JP2022187799A - 電線及びこれを用いた電気接続部品、端子付き電線並びに電線の製造方法 - Google Patents

電線及びこれを用いた電気接続部品、端子付き電線並びに電線の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】グラフェン膜を用いることで、電気接点に金属めっきを用いなくても相手方電線と電気的に接続することが可能な電線及び電気接続部品を提供する。【解決手段】電線10は、導体11と、導体11を被覆する絶縁層12とを備え、導体11の軸方向の端面はグラフェン膜13で被覆されている。電気接続部品1は、導体11と、導体11を被覆する絶縁層12とを含む一対の電線10を備え、一対の電線10の各々における導体11の軸方向の端面はグラフェン膜13で被覆されており、一対の電線10における各々のグラフェン膜13同士が接触している。【選択図】図2

Description

本発明は、電線及びこれを用いた電気接続部品、端子付き電線並びに電線の製造方法に関する。
従来、コネクタ端子において、電気接点の導電性を確保しつつ母材を腐食から保護するために、金、銀及び錫等の金属めっきが施されている。また、コネクタ端子の母材と金属めっきとの反応を抑制するため、母材と金属めっきとの間にニッケル層のような反応抑制層が設けられる場合がある。
近年、電子機器の高機能化に伴い、数GHz~数十GHzといった高周波のデジタル信号が用いられるようになってきている。特許文献1では、高周波信号の伝送において安定した低誘導リアクタンス化が可能になる電気接点の製造方法が開示されている。当該方法は、基材の表面に成膜された銅めっき膜の表面にニッケル-リン合金めっき膜を成膜する工程と、ニッケル-リン合金めっき膜の表面に表層めっき膜を成膜する工程とを有している。そして、ニッケル-リン合金めっき膜のリン含有量を所定の範囲内とすることにより、ニッケル-リン合金めっき膜を非磁性体としている。
特許第5966506号公報
従来技術の電気接点は、銅めっき膜、ニッケル-リン合金めっき膜及び表層めっき膜を含む多層構造を含んでおり、材料比率を綿密に制御してニッケル-リン合金めっき膜を非磁性体にしている。また、従来技術では、高価な金を表層めっき膜として用いている。そのため、従来の方法で製造した電気接点は、製造コストが高くなるおそれがある。
一方、金に代えて銀又は錫を表層めっき膜に用いた場合には、表層めっきの表面が不導体である自然酸化膜によって覆われる。そのため、導電性の観点から、自然酸化膜を大きな荷重をかけて破壊したり、はぎ取ったりするための機構を設けることが好ましい。しかしながら、このような機構を設けると、コネクタ端子の形状に起因し、高周波信号の品質が低下するおそれがある。
このように、電気接点に用いられる金属めっきは、導電性の確保及び母材の保護に有用であるものの、製造コストの増加又は高周波信号の品質低下などを招く場合がある。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、グラフェン膜を用いることで、電気接点に金属めっきを用いなくても相手方電線と電気的に接続することが可能な電線及びこれを用いた電気接続部品、端子付き電線並びに電線の製造方法を提供することにある。
本発明の態様に係る電線は、導体と、導体を被覆する絶縁層とを備え、導体の軸方向の端面はグラフェン膜で被覆されている。
本発明の他の態様に係る電気接続部品は、導体と、導体を被覆する絶縁層とを含む一対の電線を備え、一対の電線の各々における導体の軸方向の端面はグラフェン膜で被覆されている。そして、一対の電線における各々のグラフェン膜同士が接触している。
本発明の他の態様に係る端子付き電線は、導体と、導体を被覆する絶縁層とを含み、導体の軸方向の端面がグラフェン膜で被覆されている電線を備える。端子付き電線は、端面のグラフェン膜が相手方電線と接触して電線と相手方電線とが電気的に接続されるように電線に設けられた端子を備える。
本発明の他の態様に係る電線の製造方法は、導体と、導体を被覆する絶縁層とを備える電線の製造方法であって、上記方法では、電気泳動堆積法を用い、導体の軸方向の端面をグラフェン膜で被覆する。
本発明によれば、グラフェン膜を用いることで、電気接点に金属めっきを用いなくても相手方電線と電気的に接続することが可能な電線及びこれを用いた電気接続部品、端子付き電線並びに電線の製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る電線の一例を示す斜視図である。 本実施形態に係る電線の一例を示す断面図である。 一対の電線を接続する前の状態の一例を示す斜視図である。 一対の電線を接続した後の状態の一例を示す側面図である。 本実施形態に係る電線の製造方法の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る端子付き電線の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る端子付き電線の別の例を示す断面図である。 第1端子付き電線と第2端子付き電線とを接続する前の状態の一例を示す断面図である。 第1端子付き電線と第2端子付き電線とを接続した後の状態の一例を示す断面図である。
以下、図面を用いて本実施形態に係る電線及びその製造方法、電気接続部品並びに端子付き電線について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
[電線]
まず、本実施形態に係る電線10について図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る電線10は、導体11と、導体11を被覆する絶縁層12とを備えている。
導体11は軸方向に延在している。導体11は、1本の素線のみで構成されていてもよく、複数の素線を撚り合わせた集合撚線であってもよく、複数の集合撚線を撚り合わせた複合撚線であってもよい。導体11の径は、0.2mm以上であってもよく、1mm以上であってもよく、3mm以上であってもよく、5mm以上であってもよい。導体11の径は、30mm以下であってもよく、25mm以下であってもよく、20mm以下であってもよい。導体11は、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金などからなる群より選択される少なくとも1つの金属を含んでいてもよい。
絶縁層12は導体11を被覆している。具体的には、絶縁層12は、周方向に沿って導体11の外表面を取り囲むように被覆している。また、絶縁層12は導体11を軸方向に沿って被覆している。導体11の軸方向端部であって軸方向に垂直な径方向の外表面は、露出しないように絶縁層12によって被覆されていてもよく、絶縁層12の一部が剥ぎ取られて一部が露出していてもよい。本実施形態においては、導体11の外表面は周方向に沿って導体11の軸方向の端面に至るまで絶縁層12で被覆されている。これにより、導体11の端部を絶縁層12で保護することができ、絶縁層12の一部を剥ぎ取る必要がなくなる。
絶縁層12の厚さは、0.2mm以上であってもよく、0.4mm以上であってもよく、0.6mm以上であってもよい。また、絶縁層12の厚さは、2mm以下であってもよく、1.9mm以下であってもよく、1.8mm以下であってもよい。絶縁層12は樹脂組成物を含んでいてもよい。
樹脂組成物は、ポリオレフィン及びポリ塩化ビニルの少なくともいずれか一方を含んでいてもよい。ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン共重合体及びプロピレン共重合体からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含んでいてもよい。樹脂組成物中の樹脂は放射線照射などによって架橋されていてもよい。樹脂組成物は、難燃剤及び酸化防止剤など各種添加剤を含んでいてもよい。
電線10は、絶縁層12を被覆するシールド層と、当該シールド層をさらに被覆するシース層とをさらに備えていてもよい。シールド層は、導体11からの電磁波の放出を抑制することができる。シールド層は、金属箔又は網状金属部材であってもよい。シース層は樹脂組成物を含んでいてもよい。シース層の樹脂組成物の組成は、絶縁層12の樹脂組成物と同じであってもよく、異なっていてもよい。
導体11の軸方向の端面はグラフェン膜13で被覆されている。グラフェン膜13は、グラフェン又はグラフェンの積層体であってもよい。グラフェンは安価な炭素源を原料とした導電性の材料である。グラフェンは、炭素原子同士がsp結合して構成された平面状の六角形格子構造を有する1原子の厚さの膜状物質である。グラフェンは、導電性の材料であり、強磁性を有しないことから、数GHz~数十GHzといった高周波信号の品質低下を抑えることができる。また、グラフェンは、非金属であることから、酸化されにくく、電気接点として適している。
グラフェン膜13に含まれるグラフェンの層数は3層以上であってもよい。グラフェンを3層以上とすることにより、酸素及び水の侵入を防ぎ、イオンマイグレーションによる金属原子の移動を抑制することができる。グラフェンの層数の上限は特に限定されない。グラフェンの層数は、100層以下であってもよく、50層以下であってもよく、30層以下であってもよい。
グラフェン膜13の厚さは、接触信頼性の観点から0.9nm~10μmであってもよい。グラフェン膜13の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)によってグラフェン膜13の断面を観察して厚さを測定することにより得ることができる。
次に、電線10から電気接続部品1を製造する方法について図3及び図4を用いて説明する。図3は、一対の電線10を接続する前の状態の一例を示す斜視図である。図4は、一対の電線10を接続した後の状態の一例を示す側面図である。
まず、図3に示すように、電線10と相手方電線10とを含む一対の電線10を準備する。相手方電線10は電線10と同じであり、導体11と、導体11を被覆する絶縁層12とを含んでいる。一対の電線10の各々における導体11の軸方向の端面はグラフェン膜13で被覆されている。そして、一対の電線10における各々のグラフェン膜13が対向するように一対の電線10を配置する。次に、図4に示すように、一対の電線10同士を軸方向に近づけ、一対の電線10における各々のグラフェン膜13同士を接触させることにより、電気接続部品1が形成される。
以上説明したように、本実施形態に係る電線10は、導体11と、導体11を被覆する絶縁層12とを備え、導体11の軸方向の端面はグラフェン膜13で被覆されている。
本実施形態に係る電気接続部品1は、導体11と、導体11を被覆する絶縁層12とを含む一対の電線10を備えている。一対の電線10の各々における導体11の軸方向の端面はグラフェン膜13で被覆されている。一対の電線10の各々におけるグラフェン膜13同士が接触している。
グラフェン膜13は導電性を有していることから、グラフェン膜13同士を直接接触させることにより、一対の電線10の導体11がグラフェン膜13を介して電気的に接続される。そのため、本実施形態に係る電線10によれば、グラフェン膜13を用いることで、電気接点に金属めっきを用いなくても相手方電線10と電気的に接続することができる。
通常、導体11に用いられる銅及びアルミニウムのような金属は、表面に自然酸化膜が生成されているため、本実施形態のように導体11の端面同士を突き当てるだけでは良好な電気的接続を得ることができない。また、導体11の端面に銀めっき又は錫めっきを施した場合も、導体11の端面同士を突き当てるだけでは自然酸化膜を破壊又は除去することが容易でないため、良好な電気的接続を得ることができない。さらに、自然酸化膜が生成されにくい金めっきでは、銅などのコネクタ端子母材との間に反応抑制層として強磁性のニッケル層が必要となり、高周波信号を劣化させてしまうおそれがある。
一方、本実施形態に係る電線10では、金属めっきを施したコネクタ端子を用いなくても電気的な接続が可能になるため、金めっきのような高価な材料、並びに、銀及び錫のような金属めっきの自然酸化膜を除去する除去機構が不要になる。また、グラフェン膜13は強磁性を有していないため、数GHz~数十GHzといった高周波信号の品質劣化を抑えることができる。
[電線の製造方法]
次に、本実施形態に係る電線10の製造方法について図5を用いて説明する。本実施形態に係る電線10の製造方法では、電気泳動堆積法(EPD法)を用い、導体11の軸方向の端面をグラフェン膜13で被覆する。
図5は、電気泳動堆積法に用いられる電気泳動装置50を示している。電気泳動装置50は、電気泳動槽51と、分散液52と、カソード53と、アノード54とを含んでいる。電気泳動槽51には分散液52が収容されている。分散液52にはカソード53及びアノード54の少なくとも一部が浸されている。カソード53及びアノード54は直流電源55に接続されている。本実施形態においては、アノード54として電線10の導体11が用いられている。
分散液52は、グラフェン又は酸化グラフェンを含んでいている。分散液52の分散媒は水を含んでいてもよい。分散液52中のグラフェン又は酸化グラフェンの濃度は、適度な厚みのグラフェン膜13又は酸化グラフェン膜を形成する観点から、0.001mg/L以上500mg/L以下であってもよい。なお、上記濃度は、0.005mg/L以上であってもよく、50mg/L以下であってもよい。分散液52は、グラフェン又は酸化グラフェンの他に、pH緩衝液及び防腐剤等の種々の添加剤を含んでいてもよい。
カソード53は、可溶性陰極であってもよく、不溶性陰極であってもよい。可溶性陰極は、含燐銅、電気銅若しくは無酸素銅等の銅含有金属、又はニッケル若しくはニッケル合金等のニッケル含有金属であってもよい。不溶性陰極は、カーボン、白金又は白金コーティングを施したチタン等であってもよい。
電線10の導体11は、分散液52に浸漬する前において、端面の自然酸化膜が除去されてもよい。自然酸化膜は、研磨などによって物理的に除去してもよく、薬液によって化学的に除去してもよい。薬液は、自然酸化膜の特性に応じて適宜選択することができる。薬液は、例えば、硫酸、塩酸又は硝酸等の酸性溶液であってもよい。
電気泳動堆積法では、直流電源55によってカソード53とアノード54との間に電圧を印加すると、分散液52中のグラフェン又は酸化グラフェンが、アノード54である導体11に向かって泳動し、導体11の軸方向の端面に堆積する。これにより、導体11の端面にグラフェン膜13又は酸化グラフェン膜が形成される。
導体11の端面にグラフェン膜13又は酸化グラフェン膜を形成した後は、電線10を分散液52から引き上げ、その後乾燥してもよい。グラフェン膜13又は酸化グラフェン膜を乾燥させる際の乾燥温度は、80℃~120℃であってもよい。乾燥時間は、5分~30分であってもよい。乾燥雰囲気は、電線10の導体11の酸化を防ぐため、窒素などの不活性ガス雰囲気であってもよい。
導体11の端面に酸化グラフェン膜を形成した場合には、酸化グラフェン膜を還元してグラフェン膜13を生成してもよい。酸化グラフェン膜は、化学還元処理、熱還元処理、又は光還元処理等の公知の方法により還元してもよい。
グラフェン膜13又は酸化グラフェン膜の厚さは、分散液52中のグラフェン又は酸化グラフェンの濃度、カソード53及びアノード54の電極間の電圧及び電圧の印加時間を調整することで制御することができる。例えば、電極間の電圧を高くしたり、電圧の印加時間を長くしたりすることにより、グラフェン膜13又は酸化グラフェン膜の厚さを厚くすることができる。一方、電極間の電圧を低くしたり、電圧の印加時間を短くしたりすることにより、グラフェン膜13又は酸化グラフェン膜の厚さを薄くすることができる。
なお、本実施形態では、電線10の導体11をアノード54とし、電気泳動堆積法によって導体11の端面にグラフェン膜又は酸化グラフェン膜を形成した。しかしながら、分散液52のpHを調整し、分散液52中のグラフェン又は酸化グラフェンのゼータ電位を負から正に変えることにより、電線10の導体11をカソード53とすることができる。
以上説明した通り、本実施形態に係る電線10の製造方法は、導体11と、導体11を被覆する絶縁層12とを備える電線10の製造方法であって、電気泳動堆積法を用い、導体11の軸方向の端面をグラフェン膜13で被覆する。
電気泳動堆積法は、熱処理を必要とせず、非真空、常温で成膜可能なため、導体11の端面にグラフェン膜13を低コストで容易に形成することができる。
なお、本実施形態では、電気泳動堆積法を用い、導体11の端面をグラフェン膜13で被覆する例について説明したが、導体11の端面をグラフェン膜13で被覆する方法はこれに限定されない。例えば、CVD(chemical vapor deposition)法、転写法、合成法を用い、導体11の端面をグラフェン膜13で被覆してもよい。転写法では、グラフェン膜13が表面に配置された押圧用部材を導体11の端面に押圧し、グラフェン膜13を導体11の端面に転写してもよい。合成法では、ポリメタクリル酸メチルなどの有機材料及び酸化グラフェンなどの炭素源が配置された導体11の端面をレーザで加熱することによりグラフェン膜13を合成してもよい。これらの方法により、導体11の端面をグラフェン膜13で被覆することができる。
[端子付き電線]
次に、本実施形態に係る端子付き電線100について図6及び図7を用いて説明する。図6は、端子付き電線100の一例である第1端子付き電線200を示す断面図である。図7は、端子付き電線100の一例である第2端子付き電線300を示す断面図である。
まず、本実施形態に係る第1端子付き電線200について図6を用いて説明する。図6に示すように、第1端子付き電線200は、電線10と、端子210(端子110)とを備えている。端子210は、端面のグラフェン膜13が第2端子付き電線300の電線10である相手方電線10と接触して電線10と相手方電線10とが電気的に接続されるように電線10に設けられている。具体的には、グラフェン膜13は端子210と接触しないように導体11の端面に設けられている。そして、端子210は、グラフェン膜13が端子210の外側から視認可能なように電線10に設けられている。また、電線10は端子210に対して軸方向に揺動可能なように設けられている。端子210は、第1保持部220と、第1ハウジング230とを含んでいる。
第1保持部220は、電線10の外周面を挟持して電線10を保持している。第1保持部220は、挟持部221と、規制部222と、押部223とを含んでいる。
挟持部221は、第2端子付き電線300の調芯部321を挟持するように設けられている。挟持部221は、グラフェン膜13が設けられた導体11の端部近傍に配置されている。挟持部221は、電線10の周方向に沿って電線10と空間を空けて電線10を取り囲んでいる。挟持部221は、電線10との間の空間に第2端子付き電線300の調芯部321の筒状壁部が挿入可能なように設けられている。調芯部321が挟持部221によって挟持されることにより、第1端子付き電線200と第2端子付き電線300との径方向の位置が調整される。
挟持部221は、電線10と対向する位置に配置され、電線10に向かって突出するように設けられた突起部221aを含んでいてもよい。突起部221aは、調芯部321の外表面と接触することによって第1端子付き電線200から第2端子付き電線300が抜けないように第1端子付き電線200と第2端子付き電線300との接続を確実にしている。
規制部222は、第1端子付き電線200の電線10の外表面に沿って電線10を取り囲んでいる。そのため、規制部222は、第1端子付き電線200の電線10が第2端子付き電線300の相手方電線10によって軸方向に押圧された場合に第1端子付き電線200の電線10が屈曲することを抑制することができる。
押部223は、第1保持部220の挟持部221とは反対側の端部に設けられている。押部223は、電線10が相手方電線10によって軸方向に押圧された場合に、電線10に相手方電線10を押し返す力を付与する。具体的には、押部223は、収容部223aと、収容部223aに収容された弾性体223bとを含んでいる。収容部223aは、電線10の外周を取り囲んでおり、内部に電線10及び弾性体223bが配置された空間を有している。本実施形態では弾性体223bとしてコイルバネを用いており、コイルバネは電線10に巻き付くように設けられている。コイルバネの一端は弾性体固定部223cを介して電線10に固定されている。
図8に示すように、第1端子付き電線200の電線10が相手方電線10に押圧されていない場合には、コイルバネは収容部223aの軸方向に対向する一対の内壁と当接している。弾性体固定部223cは、一対の対向する内壁のうちグラフェン膜13側に設けられた内壁に近い位置に配置されている。
図9に示すように、第1端子付き電線200の電線10が相手方電線10に押圧されている場合には、コイルバネの一端は、一対の内壁のうちグラフェン膜13から離れている内壁と当接している。一方、コイルバネのもう一端は弾性体固定部223cを介して電線10に固定されている。そのため、電線10が軸方向に押圧されることにより、コイルバネが圧縮される。弾性体の復元力により、押部223は、電線10によって相手方電線10を押し返すため、電線10と相手方電線10とがグラフェン膜13を介して押し付けられた状態を維持することができる。
第1ハウジング230は、第1保持部220の外表面を覆っている。第1ハウジング230の第2接合部231は、第1保持部220の径方向外表面に設けられた第1接合部224と接合している。
次に、本実施形態に係る第2端子付き電線300について図7を用いて説明する。図7に示すように、第2端子付き電線300は、電線10と、端子310(端子110)とを備えている。端子310は、端面のグラフェン膜13が第1端子付き電線200の電線10である相手方電線10と接触して電線10と相手方電線10とが電気的に接続されるように電線10に設けられている。具体的には、グラフェン膜13は端子310と接触しないように導体11の端面に設けられている。そして、端子310は、グラフェン膜13が端子310の外側から視認可能なように電線10に設けられている。端子310は、電線10と、第2保持部320と、第2ハウジング330とを備えている。
第2保持部320は、電線10の外周面を挟持して電線10を保持している。第2保持部320は、調芯部321と、電線固定部322とを含んでいる。
調芯部321は、電線10の外周を取り囲み、かつ、相手方電線10を軸方向において電線10に近づけて接触させた場合に相手方電線10が電線10と電気的に接続されるように電線10に対して相手方電線10の径方向の位置を調整する。調芯部321により、電線10と相手方電線10の接続位置が調整されるため、電線10と相手方電線10との電気的な接続をより確実にすることができる。
調芯部321は、電線10の外表面に沿って軸方向に延在し、電線10の外径よりも大きい内径を有する円筒状部材である。調芯部321は、被覆部321aと、被覆部321aに対して軸方向に連続して形成された非被覆部321bとを含んでいる。被覆部321aは、電線10の周方向の外表面を被覆して電線10が調芯部321内で径方向に動くのを抑制している。非被覆部321bは相手方電線10が挿入可能なように設けられており、非被覆部321bで囲われた空間内には第2端子付き電線300の電線10は配置されていない。調芯部321は被覆部321aと非被覆部321bとが軸方向に連続して形成されている。そのため、相手方電線10が調芯部321に挿入されることにより、相手方電線10の径方向の位置が第2端子付き電線300の電線10の径方向の位置と同じになるように調整される。
電線固定部322は、電線10を外表面から挟持することによって第2端子付き電線300の電線10が端子310に対して軸方向に揺動しないように固定している。これにより、相手方電線10によって第2端子付き電線300の電線10が押圧されても軸方向に移動しにくい。そのため、第2端子付き電線300の電線10が、相手方電線10を軸方向に押圧した状態を維持することが容易になる。
第2ハウジング330は、第2保持部320の外表面を覆っている。第2ハウジング330の第4接合部331は、第2保持部320の径方向外表面に設けられた第3接合部323を介して接合している。
次に、図8及び図9を用いて第1端子付き電線200及び第2端子付き電線300から電気接続部品1を製造する方法について説明する。図8は、第1端子付き電線200と第2端子付き電線300とを接続する前の状態の一例を示す断面図である。図9は、第1端子付き電線200と第2端子付き電線300とを接続した後の状態の一例を示す断面図である。
まず、図8に示すように、第1端子付き電線200の電線10と第2端子付き電線300の電線10とを含む一対の端子付き電線100を準備する。一対の端子付き電線100の各々における導体11の軸方向の端面はグラフェン膜13で被覆されている。そして、一対の電線10における各々のグラフェン膜13が対向するように第1端子付き電線200と第2端子付き電線300とを配置する。
次に、図9に示すように、第1端子付き電線200と第2端子付き電線300とを軸方向に近づけることにより、電気接続部品1が形成される。具体的には、一対の電線10における各々のグラフェン膜13同士を接触させることにより、第1端子付き電線200の導体11と、第2端子付き電線300の導体11とが、グラフェン膜13を介して電気的に接続される。このように、本実施形態に係る端子付き電線100によれば、グラフェン膜13を用いることで、電気接点に金属めっきを用いなくても相手方電線10と電気的に接続することができる。
以上説明した通り、本実施形態に係る端子付き電線100は、電線10と、端子110とを備えている。電線10は、導体11と、導体11を被覆する絶縁層12とを含み、導体11の軸方向の端面がグラフェン膜13で被覆されている。端子110は、端面のグラフェン膜13が相手方電線10と接触して電線10と相手方電線10とが電気的に接続されるように電線10に設けられている。
本実施形態に係る端子付き電線100は端面のグラフェン膜13が相手方電線10と接触して電線10と相手方電線10とが電気的に接続されるように電線10に設けられた端子110を備えている。そのため、電線10の取り扱いを容易にするとともに、グラフェン膜13を用いることで、電気接点に金属めっきを用いなくても相手方電線10と電気的に接続することができる。
また、端子110は、電線10が相手方電線10によって軸方向に押圧された場合に、電線10に相手方電線10を押し返す力を付与する押部223を含んでいてもよい。押部223により、第1端子付き電線200の電線10が、第2端子付き電線300の電線10を軸方向に押圧した状態で接続される。また、第2端子付き電線300が第1端子付き電線200に対して離れる方向に移動した場合であっても、第1端子付き電線200の電線10が押し戻されるため、第2端子付き電線300の電線10に追従する。そのため、第1端子付き電線200の電線10と第2端子付き電線300の電線10との電気的接続が良好に維持される。
また、端子110は調芯部321を含んでいてもよい。調芯部321は、電線10の外周を取り囲み、かつ、相手方電線10を軸方向において電線10に近づけて接触させた場合に相手方電線10が電線10と電気的に接続されるように電線10に対して相手方電線10の径方向の位置を調整する。調芯部321により、電線10と相手方電線10の接続位置が調整されるため、電線10と相手方電線10との電気的な接続をより確実にすることができる。
なお、上記実施形態では、第1端子付き電線200の端子210が押部223を含み、第2端子付き電線300の端子310が調芯部321を含む例について説明した。しかしながら、端子付き電線100は、押部223及び調芯部321を含む端子110を備えていてもよい。
また、上記実施形態では、調芯部321が電線10の外径よりも大きい内径を有する円筒状部材を含む場合について説明した。しかしながら、調芯部321の円筒状部材は電線10の外径よりも小さい内径を有しており、調芯部321にはスリットが軸方向に設けられていてもよい。このように、調芯部321を割りスリーブとし、円筒の中心部に向かって弾性力のような応力を発生させてもよい。調芯部321が割りスリーブ構造を有することにより、導体11同士を高精度に調芯することができる。
また、上記実施形態では、端子付き電線100が1本の電線10を備える例について説明した。しかしながら、端子付き電線100は、1本の電線10に代え、複数本の電線10を束ねたケーブルを用いてもよい。複数本の電線10を束ねたケーブルとしては、2本の電線を束ねたツイストペアケーブルなどが挙げられる。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 電気接続部品
10 電線
11 導体
12 絶縁層
13 グラフェン膜
100 端子付き電線
200 第1端子付き電線
210 端子
223 押部
300 第2端子付き電線
310 端子
321 調芯部

Claims (7)

  1. 導体と、
    前記導体を被覆する絶縁層と、
    を備え、
    前記導体の軸方向の端面はグラフェン膜で被覆されている、電線。
  2. 前記導体の外表面は周方向に沿って前記軸方向の前記端面に至るまで前記絶縁層で被覆されている、請求項1に記載の電線。
  3. 導体と、前記導体を被覆する絶縁層とを含む一対の電線を備え、
    前記一対の電線の各々における前記導体の軸方向の端面はグラフェン膜で被覆されており、
    前記一対の電線における各々の前記グラフェン膜同士が接触している、電気接続部品。
  4. 導体と、前記導体を被覆する絶縁層とを含み、前記導体の軸方向の端面がグラフェン膜で被覆されている電線と、
    前記端面の前記グラフェン膜が相手方電線と接触して前記電線と前記相手方電線とが電気的に接続されるように前記電線に設けられた端子と、
    を備える、端子付き電線。
  5. 前記端子は、前記電線が前記相手方電線によって前記軸方向に押圧された場合に、前記電線に前記相手方電線を押し返す力を付与する押部を含んでいる、請求項4に記載の端子付き電線。
  6. 前記端子は、前記電線の外周を取り囲み、かつ、相手方電線を前記軸方向において前記電線に近づけて接触させた場合に前記相手方電線が前記電線と電気的に接続されるように前記電線に対して前記相手方電線の径方向の位置を調整する調芯部を含んでいる、請求項4又は5に記載の端子付き電線。
  7. 導体と、前記導体を被覆する絶縁層とを備える電線の製造方法であって、
    電気泳動堆積法を用い、前記導体の軸方向の端面をグラフェン膜で被覆する、電線の製造方法。
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