JP2022178239A - 配線構造及び発光パネル並びに配線構造の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、被給電部(例えば発光部)への給電機能が適切に担保されると共に、意匠性や設計(デザイン)の自由度が損われない配線構造及びこれを備える発光パネルの提供を目的とする。【解決手段】 本発明に係る配線構造は、配線部と、透明基部と、透明基部内に延在すると共に、透明基部より高い屈折率を有する高屈折透明部とを備え、配線部は、高屈折透明部内を通ることを特徴とする。また、配線部が、光反射性を有することが好ましい。また、本発明に係る発光パネルは、配線構造と、前記配線構造の配線部に接続されると共に、透明基部に支持される発光部とを備えることを特徴とする。【選択図】 図1
Description
本発明は、配線構造及び発光パネル並びに配線構造の製造方法に関する。
下記特許文献1,2に示されるように、透明電極基板にLED(Light Emitting Diode)やOLED(Organic Light Emitting Diode)等の発光素子を実装した透明発光体(例えば、透明発光ディスプレイ)が提供されている。また、特許文献1,2には、前記透明発光体の応用例として、この透明発光体を組み込んだ車両ウィンドウや建物の窓ガラス等(以下、「車両ウィンドウ等」)が開示されている。
ところで、車両ウィンドウ等に透明発光体を組み込む場合、電源と透明発光体とを電気的に接続して、電源からの電力を透明発光体に給電するための配線が、車両ウィンドウ等の内部や表面などに設けられる。しかしながら、透明発光体を車両ウィンドウ等の例えば中央に配置すると、車両ウィンドウ等における配線の視認域が多く(長く)なる。その結果、配線の存在が目立ち、車両ウィンドウ等の意匠性が損なわれる。
これに対して、透明発光体を車両ウィンドウ等の端部近傍に配置すれば、配線の視認域をできるだけ少なく(短く)することができる。しかしながら、この場合、車両ウィンドウ等における透明発光体の位置が制約され、透明発光体や車両ウィンドウ等の設計(デザイン)の自由度が低下する。
前記課題に鑑み、本発明は、被給電部(例えば発光部)への給電機能が適切に担保されると共に、意匠性や設計(デザイン)の自由度が損われない配線構造の提供を目的とする。また、この配線構造を備える発光パネルの提供を目的とする。
前述した課題を解決するため、本発明に係る配線構造は、
配線部と、
透明基部と、
透明基部内に延在すると共に、透明基部より高い屈折率を有する高屈折透明部と、
を備え、
配線部は、高屈折透明部内を通る
ことを特徴とする。
配線部と、
透明基部と、
透明基部内に延在すると共に、透明基部より高い屈折率を有する高屈折透明部と、
を備え、
配線部は、高屈折透明部内を通る
ことを特徴とする。
本発明のこの態様によれば、高屈折透明部に入射し、高屈折透明部と透明基部との界面で全反射した光が、高屈折透明部から出射する。そのため、配線部の影が高屈折透明部の出射側に投影されにくく、配線部の存在が目立たない。これにより、被給電部(例えば発光部)への給電機能が適切に担保されると共に、意匠性や設計(デザイン)の自由度が損われない配線構造を提供することができる。
また、本発明に係る配線構造において、
配線部が、光反射性を有することが好ましい。
配線部が、光反射性を有することが好ましい。
本発明のこの態様によれば、高屈折透明部に入射し配線部に至る光が、例えば入射側に反射する。そのため、配線部に至った光が高屈折透明部の出射側に出射されない。これにより、配線部の影が高屈折透明部の出射側に更に投影されにくく、配線部の存在が目立たない。
また、本発明に係る発光パネルは、
前記配線構造と、
前記配線構造の配線部に接続されると共に、透明基部に支持される発光部と、
を備えることを特徴とする。
前記配線構造と、
前記配線構造の配線部に接続されると共に、透明基部に支持される発光部と、
を備えることを特徴とする。
本発明のこの態様によれば、高屈折透明部に入射し、高屈折透明部と透明基部との界面で全反射した光が、高屈折透明部から出射する。そのため、配線部の影が高屈折透明部の出射側に投影されにくく、配線部の存在が目立たない。これにより、発光部への給電機能が適切に担保されると共に、意匠性や設計(デザイン)の自由度が損われない発光パネルを提供することができる。
また、本発明に係る配線構造の製造方法は、
配線部を挟んで、少なくとも2つの高屈折透明部を互いに対向するよう配置した後、前記少なくとも2つの高屈折透明部を接合する
ことを特徴とする。
配線部を挟んで、少なくとも2つの高屈折透明部を互いに対向するよう配置した後、前記少なくとも2つの高屈折透明部を接合する
ことを特徴とする。
本発明のこの態様によれば、配線部を挟んで、少なくとも2つの高屈折透明部を互いに対向するよう配置して高屈折透明部を接合するシンプルな工程により前記配線構造を製造できる。そのため、前記配線構造を簡便に製造することができる。
また、本発明に係る配線構造の製造方法において、
前記少なくとも2つの高屈折透明部を接合する際、所定の圧着手段を用いて、前記少なくとも2つの高屈折透明部を圧着することが好ましい。
前記少なくとも2つの高屈折透明部を接合する際、所定の圧着手段を用いて、前記少なくとも2つの高屈折透明部を圧着することが好ましい。
本発明のこの態様によれば、所定の圧着手段によって、少なくとも2つの高屈折透明部を接合するため、これらの高屈折透明部をより強固に接合することができる。
本発明によれば、被給電部(例えば発光部)への給電機能が適切に担保されると共に、意匠性や設計(デザイン)の自由度が損われない配線構造及びこれを備える発光パネルを提供できる。
[配線構造(発光パネル)の構成]
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る配線構造及びこれを備える発光パネルを詳細に説明する。初めに、図1から図4を参照して、本実施形態に係る発光パネル1を説明する。ここで、図1は、発光パネル1の概略斜視図、図2は、発光パネル1(配線構造20)のA-A断面図(図1に示される発光パネル1をA-A線で切断した断面図)、図3は、発光パネル1(配線構造20)に入射する光の進路を示す図、図4は、変形例に係る発光パネル1(配線構造30)の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る配線構造及びこれを備える発光パネルを詳細に説明する。初めに、図1から図4を参照して、本実施形態に係る発光パネル1を説明する。ここで、図1は、発光パネル1の概略斜視図、図2は、発光パネル1(配線構造20)のA-A断面図(図1に示される発光パネル1をA-A線で切断した断面図)、図3は、発光パネル1(配線構造20)に入射する光の進路を示す図、図4は、変形例に係る発光パネル1(配線構造30)の断面図である。
図1に示されるように、本実施形態に係る発光パネル1は、発光部10、配線構造20を備える。発光部10は、例えば、透明電極基板と、透明電極基板に実装されるLEDやOLED等の発光素子を備える。また、透明電極基板は、例えば、ガラスや透明ポリマーフィルム(例えば、PET,PC,PCT,PEN,PU,TPU,PI,又はシリコーン樹脂等のフィルム)等の基板と、この基板表面の所定箇所に形成される透明導電材(ITO,FTO,IZO,IZTO,ZnO等)を備える。ただし、発光部10の構成は、これに限られない。
次に、図1及び図2に示されるように、配線構造20は、配線部21、透明基部22、高屈折透明部23を備える。なお、本実施形態に係る配線構造20は、発光部10に給電するためのものであるが、発光部10以外の機器(例えば、車両のフロントガラスに備え付けられるETCアンテナモジュール等)に給電するためのものであってもよい。
図1に示されるように、配線部21は、一端が電源(例えば、車載バッテリ等)と電気的に接続されると共に、他端が発光部10と接続する。電源からの電力は、配線部21を介して発光部10に給電される。
配線部21の構成は、特に限定されないが、例えば、配線部21の芯部に位置する導線と、導線を被覆する保護層と、保護層の少なくとも外周面に形成される光反射層(例えば、金属薄膜等)を備えることが好ましい。これにより、高屈折透明部23に入射し配線部21に至る光が、例えば入射側に反射する。そのため、配線部21に至った光が高屈折透明部23の出射側に出射されない。
また、透明基部22は、発光部10を支持する(本実施形態の場合、発光部10を埋め込む)ための透明部材である。ところで、本実施形態に係る発光パネル1は、例えば、車両ウィンドウ、各種車両ランプ、サンルーフ、車両内に備え付けられる後方確認用ミラー、交通標識、ディスプレー等として応用され得る。そのため、例えば、発光パネル1が車両ウィンドウとして応用される場合、透明基部22は、ウィンドウガラス部に相当する。また、発光パネル1が各種車両ランプとして応用される場合、透明基部22は、ランプ外装のカバー部に相当する。
また、図2に示されるように、高屈折透明部23は、透明基部22内に延在する。更に、前述の配線部21は、高屈折透明部23内を通る。本実施形態の高屈折透明部23は、配線部21の上下及び前後を囲むように設けられる。
更に、高屈折透明部23の屈折率は、透明基部22の屈折率より高い。そのため、図3に示されるように、所定の臨界角より大きい入射角で高屈折透明部23に入射した光Lは、高屈折透明部23と透明基部22との界面で全反射する。また、全反射した光Lは、高屈折透明部23の出射側から出射する。
これにより、配線部21の影が高屈折透明部23の出射側に投影されにくく、配線部21の存在が目立たない。従って、本実施形態によれば、発光部10への給電機能が適切に担保されると共に、意匠性や設計(デザイン)の自由度が損われない発光パネル1(配線構造20)を提供することができる。
ここで、高屈折透明部23と透明基部22の素材は、高屈折透明部の屈折率が透明基部22の屈折率より高いという条件を満たせば、特に限定されない。例えば、高屈折透明部23と透明基部22として、ポリテトラフルオロエチレン,ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系ポリマー,ポリカーボネイト,ポリエチレンテレフタレート,ポリスチレン,シリコーン樹脂,エポキシ樹脂,ガラス等が挙げられ、これらのうち、屈折率の高いものが高屈折透明部23として使用される。ただし、これ以外のものが使用されてもよい。
なお、図1から図3に示される配線構造20の高屈折透明部23は、プレート状の部材であるが、高屈折透明部の形態はこれに限られない。例えば、図4に示される高屈折透明部33(本実施形態の変形例)のように、断面視において、上面331の略中央に上に凸の部分が形成され、底面332の略中央に下に凸の部分が形成されるような形態であってもよい。また、それ以外の形態であってもよい。
[配線構造の製造方法]
次に、図5から図7を参照して、本実施形態に係る配線構造20(発光パネル1)の製造方法を説明する。ここで、図5及び図6は、配線構造20の製造方法の工程を説明するための図である。また、図7は、配線構造20において、配線部21を挟む第1の高屈折透明部231と第2の高屈折透明部232との接合方法の例を示す。
次に、図5から図7を参照して、本実施形態に係る配線構造20(発光パネル1)の製造方法を説明する。ここで、図5及び図6は、配線構造20の製造方法の工程を説明するための図である。また、図7は、配線構造20において、配線部21を挟む第1の高屈折透明部231と第2の高屈折透明部232との接合方法の例を示す。
まず、図5(a)に示されるように、発光部10に配線構造20の配線部21を接続する。続いて、図5(b)に示されるように、少なくとも2つの高屈折透明部23(第1の高屈折透明部231と第2の高屈折透明部232)を配線部21の上下に配置する。その後、図5(c)に示されるように、第1の高屈折透明部231と第2の高屈折透明部232で配線部21を挟む(接合する)。
次に、図6(a)に示されるように、少なくとも2つの透明基部22(第1の透明基部221と第2の透明基部222)を準備する。その後、図6(b)に示されるように、発光部10と、配線部21を挟んだ高屈折透明部23を透明基部22の所定位置に配置する(図示される例では、発光部10と高屈折透明部23を第2の透明基部222の上方側の所定位置に配置する)。最後に、図6(c)に示されるように、第1の透明基部221と第2の透明基部222とを接合し、発光部10と高屈折透明部23を透明基部22内に収容する。この方法によれば、配線構造20及び発光パネル1を簡便に製造することができる。
また、図7に示されるように、配線部21を挟んだ状態で、第1の高屈折透明部231と第2の高屈折透明部232とを接合するにあたり、ローラー41,42(圧着手段)を用いて、第1の高屈折透明部231と第2の高屈折透明部232を圧着してもよい。これにより、第1の高屈折透明部231と第2の高屈折透明部232とをより強固に接合することができる。
以上説明した配線構造20において、具体的な実施の例を以下に示す。ただし、本発明は、下記の実施例により限定及び制限されるものではない。
図8に示されるように、疑似自然光を再現するための複数の光源51を、配線構造20の入射側の所定位置に上下に並べる(5つの光源51を5mm間隔で並べた)と共に、配線構造20の出射側にスクリーンを配置し、配線構造20を光源51で照射した場合のスクリーン投影像のシミュレーション試験の結果を示す。
ここで、本シミュレーション試験において、高屈折透明部23の厚み23Tを変化させている。より詳しくは、高屈折透明部23の厚み23Tが9mmのサンプルが実施例1に対応し、高屈折透明部23の厚み23Tが7mmのサンプルが実施例2に対応し、高屈折透明部23の厚み23Tが5mmのサンプルが実施例3に対応し、高屈折透明部23の厚み23Tが3mmのサンプルが実施例4に対応する。
ところで、従来の配線構造(高屈折透明部23を備えない配線構造)に対しても、同様のシミュレーション試験を行った結果、図9に示されるように、光源51の像511内に配線部21に対応する矩形の像(影)21Pが明瞭にスクリーンに投影された。
これに対して、図10に示されるように、実施例1から実施例4に関するいずれの試験結果においても、配線部21に対応する矩形の像は、投影されなかった。特に、実施例1(高屈折透明部23の厚み23Tが9mmのサンプル)に関し、配線部21の対応箇所211に、配線部21の矩形の像だけでなく、光源51の像511を分断するような切れ目様の像も生じなかった。
一方、実施例2から実施例4(実施例1に比べて薄い高屈折透明部23を有するサンプル)に関し、配線部21の対応箇所211に光源51の像511を上下に分断する切れ目様の像が生じた。このことから、高屈折透明部23の厚み23Tを例えば9mm以上に調整することで、配線部21を目立ちにくくできることが示唆された。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明した。ただし、前述の説明は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定する趣旨で記載されたものではない。本発明には、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るものを含み得る。また、本発明にはその等価物が含まれる。
1… 発光パネル
10… 発光部
20,30… 配線構造
21,31… 配線部
22,32… 透明基部
23,33… 高屈折透明部
10… 発光部
20,30… 配線構造
21,31… 配線部
22,32… 透明基部
23,33… 高屈折透明部
Claims (5)
- 配線部と、
透明基部と、
透明基部内に延在すると共に、透明基部より高い屈折率を有する高屈折透明部と、
を備え、
配線部は、高屈折透明部内を通る
ことを特徴とする配線構造。 - 配線部が、光反射性を有する
請求項1に記載の配線構造。 - 請求項1又は2に記載の配線構造と、
前記配線構造の配線部に接続されると共に、透明基部に支持される発光部と、
を備える発光パネル。 - 請求項1又は2に記載の配線構造の製造方法であって、
配線部を挟んで、少なくとも2つの高屈折透明部を互いに対向するよう配置した後、前記少なくとも2つの高屈折透明部を接合する
ことを特徴とする配線構造の製造方法。 - 前記少なくとも2つの高屈折透明部を接合する際、所定の圧着手段を用いて、前記少なくとも2つの高屈折透明部を圧着する
請求項4に記載の配線構造の製造方法。
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JP2021084875A JP2022178239A (ja) | 2021-05-19 | 2021-05-19 | 配線構造及び発光パネル並びに配線構造の製造方法 |
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