JP2022181076A - がんオルガノイドの製造方法、評価方法および培養キット - Google Patents

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Abstract

【課題】免疫系細胞と十分に接触可能な状態のがんオルガノイドを得る。【解決手段】がんオルガノイドの製造方法であって、細胞外マトリックスの構成因子を含むゲル状培地の表面に、がん由来の細胞を接着させる接着工程を含む。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り ・刊行物名「HIROSHIMA UNIVERSITY BioMed News 第3号」 発行日 令和2年5月28日
本発明は、がんオルガノイドの製造方法、評価方法および培養キットに関する。
近年、患者のがんの性質を再現可能な研究方法として、オルガノイド培養法の開発が進んでいる。オルガノイドとは、多能性幹細胞より誘導した幹細胞または組織から採取した幹細胞等を三次元培養したものである。オルガノイドは、二次元的に培養した細胞株と比較して、臓器の性質を良好に再現すると考えられている。
オルガノイドは疾患モデルにも適用可能であり、例えばがん研究の分野では、各種固形がんについてがんオルガノイドの樹立報告がなされている。また近年、がん治療への免疫系細胞の影響についても研究が進められており、このような研究でもがんオルガノイドが用いられてきている。例えば非特許文献1には、マトリゲル(登録商標)に包埋されたがんオルガノイドとTIL(Tumor Infiltrating Lymphocyte;腫瘍浸潤リンパ球)とを共培養する実験モデルが開示されている。また、非特許文献2には、がんオルガノイドから分離した細胞とT細胞とを反応させ、がんに作用するT細胞を単離する技術が開示されている。
Joseph Cherng Huei Kong, Robert GeorgeRamsay et al. Tumor-Infiltrating Lymphocyte Function Predicts Response to Neoadjuvant Chemoradiotherapy in Locally Advanced Rectal Cancer. JCO Precision Oncology - published online November 8, 2018 Krijn K. Dijkstra, Emile E. Voest et al. Generation of Tumor-Reactive T Cells by Co-culture of Peripheral Blood Lymphocytes and Tumor Organoids. Cell. 2018;174, 1586-1598
三次元的に成長したオルガノイドを得るためには、マトリゲル等の基底膜を模した細胞外マトリックスの内部に臓器の幹細胞等を包埋する必要があった。一方で、浮遊系の細胞である免疫系細胞は一般的に、細胞外マトリックスの内部に積極的には浸潤していかない。
そのため、非特許文献1では、マトリゲルに包埋されたがんオルガノイドに対する、マトリゲルと液体培地との境界部近くでのTILの反応を解析している。また、非特許文献2では、Geltrex(登録商標)から分離した状態のがんオルガノイドと免疫系細胞との共培養を行っており、がんオルガノイドの状態を維持しながらの共培養とは言い難い。このように、従来技術では、がんオルガノイドと免疫系細胞とを十分に接触させて反応を解析することは困難であった。
本発明の一態様は、免疫系細胞と十分に接触可能な状態の、がんオルガノイドの製造方法等を実現することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るがんオルガノイドの製造方法は、細胞外マトリックスの構成因子を含むゲル状培地の表面に、がん由来の細胞を接着させる接着工程を含む。
本発明の一態様に係るがんオルガノイドの製造方法は、前記表面に接着した前記細胞を培養し、前記がんオルガノイドを、前記表面上に添加される液体培地の方向に成長させる成長工程をさらに含んでいてもよい。
本発明の一態様に係るがんオルガノイドの製造方法は、前記接着工程の前に、前記接着工程とは異なる培養容器中で、前記ゲル状培地に前記細胞を包埋して培養し、前記ゲル状培地に包埋された状態の包埋オルガノイドを形成する細胞準備工程をさらに含み、前記接着工程では、前記包埋オルガノイドに含まれる前記細胞を前記表面に接着させてもよい。
本発明の一態様に係るがんオルガノイドの製造方法は、前記接着工程では、培養面に前記ゲル状培地が平面状に形成された培養容器に、前記細胞を含む前記液体培地を添加して、前記表面に前記細胞を接着させてもよい。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るがんオルガノイドの評価方法は、前記の何れかの製造方法により得られた前記がんオルガノイドを、液体培地中で免疫系細胞と共培養する共培養工程を含む。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るがんオルガノイドの培養キットは、がん由来の細胞を細胞外マトリックスの構成因子を含むゲル状培地の表面に接着させるため、前記ゲル状培地が培養面に平面状に形成された培養容器を含む。
本発明の一態様に係るがんオルガノイドの培養キットは、前記細胞をさらに含んでいてもよい。
本発明の一態様によれば、免疫系細胞と十分に接触可能な状態の、がんオルガノイドの製造方法等を実現できる。
従来法およびオーバーレイ法の概要、ならびに、各方法によるがんオルガノイドの形成結果を示す図である。 従来法およびオーバーレイ法により形成したがんオルガノイドの、H&E染色および免疫染色結果を示す図である。 がんオルガノイドの培養環境中にCFSE標識した免疫系細胞を添加する前と、添加後4時間時点との、明視野および蛍光の顕微鏡画像を示す図である。 健常人由来のPBMCと、胃がん患者由来のがんオルガノイドとの共培養を20時間行った後の明視野での顕微鏡画像、および、MTTアッセイで細胞生存率を測定した結果を示す図である。 健常人由来のNK細胞と、胃がん患者由来のがんオルガノイドとの共培養を20時間行った後の明視野での顕微鏡画像、および、MTTアッセイで細胞生存率を測定した結果を示す図である。 胃がん患者由来のNK細胞と、同患者由来のがんオルガノイドとの共培養を20時間行った後の明視野での顕微鏡画像、および、MTTアッセイで細胞生存率を測定した結果を示す図である。 がんオルガノイドに浸潤しなかったCo-Outおよび浸潤したCo-Inの各リンパ球集団における、CD4陽性リンパ球およびCD8陽性リンパ球の割合を測定した結果を示す図である。 従来法により形成されたがんオルガノイドと免疫系細胞とを共培養した状態の顕微鏡画像を示す図である。
〔1.発明の概要〕
本発明の一実施形態に係るがんオルガノイドの製造方法は、細胞外マトリックスの構成因子を含むゲル状培地の表面に、がん由来の細胞を接着させる。本発明者らは、このような方法により、がん由来の細胞から形成されるがんオルガノイドをゲル状培地に包埋された状態ではなく、ゲル状培地の表面上でも三次元的に形成できることを見出した。
がんオルガノイドは、がんの実験モデルとして注目されている。従前の細胞培養方法では、患者由来のがん細胞または組織は長期生存が困難であった。そのため、がんの実験モデルとしては、in vitroではがん細胞株、in vivoでは遺伝子改変マウス等がそれぞれ用いられてきた。しかし、がん細胞株はシャーレ等の培養面で培養される1層の平面的な細胞集団であり、また不死化の処理によって患者の腫瘍の性質とは変化してしまうという問題があり、患者の腫瘍の性質をより再現した実験モデルが望まれていた。
これに対し、近年の研究により新たに開発されたのがオルガノイド培養法である。オルガノイドとは、多能性幹細胞より誘導した幹細胞または組織から採取した幹細胞を三次元培養したものである。オルガノイドは、臓器特異的な複数の細胞型と、特定の機能を発揮する三次元構造とを有し、その臓器の性質を再現可能ないわゆるミニ臓器といえる。
近年、各種固形がんのがんオルガノイドが樹立され、がんの実験モデルとして用いられている。このようながんオルガノイドは、患者の腫瘍の性質を再現している上に、がん細胞株と同様に様々な実験に用いることができ、in vivoとin vitroとの中間のような存在であるといえる。
また、がんオルガノイドは、テーラーメイド治療への応用に大きな期待が寄せられている。例えば、どのような抗がん剤が患者の腫瘍に効果があるのかを、患者への投与前にがんオルガノイドを用いて判定するといった、抗がん剤感受性試験等が検討されている。実際に、乳がんのオルガノイドに対する薬剤感受性と、患者への投与による腫瘍の縮小効果との間に相関が見られたという報告もあり、乳がんのオルガノイドでの薬剤感受性試験が、患者への治療選択の手段となる可能性が示されている。
一方で、がんオルガノイドについて、免疫系細胞との共培養が困難であるという問題点が指摘されている。近年の医療の発展において、免疫チェックポイント阻害薬または免疫細胞療法等の、患者の免疫系細胞による抗腫瘍効果に大きな期待が寄せられている。このような免疫療法の発展に伴い、がんオルガノイドと免疫系細胞との接触および反応を評価可能な実験手法の開発が望まれているが、このような共培養には大きな問題が残されていた。
オルガノイドを三次元的に成長させるためには、マトリゲル等のような、基底膜を模した細胞外マトリックスの構成因子を含むゲル状培地を用いることが一般的である。このゲル状培地を培養容器の培養面に半球状に設置し、その内部に完全に幹細胞を包埋することが、オルガノイドの形成には必須とされていた。免疫系細胞は一般的に、ゲル状培地の内部の奥深くへは積極的に浸潤していかない。ゲル状培地に包埋されたオルガノイドと免疫系細胞とを効率的に接触および反応させることは、従来困難であった。
例えば、従来のゲル状培地に包埋させる方法を従来法とする。従来法で成長させたがんオルガノイドと免疫系細胞との共培養では、非特許文献1および非特許文献2を挙げて説明した通り、三次元形状を維持したがんオルガノイドと免疫系細胞との十分な接触を得ることが困難である。
これは、本発明者らによる実験でも確認している。すなわち、図8に示すように、従来法では、ゲル状培地であるマトリゲルの表面付近では、免疫系細胞によるがんオルガノイドの組織破壊が認められる。しかし、マトリゲル内部の奥深い部位に存在するがんオルガノイドについては、免疫系細胞による組織破壊は認められず、また、免疫系細胞のがんオルガノイド内部への浸潤も認められなかった。このように、従来はがんオルガノイドと免疫系細胞とを、制限なく十分に接触させ反応を解析する実験モデルは存在しなかった。
本発明者らはがんオルガノイドの培養法として、がんオルガノイドのゲル状培地への完全包埋ではなく、培養容器の培養面をゲル状培地でコーティングし、その表面に幹細胞等を接着させて培養することを試みた。これにより、がんオルガノイドはシート状に平面的に成長する懸念もあったが、実際はゲル状培地表面の上方へ成長し、がんオルガノイドが自律的にゲル状培地の表面で三次元構造を構築できることを見出した。
このように、本発明の一実施形態に係るがんオルガノイドの製造方法によれば、がん患者の腫瘍の性質および構造を三次元的に再現したがんオルガノイドを、ゲル状培地に包埋されていない状態で製造できる。これにより、がんオルガノイドを、免疫系細胞と効率的に接触および反応させることが可能となる。
また、本発明によれば、がん関連研究を促進させることで、がんの脅威を低減することが可能となる。これにより、持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成に貢献できる。
以下、このような方法について詳細に説明する。
〔2.がんオルガノイドの製造方法〕
(接着工程)
本発明の一実施形態に係るがんオルガノイドの製造方法は、細胞外マトリックスの構成因子を含むゲル状培地の表面に、がん由来の細胞を接着させる接着工程を含む。本明細書では以降、このような製造方法を「オーバーレイ法」と称する場合がある。また、本明細書ではがんオルガノイドの「製造」について、「形成」または「樹立」と称する場合があるが、いずれも同義である。
ゲル状培地は、細胞外マトリックスの構成因子を含み、ハイドロゲル状に形成できる培地であれば、特に限定されない。細胞外マトリックスの構成因子としては、例えば、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、エンタクチン、ニドゲンおよびパールカン等が挙げられる。ゲル状培地は、このような構成因子を1種含んでいればよく、2種以上含んでいることが好ましい。
また、ゲル状培地は、細胞外マトリックスの構成因子に加えて、細胞増殖因子をさらに含んでいてもよい。細胞増殖因子としては、例えば、FGF、EGF、IGF-1、PDGF、NGFおよびTGFβ等が挙げられる。ゲル状培地がこのような細胞増殖因子を含んでいれば、がんオルガノイドを効率的に形成できる。
このようなゲル状培地としては、マトリゲルまたはGeltrex等の市販品を用いてよい。
がん由来の細胞は、上皮系のがん由来の細胞であってよい。このようながんとしては、例えば、胃がん、大腸がん、結腸がん、小腸がん、膀胱がん、食道がん、腎臓がん、肝臓がん、前立腺がん、乳がん、肺がん、膵臓がん、卵巣がん、頭頸部がん、脳腫瘍、子宮頸がん、甲状腺がん、喉頭がんおよび皮膚がんが挙げられる。
また、がん由来の細胞は、動物細胞であってよい。動物細胞としては、ヒト細胞であってもよく、ヒト以外の哺乳動物細胞であってもよく、哺乳動物以外の動物細胞であってもよい。
接着工程の具体的な方法としては、例えば、培養面にゲル状培地が平面状に形成された培養容器に、がん由来の細胞を含む液体培地を添加して、ゲル状培地の表面にがん由来の細胞を接着させればよい。
ゲル状培地の表面上に添加される液体培地は、特に限定されない。オーバーレイ法に用いるがん由来の細胞の種類に応じて、適切な液体培地が選択されてよい。例えば、従来法におけるがんオルガノイドの樹立に用いられる液体培地と、同様の液体培地を用いてよい。
オーバーレイ法に用いる培養容器は、市販のシャーレまたはウェルプレートの各ウェル等であってよい。例えば、このような培養容器の培養面をコーティング可能な量のゲル状培地を、培養容器の培養面に添加することで、培養面にゲル状培地が平面状に形成された培養容器が得られる。ここで「平面状」とは、ゲル状培地の表面が完全な平面であることを要さない。例えば、表面張力等の影響によりゲル状培地のウェル中心部分がわずかに凹んだ状態、または、ゲル状培地の表面がゲル化時の空気の影響等でわずかに波打っている状態等も、「平面状」と言える。
(成長工程)
オーバーレイ法は、ゲル状培地の表面に接着したがん由来の細胞を培養し、がんオルガノイドを、ゲル状培地の表面上に添加される液体培地の方向に成長させる成長工程を含んでいてよい。このように、がん由来の細胞を、ゲル状培地の内部よりも、ゲル状培地の表面上に添加される液体培地の方向に成長させることで、ゲル状培地に包埋されない状態で三次元構造を形成したがんオルガノイドが得られる。すなわち、オーバーレイ法により得られるがんオルガノイドは、その表面の大部分がゲル状培地に包埋されておらず、液体培地に露出している。
このようながんオルガノイドは、ゲル状培地に包埋されていない部分の表面積が、全体の表面積の50%以上であってよく、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがより好ましい。
このように、オーバーレイ法によれば、ゲル状培地に包埋されず免疫系細胞等と接触可能な状態のがんオルガノイドを得ることができる。
(細胞準備工程)
ゲル状培地の表面に接着させるがん由来の細胞は、がん患者の腫瘍組織から得られた細胞から樹立されたオルガノイドに含まれる細胞であってもよい。例えば、接着工程の前に、従来のようにがん由来の細胞を、まずゲル状培地に包埋して培養し、ゲル状培地に包埋された状態のがんオルガノイド(包埋オルガノイド)を形成する細胞準備工程を実施してもよい。そして接着工程では、ゲル状培地に包埋された状態のがんオルガノイドから細胞を分離し、オーバーレイ法に用いるがん由来の細胞として用いてもよい。
このとき、細胞準備工程を実施する培養容器と、接着工程を実施する培養容器とは、異なる培養容器であることが好ましい。ここで、例えば複数のウェルを有するウェルプレートを用いる場合、同じウェルプレートにおける各ウェルが、それぞれ「異なる培養容器」と考えてよい。
従来法を用いたがんオルガノイドの樹立方法については、公知の文献等で固形がんの種類ごとに詳細な報告がなされている。一度、従来法により包埋された状態のがんオルガノイドを形成してからオーバーレイ法を実施すれば、公知の確立した方法によるがんオルガノイドの樹立と、オーバーレイ法によるゲル状培地から露出した状態のがんオルガノイドの形成とを両立可能となる。これは、一度樹立されたがんオルガノイドに含まれる細胞であれば、腫瘍等から採取した直後の細胞よりも、がんオルガノイドを再形成しやすいと考えられるためである。
このように、接着工程において、包埋された状態のがんオルガノイドに含まれる細胞を用いることで、ゲル状培地に包埋されず免疫系細胞等と接触可能な状態のがんオルガノイドを、効率良く得ることができる。
なお、包埋された状態のがんオルガノイドではなく、オーバーレイ法により形成したがんオルガノイドに含まれる細胞を用いて、さらにオーバーレイ法を行ってもよい。また、患者の腫瘍組織から得たがん由来の細胞を、直接オーバーレイ法により培養して、がんオルガノイドを形成してもよい。
〔3.がんオルガノイドの評価方法〕
本発明の一実施形態に係るがんオルガノイドの評価方法は、上述のオーバーレイ法により得られたがんオルガノイドを、液体培地中で免疫系細胞と共培養する共培養工程を含む。オーバーレイ法により得られたがんオルガノイドは、ゲル状培地に包埋されていない。そのため、浮遊系細胞であり、積極的にはゲル状培地の内部に浸潤しない免疫系細胞であっても、がんオルガノイドに制限なく接触可能となる。そのため、オーバーレイ法により形成されたがんオルガノイドは、免疫系細胞との接触による反応を評価するのに好適である。
共培養工程に用いる免疫系細胞は、浮遊系の、免疫学的な機能を有する細胞である。このような免疫系細胞としては、例えば、T細胞、B細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、マクロファージ、顆粒球およびランゲルハンス細胞が挙げられる。免疫系細胞は、例えば、PBMC(Peripheral Blood Mononuclear Cells)に含まれる細胞であってよい。
免疫系細胞は、動物細胞であってよい。動物細胞としては、ヒト細胞であってもよく、ヒト以外の哺乳動物細胞であってもよく、哺乳動物以外の動物細胞であってもよい。免疫系細胞は、がん由来の細胞と同種の動物に由来する細胞であることが好ましい。
共培養工程に用いる液体培地は、接着工程および成長工程で用いる液体培地と同じものでもよく、異なるものでもよい。例えば、接着工程および成長工程では、がんオルガノイドの形成に好適な液体培地を使用し、共培養工程では、がんオルガノイドと免疫系細胞との共培養に好適な、接着工程および成長工程とは異なる液体培地を使用してもよい。共培養工程で使用する液体培地は、がんオルガノイドおよび免疫系細胞の種類等によって、適宜最適な液体培地を選択すればよい。
このようながんオルガノイドの評価方法を適用可能な実験系として、例えば、(1)免疫系細胞によるがんオルガノイドの障害性試験、(2)免疫チェックポイント阻害剤の感受性試験、(3)がんオルガノイドへ浸潤するTILの解析、が挙げられる。
免疫チェックポイント阻害剤の感受性試験は、例えば、オーバーレイ法で形成したがんオルガノイドと免疫系細胞とを共培養し、免疫チェックポイント阻害剤を添加した群と不添加の群との間で、がんオルガノイドの障害性の差異を評価する等で実施可能である。
〔4.がんオルガノイドの培養キット〕
本発明の一実施形態に係るがんオルガノイドの培養キットは、ゲル状培地に包埋されていない状態のがんオルガノイドを製造するためのキットである。また、当該キットは、ゲル状培地に包埋されていない状態のがんオルガノイドと、免疫系細胞との反応を評価するためにも適用可能である。
このようながんオルガノイドの培養キットは、がん由来の細胞を細胞外マトリックスの構成因子を含むゲル状培地の表面に接着させるため、ゲル状培地が培養面に平面状に形成された培養容器を含む。なお、〔2.がんオルガノイドの製造方法〕で説明した事項については、本項目でも援用可能である。
また、がんオルガノイドの培養キットは、がん由来の細胞をさらに含んでいてもよい。がん由来の細胞は、凍結した状態でもよく、液体培地中に培養された状態でもよく、培養容器内のゲル状培地の表面に接着した状態でもよい。がん由来の細胞が、ゲル状培地の表面に接着した状態である場合、がん由来の細胞は、がんオルガノイドとして成長する前の状態(接着直後の状態)であってもよく、がんオルガノイドとして成長した状態であってもよい。がんオルガノイドとして成長した状態であれば、培養容器に免疫系細胞を加えるだけで、がんオルガノイドと免疫系細胞との反応の評価を簡便に行うことができる。
また、がんオルガノイドの培養キットががん由来の細胞を含む場合、培養キットに含まれるがん由来の細胞は1種類であってもよく、複数種類であってもよい。また、がん由来の細胞が複数種類である場合、培養キットには、少なくとも2種類以上のそれぞれ異なるがんに由来する細胞がそれぞれ含まれていることが好ましい。これによれば、複数種類のがんに由来するがんオルガノイドについて、製造または評価を行うことが可能な培養キットを提供できる。
がんオルガノイドの培養キットは、免疫系細胞をさらに含んでいてもよい。免疫系細胞は、凍結した状態でもよく、液体培地中に培養された状態でもよい。免疫系細胞が液体培地中に培養された状態である場合、免疫系細胞は、がん由来の細胞とは異なる培養容器中で培養された状態であることが好ましい。
また、がんオルガノイドの培養キットは、液体培地、洗浄液またはその他の試薬を内包した容器を含み得る。培養キットの説明において使用される用語「含む」は、キットを構成する個々の容器のいずれかの中に内包されている状態が意図され得る。
また、がんオルガノイドの培養キットは、本発明の一実施形態に係るがんオルガノイドの製造方法および/または評価方法を実施するための説明書を含んでいてもよい。
〔1.三次元的ながんオルガノイドの成長〕
オーバーレイ法によって、がん由来の細胞からがんオルガノイドを形成する実験を行った。がん由来の細胞としては、胃がん患者の腫瘍から採取した細胞(n=3、GC1~GC3)および大腸がん患者の腫瘍から採取した細胞(n=1、CRC)を用いた。以降、核実験間で細胞名(GC1~GC3、CRC)が同じであれば、それぞれ同じ患者から採取したがん由来の細胞であることを示す。
これらの細胞を、従来法により、培養プレートの培養面に球状に形成したマトリゲルに包埋してがんオルガノイドの形成を行った。当該がんオルガノイドから分離した細胞を2群に分けて、従来法およびオーバーレイ法による培養実験を行った。
オーバーレイ法の群では、培養プレートの各ウェルに4℃のマトリゲルを添加し、37℃で30分間静置して、マトリゲルをゲル化させた。ゲル化したマトリゲルの表面に、包埋された状態のがんオルガノイドから分離した細胞を懸濁した液体培地を添加し、これらの細胞をマトリゲルの表面に接着させた。その後、37℃で培養を行った。
従来法の群では、培養プレートの培養面に球状に形成したマトリゲルに、包埋された状態のがんオルガノイドから分離した細胞を包埋して、がんオルガノイドの形成を行った。
オーバーレイ法により形成されたがんオルガノイドと、従来法により形成されたがんオルガノイドとの培養後の形状を比較した。従来法およびオーバーレイ法の概要ならびに各方法によるがんオルガノイドの形成結果について、図1に示す。
図1に示すように、従来法で形成したがんオルガノイドと同様に、オーバーレイ法でも、がんオルガノイドが三次元的に形成され、従来法と同様の顕微鏡像を呈することが示された。また、オーバーレイ法では、マトリゲルの内部よりも、マトリゲルの表面から液体培地の方向にがんオルガノイドが成長した。これらは、胃がんおよび大腸がん由来の細胞のいずれでも、同様の結果であった。
〔2.がんオルガノイドの性質〕
オーバーレイ法により形成されたがんオルガノイドが、従来法のがんオルガノイドと同様の性質を維持しているか否かについて検討した。胃がん患者の腫瘍から採取した細胞(GC1)を用いて、従来法またはオーバーレイ法によりがんオルガノイドの形成を行った。これらのがんオルガノイドについて、RNAレベルおよびタンパク質レベルでの比較解析を行った。
RNAレベルの比較解析では、両培養法で形成されたがんオルガノイドからそれぞれRNAを抽出し、マイクロアレイによる比較解析を行った。具体的には、両培養法により得られたがんオルガノイドを回収し、TrypLE Express(Thermo Fisher Scientific)により単細胞化した。得られた細胞群からRNeasy Plus Mini Kit(登録商標、QIAGEN)を用いてRNAを抽出し、バイオアナライザーを用いてRNAの品質チェックを行った。その後、GeneChip Clariom S Array(登録商標、Affymetrix)によるRNA解析を行った。RNA解析には、Transcriptome Analysis Console(Thermo Fisher Scientific)Version:4.0.1.36、およびGeneSpring(登録商標、Agilent Technologies)Version:14.9.1 -GX -PAを使用した。
2つの群の結果を平均化し、発現量差が2倍以上(Fold change≧2)かつ統計的な有意差(T-Test unpaired p≦0.05)が示された遺伝子を抽出したところ、比較解析を行った17834種類の遺伝子のうち、16種類の遺伝子のみが抽出された。すなわち、2つの群間で99.91%(17818/17834種類)のmRNA発現量は同等であることが示された。
タンパク質レベルの比較解析では、胃がん患者の腫瘍組織および両培養法で形成されたがんオルガノイドをOrganoid Harvesting Solution(Cultrex)によりマトリゲルを解重合させた。各サンプルを洗浄後、10%ホルマリンを添加して固定化した。固定化したサンプルをアガロースゲルに包埋した後にパラフィンに包埋することで二重包埋とし、未染色標本を作製した。未染色標本について、ヘマトキシリン・エオジン(H&E)染色および免疫染色を行った。
免疫染色では、未染色標本の脱パラフィン、抗原賦活化およびブロッキングを行った後に、マーカーとなる一次抗体による標識を行った。一次抗体としては、胃型マーカーとしてMUC5AC抗体およびMUC6抗体を、腸型マーカーとしてMUC2抗体およびCD10抗体を、増殖マーカーとしてKi67抗体を用いた。各抗体の詳細は、以下の通りである;
Anti-MUC5AC (MUC5AC(MRQ-19), 760-4389, V0001348, Roche, 1:2 dilution for IHC)、
Anti-MUC6 (NCL-MUC-6, 6014968, Leica Biosystems, 1:100 dilution for IHC)、
Anti-MUC2 (MUC2(MRQ-18), 760-4388, V0001436, Roche, 1:2 dilution for IHC)、
Anti-CD10 (56C6, CD10-270, 602420, Leica Biosystems, 1:100 dilution for IHC)、
Anti-Ki67 (NCL-L-Ki67-MM1, Leica Biosystems 1:100 dilution for IHC)。
一次抗体による標識後、二次抗体による標識を行い、ジアミノベンジジン(DAB)を基質として発色させ、核染色を行って脱水し、免疫染色標本とした。H&E染色および免疫染色の結果を図2に示す。図2に示すように、2つの群で各マーカーは同等の発現パターンを示した。
以上の結果より、オーバーレイ法で形成されたがんオルガノイドは、RNAレベルおよびタンパク質レベルのいずれも、従来法で形成されたがんオルガノイドと同等の性質を維持していることが示唆された。
〔3.がんオルガノイドと免疫系細胞との接触〕
オーバーレイ法により得られたがんオルガノイドと、免疫系細胞との接触について検討した。がんオルガノイドは、胃がん患者の腫瘍から採取した細胞(GC1)を用いて形成した。免疫系細胞として、健常人より採取した血液からPBMCを分離し、当該PBMCをCFSEにより蛍光標識した。蛍光標識したPBMCを、オーバーレイ法により形成したがんオルガノイドの液体培地中に添加した。免疫系細胞を添加する前と、添加後4時間時点とで撮影した明視野(BF)およびCFSEの蛍光(FL)を示す顕微鏡画像を図3に示す。
図3に示すように、免疫系細胞添加の4時間後には、顕微鏡下の観察範囲内で、ほぼ全てのがんオルガノイドの周囲にPBMCが集積していた。すなわち、オーバーレイ法によれば、免疫系細胞がマトリゲルに移動を制限されることなく、自由に移動してがんオルガノイドと接触できることが示された。
以上より、オーバーレイ法は、免疫系細胞とがんオルガノイドとが制限なく十分に接触および反応可能な、生体内の免疫環境を従来よりも高精度に再現できる実験モデルとなることが示された。
〔4.免疫系細胞によるがんオルガノイド障害性試験〕
(4-1.健常人PBMCによる検討)
健常人より採取した血液から分離したPBMCについて、胃がん患者の腫瘍から採取した細胞(n=2、GC2およびGC3)から形成したがんオルガノイド(GCOs)との共培養を行った。20時間の共培養を行った後の明視野での顕微鏡画像を、図4に示す。図4において、「pre」は共培養群における共培養開始前の状態を示し、「post」は共培養開始から20時間後の状態を示す。これは、以降の実験でも同様である。
図4に示すように、がんオルガノイドの単独培養を行ったコントロール群(control)と比較して、共培養群(GCOs+PBMC)では、明視野画像からがんオルガノイドの明らかな組織破壊が認められた。また、図4には、MTTアッセイによる細胞生存率(%)を測定した結果も示す。図4に示すように、コントロール群と比較して共培養群では有意に組織破壊が認められ、GC2では66.1%の、GC3では53.6%の組織破壊を示した。有意差は、t検定により、P<0.05の場合に有意差ありと評価した。
この結果から、オーバーレイ法は、がんオルガノイドと免疫系細胞との共培養によるがんオルガノイド障害性試験に好適に適用可能であることが示された。
(4-2.健常人NK細胞による検討)
次に、同様の障害性試験を、NK(Natural Killer)細胞を用いて実施した。健常人より採取した血液から分離したPBMCから、さらにNK細胞を分離した。がんオルガノイド(GC3)とNK細胞との共培養について、上記のPBMCを用いた場合と同様の方法により実施した。
また、NK細胞の細胞障害経路の一つに、パーフォリン依存性経路が知られている。そこで、共培養群に対して、NK細胞のパーフォリン依存性経路を特異的に阻害するConcanamycin A(CMA、富士フィルム和光純薬株式会社)を投与する投与群を追加した。20時間の共培養を行った後の明視野での顕微鏡画像を、図5に示す。
図5に示すように、コントロール群(control)と比較して、共培養群(GCOs+NKcell)では、明視野画像からがんオルガノイドの明らかな組織破壊が認められた。また、図5には、MTTアッセイによる細胞生存率(%)を測定した結果も示す。図5に示すように、コントロール群と比較して共培養群では有意に組織破壊が認められ、共培養群では77.1%の組織破壊を示した。一方で、投与群(GCOs+NKcell+CMA)では、共培養群と比較して組織破壊が有意に抑制されていた。有意差は、TukeyのHSD検定により、P<0.05の場合に有意差ありと評価した。
(4-3.がん患者自身のNK細胞による検討)
さらに、胃がん患者の腫瘍から採取した細胞(n=2、GC1およびGC3)から形成したがんオルガノイドと、同じ患者の血液から分離したNK細胞との共培養実験についても、上述の健常人のNK細胞を用いた場合と同様に実施した。結果を図6に示す。
図6に示すように、この場合でも、コントロール群(control)と比較して、共培養群(GCOs+NKcell)では明視野画像からがんオルガノイドの明らかな組織破壊が認められた。また、MTTアッセイによる細胞生存率(%)の測定でも、GC1では、コントロール群と比較して共培養群では有意に組織破壊が認められ、GC1では91.6%の、GC3では56.3%の組織破壊を示した。一方で、投与群(GCOs+NKcell+CMA)では、共培養群と比較して組織破壊が有意に抑制されていた。有意差は、TukeyのHSD検定によりP<0.05の場合に有意差ありと評価した。
以上より、オーバーレイ法によれば、がん患者の自家NK細胞による、自らのがんオルガノイドに対する障害性を評価可能であることが示された。これにより、オーバーレイ法によれば、がんオルガノイドと自家免疫系細胞との接触および反応実験モデルを構築可能であることが示された。
〔5.がんオルガノイドへの腫瘍浸潤リンパ球の解析〕
がんオルガノイドに浸潤する免疫系細胞が、従来の実験モデルにおいて用いられているTILと同様の性質を有しているのか否かを解析した。
がんオルガノイドと健常人由来のPBMCとを共培養した。共培養後、液体培地を回収し、2%FBS/PBSにより追加で培養容器を洗浄して、洗浄液を先に回収した液体培地とまとめた。ここに含まれている免疫系細胞を、がんオルガノイドに浸潤しなかった免疫系細胞とみなし、Co-Outとした。その後、洗浄後のがんオルガノイド周囲に凝集して残存した免疫系細胞をTILとみなし、Co-Inとした。
Co-OutおよびCo-Inの各リンパ球集団における、CD4陽性リンパ球およびCD8陽性リンパ球の割合を測定した結果を図7に示す。測定は、フローサイトメトリーにより、CD3抗体、CD4抗体およびCD8抗体を用いて行った。CD3抗体は、T細胞マーカーとして用いた。
図7に示すように、CD4陽性リンパ球の割合が、Co-Inと比較してCo-Outで有意に高かった。一方、CD8陽性リンパ球の割合は、Co-Outと比較してCo-Inで有意に高かった。これは、スフェロイドを用いたTILの機能解析の報告(Courau et al., Journal for ImmunoTherapy of Cancer, 7:74, 2019)と同様の結果であった。有意差は、t検定により検定し、P<0.05の場合に有意差ありと評価した。
以上の結果より、オーバーレイ法は、がんオルガノイドと免疫系細胞との共培養におけるTIL解析モデルとしても適用可能であることが示された。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態および各実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、がんオルガノイドを用いたがん研究および薬理評価等に利用することができる。

Claims (7)

  1. 細胞外マトリックスの構成因子を含むゲル状培地の表面に、がん由来の細胞を接着させる接着工程を含む、がんオルガノイドの製造方法。
  2. 前記表面に接着した前記細胞を培養し、前記がんオルガノイドを、前記表面上に添加される液体培地の方向に成長させる成長工程をさらに含む、請求項1に記載のがんオルガノイドの製造方法。
  3. 前記接着工程の前に、前記接着工程とは異なる培養容器中で、前記ゲル状培地に前記細胞を包埋して培養し、前記ゲル状培地に包埋された状態の包埋オルガノイドを形成する細胞準備工程をさらに含み、
    前記接着工程では、前記包埋オルガノイドに含まれる前記細胞を前記表面に接着させる、請求項1または2に記載のがんオルガノイドの製造方法。
  4. 前記接着工程では、培養面に前記ゲル状培地が平面状に形成された培養容器に、前記細胞を含む液体培地を添加して、前記表面に前記細胞を接着させる、請求項1から3の何れか1項に記載のがんオルガノイドの製造方法。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の製造方法により得られたがんオルガノイドを、液体培地中で免疫系細胞と共培養する共培養工程を含む、前記がんオルガノイドと前記免疫系細胞との反応を評価するがんオルガノイドの評価方法。
  6. がん由来の細胞を細胞外マトリックスの構成因子を含むゲル状培地の表面に接着させるため、前記ゲル状培地が培養面に平面状に形成された培養容器を含む、がんオルガノイドの培養キット。
  7. 前記細胞をさらに含む、請求項6に記載のがんオルガノイドの培養キット。
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