JP2022185882A - 微細構造体用モールドおよび微細構造体用モールドの製造方法 - Google Patents

微細構造体用モールドおよび微細構造体用モールドの製造方法 Download PDF

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タン ヴィン グェン
Thanh Vinh Nguyen
正聡 一木
Masaaki Ichiki
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Abstract

【課題】柔軟な表面にも二重リエントラント構造を形成可能な微細構造体用モールドおよび微細構造体用モールドの製造方法を提供する。【解決手段】本開示の微細構造体用モールドは、表面31に複数の凹部12を備える基板30と、表面31上に設けられ、複数の貫通孔22を備える犠牲層20と、を備え、凹部12と貫通孔22とは、それぞれ互いに繋がっており、犠牲層20が、貫通孔22の凹部12側の開口部の周囲に、凹部12側に向かって突出する突出部24を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、微細構造体用モールドおよび微細構造体用モールドの製造方法に関する。
防汚表面やセルフクリーニング表面を形成するために、固体表面に撥液性を付与する研究が進められている。固体表面に撥液性を付与する技術としては、固体表面をフッ素樹脂、シリコン樹脂など撥液性を有する材料でコーティングする技術が知られている。
また、表面に撥液性を付与する他の技術としては、固体表面に微細な凹凸などの微細構造を形成することで、撥液性を付与する技術がある。
微細構造を形成することで撥液性を付与する技術としては、非特許文献1に、二重リエントラント構造(2重凹型構造)を備えたSi表面が開示されている。非特許文献1に開示された表面は二重リエントラント構造によって、水や有機溶媒などの任意の液体に対し高い撥液性を備えている。
T.L.Liu and C.-J. Kim,Science,vol.346, no.6213,pp.1096-1100,2014
しかし、非特許文献1の場合、Siのような剛体の表面に微細構造を形成しているので、柔らかい材質に適用することが困難であり、応用の範囲が限られていた。
本発明は、上記の事情を鑑みなされた発明であり、柔らかい材質の表面にも二重リエントラント構造を形成可能な微細構造体用モールドおよび微細構造体用モールドの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の一態様に係る微細構造体用モールドは、表面に複数の凹部を備える基板と、
前記表面上に設けられ、複数の貫通孔を備える犠牲層と、
を備え、
前記凹部と前記貫通孔とは、それぞれ互いに繋がっており、
前記犠牲層が、前記貫通孔の前記凹部側の開口部の周囲に、前記凹部側に向かって突出する突出部を備える。
(2)上記(1)に記載の微細構造体用モールドは、前記基板が単層基板であってもよい。
(3)上記(1)に記載の微細構造体用モールドは、前記基板が、ベース基材と、前記ベース基材上に設けられる、中間層と、前記中間層上に設けられ、前記凹部を備える凹部形成層とを備えてもよい。
(4)上記(3)に記載の微細構造体用モールドは、前記中間層がエッチングを抑制するエッチング抑制層であってもよい。
(5)上記(3)に記載の微細構造体用モールドは、前記ベース基材と、前記凹部形成層と、が光透過性材料からなり、前記中間層が前記光透過性材料と光不透過性材料とからなるマスクパターン層であってもよい。
(6)上記(3)~(5)のいずれか1つに記載の微細構造体用モールドは、前記凹部が、平面部と、曲面部とからなり、前記平面部が前記中間層の表面に位置してもよい。
(7)上記(1)または(2)に記載の微細構造体用モールドは、前記凹部が半球状であってもよい。
(8)本発明の一態様に係る微細構造体用モールドの製造方法は、
基板上に第1レジスト層を形成する第1レジスト層形成工程と、
前記第1レジスト層形成工程後に、前記第1レジスト層に露光を行う第1露光工程と、
前記第1露光工程後に、前記第1レジスト層に突出部形成用パターンを形成する第1現像工程と、
第1現像工程後に、エッチングによって、前記基板に突出部形成用凹部を形成する第1凹部形成工程と、
第1凹部形成工程後に、前記突出部形成用パターンを形成した前記第1レジスト層を除去する第1レジスト層除去工程と、
前記第1レジスト層除去工程後に、前記基板上に犠牲層を形成する第2レジスト層形成工程と、
前記第2レジスト層形成工程後に、前記犠牲層に露光を行う第2露光工程と、
前記第2露光工程後に、現像を行い、前記犠牲層に貫通孔を形成する、第2現像工程と、
前記第2現像工程後に、等方性エッチングを行い、前記基板に凹部を形成する第2凹部形成工程と、
を備える。
(9)上記(8)に記載の微細構造体用モールドの製造方法は、前記第1凹部形成工程の前記エッチングが異方性エッチングであってもよい。
(10)上記(8)に記載の微細構造体用モールドの製造方法は、前記第1凹部形成工程の前記エッチングが等方性エッチングであってもよい。
(11)上記(8)~(10)のいずれか1つに記載の微細構造体用モールドの製造方法は、前記基板が単層基板であってもよい。
(12)上記(8)~(10)のいずれか1つに記載の微細構造体用モールドの製造方法は、
前記基板が、
ベース基材と、
前記ベース基材上に設けられる、中間層と、
前記中間層上に設けられる、凹部形成層とを
備えてもよい。
(13)上記(12)に記載の微細構造体用モールドの製造方法は、前記中間層がエッチングを抑制するエッチング抑制層であってもよい。
(14)上記(12)に記載の微細構造体用モールドの製造方法は、前記ベース基材と、前記凹部形成層と、が光透過性材料からなり、前記中間層が前記光透過性材料と光不透過性材料とからなるマスクパターン層であってもよい。
(15)上記(14)に記載の微細構造体用モールドの製造方法は、第1露光工程および第2露光工程において、ベース基材側から露光してもよい。
本開示の上記態様によれば、柔らかい材質の表面にも二重リエントラント構造を形成可能な微細構造体用モールドおよび微細構造体用モールドの製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る微細構造体用モールドの模式平面図である。 図1中に示された微細構造体用モールドのF1-F1線に沿う模式断面図である。 図2の微細構造体用モールドの拡大断面図である。 二重リエントラント構造と液体との接触角を説明するための図である。 第1実施形態の製造方法を示すフローチャートである。 図5の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 図5の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 図5の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 図5の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 図5の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 図5の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 第2実施形態に係る微細構造体用モールドの模式平面図である。 図7中に示された微細構造体用モールドのF7-F7線に沿う模式断面図である。 第2実施形態の製造方法を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る微細構造体用モールドの模式平面図である。 図10中に示された微細構造体用モールドのF10-F10線に沿う模式断面図である。 図11の微細構造体用モールドの拡大断面図である。 第3実施形態の製造方法を示すフローチャートである。 図13の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 図13の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 図13の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 図13の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 第4実施形態に係る微細構造体用モールドの模式平面図である。 図15中に示された微細構造体用モールドのF15-F15線に沿う模式断面図である。 第4実施形態の製造方法を示すフローチャートである。 図17の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 図17の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 図17の製造方法の製造工程の一例を示す図である。 実施例1のPDMS膜のSEM観察の結果を示す図である。 比較例1のPDMS膜のSEM観察の結果を示す図である。 実施例1のPDMS膜および比較例1のPDMS膜の接触角測定の結果を示す図である。
<第1実施形態>
以下、図1および図2を参照し、第1実施形態の微細構造体用モールドを説明する。図1は、第1実施形態に係る微細構造体用モールドの模式平面図であり、図2は、図1の微細構造体用モールド100のF1-F1線に沿う断面図である。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。以下の説明では、互いに同一又は類似の機能を有する構成に、同一の符号を付す。互いに同一又は類似の機能を有する構成については、繰り返し説明しない場合がある。
なお、本明細書において、X方向は、基板30の表面31と平行な方向である。Y方向は、基板30の表面31と平行な方向であり、かつ、X方向と直交する方向である。Z方向は、基板30の厚さ方向であり、X方向とY方向と直交する。Z方向に上の方向とは、Z方向に沿って、基板30から犠牲層20に向かう方向である。Z方向に下の方向とは、Z方向に沿って、犠牲層20から基板30に向かう方向である。
第1実施形態に係る微細構造体用モールド100は、表面31に複数の凹部12を備える基板30と、表面31上に設けられ、複数の貫通孔22を備える犠牲層20と、を備え、凹部12と貫通孔22とは、それぞれ互いに繋がっており、犠牲層20が、貫通孔22の凹部12側の開口部の周囲に、凹部12側に向かって突出する突出部24を備える。以下、各部について説明する。
(基板)
第1実施形態の基板30は、ベース基材32、中間層34、凹部形成層36を備える。このような基板としては、例えば、Si基板と表面Si層の間にSiOを挿入したSOI基板がある。
「ベース基材」
ベース基材32の材質は、特に限定されない。ベース基材32としては、例えば、Si基板、ガラス基板などを用いることができる。ベース基材の厚さは特に限定されない。例えば、厚さは、100μm~500μmである。
「中間層」
中間層34は、ベース基材32上に設けられる。中間層34は、エッチングを抑えるエッチング抑制層である。中間層34の材質は、凹部12を形成する際にエッチングされにくい(エッチング速度が大きく低下する)のであれば、特に限定されない。中間層34としては、SiO層、Crなどの金属層などを用いることができる。中間層34の厚さは特に限定されない。中間層34の厚さは、例えば、1μm~10μmである。
「凹部形成層」
凹部形成層36は、中間層34上に設けられる。凹部形成層36の表面(基板30の表面)31には、凹部12が形成されている。凹部形成層36の材質は、特に限定されないが、例えば、Siである。第1実施形態の微細構造体用モールド100では、凹部12の平面部14が中間層34の表面に位置する。凹部形成層36の厚さは形成する凹部12の大きさによって適宜調整できる。凹部形成層36の厚さは、例えば、1μm~30μmである。
「凹部」
凹部12は、平面部14と曲面部16とからなる。第1実施形態では、平面部14の形状は特に限定されないが、例えば、円形である。曲面部16は、平面部14と連続して接続される。また、曲面部16は、平面部14の周囲に存在する。撥液性を改善するためには、微細構造と液体との接触面積を小さくすることが好ましい。基板30の表面31と平行な方向における曲面部16の最大長さ(円形の場合、直径)Wは例えば、1μm~50μmである。平面部14を設けることで、微細構造体用モールド100で作製される微細構造と液体との接触面積を小さくすることができる。また、曲面部16のZ方向の最大長さ(高さ)hは、例えばWの0.1倍~1倍である。
凹部12は、凹部形成層36の表面31に複数設けられている。凹部12の数は撥液性が得られるのであれば、特に限定されない。凹部12は、互いに一定間隔で配置されていることが好ましい。凹部12の配置間隔が狭いほど、微細構造体用モールド100で形成された微細構造体に係る圧力を低減できる。また、凹部12の配置間隔が広い程、液体が微細構造の間に入りやすくなり、撥液性を保ちにくくなる。そのため、配置間隔としては、例えば、曲面部16の最大長さWの2倍~10倍である。
(犠牲層)
犠牲層20は、基板30の表面31上に設けられる。微細構造体用モールド100に樹脂などの柔軟な樹脂を流し込み、樹脂を固めた後に、犠牲層20を有機溶剤などで溶解させることで、柔軟な樹脂からなる微細構造を壊さずに微細構造体用モールド100から剥離することができる。犠牲層20の材質は、モールド内で微細構造を形成した後、有機溶剤などで剥離できるのであれば、特に限定されない。犠牲層20としては、例えば、フォトレジストなどを用いることができる。犠牲層20の厚さは、例えば、1~30μmである。
「貫通孔」
犠牲層20は複数の貫通孔22を備える。貫通孔22と凹部12とはそれぞれ互いに繋がっている。貫通孔22のX方向の範囲と貫通孔22に繋がっている凹部12のX方向の範囲とは重複する。同様に、貫通孔22のY方向の範囲と貫通孔22に繋がっている凹部12のY方向の範囲とは重複する。基板30の表面31と平行な方向における貫通孔22の断面形状(XY平面での形状)は特に限定されず、例えば、円状、四角状などであってもよい。特に好ましくは、貫通孔22の断面形状は円状である。貫通孔22の断面における最大長さ(貫通孔22が円状の場合は直径)Wは、特に限定されないが、例えば、曲面部16の最大長さの0.2倍~0.5倍である。基板30の表面31と平行な方向において、貫通孔22の最大長さは、曲面部16の最大長さ(直径)Wよりも小さい。
犠牲層20は、貫通孔22の凹部12側の開口部の周囲に、凹部12側に向かって突出する突出部24を備える。突出部24は、犠牲層20と基板30との界面から基板30側の領域に存在する犠牲層20の一部である。突出部24があることで、微細構造体用モールド100に樹脂を流し込んで固めた際に、二重リエントラント構造を形成することができる。犠牲層20および基板30の界面Tと突出部24とのなす角度(図3に記載の角度)θは、微細構造体用モールド100により形成した二重リエントラント構造と液体との接触角θγが30°よりも小さくなるのであれば特に限定されない(図4)。図3は、図2の断面図の一部拡大図であり、図4は、微細構造体用モールド100を用いて形成した微細構造(二重リエントラント構造)300と液体400との接触角を説明するための図である。角度θは、例えば、80°~100°である。
<微細構造体用モールドの製造方法>
次に、図5、図6A~6Fを用い、第1実施形態に係る微細構造体用モールド100の製造方法S100について説明する。図5は、第1実施形態の製造方法を示すフローチャートである。図6A~6Fは、図5の製造方法の製造工程の一例を示す図である。基板30上に第1レジスト層50を形成する第1レジスト層形成工程S1と、第1レジスト層形成工程S1後に、第1レジスト層50に露光を行う第1露光工程S2と、第1露光工程S2後に、第1レジスト層50に突出部形成用パターン51を形成する第1現像工程S3と、第1現像工程S3後に、エッチングによって、基板30に突出部形成用凹部60を形成する第1凹部形成工程S4と、第1凹部形成工程S4後に、突出部形成用パターン51を形成した第1レジスト層50を除去する第1レジスト層除去工程S5と、第1レジスト層除去工程S5後に、犠牲層20を形成する第2レジスト層形成工程S6と、第2レジスト層形成工程S6後に、犠牲層20に露光を行う第2露光工程S7と、第2露光工程S7後に、現像を行い、犠牲層20に貫通孔22を形成する、第2現像工程S8と、第2現像工程S8後に、等方性エッチングを行い、凹部12を形成する第2凹部形成工程S9と、を備える。以下、各工程について説明する。
(第1レジスト層形成工程S1)
第1レジスト層形成工程S1において、基板30上に第1レジスト層50を形成する(図6A)。例えば、基板30上にフォトレジストを塗布し、第1レジスト層50を形成して、第1レジスト層形成基板を得る。第1レジスト層50を形成するためのフォトレジストはネガ型レジスト、ポジ型レジストどちらを使用してもよい。フォトレジストとしては、microchemical社製AZ P4210などを用いることができる。第1実施形態では、基板30は、ベース基材32、中間層34、凹部形成層36を備える。
第1レジスト層の厚さは特に限定されないが、例えば、1~10μmである。第1レジスト層の形成方法は特に限定されないが、例えばスピンコートによって形成することができる。基板は、フッ化水素酸の水溶液で洗浄してもよい。
(第1露光工程)
第1露光工程S2では、第1レジスト層形成工程S1後に、所定の穴のパターンが形成されたフォトマスクなどを用い、第1レジスト層に対し、公知の方法で露光する。
(第1現像工程)
第1現像工程S3では、第1露光工程S2の後に、第1レジスト層50に突出部形成用パターン51を形成する(図6B)。具体的には、現像液に露光後の基板を浸漬することで、第1レジスト層の一部を除去し、基板上に突出部形成用パターンを形成する。
(第1凹部形成工程)
第1凹部形成工程S4では、第1現像工程S3後に、エッチングによって、突出部形成用凹部60を形成する(図6C)。第1実施形態では、等方性エッチングを行う。等方性エッチングとは、エッチングの反応が全ての方向に向かって起こるエッチングである。突出部形成用凹部60は、DRIE(deep reactive ion etching)で形成することができる。エッチングの条件は適宜調整することができる。エッチングガスは、エッチングする材質によって、変えることができる。例えば、Siを等方性エッチングする場合は、SFを用いることができる。
(第1レジスト層除去工程S5)
次に、第1レジスト層除去工程S5では、第1凹部形成工程S4の後に、突出部形成用パターン51を形成した第1レジスト層50を除去する。第1レジスト層50の除去の方法は特に限定されない。例えば、露光後のレジストを溶解可能な溶剤を用いて除去してもよいし、Oプラズマ等のアッシングで除去してもよい。溶剤としては、アセトン、イソプロパノールが挙げられる。溶剤を用いて第1レジスト層50を除去する場合は、溶剤中に基板を浸漬し、超音波洗浄を行うことが好ましい。
(第2レジスト層形成工程)
第2レジスト層形成工程S6では、第1レジスト層除去工程S5の後に、基板30上に犠牲層20を形成する(図6D)。第1レジスト層50を除去した後の基板30上にフォトレジストを塗布し、犠牲層20を形成する。犠牲層20を形成するためのフォトレジストは、ネガ型レジスト、ポジ型レジストどちらを使用してもよい。フォトレジストとしては、例えば、microchemical社製AZ P4903などを用いることができる。犠牲層20の厚さは、例えば、5~30μmである。
(第2露光工程)
第2露光工程S7では、第2レジスト層形成工程S6後に、犠牲層20に露光を行う。例えば、所定の穴のパターンが形成されたフォトマスクを用い、犠牲層20に対し、公知の方法で露光する。なお、突出部形成用凹部60の中心位置と、後の工程で形成される貫通孔の中心位置が合うように、フォトマスクの位置合わせを行う。
(第2現像工程)
第2現像工程S8では、第2露光工程S7後に、現像を行い、犠牲層20に貫通孔を形成する(図6E)。具体的には、現像液に露光後の基板を浸漬することで、犠牲層20の一部を除去し、犠牲層20に貫通孔22を形成する。
(第2凹部形成工程)
第2凹部形成工程S9では、第2現像工程S8後に、等方性エッチングを行い、基板30に凹部12を形成する(図6F)。微細構造体用モールドの製造方法S100において、基板30が中間層34を備えているので、中間層34でエッチングの速度が大きく低下する。一方凹部形成層36の等方性エッチングは進行する。これによって、中間層34の表面の位置に凹部12の平面部14が形成され、それ以外の部分において、曲面部16が形成される。また、突出部形成用凹部60に入り込んだ犠牲層20の一部はエッチングされず、当該犠牲層20の一部の周囲にある凹部形成層36がエッチングされることで、突出部24が形成される。基板30に凹部12および突出部24が形成されることで、微細構造体用モールド100が得られる。
(微細構造体の製造方法)
得られた微細構造体用モールド100の貫通孔22に樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS))を流し込む。微細構造体用モールド100内で、樹脂を硬化反応などで固化させ、微細構造体300を形成する。微細構造体300を形成後、有機溶剤などで犠牲層20を除去することで微細構造体300を得ることができる。樹脂を流し込む前に、樹脂と微細構造体用モールド100との剥離を促すための剥離層(例えばCの薄層)を形成してもよい。
<第2実施形態>
以下、図7および図8を参照し、第2実施形態の微細構造体用モールド100Aを説明する。図7は第2実施形態に係る微細構造体用モールドの模式平面図であり、図8は、図7の微細構造体用モールド100のF7-F7線に沿う断面図である。第2実施形態に係る微細構造体用モールド100Aは、表面31Aに複数の凹部12Aを備える基板30Aと、表面31A上に設けられ、複数の貫通孔22を備える犠牲層20と、を備え、凹部12Aと貫通孔22とは、それぞれ互いに繋がっており、犠牲層20が、貫通孔22の凹部12A側の開口部の周囲に、凹部12A側に向かって突出する突出部24を備える。以下、各部について説明する。
(基板)
第1実施形態の基板30Aは、単層基板である。単層基板としては、例えば、Si基板がある。基板30Aの表面31Aには、凹部12Aが形成されている。基板30Aの厚さは、特に限定されない。基板30Aの厚さは、例えば、100μm~500μmである。
「凹部」
凹部12Aは、半球状である。基板30Aの表面31Aと平行な方向における凹部12Aの最大長さ(直径)W2は例えば、1μm~50μmである。また、曲面部16のZ方向の最大長さ(高さ)h2は、例えばW2の0.1倍~1倍である。
凹部12Aは、基板30Aの表面31Aに複数設けられている。凹部12Aの数は撥液性が得られるのであれば、特に限定されない。凹部12Aは、互いに一定間隔で配置されていることが好ましい。凹部12Aの配置間隔が狭いほど、微細構造体用モールド100で形成された微細構造体に係る圧力を低減できる。また、凹部12Aの配置間隔が広い程、液体が微細構造の間に入りやすくなり、撥液性を保ちにくくなる。配置間隔としては、例えば、凹部12Aの最大長さW2の2倍~10倍である。
「貫通孔」
貫通孔22の断面における最大長さ(貫通孔22が円状の場合は直径)は、特に限定されないが、例えば、凹部12Aの最大長さW2の0.2倍~0.5倍である。
<微細構造体用モールドの製造方法>
次に、図9を用い、第2実施形態に係る微細構造体用モールドの製造方法S100Aについて説明する。図9は、第2実施形態の製造方法を示すフローチャートである。複層の基板である基板30の代わりに単層基板である基板30Aを用いる以外、第1レジスト層形成工程S1~第2現像工程S8までの工程は微細構造体用モールドの製造方法S100と同じである。
(第2凹部形成工程)
第2凹部形成工程S9Aでは、第2現像工程S8後に、等方性エッチングを行い、基板30に凹部12Aを形成する。微細構造体用モールドの製造方法S100Aにおいて、基板30Aは単層基板であるので、半球状の凹部12Aが形成される。基板30Aに凹部12Aが形成されることで、微細構造体用モールド100Aが得られる。
<第3実施形態>
以下、図10および図11を参照し、第3実施形態の微細構造体用モールド100Bを説明する。図10は、第3実施形態に係る微細構造体用モールド100Bの模式平面図であり、図11は、図10の微細構造体用モールド100BのF10-F10線に沿う断面図である。
第3実施形態に係る微細構造体用モールド100Bは、表面31に複数の凹部12Bを備える基板30と、表面31上に設けられ、複数の貫通孔22を備える犠牲層20Bと、を備え、凹部12Bと貫通孔22とは、それぞれ互いに繋がっており、犠牲層20Bが、貫通孔22の凹部12B側の開口部の周囲に、凹部12B側に向かって突出する突出部24Bを備える。以下、各部について説明する。
「凹部」
凹部12Bは、平面部14Bと曲面部16Bとからなる。第3実施形態では、平面部14Bの形状は特に限定されないが、例えば、円形である。曲面部16Bは、平面部14Bと連続して接続される。また、曲面部16Bは、平面部14Bの周囲に存在する。撥液性を改善するためには、微細構造と液体との接触面積を小さくすることが好ましい。基板30の表面31と平行な方向における曲面部16Bの最大長さ(円形の場合、直径)W3は例えば、1μm~50μmである。第3実施形態では、最大長さW3は、犠牲層20と凹部形成層36との界面の位置での曲面部16Bの長さとなる。平面部14Bを設けることで、微細構造体用モールド100で作製される微細構造と液体との接触面積を小さくすることができる。また、曲面部16BのZ方向の最大長さ(高さ)h3は、例えばW3の0.1倍~1倍である。
凹部12Bは、凹部形成層36の表面31に複数設けられている。凹部12Bの数は撥液性が得られるのであれば、特に限定されない。凹部12Bは、互いに一定間隔で配置されていることが好ましい。凹部12Bの配置間隔が狭いほど、微細構造体用モールド100で形成された微細構造体に係る圧力を低減できる。また、凹部12Bの配置間隔が広い程、液体が微細構造の間に入りやすくなり、撥液性を保ちにくくなる。そのため、配置間隔としては、例えば、曲面部16Bの最大長さW3の2倍~10倍である。
(犠牲層)
犠牲層20Bは、基板30の表面31上に設けられる。微細構造体用モールド100Bに樹脂などの柔軟な樹脂を流し込み、樹脂を固めた後に、犠牲層20Bを有機溶剤などで溶解させることで、柔軟な樹脂からなる微細構造を壊さずに微細構造体用モールド100Bから剥離することができる。犠牲層20Bの材質は、モールド内で微細構造を形成した後、有機溶剤などで剥離できるのであれば、特に限定されない。犠牲層20Bとしては、例えば、フォトレジストなどを用いることができる。犠牲層20Bの厚さは、例えば、1~30μmである。
犠牲層20Bは複数の貫通孔22を備える。貫通孔22と凹部12Bとはそれぞれ互いに繋がっている。貫通孔22のX方向の範囲と貫通孔22に繋がっている凹部12BのX方向の範囲とは重複する。同様に、貫通孔22のY方向の範囲と貫通孔22に繋がっている凹部12BのY方向の範囲とは重複する。基板30の表面31と平行な方向における貫通孔22の断面形状(XY平面での形状)は特に限定されず、例えば、円状、四角状などであってもよい。特に好ましくは、貫通孔22の断面形状は円状である。貫通孔22の断面における最大長さ(貫通孔22が円形の場合は直径)3は、特に限定されないが、例えば、曲面部16Bの最大長さW3の0.2倍~0.5倍である。基板30の表面31と平行な方向において、貫通孔22の最大長は、曲面部16Bの最大長さ(直径)W3よりも小さい。
犠牲層20Bは、貫通孔22の凹部12B側の開口部の周囲に、凹部12B側に向かって突出する突出部24Bを備える。突出部24Bがあることで、微細構造体用モールド100に樹脂を流し込み、固めた際に、二重リエントラント構造を形成することができる。犠牲層20Bおよび基板30の界面を延長した方向T2と突出部24Bとのなす角度(図12に記載の角度)θ2は、微細構造体用モールド100Bにより形成した二重リエントラント構造と液体との接触角θγが30°よりも小さくなるのであれば特に限定されない。図12は、図11の微細構造体用モールド100Bの拡大断面図である。角度θ2は、80°~100°である。また、断面において、凹部12Bと犠牲層20Bとの境界点Bから突出部24BまでのX方向の距離dは、曲面部16Bの最大長さW3の5分の1以下が好ましい。距離dを最大長さWの5分の1以下とすることで、高い撥液性を表面に付与することができる。
<微細構造体用モールドの製造方法>
次に、図13、図14A~14Dを用い、第3実施形態に係る微細構造体用モールド100Bの製造方法S100Bについて説明する。図13は、第3実施形態の製造方法を示すフローチャートである。図14A~14Dは、図13の製造方法の製造工程の一例を示す図である。基板30上に第1レジスト層50を形成する第1レジスト層形成工程S1と、第1レジスト層形成工程S1後に、第1レジスト層50に露光を行う第1露光工程S2と、第1露光工程S2後に、第1レジスト層50に突出部形成用パターン51を形成する第1現像工程S3と、第1現像工程S3後に、異方性エッチングによって、基板30に突出部形成用凹部60Bを形成する第1凹部形成工程S4Bと、第1凹部形成工程S4B後に、突出部形成用パターン51を形成した第1レジスト層50を除去する第1レジスト層除去工程S5と、第1レジスト層除去工程S5後に、犠牲層20Bを形成する第2レジスト層形成工程S6Bと、第2レジスト層形成工程S6B後に、犠牲層20Bに露光を行う第2露光工程S7Bと、第2露光工程S7B後に、現像を行い、犠牲層20Bに貫通孔22を形成する、第2現像工程S8Bと、第2現像工程S8B後に、等方性エッチングを行い、凹部12Bを形成する第2凹部形成工程S9Bと、を備える。以下、各工程について説明する。
(第1凹部形成工程)
第1凹部形成工程S4Bでは、第1現像工程S3後に、エッチングによって、突出部形成用凹部60Bを形成する(図14A)。第3実施形態では、異方性エッチングを行う。異方性エッチングは、エッチングの反応に異方性がある(例えば、1方向に向かってエッチングの反応が起こる)エッチングである。突出部形成用凹部60Bは、DRIE(deep reactive ion etching)で形成することができる。エッチングの条件は適宜調整することができる。エッチングガスは、エッチングする材質によって、変えることができる。Siを異方性エッチングする場合は、例えばボッシュプロセスを用いることができる。
(第2レジスト層形成工程)
第2レジスト層形成工程S6Bでは、第1レジスト層除去工程S5の後に、基板30上に犠牲層20Bを形成する(図14B)。具体的には、第1レジスト層50を除去した後の基板30上にフォトレジストを塗布し、犠牲層20Bを形成する。犠牲層20Bを形成するためのフォトレジストは、ネガ型レジスト、ポジ型レジストどちらを使用してもよい。フォトレジストとしては、例えば、microchemical社製AZ P4903などを用いることができる。犠牲層20Bの厚さは、例えば、5~30μmである。
(第2露光工程)
第2露光工程S7Bでは、第2レジスト層形成工程S6B後に、犠牲層20Bに露光を行う。例えば、所定の穴のパターンが形成されたフォトマスクを用い、犠牲層20Bに対し、公知の方法で露光する。なお、突出部形成用凹部60Bの中心位置と、後の工程で形成される貫通孔22の中心位置が合うように、フォトマスクの位置合わせを行う。
(第2現像工程)
第2現像工程S8Bでは、第2露光工程S7B後に、現像を行い、犠牲層20Bに貫通孔22を形成する(図14C)。具体的には、現像液に露光後の基板を浸漬することで、犠牲層20Bの一部を除去し、犠牲層20Bに貫通孔22を形成する。
(第2凹部形成工程)
第2凹部形成工程S9Bでは、第2現像工程S8B後に、等方性エッチングを行い、基板30に凹部12Bを形成する(図14D)。微細構造体用モールドの製造方法S100において、基板30が中間層34を備えているので、中間層34でエッチング速度が大きく低下する。凹部形成層36の等方性エッチングは進む。これによって、中間層34の表面の位置に凹部12Bの平面部14Bが形成され、それ以外の部分において、曲面部16Bが形成される。突出部形成用凹部60Bに入り込んだ犠牲層20Bの一部はエッチングされず、当該犠牲層20Bの一部の周囲にある凹部形成層36がエッチングされることで、突出部24Bが形成される。基板30に凹部12Bおよび突出部24Bが形成されることで、微細構造体用モールド100Bが得られる。
<第4実施形態>
以下、図15および図16を参照し、第4実施形態の微細構造体用モールドを説明する。図15は、第4実施形態に係る微細構造体用モールド100Cの模式平面図であり、図16は、図15の微細構造体用モールド100CのF15-F15線に沿う断面図である。
第4実施形態に係る微細構造体用モールド100Cは、表面31Cに複数の凹部12Cを備える基板30Cと、表面31C上に設けられ、複数の貫通孔22を備える犠牲層20と、を備え、凹部12Cと貫通孔22とは、それぞれ互いに繋がっており、犠牲層20が、貫通孔22の凹部12C側の開口部の周囲に、凹部12C側に向かって突出する突出部24を備える。以下、各部について説明する。
(基板)
第4実施形態の基板30Cは、ベース基材32C、中間層34C、凹部形成層36Cを備える。
「ベース基材」
ベース基材32Cは、光透過性材料からなる。光透過性材料は特に限定されないが、例えばガラスである。ベース基材の厚さは特に限定されない。例えば、厚さは、300μmである。
「中間層」
中間層34Cは、ベース基材32C上に設けられる。中間層34Cは、光を通す光透過性材料と光を通さない光不透過性材料とからなる。中間層34Cには、光透過性材料と光不透過性材料とによって、貫通孔および突出部形成用パターンが形成されている。即ち、中間層34Cはフォトマスクの機能を有するマスクパターン層である。中間層34Cの材料は、フォトマスクの機能を有するのであれば、特に限定されない。中間層34Cとしては、光透過性材料として例えばSiO、光不透過性材料として例えば、Crなどの金属層などを用いることができる。中間層34Cの厚さは特に限定されない。中間層34Cの厚さは、例えば、0.5μm~1μmである。
「凹部形成層」
凹部形成層36Cは、中間層34C上に設けられる。凹部形成層36Cの表面(基板30Cの表面)31Cには、凹部12Cが形成されている。凹部形成層36Cの材質は、例えば、光透過性材料である。光透過性材料は特に限定されないが、例えばガラスである。凹部形成層36Cの厚さは形成する凹部12Cの大きさによって適宜調整できる。凹部形成層36Cの厚さは、例えば、1μm~30μmである。
「凹部」
凹部12Cは、平面部14Cと曲面部16Cとからなる。第4実施形態では、平面部14Cの形状は特に限定されないが、例えば、円形である。曲面部16Cは、平面部14Cと連続して接続される。また、曲面部16Cは、平面部14Cの周囲に存在する。撥液性を改善するためには、微細構造と液体との接触面積を小さくすることが好ましい。基板30Cの表面31Cと平行な方向における曲面部16Cの最大長さ(円形の場合、直径)W4は例えば、1μm~50μmである。平面部14Cを設けることで、微細構造体用モールド100Cで作製される微細構造と液体との接触面積を小さくすることができる。また、曲面部16のZ方向の最大長さ(高さ)h4は、例えばW4の0.1倍~1倍である。
凹部12Cは、凹部形成層36Cの表面31Cに複数設けられている。凹部12Cの数は撥液性が得られるのであれば、特に限定されない。凹部12Cは、互いに一定間隔で配置されていることが好ましい。凹部12Cの配置間隔が狭いほど、微細構造体用モールド100Cで形成された微細構造体に係る圧力を低減できる。また、凹部12Cの配置間隔が広い程、液体が微細構造の間に入りやすくなり、撥液性を保ちにくくなる。そのため、配置間隔としては、例えば、曲面部16Cの最大長さW4の2倍~10倍である。
<微細構造体用モールドの製造方法>
次に、図17、図18A~Cを用い、第4実施形態に係る微細構造体用モールドの製造方法S100Cについて説明する。図17は、第4実施形態の製造方法を示すフローチャートである。図18A~Cは、図17の製造方法の製造工程の一例を示す図である。基板30C上に第1レジスト層50を形成する第1レジスト層形成工程S1と、第1レジスト層形成工程S1後に、第1レジスト層50に露光を行う第1露光工程S2Cと、第1露光工程S2C後に、第1レジスト層50に突出部形成用パターン51を形成する第1現像工程S3Cと、第1現像工程S3C後に、エッチングによって、基板30に突出部形成用凹部60を形成する第1凹部形成工程S4と、第1凹部形成工程S4後に、突出部形成用パターン51を形成した第1レジスト層50を除去する第1レジスト層除去工程S5と、第1レジスト層除去工程S5後に、犠牲層20を形成する第2レジスト層形成工程S6と、第2レジスト層形成工程S6後に、犠牲層20に露光を行う第2露光工程S7Cと、第2露光工程S7C後に、現像を行い、犠牲層20に貫通孔22を形成する、第2現像工程S8Cと、第2現像工程S8C後に、等方性エッチングを行い、凹部12を形成する第2凹部形成工程S9Cと、を備える。
(第1露光工程)
第1露光工程S2Cでは、第1レジスト層形成工程S1後に、ベース基材32C側から公知の方法で露光をする。中間層34Cがフォトマスクとして機能するため、フォトマスクは必要ない。
(第1現像工程)
第1現像工程S3Cでは、第1露光工程S2Cの後に、第1レジスト層50に突出部形成用パターン51Cを形成する(図18A)。具体的には、現像液に露光後の基板を浸漬することで、第1レジスト層の一部を除去し、基板上に突出部形成用パターン51Cを形成する。
(第2露光工程)
第2露光工程S7Cでは、第2レジスト層形成工程S6後に、ベース基材32C側から犠牲層20に公知の方法で露光を行う。なお、中間層34Cがフォトマスクとして機能するので、別のフォトマスクは必要とせず、フォトマスクの位置合わせを行う必要もない。
(第2現像工程)
第2現像工程S8Cでは、第2露光工程S7C後に、現像を行い、犠牲層20に貫通孔を形成する(図18B)。具体的には、現像液に露光後の基板を浸漬することで、犠牲層20の一部を除去し、犠牲層20に貫通孔22を形成する。
(第2凹部形成工程)
第2凹部形成工程S9Cでは、第2現像工程S8C後に、等方性エッチングを行い、基板30Cに凹部12Cを形成する(図18C)。微細構造体用モールドの製造方法S100Cにおいて、中間層34Cがエッチングされないように凹部形成層36Cの厚さに応じてエッチングプロセスを変更する。第4実施形態では、平面部14Cおよび曲面部16Cを備える凹部16Cが形成される。突出部形成用凹部60に入り込んだ犠牲層20の一部はエッチングされず、当該犠牲層20の一部の周囲にある凹部形成層36Cがエッチングされることで、突出部24が形成される。基板30Cに凹部12Cおよび突出部24が形成されることで、微細構造体用モールド100Cが得られる。
以上、本開示の微細構造体用モールドについて詳述した。本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例1の微細構造体用モールドの作製)
SOIウェハ(Si層:15μm/SiO層:2μm/Si基板:300μm)をフッ化水素酸50%水溶液で洗浄した。次に、洗浄したウェハにスピンコートで第1レジスト層(AZ P4210;厚さ2.5μm)を形成した。穴の配列パターンをリソグラフィ(露光、現像)で形成した。穴の直径は15μmとした。次にDRIE(deep reactive ion etching)で等方性エッチング(エッチングガス:SF、ガス流量:450scccm、RFパワー:1500W、LFパワー:50W、エッチング時間:75秒)を行い、突出部形成用凹部を形成し、次にアセトンおよびイソプロパノールを用い超音波洗浄を行った。洗浄後のウェハにスピンコートで犠牲層(AZ P4903、厚さ 18μm)を形成し、リソグラフィで穴(直径10μm)のパターンを形成した。パターン形成後のウェハに対し、等方性エッチング(エッチング時間:8分)を行い、実施例1の微細構造体形成用モールドを作製した。
(比較例1の微細構造体用モールドの作製)
Si基板上にスピンコートでレジスト層(microchemical社製AZ P4903、厚さ:18μm)を形成し、穴の配列パターンをリソグラフィ(露光、現像)で形成した。穴の直径は10μmとした。次にDRIE(deep reactive ion etching)で等方性エッチング(エッチングガス:SF、ガス流量:450scccm、RFパワー 1500W、LFパワー50W、エッチング時間:5分)を行い、比較例1の微細構造体用モールドを作製した。
(実施例1の微細構造体の作製)
実施例1の微細構造体用モールドの表面にCの薄層を形成した。その後、液体状のPDMS(Sylgard 184)を混合比10:1で混合し、ウェハ上にスピンコート(500rpm)で2回製膜した。その後、泡を無くすために、真空チャンバにウェハを入れ、80℃1時間で加熱した。その後アセトンで犠牲層を溶解し、表面に微細構造体を形成したPDMS膜を得た。得られたPDMS膜のSEM画像を図19に示す。図19(a)は、倍率400倍の観察像であり、図19(b)は、微細構造体の1つを拡大した図である。
(比較例1の微細構造体の作製)
比較例1の微細構造体用モールドの表面にCの薄層を形成した。その後、液体状のPDMS(Sylgard 184)を混合比10:1で混合し、ウェハ上にスピンコート(500rpm)で2回製膜した。その後、泡を無くすために、真空チャンバにウェハを入れ、80℃1時間で加熱した。その後、モールドからPDMS膜を剥離し、表面に微細構造体を形成したPDMS膜を得た。得られたPDMS膜のSEM画像を図20に示す。図20(a)は、倍率400倍の観察像であり、図20(b)は、微細構造体の1つを拡大した図である。
(接触角の測定)
得られたPDMS膜に対し、接触角測定を行った。接触角は、カメラで撮影した液滴の写真から求めた。接触角測定に用いた液体は、水、グリセロール、信越化学社製HIVAC F-4、信越化学社製KF96L-2CS、エタノール、アセトン、イソプロパノールとした。得られた結果を図21に示す。図21の横軸は液体の表面張力(mN/m)であり、縦軸は液体とPDMS膜との接触角(°)を示す。
図21に示すように、実施例1のPDMS膜は、表面張力18.3mN/m~72mN/mの液体に対しても接触角120°以上の高い撥液性を示した。一方、比較例1のPDMS膜は、表面張力30mN/m~72mN/mでは接触角120°以上の高い撥液性を示したが、表面張力30mN/m未満では、撥液性が急激に低下した。したがって、本開示の微細構造体用モールドを用いれば、柔軟性のある材料に高い撥液性を付与することができることが確認された。
12 凹部、20 犠牲層、30 基板、22 貫通孔、24 突出部、100 微細構造体用モールド

Claims (15)

  1. 表面に複数の凹部を備える基板と、
    前記表面上に設けられ、複数の貫通孔を備える犠牲層と、
    を備え、
    前記凹部と前記貫通孔とは、それぞれ互いに繋がっており、
    前記犠牲層が、前記貫通孔の前記凹部側の開口部の周囲に、前記凹部側に向かって突出する突出部を備える、微細構造体用モールド。
  2. 前記基板が単層基板である、請求項1に記載の微細構造体用モールド。
  3. 前記基板が、
    ベース基材と、
    前記ベース基材上に設けられる、中間層と、
    前記中間層上に設けられ、前記凹部を備える凹部形成層とを
    備える、請求項1に記載の微細構造体用モールド。
  4. 前記中間層がエッチングを抑制するエッチング抑制層である、請求項3に記載の微細構造体用モールド。
  5. 前記ベース基材と、前記凹部形成層と、が光透過性材料からなり、
    前記中間層が前記光透過性材料と光不透過性材料とからなるマスクパターン層である、請求項3に記載の微細構造体用モールド。
  6. 前記凹部が、平面部と、曲面部とからなり、
    前記平面部が前記中間層の表面に位置する、請求項3~5のいずれか1項に記載の微細構造体用モールド。
  7. 前記凹部が半球状である、請求項1または2に記載の微細構造体用モールド。
  8. 基板上に第1レジスト層を形成する第1レジスト層形成工程と、
    前記第1レジスト層形成工程後に、前記第1レジスト層に露光を行う第1露光工程と、
    前記第1露光工程後に、前記第1レジスト層に突出部形成用パターンを形成する第1現像工程と、
    第1現像工程後に、エッチングによって、前記基板に突出部形成用凹部を形成する第1凹部形成工程と、
    第1凹部形成工程後に、前記突出部形成用パターンを形成した前記第1レジスト層を除去する第1レジスト層除去工程と、
    前記第1レジスト層除去工程後に、前記基板上に犠牲層を形成する第2レジスト層形成工程と、
    前記第2レジスト層形成工程後に、前記犠牲層に露光を行う第2露光工程と、
    前記第2露光工程後に、現像を行い、前記犠牲層に貫通孔を形成する、第2現像工程と、
    前記第2現像工程後に、等方性エッチングを行い、前記基板に凹部を形成する第2凹部形成工程と、
    を備える、微細構造体用モールドの製造方法。
  9. 前記第1凹部形成工程の前記エッチングが異方性エッチングである、請求項8に記載の微細構造体用モールドの製造方法。
  10. 前記第1凹部形成工程の前記エッチングが等方性エッチングである、請求項8に記載の微細構造体用モールドの製造方法。
  11. 前記基板が単層基板である、請求項8~10のいずれか1項に記載の微細構造体用モールドの製造方法。
  12. 前記基板が、
    ベース基材と、
    前記ベース基材上に設けられる、中間層と、
    前記中間層上に設けられる、凹部形成層とを
    備える、請求項8~10のいずれか1項に記載の微細構造体用モールドの製造方法。
  13. 前記中間層がエッチングを抑制するエッチング抑制層である、請求項12に記載の微細構造体用モールドの製造方法。
  14. 前記ベース基材と、前記凹部形成層と、が光透過性材料からなり、
    前記中間層が前記光透過性材料と光不透過性材料とからなるマスクパターン層である、請求項12に記載の微細構造体用モールドの製造方法。
  15. 第1露光工程および第2露光工程において、
    ベース基材側から露光する、請求項14に記載の微細構造体用モールドの製造方法。
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