JP2022188921A - 監視装置、監視システムおよび監視方法 - Google Patents

監視装置、監視システムおよび監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フレアスタックから放出されるフレアガスの流量を推定する監視装置、監視システム及び監視方法を提供する。【解決手段】カメラと映像取得装置、映像取得装置と映像分配装置、映像分配装置と監視用モニター、映像分配装置と監視装置が、夫々通信可能に接続されている監視システムにおいて、監視装置30は、フレアを撮影した映像を取得する映像取得部31と、映像を解析し、フレアが写った画素を識別する映像解析部33と、フレアが写った画素に基づいて、フレアの体積を推定するフレア体積推定部34と、連続して撮影された映像について算出された前記フレアの体積に基づいて、フレアを発生させるフレアガスの所定の単位時間における流量を推定するフレアガス流量推定部35と、フレアガスの流量と所定の閾値とを比較してアラームを発報する出力部37と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、監視装置、監視システムおよび監視方法に関する。
製油所では、製油の過程で排出された余剰のガスをフレアスタックと呼ばれる設備で焼却する。フレアスタックのフレア放出部の先端からは、余剰のガスの燃焼により生じる火炎(フレア)や黒煙が放出される。フレアガスラインは製油所の複数装置からの配管に接続されている。配管の安全弁のシールが劣化すると、本来製油所内で利用されるガスがフレアガスラインに流入し、フレア放出部の先端からフレアとして放出される場合がある。これは、省エネルギーの観点から好ましくない。本来製油所内で利用されるガスが流入すると、フレアの大きさが通常より大きくなる。この性質を利用して、フレアの状態を監視用カメラで撮影し、監視員がその映像を目視によって確認しながら、本来製油所内で利用されるガスがフレアガスラインに流入していないかどうかの監視を行うことが多い。
特許文献1には、フレアスタックから放出されるフレアの異常や黒煙の発生を検出する監視装置が記載されている。特許文献1に記載の監視装置は、映像を取得する映像取得部と、その映像を解析し、フレアを放出するバーナー部を基準として設定された所定の異常フレア領域を認識する映像解析部と、異常フレア領域に占めるフレアの大きさに基づいて、異常フレアを検出する異常フレア判定部と、を備え、フレアが映った領域の画素数を算出し、異常フレア判定部は、画素数が所定の閾値以上となると異常フレアと判定する。
特開2019-175066号公報
フレアスタックでは、フレアガスの流量(本来製油所内で利用されるガスの流入に伴うフレアガスの流量増加)を把握する必要がある。フレアガスの流量は、フレアガスラインにガス流量計を設置して監視することができる。しかし、新たにフレアガスラインにガス流量計を設置するには、装置の定期修理期間に実施する必要があり、工事できる期間に制限がある。ガス流量計の設置に要する費用は高額となる。また、監視用カメラでフレアを撮影し、監視員が目視により確認する方法では、フレアが大きくなることに基づいてフレアガスの流量が多いことは推定できても、定量的に把握することはできない。簡便で低コストにフレアガスの流量を計測する方法が求められている。特許文献1にも、フレアガスの流量を計測する方法は記載されていない。
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる監視装置、監視システムおよび監視方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、監視装置は、フレアを撮影した映像を取得する映像取得部と、前記映像を解析し、前記フレアが写った画素を識別する映像解析部と、前記フレアが写った画素に基づいて、前記フレアの体積を推定するフレア体積推定部と、連続して撮影された前記映像について算出された前記フレアの体積に基づいて、前記フレアを発生させるフレアガスの所定の単位時間における流量を推定するフレアガス流量推定部と、前記フレアガスの流量と所定の閾値とを比較してアラームを発報する出力部と、を備える。
本発明の一態様によれば、監視システムは、フレアスタックにおけるフレアの放出部周辺の映像を撮影する撮像装置と、前記映像を取得する上記の監視装置と、を備える。
本発明の一態様によれば、監視方法は、フレアを撮影した映像を取得するステップと、前記映像を解析し、前記フレアが写った画素を識別するステップと、前記フレアが写った画素に基づいて、前記フレアの体積を推定するステップと、連続して撮影された前記映像について算出された前記フレアの体積に基づいて、前記フレアを発生させるフレアガスの所定の単位時間における流量を推定するステップと、前記フレアガスの流量と所定の閾値とを比較してアラームを発報するステップと、を有する。
本発明によれば、フレアガスの流量を推定することができる。
一実施形態における監視システムの一例を示す図である。 一実施形態における監視装置の一例を示す機能ブロック図である。 一実施形態における監視装置が解析する映像の一例を示す図である。 一実施形態におけるフレアの検出処理を説明する第1の図である。 一実施形態におけるフレアの検出処理を説明する第2の図である。 一実施形態におけるフレアの検出処理を説明する第3の図である。 一実施形態におけるフレアの検出処理を説明する第4の図である。 一実施形態におけるフレアの検出処理を説明する第5の図である。 一実施形態におけるフレアの体積推定処理を説明する第1の図である。 一実施形態におけるフレアの体積推定処理を説明する第2の図である。 一実施形態におけるフレアガス流量の推定処理を説明する図である。 一実施形態におけるフレアガス流量の実測値と推定値の一例を示す図である。 一実施形態における設定処理の一例を示す図である。 一実施形態におけるフレアガス流量の推定処理の一例を示す図である。
<実施形態>
以下、一実施形態によるフレアスタックの監視システムについて図1~図14を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態における監視システムの一例を示す図である。
図1に、監視システム1の構成を示す。図1に示すように監視システム1は、カメラ10と、映像取得装置15と、映像分配装置20と、監視用モニター25と、監視装置30と、中央監視装置40と、を備える。図示するように、カメラ10と映像取得装置15、映像取得装置15と映像分配装置20、映像分配装置20と監視用モニター25、映像分配装置20と監視装置30はそれぞれ通信可能に接続されている。
カメラ10は、フレアスタック先端のフレアの放出部(フレアを放散する煙突の先端部。以下、フレア放出部と記載する。)と、その周辺の映像を撮影する。カメラ10は、撮影した映像を映像取得装置15へ出力する。カメラ10が撮影した映像をフレア映像と記載する。カメラ10は、動画を撮影する撮像装置であることが好ましいが、例えば、所定の時間間隔で静止画を撮影するものであってもよい。また、カメラ10は、赤外線カメラであってもよい。フレアスタックでは、フレアの拡大を抑えるため、フレア放出部51の直上へ蒸気を注入することがある。この場合、フレアの大きさは小さくなるが、代わりに注入した蒸気も観測される。赤外線カメラであれば、蒸気を検出することができるためフレアと蒸気を区別することにより、より正確にフレアガスの流量を推定することができる。また、赤外線カメラであれば、本来製油所内で利用されるガスの1種である水素ガスが放出されたときにもその水素ガスを検出することができる。カメラ10は、有線のケーブルで映像取得装置15と接続されていてもよいし、無線通信で映像取得装置15や監視装置30と接続されていてもよい。また、カメラ10は、複数台設けられていてもよい。
映像取得装置15は、カメラ10が撮影したフレア映像を取得し、そのフレア映像を映像分配装置20へ出力する。
映像分配装置20は、映像の分配する機能を有している。映像分配装置20は、映像取得装置15から取得したフレア映像を監視用モニター25と監視装置30へ出力する。
監視用モニター25は、フレア映像を表示する。監視員は、監視用モニター25に表示されたフレア映像を監視する。具体的には、監視員は、監視用モニター25に表示されたフレア映像を見てフレア放出部51の周辺や上空を確認し、フレアが大きくなっていないか、失火していないか、黒煙が発生していないかなどを目視により監視する。
監視装置30は、カメラ10が撮影したフレア映像を解析して、フレアガスの流量を推定する。監視装置30は、フレアガスの流量を推定すると、その推定結果やアラーム等を監視装置30の表示部や監視装置30に接続された表示装置へ表示し、監視員に通知する。また、監視装置30は、フレアガス流量の推定値やアラーム等を中央監視装置40へ送信する。次に監視装置30について詳しく説明する。
図2は、本発明の一実施形態における監視装置の一例を示す機能ブロック図である。
監視装置30は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置を備えたPC(Personal Computer)やサーバ等のコンピュータである。図示するように監視装置30は、映像取得部31と、設定情報取得部32と、映像解析部33と、フレア体積推定部34と、フレアガス流量推定部35と、記憶部36と、出力部37と、を備えている。
映像取得部31は、カメラ10が撮影したフレア映像を取得する。映像取得部31は、フレア映像を映像解析部33へ出力する。
設定情報取得部32は、フレア映像の解析に必要な各種の設定情報を取得する。設定情報取得部32は、取得した設定情報を記憶部36に記録する。例えば、設定情報取得部32は、フレア放出部51の幅の長さ(実際の長さ)の情報の入力を受け付ける。
映像解析部33は、フレア映像を解析し、フレアが写った画素とそうでない画素を識別する。ここで、図3を参照する。図3は、本発明の一実施形態における監視装置が解析する映像の一例を示す図である。図3にカメラ10が撮影したフレア映像50の一例を示す。なお、52~53で示す矩形の枠は、フレア映像50そのものではなく、フレア映像の解析に必要な領域を示している。これらの領域は、設定情報取得部32が取得した設定情報に基づいて配置される。
(1)例えば、映像解析部33は、フレア映像に映るフレア放出部51を、その形状に基づくパターン認識により検出する。映像解析部33は、検出したフレア放出部51の所定の位置(例えば、フレア放出部51の先端の中心)を、フレア映像50における基準位置として設定する。映像解析部33は、例えば、フレア映像50の左下端を原点としたときの基準位置の座標情報を記憶部36に記録する。あるいは、映像解析部33が画像を解析するのではなく、監視員が、フレア放出部51の先端中心の座標情報を監視装置30へ入力してもよい。
(2)映像解析部33は、設定情報取得部32が取得した設定情報に基づいて、基準位置に基づく所定範囲をフレア監視エリア52、背景エリア53として設定する。
フレア監視エリア52は、例えば、フレア放出部51の先端からフレア54が観察される範囲を規定する。
背景エリア53は、フレアや黒煙が到達しない領域に設定される。背景エリア53は、例えば、フレア放出部51から十分に離れ、構造物が存在しない空間の一部について設定される。フレア監視エリア52、背景エリア53は監視員が任意に設定することができる。
(3)映像解析部33は、フレアに対応するRGB輝度値(RGB色空間における赤、緑、青の256階調の値)に基づいて、フレア映像50からフレア54を検出する。フレアに対応するRGB輝度値の値は、後述する処理により、映像解析部33は、フレア監視エリア52に含まれる画素を解析してフレアに対応するRGB輝度値を設定してもよいし、監視員が監視装置30へフレアに対応するRGB輝度値を入力し、設定情報取得部32がその値を取得してもよい。
(4)映像解析部33は、フレア映像50のうちフレア放出部51が写った画素について、フレア放出部51の幅に対応する画素数をカウントする。
(5)映像解析部33は、フレア映像50のうちフレア54が写った画素について、フレア放出部51の中心を通る中心線からフレア54の左右端までの画素数をそれぞれカウントする。
フレア体積推定部34は、フレア映像に基づいて、フレア54の体積を推定する。より具体的には、フレア体積推定部34は、映像解析部33によって解析された映像におけるフレア54が放出されるフレア放出部51の中心を通る垂直方向の中心線でフレア54を左右に分割したときの右側の領域について、右側のフレアの形状は円柱の右半分であると仮定して、フレア54の上下方向(高さ方向)1画素ごとの体積を算出する。左側の領域についても、左側のフレアの形状は円柱の左半分であると仮定して、フレア54の上下方向(高さ方向)1画素ごとの体積を算出する。フレア体積推定部34は、1画素ごとの体積をフレアの上端から下端まで積算してフレア54の右側と左側の体積をそれぞれ算出し、それらを合計してフレア54全体の体積を推定する。
フレアガス流量推定部35は、フレア体積推定部34が推定したフレア54全体の体積に基づいて、所定の単位時間あたりのフレアガス流量を推定する。より具体的には、フレアガス流量推定部35は、時刻T1に撮影されたフレア映像に基づいてフレア体積推定部34が推定したフレア54の体積V1と、時刻T1から一定時間ΔT後の時刻T2に撮影された映像に基づいてフレア体積推定部34が推定したフレアの体積V2との平均を計算して、これをΔTにおける瞬間的なフレアガス流量として推定し、この値を所定の単位時間TUにおけるフレアガス流量の推定値に換算する。また、フレアガス流量推定部35は、フレアガスの流量の推定値と予め設定された閾値とを比較して、単位時間あたりのフレアガスの流量、又は、連続する単位時間におけるフレアガスの流量の増加が閾値を超えていればアラームの発報を出力部37へ指示する。
記憶部36は、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部36は、フレア放出部51の基準位置の座標情報や、フレアに対応するRGB輝度値の設定情報、フレアガス流量と画素数の関係を示す検量線などを記憶する。
出力部37は、フレアガス流量推定部35によるフレアガス流量の推定結果を表示したり、設定情報を入力したりするためのユーザインタフェースの画像を生成する。また、出力部37は、フレアガス流量推定部35の指示に基づいてアラームを出力する。
図4~図8は、それぞれ一実施形態におけるフレアの検出処理を説明する第1の図~第5の図である。
図4(a)にフレア映像50の一部の例を示す。図4(b)に、フレア映像50を解析してフレアだけを抽出した画像(以下、フレア画像と記載する。)を示す。図4(b)に示すフレア画像の作成方法を次に示す。まず、監視員が、図5に示すようにフレアに対応するRGB輝度値の範囲を設定する。図5のR5はR(赤)の輝度の範囲、G5はG(緑)の輝度の範囲、B5はB(青)の輝度の範囲を示している。次に映像解析部33が、画像処理によって、設定された範囲に含まれる輝度値を有する画素を、フレアを示す画素として抽出する。フレアを示す画素と、非フレアを示す画素とに異なる色を付して画像を生成する。これにより図4(b)のフレア画像が得られる。図4(b)のフレア画像では、円環状の領域がフレアとして表示されている。図4(a)と図4(b)を比較して分かるように、図4(b)のフレア画像では、フレアの一部しか検出できていない。
本実施形態では、フレアの検出精度を向上するために、RGB輝度のR(赤)と、G(緑)と、B(青)の各色の輝度値を座標軸とする3次元空間を用意する。そして、この3次元空間内に、フレアが写った代表的な画素(フレア画素)のRGB輝度値をプロットし、フレアが写っていない非フレアの画素(背景画素)のRGB輝度値をプロットし、フレア映像50の各画素のRGB輝度値をこの3次元空間内にプロットする。ここで、図6を参照する。図6の点61は、フレアが写った代表的な画素のRGB輝度値をプロットした点である。点63は、空などの背景が写った画素のRGB輝度値をプロットした点である。点62は、フレア映像50内のある画素のRGB輝度値をプロットした点である。映像解析部33は、フレア映像50内の画素のRGB輝度値をプロットした点62の座標と代表的なフレアのRGB輝度値をプロットした点61の座標とに基づいて、点62と点61の間の距離(ベクトル64の長さ;第1の距離)を算出する。また、映像解析部33は、フレア映像50内の画素のRGB輝度値をプロットした点62の座標と背景のRGB輝度値をプロットした点63の座標とに基づいて、点62と点63の間の距離(ベクトル65の長さ;第2の距離)を算出する。そして、映像解析部33は、点62に対応する画素を、ベクトル64の長さとベクトル65の長さのうち短い方に分類する。つまり、映像解析部33は、ベクトル64の長さが短ければ、点62に対応する画素を、フレアを示す画素(第1画素)であると判定し、ベクトル65の長さが短ければ、非フレアを示す画素(第2画素)であると判定する。映像解析部33は、フレア映像50内の全画素について同様の判定を行う。映像解析部33は、フレアと判定した画素と、非フレアと判定した画素とに異なる色を付してフレア画像を作成する。このような処理によって得られたフレア画像を図7(a)に示す。
図7(a)のフレア画像を参照すると、図4(b)のフレア画像と比較してより多くの領域がフレアとして検出されていて、検出されるフレアの領域が改善されていることが分かる。しかし、図7(a)のフレア画像では、フレアの中心部に空洞が生じている。次にこの空洞を補完する処理について説明する。まず、映像解析部33は、図7(a)に示すフレア画像を、例えば、Y軸方向に上から下方向へ所定の画素数を有する幅ごとに分割し、分割してできた一列の部分画像の各々に対して以下の処理を行う。映像解析部33は、一列の部分画像について、X軸方向に左から右へスキャンする。そのときにフレアを示す画素が所定の画素数以上連続して検知されて、次に非フレアを示す画素が所定の画素数以上連続して検知されて、その次にフレアを示す画素が所定の画素数以上連続して検知されたならば、映像解析部33は、その部分画像では空洞が含まれていると判定する。そして、フレアを示す画素群に挟まれた非フレアを示す画素群をフレアとして認識し、これらの画素群にフレアに対応する色(図7(a)と同様の色でもよいし、異なる色でもよい。)を付す。このような空洞を補完する処理を行った結果を得られるフレア画像を図7(b)に示す。
図8(a)に、図4(a)とは別のフレア映像50の一例を示す。この例では、フレア放出部51の先端部から比較的小さなフレアが放出されている。図6を用いて説明したフレア映像50の画素ごとに代表的なフレアのRGB輝度値を示す点および背景のRGB輝度値を示す点との距離に基づいてフレアが写った画素を検出する方法であれば、図8(b)のフレア画像に示すようにフレアが小さいときでも、検出可能なことが確認できた。
このようにフレア画像を補正すると、フレアガス流量推定部35は、フレアガスの流量を計算する。フレア放出部51へフレアガスが供給されると、放出されるフレアは一瞬ごとに燃え尽きる。フレア放出部51へ連続してフレアガスが供給されると、連続してフレアが観測される。フレアガスの流量とフレア54の大きさには正の相関があり、フレア画像が撮影された瞬間のフレアガス流量は、フレア画像に写ったフレア54の体積の一次関数で表すことができると考える。次に図9を参照して、フレア体積推定部34が、フレア画像からフレアの体積を算出する方法について説明する。
図9は、一実施形態におけるフレア体積の算出処理を説明する第1の図である。
設定情報取得部32が、監視員から入力されたフレア放出部51の直径51Lの長さを取得し、記憶部36に記録する。映像解析部33は、フレア放出部51が写った画素に基づいて、直径51Lに相当する画素数をカウントする。説明の便宜のため、フレア映像に写るフレア放出部51は垂直方向に延伸しており、直径51Lを規定する画素はフレア映像の水平方向(X軸方向)に並んでいるとする。映像解析部33は、フレア映像のY軸方向の所定位置(フレア放出部51が写った位置)をX軸方向に左から右へスキャンする。映像解析部33は、フレア放出部51が写った画素をカウントし、直径51Lの画素数を検出する。例えば、映像解析部33は、監視員によって指定されたフレア放出部51の直径を示す範囲の画素数をカウントしてもよいし、監視員によって指定された輝度値(フレア放出部51を示す輝度値)を有する画素数をカウントしてもよい。フレア体積推定部34は、監視員から入力された直径51Lの長さを検出した画素数で除算して1画素あたりの大きさL_U(1画素の水平方向の長さおよび垂直方向の長さ)を算出する。次に、フレア54の正面から向かって右半分と左半分に分けて体積を計算する。まず、映像解析部33は、フレア放出部51の中心を通る垂直方向の中心線Y(中心線YをY軸とも呼ぶ。)を設定する。また、映像解析部33は、Y軸上のフレア放出部51の上端を原点Oに設定する。映像解析部33は、垂直方向の中心線YのY軸方向の位置y1における中心線Yから水平に右方向にフレア54のエッジ(境界)までの画素数C_Ry1をカウントする。フレア体積推定部34は、カウントされた画素数C_Ry1に1画素あたりの大きさL_Uを乗算して、火炎距離Y_Ry1を算出する。フレア体積推定部34は、π×(Y_Ry1×L_U÷2を計算して、Y軸方向の位置y1におけるフレア54の一部の体積を算出する。ここで、上式は火炎距離Y_Ry1を半径、高さを1画素の大きさL_Uとしたときの円柱の体積の右半分を計算するものである。例えば、フレア体積推定部34は、原点Oからフレア54の頂上に相当する位置yTまで、位置y1をY軸方向に1画素ずつずらして、各位置におけるフレア54の右側の体積を求め、これらを合計する。同様に、フレア体積推定部34は、位置y2における中心線Yから水平に向かって左方向にフレア54のエッジ(境界)までの画素数C_Ly2をカウントし、画素数C_Ly2に1画素あたりの大きさL_Uを乗算して、火炎距離Y_Ly2を算出する。フレア体積推定部34は、π×(Y_Ly2×L_U÷2を計算して、Y軸方向の位置y2における高さを1画素の大きさL_Uとしたときのフレア54の一部の体積を算出する。フレア体積推定部34は、原点Oからフレア54の頂上に相当する位置yTまで、位置y2をY軸方向に1画素ずつずらして、各位置におけるフレア54の左側の体積を求め、これらを合計する。フレア体積推定部34は、左右の体積を合計してフレア54の体積を算出する。つまり、フレア体積推定部34は、図9の式(1)によって、フレア54の体積V(t)を算出する。
また、フレア体積推定部34は、フレア54の形状が左右対称ではない場合、フレア54の体積の算出を行わない。つまり、フレア体積推定部34は、フレア放出部51の中心を通る垂直方向の中心線でフレア54を左右に分割したときの右側の領域と左側の領域の面積の比を、例えば、左側の領域の面積÷右側の領域の面積によって計算し、前記比が1より大きい場合はその逆数を計算し、計算した比が所定の閾値以上の場合にフレア形状が左右対称とみなし、フレア54の体積を推定する。フレア54の形状が左右対称ではない例を図10に示す。フレア体積推定部34は、フレア画像において、フレア放出部51の中心を通る垂直方向の中心線Yの原点Oからフレア54のエッジを結ぶベクトルを作成する。例えば、フレア体積推定部34は、中心線Yを基準として原点回りに所定の角度θずつベクトル方向をずらしてベクトルを作成する。フレア体積推定部34は、作成したベクトルの長さを計算し、中心線Yよりも向かって右側の領域で作成されたベクトルの長さの和と、中心線Yよりも向かって左側の領域で作成したベクトルの長さの和と、をそれぞれ計算する。図10の例では、フレア体積推定部34は、ベクトルV1~V6を作成し、各ベクトルの長さを算出する。フレア体積推定部34は、ベクトルV1~V2の長さの和L1を計算し、また、ベクトルV3~V6の長さの和L2を計算する。フレア体積推定部34は、例えば、L1に対するL2の比を計算し、前記比が1より大きい場合は逆数を計算し、計算した比が所定の閾値未満であれば、フレア54が左右対称ではないと判定し、L1とL2の比が所定の閾値以上であれば、フレア54が左右対称であると判定する。フレア54が左右対称ではない場合、フレア体積推定部34は、フレア54の体積を算出せず、左右対称の場合、図9で説明した処理によってフレア54の体積を算出する。
フレアガス流量推定部35は、時刻tに撮影されたフレア画像に基づいて、当該フレア画像に写るフレア54の体積V(t)が算出されると、所定の単位時間あたりのフレアガスの流量を推定する。ここで、図11を参照する。図11の縦軸はフレア54の体積を示し、横軸は時間を示す。フレア体積推定部34は、フレア映像が撮影されるたびに、上述の方法でフレア54の体積Vを算出する。例えば、フレア体積推定部34は、時刻T1に撮影されたフレア映像から体積V1を算出し、次の時刻T2に撮影されたフレア映像から体積V2を算出する。フレアガス流量推定部35は、時刻T2の体積V2を算出されると、1つ前に撮影されたフレア映像に基づいて算出された体積V1と体積V2とを用いて、次式(2)によって、単位時間TUあたりのフレアガスの流量Nを算出する。
N=(V1+V2)×ΔT÷2×(TU÷ΔT)・・・・(2)
ここで、ΔTはT1~T2までの時間である。つまり、時刻T1における体積V1と時刻T2の体積V2を上辺と底辺とする台形の面積をΔTにおける流量とみなし、この流量を単位時間TUあたりの流量Nに換算する。なお、フレア映像が連続して取得されるような場合、つまりΔTが十分に短い場合には、体積V1~V2の時間平均を求めて、この値をフレアガス流量とみなし、この値を単位時間TUあたりの流量Nに換算してもよい(次式(2´))。
N=(V1+V2)÷2×(TU÷ΔT)・・・・(2´)
フレアガス流量推定部35は、新たなフレア映像が撮影されるたびに単位時間TUあたりのフレアガスの流量を算出する。例えば、時刻T3には、時刻T2の体積V2と時刻T3の体積V3に基づいて、時刻T3におけるフレアガスの流量を算出し、時刻T4には、時刻T3の体積V3と時刻T4の体積V4に基づいて、時刻T4におけるフレアガスの流量を算出する。時刻T5以降についても同様である。
図12にフレアガス流量の実測値と、図11を用いて説明した推定方法により算出したフレアガス流量Nとを示す。図12の縦軸は単位時間TUあたりのフレアガス流量を示し、横軸は時間を示す。グラフL1はフレアガス流量の実測値である。グラフL2は本実施形態の推定方法によるフレアガス流量Nを示す。図示するように、本実施形態のフレアガス流量の推定方法により、実測値と類似する推移を示すグラフが得られた。そこで、フレアガス流量推定部35は、上記の式(2)又は式(2´)によって計算できるフレアガス流量Nを、さらに以下の式(3)により補正することにより、フレアガス流量の推定値を算出する。
フレアガス流量推定値=α×N+β ・・・・(3)
ここでα、βは任意の実数である。α、βは実測値が得られる場合には実測値との比較、熟練者の知見、工学的な知見などにより定める。そして、フレアガス流量推定部35は、式(3)により算出したフレアガス流量の推定値と、所定の閾値とを比較して、フレアガス流量の推定値が閾値を上回っていれば、アラームの発報を出力部37に指示する。
次に監視システム1によるフレアガス流量の推定処理について説明する。
(設定処理)
まず、フレアガス流量の推定に先立って、各種設定処理を行う。
図13は、一実施形態における設定処理の一例を示す図である。
まず、映像取得部31はカメラ10が撮影したフレア映像を取得する(ステップS1)。出力部37は、各カメラが撮影したフレア映像を監視装置30のモニターに表示する。次に監視員は、各フレア映像を参照して、フレア放出部51の先端位置を設定する(ステップS2)。例えば、監視員は、先端部の座標情報を入力する等によって先端位置を指定する入力を行う。設定情報取得部32は、入力された情報を取得する。先端位置の座標情報が入力された場合、設定情報取得部32は、その座標情報をフレア放出部51の先端位置の設定情報として記憶部36に記録する。フレア放出部51の先端位置の設定は、映像解析部33が、画像解析により行ってもよい。
次に監視員は、各フレア映像を参照して、フレア監視エリア52、背景エリア53を設定する(ステップS3)。フレア監視エリア52は、フレアが写った画素の代表的なRGB輝度値を検出する目的で設定する。監視員は、フレア放出部51の先端付近の小さな範囲をフレア監視エリア52として設定する。これは、フレア以外の背景等が含まれないようにするためである。監視員は、フレア監視エリア52に対応する矩形の領域の頂点の座標を入力する等して、フレア監視エリア52を設定する。設定情報取得部32は、入力された座標情報をフレア監視エリア52の設定情報として記憶部36に記録する。
背景エリア53は、空などの背景のRGB輝度値を検出する目的で設定する。監視員は、フレアや煙が写り込まない範囲を背景エリア53として設定する。監視員は、背景エリア53に対応する矩形の領域の頂点の座標を入力する等して、背景エリア53を設定する。設定情報取得部32は、入力された座標情報を背景エリア53の設定情報として記憶部36に記録する。
これらの設定を行って、監視員が所定の操作を行うと、映像解析部33は、映像取得部31が取得したフレア映像のうちフレア監視エリア52に含まれる各画素のRGB輝度値を算出する。映像解析部33は、任意の画素のRGB輝度値を選択して、この値を代表的なフレアのRGB輝度値(図6の点61に相当)として記憶部36に記録する。また、映像解析部33は、映像取得部31が取得したフレア映像のうち背景エリア53に含まれる各画素のRGB輝度値を算出する。映像解析部33は、任意の画素のRGB輝度値を選択して、この値を背景のRGB輝度値(図6の点63に相当)として記憶部36に記録する。または、映像解析部33は、背景エリア53に含まれる各画素のRGB輝度値の平均値を計算して、この値を背景のRGB輝度値として記憶部36に記録する。あるいは、映像解析部33が算出したフレア監視エリア52に含まれる各画素のRGB輝度値を監視装置30の表示部に表示し、表示された輝度値を参照しながら、監視員が適切なRGB輝度値を監視装置30へ入力することによって、代表的なフレアのRGB輝度値を設定してもよい。背景のRGB輝度値についても同様である。
なお、フレアの代表的なRGB輝度値や背景のRGB輝度値の典型値を、時間帯や季節、天候などに応じて予め複数セット準備してもよい。そして、監視員がこの典型値を選択することによって、フレアの代表的なRGB輝度値や背景のRGB輝度値が設定されてもよい。例えば、記憶部36には、晴れの日のフレアの代表的なRGB輝度値および背景のRGB輝度値、雨の日のフレアの代表的なRGB輝度値および背景のRGB輝度値、昼間のフレアの代表的なRGB輝度値および背景のRGB輝度値、夕方のフレアの代表的なRGB輝度値および背景のRGB輝度値、などが典型値として記録されていてもよい。また、フレアのRGB輝度値について、代表的な値が複数存在する場合(例えば、フレアの中心付近のRGB輝度値と境界付近のRGB輝度値)、複数のRGB輝度値を設定してもよい。
次に監視員は、アラーム発報の判定用閾値を監視装置30に設定する(ステップS4)。監視員は、フレアガスの流量に応じた複数の閾値を設定してもよい。例えば、監視員は、フレアガスの流量が“X1”Nm/hを上回ったら、“フレアガス流量がX1を超えました”とのアラームを発報し、“X2”Nm/h(X2>X1)を上回ったら、“フレアガス流量がX2を超えました”とのアラームを発報するように設定する。また、監視員は、フレアガス流量の変動(増加)に対する閾値を設定してもよい。例えば、時刻T1におけるフレアガス流量の推定値NT1と、時刻T1の次にフレアガス流量を推定する時刻である時刻T2におけるフレアガス流量の推定値NT2の関係がNT2>NT1であってそれらの差が“X3”Nm/hを上回ったら、“フレアガス流量がX3を超えて増加しました”とのアラームを発報するように設定する。また、監視員は、フレアガスの流量の増加量に応じて複数の閾値を設定してもよい。設定情報取得部32は、入力された閾値とアラームの内容を記憶部36に記録する。
次に監視員は、フレア放出部51の幅の長さを設定する(ステップS5)。例えば、監視員は、フレア放出部51の幅が何メートルかを入力する。設定情報取得部32は、入力されたフレア放出部51の幅の長さを取得し、記憶部36に記録する。
次に監視員は、各フレア映像を参照して、フレア放出部51の幅の範囲を設定する(ステップS6)。例えば、監視員は、フレア放出部51の左端の座標情報と右端の座標情報を入力する等によってフレア放出部51の幅の範囲を指定する入力を行う。設定情報取得部32は、入力された情報を取得する。フレア放出部51の左右端の座標情報が入力された場合、設定情報取得部32は、その座標情報をフレア放出部51の幅の範囲を規定する設定情報として記憶部36に記録する。フレア放出部51の幅の設定は、映像解析部33が、画像解析により行ってもよい。
(フレアガス流量の推定処理)
次にフレアガス流量の推定処理について説明する。図14は、一実施形態におけるフレアガス流量の推定処理の一例を示す図である。まず、映像取得部31がカメラ10によって撮影されたフレア映像を取得する(ステップS11)。映像取得部31は、フレア映像を映像解析部33へ出力する。映像解析部33は、フレア映像の各画素につき、以下の処理を行う。
まず、映像解析部33は、フレア映像のある画素のRGB輝度値を解析する(ステップS12)。次に映像解析部33は、解析したRGB輝度値を、Rの輝度値、Gの輝度値、Bの輝度値を座標軸に持つRGBの3次元空間にプロットする(ステップS13)。プロットされた点は、図6の点62に相当する。次に映像解析部33は、代表的なフレアのRGB輝度値および背景のRGB輝度値からの距離を計算する(ステップS14)。具体的には、映像解析部33は、代表的なフレアのRGB輝度値に対応する点(図6の点61)と、プロットした点(図6の点62)との距離を算出する。また、映像解析部33は、背景のRGB輝度値に対応する点(図6の点63)と、プロットした点(図6の点62)との距離を算出する。このとき、例えば、時間帯ごとにフレアの代表的なRGB輝度値および背景のRGB輝度値が設定されている場合、映像解析部33は、現在の時間帯に応じたフレアおよび背景のRGB輝度値の情報を記憶部36から読み出して3次元空間にプロットする。また、例えば、代表的なフレアのRGB輝度値が複数設定されている場合、それぞれのRGB輝度値に対応する点と、ステップS13にてプロットした点との距離を算出する。
次に映像解析部33は、解析したRGB輝度値に対応する点が、フレアの代表的なRGB輝度値に対応する点に近いかどうかを判定する(ステップS15)。フレアの代表的なRGB輝度値に対応する点に近い場合(ステップS15;Yes)、映像解析部33は、今回解析した画素は、フレアが写った画素であると判定する(ステップS16)。背景のRGB輝度値に対応する点に近い場合(ステップS15;No)、映像解析部33は、今回解析した画素は、背景が写った画素であると判定する(ステップS17)。次に映像解析部33は、フレア映像の全画素について解析を行ったかどうかを判定し(ステップS18)、全画素についての解析が完了するまで、ステップS12からの処理を繰り返す。映像解析部33は、ステップS12~S18の処理を繰り返す中で、フレアと判定した画素と背景と判定した画素に異なる色を付したフレア画像(図7(a))を作成する。
なお、ステップS12~ステップS18の処理をフレア映像に含まれる全画素について行うこととしたが、例えば、フレアスタックの設備が写っている箇所など、明らかにフレアが写らないエリアについては処理対象外としてもよい。あるいは、監視対象エリアを設定できるようにして、監視対象エリア内の画素に対してのみステップS12~ステップS18の処理を行うようにしてもよい。
全画素についてフレアか背景かを判定する処理が完了すると、次に映像解析部33は、フレアと判定された画素群の中に空洞が存在するかどうかを判定する(ステップS19)。映像解析部33は、フレア画像を垂直方向に所定の画素数ごとに分割し、分割してできた部分画像ごとに水平方向にスキャンする。映像解析部33は、スキャンしたときにフレアが写った画素群、背景が写った画素群、フレアが写った画素群の順で画素群が検出されると空洞が存在すると判定する。空洞が存在する場合(ステップS19;Yes)、映像解析部33は、空洞が存在する部分画像について図7を用いて説明した空洞補完処理を行う(ステップS20)。具体的には、映像解析部33は、フレアの画素群に挟まれた非フレアの画像群にフレアであることを示す色を付してフレア画像を更新する。空洞が存在しない場合(ステップS19;No)、ステップS21の処理に進む。次に映像解析部33は、全部分画像について空洞の検出処理を行ったかどうかを判定し(ステップS21)、全部分画像について空洞の検出処理、補完処理が完了するまで、ステップS19からの処理を繰り返す。
なお、フレアの補完処理は、フレア画像を水平方向に所定の画素数ごとに分割し、分割してできた部分画像ごとに垂直方向にスキャンしたときにフレアが写った画素群、背景が写った画素群、フレアが写った画素群の順で画素群が検出されるとその部分画像に空洞が存在すると判定してもよい。
空洞の補完処理が完了すると、次に映像解析部33は、フレア画像に基づいて、フレアと判定された画素の形状が、フレア放出部51の中心を通る垂直方向の中心線(図9の中心線Y)に対して左側と右側の領域に分けたときに左側の領域と右側の領域が対称かどうかを判定する(ステップS22)。フレア体積推定部34は、図10を用いて説明したように、原点Oからフレアのエッジに向かってベクトルを複数作成し、左側の領域に作成されたベクトルの長さの合計と、右側の領域にて作成されたベクトルの長さの合計とを比較する。左右のベクトル長さの合計の比を計算し、前記比が1より大きい場合は逆数を計算し、計算した比が閾値以上の場合、フレア体積推定部34は、フレアは左右対称であると判定する。左右のベクトル長さの合計の比が閾値未満の場合、フレア体積推定部34は、フレアは左右対称ではないと判定する。左右対称ではない場合(ステップS22;No)。図14の処理を終了する。
左右対称の場合(ステップS22;Yes)。フレア体積推定部34は、フレア54の左右の単位高さごとの体積ΔVを算出する(ステップS23)。例えば、フレア体積推定部34は、垂直方向の1画素ごとに中心線Yからフレア54の左端までの長さを半径とする円柱の左半分の体積を計算し、中心線Yからフレア54の右端までの長さを半径とする円柱の右半分の体積を計算する。なお、中心線Yから左端までの長さは、フレア体積推定部34が、中心線Yから左端までの画素数に図13のステップS5で入力された長さをステップS6で入力されたフレア放出部51の幅の範囲に含まれている水平方向の画素数で除算した値を乗じて算出する。中心線Yから右端までの長さについても同様である。フレア体積推定部34は、左側の体積と右側の体積を合計し、垂直方向の単位高さごとの体積ΔVを算出する。次にフレア体積推定部34は、フレア54の垂直方向にΔVを積算し、体積Vを算出する(ステップS24)。
次にフレアガス流量推定部35は、体積Vの時間平均を算出し、フレアガス流量を推定する(ステップS25)。例えば、フレアガス流量推定部35は、時刻T1に撮影されたフレア映像に基づいて算出されたフレア54の体積V1と、時刻T1からΔT後の時刻T2に撮影されたフレア映像に基づいて算出されたフレア54の体積V2と、に基づいて、ΔTにおける体積Vの時間平均(V1+V2)÷2を算出する(ΔTが十分に短いとき)。フレアガス流量推定部35は、ΔTにおける体積Vの時間平均を単位時間TUあたりの体積Vの合計に換算して、これに所定の係数αを乗じて、所定の補正項βを加算した値をフレアガスの流量として算出する。
フレアガスの流量=α{(V1+V2)÷2×(TU/ΔT)}+β・・・(3)
あるいは、カメラ10による撮影間隔が数分などΔTが長いとき、フレアガス流量推定部35は、以下の式(3´)によってフレアガス流量を推定する。
フレアガス流量の推定値=α{(V1+V2)×ΔT÷2×(TU/ΔT)}+β
・・・(3´)
なお、α、βは、過去の実測値や工学的な知見などに基づいて設定される。
次にフレアガス流量推定部35は、式(3)又は式(3´)で算出したフレアガス流量の推定値と、ステップS4で設定された閾値とを比較する。フレアガス流量の推定値が閾値を上回っている場合、フレアガス流量推定部35は、閾値に対応するアラームを出力するように出力部37へ指示する。又は、フレアガス流量推定部35は、時刻T-ΔTに推定したフレアガス流量の推定値よりも時刻Tに推定したフレアガス流量の推定値が閾値以上増加していれば、この間に配管のシール劣化などによりフレアガス流量が増大したとみなして、アラームを出力するように出力部37へ指示する。フレアガス流量の増加分に対する閾値は複数設けられていてもよい。出力部37は、フレアガス流量の推定値やアラームを出力する(ステップS26)。これにより、カメラ10が撮影したフレア映像に基づいて、フレアガスの流量を推定することができる。
本実施形態の監視システム1によれば、フレア映像を監視装置30に入力するだけで、フレアガスの流量を推定することができる。また、フレアガス流量の増加分に対する閾値を設定することで、フレアガス流量が増加し始めたときにリアルタイムにアラームを発報することができる。これにより、配管の劣化などによりフレアガス流量が増加したことを早期に把握し、対処することができる。また、不確かな目視によるフレアの確認や、高価な流量計の導入を行うこと無く、フレアガスの流量増加(すなわち、本来製油所内で利用されるガスの流入)を把握することができる。また、図1に示すようにフレア映像を監視用モニター25に表示させて従来通りの監視を行いつつ、監視装置30が通知するフレアガス流量の推定結果や通報されたアラームを参照することができる。また、監視員は、余剰ガスの性質やフレアスタックの設置環境などに応じて、フレア監視エリア52、背景エリア53、閾値、フレアに対応する輝度値などを任意に設定することができるので、どのような設備にも適用することができる。
監視装置30における各処理の過程は、例えば監視装置30が有するCPU等がプログラムを実行することによって実現できる。監視装置30によって実行されるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録され、この記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することによって実現してもよい。なお、監視装置30は、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、監視装置30に内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体には、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
なお、RGB輝度値とは、RGB色空間における赤(R)、緑(G)、青(B)の輝度値(0~255)の組み合わせで表される値のことである、白黒輝度値とは、0(黒)~255(白)の256階調で表される値のことである。
1・・・監視システム
10・・・カメラ
15・・・映像取得装置
20・・・映像分配装置
25・・・監視用モニター
30・・・監視装置
31・・・映像取得部
32・・・設定情報取得部
33・・・映像解析部
34・・・フレア体積推定部
35・・・フレアガス流量推定部
36・・・記憶部
37・・・出力部
50・・・フレア映像
52・・・フレア監視エリア
53・・・背景エリア

Claims (10)

  1. フレアを撮影した映像を取得する映像取得部と、
    前記映像を解析し、前記フレアが写った画素を識別する映像解析部と、
    前記フレアが写った画素に基づいて、前記フレアの体積を推定するフレア体積推定部と、
    連続して撮影された前記映像について算出された前記フレアの体積に基づいて、前記フレアを発生させるフレアガスの所定の単位時間における流量を推定するフレアガス流量推定部と、
    前記フレアガスの流量と所定の閾値とを比較してアラームを発報する出力部と、
    を備える監視装置。
  2. 前記フレア体積推定部は、前記映像における前記フレアの放出部の中心を通る垂直方向の中心線で前記フレアを左右に分割したときの右側の領域について、フレアの上端から下端までの単位高さごとに、前記中心線から前記フレアの右端までの距離を半径とする円柱の半分の体積を算出し、前記単位高さごとに算出した体積を積算して前記フレアの右側の体積を推定し、左側の領域について、フレアの上端から下端までの単位高さごとに、前記中心線から前記フレアの左端までの距離を半径とする円柱の半分の体積を算出し、前記単位高さごとに算出した体積を積算して前記フレアの左側の体積を推定し、前記フレアの右側の体積と前記フレアの左側の体積を合計して前記フレアの体積を推定する、
    請求項1に記載の監視装置。
  3. 前記フレアガス流量推定部は、時刻T1に撮影された前記映像に基づいて前記フレア体積推定部が推定した前記フレアの体積V1と、前記時刻T1から一定時間ΔT後の時刻T2に撮影された前記映像に基づいて前記フレア体積推定部が推定した前記フレアの体積V2と、所定の定数α、βを用いて以下の式によって、単位時間TUにおける前記フレアガスの流量を推定する、
    フレアガスの流量=α{(V1+V2)×ΔT÷2×(TU/ΔT)}+β
    請求項1または請求項2に記載の監視装置。
  4. 前記フレア体積推定部は、前記フレアの放出部の中心を通る垂直方向の中心線で前記フレアを左右に分割したときの前記フレアの右側の領域の面積に対する左側の領域の面積の比を計算し、前記比が1より大きい場合はその逆数を計算し、計算した前記比が所定の閾値以上の場合に前記フレアの体積を推定する、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の監視装置。
  5. 前記出力部は、前記フレアガス流量推定部が推定した前記フレアガスの流量が、所定の閾値以上となるか、所定の閾値以上増加すると、アラームを発報する、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の監視装置。
  6. 前記映像解析部は、前記フレアが写った所定のフレア画素の輝度値と、前記フレア以外が写った所定の背景画素の輝度値とに基づいて、前記映像に含まれる各画素を、前記フレア画素に近い第1画素と前記背景画素に近い第2画素の何れかに分類し、前記第1画素に分類された全画素数を算出する、
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の監視装置。
  7. 前記映像解析部は、前記映像に含まれる1つの画素を検出対象画素としたときに、前記検出対象画素のRGB輝度値を解析し、解析した前記RGB輝度値を、RGBそれぞれの輝度値を座標軸とする3次元空間にプロットした第1の座標情報と、前記フレア画素のRGB輝度値を前記3次元空間にプロットした第2の座標情報と、前記背景画素のRGB輝度値を前記3次元空間にプロットした第3の座標情報と、を用いて、前記第1の座標情報と前記第2の座標情報との距離を示す第1の距離と、前記第1の座標情報と前記第3の座標情報との距離を示す第2の距離と、を算出し、前記第1の距離と前記第2の距離に基づいて前記検出対象画素が、前記第1画素に分類されるか前記第2画素に分類されるかを判定する、
    請求項6に記載の監視装置。
  8. 前記映像解析部は、前記第2画素に分類された前記検出対象画素が、前記第1画素に分類された画素群に挟まれた位置に存在する場合、当該検出対象画素を、前記第1画素に分類する、
    請求項7に記載の監視装置。
  9. フレアスタックにおけるフレアの放出部周辺の映像を撮影する撮像装置と、
    前記映像を取得する請求項1から請求項8の何れか1項に記載の監視装置と、
    を備える監視システム。
  10. フレアを撮影した映像を取得するステップと、
    前記映像を解析し、前記フレアが写った画素を識別するステップと、
    前記フレアが写った画素に基づいて、前記フレアの体積を推定するステップと、
    連続して撮影された前記映像について算出された前記フレアの体積に基づいて、前記フレアを発生させるフレアガスの所定の単位時間における流量を推定するステップと、
    前記フレアガスの流量と所定の閾値とを比較してアラームを発報するステップと、
    を有する監視方法。
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