方向に2箇所形成される。また、第2ガイド壁981dは、後述する膨出部982の重力方向下側に形成されると共に、2箇所の間に貫通孔981cが形成される。
第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dは、その内縁形状が上述した背面ベース985の締結孔986cの周囲の外形形状と略同一に形成される。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた場合に、第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dの内側に締結孔986cの周囲の壁部を挿入でき、第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dを位置決めすることができる。
第2挿通孔981eは、第1ガイド壁981fの半円の中心および第2ガイド壁981dの中心に形成される。第2挿通孔981eは、正面ベース981及び背面ベース985が組み立られた状態において、締結孔986cと同軸上に形成されており、正面ベース981側からネジを挿通して締結孔986dに螺合させることで、正面ベース981と背面ベース985とを締結できる。
貫通孔981cは、一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に貫通形成される。また、貫通孔981cは、その縁部に沿って背面ベース985側と反対側(図9(a)紙面手前側)に立設される側壁部981bを備えて形成される。また、貫通孔981cは、上述した入賞口ユニット930の第2入賞口140に連通する部分であり、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、第2入賞口140に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
側壁部981bは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、立設先端面が入賞口ユニット930の第2送球部942cと当接する寸法に形成される。また、側壁部981bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面の転動面981c1が、転動部943aの端面943a1よりも重力方向一側に位置されると共に、背面ベース985側に向かって下降傾斜して形成される(図6参照)。
さらに、側壁部981bは、立設先端面から突設される突起981b1を備える。突起981b1は、転動面981c1から重力方向へ遊技球の半径分離間した位置に形成される。これにより、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合に、遊技球が転動部943aと貫通孔981cとの間に挟まりにくくできる。なお、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合についての詳しい説明は後述する。
膨出部982は、ベース板981aから膨出するドーム状に形成されると共に、その内側に遊技球を挿通可能な大きさに設定され、その内側に流入口982dから流入される遊技球が通過する送球通路TR0と、その送球通路TR0から分岐する第1通路TR1及び第2通路TR2とを備えて形成される。膨出部982は、正面視縦長矩形に形成されると共に、重力方向上端部を切り欠いて形成される流入口982dと、正面視略中間位置に背面ベース985側に向かって屈曲して立設する立設壁982aと、重力方向他側の複数箇所に凹設される凹部982e~982jとを主に備えて形成される。
流入口982dは、正面視略U字状に切り欠き形成される。また、流入口982dは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、内縁部分が、入賞口ユニット930の第1入賞口64に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
また、流入口982dは、重力方向他側(重力方向上側)の縁部に背面ベース985側と反対側に突出する第2突起982d1を備える。第2突起982d1は、上述した入賞口ユニット930の第1凹欠部942g1の内縁形状に形成されており、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に配設された場合に、第1凹欠部942g1の内縁に第2突起982d1が当接される。
また、第2突起982d1から流入口982dの重力方向一側(重力方向下側)の端面までの距離寸法L14(図9(a)参照)は、第1凹欠部942g1の内縁から第1送球部942gの重力方向一側の内縁までの距離寸法L35(図87(b)参照)までの距離寸法よりも大きく設定される。これにより、第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球された遊技球が、流入口982dに流入する際に、流入口982d(膨出部982)と第1送球部942gとの間に挟まりにくくできる。
立設壁982aは、正面視において膨出部982の外縁形状と所定の間隔を隔てる矩形状に形成される。また、立設壁982aは、流入口982dの重力方向下側に形成されると共に、重力方向上側に立設方向視三角形状に形成される当接部982a1を備えて形成される。
立設壁982aは、膨出部982の外周部分の内縁と水平方向における離間距離L16(図12(b)参照)が、遊技球の直径よりも大きく設定されており、その対向間に遊技球が通過可能な空間の第1通路TR1及び第2通路TR2が形成される。
第1通路TR1及び第2通路TR2は、後述する振分け部983の下流側に形成されており、振分け部983を通過する遊技球がどちらかに送球される。振分け部983は、流入口982dに流入する遊技球を、第1通路TR1及び第2通路TR2に交互に送球可能に設定される。これにより、第1入賞口64に流入する遊技球の送球が単調になることを抑制できる。その結果、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
立設壁982aの重力方向他側(重力方向上側)には、膨出部982の内側面から背面ベース985側に円環状に突出する軸受部982cが形成される。軸受部982cは、後述する振分け部983を軸支する軸部材988aの他端側を支持する部分であり、内径が軸部材988aの外径と略同一に設定される。よって、軸部材988aを軸受部982cに挿入することで、軸部材988aの他端側を支持できる。
また、上述したように、軸部材988aの一端側は、背面ベース985の軸受部985jに挿入されるので、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせる際に、軸部材988aの一端を軸受部985jに挿入すると共に、軸部材988aの他端側を軸受部982cに挿入することで、軸部材988aを正面ベース981及び背面ベース985の間に支持できる。
当接部982a1は、後述する振分け部983の回転軌跡上に形成されており、振分け部983の作用部983aが当接することで、振分け部983の回転変位量が規制される。なお、当接部982a1と振分け部983との当接状態についての詳しい説明は後述する。
凹部982e及び凹部982fは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と略直交する方向に凹設される。
また、凹部982e及び凹部982fの内側には、第1通路TR1又は第2通路TR2と連通する空間の第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2が形成される。
第1分岐通路BK1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985bと連通される。従って、第1分岐通路BK1は、第1通路TR1を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985bに流入可能とされる。
第2分岐通路BK2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985cと連通される。従って、第2分岐通路BK2は、第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985cに流入可能とされる。
凹部982h及び凹部982jは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向に凹設される。即ち、第1通路TR1及び第2通路TR2は、凹部982h及び凹部982jの分、重力方向一側に延設される。
第1通路TR1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985eと連通される。従って、第1通路TR1は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985eに流入可能とされる。
第2通路TR2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985fと連通される。従って、第2通路TR2は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985fに流入可能とされる。
凹部982gは、凹部982h及び凹部982jの間に形成されると共に、凹設方向が第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と平行に設定される。また、凹部982gの内側には、第1通路TR1及び第2通路TR2と連通する空間の第3分岐通路BK3が形成される。よって、第1通路TR1及び第2通路TR2に連通する第3分岐通路BK3が、第1通路TR1及び第2通路TR2との間に形成されるので、振分けユニット980の小型化を図ることができる。
第3分岐通路BK3は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985dと連通される。従って、第3分岐通路BK3は、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985dに流入可能とされる。
傾斜部982bは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に形成されると共に、重力方向一側に向かって背面ベース985側に傾斜して延設される。また、傾斜部982bは、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた状態において、開口985bから開口985fと対向する位置に形成される。これにより、第1通路TR1、第2通路TR2、第1分岐通路BK1、第2分岐通路BK2及び第3分岐通路BK3を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させることで、流下する遊技球を開口985b~985f側に案内して開口985b~985fに流入させ易くできる。
案内部982h1,982j1は、凹部982h及び凹部982jと傾斜部982bとに連結されると共に、立設先端面が背面ベース985側(図9(b)紙面手前側)に向かって下降傾斜される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を、案内部982h1,982j1の立設先端面に当接させて、開口985e及び開口985f側に案内して、開口985e及び開口985fに流入しやすくできる。
また、案内部982h1,982j1は、傾斜部982bと連結して形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させて背面ベース985側に案内しつつ案内部982h1,982j1に衝突させることで、遊技球を開口985e及び開口985fに流入させすくできる。さらに、傾斜部982bの傾斜の分、案内部982h1,982j1の立設距離を小さくすることができるので、案内部982h1,982j1の剛性を高めて耐久性の向上を図ることができる。
ここで、上述したように、振分けユニット980(送球ユニット970)は、遊技者側に配設される正面ユニット940(入賞口ユニット930)を介して遊技者から視認可能とされる。そのため、正面ユニット940を介す分、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球は、遊技者側から視認し難くなる。さらに、開口985e及び開口985fの正面側に案内部982h1,982j1が立設されると、その案内部982h1,982j1の厚みの分、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球が遊技者から視認し難くなるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、案内部982h1,982j1は、傾斜部982bと連結して形成されるので、傾斜部982bの立設寸法を小さくできる。従って、開口985e及び開口985fに送球される遊技球(第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球)を、正面ユニット940を介した状態であっても視認させやすくすることができる。即ち、本実施形態では、傾斜部982bが、遊技球の流下方向へ向かうに従って背面ベース985側に位置するように傾斜されることで、剛性の確保と遊技球の案内とを可能としつつ、案内部982h1,982j1の前後方向の厚みを薄くすることができるので、遊技球の視認性を確保できる。
振分け部983は、正面ベース981及び背面ベース985の対向間の寸法よりも若干小さい厚みに設定されると共に、正面視略T字状に形成される。また、振分け部983は、T字状の一辺側の作用部983aと、その作用部983aの延設方向略中央位置から突出する中間板983bと、作用部983a及び中間板983bの連結部分に貫通される貫通孔983cと、その貫通孔983cの軸を中心に円形状に膨出する当接部983dと、作用部983a及び中間板983bの背面ベース985側に連結して形成される壁部983eとを主に備えて形成される。
貫通孔983cは、正面ベース981及び背面ベース985の対向間に支持される軸部材988aが挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも若干大きく形成される。
これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み上げる場合に、軸部材988aを振分け部983の貫通孔983cに挿入した状態とすることで、振分け部983が回転可能な状態で正面ベース981及び背面ベース985の対向間に配設される。
中間板983bは、貫通孔983cの径方向外側に向かって延設して形成されると共に、振分け部983の変位が一方または他方に回転して規制された状態において、その先端から中間板983bの内側までの離間距離L17(図12(b)参照)が遊技球の直径よりも小さい寸法とされる。これにより、遊技球の送球が第1通路TR1又は第2通路TR2の一方または他方のどちらかに規制される。また、中間板983bは、振分け部983が貫通孔983cを中心に回転されることで、第1通路TR1の一方に遊技球の送球を規制した状態から第2通路TR2の他方に遊技球の送球を規制した状態に切り換えられる。
作用部983aは、正面視において中間板983bの延設方向と略直交する方向に延設して形成される。また、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも重力方向一側(重力方向下側)に設定される。
これにより、流入口982dを介して振分け部983に送球される遊技球は、作用部983a側に荷重をかけた状態とされる。その結果、振分け部983は、貫通孔983cを中心に回転変位される。
壁部983eは、作用部983a及び中間板983bに連結されると共に、貫通孔983cの軸方向視において略半円状の板状に形成される。壁部983eは、貫通孔983cの軸と直交する方向において作用部983a及び中間板983bよりも外側に突出して形成されると共に、厚み寸法が上述した背面ベース985の凹部985hの凹設寸法よりも小さく設定される。よって、背面ベース985及び正面ベース981の対向間に振分け部983を配設した状態において、凹部985hの内部に壁部983eを配置できる。これにより、流入口982dから振分けユニット980の内部に送球される遊技球が、凹部985hの内部に引っ掛ることで、その遊技球の流下が阻害されることを抑制できる。
また、壁部983eは、中間板983bの背面側であって、貫通孔983cから径方向外側端部に、中間板983b側に向かって凹設される収容部983e1を備える。収容部983e1は、円柱状体に形成される磁性体988cを内側に収容する部分であり、磁性体988cの外径と略同一の内径の円形に凹設される。また、収容部983e1は、背面ベース985側から正面ベース981側に向かって凹設されており、磁性体988cが背面ベース985側から内部に収容される。
磁性体988cは、磁石から形成されており、背面ベース985に配設される磁性体988bと反発する状態で配設される。これにより、振分け部983は、磁性体988cが背面ベース985に配設される磁性体988bから磁力が作用されて、貫通孔983cを軸に回転して作用部983aの延設方向を一方または他方に傾いた状態にできる。
また、磁性体988cと磁性体988bとが反発される状態に配設されると共に、収容部983e1が正面側に向かって凹設されるので、収容部983e1に挿入する磁性体988cが収容部983e1から抜け出ることを抑制できる。即ち、収容部983e1に挿入される磁性体988cを係止する部分を必要としないので、振分け部983の構造を簡易にできると共に、振分け部983への磁性体988cの配設を簡易にできる。
なお、磁性体988b及び磁性体988cの磁力は、遊技球の荷重よりも小さい磁着力に設定される。これにより、振分けユニット980の内側を送球される遊技球が磁性体988b及び磁性体988cに磁着して、振分けユニット980の内側に停滞することを抑制できる。
カバー部材987は、上面視縦長矩形に形成されると共に、背面ベース985の凹部985hの正面ベース981側と反対側に配設される。また、カバー部材987は、正面視円形状に重力方向に並んで凹設される2つの第1凹部987a及び第2凹部987bを備えて形成される。
第1凹部987aは、内側に上述した背面ベース985の収容部986bを収容する部分であり、収容部986bの外径と略同一の内径に設定される。よって、上述したように収容部986bの内部に磁性体988bを収容した状態で、第1凹部987aに収容部986bの先端を収容することで、収容部986bの内側に収容した磁性体988bが収容部986bから抜け出ることを抑制できる。
第2凹部987bは、その凹設底面に背面ベース985に締結固定するための貫通孔987b1を備える。また、第2凹部987bは、凹設部分の内形が、上述した背面ベース985の突設部986eの外径と略同一の内径に形成される。これにより、カバー部材987は、背面ベース985の突設部986eに第2凹部987bを収容して位置決め配置できると共に、位置決めした状態で貫通孔987b1を介してネジを突設部986eの締結孔に締結できる。
次いで、図13を参照して、流入口982dから遊技球が振分けユニット980に流入した場合の振り分け部983の動作について説明する。図13(a)及び図13(b)は、図12(b)の範囲XIIIaにおける振分けユニット980の部分拡大断面図である。なお、以下では、振分け部983の作用部983aが第1通路TR1の一方へ遊技球の送球を規制する状態から、第2通路TR2の他方への遊技球の送球を規制する状態へ変位される場合のみを説明し、第2通路TR2の他方への遊技球の送球を規制する状態から、第1通路TR1の一方への遊技球の送球を規制する場合の説明は省略する。
図13(a)及び図13(b)に示すように、振分け部983に遊技球が送球される前(作用部983aに遊技球が当接する前)では、上述したように、振分け983に配設される磁性体988cが磁性体988b(図10参照)と反発することで、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bが、第2通路TR2側へ傾いた状態とされる。なお、第2通路TR2側の作用部983aが正面ベース981の当接部982a1に当接することで、その回転量が規制される(図13(a)参照)。
この状態で遊技球が振分け部983に送球されると、遊技球は、中間板983b及び第1通路TR1側の作用部983aとの間に送球される。上述したように、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも重力方向一側(重力方向下側)に設定されるので、遊技球の荷重を第1通路TR1側の作用部983aに作用させることができる。
これにより、振分け部983は、図13(b)に示すように、貫通孔983cを軸に回転変位され、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bが、第1通路TR1側へ傾いた状態とされる。なお、第1通路TR1側の作用部983aが正面ベース981の当接部982a1に当接することで、その回転量が規制される。また、この場合、磁性体988cの反発方向が、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bを第2通路TR2側へ作用する状態から第1通路TR1側へ作用する状態に切り換えられる。
従って、振分け部983は、遊技球の荷重および磁性体988cの反発力を利用して、貫通孔983cを軸に回転変位させることができる。また、磁性体988cの反発力の方向が切り替わるので、振分け部983が回転した状態を維持させることができる。従って、振分け部983は、遊技球が送球される都度、中間板983bの傾き方向を変位させて、遊技球を第1通路TR1及び第2通路TR2に一球ずつ送球できる。
次いで、図14から図16を参照して、通路ユニット990の構成について説明する。
図14(a)は、通路ユニット990の正面図であり、図14(b)は、通路ユニット990の側面図である。図15は、通路ユニット990の分解斜視正面図であり、図16は、通路ユニット990の分解斜視背面図である。
図14から図16に示すように、通路ユニット990は、振分けユニット980側が開口する複数の開口を備える第1通路部材991と、その第1通路部材991に配設される第1通路部材991を通過する遊技球を送球する第2通路部材992と、第2通路部材992に配設され第2通路部材992を通過した遊技球を送球する第3通路部材993と、第2通路部材992及び第3通路部材993の間に配設される検出装置SE4とを主に備えて形成される。
第1通路部材991は、正面視横長矩形に形成されると共に第2通路部材992側に所定の幅を備えて形成される。また、第1通路部材991は、振分けユニット980側の重力方向他側(重力方向上側)に貫通形成される第1挿通孔991aと、その第1挿通孔991aの重力方向一側(重力方向下側)に貫通形成される第2挿通孔991bと、その第2挿通孔991bの水平方向両隣に形成される貫通形成される第3挿通孔991c及び第4挿通孔991dと、正面視における外側周囲に円形状に複数個貫通形成される貫通孔991fとを主に備えて形成される。
第1挿通孔991aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第1挿通孔991aは、振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態において、振分けユニット980の開口985dと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985dを通過する遊技球を第1挿通孔991aに受け入れることができる。
また、第1挿通孔991aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1挿通孔991aに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
さらに、第1挿通孔991aには、第2通路部材992を挿通するネジを螺合する締結孔991g1を備える円環状の円環突起991gが外周部分に連結して形成される。これにより、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定することができる。
第2挿通孔991bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2挿通孔991bは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985gと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985gを通過する遊技球を第2挿通孔991bに受け入れることができる。
また、第2挿通孔991bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2挿通孔991bに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
第3挿通孔991cは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第3挿通孔991cは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985eの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部(第1通路TR1)を流下して開口985eを通過する遊技球を第3挿通孔991cに受け入れることができる。
また、第3挿通孔991cは、重力方向他側(重力方向上側)に水平方向両側に凹設される凹設部991c1を備える。凹設部991c1は、振分けユニット980に配設される検出装置SE3の検出基板SE1bを内部に収容する部分であり、検出装置SE3の外形と略同一の寸法に形成される。これにより、検出装置SE3の検出基板SE1b側を凹設部991c1により保護することができると共に、検出装置SE3が振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態で外部から不正に操作されることを抑制できる。
さらに、振分けユニット980と通路ユニット990とを組み合わせる場合に、振分けユニット980に配設する検出装置SE3の検出基板SE1bを通路ユニット990の凹設部991c1の内部に受け入れることができるので、振分けユニット980と通路ユニット990との位置決めとすることができる。これにより、検出装置SE3の一部が外部に張り出すことを抑制して、送球ユニット970の全体としての小型化を図ることができる。
第3挿通孔991cは、第2通路部材992側の内縁に第2挿通孔991b側から突出する突設部991c2を備えると共に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が水平方向に隣り合う第2挿通孔991bから離間する方向に下降傾斜して形成される。これにより、第3挿通孔991cに流入した遊技球を突設部991c2に衝突させると共に、第2挿通孔991bから離間する方向(図14(a)左方向)に転動させることができる。
第4挿通孔991dは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第4挿通孔991dは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985fの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部(第2通路TR2)を流下して開口985fを通過する遊技球を第4挿通孔991dに受け入れることができる。
また、第4挿通孔991dは、重力方向他側(重力方向上側)に水平方向両側に凹設される凹設部991d1を備える。凹設部991d1は、振分けユニット980に配設される検出装置SE3の検出基板SE1bを内部に収容する部分であり、検出装置SE3の外形と略同一の寸法に形成される。これにより、検出装置SE3の検出基板SE1b側を凹設部991d1により保護することができると共に、検出装置SE3が振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態で外部から不正に操作されることを抑制できる。
さらに、第4挿通孔991dは、第2通路部材992側の内縁に第2挿通孔991b側から突出する突設部991d2を備えると共に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が水平方向に隣り合う第2挿通孔991bから離間する方向に下降傾斜して形成される。これにより、第4挿通孔991dに流入した遊技球を突設部991d2に衝突させると共に、第2挿通孔991bから離間する方向(図14(a)右方向)に転動させることができる。
第2通路部材992は、正面視において上下反対の略T字状の板状に形成されると共に、重力方向他側(重力方向上側)に貫通する第5挿通孔992bと、その第5挿通孔992bの重力方向一側(重力方向下側)に貫通する第6挿通孔992cと、第5挿通孔992bの内周縁に立設される立設壁992aとを主に備えて形成される。
第5挿通孔992bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第5挿通孔992bは、第1通路部材991及び第2通路部材992が組み合わされた状態において、第1通路部材991の第1挿通孔991aの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、第1通路部材991の第1挿通孔991aを通過する遊技球を第5挿通孔992bに受け入れることができる。
立設壁992aは、第5挿通孔992bの縁部全域から第3通路部材993側に向かって立設される。また、立設壁992aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第3通路部材993側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第5挿通孔992bに送球された遊技球を第3通路部材993側(図14(b)右側)に転動させることができる。
立設壁992aの外周面には、水平方向に突出する係合部992dと、第1通路部材991側の端部から水平方向に突出する突設壁992eとを備えて形成される。係合部992dは、水平方向に突出すると共に、その先端が第3通路部材993側に屈曲するL字状に形成される。係合部992dは、立設壁992aとの対向間に後述する検出装置SE4及び振分けユニット980に配設される検出装置SE3の配線が挿入される。これにより、検出装置SE3及び検出装置SE4の配線を係止することができるので、検出装置SE3及び検出装置SE4が振分けユニット980及び通路ユニット990から抜け出ることを抑制できる。
突設壁992eは、立設壁992aの水平方向両側に正面視半円状に突出して形成され、その半円の軸に貫通する貫通孔992e1を備える。また、突設壁992eは、第1通路部材991及び第2通路部材992が組み合わされた状態において、第1通路部材991の円環突起991gと対向する位置に形成されると共に、貫通孔992e1が締結孔991g1と同軸上に位置される。これにより、第2通路部材992側から貫通孔992e1にネジを挿通すると共に、そのネジを締結孔991g1に螺合することで、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定できる。
第6挿通孔992cは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第6挿通孔992cは、第1通路部材991及び第2通路部材992を組み合わせた状態において、その内部空間が第1通路部材991の第2挿通孔991bの内部空間と連なる位置に形成される。これにより、第1通路部材991の第2挿通孔991bを通過する遊技球を第6挿通孔992cに受け入れることができる。
また、第6挿通孔992cの周囲には、第3通路部材993側に向かって立設されるガイド壁992c1が形成される。ガイド壁992c1は、第6挿通孔992cの重力方向一側(重力方向下側)に立設される第1壁部992c2と、その第1壁部992c2の延設方向の端部と連なると共に重力方向に延設される第2壁部992c3とから形成される。
第1壁部992c2及び第2壁部992c3は、検出装置SE4を配設する位置決めとなる壁面であり、第3通路部材993に形成される立設壁993e及び係合部993dとの対向間における寸法が検出装置SE4の対向における寸法と略同一に設定される。
また、検出装置SE4は、検出孔SE1aの内部空間が第6挿通孔992cの内部空間と連なる位置に配置される。これにより、第6挿通孔992cを通過する遊技球は、検出孔SE1aを通過して検出装置SE4に検出されると共に、第3通路部材993側に送球される。
また、第2通路部材992は、第6挿通孔992cから水平方向(図14(a)左右方向)に離間した位置に、第3通路部材993側に突設される円環突起992fを備える。
円環突起992fは、その軸に円形状の孔の締結孔992f1を備える。締結孔992f1は、第3通路部材993を挿通したネジを螺合する孔であり、これにより、第2通路部材992及び第3通路部材993を締結固定できる。
第1挿通孔991aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第1挿通孔991aは、振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態において、振分けユニット980の開口985dと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985dを通過する遊技球を第1挿通孔991aに受け入れることができる。
また、第1挿通孔991aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1挿通孔991aに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
さらに、第1挿通孔991aには、第2通路部材992を挿通するネジを螺合する締結孔991g1を備える円環状の円環突起991gが外周部分に連結して形成される。これにより、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定することができる。
第2挿通孔991bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2挿通孔991bは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985gと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985gを通過する遊技球を第2挿通孔991bに受け入れることができる。
また、第2挿通孔991bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2挿通孔991bに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
第3通路部材993は、正面視横長矩形の板状に形成される。第3通路部材993は、長手方向略中間位置に貫通形成される第7挿通孔993aと、その第7挿通孔993aの縁部から立設される案内壁993bと、重力方向他側の縁部から第2通路部材992側に立設される立設壁993eと、長手方向に突出する係合部993dと、第2通路部材992側の側面に凹設される凹部993cとを主に備えて形成される。
第7挿通孔993aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも多きい正方形に形成される。また、第7挿通孔993aは、第2通路部材992及び第3通路部材993を組み合わせた状態において、第2通路部材992に配設される検出装置SE4の内部空間と連なる位置に形成される。これにより、第2通路部材992の第7挿通孔993a及び検出装置SE4の検出孔SE1aを通過した遊技球を第7挿通孔993aに受け入れることができる。
案内壁993bは、第7挿通孔993aの重力方向他側(重力方向上側)を除く3方向の縁部から第2通路部材992側と反対側に向かって立設される。また、案内壁993bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって上方傾斜(第2通路部材992側と反対側に向かって下降傾斜)して形成される。これにより、第7挿通孔993aに送球された遊技球を第2通路部材992側と反対側(図14(b)右側)に転動させることができる。
また、第3通路部材993は、図14(b)に示すように、第2通路部材992の立設壁992aの重力方向一側(図14(b)下側)に配設される。上述したように、第3通路部材993は、重力方向他側(図14(b)上側)が開放されるので、その分、第3通路部材993を立設壁992aに近づけて配設できる。その結果、上述した振分けユニット980の開口985dと開口985gとを近づけることができ、振分けユニット980及び通路ユニット990の重力方向における外形を小型化することができる。
立設壁993eは、第2通路部材992及び第3通路部材993が組み合わされた状態において、第2通路部材992の第1壁部992c2との対向間の距離寸法が、検出装置SE4の検出孔SE1aの軸と直交する方向における短手側の距離寸法と略同一に設定される。これにより、検出装置SE4の重力方向における位置決めをすることができる。
また、遊技球が送球される上流側(第2通路部材992側)に、検出装置SE4の重力方向下側の位置決めをする第1壁部992c2が形成される。これにより、第6挿通孔992cを通過する遊技球を検出装置SE4の検出孔SE1aに挿通させやすくできる。
即ち、検出孔SE1aは、遊技者の不正を防止する目的で、遊技球の直径よりも若干大きい寸法に形成されるため、遊技球の転動面の高さの微小な位置ずれにより、その内部に遊技球が挿通できなくなるところ、本実施形態では、遊技球が送球される上流側(第2通路部材992側)に、検出装置SE4の重力方向下側の位置決めをする第1壁部992c2が形成されるので、第6挿通孔992cと検出孔SE1aと転動面の高さが位置ずれすることを抑制できる。その結果、第6挿通孔992cを挿通する遊技球を検出孔SE1aに挿通させやすくできる。
係合部993dは、第3通路部材993の長手方向に突出して形成されると共に、その突出先端に第2通路部材992側に屈曲する屈曲部993d1を備える。屈曲部993d1は、第2通路部材992及び第3通路部材993が組み合わされた状態において、第2通路部材992の第2壁部992c3との対向間の距離寸法が、検出装置SE4の検出孔SE1aの軸と直交する方向における長手側の距離寸法と略同一に設定される。これにより、検出装置SE4の水平方向における位置決めをすることができる。
凹部993cは、第2通路部材992と第3通路部材993とが組み合わされた状態において、第2通路部材992の円環突起992fと対向する位置に形成されると共に、円環突起992fの外径よりも大きい内縁形状に形成される。また、凹部993cは、その凹設底面に円環突起992fの締結孔992f1と同軸上に貫通形成される貫通孔993c1を備える。これにより、凹部993cに第2通路部材992の円環突起992fを挿入すると共に、ネジを第3通路部材993側から貫通孔993c1を挿通させて締結孔992f1に螺合させることで、第2通路部材992及び第3通路部材993を締結固定できる。
以上のように構成される送球ユニット970によれば、送球ユニット970が、第1入賞口64及び第2入賞口140と異なるユニットから形成されると共に、第1入賞口64及び第2入賞口140を備える正面ユニット940の背面側(遊技領域と反対側)に配設されるので、送球ユニット970(振分けユニット980)を交換して別のユニットを配設することで、遊技領域を流下する遊技球の流下に影響することなく、別の遊技形態とできる。
次いで、図17から図69を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、振分ユニット980の第1通路TR1及び第2通路TR2が球を前戻りさせずに後方へ案内する通路として形成される場合を説明したが、第2実施形態の振分ユニット300では、球の前戻りを許容するように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
まず、図17から図35を参照して遊技盤13の構成の詳細を説明し、その後で、図36から図69を参照して動作ユニット500の構成の詳細を説明する。
図17は、第2実施形態における遊技盤13及び動作ユニット500の正面分解斜視図である。図17に示すように、遊技盤13の内部に配設されるセンターフレーム86には内部開口が形成されており、遊技者は、このセンターフレーム86の内部開口を通して動作ユニット500を視認可能となる。
これに加えて、本実施形態では、遊技盤13のベース板60が光透過性の樹脂材料から形成されているので、センターフレーム86の内部開口を通した視認態様に限定されず、センターフレーム86の外側に位置するベース板60を介して動作ユニット500を視認可能となる。
図18は、遊技盤13の正面図であり、図19は、遊技盤13の背面図であり、図20は、遊技盤13の正面斜視図であり、図21は、遊技盤13の背面斜視図である。図18では、図2においては図示を省略していた風車FS1や釘KG1についても図示されている。
本実施形態では、後述するように、球の流下経路を振り分けるという釘の機能を代替する上部連結部材270を備えており、上部連結部材270が配設される範囲では、釘KG1が配置されていない。
これにより、釘KG1の非透過性が欠点として作用することを回避することができる。
換言すれば、上部連結部材270が配設されるセンターフレーム86の上方位置(センターフレーム86の上方かつ外レール62の下方である位置)から釘KG1を排除することで、センターフレーム86の上方位置を通過する光が釘KG1により様々な方向に反射したり、遮られたりすることを回避することができるので、センターフレーム86の上方位置における光演出の視認性を向上することができる。なお、センターフレーム86の上方位置における光演出の態様については後述する。
図19では、ベース板60の中央開口60bの形状が、左右中央位置において上方に凹設される形状から形成されることや、その凹設部分に配置される電飾基板251に接続される電気配線DH1を保持するためにも利用されるセンサカバー254が図示されている。
図19に示すように、センターフレーム86の下方位置において、ベース板60の背面側には、一般入賞口63に入球した球の流下経路を構成する集合樋480と、その集合樋480の上方に配設されると共に第1入賞口64の後側を跨ぐような形状で形成される幅広装飾部材490と、が締結固定される。
集合樋480は、無色透明の樹脂材料から形成される。これにより、集合樋480が背面側からの光の入射を遮ることを防止することができる。また、正面視で、一般入賞口63に入球して集合樋480を流下する球の視認性を向上することができる。
幅広装飾部材490は、有色透明(本実施形態では青色)の樹脂材料から形成される。
これにより、遊技領域を正面視で視認する遊技者に対して、幅広装飾部材490を目立たせることができる。
幅広装飾部材490は、左右端部に締結ネジの挿通孔491を備える。その挿通孔491には、集合樋480に螺入される締結ネジが挿通され、その締結ネジにより幅広装飾部材490が集合樋480に締結固定される。これにより、幅広装飾部材490に対する注目力を、集合樋480を流下する球に対する注目力に繋げることができる。
幅広装飾部材490は、一般入賞口63の上方において球を転動させる板状部(天井板部455)の背後において、その板状部と同様の傾斜角度で形成される左右一対の傾斜形成部492と、その傾斜形成部492の左右内側において左右方向に延設される中央形成部493と、を備える。
傾斜形成部492は、部材の上面が、正面視において、一般入賞口63の上方において球を転動させる板状部(天井板部455)に沿うように配置される。そのため、球を転動させる板状部が無色透明の樹脂材料から形成される場合であっても、正面視において、あたかも球が傾斜形成部492を転がっているように見せることができ、球の流下経路の把握をさせ易くすることができる。
中央形成部493は、第1入賞口64に入球した球の流下経路(後述する傾斜延設部315)の天井部を構成する。これにより、球が流下経路から脱落することを防止することができると共に、第1入賞口64に入球した球の流下経路が無色透明の樹脂材料から形成される場合であっても、有色透明の樹脂材料から形成される中央形成部493により球の流下経路を正面視で把握し易くすることができる。
図20では、センターフレーム86の上方および下方において、遊技領域に張り出す部分を有し光透過性の樹脂材料から形成される上部連結部材270や、入賞口構成部材400等の樹脂部材が図示されている。これらの樹脂部材により、球の流下態様を安定的に維持する効果を生じさせることができるが、詳細は後述する。なお、図20では、釘KG1および風車FS1の図示は省略されている。
先に概要を説明すると、上部連結部材270や入賞口構成部材400等の樹脂部材の共通の効果として、割れたり欠けたりした時の修理が容易であることが挙げられる。この効果は、通常用いられる金属製の釘を利用する場合には奏しない効果である。
ベース板60に植設される釘の場合、球が衝突したり、作業者が釘に誤って過負荷をかけたりした場合等に、釘が曲がったり折れたりする可能性がある。曲がった場合には同じだけ逆側に曲げれば元通りにできる可能性があるが、折れた場合には元通りにすることは困難である。
そもそも、ベース板60への釘の打ち込みは自動機で行うものであり、一本ずつ単独で打ち込むものではなく、遊技盤全体にまとめて打ち込む方法が一般的である。そのため、一本の釘が欠損しただけであっても、他の釘が植設されている状態で欠損した単独の釘を新たに打ち直すことは困難であり、ベース板60ごと交換する必要が生じる可能性がある。
この際、ベース板60には、レール61,62や外縁部材73等が組み付けられているので、これらの組み付けられていた部材を、交換先のベース板60に組み付け直すか、又は、これらの部材ごと交換する必要があり、いずれにせよ、修理費用が嵩み易い。
これに対し、上部連結部材270や入賞口構成部材400等の樹脂部材の一部が割れたり欠けたりした場合、新たな部材と交換することにより修理を完了することができ、ベース板60を交換する必要がない。また、樹脂部材は、レール61,62や外縁部材73等とは独立しているので、樹脂部材の交換の際にレール61,62や外縁部材73等に関連する費用は生じないので、修理費用を抑制することができる。
図21では、センターフレーム86の上部に配置される電飾基板251及び基板保持板252について、基板保持板252がベース板60の板厚寸法内に入り込むように配置されており、基板保持板252の前側に配置される電飾基板251に至ってはベース板60の厚み寸法の内側位置に収まるように配置されることが図示されているが、詳細は後述する。
図21に示すように、ベース板60の板背面から背面側へ向けて外形部が先細りする円筒状に突設形成される複数の嵌合部60cを備える。嵌合部60cは、内径側に雌ネジが形成されており、動作ユニット500をベース板60に締結固定する際に締結ネジが螺入される部分として機能する。
図22は、遊技盤13の分解正面斜視図であり、図23は、遊技盤13の分解背面斜視図である。図22及び図23に示すように、遊技盤13は、ベース板60と、そのベース板60の内側に配置されると共にセンターフレーム86を有する中央構成ユニット240と、その中央構成ユニット240の上部とベース板60とを連結すると共に遊技領域を流下する球の流下方向を制限する上部連結部材270と、その上部連結部材270と中央構成ユニット240との間に配置される薄板部材290と、を備える。
中央構成ユニット240の詳細については後述するが、図22で拡大図として示すように、中央構成ユニット240には、薄板部材290の位置決め及び固定に利用される固定用部244が形成される。
図24は、中央構成ユニット240の分解正面斜視図であり、図25は、中央構成ユニット240の分解背面斜視図である。中央構成ユニット240は、ベース板60の中央開口60bに配設される際に環状に組み立てられるユニットであって、センターフレーム86を有しており、球の流下を案内する。
中央構成ユニット240は、センターフレーム86の上側部を構成する上側構成部材241と、センターフレーム86の下側部を構成する下側構成部材261と、を備える。上側構成部材241及び下側構成部材261が、光透過性の樹脂材料から、それぞれ環形状の上下半分を構成することで、組立状態(図18参照)において正面視で第3図柄表示装置を囲むセンターフレーム86を構成する。
このように、センターフレーム86を単品で環状に構成するのではなく、複数部材を組み合わせて環状に構成することにより、樹脂部材の成形に必要となる樹脂金型の大きさを小さくすることができる。これにより、樹脂金型の製造コストを抑えることができる。
例えば、ベース板60の中央開口60bの上縁部の形状が、本実施形態のように左右中央部において薄板部242の形状に対応して上向きに凹設される形状ではなく、略円弧形状で形成されるようにベース板60の設計変更を行う場合、上半分(上側構成部材241)のみ対応して設計変更すればベース板60にセンターフレーム86を組み付けることができることから、下半分(下側構成部材261)については本実施形態に対応させて設計した部材を流用することができる。
これにより、ベース板60の設計変更や、センターフレーム86の形状を変えて見映えを変えることにより行うマイナーチェンジのために、センターフレーム86の全体を包含するような大きな金型を新たに製造する必要がないので、金型費用の削減を図ることができる。
上側構成部材241は、組立状態(図18参照)においてベース板60の板正面と面一で配置される薄板部242と、その薄板部242の正面側に帯状に延設され、遊技中においてガラスユニット16(図1参照)との間に球を通さない寸法で形成されると共に球の流下を案内可能に形成される帯状フレーム部245と、その帯状フレーム部245の下側および左右内側に配設され略円弧形状を形成する装飾部247と、を備える。
薄板部242は、左右および上側の縁部において補強のために背面側に延設される延設部243と、上部連結部材270(図22及び図23参照)との位置決め及び固定に利用される固定用部244と、を備える。
延設部243は、前後幅がベース板60の板厚と同程度の長さとなるように設計される。即ち、延設部243よりも前後幅が短い薄板部242の前後厚みは、ベース板60の板厚よりも薄く設計されている。これにより、薄板部242の背面側にスペースを確保し易くすることができる。
固定用部244は、上部連結部材270(図22及び図23参照)との位置決めのために凹設される凹設部244aと、その凹設部244aに近接配置され正面側に突設される突設部244bと、上部連結部材271に正面側から挿通される締結ネジが螺入される締結部244cと、を左右対称位置に備えている。
薄板部242はベース板60と面一で配置され、突設部244bを正面側の任意の位置から形成することができる。そのため、上部連結部材270(図22及び図23参照)との位置決めの設計自由度を向上することができる。なお、固定用部244を利用した上部連結部材270の組み付けについては後述する。
装飾部247は、複数の立体的な模様や図形が形成されており、薄板部242に比較して光透過性が低くなるように形成されている。これにより、装飾部247を、光透過性を若干残しながら、視界を分断する部分として利用することができる。
ここまでは、上側構成部材241の正面側の構成を主に説明した。次に、上側構成部材241の背面側に配設される構成について説明する。上側構成部材241は、薄板部242の背面側に形成される締結部に締結固定される電飾基板251と、その電飾基板251を締結固定する締結ネジで共締めされる基板保持板252と、電飾基板251と薄板部242とに挟持されると共に正面側に末広がりとなる皿形状に形成される皿状部材253と、上側構成部材241の左右片側(本実施形態では右側)において装飾部247の背面側となる位置に締結固定されるセンサカバー254と、を備える。
基板保持板252は、左右対称形状ではなく、左側部と比較して右下部の形成が省略されている。これにより、センサカバー254側から通される電気配線DH1(図19参照)の接続を容易にすることができる。即ち、電飾基板251の接続端子251aは、基板の右下側部の板背面に配置されており、この位置への電気配線DH1の接続が容易となるように基板保持板252の形状が設計されている。
更に、基板保持板252は、左右中央位置において上に凸の湾曲形状で凹設形成される凹設部252aを備える。凹設部252aは、動作ユニット500の配置の自由度を向上させる目的で形成される部分であるが、詳細は後述する。
センサカバー254は、内部に静電容量センサ(例えば、遊技者がガラスユニット16の正面側に手をかざしたことを検知可能なセンサ)を配置し、その静電容量センサを固定するための固定部材である。本実施形態では、静電容量センサの固定だけではなく、電飾基板251に接続される電気配線DH1の中継部分としても兼用されている。
即ち、電飾基板251に形成される鉤形状部に結束バンド等で電気配線DH1を固定することで、電気配線DH1を装飾部247の背面位置に保持することができる。これにより、電気配線DH1を遊技者の視界に入り難いように隠すことができる。このように、センサカバー254を利用して電気配線DH1の配置を保持することで、電気配線DH1の配置を保持するための専用部材を用意する場合に比較して、組み付け工数を削減したり、材料コストを低減したりすることができる。
下側構成部材261は、組立状態(図18参照)においてベース板60の板正面に締結固定される薄板部262と、その薄板部262から背面側へ帯状に延設される帯状延設部263と、その帯状延設部263の延設端部に形成される締結部に締結固定されると共に帯状延設部263の背面側を塞ぐように覆う背面覆設部264と、薄板部262の左右下端部の正面側に締結固定され薄板部262との間で球を背面側へ流すための流下経路を構成する左右一対の流路前構成部265と、薄板部262の左右下端部の背面側に締結固定され流路前構成部265の薄板部262から左右内側にはみ出した半構成部と合体することで球を帯状延設部263の上面に案内する流下経路を構成する左右一対の流路後構成部266と、を備える。
帯状延設部263は、左右中央部へ向けて下降傾斜する上面部を備えており、転動した球をベース板60の正面側へ戻すように機能する。帯状延設部263の左右中央部には、左右方向の速度が収まった球を背面側へ流し易いよう背面側へ下降傾斜する中央後傾斜部263aと、その中央後傾斜部263aの左右両側において中央後傾斜部263aよりも若干下側に配置され左右方向の速度が収まった球を正面側へ流し易いよう正面側へ下降傾斜する一対の左右前傾斜部263bと、中央後傾斜部263aにより背面側へ流され流下した後で背面覆設部264に正面側へ案内された球をベース板60の正面側へ排出可能に貫通形成される球排出孔263cと、を備える。
帯状延設部263との関係において、背面覆設部264は基本的には帯状延設部263の背面側端部からの球の脱落を防止するように塞ぐが、中央後傾斜部263aの後方に限っては、帯状延設部263との間で球を下方に流下させることができる隙間を形成する。
この隙間を通り正面側へ案内された球が球排出孔263cから排出される。
球排出孔263cは左右中央位置に配置され、その下方には第1入賞口64が配設されているので(図18参照)、球排出孔263cから排出された球は、高確率で(釘KG1に弾かれながら第1入賞口64に近づく球よりも高確率で)第1入賞口64に入球する。
そのため、帯状延設部263に球が案内された場合に、その球に対する注目力を向上させることができる。
流路前構成部265は、薄板部262の正面側を流下する球を背面側に案内する案内経路を形成し、流路後構成部266は、その案内経路の後端面を形成することで球を帯状延設部263の上面に案内する。換言すれば、流路前構成部265及び流路後構成部266によって、ベース板60の正面側から流入した球を、帯状延設部263の上面に排出するトンネル状部が形成される。
図22及び図23に戻って説明する。上部連結部材270は、光透過性の樹脂材料から形成される部材であって、薄肉の板状部271と、その板状部271を基端として背面側から正面側に押し出されるように張り出す張出部272~277と、板状部271の背面側において部分的に肉薄に形成される肉薄部278と、その肉薄部278において背面側に突設するように形成される突設部279と、を備える。
板状部271は、正面視で左右に長い左右対称の弓形状に形成され、下縁部の形状がセンターフレーム86の上縁部の形状に沿う形状とされる。また、板状部271は、上縁部が湾曲形状とされており、詳細には、板状部271の上縁部の特定の点における接線が、その特定の点に近接配置される外レール62の対応する点の接線と平行となる形状とされる。
外レール62と板状部271とは、球(遊技球)の直径程度の間隔が空けられている(図18参照)。これにより、外レール62に沿って転動する球が板状部271と衝突して勢いが減衰される事態の発生を回避し易くすることができる。
即ち、遊技領域に導入された球が板状部271に衝突する前に、球は外レール62から離れるよう構成される。換言すれば、外レール62に接触している限り、球が板状部271と衝突することは無いので、最大の発射強度で発射させる球(例えば、返しゴム69に衝突するまで外レール62に接触して転動する球)が板状部271に衝突して勢いが減衰されることを回避することができる。
これにより、球の不要な減衰を避けることができると共に、最大の発射強度の球が板状部271と衝突することで板状部271が割れたり欠けたりすることを回避することができる。
なお、外レール62と板状部271との間隔については、球の直径程度の間隔に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、球の形状を考慮して、球と板状部271との衝突を避けられるように、前後方向で間隔を変化させる(ベース板60から離れるほど間隔が広くなる)ようにしても良い。この場合において、ベース板60に近い側における板状部271と外レール62との間隔を狭めることができるので、板状部271に装飾を施す場合に、その装飾の形成面積を広げることができる。
張出部272~277は、板状部271の左右中心を基準として左右対称となる位置から、板状部271の左右中心を基準とする左右対称形状で、板状部271の背面側から正面側へ向けて張り出される部分であり、それぞれが、釘の機能を代替する。
左右中央側から、第1張出部272、第2張出部273、第3張出部274、第4張出部275、第5張出部276、第6張出部277と称して説明する。
第1張出部272及び第2張出部273は、薄板部材290を介して中央構成ユニット240の正面に配置される。第3張出部274は、中央構成ユニット240とベース板60とを跨ぐように配置される。第4張出部275、第5張出部276及び第6張出部277は、ベース板60の正面に配置される。
このように、各張出部272~277は、どの部材の正面側に配置されるかが異なるので、その機能や、設計思想に違いが生じ得るが、詳細は後述する。
肉薄部278は、薄板部材290を配置するために、板背面が薄板部材290の厚み寸法分または厚み寸法を若干超えた寸法分だけ正面側にずれることで、肉薄に形成される部分である。本実施形態では、肉薄部278から薄板部材290に押圧力が負荷されることで薄板部材290を保持する態様ではなく、固定用部244(図22参照)によって薄板部材290を保持する態様を採用している。
なお、肉薄部278における板背面の正面側へのずれ寸法は、薄板部材290の厚み寸法以上で形成される場合に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、板背面の正面側へのずれが、薄板部材290の厚み寸法未満の寸法で設計されても良い。この場合、薄板部材290が厚み方向に伸縮可能(圧縮可能)に形成されることで、薄板部材290に過度な圧力が加えられることを回避しながら、薄板部材290の配置を固定し易くすることができる。
また、例えば、薄板部材290の縁部に対応する部分だけ、肉薄部278の板背面の正面側へのずれを小さくするようにしても良い。この場合、薄板部材290に圧力が加えられる範囲を薄板部材290の縁部に限定することができる。
突設部279は、薄板部材290に穿設される位置決め孔291に挿通される部分であって、薄板部材290を位置決めするための突状部分である。肉薄部278における第1張出部272又は第2張出部273の配置位置の裏側には、張出部272,273の形状に対応した凹部(窪み)が形成されることから、この位置から突設部279を突設させることはできない。即ち、突設部279は、肉薄部278の内、第1張出部272や、第2張出部273の配置を避けた位置から突設される。
薄板部材290は、光透過性の樹脂材料から薄板状(シート状)に形成される部材であって、組み付け時の位置決め用に穿設される複数の位置決め孔291と、上部連結部材270を中央構成ユニット240に締結固定する締結ネジを挿通させるための孔として穿設される複数の挿通孔292と、を備える。
位置決め孔291は、左右外側に穿設され中央構成ユニット240の突設部244bが挿通される孔291aと、左右内側に穿設され上部連結部材270の突設部279が挿通される孔291bと、を備える。即ち、薄板部材290は、中央構成ユニット240及び上部連結部材270の双方との位置決めに利用される。
なお、本実施形態において、左右外側とは、正面視における遊技盤13又は動作ユニット500の左右縁側を意味し、左右内側とは、正面視における遊技盤13又は動作ユニット500の左右中央部側を意味する。
図22及び図23に示すように、突設部244bは、第2張出部273の背面側の凹設部と対向配置される位置に形成される。そのため、正面視において、突設部244bは第2張出部273に目隠しされる。これにより、突設部244bの視認性は低下させながら、突設部244bによる薄板部材290の位置決め(位置安定)作用を生じさせることができる。
図22及び図23に示すように、上部連結部材270に形成する部分を孔部ではなく突設部279とすることで、張出部272,273の境界位置という狭い範囲においても問題なく位置決め用の部分を構成することができる。換言すれば、狭い範囲において貫通孔や凹部を形成する際には、部材肉厚が過度に薄くなり強度が不足する事態となる可能性があるが、その事態を回避することができる。
換言すれば、薄板部材290の位置決め用の部分のために、張出部272,273の配置が制限されたり、強度が低下したりすることを回避し易くすることができる。即ち、張出部272,273の境界位置に位置決め用の孔部を形成する場合には、張出部272,273の境界位置の幅長さを孔部の幅長さ以上(孔部が円形状であれば直径以上)にする必要が生じるし、孔部により材料が削られる分、張出部272,273の強度低下が生じる可能性があるところ、本実施形態によれば、これらの問題点を解消し易くすることができる。
一方で、上述のように、張出部272,273の背面は窪んでいるので突設部279を形成することができないところ、この位置については、図22に示すように、中央構成ユニット240から突設部244bを突設させることで対応できるので、張出部272,273の配置に制限されることなく薄板部材290の位置決め用の部分(突設部244b,279)を配置することができる。
このように、本実施形態によれば、薄板部材290の位置決め用の突設部244b,279を、中央構成ユニット240及び上部連結部材270の双方に形成させることにより、上部連結部材270の設計自由度や強度を高く維持しながら、薄板部材290の位置決め用部分の配置が制限されることを回避することができるので、薄板部材290の位置を安定させることができる。
更に、薄板部材290に挿通した突設部279が中央構成ユニット240の凹設部244aに挿通可能となるように設計されることで、中央構成ユニット240及び上部連結部材270に対して薄板部材290を位置決めするのと同時に、中央構成ユニット240に対する上部連結部材270の位置決めを行うことができる。
薄板部材290は、上部連結部材270を介して遊技者が視認可能となる部材である。
敢えて図示はしないが、本実施形態では、薄板部材290の板正面に模様、図形、文字またはキャラクターが色彩豊かに描かれており、中央構成ユニット240の電飾基板251に配置されるLEDから照射される光の発光態様の違い(色味や明暗の態様の違い)に応じて、薄板部材290を通して視認される色彩や明暗の態様が様々に変化する。
模様、図形、文字またはキャラクターをベース板60に直接描く場合と異なり、本実施形態によれば、薄板部材290を取り外せば薄板部材290に描かれた模様、図形、文字またはキャラクターを遊技盤13から取り去ることができるので、遊技盤13の見映えを容易に異ならせることができる。
例えば、遊技盤13の形状は同じものを流用しながら、遊技性を変える場合に(所謂、スペック違い)、遊技盤13に描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等を異ならせて、遊技者が遊技性を把握し易いようにする場合がある。
模様、図形、文字またはキャラクターがベース板60に直接描かれている場合には、ベース板60ごと取り替える必要が生じるので、実質、遊技盤13全体を取り替えることになり易く、遊技性変更にあたりコストが嵩み易い。
一方、本実施形態によれば、薄板部材290を、描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等が異なる別の薄板部材290と交換することで足りるので、遊技盤13全体を取り替える必要は無い。従って、遊技性変更のためのコストを抑制し易くすることができる。
図26は、図18の範囲XXVIにおける遊技盤13の拡大正面図であり、図27は、図26のXXVII-XXVII線における遊技盤13の部分断面図であり、図28は、図26のXXVIII-XXVIII線における遊技盤13の部分断面図である。
図26に図示されるように、張出部272~277は、それぞれ個別の形状で形成される一方で、遊技領域に導入された球が衝突した場合には、その球の勢いを落としながら、その球をセンターフレーム86の左右側へ流下させるという共通の目的を有する。
従来から、同様の配置で植設されることのあった釘の代替品として張出部272~277を形成している。即ち、植設される複数の釘を正面視で囲むような形状から各張出部272~277が設計されている。
第1張出部272、第2張出部273及び第3張出部274で共通してみられるように、上側面が他の側面に比較して広く形成されている。これにより、上側面のどの位置に乗るかに寄らず、乗った球を上側面の傾斜に沿って同一の方向に流すよう構成することができる。これにより、発射力の調整が多少ずれても、球を類似の流下経路で流下させ易くなるので、同様の経路で球を流下させたい遊技者の遊技中のストレスを緩和することができる。
第3張出部274と第4張出部275は、隣り合って配設されているため、球の発射力調整が少しずれるだけでどちらに球が到達するかが変化することになるが、上側面の傾斜が大きく異なる。即ち、第3張出部274の上側面は、左右内側に向かって緩く傾斜する下降傾斜面であるのに対し、第4張出部275の上側面は、左右内側に向かって急激に傾斜する下降傾斜面として形成される。
そのため、第4張出部275の上側面に到達して流下する球は、センターフレーム86との衝突時に上向きに大きく跳ね返ることになり、勢いが失われ易い。そのため、遊技領域の下流側において第1入賞口64まで到達せずに、アウト口71へ向かって流下したり、一般入賞口63へ向かって流下したり、しやすい。
一方で、第3張出部274の上側面に到達して流下する球は、センターフレーム86と左右方向で衝突し、跳ね返り方向の負荷も流下の勢いとして利用できるので、遊技領域の下流側において第1入賞口64まで到達し易い。
即ち、どの張出部272~276に球が到達するかによって、遊技領域の下流側における球の流下態様が変化するように張出部272~276の形状を設計している。これにより、遊技者に球の発射力の調整を意欲的に行わせることができる。
図27及び図28に図示されるように、ベース板60と中央構成ユニット240の延設部243とは、上下間に中央構成ユニット240の薄板部242の板厚程度の隙間CL1,CL2を空けて配置されるよう設計される。
即ち、ベース板60の中央開口60bに中央構成ユニット240が位置決めされる設計思想ではなく、ベース板60の中央開口60bと中央構成ユニット240との間には隙間を空けておき、上部連結部材270による締結固定(連結)の際にベース板60に対する中央構成ユニット240の位置合わせを同時に行うという設計思想から設計される。
図27及び図28に図示されるように、第1張出部272の背面には薄板部材290及び中央構成ユニット240が配置される一方で、第3張出部274の背面にはベース板60が配置される。このように、張出部272~277の背面に配置される部材は全て同じでは無く、異なる場合がある。
図27に示すように、中央構成ユニット240の薄板部242が薄肉で形成されることから、例えば、第1張出部272に負荷が与えられることで第1張出部272に撓み変形が生じる場合、中央構成ユニット240の薄板部242も撓み変形することができるので、第1張出部272に加えられる負荷を吸収することができる。これにより、第1張出部272が割れたり欠けたりする可能性を低くすることができる。
そのため、例えば、第1張出部272に球が衝突する際に、その球の勢いが非常に大きかったとしても、第1張出部272の撓み変形や、その撓み変形の影響で生じる薄板部242の撓み変形によって、球の勢いを十分に低下させることができるので、第1張出部272に衝突した後の球の流下を落ち着かせることができる。
薄板部242の撓み変形は、上述のように、薄板部242とベース板60とが嵌合される構成ではなく、間に隙間CL1,CL2が設けられる構成を採用したことによって生じ易くなっている。即ち、本実施形態では、薄板部242とベース板60との間に隙間CL1,CL2を設けることにより、中央構成ユニット240を撓み変形させることによって、第1張出部272に与えられる負荷を逃がすことができる。
同様の作用が、第2張出部273にも期待できる。なお、第1張出部272に与えられる負荷としては、遊技球の衝突による負荷や、遊技領域における球詰まりを解消する際に遊技機店の店員から加えられる負荷や、メンテナンス作業を行う作業者から加えられる負荷等が想定される。
一方、図28に示すように、ベース板60は、撓みが生じない程度に厚肉で形成されるので、例えば、第3張出部274に負荷が与えられた場合に、ベース板60の撓み変形により負荷を逃がす作用を期待することはできないが、第3張出部274の高さ位置は、張出部272,273よりも低い位置にあるので、衝突する球の勢いは比較的小さい。そのため、第3張出部274をベース板60の正面に配置する構成でも、第3張出部274が割れたり欠けたりする可能性を低くすることができる。
更に、衝突する球の勢いが比較的小さい箇所で、第3張出部274に衝突した球の勢いを過度に低下させると、球の流下が停止する可能性があることを考慮して、本実施形態では、第3張出部274をベース板60の正面に配置する構成を採用している。
また、第3張出部274の撓みは抑えられ、状態が安定していることから、センターフレーム86の左右側に振り分けられて、釘が植設されている遊技領域としての、センターフレーム86の左右側領域や下側領域に近い配置において、球の案内を安定化させることができるので、球の発射強度と、球の流下態様との対応を安定させることができる。
なお、第3張出部274が割れたり欠けたりすることを確実に避けるためには、球との衝突角度や、第3張出部274の形状等を、第3張出部274に与えられる負荷が小さくなるように(負荷が逃げやすくなるように)設計することが好ましい。第4張出部275~第6張出部277についても、同様の設計思想を採用することが好ましい。
張出部272~277を、ベース板60に植設される釘KG1の代替品として利用することの利点について説明する。特に、演出効果の向上を図ることができる。即ち、光透過性の樹脂材料から形成される張出部272~277の場合、金属製の釘KG1に比較して、遊技者にとって目隠しとなる部分が少ない。
例えば、本実施形態のように、張出部272,273の背面側に電飾基板251や薄板部材290を配置する構成であっても(図27参照)、張出部272,273が光を透過させるので、電飾基板251に配設されるLED等の発光手段から照射される光や、薄板部材290に描かれた模様、図形、文字またはキャラクターを遊技者が視認し易いようにすることができる。
電飾基板251は、下側部中央位置に配置される4個のLEDから構成される中央発光手段251bと、その中央発光手段251bの左右側および上側を囲むように配設される7個のLEDから構成される周囲発光手段251cと、左右両端部付近に2個ずつ配設されるLEDから構成される遠方発光手段251dと、を備えており、図26において本実施形態における配置が隠れ線で図示される。各発光手段251b,251c,251dは、光の照射方向が必ずしも統一されておらず、光らせようとする対象がそれぞれ異なる。
中央発光手段251bは、光の照射方向が前方向(光軸が前後方向)であり、中央構成ユニット240の装飾部247の左右中央部におけるシンボルマーク(図26において白塗で図示)を照らす。そのシンボルマークの全体を淡く発光させるために、中央発光手段251bから照射される光の光軸を基準とした照射方向の幅角度が大きくなるように設計される。
周囲発光手段251cは、光の照射方向が前方向(光軸が前後方向)であり、帯状フレーム部245や、張出部272,273の縁部等、前後方向に幅を持つ部分に光を導入させるように配置されている。前後方向の幅が長い部分を通過した後において遊技者に視認される光が弱弱しくならないように、光のエネルギーを光軸に集めるために、周囲発光手段251cから照射される光の光軸を基準とした照射方向の幅角度は小さくなるように設計される。
これにより、光の明暗の付け方や、色の変化により、光の経路(帯状フレーム部245や張出部272,273を通過する光の経路)を直接的に目立たせ、その目立たせ方に差をつける演出を行うことができる。例えば、左右で光の明暗に差をつけることで、球を発射する方向を暗に示唆する発光演出を実行することができる。
例えば、第1張出部272の下縁部272aの後方に配置されている周囲発光手段251cのLEDは、第1張出部272の下縁部272aから、左右外側縁部272bに光を導光させるように配置されている。これにより、遊技者は、第1張出部272の光を目印に球を発射することで、第1張出部272の左右外側縁部272bに球を到達させ易くなる。光の光軸は第1張出部272の前後幅が長い位置を通過しており、第1張出部272の内部で光を全反射させ易くすることができる。
また、第1張出部272の内部形状は、後方が内側に突設されるように湾曲形成されているので、第1張出部272の内側に進行した光を第1張出部272の内部で繰り返し反射させ、第1張出部272の内側に光を集め易くすることができる。これにより、正面視において第1張出部272を周囲に比較して明るく発光させることができる。
図27に図示されるように、中央構成ユニット240の薄板部242の背面側に電飾基板251が配置される。本実施形態では、正面側で球が案内される範囲における上部連結部材270の背面において、ベース板60の肉厚部分(釘KG1を打ち込むために必要となる厚み部分)の厚み寸法内(前後方向寸法内)に電飾基板251を配置している。即ち、ベース板60の肉厚部分の背側面の前後位置よりも、電飾基板251の前後位置の方が正面側に設定される。
これは、球を案内するための部品としての釘KG1をベース板60に打ち込んでいる範囲においては、不可能な基板配置である。換言すれば、釘KG1が打ち込まれる範囲においては、ベース板60を十分に肉厚に形成せざるを得ないので、ベース板60の厚み寸法内(ベース板60の肉厚部分の背側面の前後位置よりも正面側)に電飾基板251を配置するスペースを確保することができない。
これに対し、本実施形態では、球を案内するための部品として、釘KG1ではなく薄肉の上部連結部材270を採用し、その背面にベース板60の中央開口60bを配置してベース板60の代わりに中央構成ユニット240の薄板部242を配置することで、球が案内される範囲の背面側において電飾基板251を配置するためのスペースを確保するようにしている。
これにより、電飾基板251をベース板60の背面側に配置せざるを得ない場合に比較して、電飾基板251の配置の設計自由度を向上することができると共に、電飾基板251の配置を前側に寄せることができる。
電飾基板251の配置を前側に寄せることで、遊技盤13の背面側に配置される動作ユニット500の回転演出装置800(図17参照)の配置を前側に寄せ易くすることができると共に、電飾基板251に配設される中央発光手段251bや周囲発光手段251cや、回転演出装置800に配設される光源が、前側に配置されることになるので、遊技者に視認させる光をより明るくすることができる。
遠方発光手段251dは、光の照射方向(光軸方向)が前後方向と交差する方向(図26において矢印で図示される方向)であり、左右外側に配設される張出部274~276や、帯状フレーム部245や、外レール62等に光を照射するように配置されている。
これにより、強度確保のためにベース板60の板厚部分を形成し、その板厚部分の正面に張出部274~276を配設する本実施形態のような構成であっても、遠方発光手段251dからの光照射を利用して張出部274~276を十分に照らすことができる。
特に、本実施形態では、電飾基板251がベース板60の板厚後端よりも前端側に寄せられている(板厚寸法内に配設されている)ことから、遠方発光手段251dから前後方向と交差する方向に照射される光を、左右外側に離れた第5張出部276まで到達させ易くすることができる。
遠方発光手段251dからの光を受ける張出部274~276の形状は、光量を確保し易くなるように形状が工夫されている。即ち、例えば、第3張出部274において、遠方発光手段251d側の側面274a(左右内側かつ上側の側面)が広く形成され、遠方発光手段251dからの光を面で受けるように形成されている。
また、遠方発光手段251dの反対側(左右外側かつ下側)においては、面と面との連結位置に角部274bが形成され、張出部274に形成されるカットをこの角部274bに光を集中させるような形状から形成している。これにより、遠方発光手段251dから離れた角部274bにおいても、発光強度を確保することができる。
なお、第6張出部277への光照射については、電飾基板251からの光照射ではなく、第6張出部277の正面視左右内側に配置される薄板部242(左右中央ではなく左右外側の薄板部242)を正面側へ透過する光により行っている。
また、第6張出部277の発光演出は、後述する回転演出装置800の回転部材810から照射される光によっても実行されるが、回転部材810から照射される光が正面側へ向かうための構成や、その強弱の設定については、後述する。
図20に戻って説明する。図20に示すように、センターフレーム86の下方に配設される入賞口63,64等は、光透過性の樹脂材料から形成される入賞口構成部材400の一部として形成される。
図29は、遊技盤13の分解正面斜視図であり、図30は、遊技盤13の分解背面斜視図である。図29及び図30では、入賞口構成部材400が分解された状態が図示される。
入賞口構成部材400は、遊技盤13の左右中央部においてベース板60に締結固定される中央構成部材410と、その中央構成部材410の下部を正面側から覆う形状で構成される覆設部材430と、中央構成部材410の左側に配置されベース板60に締結固定される左部構成部材450と、中央構成部材410の右側に配置されベース板60に締結固定される右部構成部材470と、を備える。なお、右部構成部材470は、左部構成部材450と概略左右対称形状で形成される。
中央構成部材410は、ベース板60に面で接触した状態で締結固定される平板状の本体板部411と、特定入賞口65aを構成する開口部として形成される横長開口412と、その横長開口412の左右側部に上方において球の流下経路を振分可能に張出形成される左右一対の振分部413と、その振分部413の上方において上側面が湾曲板状に形成されると共に球の流下経路を振分可能に正面側に突設される左右一対の湾曲状突設部414と、横長開口412の左右端部から左右外側に離れた位置に球を排出可能な大きさで穿設される左右一対のアウト口415と、を備える。
本体板部411は、左右両側において背面側から板厚を薄くするように凹設されるシート配設用凹部411aを備える。シート配設用凹部411aは、演出用のシート部材(薄板部材380)の外形に応じた形状で凹設され、そのシート部材の厚みと略同等の凹設深さで形成される。
振分部413と湾曲状突設部414との間の隙間は、球の直径よりも大きく形成される。これにより、振分部413と湾曲状突設部414との間の隙間を通して球を流下させることができるので、球の流下のランダム性を高めることができ、球への注目力を向上させることができる。
振分部413は、左右内側(第2入賞口140側)の側面から突設される複数の突条部413aを備える。突条部413aは、流下する球に当接することで球の流下速度を減速させるために設けられる形状部であり、突条部413aによる減速効果によって、特定入賞口65aの開閉板65bに球から与えられる衝突力を低減することができる。これにより、開閉板65bの破損を防止することができる。
湾曲状突設部414の湾曲面の下端部を通る湾曲面の接線HL1(図31参照)は、振分部413の左右内側側面(第1入賞口64側の側面)を通るように設計されている。そのため、湾曲状突設部414の湾曲面を下端部まで転動した球が、振分部413の左右内側側面に到達する事態が生じやすい。
覆設部材430は、光透過性の樹脂材料から形成され、薄板状に形成される本体板部431と、その本体板部431の左右側端部から左右内側部へ向けて延びる帯形状で背面側へ延設される左右一対の帯状部432と、その帯状部432の左右内側端部と連結されると共に鉛直方向に長尺の板形状で背面側へ延設される左右一対の鉛直板部433と、その鉛直板部433の上端部から左右内側へ向かう程に上昇傾斜する姿勢の長尺板形状で背面側へ延設される左右一対の傾斜板部434と、電動役物140aの回転角度を規制するように電動役物140aの下側において本体板部431から背面側に立設形成される立設部435と、を備える。
帯状部432、鉛直板部433、傾斜板部434及び立設部435は、覆設部材430が中央構成部材410に締結固定された状態において、その先端部が中央構成部材410の本体板部411に当接可能な長さで形成される。即ち、帯状部432、鉛直板部433、傾斜板部434及び立設部435により球の流下経路が変化されると共に、球の流下経路が振り分けられる。
帯状部432は、アウト口415の左右外側および下側に沿うように配設され、帯状部432に転動して流下する球は、アウト口415に案内され、遊技領域から排出される。
傾斜板部434は、アウト口415よりも特定入賞口65a側に配置されているが、上側面の傾斜方向がアウト口415側へ下降傾斜する方向なので、傾斜板部434に転動した流下する球も、アウト口415に案内され、遊技領域から排出される。
立設部435は、中央構成部材410と覆設部材430との組立状態(図17参照)において中央構成部材410の振分部413の左右内側に、球の直径以上の隙間を空けて配置される。これにより、振分部413と立設部435との間を球が流下可能となっている。
左部構成部材450は、無色透明の樹脂材料から形成され、ベース板60に面で接触した状態で締結固定される平板状の本体板部451と、その本体板部451の左部広範囲で正面側に張出形成される張出部453と、その張出部453との間に球が通過可能な大きさの隙間を空けて左端部が配置される板状部であり、右側へ向かうほど下降傾斜する形状から形成される天井板部455と、その天井板部455よりも下側において一般入賞口63へ球を案内可能な形状で形成される複数の球案内部457,459と、を備える。
天井板部455は、張出部453と天井板部455との間の隙間を通過した球のみが球案内部457,459を流下可能となるようにするために、途中で分断されることない板状に形成される。
左部構成部材450の背面側および右部構成部材470の背面側には、背面側から板厚を薄くするように凹設されるシート配設用凹部451b,471bが形成される。シート配設用凹部451b,471bは、演出用のシート部材(図示せず)の外形に応じた形状で凹設され、そのシート部材の厚みと略同等の凹設深さで形成される。なお、このシート部材の装飾の例は、薄板部材380における説明で代用する。
図31は、図18の範囲XXXIにおける遊技盤13の拡大正面図である。張出部453と天井板部455との間の隙間を通過せず、天井板部455の上面を転動して流下する球は、案内部457,459へ案内されることはなく、中央構成部材410側へ案内されるように流下する。左部構成部材450や中央構成部材410の上流側からの球の流下経路について説明する。
図31に示すように、ベース板60に植設される複数の釘KG1は、左右方向内側へ向かう程に下降傾斜する直線に沿って球の直径未満の隙間を空けて並べられることで、左右中央側へ向かって流下する球の道筋(主経路FL1)が形成される一方、所々で球の直径を超える隙間を空けていることで、その隙間を通過して主経路から外れる球の脱落経路FL2,FL3が形成される。
天井板部455は、球が上面を転動可能となるように形成されるが、天井板部455を転動する球の転動速度は、主経路FL1から下方へ脱落するタイミングにより異なる。詳述すると、主経路FL1から脱落経路FL2に球の経路が変化する場合、球の流下速度は、主に左右方向を向く状態から、主に上下方向を向く状態に切り替えられる。
そして、天井板部455に到達してから再び速度が左右方向を向く状態に切り替えられるので、天井板部455に球が到達するタイミングが早いほど(流下経路の上流側であるほど)、天井板部455を流下する際の球の転動速度(勢い)が大きくなり、遊技領域の左右内側(特定入賞口65a側)に到達し易い。
また、天井板部455の上面の左右内側端部(下端部)は、隣り合う湾曲状突設部414の上端部よりも上方に配置されていることから、天井板部455を転動し左右内側に過ぎる球が湾曲状突設部414の左右外側側面にせき止められることを回避し易い。
天井板部455を流下する際の球の転動速度を大きくし、その速度のまま特定入賞口65aに到達すると、球から開閉板65bに大きな衝撃力が伝えられることによる開閉板65bの破損が危惧されるが、本実施形態では、開閉板65bまでの球の流下経路に突条部413aが配設されており、球の流下速度を減速させている。
加えて、突条部413aの左右内側には立設部435が対向配置されており、複数の球が横並びで流下することを防止している。これにより、突条部413aと立設部435との間で球詰まりが生じることを回避することができる(整流作用)と共に、球が開閉板65bに同時に着地する事態の発生を回避し易くすることができることから開閉板65bの破損を防止し易くすることができる(耐久性向上)。
このように、球の流下速度が落とされつつ、球の流下経路が制限されている。これにより、開閉板65bに球が衝突する際に生じる衝突力を低減することができるので、開閉板65bが破損する不具合の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、突条部413aは立設部435を基準として左右対称位置に配置されるので、左右一対の突条部413aと立設部435とにより形成される一対の流下経路において、球が同時に流下した場合には、開閉板65bに複数の球が同時に着地することは生じ得る。
そのため、特別遊技状態において、球を左右に打ち分けることにより、特定入賞口65aに複数の球を同時に入球させ易くすることができる。これにより、特別遊技状態の進行が遅くなりすぎる事態を回避し易くすることができる。
天井板部455の上面は左右に幅広の傾斜面として形成されているので、天井板部455で複数の球を同時に受け入れることができ、それらの球を整列させた状態で勢いよく左右内側(特定入賞口65a側)に流すことができる。
そして、左右内側に流された球は振分部413の左右内側(突条部413aが形成される側)を順番に通り、開放状態の開閉板65bに順番に到達する。このように、本実施形態によれば、開閉板65bに到達する球の道筋が振分部413の左右内側を通る道筋にまとめられているので、開閉板65bの上流側において球同士が衝突して、球が特定入賞口65aから逸れてしまう事態の発生を抑制することができる。
更に、振分部413の突条部413aに当接しながら流下し開閉板65bに到達する位置よりも、特定入賞口65a及び開閉板65bの左右端が左右外側に位置するように設計することで、開閉板65bの上で球同士が衝突して左右に跳ねた場合であっても、球が開閉板65bの上面に乗っている状態を依然として維持することができる。従って、開閉板65bから球が零れる事態の発生を抑制することができる。
なお、球が開閉板65bの左右端部から密に複数個滞留した場合であっても、本実施形態では傾斜板部434の下方に空間が形成されており、球を開閉板65bの左右外側に流せるようになっているので、振分部413の左右内側を通る球の経路が詰まる事態は回避することができる。
本実施形態では、天井板部455と湾曲状突設部414との間に球の直径を超える隙間を配置することで、この隙間を通る球の流下を許容している。例えば、天井板部455を転動し流下する球が、内側脱落経路FL3を通り流下する球に衝突すると、天井板部455を転動してきた球が左右方向速度を低下され、天井板部455と湾曲状突設部414との間の隙間に入り込み易い。
主経路FL1を流下する球が、外側脱落経路FL2で流下する頻度や、内側脱落経路FL3で流下する頻度は、釘KG1の状態(汚れの付着、生産ロット)により変わり得る。
そのため、対策なしでは、釘KG1の状態により遊技効率や遊技利益が左右され、平等な条件での遊技を提供することができない。
これに対し、本実施形態では、外側脱落経路FL2を通り天井板部455を転動する球の方が、内側脱落経路FL3で流下する球よりも高頻度で生じる場合、第1入賞口64まで到達する球が少なくなるので、抽選を受けて大当たりを目指す遊技状態(通常状態、時短状態、高確率状態など)の場合には不利だが、特定入賞口65aが開閉する大当たり遊技状態では、天井板部455と湾曲状突設部414との間の隙間に球が入り込む可能性を少なくでき、天井板部455に到達したほとんどの球を特定入賞口65aへ案内することができるので、遊技効率を向上させることができる(例えば、大当たり遊技に要する時間を短縮できる)。
一方、内側脱落経路FL3を流下する球の方が、外側脱落経路FL2を通り天井板部455を転動する球よりも高頻度で生じる場合、第1入賞口64まで到達する球は多くなるので、抽選を受けて大当たりを目指す遊技状態(通常状態、時短状態、高確率状態など)の場合には有利だが、特定入賞口65aが開閉する大当たり遊技状態では、天井板部455を転動して流下する球の経路に内側脱落経路FL3から下方へ流下した球が衝突し、天井板部455と湾曲状突設部414との間の隙間に落下する球や、振分部413と湾曲状突設部414との間の隙間を通過してアウト口415側へ流れる球が頻発する。これにより、特定入賞口65aから逸れる球が増えるので、大当たり遊技の遊技効率は低下することになる。
このように、本実施形態では、外側脱落経路FL2を通り天井板部455を転動する球の発生頻度と内側脱落経路FL3を流下する球の発生頻度との大小関係が切り替わると、遊技状態として有利な状態と不利な状態とが切り替わるのであって、遊技者が一方的に有利になったり、一方的に不利になったりするものではなくなるように設計されている。
即ち、釘KG1の状態が異なることは許容しながら、どのような釘KG1の状態であったとしても、ある状態では遊技者に有利となり、他のある状態では遊技者に不利となる関係を保つようにすることで、平等な条件での遊技の提供を図っている。
外側脱落経路FL2で流下して、天井板部455の左端部において上方向に延設される延設板部455aと、その延設板部455aと対向配置される張出部453の左右内側において左右外側下方へ向けて湾曲形成される側壁部453aとの間を流下する球の流下経路について説明する。
この流下経路へ球が案内される割合は、近接する釘KG2の状態(球が流下する位置における間隔)により、変動する。釘KG2は、球の衝突や、遊技機店の店員が触れること等により、状態が変動する場合がある。
また、釘KG2の直前まで球が到達するか割合は、球が側壁部453の上面を転動するかによって変動する。球が側壁部453の上面に到達するかどうかは、側壁部453の上方に配置される風車FS1の状態によって変動する。風車FS1も、回転軸が釘KG2と同様にベース板60に打ち込まれているので、球の衝突や、遊技機店の店員が触れること等により、状態が変動する場合がある。
延設板部455aと側壁部453aとの間の流下経路の真下には第1球案内部457が配設されているので、通常は、流下した球は第1球案内部457を通り遊技領域から排出される。第1球案内部457は一般入賞口63を構成しており、第1球案内部457に球が案内されると、遊技者に対して賞球の払い出しが実行される。
本実施形態では、延設板部455aと側壁部453aとの間を球が真下に流下する場合、その球は、8割の確率で第1球案内部457に入球し、1割の確率で左に逸れ、1割の確率で右に逸れるように構成されている。なお、この割合は、延設板部455a及び側壁部453aの形状(傾斜や間隔等)や、第1球案内部457の配置により、異なるように設計することが可能である。
これに対し、例えば、第1球案内部457に到達した球が未だ第1球案内部457に留まっている間に、次の球が第1球案内部457に到達した場合には、次の球は第1球案内部457の左右に逸れて流下し易くなる。また、例えば、第1球案内部457へ向けて複数の球が集まった状態で流れると、その複数の球の内の数個は第1球案内部457の左右に逸れて流下し易くなる。
第1球案内部457から左右外側に逸れると、その下流側には入賞口は配設されておらず、アウト口415から排出される。一方、第1球案内部457から左右内側に逸れると、第1球案内部457から左右内側へ突設される傾斜案内部458を転動して第2球案内部459に到達し得る。第2球案内部459は一般入賞口63を構成しており、第2球案内部459に球が案内されると、遊技者に対して賞球の払い出しが実行される。
第1球案内部457に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数と、第2球案内部459に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数とは、任意に設定可能であるが、本実施形態では、下流側に球が案内された方が払い出される賞球個数が多くなるように設定している。
即ち、第2球案内部459に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数の方が、第1球案内部457に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数よりも多くなるように設定されている。
これにより、天井坂部455の左端よりも左側に球が流下した場合に、その球が第1球案内部457には入らずに、右側(第2球案内部459側)に逸れることを、遊技者が望むような遊技性を作ることができ、左部構成部材450への注目力を向上させることができる。
例えば、第1球案内部457に球が案内されることに伴い、賞球が1個払い出されるよう設定される場合には、第1案内部457へ向かう球が、左右外側(図31左側)に逸れると遊技者の手持ちの球数が減り、第1案内部457に案内されると球数は現状維持(発射1個に対して賞球1個)、左右内側(図31右側)に逸れると第2球案内部459に球が案内されて賞球(1個よりも多い個数、一般的に、2個~15個)が払い出されることにより、手持ちの球数が増える可能性があるという遊技性を構成することができる。
これにより、第1案内部457付近の球の流れと遊技者が得られる利益の大小とを分かり易く対応づけることができるので、第1案内部457付近の球の流れに対する注目力を向上させることができる。
第1案内部457の右方に延びる傾斜案内部458は、樹脂材料から形成されているので、曲げなどが生じた場合には容易に折れ損する。そのため、釘KG1と異なり状態の変化が把握し易い。折れ損した状態を把握できれば、部材を交換するまでパチンコ機10を稼働停止することで、遊技者が不測の不利益を被ることを回避することができる。
本実施形態では、傾斜案内部458を転動した球が第2球案内部459に高確率で案内されるように、種々の形状的工夫がされている。第1に、第2球案内部459の左上位置において天井板部455の下面側に膨らむ膨出部456が形成される。
傾斜案内部458の上面を転動開始し、上下への跳ねが十分には収まっていない球は膨出部456に左右方向で当接することになり、球の速度方向が下方に向き変えられる。これにより、傾斜案内部458の上面を転動した球が、勢いのままに第2球案内部459の右側へ逸れることを防止することができる。
第2に、傾斜案内部458が、第2球案内部459との間の左右方向間隔が球の半径よりも短い間隔となると共に、第2球案内部459との間の上下方向間隔が球の直径よりも短い間隔となる位置まで第2球案内部459側へ張り出している(傾斜案内部458と第2球案内部459との間の球の通過を許容しない寸法関係で形成されている)ので、傾斜案内部458により、第2球案内部459の左側へ球が逸れることを防止し易くすることができる。
入賞口構成部材400は、樹脂成形部材であり、ベース板60への組み付けは締結ネジによる締結固定なので、不良が生じた場合の交換は、釘KG1を交換(打ち直し)する場合に比較して容易である。
例えば、釘KG1が折れた場合には長期間に亘り遊技機の稼働を停止することになる可能性が高いところ、通常、釘KG1の打ち込みは一本ごとに打ち込むのではなく、多数の釘KG1を自動機で打ち込むことから、一部の釘KG1が折れたからといって釘KG1を打ち込み直すことは容易では無い。
そのため、修復のためには、遊技盤全体の取り換えが必要になることが多いが、取り替え費用を賄えないと判断した場合には、釘KG1の他に故障している箇所が無いにも関わらず、再稼働することなく倉庫にしまわれる可能性がある。即ち、メンテナンス性および遊技機の稼働期間向上の観点から改良の余地があった。
本実施形態では、釘KG1の不良が極力生じないようにするために、上下方向に落下してくる球の受け止めを左部構成部材450の張出部453で行い、受け止めた球を張出部453の上面で左右に転動させることで上下方向の勢いを低減してから、その下流側の釘KG1に当接させるようにしている。これにより、球から釘KG1へ与えられる負荷を低減することができ、釘KG1の不良の発生を抑制することができる。
また、外側脱落経路FL2の左右外側に配置される釘KG1に着目すると、その左右外側は張出部453に覆われているので、これらの釘KG1に球が左右外側から衝突することはない。そのため、釘KG1がランダムな方向から負荷を受ける場合に比較して、釘KG1が折れるまでの期間を長くすることができる。
左部構成部材450の正面側を流下した球はアウト口415を通りベース板60の背面側に排出される。この時、鉛直板部433により左右内側(開閉板65bに近接する側)への球の通過が規制されていることから、アウト口415を通らずに、開閉板65b側へ球が流れることを防止することができる。
そのため、開閉板65bの回動軸は左部構成部材450側から球が流れ込むことを防止することができるので、球詰まりに対する対策として開閉板65bと内レール61との間を常に球が通過可能に空けておく必要が無く、内レール61と開閉板65bの回動軸(下縁部)との上下間隔を球の直径未満に設定することができる。
また、そのように構成したとしても、開閉板65bに乗っていた球が左右に零れた場合には、鉛直板部433と開閉板65bとの間に仮置きすることができ、開閉板65bが閉鎖状態となれば、球の流下経路を遮っていた開閉板65bが球の流下経路から退避するので、仮置きされていた球はアウト口71へ向けて流下することになる。従って、球詰まりが生じる可能性を低くすることができる。
図32は、図31のXXXII-XXXII線における遊技盤13の部分断面図である。左部構成部材450の本体板部451は、左右内側縁部からベース板60の前面に沿って薄肉板状(本体板部451の厚みよりも薄い板状)で延設される延設部451aを備え、中央構成部材410の本体板部411は、左右外側縁部から正面側側面に沿って延設される覆設延設部411bを備える。
本実施形態では、覆設延設部411bとベース板60とにより延設部451aが挟持される。これにより、挟持される側である左部構成部材450の左右内側端部から固定用の締結ネジを取り払うことができるので、その分、左部構成部材450に装飾を施す場合に締結ネジの存在が目立ってしまうことで演出効果を低下させるという不具合を生じさせないようにし易くすることができる。加えて、部材を締結固定するための締結ネジの本数を削減することができるので、組立の工数や、材料コストを削減することができる。
延設部451aをベース板60との間で挟持している状態における覆設延設部411bの前端部の前後位置は、本体板部451の前端部の前後位置よりも背面側に位置している。これにより、本体板部451の前面側を流下する球が本体板部411の前面側へ向けて流れる際に、覆設延設部411bの前端部と球とが衝突して、球が左右外側に跳ね返される事態の発生を防止することができる。
図33は、振分ユニット300の分解正面斜視図であり、図34は、振分ユニット300の分解背面斜視図である。図33及び図34に図示されるように、振分ユニット300の内部には上述した振分け部983が回転可能な状態で配設されており、第1入賞口64を通り振分ユニット300の内部に案内された球が交互に左右に振り分けられるように構成される。
振分ユニット300は、背面側から振分け部983が回転可能な状態で配設される部材であって第1入賞口64を通過した球を左右に振分けて流下させる流下経路を構成する第1構成部材310と、第1入賞口64を通過した球が後方に流下する経路の天井を構成する天井構成部材330と、第1構成部材310と共に振分け部983の軸部材988aを両持ちで支持すると共に振分け部983に当接して流れる球の背面側への脱落を規制する第1補助部材340と、第1構成部材310の下流側から後方に排出された球の排出経路を構成する第2構成部材350と、その第2構成部材350が締結固定される部材であって第2構成部材350により構成される排出経路の後方および上方を覆うように配設され第1構成部材310に締結固定される左右一対の第2補助部材370と、第1構成部材310の正面側に配置され第1構成部材310と中央構成部材410の本体板部411との間に左右一対で配設される薄板部材380と、を備える。
第1構成部材310は、無色半透明の樹脂材料から形成され、前後方向と直交する面に沿って形成される板状の中央板部311と、その中央板部311の上端から正面側に延設される延設板部313と、中央板部311の背面側に延設され左右外側へ向けて下降傾斜する方向に帯状に延びる一対の傾斜延設部315と、その傾斜延設部315の左右外側端部に連接され球の流下方向を切り替える(本実施形態では左右方向から前後方向に90度切り替える)一対の方向切替部317と、中央板部311の正面側において球が通過可能な大きさの開口が左右に複数並べられる左右一対の開口形成部320と、を備える。
中央板部311は、延設板部313の後端部の真下において、振分け部983を軸支する軸部材988aの一端が挿入される略円筒状の軸受部312を備える。軸受部312は軸部材988aの外径よりも大きい内径に形成される。
延設板部313は、左右中央部に沿って上端面が後方へ向かうほど下降傾斜する突条として形成され球の転動路を形成する突条部313aと、左右縁部から立設され球を後方に案内する左右一対の壁状部314と、を備える。
傾斜延設部315を流下する球は、第2補助部材370の前板部371に背面側への脱落を規制されながら、左右外側に流下する。なお、第2補助部材370は、検出装置SE3の抜け止め用の部材としても利用される。
方向切替部317は、傾斜延設部315の左右端部の左右外側において傾斜延設部315よりも一段下がった位置で球が転動可能な板面として形成され正面側へ向けて下降傾斜する傾斜面部318と、その傾斜面部318の後側縁部および左右外側縁部から立設され球を正面側に案内可能な形状で正面側へ向けて湾曲形成される立設湾曲部319と、を備える。
開口形成部320は、検出装置SE3が背面側から挿通されるセンサ配置用開口321と、そのセンサ配置用開口321の左右側面に沿って正面側に延設され検出センサSE3の左右端部を支持する左右一対の支持延設部322と、その支持延設部322の間において球が通過可能に開口形成される入賞用開口部323と、支持延設部322を基準とした入賞用開口部323の左右反対側において球が通過可能に開口形成される一対の排出用開口部325と、入賞用開口部323及び排出用開口部325を通過した球を受け止めて背面側へ案内可能な形状で底面部が後方へ向けて湾曲形成される底面構成部327と、その底面構成部327の上面側を仕切るように支持延設部322の下縁から底面構成部327に向けて延設される一対の仕切り壁部328と、を備える。
センサ配置用開口321に検出装置SE3を挿通する際に、検出孔SE1aが入賞用開口部323の内側に配置されるように設計されている。支持延設部322の前縁部から突設される位置決め突部322aと検出装置SE3の前端部とが当接することで検出装置SE3の前後位置を容易に位置決めすることができる。
方向切替部317を通過し開口形成部320に到達した球は、入賞用開口部323又は排出用開口部325のいずれかを通過して、底面構成部327の上面を転動して背面側へ案内される。各転動経路は仕切り壁部328によって分断されているので、底面構成部327の上面で球が交差したり、衝突したりする可能性を低くすることができる。これにより、球の流れを整流化することができるので、球詰まりや、球が停滞することを防止することができる。
底面構成部327の上面を転動する球の内、入賞用開口部323を通過した球は検出装置SE3に通過を検知される。一方、排出用開口部325を通過した球は検出装置SE3には通過を検知されない。なお、いずれにしても、底面構成部327の上面を転動した球は、球の排出を検知する検出装置(図示せず)に検知された後、図示しない球排出路へと案内される。
図示しない球排出路へは、球は第2補助部材370に背面側への脱落を規制されながら、第2構成部材350の転動面351を左右内側へ向けて転動し、左右それぞれに配設される共通落下流路352を流れて案内される。
第2補助部材370は、傾斜延設部315の背面側に開いている空間に蓋をして球の脱落を防止する前板部371と、第2構成部材350の転動面351及び共通落下流路352に沿って流下する球の流下経路の上面側および背面側を塞いで球の脱落を防止する後板部372と、第1構成部材310の締結部329に螺入される締結ネジを挿通可能に前板部371に穿設される挿通孔373と、第2構成部材350の締結部353に螺入される締結ネジを挿通可能に後板部372に穿設される挿通孔374と、を備える。
なお、第2構成部材350及び第2補助部材370を形成する材料は任意に設定可能であるが、本実施形態では、第2構成部材350を有色不透明の樹脂材料から形成し、第2補助部材370を無色透明の樹脂材料から形成している。
これにより、共通落下流路352を流れる球の視認性を落とし排出された球に対する注目力を下げることができると共に、第2補助部材370の背面側から光を取り入れることができるので、取り入れられる光によって手前側に配設される第1構成部材310を明るく照らすことができ、第1構成部材310を流下する球の視認性を向上することができる。
薄板部材380は、本体板部411のシート配設用凹部411a(図30参照)に収容されることで位置決めされる。このように位置決めされた状態で、遊技盤13の組立が行われ、薄板部材380は本体板部411と第1構成部材310とに前後方向で挟持される。
第1入賞口64に入球した球の流下の過程における前後左右の変位(配置変化)について説明する。まず、第1入賞口64に入球した球は、延設板部313に沿って後方に変位する。その後、第1実施形態で説明した振分け部983の回転変位によって左右に振り分けられ、傾斜延設部315に沿って左右外側へ変位する。
その後、方向切替部317によって流下方向を正面側へ切り替えられ、前方に変位する。球の流下方向を切り替えるための湾曲面が形成される案内部が流下する球の正面側に配置される場合には、その案内部が球への視線を遮り易く、視認性が低下する可能性があるが、本実施形態では、案内部としての立設湾曲部319は球の背面側に配置されるので、立設湾曲部319が球への視線を遮る可能性は低い。これにより、球の視認性を確保し易くすることができる。
その後、入賞用開口部323を真下に流下する球は、検出装置SE3に検知された後で、底面構成部327に沿って後方へ変位する。また、入賞用開口部323の上方において左右いずれかに変位し、排出用開口部325の真上に到達した球は、排出用開口部325を通過して底面構成部327に沿って後方へ変位する。
このように、本実施形態では、第1入賞口64に入球した球の配置を、入球当初は後側に寄せ、左右に流し、検出装置SE3を通過する直前で手前側に寄せるようにしている。
これにより、第1実施形態の構成に比較して、振分け部983の配置を後方に寄せることができると共に、延設板部313の下側にスペースを空けることができる。
この空いたスペースは、第2入賞口140の電動役物140aを動作させるための駆動機構を配置するためのスペースとして利用することができる。これにより、本実施形態では、第1実施形態に比較して、第2入賞口140の配置を第1入賞口64に近づけることができる。
また、振り分けられた後の球が流下する経路を、前後方向へ経路を切り替えるようにして構成することで、流路を一貫して上下方向に並べて構成する場合(例えば、振分ユニット980で上述した構成の場合)に比較して、流路の正面視における上下幅を短縮することができる。これにより、第1入賞口64に対する検出装置SE3の相対的な上下配置の設計自由度を向上することができる。
図35は、図18の範囲XXXVにおける遊技盤13の部分拡大正面図である。図35では、中央構成部材410及び薄板部材380が半透明に図示され、振分ユニット300が視認可能とされる。また、図35では、説明の便宜のために、電動役物140aの閉鎖状態および開放状態における外形が共に図示されている。なお、図35の説明では、図33及び図34を適宜参照する。
薄板部材380は、光透過性の樹脂材料から薄板状(シート状)に形成される部材であって、中央構成部材410を介して遊技者が視認可能となる部材である。敢えて図示はしないが、本実施形態では、薄板部材380の板正面に模様、図形、文字またはキャラクターが色彩豊かに描かれており、照射される光の態様の違い(色味や明暗の態様の違い)に応じて、薄板部材380を通して視認される色彩や明暗の態様が様々に変化する。
模様、図形、文字またはキャラクターをベース板60に直接描く場合と異なり、本実施形態によれば、薄板部材380を取り外せば薄板部材380に描かれた模様、図形、文字またはキャラクターを遊技盤13から取り去ることができるので、遊技盤13の見映えを容易に異ならせることができる。
例えば、遊技盤13の形状は同じものを流用しながら、遊技性を変える場合に(所謂、スペック違い)、遊技盤13に描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等を異ならせて、遊技者が遊技性を把握し易いようにする場合がある。
模様、図形、文字またはキャラクターがベース板60に直接描かれている場合には、ベース板60ごと取り替える必要が生じるので、実質、遊技盤13全体を取り替えることになり易く、遊技性変更にあたりコストが嵩み易い。
一方、本実施形態によれば、薄板部材380を、描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等が異なる別の薄板部材380と交換することで足りるので、遊技盤13全体を取り替える必要は無い。従って、遊技性変更のためのコストを抑制し易くすることができる。
薄板部材380に施す装飾の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、検出装置SE3の上方において無色透明な範囲を形成することで傾斜面部318を転動する球の視認性を向上させ、その他の部分においては図形や模様を密に描画して装飾性を向上させるようにしても良い。また、例えば、正面視で入賞用開口部323や、排出用開口部325に対応する箇所に数字等で目印をそれぞれ描き、どの目印に近接して球が流下したかによって遊技者が得られる利益を把握し易くするようにしても良い。
薄板部材380は、貫通孔60aよりも左右外側に張り出すように大きな形状で設計されており、ベース板60と中央構成部材410の本体板部411との間に挟まれるようにして配設される。
本実施形態では、薄板部材380の後端面と、第1構成部材310の前端部(例えば、支持延設部322の前端部)とが当接するように配置される。即ち、検出装置SE3が薄板部材380と近接配置されるので、検出装置SE3の検出孔SE1aを遊技者側に寄せることができる。これにより、検出装置SE3を通過する球の視認性を向上することができ、検出装置SE3を通過する球を見逃す事態が発生することを回避し易くすることができる。
また、検出装置SE3は、正面視において電動役物140aよりも左右外側に配置されており、電動役物140aに隠されることが無い。これにより、球の流下経路が電動役物140aに隠される場合(図5参照)に比較して、電動役物140aの状態(開放状態、閉鎖状態)に関わらず、検出装置SE3を通過する球の視認性を向上させることができる。
また、検出装置SE3は、中央構成部材410の本体板部411よりも後方に配置されているので、本体板部411の正面側における球の流下態様に影響を与えるものではない。即ち、検出装置SE3が本体板部411よりも前側(ベース板60の前端面よりも前側)に張り出して配置される場合に比較して、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
強度の関係で、本体板部411に釘を配設することはされないが、本実施形態では、釘の代替品として振分部413や湾曲状突設部414により球の経路を振り分けるよう構成されている。これにより、本体板部411の正面側における球の流下経路が単調となることを回避することができる。
検出装置SE3の検出孔SE1aを通って検出装置SE3に検知される球(入賞用開口部323を通過する球)と、排出用開口部325を通過する球とは、双方共に、傾斜面部318を転動して正面側へ変位する経路を通る。そのため、傾斜面部318に到達した球の個数と、検出装置SE3に検知される球の個数とには、差異が生じる場合がある。
傾斜面部318により球が手前側に変位することで球の視認性を向上することができるものの、入賞用開口部323を通ったのか、排出用開口部325を通ったのかの識別がし難い構成では、球が検出装置SE3を本当に通っていないのか、検出装置SE3を通っているのに検知不良が生じているのかの判別ができず、遊技者が不満を感じる可能性があった。
これに対し、本実施形態では、傾斜面部318から入賞用開口部323を通過する球は、入賞時流下経路FL31に沿って、正面視で下方へ流下するように視認されるのに対し、傾斜面部318から排出用開口部325を通過する球は、非入賞時流下経路FL32に沿って、正面視における流下方向が下向きから左右向きに90度切り替えられる。
即ち、球の流下方向に左右方向成分があるか、否かで、球が検出装置SE3を通過するか、否かの判別を行うことができるので、球の通過箇所を見間違う可能性を低くすることができる。これにより、検出装置SE3の検出孔SE1aを球が通過したか否かの判別を容易とすることができる。
入賞時流下経路FL31に沿って流下する遊技球も、非入賞時流下経路FL32に沿って流下する遊技球も、正面視において振分部413や湾曲状突設部414の付近を流下することから、その流下経路は特定入賞口65aへ向けて流下する遊技球の流下経路と重なるように視認される。
そのため、傾斜面部318を経て流下する遊技球が、あたかも特定入賞口65aへ向けて流下しているように遊技者に見せることができる。遊技者は、発射した遊技球の内、開閉板65bの上方までは到達したが特定入賞口65aに入らなかった遊技球(開閉板65bが閉鎖状態の時に通り過ぎた遊技球)の個数を、アウト口71に向けて内レール61を転動する遊技球を目視で確認して把握することが多い。しかし、傾斜面部318を経て流下する遊技球は入賞時流下経路FL31又は非入賞時流下経路FL32を流下した後は底面構成部327(図34参照)に沿って後方に流されるので、遊技球はアウト口71の手前には登場しない。
これにより、大当たり遊技実行中において第1入賞口64に入球した遊技球を、特定入賞口65aへ向けて流下しているように見える遊技球の個数に加算させることができるので、第1入賞口64に入球した遊技球の個数に関わらず、発射した遊技球のほとんどが特定入賞口65aに入球しているように錯覚させることができる。
更に、傾斜面部318を経て流下する遊技球と、実際に特定入賞口65aへ向けて流下している遊技球とは、配置が薄板部材380により前後で分断されているので、互いに衝突することは無い。これにより、特定入賞口65aへ向けて流下している遊技球の流下を阻害することなく、上述の錯覚を生じさせることができる。
なお、本実施形態では、非入賞時流下経路FL32が左右方向に流れる流路として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出装置SE3へ向けて傾斜面部318を流下した球が流れる経路において本体板部411及び薄板部材380に開口が前後方向に穿設されるように構成し、この開口を通ることで、非入賞時流下経路FL32が正面側に球が流れる流路として形成しても良い。
即ち、非入賞時流下経路FL32を流れる球が、本体板部411の正面側に再び戻り、アウト口71へ向けて流下するようにしても良い。この場合、開閉板65bが開放状態となっていれば、非入賞時流下経路FL32を流れた球が開閉板65bに拾われて、特定入賞口65aに入球し得る。
即ち、第1入賞口64に入球した球が本体板部411の前側に再び戻った後で、特定入賞口65aに入球し得るという遊技性を構成することができるので、第1入賞口64に入球した球に対する注目力(特に、開閉板65bが開閉動作する大当たり遊技中における注目力)を向上させることができる。
次いで、遊技盤13の背面側に締結固定される動作ユニット500(図17参照)の構造について説明する。動作ユニット500は、遊技盤13のベース板60(図2参照)に背面側から締結固定される。
図36、図37、図38及び図39は、動作ユニット500の正面図である。図36では、動作ユニット500の内部動作ユニット600の退避状態が図示され、図37では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図38では、内部動作ユニット600の張出状態が図示され、図39では、内部動作ユニット600の一の動作誤差限界状態が図示される。
本実施形態において、退避状態は、内部動作ユニット600の発光動作演出ユニット700が上下動作範囲の上側端位置に配置された状態であり、中間状態は、発光動作演出ユニット700が退避状態から前後傾倒方向の姿勢が維持されたまま動作可能な範囲の下側端位置に配置された状態であり、張出状態は、発光動作演出ユニット700が上下動作範囲の下側端位置に配置され、回転演出装置800の回転軸RJ1が前後方向を向いた状態である。
中間状態から張出状態への状態変化では、発光動作演出ユニット700の前後方向の姿勢変化(傾倒動作)が生じる。この姿勢変化は、所定の回転軸線(後述する中心軸J1)を中心とする回転動作として実行される。
本実施形態において、一の動作誤差限界状態は、発光動作ユニット700に設計上許容される左右方向の傾きが限界となった状態の内の一つの状態である。図39では、便宜上、発光動作ユニット700の右側部が退避状態と同じ位置に配置され、左側部が下方に位置ずれした状態として図示される。本実施形態では、一の動作誤差限界状態の傾斜角度を保ったまま、発光動作ユニット700を上下方向に動作させることが可能となるように、動作ユニット500が構成されているが、詳細は後述する。
図36に示すように、内部動作ユニット600の退避状態では、回転演出装置800の回転部材810は、装飾用の図形や模様が形成される装飾板811を正面側へ向けた姿勢とされる。
装飾板811に形成される図形や模様は、図37に示すように、背面ケース510の底壁部511に形成される図形や模様と関連する態様で形成され、内部動作ユニット600の中間状態において一体的に視認される(放射状に延びる直線形状および左右外側に形成される波模様の内、直線形状も含めて回転部材810に形成された状態で視認される)。
即ち、装飾板811に形成される図形や模様を、底壁部511と一体的に視認される図形の一部として設計することができるので、回転部材810の大きさが、回転部材810に形成される図形や模様を限定することを避けることができる。
また、図38に示すように、内部動作ユニット600の張出状態においては、発光動作演出ユニット700が前転方向に傾倒し、発光動作演出ユニット700の本体部材710に形成される図形や模様が正面視で視認される。
この図形や模様についても、背面ケース510の底壁部511に形成される図形や模様と関連する態様で形成され、内部動作ユニット600の張出状態において一体的に視認される(放射状に延びる直線形状および左右外側に形成される波模様の内、直線形状は底壁部511のみに形成され、本体部材710には波模様が形成された状態で視認される)。
即ち、本体部材710に形成される図形や模様を、底壁部511と一体的に視認される図形の一部として設計することができるので、本体部材710の大きさが、本体部材710に形成される図形や模様を限定することを避けることができる。
退避状態から張出状態へ向けて発光動作演出ユニット700は上下方向に変位するので、固定の底壁部511との関係において、退避状態で図形や模様が一体的に視認される状態から、底壁部511に形成される図形や模様と、回転部材810に形成される図形や模様とが、ずれ始める。
このずれは、上下方向の変位量が大きくなるほど目立つことになる。これに対し、本実施形態では、張出状態において発光動作演出ユニット700が傾倒変位することで遊技者に視認させる面を切り替え、底壁部511と一体的に視認される図形や模様を新たに遊技者に視認させることができる。従って、底壁部511に形成される図形や模様と、上下方向に変位する発光動作演出ユニット700(本体部材710、回転部材810)に形成される図形や模様とを、退避状態および張出状態において一体的に視認させるよう構成することができる。
ここで説明した発光動作演出ユニット700の上下方向変位中に、発光動作演出ユニット700の正面視における外形が変化する。これにより、単一の演出ユニットを、あたかも複数の異なる演出ユニットのように錯覚させることができ、動作演出の設計自由度を向上させることができる。
図40は、動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図41は、動作ユニット500の分解背面斜視図である。なお、図40及び図41では、背面ケース510の開口511aに配設される液晶表示装置(第3図柄表示装置81)の図示が省略され、開口511aを通して奥側を視認可能に図示される。
動作ユニット500は、底壁部511と、その底壁部511の外縁から立設される外壁部512とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース510を備える。背面ケース510は、底壁部511の中央に矩形状の開口511aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口511aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケース510は、外壁部512の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部513を備える。
支持板部513は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて円環状に突設される複数の位置決め凸部513aと、その位置決め凸部513aの中心部においてベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔513bと、をそれぞれ複数備える。
ベース板60の嵌合部60c(図21参照)に位置決め凸部513aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース510を位置決めし、締結ネジを挿通孔513bに挿通し、嵌合部60cの雌ネジに螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット500とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット500の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部513aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合部60cの外形(本実施形態では、円形)よりも若干小さな外形の環状の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(大径の環形状)の突部でも良い。また、嵌合部60cの外形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部513aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
動作ユニット500は、遊技盤13の背面側に配置され、発光手段や、動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニット500は、背面ケース510と、その背面ケース510に正面側から差し込まれて締結固定される装飾固定部材520と、背面ケース510の内側上部に配設される内部動作ユニット600と、背面ケース510の内側下部に配設される発光演出ユニット518と、を備える。
発光演出ユニット518は、振分ユニット300や入賞口構成部材400(図29参照)の後方から、前方に光を照射するユニットであって、振分ユニット300や入賞口構成部材400により形成される球の通過経路を明るく照らすよう機能する。
装飾固定部材520は、光透過性の樹脂材料から形成され、左右両位置に対称配置されると共にそれぞれ上下に分割可能な複数の薄板状部材から構成されるものであって、左上側に配置される第1固定部材530と、左下側に配置される第2固定部材540と、右上側に配置される第3固定部材550と、右下側に配置される第4固定部材560と、第1固定部材530及び第2固定部材540の背面側に配設される左側電飾基板570と、第3固定部材550及び第4固定部材560の背面側に配設される右側電飾基板580と、を備える。各部分の構成および役割について、図42及び図43を参照して説明する。
図42は、動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図43は、動作ユニット500の分解背面斜視図である。図42及び図43では、背面ケース510から装飾固定部材520が分解されて前方に配置され、背面ケース510から内部動作ユニット600が分解されて背面ケース510と装飾固定部材520との間に配置される状態が図示される。
第1固定部材530は、前後方向に延びる薄板状の差し込み板部531と、その差し込み板部531の前側部から右方に延設される前板部534と、差し込み板部531の前側部から左方に延設される外板部537と、を備える。
差し込み板部531は、内部動作ユニット600の受入孔623に差し込み可能な形状および配置で延設先端部から背面側に突設される複数の差し込み突部532を備え、内部動作ユニット600の外側部材610の外側傾斜変位を防止する役割がある。差し込み板部531と外側部材610との相対的な機能の説明は後述する。
前板部534は、左側電飾基板570の正面に配置され左側電飾基板570の外形に対応した形状から形成される(左側電飾基板570を覆うように形成される)板状部であって、左側電飾基板570の正面側に配設されるLED等の発光手段からの光を拡散させるために裏側に光拡散加工が形成される。尚且つ、内部動作ユニット600の外側部材610に締結固定される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔535を備える。
外板部537は、背面ケース510の外壁部512の前面部に当接可能な部分であって、外壁部512に形成される締結部512aに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔538を備える。
即ち、第1固定部材530は、動作ユニット500の組立状態(図36参照)において、背面ケース510の外壁部512と内部動作ユニット600の外側部材610とを連結固定する。
第2固定部材540は、第1固定部材530の前板部534と同様の前後位置で配置される板状部であって前板部534の下端から若干間隔を空けて配置される前板部541と、その前板部541の右下側部から右方に延設される締結用延設部544と、前板部541の左端部から左側へ延設される外板部547と、を備える。
前板部541は、左側電飾基板570の正面に配置され左側電飾基板570の外形に対応した形状から形成される(左側電飾基板570を覆うように形成される)板状部であって、左側電飾基板570の正面側に配設されるLED等の発光手段からの光を拡散させるために裏側に光拡散加工が形成される。
尚且つ、内部動作ユニット600の外側部材610に締結固定される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔542と、内部動作ユニット600の内側部材670に締結固定される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔543と、を備える。即ち、前板部541を介した締結固定によって、内部動作ユニット600の外側部材610と内側部材670との連結固定することができる。
連結用延設部544は、発光演出ユニット518の締結部518aに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔545を備える。外板部547は、背面ケース510の外壁部512の前面部に当接可能な部分であって、外壁部512に形成される締結部512bに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔548を備える。
即ち、第2固定部材540は、動作ユニット500の組立状態(図36参照)において、背面ケース510の外壁部512と、内部動作ユニット600の外側部材610及び内側部材670と、発光演出ユニット518と、を連結固定する。
第3固定部材550、第4固定部材560及び右側電飾基板580は、背面側に配置され覆われる対象となる内部動作ユニット600の内側部材670の形状の違いに起因して、第1固定部材530、第2固定部材540及び左側電飾基板570と形状が多少異なるが、基本的には第1固定部材530及び第2固定部材540と左右対称に形成され、有する構成と、各構成の役割は同様なので、重複する部分についての説明は省略すると共に第1固定部材530及び第2固定部材540の説明で上述した符号を便宜上図示する。
内部動作ユニット600及び装飾固定部材520の背面ケース510への組み付け順序について説明する。背面ケース510への組み付けは、まず内部動作ユニット600を先に背面ケース510に組み付けて(図40参照)、その後で装飾固定部材520を背面ケース510に組み付ける。
概要として、内部動作ユニット600の背面ケース510への組み付け工程は、まず左右の外側部材610及び内側部材670を背面ケース510に締結固定し、その後で背面ケース510の内側に正面側から発光動作演出ユニット700を入れて左右の外側部材610及び内側部材670の間に配置し、発光動作演出ユニット700を変位部材680との組み付け位置に配置し、脱落防止のための部材(ネジやカラー等)を正面側から締結部682に組み付けるという順序で作業を行う。
本実施形態では、発光動作演出ユニット700の組み付け作業時において、装飾固定部材520を背面ケース510に組み付けることを要しないので、背面ケース510の正面側を広く開け放つことができ、装飾固定部材520に作業者の手の動線が遮られることを回避することができる。これにより、作業効率を向上することができる。
尚且つ、装飾固定部材520の挿通孔535,538,542,543,545,548に締結ネジを挿通して締結固定する作業は、背面ケース510の正面側から行うことができるので、発光動作演出ユニット700を変位部材680に組み付ける作業の終了後に、背面ケース510の姿勢を変えずに、続けて装飾固定部材520の締結固定のための作業を行うことができる。これにより、作業効率を更に向上させることができる。次いで、組み付け作業の詳細について説明する。
図44は、図36のXLIV-XLIV線における動作ユニット500の断面図であり、図45は、図44の範囲XLVにおける動作ユニット500の部分拡大断面図であり、図46は、図36のXLIV-XLIV線における動作ユニット500の断面図である。
図44及び図45では、発光動作演出ユニット700が背面ケース510から分解されると共に、装飾固定部材520を組み付ける前の状態として装飾固定部材520の図示が省略される。一方、図46では、発光動作演出ユニット700及び装飾固定部材520が背面ケース510に組み付けられた状態(図36参照)が図示される。
本実施形態では、内部動作ユニット600と背面ケース510との固定のみでは十分な剛性を発揮しないように、締結位置が設計されており(例えば、締結位置が上下一方の端部のみに配置されており)、内部動作ユニット600は背面ケース510に対して左右外側に撓み変形可能(姿勢変化可能)に構成される(図45の想像線を参照)。
この撓み変形を利用して、発光動作演出ユニット700の組み付けを迅速に行うことが可能である。即ち、発光動作演出ユニット700の組み付けは、締結部682を発光動作演出ユニット700の被連結孔764に挿通させた状態で締結部682に締結ネジを螺入することで行われるところ、内部動作ユニット600が左右外側に撓み変形することで、発光動作演出ユニット700を締結部682へ向けて進入させる経路の寸法を固定時幅寸法W1から撓み時幅寸法W2に左右に広げることができるので、組み付け作業の作業性の向上を図ることができる。
この際、内部動作ユニット600が左右外側に撓み変形することにより、締結部682への締結ネジの進入方向が、背面側へ向かう程に左右内側へ向くような傾斜方向(正面側が左右外側に広がる傾斜方向)となる。
この場合、締結ネジを前後方向で進入させる場合に比較して、締結ネジを螺入するためのドライバーを発光動作演出ユニット700の装飾部材750から離した(避けた)状態(前後方向に対して傾斜した方向)で背面ケース510内に締結ネジを進入させることができる。
そのため、締結作業を容易とすることができると共に、ドライバーとの接触を避けることを目的の一つとして形状が設計される発光動作演出ユニット700の装飾部材750の設計自由度を向上させることができる。即ち、発光動作演出ユニット700の組み付け作業の作業効率を向上させると共に、装飾部材750の設計自由度を向上させることができる。
この効果を発揮可能とするために、本実施形態では、締結ネジが挿通される被連結孔764の長孔764aの左右方向寸法は、内部動作ユニット600の撓み変形による締結部682の配置ずれに対応可能な寸法(十分な左右長さ)で設計される。
なお、左右内側への内部動作ユニット600の撓み変形は、筒状部材695が背面ケース510の底壁部511に当接し抵抗が生じることから、左右外側への撓み変形に比較して生じ難いように構成されている。
本実施形態では、装飾固定部材520が組み付けられることにより、内部動作ユニット600の左右外側への撓み変形が抑制されるよう構成される。これは、内部動作ユニット600と背面ケース510との締結位置(背面ケース510の底壁部511に配置される締結位置、背面側寄りに配置される締結位置)よりも、内部動作ユニット600、装飾固定部材520及び背面ケース510の締結位置(背面ケース510の外壁部512や内部動作ユニット600の正面側に配置される締結位置、正面側寄りに配置される締結位置)の方が多いことや、装飾固定部材520の形状的工夫から効果が発揮される。
第1に、装飾固定部材520は、外壁部512又は支持板部513に締結固定される外板部547を備え、外壁部512と一体的に構成されている支持板部513はベース板60に締結固定される(図42参照)。即ち、支持板部513を介してベース板60に装飾固定部材520は変位を規制される。これにより、ベース板60の剛性を利用して、装飾固定部材520及び内部動作ユニット600の剛性を向上させることができることから、内部動作ユニット600の左右外側への撓み変形を抑制することができる。
第2に、装飾固定部材520の差し込み板部531が、内部動作ユニット600の左右外側に当接配置される。即ち、差し込み板部531により内部動作ユニット600の左右外側への撓み変形を抑制することができる。
これら第1の構成および第2の構成から、装飾固定部材520が組み付けられた状態において内部動作ユニット600が左右外側に撓み変形することを防止することができる。
加えて、装飾固定部材520は背面ケース510に正面側から組み付けられるよう構成されており、発光動作演出ユニット700は背面ケース510に正面側から組み付けられるよう構成されているので、背面ケース510の姿勢を変えることなく、発光動作演出ユニット700の組み付けに続いて装飾固定部材520を組み付けるように一連の流れで組み付け作業を行うことができる。従って、組み付け作業の効率化を図ることができる。
一方、メンテナンス等で発光動作演出ユニット700を締結部682から取り外す作業が、装飾固定部材520を取り外すことなく実行可能に構成した方が、メンテナンス作業の工数を減らすことができ効率が良い。
ここで、装飾固定部材520の背面側には電飾基板570,580が配設されており(図42参照)、電飾基板570,580を左右内側に張り出すように構成した方が、発光演出の演出範囲を広げることができ、演出効果を向上させることができる。
これに対し、本実施形態のように電飾基板570,580が左右内側に張り出して配置されていると、メンテナンス作業者が発光動作演出ユニット700を正面側に移動させる際に、発光動作演出ユニット700の左右端部に形成される連結板部765が電飾基板570,580と衝突し、電飾基板570,580が破損する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、後述する内側部材670の延設壁部677の正面側縁部から左右内側へ向けて、電飾基板570,580の背面を覆うために十分な形状で保護延設部677bが延設される(図42参照)。
保護延設部677bは、電飾基板570,580の上側部における左右内側の縁部の形状に対応した形状線S51(図42参照)と同様の形状で左右内側端部が形成され、形状線S51に対応する位置まで延設される。
これにより、電飾基板570,580を背面側から支える面積を大きくすることができると共に、電飾基板570,580の上側部の背面を保護延設部677bにより防護することができるので、メンテナンス作業時に電飾基板570,580と発光動作演出ユニット700とが接触することを回避することができる。
一方、形状線S51の下端よりも下方では、電飾基板570,580の形状によらず、左右内側への延設部分の形成が省略される。従って、この位置において発光動作演出ユニット700を取り外す作業を行う場合には、発光動作演出ユニット700と電飾基板570,580とが接触する可能性が残る。
これに対し、本実施形態では、発光動作演出ユニット700が下降変位すると共に姿勢変化するよう構成されており(図37及び図38参照)、姿勢変化により締結部682の向きが前後方向から上下方向に変化して締結ネジにドライバーを差しこむことができなくなるので、発光動作演出ユニット700を取り外す作業は、発光動作演出ユニット700の姿勢が変化する前に実行されるよう構成される。従って、保護延設部677bは、発光動作演出ユニット700の姿勢が変化する前に配置される位置において形成すれば十分であり、本実施形態では、そのように設計されている(図37参照)。
このように、保護延設部677bを上下全範囲に亘り形成するのではなく、発光動作演出ユニット700と電飾基板570,580との接触を避けるための必要最小限の範囲の形成に留めることにより、保護延設部677bの形成範囲を狭めることができる。
換言すれば、本実施形態では、発光動作演出ユニット700を取り外す作業を行うことができる発光動作演出ユニット700の配置を内部動作ユニット600の退避状態と中間状態との間の配置に制限するように構成することで、保護延設部677bの形成範囲の縮小を図っている。
なお、本実施形態では、装飾固定部材520を背面ケース510から取り外した後で発光動作演出ユニット700を取り外すことも当然可能である。この場合には、組み付け作業時と同様に、内部動作ユニット600を左右外側に撓み変形させることで、発光動作演出ユニット700を取り出す経路の左右幅を広くすることができるので、発光動作演出ユニット700が保護延設部677bと接触することを回避することができる。
図47は、動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図48は、動作ユニット500の分解背面斜視図である。図47及び図48では、主に内部動作ユニット600を分解した状態が図示されており、装飾固定部材520の図示が省略される。
図47及び図48に示すように、内部動作ユニット600は、背面ケース510の底板部511に締結固定される外側部材610と、その外側部材610に上下方向へ変位可能に支持されると共に左右方向内側に配置される昇降板部材630と、その昇降板部材630を昇降させるための駆動力を発生させる装置であって外側部材610に締結固定される駆動モータ648と、その駆動モータ648の駆動軸に固定され昇降板部材630に駆動力を伝達する伝達ギア649と、昇降板部材630に上向きの付勢力(引っ張り方向の負荷)を与えるコイルスプリングSP1と、を備える。
また、内部動作ユニット600は、昇降板部材630の移動の抵抗力を発生可能に構成される抵抗発生装置650と、外側部材610との間に昇降板部材630を配置させるよう左右方向内側に配置され外側部材610に左右方向で挿通される締結ネジによって外側部材610に締結固定される内側部材670と、その内側部材670に変位可能に支持されると共に左右方向内側に配置される変位部材680と、内側部材670の上端部背面側において左右内側から締結固定される回転姿勢補助部材690と、変位部材680に両端部を連結される発光動作演出ユニット700と、を備える。
内部動作ユニット600は、概略左右対称に構成されるユニットであって、発光動作演出ユニット700が左右中心に配置され、発光動作演出ユニット700の左右両側において背面ケース510側に固定配置される略共通の構成により発光動作演出ユニット700が動作可能に支持される。
以下、内部動作ユニット600の各構成の詳細について、図47の各範囲を拡大して図示した図49及び図50を参照して説明する。なお、図49及び図50の説明では、図47及び図48を適宜参照する。
図49(a)は、図47の範囲XLIXaにおける外側部材610、昇降板部材630及び抵抗発生装置650の分解正面斜視図であり、図49(b)は、図47の範囲XLIXbにおける外側部材610の正面斜視図であり、図50(a)は、図47の範囲Laにおける昇降板部材630、内側部材670、変位部材680及び回転姿勢補助部材690の分解正面斜視図であり、図50(b)は、図47の範囲Lbにおける変位部材680及び回転姿勢補助部材690の分解正面斜視図である。
図49(a)及び図49(b)に示すように、外側部材610は、上下方向に長尺の板状に形成される板状部611と、その板状部611の左右外側(背面ケース510の外壁部512であって組立状態において近接する外壁部512側)に壁状に延設されると共に板状部611の左右外側の領域を区画するように形成される延設壁部621と、を備える。
板状部611は、上下方向に長尺の長円形で穿設される上下一対の長孔612と、上側の長孔612の後方において上下方向に長尺で幅広(長孔612よりも幅広)の長円形で穿設される配線通し孔613と、下側の長孔612の後方において左右外側に円柱状に突設される上下一対の案内突設部614と、を備える。
長孔612は、昇降板部材630の変位方向を制限するための長孔であり、上側と下側とに一対が配置される。長孔612の前後幅は、挿通される昇降板部材630の上締結部632及び下締結部633の直径よりも若干広く形成されているので、昇降板部材630の前後方向への変位は小さくなる。これら一対の長孔612は、前後配置を敢えてずらして形成されている。即ち、下側の長孔612の方が、上側の長孔612に比較して前側に配置されている。
これにより、昇降板部材630の上側部の支持位置が昇降板部材630の下側部の支持位置に比較して後側となるので、昇降板部材630の上側部に吊り下げられる態様の昇降板部材630の下側部は、重力により後側に付勢される。
これにより、昇降板部材630のラックギア部634を伝達ギア649側に寄せることができるので、ラックギア部634が伝達ギア649から脱落することを回避することができ、歯合関係の適正化を図ることができる。
配線通し孔613は、発光動作演出ユニット700の内部において接続される電気配線であって、脱落防止カラー部材685の異形開口部685aを通り内側部材670の左右外側に位置した電気配線を通し、外側部材610の左右外側へ排出するための開口部である。
案内突設部614は、抵抗発生装置650の前後変位部材653の変位を案内する部分として機能する。即ち、前後変位部材653が前後方向に変位できるよう案内すると共に、前後変位部材653が前後に傾倒して姿勢変化することを防止するように機能するが、詳細は後述する。
延設壁部621は、正面側端部に配置され装飾固定部材520に挿通される締結ネジを螺入可能に構成される複数の締結部622と、背面側に配置され装飾固定部材520の差し込み板部531の差し込み突部532(図43参照)を差し込み可能に形成される上下一対の受入孔623と、を備える。なお、正面側端部に配置される締結部622以外の締結部は、主に電飾基板570,580(図40参照)を締結固定するための締結部である。
昇降板部材630は、長尺方向を上下方向に向ける長尺本体部631と、その長尺本体部631から左右外側に突設形成され外側部材610の上側の長孔612に挿通されると共に締結ネジを螺入可能に形成される一対の上締結部632と、長尺本体部631から左右外側に突設形成され外側部材610の下側の長孔612に挿通されると共に締結ネジを螺入可能に形成される一対の下締結部633と、長尺本体部631の背面側にギア歯状に形成され伝達ギア649と歯合されるラックギア部634と、を備える。
また、昇降板部材630は、長尺本体部631の下端部から背面側に延設され不図示の位置検出装置の検出溝に配置されることで長尺本体部631の位置を検出可能に構成される被検出部635と、一対の上締結部632の中間位置において前後方向に長尺の長孔として長尺本体部631に穿設される前後長孔636と、板状部611の左右外側に配置され挿通されている締結ネジにより上締結部632に締結固定される脱落防止板637と、板状部611の左右外側に配置され挿通されている締結ネジにより下締結部633に締結固定される被当接板638と、動作時の摩擦抵抗の低減のために上締結部632及び下締結部633に組み付けられるリング部材C1と、を備える。
上締結部632と下締結部633とは、外側部材610の長孔612の前後配置に対応して配置される。そのため、下締結部633は、上締結部632よりも前側に配置される。
前後長孔636は、内側部材670の第2長孔673や湾曲長孔674に挿通される金属棒状部材686の前後移動を案内する長孔であり、第2長孔673及び湾曲長孔674が形成される範囲の前後幅以上の前後長さで形成される。
昇降板部材630の上締結部632が上側の長孔612に挿通された状態で上締結部632の先端側に脱落防止板637が締結固定され、且つ、下締結部633が下側の長孔612に挿通された状態で下締結部633の先端側に被当接板638が締結固定されることにより、外側部材610に昇降動作可能に支持される昇降板部材630の外側部材610からの脱落を防止し易くすることができる。
被当接板638は、左右外側にコイルスプリングSP1の下端部を係止するための係止部を備える。コイルスプリングSP1の上端部は外側部材610の板状部611の左右外側に形成される係止部638aに係止される。即ち、コイルスプリングSP1は、被当接板638を上方に付勢する付勢力(引っ張り力)を生じる。
脱落防止板637が長円形で形成されているのに対して、被当接板638は、矩形状に形成されている。これにより、抵抗発生装置650との当接面積を大きくすることができ、衝突時に生じる単位面積当たりの負荷の大きさを低減することができるが、詳細は後述する。
抵抗発生装置650は、プランジャーの出没方向を前後方向とするソレノイド651と、そのソレノイド651を収容し外側部材610の左右外側に固定するための固定カバー652と、ソレノイド651のプランジャーに係止されると共に外側部材610の案内突設部614に案内されることで前後方向に変位可能に構成される前後変位部材653と、を備える。
固定カバー652は、外側部材610に螺入される締結ネジを挿通可能な挿通孔としてソレノイド651の上下両位置に穿設される複数の挿通孔652aと、外側部材610の案内突設部614の先端部が嵌合可能な配置寸法で凹設される上下一対の嵌合部652bと、を備える。
前後変位部材653は、上下両側において案内突設部614が挿通される長孔として前後長尺で穿設される一対の被案内長孔653aを備える。被案内長孔653aが案内突設部614に挿通された状態で、案内突設部614の先端部に固定カバー652の嵌合部652bが嵌合されることにより、前後変位部材653の案内突設部614からの脱落防止を図ることができる。
内側部材670は、図50(a)及び図50(b)に示すように、外側部材610の板状部611と左右方向で対向配置される板状部671と、その板状部671の左右外側に壁状に延設される延設壁部677と、板状部671の上端側後方部において左右内側に矩形状に張出形成される矩形張出部678と、を備える。
板状部671は、昇降板部材630の前後位置よりも背面側において上下方向に長尺の長孔として穿設される第1長孔672と、その第1長孔672よりも正面側で第1長孔672の上端部よりも上側に位置ずれした上端部から第1長孔672と平行に延びる長孔として穿設される第2長孔673と、その第2長孔673の下端部に連結される湾曲形状の長孔として穿設される湾曲長孔674と、を備える。
板状部671の背面ケース510との連結部として、図48では左側の内側部材670の上端部背面側においてのみ締結部が図示されており、その他に内側部材670の背面側に締結部の図示は無い。このことからも分かるように、板状部671の位置固定は、主には背面ケース510との直接の締結固定ではなく、背面ケース510に締結固定される外側部材610や装飾固定部材520(図40参照)を介しての締結固定によるものである。換言すれば、板状部671は背面ケース510との間接的な締結固定により、背面ケース510との固定力が生じている。
板状部671は、外側部材610の板状部611に左右外側から左右方向に挿通される締結ネジが螺入される締結部671aを複数備えており、締結ネジの螺入により内側部材670が外側部材610に締結固定される。
第1長孔672は、第2長孔673及び湾曲長孔674の幅よりも幅が太く形成される。これにより、本実施形態では、第1長孔672を電気配線の通し孔として利用することができ、発光動作演出ユニット700に接続される電気配線が左右一対の内側部材670の左右内側領域に露出することを防止することができるが、詳細は後述する。
第2長孔673及び湾曲長孔674は、同一幅で形成されている。湾曲長孔674の湾曲形状は、第1長孔672に案内される変位部材680の筒状部684が第1長孔672の下端に位置する状態で筒状部684の中心を軸とする円弧形状として形成される。
延設壁部677は、板状部671から左右外側へ第1長孔672を囲むように形成される区画壁部677aと、正面側縁部から左右内側へ向けて電飾基板570,580の背面を覆うために十分な形状で延設される保護延設部677bと、を備える。
変位部材680は、左右内側が開放される略矩形の箱形状に形成される箱状本体部681と、その箱状本体部681の短手方向側壁部から外側に突設形成される一対の締結部682と、箱状本体部681の左右外側側面に沿って延設される延設部683と、箱状本体部681の隅部から左右外側方向に円筒状に張り出す筒状部684と、その筒状部684の先端側に締結固定される脱落防止カラー部材685と、延設部683の基端側において円形の凹部として形成される嵌合凹部683aに嵌合固定される金属棒状部材686と、相対変位する部材間の隙間に配置され金属棒状部材686が挿通される複数のリング部材687と、筒状部684が挿通される大径リング部材688と、発光動作演出ユニット700を前後で挟むように配置された状態で(図46参照)、締結部682に挿通される前後リング部材689と、を備える。
締結部682は、発光動作演出ユニット700の被連結孔764に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部を有しており、この締結ネジにより、発光動作演出ユニット700が変位部材680に連結される。
延設部683は、発光動作演出ユニット700を変位部材680に組み付ける際に、発光動作演出ユニット700が内側部材670に接触しないように防護する部分として機能する(延設部683及び発光動作演出ユニット700の配置関係について図45及び図46参照)。
筒状部684は、内周側において箱状単体部681を左右方向に貫通するように形成される異形開口部684bと、その異形開口部684aを通る中心軸を挟んだ両位置に脱落防止カラー部材685に挿通された締結ネジを螺入可能に形成される締結部684aを備える。
筒状部684は、内側部材670の第1長孔672に挿通された状態で、脱落防止カラー部材685が締結固定される。脱落防止カラー部材685の中央部には、筒状部684の異形開口部684bと同程度の大きさの開口として異形開口部685aが形成されている。
即ち、脱落防止カラー部材685が筒状部684に締結固定された状態において、筒状部684及び脱落防止カラー部材685の内周側には左右方向に貫通する開口が形成される。この開口は、発光動作演出ユニット700に接続される電気配線の通し孔としての機能を有する。このことについて、ここで説明する。
発光動作演出ユニット700に一端が接続されている電気配線の他端側は、発光動作演出ユニット700の配線通し孔762(図48参照)から外側に出され、変位部材680の筒状部684の異形開口部684bおよび脱落防止カラー部材685の異形開口部685aを通って内側部材670の第1長孔672よりも左右外側に出され、更に、外側部材610の配線通し孔613を通って板状部611よりも左右外側に出される。
異形開口部685aは、単純な円形開口ではなく、円形状の直径位置から内側に突設される突設部(締結ネジが挿通される部分)を備えており、異形開口部685aが周方向で回転した場合に突設部が電気配線を引っ掛けることで、電気配線を周方向に変位させる。
これにより、異形開口部685aと電気配線との間で生じる擦れを抑制できるので、電気配線の断線を防止し易くすることができる。
電気配線の他端側は板状部611よりも左右外側から背面ケース510の背面側に這わされ、個別の中継基板に接続される。板状部611よりも左右外側の領域は、少なくとも装飾固定部材520に隠される(図40参照)。
電気配線の一端側において、発光動作演出ユニット700と変位部材680との間の位置において電気配線が露見する可能性が考えられるが、本実施形態では、箱状本体部681が電気配線を覆い隠すように左右内側に延設されていると共に、発光動作演出ユニット700の延設板部763が配線通し孔762よりも前側において電気配線を正面視で覆うように延設されている(図48参照)。これにより、発光動作演出ユニット700と変位部材680との間の位置において電気配線が露見することを防止し易くすることができる。
このように電気配線を通すことによって、左右一対の内側部材670の左右内側の領域に電気配線が露見する事態を回避することができる。そのため、遊技者に電気配線が視認される場合に生じがちな問題点として、電気配線が第3図柄表示装置81の手前側に配置され表示を隠すことにより視認性を低下させるという問題点や、電気配線がまとまりなく配置されることで汚く見えてしまい演出効果を低下させるという問題点を、解消することができる。即ち、第3図柄表示装置81の視認性を向上することができると共に電気配線を遊技者から隠すことができる。
この時、区画壁部677aによって、外側部材610と内側部材670との間の隙間における電気配線の配置を制限することができるので、区画壁部677aよりも正面側に配置される昇降板部材630と電気配線とが接触する事態を回避することができる。
金属棒状部材686は、左右外側の端部にEリングが嵌め込まれることで鍔付きの棒形状とされることで、左右外側端部から部材が脱落することを防止している。金属棒状部材686の挿通順序としては、左右内側の端部が、リング部材687、昇降板部材630の前後長孔636、リング部材687、内側部材670の第2長孔673(湾曲長孔674)、リング部材687、変位部材680の嵌合凹部683aの順に差し込まれ、延設部683の嵌合凹部683aに嵌合固定される。
このように、金属棒状部材686は、昇降板部材630及び内側部材670に挿通される部材であって、上下方向配置は昇降板部材630の昇降動作による配置変化に依存し、前後方向配置は第2長孔673及び湾曲長孔674の配置に依存する。この金属棒状部材686の配置の変化により、金属棒状部材686が嵌合固定される変位部材680及び発光動作演出ユニット700の配置や姿勢が変化するよう構成されているが、変位部材680及び発光動作演出ユニット700の配置や姿勢の変化については後述する。
前後リング部材689は、箱状本体部681側に配置される板状リング部材689aと、円筒の端部に外側に広がる鍔が形成される鍔付きリング部材689bと、を備える。
板状リング部材689aと鍔付きリング部材689bは、前後に並ぶそれぞれの板状部によって発光動作演出ユニット700を挟むように構成され、鍔付きリング部材689bの円筒状部689b1が、後述する中間連結部材760の被連結孔764の内周側に配置される。
回転姿勢補助部材690は、内側部材670の矩形張出部678の左右内側に配置され、左右内側から挿通される締結ネジが矩形張出部678の締結部に螺入されることにより矩形張出部678に締結固定される。
回転姿勢補助部材690は、左右内側が開放される箱状に形成され矩形張出部678に締結固定される箱状本体部691と、その箱状本体部691の左右内側に配置され箱状本体部691に回転可能に軸支される筒状部材695と、を備える。
箱状本体部691は、背面側の左右内側端部から下方へ延設される延設部692を備え、その延設部692の左右内側において左右方向に延びる回転軸で筒状部材695が支持されている。即ち、筒状部材695は、箱状本体部691の背面側端部および下側位置に配置されており、遊技者から遠ざけられた配置であるので、筒状部材695が過度に目立つことを避けることができる。
発光動作演出ユニット700は、左右両側に配置される変位部材680の締結部682に連結されるユニットであり、左右両側の変位部材680の配置や姿勢が変化することによって配置や姿勢が変化する。
図51は、発光動作演出ユニット700の分解正面斜視図であり、図52は、発光動作演出ユニット700の背面分解斜視図であり、図53は、発光動作演出ユニット700の分解正面斜視図である。なお、図53では、発光動作演出ユニット700を見上げる方向視における分解図が図示される。また、図53では、発光動作演出ユニット700に加えて、変位部材680が対応する配置で図示される。
発光動作演出ユニット700は、回転演出装置800が配設される本体部材710と、その本体部材710の下側に配置され本体部材710に締結固定される下板部材730と、本体部材710と下板部材730との間に配置され空間の正面側を塞ぐ中間板部材740と、その中間板部材740の正面側に固定される複数の装飾部材750と、本体部材710の左右両側に配置され左右外側から挿通される締結ネジにより本体部材710に締結固定される左右一対の中間連結部材760と、を備える。
本体部材710は、下側および正面側が開放される箱形状に形成され、下板部材730に下方から挿通される締結ネジが螺入可能に形成される複数の締結部711と、天板の正面側縁から下方に延設される前縁部712と、その前縁部712との間に中間板部材740を挟持可能な寸法で前縁部712に対向配置される複数の挟持部713と、左右両側において天板と背面側壁部とを連結するように形成される左右一対の被固定板部720と、を備える。
被固定板部720は、中間連結部材760を面で支持可能となるように左右方向軸と交差する平面に沿う平板形状で形成され、中間連結部材760に左右外側から挿通される締結ネジが螺入可能に形成され中間部材760の締結固定に利用される複数の締結部721と、背面側下端部において略半円形状に凹設される凹設部722と、を備える。
凹設部722は、半円形状の中心軸が、中間連結部材760に穿設される配線通し孔762の中心軸と揃うように形成される。これにより、凹設部722と下板部材730とで形成される開口部と、配線通し孔762とを左右一直線に並べることができるので、電気配線を配線通し孔762に通し易くすることができる。
下板部材730は、本体部材710の締結部711に螺入される締結ネジを挿通するための複数の挿通孔731と、前縁部付近において、前後に対向配置される複数の突条部732と、を備える。
下板部材730は、下面左右外側部に光拡散加工が施されており、部材を通して奥側を見る際の視認性が低下するように形成されている。これにより、見上げる方向視(図53参照)で下板部材730側から発光動作演出ユニット700を視認する場合であっても、その内部に配置される電気配線や、駆動装置等を視認し難くすることができる。
また、下板部材730の下面左右内側部(図53において略円形の白塗り部)には、模様や図形等を描くようにしても良い。これにより、発光動作演出ユニット700が内部動作ユニット600の退避状態(図36参照)において、第3図柄表示装置81の前方上側に配置されることで遊技者に下面が視認される状況においても、発光動作演出ユニット700の模様や図形を遊技者に視認させることで、演出効果を維持することができる。
突条部732は、本体部材710の前縁部712及び挟持部713と同様の機能を奏するように形成される。即ち、中間板部材740を挟持可能な寸法で前後に並べて併設される。
中間板部材740は、下板部材730の前縁部の形状に沿って左右中央部が正面側に張り出すように湾曲する薄板形状に形成され、背面側に複数の電飾基板741が締結固定される。
中間板部材740は、本体部材710と下板部材730とに挟まれることにより保持される。即ち、中間板部材740の上縁部は本体部材710の前縁部712と挟持部713とに挟持され、中間板部材740の下縁部は下板部材730の突条部732に挟持されることにより保持される。従って、中間板部材740を本体部材710や下板部材730に締結固定する場合に比較して、組立用の締結ネジの本数を削減することができる。
電飾基板741は、左右中央と、左右両側とに配置され、正面側に配置されるLED等の発光手段から正面側に光を照射可能に構成される。これにより、装飾部材750を発光させる発光演出を実行することができる。
電飾基板741に配置される発光手段からは正面側へ光が照射されるのみであり、下方(下板部材730側)に光を照射する発光手段が配置されてはいないが、下板部材730を遊技者が視認する場合、発光動作演出ユニット700の配置は第3図柄表示装置81の斜め前上側(図36参照)となるので、第3図柄表示装置81から照射される光が下板部材730に照射されることになる。即ち、下板部材730の明るさを第3図柄表示装置81から照射される光により確保することができるので、下板部材730の演出効果が低下する可能性を低くできる。
装飾部材750は、中間板部材740の左右中央位置に配置される装飾部材であって薄肉形成される樹脂材料によって立体形状を構成した中央装飾部材751と、その中央装飾部材751の左右両側に配置され中間板部材740に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで中間板部材740に締結固定される左右一対の被締結部材755と、を備える。
被締結部材755は、締結ネジが螺入される複数の締結部756を備えており、中央装飾部材751は、締結部756の外径よりも若干大きな内径で締結部756に対応する位置に穿設される複数の位置保持用孔752を備える。
中央装飾部材751の中間板部材740への固定は、中央装飾部材751専用の固定手段によるものではなく、被締結部材755を中間板部材740に締結固定するための締結部756を挿通させることで行われている。そのため、中央装飾部材751を中間板部材740に組み付けるための作業工数を削減することができると共に締結ネジの本数を削減することができる。
また、本実施形態では、複数の締結部756の間が断面湾曲形状の板状部757により連結されるよう形成されている。板状部757は、中央装飾部材751の縁部であって中間板部材740の前面に面で当接する基端側当接面部753に対応する形状とされる。
これにより、締結部756に締結ネジが螺入されることで被締結部材755が中間板部材740に締結固定された状態において、基端側当接面部753を、板状部757と中間板部材740とで挟むようにして支持することができるので、中央装飾部材751の配置を安定させることができる。
図54(a)から図54(d)を参照して、中間連結部材760について説明する。なお、図54(a)から図54(d)の説明では、図51から図53を適宜参照する。
図54(a)は、右側の中間連結部材760の正面図であり、図54(b)は、図54(a)の矢印LIVb方向視における中間連結部材760の側面図であり、図54(c)は、図54(a)の矢印LIVc方向視における中間連結部材760の側面図であり、図54(d)は、図54(a)のLIVd-LIVd線における中間連結部材760の断面図である。
中間連結部材760は、本体部材710の被固定板部720と対向配置される部分であって締結部721に螺入される締結ネジが挿通される複数の挿通孔761aを有する板状部761と、その板状部761の背面側下部において左右方向に穿設される配線通し孔762と、板状部761から左右方向に平面板状に延設される延設板部763と、その延設板部763の幅方向外側部において穿設される被連結孔764と、延設板部763の幅方向中央部において板状部761と連結するように延設される一対の連結板部765と、延設板部763の幅方向片側端部(下板部材730側端部)から正面側(中間板部材740側)に延設される遮蔽延設板766と、を備える。
中間連結部材760の上下方向略中央部において前後に配置される2つの挿通孔761aを結ぶ直線と、水平に向く水平直線HL71との間の角度は、傾斜角度θ71として設計されている。傾斜角度θ71の角度は何ら限定されるものではないが、本実施形態では、傾斜角度θ71は約5度とされる。
延設板部763が形成される平面は、重力の方向に向く(水平直線HL71に対して直角な方向を向く)鉛直直線VL71上に配置される(角度が0とされる)。延設板部763が鉛直直線VL71上に配置されることで、上述したような、発光動作演出ユニット700を変位部材680へ前側から組み付ける際の作業を行い易くすることができる。
挿通孔761aの傾斜角度θ71は、変位部材680に発光動作演出ユニット700が組み付けられた状態における回転演出装置800の回転部材810の傾斜角度に対応する。従って、中間連結部材760を変位部材680に組み付ける作業の作業性は維持しながら、発光動作演出ユニット700の回転演出装置800の初期姿勢を傾斜させるという設計(図55参照)を実現することができる。
この場合、内部動作ユニット600の退避状態または中間状態においても、回転演出装置800の回転部材810から照射される光の光軸を斜め前方向に向けることができる。
これにより、回転部材810から照射される光によって、遊技盤13の周縁部付近(例えば、第3図柄表示装置81からの光が届きにくい箇所)を照らすことができるので、遊技盤13の全体を明るく視認させ易くすることができる。
被連結孔764は、延設板部763に2箇所ずつ形成されるが、左右で形状が異なるように形成されている。即ち、左側の中間連結部材760では、延設板部763の幅方向両側共に、左右に長尺の長孔764aが形成される。一方、右側の中間連結部材760では、延設板部763の幅方向片側(図36上側)においては長孔764aが形成され、幅方向反対側(図36下側)においては略円形状で穿設される支持孔764bが形成される(図36参照)。
連結板部765は、板状部761と延設板部763との角度関係(位置関係)を保持可能に補強するための部分である。図53に示す姿勢では、板状部761を支える延設板部763の幅方向が上下方向(重力方向)に沿うので、発光動作演出ユニット700の自重によって板状部761に対して延設板部763が折れ難い。
一方で、後述するように、中間連結部材760は傾倒動作可能に構成されており、約90度前倒れした場合には延設板部763の幅方向が前後方向(重力方向と直交する方向)に沿うので、発光演出ユニット700の自重によって板状部761に対して延設板部763が折れ易い。
これに対し、本実施形態では、連結板部765によって補強がされているので、板状部761に対して延設板部763が折れる事態の発生を防止し易くすることができる。即ち、中間連結部材760が姿勢変化することにより生じる不具合(折れ損の発生)を回避し易くすることができる。
遮蔽延設板766は、見上げる方向視において被連結孔764への視界を遮る機能(図53参照)と、外側面(図53下面)に装飾模様が形成されていることで装飾による演出面積を広げる機能と、を備える。
図53に示すように、中間連結部材760の遮蔽延設板766の下側面に装飾模様が形成されているのと同様に、変位部材680の箱状本体部681の下側面にも縞模様が形成されている。そのため、遮蔽延設板766の下側面と箱状本体部681の下側面とを一体的に視認させ易くすることができるので、装飾用の模様(装飾模様、縞模様)が形成されている面積を広げて視認させることができる。
これにより、動作ユニット500の組立状態(図36参照)において、発光動作演出ユニット700を見上げる方向視における中間連結部材760及び変位部材680の演出効果を向上させることができる。
従って、見上げる方向視において、発光動作演出ユニット700の左右中央部を視認される場合だけでなく、左右端部を視認される場合においても、発光動作演出ユニット700を利用した演出効果を向上することができる。
回転演出装置800は、回転部材810と、その回転部材810を回転変位させるための駆動力を発生する駆動モータ820と、回転部材810と同期回転し回転部材810の姿勢を検出する姿勢検出手段830と、を備える。
回転部材810は、発光動作演出ユニット700の本体部材710に回転可能に支持されるところ、その支持には低摩擦のベアリングを利用している。これにより、回転部材810が回転駆動される場合においても、回転部材810の回転に伴う負荷の内、発光動作演出ユニット700に伝達される程度を低減することができる。
回転部材810は、装飾が形成される装飾板811と、装飾板811と対応する外形形状で形成され装飾板811と対向配置される放熱板812と、装飾板811及び放熱板812が締結固定され断面円形で形成されると共にその断面円形状の中心位置で円周方向に回転可能となるように本体部材710に支持される回転基礎部材813と、装飾板811と放熱板812との間に配置されるアーチ形状透過部材814と、を備える。
装飾板811及び放熱板812は、有色(本実施形態では黒色)の樹脂材料から形成される類似形状の部材であって、装飾板811には主に図形や模様などの装飾が形成される一方、放熱板812には回転基端側としての回転基礎部材813側から、回転先端側(回転部材810の長手方向端側)へ向けて列設される吸気用開口812aが穿設される。
アーチ形状透過部材814は、無色透明の樹脂材料から形成されると共に装飾板811及び放熱板812の湾曲面に沿った形状のアーチ形状とされており、装飾板811と放熱板812との間に固定されている。アーチ形状透過部材814を通して、装飾板811と放熱板812との間に配設される電飾基板(図示せず)に配置されるLED等の発光手段から照射される光が、回転部材810の回転軸と平行な方向に進行する。
電飾基板に配設されるLED等の発光手段は、吸気用開口812aと同様に回転部材810の湾曲形状に沿って列設され、その列設の間隔は吸気用開口812aよりも狭く設定される。この複数のLEDの点灯消灯を、回転部材810の回転(回転発光演出)に合わせて実行することで、光の残像によって特定の表示を視認させる残像表示(残像効果による残像表示)を実行可能となる。
各LEDから照射される光は、回転部材810の内部において回転径方向で隣り合わせとなるように仕切られると共に回転軸と平行な方向に延びる各通路を進行するように構成され、他の通路に入り込まないように形成される。これにより、各LEDから照射される光の進行経路(回転発光演出におけるLED光の変位軌跡の直径)を明確とすることができるので、残像表示を明確な表示として視認させることができる。
アーチ形状透過部材814の凹側面には、粗面加工(拡散加工)が形成される。これにより、LED光を乱反射させて拡散させることができるので、LED光を直接視認する場合に比較して、眩しさが抑えられる。
放熱板812の吸気用開口812aについて説明する。吸気用開口812aは、回転部材810の回転周方向の接線方向に穿設されており、回転部材810の回転変位時に装飾板811と放熱板812との間に空気を取り込むように作用する。
装飾板811及び放熱板812の間の位置の構成の内、アーチ形状透過部材814の反対側(図51下側)は開放されており、空気を排出することが可能となっている。また、装飾板811と放熱板812との間には、回転径方向に延びるアーチ形状に沿って連続的に延びる凹部が空気の通り道として形成される。
即ち、回転部材810の回転実行時において、吸気用開口812aから吸気された空気は、アーチ形状透過部材814のアーチ形状に沿う凹部を通り回転径方向外側へ流れ、背面側へ排出されることで、空気を大気中に排出することができる。この空気の流れにより、回転部材810の内側の熱を外部に放散(放熱)させることができるので、電飾基板が高温となることによる不具合を避け易くすることができる。
アーチ形状透過部材814のアーチ形状により、空気を滑らかに背面側へ送ることができ、渦が発生することを回避することができる。これにより、回転基礎部材813側の背面側からの空気の取込をスムーズに行うことができるので、回転軸付近における冷却を実行することができる。
換言すれば、径方向外側へ空気を流すと、径方向内側の気圧が下がるので、背面側から空気を取り込むことができ、回転中において空気の流れを循環させることができる。これにより、放熱効果を持続的に生じさせることができる。
空気の流れによる冷却作用は、回転発光演出の実行時にのみ期待されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、内部動作ユニット600の退避状態や中間状態において、回転部材810を首振り往復動作させる場合にも、吸気用開口812aを通る空気の循環が発生し、電飾基板の冷却を実行することができる。
本実施形態では、装飾性を考慮して、装飾板811には吸気用開口812aは形成されていない(図37参照)。吸気用開口812aを通した空気の取込は、吸気用開口812aの進行方向にある空気を取り込むように作用するので、回転方向が一方向で固定とされると、空気を取り込む側が、回転部材810の長手方向一側に偏ることになり、電飾基板の冷却効果が半減する可能性がある。
そのため、本実施形態では、回転部材810の回転方向を一方向で固定するのではなく、第1の演出態様では一の回転方向で回転し、異なる第2の演出態様では他の回転方向で回転するように制御している。これにより、空気の取り込む側が回転部材810の長手方向一側に偏ることを回避することができ、十分な電飾基板の冷却効果を期待することができる。
姿勢検出手段830は、回転部材810の回転軸に軸支されるギア部と歯合して回転部材810と同期回転する検出用ギア831と、検出用ギア831の径方向外側部から軸方向と平行に延設される延設部が進入可能な位置に検出溝が配置され、その延設部が検出溝に進入したことを検知して検出用ギア831の位相を検出可能な検出センサ832と、を備える。
姿勢検出手段830の設計として、回転部材810がどの姿勢である場合を検出するかを任意に設計することができるが、本実施形態では、回転部材810が、装飾部材750側に装飾板811を配置させた状態において回転部材810の長手方向が左右方向に沿う姿勢であって装飾板811が正面側に配置されている姿勢(適正姿勢、図51参照)となっていることを少なくとも検出することができるように検出用ギア831の延設部の形成位置が設計される。
図55から図57は、図36のLV-LV線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。図36では遊技盤13は図示されていないが、図55から図57では組立状態における配置での遊技盤13の断面図が図示される。図55から図57では、内部動作ユニット600が退避状態から張出状態へ変化する様子が時系列で図示される。
即ち、図55では、内部動作ユニット600が退避状態で図示され、図56では、内部動作ユニット600が中間状態で図示され、図57では、内部動作ユニット600が張出状態で図示される。
図55から図57に示すように、内部動作ユニット600は、退避状態から張出状態へ状態が変化する過程で、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が変位するよう構成される。発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の変位は、上下方向の変位と、前転方向の変位とが、段階的に生じるように構成されるが、詳細は後述する。
本実施形態における構成において、特に注目力の高い回転演出装置800の配置について、説明する。発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が前転方向に姿勢変化することから、退避状態および中間状態における回転演出装置800の前後方向配置に比較して、張出状態における回転演出装置800の前後方向配置の方が、正面側に位置する。
これにより、退避状態においては回転演出装置800を背面側に位置させることで、回転演出装置800の正面側にスペースを確保できることで、装飾部247や電飾基板251を前寄りに配置して演出効果を向上させることが可能である一方、張出状態において回転演出装置800を回転させる回転発光演出を実行させる際の回転演出装置800の位置を遊技者側に近づけることができるので、回転発光演出の迫力を増加させることができる。従って、退避状態における演出効果も、張出状態における演出効果も、双方共に向上させることができる。
本実施形態では、回転演出装置800からの光の照射方向LD81は、張出状態では正面側に設定される。一方で、中間状態および退避状態においても光演出に利用することを考慮して、光の照射方向LD81を真上ではなく、斜め前方に向けた方向に設定している。これにより、中間状態および退避状態において回転演出装置800の光演出手段としての利用価値が極端に低下することを避けることができる。なお、光演出の詳細については後述する。
内部動作ユニット600の退避状態における回転演出装置800の光の照射方向LD81を斜め前方に設定したことに伴って、内部動作ユニット600の中間状態から張出状態への発光動作演出ユニット700の姿勢変化に要する前転方向の姿勢変化角度は、90度よりも小さくなる。これにより、姿勢変化角度が90度で構成される場合に比較して、姿勢変化に要する時間やスペースを短縮することができる。
内部動作ユニット600の退避状態において、回転演出装置800を支える発光動作演出ユニット700が前転方向に傾斜した姿勢となるので、前後幅が若干嵩むことになる。
そのため、通常であれば、発光動作演出ユニット700を背面側寄りに配置したり、発光動作演出ユニット700の変位を正面視でベース板60の中央開口60bの内側で抑えるように設計したりして、発光動作演出ユニット700とベース板60との衝突の回避を図ることになる。
しかし、発光動作演出ユニット700が背面側寄りに配置される場合には、発光動作演出ユニット700が遊技者から遠いため、演出の迫力が半減する可能性がある。また、発光動作演出ユニット700の変位を中央開口60bの内側で抑える場合には、動作が小さくなりがちになり演出の迫力が半減する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、ベース板60よりも薄肉の中央構成ユニット240を利用することで背面側のスペース確保を図っている。更に、演出効果向上のための電飾基板251の前後方向配置はベース板60の厚み寸法内に収め、更に基板保持板252に凹設部252aを形成して発光動作演出ユニット700との間に隙間を形成するよう図っている。これにより、発光動作演出ユニット700の姿勢や配置の自由度向上を図りながら、発光動作演出ユニット700が、遊技盤13の構成と衝突することを避けている。
発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の前転方向の姿勢変化は、退避状態において開始されるものではなく、中間状態までは同一姿勢のまま下降し、中間状態から姿勢変化が開始される。この姿勢変化の開始位置は、後述するように第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674の形状により規定されるものであって、駆動装置(駆動モータ648、ソレノイド651)の制御態様によっては変更されないように構成される。
中間状態では、左右中央の断面における装飾部247の下縁部の上下位置H1(図56参照)よりも回転演出装置800が下側に位置していることからわかるように、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の前方には中央開口60bが位置し、遊技盤13のベース板60は配設されないので、衝突の可能性が無い。
この衝突の可能性が無い状態から発光動作演出ユニット700の前転方向の姿勢変化が開始されることにより、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が遊技盤13に衝突する可能性を低くすることができる。
これにより、電飾基板251及び装飾部247を配設するスペースが、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の前転方向変位の変位軌跡と重なることで制限されることを避けることができる。従って、電飾基板251及び装飾部247の配設位置の設計自由度を向上することができる。
次いで、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の変位態様を段階的に分けるための構成について説明する。本実施形態では、発光動作演出ユニット700の変位が、形状の異なる2本の長孔に案内されるように構成されている。
図58(a)から図58(c)は、第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674を模式的に示す第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674の模式側面図である。
図58(a)では、内部動作ユニット600の退避状態における構成の配置が図示され、図58(b)では、内部動作ユニット600の中間状態における構成の配置が図示され、図58(c)では、内部動作ユニット600の張出状態における構成の配置が図示される。
図58(a)から図58(c)では、理解を容易とするために、昇降板部材630の前後長孔636、変位部材680の箱状本体部681及び延設部683の外形が想像線で図示され、変位部材680の筒状部684及び金属棒状部材686の外形線(第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674に周囲を囲まれる部分の外形線)が実線で図示される。
図58(a)から図58(c)に示すように、本実施形態では、第1長孔672と、第2長孔673及び湾曲長孔674とが、異なる形状から形成され、発光動作演出ユニット700の上下位置および姿勢に対応する筒状部684及び金属棒状部材686の案内のされ方が配置により変化することで、発光演出ユニット700が段階的に変位するよう構成される。以下、詳述する。
発光演出ユニット700を保持する変位部材680への駆動力の伝達は、昇降板部材630を介して行われる。即ち、図58(a)から図58(c)においては、前後長孔636が、駆動モータ648(図47参照)で生じる駆動力の伝達経路の最上流側となる。
即ち、昇降板部材630が上下方向に昇降変位することに伴い、前後長孔636の内側に配置される金属棒状部材686が許容される方向に変位し、金属棒状部材686の変位に他の部分が追従して変位する。
まず、第1長孔672及び第2長孔673は、長尺方向が上下方向に合致し、互いに平行となるように配置される。そのため、第2長孔673に金属棒状部材686が案内され、第1長孔672に筒状部684が案内される間(退避状態と中間状態との間)は、変位部材680に連結される発光演出ユニット700の前転方向の変位は抑制され、上下方向に平行変位する。
次いで、金属棒状部材686が湾曲長孔674に案内されるが、湾曲長孔674は、内部動作ユニット600の中間状態(筒状部684が第1長孔672の下端に当接している状態)における筒状部684の中心を中心軸J1とする円弧に沿って形成され、第2長孔673の下端と連結される。
そのため、湾曲長孔674に金属棒状部材686が案内される間(中間状態と張出状態との間)は、筒状部684の上下位置は維持され、金属棒状部材686が中心軸J1を中心に回転変位することで、発光演出ユニット700が中心軸J1を中心に前転方向に変位する。
図58(c)の状態から、昇降板部材630を上昇移動させる場合において、金属棒状部材686には前後長孔636を介して駆動力が伝達されるが、筒状部684へは昇降板部材630からの直接的な駆動力伝達は生じない。
そのため、内部動作ユニット600の中間状態(図58(b)参照)となるまでは筒状部684の配置は、第1長孔672の下端に当接している状態で維持される。そして、内部動作ユニット600の中間状態から退避状態(図58(a)参照)へ向けて移動する際には、金属棒状部材686が固定される箱状本体部681を介して筒状部684が昇降板部材630に吊り上げられる態様で、筒状部684が上昇移動する。
即ち、昇降板部材630が下降することに伴う変位部材680の変位は、図58(a)の状態から、図58(b)の状態を経て、図58(c)の状態に至る変位として設計され、昇降板部材630が上昇することに伴う変位部材680の変位は、図58(c)の状態から、図58(b)の状態を経て、図58(a)の状態に至る変位として設計される。
これらの変位の駆動力を伝達するのは前後長孔636であり、その変位方向は上下方向(直線方向)として規定されており、前後長さは金属棒状部材686が湾曲長孔674を通ることを許容するのに十分な長さとして設定される。即ち、発光演出ユニット700の変位態様の変化に合わせて前後長孔636の変位方向を切り替える必要がないので、昇降板部材630の設計を単純化することができる。
なお、退避状態における回転演出装置800の光の照射方向LD81が斜め前方に設定される一方で、張出状態における回転演出装置800の光の照射方向LD81が前方に設定されるので、発光演出ユニット700の前転方向の変位角度は90度よりも若干小さい角度として設計される。
図58(a)から図58(c)に図示されるように、第1長孔672が幅広に形成されているのは、筒状部684の異形開口部684b(図50(a)参照)が電気配線を通す配線通し孔として機能するので、電気配線を通すのに十分大きな隙間を形成することが一つの目的である。
また、他の目的として、発光演出ユニット700の前転方向への変位時に支持される軸が大径である方が、支持面積(周面の面積)を増大させることができる。これにより、姿勢変化の伴う変位時に支持部(第1長孔672)の単位面積当たりに生じる負荷(摩擦力)を低減することができるので、局所的に摩耗することを避けることができ、筒状部684及び第1長孔672の耐久性を向上させることができる。これにより、部材の材料の設計自由度を向上することができ、例えば、筒状部684が樹脂材料により形成されていても、十分な耐久性を持たせることができる。
第2長孔673及び湾曲長孔674は、金属棒状部材686の変位を案内するための長孔であり、第1長孔672に比較して幅が狭い。駆動モータ648で発生した駆動力は、昇降板部材630を介して金属棒状部材686に伝達される。金属棒状部材686は細径ではあるが、金属製であり、内部に電気配線を通すことが不要であり内部が充填されているので、十分な強度を発揮できる。
第2長孔673及び湾曲長孔674の幅が狭く形成されていることで、金属棒状部材686との間のクリアランスを小さくすることができるので、発光動作演出ユニット700の変位を安定させることができる。
そのため、内部動作ユニット600の中間状態(上下方向の変位と、前転方向の変位とが切り替えられる状態)における金属棒状部材686の配置ずれを小さくすることができる。これにより、発光動作演出ユニット700の変位の段階的な切替を滑らかに実行することができる。
発光動作演出ユニット700の自重が、変位の過程において、どの方向に作用するかについて説明する。図58(a)から図58(c)では、発光動作演出ユニット700の重心位置G1が図示される。
変位部材680の上下方向変位を規制するのは昇降板部材630であるが、その昇降板部材630に筒状部684は直接的には支えられていない。そのため、筒状部684は、箱状本体部681、延設部683及び金属棒状部材686を介して昇降板部材630に吊り下げられており、第1長孔672に変位が制限されることで配置が維持されている。
従って、内部動作ユニット600の退避状態から中間状態までは、発光動作演出ユニット700の自重によって、金属棒状部材686を回転軸とする方向に沿って筒状部684を下向きに変位させる負荷(金属棒状部材686を中心とする後転方向の負荷)が生じるので、発光動作演出ユニット700の自重によって筒状部684は前斜め下方向に付勢される。
これにより、筒状部684を第1長孔672の前側面に当接させ、大径リング部材688(図50(a)参照)を一方向に転動させるように構成することができるので、回転方向が定まらずに摺動する場合に比較して、筒状部684、大径リング部材688及び第1長孔672の摩耗を抑制することができる。
一方、内部動作ユニット600の中間状態から張出状態までは、筒状部684が第1長孔672に下支えされる(下方への変位が規制される)。そのため、発光動作演出ユニット700の自重によって、筒状部684の配置が第1長孔672の下端に維持されると共に、筒状部684を回転軸とする方向に沿って金属棒状部材686を下向きに変位させる負荷(筒状部684を中心とする前転方向の負荷)が生じるので、発光動作演出ユニット700の自重によって金属棒状部材686は中心軸J1を中心とする円弧に沿う方向で付勢される。
従って、内部動作ユニット600が中間状態から張出状態への状態変化を開始する場合の負荷が自重により生じるので、変位を滑らかに生じさせることができる。なお、本実施形態では、重心位置G1が前後方向において金属棒状部材686と筒状部684との間に配置されているので、軸となる金属棒状部材686及び筒状部684から重心位置G1までの距離が過度に長くなることを避けることができる。
これにより、金属棒状部材686を中心とする回転方向の負荷も、筒状部684を中心とする回転方向の負荷も、それぞれ過大となることを避け、適正な大きさで生じさせることができる。
変位部材680の上下方向変位中において、金属棒状部材686が筒状部684を追い抜くように構成される。この構成により、筒状部684は停止させて金属棒状部材686のみを上下方向変位させることができる。
内部動作ユニット600の張出状態からの金属棒状部材686の上昇変位開始時に筒状部684を共に上昇変位させる場合に比較して、変位部材680の上昇変位を開始させるために必要となる駆動力を低減することができる。これにより、駆動モータ648の小形化を図ることができる。
また、筒状部684の上下変位幅を短くすることで、筒状部684に挿通されている電気配線の上下方向変位幅を短くすることができる。そのため、電気配線の断線の発生を防止し易くすることができる。
正面視における発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の見え方について説明する。本実施形態では、発光動作演出ユニット700を前転方向に変位させることにより、異なる態様の発光演出を実行するように構成されている。
図59から図61は、動作ユニット500の正面図である。なお、図59から図61では、説明の便宜上、外レール62、中央構成ユニット240の装飾部247及び電飾基板251の外形が模式的に図示され、装飾部247及び電飾基板251の内側が白塗りされた状態で図示される。
図59から図61において装飾部247及び電飾基板251の内側を白塗りとすることで、光透過性が低くなることを表現している。なお実際は、電飾基板251は不透過性の材料から形成されており遊技者の視界を遮るが、装飾部247は光透過性の材料から形成されているので、光透過性が低いとは言え、遊技者の視界は通る(装飾部247を介して背面側の構成を視認することが可能となる)。
図59では、内部動作ユニット600の退避状態が図示され、図60では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図61では、内部動作ユニット600の張出状態が図示される。
図59に示すように、内部動作ユニット600の退避状態では、回転演出装置800は、装飾部247や電飾基板251の後ろに配置され、正面視ではその大部分が隠される。
そのため、回転演出装置800自体の視認性は低くなる。この状態において、被検出部635が検出装置(図示せず)の検出溝に進入することで検出装置に検出されることで、昇降板部材630が上下方向変位の上端に配置されていることが音声ランプ制御装置113(図4参照)で判定される。
また、内部動作ユニット600の退避状態では、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が装飾部247により分断された状態で視認される。そのため、発光動作ユニット700は装飾部材750に電飾基板741(図51参照)から照射される光を当てることにより実行される正面側向きの光演出を実行し、回転演出装置800は外レール62へ向けて光を照射する上側向きの光演出を実行する場合に、それぞれの光演出を分けて視認させることができるので、それぞれの光演出を際立たせることができる。
本実施形態では、回転演出装置800から光を照射する部分として弓なりに湾曲する面(正面視で外レール62と上下方向で対向配置される面)と、外レール62とが、上に凸の湾曲形状として類似の形状で設計される。
そのため、回転演出装置800が、後述する回転発光演出を実行する姿勢とは異なる姿勢とされる場合に、回転演出装置800を、あたかも外レール62を照らすための部材であるかのように視認させることができる。これにより、内部動作ユニット600の退避状態における回転演出装置800の利用価値を高めることができ、内部動作ユニット600の退避状態における遊技盤13及び動作ユニット500の見映えを良くすることができる。
回転演出装置800から外レール62へ照射される光により行うことで効果的な演出として、光が球の経路で移動しているように光を視認させる右打ち示唆演出が想定される。
例えば、回転演出装置800から光を照射する順番を、左端のLEDで上方に配置される外レール62の範囲E1に光を照射する時を起点として、右隣のLEDで外レール62の範囲E2に光を照射するように変化させ、順に範囲E3,E4と変化させると共に、光照射したLEDは照射タイミングから一定時間(例えば、1秒)経過したら消灯する第1発光制御態様に設定することで、あたかも、光が外レール62に沿って右に移動しているように見せることができ、これにより右打ちを行うタイミングであることを遊技者に報知することができる。
この場合、右打ち示唆演出を行うために、遊技盤13(図18参照)に電飾基板を点在させたり、第3図柄表示装置81で表示する右打ち示唆用の図形や絵を設計したりする労力を省くことができる。
なお、右打ち示唆演出としては、回転演出装置800による発光演出のみで実行する場合に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、回転演出装置800による発光演出に加えて、遊技盤13に点在される電飾基板に配置される発光手段を発光させるようにしても良いし、回転演出装置800による発光演出に加えて、第3図柄表示装置81で右打ち示唆用の図形や絵を表示しても良い。
内部動作ユニット600の退避状態における回転演出装置800の配置位置は、透明樹脂からなる上部連結部材270の背面側に設定されているので、回転演出装置800の前方に釘は配置されていない。これにより、釘による反射の影響を受けることが無いので、回転演出装置800から照射される光を遊技者に視認させ易くすることができる。
加えて、回転演出装置800は、後述するように、内部動作ユニット600の張出状態における回転発光演出を実行可能であるにも関わらず、内部動作ユニット600の張出状態とは姿勢の異なる退避状態において外レール62に光を当てて右打ち示唆演出を実行可能な装置として利用される。即ち、回転演出装置800を異なる目的の演出に兼用することができる。
なお、回転演出装置800により実行される光演出は、右打ち示唆演出に限られるものではない。例えば、演出装置としての電飾基板251の中央発光手段251bが発光演出を実行する予告演出として、上向きの矢印を遊技者に視認させるような光演出を実行しても良い。
図60に示すように、内部動作ユニット600の中間状態では、回転演出装置800が装飾部247の下側に配置される。これにより、退避状態に比較して、装飾部247に遮蔽されていない分だけ発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の視認性が高くなる。
更に、退避状態に比較して、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が一体的に構成されることを把握し易くなると共に、外レール62と回転演出装置800との上下間隔が広くなる。
従って、回転演出装置800の役割として、外レール62を照らすための部材ではなく、発光動作演出ユニット700の装飾部材750と一体的に光演出を実行する部材として認識され易くすることができる。
これにより、内部動作ユニット600の退避状態では中央装飾部材751が何とか視認される程度の小さな演出体だったものが、中間状態では中央装飾部材751のみではなく回転演出装置800を含む大きな演出体に変化したかのような錯覚を遊技者に与えることができる。
図61に示すように、回転演出装置800は、内部動作ユニット600の張出状態において光の照射方向LD81が正面側を向く姿勢とされる。この状態で、上述の第1発光制御態様で回転演出装置800から光を照射する場合、左右方向に沿って光が右方に移動するように視認させることができる。この手法によっても、右打ち示唆演出として遊技者に把握させることができる。
なお、本実施形態における遊技領域における特定入賞口65aの配置(図31参照)とは異なり、特定入賞口65aが遊技領域の右下側に配置される場合には、回転演出装置800の長手方向が右下がりの傾斜姿勢となるように回転演出装置800の姿勢を変化させ、その姿勢で上述の第1発光制御態様で光を照射しても良い。この場合、光の移動する先に特定入賞口65aが配置されているので、特定入賞口65aに向けて球を発射すべき状態であることを遊技者が理解し易くすることができる。
回転演出装置800は、内部動作ユニット600の張出状態において1回転以上の回転動作を実行可能となるように配置される。回転動作の動作速度について特に限定されるものではないが、例えば、高速回転させる際に、回転演出装置800から照射される光の配置毎の点滅を細かく制御することで、回転中に図形や絵柄が視認されるように構成しても良い(所謂、バーサライタ装置として構成しても良い)。
図61では、昇降板部材630が上下方向変位の下端に配置されたことが被検出部635が検出装置(図示せず)の検出溝に進入することで検出装置に検出されることにより、回転部材810の回転軸RJ1が前後方向に向いた状態であることを音声ランプ制御装置113(図4参照)で判定可能となる。
この検出をフラグとして、回転部材810の回転発光演出を実行可能となるように制御しても良い。即ち、昇降板部材630の移動終端を検出する検出装置を、回転部材810の回転発光演出の開始可能タイミングを検出する検出装置として兼用することができる。
図62は、動作ユニット500の正面図である。なお、図62では、説明の便宜上、外レール62、中央構成ユニット240の装飾部247及び電飾基板251の外形が模式的に図示され、装飾部247及び電飾基板251の内側が白塗りされた状態で図示される。
図62では、内部動作ユニット600の張出状態において、回転演出装置800の回転部材810が高速回転している状態における残像の外形線が想像線で図示される。
なお、回転部材810の高速回転の速度は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、残像により背面側の構成が視認し難くなるほどの回転速度でも良いし、残像は生じるものの、回転部材810が配置されていない位置を通して背面側の構成を視認できる程度の回転速度でも良い。
図62では、回転演出装置800の光演出(回転発光演出)として、残像により背面側の構成が視認し難くなるほどの回転速度で回転部材810が回転されると共に、回転中に視認可能に制御される図形の一例(右向きの大きな矢印)が図示される状態が図示される。
なお、図62では、理解を容易とするために、回転部材810の取り得る配置が45度ずつ角度ずれして図示されるが、実際は残像が見えるのみであり、回転部材810の外形を明確に視認することは困難となる程度の回転速度で回転する。図62に示すように図形が視認可能となるようにすることで、遊技者に対して報知を実行することができる(右打ちすべきタイミングであることを把握させることができる)。
回転発光演出の具体的な実施方法について説明する。回転部材810の内部には、アーチ形状透過部材814を介して正面側へ向けて光を進行させるよう配置されるLEDが回転部材810の長手方向に沿って複数並べられている。そのため、回転軸RJ1を中心に回転部材810を回転させる際にLEDが移動する軌跡(円形経路)の直径は、回転軸RJ1からの距離に応じて異なる。
図62において、回転部材810の高速回転に伴う移動中の各LEDの配置が、表示しようとしている図形(図62では、右向きの矢印)の内側にあるか、外側にあるかに応じて、各LEDのオンオフを切り替えると、アーチ形状透過部材814を通して視認される光の残像が一体的に視認されることで、特定の図形(図62では、右向きの矢印)を遊技者に視認させることができる。
表示される図形は、回転部材810の回転に対応して各LEDのオンオフ制御のタイミングを切り替えることで多様に変化させることができるので、回転部材810を利用した発光演出の演出自由度を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、回転演出装置800を利用して、同様の目的の報知演出(右打ち示唆演出)を様々な態様で実行することができる。即ち、内部動作ユニット600の退避状態では、外レール62に光を照射する態様で実行でき、内部動作ユニット600の張出状態では、回転演出装置800を回転させない態様または回転させる態様の双方で実行することができる。
従って、報知演出のバリエーションが少ない(例えば、一つである)場合に比較して、演出の予想をされ難くすることができる。これにより、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、右打ち示唆の報知演出を一例として説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無く、種々の演出が例示される。例えば、光の向きや矢印の向きを左右交互に入れ替え、球の発射を左右交互に切り替えることを示唆する報知演出でも良いし、左の向きや矢印の向きを左向きとすることで、左打ちに戻すことを示唆する報知演出を行っても良い。
また、例えば、張出状態における回転発光演出における高速回転中に外レール62と同心の円弧形状を表示するように発光演出を行うことで、退避状態における回転演出装置800と同様に、外レール62の形状に合わせた発光演出を張出状態においても継続させることができる。これにより、発光演出に一貫性を持たせることができる。
図62に示すように、回転演出装置800は、内部動作ユニット600の張出状態において高速回転可能とされるが、回転発光演出は、回転演出装置800の回転軸が維持されることを前提に設計されるので、高速回転により回転軸に対して直角方向に生じる負荷で回転演出装置800が変位しないように支える構成を本実施形態では採用している。
まず、回転演出装置800の左右方向の変位の規制について説明する。発光動作演出ユニット700の保持は、変位部材680の締結部682に中間連結部材760の被連結孔764が連結されることで行われるところ、左右一対ずつの被連結孔764の内、右下の一つのみが長孔では無く略円形状の支持孔764bとして形成され、その他は、長孔764aとして形成される。
ここで、締結部682が連結される被連結孔764を長孔764aとすることで、発光動作演出ユニット700を上下方向に変位させる際の左右両側の変位部材680の上下位置ずれを許容することができる(図39参照)。一方で、長孔764aのみで構成すると、回転演出装置800が高速回転する際に回転演出装置800が左右方向に配置ずれする可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、少なくとも一つの孔を支持孔764bとすることにより、支持孔764bにより締結部682の左右方向の移動を規制することができるので、回転発光演出において回転演出装置800が高速回転したとしても、回転演出装置800の左右方向への位置ずれを抑制することができる。
図63(a)から図63(c)は、変位部材680の締結部682と、被連結孔764の長孔764a及び支持孔764bと、の模式正面図である。図63(a)から図63(c)では、発光動作演出ユニット700の長手方向(左右幅方向)が模式直線700Lとして模式的に図示される。
即ち、図63(a)では、模式直線700Lが左右方向に沿うように配置されることから発光動作演出ユニット700が水平な姿勢で保たれる状態が図示され、図63(b)では、模式直線700Lが左上りで傾斜することから発光動作演出ユニット700が傾斜した姿勢の状態が、許容される最大の傾斜角度で図示され、図63(c)では、模式直線700Lが右上りで傾斜することから発光動作演出ユニット700が傾斜した姿勢の状態が、許容される最大の傾斜角度で図示される。なお、図63(a)に示す状態は、図36及び図37に示す状態に対応し、図63(c)に示す状態は、図39に示す状態に対応する。
図63(a)から図63(c)に図示されるように、模式直線700Lの傾斜は、支持孔764bを支点とする回動変位により生じる。図63(b)では、図面左上に配置される長孔764aの左端部に前後リング部材689の円筒状部689b1が当接する位置が図示されており、この状態まで模式直線700L(発光動作演出ユニット700に対応)の回動(正面視時計回り方向の回動)は許容される。
図63(c)では、図面右上に配置される長孔764aの右端部に前後リング部材689の円筒状部689b1が当接する位置が図示されており、この状態まで模式直線700L(発光動作演出ユニット700に対応)の回動(正面視反時計回り方向の回動)は許容される。
このように、本実施形態では、支持孔764bを複数位置で採用する場合と異なり、左右に配置される締結部682の上下方向に沿う直線UD71方向の位置ずれを許容することができる。そのため、発光動作演出ユニット700の昇降動作が、左右にそれぞれ配置される駆動モータ648を同時に駆動させることにより実行される構成において、駆動モータ648同士の動作タイミングのずれや、回転速度がばらつきの発生を許容することができる。
支持孔764bを起点とする模式直線700Lの回動は、図63に示されるように支持孔764bの開口方向が前後方向とされる場合(内部動作ユニット600の退避状態や中間状態)では、昇降板部材630の移動方向(直線UD71に沿う方向、上下方向)に向けた変位として許容される。
一方、発光動作演出ユニット700が傾倒変位して支持孔764bの開口方向が略上下方向とされる場合(本実施形態では上下方向に対する角度が5度となる方向とされる場合、即ち、内部動作ユニット600の張出状態の場合、図62参照)、支持孔764bを起点とする模式直線700Lの回動方向は直線UD71と略直交する平面に沿う方向(本実施形態では、前後方向に対する角度が5度となる平面に沿う方向)となり、直線UD71と略直角に交差する。
昇降板部材630は、長孔612(図49参照)により直線UD71方向に変位するように案内される一方、前後方向変位が規制されていることから、発光動作演出ユニット700の前後方向変位は抑制されている。そのため、支持孔764bを起点とする模式直線700Lの回動方向が直線UD71と略直交する平面に沿う方向である場合、模式直線700Lの回動の許容幅は抑制される。
即ち、長孔764aが形成されている条件下においても、内部動作ユニット600の張出状態において発光動作演出ユニット700の昇降板部材630に対する位置ずれを抑制することができる。
この場合、上述したように、回転部材810が高速回転する回転発光演出を、内部動作ユニット600の張出状態で実行するように制御することで、回転部材810の回転軸RJ1の配置が回転発光演出中にずれることを防止することができる。これにより、回転部材810の回転軸RJ1の配置を固定するための別部材の配設を省略することができる。
また、本実施形態では、支持孔764bが回転部材810の逆側(図62の状態において後側)に配置されるので、回転部材810に近い側に支持孔764bが配設される場合に比較して、回転部材810の回転により生じる配置ずれ(発光動作演出ユニット700の正面側で生じる配置ずれ)を制限し易くすることができる。
発光動作演出ユニット700が傾倒変位する場合、回転方向の負荷によって、中間連結部材760に対して変位部材680から離れる方向(締結部682(図50参照)が張り出す方向)に負荷が生じる(図53参照)。そのため、対策なしでは、締結部682に過負荷が生じ破損する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、発光動作演出ユニット700が若干傾倒する姿勢(図55参照)を初期姿勢とすることで、傾倒変位前から中間連結部材760が変位部材680の下縁部側に近接する方向に付勢される。即ち、変位部材680の回転軸としての筒状部684(図50(a)参照)に近い側で中間連結部材760が変位部材680に近接配置されるので、中間連結部材760に対して変位部材680から離れる方向に生じる負荷を変位部材680の回転方向の負荷として生じさせ易くすることができ、締結部682に加えられる負荷を低減することができる。
次に、回転演出装置800の上下方向の変位の規制について説明する。本実施形態では、昇降板部材630の被当接板638の上下方向の変位を抵抗発生装置650により規制可能に構成されており、その規制を内部動作ユニット600の張出状態において実行可能に構成される。
図64から図66は、図36のLXIV-LXIV線における動作ユニット500の断面図である。LXIV-LXIV線は、昇降板部材630の被当接板638(図49参照)の板厚の中心を通る線として設定される。図36では遊技盤13は図示されていないが、図64から図66では組立状態における配置での遊技盤13の断面図が図示される。
図64では、内部動作ユニット600の退避状態が図示され、図65では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図66では、内部動作ユニット600の張出状態が図示される。
また、図64から図66では、ソレノイド651に通電されておらず、ソレノイド651が非励磁の状態が図示される。加えて、図65では、参考としてソレノイド651に通電されソレノイド651が励磁された状態が部分的に切り取られて図示される。
図64及び図66に示すように、ソレノイド651が非励磁の状態では、抵抗発生装置650の前後変位部材653が正面側に位置し、昇降板部材630の被当接板638の移動経路に入り込む。
被当接板638の上下両側面および前後変位部材653の上下両側面は、上下方向と直交する平面状に形成される。これにより、被当接板638の移動方向(上下方向)と、その移動方向で被当接板638が前後変位部材653の上下両側面から受ける負荷の方向とを合致させることができる。
そのため、被当接板638から前後変位部材653に与えられる負荷が後方へ向く成分を持たないので、前後変位部材653が背面側に押し出されることを回避できる。従って、前後変位部材653が正面側に位置する状態をが維持される。
図64に示す状態では、前後変位部材653は、被当接板638と上下方向で当接し、被当接板638の下降変位を防止するように機能する。即ち、駆動モータ648に通電させずとも、前後変位部材653によって昇降板部材630が自重で下降変位することを防止することができるので、内部動作ユニット600を退避状態で維持することができる。
なお、本実施形態では昇降板部材630に対してコイルスプリングSP1(図47参照)から上方向への付勢力が生じているので、コイルスプリングSP1の付勢力を、内部動作ユニット600を退避状態で維持するために十分な大きさで設計することで、前後変位部材653を機能させずとも内部動作ユニット600を退避状態で維持することが可能である。
一方、この場合には、コイルスプリングSP1の付勢力が大きくなり、昇降板部材630を下降変位させるために駆動モータ648に発生させる駆動力が大きくなることから、駆動モータ648を大型化することが必要になる可能性がある。これに対し、本実施形態のように前後変位部材653により内部動作ユニット600を退避状態に維持する構成を採用することにより、コイルスプリングSP1の付勢力は、あくまで補助的なものとして小さくすることができるので、駆動モータ648の小形化を図ることができる。
図66に示す状態では、前後変位部材653は、被当接板638と上下方向で当接し、被当接板638の上昇変位を防止するように機能する。即ち、駆動モータ648に通電させずとも、前後変位部材653によって昇降板部材630が上昇変位することを防止することができるので、内部動作ユニット600を張出状態で維持することができる。
昇降板部材630を上昇変位させる負荷としては、回転演出装置800(図62参照)の回転発光演出の際の慣性による負荷が想定される。即ち、回転演出装置800が高速回転する際に回転演出装置800が回転軸と直角な方向に変位する可能性があるが、上下方向の変位については前後変位部材653によって防止することができる。
このように、本実施形態では、前後変位部材653によって、内部動作ユニット600の退避状態における昇降板部材630の下降変位のみならず、内部動作ユニット600の張出状態における昇降板部材630の上昇変位をも防止することができる。
図65に示す状態は、ソレノイド651に通電され励磁された状態(図65において切り取られた範囲を参照)において昇降板部材630が下降変位し、その後でソレノイド651への通電が解除された非励磁の状態に対応する。
即ち、本実施形態では、ソレノイド651が励磁された状態となると、前後変位部材653が被当接板638の変位軌跡から退避することで、昇降板部材630の上下変位が許容されるところ、昇降板部材630の上下変位の途中でソレノイド651が非励磁の状態となったとしても、直ちに昇降板部材630の上下変位が規制されるものではなく、被当接板638が前後変位部材653の前側面に摺動する状態で上下変位を継続させることができる。
換言すれば、昇降板部材630が上下変位中に受ける負荷の態様として、前後変位部材653が被当接板638と接触しないことから前後変位部材653からの負荷は受けない態様と、前後変位部材653と接触することで摩擦力を受ける態様とを構成可能であり、これらをソレノイド651への通電の有無により切り替えることができる。
被当接板638と当接する前後変位部材653の前側面の形状は何ら限定されるものではないが、本実施形態では、上下一対の案内突設部614に亘って前後方向と直交する平面形状とされ、案内突設部614よりも上下外側において被当接板638から逃げる側に湾曲する湾曲面形状とされる。
これにより、背面側側面が前後方向と直交する平面形状とされる被当接板638との接触面の上下幅を広げることができ、接触面積を確保することができるので、前後変位部材653から昇降板部材630が受ける摩擦力を大きくすることができ、昇降板部材630を制動させる程度を上下両方向で大きくすることができる。
このように、本実施形態では、前後変位部材653によって、上下変位中の昇降板部材630を制動(又は停止)させることができる。即ち、前後変位部材653を、昇降板部材630の配置を上下端(内部動作ユニット600の退避状態および張出状態)で維持するための部材と、変位中の昇降板部材630を制動させるための部材として、兼用することができる。
昇降板部材630のラックギア部634へは、歯合される伝達ギア649を介して駆動力が伝達されるところ、上述したように、昇降板部材630のラックギア部634が自重により後方へ付勢されることでラックギア634と伝達ギア649との歯合状態が適正化され、駆動力の伝達効率が向上している。
これに対し、昇降板部材630を制動させる際に、前後変位部材653から被当接板638へ加えられる負荷は正面側向きの負荷であり、ラックギア634を伝達ギア649から離すように作用する。
そのため、前後変位部材653が被当接板638に当接することで、当接位置で生じる摩擦力により制動されることによる減速の効果だけではなく、ラックギア634と伝達ギア649との歯合状態を悪くする(噛み合いの程度を低くして駆動力の伝達効率を悪くする)ことによる減速の効果を生じさせることができる。これにより、昇降板部材630を効率的に制動(減速)させることができる。
ソレノイド651の通電の切り替え制御の一例について説明する。内部動作ユニット600の退避状態を基準として説明する。まず、駆動モータ648を駆動開始するよりも前にソレノイド651に通電し、前後変位部材653を被当接板638の変位軌跡から退避させる。
これにより、昇降板部材630が上下方向に変位可能となるので、駆動モータ648を駆動開始し、内部動作ユニット600を張出状態へ向けて下降変位させる。張出状態となる前の状態(例えば、内部動作ユニット600の中間状態)においてソレノイド651への通電を解除することで、前後変位部材653が被当接板638に押し当てられるので(図65参照)、摩擦力により昇降板部材630を制動させることができる。
この状態で内部動作ユニット600の張出状態に到達すると、被当接板638が前後変位部材653の変位軌跡よりも下側に配置されるので、前後変位部材653はソレノイド651の戻りバネにより正面側の位置に変位する(図66参照)。
従って、前後変位部材653から被当接板638に与えられる作用を、ソレノイド651の通電の有無の切り替えを行うことなく、制動から、位置の規制に、滑らかに変化させることができる。
一方、内部動作ユニット600の張出状態からの上昇変位の際には、昇降板部材630の上下方向の変位中はソレノイド651への通電を維持することで、前後変位部材653が被当接板638に接触しない状態を維持することができる。これにより、前後変位部材653と被当接板638との間の摩擦抵抗を発生させないようにすることができるので、昇降板部材630の上昇変位に必要な駆動力を低減することができ、駆動モータ648の小形化を図ることができる。
内部動作ユニット600の状態変化に対応して、回転演出装置800の回転動作の態様が変化することについて説明する。本実施形態では、発光動作演出ユニット700の姿勢が前転方向または後転方向に変化することで回転演出装置800の姿勢も変化するが、この姿勢ごとに許容される回転動作(回転角度)が変化する。
図67から図69は、図36のLXVII-LXVII線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。LXVII-LXVII線は、回転姿勢補助部材690の筒状部材695(図37参照)の幅寸法の中央を通る線に対応する。図36では遊技盤13は図示されていないが、図67から図69では組立状態における配置での遊技盤13の断面図が図示される。
図67では、内部動作ユニット600の張出状態が図示され、図68(a)及び図68(b)では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図69(a)及び図69(b)では、内部動作ユニット600の退避状態が図示される。即ち、図67から図69では、内部動作ユニット600が張出状態から中間状態を経て退避状態へ変化する様子が時系列で図示される。
なお、図68(a)及び図69(a)では、回転部材810の長手方向が左右方向に沿う適正姿勢における回転部材810が図示され、図68(b)及び図69(b)では、回転部材810の図面手前側端部が、許容される背面側への移動終端に到達した状態が図示される。
即ち、図68(b)では、回転部材810の端部が背面ケース510の底壁部511と当接している状態が図示され(図68(b)においては非当接で図示されるが、図示された断面よりも右方(図68(b)紙面手前側)において当接している)、図69(b)では、回転部材810の端部が回転姿勢補助部材690の筒状部材695と当接している状態が図示される(図69(b)においては非当接で図示されるが、図示された断面よりも右方(図69(b)紙面手前側)において当接している)。
図67に示す内部動作ユニット600の張出状態では、回転演出装置800の回転部材810が、回転発光演出を一例とする、回転軸RJ1を中心とした回転方向RD1に一周以上(360度以上)の回転動作を可能となるように構成される。即ち、センターフレーム86に配設される装飾部247等が、回転演出装置800の回転部材810の動作軌跡に入り込まない位置に配置される。
図68では、回転演出装置800の回転部材810の背面側に背面ケース510の底壁部511が配設されるので、回転演出装置800の回転部材810の回転可能な角度は、回転部材810が回転方向RD1で変位して背面ケース510と当接するまでの角度に制限される(図68(b)参照)。
基本的には、内部動作ユニット600の張出状態から中間状態へ向けて状態変化する前に、回転演出装置800の回転部材810の長手方向が左右方向に沿うように回転部材810の姿勢が制御され(適正姿勢に制御され)、その上で中間状態へ向けて状態変化させるように制御されるので、回転部材810と底壁部511とが衝突する可能性は低い。
本実施形態では、誤制御により回転演出装置800の回転部材810が底壁部511と衝突する事態が生じたとしても、回転部材810が底壁部511の開口511aの上縁よりも上側において底壁部511と衝突するように配置されているので、回転部材810が第3図柄表示装置81と衝突する事態を回避することができる。
図69では、回転演出装置800の回転部材810の背面側に回転姿勢補助部材690の筒状部材695が配設されるので、回転演出装置800の回転部材810の回転可能な角度は、回転部材810が回転方向RD1で変位して筒状部材695と当接するまでの角度に制限される。即ち、回転演出装置800の回転部材810の回転可能な角度は、中間状態(図68(b)参照)における角度よりも、退避状態における角度の方が小さくなる(図69(b)参照)。
本実施形態では、内部動作ユニット600の中間状態において回転部材810が底壁部511と当接するまで回転変位している場合に、そのまま内部動作ユニット600の退避状態まで状態変化が継続した場合であっても、その状態変化(発光動作演出ユニット700の上昇変位)の過程において回転部材810が筒状部材695に当接することで前側に押し出されることで、回転部材810の適正姿勢との姿勢差が小さくなるように回転部材810の姿勢が修正されるよう構成される。
回転部材810が、適正姿勢において左右対称形状とされており(図61参照)、筒状部材695が左右対称位置に配置されていることから、回転部材810の姿勢差が左右どちらで生じたとしても(回転軸RJ1を中心とする何れの回転方向で生じたとしても)、回転部材810の適正姿勢との姿勢差が小さくなるように回転部材810の姿勢が修正される。
回転部材810は回転軸RJ1を中心に回転動作しているので、回転部材810が背面側に変位して筒状部材695と当接する側(左右一側、図69参照)の反対側(左右他側)では、回転部材810がベース板60に近接することになる。適正姿勢からの姿勢ずれが大きいと、回転部材810とベース板60とが擦れることで回転部材810が摩耗したり、衝突により破損したりする可能性がある。
これに対し、上述のように筒状部材695が機能することで、内部動作ユニット600が退避状態へ向けて状態変化する過程で、適正姿勢に戻る側に回転部材810の姿勢が変化するので、左右他側の回転部材810をベース板60から離す方向に変位させることができる。これにより、回転部材810とベース板60との接触を回避することができる。
筒状部材695は、上述のように、回転部材810と当接して回転部材810を正面側に押し出すように機能する部材であって、回転部材810の摩耗を避けるために転動可能な真円形状の筒状に形成されている。即ち、回転部材810との接触時に筒状部材695が回転することで、回転部材810に摺れ傷を残さないように構成されている。
この機能を維持するために、装飾形状は極力省くことが好ましいところ、筒状部材695が遊技者に視認されると、他の装飾部分と同時に見た場合に形状が簡素過ぎて、違和感を与える可能性がある。
これに対し、本実施形態では、筒状部材695は内部動作ユニット600の張出状態における回転部材810の配置よりも退避位置側(上側かつ背面側)に配置されているので、筒状部材695に対する注目力を低くすることができる。
更に、内部動作ユニット600の退避状態では、筒状部材695は回転部材810の背面側に配置されるよう設計されているので(図36参照)、回転部材810によって筒状部材695の視認性を低下させることができる。
従って、筒状部材695の形状は回転部材810の摩耗を回避するために最適な形状に設計しながら、筒状部材695の視認性を下げることで、筒状部材695が遊技者に見られる可能性を低下させることができ、違和感なく遊技を継続させることができる。
内部動作ユニット600の退避状態において回転部材810に許容される姿勢変化により可能となる光演出について説明する。上述のように、内部動作ユニット600の退避状態においては、回転演出装置800から照射される光が外レール62に照射され、外レール62を発光させる演出が可能となっている。
これに加え、回転部材810が回転軸RJ1を中心として姿勢変化することで、回転部材810の回転先端部の片方を前側に変位させることができる。例えば、図69(b)において、紙面奥側(左側)の回転先端部を正面側に寄せることができるので、外レール62の左側をより明るく発光させ、右側は若干暗く発光させることができる。また、回転部材810の姿勢変化の方向を逆にすれば、左右の明暗の違いを逆転させることができる。
これにより、外レール62の発光強度を部位ごとに変化させる演出を実行することができる。例えば、回転部材810からの光照射の発光強度は変化させずに、回転部材810を回転軸RJ1中心の回転方向で往復させるように繰り返し姿勢変化させることで、外レール62の左右に照射された光による見かけの明るさを、左右交互に切り替えることができる。
内部動作ユニット600の中間状態において回転部材810に許容される姿勢変化により可能となる光演出について説明する。上述のように、内部動作ユニット600の中間状態においては、退避状態における姿勢変化角度よりも大きな角度で回転部材810が姿勢変化可能となっている。そのため、回転演出装置800から照射される光が外レール62に照射され、外レール62を発光させる演出における光の到達位置を、より正面側に位置させることができる。
これにより、LED等の発光手段を備える回転部材810が外レール62から遠ざかったとしても、外レール62で光が反射する位置を正面側(遊技者側)に変化させることで、外レール62に照射され反射する光の強度の変化が、遊技者から見て目立たないようにすることができる。
また、光の到達範囲を外レール62に限定されるものではなく、上部連結部材270の第6張出部277等(図26参照)の外レール62から離れて配置される部分へも光を到達させることができる。
回転部材810は左右中央位置に配設される回転軸RJ1を中心として首振り動作することで、左右外側に配置される長手方向端部を片側ずつ前寄せ配置させることができるので、ベース板60の強度面から配置が左右中央位置に設計された電飾基板251ではカバーし難い範囲(左右外側位置)における光演出を補助することができる。
これにより、電飾基板251の配置が限定される場合であっても、電飾基板251が配置されていない箇所における光演出の演出性能を、動作ユニット500に配設される回転演出装置800の発光演出により向上させることができる。
次いで、図70を参照して第3実施形態について説明する。第1実施形態では、遊技球を第1通路TR1又は第2通路TR2から排出するための凹部982e,982f,982gが、第1通路TR1又は第2通路TR2の左右に配置される場合を説明したが、第3実施形態の振分ユニット3980では、球の排出経路が、第1通路TR1及び第2通路TR2を形成する膨出部3982の前側に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図70(a)は、第3実施形態における振分ユニット3980の正面図であり、図70(b)は、振分ユニット3980の背面図である。図70(a)及び図70(b)に示すように、振分ユニット3980では、開口985e,985fの上流側において球を正面側に排出可能に構成される。
即ち、振分ユニット3980の正面ベース3981は、膨出部982に貫通形成される一対の開口3982kと、その開口3982kを通過して膨出部982の正面側に排出された球を左方向に流下させ背面側へ排出する排出樋3982lと、を備える。
開口3982kは、第1通路TR1又は第2通路TR2の正面側に配置され、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下している球が通過可能となる大きさの矩形状で貫通形成される。
排出樋3982lは、左右に長い部分は左方へ向けて下降傾斜しており、その左端に形成される前後に長い部分は後方へ向けて下降傾斜する。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2から開口3982kを通過して排出樋3982lに乗った球は、排出樋3982lに沿って左方へ流され、左端位置において流下方向が後方側へ切り替わり、後方へ流される。
なお、本実施形態では、排出樋3982lは、一対の開口3982kの両側において球を受け入れるよう構成されることで、部品数を抑える形で部品コストを低減しているが、各開口3982kにそれぞれ排出樋3982lを設けるようにしても良い。この場合、左の開口3982kの正面側に配設される排出樋3982lは左方へ向けて下降傾斜し、右の開口3982kの正面側に配設される排出樋3982lは右方へ向けて下降傾斜するよう構成することで、排出樋3982l単体の長さを短くすることができる。
流入口982dを通過した球の見え方について説明する。正面ベース3981は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成されており、流入口982dを通過して膨出部982の背面側を流下する球を膨出部982を通して視認することができる。
一方で、球が流下する第1通路TR1及び第2通路TR2は電動役物140aの後方まで延びて形成されているので、電動役物140aの後方の範囲においては電動役物140aが遮蔽物として作用して、球の視認性が悪くなる。
検出装置SE3に球が検知されるか否かの差が、電動役物140aの後方の範囲における球の流下方向で生じるとなると、視認性の悪い範囲における球に注目する必要があり、遊技者に疲労感を与える可能性がある。
これに対し、本実施形態では、検出装置SE3へ向かう経路から逸れる球は開口3982kを通って正面側に流れることから遊技者目線で球が近づいてくるだけでなく、正面側への流れが電動役物140aに隠される範囲よりも上方において生じることから、流入口982dを通過した球の内、検出装置SE3から逸れる方向に流れる球の視認性を確保することができる。
これにより、流入口982dを球が通過しているのに特別図柄の抽選が生じなかった場合に、球が検出装置SE3から逸れたことによる結果であることを容易に把握することができる。
振分けユニット3980の形状的な他の工夫について説明する。本実施形態では、開口3982kを形成して球の排出経路を確保した代わりに、背面ベース3985では、第1実施形態における背面ベース985から開口985b,985c(図8参照)の形成が省略されており、それに対応して膨出部982の下端付近における左右幅が短縮されている。
これにより、振分ユニット3980の左右幅を短縮することができるので、ベース板60の貫通孔60a(図5参照)の形状を小さくすることができることにより、ベース板60の厚肉部(釘を植設可能な部分)の面積を確保することができる。これにより、釘の配置自由度を向上することができる。
また、電動役物140aの近傍に釘を配置できるようになるので、電動役物140aに球を案内するための釘の配置自由度を向上することができる。
次いで、図71を参照して第4実施形態について説明する。第1実施形態では、遊技球を第1通路TR1又は第2通路TR2から排出するための凹部982e,982f,982gが、第1通路TR1又は第2通路TR2の左右に配置される場合を説明したが、第4実施形態の振分ユニット4980では、球の排出経路が、第1通路TR1及び第2通路TR2の背面側を形成する背面ベース4985の後側に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図71(a)は、第4実施形態における振分ユニット4980の正面図であり、図71(b)は、振分ユニット4980の背面図である。図71(a)及び図71(b)に示すように、振分ユニット4980では、開口985e,985fの上流側において球を背面側に排出可能に構成される。
即ち、振分ユニット4980の背面ベース4985は、左右一対で貫通形成される開口4985kと、その開口4985kを通過して背面ベース4985の背面側に排出された球を左方向に流下させ背面側へ排出する排出樋4985lと、を備える。
開口4985kは、第1通路TR1又は第2通路TR2の背面側に配置され、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下している球が通過可能となる大きさの矩形状で貫通形成される。
排出樋4985lは、左右に長い部分は左方へ向けて下降傾斜しており、その左端に形成される前後に長い部分は後方へ向けて下降傾斜する。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2から開口4985kを通過して排出樋4985lに乗った球は、排出樋4985lに沿って左方へ流され、左端位置において流下方向が後方側へ切り替わり、後方へ流される。
排出樋4985lは背面ベース4985の背面側に配置されており、遊技者から離れて配置されているが、その手前側に配置される正面ベース981及び背面ベース4985は、半透明の樹脂材料から形成されているので、遊技者は正面ベース981及び背面ベース4985を介して、排出樋4985l及び排出樋4985lを転動する球を視認可能である。
なお、本実施形態では、排出樋4985lは、一対の開口4985kの両側において球を受け入れるよう構成されることで、部品数を抑える形で部品コストを低減しているが、各開口4985kにそれぞれ排出樋4985lを設けるようにしても良い。この場合、各開口4985lから少なくとも後側に球を流せば、球を排出することができるので、排出樋4985lを左右に長く形成することを不要とすることができる。これにより、排出樋4985lの形状を単純化することができる。
排出樋4985lを背面側に形成する本実施形態の構成によれば、排出樋4985lが目立つことを避けることができるので、ベース板60(図5参照)の貫通孔60a付近におけるベース板60のデザインに排出樋4985lが影響を与えることを避けることができる。従って、ベース板60の装飾模様の設計自由度を向上することができる。
振分けユニット4980の形状的な他の工夫について説明する。本実施形態では、開口4985kを形成して球の排出経路を確保した代わりに、背面ベース4985では、第1実施形態における背面ベース985から開口985b,985c(図8参照)の形成が省略されており、それに対応して膨出部982の下端付近における左右幅が短縮されている。
これにより、振分ユニット4980の左右幅を短縮することができるので、ベース板60の貫通孔60a(図5参照)の形状を小さくすることができることにより、ベース板60の厚肉部(釘を植設可能な部分)の面積を確保することができる。これにより、釘の配置自由度を向上することができる。
また、電動役物140aの近傍に釘を配置できるようになるので、電動役物140aに球を案内するための釘の配置自由度を向上することができる。
開口4985kを背面側に形成する構成によれば、開口を正面側に形成する構成(図70参照)に比較して、開口4985kの上下配置を電動役物140aの配置によらずに任意に設計可能となる。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球が逸れることなく検出装置SE3に検知される(検出孔SE1aを通過する)確率を形状から調整することができる。
例えば、開口4985kの上下幅を球の直径と同等の幅長さで設計する場合、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球のほとんどは開口4985kを通過せず、検出装置SE3の検出孔SE1aを通過することになる。
一方、開口4985kの上下幅を球の直径の1.5倍の幅長さで設計する場合、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球の20%程度が開口4985kを通過し、残りの80%程度が検出装置SE3の検出孔SE1aを通過することになる。即ち、開口4985kの上下幅の長さを任意に設計することで、検出装置SE3に検知される確率を調整することができる。
次いで、図72及び図73を参照して、第5実施形態について説明する。第2実施形態では、上部連結部材270に到達した球は滑らかに左右に案内される場合を説明したが、第5実施形態の上部連結部材5270では、球の左右方向への滑らかな案内が抑制される種々の工夫が施されている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図72は、第5実施形態における遊技盤13の部分拡大正面図であり、図73は、図72のLXXIII-LXXIII線における遊技盤13の部分断面図である。
図72に示すように、センターフレーム86を構成する上側構成部材5241は、帯状フレーム部245から第2張出部5273へ向けて突設形成される左右突設部5246を備える。第2張出部5273は、下端部から、減速突設部5246の左右位置へ向けて突設される減速突設部5273aを備える。
本実施形態によれば、左右一対の第1張出部272の間や、第1張出部272と第2張出部5273との間を流下した球が帯状フレーム部245に到達し、左右に転動する場合、左右突設部5246から左右外側へ射出されるように流下し、減速突設部5273aに衝突して減速される。
即ち、左右一対の第1張出部272の間や、第1張出部272と第2張出部5273との間にまで到達する程に発射の勢いが大きく、大きな運動エネルギーを有する球の速度を、減速突設部5273aとの衝突により減速させることができる。
減速突設部5273aへの球の当接に係る重なり幅(上下寸法)は、左右突設部5246を通過する際の球の速度の大小によって異なる。即ち、高速で左右突設部5246を通過する球は、より高い位置で減速突設部5273aと広範囲で当接する一方、左右突設部5246を通過する際の速度が遅い球は、減速突設部5273aとの当接前から低い位置に変位し、減速突設部5273aと擦れる程度の当接に留められる。
従って、左右突設部5246を通過する際の速度が高速である場合には、大きな減速作用を期待できる一方、左右突設部5246を通過する際の速度が遅い場合には、減速作用を抑えることができ、球が停留することを回避することができる。
本実施形態によれば、強めの発射力で発射経路HL51に沿って発射され左右突設部5246よりも上流側(左右内側)で帯状フレーム部245に到達した球には、転動の過程で減速突設部5273aに当接することによる減速作用が生じる一方、弱めの発射力で発射経路HL52に沿って発射され左右突設部5246の下流側(左右外側)で帯状フレーム部245に到達した球には、減速突設部5273aによる減速作用は生じないように構成している。
即ち、遊技領域の左右中央にまで届く強めの発射力で発射された球には減速突設部5273aによる減速作用が生じ、遊技領域の左右外側(左側)に到達する弱めの発射力で発射された球には減速突設部5273aによる減速作用が生じない。これにより、発射力の大小(運動エネルギーの大小)による球の流下(帯状フレーム部245の下端側を通過する時の流下)の速度差を小さくすることができる。
図73に示すように、第3張出部5274の上面には、球が通過可能な大きさで開口5274aが貫通形成される。開口5274aは、球の直径程度の左右幅で形成され、板状部271が切り欠かれる態様で形成される凹設部5271aと合同で球の通路を形成する。凹設部5271aにより球を開口5274a側に案内し易くすることができる。
ベース板60には、開口5274aに入球した球の通路として貫通路5060dが前後方向に貫通形成される。ベース板60の背面側には、貫通路5060dを通過した球を受け入れ、左右外側かつ下方へ向けて球を案内する案内流路5295aを備える流路構成部材5295が締結固定される。
案内流路5295aは、帯状延設部263の上面に球を送る部材としての流路後構成部266(図25参照)に内部経路を連通させるようにして連結される。これにより、ベース板60の背面側へ流れた球を、帯状延設部263の上面に再び登場させるように球の経路を構成することができる。
帯状延設部263(図24参照)を転動する球は、中央後傾斜部263aを通り球排出孔263cから排出されると、第1入賞口64へ向けて落下する(図18参照)。このような配置関係から、帯状延設部263を転動する球は第1入賞口64に入球する可能性が著しく高まる。
そのため、開口5274aを通りベース板60の背面側に流れた球に対する注目力を向上させることができる。加えて、開口5274aを球が通るように発射力を調整する遊技者の意欲を高めることができる。
なお、背面側に流れた球のその後の流下経路については、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、流路前構成部265(図18参照)の左右外側位置においてベース板60の正面側に戻るようにベース板60に貫通孔が形成されていても良いし、左部構成部材450や右部構成部材470の背後を流下するように流下経路が下方に延設されても良い。
左部構成部材450や右部構成部材470の背後を流下するように流下経路が下方に延設されている場合、その流下経路が、外側脱落経路FL2(図31参照)と正面視で少なくとも部分的に重なるように配置することで、ベース板60の背面側を流下する球が、あたかも第1球案内部457へ向けて流下するように見せることができる。これにより、ベース板60の背面側を流下する球に対する注目力を向上することができる。
次いで、図74及び図75を参照して第6実施形態について説明する。第2実施形態では、発光動作演出ユニット700が遊技盤13の背面側に配置される場合を説明したが、第6実施形態では、発光動作演出ユニット6700が遊技盤13の正面側に配置される。
なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図74及び図75は、図36のLV-LV線に対応する線における第6実施形態におけるパチンコ機6010の部分断面図である。図74では、発光動作演出ユニット6700が上端位置に配置された状態が図示され、図75では、発光動作演出ユニット6700が下端位置に配置された状態が図示される。
図74及び図75に示すように、パチンコ機6010は、遊技盤13の正面側に正面枠6014を備えており、その正面枠6014が外枠11に施錠された状態で第1ガラスユニット6016aが遊技領域の正面側を塞ぐよう構成される。
正面枠6014は、上述の第1ガラスユニット6016aと、正面側へ向かう程上昇傾斜する傾斜姿勢とされ正面側寄りに配置される第2ガラスユニット6016bと、を備える。
第1ガラスユニット6016aは、センターフレーム86を基準として、遊技領域側に板状ガラス部が形成され、その反対側に開口部6016cが貫通形成される。即ち、第1ガラスユニット6016aは、センターフレーム86の正面が開放されているので、正面視においてガラスユニット6016aが視界を遮らない分、センターフレーム86及びその内側に配設される第3図柄表示装置81の表示の視認性を向上することができる。
第2ガラスユニット6016bは、正面枠6014の周囲を構成する支持部6014aの内側に嵌め込まれる形で固定される。第2ガラスユニット6016bが遊技者と動作ユニット500とを隔絶するので、第1ガラスユニット6016aに開口部6016cが形成されている場合であっても、遊技者が動作ユニット500に触れるという事態を避けることができる。
支持部6014aは、不透過性の樹脂材料および金属材料から形成されており、その背面側に配置される構成を隠すように機能する。
発光動作演出ユニット6700は、配置が違うことを除いては、第2実施形態で説明した発光動作演出ユニット700と同一である。即ち、発光動作演出ユニット6700には、回転演出装置800が回転可能に配設されている。
正面枠6014の内側には、第2実施形態で説明した第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674と同一形状の第1長孔6672、第2長孔6673及び湾曲長孔6674が、第2実施形態における姿勢に対して前転方向に約25度傾斜した状態で形成される。
配置の変化に伴う、発光動作演出ユニット6700の見え方の変化について説明する。
図74に示すように、発光動作演出ユニット6700が上端位置に配置されると、中央装飾部材751が、辛うじて視認され、回転部材810の全貌は正面枠6014の支持部6014aに目隠しされる。即ち、発光動作演出ユニット6700が上端位置に配置されると、発光動作演出ユニット6700の視認性は低下する。
一方、発光動作演出ユニット6700が斜め後ろ方向へ向けて下降変位すると、支持部6014aに隠されていた部分が第2ガラスユニット6016bの後方に配置され、回転部材810の全貌を視認可能となる。また、回転部材810が回転軸RJ1を中心に高速回転して回転発光演出を実行した場合であっても、回転部材810の回転先端側まで遊技者に視認させることができる。即ち、発光動作演出ユニット6700が下端位置に配置されると、発光動作演出ユニット6700の視認性は向上する。
なお、図75に想像線で示すように、回転部材810の回転軌跡は、第1ガラスユニット6014aの厚み寸法内に進入しているが、その進入した位置には開口部6016cが形成されており、第1ガラスユニット6014aと回転部材810との接触を回避している。即ち、開口部6016cは、回転部材810との接触を避けることで、回転部材810の配置自由度を向上させるように機能する。
本実施形態では、遊技盤13の正面側には発光動作演出ユニット6700が配設される一方、遊技盤13の背面側には発光動作演出ユニット700が配設される。発光動作演出ユニット700の動作態様は第2実施形態で上述した通りである。
そのため、本実施形態によれば、第3図柄表示装置81の表示領域の正面側に可動ユニットが張り出す演出動作として、発光動作演出ユニット6700を下端位置へ向けて移動させても良いし、発光動作演出ユニット700を内部動作ユニット600の張出状態とするようにしても良い。
また、回転演出装置800の回転発光演出を、発光動作演出ユニット700の回転部材810で実行しても良いし、発光動作演出ユニット6700の回転部材810で実行しても良い。これにより、回転発光演出の実行位置の設定自由度を向上することができると共に、実行のバリエーション(発光動作演出ユニット700又は発光動作演出ユニット6700の片方で回転発光演出を実行するか、交互に回転発光演出を実行するか、同時に回転発光演出を実行するか、等のバリエーション)の設計自由度を向上させることができる。
なお、背面ケース510内にも発光動作演出ユニット700が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面ケース510の内部に発光動作演出ユニット700を配置しないように構成しても良い。
この場合、内部動作ユニット600の退避状態において発光動作演出ユニット700によって視界が遮られることが無くなるので、第3図柄表示装置81の上縁部を上方に引き上げて、第3図柄表示装置81の表示領域の面積を増加させることができる。また、発光動作演出ユニット700を収容するために必要だった背面ケース510の前後幅を短縮することができるので、センターフレーム86と第3図柄表示装置81との前後間隔を短縮することができ、第3図柄表示装置81による表示の視認性を向上することができる。
次いで、図76を参照して第7実施形態について説明する。第2実施形態では、金属棒状部材686が、直線形状の第2長孔673と、湾曲形成される湾曲長孔674とに案内されることで、発光動作演出ユニット700が平行移動する状態と、筒状部684の中心軸J1を中心として発光動作演出ユニット700が回動する状態とが切り替えられる場合を説明したが、第7実施形態のガイド部7673は、上下方向に沿って直線的に延びる突条形状で形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図76(a)から図76(c)は、第7実施形態におけるガイド部7673及びL字長孔7674を模式的に示すガイド部7673及びL字長孔7674の模式側面図である。
図76(a)では、内部動作ユニット600の退避状態における高さにおける構成の配置が図示され、図76(b)では、内部動作ユニット600の中間状態における高さにおける構成の配置が図示され、図76(c)では、内部動作ユニット600の張出状態における高さにおける構成の配置が図示される。
なお、張出状態における発光動作演出ユニット700の配置は、筒状部684の配置が後方に位置ずれしていることからも分かるように、第2実施形態で説明した内部動作ユニット600の張出状態における発光動作演出ユニット700の配置よりも後方にずれる。
ガイド部7673は、第2実施形態で説明した第2長孔673の延設方向に沿って形成され、更に下方に向けて延設される板状部として外側部材610の左右内側面に形成され、金属棒状部材686の前後方向変位を規制するように配設される。L字長孔7674は、第2実施形態で説明した湾曲長孔674の下端部から後方に向けて筒状部684を受け入れられる幅の凹設部7674aが形成される。
変位部材680の下降変位について説明する。図76(a)から図76(b)までの変位は、変位部材680の姿勢を維持したまま行われる平行移動である。図76(b)から図76(c)までの変位では、筒状部684を中心として金属棒状部材686が回転変位することで、変位部材680が前転方向に傾倒する。
この時、筒状部684は、金属棒状部材686との距離が維持される関係から、凹設部7674aに進入および退避する態様で前後方向に変位する。即ち、変位部材680の姿勢変化中において、筒状部684は配置が維持されるものではなく、筒状部684の前後方向への変位が生じたままの状態で、変位部材680を傾倒変位させることができる。
次いで、図77を参照して第8実施形態について説明する。第2実施形態では、金属棒状部材686を案内する第2長孔673が上下方向に沿って延設される場合を説明したが、第8実施形態の第2長孔8673は、上下方向に対して傾斜した方向に沿って延設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図77(a)から図77(c)は、第8実施形態における第2長孔8673、湾曲長孔8674、第3長孔8675、第1長孔上部8672a及び第1長孔下部8672bを模式的に示す第2長孔8673、湾曲長孔8674、第3長孔8675、第1長孔上部8672a及び第1長孔下部8672bの模式側面図である。
図77(a)では、金属棒状部材686及び筒状部684が変位範囲の上端位置に配置された状態が図示され、図77(b)では、金属棒状部材686が第2長孔8673と湾曲長孔8674との連結位置に配置された状態が位置され、図77(c)では、金属棒状部材686が湾曲長孔8674と第3長孔8675との連結位置に配置された状態が図示される。
第1長孔上部8672a及び第2長孔8673は、後方に向けて前後方向に対して約70度の傾斜角度で下降傾斜する方向に延設される。第2長孔8673の下端部に湾曲長孔8674が連結される。
湾曲長孔8674は、筒状部684が第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に配置された状態における筒状部684の中心軸J81を中心とする円弧に沿う湾曲形状で延設される。
湾曲長孔8674の下端部に第3長孔8675の上端部が連結される。第1長孔上部8672aの下端部に連結される第1長孔下部8672bと第3長孔8675は、前方に向けて前後方向に対して約70度の傾斜角度で下降傾斜する方向に延設される。
金属棒状部材686は、昇降板部材630の前後長孔636に挿通されており、昇降板部材630が上下方向に移動することに伴って上下位置が変化する。金属棒状部材686の配置変化に伴う変位部材680の変位について説明する。
図77(a)から図77(b)までの変位は、変位部材680の姿勢を維持したまま行われる平行移動である。この時、変位部材680の変位方向は鉛直方向ではなく、前後方向の成分を有する方向となる。遊技者から見ると、変位部材680が下がりながら後方へ向けて退避しているように見えるので、発光動作演出ユニット700が下降して現れるにつれて、発光動作演出ユニット700の大きさが小さくなっている(遠ざかっている)用に見せることができる。
図77(b)から図77(c)までの変位では、筒状部684を中心として金属棒状部材686が回転変位することで、変位部材680が前転方向に傾倒する。これに伴い、発光動作演出ユニット700の視認される面を切り替えることができる。本実施形態では、第2実施形態に比較して傾倒角度が大きいので、回転部材810(図51参照)の裏面側を遊技者に視認させることができる。
この時、筒状部684は、金属棒状部材686との距離が維持される関係から、凹設部7674aに進入および退避する態様で前後方向に変位する。即ち、変位部材680の姿勢変化中において、筒状部684は配置が維持されるものではなく、筒状部684の前後方向への変位が生じたままの状態で、変位部材680を傾倒変位させることができる。
図77(c)に示す状態から、更に金属棒状部材686が下降変位すると、変位部材680は第3長孔8675に沿って前方へ向けて変位する。そのため、遊技者に対して変位部材680が下がりながら前方へ向けて張り出してきているように見せることができる。
この際、第2長孔8673に沿って一旦後方に変位している分、前方への張り出しを際立たせることができる。
本実施形態では、第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に筒状部684が配置された状態において、筒状部684の変位抵抗が増加するように構成している。即ち、図77(b)において筒状部684の後側部と当接する第1長孔下部8672bの内面が、第1長孔下部8672bのその他の部分や第1長孔上部8672aの内面の摩擦係数に比較して、摩擦係数が大きな材料から形成されている。
これにより、金属棒状部材686が湾曲長孔8674の終端位置に到達するまで、第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に筒状部684を維持し易くすることができる。
なお、筒状部684を第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に維持する手法は、摩擦係数の大きな材料を採用することに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1長孔上部8672a又は第1長孔下部8672bの内面の形状を摩擦係数の大きな形状(例えば、シボ加工形状)から形成するようにしても良い。
次いで、図78を参照して第9実施形態について説明する。第2実施形態では、締結部682が挿通される長孔764aが左右方向に長く上下方向に短い場合を説明したが、第9実施形態の大径孔9764aは、鍔付きリング部材9689bの円筒状部689b1の外径よりも十分に大きな内径の円形孔とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図78(a)及び図78(b)は、図37のLXXVIIIa-LXXVIIIa線に対応する線における第9実施形態における変位部材9680及び発光動作演出ユニット9700の部分断面図である。
図78(a)では、締結部682が略前後方向(前方に向けて3度上昇傾斜する方向)に向き、大径孔9764aの上縁部が円筒状部689b1と当接して支えられている状態が図示される。図78(b)では、締結部682が下向きとなる姿勢に変位部材9680の姿勢が切り替えられ、締結部682に締結される締結ビスB91の頭部に鍔付きリング部材9689b及び発光動作演出ユニット9700が下支えされている状態が図示される。
本実施形態では、大径孔9764aを両側から挟む板状リング部材689aと、鍔付きリング部材9689bとでは、発光動作演出ユニット9700との当接の態様が異なる。
即ち、板状リング部材689aは、板平面部で発光動作演出ユニット9700と当接する。一方、鍔付きリング部材9689bは鍔部の先端から円筒状部689b1側へ向けて360度に亘って形成される傾斜面部9689b2が、大径孔9764aの端部に360度に亘って形成される面取り傾斜部9764a1に面で当接する。
図78(a)に示す状態(内部動作ユニット600の退避状態や中間状態に相当する状態)では、締結部682が後倒れ方向に傾斜しているので、発光動作演出ユニット9700は後方に寄ることになり、板状リング部材989aと当接する。
この当接は平面上における当接なので、締結部682を中心とする発光動作演出ユニット9700の回動変位に対する摺動摩擦力は小さくされており、少なくとも大径孔9764aと円筒状部689b1との間の隙間分だけ発光動作演出ユニット9700は変位できる。従って、発光動作演出ユニット9700の回動変位を許容することができる。
一方、図78(b)に示す状態(内部動作ユニット600の張出状態に相当する状態)では、締結部682の先端が下向きとなることで発光動作演出ユニット9700は下方に沈み込み、鍔付きリング部材9689bと当接する。
この当接は、360度に亘って形成される傾斜面部9689b2と、360度に亘って形成される面取り傾斜部9764a1との当接なので、大径孔9764aの中心が締結部682の中心と合うように発光動作演出ユニット9700が配置されると共に、大径孔9764aの面取り傾斜部9764a1と鍔付きリング部材9689bの傾斜面部9689b2との間の、締結部682の中心軸と直交する方向における隙間を埋めることで発光動作演出ユニット9700の変位を制限(規制)することができる。
発光動作演出ユニット9700の自重は、面取り傾斜部9764a1が傾斜面部9689b2に押し付けられる方向に作用するので、重力を利用して、発光動作演出ユニット9700の変位の制限の度合いを強めることができる。
このように、本実施形態では、変位部材9680の姿勢の変化に伴って、発光動作演出ユニット9700の変位の許容(制限)の度合いを切り替えることができる。そのため、断面が単純な円形状の貫通孔である大径孔9764aを採用した場合であっても、変位部材9680が傾倒変位した状態(図78(b)参照)において発光動作演出ユニット9700が前後方向および左右方向に位置ずれすることを防止することができる。
これにより、回転部材810(図62参照)の高速回転時に発光動作演出ユニット9700の配置がずれることを防止することができるので、回転部材810による残像表示を有利に実行可能となる。
次いで、図79を参照して第10実施形態について説明する。第2実施形態では、検出センサ832により回転部材810が適正姿勢となったことが検知され、これにより回転演出装置800の前後方向の傾倒変位を容易とする場合を説明したが、第10実施形態の回転部材810は、姿勢検出手段10830により適正姿勢に付勢される。なお、なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図79(a)及び図79(b)は、第10実施形態における回転部材810及び姿勢検出手段10830の正面図である。図79(a)及び図79(b)では、内部動作ユニット600の張出状態における配置で図示されており、回転部材810の外径が想像線で図示され、回転部材810に固定される固定ギア10815が実線で図示される。また、図79(b)では、回転部材810の適正姿勢が図示され、図79(a)では、回転部材810が適正姿勢から角度ずれ(回転軸RJ1を中心に約15度回転方向に変位)した状態が図示されており、図79(b)に示す状態へ向けての各ギア10815,10821,10831の回転方向が矢印で図示される。
図79(a)及び図79(b)に示すように、回転部材810は、駆動モータ820の駆動軸に固着される駆動ギア10821の駆動力がギアの噛み合いで固定ギア10815に伝達されることで回転可能に構成され、その固定ギア10815は、姿勢検出手段10830の検出用ギア10831と歯合されている。
検出用ギア10831は、回転軸を中心とする180度の角度範囲に亘って圧肉形成される錘部10831aを備える。錘部10831aは、本実施形態では、金属製の部材が検出用ギア10831に嵌合されるが、樹脂材料から一体形成するようにしても良い。
この構成によれば、検出用ギア10831の重心は錘部10831aの中心側(回転軸と円弧の中心とを結ぶ線上)に配置されることから、回転部材810の回転が適正姿勢と異なる姿勢(図79(a)参照)で停止した場合であっても、検出用ギア10831が重力で付勢されることにより、回転部材810が適正姿勢となるまで回転して姿勢を戻すことができる。
従って、内部動作ユニット600の張出状態(図61参照)において回転発光演出を実行した後の、駆動モータ820の停止姿勢として、回転部材810を適正姿勢で正確に停止させることができなくとも、その後で回転部材810を適正姿勢に戻すことができるので、回転部材810の姿勢検出の正確さを緩和することができる。これにより、製品コストを低減させることができる。
本実施形態では、内部動作ユニット600の中間状態および張出状態における回転軸RJ1は、鉛直方向を向くのではなく前傾方向を向いている(図68及び図69参照)。そのため、錘部10831aを利用した重力による付勢を、回転部材810の前傾方向の姿勢に関わらず生じさせることができる。
これにより、内部動作ユニット600の張出状態において回転部材810を適正姿勢としてから回転演出装置800を起き上がり方向に姿勢変化させる移動態様のみならず、回転演出装置800の起き上がり動作中や、上下方向変位中において回転部材810を適正姿勢に戻しながら移動させる移動態様を実現可能である。
また、図79(a)の姿勢から、回転演出装置800が起き上がり動作する場合(図67から図69の時系列を参照)、回転部材810が背面側で空気抵抗を受けて、適正姿勢に戻され得る。即ち、本実施形態では、回転部材810が短手方向側側面から空気抵抗を受けやすい形状とされていることで、起き上がり動作する場合に回転部材810を適正姿勢に戻しやすくすることができる。
なお、回転部材810の短手方向側側面が空気抵抗を受け難い細幅形状から形成されても良い。この場合、回転部材810の回転発光演出の動作抵抗を低減することができる。
適正姿勢に回転部材810を戻す作用は、錘部10831aにより生じさせることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第2実施形態では、センターフレーム86とベース板60とを連結する上部連結部材270に、球の流下経路の振分を行う張出部272~277が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、球の流下経路の振分を行う部分が、張り出すのではなく、凹部として形成されても良い。また、その凹部を介して球を案内する流路が形成され、球を遊技領域の他の箇所へ案内できるようにしても良い。
例えば、センターフレーム86とベース板60とを連結する部材が、センターフレーム86の下側に配設される等して、いずれかの入賞口63,64,65a,140に球を案内する受入部を備えるように構成しても良い。また、例えば、センターフレーム86とベース板60とを連結する部材が、スルーゲート67が配設されるように構成しても良い。
また、上部連結部材270は、ベース板60の表面側に沿って延設され、ガラスユニット16との間に遊技領域が構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面枠14が閉じられた状態におけるガラスユニット16の裏面側に沿うように延設され、ベース板60との間に遊技領域が構成されるようにしても良い。この場合、ベース板60側に張り出す張出部を形成し、球の流下経路の振分を行うようにしても良い。
この場合、ベース板60との締結位置が重要となるが、例えば、内レール61付近で球の流下に影響を与えにくい箇所(戻り球防止部材68の左下方等)に締結位置を配置すれば、遊技領域の広さを十分に確保することができる。
上記第2実施形態では、上部連結部材270が左右対称な形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレーム86の形状が、左側は球の流下経路を確保するために内レール61から離れて内レール61との間に大きなスペースを形成する一方、右側は外レール62との間に球の直径よりも若干長い程度のスペースを空けるように設計される場合(一般的な右打ち機の場合)、上部連結部材270が遊技領域の左側にのみ形成することは十分に想定される。また、左右逆で設計することもあり得る。
また、上部連結部材270の背面に、ベース板60又はセンターフレーム86の少なくとも一方が配設される構成に限定されるものではなく、上部連結部材270に十分な剛性を持たせれば、上部連結部材270が、背面側にベース板60もセンターフレーム86も配置されない部分を有することは十分に想定される。
また、センターフレーム86が薄板部242を構成して張り出す位置は、左右中央である必要はない。例えば、左右両側に形成されるようにしても良いし、複数位置で薄板部242として張り出してベース板60と噛み合う(隙間を空けて交互に進入し合う)ように構成しても良い。
また、薄板部242が、上部連結部材270の左右幅のほとんどを占める大きさで形成されるようにしても良い。この場合、電飾基板251を配設可能な左右幅を拡大することができる。
また、電飾基板251が薄板部242の背面側に配置されベース板60の厚み寸法内に収まる構成について、電飾基板251の配置はセンターフレーム86の上側に限定されるものではない。例えば、上部連結部材270のように、ベース板60の前面と連なって遊技領域の一面を構成する薄板部材がセンターフレーム86の左右側に形成されれば、センターフレーム86の左右側に電飾基板251を配置することが可能となるし、ベース板60の下方に配設される振分ユニット300や入賞口構成部材400に電飾基板251を組み込んで、ベース板60の厚み寸法内に収めるように構成しても良い。
上記第2実施形態では、上部連結部材270の背面側に、ベース板60に固定される形で電飾基板251が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面ケース510に配設される発光演出ユニット518と同様の構成(機種に対応するロゴ等が形成され、内部に配設される電飾基板のLEDにより発光演出を行う構成)が、上部連結部材270の背後位置に配設され、上部連結部材270側を照らすようにしても良いし、敢えて電飾基板251の配設を省略して回転演出装置800からの光が上部連結部材270を通して遊技者側に通り易くしても良い。
上記第2実施形態では、周囲発光手段251cのLEDからの光が、第1張出部272の下縁部272aに照射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、LEDが正面視における第1張出部272の内側に配置されても良い。この場合、第1張出部272の凹部側に光拡散加工を設けたり、凹設方向に深くなるほど先細りする形状で凹設したりすることにより、第1張出部272の内側に照射された光を拡散させることができ、LEDの外形の視認性を低下させると共に、LEDから照射された光の視認性を向上することができる。
上記第2実施形態では、薄板部材290は、板正面に模様、図形、文字またはキャラクターが色彩豊かに描かに描かれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、薄板部材290の少なくとも一部に光拡散加工やシボ加工を形成しても良いし、第1張出部272や第2張出部273の窪みに入り込むような形状(例えば、凸レンズ形状や、立体的な形状)で薄板部材290の表面を形成しても良い。
上記第2実施形態では、薄板部材290に形成される孔291a,291bが、センターフレーム86側から突設される突設部244bと、上部連結部材270から突設される突設部279とを受け入れることで、薄板部材290の位置ずれが抑制される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、薄板部材290の孔291a,291bに挿通される突設部は、センターフレーム86又は上部連結部材270のいずれか一方から突設されるように構成しても良い。
また、突設部244bと突設部279とが異なる孔291a,291bに挿通されるのではなく、薄板部材290に形成される単一の孔に共通で挿通されるようにしても良い。これにより、薄板部材290の位置決めになると共に、センターフレーム86及び上部連結部材270の連結にも利用することができる。
上記第2実施形態では、センターフレーム86側から突設される突設部244bが、第2張出部273の背面側の凹部の内側に形成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部244bが板状部271の背面側に(板状部271と前後方向で対向配置されるように)配設されても良い。なお、第2張出部273の背面側の凹部の内側に突設部244bが形成される場合には、第2張出部273が突設部244bの目隠しとして機能する。
上記第2実施形態では、側壁部453aと延設板部455aとの間を流下した球が第1球案内部457に確率で流れこむ場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、側壁部453a及び延設板部455aと、球案内部457との間隔が空けられ、間に振分け部983が配設されることで、2個の内の1個は、確実に球案内部457に流れ込むようにしても良い。即ち、振分け部983の2姿勢の内、どちらの姿勢の状態で球が案内されるかによって、球案内部457に入球する割合が変わるように構成しても良い。
上記第2実施形態では、傾斜案内部458が一方向(右下方向)に傾斜して、第2球案内部459に直接的に球を案内する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜案内部458が球案内部457の左右両方から左右反対方向に延設されても良いし、例えば、傾斜案内部458が、球を左右に蛇行させて案内するよう構成され、左右への切り返し位置で一定の確率で球を第2球案内部459から逸らすように構成されても良い。
また、例えば、傾斜案内部458が、単一の球を案内する場合と複数の球を同時に案内する場合とで第2球案内部459への球の到達確率を変更するように構成しても良い。例えば、第2球案内部459の配置を現状よりも左右方向で傾斜案内部458に近づく方向に変位させることで、先に第2球案内部459に到達した球が流下しきる前に後追いの球が第2球案内部459に到達すると、先の球に行く手を阻まれて第2球案内部459から逸れやすくなるという構成を実現することができる。
逆に、例えば、第2球案内部459の配置を現状よりも左右方向で傾斜案内部458から若干離す方向に変位させることで、先に第2球案内部459に到達しそうな球であって傾斜案内部458との間から落下しかけた球が落下しきる前に後追いの球が第2球案内部459に到達すると、先の球の上を転がって第2球案内部459に到達し易くなるという構成を実現することができる。
単一の球を案内する場合の方が第2球案内部459への球の到達確率が低ければ、第2球案内部459に複数球が入球して一度に払い出される賞球が過剰となる事態を避けることができる。一方で、複数の球を案内する場合の方が第2球案内部459への球の到達確率が高ければ、傾斜案内部458に複数の球が到達した場合における傾斜案内部458周辺に対する注目力を向上させることができる。
上記第2実施形態では、傾斜案内部458が固定されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜案内部458が前後に出没可能に構成されても良い。この場合、突出状態では、第2実施形態と同様に球を第2球案内部459に流れ込ませることができる一方で、退避状態では、第1球案内部457の上流で右側に流れた球が第2球案内部459に到達する割合を低下させる。また、傾斜案内部458が出没変位する場合に限られるものではなく、傾斜角度が変化するように前後方向に延びる回転軸を中心に、一定間隔で傾倒動作可能に構成しても良い。
上記第2実施形態では、第1球案内部457に入球した場合の賞球個数よりも、第2球案内部459に入球した場合の賞球個数の方が多い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、賞球個数を同じとしても良いし、入球により遊技者が得られる利益の質が違うように構成しても良い。
例えば、利益として、賞球の払い出しではなく、図柄の抽選の利益を得られるようにしても良いし、大当たり遊技開始前に入球することで大当たり遊技のラウンド数を選択(変動)可能な利益でも良いし、大当たり遊技中に入球することで大当たり遊技後の図柄の当たり確率が変化(上昇)する利益を得られるようにしても良い。これらの利益を、第1球案内部457や第2球案内部459に任意に設定することができる。
上記第2実施形態では、天井板部455の傾斜がほぼ一定である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、天井板部455の傾斜角度が、途中位置から上流側において水平に対して大きな角度とされ、同じ途中位置から下流側において水平に対して小さな角度とされても良い。この場合、途中位置の上流側で球が天井板部455に着地するか、途中位置の下流側で球が天井板部455に着地するかで球の転動速度が変化し易くなるので、その後の球の流下経路を予想し易い。即ち、天井板部455の途中位置に対する注目力を向上させることができる。
また、天井板部455の上面に、球の転動速度を減速させるための複数の突条を形成するようにしても良い。この場合において、突条の形成位置は、天井板部455の左右幅の全域に形成される必要はなく、傾斜の変化と同様に、一部範囲に形成するようにしても良い。
また、減速用の複数の突条は、天井板部455の上面に限定されるものではない。例えば、第1球案内部457へ向けて球を下方に案内する案内流路を構成する樹脂壁から案内流路側に突設されても良いし、膨出部456の下面側や傾斜案内部458の上面側から球の流下経路側に突設されても良い。
また、突条の形成方向は前後方向と交差する方向に限定されるものではない。例えば、本体板部451から正面側に突条が突設されても良いし、本体板部451の正面側に本体板部451と平行な平面に沿う平板形状から形成される前板部材が配設され、本体板部451との間に球の流下経路を構成する場合、前板部材から背面側に突条が突設されるようにしても良い。
上記第2実施形態では、第1球案内部457に落下した球が一般入賞口63に円滑に案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1球案内部457の内部形状がすり鉢状に形成され、下端部の開口が球の直径よりも若干大きい程度の大きさで形成される場合、第1球案内部457を球が通過するまでの時間を引き延ばすことができる。
この場合、第1球案内部457に球が留まっている間に第1球案内部457に後追いの球が到達すれば、その球を傾斜案内部458側へ案内し易く、第2案内部459への球の入球確率を増加させることができる。従って、複数の球が連なって第1球案内部457に到達するという稀な状況を待たずとも、球が第2案内部459側に案内されるという状況が生じるように構成することができる。
また、第1球案内部457の形状を工夫する以外の手法として、球の重みで変位する可動部材を配設しても良い。その可動部材は、球が第1球案内部457に入球してから所定期間において第1球案内部457への入球を塞ぐよう構成され、可動部材に到達した球を傾斜案内部458側に案内するように構成される。これにより、先の球が第1球案内部457を通過してから所定期間において、第2球案内部459へ球が到達する確率を向上させることができる。
上記第2実施形態では、左部構成部材450が固定の樹脂部材から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動の可動役物により球の流下経路が変更されるようにしても良い。この場合において、傾斜案内部458が前後に出没可能に構成されても良い。即ち、前方に突出した状態においては球を第2球案内部459側へ案内するが、後方に没入した状態では球が第2球案内部459側に案内されず、落下するようにしても良い。
また、例えば、第1球案内部457を塞ぐように配置される板状部材が前後に出没可能に配設されても良い。即ち、板状部材が前方に突出した状態においては、板状部材に到達した球は傾斜案内部458側に案内され第2球案内部459に入球し易くなるが、板状部材が後方に没入した状態では、球が第1球案内部457に落下し易い構成とすることができる。
また、例えば、傾斜板部434が、開閉板65bの開閉と同期して、傾斜方向が左右反転するように動作するよう構成しても良い。開閉板65bが開放状態となった場合に傾斜板部434の傾斜方向を左右内側へ向けた下降傾斜とすることで、第2球案内部459を左右内側に逸れた球や、天井板部455と湾曲状突設部414との間に落下した球を、開閉板65b側に流れ込ませる構成とすることができる。これにより、球が広範囲から開閉板65b側へ案内されるよう構成することができる。
なお、傾斜板部434の傾斜は、電動の有無とは関係なく、左右内側に下降傾斜するよう構成しても良い。この場合であっても、開閉板65bが閉鎖状態の時に傾斜板部434の上面を転動した球が行きつく先は変わらずアウト口71なので、遊技性を維持することができる。
上記第2実施形態では、アウト口415を通して遊技領域から球を排出可能に構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、鉛直板部433の形成を省略し、アウト口415の形成を省略して、左部構成部材450を通過した球が開閉板65b側に流下するように構成しても良い。これにより、開閉板65bへ向かう球の流下経路のバリエーションを増やすことができる。
上記第2実施形態では、開閉板65bが下縁に沿って左右に延びる回転軸で回転変位する正面視長方形形状の板部材から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視で上縁部が左右中央部へ向けて上昇傾斜するよう形成されることによる正面視5角形形状(ホームベースに類似の形状)で構成されても良い。これにより、上縁部に球が当接した場合に、球を上縁部の形状に沿って左右外側に流し易くすることができる。
なお、開閉板65bの上縁部で左右外側に流された球の流下態様を調整するための調整手段を備えても良い。例えば、傾斜板部434の左右内側先端部から鉛直板部433と平行に下方に延びる延設板と、その延設板に球が通過可能な大きさで左右方向に貫通形成される球通過孔と、を備えるようにしても良い。
例えば、球通過孔の配置を、開閉板65bの開放状態において開閉板65bの上縁部65bに左右外側に流された球の配置とずれた位置とし(上側にずれた位置とし)、開閉板65bが開放状態と閉鎖状態との間の状態において開閉板65bの上縁部65bに左右外側に流された球の通過を許容する位置として設計しても良い。
この場合、延設板および球通過孔により、開閉板65bの開放状態においては球を開閉板65bの上側に留めて左右漏れを防止する一方、閉鎖途中においては開閉板65bが球を左右に流す(こぼす)ことができるように構成することができる。
なお、開閉板65bの開放状態における姿勢を維持するために下支え可能な位置で覆設部材430の本体板部431の背面側から背面側へ向けて突設される突設部を覆設部材430に形成しても良い。更に、突設部が開閉板65bの左右幅方向両端部において開閉板65bを傾倒方向で当接するようにしても良い。この場合、開閉板65bの開放状態における姿勢を維持し易くなる。
上記第2実施形態では、振分ユニット300が、方向切替部317で前方に案内された球が検出装置SE3の上方で左右方向に流下方向が切り替えられてから排出用開口部325を通過する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入賞用開口部323を排出用開口部として利用して球を排出するようにしても良い。この場合、方向切替部317の下面に球が落下可能な大きさの貫通孔を形成し、その貫通孔に落下した球が検出装置SE3に検知されるように構成するようにすれば良い。また、同様の構成として、排出用開口部と、検出装置SE3との配置を逆としても良い。
また、方向切替部317による流路の切り替え方向が、前方側ではなく後方側として、同様の構成を採用しても良いし、入賞用開口部323の上方から前方に球が通過してベース板60の前側に排出されるよう構成しても良い。
この場合、排出用開口部325を検出装置SE3の左右側に配設する必要が無いので、左右一対の検出装置SE3の左右間隔を狭めることができたり、検出装置SE3の左右のスペースを釘の植設スペース等に有効利用したりすることができる。
また、これらの構成は、左右の検出装置SE3周りで同一とする必要は無く、左右別々の構成を採用しても良い。例えば、大当たり遊技中において、入賞用開口部323の上方から前方に通過した球が開閉板65bに拾われ得る構成を左右片側で採用するようにしてもよく、この場合、入賞用開口部323の上方から前方に球が通過する構成の側に球が案内される場合と、逆の場合とで、第1入賞口64に入球した球がベース板60の正面側に戻って開閉板65bに拾われる確率が変化する。そのため、第1入賞口64に入球した球に対する注目力を向上することができる。
上記第2実施形態では、センターフレーム86の上方において発光動作演出ユニット700が退避して、張出状態では第3図柄表示装置81の前方に発光動作演出ユニット700が配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700を縦長に構成して、センターフレーム86の左右側に退避するように構成しても良い。
また、正面枠14の上縁部から前方に張り出すよう構成されることに倣って、正面枠14の左右縁部から前方に張り出すような構成を採用し、その張り出した部分に発光動作演出ユニット700を退避させるように構成しても良い。この場合、左右両縁の前側に退避しておき、張出状態では第3図柄表示装置81の正面側に発光動作演出ユニット700が後退しながら配置されるよう構成することができる。
上記第2実施形態では、回転部材810と当接する部材として、筒状部材695について説明したが、筒状部材695の材質は何ら限定されるものではない。例えば、回転部材810から与えられる負荷程度では形状変形しない硬質の樹脂材料から形成されるようにしても良い。この場合、回転部材810の過度な変位を抑制することができる。
また、回転部材810から与えられる負荷程度であっても変形(径方向で潰れる変形)可能な軟質の樹脂材料から形成されるようにしても良い。この場合、筒状部材695が緩衝材として機能し、回転部材810の破損を回避し易くすることができる。
上記第2実施形態では、装飾板811に形成される図形や模様を、内部動作ユニット600の中間状態において底壁部511に形成される図形や模様と一体的に視認されるよう設計したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700が特定の上下配置で左右どちらかに傾く傾斜姿勢となった場合に、底壁部511に形成される図形や模様と一体的に視認されるように装飾板811に形成される図形や模様を設計しても良い。この場合、一体的に視認される内容が、発光動作演出ユニット700が左側に傾く場合と、右側に傾く場合とで異なるように設計することで、底壁部511及び装飾板811の演出効果を向上させることができる。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700が、上下に昇降変位しながら傾倒することで、正面視における発光動作演出ユニット700の外形の変化と、発光動作演出ユニット700の上下位置の変化とが同時に生じる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、発光動作演出ユニット700の上下配置は維持したまま、発光動作演出ユニット700の正面視における外形が変化するように構成しても良い。上記第2実施形態においても、例えば、発光動作演出ユニット700が内部動作ユニット600の中間状態において回転部材810が回転軸RJ1を中心に所定角度回転変位することで、回転部材810の投影方向が変わることから、回転部材810の正面視における外形を変化させることができる。
上記第2実施形態では、昇降板部材630の昇降変位に対する抵抗を生じさせる前後変位部材653が、ソレノイド651によって前後方向変位する部材として構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータの駆動力で変位する回動アームが、被当接板638に対して近接または離間する方向に変位可能とされ、被当接板638との間で摩擦力を生じたり、移動方向を遮ったりすることで、昇降板部材630の変位抵抗を生じさせても良い。
上記第2実施形態では、前後変位部材653の変位方向が昇降板部材630の変位方向と直交する方向(昇降板部材630の移動方向と直交する平面上の方向)で設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。即ち、前後変位部材653の変位方向と、昇降板部材630の変位方向(上下方向)との成す角度が直角でなくても良い。
例えば、前後変位部材653の変位方向が、前方に向かうにつれて上昇傾斜するように設計される場合、前後変位部材653が前方に変位する際には、昇降板部材630が下降変位していれば、摺動摩擦の他に、上向きの負荷を加えることで昇降板部材630の停止までの時間を短くすることができる。一方で、昇降板部材630が上昇変位していれば、摺動摩擦の他に、上向きの負荷を加えることで昇降板部材630の急な減速を避けつつ、昇降板部材630の運動エネルギーを削ぐことができる。
また、前後変位部材653の変位方向を、前方に向かうにつれて下降傾斜するように設計する場合、前後変位部材653が前方に変位する際には、昇降板部材630が上昇変位していれば、摺動摩擦の他に、下向きの負荷を加えることで昇降板部材630の停止までの時間を短くすることができる。一方で、昇降板部材630が下降変位していれば、摺動摩擦の他に、下向きの負荷を加えることで昇降板部材630の急な減速を避けつつ、昇降板部材630の運動エネルギーを削ぐことができる。
上記第2実施形態では、内部動作ユニット600の退避状態においても、張出状態においても、被当接板638と前後変位部材653との上下方向視における重なり前後幅はほぼ同じとなるように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、前後変位部材653の前端面の形状が、上方へ向かう程に後傾斜する傾斜面で形成されるようにしても良い。この場合、被当接板638が下降変位する際に前後変位部材653が前方へ向けて変位すると、被当接板638に対して前後変位部材653の前端面から拾い上げるような方向の負荷を生じさせることができるので、昇降板部材630を制動させる作用を強化することができる。
また、例えば、前後変位部材653の前端面の形状が、下方へ向かう程に後傾斜する傾斜面で形成されるようにしても良い。この場合、被当接板638が上昇変位する際に前後変位部材653が前方へ向けて変位すると、被当接板638に対して前後変位部材653の前端面から下に押し付けるような方向の負荷を生じさせることができるので、昇降板部材630を制動させる作用を強化することができる。
また、例えば、前後変位部材653の前端面の形状が、下端位置から上方へ向かう程に後傾斜する傾斜面と、上端位置から下方へ向かう程に後傾斜する傾斜面とが、所定の中間位置で合体するように形成され、これに対応して、被当接板638の後端面の中間位置に後方へ張り出す張出部が形成されるようにしても良い。
この場合、前後変位部材653の正面側に被当接板638が配置された状態で前後変位部材653が前方に変位されると、前後変位部材653の前端面の所定の中間位置に被当接板638の張出部が収容される態様で昇降板部材630の上下位置を安定させることができる。
この場合において、下側に向けて後方傾斜する傾斜面と、上側に向けて後方傾斜する傾斜面とが合体する部分の個数は、前後変位部材653の前端面において限定されるものではない。例えば、合体する部分を複数構成するような形状(例えば、鋸刃形状、ギザギザ形状)としても良い。この場合、昇降板部材630の上下位置を複数位置で安定させることができる。
上記第2実施形態では、左右一対の昇降板部材630が上下位置ずれ可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700に対して左右の昇降板部材630が締結固定され、左右一対の昇降板部材630の上下位置ずれが許容されないような構成としても良い。この場合、昇降板部材630の変位抵抗を生じさせるための抵抗発生装置650は左右片側にのみ構成すれば十分となる。
一方で、本実施形態では、左右一対の昇降板部材630の上下位置ずれが許容されているので、抵抗発生装置650を左右両側に配置することが好ましい。この構成を利用して、左右のソレノイド651の励磁のタイミングをずらす制御を行っても良い。
例えば、内部動作ユニット600の退避状態から中間状態へ向けて下降変位させる際に、左右一対のソレノイド651を励磁して前後変位部材653を後方に配置した状態で実行される駆動モータ648の駆動制御と同様の駆動制御を、左側のソレノイド651は励磁して、右側のソレノイド651は非励磁とした状態で実行すると、発光動作演出ユニット700が右側に対して左側が下方に配置される傾斜姿勢となるような演出動作を実行することができる。
この演出動作は、内部動作ユニット600の動作誤差限界状態までは、内部動作ユニット600に負荷を与えることなく実行することができる。また、この演出動作用に駆動モータ648の駆動パターンを増やすのではなく、内部動作ユニット600の下降変位の際に利用される駆動モータ648の駆動パターンを流用し、ソレノイド651の励磁を異なる励磁パターンで実行することで、演出動作を実行するようにしている。そのため、駆動モータ648に要求される駆動パターンを低減することができる。
また、右側のソレノイド651を非励磁とするタイミングは、内部動作ユニット600の退避状態からに限定されるものではない。例えば、内部動作ユニット600の退避状態では左右両側のソレノイド651が励磁され、内部動作ユニット600が退避状態から中間状態となる途中で右側のソレノイド651を非励磁としても良い。この場合、摩擦力により右側の昇降板部材630の下降変位を遅らせることができ、発光動作演出ユニット700が右側に対して左側が下方に配置される傾斜姿勢となるような演出動作を実行することができる。
なお、演出動作として、内部動作ユニット600の退避状態からの例を説明したが、上下方向を逆とすることが当然に想定される。即ち、上述した左右一対のソレノイド651の励磁のパターンを、内部動作ユニット600の張出状態からの変位に合わせて実行するようにしても良い。
上記第2実施形態では、内部動作ユニット600の張出状態において、昇降板部材630の被当接板638の上方向の変位が前後変位部材653に規制された状態で、回転演出装置800の回転発光演出が実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、内部動作ユニット600の張出状態で実行される回転発光演出の種類として、回転軸RJ1を固定した状態で実行される大当たり報知のための演出とは異なる、抽選のはずれ演出として、左右両側または左右片側のソレノイド651を励磁した状態において回転演出装置800の回転発光演出を実行するようにしても良い。
この場合、ソレノイド651が励磁された側では前後変位部材653が被当接板638の移動経路から退避しているので、回転部材810の回転の遠心力により発光動作演出ユニット700や昇降板部材630が上昇変位したとしても、その上昇変位を前後変位部材653が押さえる作用は生じない。
そのため、回転部材810の回転軸RJ1は容易に位置ずれすることになる。これにより、回転部材810の回転発光演出を回転軸RJ1が固定されない状態で実行する動作演出を行うことができるので、回転発光演出における回転部材810の回転速度と回転部材810から照射される光の発光パターンは同じとしながら、回転部材810の残像表示により視認される図形を異ならせることができる。
なお、回転軸RJ1が固定されない状態を形成するためには、左右両側のソレノイド651を励磁した状態としても、左右片側のソレノイド651を励磁した状態としても良いが、左右片側のソレノイド651を励磁して、もう片側のソレノイド651は非励磁とすることで、非励磁とした側の上昇板部材630の上下方向変位を規制することができるので、発光動作演出ユニット700や昇降板部材630が過度に上昇変位することを抑制することができ、発光動作演出ユニット700や昇降板部材630の破損を回避することができる。
上記第2実施形態では、ラックギア部634が伝達ギア649に対して近接離反することで、伝達効率が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータ648及び駆動軸を前後に変位可能に構成して、ラックギア部634に対して伝達ギア649が前後に変位可能としても良い。
また、伝達ギア649の直径長さが軸方向で変化するように伝達ギア649を形成しても良い。この場合、伝達ギア649又は昇降板部材630を駆動軸方向に変位させることで、伝達効率を変化させることができる。
ラックギア部634と伝達ギア649との噛み合いが維持された状態におけるラックギア部634の変位について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ラックギア部634が伝達ギア649から噛み合いが外れる程度まで離れられるように構成しても良い。この場合、駆動モータ648が暴走した場合であっても、ラックギア部634に過負荷が生じる前にラックギア部634が伝達ギア649から離れるように構成することで、ラックギア部634及び伝達ギア649の破損を回避することができる。
上記第2実施形態では、ラックギア部634が昇降板部材630の自重で伝達ギア649側に押し付けられ、ギアの歯合状態が適正化される一方、ソレノイド651の駆動力によってラックギア部634が伝達ギア649から離れる側に押される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ラックギア部634の変位の方向によらず、両方向とも、ソレノイド651の駆動力で変位するように構成しても良い。また、ソレノイド651の駆動力の発生方向を逆にしても良い。また、伝達ギア649又は駆動モータ648が駆動軸の軸直角方向に変位可能に構成しても良い。
上記第2実施形態では、長孔672~674に案内される筒状部684及び金属棒状部材686の太さについて、筒状部684の内部に電気配線が挿通されることを理由に筒状部684の方が金属棒状部材686よりも太い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内部が空洞ではなく閉塞される構成であっても、筒状部684の方が金属棒状部材686よりも太く形成されても良いし、筒状部684よりも金属棒状部材686の方が太く形成されても良い。
金属棒状部材686(前側の部材)を太く形成することで、発光動作演出ユニット700の傾倒変位時に、中心軸J1から遠い位置で生じる負荷を大面積で耐えることができる。これにより、金属棒状部材686の耐久性を向上することができるので、例えば、同部材を樹脂材料から形成した場合の耐久性を向上することができる。
また、筒状部684と金属棒状部材686とが同様の太さで形成されても良い。この場合、長孔672~674に設定されるクリアランスを同様の数値で設計することができ、長孔672~674の摩耗の度合いを均一化することができる。
上記第2実施形態では、上下一対の長孔612が、昇降板部材630の締結部632,633との前後方向のクリアランスを同等で設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上の長孔612と昇降板部材630の上締結部632とのクリアランスよりも、下の長孔612と昇降板部材630の下締結部633とのクリアランスの方が大きくなるように形成しても良い。この場合、昇降板部材630の下側部が前後方向に変位する許容幅を大きくすることができるので、ラックギア部634と伝達ギア649との歯合状態を、昇降板部材630の前後変位によって変化させ易くすることができる。
上記第2実施形態では、第2長孔673が上下に延びる長孔として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、湾曲長孔674と連結される第2長孔673が、湾曲長孔674に近い側ほど前方に配置されるように前側へ向けて下降傾斜して延設されるように構成しても良い。この場合、金属棒状部材686が第2長孔673に案内されている状態において、金属棒状部材686を前後方向に変位させることができる。
即ち、内部動作ユニット600の退避状態から中間状態に到達する前の状態において、発光動作演出ユニット700の姿勢を傾倒方向に徐々に変化させるような動作を実現させることができる。
なお、第2長孔673の傾斜は、上端部から形成される必要はなく、上端部から途中までは上下方向に長い長孔として形成し、途中から下降傾斜する方向に延設されるように構成しても良い。この場合、内部動作ユニット600の退避状態からの昇降板部材630の始動時においては発光動作演出ユニット700の姿勢を維持することができるので、ベース板60と発光動作演出ユニット700とが衝突することを回避することができる。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700の重心位置G1が筒状部684と金属棒状部材686との間に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、重心位置G1が、金属棒状部材686を基準として筒状部684の反対側に配置されても良いし、筒状部684を基準として金属棒状部材686の反対側に配置されても良い。
上記第2実施形態では、筒状部684を支持する形状部が長孔で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、固定の軸で軸回転可能に筒状部684を構成しても良い。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700を支持する変位部材680が発光動作演出ユニット700の左右両側に配設され、上下方向に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700が前後方向または前後方向および上下方向が合成された方向に変位するように構成しても良いし、発光動作演出ユニット700の左右片側に変位部材680が配設されるように構成しても良いし、変位部材680が発光動作演出ユニット700の上下に配置され、左右方向または前後方向に変位するように構成しても良い。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700に配設される可動部材として、回転動作する回転演出装置800が採用された場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直線方向で往復動作する可動部材を採用しても良いし、振動する可動部材を採用しても良い。
上記第2実施形態では、上下2個の被連結孔764の内、支持孔764bが下側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側に支持孔764bが配設されても良いし、上下とも支持孔764bとしても良い。
右側の被連結孔764の内、上下とも支持孔764bとして、左側の被連結孔764の上下ともを長孔764aとする場合、変位部材680に対する発光動作演出ユニット700の左右方向の配置ずれのみが許容され、発光動作演出ユニット700の締結部682を軸とした回動方向の姿勢変化を抑制することができる。
また、長孔764aに限定されるものではなく、支持孔764bよりもクリアランスの大きな形状の貫通孔を任意に設計することができる。例えば、締結部684の外径よりも十分に内径の大きな真円形状の貫通孔として形成するようにしても良い。また、例えば、支持孔764bとして、長孔764aよりも長手方向の長さが短い長孔を採用しても良い。この場合、発光動作演出ユニット700が左右方向の水平動作をすることが可能となる。
なお、左右の被連結孔764の形状の設定の内、対角線上の被連結孔764を共に支持孔764bとすると、発光動作演出ユニット700の左右方向の配置ずれも、締結部682を軸とした回動方向の姿勢変化も抑制される。そのため、配置ずれが生じないように、十分な強度で形成し、動作制御も精密に行う場合には良いが、そうでない場合には、少しの動作不良が発光動作演出ユニット700の破損につながるので、注意が必要となる。
上記第3実施形態では第1通路TR1及び第2通路TR2の前側に開口3982kが形成される場合を説明し、上記第4実施形態では第1通路TR1及び第2通路TR2の後側に開口4985kが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開口3982k,4985kの双方が形成されるように構成しても良い。この場合、球詰まりにおける耐性を向上させることができる。
また、例えば、第1通路TR1の前側に開口が形成され、第2通路TR2の後側に開口が形成されるようにしても良い。更に、これら開口から排出された球を下流側で合流させる合流流路が形成されても良い。この場合、左右に流下する球の見え方を変化させることができるので、球を利用した演出の演出効果を向上させることができる。
また、例えば、第1通路TR1からは、前側または後側の少なくとも一方に開口が形成され、第2通路TR2からは、左側または右側の少なくとも一方に開口が形成され、それぞれの開口を通して第1通路TR1や第2通路TR2から球が排出されるように構成しても良い。
上記第3実施形態および上記第4実施形態では、開口985dがある場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開口985dの形成を省略して、検出装置SE3の真上における第1通路TR1と第2通路TR2との間の間隔を狭め、これに伴い検出装置SE3の左右間隔を狭め、開口985e,985fの左右間隔を狭めるようにしても良い。この場合、膨出部982の下端部における左右幅を更に短縮することができる。
上記第3実施形態および上記第4実施形態では、第1通路TR1と第2通路TR2との間に配設される立設壁982aの間に空間が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、7セグ表示装置を配置して7セグによる演出範囲として利用しても良いし、小型の液晶表示装置を配置するようにしても良い。
上記第5実施形態では、遊技領域の裏側に遊技球を案内する通路が、ベース板60及び上部連結部材5270に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技球を案内する通路が、上部連結部材270及びセンターフレーム86に形成されるようにしても良いし、センターフレーム86及びベース板60に形成されるようにしても良いし、ベース板60、センターフレーム86及び上部連結部材5270を通るように形成しても良いし、ベース板60、センターフレーム86及び上部連結部材5270の何れかに形成されるようにしても良い。
上記第5実施形態では、第3張出部5274に開口5274aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、他の張出部272,5273,275~277のいずれに形成されるようにしても良い。また、開口ごとに流下後の球の行先を異ならせても良い。
例えば、第1の開口を通過した球は帯状延設部263の上面に到達し、第2の開口を通過した球は釘KG2の真上からベース板60の正面側に戻り、第3の開口を通過した球は湾曲状突設部414の真上からベース板60の正面側に戻るようにしても良い。この場合、第1の開口を狙えば球を第1入賞口64に入球させ易い一方で、第2の開口または第3の開口を狙えば球は第1入賞口64へは向かい難できると共に、球案内部457,459や特定入賞口65aへ球を案内させ易くすることができる。
第6実施形態では、遊技盤13の前側で発光動作演出ユニット6700が往復動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2実施形態で説明した内部動作ユニット600の退避状態における位置(遊技盤13の背面側の位置)にまで発光動作演出ユニット6700が移動可能に構成されるように構成しても良い。
この場合、遊技者から見え難い状態を、遊技盤13の背面側に配置される退避状態における位置と、発光動作演出ユニット6700の上端位置との、2位置で構成することができる。そのため、遊技者の視界を遮るためのシャッターや導光板等を第2ガラスユニット6016bに配設し、遊技者の視界を遮っている状態で発光動作演出ユニット6700を移動させ、見え難い状態とすることで、発光動作演出ユニット6700が2位置の内のどちらの位置に配置されているか分からないようにできる。これにより、発光動作演出ユニット6700による動作演出を予想させ難くすることができる。
上記第7実施形態では、L字長孔7674が途中まで上下方向に延びる長孔として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下方向ではなく、凹設部7674aに近接するほど後方に向かう方向に傾斜または湾曲しているように構成しても良い。この場合、筒状部684が下降変位する期間に、同時に後方へも変位されるので、変位部材680が、下降変位すると同時に、変位部材680が前転方向へ姿勢変化するように構成できる。
第7実施形態では、L字長孔7674が下端部で後方に延びる形でL字形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹設部7674aの上下位置から、更に下方に延びるように形成しても良い。この場合、凹設部7674aに進入させることで、筒状部684の上下方向変位可能範囲の途中位置で筒状部684の上下方向変位を規制することができる。規制による負荷が生じても、筒状部684が太く形成されているので、破損を回避し易くすることができる。
上記第8実施形態では、金属棒状部材686が湾曲長孔8674の途中位置に配置される状態で、回転部材810の回転軸RJ1が前後方向と一致する姿勢となる。その状態で、回転部材810を高速回転させ、回転発光演出を実行するようにしても良い。金属棒状部材686が湾曲長孔8674の途中位置に配置されていても、抵抗発生装置650により昇降板部材630の上下変位を規制することで、発光動作演出ユニット700の姿勢を維持することができ、回転軸RJ1の配置ずれを抑制することができる。
上記第8実施形態では、傾倒前において変位部材680が前転方向に傾斜する姿勢となっているので、傾倒変位後には、回転部材810の裏面側(放熱板812側)を遊技者側に向ける姿勢となっている。この場合であっても、回転部材810の裏面側は放熱板812により蓋をされており、電飾基板も内側に収容されており露見することがない。
上記第8実施形態では、変位部材680が下降変位しながら前後方向変位する場合を説明したが、この場合において、回転演出装置800の前後位置が、変位部材680が傾倒変位する前と、傾倒変位した後とで同様の位置となるように設計しても良い。これにより、例えば、変位部材680、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800のセットを前後方向で複数個積層配置させる場合の設計難易度を低くすることができる。
なお、長孔8672a,8672b,8673,8674,8675の形状は、何ら限定されるものではない。例えば、波形状でも良いし、直線形状の孔と波形状(湾曲形状)の孔との組み合わせでも良い。
上記第9実施形態では、傾斜面部9689b2と面取り傾斜部9764a1との間の負荷が変位部材9680の姿勢により変化することで、発光動作演出ユニット9700の位置ずれのし易さが変化するように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜面部9689b2と面取り傾斜部9764a1との設計に寄らずとも、押し付け合う箇所に高摩擦の樹脂材料を配置しても良いし、押し付け合う箇所に高粘度のシート部材を配置しても良いし、押し付け合う箇所に互いに嵌合する単数または複数の凹部および凸部を形成しても良い。
なお、凹部および凸部の形状は、点を中心として凹凸形成されるものでも良いし、直線や曲線を中心として形成される突条や凹溝でも良い。突条や凹溝の場合は、その延設方向に沿う方向の発光動作演出ユニット9700の位置ずれは許容し易い一方で、延設方向と交差する方向の発光動作演出ユニット9700の位置ずれは制限し易くすることができる。
上記第10実施形態では、回転部材810を適正姿勢にする作用が、検出用ギア10831の自重による付勢によって生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転部材810の姿勢を厳格に制御するようにしても良い。
また、回転部材810が適正姿勢となるまでは回転部材810が後転方向に起き上がり動作しないようにしても良い。例えば、回転部材810が適正姿勢の時には左右内側に退避し、回転部材810が適正姿勢から外れている時には左右外側に突出する係合部が回転演出装置800に配設され、突出時には係合部が内側部材670に嵌合可能(挿通可能)とされ、嵌合時には回転部材810の起き上がり方向の動作が規制されるようにしても良い。この場合、回転部材810が適正姿勢にならずに起き上がり動作することを機械的に防止できるので、予期せず回転部材810が破損することを回避することができる。
上記各実施形態では、第1入賞口64の下流側に配設される検出装置SE3の前後位置が同一となるようにして左右に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出装置SE3の配置が前後にずれていても良い。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図80は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図81はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図82は遊技盤13に設けられる振分装置700の正面図であり、図83はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図80に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図80参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図81参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図99参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図80参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図80参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上方には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図81参照)で表示される演出のステージ(背景画像)を変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「砂浜ステージ」,「深海ステージ」の2つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「砂浜ステージ」→「深海ステージ」→「砂浜ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「砂浜ステージ」が設定される。
なお、詳細な説明は後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、上述したステージ(背景画像)以外にも、遊技状況に応じて様々なステージ(背景画像)を表示可能に構成している。例えば、計時された時間が予め定められた時間となった場合に所定期間(3分)の間、専用の演出(SP演出)を実行可能に構成しており、そのSP演出が実行されている期間はSP演出専用のステージ(背景画像)が表示される。また、始動入賞に基づいて実行される特別図柄抽選の結果が大当たりとなることを遊技者に事前に報知するための事前演出(先読み演出)を実行可能に構成しており、その先読み演出が実行されている期間は先読み演出専用のステージ(背景画像)が表示される。
このように、本実施形態におけるパチンコ機10では、演出のステージ(背景画像)を、遊技者による枠ボタン22への操作に基づいて変更する機能と、実行される遊技の状況に応じて、遊技者による枠ボタン22への操作に関わらず変更する機能と、を有しているため、遊技者が意図的にステージを変更することで実行される演出内容を異ならせることにより遊技(実行される演出)が単調になることを抑制し、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができると共に、遊技者の意図しないタイミングでもステージが変更されるため、遊技者に意外性のある演出を実行することができる。
なお、演出のステージ(背景画像)を変更するための変更条件として、本実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者の操作に基づいて成立し得る変更条件と、計時時間に基づいて成立し得る変更条件と、特別図柄抽選の結果に基づいて成立し得る変更条件と、を設けているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選が実行された回数が所定回数に到達した場合に成立し得る変更条件や、特別図柄抽選によって大当たり当選した回数が所定回数に到達した場合に成立し得る変更条件や、ステージを変更するか否かを決定するための変更抽選を実行可能に構成し、その変更抽選の結果に基づいて成立する変更条件を設けても良い。
また、本実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者が枠ボタン22を操作することにより変更可能なステージの種別と、遊技状況に応じて変更されるステージの種別と、を異ならせることにより、ステージが変更された場合に、成立した変更条件が何であるかを遊技者に把握させ易くするように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が枠ボタン22を操作することにより変更可能なステージの種別と、遊技状況に応じて変更されるステージの種別との全部、或いは、一部において、共通の種別となるように構成しても良い。このように構成することで、ステージが変更された場合に、何を契機にステージが変更されたのかを遊技者に分かり難くすることができるため、ステージが変更された後の遊技内容(特別図柄抽選の結果を示すための変動演出内容)に興味を持たせることができる。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図80参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図81参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面視下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図81は第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図81に示すように、第1実施形態における遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入球口63、第2入球口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80、振分装置700等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図80参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入球口63、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80、振分装置700は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。また、詳細については後述するが、振分装置700の内部には、球が入球し得る第1入球口64、および右第2入球口640rが設けられている。詳細は図82を参照して後述するが、振分装置700の開口部710aへと入球した球は、振分装置700によって第1入球口64、および右第2入球口640rのいずれかに振り分けられる(図82参照)。
遊技盤13の前面中央部分は、前扉5の窓部5c(図80参照)を通じて内枠4の前面側から視認することができる。以下に、主に図81を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール77が植立され、その外レール77の内側位置には外レール77と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール76が植立される。この内レール76と外レール77とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図80参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール76,77とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール76,77は、球発射ユニット112a(図99参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール76の先端部分(図81の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール77の先端部(図81の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図81左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図99参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本第1実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640または右第2入球口640rへ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640または右第2入球口640rへ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たり(大当たりA1~D1)に対応した図柄か通常大当たり(大当たりE1)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入球口64,第2入球口640,右第2入球口640rのいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、10R確変大当たり(大当たりA1)、10R確変大当たり(大当たりB1)、5R確変大当たり(大当たりC1)、2R確変大当たり(大当たりD1)、10R時短100回大当たり(大当たりE1)が用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
「10R確変大当たり」(大当たりA1)とは、第3図柄が同一図柄のぞろ目で停止表示することで大当たりであることが報知された後に、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり遊技の後に、確変状態が設定される大当たりのことである。ここで、確変状態とは特別図柄抽選により大当たり当選する確率が通常状態(低確率状態)よりも高い状態(特別図柄の高確率状態)となり、さらに、特別図柄抽選が通常状態よりも実行され易い状態(普通図柄の高確率状態)となる遊技状態のことである。つまり、確変状態は、特別図柄抽選が実行され易く、且つ、特別図柄抽選で大当たり当選し易い遊技状態であり、遊技者にとって最も有利な遊技状態となる。「10R確変大当たり」(大当たりB1)とは、上述した(大当たりA1)と同一の大当たりであり、「5R確変大当たり」(大当たりC1)とは、上述した(大当たりA1)に対して、大当たり遊技の最大ラウンド数が5ラウンドに規定されている点でのみ相違する大当たりであり、「2R確変大当たり」(大当たりD1)とは、上述した(大当たりA1)に対して、大当たり遊技の最大ラウンド数が2ラウンドに規定されている点でのみ相違する大当たりである。そして、「10R時短100回大当たり」(大当たりE1)とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり遊技の後に、時短状態が設定される大当たりのことである。ここで、時短状態とは特別図柄抽選により大当たり当選する確率は通常状態(低確率状態)であるが、特別図柄抽選が通常状態よりも実行され易い状態(普通図柄の高確率状態)となる遊技状態のことである。つまり、時短状態は、通常状態よりも特別図柄抽選が実行され易い遊技状態であり、遊技者にとって、通常状態よりは有利となり、且つ、確変状態よりは不利となる遊技状態である。
本第1実施形態では、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定された場合には、次に特別図柄抽選で大当たり当選するまで確変状態が継続するように構成しており、時短状態が設定された場合には、時短状態中に実行される特別図柄抽選の回数が100回(所定回数)に到達するまで継続するように構成している。なお、各遊技状態が継続する期間はこれに限ること無く、例えば、確変状態が設定された場合において、確変状態中に実行される特別図柄抽選の回数が100回(所定回数)に到達するまで確変状態が継続するように構成しても良いし、次に特別図柄抽選で大当たり当選するまで時短状態が継続するように構成しても良い。また、確変状態が設定された場合において、特別図柄の高確率状態が終了する条件と、普通図柄の高確率状態が終了する条件と、を異ならせても良く、例えば、特別図柄の高確率状態が終了する条件として特別図柄抽選の実行回数が50回、普通図柄の高確率状態が終了する条件として特別図柄抽選の実行回数が100回と規定しても良い。
このように構成することで、確変状態が設定されてから特別図柄抽選が50回実行されるまでは、確変状態中の遊技が実行され、その後、特別図柄抽選が50回実行されるまでは、時短状態中の遊技が実行され、その後、通常状態中の遊技が実行される。これにより、遊技者に対して有利度合いが段階的に低下するように複数の遊技状態で遊技を行わせることができるため、確変状態が設定された場合に、いち早く大当たり当選することを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄抽選の回数が増加するほど遊技者に対する有利度合いが高まるように段階的に遊技状態が変更するように構成しても良い。これにより、大当たり当選しない期間が長時間継続してしまい、遊技者の遊技に対する意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に第3図柄表示装置81の表示面を用いて実行される演出(大当たり中演出)として、上述した各大当たり種別(大当たりA1~大当たりE1)に応じて異なる演出を実行するように構成している。具体的には、大当たり種別が大当たりB1,C1,D1の何れかである場合には、大当たり中演出として、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定されることを予め報知した上で、大当たり遊技が何ラウンド継続するのかを遊技者に楽しませるための大当たり中演出(ランクアップ演出)が実行される。また、大当たり種別が大当たりA1,E1である場合には、大当たり遊技が10ラウンド継続することを予め報知した上で、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を大当たり遊技中に遊技者に報知可能な大当たり中演出(確変昇格演出)が実行される。
このように構成することで、設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技中に実行される大当たり中演出に対して、遊技者が様々な期待感を持つことができるため、大当たり中演出の演出効果を高めることができる。
ここで、本実施形態におけるパチンコ機10において設定される遊技状態の種別について説明をする。本実施形態では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成している。
「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり遊技終了後の付加価値として、その後の大当たり確率がアップした状態をいう。換言すれば、遊技者に有利な大当たり遊技状態(特別遊技状態)へ移行し易い状態のことである。また、「普通図柄の高確率状態」とは、第2図柄抽選の当たり当選確率が高く設定され、第2図柄の変動時間も短く設定される状態をいう。第2図柄抽選で当たり当選した場合には、第2入球口640へと球が入球し易い状態(第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される状態)となる普図当たり遊戯が実行される。つまり、「普通図柄の高確率状態」とは、第2入球口640へと球が入球し易くなることにより、特別図柄抽選が実行され易くなる状態のことである。
一方、「特別図柄の低確率状態」とは、大当たり確率が通常の状態、即ち、「特別図柄の高確率状態」より大当たり確率が低い状態をいう。また、「普通図柄の低確率状態」とは、第2図柄抽選(普通図柄抽選)の当たり確率が通常の状態、即ち、「普通図柄の高確率状態」より当たり確率が低い状態をいう。
「普通図柄の高確率状態」では、第2図柄抽選の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、「普通図柄の低確率状態」と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、「普通図柄の高確率状態」が設定される確変状態中や時短状態中は、第2入球口640へ球が入賞し易い状態となり、特別図柄抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、「普通図柄の高確率状態」中の普図当たり遊技における電動役物640aに対する制御内容としては、「普通図柄の低確率状態」中の普図当たり遊技よりも、第2入球口640へと球が入球し易くなるように制御されていれば良く、例えば、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、1回の普図当たり遊技にて電動役物640aが開放される回数を「普通図柄の低確率状態」よりも増やすように構成しても良いし、普図当たり遊技中に電動役物640aが開放されるタイミングを変更することにより「普通図柄の低確率状態」中の普図当たり遊技よりも、第2入球口640へと球が入球し易くなるように構成してもよい。また、第2図柄抽選の当たり確率を変更することなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄抽選の当たり確率を「普通図柄の低確率状態」と比してアップするよう変更したり、第2図柄抽選の変動時間を「普通図柄の低確率状態」と比して短縮するよう変更したりしてもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入球口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64、第2入球口640、右第2入球口640rのいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。また、センターフレーム86は、遊技盤13の前面側に突出して第3図柄表示装置81の周囲を囲んでおり、第3図柄表示装置81に遊技球が当接することを防止している。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図99参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図99参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常状態(普通図柄の低確率状態)の場合よりも、確変状態や時短状態(普通図柄の高確率状態)の方が短くなるように設定される。これにより、確変状態や時短状態は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普図当たり抽選を通常状態よりも多く行うことができる。よって、普図当たり抽選において当たり当選となる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変状態や時短状態は、特別図柄抽選を実行させる観点において遊技者に有利な遊技状態となる。
なお、確変状態や時短状態において、普図当たり確率を高める、1回に普図当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変状態や時短状態中に第2入球口640へと球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変状態や時短状態において通常状態よりも短く設定する場合は、普図当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の両側の領域において遊技盤に組み付けられる。スルーゲート67は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤13を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37a,37bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37a,37bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37a,37bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る振分装置700が配設されている。この振分装置700に対して、開口部710aを介して球が入賞(入球)すると、その入球した球が第1入球口64、または右第2入球口640rへと交互に振り分けられる。球が第1入球口64へ入賞(入球)すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図99参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。また、球が第2入球口640rへ入賞すると、第2入球口640の場合と同様に、遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図99参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。
一方、振分装置700の正面視下方には、球が入賞し得る第2入球口640が配設されている。第2入球口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図99参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。この第2入球口640は、通常時は羽根形状で構成された左右の電動役物640aが直立した状態で遊技球が入球することを規制することにより遊技球が入球しない(し難い)構成とされ、後述する普通図柄の当たりとなった場合に、一定の動作パターンで電動役物640aが開放動作として外側方向に約45度回動して逆八の字となることで、第2入球口640へと遊技球を誘導して、第2入球口640へ遊技球が入球し易く構成している。
また、第1入球口64および右第2入球口640rは、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出され、第2入球口640は、2個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と、右第2入球口640rへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数に構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と右第2入球口640rへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じ数として構成してもよい。
また、本実施形態では、振分装置700の開口部710aへと流入した球が第1入球口64および右第2入球口640rへと入賞した場合に賞球が払い出されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1入球口64に球が入賞した場合と、右第2入球口640rに球が入賞した場合と、で同一数の賞球が払い出されるように構成している場合には、開口部710aへと球が流入したことを検知するための検知スイッチを開口部710aの近傍に設け、その検知スイッチが球を検知した場合に賞球を払い出すように構成しても良い。このように構成することで、振分装置700の開口部710aへと球が流入してから実際に賞球が払い出されるまでのタイムラグを軽減することができる。さらに、上述した検知スイッチが球を検知してから、第1入球口64または右第2入球口640rへと球が入賞するまでの流下期間を計測することで振分装置700内の球流路の状況を判別可能に構成しても良い。
さらに、その流下期間を用いた演出を実行するように構成しても良い。この場合、本実施形態のように振分装置700へと流入した球が第1入球口64と、右第2入球口640rとに交互に振り分けられる構成よりも、振分装置700へと流入した球が何れの入球口へと入球するのかを遊技者が把握困難な構成を採用したり、振分装置700の開口部710aへと流入した球が第1入球口64へと入賞するのに要する期間(第1球流下期間)と、振分装置700の開口部710aへと流入した球が右第2入球口640rへと入賞するのに要する期間(第2球流下期間)と、が異なるように構成したりすると良い。これにより、振分装置700へと流入した球の流下期間を用いた演出によって、次に入球する入球口の種別を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。また、この場合、流下期間が長いほど遊技者に有利となる入球口へと球が入球し易くなるように振分装置700を構成すると良い。
加えて、本実施形態では、振分装置700へと流入した球が第1入球口64または右第2入球口640rの何れかに必ず入球する構成、即ち、振分装置700へと球が流入することで、賞球が払い出され、且つ、特別図柄抽選が実行されるという特典が付与される構成としているが、これに限ること無く、振分装置700内の球の流下結果に応じて、賞球が払い出される特典以外の特典(例えば、特別図柄抽選の実行)が付与される場合と、付与されない場合と、が発生するように構成しても良い。このように構成することで、振分装置700へと球が流入した場合において遊技者に付与される特典の有利度合いを大きく異ならせることができるため、振分装置700へと流入した球の流下状況に対して遊技者により興味を持たせることができる。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変状態や時短状態は、通常状態と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変状態や時短状態は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態より長くなる。よって、確変状態や時短状態は、通常状態と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
よって、通常状態においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入賞しづらいので、基本的に開口部710aへと球が入球し、その入球した球が第1入球口64、または右第2入球口640rへと振り分けられることで大当たり抽選(特別図柄抽選)が実行される。
一方、確変状態や時短状態は、左右どちらかのスルーゲート67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640に入賞しやすい状態であるので、開口部710aへと入球した球が第1入球口64、または右第2入球口640rへと振り分けられることに加えて、第2入球口640へと入球したことに伴う大当たり抽選も実行され易くなる。従って、通常状態よりも大当たり抽選(特別図柄抽選)の実行機会が多くなるので、通常状態に比較して遊技者に有利となる。
このように、遊技盤13に設けられた遊技領域のうち、可変表示ユニット80の下方位置に振分装置700、第2入球口640、可変入賞装置65を配設しており、左側の遊技領域(可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域)に向けて球を発射する遊技(左打ち遊技)を行った場合も、右側の遊技領域(可変表示ユニット80の右側に形成される遊技領域)に向けて球を発射する遊技(右打ち遊技)を行った場合も、振分装置700、第2入球口640、可変入賞装置65へと到達する球の割合が同一となるように構成している。よって、どのような遊技方法で遊技を行ったとしても遊技者に対して同一の有利度合いを付与することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、図81に示した通り、遊技盤13に設けられた遊技領域のうち、可変表示ユニット80の下方位置に振分装置700、第2入球口640、可変入賞装置65を配設しており、左側の遊技領域(可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域)に向けて球を発射する遊技(左打ち遊技)を行った場合も、右側の遊技領域(可変表示ユニット80の右側に形成される遊技領域)に向けて球を発射する遊技(右打ち遊技)を行った場合も、振分装置700、第2入球口640、可変入賞装置65へと到達する球の割合が同一となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、左打ち遊技を行った場合のほうが、右打ち遊技を行った場合よりも振分装置700へと球を流入させ易く、且つ、右打ち遊技を行った場合のほうが、左打ち遊技を行った場合よりも第2入球口640、可変入賞装置65へと球を到達させ易くなるように構成しても良い。つまり、設定されている遊技状態に応じて、遊技者に対して有利となる遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)が切り替わるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
振分装置700の下側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64、第2入球口640、右第2入球口640rのいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選(特別図柄抽選)で大当たり当選すると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37a又は第1図柄表示装置37bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37a,37bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も振分装置700の正面視下側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前扉5の小窓35(図80参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入球口63,64,65a,640,640rにも入賞しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口66は、振分装置700の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
次いで、図82を参照して、振分装置700について説明する。図82は、振分装置700の部分拡大正面図である。図81に示すように、振分装置700は、遊技盤13の可変表示装置ユニット80の下側に配設される。遊技盤13に形成された貫通孔に開口部710aに入球した遊技球が流下する流路部と、第2入球口640に入球した遊技球が流下する流路部とが納められて振分装置700のベース部材により遊技盤13に前面側よりビス留めされるように構成されている。
入賞部材730は、正面視横長矩形に形成されると共に、左右方向中央上部に位置する上述した開口部710aと、開口部710aの下側に位置する電動役物640aと、その電動役物640aの左右方向両側に位置し前後方向に貫通形成される貫通孔(図示せず)と、その貫通孔の下側に位置し前後方向に貫通形成される下側挿通孔(図示せず)と、を主に備えて形成される。
振分け部材760は、正面視横長矩形に形成されると共に、正面側が開放された箱状体に形成される。また、振分け部材760は、正面視において左右方向略中央位置で屈曲されており、左右方向略中央位置から左右方向外側に向かうに従って下側に傾斜して形成される。また、振分け部材760の左右方向の両端部は、上述した入賞部材730の貫通孔と対向する位置に設定される。
振分け部材760は、正面視における左右方向中央位置から左右両側へ向けて下方傾斜する一対の傾斜面761と、その互いの傾斜面761の中央に配置される振分部材762と、振分部材762の上方に形成される送球口と、を主に備えて形成される。
振分部材762は、円環形状に形成されると共に、その外縁部から軸周りに90度の間隔を隔てて外側に突設される3つの突起762aと、円環形状の内側に挿通される軸部762bと、を備えて形成される。
軸部762bは、振分部材762を軸周りに回転させるための軸支部であり、円柱形状に形成されると共に、振分部材762の円環内側に挿通される。この状態で、軸部762bが、介設部材と振分部材760との間に挟持されることで、振分部材762は軸部762bを軸に回転可能に配置される。
突起762aは、開口部710aを通過した球が送球される際に、球を左右の傾斜面761に交互に一球ずつ振り分けるための突起であり、中央部の突起762aの先端が位置する方向と左右方向反対側に球が送球される。即ち、中央部の突起762aにより開口部710aより送球される球を左右方向に送球することができる。両端に突設される突起762aは、振分部材762の変位を規制すると共に、球の通過した際にかかる重みにより、中央部の突起762aの先端が位置する方向を変位させる(振分部材762を回転させる)部材であり、突起762aの先端面と傾斜面とが当接することで振分部材762の回転が規制される。一方、傾斜面と当接していない突起762aは、球が中央部の突起762aに案内されると、案内された球がその突起762aと衝突して下方に押し下げられる。これにより反対側の突起762aが上方に変位されると共に、下方に変位された突起762aの先端が傾斜面と当接してその変位が規制される。
傾斜面は、上述した振分部材762によって左右に振り分けられた球が転動して送球される経路(以下、「第3送球経路KR3」と称す)の転動面であり、振分け部材760の左右方向中央位置から外側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、振分け部材760の振分部材762によって左右に振り分けられた球は、傾斜面761上を転動されて、傾斜面761の下降側の端部に送球(転動)される。
傾斜面761の下降側の端部には、その端部に向かうに従って、背面側の側面が前方に厚みを増すように介設部材へ近接する方向へ傾斜して形成される。これにより、傾斜面761を転動してその端部まで送球された球を、振分け部材760の前方に配設される介設部材の第1入球口64、または右第2入球口640rに送球することができる。より具体的には、振分部材762によって正面視左側に振り分けられ、傾斜面761を転動した球が、第1入球口64へと送球される(入球する)。一方、振分部材762によって正面視右側に振り分けられ、傾斜面761を転動した球が、右第2入球口640rへと送球される(入球する)。
第1入球口64、および右第2入球口640rは、それぞれ振分け部材760の左右両端部の正面側に形成されると共に、入賞部材730の貫通孔の背面側に形成される。よって、振分け部材760の左右両端部の空間と、入賞部材730の貫通孔の内部空間とが第1入球口64、および右第2入球口640rを介して連結される。従って、上述した振分け部材760の傾斜面761の上部を転動する球を、第1入球口64を通過させて、入賞部材730の貫通孔に送球する経路と、右第2入球口640rを通過させて、入賞部材730の貫通孔に送球する経路とを形成することができる。
さらに、本実施形態では、振分装置700の開口部710aへと流入した球が、振分部材462aによって左右方向へと振り分けられ、左右いずれかの第3送球経路KR3を転動し、第1入球口64、或いは右第2入球口640rへと入球するまでの球の転動状況を遊技者が視認可能となるように構成している。具体的には、振分装置700の一部を透過性の高い材料(例えば、ポリカーボネート)で構成しており、振分装置700の内部を視認可能に構成している。これにより、振分装置700の内部を転動する球の状況を遊技者に把握させ易くすることができる。加えて、振分装置700の内部構造を破壊することで振分装置700の開口部710aへと流入した球が遊技者に有利となる領域に向けてのみ転動するように不正行為が行われた場合、例えば、振分部材762aを破壊し、一方の第3送球経路KR3のみに球を転動させるように不正行為が行われた場合において、遊技場の店員がその破壊状況を容易に確認することができるため不正行為によって発生し得る被害を最低限に抑え易くすることができる。
以上のように構成される振分装置700は、次のように送球される。開口部710aから入る球は、振分け部材760に送球されて振分け部材760の振分部材762により左右方向どちらか一方の第3送球経路KR3に送球される。左方向の第3送球経路KR3を送球される球は、その第3送球経路KR3の端部まで送球されると第1入球口64に送球される。ここで、第1入球口64に入球した遊技球は、検出スイッチ(センサ)により検出されて、第1入球口64に遊技球が入球したことが検出される。
一方、左方向の第3送球経路KR3を送球される球は、その第3送球経路KR3の端部まで送球されると右第2入球口640rに送球される。ここで、第2入球口640に入球した遊技球は、検出スイッチ(センサ)により検出されて、右第2入球口640rに遊技球が入球したことが検出される。
このように、開口部710aに入球した遊技球は、振分部材762により交互に第1入球口64と右第2入球口640とに振分けられるので、均等に第1入球口64と右第2入球口640rとに遊技球を入球させて、保留球を均一に発生させることが可能となる。これにより、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを均等に発生させることができ、一方の保留球数が上限となり、保留球として記憶されないオーバーフローを抑制できる。
なお、本実施形態では、特定の流路(振分装置700の開口部710aから振分部材762aまでの流離)を流下した球が振分手段(振分部材762a)によって2つの流路(左側の第3送球経路KR3と、右側の第3送球経路KR3)に向けて交互に振り分けられる構成を用いているが、特定の流路を流下した球を振り分ける構成はこれに限ること無く、例えば、3つ以上の流路に振り分け可能な構成を用いても良い。さらに、各流路に対して球を均等に振り分けることの無い構成を用いても良く、例えば、振分部材762aが電気的駆動源により駆動される構成を用いることにより、球が振分手段へと到達したタイミングによって振り分け先が切り替わるように構成しても良い。
図83に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図99参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図99参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
さらに、本実施形態では、主制御装置110に対して、設定値を表示させることが可能な設定値表示装置110aと、設定変更動作(および設定確認動作)を受け付ける状態と、受け付けない状態(通常遊技状態)とを切り替えることが可能な設定キー110bと、設定変更動作を受け付ける状態(設定変更状態)において操作者(例えば、パチンコ機10を設置しているホールの店員)の操作に応じてパチンコ機10の設定値を変更することが可能な設定スイッチ110cと、で少なくとも構成されている設定変更機構が設けられている。この設定変更機構を用いた設定変更の方法、および設定確認の方法について、図84を参照して詳細に説明する。
まず、図84(a)~(d)を参照して、設定変更機構を用いたパチンコ機10の設定変更手順について説明する。図84(a)~(d)に示した通り、パチンコ機10の設定を変更するためには、まず、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bを時計回りに回動することによりON位置へと回動させる(図84(a)参照)。つまり、設定変更を行うためには、まず、パチンコ機10の電源を遮断しておく必要がある。次に、設定キー110bをON側に回動させた状態でRAMクリアスイッチ122をオンにしてパチンコ機10の電源を投入する(図84(b)参照)。これにより、電源投入後のパチンコ機10の状態が設定変更中であることを示す設定変更状態に設定される。設定変更状態になると、4桁の7セグメントディスプレイで構成された設定値表示装置110aの各桁に対して、「-」が表示される。この表示内容により、設定変更状態に正常に遷移したということを操作者(例えば、ホールの店員)に対して容易に理解させることができる。
設定変更状態に移行すると、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定値が1ずつ切り替わる(図84(c)参照)。なお、本第1実施形態では、設定1~3の3種類の設定値が設けられており、数値が大きくなる程大当たり確率が高くなるように構成されている。即ち、設定1の大当たり確率が最も低く(例えば、低確率状態で1/262、高確率(確変)状態で1/65)、設定3の大当たり確率が最も高くなる(例えば、低確率状態で1/218、高確率状態で1/55)ように構成されている。設定変更状態では、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定が1→2→3→1・・・といった具合に変更されていく。また、設定値が3の状態で設定スイッチ110cが押下された場合は、設定値が1に戻るようにロータリー式で構成されている。また、設定スイッチ110cが押下される毎に、設定値表示装置110aに対して現在の設定値を示す数字が表示される。なお、図84(c)は、設定値が「3」に設定されている状態における表示態様を示した図である。図84(c)に示した通り、設定スイッチ110cに対する押下操作によって設定値が3に切り替えられると、設定値表示装置110aにおける下1桁に対して、設定3を示す「3」という数字が表示される。
操作者が所望の設定値への切り替え動作を完了した後は、設定キー110bを反時計回りに回動させて設定キー110bをOFF位置に配置させることにより、設定変更状態が終了する(図84(d)参照)。なお、設定キー110bは、鍵型のキー部と、キー部に合致する鍵穴形状の鍵穴部と、で構成されており、キー部を取り外すことができる。これにより、操作者(例えば、ホールの店員)が設定変更動作を行う際にのみキー部を鍵穴部に挿入し、設定変更動作を終了した際にはキー部を取り外して保管しておくことができる。これにより、不正遊技者等が営業中にパチンコ機10の設定を不正に変更することを抑制することができるので、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを防止することができる。
そして、設定変更動作が終了することで、主制御装置110の初期設定処理が再開される。再開後の初期設定処理では、設定変更動作が完了したことを示す設定変更完了コマンドや、設定変更動作によって決定した設定値を示す設定値コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信するための処理が実行される。また、設定変更動作が終了するまで待機される音声ランプ制御装置113の初期設定処理を再開させるためのコマンド(初期化コマンド)を送信するための処理が実行される。
上述した通り、本実施形態では、パチンコ機10の設定値を変更する場合に、RAMクリアスイッチ122をオンにした状態で電源を投入する必要がある。即ち、設定値を変更する場合には、パチンコ機10に設けられた各種制御装置(主制御装置110、音声ランプ制御装置113等)が初期化処理を実行することになる。そして、設定変更動作は操作者が手動で設定スイッチ110cを押下することにより行われることから、設定変更動作に要する期間は、操作者の操作熟練度や、変更する設定値に応じて大きく異なる。
このような状況において、各種制御装置がパチンコ機10の電源投入を契機に初期設定処理を実行してしまうと、設定変更動作の有無や、設定変更動作に要する期間の長さによって、各種制御装置における初期設定処理の終了順序が異なる事象が発生する場合がある。例えば、設定変更動作を実行すること無くパチンコ機10の電源を投入した場合には、主制御装置110の初期設定処理が音声ランプ制御装置113の初期設定処理よりも先に終了し、設定変更動作を実行するためにパチンコ機10の電源を投入した場合には、主制御装置110の初期設定処理よりも先に音声ランプ制御装置113の初期設定処理が終了する事象が発生する場合がある。
近年のパチンコ機10では、適切では無い方法でパチンコ機10から賞球を獲得しようとする行為(不正行為)が行われることを防ぐために様々な監視処理が実行されるように構成されており、特に、電源を遮断させたり、電源と投入したりする行為に対して厳しい監視処理が実行されるように構成している。つまり、不正行為としてパチンコ機10に対して特殊な制御手段(不正基板)を取り付ける場合には、パチンコ機10の電源を一度遮断させる必要があり、不正基板を用いた遊技を行うためには、パチンコ機10の電源を投入する必要があるため、パチンコ機10の電源遮断、電源投入に対しては厳しい監視処理が実行される。
このように構成されたパチンコ機10では、適正にパチンコ機10の電源遮断、電源投入が為された場合に実行される初期化処理の内容(処理の流れ)を固定化することにより、パチンコ機10の電源遮断、電源投入が為された場合に実行される初期化処理の内容(処理の流れ)が適正であるか否かを判別し易くすることができる。しかしながら、上述した通り、設定変更動作の有無や、設定変更動作に要する期間の長さによって、各種制御装置における初期設定処理の終了順序が異なる事象が発生してしまうと、適正にパチンコ機10の電源遮断、電源投入を行った場合において実行される初期化処理の内容(処理の流れ)に複数のパターンが発生することになり、パチンコ機10の電源遮断、電源投入が為された場合に実行される初期化処理の内容(処理の流れ)が適正であるか否かを判別し難くなるという問題があった。
また、従来より、パチンコ機10では、遊技結果に影響を与える主制御処理(遊技者に賞球を付与するか否かを決定したり、賞球を付与し易い遊技状態を設定するか否かを決定するための処理等)を主制御手段である主制御装置110が実行し、その主制御手段にて実行された各種制御処理の結果を示すための各種コマンドが、従制御手段である音声ランプ制御装置113へと送信され、音声ランプ制御装置113にて受信した各種コマンドに基づく演出を実行することにより、遊技者に対して主制御手段にて実行された各種制御処理の結果を分かり易く報知するように構成されている。
そして、主制御手段(主制御装置110)にて実行される各種制御処理の内容、即ち、主制御処理の内容が改ざんされることを防止するために、コマンドの送信方向が主制御手段から従制御手段へと一方向に構成されている。よって、主制御手段側では、従制御手段側の初期設定処理の進行状況を把握することが出来ない。このように構成されたパチンコ機10において、設定変更動作の有無や、設定変更動作に要する期間の長さによって、各種制御装置における初期設定処理の終了順序が異なる事象が発生してしまうと、主制御手段(主制御装置110)の初期設定処理が完了した状態において、音声ランプ制御装置113へと主制御処理の結果を示すためのコマンドを送信したとしても、従制御手段(音声ランプ制御装置113)の初期設定処理が完了していなければ送信されたコマンドに対して適正な処理を実行することが出来ず、主制御処理の処理内容とは異なる演出が実行されてしまい遊技者を困惑させてしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、設定変更動作が実行される場合も、設定変更動作が実行されない場合も、主制御装置110の初期設定処理が完了するタイミングと、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が完了するタイミングとの関係が一定となるように構成している。具体的には、主制御装置110の初期設定処理として、設定変更動作の有無に関わらず実行される処理であって、設定変更動作を実行する場合にはその設定変更動作が完了した後に実行される特定処理を実行する段階で音声ランプ制御装置113へと特定処理が実行されたことを示す特定コマンドを送信し、音声ランプ制御装置113側ではパチンコ機10の電源投入に基づいて初期設定処理の一部を実行し、その後、主制御装置110から送信される特定コマンドを受信するまで残りの初期設定処理の実行を待機させるように構成している。
このように構成することで、適正にパチンコ機10の電源を投入した場合に実行される各種制御装置の初期設定処理の処理内容(処理完了順序)を固定化することができる。また、主制御手段(主制御装置110)から従制御手段(音声ランプ制御装置113)へと一方向の通信形態を用いた場合であっても、各種制御装置にて適正な処理を実行させることができる。
本実施形態では、表示制御装置114(図99参照)によって、液晶ディスプレイで形成される第3図柄表示装置81の表示制御を実行するように構成しており、パチンコ機10の電源が投入された場合には、その電源投入に基づいて、液晶ディスプレイを起動させるためのブート処理が実行されるように構成している。この第3図柄表示装置81には、音声ランプ制御装置113から送信される表示用コマンドを表示制御装置114が受信し、その受信した表示用コマンドに基づいた画像が表示されるように構成している。第3図柄表示装置81に表示される画像としては、例えば、遊技者によって枠ボタン22(図99参照)が操作されたことを音声ランプ制御装置113が判別し、その判別結果に基づいてステージ(背景画像)の表示態様を変更させるための表示用コマンドを表示制御装置114へと送信し、表示制御装置114では受信した表示用コマンドに基づいてステージ(背景画像)変化させて表示させるものがある。
ここで、上述した通り、本実施形態におけるパチンコ機10は、設定値(大当たり確率)を変更可能の機能(設定機能)を有しており、設定変更動作の有無や、設定変更動作に要する期間の長さによって、主制御装置110の初期設定処理の処理期間の長さが異なるように構成している。そして、主制御装置110の初期設定処理が完了するタイミングと、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が完了するタイミングとの関係性が同一となるように構成しているため、主制御装置110の初期設定処理の処理期間の長さに応じて、パチンコ機10に電源が投入されてから音声ランプ制御装置113の初期設定処理が完了するまでの期間の長さも、設定変更動作の有無や、設定変更動作に要する期間の長さによって異なることになる。
このように構成されたパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が完了するタイミングと、第3図柄表示装置81のブート処理が完了するタイミングとに一定の関係性を持たせることができず、例えば、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が第3図柄表示装置81のブート処理よりも早く完了する場合や、音声ランプ制御装置113の初期設定処理よりも第3図柄表示装置81のブート処理のほうが早く完了する場合が発生し得る。
よって、音声ランプ制御装置113にて、ステージ(背景画像)の表示態様を変更させるための表示用コマンドを表示制御装置114へと送信した場合であっても、第3図柄表示装置81のブート処理が完了していない状態では、送信した表示用コマンドに応じたステージ(背景画像)での表示を実行することができず、音声ランプ制御装置113にて把握している表示中のステージを示すためのステージ情報と、実際に第3図柄表示装置81にて表示されているステージとが相違してしまうという問題があった。
また、上述した問題を解決するために、パチンコ機10に電源が投入された場合において、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと表示用コマンドを送信することを禁止する禁止期間を、第3図柄表示装置81のブート処理が終了するまでの期間よりも長い特定期間実行するように構成することで、第3図柄表示装置81が起動していない状態(ブート処理が完了していない状態)で、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと表示用コマンドを送信しないようにすることは可能であるが、このように構成した場合、例えば、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が完了するまでに長時間を要する場合、即ち、設定変更動作が実行された場合において、第3図柄表示装置81が起動中であるにも関わらず、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと表示用コマンドを送信することが禁止される禁止期間が継続してしまうため、第3図柄表示装置81を用いることで演出効果を高めることができないという問題があった。
これに対して、本実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113の初期設定処理の完了タイミングと、第3図柄表示装置81を起動させるためのブート処理が完了するタイミングと、に基づいて、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと表示用コマンドが送信されることを禁止する禁止区間の設定の有無、及び、禁止区間の長さを決定可能に構成している。
このように構成することで、第3図柄表示装置81にて実行される演出の精度を高めることができると共に、主制御手段(主制御手段)により実行される主制御処理の内容に応じた演出を第3図柄表示装置81にて実行することができる。
次に、図84(e)~(g)を参照して、設定確認を行ための手順(設定確認動作)について説明する。設定確認を行うためには、まず、設定変更動作と同様に、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bをON位置に回動させる(図84(e)参照)。そして、RAMクリアスイッチ122をオンにせずに(即ち、オフの状態のままで)パチンコ機10の電源を投入することにより、設定確認状態に設定される(図84(f)参照)。設定確認状態に移行すると、設定値表示装置110aに対して現在設定されている設定値が表示される。図84(f)の例では、設定値として「3」が設定されている状態を示している。操作者による設定の確認が終了すると、設定キー110bをON側に回動することで設定確認状態が終了されて通常遊技が可能な状態に移行される(図82(g)参照)。
なお、本第1実施形態では、設定キー110bと設定スイッチ110cとを別々に設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、設定スイッチ110cを削除して、設定キー110bの回動量に応じて設定を変更することができるように構成してもよい。より具体的には、設定キー110bを60度回動させる毎に、設定が1→2→3→1・・・設定キー110bのキー部を鍵穴部から引き抜くことで通常遊技が可能な状態に戻すように構成してもよい。このように構成することで、設定変更機構の構成を簡素化することができるので、部品点数の削減を図ることができる。よって、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。
本第1実施形態では、図83に示した通り、パチンコ機10の背面側、即ち、遊技中の遊技者が視認し得ない位置に設定変更機構を設けている。よって、遊技中に設定変更機構が操作されてしまうことを確実に抑制することができる。また、実際に設定変更動作を行う場合には、パチンコ機10の背面側に設けられている設定キー110bや設定スイッチ110cを操作するために内枠12および正面枠14を開放する必要があるが、これらが開放した状態においては、内枠12および外枠14が開閉軸のみによって支持された比較的不安定な状態となる。このような状況にてパチンコ機10の電源を投入し、パチンコ機10に設けられた装飾用の役物の復帰動作が実行してしまうと、開閉軸等に過剰な負荷が掛ってしまい破損を招来してしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態では、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が待機される待機処理が終了した後に、役物の復帰動作が実行されるように構成している。つまり、設定変更動作中に役物の復帰動作が実行されることが無いように構成している。このように構成することで、設定変更動作中に役物の復帰動作が実行されてしまい、パチンコ機10が破損してしまう事態が発生することを抑制することができる。また、操作者が設定スイッチ110cを操作している最中に役物の復帰動作が実行される場合に比べて、設定変更動作中にパチンコ機10が振動し難くすることができるため、設定スイッチ110cの誤操作が発生し難くすることができる。
本実施形態では設定変更動作を実行する場合に、必ずRAMクリアスイッチ122をオンに設定するように構成しているため、例えば、遊技者に有利な確変状態が設定されている状態を維持したまま設定変更動作を行うことができない。つまり、設定変更操作が実行された後に設定される遊技状態が初期状態(通常状態)となる。よって、設定変更動作が行われた後に実行される遊技に対して、設定値に基づく大当たり確率の相違以外の遊技条件を統一することができるため、遊技者に対して公平な遊技を提供し易くすることができる。
次に、図85~図98を参照して、本第1実施形態における第3図柄表示装置81で表示される演出表示態様について説明する。図85(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、上側の2/3が主に第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の下側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1~Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1~Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順に主図柄が配列され、各図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。この主表示領域Dmの略中央が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
本実施形態では、上述した通り、各図柄列Z1~Z3が上から下へとスクロールして変動表示した後、予め定められた図柄の組合せ(表示態様)で停止表示される構成を用いることで、特別図柄抽選が実行されてから特別図柄抽選の結果が表示されるまでの期間(変動表示期間)において、第3図柄がどの表示態様で停止表示されるかを遊技者に予測させる楽しみを提供することが可能としているが、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄(識別情報)が停止表示されるまで第3図柄を動的表示させていれば良く、例えば、有効ラインL1上にて複数の識別情報が切り替わって表示される動的表示態様を用いても良いし、複数(4つ以上)の識別情報が表示領域内を漂うように移動させる動的表示態様を用いても良い。
また、図85を用いて示した例によれば、第3図柄として数字を模した図柄が変動表示(動的表示)する態様を用いているが、遊技者に対して特別図柄抽選の結果を示すことが可能な態様であればそれ以外の態様を用いても良く、例えば、数字に代えてキャラクタを模した複数の画像が動的表示するように構成しても良いし、主表示領域Dmにてストーリー性のある動画像を表示し、そのストーリーの結果によって特別図柄抽選の結果を遊技者に報知するように構成しても良い。つまり、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が表示されるまでの期間を用いて、遊技者に対して特別図柄抽選の結果を予測させる楽しみを提供可能な態様であればどのような態様を用いても良い。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられており、さらに左右方向に2つの小領域Ds1~Ds2に区分されている。このうち、小領域Ds1は、主表示領域Dmにおいて保留されていた保留球が変動表示(動的表示)される場合に、変動が実行される保留図柄が移動して表示される実行表示領域である。実行表示領域へと移動された保留図柄は、対応する特別図柄の変動が実行中であることが識別できるように、保留図柄よりも大きい図柄で表示される。なお、変動が実行される場合に、図柄の色を可変させたり、図柄の模様を可変させたりすることで、変動している特別図柄の抽選結果を示唆するように構成されている。
小領域Ds2は、第1入球口64または右第2入球口640r、第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数や予告演出画像を表示する領域である。さらに、小領域Ds2には、遊技内容を案内するためのキャラクタ画像が表示されるキャラクタ表示領域Cが設定されている。このキャラクタ表示領域では、今後実行される遊技の内容や、今後実行される演出の内容を遊技者に分かり易く案内するための案内表示態様として、キャラクタのコメントが表示されたり、キャラクタの表情や仕草を可変表示したりするように構成している。このように、第3図柄表示装置81の表示画面の特定領域を遊技(演出)の案内領域として用いることにより、複数の情報が期間を重複して表示される場合であっても分かり易い遊技を提供することができる。なお、キャラクタ表示領域Cを用いた詳細な案内表示態様については、図86~図98を参照して後述する。
実際の表示画面では、図85(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計3個停止表示される。なお、変動表示される場合には、中央部に表示される主図柄以外にも、その前後に配置された主図柄が視認可能に表示されるので、最大で合計9個主図柄が表示される場合もある。副表示領域Dsにおいては、小領域Ds1には、実行中の特別図柄に対応する保留球が移動して表示されるエリアであることを示す実行中図柄用台座m0が表示されており、図86(a)に示すように特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動が実行される場合には、丸図柄が表示される。なお、小領域Ds2に表示されていた保留図柄(丸図柄)のうち、最も保留された順序が先であることを示す一番左側に表示されている丸図柄が非表示となり、その後に小領域Ds1に保留図柄よりも直径が大きい丸図柄が表示される。この場合、小領域Ds2に表示されていた保留図柄は、非表示となった一番左側の保留図柄が表示されていた位置へとその後に続けて並べて表示されている保留図柄が移動して表示される。保留図柄が小領域Ds1へと移動して実行中の図柄として表示される場合には、変動開始される特別図柄の抽選結果や、選択されている変動パターン等に基づいて所定の演出抽選が実行されて、実行中の図柄の色や図柄が決定されて表示される。このように構成することで、小領域Ds1に表示される実行中の図柄により、変動開始される特別図柄の抽選結果や選択されている変動パターンを早期に遊技者が判別することができ、遊技の興趣を向上できる。なお、小領域Ds1に表示される実行中の図柄は、変動開始時に色や模様等を可変させる演出に限らず、特別図柄が変動している期間内に可変させる演出も実行される。例えば、第3図柄が高速変動から低速変動に切り替わるタイミングや、リーチ表示態様(左図柄と右図柄とが同一の図柄で仮停止表示されて中図柄がスクロール表示されている表示態様)となったタイミングや、特定の演出(例えば、所定のムービー演出が実行される場合等)が実行されるタイミング等に実行される。
図85(b)に示すように、小領域Ds2には、最も変動順序が先となる保留順序であることを示す保留図柄が表示されるエリアであることを示す第1保留図柄用台座m1が左端に表示されている。第1保留図柄用台座m1の右側には、保留順序が2番目であることを示す第2保留図柄用台座m2、保留順序が3番目であることを示す第3保留図柄用台座m3、保留順序が4番目であることを示す第4保留図柄用台座m4、保留順序が5番目であることを示す第5保留図柄用台座m5、保留順序が6番目であることを示す第6保留図柄用台座m6、保留順序が7番目であることを示す第7保留図柄用台座m7、保留順序が8番目であることを示す第8保留図柄用台座m8がそれぞれ保留図柄の表示されていない状態であっても表示されている。
第5保留図柄用台座m5~第8保留図柄用台座m8の上部には、保留図柄が所定個数以上表示されていない状態である場合には、それぞれ保留個数示唆図柄Pが表示されている。保留個数示唆図柄Pは、第5保留図柄用台座m5の上部には、保留順序が5番目である事を示す「5」の文字が表示された可変蓋形状で構成されている。同様に、第6保留図柄用台座m6の上部には、保留順序が6番目である事を示す「6」の文字が表示され、第7保留図柄用台座m7の上部には、保留順序が7番目である事を示す「7」の文字が表示され、第8保留図柄用台座m8の上部には、保留順序が8番目である事を示す「8」の文字がそれぞれ表示された可変蓋形状の図柄で構成されている。
図85(b)に示すように、保留個数が0個である場合には、第5保留図柄用台座m5から第8保留図柄用台座m8までの領域に跨がって保留個数示唆図柄Pが表示されており、遊技者が最大の保留個数は、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせて8個であることを認識できるように構成されている。なお、本実施形態では、第1特別図柄に対して最大4個、第2特別図柄に対して最大4個が設定されている。また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ最大個数を設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄との保留数を合わせた最大個数を設定するようにして、オーバーフローが発生するのを抑制されるように構成してもよい。
なお、本実施形態では、図85(b)に示した通り、表示可能な保留図柄の最大個数が8個であることを遊技者に報知するために保留図柄用台座m1~m8を表示しているが、これに限ること無く、保留図柄用台座m1~m8を表示しないように構成しても良い。
第8保留図柄用台座m8の右側には、予告用キャラクタが表示される領域であることを示すキャラクタ表示台座C1が表示されている。このように構成することで、予告用キャラクタが表示されていない場合にも、遊技者がキャラクタの表示されるエリアを事前に確認することができ、分かりやすく遊技を行うことができる。
次に、図86を参照して、本実施形態のパチンコ機10において実行される演出の1つである保留先読み演出について説明をする。この保留先読み演出とは、新たな特別図柄変動を開始することが出来ない状態、例えば、特別図柄変動が実行されている状態や、大当たり遊技が実行されている状態で、第1入球口64または右第2入球口640r、第2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて獲得した保留球(入賞情報)の内容を、実際に特別図柄抽選が実行されるよりも前に判別し(先読みし)、その判別結果(先読み結果)を用いて、遊技者に対して今後実行される特別図柄抽選の結果を事前に示唆するための演出である。
この保留先読み演出を実行することにより、実際に特別図柄抽選が実行されるよりも前の時点から特別図柄抽選の結果を遊技者に示唆することができるため、例えば、先読み結果が大当たり当選である場合には、より長い期間遊技者に対して大当たり当選する可能性が高いことを示唆することが可能となる。これにより、遊技者に対して大当たり当選の期待感を長期間高めることができると共に、実際に特別図柄抽選が実行されてからその抽選結果が停止表示されるまでの期間(変動期間)よりも長い先読み演出期間を用いて先読み演出を実行することができるため、実行する演出のバリエーションを増加させ易くすることができる。
先読み結果に基づいて保留先読み演出を実行すると判別された場合には、その保留先読み演出の対象となる保留図柄を遊技者に報知するために副表示領域Dsの小領域Ds2に表示される保留図柄のうち、特定の保留図柄の表示態様が可変される。図86(a)に示した表示画面では、第4保留図柄用台座m4に表示されている保留図柄(4の数字が付された保留図柄)の表示態様が可変表示されている。
そして、保留先読み演出の対象となる保留図柄の表示態様は、様々なタイミングで表示態様が可変されていき、保留先読み演出の対象となる保留図柄(4の数字が付された保留図柄)が実行中図柄用台座m0まで移動すると、図86(b)に示した通り、保留先読み演出の対象となる保留図柄に対応する変動演出が実行される。つまり、図86を用いた例では、保留先読み演出の対象となる保留図柄が第4保留図柄用台座m4に表示されてから、実際に特別図柄抽選が実行されるまでの期間となるため、対象の特別図柄抽選が実行されてから停止表示されるまでお期間よりも長い期間を用いて保留先読み演出を実行することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、保留先読み演出の対象となる保留図柄の表示態様を変更させる演出態様は、先読み処理の結果(事前当否判定結果)と、保留球数と、に基づいて決定されるように構成していおり、例えば、保留先読み演出の対象となる保留図柄が表示されるタイミングや、保留図柄の表示位置がシフト(移行)するタイミングや、保留先読み演出中に実行される他の特別図柄抽選結果を示すための変動演出にて特定演出が実行されたタイミングや、遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングに対して、どの表示態様へと可変表示させるかが決定される。このように長期間に渡って実行される保留先読み演出において、その演出期間中のどのタイミングでどの表示態様へと可変させるかを規定した演出態様を決定することにより、遊技者に対して違和感を与えること無い一連の演出を実行し易くすることができる。
次に、図87を参照して、獲得した保留球が上限数(8個)に到達した場合に実行される演出の内容について説明をする。図87(a)は、保留球が上限数(8個)に到達した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図87(b)は、保留上限時演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
本実施形態では、保留球数が上限に到達した場合に、獲得済みの保留球内に大当たり当選を示す入賞情報が含まれているかを判別し、その判別結果に基づいて保留上限時演出を実行するように構成している。そして、大当たり当選を示す入賞情報が含まれていることを報知する(大当たり当選することを報知する)演出態様(魚群まつり)と、大当たり当選する期待度が高いことを報知する演出態様(チャンス告知)と、で保留上限時演出を実行可能に構成している。
より具体的には、保留球を獲得したことを示す保留球数コマンドが主制御装置110から出力され、音声ランプ制御装置113にて保留球数コマンドを受信した場合に実行される保留球数コマンド受信処理(図145のS2208参照)において、今回受信した保留球数コマンドに基づいて、保留球数が上限に到達したかが判別され(S2304)、上限に到達した場合に、保留上限時演出選択テーブル222e(図110(b)参照)を参照して、実行する演出態様(演出パターン)を決定する。そして、決定された演出態様にて保留上限時演出を実行可能な状況であるかを判別し、実行可能な状態であれば保留上限時演出が実行される。
ここで、本実施形態では、特別図柄抽選が行われることに基づいて実行される各種演出に加え、時刻情報に基づいて電源投入されてからの経過時間を判別し、その経過時間に基づいて異なる態様の演出(期間演出)を実行可能に構成している。このように構成することで、複数のパチンコ機10に対して、同一タイミングで期間演出を実行させることが可能となるため、複数のパチンコ機10を用いた一体的な演出を実行することにより、1台のパチンコ機10のみで演出が実行される場合よりも演出効果を高めることができる。
しかしながら、この期間演出が実行される期間と、上述した保留上限時演出が実行される期間とが重複してしまうと、各演出の表示態様が混在してしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。また、期間演出は上述した通り、複数のパチンコ機10に対して同一タイミングで同一の演出を実行させるものであるため、各パチンコ機10の遊技状況に応じて、期間演出の実行の有無を決定したり、期間演出の実行タイミングを遅らせたりしてしまうと、期間演出の演出効果が著しく低下してしまうという問題があった。
そこで、本実施形態では、先読み演出(保留先読み演出、保留上限時演出)が実行される条件が成立した場合に、実行し得る先読み演出の演出態様を決定し、その後、先読み演出を実行可能な状況であるか否かを時刻情報に基づいて判別し、実行できない状況である場合には先読み演出の実行を禁止するように構成している。このように構成することで、期間演出の実行期間と、先読み演出の実行期間と、が重複してしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、先読み演出の対象となる保留球数や、先読み演出が終了するまでに実行される特別図柄抽選の結果に基づいて、実行され得る先読み演出の演出期間の上限期間を算出し、その算出された上限期間と期間演出が実行される期間と、が重複するか否かを判別するように構成している。これにより、先読み演出の実行を禁止する禁止期間を期間演出の実行タイミングに基づいて一義的に規定する場合に比べて、先読み演出を実行させ易くすることができる。
つまり、先読み演出とは、獲得した保留球に対して先読み処理を実行し、その先読み結果に基づく演出を実際に特別図柄抽選が実行されるよりも前に遊技者に対して事前に報知(示唆)するための演出であり、先読み演出の対象となる保留球数に応じて実行期間が大きく異なるものである。よって、実際に実行される先読み演出の内容(演出期間)を特定すること無く、先読み演出の実行を禁止する禁止期間を規定する場合には、最も長い演出期間となる先読み演出、即ち、保留球の上限個数(本実施形態では8個)分の特別図柄抽選が実行される期間に跨がって実行される先読み演出であって、各特別図柄抽選の結果が表示されるまでの期間(特別図柄の変動表示期間)として、最も長い期間(例えば、60秒)が設定された場合であっても、先読み演出が実行される期間と、期間演出が実行される期間とが重複しないように禁止期間を規定する必要があった。
このように禁止期間を規定することにより、先読み演出と期間演出とが重複して実行されてしまうことを確実に防ぐことが可能となるが、禁止期間が無用に長くなってしまい、先読み演出の実行頻度が著しく低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、実際に実行され得る先読み演出の演出期間を特定し、その特定した演出期間が期間演出と重複するか否かを判別し、重複すると判別した場合にのみ先読み演出の実行を禁止するように構成している。このように構成することで、特定の禁止期間を規定する場合に比べて、短い演出期間が設定される先読み演出を実行させ易くすることができる。
ここで、図89(b)を参照して、先読み演出の種別と先読み禁止期間との関係について説明をする。図89(b)は、先読み演出の種別と先読み禁止期間との関係を示した図である。図89(b)に示した通り、期間演出(SPタイム演出)が実行される期間に対して、先読み演出の実行を禁止する禁止期間を設定可能に構成し、先読み演出を実行すると判別されたタイミングが上述した禁止期間に該当する場合には、先読み演出の実行を禁止するように構成している。そして、先読み演出の種別として、大当たり遊技期間を介さない通常先読み(先読み演出期間が比較的短い先読み)と、大当たり遊技期間を介する大当たり時先読み(先読み演出期間が比較的長い先読み)と、を有しており、実行される先読み演出として設定され得る先読み演出の種別に応じて先読み禁止期間の長さを異ならせている。このように構成することで、特定の禁止期間を規定する場合に比べて、短い演出期間が設定される先読み演出を実行させ易くすることができる。
なお、先読み演出の種別を3つ以上設けても良く、この場合、先読み演出の演出期間を大まかに特定するための要素として、大当たり遊技の有無以外に、先読み演出中に実行される特別図柄変動回数や、特別図柄変動時間を要素としても良い。
図87(b)に戻り、説明を続ける。保留上限時演出として「魚群まつり」が決定された場合には、8個の保留図柄(図87(a)の小領域Ds2に表示される1~8の数字が付された8個の保留図柄)が消化される期間を用いた一連の演出として魚群まつり演出が実行される。図87(b)に示した通り、魚群まつり演出が実行されると、主表示領域Dmの上部に表示領域HR1が形成され、「魚群まつり突入」の文字がテロップ表示される。そして、主表示領域Dmの右側に、魚群が待機している表示態様が表示される。また、主表示領域Dmの中央部には、魚群まつり演出が終了するまで(大当たり当選した特別図柄が停止表示されるまで)、継続して変動表示される疑似図柄変動が実行される。
さらに、魚群まつり演出が実行されている期間中は、小領域Ds2に保留図柄が表示されず、小領域Ds1の実行中図柄用台座m0には、魚群まつり演出が終了するまで継続して表示される疑似保留図柄tm0が表示される。つまり、魚群まつり演出中は、特別図柄抽選が何回実行されたのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。このように構成することで、魚群まつり演出がいつまで継続するのかを分かり難くすることができる。また、どの保留図柄で大当たり当選したのかを分かり難くすることができる。
図87(b)に示した図では、主表示領域Dmに表示領域HR2と表示領域HR3を形成し、実際の特別図柄変動と同期して変動表示される第3図柄が表示領域HR3に、実際の保留図柄数を示す情報が表示領域HR2に表示されている。これにより、疑似的な変動表示と、疑似的な実行中図柄表示とが実行される魚群まつり演出中においても、実際の遊技状況を報知することができる。なお、表示領域HR2と表示領域HR3を形成する場合においては、各表示領域にて表示される情報(実際の保留図柄数、及び、第3図柄の変動状況)を遊技者が視認し難い態様で表示すると良い。このように構成することで、疑似的な変動表示と、疑似的な実行中図柄表示とが実行される魚群まつり演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
また、魚群まつり演出中において実際の保留図柄数、及び、第3図柄の変動状況を報知可能に構成する場合は、第3図柄表示装置81の表示画面とは異なる領域、例えば、遊技盤13に設けられたLEDの点灯態様によって実際の保留図柄数、及び、第3図柄の変動状況を報知するように構成しても良い。これにより、魚群まつり演出中に第3図柄表示装置81の表示画面を注視している遊技者が、実際の保留図柄数の変化や第3図柄の変動状況を把握してしまうことを確実に防止することができる。さらに、魚群まつり演出が実行されている期間中は、実際の保留図柄数、及び、第3図柄の変動状況を報知しないように構成しても良い。
図87(b)に示した通り、魚群まつり演出中に、小領域Ds1の実行中図柄用台座m0に表示される疑似保留図柄tm0は、複数の星印が付された表示態様で表示されている。詳細な説明は省略するが、この疑似保留図柄tm0の表示態様は、保留上限時演出の演出態様を決定する際に参照した情報(保留内に含まれる大当たり個数)に基づいて決定されるものであって、星印の個数が多いほど、保留内に多くの大当たりが含まれている可能性が高くなるように構成している。なお、疑似保留図柄tm0の表示態様を、魚群まつり演出の演出期間中に可変表示するように構成しても良く、この場合、魚群まつり演出の演出期間中に星印の個数が増加するように可変表示させると良い。これにより、魚群まつり演出が実行された後、即ち、間もなく大当たり当選することが報知された後も、実行される魚群まつり演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。また、魚群まつり演出の演出期間中に疑似保留図柄tm0の表示態様として、星印の個数が減少する可変表示パターンを設けても良い。この場合、星印の個数が多い状態で魚群まつり演出が終了することを期待させるという新たな遊技性を提供することができる。さらに、本実施形態におけるパチンコ機10のように、魚群まつり演出の終了タイミングを分かり難くした構成に、疑似保留図柄tm0の表示態様として、星印の個数が増減する可変パターンを設けた場合には、魚群まつり演出の終了タイミングを予測することも、星印の個数の推移を予測することも困難となるため、魚群まつり演出が終了するまで常に星印の個数の推移状況に興味を持たせることができる。
なお、魚群まつり演出中に表示される疑似保留図柄tm0の表示態様を、保留内の大当たり個数以外の情報に基づいて決定しても良く、例えば、魚群まつり演出が実行されてから最初に大当たり当選するまでに消費される保留図柄の個数に基づいて決定しても良いし、パチンコ機10に設定されている設定値(「1」~「3」)に基づいて決定しても良い。また、上述した各要件を組み合わせて決定しても良い。ここで、複数の要件を組み合わせて疑似保留図柄tm0の表示態様を決定する場合には、1の要件が遊技者に有利であって、他の要件が遊技者に不利である場合と、1の要件が遊技者に不利であって、他の要件が遊技者に有利である場合と、で同一の表示態様が決定され易くなるように構成すると良い。
具体的には、疑似保留図柄tm0の表示態様として星印の個数が「3」個の表示態様が決定され易い状況として、保留内の大当たり個数が1個であって、パチンコ機10に設定されている設定値が3である場合、即ち、保留内の大当たり個数を示す要件が遊技者に不利な状況であって、設定値を示す要件が遊技者に有利な状況である場合と、保留内の大当たり個数が3個であって、パチンコ機10に設定されている設定値が1である場合、即ち、保留内の大当たり個数を示す要件が遊技者に有利な状況であって、設定値を示す要件が遊技者に不利な状況である場合と、を規定するように構成すると良い。このように構成することで、魚群まつり演出中に疑似保留図柄tm0の表示態様として星印の個数が3個の表示態様が表示された場合に、遊技者は、設定値は低いが多くの大当たりが保留内に存在する状況であるか、保留内の大当たり個数は少ないが設定値が高い状況であるかを想定しながら実際に大当たり当選するまで魚群まつり演出を注視することになる。
よって、魚群まつり演出が実行されてから大当たり当選するまでの期間が長くなるほど、保留内の大当たり個数が少ないのではと予測することになり、設定値が高いことに期待することになる。これにより、複数の要件の有利度合いを複合的に予測しながら演出の進行状況に対して遊技者を注視させることができるため、演出効果を高めることができる。
なお、魚群まつり演出中に表示される疑似保留図柄tm0の表示態様はそれ以外の条件で決定しても良く、例えば複数の要件が有利な状況である場合にのみ表示される特定表示態様(例えば、星印の個数が7個)を規定しても良い。このように構成することで、特定表示態様が表示された遊技者に対して安心して魚群まつり演出を楽しませることができる。
詳細な図示は省略したが、図87(b)に示した表示画面が表示された後に魚群まつり演出が進行し、大当たり当選した特別図柄変動が実行されると、主表示領域Dmの右側位置にて待機していた魚群が主表示領域Dmの全面を覆うように左方向へと移動する魚群演出が実行され、その後、大当たり当選したことを示す表示態様で図柄が停止表示されることで、大当たり当選したことを遊技者に報知する演出が実行される。
なお、本実施形態では、魚群まつり演出中に大当たり当選したことを示す表示態様で図柄が停止表示されるまで疑似的な図柄変動表示を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の大当たり変動が実行されるタイミングに合わせて、主表示領域Dmにて変動表示される対象を疑似的な図柄から第3図柄へと切り替えるように構成しても良い。このように構成することで、疑似的な図柄を変動表示させるための演出データとして、図柄を停止表示させる態様に対応させた演出データを設ける必要が無くなり、演出データのデータ量を削減することができる。
つまり、魚群まつり演出が実行された場合に、主表示領域Dmにて実行される疑似図柄の変動表示に対応した演出データとして、変動表示されている各図柄を遊技者が識別困難な程度の速度(高速度)で変動表示させる態様に対応した演出データのみを容易しておき、特別図柄の大当たり変動が実行されるまで疑似図柄を高速変動させる。そして、特別図柄の大当たり変動が実行された場合には、高速変動中の疑似図柄に代えて、高速変動中の第3図柄の変動表示を実行するように構成する。この場合、第3図柄の変動表示は、通常の状態においても、特別図柄変動の開始に合わせて高速変動を開始する変動演出が用いられるため、通常状態における第3図柄の変動演出(大当たり変動演出)に用いる演出データが適用される。これにより、専用の演出データを用いること無く魚群まつり演出において大当たり当選を示す図柄を停止表示させることができる。さらに、疑似図柄から第3図柄へと切り替えるタイミングを、図柄の高速変動中としているため、切り替わる瞬間に主表示領域Dmに表示される図柄の種別が異なったとしても、その状況を遊技者に気付かれ難くすることができるため、遊技者に違和感を与える演出が実行されることを抑制することができる。
なお、上述した例では、疑似的な図柄の変動表示と、第3図柄の変動表示とを切り替える際に遊技者に違和感を与えることが無いように構成した例を示したが、これに限ること無く、意図的に違和感を与えるように疑似的な図柄の変動表示と、第3図柄の変動表示とを切り替えるように構成しても良く、例えば、変動表示速度が上述した高速度よりも低く、遊技者が変動表示中の各図柄を識別可能な程度の低速度で図柄が変動表示されている状況、或いは、少なくとも1の図柄が停止表示されている状況において疑似的な図柄の変動表示から第3図柄の変動表示へと切り替えるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、第3図柄の変動表示が実行されたこと(特別図柄の大当たり変動が開始されたこと)を把握させることが可能となるため、特別図柄の大当たり当選タイミングをいち早く知りたい遊技者に対して、図柄の切り替わりタイミングを見つけるために魚群まつり演出中に実行される図柄の変動表示内容に注視させることができる。
本実施形態では、保留内に大当たり当選する保留図柄が少なくとも1個含まれている状況でのみ魚群まつり演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、保留内に大当たり当選する保留図柄が2個以上ある場合にのみ実行可能に構成しても良い。このように構成することで、魚群まつり演出が実行されることによる付加価値をより高めることができる。また、保留内に大当たり保留が存在しない場合の一部(例えば1%)においても魚群まつり演出が実行されるように構成しても良い。これにより、魚群まつり演出が実行された場合に、大当たり当選しない可能性を若干残すことができるため、大当たり当選するまでの間、遊技者に緊張感を持たせた遊技を行わせることができる。
次に、図88、及び図89を参照して、パチンコ機10に電源が投入されてからの経過時間が所定期間となった場合に実行される期間演出の演出内容について説明をする。本実施形態におけるパチンコ機10は、現在の時刻を計時するためのRTC(リアルタイムクロック)を有しており、RTCが計時する時刻情報に基づいて、パチンコ機10に電源が投入されてからの経過時間が所定時間(約2時間)が経過すると、約3分間の期間演出(SPタイム)を実行するように構成している。通常、パチンコホールにおいては、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源を投入する作業を実行しているため、同一種類のパチンコ機10が複数設置されているパチンコホールでは、特定タイミングに合わせて一斉に期間演出(SPタイム)が実行される。このように複数のパチンコ機10が同一の期間演出を同一のタイミングで実行するように構成することでパチンコホールにおける演出効果を著しく向上させることができる。
なお、本実施形態では、電源が投入されてからの経過時間に基づいて期間演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、RTCが計時する時刻が所定時刻となった場合に、期間演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、パチンコ機10に対して電源を投入するタイミングが相違した場合や、パチンコ機10に不具合が発生し電源を一旦遮断する必要があった場合においても、複数のパチンコ機10が同一の期間演出を同一のタイミングで実行するように構成することでパチンコホールにおける演出効果を著しく向上させることができる。
詳細は、図108を参照して後述するが、本実施形態では、RTCが計時する時刻情報に基づいて、パチンコ機10における演出期間を、通常演出期間と、SPタイム期間と、SPタイム期間が間もなく到来することを示すSPタイム準備期間と、切り替え可能に構成している。演出期間として通常演出期間が設定されている場合には、RTCが計時する時刻情報に関わらず通常の演出が実行される。また、SPタイム準備期間が設定されている場合には、通常演出期間と同一態様の演出が実行されると共に、SPタイム期間が間もなく到来することを示す表示態様として、「SPタイムが間もなく始まります」とのコメントを第3図柄表示装置81の表示画面の表示領域HR1にてテロップ表示すると共に、SPタイム期間が到来するまでの残時間が30秒となった時点で、SPタイム期間が到来するまでの秒数を示すためのカウントダウン表示が実行される。
そして、SPタイム期間が設定されている場合には、専用のステージ(背景画像)が表示されると共に、専用の楽曲が音声出力装置226から出力される。本実施形態では、通常演出期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間の切替タイミングが予め規定されており、90分~120分の通常演出期間を経て、約2分間のSPタイム準備期間が設定され、その後、約3分間のSPタイム期間が設定される。つまり、通常演出期間に対してSPタイム期間が短くなるように規定されている。このように構成することで、SPタイム期間中に実行される各種演出に対して付加価値を持たせることができるため、パチンコ機10の遊技を行っている遊技者に対して、次のSPタイム期間が設定されるまで遊技を継続しようと思わせることができる。
加えて、本実施形態では、通常演出期間中に実行される変動演出(特別図柄抽選に基づいて実行される演出)よりも、SPタイム期間中に実行される変動演出のほうが、対応する特別図柄抽選の結果に関わらず、遊技者に有利な特典を付与可能に構成している。具体的には、SPタイム期間中に変動演出が実行された場合のほうが、通常演出期間中に変動演出が実行される場合よりも、現状の設定値を示唆するための設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、SPタイム期間中における遊技者の遊技意欲をより高めることができる。
また、上述した通り、本実施形態ではSPタイム期間中に実行される変動演出にて設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。よって、SPタイム期間が設定された状態において、球を発射していない遊技者(特別図柄抽選が実行されていない遊技者)は、設定示唆演出を実行させることができないように構成している。このように構成することで、SPタイム期間中における遊技者の遊技意欲をより高めることができる。
このように構成された遊技機では、SPタイム期間中に特別図柄抽選を多く実行することで、多くの設定示唆演出を実行させることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるものであったが、例えば、SPタイム期間が設定された直後に大当たり当選した場合は、SPタイム期間中に特別図柄抽選を多く実行することができず、遊技者に対して現状の設定値を推測するための情報を提供し難くなるという問題があった。つまり、特別図柄抽選で大当たり当選するという遊技者に有利な状況が発生したことによって、遊技者に不利な状況(設定値を推測するための情報を集め難い状況)が創出されてしまい、大当たり当選するタイミングによって遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、大当たり遊技の実行タイミング(開始タイミング)においてパチンコ機10に設定されている演出期間(通常演出期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間)や、大当たり遊技の終了タイミングにおいてパチンコ機10に設定されている演出期間(通常演出期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間)に基づいて、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出態様や、大当たり遊技の終了画面に表示される表示態様を決定するように構成している。
具体的には、大当たり遊技が実行されることにより、変動演出を用いた設定示唆演出が実行され難い状況である場合には、大当たり遊技演出として設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、SPタイム期間を少なくとも含む期間において大当たり遊技が実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、図88(a)を参照して、SPタイム期間中(SPタイム中)に実行される演出(期間演出)の演出内容について説明をする。図88(a)は、SPタイムが設定されてから約50秒が経過した時点における表示画面の一例を示した図である。図88(a)に示した通り、SPタイムが設定されると、期間演出として、主表示領域Dmの背景画像(ステージ)として通常演出期間よりも煌びやかな背景画像(ステージ)が表示され、表示領域HR1には、現在がSPタイム期間中であることを遊技者に報知するための報知態様として「SPタイム中」のコメントがテロップ表示される。さらに、主表示領域Dmの左上部に形成された表示領域HR4には、SPタイム期間の残時間を示すための残時間表示態様が表示されており、図88(a)では、残時間が2分10秒であることを示す表示態様が表示されている。
また、主表示領域Dmの右上側には、表示領域HR5,HR6が形成され、SPタイム期間中に実行すべき指令内容(ミッション内容)と、そのミッション内容に対する現状の達成度と、が表示される。ここで、本実施形態では、SPタイム期間中に遊技者に付与可能な付加価値として、現状の設定値を示唆可能な設定示唆演出を実行可能に構成している。そして、表示領域HR5,HR6に表示されているミッション内容をクリアした場合に、設定示唆演出を実行可能に構成している。
さらに、本実施形態では、SPタイム期間中に設定されるミッション内容として、達成し易いミッション内容(第1ミッション内容)と、第1ミッション内容よりも達成し難いミッション内容(第2ミッション内容)と、を含む複数のミッション内容の中から1のミッション内容を選択可能に構成している。そして、パチンコ機10の設定値に応じて各ミッション内容の選択割合を異ならせるように構成している。
つまり、SPタイム期間中に設定されるミッション内容自体も設定値を推測するための要素が含まれており、且つ、設定されたミッションを達成することにより、設定値を推測するための新たな情報を獲得できるように構成している。このように構成することで、ミッションを達成することが出来なかった遊技者に対してもSPタイム期間中において付加価値(設定推測要素)を付与することができるため、SPタイム期間中に遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。加えて、ミッションを達成することにより更に付加価値(設定推測要素)を付与することができるため、より意欲的に遊技者に遊技を行わせることができる。
図88(a)に示した表示画面では、ミッション内容として、SPタイム期間中に実行される特別図柄変動の回数が30回に到達した場合、或いは、SPタイム期間中に実行されるリーチ演出回数が5回に到達した場合に達成するミッションが設定されていることを示しており、表示領域HR5には特別図柄変動の回数が対象であることを示す「変動数」の文字が表示され、ミッションを達成するための回数を示す達成回数Pbに「30」が表示され、現時点で実行されている回数(特別図柄変動の回数)を示す現状回数Paに「5」が表示されている。そして、表示領域HR6にはリーチ演出の回数が対象であることを示す「リーチ数」の文字が表示され、ミッションを達成するための回数を示す達成回数Pdに「5」が表示され、現時点で実行されている回数(リーチ演出の回数)を示す現状回数Pcに「0」が表示されている。
つまり、図88(a)に示した表示画面は、SPタイム期間が設定されてから5回目の特別図柄変動が実行されている状態であって、SPタイム期間中に一度もリーチ演出が実行されていない状態であることを示す表示画面である。
図88(a)に示した表示画面が表示されてから、1分5秒が経過した状態の一例を、図88(b)を参照して説明をする。図88(b)は、SPタイム期間が設定されてから2分55秒が経過した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図88(b)に示した状態は、表示領域HR5に示した通り、SPタイム期間中に実行された特別図柄変動の回数が30回となりミッションを達成した状態である。そして、主表示領域Dmの中央部には、ミッションを達成した場合に付与される付加価値演出として、宝箱801と、遊技者に枠ボタン22を押下させることを案内するためのボタンアイコン802と、が表示される。この状態で遊技者が枠ボタン22を押下すると、宝箱801が開放する演出が実行される。
次に、図89を参照して、図88(b)に示した表示画面が表示された状態で枠ボタン22を押下した場合の演出内容について説明をする。図89(a)は、SPタイム期間中にミッションを達成したことに基づいて特典(設定推測要素)が付与された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図89(a)は、上述した図88(b)の表示画面が表示されている状態にて枠ボタン22を押下し、2秒が経過した状態を示したものであり、表示領域HR4には残り時間が2秒であることを示す残時間表示態様が表示されている。
そして、宝箱801が開放し、設定推測要素801aとして「A」が表示されている。また、表示領域HR5に示した特別図柄変動の回数を対象としたミッションを達成したことを示す「クリア」の文字が表示されている。
SPタイム期間中にミッションを達成し、設定推測要素801aが付与された(表示された)場合には、表示領域HR7が形成され、既に獲得した設定推測要素801aが履歴として表示されるように構成している。このように構成することで、1回のSPタイム期間中に複数の設定推測要素801aを獲得した場合に、表示領域HR7に表示される履歴表示を見ることで、実際に設定されている設定値を予測し易くすることができる。
ここで、設定示唆演出が実行される場合に遊技者に付与される設定推測要素の内容について説明をする。本実施形態では、遊技者に対して付与可能な設定推測要素の態様として、何れの設定値であっても略同一の割合で選択される設定推測効果の低い態様「A」と、現在設定されている設定値が、遊技者にとって最も不利な設定値(設定1)では無いことを示す態様「B」と、現在設定されている設定値が高設定(設定3)である可能性を若干高いことを示す態様「C」と、現在設定されている設定値が高設定(設定3)である可能性が高いことを示す態様「D」と、現在設定されている設定値が高設定(設定3)であることを示す態様「E」と、を決定可能に構成している。
また、設定示唆演出として実行される各種演出態様のそれぞれに対して、設定推測要素「A」~「E」に対応した表示態様が規定されている。よって、設定示唆演出が実行される場合には、まず、今回の設定示唆演出によって付与される設定推測要素が決定され、その後、決定された設定推測要素に対応する設定示唆演出の演出態様が決定されるように構成している。なお、1の設定示唆演出において複数個の設定推測要素を付与可能に構成した場合には、複数個の設定推測要素の組合せに対応させて設定示唆演出の演出態様を予め規定しておくと良い。このように構成することで、例えば、複数個の設定推測要素として態様「D」が2個決定された場合には、態様「D」と態様「C」が1個ずつ決定された場合よりも、高設定が設定されている可能性が高いことを示す複合演出態様で設定示唆演出を実行することが可能となる。よって、1の設定示唆演出に単数の設定推測要素が付与される場合よりも、複数の設定推測要素が付与される場合のほうが遊技者に対して設定されている設定値を把握させ易い演出を実行することができる。
なお、設定推測要素の態様種別としては、上述した態様「A」~「E」に限られること無く、例えば、設定値が奇数であることを示す態様種別や、設定値が偶数であることを示す態様種別や、設定変更動作が実行されたことを示す態様種別や、前回設定された設定値を記憶可能な記憶手段を設け、前回設定された設定値よりも現在の設定値のほうが高いことを示す態様種別や、前回設定された設定値よりも現在の設定値のほうが低いことを示す態様種別等を決定可能に構成しても良い。また、パチンコ機10の設定値として本実施形態では3種類の設定値を設けているがこれに限ること無く、4種類以上の設定値を設定可能に構成しても良い。このように4種類以上の設定値を設定可能に構成し、且つ、設定推測要素の態様種別を増加させることにより、設定示唆演出の演出態様にバリエーションを持たせることが出来ると共に、獲得した設定推測要素の態様種別に基づいて、様々な視点から現在の設定値を推測する楽しみを提供することができる。
本実施形態では、図89(a)に示した通り、所定期間内(SPタイム期間内)に獲得した設定推測要素を履歴表示可能に構成しているが、この機能に加え、複数の設定推測要素を獲得した場合に、所定の法則性に基づいて各設定推測要素を相殺し、余った設定推測要素のみを表示するように構成しても良いし、獲得した複数の設定推測要素に基づいて解析された設定値予測情報を表示するように構成しても良い。このように構成することで、設定推測要素を多く獲得し過ぎたことにより、遊技者が混乱してしまうことを抑制することができると共に、設定推測要素を獲得すればするほど精度の高い設定推測を実行し易くすることができるため、設定推測要素を獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、過去に獲得した設定推測要素を履歴表示可能な機能を有するパチンコ機10においては、遊技者が遊技を終了する際に、過去に獲得した設定推測要素の履歴情報を消去可能な消去手段を設けると良い。このように構成することで、獲得した設定推測要素を他の遊技者に知られてしまうことを確実に抑制することができる。
次に、図90を参照して、期間演出であるSPタイム期間が終了する場合に実行される演出の内容について説明をする。上述した通り、SPタイム期間は、RTCが計時する時刻情報に基づいて設定されるものである。よって、特別図柄変動の変動状況によって、実行中の特別図柄変動の残変動時間が短い状態でSPタイム期間が終了する場合、実行中の特別図柄変動の残変動時間が長い状態でSPタイム期間が終了する場合、特別図柄変動が実行されていない状態でSPタイム期間が終了する場合と、が発生する。
ここで、上述した通り、SPタイム期間中は、他の期間とは異なる演出(期間演出)を実行するように構成しており、その期間演出は、開始タイミングおよび終了タイミングが特定時刻(特定時間)となるように規定することで複数のパチンコ機10に対して同期して同一の演出を実行することで演出効果を高めるものであった。
よって、例えば、SPタイム期間の終了タイミングにて実行中の特別図柄変動が終了するまで期間演出を継続するように構成した場合、各パチンコ機10における期間演出の終了タイミングが異なってしまい、演出効果が低下するという問題があった。そこで、SPタイム期間の終了タイミングにて実行中の特別図柄変動の残変動時間に関わらず、SPタイム期間が終了したタイミングにおいて、SPタイム期間が終了したことを示す終了態様で期間演出を実行し、その終了態様を実行中の特別図柄変動が終了するまで継続する技術が考えられる。
上述した技術を用いることにより、終了態様の期間演出が実行されるタイミングを各パチンコ機10で同期させることが可能となり、複数のパチンコ機10にて一体感のある演出を実行させることが可能となるが、例えば、SPタイム期間の終了タイミングにおいて実行中の特別図柄変動の残変動時間が長い場合には、終了態様の期間演出が継続する時間が単に長くなるだけであり、遊技者に対して単調な演出を低下してしまい遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングにおいて実行中の特別図柄変動の残変動時間が所定時間(20秒)よりも長い場合に、専用の演出(特殊残変動演出)を実行可能に構成している。このように、期間演出の終了タイミングにおいて所定条件を満たしている場合に、専用の演出を実行可能に構成することで、期間演出による演出効果の向上を図りながらも、期間演出が終了した後の遊技に対しても演出効果を高めることができる。
また、本実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングにおける実行中の特別図柄変動の残変動時間の長さによって、特殊残変動演出を実行するように構成している。つまり、SPタイム期間が終了してしまうことを察知した遊技者が、SPタイム期間の終了間際に遊技を止めてしまうと、SPタイム期間の終了タイミングを跨ぐ様に特別図柄変動が実行され難くなることから、特殊変動演出が実行され難くなるように構成している。
このように構成することで、期間演出が実行されるSPタイム期間が終了するまで遊技者に対して意欲的に遊技を継続させることができる。
さらに、本実施形態では、特殊残変動演出として、現在設定されている設定値を示唆するための設定示唆演出、即ち、遊技者に有利となる情報を含む演出を実行可能に構成している。よって、SPタイム期間が終了する場合において、有利な情報を獲得しようと意欲的遊技者に対してSPタイム期間の終了タイミングを跨いで実行される特別図柄変動の変動時間に対して興味を持たせることができ、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、図90(a)を参照して、特殊残変動演出が実行される場合の表示画面について説明をする。図90(a)は、期間演出(SPタイム)が終了した時点において第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容の一例を示した図であって、期間演出が終了した後に特殊残変動演出が実行される場合における表示内容の一例を示した図である。
図90(a)に示した通り、表示領域HR1にはSPタイム期間が終了したことを示すための終了案内態様として「SPタイム終了」の文字がテロップ表示されると共に、表示領域HR4には残り時間が0秒(終了)であることを示す残時間表示態様が表示されている。そして、現在実行中の特別図柄変動が終了するまで(残変動時間が0秒になるまで)の期間が、設定示唆演出が高確率(他の期間よりも高確率)で実行される示唆演出高確期間であることを示すための案内報知態様として「示唆演出大量GETチャンス」のコメントが、副表示領域Dsの小領域Ds2に表示されたキャラクタJ0が話しかけるような態様で表示される。
また、主表示領域Dmの右側には設定示唆演出として実行された演出結果(演出態様)の履歴を表示するための履歴表示領域として表示領域HR7が形成される。図90(a)に示した表示画面は、示唆演出高確期間に到達した直後に表示される表示画面であるため、表示領域HR7には演出結果の履歴が表示されていないが、示唆演出高確期間中に実行された複数の設定示唆演出の履歴を表示することができる。
このように構成することで、短期間で複数の設定示唆演出が実行された場合、特に、1の設定示唆演出と、その1設定示唆演出とは異なる他の設定示唆演出との実行期間の少なくとも一部が重複して実行された場合において、遊技者が実行中の複数の設定示唆演出の全てを把握出来なかったとしても、履歴表示領域に表示された内容(演出結果)を把握することにより既に実行された設定示唆演出の内容を容易に把握することができる。
なお、この履歴表示領域に表示される表示態様としては、実際に実行された設定示唆演出の演出態様を示すための表示態様でも良いし、実際に実行された設定示唆演出に含まれる設定示唆内容を示すための表示態様でも良い。ここで、実際に実行された設定示唆演出の演出態様としては、例えば、設定示唆演出として複数のキャラクタの中から1のキャラクタを表示可能とし、表示されたキャラクタの種別に応じて設定示唆内容(例えば、設定されている設定値が偶数であることを示唆したり、奇数であることを示唆したり、特定の設定値では無いことを示唆したりする示唆内容)が異なるものである場合には、設定示唆演出として表示されたキャラクタの種別を遊技者が識別可能な表示態様(例えば、キャラクタ画像を模したアイコン態様)を履歴表示領域に表示するように構成すると良い。
このような設定示唆演出を実行する場合には、同一の設定示唆内容を示すための演出態様が複数種類あるため、履歴表示領域に表示された複数の表示態様に基づいて遊技者に対して設定値を予測させる楽しみを提供することができる。
なお、本実施形態では、表示領域HR7(履歴表示領域)に表示される表示態様を所定期間が経過するまで(示唆演出高確期間が終了するまで)表示するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が操作手段(操作ボタン22)を操作することにより表示領域HR7(履歴表示態様)に表示される表示態様の全て或いは一部を任意に削除(非表示)可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技者が把握済みの設定示唆演出に対応する履歴表示が表示領域HR7に継続して表示されることを防ぐことができるため、例えば、設定示唆演出の演出態様として、遊技者に最も有利な演出態様(最高設定であることを報知する演出態様)で設定示唆演出が実行された場合に、その演出態様を示す表示態様が履歴表示領域に継続して表示されてしまうことにより、遊技を行っていない遊技者に設定値を容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、表示領域HR7を主表示領域Dmの特定箇所に形成するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が任意の位置を選択可能となるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者自信は表示態様を把握し易く、且つ、他の遊技者には把握され難い箇所に履歴表示領域を形成することができる。
なお、本実施形態では履歴表示領域には実行された設定示唆演出の演出態様に基づく表示態様が表示されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、履歴表示領域に表示された複数の表示態様が所定条件を満たした場合に、所定条件を満たしたことに基づいた新たな表示態様を表示するように構成しても良く、例えば、履歴表示領域に表示された表示態様として、実際の設定値を把握し難い表示態様(弱示唆態様)が所定個数(例えば、3個)表示された場合に、その弱示唆態様よりも実際の設定値を把握し易い表示態様(強示唆態様)が表示されるように構成しても良い。このように構成することで、示唆演出高確期間中に多くの設定示唆演出が実行された方が、設定値を把握し易くすることができるため、遊技者に対して、示唆演出高確期間中に多くの設定示唆演出が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
加えて、履歴表示領域に表示させることが可能な表示態様の個数に上限(例えば5個)を設け、示唆演出高確期間中における設定示唆演出の実行順に対応させて表示態様が上限数まで表示されるように構成し、複数の弱示唆態様が表示されたことに基づいて強示唆態様が表示された場合には、その複数の弱示唆態様が消去され、新たな表示態様を履歴表示領域に表示させることができるように構成しても良い。
また、この場合、強示唆態様の表示条件とは異なる消去条件を設定可能に構成し、消去条件が成立した場合に弱示唆態様が消去されるように構成しても良く、例えば、示唆演出高確期間中に特定の演出が実行された場合や、遊技者が枠ボタン22に対して特定の操作を実行した場合に消去条件が成立するように構成すると良い。これにより、消去条件が成立したことに基づいてより多くの表示態様を履歴表示領域に表示させることができるため、遊技者に設定値を予測させ易くすることができる。
消去条件が成立したことに基づいて履歴表示領域から消去される表示態様は、履歴表示領域に表示されている表示期間が長い順、即ち、先に表示された表示態様から順に消去されるように構成すると良い。これにより、長時間履歴表示領域に表示された表示態様、即ち、遊技者が把握済の可能性が高い表示態様から順に消去されていき、新たな表示態様を表示させることができるため、履歴表示領域に表示された直後に表示態様が消去されてしまい遊技者が設定示唆演出の設定示唆内容を把握し難くなってしまうことを抑制することができる。
また、履歴表示領域に表示されている表示態様の種別を判別し、実際の設定値を把握し難い表示態様の種別(例えば、弱示唆態様)から順に消去するように構成しても良い。このように構成することで、示唆演出高確期間が進行するにつれて設定値を予測し易い表示態様が表示され易くなる。よって、示唆演出高確期間が長く継続し、その期間中に設定示唆演出が多く実行されることを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図90(b)を参照して、示唆演出高確期間中における第3図柄表示装置81の表示面に表示される演出内容について説明をする。図90(b)は、示唆演出高確期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。
図90(b)に示した通り、示唆演出高確期間中には、様々な演出を用いて設定示唆演出が実行される。具体的には、主表示領域Dmにて実行される変動演出に対応させた設定示唆演出801a,801bや、副表示領域Dsの小領域Ds1に表示される実行中図柄用台座m0に表示される保留図柄に対応させた設定示唆演出801cや、キャラクタJ0に対応させた設定示唆演出801dが実行されるように構成している。
そして、示唆演出高確期間中に実行された各種設定示唆演出に含まれる設定示唆内容(A~D)が表示領域HR7の履歴表示領域に表示される。また、主表示領域Dmの中央上部には示唆演出高確期間の残期間を示すための残期間表示態様として「特化ゾーン終了まであと5秒」の文字が表示される。つまり、図90(b)は、実行中の特別図柄変動の残変動時間が5秒の状態における表示画面となる。
ここで、本実施形態における設定示唆演出の各演出態様に含まれる設定示唆内容について説明をする。本実施形態におけるパチンコ機10では、上述した通り、特別図柄抽選で大当たり当選する確率を異ならせた設定値を3段階(設定1~3)で設定可能に構成しており、パチンコ機10に対して電源が投入されていない状態にて特定の操作条件を成立させた状態で電源を投入することにより、設定値を変更可能な設定変更状態へ移行可能に構成している。そして、設定変更状態にて任意の設定値を決定するための決定操作を行うことで設定値を決定することにより、決定された設定値に対応する遊技仕様(特別図柄の大当たり確率)で遊技が実行される。
上述した通り、設定値に応じて特別図柄の大当たり確率を異ならせているため、設定変更状態にて実行される設定値を変更させる操作は、遊技者への有利度合いを可変させるための遊技度合い可変操作となる。なお、本実施形態では設定値に応じて特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しているが、遊技者への有利度合いを可変させるための要素(設定差要素)として特別図柄の大当たり確率以外の要素を用いても良く、例えば、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、確変状態)が設定される割合を設定差要素としても良いし、特別図柄抽選の結果が、大当たり以外であり、大当たり遊技とは異なる当たり遊技が実行される小当たりとなる確率(小当たり確率)を設定差要素としても良いし、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、確変状態)を終了させるための終了抽選(転落抽選)の当選確率(確変状態を終了させて他の遊技状態へと移行させる確率)を設定差要素としても良い。また、特別図柄抽選の実行のさせ易さを設定差要素としても良く、例えば、普通図柄抽選で当たり当選する確率に設定差を設けたり、普図当たり遊技中の電動役物640aの開放動作パターンを設定毎に異ならせたりすることで、電動役物640aが付随する第2入球口640への球の入球のし易さを異ならせても良い。
また、本実施形態では、設定される設定値によって遊技者の有利度合いを異ならせる技術思想の基、設定値を変更可能に構成しているがこれに限ること無く、遊技者の有利度合いは同程度であるが遊技者に付与され易い特典種別を異ならせることができるように設定差要素を設けても良く、例えば、第1設定値が設定された場合には、特別図柄抽選の大当たり確率が第1値となり、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される割合(確変移行割合)が第1割合となるように構成し、第1設定値とは異なる第2設定値が設定された場合には、特別図柄抽選の大当たり確率が第1値よりも低い(当たり難い)第2値となり、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される割合(確変移行割合)が第1割合よりも高い(確変状態が設定され易い)第2割合となるように構成すると良い。
このように構成することで、同一の有利度合いを遊技者に付与可能な遊技仕様として、異なる遊技性を提供することが可能となるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
図91に戻り、説明を続ける。本実施形態では、様々な演出の一部、或いは全部を用いて設定値を示唆するための示唆態様を含んだ設定示唆演出を実行可能に構成しており、具体的には、図90(b)に示した通り、主表示領域Dmにて実行される変動演出に対応させた設定示唆演出801a,801bや、副表示領域Dsの小領域Ds1に表示される実行中図柄用台座m0に表示される保留図柄に対応させた設定示唆演出801cや、キャラクタJ0に対応させた設定示唆演出801dが実行されるように構成している。
それぞれの設定示唆演出は、基となる演出の態様に応じて演出態様が予め規定されているものであり、例えば、変動演出に対応させた設定示唆演出801a,801bは、変動中の第3図柄や停止表示されている第3図柄から設定値を示唆するための示唆アイコンが飛び出す演出であって、設定示唆内容に応じて異なる種別の示唆アイコン(図ではアルファベット種別で表示)が表示される。
実行中図柄用台座m0に対応させた設定示唆演出801cは、実行中図柄用台座m0に表示される実行中図柄(図では丸形図柄で表示)の表示態様を可変させる過程にて示唆アイコンが表示される演出であって、設定示唆内容に応じて異なる種別の示唆アイコン(図ではアルファベット種別で表示)が表示される。また、キャラクタJ0に対応させた設定示唆演出801dは、キャラクタJ0がコメントを発する演出であって、設定示唆内容に応じて異なるコメント(図ではアルファベット種別で表示)が表示される。
つまり、実行される設定示唆演出の演出態様が、設定示唆内容と、対応する演出の種別とに応じて予め規定されている。このように構成することで、対応する演出の種別に関わらず同一態様の設定示唆演出が実行される場合よりも、各演出(特別図柄抽選の結果を示すための演出)と対応する設定示唆演出とに関連性を持たせ易くすることができ、演出効果を高めることができる。
なお、このように特別図柄抽選の結果を示すための演出と、対応する設定示唆演出との演出態様に関連性を持たせた場合には、実行中の演出に対応する演出が実行された場合に、その演出が設定示唆演出であるか、それとも特別図柄抽選の結果を示すための演出の一部であるかを遊技者に分かり難くするように構成すると良い。このように構成することで、実行中の演出に対して追加演出が実行された場合に、その追加演出の演出態様に基づいてパチンコ機10の設定値を予測する楽しみと、実行中の特別図柄抽選の結果を予測する楽しみと、を遊技者に重複して提供することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、この場合、追加演出の演出態様として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合、或いは、パチンコ機10の設定値として高設定(例えば、設定3)が設定されている場合に選択され易い(実行され易い)特殊演出態様を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、特殊演出態様で追加演出が実行された場合には、実行中の特別図柄抽選で大当たり当選している可能性、または、パチンコ機10に設定されている設定値が遊技者に有利な設定値(高設定)である可能性が高くなる。
よって、次の大当たり遊技が実行され難い(特別図柄抽選で外れ当選した可能性が高い)状態(例えば、特別図柄の低確率状態)で特殊演出態様の追加演出が実行された場合には、遊技者に対して大当たり当選を期待させ、次の大当たり遊技が実行され易い(特別図柄抽選で大当たり当選する可能性が高い)状態(例えば、確変状態)が次の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり遊技を実行させるための条件が成立するまで)の間は、大当たり遊技終了。
次に、図91を参照して、設定示唆演出の内容について説明をする。図91は、設定示唆演出に含まれる示唆態様の種別を示した図である。図91に示した通り、設定示唆演出の演出パターン(示唆態様)として本実施形態では、5種類(A~D)の演出パターン(示唆態様)を設定可能に構成しており、設定されている設定値に基づいて後述する設定示唆演出選択テーブル222cを参照することで演出パターン(示唆態様)が決定される。
設定示唆演出選択テーブル222cは、設定値に応じて各演出パターン(示唆態様)の選択割合が設定値に応じて異なるように規定されている。これにより、特定の設定値のみ選択割合が高い演出パターン(示唆態様)や、所定条件を満たした複数の設定値のほうが他の設定値よりも選択割合が高い演出パターン(示唆態様)や、何れの設定値であっても選択割合が高い演出パターン(示唆態様)といった演出パターンを創出することができる。
図91に示した通り、演出パターンA(示唆態様A)は、何れの設定値であっても選択割合が高い、換言すれば設定値を予測し難い演出パターン(示唆態様)である。この演出パターンAの態様を含む設定示唆演出が実行された場合には、遊技者が設定値を予測することが困難であるため本示唆態様は、遊技者に不利となる示唆態様(弱示唆態様)となる。なお、この弱示唆態様は、選択割合が各設定値に対して同一となるように規定されている示唆態様は勿論のこと、遊技者がその差分を識別することが困難である程度の誤差で規定されている示唆態様も、当該示唆態様が表示された場合に遊技者が設定値を予測することが他の示唆態様が表示される場合よりも困難となるため弱示唆態様に該当する。
演出パターンB(示唆態様B)は、特定の設定値(設定1)のみ選択されることが無いように選択割合が規定されている演出パターン(示唆態様)である。この演出パターンBの態様を含む設定示唆演出が実行された場合には、設定値が設定1、即ち、遊技者に最も不利となる設定値では無いことを把握することができる。このように、特定の設定値では無いことを遊技者に示す場合であっても、複数の候補(設定値)の中から候補を1つ排除することにより、設定されている設定値を遊技者に予測させ易くすることができる。
本実施形態では、示唆態様Bの設定示唆演出が実行されることで、遊技者に最も不利となる設定値(設定1)が否定されるため、遊技者に対して、最も不利な遊技状況では無いことを把握させることができる。よって、設定示唆演出として最初に示唆態様Bが表示された場合には、遊技者に対して継続して遊技を行わせながら設定値を予測させることができる。また、他の示唆態様(例えば、設定値が奇数であることを報知する示唆態様)の設定示唆演出が実行された後に、示唆態様Bが表示された場合には、表示された示唆態様の内容を組み合わせることにより、設定値の予測精度を高めることができる。
なお、本実施形態では、演出パターン(示唆態様)Bが遊技者に最も不利となる設定値(設定1)を否定するように構成しているが、特定の設定値(中間設定や最も有利となる設定等)、或いは、特定範囲(例えば、設定1~2)を否定するように構成しても良いし、示唆態様Bを複数種類(例えば、設定1を否定する示唆態様B1と、設定2を否定する示唆態様B2等)設けても良く、例えば、遊技者に最も有利となる設定(設定3)を否定する示唆態様で設定示唆演出が実行された場合には、それを把握した遊技者は早急に他のパチンコ機10へと移動し易くなる。よって、遊技者が無駄に長時間遊技を実行してしまう事態が発生することを抑制することができる。
演出パターンC(示唆態様C)、及び演出パターンD(示唆態様D)は、設定値が高いほど多く選択されるように選択割合が規定されている演出パターン(示唆態様)であり、示唆態様Cよりも示唆態様Dのほうが、選択割合における設定差が大きくなるように規定されている。つまり、低い設定値(設定1)よりも高い設定値(設定3)のほうが、示唆態様Cの設定示唆演出も、示唆態様Dの設定示唆演出も実行され易くなるように規定している。
さらに、示唆態様Cよりも示唆態様Dのほうが選択割合における設定差が大きくなるように規定されているため、示唆態様Cの設定示唆演出の実行回数に対して示唆態様Dの設定示唆演出の実行回数が多くなるほど高い設定値が設定されている可能性が高くなる。
このように、何れの設定値が設定されている場合であっても選択され得る複数の示唆態様として、各設定における選択割合を異ならせることにより、各示唆態様の設定示唆演出の実行回数を複合的に判別することで設定値を遊技者に予測させることができる。
なお、上述した示唆態様C、及び示唆態様Dのように、高い設定値が設定されているほど選択割合が高くなる示唆態様を複数設けた場合において、各設定値における示唆態様Cの選択割合と示唆態様Dの選択割合と、の差分が高い設定値になるほど大きくなるように各選択割合を規定すると良い。これにより、高い設定値が設定されるほど、示唆態様Cと、示唆態様Dとの実行回数に差が生じやすくすることができるため、遊技者に設定値を予測させ易くすることができる。
一方、各設定値における示唆態様Cの選択割合と示唆態様Dの選択割合との差分が均等となるように各選択割合を規定しても良い。このように構成することで、示唆態様Cの設定示唆演出と示唆態様Dの設定示唆演出との合算実行回数が、設定値が低い場合よりも高い場合のほうが多くなる。よって、遊技者に対して、示唆態様Dの設定示唆演出の実行回数のみを参考にして設定値を予測するか、示唆態様Cの設定示唆演出と示唆態様Dの設定示唆演出との合算実行回数を参考にして設定値を予測するか、両方の回数を複合的に判断して設定値を予測するかを遊技者に選択させることができるため、設定値を予測するためのバリエーションを増加させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
演出パターンE(示唆態様E)は、本パチンコ機10において遊技者に最も有利な設定値である設定3が設定されている場合のみ選択され得る(設定3以外の場合においてごく稀に選択される場合も含む概念)演出パターン(示唆態様)である。つまり、示唆態様Eの設定示唆演出が実行された場合には、遊技者に対して最も有利となる設定値(設定3)が設定されていることを分かり易く報知することができる。
なお、詳細な説明は後述するが、この示唆態様Eは、選択割合が他の示唆態様に比べて極端に低くなるように規定されており、設定3のパチンコ機10を1日中遊技した場合であっても示唆態様Eの設定示唆演出が実行される確率が50%程度となるように選択割合が規定されている。このように選択割合を低く規定することにより、示唆態様Eの設定示唆演出が実行された遊技者に対して、遊技者に最も有利な設定値(設定3)が設定されていることを報知(示唆)するともに、実行確率が低い演出を実行させたことについて優越感を提供することができる。
また、示唆態様Eの設定示唆演出が実行される割合を低くすることにより、示唆態様Eの設定示唆演出が実行されていないパチンコ機10でも設定3が設定されている可能性を残すことができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図92を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10における電源投入からの時間経過と実行される期間演出の流れについて説明をする。図92は、電源投入からの時間経過と変動演出の流れを示した図であって、図92(a)は、電源投入からの時間経過を示した遷移図であって、図92(b)は、各時間における演出期間を示した図であって、図92(c)は、特別図柄変動が実行される期間と、演出期間との関係性を示す一例として変動パターンAを示した図であり、図92(d)は、特別図柄変動が実行される期間と、演出期間との関係性を示す一例として変動パターンBを示した図である。
本実施形態におけるパチンコ機10では、電源投入からの経過時間に基づいて異なる演出期間が設定されるように構成しており、演出期間として、所定期間(3分間)の間、期間演出(SPタイム演出)が実行される演出期間(SPタイム期間)を設定可能に構成している。この期間演出(SPタイム演出)は、特別図柄変動の有無に関わらず電源投入からの経過時間に基づいて実行される演出であるため、複数のパチンコ機10が一斉に期間演出を実行することになる。このように複数のパチンコ機10が一体感のある演出を実行することにより、遊技者に対してインパクトのある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、期間演出として実行される演出態様がパチンコ機10単体で完結する演出態様であるため、複数のパチンコ機10にて一斉に期間演出が実行された場合に、各パチンコ機10で同一の演出態様が実行されるが、これに限ること無く、例えば、期間演出の演出態様として、複数(3種類)の演出態様種別を設定可能に構成し、隣接するパチンコ機10を3台用いて1つの期間演出が実行されるように構成しても良い。この場合、期間演出の演出態様種別として、3台のうち左側のパチンコ機10に対応する第1演出態様種別と、3台のうち中央のパチンコ機10に対応する第2演出態様種別と、3台のうち右側のパチンコ機10に対応する第3演出態様種別と、を予め用意しておき、設置されるパチンコ機10の設置状況に応じて個々に演出態様種別を決定可能に構成すると良い。
これにより、設置されているパチンコ機10に対して演出態様種別を設定することが可能となり、パチンコ機10を3台分用いて1の期間演出を実行する場合に、演出態様種別が順序良く設定されておらず期間演出の演出効果が低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、この場合、期間演出の演出態様種別として、1台で完結する期間演出に対応した演出態様種別と、少数台(例えば、3台)で完結する期間演出に対応した演出態様種別と、多数台(例えば、20台)で完結する期間演出に対応した演出態様種別と、を選択可能に構成すると良い。このように構成することで、複数のパチンコ機10の設置状況に応じて期間演出の演出態様を設定することができ、設置状況に応じて演出効果を高めることができる。
また、本実施形態では、上述したSPタイム期間が到来することを遊技者に事前に報知するための演出期間としてSPタイム準備期間が設定されるように構成している。具体的には、電源投入からの経過時間がSPタイム期間の開始タイミングの2分前となってからSPタイム期間が設定されるまでの期間においてSPタイム準備期間が設定される。このSPタイム準備期間は、遊技者に対して、間もなくSPタイム期間が設定されることを分かり易く事前報知するものである。
このSPタイム準備期間中は、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmでは、通常の演出期間にて実行される通常演出と同様の演出が実行されるものであって、その通常演出の実行画面にてSPタイム期間が設定されるまでの残期間(残時間)が表示される。このように構成することで、遊技者に対して、期間演出が実行されるまでの残時間を分かり易く把握させることが可能となり、例えば、期間演出が実行されるまでの残時間内に休憩を取ることができるため、遊技者に優しい遊技性を提供することができる。
図92(a)に示した通り、パチンコ機10に電源が投入されると、計時装置(RTC)292に基づいて経過時間が計測される。そして、経過時間が88分を経過すると、経過時間が90分~93分の間に設定される演出期間(SPタイム期間)が到来することを遊技者に示すためのSPタイム準備期間が経過時間88分~経過時間90分の範囲内に設定される。そして、1回目の演出期間(SPタイム期間)が終了すると、再度、通常演出が実行される演出期間が設定される。以降、経過時間に基づいて、SP準備期間、SPタイム期間、通常期間が順に設定される。
なお、経過時間に基づいて設定される各主演出期間は、後述した演出切替テーブル222b(図108参照)に基づいて設定されるように構成している。つまり、演出切替テーブル222bには、計時装置292にて計時された情報に対応させて複数の演出態様が規定されており、選択された演出態様に基づく演出が実行されるよう構成している。
次に、図92(b)を参照して、電源投入からの経過時間に基づいて設定される各種演出期間と、その演出期間にて実行される演出の内容について説明をする。図92(a)を参照して上述した通り、本実施形態では、電源投入からの経過時間に基づいて通常期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間の順で演出期間が繰り返し設定されるように構成しており、演出期間として通常期間が設定されている場合には、各パチンコ機10にて実行される特別図柄抽選の結果を示すための通常演出(図86、図87参照)が実行される。
そして、SPタイム準備期間中は、通常期間中と同一の通常演出が実行される期間であるが、その表示画面の一部を用いて、間もなくSPタイム期間が到来することを遊技者に案内するための案内態様として「間もなくSPタイム突入」のコメントが表示される。また、SPタイム準備期間の残時間が30秒となった場合には、上述した案内態様に加え、その案内態様よりもSPタイム期間が到来するまでの残時間を具体的に示した残時間報知態様であるカウントダウン表示が実行される。
このカウントダウン表示は、実際にSPタイム期間が設定されるまでの残時間を秒単位で示すための表示であって、計時装置292にて計時された時間情報に基づいて、SPタイム期間が設定されるタイミングでカウントダウン表示が0秒となるように30秒間のカウントダウン表示が実行される。
このようにカウントダウン表示を実行することにより、SPタイム期間中の期間演出(SPタイム演出)が開始されるタイミングを見逃してしまい、複数のパチンコ機10を用いた一体感のある演出を好適に体感することができない事態が発生することを抑制することができる。
また、SPタイム準備期間中は、第3図柄表示装置81の表示画面の一部分(例えば、上部)に現在がSPタイム準備期間中であることを示す「SPタイム準備中」の文字がテロップ表示される。このテロップ表示は、特別図柄変動が実行されている特図変動中画面でも、特別図柄変動が実行されていないデモ待機画面でも表示されるように構成している。これにより、遊技者が遊技を行っていないパチンコ機10でも間もなくSPタイム期間が設定される(期間演出が実行される)ことを報知することができるため、期間演出中の遊技が行いたい遊技者が、期間演出が実行されるパチンコ機10を容易に見つけ出すことができる。
そして、SPタイム期間が設定されると期間演出(SPタイム演出)が実行される。本実施形態ではSPタイム演出として、特殊背景(図88参照)が表示されると共に、設定値を示唆するための設定示唆演出が他の演出期間よりも実行され易くなる演出が実行されるように構成している。このSPタイム期間中は、第3図柄表示装置81の表示画面の一部分(例えば、上部)に現在がSPタイム期間中であることを示す「SPタイム中」の文字がテロップ表示される(図88(a)の表示領域HR1参照)。
次に、SPタイム期間の終了タイミングと、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の終了タイミングと、実行される演出の内容と、の関係について図92(c),(d)を参照して説明する。上述した通り、SPタイム期間は電源投入からの経過時間に基づいて設定されるものであり、特別図柄変動の実行の有無や、残時間に応じてその期間が可変するものでは無い。よって、特別図柄変動の実行中にSPタイム期間が終了する可能性がある。この場合、SPタイム期間が終了したタイミング(通常期間が設定されたタイミング)において、通常演出を開始してしまうと、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出が急に切り替わってしまったと遊技者を困惑させてしまうという問題があった。また、SPタイム期間が終了した時点において実行中の特別図柄変動が終了するまでの間、期間演出(SPタイム演出)を継続させる(延長させる)ことも考えられるが、この場合、複数のパチンコ機10にて一体感のある演出として実行される期間演出の終了タイミングが各パチンコ機10の特別図柄変動の状況に応じて異なってしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して本実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングにて特別図柄変動が実行されている状態において、その特別図柄変動の残時間(残変動時間)を判別し、その残変動時間の長さに応じて異なる演出態様を決定するように構成している。具体的には、SPタイム期間の終了タイミングにおける残変動時間が所定時間未満(例えば、5秒未満)である場合には、SPタイム期間の終了を示す表示態様を継続して表示し、残変動時間が所定時間以上(例えば、5秒以上)である場合には、その残変動時間が経過するまでの期間が特化ゾーン(図90(b)参照)となり、設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出が急に切り替わってしまう事態が発生することを抑制することができる。また、期間演出(SPタイム演出)を長時間継続(延長)させてしまい、複数のパチンコ機10にて一体感のある演出として実行される期間演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、SPタイム期間の終了タイミングにおいて実行中の特別図柄変動の残変動時間が所定時間(例えば、20秒)以上である場合には、その残変動時間を用いて設定示唆演出が他の期間よりも実行され易い特化モードを設定することができるため、期間演出(SPタイム演出)が実行されるSPタイム期間が終了するタイミング、即ち、遊技者に有利となる特典が付与される特定期間が終了するタイミングであって、従来であれば遊技者の遊技意欲が低下し得るタイミングであっても、特別図柄変動の残変動時間によっては遊技者に有利となる特典が付与される特化モードが設定されるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、この場合、SPタイム期間が終了するタイミングを示すための終了情報と、実行中の特別図柄変動の残変動時間を示すための残変動時間情報と、を遊技者に報知可能に構成すると良い。このように構成することで、SPタイム期間の終了時における特別図柄変動の残変動時間を、SPタイム期間中に予測し易くすることができるため、遊技者に対して後に実行される演出の内容を予測させ易くすることができ、分かり易い遊技を提供することができる。また、SPタイム期間の終了タイミングの直前に実行中の特別図柄変動が停止表示されることを遊技者が把握した場合には、次に実行される特別図柄変動の期間中にSPタイム期間が終了する可能性が高いことを遊技者が事前に認識できるため、次に実行される特別図柄変動の変動時間として長い変動時間が設定されることを期待する楽しみを提供することができる。
さらに、特化モードが設定され易くするために、SPタイム期間中に遊技を中断し、SPタイム期間の終了間際に特別図柄変動が開始されるように調整をした遊技を遊技者に行わせることが可能となる。よって、SPタイム期間中に多くの特別図柄抽選を実行することで設定示唆演出を多く実行させる遊技と、特化モードが設定され易くするためにSPタイム期間中に実行される特別図柄変動回数を減らし(SPタイム期間中に設定示唆演出が実行され難く)、特化モード期間中に多くの設定示唆演出が実行させる遊技と、を遊技者に選択させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図93から図95を参照して、特別図柄変動の変動時間として、短い変動時間(例えば、1.5秒)が選択され易くなる高速変動モード中における演出内容について説明をする。本実施形態におけるパチンコ機10では、普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)のほうが、普通図柄の低確率状態(通常状態)よりも特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易くなるように構成している。
より具体的に説明をすると、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態は、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態よりも電動役物640が開放し、第2入球口640へと球が入球し易くなるように構成している。つまり、普通図柄の高確率状態は、普通図柄の低確率状態よりも特別図柄抽選の実行権利を獲得し易くなるように構成している。特別図柄抽選の実行権利は所定数を上限に記憶可能(保留記憶可能)となるように構成している。
よって、普通図柄の高確率状態が設定されている間は、保留記憶数が上限に到達している状態で第2入球口640へと球が入球する事態、即ち、特別図柄抽選の実行権利を獲得可能な契機が成立したにも関わらず、新たな実行権利を記憶することが出来ない状態が発生し、遊技者に不快な思いをさせてしまうことを抑制するために、短い時間の特別図柄変動が選択され易くすることで、単位時間当たりに実行可能な特別図柄抽選の回数を増加させるように構成している。
なお、普通図柄の低確率状態が設定されている状態、即ち、第2入球口640へと球を入球させ難い状態においても特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易くしてしまうと、特別図柄抽選の実行権利を獲得していない(保留記憶されていない)状態で特別図柄変動が終了してしまう事態が発生し易くなり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうため、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定されている状態のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている状態よりも短い変動時間の特別図柄変動が実行され易くしている。このように構成することで、単位時間当たりに実行可能な特別図柄抽選の回数を増加させ易くすることができると共に、特別図柄変動が実行されていない期間が無用に長くなり遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、本実施形態では普通図柄の高確率状態が設定されている状態において、大当たり遊技が終了してから所定期間(特別図柄変動が80回実行される期間)が経過した場合のほうが、所定期間が経過していない場合よりもさらに短い変動時間が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技の終了後に普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)が設定された場合において、大当たり遊技終了直後から短時間の特別図柄変動が実行されることにより短期間で複数回の大当たり遊技が実行されてしまい遊技者に過剰に特典(賞球)が付与されてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定された場合には、確変状態が次の大当たり遊技が実行されるまで継続する遊技仕様でパチンコ機10が構成されているため、確変状態が設定された場合には、特別図柄の高確率状態が大当たり当選するまで継続することが確定する。この状態において特別図柄抽選で大当たり当選しない期間が長くなると、遊技者に対して無駄に時間を掛けさせた遊技を実行させることになり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、確変状態が設定されてから特別図柄抽選が80回実行された場合、即ち、確変状態中に実行される特別図柄抽選で大当たり当選すること無く、所定期間が経過した場合には、所定期間が経過するよりも前の期間(確変状態が設定されてから特別図柄抽選が80回実行されるまでの期間)と比較して、特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態である確変状態が無用に長時間継続することを抑制することができる。
図93(a)は、確変状態が設定されてから所定期間(特別図柄抽選が80回実行される期間)が経過した場合に設定される高速変動期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。図93(a)に示した通り、表示領域HR1には、特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易い高速変動期間中であることを示すための案内態様として「高速変動中」の文字がテロップ表示される。そして、副表示領域Dsの小領域Ds2には、特別図柄変動が短変動となることを示すための態様として「スピードアップ」のセリフをキャラクタJ0が発している表示態様が表示される。このように高速変動期間が設定されたことを遊技者に案内することにより、特別図柄変動の変動時間が急に短くなり遊技者が困惑してしまう事態が発生することを抑制することができる。
図93(a)に示した図では、高速変動期間が設定されている状態(確変状態設定後における81回目の特別図柄変動が開始される状態)において高速変動期間が設定されていることを遊技者に報知するための表示画面を示しているが、高速変動期間への移行に関する情報を遊技者に報知するタイミングはこれに限ること無く、例えば、確変状態設定後における75回目の特別図柄変動が開始される場合、即ち、高速変動期間へと移行する(高速変動期間が設定される)よりも所定期間前のタイミングにて、間もなく高速変動期間へと移行することを遊技者に事前に報知するように構成しても良い。このように構成することで、高速変動期間への突入を遊技者が事前に把握することができるため、特別図柄変動の変動時間が急に短くなり遊技者が困惑してしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、高速変動期間へと移行することを事前に遊技者に報知可能な事前報知構成を用いた場合には、例えば、特図保留を先読みし、その先読み結果に基づいて高速変動期間へと移行することが確定した場合に事前報知を実行するように構成すると良い。具体的には、高速変動期間への移行条件(80回の特別図柄抽選の実行)が成立することを、特図保留の先読み結果に基づいて判別し、高速変動期間への移行条件が成立すると事前判別した場合(移行条件が成立するまでに実行される特別図柄抽選の結果が全部外れであると事前判別した場合)に、高速変動期間への移行を報知可能に構成しても良い。
このように構成することで、高速変動期間へと移行し得ることを遊技者に報知(事前報知)したにも関わらず、高速変動期間が設定されない事態(大当たり当選する事態)が発生することを抑制することができる。
また、本実施形態では、高速変動期間中は他の期間よりも短い変動時間(例えば1.5秒~12秒)を設定可能に構成しており、対応する特別図柄抽選の結果や、取得した変動パターンの種別に応じて異なる変動時間が選択されるように構成している。このように構成することで、高速変動期間中において実行される特別図柄変動に対しても当たり期待度を異ならせた変動演出(変動時間に対応する変動演出)を実行することが可能となる。
ここで、例えば、特別図柄変動として短時間(例えば、変動時間1.5秒)の変動パターンが選択され易い高速変動期間が設定されてから実行される1回目の特別図柄変動として短時間以外の変動パターン(例えば、変動時間6秒)が選択された場合には、図93(a)に示した表示画面が表示された状態、即ち、高速変動期間に移行したことを遊技者に報知した状態において高速変動(1.5秒変動)が実行されない状況が発生する。
つまり、本実施形態では、高速変動期間中であっても、選択される変動パターンに応じて遊技者に対して大当たり当選を期待させる変動演出を実行するために、異なる長さの変動時間(例えば、6秒や12秒)を選択可能に構成していることから、上述した状況(高速変動期間に移行したことを遊技者に報知した状態において高速変動(1.5秒変動)が実行されない状況)が発生し得る。この場合、特別図柄の高速変動が実行されると報知したにも関わらず、特別図柄の高速変動が実行されないため、パチンコ機10が故障しているのでは?と遊技者に不信感を与えてしまい、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄変動が実行される場合に、その特別図柄変動の変動パターンを判別可能に構成し、その判別結果に基づいて高速変動期間が設定されたこと(高速変動期間へと移行したこと)を報知するタイミングを異ならせるように構成している。具体的には、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄変動が高速変動(1.5秒変動)では無い場合には、高速変動期間が設定されたことを報知しないように構成している。
このように構成することで、高速変動期間が設定されたことを報知したにも関わらず、特別図柄の高速変動が実行されないことにより発生する不具合を抑制することができる。
加えて、本実施形態では、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄抽選で大当たり当選した場合、即ち、1回目の特別図柄変動が大当たり変動である場合には、その大当たり変動の変動時間(例えば、12秒)を用いて、疑似的に複数回の特別図柄変動(変動演出)を実行するように構成している。具体的には、12秒間の特別図柄変動に対して、疑似高速変動(1.5秒)を4回実行した後に、6秒間の大当たり変動を実行するように構成している。
このように構成することで、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄抽選で大当たり当選した場合であっても、第3図柄表示装置81の表示画面にて複数回(4回)の疑似高速変動が実行された後に、疑似大当たり変動(6秒)が実行されることになる。よって、遊技者に対して高速変動期間が設定されたことを分かり易く報知することができると共に、高速変動期間中に特別図柄の高速変動が実行されたと思わせることができる。
ここで、図93(b)を参照して、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄変動が高速変動(1.5秒)以外であった場合に表示される表示内容について説明をする。図93(b)は、確変状態中における81回目の特別図柄変動(高速変動期間が設定される特別図柄変動)にて、高速変動(1.5秒)以外の変動時間(6秒)が選択された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図93(b)に示した通り、高速変動期間が設定されてから最初に実行される特別図柄変動が高速変動(1.5秒変動)では無い場合には、高速変動期間が設定されたことを遊技者に報知する表示態様(図93(a)参照)に代えて、高速変動期間が間もなく設定されることを遊技者に案内するための案内態様として表示領域HR1に「高速変動準備中」の文字がテロップ表示される。
このように、実際には高速変動期間へと移行している場合であっても、最初に高速変動が実行されるまでは「高速変動準備中」と表示することにより、高速変動期間が設定されたことを報知したにも関わらず、特別図柄の高速変動が実行されないことにより発生する不具合を抑制することができる。なお、図93(b)に示した案内態様を、実際に高速変動期間が設定されるよりも前の時点から表示するように構成しても良い。
さらに、図93(b)に示した状況は、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄変動にて高速変動以外の変動パターンが設定された場合にのみ発生する状況であるため、この状況が発生した場合(「高速変動準備中」のテロップ表示が実行されている場合)には設定示唆演出が他の高速変動期間中よりも実行され易くなるように構成しても良い。このように、特定の変動パターンが選択され易い特定期間において、特定の変動パターン以外の変動パターンが選択された場合に、特定の変動パターンが選択された場合よりも、遊技者に付与され易い特典を設けることにより、何れの変動パターンが選択された場合であっても遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
次に、図94を参照して、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される演出内容について説明をする。図94(a)は、確変状態中における81回目の特別図柄変動(高速変動期間が設定される特別図柄変動)にて、大当たり変動(12秒)が選択された場合に実行される疑似高速変動演出(1.5秒)の表示画面の一例を示した図であり、図94(b)は、疑似高速変動終了後に実行される疑似当たり変動演出(6秒)の表示画面の一例を示した図である。
図94(a)に示した通り、高速変動期間が設定されてから1回目の特別図柄変動が、変動時間12秒の大当たり変動である場合には、1.5秒の疑似高速変動演出が4回実行された後、6秒の疑似当たり変動演出が実行されるように構成している。つまり、12秒の特別図柄変動が1回実行される期間に対して、1.5秒の疑似変動が4回、6秒の疑似変動が1回実行されたと遊技者に思わせるように疑似変動演出が実行されるように構成している。
よって、図94(a)に示した通り、主表示領域Dmの表示領域HR1には、図93(a)と同様に「高速変動中」の文字がテロップ表示される。そして、1.5秒経過後に疑似的に第3図柄変動が疑似停止表示(図では、第3図柄の左右に波線を付して表示)される。つまり、実際に1.5秒の高速変動が実行された場合に対して、第3図柄の停止表示態様を若干(遊技者が容易に識別することが困難な程度)異ならせている以外は同一の変動演出が実行される。
なお、本実施形態では、実際の特別図柄変動が停止表示されていない期間において第3図柄を完全に停止表示させてしまうと遊技者が混乱してしまう虞があるため、疑似停止表示するように構成しているが、これに限ること無く、疑似高速変動演出の停止タイミングにおいて、第3図柄を完全に停止させた停止表示態様を表示するように構成しても良く、この場合、主表示領域Dmの中央付近にて変動している図柄として第3図柄(特別図柄の変動状況に対応させて変動表示させる図柄)に代えて、演出用の演出図柄を用いるように構成し、実際の第3図柄は異なる領域(例えば、第3図柄表示装置81の表示面以外の領域)にて変動表示されるように構成しても良い。
そして、疑似高速変動演出(4回)が終了すると、次に、図94(b)に示した通り、6秒間の疑似当たり変動演出が実行される。よって、実際には1回の特別図柄変動が実行されるだけの期間に対して、疑似的に5回分の変動演出を実行可能となるため、遊技者に対して、高速変動期間が設定された場合に、高速変動演出(疑似高速変動演出)を確実に実行することができる。また、6秒間に渡って4回の疑似高速変動が実行されるため、表示領域HR1に表示される「高速変動中」の文字を遊技者が認識するための時間を確保することができる。
なお、図94に示した通り、本実施形態では、疑似高速変動演出を4回実行するように構成しているが、疑似高速変動演出の実行回数はこれに限ること無く、例えば、実行回数が3回以下や、4回よりも多くなるように疑似高速変動演出を実行するように構成して良い。また、高速変動以外の変動パターンとして複数の変動時間(例えば、15秒、20秒)を選択可能に構成している場合には、選択された変動パターンに対応する変動時間の長さに応じて疑似高速変動演出の実行回数や演出内容を決定するように構成すると良い。
次に、図95を参照して、本実施形態における高速変動期間が設定される場合において実行される演出の流れについて説明をする。図95(a-1)は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合における特別図柄変動回数(特別図柄抽選回数)と、選択される変動時間との関係性を示した図であって、高速変動期間中に高速変動(1.5秒)が実行された場合を示した図であり、図95(a-2)は、図95(a-1)に示した状況で設定される演出モードの推移を示した図である。図95(b-1)は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合における特別図柄変動回数(特別図柄抽選回数)と、選択される変動時間との関係性を示した図であって、高速変動期間の1回目に非高速変動(6秒)が実行された場合を示した図であり、図95(b-2)は、図95(b-1)に示した状況で設定される演出モードの推移を示した図である。図95(c-1)は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合における特別図柄変動回数(特別図柄抽選回数)と、選択される変動時間との関係性を示した図であって、高速変動期間の1回目に大当たり変動(12秒)が実行された場合を示した図であり、図95(c-2)は、図95(c-1)に示した状況で設定される演出モードの推移を示した図である。
図95(a-1)に示した通り、本実施形態では確変状態が設定されてから特別図柄変動が80回実行されるまでの期間(確変第1期間)と、81回以降の特別図柄変動が実行される期間(確変第2期間)と、で特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルを異ならせるように構成しており、確変第1期間においては、通常状態が設定されている場合よりは短い変動時間であるが、後述する確変第2期間中よりも比較的長い変動時間が選択され易い変動パターンテーブルが参照され、確変第2期間においては、確変第1期間中よりも短い変動時間が選択され易い変動パターンテーブルが参照されるように構成している。なお、各期間において参照される変動パターンテーブルの詳細については、図104を参照して後述する。
つまり、確変状態が設定されてから所定期間が経過するまでの確変第1期間は、所定期間が経過した後の確変第2期間よりも比較的長い変動時間で特別図柄変動が実行されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された直後から確変第2期間と同様の変動時間が選択される場合に比べて、大当たり遊技間を長くすることができる。よって、短時間で複数回の大当たり遊技が実行されることにより、短時間で遊技者に過剰に特典(賞球)を付与してしまうことを抑制することができる。換言すれば、遊技者に有利な遊技状況(確変状態)が短時間で終了してしまうことを抑制することができる。
図95(a-2)に示した通り、確変第2期間(81回目以降の特別図柄変動期間)にて高速変動(1.5秒)が実行される場合には、81回目の特別図柄変動の開始タイミングにて高速変動期間が設定されることを遊技者に報知するための案内態様(図93(a)参照)が表示される。この高速変動期間は特別図柄変動が1000回実行されるまでの間設定されるため、実質、次回の大当たりに当選するまで特別図柄変動が高速変動することになる。よって、特別図柄の高確率状態である確変状態が設定されたにも関わらず、特別図柄抽選で大当たり当選すること無く80回以上の特別図柄抽選が実行された遊技者に対して、単位時間当たりの特別図柄抽選回数を増加させることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、図95(b-1)は、確変第2期間における最初の特別図柄変動(高速変動期間における1回目の特別図柄変動)、即ち、81回転目の特別図柄変動の変動パターンが変動時間6秒の外れ変動であり、82回転目に高速変動(1.5秒)が実行されるパターンを示している。
この場合、図95(b-2)に示した通り、81回転目の特別図柄変動開始タイミングで高速変動期間が設定されることを遊技者に報知するための案内態様(図93(a)参照)を表示してしまうと、高速変動期間に突入したにも関わらず、高速変動が実行される遊技者に違和感を与えてしまう虞があるため、高速変動期間が設定されてから実際に高速変動が実行されるまでの間(82回目の特別図柄変動が実行されるまでの期間)、間もなく高速変動期間が設定される(高速変動期間へと移行する)ことを遊技者に案内するための準備報知として事前案内態様(図93(b)参照)が表示される。そして、82回目の特別図柄変動開始タイミング、即ち、高速変動期間が設定されてから最初に高速変動が実行されるタイミングにて高速変動期間が設定されることを遊技者に報知するための案内態様(図93(a)参照)が表示される。
これにより、高速変動期間への突入報知が、実際に高速変動が実行されるタイミングに合わせて実行されるため、遊技者に分かり易い報知をすることができる。なお、本実施形態では、高速変動期間が設定されてから実際に高速変動が実行されるまでの期間を用いて準備報知を行うように構成し、遊技者に対して高速変動が急に実行されてしまうことで特別図柄抽選の結果を把握し難くなる事態の発生を抑制しているが、これに限ること無く、高速変動期間が設定されてから実際に高速変動が実行されるまでの期間は、確変第1期間と同一の変動演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングから高速変動期間へと突入報知が実行されるのかを遊技者に分かり難くすることができる。
次に、図95(C-1)は、確変第2期間における最初の特別図柄変動(高速変動期間における1回目の特別図柄変動)、即ち、81回転目の特別図柄変動の変動パターンが変動時間12秒の大当たり変動であるパターンを示している。
この場合、図95(c-2)に示した通り、81回転目の特別図柄変動開始タイミングで高速変動期間が設定されることを遊技者に報知するための案内態様(図93(a)参照)を表示し、81回転目の特別図柄変動期間(12秒)を用いて、疑似変動演出が実行される。具体的には、前半の6秒間を用いて疑似的に高速変動演出(図94(a)参照)を4回実行し、後半の6秒間を用いて疑似的に大当たり変動演出(図94(b)参照)を実行する。つまり、12秒間の特別図柄変動1回の変動期間中に、4回の高速変動(1.5秒)と、1回の大当たり変動(6秒)が実行されたかのような疑似変動演出を実行し、12秒の特別図柄変動(大当たり変動)が停止表示された場合に大当たり遊技が実行される。
このように構成することで、確変第2期間における最初の特別図柄変動が大当たり変動である場合も、確変第2期間における変動演出(高速変動演出)を遊技者に体感させることができるため、演出効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、確変第2期間の最初の特別図柄変動の変動パターンに基づいて上述した通り、高速変動期間の突入報知タイミングを異ならせるように構成しているが、これ以外の構成を用いても良く、例えば、確変第2期間の最初の特別図柄変動(81回目の特別図柄変動)に加え、事前判別の結果、82回目の特別図柄変動も変動時間が6秒の外れ変動であると判別した場合には、81回目の特別図柄変動と82回目の特別図柄変動との合算時間である12秒間を用いて、疑似高速変動演出を8回実行するように構成し、81回目の特別図柄変動の開始タイミングにて高速変動期間に突入したことを遊技者に案内するための案内報知(図93(a)参照)を実行するように構成しても良い。
また、確変第2期間の最初の特別図柄変動(81回目の特別図柄変動)の変動期間中における特定タイミングにて案内報知を実行するように構成しても良く、例えば、81回目の特別図柄変動の変動時間が長時間(例えば、30秒)である場合に、最初の24秒間は、確変第1期間と同様の変動演出を実行し、残りの6秒間にて疑似高速変動演出を4回実行するように構成し、81回目の特別図柄変動が開始されてから24秒後に案内報知を実行するように構成しても良い。このように特別図柄変動中の特定タイミングにて案内報知を実行可能に構成することで、疑似高速変動演出の回数を任意に設定することができるため、無用に疑似高速変動演出が多く実行されてしまうことを抑制することができる。
本実施形態では、確変第2期間が設定された場合において高速変動期間に突入したことを遊技者に案内するための案内報知を実行する構成を用いているが、これに限ること無く、例えば、確変第1期間の終盤(79回目や80回目の特別図柄変動)において短い変動時間が選択された場合に、その特別図柄変動の開始タイミングにて高速変動期間に突入したことを報知するための案内報知を実行するように構成しても良い。
このように、実際に変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルが切り替わるタイミングでは無く、特別図柄変動の変動時間として第1変動時間が選択され易い状態から第1変動時間とは異なる第2変動時間が選択され易くなる条件が成立し易い状態、或いは、成立した状態において、第2変動時間、或いは、第1変動時間よりも第2変動時間に近似する変動時間が選択されたことに基づいて第2変動時間が選択され易い期間に突入したことを遊技者に報知することで、報知内容と実際の特別図柄変動時間とが合致し、遊技者に違和感の無い演出を実行することができる。
さらに、本実施形態では、高速変動モードが設定された状態において高速変動モードに突入したことを遊技者に案内するための案内報知を実行するタイミングを遅延した場合に、間もなく高速変動モードが設定されることを示すための準備報知を実行するように構成しているが、これに限ること無く、高速変動モードが設定されたタイミングで高速変動モードに突入したことを遊技者に案内するための案内報知が実行される場合において、高速変動モードが設定されるよりも前に準備報知を実行するように構成しても良い。
次に、図96から図98を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10にて実行される大当たり遊技中の演出内容について説明をする。本実施形態では、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出として、大当たり遊技の進行度合いを遊技者に示すための基本演出を実行する。この基本演出の内容については図96(a)を参照して後述する。さらに、遊技者に有利な状態(時短状態、確変状態、大当たり遊技中)が継続している有利期間中に払い出された賞球数の量が所定数(200個単位)に到達した場合に、遊技者を祝福するための演出として所定数獲得演出を実行する。この所定数獲得演出の内容については、図96(b)を参照して後述する。さらに、この所定数獲得演出が実行される際に所定条件(ラウンド数と、賞球数との関係が特定条件を満たした場合)に追加特典を付与するための追加特典演出を実行する。この追加特典演出の内容については図97を参照して後述する。加えて、大当たり遊技の終了画面(エンディング画面)にて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態や、設定値を示唆する終了画面演出を実行する。この終了画面演出は、大当たり遊技が実行されるタイミング(期間演出と重複しているか否か)に応じて演出態様を異ならせるように構成しており、詳細な内容については、図98を参照して後述する。
まず、図96(a)を参照して、大当たり遊技中における基本演出の内容について説明をする。図96(a)は、大当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図である。図96(a)に示した通り、大当たり遊技中は、主表示領域Dmの左上側に表示領域HR11、表示領域HR12が形成される。表示領域HR11は、現在のラウンド数を示すための表示領域であって、ラウンド数報知態様として、現在のラウンド数(図では「2」を表示)が表示されている。つまり、図96(a)に示した表示画面は、大当たり遊技の2ラウンド目が実行されている状態の表示画面である。なお、本実施形態では、ラウンド数報知態様として現在のラウンド数のみを表示するように構成している。
よって、今回の大当たり遊技が何ラウンド目まで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができるが、これに限ること無く、表示領域HR11に最大ラウンド数、即ち、今回の大当たり遊技にて実行されるラウンド数(ラウンド遊技の数)も報知可能に構成しても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技がどこまで継続するのかを分かり易く報知することができるため、安心して大当たり遊技を実行されることができる。なお、この場合、今回の大当たり遊技にて実行されるラウンド数の最大値(例えば、10ラウンド)の一部(例えば5ラウンド)を最大ラウンド数として表示しておき、大当たり遊技中に更新条件(例えば、4ラウンド目が終了した場合に成立する更新条件)が成立したことに基づいて、最大ラウンド数を10ラウンドへと更新表示するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができる。
表示領域HR12は、今回の大当たり遊技中に獲得した賞球数を示すための表示領域であって、大当たり遊技中賞球数報知態様として、今回の大当たり遊技中に獲得した賞球数(図では「255GET」を表示)が表示されている。つまり、図96(a)に示した表示画面は、2ラウンド目の途中であって、今回の大当たり遊技中に255個の賞球が払い出された状態の表示画面である。この表示領域HR12においても、今回の大当たり遊技にて想定される想定総賞球数、即ち、今回の大当たり遊技にて実行されるラウンド数の最大値と、1回のラウンド遊技にて獲得可能な賞球数とに基づいて算出した総賞球数を予め表示画面に表示するように構成しても良い。このように構成することで、今回の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を事前に把握することができると共に、実際に獲得した賞球数が、想定される賞球数よりも多いか少ないかを遊技者が分析することが可能となる。よって、想定される賞球数よりも実際に獲得した賞球数のほうが多い場合には、遊技者により有利なパチンコ機10であると考え、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、想定される賞球数のほうが実際に獲得した賞球数よりも多い場合には、他のパチンコ機10への移動も考えながら今後の遊技を遊技者に検討させることができる。
主表示領域Dmの右上側には、表示領域HR13が形成され、大当たり当選した場合に停止表示された第3図柄の組合せが表示されている。つまり、表示領域HR13には、大当たり図柄の履歴(図では「666」を表示)が表示されている。表示領域HR13の下方には、表示領域HR14と、表示領域HR15が形成され、有利期間において払い出された賞球の総獲得量を示す総獲得賞球報知態様として表示領域HR14に「960」が表示されている。この総獲得賞球数とは、遊技者に有利な状態(時短状態、確変状態、大当たり遊技中)が継続している有利期間中に払出制御装置111から払い出された賞球の総数を示すものであり、例えば、大当たり遊技(1回目)の終了後に確変状態が設定され、その確変状態中に大当たり当選し、再度大当たり遊技(2回目)が実行された場合には、2回目の大当たり遊技中に表示される総獲得賞球報知態様として、1回目の大当たり遊技で払い出された賞球数と、確変状態中に払い出された賞球数と、2回目の大当たり遊技中に払い出された賞球数との合算値を示す情報が表示される。
このように構成することで、有利期間中に大当たり遊技が複数回実行された場合には、その複数回の大当たり遊技にて払い出された賞球数が合算して表示されるため、1回の大当たり遊技では獲得し得ない量の賞球数を表示することが可能となる。よって、有利期間を長時間継続させた遊技者に対して、多くの賞球数が表示されることで優越感を提供することができる。
本実施形態では、有利期間中に払い出された全ての賞球数、即ち、確変状態や時短状態中に一般入球口63や第1入球口64や第2入球口640等に球が入球したことに基づいて払い出された賞球数も加算して総獲得賞球数が表示されるように構成しているため、大当たりに当選すること無く確変状態が長時間経過した場合に総獲得賞球数を多くすることができるため、確変状態中に実行される特別図柄抽選にて大当たり当選しない期間が長く継続している遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、総獲得賞球数に加算される賞球数を有利期間中に実行された大当たり遊技中に払い出された賞球数のみとするように構成しても良い。これにより、大当たり遊技中に払い出された賞球数の合算値を遊技者に容易に把握させることができる。
さらに、本実施形態では、払出制御装置111により実際に払い出された賞球数を表示可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、払出制御装置111によって払い出されることが確定した賞球数、即ち、主制御装置110から払出制御装置111へと賞球を払い出すための払出指示(払出コマンド)が出力されることに基づいて賞球数を加算させるように構成しても良い。この場合、実際に賞球が払い出された後に賞球数を加算表示させる場合に比べて、賞球の払出条件が成立(入球口へと球が入球したことを検知)してから賞球数を加算表示させるまでのタイムラグを少なくすることができるため、遊技盤13上の球の流下状況(各入球口(入賞口)への球の入球(入賞)状況)を注視している遊技者に対して、違和感を与える事無く総獲得賞球数を加算表示させることができる。
また、本実施形態では、賞球数に基づく表示を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、賞球数から球の発射数を差し引いた数、即ち、遊技者の持ち玉の増加分に対応する球数を表示可能に構成しても良い。このように構成することで、実際に増加した分の球量を遊技者に分かり易く報知することができる。
また、表示領域HR15には、有利期間中における大当たり遊技の実行回数(連チャン回数)を示すための連チャン回数表示態様として「2回目」が表示されている。つまり、図96(a)は、有利期間中における2回目(2連チャン目)の大当たり遊技中における表示画面を示している。
なお、本実施形態では、有利期間中に実行された全ての大当たり遊技回数を連チャン回数として加算表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、複数種類の大当たり遊技を実行可能なパチンコ機10において、遊技者に付与可能な特典の量が所定量以上である大当たり遊技(5ラウンド以上の大当たり遊技)の実行回数のみを加算表示するように構成しても良い。また、連チャン回数表示態様に対して、実行済の大当たり遊技の内容を示す情報を追加して表示するように構成しても良い。
以上、図96(a)を参照して、大当たり遊技中に表示画面に表示される基本演出(基本表示)の内容について説明をしたが、上述した基本演出の各要素を示す情報に関わる表示態様を大当たり遊技中以外の期間、例えば、有利期間中であって大当たり遊技が実行されていない期間(特別図柄変動を実行可能な期間)において、上述した基本演出の各要素のうち、総獲得賞球数を示す情報に関わる表示態様を表示するように構成しても良い。
次に、図96(b)を参照して、大当たり遊技中に実行される所定数獲得演出の演出内容について説明をする。本実施形態では大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出として、大当たり遊技のオープニング期間に対応して実行されるオープニング演出と、大当たり遊技のラウンド遊技期間に対応して実行されるラウンド演出と、大当たり遊技のエンディング期間に対応して実行されるエンディング演出と、を少なくとも実行可能に構成している。
そして、ラウンド演出が実行される期間であるラウンド遊技期間は、大当たり遊技中において可変入賞装置65の特定入賞口65aへと球を入賞させることが可能な期間である。本実施形態では、このラウンド遊技期間中に実行されるラウンド演出の一部で、有利期間中に獲得した総獲得賞球数が所定数に到達したことを祝福するための所定数獲得演出を実行可能に構成している。具体的には、ラウンド遊技が開始されるタイミングにおいて、既に獲得済みの総獲得賞球数を読み出し、今回実行されるラウンド遊技中に総獲得賞球数が所定数に到達し得るかを判別する。そして所定数に到達し得ると判別した場合に、所定数獲得演出に対応させたラウンド演出の演出態様を決定する。このように、実際に総獲得賞球数が所定数に到達するよりも前に、総獲得賞球数が所定数に到達し得るタイミングを判別することで、次に実行されるラウンド遊技中に所定数獲得演出を実行する必要があるか否かを特定することが可能となる。
よって、ラウンド演出の演出態様を決定する際に、所定数獲得演出の有無に対応させた演出態様を決定し易くすることができる。
図96(b)に示した通り、所定数獲得演出が実行されると、主表示領域Dmの略中央にてウサギを模したキャラクタ810がプラカード811を持って登場する演出態様が表示される。そして、総獲得賞球数が所定個数(図では1000個)に到達した場合に、プラカード811を上に掲げ「1000」と表示された表示面が表示される。
つまり、所定数獲得演出が実行され得るラウンド遊技に対応したラウンド演出では、キャラクタ810が登場する演出が予め実行されるため、遊技者に対して違和感を与えることなく所定数獲得演出(「1000」の文字が記されたプラカード811を掲げる演出)を実行することができる。また、所定数獲得演出が実行され得ないラウンド遊技を特定することが可能となるため、例えば、所定数獲得演出が実行され得ないラウンド遊技に対応したラウンド演出の演出態様として、キャラクタ810が登場しない演出態様を決定することができるため、ラウンド演出のバリエーションを増加させることで演出効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、所定数獲得演出にて表示される総獲得賞球数と、所定数獲得演出が実行されるラウンド数との組合せに応じて追加特典が付与される追加特典演出を実行可能に構成しており、図96(b)に示した例によれば、ラウンド数が「3」、総獲得賞球数が「1000」の組合せが追加特典演出の実行条件を満たしているため、追加特典演出が実行されることを示唆するための宝袋811aがプラカード811と連結して表示されている。
その後、図97(a)に示した通り、宝袋811aの中身として追加特典を示すための追加特典態様として「確」の文字が付されたボール812が出現する追加特典演出が実行される。この「確」の文字が付されたボール812で示される追加特典態様は、今回の大当たり遊技終了後に遊技者に有利な有利遊技状態である確変状態が設定されることを示すものである。なお、本実施形態では、追加特典態様として様々な種別の特典を遊技者に付与可能に構成しており、その内容については図97(b)を参照して後述する。
このように、大当たり遊技のラウンド数と、総獲得賞球数との組合せに応じて追加特典を遊技者に付与するか否かを決定することで、遊技者に対して追加特典遊技が実行されるタイミングを分かり難くすることができるため、大当たり遊技中の各ラウンド演出に対して、追加特典演出が実行されることを期待させることができる。
また、本実施形態では、少なくとも所定数獲得演出が実行されるラウンド演出中に追加特典演出を実行可能に構成しているため、遊技者に対して大当たり遊技中に多くの球を入賞させようと意欲的に遊技を行わせることができる。さらに、本実施形態では総獲得賞球数として確変状態や時短状態が設定されている状態において各入球口へと球を入球させた場合に払い出される賞球数も加算するように構成しているため、例えば、大当たり遊技が実行されるまで(特別図柄抽選で大当たり当選するまで)に、総獲得賞球数を調整することが可能となる。
よって、特別図柄抽選の結果が大当たりである可能性が高い変動演出が実行されている間、或いは、特別図柄の保留記憶数が上限数である間といった、従来であれば遊技者が遊技(球の発射)を一時的に中断し易い期間においても、総獲得賞球数を調整することを目的として、継続して遊技を行わせ易くすることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
また、この場合、大当たり遊技中に追加特典演出が実行され易い状況を、大当たり遊技が実行されるよりも前に遊技者に案内可能な案内演出を実行可能に構成すると良く、例えば、確変状態や時短状態における特別図柄変動期間中に総獲得賞球数を表示するように構成し、大当たり遊技が開始されるタイミングにおける総獲得賞球数が特定範囲である場合に、追加特典演出が実行され易くなることを遊技者に報知するように構成すると良い。より具体的には、総獲得賞球数が1000個に到達するタイミングが大当たり遊技の1ラウンド目である場合に追加特典演出が実行されるように規定されている場合において、大当たり遊技が実行されるよりも前である特別図柄変動期間中において、総獲得賞球数が「910~990個」の範囲で大当たり遊技が実行されることにより、追加特典演出が実行され易くなることを報知するように構成すると良い。このように構成することで、大当たり遊技が開始されるまでの期間を用いて総獲得賞球数を増加させるための遊技を遊技者に行わせることができる。
なお、上述した追加特典演出が実行され易くするための案内報知を大当たり遊技中に実行しても良い。このように構成することで、追加特典演出が実行されるラウンド数と総獲得賞球数との組合せが創出されるように、ラウンド遊技中に球を可変入賞装置65の特定入賞口65aへと入賞させない(これ以上賞球が払い出されない)ように遊技を行うという斬新な遊技性を提供することができる。また、ラウンド遊技間に設定されるインターバル期間中に賞球数を増加させるための遊技を行わせることで遊技の稼働を向上させることができる。
ここで、追加特典演出中に遊技者に付与される特典の種別について図97(b)を参照して説明をする。上述した図97(a)に示した表示画面では、追加特典態様として「確」の文字が付されたボール812が表示され、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定されることを示した態様(確変昇格態様)を表示しているが、それ以外に、「10」の文字が付されたボール812が表示された場合には、今回の大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数が遊技者に最も有利なラウンド数である「10ラウンド」であることを示した態様(ラウンド昇格態様)や、「高」の文字が付されたボール812が表示された場合には、パチンコ機10に設定されている設定値が遊技者に有利な設定値(高設定)であることを示した態様(高設定報知態様)や、「連」の文字が付されたボール812が表示された場合には、獲得済みの特別図柄の保留記憶(特図保留)内に抽選結果が大当たりであることを示す情報が含まれていることを示した態様(保留連態様)を設定可能に構成している。
このように追加特典態様として複数の種別を設定可能に構成することにより、追加特典演出の実行条件が成立したにも関わらず、遊技者に付与すべき特典が存在しない事態が発生することを抑制することができる。なお、本実施形態では、追加特典演出が実行された場合に遊技者に付与される追加特典として、遊技者に有利な遊技状況を示すための特典のみを対象としているが、これに限ること無く、例えば、追加特典演出が実行された場合にのみ遊技者に提供可能な特典画像を付与可能に構成したり、パチンコ機10の演出態様を切り替えるための権利を付与可能に構成したりするように構成しても良い。また、遊技者に不利となる遊技状況を示すための情報を追加特典として付与可能に構成しても良い。
次に、図98を参照して、大当たり遊技の終了画面(エンディング画面)にて表示される終了画面演出の内容について説明をする。図98(a)は、SPタイム中(SPタイム期間中)に大当たり遊技の終了画面が表示される場合における終了画面演出の一例を示した図であり、図98(b)は、大当たり遊技中にSPタイム(SPタイム期間)が終了した場合における終了画面演出の一例を示した図である。
本実施形態では、上述した通り、SPタイム期間中に特別図柄抽選(特別図柄変動)が実行されるほど、設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。つまり、SPタイム期間中に大当たり遊技が実行されている場合は、SPタイム期間中に大当たり遊技が実行されていない場合よりも、特別図柄抽選(特別図柄変動)が実行され難くなるため、SPタイム期間中における設定示唆演出が実行され難くなる。
この場合、遊技者に有利な遊技状況である大当たり遊技が実行された場合であっても、その大当たり遊技の実行期間がSPタイム期間と重複した場合において、遊技者に不利な状況(設定示唆演出が実行され難い状況)が発生するため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。特に、通常であれば遊技者に有利となるラウンド数の多い大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技期間が長くなる分、SPタイム期間と大当たり遊技期間とが重複する可能性が高くなることから上述した問題が発生し易くなるため、大当たり遊技の中でも、遊技者により有利となる大当たり遊技(ラウンド数が多い大当たり遊技)が実行された場合のほうが、他の大当たり遊技(ラウンド数が比較的少ない大当たり遊技)が実行された場合よりも遊技者の遊技意欲が低下してしまうという従来には無い新たな問題が発生してしまう虞があった。
これに対して、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に実行される終了画面演出として設定示唆演出を実行可能に構成し、さらに、大当たり遊技期間とSPタイム期間との重複状況に応じて終了画面演出として実行される設定示唆演出の演出態様を異ならせることができるように構成している。
具体的には、大当たり遊技が実行されたことによってSPタイム期間中に設定示唆演出が実行され難い状況(特別図柄変動の実行回数が少なくなった状況)である場合には、他の状況である場合よりも、終了画面演出として実行される設定示唆演出(終了画面設定示唆演出)の演出態様が、遊技者に有利な演出態様となり易くなるように構成している。より具体的には、終了画面設定示唆演出の演出態様として、複数の設定示唆演出を重複させて実行させ易くなるように構成している。
このように構成することで、SPタイム期間中に設定示唆演出が実行され難くなるタイミングで大当たり遊技が実行された場合であっても、その大当たり遊技の終了画面演出にて設定示唆演出を補完することができるため、大当たり遊技が実行されたことに基づいて遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題が発生することを抑制することができる。
大当たり遊技の終了画面演出が実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面にて当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に報知するための遊技状態報知態様と、設定値を示唆するための設定示唆態様と、が表示されるように構成しており、図98(a)に示した図では、遊技状態報知態様として、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを遊技者に報知するための態様として「もう1回」のコメントが表示される。つまり、もう一度大当たり遊技が実行されるまで特別図柄の高確率状態が設定されることを遊技者に報知するための遊技状態報知態様が表示されている。
なお、遊技状態報知態様として、大当たり遊技終了後に時短状態(時短100回)が設定されることを示す場合には、「チャンス100回」のコメントが表示される。つまり、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態(時短状態)であって、さらに、その遊技状態が継続する期間が100回(特図変動100回)であることを遊技者に報知するための態様が表示される。このように、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を、遊技者にとって最も不利な遊技状態(通常状態)と比較した場合の有利度合いを報知することにより、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に分かり易く予測させることができる。
ここで、終了画面演出にて表示される遊技状態報知態様として「チャンス100回」、即ち、時短状態が設定される場合に対応する報知態様が表示された場合であっても、その報知対象となる遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態(確変状態)が設定される可能性を残すように構成すると良い。このように構成することで、遊技状態報知態様として「チャンス100回」が表示された遊技者に対して、最後まで(時短状態の終了条件(特別図柄変動が100回に到達した場合に成立する終了条件)が成立するまで)確変状態が設定されていることに期待を持たせながら遊技を行わせることができる。この場合、時短状態の終了条件が成立し得る段階において、実際に設定されている遊技状態が時短状態では無く、確変状態であることを遊技者に報知するように構成すると良い。これにより、時短状態が終了するまで確変状態が設定されていることに期待を持たせながら遊技を行わせることができる。なお、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合において、遊技状態報知態様として時短状態に対応する報知態様が表示された場合には、実際の遊技状態が確変状態であることを示唆するための示唆演出を、時短状態の終了条件が成立し得るまでの期間内にて実行可能に構成すると良い。これにより、確変状態が設定されていることを期待しながら遊技を行っている遊技者が実行される演出を注視することになるため、演出効果を高めることができる。
なお、実際に設定される遊技状態とは異なる遊技状態に対応した報知態様が表示される頻度をパチンコ機10に設定されている設定値に応じて異ならせるように構成しても良く、例えば、遊技者に有利な設定値(例えば、設定3)が設定されているほうが、遊技者に不利な設定値(例えば、設定1)が設定されている場合よりも、実際に設定される遊技状態とは異なる遊技状態に対応した報知態様が表示される頻度が低くなるように構成すると良い。このように構成することで、遊技状態報知態様として時短状態に対応する報知態様が表示された場合に、実際に時短状態が設定される可能性が遊技者に有利な設定値(例えば、設定3)が設定されている場合のほうが高くなる。
よって、遊技状態報知態様として時短状態に対応する報知態様が表示された後に、時短終了条件が成立し、通常状態へと遊技状態が移行する事象が多く発生するほど、遊技者に有利な設定値(例えば、設定3)が設定されている可能性を高くすることができる。このように、パチンコ機10において実行される遊技として、遊技者に不利な条件(例えば、時短状態の終了)が成立した場合に、遊技者に有利な情報(例えば、高設定報知(示唆))が提供され易くなるように構成することで、遊技者に不利な状況が重複して発生してしまい、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
なお、これに限ること無く、遊技者に有利な設定値(例えば、設定3)が設定されている場合よりも、遊技者に不利な設定値(例えば、設定1)が設定されている場合のほうが、実際に設定される遊技状態とは異なる遊技状態に対応した報知態様が表示される頻度が低くなるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に有利な条件(例えば、確変状態が設定されていることを報知するための条件、高設定報知(示唆)を実行する条件)が重複して実行され得るため、例えば、高設定値が設定されている遊技者に対して、より有利な特典を付与することができる。よって、遊技者に対して、有利な特典が多く付与されることを期待させながら意欲的に遊技を行わせることができる。
図98(b)に戻り、説明を続ける。大当たり遊技の終了期間がSPタイム期間を経過していると判別した場合、即ち、大当たり遊技中、或いは、大当たり遊技前にSPタイム期間が設定され、そのSP期間を終了するタイミングが大当たり遊技中である場合には、大当たり遊技終了後にSPタイム期間中の特別図柄変動を実行することが出来ない(困難である)ため、終了画面演出中にて複数の設定示唆演出が設定される(図98(b)参照)。
<第1実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図99を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図99は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図138参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図135参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図134参照)が即座に実行される。
ここで、図100を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する特別当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する特別当たり種別カウンタC2と、特別図柄の停止種別(リーチ当たり種別、リーチ以外外れ(外れ長A、外れ短A)、リーチ外れ種別)を決定するための停止種別選択カウンタC3、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、特別当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、が用いられる。また、普通図柄の抽選には、普通当たり乱数カウンタC4が用いられ、普通当たり乱数カウンタC4の初期値設定には普通初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図124参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図138参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、第1特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる特別図柄1保留球格納エリア203aと、第2特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる特別図柄2保留球格納エリア203bとがそれぞれ設けられており、第1特別図柄と第2特別図柄との共通の特別図柄保留球実行エリアが設けられている。特別図柄1保留球格納エリア203aの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。同様に、特別図柄2保留球格納エリア203bの各エリアについても、右第2入球口640rへの入球タイミングに合わせて、同様の値がそれぞれ格納される。
また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、普通当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。特別当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~65535)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~65535の値を取り得るカウンタの場合は65535)に達した後0に戻る構成となっている。特に、特別当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該特別当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、初期値乱数カウンタCINI1は、特別当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、特別当たり乱数カウンタC1が0~65535の値を取り得るループカウンタである場合には、初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~65535の範囲のループカウンタである。この初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図124参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図138参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
特別当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または右第2入球口640rに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a)参照)によって設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a)参照)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a)参照)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
特別当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。特別当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または右第2入球口640rに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されている特別当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。本実施形態では、大当たり種別は、「大当たりA1」、「大当たりB1」、「大当たりC1」、「大当たりD1」、「大当たりE1」との5種類が設定されており、特別当たり種別カウンタC2によって、「大当たりA1」、「大当たりB1」、「大当たりC1」、「大当たりD1」、「大当たりE1」のうちいずれかが決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。なお、本実施形態の特別図柄抽選における大当たり当選確率の詳細については、特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a))を参照して後述する。
また、本実施形態のパチンコ機10における特別当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図103に示すように、大当たり種別を決定するための大当たり種別選択テーブル202dには、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とで同一の(共通の)内容が規定されている。つまり、本実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄抽選が実行された場合と、第2特別図柄抽選が実行された場合とで、遊技者への有利度合いが同一の特別図柄抽選が実行されるように構成している。このように構成することで、何れの特別図柄抽選が実行されたとしても遊技者に付与される特典(大当たり遊技の提供)に差が生じることが無いため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
なお、これに限ること無く、大当たり種別選択テーブル202dとして、第1特別図柄の抽選に対応して参照される特図1大当たり種別選択テーブル202d1と第2特別図柄の抽選に対応して参照される特図2大当たり種別選択テーブル202d2とを規定し、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで選択され得る大当たり種別を異ならせたり、選択割合を異ならせたりすることで、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、有利度合いを異ならせるように構成しても良い。この場合、遊技状態として初期状態である通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合に、実行契機が比較的成立し難い第2特別図柄抽選のほうが、第1特別図柄抽選よりも有利度合いが高くなるように構成すると良い。これにより、初期状態の遊技を行っている遊技者に対して、異なる遊技状態(第2特別図柄抽選の実行契機が通常状態よりも成立し易い遊技状態)が設定されることを目指しながら意欲的に遊技を行わせることができる。
変動種別カウンタCS1は、0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。上述した停止種別選択カウンタC3と変動種別カウンタCS1とによって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図138参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202b(図104参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
普通当たり乱数カウンタC4は、例えば0~239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、普通当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の普通初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普通当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。普通当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)によって設定されており、普通当たり乱数カウンタC4の値が、普通当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)は、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。さらに、普通図柄の当たりの種別は、通常当たりと長時間当たりとが設定されており、それぞれ普通当たり乱数カウンタC4の値が設定されている。
ここで、普通図柄の通常当たりは、通常遊技状態(低確率遊技状態)、大当たり遊技状態では、0.2秒の開放時間で電動役物640aが開放状態に作動される動作が、1回実行される当たりである。また、時短中、確変期間においては、2秒間の開放時間で電動役物640aが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。一方、長時間当たりは、遊技状態に関わらず、2秒間の開放時間で電動役物640aが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。
なお、本実施形態では、通常当たりにおける時短中、確変期間で実行される電動役物640aの開放動作と長時間当たりにおける開放動作とを同じに設定したが、それに限らず、長時間当たりを別の開放動作としてもよい。具体的には、例えば3秒間の間、開放状態となる動作を1回行うようにしてもよい。このように構成することで、長時間当たり時に、より第1入球口64または右第2入球口640rへ球を入球させることができ、通常遊技中に、第2特別図柄での変動表示を実行させ易くすることができ、新鮮味のある予告表示等が表示される第2特別図柄の変動表示により遊技者に遊技演出の変化を楽しませることができる。
なお、本実施形態では、図102(b)に示すように、普通図柄の低確率時において、取得した普通当たり乱数カウンタC4の値が5から6のいずれかであれば、普通図柄の当たりであると判別される。一方、普通図柄の高確率時において、取得した普通当たり乱数カウンタC4の値が5から204のいずれかであれば、普通図柄の当たりであると判別される。なお、本実施形態では普通図柄抽選で当たり当選した場合に、設定されている遊技状態に応じて異なる普図当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で普図当たり当選した場合に、球を第2入球口640へと入球困難な普図当たり遊技(短当たり)と、その短当たりよりも第2入球口640へと球を入球させ易い普図当たり遊技(長当たり)と、を実行可能に構成しても良い。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5,6」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、普通当たり乱数カウンタC4の値が「5,6」であれば、当たりとして、電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放(開放作動)される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5~204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「2秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、右第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入球口640が「2秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
普通初期値乱数カウンタCINI2は、普通当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~239)、タイマ割込処理(図124参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図138参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図99に戻り説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37a,37b、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
さらに、入出力ポート205には、設定スイッチ110cと設定キー110bが接続され、MPU201は設定キー110bや設定スイッチ110cへの操作に応じて出力される信号に基づいて設定値を変更する処理や、設定値を表示する処理を実行する。なお、設定キー110bや設定スイッチ110cを用いた各種操作の内容については、図84を参照して上述したため、その説明を省略する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ290により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、タッチセンサ290、発射センサ293、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図83参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図83参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1実施形態における主制御装置110の電気的構成について>
次に、図101(a)を参照して、本第1実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図101(a)は、本第1実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図101(a)に示した通り、本第1実施形態におけるROM202は、特別図柄大当たり乱数テーブル202aと、変動パターン選択テーブル202bと、普通図柄当たり乱数テーブル202cと、大当たり種別選択テーブル202dと、変動パターンシナリオテーブル202eと、で少なくとも構成されている。
まず、図102(a)を参照して、特別図柄大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。この特別図柄大当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の抽選を実行する際に参照されるデータテーブルであり、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲が、特別図柄の状態、および設定値毎に規定されている。図102(a)は、この特別図柄大当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。
図102(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、設定値「1」に対して「0~249」の250個が設定され、設定値「2」に対して「0~274」の275個が設定され、設定値「3」に対して、「0~299」の300個が設定されている。一方、図102(a)に示した通り、確変遊技状態(特別遊技状態)において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)としては、設定値「1」に対して「0~999」の1000個が設定され、設定値「2」に対して「0~1099」の1100個が設定され、設定値「3」に対して「0~1199」の1200個が設定されている。
本実施形態では、第1当たり乱数カウンタの取り得る値が「0~65535」の65536通りであることから、設定「1」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり当選する確率(大当たり確率)が約1/262となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/65となる。また、設定「2」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり確率が約1/238となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/60となる。また、設定「3」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり確率が約1/218となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/55となる。
よって、設定「1」が最も大当たり当選し難い設定値(不利設定値)となり、設定「3」が最も大当たり当選し易い設定値(有利設定値)となる。そして、上述した通り、本実施形態では、何れの設定値が設定されている場合であっても、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が4倍となるように構成している。つまり、何れの設定値が設定されている場合であっても、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合に、同一の特典(大当たり当選し易くするための特典)を遊技者に提供するように構成している。このように構成することで、複数段階の設定値を設定可能に構成したパチンコ機10において、特別図柄の確率状態が切り替わる際に付与される特典を設定値に関わらず均一にすることができるため、設定値に応じて遊技内容が過剰に異なってしまうことを抑制することができる。
なお、設定値に応じて、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合に付与される特典内容を異ならせても良く、例えば、設定「1」よりも設定「3」のほうが、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合における大当たり確率の可変度合いが大きくなるように構成しても良く、設定「1」の場合は、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が4倍となり、設定「3」の場合は、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が6倍となるように構成しても良い。このように構成することで、不利設定である設定「1」に対する有利設定である設定「3」の有利度合いをより大きくすることができるため、遊技者に対して、有利な設定値が設定されているパチンコ機10にて遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。
本実施形態では、パチンコ機10に設けられた設定値を3段階としているが、これに限ること無く、設定値を2段階にしても良いし、4段階以上(例えば、6段階)にしても良い。さらに、本実施形態では、特別図柄の大当たり確率に設定差を設けているが、これに限ること無く、例えば、大当たり確率や小当たり確率や確変状態の設定確率や確変状態が継続する期間や、大当たり遊技の遊技内容といった遊技の有利度合いを可変可能な各種要素に対して設定差を設けるように構成しても良い。このような場合であっても、設定される設定値に応じて遊技者に異なる有利度合いを提供することができるため、遊技者に対して、有利な設定値が設定されているパチンコ機10にて遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図102(b)を参照して、上述した普通図柄当たり乱数テーブル202cの詳細について説明する。図102(b)は、この普通図柄当たり乱数テーブル202cの規定内容を示した図である。図102(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、普通当たり乱数カウンタC4の値が「5,6」が普通図柄の当たりに対応する乱数値(カウンタ値)として規定されている。一方、普通図柄の高確率状態である場合は、普通当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲が普通図柄の当たりに対応する乱数値(カウンタ値)として規定されている。
つまり、本実施形態では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率が低確率(1/120)に設定されている。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率が高確率(1/1.2)に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
次に、図103を参照して、大当たり種別選択テーブル202dの詳細について説明する。図103は、この大当たり種別選択テーブル202dの規定内容を示した図である。図103に示した通り、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~39」の範囲に対して、大当たりA1(10R確変大当たり)が対応付けて規定され、「40,41」の範囲に対して、大当たりB1(10R確変大当たり)が対応付けて規定され、「42~47」の範囲に対して、大当たりC1(5R確変大当たり)が対応付けて規定され、「48~59」の範囲に対して、大当たりD1(2R確変大当たり)が対応付けて規定され、「60~99」の範囲に対して、大当たりE1(10R通常大当たり、時短100回)が対応付けて規定されている。よって、60%の割合で確変大当たりとなって大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な確変遊技状態に設定され、40%の割合で通常大当たりとなって大当たり終了後の遊技状態が確変遊技状態よりも有利度合いが低い時短遊技状態に設定される。
ここで、図103に示して上述した通り、同一内容の大当たり遊技(10R確変大当たり)が実行される大当たり種別として大当たりA1と大当たりB1とを規定している。つまり、大当たり種別として大当たりA1が選択された場合も、大当たりB1が選択された場合も、同一の大当たり遊技が実行されるように構成している。このように同一の大当たり遊技に対して異なる大当たり種別を規定することにより、大当たり種別を示すためのコマンド(入賞コマンド、当たり関連コマンド等)を音声ランプ制御装置113にて受信した場合に、大当たり種別に応じて異なる大当たり遊技演出を実行することが可能となる。
詳細な説明は省略するが、本実施形態では、大当たり種別として大当たりA1が選択された場合と、大当たりE1が選択された場合には、大当たり遊技演出として、10ラウンドの大当たり遊技であることを報知した後に、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を示唆するための演出(確変昇格演出)を実行可能な大当たり遊技演出が実行されるように構成している。
一方、大当たり種別として大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1が選択された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知した後に、今回の大当たり遊技が何ラウンド継続するかを示唆するための演出(ラウンド昇格演出)を実行可能な大当たり遊技演出が実行されるように構成している。
このように、大当たり遊技演出として意味合いを異ならせた複数種類の大当たり遊技演出(確変昇格演出、ラウンド昇格演出)を実行するように構成した場合において、何れの大当たり遊技演出も実行可能な大当たり遊技(10R確変大当たり)を1の大当たり種別で規定してしまうと、10R確変大当たりに対応する大当たり種別を示すためのコマンド(入賞コマンド、当たり関連コマンド等)を音声ランプ制御装置113が受信した場合に、何れの大当たり遊技演出を実行するかがランダムに決定されることになり、各大当たり遊技演出における10R確変大当たりの占める割合を固定し難いという問題があった。
これに対して、本実施形態では、10R確変大当たりを示す大当たり種別を2種類(大当たりA1、大当たりB1)設け、大当たりA1が選択された場合には確変昇格演出が実行される大当たり遊技演出が、大当たりB1が選択された場合にはラウンド昇格演出が実行されるように音声ランプ制御装置113側の処理規則を規定している。
このように構成することで、各大当たり遊技演出における各大当たり遊技の占める割合を、大当たり種別選択テーブル202dに規定されている各大当たり種別の選択割合に合わせることができる。具体的には、確変昇格演出が実行される場合には(大当たりA1、大当たりE1が選択された場合には)、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される割合が50%となる。また、ラウンド昇格演出が実行される場合には(大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1が選択された場合には)、10%の割合で10R大当たりが実行され、30%の割合で5R大当たりが実行され、60%の割合で2R大当たりが実行されることになる。
次に、図104(a)を参照して、本第1実施形態における変動パターン選択テーブル202bの詳細について説明する。図104(a)は、本第1実施形態における変動パターンテーブル202bの構成を示したブロック図である。図104(a)に示した通り、本第1実施形態における変動パターン選択テーブル202bは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果に応じて変動パターンを選択するために参照される通常用変動パターン選択テーブル202b1と、確変状態および時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果に応じて変動パターンを選択するために参照される時短・確変用変動パターンテーブル202b2と、確変状態において特別図柄の抽選が実行された場合に参照されるものであって、時短・確変用変動パターンテーブル202b2よりも短い変動時間が選択され易く規定されている高速変動用変動パターンテーブル202b3と、で少なくとも構成されている。
まず、図104(b)を参照して、上述した通常用変動パターンテーブル202b1の詳細について説明する。図104(b)は、この通常用変動パターン選択テーブル202b1の内容を模式的に示したデータテーブルである。通常用変動パターン選択テーブル202b1では、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ設定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値の範囲が対応付けて規定されている。
より具体的には、図104(b)に示すように、当否判定結果が当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が20秒間の当たり変動Aが対応付けて規定され、「50~99」の範囲に対して、変動時間が60秒間の当たり変動Bが対応付けて規定され、「100~198」の範囲に対して、変動時間が90秒間の当たり変動Cが対応付けて規定されている。このため、通常遊技状態において大当たりに当選した場合は、約25%の割合(50/199)で変動時間が20秒間に設定され、約25%の割合(50/199)で変動時間が60秒に設定され、約50%の割合(99/199)で変動時間が90秒間に設定される。
一方、当否判定結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が5秒間の外れ変動Aが対応付けて規定され、「150~194」の範囲に対して、変動時間が20秒間の外れ変動Bが対応付けて規定され、「195~198」の範囲に対して、変動時間が60秒間の外れ変動Cが対応付けて規定されている。このため、通常遊技状態において特別図柄の抽選で外れとなった場合は、約75%の割合(150/199)で変動時間が5秒間に設定され、約23%の割合(45/199)で変動時間が20秒に設定され、約2%の割合(4/199)で変動時間が60秒間に設定される。
このように、当否判定結果が当たりである場合は、外れである場合にに比較して長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成されているため、第1図柄や第3図柄が長く変動表示を行っているほど、大当たりに対する期待感を高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図104(c)を参照して、上述した時短・確変用変動パターンテーブル202b2の詳細について説明する。図104(c)は、この時短・確変用変動パターンテーブル202b2の内容を模式的に示したデータテーブルである。図104(c)に示したように、当否判定結果が当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が20秒間の当たり変動Aが対応付けて規定され、「50~198」の範囲に対して、変動時間が60秒間の当たり変動Bが対応付けて規定されている。このため、通常遊技状態において大当たりに当選した場合は、約25%の割合(50/199)で変動時間が20秒間に設定され、約75%の割合(149/199)で変動時間が60秒に設定される。
一方、当否判定結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~179」の範囲に対して、変動時間が3秒間の外れ変動Dが対応付けて規定され、「180~197」の範囲に対して、変動時間が20秒間の外れ変動Bが対応付けて規定され、「198」に対して、変動時間が60秒間の外れ変動Cが対応付けて規定されている。このため、通常遊技状態において特別図柄の抽選で外れとなった場合は、約90%の割合(150/199)で変動時間が3秒間に設定され、約9%の割合(18/199)で変動時間が20秒に設定され、約0.5%の割合(1/199)で変動時間が60秒間に設定される。
このように、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照された場合は、通常用変動パターンテーブル202b1が参照された場合に比較して短い変動時間が選択され易くなる。よって、普通図柄の時短状態に設定される高確率遊技状態や時短遊技状態における遊技効率を向上させることができる。よって、遊技にメリハリをつけることができる。
次に、図105を参照して、上述した高速変動用変動パターンテーブル202b3の詳細について説明をする。図105は、本第1実施形態における高速変動用変動パターンテーブル202b3の規定内容を示した図である。図105に示した通り、当否判定結果が当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の範囲に対して、変動時間が6秒間の短当たり変動Aが対応付けて規定され、「100~198」の範囲に対して、変動時間が12秒間の短当たり変動Bが対応付けて規定されている。このため、確変状態であって、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照される状態において特別図柄の抽選で当たり(大当たり)となった場合は、約50%の割合(100/199)で変動時間が6秒間に設定され、約50%の割合(99/199)で変動時間が12秒に設定される。
一方、当否判定結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0~189」の範囲に対して、変動時間が1.5秒間の短外れ変動Aが対応付けて規定され、「190~198」の範囲に対して、変動時間が6秒間の短外れ変動Bが対応付けて規定されている。このため、確変状態であって、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照される状態において特別図柄の抽選で外れとなった場合は、約50%の割合(100/199)で変動時間が6秒間に設定され、約50%の割合(99/199)で変動時間が12秒に設定される。
本実施形態では、確変状態が設定されている状態において、確変状態が設定される契機となる大当たり種別、および、特別図柄抽選(変動)の実行回数に応じて特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルを、時短・確変用変動パターンテーブル202b2、或いは、高速変動用変動パターンテーブル202b3を切り替えて用いるように構成しており、後述する変動パターンシナリオテーブル202f(図106参照)の規定内容に対応して変動パターンテーブルを切り替えるように構成している。
これにより、確変状態が設定されている期間を、比較的長い変動時間の変動パターンが選択され易い確変第1期間と、その確変第1期間よりも比較的短い変動時間の変動パターンが選択され易い確変第2期間と、を設定することが可能となる。よって、大当たり遊技が終了した後に短い変動時間の変動パターンが連続して選択されることにより、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数が過剰に増加してしまう事態を抑制するように変動パターンテーブルを切り替えたり、大当たり当選することなく確変状態が長く継続した場合に、単位時間当たりにおける特別図柄抽選回数を増加させるように変動パターンを切り替えたりすることができる。
なお、本実施形態では、確変状態が設定されている場合において、上述した2種類の変動パターンテーブルを参照可能に構成しているが、これに限ること無く、3種類以上の変動パターンテーブルを参照可能に構成しても良い。また、複数種類の変動パターンテーブルを参照可能な遊技状態も確変状態に限定されるものでは無く、他の遊技状態において複数種類の変動パターンテーブルを参照可能に構成しても良い。
次に、図106を参照して、変動パターンシナリオテーブル202fの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202fは、大当たり遊技が終了後に実行される特別図柄抽選の実行回数に応じて参照される変動パターンテーブルが規定されているものであって、前回実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別、及び、前回大当たり当選した時点で設定されていた遊技状態に応じて異なるシナリオが規定されている。
具体的には、大当たりA1に基づいて確変状態が設定された場合には、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選回数「1回~80回」の範囲は、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照され、「81回~999回」の範囲は、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照され、「1000回~」の範囲は、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
また、大当たりB1,C1、D1に基づいて確変状態が設定された場合であって、大当たり当選時の遊技状態が通常状態である場合には、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選回数「1回~80回」の範囲で、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照され、「81回~999回」の範囲で、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照され、「1000回~」の範囲で、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照される変動パターンシナリオが規定されており、大当たり当選時の遊技状態が時短状態或いは確変状態である場合には、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選回数「1回~999回」の範囲で、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照され、「1000回~」の範囲で、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
さらに、大当たりE1に基づいて時短状態が設定された場合は、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選回数「1回~100回」の範囲で、時短・確変用変動パターンテーブル202b2が参照され、「101回~」の範囲で、通常用変動パターンテーブル202b1が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
なお、図示は省略しているが、パチンコ機10の電源投入時にRAMクリアスイッチ122を操作している場合、即ち、パチンコ機10の初期化処理を実行した場合には、専用の変動パターンシナリオ(リセット時用変動パターンテーブル)が参照されるように構成しており、初期化処理後に実行される特別図柄抽選回数「1回~100回」の範囲で、通常用変動パターンテーブル202b1が参照され、「101回~110回」の範囲で、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照され、「111回~」の範囲で、通常用変動パターンテーブル202b1が参照される変動パターンシナリオが規定されている。つまり、設定変更操作を実行した場合等、RAMクリアスイッチ122が操作された場合には、遊技状態として初期状態である通常状態が設定され、その通常状態において実行される特別図柄抽選の回数が100回を越えると、高速変動用変動パターンテーブル202b3が参照されて短い変動時間の変動パターンが選択される特定期間へと移行するように構成している。
このように構成することで、設定変更された後のパチンコ機10では、大当たり当選すること無く実行された特別図柄抽選の回数が100回を越えた場合に、高速変動が実行されることになる。よって、通常状態が設定されているパチンコ機10にて特別図柄変動の変動パターンとして高速変動が実行される変動パターンが設定された場合に、遊技者に対して設定値が変更されたのでは?と予測させることができる。
なお、初期化処理した後に選択され得る変動パターンシナリオ(初期時変動パターンシナリオ)を複数設け、例えば、設定値「1」が設定された場合と、設定値「3」が設定された場合とで、異なる初期時変動パターンシナリオが選択される(選択され易くする)ように構成しても良い。このように構成することで、初期時変動パターンシナリオが設定されていることを把握することで設定変更が行われたことを予測すると共に、設定されている初期時変動パターンシナリオの種別に基づいて設定値を予測することが可能となる。
さらに、本実施形態では、電源投入時にRAMクリアスイッチ122を操作した場合(初期化処理が実行された場合)に、初期時変動パターンシナリオが設定されるように構成しているが、これに限ること無く、設定変更操作が行われた場合に初期時変動パターンシナリオが設定されるように構成しても良い。これにより、設定変更操作を行うこと無くRAMクリアスイッチ122を操作した場合には、設定変更操作が行われた場合とは異なる変動パターンシナリオが設定されることになるため、遊技者に対して実行される特別図柄変動の変動パターンを把握することで設定変更の有無をより予測し易くすることができる。
次に、図101(b)を参照して、本第1実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図101(b)は、RAM203の構成を示したブロック図である。図101(b)に示した通り、本第1実施形態におけるRAM203は、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eと、普通図柄保留球数カウンタ203fと、設定値格納エリア203gと、当選時状態格納エリア203hと、変動回数カウンタ203iと、時短中カウンタ203jと、変動実行フラグ203kと、確変フラグ203mと、大当たり中フラグ203nと、変動順格納エリア203pと、その他メモリエリア203zと、を有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、第1特別図柄に対する1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア~第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。また、特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第2特別図柄に対応する記憶エリアであることが相違するのみである。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、普通当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、右第2入球口640rに入賞したことに基づく保留球をカウントするカウンタであり、その他の構成については、特別図柄1保留球数カウンタ203dと同一であるのでその詳細な説明は省略する。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223a、特別図柄2保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される。
球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される。一方、球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない。
設定値格納エリア203gは、パチンコ機10の設定値に対応するデータを格納しておくための記憶領域である。より具体的には、設定値格納エリア203gにデータとして「00H」が格納されていれば、設定値「1」が設定されていることを示し、データとして「01H」が格納されていれば、設定値「2」が設定されていることを示し、データとして「02H」が格納されていれば、設定値「3」が設定されていることを示す。特別図柄の抽選を実行する際は、この設定値格納エリア203gのデータを読み出して、その読み出したデータが示す設定値に対応する抽選確率で特別図柄の抽選(大当たり抽選)を実行する。即ち、特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a)参照)のうち、設定値格納エリア203gのデータが示す設定値に対応する乱数値の範囲と、実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値とを比較することにより特別図柄の抽選を実行する。なお、設定値格納エリア203gの値は、初期値が「00H」に設定されており、設定変更状態において設定スイッチ110cが押下(操作)される毎に、「01H」→「02H」と「01H」ずつ値が更新され、データが「02H」の状態で更に設定スイッチ110cが押下されると、データが「01H」に更新される。なお、RAMクリアスイッチ122の押下を伴って電源が投入されると、RAM203のデータは全て初期値にリセット(クリア)される。よって、単にRAMクリア操作のみを行った場合、設定値格納エリア203gの値も初期値である「00H」にリセットされる。即ち、設定変更動作を実行せずに、単にRAMクリア動作のみを行ったとしても、設定1には変更することができる。これにより、ホールの利便性を向上させることができる。
当選時状態格納エリア203hは、大当たりに当選した時点における遊技状態を示す情報を格納するための記憶領域である。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が通常状態であれば(時短中カウンタ203jの値が0で、確変フラグ203mがオフであれば)、この当選時状態格納エリア203hに、通常状態を示す情報として「00H」が格納される。一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が時短状態であれば(時短中カウンタ203jの値が1以上で、確変フラグ203mがオフであれば)、この当選時状態格納エリア203hに、時短状態を示す情報として「01H」が格納される。また、大当たりに当選した時点の遊技状態が確変状態であれば(時短中カウンタ203jの値が1以上で、確変フラグ203mがオンであれば)、この当選時状態格納エリア203hに、確変状態を示す情報として「02H」が格納される。この当選時状態格納エリア203hに格納された情報は、大当たりの終了時まで保持され、大当たりが終了した後の遊技状態を設定する際に参照される。
変動回数カウンタ203iは、特別図柄変動の変動回数を計測するためのカウンタであって、特別図柄変動が実行されたことに基づいてそのカウンタ値が更新されるものである。
時短中カウンタ203jは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203jの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203jの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203jは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203jの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
変動実行フラグ203kは、第1特別図柄の変動を実行するか、第2特別図柄の変動を実行するかを識別するためのフラグである。本実施形態では、第1入球口64と右第2入球口640rとにそれぞれ入球した順序(保留記憶された順序)に従って変動が開始される。ここで、特別図柄の変動が停止して、保留球に対応する次の特別図柄の変動が開始される場合には、主制御装置110のMPU201が実行する変動実行判定処理により後述する変動順格納エリア203pに記憶されている保留記憶の順序データに基づいて次に記憶されている変動が第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに対応した保留データであるか判別されて、その判別結果に従って対応する変動実行フラグ203kがオンに設定される。
確変フラグ203mは、現在の遊技状態が確変状態であるかを判別するためのフラグである。この確変フラグ203mは、確変状態が設定されている場合にオンに設定される。この確変フラグ203mは、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(図139参照)内のS1113の処理において、実行されていた大当たり遊技が大当たりE以外であると判別された場合(S1113:No)に、オンに設定される。また、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理(図125参照)内のS220の処理において、大当たりとなる特別図柄の変動表示を停止する場合にオフに設定される。
大当たり中フラグ203nは、遊技状態が大当たり遊技中であることを示すフラグである。この大当たり中フラグ203nは、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理(図125参照)のS221の処理において、大当たり遊技の開始が設定されるとオンに設定される。また、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(図139参照)の中で、大当たりの終了タイミングとなった場合(S1110:Yes)に実行されるS1117の処理においてオフに設定される。
変動順格納エリア203pは、第1入球口64または右第2入球口640rや第2入球口640に遊技球が入球し、保留球として記憶(保留記憶)される場合に、その保留記憶された順序が記憶されるエリアである。本実施形態では、特別図柄の変動は、保留記憶された順に実行されるように構成されており、どちらか一方の特別図柄が優先して実行されるものではない。また、本実施形態では、振分装置700により、第1入球口64と右第2入球口640rとに交互に振分けられるように構成されているので、保留記憶された順に変動を開始することで、特別図柄の変動においても、第1特別図柄と第2特別図柄とが交互に実行されることとなり、どちらか一方の保留球のみが消化されることで、その特別図柄の保留球がオーバーフローしてしまう不具合を抑制することができる。
その他メモリエリア203zには、主制御装置110のMPUが実行するその他の制御処理における必要なフラグ、カウンタ、記憶データ等が設定されるが、詳細については省略する。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図134参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ290により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される背景モードを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図101(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222a、演出切替テーブル222b、設定示唆演出選択テーブル222c、先読み禁止期間選択テーブル222d、保留上限時演出選択テーブル222e、演出実行数選択テーブル222f、ミッション選択テーブル222g、昇格ポイント選択テーブル222h、昇格演出選択テーブル222iと、が少なくとも格納されている。
変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110より出力された変動パターンコマンドに基づいて変動パターンを決定するための選択テーブルである。変動パターンコマンドに対応した変動時間、変動パターン種別に対応してそれぞれ複数の変動パターンが設定されており、図示しない選択用のカウンタ値を取得して1の変動パターンを決定する。
主制御装置110より出力された変動パターンコマンドには、例えば、特別図柄抽選の結果を示すための情報や、特別図柄の変動パターン(変動時間、停止図柄、リーチ演出の有無、抽選結果に基づいて実行される当たり遊技種別)を示すための情報が含まれている。そして、音声ランプ制御装置113では、対応する特別図柄変動に対応する変動パターンで第3図柄の変動演出を実行するために、変動パターンコマンドを受信した場合に、変動パターン選択テーブル222aを参照して変動パターン(演出用変動パターン)を決定する。
演出切替テーブル222bは、計時装置292の時刻情報(計時情報)に基づいて、演出期間を切り替える際に参照されるデータテーブルである。本実施形態では、設定されている演出期間に応じて異なる演出を実行可能に構成している。そして、演出切替テーブル222bは、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出(演出態様)を実行するための演出期間を選択するために用いられる。
この演出態様の決定は、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理の経過時間確認処理(図158のS2111参照)の中で行われ、図108に示す演出切替テーブル222bの判定値と、計時装置292の時刻情報(計時情報)に基づいて判断される経過時間T(図158のS3602参照)とに応じて演出期間が特定される(図158のS3603参照)。
図108は、ROM222に記憶される演出切替テーブル222bの一例を模式的に示した図である。図108に示すように、演出切替テーブル222bでは、演出期間の種別が、遊技機に対する電源投入を行った後の経過時間Tの値に対応付けられて規定されている。
本実施形態では、演出期間として、通常演出期間と、SPタイム準備期間と、SPタイム期間とを設定可能に構成している。SPタイム期間は、計時時間に基づく専用の演出態様が決定される演出期間であって、複数のパチンコ機10において一体感のある演出(期間演出)が実行される期間となる。そして、通常演出期間は、各パチンコ機10において特別図柄抽選の結果に応じて独立した演出が実行される期間となる。また、SPタイム準備期間は、通常演出期間と同様の演出が実行される期間であり、且つ、SPタイム期間が間もなく設定されることを遊技者に報知するための準備期間となる。よって、SPタイム準備期間中は、通常演出期間と同様の演出が実行される第3図柄表示装置81の表示画面の一部において、SPタイム期間が近付いていることを案内するための案内態様が表示される。
図158の経過時間確認処理(S2111参照)において経過時間Tの値が通常演出期間を示すものであった場合は、後述する音声ランプ制御装置113のRAM223内に設けられた期間演出中フラグ223pがオフとなり、表示制御装置114のワークRAM233内に設けられた記憶領域に格納されているSPタイム期間中であることを示すための情報がクリアされる。そして、これらの処理結果に基づいて、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出が通常の演出態様(通常演出期間中に実行される演出の演出態様)で行われる。一方、経過時間Tの値がSPタイム期間を示すものであった場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223内に設けられた期間演出中フラグ223pがオンに設定され、さらに、表示制御装置114のワークRAM233内に設けられた記憶領域にSPタイム期間中であることを示す情報が格納される。そして、これらの処理結果に基づいて、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出が特別な演出態様で行われる。
図108に示す通り、本実施形態では、計時装置292により計時される時間の大半に対して通常演出期間が設定され、SPタイム期間が設定される期間が短くなるように構成している。このように構成することで、SPタイム期間中に実行される期間演出(SPタイム演出)を遊技者に体験させ難くすることができるため、SPタイム期間中に遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。また、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、計時装置292が計時を開始してからSPタイム期間が設定された回数に応じて、SPタイム期間中に異なる演出を実行するように構成しており、計時装置292が計時を開始してから1回目のSPタイム期間では楽曲Aが再生されると共に、楽曲Aに応じて演出態様で期間演出(SPタイム演出)が実行される。そして、計時装置292が計時を開始してから2回目のSPタイム期間では楽曲Aとは異なる楽曲Bが再生されると共に、楽曲Bに応じた演出態様で期間演出(SPタイム演出)が実行される。
よって、様々なタイミングでSPタイム演出を実行しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
演出切替テーブル222bに規定されている内容について詳細に説明をすると、演出切替テーブル222bには、計時装置292の計時内容に基づいて算出された経過時間T(電源が投入されてからの経過時間)に応じて演出期間が規定されており、経過時間Tが88分以内の範囲には通常演出期間が規定され、88分~90分の範囲にはSPタイム準備期間が規定され、90分~93分の範囲にはSPタイム期間(楽曲A用)が規定されている。そして、93分~213分の範囲には、再度、通常演出期間が規定され、213分~215分の範囲にはSPタイム準備期間が規定され、215分~219分の範囲にはSPタイム期間(楽曲B用)が規定されている。
以降、経過時間に対して、通常演出期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間とがそれぞれ規定されている。
上述した通り、本実施形態では、SPタイム期間の長さが、実行される演出の態様に応じて異なるように規定されている。つまり、楽曲A用のSPタイム期間が設定された場合にはSPタイム期間が3分間、楽曲B用のSPタイム期間が設定された場合にはSPタイム期間が4分間となるように規定している。このように構成することで、再生される楽曲の長さに対応したSPタイム期間を容易に設定することができる。
一方で、SPタイム準備期間の長さは、何れのSPタイム期間が設定される場合であっても同一の長さ(2分間)としている。このように構成することで、SPタイム準備期間専用の演出態様(例えば、「間もなくSP期間突入」のテロップ表示等)を設定するための演出データを共通化することができる。
また、SPタイム準備期間中には、SPタイム期間が設定される期間が近付いていることを遊技者に案内するための案内態様に加え、次に設定されるSPタイム期間中に実行されるSPタイム演出の演出態様を遊技者に予告するための予測態様も設定されるように構成しても良い。この場合、予告態様としては例えば、「次回、楽曲Bスタート」のように、次回のSPタイム期間中に実行される演出の一部(再生される楽曲)を遊技者が把握可能な態様が用いられる。
なお、本実施形態では、SPタイム期間が設定されるよりも所定期間(2分間)前の期間にSPタイム準備期間を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、SPタイム準備期間を設定すること無く、通常演出期間中において常にSPタイム期間が設定されるまでの残時間を遊技者に報知するための報知態様を表示するように構成しても良い。この場合、次にSPタイム期間が設定されるまでの残時間が長いことを遊技者に把握させることが可能となるため、SPタイム期間中の遊技を所望する遊技者に対して、そのSPタイム期間中に遊技を行うための準備期間を長く確保させることができる。よって、SPタイム期間中に遊技を行うことができず遊技意欲が低下してしまうことを抑制し易くすることができる。
一方、本実施形態のように、通常演出期間中はSPタイム期間が設定されるまでの残時間を表示すること無く、SPタイム準備期間中にSPタイム期間が設定されるまでの残時間を表示するように構成することで、遊技者に対してどのタイミングでSPタイム期間が設定されるのかを把握させ難くすることができる。よって、通常演出期間中の遊技を行っている遊技者に対して、SPタイム期間が設定されることを期待させながら継続して遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、複数のパチンコ機10において一体感のある演出(期間演出)が実行される期間と、各パチンコ機10において独立した演出(通常演出)とが実行される期間と、を設定可能に構成し、さらに、期間演出の演出態様として複数種類の演出態様を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、通常演出に対しても複数種類の演出態様を設定可能に構成しても良い。
この場合、通常演出期間が設定される際に所定の演出抽選を実行し、その演出結果に基づいて演出内容が決定されるように構成しても良い。このように構成することで、通常演出に対しても、計時装置292にて計時された情報に基づいて異なる演出を実行することが可能となるため、遊技者の遊技意欲をたかめることができる。
また、本実施形態では、複数のパチンコ機10にて一体感のある期間演出を実行するために、どのパチンコ機10に対しても電源投入からの経過時間Tに応じて同一の演出期間が設定されるように演出切替テーブル222bの内容が規定されているが、これに限ること無く、例えば、設定値に応じてSPタイム準備期間が設定されるタイミングを異ならせたり、SPタイム期間が設定されるタイミングを異ならせたりするように構成しても良い。
より具体的には、設定されている設定値が高設定である場合のほうが、低設定である場合よりも、SPタイム準備期間中において案内態様(テロップ表示)が表示されるタイミングや、報知音声の出力タイミングが遅れ易くなるように演出切替テーブル222bの規定内容を設定値に応じて異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、複数のパチンコ機10にて一体感のある期間演出を実行することを前提とし、意図的に一体感の無い演出(遅れ演出)を実行することにより、遊技者に対して何らかの違和感を与えることが可能となる。なお、上述した例では、高設定である場合のほうが、低設定である場合よりも遅れ演出が実行され易くなるように構成しているため、SPタイム準備期間が設定されるタイミングから遊技者に実行される演出を注視させることができる。
また、1のパチンコ機10だけでは、期間演出が遅れて実行されたことを把握するのは困難であるが、隣接する複数のパチンコ機10にて実行される期間演出と比較することにより期間演出の実行タイミングが遅れたことを把握し易くすることができる。よって、複数のパチンコ機10にて実行される期間演出に対して興味を持たせることができる。
なお、上述した遅れ演出を実行する場合には、実行される全ての演出を遅らせるのでは無く、演出の実行タイミングとしては通常の演出タイミングを設定しておき、一部の演出(例えば、音声)のみ実行タイミングをずらす(遅らせる)ように構成しても良いし、一部の演出の実行タイミングを速めるように構成しても良い。
なお、図108において経過時間Tが339分以降における経過時間Tと演出期間との対応関係を省略して記載しているが、実際には339分以降も、2分間分間の特別演出期間と50分の通常演出期間とが交互に繰り返されるように設定される。この演出切替テーブル222bにおける経過時間Tの範囲は最低限ホールの1日の営業時間分だけ設定されていればよく、例えば経過時間Tが1440分(24時間)未満の範囲で経過時間Tと演出期間との対応関係を設定しておいても良いし、数日分の対応関係を設定しておいてもよい。また、演出期間の種類は必ずしも通常演出期間とSPタイム準備期間とSPタイム期間との3種類に限られるものではなく、実行される演出の態様が互いに異なる4種類以上の演出期間を設けても良い。
更に、本実施形態では経過時間Tの値毎に演出期間の種別を規定したテーブルを規定しているが、必ずしも全てのTの値に対応させたテーブルを用意しておかなくても良い。例えば、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲と、SPタイム期間となる経過時間Tの値の範囲とを1種類ずつ規定しておき、経過時間Tの値が規定されている値の範囲外となる際は、規定されている経過時間Tの値の範囲に所定の値を加算するように構成しても良い。具体例としては、例えば、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲を0分00秒~50分00秒、SPタイム期間となる経過時間Tの値の範囲を50分00秒~60分00秒と規定しておき、経過時間Tの値が60分00秒に達する際に、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲と、SPタイム期間となる経過時間Tの値の範囲とにそれぞれ60分00秒を加算し、60分00秒~120分00秒までの経過時間Tの値の範囲における演出期間の種別を再設定するように制御しても良い。
より詳述すると、演出切替テーブル222bには、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲は0分00秒~50分00秒であり、SPタイム期間となる経過時間Tの値の範囲は50分00秒~60分00秒であるとの情報のみが規定される。そして、電源投入に基づいて、演出切替テーブル222bに規定された情報がRAM223の所定の領域に複製され、その複製された情報に基づいて演出期間の種別が判別される。そして、経過時間Tが、複製された情報に規定されている経過時間Tの値の最大値である60分00秒に達する場合には、複製された情報に60分00秒を加えて新たな情報に更新する。即ち、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲は60分00秒~110分00秒であり、特別演出期間となる経過時間Tの値の範囲は110分00秒~120分00秒であるとの情報に更新される。以降、60分00秒が経過する毎に、複製された情報に60分00秒を加えて新たな情報に更新するように制御し、更新された情報と、経過時間Tとに基づいて演出期間の種別を判別する。
この場合、演出切替テーブル222bのデータ量が少なくなるため、ROM222の容量を削減することができる。よって、ROM222の低価格化を図ることができる。
設定示唆演出選択テーブル222cは、設定示唆演出を実行する際に、その演出態様(演出パターン)を選択するために参照されるデータテーブルであって、設定されている設定値と、取得した演出カウンタ223gの値とに応じて異なる演出パターン(演出態様)が規定されている。
この設定示唆演出選択テーブル222cには、演出パターンが規定されているのみであり、設定示唆演出の種別と、選択された演出パターンと、に基づいて実際に実行される設定示唆演出の演出態様が決定される。本実施形態では、様々な演出によって設定示唆演出が実行されるように構成しており(図90(b)参照)、各演出に応じた態様で設定示唆演出を実行可能に構成している。よって、設定示唆演出選択テーブル222cに具体的な演出態様まで規定してしまうと、規定する演出量が増加してしまい、RAM222のデータ量が増加してしまうという問題があった。また、設定示唆演出選択テーブル222cにて具体的な演出態様、即ち、どの演出を用いて設定示唆演出をどの態様で実行するかを決定してしまうと、設定示唆演出を別の演出に切り替えて実行することが困難となり、演出のバリエーションを増加させ難いという問題があった。
これに対して、本実施形態では、設定示唆演出の演出パターン(設定示唆内容)のみを選択するように構成している。このように構成することで、設定示唆演出が実行される演出に対して、決定された設定示唆演出の演出パターンに応じた演出態様を設定することができるため、例えば、設定示唆演出を実行権利のみを予め獲得可能に構成し、獲得した実行権利を遊技者が任意の演出に対して用いることが可能となる。よって、演出のバリエーションを増加させる場合において、その処理負荷を軽減させることができる。
本実施形態では、設定示唆演出選択テーブル222cにて選択された演出パターンを用いて設定示唆演出が実行されるように構成しているがこれに限ること無く、例えば、設定示唆演出選択テーブル222cにて選択された演出パターンを複数個記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている複数の演出パターンを合算することで新たな演出パターンを生成可能な生成手段と、を設け、その生成手段により生成された演出パターンに基づいた設定示唆演出を実行可能に構成しても良い。
この場合、生成手段により生成される演出パターンは、設定示唆演出選択テーブル222cに規定されている演出パターンよりも設定値を具体的に示唆可能な演出パターンとなるように構成すると良く、例えば、パチンコ機10の設定値として6段階の設定値を設定可能に構成している場合では、設定示唆演出選択テーブル222cには、設定値を最高でも2種類までしか絞ることの出来ない演出パターン(例えば、設定1又は6を示す演出パターン、設定2又は6を示す演出パターン等)を規定し、生成される演出パターンとしては設定値を具体的に報知可能な演出パターン(例えば、設定6等)が生成されるように構成すると良い。このように構成することで、生成手段により新たな演出パターンが生成されることにより、遊技者が設定値を把握し易くなるため、生成手段により新たな演出パターンが生成されることを期待しながら意欲的に遊技(設定示唆演出の実行権利を獲得するための遊技)を行わせることができる。
また、この場合、記憶手段に記憶されている実行権利を用いて、設定示唆演出選択テーブル222cにて選択された演出パターンで設定示唆演出を実行するか否かを遊技者が選択可能に構成しても良い。このように構成することで、設定値を具体的に報知することの出来ない設定示唆演出(分かり難い設定示唆演出)を多く実行させることにより、現在の設定値を複合的に判別するか、設定示唆演出の実行回数を減らすことで設定値を具体的に報知し得る設定示唆演出(分かり易い設定示唆演出)の実行を目指すのかを遊技者に選択させることができる。
さらに、記憶手段に設定示唆演出の実行権利を記憶可能な期間に上限を設けると良く、例えば、記憶手段に記憶されている情報(実行権利)を消去可能な消去手段を設け、消去抽選に当選した場合に消去手段により実行権利を消去したり、記憶されてからの経過期間を判別可能な判別手段を設け、その判別手段により所定の経過期間(例えば、1時間経過や、特別図柄抽選の実行回数が100回の到達)が経過したことを判別した場合に消去手段により実行権利を消去したりするように構成しても良い。このように構成することで、生成手段により新たな演出パターンを生成するか否かの選択に対してゲーム性を持たせることができる。つまり、消去手段により実行権利が消去されてしまう可能性を持たせることで、設定値を具体的に報知し得る設定示唆演出(分かり易い設定示唆演出)を実行させ難くすることができるため、遊技者が何れの設定示唆演出を実行させるかの選択結果に大きな意味を持たせることができる。
図109に示した通り、設定示唆演出選択テーブル222cには、演出パターンA~演出パターンEの5種類の演出パターンが規定されており、設定1が設定されている場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「35~79」の範囲で「演出パターンA」が、「80~94」の範囲で「選出パターンC」が、「95~99」の範囲で「演出パターンD」が選択されるように規定されている。なお、取得した演出カウンタ223gの値が「0~34」の範囲である場合には、設定示唆演出が実行されないように規定している。
また、設定2が設定されている場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「5~49」の範囲で「演出パターンA」が、「50~74」の範囲で「演出パターンB」が、「75~89」の範囲で「演出パターンC」が、「90~99」の範囲で「演出パターンD」が選択されるように規定されている。なお、取得した演出カウンタ223gの値が「0~4」である場合には、設定示唆演出が実行されないように規定している。
さらに、設定3が設定されている場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「0~44」の範囲で「演出パターンA」が、「45~64」の範囲で「演出パターンB」が、「65~84」の範囲で「演出パターンC」が、「85~96」の範囲で「演出パターンD」が、「99~99」の範囲で「演出パターンE」が選択されるように規定されている。
つまり、演出パターンAは、何れの設定値が設定されている場合であっても同一の選択割合(45%)で選択される演出パターン(デフォルト演出パターン)となる。このデフォルト演出パターンに基づく演出が実行された場合には、その演出態様から設定を示唆することが出来ないが、設定示唆演出が実行されたことを把握することはできる。よって、設定示唆演出が実行された回数を判別することにより、例えば、所定期間内における設定示唆演出の実行回数に基づいて設定値を予測したり、設定示唆演出が実行された総回数に対して特定の演出パターンで実行された設定示唆演出の回数を分析することにより設定値を予測したりする際に参考となる情報を提供するものである。
また、演出パターンBは、設定1では選択され得ない演出パターン、即ち、実行された時点で設定1が否定される演出パターンとなる。この演出パターンBは、設定されていない設定値を遊技者に報知するための演出パターンである。つまり、演出パターンBが直接設定値を報知することは無いが、他に実行された設定示唆演出の情報と複合的に組み合わせることにより設定推測を捗らせることが可能な演出パターンとなる。
演出パターンCは、低設定よりも高設定のほうが選択され易い演出パターンではあるが、選択割合の差が少ないため、設定値を予測し難い演出態様となる。演出パターンDは、上述した演出パターンCと同様に、低設定よりも高設定のほうが選択され易い演出パターンであるとともに、上述した演出パターンCよりも選択割合に大きな差が生じるように規定している。つまり、設定パターンCと演出パターンDとは、実行されればされるほどこ高設定に期待が持てる演出となる。
最後に、演出パターンEは、高設定(設定3)が設定されている状態のみ選択可能な演出パターンである。この演出パターンに基づく演出が実行された場合には、最高設定(設定「3)が確定するため、その出現率が他の演出パターンよりも低くなるように構成している。これにより、遊技者に即座に設定値が把握されてしまうという問題を解決することができる。
先読み禁止期間選択テーブル222dは、先読み演出の実行を禁止する期間を選択する際に参照されるデータテーブルであって、主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに基づいて先読み演出の実行条件が成立したと判別した場合に参照される。そして選択された先読み禁止期間とSPタイム期間とが重複すると判別された場合には、先読み演出の実行が禁止される。
この先読み禁止期間選択テーブル222dには、先読み演出の実行対象となる保留図柄(演出対象保留)の保留位置と、先読み演出期間内における大当たり当選の有無と、大当たり当選数とに基づいて異なる禁止期間が規定されている。このように構成することで、先読み演出期間が長くなり易い大当たり当選を含む第1先読み演出と、大当たり当選が含まれないため第1先読み演出よりも先読み演出期間が短くなり易い第2先読み演出とで先読み禁止期間を異ならせることができる。
ここで、従来より、異なる実行契機に基づいて様々な演出を実行させることにより、実行される演出のバリエーションを増加し、演出効果を高めたパチンコ機10がある。このようなパチンコ機10では、複数の演出が異なる契機の成立によって実行されるため、各演出の実行タイミングによっては、複数の演出が重複して実行されてしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。そこで従来型のパチンコ機10では、特定の演出を実行させるための実行契機が成立した場合に、他の演出の実行状況を判別し、その判別結果に基づいて特定の演出の実行の有無を決定することで遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制するものがある。
しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制するために、必要以上に特定の演出の実行を禁止してしまい、演出効果を好適に高めることができないという問題があった。これに対して、本実施形態では、特定の演出の実行契機が成立した場合に、その特定の演出の実行期間を算出し、その算出結果に基づいて他の演出との重複期間を予測し、その予測結果に基づいて特定の演出の実行の有無を決定するように構成している。さらに、特定の演出の実行期間を算出する際に、特定の演出(先読み演出)の演出期間に大きな差を生み出すこととなる要素として、大当たり当選の有無と、演出対象保留と、を含ませるように構成している。
よって、特定の演出(先読み演出)の実行期間を算出する際の精度を高めることができ、従来では特定の演出の実行が禁止されてしまうようなタイミングにおいても特定の演出(先読み演出)を実行させることが可能となり、パチンコ機10の演出効果を好適に高めることができる。
図110(a)を参照して先読み禁止期間選択テーブル222dに規定されている内容について具体的に説明をすると、演出対象保留が「1」で、先読み演出期間中の大当たりが「あり」で、その大当たり数が「1」の場合には禁止期間として「460秒」が、演出対象保留が「1」で、先読み演出期間中の大当たりが「なし」の場合には禁止期間として「110秒」が規定されている。また、演出対象保留が「2」で、先読み演出期間中の大当たりが「あり」で、その大当たり数が「1」の場合には禁止期間として「480秒」が、大当たり数が「2」の場合には禁止期間として「830秒」が規定されており、演出対象保留が「2」で、先読み演出期間中の大当たりが「なし」の場合には禁止期間として「130秒」が規定されている。
さらに、演出対象保留が「3」で、先読み演出期間中の大当たりが「あり」で、その大当たり数が「1」の場合には禁止期間として「500秒」が、大当たり数が「2以上」の場合には無条件で先読み演出の実行を禁止し、演出対象保留が「3」で、先読み演出期間中の大当たりが「なし」の場合には禁止期間として「150秒」が規定されている。そして、演出対象保留が「4」で、先読み演出期間中の大当たりが「あり」で、その大当たり数が「1」の場合には禁止期間として「520秒」が、大当たり数が「2以上」の場合には無条件で先読み演出の実行を禁止し、演出対象保留が「4」で、先読み演出期間中の大当たりが「なし」の場合には禁止期間として「170秒」が規定されている。
つまり、受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて先読み演出の実行契機が成立した場合において、その実行契機が成立した特図保留の保留位置が大きいほど、即ち、先読み演出が実行される先読み演出期間中に実行される特別図柄抽選の回数が多いほど、必然的に先読み演出期間が長くなり易いことから、禁止期間が長く規定されている。より具体的には、先読み演出期間中に実行され得る特別図柄変動の最大変動時間(20秒)が設定された場合であっても問題が無いように禁止期間が規定されている。
さらに、先読み演出期間中に大当たり遊技が実行され得る場合には、即ち、大当たり遊技を挟んで先読み演出が実行される場合には、特別図柄変動期間に加え、大当たり遊技期間も考慮して禁止期間が規定されており、大当たり遊技が実行される場合のほうが、大当たり遊技が実行されない場合よりも長い禁止期間が規定されている。このように、大当たり遊技の実行の有無に応じて、先読み演出の禁止期間の長さを大きく異ならせることができる。また、先読み演出期間内に複数の大当たり当選が含まれている場合には、先読み演出禁止期間とSPタイム期間との重複度合いを判別すること無く、先読み演出の実行が禁止されるように構成している。これにより、先読み禁止期間が長くなり得る状況が発生した場合には、SPタイム期間との重複度合いを判別することなく先読み演出の実行を禁止することが可能となるため音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
なお、本実施形態では、上述した通り、先読み演出の実行契機が成立した場合において、実行され得る先読み演出の最大時間を算出し、その最大時間が経過するまでの間にSPタイム期間が設定される場合において、先読み演出の実行を禁止することにより、先読み演出中にSPタイム期間が設定されてしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制することができる構成を用いているが、これに限ること無く、算出された先読み演出の最大時間を補正する補正処理を実行可能に構成しても良い。つまり、最大時間に基づいて算出された先読み演出の実行期間に対して、実際に実行された先読み演出の演出期間(先読み演出の一部期間)を示す情報に基づいて、先読み演出の最大時間を徐々に補正するように構成しても良い。これにより、実際に実行され得る先読み演出の最大時間の算出精度を高めることができるため、他の演出に重複すること無く、先読み演出を実行させることが可能な期間を特定し易くすることができる。
保留上限値演出選択テーブル222eは、保留図柄の記憶数が上限数(8個)に到達した場合に実行される保留上限時演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、保留記憶されている保留図柄内に大当たり当選する保留図柄(当たり保留)が存在しているか否か、また、当たり保留の存在数と、取得した演出カウンタ223gの値とに基づいて、異なる演出パターン(演出態様)が規定されている。
具体的には、当たり保留がある場合で、その当たり保留の個数が1個の場合は、取得した演出カウンタ223gの値が「0~44」の範囲にて、「上限報知」の演出パターンが、「45~69」の範囲にて、「チャンス告知」の演出パターンが、「70~99」の範囲にて、「魚群祭り」の演出パターンが、それぞれ規定されている。また、当たり保留がある場合で、その当たり保留の個数が2個の場合は、取得した演出カウンタ223gの値が「0~39」の範囲にて、「チャンス告知」の演出パターンが、「40~99」の範囲にて、「魚群祭り」の演出パターンが、それぞれ規定されている。さらに、当たり保留がある場合で、その当たり保留の個数が3個以上の場合は、取得した演出カウンタ223gの値が「0~99」の範囲にて、「魚群祭り」の演出パターンが、それぞれ規定されている。
一方、当たり保留が無い場合は、取得した演出カウンタ223gの値が「0~64」の範囲にて、「上限報知」の演出パターンが、「65~99」の範囲にて、「チャンス告知」の演出パターンが、それぞれ規定されている。
演出実行数選択テーブル222fは、特化モードに突入した際に、その特化モード期間中に実行される設定示唆演出の個数(演出実行数)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、特化モード突入時における特化モード残期間(特図残変動時間)の長さと、設定値と、取得した演出カウンタ223gの値とに基づいて様々な数が規定されている。
ここで、図111を参照して演出実行数選択テーブル222fに規定されている内容について詳細な説明をする。図111は、演出実行数選択テーブル222fに規定されている内容を模式的に示した図である。図111に示した通り、演出実行数選択テーブル222fには、設定値と、特化モードの残期間と、取得した演出カウンタ223gの値とに基づいて、演出実行数として異なる数が規定されている。
ミッション選択テーブル222gは、SPタイム期間中に実行されるミッション内容を決定する際に参照されるデータテーブルであって、設定値と取得した演出カウンタ223gの値とに応じて異なるミッション(演出パターン)が規定されている。つまり、SPタイム期間中に実行されるミッションの内容によって、遊技者に設定値を予測させることが可能となる。さらに、本実施形態では選択されたミッションの内容を達成した場合にも、設定値を示唆するための設定示唆演出を実行するように構成している。
よって、一連の演出(ミッション演出)において、複数のタイミング、即ち、ミッション内容が表示された時点と、そのミッションを達成した時点で設定示唆演出を実行することが可能となる。
ここで、図112を参照してミッション選択テーブル222gの内容について詳細な説明をする。図112は、ミッション選択テーブル222gに規定されている内容を模式的に示した図である。図112に示した通り、ミッション選択テーブル222gには、設定値と、取得した演出カウンタ223gの値とに応じて4種類の演出パターン(ミッション内容)が規定されている。そして、規定されている4種類のミッション内容は、設定値に応じて選択率を異ならせると共に、ミッションの達成難易度が異なる内容が規定されている。
昇格ポイント選択テーブル222hは、大当たり遊技中演出におけるラウンド演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、図113に示した通り、大当たり種別と、表示獲得球数と、ラウンド数とに対応させて異なるポイント数(付与ポイント数)が規定されている。ここで付与されたポイント数に基づいて、後述する昇格演出選択テーブル222iを参照することでラウンド演出中におけるラウンド演出の演出態様が決定される(図114参照)。
昇格演出選択テーブル222iは、昇格ポイント選択テーブル222hを参照して獲得した付与ポイント数と演出カウンタ223gの値とに基づいて、実行される昇格演出の演出内容を決定する際に参照されるデータテーブルであって、付与ポイント数の合算値(合算ポイント)が大きいほど、遊技者にとって付与される特典量が大きな演出内容で昇格演出が実行されるように構成している(図114参照)。
また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、図107(b)に示すように、特別図柄1保留球数カウンタ223a、特別図柄2保留球数カウンタ223b、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、入賞情報格納エリア223f、演出カウンタ223g、演出状態記憶エリア223h、設定値格納エリア223i、設定変更中フラグ223j、実行済設定示唆演出記憶エリア223k、獲得球数格納エリア223n、期間演出中フラグ223p、ミッション情報記憶エリア223q、時刻情報記憶エリア223r、操作無効タイマ223s、連続予告実行フラグ223t、連続予告カウンタ223u、背景モード記憶エリア223v、特化モード中フラグ223w、ラウンド数カウンタ223x、キャラ表示フラグ223y、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
特別図柄1保留球数カウンタ223aは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動表示であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタで、入賞情報コマンドを受信した場合や、変動パターンコマンドを受信した場合といった保留球数が増減するタイミングに合わせて更新する。
特別図柄2保留球数カウンタ223bは、特別図柄1保留球数カウンタ223aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第2特別図柄の変動表示であって、主制御装置110において保留されている第2特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタで、入賞情報コマンドを受信した場合や、変動パターンコマンドを受信した場合といった保留球数が増減するタイミングに合わせて更新する。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dや特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223a、および特別図柄2保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、始動入賞を検出して変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bのうち、コマンドに対応するカウンタに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223a、および特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223a、および特別図柄2保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更され、特別図柄2保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される第1特別図柄の変動パターンコマンド、または第2特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理のコマンド出力処理の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される特別図柄の停止種別コマンドを受信した場合にそれぞれオンされ、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
入賞情報格納エリア223fは、1つの実行エリアと、第1特別図柄に対応する4つのエリア(第1エリア~第4エリア)と、第2特別図柄に対応する4つのエリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において第1入球口64、または第2入球口640に対する始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、及び変動種別カウンタCS1の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223fに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、入球を検出した入球口の種別(第1入球口64、または第2入球口640)に対応する4つのエリア(第1エリア~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
なお、本第1実施形態では、主制御装置110において、始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)に基づいて入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、始動入賞が発生した場合に、その始動入賞に対応して予測された各種情報に、既に、特別図柄1保留球格納エリア203a或いは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されている各種情報を加えて入賞情報コマンドを設定する設定手段と、入賞情報コマンドを受信した場合に、既に、入賞情報格納エリア223fに格納されている各種情報(入賞情報)と、受信した入賞情報コマンドに含まれる各種情報(入賞情報)とが合致するかを判別する判別手段とを設ける構成としてもよい。これにより、入賞情報格納エリア223fに格納されている各種情報(入賞情報)が適切に格納されているかを判別することが可能となる。
また、本第1実施形態では、新たな始動入賞が発生した場合に入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知するタイミングは、上述したタイミング(入賞情報コマンドを設定したタイミング)に限定されるものでは無く、例えば、入賞情報コマンドを一時的に記憶する記憶手段を設け、始動入賞したタイミングに加え、定期的(例えば、5秒間隔)、遊技条件可変時(例えば、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した場合や、大当たり遊技が開始又は終了した場合等)、または、特別図柄の変動開始(又は停止)時に、記憶手段に記憶されている入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いても良い。このように構成することで、入賞情報格納エリア223fに格納されている入賞情報を用いた演出(所謂、先読み演出)を適切に実行することができる。
本実施形態では、入賞情報格納エリア223fに格納された各入賞情報に基づいて、先読み演出として、保留図柄の表示色の変更等の演出態様の設定等が実行される。このように、入賞情報格納エリア223fに格納された各入賞情報に基づいて各種演出(先読み演出)を実行することで、変動表示が開始されるよりも前から各保留球に対して遊技者に大当たりとなる期待感を抱かせることができる。また、複数回の変動表示期間を用いた長期間の演出を実行することも可能となる。
演出カウンタ223gは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタであって、0から98の範囲で繰り返し更新される。なお、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。
なお、本実施形態では、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタを総称して演出カウンタ223gと称しているが、この演出カウンタ223gは、複数のカウンタで構成されており、各カウンタは音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理によって、定期的にその値が更新されるように構成しているが、更新後の値が重複しないように、各カウンタの更新内容が同期しないように構成している。つまり、同一条件で値の更新が実行されるが、その更新後の値に関連性が発生しない複数のカウンタによって構成されている。そして、各種演出の態様を選択する際に、異なるカウンタの値を参照するように構成している。このように構成することで、同一の処理内で複数の演出態様を決定する場合において、同一のカウンタ値に基づいて複数の演出の演出態様が決定されてしまい、演出のバリエーションが少なくなることを抑制することができる。
本実施形態では、演出カウンタ223gが複数のカウンタを設けた構成としているが、これに限ること無く、例えば、取得した演出カウンタ223gの値に対して所定の演算処理を実行し、その演算結果に基づいて、各種演出の態様を選択するように構成しても良く、この場合、演出カウンタ223gの値を読み出す場合に所定の演算処理を実行するように構成すれば良い。このように構成することで、演出カウンタ223gが有する同一のカウンタの値に基づいて複数の演出の演出態様を選択する場合であっても、演出のバリエーションが少なくなることを抑制することができる。
演出状態記憶エリア223hは、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理によって決定された演出状態(演出内容)を一時的に記憶するための記憶領域であって、各種制御処理によって決定された内容(情報)が記憶される。そして、演出状態記憶エリア223hに記憶されている情報を読み出すことにより、決定された演出状態に対応した演出態様が設定される。
この演出状態記憶エリア223hに演出状態(演出内容)を記憶させることにより、演出状態(演出内容)を決定するタイミングと、演出態様を設定するタイミングとが異なる場合であっても、決定された演出状態(演出内容)に対応する演出態様を確実に設定することができる。
設定値格納エリア223iは、主制御装置110から出力される設定値に関する情報を受信した場合に、その情報に基づいた設定値を格納するための記憶領域である。具体的には、主制御装置110の立ち上げ処理(図135参照)にて設定値に関する情報を含む状態コマンドが設定され(図135のS913参照)、その状態コマンドを受信した場合に、受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて設定値を特定し、特定した設定値を示す情報が設定値格納エリア223iに格納される。
そして、設定値格納エリア223iに格納された情報が、設定示唆演出の演出態様を決定する際に参照される。詳細な説明は後述するが、本実施形態では、設定値を変更するための設定変更操作を実行する場合に、必ずパチンコ機10の電源を投入する動作を必要とするように構成し、且つ、設定変更操作が完了した後に、設定値に関する情報を含む状態コマンドが設定されるように構成している。さらに、パチンコ機10に電源が投入される毎に(主制御装置110の立ち上げ処理(図135参照)が実行される毎に)、設定値に関する情報を含む状態コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力されるように構成している。このように構成することで、電源投入時という限定されたタイミングでのみ設定値に関する情報を主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力するように構成したとしても、音声ランプ制御装置113側で現在の設定値を確実に把握させることができる。
また、設定値に関する情報が出力される機会を最小限に抑えることにより、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。さらに、本実施形態では、パチンコ機10に設定される設定値を示す信号を直接外部に出力するのでは無く、設定値に関する情報を出力するように構成しているため、万が一、不正に取得されたとしても、その情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。加えて、本実施形態では、遊技状態を示すための状態コマンドの一部(例えば、状態コマンドを生成するための8ビットのうち空きビットとなり易い上位ビット)を用いて設定値に関する情報を設定するように構成しているため、設定値に関する情報を単独で出力する場合よりも、出力された情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。
さらに、設置値を示す値では無く、設定値を示すための情報を、設定値格納エリア223iに格納するように構成しているため、設定値格納エリア223iに格納されている情報を不正に取得された場合であっても、出力された情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を格納するための記憶領域として設定値格納エリア223iという専用の記憶領域を設けているが、これに限ること無く、他の記憶エリアの一部(空き領域)を用いて設定値を示すための情報を記憶するように構成し、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)が格納されている記憶領域を示すアドレスを特定の領域に記憶させるように構成しても良く、この場合、定期的、或いは不規則に設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を記憶する領域を変更させるように構成すると良い。
また、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を記憶する記憶領域の仕様に対応させて予め定められた規則に従って設定値に関する情報を加工するように構成すると良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のRAM223に記憶されている情報に基づいて設定値を不正に取得されてしまう事態が発生し難くすることができる。
設定変更中フラグ223jは、現在が設定変更中であることを示すためのフラグであって、設定変更中であることを示す変更中コマンドが主制御装置110から出力された場合に、オンに設定される(図142のS2073参照)。そして、待機処理(図142のS2012参照)において参照され(図142のS2071参照)、設定変更が完了したことを示す変更完了コマンドを受信したと判別した場合にオフに設定される(図142のS2077参照)。
この設定変更中フラグ223jを設けることにより、主制御装置110にて実行される設定変更操作の操作状況を音声ランプ制御装置113側で把握することが可能となるため、設定変更操作が完了するまでの間実行される待機処理(図142のS2012参照)の処理を設定変更操作の操作状況に応じて切り替えることができる。よって、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
実行済設定示唆演出記憶エリア223kは、大当たり遊技中に実行された設定示唆演出の内容を一時的に記憶するための記憶領域であって、ラウンド演出の一部として設定示唆演出が設定された場合に、その演出態様(演出内容)を示す情報が記憶される。そして、大当たり遊技のエンディング期間にて実行される終了画面演出の演出態様を選択する際に記憶されている情報が参照される。本実施形態では、大当たり遊技中に実行される設定示唆演出によって遊技者に付与される情報を均等にするために、大当たり遊技中に実行された設定示唆演出の内容に基づいて、終了画面演出にて実行される設定示唆演出の内容を決定するように構成している。このように構成することで、1回の大当たり遊技にて遊技者に提供される設定示唆演出の演出量(設定値を予測するための情報量)を調整することができ、1回の大当たり遊技にて設定示唆演出が全く実行されず、遊技者の遊技意欲が低下してしまったり、1回の大当たり遊技にて過剰に設定示唆演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
そして、終了画面演出の演出態様を決定した後に、実行済設定示唆演出記憶エリア223kに記憶されている情報がクリアされる。
獲得球数格納エリア223nは、払い出された賞球を累積記憶するための記憶領域であって、主制御装置110から賞球数を示す情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合に、そのコマンドに含まれる情報に基づいて賞球数が累積記憶される。この獲得球数格納エリア223nには、時短状態、確変状態、大当たり遊技中といった遊技者に有利な有利期間中に払い出された賞球の数が累積記憶される。そして、有利期間が終了した場合、即ち、遊技状態が通常状態へと移行した場合に記憶されている情報がクリアされる。
この獲得球数格納エリア223nに格納されている情報は、有利期間中に遊技者に払い出された球数を報知するための獲得球数表示の態様を更新する際に参照される。なお、本実施形態では有利期間が終了した場合に獲得球数格納エリア223nに記憶されている情報がクリアされるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、有利期間が終了した後、所定条件(特別図柄抽選が10回実行された場合に成立する条件)が成立したことに基づいて情報をクリアするように構成しても良い。このように構成することで、1回の有利期間が終了した直後に再度有利期間が設定された場合には、前回の有利期間中に獲得した賞球数を引き継いだ内容で獲得球数を表示(引き戻し表示)することが可能となる。よって、獲得数表示として多くの球数を表示させたい遊技者に対して、有利期間が終了した後でも次の大当たり遊技を目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
期間演出中フラグ223pは、SPタイム演出が実行されていることを示すためのフラグであって、計時装置292にて計時される時刻情報に基づいて算出される経過時間TがSPタイム期間となった場合にオンに設定される。そして、経過時間がSPタイム期間を経過した場合であって、SPタイム演出の終了条件が成立した場合にオフに設定される。
この期間演出中フラグ223pがオンに設定されている場合には、変動演出の演出態様を設定する際に、期間演出(SPタイム演出)専用の演出態様が設定されたり、第3図柄表示装置81の表示面に表示される背景画像が専用の背景画像となる。
ミッション情報記憶エリア223qは、SPタイム演出として実行されるミッション演出の演出態様(ミッション内容)及び、ミッションの到達度合いを記憶するための記録領域であって、SPタイム演出が実行される場合にミッション選択テーブル222gを参照して決定された演出内容を記憶される。そして、SPタイム期間中に特別図柄抽選が実行される毎に(変動演出が実行される毎に)更新されるミッションの到達度合いを示すための情報が更新記憶される。
時刻情報記憶エリア223rは、パチンコ機10への電源を投入した際に、計時装置292の時刻情報(計時情報)が格納される領域である。MPU221により実行される立ち上げ処理の時刻取得処理(図141のS2011参照)の中で、計時装置292より取得した現在の時刻情報(計時情報)が格納される。格納された計時情報は、MPU221により実行されるメイン処理の経過時間確認処理(図158のS2111参照)の中で、電源投入からの経過時間Tを算出し、通常演出期間であるかSP期間(SPタイム期間)であるかを判別するために用いられる(図158のS3604参照)。なお、RAM223に記憶された内容はバックアップされないため、パチンコ機10の電源供給が断された電断状態となった場合、時刻情報格納エリア223fに格納された計時情報はクリアされる。
本実施形態のパチンコ機10では、立ち上げ処理の際に計時装置292より取得され、時刻情報記憶エリア223rに格納された時刻情報に基づいて演出期間の種別を判断するので、ホールの複数のパチンコ機10において、立ち上げ処理が行われるタイミングを合わせておけば、各パチンコ機10の時刻情報記憶エリア223rに時刻情報が格納されるタイミングも合わせることができる。時刻情報記憶エリア223rに時刻情報が格納されるタイミングが合っていれば、各パチンコ機10において経過時間確認処理(S2111)の中で算出される経過時間Tも合わせることができるので、その経過時間Tに基づいて通常演出期間からSPタイム期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間からSPタイム期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。これにより、ホールの関係者は、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源投入をしておくだけで、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができる。よって、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10はSPタイム期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。なお、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源を投入する方法としては、例えば、複数のパチンコ機10で構成される島を設けておき、島単位で電源を投入することのできる外部電源を設けておけばよい。
また、本実施形態では、計時装置292の時刻情報から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理(S2111)の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、各パチンコ機10の計時装置292の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、その互いにずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間からSPタイム期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいてSPタイム期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10はSPタイム期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
操作無効タイマ223sは、枠ボタン22への操作を有効に判別しない期間を設定するためのカウンタであって、操作無効タイマ223sに値がセットされている期間は枠ボタン22への操作が有効に判別されない(無効になる)。この操作無効タイマ223sは、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理の終了タイミングが第3図柄表示装置81のブート処理の終了タイミングよりも早い場合に所定期間(5秒)を示す値がセットされる。
このように構成することで、ブート処理が完了していない状態、即ち、第3図柄表示装置81の表示面に必要な情報を表示することができない状態において枠ボタン22への操作を有効に判別してしまい、音声ランプ制御装置113側で特定した枠ボタン22への操作結果と、表示制御装置114側(第3図柄表示装置81側)で特定した枠ボタン22への操作結果とが相違してしまうことを抑制することができる。
連続予告実行フラグ223tは、先読み演出が実行されていることを示すためのフラグであって、先読み演出が実行される場合にオンに設定される。そして、先読み演出の対象となる特別図柄変動が実行されることでオフに設定される。
その他メモリエリア223zは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理における各種データ、フラグ、カウンタ等が設定または記憶される領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図144参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図117を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図83参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図134参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図83参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
計時装置292は、主制御装置110に接続され、現在時刻を計時することができるリアルタイムクロック(RTC)を有して構成されている。ここで、計時装置292の構成について、図115及び図116を参照して説明をする。図115は、計時装置292の電気的構成を示すブロック図である。計時装置292は、入出力ポート350と、装置制御部351と、レジスタ352とを有している。また、計時装置292には、計時装置用電源293が接続されている。この計時装置用電源293は、パチンコ機10の電源とは異なる計時装置292専用の電源であり、パチンコ機10の電源が断された電断状態でも計時装置292に電力を供給することができる。この計時装置用電源293には、ボタン型電池が用いられている。
計時装置292の装置制御部351には、入出力ポート350と、レジスタ352とが接続されている。入出力ポート350は音声ランプ制御装置113と相互通信可能に接続されている。装置制御部351は、レジスタ352を利用(制御)して、現在時刻の計時や設定時刻でのアラームの実行など各種の制御を行う。ここで、レジスタ352は、図116に示すように、複数のレジスタからなるレジスタテーブルを有している。このレジスタテーブルには、計時レジスタ352aと、投入時刻格納エリア352bとが含まれている。即ち、図115に示す通り、計時装置292のレジスタ352には、計時レジスタ352aと、投入時刻格納エリア352bとが少なくとも設けられている。
計時レジスタ352aは、現在時刻を計時するためのレジスタであり、1秒毎にレジスタ値が更新される。また、投入時刻格納エリア352bは、計時情報等の様々な情報を書き込むことができ、記憶された情報を上書きすることができる記憶領域である。投入時刻格納エリア352bには、MPU221により実行されるメイン処理の中で、電源断の発生情報があった場合にRAM203の時刻情報格納エリア223baに格納された計時情報が書き込まれるエリアである。
ここで、図116を参照して、レジスタ352の有するレジスタテーブルについて詳細に説明する。図116は、レジスタ352のレジスタテーブルの一部を模式的に表した図である。図116に示す通り、レジスタ352は、レジスタテーブルの0H~EHの15のアドレスのそれぞれに最大8ビットのデータを保持することができる。これらのアドレスのうち、アドレス0H~6Hが計時レジスタ352aに相当し、各アドレスは、秒、分、時間、曜日、日、月、年をそれぞれ表している。
計時レジスタ352bの詳細について、秒を表すアドレス0Hを例に取って説明する。アドレス0Hのbit7はL固定の書き換え不能なbitとなっており、bit0~bit6を用いて現在の秒数が表現される。なお、図116のbit7に付された”○”との記号は、書き換え不能なbitであることを示す記号であり、他のアドレスにおいても同一の意味を示すものである。また、bit0~bit6は、それぞれ1秒、2秒、4秒、8秒、10秒、20秒、40秒に対応しており、各bitがHかLかによって現在時刻の秒数がいくつであるかが示される。
例えば、現在時刻の秒数が5秒である場合は、1秒を表すbit0と、4秒を表すbit2とが共にHとなり、bit1,3,4,5,6は全てLとなる。これにより、Hのbitにより表される秒数の和である5秒が現在時刻の秒数であると表現することができる。また、現在時刻の秒数が29秒である場合は、1秒を表すbit0と、8秒を表すbit3と、20秒を表すbit5とがHとなり、bit1,2,4,6は全てLとなる。これにより、Hのbitにより表される秒数の和である29秒が現在時刻の秒数であると表現することができる。
分を表すアドレス1H、時間を表すアドレス2H、日を表すアドレス4H、月を表すアドレス5H、年を表すアドレス6Hに関しても、秒を表すアドレス0Hと同様に、Hとなっているbitに対応した数値の総和によって現在時刻が表現される。なお、年を表すアドレス6Hに関しては、西暦の下2桁を表しており、西暦の上2桁は20固定となっている。つまり、年を表すアドレス6Hでは、2000年~2099年の間のみを表現することができる。
また、曜日を表すアドレス3Hに関しては、bit0~bit6が、それぞれ日曜日、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日に対応しており、いずれか1つのbitがHとなり、その他のbitがLとなることで特定の曜日を表現することができる。例えば、現在が水曜日であれば、bit3がHとなり、bit0,1,2,4,5,6,はLとなる。
アドレス7H~9Hは投入時刻格納エリア352bに相当し、最大3バイトのデータを格納することができる。投入時刻格納エリア352bには、秒を格納するレジスタ(アドレス7Hに対応)、分を格納するレジスタ(アドレス8Hに対応)、時間を格納するレジスタ(アドレス9Hに対応)がそれぞれ1バイトずつ割り当てられている。また、各bitと秒、分、時間との対応関係は、アドレス0H~2Hと同様の対応関係となっている。
即ち、秒を格納するレジスタのbit0~bit6は、それぞれ1秒、2秒、4秒、8秒、10秒、20秒、40秒に対応しており、分を格納するレジスタのbit0~bit6は、それぞれ1分、2分、4分、8分、10分、20分、40分に対応しており、時間を格納するレジスタのbit0~bit5は、それぞれ1時間、2時間、4時間、3時間、10時間、20時間に対応している。なお、図116に置いては、全てのbitに”●”との記号が付されているが、これは情報の書き換え及び読み出しが可能なbitであることを示す記号であり、他のアドレスにおいても同一の意味を示すものである。
計時レジスタ352aおよび投入時刻格納エリア352bの各bitと秒数や分数等との対応関係は本実施形態の形態に限られるものではない。例えば、各bitの数値に2のべき乗を対応付けても良い。また、本実施形態では、投入時刻格納エリア352bを3バイトで構成しているが、例えば記憶する時間の情報として、時間と分の値のみを格納することによりバイト数を減らしても良い。また、秒、分、時間に加えてミリ秒が格納可能なレジスタを加えることでバイト数を増やしても良い。更に、計時情報を投入時刻格納エリア352bに記憶させるのではなく、計時装置292の外部にRAM等の記憶手段を設けるようにしても良い。この場合、記憶手段への電源供給を計時装置用電源293により行うよう構成しても良いし、記憶手段専用の電源を別個に設けても良い。
アドレスAH~CHは設定した時刻にアラーム信号を出力させるために用いられるレジスタであり、アドレスDH,EHは設定した周期毎に割込信号を出力させることができるレジスタである。なお、アラーム機能や割込機能を使用しない場合は、アドレス7H~9Hの代わりにアドレスAH~EHを投入時刻格納エリア352bとして使用することもできる。この場合、アドレス7H~9Hの3バイトを削減することができるので、レジスタが少なくて済むため、計時装置262の低価格化を図ることができる。
なお、図116にはアドレス0H~EHに割り当てられたレジスタのみが記載されているが、これらの他に、0H~EH以外のアドレスが割り当てられたレジスタが設けられており、例えば、アラーム機能や割込機能等の設定を変更するためのレジスタ等が設けられている。
<第1実施形態における表示制御装置114の電気的構成について>
次に、図117を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図117は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート262と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート262が接続されている。また、出力ポート262の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図161のS6001参照)の終了後に実行される初期化処理(図160のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図123参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図162(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図160参照)。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像(図118参照)を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は、それを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合はそれを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」、「×」を示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図117に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図120を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図120は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図120(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図120(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図120に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A,Bに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別の変更が決定され、ステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図120(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「砂浜ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「砂浜ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「深海ステージ」に対応する背面Bは、図120(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図120(a)~(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図120(a)~(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図117参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図117に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図85参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64または右第2入球口640rまたは第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」、「女の子」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背景モード記憶エリア233k、実行演出記憶エリア233l、設定値記憶エリア233m、表示更新フラグ233n、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233xを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入球口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されている主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図121を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図121は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。
MPU231は、この背面種別によって、背景モードに対応した背景(海中、浜辺、準備期間の背景、時間演出専用の背景)のいずれかを表示させることが特定される場合は、背景のうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図121の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図123参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図122を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図122は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図122のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図122のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図122の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図123参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図123の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図118に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図160参照)の中でオンに設定される(図160のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図172(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図162(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図162(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図162(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図163~図168参照)および表示設定処理(図169~図171参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図172(a)のS6305参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図172(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図173参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図123参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図123参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図123参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図169のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図171のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図123参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図123を参照して、描画リストの詳細について説明する。図123は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図123に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図162(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図169のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図160のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図173参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図173のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図173のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図174のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図162(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図174のS7802参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図168(a)のS7001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図173のS7709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図173のS7710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図168(a)のS7002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
次に、図119を参照して、パチンコ機10の設定値を変更するための設定変更操作を実行している場合の第3図柄表示装置81の表示画面の表示内容について説明をする。本実施形態では、上述した通り、特別図柄抽選による大当たり当選確率を異ならせた複数の設定値の中から1の設定値を設定可能に構成しており、パチンコ機10に対して特定の操作(設定キー110bの回動操作)を実行した状態で電源を投入することで、主制御装置110の立ち上げ処理中に設定値を変更するための設定変更操作を実行可能に構成している。
パチンコ機10に対して電源が供給されると、電源装置115(図99参照)から、各種制御装置へと電力が供給され、各制御装置にて立ち上げ処理が実行されるように構成している。ここで従来型のパチンコ機10、即ち、電源投入時に設定変更操作が実行されることの無いパチンコ機10では、各制御装置の立ち上げ処理中に操作者の操作に基づく処理(設定変更操作を実行する処理)が実行されることが無いため、各制御装置の立ち上げ処理が正常に実行された場合には、その所要時間が略一定となる。よって、各制御装置の立ち上がり順序(立ち上がり処理が終了する順序)を規定することができるため、その規定された順序に沿った処理を実行するだけでよかったが、本実施形態では、主制御装置110の立ち上げ処理中に設定変更操作を実行可能としているため、その設定変更操作に要する期間によって、主制御装置110の立ち上げ処理のほうが、表示制御装置114の立ち上げ処理(第3図柄表示装置81のブート処理)よりも先に終了する場合と、後に終了する場合と、が発生し得る。
そこで、本実施形態では、表示制御装置114によるブート処理が終了した時点における他の制御装置の処理状況に応じて異なる表示画面を表示可能に構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面を視認することにより、現状の処理状況を分かりやすく報知することができる。
図119(a)は、表示制御装置114のブート処理が実行されている場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図119(b)は、表示制御装置114のブート処理が完了した状態であって、設定変更操作の実行中である場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図119(c)は、表示制御装置114のブート処理が完了した状態であって、設定変更操作は終了したが主制御装置110の立ち上げ処理が実行されている場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図119(d)は、表示制御装置114のブート処理が完了した状態であって、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が完了している場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図119(a)に示した通り、表示制御装置114によるブート処理が実行されると、第3図柄表示装置81の表示領域全面に対して、カラーバーが表示される表示画像が表示されるこの、カラーバーは、液晶ディスプレイに表示される色調を正しく調整するために表示されるものであって、例えば、白、黄、シアン、マゼンタ、赤、青、黒の順、即ち、輝度の高い順に並び、RGB3原色とその補色で構成されるSMPTEカラーバー等が表示される。
そして、表示画面に表示された表示内容は、伝送系の直線性やカラー信号周波数帯域の振幅、位相特性のチェックに用いられる。これにより、表示制御装置114のブート処理を適正に実行することができる。尚、図119(a)に示した例では、テスト用のカラーバーを静止画像で表示しているが、これに限ること無く定期的にカラーバーの表示位置が切り替わる動画像を表示するように構成しても良い。このように構成することで、作業者が第3図柄表示装置81の表示画面を視認することで定期的に切り替わる画像情報が正常に表示されているか(フリーズしてないか)を容易に把握することができる。
そして、表示制御装置114がブート処理を終えると、ブート処理を終えたことを示すためのコマンド(ブート完了コマンド)を音声ランプ制御装置113へと出力する。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から出力される設定変更中であることを示すためのコマンドや、設定変更完了を示すためのコマンドを受信することで現在の設定変更状況を判別し、表示制御装置114から出力されたブート完了コマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面に表示させる表示画像を示すための情報を決定する。
なお、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が完了していない状態では、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと表示画像を示すための情報(表示用コマンド)を出力することができない状態であるため、表示制御装置114のブート処理が完了した後、音声ランプ制御装置113から何れの表示用コマンドも受信していない場合は、図119(b)に示した画像が表示される。つまり、表示制御装置114には、ブート処理完了後に第3図柄表示装置81の表示面に表示させる初期表示画像として「設定変更中」の文字が付された初期表示画像データが記憶されており、ブート処理が完了したと判別した後に、音声ランプ制御装置113から表示用コマンドを受信しているか判別する。そして、表示用コマンドを受信していないと判別した場合は、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が完了していない場合であるため、図119(b)に示した通り、「設定変更中」の文字が付された初期表示画像データが表示される。
ここで、例えば、パチンコ機10の電源投入時に設定変更操作を実行しない場合は、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113では、各MPUによって各RAMの初期化処理や、各ROMに記憶されている情報に基づく初期制御処理を実行するための立ち上げ処理が実行されることになるが、この初期制御処理を実行する際に費やす時間は、表示制御装置114のブート処理、つまり、液晶ディスプレイで構成されている第3図柄表示装置81を起動させるための処理に費やす時間よりも遙かに短い時間となる。
よって、表示制御装置114にてブート処理が完了した時点で音声ランプ制御装置113から表示用コマンド(初期設定中(立ち上げ処理中)を示す表示用コマンドや、初期設定完了(立ち上げ処理完了)を示す表示用コマンド)が出力されていない場合は、設定変更操作が実行されている場合となる。そこで、本実施形態では、図119(b)に示した表示画像が初期表示画像となるように構成している。
このように構成することで、表示制御装置114にてブート処理が完了した時点で音声ランプ制御装置113から表示用コマンドが出力されていない場合において、現在の状況を示すための報知態様を表示することができる。
また、表示制御装置114にてブート処理が完了した時点で音声ランプ制御装置113から設定変更が完了したことを示す表示用コマンドが出力された場合には、図119(c)に示す表示画像が表示され、表示制御装置114にてブート処理が完了した時点で音声ランプ制御装置113から初期設定が完了したことを示す表示用コマンドが出力された場合は、図119(d)に示した正常の待機画面(デモ画面)が表示される。
<主制御装置110の制御処理について>
次に、図124から図139のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図124は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、普通当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、普通当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図125~図130を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図131および図133を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ290により検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図125を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図125は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図124参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判別する(S201)。ここでは、大当たり中フラグ203nがオンであるか判別され、オンであれば、大当たり中であると判別される。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)と特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を取得する(S203)。各カウンタの値を取得した後、変動実行判定処理を実行する(S204)。尚、変動実行判定処理の詳細は図126を参照して、後述するが、この変動実行判定処理(S204)では、次に変動する順序となる特別図柄が判別される処理が実行される。
次に、変動実行判定処理(S204)で判定された次の変動順序が特図1(第1特別図柄)であるか判断し(S205)、特図1(第1特別図柄)での変動実行であれば、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S206)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S207)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図138参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223aに格納する。
S207の処理により、保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S208)。S208の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留エリア1~保留エリア4に格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第一図柄表示装置にて変動表示を開始するための特別図柄1変動開始処理を実行する(S209)。尚、特別図柄1変動開始処理(S209)については、図127を参照して後述する。特別図柄1変動開始処理(S209)では、第1特別図柄の変動を開始する上で必要な変動パターン(変動期間)の選択等の処理が実行される。
S205の処理で、変動実行判定処理(S204)において判別された次の変動順序が特図1での変動実行ではないと判別された場合には(S205:No)、特図2(第2特別図柄)での変動実行か否か判別する(S210)。尚、特図2の変動実行でなければ(S210:No)、即ち、第1特別図柄、第2特別図柄共に保留球が記憶されていない状態であるので、本処理は終了する。一方、特図2での変動実行であれば(S210:Yes)、特別図柄2の保留球について、上述した特別図柄1の保留球についての処理と同様の処理を行う。
具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)の値を1減算し(S211)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を示す保留球数コマンドを設定する(S212)。ここで設定された保留球数コマンドにより、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図138参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223bに格納する。
S212の処理により、保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S213)。S213の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留エリア1~保留エリア4に格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第一図柄表示装置にて変動表示を開始するための特別図柄2変動開始処理を実行する(S214)。尚、特別図柄2変動開始処理については、図128を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S215)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S215:No)、第1図柄表示装置の表示を更新し(S216)、本処理を終了する。
一方、S215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S215:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S217)。停止図柄の設定は、図127を参照して後述する特別図柄1変動開始処理(S209)または、図128を参照して後述する特別図柄2変動開始処理(S214)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとに共通して設けられた実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、第1特別図柄および第2特別図柄の大当たりである場合には、特別当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1、大当たりE1となるかが決定される。
尚、本実施形態では、抽選結果に基づいて、第1図柄表示装置37で点灯させるLEDの色を異ならせるよう構成している。例えば、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。大当たりCになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S218:Yes)、大当たりの開始を設定し(S219)、確変フラグ203mをオフにし、時短中カウンタ203jおよび変動回数カウンタ203iの値を0に設定する(S220)。その後、大当たり中フラグ203nをオンに設定し(S221)、停止コマンドを設定し(S225)、本処理を終了する。即ち、大当たり遊技中には、低確率の遊技状態が設定されて、電サポ遊技状態(時短遊技状態)も解除されて非電サポ遊技状態が設定される。
一方、S218の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S218:No)、時短中カウンタ203jの値が1以上であるかを判別し(S222)、時短中カウンタ203jの値が1以上であれば(S222:Yes)、時短中カウンタ203jの値を1減算して(S223)、変動回数カウンタ203iの値を1加算する(S224)。次に、上述したS225の処理を実行し、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203jの値が0であれば(S222:No)、S223の処理をスキップして、S225の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図126を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動実行判定処理(S204)について説明する。図126は変動実行判定処理(S204)を示したフローチャートである。この変動実行判定処理(S204)は、タイマ割込処理(図124参照)の特別図柄変動処理(図125参照)の中で実行される処理であり、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの、どちらの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて実行するかを判定するための処理である。
変動実行判定処理(S204)では、まず、変動実行フラグ203kをオフ(値として「0」)に設定することで、初期化を行い(S241)、RAM203内に格納された変動順格納エリア203pのデータを取得する(S242)。次に、変動順格納エリア203pのデータをシフトする(S243)。次に、実行エリアのデータは特図1であるか否かを判別する(S244)。実行エリアのデータが特図1であれば(S244:Yes)、変動実行フラグ203kを特図1で変動実行に設定し(S245)、本処理を終了する。
一方、S244の処理において、実行エリアのデータが特図1での変動実行ではないと判別した場合には(S244:No)、実行エリアのデータは特図2での変動実行であるか判別し(S246)、特図2での変動実行であると判別された場合には(S246:Yes)、変動実行フラグ203kを特図2で変動実行に設定し(S247)、本処理を終了する。尚、S246の処理で、実行エリアのデータは特図2での変動実行ではないと判別された場合には(S246:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図127を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄1変動開始処理(S209)について説明する。図127は、特別図柄1変動開始処理(S209)を示したフローチャートである。この特別図柄1変動開始処理(S209)は、タイマ割込処理(図124参照)の特別図柄変動処理(図125参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄1変動開始処理(S209)では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を取得する(S251)。次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(S252)。なお、確変期間であるか否かの判断は、確変フラグ203mがオンであるか判別することにより実行される。この確変フラグ203mは、大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1に基づく大当たり遊技が終了したことに基づいて、オンに設定される(S1113:図139参照)。一方、大当たり遊技の開始に基づいて、オフに設定される(S220:図125参照)。
S252の処理において、現在の遊技状態が確変中であると判別された場合には(S252:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S253の処理に移行する。S253の処理では、S251の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図102(a)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S253)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202aに格納されている65536個の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、確変遊技状態(特別遊技状態)における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、現在の設定値が「1」に設定されている場合には、「0~999」の1000個が設定されており、現在の設定値が「2」に設定されている場合には「0~1099」の1100個が設定されている。そして、現在の設定値が「3」に設定されている場合には、「0~1199」の1200個が特別図柄の大当たりとなる乱数値として設定されている。特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S255の処理へ移行する。
一方、S252の処理において、パチンコ機10が特別図柄の通常遊技状態(低確率遊技状態)であると判別した場合には(S252:No)、S254の処理を実行する。S254の処理では、S251の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S254)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202aに格納されている65535個の乱数値と1つ1つ比較する。通常遊技状態(低確率遊技状態)における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、現在の設定値が「1」に設定されている場合には、「0~249」の250個が設定されており、現在の設定値が「2」に設定されている場合には、「0~274」の275個が設定されている。そして、現在の設定値が「3」に設定されている場合には、「0~299」の300個が特別図柄の大当たりとなる乱数値として設定されている。特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S255の処理へ移行する。
S255の処理では、S253またはS254の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるか(即ち、取得している特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202aに設定されている判定値と一致するか)を判別し(S255)、特別図柄の大当たりであると判別された場合には(S255:Yes)、S251の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S256)。より具体的には、S251の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別選択テーブル202dに格納されている乱数値とを比較し、5種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1、大当たりE1)のうち、大当たり種別が何であるかを判別する。上述したように、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~39」の範囲にあれば、大当たりA(10R確変大当たり)であると判別し、「40,41」であれば、大当たりB1(10R確変大当たり)であると判別し、「42~47」の範囲にあれば、大当たりC1(5R確変大当たり)であると判別し、「48~59」の範囲にあれば、大当たりD1(2R確変大当たり)であると判別し、「60~99」の範囲にあれば、大当たりE1(10R通常大当たり、時短100回)であると判別する(図103参照)。
このS256の処理では、判別された大当たり種別(大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1、大当たりE1)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1、大当たりE1)が停止種別として設定される。
一方、S255の処理において、特別図柄の外れであると判別された場合には(S255:No)、外れ時の表示態様を設定する(S257)。S257の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
S256、或いは、S257の処理を実行した後、次に、変動回数カウンタ203iの値を取得し(S258)、取得した変動回数カウンタ203iの値と、変動パターンシナリオテーブル202eとに基づいて、参照する変動パターンテーブルを決定する(S259)。本実施形態では、上述したように、変動回数カウンタ203iの値と変動パターンシナリオテーブル202eとに基づいて、変動パターン選択テーブル202b内の参照する変動パターンテーブルを決定する。S259の処理において、変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81においてS253、或いは、S254の処理において取得した抽選結果を示すための表示態様で第3図柄が停止するまでの変動時間が決定される。
例えば、前回の大当たり種別が、大当たりB1(10R確変大当たり)、大当たりC1(5R確変大当たり)、大当たりD1(2R確変大当たり)のいずれかであり、その大当たり時の遊技状態が、通常遊技状態であり、S258の処理で取得した変動回数カウンタ203iの値が1~80回の範囲値であれば、時短・確変用テーブル202b2を参照して変動パターン(変動時間)を決定する。そして、S253の処理において取得した当否判定結果と変動種別カウンタCS1とに基づいて変動時間(変動パターン)を決定する。例えば、S259の処理において、時短・確変用変動パターンテーブル202b2を参照する変動パターンテーブルとして決定した場合に、S253の処理で取得した当否判定結果が当たりであり、変動種別カウンタCS1の値が、「0~49」の範囲値である場合には、変動パターンとして、「当たり変動A」が設定され、変動時間として「20秒」が設定される。(図104(c)参照)。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
次に、S259の処理で決定した変動パターンテーブルに基づいて、変動パターンを決定する(S260)。次に、S260の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S261)。次いで、S261の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S262)。S262の処理が終わると、特別図柄変動処理(S104)へ戻る。
次に、図128を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄2変動開始処理(S214)について説明する。図128は、特別図柄2変動開始処理(S214)を示したフローチャートである。この特別図柄2変動開始処理(S214)は、タイマ割込処理(図124参照)の特別図柄変動処理(図125参照)の中で実行される処理であり、特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
この特別図柄2変動開始処理(S214)では、特別図柄1変動開始処理(S209)と同様に、まずS271の処理によって取得した、特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2の各値を取得する(S271)。
次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(S272)確変期間中であると判別された場合には(S272:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S273の処理に移行する。S273の処理では、S271の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S273)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202aに格納されている65536個の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)である場合に、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、現在の設定値として、「1」が設定されている場合には、「0~999」の1000個が設定されており、「2」が設定されている場合には、「0~1099」の1100個が設定されている。そして、現在の設定値として「3」が設定されている場合には、「0~1199」の1200個が特別図柄の大当たりとなる乱数値として設定されている。特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判別する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S275の処理へ移行する。
一方、S272の処理において、パチンコ機10が確変状態でないと判別した場合には(S272:No)、S274の処理を実行する。S274の処理では、S271の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S274)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202aに格納されている65536個の乱数値と1つ1つ比較する。遊技状態が通常期間中(低確率遊技状態)である場合に、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、現在の設定値として「1」が設定されている場合には、「0~249」の250個が設定されており、「2」が設定されている場合には、「0~274」の275個が設定されている。そして、現在の設定値が「3」である場合には、「0~299」の300個が特別図柄の大当たりとなる乱数値として設定されている。特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判別する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S275の処理へ移行する。
S275の処理では、S273またはS274の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判別し(S275)、特別図柄の大当たりであると判別された場合には(S275:Yes)、S271の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S276)。より具体的には、S271の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別選択テーブル202dに格納されている乱数値とを比較し、5種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1、大当たりE1)のうち、大当たり種別が何であるかを判別する。上述したように、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~39」の範囲にあれば、大当たりA1(10R確変大当たり)であると判別し、「40,41」の範囲にあれば、大当たりB1(10R確変大当たり)であると判別し、「42~47」の範囲にあれば、大当たりC1(5R確変大当たり)であると判別し、「48~59」の範囲にあれば、大当たりD1(2R確変大当たり)であると判別し、「60~99」の範囲にあれば、大当たりE1(10R通常大当たり、時短100回)であると判別する(図103参照)。
一方、S275の処理において、特別図柄の外れであると判別された場合には(S275:No)、外れ時の表示態様を設定する(S277)。S277の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
S276、或いは、S277の処理を実行した後、次に、変動回数カウンタ203iの値を取得し(S278)、S278の処理において取得した変動回数カウンタ203iの値と、変動パターンシナリオテーブル202eとに基づいて、参照する変動パターンテーブルを決定する(S279)。本実施形態では、上述したように、変動回数カウンタ203iの値と変動パターンシナリオテーブル202eとに基づいて、変動パターン選択テーブル202b内の参照する変動パターンテーブルを決定する。S279の処理において、変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81においてS273、或いは、S274の処理において取得した抽選結果を示すための表示態様で第3図柄が停止するまでの変動時間が決定される。
例えば、前回の大当たり種別が、大当たりB1(10R確変大当たり)、大当たりC1(5R確変大当たり)、大当たりD1(2R確変大当たり)いずれかであり、その大当たり時の遊技状態が、通常遊技状態であり、S258の処理で取得した変動回数カウンタ203iの値が1~80回の範囲値であれば、時短・確変用テーブル202b2を参照して変動パターン(変動時間)を決定する。そして、S253の処理において取得した当否判定結果と変動種別カウンタCS1とに基づいて変動時間(変動パターン)を決定する。例えば、S259の処理において、時短・確変用変動パターンテーブル202b2を参照する変動パターンテーブルとして決定した場合に、S253の処理で取得した当否判定結果が当たりであり、変動種別カウンタCS1の値が、「0~49」の範囲値である場合には、変動パターンとして、「当たり変動A」が設定され、変動時間として「20秒」が設定される。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
次に、S279の処理において、決定した変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定し(S280)、S280の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S281)。次いで、S281の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S282)。S282の処理が終わると、特別図柄変動処理(S104)へ戻る。
次に、図129を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図129は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図124参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理(S105:図129参照)が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S301)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S301:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S302)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S303)。一方、S301の処理において、球が第1入球口64へ入球していないと判別された場合には(S301:No)、S302~S308およびS320の処理をスキップし、S309の処理に移行する。
そして、S303の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S303:No)、オーバー入賞情報コマンドを設定し(S304)、S309の処理へ移行する。一方、S303の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S303:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S305)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す第1特別図柄の保留球数コマンドを設定する(S306)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図138参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223aに格納する。
S306の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理(図124参照)のS103で更新した特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留エリア1~保留エリア4)のうち最初のエリアに格納する(S307)。尚、S307の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留エリア1を最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留エリア2を、その値が2であれば保留エリア3を、その値が3であれば保留エリア4を、それぞれ最初のエリアとする。次に変動順格納エリア203pの最下位に特図1を設定し(S308)、先読み処理(S320)を実行する。先読み処理(S320)については、図130を参照して後述する。
次に、S309~S316については、上記説明したS301~S308およびS320の各処理について、第1入球口64に入賞したことに対する処理が右第2入球口640rまたは第2入球口640に入賞したことに対する処理に変更されるのみで、同様の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。なお、右第2入球口640rまたは第2入球口640に遊技球が入賞した場合に、保留球として記憶される場合にも、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2の各値が取得されて、対応する特別図柄2保留球格納エリア203bの空き保留エリアに記憶される。
このように、右第2入球口640rまたは第2入球口640への入球に基づく、第2特別図柄に対しても第1特別図柄と同様の特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別選択カウンタCS1の各値を取得することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の乱数を用いて抽選が実行できるので、第1特別図柄と第2特別図柄とでも当たり確率を一定にすることができる。
S308の処理、または、S316の処理を実行した後には、先読み処理(S320)を実行する。先読み処理(S320)についての詳細は、上述したように、図130を参照して、詳細について説明するが、第1入球口64または右第2入球口640r、第2入球口640への入球に対して取得された各種カウンタの値に基づいて、変動開始時に実行される各抽選結果を事前に判定する処理を実行する。
なお、本実施形態では、各カウンタの値を入球に基づいて、選択するように構成したが、変動開始時に選択するように構成してもよい。このように構成することで、変動開始時まで、各カウンタの値を記憶しておく記憶領域が必要なく、RAM203の記憶領域の使用を抑制できる。また、各カウンタのうち、一部のカウンタ(例えば、変動種別カウンタCS1のみ)を変動開始時に取得するように構成してもよい。このように構成することで、入球時に当否判定に関わるカウンタを取得し、当否判定に関わらないカウンタについては、後から取得することができ、遊技の公平性を保ちつつ、記憶するデータ量を抑制することができる。
次に、図130を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)内の一処理である先読み処理(S320)について説明する。図130は、この先読み処理(S320)を示したフローチャートである。
先読み処理(S320)では、まず、取得した特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、変動開始時の当否判定を判定する(S351)。この当否判定では、上述した特別図柄1変動開始処理(S209:図127参照)におけるS255の処理、特別図柄2変動開始処理(S214:図128参照)におけるS275の処理と同様の処理が実行される。なお、この当否判定は、変動開始時の当否判定(判別)(特別図柄1変動開始処理(S209:図127参照)におけるS255の処理、特別図柄2変動開始処理(S214:図128参照)におけるS275の処理)よりも先に実行される事前当否判定(事前判別)に該当する。次に、S351の処理において実行した判別結果が当たり(特定の判別結果とも言う)であるか判別する(S352)。判別結果が当たりであると判別した場合には(S352:Yes)、取得した停止種別カウンタC3と変動種別カウンタCS1とに基づいて、変動パターン選択テーブル202bより変動パターン種別を取得(判別)する(S353)。次に取得した変動パターン種別に基づいて、入賞コマンドテーブル202eより当たり入賞情報コマンドを設定(選択または生成)し(S354)、本処理を終了する。一方、S352の処理で、当否判定結果は外れと判別した場合には(S352:No)、取得した停止種別カウンタC3と変動種別カウンタCS1とに基づいて、変動パターン選択テーブル202bより変動パターン種別を取得する(S355)。次に取得した変動パターン種別に基づいて、入賞コマンドテーブル202eより外れ入賞情報コマンドを設定し(S356)、本処理を終了する。
このように、変動開始となる前に、事前に当否判定をした結果が、保留球が成立した毎に音声ランプ制御装置113に対して入賞コマンドとして出力されるので、音声ランプ制御装置113は、事前に当否判定結果とその当たり種別を認識できる。よって、音声ランプ制御装置113によって、入賞コマンドに基づいて、遊技者に事前に保留球に対する当否判定結果を報知する予告演出(例えば、保留図柄の色について当否判定結果を報知する色に可変させる、保留球の中の当否判定結果を報知するための報知音を出力する等の演出)を実行させることができる。また、入賞コマンドは、保留球が成立した毎にその保留球に対して一つの入賞コマンドが出力されるので、音声ランプ制御装置113では、保留球の成立に対しても認識することができる。
次に、図131を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図131は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図124参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S401)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判別の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S401:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S402)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S402:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S404)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S405)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S405:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S405:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S406)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S407)。S407の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている普通当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S408)。
次に、普通図柄変動開始処理を実行して(S409)、本処理を終了する。尚、普通図柄変動開始処理は図132を参照して後述するが、普通図柄(第2図柄)の当否判定を実行して、その当否判定結果に基づいて、普通図柄の変動期間(変動時間または動的表示時間)を決定して、当否判定結果が当たりである場合には、その当たり種別に対応して電動役物640aの開放動作(普図当たり遊技の動作パターン)を設定する処理等が実行する。
S402の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S402:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S410)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、図132のS432の処理またはS433の処理によって予め設定された時間である。
S410の処理において、変動時間が経過していなければ(S410:No)、本処理を終了する。一方、S410の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S410:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S411)。S411の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、図132のS426の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、図132のS434の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S411の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図138参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、図132のS426の処理またはS434の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。なお、本実施形態では、普通図柄の当たり種別として、1種類を設定しているが、長時間当たりや短時間当たりなどの1種類以上の当たり種別を設定するよう構成してもよい。このように構成する場合には、第2図柄表示装置83に点灯表示される当たりを示す「○」図柄を、普通図柄の当たり種別に応じた図柄を点灯表示(例えば、長時間当たりであれば「◎」、通常当たりであれば「○」、短時間当たりである場合には「△」)するように構成するといい。このように構成することで、遊技者は表示態様で普通図柄の当たり種別を判別することができ、分かり易い遊技を提供することができる。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(S412)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S412:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S413)、本処理を終了する。S412の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図138参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、図132のS429の処理またはS430の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S412の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S412:No)、S413の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図132のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動開始処理(S408)を説明する。図132は、この普通図柄変動開始処理(S408)を示すフローチャートである。この普通図柄変動開始処理(S408)は、タイマ割込処理(図124参照)の中で実行される普通図柄変動処理(図132参照)の中で実行される普通図柄の変動開始時の設定を実行するための処理である。
今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判別する(S421)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S421:Yes)、S424の処理に移行する。S421の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S421:No)、確変中または時短中であるか否かを判別する(S422)。確変中でも時短中でもなければ(S422:No)、S424の処理に移行する。
確変中または時短中であれば(S422:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、図131のS408の処理で取得した普通当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)と基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S423)。具体的には、普通当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「0~4,205~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図102(b)参照)。
S424の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、図131のS408の処理で取得した普通当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S424)。具体的には、普通当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル202c(図102(b)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~6」の範囲にあれば、普通図柄の通常当たりであると判別し、「0~4,7~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図102(b)参照)。
本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されて、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特定入賞口65aは、第2入球口640の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第2入球口640に球が入ることを抑制していても、第2入球口640には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第2入球口640についての保留球数は最大(4回)になる。
次に、S423またはS424の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判別し(S425)、普通図柄の当たりであると判別された場合には(S425:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S426)。このS425の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。次に、現在の遊技状態が確変中または時短中であるか判別する(S427)。現在の遊技状態が、確変中または時短中であると判別した場合には(S427:Yes)、特別図柄の大当たり中であるか判別する(S428)。判別の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S428:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S429)、S431の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640aの開放回数および開放時間が設定される。また、S427の処理において、現在の遊技状態が確変又は時短中ではないと判別した場合にも(S427:No)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S429)、S431の処理に移行する。
一方、S428の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S428:No)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を2秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S430)、S431の処理へ移行する。
一方、S425の処理において、普通図柄の外れであると判別された場合には(S425:No)、外れ時の表示態様を設定する(S434)。このS434の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S431の処理へ移行する。
S431の処理では、確変中か否かを判別し(S431)、確変中であれば(S431:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S432)、本処理を終了する。一方、S431の処理で確変中ではないと判別された場合には(S431:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S433)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
次に、図133を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図133は、このスルーゲート通過処理(S107)のを示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図124参照)の中で実行され、スルーゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、普通当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判別する(S501)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判別されると(S501:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S502)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S503)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S501:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S503:No)、本処理を終了する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S501:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S503:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S504)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した普通当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S505)、本処理は終了する。尚、S505の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図134は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図135を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図135は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。初期設定処理(S901)の説明については図136を参照し、後述するが、例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
次に、設定キー110bがオン位置に配置されているか否かを判別する(S904)。S904の処理において、設定キー110bがオン位置に配置されていると判別した場合は(S904:Yes)、設定変更状態、若しくは設定確認状態に設定されていることを意味するため、これらの状態に対応する制御を行うための設定値制御処理を実行し(S905)、後述するS912の処理へ移行する。この設定値制御処理(S905)の詳細については、図137を参照して後述する。一方、S904の処理において、設定キー110bがオン位置ではないと判別した場合には(S904:No)、S906の処理に移行する。
S906の処理では、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図83参照)がオンされているか否かを判別し(S906)、オンされていれば(S906:Yes)、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S906:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S907)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S907:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS915へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S907:Yes)、RAM判定値を算出し(S908)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S909:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、図138のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S915)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S916,S917)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S916,S917)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S916,S917)を実行する。RAMの初期化処理(S916,S917)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S916)、その後、RAM203の初期値を設定する(S917)。RAM203の初期化処理の実行後は、S912の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S906:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S907:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S909:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S910)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S911)、S912の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S912の処理では、演出許可を示す初期化コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S913)、割込み許可を設定し(S914)、メイン処理に移行する。
次に、図136を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理(図135参照)の中の一処理である初期設定処理(S901)について説明する。図136は、この初期設定処理(S901)の内容を示すフローチャートである。
初期設定処理(S901)では、まず、電源が投入されたことを示すための立ち上げコマンドを音声ランプ制御装置113に送信する(S951)。音声ランプ制御装置113は、ここで設定された立ち上げコマンドを受信したと判別するまで、立ち上げ処理を実行しない。次に、その他初期設定処理を実行し(S952)、本処理を終了する。
次に、図137を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理(図135参照)の中の一処理である設定値制御処理(S905)の内容について説明をする。図137は、設定値制御処理(S905)の詳細な内容を示したフローチャートである。
図137に示した通り、設定値制御処理(S905)では、まず、RAM消去スイッチ122(図83参照)がオンされているか否かを判別し(S971)、オンされていれば(S971:Yes)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S972)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S973、S974)を実行する。RAMの初期化処理(S973、S974)では、RAM203の使用領域をクリアし(S973)、その後、RAM203の初期値を設定する(S974)。RAM203の初期化処理の実行後は、設定変更中を示す変更中コマンドを送信し(S975)、処理をS976へと移行する。
S976の処理では、設定スイッチ110cがオンさたか(押下されたか)否かを判別する(S976)。S976の処理において、設定スイッチ110cがオンされた(押下された)と判別した場合は(S976:Yes)、設定値格納エリア203gのデータを1加算することにより更新し(S977)、S978の処理へ移行する。一方、S976の処理において、設定スイッチがオフであると判別した場合は(S976:No)、S977の処理をスキップし、S978の処理へ移行する。
S978の処理では、設定キー110bがオフ位置に配置されているか否かを判別し(S978)。設定キー110bがオフ位置に配置されていると判別した場合は(S978:Yes)、設定変更完了を示す変更完了コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し(S979)、本処理を終了する。即ち、設定変更状態を終了して、立ち上げ処理(図135参照)へと戻る。これにより、通常の遊技が可能な遊技可能状態に移行させることができる。
一方、S978の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていないと判別した場合は(S978:No)、S976の処理へと戻る。つまり、S978の処理において設定キー110bがオフ位置に配置されたと判別されるまで、S976~S978の各処理が繰り返される。
また、S971の処理において、RAM消去スイッチ122がオンされていないと判別した場合は(S971:No)、まず、払出制御装置111へ払出復帰コマンドを送信し(S980)、次いで、設定値格納エリア203gのデータを読み出す(S981)。S981の処理が終了すると、次に、読み出したデータに対応する設定値を設定値表示装置110aに表示させ(S982)、設定確認状態を示す状態コマンドを設定して(S983)、設定キー110bがオフ位置に配置されているか否かを判別する(S984)。S984の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていると判別した場合には(S984:Yes)、そのまま本処理を終了する。つまり、遊技可能状態に移行させる。一方、S984の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていないと判別した場合は(S984:No)、S984の処理を繰り返し実行する。つまり、設定キー110bがオフ位置に配置されるまで、設定確認状態を継続させる。
この設定値制御処理(S905:図137参照)を実行することにより、設定変更状態において設定スイッチ110cに対する操作に応じて設定値を可変させることができる。また、設定確認状態において、設定スイッチ110bがオフ位置に配置されるまで、設定値表示装置110aに対して設定値を表示させ続けることができる。
次に、図138を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図138は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001~S1007およびS1021の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図124参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図124参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図125参照)や始動入賞処理(図129参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理や先読み処理(図130参照)で設定された入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、読み出した賞球計数を示す入賞賞球コマンドを設定する(S1021)。次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。尚、大当たり制御処理(S1004)の詳細については、図139を参照して後述する。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理(S1005)では、普通図柄変動処理(S106:図131参照)のS413の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄1変動開始処理(S209:図127参照)のS260の処理、または特別図柄2変動開始処理(S214:図128参照)のS280の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理(S1006)では、特別図柄1変動開始処理(S209:図127参照)のS260の処理、または特別図柄2変動開始処理(S214:図128参照)のS280の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄1変動開始処理(S209:図127参照)のS256の処理またはS257の処理、または特別図柄2変動開始処理(S214:図128参照)のS276の処理またはS277の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理(S1007)では、普通図柄変動開始処理(S408:図132参照)のS432の処理またはS433の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(S106:図131参照)のS411の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(S408:図132参照)のS426の処理またはS434の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1、普通初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001~S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2(即ち、特別当たり乱数カウンタC1の初期値、普通当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図134のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001~S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図139のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図139は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図138)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを解放または閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(S1104:図139参照)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判別する(S1101)。特別図柄変動処理(図125参照)のS219の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始を設定し、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1116)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図138参照)の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって、表示用オープニングコマンドを受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判別する(S1102)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1102の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1102:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1102の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1102:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S1103)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1103:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを解放し(S1104)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1105)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203内に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図138参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1103の処理において、新たなラウンド数開始のタイミングでなければ(S1103:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判別する(S1106)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1106の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1106:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1107)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1106:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1108)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(10ラウンド、5ラウンドまたは2ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判別する。
S1108の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1108:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1109)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図138参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223fに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1108の処理において、エンディング開始タイミングではなければ(S1108:No)、大当たり終了のタイミングかどうか判別される(S1110)。大当たり終了タイミングとは、所定のエンディング期間(例えば、10秒)が経過したタイミングである。大当たり終了のタイミングではないと判別された場合には(S1110:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1110の処理において、大当たり終了のタイミングであると判別された場合には(S1110:Yes)、S1111の処理において、今回の大当たり種別が大当たりE1であるか判別する(S1111)。今回の大当たり種別が大当たりE1(10R時短100回大当たり)であれば(S1111:Yes)、時短中カウンタ203jの値を100に設定する(S1112)。次に、大当たり中フラグ203nをオフに設定し(S1115)、本処理を終了する。
一方、今回の大当たり種別が、大当たりE1ではない場合には(S1111:No)、確変フラグ203mをオンに設定し(S1113)、時短中カウンタ203jの値に65536を設定する(S1114)。次に、大当たり中フラグ203nをオフに設定し(S1115)、本処理を終了する。
<音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図140から図159を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図140を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図140は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、主制御装置110より立ち上げコマンドを受信したか判別する(S2001)。立ち上げコマンドを受信していないと判別した場合には(S2001:No)、S2001の処理を繰り返す。即ち、主制御装置110より立ち上げコマンドを受信するまで立ち上げ処理を実行しない。一方、立ち上げコマンドを受信したと判別した場合には(S2001:Yes)、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2002)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2118の電源断処理(図143参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2003)。図143を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図143のS2115参照)、S2118の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2118の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2003:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2004)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2005の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2004:Yes)、S2005へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2004:No)、S2009の処理へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2004:Yes)、S2005へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2004:No)、S2209の処理へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2003:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2118の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2006:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2007)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2006:No)、RAM223の異常を報知して(S2008)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2009)。電源断フラグはS2118の電源断処理の実行時にオンされる(図143のS2117参照)。つまり、電源断フラグは、S2118の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2009:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2010)、S2011の処理に移行する。
S2011の処理では、時刻取得処理(S2011)の処理を実行する。この時刻取得処理(S2011)の詳細な説明については、図141を参照して後述するが、電源投入を行った時刻を記憶するための処理であり、記憶した時刻情報と記憶した時刻情報からの経過期間とに基づいて、SPタイム期間などの期間演出が設定される。次に、待機処理を実行する(S2012)。待機処理(S2012)の詳細な説明については、図142を参照して後述するが、主制御装置110より設定変更完了S2012の処理を実行した後、RAM223の初期値を設定し(S2010)、割込み許可を設定して(S2011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2009の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2005からS2007の処理を経由してS2009の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2009:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2010をスキップして、上述したS2011およびS2012の処理を実行し、RAM223の初期値を設定した後(S2013)、割込み許可を設定して(S2014)、メイン処理へ移行する。
なお、S2010のクリア処理をスキップするのは、S2005からS2007の処理を経由してS2009の処理へ至った場合には、S2005の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図141を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理の中でMPU221により実行される時刻取得処理(S2011)について説明する。この時刻取得処理(S2011)は、電源投入を行った時刻を記憶するための処理である。本処理により取得された時刻情報が、後述する音声ランプ制御装置113のメイン処理の中で行われる経過時間確認処理(図158のS2111参照)において、電源投入からの経過時間を判断するために用いられる。
図141は、この時刻取得処理(S1011)を示したフローチャートである。時刻取得処理(S1011)が実行されると、まず、RAM消去スイッチ122(図83参照)がオンされているか否かを判別し(S2051)、オンされていなければ(S2051:No)、計時装置262の計時レジスタ352aから現在時刻の情報を取得して(S2054)、処理をS2055に移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされていれば(S2051:Yes)、計時装置262のレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出し(S2052)、投入時刻格納エリア352bに時刻情報が格納されているかを判別する(S2053)。その結果、時刻情報が格納されていないと判別した場合は(S2053:No)、計時装置262の計時レジスタ352aから現在時刻の情報を取得して(S2054)、処理をS2055に移行する。これに対し、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに時刻情報が格納されていると判別した場合は(S2053:Yes)、S2054の処理をスキップして処理をS2055に移行する。
S2055の処理では、S2052の処理又はS2054の処理で読み出した時刻情報をRAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納し(S2055)、本処理を終了する。
このように、本処理によって、演出期間の種別を判断するための時刻情報がRAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納されるので、ホールの複数のパチンコ機10において、立ち上げ処理が行われるタイミングを合わせておけば、各パチンコ機10の時刻情報記憶エリア223rに時刻情報が格納されるタイミングも合わせることができる。時刻情報記憶エリア223rに時刻情報が格納されるタイミングが合っていれば、各パチンコ機10において経過時間確認処理(図158のS2111参照)の中で算出される経過時間Tも合わせることができるので、その経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。これにより、ホールの関係者は、ホールの複数のパチンコ機10に対して一斉に電源投入をしておくだけで、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができる。よって、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は特別演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、計時装置262の時刻情報から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、各パチンコ機10の計時装置262の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、その互いにずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は特別演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、RAM消去スイッチ122がオンされていない状態(即ち、オフ状態)でパチンコ機10の電源が投入された場合に、電源投入を行った際の時刻情報がRAMの時刻情報記憶エリア223rへ格納されるが、その時刻情報記憶エリア223rへ格納された時刻情報は、後述するメイン処理(図143)において、パチンコ機10が電断状態とされる場合に、計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ記憶される。計時装置262は、パチンコ機10が電断状態であっても、計時装置用電源263からの電源供給に基づいて動作するため、投入時刻格納エリア352bへ記憶された時刻情報は、パチンコ機10が電断状態中であっても保持される。そして、電源投入の際にRAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10へ電源が投入された場合は、現在の時刻情報の代わりに、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶され、電断状態中も保持されていた時刻情報が読み出され、RAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納される。
これにより、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、営業中に一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、前回RAM消去スイッチ122をオフした状態で電源を投入した際に時刻取得処理によりRAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納され、電断状態とする際に計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ記憶された時刻情報を、再度RAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納させることができる。よって、ホールの複数のパチンコ機10に対して、RAM消去スイッチ122をオフした状態で一斉に電源を投入しておけば、その後に一のパチンコ機10が電断状態とされた場合であっても、そのパチンコ機10へ電源を再投入する際にRAM消去スイッチ122をオンしておくだけで、一斉に電源を投入した際の時刻情報を時刻情報記憶エリア223rに格納させることができるので、電源投入の前後で、同一の時刻情報に基づいて経過時間Tを判別することができる。従って、他の遊技機と同じ経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができるので、電断状態とされたパチンコ機10のみ演出態様を切り替えられるタイミングがずれてしまうことを抑制でき、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、時刻取得処理において(図141のS1011参照)、RAM消去スイッチ122がオンされていると検出された場合に計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出して(S2052参照)、RAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納するように制御しているが(S2055参照)、この形態に限られるものではない。例えば、RAM消去スイッチ122とは異なる時刻取得処理に専用に用いられるスイッチ手段を設けておき、時刻取得処理(S1011)において、そのスイッチ手段がオンであった場合に計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出すように構成しても良い。
これにより、電断状態とされる前にRAM203に記憶されていた情報を保持したまま、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報をRAM223の時刻情報記憶エリア223rへ格納することができる。よって、保留球が残っている状態で電断状態とされた場合や、特別図柄の高確率状態中に電断状態とされた場合であっても、電源の再投入に基づいて、残っていた保留球が消滅したり、特別図柄の高確率状態から低確率状態へ移行してしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益が発生することを抑制することができる。
また、RAM消去スイッチ122等のスイッチ手段を用いるのではなく、計時装置262の計時する時刻が所定の時間帯であった場合に、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出すように構成しても良い。この場合において、所定の時間帯としては、例えば10:00~22:45のようにホールの営業時間を設定しても良い。
これにより、ホールの従業員が、営業時間中に電断状態とされたパチンコ機10に対し、ミスによりRAM消去スイッチ122をオンとしないまま再度電源を投入してしまうことで、その電源の再投入を行った時刻がRAM233の時刻情報記憶エリア223rに格納されてしまい、経過時間Tが電断状態とされなかった他のパチンコ機10とずれてしまうことを抑制できる。よって、営業時間中に電断状態とされたパチンコ機10と、電断状態とされなかったパチンコ機10とで、演出期間が切り替えられるタイミングを確実に合わせることができる。また、計時装置262の計時する時刻情報(計時情報)に応じて、時刻情報格納エリア233fに格納される時刻情報が選択されるので、ホールの従業員は、電源投入の際に特別な操作をする必要がなく、ホールの従業員の手間を軽減することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、S2052の処理又はS2054の処理で読み出した時刻情報を時刻情報記憶エリア223rに格納するように構成されているが、これに代えて、レジスタ352に設けられたレジスタテーブル(図116参照)の使用していないbitに記憶させるように構成しても良い。ここで言う使用していないbitとは、例えば、アドレスBHのbit6や、アドレスEHのbit4~bit7を指し、図116において”●”の符号が付されたbitのうち、投入時刻格納エリア352b以外のbitを指す。前述の通り、これらのbitは情報の書き換え、及び読み出しが可能なbitであり、データを書き換えたとしても、計時装置262の動作には一切の影響を与えないbitである。これにより、レジスタ352に設けられたレジスタテーブルを効率的に用いることができるので、投入時刻格納エリア352bに割り当てるアドレスを減らすことができる。
具体的には、例えば、アドレス7Hのbit0~bit6に秒を表す情報を記憶させ、アドレス7Hのbit7、及びアドレス8Hのbit0~bit5に分を表す情報を記憶させ、アドレス8Hのbit6、bit7、及びアドレスEHのbit4~bit7に時間を表す情報を記憶させても良い。これにより、データの記憶に使用しないアドレス9Hを削減することができ、レジスタ352の容量を削減することができるので、計時装置262の低価格化を図ることができる。
なお、本実施形態のレジスタ352に設けられたレジスタテーブルでは、図116において、”○”の符号が付されたbitはL固定の書き換え不能なbitとされていたが、これら”○”の符号が付されたbitを書き換え可能に構成し、S2052の処理又はS2054の処理で読み出した時刻情報を、”○”の符号が付されたbitにも記憶させるように構成しても良い。これにより、”●”の符号が付されたbitのみに時刻情報を記憶させるよりも、更にレジスタテーブルを効率的に用いることができるので、レジスタ352の容量を更に削減することができ、計時装置262の更なる低価格化を図ることができる。
次に、図142を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理の中でMPU221により実行される待機処理(S2012)について説明する。図142は、待機処理(S2012)の詳細な内容を示したフローチャートである。この待機処理(S2012)は、主制御装置110より設定を変更していることを示す変更中コマンドを受信した場合に、設定の変更が完了したことを示す変更完了コマンドを受信するまで、立ち上げ処理の完了を待機させるための処理である。
待機処理(S2012)では、まず、設定変更中フラグ223jがオンであるか判別する(S2071)。設定変更中フラグ223jがオンではないと判別した場合には(S2071:No)、変更中コマンドを受信したか判別する(S2072)。この変更中コマンドは、主制御装置110より、設定キー110bがオン位置である場合に、RAMの初期設定が実行された後、送信されるコマンドであり、設定変更中を示すためのコマンドである(S975:図137参照)。S2072の処理において、変更中コマンドを受信したと判別した場合には(S2072:Yes)、設定変更中フラグ223jをオンに設定し(S2073)、S2074の処理に移行する。
この設定変更中フラグ223jをオンに設定することで、後述するS2076の処理において、変更完了コマンドを受信したと判別するまで、待機処理(S2012)を継続させることができる。一方、S2071の処理において、設定変更中フラグ223jがオンではないと判別した場合(S2071:No)、或いは、S2072の処理において、主制御装置110より変更中コマンドを受信していないと判別した場合には(S2072:No)、S2074の処理に移行する。
S2074の処理では、主制御装置110より初期化コマンドを受信したか判別する(S2074)。この初期化コマンドは、主制御装置110の立ち上げ処理(図135参照)において送信され、演出許可を示すためのコマンドである。S2074の処理において初期化コマンドを受信していないと判別した場合には(S2074:No)、主制御装置110の立ち上げ処理が完了していないため、上述したS2071の処理に戻る。一方、S2074の処理において、主制御装置110より初期化コマンドを受信したと判別した場合には(S2074:Yes)、S2075の処理に移行する。
S2075の処理では、設定変更中フラグ223jがオンであるか判別する(S2075)。設定変更中フラグ223jがオンであると判別した場合には(S2075:Yes)、変更完了コマンドを受信したかどうか判別する(S2076)。この変更完了コマンドは、主制御装置110の設定値制御処理(S508:図137参照)において、設定キー110bがオフ位置であると判別した場合に送信されるコマンドであり、設定変更を示すためのコマンドである(S979:図137参照)。
S2076の処理において、変更完了コマンドを受信したと判別した場合には(S2076:Yes)、設定変更中フラグ223jをオフに設定し(S2077)、S2078の処理に移行する。一方、S2076の処理において、変更完了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2076:No)、変更完了コマンドを受信したと判別するまで、S2076の処理を繰り返し実行する。このように制御することで、設定制御処理が完了し、設定キー110bがオフ位置で検出されるまで、メイン処理が実行されることがない。一方、S2075の処理において、設定変更中フラグ223jがオフであると判別した場合には(S2075:No)、S2076およびS2077の処理をスキップし、S2078の処理に移行する。S2078の処理では、操作無効タイマ223sに5秒に対応する値を設定し(S2078)、本処理を終了する。
次に、図143を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図143は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1m秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102~S2112の処理を行わずにS2113の処理へ移行する。S2101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S2102~S2112が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2113のコマンド判定処理や、S2114の変動表示設定処理や、図示を省略した各種カウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2112の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1m秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2103~S2114の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。枠ボタン入力監視・演出処理の詳細については、図157を参照して、後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S2110)、S2111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108のランプ編集処理が実行される。なお、S2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S2110の処理が終わると、経過時間確認処理を実行する(S2111)。この経過時間確認処理(S2111)については、図158を参照して、詳細について後述する。S2111の処理が終わると、コマンド判定処理を実行する(S2113)。このコマンド判定処理(S2113)については、図144を参照して、詳細について後述する。コマンド判定処理(S2113)を実行した後には、変動表示設定処理が実行される(S2114)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図152を参照して後述する。
S2114の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2115)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2115:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2117)、電源断処理を実行する(S2118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2115:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2116)、RAM223が破壊されていなければ(S2116:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2116:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図144を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2113)について説明する。図144は、このコマンド判定処理(S2113)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図143参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S2113:図144)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2201)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201:Yes)、変動開始フラグ223dをオンに設定し(S2202)、受信したコマンドから変動パターンを抽出し(S2203)、本処理を終了する。
一方、S2201の処理において、変動パターンコマンドを受信しなかった場合には(S2201:No)、停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2204)。停止種別コマンドを受信した場合には(S2204:Yes)、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223eをオンにし(S2205)、受信したコマンドから停止種別を抽出し(S2206)、本処理を終了する。
S2204の処理において、停止種別コマンドを受信しなかった場合には(S2204:No)、保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2207)。保留球数コマンドを受信した場合には(S2207:Yes)、保留球数コマンド処理を実行し(S2208)、本処理を終了する。保留球数コマンド処理(S2208)の詳細な説明については、図145を参照して後述する。
一方、S2207の処理において、保留球数コマンドを受信しなかった場合には(S2207:No)、特別図柄の入賞コマンドを受信したか否かを判別する(S2209)。特別図柄の入賞コマンドを受信した場合には(S2209:Yes)、入賞コマンド受信処理を開始し(S2210)、本処理を終了する。入賞コマンド受信処理(S2210)の詳細については、図147を参照して、後述するが、主制御装置110より出力された入賞コマンドに基づいて、保留された特別図柄の当否判定結果や変動種別等を判別する事前判別を実行して、その事前判別結果に基づいて実行すると決定された各保留演出を実行するための設定処理が実行される。一方、S2208の処理において、特別図柄の入賞コマンドを受信しなかった場合には(S2208:No)、大当たり関連コマンドを受信したか否かを判別する(S2211)。大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(S2211:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S2212)、本処理を終了する。大当たり関連処理(S2212)の詳細な説明については、図148を参照して後述する。
一方、S2211の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S2211:No)、停止コマンドを受信したか否かを判別する(S2213)。停止コマンドを受信したと判別した場合には(S2213:Yes)、停止処理を実行し(S2214)、本処理を終了する。停止処理(S2214)の詳細な説明については、図150を参照して後述する。
一方、S2213の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合には(S2213:No)、ブート完了コマンドを受信したか否か判別する(S2215)。ブート完了コマンドを受信したと判別した場合には(S2215:Yes)、ブート完了処理(S2216)を実行し、本処理を終了する。ブート完了処理(S2216)の詳細な説明については、図151を参照して後述する。一方、ブート完了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2215:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2261)、本処理を終了する。
ここで、図145を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(S2113:図144)内の一処理である保留球数コマンド処理(S2208)の詳細について説明する。図145は、保留球数コマンド処理(S2208)の内容を示したフローチャートである。この保留球数コマンド処理(S2208)では、受信した保留球数コマンドに基づいて、保留球数を抽出し特別図柄保留球数カウンタに格納する処理や保留上限時に実行される連続予告の演出の設定等がされる。
保留球数コマンド処理(S2208)では、まず、受信したコマンドから保留球数を抽出し、対応する特別図柄保留球数カウンタに格納する(S2301)。次に、連続予告実行フラグ223tがオンであるか、即ち、現在が連続予告演出の実行中であるか否かを判別する(S2302)。連続予告実行フラグ223tがオンであると判別した場合には(S2302:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、連続予告実行フラグ223jがオンではないと判別した場合には(S2302:No)、期間演出中フラグ223pがオンであるか、即ち、現在の遊技状況として、期間演出が実行されている期間であるか否かを判別する(S2303)。期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合には(S2303:Yes)、連続予告を実行できる期間ではないため、そのまま本処理を終了する。一方、S2302の処理において、期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合には(S2303:No)、S2301の処理において格納した特別図柄保留球数格納カウンタの値は上限であるか判別する(S2304)。
S2304の処理において、格納した特別図柄保留球数カウンタの値が上限ではないと判別した場合には(S2304:No)、そのまま本処理を終了する。一方、格納した特別図柄保留球数カウンタの値が上限値である場合には(S2304:Yes)、保留上限時演出選択テーブル222e(図110(b)参照)を参照して保留上限時演出を決定する(S2305)。この保留上限時演出選択テーブル222eは、上述したように、保留内の大当たり個数と演出カウンタ223gとに基づいて選択される演出内容が規定されている。次に、先読み演出実行決定処理(S2306)を実行し、S2307の処理に移行する。
ここで、図146を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する保留球数コマンド処理(S2208:図145)内の一処理である先読み演出実行決定処理(S2306)の詳細について説明する。図146は、先読み演出実行決定処理(S2306)の内容を示したフローチャートである。この先読み演出実行決定処理(S2306)は、SPタイム演出が実行される期間と、連続演出の実行期間とを判別し、重複する場合に連続予告の演出の実行を禁止するための処理である。
先読み演出実行決定処理(S2306)では、まず、入賞情報格納エリア223fに格納されている情報の読み出しを実行する(S2401)。次に、S2401の処理において読み出した情報に基づいて、先読み演出の対象となる入賞情報よりも先に消化される入賞情報の内容を抽出し(S2402)、抽出した内容と、先読み禁止期間選択テーブル222d(図110(a)参照)とに基づいて先読み禁止期間を決定する(S2403)。
次に、時刻情報記憶エリア223rに記憶されている計時情報に基づいてSPタイム演出が実行されるSPタイム期間を特定する(S2404)。次に、S2403の処理において決定した先読み禁止期間と、S2404の処理において特定したSPタイム期間とが重複しているかを判別する(S2405)。先読み禁止期間とSPタイム期間とが重複していないと判別した場合には(S2405:No)、先読み演出の実行を決定し(S2406)、実行する保留上限時演出の内容を演出状態記憶エリア223hに格納し(S2407)、本処理を終了する。一方、S2405の処理において、先読み禁止期間とSPタイム期間とが重複していると判別した場合には(S2405)、先読み演出を実行できないため、S2406およびS2407の処理をスキップし、本処理を終了する。
図145に戻り説明を続ける。先読み演出実行決定処理(S2306)を実行した後、次に、保留上限時演出を実行するか判別する(S2307)。保留上限時演出は、上述した先読み演出実行決定処理(S2306)において、先読み禁止期間とSPタイム期間とが重複していないと判別した場合に、実行が決定される。S2307の処理において、保留上限時演出を実行すると判別した場合には(S2307:Yes)、実行する保留上限時演出の内容を演出状態記憶エリア223hに格納する(S2308)。
S2308の処理を実行した後、次に、連続予告実行フラグ223tをオンに設定し(S2309)、対象の入賞情報に対応する特図変動までの回数を連続予告カウンタ223uにセットし(S2310)、本処理を終了する。一方、S2307の処理の処理において、保留上限時演出を実行しないと判別した場合には(S2307:No)、S2308~S2310の処理をスキップし、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、SPタイム演出の開始期間と連続予告の演出期間とが重複した場合には、連続予告の演出の実行を禁止するよう構成したが、これに限ることなく、SPタイム演出の開始期間と連続予告の演出期間とが重複するまでの時間を算出し、重複しない連続予告の演出を実行するよう構成してもよい。このように構成することで、SPタイム演出の開始期間までの期間を有効に活用することができ、また、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、先読み演出期間とSPタイム期間とが重複してしまった場合でも、第3図柄表示装置81に表示される表示領域を分けるなど、遊技者に分かり易い表示態様で各演出を実行してもよい。
次に、図147を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(S2113:図144)内の一処理である入賞コマンド受信処理(S2210)の詳細について説明する。図147は、入賞コマンド受信処理(S2210)の内容を示したフローチャートである。
入賞コマンド受信処理(S2210)では、まず、現在の遊技状態が大当たり中、又は、確変中、或いは、時短中のいずれかの遊技状態であるかを判別する(S2501)。現在の遊技状態が、大当たり中、又は、確変中、或いは、時短中のいずれかであると判別した場合には(S2501:Yes)、次に、入賞賞球コマンドを受信したか否かを判別する(S2502)。入賞賞球コマンドを受信したと判別した場合には(S2502:Yes)、受信したコマンドが示す賞球情報を、獲得球数格納エリア223nに格納し(S2503)、S2504の処理に移行する。
一方、S2501の処理において、現在の遊技状態が大当たり中、又は、確変中、或いは、時短中のいずれかの遊技状態ではない(即ち、通常状態である)と判別した場合(S2501:No)、或いは、S2502の処理において、主制御装置110より入賞賞球コマンドを受信していないと判別した場合には(S2502:No)、上述したS2503の処理をスキップし、S2504の処理に移行する。
なお、本実施形態では、上述したように、遊技状態が、大当たり中、又は確変中、或いは、時短中のいずれかの遊技状態である場合に、賞球情報をRAM223に設けられている獲得球数格納エリア223nに格納するよう構成したが、これに限ることなく、大当たり中にのみ受信した入賞賞球コマンドに基づいて、賞球情報を獲得球数格納エリア223nに格納するよう構成してもよい。このように構成することで、処理負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、賞球数のみを獲得球数格納エリア223nに格納するよう構成したが、これに限ることなく、打ち出した球をカウントし、払い出された賞球数との差玉数を算出し、獲得球数格納エリア223nに格納するよう構成してもよい。このように構成することで、遊技者の遊技方法によって、昇格演出を実行する際に参照する獲得球数格納エリア223nの値を異ならせることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
S2504の処理では、受信したコマンドが示す入賞情報を入賞情報格納エリア223fに設定する(S2504)。次に、期間演出中フラグ223pがオンであるか判別する(S2505)。期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合には(S2505:Yes)、SPタイム期間の演出の実行中であるため、そのまま本処理を終了する。一方、S2505の処理において、期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合には(S2505:No)、連続予告演出実行フラグ223tがオンであるか判別する(S2506)。連続予告実行フラグ223tがオンであると判別した場合には(S2506:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2506の処理において、連続予告実行フラグ223tがオンではないと判別した場合には(S2506:No)、S2504の処理において入賞情報格納エリア223fに設定した入賞情報を抽出する(S2507)。次に、S2507の処理において抽出した入賞情報に先読み演出を示す情報があるか判別する(S2508)。抽出した入賞情報に先読み演出を示す情報がないと判別した場合には(S2508:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2508の処理において、抽出した入賞情報に先読み演出を示す情報があると判別した場合には(S2508:Yes)、上述した先読み演出実行決定処理(S2306:図146参照)を実行し(S2509(S2306))、S2510の処理に移行する。S2510の処理では、先読み演出を実行するか判別する(S2510)。先読み演出を実行しないと判別した場合には(S2510:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2510の処理において、先読み演出を実行すると判別した場合には(S2510:Yes)、今回実行される変動演出にて先読み演出を実行するか判別する(S2511)。今回実行される変動演出にて先読み演出を実行すると判別した場合には(S2511:Yes)、連続予告実行フラグ223tをオンに設定し(S2512)、S2514の処理に移行する。一方、今回実行される変動演出にて先読み演出を実行しないと判別した場合には(S2511:No)、対象の保留図柄の表示態様を変化させるための表示用コマンドを設定し(S2513)、S2514の処理に移行する。
S2512、或いは、S2513の処理を実行した後、次に、決定された先読み演出の内容を演出状態記憶エリア223hに格納し(S2514)、対象の入賞情報に対応する特図変動までの回数を連続予告カウンタ223uの値にセットし(S2515)、本処理を終了する。
次に、図148を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(S2113:図144)内の一処理である大当たり関連処理(S2212)の詳細について説明する。図148は、大当たり関連処理(S2212)の内容を示したフローチャートである。この大当たり関連処理(S2212)は、主制御装置110より当たり関連のコマンドを受信した場合に実行される処理である。
大当たり関連処理(S2212)では、まず、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか判別する(S2601)。オープニングコマンドを受信したと判別した場合には(S2601:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定し(S2602)、次に、現在の期間演出状況を演出状態記憶エリア223hに格納し(S2603)、本処理を終了する。
一方、S2601の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合には(S2601:No)、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S2604)。ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合(S2604:Yes)、ラウンド数カウンタ223xを1加算し(S2605)、次に、ラウンド演出設定処理を実行する(S2606)。このラウンド演出設定処理(S2606)の詳細な説明については、図149を参照して後述する。ラウンド演出設定処理(S2606)を実行した後、次に、ラウンド数カウンタ223xに基づいて、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2607)、本処理を終了する。
ここで、図149を参照して、音声ランプ制御装置のMPU221が実行する大当たり関連処理(S2212)内の一処理であるラウンド演出設定処理(S2606)の詳細について説明する。図149は、ラウンド演出設定処理(S2606)の内容を示したフローチャートである。
ラウンド演出設定処理(S2606)では、まず、獲得球数格納エリア223nに格納されている獲得済情報の読み出しを実行する(S2701)。次に、読み出した獲得済情報に今回実行されるラウンド中に獲得し得る球数を加算した期待値を算出する(S2702)。そして、算出した期待値に基づいて、昇格ポイント選択テーブル222h(図113参照)を参照して、今回実行されるラウンドの付与ポイント数を決定する(S2703)。次に、S2703の処理において決定した付与ポイント数と、昇格演出選択テーブル222i(図114参照)とに基づいて、ラウンド中の演出態様を決定する(S2704)。
次に、S2704の処理において決定した演出態様で設定示唆演出の実行があるか判別する(S2705)。設定示唆演出の実行があると判別した場合には(S2705:Yes)、実行される演出内容を実行済設定示唆演出記憶エリア223kに格納し(S2706)、次に、決定した演出内容を示す情報を演出状態記憶エリア223hに格納し(S2707)、本処理を終了する。一方、S2705の処理において、設定示唆演出の実行がないと判別した場合には(S2705:No)、S2706の処理をスキップし、上述したS2707の処理を実行し、本処理を終了する。
図148に戻り説明を続ける。S2604の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S2604:No)、エンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S2608)。エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S2608:Yes)、演出状態記憶エリア223hに格納されている大当たり中に実行した演出情報の読み出しを実行し(S2609)、次に、実行済設定示唆演出記憶エリア223kに格納されている情報の読み出しを実行する(S2610)。そして、大当たり開始時の期間演出状況を演出状態記憶エリア223hから読み出し(S2611)、次に、現在の期間演出状況と、S2609~S2611の処理において読み出した情報に対応する表示用エンディングコマンドを設定し(S2612)、実行済設定示唆演出記憶エリア223kの情報をクリアし(S2614)、ラウンド数カウンタ223xの値を0に設定し(S2615)、本処理を終了する。一方、S2608の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合には(S2608:No)、そのまま本処理を終了する。
本実施形態では、上述したように、大当たり遊技の開始タイミングと大当たり開始時の期間演出の経過状況とに基づいて、大当たりのエンディング時に実行される設定示唆演出の内容を決定する。このように構成することで、先読み演出などによって、遊技者が、大当たり遊技が実行されることを把握している場合に、その大当たりに当選するまでの時間をただ待つだけではなく、期間演出のどのタイミングに大当たり遊技が開始されるのかというタイミングについても興味を持つことが出来るため、大当たりに当選するまでの時間も遊技に集中させることができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技の開始時と大当たり開始時の期間演出の経過状況とに基づいて設定示唆演出の内容を決定するよう構成したが、これに限ることなく、その大当たりに当選する特図変動の開始タイミングなども含めて複合的に設定示唆演出の内容を決定してもよい。
また、大当たり遊技の開始時に代えて、特定のラウンドの開始時と期間演出の経過状況とに基づいて、設定示唆演出の内容を決定するよう構成してもよい。このように構成することで、より長い期間遊技者に設定示唆演出について興味を持たせることができる。
次に、図150を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(S2113:図144)内の一処理である停止処理(S2214)の詳細について説明する。図150は、停止処理(S2214)の内容を示したフローチャートである。この停止処理(S2214)は、主制御装置110より停止コマンドを受信した場合に実行される処理である。
停止処理(S2214)では、まず、連続予告カウンタ223uの値を0より大きい値であるか判別する(S2801)。連続予告カウンタ223uの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2801:Yes)、連続予告カウンタ223uの値を1減算する(S2802)。次に、減算した連続予告カウンタ223uの値が0であるか判別する(S2803)。連続予告カウンタ223uの値は0であると判別した場合には(S2803:Yes)、連続予告実行フラグ223tをオフに設定し(S2804)、S2805の処理に移行する。一方、S2801の処理において、連続予告カウンタ223uの値が0より大きい値ではない(S2801:No)、或いは、S2803の処理において連続予告カウンタ223uの値が0ではないと判別した場合には(S2803:No)、S2805の処理に移行する。
S2805の処理では、特化モード中フラグ223wがオンであるか判別する(S2805)。特化モード中フラグ223wがオンであると判別した場合には(S2805:Yes)、特化モード中フラグ223wをオフに設定し(S2806)、S2807の処理に移行する。一方、S2805の処理において、特化モード中フラグ223wがオンではないと判別した場合には(S2805:No)、S2806の処理をスキップし、S2807の処理に移行する。
S2807の処理では、今回受信した停止コマンドが時短状態の最終変動の停止を示す停止コマンドであるか判別する(S2807)。今回受信した停止コマンドが時短状態の最終変動を示す停止コマンドであると判別した場合には(S2807:Yes)、時短終了を示すための表示用終了コマンドを設定する(S2808)。次に、獲得球数格納エリア223nの情報をクリアし(S2809)、S2810の処理に移行する。一方、S2807の処理において、今回の特別図柄の変動が時短の最終変動ではないと判別した場合には(S2807:No)、S2808およびS2809の処理をスキップし、S2810の処理に移行する。
なお、本実施形態では、時短の最終変動の停止コマンドを受信した場合に、獲得球数格納エリア223nの値をクリアするよう構成したが、これに限ることなく、特定の条件が成立している場合には、獲得球数格納エリア223nの値をクリアせず、次回の大当たり遊技の際に、今回格納した獲得済み情報も参照できるよう構成してもよい。このように、参照できる値を増やすことで、昇格演出の設定により幅を持たせることができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを防ぐことができる。
S2810の処理では、キャラ表示フラグ223yがオンであるか判別する(S2810)。キャラ表示フラグ223yがオンに設定されていると判別した場合には(S2810:Yes)、音声ランプ制御装置のROM222に規定されている設定示唆演出選択テーブル222c(図109参照)を参照して、演出態様を決定する(S2811)。次に、S2811の処理において決定した演出態様に対応するキャラを示すための表示用コマンドを設定し(S2812)、キャラ表示フラグ223yをオフに設定する(S2813)。そして、今回受信した停止コマンドに対応する第3図柄の停止表示を設定し(S2814)、本処理を終了する。一方、S2810の処理において、キャラ表示フラグ223yがオンではないと判別した場合には(S2810:No)、S2811~S2813の処理をスキップし、上述したS2814の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図151を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(S2113:図144)内の一処理であるブート完了処理(S2216)の詳細について説明する。図151は、ブート完了処理(S2216)の内容を示したフローチャートである。このブート完了処理(S2216)は、表示制御装置114よりブート完了コマンドを受信した場合にボタン操作無効期間の解除が実行される処理である。
ブート完了処理(S2216)では、まず、操作無効タイマ223sの値が0より大きい値であるか判別する(S2901)。操作無効タイマ223sが0より大きい値であると判別した場合には(S2901:Yes)、操作無効タイマ223sの値を0にリセットし(S2902)、ボタン操作が有効になったことを示すための表示用コマンドを設定し(S2903)、本処理を終了する。一方、S2901の処理において、操作無効タイマ223sの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S2901:No)、S2902およびS2903の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
なお、ボタン操作無効期間がクリアされるタイミングは、これに限ることなく、電源投入時の役物動作処理など状況に応じて異なる動作期間が設定される処理が実行される場合には、役物動作処理と第3図柄表示装置81のブート処理とが終了した場合に、ボタン操作無効期間を解除するよう構成してもよい。また、ボタン操作無効期間は、タイマで設定するものに限らず、フラグなどを用いて設定し、第3図柄表示装置81のブート処理が完了し、ブート完了コマンドを受信した場合に解除するよう構成してもよい。
次に、図152を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2114)について説明する。図152は、この変動表示設定処理(S2114)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2114)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図143参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S2114:図152)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S3001)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S3001:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S3008の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別した場合には(S3001:Yes)、変動開始フラグ223dをオフに設定し(S3002)、表示用変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S3003)。
次に、連続予告実行フラグ223tがオンか否かを判別する(S3004)。連続予告実行フラグ223tがオンではないと判別した場合には(S3004:No)、演出態様設定処理を実行し(S3005)、S3007の処理に移行する。演出態様設定処理(S3005)の詳細な説明については、図153を参照して、後述する。連続予告実行フラグ223tがオンであると判別した場合には(S3004:Yes)、S3003の処理において取得した変動パターンと連続予告演出とに基づいて演出態様を決定する(S3006)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3007)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、図示は省略したが、入賞情報格納エリア223fに格納されたデータをシフトする。この処理では、入賞情報格納エリア223fの第1エリア~第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S3008の処理へ移行する。
S3008の処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S3008)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S3008:No)、本処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合には(S3008:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S3009)、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S3010)。次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S3011)、停止種別演出設定処理を実行し(S3012)、S3013の処理に移行する。停止種別演出設定処理(S3012)の詳細については、図156を参照して、後述する。
S3013の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3013)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。S3013の処理が実行された後、本処理を終了する。
次に、図153を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2114:図152参照)で実行される演出態様設定処理(S3005)について説明する。図153は、演出態様設定処理の内容を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S3005)では、時短中や確変中の高速変動演出を設定する処理やSPタイム期間の演出を設定するための処理である。
演出態様設定処理(S3005)では、まず、現在の遊技状態が通常状態であるか判別する(S3101)。現在の遊技状態が通常状態ではないと判別した場合には(S3101:No)、時短・確変中演出設定処理を実行し(S3102)、本処理を終了する。
ここで、図154を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される演出態様設定処理(S3005:図153参照)内の一処理である時短・確変用演出設定処理(S3102)について説明する。図154は、時短・確変用演出設定処理(S3102)の詳細を示したフローチャートである。
時短・確変用演出設定処理(S3102)では、まず、今回の特図変動は、遊技状態が時短状態、或いは、確変状態に移行してから81回転目であるか否か判別する(S3201)。今回の特図変動は81回転目ではないと判別した場合には(S3201:No)、対応する演出態様を決定し(S3202)、本処理を終了する。
一方、S3201の処理において、遊技状態が時短状態、あるいは、確変状態に移行してから81回転目であると判別した場合には(S3201:Yes)、今回開始する特図変動の変動秒数は1.5秒であるか判別する(S3203)。今回開始する特図変動の変動秒数は1.5秒であると判別した場合には(S3203:Yes)、対応する演出態様を決定し(S3204)、高速変動モード突入を示す表示用コマンドを設定し(S3205)、本処理を終了する。この高速変動モード突入を示す表示用コマンドが表示制御装置113に対して設定されると、第3図柄表示装置81に図93(a)に示した表示画面が表示される。
一方、S3203の処理において、今回開始する特図変動の変動秒数は1.5秒ではないと判別した場合には(S3203:No)、変動秒数は12秒であるか判別する(S3206)。変動秒数が12秒ではないと判別した場合には(S3206:No)、上述したS3202の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S3206の処理において、今回の特図変動の変動秒数は12秒であると判別した場合には(S3206:Yes)、1.5秒変動を4回と、6秒変動を1回とで構成される演出態様(合算して12秒)を決定し(S3207)、上述したS3205の処理を実行し、本処理を終了する。
本実施形態では、上述したように、確変状態、或いは、時短状態に遊技状態が移行し、移行した遊技状態での変動が81回転となると、高速変動モードに突入するよう構成している。しかしながら、高速変動モードに突入する演出が実行された直後に、大当たり変動などのロング変動が実行されると遊技者に違和感を与えてしまう問題があった。
そこで、本実施形態では、81回転目に12秒の変動が実行される場合には、12秒の変動1.5秒×4回の短変動と6秒の大当たり変動演出を実行することで高速変動モード突入演出を実行する。このように構成することで、遊技者に違和感のない演出を提供することができる。
なお、81回転目がロング変動の場合、上述したように短変動に分けて変動演出を実行することに限ることなく、高速変動モード以外の特殊モード(例えば、設定示唆モード)など異なる特典を遊技者に付与するよう構成してもよい。このように構成することで、演出を多様化することができ、また、遊技者も思わぬ特典が得られることで喜びを得ることができ、遊技の継続意欲を向上させることができる。
また、81回点目がロング変動の場合には、高速変動モードの突入演出を実行しないよう構成してもよい。このように構成することで、違和感のない遊技を遊技者に提供することができる。
図153に戻り説明を続ける。一方、S3101の処理において現在の遊技状態が通常状態であると判別した場合には、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられている連続予告実行フラグ223tがオンであるか否かを判別する(S3103)。連続予告実行フラグ223tがオンであると判別した場合には(S3103:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S3103の処理において、連続予告実行フラグ223tがオンではないと判別した場合に(S3103:No)、期間演出中フラグ223pがオンであるか否かを判別する(S3104)。期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合には(S3104:Yes)、期間演出設定処理を実行し(S3105)、対応する演出態様を決定し(S3106)、本処理を終了する。一方、期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合には(S3104:No)、上述したS3106の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図155を参照し、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する演出態様設定処理(S3005:図153参照)内の一処理である期間演出設定処理(S3105)について説明する。図155は、期間演出設定処理(S3105)の内容を示したフローチャートである。この期間演出設定処理(S3105)では、SPタイム期間中に実行されたリーチ回数や特別図柄の変動回数に基づいて、設定示唆演出の実行を設定するための処理を実行する。
期間演出設定処理(S3105)では、まず、今回実行する変動が大当たり変動であるか否かを判別する(S3301)。今回実行する特図変動が大当たり変動であると判別した場合には(S3301:Yes)、大当たり当選を示すための演出態様を決定し(S3312)、本処理を終了する。一方、S3301の処理において、今回実行する変動が大当たり変動ではないと判別した場合には(S3301:No)、取得した変動パターンに基づいて今回の変動パターンがリーチであるかを特定する(S3302)。次に、S3302の処理において特定した変動パターンはリーチ変動であるか判別する(S3303)。リーチ変動であると判別した場合には(S3303:Yes)、ミッション情報記憶エリア223qのリーチ回数を示す値を更新する(S3304)。
次に、更新したリーチ回数は、ミッション情報記憶エリア223qに設定された回数と同じ値であるか判別する(S3305)。更新したリーチ回数は、設定回数と同じ値であると判別した場合には(S3305:Yes)、設定示唆演出選択テーブル222cを参照して演出態様を決定する(S3306)。次に、決定した演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S3307)、S3308の処理に移行する。一方、S3305の処理において、リーチ回数と設定回数とが同じ値ではないと判別した場合には(S3305:No)、S3306およびS3307の処理をスキップし、S3308の処理に移行する。
次に、ミッション情報記憶エリア223qの変動回数を示す値を更新する(S3308)。そして更新した変動回数と設定回数とが同じ値であるか判別する(S3309)。更新した変動回数と設定回数とが同じ値であると判別した場合には(S3309:Yes)、設定示唆演出選択テーブル222cを参照して演出態様を決定し(S3310)、決定した演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S3311)、本処理を終了する。一方、S3309の処理において、変動回数と設定回数とが同じ値ではないと判別した場合には(S3309:No)、そのまま本処理を終了する。
上述したように、本実施形態では、SPタイム期間中に実行された特別図柄の変動回数と、そのリーチ回数とに基づいて、設定示唆演出を実行できるよう構成している。このように構成することで、遊技者にSPタイム期間中により多くの変動が実行されるよう願いながら遊技を実行させることができるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
なお、SPタイム演出期間中に実行される設定示唆演出の実行条件として、SPタイム演出期間中に実行された変動時間の合算に基づいて実行してもよい。このように構成することで、変動時間の長い特図抽選が実行され、その抽選結果が外れである場合にも、これからの遊技に期待を持たせることができる。
また、実行された演出結果を、ポイントとして記憶させておき、その記憶されたポイントを遊技者自身が使うか否かを決定し、そのポイントに基づいて、信頼度の高い設定示唆演出を実行するよう構成してもよい。このように、遊技者自身に設定示唆演出を見るタイミングを決定させることで、遊技の自由度を向上させることができる。
次に、図156を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する変動表示設定処理(S2114:図152参照)内の一処理である停止種別演出設定処理(S3012)について説明する。図156は、停止種別演出設定処理(S3012)の内容を示したフローチャートである。この停止種別演出設定処理(S3012)、期間演出中に特図変動の停止種別がリーチ外れである場合に、特定の設定示唆演出を実行するための処理である。
停止種別演出設定処理(S3012)が実行されると、まず、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられている期間演出中フラグ223pがオンに設定されているか、即ち、現在が期間演出中であるか判別する(S3401)。期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合には(S3401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S3401の処理において期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合には(S3401:Yes)、S3402の処理に移行する。
S3402の処理では、今回実行されている特図変動の停止種別は、リーチ外れであるか否かを判別する(S3402)。特図変動の停止種別がリーチ外れではないと判別した場合には(S3402:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特図変動の停止種別がリーチ外れであると判別した場合には(S3402:Yes)、キャラ表示フラグ223yをオンに設定し(S3403)、本処理を終了する。
次に、図157を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図143参照)内の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)の詳細について説明する。図157は、枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)の詳細な内容を示したフローチャートである。枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)では、枠ボタン22の押下動作が判別されて、押下されたことに基づいて、予告演出等の実行が設定される。
枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)では、まず、操作無効タイマ223sの値が0より大きい値であるか、即ち、ボタン操作の無効期間が設定されているか判別する(S3501)。操作無効タイマ223sの値が0より大きいと判別した場合には(S3501:Yes)、枠ボタン22の操作無効期間であるため、そのまま本処理を終了する。一方、操作無効タイマの値が0より大きい値ではない、即ち、枠ボタン22の操作無効期間ではないと判別した場合には(S3501:No)、枠ボタン22の押下を検出したか判別する(S3502)。枠ボタン22の押下を検出していないと判別した場合には(S3502:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S3502の処理において、枠ボタン22が押下されたと判別した場合には(S3502:No)、予告演出の実行中であるか判別する(S3503)。予告演出中であると判別した場合には(S3503:Yes)、抽選で決定された予告演出を示す表示用予告表示コマンドを表示制御装置114に対し設定し(S3504)、そのまま本処理を終了する。
一方、S3503の処理において、予告演出の実行中ではないと判別した場合には(S3503:No)、背景モードを1加算して、背景モード記憶エリア223vに設定し(S3505)、S3505の処理において設定した背景モードに対応した変動パターンへの表示用切替コマンドを表示制御装置114に対して設定し(S3506)、本処理を終了する。
なお、枠ボタン22が押下された回数を、カウンタ等を設け記憶しておき、その合計回数に基づいて、設定示唆演出が実行されるよう構成してもよい。また、枠ボタン22の長押し演出が実行された場合に、遊技者が枠ボタン22を長押しした時間を計測しておき、その合計時間に基づいて、設定示唆演出が実行されるよう構成してもよい。このように構成することで、遊技者に意欲的に枠ボタン22を押下する演出に参加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図158を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図143参照)内の一処理である経過時間確認処理(S2111)の詳細について説明する。図158は、経過時間確認処理(S2111)の詳細な内容を示したフローチャートである。この経過時間確認処理(S2111)では、現在の時刻情報と電源投入からの経過時間とに基づいて、現在の演出期間を設定するための処理が実行される。
経過時間確認処理(S2111)では、まず、計時装置292(図99参照)の計時する現在の時刻情報の読み出しを実行し(S3601)、次に、電源投入からの経過時間Tを算出する(S3602)。そして、S3602の処理において算出した経過時間Tに基づいて、演出切替テーブル222b(図108参照)より現在の演出期間を特定する(S3603)。
次に、S3603の処理において、演出切替テーブル222bより特定した演出期間は、SPタイム期間であるか判別する(S3604)。特定した演出期間は、SPタイム期間であると判別した場合には(S3604:Yes)、期間演出中フラグ223pがオンであるか、即ち、すでにSPタイム期間を設定しているか判別する(S3605)。期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合には(S3605:Yes)、SPタイム期間を設定する必要が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S3605の処理において、期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合には(S3605:No)、期間演出中フラグ223pをオンに設定し(S3606)、SPタイム期間に移行したことを示すための背面画像変更コマンドを表示制御装置114に対し設定し(S3607)、本処理を終了する。一方、S3604の処理において、特定した演出期間がSPタイム期間ではないと判別した場合には(S3604:No)、特化モード中フラグ223wがオンであるか否かを判別する(S3608)。
S3608の処理において、特化モード中フラグ223wがオンであると判別した場合には(S3608:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S3608の処理において特化モード中フラグ223wがオンではないと判別した場合には(S3608:No)、期間演出中フラグ223pがオンであるか、即ち、現在がSPタイム期間の終了が設定されているかを判別する。(S3609)。期間演出中フラグ223pがオンである、即ち、SPタイム期間の終了が設定されていないと判別した場合には(S3609:Yes)、特別図柄の変動中であるか判別する(S3610)。特別図柄の変動中であると判別した場合には(S3610:Yes)、特化モード設定処理(S3611)を実行し、本処理を終了する。この特化モード設定処理(S3611)の詳細な説明については、図159を参照して後述する。
一方、S3610の処理において、特別図柄の変動中ではないと判別した場合には(S3610:No)、期間演出中フラグ223pをオフに設定し(S3612)、次に、現在の遊技状態が確変中であるか判別する(S3613)。現在の遊技状態が確変中であると判別した場合には(S3613:Yes)、設定値を示唆する演出態様(図91参照)を抽選で決定し(S3616)、S3615の処理に移行する。一方、S3613の処理において、現在の遊技状態が確変中ではないと判別した場合には(S3614)、音声ランプ制御装置113のROM222に設けられている設定示唆演出選択テーブル222cを参照して、演出態様を決定し(S3614)、S3615の処理に移行する。S3615の処理では、S3614の処理、或いは、S3616の処理において決定した演出態様に対応する表示用コマンドを設定し(S3615)、背面画像表示用コマンドを設定し(S3617)、S3618の処理に移行する。
本実施形態では、SPタイム期間の終了時に、特図が変動中ではない、且つ、遊技状態が確変中である場合には、設定示唆演出として、SPタイム期間の終了時に遊技状態が確変状態ではない場合よりも信頼度の高い設定示唆演出が実行されるよう構成されている。このように構成することで、SPタイム期間を確変状態で終了し、信頼度の高い設定示唆演出を見たいと所望しながら遊技を実行するという新しい遊技性をもたせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上述したように、本実施形態では、SPタイム期間の終了時に設定示唆演出を表示するよう構成したが、これに限ることなく、SPタイム期間の開始時に設定示唆演出を実行するよう構成してもよい。このように構成することで、SPタイム期間の開始前に遊技を中止しようか考えている遊技者に対して、SPタイム期間の開始まで遊技を続行し、設定示唆演出を見るまで遊技を継続しようという遊技の継続意欲を持たせることができる。
また、上述したように、SPタイム期間の終了時の遊技状態に基づいて、信頼度の高い設定示唆演出を実行するよう構成したが、これに限ることなく、今回実行したSPタイム期間中の遊技結果に基づいて、SPタイム期間の終了時に信頼度の高い設定示唆演出を実行するよう構成してもよい。
このように構成する場合には、今回のSPタイム期間中に、遊技状態が複数回移行したかを判別し、その結果に基づいて、信頼度の高い設定示唆演出が実行されるようにするとよい。例えば、今回のSPタイム期間中に、遊技状態が2回移行(例えば、通常状態から時短状態、さらに確変状態に移行)した場合には、遊技状態が1回移行した場合、或いは、遊技状態が移行しなかった場合と比較して、信頼度の高い示唆演出を実行する。このように構成することで、遊技者は、SPタイム期間中になるべく多くの大当たりに当選し、遊技状態がより多く移行させることを所望しながら遊技を実行するので、SPタイム期間中に意欲的に遊技に参加することができる。
一方、S3609の処理において、期間演出中フラグ223pがオンではないと判別した場合(S3609:No)、或いは、上述したS3617の処理を実行した後、次に、SPタイム期間までの残時間を算出する(S3618)。そして、S3618の処理で算出したSPタイム期間までの残時間を示す情報を時刻情報記憶エリア223rに格納し(S3619)、本処理を終了する。
次に、図159を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する経過時間確認処理(S2111:図158参照)内の一処理である特化モード設定処理(S3610)について説明する。図159は、特化モード設定処理(S3610)の内容を示したフローチャートである。この特化モード設定処理(S3610)は、SPタイム期間の終了タイミングに特別図柄が変動している場合に実行される処理であり、SPタイム期間の終了後の特図変動期間において設定示唆演出が実行されやすいモードを設定するための処理である。
特化モード設定処理(S3610)では、実行されている特別図柄の残り変動時間が5秒より長い時間であるか判別する(S3701)。実行されている特別図柄の残り変動時間が、5秒より短い時間であると判別した場合には(S3701:No)、残り変動時間では、特化モード演出を設定できないため、そのまま本処理を終了する。一方、実行されている特別図柄の残り変動時間が5秒よりも長い時間であると判別した場合には(S3701:Yes)、特化モード突入を示すための表示用コマンドを設定し(S3702)、特化モード中フラグ223wをオンに設定し(S3703)、S3704の処理に移行する。
S3704の処理では、音声ランプ制御装置113のROM222に設けられている演出実行数選択テーブル222f(図111参照)を参照して、特化モード中における示唆演出の実行数を決定する(S3704)。次に、実行中の特図変動演出に対して、示唆演出の実行を追加するための表示用コマンドを設定し(S3705)、実行済設定演出記憶エリア223kに、今回の特化モード中に実行される示唆演出の種別を格納し(S3506)、本処理を終了する。
上述したように、本実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングを跨ぐように、特別図柄の変動演出が実行されている場合において、残変動期間の長さに基づいて実行する演出を切り替えることができるよう構成している。このように構成することで、SPタイム期間の終了演出が急に切り替わってしまうなどの違和感の無い演出を提供することができる。
なお、本実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングに、特別図柄が変動中であるかを判別し、その残期間に応じて、特化モード演出を実行するか否かを判別するよう構成したがこれに限ることなく、特別図柄の変動開始時に、SPタイム期間の終了タイミングを跨いで実行されるかを判別し、その判別結果に基づいて変動開始時に特化モードを設定するよう構成してもよい。このように構成することで、より多くの時間を特化モードとして設定することが出来るので、より多様な演出態様を遊技者に提供することができる。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図160から図174を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図160を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図160は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図161を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図161は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図160のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図160のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定し(S6105)、ブート処理の完了を示すための完了コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S6106)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図161に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103~S6106の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103~S6106の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103~S6106の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図160の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図172(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図172(a)のS7502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図162(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図162(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図162(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、特図入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図162(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図162(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図162(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図162(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図162(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図163~図168を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図169~図171を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図172および図173を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図123に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図174を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、大当たりE、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図163~図168を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図163は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図163に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図164(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図164(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図163の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図164(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図164(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA~E、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図162(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図163に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図165(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図165(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図163に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図165(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図165(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図163に戻って説明を続ける。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図166を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図166は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図163に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動停止コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、表示用変動停止コマンドがあれば(S6414:Yes)、変動停止コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図167(a)を参照して、変動停止コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図167(a)は、変動停止コマンド処理を示すフローチャートである。この変動停止コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動停止コマンドに対応する処理を実行するものである。
この表示用変動停止コマンドとは、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図152のS2114参照)において設定された表示用変動パターンコマンドの終了タイミング、即ち、主制御装置110における各特別図柄の変動パターンを設定する処理にて設定された変動パターン(変動時間)の終了タイミング(主制御装置110が停止コマンドを設定するタイミング)にて、音声ランプ制御装置113から出力される表示用停止コマンド(正常停止コマンド)と、音声ランプ制御装置113の停止処理(図150のS2214参照)にて設定された各種表示コマンドを示すものである。
変動停止コマンド処理では、まず、表示用変動停止コマンドによって示される変動停止データテーブルを決定し、その決定した変動停止データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6931)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6932)。
次いで、S6931の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動停止データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6933)、ポインタ233fを0に初期化する(S6934)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6935)、変動停止コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図163に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、変動停止コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用報知コマンドがあるか否かを判別し(S6416)、表示用報知コマンドがあれば(S6416:Yes)、報知コマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図167(b)を参照して、報知コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図167(b)は、報知コマンド処理を示すフローチャートである。この報知コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した(表示用)報知コマンドに対応する処理を実行するものである。
この報知コマンドは、主制御装置110にて設定された各種異常状態を示すためのコマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合に設定される各種報知コマンドのうち、表示制御装置114に出力された表示用報知コマンドを表示制御装置114が受信した場合に実行される処理である。
報知コマンド処理では、まず、報知コマンドによって示される報知態様に対応した表示(報知)データテーブルを決定し、その決定した表示(報知)データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6951)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6952)。
次いで、S6951の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示(報知)データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6953)、ポインタ233fを0に初期化する(S6954)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6955)、報知コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113の設定した各種報知コマンドのうち、報知対象が第3図柄表示装置81(表示装置)であることを示す表示用コマンドのみを表示制御装置114が判別するように構成しているが、これに限ること無く、表示用コマンド以外の発光用コマンドや、音声出力用コマンドや、役物駆動用コマンドといった関連コマンドも一旦受信し、表示制御装置114の処理にて設定されたデータ内容(表示態様)を示すための情報を追加した状態で、関連コマンドを対応する制御装置に出力するように構成しても良い。
図163に戻り、説明を続ける。S6416の処理において、表示用報知コマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6418)、背面画像変更コマンドがあれば(S6418:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図168を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6419)の詳細について説明する。図168は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7503)に通知する背面画像変更フラグ233wをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグ233xの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグ233xから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図163の説明に戻る。S6418の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6418:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6420)、エラーコマンドがあれば(S6420:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6421)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図168(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6421)の詳細について説明する。図168(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102の処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図163の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6420:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6422)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402~S6422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401~S6422の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図162(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図164(a)参照)および停止種別コマンド処理(図164(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図164(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図169~図171を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図169は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図169に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202~S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203~S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。
ここで、図170を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図170は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図169の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図171を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図171は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402)。その結果、End情報であれば(S7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図169に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図162(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図172及び図173を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図172(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図172(b)を参照して後述する。
一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図173を参照して後述する。
次いで、図172(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図172(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。
S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図162(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図162(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図162(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図163~図168参照)および表示設定処理(図169~図171参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図173参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図172(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図173を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図173は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。
また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。
S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。
S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図174を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図174は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図123)を生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図162(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第2実施形態について>
次に、図175から図184を参照して第2実施形態について説明をする。本第2実施形態におけるパチンコ機10は、上述した第1実施形態に対して、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技中演出として、先読み演出が実行される場合に、その先読み演出期間とSPタイム期間との重複度合いに基づいて実行される演出の内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。なお、上述した第1実施形態と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
ここで、上述した第1実施形態では、特図変動演出の一部として実行される先読み演出の禁止期間を設定する際に、実行され得る先読み演出の実行期間を算出し、その算出結果とSPタイム期間とが重複した場合に、先読み演出の実行を禁止するように構成していた。これに対して、本第2実施形態では、大当たり遊技中に実行される先読み演出に対しても禁止期間を設定するように構成している。これにより、大当たり遊技中に実行される先読み演出がSPタイム期間と重複してしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第2実施形態では、先読み演出期間と、SPタイム期間とが重複した場合において、先読み演出の演出態様を可変させることにより、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制するように構成している。
<第2実施形態における演出内容について>
まず、図175から図177を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。図175(a)は、大当たり遊技中に実行される特典演出の1つであるラッキー演出が開始された時点における表示画面の一例を示した図である。図175(a)に示した通り、本実施形態では、大当たり遊技の最初のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)が開始されると「ラッキー演出抽選開始」の文字が表示される。このラッキー演出とは、大当たり遊技中に実行される特典演出であって、獲得済みの特図保留内に大当たり当選する特図保留(当たり保留)が存在することを遊技者に報知するための演出(保留連演出)が実行されるか否かを遊技者に報知するための演出である。
また、詳細な説明は後述するが、ラッキー演出抽選に当選した場合であっても、大当たり遊技終了後の遊技状況(SPタイム期間の設定状況)によっては、保留連演出が実行されない場合がある。このような場合には、ラッキー演出の演出態様として保留連演出以外の演出(代替演出)が実行されることを示す演出態様が設定されるように構成している。
図175(b)は、ラッキー演出の演出態様として、保留連演出が実行されることを遊技者に報知するための演出態様が設定された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。図175(b)に示した通り、保留連演出が実行される場合には、キャラクタ810が「保留連」の文字が付されたプラカード1811を掲げる演出が実行される。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に再度大当たり当選することを分かり易く報知することができる。
なお、図175(b)に示した図では、1ラウンド目のラウンド遊技期間中にラッキー演出が開始され、そのラウンド遊技期間中にラッキー演出の演出結果が表示されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技中のどのタイミングでラッキー演出を開始させても良いし、ラッキー演出が開始されたラウンドとは異なるラウンドでラッキー演出の演出結果を表示するように構成しても良い。さらに、この場合、ラッキー演出が開始され易いラウンドを、設定値によって異ならせるように構成しても良いし、ラッキー演出の演出結果に基づいて異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、どのタイミングでラッキー演出が実行されるのかを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。また、ラッキー演出が実行されない大当たり遊技中演出を実行可能に構成しても良い。
次に、図176(a)を参照して、保留連演出の演出内容について説明をする。本実施形態では、大当たり遊技のエンディング期間から保留連演出が開始され、大当たり遊技の終了後、特別図柄抽選で大当たり当選するまでの期間、保留連演出が実行される。そして、保留連演出の演出態様として、多くの魚(魚群)が、第3図柄表示装置81の表示画面を右から左へと移動する演出態様が設定される。
具体的には、図176(a)に示した通り、大当たり遊技の終了画面にて保留連演出が実行されることを示す「魚群まつり突入」の文字が表示されると共に、表示画面の右側にて魚群が待機している画像が表示される。
そして、魚群まつり中における特別図柄変動画面では、図176(b)に示した通り、魚群が右から左へと移動する演出が実行された後に、第3図柄が大当たり当選を示す停止表示態様(777)で停止表示される。
このように、大当たり遊技中から保留連演出を実行することにより、遊技者に対して、大当たり遊技が実行されること(保留連すること)を前回の大当たり遊技期間中に報知することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
一方で、本実施形態では、保留連演出が実行される先読み演出期間と、SPタイム期間と、が重複すると判別された状態のうち、その重複期間が所定期間(2秒)未満である場合には、保留連演出の演出態様を通常の演出態様(図176(b)参照)から、短縮演出態様へと切り替えて実行するように構成している。
図177は、保留連演出の短縮演出態様を示すための表示画面である。図177に示した通り、短縮演出態様が設定された場合には、特別図柄が停止表示されるよりも前に、表示画面にて魚群が右から左へと移動する演出を実行させた後に、第3図柄を、大当たり当選を示す停止表示態様で仮停止させる演出が実行される。つまり、SPタイム期間が設定されるタイミングと、保留連演出期間とが若干重複する場合には、保留連演出の演出結果を示すタイミングが、SPタイム期間が設定されるタイミングよりも前(2秒前)となるように構成している。これにより、SPタイム期間と重複すること無く、保留連演出を実行させることができ易くすることができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図178から図180を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成について説明をする。まず、図178(a)を参照して音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図178(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容を模式的に示した図である。
図178(a)に示した通り、本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、先読み規制期間テーブル222aaと、代替演出選択テーブル222abと、を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
先読み規制期間テーブル222aaは、大当たり遊技中に実行される保留連演出の演出期間を算出する際に参照されるデータテーブルであって、ラッキー演出の抽選にて保留連演出を実行し得る契機が成立したと判別した場合に、その演出期間を算出する際に参照されるものである。
本実施形態では、大当たり遊技の遊技期間として、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技数と、1のラウンド遊技にて費やし得る最大時間(30秒)と、に基づいて1回の大当たり遊技に用いられる最大時間を算出し、その最大時間を考慮した保留連演出期間を算出するように構成している。そして、その最大時間内にSPタイム期間が設定されるか否かを判別し、設定されないと判別した場合には、保留連演出を実行するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中にどのように遊技が行われた場合であっても、SPタイム期間と保留連演出期間とが重複することが無いため、遊技者に対して分かり難い演出が実行されることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技の最大時間とSPタイム期間とを比較する構成を用いているが、これに限ること無く、大当たり遊技の最大時間を大当たり遊技の進行度合いに応じて補正する補正処理を実行するように構成しても良い。この場合、大当たり遊技にて新たなラウンド遊技が実行される場合に、残りのラウンド遊技数と、各ラウンド遊技にて費やし得る最大時間(30秒)とに基づいて保留連演出の演出期間を補正すれば良い。このように構成することで、1回のラウンド遊技が30秒未満で終了した場合、即ち、30秒が経過するよりも前に、特定入賞口65aへと球を9個入賞させることによってラウンド遊技の終了条件を成立させた場合に対応させて大当たり遊技の最大時間を可変算出することができるため、保留連演出を実行させ易くすることができる。
さらに、この場合、大当たり遊技の開始タイミングでは、SPタイム期間と保留連演出期間とが重複する状態であって、大当たり遊技の進行状況に応じてSPタイム期間と保留連演出期間とが重複しないように遷移する可能性がある。このような状況が発生した場合には、大当たり遊技の開始タイミングにおいて保留連演出を実行可能と判別した場合よりも、遊技者に有利な特典を付した保留連演出を実行可能に構成すると良く、例えば、保留連演出に加えて、設定値を示唆するための設定示唆演出を特典として追加するように構成すると良い。さらに、大当たり遊技中の遊技者に対して、SPタイム期間と保留連演出期間とが重複した状態から重複しない状態へと遷移させるための遊技条件を報知する条件報知手段を設けると良い。これにより、様々な特典を獲得しようと、条件報知手段により報知された遊技条件を成立させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、保留連演出期間を速めることによりSPタイム期間との重複関係を解消する技術思想でパチンコ機10を構成しているが、これとは異なり、例えば、保留連演出の開始期間を遅らせることによりSPタイム期間が終了した後に保留連演出を実行させる技術思想に基づく構成としても良く、例えば、大当たり遊技の特定タイミング(エンディング期間)から保留連演出を実行するように構成した場合には、実行中の大当たり遊技を早く進行させる第1遊技を実行した場合には、保留連演出の実行タイミングがSPタイム期間と重複し、第1遊技よりも大当たり遊技を遅く進行させる第2遊技を実行した場合には、保留連演出の実行タイミングがSPタイム期間と重複しないと判別した場合には、遊技者に対して第2遊技(例えば、球を発射しない遊技)を促す案内態様を表示するように構成しても良い。
ここで、図179を参照して、先読み規制期間テーブル222aaの内容について説明をする。図179が先読み規制期間テーブル222aaに規定されている内容を示した図である。図179に示した通り、先読み規制期間テーブル222aaには、先読み演出(保留連演出)の対象となる特図保留の位置と、先読み演出期間内における大当たり数と、に基づいて規制対象期間(秒)が規定されている。
具体的には、演出対象保留が「1」、即ち、大当たり遊技終了後に実行される1回目の特別図柄抽選にて大当たり当選することを示す先読み演出(保留連演出)が実行される場合には、1回の大当たり遊技における最大期間と、1回の特別図柄変動における最大期間と、を合算した「440秒」が規制対象期間として規定されている。この規制対象期間内において、SPタイム期間が設定されない場合には、先読み演出を実行した場合であても、その先読み演出期間中にSPタイム期間が設定されることが無いため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
以下、演出対象保留が「2」、期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「880秒」が、演出対象保留が「3」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「900秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1250秒」が規定され、演出対象保留が「4」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「920秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1270秒」が規定され、期間内大当たり数が「3」の場合には、規制対象期間として「1620秒」が規定される。
また、演出対象保留が「5」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「940秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1290秒」が規定され、期間内大当たり数が「3」の場合には、規制対象期間として「1640秒」が規定され、期間内大当たり数が「4」の場合には、規制対象期間として「1990秒」が規定される。演出対象保留が「6」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「960秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1310秒」が規定され、期間内大当たり数が「3」の場合には、規制対象期間として「1660秒」が規定され、期間内大当たり数が「4」の場合には、規制対象期間として「2010秒」が規定され、期間内大当たり数が「5」の場合には、規制対象期間として「2360秒」が規定される。
演出対象保留が「7」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「980秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1330秒」が規定され、期間内大当たり数が「3」の場合には、規制対象期間として「1680秒」が規定され、期間内大当たり数が「4」の場合には、規制対象期間として「2030秒」が規定され、期間内大当たり数が「5」の場合には、規制対象期間として「2380秒」が規定され、期間内大当たり数が「6」の場合には、規制対象期間として「2730秒」が規定される。そして、演出対象保留が「8」で期間内大当たり数が「1」の場合には、規制対象期間として「1000秒」が、期間内大当たり数が「2」の場合には、規制対象期間として「1350秒」が規定され、期間内大当たり数が「3」の場合には、規制対象期間として「1700秒」が規定され、期間内大当たり数が「4」の場合には、規制対象期間として「2050秒」が規定され、期間内大当たり数が「5」の場合には、規制対象期間として「2400秒」が規定され、期間内大当たり数が「6」の場合には、規制対象期間として「2750秒」が規定され、期間内大当たり数が「7」の場合には、規制対象期間として「3000秒」が規定される。
このように構成することで、大当たり遊技中に実行される先読み演出(保留連演出)として、複数の大当たり遊技を対象に保留連演出を実行可能に構成した場合において、その保留連演出の最後までSPタイム期間が設定されないか否かを予め判別することで、遊技者に対して保留連演出を分かり易く提供することができる。
代替演出選択テーブル222abは、ラッキー演出にて保留連演出の実行契機が成立したと判別された場合であって、保留連演出の実行が禁止された場合におけるラッキー演出の演出態様及び、保留連演出の代わりに実行される代替演出の態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。
ここで、図180を参照して、代替演出選択テーブル222abの詳細な説明をする。図180は、代替演出選択テーブル222abに規定されている内容を示した図である。図180に示した通り、代替演出選択テーブル222abには、先読み演出(ラッキー演出)の対象期間内に発生し得る大当たり当選数(期間内大当たり数)と、先読み演出期間と、SPタイム期間との重複期間の長さと、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて、異なる演出態様が規定されている。なお、代替演出選択テーブル222abに規定されている各種演出態様は、実行可能な演出態様であって、決定された演出態様の実行条件が成立している場合に決定された演出態様を代替演出として実行させるように構成している。
より具体的には、大当たり個数(期間内大当たり数)が「1~3」であって、重複期間が「2~10秒」の場合は、取得した演出カウンタ223gの範囲が「0~69」の範囲に「重複態様」が、「70~89」の範囲に「設定示唆」が、「90~99」の範囲に「演出なし」が規定され、重複期間が「10~30秒」の場合は、取得した演出カウンタ223gの範囲が「0~69」の範囲に「設定示唆」が、「70~89」の範囲に「演出なし」が、「90~99」の範囲に「重複態様」が規定され、重複期間が「30秒~」の場合は、取得した演出カウンタ223gの範囲が「0~89」の範囲に「演出なし」が、「90~99」の範囲に「強制保留連」が規定されている。
また、大当たり個数(期間内大当たり数)が「4~」であって、重複期間が「2~10秒」の場合は、取得した演出カウンタ223gの範囲が「0~69」の範囲に「重複態様」が、「70~89」の範囲に「設定示唆」が、「90~99」の範囲に「強制保留連」が規定され、重複期間が「10~」の場合は、取得した演出カウンタ223gの範囲が「0~89」の範囲に「強制保留連」が、「90~99」の範囲に「演出なし」が規定されている。
なお、上述した通り、重複期間が2秒以内である場合には、図177を参照して説明をした短縮保留連演出が実行されるため、代替演出選択テーブル222abには規定されていない。
ここで、代替演出の演出態様として、「設定示唆」が選択された場合には、保留連演出が実行されること無く、代わりに、SPタイム期間が設定されるまでの期間を用いて設定値を遊技者に示唆するための設定示唆態様が決定され、「重複態様」が選択された場合には、後述する図185(b)に示した表示内容のように、ラッキー演出(先読み演出)と、SPタイム演出(期間演出)との表示領域を区分けして両方の演出を重複して実行させる演出態様が決定される。
また、「強制保留連」が選択された場合は、SPタイム期間が設定された場合でも、SPタイム演出を実行すること無く、ラッキー演出として保留連演出を強制的に実行するための演出態様が決定される。つまり、「強制保留連」が選択された場合には、周囲のパチンコ機10にてSPタイム演出が実行されている状態において、SPタイム演出が実行されず保留連演出が継続して実行されるため、遊技者に対して大きな違和感を与える演出を実行することができる。なお、「演出なし」が選択された場合には、代替演出が実行されない。
以上、説明をした通り、代替演出選択テーブル222abは、先読み演出(ラッキー演出)の対象期間内に発生し得る大当たり当選数(期間内大当たり数)と、先読み演出期間と、SPタイム期間との重複期間の長さと、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて、複数の演出態様を選択可能に構成されており、期間内大当たり数、即ち、大当たり当選し得る回数が多いほど、「強制保留連」の演出態様が選択され易くなるように構成している。よって、「強制保留連」が選択され、周囲のパチンコ機10にてSPタイム演出が実行されている状態にてSPタイム演出が実行されず保留連演出が継続して実行された場合には、多くの大当たりに当選し得る状態であることを遊技者に報知することができる。
また、先読み演出期間と、SPタイム期間との重複期間の長さに応じて、他の演出態様の選択割合を異ならせている。よって、どのタイミングで先読み演出が実行されるかに応じて代替演出として選択される(選択され易い)演出態様を異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。また、先読み演出期間と、SPタイム期間との重複期間が短いほうが、代替演出として「重複態様」を選択し易く構成しているため、重複態様で各演出を実行することで演出効果を高めながらも、長時間の間、重複態様で各演出が実行され難くすることができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図181から図184を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容について説明をする。本実施形態では、上述した第1実施形態に対して、大当たり関連処理(図148のS2212参照)に代えて大当たり関連処理2(図181のS2252参照)を、ラウンド演出設定処理(図149のS2606参照)に代えてラウンド演出設定処理2(図182のS2651参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図181を参照して、大当たり関連処理2(S2252)の処理内容について説明をする、図181は、大当たり関連処理2(S2252)の処理内容を示すためのフローチャートである。この大当たり関連処理2(S2252)は、上述した第1実施形態の大当たり関連処理(図148のS2212参照)に対して、ラウンド数コマンドを受信した場合に実行される処理内容と、エンディングコマンドを受信した場合に実行される処理内容と、の一部を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
大当たり関連処理2(S2252)が実行されると、上述した大当たり関連処理(図148のS2212参照)と同一のS2603~S2605の処理を実行し、S2605の処理を終えると、ラウンド演出設定処理2(S2651)を実行し、その後、上述した大当たり関連処理(図148のS2212参照)と同一のS2607の処理を実行した後に、本処理を終了する。なお、S2651の処理にて実行されるラウンド演出設定処理2の詳細な内容については、図182を参照して後述する。
一方、S2604の処理においてラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S2604:No)、次に、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S2608)、エンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S2608:Yes)、保留連演出実行フラグ223aaがオンに設定されているか、即ち、エンディング期間中に実行される終了画面演出として保留連演出が実行されるかを判別し(S2652)、保留連演出実行フラグ223aaがオンに設定されていると判別した場合は(S2652:Yes)、保留連演出用の背景モード(魚群まつり用の背景モード)を背景モード記憶エリア223vに格納し(S2653)、表示用エンディングコマンドを設定し(S2654)、ラウンド数カウンタ223xの値を0に設定し(S2655)、本処理を終了する。
次に、図182を参照して、ラウンド演出設定処理2(S2651)の処理内容について説明をする。図182はラウンド演出設定処理2(S2651)の処理内容を示すためのフローチャートである。このラウンド演出設定処理2(S2651)では、上述したラウンド演出設定処理(図149のS2606参照)に対して、1ラウンド目のラウンド遊技が開始される場合に、保留連演出の実行条件が成立したかを判別するための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ラウンド演出設定処理2(S2651)が実行されると、まず、ラウンド数カウンタ223xの値に基づいて、今回実行されるラウンドが1ラウンド目であるかを判別し(S2751)、1ラウンド目では無いと判別した場合には(S2751:No)、上述した第1実施形態のラウンド演出設定処理(図149のS2606参照)と同一のS2701~S2707の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S2751の処理において、今回のラウンドが1ラウンド目であると判別した場合は(S2751:Yes)、保留連演出設定処理を実行し(S2752)、次に、S2752の処理によって、保留連演出の実行が決定されたかを判別する(S2753)。S2753の処理において、保留連演出の実行が決定されたと判別した場合は(S2753:Yes)、保留連演出実行フラグ223aaをオンに設定し(S2754)、上述したS2701の処理へ移行する。
また、S2753の処理において、保留連演出の実行が決定されていないと判別した場合は(S2753:No)、S2754の処理をスキップして、S2701の処理へ移行する。
なお、本実施形態では、保留連演出の実行を決定するための処理(保留連演出設定処理)を、1ラウンド目に実行可能に構成しているが、これに限定されること無く、任意のラウンド数で実行するように構成しても良く、例えば、特定の大当たり種別(大当たりA1、B1)が設定された大当たり遊技のみ実行されるラウンド数(8ラウンド目)の実行タイミングにて保留連演出設定処理を実行するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり種別に応じて、保留連演出設定処理の実行の有無を決定することができるため、短いラウンド数の大当たり遊技が実行された場合には、保留連演出が実行されない場合であっても、保留連に期待させながら大当たり遊技終了後の遊技を行わせることができる。
また、1回の大当たり遊技中において、保留連演出設定処理を複数回(例えば、1ラウンド目と8ラウンド目)実行可能に構成し、最後に実行された保留連演出設定処理にて決定された内容に基づいて演出態様を最終決定するように構成しても良い。この場合、大当たり遊技中に新たに獲得した特図保留内に大当たり当選を示す情報が含まれている場合であっても保留連演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
次に、図183を参照して、保留連演出設定処理(S2752)の処理内容について説明をする。図183は保留連演出設定処理(S2752)の処理内容を示すためのフローチャートである。この保留連演出設定処理(S2752)では、保留連演出の実行条件が成立しているか否かを判別するための処理と、保留連演出の実行条件が成立している場合において、保留連演出の演出期間を算定し、SPタイム期間との重複度合いに基づいて実際に実行する演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
保留連演出設定処理(S2752)が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223fに格納されている情報を読み出し(S3801)、読み出した情報に含まれている大当たり当選情報(大当たり当選することを示す情報)を、入賞情報格納エリア223fに格納されている格納位置に対応付けて特定する(S3802)。つまり、S3802の処理では、獲得済みの特図保留が当たり保留であるか否かを、保留記憶順序(特別図柄抽選の実行順序)に対応させて特定する。
S3802の処理を終えると、先読み規制期間選択テーブル222aaを参照して、保留連演出の実行期間を算出し(S3803)、次いで、計時情報記憶エリア(時刻情報記憶エリア)223rに記憶されている計時情報に基づいてSPタイム演出が実行されるSP期間(SPタイム期間)を特定する(S3804)。
次に、S3803の処理で算出した保留連演出の演出期間と、S3804の処理で特定したSP期間とが重複するかを判別し(S3805)、重複しないと判別した場合は(S3805:No)、保留連演出の実行を決定し(S3806)、本処理を終了する。即ち、算出した保留連演出の演出期間をフルに用いた保留連演出が実行された場合であっても、保留連演出の演出期間中にSPタイム演出が実行されないと判別した場合は、保留連演出をそのまま実行する。
一方、S3805の処理において、重複すると判別した場合は(S3805:Yes)、保留連演出の代わりに実行する代替演出を設定するための代替演出設定処理を実行し(S3807)、本処理を終了する。
ここで、図184を参照して、代替演出設定処理(S3807)の処理内容について説明する。図184は、代替演出設定処理(S3807)の処理内容を示すためのフローチャートである。この代替演出設定処理(S3807)では、先読み演出(ラッキー演出)の対象期間内に発生し得る大当たり当選数(期間内大当たり数)と、先読み演出期間と、SPタイム期間との重複期間の長さと、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて、異なる演出態様の代替演出を決定するための処理が実行される。
代替演出設定処理(S3807)が実行されると、まず、保留連演出の演出期間とSP期間(SPタイム期間)との重複状況(重複期間)を判定し(S3901)、S3901の判定結果に基づいて、重複期間が2秒以内であるかを判別する(S3902)。S3902の処理において、2秒以内であると判別した場合は(S3902:Yes)、SPタイム演出よりも、保留連演出が先に実行される重複関係であるかを判別し(S3903)、保留連演出が先に実行されると判別した場合に(S3903:Yes)、短縮保留連演出の実行を決定し(S3904)、本処理を終了する。
ここで、短縮保留連演出が実行されると、図177に示した通り、SPタイム期間が設定される前に保留連演出の演出結果が表示させる短縮演出態様が決定される。このように、重複期間が短い場合には、一方の演出期間を短縮させる処理を実行するように構成することで、複数の演出が重複して実行されてしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
一方、S3902の処理において、重複期間が2秒以上であると判別した場合には(S3902:No)、代替演出選択テーブル222abを参照して、代替演出の演出態様を決定し(S3905)、決定した演出態様に応じた各種演出の実行を決定し(S3907,S3908)、本処理を終了する。
<第2実施形態の変形例について>
次に、図185を参照して、第2実施形態における技術思想を用いた変形例について説明をする。上述した第2実施形態では、先読み演出期間とSPタイム期間とが重複した場合において、重複して各演出が実行されたとしても遊技者が困惑をすることが無い演出態様(重複演出態様)で各演出を実行可能な技術思想が記載されていた。
この技術思想を、上述した第1実施形態における先読み演出、即ち、特別図柄変動に対応して実行される先読み演出に用いても良い。
具体的には、先読み演出である「魚群まつり」の実行期間中に、SPタイム準備期間中に突入すると、図185(a)に示した表示画面が表示される。そして、その後、SPタイム期間が設定されると、図185(b)に示した通り、魚群まつりの演出態様(魚群画像)が表示領域HR1へと移動し、表示領域HR1内で先読み演出が実行される重複演出態様が設定される。つまり、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmでは、複数のパチンコ機10にて同期して実行される期間演出(SPタイム演出)を実行することで、複数のパチンコ機10に一体感を持たせた演出を実行させながら、主表示領域Dmの一部領域(表示領域HR1)を用いて、先読み演出を継続して実行させる。
このように、各演出が実行される領域を区画することにより、遊技者に対して複数の演出を重複させて実行した場合であっても、演出内容が混同してしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本変形例では、SPタイム演出の表示領域を先読み演出の表示領域よりも大きくした例を示しているが、これに限ること無く、SPタイム演出よりも先読み演出の表示領域を大きく構成しても良いし、先読み演出の演出結果(大当たり当選の有無)に応じて、先読み演出の演出領域(表示領域HR1)の大きさを異ならせても良く、例えば、先読み演出の演出結果が遊技者に有利な結果(有利な大当たりに当選)である場合のほうが、遊技者に不利な結果(不利な大当たりに当選)である場合よりも、演出領域が大きくなるように構成すると良い。このように構成することで、SPタイム期間と、先読み演出期間とが重複する場合のみ、先読み演出の演出結果を、演出領域の大きさに基づいて遊技者に予測させることができるため、各演出の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができる。
また、本変形例では、SPタイム演出も先読み演出も第3図柄表示装置81の表示画面にて表示するように構成しているが、これに限ること無く、演出の実行期間が重複した場合には、何れかの演出を、第3図柄表示装置81以外の表示装置(例えば、サブ液晶表示装置)の表示画面にて表示するように構成しても良いし、パチンコ機10に設けられる装飾用の役物を用いて何れかの演出を実行するように構成しても良い。この場合、SPタイム演出期間と、先読み演出期間とが重複した場合のみ設定される専用演出態様で演出を実行させることができるため、様々な演出を体感したい遊技者に対して、各演出の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができる。
<第3実施形態について>
次に、図186から図194を参照して、第3実施形態について説明をする。上述した第1実施形態および第2実施形態では、様々な演出を用いて設定示唆演出を実行可能に構成することで、どのタイミングで設定示唆演出を実行するかを遊技者に分かり難くし、実行される様々な演出に対して興味を持たせ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるものであった。
これに対して、本第3実施形態では、遊技者に対して、設定示唆演出が実行され得る実行条件を予め報知可能に構成し、その実行条件が成立するように遊技者が遊技を行うことで設定示唆演出を実行させ易くする構成を追加している点で上述した第1実施形態、及び第2実施形態と相違している。なお、それ以外の内容は同一であり、同一の内容については詳細な説明を省略する。
<第3実施形態における演出内容について>
まず、図186を参照して、本第3実施形態のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、通常状態が設定されている状態で、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)と、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)と、を獲得順に記憶可能に構成しており、各保留記憶数を示すための保留図柄を最大で8個表示可能に構成している。
そして、保留図柄の表示態様を可変させる演出である保留変化演出が実行され、1の保留図柄の表示態様が特定表示態様となった場合において、その特定表示態様が表示されている期間中に、所定数(例えば6個以上)の保留記憶を獲得することで、保留図柄の表示態様を用いて設定示唆演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、設定示唆演出を多く実行させようと、多くの保留記憶を獲得させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、本第3実施形態では、上述した特定表示態様で表示されている保留図柄を、異なる表示態様へと可変させるように保留変化演出の可変シナリオを設定可能に構成しており、特定表示態様で表示されている保留図柄に対応した特別図柄変動が実行されるまでの期間、或いは、特定表示態様が異なる表示態様へと切り替わるまでの期間を、設定示唆演出が実行され易い期間として設定可能に構成している。これにより、遊技者に対して設定示唆演出が実行され易い期間がいつまで継続するのかを分かり難くすることができるため、特定表示態様の保留図柄が表示された直後から遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、保留変化演出の可変シナリオとして、特定表示態様で表示されている保留図柄の表示態様を、特定表示態様よりも遊技者に有利となる特殊表示態様へと可変させる可変シナリオを設定可能に構成しており、保留図柄の表示態様が特殊表示態様へと可変された場合には、特定表示態様の保留図柄が表示されている場合よりも、設定示唆演出が実行される保留図柄の範囲が拡大するように構成している。このように構成することで、特定表示態様の保留図柄に対して、表示態様を可変させる可変演出が実行された場合に、特殊表示態様へと可変し、遊技者により有利な状態(設定示唆演出が実行され易い状態)が創出されるか、特定表示態様が通常の表示態様へと可変し、遊技者に不利な状態(設定示唆演出が実行され難い状態)が創出されるかを注目させることができる。
また、詳細な説明は省略するが、本第3実施形態においても、上述した第1実施形態と同様に、保留変化演出を用いて、当該保留に対応する特別図柄抽選の結果が遊技者に有利な結果(大当たり当選)であることを示唆可能に構成している。つまり、保留変化演出が実行された場合には、当該保留の特別図柄抽選の結果を示唆する表示態様、或いは、設定示唆演出の実行頻度を異ならせるための表示態様の何れかを表示可能に構成している。よって、保留変化演出の演出結果によって、遊技者に対して様々な特典を付与することができるため、演出効果を高めることができる。
ここで、図186を参照して、保留変化演出の演出内容について説明をする。図186(a)は、保留変化演出によって保留図柄の表示態様が特定表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図186(b)は、特定表示態様の保留図柄が表示されている状態で保留記憶を8個獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図186(c)は、保留変化演出によって特定表示態様が通常表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図186(d)は、保留変化演出によって保留図柄の表示態様が特定表示態様から特殊表示態様へと変化した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図186(a)に示した通り、特定表示態様(図では「?」を付した表示態様で表示)の保留図柄が保留図柄用台座m4に表示されると、保留用台座m6~m8の領域、即ち、特図保留数が6~8個に対応する領域が、設定示唆演出が実行される領域となることを遊技者に案内するための案内態様として「特殊図柄表示ゾーン」として表示される。そして、キャラクタJ0が遊技者に特図保留を獲得させる遊技を促すための案内態様として「?がある間に保留を貯めてね」のコメントが表示される。
この特殊図柄表示ゾーンが表示されている期間中に、特図保留数が6個以上になると、保留用台座m6~m8の領域に表示される保留図柄の表示態様を用いた設定示唆演出が実行される。具体的には、保留図柄の色や形状を可変させることにより、現在設定されている設定値を示唆するための表示態様で保留図柄が表示される。なお、この場合も上述した第1実施形態と同様に、設定示唆演出選択テーブル222cを参照して演出パターン(設定示唆内容)が決定され、その演出パターンに対応した表示態様で保留図柄が表示される。
これにより、保留図柄の表示態様として特定表示態様(?を付した表示態様)が表示された場合には、遊技者に対して保留記憶を多く獲得し、保留図柄の表示態様を用いた設定示唆演出を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
ここで、特定表示態様が表示されている期間中に特図保留を所定数(6個)以上獲得すると、図186(b)に示した通り、各保留図柄の表示態様を用いた設定示唆演出が実行される。図186(b)に示した図では、第6保留用台座m6の保留図柄に対して演出パターンAの表示態様(図では「A」を付した表示態様で表示)が、第7保留用台座m7、および第8保留用台座の保留図柄に対して演出パターンBの表示態様(図では「B」を付した表示態様で表示)が表示されている。
そして、特殊図柄表示ゾーンに表示された各表示態様(設定示唆演出の演出結果)の履歴情報を示すためのコメントとして「A×1,B×2GET!」のコメントをキャラクタJ0が発している態様の履歴表示が実行される。これにより、特定表示態様の保留図柄の表示位置が特別図柄変動の実行に基づいて移動(シフト)することにより、新たに特殊図柄表示ゾーンに保留図柄を表示させた場合においても、特殊図柄表示ゾーンに表示された保留図柄の表示態様の全貌を遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本実施形態では、特殊図柄表示ゾーンの領域にて設定示唆演出の表示態様が設定された保留図柄が、特殊図柄表示ゾーン外へと移動(シフト)した場合に、設定示唆演出の表示態様がクリアされるように構成している。よって、表示画面には設定示唆演出に対応して表示される保留図柄の表示態様は最大で3個まで表示可能となる。このように、特殊図柄表示ゾーンから外れた保留図柄の表示態様が設定示唆演出に対応する表示態様では無くなるように構成することで、特殊図柄表示ゾーン内で表示された設定示唆演出の表示態様を記憶する必要が生じる。よって、長時間遊技を行っている遊技者のほうが、多くの設定示唆演出の演出態様を把握し易くすることができる。
また、図186(b)に示した状態で保留変化演出が実行され、特定表示態様で表示されていた保留図柄が通常表示態様(図では黒色の丸で表示)へと変化すると、保留図柄を用いた設定示唆演出の実行条件が成立していない状態(特定表示態様が表示されていない状態)となるため、図186(c)に示した通り、特殊図柄表示ゾーンの表示が消去され、設定示唆演出が実行され易い期間が終了したことを示すためのコメントとして「終了」のコメントをキャラクタJ0が発している態様が表示される。
一方で、図186(b)に示した状態で保留変化演出が実行され、特定表示態様で表示されていた保留図柄が特殊表示態様(図では星印で表示)へと変化すると、図186(d)に示した通り、特定表示態様の保留図柄が表示されている場合よりも、設定示唆演出が実行される保留図柄の範囲(特殊図柄表示ゾーン)が拡大表示される。このように構成することで、特定表示態様の保留図柄に対して、表示態様を可変させる可変演出が実行された場合に、特殊表示態様へと可変し、遊技者により有利な状態(設定示唆演出が実行され易い状態)が創出されるか、特定表示態様が通常の表示態様へと可変し、遊技者に不利な状態(設定示唆演出が実行され難い状態)が創出されるかを注目させることができる。
<第3実施形態の電気的構成について>
次に、図187および図188を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成について説明をする。まず、図187(a)を参照して音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図187(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容を模式的に示した図である。
図187(a)に示した通り、本第3実施形態では、上述した第1実施形態に対して、保留変化演出選択テーブル222baを追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
保留変化演出選択テーブル222baは、先読み演出の1つとして実行される保留変化演出の演出シナリオを選択する際に参照されるデータテーブルであって、先読み演出として保留図柄の表示態様を可変させる保留変化演出を実行すると判別した場合(図191のS2508参照)に、実行される保留変化演出設定処理(図192のS2560参照)において参照される。
この保留変化演出選択テーブル222baを参照して選択された保留変化演出の変化パターンが保留変化パターン格納エリア112bbに格納され、格納されている保留変化パターンに基づいて保留図柄の変化タイミングであると判別した場合に、保留変化パターンに規定されている表示態様へと保留図柄の表示態様が変化される。
ここで、図188を参照して、保留変化演出選択テーブル222baの内容について詳細に説明をする。図188は保留変化演出選択テーブル222baに規定されている内容を模式的に示した図である。図188に示した通り、保留変化演出選択テーブル222baには、保留変化演出の対象となる特図保留が示す当否判定結果と、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて、4種類の保留変化パターンが規定されている。
具体的には、対象保留の当否判定結果が当たりであって、取得した演出カウンタ223gの値が「0~59」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン1」が、取得した演出カウンタ223gの値が「60~89」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン2」が、取得した演出カウンタ223gの値が「90~98」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン3」が、規定されている。
一方、対象保留の当否判定結果が外れであって、取得した演出カウンタ223gの値が「0~69」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン4」が、取得した演出カウンタ223gの値が「70~89」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン1」が、取得した演出カウンタ223gの値が「90~98」の範囲には、保留変化パターンとして「パターン2」が、規定されている。
ここで、各保留変化パターンの内容について説明をする。「パターン1」は、対象保留を獲得したことを示す保留図柄が表示されてから2秒後に表示態様が第1態様(特定表示態様)へと変化し、その対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまで継続して第1態様が標示される保留変化パターンである。
「パターン2」は、対象保留を獲得したことを示す保留図柄が表示された後、次の特別図柄変動が開始されるタイミングで表示態様が第1態様(特定表示態様)へと変化し、その対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまで継続して第1態様が表示される保留変化パターンである。
「パターン3」は、対象保留を獲得したことを示す保留図柄が表示された後、次の特別図柄変動が開始されるタイミングで表示態様が第1態様(特定表示態様)へと変化し、2回目の特別図柄変動(次々回の特別図柄変動)が開始されるタイミングで表示態様が第2態様(特殊表示態様)へと変化し、その対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまで継続して第2態様が標示される保留変化パターンである。
「パターン4」は、次の特別図柄変動が開始されるタイミングで表示態様が第1態様(特定表示態様)へと変化し、2回目の特別図柄変動(次々回の特別図柄変動)が開始されるタイミングで表示態様が第1態様(特定表示態様)から、第3態様(通常表示態様)へと変化する保留変化パターンである。
このように、選択される保留変化パターンに応じて、特殊図柄表示ゾーンが表示される期間を異ならせるように構成することで、遊技者に対して、特殊図柄表示ゾーンが表示される期間がどの程度継続するのかを分かり難くすることができる。よって、特殊図柄表示ゾーンが表示された直後から意欲的に特図保留を獲得しようと遊技を行わせることができる。
<第3実施形態における制御処理について>
次に、図189から図194を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容について説明をする。本実施形態では、上述した第1実施形態に対して、保留球数コマンド受信処理(図145のS2208参照)に代えて保留球数コマンド処理(図189のS2258参照)を、入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)に代えて入賞コマンド受信処理3(図191のS2260参照)を、変動表示設定処理(図152のS2114参照)に代えて変動表示設定処理3(図193のS2164参照)を、液晶演出実行管理処理(図143のS2110)に代えて液晶演出実行管理処理3(図194のS2160参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図189を参照して、保留球数コマンド処理3(S2258)の制御処理の内容について説明をする。図189は、保留球数コマンド処理3(S2258)の処理内容を示したフローチャートである。図189に示した通り、保留球数コマンド処理3(S2258)では、上述した保留球数コマンド受信処理(図145のS2208参照)に対して、保留態様設定処理(S2351)の処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、図190を参照して、保留態様設定処理(S2351)の内容について説明をする。図190は、保留態様設定処理(S2351)の処理内容を示すためのフローチャートである。この保留態様設定処理(S2351)では、新たな保留図柄を表示する際に、今回表示する保留図柄が特殊図柄表示ゾーン(特殊表示ゾーン)内であるかを判別し、その判別結果に基づいた表示態様(演出態様)を決定するための処理が実行される。
保留態様設定処理(S2351)が実行されると、まず、特殊保留演出実行中フラグ223baがオンに設定されているかを判別し(S4001)、オンに設定されていると判別した場合は(S4001:Yes)、次に、格納した値、即ち、保留球数コマンド処理3(図189のS2258参照)にて実行されるS2301の処理において特別図柄保留球数カウンタに格納された値(何個目の特図保留となるかを示すための情報)が、現在設定されている特殊表示ゾーン(特殊図柄表示ゾーン)に該当するかを判別する(S4002)。
S4002の処理において、特殊表示ゾーン内であると判別した場合は(S4002:Yes)、設定示唆演出として保留図柄の表示態様を決定するために、設定示唆演出選択テーブル222bを参照して今回の保留図柄表示に用いる演出パターン(演出態様)を決定し(S4003)、決定した演出態様に対応する保留図柄の表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4004)、本処理を終了する。
次に、図191を参照して、入賞コマンド受信処理3(S2260)の処理内容について説明をする。図191は、入賞コマンド受信処理3(S2260)の処理内容を示すためのフローチャートである。この入賞コマンド受信処理3(S2260)では、上述した入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)に対して、変動演出以外の先読み演出を実行すると判別した場合に(S2508:No)、保留変化演出設定処理(図192のS2560)を実行するように構成した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、図192を参照して、保留変化演出設定処理(S2560)の処理内容について説明をする。図192は、保留変化演出設定処理(S2560)の処理内容を示すためのフローチャートである。この保留変化演出設定処理(S2560)では、保留変化演出が実行される場合において、その保留変化パターン(変化シナリオ)を決定するための処理が実行される。
保留変化演出設定処理(S2560)が実行されると、まず、保留変化演出選択テーブル222baを参照して保留変化パターンを決定し(S4101)、決定した保留変化パターンを保留変化パターン格納エリア223bbに格納し(S4102)、格納された保留変化パターンが特殊保留演出(特殊図柄表示ゾーンが表示される演出)を含むものであるかを判別する(S4103)。
そして、特殊保留演出が含まれると判別した場合は(S4103:Yes)、特殊保留演出実行中フラグ223baをオンに設定し(S4104)、本処理を終了する。一方、S4103の処理において、特殊保留演出が含まれないと判別した場合は(S4103:No)、S4104の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図193を参照して、変動表示設定処理3(S2164)の内容について説明をする。図193は、変動表示設定処理3(S2164)の処理内容を示すためのフローチャートである。この変動表示設定処理3(S2164)では、上述した変動表示設定処理(図152のS2114参照)に対して、特殊保留演出(図186参照)に関わる処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動表示設定処理3(S2164)が実行されると、まず、上述した変動表示設定処理(図152のS2114参照)と同一のS3001~S3003の処理を実行する。そして、S3003の処理を終えると、次に、特殊保留演出実行中フラグ223baがオンに設定されているかを判別し(S4201)、オンに設定されていると判別した場合は(S4201:Yes)、今回の変動が、特殊保留演出の対象保留に係る変動であるかを判別し(S4202)、対象保留に係る変動であると判別した場合は(S4202:Yes)、特殊保留演出実行中フラグ223baをオフに設定し(S4203)、以降、上述した変動表示設定処理(図152のS2114参照)と同一のS3004~S3013の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S4201の処理において、特殊保留演出実行中フラグ223baがオンに設定されていない、即ち、特殊保留演出が実行されていないと判別した場合(S4201:No)、或いは、S4202の処理において、特殊保留演出の対象保留に係らない変動、即ち、特殊保留演出の対象となる保留図柄に対応する特別図柄変動以外の特別図柄変動が実行されると判別した場合は(S4202:No)、S4203の処理をスキップして、上述した変動表示設定処理(図152のS2114参照)と同一のS3004~S3013の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図194を参照して、液晶演出実行管理処理3(S2160)の処理内容について説明をする。図194は、液晶演出実行管理処理3(S2160)の処理内容を示すためのフローチャートである。この液晶演出実行管理処理3(S2160)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図143参照)にて1ミリ秒毎に実行される処理であって、実行中の演出の内容を定期的に更新するための処理が実行される。例えば、演出の進行内容を経過時間に基づいて可変させていくための演出シナリオを決定し、その演出シナリオに基づいて演出態様を可変させる場合には、液晶演出実行管理処理3(S2160)にて経過時間を特定し、特定した経過時間が演出シナリオに規定されている演出態様の可変タイミングと合致したと判別した場合に、演出態様を可変させるための表示用コマンドが設定される。
<第4実施形態について>
次に、第4実施形態について説明をする。上述した第1実施形態では、設定されている遊技状態に応じて異なる変動パターンを選択するように変動パターン選択テーブル222aを規定し、遊技状態に応じて、リーチ外れ演出が実行される割合を異ならせるように構成していた。そして、SPタイム期間中においてリーチ外れ演出が実行された場合には、特典として設定示唆演出が実行されるように構成していた。そして、リーチ外れ演出が実行され難い遊技状態のほうが、変動演出として設定示唆演出を実行させ難くなるため、他の演出を用いて設定示唆演出を実行するように構成した。つまり、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、SPタイム期間中において実行される設定示唆演出の回数が均等となるように構成していた。
これに対して、本第4実施形態では、同一の遊技状態(例えば、通常状態)が設定されている状態においても、リーチ外れ演出が選択される割合を可変させることが可能に構成している。具体的には、遊技者が枠ボタン22を操作することにより背景モードを変更可能に構成し、選択されている背景モードに応じて、同一の変動パターンが選択された場合であっても、リーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度を異ならせるように構成している。
このように、遊技者が選択した背景モードによってリーチ外れ演出の実行頻度を異ならせるように構成することで、リーチ演出が実行された場合における大当たり当選の期待度を異ならせることができる。よって、大当たり当選の有無に関わらずリーチ演出を見たい遊技者は、リーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度が高い背景モードを選択し、リーチ演出の大当たり期待度を高めたい遊技者は、リーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度が低い背景モードを選択することで所望の演出で遊技を行うことができる。
また、上述した第1実施形態と同様に、SPタイム期間中においてリーチ外れ演出が実行された場合には、設定示唆演出が実行されるように構成しているため、設定示唆演出の実行頻度についても遊技者が選択可能となる。よって、既に設定されている設定値を把握している遊技者は、他の遊技者(隣で遊技を行っている遊技者)に設定値を把握され難くするために設定示唆演出の実行頻度が低い背景モードを選択し、いち早く設定値を把握したい遊技者は、設定示唆演出の実行頻度が高い背景モードを選択することができる。
さらに本実施形態では、リーチ演出の実行頻度が低い状態(リーチ外れ演出が実行され難い状態)では、設定示唆演出として、現在設定されている設定値を遊技者が予測し易い演出態様(強示唆態様)が選択され易くなるように構成し、リーチ演出の実行頻度が高い状態(リーチ外れ演出が実行され易い状態)では、設定示唆演出として、現在設定されている設定値を遊技者が予測し難い演出態様(弱示唆態様)が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、設定示唆演出が実行され易いが弱示唆態様が選択され易い遊技と、設定示唆演出が実行され難いが強示唆態様が選択され易い遊技と、を遊技者に選択させることが可能となる。
つまり、本実施形態では、設定示唆演出の実行回数を均一化させるのでは無く、実行される設定示唆演出によって遊技者が獲得する設定値を予測するための情報量を均一化させるという技術思想の基、為された発明となる。
さらに、本技術思想に基づく発明として、実現頻度が低い遊技状況が発生するほど、強示唆態様が選択され易くすると良く、例えば、1回のSPタイム期間中に複数回の大当たり遊技が実行された場合に、強示唆態様が選択され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、よりレアな遊技状況を創出させることにより、設定値を予測し易い情報を付与することが可能となるため、遊技者に対して様々な遊技状況を創出させようと工夫をしながら遊技を行わせることができる。
<第4実施形態における電気的構成について>
まず、図195及び図196を参照して、本実施形態における電気的構成について説明をする。本第4実施形態におけるパチンコ機10は、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外の構成、即ち、主制御装置110のMPU201が有するROM202及びRAM203の構成や、表示制御装置113の各電気的構成の内容については同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図195(a)は、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図195(a)に示した通り、本実施形態のROM222は、上述した第1実施形態のROM222に対して、変動パターン選択テーブル222aに代えて変動パターン選択4テーブル222caを設け、新たに終了時態様選択テーブル222cbを追加した点で相違しており、それ以外が同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動パターン選択4テーブル222caは、上述した変動パターン選択テーブル222aと同様に、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、実行させる変動演出の演出パターンを選択する際に参照されるデータテーブルである。上述した第1実施形態では、その詳細な説明を省略したが、受信した変動パターンを示す情報や、現在の遊技状態や、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて各種変動演出の演出パターンが規定されている。
ここで、図196を参照して、変動パターン選択4テーブル222caの詳細な内容について説明をする。図196は、変動パターン選択4テーブル222caに規定されている内容のうち、特徴的な規定内容を模式的に示した図である。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態のパチンコ機10は、複数種類のリーチ演出を実行可能に構成しており、変動パターン選択4テーブル222caには、受信した変動パターンコマンドに対応しさせて各種リーチ演出の種別が規定されている。
図196に示した通り、変動パターン選択4テーブル222caには、現在の遊技状態(特別図柄、及び普通図柄の確率状態に加え、選択されている背景モードに応じた遊技状態)と、主制御装置110から受信した変動パターン種別と、取得した演出カウンタ223gの値とに対応させて各種変動演出パターンが規定されている。
具体的には、遊技状態が「通常1」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「砂浜ステージ」であって、受信した変動パターンが「当たり各種」、即ち、主制御装置110の変動パターン選択テーブル202bを参照して選択された変動パターンが当たり変動A~当たり変動Cである場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「各種当たり」が規定されている。
図196では詳細な図示は省略しているが、実際には、受信した変動パターンが示す変動時間の長さと、取得した演出カウンタ223gの値と、に対応させて複数種類の変動演出(リーチ演出)のうち、何れかの変動演出(リーチ演出)が規定されている。なお、特別図柄の当たり当選に対応する変動パターンを受信した場合には、変動演出の結果が大当たり当選を示す結果となるため、リーチ外れ演出が実行されることが無い。
次に、遊技状態が「通常1」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「砂浜ステージ」であって、受信した変動パターンが「外れ変動A」、即ち、主制御装置110の通常用変動パターンテーブル202b1を参照して選択された変動パターンが外れ変動A(変動時間5秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「短外れ」が規定されている。この「短外れ」が選択された場合には、リーチ演出が実行されること無く、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための表示態様で第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。
遊技状態が「通常1」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「砂浜ステージ」であって、受信した変動パターンが「外れ変動B」、即ち、主制御装置110の通常用変動パターンテーブル202b1を参照して選択された変動パターンが外れ変動B(変動時間20秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「0~49」の範囲に対して、変動演出として「中外れ」が規定され、「50~98」の範囲に対して、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。「中外れ」が選択された場合には、変動演出としてリーチ演出が実行されるか否かを煽る演出が実行された後に、リーチ演出が実行されること無く、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための表示態様で第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。
ここで、「中外れ」に対応する変動演出の具体例としては、第3図柄が外れを示す表示態様(大当たり当選を示す表示態様以外)で仮停止した後に、再度、第3図柄を変動させる疑似変動演出を実行することでリーチ演出が実行されることを遊技者に期待させる変動演出や、変動表示中の第3図柄の変動速度を一時的に低速にすることで、上述した短外れに対応する変動演出よりも、リーチ演出が実行される(リーチ演出が実行されることになる組合せで第3図柄の一部を停止表示させる)期待度を高めた変動演出がある。
このような「中外れ」の変動演出に対応する演出態様は、何れもリーチ外れ演出やリーチ当たり演出においても途中まで同様の演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、中外れの変動演出が実行されている場合において、遊技者に対して実行されている変動演出が「中外れ」、「リーチ外れ」、「リーチ当たり」の何れに基づいて実行された変動演出であるかを分かり難くすることができる。
また、「リーチ外れ」に対応する変動演出の具体例としては、第3図柄が外れを示す表示態様(大当たり当選を示す表示態様以外)で仮停止した後に、再度、第3図柄を変動させる疑似変動演出を実行することでリーチ演出が実行されることを遊技者に期待させた後に、リーチ演出が実行される変動演出や、変動表示中の第3図柄の変動速度を一時的に低速にすることで、上述した短外れに対応する変動演出よりも、リーチ演出が実行される(リーチ演出が実行されることになる組合せで第3図柄の一部を停止表示させる)期待度を高めた後にリーチ演出を実行する変動演出がある。
そして、遊技状態が「通常1」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「砂浜ステージ」であって、受信した変動パターンが「外れ変動C」、即ち、主制御装置110の通常用変動パターンテーブル202b1を参照して選択された変動パターンが外れ変動C(変動時間60秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。つまり、外れ変動Cが選択された場合には、必ずリーチ外れの変動演出が実行されるように構成している。
一方、遊技状態が「通常2」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「深海ステージ」であって、受信した変動パターンが「当たり各種」である場合、即ち、主制御装置110の変動パターン選択テーブル202bを参照して選択された変動パターンが当たり変動A~当たり変動Cである場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「各種当たり」が規定されている。なお、変動演出として「各種当たり」が選択された場合に実行される変動演出の内容については、上述した通常1の場合と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
遊技状態が「通常2」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「深海ステージ」であって、受信した変動パターンが「外れ変動A」、即ち、主制御装置110の通常用変動パターンテーブル202b1を参照して選択された変動パターンが外れ変動A(変動時間5秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「0~49」の範囲に対して、変動演出として「短外れ」が規定され、「50~98」の範囲に対して、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。
この、外れ変動Aに対して実行されるリーチ外れ演出は、第3図柄変動が実行された直後(2秒後)にリーチ演出が実行され、その2秒後にリーチ外れを示す表示態様で第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。つまり、遊技者に対して大当たり当選するか否かを煽ることで演出効果を高める目的では無く、リーチ外れ演出の実行頻度を高めることを目的とした変動演出が実行される。なお、このように短時間でリーチ演出(リーチ外れ演出)を実行する場合には、例えば、変動演出が実行される場合に、3つの第3図柄のうち、1つの第3図柄を停止表示させたまま、他の1つの第3図柄を停止表示させたままの第3図柄と同一の表示態様で即座に停止表示させることで短時間でリーチ状態となるように構成すると良い。このように、全ての第3図柄を変動表示させること無くリーチ状態を創出するように構成することで、遊技者に分かり易い演出態様でリーチ状態を短時間で創出することができる。なお、この場合、変動表示されない第3図柄に対して、変動表示されないこと(停止表示されたままであること)を遊技者に報知するための報知態様として、例えば「LOCK」の文字が付されたアイコンを付加すると良い。これにより、変動表示されることの無い第3図柄が存在することを遊技者に分かり易く報知することができる。
遊技状態が「通常2」、即ち、遊技状態が通常状態であって、背景モードが「深海ステージ」であって、受信した変動パターンが「外れ変動B」、即ち、主制御装置110の通常用変動パターンテーブル202b1を参照して選択された変動パターンが外れ変動B(変動時間20秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値が「0~9」の範囲に対して、変動演出として「中外れ」が規定され、「10~98」の範囲に対して、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。そして、受信した変動パターンが「外れ変動C」、即ち、変動時間が60秒である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。つまり、外れ変動Cが選択された場合には、必ずリーチ外れの変動演出が実行されるように構成している。
以上、説明をした通り、本実施形態では、通常状態が設定されている場合において、選択されている背景モードに応じてリーチ外れ演出が実行される頻度を異ならせている。具体的には、背景モードとして「砂浜ステージ」が選択されている場合(通常1の場合)よりも、「深海ステージ」が選択されている場合(通常2の場合)のほうが、リーチ外れ演出が実行され易くなるように構成している。よって、同一の遊技状態(通常状態)が設定されている場合においてもリーチ外れ演出、ひいてはリーチ演出の実行頻度を異ならせることができるため、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。
なお、本実施形態では、遊技者が枠ボタン22を操作することにより、背景モードを変更可能に構成し、設定された背景モードに応じてリーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度を異ならせているが、リーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度を異ならせるための構成はこれに限られるものでは無く、例えば、遊技状態が変更されること無く実行される特別図柄抽選の回数が所定回数(例えば、50回)に到達した場合に背景モードが切り替わるように構成しても良いし、計時装置292により計時される時刻が所定時刻(例えば、午後1時)となった場合に背景モードが切り替わるように構成しても良いし、大当たり遊技終了後に特定の遊技状態(例えば、確変状態)が設定される大当たり種別を複数有する場合には、大当たり遊技終了後に特定の遊技状態が設定される複数の大当たり種別のうち、第1大当たり種別が設定された場合と、第2大当たり種別が設定された場合と、で特定の遊技状態が設定された場合に異なる背景モードが設定されるように構成しても良い。
このように、遊技者が任意に背景モードを選択できない仕様であったとしても、遊技者に対してリーチ演出の実行頻度を異ならせた遊技を実行させることができるため、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。
次に、遊技状態が時短状態、或いは確変状態である場合には、背景モードに関わらず、同一の変動演出が実行されるように変動演出が規定されており、遊技状態が「時短・確変」、即ち、遊技状態が時短状態、或いは確変状態であって、受信した変動パターンが「当たり各種」である場合、即ち、主制御装置110の時短・確変用変動パターンテーブル202b2を参照して選択された変動パターンが当たり変動A、当たり変動Bである場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「各種当たり」が規定されている。なお、変動演出として「各種当たり」が選択された場合に実行される変動演出の内容については、上述した通常1の場合と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
また、受信した変動パターンが「外れ変動D」である場合、即ち、主制御装置110の時短・確変用変動パターンテーブル202b2を参照して選択された変動パターンが外れ変動D(変動時間3秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「短外れ」が規定されている。つまり、変動時間が3秒と短い変動パターンではリーチ演出が実行されること無く、外れを示す第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。
受信した変動パターンが「外れ変動B,C」である場合、即ち、主制御装置110の時短・確変用変動パターンテーブル202b2を参照して選択された変動パターンが外れ変動B(変動時間20秒)、或いは、外れ変動C(変動時間60秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「リーチ外れ」が規定されている。
さらに、遊技状態が確変状態であって、高速変動モードである場合には、背景モードに関わらず、同一の変動演出が実行されるように変動演出が規定されており、遊技状態が「確変高速変動期間」、即ち、遊技状態が確変状態、且つ、高速変動モードであって、受信した変動パターンが「当たり各種」である場合、即ち、主制御装置110の高速変動用変動パターンテーブル202b3を参照して選択された変動パターンが短当たり変動A、短当たり変動Bである場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「各種当たり」が規定されている。なお、変動演出として「各種当たり」が選択された場合に実行される変動演出の内容については、上述した通常1の場合と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
また、受信した変動パターンが「外れ各種」である場合、即ち、主制御装置110の高速変動用変動パターンテーブル202b3を参照して選択された変動パターンが短外れ変動A(変動時間1.5秒)、短外れ変動B(変動時間6秒)である場合には、取得した演出カウンタ223gの値に関わらず(取得し得る演出カウンタ223gの全範囲に対して)、変動演出として「短外れ」が規定されている。つまり、高速変動モード中はリーチ外れ演出が実行されること無く、リーチ演出が実行された時点で大当たり当選していることが報知されることになる。
以上、説明をした通り、本実施形態では、主制御装置110の制御処理において選択された変動パターンに対応する変動演出を実行する場合において、遊技状態(現在設定されている遊技状態や背景モード)に基づいて異なる変動演出が決定され得るように構成し、遊技状態に応じてリーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度を異ならせるように構成している。
そして、遊技状態としては、通常状態が最もリーチ演出(リーチ外れ演出)の実行頻度、即ち、所定回数の特別図柄抽選が実行された場合にその抽選結果を示すための変動演出の演出態様としてリーチ演出が実行される頻度が最も高くなり、次いで、時短状態、確変状態の順でリーチ演出の実行頻度が低くなるように構成している。さらに、確変状態が設定されている場合のうち、高速変動モード中においてはリーチ外れ演出が実行されないように構成している。このように構成することで、各遊技状態におけるリーチ外れ演出の実行頻度を明確に規定することができる。
図195(a)に戻り説明を続ける。終了時態様選択テーブル222cbは、期間演出(SPタイム演出)の終了時に実行される設定示唆演出の演出内容(示唆態様)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、期間演出の開始タイミングにおける遊技状態と、期間演出の終了タイミングにおける遊技状態と、に対応させて異なる示唆態様が規定されている。
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、期間演出が実行されている場合には、期間演出が実行されていない場合よりも、変動演出に基づいて設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。より具体的には、期間演出中に実行される特別図柄抽選の実行回数やリーチ演出の実行回数に基づいて設定示唆演出を実行したり、リーチ外れ演出が実行された場合に設定示唆演出を実行したりするように構成している。
つまり、期間演出(SPタイム演出)が実行されるSPタイム期間は、遊技者に対して設定値を予測させるための情報が多く提供されるため、遊技者に有利な特典(設定示唆情報)が付与され易くなる特典期間となる。しかしながら、このSPタイム期間は、計時装置292による計時結果に基づいて設定される期間であり、実際の遊技内容に関わらず設定されるものであるため、例えば、大当たり遊技中にSPタイム期間が設定されたり、リーチ外れ演出が実行され難い遊技状態(高速変動モード)中にSPタイム期間が設定されたりする場合がある。
このように、SPタイム期間が設定された場合であっても、そのSPタイム期間中における遊技状況によって、設定示唆演出の実行頻度が異なってしまうため遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して本第4実施形態では、SPタイム期間の終了タイミングにおいて設定値を示唆する演出態様で演出(期間演出終了時演出)を実行可能に構成し、期間演出終了時演出の演出態様を、SPタイム期間が設定された時点における遊技状態(特別図柄の確率状態、普通図柄の確率状態、背景モード、大当たり遊技中か否かによって特定される遊技の状態)と、SPタイム期間が終了した時点における遊技状態とに基づいて決定するように構成している。
具体的には、SPタイム期間中が変動演出に基づく設定示唆演出が実行され難い遊技状態である場合のほうが、変動演出に基づく設定示唆演出が実行され易い遊技状態である場合よりも期間演出終了時演出中に設定値を予測し易い態様(強示唆態様)で設定示唆演出が実行され易くなるように構成している。つまり、設定示唆演出が実行され難い状況でSPタイム期間中の遊技が実行された場合には、SPタイム期間の終了タイミングにおいて、強示唆態様の設定示唆演出が実行され易くなる。このように構成することで、遊技状態に関わらず、SPタイム期間中に遊技を行った遊技者に対して設定値を予測するための情報(設定推測要素)を均等に付与することができる。よって、どのような遊技状態でSPタイム期間が設定された場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、図197を参照して、終了時態様選択テーブル222cbの内容について説明をする。図197は終了時態様選択テーブル222cbに規定されている内容を模式的に示した図である。この終了時態様選択テーブル222cbは、SPタイム期間(SPタイム演出)の終了画面にて実行される設定示唆演出の示唆態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、設定値の予測し易さに応じた5段階の示唆態様(最低示唆態様、低示唆態様、中示唆態様、高示唆態様、最高示唆態様)が、SP期間開始時の遊技状態と、SPタイム期間終了時の遊技状態との組合せに対応させて選択されるように規定されている。
具体的には、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常1」で、終了時の遊技状態が「通常1」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「低示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常1」で、終了時の遊技状態が「通常2」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「低示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常1」で、終了時の遊技状態が「時短・確変」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「中示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常1」で、終了時の遊技状態が「高速変動」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常1」で、終了時の遊技状態が「大当たり中」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」がそれぞれ選択されるように規定している。
SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常2」で、終了時の遊技状態が「通常1」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「低示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常2」で、終了時の遊技状態が「通常2」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「最低示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常2」で、終了時の遊技状態が「時短・確変」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「中示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常2」で、終了時の遊技状態が「高速変動」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「通常2」で、終了時の遊技状態が「大当たり中」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」がそれぞれ選択されるように規定している。
また、SPタイム期間開始時の遊技状態が「時短・確変」で、終了時の遊技状態が「通常1、通常2」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「中示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「時短・確変」で、終了時の遊技状態が「時短・確変」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「時短・確変」で、終了時の遊技状態が「高速変動」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「最高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「時短・確変」で、終了時の遊技状態が「大当たり中」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「最高示唆態様」がそれぞれ選択されるように規定している。
SPタイム期間開始時の遊技状態が「高速変動」で、終了時の遊技状態が「高速変動」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「最高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「高速変動」で、終了時の遊技状態が「大当たり中」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「最高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「高速変動」で、終了時の遊技状態が「高速変動、大当たり中以外」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「大当たり中」で、終了時の遊技状態が「大当たり中」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「確定報知」が、SPタイム期間開始時の遊技状態が「大当たり中」で、終了時の遊技状態が「大当たり中以外」である場合には、SPタイム期間の終了時に実行される設定示唆演出の示唆態様(設定示唆態様)として「高示唆態様」がそれぞれ選択されるように規定している。
<第4実施形態における制御処理について>
次に、図198、及び図199を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、経過時間確認処理(図158のS2111参照)に代えて経過時間確認処理4(図198のS2171参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図198を参照して、経過時間確認処理4(S2171)の内容について説明をする。図198は、経過時間確認処理4(S2171)の処理内容を示すためのフローチャートである。この経過時間確認処理4(S2171)は、上述した経過時間確認処理(図158のS2111参照)に対して、期間演出(SPタイム演出)の終了時に表示される終了画面の表示態様を設定するための処理の内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図198に示した通り、経過時間確認処理4(S2171)が実行されると、上述した経過時間確認処理(図158のS2111参照)と同一のS3601~S3607の処理が実行され、S3607の処理を終えると、次に、現在の遊技状態を遊技状態格納エリア223caに格納し(S3671)、本処理を終了する。このS3671の処理では、現在の遊技状態、即ち、期間演出が実行されるSP期間(SPタイム期間)の開始タイミングにて設定されている遊技状態として、特別図柄の確率状態、普通図柄の確率状態に加え、選択中の背景モードの種別(砂浜ステージ、深海ステージ)を示す情報と、高速変動モード中であるか否かを示す情報と、大当たり遊技中であることを示す情報と、を含む遊技状態情報が遊技状態格納エリア223caに格納される。ここで遊技状態格納エリア223caに格納された遊技状態情報は、期間演出終了時に表示される終了画面の表示態様を決定する際に参照される。
また、S3604の処理において、現在の演出期間がSP期間(SPタイム期間)では無いと判別した場合は(S3604:No)、次に、特化モード中フラグ223wがオンに設定されているかを判別し(S3608)、特化モード中フラグ223wがオンに設定されていないと判別した場合は(S3608:No)、期間演出中フラグ223pがオンに設定されているかを判別する(S3609)。
S3609の処理において、期間演出中フラグ223pがオンに設定されている、即ち、現在がSP期間(SPタイム期間)が終了したタイミングであって、SPタイム演出が実行中であることを示す期間演出中フラグ223pがオンのままの状態(期間演出の終了を設定するタイミング)であると判別した場合には(S3609:Yes)、次いで、特別図柄変動が実行されている状態であるかを判別し(S3610)、特別図柄変動中であると判別した場合には(S3610:Yes)、上述した経過時間確認処理(図158のS2111参照)と同一のS3611の処理を実行し、本処理を終了する。詳細な説明は省略するが、S3611の処理では、SPタイム期間(SP期間)の終了タイミングにおいて実行されている特別図柄変動の残変動時間(SPタイム期間の終了時点から実行中の特別図柄変動が停止表示されるまでの期間)に応じて、その残変動時間中に実行させる演出態様を決定するための処理が実行される。
一方、S3610の処理において特図変動中では無いと判別した場合は(S3610:No)、次に、終了画面設定処理を実行し(S3672)、期間演出中フラグ223pをオフに設定し(S3612)、第3図柄表示装置81の表示画面の背景画像種別を、SPタイム期間を示す背景画像から通常演出期間を示す背景画像へと切り替えるための背面画像変更コマンドを設定し(S3613)、次いで、上述した経過時間確認処理(図158のS2111参照)と同一のS3614,S3615の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図199を参照して、終了画面設定処理(S3672)の内容について説明をする。図199は、終了画面設定処理(S3672)の処理内容を示すためのフローチャートである。この終了画面設定処理(S3672)は、上述した経過時間確認処理4(図198のS2171参照)において、期間演出(SPタイム演出)を終了させるための条件(SPタイム期間が終了し、特図変動演出が停止表示されている)が成立した場合に実行されるものであって、SPタイム演出の終了画面に表示される表示態様として、SPタイム期間中における遊技状態(遊技状況)に応じて異なる表示態様を決定するための処理が実行される。
終了画面設定処理(S3672)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア223caから期間演出開始時の遊技状態、即ち、経過時間確認処理4(図198のS2171参照)にて実行されるS3671の処理にて格納された遊技状態と、現時点における遊技状態と、を読み出し(S4401)、S4401の処理にて読み出した各遊技状態(期間演出開始時の遊技状態と、期間演出終了時の遊技状態)に基づいて終了時態様選択テーブル222cbを参照して、期間演出終了画面に表示する設定示唆態様を決定する(S4402)。
そして、決定した設定示唆態様と、現在の遊技状態とに対応する表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4403)、本処理を終了する。
なお、上述した各実施形態では、リーチ外れ演出の実行頻度を可変させることにより、設定示唆演出の実行頻度を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、リーチ外れ演出の実行頻度を変えること無く、リーチ外れ演出が選択された場合において設定示唆演出を実行する頻度を可変可能に構成しても良い。
この場合、リーチ外れ演出中に設定示唆演出が実行されるか否かを遊技者に煽るための示唆予告演出を実行し、示唆予告演出の演出結果に基づいて設定示唆演出が実行されるか否かを遊技者に報知するように構成すると良い。これにより、設定示唆演出が実行されないリーチ外れ演出が実行された場合であっても、示唆予告演出が実行されることにより、最後まで設定示唆演出が実行されることを期待させることができるため実行される演出に興味を持たせることができる。
さらに、示唆予告演出を実行する場合には、その演出結果として、リーチ外れ演出がリーチ当たり演出へと切り替わる復活態様も実行され得るように構成すると良く、例えば、リーチ外れ演出の演出結果として、第3図柄を大当たり当選とは異なる組合せで停止表示させた後に、示唆予告演出を実行し、示唆予告演出として第1演出が実行された場合には、設定示唆演出が実行され、第2演出が実行された場合には、設定示唆演出が実行されずそのまま変動演出が終了し、第3演出が実行された場合には、外れ停止している第3図柄を再変動させ大当たり当選を示す表示態様で第3図柄を停止表示させるように構成すると良い。
このように構成することで、示唆予告演出が実行された場合に、設定示唆演出の有無だけでは無く、大当たり当選に対しても期待を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
<第5実施形態>
次に、図200から図202を参照して、第5実施形態について説明をする。本第5実施形態は、上述した第1実施形態に対して、パチンコ機10への電源投入時に実行される各種処理(各種立ち上げ処理)の処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
上述した第1実施形態では、パチンコ機10に電源が投入されると、主制御装置110、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114といった各種制御装置が起動し、主制御装置110にて実行される立ち上げ処理(図135参照)にて設定される立ち上げコマンドが音声ランプ制御装置113へと出力され、音声ランプ制御装置113にて立ち上げコマンドを受信した場合に、音声ランプ制御装置113にて立ち上げ処理が開始されるように構成していた。
つまり、音声ランプ制御装置113にて実行される立ち上げ処理の実行タイミングを、電源投入時では無く、主制御装置110から立ち上げコマンドを受信したタイミングとするように構成していた。これにより、主制御装置110の立ち上げ処理の実行期間と音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理の実行期間とに一定の関連性を持たせることができ、例えば、主制御装置110の故障により立ち上げ処理が実行されない事態が発生した場合に、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理のみ実行されてしまうことを抑制することができるものであった。
また、主制御装置110から出力される立ち上げコマンドを受信しない限り音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理を進行させることができないため、例えば、悪意のある遊技者が正規の主制御装置110に代えて非正規の主制御装置を取り付けて不正遊技を行う場合において、パチンコ機10を動作させるために必要な情報(コマンド)の数を増加させることで不正遊技を行われ難くすることができるものであった。
これに対して、本実施形態では、パチンコ機10に電源が投入されると、電源装置115から各種制御装置に対して一斉に所定の電力が供給されるように構成し、電源装置115から供給された所定の電力を各種制御装置が受け取った際に、立ち上げ処理が実行されるように構成している。つまり、電源装置115から各種制御装置への電力供給タイミングに基づいて、各種制御装置にて実行される立ち上げ処理の実行タイミングに一定の関連性を持たせることができるように構成している。
このように構成することで、主制御装置110から立ち上げコマンドを音声ランプ制御装置113へと出力するための処理を省略することができ、主制御装置110における制御処理を簡素化することができる。
なお、電源投入されてから電源装置115により所定電力が供給されるまでは、電源が投入されてから所定電圧(例えば、直列5V)へと電圧が上昇し、安定するまでの起動期間を要する必要がある。そして、所定電力が供給された場合に、リセット信号も合わせて出力される(立ち上げ後、最初に所定電力が供給された場合に処理内容がリセットされる)ように構成している。これにより、所定電力が供給されるまでの起動期間中において微量な電力が各種制御装置へと出力され、立ち上げ処理等の制御処理が実行されてしまうという不具合が発生した場合であっても、その不具合を確実に解消することができる。
さらに、本第5実施形態では、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理において表示制御装置114から第3図柄表示装置81のブート処理が完了したことを示すためのブート完了コマンドを受信したかを判別する処理を実行するように構成し、立ち上げ処理中にブート完了コマンドを受信した場合、即ち、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が完了するよりも前に、第3図柄表示装置81のブート処理が完了している場合には、枠ボタン22に対する操作を無効にする操作無効期間を設定するための処理(操作無効タイマ223sをセットする処理)をスキップするように構成している。
このように構成することで、例えば、設定変更操作に時間を費やしたことにより、パチンコ機10に電源が投入されてから音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が終了するまでの時間が長くなった場合(第3図柄表示装置81のブート処理が終了するまでの期間よりも長くなった場合)における音声ランプ制御装置113の制御処理の負荷を軽減することができる。
<第5実施形態における主制御装置110の制御処理について>
ここで、図200を参照して、本第5実施形態における主制御装置110のMPU211にて実行される処理の内容について説明をする。本第5実施形態では、上述した第1実施形態に対して、立ち上げ処理の一部内容を変更した処理が実行され、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図200は本第5実施形態における主制御装置110の立ち上げ処理の処理内容を示すためのフローチャートである。図200に示した通り、立ち上げ処理が実行されると、初期設定処理(S951)が実行され、それ以外は上述した第1実施形態と同一の処理(S902~S917)が実行される。
ここで、S951の処理は、上述した初期設定処理(S901)に対して、音声ランプ制御装置113へと出力するための立ち上げコマンドを設定するための処理が実行されない点で相違している。よって、本第5実施形態では、主制御装置110の立ち上げ処理が実行されたことを示す情報が音声ランプ制御装置113へと出力されることが無い。よって、主制御装置110にて実行される制御処理の処理負荷を軽減することができる。
<第5実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図201及び図202を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される処理の内容について説明をする。本第5実施形態では、上述した第1実施形態に対して、立ち上げ処理(図140参照)に代えて立ち上げ処理(図201参照)を実行する点と、立ち上げ処理(図201参照)において実行される待機処理(図142のS2012参照)に代えて、待機処理5(図202のS2051参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図201に示した通り、立ち上げ処理が実行されると、まず待機処理5を実行し(S2051)、その後、上述した立ち上げ処理(図140参照)と同一のS2002~S2014の処理を実行し、本処理終了を終了する。
次に、図202を参照して、待機処理5の(S2051)の処理内容について説明をする、図202は、待機処理5(S2051)の処理内容を示すためのフローチャートである。この待機処理5(S2051)は、上述した第1実施形態の待機処理(図142のS2012参照)に対して、ブート完了コマンドの受信に関する処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
待機処理5(S2051)が実行されると、まず、上述した第1実施形態の待機処理(図142のS2012参照)と同一のS2071~S2077の処理を実行し、その後、表示制御装置114から出力されるブート完了コマンドを受信したかを判別する(S2091)。S2091の処理において、ブート完了コマンドを受信したと判別した場合は(S2091:Yes)、ボタン操作が有効であることを示すための表示用コマンドを設定し(S2092)、メイン処理へ移行する。一方、S2091の処理において、ブート完了コマンドを受信していないと判別した場合は(S2091:No)、上述した第1実施形態の待機処理(図142のS2012参照)と同一のS2078の処理を実行し、メイン処理へと移行する。
以上、説明をした通り、本第5実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される立ち上げ処理(図201参照)において、ブート完了コマンドを受信したことを判別可能な処理を実行するように構成しているため、音声ランプ制御装置113の立ち上がり処理が完了するよりも前に、第3図柄表示装置81のブート処理が完了している場合には、操作無効タイマ223sをセットする処理を排除することができる。よって、パチンコ機10を立ち上げるための処理の簡素化することができる。また、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理のほうが、第3図柄表示装置81のブート処理よりも先に完了した場合には、上述した第1実施形態と同様に操作無効タイマ223sをセットするように構成しているため、第3図柄表示装置81のブート処理が完了するよりも前に操作手段(枠ボタン22)への操作が有効に判別されることを禁止することができる。
なお、本実施形態では、操作無効タイマ223sに対して所定期間(5秒)を示すための値をセットすることにより、操作手段(枠ボタン22)への操作が有効に判別されることを禁止する期間を設定するように構成している。そして、操作無効タイマ223sにセットされる値として、第3図柄表示装置81のブート処理が完了するのに要する期間よりも長い期間をセットするように構成している。
このように構成することで、操作無効タイマ223sにセットされている値が0に更新されるまでの間は無条件で操作手段(枠ボタン22)への操作が無効となるように制御を行えば良く、パチンコ機10を立ち上げるための処理の簡素化することができる。
なお、この構成に限ること無く、例えば、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が完了した時点において第3図柄表示装置81のブート処理が完了していないと判別した場合に、その状態を示すための待機フラグをオンに設定し、第3図柄表示装置81のブート処理が完了したと判別した場合に待機フラグをオフに設定するように構成し、待機フラグがオンに設定されている間、枠ボタン22への操作が無効となるように構成しても良い。このように構成することで、待機フラグの設定状況を定期的に判別する処理を追加する必要が生じるが、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理と第3図柄表示装置81のブート処理とが何れも終了した時点まで確実に枠ボタン22への操作を無効とし、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理と第3図柄表示装置81のブート処理とが共に終了したタイミングで確実に枠ボタン22への操作を有効に判別することができる。
なお、本実施形態では、操作手段(枠ボタン22)に対する操作の有無、及び操作内容を音声ランプ制御装置113が判別(特定)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、表示制御装置114が操作手段(枠ボタン22)に対する操作の有無、及び操作内容を判別可能に構成しても良い。この場合、第3図柄表示装置81のブート処理が完了した状態において、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が終了している場合と、終了していない場合、即ち、パチンコ機10に電源が投入された後、枠ボタン22への操作を有効に判別可能であるが、全ての制御装置の立ち上げ処理が終了していない第1状態と、パチンコ機10が有する全ての制御装置の立ち上げ処理が終了し正常に遊技が可能な第2状態と、で枠ボタン22への操作に対する処理内容を可変させても良い。
具体的には、第1状態中(設定変更操作中)は、枠ボタン22を操作した場合に、パチンコ機10の音量調整を実行する処理を実行し、第2状態中(遊技状態中)は、枠ボタン22を操作した場合に、パチンコ機10の音量調整を実行する処理に加え、背景モードを選択する処理や、変動演出に関わる処理を実行するように構成すると良い。このように、パチンコ機10の起動状況に応じて、枠ボタン22を操作した場合に実行される処理内容を切り替えることで、起動状況に適した操作のみを実行することが可能となる。
<第6実施形態について>
次に、図203から図207を参照して、第6実施形態について説明をする。上述した第1実施形態および第2実施形態では、先読み演出の実行の有無を決定する際に、今回実行され得る先読み演出の演出期間を算出し、その算出した演出期間と、SPタイム期間との重複関係を判別し、その判別結果に基づいて先読み演出の実行の有無や、演出態様を決定するように構成していた。このように構成した場合には、先読み演出の実行契機が成立した場合において、先読み演出の演出期間を詳細に算出した上でSPタイム期間との重複関係を判別することにより、可能な限り先読み演出を実行することができるものであったが、先読み演出の実行契機が成立したタイミングがどのタイミングであっても、SPタイム期間との重複関係を判別するための処理を実行する必要があり、音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理の処理負荷が増大してしまうという問題があった。
これに対して本第6実施形態では、計時装置292により計時される時刻情報に基づいて電源投入されてからの計時期間を特定可能に構成し、その計時期間に対して、SPタイム期間と先読み演出の演出期間とが重複しない(し難い)ように、先読み演出の実行を禁止する禁止期間を規定するように構成している。
つまり、計時期間として先読み演出が禁止されている期間に突入した場合には、先読み演出の実行契機が成立したかの判別をすること無く、先読み演出の実行を禁止するように構成している。このように、計時期間に対して予め先読み演出の実行を禁止する期間(先読み禁止期間)を規定しておくことにより、先読み演出とSPタイム演出とが重複して実行されてしまい遊技者に分かり難い演出が実行されることを禁止(抑制)するための処理を簡素化することができる。
さらに、本実施形態では、特図保留数と保留内の大当たり当選の有無とに基づいて異なる先読み禁止期間を規定している。つまり、先読み演出が実行されるまで、或いは、先読み演出中に大当たり遊技が実行される場合と、先読み演出が実行されるまで、或いは、先読み演出中に大当たり遊技が実行されない場合と、で先読み禁止期間の長さを異ならせるように構成している。
このように、今後実行される(され得る)先読み演出として、先読み演出が実行されるまでの期間が長い場合、或いは、先読み演出期間自体が長い演出パターンと、先読み演出が実行されるまでの期間が短い場合、或いは、先読み演出期間自体が短い演出パターンとを区分けし、各パターンに対応させて先読み禁止期間を規定することで、先読み禁止期間が無用に長くなることを抑制することができる。よって、先読み演出の実行頻度を高めることができ、演出効果を高めることができる。
また、本第6実施形態では、大当たり当選の有無に応じて、先読み演出期間を第1パターン(先読み演出が実行されるまでの期間が長い場合、或いは、先読み演出期間自体が長い演出パターン)と第2パターン(先読み演出が実行されるまでの期間が短い場合、或いは、先読み演出期間自体が短い演出パターン)とに区分けするように構成している。
これにより、大当たり遊技期間が関連することにより、先読み演出期間が長くなる(先読み演出が実行されるまでの期間が長くなる)ことが考えられる状況においては、長い先読み禁止期間が参照され、大当たり遊技期間が関連することの無い状況において、短い先読み禁止期間が参照される。このように大当たり遊技期間という長い期間を先読み演出期間を識別するための判断材料として用いることで、先読み禁止期間が無用に長くなることを抑制することができる。よって、先読み演出の実行頻度を高めることができ、演出効果を高めることができる。
加えて、本第6実施形態では、上述した第1実施形態、及び、第2実施形態とは異なる、先読み演出が実行されるか否かの判別を実行するよりも前に、今回入賞した特図保留の位置(特図保留数)と、獲得済みの特図保留内の大当たり当選の有無とに基づいて、先読み演出の実行有無を判別するか否かを決定しているように構成している。このように構成することで、先読み禁止期間中である場合に、先読み演出の実行有無を判別する処理が実行されることを抑制することができるため、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、上述した通り、先読み禁止期間を特定するための要素として大当たり当選の有無(大当たり遊技期間の有無)を用いているが、これに限ること無く、例えば、実行される大当たり遊技の種別(ラウンド数)を要素としても良いし、各特図保留に対応する特別図柄変動の変動パターンとして、所定時間(例えば60秒)以上の変動時間が設定される変動パターンを示す情報が格納されている特図保留が所定個数(例えば、1個)以上格納されているか否かの判別結果を要素としても良い。つまり、今回獲得した特図保留に基づいて先読み演出が実行された場合に、先読み演出期間がどのタイミングで設定されるかを大まかに特定し得る情報を用いて対応する先読み禁止期間を特定可能に構成すれば良い。
<第6実施形態における電気的構成について>
次に、図203から図205を参照して、本第6実施形態における電気的構成について説明をする。本第6実施形態では、上述した第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の一部構成を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成についてはその詳細な説明を省略する。まず、図203を参照して、本第6実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するROM202の構成について説明をする。図203は、主制御装置110のROM202の構成を模式的に示した図である。
図203に示した通り、本第6実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するROM202は、上述した第1実施形態に対して、演出切替テーブル222bに代えて演出切替6テーブル222faを、先読み禁止期間選択テーブル222dに代えて先読み禁止期間選択6テーブル222fbを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出切替6テーブル222faは、上述した第1実施形態の演出切替テーブル222b(図108参照)と同様に、計時装置292の時刻情報(計時情報)に基づいて、演出期間を切り替える際に参照されるデータテーブルである。本実施形態では、設定されている演出期間に応じて異なる演出を実行可能に構成している。そして、演出切替6テーブル222faは、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出(演出態様)を実行するための演出期間を選択するために用いられる。さらに、演出期間に加え、先読み演出の実行有無を判別するための処理(先読み演出実行決定処理(図207のS2509参照))の実行を禁止するための先読み禁止期間が規定されているデータテーブルである。
この演出切替6テーブル222faは、新たな入賞情報(特図保留)を獲得したことを示すためのコマンドを受信した場合に参照され、先読み禁止期間に該当すると判定された場合には、先読み演出実行決定処理(図207のS2509参照)がスキップされる。これにより、先読み禁止期間において先読み演出実行決定処理が(図207のS2509参照)が実行されることを抑制することができるため、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理を簡素化することができる。
ここで、図204を参照して、演出切替6テーブル222faの詳細な内容について説明をする。図204は、演出切替6テーブル222faに規定されている内容を模式的に示した図である。図204に示した通り、演出切替6テーブル222faは、演出切替テーブル222b(図108参照)に対して、演出期間に加えて、先読み禁止期間を複数の種別(禁則レベル)で規定している点で相違している。この禁則レベルは、後述する先読み禁止期間選択6テーブル222fbを参照して決定されるものであって、新たな入賞情報(特図保留)を獲得したことを示すためのコマンドを受信した場合における特図保留状況に対応して異なる種別が決定されるように構成している。
より具体的には、特図保留状況として、獲得済みの特図保留球数(1~8個)と、対象となる特図保留に対応する特別図柄変動が実行されるまでの期間において大当たり遊技が実行され得るか否か(今回獲得した特図保留以外の特図保留に大当たり当選を示す情報が含まれているか否か)の判別結果と、に基づいて禁則レベルが決定されるように構成している。そして、決定された禁則レベルと、現在の経過時間T(電源投入からの経過時間)とに基づいて、先読み禁止期間に該当するかを判別し、先読み禁止期間に該当すると判別した場合に、先読み演出実行決定処理(図207のS2509参照)がスキップされる。
ここで、図204を参照して、演出切替6テーブル222faに規定されている内容を具体的に説明すると、計時装置292の計時内容に基づいて算出された経過時間T(電源が投入されてからの経過時間)に応じて演出期間が規定されており、経過時間Tが88分以内の範囲には通常演出期間が規定されている。
そして、通常演出期間が規定されている経過時間Tのうち、経過時間Tが83分以内の範囲、即ち、SPタイム期間が設定されるまでの猶予期間が7分以上ある範囲においては、大当たり遊技期間を含む先読み演出、または大当たり遊技終了後に実行される先読み演出の実行が決定されたとしても(長い先読み演出期間が設定されたとしても)、SPタイム期間と先読み演出期間とが重複し得ない範囲であるため、「禁則無し」が規定されている。
また、通常演出期間が規定されている経過時間Tのうち、経過時間Tが83分~85分10秒の範囲には、「禁則レベル5」が、経過時間Tが85分10秒~85分30秒の範囲には、「禁則レベル4」が、経過時間Tが85分30秒~85分50秒の範囲には、「禁則レベル3」が、経過時間Tが85分50秒~86分10秒の範囲には、「禁則レベル2」が、経過時間Tが86分10秒~88分の範囲には、「禁則レベル1」が、それぞれ規定されている。
そして、経過時間Tが88分~90分の範囲にはSPタイム準備期間が規定され、SPタイム準備期間中には、「先読み禁止」が規定され、経過時間Tが90分~93分の範囲にはSPタイム期間(楽曲A用)が規定されている。以降、上述した第1実施形態の演出切替テーブル222b(図108参照)と同様に、経過時間に対して、通常演出期間、SPタイム準備期間、SPタイム期間とがそれぞれ規定されておる、SPタイム期間が設定されるまでの猶予期間の長さに応じて、異なる種別の禁則レベルが規定されている。
先読み禁止期間選択6テーブル222fbは、該当する先読み禁止期間の種別(禁則レベル)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、判別の対象となる特図保留数(対象保留の格納位置)と、期間中の大当たり有無(対象保留以外の特図保留に大当たりがあるいか否か)を示す情報と、に基づいて異なる禁則レベルが規定されている。つまり、この先読み禁止期間選択6テーブル222fbでは、対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまで(先読み演出が終了するまで)の期間(先読み演出が実行され得る期間)を、特図保留数と大当たり遊技の有無とに基づいて大まかに特定し、その特定された期間において先読み演出を実行可能か否かを判別するように構成している。
よって、対象保留の値が大きくなるほど、対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまでの間に多くの特別図柄保留が実行されることで、先読み演出が実行され得る期間が長くなるため、禁則レベルとして先読み禁止期間が長い種別(高レベルの禁則種別)が決定され易くなる。同様に、対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるよりも前に、大当たり遊技が実行された場合には、対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまでの期間が長くなる(大当たり遊技終了後になる)ことで、先読み演出が実行され得る期間が長くなるため、禁則レベルとして先読み禁止期間が長い種別(レベルが高い禁則種別)が決定され易くなる。
一方で、対象保留の値が小さいほど、或いは、特図保留内に大当たり当選を示す情報が無い場合は、対象保留に対応する特別図柄変動が実行されるまでの期間が短くなるため、禁則レベルとして先読み禁止期間が短い種別(低レベルの禁則種別)が決定され易くなる。
具体的には、対象保留が「1」であって、期間中の大当たり当選が「あり」の場合は、禁則レベルとして「レベル5」が規定されており、期間中の大当たり当選が「なし」の場合は、禁則レベル「レベル1」が規定されている。また、対象保留が「2」であって、期間中の大当たり当選が「あり」の場合は、禁則レベルとして「レベル5」が規定されており、期間中の大当たり当選が「なし」の場合は、禁則レベル「レベル2」が規定されている。対象保留が「3」であって、期間中の大当たり当選が「あり」の場合は、禁則レベルとして「レベル5」が規定されており、期間中の大当たり当選が「なし」の場合は、禁則レベル「レベル3」が規定されている。また、対象保留が「4」であって、期間中の大当たり当選が「あり」の場合は、禁則レベルとして「レベル5」が規定されており、期間中の大当たり当選が「なし」の場合は、禁則レベル「レベル4」が規定されている。
<第6実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図206及び図207を参照して本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第6実施形態では、上述した第1実施形態に対して、先読み演出実行決定処理(図146のS2306参照)に代えて先読み演出実行決定処理6(図206のS2376参照)を、入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)に代えて入賞コマンド受信処理6(図207のS2280参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図206を参照して、先読み演出実行決定処理6(S2376)の内容について説明をする。図206は、先読み演出実行決定処理6(S2376)の処理内容を示すためのフローチャートである。この先読み演出実行決定処理6(S2376)では、入賞情報格納エリア223fに格納されている(保留記憶されている)情報を読み出し、格納されている情報の個数(特図保留球数)と、大当たり当選を示す情報の有無を特定する処理を実行し、その処理結果に基づいて、現在が先読み禁止期間であるかを判別する処理を実行するように構成している。
つまり、上述した第1実施形態および第2実施形態のように、実際に実行され得る先読み演出の演出態様(演出期間)を決定し、その決定された先読み演出の演出期間がSPタイム期間と重複するかを判別するのでは無く、入賞情報格納エリア223fに格納されている情報に基づいて先読み演出が実行され得る期間を大まかに特定し、その特定した期間に対応する禁則レベルを決定し、決定された禁則レベルが規定されているタイミングであるかを経過時間Tに基づいて判定するように構成している。そして、決定された禁則レベルが規定されているタイミングであれば、先読み演出の実行の有無を決定する処理、及び、先読み演出の演出態様を決定する処理をスキップし、決定された禁則レベルが規定されていないタイミングであれば、先読み演出の実行の有無を決定する処理、及び、先読み演出の演出態様を決定する処理を実行可能に構成している。
このように構成することで、実行されない可能性がある先読み演出の演出態様を決定する処理を予め実行することが無くなるため、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理(各種演出内容を決定するための処理)の処理負荷を軽減することができる。
この先読み演出実行決定処理6(S2376)が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223fに格納されている情報(特別図柄抽選の結果を示すための情報、変動パターンを示すための情報、特別図柄1保留球数カウンタ223a、或いは、特別図柄2保留球数カウンタ223bのカウンタ値に対応する情報(保留球数を示すための情報))を読み出し(S2401)、次に、S2401の処理に基づいて、今回受信した入賞情報コマンドよりも前に受信した入賞情報コマンドに対応する情報、即ち、今回受信した入賞情報コマンドよりも先に特別図柄変動が実行される入賞情報コマンドに対応する情報に大当たり当選を示す情報が含まれているかを抽出する(S2402)。
即ち、S2402の処理では、今回の先読み演出実行決定処理6(S2376)の対象となる入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が実行されるよりも前に、大当たり遊技が実行される可能性があるかを判別する際に参照される情報(先読み大当たり情報)が抽出される。
そして、S2402の処理を終えると、次に、S2401、及びS2402の処理にて抽出した内容(各種情報)と、先読み禁止期間選択6テーブル222fbと、に基づいて現在の禁則レベル(禁則無し、禁則レベル1~5、先読み禁止)を決定し(S2471)、演出切替6テーブル223faを参照して、現時点における禁則レベルを特定し(S2472)、S2471の処理にて決定された禁則レベルが、現時点における禁則レベルとして規定されているかを判別し(S2473)、規定されていると判別した場合には(S2473)、今回受信した入賞情報コマンドに対応する特図保留を対象として先読み演出を実行することが出来ない(困難)な状態であるため、先読み演出の実行の有無を決定する処理(S2475)、及び、先読み演出の演出態様を決定する処理(S2476~S2479)をスキップして、そのまま本処理を終了する。
一方、S2473の処理において、S2471の処理にて決定された禁則レベルが、現時点における禁則レベルとして規定されていないと判別した場合は(S2473:No)、今回受信した入賞情報コマンドに対応する特図保留を対象として先読み演出を実行するかを判別し(S2474)、先読み演出を実行しないと判別した場合は(S2474:No)、そのまま本処理を終了する。また、先読み演出を実行すると判別した場合、即ち、受信した入賞情報コマンドに、先読み演出を実行するための情報が含まれていると判別した場合は(S2474:Yes)、今回実行する先読み演出が、変動演出(特別図柄変動に対応させて実行される変動演出)を用いた先読み演出(複数の変動演出を用いた先読み演出)であるかを判別し(S2475)、変動演出を用いた先読み演出であると判別した場合は(S2475:Yes)、連続予告223tをオンに設定し(S2476)、決定された先読み演出の内容を演出状態記憶エリア223hに格納し(S2478)、先読み演出の対象となる入賞情報に対応する特図変動(特別図柄変動)までの回数(変動回数)を連続予告カウンタ223uにセットし(S2479)、本処理を終了する。
一方、S2475の処理において、変動演出にて先読み演出を実行しない(保留先読み演出を実行する)と判別した場合は(S2475;No)、対象の保留図柄の表示態様を変化させるための表示用コマンドを設定し、本処理を終了する。
ここで、上述した先読み演出の演出態様について、説明をする。具体的には、連続する3つの特別図柄変動に対応する変動演出の演出期間を用いた先読み演出として、最初に実行される変動演出(1回目の変動演出)にて先読み演出が実行されたことを示すための先読み表示態様(例えば、新たな変動演出(特別図柄変動)が実行される毎にカウントダウンされる数字を表示する表示態様や、新たな変動演出(特別図柄変動)が実行される毎に色が可変される可変表示態様を表示する表示態様や、先読み演出中であることを遊技者に示すための表示態様(所謂、チャンス目)で第3図柄を停止表示させる表示態様)を表示し、遊技者に対して、先読み演出が実行されたことを分かり易く報知する。そして、次に実行される変動演出(2回目の変動演出)にて、先読み演出が実行されたことを示すための先読み表示態様を可変表示、或いは、継続表示することで先読み演出が継続することを遊技者に分かり易く報知する。最後に、最終変動演出(3回目の変動演出)にて、今回の変動演出が、先読み演出の対象となる変動演出(先読み演出の演出内容を決定する要素である特別図柄変動)であることを示すための先読み結果表示態様を表示する先読み演出が実行される。
このように、変動演出を用いた先読み演出を実行することにより、先読み演出がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすると共に、その先読み演出中に実行される個々の変動演出に対して演出結果が表示されるため、遊技者は変動演出の演出結果が表示される場合に、今回の変動演出が先読み結果を示す変動演出であって、対応する特別図柄の抽選結果が大当たりであることを期待させると共に、先読み演出が継続することも期待させることができ演出効果を高めることができる。
なお、先読み演出中の変動演出であることを遊技者に分かり易く報知するための表示態様を表示するタイミングは対象となる変動演出の開始タイミングでも良いし、終了タイミングでも良い。つまり、変動演出が開始されてから、次の変動演出が開始されるまでの間に、遊技者に対して、先読み演出中の変動演出であることを把握させることができるタイミングであればいつでも良い。
また、先読み演出中の変動演出であることを遊技者に分かり易く報知するための表示態様を表示させる期間としては、先読み演出が実行される全ての期間を設定しても良いし、特定のタイミング(例えば、第3図柄が変動を開始させるタイミングや、変動を停止させるタイミング)のみ表示させるように構成しても良い。さらに、複数の変動演出を跨ぐように表示させるように構成しても良い。
このように、先読み演出中の変動演出であることを遊技者に分かり易く報知するための表示態様を表示するタイミングや表示期間を異ならせることにより、遊技者に対して先読み演出が開始された変動演出や、先読み演出が終了した変動演出を把握させ難くすることができ、意外性のある演出、例えば、先読み演出が終了したと思わせながら実際には継続している先読み演出を提供することが可能となる。よって、演出効果を高めることができる。また、詳細な説明は省略するが、変動演出を用いた先読み演出では、先読み演出の対象となる変動演出数(特別図柄変動回数)が多い程、大当たり当選の期待度が高くなるように構成されている。このように構成することで、遊技者は先読み演出中に実行される変動演出数(特別図柄変動回数)に対して注視することになるため、遊技者に対して先読み演出が開始された変動演出や、先読み演出が終了した変動演出を把握させ難くすることで遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方で、変動演出を用いること無く実行される先読み演出としては、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される保留図柄を用いた保留先読み演出(図86参照)が実行される。図86に示した通り、この保留先読み演出は、先読み演出の対象となる(先読み演出の演出結果が表示される)保留図柄(特別図柄変動)を遊技者に分かり易く報知した状態で、その保留図柄の表示態様を可変させることにより、先読み演出の演出結果が大当たり当選である期待度を高める演出が実行される。つまり、上述した変動演出を用いた先読み演出では、先読み演出の対象がどの保留図柄(特別図柄変動)であるかを遊技者に分かり難くすることで、変動演出が終了する毎に先読み演出が継続することを期待させ、演出効果を高めるものであったのに対し、保留先読み演出は、先読み演出の対象となる保留図柄に対応する特別図柄変動が実行されるまでに保留図柄の表示態様が大当たり当選の期待度が高い表示態様へと表示されることを期待させることで演出効果を高めるものである。
このように、実行される先読み演出の態様によって、異なる要因で演出効果を高めることができるように構成することで、実行される演出が単調となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、上述したように異なる態様の先読み演出を実行可能に構成したパチンコ機10であれば、過去に実行された先読み演出の態様に関する情報(実行回数、実行内容、演出結果(当否判定結果))を一時的に記憶可能な記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている情報に基づいて、新たに実行される先読み演出の態様を決定するように構成しても良い。これにより、先読み演出の態様が偏ってしまい、実行される演出の内容が単調となったしまうことを抑制することができる。
次に、図207を参照して、入賞コマンド受信処理6(S2280)の処理内容について説明をする。図207は、入賞コマンド受信処理6(S2280)の処理内容を示すためのフローチャートである。図207に示した通り、本実施形態における入賞コマンド受信処理6(S2280)のは、上述した第1実施形態の入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)に対して、先読み演出実行決定処理6(図206のS2276参照)を実行可能に構成した点で相違している。
入賞コマンド受信処理6(S2280)が実行されると、まず、上述した第1実施形態の入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)と同一のS2501~S2506の処理を実行し、次いで、先読み演出実行決定処理6(S2509(S2376))の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、上述した第1実施形態の入賞コマンド受信処理(図147のS2210参照)にて実行されたS2510~S2515に関連する処理は、本第6実施形態では、先読み演出実行決定処理6(図206のS2376参照)にて実行されるように構成しているため、本図では省略している。また、上述した第1実施形態では、2つのタイミングにおける判別結果に基づいて先読み演出実行決定処理(図146のS2306)を実行可能に構成しており、本第6実施形態も同一の2つのタイミングにおける判別結果に基づいて先読み演出実行決定処理6(図206のS2376)を実行可能に構成しているが、実行されるタイミング(実行するために必要となる契機)が同一となる側の処理内容(図145に記載の処理内容)については、その詳細な説明を省略している。
<第7実施形態>
次に、図208から図216を参照して、第7実施形態について説明をする。本第7実施形態では、上述した第1実施形態に対して、高速変動モード中に実行される擬似変動演出(図15(a)参照)の演出内容を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
上述した第1実施形態では、高速変動モードが設定される場合、即ち、特別図柄変動の変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブルの種別を切り替えることで、比較的短い変動時間の変動パターンが選択され易い高速変動パターンテーブルが参照される状態となった場合に、遊技者に対して高速変動モードが設定されたことを報知してしまうと、高速変動モードが設定されたことを報知したにも関わらず、高速変動以外の変動パターンで特別図柄変動が実行される可能性があり、遊技者に違和感のある演出が実行されてしまうという問題を解決するために、高速変動モードに対応する高速変動パターンテーブルが設定されたことに加え、実際に決定される変動パターンが高速変動であることを条件に高速変動モードが設定されたことを遊技者に報知するように構成していた。
つまり、実際に特別図柄変動が高速変動する場合に、高速変動モードが設定されたことを遊技者に報知するように構成し、遊技者に報知した内容と、実際の遊技内容とが合致し、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるように構成していた。
さらに、高速変動パターンテーブルを参照して特別図柄変動の変動パターンが決定される状態において、高速変動(変動時間1.5秒)以外の変動パターンとして変動時間が6秒の外れ変動パターンが決定された場合には、高速変動モードが設定されたことを報知すること無く、高速変動モードが間もなく到来することを遊技者に告知するために「高速変動準備中」の文字を表示するように構成していた(図94(b)参照)。つまり、内部的には、高速変動パターンテーブルが参照される遊技状態へと移行したにも関わらず、高速変動モードが設定されたことを遊技者に報知するタイミングを遅延させるように構成していた。そして、高速変動(変動時間1.5秒)の変動パターンが決定されるまで、高速変動モードが設定されたことを遊技者に報知する報知タイミングを遅延させるように構成していた。
また、高速変動(変動時間1.5秒)以外の変動パターンとして変動時間が12秒の当たり変動パターンが決定された場合には、上述したように高速変動モードが設定されたことを報知する報知タイミングを遅延させる処理を実行してしまうと、高速変動モードが設定されたにも関わらず、高速変動モードが設定されたことを遊技者に把握させること無く大当たり遊技が開始されてしまうため、例えば、高速変動モードが設定されたことを遊技者に報知するための報知態様として、遊技者に特典を付与可能な報知態様(設定示唆態様、他では見ることの出来ない付加価値のある演出動画等)を設定可能に構成されたパチンコ機10では、特典を獲得し得る状態であったにも関わらず、大当たり当選によって特典を獲得する機会を失ってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
そこで、上述した第1実施形態では、高速変動モードが設定された直後に実行された特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、高速変動以外の変動パターン(例えば、変動時間が12秒の変動パターン)が決定された場合には、その大当たり変動(12秒変動)が開始されるタイミングで高速変動モードが設定されたことを示すための報知態様が設定され、その12秒間の変動期間中において、擬似変動演出(図94参照)を実行するように構成していた。つまり、1回の特別図柄変動期間の間に、あたかも複数回の特別図柄変動が実行されたかのような変動演出を実行可能に構成していた。
ここで、上述した第1実施形態において実行される擬似変動演出(12秒)では、図15(a)に示した通り、変動演出として1.5秒の擬似外れ変動演出が4回、6秒の擬似当たり変動演出が1回実行される擬似変動演出を実行するように構成し、遊技者に対して、あたかも1.5秒の特図変動(外れ変動)が4回実行された後に、6秒の特図変動(当たり変動)が1回実行されたように思わせることができるものであったが、実際には、1回の特別図柄変動期間中に複数回(計5回)の変動演出が実行されるだけであるため、図15(a)に示した通り、特図保留数を示すための保留図柄の表示数が変わらず、遊技者に擬似変動演出が実行されることを把握されてしまうという問題があった。
これに対して、本第7実施形態では、変動演出として擬似変動演出が実行される場合に、特図保留数を示すための保留図柄の表示領域を切り替えると共に、切り替え前の保留図柄が表示されていた表示領域に演出用の擬似保留図柄を表示するように構成している。そして、擬似保留図柄は、擬似変動演出が実行される毎に表示数が可変(減少)するように構成している。このように構成することで、擬似変動演出が実行される毎に疑似保留図柄が1個減少する演出を実行することが可能となり、遊技者に対して、実行中の変動演出が擬似変動演出であるか否かを分かり難くすることができる。
また、実際の特図保留数は、別の表示領域にて表示されるため、実際の特図保留数が急に表示されなくなり遊技者が困惑してしまう事態が発生することを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、擬似変動演出が実行されることで擬似保留図柄の表示数が減少し、擬似保留図柄を表示する表示領域に空きが生じた場合に、その空き表示領域を用いて設定示唆演出を実行可能に構成している。詳細な説明は後述するが、空き表示領域が発生している状態で新たな特別図柄の入賞情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合に、新たな疑似保留図柄が空き表示領域に表示され、その新たな擬似保留図柄の表示態様を用いて設定示唆演出を実行するように構成している。
つまり、擬似変動演出の実行回数に応じて疑似保留図柄の表示数を可変させる演出を実行している期間中に第1入球口64や第2入球口640へと球が入球した場合には、疑似保留図柄の表示数が増加する演出を実行するように構成している。このように構成することで、擬似変動演出と疑似保留図柄と、を用いて実行される擬似演出の可変状況を、実際の変動演出と保留図柄と、を用いて実行される演出の可変状況に近似させ易くすることができ、遊技者に対して、実行中の変動演出が擬似変動演出であるか否かを分かり難くすることができる。
加えて、特図保留数が上限に到達している状態で擬似変動演出が実行され、その擬似変動演出中に空き表示領域が発生した状態で新たな特別図柄の入賞情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合、即ち、今回受信した入賞情報コマンドが新たな特図保留として記憶することができない入賞情報(オーバーフロー入賞情報)である場合には、新たな特図保留として記憶可能な入賞情報(通常入賞情報)である場合よりも、遊技者に設定値を予測させ易い態様(強示唆態様)に対応した表示態様が表示され易くなるように構成している。
このように構成することで、実際の特図保留数が上限に到達している状態であっても、遊技者に対して、意欲的に第1入球口64や第2入球口640へと球を入球させる遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
<第7実施形態のパチンコ機10にて実行される演出内容について>
次に、図208及び図209を参照して、本第7実施形態のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち特徴的な演出内容として、高速変動モード中に実行される擬似変動演出の演出内容について説明をする。なお、高速変動モードが設定されたことを報知するための報知態様や、高速変動モード中に擬似変動演出が実行される条件、擬似変動演出における基本的な演出内容については、上述した第1実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
まず、図208(a)を参照して、高速変動モード中に実行される擬似変動演出のうち、1回目の擬似変動演出(1.5秒外れ擬似変動)中の表示内容について説明をする。図208(a)は、高速変動モード中に実行される擬似変動演出のうち、1回目の擬似変動演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。図208(a)に示した通り、本演出中に表示される表示画面は、上述した第1実施形態における擬似変動演出中に表示される表示画面(図94(a)参照)に対して、副表示領域Dsの表示内容を変更した点と、主表示領域Dmの一部領域の表示内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の表示内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図208(a)に示した通り、擬似変動演出が実行されると、副表示領域Dsに表示されていた特図保留数を示すための保留図柄表示に代えて、演出用の疑似保留図柄gm0~gm4が表示される。そして、高速変動モードが設定されたことを示す案内態様として「スピードUP」のコメントをキャラクタJ0が発しているような態様で表示される。
また、主表示領域Dmの右上側には表示領域HR2が形成され、実際の特図保留数を示すための保留数表示態様として「4」の値が表示されている。つまり、図208(a)に示した図は、特図保留数が4個の状態を示している。
そして、図208(a)に示した状態(1回目の擬似変動演出が終了した状態)から、2回目の擬似変動演出(1.5秒外れ変動)が実行されると、図208(b)に示した表示画面が表示される。図208(b)は、高速変動モード中に実行される擬似変動演出のうち、2回目の擬似変動演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。
図208(b)に示した通り、新たな(2回目の)擬似変動演出が実行されると、副表示領域Dsに表示されている疑似保留図柄がスライド表示される。これにより、1回目の疑似変動演出の実行中は実行中図柄用台座m0に第1疑似保留図柄gm0が表示されていたが、新たな(2回目)に実行される擬似変動演出に対応されて実行中図柄用台座m0に第2擬似保留図柄gm1が表示される。そして、第3疑似保留図柄gm2~第5疑似保留図柄gm4も順にスライド表示され、第4保留図柄用台座m4に空き表示領域が発生する。
そして、第4保留図柄用台座m4に生じた空き表示領域が、設定示唆演出の実行領域となることを示すための報知態様として「特殊図柄表示ゾーン」の文字を付した旗アイコンが表示され、キャラクタJ0が「ゾーン出現」のコメントを発しているような表示態様が表示される。なお、特殊図柄表示ゾーンに関する詳細な演出内容については、上述した第3実施形態(図186参照)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。なお、図208(b)に示した状態は、図208(a)に示した状態において実行中の特別図柄変動が継続して変動している状態であるため、主表示領域Dmに形成された表示領域HR2に表示される特図保留数が「4」のままである。
図208(b)に示した状態において、遊技者が第1入球口64や第2入球口640へと球を入球させると、特殊図柄表示ゾーンに新たな疑似保留図柄が、設定示唆態様を含む表示態様で表示される。
次に、図209を参照して、高速変動モード中の保留図柄表示内容について説明をする。図209(a)は、パチンコ機10の遊技モード(遊技状況)の移行状況を示した図であり、図209(b)は、特別図柄変動回数の移行状況を示した図であり、図209(c)は、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出の概要を示した図であり、図209(d)は、特別図柄の保留球数(特図保留数)の移行状況を示した図であり、図209(e)は、第3図柄表示装置81の表示面の副表示領域Dsの小表示領域(保留表示領域)Ds1の表示態様の移行状況を示した図であり、図209(f)は、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmの表示領域(切替表示領域)HR2の表示態様を示した図である。
なお、確変モードから高速変動モードへと移行する流れについては、上述した第1実施形態と同一(図95参照)であるため、その詳細な説明を省略する。
高速変動モードが設定されるまでは、図209(e)に示した通り、保留表示領域Ds1にて特図保留数に対応した数の保留図柄が表示される。そして、高速変動モードが設定された場合も、決定された特図変動時間が1.5秒(高速変動)である場合には、保留表示領域Ds1にて特図保留数に対応した数の保留図柄が継続表示される(特図保留表示期間が設定される)。
一方、高速変動モードが設定されている状態で、非高速変動(図では12秒の大当たり変動)が設定された場合には、擬似変動演出が実行されると共に、保留表示領域Ds1に擬似保留図柄が表示され、特図保留数が切替表示領域HR2に表示される。
図209(e)に示した通り、擬似保留図柄が表示されると、その表示数が擬似変動演出が実行される毎に減算表示される。なお、82回目の特別図柄変動(12秒大当たり変動)の変動期間中に5回の擬似変動演出が実行されるため、図209(d)に示した通り、擬似変動演出中に特図保留数が減算表示されることが無い。
この状態において、新たな入賞(特図の始動入賞)が発生した場合は、特図保留数が加算表示されると共に、擬似保留図柄も加算表示される。そして、擬似保留図柄が加算表示される場合には、図208(b)に示した特殊図柄表示ゾーンに新たな擬似保留図柄が表示されることになるため、設定示唆演出が実行される。
なお、図209に示した通り、本実施形態では、保留表示領域Ds1にて、常に、特図保留、或いは擬似保留の図柄が表示されるように構成している。よって、擬似保留図柄を表示させる場合に遊技者に違和感を与えることが無い。また、擬似変動演出が実行されていることを遊技者に分かり難くするために、擬似変動演出が実行された場合に、保留表示領域Ds1を非表示にする(特図保留数の減算表示の有無を判別され難くするために特図保留図柄を表示しないようにする)場合に比べても、遊技者に違和感を与えることが無い。
加えて、本実施形態では、図209(e)に示した通り、擬似保留図柄が表示される際の初期表示態様として、直前の保留表示領域Ds1に表示されていた特図保留数に対応した表示態様を設定するように構成している。これにより、表示対象となる図柄を切り替えた場合に遊技者に違和感を与え難くすることができる。
<第7実施形態における電気的構成について>
次に、本第7実施形態における電気的構成について説明をする。本第7実施形態は、上述した第3実施形態における電気的構成に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成の一部を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
図210は、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図210に示した通り、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図187(b)参照)に対して、擬似保留表示中フラグ223gaと、擬似空き領域格納エリア223gbと、を新たに設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
擬似保留表示中フラグ223gaは、擬似変動演出が実行に合わせて擬似保留図柄gmが表示されていることを示すためのフラグであって、擬似保留図柄gmを表示する場合にオンに設定される。そして、擬似保留図柄gmを用いた擬似演出が実行されているかを判別する場合に参照され、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されている状態で特別図柄変動が停止表示されたことを示す停止コマンドを受信した場合にオフに設定される。
擬似空き領域格納エリア223gbは、擬似保留図柄gmを用いた擬似演出が実行されている状態において、擬似保留図柄gmがスライド移動(シフト)し、空き表示領域が生じたことを示す情報が格納される記憶領域であって、空き表示領域の数、即ち、新たに擬似保留図柄gmを追加表示させることが可能な数が記憶される。
この擬似空き領域格納エリア223gbに格納される情報は、新たな空き表示領域が発生した場合、即ち、擬似変動演出の実行に対応して擬似保留図柄gmがスライド移動(シフト)した場合に、新たに発生した空き表示領域の数に対応して更新され、新たな擬似保留図柄が表示された場合に更新される。
<第7実施形態における制御処理内容について>
次に、図211から図216を参照して、本第7実施形態における制御処理内容について説明をする。本第7実施形態は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の一部内容を上述した第3実施形態に対して異ならせており、それ以外の制御処理内容については同一である。本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容は、上述した第3実施形態に対して、入賞コマンド受信処理3(図191のS2260参照)に代えて入賞コマンド受信処理7(図211のS22690参照)を、停止処理(図150のS2214参照)に代えて停止処理7(図212のS2294参照)を、時短・確変用演出設定処理(図154のS3102参照)に代えて時短・確変用演出設定処理7(図214のS3192参照)を、液晶演出実行管理処理3(図194のS2160参照)に代えて液晶演出実行管理処理7(図215のS2190参照)を、実行する点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図211を参照して、入賞コマンド受信処理7(S2290)の処理内容について説明をする。図211は、入賞コマンド受信処理7(S2290)の処理内容を示すためのフローチャートである。この入賞コマンド受信処理7(S2290)は、上述した第3実施形態の入賞コマンド受信処理3(図191のS2260参照)に対して、期間演出中フラグ223pがオンに設定されていると判別した場合(S2502:Yes)に実行される処理の内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
入賞コマンド受信処理7(S2290)が実行されると、まず、受信したコマンドが示す入賞情報を入賞情報格納エリア223fに格納(設定)し(S2501)、期間演出中フラグ223pがオンであるか、即ち、現在がSPタイム演出中であるかを判別する(S2502)。そして、期間演出中フラグ223pがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S2502:No)、上述した第3実施形態の入賞コマンド受信処理3(図191のS2260参照)と同一のS2503~S2512,S2560の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S2502の処理において、期間演出中フラグ223pがオンであると判別した場合は(S2502:Yes)、次に、現在が高速変動中であるかを判別し(S2591)、高速変動中であると判別した場合は(S2591:Yes)、高速変動中に入賞コマンドを受信した場合における演出態様を設定するための高速表示中入賞演出設定処理を実行し(S2592)、本処理を終了する。S2591の処理において、現在が高速変動中では無いと判別した場合は(S2591:No)、S2592の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図212を参照して、高速表示中入賞演出設定処理(S2592)の内容について説明をする。図212は、高速表示中入賞演出設定処理(S2592)の処理内容を示すためのフローチャートである。この高速表示中入賞演出設定処理(S2592)は、入賞コマンド受信処理7(図211のS2290参照)において、高速変動中(高速変動モードが設定されている状態における特別図柄変動中)に入賞コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理である。
この高速表示中入賞演出設定処理(S2592)では、擬似空き領域に対して擬似保留図柄を表示する演出を設定するための処理が実行される。ここで、通常の保留図柄を表示する場合は、主制御装置110から出力される保留球数コマンドを受信した場合に実行される保留球数コマンド処理(図145のS2208参照)において、受信した保留球数コマンドに含まれる保留球数を抽出し、特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223a、或いは、特別図柄2保留球数カウンタ223b)の値を抽出した保留球数に更新し(図145のS2301)、その更新した値に対応するように保留図柄を副表示領域Dsの小表示領域Ds1に表示する処理が実行されるが、擬似保留図柄は特図保留球数が増加する場合だけで無く、第1入球口64及び第2入球口640へと球が入球したにも関わらず、特図保留球数が増加しない場合(オーバーフロー入賞した場合)にも表示数が増加し得るように構成しているため、主制御装置110から出力される入賞情報コマンドを受信した場合に実行される。
なお、本実施形態の構成に限ること無く、通常の保留図柄表示と同様に、保留球数コマンドを受信した場合にのみ擬似保留図柄の表示数が増加するように構成しても良いし、遊技者が枠ボタン22に対して特定の操作を実行した場合に擬似保留図柄の表示数が増加するように構成しても良い。つまり、擬似保留図柄は、特別図柄の保留球数を示すための表示態様では無く、擬似変動演出の実行回数に応じて減算される表示態様であるため、新たな擬似変動演出が実行される毎に表示数が可変(減算)されれば良く、それ以外の要件で表示数が可変(加算)されても良い。
高速表示中入賞演出設定処理(S2592)が実行されると、まず、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されているかを判別し(S4501)、オンに設定されていると判別した場合は(S4501:Yes)、次に、今回受信した入賞情報コマンドが特図入賞、即ち、特別図柄抽選の実行契機となり得る入球口(第1入球口64,第2入球口640,右第2入球口640r)への球の入球に基づいて設定された入賞情報コマンドであるかを判別し(S4502)、特図入賞であると判別した場合は(S4502:Yes)、擬似空き領域格納エリア223gbに格納されている情報に基づいて、擬似空き領域があるかを判別する(S4503)。
S4503の処理において、擬似空き領域があると判別した場合は(S4503:Yes)、今回受信した特図入賞がオーバーフロー入賞であるかを判別し(S4504)、オーバーフロー入賞であると判別した場合は(S4504:Yes)、擬似空き領域に対して実行する設定示唆演出として遊技者が設定値を予測し易い示唆態様(高示唆態様)に対応した表示態様を決定し(S4505)、その後、S4505の処理にて設定示唆演出が実行される擬似空き領域に対応させて、擬似空き領域格納エリア223gbに格納されている擬似空き領域の情報を更新し(S4507)、本処理を終了する。
一方、S4504の処理において、オーバーフロー入賞では無いと判別した場合は(S4504:No)、擬似空き領域に対して実行する設定示唆演出として遊技者が設定値を予測し難い示唆態様(低示唆態様)に対応した表示態様を決定し(S4506)、その後、S4505の処理にて設定示唆演出が実行される擬似空き領域に対応させて、擬似空き領域格納エリア223gbに格納されている擬似空き領域の情報を更新し(S4507)、本処理を終了する。
次に、図213を参照して、停止処理7(S2294)の処理内容について説明をする。図213は、停止処理7(S2294)の処理内容を示すためのフローチャートである。この停止処理7(S2294)は、上述した停止処理(図150のS2214参照)に対して、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されている場合の処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。なお、図213では、説明の便宜上、停止処理(図150のS2214参照)において実行されるS2801~S2804の処理については、S2894の処理に置き換えて示しているが、実際に実行される処理内容は同一であり、その説明を省略する。
停止処理7(S2294)が実行されると、まず、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されているかを判別し(S2891)、オンに設定されていると判別した場合は(S2891:Yes)、擬似保留表示中フラグ223gaをオフに設定し(S2892)、擬似空き領域格納エリア223gbに格納されている情報をクリア(消去)する(S2893)。その後、上述した停止処理(図150のS2214参照)と同一のSPタイム期間2805~S2813の処理を実行し、その他処理を実行し(S2894)、対応する第3図柄の停止表示を設定し(S2814)、本処理を終了する。一方、S2891の処理において、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されていないと判別した場合は(S2891:No)、S2892、及びS2893の処理をスキップして、S2805の処理へ移行する。
次に、図214を参照して、時短・確変用演出設定処理7(S3192)の処理内容について説明をする。図214は、時短・確変用演出設定処理7(S3192)の処理内容を示すためのフローチャートである。この時短・確変用演出設定処理7(S3192)は、上述した第1実施形態の時短・確変用演出設定処理(図154のS3102参照)に対して、擬似変動演出に対応する演出態様が決定された場合に、擬似保留図柄を表示する演出態様を決定するための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
時短・確変用演出設定処理7(S3192)が実行されると、上述した第1実施形態の時短・確変用演出設定処理(図154のS3102参照)と同一のS3201~S3206の処理を実行する。そして、S3206の処理を終えると、即ち、高速変動モード中において変動時間が12秒の変動パターン(非高速変動パターン)に対して、擬似変動演出である演出態様を決定するための処理(S3206)を終えると、次に、擬似保留図柄を表示させるための演出態様を決定し(S3291)、擬似保留表示中フラグ223gaをオンに設定し(S3292)、S3205の処理へ移行する。
S3291の処理では、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄の表示領域を擬似変動演出中専用の表示領域(図208(a)の表示領域HR2参照)に切り替え、保留図柄の表示態様を擬似変動演出中専用の表示態様(図208(a)の表示領域HR2に表示される数字で示した表示態様)に切り替えるための演出態様と、切り替え前の保留図柄が表示されていた表示領域(図208(a)の副表示領域Ds)に対して擬似保留図柄を表示させるための演出態様が決定される。このように、擬似変動演出の演出態様を決定する処理に合わせて、擬似保留図柄表示の演出態様も決定するように構成することで、擬似変動演出の実行タイミングと、擬似保留図柄表示の実行タイミングと、を同期させることができるため、遊技者に違和感を与えることの無い演出を実行することができる。
なお、擬似変動演出、及び、擬似保留図柄を用いた演出が実行される場合に、第3図柄表示装置81の表示面に表示される背景画像を専用の背景画像へと切り替えると共に、擬似保留図柄の表示態様を、通常の保留図柄の表示態様とは異ならせ、専用の背景画像に対応した表示態様で表示するように構成すると良い。
次に、図215を参照して、液晶演出実行管理処理7(S2190)の処理内容について説明をする。図215は、液晶演出実行管理処理7(S2190)の処理内容を示すためのフローチャートである。この液晶演出実行管理処理7(S2190)は、上述した第3実施形態の液晶演出実行管理処理3(図194のS2160参照)に対して、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されている状態において実行される処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
液晶演出実行管理処理7(S2190)が実行されると、まず、上述した第3実施形態の液晶演出実行管理処理3(図194のS2160参照)と同一のS4301~S4312の処理を実行し、その後、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されているかを判別し(S4391)、オンに設定されていると判別した場合は(S4391;Yes)、擬似保留図柄が表示されている状態における演出内容を決定するための擬似保留演出設定処理を実行し(S4392)、本処理を終了する。一方、S4391の処理において、擬似保留表示中フラグ223gaがオンに設定されていないと判別した場合は(S4391:No)、S4392の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図216を参照して、液晶演出実行管理処理7(図215のS2190)にて実行される擬似保留演出設定処理(S4392)の処理内容について説明をする。図216は、擬似保留演出設定処理(S4392)の処理内容を示すためのフローチャートである。この擬似保留演出設定処理(S4392)では、経過時間に対応させて実行中の各種演出の演出態様を切り替えるための処理が実行される。
擬似保留演出設定処理(S4392)が実行されると、擬似変動(擬似変動演出)の開始タイミングであるかを判別し(S4601)、開始タイミングであると判別した場合は(S4602)、新たな擬似変動演出が実行されるタイミングであるため、擬似変動(擬似変動演出)の実行に合わせて、擬似保留図柄の表示位置をスライド移動(シフト)させるためのスライド表示態様を決定し(S4602)、擬似保留図柄表示領域に擬似空き表示領域があるかを判別し(S4603)、擬似空き表示領域があると判別した場合は(S4603:Yes)、スライド移動後の擬似空き領域の内容に対応させて擬似空き領域格納エリア223gbに格納されている情報を更新し(S4604)、本処理を終了する。また、S4601の処理において、擬似変動(擬似変動演出)の開始タイミングでは無いと判別した場合(S4601:No)、或いは、S4603の処理において擬似空き領域が存在しないと判別した場合(S4603:No)は、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第7実施形態では、擬似変動演出の実行に対応させて表示数が減算される擬似保留図柄を、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄と切り替えて表示するように構成しているため、1回の特別図柄変動期間中に、擬似変動演出が複数回実行される擬似変動演出が実行される場合において、1の特別図柄変動に対して、1の擬似変動演出が実行されていると遊技者に思わせ易くすることができる。
また、本第7実施形態では、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄が表示されていた表示領域を用いて、擬似保留図柄を表示するように構成し、擬似変動演出が実行されている期間中は、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄を他の表示領域にて表示するように構成している。これにより、遊技者に対して擬似保留図柄を違和感無く表示することができる。
さらに、擬似変動演出中は、擬似保留図柄のほうが特別図柄の保留球数を示すための保留図柄よりも遊技者に把握され易い表示態様で表示するように構成している。これにより、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄よりも、擬似保留図柄の表示数の増減に対して遊技者の注目を集め易くすることができる。
また、本第7実施形態では、擬似変動演出の実行に伴い、擬似保留図柄の表示数が減少した場合(スライド移動した場合)に生じる擬似空き表示領域に対して、特定条件が成立した場合(特別図柄抽選の実行契機となる入球口へと球が入球した場合)に、新たな擬似保留図柄を表示させるように構成している。よって、擬似保留図柄が特別図柄の保留数を示すための保留図柄であると遊技者に思わせ易くすることができる。
さらに、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で擬似変動演出が実行された場合、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態において擬似空き領域が表示されている場合において、特別図柄抽選の実行契機となる入球口へと球が入球(オーバーフロー入賞)に基づいて新たな擬似保留図柄を表示可能に構成している。よって、擬似保留図柄が特別図柄の保留数を示すための保留図柄であると遊技者に思わせ易くすることができる。
加えて、擬似空き領域に表示される擬似保留図柄の表示態様を用いて設定示唆演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
以上、説明をした通り、本第7実施形態では、擬似変動演出が実行される毎に、保留図柄(擬似保留図柄)の表示数を減少させることで、擬似変動演出があたかも特別図柄変動演出であるかのように遊技者に思わせ易くするように構成していたが、擬似変動演出が実行されていると遊技者に容易に把握されないようにするために、これ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄の表示態様を可変させることで、擬似変動演出が実行された場合に、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄の表示数が減少したように見せる構成を用いても良く、この場合、例えば、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄が4個表示されている状態で擬似変動演出が実行されると、4個目の保留図柄の表示態様を、通常よりも遊技者が把握困難な表示態様へと可変させることで、特別図柄の保留球数が3個になったと思わせる演出を実行するように構成しても良い。
ここで、遊技者が把握困難な表示態様としては、例えば、4個目の保留図柄の表示拡大率を他の保留図柄の表示拡大率よりも小さくすることで、遊技者が把握し難い表示態様としたり、4個目の保留図柄の透明度を他の保留図柄の透明度よりも高くすることで、遊技者が把握し難い表示態様としたり、4個目の保留図柄の表示色を他の保留図柄の表示色よりも、背景画像の色に近づけることで、遊技者が把握し難い表示態様としたり、することが考えられる。このように構成することで、擬似保留図柄を用いること無く、擬似変動演出があたかも特別図柄変動演出であるかのように遊技者に思わせ易くすることができるため、擬似変動演出を遊技者に違和感無く実行するための処理負荷、及び、演出データ容量を削減することができる。
なお、本実施形態では、擬似変動演出の実行に合わせて表示数が可変する表示対象として、保留図柄(擬似保留図柄)を用いているが、これに限ること無く、他の表示態様を用いても良い。また、本第7実施形態では、擬似変動演出が実行されている間、継続して擬似保留図柄を表示するように構成しているが、これに限ること無く、少なくとも、擬似変動演出が実行されるタイミングに合わせて、対象となる表示態様(擬似保留図柄)の表示数が減少する演出が実行されれば良く、表示数が減少した後に対象となる表示態様を一時的に非表示とするように構成しても良い。
また、本実施形態では、擬似変動演出が実行される場合に表示される擬似保留図柄の表示数を、特別図柄の保留球数に対応した表示数で表示するように構成することで、特別図柄の保留球数を示す保留図柄から擬似保留図柄へと遊技者に違和感を与えること無く切り替えるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、擬似変動演出の実行回数に基づいて擬似保留図柄の初期表示数を決定しても良い。
さらに、本実施形態では、擬似空き表示領域が形成された場合に、その擬似空き表示領域の範囲内のみ設定示唆演出が実行され得る特殊図柄表示ゾーンとなるように構成しているが、これに限ること無く、擬似空き領域が形成された表示領域よりも後ろの表示領域の所定範囲、或いは全範囲を特殊図柄表示ゾーンとして利用しても良い。
また、本第7実施形態では、1の特別図柄変動の全期間を用いて複数回の擬似変動演出を実行する場合における擬似保留図柄の演出内容(表示数の可変内容)について説明をしたが、本第7実施形態にて用いた技術思想を他の技術に用いても良く、例えば、2つ以上の連続する特別図柄変動の変動期間を用いて3つ以上の擬似変動演出を実行する場合に本第7実施形態にて説明をした各種技術思想を適用しても良い。
さらに、複数回の特別図柄変動に対して擬似変動演出を1回実行する場合において、擬似変動演出中に特別図柄の保留球数を示す保留図柄の表示数が減少することにより、実行中の変動演出が擬似変動演出であることを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制するための技術思想として、上述した第7実施形態の技術思想、即ち、特別図柄の保留球数を示す保留図柄に代えて擬似保留図柄を表示し、その擬似保留図柄の表示数を擬似変動演出の実行回数に基づいて可変(減少)させる技術を用いても良い。これにより、実行中の変動演出が擬似変動演出であることを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
<第8実施形態について>
次に、図217を参照して、第8実施形態について説明をする。本第8実施形態では、上述した第1実施形態に対して、設定変更中における規制内容を異ならせ、その表示内容についても異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
上述した第1実施形態では、遊技機の設定値を変更する処理が実行されている最中、即ち、主制御装置110の立ち上げ処理が完了していない状態では、表示制御装置114のブート処理の進行状況に関わらず、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理も完了することが無いため、枠ボタン22等の操作手段の操作が無効に設定されるように構成していた。これに対して、本第8実施形態では、操作手段として第1枠ボタン22aと第2枠ボタン22bを設け、設定変更操作中においても、一方の操作手段(第2枠ボタン22b)に対する操作を有効に判別可能に構成している点で相違している。
具体的には、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図140参照)において、主制御装置110から設定変更操作が完了したことを示すためのコマンド(初期化コマンド)が出力されることを待機する待機処理(図142のS2012参照)よりも前段において、第2枠ボタン22bの操作を有効に設定するための第1操作有効設定処理を実行するように構成する。この第1操作有効設定処理では、パチンコ機10が有する複数の操作手段のうち、一部の操作手段のみ操作を有効に判別するための設定処理を実行する。
そして、待機処理(図142のS2012参照)よりも後段に実行される処理において、全ての操作手段への操作を有効にする第2操作有効設定処理を実行可能に構成する。
ここで、第1操作有効設定処理において操作が有効に判別される操作手段は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223に情報を書き込まれる操作以外の操作を実行可能な操作手段、即ち、何らかの変更情報(例えば、音量調整や輝度調整の結果を示す情報)を決定するための操作手段では無く、何らかの情報を変更(例えば、音量や輝度を変更)するための操作(変更操作)をするための操作手段(枠ボタン22b)が該当する。
つまり、設定変更操作中であっても、音量や輝度を変更するための操作は有効に判別されるが、変更後の音量や輝度を決定(RAM223の記憶エリアに書き込む)するための操作(決定操作)をするための操作手段(枠ボタン22a)は、設定変更操作完了後に有効となるように構成している。このように構成することで、設定変更操作中であっても、情報を変更するための変更操作を実行することが可能となるため、複数の作業を重複して実行することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
ここで、設定変更操作が実行されている状態では、表示制御装置114のブート処理が完了している場合と、完了していない場合と、があり、ブート処理が完了していない場合は、第3図柄表示装置81の表示画面には変更操作に関わる情報が表示されないため、変更操作を実行した場合に、どの程度変更操作を実行したのかを作業者が把握し難いという問題があった。また、ブート処理が完了している状態であっても、設定変更操作を実行している最中は、パチンコ機10の裏面側に対して作業者が対峙している状況であり、第3図柄表示装置81の表示面を視認し難い状態であることから、変更操作の内容を第3図柄表示装置81の表示画面を視認することで把握することが困難となる。
そこで、本第8実施形態では、設定変更中に音声出力装置226から出力される音量を変更操作に応じて可変させることにより、作業者に対して変更操作の操作度合いを把握させ易く構成している。このように構成することで、パチンコ機10の裏面側に対峙している作業者に対して音声で変更操作内容を把握させることができるため、複数の作業を重複して実行することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
加えて、本第8実施形態では、初期化状態で設定されるデフォルトの環境状況(初期音量レベル)と、変更操作によって変更された環境状況(変更後音量レベル)と、を切り替えた環境状況報知(音声出力)を実行可能に構成している。これにより、変更操作によって変更された環境状況(変更後音量レベル)のみ報知される場合に比べて、変更後の環境状況を相対的に把握することができるため、変更操作の内容を視覚的に把握することが困難な状況において、作業者に変更操作の内容を把握させ易くすることができる。
ここで、図217を参照して、本第8実施形態における設定変更操作中に表示される表示内容について説明をする。図217(a)は、設定変更中の表示画面を模式的に示した図であり、図217(b)は、設定変更中に音量レベルの変更をした場合の表示画面を模式的に示した図である。
図217(a)に示した通り、表示制御装置114のブート処理が完了した状態で設定変更操作が実行されている場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に「設定変更中」の文字が表示されると共に、表示領域HR31にて、現在の状況において、作業者が操作可能な操作手段と、操作不可能な操作手段とを示す情報が表示される。図217(a)に示した図では、枠ボタン22b(図では、三角印で表示)は有効で、枠ボタン22a(図では、丸印で表示)は無効であることを示す情報が表示されている。これにより、現時点において操作可能な操作手段を分かり易く報知することができる。
そして、表示領域HR30には、初期状態で設定されるデフォルトの環境情報として音量レベルを示す表示態様が表示されており、図では、3段階の音量レベルのうち2段階目の音量レベルがデフォルトの環境情報として設定されていることを示す表示態様が表示されている。この音量レベルは段階を異ならせることで音声出力装置226から出力される音量の大きさを可変させることができることを示すものであって、音量レベルを上げると音声出力装置226から出力される音量が大きくなる。図217(a)では、黒色で塗りつぶした数が音量レベルを示しており、3つ全て黒色で塗りつぶした状態が、最大音量が出力される音量レベル3を示す。
また、設定変更中は、音声出力装置226から現在の状況が設定変更中であることを音声で報知するための報知態様として、「設定変更中」のメッセージが、デフォルトの音量レベルで出力されるように構成している。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面を視認できない位置に位置する作業者(例えば、設定変更操作を実行するために、パチンコ機10の背面側に位置する作業者)に対して、現在の状況を分かりやすく報知することができる。また、不正に設定変更操作が行われた場合であっても、その状況をいち早く察知することができる。
本実施形態では、この設定変更中において枠ボタン22bへの操作が有効に判別されるため、設定変更中であっても、音量レベルを変更することが可能であるため、表示画面には、枠ボタン22bを操作することで音量レベルを変更することができる旨を報知するための表示態様が表示されている。
なお、図217(a)に示した表示内容は、全て、表示制御装置114のブート処理が完了した状態において、音声ランプ制御装置113から出力される状態を示すコマンド(例えば、立ち上げ処理が完了したことを示すコマンドや設定変更処理が完了したことを示すコマンド)を受信していない場合に表示されるデフォルト画像(初期画像)として画像データが格納されているものである。なお、この初期画像の説明については、第1実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図217(a)に示した状態で、枠ボタン22bを操作した場合には、図217(b)に示した通り、音量調整中の文字が表示されると共に、変更操作に対応した音量レベル(音量レベル3)を示す表示態様が表示領域HR30に表示される。そして、音声出力装置226からは、デフォルトの音量レベル(音量レベル2)と、変更後の音量レベル(音量レベル3)と、を切り替えて「設定変更中」のメッセージが交互に出力される。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面を視認できない位置に位置する作業者(例えば、設定変更操作を実行するために、パチンコ機10の背面側に位置する作業者)に対して、現在の状況を分かりやすく報知することができる。また、不正に設定変更操作が行われた場合であっても、その状況をいち早く察知することができる。
以上、説明をした通り、第8実施形態では、設定変更中である場合、即ち、パチンコ機10の初期化処理(立ち上げ処理)が全て完了していない場合であっても、操作手段のうち一部の操作手段を有効に判別可能に構成することで、複数の作業を重複して実行することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
なお、本第8実施形態では、パチンコ機10の設定変更中を対象に、複数種類の操作手段に対して操作無効期間を異ならせるように構成しているが、操作無効期間を設定するタイミングは、パチンコ機10の設定変更中に限ること無く、初期化処理中であっても良いし、パチンコ機10の初期化処理が終了している状態において作業者が特定の操作を実行することにより通常の遊技可能状態とは異なる設定状態へと切り替えた期間でも良いし、パチンコ機10にて異常が発生し、遊技が一時的に不能となる期間でも良い。また、通常の遊技可能状態において、実行される演出が途中で停止したように見せる演出(フリーズ演出)が実行されている期間に対して、操作無効期間を設定するように構成しても良いし、計時装置292により計時された時刻が特定時刻(例えば、遊技場の閉店時刻)を越えた期間でも良い。
<設定示唆演出の別例について>
上述した各実施形態では、設定される期間に応じて設定示唆演出の実行頻度を異ならせ、各期間内で設定示唆演出を実行するように構成していた。即ち、設定されている期間に対応した実行頻度で設定示唆演出の実行を決定し、その決定した設定示唆演出を当該期間内にて実行するように構成していた。
これに対して、本別例では、設定示唆演出の実行を決定する期間と、実際に設定示唆演出を実行する期間と、を異ならせることが可能に構成している。
具体的には、特定期間(例えば、SPタイム期間や確変状態中)にて特定条件(例えば、大当たり当選した場合に成立する条件や、リーチ回数が所定回数(3回)に到達した場合に成立する条件)が成立した場合に、設定示唆演出の実行権利として、設定示唆演出を示す要素となり得る表示態様(例えば、ピースの足りないパズルを示した表示態様)が表示される。
次に、設定示唆演出の実行権利が成立している状態において、追加情報(例えば、パズルのピース)を取得可能に構成する。より具体的には、操作手段に対する操作に基づいて追加情報を獲得するか否かの判別手段や、実行権利が成立してからの期間にて獲得した賞球数が所定数単位(例えば、1000個単位)に到達した場合に追加情報を獲得する獲得手段を設ける。
そして、設定示唆演出の実行権利が成立している状態において、追加情報を獲得する毎に、設定示唆演出を示す要素となり得る表示態様(例えば、ピースの足りないパズルを示した表示態様)に追加情報に対応する表示態様(要素)が付加される演出を実行する。そして、十分量の追加情報が付加された場合に、設定値を示唆するための表示態様が形成される(設定示唆演出が実行される)。
このように構成することで、特定期間内において、設定示唆演出の実行権利を獲得した遊技者に対して、設定示唆演出が実行されるまで継続して遊技を行わせ易くすることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、上述した別例の構成を用いる場合には、設定示唆演出の実行権利を保持する期間に上限を設けると良い。これにより、設定示唆演出の実行権利を保持している期間内に設定示唆演出を実行させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、設定示唆演出の実行権利を保持する期間に上限を設けた場合には、その上限期間を延長させるための延長条件(例えば、特定態様のリーチ演出を実行させた場合に成立する条件や、操作手段に対して特定の操作を行った場合に成立する条件や、特定の大当たり種別の大当たりに当選した場合に成立する条件)を設定可能に構成し、延長条件が成立したと判別した場合に、上限期間を延長させる処理を実行するように構成すると良い。このように構成することで、設定示唆演出の実行権利を保持している期間内に設定示唆演出を実行させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせると共に、上限期間を延長させることで設定示唆演出を実行させ易くすることを狙う遊技も行わせることができ、遊技者を意欲的に遊技へと参加させることができる。
加えて、延長条件とは異なる特殊条件(例えば、保留連)が成立した場合には、上限期間を撤廃するように構成しても良い。
さらに、上限期間を設定可能に構成した場合には、上限期間までの残期間を報知可能に構成すると良い。これにより、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、定示唆演出を示す要素となり得る表示態様(例えば、ピースの足りないパズルを示した表示態様)として、追加情報が付与される毎に、徐々に設定推測可能となる表示態様を設定すると良い。これにより、全ての追加情報を獲得し得ない状態であっても、遊技者に対して設定値を予測させることができる。
<設定示唆演出の定義について>
次に、上述した各実施形態にて用いられた設定示唆演出の演出態様の別例について説明をする。ここで、設定示唆演出とは、遊技者に対して設定値を示すための情報を提供することを目的とした演出だけで無く、設置値に関する情報に基づいて選択される演出態様の全てが設定示唆演出に該当するものである。
また、演出の実行とは、上述した各実施形態にて説明をしたような、遊技者が視認可能な表示態様を表示させることは勿論のこと、遊技者が視認可能な表示態様させない態様も演出の実行の概念に含まれるものである。
また、上述した各実施形態では、設定示唆演出として特定の表示態様を表示する例を示しているが、これに限ること無く、個々に設定される複数種類の表示態様を重複して表示することにより、遊技者に設定値を推測させる態様も設定示唆演出の概念に含まれるものである。
<第1変形例>
次に、第1実施形態及び第8実施形態において説明をした立ち上げ処理中における操作手段への操作に関する処理に関する第1変形例について説明をする。上述した各実施形態では、パチンコ機10の前面側(図81参照)に設けられた操作手段(枠ボタン22等)を対象に、操作無効期間を設定するように構成していたが、対象の操作手段をパチンコ機10の背面側(図83参照)に設けても良い。この場合、パチンコ機10の背面側に設けられた操作手段(管理用操作手段)は、遊技者が操作不可能(困難)な位置に設けられ、作業者が操作することにより、パチンコ機10の環境を設定可能な管理用操作手段として用いると良い。
具体的には、遊技者が枠ボタン22等の操作手段を操作することで設定可能な音量レベルや輝度の調整範囲を管理用操作手段操作手段に対する操作で制限したり、遊技者が操作手段を操作することによりパチンコ機10にて実行される演出態様を可変させるカスタム選択にて選択可能な演出態様の種別を管理用操作手段操作手段に対する操作で制限したりするように構成すると良い。
そして、上述した操作手段と、管理用操作手段とで、パチンコ機10の立ち上げ処理中における操作無効期間を異ならせて設定可能に構成し、操作手段よりも、管理用操作手段のほうが、無効期間が短くなる(無効期間を設定しない)ように構成すると良い。
<第2変形例>
次に、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技中の演出内容について、上述した第1実施形態の図96(b)を参照して説明した例の変形例について説明をする。
上述した第1実施形態では、ラウンド遊技中に実行されるラウンド演出の演出態様として、獲得球数が所定個数単位(200個単位)に到達し得るラウンド数を特定し、そのラウンド演出の演出態様として、実行されるラウンド数と、表示される獲得球数との対応関係に基づいて、ラウンド演出の演出態様を決定するように構成していた。
これに対して、本第2変形例では、大当たり遊技の何ラウンド目で昇格演出を実行するかを決定する決定手段を設け、決定されたラウンド数を記憶可能な記憶手段を設ける。そして、獲得球数が所定個数単位(200個単位)に到達し得るラウンド数を特定する特定手段によって特定されるラウンド数のうち、記憶手段に記憶されたラウンド数以降のラウンド数で昇格演出を実行する実行手段を設ける。
このように構成することで、昇格演出を、獲得球数が所定個数単位に到達したことを祝福する所定数獲得演出が実行されるラウンド数と同期して実行させることができる。
ここで、第2変形例では、所定数獲得演出として、獲得球数に応じて異なる演出態様(例えば、キャラクタの種別を異ならせた態様や、キャラクタの発するコメントの種類(方言など)を異ならせた態様)を決定可能に構成しており、所定数獲得演出が実行されるラウンド数のラウンド遊技が実行されると特定された場合に、演出態様を決定し、その決定された演出態様に対応した動画像データ、或いは静止画像データを生成し、ラウンド遊技中の演出として実行し、実際に獲得球数が所定個数に到達した場合に、所定個数を示すための画像を追加表示するように構成している。
このように構成されたパチンコ機10では、所定数獲得演出の演出態様の設定と、昇格演出の決定と、を独立して実行してしまうと、所定数獲得演出の実行中に昇格演出が実行されてしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまう虞があった。
より具体的には、所定数獲得演出に用いられる演出態様は、決定手段により決定された演出態様に対応した動画像データ、或いは静止画像データに基づいて実行され、且つ、実行される演出態様に対応させた音声データ(セリフ等)も設定されるため、所定数獲得演出が実行されるラウンド遊技中に昇格演出を実行してしまうと、所定数獲得演出の演出効果が著しく低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第2変形例では、所定数獲得演出の演出態様の設定するための処理と、昇格演出を決定するための処理と、複合させて実行することができるため、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。
上述した各実施形態では、特別図柄抽選の実行回数に基づいて、短い変動時間の変動パターンが選択され易くなる高速変動モードを設定可能に構成していたが、この高速変動モードへの移行条件として特別図柄抽選の実行回数以外を設けても良く、特別図柄抽選の結果が、大当たり当選以外の特定抽選結果となった場合、例えば、大当たり当選していないが、可変入賞装置65aを一時的に開放させる小当たり遊技が実行される小当たりに当選したことに基づいて高速変動モードを設定可能に構成したり、大当たり遊技期間が短い大当たり遊技を跨いで高速変動モードを設定可能に構成したり、特別図柄や普通図柄の抽選とは別に特定のモード移行抽選を実行可能に構成し、モード移行抽選に当選した場合に高速変動モードを設定可能に構成しても良い。
また、高速変動モードを設定する際に用いられる各種条件と同様の要素を用いて、高速変動モードを終了させる終了条件を設定しても良く、この場合、高速変動モードを設定する際に用いられる各種条件の数値(パラメータ)を異ならせて終了条件を設定するように構成すると良い。これにより、高速変動モードの設定条件と終了条件とを値を異ならせるだけで設定することができるため、高速変動モードの設定に関する情報を記憶するためのデータ容量を削減することができる。
さらに、上述した各実施形態では、特別図柄抽選(特別図柄変動)の内容に基づいて高速変動モードの設定の有無を決定するように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄抽選(普通図柄変動)の内容に基づいて高速変動モードの設定の有無を決定するように構成しても良い。この場合、例えば、普通図柄変動として電動役物640aが長期間開放されるロング普図当たりに当選している普通図柄変動中や、ロング普図当たり遊技中といった、遊技者に対して、普通図柄抽選(普通図柄変動)の結果に注視させる状況であるか否かを判別し、普通図柄抽選(普通図柄変動)の結果に遊技者を注視させるための演出が実行されている期間、或いは、実行されることが決定している期間については、高速変動モード中における特別図柄の高速変動が実行されたとしても、その旨を報知するための演出態様が設定されないように構成しても良い。
このように、特別図柄抽選(特別図柄変動)よりも、遊技者に注視させるべき内容の演出が実行されている期間、或いは、特別図柄抽選(特別図柄変動)よりも、遊技者に注視させるべき内容の演出が実行されることが確定した期間において、高速変動モード中における特別図柄の高速変動が実行されたとしても、その旨を報知するための演出態様が設定されないように構成することで、遊技者に対して最も注視すべき演出を分かり易く報知することができる。
上記実施形態では、画像コントローラ236が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ236は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記実施形態において、デモ演出は、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものであってもよい。また、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態において、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出を実行してもよいし、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、連続予告演出を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29~33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および第1図柄表示装置37)において変動演出が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29~33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29~33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるで、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29~33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29~33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
尚、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29~33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29~33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
また、連続予告演出が行われる場合に、変動演出とは別の連続予告演出用の画像が第3図柄表示装置81に表示させてもよいし、連続予告演出を、変動演出が終了したときに表示される停止図柄として、所定の図柄の組み合わせである、所謂「チャンス目」を表示させることによって行ってもよい。この場合、表示制御装置114のMPU221で実行されるコマンド判定処理(図395(c)のS1602)にて連続予告コマンドの受信を判断すると、チャンス目に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄判別フラグをオフに設定するようにしてもよい。コマンド判定処理では、停止識別コマンド処理の後にその他コマンド処理の中で連続予告コマンドに対応する処理を実行するので、表示用停止識別コマンドの受信によって設定された停止図柄に代えて、チャンス目が停止図柄として設定される。よって、変動停止時にチャンス目を確定表示させることができる。そして、第3図柄表示装置81において、変動演出ごとに停止図柄としてチャンス目が連続して表示されれば、遊技者に対して、最終的に大当たりが得られる期待感を持たせることができる。
上記実施形態において、主制御装置110は、第1始動口64a,第2始動口64bへの入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得された各カウンタC1~C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1~C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられたものであってもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する先読み情報第1~第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、保留球数コマンドを受信した場合に、該保留球数コマンドにて示される各カウンタC1~C3,CS1の値そのものをRAM223に格納してもよいし、保留球数コマンド(又は、各カウンタの値が示されるコマンド)を受信した場合に、該コマンドにて示される各カウンタの値に基づいて、大当たりか否か、大当たりの場合の大当たり種別、外れの場合の外れ種別等の一部または全部を判定し、これらの判定結果を、該コマンドにて示される各カウンタの値に代えて、または、該カウンタの値の一部または全部とあわせて、RAM223に格納してもよい。
上記各実施形態では、第1始動口64a及び第2始動口64bのどちらに球が入賞したかに関係なく、1つの保留球数カウンタ203aを用いて、主制御装置110にて保留球数をカウントする場合について説明した。これに対し、第1始動口64aに対応する第1始動口用の保留球数カウンタと、第2始動口64bに対応する第2始動口用の保留球数カウンタと主制御装置110のRAM203に用意し、第1始動口64aへの始動入賞に伴う保留球数と、第2始動口64bへの始動入賞に保留球数とを、それぞれ別個にカウントしてもよい。
また、上記各実施形態では、第1始動口64a及び第2始動口64bのどちらに球が入賞したかに関係なく、保留可能な最大保留球数を「4」に定める場合について説明したが、第1始動口64aへの始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数と、第2始動口64bへの始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数とを、別個に定めて管理してもよい。例えば、第1始動口64aへの始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数を「4」とし、第2始動口64bへの始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数を「4」として、ある時点において、第1始動口64aへの始動入賞に伴って保留された保留球数が「4」であって、第2始動口64bへの始動入賞に伴って保留された保留球数が「2」である状況では、第1始動口64aにこれ以上始動入賞があっても、その始動入賞は保留されないが、第2始動口64bに始動入賞があった場合は保留されるようにしてもよい。これにより、第1始動口64aと第2始動口64bとが別個のものとして遊技者に認識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、例えば、第2始動口64bへの始動入賞に基づく変動演出が、第1始動口64aへの始動入賞に基づく変動演出に対して優先して行われるようにしてもよい。または、第1始動口64aへの始動入賞に基づく変動演出が、第2始動口64bへの始動入賞に基づく変動演出に対して優先して行われるようにしてもよい。これにより、優先して変動演出が行われる始動口を、遊技者に対してより注目させることができる。
上記実施形態において、入球した場合に大当たりの抽選が開始される始動口として、第1始動口64a及び第2始動口64bと2つの始動口が遊技盤13に配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、始動口の数は1つであってもよいし、3つ以上の複数であってもよい。なお、始動口が2以上ある場合、各々の始動口に対して、対応する保留球数カウンタをRAM203に用意し、始動口毎に、対応する始動口への入賞に伴って保留された保留球数をカウントするようにしてもよい。また、始動口毎に、対応する始動口への始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数を設定してもよい。
また、始動口が2以上ある場合、始動口への入賞に伴って保留が行われたことを通知するために主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの始動口への入賞によって保留が行われたかものかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、始動口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタを1減らせば、始動口毎に保留球数をカウントすることができる。
また、複数の始動口が遊技盤13に配設される場合、それぞれの始動口への入賞(始動入賞)に伴って取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113へ通知してもよい。この場合、主制御装置110が始動入賞に伴い取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドには、いずれの始動口への始動入賞に伴って取得されたものであるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動口への始動入賞に伴う変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。更に、音声ランプ制御装置113のRAM223において、始動口毎にそれぞれ先読み情報格納エリアを用意し、対応する始動口への始動入賞に伴って主制御装置110より送信された各カウンタ値を、対応する先読み情報格納エリアに格納してもよい。これにより、変動パターンコマンドを受信する毎に、その変動パターンコマンドで示される変動演出の実行契機となった始動入賞を検出した始動口に対応する先読み情報格納エリアに対してシフト処理を行うことができる。よって、始動口毎に保留中の変動演出に対応する各カウンタの値を、音声ランプ制御装置113においても保持させることができる。従って、始動入賞した始動口により、大当たりとなる確率や大当たり種別の振り分け確率、外れ種別の振り分け確率等が異なるような場合に、先読み処理において、それぞれの変動演出について、大当たりとなるか否か、大当たりとなる場合の大当たり種別、外れとなる場合の外れ種別などを、どの始動口への始動入賞かに基づいて正しく判定することができる。また、1の始動口への始動入賞に基づく変動演出が、他の始動口への始動入賞に基づく変動演出に優先して行われるような場合に、1の始動口への始動入賞に基づく変動演出に対応するカウンタの値から順番に先読み処理を行うことができ、直近で大当たりとなる変動演出の保留回数を正しく判断することができる。
また、複数の始動口が設けられている場合、音声ランプ制御装置113は、始動口への始動入賞に基づいて取得された各カウンタの値をコマンドにより主制御装置110から受信した場合に連続予告演出の開始を決定すると、始動入賞があった始動口に関わらず、その時点で保留されている全ての変動演出(保留球)にわたって、連続予告演出を実行させてもよい。また、複数の始動口が設けられており、一の始動口への入賞に対する変動演出を、他の始動口への入賞に対する変動演出よりも優先的に実行するパチンコ機においては、その優先的に変動演出が実行される始動口への入賞に対して取得されたカウンタ値の先読み結果のみから、連続予告演出の開始を決定するようにしてもよい。これにより、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されない。仮に、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して連続予告演出が開始され、優先度の高い始動口に絶え間なく変動演出が保留される場合に、連続予告演出がなかなか終了しないという事態が生じるおそれがある。これに対し、本変形例では、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されないので、そのような事態が生じることを抑えることができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、RAM223に記憶された保留球数の値を1減らす(図394のS1107参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図381参照)において、変動開始処理(S307)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を(図381のS305参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113では、より正確に主制御装置110に保留された保留球の数を把握することができる。尚、この場合、図394のS1107は省略される。また、変動パターンコマンドに、減算後の保留球数カウンタ203aの値(N)を含めてもよい。この場合、音声ランプ制御装置113では、変動パターンコマンドを受信した場合に該変動パターンコマンドに含まれる保留球数(N)を抽出して、RAM223に記憶された保留球数に設定すればよい。
上記実施形態においては、第1始動口64a及び第2始動口64bへの入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1始動口64a及び第2始動口64bへの入賞に対し、始動口によって別箇に最大保留球数を設定するようにしてもよく、各々の始動口における最大保留球数は「4」以外の任意の数であってもよい。また、各始動口における最大保留球数は必ずしも同一の値とする必要はなく、異なる値であってもよい。また、第1始動口64a及び第2始動口64bへの入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1~Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1~Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1~Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロットマシンでは、所定期間中に払い出された遊技媒体(コイン、メダル)の総数に対する、ボーナス(役物)により払い出された遊技媒体の数の比率が役物比率となる。そこで、各役が成立した場合に払い出される遊技媒体の数を、賞球数テーブル202eに代えて主制御装置のROMに格納しておき、役物比率管理チップ又は役物比率管理チップと同等の機能を実行する制御装置にて、非ボーナスゲーム期間(通常期間)において成立した(有効ライン上に図柄が揃った)役の数、ボーナスゲーム期間中において成立した役の数、AT期間中において成立した役の数を計数して、役物比率や連続役物比率を管理してもよい。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。なお、以下に示す各種発明の概念は、それぞれ、他の発明の概念が有する構成の一部または複数部分を、その発明の概念に追加し或いはその他の発明の概念が有する構成の一部または複数部分と交換等することにより、その発明の概念を変形して構成するようにしても良い。
<釘の代わりとなる樹脂構成部材>
遊技盤本体と、その遊技盤本体に対して配置が固定される被固定部材と、前記遊技盤本体および前記被固定部材を連結する連結部材と、を備える遊技機において、前記連結部材は、遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち込まれた釘によって遊技球の流下経路をランダムに構成する遊技機がある(例えば、特開2007-325743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下経路が釘によってのみ構成されていることから、遊技盤のほぼ全領域に釘を打ち込む必要があるところ、釘を打つ部分の強度を確保するために遊技盤を肉厚にする必要があるので、特に厚み方向の設計において、遊技盤の形状の設計自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、遊技盤本体と被固定部材とを連結する連結部材によって遊技球を案内可能に構成されているので、連結部材が配置される範囲については、遊技盤本体に釘を打ち込む必要が無くなる。そのため、連結部材が配置される範囲では、遊技盤本体の、特に厚み方向の設計において、形状の設計自由度を向上することができる。
例えば、任意に厚みを設計できる箇所について薄肉に形成することで、遊技盤全体で要する部材の体積を減らすことで材料コストを削減できたり、薄肉とした結果として空いたスペースに演出用部材(電飾基板等)を配置して多様な発光演出を実行可能としたりすることができる。
なお、連結部材の配置は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、連結部材は、遊技領域に導入された遊技球が最初に衝突する部分を構成するように遊技盤のセンターフレームの上方に配置されても良いし、スルーゲートを内部に保持する部材としてセンターフレームの左右側に配置されても良いし、遊技球を入賞口へ案内するための部材としてセンターフレームの下側に配置されても良い。
また、連結部材は、左右対称形状で構成されても良いし、左右非対称形状で構成されても良い。基本的には、遊技領域が左右対称形状である場合には連結部材も左右対称形状で構成されることが好ましく、遊技領域が左右非対称形状である場合(例えば、右打ち機の場合)には連結部材も左右非対称形状で構成されることが好ましい。
遊技機A1において、前記連結部材は、遊技球を案内可能に構成される案内部を備え、その案内部は、遊技領域側に張り出すように構成されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、遊技領域側に張出形成されていた釘と同様の作用効果を、案内部によって生じさせることができることに加え、連結部材が光透過性の樹脂材料から形成される場合には、釘よりも光を透過させ易くすることができる。従って、案内部が配置される範囲においても、案内部の背後から遊技者側に照射される光の視認性が低下することを回避することができる。
なお、案内部の形状としては、釘の形状を模倣しても良いが、釘の細い形状を樹脂材料から形成する場合には金属材料の釘に比較して強度が落ちるため、複数の釘が配置される範囲を単一の案内部で囲むような形状から形成するようにしても良い。これにより、樹脂材料から形成する場合であっても、強度不足を解消することができる。
遊技機A2において、前記案内部は、前記遊技領域側の反対側に凹設部を備えることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、連結部材の軽量化を図ることができる。更に、案内部の肉厚が薄くなることで案内部を撓み易くすることができ、遊技球が案内部に衝突した際に案内部に撓みが生じることで、遊技球と案内部との間で生じる負荷を和らげることができるので、衝撃時の負荷による案内部の破損を回避し易くすることができる。
遊技機A2又はA3において、前記案内部は、前記遊技盤本体に近接配置される第1案内部と、前記被固定部材に近接配置される第2案内部と、を備え、前記第1案内部は、前記第2案内部に比較して、細幅に形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、第1案内部が細幅なので、案内部自体が撓み易く、遊技盤本体が撓まなくても負荷を逃がすことができる。一方で、第2案内部は、案内部自体が撓まずとも、薄板として形成される被固定部材が撓むことで負荷を逃がすことができる。
なお、細幅の態様は、最大幅が小さいとの設定でも良いし、形状が三角形である場合のように細幅の部分があることで特定しても良い。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記案内部は、張出方向視における枠形状を構成する辺同士が交差する角度が最大となる部分が上端位置よりも下側に配置されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、角度が最大となる部分を軸とした撓み変形を許容して、遊技球の衝突に対して堪えやすくすることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記被固定部材は、環状に構成され、前記遊技盤本体の内側に固定されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、被固定部材の形状を遊技盤本体の剛性により保持し易くすることができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記連結部材と、遊技盤本体または被固定部材と、が重なるように構成され、箇所によって、重なる対象が変わることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤本体の形成を省略して被固定部材でまかなうことにより、遊技盤本体を省略せずに形成する場合に比較して、遊技盤本体に要する材料コストを削減することができる。
また、被固定部材と連結部材とが重なる範囲においては、背面から照射される光を通り易くすることができると共に、被固定部材を薄肉形成することで背面側のスペースを確保することができることから、演出装置の配設自由度を向上することができる。
遊技機A7において、前記被固定部材と前記連結部材とが重なる箇所の後方に発光手段が配置される遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、遊技盤本体の後方に発光手段を配設する場合に比較して、被固定部材を薄肉で形成することにより発光手段の配設スペースを確保し易くすることができる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記被固定部材と、前記連結部材との間に配設される薄肉装飾部材を備え、その薄肉装飾部材は、前記被固定部材に形成される第1位置決め部と、前記連結部材に形成される第2位置決め部と、に位置合わせされることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、被固定部材や連結部材の各形状に制限されることなく薄肉装飾部材の位置合わせを行うことができる。
遊技機A9において、前記第1位置決め部と、前記第2位置決め部とが係合することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、第1位置決め部および第2位置決め部によって、被固定部材と連結部材との位置合わせを行うことができる。
<釘なし振分>
遊技球が通過可能な通過領域と、前記通過領域に遊技球を案内可能に構成される案内手段と、前記通過領域を通過した遊技球を流下させる流下領域と、を備え、前記案内手段は、前記通過領域へ遊技球を案内する割合を変化可能に構成され、前記流下領域は、遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口を備え、前記第1入球口に遊技球が入球する割合および前記第2入球口に遊技球が入球する割合を維持可能に構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち込まれた釘によって遊技球を入賞口へ振り分ける遊技機がある(例えば、特開2007-325743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下経路の振分に利用する釘は、遊技球との衝突によりベース板に対する状態が変化することがあり、その状態の変化によって入賞口に入球し易い状態や、入球し難い状態が形成され得るので、遊技の公平性という観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、案内手段が遊技球を通過領域へ案内する割合が変化可能な状況において、流下領域は、第1入球口に遊技球が入球する割合および前記第2入球口に遊技球が入球する割合を維持可能に構成されるので、遊技球が第1入球口や第2入球口に入球し易くなったり、入球し難くなったりすることを避けることができ、遊技の公平性という観点から改善することができる。
遊技機B1において、前記流下領域は、樹脂材料から形成されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、流下領域が樹脂材料から形成されるので、流下領域を形成する樹脂部材の一部が破損した場合には、樹脂部材自体を取り替えることで容易に元通りに修復することができる。従って、釘で遊技球の振分を行う場合に比較して、メンテナンス性および遊技機の稼働期間向上の観点において改良することができる。
また、釘の場合、曲げが生じていたとしても目視では判別し難く、遊技球の振分の状態(バランス)が出荷時から変化した状態での稼働が生じ得る一方で、樹脂材料から流下領域が形成される場合、曲げが生じ難い形状としたり、曲げが生じたら容易に破損する設計としたりすることで、出荷時の状態と異なる状態が構成され難くすることができる。これにより、遊技球の振分の状態(バランス)を出荷時のまま維持し易くすることができる。
遊技機B1又はB2において、前記第2入球口の上流側に前記第1入球口が配設され、前記第2入球口に遊技球が入球した場合に遊技者が得られる利益が、前記第1入球口に遊技球が入球した場合に遊技者が得られる利益に比較して大きくなることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、第2入球口側へ遊技球が流下するかについて注目させることができる。
なお、遊技者が得られる利益の態様は何ら限定されるものではない。例えば、賞球の有無や賞球個数でも良いし、図柄の抽選の有無でも良いし、遊技球の通過によって抽選の確率が変化する利益でも良いし、これらの組み合わせでも良い。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記通過領域の上流側に配置され、遊技球を前記通過領域とは異なる第3の方向に案内可能な上流側手段を備え、その上流側手段は、前記第2入球口への遊技球の流下を防止するように構成され、前記第3の方向に振り分けられた遊技球は、入球した場合に遊技者が利益を得られる利益通過手段を通過する経路で流下可能に構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、通過領域側へ行かなかった遊技球は、第2入球口へ向かう球の流下を妨害することが無く、更に、利益通過手段を通過する可能性があるので、通過領域側から逸れた遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機B4において、前記上流側手段により前記第3の方向に案内される遊技球は、案内が開始される地点が上流側である方が、前記利益通過手段への入球可能性が高くなるよう構成されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、上流側手段の注目力を、利益通過手段側に配置される下流側だけでなく、上流側においても向上させることができる。換言すれば、通常遊技で不満でも、大当たり遊技では快適となるように遊技領域を構成することができる。
遊技機B5において、一般入賞口側を構成する第1部材と、利益通過手段側を構成する第2部材とが、樹脂構成部材同士の係合で位置決めされることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第1部材と第2部材とを金属製の締結ビスで固定する場合に比較して、締結ビスを省くことができるので、第1部材と第2部材との重なり位置における視認性を向上することができる。
遊技機B6において、位置決めの手法が遊技盤との挟み込みであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、遊技領域と対向配置される部分における第1部材と第2部材との位置関係を規定し易くすることができる。これにより、第1部材や第2部材に当接しながら流下する遊技球の流れが不規則に乱れることを回避することができる。即ち、締結ビスで部材を遊技盤本体に固定する場合に生じがちな、第1部材と第2部材との前後位置の反転が発生する可能性を低くすることができる。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、前記利益通過手段の真上に来るまでは遊技機の勢いを確保し、真上にきてから減速させる減速突部を備えることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が利益通過手段に高速で衝突することによる利益通過手段の破損を回避することができる。
遊技機B8において、左右広い範囲からまとめて集めて、その先の利益通過手段が、左右広めに構成されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、利益通過手段に連続で遊技球が到達した場合でも、先に到達した遊技球を左右に流すことで、後追いの遊技球を受け入れやすくすることができる。これにより、遊技球が利益通過手段に連続で到達した場合における入球不良を回避し易くすることができる。
遊技機B8又はB9において、前記利益通過手段への遊技球の流下経路の後方において、遊技球の流下を所定の態様で補助する補助手段が配設されることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B8又はB9の奏する効果に加え、補助手段によって利益通過手段への遊技球の流下を所定の態様で補助することができるので、遊技球の流下に関する問題点を所定の態様で改善することができる。
遊技機B10において、前記補助手段は、所定の入賞口に入球し流下する遊技球および遊技球の流下経路であることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B10の奏する効果に加え、所定の入賞口に入球して流下する遊技球を、あたかも利益通過手段へ向けて流下しているように見せることができる。これにより、大当たり遊技実行中において所定の入賞口に入球した遊技球を、利益通過手段へ入球するように見える遊技球の個数として加算することができるので、発射した遊技球のほとんどが利益通過手段に入球しているように錯覚させることができる。
遊技機B10において、前記補助手段は、前記利益通過手段への流下経路を後方から装飾する装飾手段であることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B10の奏する効果に加え、利益通過手段への流下経路に遊技者の注目が集まった場合に、装飾が施されていない場合に比較して、装飾手段により遊技者の興趣の向上を図ることができる。
遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記流下領域における前記第1入球口に遊技球が入球する割合および前記第2入球口に遊技球が入球する割合の維持を、異なる割合とされる複数状態で実行可能とされることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B1からB12のいずれかの奏する効果に加え、流下領域で維持される状態を、複数状態で変化させることができる。例えば、流下領域に一定間隔で出没する出没手段を配設しても良いし、第1入球口と第2入球口との間に配設される傾斜板の傾斜角度を変化させるように制御しても良い。
<遊技球左右振分の装置をコンパクトにする>
遊技盤本体と、その遊技盤本体の前端面よりも後方において複数の入球口に振り分ける態様で遊技球を流下可能に構成される流下手段と、を備える遊技機において、前記遊技盤本体は、遊技球の流路を振り分ける釘を配設可能な配設領域と、釘の配設が不可能な非配設領域と、を備え、前記流下手段は、遊技球の流下経路が、前記非配設領域の後方を含む範囲に配設されることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、左右に併設される第1入球口および第2入球口と、第1入球口または第2入球口へ向けて遊技球が流下可能に構成される振分流路と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報、特に図4を参照)。振分流路は樹脂材料により形成されており、その内部を遊技球が流下可能に形成されるところ、球詰まりが生じた場合の対策を容易とするため等の理由から、第1入球口および第2入球口の上流側(入球する直前位置)において、遊技球が通過可能な大きさの空隙部が形成されている。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1入球口および第2入球口が遊技盤の手前側に張り出して構成されているので、振分流路の手前側に遊技領域を構成することが困難であるという問題点があった。換言すれば、遊技領域の形成範囲を大きく確保するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
換言すれば、第1入球口および第2入球口を配置するために必要な領域が部分的に遊技盤の正面側に張出ていることで、遊技球を流下させられる他の範囲が狭まってしまい、遊技球を流下させる範囲の設計自由度が低下する可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、流下手段が遊技盤本体の前端面よりも後方において配設されるので、遊技盤本体の前端面よりも正面側において遊技球を案内する他の部材を配設することができることから、遊技領域の形成範囲を大きく確保することができる。
遊技機C1において、前記複数の入球口は、第1入球口を備え、前記第1入球口は、遊技領域に配設される可動役物と正面視で重ならないよう配置されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、可動役物によって、第1入球口に入球する遊技球の視認性が低下することを防止できる。
遊技機C1又はC2において、前記第1入球口から逸れて流下する遊技球の流下経路は、遊技領域に配設される可動役物と正面視で重なる位置に少なくとも一部が配置されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、第1入球口から逸れて流下する遊技球を可動役物で隠すことができる。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記流下手段は、前記複数の入球口の上流側において遊技者側に遊技球を流下させるように構成される方向切替部を備えることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、方向切替部によって、流下手段を流下する遊技球を複数の入球口の直前で遊技者側に流すことで遊技球の視認性を向上させると共に、複数の入球口へ向けて流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機C4において、前記遊技盤本体の正面側における前記方向切替部の正面位置において、遊技球の流下方向を振り分ける振分手段を備えることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、釘を打つことが困難となる遊技盤本体の正面位置においても、振分手段によって遊技球の振分を行うことができる。これにより、遊技領域の設計自由度を向上することができる。
遊技機C5において、前記振分手段によって振り分けられた遊技球の少なくとも一部が入球可能に構成される入球手段を備え、前記流下手段を流下し前記方向切替部を流下した遊技球は、背面側へ排出され、前記流下手段を流下する遊技球は、前記遊技盤本体を通して視認可能に構成されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、方向切替部を流下した遊技球のその後の視認性が低下することで、あたかも遊技球が入球手段に入球したものだと錯覚させることができる。これにより、流下手段を流下する遊技球を、入球手段に向かって流下する遊技球の個数に加算することができ、入球手段へ向かって多量の遊技球が流下しているように見せることができる。
この場合において、流下手段を流下する遊技球と、遊技盤本体の正面側を流下する遊技球とは、遊技盤本体によって隔絶されており衝突し得ないので、実際に入球手段へ向かって流下している遊技球の流下が、流下手段を流下する遊技球によって阻害されることを回避することができる。即ち、実際に入球手段へ向かって流下している遊技球の入球効率は確保しながら、更に多くの遊技球が入球手段へ向かって流下しているように遊技者に見せる演出を実行することができる。
遊技機C1において、第1入球口および第2入球口と、前記第1入球口に向けて遊技球が流下可能に構成される第1流路と、を備え、その第1流路は、前記第1入球口の上流側において、遊技球が前記第1入球口から逸れる方向に流れる枝分かれ流路を備えることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、第1流路において第1入球口側に球詰まりが生じたとしても、枝分かれ流路から遊技球を排出することができるので、球詰まりの解消を容易とすることができる。
遊技機C7において、前記第1流路は、前記第1入球口の上流側において、前記第1入球口と前記第2入球口とを結ぶ所定直線と交差する方向に遊技球を進行させて、遊技球を前記第1入球口から逸らすよう構成されることを特徴とする遊技機C8。
パチンコ機等の遊技機において、左右に併設される第1入球口および第2入球口と、第1入球口または第2入球口へ向けて遊技球が流下可能に構成される振分流路と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報、特に図4を参照)。振分流路は樹脂材料により形成されており、その内部を遊技球が流下可能に形成されるところ、球詰まりが生じた場合の対策を容易とするため等の理由から、第1入球口および第2入球口の上流側(入球する直前位置)において、遊技球が通過可能な大きさの空隙部が形成されている。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1入球口および第2入球口の上流側において遊技球を排出可能な大きさで形成される空隙部が、遊技球を左右方向に排出する態様で形成されているので、遊技球の通過領域を確保するために、第1入球口へ向けて遊技球を流下させるための流路と、第2入球口へ向けて遊技球を流下させるための流路と、の配置の左右間隔を、遊技球の直径以上は空ける必要が生じるため、第1入球口および第2入球口の実際の左右幅に比較して、第1入球口および第2入球口を配置するための左右幅が過大となるという問題点があった。
換言すれば、第1入球口および第2入球口を配置するために必要な左右幅(領域)が過大となることで、遊技盤の前側または後側において遊技球の流下経路を形成可能な範囲が狭まってしまい、遊技球を流下させる範囲の設計自由度が低下する可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C8によれば、第1入球口から遊技球を逸らすための構成が所定直線と交差する方向に遊技球を進行させるよう構成されているので、第1入球口と第2入球口との間隔を遊技球の直径以上とする必要性を排除できることから、第1入球口および第2入球口を配置するための左右幅(領域)を抑えることができる。従って、遊技球を流下させる範囲の設計自由度を向上させることができる。
なお、遊技球を流下させる範囲の設計の態様としては、何ら限定されるものではない。
例えば、遊技盤と扉枠のガラス板との間の領域(所謂、遊技領域)の設計の態様であっても良いし、遊技盤の前端面よりも後側の領域(例えば、樹脂製の内部流路)の設計の態様であっても良い。前者の場合、遊技球を案内する部材として遊技盤に打ち込まれる釘の配置の設計の態様も含まれる。
遊技機C8において、前記第2入球口に向けて遊技球が流下可能に構成される第2流路を備え、その第2流路は、前記第2入球口の上流側において、前記第1入球口と前記第2入球口とを結ぶ所定直線と交差する方向に遊技球を進行させて、遊技球を前記第2入球口から逸らすよう構成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、第1入球口および第2入球口を配置するための左右幅を(領域)を更に抑えることができる。
遊技機C8又はC9において、前記第2入球口に向けて遊技球が流下可能に構成される第2流路と、前記第1流路を流下した遊技球であって前記第1入球口から逸れた遊技球および前記第2流路を流下した遊技球であって前記第2入球口から逸れた遊技球を受け入れ可能に構成される受入手段と、を備えることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C8又はC9の奏する効果に加え、第1入球口から逸れた遊技球を受け入れる手段と、第2入球口から逸れた遊技球を受け入れる手段とを単一の手段とすることができるので、部品数を抑える形で部品コストを抑えることができる。
遊技機C10において、前記受入手段は、前記所定直線の正面側に配置されることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、受入手段に受け入れられた遊技球の視認性を向上させることができるので、流下手段に入球した遊技球が第1入球口または第2入球口を通過したのか、第1入球口および第2入球口から逸れて受入手段に受け入れられたのか、の判断を容易とすることができる。
遊技機C10において、前記受入手段は、前記所定直線の背面側に配置されることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、流下手段の正面側に遊技球の流路が形成される場合に比較して、流下手段の視認性を向上させることができるので、流下手段の下流側に配設される第1入球口および第2入球口を遊技球が通過していることを判別し易くすることができる。
<演出は見易い側で行い、退避は見難い側への移動として行う>
動作演出を行う第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを移動可能な移動手段を備え、前記第2位置は、前記第1位置よりも、移動手段の視認性が低い位置であることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、画像表示装置を臨む開口の内側において昇降変位する可動体に軸支される回転動作部材を備える遊技機がある(例えば、特開2010-200914号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回転動作部材が常に開口の内側において視認可能とされているので、制御不良による回転動作部材の姿勢ずれや、過回転した後の回転動作部材を遊技者に視認され易く、演出効果を低下させる可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、動作演出を実行する第1位置に比較して、第2位置における移動手段の視認性を低くしているので、第2位置において、姿勢ずれや過回転が生じたとしても、その状態を遊技者に視認され難くすることができ、演出効果が低下することを防止することができる。
なお、移動手段の視認性を低くする態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、透明部材か、不透明部材かに関わらず、移動手段と遊技者との間に視界を遮るような部材が配置される態様でも良いし、移動手段を、遊技者の注目が集まり易い液晶表示装置の正面側の領域から外方に変位(退避)させる態様でも良い。
遊技機D1において、前記第1位置の方が、前記第2位置よりも遊技機正面側に配置されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第2位置から第1位置へ移動手段が移動することで、移動手段自体の視認される大きさを拡大することができる。
遊技機D2において、前記移動手段は、所定の回転軸で回転動作可能とされ、その回転動作によって前後配置が変化することを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、移動手段を前後に平行移動させることを不要としながら、移動手段の前後配置を変化させることができる。従って、移動手段の前後配置を変化させるための構造を簡易とすることができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第2位置に配置された移動手段の状態を適正な側に保つよう補助する補助手段を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、第2位置において補助手段で移動手段の状態を適正にすることで、第1位置における移動手段の演出を適切に実行することができる。
なお、補助の態様は何ら限定されるものではない。例えば、当接により移動手段の姿勢を適正な側に修正する態様でも良いし、付勢力により移動手段を適正な側に維持する態様でも良い。
遊技機D4において、前記補助手段は、前記第1位置を基準として、前記第2位置側に配置されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、目立たない側に補助手段を置くことで、補助手段を隠しやすくできる。そのため、補助手段を隠すための別部材を不要とでき、補助手段の手前側のスペースを演出スペースとして確保することができる。
なお、第2位置側の配置の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、単純に目立たない側でも良いし、前後方向後側でも良いし、液晶装置を臨む遊技盤の中央開口の外方側でも良い。
遊技機D5において、前記第2位置は、前記第1位置よりも遊技機背面側に設定され、前記補助手段は、前記移動手段が前記第2位置に配置されると前記移動手段により遊技者の視線を遮られるよう配設されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、移動手段を利用して補助手段を隠すことができるので、補助手段の万が一の露見を避け易く、移動手段が退避している時の見映えが良い。これにより、補助手段の設計自由度を高めることができる。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記移動手段の移動は、前記第1位置へ向かう第1の移動と、その第1の移動が可能な状態に前記移動手段を配置させるための第2の移動とから構成され、前記第2の移動時に前記移動手段の状態を適正な側に近づけるよう構成されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6のいずれかの奏する効果に加え、第1位置へ向かう移動時に移動手段が不適正な状態となっている事態を回避することができる。
遊技機D7において、前記移動手段は、付勢力によって状態が適正な側に近づけられることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、制御に寄ることなく、移動手段を適正な側に近づけることができる。
遊技機D7又はD8において、前記第2の移動は、所定の回動軸を中心とする回転動作であることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D7又はD8の奏する効果に加え、移動手段の姿勢の変化途中で、移動手段を適正な側に近づけるように状態変化させることができる。
遊技機D7からD9のいずれかにおいて、前記第1の移動時に、移動手段の正面側と背面側とが異なる態様で形成されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D7からD9のいずれかの奏する効果に加え、遊技者に見られる正面側は装飾として適した形に形成し、背面側は機能的に適した形に形成することができる。
<演出装置の見せる面を変化させる演出>
所定の演出を実行可能な第1手段を備え、その第1手段は、所定の演出として、第1の演出を行う第1姿勢と、第2の演出を行う第2姿勢とに変化可能とされ、前記第1姿勢と前記第2姿勢とで、正面を向く側が変化することを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、画像表示装置を臨む開口の内側において昇降変位する可動体に軸支される姿勢変化部材を備える遊技機がある(例えば、特開2010-200914号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、姿勢変化部材が常に同じ側を正面側に向けており、姿勢が変わる以上の見映えの変化が生じないので、姿勢変化部材を利用した演出効果を向上させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、第1手段の正面を向く側が、第1姿勢と第2姿勢とで変化するように構成されているので、第1手段という単一の可動手段の各側面を異なる態様で設計しておけば、見られる側(正面側)を変化させることができるので、第1手段を全く異なる物のように遊技者に見せることができる。従って、第1手段の演出効果を向上させる観点で改良することができる。
なお、所定の演出の態様としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1手段の少なくとも一部が動作する動作演出でも良いし、第1手段が有する発光手段から照射される光を利用した発光演出でも良い。
遊技機E1において、前記第1手段は、発光される光で図形を視認可能となるように所定の形状に沿って並べられる所定発光手段を備え、その所定発光手段により視認される図形が、前記第1姿勢と前記第2姿勢とで変化可能に構成されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、所定発光手段により視認される図形を変化させることで、第1手段の演出効果を向上させることができる。
なお、所定発光手段により視認される図形の変化の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、停止した状態における所定発光手段の各発光素子の発光パターンを制御することで視認させる図形を変化させるようにする態様でも良いし、所定発光手段の各発光素子の発光状態は固定して所定発光手段を動作させることで視認させる図形(残像等)を変化させるようにする態様でも良いし、これらを組み合わせた態様でも良い。
遊技機E1又はE2において、前記第1手段は、第1位置と第2位置とを移動可能とされ、前記第1位置において視認可能とされる第1手段の外形と、前記第2位置において視認可能とされる第1手段の外形と、が異なることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、第1手段が、移動しながら視認される外形が変化するように構成されるので、単一の部材では実現し難い演出を遊技者に視認させることができる。これにより、第1手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機E3において、前記第1手段が演出動作可能な領域が、演出態様に対応して設定されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、第1手段で実行される演出動作に必要な領域が演出の態様に対応して大小変化するように構成することで、第1手段の配置毎に第1手段が演出動作可能な領域が変化したとしても、その領域に合わせた演出の態様で第1手段を動作させることができるので、第1手段の動作演出の設計自由度を向上することができる。
遊技機E3又はE4において、前記第1位置に配置された前記第1手段を所定方向視で分断するよう配置される分断手段を備えることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E3又はE4の奏する効果に加え、分断手段により、第1位置における第1手段の見え方と、第2位置(非分断)における第1手段の見え方と、を異ならせることができる。
遊技機E3からE5のいずれかにおいて、前記所定発光手段は、前記第1位置において前記第1姿勢で視認される図形が、遊技領域における遊技球の進行を補助する進行補助手段の形状に対応するよう構成されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E3からE5のいずれかの奏する効果に加え、第1姿勢における発光により、遊技球の進行方向を遊技者に示唆する演出を行うことができるので、第1手段単独の演出に加え、遊技球の進行方向に関わる演出と兼用することができる。
なお、進行補助手段の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、発射球を遊技領域に案内する部分を含む金属レールでも良いし、遊技領域に配置され遊技球の流下を案内する案内手段でも良いし、遊技球の通過を許容する状態と制限する状態とで切り替え可能な球通過状態切替手段でも良い。
遊技機E6において、前記第2位置において前記第2姿勢で視認される図形が、遊技球が入球可能な所定の入球領域に注目させるための図形であることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、同様の目的で実行される光演出として、別の態様の光演出を単一の第1手段で行うことができる。これにより、遊技者が演出に飽きることを防止し易くすることができる。
遊技機E3からE7のいずれかにおいて、前記第1手段の移動は、前記第1位置へ向かう第1の移動と、その第1の移動が可能な状態に前記移動手段を配置させるための第2の移動とから構成され、前記第2の移動時に前記第1手段の状態を適正な側に近づけるよう構成されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E3からE7のいずれかの奏する効果に加え、第1位置へ向かう移動時に移動手段が不適正な状態となっている事態を回避することができる。
遊技機E8において、前記第1手段は、付勢力によって状態が適正な側に近づけられることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、制御に寄ることなく、第1手段を適正な側に近づけることができる。
遊技機E8又はE9において、前記第2の移動は、所定の回動軸を中心とする回転動作であることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E8又はE9の奏する効果に加え、変位手段の姿勢の変化途中で、移動手段を適正な側に近づけるように状態変化させることができる。
遊技機E8からE10のいずれかにおいて、前記第1の移動時に、変位手段の正面側と背面側とが異なる態様で形成されることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E8からE10のいずれかの奏する効果に加え、遊技者に見られる正面側は装飾として適した形に形成し、背面側は機能的に適した形に形成することができる。
<被動作部材の支持構造>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段を支持する支持手段と、を備え、その支持手段は、前記変位手段の変位を許容可能な許容部と、前記変位手段の変位を制限可能な制限部と、を備えることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、左右一対の駆動装置の駆動により昇降動作する可動ユニットが、個別の駆動装置で回転駆動される回転動作部材を備える遊技機がある(例えば、特開2013-000482号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動ユニットは、左右両側において上下に延びる板部に上下方向に直動する態様で支持されているので、左右一対の駆動装置の駆動タイミングのずれが生じて可動ユニットの姿勢が崩れる(傾斜する)方向に負荷が生じると、可動ユニットの動作の滑らかさが失われると共に、動作抵抗が増大することで動力伝達系が損傷する可能性が高くなるという問題点があった。即ち、演出性および耐久性の観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、変位手段を支持する支持手段が、変位手段の変位を制限する制限部に加えて、変位手段の変位を許容する許容部を備えるので、変位手段を駆動させる駆動タイミングのずれが生じたとしても、支持手段に対する変位手段の変位が予め許容されることから、その許容幅において変位手段の動作の滑らかさを維持できると共に、支持手段と変位手段との間で変位手段に加えられる負荷を低減することができる。これにより、演出性および耐久性の観点からの改善を図ることができる。
また、変位手段の支持態様として、許容部が影響する割合を大きくするか、制限部が影響する割合を大きくするかを適宜選択可能に構成することで、2通りの支持態様を構成することができる。
なお、従来の遊技機では可動ユニットが上下方向に変位するものとして説明されたが、変位手段の変位方向は何ら限定されるものではない。例えば、上下方向でも良いし、左右方向でも良いし、前後方向でも良いし、所定の回転軸を中心とした回転方向でも良いし、これらの組み合わせでも良い。
なお、許容部および制限部の構成は、形状を任意に設定することができ、種々の態様が例示される。例えば、許容部は第1方向に延設される長孔として形成され、制限部は許容部の長手方向寸法よりも短い直径の真円形状で形成されても良い。
遊技機F1において、前記許容部は、前記制限部により前記変位手段の被制限部の変位が制限された状態で、前記変位手段の変位を許容可能となるように構成されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、制限部を基端とする変位手段の変位を許容することができる。これにより、変位の制限の有無を電気制御で切り替える場合に比較して、制御が不要な分、変位手段の変位の滑らかさを確保し易くすることができる。
遊技機F1又はF2において、前記許容部は、前記変位手段の変位を第1許容幅で許容する第1許容状態と、前記変位手段の変位を前記第1許容幅よりも小さな第2許容幅で許容する第2許容状態と、で状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、変位手段の変位の種類に対応した変位幅が異なる場合であっても、一の許容部により異なる変位幅に対応することができる。
遊技機F3において、前記状態変化は、前記変位手段の姿勢が変化することにより生じることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、変位手段の姿勢変化により許容部が許容する許容幅の変更が生じることから、変位の許容および制限を受ける変位手段の姿勢と、変位の許容幅の大きさと、を直接的に結びつけることができるので、変位手段の動作不良を予め回避することができる。また、変位手段を押さえて変位を制限するための別の制限部材を採用する場合に比較して、構成部材の個数を削減することができる。
遊技機F4において、前記変位手段は、前記支持手段に第1方向に沿って変位するように支持され、前記第1許容状態は、前記許容部により許容される前記変位手段の変位の方向が前記第1方向と平行な所定平面上に含まれ、前記第2許容状態は、前記許容部により許容される前記変位手段の変位の方向が前記所定平面と交差することを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、第1方向に対する変位手段の変位の方向として許容部が許容する方向を切り替えることで、許容部による変位の許容幅を変化させることができる。
これにより、変位手段を駆動する駆動装置の制御との関係において、変位手段と支持手段との第1方向における位置ずれが生じ易い範囲においては変位手段の姿勢を第1許容状態で維持する一方、位置ずれを生じないようにできるか又は位置ずれを防止したい範囲においては変位手段の姿勢を第2許容状態とすることで、変位手段の変位を柔らかすぎることなく、且つ硬すぎることなく、メリハリのある変位態様にすることができる。
遊技機F3からF5のいずれかにおいて、前記変位手段は動作可能に構成される動作手段を支持しており、前記動作手段は高速動作可能に構成され、その高速動作は、前記許容部が前記第2許容状態とされている状態において実行可能とされることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F3からF5のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の高速動作により生じる慣性負荷で変位手段の配置がずれることを防止し易くすることができる。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記変位手段を両側から支持する一対の部材から構成されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、変位手段を安定して支持することができる。
遊技機F7において、前記一対の部材が第1軸を同軸の中心として回動変位可能に構成され、前記許容部の許容幅は、前記第1軸方向に沿って延びるよう形成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、許容部に許容される許容幅内での変位手段の変位を、第1軸を中心とする円筒の接平面上で生じさせることができる。換言すれば、許容部に許容される変位を、第1軸に対して変位手段が捻られる態様の変位として生じさせることができる。
これにより、左右両側の駆動伝達機構にギアを用いる際に生じ得るバックラッシュ等の回避困難な変位量のずれに立体的に対応することができ、第1軸を中心とする変位手段の回動変位をスムーズに生じさせることができる。
遊技機F8において、一方の前記支持手段が前記制限部を備えることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、他方の支持手段と移動手段との組み付け時の配置ずれを許容でき、組み付けを容易とすることができる。
遊技機F1からF9のいずれかにおいて、前記許容部は長孔として形成され、前記制限部は、長手方向が前記許容部の長手方向よりも短い長孔として形成されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F1からF9のいずれかの奏する効果に加え、制限部および許容部の長手方向に移動手段をスライド移動させることができる。これにより、移動手段に生じる負荷を逃がしたり、移動手段の動作演出に活用したりすることができる。
<移動手段の固定力が複数種類設定される技術思想>
移動可能な移動手段と、その移動手段に負荷を付与可能な負荷付与手段と、を備え、その負荷付与手段は、前記移動手段の状態に対応して、付与する負荷を切替可能とされることを特徴とする遊技機G1。
パチンコ機等の遊技機において、昇降変位する移動手段の移動を規制可能な位置まで移動可能に構成される規制手段(負荷付与手段)を備える遊技機がある(例えば、特開2016-54856号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、規制手段により移動手段の移動を規制することができるものの、それ以上の効果は望めず、規制手段の占める体積分に対する費用対効果が低くなっていた。即ち、規制手段を有効活用するという観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、負荷付与手段から移動手段に付与される負荷が、移動手段の状態に対応して切替可能とされるので、単一の負荷付与手段で、移動手段の移動に複数種類の影響を与えることができる。即ち、負荷付与手段を有効活用することができる。
なお、負荷付与手段の負荷の切替の基準として採用される移動手段の状態の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、移動手段の状態の違いとして、移動手段の配置の違いを採用しても良いし、動作態様の違いを採用しても良い。
動作態様が違う状態としては、例えば、移動手段が能動的に動作する状態と、移動手段に保持される他の可動手段または移動手段の外方に配置される他の可動手段の動作を受けて受動的に動作する状態と、が例示される。
なお、付与する負荷の切替の態様としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、移動手段の移動方向を基準とする負荷の方向が切り替えられても良いし(移動手段の移動方向に対向する方向と、移動手段の移動方向に交差する方向と、で切り替えられても良いし)、移動手段の移動開始からの経過時間により負荷付与手段から付与される負荷の態様が切り替えられても良い。
また、負荷の切替の態様としては、負荷の大小の切り替えでも良いし、負荷の発生態様の切り替えでも良い。負荷の発生態様としては、例えば、移動手段との擦れによる摩擦力(ブレーキ)としての態様でも良いし、自らの移動許容幅の限界に到達したことにより生じる規制力(ストッパ)としての態様でも良い。
遊技機G1において、前記負荷付与手段は、前記移動手段の移動方向に対向する方向に負荷を付与する対向状態と、前記移動手段の移動方向と交差する方向に負荷を付与する交差状態と、で付与する負荷を切替可能とされることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、移動手段の移動経路に対する負荷付与手段の配置を変えることで、負荷付与手段から移動手段に付与される負荷を切り替えることができるので、負荷の切り替えのための複雑な形状を不要とし、負荷付与手段を簡易に構成することができる。
遊技機G1又はG2において、前記負荷付与手段は、前記移動手段の移動方向と交差する方向に移動可能な負荷付与移動手段を備え、その負荷付与移動手段は、前記移動手段と当接可能に構成されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、負荷付与移動手段が、直線的な動作(直動)により移動手段の移動経路に対する出没を実行するよう構成することができるので、負荷付与手段から移動手段に付与される負荷の態様を切り替えるために負荷付与移動手段に要求される移動幅(動作のばらつきを考慮した移動幅)を小さくすることができる。
従って、負荷付与移動手段を配置するためのスペースを抑制することができる。パチンコ機等の遊技機は、通常、移動手段や負荷付与手段を配置するスペースが、所定の規格により決められた大きさ(体積)の内部に制限されるので、負荷付与移動手段を配置するためのスペースを抑制することによって、移動手段や負荷付与手段の配置の自由度を向上させることができる。
遊技機G3において、前記負荷付与手段は、移動方向が前記移動手段の移動方向と直角に交差するよう構成され、前記移動手段の移動方向への移動が制限されるよう構成されることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、負荷付与手段について、最小限の移動幅で、移動手段に与える負荷の態様の違いを大きくすることができる。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記負荷付与手段により付与される負荷の切り替えは、前記移動手段の位置に対応して実行されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、移動手段の演出動作が、位置が異なると違うように構成される場合に対応できる。
例えば、移動手段が所定の動作手段を備える場合において、移動手段の位置が停止している時に動作手段が高速動作する一方で、移動手段が移動する時には動作手段は停止または低速で動作するような演出が実行される場合には、移動手段の位置が停止している時に移動手段を確実に固定するという要求が生じ得る一方で、移動手段が移動する時には緩やかな固定(制動)としたいという要求が生じ得る。
負荷付与手段による付与される負荷の切り替えが移動手段の位置に対応して実行されるようにすることで、移動手段の配置の違いによる異なる要求を満たすことができる。
遊技機G1からG5のいずれかにおいて、前記負荷付与手段は、前記移動手段が正方向に移動する場合には負荷を付与する一方、前記移動手段が逆方向に移動する場合には負荷の付与を解除することを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5のいずれかの奏する効果に加え、移動方向の正逆の違いに対する対応を、負荷付与手段からの負荷の有無(大小)により行うことができる。
遊技機G1からG6のいずれかにおいて、前記移動手段を移動させるための駆動力を発生させる駆動手段を備え、前記移動手段と前記駆動手段とを離す方向で発生する離間負荷が生じることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G1からG6のいずれかの奏する効果に加え、離間負荷が生じることにより、移動手段を駆動手段から離すことができ、駆動力の伝達効率を低下させることができる。
遊技機G7において、前記離間負荷は、前記負荷付与手段から生じることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、負荷付与手段を多機能で構成することができる。
遊技機G7において、前記離間負荷は、前記駆動手段に生じることを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、駆動力の伝達経路の上流側で駆動力の伝達効率を低下させることができる。
遊技機G1からG9のいずれかにおいて、前記負荷付与手段から前記移動手段に摩擦力が負荷される場合と、前記負荷付与手段が前記移動手段の移動を制限する場合と、を構成可能であることを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G1からG9のいずれかの奏する効果に加え、同様の駆動力を生じさせて移動手段を移動させる場合であっても、移動手段の移動態様のバリエーションを増加させることができる。
<移動手段の移動を案内する複数の案内手段の態様が異なる>
移動可能な移動手段と、その移動手段の移動を案内する第1案内手段と、その第1案内手段とは異なる態様で前記移動手段の移動を案内する第2案内手段と、を備えることを特徴とする遊技機H1。
パチンコ機等の遊技機において、移動手段が同一の態様からなる一対の案内手段に移動を案内される遊技機がある(例えば、特開2012-157474号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、移動手段の部分であって、案内手段に案内される一対の部分に与えられる負荷の態様が共通となっており、耐久性向上のためには、それぞれ同様に強度を高める必要があることから、移動手段(の部分であって一対の案内手段に案内される部分)の設計自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機H1によれば、移動手段の移動を案内する第1案内手段と第2案内手段との案内態様が異なるので、与えられる負荷の態様や、耐久性向上のために必要な強度の数値が異なるようにすることができる。そのため、移動手段の部分であって複数の案内手段に案内される部分の形状や強度を異なるように構成することができることから、移動手段(の部分であって複数の案内手段に案内される部分)の設計自由度を向上させることができる。
なお、第1案内手段と第2案内手段との態様の違いとしては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1案内手段は案内レールとして構成される一方、第2案内手段は案内孔として構成されても良いし、第1案内手段は所定の回転軸で軸支される回転案内手段である一方、第2案内手段はガイド溝として構成されても良いし、各構成の組み合わせ方を変更した態様でも良い。
例えば、第1案内手段および第2案内手段がガイド溝である場合に、第1案内手段および第2案内手段で溝の延設方向が平行である一方、溝の幅が異なる態様でも良いし、第1案内手段および第2案内手段で溝の延設方向が非平行とされる一方、溝の幅が共通とされる態様でも良い。
遊技機H1において、前記第2案内手段は、少なくとも一部が前記第1案内手段に沿うように配置されることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第2案内手段は少なくとも一部が第1案内手段に沿うので、移動手段を2段階動作させることができる。
遊技機H2において、前記第2案内手段は、前記第1案内手段に沿う併設部と、その併設部に案内される場合とは異なる方向で前記移動手段を案内する補助部と、を備えることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、併設部と補助部との境界において、移動手段が案内されて移動する移動方向を変化させることができる。そのため、移動手段の移動態様を複雑化することができる。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記移動手段を移動させるための駆動力を前記移動手段に伝達させる伝達手段を備え、その伝達手段の変位方向は、移動手段の移動方向に関わらず一方向に固定されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかの奏する効果に加え、移動手段の移動中に伝達手段の変位方向を切り替える場合に比較して、駆動力伝達系の設計を容易とすることができる。
遊技機H4において、前記伝達手段は、前記第2案内手段に案内される被案内部を介して駆動力を伝達するよう構成されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、幅の細い第2案内手段に案内される被案内部を介して駆動力が伝達されるので、駆動力伝達時における被案内部の配置ずれを抑制することができる。
遊技機H5において、前記被案内部は、前記第1案内手段に案内される補助案内部を前記伝達手段の移動方向で追い抜くよう構成されることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、補助案内部側の全重量が被案内部側にかけられ、その全重量に対抗して駆動される場合に比較して、移動手段の移動開始時に要する駆動力を低減することができる。
遊技機H2からH6のいずれかにおいて、前記移動手段が前記併設部に案内されている状態では、前記移動手段の前記第2案内手段側を回転軸とする回転方向に前記移動手段の前記第1案内手段側が付勢され、前記移動手段が前記補助部に案内されている状態では、前記移動手段の前記第1案内手段側を回転軸とする回転方向に前記移動手段の前記第2案内手段側が付勢されることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H2からH6のいずれかの奏する効果に加え、案内手段に案内されるローラーを構成として採用した場合にローラーを回転させ易くなるので、案内される部材としてのローラーの摩耗を低減することができる。
遊技機H3からH7のいずれかにおいて、前記移動手段が前記補助部に案内される場合に、前記移動手段は、前記第1案内手段の所定部に維持され、前記第1案内手段は、前記第2案内手段に比較して幅広で形成されることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H3からH7のいずれかの奏する効果に加え、所定部での維持を、幅の広い第1案内手段で行うことができるので、補助部に案内される移動手段の移動を安定させることができる。そのため、移動手段の一部であって第2案内手段に案内される部分が、併設部と補助部との境界を通過する際に不安定になることを防止し易くすることができる。これにより、移動手段の移動を安定させることができると共に、移動が段階的に切り替わるよう構成される場合において滑らかな段階切替を行うことができる。
また、第1案内手段の所定部における支持面積を増大させることができるので、移動手段と第1案内手段との間で局所的な摩耗が生じることを回避し易くすることができる。
遊技機H8において、前記所定部は、少なくとも移動手段の上下方向の変位を抑制するように構成されることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H8の奏する効果に加え、第1案内手段に案内される部分において、移動手段を移動させるために必要となる負荷を低減することができる。
遊技機H8又はH9において、前記移動手段に接続される電気配線が、前記第1案内手段を通して配設されることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、遊技機H8又はH9の奏する効果に加え、電気配線を通す断面積を十分に確保することができると共に、移動手段が補助部に案内される場合における電気配線の変位を抑制することができるので、電気配線の耐久性を向上することができる。
<特徴A群>(無効制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、遊技者の操作が可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいた態様を前記表示手段に表示させることが可能な表示制御手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、電源の供給が開始された場合に第1処理を実行可能な第1処理実行手段と、少なくとも前記第1処理の実行が終了するまでの期間で前記操作手段の操作を無効として処理させることが可能な無効制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。遊技機に電源が投入されると、電源投入時の処理として初期設定が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、初期設定が実行される場合に遊技が開始可能となるまでの期間で遊技の実行を規制する必要があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、好適に初期設定を実行することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、第1処理が実行されている期間に操作手段が操作された場合に、その操作を無効とすることができるので、第1処理が実行されていることにより操作手段の操作制御が妨げられる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記第1処理は、前記態様を前記表示手段に表示するために必要な処理が実行されるものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、前記態様を表示手段に表示するために必要な処理が実行される第1処理が実行される期間には、操作手段の操作が無効となる処理が実行されるので、不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記無効制御手段は、所定条件の成立した場合に、前記第1処理が終了していなければ前記操作手段の操作を無効とする無効期間を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、所定条件が成立するまでの期間で第1処理が完了していれば、無効期間が設定されないので、操作手段が操作できない期間が長期間となってしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、設定情報に基づいた設定処理を実行可能な設定処理実行手段を有し、前記第1処理実行手段は、前記設定処理が実行されている期間にも前記第1処理を実行可能に構成され、前記所定条件は、前記設定処理実行手段により前記設定処理が完了した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、設定処理が実行される期間が長期間となり、第1処理が完了している場合には、操作手段が無効とされないので、操作手段が無効となる期間が長期間となる不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴B群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により判別されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な事前判別手段と、その事前判別手段による判別結果に基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間を設定可能な禁止期間設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。始動口に遊技球が入球されると遊技の抽選等を実行するための乱数値等が取得され、保留球として抽選が実行されるまで記憶され、抽選が実行されるよりも前に、事前の保留球の当否判定等の判別が実行され、その先読み結果に基づいた予告演出等が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、先読み結果に基づく演出が実行されることで遊技の演出の実行等に不具合がある場合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間が設定されるので新たな事前判定に基づく演出が実行できない期間が設定されることとなり、事前判定に基づく演出を抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、禁止期間設定手段は、第1禁止期間とその第1禁止期間よりも長期間である第2禁止期間とを設定可能であり、前記事前判別手段は、特定条件が成立している場合には、前記第2禁止期間内でなければ前記事前判別を実行し、前記特定条件が成立していない場合には前記第1禁止期間内でなければ前記事前判別を実行することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第1禁止期間と第2禁止期間とが使い分けられることで、事前判別が実行されない期間を状況によって切り替えることができ、状況に合わせた好適な制御を実行できるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、所定条件の成立に基づいて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有し、前記禁止期間設定手段は、前記特定演出が実行される期間に対応して禁止期間を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、特定演出が実行される期間に対応して禁止期間が設定されるので、特定演出が開始されることで事前判別による演出が途切れてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴C群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により判別されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な事前判別手段と、その事前判別手段による判別結果に基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間を設定可能な禁止期間設定手段と、を有し、前記禁止期間設定手段は、複数の異なる禁止期間を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。始動口に遊技球が入球されると遊技の抽選等を実行するための乱数値等が取得され、保留球として抽選が実行されるまで記憶され、抽選が実行されるよりも前に、事前の保留球の当否判定等の判別が実行され、その先読み結果に基づいた予告演出等が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、先読み結果に基づく演出が実行されることで遊技の演出の実行等に不具合がある場合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、複数の異なる禁止期間を設定することができるので、状態によって禁止期間の長さを異ならせることができ、禁止期間が無駄に長くなってしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1において、前記禁止期間設定手段は、前記記憶手段に前記特定の判別結果と判別される情報が記憶される数に対応させた禁止期間を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、特定の判別結果と記憶手段に記憶される数に対応させた禁止期間が設定されるので、記憶手段に記憶された状況に応じて禁止期間が設定されるので、禁止期間が長期間となってしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、所定条件の成立に基づいて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有し、前記禁止期間設定手段は、前記特定演出が実行される期間に対応して禁止期間を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、定演出が実行される期間に対応して禁止期間が設定されるので、特定演出が開始されることで事前判別による演出が途切れてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴D群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技は、複数の小特典遊技で構成されており、前記遊技機は、前記小特典遊技において遊技者に付与された特典に対応する示唆態様を実行可能な示唆態様実行手段と、前記示唆態様実行手段により前記示唆態様が実行される場合に、特定情報を付与することが可能な付与手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。当たり等の抽選結果が報知される当たり遊技が実行され、特定のタイミングに遊技者に有利な確変当たりであること等の報知が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、報知が実行されるタイミングが一定となり易く、遊技が単調となる不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、小特典遊技において特典が付与され、示唆態様が実行されるタイミングで特定情報が報知されることが可能となるので、特定情報が報知されるタイミングを多様にすることができるという効果がある。
遊技機D1において、遊技球が入球可能な第1状態と前記第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、前記小特典遊技は、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態へと可変可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、小特典遊技が実行されることで、可変入球手段に遊技球を入球させ、特典を得ることが可能となるので、遊技に新鮮味を与えることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、前記複数の小特典遊技のうち、前記特定情報が付与されることが可能な前記小特典遊技を決定することが可能な決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、特定情報が付与される小特典遊技が決定手段に決定されることで、特典遊技のうち、どの小特典遊技で特定情報が付与されるかを多様にすることができ、多様な遊技を提供できるという効果がある。
<特徴E群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間として異なる動的表示期間が複数設定された動的表示期間群が複数記憶された記憶手段を有し、前記動的期間群には、設定されている前記動的表示期間に対して前記動的表示期間決定手段により決定される決定確率が予め設定されており、前記複数の動的表示期間群には、特定動的表示期間が決定される確率が他の動的表示期間よりも高く設定された特定動的表示期間群が設定されており、前記動的表示期間決定手段は、所定条件が成立したことに基づいて前記特定動的表示期間群より動的表示期間を決定するものであり、前記遊技機は、前記所定条件が成立することが事前に決定されている場合に、特定演出を実行することが可能な特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機E1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。当たり等の抽選結果が報知される当たり遊技が実行され、特定のタイミングに遊技者に有利な確変当たりであること等の報知が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となる不具合があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となる不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、特定動的表示期間群より動的表示期間が決定されることが特定演出により事前に判別できるので、特定動的表示期間で動的表示がされることを期待させることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記動的表示期間決定手段は、前記所定条件が成立した場合には、終了条件が成立するまで前記特定動的表示期間群より前記動的表示期間を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E1によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、特定動的表示期間群より動的表示期間が決定される状態が、終了条件が成立するまで継続されるので、特定動的表示期間が連続して実行され易くでき、特殊な動的表示期間により遊技に新鮮味を与えることができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、前記動的表示期間決定手段により前記特定動的表示期間群より動的表示期間を決定した場合に前記特定動的表示期間とは異なる動的表示期間が決定された場合に特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、決定される確率が低い動的表示期間が決定されることで特殊演出が実行されるので、連続して特殊演出が実行されることで特定動的表示期間群が継続して設定されていることを判別でき、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴F群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間として異なる動的表示期間が複数設定された動的表示期間群が複数記憶された記憶手段を有し、前記動的期間群には、設定されている前記動的表示期間に対して前記動的表示期間決定手段により決定される決定確率が予め設定されており、前記複数の動的表示期間群には、特定動的表示期間が決定される確率が他の動的表示期間よりも高く設定された特定動的表示期間群が設定されており、前記動的表示期間決定手段は、所定条件が成立したことに基づいて前記特定動的表示期間群より動的表示期間を決定するものであり、前記特定動的表示期間群より前記動的表示期間が決定される場合に、遊技者に特定の示唆態様が報知されるものであることを特徴とする遊技機F1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。当たり等の抽選結果が報知される当たり遊技が実行され、特定のタイミングに遊技者に有利な確変当たりであること等の報知が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、報知が実行されるタイミングが一定となり易く、遊技が単調となる不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となる不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機F1によれば、示唆態様が報知されることで特定動的表示期間により動的表示がされることを期待させることで遊技が単調となる不具合を抑制することができるという効果がある。
<特徴G群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、設定情報に基づいて演出を実行可能な演出実行手段と、前記識別情報が動的表示されている期間に成立可能な特定条件が成立することに基づいて情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機G1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。遊技者に抽選結果に関する情報等の遊技に関わる情報が遊技者に報知される構成が提案されている(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となり、早期に遊技に飽きてしまう不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機G1によれば、記憶手段に記憶されている情報に基づいて演出が実行されるので、識別情報を動的表示させることで演出の実行がされることとなり、遊技を継続して実行させ易くできるという効果がある。
遊技機G1において、前記演出条件の成立に基づいて特定演出が実行することが可能な特定演出実行手段を有し、前記所定条件は、前記特定演出が実行されている期間に成立可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、特定演出が実行されている期間に所定条件が成立するように構成されていることで、特定演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴H群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に対応した識別図柄を前記表示手段に表示させることが可能な識別図柄表示手段と、設定情報に対応した演出を実行可能な演出実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記識別図柄が表示されることに基づいて前記演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機H1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。遊技者に抽選結果に関する情報等の遊技に関わる情報が遊技者に報知される構成が提案されている(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となり、早期に遊技に飽きてしまう不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機H1によれば、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴GB1群>(設定示唆演出が実行され易い期間と、され難い期間と、を決定)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の前記判別結果である場合に、特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定された第1設定値と、前記第1確率よりも高確率に設定された第2設定値と、を少なくとも含む複数の設定値の中から1の設定値を設定可能な設定値設定手段と、その設定値設定手段により設定された設定値に関する情報を記憶可能な設定値記憶手段と、その設定値記憶手段に記憶されている情報に基づく演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記演出実行手段により前記演出を実行することが可能な第1期間と、その第1期間よりも前記演出が実行され難くなる第2期間と、を少なくとも設定可能な期間設定手段を有することを特徴とする遊技機GB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、当たり遊技が実行されるか否かについては遊技者に興味を持たせることができるが、遊技が実行される期間に応じて遊技内容を異ならせることができず、遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機GB1によれば、期間設定手段により設定される期間に応じて演出の実行され易さを異ならせることができるので、遊技期間に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機GB1において、前記判別手段による前記判別結果を示すための識別情報を動的表示可能な動的表示手段と、その動的表示手段により前記識別情報が動的表示されている期間を用いて所定演出を実行可能な動的表示演出実行手段と、その動的表示演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記演出態様決定手段により前記特定の判別結果であることを示すための演出態様とは異なる演出態様が決定された場合に前記演出を実行可能であることを特徴とする遊技機GB2。
遊技機GB2によれば、遊技機GB1の奏する効果に加え、判別手段の判別結果が前記特定の判別結果では無いことを示す演出が実行された場合に、演出実行手段により設定値に関する演出が実行されるため、遊技者の遊技意欲が低下する事態を抑制することができるという効果がある。
<特徴GC群>(設定示唆演出が実行される頻度に応じて演出内容を決定)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の前記判別結果である場合に、特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定された第1設定値と、前記第1確率よりも高確率に設定された第2設定値と、を少なくとも含む複数の設定値の中から1の設定値を設定可能な設定値設定手段と、その設定値設定手段により設定された設定値に関する情報を記憶可能な設定値記憶手段と、その設定値記憶手段に記憶されている情報に基づく演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技機は、前記演出実行手段による前記演出の実行頻度に基づいて、前記演出の演出態様を決定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機GC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、当たり遊技が実行されるか否かについては遊技者に興味を持たせることができるが、遊技が実行される期間に応じて遊技内容を異ならせることができず、遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機GC1によれば、期間設定手段により設定される期間に応じて演出の実行され易さを異ならせることができるので、遊技期間に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機GC1によれば、設定値に関する演出の実行頻度に基づいて、その演出の演出態様を決定することができるため、実行される演出に基づいて、遊技者に容易に設定値を予測されてしまうことを抑制することができる。一方、演出の実行頻度が少ない場合であっても、遊技者が設定値を予測することができず、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GC1において、前記演出実行手段により実行される前記演出の演出態様として、前記情報を把握可能な第1態様と、その第1態様よりも前記情報を把握困難な第2態様と、を含む複数の態様の中から所定の態様を設定可能な演出態様設定手段を有し、前記演出態様設定手段は、所定期間内における前記演出の実行回数が特定回数未満である場合に、前記特定回数以上である場合よりも前記第1態様を設定し易いものであることを特徴とする遊技機GC2。
遊技機GC2によれば、遊技機GC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間における演出の実行回数が少ない場合には、設定値が分かり易い態様の演出が実行され易くなるため、演出が実行されないことを期待させるという斬新な遊技性を提供することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機GC1またはGC2において、遊技者が操作可能な操作手段と、前記演出実行手段による前記演出の実行頻度を異ならせた状態として、前記演出が実行され難い第1状態と、その第1状態よりも前記演出が実行され易い第2状態と、を少なくとも設定可能な状態設定手段と、前記操作手段に対する操作に基づいて、前記状態設定手段により設定される前記状態として、前記第1状態、或いは前記第2状態を選択可能な選択手段と、を有することを特徴とする遊技機GC3。
遊技機GC3によれば、遊技機GC1またはGC2の奏する効果に加え、選択手段により第1状態、第2状態を選択することが可能となる。よって、演出の実行頻度を高くすることで設定値を予測する遊技性と、演出の内容に基づいて設定値を予測する遊技性と、を遊技者に選択させることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴I群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に前記情報が記憶されたことに対応して識別図柄を表示手段の識別図柄表示領域に表示させることが可能な識別図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別図柄表示手段は、前記記憶手段に前記情報が記憶された場合に記憶されている前記情報の数に対応した位置に前記識別図柄を表示させ、前記識別情報の動的表示が開始される場合に対応する識別図柄を前記識別図柄表示領域に表示させないようにし、表示されている前記識別図柄の表示位置を更新し表示させることが可能に構成され、所定条件の成立に基づいて、1の識別図柄に表示されていた態様をその識別図柄とは異なる前記識別図柄の態様として移動させて表示させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機I1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。始動口に遊技球が入球し、当たり乱数等の情報が取得されると所定数までは保留球として記憶されることが可能に構成され、記憶されている保留数を示すための保留図柄が保留球に対応して1ずつ表示され、その保留球に対応する特別図柄の変動表示が開始される場合に非表示にされ、表示されている保留図柄の順序が更新されて表示される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、保留図柄による演出が単調であり、遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機I1によれば、識別図柄の態様を他の識別図柄の態様として移動し表示させることで、識別情報の動的表示が開始されていない場合にも、識別情報が動的表示されて識別図柄の表示位置が更新されたように思わせることができ、遊技性を多様にすることで遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機I1において、前記識別図柄表示手段は、前記識別図柄の態様を移動させて表示させる場合には、表示されている前記識別図柄よりも先に表示されている前記識別図柄に移動させて表示させるものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、識別情報の動的表示が開始されていない場合にも識別情報が新たに動的表示されたように思わせることで、動的表示回数を実際よりも多く思わせることができるという効果がある。
遊技機I1またはI2において、前記識別情報が動的表示される動的表示態様として、前記識別情報が動的表示された後に仮停止表示され、再び動的表示が開始される特殊動的表示態様が設定されており、前記所定条件は、前記特殊動的表示態様において成立可能にされているものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1またはI2の奏する効果に加え、特殊動的表示態様を実際に複数回動的表示が実行されているように遊技者に識別図柄の態様が移動することで思わせ易くできるという効果がある。
<特徴J群>
特定条件が成立した場合に遊技に必要な特定処理を実行可能な処理実行手段と、前記処理実行手段により前記特定処理が実行されている場合に特定の音声を出力させることが可能な音声出力手段と、を有した遊技機において、前記音声出力手段により出力される音量を設定可能な音量設定手段を有し、前記音声出力手段は、前記特定の音声を出力する場合に前記音量設定手段により設定されている音量で前記特定の音声を出力する場合と、前記音量とは異なる音量で前記特定の音声を出力する場合とを切り替えて出力させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機J1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。遊技機に電源が投入された場合に遊技に必要な初期処理が実行された後に、遊技が可能な状態となる遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技機が初期処理等の特定の処理が実行されている場合に、外部にどのような処理が実行されているか分かり難いという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、実行されている処理が分かり易い遊技機を提供することを目的とする。
遊技機J1によれば、特定処理が実行される場合に、特定の音声が出力されることで特定処理が実行されていることを分かり易くし、設定されている音量で報知される場合と、異なる音量で報知される場合とがあるので報知に気づきやすくすることができるという効果がある。
遊技機J1において、前記特定処理は、遊技の設定が遊技機外部からの操作に基づいて実行されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、不正に設定が切り替えられることを抑制できるという効果がある。
遊技機J1またはJ2において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記遊技機は、前記操作手段の操作に基づいて音量を可変して設定可能に構成され、前記特定処理が実行されている期間に前記操作手段が操作された場合には、新たに設定された音量で前記特定の音声が出力可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1またはJ2の奏する効果に加え、特定処理が実行されている場合にも操作手段による音量設定を分かり易く実行できるという効果がある。
<特徴K群>(大当たり遊技の開始タイミングに応じて異なる設定示唆内容を決定)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の前記判別結果である場合に、特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技において、特定期間を設定可能な特定期間設定手段を有し、前記演出実行手段は、前記特典遊技が実行されるタイミングが前記特定期間である場合と、前記特定期間では無い場合とで、予め定められた特定演出の実行のし易さが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、当たり遊技が実行されるか否かについては遊技者に興味を持たせることができるが、どのタイミングで当たり遊技が実行された場合であっても遊技者への有利度合いが一定であるため、当たり遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができず、遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機K1によれば、特典遊技が実行されるタイミングによって、特定演出の実行し易さを異ならせることができるので、特典遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K1において、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定された第1設定値と、前記第1確率よりも高確率に設定された第2設定値と、を少なくとも含む複数の設定値の中から1の設定値を設定可能な設定値設定手段と、その設定値設定手段により設定された設定値に関する情報を記憶可能な設定値記憶手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記設定値記憶手段により記憶されている前記情報に基づく演出を前記特定演出として実行可能であることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、演出実行手段により設定値に関する情報に基づいた演出を特定演出として実行することができるため、特典遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K1またはK2において、前記演出実行手段は、前記特典遊技が実行されるタイミングが前記特定期間である場合のうち、前記特典遊技が終了したタイミングが前記特定期間内である場合のほうが、前記特定期間内では無い場合よりも、前記特定演出を実行し易いものであることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1またはK2の奏する効果に加え、特典遊技が実行されるタイミングだけでは無く、特典遊技が終了するタイミングにも基づいて特定演出を実行のし易さを異ならせることができる。さらに、特典遊技が実行されるタイミングも終了するタイミングも特定期間内であるほうが特定演出を実行させ易くすることができる。よって、遊技者に対して、特定期間内で特典遊技を終了させようと意欲的に遊技を行わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが出来るという効果がある。
<特徴L群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技中に付与された特典に対応する示唆態様を実行可能な示唆態様実行手段と、前記示唆態様実行手段により前記示唆態様が実行される場合に、特定情報を付与することが可能な付与手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機L1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。当たり等の抽選結果が報知される当たり遊技が実行され、特定のタイミングに遊技者に有利な確変当たりであること等の報知が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、報知が実行されるタイミングが一定となり易く、遊技が単調となる不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機L1によれば、特典遊技中に付与された特典に対応した示唆態様が実行されるタイミングで特定情報が報知されることが可能となるので、特定情報が報知されるタイミングを多様にすることができるという効果がある。
遊技機L1において、前記特典遊技中に付与される前記特典の特典量を判別可能な特典量判別手段と、所定の前記特典量が付与されたタイミングを判別可能な付与タイミング判別手段と、を有し、前記付与手段は、前記特典量判別手段の判別結果と、前記付与タイミング判別手段の判別結果とに基づいて前記特定情報を付与可能であることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、特典量と付与タイミングとに基づいて、特定情報を付与されるため、遊技者に対して特典の付与度合いに興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機L2において、遊技者に有利な有利期間を設定可能な有利期間設定手段を有し、前記有利期間設定手段は、少なくとも前記特典遊技が実行される期間を含む期間を前記有利期間として設定可能であり、前記特典量判別手段は、前記有利期間中に付与された前記特典の特典量を判別可能であることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、有利期間中に付与される特典量に基づいて特定情報を付与されるため、遊技者に対して特典遊技以外の期間に付与される特典についても興味を持たせることができるという効果がある。
<特徴M群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間として異なる動的表示期間が複数設定された動的表示期間群が複数記憶された記憶手段を有し、前記動的期間群には、設定されている前記動的表示期間に対して前記動的表示期間決定手段により決定される決定確率が予め設定されており、前記複数の動的表示期間群には、特定動的表示期間が決定される確率が他の動的表示期間よりも高く設定された特定動的表示期間群が設定されており、所定条件が成立している状態で、前記特定動的表示期間が決定される場合に、特定演出を実行することが可能な特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機M1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。当たり等の抽選結果が報知される当たり遊技が実行され、特定のタイミングに遊技者に有利な確変当たりであること等の報知が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となる不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となる不具合を抑制した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機M1によれば、特定動的表示期間が決定される場合に特定演出を実行することができるため、特定動的表示期間で動的表示がされることを遊技者に分かり易く報知することができるという効果がある。
遊技機M1において、前記動的表示期間決定手段は、終了条件が成立するまで前記特定動的表示期間群より前記動的表示期間を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、特定動的表示期間群より動的表示期間が決定される状態が、特定動的表示期間が連続して実行され易くでき、特殊な動的表示期間により遊技に新鮮味を与えることができるという効果がある。
遊技機M1またはM2において、前記動的表示期間決定手段により前記特定動的表示期間群より動的表示期間を決定した場合に前記特定動的表示期間とは異なる動的表示期間が決定された場合に特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機M3。
<特徴N群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に前記情報が記憶されたことに対応して識別図柄を表示手段の識別図柄表示領域に表示させることが可能な識別図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別図柄表示手段は、前記記憶手段に前記情報が記憶された場合に記憶されている前記情報の数に対応した位置に前記識別図柄を表示させ、前記識別情報の動的表示が開始される場合に対応する識別図柄を前記識別図柄表示領域に表示させないようにし、表示されている前記識別図柄の表示位置を更新し表示させることが可能に構成され、前記遊技機は、所定条件の成立に基づいて、前記識別図柄の表示態様を可変させることが可能な表示態様可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機N1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される。始動口に遊技球が入球し、当たり乱数等の情報が取得されると所定数までは保留球として記憶されることが可能に構成され、記憶されている保留数を示すための保留図柄が保留球に対応して1ずつ表示され、その保留球に対応する特別図柄の変動表示が開始される場合に非表示にされ、表示されている保留図柄の順序が更新されて表示される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、保留図柄による演出が単調であり、遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機N1よれば、識別図柄の態様を他の識別図柄の態様として移動し表示させることで、識別情報の動的表示が開始されていない場合にも、識別情報が動的表示されて識別図柄の表示位置が更新されたように思わせることができ、遊技性を多様にすることで遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機N1において、前記識別図柄表示手段は、前記識別図柄の態様を移動させて表示させる場合には、表示されている前記識別図柄よりも先に表示されている前記識別図柄に移動させて表示させるものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、識別情報の動的表示が開始されていない場合にも識別情報が新たに動的表示されたように思わせることで、動的表示回数を実際よりも多く思わせることができるという効果がある。
遊技機N1またはN2において、前記識別情報が動的表示される動的表示態様として、前記識別情報が動的表示された後に仮停止表示され、再び動的表示が開始される特殊動的表示態様が設定されており、前記所定条件は、前記特殊動的表示態様において成立可能にされているものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N1またはN2の奏する効果に加え、特殊動的表示態様を実際に複数回動的表示が実行されているように遊技者に識別図柄の態様が移動することで思わせ易くできるという効果がある。
<特徴O群>(大当たり遊技の開始タイミングに応じて異なる設定示唆内容を決定)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の前記判別結果である場合に、特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技において、特定期間を設定可能な特定期間設定手段を有し、前記演出実行手段は、前記特典遊技が実行されるタイミングが前記特定期間である場合と、前記特定期間では無い場合とで、予め定められた特定演出の実行のし易さが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機O1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、当たり遊技が実行されるか否かについては遊技者に興味を持たせることができるが、どのタイミングで当たり遊技が実行された場合であっても遊技者への有利度合いが一定であるため、当たり遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができず、遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機K1によれば、特典遊技が実行されるタイミングによって、特定演出の実行し易さを異ならせることができるので、特典遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O1において、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定された第1設定値と、前記第1確率よりも高確率に設定された第2設定値と、を少なくとも含む複数の設定値の中から1の設定値を設定可能な設定値設定手段と、その設定値設定手段により設定された設定値に関する情報を記憶可能な設定値記憶手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記設定値記憶手段により記憶されている前記情報に基づく演出を前記特定演出として実行可能であることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、演出実行手段により設定値に関する情報に基づいた演出を特定演出として実行することができるため、特典遊技の実行タイミングに対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O1またはO2において、前記演出実行手段は、前記特典遊技が実行されるタイミングが前記特定期間である場合のうち、前記特典遊技が終了したタイミングが前記特定期間内である場合のほうが、前記特定期間内では無い場合よりも、前記特定演出を実行し易いものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O1またはO2の奏する効果に加え、特典遊技が実行されるタイミングだけでは無く、特典遊技が終了するタイミングにも基づいて特定演出を実行のし易さを異ならせることができる。さらに、特典遊技が実行されるタイミングも終了するタイミングも特定期間内であるほうが特定演出を実行させ易くすることができる。よって、遊技者に対して、特定期間内で特典遊技を終了させようと意欲的に遊技を行わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが出来るという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある(例えば、特許文献1:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有し、前記判別手段により判別されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な事前判別手段と、その事前判別手段による判別結果に基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間を設定可能な禁止期間設定手段と、を有し、前記禁止期間設定手段は、複数の異なる禁止期間を設定可能に構成されているものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記禁止期間設定手段は、前記記憶手段に前記特定の判別結果と判別される情報が記憶される数に対応させた禁止期間を設定可能に構成されているものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1または2記載の遊技機において、所定条件の成立に基づいて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有し、前記禁止期間設定手段は、前記特定演出が実行される期間に対応して禁止期間を設定可能に構成されているものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有し、前記判別手段により判別されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な事前判別手段と、その事前判別手段による判別結果に基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記事前判別手段による判別の実行が禁止される禁止期間を設定可能な禁止期間設定手段と、を有し、前記禁止期間設定手段は、複数の異なる禁止期間を設定可能に構成されているものである。
よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記禁止期間設定手段は、前記記憶手段に前記特定の判別結果と判別される情報が記憶される数に対応させた禁止期間を設定可能に構成されているものである。
よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定条件の成立に基づいて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有し、前記禁止期間設定手段は、前記特定演出が実行される期間に対応して禁止期間を設定可能に構成されているものである。
よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)