JP2022185200A - インクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク、インクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物および印刷物 - Google Patents

インクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク、インクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物および印刷物 Download PDF

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環江 唐澤
Tamae Karasawa
圭佑 稲葉
Keisuke Inaba
智子 中川
Tomoko Nakagawa
一樹 若林
Kazuki Wakabayashi
弘之 野上
Hiroyuki Nogami
篤志 辻本
Atsushi Tsujimoto
修平 酒谷
Shuhei Sakatani
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Abstract

【課題】環境・安全性に優れ、高画質性能、高塗膜性能、高速印刷性、基材汎用性といった商業用インクジェットプリンターの印刷用インクとしての要求特性をバランスよく高度に満たし、特に耐アルコール性、耐擦過性及び耐溶出性に優れ、しかも顔料分散安定性にも優れるインクジェット印刷用インクを提供する。【解決手段】インクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクは、少なくとも紫外線硬化性オリゴマーと着色剤とを含有し、該紫外線硬化性オリゴマーは、ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位、下記に示す化合物(B’)由来の構造単位、及び下記に示す化合物(C’)由来の構造単位を有する紫外線硬化性オリゴマーである。化合物(B’):重合性不飽和結合を2以上含有し、ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能な化合物化合物(C’):ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能で、かつ(メタ)アクリロイル基を有する水溶性化合物【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクに関する。
本発明はまた、このインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクを用いた印刷物に関し、さらに、このインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクに好適なインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物に関する。
インクジェットプリンターは、フルカラー化が容易である、騒音が少ない、高解像度の画像が低価格で得られる、高速印刷ができる、平面に限らず曲面等にも印刷できる、大面積にも容易に印刷できる、などの特徴を有する。そのため、インクジェットプリンターは、パーソナルユースに限らず、近年では、サイン用途、ウィンドウフィルム、ポスター、カーラッピング、壁紙等、商業用インクジェットプリンターとしても急速に普及しつつある。
商業用インクジェットプリンターでは、大面積の印刷物や屋外使用の印刷物を印刷する場合もあり、印刷膜の長期耐久性や生産性が重視される。そのため、商業用インクジェットプリンターに用いられる印刷用インクには、次のような特性が要求される。
(1) 高画質性能:画像(印字を含む。以下、同様)の滲みがなく、形成される印刷膜の厚み(以下「インク厚」と称す。)が薄く、かつ印刷膜の表面平滑性に優れること。
(2) 高塗膜性能:形成される印刷膜の塗膜強度が高く、耐水性、耐アルコール性等の耐溶剤性、耐光性、耐候性に優れること。
(3) 高速印刷性:インクの吐出性、速乾性(タック性)に優れること。
(4) 基材汎用性:ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、紙、TEXTILE(布や織物)、その他、様々な被記録媒体(基材)に対して印刷可能であること。
(5) 環境・安全性:臭気が少なく、VOC(有機溶剤、未反応モノマー)の含有量も低いこと。
従来、商業用インクジェットプリンターの印刷用インクとしては、以下のものが提供されている。以下において「UVインク」とは、紫外線硬化性インクを意味する。
顔料を水系媒体に分散させた水系インク
有機溶剤に顔料と紫外線硬化性モノマーを分散ないし溶解させた溶剤UVインク
無溶剤で紫外線硬化性モノマーに顔料を分散させた無溶剤UVインク
水系媒体に顔料と樹脂を分散させた水系ラテックスインク
水系媒体に顔料とUV硬化性オリゴマーを分散させた紫外線硬化性水系インク(例えば特許文献1~3)
水系インクは、水系であるため、環境・安全性に優れ、また、インク厚が薄く、印刷膜の表面平滑性も良好である。しかし、水系インクは、塗膜性能、高速印刷性、基材汎用性が劣り、画質の滲みの問題もある。
溶剤UVインクは、塗膜性能、基材汎用性、インク厚、印刷膜の表面平滑性は良好である。しかし、溶剤UVインクは、画質の滲みの問題があり、高速印刷性も十分ではなく、溶剤系であるため環境・安全性に劣る。
無溶剤UVインクは、画質の滲みがなく、塗膜性能、高速印刷性、基材汎用性に優れる。しかし、無溶剤UVインクは、環境・安全性が悪く、高粘性であるためインク厚が厚くなり、印刷膜の表面平滑性も劣る。
水系ラテックスインクは、水系であるため、環境・安全性に優れ、基材汎用性にも優れ、その他の特性も比較的良好である。しかし、水系ラテックスインクは、塗膜性能、高速印刷性は十分に満足し得るものではなく、画質の滲みにおいてバラツキがある。
紫外線硬化性水系インクは、これらの中でも、すべての特性を比較的バランスよく備えるものではあるが、更なる改良が望まれる。
特開2015-48435号公報 特開2014-189715号公報 特開2011-201973号公報
本発明の一態様は、インクジェットプリンターの印刷用インクとして、従来の紫外線硬化性水系インクよりも更に優れた特性を有し、特に耐アルコール性、耐擦過性及び耐溶出性に優れたインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク及びそのためのインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物と、このインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクを用いた印刷物を提供することを課題とする。但し、本発明は上記(1)~(5)の全ての性能を兼備することを必須とするものではない。
本発明者は、特定の構造を有する紫外線硬化性オリゴマーを用いることにより、特に耐アルコール性、耐擦過性及び耐溶出性に優れるインクを実現することができることを見出した。
本発明は、以下の[1]~[22]を要旨とする。
[1] 少なくとも紫外線硬化性オリゴマーと着色剤とを含有するインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクであって、
該紫外線硬化性オリゴマーが、ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位、下記に示す化合物(B’)由来の構造単位、及び下記に示す化合物(C’)由来の構造単位を有する紫外線硬化性オリゴマーであるインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
化合物(B’):重合性不飽和結合を2以上含有し、ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能な化合物
化合物(C’):ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能で、かつ(メタ)アクリロイル基を有する水溶性化合物
[2] 前記化合物(C’)が、水酸基末端を1つ含有する化合物である[1]に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[3] 前記化合物(C’)が、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)である[1]又は[2]に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[4] 前記化合物(C’)が、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコールモノ置換エーテルである[3]に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[5] 前記化合物(C’)が、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートである[4]に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[6] 前記化合物(B’)が、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)である[1]~[5]のいずれかに記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[7] 前記紫外線硬化性オリゴマーは、前記ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位が、前記水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)由来の構造単位及び前記(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)由来の構造単位と、それぞれウレタン結合を介して結合されたものである[6]に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[8] 前記ポリイソシアネート化合物(A)がイソシアネート基を3個以上有する[1]~[7]のいずれかに記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[9] 前記紫外線硬化性オリゴマーが水系媒体中に粒子として分散している[1]~[8]のいずれかに記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[10] 前記紫外線硬化性オリゴマーの平均粒径が10nm以上200nm以下である[1]~[9]のいずれかに記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[11] 25℃での粘度が1mPa・sec以上25mPa・sec以下である[1]~[10]のいずれかに記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[12] 前記着色剤の含有量が0.1質量%以上8質量%以下であり、前記紫外線硬化性オリゴマーの含有量が3質量%以上20質量%以下である[1]~[11]のいずれかに記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[13] 更に、重合開始剤、増感剤、及び界面活性剤の1種又は2種以上を含む[1]~[12]のいずれかに記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[14] 重合開始剤及び/又は増感剤を含み、該重合開始剤及び/又は増感剤の少なくとも一部が前記紫外線硬化性オリゴマーに内包されている[13]に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
[15] 被記録媒体上に、[1]~[14]のいずれかに記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクから形成された硬化物を有する印刷物。
[16] 紫外線硬化性オリゴマーと、重合開始剤、増感剤、及び界面活性剤のうちのいずれか1種以上とを含有するインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物であって、
該紫外線硬化性オリゴマーが、ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位、下記に示す化合物(B’)由来の構造単位、及び下記に示す化合物(C’)由来の構造単位を有する紫外線硬化性オリゴマーであるインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
化合物(B’):重合性不飽和結合を2以上含有し、ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能な化合物
化合物(C’):ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能で、かつ(メタ)アクリロイル基を有する水溶性化合物
[17] 前記化合物(C’)が、水酸基末端を1つ含有する化合物である[16]に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
[18] 前記化合物(C’)が、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)である[16]又は[17]に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
[19] 前記化合物(C’)が、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコールモノ置換エーテルである[18]に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
[20] 前記化合物(C’)が、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートである[19]に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
[21] 少なくとも1種以上の重合開始剤と、増感剤及び/又は界面活性剤とを含有する[16]~[20]のいずれかに記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
[22] 重合開始剤及び/又は増感剤を含み、該重合開始剤及び/又は増感剤の少なくとも一部が前記紫外線硬化性オリゴマーに内包されている[16]~[21]のいずれか1項に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
本発明のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクは、インクジェットプリンターの印刷用インクとしての要求特性をバランスよく満たし、特に耐アルコール性、耐擦過性及び耐溶出性に優れる。本発明の水系組成物によれば、前記要求特性に優れたインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクを提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
本発明において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特記しない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
本発明において「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本発明のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク(以下、「本発明のインク」と称す場合がある。)は、紫外線硬化性であるが、硬化に用いる活性エネルギー線は紫外線に何ら限定されるものではない。
本発明のインクを硬化する際は、活性エネルギー線による硬化に限らず、例えば熱によって硬化させてもよい。
本発明において「X由来の構造単位」とは、化合物Xを原料とし、化合物Xが他の化合物と反応することにより、紫外線硬化性オリゴマーの分子構造中に組み込まれる構造単位を意味する。
「X由来の構造単位」は必ずしも化合物Xを原料とすることに限定されない。X以外の原料から形成された場合であっても、化学構造が同一であれば「X由来の構造単位」に該当する。
1:インクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク
本発明のインクは、少なくとも紫外線硬化性オリゴマーと着色剤とを含有するインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクであって、該紫外線硬化性オリゴマーが、ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位、下記に示す化合物(B’)由来の構造単位、及び下記に示す化合物(C’)由来の構造単位を有する紫外線硬化性オリゴマー(以下、「本発明の紫外線硬化性オリゴマー」と称す場合がある。)であることを特徴とする。
化合物(B’):重合性不飽和結合を2以上含有し、ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能な化合物
化合物(C’):ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能で、かつ(メタ)アクリロイル基を有する水溶性化合物
1-1:紫外線硬化性オリゴマー
本発明の紫外線硬化性オリゴマーは、ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位、下記に示す化合物(B’)由来の構造単位、及び下記に示す化合物(C’)由来の構造単位を有するものであり、通常、ポリイソシアネート化合物(A)と化合物(B’)と化合物(C’)とを反応させることにより製造される。
化合物(B’):重合性不飽和結合を2以上含有し、ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能な化合物
化合物(C’):ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能で、かつ(メタ)アクリロイル基を有する水溶性化合物
本発明の紫外線硬化性オリゴマーでは、ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位部分が被記録媒体に対する印刷膜の密着性に寄与する。
化合物(B’)由来の構造単位部分が紫外線硬化性に寄与する。また、前記化合物(B’)が水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)である場合、該水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)由来の構造単位に含まれる(メタ)アクリロイル基が紫外線硬化性に寄与する。
化合物(C’)由来の構造単位部分がインク中でのオリゴマーの水分散性に寄与し、(メタ)アクリロイル基を有することにより、耐アルコール性、耐擦過性及び耐溶出性等の塗膜強度に寄与する。また、該化合物(C’)が(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)である場合、該(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)由来の構造単位のポリアルキレングリコール鎖がインク中でのオリゴマーの水分散性に寄与する。
これらの構造単位全てを同一分子内に有しているオリゴマーを用いることが本発明の特徴である。
反応性の観点から、化合物(B’)は、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)であることが好ましい。また、水分散性の観点から、化合物(C’)は、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)であることが好ましい。以下、この場合の本発明の紫外線硬化性オリゴマーを「紫外線硬化性(メタ)アクリレートオリゴマー」と称す場合がある。
さらに、耐アルコール性等、耐溶剤性にも優れたものとすることができるため、ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位は、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)由来の構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)由来の構造単位と、それぞれウレタン結合を介して結合することが好ましい。
以上より、本発明の紫外線硬化性オリゴマーは、紫外線硬化性、塗膜性能、基材定着性、水分散性に優れたものとなる。
本発明で用いる紫外線硬化性オリゴマーのイオン性の有無は特に制限はなく、ノニオン性であっても、イオン性(アニオン性、カチオン性又は両性)であってもよいが、ノニオン性であることにより、顔料の凝集を抑制してインクの保存安定性を高めることができる。ここで、ノニオン性とは、例えば、当該紫外線硬化性オリゴマーの親水基が水中でイオン解離しないエーテル結合や水酸基で構成されていることを意味する。
上述の通り、化合物(B’)の好ましい態様として水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)が挙げられるが、化合物(B’)の好ましい態様としては「水酸基を含有し、重合性不飽和結合を2以上含有する化合物(B’’)」であってもよい。
化合物(B’)における“ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能な化合物”としては、水酸基をカルボキシル基やアミノ基等に置換可能である。また、重合性不飽和結合としては、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合が挙げられ、中でも炭素-炭素二重結合が好ましい。より具体的には、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等に由来する炭素-炭素二重結合が挙げられる。
化合物(C’)における水溶性化合物としては、水溶性ポリマーが包含され、具体的には、ポリグリセリン、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、ポリアミン、4級アミノ化ポリスチレン、スルホン化ポリスチレン、ポリエーテル、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。中でも、ノニオン性の水溶性化合物であるポリグリセリン、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールが好ましく、ポリアルキレングリコールが特に好ましい。これらの水溶性化合物はそれぞれ、共重合体であってもよい。
化合物(C’)は、このような水溶性化合物が(メタ)アクリロイル基を有し、さらに“ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能な化合物”の構造を有する。ここで“ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能な化合物”としては、前記の化合物(B’)として例示した構造と同様な構造から選択することができる。
ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位は、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)由来の構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)由来の構造単位と結合することによってウレタン結合を形成するが、このウレタン結合は、それぞれウレア結合或いはアミド結合に置換されていてもよい。ウレア結合を形成させる場合は、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)における水酸基を、化合物(B’)としてアミノ基に置換するか、或いは、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)を構成する水酸基末端を、化合物(C’)としてアミノ基に置換すればよい。アミド結合を形成させる場合は、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)における水酸基を、化合物(B’)としてカルボキシル基に置換するか、或いは、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)を構成する水酸基末端を、化合物(C’)としてカルボキシル基に置換すればよい。このように水酸基を変換するのではなく、予めウレア結合やアミド結合を形成し得る化合物をそのまま用いることで、実質的に同様の化学構造としてもよい。
前述の通り、ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位は、被記録媒体に対する印刷膜の密着性に寄与するが、これは上記のとおり、ポリイソシアネート化合物(A)中のイソシアネート基が、紫外線硬化性オリゴマー中でウレタン結合、ウレア結合或いはアミド結合等の極性部位を形成することによると考えられる。
本発明において水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)を上記の通り化合物(B’)又は化合物(B’’)にする場合、或いは、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)を上記の通り化合物(C’)にする場合において、その際の好ましい態様或いは具体的な態様には、後述する水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)或いは(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)を用いた場合において好ましいとする態様或いは具体的な態様を、同様に適用することができる。
以下、本発明の紫外線硬化性オリゴマーを構成する各化合物について説明する。本発明において「オリゴマー」とは、特定の分子量或いは平均分子量の範囲等に限定される用語ではなく、以下に示す構造を有するものであれば足りる。
本発明のインクには、紫外線硬化性オリゴマーの1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
1-1-1:ポリイソシアネート化合物(A)
ポリイソシアネート化合物(A)は、イソシアネート基を1分子中に合計2個以上有する化合物である。
ポリイソシアネート化合物(A)の種類は特に制限されず、鎖状脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。中でも、ポリイソシアネート化合物(A)は、ポリイソシアネートの三量体化合物を含むことが耐候性と硬度の観点から好ましい。
鎖状脂肪族ポリイソシアネートは、鎖状脂肪族構造と2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。鎖状脂肪族ポリイソシアネートは、耐候性、延伸性の観点から好ましい。鎖状脂肪族ポリイソシアネートにおける鎖状脂肪族構造は、特に限定されないが、炭素数1以上12以下、好ましくは1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基が好ましい。鎖状脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、或いはこれらポリイソシアネートの三量体化合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートは、芳香族構造と2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。芳香族ポリイソシアネートは、塗膜強度の観点から好ましい。芳香族ポリイソシアネートにおける芳香族構造は、特に限定されないが、炭素数6以上13以下の芳香族構造が好ましい。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、或いはこれらポリイソシアネートの三量体化合物が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートは、脂環式構造と2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。脂環式ポリイソシアネートにおける脂環式構造は、特に限定されないが、その炭素数は通常5以上、好ましくは6以上で、通常15以下、好ましくは14以下、さらに好ましくは13以下である。脂環式構造は、シクロアルキレン基が特に好ましい。脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート等の脂環式構造を有するジイソシアネート、或いはこれらポリイソシアネートの三量体化合物が挙げられる。
本発明の紫外線硬化性オリゴマーには、これらのポリイソシアネート化合物(A)の1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ポリイソシアネート化合物(A)として、鎖状脂肪族構造、芳香族構造、脂環式構造のうち2種以上の構造を有するポリイソシアネートを用いることもできる。
ポリイソシアネート化合物(A)としては、特に基材との密着性の観点から、イソシアネート基を3個以上有するものが好ましく、一方、6個以下有するものが好ましい。また、ポリイソシアネート化合物(A)としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等から3量化反応で得られた3量体が好ましく、特にヘキサメチレンジイソシアネートの3量体が好ましい。
1-1-2:化合物(B’)
化合物(B’)は、重合性不飽和結合を2以上含有し、ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能な化合物である。
化合物(B’)としては、水酸基、アミノ基及びカルボキシル基のいずれかを有する化合物が挙げられる。また、化合物(B’)としては、多官能ビニルモノマー、多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも、化合物(B’)としては、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)が好ましい。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)は、1個以上の水酸基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する。具体的には、多価アルコールの(メタ)アクリル酸部分エステルが挙げられる。水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートは硬化反応において複数の(メタ)アクリロイル基が関与することにより、良好な架橋構造を形成し、耐汚染性、耐摩耗性等の物性を良好なものとすることができる。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)における水酸基の数は、好ましくは3個以下、より好ましくは2個以下、更に好ましくは1個である。水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)における(メタ)アクリロイル基の数は、好ましくは8個以下、より好ましくは6個以下である。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジメタクリロキシプロパン、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
本発明の紫外線硬化性オリゴマーの製造には、これらの水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)の1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)としては、特に得られる硬化膜の塗膜強度の観点から、1個の水酸基と3個以上5個以下の(メタ)アクリロイル基を有するもの、例えばジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。特に良好な架橋構造を形成して硬化膜の機械的強度を高めることからジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
1-1-3:化合物(C’)
化合物(C’)は、ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能で、かつ(メタ)アクリロイル基を有する水溶性化合物である。
化合物(C’)が(メタ)アクリロイル基を有することにより、耐アルコール性、耐擦過性及び耐溶出性を向上させることができる。この理由は、化合物(C’)が比較的反応性の高い(メタ)アクリロイル基を有することで、紫外線硬化性オリゴマー全体が有する重合性基が増え、化合物(B’)由来の末端だけでなく、化合物(C’)由来の(メタ)アクリロイル基でも重合反応をすることができるようになり、粒子間の架橋密度が上がり、塗膜強度が上がるため、耐アルコール性、耐擦過性及び耐溶出性を向上できると考察される。
また、化合物(C’)は、水分散性が良好となるため、水酸基末端を1つ含有する化合物であることが好ましい。
化合物(C’)における水溶性化合物としては、前述の通り、水溶性ポリマーが挙げられ、中でも、ポリアルキレングリコールが特に好ましい。言い換えれば、化合物(C’)としては、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)が特に好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)の分子量(単一でない場合は数平均分子量を意味する)は限定されないが、好ましくは100以上、より好ましくは200以上、さらに好ましくは600以上、特に好ましくは700以上であり、好ましくは5000以下、より好ましくは2000以下である。
(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)としては、限定されないが、ポリアルキレングリコールの片末端が(メタ)アクリロイル基で置換された構造であるのが好ましい。すなわち、ポリアルキレングリコールがモノ置換構造であり、モノ置換構造の置換基が(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)は、前記の好ましい構造である化合物と、前記の好ましい構造ではない化合物との混合物であってもよい。
(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)が前記の好ましい構造である場合、前記ポリアルキレングリコールのモノ置換構造は限定されないが、ポリアルキレングリコールモノ置換エーテルが好ましい。その中でも、ポリエチレングリコールモノ置換エーテル、ポリトリメチレングリコールモノ置換エーテルまたはポリプロピレングリコールモノ置換エーテルがより好ましく、ポリエチレングリコールモノ置換エーテルがさらに好ましい。
前記ポリアルキレングリコールモノ置換エーテルの中でも、エーテル部分にイオン性の置換基を含まないポリアルキレングリコールモノ置換エーテルがより好ましい。すなわち、(メタ)アクリロイル基を有するポリエチレングリコールモノ置換エーテルとしては、下記一般式(1)で表されるものがさらに好ましい。
Figure 2022185200000001
(式(1)中、Xはアルキレン基、Yは(メタ)アクリロイル基である。nは2以上の整数である。)
上記一般式(1)で表されるポリアルキレングリコールモノ置換エーテルの具体例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。この中でも、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
これらの中でも、一般式(1)におけるXは、炭素数1以上3以下のアルキレン基が好ましく、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基がより好ましく、顔料分散安定性又は高温での保存安定性の観点から、エチレン基がさらに好ましい。
一般式(1)におけるnは、得られる硬化膜の塗膜強度の観点から、通常2以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上であり、通常500以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。
本発明の紫外線硬化性オリゴマーの製造には、これらの(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)の1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)は、異なる分子量(一般式(1)中のnが異なる化合物)の混合物であってもよい。
1-1-4:紫外線硬化性オリゴマーの製造方法
本発明の紫外線硬化性オリゴマーの製造方法は特に限定されないが、上記のポリイソシアネート化合物(A)、化合物(B’)及び化合物(C’)を反応させて、それぞれ化学結合を形成させることにより製造することが好ましい。
化合物(B’)が水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)であり、且つ、化合物(C’)が(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)である場合、上記のポリイソシアネート化合物(A)、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)及び(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)を反応させて、ポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基と、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)の水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)の水酸基とでそれぞれウレタン結合を形成させることにより製造することが好ましい。
本発明においては、顔料分散安定性と得られる硬化膜の塗膜強度の観点から、ポリイソシアネート化合物(A)に対して水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)が2個と、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)1個とがウレタン結合を形成したオリゴマーとすることが好ましい。
紫外線硬化性オリゴマーは、ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位、化合物(B’)由来の構造単位及び化合物(C’)由来の構造単位を有していれば、その他の構造を付加的に有していてもよい。
1-1-5:重量平均分子量
本発明の紫外線硬化性オリゴマーは、形成される塗膜性能及び取り扱い性の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が通常1000以上、好ましくは2000以上で、通常100000以下、好ましくは50000以下である。
1-1-6:平均粒径
本発明のインクにおいて、紫外線硬化性オリゴマーは、水系媒体中に、平均粒径が10nm以上200nm以下の粒子として存在することが好ましく、20nm以上150nm以下の粒子として存在することがより好ましい。本発明の紫外線硬化性オリゴマーの平均粒径が上記の範囲内であると分散安定性が良好となる。
紫外線硬化性オリゴマーの平均粒径は、例えば、動的光散乱法による粒径測定機によって測定された体積平均粒径(D50)である。
後掲の実施例では、紫外線硬化性オリゴマー水分散液中の紫外線硬化性オリゴマー粒子の平均粒径を測定しているが、この水分散液中のオリゴマー粒子の平均粒径とインク中のオリゴマー粒子の平均粒径とはほぼ同等である。
本発明のインクにおいては、紫外線硬化性オリゴマーが粒子として存在していれば、凝集があっても、粒子内に他物質を含んでいても、上記の「粒子として存在する」状態に包含される。
上記の紫外線硬化性オリゴマーの平均粒径は、当該紫外線硬化性オリゴマー粒子としての粒径(一次粒径)を意味する。
以下に、本発明のインクに含まれる紫外線硬化性オリゴマー以外の成分について説明する。
1-2:着色剤
本発明のインクは着色剤を含む。
本発明のインクに用いられる着色剤としては、インクジェット用インクに用いられる着色剤として公知の各種染料又は顔料を用いることができるが、紫外線を照射すること及び印刷画像の長期保存耐久性の観点から、顔料を使用することが好ましい。
1-2-1:染料
本発明で用いることのできる染料としては特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられる。この中では、アニオン性染料が好ましい。
水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等が挙げられる。その具体的化合物は以下に示す通りであるが、これら例示した化合物に限定されるものではない。
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169
〈C.I.ベイシックイエロー〉
1、2、11、13、15、19、21、28、29、32、36、40、41、45、51、63、67、70、73、91
〈C.I.ベイシックオレンジ〉
2、21、22
〈C.I.ベイシックレッド〉
1、2、12、13、14、15、18、23、24、27、29、35、36、39、46、51、52、69、70、73、82、109
〈C.I.ベイシックバイオレット〉
1、3、7、10、11、15、16、21、27、39
〈C.I.ベイシックブルー〉
1、3、7、9、21、22、26、41、45、47、52、54、65、69、75、77、92、100、105、117、124、129、147、151
〈C.I.ベイシックグリーン〉
1、4
〈C.I.ベイシックブラウン〉
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39
〈C.I.フードブラック〉
1、2
1-2-2:顔料
顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄系顔料等の無機顔料が挙げられるが、アニオン性顔料が好ましい。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
<マゼンタ又はレッド用顔料>
C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等
<オレンジ又はイエロー用顔料>
C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155等
<グリーン又はシアン用の顔料>
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等
これらの染料や顔料は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
1-3:水系媒体
本発明のインクは水系インクであり、「水系インク」とは、水系媒体を含むインクを意味する。水系媒体は、水及び/又は水溶性の有機溶剤である。
本発明で用いる水系媒体は、水、又は水と水溶性有機溶剤との混合物であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、インクの保湿性や濡れ性を高めるための保湿溶剤として機能するものと、水系媒体としてインクの粘度調整や取り扱い性、吐出性の向上のために用いられるものとがあるが、両者は明確に区別されるものではなく、保湿溶剤として用いた水溶性有機溶剤も水系媒体として機能する。
本発明において水溶性有機溶剤とは、水への溶解性を有する化合物を意味し、水に対する溶解度は限定されないが、水に対し任意の割合で溶解し得る化合物が好ましい。また、単独では溶剤としての特性を有することが困難な化合物(例えば、常温で固体或いは粘度の高い化合物)であっても、水と均一混合されることによって溶剤として用いることが可能な化合物であれば、水溶性有機溶剤に包含される。
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、保湿溶剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性が得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。
炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
1-4:重合開始剤
本発明のインクは重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤は、紫外線が照射されることにより受け取る光(紫外線)のエネルギーによって、活性種であるラジカルを生成し、紫外線硬化性オリゴマーの光重合を開始させる光ラジカル重合開始剤である。これにより、被記録媒体の表面に存在するインクが硬化して、画像を形成することができる。
重合開始剤は、紫外線硬化性オリゴマーに内包されない状態でインク中に含まれていてもよく、紫外線硬化性オリゴマーの粒子に内包された状態でインク中に含まれていてもよい。更には、これらの双方の状態で内包されていてもよい。
重合開始剤としては、脂溶性の重合開始剤(以下、「脂溶性開始剤」と称す場合がある。)であっても、水溶性の重合開始剤(以下、「水溶性開始剤」と称す場合がある。)であってもよい。
「脂溶性開始剤」とは、紫外線硬化性オリゴマーに相溶したり、有機溶剤に溶解したりする重合開始剤をさす。「水溶性開始剤」とは、水に1質量%以上溶解するものをさす。後述の「脂溶性増感剤」、「水溶性増感剤」についても同様である。
本発明で用いる重合開始剤としては、以下に限定されないが、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物)、α-アミノアルキルフェノン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
これらの中でも、重合開始剤は、アシルホスフィンオキサイド化合物及びチオキサントン化合物のうち少なくともいずれかを含むことが好ましい。このような重合開始剤を用いることにより、インクの硬化性をより優れたものとすることができる傾向にある。
脂溶性の重合開始剤としては、以下に限定されないが、例えば、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p'-ジクロロベンゾフェノン、p,p'-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}2-メチルプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリン-4-イル-フェニル)ブタン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]2-モルフォリノプロパン-1-オン、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、メチルベンゾフィルフォーメート、アゾビスイソブチリロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、及びジ-tert-ブチルペルオキシド等が挙げられる。
水溶性の重合開始剤としては、以下に限定されないが、例えば、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、フェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸ナトリウム、2-(3-ジメチルアミノ-2-ヒドロキシプロポキシ)-3,4-ジメチル-9H-チオキサントン-9-オンメトクロライド等が挙げられる。
重合開始剤の市販品としては、例えば、RAHN社製GENOPOL TX-2、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製Irgacure369、Irgacure500、Irgacure2959等が挙げられる。
重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、脂溶性開始剤と水溶性開始剤を併用し、脂溶性開始剤を紫外線硬化性オリゴマーの粒子に内包させ、水溶性開始剤を水系媒体に溶解させるようにしてもよい。
また、重合開始剤としては、上記のような光ラジカル重合開始剤のほかに、熱ラジカル重合開始剤を併用してもよい。
1-5:界面活性剤
本発明のインクは、形成される塗膜の平坦性、基材との濡れ性のために界面活性剤を含むことが好ましい。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2以上16以下の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4以上16以下である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルアルキレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が特に少ないためより好ましく、特に下記一般式(3A)及び(3B)で表されるフッ素系界面活性剤が好ましい。
CFCF(CFCF-CHCHO(CHCHO)H …(3A)
一般式(3A)で表される化合物において、水溶性を付与するためにsは0以上10以下の整数が好ましく、tは0以上40以下の整数が好ましい。
2r+1-CHCH(OH)CH-O-(CHCHO)-Z …(3B)
一般式(3B)で表される化合物において、ZはH、又はC2d+1でdは1以上6以下の整数、又はCHCH(OH)CH-C2e+1でeは4以上6以下の整数、又はC2f+1でfは1以上19以下の整数である。また、rは1以上6以下の整数であり、cは4以上14以下の整数である。
フッ素系界面活性剤としては市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF-470、F-1405、F-474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR(いずれも、DuPont社製);FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-136A,PF-156A、PF-151N、PF-154、PF-159(オムノバ社製)、ノイゲンFN-1287(第一工業製薬株式会社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)、LE-604、LE-605、LE-606、LE-607(共栄社化学株式会社製)などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコール誘導体、アセチレングリコール誘導体などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前述の通り、シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤は、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましいものとして挙げられる。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学株式会社などから入手できる。
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、下記一般式(2)で表される、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 2022185200000002
(式(2)中、p、q、a、及びbは整数を表す。R及びR’は炭化水素基を表す。)
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(信越化学工業株式会社製)、SAG001、SAG002、SAG003、SAG005、SAG503、SAG008(日信化学工業株式会社製)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(日本エマルジョン株式会社製)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、BYK-33、BYK-387(ビックケミー株式会社製)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社製)などが挙げられる。
1-6:増感剤
本発明のインクは、増感剤を含有するものであってもよい。インク中に重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系内の増感剤が活性エネルギー線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を行うことができる。
増感剤は、重合開始剤と同様に脂溶性のものであってよく、水溶性のものであってもよい。脂溶性増感剤であれば、紫外線硬化性オリゴマーの粒子中に内包させることができる。
増感剤としては、脂肪族アミン、芳香族基を有するアミン、若しくはピペリジン等の環状アミン系化合物、チオキサントン化合物、アルコキシアントラセン化合物、o-トリルチオ尿素等の尿素系化合物、ナトリウムジエチルチオホスフェート若しくは芳香族スルフィン酸の可溶性塩等のイオウ化合物、N,N’-ジ置換-p-アミノベンゾニトリル等のニトリル化合物、トリ-n-ブチルホスフィン若しくはナトリウムジエチルジチオホスフェート等のリン化合物、ミヒラーケトン、N-ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ-1,3-オキサジン化合物、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドとジアミンとの縮合物等の窒素化合物等を用いることができる。
これらの増感剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
1-7:その他のオリゴマー、樹脂、モノマー
本発明のインクは、上記の成分に加え、必要に応じて、上記紫外線硬化性オリゴマー以外のオリゴマー成分や、任意の樹脂成分、任意のモノマー成分(これらを総称して「その他の樹脂成分」と言う。)を含むことができる。その他の樹脂成分は、紫外線硬化性オリゴマーの粒子中に内包されていてもよいし、水系媒体中に溶解されていてもよいし、インク中で単独分散或いは他の成分とともに複合化された状態であってもよい。
1-8:その他の添加剤
本発明のインクは、上記の成分に加え、必要に応じて、その他の添加剤を含むことができる。
その他の添加剤としては、例えば、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、消泡剤、固体湿潤剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インクを調製後に直接添加してもよく、インクの調製時に添加してもよい。
その他の添加剤については、特開2010-65205号公報の段落0088~0096の記載や、特開2010-70669号公報の段落0083~0090の記載を適宜参照できる。
1-9:各成分の含有量
本発明のインクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、通常10質量%以上、好ましくは20質量%以上であり、通常90質量%以下、好ましくは80質量%以下である。
本発明のインクが水溶性有機溶剤を含有する場合、その含有量(保湿溶剤を兼ねて用いる水溶性有機溶剤と水系媒体として用いる水溶性有機溶剤との合計の含有量)は、特に制限はなく、用いる水溶性有機溶剤の種類や目的に応じて適宜選択することができるが、乾燥性、吐出信頼性、基材との濡れ性等の点から、通常10質量%以上で、通常50質量%以下、好ましくは40質量%以下である。
本発明のインクは、乾燥性、吐出信頼性の観点から、水及び/又は水溶性有機溶剤である水系媒体以外の成分である全固形分濃度が通常5質量%以上、好ましくは7質量%以上、より好ましくは9質量%以上、通常30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下となるように調整される。
水系媒体として水と水溶性有機溶剤の混合液を用いる場合、水と水溶性有機溶剤(保湿溶剤を兼ねて用いる水溶性有機溶剤と水系媒体として用いる水溶性有機溶剤との合計)の割合は、水:水溶性有機溶剤が通常1:0.05~1:1.5(質量比)、好ましくは1:0.1~1:1.2(質量比)、より好ましくは1:0.15~1:1.1(質量比)となるような割合であることが乾燥性や吐出性の向上の観点から好ましい。
本発明のインクにおける紫外線硬化性オリゴマーの含有量は、得られる印刷塗膜性能、紫外線硬化性の観点から通常3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上であり、一方、吐出安定性の観点から通常20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下である。
同様の観点から、本発明のインクの全固形分中の紫外線硬化性オリゴマーの含有量は通常30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、通常90質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
ここで、本発明のインク中の全固形分は、本発明のインクにより形成される硬化膜(印刷膜)の構成成分と言い換えて、上記の数値範囲を同様に採用することができる。全固形分中の各成分の含有量は、本発明のインクにより形成される硬化膜(印刷膜)中の当該成分の含有量とほぼ等しくなる。
従って、本発明のインクの全固形分中の紫外線硬化性オリゴマーの含有量が通常30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、通常90質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下であるということは、本発明のインクにより形成される硬化膜(印刷膜)中の紫外線硬化性オリゴマーに由来する成分の含有量が通常30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上で、通常90質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下であることと同様に扱うことができる。
以下の着色剤、その他の成分の含有量についても同様である。
本発明のインクにおける着色剤の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、通常0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上であり、通常8質量%以下、好ましくは6質量%以下である。
同様の観点から、本発明のインクの全固形分中の着色剤の含有量は、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上であり、通常40質量%以下、好ましくは30質量%以下である。
本発明のインクが重合開始剤を含有する場合、その含有量は、通常0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.4質量%以上であり、通常8質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。重合開始剤の含有量がこの範囲内であることにより、硬化速度を十分に向上させ、かつ、重合開始剤の溶け残りや重合開始剤に由来する着色を避けることができる。
同様の観点から、本発明のインクの全固形分中の重合開始剤の含有量は、通常0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、通常20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは8質量%以下である。
本発明のインクが界面活性剤を含有する場合、その含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、インク中の界面活性剤の含有量は、通常0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上であり、通常5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
同様の観点から、本発明のインクの全固形分中の界面活性剤の含有量は、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上であり、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
本発明のインクが増感剤を含有する場合、その含有量は、通常0.01質量%以上、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であり、通常4質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.7質量%以下である。増感剤の含有量が上記範囲であれば、増感剤による効果を十分に得ることができる。
また、同様の観点から、本発明のインクの全固形分中の増感剤の含有量は、通常0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、通常8質量%以下、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
2:インクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物
本発明のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物(以下、「本発明の水系組成物」と称す場合がある。)は、紫外線硬化性オリゴマーと、重合開始剤、増感剤、及び界面活性剤のうちのいずれか1種以上とを含有する水系組成物であって、該紫外線硬化性オリゴマーが、前述の紫外線硬化性オリゴマーであることを特徴とする。
本発明のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物は水系組成物であり、本発明のインクと同様、水系媒体を含む。即ち、本発明の水系組成物は、本発明のインクにおいて、着色剤を含まない態様に該当し、水系組成物に含まれる水系媒体、重合開始剤、増感剤、界面活性剤、及びその他の添加剤については、前述の本発明のインクの項において説明したものと同様であり、また、それらの含有量についても、本発明のインクの着色剤を除く各成分の含有量と同様である。
本発明の水系組成物の使用形態は特に限定されないが、本発明の水系組成物に、前述の着色剤を添加して本発明のインクを調製する使用形態が好ましい。添加する着色剤は1色でも2色以上でもよい。任意で2色以上の着色剤を添加することで、インクの色味を所望の色味に調整することができる。
その他、本発明の水系組成物はクリアインクとして用いることができる。
3:インクの製造方法
本発明のインクの製造方法には特に制限はないが、紫外線硬化性オリゴマーの粒子(以下、「オリゴマー粒子」と称す場合がある。)が水系媒体中に分散した分散液(以下、「オリゴマー分散液」と称す場合がある。)と、顔料等の着色剤が水系媒体中に分散した分散液(以下、「顔料分散液」と称す場合がある。)とをそれぞれ調製し、オリゴマー分散液と顔料分散液とを重合開始剤(水溶性開始剤)、その他の添加剤や有機溶剤と混合する方法が挙げられる。また、本発明の水系組成物に着色剤を添加する方法も挙げられる。いずれの方法で製造しても、同様の性能のインクを得ることができる。
オリゴマー分散液の調製時に脂溶性開始剤や脂溶性増感剤を添加混合することで、これらをオリゴマー粒子に内包させることができる。また、脂溶性開始剤や脂溶性増感剤は、別途有機溶剤に0.1質量%以上10質量%以下程度の濃度に溶解させた溶液として他の成分と混合することもできる。
3-1:オリゴマー分散液の調製
オリゴマー分散液は、紫外線硬化性オリゴマーと水系媒体(好ましくは水)との混合により調製することができる。
このときの温度や撹拌速度を調節することにより、得られるオリゴマー粒子の平均粒径を調整することができる。
このようにして調製されるオリゴマー分散液のオリゴマー粒子濃度は10質量%以上30質量%以下程度であることが取扱い性の観点から好ましい。
オリゴマー分散液の調製時に更に脂溶性開始剤や脂溶性増感剤を添加混合することで、これらを内包したオリゴマー粒子の分散液を得ることができる。この場合、オリゴマーを含まない、開始剤や増感剤単独の粒子の生成を防ぐために、紫外線硬化性オリゴマーに脂溶性開始剤及び/又は脂溶性増感剤を添加した後、水等の水系媒体と混合することが好ましい。脂溶性開始剤及び/又は脂溶性増感剤を内包するオリゴマー粒子とする場合、オリゴマー粒子中の脂溶性開始剤及び/又は脂溶性増感剤の含有量は、紫外線硬化性オリゴマーに対して0.1質量%以上8質量%以下程度であることが、製造安定性の観点から好ましい。
3-2:顔料分散液の調製
顔料分散液は、水等の水系媒体に顔料等の着色剤を添加して混合することにより調製することができる。
顔料分散液の顔料等の着色剤濃度は、取り扱い性及び保存安定性の観点から、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上であり、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下である。
顔料分散液としては市販品をそのまま用いてもよい。
4:水系組成物の製造方法
本発明の水系組成物の製造方法には特に制限はないが、前述の本発明のインクの製造方法におけると同様にオリゴマー分散液を調製し、調製したオリゴマー分散液を重合開始剤(水溶性開始剤)、増感剤、及び界面活性剤のうちの1種以上、必要に応じて用いられるその他の添加剤や有機溶剤と混合する方法が挙げられる。
前述の通り、オリゴマー分散液の調製時に脂溶性開始剤や脂溶性増感剤を添加混合することで、これらをオリゴマー粒子に内包させることができる。脂溶性開始剤や脂溶性増感剤は、別途有機溶剤に0.1質量%以上10質量%以下程度の濃度に溶解させた溶液として他の成分と混合することもできる。
オリゴマー分散液の調製方法、脂溶性開始剤や脂溶性増感剤を内包したオリゴマー粒子の分散液の調製方法については、前述の本発明のインクの製造方法におけると同様である。
5:インクの粘度
本発明のインクは、顔料分散安定性に優れることから、インクの粘度を低く抑えることができる。その結果、高速印刷時においてもインクの吐出性が良好となる。本発明のインクの25℃における粘度は、25mPa・sec以下が好ましく、20mPa・sec以下がより好ましく、10mPa・sec以下がさらに好ましい。インクの粘度の下限値は特に限定されないが、1mPa・sec以上が好ましく、2mPa・sec以上がより好ましい。
6:水系組成物の粘度
本発明の水系組成物の25℃における粘度は、50mPa・sec以下が好ましく、30mPa・sec以下がより好ましく、20mPa・sec以下がさらに好ましい。水系組成物の粘度の下限値は特に限定されないが、0.5mPa・sec以上が好ましく、1mPa・sec以上がより好ましい。
7:インク収容容器
本発明のインクは、インクカートリッジやインクボトルに収容することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。
インク収容容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、適用するインクジェットプリンター等に適したものとすればよく、特に限定されない。インク収容容器の材質は光を透過しない遮光性材料であるか、又は容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
8:インクジェット記録方法
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法は、本発明のインクを、インクジェットプリンターの吐出ノズルから吐出させて被記録媒体に付着させる工程と、インクが付着した被記録媒体を加熱する加熱工程と、被記録媒体に付着したインクに対して、活性エネルギー線を照射する照射工程とを有することが好ましい。
本発明のインクを被記録媒体に付着させる工程は、インクが霧状(ミスト状、スプレー状)に被記録媒体へ付着されれば足り、必ずしもインクジェットプリンターを用いる方法には限定されない。
8-1:被記録媒体
本発明のインクが適用される被記録媒体としては特に制限はない。本発明のインクは基材汎用性に優れる紫外線硬化性水系インクであることから、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンといったプラスチック材料、紙、TEXTILE(布や織物)、皮革、ガラス、セラミック、木材、金属、或いはこれらの複合材等、様々な基材に対して密着性よく高画質な印刷画像を形成することができる。
8-2:加熱工程
加熱工程においては、本発明のインクが付着した被記録媒体を40℃以上に加熱することが好ましい。加熱温度は、45℃以上がより好ましく、50℃以上がより好ましい。上記加熱を行なうことにより、インク中の水等の揮発成分を乾燥させることができ、硬化性をより高めることができる傾向にある。加熱温度の上限は特に限定されるものではないが、一般的に加熱手段の存在でノズル表面のインクが乾燥することで吐出不良が起こる傾向があるため、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。ここで、加熱温度は被記録媒体の記録面の表面温度である。
加熱手段としては、特に限定されないが、例えば、セラミックヒーター、ハロゲンヒーター、石英管ヒーター等が挙げられる。
加熱のタイミングは、本発明のインクを被記録媒体に付着させる前、付着中、付着後等のいずれでもよいが、付着前、付着中、付着後のすべての過程において加熱を行い続けることがより好ましい。
8-3:照射工程
照射工程においては、活性エネルギー線の照射によって、紫外線硬化性オリゴマーの重合反応を開始させる。また、インクに含まれる重合開始剤が活性エネルギー線の照射により分解して、ラジカル、酸、塩基などの開始種を発生し、紫外線硬化性オリゴマーの重合反応が、その開始種の機能によって促進される。このとき、インク中に重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系内の増感剤が活性エネルギー線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を行うことが可能となる。
光源(活性エネルギー線源)としては、水銀ランプやメタルハライドランプ、ガス・固体レーザー等が広く知られている。一方で、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV-LED)及び紫外線レーザーダイオード(UV-LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線硬化性インクジェット用光源として期待されている。これらの中でも、UV-LEDが好ましい。
照射する活性エネルギー線源の発光ピーク波長は350~450nmの範囲が好ましい。照射エネルギーは20J/cm以下、例えば0.5~10J/cmが好ましい。
発光ピーク波長は、上記の波長範囲内に1つあってもよいし複数あってもよい。
照射工程は、上記のような意図的な工程のみに限定されず、例えば屋外暴露による日光照射であってもよい。
紫外線硬化性オリゴマーの反応性(硬化性)が高い場合は、加熱工程のみで照射工程を経なくてもよい。すなわち、本発明のインクは紫外線硬化性を有していれば足り、照射工程を有する印刷方法に用いることには限定されない。
9:用途
本発明のインクは、水系であるため環境・安全性に優れ、高画質性能、高塗膜性能、高速印刷性、基材汎用性といったインクジェットプリンターの印刷用インクとしての要求特性をバランスよく高度に満たし、特に耐アルコール性、耐擦過性及び耐溶出性に優れる。しかも本発明のインクは、顔料分散安定性や高温での保存安定性にも優れる。
そのため、本発明のインクは、各種の被記録媒体に対して、高画質性能、高塗膜性能に優れた印刷画像を高い生産性で印刷することができる特長から、ポスター、道路標識、サインボード、看板、屋外及び屋内用の各種表示板、建材(外装、内装、壁、床、天井、窓等の表面材)、車両等(自動車、鉄道、航空機等)の外装、家具類やOA機器等の表面材、紙の印刷物等の各種用途に用いることができる。特に耐アルコール性、耐擦過性及び耐溶出性に優れることから、食品用包装又はTEXTILEの用途に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[紫外線硬化性オリゴマーAの調製]
ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体0.4モルと、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート0.8モルと、ポリエチレングリコールモノアクリレート(前記一般式(1)におけるn=30~40)0.4モルを反応させて紫外線硬化性オリゴマーを製造した。
[紫外線硬化性オリゴマーBの調製]
ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体0.4モルと、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート0.8モルと、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(前記一般式(1)におけるn=30~40とし、Yをアリル基に変えた構造のもの)0.4モルを反応させて紫外線硬化性オリゴマーを製造した。
[紫外線硬化性オリゴマー水分散液αの調製]
上記で得られた紫外線硬化性オリゴマーA 20質量部に対し、脂溶性開始剤としてRAHN社製GENOPOL TX-2を0.2質量部加え、60℃に保ち、撹拌しながら、予め60℃に加温しておいたイオン交換水を滴下して、脂溶性開始剤を内包した紫外線硬化性オリゴマー水分散液α(紫外線硬化性オリゴマー濃度 20質量%)を得た。この水分散液中の紫外線硬化性オリゴマー粒子の平均粒径(D50)は、粒度分布計 MICROTRAC UPA(MODEL:9340-UPA、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、33nmであった。
[紫外線硬化性オリゴマー水分散液βの調製]
脂溶性開始剤を用いないこと以外は、紫外線硬化性オリゴマー水分散液αと同様にして、紫外線硬化性オリゴマー水分散液β(紫外線硬化性オリゴマー濃度 20質量%)を得た。この水分散液中の紫外線硬化性オリゴマー粒子の平均粒径(D50)は、粒度分布計 MICROTRAC UPA(MODEL:9340-UPA、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、36nmであった。
[紫外線硬化性オリゴマー水分散液γの調製]
紫外線硬化性オリゴマーAに代えて紫外線硬化性オリゴマーBを用いた以外は、紫外線硬化性オリゴマー水分散液αと同様にして、脂溶性開始剤を内包した紫外線硬化性オリゴマー水分散液γ(紫外線硬化性オリゴマー濃度 20質量%)を得た。この水分散液中の紫外線硬化性オリゴマー粒子の平均粒径(D50)は、粒度分布計 MICROTRAC UPA(MODEL:9340-UPA、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、32nmであった。
[紫外線硬化性オリゴマー水分散液δの調製]
紫外線硬化性オリゴマーAに代えて紫外線硬化性オリゴマーBを用いた以外は、紫外線硬化性オリゴマー水分散液βと同様にして、紫外線硬化性オリゴマー水分散液δ(紫外線硬化性オリゴマー濃度 20質量%)を得た。この水分散液中の紫外線硬化性オリゴマー粒子の平均粒径(D50)は、粒度分布計 MICROTRAC UPA(MODEL:9340-UPA、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、29nmであった。
[脂溶性開始剤溶液の調製]
水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノイソブチルエーテル100質量部に対し、脂溶性開始剤としてRAHN社製GENOPOL TX-2を1質量部加え、40℃で撹拌しながら完全に溶解させて脂溶性開始剤溶液を得た。
[水溶性有機溶剤]
水溶性有機溶剤として、以下の化合物を用いた。
a:プロピレングリコール
b:ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル
[界面活性剤]
界面活性剤として、以下の市販品を用いた。
[1]:第一工業製薬製 ノイゲンFN1287
[2]:共栄社化学製 LE-605
[実施例1]
イオン交換水、紫外線硬化性オリゴマー水分散液α、保湿溶剤として1,2-ブタンジオール、水溶性有機溶剤a、水溶性開始剤、水溶性増感剤、界面活性剤、顔料分散液として山陽色素製EMACOL SF CYAN AE2034Fを、表1の組成比となるように添加、混合してインク組成液1を得た。インク組成液1の25℃における粘度は、デジタル粘度計(BROOKFIELD社製 DV‐I+)を用いて測定したところ、7mPa・secであった。
[実施例2]
紫外線硬化性オリゴマー水分散液αを紫外線硬化性オリゴマー水分散液βに、水溶性有機溶剤aを水溶性有機溶剤bに変えて、脂溶性開始剤溶液を加えて、表1の組成比とした以外は、実施例1と同様にしてインク組成液2を得た。
[実施例3]
紫外線硬化性オリゴマー水分散液αを紫外線硬化性オリゴマー水分散液βに、水溶性有機溶剤aを水溶性有機溶剤bに変えて、表1の組成比とした以外は、実施例1と同様にしてインク組成液3を得た。
[比較例1]
紫外線硬化性オリゴマー水分散液αを紫外線硬化性オリゴマー水分散液γに変えた以外は、実施例1と同様にしてインク組成液4を得た。インク組成液4の25℃の粘度は、デジタル粘度計(BROOKFIELD社製 DV‐I+)を用いて測定したところ、8mPa・secであった。
[比較例2]
紫外線硬化性オリゴマー水分散液βを紫外線硬化性オリゴマー水分散液δに変えた以外は、実施例2と同様にしてインク組成液5を得た。
Figure 2022185200000003
[硬化膜の形成]
実施例1~3及び比較例1、2のインク組成液について、PVCフィルム上にバーコーターを用いて膜厚15μmで塗布し、80℃で10分間加熱した後、385nmのピーク波長を有するLEDで7J/cmの照射エネルギーの紫外線を照射して、硬化膜を形成した。
[硬化膜の耐アルコール性の評価]
実施例1~3及び比較例1、2の硬化膜を用いて、耐アルコール性の評価を行った。
評価は、脱脂綿を無水エタノールに浸して硬化膜表面を荷重なし又は200g荷重で擦ったとき、脱脂綿への色移りの有無を目視で観察することにより行い、以下の評価基準で評価した。結果を表2に示す。
〇:いずれの試験でも脱脂綿への色移りなし。
×:荷重なしでは脱脂綿への色移りなし、200g荷重では脱脂綿への色移りあり。
××:いずれの試験でも脱脂綿への色移りあり。
[硬化膜の耐擦過性の評価]
実施例1、2及び比較例1の硬化膜を用いて、耐擦過性の評価を行った。
評価は、摩擦摩耗試験機トライボギアHEIDON-14DR(新東科学株式会社製)を用いて、接地面が直径27mmの円形端子に、粒度#1000のラッピングフィルムシート(トラスコ中山株式会社製)をセットして、試験距離50mmを10秒間で10往復、400g荷重で硬化膜表面を擦ったとき、硬化膜の剥がれを画像解析ソフトで二値化して、硬化膜の面積のうち剥がれた部分の割合(%)を求めた。結果を表2に示す。なお、実施例3及び比較例2に関しては、耐擦過性の評価はしていない。
Figure 2022185200000004
[実施例4]
イオン交換水、紫外線硬化性オリゴマー水分散液α、保湿溶剤として1,2-ブタンジオール、水溶性開始剤、水溶性増感剤、界面活性剤、顔料分散液として山陽色素製EMACOL SF CYAN AE2034Fを、表3の組成比となるように添加、混合してインク組成液6を得た。
[比較例3]
紫外線硬化性オリゴマー水分散液αを紫外線硬化性オリゴマー水分散液γに変えて、表3の組成比とした以外は、実施例4と同様にしてインク組成液7を得た。
[硬化膜の形成]
実施例4及び比較例3のインク組成液について、PETフィルム上にバーコーターを用いて膜厚15μmで塗布し、80℃で10分間加熱した後、385nmのピーク波長を有するLEDで7J/cmの照射エネルギーの紫外線を照射して、硬化膜を形成した。
[硬化膜の耐溶出性の評価]
実施例4及び比較例3の硬化膜を用いて、耐溶出性の評価を行った。
硬化膜をバイアル瓶に入る大きさにカットし、合計面積が125cmに相当する量をバイアル瓶に入れた。このバイアル瓶に50%エタノール水溶液3mLを入れ、70℃で2時間加熱した。加熱終了後、バイアル瓶から溶液のみをアルミカップに移し、溶液を乾固させ、乾固物の重量を求めた。ブランクとして、硬化膜を形成していないPETフィルムでも同様の操作を行い、前記乾固物の重量からブランクの乾固物の重量を差し引いて硬化膜溶出物重量Aを求めた。
次に、ガラス上に膜厚15μmの硬化膜を形成したのち、硬化膜を削り取って、その面積と重量から1cm当たりの硬化膜重量Bを求めた。
以下の式で得られる数値を耐溶出性(%)とした。結果を表3に示す。
Figure 2022185200000005
Figure 2022185200000006
上記評価の結果(表2及び表3)より、上記化合物(C’)が、ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能で、かつ(メタ)アクリロイル基を有する水溶性化合物である、特定の構造を有する紫外線硬化性オリゴマーを用いた本発明のインクは、耐アルコール性、耐擦過性及び耐溶出性に優れることが分かった。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
本出願は、2019年11月29日付で出願された日本特許出願2019-216741、2019年11月29日付で出願された日本特許出願2019-216742、2020年2月28日付で出願された日本特許出願2020-033702、及び2020年2月28日付で出願された日本特許出願2020-033703の内容を含むものであり、その全体が引用により援用される。

Claims (22)

  1. 少なくとも紫外線硬化性オリゴマーと着色剤とを含有するインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクであって、
    該紫外線硬化性オリゴマーが、ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位、下記に示す化合物(B’)由来の構造単位、及び下記に示す化合物(C’)由来の構造単位を有する紫外線硬化性オリゴマーであるインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
    化合物(B’):重合性不飽和結合を2以上含有し、ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能な化合物
    化合物(C’):ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能で、かつ(メタ)アクリロイル基を有する水溶性化合物
  2. 前記化合物(C’)が、水酸基末端を1つ含有する化合物である請求項1に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  3. 前記化合物(C’)が、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)である請求項1又は2に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  4. 前記化合物(C’)が、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコールモノ置換エーテルである請求項3に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  5. 前記化合物(C’)が、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートである請求項4に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  6. 前記化合物(B’)が、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)である請求項1~5のいずれか1項に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  7. 前記紫外線硬化性オリゴマーは、前記ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位が、前記水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(B)由来の構造単位及び前記(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)由来の構造単位と、それぞれウレタン結合を介して結合されたものである請求項6に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  8. 前記ポリイソシアネート化合物(A)がイソシアネート基を3個以上有する請求項1~7のいずれか1項に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  9. 前記紫外線硬化性オリゴマーが水系媒体中に粒子として分散している請求項1~8のいずれか1項に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  10. 前記紫外線硬化性オリゴマーの平均粒径が10nm以上200nm以下である請求項1~9のいずれか1項に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  11. 25℃での粘度が1mPa・sec以上25mPa・sec以下である請求項1~10のいずれか1項に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  12. 前記着色剤の含有量が0.1質量%以上8質量%以下であり、前記紫外線硬化性オリゴマーの含有量が3質量%以上20質量%以下である請求項1~11のいずれか1項に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  13. 更に、重合開始剤、増感剤、及び界面活性剤の1種又は2種以上を含む請求項1~12のいずれか1項に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  14. 重合開始剤及び/又は増感剤を含み、該重合開始剤及び/又は増感剤の少なくとも一部が前記紫外線硬化性オリゴマーに内包されている請求項13に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インク。
  15. 被記録媒体上に、請求項1~14のいずれか1項に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系インクから形成された硬化物を有する印刷物。
  16. 紫外線硬化性オリゴマーと、重合開始剤、増感剤、及び界面活性剤のうちのいずれか1種以上とを含有するインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物であって、
    該紫外線硬化性オリゴマーが、ポリイソシアネート化合物(A)由来の構造単位、下記に示す化合物(B’)由来の構造単位、及び下記に示す化合物(C’)由来の構造単位を有する紫外線硬化性オリゴマーであるインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
    化合物(B’):重合性不飽和結合を2以上含有し、ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能な化合物
    化合物(C’):ポリイソシアネート化合物(A)と結合可能で、かつ(メタ)アクリロイル基を有する水溶性化合物
  17. 前記化合物(C’)が、水酸基末端を1つ含有する化合物である請求項16に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
  18. 前記化合物(C’)が、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコール(C)である請求項16又は17に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
  19. 前記化合物(C’)が、(メタ)アクリロイル基を有するポリアルキレングリコールモノ置換エーテルである請求項18に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
  20. 前記化合物(C’)が、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートである請求項19に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
  21. 少なくとも1種以上の重合開始剤と、増感剤及び/又は界面活性剤とを含有する請求項16~20のいずれか1項に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
  22. 重合開始剤及び/又は増感剤を含み、該重合開始剤及び/又は増感剤の少なくとも一部が前記紫外線硬化性オリゴマーに内包されている請求項16~21のいずれか1項に記載のインクジェット印刷用紫外線硬化性水系組成物。
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