JP2022182256A - 電界接近検知方法、検電器 - Google Patents
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Abstract
【課題】単位時間当たりの電界の大きさの変化を捉えることが可能な電界接近検知方法及び検電器を提供することを目的とする。【解決手段】電界への接近を検電器1で検知する方法において、検電器1で、周囲の電界の大きさを複数回検出し、検出された電界の大きさが所定の値以上である場合には、警告を出力すると共に、検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力する構成とした。【選択図】図1
Description
本発明は、作業員等のユーザの感電事故等を防ぐために、充電部や電源等の電界への接近に対し警告を出力する電界接近検知方法及び検電器に関する。
従来の検電器は、充電部や電源等の電界の強度を検出し、検出された電界の強度が閾値以上の場合、警告(アラーム)を出力する。
例えば、特許文献1では、交流電圧源のV0と、充電部と人体との間の静電容量C01と、人体と大地の間の静電容量C02によって人体に生じる電圧V02を測定対象とし、当該電圧によって生じる人体からの流出電流を測る検電器を用いる構成が開示されている。人体のどこかに当該検電器を装着しておけば、当該検電器を装着した作業員が電圧源に近づくと信号が出力される。そのため、電気工事等において、作業者の失念によって充電部に近づいた場合でも、注意喚起が可能となり、感電等の事故を未然に防ぐことができるものである。
しかしながら、例えば、キュービクルの6.6[kV]の高圧充電部への接近に対する警告を出力させるため、従来の検電器を作業員等のユーザが携帯していた場合であっても、付近の6.6[kV]の送電線に検電器が反応してしまう等、付近に別の電界がある場合、対象(目的)としていない電界に検電器が反応してしまう可能性を排除することができない。
また、従来の検電器を、雨天時や足元に水たまりがある場所で使用すると、感度が不安定になる現象が見られる。これは、水の存在によって、C02(コンデンサ)の誘電率が大きくなり、即ち、C02の静電容量が大きくなり、V(電圧)が小さくなってしまったことが原因と考えられる。V02が小さい場合、検電器で検出するVC2(コンデンサの両端電圧)も小さくなってしまい、検出し難くなる。従って、検出された電圧が閾値以上の場合に警告を出力する、従来の接近センサでは、天候や環境によっては、充電部や電源等の電界への作業員等のユーザの接近に対し、的確に警告を出力することができない。
ところで、作業員等のユーザが感電する際の所作(動作)を考えた場合に、検電器が警告を出力する必要があるのは、1)充電部や電源等の電界に非常に接近した状態にある場合、2)充電部や電源等の電界に近づいている場合が考えられる。
但し、上記2)の充電部や電源等の電界に近づいている場合であっても、作業員等のユーザがゆっくりと電界に近づいている場合には、当該ユーザは当該電界の存在を認識している可能性が高い。一方、作業員等のユーザが急激に電界に近づいている場合には、当該ユーザは当該電界の存在を認識しておらず、失念している可能性が高い。
そこで本発明は、上記問題点に対処するため、単位時間当たりの電界の大きさの変化を捉えることが可能な電界接近検知方法及び検電器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
電界への接近を検電器で検知する方法において、
前記検電器で、周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力する、電界接近検知方法とした。
電界への接近を検電器で検知する方法において、
前記検電器で、周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力する、電界接近検知方法とした。
また、請求項2に係る発明は、
電界への接近を検電器で検知する方法において、
前記検電器で、周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさが所定の値以上である場合には、警告を出力すると共に、検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力する、電界接近検知方法とした。
電界への接近を検電器で検知する方法において、
前記検電器で、周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさが所定の値以上である場合には、警告を出力すると共に、検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力する、電界接近検知方法とした。
また、請求項3に係る発明は、
前記検電器が、電界への接近によって人体に誘起された電圧を測定する第1電極と、大地に対する電圧を測定する第2電極と、検出回路を備え、
前記検出回路で、前記第1電極と前記第2電極間の電位差により流れる電流を捉えることで、周囲の電界の大きさを検出する、請求項1又は2に記載の電界接近検知方法とした。
前記検電器が、電界への接近によって人体に誘起された電圧を測定する第1電極と、大地に対する電圧を測定する第2電極と、検出回路を備え、
前記検出回路で、前記第1電極と前記第2電極間の電位差により流れる電流を捉えることで、周囲の電界の大きさを検出する、請求項1又は2に記載の電界接近検知方法とした。
また、請求項4に係る発明は、
電界への接近を検知する検電器であって、
周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力する、検電器とした。
電界への接近を検知する検電器であって、
周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力する、検電器とした。
また、請求項5に係る発明は、
周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさが所定の値以上である場合には、警告を出力すると共に、検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力する、検電器とした。
周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさが所定の値以上である場合には、警告を出力すると共に、検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力する、検電器とした。
また、請求項6に係る発明は、
前記検電器が、電界への接近によって人体に誘起された電圧を測定する第1電極と、大地に対する電圧を測定する第2電極と、検出回路を備え、
前記検出回路で、第1電極と第2電極間の電位差により流れる電流を捉えることで、周囲の電界の大きさを検出する、請求項4又は5に記載の検電器とした。
前記検電器が、電界への接近によって人体に誘起された電圧を測定する第1電極と、大地に対する電圧を測定する第2電極と、検出回路を備え、
前記検出回路で、第1電極と第2電極間の電位差により流れる電流を捉えることで、周囲の電界の大きさを検出する、請求項4又は5に記載の検電器とした。
本発明は、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を算出し、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告が出力される構成であるため、作業員等のユーザの所作の中で、警告を出力させる必要のある所作(例えば、電界の存在を意識しない素早い動作)を特定し、当該所作に対して的確に警告を出力させることができ、便宜である。
また、警告を出力させる必要のある所作を特定し、当該所作に対して的確に警告が出力される構成であるため、作業員等のユーザは不要な警告を受けることなく、本発明に係る電界接近検知検電器を、作業員等のユーザが携帯している際の煩わしさを軽減することができ、便宜である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態例を詳細に説明する。ただし、この実施の形態例に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施の形態例1>
図1は、本実施の形態例1に係る検電器1の全体的な構成を示した図である。
図1は、本実施の形態例1に係る検電器1の全体的な構成を示した図である。
<検電器1の構成>
検電器1は、図1に示すように、主として第1電極121、第2電極122、検出回路123から構成されている。検電器1は、周囲の電界の大きさを検出し、検出された電界の大きさが、予め設定された所定の値以上である場合には、作業員等のユーザに対し、音声等の警告を出力することで、周囲の電界へ接近している旨の注意喚起を作業員等のユーザに対し行う、第1の機能を備えた、接近センサである。また、検電器1は、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を算出し、算出された変化量が、予め設定された所定の値以上である場合には、警告を出力することで、周囲の電界へ接近している旨の注意喚起を作業員等のユーザに対し行う、第2の機能を備えた接近センサである。
検電器1は、図1に示すように、主として第1電極121、第2電極122、検出回路123から構成されている。検電器1は、周囲の電界の大きさを検出し、検出された電界の大きさが、予め設定された所定の値以上である場合には、作業員等のユーザに対し、音声等の警告を出力することで、周囲の電界へ接近している旨の注意喚起を作業員等のユーザに対し行う、第1の機能を備えた、接近センサである。また、検電器1は、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を算出し、算出された変化量が、予め設定された所定の値以上である場合には、警告を出力することで、周囲の電界へ接近している旨の注意喚起を作業員等のユーザに対し行う、第2の機能を備えた接近センサである。
検電器1は、図2及び図3に示すように、箱型の絶縁ケース124の内部に円板から成る第1電極121が収納され、当該第1電極121の一面中央部に、垂直に棒状の第2電極122が設けられ、さらに、これらの第1電極121及び第2電極122の間に、検出回路123が設けられている。また、絶縁ケース124の側面には、クリップ124aが設けられている。
なお、検電器1の構成は、この構成に限定されるわけではない。例えば、図4及び図5に示すように、箱型の絶縁ケース124の内部に円板から成る第1電極125が収納され、当該第1電極125の一面中央部に、垂直に筒状の第2電極126が設けられ、更に、これらの第1電極125及び第2電極126の間に、検出回路123が設けられている。また、絶縁ケース124の側面には、クリップ124aが設けられている構成としても良い。
そして、この検電器1は、図6(a)に示すように、絶縁ケース124がクリップ124aにより作業用ヘルメット127の後部に取り付けられる。また、図6(b)に示すように、クリップ124aではなく、バンド128によって、作業用ヘルメット127に取り付けられる構成としても良い。更に、図7(a)に示すように、作業靴129のかかとに、絶縁ケース124がクリップ124aにより取りつけられる構成としても良い。また、図7(b)に示すように、絶縁ケース124が作業靴129のつま先の甲側にバンド130により取り付けられる構成としても良い。
また、検出回路123の構成は、図8に示すように、第1電極121又は125と第2電極122又は126間のC21に流れる電流信号によって生じた電圧VC2を増幅する増幅回路131と、増幅された、最新の電圧VC2とそれより1個前(例えば、100[msec]前)の電圧VC2を少なくとも格納する記憶回路132が設けられている。そして、記憶回路132から出力された最新の電圧VC2と、それより1個前(例えば、100[msec]前)のVC2を比較する比較回路133により、信号が出力された場合にのみ音声発生回路134及び点灯表示回路135が作動する。
即ち、検電器1は、第1電極121又は125、第2電極122又は126、増幅回路131、記憶回路132及び比較回路133により、周囲の電界の大きさを複数回(本実施の形態例1では、「最新」と「前回」の2回)検出し、単位時間(例えば、100[msec])当たりの電界の大きさの変化量を算出し、算出された変化量が、予め設定された所定の値以上である場合には、音声発生回路134及び点灯表示回路135により、警告を出力することで、周囲の電界へ接近している旨の注意喚起を作業員等のユーザに対し行う。
また、検出回路123には、基準電圧発生回路136が夫々設けられ、増幅回路131の出力信号と基準電圧発生回路136の出力信号とを比較する比較回路137により、信号が出力された場合にのみ音声発生回路134及び点灯表示回路135が作動する。
即ち、検電器1は、第1電極121又は125、第2電極122又は126、増幅回路131、基準電圧発生回路136、及び比較回路137により、周囲の電界の大きさを検出し、検出された電界の大きさが、予め設定された所定の値以上である場合には、音声発生回路134及び点灯表示回路135により、作業員等のユーザに対し、音声等の警告を出力することで、周囲の電界へ接近している旨の注意喚起を作業員等のユーザに対し行う。
また、検出回路123には、電源138が備えられており、電源138のスイッチ139をオンすることにより、検出回路123に電力が供給される。
次に、検電器1によって、周囲の電界の大きさを検出する原理について、説明する。
人体が充電部や電源等の電界に近づくと、腕、胴体、頭を通じて電界から電流が人体に流れ込み、この電流によって人体は大地からAC電位を持った状態になり、その人体電位によって人体と大地間容量を通じて電界と逆側の腕、両足、頭を通じて電流が流れ出すという知見を本件出願の出願人は得た。
そして、この知見(原理)に基づいて、本件出願の出願人は、検電器1の構成を創作した。図9に示す電界Wから人体Hを通って大地Gに流れる閉回路(以下、主回路と言う)の合成容量(C01とC02の直列接続)C0は、次の数1、数2となる。なお、V0は電圧源Wの大地Gにする電位、V01は電圧源Wと人体Hとの間の静電容量C01による電位、V02は人体Hの大地Gに対する静電容量C02による電位を示す。
よって、数3及び数4となり、人体Hは大地Gに対して電位(V02)を有することが分かる。
また、数5、数6であるから、人体Hが電界Wに近づく程(C01のdが小さくなり、C01が大きくなる)V02が大きくなる。これにより、V02を検出できれば、周囲の電界Wの大きさを検出することとなる。また、数5、数6であるから、人体Hが充電部に近づく程(C01のdが小さくなり、C01が大きくなる)V02が大きくなる。これにより、V02を検出できれば、「人(人体H)が充電部に近づくこと」を検出できる。
次に、これを検電器1にあてはめる。上述したように、検電器1は、第1電極121又は125、第2電極122又は126、検出回路123により構成されている(図1参照)。ここで、C1は人体Hと第1電極121又は125間の静電容量、C21は第1電極121又は125と第2電極122又は126間の静電容量、C22は人体Hと第2電極122又は126間の静電容量、C31は第1電極121又は125と大地G間の静電容量、C32は第2電極122又は126と大地G間の静電容量である。
この検電器1の全体の合成容量は、次の数7となることが予想される。また、第1電極121又は125と第2電極122又は126の間に発生する電圧VC2は数8となる。このVC2が周囲の電界の大きさを示す電圧である。
このように、第1電極121又は125は誘電体である作業用ヘルメット127又は作業靴129、絶縁ケース124を介して作業者等のユーザの人体Hに装着されるが、周囲の電界Wに人体Hが近づくと、作業者等のユーザの人体Hに微小電流が流入する。そこで、第1電極121又は125と第2電極122又は126の間で電流が生じ、これを検出回路123でとらえて、周囲の電界Wの大きさを検出する。
<検電器1の有効性の検討>
次に、検電器1の有効性を検討した検討結果を示す。
次に、検電器1の有効性を検討した検討結果を示す。
検電器1のフィールド試験として、キュービクルの6.6[kV]の高圧充電部に、検電器1を作業用ヘルメット127に付けた作業員等のユーザが接近する試験を行ったところ、近くの6.6[kV]の送電線に検電器1が反応する現象がみられた。
送電線を無限長の円柱状電荷分布と考えると、送電線が作る電界は、E=q/2πεrである。
図10は、3[kV]の活線に対して作業員等のユーザの人体が接近した際の距離[cm]と帯電した人体の電界強度[V/m]の実験結果を示したものである。この実験結果を参照すると、キュービクルが形成する電界は、E=q/2Πεr(距離rに反比例)に近いことが分かる。図10中の帯電した人体の電界強度を示す曲線の近似曲線の式は、E=201r^(-1.1)=201/r1.1となる。
キュービクルに接近中の検電器1が検出してしまう周囲の電界について、送電線が形成する電界とキュービクルが形成する電界のどちらの影響が強いか、上記近似曲線の式から考察する。検電器1からキュービクルまでの距離rについては、「送電線~検電器1までの距離>キュービクル~検電器1までの距離」となり、キュービクルによって形成される電界の影響の方が強い。電荷量(電流値)については、「送電線に流れる電流値>キュービクルに流れる電流値」となり、送電線によって形成される電界の影響の方が強い。状況によっては、送電線の存在によって検電器1が反応する可能性を排除することができない。
上記検討結果から、帯電した人体の電界強度[V/m]の式が、E=201/rで近似されるものとみなし、対象の電界(キュービクル)とノイズとなる電界(送電線)の配置によって、ノイズとなる電界が検電器1の周囲の電界の検出に及ぼす影響について、更に検討する。
送電線とキュービクルと作業員等のユーザの位置関係が、「キュービクル・作業員等のユーザ・送電線」という配置の場合、送電線が形成する電界は、作業員等のユーザのキュービクルへの接近を検出する際に影響を与える。詳しくは、作業員等のユーザがキュービクルに近づくと、キュービクルが形成する電界の影響は強くなるが、送電線が形成する電界の影響は弱くなる。しかし、送電線が形成する電界の影響は距離に反比例し、また、送電線と作業者等のユーザ間の距離は、キュービクルと作業者等のユーザ間の距離に比べて十分大きいため、キュービクル近傍(特に、100[cm]未満)では、送電線が形成する電界の大きさの変化量は小さいと思われる。これにより、作業員等のユーザとキュービクルの距離が縮まる際の単位時間当たりの電界の大きさの変化量を捉えることは、キュービクルの近傍でキュービクルが形成する電界の大きさの変化量を捉えることと、ほぼ近しい(同義)と思われる。
図11は、上記の配置でキュービクルから10[m]離れた場所にある送電線を想定し、上記の検討結果が正しいか否かをシミュレーションした曲線グラフである。作業者等のユーザが、キュービクル近傍の100[cm]未満(図11では、四角で囲った部分)に接近した場合、送電線が形成する電界の影響を受けていないことが分かる。
送電線とキュービクルと作業員等のユーザの位置関係が、「送電線・キュービクル・作業員等のユーザ」という配置の場合、送電線が形成する電界は、作業員等のユーザのキュービクルへの接近を検出する際に影響を与える。詳しくは、作業員等のユーザがキュービクルに近づくと、キュービクルが形成する電界の影響は強くなるが、送電線が形成する電界の影響も強くなり、どちらの電界に近づいているのか判別しにくくなる。しかし、送電線と作業者等のユーザ間の距離は、キュービクルと作業者等のユーザ間の距離に比べて十分大きいため、キュービクル近傍(特に、100[cm]未満)では、送電線が形成する電界の大きさの変化量は小さいと思われる。これにより、作業員等のユーザとキュービクルの距離が縮まる際の単位時間当たりの電界の大きさの変化量を捉えることは、キュービクルの近傍でキュービクルが形成する電界の大きさの変化量を捉えることと、ほぼ近しい(同義)と思われる。
図12は、上記の配置でキュービクルから10[m]離れた場所にある送電線を想定し、上記の検討結果が正しいか否かをシミュレーションした曲線グラフである。作業者等のユーザが、キュービクル近傍の100[cm]未満(図12では、四角で囲った部分)に接近した場合、送電線の電界の影響を受けていないことが分かる。
この検電器1のように、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を捉える構成であることにより、検出対象の電界とノイズとなる電界が重ね合う状況(例えば、前方にノイズとなる電界が存在する、あるいは後方にノイズとなる電界が存在する)や、検出対象の電界とノイズとなる電界が打ち消し合う状況(例えば、検出対象の電界とノイズとなる電界が逆相の場合)であっても、的確に危険を検出できる。一方、従来の検電器では、充電部や電源等の電界の強度を検出し、検出された電界の強度が閾値以上の場合、警告(アラーム)を出力する構成であるため、警告の原因が検出対象の電界の影響であるのか、ノイズとなる電界の影響であるのか判別できず、的確に危険を検出できない。
<検電器1の警告の出力パターン>
上述したように、本実施の形態例1の検電器1は、周囲の電界の大きさを検出し、検出された周囲の電界の大きさが、予め設定された所定の値以上である場合には、作業員等のユーザに対し、警告を出力する、第1の機能を備えている。また、検電器1は、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を算出し、算出された変化量が、予め設定された所定の値以上である場合には、警告を出力する、第2の機能を備えている。
上述したように、本実施の形態例1の検電器1は、周囲の電界の大きさを検出し、検出された周囲の電界の大きさが、予め設定された所定の値以上である場合には、作業員等のユーザに対し、警告を出力する、第1の機能を備えている。また、検電器1は、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を算出し、算出された変化量が、予め設定された所定の値以上である場合には、警告を出力する、第2の機能を備えている。
そして、これらの第1の機能に基づく警告及び第2の機能に基づく警告をどのように出力させるのかといった設定については、対象の電界への接近度合いの段階や作業員等のユーザの所作等によって、様々なパターンが考えられる。また、第1の機能に基づく警告と第2の機能に基づく警告で、警告に係る方法やパターンが異なる構成としても良い。
例えば、キュービクルや高圧充電部といった屋内や地上や地下にある電界への作業員等のユーザの徒歩での接近に対して、注意喚起を促す場合には、対象とする電界への接近禁止最終デッドライン(例えば、対象とする電界から1[m])を示すために、第1の機能に係る警告(例えば、連続音のアラーム、アラームの点灯)が出力されるように、所定の値(=電界の大きさの絶対値:220[V/m])を設定する。また、対象となる電界に接近する作業員等のユーザに、自身の所作(動作)を慎重にさせるために、少々遠方であっても(例えば、対象の電界から120[m])、第2の機能に係る警告(例えば、断続音のアラーム、アラームの点滅)が出力されるように、所定の値(=電界の大きさの変化量:164[V/m])を設定する。
また、例えば、電柱上に設けられているケーブルヘッドあるいはトランス端子や架空配電線といった高い場所にある電界への作業員等のユーザの高所作業車に係るバケット(≒バスケット)での接近に対して、注意喚起を促す場合には、対象とする電界への接近(例えば、対象の電界から2.6[m])を示すために、第1の機能に係る警告(例えば、断続音のアラーム、アラームの点滅)が出力されるように、所定の値(=電界の大きさの絶対値:167[V/m])を設定する。また、対象となる電界に非常に接近した(例えば、1[m])作業員等のユーザに、自身の所作(動作)を慎重にさせるために、第2の機能に係る警告(例えば、連続音のアラーム、アラームの点灯)が出力されるように、所定の値(=電界の大きさの変化量:119[V/m])を設定する。
このように、検電器1では、第1の機能に基づく警告及び第2の機能に基づく警告の設定を変更することで、対象の電界の場所や作業員等のユーザの接近の仕方(例えば、徒歩で接近するのか、車両で接近するのか等)といった種々の状況に合わせて、適切に作業員等のユーザに注意喚起を行うことができる。
<変形例>
なお、本実施の形態例1では、検電器1が第1の機能及び第2の機能を有する構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、検電器1が、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を算出し、算出された変化量が、予め設定された所定の値以上である場合には、警告を出力する、第2の機能のみを有する構成としても良い。
なお、本実施の形態例1では、検電器1が第1の機能及び第2の機能を有する構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、検電器1が、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を算出し、算出された変化量が、予め設定された所定の値以上である場合には、警告を出力する、第2の機能のみを有する構成としても良い。
また、本実施の形態例1では、検電器1で人体に誘起された電圧を測定する、即ち、周囲の電界の大きさを測定する際に人体を利用する構成を示したが、この構成に限定されるものではない。検電器1が周囲の電界の大きさを測定することができる構成であれば良い。
更に、本実施の形態例1では、検電器1が警告を音声と光の組み合わせで出力する構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、検電器1が警告を音声のみで出力する構成としても良いし、警告を光のみで出力する構成としても良い。
また、本実施の形態例1に係る検電器1では、検出された周囲の電界の大きさが、あるいは、算出された周囲の電界の変化量が、予め設定された所定の値「以上」である場合に、警告を出力する構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、予め設定された所定の値「を超えている」場合に、警告を出力する構成としても良い。
また、本実施の形態例1では、検電器1の検出回路123が検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を算出する例として、記憶回路132に格納された最新の検出結果と、それより1個前(例えば、100[msec]前)の前回の検出結果を比較して、変化量(=前回の検出結果から最新の検出結果の変化量)を求める構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、検出回路123は、記憶回路132に格納された最新の検出結果と、それより2個前(例えば、200[msec]前)の前々回の検出結果を比較して、その変化量(=前々回の検出結果から最新の検出結果の変化量)を求める構成としても良く、要は、時間に伴う電界の大きさの変化量を求めることができる構成であれば良い。
また、本実施の形態例1では、比較回路133、基準電圧発生回路136、比較回路137等といった素子の組み合わせで、検出回路123の構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、検出回路123は、例えば、単一のLSIから成るマイコンで実現される制御部(図示省略)を有し、制御部が、第1電極121及び第2電極122によって検出された最新の電圧VC2とそれより1個前(例えば、100[msec]前)の電圧VC2に基づき、その差分(変化量)を算出し、算出された差分が、予め設定された所定の値以上である場合には、音声発生回路134等に警告を出力させる構成としても良い。
1:検電器、121:第1電極、122:第2電極、123:検出回路、124:絶縁ケース、124a:クリップ、125:第1電極、126:第2電極、127:作業用ヘルメット、128:バンド、129:作業靴、130:バンド、131:増幅回路、132:記憶回路、133:比較回路、134:音声発生回路、135:点灯表示回路、136:基準電圧発生回路、137:比較回路、138:電源、139:スイッチ
Claims (6)
- 電界への接近を検電器で検知する方法において、
前記検電器で、周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力することを特徴とする、電界接近検知方法。 - 電界への接近を検電器で検知する方法において、
前記検電器で、周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさが所定の値以上である場合には、警告を出力すると共に、検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力することを特徴とする、電界接近検知方法。 - 前記検電器が、電界への接近によって人体に誘起された電圧を測定する第1電極と、大地に対する電圧を測定する第2電極と、検出回路を備え、
前記検出回路で、前記第1電極と前記第2電極間の電位差により流れる電流を捉えることで、周囲の電界の大きさを検出することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電界接近検知方法。 - 電界への接近を検知する検電器であって、
周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力することを特徴とする、検電器。 - 周囲の電界の大きさを複数回検出し、
検出された電界の大きさが所定の値以上である場合には、警告を出力すると共に、検出された電界の大きさに基づき、単位時間当たりの電界の大きさの変化量を求め、当該変化量が所定の値以上である場合には、警告を出力することを特徴とする、検電器。 - 前記検電器が、電界への接近によって人体に誘起された電圧を測定する第1電極と、大地に対する電圧を測定する第2電極と、検出回路を備え、
前記検出回路で、第1電極と第2電極間の電位差により流れる電流を捉えることで、周囲の電界の大きさを検出することを特徴とする、請求項4又は5に記載の検電器。
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JP2021089723A JP2022182256A (ja) | 2021-05-28 | 2021-05-28 | 電界接近検知方法、検電器 |
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---|---|---|---|---|
CN117517737A (zh) * | 2023-11-16 | 2024-02-06 | 国网四川省电力公司绵阳供电公司 | 一种无人机非接触验电控制方法 |
EP4373118A1 (en) | 2022-11-15 | 2024-05-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Information processing apparatus, information processing method, and storage medium |
-
2021
- 2021-05-28 JP JP2021089723A patent/JP2022182256A/ja active Pending
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