JP2022182748A - 遊技機 - Google Patents

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康太 早川
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Abstract

【課題】遊技興趣の低下を抑える遊技機を提供すること。【解決手段】通常遊技状態において、判定が所定回数(800回)実行されることに応じて、遊技者に有利な遊技を実行することなく、通常遊技状態よりも第2始動条件(第2始動口12への入賞)が成立し易い特定遊技状態(時短状態)にすることがあり、特定遊技状態において判定を特定の規定回数(900回)行うことに応じて、特定遊技状態から通常遊技状態にし、判定で所定結果(小当たり)となると、所定遊技(小当たり遊技)を実行し、所定遊技において所定条件(遊技球の特定領域16の通過)が成立することに応じて、特定遊技状態にすることがあり、特定遊技状態における判定で所定結果となる場合よりも、通常遊技状態における判定で所定結果となる場合の方が高確率で、特定遊技状態になる。【選択図】図77

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
従来、パチンコ遊技機では、遊技球が始動口に入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定結果を報知する識別情報(特別図柄)の変動表示が行われる。識別情報(特別図柄)の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるということが報知されると、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態になる(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の遊技機では、通常遊技状態において、識別情報(特別図柄)の変動表示が特定回数実行されると、遊技者に有利な特定遊技状態になることがある。
特開2021-049003号公報
しかしながら、通常遊技状態において、識別情報(特別図柄)の変動表示が特定回数実行されると、遊技者に有利な特定遊技状態になることがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
本発明に係る遊技機は、
始動条件が成立することによって判定を行い、当該判定で特定結果となると、遊技者に有利な遊技を実行する遊技実行手段を備え、
前記始動条件には、第1始動条件と第2始動条件があり、
前記判定には、前記第1始動条件に係る第1判定と、前記第2始動条件に係る第2判定とがあり、
前記特定結果には、前記第1判定に係る第1特定結果と前記第2判定に係る第2特定結果とがあり、
前記遊技実行手段は、通常遊技状態において、前記判定が所定回数実行されることに応じて、前記遊技者に有利な遊技を実行することなく、前記通常遊技状態よりも前記第2始動条件が成立し易い特定遊技状態にすることがある遊技機であって、
前記遊技実行手段は、
前記特定遊技状態において前記判定を特定の規定回数行うことに応じて、前記特定遊技状態から前記通常遊技状態にし、
前記判定で所定結果となると、所定遊技を実行し、
前記所定遊技において所定条件が成立することに応じて、前記特定遊技状態にすることがあり、
前記特定遊技状態における前記判定で前記所定結果となる場合よりも、前記通常遊技状態における前記判定で前記所定結果となる場合の方が高確率で、前記特定遊技状態になることを特徴とする。
本発明によれば、遊技興趣の低下を抑えることが可能である。
本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の斜視図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 (A)は盤可動体の待機状態を説明する正面図、(B)は盤可動体の移動状態を説明する正面図、(C)は盤可動体の回転状態を説明する正面図である。 表示器類の正面図である。 本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の背面図である。 遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)は普図関連判定情報を示す表であり、(B)は特図関連判定情報を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの構成例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの構成例である。 (A)は大当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの構成例であり、(C)はリーチ判定テーブルの構成例である。 特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 特図2変動パターン判定テーブルの構成例である。 第1先読み判定テーブルの構成例である。 第2先読み判定テーブルの構成例である。 (A)は大当たり遊技制御テーブルの構成例であり、(B)は遊技状態設定テーブルの構成例である。 (A)はデモ動画の一例を示す図であり、(B)は設定画面の一例を示す図である。 (A)は第1通常用背景画像の一例を示す図であり、(B)は第2通常用背景画像の一例を示す図であり、(C)は第3通常用背景画像の一例を示す図であり、(D)は確変用背景画像の一例を示す図であり、(E)は時短用背景画像の一例を示す図である。 (A)は大当たりオープニング演出の一例を示す図であり、(B)はラウンド演出の一例を示す図であり、(C)は大当たりエンディング演出の一例を示す図である。 (A)は演出図柄の一例を示す図であり、(B)は演出図柄表示領域の一例を示す図である。 リーチ無しハズレの特図変動演出の一例を表す図である。 特図変動演出が開始してからリーチになるまでの一例を表す図である。 Nリーチの一例を表す図である。 Lリーチの一例を表す図である。 Lリーチの一例を表す図であり、図23の続きである。 SPリーチの一例を表す図である。 SPリーチの一例を表す図であり、図25の続きである。 SPリーチの一例を表す図であり、図26の続きである。 可動体演出の一例を表す図である。 操作演出の一例を表す図である。 保留演出の一例を表す図である。 保留アイコン変化予告の一例を表す図である。 保留アイコン変化予告の一例を表す図である。 遊技制御メイン処理のフローチャートである。 遊技制御側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 センサ検知処理のフローチャートである。 センサ検知処理のフローチャートであり、図35の続きを表す図である。 普通動作処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図1変動パターン判定処理のフローチャートである。 特別図柄変動処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 演出制御メイン処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートであり、図46の続きを表す図である。 (A)は第1実施形態に係る当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は第1実施形態に係る普図変動パターン判定テーブルの構成例であり、(C)は第1実施形態に係る補助遊技制御テーブルの構成例である。 ハズレ図柄種別判定テーブルの構成例である。 非時短状態、および特図1変Pステータス「0」に対応付けられた特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 第1時短状態、および特図1変Pステータス「0」に対応付けられた特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 非時短状態、および特図1変Pステータス「1」に対応付けられた特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 第1時短状態、および特図1変Pステータス「1」に対応付けられた特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 第1実施形態に係る特別図柄確定処理のフローチャートである。 (A)は特図1変PTBL選択条件の遷移例1を表す図であり、(B)は特図1変PTBL選択条件の遷移例2を表す図である。 第2実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。 (A)は待機状態の枠可動体の正面図であり、(B)は第1可動部が所定の作動位置まで上昇した状態の枠可動体の正面図であり、(C)は第2可動部が所定の作動位置まで上昇した状態の枠可動体の正面図であり、(D)は第3可動部が所定の作動位置まで上昇した状態の枠可動体の正面図であり、(E)は第4可動部が所定の作動位置まで上昇した状態の枠可動体の正面図である 第2実施形態に係る演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 特定先読み演出の具体例を表す図である。 特定先読み演出の具体例を表す図である。 (A)は特定先読み演出実行判定テーブルの構成例であり、(B)は特定先読み演出種別判定テーブルの構成例である。 特定予告演出の具体例を表す図である。 特定予告演出の具体例を表す図である。 特定予告演出の具体例を表す図である。 (A)は特定予告演出実行判定テーブルの構成例であり、(B)は特定予告演出種別判定テーブルの構成例である。 特定予告演出の変更例を表す図である。 特定予告演出の変更例を表す図である。 特定予告演出の変更例を表す図である。 第3実施形態に係る遊技盤の正面図である。 遊技盤における遊技球が第2大入賞口へ入賞した後の部分の構成を模式的に表した説明図である。 第3実施形態に係る遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)は第3実施形態に係る大当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は第3実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの構成例であり、(C)は第3実施形態に係る小当たり図柄種別判定テーブルの構成例である。 第3実施形態に係る大当たり遊技制御テーブルの構成例である。 (A)は通常用小当たり遊技制御テーブルの構成例であり、(B)は時短用小当たり遊技制御テーブルの構成例である。 (A)は、通常小当たり遊技の流れを示すタイムチャートであり、(B)は、時短小当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。 (A)は通常遊技状態において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例であり、(B)は時短状態において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例である。 天井到達から遷移可能な遊技フローを示す図である。 (A)標準時短特図2変動パターン判定テーブルの構成例であり、(B)は特殊時短特図2変動パターン判定テーブルの構成例である。 第3実施形態に係る遊技制御側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 第3実施形態に係るセンサ検知処理のフローチャートの一部分を示す図である。 第3実施形態に係るセンサ検知処理のフローチャートの一部分を示す図であって、図80の続きである。 第3実施形態に係る特別動作処理のフローチャートである。 第3実施形態に係る特図2判定処理のフローチャートである。 第3実施形態に係る特別図柄変動処理のフローチャートである。 第3実施形態に係る特別図柄確定処理のフローチャートである。 第3実施形態に係る枠ランプを説明する説明図である。 特別発光演出態様の種類と、その具体的な演出内容との関係を示す表である。
<基本的な実施形態>
最初に、本発明の遊技機の特徴部分の前提となる本発明の基本的な実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、以下において、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
1.遊技機の機械的構成
本発明の遊技機の基本的な実施形態であるパチンコ遊技機PYについて説明する。最初に、パチンコ遊技機PYの機械的構成について図1~図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PYの各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PYに対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機PYから当該パチンコ遊技機PYに対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機PYに対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PYに近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PYは、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
外枠21、内枠22、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PYが遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PYの前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PYの前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kは時計回りに回転操作可能であり、ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な第1演出ボタン40kが設けられている。第1演出ボタン40kの上皿34の上面から視認可能に突出している操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体31、右側装飾体32、および左側装飾体33が設けられている。上側装飾体31の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカー52、具体的には左側に配されたスピーカー52Lと右側に配されたスピーカー52R、が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。また、右側装飾体32の下部には、下方に押下操作可能な第2演出ボタン41kが設けられている。第2演出ボタン41kの操作部分は棒状に成形されている。さらに、右側装飾体32から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体33から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、図1に加えて図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に略平行な湾曲状の内レール63と、が形成されている。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PYで遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方側先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。
このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(例えば、2個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。
このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(基本的な実施形態では、9個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。
遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の数センチ後方に配置されている。
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、遊技盤1と画像表示装置50との間に配されている。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。すなわち、盤可動体55kは、待機状態において、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認でき、大部分が視認できないよう配されている(図3(A)参照)。
そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
また、回転部材55k1は、その中心において前後方向に形成された回転軸を中心に正面視右回りおよび左回りに回転運動することが可能である(図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。図4に示すように、表示器類8には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PYでは、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示が保留される。この保留された特図抽選および特図の可変表示のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて保留された特図1抽選、および特図1の可変表示を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて保留された特図2抽選、および特図2の可変表示を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち保留されている特図1抽選および特図1の可変表示の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち保留されている特図2抽選、および特図2の可変表示の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値に設けることも設けないことも可能である。また、特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値を設ける場合、特図1保留の数と特図2保留の数を同一にしても良いし、異ならせても良い。なお、基本的な実施形態では、特図1保留の数、および特図2保留の数の上限値が「4」に設定されているとする。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」と「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13への入賞を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、基本的な実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
2.遊技機の電気的構成
次に、図5~図7に基づいて、パチンコ遊技機PYの電気的な構成を説明する。図5に示すように、パチンコ遊技機PYの背面側には、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の制御に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、画像の制御を行う画像制御基板140、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170、および各基板100、120、140、170に電力を供給する電源基板190が取り付けられている。
電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。よって、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。
遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する遊技制御メイン処理や遊技制御側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連判定情報と特図2関連判定情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限値は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限値は「4」に設定されている。
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
また、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
なお、遊技制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、遊技制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PYに隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モーター73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。
さらに、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検知可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検知したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モーター72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PYにおいては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。また、ハンドル72kの回転可能な範囲で
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。
なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。そして、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。ただし、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
なお、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
演出用ROM123には、後述する演出制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
演出用RAM124には、後述する始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125、後述する図柄指定コマンドを記憶する図柄指定コマンド記憶部126、および後述する特図変動開始コマンドを記憶する特図変動開始コマンド記憶部127が設けられている。
また、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。
CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声、楽曲、および効果音等を出力する。
スピーカー52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカー52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種センサ類や駆動源となる各種アクチュエータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aが含まれている。第1演出ボタンセンサ40aは、第1演出ボタン40kが押下操作されたことを検出する。第2演出ボタンセンサ41aは、第2演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤可動体回転用モーター55m1、および盤可動体昇降用モーター55m2が含まれている。盤可動体回転用モーター55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。盤可動体昇降用モーター55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。
なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」と総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162を基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な遊技について、図8~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を実行することができる。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。
当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PYは、普図変動始動条件が成立し、普図関連判定情報を取得して普図抽選を行うことに基づいて、普図の可変表示、および補助遊技といった一連の遊技を行うことができる。取得する普図関連判定情報には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、例えば図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。
各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動パターン判定・普図可変表示
普図変動パターン判定は、例えば図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられる場合、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PYは、非時短状態と時短状態とで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。なお、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。
そして、普図変動パターン判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。補助遊技において、電チュー12Dが開放する
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。パチンコ遊技機PYは、補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。例えば図9(C)に示すように、補助遊技制御テーブルに遊技状態(非時短状態/時短状態)を関連付けることが可能である。すなわち、補助遊技構成要素を、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。なお、開放回数や開放時間などの各要素の具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PYは、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、0.2秒などの遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な第1の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。一方、時短状態における補助遊技では、例えば、1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放などの第1の開放時間よりも長く、遊技球を電チュー12Dに入賞させることが容易な第2の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。
なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。一方、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。また、各補助遊技における開放時間は、その補助遊技での合計時間であり、例えば、一度開放した後に一旦閉鎖するインターバルを挟んで再度開放するなど、1回の補助遊技の中で複数回開放するように構成しても良い。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を実行することができる。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。また、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を実行することができる。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。さらに、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
また、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PYは、始動条件が成立し、特図関連判定情報を取得して特図抽選を行うことに基づいて、特図の可変表示、および大当たり遊技といった一連の遊技を行う。そして、特図の可変表示を行うために、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり、またはハズレの何れかを決定することである。大当たり判定テーブルは、例えば図10(A)に示すように、後述する遊技状態に関連付けて設けることができる。具体的には、大当たり判定テーブルには、後述する通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「通常確率用大当たり判定テーブル」という)と、後述する高確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)と、がある。
遊技状態に関連付けられた各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PYは、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに、取得した特別図柄乱数を照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
なお、大当たり確率や各種大当たり判定の判定結果に対する特別図柄乱数判定値の振り分け方については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、例えば図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定することである。大当たり図柄の種別に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素(遊技者に有利な内容)を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄は複数種類設定可能である。各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
特図1の大当たり図柄、および特図2の大当たり図柄の種類は適宜に設定することができるが、例えば、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄を設け、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄を設けることができる。そして、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、例えば、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定することである。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、例えば、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させるか否か)を判定する。
図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。また、「リーチ無しハズレ」のことを「どハズレ」と称し、「リーチ有りハズレ」のことを「リーチハズレ」と称することもある。
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、例えば図11~図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定することである。
特図変動パターンとは、特図変動時間、所謂「尺」や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果、およびリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることも可能である。なお、特図変動パターンの種類や数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。具体的には、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図1変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、非時短用特図2変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図1保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルも、特図2保留数にも関連付けることが可能である。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の変動表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の変動表示の後に、特図可変表示の表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンに、図11~図12の表の右から3番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローを関連付けることが可能である。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する代表的な演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、バトル演出、がある。
通常変動は、停止表示していた演出図柄が変動を開始し、各演出図柄を構成する1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示して特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出である。そして、リーチ無しハズレ変動に係る特図変動演出(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、リーチが発生する特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されることがある。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、例えば当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチ、およびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチ、SPリーチに発展する(切り替わる)。
Lリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、Lリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わる(Lリーチ専用の映像が流れる)。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが必殺技を習得するために特訓を行うなど後述のSPリーチに係る試合とは異なるシーンの映像が表示される。
SPリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、SPリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Lリーチよりも長時間行われ、Lリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、SPリーチ専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが所属するチームと、主人公キャラクタのライバルが所属するチームとが試合を行うシーンの映像が表示される。
バトル演出は、例えば時短状態においてリーチ後に実行可能な演出であり、通常変動よりも大当たり期待度が高いことを示唆する演出である。バトル演出でも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、バトル演出専用の背景画像に切り替わる(バトル演出専用の映像が流れる)。また、バトル演出では、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。
なお、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出における「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出においてリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。また、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出の演出内容は適宜に変更可能である。さらに、特図変動演出を構成する演出は、これらに限られず、適宜に加え、あるいは減らすことが可能である。
また、図11~図12の表の右から2番目の欄に示すように、特図変動パターンに、大当たり判定結果および特図変動演出の演出内容などを関連付けて名称を付すことが可能である。そして、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と総称することもある。
さらに、大当たり判定結果に関わらずSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチ変動」と総称することもある。また、リーチ有りのハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しのハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」と総称することもある。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PYは、大当たり判定を行う前に、取得した特図関連判定情報に基づいて、例えば図13~図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行うことが可能である。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)、言い換えると、その始動入賞によって可変表示される特図の種類(特図1/特図2)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞し、特図1の可変表示が行われる場合の第1先読み判定テーブル(図13)と、第2始動口12に入賞し、特図2の可変表示が行われる場合の第2先読み判定テーブル(図14)と、がある。なお、第1先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第1先読み判定」、第2先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第2先読み判定」ともいう。
また、先読み判定テーブルは、後述する遊技状態(通常遊技状態/高確率高ベース遊技状態/低確率高ベース遊技状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(通常遊技状態用先読み判定テーブル)と、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(高確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(低確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、通常遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。
なお、図13~図14に示す先読み判定テーブルを用いる先読み判定によって、当該始動口11、12への入賞によって行われる特図の可変表示に係る特図変動パターンが特定される。すなわち、当該入賞に基づく特図の可変表示が行われるよりも前にその特図の可変表示に係る特図変動パターンが先読み判定結果として特定される。特図変動パターンを特定する過程で、大当たりの当否も先読み判定結果として特定される。
そして、特図変動パターンなどに関する情報が含まれる先読み判定結果は始動入賞コマンドに対応付けられている。後述するように、始動入賞コマンドは、その生成に伴って先読み判定結果として演出制御基板120に送信される。なお、先読み判定結果としてどのような情報を特定させるかは適宜に変更可能である。例えば、大当たり図柄種別に関する情報も先読み判定結果に含ませることができる。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
3-3.大当たり遊技
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。
なお、OPやEDを設けないようすることが可能である。また、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
そして、パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルは大当たり図柄の種別毎に設定することが可能である。すなわち、大当たり遊技を大当たり図柄の種別に対応付けることが可能である。そして、大当たり遊技は1種類、または複数種類設定可能である。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)が格納されている。大当たり遊技構成要素には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
そして、パチンコ遊技機PYは、例えば図15(A)に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御することが可能である。すなわち、図15(A)に示すような大当たり遊技の種別および各大当たり遊技に対する大当たり遊技構成要素を設定することが可能である。ここで、図15(A)で設定されている大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第2大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第2大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第3大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第3大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第4大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Eに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第5大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第6大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14aによって検知されると、大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
また、図15(A)に示す大当たり遊技制御テーブルでは、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、大当たり図柄の種類によって決定されているが、これとは異なる方法で大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
3-4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PYが制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技が実行されている状態である大当たり遊技状態と、大当たり遊技が実行されていない非大当たり遊技状態がある。非大当たり遊技状態には、基本的なベースとなる遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、がある。この特定遊技状態に係る「遊技者に有利」となる要素には大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性とがある。すなわち、特定遊技状態に大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性を関連付けることができる。
大当たり確率について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも大当たり確率が高くなり、大当たり当選し易くなるということである。また、第2始動口12の開放の容易性について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも第2始動口12の開放の容易性が高くなり、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということである。
そして、特定遊技状態としては、大当たり確率および第2始動口12の単位時間あたりの開放時間の何れもが遊技者に有利な第1特定遊技状態と、大当たり確率のみが遊技者に有利な第2特定遊技状態と、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間のみが遊技者に有利な第3特定遊技状態の3種類を設定可能である。なお、これらの3種類の特定遊技状態の全てをパチンコ遊技機PYに搭載せずに、3種類の特定遊技状態の中の一部を搭載することもできる。
ここで、大当たり確率に注目した部分的な遊技状態として、大当たり確率が通常遊技状態よりも高くなり、大当たり確率について遊技者に有利な状態を「高確率状態」という。これに対して、大当たり確率が通常遊技状態での通常確率であり、大当たり確率について遊技者に有利ではない状態を「通常確率状態」という。
また、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間に注目した部分的な遊技状態として、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長い遊技状態を「時短状態」とい。これに対して、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態での開放時間である遊技状態を「非時短状態」という。ここで、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということは、第2始動口12に遊技球を入賞させ易くなるということである。したがって、時短状態は、通常遊技状態よりも第2始動口12への入賞の容易性(第2始動口12への入賞容易性)が高くて遊技者に有利である遊技状態と位置づけることができる。
ここで、非時短状態と時短状態について詳細に説明する。前述のように、時短状態は、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。すなわち、時短状態は非時短状態よりも第2始動口12に入賞させ易い状態である。ここで、非時短状態よりも時短状態で第2始動口12に入賞させ易くするための具体的な方法について説明する。
例えば、時短状態を、非時短状態に比べて普図変動時間が短くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、当たり判定の結果に関わらず、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30.0秒)よりも短い普図変動時間(5.0秒)が決定されるようにする。その結果、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が同一であると、単位時間あたりにおける普図抽選の実行回数が多い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
また、時短状態を、非時短状態に比べて1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と普図変動時間が同一であると、単位時間あたりの補助遊技の実行回数が等しくなるため、1回の補助遊技での電チュー12Dの開放時間が長い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
さらに、時短状態を、非時短状態に比べて当たり判定で当たりと判定され易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間と普図変動時間が同一であると、当たり判定で当たりと判定される確率が高い分、単位時間あたりの当たり判定の回数が多くなるため、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
このように、時短状態においては非時短状態よりも当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる3つの条件が成立することによって、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞を容易にすることができる。この結果、発射球数に対する賞球数の割合である所謂「ベース」が高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、通常遊技状態に比べて所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利であるといえる。
なお、時短状態においては、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間が長くなるための3つの条件が全て揃わずに一部の条件のみが揃うようにしても良い。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞が容易になればよい。
また、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易くなるようにするなどして、単位時間あたりにおける特図可変表示の実行回数が少ない、または特図変動時間の平均が低くなるようにしても良い。その結果、時短状態では、特図保留が消化されるペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
なお、以下において、各特定遊技状態について遊技者に対する有利性の内容に関連付けて、第1特定遊技状態のことを「高確率高ベース遊技状態」、第2特定遊技状態のことを「高確率低ベース遊技状態」、および第3特定遊技状態のことを「低確率高ベース遊技状態」ともいう。さらに、通常遊技状態のことを「低確率低ベース遊技状態」ともいう。
よって、低確率低ベース遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態で制御されている遊技状態といえる。同様に、低確率高ベース遊技状態は通常確率状態且つ時短状態、高確率低ベース遊技状態は高確率状態且つ非時短状態、および高確率高ベース遊技状態は高確率状態且つ時短状態で制御されている遊技状態といえる。
このように、パチンコ遊技機PYは、低確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および大当たり遊技状態で制御可能である。なお、大当たり遊技状態では、大入賞口14が長時間開放し、遊技球を多量に獲得することができるので、大当たり遊技状態も遊技者に有利な遊技状態ということができる。よって、大当たり遊技状態と、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な「有利遊技状態」ということもできる。
なお、高確率高ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態は、大当たり確率が通常確率状態よりも高確率となっている点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。また、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態は、第2始動口12への入賞容易性が非時短状態よりも高い点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。さらには、大当たり遊技状態では、1回の入賞による賞球数が第1始動口11、および第2始動口12よりも多い大入賞口14が開放するので、大当たり遊技状態は低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
また、パチンコ遊技機PYの電源が投入されると最初に通常遊技状態が設定される。また、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の停止表示が行われることによって設定される。一方、特定遊技状態は、大当たり当選して大当たり遊技が実行されることによって設定される。次に、特定遊技状態の設定について説明する。
3-5.大当たり遊技の終了に伴う遊技状態の設定
パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技の終了に伴って、新たに遊技状態を設定することができる。すなわち、大当たり遊技の後に、新たな遊技状態にて遊技を制御・進行させることができる。この遊技状態の継続期間は適宜に設定可能である。例えば、新たな遊技状態として、特定遊技状態を次回大当たり当選するまで継続させることができる。また、特定遊技状態が継続できる期間を制限することもできる。
特定遊技状態の継続期間を制限させる場合は、継続期間に対する終了条件が成立することを契機に特定遊技状態を終了させることができる。そして、特定遊技状態が終了すると通常遊技状態が設定されるようにすることができる。また、高確率高ベース遊技状態については、終了条件が成立すると、低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態が設定されるようにすることもできる。この場合、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態は次回大当たり当選するまで継続するようにしても良い。また、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態についても同一または異なる終了条件を設け、当該終了条件が成立すると通常遊技状態が設定されるようにしても良い。
また、特定遊技状態の継続期間に対する終了条件は適宜に設定することができる。終了条件として、例えば特図可変表示の実行回数を設定することができる。また、特図可変表示の実行回数に限られず、大当たり遊技後の経過時間、大当たり遊技後の遊技球の発射球数、大当たり遊技後のゲート13への通過回数、または特定遊技状態を終了させるか否かの抽選(所謂、「転落抽選」)において終了させるという結果の導出などを終了条件に設定することができる。さらには、これらの要素を単独で終了条件に設定しても良く、また複合的に設定しても良い。
なお、これらの終了条件は、大当たり遊技後に設定可能な全ての特定遊技状態に対して同一に設定しても良く、また設定可能な特定遊技状態の中の一部の特定遊技状態に対して設定しても良い。さらに、特定遊技状態毎に終了条件を異ならせても良い。
さらに、大当たり遊技の後に制御される遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容は、その大当たり遊技に係る大当たり図柄種別に対応付けることが可能である。例えば、前述のように大当たり図柄種別が設定されている場合、図15(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに係る大当たり遊技の終了後に高確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この高確率高ベース遊技状態については終了条件を設けずに、大当たり当選するまで継続可能にすることができる。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技の終了後に低確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この低確率高ベース遊技状態については終了条件を設け、終了条件として100回の特図可変表示に設定することができる。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行する大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な演出について、図16~図32を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PYは、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図可変表示が行われていないときに設定可能であり、特図可変表示が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PYを紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン40kが操作されると、図16(B)に示すように、パチンコ遊技機PYの演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカー52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、および実行される演出の頻度設定などがある。なお、演出に関する設定の項目は適宜に設定することができる。また、客待ちデモ動画G100から遊技者の操作によって設定画面G101が表示されないようにすることもできる。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。そして、さらに通常演出モードに属する下位の演出モードを複数設けることができる。例えば、通常演出モードに属する下位の階層の演出モードとして、第1通常演出モード、第2通常演出モード、および第3通常演出モードなどを設けることができる。
なお、以下において、演出モードに属する下位の階層の演出モードを「演出ステージ」ともいう。それに伴って、第1通常演出モードを「第1通常演出ステージ」ともいい、第2通常演出モードを「第2通常演出ステージ」ともいい、第3通常演出モードを「第3通常演出ステージ」ともいう。なお、特段の事情がない場合以外、基本的にはパチンコ遊技機PYの電源が投入された後、最初に特図変動表示が開始されたときに設定される演出モードは第1通常演出ステージ(第1通常演出モード)であるとする。ただし、当該最初に設定される演出モードの種類は特に限定されずに適宜変更しても良い。
このように通常演出モードに属する複数の演出ステージを設けた場合、所定の切替条件が成立すると演出ステージを順番に繰り返して切り替えていくことができる。切替条件は適宜に設定可能であるが、例えば、切替条件として、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変演出が行われることに設定することができる。さらに、切替条件として、SPリーチハズレ変動に基づく特図変動演出など、特定の演出が実行されることに設定することもできる。
また、後述するように特図変動演出においてリーチが発生することがあるが、特図変動演出を、リーチが発生しない場合の特図変動演出の全区間、およびリーチが発生する場合のリーチが成立する前の前段部分と、リーチが発生する場合のリーチが成立した後の後段部分と、に分けることができる。なお、前段部分は、前述の「通常変動」で構成される。
そして、第1通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に街の景色を表す背景画像(図17(A):第1通常用背景画像G111)が表示される。第2通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に野球場のグラウンドを表す背景画像(図17(B):第2通常用背景画像G112)が表示される。第3通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に飲食店内を表す背景画像(図17(C):第3通常用背景画像G113)が表示される。一方、第1通常演出ステージ~第3通常演出ステージの後段部分では、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112および第3通常用背景画像G113が表示されず、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像は、演出ステージの種別に関係なく通常演出モードに共通の背景画像としても良く、また、演出ステージ毎に異なる背景画像としても良い。
また、「高確率低ベース遊技状態」においても通常演出モードを設定可能にし、通常演出モードは非時短状態であることを示す演出モードにしても良い。あるいは「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定され、通常演出モードとは異なる所定の演出モードを設けても良い。さらに、ある条件で発生した低確率低ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態において、通常演出モードと異なる所定の演出モードを設定しても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、高確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードである。確変演出モードの前段部分では、例えば、図17(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G120)が表示され、確変用BGMがスピーカー52から出力される。また、確変演出モードの後段部分では、確変演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、低確率高ベース遊技状態、または高確率高ベース遊技状態の何れかであり、少なくとも時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードの前段部分では、例えば、図17(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G130)が表示され、時短用BGMがスピーカー52から出力される。また、時短演出モードの後段部分では、時短演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、時短演出モードは、低確率高ベース遊技状態においてのみ設定され、低確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードにすることもできる。
また、確変演出モードおよび時短演出モードの何れもまたは何れか一方について、通常演出モードと同様に、さらにその演出モード用の演出ステージを複数設け、所定の切替条件が成立すると、演出ステージが切り替わるようにしても良い。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中に、図18(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G1や「右打ち」を促す右打ち画像G2が表示される大当たりオープニング演出が行われる。加えて、オープニング中には、大当たりオープニング演出として、表示部50aにおいて、オープニング画像G1や右打ち画像G2の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(オープニング用背景画像G200)が表示される。
また、大当たり演出モードでは、大当たり遊技におけるラウンド遊技中に、図18(B)に示すように、表示部50aにおいて、右打ち画像G2がオープニングから引き続いて表示されると共に、ラウンド数を示すラウンド画像G3や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G4が表示されるラウンド演出が行われる。加えて、ラウンド遊技中には、ラウンド演出として、表示部50aにおいて、右打ち画像G2、ラウンド画像G3、および賞球数画像G4の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(ラウンド用背景画像G201)が表示されると共に、スピーカー52から大当たり遊技の種別に応じたBGMが出力される。
さらに、大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G5や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される大当たりエンディング演出が行われる。加えて、エンディング中には、大当たりエンディング演出として、表示部50aにおいて、エンディング画像G5や総賞球数画像G6の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(エンディング用背景画像G202)が表示される。
なお、以下において、大当たりオープニング演出、ラウンド演出、および大当たりエンディング演出を合わせて、大当たり遊技において実行される演出として「大当たり遊技演出」ともいう。すなわち、大当たり演出モードにおいて大当たり遊技演出が行われる。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。
特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、基本的には、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、表示部50aで行われる特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外の画像を用いることも可能である。さらに、表示部50aを含む画像表示装置50以外に、スピーカー52、枠ランプ53、盤可動装置55、第1演出ボタン装置40、および第2演出ボタン装置41などの様々な演出装置を用いた特図変動演出を行うことが可能である。
次に、特図可変表示に応じて実行される特図変動演出において、表示部50aに表示される演出図柄について説明する。演出図柄は、特図抽選結果を示すための識別情報でもあり、複数種類設けられている。詳細には、演出図柄の構成要素の1つが、特図抽選結果を示すための識別情報を構成し、その識別情報の違いによって演出図柄が複数種類設けられている。
例えば、図19(A)に示すように、演出図柄を1~9の数字で構成させ、9つの演出図柄を設けることができる。そして、数字「1」を含む演出図柄を演出図柄G10aとする。同様に、数字「2」~数字「9」を含む演出図柄を演出図柄G10b~演出図柄G10eとする。なお、便宜上、個々の演出図柄を区別なく取り扱う場合は、「演出図柄G10」と総称する。
また、「3」、および「7」に係る演出図柄G10c、G10gの数字部分は赤色であり、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、および「9」の演出図柄G10a、G10b、G10d、G10e、G10f、G10h、G10iの数字部分は青色である。すなわち、演出図柄G10の構成要素に、色が含まれている。なお、演出図柄G10の構成や識別情報を何に設定するかは適宜に変更しても良い。例えば、演出図柄G10に、各数字に対応付けられたキャラクタなどの他の構成要素を加えても良い。
続いて、演出図柄G10を表示するための演出図柄表示領域について説明する。例えば、図19(B)に示すように、表示部50aを水平方向に略均等に3つに分けた左側、中央および右側を、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3とすることができる。左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3の何れにも演出図柄G10が表示される。
そして、主に、特図変動演出の前段部分において、左演出図柄領域50b1に表示される演出図柄G10を「左演出図柄EZ1」と総称し、中演出図柄領域50b2に表示される演出図柄G10を「中演出図柄EZ2」と総称し、および右演出図柄領域50b3に表示される演出図柄G10を「右演出図柄EZ3」と総称する。すなわち、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3において、共通して、数字の1~9からなる演出図柄G10が表示されるが、相対的な表示位置で演出図柄G10を区別する場合には、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3と表記する。
なお、後述するように、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、最終的には、特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別、リーチ判定結果)を示す態様で演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、特図抽選結果として大当たりを報知する場合には、同じ数字の演出図柄G10が3つ横に並ぶように(所謂「ゾロ目」で)、演出図柄EZ1~EZ3が停止表示する。そこで、以下において、大当たりを報知する場合に停止表示している演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「大当たり演出図柄」と称する。例えば、演出図柄EZ1~EZ3が「7・7・7」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10g」となり、「9・9・9」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10i」となる。また、さらに、大当たり演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、大当たり演出図柄が「演出図柄G10g」であれば大当たり演出図柄は「7」となり、大当たり演出図柄が「演出図柄G10i」であれば大当たり演出図柄は「9」となる。また、後述するように、特図変動演出において、特図抽選結果が完全に示されるのは、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示するときである。しかしながら、基本的には、特図変動演出の途中で、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する前に、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示(仮停止表示)する。これは、一度暫定的に停止表示された演出図柄EZ1~EZ3の内容が変更することもあるからである。例えば、ある(相対的に遊技者に不利な)大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示した後に、別の(相対的に遊技者に有利な)大当たりを示す態様に変更されることがある。そこで、このように最初に大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示する場合(変更される前)の演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことについても「大当たり演出図柄」と称する。
また、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の途中で、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が同じ数字の演出図柄G10で暫定的に停止表示(仮停止表示)するリーチを行うことがある。後述するように、リーチは、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、リーチが行われたことによって大当たりに対してチャンスアップしたことになる。そこで、リーチに係る左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「リーチ演出図柄」と称する。例えば、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が「1」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10a」となり、「3」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10c」となる。また、さらに、リーチ演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、リーチ演出図柄が「演出図柄G10a」であればリーチ演出図柄を「1」と略称し、リーチ演出図柄が「演出図柄G10c」であればリーチ演出図柄を「3」と略称する。
また、図19(B)に示すように、表示部50aの下端部の左端(左下隅)の一区画に、小図柄を可変表示する小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cにおいて、特図の可変表示に応じて小図柄を可変表示させることができる。なお、小図柄のデザインは適宜に設定可能であるが、例えば、演出図柄G10の数字部分をそのまま縮小させて構成させることができる。
なお、図19(B)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは一点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
また、前述したように、特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出がある。ここで、これらの一部について説明する。
4-2-1.通常変動
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。次に、通常変動を具体的に説明する。なお、小図柄として、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3に対応する左小図柄KZ1、中小図柄KZ2、および右小図柄KZ3が小図柄領域50cで可変表示する。
例えば、図20(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、特図の可変表示が開始されると、図20(B)に示すように、その開始に伴って特図変動演出が開始される。具体的には、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。
演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを異ならせることができる。例えば、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示は、各演出図柄EZ1~EZ3が表示部50aの上から下にスクロール表示して行い、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は、各小図柄KZ1~KZ3を定位置で次々に入れ替えて行うようにしても良い。なお、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを同一にしても良い。
また、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は変動表示の開始直後から高速で変動表示する。演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3が高速で変動表示されている間は、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は、基本的に背景画像G111~G114などのその背景側の画像が視認容易な透明性を持って表示される。
そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
演出図柄EZ1~EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図20(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に図20(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、さらに、図20(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)する。
そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で暫定的に停止(仮停止)している演出図柄EZ1~EZ3が、図20(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる)。暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。
なお、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止するとは、演出図柄EZ1~EZ3がスクロール表示のように場所を大きく移動することはなく、その場で微かに揺れたり小さく往復運動したりすることをいう。よって、厳密には、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示している状態と、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示している状態とは異なるが、この暫定的な停止表示と確定的な停止表示を広義に「停止表示」と称することもある。また、図20の例では、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が停止したが、停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。
4-2-2.リーチ
次に、リーチの成立について説明する。特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)である場合も、基本的には前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図21(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示されていると共に、小図柄KZ1~KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、図21(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始すると共に、小図柄KZ1~KZ3の変動表示が開始する。
その後、所定時間が経過した後に、図21(C)に示すように、数字「5」に係る左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に、図21(D)に示すように、同一の数字「5」に係る右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで暫定的に停止(仮停止)して、リーチが成立する。リーチが成立したときには、リーチが成立したことを示す画像(リーチ成立示唆画像)G11が表示される。なお、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3でリーチが成立しても、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は継続して行われている。
さらに、図21の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が暫定的に停止(仮停止)したが、仮停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、暫定的に停止(仮停止)する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
このように、リーチ無しハズレである場合の特図変動演出の全期間と、リーチが発生する場合の特図変動演出の開始時からリーチ成立時までの区間を通常変動とすることができる。ただし、リーチが成立するまでの時間は、特図変動パターンなどに基づいて適宜に設定することができる。さらに、リーチが成立するまでの間に、所謂「疑似連」や、カットイン予告、台詞予告などの種々の予告演出を実行することも可能である。あるいは、リーチが成立するまでの間に、所謂「ゾーン」に突入するようにすることも可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PYは、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。次に、Nリーチを具体的に説明する。
リーチが成立すると、例えば、図21(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、図22(A)に示すように、リーチが成立したときの状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図22(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、図22(C-1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図22(C-1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、図22(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。なお、Nリーチの内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、図22(C-2)に示すように、停止していない残りの1つの中演出図柄EZ2が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)ことがある。
4-2-4.Lリーチ
パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図23(A)に示すように、Lリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、Lリーチの開始時に、例えば、図23(A)に示すように、表示部50aにLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像G114)が表示される。Lリーチ用背景画像G114は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。Lリーチ用背景画像G114に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクタが女の子に告白するという内容で構成されている。
Lリーチ用背景画像G114が表示されると、最初に、図23(A)に示すように、主人公キャラクタがある待ち合わせ場所で女の子を待っているシーンから開始される。続いて、図23(B)に示すように、待ち合わせ場所に女の子が現れる。このとき、表示部50aの略中央にて、中演出図柄EZ2として、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が現れて、奥側から手前側に出てきてはまた奥側へ戻るようにゆっくりと回転する。
数字「4」の演出図柄と数字「5」の演出図柄の回転が継続して行われている中、Lリーチ用背景画像G114に係るスーリーが進展する。そして、図23(C)に示すように、主人公キャラクタが女の子に告白するシーンを迎える。このとき、表示部50aの略中央にて、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が相互に相手を弾き飛ばそうとぶつかり合う。数字「5」の演出図柄はリーチを構成し、数字「4」の演出図柄はリーチを構成していないことから、数字「4」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「5」の演出図柄が残ると、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する一方、数字「5」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「4」の演出図柄が残ると、リーチハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する。よって、この図23(C)の場面は、当該Lリーチの最終局面であり、大当たりを示唆する演出(大当たり示唆演出)が実行されるかハズレを示唆する演出(ハズレ示唆演出)が実行されるかに分岐する分岐点(所謂「当落分岐点」)を構成している。
当落分岐点において、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(L大当たり変動)であると、図24(A-1)に示すように、表示部50aに、笑顔の女の子がアップで表示された後、図24(B-1)に示すように、告白に成功して喜んでいる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、そのリーチを構成している数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3が大当たりを示す態様で仮停止表示している。
告白に成功して喜んでいる主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とは、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図24(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動(Lハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、Lリーチ用背景画像G114にて、図24(A-2)に示すように、表示部50aに、悲しい表情をした女の子がアップで表示された後、図24(B-2)に示すように、告白に失敗して落胆している主人公キャラクタが表示される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、リーチを構成していない数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3がリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
告白に失敗して落胆している主人公キャラクタの表示は、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図24(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
4-2-5.SPリーチ
また、パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Lリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図25(A)に示すように、SPリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、SPリーチの開始時に、例えば、図25(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G115)が表示される。SPリーチ用背景画像G115は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。SPリーチ用背景画像G115に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクタと、主人公キャラクタのライバルである敵キャラクタとが対決するという内容で構成されている。なお、主人公キャラクタは野球のピッチャーであり、敵キャラクタは野球のバッターであり、両者は野球の試合においてピッチャーとバッターの立場で対決する。
SPリーチ用背景画像G115が表示されると、最初に、図25(A)に示すように、敵キャラクタが出現し、続いて、図25(B)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G11が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G11は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G11a「図25(B)において「敵バッター○○を打ち取れ!!」」と、タイトル画像G11aを引き立てるエフェクト画像G11bとで構成される。
次に、図25(C)に示すように、主人公キャラクタと敵キャラクタが対峙しているシーンが表示される。その後、SPリーチ用背景画像G115にて、図26(A)に示すように、主人公キャラクタがボールを投げ、図26(B)に示すように、ボールが敵キャラクタに向かって進み、図26(C)に示すように、敵キャラクタがバットを振り始める。続いて、図26(D)に示すように、ボールとバットとが接近し、主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決に決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、ピッチャーとバッターの対決で主人公キャラクタが勝利して大当たりが示唆されるか敗北してハズレが示唆されるかの分岐点(当落分岐点)を構成する。
この当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、図27(A-1)に示すように、表示部50aに、敵キャラクタが空振りをして対決に勝利した後、図27(B-1)に示すように、敵キャラクタを三振に取ってマウンド上で雄叫びを上げる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1~EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。
対決に勝利して雄叫びを上げている主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図27(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G115にて、図27(A-2)に示すように、敵キャラクタがホームランを打って対決に敗北し、図27(B-2)に示すように、主人公キャラクタがマウンド上で落胆する。このとき、演出図柄EZ1~EZ3はリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
対決に敗北して落胆している主人公キャラクタの表示が、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図27(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
次に、特図変動演出において行われる可動体演出と操作演出について説明する。可動体演出と操作演出は、前述のSPリーチ、Lリーチ、およびNリーチ、さらには大当たり遊技演出などに組み込まれる形でこれらの演出の一部として行われる場合と、これらの演出とは独立して行われる場合とがある。最初に可動体演出について説明する。
4-3.可動体演出
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで可動体の動作を伴う可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば盤可動装置55などの可動装置を用いた演出であり、大当たり期待度やSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する。
例えば、可動体演出がSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する場合、図28(A)に示すように、特図変動演出において、NリーチからSPリーチに発展する際に、まずは図28(B)に示すように、盤可動装置55が作動し、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持される。さらに、このとき、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13も表示される。そして、図28(C)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、盤可動体55kが待機位置まで上昇して、盤可動装置55が通常の待機状態に戻る。盤可動装置55が通常の待機状態に戻ると、SPリーチに発展する。なお、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4.操作演出
次に操作演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで、操作促進演出、および第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41k等の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作促進演出は、遊技者に操作手段の操作を促す演出であり、操作結果演出は、操作促進演出における操作手段の操作に応じて行われる演出であり、それぞれ遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
例えば、前述のように、LリーチやSPリーチにおいて当落分岐点に達すると、第1演出ボタン40kの押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、図29(A)に示すように、第1演出ボタン40kの操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。
操作促進演出において、表示部50aに、第1演出ボタン操作促進演出画像G12が表示される。第1演出ボタン操作促進演出画像G12は、操作対象である第1演出ボタン40kを表す画像(操作対象画像)G12aと、第1演出ボタン40kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G12bと、第1演出ボタン40kの操作に係る操作有効期間(操作有効期間)の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像)G12cと、を含む。
なお、操作有効期間残り時間画像G12cは、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、図29(B)は、操作有効期間が発生して、操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作された後、または、操作有効期間において第1演出ボタン40kが操作されることなく操作有効期間の残り時間がなくなった後、操作結果演出が行われる。
操作結果演出としては、例えば図29(C)に示すように、盤可動装置55が作動して、盤可動体55kが作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持されると共に、回転部材55k1が所定時間回転する。このように、操作結果演出に可動体演出も含まれている。さらに、このとき、操作結果演出として、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13が表示される。そして、図29(D)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、回転部材55k1の回転が止まり、盤可動体55kが上昇することによって操作結果演出が終了する。操作結果演出が終了すると大当たり示唆演出が行われる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作されても、または、第1演出ボタン40kが押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、操作結果演出が行われることがなく、ハズレ示唆演出が行われる。
なお、操作結果演出は、盤可動装置55の作動やエフェクト画像G13の表示に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、操作演出は特図変動演出に限られず大当たり演出においても実行可能である。
4-5.先読み演出
次に、特図保留の対象となる特図可変表示が実行される前に実行可能な先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、大当たり判定が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特図の可変表示の前から大当たりを期待させる演出として機能する。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留変化予告がある。ここで、通常演出モードにおいて行われる保留演出、および保留変化予告について説明する。
保留演出は、図30(A)に示すように、表示部50aの下端部における略中央の一区画において横長矩形状に形成された保留表示領域50dにおいて行われる。保留表示領域50dは、保留表示領域50dを左右方向に略均等に4つに分割した第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および、第4領域50d4で構成されている。すなわち、保留表示領域50dにおいて、第1領域50d1~第4領域50d4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
第1領域50d1には、保留されている特図1保留の中で最も先に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて最も先に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域50d2~第4領域50d4には、保留されている特図1保留の中で2~4番目に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて2~4番目に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。
なお、以下において、第1領域50d1に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順1の特図1保留」と称する。同様に、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順2の特図1保留」、「保留順3の特図1保留」、および「保留順4の特図1保留」と称する。すなわち、存在している特図1保留について、発生した順に「保留順1」~「保留順4」と称する。
また、保留表示領域50dの左隣には、当該表示領域50eが形成されている。当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンが表示される。よって、当該表示領域50eに表示される当該アイコンが示す対象は、保留表示領域50dに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと当該アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。さらに、当該アイコンが示す実行中の特図1変動表示を「当該変動」とも称する。
なお、図30(A)において保留表示領域50dおよび当該表示領域50eは一点鎖線で明示され、第1領域50d1~第4領域50d4は破線で明示されているが、これは保留表示領域50d、第1領域50d1~第4領域50d4、および当該表示領域50eの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、保留演出の具体例について説明する。なお、以降の説明では、小図柄KZ1~KZ3の可変表示は省略する。前提として、特図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図30(B)に示すように、前述した不図示の第1領域50d1において、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留(保留順1の特図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域50d2において、保留アイコンHA2が表す特図1保留の次に発生した特図1保留(保留順2の特図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンHA1が表示されている。なお、図30(B)で表示されているアイコンHA1~HA3の表示態様は通常態様である。
このように、保留演出においては、特図1保留が発生した順に保留表示領域50dの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図30(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、不図示の第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該表示領域50eに移動し、不図示の第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域50d1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図1保留が、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
また、当該表示領域50eに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特図1変動表示を表しているので、当該表示領域50eに表示される際に当該アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域50dに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該表示領域50eに表示されているアイコンについては「当該」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが当該アイコンとして表示される。
なお、保留アイコンから当該アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に、アイコンの大きさが同一のままでも拡大されても良い。図30(C)では、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に約2倍に拡大している。
そして、この状況から第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
このように、第1始動口11に入賞して特図1関係乱数が取得されると、1つの共通したアイコンが表示される。このアイコンは、当該入賞に基づく特図1可変表示が終了すると消去されるが、表示されている間は、当該特図1可変表示の置かれている状態(保留の状態および実行中の状態)に応じて、異なる名称(保留アイコンおよび当該アイコン)で存在していることになる。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PYは、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留予告」という。
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留予告の具体例について説明する。保留予告の具体例として、図30(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
保留予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留の発生時(第1始動口11への入賞時)に保留予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図31(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)の場合と同様に、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。なお、図面においては、通常態様の保留アイコンは完全に静止しているように見えるが、実際には、基本的には、完全に静止状態にするようにしても、表示位置は移動しないがその場で軽く揺れたりするように構成しても良い。
そして、その直後に、図31(B)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図31(B)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。なお、図31の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
別の保留予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留のシフト時に保留アイコン変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図32(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図32(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図32(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
そして、図32(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図32(D)に示すように、第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該表示領域50eに移動し、第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域50d1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域50d2から第1領域50d1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(図32(D)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。
また、保留予告に係る特別態様を複数種類設けて、特別態様の種類によって大当たり期待度が異なるようにすることができる。例えば、保留アイコンの表示態様を、保留アイコンの色に関連付け、保留アイコンの表示態様として白色、緑色、赤色、および金色が設定されているとする。ここで、白色が通常態様であり、緑色、赤色、および金色が特別態様とする。そして、保留アイコンの表示態様が示す大当たり期待度は、白色<緑色<赤色<金色の順で高くなるように設定することができる。
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様に限られず、例えば背景画像などの表示部50aにおける保留アイコンHA以外の画像や、スピーカー52から出力される音、枠ランプ53による発光、および盤可動装置55による動作などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行することが可能である。さらには、先読み演出の演出態様として、保留アイコンHAによる保留アイコン変化予告などのように実行されてから特図変動表示が開始されるまで途切れることなく継続する演出態様の他に、演出図柄の停止表示が行われる度または演出図柄の変動表示が開始される度など、断続的且つ連続的に実行する演出態様にしても良い。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に図33~図42に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、遊技用ROM103から図33に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。
遊技制御用マイコン101は、電源投入処理において、まず遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン101は、遊技制御基板100に搭載されたRAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されたか否か(ONか否か)を判定する。RAMクリアスイッチは、基本的には遊技店の店員が操作可能な操作手段であり、RAMクリアスイッチが操作されることによって遊技用RAM104がクリアされる。
遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されていなければ、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理でONにされるフラグである。
遊技制御用マイコン101は、電源断フラグがONであれば、チェックサムを算出して、これを電断時に算出しておいたチェックサムと比較する。チェックサムは、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計が算出されたものである。
遊技制御用マイコン101は、チェックサムの値が一致すれば、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして、電源投入コマンド設定処理を行う。
遊技制御用マイコン101は、電源投入コマンド設定処理では、所定時間(例えば、3秒)経過後に演出制御基板120に電源投入コマンドを出力するための設定処理を行う。具体的には、電源投入コマンドを出力するまでの所定時間をタイマにセットして、そのタイマにセットされた時間の減算を開始する。そして減算されたタイマの値が「0」になったとき、所定時間が経過したことになるため、電源投入コマンドを遊技用RAM104の所定の出力バッファにセットする。これにより、セットされた電源投入コマンドは、後述する出力処理(S101)にて演出制御基板120に出力されるようになっている。
また、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグがONでなければ、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、または、RAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されていれば、遊技用RAM104に記憶されている全ての遊技情報をクリアする。その後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドを演出制御基板120に対して出力して、電源投入コマンド設定処理を行う。
遊技制御用マイコン101は、電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[遊技制御側タイマ割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図34に示すように、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図33の遊技制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。すなわち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検知処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検知処理]
次に、図35~図36を用いてセンサ検知処理について説明する。センサ検知処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、すなわち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、すなわち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「2」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2先読み判定処理を行う(S212)。第2先読み判定処理では、図14に示す第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1先読み判定処理を行う(S219)。第1先読み判定処理では、図13に示す第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、すなわち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検知処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。基本的な実施形態では、入賞規定個数は「10」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であると(S222でYES)、センサ検知処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検知処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「9」)を加算する。
なお、遊技球を検知可能なセンサとして、センサ10a~14a以外のセンサを設け、そのセンサが遊技球を検知したことに基づいて、図35~図36に示す処理以外の処理を行うようにしても良い。
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。図37に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動パターン判定結果に応じた普図変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。さらに、遊技制御用マイコン101は、補助遊技の開始時に、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。図38に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお、遊技制御用マイコン101が、特別動作ステータス「4」を設定し、大当たり遊技を制御する状態が、「大当たり遊技状態」であり、特別動作ステータス「4」が設定されていることを「大当たり遊技状態」と称する。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。例えば、大当たり遊技後に高確率状態で制御する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONして高確率状態を設定する。さらにこのときに、高確率状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、高確率状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「高確率規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定する。さらにこのときに、時短状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、時短状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「時短規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理において、大当たり遊技後の遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図39を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、すなわち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、すなわち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、すなわち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図40を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。大当たりでなければ(S1654でNO)、ステップS1655に進み、大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進む。
ステップS1655において、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定を行う。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、次に、ステップS1655のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657~ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマは、遊技制御側タイマ割り込み処理におけるその他の処理において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
遊技制御用マイコン101は、続いて、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、すなわち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように基本的な実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして基本的な実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図41を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、すなわち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図42を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、すなわち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する(S1752)。このように、厳密には、特別図柄の停止表示が開始されてから、言い換えると特別図柄の変動表示が終了してから特図確定時間が経過すると、当該特別図柄の停止表示、言い換えると大当たり判定に基づく特図可変表示が完了する。以下において、その特別図柄の停止表示が開始されてから特図確定時間が経過することを「特別図柄の確定表示/特別図柄が確定表示する」と称することもある。また、特別図柄の確定表示は、特別図柄の停止表示の最終段階であり、特別図柄の停止表示に含まれるものとする。
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であれば(S1752でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1753)。遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1757に進み、現在、時短状態であれば(S1753でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1754)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1755)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1755でNO)、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1755でYES)、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)(S1756)、ステップS1757に進む。
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1757)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1758)。大当たり図柄でなければ(S1758でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更して(S1762)、特別図柄確定処理を終え、大当たり図柄であれば(S1758でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1759)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1760)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1761)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンド(大当たりオープニングコマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンド(大当たりオープニングコマンド)は、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に図43~図47のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下に説明する演出を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
同図に示すように、演出制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述する停止図柄パターン判定用乱数、および特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(大当たりオープニング演出、ラウンド演出、大当たりエンディング演出)、客待ち演出、操作演出、および先読み演出等がある。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)については後述する。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]
次に図44を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタンセンサ40aからの検出信号に基づいて第1演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、第2演出ボタンセンサ41aからの検出信号に基づいて第2演出ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理における発光データ作成処理(S4203)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
次に、演出制御用マイコン121は、タイマ更新処理を行う(S4104)。タイマ更新処理では、各種所定の演出に関する時間の管理・制御を行うために、後述する演出用RAM124に設けられた各種タイマの更新が行われる。当該処理では、演出用RAM124に設けられたタイマが1msec分、更新される。
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4105)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図45を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述の基本的な実施形態で詳細に説明する。
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカー52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
次いで、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図46~図47を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの判定を行う。先読み演出には、保留アイコンを特別態様で表示する保留予告の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われる連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)ことが可能である。
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、特図変動開始コマンドを演出用RAM124にある特図変動開始コマンド記憶部127に記憶する。次いで、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止特図および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を決定して、決定した演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一で、中演出図柄EZ2がそれらと異なるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。
次に、演出制御用マイコン121は、滞在している演出モードと特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容が対応付けられた特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータ(特図変動演出パターンデータ)を演出用RAM124の所定領域にセットすると共に、特図変動演出パターンを示す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。
また、特図変動演出開始コマンドには、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに関連付けられた演出フローに関する情報が含まれている。また、特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカー52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4309でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4310)。
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4311でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4312)、受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たりオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、大当たりオープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、大当たりオープニングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、大当たりオープニングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4314)。
演出制御用マイコン121は、大当たりオープニング演出開始処理では、大当たりオープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4315において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4317に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4315でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4316)。
演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4317において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4317でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4317でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4318)、および演出モード設定処理(S4319)を行ってから受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、エンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定する処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率高ベース遊技状態を示唆する確変演出モードに設定する。そして、確変演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、確変演出モードを設定することを示す確変演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変用背景画像G120を表示し、BGMとして確変用BGMを出力する。
また、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄B、大当たり図柄C、または大当たり図柄Eであると、高確率高ベース遊技状態、または低確率高ベース遊技状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な時短演出モードを設定する。そして、演出制御用マイコン121は、時短演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、時短演出モードを設定することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時短演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として時短用背景画像G130を表示し、BGMとして時短用BGMを出力する。
<第1実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第1実施形態について説明する。以下においては、主に、第1実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1において、第2始動口12への入賞容易性に係る遊技状態として、通常遊技状態を構成する非時短状態と、非時短状態よりも第2始動口12への入賞容易性が高い時短状態があるが、時短状態には、さらに、第1時短状態と、第1時短状態よりも第2始動口12への入賞容易性が高い第2時短状態がある。第2時短状態は、基本的な実施形態に係る時短状態と同一である。言い換えると、第2時短状態に係る当たり判定で当たりと判定される確率は、59937/65536であり、第2時短状態に係る普図変動時間は5秒であり、第2時短状態に係る補助遊技での第2始動口12の開放パターンは、1.0秒のインターバルを挟んだ2回の2.5秒開放である。
そして、第1時短状態は、非時短状態よりも第2始動口12への入賞容易性が高いが、第2始動口12への入賞容易性については、第2時短状態よりも非時短状態に近い。詳細には、第1時短状態は、非時短状態よりも第2始動口12への入賞容易性について、限りなく非時短状態に近い。ここで、第1実施形態に係る当たり判定テーブルの構成例を図48(A)に示し、第1実施形態に係る普図変動パターン判定テーブルの構成例を図48(B)に示し、第1実施形態に係る補助遊技制御テーブルの構成例を図48(C)に示す。
図48(A)、図48(B)、および図48(C)に示すように、非時短状態に係る当たり判定で当たりと判定される確率は、6601/65536であり、非時短状態に係る普図変動時間は30秒であり、非時短状態に係る補助遊技での第2始動口12の開放パターンは、1回の0.2秒開放であるのに対して、第1時短状態に係る当たり判定で当たりと判定される確率は、6701/65536であり、第1時短状態に係る普図変動時間は25秒であり、第1時短状態に係る補助遊技での第2始動口12の開放パターンは、1回の0.5秒開放である。このように、第2始動口12への入賞容易性、言い換えると単位時間当たりの第2始動口12の開放時間を構成する要素、具体的には、当たり判定で当たりと判定される確率、普図変動時間、および補助遊技での第2始動口12の開放時間の何れについても、第1時短状態は、第2時短状態よりも非時短状態に非常に近似している。したがって、パチンコ遊技機PY1は、第1時短状態において、非時短状態(通常遊技状態)の場合と同様に、第2始動口12を狙って右打ちで遊技球を発射させて第2始動口12に入賞させるよりも、第1始動口11を狙って左打ちで遊技球を発射させて第1始動口11に入賞させる方が容易に構成されている。
また、パチンコ遊技機PY1では、特図1に係るハズレ図柄には、ハズレ図柄Aとハズレ図柄Bの2種類のハズレ図柄がある。ハズレ図柄Aは、第1実施形態に係る特図1に係るハズレ図柄と同じ位置付けであり、仕様上同一の機能を有する。一方、ハズレ図柄Bは、第2始動口12への入賞容易性に係る遊技状態を第1時短状態に移行させるハズレ図柄である。すなわち、特図1可変表示でハズレ図柄Bの停止表示が行われると、大当たり遊技が実行されることなくそのまま第1時短状態になる。
なお、第1時短状態は、当該第1時短状態で大当たり遊技が実行されることなく、ハズレ変動の特図可変表示が100回実行されると、100回目の特図可変表示でハズレ図柄が停止表示してから確定時間が経過したときに終了し、そのまま非時短状態になる。すなわち、第1時短状態の終了条件は、大当たり遊技が実行されることなく、ハズレ変動の特図可変表示が10回実行されることであり、第1時短状態に係る特図可変表示の規定回数(時短規定回数)は100回である。
パチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、特図1に係る大当たり判定でハズレと判定すると、特図1に係るハズレ図柄の種別を、ハズレ図柄種別判定によって決定する。ハズレ図柄種別判定はハズレ図柄種別判定テーブルを用いて行われる。第1実施形態に係るハズレ図柄種別判定テーブルの構成例を示す図49に示す。図49に示すように、特図1のハズレ図柄として、ハズレ図柄A、およびハズレ図柄Bの2種類のハズレ図柄が設けられている。特図1に係るハズレ図柄種別判定テーブルによると、90%の確率でハズレ図柄Aに決定され、10%の確率でハズレ図柄Bに決定される。
なお、第1実施形態では、特図1関連判定情報には、前述の特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数の他に、ハズレ図柄種別判定を行うためのハズレ図柄種別乱数も含まれている。したがって、遊技用RAM104の所定領域には、ハズレ図柄種別乱数に係るハズレ図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-HS)が設けられており、ハズレ図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-HS)は、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)や大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)と同様に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)で更新される。そして、遊技制御用マイコン101は、ステップS218において、特図1関連判定情報として、ハズレ図柄種別乱数も取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する。なお、ハズレ図柄種別乱数の範囲は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、「0~99」に設定されている。
ハズレ図柄種別判定テーブルでは、ハズレ図柄種別判定の結果であるハズレ図柄種別に、ハズレ図柄種別乱数の判定値(ハズレ図柄種別乱数判定値)が、図49に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、後述するように、取得したハズレ図柄種別乱数をハズレ図柄種別判定テーブルに照合して、ハズレ図柄の種別を判定する。なお、ハズレ図柄種別の数、および各ハズレ図柄種別の選択率は、第1実施形態に限られず適宜に設定しても良い。
また、第1実施形態では、特図1変動パターン判定テーブルには、遊技状態、大当たり判定結果、リーチ判定結果、および特図1保留数の他に特図変Pステータスも対応付けられているものがある。すなわち、遊技制御用マイコン101は、特図1変動パターン判定で用いる特図1変動パターン判定テーブルを、遊技状態、大当たり判定結果、リーチ判定結果、および特図1保留数の他に特図変Pステータスにも基づいて選択(決定)するときがある。言い換えると、特図1変動パターンを決定するための条件には、遊技状態、大当たり判定結果、リーチ判定結果、および特図1保留数の他に特図変Pステータスも含まれている。
特図変Pステータスは、通常遊技状態、および第1時短状態における遊技に係る状況を表す識別情報であり、特図1可変表示の実行回数に基づいて切り替えられる。第1実施形態では、特図変Pステータスとして、「0」と「1」が設定されており、通常遊技状態、および第1時短状態において、一方の特図変Pステータスが設定されているときに、特図1可変表示が特定回数実行されると他方に切り替えられる。そして、その他方の特図変Pステータスが設定されているときに、特図1可変表示が特定回数実行されると一方に切り替えられる。このように、通常遊技状態、および第1時短状態において、大当たりに当選しない限り、特図1可変表示が特定回数実行される度に特図1変Pステータスが「0」と「1」の間で交互に切り替わる。なお、特図1変Pステータスの切り替えに対応付けられた特定回数は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、100回に設定されている。
また、特図1変Pステータス「0」が初期値として設定される。すなわち、遊技制御基板100に電力が供給された際にRAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されて遊技用RAM104がクリアされると、特図1変Pステータス「0」が設定される。遊技制御用マイコン101は、特図1変Pステータスを設定するときや切り替えるときに、その特図1変Pステータスを表すフラグ(特図1変Pステータスフラグ)を、遊技用RAM104の所定領域に記憶する。
図50は、非時短状態且つ特図1変Pステータス「0」に対応付けられた特図1変動パターン判定テーブルの構成例を表す図であり、図51は、第1時短状態且つ特図1変Pステータス「0」に対応付けられた特図1変動パターン判定テーブルの構成例を表す図であり、図52は、非時短状態且つ特図1変Pステータス「1」に対応付けられた特図1変動パターン判定テーブルの構成例を表す図であり、図53は、第1時短状態且つ特図1変Pステータス「1」に対応付けられた特図1変動パターン判定テーブルの構成例を表す図である。
図50~図53に示すように、遊技状態且つ特図1変Pステータスに対応付けられた各特図1変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、リーチ判定結果、および特図1保留数に対応付けられている。具体的には、遊技状態且つ特図1変Pステータスに対応付けられた各特図1変動パターン判定テーブルには、さらに大当たり判定結果が大当たりである場合の特図1変動パターン判定テーブル(大当たり用特図1変動パターン判定テーブル)、大当たり判定結果がハズレであり、リーチ判定がリーチ有りである場合の特図1変動パターン判定テーブル(リーチ有りハズレ用特図1変動パターン判定テーブル)、大当たり判定がハズレであり、リーチ判定結果がリーチ無しであり、当該特図1変動表示開始時の特図1保留数が0~2の場合の特図1変動パターン判定テーブル(保留少リーチ無しハズレ用特図1変動パターン判定テーブル)、大当たり判定結果がハズレであり、リーチ判定結果がリーチ無しであり、当該特図1変動表示開始時の特図1保留数が3~4の場合の特図1変動パターン判定テーブル(保留多リーチ無しハズレ用特図1変動パターン判定テーブル)がある。
ここで、第1実施形態に係る非時短状態且つ第1時短状態で決定され得る特図1変動パターンに基づく特図変動演出の演出フローを構成する演出(特定特図変動演出フロー構成演出)について説明する。特定特図変動演出フロー構成演出には、通常変動、リーチ、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチがある。SPリーチには、さらに第1SPリーチ、第2SPリーチ、および第3SPリーチがあり、Lリーチには、さらに第1Lリーチ、第2Lリーチ、および第3Lリーチがある。
第1SPリーチは基本的な実施形態のSPリーチで構成されている。そして、第2SPリーチは、第1SPリーチに係る演出時間よりも所定時間(第1実施形態では、10秒)長く構成され、第1SPリーチに係る演出内容と、第1SPリーチにはない演出内容とを含んでいる。特に、第2SPリーチで表示部50aに表示される背景画像としてのアニメーションの内容には、演出時間が長い分、第1SPリーチに係る演出内容以外にも、第1SPリーチにはない演出内容が含まれている。
第3SPリーチは、第2SPリーチに係る演出時間よりも所定時間(第1実施形態では、10秒)長く構成され、第2SPリーチに係る演出内容と、第2SPリーチにはない演出内容とを含んでいる。特に、第3SPリーチで表示部50aに表示される背景画像としてのアニメーションには、演出時間が長い分、第2SPリーチに係る演出内容以外にも、第2SPリーチにはない演出内容が含まれている。
したがって、第1SPリーチと第2SPリーチと第3SPリーチとは相互に対応関係にあり、第1SPリーチ、第2SPリーチ、および第3SPリーチに係るSPリーチ用背景画像G115では、共通する題材である野球のピッチャーとバッターとの対決が展開されるアニメーションが流れる。
第1Lリーチは基本的な実施形態のLリーチで構成されている。そして、第2Lリーチは、第1Lリーチに係る演出時間よりも所定時間(第1実施形態では、10秒)長く構成され、第1Lリーチに係る演出内容と、第1Lリーチにはない演出内容とを含んでいる。特に、第2Lリーチで表示部50aに表示される背景画像としてのアニメーションには、演出時間が長い分、第1Lリーチに係る演出内容以外にも、第1Lリーチにはない演出内容が含まれている。
第3Lリーチは、第2Lリーチに係る演出時間よりも所定時間(第1実施形態では、10秒)長く構成され、第2Lリーチに係る演出内容と、第2Lリーチにはない演出内容とを含んでいる。特に、第3Lリーチで表示部50aに表示される背景画像としてのアニメーションには、演出時間が長い分、第2Lリーチに係る演出内容以外にも、第2Lリーチにはない演出内容が含まれている。
したがって、第1Lリーチと第2Lリーチと第3Lリーチとは相互に対応関係にあり、第1Lリーチ、第2Lリーチ、および第3Lリーチに係るLリーチ用背景画像G114では、共通する題材である主人公キャラクタの女の子キャラクタへの告白が展開されるアニメーションが流れる。
また、図50~図53に示すように、非時短状態且つ特図1変Pステータス「0」においては、第1SPリーチや第1Lリーチが実行されることがある。同様に、第1時短状態且つ特図1変Pステータス「0」において、第2SPリーチや第2Lリーチが実行されることがある。また、非時短状態且つ特図1変Pステータス「1」において、第3SPリーチや第3Lリーチが実行されることがある。さらに、第1時短状態且つ特図1変Pステータス「1」においては、第1SPリーチ、第2SPリーチ、第3SPリーチや第1Lリーチ、第2Lリーチ、第3Lリーチが実行されることがある。
次に、第1実施形態に係る特別図柄確定処理について説明する。図54は、第1実施形態に係る特別図柄確定処理のフローチャートです。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理において、特図1変Pステータスを切り替えるための処理、言い換えると、特図1変Pステータスに関する制御・管理を行うための処理を行う。なお、図54に示す特別図柄確定処理のフローチャートにおける特図1変Pステータスに関する制御・管理を行うための処理の部分は一例であり、通常遊技状態、および第1時短状態で特定回数の特図可変表示が実行されると他方の特図1変Pステータスに切り替わることができる範囲で、その処理内容は適宜に変更しても良い。
遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、すなわち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過し(特別動作カウンタ=0)、停止表示した特別図柄を確定させるか否かを判定する(S1751)。遊技制御用マイコン101は、特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1752)。
遊技制御用マイコン101、ステップS1752において、大当たり図柄でないと判定すると(S1752でNO)、ステップS1753に進む一方、大当たり図柄であると判定すると(S1752でYES)、ステップS1769において、遊技状態をリセットする(通常遊技状態に移行させる)。具体的には、遊技制御用マイコン101は、高確率フラグおよび時短フラグをOFFにして、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1770)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1771)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示す大当たりオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じた大当たりオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1753において、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1767に進み、現在、通常確率状態であれば(S1753でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1754)。なお、時短フラグには、第1時短状態を示す第1時短フラグと、第2時短状態を示す第2時短フラグとがある。第2時短フラグは、大当たり遊技の終了に応じて第2時短状態にするときに、時短フラグ領域にONされる。一方、第1時短フラグは、後述するように、停止表示している特別図柄がハズレ図柄Bである場合に、時短フラグ領域にONされる。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1754において、時短状態であると判定すると(S1754でYES)、ステップS1760に進む一方、現在、時短状態ではないと判定すると(S1754でNO)、ステップS1755において、次に特図1変Pステータスを切り替えるまで実行可能な特図可変表示の回数(特図1変Pステータス残り回数:図54では、「切り替え残り回数」)を計測する特図1変Pステータス残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1755)、特図1変Pステータス残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1756)。すなわち、遊技制御用マイコン101は、ステップS1756において、特図1変Pステータス残り回数が「0」である(特図1変Pステータスを切り替えるタイミングである)か否かを判定する。なお、特図1変Pステータス残り回数は、遊技用RAM104の所定領域に設けられている。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1756において、特図1変Pステータス残り回数カウンタの値(特図1変Pステータス残り回数)が「0」でないと判定すると(S1756でNO)、ステップS1758に進む一方、特図1変Pステータス残り回数カウンタの値(特図1変Pステータス残り回数)が「0」であると判定すると(S1756でYES)、ステップS1757において、現在設定されている特図1変Pステータスから他方の特図1変Pステータスに切り替えて、ステップS1758に進む。遊技制御用マイコン101は、ステップS1757において、具体的には、現在セットされている特図1変Pステータスフラグから、当該切り替え後の特図1変Pステータスを示す特図1変Pステータスフラグに切り替える。さらにこのときに、遊技制御用マイコン101は、特図1変Pステータスを切り替える特図可変表示の実行回数である特定回数(第1実施形態において、100回)を特図1変Pステータス残り回数カウンタにセットする。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1758において、現在停止表示している特別図柄がハズレ図柄Bか否かを判定する。遊技制御用マイコン101、ハズレ図柄Bでないと判定すると(S1758でNO)、ステップS1767に進む一方、ハズレ図柄Bであると判定すると(S1758でYES)、ステップS1759において、第2始動口12への入賞容易性に係る遊技状態を第1時短状態に移行させて、ステップS1767に進む。具体的には、遊技制御用マイコン101は、第1時短状態を示す時短フラグ(第1時短フラグ)を遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして第1時短状態に移行させる。さらにこのときに、遊技制御用マイコン101は、第1時短状態に係る時短規定回数(第1実施形態において、100回)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS1760において、第1時短状態(第1時短フラグがON)であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、第1時短状態でないと判定すると(S1760でNO)、ステップS1764に進む一方、現在、第1時短状態であると判定すると(S1760でNO)、ステップS1761において、特図1変Pステータス残り回数カウンタの値を「1」減算し、ステップS1762において、特図1変Pステータス残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、遊技制御用マイコン101は、ステップS1762において、特図1変Pステータス残り回数が「0」である(特図1変Pステータスを切り替えるタイミングである)か否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1762において、特図1変Pステータス残り回数カウンタの値(特図1変Pステータス残り回数)が「0」でないと判定すると(S1762でNO)、ステップS1764に進む一方、特図1変Pステータス残り回数カウンタの値(特図1変Pステータス残り回数)が「0」であると判定すると(S1762でYES)、ステップS1763において、現在設定されている特図1変Pステータスから他方の特図1変Pステータスに切り替えて、ステップS1763に進む。遊技制御用マイコン101は、ステップS1763において、具体的には、現在セットされている特図1変Pステータスフラグから、当該切り替え後の特図1変Pステータスを示す特図1変Pステータスフラグに切り替える。さらにこのときに、遊技制御用マイコン101は、特図1変Pステータスを切り替える特図可変表示の実行回数である特定回数(第1実施形態において、100回)を特図1変Pステータス残り回数カウンタにセットする。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1764において、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)を「1」減算し、ステップS1765において、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であるか否かを判定する。すなわち、遊技制御用マイコン101は、ステップS1765において、時短残り回数が「0」であり時短状態を終了させて非時短状態にするタイミングであるか否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1765において、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でないと判定すると(S1765でNO)、ステップS1767に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であると判定すると(S1765でYES)、ステップS1766において、時短フラグをOFFして時短状態(第1時短状態/第2時短状態)から非時短状態に移行させて、ステップS1767に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1767において、高確率フラグのON/OFF、および時短フラグのON/OFFに基づいて現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし、続いて、特別動作ステータスを「1」に変更して、特別図柄確定処理を終える。
ここで、パチンコ遊技機PY1の大まかな遊技フローについて、通常遊技状態、および通常演出モードを起点として説明する。通常遊技状態では、基本的には、遊技球を左打ちで発射させて第1始動口11への入賞に基づく特図1可変表示で大当たり当選させることを狙う遊技が行われる。通常遊技状態、且つ通常演出モードにおいて、特図1可変表示で大当たり当選して大当たり遊技が実行されると、第2時短状態になる。ここで、当該大当たり遊技後の大当たり判定で大当たりに当選する確率に係る遊技状態が高確率状態、または通常確率状態の何れであっても、少なくとも第2時短状態であるので、基本的に遊技球を右打ちで発射させて第2始動口12への入賞に基づく特図2可変表示で大当たり当選させることを狙う遊技が行われる。したがって、通常遊技状態で大当たり当選することによって、遊技球を発射させるための操作態様が左打ちから右打ちに切り替わる。
また、通常遊技状態、且つ通常演出モードにおいて、特図1可変表示でハズレ図柄Bが停止表示されると、大当たり遊技が実行されることなくそのまま第1時短状態になる。ここで、前述の通り、第1時短状態は、極めて非時短状態に近似した遊技状態であるので、第1時短状態でも、基本的には遊技球を左打ちで発射させて第1始動口11への入賞に基づく特図1可変表示で大当たり当選させることを狙う遊技が行われる。したがって、通常遊技状態から第1時短状態に切り替わっても、遊技球を発射させるための操作態様は左打ちのまま継続される。
なお、第1実施形態では、第1時短状態でも通常演出モードによる演出が実行される。また、非時短状態(通常遊技状態)から第1時短状態に切り替わる際に、当該切り替わりの示唆・報知は実行されず、通常演出モードによる演出が特に途切れることなく継続される。したがって、非時短状態(通常遊技状態)から第1時短状態に切り替わっても、遊技者の体感としては通常遊技状態が継続しているように、あるいは遊技状態が変化していないように感じられる。
また、第1時短状態は、大当たり当選することなく特図可変表示が特定回数実行されると終了し、この終了によって第1時短状態から非時短状態に切り替わる。この場合も、当該切り替わりの示唆・報知は実行されず、通常演出モードによる演出が特に途切れることなく継続される。したがって、第1時短状態から非時短状態(通常遊技状態)に切り替わっても、遊技者の体感としては遊技状態が変化していないように感じられる。
このように、遊技者が左打ちによって遊技球を発射させている間に、大当たり当選できない状況が続く場合は、特に遊技者が気づくことなく、遊技状態が非時短状態(通常遊技状態)と第1時短状態との間で交互に切り替わる。ここで、パチンコ遊技機PY1では、非時短状態、および第1時短状態において、特図可変表示が特定回数(100回)実行されると、特図1変Pステータスが一方から他方に切り替わる。また、特図1変Pステータスの切り替わりは、非時短状態(通常遊技状態)と第1時短状態との間での遊技状態の切り替わりに干渉されない(影響を受けない)。したがって、非時短状態(通常遊技状態)、または第1時短状態が継続している限り、特図可変表示が特定回数実行される度に、特図1変Pステータスが「0」と「1」の間で交互に切り替わる。その結果、左打ちに係る遊技状態と、特図1変Pステータスとの組み合わせとして、非時短状態(通常遊技状態)且つ特図1変Pステータス「0」と、第1時短状態且つ特図1変Pステータス「0」と、非時短状態(通常遊技状態)且つ特図1変Pステータス「1」と、第1時短状態且つ特図1変Pステータス「1」の4つの組み合わせがある。
さらに、非時短状態(通常遊技状態)から第1時短状態への切り替わりは、ハズレ図柄種別判定でハズレ図柄Bに決定されることによって行われる。このハズレ図柄種別判定は、ハズレ図柄種別乱数に基づいて実行され、ハズレ図柄種別乱数は取得されるタイミングによって決定されるので、ハズレ図柄Bに決定されるタイミングは、パチンコ遊技機PY1の全体的な遊技の進行の中において不規則性を有する(ランダムである)。その結果、左打ちに係る遊技状態と、特図1変Pステータスとの組み合わせ間の遷移も不規則性を有することとなる。
次に、遊技の進行に応じた左打ちに係る遊技状態と特図1変Pステータスとの組み合わせ間の遷移の具体例について説明する。なお、左打ちに係る遊技状態と特図1変Pステータスとの組み合わせは、特図1変動パターン判定テーブルを選択するための条件を構成することから、この組み合わせのことを「特図1変動PTBL選択条件」と称する。そして、非時短状態と特図1変Pステータス「0」との組み合わせを特図1変動PTBL選択条件「1」とし、第1時短状態と特図1変Pステータス「0」との組み合わせを特図1変動PTBL選択条件「2」とし、非時短状態と特図1変Pステータス「1」との組み合わせを特図1変動PTBL選択条件「3」とし、第1時短状態と特図1変Pステータス「1」との組み合わせを特図1変動PTBL選択条件「4」とする。
図55(A)は、特図1変動PTBL選択条件の遷移例1を説明する説明図であり、55(B)は、特図1変動PTBL選択条件の遷移例2を説明する説明図である。なお、図55(A)に示す遷移例1、および図55(B)に示す遷移例2では、パチンコ遊技機PY1の電源投入時に遊技用RAM104がクリアされて、最初に通常遊技状態が設定されると共に、特図1変Pステータス「0」が設定された状況を開始時とし、その後、大当たり当選することなく、特図可変表示が繰り返し実行され続けていることとする。
また、前述の通り、遊技用RAM104がクリアされた後、大当たり当選しない限りは、特図可変表示が100回実行される度に、特図1変Pステータスが交互に切り替わる。したがって、図55(A)、および図55(B)に示す遷移例1、2では、遊技用RAM104がクリアされてから特図可変表示が100回実行されたときに、特図1変Pステータスが「0」から「1」に切り替わる。さらにそこから特図可変表示が100回実行されたとき(遊技用RAM104がクリアされてから200回目の特図可変表示が終了したとき)に特図1変Pステータスが「1」から「0」に切り替わり、さらにそこから特図可変表示が100回実行されたとき(遊技用RAM104がクリアされてから300回目の特図可変表示が終了したとき)に特図1変Pステータスが「0」から「1」に切り替わる。
図55(A)に示す遷移例1では、遊技用RAM104がクリアされてから150回目の特図可変表示でハズレ図柄Bの停止表示が行われて、非時短状態から第1時短状態になり、当該第1時短状態の終了条件が成立して第1時短状態から非時短状態になり、その後は、ハズレ図柄Bの停止表示が行われていないと仮定する。この場合、非時短状態において特図可変表示が100回実行されたときに、特図1変Pステータスが「0」から「1」に切り替わるので、そこまでの特図可変表示が100回行われる期間は特図1変PTBL選択条件=「1」となる。
そして、遊技用RAM104がクリアされてから150回目の特図可変表示でハズレ図柄Bの停止表示が行われる(図55(A)において「ハズレB」と表記)ので、特図1変Pステータス「1」に切り替わってから特図可変表示が50回行われる期間は特図1変PTBL選択条件=「3」となる。ここで、第1時短状態は大当たり当選することなく特図可変表示が100回されると終了して第1時短状態から非時短状態になるので、特図1変PTBL選択条件=「3」に切り替わってから特図可変表示が50回実行されたときに特図1変Pステータスが「1」から「0」に切り替わる。したがって、この切り替わるまでの特図可変表示が50回行われる期間は特図1変PTBL選択条件=「4」となり、その後、第1時短状態から非時短状態になるまでの特図可変表示が50回行われる期間は特図1変PTBL選択条件=「2」となる。
さらに、非時短状態になってから特図可変表示が50回実行されたときに、特図1変Pステータスが「0」から「1」に切り替わる。したがって、この切り替わるまでの特図可変表示が50回行われる期間は特図1変PTBL選択条件=「1」となり、その後においては特図1変PTBL選択条件=「3」となる。
図55(B)に示す遷移例2では、遊技用RAM104がクリアされてから75回目の特図可変表示でハズレ図柄Bの停止表示が行われて(図55(B)において「ハズレB」と表記)、非時短状態から第1時短状態になり、当該第1時短状態の終了条件が成立して第1時短状態から非時短状態になり、その後は、非時短状態になってから60回目の特図可変表示でハズレ図柄Bの停止表示が行われたと仮定する。この場合、非時短状態において特図可変表示が75回実行されたときに、非時短状態から第1時短状態になるので、そこまでの特図可変表示が75回行われる期間は特図1変PTBL選択条件=「1」となる。続いて、特図1変PTBL選択条件=「1」に切り替わってから特図可変表示が25回実行されると特図1変Pステータスが「0」から「1」に切り替わるので、そこまでの特図可変表示が25回行われる期間は特図1変PTBL選択条件=「2」となり、当該切り替わったときに特図1変PTBL選択条件が「2」から「4」に切り替わる。
そして、特図1変Pステータスが「0」から「1」に切り替わってから特図可変表示が100回実行されたときに特図1変Pステータスが「1」から「0」に切り替わるが、その前に、具体的には、特図1変Pステータスが「0」から「1」に切り替わってから特図可変表示が75回実行されたときに左打ちに係る遊技状態が第1時短状態から非時短状態になる。したがって、この非時短状態になるまでの特図可変表示が75回行われる期間は特図1変PTBL選択条件=「4」となり、非時短状態になったときに特図1変PTBL選択条件が「4」から「3」に切り替わる。
さらに、図55(B)に示す遷移例2では、非時短状態になってから60回目の特図可変表示でハズレ図柄Bの停止表示が行われて(図55(B)において「ハズレB」と表記)、非時短状態から第1時短状態になるが、その前に、具体的には、第1時短状態から非時短状態になってから特図可変表示が25回実行されたときに特図1変Pステータスが「1」から「0」に切り替わる。したがって、この特図1変Pステータスが「0」に切り替わるまでの特図可変表示が25回行われる期間は特図1変PTBL選択条件=「3」となり、特図1変Pステータスが「0」に切り替わったときに特図1変PTBL選択条件が「3」から「1」に切り替わる。
そして、特図1変PTBL選択条件が「3」から「1」に切り替わった後、第1時短状態になるまでの特図可変表示が35回実行される期間は特図1変PTBL選択条件=「1」となり、第1時短状態になったときに特図1変PTBL選択条件が「1」から「2」に切り替わる。
さらに、特図1変PTBL選択条件が「1」から「2」に切り替わってから特図可変表示が65回実行されたときに、特図1変Pステータスが「0」から「1」に切り替わる。したがって、そこまでの特図可変表示が65回行われる期間は特図1変PTBL選択条件=「2」となり、当該切り替わったときに特図1変PTBL選択条件が「2」から「4」に切り替わる。
特図1変Pステータスが「0」から「1」に切り替わってから特図可変表示が100回実行されたときに特図1変Pステータスが「1」から「0」に切り替わるが、その前に、具体的には、特図1変Pステータスが「0」から「1」に切り替わってから特図可変表示が35回実行されたときに左打ちに係る遊技状態が第1時短状態から非時短状態になる。したがって、この非時短状態になるまでの特図可変表示が35回行われる期間は特図1変PTBL選択条件=「4」となり、非時短状態になったときに特図1変PTBL選択条件が「4」から「3」に切り替わる。
以上のように、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1によれば、特別図柄(識別情報)の変動表示で大当たり図柄が停止表示(特定結果が導出)されると、遊技者に有利な大当たり遊技(特定遊技)を実行し、通常遊技状態において、特別図柄(識別情報)の変動表示で大当たり図柄と異なるハズレ図柄Bが停止表示(所定結果が導出)されると、大当たり遊技(特定遊技)を実行することなく、通常遊技状態と異なる第1時短状態(特定遊技状態)にし、特別図柄(識別情報)の変動表示に要する変動時間に係る特図1変Pステータス(区分)として、特図1変Pステータス「0」(第1区分)と特図1変Pステータス「1」(第2区分)とがあり、通常遊技状態、または第1時短状態(特定遊技状態)で特別図柄(識別情報)の変動表示が100回(所定回数)実行される度に、特図1変Pステータス「0」(第1区分)、および特図1変Pステータス「1」(第2区分)の一方から他方に切り替わり、通常遊技状態且つ特図1変Pステータス「0」(第1区分)のときと、通常遊技状態且つ特図1変Pステータス「1」(第2区分)のときと、第1時短状態(特定遊技状態)(特定遊技状態)且つ特図1変Pステータス「0」(第1区分)のときと、第1時短状態(特定遊技状態)且つ特図1変Pステータス「1」(第2区分)のときとで異なる特図変動パターン判定テーブル(条件)に基づいて特図変動時間を決定する。したがって、パチンコ遊技機PY1における主要な演出である特図変動演出の基となる特図変動時間が不規則に変化することになる。その結果、遊技興趣が向上すると共に、演出を含む遊技の単調化を防ぐことができる。
また、第1時短状態は、第2始動口12への入賞容易性(開放のし易さ)について、第2時短状態よりも通常遊技状態(非時短状態)に近い。その結果、第1時短状態では、基本的には遊技者は遊技球を左打ちで発射させて遊技を行う。したがって、通常遊技状態から第1時短状態へ遷移しても、第1時短状態から通常遊技状態に遷移しても、遊技者は継続して左打ちで遊技球を発射させる遊技を行い、その中で、効果的に演出を含む遊技の単調化を防ぐことができる。さらに、特図1変Pステータスの切り替えは、特図変動表示の実行回数に基づいて行われるので、規則的に発生するが、通常遊技状態から第1時短状態への遷移は、ハズレ図柄Bの停止表示に基づいて行われるので、不規則的に発生する。したがって、さらに演出を含む遊技の単調化を防ぐことができる。
(第1実施形態の変更例)
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
第1実施形態では、第1時短状態の時短規定回数は100回であるが、時短規定回数の具体的な回数はこれに限られず、適宜に変更しても良い。また、第1実施形態では、第1時短状態の時短規定回数の種類は100回の1種類であるが、第1時短状態の時短規定回数の種類として、2種類以上あっても良い。この場合、例えば、第1時短状態に係るハズレ図柄の種類を複数設定し、ハズレ図柄の種類に応じて時短規定回数が異なるようにしても良い。
また、第1実施形態では、特図1変Pステータスの切り替えは、通常遊技状態、または第1時短状態において、特図可変表示が100回行われる度に行われるが、この回数は第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。さらに、第1実施形態では、特図1変Pステータスの切り替えに係る特図可変表示の実行回数は100回の1種類であるが、2種類以上あっても良い。この場合、例えば、ある特図1変Pステータスの切り替えが行われたときに、次回の特図1変Pステータスの切り替えを行うための特図可変表示の実行回数を複数の回数(例えば、50回、100回、150回)の中から所定の抽選で決定することを繰り返し行うようにしても良い。あるいは、第1時短状態から通常遊技状態に遷移する際に、次に大当たり遊技状態になるまでの特図1変Pステータスの切り替えに係る特図可変表示の実行回数を複数の回数(例えば、50回、100回、150回)の中から所定の抽選で決定するようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、特図1変Pステータスの種類は2種類であるが、3種類以上あっても良い。この場合、例えば、特図1変Pステータスが切り替わる順序が予め設定されているようにしても良い。あるいは、特図1変Pステータスを切り替える機会が到来したときに、その都度、複数の中から所定の抽選で決定するようにしても良い。
また、第1時短状態に係る当たり判定で当たりに当選する確率、普図変動時間、および補助遊技における第2始動口12の開放時間も第1実施形態に限定されず、第2始動口12への入賞容易性(単位時間当たりの第2始動口12の開放時間)について、第1時短状態が第1時短状態よりも通常遊技状態に近く、第1時短状態において遊技者は左打ちで遊技球を発射させる遊技を行う方が遊技者に有利である(遊技者が不利益を被らない)範囲で、適宜に変更しても良い。
また、第1実施形態では、特図可変表示の実行回数に基づいて特図1変Pステータスが切り替えられているが、当該切り替えの契機は特図可変表示の実行回数に限られず適宜に変更しても良い。例えば、特図1変Pステータスの切り替え契機として、時刻、遊技が開始されてからの経過時間、始動口11、12への入賞数、遊技球の発射個数、アウト口19から排出される遊技球の個数、ゲート13を通過した遊技球の個数、または特定の演出の発生回数などにしても良い。
<第2実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。以下においては、主に、第2実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
図56は、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2の正面図である。図56に示すように、パチンコ遊技機PY2は、基本的な実施形態と異なる前扉23を備えている。パチンコ遊技機PY2の前扉23には、基本的な実施形態と異なる構造からなるスピーカー52が前扉23の上端左隅部、および上端右隅部に設けられている。また、パチンコ遊技機PY2の前扉23には、基本的な実施形態と異なる構造からなる枠ランプ53が前扉23の透明板23tの上側、左側、および右側を断続的に囲うように配置されている。さらに、下皿35の左側には、後方に押し込み操作が可能な第2演出ボタン41kが配置されている。
また、パチンコ遊技機PY2においては、上皿34の上面の右端部に枠可動体56が設置されている。枠可動体56は、縦長の直方体状に成形されており、その背面が前扉23の前面右下部に接続され、前扉23と一体化されている。
枠可動体56の本体を成す枠可動体本体56kの前面全体には、様々な色で発光可能な発光部56hが配されている。なお、発光部56hの前面には所定の文字「おみくじ」が表記されている。
枠可動体本体56kは、その位置で固定されているが、枠可動体本体56kには、出現可能に構成された複数の可動部56fが収納されている。複数の可動部56fとして、第1可動部56f1、第2可動部56f2、第3可動部56f3、および第4可動部56f4が枠可動体本体56kに収納されている。第1可動部56f1、第2可動部56f2、第3可動部56f3、および第4可動部56f4は、同じ縦長矩形状の板状に成形され、待機状態では、遊技者から視認できないように前後方向に並んだ状態で、枠可動体本体56kに収納されている。
第1可動部56f1、第2可動部56f2、第3可動部56f3、および第4可動部56f4のそれぞれは、単独で、遊技者が視認容易な所定の作動位置まで上昇することが可能に構成されている。ここで、図57を用いて、第1可動部56f1、第2可動部56f2、第3可動部56f3、および第4可動部56f4が所定の作動位置まで上昇したときの様子を説明する。図57(A)は、待機状態の枠可動体56の正面図であり、図57(B)は、第1可動部56f1が所定の作動位置まで上昇した状態の枠可動体56の正面図であり、図57(C)は、第2可動部56f2が所定の作動位置まで上昇した状態の枠可動体56の正面図であり、図57(D)は、第3可動部56f3が所定の作動位置まで上昇した状態の枠可動体56の正面図であり、図57(E)は、第4可動部56f4が所定の作動位置まで上昇した状態の枠可動体56の正面図である。
図57(B)~図57(E)に示すように、第1可動部56f1の正面には所定の文字「大吉」が表示され、第2可動部56f2の正面には所定の文字「大喜」が表示され、第3可動部56f3の正面には通常の大仏を表す絵が表示され、第4可動部56f4の正面には特殊な大仏、具体的には左手に野球の硬式ボールを持った大仏を表す絵が表示されている。また、第1可動部56f1の正面全体には所定の文字「大吉」の背景色として青色が施され、第2可動部56f2の正面全体には所定の文字「大喜」の背景色として緑色が施され、第3可動部56f3の正面全体には通常の大仏を表す絵の背景色として赤色が施され、第4可動部56f4の正面全体には特殊な大仏を表す絵の背景色として金色が施されている。
次に、演出制御基板120側の電気的な構成を示すブロック図を図58に示す。図58に示すように、演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、第1可動部用モーター56m1、第2可動部用モーター56m2、第3可動部用モーター56m3、および第4可動部用モーター56m4が含まれている。第1可動部用モーター56m1、第2可動部用モーター56m2、第3可動部用モーター56m3、および第4可動部用モーター56m4は、枠可動体本体56kに前後方向で対応する前枠23mの背面に配置されており、配線などによって第1可動部56f1、第2可動部56f2、第3可動部56f3、第4可動部56f4に電気的に適宜に接続されている。
第1可動部用モーター56m1は第1可動部56f1を駆動して、第1可動部56f1を所定の作動位置まで上昇させること、および所定の作動位置から待機状態の収納位置に戻すことが可能である。第2可動部用モーター56m2は第2可動部56f2を駆動して、第2可動部56f2を所定の作動位置まで上昇させること、および所定の作動位置から待機状態の収納位置に戻すことが可能である。第3可動部用モーター56m3は第3可動部56f3を駆動して、第3可動部56f3を所定の作動位置まで上昇させること、および所定の作動位置から待機状態の収納位置に戻すことが可能である。第4可動部用モーター56m4は第4可動部56f4を駆動して、第4可動部56f4を所定の作動位置まで上昇させること、および所定の作動位置から待機状態の収納位置に戻すことが可能である。
演出制御用マイコン121は、第1可動部56f1の動作態様を決める動作パターンデータ、第2可動部56f2の動作態様を決める動作パターンデータ、第3可動部56f3の動作態様を決める動作パターンデータ、および第4可動部56f4の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、第1可動部56f1の動作、第2可動部56f2の動作、第3可動部56f3の動作、および第4可動部56f4の動作を制御する。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して発光部56hの発光制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、発光部56hの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って発光部56hの発光を制御する。なお、発光部56hの発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、枠可動体センサ56aが含まれている。枠可動体センサ56aは、枠可動体本体56kが接触されたことを検出する。枠可動体本体56kは、操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
次に、パチンコ遊技機PY2が実行可能な枠可動体56を用いた演出について説明する。パチンコ遊技機PY2は、通常演出モードにおいて、第1始動入賞コマンドに基づいて、枠可動体56を用いた先読み演出を実行することがある。なお、以下において、枠可動体56を用いた先読み演出のことを「特定先読み演出」と称する。特定先読み演出は、枠可動体56の他に画像表示装置50も用いて実行される。
図59~図60は、特定先読み演出の具体例を表す図である。なお、図59~図60は、表示部50aと枠可動体56を抽出する形で模式的に表している。第2実施形態では、特定先読み演出は、特図1可変表示を実行させることが可能な第1始動口11への入賞を契機に、言い換えると特図1保留の発生を契機に実行される。例えば、図59(A)に示すように、特図1保留が1つあり、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図1の変動表示)が実行されている状況で、特図1保留が発生し、当該特図1保留の発生に応じて特定先読み演出が実行されると仮定する。なお、図59(A)に表示されている当該アイコンHA1、および保留順1の特図1保留を表す保留アイコンHA2は通常態様で表示されている。
特定先読み演出の対象となる特図1保留(特定先読み演出対象保留)が発生すると、図59(B)に示すように、当該特図1保留を表す保留アイコン(図59(B)では保留アイコンHA3)は、特定先読み演出に対応付けられた特殊態様で表示される。第2実施形態では、特殊態様は、待機状態の枠可動体56を表している。また、特定先読み演出として、特殊態様の保留アイコンHA3が表示されると直ぐに、図59(B)に示すように、枠可動体56の発光部56hが白色で点灯する。第2実施形態では、特定先読み演出に係る発光部56hの白色での点灯は、所定時間(10秒)継続する。
そして、図59(C)に示すように、発光部56hが発光しているときに、遊技者が枠可動体本体56kに触れると、図60(A-1)、図60(B-1)、図60(C-1)、図60(D-1)に示すように、第1可動部56f1~第4可動部56f4の何れか1つが作動して、遊技者が視認できるように所定の作動位置まで上昇する。さらにその直後に、図60(A-2)、図60(B-2)、図60(C-2)、図60(D-2)に示すように、特殊態様で表示されていた保留アイコンHA3が、作動した第1可動部56f1~第4可動部56f4の何れか1つを表す態様に変化する。
なお、以下において、特殊態様から変化した後の第1可動部56f1~第4可動部56f4を表す表示態様を「特別態様」と称する。さらに、第1可動部56f1を表す特別態様を「第1特別態様」と称し、第2可動部56f2を表す特別態様を「第2特別態様」と称し、第3可動部56f3を表す特別態様を「第3特別態様」と称し、第4可動部56f4を表す特別態様を「第4特別態様」と称する。
また、特定先読み演出の演出種別(特定先読み演出種別)として、第1可動部56f1が作動して第1特別態様の保留アイコンが表示されるものを「第1特定先読み演出」と称し、第2可動部56f2が作動して第2特別態様の保留アイコンが表示されるものを「第2特定先読み演出」と称し、第3可動部56f3が作動して第3特別態様の保留アイコンが表示されるものを「第3特定先読み演出」と称し、第4可動部56f4が作動して第4特別態様の保留アイコンが表示されるものを「第4特定先読み演出」と称する。
詳細は後述するが特定先読み演出は、特定先読み演出対象保留に係る大当たり判定で大当たりと判定される可能性、言い換えると、特定先読み演出対象保留に基づいて大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出である。そして、特定先読み演出種別は、大当たり遊技状態になる可能性の大小関係を示唆する。具体的には、第1特定先読み演出<第2特定先読み演出<第3特定先読み演出<第4特定先読み演出の順番で、大当たり遊技状態になる可能性が高い。
なお、発光部56hが白色で発光した後、当該発光中の枠可動体本体56kへの接触を契機に発光部56hは消灯する。また、枠可動体本体56kへの接触を契機に所定の作動位置まで上昇した第1可動部56f1~第4可動部56f4は、所定時間(例えば、5秒間)その位置で保持され、所定時間の経過に伴って、下降して待機位置に戻る。第1可動部56f1~第4可動部56f4が待機位置に戻った後も、保留アイコンの特別態様は保持され、その保留アイコンは、特定先読み演出対象保留に対応する特図1可変表示の実行に伴って、特別態様のまま当該アイコンとなる。
また、発光部56hが白色で発光した後、言い換えると、特定先読み演出が開始された後、当該発光中の枠可動体本体56kへの接触がされないまま所定時間(例えば、10秒)が経過すると、発光部56hは消灯する。そして、第2実施形態では、この後に枠可動体本体56kが接触されても、可動部56fは作動しない。すなわち、発光部56hが白色発光されている期間は、特定先読み演出において可動部50fを作動させるための操作有効期間であり、発光部56hの白色での発光は、特定先読み演出において可動部56fを作動させるための操作有効期間中であることを示唆している。
次に、第2実施形態における特定先読み演出に係る制御内容の一例について説明する。なお、以下に説明する制御内容は、特定先読み演出に係る制御内容の一例であるので、その制御内容は以下の内容に限定されることなく、適宜に変更しても良い。
例えば、演出制御用マイコン121は、ステップS4302において、通常演出モードであるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、通常演出モードではないと判定すると、当該特定先読み演出に係る処理を終え、通常演出モードであると判定すると、受信した始動入賞コマンドが特図1保留に対応するものであるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図1保留に対応する始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド)ではないと判定すると、当該特定先読み演出に係る処理を終え、特図1保留に対応する始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド)であると判定すると、当該始動入賞コマンドに基づいて、特定先読み演出の実行の可否を決定するための特定先読み演出実行判定を行う。
特定先読み演出実行判定は、特定先読み演出実行判定テーブルを参照して実行される。特定先読み演出実行判定テーブルの構成例を図61(A)に示す。図61(A)に示すように、特定先読み演出実行判定テーブルは、始動入賞コマンドが示す先読み判定結果に含まれる特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、特定先読み演出実行判定テーブルとして、SP大当たり変動用の特定先読み演出実行判定テーブル、L大当たり変動用の特定先読み演出実行判定テーブル、SPハズレ変動用の特定先読み演出実行判定テーブル、Lハズレ変動用の特定先読み演出実行判定テーブル、Nハズレ変動用の特定先読み演出実行判定テーブル、通常ハズレ変動用の特定先読み演出実行判定テーブルが設けられている。図61(A)に示す各特定先読み演出実行判定テーブルは、特定先読み演出を実行する/実行しないに対する選択率が図61(A)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図61(A)に示すように、始動入賞コマンドが示す特図変動パターンが大当たり変動の場合もハズレ変動の場合も「実行する」に決定されることがある。したがって、特定先読み演出が実行されると、特定先読み演出の契機となった特図1保留に基づく特図可変表示(特定先読み演出対象変動)で大当たりになる可能性がある。すなわち、特定先読み演出は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出である。また、始動入賞コマンドが示す特図変動パターンがリーチ成立に係る特図変動の場合もリーチが成立しない特図変動の場合も「実行する」に決定されることがある。したがって、特定先読み演出が実行されると、特定先読み演出対象変動に応じた特図変動演出(特定先読み演出対象変動演出)でリーチが成立する可能性がある。すなわち、特定先読み演出は、リーチになる可能性があることを示唆する演出である。
演出制御用マイコン121は、特定先読み演出実行判定を終えると、当該判定結果が「特定先読み演出を実行する」であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、当該判定結果が「特定先読み演出を実行する」ではない場合、当該特定先読み演出に係る処理を終え、当該判定結果が「特定先読み演出を実行する」である場合、当該始動入賞コマンドに基づいて、特定先読み演出種別を決定するための特定先読み演出種別判定を行う。
特定先読み演出種別判定は、特定先読み演出種別判定テーブルを参照して実行される。特定先読み演出種別判定テーブルの構成例を図61(B)に示す。図61(B)に示すように、特定先読み演出種別判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、特定先読み演出種別判定テーブルとして、SP大当たり変動用の特定先読み演出種別判定テーブル、L大当たり変動用の特定先読み演出種別判定テーブル、SPハズレ変動用の特定先読み演出種別判定テーブル、Lハズレ変動用の特定先読み演出種別判定テーブル、Nハズレ変動用の特定先読み演出種別判定テーブル、および通常ハズレ変動用の特定先読み演出種別判定テーブルが設けられている。図61(B)に示す各特定先読み演出種別判定テーブルは、各特定先読み演出種別に対する選択率が図61(B)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図61(B)に示すように、特図変動パターンがSPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合もNハズレ変動の場合も通常ハズレ変動の場合も「第1特定先読み演出」、「第2特定先読み演出」、「第3特定先読み演出」、および「第4特定先読み演出」に決定されることがある。したがって、特定先読み演出として、第1特定先読み演出、第2特定先読み演出、第3特定先読み演出、または第4特定先読み演出が実行されると、特定先読み演出対象変動演出で、リーチが成立する可能性、NリーチからSPリーチ、またはLリーチに発展する可能性、および大当たりになる可能性がある。すなわち、第1特定先読み演出、第2特定先読み演出、第3特定先読み演出、または第4特定先読み演出は、リーチが成立する可能性、NリーチからSPリーチ、またはLリーチに発展する可能性、および大当たりになる可能性があることを示唆する演出である。
また、SPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合もNハズレ変動の場合も「第4特定先読み演出」に決定されることがあるが、通常ハズレ変動の場合に「第4特定先読み演出」に決定されることはない。したがって、第4特定先読み演出が実行されると、特定先読み演出対象変動演出で、リーチが成立(リーチに発展)することが確定する。すなわち、第4特定先読み演出は、リーチが成立(リーチに発展)することを示唆する演出である。
さらに、SPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合もNハズレ変動の場合も「第4特定先読み演出」に決定されることがあるが、SPリーチ変動、およびLリーチ変動の場合に比べてNハズレ変動の場合に「第4特定先読み演出」と決定される確率は極めて低い。したがって、第4特定先読み演出が実行されると、特定先読み演出対象変動演出で、SPリーチやLリーチに発展しない可能性はあるものの、SPリーチ、またはLリーチに発展する可能性が高い。すなわち、第4特定先読み演出は、SPリーチ、またはLリーチに発展しない可能性はあるが、SPリーチ、またはLリーチに発展する可能性が高いことを示唆する演出である。
また、図61(B)に示す特定先読み演出種別判定テーブルによれば、第2実施形態では、第1特定先読み演出<第2特定先読み演出<第3特定先読み演出<第4特定先読み演出の順番で、大当たり遊技状態になる可能性が高い。
演出制御用マイコン121は、特定先読み演出種別判定を行った後に当該判定の結果である特定先読み演出種別を示すコマンド(特定先読み演出開始コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットすると共に、発光部56hを発光させて特定先読み演出を開始させる。
出力バッファにセットされた特定先読み演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。画像制御基板140の画像用CPU141は、特定先読み演出開始コマンドを受信すると、表示部50aにおいて、当該特定先読み演出開始コマンドが示す特定先読み演出種別の特定先読み演出を開始させる。具体的には、画像用CPU141は、まずは、特定先読み演出開始コマンドに係る特図1保留に対応する保留アイコンを特殊態様で表示する。
そして、演出制御用マイコン121は、発光部56hを発光させているときに、枠可動体センサ56aから、枠可動体本体56kが接触されたことを示す検知信号が入力すると、発光部56hを消灯しつつ、特定先読み演出種別判定の結果である特定先読み演出種別に応じた可動部56fを所定の作動位置まで上昇させると共に、枠可動体本体56kが接触されたことを示すコマンド(枠可動体本体接触コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
出力バッファにセットされた枠可動体本体接触コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。画像制御基板140の画像用CPU141は、枠可動体本体接触コマンドを受信すると、表示部50aにおいて、特殊態様の保留アイコンを当該特定先読み演出開始コマンドが示す特定先読み演出種別に対応した特別態様に変化させる。
次に、パチンコ遊技機PY2が、通常演出モードにおいて実行可能な特定予告演出について説明する。特定予告演出は、特図1変動パターンに基づいて、当該特図1変動パターンに対応する特図変動演出において実行され、当該特図1変動パターンに基づく特図1可変表示で大当たり図柄が停止表示される可能性、言い換えると当該特図1可変表示で大当たりになる可能性があることを示唆する演出である。また、特定予告演出は、画像表示装置50とスピーカー52を用いて行われる。すなわち、特定予告演出には、表示部50aに表示される画像とスピーカー52から出力される音声が含まれる。
図62~図64は、特定予告演出の具体例を表す図である。なお、図62~図64は、表示部50aとスピーカー52を抽出する形で模式的に表している。第2実施形態では、特定予告演出は、特図1可変表示の実行を契機に実行される。例えば、図62(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されてから所定時間(1秒)が経過したときに特定予告演出が開始される。
特定予告演出が開始されると最初に、図62(B)に示すように、表示部50aの全体に、特定予告演出に対応付けられた画像G30(特定予告演出画像G30)が表示部50a全体にそれまで表示されていた背景画像に割り込む形で表示される。表示部50a全体に表示される特定予告演出画像G30の上下左右に4分割したそれぞれの領域には相互に異なるキャラクタが表示される。具体的に、特定予告演出画像G30の左上にはキャラクタVが表示され、特定予告演出画像G30の右上にはキャラクタWが表示され、特定予告演出画像G30の左下にはキャラクタXが表示され、特定予告演出画像G30の右下にはキャラクタYが表示される。そして、キャラクタV、キャラクタW、キャラクタX、およびキャラクタYのそれぞれは、特定予告演出画像G30が表示されたときから、それぞれに対応付けられた動作を行っている。
なお、特定予告演出画像G30は適宜にカラーで着色されている。また、以下において、キャラクタVに対応付けられた動作のことを「第1特定予告演出動作」と称し、キャラクタWに対応付けられた動作のことを「第2特定予告演出動作」と称し、キャラクタXに対応付けられた動作のことを「第3特定予告演出動作」と称し、キャラクタYに対応付けられた動作のことを「第4特定予告演出動作」と称することもある。なお、第2実施形態では、第1特定予告演出動作~第4特定予告演出動作の内容は相互に異なるように設定されている。
そして、カラーの特定予告演出画像G30が表示されて所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングで)、図62(C)に示すように、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタ(キャラクタV、キャラクタW、キャラクタX、およびキャラクタY)の動作が停止する。なお、特定予告演出画像G30が表示されてから所定時間(例えば、3秒)が経過するまでの間、全キャラクタに係る動作は継続して実行されている。また、以下において、このように特定予告演出を構成する「複数の演出主体である複数のキャラクタの動作が停止する演出」のことを「停止演出」と称することもある。
続いて、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタの動作が停止して(停止演出が行われて)から所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、特定予告演出の演出内容は分岐する。具体的には、特定予告演出に係るキャラクタの名称が特定予告演出音声として、スピーカー52から出力され、特定予告演出音声の出力に応じて、特定予告演出画像G30における出力された特定予告演出音声に対応するキャラクタの動作が再開する。言い換えると、動作を再開するキャラクタが、特定予告演出音声によって事前に告知される。以下において、特定予告演出を構成する「動作を再開するキャラクタを特定予告演出音声によって事前に告知する演出」のことを「事前告知演出」と称し、特定予告演出を構成する「事前告知演出の対象であるキャラクタが動作を再開する演出」のことを「再開演出」と称することもある。
特定予告演出音声に係るキャラクタ(事前告知演出の対象となるキャラクタ)、および動作が再開するキャラクタ(再開演出の対象となるキャラクタ)の種類として、キャラクタV、キャラクタW、キャラクタX、キャラクタY、キャラクタVとキャラクタW、キャラクタXとキャラクタY、および全キャラクタ(キャラクタV、キャラクタW、キャラクタX、およびキャラクタY)の7種類がある。すなわち、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタの動作が停止して(停止演出が行われて)からの分岐パターン(展開パターン)は7つあることになる。
なお、以下において、特定予告演出音声の対象となり、動作を再開するキャラクタがキャラクタVであるの場合の特定予告演出の種別(特定予告演出種別)を第1特定予告演出とする。同様に、キャラクタWである場合の特定予告演出種別を第2特定予告演出とし、キャラクタXである場合の特定予告演出種別を第3特定予告演出とし、キャラクタYである場合の特定予告演出種別を第4特定予告演出とする。また、キャラクタVとキャラクタWである場合の特定予告演出種別を第5特定予告演出とし、キャラクタXとキャラクタYである場合の特定予告演出種別を第6特定予告演出とし、全キャラクタである場合の特定予告演出種別を第7特定予告演出とする。
また、第1特定予告演出に係る特定予告演出音声を第1特定予告演出音声と称する。同様に、第2特定予告演出、第3特定予告演出、第4特定予告演出、第5特定予告演出、第6特定予告演出、および第7特定予告演出に係る特定予告演出音声を第2特定予告演出音声、第3特定予告演出音声、第4特定予告演出音声、第5特定予告演出音声、第6特定予告演出音声、および第7特定予告演出音声と称する。
なお、第2実施形態では、第1特定予告演出音声は「キャラクタV」という音声で構成され、第2特定予告演出音声は「キャラクタW」という音声で構成され、第3特定予告演出音声は「キャラクタX」という音声で構成され、第4特定予告演出音声は「キャラクタY」という音声で構成され、第5特定予告演出音声は「キャラクタV、キャラクタW」という音声で構成され、第6特定予告演出音声は「キャラクタX、キャラクタY」という音声で構成され、第7特定予告演出音声は「全員」という音声で構成される。
また、後述するように、特定予告演出種別は、大当たり遊技状態になる可能性の大小関係を示唆している。具体的には、第1特定予告演出<第2特定予告演出<第3特定予告演出<第4特定予告演出<第5特定予告演出<第6特定予告演出<第7特定予告演出の順番で大当たり遊技状態になる可能性が高いことを示唆する。
ここで、特定予告演出における特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタの動作が停止した後(停止演出の後)の演出内容、言い換えると、事前告知演出、および再開演出の具体例について説明する。図63(A-1)、および図63(A-2)は、第1特定予告演出の場合の具体例を表す図であり、図63(B-1)、および図63(B-2)は、第2特定予告演出の場合の具体例を表す図であり、図63(C-1)、および図63(C-2)は、第3特定予告演出の場合の具体例を表す図であり、図63(D-1)、および図63(D-2)は、第4特定予告演出の場合の具体例を表す図である。
第1特定予告演出では、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタが動作を停止してから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは図63(A-1)に示すように、スピーカー52から、第1特定予告演出音声「キャラクタV」が出力され、その直後に図63(A-2)に示すように、停止した特定予告演出画像G30の中のキャラクタVが動作を再開する。
第2特定予告演出では、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタが動作を停止してから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは図63(B-1)に示すように、スピーカー52から、第2特定予告演出音声「キャラクタW」が出力され、その直後に図63(B-2)に示すように、停止した特定予告演出画像G30の中のキャラクタWが動作を再開する。
第3特定予告演出では、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタが動作を停止してから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは図63(C-1)に示すように、スピーカー52から、第3特定予告演出音声「キャラクタX」が出力され、その直後に図63(C-2)に示すように、停止した特定予告演出画像G30の中のキャラクタXが動作を再開する。
第4特定予告演出では、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタが動作を停止してから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは図63(D-1)に示すように、スピーカー52から、第4特定予告演出音声「キャラクタY」が出力され、その直後に図63(D-2)に示すように、停止した特定予告演出画像G30の中のキャラクタYが動作を再開する。
また、図64(A)、および図64(B)は、第5特定予告演出における特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタの動作が停止した後(停止演出の後)の演出内容、言い換えると、事前告知演出、および再開演出の具体例を表す図である。第5特定予告演出では、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタが動作を停止してから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは図64(A)に示すように、スピーカー52から、第5特定予告演出音声「キャラクタV、キャラクタW」が出力され、その直後に図64(B)に示すように、特定予告演出画像G30の中のキャラクタV、およびキャラクタYが動作を再開する。
なお、図示しないが、第6特定予告演出では、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタが動作を停止してから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、第4特定予告演出の場合と同様に、まずはスピーカー52から、第6特定予告演出音声「キャラクタX、キャラクタY」が出力され、その直後に特定予告演出画像G30の中のキャラクタX、およびキャラクタYが動作を再開する。
また、図示しないが、第7特定予告演出では、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタが動作を停止してから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは、スピーカー52から、第7特定予告演出音声「全員」が出力され、続いて、その直後に、特定予告演出画像G30の中のキャラクタV、キャラクタW、キャラクタX、およびキャラクタYが動作を再開する。
このように、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタが動作を停止した後、複数のキャラクタが関わる演出内容に分岐(展開)される場合、1回の特定予告演出音声で複数のキャラクタが立て続けに(間髪入れずに)呼ばれ、当該複数のキャラクタが一斉に動作を再開する。
なお、図示しないが、特定予告演出は、キャラクタに対応付けられた動作が再開してから所定時間(例えば、2秒)が経過すると終了する。この終了によって、特定予告演出画像G30は消去されて、当該特定予告演出が開始される前の通常用背景画像が表示される。
次に、第2実施形態における特定予告演出に係る制御内容の一例について説明する。なお、以下に説明する制御内容は、特定予告演出に係る制御内容の一例であるので、その制御内容は以下の内容に限定されることなく、適宜に変更しても良い。
例えば、演出制御用マイコン121は、ステップS4306において、特図変動演出パターンを決定した後に、通常演出モードであるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、通常演出モードではないと判定すると、当該特定予告演出に係る処理を終え、通常演出モードであると判定すると、受信した特図変動開始コマンドが特図1変動パターンに対応するものであるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図1変動パターンに対応する特図変動開始コマンドではないと判定すると、当該特定予告演出に係る処理を終え、特図1変動パターンに対応する特図変動開始コマンドであると判定すると、当該特図変動開始コマンドに基づいて、特定予告演出の実行の可否を決定するための特定予告演出実行判定を行う。
特定予告演出実行判定は、特定予告演出実行判定テーブルを参照して実行される。特定予告演出実行判定テーブルの構成例を図65(A)に示す。図65(A)に示すように、特定予告演出実行判定テーブルは、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターン判定結果に含まれる特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、特定予告演出実行判定テーブルとして、大当たり変動用(SP大当たり変動、L大当たり変動)の特定予告演出実行判定テーブル、SPハズレ変動用の特定予告演出実行判定テーブル、Lハズレ変動用の特定予告演出実行判定テーブル、Nハズレ変動用の特定予告演出実行判定テーブル、通常Aハズレ変動用の特定予告演出実行判定テーブル、通常Bハズレ変動用の特定予告演出実行判定テーブル、および通常Cハズレ変動用の特定予告演出実行判定テーブルが設けられている。図65(A)に示す各特定予告演出実行判定テーブルは、特定予告演出を実行する/実行しないに対する選択率が図65(A)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図65(A)に示すように、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンが大当たり変動の場合もハズレ変動の場合も「実行する」に決定されることがある。したがって、特定予告演出が実行されると、特定予告演出の契機となった特図1可変表示で大当たりになる可能性がある。すなわち、特定予告演出は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出である。また、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、リーチが成立する特図変動パターンの場合もリーチが成立しない特図変動パターンの場合も「実行する」に決定されることがある。したがって、特定予告演出が実行されると、特定予告演出に係る特図1可変表示に応じた特図変動演出でリーチが成立する可能性がある。すなわち、特定予告演出は、リーチになる可能性があることを示唆する演出である。なお、特図1変動パターンが通常Bハズレ変動、および通常Cハズレ変動の場合は、特定予告演出が実行されない。
演出制御用マイコン121は、特定予告演出実行判定を終えると、当該判定結果が「特定予告演出を実行する」であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、当該判定結果が「特定予告演出を実行する」ではない場合、当該特定予告演出に係る処理を終え、当該判定結果が「特定予告演出を実行する」である場合、当該特図変動開始コマンドに基づいて、特定予告演出種別を決定するための特定予告演出種別判定を行う。
特定予告演出種別判定は、特定予告演出種別判定テーブルを参照して実行される。特定予告演出種別判定テーブルの構成例を図65(B)に示す。図65(B)に示すように、特定予告演出種別判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、特定予告演出種別判定テーブルとして、大当たり変動(SP大当たり変動、L大当たり変動)用の特定予告演出種別判定テーブル、SPハズレ変動用の特定予告演出種別判定テーブル、Lハズレ変動用の特定予告演出種別判定テーブル、Nハズレ変動用の特定予告演出種別判定テーブル、および通常Aハズレ変動用の特定予告演出種別判定テーブルが設けられている。図65(B)に示す各特定予告演出種別判定テーブルは、各特定予告演出種別に対する選択率が図65(B)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図65(B)に示すように、特図変動パターンがSPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合もNハズレ変動の場合も通常Aハズレ変動の場合も「第1特定予告演出」、「第2特定予告演出」、「第3特定予告演出」、および「第4特定予告演出」に決定されることがある。したがって、特定予告演出として、第1特定予告演出、第2特定予告演出、第3特定予告演出、または第4特定予告演出が実行されると、特定予告演出対象変動演出で、リーチが成立する可能性、NリーチからSPリーチ、またはLリーチに発展する可能性、および大当たりになる可能性がある。すなわち、第1特定予告演出、第2特定予告演出、第3特定先読み演出、または第4特定予告演出は、リーチが成立する可能性、NリーチからSPリーチ、またはLリーチに発展する可能性、および大当たりになる可能性があることを示唆する演出である。
また、SPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合もNハズレ変動の場合も「第5特定予告演出」、「第6特定予告演出」に決定されることがあるが、通常Aハズレ変動の場合に「第5特定予告演出」、「第6特定予告演出」に決定されることはない。したがって、第5特定予告演出、または第6特定予告演出が実行されると、その後にリーチが成立(リーチに発展)することが確定する。すなわち、第5特定予告演出、および第6特定予告演出は、リーチが成立(リーチに発展)することを示唆する演出である。
また、SPリーチ変動(SP大当たり変動、SPハズレ変動)の場合もLリーチ変動(L大当たり変動、Lハズレ変動)の場合も「第7特定予告演出」に決定されることがあるが、Nハズレ変動、通常Aハズレ変動の場合に「第7特定予告演出」に決定されることはない。したがって、第7特定予告演出が実行されると、その後にSPリーチやLリーチが実行される(SPリーチやLリーチに発展する)ことが確定する。すなわち、第7特定予告演出は、SPリーチやLリーチが実行される(SPリーチやLリーチに発展する)ことを示唆する演出である。
さらに、SP大当たり変動やL大当たり変動の場合もSPハズレ変動やLハズレ変動の場合も第7特定予告演出に決定されることがあるが、SP大当たり変動やL大当たり変動の場合に比べてSPハズレ変動やLハズレ変動の場合に第7特定予告演出と決定される確率は極めて低い。したがって、第7特定予告演出が実行されると、その後にハズレになる可能性はあるものの、大当たりになる可能性が高い。すなわち、第7特定予告演出は、ハズレになる可能性はあるが、大当たりになる可能性が高いことを示唆する演出である。
また、図65(B)に示す特定予告演出種別判定テーブルによれば、第2実施形態では、第1特定予告演出<第2特定予告演出<第3特定予告演出<第4特定予告演出<第5特定予告演出<第6特定予告演出<第7特定予告演出の順番で大当たり遊技状態になる可能性が高いことを示唆する。
演出制御用マイコン121は、特定予告演出種別判定を行った後に当該判定の結果である特定予告演出種別を示すコマンド(特定予告演出開始コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた特定予告演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。
画像制御基板140の画像用CPU141は、特定予告演出開始コマンドを受信すると、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されてから所定時間(例えば、1秒)が経過したときに、表示部50aにおいて、まずはカラーの特定予告演出画像G30を表示して、特定予告演出を開始させる。
また、演出制御用マイコン121は、特定予告演出が開始されてから所定時間(例えば、4秒)が経過したときに、特定予告演出種別判定の結果である特定予告演出種別に応じた特定予告演出音声をスピーカー52から出力させる。さらにこの直後のタイミングで、画像用CPU141は、特定予告演出種別判定の結果である特定予告演出種別に応じたキャラクタの動作を再開させる。
なお、第2実施形態では、特定予告演出において2人のキャラクタが関わる場合は、1回の特定予告演出音声において、2人のキャラクタの名称が立て続けに(間髪入れずに)呼ばれ、特定予告演出画像G30における当該キャラクタが当該キャラクタに応じた動作を行ったが、演出内容はこれに限られず適宜に変更しても良い。ここで、第5特定予告演出を例にこの変更例の一例を図66に示す。
例えば、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタが動作を停止してから所定時間(例えば、2秒)が経過した後、まずは図66(A)に示すように、スピーカー52から、第5特定予告演出に係るキャラクタの一方「キャラクタV」を表す特定予告演出音声が出力され、その直後に図66(B)に示すように、停止している特定予告演出画像G30の中のキャラクタVが動作を再開する。続いて、キャラクタVの動作が継続して行われている中、図66(C)に示すように、スピーカー52から、第5特定予告演出に係るキャラクタの他方「キャラクタW」を表す特定予告演出音声が出力され、その直後に図66(D)に示すように、停止している特定予告演出画像G30の中のキャラクタWが動作を再開する。
このように、特定予告演出において2人のキャラクタが関わる場合は、2人のキャラクタの一方が先に呼ばれ、停止している特定予告演出画像G30における当該キャラクタが動作を再開し、続いて、2人のキャラクタの他方が呼ばれ、停止している特定予告演出画像G30における当該キャラクタが動作を再開するようにしても良い。すなわち、特定予告演出に係るキャラクタの動作を段階的に再開させても良い。
また、スピーカー52から、所定のキャラクタの名称に係る音声が出力され、続いて、その直後に当該キャラクタが動作を再開する特定予告演出を以下のように変更しても良い。
例えば、図67(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されてから所定時間(1秒)が経過したときに特定予告演出が開始される。特定予告演出が開始されると最初に、図67(B)に示すように、表示部50aの全体に、特定予告演出画像G30が表示される。表示部50a全体に表示される特定予告演出画像G30の上下左右に4分割したそれぞれの領域には相互に異なるキャラクタが表示される。具体的に、特定予告演出画像G30の左上にはキャラクタVが表示され、特定予告演出画像G30の右上にはキャラクタWが表示され、特定予告演出画像G30の左下にはキャラクタXが表示され、特定予告演出画像G30の右下にはキャラクタYが表示される。ただし、ここではキャラクタV、キャラクタW、キャラクタX、およびキャラクタYのそれぞれは停止しており動作を行っていない。また、特定予告演出画像G30は適宜にカラーで着色されている
そして、カラーの特定予告演出画像G30が表示されて所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングで)、図67(C)に示すように、停止演出として、特定予告演出画像G30が全体的にモノクロ化される。続いて、特定予告演出画像G30がモノクロ化されてから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、特定予告演出の演出内容が分岐し、事前告知演出、及び再開演出が実行される。具体的には、特定予告演出に係るキャラクタの名称が特定予告演出音声として、スピーカー52から出力され、それに応じて、特定予告演出画像G30における出力された特定予告演出音声に対応するキャラクタがカラー化されて、そのキャラクタに対応付けられた動作を行う。
ここで、特定予告演出画像G30がモノクロ化されてからの分岐パターン(展開パターン)、言い換えると、特定予告演出音声に係るキャラクタ、およびカラー化されて動作するキャラクタの種類として、キャラクタV、キャラクタW、キャラクタX、キャラクタY、キャラクタVとキャラクタW、キャラクタXとキャラクタY、および全キャラクタ(キャラクタV、キャラクタW、キャラクタX、およびキャラクタY)の7種類がある。前述の特定予告演出の場合と同様にキャラクタの種類と特定予告演出の種類とが対応付けられている。
キャラクタVに係る第1特定予告演出では、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタの動作が停止してから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは図68(A-1)に示すように、スピーカー52から、第1特定予告演出音声「キャラクタV」が出力され、続いて、その直後に図68(A-2)に示すように、モノクロ化された特定予告演出画像G30の中のキャラクタVに係る領域(左上)がカラー化されて、カラー化されたキャラクタVが当該キャラクタVに対応付けられた動作(第1特定予告演出動作)を行う。
キャラクタWに係る第2特定予告演出では、特定予告演出画像G30がモノクロ化されてから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは図68(B-1)に示すように、スピーカー52から、第2特定予告演出音声「キャラクタW」が出力され、続いて、その直後に図68(B-2)に示すように、モノクロ化された特定予告演出画像G30の中のキャラクタWに係る領域(右上)がカラー化されて、カラー化されたキャラクタWが当該キャラクタWに対応付けられた動作(第2特定予告演出動作)を行う。
キャラクタXに係る第3特定予告演出では、特定予告演出画像G30がモノクロ化されてから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは図68(C-1)に示すように、スピーカー52から、第3特定予告演出音声「キャラクタX」が出力され、続いて、その直後に図68(C-2)に示すように、モノクロ化された特定予告演出画像G30の中のキャラクタXに係る領域(左下)がカラー化されて、カラー化されたキャラクタXが当該キャラクタXに対応付けられた動作(第3特定予告演出動作)を行う。
キャラクタYに係る第4特定予告演出では、特定予告演出画像G30がモノクロ化されてから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは図68(D-1)に示すように、スピーカー52から、第4特定予告演出音声「キャラクタY」が出力され、続いて、その直後に図68(D-2)に示すように、モノクロ化された特定予告演出画像G30の中のキャラクタYに係る領域(右下)がカラー化されて、カラー化されたキャラクタYが当該キャラクタYに対応付けられた動作(第4特定予告演出動作)を行う。
なお、図示はしないが、キャラクタVとキャラクタWに係る第5特定予告演出では、特定予告演出画像G30がモノクロ化されてから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは、スピーカー52から、第5特定予告演出「キャラクタV、キャラクタW」が出力され、続いて、その直後に、モノクロ化された特定予告演出画像G30の中のキャラクタV、およびキャラクタYに係る領域(左上、および右上)がカラー化されて、カラー化されたキャラクタVが第1特定予告演出動作を行うと共に、カラー化されたキャラクタWが第2特定予告演出動作を行う。
また、図示しないが、第6特定予告演出では、特定予告演出画像G30がモノクロ化されてから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、第5特定予告演出の場合と同様に、まずはスピーカー52から、第6特定予告演出「キャラクタX、キャラクタY」が出力され、続いて、その直後に、モノクロ化された特定予告演出画像G30の中のキャラクタX、およびキャラクタYに係る領域(左下、および右下)がカラー化されて、カラー化されたキャラクタXが第3特定予告演出動作を行うと共に、カラー化されたキャラクタYが第4特定予告演出動作を行う。
さらに、図示しないが、第7特定予告演出では、特定予告演出画像G30がモノクロ化されてから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは、スピーカー52から、第7特定予告演出「全員」が出力され、続いて、その直後に、モノクロ化された特定予告演出画像G30が全体的にカラー化されて、カラー化されたキャラクタVによる第1特定予告演出動作、カラー化されたキャラクタWによる第2特定予告演出動作、カラー化されたキャラクタXによる第3特定予告演出動作、およびカラー化されたキャラクタYによる第4特定予告演出動作が一斉に行われる。
このように、特定予告演出画像G30がモノクロ化された後、複数のキャラクタが関わる演出内容に分岐(展開)される場合、1回の特定予告演出音声で複数のキャラクタが立て続けに(間髪入れずに)呼ばれ、当該複数のキャラクタが一斉にカラー化されて、当該キャラクタに対応付けられた動作を行う。すなわち、図62~図66に示す具体例では、それまで動作していた演出主体であるキャラクタが停止することで、特定予告演出を構成する一要素である動作が無効化されていたが、図67~図68に示す具体例では、カラーで表示されていた特定予告演出画像G30における演出主体であるキャラクタがモノクロ化されることで、特定予告演出を構成する一要素である色彩が無効化される。そして、図62~図66に示す具体例では、動作が無効化された後、キャラクタが事前告知演出として呼ばれて、そのキャラクタに係る動作が再開演出として再開することで、特定予告演出を構成する一要素である動作が有効化されていたが、図67~図68に示す具体例では、色彩が無効化された後、キャラクタが事前告知演出として呼ばれて、そのキャラクタに係る色彩が再開演出として再開することで、特定予告演出を構成する一要素である色彩が有効化される。
また、特定予告演出のように、表示部50aに表示されている画像がモノクロ化されて、続いてスピーカー52から音声が出力され、その音声に応じた部分がカラー化される演出を以下のように展開しても良い。例えば、表示部50aに表示される画像の色彩が複数種類設けられており、当該色彩の種類によって大当たり遊技状態になる可能性の大小関係が異なる予告演出が複数表示部50aで実行されているときに、スピーカー52から色彩を表す音声が出力され、その音声の出力に応じて、その音声に掛かる色彩に変化する画像のみがカラー化される。
なお、第2実施形態では、特定予告演出において2人のキャラクタが関わる場合は、1回の特定予告演出音声において、2人のキャラクタの名称が立て続けに(間髪入れずに)呼ばれ、特定予告演出画像G30における当該キャラクタが一斉に動作を再開したが、演出内容はこれに限られず適宜に変更しても良い。ここで、第5特定予告演出を例にこの変更例の一例を図66に示す。
例えば、特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタが動作を停止してから所定時間(例えば、3秒)が経過したときに(第1タイミングの後の第2タイミングで)、まずは図66(A)に示すように、スピーカー52から、第5特定予告演出に係るキャラクタの一方「キャラクタV」を表す特定予告演出音声が出力され、それに応じて、図66(B)に示すように、特定予告演出画像G30の中のキャラクタVが動作を再開する。続いて、キャラクタVの動作が継続して行われている中、図66(C)に示すように、スピーカー52から、第5特定予告演出に係るキャラクタの他方「キャラクタW」を表す特定予告演出音声が出力され、それに応じて、図66(D)に示すように、特定予告演出画像G30の中のキャラクタWが動作を再開する。
このように、特定予告演出において2人のキャラクタが関わる場合は、2人のキャラクタの一方が先に呼ばれ、特定予告演出画像G30における当該一方のキャラクタが動作を再開し、続いて、2人のキャラクタの他方が呼ばれ、特定予告演出画像G30における当該他方のキャラクタが動作を再開するようにしても良い。すなわち、特定予告演出に係るキャラクタの動作を段階的に再開させても良い(事前告知演出、および再開演出を演出主体単位で段階的に実行しても良い)。
また、特定予告演出の変更例のように、表示部50aに表示されている画像がモノクローム化されて、続いてスピーカー52から音声が出力され、その音声に応じた部分がカラー化される演出を以下のように展開しても良い。例えば、表示部50aに表示される特定の画像の色彩が複数種類設けられており、当該色彩の種類によって大当たり遊技状態になる可能性の大小関係が異なる予告演出が複数表示部50aで実行されているときに、スピーカー52から色彩を表す音声が出力され、その音声の出力に応じて、その音声に掛かる色彩に変化する画像のみがカラー化される。
ここで、色彩の種類によって大当たり遊技状態になる可能性の大小関係が異なる予告演出として、台詞予告と、当該アイコン変化予告とがある。
台詞予告は、あるキャラクタが台詞を言うことを表す画像(台詞予告画像)の表示で構成される。台詞予告画像には、台詞の吹き出しを表す部分が含まれている。そして、当該吹き出し部分の色彩は複数種類設定されており、当該色彩の種類に応じて大当たり遊技状態になる可能性の大小関係が示唆される。台詞予告画像に含まれる吹き出し部分の色彩として、緑色、赤色、および金色が設定されており、緑色<赤色<金色の順番で、大当たり遊技状態になる可能性が高い。
また、当該アイコン変化予告は、当該アイコンが通常態様とは異なる特別態様で表示される演出である。通常態様と特別態様は同一の形状(例えば、円)で構成されているが、色彩について異なる。通常態様は白色であり、特別態様として、緑色、赤色、および金色が設定されている。そして、緑色<赤色<金色の順番で、大当たり遊技状態になる可能性が高い。
なお、台詞予告の実行の可否、および当該アイコン変化予告の実行の可否は、特定予告演出と同様に、特図1変動パターンに基づく判定で決定される。また、各予告の色彩は、特定予告演出種別と同様に、特図1変動パターンに基づく判定で決定される。
そして、あるタイミングで、台詞予告画像と当該アイコンが表示されているときに、表示部50a全体がモノクローム化される。続いて、スピーカー52から色彩を表す音声が出力され、その音声の出力に応じて、その音声に掛かる色彩に変化する画像のみがカラー化される。ここで、スピーカー52から「赤」という音声が出力されると、台詞予告画像が赤色に変化する場合と、当該アイコンが赤色に変化する場合と、台詞予告画像、および当該アイコンが赤色に変化する場合とがある。スピーカー52から「緑」、「金」という音声が出力される場合も同様に分岐される。
このように、パチンコ遊技機PY2によれば、通常遊技状態よりも遊技者に有利な大当たり遊技状態(特定遊技状態)にすることがあり、画像表示装置50(所定の演出手段)を用いて演出を実行可能であり、画像表示装置50(所定の演出手段)を用いて、大当たり遊技状態(特定遊技状態)になる可能性があることを示唆する特定予告演出(示唆演出)を実行することがあり、特定予告演出(示唆演出)では、画像表示装置50(所定の演出手段)によって複数の構成要素が含まれ、当該複数の構成要素のそれぞれが作動し、特定予告演出(示唆演出)において、第1タイミングで、それまで作動していた複数のキャラクタ(複数の構成要素)の全てが停止する停止演出を実行し、第1タイミングの後の第2タイミングで、複数のキャラクタ(複数の構成要素)の中で作動が再開するものを事前に告知する事前告知演出を実行し、当該事前告知演出の報知対象に係る作動を再開する再開演出を実行することがある。したがって、最終的に作動を行うキャラクタ(構成要素)の作動が際立つので、当該作動を含む特定予告演出の演出効果が向上し、遊技興趣が向上する。
また、パチンコ遊技機PY2によれば、枠可動体56を備え、枠可動体56の枠可動体本体56k(収納体)には、視認できない待機状態から、作動して視認できるように出現可能な第1可動部56f1~第4可動部56f4(複数の可動部)が収納され、枠可動体56を用いた特定先読み演出では、出現する可動部56fの種類によって、大当たり遊技状態になる可能性が異なる。したがって、遊技者を実物の枠可動体56に注目させ、遊技興趣を向上させることができる。さらに、枠可動体56は、発光部56hを備え、発光部56hが発光した後に第1可動部56f1~第4可動部56f4(複数の可動部)の何れかが出現することがある。したがって、効果的に遊技者を枠可動体56に注目させて、特定先読み演出以外の演出に支障を来すことを防ぐことができる。また、発光部56hが発光した後に枠可動体本体56k(収納体)が遊技者に接触されると、当該接触によって第1可動部56f1~第4可動部56f4(複数の可動部)の何れかが出現する。したがって、特定先読み演出における第1可動部56f1~第4可動部56f4(複数の可動部)の何れかの出現に対する遊技者の体感度合いを向上させることができる。
さらに、特定先読み演出として、表示部50aに枠可動体56を表す保留アイコン(収納体画像)を表示することがあり、枠可動体56を表す保留アイコン(収納体画像)を表示した後に発光部56hを発光する。したがって、演出画像と実物の枠可動体56の発光部56hによる発光演出とが複合化され、特定先読み演出の演出効果が向上する。また、第1可動部56f1~第4可動部56f4(複数の可動部)の何れかが出現した場合、当該出現に応じて、枠可動体56を表す保留アイコン(収納体画像)が、当該出現した可動部56fを表す保留アイコン(可動部画像)に変化する。したがって、演出画像と実物の枠可動体56の可動部56fの作動による動作演出とが複合化され、特定先読み演出の演出効果がさらに向上する。
(第2実施形態の変更例)
次に、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
パチンコ遊技機PY2では、複数の構成要素(キャラクタ)の全てが第1タイミングで(特図変動表示が開始してから1秒が経過したときに)停止する停止演出を実行し、第1タイミングの後の第2タイミングで(当該停止から2秒が経過したときに)当該複数の構成要素の中で動作が再開するものを事前に告知する事前告知演出(特定予告演出音声の出力)を実行し、当該事前告知演出の報知対象に係る作動を再開する再開演出(特定予告演出音声に係るキャラクタの動作の再開)を実行する演出として、特定予告演出が、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出において実行されているが、始動入賞コマンドが示す先読み判定結果に基づいて、先読み演出として実行するようにしても良い。また、当該演出を、大当たり遊技に係るオープニングコマンドに基づいて、大当たり遊技中に実行するようにしても良い。この場合、当該演出は、相対的にラウンド遊技の実行回数が多い大当たり遊技が実行されている可能性があることを示唆する演出、または当該大当たり遊技の終了に応じて、高確率状態や時短状態などの遊技者に有利な遊技状態に移行する可能性があることを示唆する演出にしても良い。
また、特定予告演出は、通常演出モードにおいて第1始動口11への入賞に基づく特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて実行されているが、確変演出モードや時短演出モードにおいて、第2始動口12への入賞に基づく特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて実行されるようにしても良い。
また、第2実施形態では、特定予告演出の示唆対象は大当たり遊技状態になる可能性であるが、言い換えると、特定予告演出は大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する演出として機能しているが、相対的にラウンド遊技の実行回数が多い大当たり遊技や当該大当たり遊技の終了後に高確率状態や時短状態などの遊技者に有利な遊技状態に移行する大当たり遊技など特定の大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する演出として機能するようにしても良い。
さらに、第2実施形態では、特定予告演出における演出主体は人を表すキャラクタであるが、演出主体は人を表すキャラクタに限られず、動物やアイテムなど適宜に変更しても良い。また、第2実施形態では、特定予告演出は画像表示装置50を用いて実行されているが、特定予告演出において作動する演出装置の種類は画像表示装置50以外であっても良い。例えば、パチンコ遊技機PY2において作動可能な可動体が複数搭載されており、特定予告演出として、一度、複数の可動体が遊技者に視認可能に作動した後に当該複数の可動体の作動が停止し、それから、スピーカー52などによって作動を再開する可動体を告知する事前告知演出が行われ、続いて当該告知の対象となった可動体が作動を再開するようにしても良い。また、パチンコ遊技機PY2において発光可能な発光体が複数搭載されており、特定予告演出として、複数の発光体が背景的な発光演出を実行している中で当該複数の発光体が消灯し、それから、スピーカー52などによって発光を再開する発光体を告知する事前告知演出が行われ、続いて当該告知の対象となった発光体が発光を再開するようにしても良い。
また、第2実施形態では、特定予告演出において、4つのキャラクタが表示されている(出現する)がキャラクタの個数は4つに限られず、1乃至3、または5以上にしても良い。キャラクタの個数が1つの場合、事前告知演出としてキャラクタの何れかの部位(例えば、手、足、頭)が告知された後に、当該部位が作動するようにしても良い。あるいは、停止後の動作パターンが複数(例えば、走る、飛ぶ、踊る)設定されており、事前告知演出として何れかの動作パターン(例えば、走る、飛ぶ、踊る)が告知された後に、当該動作パターンの動作が行われるようにしても良い。特定予告演出がスピーカー52を用いて実行される場合は、特定予告演出として、例えば、スピーカー52から演出モードに応じたBGMが出力されている中で一度消音されて、事前告知演出として複数の曲の中から何れかが告知された後に、当該曲がスピーカー52から出力されるようにしても良い。特定予告演出が複数の色を発光可能な発光体を用いて実行される場合は、特定予告演出として、例えば、発光体が様々な色を用いた背景的な発光演出が実行している中で一度消灯されて、事前告知演出として複数の色の中から何れかが告知された後に、当該色の発光を発光体が行うようにしても良い。
さらに、特定予告演出が開始される時間(第2実施形態では、特図変動演出が開始されてから1秒が経過したとき)、特定予告演出が開始されてから停止演出が実行されるまでの時間(第2実施形態では、3秒;第1タイミング)、言い換えると演出主体が動作を行っている時間(第2実施形態では、3秒;第2タイミング)、停止演出に要する時間、言い換えると演出主体であるキャラクタの動作が停止している時間、再開した動作を行っている時間は、第2実施形態に限られず適宜に変更しても良い。
また、演出主体であるキャラクタの動作の具体的な内容も適宜に変更しても良い。第2実施形態では、キャラクタによって動作内容が異なるが、全てのキャラクタの動作内容が同一、もしくは一部のキャラクタの動作内容が同一であっても良い。さらに、第2実施形態では、各キャラクタについて、最初に行っている動作と、再開後の動作の内容とが同一であるが、異なるようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY2では、視認できない待機状態におかれている複数の可動部(第1可動部56f1~第4可動部56f4)が視認できるように出現可能であり、出現する可動部の種類によって、特定の遊技状態(大当たり遊技状態)になる可能性が異なる演出として、特定先読み演出が、始動入賞コマンドが示す先読み判定結果に基づいて実行されているが、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、当該特図変動開始コマンドに応じた特図変動演出における予告演出として実行されるようにしても良い。この場合、発光部56hが発光する前に表示部50aに表示される枠可動体56を表す画像、および可動部56fが出現した後に表示部50aに表示される当該出現した可動部を表す画像を、当該アイコンで構成しても良い。
また、枠可動体56の形状、枠可動体56の設置位置、可動部56fの個数、可動部56fの形状、および可動部56fの移動方向は第2実施形態に限られず適宜に変更しても良い。さらに、枠可動体56を表す画像、および出現した可動部を表す画像を構成するものは、保留アイコンや当該アイコンなどの特図可変表示を実行する権利が発生したことに応じて表示される画像に限られず、適宜に変更しても良い。したがって、例えば、視認できない待機状態におかれている複数の可動部が視認できるように出現可能であり、出現する可動部の種類によって、特定の遊技状態になる可能性が異なる演出が開始されるタイミングで、当該演出専用の画像を新たに表示しても良い。また、視認できない待機状態におかれている複数の可動部が視認できるように出現可能であり、出現する可動部の種類によって、特定遊技状態になる可能性が異なる演出が開始されるタイミングで、保留アイコンや当該アイコンとは異なるそのときに表示されていた所定の画像を用いて、当該演出を実行しても良い
また、視認できない待機状態におかれている複数の可動部が視認できるように出現可能であり、出現する可動部の種類によって、特定の遊技状態になる可能性が異なる演出を、大当たり遊技に係るオープニングコマンドに基づいて、大当たり遊技中に実行するようにしても良い。この場合、当該演出は、相対的にラウンド遊技の実行回数が多い大当たり遊技が実行されている可能性があることを示唆する演出、または当該大当たり遊技の終了に応じて、高確率状態や時短状態などの遊技者に有利な遊技状態に移行する可能性があることを示唆する演出にしても良い。
さらに、特定先読み演出は、通常演出モードにおいて第1始動口11への入賞に基づく第1始動入賞コマンドが示す先読み判定結果に基づいて実行されているが、確変演出モードや時短演出モードにおいて、第2始動口12への入賞に基づく第2始動入賞コマンドが示す先読み判定結果に基づいて実行されるようにしても良い。
また、第2実施形態では、特定先読み演出の示唆対象は大当たり遊技状態になる可能性であるが、言い換えると、特定先読み演出は大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する演出として機能しているが、相対的にラウンド遊技の実行回数が多い大当たり遊技や当該大当たり遊技の終了後に高確率状態や時短状態などの遊技者に有利な遊技状態に移行する大当たり遊技など特定の大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する演出として機能するようにしても良い。
さらに、第2実施形態では、特定先読み演出が実行される場合は、当該始動入賞コマンド(特図保留の発生)に応じた保留アイコンが表示されるときに当該特定先読み演出が開始、言い換えると枠可動体56を表す画像が表示されるが、当該画像が表示されるタイミングは第2実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、特定先読み演出が実行される場合は、当該始動入賞コマンド(特図保留の発生)に応じた保留アイコンは最初は通常態様で表示され、その後、何れかの特図保留の消化の際(保留アイコンのシフトの際)や特図変動演出の最中などの所定タイミングで通常態様の保留アイコンが、枠可動体56を表す態様に変化するようにしても良い。
また、第2実施形態では、特定先読み演出において発光部56hが白色で発光する期間が制限されているが、発光部56hは、当該特定先読み演出に係る保留アイコンが表示されている間、白色で発光可能であり、枠可動体本体56kに接触されると消えるようにしても良い。すなわち、特定先読み演出において枠可動体56に接触して何れかの可動部56fを出現させることが可能な期間は、枠可動体56を表すアイコンが出現してから当該アイコンが消えるまでの間としても良い。
また、第2実施形態では、特定先読み演出において最初に発光部56hが白色で発光するが、発光部56hは、発光しないようにしても良い。この場合、特定先読み演出において枠可動体56に接触して何れかの可動部56fが出現させることが可能な期間は、枠可動体56を表す保留アイコンが表示されている全期間、または一部の特定期間としても良い。さらに、第2実施形態では、遊技者が枠可動体56に接触することに応じて何れかの可動部56fが出現するが、遊技者が枠可動体56に接触することとは関係なく、所定タイミングで可動部56fが出現するようにしても良い。
<第3実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第3実施形態について説明する。以下においては、主に、第3実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3は、所謂「1種2種混合機」で構成される。1台のパチンコ遊技機PY3において、主に、遊技球の第1始動口11への入賞を契機に特図1抽選が行われて大当たりに当選すると、後述の第1大入賞口14が開放する大当たり遊技が実行される「第1種(所謂「デジパチタイプ」)」と称される仕様と、遊技球の第2始動口12への入賞を契機に特図2抽選が行われて小当たりに当選すると、後述の第2大入賞口15が開放する小当たり遊技が実行され、小当たり遊技で開放した第2大入賞口15に入賞した遊技球が、後述する特定領域16(所謂「Vゾーン」)を通過(所謂「V入賞」)すると大当たり遊技が実行される「第2種(所謂「羽根モノタイプ」)」と称される仕様とが混在する。
ここで、パチンコ遊技機PY3の遊技盤ユニットYUの正面図を図69に示す。図69に示すように、遊技領域6には、遊技球が入賞不可能な状態と入賞可能な状態との間で可逆的に変化可能な第1大入賞装置14D、および第2大入賞装置15Dが設けられている。第1大入賞装置14Dは、基本的な実施形態などの大入賞装置14Dに対応している。したがって、第1大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第1大入賞口14が形成されており、第1大入賞口14は、第1大入賞装置14Dが具備する第1AT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。また、第1大入賞装置14Dには、遊技球が第1大入賞口14に入球(入賞)したことを検知する第1大入賞口センサ14aが設けられている。
第2大入賞装置15Dは、第1大入賞装置14Dの下流域側直下に設けられている。第2大入賞装置15Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2大入賞口15が形成されており、第2大入賞口15は、第2大入賞装置15Dが具備する第2AT開閉部材15kによって閉態様と開態様とをとる。また、第2大入賞装置15Dには、遊技球が第2大入賞口15に入球(入賞)したことを検知する第2大入賞口センサ15aが設けられている。
なお、第3実施形態では、第1大入賞口14への入球に伴って15個の賞球が払い出される。一方、第2大入賞口15への入球に伴って15個の賞球が払い出される。
次に、遊技球が第2大入賞口15へ入球した後の部分の遊技盤1の構成について説明する。図70は、遊技球が第2大入賞口15へ入球した後の部分の遊技盤1の構成を模式的に表した説明図である。図70に示すように、遊技球が第2大入賞口15へ入球した後の構成として、第2大入賞口15に入球した遊技球が通過可能な特定領域16および非特定領域17が設けられている。さらに、第2大入賞口15に入球した遊技球を特定領域16と非特定領域17に振り分け可能な振分部材16kが設けられている。
振分部材16kは、振分ソレノイド16s(図71参照)によって進退可能に構成される。振分ソレノイド16sは、遊技制御用マイコン101と電気的に接続され、遊技制御用マイコン101は、後述する小当たり遊技において、振分ソレノイド16sを制御することが可能である。
遊技制御用マイコン101は、振分ソレノイド16sを用いて振分部材16kを進退させることによって、第2大入賞口15に入球した遊技球が特定領域16を通過可能な第1通過状態と、第2大入賞口15に入球した遊技球が非特定領域17を通過可能な第2通過状態とのどちらかの状態にすることが可能である。振分部材16kは、通常では第2通過状態となるように進出位置に保持され、小当たり遊技の実行に際し、所定時間(例えば0.5秒)だけ退避位置に退避して第1通過状態に変化する。小当たり遊技における振分部材16kの動作の詳細については後述する。
また、パチンコ遊技機PY3には、特定領域16を通過した遊技球を検知するが、非特定領域17を通過した遊技球を検知しない特定領域センサ16a(図71参照)が設けられている。特定領域センサ16aは、遊技制御用マイコン101と電気的に接続され、遊技球を検知すると、遊技球が特定領域16を通過したことを検知したことを示す信号を遊技制御基板100に出力する。
なお、特定領域16および非特定領域17の前面には、合成樹脂製の透明な窓(図示なし)が設けられ、第2大入賞口15に入賞した遊技球が、特定領域16および非特定領域17の何れを通過したのかを、遊技者が視認可能になっている。
次に、パチンコ遊技機PY3における遊技制御基板100側の電気的な構成を説明する。図71は、パチンコ遊技機PY3における遊技制御基板100側の電気的な構成を示すブロック図である。図71に示すように、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類として、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sが含まれている。遊技制御基板100は、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sのそれぞれに対して、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sの駆動を制御するための信号を出力可能である。
第1ATソレノイド14sは第1AT開閉部材14kに接続されており、第1ATソレノイド14sが駆動することによって第1AT開閉部材14kが開閉動作を行う。第2ATソレノイド15sは第2AT開閉部材15kに接続されており、第2ATソレノイド15sが駆動することによって第2AT開閉部材15kが開閉動作を行う。振分ソレノイド16sは振分部材16kに接続されており、振分ソレノイド16sが駆動することによって振分部材16kが遊技盤1の前面に対して進退動作を行う。
また、遊技制御基板100に接続されている各種センサ類として、前述の第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、および特定領域センサ16aが遊技制御基板100へ信号を出力可能に接続されている。第1大入賞口センサ14aは、遊技球を検知すると第1大入賞口14への入賞があったことを示す信号を遊技制御用マイコン101に出力する。第2大入賞口センサ15aは、遊技球を検知すると第2大入賞口15への入賞があったことを示す信号を遊技制御用マイコン101に出力する。特定領域センサ16aは、遊技球を検知すると遊技球の特定領域16の通過(V入賞)があったことを示す信号を遊技制御用マイコン101に出力する。
次に、パチンコ遊技機PY3で制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY3では、大当たり判定での大当たり当選確率に係る遊技状態として、通常確率状態の1種類のみ設定されている。一方、第2始動口12の入賞容易性に係る遊技状態として、基本的な実施形態と同様に、非時短状態(低ベース状態)と時短状態(高ベース状態)とが設定されている。そこで、以下において、低確率低ベース遊技状態のことを「通常遊技状態」と称し、低確率高ベース遊技状態のことを単に「時短状態」と称する。
なお、パチンコ遊技機PY3は、通常遊技状態において、第1始動口11を狙って左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させるよりも、時短状態において第2始動口12を狙って右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させる方が容易になるように構成されている。また、後述するように、第3実施形態では、特図1抽選を行うよりも特図2抽選を行う方が遊技者に有利になるように設定されている。したがって、基本的には遊技者は時短状態において第2始動口12に入賞させるように右打ちで遊技球を発射させる遊技を行う。また、第3実施形態では、パチンコ遊技機PY3は、通常遊技状態において、第2始動口12を狙って右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させるよりも、第1始動口11を狙って左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させる方が容易になるように構成されている。したがって、基本的には遊技者は通常遊技状態において第1始動口11に入賞させるように左打ちで遊技球を発射させる遊技を行う。
また、第3実施形態では、基本的な実施形態のように、第1始動口11に入賞した場合には、特図1保留が発生し得るが、第2始動口12に入賞した場合には、特図2保留が発生し得ない。言い換えると、特図可変表示が実行されているとき、大当たり遊技が実行されているとき、および小当たり遊技が実行されているときに第2始動口12に遊技球が入賞しても、当該入賞に基づく第2大当たり判定、および特図2可変表示を実行する権利を保留することができない。よって、第2大当たり判定、および特図2可変表示が実行されるのは、特図可変表示、大当たり遊技、および小当たり遊技の何れも実行されていないときに第2始動口12に入賞したときのみである。
次に、第3実施形態に係る大当たり判定について説明する。第3実施形態に係る大当たり判定で参照される大当たり判定テーブルの構成例を図72(A)に示す。図72(A)に示すように、大当たり判定テーブルとして、第1始動口11への入賞に基づく大当たり判定(第1大当たり判定)で用いられる特図1に係る大当たり判定テーブル(第1大当たり判定テーブル)と、第2始動口12への入賞に基づく大当たり判定(第2大当たり判定)で用いられる特図2に係る大当たり判定テーブル(第2大当たり判定テーブル)とが設けられている。
第1大当たり判定テーブルによると、第1大当たり判定では、大当たり、またはハズレに決定される。一方、第2大当たり判定テーブルによると、第2大当たり判定では、大当たり、小当たり、またはハズレに決定される。後述するように、第2大当たり判定で小当たりに決定されると、特図2可変表示で最終的に小当たりを示す態様の特図2の停止表示が実行され(「小当たり」という所定結果が導出され)、当該停止表示に応じて小当たり遊技が実行される。そして、小当たり遊技において第2大入賞口15に入球した遊技球が特定領域16を通過すると、大当たり遊技が実行される。
また、図72(A)に示すように、第1大当たり判定において、大当たりと判定される確率は1/319に設定されている。一方、第2大当たり判定において、大当たりと判定される確率は1/319に設定され、小当たりと判定される確率は4/319(≒1/80)に設定されている。基本的な実施形態と同様に、各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、小当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が図72(A)に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。ただし、この大当たりの選択率、および小当たりの選択率は、特に限定されることはなく、適宜に変更可能である。また、第1大当たり判定で、大当たり判定結果として小当たりが含まれるようにしても良い。あるいは、第2大当たり判定で、大当たり判定結果として大当たりが含まれないようにしても良い。
なお、第1大当たり判定と第2大当たり判定とを比べると、いずれの判定でも1/319の確率で大当たりに当選する。しかしながら、第1大当たり判定では小当たりに当選することはない一方、第2大当たり判定では小当たりに当選することがあり、小当たりに当選すると大当たり遊技が実行され得る。したがって、小当たりに当選できる分、特図1抽選よりも特図2抽選の方が遊技者に有利であるということができる。
次に、第3実施形態に係る大当たり図柄、および小当たり図柄について説明する。前述のように、大当たり図柄は、大当たり当選と共に大当たりの種類を示唆する特別図柄である。大当たり図柄は、大当たり図柄種別判定によって決定され、大当たり図柄種別判定は大当たり図柄種別判定テーブルを用いて行われる。図72(B)は、第3実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの構成例を示す図である。
図72(B)に示すように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄が設けられている。特図1に係る大当たり図柄種別判定テーブルによると、大当たり図柄Aは10%の確率で選択され、大当たり図柄Bは45%の確率で選択され、大当たり図柄Cは45%の確率で選択される。また、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄Dの1種類の大当たり図柄が設けられている。特図2に係る大当たり図柄種別判定テーブルによると、大当たり図柄Dは100%の確率で選択される。
また、小当たり図柄は、小当たり当選と共に小当たりの種類を示唆する特別図柄である。小当たり当選した場合の特図可変表示において、大当たり判定の結果の導出として、小当たり図柄が停止表示される。小当たり図柄は、小当たり図柄種別判定によって決定され、小当たり図柄種別判定は小当たり図柄種別判定テーブルを用いて行われる。図72(C)は、第3実施形態に係る小当たり図柄種別判定テーブルの構成例を示す図である。
図72(C)に示すように、特図2の小当たり図柄として、小当たり図柄A、小当たり図柄B、小当たり図柄C、および小当たり図柄Dの4種類の小当たり図柄が設けられている。特図2に係る小当たり図柄種別判定テーブルによると、小当たり図柄Aは25%の確率で選択され、小当たり図柄Bは25%の確率で選択され、小当たり図柄Cは25%の確率で選択され、小当たり図柄Dは25%の確率で選択される。
なお、第3実施形態では、特図2関連判定情報には、前述の特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数の他に、小当たり図柄種別判定を行うための小当たり図柄種別乱数も含まれている。したがって、遊技用RAM104の所定領域には、小当たり図柄種別乱数に係る小当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-KS)が設けられている。小当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-KS)は、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)や大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)と同様に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)で更新される。そして、遊技制御用マイコン101が、ステップS211において、特図2関連判定情報として、小当たり図柄種別乱数も取得して、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する。なお、小当たり図柄種別乱数の範囲は適宜に設定可能であるが、第3実施形態では、「0~255」に設定されている。
また、小当たり図柄種別判定テーブルでは、小当たり図柄種別判定の結果である小当たり図柄種別に、小当たり図柄種別乱数の判定値(小当たり図柄種別乱数判定値)が、図72(C)に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY3は、後述するように、取得した小当たり図柄種別乱数を小当たり図柄種別判定テーブルに照合して、小当たり図柄の種別を判定する。
なお、特図1、および特図2に係る大当たり図柄種別の数、および小当たり図柄種別の数、ならびに各大当たり図柄種別の選択率、および各小当たり図柄種別の選択率は、第3実施形態に限られず適宜に設定しても良い。
次に、第3実施形態に係る大当たり遊技について説明する。第3実施形態では、大当たり遊技は、大当たり図柄が停止表示された場合と、小当たり図柄が停止表示された後に実行される小当たり遊技において開放した第2大入賞口15に入球した遊技球が特定領域16を通過(V入賞)した場合に実行される。そして、大当たり遊技を構成する大当たり遊技構成要素、言い換えると大当たり遊技を制御するための大当たり遊技制御テーブルは、停止表示した特別図柄の種別、詳細には、当該大当たり遊技の実行契機となる大当たり図柄の種別、および小当たり図柄の種別に対応付けられている。図73は、第3実施形態に係る大当たり遊技制御テーブルの構成例を示す図である。
なお、小当たり図柄が停止表示されても、その後に遊技球が特定領域16を通過しない場合は大当たり遊技が実行されない。したがって、小当たり図柄が停止表示した場合の大当たり遊技の直接的な実行契機は遊技球が特定領域16を通過すること(V入賞)であるが、遊技球が第2大入賞口15に入賞しないと遊技球が特定領域16を通過すること(V入賞)ができず、第2大入賞口15への入球は第2大入賞口15の開放によって実現可能であり、第2大入賞口15の開放は小当たり遊技で実行されるので、小当たり図柄の停止表示も大当たり遊技の実行契機に含めるものとする。
さらに、以下において、小当たり図柄が停止表示することを「小当たりする/小当たりになる」と称し、大当たり図柄が停止表示すること、および遊技球が特定領域16を通過することを「大当たりする/大当たりになる」と称することもある。
図73に示すように、大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は4回であり、大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)、および大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は8回であり、大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は10回である。
また、小当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)、小当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)、小当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第7大当たり遊技」ともいう)、および小当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第8大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は10回である。
さらに、第3実施形態では、大当たり遊技構成要素に、開放する大入賞口の種類も含まれている。図73に示すように、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技の全てのラウンド遊技で、第1大入賞口14が開放するように設定されている。さらには、図73に示すように、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技の全てのラウンド遊技について、ラウンド遊技における第1大入賞口14の開放回数が1回に設定され、各開放に係る時間(開放時間)が29.5秒に設定され、開放後の閉鎖に係る時間(閉鎖時間)が2.0秒に設定されている。なお、各大当たり遊技における最後のラウンド遊技については閉鎖時間が設定されていない。これは、最後のラウンド遊技に係る第1大入賞口14の開放が終了すると続いて、第1大入賞口14の閉鎖が保持されるエンディングが行われるからである。
また、第3実施形態では、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技のオープニング時間(図73において「OP時間」)が10.0秒に設定され、全ての大当たり遊技のエンディング時間(図73において「ED時間」)が10.0秒に設定されている。
なお、大当たり遊技構成要素に係る具体的な値は特に限定されず適宜に変更しても良い。例えば、オープニング時間やエンディング時間をその特別図柄が停止表示したときの遊技状態に応じて異なる値にしても良い。また、ラウンド遊技の順番に応じて、開放する大入賞口14、15の種類が異なるようにしても良い。さらに、ラウンド遊技の順番に応じて、大入賞口14、15が開放する回数、当該ラウンド遊技において大入賞口14、15が開放する総時間、および大入賞口14、15の開放後の閉鎖に係る時間(閉鎖時間)が異なるようにしても良い。また、小当たり図柄の種別に応じて、当該大当たり遊技でのラウンド遊技の実行回数や大入賞口14、15が開放可能な総時間が異なるようにしても良い。
また、全ての大当たり遊技の全てのラウンド遊技について、ラウンド遊技における第1大入賞口14の開放回数が1回に設定され、各開放に係る時間(開放時間)が29.5秒に設定されていることから、その大当たり遊技で獲得可能な賞球数はラウンド遊技の実行回数に起因する。そして、大当たり契機特図の種別で考えると、特図1に係る大当たり遊技(第1大当たり遊技、第2大当たり遊技、第3大当たり遊技)よりも、特図2に係る大当たり遊技(第4大当たり遊技、第5大当たり遊技、第6大当たり遊技、第7大当たり遊技、第8大当たり遊技)の方がラウンドの遊技の実行回数が多い。したがって、当該大当たり遊技で獲得可能な賞球数の観点から、特図1抽選よりも特図2抽選の方が遊技者に有利であるということができる。
次に、第3実施形態に係る小当たり遊技について説明する。パチンコ遊技機PY3は、小当たり遊技制御テーブルを用いて小当たり遊技における大入賞口14、15の開閉を制御する。第3実施形態では、小当たり遊技制御テーブルは、当該小当たり遊技の契機となる小当たり図柄の確定表示が行われたときの遊技状態(小当たり時遊技状態)、および小当たり図柄の種別に対応付けて設定することが可能である。なお、小当たり遊技制御テーブルを小当たり時遊技状態、または小当たり図柄の種別にのみ対応付けて設定するようにしても良い。
小当たり遊技制御テーブルには、特に大入賞口14、15の開閉に関する小当たり遊技を構成する要素(小当たり遊技構成要素)が格納されている。小当たり遊技構成要素には、開放させる大入賞口の種類、当該小当たり遊技における大入賞口の開放回数、各開放に係る開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。すなわち、小当たり遊技構成要素は、小当たり時遊技状態、および小当たり図柄種別に対応付けられている。図74は、第3実施形態に係る小当たり遊技制御テーブルの構成例を示す図である。
図74に示すように、小当たり遊技制御テーブルは、小当たり時遊技状態に対応付けられている。すなわち、通常遊技状態のときに小当たり図柄が確定表示された場合に用いられる小当たり遊技制御テーブル(通常用小当たり遊技制御テーブル)と、時短状態のときに小当たり図柄が停止表示された場合に用いられる小当たり遊技制御テーブルとがある(時短用小当たり遊技制御テーブル)とがある。
さらに、通常用小当たり遊技制御テーブル、および時短用小当たり遊技制御テーブルの何れについても、小当たり図柄種別に対応付けられた小当たり遊技制御テーブルがある。すなわち、通常用小当たり遊技制御テーブルには、小当たり図柄Aに対応付けられたもの(通常小当たり図柄A用小当たり遊技制御テーブル)と、小当たり図柄Bに対応付けられたもの(通常小当たり図柄B用小当たり遊技制御テーブル)と、小当たり図柄Cに対応付けられたもの(通常小当たり図柄C用小当たり遊技制御テーブル)と、小当たり図柄Dに対応付けられたもの(通常小当たり図柄D用小当たり遊技制御テーブル)とがある。また、時短用小当たり遊技制御テーブルには、小当たり図柄Aに対応付けられたもの(時短小当たり図柄A用小当たり遊技制御テーブル)と、小当たり図柄Bに対応付けられたもの(時短小当たり図柄B用小当たり遊技制御テーブル)と、小当たり図柄Cに対応付けられたもの(時短小当たり図柄C用小当たり遊技制御テーブル)と、小当たり図柄Dに対応付けられたもの(時短小当たり図柄D用小当たり遊技制御テーブル)とがある。
なお、以下において、通常小当たり図柄A用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「通常第1小当たり遊技」と称する。同様に、通常小当たり図柄B用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「通常第2小当たり遊技」と称し、通常小当たり図柄C用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「通常第3小当たり遊技」と称し、通常小当たり図柄D用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「通常第4小当たり遊技」と称する。また、時短小当たり図柄A用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「時短第1小当たり遊技」と称し、時短小当たり図柄B用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「時短第2小当たり遊技」と称し、時短小当たり図柄C用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「時短第3小当たり遊技」と称し、時短小当たり図柄D用小当たり遊技制御テーブルを用いて制御・実行される小当たり遊技のことを「時短第4小当たり遊技」と称する。さらに、小当たり図柄Aに係る小当たり遊技のことを「第1小当たり遊技」と総称し、小当たり図柄Bに係る小当たり遊技のことを「第2小当たり遊技」と総称し、小当たり図柄Cに係る小当たり遊技のことを「第3小当たり遊技」と総称し、小当たり図柄Dに係る小当たり遊技のことを「第4小当たり遊技」と総称する。
図74に示すように、全ての小当たり遊技で、第2大入賞口15の開放が1回行われる。そして、各小当たり遊技における第2大入賞口15の開放時間は1.8秒である。また、小当たり時遊技状態が通常遊技状態である全ての小当たり遊技のオープニング時間は10.0秒であり、エンディング時間は1.0秒である。一方、小当たり時遊技状態が時短状態である全ての小当たり遊技のオープニング時間は2.0秒であり、エンディング時間は2.0秒である。このように、小当たり時遊技状態が通常遊技状態である場合、小当たり図柄種別に関わらず、同一の小当たり遊技構成要素からなる小当たり遊技が実行される。同様に、小当たり時遊技状態が時短状態である場合、小当たり図柄種別に関わらず、同一の小当たり遊技構成要素からなる小当たり遊技が実行される。以下において、小当たり時遊技状態が通常遊技状態である全ての小当たり遊技を「通常小当たり遊技」と総称し、小当たり時遊技状態が時短状態である全ての小当たり遊技を「時短小当たり遊技」と総称する。
ここで、図75を用いて、小当たり遊技の詳細を説明する。図75(A)は、通常小当たり遊技の流れを示すタイムチャートであり、図75(B)は、時短小当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。
図75(A)に示すように、通常遊技状態において特図2の停止表示として「小当たり図柄(小当たり図柄A~小当たり図柄D)」が停止表示すると、通常小当たり遊技が行われる。そして、通常小当たり遊技の開始に応じて、最初に第2大入賞口15の閉鎖状態が保持されるオープニング(通常小当たりOP)が行われる。通常小当たりOPは、通常小当たり遊技の開始後10.0秒が経過するまで継続し、通常小当たりOPが終了すると、第2大入賞口15が開放する(通常小当たり開放が行われる)と共に、振分部材16kが退避して第1通過状態になる。通常小当たり開放は、当該開放の開始後1.8秒が経過するまで、もしくは、10個の遊技球が第2大入賞口15に入賞するまで継続する一方、振分部材16kの退避は、当該退避の開始後0.5秒が経過するまで継続する。そして、通常小当たり開放が終了すると、第2大入賞口15が閉鎖して当該閉鎖状態が保持されるエンディング(通常小当たりED)が行われる。通常小当たりEDは、当該EDの開始後、2.0秒が経過するまで継続し、通常小当たりEDの終了によって、通常小当たり遊技が終了する。
図75(B)に示すように、時短状態において特図2の停止表示として「小当たり図柄(小当たり図柄A~小当たり図柄D)」が停止表示すると、時短小当たり遊技が行われる。そして、時短小当たり遊技の開始に応じて、最初に第2大入賞口15の閉鎖状態が保持されるオープニング(時短小当たりOP)が行われる。時短小当たりOPは、時短小当たり遊技の開始後2.0秒が経過するまで継続し、時短小当たりOPが終了すると、第2大入賞口15が開放する(時短小当たり開放が行われる)と共に、振分部材16kが退避して第1通過状態になる。時短小当たり開放は、当該開放の開始後1.8秒が経過するまで、もしくは、10個の遊技球が第2大入賞口15に入賞するまで継続する一方、振分部材16kの退避は、当該退避の開始後0.5秒が経過するまで継続する。そして、時短小当たり開放が終了すると、第2大入賞口15が閉鎖して当該閉鎖状態が保持されるエンディング(時短小当たりED)が行われる。時短小当たりEDは、当該EDの開始後2.0秒が経過するまで継続し、時短小当たりEDの終了によって、時短小当たり遊技が終了する。
また、通常小当たり遊技中、および時短小当たり遊技中に第2大入賞口15に入球した遊技球は、第1通過状態では、振分部材16kが退避位置にあるため、非特定領域17まで流下することなく、特定領域16を通過する一方、第2通過状態では、振分部材16kが進出位置にあるため、振分部材16k上を流下して、非特定領域17を通過する。そして、遊技球が特定領域16を通過した場合には、当該小当たり遊技の終了に応じて、小当たり図柄種別に応じた大当たり遊技が行われる。
前述の通り、小当たり図柄種別に対応付けられた大当たり遊技の大当たり遊技構成要素は同一である。したがって、小当たり図柄種別に対応付けられた大当たり遊技が開始されると、最初に第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されるオープニングが10.0秒かけて行われ、当該オープニングの終了に応じて1回目のラウンド遊技が開始されて第1大入賞口14が開放する。なお、小当たり遊技中に遊技球が第2大入賞口15に入球(入賞)すると、遊技球が特定領域16を通過したか否かに関わらず、15個の遊技球が賞球として払い出される。
次に、パチンコ遊技機PY3が、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行させる遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件について説明する。第3実施形態では、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該大当たり遊技が起因する特別図柄に対応付けられている。さらに、大当たり図柄の停止表示によって実行される大当たり遊技の終了に伴って新たに移行させる遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該大当たり図柄の確定表示が行われたときの遊技状態にも対応付けられている。また、小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過(V入賞)したことによって実行される大当たり遊技の終了に伴って新たに移行させる遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該遊技球の特定領域16の通過(V入賞)が行われたときの遊技状態にも対応付けられている。すなわち、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行させる遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、大当たりしたときの遊技状態にも対応付けられている。
図76(A)は、通常遊技状態において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例を示す図であり、図76(B)は、時短状態において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例を示す図である。
図76(A)に示すように、通常遊技状態において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄が大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄D、小当たり図柄A、小当たり図柄B、および小当たり図柄Cである場合、当該特別図柄に対応する大当たり遊技(第1大当たり遊技、第2大当たり遊技、第4大当たり遊技、第5大当たり遊技、第6大当たり遊技、第7大当たり遊技)の終了に伴って、時短状態(低確率高ベース遊技状態)に移行する。そして、この時短状態には終了条件が設定されている。大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに係る終了条件は、特図2可変表示が900回実行されることで構成され、小当たり図柄A、小当たり図柄B、および小当たり図柄Cの場合は特図2可変表示が1回実行されることで構成されている。よって、通常遊技状態において大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dが停止表示してから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態は、大当たり遊技が実行されることなく特図2可変表示が900回実行されるまで継続可能である。一方、通常遊技状態において小当たり図柄A、小当たり図柄B、および小当たり図柄Cが停止表示してから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態は、大当たり遊技が実行されることなく特図2可変表示が1回実行されるまで継続可能である。すなわち、通常遊技状態における大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dの停止表示によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される時短状態の規定回数(時短規定回数)は、900回であり、通常遊技状態における小当たり図柄A、小当たり図柄B、および小当たり図柄Cの停止表示によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される時短状態の規定回数(時短規定回数)は、1回である。
また、通常遊技状態において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄が大当たり図柄C、および小当たり図柄Dである場合、当該特別図柄に対応する大当たり遊技(第3大当たり遊技、第8大当たり遊技)の終了に伴って、通常遊技状態(低確率低ベース遊技状態)に移行する。そして、この通常遊技状態には終了条件が設定されていない。
図76(B)に示すように、時短状態大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄が大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄D、小当たり図柄A、および小当たり図柄Bである場合、当該特別図柄に対応する大当たり遊技(第1大当たり遊技、第2大当たり遊技、第4大当たり遊技、第5大当たり遊技、第6大当たり遊技)の終了に伴って、時短状態(低確率高ベース遊技状態)に移行する。そして、この時短状態には終了条件が設定されている。大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄D、小当たり図柄A、および小当たり図柄Bに係る終了条件は、特図2可変表示が900回実行されることで構成されている。よって、時短状態において大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dが停止表示されてから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態、および時短状態において小当たり図柄A、および小当たり図柄Bが停止表示してから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態は、大当たり遊技が実行されることなく特図2可変表示が900回実行されるまで継続可能である。
また、時短状態において大当たりした場合の当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄が大当たり図柄C、小当たり図柄C、および小当たり図柄Dである場合、当該大当たり契機特図に対応する大当たり遊技(第3大当たり遊技、第7大当たり遊技、第8大当たり遊技)の終了に伴って、通常遊技状態(低確率低ベース遊技状態)に移行する。そして、この通常遊技状態には終了条件が設定されていない。
ところで、パチンコ遊技機PY3では、大当たりとは異なる発生契機によって時短状態になることがある。この大当たり以外の発生契機は、通常遊技状態において大当たりすることなく特図可変表示が特定回数実行されることと、通常遊技状態において特図2に係るハズレ図柄が停止表示されることである。この前者の時短状態の発生契機のことを「天井到達」と称し、後者の時短状態の発生契機のことを「突時」と称する。なお、大当たりによって発生する時短状態のことを「大当たり時短」と称し、天井到達によって発生する時短状態のことを「天井時短」と称し、突時によって発生する時短状態のことを「ハズレ時短」と称する。また、天井時短に係る特図可変表示の実行回数である特定回数のことを「天井」と称することもあり、第3実施形態では、天井時短に係る特定回数は800回に設定されている。
また、天井時短の終了条件は、大当たりすることなく特図2可変表示が900回実行されることである。すなわち、天井時短は、大当たりすることなく特図2可変表示が900回実行されるまで継続可能であり、天井時短に係る時短規定回数は、900回ということになる。一方、ハズレ時短の終了条件は、大当たりすることなく特図2可変表示が1回実行されることである。すなわち、ハズレ時短は、大当たりすることなく特図2可変表示が1回実行されるまで継続可能であり、ハズレ時短に係る時短規定回数は、1回ということになる。
このように、大当たり時短を含めて、時短状態の時短規定回数には、99回と1回とがある。以下において、時短規定回数が99回の時短状態を「有利時短状態」と称し、時短規定回数が1回の時短状態を「不利時短状態」と称することがある。
次に、パチンコ遊技機PY3において、天井到達を経由して遷移可能な遊技フローについて説明する。図77は、パチンコ遊技機PY3において、天井到達を経由して遷移可能な遊技フローを模式的に表した図である。なお、詳細は後述するが、第3実施形態では、時短状態に移行してから当該時短状態に係る時短規定回数(1回、または900回)目の特図2変動表示(時短最終特図2変動)が終了したときに、言い換えると時短最終特図2変動に係る特図2の確定表示が行われる前に時短状態から通常遊技状態に移行する。
また、特図2可変表示で小当たり図柄が確定表示した場合、そのときの遊技状態のまま当該小当たり遊技が開始される。したがって、通常遊技状態で小当たり遊技が開始された場合、当該小当たり遊技に係る最初の遊技球の特定領域16の通過(V入賞)は通常遊技状態で行われたことになる。一方、時短状態で小当たり遊技が開始された場合、当該小当たり遊技に係る最初の遊技球の特定領域16の通過(V入賞)は時短状態で行われたことになる。なお、時短状態で小当たり遊技が開始された場合、当該小当たり遊技に係る最初の遊技球の特定領域16の通過(V入賞)に応じて、時短状態から通常遊技状態になる。
また、大当たり図柄Aが停止表示すること、および大当たり図柄Aが停止表示して第1大当たり遊技が実行されることを「大当たり1」と称することもある。同様に、大当たり図柄B、大当たり図柄C、大当たり図柄Dが停止表示すること、および大当たり図柄B、大当たり図柄C、大当たり図柄Dが停止表示して第2大当たり遊技、第3大当たり遊技、第4大当たり遊技が実行されることを「大当たり2」、「大当たり3」、「大当たり4」と称することもある。さらに、小当たり図柄Aの停止表示に基づく第1小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すること、および当該通過後に第5大当たり遊技が実行されることを「大当たり5」と称することもある。同様に、小当たり図柄Bの停止表示に基づく第2小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すること、および当該通過後に第6大当たり遊技が実行されることを「大当たり6」と称し、小当たり図柄Cの停止表示に基づく第3小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すること、および当該通過後に第7大当たり遊技が実行されることを「大当たり7」と称し、小当たり図柄Dの停止表示に基づく第4小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すること、および当該通過後に第8大当たり遊技が実行されることを「大当たり8」と称することもある。
パチンコ遊技機PY3に電力が供給される際に、遊技用RAM104がクリアされると、遊技状態として通常遊技状態(低確率低ベース遊技状態)が設定されると共に、演出モードとして通常遊技状態であることを示唆する通常演出モードが設定される。そして、パチンコ遊技機PY3では、この通常遊技状態で遊技が進行して、通常遊技状態において通常演出モードによる演出が実行される状況がパチンコ遊技機PY3に係る遊技フローの起点となる。
前述の通り、通常遊技状態且つ通常演出モードにおいては、左打ちで遊技球を発射させて、第1始動口11に入賞させ、当該入賞に基づく特図1抽選(特図1可変表示)を行う遊技が中心に行われる。通常遊技状態且つ通常演出モードにおいて大当たりすることなく特図可変表示が特定回数(800回)実行されると、天井到達によって時短状態(有利時短状態)に移行する。よって、パチンコ遊技機PY3に電力が供給される際に通常遊技状態が設定されてから、あるいは、新たに通常遊技状態に移行してから、大当たりすることなく特図可変表示が特定回数(800回)実行されると、遊技状態は、通常遊技状態から時短規定回数が900回の時短状態(有利時短状態)に移行する。
ここで、パチンコ遊技機PY3は、右打ちで遊技球を発射させることによって第2始動口12に入賞させることが可能であり、通常遊技状態において左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させるよりも時短状態において右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させる方が容易になるように構成されており、特図1抽選よりも特図2抽選の方が遊技者に有利な結果になり易いことから、時短状態では、右打ちで遊技球を発射させて、第2始動口12に入賞させ、当該入賞に基づく特図2抽選(特図2可変表示)を行う遊技が中心に行われる。
また、時短状態における特図2抽選に係る大当たり判定で「小当たり」と判定される確率が、4/319(≒1/80)であり、「大当たり」と判定される確率が、1/319であるので、有利時短状態では大当たりに当選する可能性よりも小当たりに当選する可能性の方が4倍高い。したがって、有利時短状態では、基本的には、第2始動口12へ入賞させ、当該入賞に基づく特図2抽選を行い、当該特図2抽選で小当たり当選を狙う遊技が中心に行われる。
有利時短状態における時短最終特図2変動(有利時短最終変動)以外の期間(有利時短状態メイン期間)の特図2抽選で小当たりに当選すると、特図2可変表示で小当たり図柄(小当たり図柄A~小当たり図柄D)の停止表示が行われるが、何れの種類の小当たり図柄種別が停止表示されても、同一の小当たり遊技構成要素からなる時短小当たり遊技が実行される。
そして、時短小当たり遊技において、遊技球が特定領域16を通過すると、小当たり図柄種別に関わらず、同一の大当たり遊技構成要素からなる大当たり遊技が実行される(大当たり5~第大当たり8)。しかし、当該大当たり遊技の後に移行する遊技状態は、小当たり図柄種別によって異なる。ここで、当該大当たり遊技の発生契機である遊技球の特定領域16の通過(V入賞)は時短状態で行われているので、当該大当たり遊技に係る小当たり図柄が小当たり図柄A、または小当たり図柄Bである場合、当該大当たり遊技(大当たり5、大当たり6)の終了に応じて、時短規定回数が900回の時短状態(有利遊技状態)になる一方、当該大当たり遊技に係る小当たり図柄が小当たり図柄C、または小当たり図柄Dである場合(大当たり7、大当たり8の場合)、当該大当たり遊技(大当たり7、大当たり8)の終了に応じて、通常遊技状態になる。
なお、当該大当たり遊技(大当たり5、大当たり6)の終了に応じて、時短規定回数が900回の時短状態(有利遊技状態)になる場合、発生契機は異なるが天井時短と同じ有利時短状態に戻るということになる。
小当たり図柄種別判定で、小当たり図柄Aに決定される確率が25%であり、小当たり図柄Bに決定される確率が25%であり、小当たり図柄Cに決定される確率が25%であり、小当たり図柄Dに決定される確率が25%である。したがって、有利時短状態メイン期間で小当たり当選すると、大当たり遊技を介してではあるが時短状態(有利時短状態)が継続する確率、あるいは再度、連続的に有利時短状態に移行する確率は50%ということになる。
大当たり遊技を挟んで有利時短状態が継続すると、再度、天井時短によって時短状態有利時短状態に移行した場合と同様に遊技が進行する。言い換えると、右打ちに係る遊技が継続する。一方、通常遊技状態になると、第3実施形態では、第2大当たり判定、および特図2可変表示を実行する権利を保留することはできない(特図2保留は発生し得ない)ので、そのまま左打ちに係る遊技へと遷移することになる。
また、有利遊技状態において、大当たりしないまま、899回(有利時短状態に係る時短規定回数-1回)の特図2可変表示が実行され、900回目(有利時短状態に係る時短規定回数目)の特図2可変表示(有利時短最終変動)が開始されたとする。前述の通り、時短最終特図2変動が終了したときに、時短状態から通常遊技状態になる。したがって、有利時短最終変動に係る特別図柄の確定表示は通常遊技状態で行われることになる。
ここで、有利時短最終変動で小当たり図柄が確定表示した場合は、通常小当たり遊技が実行され、当該通常小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すると、小当たり図柄種別に関わらず、同一の大当たり遊技構成要素からなる大当たり遊技が実行される(大当たり5~大当たり8)。しかし、当該大当たり遊技の後に移行する遊技状態は、小当たり図柄種別によって異なる。ここで、当該大当たり遊技の発生契機である遊技球の特定領域16の通過(V入賞)は通常遊技状態で行われているので、当該大当たり遊技に係る小当たり図柄が小当たり図柄A、小当たり図柄B、および小当たり図柄Cである場合は、当該大当たり遊技(大当たり5~大当たり7)の終了に応じて、時短規定回数が1回の時短状態(不利時短状態)になる一方、当該大当たり遊技に係る小当たり図柄が小当たり図柄Dである場合は、当該大当たり遊技(大当たり8)の終了に応じて、通常遊技状態になる。
小当たり図柄種別判定で、小当たり図柄Aに決定される確率が25%であり、小当たり図柄Bに決定される確率が25%であり、小当たり図柄Cに決定される確率が25%であり、小当たり図柄Dに決定される確率が25%である。したがって、有利時短最終変動で小当たりした場合、大当たり遊技を介してではあり、不利時短状態であるものの、時短状態が継続する確率は75%ということになる。したがって、有利時短状態メイン期間において小当たりした場合よりも、高い確率で時短状態を継続させることが可能となる。
また、有利時短最終変動でハズレ図柄が確定表示した場合、突時が発生するので、小当たり遊技や大当たり遊技が行われることなくそのまま、時短規定回数が1回の時短状態(不利時短状態)になる。
なお、有利時短最終変動で大当たり図柄Dが確定表示した場合、第4大当たり遊技が実行され(大当たり4)、当該大当たり遊技の終了に応じて、時短規定回数が900回の時短状態(有利時短状態)になる。したがって、例えば、天井到達して有利遊技状態に移行させることができたが大当たりすることができずに有利時短最終変動まできてしまった場合は、小当たり図柄Dの停止表示が行われたときにのみ通常遊技状態になって、左打ちによる遊技を行う状況に遷移する。
また、有利時短最終変動が行われた後に不利時短状態(大当たり時短、ハズレ時短)になった場合、時短規定回数は1回であるが時短状態であることにはかわりないので、当該不利時短状態では基本的には右打ちによって第2始動口12に入賞させる遊技が行われる。そして、第3実施形態では第2始動口12への入賞に基づく第2大当たり判定、および特図2可変表示を実行する権利を保留することはできないので、不利時短状態において第2始動口12が入賞すると直ぐに特図2可変表示が開始される。ただし、当該時短状態に係る時短規定回数は1回であるので、当該時短状態における1回目の特図2変動表示が時短最終特図2変動に該当する。したがって、当該1回目の特図2変動表示が終了したときに、再び不利時短状態から通常遊技状態になる。すなわち、不利時短状態における1回の特図2可変表示に係る特別図柄の確定表示は通常遊技状態で行われることになる。
不利時短状態に係る1回の特図2可変表示でハズレ図柄が確定表示した場合、当該ハズレ図柄の確定表示は通常遊技状態で行われたことになるので、小当たり遊技や大当たり遊技が行われることなくそのまま、時短規定回数が1回の時短状態(ハズレ時短、または不利時短状態)になる。したがって、一度、不利時短状態になると、小当たり図柄、または大当たり図柄が停止表示されない限りは、「(右打ちで遊技球を発射→第2始動口12に入賞→)特図2変動表示の開始→特図2変動表示の終了→通常遊技状態への移行→特図2に係るハズレ図柄の確定表示→不利時短状態への移行」からなる一連の事象を1セットとした単位遊技が繰り返し行われることになる。すなわち、不利時短状態に係る1回の特図2可変表示が開始された後、一瞬通常遊技状態になるが、当該特図2の確定表示が行われる前に、不利時短状態に戻る。その結果、第2大当たり判定でハズレとなり続ける場合、実質的には、不利時短状態が継続し続けることになる。
また、不利時短状態に係る1回の特図2可変表示で小当たり図柄が確定表示した場合は、当該小当たり図柄の確定表示は通常遊技状態で行われたことになるので、通常小当たり遊技が実行され、当該通常小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すると、小当たり図柄種別に関わらず、同一の大当たり遊技構成要素からなる大当たり遊技が実行される(大当たり5~大当たり8)。しかし、当該大当たり遊技の後に移行する遊技状態は、小当たり図柄種別によって異なる。ここで、当該大当たり遊技の発生契機である遊技球の特定領域16の通過(V入賞)は通常遊技状態で行われているので、当該大当たり遊技に係る小当たり図柄が小当たり図柄A、小当たり図柄B、および小当たり図柄Cである場合は、当該大当たり遊技(大当たり5~大当たり7)の終了に応じて、時短規定回数が1回の時短状態(不利時短状態)になる一方、当該大当たり遊技に係る小当たり図柄が小当たり図柄Dである場合は、当該大当たり遊技(大当たり8)の終了に応じて、通常遊技状態になる。
小当たり図柄種別判定で、小当たり図柄Aに決定される確率が25%であり、小当たり図柄Bに決定される確率が25%であり、小当たり図柄Cに決定される確率が25%であり、小当たり図柄Dに決定される確率が25%である。したがって、有利時短最終変動の後、言い換えると大当たりすることなく有利時短状態を抜けた後、実質的に不利時短状態が継続している中で小当たり当選した場合、大当たり遊技を介してではあり、不利時短状態ではあるが再度時短状態(不利時短状態)に移行する確率(時短状態を引き戻せる確率)は75%ということになる。したがって、有利時短状態メイン期間において小当たりした場合よりも、高い確率で時短状態を継続させることが可能となる。
また、通常遊技状態における遊技球の特定領域16の通過(V入賞)に基づく大当たり遊技の終了に応じて移行する時短状態に係る時短規定回数は1回であるので、当該大当たり遊技の後に不利時短状態になると、その後は、有利時短最終変動で特図2に係るハズレ図柄の停止表示が行われた後などと同じように遊技が進んでいく。具体的には、小当たり図柄、または大当たり図柄が停止表示されない限り、「(右打ちで遊技球を発射→第2始動口12に入賞→)特図2変動表示の開始→特図2変動表示の終了→通常遊技状態への移行→特図2に係るハズレ図柄の停止表示→不利時短状態への移行」からなる単位遊技が繰り返し行われることになる。
なお、特図2に係るハズレ図柄の確定表示に基づく不利時短状態における特図2可変表示が繰り返し行われている中で小当たり図柄Dが停止表示された場合、第3実施形態では、第2大当たり判定、および特図2可変表示を実行する権利を保留することはできない(特図2保留は発生し得ない)ので、当該小当たり図柄Dの確定表示を契機とする第8大当たり遊技の終了と共に、そのまま左打ちに係る遊技へと遷移することになる。また、特図2に係るハズレ図柄の確定表示に基づく不利時短状態における特図2可変表示が繰り返し行われている中で大当たり図柄Dが停止表示された場合、当該第4大当たり遊技の終了に応じて、時短規定回数が900回の時短状態(有利時短状態)になる。
このように、天井到達に係る時短状態で時短規定回数の特図2可変表示が実行された後は、小当たり図柄Dが確定表示しない限り、時短状態が継続する。厳密には、時短規定回数が1回の時短状態が連続的に発生する。さらに、この時短状態が続いている中で小当たり図柄Dが停止表示した場合に、時短状態が終了して通常遊技状態になる。
次に、第3実施形態に係る特図変動パターン判定、および特図変動パターンについて説明する。特図変動パターン判定は、特図変動パターン判定テーブルに基づいて行われる。特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル、特図2変動パターン判定テーブル)は、通常遊技状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルと、時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルとで分けられている。
以下において、通常遊技状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルのことを「通常特図変動パターン判定テーブル」と称し、時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルのことを「時短特図変動パターン判定テーブル」と称する。また、通常特図変動パターン判定テーブルの中で特図1に係るものを「通常特図1変動パターン判定テーブル」と称し、特図2に係るものを「通常特図2変動パターン判定テーブル」と称する。同様に、時短特図変動パターン判定テーブルの中で特図1に係るものを「時短特図1変動パターン判定テーブル」と称し、特図2に係るものを「時短特図2変動パターン判定テーブル」と称する。
さらに、時短特図2変動パターン判定テーブルは、天井時短最終変動のときに用いられるものと、それ以外のときに用いられるものとで分けられている。これは、詳細な演出内容は説明しないが、天井時短最終変動では、当該特図2可変表示で有利時短状態が終了する可能性があるため、1つの区切りとして、有利時短状態が終了することに対応した演出を確実に実行させる演出時間を確保するためである。以下に、天井時短最終変動に係る時短特図2変動パターン判定テーブルを「特殊時短特図2変動パターン判定テーブル」と称し、天井時短最終変動以外のときに用いられる時短特図2変動パターン判定テーブルを「標準時短特図2変動パターン判定テーブル」と称する。
図78(A)は標準時短特図2変動パターン判定テーブルの構成例であり、図78(B)は特殊時短特図2変動パターン判定テーブルの構成例である。なお、通常特図1変動パターン判定テーブルは、図11に示す基本的な実施形態における特図1変動パターン判定テーブルの非時短状態の部分と同一に構成されている。したがって、通常特図1変動パターン判定テーブルの図示および説明は省略する。また、通常特図2変動パターン判定テーブル、および時短特図1変動パターン判定テーブルの図示および説明についても省略する。
図78(A)に示すように、標準時短特図2変動パターン判定テーブルには、さらに、大当たり判定結果「大当たり」に対応付けられた標準時短特図2変動パターン判定テーブルと、大当たり判定結果「小当たり」に対応付けられた標準時短特図2変動パターン判定テーブルと、大当たり判定結果「ハズレ」且つリーチ判定結果「リーチ有り」に対応付けられた標準時短特図2変動パターン判定テーブルと、大当たり判定結果「ハズレ」且つリーチ判定結果「リーチ無し」に対応付けられた標準時短特図2変動パターン判定テーブルとがある。
大当たりに係る標準時短特図2変動パターン判定テーブルと小当たりに係る標準時短特図2変動パターン判定テーブルは、1種類の特図2変動パターンが選択可能に構成されている。大当たりに係る標準時短特図2変動パターン判定テーブルでは、通常変動の後にリーチの成立を介してストーリーリーチが実行される特図変動演出に対応した特図変動パターン(ストーリー大当たり変動)が選択可能である。小当たりに係る標準時短特図2変動パターン判定テーブルでは、通常変動の後にリーチの成立を介してストーリーが実行される特図変動演出に対応した特図変動パターン(ストーリー小当たり変動)が選択可能である。
また、ハズレ且つリーチ有りに係る標準時短特図2変動パターン判定テーブルでは、通常変動の後にリーチの成立を介してストーリーが実行される特図変動演出に対応した特図変動パターン(ストーリーハズレ変動)、または通常変動の後に演出図柄EZ1~EZ3を用いてリーチが成立するか否かを煽るリーチ煽り演出が実行されるがリーチが成立せずに、そのままハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる特図変動演出に対応した特図変動パターン(リーチガセハズレ変動)が選択可能である。
さらに、ハズレ且つリーチ無しに係る標準時短特図2変動パターン判定テーブルでは、通常変動の後にそのままハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる特図変動演出に対応した2つの特図変動パターン(短縮Aハズレ変動、短縮Bハズレ変動)が選択可能である。
なお、ストーリーリーチは、SPリーチやLリーチなどと同様にリーチが成立した状態で行われるリーチ演出であり、ストーリーリーチでは、SPリーチやLリーチなどと同様に、所定のストーリーが展開される動画(アニメーション)からなるストーリーリーチ専用の背景画像が表示部50aの全体に表示される。
また、図78(B)に示すように、特殊時短特図2変動パターン判定テーブルには、さらに、大当たり判定結果「大当たり」に対応付けられた特殊時短特図2変動パターン判定テーブルと、大当たり判定結果「小当たり」に対応付けられた特殊時短特図2変動パターン判定テーブルと、大当たり判定結果「ハズレ」に対応付けられた特殊時短特図2変動パターン判定テーブルとがある。
各特殊時短特図2変動パターン判定テーブルは、1種類の特図2変動パターンが選択可能に構成されている。大当たりに係る特殊時短特図2変動パターン判定テーブルでは、特殊演出が実行される特図変動演出に対応した特図変動パターン(特殊大当たり変動)が選択可能である。小当たりに係る特殊時短特図2変動パターン判定テーブルでは、特殊演出が実行される特図変動演出に対応した特図変動パターン(特殊小当たり変動)が選択可能である。ハズレに係る特殊時短特図2変動パターン判定テーブルでは、特殊演出が実行される特図変動演出に対応した特図変動パターン(特殊ハズレ変動)が選択可能である。
なお、特殊演出は、有利時短状態が終了することに対応した演出であり、特殊演出では、SPリーチやLリーチなどと同様に、所定のストーリーが展開される動画(アニメーション)からなる特殊演出専用の背景画像が表示部50aの全体に表示される。なお、特殊演出専用の背景画像では、最終的に、SPリーチやLリーチなどと同様に、当該演出内容で、大当たり判定結果が示唆される。また、当該特図変動演出においては、最終的に、特殊演出専用の背景画像に重畳的に大当たり判定結果を示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。
次に、遊技制御用マイコン101が行う処理であって、主に、処理内容が基本的な実施形態と大きく異なる処理、および基本的な実施形態では行われていない処理について説明する。なお、以下に説明する処理内容は一例であり、その内容に限定されない。
最初に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。第3実施形態に係る遊技制御側タイマ割り込み処理のフローチャートを図79に示す。図79に示すように、遊技制御用マイコン101は、基本的な実施形態で説明した遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)における特別動作処理(S106)までは基本的な実施形態と同様に実行する。そして、遊技制御用マイコン101は、特別動作処理(S106)の後に、ステップS107として、特定領域制御処理を行う。なお、特定領域制御処理(S107)の後は、基本的な実施形態におけるその他の処理(S107)をステップS108として行う。
遊技制御用マイコン101は、特定領域制御処理(S107)において、遊技状態に基づいて、詳細には、通常遊技状態であるか時短状態であるかに基づいて、小当たり遊技における特定領域16の開閉、言い換えると振分部材16kの動作を制御する処理を行う。遊技制御用マイコン101は、後述するように、小当たり図柄が停止表示したときに、特別動作ステータス「6」をセットする。そして、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータス「6」がセットされているときに、特定領域制御処理(S107)において、特定領域16の開閉について、小当たり遊技の開始時を基準として、図75に示す小当たり遊技のタイムチャートが実現されるように、特定領域16の開閉(振分部材16kの動作)を制御する。
次に、センサ検知処理(S104)について説明する。ただし、遊技制御用マイコン101は、基本的な実施形態で説明したセンサ検知処理(S104)におけるステップS206までは基本的な実施形態と同様に実行する。そこで、ステップS206より後の処理について説明する。第3実施形態に係るセンサ検知処理のフローチャートであって、ステップS206より後の部分を図80~図81に示す。
遊技制御用マイコン101はステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS212に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(第3実施形態において「2」)を加算する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS209において、第2大当たり判定、および特図2可変表示を実行させるための条件(第2始動条件)が成立しているか否かを判定する。第2始動条件は、特図可変表示、大当たり遊技、および小当たり遊技の何れも実行されていないことで構成されている。言い換えると、第2始動条件は、特別動作ステータス「1」がセットされていることで構成されている。
遊技制御用マイコン101は、第2始動条件が成立していない場合(S209でNO)、ステップS212に進み、第2始動条件が成立している場合(S209でYES)、ステップS210において、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、ハズレ図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-HS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、ステップS211において、当該特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する。このように、第3実施形態では、特図2に係る大当たり判定、および特図可変表示を直ぐに開始できる状況においてのみ、特図2関連判定情報が特図2保留記憶部105bに記憶される(特図2抽選が行われるので、基本的な実施形態などのように特図2保留は発生し得ない。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS212において、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技制御用マイコン101は、第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S212でNO)にはステップS219に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S212でYES)、ステップS213において、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(第3実施形態において「4」)を加算する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS214において、特図1保留数カウンタの数値が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する。遊技制御用マイコン101は、特図1保留数が「4」以上である場合(S214でYES)には、ステップS219に進み、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S214でNO)、ステップS215において、特図1保留数加算処理を行う。特図1保留数加算処理では、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS216において、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図1関連判定情報を取得して遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶し、ステップS217において、取得した特図関連判定情報に基づいて第1先読み判定処理を行い、ステップS218において、取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶し、ステップS219に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS219において、第1大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検知されたか否か判定する。遊技制御用マイコン101は、第1大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S219でNO)にはステップS223に進み、第1大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S219でYES)、ステップS220において、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であるか否かを判定する。
大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技、または1回の小当たり遊技において第1大入賞口14、および第2大入賞口15に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは大当たり遊技の各ラウンド遊技が終了するときに、または1回の小当たり遊技が終了するときに遊技制御用マイコン101によってクリアされるものとする。第3実施形態では、1回のラウンド遊技、および1回の小当たり遊技における第1大入賞口14、および第2大入賞口15への入賞が許容されている個数(AT入賞規定個数)は「10」に設定されている。よって、ステップS220の処理、および後述のステップS224が行われる。
遊技制御用マイコン101は、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上である場合(S220でYES)、ステップS223に進み、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満である場合(S220でNO)、ステップS221において、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し、ステップS222において、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための第1大入賞口賞球処理を行い、ステップS223に進む。なお、第1大入賞口賞球処理では、遊技制御用マイコン101は、第1大入賞口14用の賞球カウンタに、第1大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(第3実施形態において「15」)を加算し、第1大入賞口14へ入賞したことを示すコマンド(第1大入賞口入賞コマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
遊技制御用マイコン101は、ステップS223において、第2大入賞口15に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検知されたか否か判定する。遊技制御用マイコン101は、第2大入賞口15に遊技球が入賞していない場合(S223でNO)にはステップS227に進み、第2大入賞口15に遊技球が入賞した場合には(S223でYES)、ステップS224において、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であるか否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上である場合(S224でYES)、ステップS227に進み、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満である場合(S224でNO)、ステップS225において、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し、ステップS226において、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための第2大入賞口賞球処理を行い、ステップS227に進む。なお、第2大入賞口賞球処理では、遊技制御用マイコン101は、第2大入賞口15用の賞球カウンタに、第2大入賞口15への入賞に応じた賞球個数(第3実施形態において「15」)を加算し、第2大入賞口15へ入賞したことを示すコマンド(第2大入賞口入賞コマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
加算する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS227において、遊技球が特定領域16を通過したか否か、すなわち、特定領域センサ16aによって遊技球が検知されたか否か判定する。遊技制御用マイコン101は、遊技球が特定領域16を通過していない場合(S227でNO)には当該センサ検知処理を終え、遊技球が特定領域16を通過した場合には(S227でYES)、ステップS228において、遊技球が特定領域16を通過したことを示す特定領域通過コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、ステップS229において、遊技球が特定領域16を通過したことを示す特定領域通過フラグが遊技用RAM104の所定領域にONされているか否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、特定領域通過フラグがONされている場合(S229でYES)には当該センサ検知処理を終え、特定領域通過フラグがONされていない場合(S229でNO)には、ステップS230において、特定領域通過フラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、ステップS231において、現在時短状態であるか否か、すなわち、時短フラグがONされているか否か判定する。
遊技制御用マイコン101は、時短状態でない場合(S231でNO)には、ステップS232において、通常遊技状態で遊技球が特定領域16を通過(V入賞)したことを示す通常V入賞フラグを遊技用RAM104の所定領域にONして当該センサ検知処理を終える。一方、遊技制御用マイコン101は、時短状態である場合には(S231でYES)、ステップS233において、時短状態で遊技球が特定領域16を通過(V入賞)したことを示す時短V入賞フラグを遊技用RAM104の所定領域にONしてステップS234に進む。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS234において、時短フラグをOFFして遊技状態をリセット、言い換えると時短状態から通常遊技状態に移行させ、ステップS235において、通常遊技状態であることを示す遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、当該センサ検知処理を終える。このように、小当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することに応じて、時短状態から通常遊技状態になる。
なお、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の出力バッファにセットした遊技状態指定コマンドを、ステップS101の出力処理において演出制御基板120に送信する。また、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の出力バッファにセットした第1大入賞口入賞コマンド、第2大入賞口入賞コマンド、および特定領域通過コマンドを、ステップS101の出力処理において演出制御基板120に送信する。演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、第1大入賞口入賞コマンド、第2大入賞口入賞コマンド、および特定領域通過コマンドを受信することで、第1大入賞口14への入賞、第2大入賞口15への入賞、および遊技球の特定領域16の通過が行われたことを認識する。
次に、第3実施形態に係る特別動作処理について説明する。第3実施形態に係る特別動作処理のフローチャートを図82に示す。図82に示すように、第3実施形態に係る特別動作処理では、特図表示器81、特図保留表示器83、第1大入賞装置14D、および第2大入賞装置15Dに関する処理が、6つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5,6」が割り当てられている。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行い、「特別動作ステータス」が「6」である場合には、小当たり遊技制御処理(S1507)を行う。なお「特別動作ステータス」は、(遊技用RAM104のクリアに応じた)初期設定で「1」に設定される。
小当たり遊技制御処理(S1507)は、小当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101は、後述するように、小当たり図柄が確定表示したときに、そのときの遊技状態、および確定表示した小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技制御テーブル(図74参照)を遊技用RAM104の所定領域にセットし、特別動作ステータス「6」をセットする。そして、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータス「6」がセットされているときに、小当たり遊技制御処理(S1507)において、セットした小当たり遊技制御テーブルに基づいて、図75に示す小当たり遊技のタイムチャートが実現されるように、第2大入賞口15の開閉(第2AT開閉部材15kの動作)を制御する。
さらに、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技制御処理において小当たり遊技が終了するときに、遊技球が特定領域16を通過したか否か、すなわち特定領域通過フラグがONされているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、遊技球が特定領域16を通過したと判定すると、特定領域16への通過に基づいて大当たり遊技を実行するために、大当たり図柄の停止表示が行われた場合と同様に、後述する特別図柄確定処理でのステップS1762~ステップS1765を行うと共に、特定領域通過フラグをOFFする。一方、遊技制御用マイコン101は、遊技球が特定領域16を通過していないと判定すると、次の特図可変表示を実行可能にするために「特別動作ステータス」を「1」に変更する。
また、遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、新たな遊技状態に移行させる処理である。遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄が確定表示したときに、そのときの遊技状態、ならびに確定表示した大当たり図柄の種別に応じた遊技状態設定テーブル(図76参照)を遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、遊技制御用マイコン101は、後述するように、小当たり図柄が確定表示したときに、V通過したときの遊技状態、および小当たり図柄の種別に応じた遊技状態設定テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。そして、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理(S1506)において、そのセットされた遊技状態設定テーブルに基づいて、新たな遊技状態を移行させる。なお、遊技制御用マイコン101は、小当たり図柄が確定表示したときには、通常V通過フラグがONされている場合にV通過したときの遊技状態が通常遊技状態であったと判断し、時短V通過フラグがONされている場合にV通過したときの遊技状態が時短状態であったと判断する。
なお、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技の終了に伴って時短状態に移行させる場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONする。さらにこのときに、遊技制御用マイコン101は、時短状態の継続期間を規定する。第3実施形態では、時短状態の終了条件が特図2可変表示の実行回数で構成されているので、遊技制御用マイコン101は、当該時短状態に係る時短規定回数を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。なお、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技の終了に伴って通常遊技状態に移行させる場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONしないことで通常遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理(S1506)において、新たに移行させる時短状態が有利時短状態であるか不利時短状態であるか、言い換える時短状態の時短規定回数が99回であるか1回であるかを、遊技用RAM104の所定領域にセットする。遊技制御用マイコン101は、これから移行させる時短状態が有利時短状態である場合は、有利時短状態であることを示すフラグ(有利時短フラグ)を、一方、これから移行させる時短状態が不利時短状態である場合は、不利時短状態であることを示すフラグ(不利時短フラグ)を、遊技用RAM104の所定領域にセットする。同一の時短状態であっても有利時短状態と不利時短状態とで参照される特図変動パターン判定テーブル(特図変動パターンを決定するための条件)が異なるからである。
さらに、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理(S1506)において新たな遊技状態に移行させるが、ここでは、基本的な実施形態のように高確率状態に設定することはないので、後述する天井残り回数カウンタに、天井に係る特定回数(第3実施形態では、800回)をセットする。この処理によって、天井到達するまでの特図可変表示の残りの実行回数がカウントされることになる。また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理(S1506)において、通常V通過フラグ、および時短V通過フラグをOFFする。
次に、第3実施形態に係る特図2判定処理について説明する。第3実施形態に係る特図2判定処理のフローチャートを図83に示す。図83に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図2判定処理において、まずは、ステップS1620として、第2大当たり判定を行う。遊技制御用マイコン101は、第2大当たり判定において、特図2保留記憶部105bに記憶されている特別図柄乱数を読み出して、第2大当たり判定テーブルに照合し、大当たり、小当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1621において、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、大当たりでないと判定すると、ステップS1626に進み、大当たりであると判定すると、ステップS1622において、特図2に係る大当たり図柄種別判定テーブルを選択し、ステップS1623において、大当たり図柄種別判定を行う。
遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄種別判定では、特図2保留記憶部105bに記憶されている大当たり図柄種別乱数を読み出して、大当たり図柄種別判定テーブルに照合し、何れの大当たり図柄種別であるかを判定する。遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄種別判定を行うと、ステップS1624において、その判定結果である大当たり図柄種別を示す図柄データ(大当たり図柄データ)を遊技用RAM104の特図バッファにセットし、ステップS1625において、その判定結果である大当たり図柄種別を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図2判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1626において、大当たり判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、小当たりでないと判定すると、ステップS1631に進み、小当たりであると判定すると、ステップS1627において、特図2に係る小当たり図柄種別判定テーブルを選択し、ステップS1628において、小当たり図柄種別判定を行う。
遊技制御用マイコン101は、小当たり図柄種別判定では、特図2保留記憶部105bに記憶されている小当たり図柄種別乱数を読み出して、小当たり図柄種別判定テーブルに照合し、何れの小当たり図柄種別であるかを判定する。遊技制御用マイコン101は、小当たり図柄種別判定を行うと、ステップS1629において、その判定結果である小当たり図柄種別を示す図柄データ(小当たり図柄データ)を遊技用RAM104の特図バッファにセットし、ステップS1630において、その判定結果である小当たり図柄種別を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図2判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1631において、ハズレ図柄種別(特図2のハズレ図柄)を示す図柄データ(ハズレ図柄データ)を遊技用RAM104の特図バッファにセットし、ステップS1632において、ハズレ図柄種別(特図2のハズレ図柄)を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図2判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
次に、第3実施形態に係る特別図柄変動処理について説明する。第3実施形態に係る特別図柄変動処理のフローチャートを図84に示す。図84に示すように、遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、すなわち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。遊技制御用マイコン101は、特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、当該特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81での特別図柄の変動表示を終了させるとともに、特図表示器81に、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、小当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1706)。
遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1706でNO)、当該特別図柄変動処理を終え、時短状態であれば(S1706でYES)、ステップS1707において、停止表示した特図が特図2であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図2でなければ(S1707でNO)、当該特別図柄変動処理を終え、特図2であれば(S1707でYES)、ステップS1708において、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)を「1」減算し、ステップS1709において、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であるか否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1709でNO)、当該特別図柄変動処理を終え、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1709でYES)、ステップS1710において、時短フラグをOFFにして通常遊技状態に移行させ、当該特別図柄変動処理を終了する。このように、時短状態における時短規定回数目の特図2の変動表示(時短最終特図2変動)が終了することに応じて、時短状態から通常遊技状態になる。
次に、第3実施形態に係る特別図柄確定処理について説明する。第3実施形態に係る特別図柄確定処理のフローチャートを図85に示す。図85に示すように、遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、ステップS1751において、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、特図確定時間が経過していない場合、当該特別図柄確定処理を終了し、特図確定時間が経過した場合、ステップS1752において、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄であれば、ステップS1762に進み、大当たり図柄でなければ、ステップS1752において、現在停止表示している特別図柄が小当たり図柄か否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、小当たり図柄であれば、ステップS1766に進み、小当たり図柄でなければ、ステップS1754において、天井残り回数カウンタの値が「0」より大きいか否かを判定する。天井残り回数カウンタの値は、天井到達まで実行可能な特図可変表示の残りの回数(天井残り回数)を計数し、遊技用RAM104の所定領域に設けられている。
遊技制御用マイコン101は、天井残り回数が「0」より大きくなければ、ステップS1760に進み、天井残り回数が「0」より大きければ、ステップS1755において、天井残り回数カウンタの値を「1」減算し、ステップS1756において、天井残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、天井残り回数が「0」でなければ、ステップS1760に進み、天井残り回数が「0」であれば、ステップS1757において、現在、通常遊技状態であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、通常遊技状態でなければ、ステップS1760に進み、通常遊技状態であれば、ステップS1758において、時短フラグをONにすると共に、天井到達に基づいて移行する時短状態の終了条件に係る時短規定回数「900」回を時短残り回数カウンタにセットすることで、時短規定回数が900回の時短状態(天井時短、または有利時短状態)に移行させる。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1759において、天井到達したことを示すコマンド(天井到達指定コマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットし、ステップS1760に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1760において、時短フラグのON/OFFを確認して、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、ステップS1761において、特別動作ステータスを「1」に変更して、特別図柄確定処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS1762において、大当たり遊技準備処理を行う。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、最初に、確定表示している小当たり図柄の種別、または大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。
さらに、遊技制御用マイコン101は、確定表示している小当たり図柄の種別、または大当たり図柄の種別に応じた遊技状態設定テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。具体的に、遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄が確定表示しているときは、現在の遊技状態、ならびに確定表示している大当たり図柄の種別に応じた遊技状態設定テーブル(図76参照)を遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、遊技制御用マイコン101は、小当たり図柄が確定表示しているとき、V通過したときの遊技状態、および小当たり図柄の種別に応じた遊技状態設定テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。遊技制御用マイコン101は、通常V通過フラグがONされている場合にはV通過したときの遊技状態が通常遊技状態であったと判断し、時短V通過フラグがONされている場合にはV通過したときの遊技状態が時短状態であったと判断する。
遊技制御用マイコン101は、さらに、確定表示している小当たり図柄、または大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技のオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、さらには、小当たり図柄、または大当たり図柄の種別に応じ、小当たり図柄、または大当たり図柄の種別を示す大当たりオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。小当たり図柄、または大当たり図柄の種別に応じた大当たりオープニングコマンドは、その停止表示した小当たり図柄、または大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1763において、天井残り回数カウンタの値をリセットし、ステップS1764において、時短フラグをOFFして時短残り回数カウンタの値を「0」にすることで遊技状態をリセットし(通常遊技状態に移行させ)、ステップS1765において、特別動作ステータスを「4」に変更して、当該特別図柄確定処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS1766において、小当たり遊技準備処理を行い、ステップS1767において、特別動作ステータスを「6」に変更して、特別図柄確定処理を終了する。
なお、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技準備処理では、現在の遊技状態と、確定表示した小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技制御テーブルに基づいて、所定のオープニング時間(小当たり遊技が開始されてから第2大入賞口15の1回目の開放を開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、確定表示している小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技のオープニング中であることを示す小当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、さらには、小当たり図柄の種別に応じ、小当たり図柄の種別を示すオープニングコマンド(小当たりオープニングコマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットする。小当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンド(小当たりオープニングコマンド)は、その停止表示した小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技(小当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
次に、パチンコ遊技機PY3が実行可能な天井残り回数に関する演出について説明する。パチンコ遊技機PY3は、電力が供給されてからの特定期間において、枠ランプ53を用いて、天井残り回数を示唆する演出(天井残り回数示唆演出)を実行する。ここで、枠ランプ53について説明する。
図86は、パチンコ遊技機PY3が具備する枠ランプ53を説明する説明図であり、パチンコ遊技機PY3の正面図である。枠ランプ53は、前枠23mに設置されており、主に正面に向かって発光可能であり、枠ランプ53の発光を正面から視認可能である。なお、図86における符号53が付された灰色の塗りつぶし部分は、枠ランプ53による発光部分を表している。
枠ランプ53は、左側上部発光部53L1と、左上隅部発光部53L2と、左側側部発光部53L3と、右側上部発光部53R1と、右上隅部発光部53R2と、右側側部発光部53R3とを有する。左側上部発光部53L1は前枠23mの左側上部に配され、左上隅部発光部53L2は前枠23mの左上隅部に配され、左側側部発光部53L3は前枠23mの左側側部に配され、右側上部発光部53R1は前枠23mの右側上部に配され、右上隅部発光部53R2は前枠23mの右上隅部に配され、右側側部発光部53R3は前枠23mの右側側部に配されている。
左側上部発光部53L1、左上隅部発光部53L2、左側側部発光部53L3、右側上部発光部53R1、右上隅部発光部53R2、および右側側部発光部53R3は独立して別系統に構成されており、演出制御用マイコン121は、左側上部発光部53L1、左上隅部発光部53L2、左側側部発光部53L3、右側上部発光部53R1、右上隅部発光部53R2、および右側側部発光部53R3のそれぞれを個別に発光制御可能である。
また、左側上部発光部53L1、左上隅部発光部53L2、左側側部発光部53L3、右側上部発光部53R1、右上隅部発光部53R2、および右側側部発光部53R3のそれぞれは、LEDで構成されており、白色、黄色、青色、および赤色を発光可能に構成されている。なお、左側上部発光部53L1、左上隅部発光部53L2、左側側部発光部53L3、右側上部発光部53R1、右上隅部発光部53R2、および右側側部発光部53R3の発光原理や発光可能な発光色は特に限定されず、適宜に変更しても良い。
ところで、パチンコ遊技機PY3に対する電力供給時に、RAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されて遊技用RAM104がクリアされるときと、RAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されずに遊技用RAM104がクリアされないときとがある。そして、遊技用RAM104がクリアされる場合、天井残り回数もクリアされる。ここでの天井残り回数のクリアとは、概念として天井残り回数をリセットすることである。遊技制御用マイコン101は、電力供給時にRAMクリアスイッチ(図示なし)が操作されると、遊技用RAM104に設けられている天井残り回数カウンタに、天井到達に係る特定回数に相当する「800」をセットすることで、天井残り回数をリセットする。したがって、遊技用RAM104がクリアされると、この場合の電力供給直後の天井残り回数は特定回数(800回)となる。一方、遊技用RAM104がクリアされない場合、遊技用RAM104に設けられている天井残り回数カウンタは、前回の電力が供給されているときの最後の状態、言い換えると電力供給が遮断される直前の状態となる。したがって、遊技用RAM104がクリアされない場合、天井残り回数はリセットされないので、この場合の電力供給直後の天井残り回数は、前回の電力供給が遮断される直前の天井残り回数となる。したがって、例えば、遊技店の閉店時に電力供給を遮断して翌日の開店時に電力供給するときに、遊技用RAM104がクリアされた場合、天井残り回数は、設定値としての特定回数(800回)となる一方、遊技用RAM104がクリアされない場合、天井残り回数は前日の閉店時の天井残り回数が引き継がれることになる。その結果、開店時の天井残り回数はまちまちとなる。
そして、パチンコ遊技機PY3は、電力供給時から特図可変表示が所定の回数(第3実施形態では、100回)実行されるまでの期間(特定期間)において、天井残り回数に応じた発光態様で枠ランプ53を発光させる。詳細には、パチンコ遊技機PY3は、電力が供給されている間、背景的な発光演出(背景発光演出)を継続して実行するが、電力供給時からの特定期間において、天井残り回数に応じた発光態様で、背景発光演出を実行する。この天井残り回数に応じた発光態様による背景発光演出が天井残り回数示唆演出を構成する。
背景発光演出の演出態様には、天井残り回数示唆演出を構成しない通常の通常発光演出態様と、天井残り回数示唆演出を構成する特別発光演出態様とがある。そして、特別発光演出態様には、天井残り回数に応じて、第1特別発光演出態様~第10特別発光演出態様の10種類の発光演出態様がある。具体的には、特別発光演出態様として、天井残り回数が701~800回に対応した第1特別発光演出態様と、天井残り回数が601~700回に対応した第2特別発光演出態様と、天井残り回数が501~600回に対応した第3特別発光演出態様と、天井残り回数が401~500回に対応した第4特別発光演出態様と、天井残り回数が301~400回に対応した第5特別発光演出態様と、天井残り回数が201~300回に対応した第6特別発光演出態様と、天井残り回数が101~200回に対応した第7特別発光演出態様と、天井残り回数が51~100回に対応した第8特別発光演出態様と、天井残り回数が11~50回に対応した第9特別発光演出態様と、天井残り回数が1~10回に対応した第10特別発光演出態様とがある。
図87は、特別発光演出態様の種類と、その具体的な演出内容との関係を示す表である。図87に示す表の項目「具体的な演出内容」において記載されている「左側上部」、「左上隅部」、「左側側部」、「右側上部」、「右上隅部」、および「右側側部」は、左側上部発光部53L1、左上隅部発光部53L2、左側側部発光部53L3、右側上部発光部53R1、右上隅部発光部53R2、および右側側部発光部53R3を表している。
図87に示すように、第1特別発光演出態様~第10特別発光演出態様の具体的な演出内容は相互に異なる。ただし、第1特別発光演出態様~第10特別発光演出態様の具体的な演出内容は、適宜に変更しても良い。なお、ここでは通常発光演出態様の具体的な演出内容の説明は省略するが、通常発光演出態様の具体的な演出内容と、各特別発光演出態様の具体的な演出内容とは相違する。
次に、第3実施形態における背景発光演出に係る制御内容の一例について説明する。なお、以下に説明する制御内容は、背景発光演出に係る制御内容の一例であるので、その制御内容は以下の内容に限定されることなく、適宜に変更しても良い。
第3実施形態では、遊技用RAM104に設けられている天井残り回数カウンタと同様に、天井残り回数を計測するカウンタ(演出側天井残り回数カウンタ)が演出用RAM124に設けられている。演出制御用マイコン121は、RAMクリア通知コマンド、または大当たりオープニングコマンドを受信すると、演出側天井残り回数カウンタに、天井到達に係る特定回数である「800」をセットする。その後、演出制御用マイコン121は、特図変動開始コマンドを受信すると、例えば、特図変動演出開始処理(S4306)において、特図変動演出パターンを決定した後に、演出側天井残り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、天井残り回数を更新する。このように、演出制御用マイコン121は、演出側天井残り回数カウンタを用いて天井残り回数を計測する。
また、演出制御用マイコン121は、電源投入コマンドを受信すると、演出側天井残り回数カウンタを確認し、天井残り回数に応じた特別発光演出態様で背景発光演出を開始させる。具体的に、演出制御用マイコン121は、天井残り回数が701~800回である場合には、第1特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が601~700回である場合には、第2特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が501~600回である場合には、第3特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が401~500回である場合には、第4特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が301~400回である場合には、第5特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が201~300回である場合には、第6特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が101~200回である場合には、第7特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が51~100回である場合には、第8特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が11~50回である場合には、第9特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が1~10回である場合には、第10特別発光演出態様の背景発光演出を開始させる。
その後、演出制御用マイコン121は、特定期間において、特図変動開始コマンドを受信して天井残り回数を更新した後に、特別発光演出態様を切り替えるタイミングであるか否かを判定する。前述の通り、特別発光演出態様の種類は天井残り回数に対応付けられている。したがって、演出制御用マイコン121は、そのときの特別発光演出態様の種類に係る天井残り回数から別の特別発光演出態様の種類に係る天井残り回数になったか否かを判定する。
演出制御用マイコン121は、特別発光演出態様を切り替えるタイミングであると判定した場合には、その天井残り回数に対応付けられた別の特別発光演出態様に切り替えて背景発光演出を開始させる。具体的に、演出制御用マイコン121は、天井残り回数が700回、600回、500回、400回、300回、200回、100回、50回、10回である場合、特別発光演出態様を切り替えるタイミングと判定する。
そして、演出制御用マイコン121は、天井残り回数が700回である場合には、第2特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が600回である場合には、第3特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が500回である場合には、第4特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が400回である場合には、第5特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が300回である場合には、第6特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が200回である場合には、第7特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が100回である場合には、第8特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が50回である場合には、第9特別発光演出態様の背景発光演出を開始させ、天井残り回数が10回である場合には、第10特別発光演出態様の背景発光演出を開始させる。
また、第3実施形態では、天井残り回数示唆演出を実行可能な特定期間で実行可能な特図可変表示の残り回数(特定期間残り回数)を計測するカウンタ(演出側特定期間残り回数カウンタ)が演出用RAM124に設けられている。演出制御用マイコン121は、電源投入コマンドを受信すると、演出側特定期間残り回数カウンタに、特定期間に係る特図可変表示の実行回数である「100」をセットする。そして、その後、演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信すると、例えば、特図変動演出終了処理(S4308)において、演出側特定期間残り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、特定期間残り回数を更新する。このように、演出制御用マイコン121は、演出側特定期間残り回数カウンタを用いて特定期間残り回数を計測する。
そして、演出制御用マイコン121は、特定期間において、特図変動終了コマンドを受信して特定期間残り回数を更新した後に、特定期間を終了するタイミングであるか否か、言い換えると天井残り回数示唆演出を終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的に、演出制御用マイコン121は、特定期間残り回数が0回(特定期間残り回数カウンタのカウンタ値=0)である場合、特定期間を終了する。さらに、演出制御用マイコン121は、背景発光演出の発光演出態様を特別発光演出態様から通常発光演出態様に切り替えて、通常発光演出態様による背景発光演出を開始させる。
また、演出制御用マイコン121は、特定期間を終了するときに、画像制御基板140に天井残り回数を示唆する画像(天井残り回数示唆画像)を表示部50aの所定位置に表示させる。天井残り回数示唆画像の具体的な表示内容の説明は省略するが、天井残り回数示唆画像は、遊技者が天井残り回数を認識可能な範囲で適宜に設定しても良い。ここで、「遊技者が天井残り回数を認識可能」には、遊技者が天井残り回数を直接的に認識できることと、遊技者が天井残り回数を間接的に認識できることとが含まれる。遊技者が天井残り回数を直接的に認識できる場合の天井残り回数示唆画像の表示態様としては、例えば、天井残り回数示唆画像が天井残り回数を表す数字で構成されている。また、遊技者が天井残り回数を間接的に認識できる場合の天井残り回数示唆画像の表示態様としては、例えば、天井残り回数示唆画像が、天井残り回数の範囲に対応付けられたキャラクタで構成されている。この場合、例えば、天井残り回数が701~800回であればキャラクタAが表示され、天井残り回数が601~700回であればキャラクタBが表示され、天井残り回数が501~600回であればキャラクタCが表示され、天井残り回数が401~500回であればキャラクタDが表示され、天井残り回数が301~400回であればキャラクタEが表示され、天井残り回数が201~300回であればキャラクタFが表示され、天井残り回数が101~200回であればキャラクタGが表示され、天井残り回数が1~100回であればキャラクタHが表示されるようにしても良い。
なお、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140に天井残り回数示唆画像を表示させるために、当該画像の表示内容を表すコマンド(天井残り回数示唆画像表示コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた天井残り回数示唆画像表示コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。
画像制御基板140の画像用CPU141は、天井残り回数示唆画像表示コマンドを受信すると、当該コマンドが示す表示内容からなるそのときの天井残り回数を示唆する天井残り回数示唆画像を表示部50aの所定位置に表示する。なお、天井残り回数示唆画像を表示部50aに表示する時間は適宜に設定しても良い。例えば、天井残り回数示唆画像は表示されてから5秒経過すると消えるようにしても良い。また、天井残り回数示唆画像はある程度の期間、または天井到達するまでの期間、表示され、その間、天井残り回数の更新に応じて、天井残り回数示唆画像の表示態様が変化するようにしても良い。
なお、演出制御用マイコン121は、特定期間において大当たりすると、そこで天井残り回数示唆演出を終了させる。例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりオープニングコマンドを受信すると、背景発光演出の発光演出態様を特別発光演出態様から通常発光演出態様に切り替えて、通常発光演出態様による背景発光演出を開始させると共に、特定期間残り回数カウンタをクリアする。なお、この場合には、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140に天井残り回数示唆画像を表示させない。
以上のように、パチンコ遊技機PY3によれば、大当たり判定には、第1始動条件が成立すること(特図1保留数が上限値未満のときに第1始動口11へ入賞すること)によって行われる第1大当たり判定と、第2始動条件が成立すること(特図2保留数が上限値未満のときに第2始動口12へ入賞すること)によって行われる第2大当たり判定とがあり、通常遊技状態において、大当たり判定が特定回数(800回)実行されることに応じて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行することなく、通常遊技状態よりも第2始動条件が成立し易い特定遊技状態(時短状態)にすることがあり、特定遊技状態(時短状態)において大当たり判定を特定の時短規定回数行うことに応じて、特定遊技状態(時短状態)から通常遊技状態にし、大当たり判定で所定結果(小当たり)となると、小当たり遊技を実行し、所定遊技(小当たり遊技)において所定条件が成立(遊技球が特定領域16を通過)することに応じて、特定遊技状態(時短状態)にすることがあり、特定遊技状態(時短状態)における大当たり判定で所定結果(小当たり)となる場合よりも、通常遊技状態における大当たり判定で所定結果(小当たり)となる場合の方が高確率で、当該大当たり遊技の後に特定遊技状態(時短状態)になる。この結果、図77に図示したように、天井到達に基づく時短状態で第2始動口12に入賞させて遊技を行う場合よりも、天井到達に基づく時短状態で時短規定回数の特図2可変表示が実行された場合の方が、高確率で時短状態を発生させることができる。したがって、天井到達して時短状態になったとしても遊技者にドキドキ感を与えることができ、遊技興趣を向上させることができる。さらに、特図2可変表示では、ハズレ図柄が停止表示されない確率よりもハズレ図柄が停止表示する確率の方が高く、時短状態を伴うハズレ図柄が停止表示される確率の方が、それ以外の特図2が停止表示される確率より高いので、特図2可変表示を実行させ続けることができる。天井到達に基づく時短状態で時短規定回数の特図2可変表示が実行された場合に、高確率で実質的に時短状態を継続させ続けることができる。したがって、遊技者に安心感を与えて、天井到達に係る時短状態との対比でメリハリをつけて遊技興趣を向上させることができる。
また、パチンコ遊技機PY3によれば、電力が供給されてからの特定期間、具体的には特図可変表示が100回実行されるまでの期間、枠ランプ53(発光手段)を用いた背景発光演出(特定演出)の演出態様によって、天井残り回数(大当たり遊技を実行することなく時短状態(特定遊技状態)になるまでに実行可能な識別情報の残り回数)を示唆する天井残り回数示唆演出を実行する。したがって、適度に遊技者に天井残り回数を示唆して当該パチンコ遊技機PY3の稼働率が低下することを防ぐことができる。また、パチンコ遊技機PY3では、電力が供給されるときに、RAMクリアスイッチが操作されて記憶している天井残り回数をクリアするときと、RAMクリアスイッチが操作されずに記憶している天井残り回数を維持するときとがある。したがって、電力が供給したときの天井残り回数を把握し難い。その結果、天井残り回数示唆演出の遊技者に対する恩恵が顕著となり、天井残り回数示唆演出の演出効果が向上する。
天井残り回数示唆演出は、複数回の特図可変表示に亘って実行可能な背景発光演出で構成されている。したがって、表示部50aにおいて実行される大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する予告演出などに支障を来すことなく天井残り回数を遊技者に示唆することができる。
(第3実施形態の変更例)
次に、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
天井到達に係る特定回数、天井到達を契機とする時短状態に係る時短規定回数、各種小当たり図柄の停止表示を契機とする時短状態に係る時短規定回数、および特図2のハズレ図柄の停止表示を契機とする時短状態に係る時短規定回数は第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。
また、小当たり当選した場合の時短状態に係る時短規定回数が複数種類あるようにしても良い。この場合、小当たり図柄の種類に応じて時短規定回数が異なるようにしても良い。さらに、特図2でハズレの場合の時短状態に係る時短規定回数が複数あるようにしても良い。この場合、特図2のハズレ図柄には複数の種類があり、ハズレ図柄の種類に応じて時短規定回数が異なるようにしても良い。
さらに、第3実施形態では、特図2に係る大当たり判定で「ハズレ」が導出されると、必ず当該大当たり判定に係る特図2可変表示の終了に応じて時短状態に遷移するが、ハズレ図柄には、時短状態に遷移させる1または複数のハズレ図柄と、時短状態など通常遊技状態と異なる遊技状態に遷移させずに当該遊技状態をそのまま維持させる1または複数のハズレ図柄とがあり、大当たり判定で「ハズレ」が導出されると、小当たり図柄種別判定のように、および第2実施形態のハズレ図柄種別判定のように、ハズレ図柄の種別が判定で決定されるようにしても良い。
また、第3実施形態では、特図2可変表示、小当たり遊技、および大当たり遊技が実行されているときに第2始動口12に入賞しても第2大当たり判定、および特図2可変表示を実行する権利を保留することができないが、所定個数を上限値として、もしくは上限値なしに、第2大当たり判定、および特図2可変表示を実行する権利を保留できるようにしても良い。
さらに、各大当たり判定で、大当たりと判定される確率、小当たりと判定される確率、各大当たり図柄種別判定で各大当たり図柄が選択される確率、および小当たり図柄種別判定で各小当たり図柄が選択される確率は第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。また、第3実施形態では、特図1に係る大当たり判定、および特図1可変表示を実行する条件には、特図1保留数が上限値(4個)未満のときに第1始動口11に入賞することが含まれており、特図2に係る大当たり判定、および特図2可変表示を実行する条件には、特図2可変表示、小当たり遊技、および大当たり遊技が実行されていないときに第2始動口12に入賞することが含まれているが、これらの条件も第3実施形態に限られておらず、適宜に変更しても良い。
また、枠ランプ53の構造、言い換えると枠ランプ53を構成する発光部の数、および各発光部の位置も第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。第3実施形態では、前枠23mに設置された枠ランプ53によって背景発光演出が行われているが、背景発光演出を実行可能な発光手段は、これに限られず適宜に変更しても良い。例えば、発光可能な発光手段を遊技盤1に設置し、当該発光手段によって背景発光演出が実行されるようにしても良い。さらに、遊技盤1に設置された発光手段と、枠ランプ53を用いて背景発光演出が行われるようにしても良い。
さらに、第3実施形態では、天井残り回数示唆演出に係る背景発光演出の種類は10種類設けられているが、この種類の数は10種類に限られず適宜に変更しても良い。また、天井残り回数示唆演出の演出態様と、具体的な天井残り回数の範囲との関係も第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。さらに、天井残り回数の範囲の具体的な値も第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。
7.前述した実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A~発明Fが開示されている。発明A~発明Eの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A2の総称であり、発明Bは、以下の発明B1~B3の総称であり、発明Cは、以下の発明C1~C5の総称であり、発明Dは、以下の発明D1~D3の総称である。
なお、発明Aによれば、特開2011-172741号公報に記載の遊技機について次に説明する課題1に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2011-172741号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定結果を報知する識別情報(特別図柄)の変動表示が行われる。識別情報(特別図柄)の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるということが報知されると、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態になる。そして、遊技状態に基づいて、識別情報(特別図柄)に要する時間が決定される。しかしながら、識別情報の変動表示を実行可能な遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題1とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Bによれば、特開2011-172741号公報に記載の遊技機について次に説明する課題2に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2011-172741号公報に記載の遊技機では、パチンコ遊技機では、遊技球が始動口に入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるということが報知されると、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態になる。特別図柄の変動表示などの遊技が行われているときに、画像表示装置において演出画像を表示し、またはスピーカーから音声を出力させて遊技興趣を向上させている。そして、演出画像や音声は、複数の構成要素が含まれており、演出画像や音声に対して様々な制御が行われている。しかしながら、複数の構成要素からなる演出を実行可能な遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題2とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Cによれば、特開2011-172741号公報に記載の遊技機について次に説明する課題3に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2011-172741号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるということが報知されると、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態になる。そして、特別図柄の変動表示などの遊技が行われているときに、作動可能な可動手段が作動する演出が行われるときがある。しかしながら、作動可能な可動手段が作動する演出を実行可能な遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題3とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Dによれば、特開2021-049003号公報に記載の遊技機について次に説明する課題4に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2021-049003号公報に記載の遊技機では、遊遊技球が始動口に入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定結果を報知する識別情報(特別図柄)の変動表示が行われる。識別情報(特別図柄)の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるということが報知されると、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態になる。そして、通常遊技状態において、識別情報(特別図柄)の変動表示が特定回数実行されると、遊技者に有利な特定遊技状態になることがある。しかしながら、通常遊技状態において、識別情報(特別図柄)の変動表示が特定回数実行されると、遊技者に有利な特定遊技状態になることがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題4とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Eによれば、特開2021-049003号公報に記載の遊技機について次に説明する課題5に対して遊技興趣が向上するという効果を奏する。特開2021-049003号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定結果を報知する識別情報(特別図柄)の変動表示が行われる。識別情報(特別図柄)の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるということが報知されると、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態になる。そして、通常遊技状態において、識別情報(特別図柄)の変動表示が特定回数実行されると、遊技者に有利な特定遊技状態になることがある。しかしながら、通常遊技状態において、識別情報(特別図柄)の変動表示が特定回数実行されると、遊技者に有利な特定遊技状態になることがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題5とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
8-1-1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
識別情報(特別図柄)の変動表示で特定結果(大当たり図柄)が導出されると、遊技者に有利な特定遊技(大当たり遊技)を実行する遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)を備え、
前記遊技実行手段は、通常遊技状態において、前記識別情報の変動表示で前記特定結果と異なる所定結果(ハズレ図柄B)が導出されると、前記特定遊技を実行することなく、前記通常遊技状態と異なる特定遊技状態にする遊技機であって、
前記識別情報の変動表示に要する変動時間に係る区分として、複数の区分(特図変Pステータス=「0」、特図変Pステータス=「1」)があり、
前記遊技実行手段は、
前記通常遊技状態、または前記特定遊技状態で前記識別情報の可変表示が所定回数実行される度に、前記複数の区分の間でそのときの区分とは異なる区分に切り替え、
前記通常遊技状態、および前記特定遊技状態と前記複数の区分のそれぞれとの組み合わせごとに異なる条件(特図変動パターン判定テーブル)に基づいて前記変動時間を決定することを特徴とする遊技機。
8-1-2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
遊技球が遊技領域に向けて遊技球を発射させる操作を受け付ける操作手段(ハンドル72k)をさらに備え、
前記遊技領域に、第1始動領域(第1始動口11)と、開閉可能な第2始動領域(第2始動口12)とが設けられ、
前記第1始動領域と、前記第2始動領域とは、前記操作手段による遊技球の発射を打ち分け可能な位置に配され、
前記遊技実行手段は、前記特定遊技の後に、前記通常遊技状態よりも前記第2始動領域が開放し易い特別遊技状態(第2時短状態)にすることがあり、
前記特定遊技状態は、前記第2始動領域の開放のし易さについて、前記特別遊技状態よりも前記通常遊技状態に近いことを特徴とする遊技機。
8-2-1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態)にすることがある遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出手段を用いて演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備え、
前記演出実行手段は、前記所定の演出手段を用いて、前記特定遊技状態になる可能性があることを示唆する示唆演出(特定予告演出)を実行することがある遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記所定の演出手段を用いて複数の演出主体(特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタ:キャラクタV、キャラクタW、キャラクタX、およびキャラクタY)を、当該所定の演出手段に応じて作動、または出力させているときに、前記示唆演出を実行可能であり、
前記示唆演出では、第1タイミングで、前記複数の演出主体の作動、または出力を停止させる停止演出(キャラ動作停止演出)を実行し、前記第1タイミングの後の第2タイミング(特定予告演出画像G30に係る全てのキャラクタの動作が停止してから所定時間(例えば、3秒)が経過したとき)で、当該複数の演出主体の中で作動、または出力を再開するものを事前に告知する事前告知演出(キャラ音声報知演出)を実行し、当該事前告知演出の報知対象となる前記演出主体が作動、または出力を再開する再開演出を実行することがあることを特徴とする遊技機。
8-2-2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記事前告知演出は、前記所定の演出手段によって実行されることを特徴とする遊技機。
8-2-3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記事前告知演出は、前記所定の演出手段と異なる演出手段によって実行されることを特徴とする遊技機。
8-3-1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態)にすることがある遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出手段を用いて演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、
収納体(枠可動体56)とを備え、
前記収納体には、視認できない待機状態から、作動して視認できるように出現可能な複数(4つ)の可動部(可動部56f)が収納され、
出現する前記複数の可動部の種類によって、前記特定遊技状態になる可能性が異なることを特徴とする遊技機。
8-3-2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記収納体は発光部(発光部56h)を備え、
前記発光部が発光した後に前記複数の可動部の何れかが出現することがあることを特徴とする遊技機。
8-3-3.発明C3
発明C3に係る遊技機は、
発明C2に係る遊技機であって、
前記発光部が発光した後に前記収納体が遊技者に接触されると、当該接触によって前記複数の可動部の何れかが出現することがあることを特徴とする遊技機。
8-3-4.発明C4
発明C4に係る遊技機は、
発明C2または発明C3に係る遊技機であって、
表示部をさらに備え、
前記演出実行手段は、
前記表示部に前記収納体を表す収納体画像(特殊態様のアイコン)を表示することがあり、
前記収納体画像を表示した後に前記発光部を発光することがあることを特徴とする遊技機。
8-3-5.発明C5
発明C5に係る遊技機は、
発明C4に係る遊技機であって、
前記複数の可動部の何れかが出現した場合、当該出現に応じて、前記収納体画像が、当該出現した前記可動部を表す可動部画像(特別態様のアイコン)に変化することを特徴とする遊技機。
8-4-1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
識別情報(特別図柄)の変動表示で特定結果(大当たり図柄)が導出されると、遊技者に有利な特定遊技(大当たり遊技)を実行する遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
発光可能な発光手段を含む演出手段を用いて演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備え、
前記遊技実行手段は、通常遊技状態において、前記識別情報の変動表示が所定回数(800回)実行されることに応じて、前記特定遊技を実行することなく、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(時短状態)にすることがある遊技機であって、
前記演出実行手段は、電力が供給されてから所定期間(電力供給時から特図可変表示が所定の回数(第3実施形態では、100回)実行されるまでの期間:特定期間)、前記発光手段を用いた特定演出(背景発光演出)の演出態様によって、前記特定遊技を実行することなく前記特定遊技状態になるまでに実行可能な前記識別情報の残り回数を示唆することがあることを特徴とする遊技機。
8-4-2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
発明D1に係る遊技機であって、
前記遊技実行手段は、
前記特定遊技を実行することなく前記特定遊技状態になるまでに実行可能な前記識別情報の残り回数を記憶可能であり、
電力が供給されるときに、記憶している前記識別情報の残り回数をクリアするときと、記憶している前記識別情報の残り回数を維持するときとがあることを特徴とする遊技機。
8-4-3.発明D3
発明D3に係る遊技機は、
発明D2に係る遊技機であって、
前記特定演出は、複数回の前記識別情報の変動表示に亘って実行可能な背景的な演出であることを特徴とする遊技機。
8-5-1.発明E1
発明E1に係る遊技機は、
始動条件が成立することによって判定(大当たり判定)を行い、当該判定で特定結果(大当たり、小当たり)となると、遊技者に有利な遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)を実行する遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)を備え、
前記始動条件には、第1始動条件(第1始動口11への入賞)と第2始動条件(第2始動口12への入賞)があり、
前記判定には、前記第1始動条件に係る第1判定(第1大当たり判定)と、前記第2始動条件に係る第2判定(第2大当たり判定)とがあり、
前記特定結果には、前記第1判定に係る第1特定結果(特図1に係る大当たり)と前記第2判定に係る第2特定結果(特図2に係る大当たり)とがあり、
前記遊技実行手段は、通常遊技状態において、前記判定が所定回数実行されることに応じて、前記遊技者に有利な遊技を実行することなく、前記通常遊技状態よりも前記第2始動条件が成立し易い特定遊技状態(時短状態)にすることがある遊技機であって、
前記遊技実行手段は、
前記特定遊技状態において前記判定を特定の規定回数(900回)行うことに応じて、前記特定遊技状態から前記通常遊技状態にし、
前記判定で所定結果(小当たり)となると、所定遊技(小当たり遊技)を実行し、
前記所定遊技において所定条件(遊技球の特定領域16の通過)が成立することに応じて、前記特定遊技状態にすることがあり、
前記特定遊技状態における前記判定で前記所定結果となる場合よりも、前記通常遊技状態における前記判定で前記所定結果となる場合の方が高確率で、前記特定遊技状態になることを特徴とする遊技機。
PY,PY1,PY2,PY3…パチンコ遊技機
1…遊技盤
6…遊技領域
6A…左遊技領域
6B…右遊技領域
11…第1始動口
11a…第1始動口センサ
12…第2始動口
12a…第2始動口センサ
12k…電チュー開閉部材
13…ゲート
14…第1大入賞口
14a…第1大入賞口センサ
14k…第1AT開閉部材
15…第2大入賞口
15a…第2大入賞口センサ
15k…第2AT開閉部材
16…特定領域
16a…特定領域センサ
16k…振分部材
50…画像表示装置
50a…表示部
52…スピーカー
53…枠ランプ
56…枠可動体
56f…可動部
56h…発光部
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御基板
121…演出制御用マイコン
140…画像制御基板

Claims (1)

  1. 始動条件が成立することによって判定を行い、当該判定で特定結果となると、遊技者に有利な遊技を実行する遊技実行手段を備え、
    前記始動条件には、第1始動条件と第2始動条件があり、
    前記判定には、前記第1始動条件に係る第1判定と、前記第2始動条件に係る第2判定とがあり、
    前記特定結果には、前記第1判定に係る第1特定結果と前記第2判定に係る第2特定結果とがあり、
    前記遊技実行手段は、通常遊技状態において、前記判定が所定回数実行されることに応じて、前記遊技者に有利な遊技を実行することなく、前記通常遊技状態よりも前記第2始動条件が成立し易い特定遊技状態にすることがある遊技機であって、
    前記遊技実行手段は、
    前記特定遊技状態において前記判定を特定の規定回数行うことに応じて、前記特定遊技状態から前記通常遊技状態にし、
    前記判定で所定結果となると、所定遊技を実行し、
    前記所定遊技において所定条件が成立することに応じて、前記特定遊技状態にすることがあり、
    前記特定遊技状態における前記判定で前記所定結果となる場合よりも、前記通常遊技状態における前記判定で前記所定結果となる場合の方が高確率で、前記特定遊技状態になることを特徴とする遊技機。
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