JP2022175438A - 施術器、当該施術器を備えたロボット、ロボットの操作方法、医療用ロボット、医療システム、エンドエフェクタ、医療用ツール、鉗子、鑷子、把持・凝固方法、把持・切断方法、及び携帯用手術器 - Google Patents

施術器、当該施術器を備えたロボット、ロボットの操作方法、医療用ロボット、医療システム、エンドエフェクタ、医療用ツール、鉗子、鑷子、把持・凝固方法、把持・切断方法、及び携帯用手術器 Download PDF

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Abstract

【課題】液体、水溜まりあるいは、血溜まりなどの中で電磁波を照射しても、電磁波を対象部位に漏らさず確実に作用させることができる施術器、当該施術器を備えたロボット、ロボットの操作方法、医療用ロボット、医療システム、エンドエフェクタ、医療用ツール、鉗子、鑷子、把持・凝固方法、把持・切断方法、及び携帯用手術器を提供すること。【解決手段】血管Bに当接させる上顎部14と、上顎部14に対して、開閉可能に組付けられ、血管Bに当接させる下顎部116と、上顎部14に対して下顎部116を回動させるトリガハンドル13とを有する鉗子1において、上顎部14及び下顎部116における血管Bに当接する当接箇所の各々に、高周波(マイクロ波)を照射するための照射用電極24を設けるとともに、照射用電極24同士が対向する状態において、照射用電極24の両側方に、他方に向かって突出するとともに、柔軟性を有する樹脂凸部50を設けた。【選択図】図1

Description

本発明は、対象部位に当接して把持する施術器に関し、特に把持、切開、剥離、凝固(止血)、切断手術操作が可能な当該施術器を備えたロボット、ロボットの操作方法、医療用ロボット、医療システム、エンドエフェクタ、医療用ツール、鉗子、鑷子、把持・凝固方法、把持・切断方法、及び携帯用手術器に関する。
例えば、摘出手術における基本的操作は、剥離に続き、把持、凝固(止血)、切断操作の繰り返しである。そして、特許文献1に記載の鉗子のように、生体組織(対象部位)を把持した状態や切断する際に、生体組織(対象部位)に当接する当接箇所や切断刃に設けた電極から対象部位に対して高周波の電磁波を照射して凝固したり、切断したりする。
特開2017-060846号公報
しかしながら、例えば、手術中における止血操作は、電極から電磁波(マイクロ波などの高周波)を照射して血液を凝固させるものの、液体、水溜まりあるいは、血溜まりなどの中では止血力が弱まる。
これは、液体や血液など誘電率が高い物質と接触した状態で電磁波を照射すると電磁波が液体や血液に吸収されて減衰し、出血部の止血効果が低下することとなる。
そこで、本発明は、液体、水溜まりあるいは、血溜まりなどの中で電磁波を照射しても、電磁波を対象部位に漏らさず確実に作用させることができる施術器、当該施術器を備えたロボット、ロボットの操作方法、医療用ロボット、医療システム、エンドエフェクタ、医療用ツール、鉗子、鑷子、把持・凝固方法、把持・切断方法、及び携帯用手術器を提供することを課題としている。
この発明は、対象部位に当接させる第1当接部と、該第1当接部に対して、開閉可能に組付けられ、前記対象部位に当接させる第2当接部と、前記第1当接部に対して前記第2当接部を回動させる当接部回動手段とを有する施術器であって、前記第1当接部及び前記第2当接部における前記対象部位に当接する当接箇所の各々に、電磁波を照射するための電極が設けられるとともに、前記電極同士が対向する状態において、前記電極の両側方に、他方の当接部に向かって突出する突出部が設けられたことを特徴とする。
この発明により、液体、水溜まりあるいは、血溜まりなどの中で電磁波を照射しても、電磁波を対象部位に漏らさず確実に作用させることができる。
詳述すると、前記第1当接部及び前記第2当接部における前記対象部位に当接する当接箇所の各々に設けられた電極の両側方に、他方の当接部に向かって突出する突出部が設けられているため、当接部を対象部位に当接させて把持した状態において、電磁波を照射するための電極が両側方の突出部によって、液体、水溜まりあるいは、血溜まりなどの中において遮蔽される。つまり、電極が液体、水溜まりあるいは、血溜まりなどの中で露出することを防止でき、確実に対象部位に対して減衰されることなく電磁波を照射することができる。
なお、突出部は、第1当接部と第2当接部の両方において、電極の側方に一対の突出部を設けてもよいし、第1当接部と第2当接部の一方において、電極の側方に一対の突出部を設けてもよいし、さらに、第1当接部と第2当接部の一方において、電極の側方の一方に突出部を設け、他方の当接部における電極の側方の他方に突出部を設けて、対向状態において前記電極の両側方に設けられる構成であってもよい。
また、突出部は、当接部が当接する対象部位に対して突出部が密着し、電極の両側方に配置された突出部によって遮蔽できれば、剛性を有する剛性素材で構成されてもよいし、柔軟性を有する柔軟性素材で構成されてもよいし、剛性素材と柔軟性素材とが組み合わされて構成されてもよい。
この発明の態様として、前記突出部は、柔軟性を有する柔軟性樹脂で構成されてもよい。
この発明により、突出部は、柔軟性を有するため、当接部が当接する対象部位に対して突出部がより密着し、電極の両側方に配置された突出部によって遮蔽性を向上することができる。また、変形性及び耐久性の高い突出部を形成することができる。
またこの発明の態様として、前記電極は、前記第1当接部及び前記第2当接部の長手方向に沿って設けられ、前記突出部は、前記長手方向に沿って設けられてもよい。
この発明により、前記長手方向に沿って設けられた突出部によって、長手方向に沿って形成された電極に対する遮蔽性をより高めて、電極から照射する電磁波を確実に作用させることができる。
またこの発明の態様として、前記突出部は、前記第1当接部において前記第2当接部と対向する箇所に設けられ、前記第2当接部は、閉状態において、前記突出部同士の間に進入してもよい。
この発明により、対象部位とともに第2当接部が前記突出部同士の間に進入するため、突出部による電極の遮蔽性はより向上し、対象部位に対して電磁波をより確実に照射することができる。
またこの発明の態様として、前記第2当接部は、前記第1当接部に対向する先端に前記電極を配置されるとともに、前記先端に向かって幅が先細り形状であってもよい。
この発明により、対象部位とともに第2当接部を前記突出部同士の間に進入しやすくなる。
またこの発明の態様として、先細り形状である前記第2当接部の基端側の角度が、前記突出部同士の間隔より広角であってもよい。
この発明により、対象部位とともに前記突出部同士の間に第2当接部を割り込ませて進入させると、第2当接部が突出部と噛み込み、突出部は幅方向外側に変形し、突出部による電極の遮蔽性をさらに向上し、対象部位に対して電磁波をさらに確実に照射することができる。
またこの発明の態様として、前記突出部は、前記第1当接部及び前記第2当接部における他方の当接部と対向する箇所において幅方向の両側に設けられてもよい。
またこの発明の態様として、前記第1当接部に設けられた一対の前記突出部と、
前記第2当接部に設けられた一対の前記突出部とが対向してもよい。
またこの発明の態様として、前記第1当接部に設けられた前記突出部と、前記第2当接部に設けられた前記突出部とのうち一方が他方の幅方向における外側に配置されてもよい。
これらの発明により、第1当接部と第2当接部の他方の当接部と対向する箇所における幅方向の両側に設けられた突出部同士に略囲まれた空間内で対象部位に対して電極から電磁波を照射することができる。
なお、上述の前記第1当接部に設けられた前記突出部と、前記第2当接部に設けられた前記突出部とのうち一方が他方の幅方向における外側に配置されるとは、前記第1当接部と前記第2当接部に設けられた一対の前記突出部の一方の内側に他方の一対の突出部が配置されてもよいし、前記第1当接部と前記第2当接部に設けられた前記突出部の一方と他方とが幅方向に交互に並ぶように配置されてもよい。
またこの発明の態様として、前記電極は、中心電極と、絶縁体を介して該中心電極を囲繞する外側電極とが備えられた同軸電極であり、前記電磁波を照射する照射装置と前記電極とを接続する同軸ケーブルを複数に並列分岐させるとともに、前記同軸ケーブルの中心導体と外部導体に前記同軸電極のそれぞれが電気的に接続されてもよい。
この発明により、同軸電極から電磁波を照射して対象部位に作用させることができる。
またこの発明の態様として、前記同軸電極は、前記同軸ケーブルに対して逆極性に接続されてもよい。
この発明により、第1当接部と第2当接部のいずれ一方の同軸電極の中心導体から他方の同時電極の外側電極との間で電磁波を照射して対象部位に作用させることができる。
またこの発明の態様として、前記第1当接部及び前記第2当接部の少なくとも一方は、前記他方と協働して前記対象部位を切断する切断刃で構成されてもよい。
この発明により、他方の当接部と切断刃で対象部位を切断することができる
またこの発明の態様として、前記切断刃に前記電極及び前記突出部が設けられてもよい。
この発明により、切断刃と他方の当接部との間で、突出部によって遮蔽された電極から電磁波を照射して、例えば血液を凝固してから血管を切断刃で切断するなど、対象部位に対する電磁波の照射と、対象部位の切断とを行うことができる
またこの発明の態様として、前記第1当接部及び前記第2当接部の少なくとも一方と協働して前記対象部位を切断する切断刃と、前記第1当接部及び前記第2当接部の少なくとも一方に対して前記切断刃を回動させる切断刃回動手段とが設けられてもよい。
この発明により、例えば、第1当接部と第2当接部とで対象部位を把持した状態で切断刃により対象部位を切断することができる。
またこの発明の態様として、前記切断刃に前記電極及び前記突出部が設けられてもよい。
この発明により、第1当接部と第2当接部とで対象部位を把持した状態で、切断刃と当接部との間で、突出部によって遮蔽された電極から電磁波を照射して、例えば血液を凝固してから血管を切断刃で切断するなど、対象部位に対する電磁波の照射と、対象部位の切断とを行うことができる
またこの発明は、上述の施術器と、前記当接部回動手段を駆動する駆動ユニットと、該駆動ユニットに駆動信号を印加するように接続された医療用ロボットとを有する医療システムである。
またこの発明は、上述の施術器に有線及び/又は無線で接続された入出力ユニットと、リアルタイムに操作信号を受信する入力ユニットと、前記操作信号に基づき予め定められた操作プログラムを実行する演算ユニットと、該演算ユニットからの出力に基づき前記当接部回動手段によって前記第1当接部と前記第2当接部により前記対象部位を把持する把持駆動信号を発生する出力ユニットとを備えたロボット、あるいは上述の施術器に有線及び/又は無線で接続された入出力ユニットと、リアルタイムに操作信号を受信する入力ユニットと、前記操作信号に基づき予め定められた操作プログラムを実行する演算ユニットと、該演算ユニットからの出力に基づき前記当接部回動手段によって前記第1当接部と前記第2当接部により前記対象部位を把持する把持駆動信号及び/又は前記切断刃回動手段の長手方向の移動によって前記切断刃で前記対象部位を切断する切断駆動信号を発生する出力ユニットとを備えたロボットである。
またこの発明は、上述のロボットを備え、前記出力ユニットは、前記施術器を機械的に駆動する外部に設けられた駆動ユニットに駆動信号を提供する医療用ロボットである。
またこの発明は、上述のロボットを備え、前記出力ユニットは、前記施術器を機械的に駆動する外部に設けられた駆動ユニットに駆動信号を提供し、前記駆動ユニットに駆動信号を印加することによって、対象部位を把持した状態で、前記対象部位を、凝固するように構成された医療システム、あるいは、上述のロボットを備え、前記出力ユニットは、前記施術器を機械的に駆動する外部に設けられた駆動ユニットに駆動信号を提供し、前記駆動ユニットに駆動信号を印加することによって、対象部位を把持した状態で、前記対象部位を、凝固及び切断するように構成された医療システムである。
またこの発明は、上述の施術器と、前記施術器における少なくとも前記第2当接部をロボットアームの先端に取付ける取付部と、ロボットアーム側において前記当接部回動手段を駆動する駆動機構と接続する当接部側接続部とが備えられたエンドエフェクタ、あるいは、上述の施術器と、前記施術器における少なくとも前記第2当接部をロボットアームの先端に取付ける取付部と、ロボットアーム側において前記当接部回動手段を駆動する駆動機構と接続する当接部側接続部と、ロボットアーム側において前記切断刃回動手段を駆動する駆動機構と接続する切断刃側接続部とが備えられたエンドエフェクタである。
またこの発明は、上述のエンドエフェクタと、該エンドエフェクタを駆動する駆動ユニットとが備えられ、前記駆動ユニットは、前記第1当接部と前記第2当接部とを駆動することにより、把持機能、凝固機能、及び開排機能のうち少なくともひとつを選択的に提供する医療用ツール、あるいは上述のエンドエフェクタと、該エンドエフェクタを駆動する駆動ユニットとが備えられ、前記駆動ユニットは、前記第1当接部と前記第2当接部と前記切断刃を組み合わせ駆動することにより、穿孔機能、把持機能、凝固機能、切断機能、及び開排機能のうち少なくともひとつを選択的に提供する医療用ツールである。
またこの発明は、上述の施術器を備え、前記対象部位は生体組織であるとともに、前記当接部回動手段を駆動操作する把持操作部が備えられ、前記把持操作部を操作して前記生体組織を前記第1当接部と前記第2当接部とで把持し、前記電極から電磁波を照射して生体組織の少なくとも一部を凝固させる鉗子又は鑷子、あるいは、上述の施術器を備え、前記対象部位は生体組織であるとともに、前記当接部回動手段を駆動操作する把持操作部と、前記切断刃回動手段を駆動操作する切断操作部とが備えられ、前記把持操作部を操作して前記生体組織を前記第1当接部と前記第2当接部とで把持し、前記電極から電磁波を照射して生体組織の少なくとも一部を凝固させ、前記切断操作部を操作して前記生体組織を切断刃で切断する鉗子又は鑷子である。
またこの発明は、上述の鉗子又は上述の鑷子を用い、前記当接部回動手段を操作して前記第2当接部を前記第1当接部に向かって回動し、前記第1当接部と前記第2当接部とで前記対象部位を把持する工程と、前記電極から電磁波を照射して生体組織の少なくとも一部を凝固させる工程とを行う把持・凝固方法、あるいは、上述の鉗子又は上述の鑷子を用い、前記当接部回動手段を操作して前記第2当接部を前記第1当接部に向かって回動し、前記第1当接部と前記第2当接部とで前記対象部位を把持する工程と、前記電極から電磁波を照射して生体組織の少なくとも一部を凝固させる工程と、前記切断刃回動手段を操作して前記第1当接部に併設された前記切断刃を前記第1当接部に沿って移動させ、前記第2当接部と接合することにより前記把持及び凝固された対象部位を切断する工程を有する把持・切断方法である。
またこの発明は、上述の施術器が備えられ、前記当接部回動手段を駆動する把持側駆動部と、前記切断刃回動手段を駆動する切断側駆動部とが備えられ、前記把持側駆動部によって駆動する前記当接部回動手段により前記第1当接部を回動させて切断対象となる生体組織を把持した状態において、前記切断側駆動部によって駆動する前記切断刃回動手段により前記切断刃を回動させ、前記第1当接部又は前記第2当接部と接合することにより前記生体組織を切断する携帯用手術器である。
またこの発明は、上述の施術器を備えたロボットに対し、有線及び/又は無線で接続された入出力ユニットがリアルタイムに操作信号を受信し、演算ユニットが、受信した前記操作信号に基づき予め定められた操作プログラムを実行すると、該演算ユニットからの出力に基づき前記当接部回動手段によって前記第1当接部と前記第2当接部により前記対象部位を把持するロボットの操作方法である。
またこの発明は、上述の施術器を備えたロボットに対し、有線及び/又は無線で接続された入出力ユニットがリアルタイムに操作信号を受信し、演算ユニットが、受信した前記操作信号に基づき予め定められた操作プログラムを実行すると、該演算ユニットからの出力に基づき前記当接部回動手段によって前記第1当接部と前記第2当接部により前記対象部位を把持する及び/又は前記切断刃回動手段の長手方向の移動によって前記対象部位を切断するロボットの操作方法である。
これらの発明により、液体、水溜まりあるいは、血溜まりなどの中で電磁波を照射しても、電磁波を漏らさず対象部位に集中的且つ確実に作用させることができる。
この発明によれば、液体、水溜まりあるいは、血溜まりなどの中で電磁波を照射しても、電磁波を対象部位に漏らさず確実に作用させることができる施術器、当該施術器を備えたロボット、ロボットの操作方法、医療用ロボット、医療システム、エンドエフェクタ、医療用ツール、鉗子、鑷子、把持・凝固方法、把持・切断方法、及び携帯用手術器を提供することができる。
第1実施例の開状態の鉗子の正面図。 図1の鉗子の概略説明図。図2(a)は図1におけるA-A矢視の側断面図、図2(b)は鉗子の部分縦断面図、図2(c)は図2(b)におけるB-B矢視の電極部の拡大図。 図1の鉗子の把持状態の説明図。図3(a)は鉗子における把持機構を閉じた把持状態の正面図、図3(b)は開状態の図1におけるA-A矢視の側断面図、図3(c)は把持状態の図1におけるA-A矢視の側断面図。 第2実施例の開状態の鉗子の説明図。図4(a)は鉗子の正面図、図4(b)は鉗子における切断機構の部分平面図、図4(c)は図4(b)の切断機構の部分正面図。 図4の鉗子の概略説明図。図5(a)は図4におけるC-C矢視の側断面図、図5(b)は鉗子の部分縦断面図、図5(c)は図5(b)におけるD-D矢視の電極部の拡大図。 図4の鉗子における把持機構を閉じた把持状態の正面図。 図4の鉗子における切断機構の切断カッタを閉じた切断状態の正面図。 鉗子における切断機構の把持状態及び切断状態の説明図。図8(a)は把持機構で把持する前の図4におけるC-C矢視の側断面図、図8(b)は把持機構で対象部位を把持した状態の図6におけるE-E矢視の側断面図、図8(c)は切断カッタで対象部位を切断した状態の図7におけるF-F矢視の側断面図。 第3実施例の鑷子の概略図。 第3実施例の鑷子における把持機構の概略説明図。 第3実施例の鑷子における把持機構の概略説明図。 第4実施例のエンドエフェクタの概略正面図。 図12のエンドエフェクタの概略説明図。図13(a)は図12におけるH-H矢視の側断面図、図13(b)はエンドエフェクタの部分縦断面図、図13(c)は図12におけるI-I矢視の拡大平面図。 第5実施例のエンドエフェクタの概略正面図。 図14のエンドエフェクタの概略説明図。図15(a)は図14におけるJ-J矢視の側断面図、図15(b)はエンドエフェクタの部分縦断面図、図15(c)は図14におけるK-K矢視の拡大平面図。 他の実施例における医療機器の概略説明図。 他の実施例における遠隔手術システムの概略図。 遠隔手術システムにおける手術装置の概略説明図。 遠隔手術システムに関する説明図。 他の実施例における鉗子の機能構成概略図。
以下、図面を参照しつつ、本発明における実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品及び構成要素には同一の符号を付す。本実施形態は、たとえば、以下のような開示を含む。
以下の実施例は、本発明の施術具の一例として医療機器に利用した記載とし、以下、前記鉗子としての実施例を記載するが、本発明は医療機器に限定されない施術具を提供する。
例えば、図1は第1実施例の開状態の鉗子1の正面図である。
図2は図1の鉗子1の概略説明図を示している。図2(a)は図1におけるA-A矢視の側断面図を示し、図2(b)は鉗子1の部分縦断面図を示し、図2(c)は図2(b)におけるB-B矢視の電極部の拡大図を示している。
図3は図1の鉗子1の把持状態の説明図を示している。図3(a)は鉗子1における把持機構17を閉じた把持状態の正面図を示し、図3(b)は開状態の図1におけるA-A矢視の側断面図を示し、図3(c)は把持状態の図1におけるA-A矢視の側断面図を示している。
なお、鉗子1における基準フレーム112の長手方向を長手方向Lとし、長手方向Lにおいて、本体フレーム11に対して把持機構17が配置された側を先端側F、把持機構17に対して本体フレーム11が配置された側を基端側Rとしている。さらに、図1において長手方向Lに直交する方向を高さ方向Hとし、高さ方向Hにおける上側を上方Hu、下側を下方Hdとしている。図2(b),(c)において長手方向L及び高さ方向Hに直交する方向を幅方向Wとしている。
図1~図3において、鉗子1は、本体フレーム11と、スライドフレーム12、トリガハンドル13、及び上顎部14を備えている。
本体フレーム11は、鈍角状に交差する二辺で概略構成され、二辺のうち一方をトリガハンドル13とともに操作部として機能する固定ハンドルフレーム111とし、他方を基準フレーム112としている。なお、このように構成された本体フレーム11は、ステンレスなどの金属で構成されている。
固定ハンドルフレーム111の端部には、鉗子1を操作する利用者の指を挿入する指輪部113を備えている。
また、固定ハンドルフレーム111と基準フレーム112とが鈍角状に交差する部分を角部114とし、基準フレーム112における基部(上述の角部114の近傍)には、後述するトリガハンドル13を軸支する支持軸115を備えている。
さらに、基準フレーム112の先端側Fの端部には、トリガハンドル13と協働して、施術対象となる血管Bなどの対象部位を把持する把持機構17を構成する下顎部116を設けている。なお、下顎部116はジョーともいう。
下顎部116は、ステンレスなどの金属で構成された基準フレーム112の先端に配置され、柔軟性を有する樹脂製であり、図2(b)に示すように、基準フレーム112より、高さ方向Hの厚みが薄く形成されている。
また、下顎部116の上方向Huの面(上顎部14と対向する側の面)には、樹脂凸部50と後述する照射用電極24bとが設けられている。
照射用電極24bの構造については後述するが、バネ16の上面の幅方向Wの中央に配置された照射用電極24bの幅方向Wの両側に樹脂凸部50が設けられている。
樹脂凸部50は、幅方向Wの外側が上方向Huに向かって延びるとともに、幅方向Wの内側の脚(内側面51)が傾斜し、上方向Huに向かって、つまり対向する上顎部14に向かって突出する、断面台形状で形成されている。
樹脂凸部50は、下顎部116と同様に、柔軟性を有する樹脂製であり、下顎部116と一体で構成されてもよいし、別体で構成されて固定してもよい。
また、内側面51には、照射用電極24dが設けられている。
なお、照射用電極24b,24d及び樹脂凸部50は長手方向Lに所定長さで形成されている。
基準フレーム112の先端側Fには、上顎部14を軸支する先端支持軸117を設けている。
さらに、基準フレーム112における長手方向Lの中間部分の上面には、スライドフレーム12の底面に向かって突出するクリック凸部118を設けている。
クリック凸部118は、スライドフレーム12の底面に向かって突出する正面視三角形状であるが、基端側Rの傾斜面が先端側Fの傾斜面より傾斜角度が急勾配である正面視略直角三角形状で形成している。また、スライドフレーム12の底面に向かって突出する正面視三角形状であるクリック凸部118は、所定の力で下方に撓むように支持されている。
スライドフレーム12は、本体フレーム11における基準フレーム112に沿って長手方向Lにスライド可能に設けられ、本体フレーム11と同素材で角柱状に構成されている。
スライドフレーム12の基端側R(図1の左側)には、トリガハンドル13の先端部を軸支する上支持軸121を設けている。
また、スライドフレーム12の先端側(図1の左側)には、上顎部14を軸支する先端上支持軸122を設けている。
さらに、スライドフレーム12における長手方向Lの中間部分の底面には、基準フレーム112の上面に向かって突出するクリック凸部123を設けている。
クリック凸部123は、基準フレーム112の上面に向かって突出する正面視三角形状であるが、クリック凸部118と長手方向Lに対向する先端側Fの傾斜面が基端側Rの傾斜面より傾斜角度が急勾配である正面視略直角三角形状で形成している。また、基準フレーム112の上面に向かって突出する正面視三角形状であるクリック凸部123は、所定の力で上方に撓むように支持されている。
クリック凸部123は三角形状に限らず、利用者にクリック音、振動を通知する機能を提供する多角形状、半円形状など、他の形状であっても良い。
なお、クリック凸部118とクリック凸部123とは、初期状態(開状態)の鉗子1において、基準フレーム112やスライドフレーム12の長手方向Lにわずかに離間して配置されている。
トリガハンドル13は、基準フレーム112に沿ってスライドフレーム12をスライドさせるための操作部であり、下端に利用者の指を挿入する指輪部131を備えている。
また、トリガハンドル13の上端近傍には、本体フレーム11の支持軸115に枢動可能に軸支される枢軸部132を備え、枢軸部132のさらに上方にスライドフレーム12の上支持軸121に枢動可能に軸支される上枢軸部133を備えている。
固定ハンドルフレーム111とトリガハンドル13の間には、スライドフレーム12及びトリガハンドル13の自動復帰のための圧縮コイルバネ13aが設けられている。なお、圧縮コイルバネ13aは、仕様によって省いてもよい。
上顎部14は、スライドフレーム12の先端側Fの端部に設けられ、本体フレーム11の下顎部116とともに把持機構17を構成する。なお、上顎部14はジョーともいう。
上顎部14の基端部(図1における左側)には、本体フレーム11の先端支持軸117に軸支される被軸部141と、被軸部141の上方においてスライドフレーム12の先端上支持軸122に軸支される回動軸受部142を備えている。
上顎部14は、図2(a)、図3(b)及び図3(c)に示すように、上方向Huに配置され、断面略正方形状の上顎本体部分14uと、下方向Hdに向かって先細りとなる断面等脚台形状の上顎台形部分14dとで構成されている。
なお、上顎台形部分14dの脚(傾斜側面)の傾斜角度(高さ方向Hに対する傾斜角度)は、樹脂凸部50の内側面51の傾斜角度より大きく(広角を)形成している。
上顎本体部分14uは樹脂凸部50の先端同士の間隔より広い幅方向Wの長さで形成している。
上顎本体部分14uの下方向Hdの端面である底面部分には照射用電極24aが配置され、上顎台形部分14dの側面にも照射用電極24cが配置されている。
また、上顎部14の先端側Fには、下顎部116に向かって突出する先端突部144を備えている。先端突部144は、図3に示す把持状態において、下顎部116の先端側Fに被さり、上顎部14と下顎部116との境界を先端側Fから塞ぐように構成している。なお、先端突部144は設けない構成であってもよい。
このように構成された鉗子1において、本体フレーム11の先端側Fの端部に設けた下顎部116と、本体フレーム11に対して先端支持軸117で基部が軸支された上顎部14とで、対象部位を把持する把持機構17を構成している。
なお、鉗子1には、照射用電極24(24a,24b,24c,24d)が設けられるとともに、高周波(マイクロ波)を発振する高周波(マイクロ波)発信器30と照射用電極24とを接続する同軸ケーブル40が接続されている。
具体的には、上述したように、上顎部14における上顎台形部分14dの底面に照射用電極24a、上顎台形部分14dの側面に照射用電極24c、下顎部116の上面に照射用電極24b、樹脂凸部50の内側面51に照射用電極24dが設けられ、同軸ケーブル40が接続されている。
そして、上顎部14における上顎台形部分14dの底面に設けられた照射用電極24aは他方に向かって突出する凸状電極で構成され、及び下顎部116の上面に設けられた照射用電極24bは照射用電極24aの凸状に対応する凹状となる凹状電極で構成されている。また、上顎台形部分14dの側面に設けられた照射用電極24c、及び樹脂凸部50の内側面51に設けられた照射用電極24dは板状の電極で構成されている。
なお、照射用電極24(24a,24b,24c,24d)は、長手方向Lに所定の長さで形成されている。また、図示省略されるが、上顎部14、及び下顎部116に配置される照射用電極24(24a,24b,24c,24d)は、上顎部14、及び下顎部116との間に絶縁層が配置され、上顎部14、及び下顎部116と絶縁されている。
同軸ケーブル40は、図2(b)の拡大断面図に示すように、中央導体41、中央導体41を挟んで、絶縁体42、外側導体43及び絶縁被覆44で構成され、中心から径外側に向かってこの順で配置されている。
中央導体41は、同軸ケーブル40の中心に配置された線状の導体であり、適宜の径の単一導体であってもよいし、複数の芯線で構成してもよい。
絶縁体42は、中央導体41の外側を囲繞し、中央導体41と43とを絶縁する樹脂製であり、所定の肉厚を有する円筒状である。
外側導体43は、絶縁体42の外周面に沿って設けられた編組線で構成している。
絶縁被覆44は、絶縁性を有する被覆であり、外側導体43の外側を囲繞している。
このように、中心側から中央導体41、絶縁体42、外側導体43及び絶縁被覆44がこの順で配置された同軸ケーブル40は適宜の可撓性を有している。
図2に示すとおり照射用電極24a,24bは同軸ケーブル40の中央導体41に接続され、照射用電極24c,24dは外側導体43に接続され、照射用電極24a,24bから電磁波(高周波(マイクロ波))が照射用電極24b,24dに照射されるよう構成されている。また、電極構造は、図15のように同軸構造にしても良く、接続の極性を異極接続構造としてもよい。
詳しくは、上顎部14の照射用電極24a,24cの第1電極部、及び下顎部116に設けた照射用電極24b,24dの第2電極部は、一方が同軸ケーブル40の中央導体41と接続され、他方が外側導体43と接続されることとなる。
このように、照射用電極24が設けられた鉗子1は、照射用電極24a,24cの第1電極部と照射用電極24b,24dの第2電極部の一方から他方に向かって高周波(マイクロ波)を照射することができる。これにより、下顎部116と上顎部14で構成する把持機構17で把持した対象部位に対して高周波(マイクロ波)を照射させて凝固させることができる。
また、必要により、照射用電極24aを照射用電極24d、照射用電極24cを照射用電極24bに電気的に接続して、上顎部14とバネ16の間で高周波(マイクロ波)を照射して生体組織を凝固させる構成としてもよい。
各要素が上述のように構成された鉗子1の動作について以下で説明する。
本体フレーム11の指輪部113とトリガハンドル13の指輪部131に指を挿入した利用者によって、支持軸115に軸支された枢軸部132を回動中心として、トリガハンドル13を固定ハンドルフレーム111に近づける方向(図1においてトリガハンドル13の下方が左側に移動する方向)に回動させる。
枢軸部132を中心としてトリガハンドル13が固定ハンドルフレーム111に近づく方向に回動すると、枢軸部132より上方に突出する上枢軸部133は、先端側(図1において右側)に向かって移動する。上枢軸部133が先端側Fに移動すると、上枢軸部133を上支持軸121で軸支するスライドフレーム12は、基準フレーム112に沿って先端側Fにスライド移動する。
スライドフレーム12が先端側Fに移動すると、上顎部14の回動軸受部142を軸支する先端上支持軸122も先端側Fに移動することとなる。そして、下方の被軸部141が本体フレーム11の先端支持軸117に軸支され、その上方の回動軸受部142が先端上支持軸122に軸支された上顎部14は、先端上支持軸122が先端側Fに移動するため、先端支持軸117を中心として、先端側Fが下顎部116に近づく方向に枢動することとなる(図3参照)。
これにより、図3(b)に示すような初期状態(開状態)において上顎部14と下顎部116の間に生体組織における対象部位である血管Bを配置し、図3(c)に示すように、樹脂凸部50同士の間に上顎部14の上顎台形部分14dが挿入するように閉じて血管Bを挟み込むことで、下顎部116と上顎部14とで構成する把持機構17で血管Bを把持することができる。
このとき、上顎台形部分14dの脚(傾斜側面)の傾斜角度(高さ方向Hに対する傾斜角度)が、樹脂凸部50の内側面51の傾斜角度より大きく(広角を)形成しているため、また上顎本体部分14uの幅方向Wの長さを樹脂凸部50同士の幅方向Wの間隔より広く形成しているため、図3(c)に示すように、下顎部116は上方向Huに凸となる向きで湾曲し、樹脂凸部50の先端側が幅方向Wに開くように変形する。
つまり、樹脂凸部50は、上顎台形部分14dの形状に沿って変形するため、上顎台形部分14dの傾斜側面と樹脂凸部50の内側面51とが略平行に対向する。上顎台形部分14dの傾斜側面と樹脂凸部50の内側面51とが略平行に対向すると、上顎台形部分14dの傾斜側面に設けた照射用電極24cと内側面51に設けた照射用電極24dも略平行に対向することとなる。そして、その間に血管Bが配置されることとなる。
このとき、下顎部116及び樹脂凸部50は、柔軟性を有する樹脂製であるため、把持する血管Bを損傷することなく、挟み込むことができる。
また、このとき、基準フレーム112の上面に設けたクリック凸部118と、スライドフレーム12の底面に設けたクリック凸部123とは、初期状態(開状態)において長手方向Lに離間していたが、図1におけるA部分の拡大図に示すように、基準フレーム112に対するスライドフレーム12の先端側Fへのスライド移動によって長手方向Lに近接し、当接することとなる。
なお、上述のように、トリガハンドル13を操作して、上顎部14の上顎台形部分14dが下顎部116の樹脂凸部50同士の間に挿入された図3(c)に示す状態を、血管Bなどの対象部位を把持機構17で把持する把持状態という。
この把持状態で照射用電極24から、把持機構17で把持された血管Bに高周波(マイクロ波)を照射することで、血管Bを凝結することができる。
このとき、上顎部14と下顎部116と対向する箇所において幅方向Wの両側に設けられた樹脂凸部50同士に略囲まれた空間内において血管Bに対して照射用電極24から高周波(マイクロ波)を照射して、血管Bを効率よく凝結することができる。
なお、トリガハンドル13を操作する力を開放すると、図1に示す圧縮コイルバネ13aの圧縮が開放され、スライドフレーム12が基端側Rに移動し、上顎部14は図1の開口状態に自動復帰する。
なお、トリガハンドル13を操作する力を開放し、スライドフレーム12が基端側Rに移動して初期状態(開状態)に戻る際には、傾斜角度が緩やかな面側から越えるため、急勾配な傾斜面同士が乗り越える場合のようなクリック感は生じない。
上述のように、鉗子1は、把持機構17を構成する上顎部14と下顎部116とによる血管B等の対象部位の把持を、トリガハンドル13による操作で行うことができる。そして、トリガハンドル13の操作によって対象部位を把持している間に、対象部位に高周波(マイクロ波)を照射用電極24から照射して凝結させることができる。
具体的には、血管Bに当接させる上顎部14と、上顎部14に対して、開閉可能に組付けられ、血管Bに当接させる下顎部116と、上顎部14に対して下顎部116を回動させるトリガハンドル13とを有する鉗子1は、上顎部14及び下顎部116における血管Bに当接する当接箇所の各々に、高周波(マイクロ波)を照射するための照射用電極24が設けられるとともに、照射用電極24同士が対向する状態において、照射用電極24の両側方に、他方に向かって突出するとともに、柔軟性を有する樹脂凸部50が設けられているため、血溜まりなどの中で高周波(マイクロ波)を照射しても、高周波(マイクロ波)を血管Bに確実に作用させることができる。
詳述すると、鉗子1は、上顎部14及び下顎部116における血管Bに当接する当接箇所の各々に設けられた照射用電極24の両側方に、他方に向かって突出するとともに、柔軟性を有する樹脂凸部50が設けられている。そのため、上顎部14及び下顎部116で血管Bを把持する把持状態において、高周波(マイクロ波)を照射するための照射用電極24が両側方の樹脂凸部50によって、血溜まりなどの中において遮蔽され、つまり、照射用電極24が血溜まりなどの中で露出することを防止し、確実に血管Bに対して減衰されることなく高周波(マイクロ波)を照射することができる。
なお、通知部として機能するクリック凸部118,123に代えて、移動センサを取り付け、電子信号又へ光信号により利用者に通知する構造としてもよい。本実施例によれば、把持、及び凝固のいずれか単独又は組み合わせの多機能鉗子を提供できる。
続いて、第2実施例の鉗子1Sについて図4から図8とともに説明する。なお、図4は第2実施例の開状態の鉗子1Sの説明図である。図4(a)は鉗子1Sの正面図を示し、図4(b)は鉗子1Sにおける切断機構10の部分平面図を示し、図4(c)は図4(b)の切断機構10の部分正面図を示している。
図5は図4の鉗子1Sの概略説明図を示している。図5(a)は図4におけるC-C矢視の側断面図を示し、図5(b)は鉗子1Sの部分縦断面図を示し、図5(c)は図5(b)におけるD-D矢視の電極部の拡大図を示している。
図6は図4の鉗子1Sにおける把持機構17Sを閉じた把持状態の正面図を示している。
図7は図4の鉗子1Sにおける切断機構10の切断カッタ15を閉じた切断状態の正面図を示している。
図8は鉗子1Sにおける切断機構10の把持状態及び切断状態の説明図を示している。図8(a)は把持機構17Sで把持する前の図4におけるC-C矢視の側断面図を示し、図8(b)は把持機構17Sで血管Bを把持した状態の同側断面図を示し、図8(c)は切断カッタ15で血管Bを切断した状態の同側断面図を示している。
なお、以下の鉗子1Sの説明において、上述の鉗子1における構成と同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図4~図8に示す、鉗子1Sは、鉗子1の構成に加え、切断カッタ15、及びバネ16を備えている。
基準フレーム112の先端側Fの端部には、トリガハンドル13と協働して、施術対象となる血管Bなどの対象部位を把持する把持機構17Sを構成する下顎部116Sを設けている。下顎部116Sは、正面視において先端側Fに向かって先細り形状で構成している。なお、下顎部116Sはジョーともいう。
下顎部116Sは、柔軟性を有する樹脂製である上述の下顎部116と異なり、基準フレーム112の先端側Fの一部で構成している。
そして、下顎部116の上方向Huの面、つまり上面には、後述する照射用電極24bと、照射用電極24bの幅方向Wの両側に樹脂凸部50Sを設けている。
樹脂凸部50Sは、断面台形状で形成された樹脂凸部50と異なり、高さ方向Hより幅方向Wに長い断面長方形状で形成され、樹脂凸部50と同様に、柔軟性を有する樹脂製である。
なお、照射用電極24b及び樹脂凸部50Sは長手方向Lに所定の長さで形成している。
また、基準フレーム112の先端側Fに設けられた先端支持軸117は、上顎部14Sに加えて切断カッタ15を軸支するように構成されている。
スライドフレーム12の先端側(図4の左側)に設けた先端上支持軸122は、上顎部14Sに加えて切断カッタ15を軸支するように構成されている。
上顎部14Sは、スライドフレーム12の先端側Fの端部に設けられ、本体フレーム11の下顎部116Sとともに把持機構17Sを構成する。なお、上顎部14Sはジョーともいう。
上顎部14Sは、上述の上顎部14と異なり、断面矩形状であり、下方向Hdの面、つまり底面に、対向する下顎部116Sに向かって突出する樹脂凸部50Sを備えている。
樹脂凸部50Sは、下顎部116の上面に設けた樹脂凸部50と同じ構成であるため、その説明は省略する。なお、下顎部116Sの上面に設けた樹脂凸部50Sと上顎部14Sの底面に設けた樹脂凸部50Sとが対向するように配置されている。
上顎部14Sの基端部(図4における左側)には、上述の上顎部14と同様に、被軸部141と、先端上支持軸122に軸支される回動軸受部142Sとを備えているが、図4(a)において四角で囲った部分の拡大図である図4(c)に示すように、回動軸受部142Sは、上述の絶縁体42と異なり、先端上支持軸122を遊嵌する長孔形状で形成している。
上顎部14Sにおける幅方向Wの内部には、回動可能に切断カッタ15を収容する収容溝143を設けている。
また、上顎部14Sにおける先端側Fに上顎部14に設けた先端突部144を設けてもよい。
図4に示すとおり、切断カッタ15は、上顎部14Sの内部の収容溝143に収容され、本体フレーム11の先端支持軸117に軸支される被軸部151と、被軸部151の上方においてスライドフレーム12の先端上支持軸122に軸支される回動軸部152を備えている。このように構成された切断カッタ15は下側の端部に沿って切断刃153が形成されている。また、切断カッタ15は、板状であり、被軸部151を軸に、上顎部14Sの内部の収容溝143において回動するように構成されている。
バネ16は、上顎部14Sの正面側に沿って配置され、上顎部14Sと切断カッタ15とを付勢するように構成している。
詳述すると、バネ16は、先端上支持軸122に外嵌するトーションばねであり、一方のアームを上顎部14Sに嵌合させ、他方のアームを切断カッタ15の一部に嵌合している。そのため、バネ16は、上顎部14Sと切断カッタ15とが先端上支持軸122を中心として近接する側に向かって差動回転すると、上顎部14Sと切断カッタ15とが互いに離間する回転方向に付勢するように構成している。
このように構成された鉗子1Sにおいて、本体フレーム11の先端側Fの端部に設けた下顎部116Sと、本体フレーム11に対して先端支持軸117で基部が軸支された上顎部14Sとで、対象部位を把持する把持機構17Sを構成している。
また、把持機構17Sで把持された対象部位を、上顎部14Sの内部の収容溝143において回動して切断する切断カッタ15は、把持機構17Sとともに切断機構10を構成している。
なお、鉗子1Sには、照射用電極24(24a,24b)が設けられるとともに、高周波(マイクロ波)を発振する高周波(マイクロ波)発信器30と照射用電極24とを接続する同軸ケーブル40が接続されている。
具体的には、上顎部14Sには照射用電極24a、下顎部116Sには照射用電極24bが設けられ、同軸ケーブル40が接続されている。
なお、図示省略されるが、上顎部14S及び下顎部116Sに配置される照射用電極24(24a,24b)は、他方に向かって突出する凸状電極で構成されるとともに、長手方向Lに所定の長さで形成されている。さらに、上顎部14S及び下顎部116Sに配置される照射用電極24(24a,24b)は外側に絶縁層が配置され、上顎部14S、切断カッタ15及び下顎部116Sと絶縁されている。
図5に示すとおり照射用電極24aは同軸ケーブル40の中央導体41に接続され、照射用電極24bは外側導体43に接続され、照射用電極24aから電磁波(高周波(マイクロ波))が照射用電極24bに照射されるよう構成されている。また電極構造は、図15のように同軸構造様に分枝にしても良く、接続の極性を異極接続構造としてもよい。
各要素が上述のように構成された鉗子1Sの動作について以下で説明する。
本体フレーム11の指輪部113とトリガハンドル13の指輪部131に指を挿入した利用者によって、支持軸115に軸支された枢軸部132を回動中心として、トリガハンドル13を固定ハンドルフレーム111に近づける方向(図4においてトリガハンドル13の下方が左側に移動する方向)に回動させる。
枢軸部132を中心としてトリガハンドル13が固定ハンドルフレーム111に近づく方向に回動すると、枢軸部132より上方に突出する上枢軸部133は、先端側(図4において右側)に向かって移動する。上枢軸部133が先端側Fに移動すると、上枢軸部133を上支持軸121で軸支するスライドフレーム12は、基準フレーム112に沿って先端側Fにスライド移動する。
スライドフレーム12が先端側Fに移動すると、上顎部14Sの回動軸受部142Sを軸支する先端上支持軸122も先端側Fに移動することとなる。そして、下方の被軸部141が本体フレーム11の先端支持軸117に軸支され、その上方の回動軸受部142Sが先端上支持軸122に軸支された上顎部14Sは、先端上支持軸122が先端側Fに移動するため、先端支持軸117を中心として、先端側Fが下顎部116Sに近づく方向に枢動することとなる(図6参照)。
また、上述したように、切断カッタ15は下方の被軸部151が本体フレーム11の先端支持軸117に軸支され、その上方の回動軸部152が先端上支持軸122に軸支されている。そのため、先端上支持軸122の先端側Fへの移動に伴い、切断カッタ15は、先端支持軸117を中心として、上顎部14Sとともに、先端側Fが下顎部116Sに近づく方向に枢動することとなる(図6参照)。
これにより、図8(a)に示すような初期状態(開状態)において上顎部14Sと下顎部116Sの間に生体組織における対象部位である血管Bを配置し、図8(b)に示すように、下顎部116Sの上面と上顎部14Sの底面とで血管Bを挟み込むことで、下顎部116Sと上顎部14Sとで構成する把持機構17Sで血管Bを把持することができる。
このとき、対向する下顎部116Sの上面に設けた樹脂凸部50Sと上顎部14Sの底面に設けた樹脂凸部50Sとで血管Bを挟み込むことができる。なお、樹脂凸部50Sは、柔軟性を有する樹脂製であるため、把持する血管Bを損傷することなく、挟み込むことができる。
なお、長孔形状で形成された回動軸受部142Sには、先端上支持軸122が遊嵌しているものの、バネ16によって上顎部14Sと切断カッタ15とは下顎部116Sから離間する方向に付勢されているため、先端上支持軸122は回動軸受部142S内を移動することなく、上述のように、上顎部14Sと切断カッタ15とが回動することとなる。
このとき、基準フレーム112の上面に設けたクリック凸部118と、スライドフレーム12の底面に設けたクリック凸部123とは、初期状態(開状態)において長手方向Lに離間していたが、図6におけるA部分の拡大図に示すように、基準フレーム112に対するスライドフレーム12の先端側Fへのスライド移動によって長手方向Lに近接し、当接することとなる。
なお、上述のように、トリガハンドル13を操作して、上顎部14Sが下顎部116Sに近接した図6及び図8(b)に示す状態を、血管Bなどの対象部位を把持機構17Sで把持する把持状態という。
このとき、上顎部14Sと下顎部116Sと対向する箇所において幅方向Wの両側に設けられた樹脂凸部50S同士に略囲まれた空間内において血管Bに対して照射用電極24から高周波(マイクロ波)を照射して、血管Bを効率よく凝結することができる。
この把持状態からさらにトリガハンドル13を固定ハンドルフレーム111に近接させる方向に操作すると、スライドフレーム12は基準フレーム112に対してさらに先端側Fに移動することとなる。
さらに、スライドフレーム12が先端側Fに移動すると、切断カッタ15は、図7に図示するように、先端支持軸117を中心として、切断刃153が下顎部116Sの照射用電極24bに当接するまで枢動することとなる。
これにより、図8(c)に示すように、切断カッタ15が上顎部14Sの側面に沿って移動し、把持機構17Sで把持した血管Bを、切断カッタ15の切断刃153で切断することができる。
なお、上述のように、トリガハンドル13のさらなる操作によって、図7(b)に図示するように、切断刃153が下顎部116Sの照射用電極24bに当接するまで切断カッタ15が回動した状態を切断状態という。
しかしながら、上顎部14Sは、バネ16の上面に当接しており、スライドフレーム12がさらにスライドしても回動することができない。その分、長孔状の回動軸受部142S内を先端上支持軸122が移動し、上顎部14Sに対してスライドフレーム12が相対移動することとなる。
上述のように、さらなるスライドフレーム12の移動によって、切断カッタ15はさらに回動するものの、回動軸受部142Sを先端上支持軸122が移動して上顎部14Sは回動しないため、つまり、長孔状の回動軸受部142Sを先端上支持軸122が移動する差動機構によって、先端支持軸117を中心に上顎部14Sと切断カッタ15とは回転方向に差動することとなる。
この上顎部14Sと切断カッタ15との差動によってバネ16は縮む方向に変形している。
よって、トリガハンドル13を操作する力を開放すると、図4に示す圧縮コイルバネ13aの圧縮が開放され、スライドフレーム12が基端側Rに移動し、バネ16の付勢力によって、切断カッタ15の開口方向への移動とともに上顎部14Sも、すなわち上顎部14S及び切断カッタ15が協働して図4の開口状態に自動復帰する。
また、この切断状態では、上述の把持状態において当接したクリック凸部118とクリック凸部123とは、図7(b)におけるA部分の拡大図に示すように、クリック凸部118とクリック凸部123とは撓みながら、一方が他方を乗り越えるため、クリック感が生じる。
このクリック感は、本体フレーム11やトリガハンドル13を介して利用者に伝わるため、利用者は、切断状態となった認識する、つまり、トリガハンドル13の一連操作において、把持状態から切断状態に移行したことをクリック凸部118,123が利用者に通知することができる。
なお、トリガハンドル13を操作する力を開放し、スライドフレーム12が基端側Rに移動して初期状態(開状態)に戻る際には、傾斜角度が緩やかな面側から越えるため、急勾配な傾斜面同士が乗り越える場合のようなクリック感は生じない。
上述のように、鉗子1Sは、把持機構17Sを構成する上顎部14Sと下顎部116Sとによる血管B等の対象部位の把持、及び把持状態の切断カッタ15によって対象部位の切断を、トリガハンドル13による一連の操作で行うことができる。そして、トリガハンドル13の一連の操作による対象部位の把持・切断の間に、対象部位に高周波(マイクロ波)を照射用電極24から照射して凝結させることができる。
また、血管Bに当接させる上顎部14Sと、上顎部14Sに対して、開閉可能に組付けられ、血管Bに当接させる下顎部116Sと、上顎部14Sに対して下顎部116Sを回動させるトリガハンドル13とを有する鉗子1Sは、上顎部14S及び下顎部116Sにおける血管Bに当接する当接箇所の各々に、高周波(マイクロ波)を照射するための照射用電極24が設けられるとともに、照射用電極24同士が対向する状態において、照射用電極24の両側方に、他方に向かって突出するとともに、柔軟性を有する樹脂凸部50Sが設けられているため、照射面が液に接することが無く、血溜まりなどの中で高周波(マイクロ波)を照射しても、高周波(マイクロ波)を血管Bに確実に作用させることができる。
詳述すると、鉗子1Sは、上顎部14S及び下顎部116Sにおける血管Bに当接する当接箇所の各々に設けられた照射用電極24の両側方に、他方に向かって突出するとともに、柔軟性を有する樹脂凸部50Sが設けられているため、上顎部14S及び下顎部116Sで血管Bを把持する把持状態において、高周波(マイクロ波)を照射するための照射用電極24が両側方の樹脂凸部50Sによって、血溜まりなどの中において遮蔽され、つまり、照射用電極24が血溜まりなどの中で露出することを防止し、確実に血管Bに対して減衰されることなく高周波(マイクロ波)を照射することができる。
また、先端上支持軸122を遊嵌する長孔状の回動軸受部142Sによる差動機構を備えているため、トリガハンドル13の一連操作において、把持機構17Sによる把持の後、切断カッタ15によって対象部位の切断を行うことができる。
さらには、トリガハンドル13の一連操作おける把持状態から切断状態への移行をクリック凸部118,123によって利用者に通知する通知部を提供することができる。
なお、通知部として機能するクリック凸部118,123に代えて、移動センサを取り付け、電子信号又へ光信号により利用者に通知する構造としてもよい。本実施例によれば、把持、凝固、切断のいずれか単独又は組み合わせの多機能鉗子を提供できる。
続いて、第3実施例の鑷子1Tについて、図9から図11とともに説明する。
図9は鑷子1Tの概略図を示し、図10、図11は鑷子1Tにおける把持機構の概略説明図を示している。
詳しくは、図10(a)は図9におけるG―G矢視断面図である開状態の把持機構17Tの概略断面図を示し、図10(b)は把持状態の把持機構17Tの概略断面図を示している。また、図10(c)は別の実施形態の開状態の把持機構17Tの概略断面図を示し、図10(d)は把持状態の把持機構17Tの概略断面図を示している。
また、図11(a)はさらに別の実施形態の開状態の把持機構17Tの概略断面図を示し、図11(b)は把持状態の把持機構17Tの概略断面図を示している。また、図11(c)はさらにまた別の実施形態の開状態の把持機構17Tの概略断面図を示し、図11(d)は把持状態の把持機構17Tの概略断面図を示している。
なお、以下の鑷子1Tの説明において、上述の鉗子1,1Sにおける構成と同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
また、鑷子1Tにおける把持アーム27の長手方向を長手方向Lとし、長手方向Lにおいて、把持アーム27において固定部26が配置された側を基端側R、把持アーム27において先端部28が配置された側を先端側Fとしている。さらに、一対の把持アーム27の対向方向を幅方向Wとし、長手方向L及び幅方向Wに直交する方向を高さ方向Hとしている。さらに、高さ方向Hにおける上側を上方Hu、下側を下方Hdとしている。
鑷子1Tは、接続電極25を有する固定部26と、固定部26から長手方向Lに延びる一つの把持アーム27とを有し、一対の把持アーム27のそれぞれの先端側Fに設けた先端部28で対象部位を把持する把持機構17Tを構成している。
把持アーム27は、所定の幅と厚みを有する略帯状のステンレス製の略帯状体で構成され、長手方向Lにおける中間部分に上方向Huに折れ曲がる中折れ部27aを有している。
なお、中折れ部27aより基端側Rの固定部26との間をホールド部27bとし、中折れ部27aより先端側Fを把持操作部27cとしている。そのため、利用者は、ホールド部27bをホールドして、ペンホールド式に鑷子1Tを持ち、把持操作部27cを操作することで、先端部28で対象部位を把持することができる。
一対の把持アーム27における先端側Fに設けた先端部28の対向する面には、高さ方向Hの中央にそれぞれ照射用電極24を備え、その両側に樹脂凸部50Tを備えている。
樹脂凸部50Tは、下顎部116の上面に設けた樹脂凸部50と同じ構成であるため、その説明は省略する。なお、先端部28の対向面に設けた樹脂凸部50S同士は対向するように配置されている。
先端部28に設けた照射用電極24aは、他方に向かって突出する凸状電極で構成されるとともに、固定部26に設けた接続電極25と電気的に接続されており、同軸ケーブル40を介して高周波(マイクロ波)発信器30と接続することで照射用電極24a同士の間に高周波(マイクロ波)を照射することができる。
より具体的には、一対の接続電極25の一方を中央導体41と接続し、他方の接続電極25を外側導体43と接続することで、一対の照射用電極24aの一方は中央導体41と接続され、他方の照射用電極24aは外側導体43と接続される。したがって、一対の照射用電極24a同士の間に高周波(マイクロ波)を照射することができる。
なお、電極構造は、図15のように同軸構造に分岐しても良く、接続の極性もように異極接続構造としてもよい。
各要素が上述のように構成された鑷子1Tの動作について以下で説明する。
ホールド部27bをホールドして、ペンホールド式に鑷子1Tを持った利用者によって、固定部26を回動中心として、把持操作部27c同士を近づける方向に回動させる。
これにより、図10(a)に示すような初期状態(開状態)において先端部28同士の間に生体組織における対象部位である血管Bを配置し、図10(b)に示すように、先端部28同士を近づけて血管Bを挟み込むことで、把持アーム27の先端部28で構成する把持機構17で血管Bを把持することができる。
このとき、先端部28における対向面に設けた樹脂凸部50Tは、柔軟性を有する樹脂製であるため、把持する血管Bを損傷することなく、挟み込むことができる。
なお、上述のように、把持操作部27cを操作して、先端部28に設けた樹脂凸部50T同士の間に血管Bが挿入された図10(b)に示す状態を、血管Bなどの対象部位を把持機構17Tで把持する把持状態という。
この把持状態で照射用電極24から、先端部28で把持された血管Bに高周波(マイクロ波)を照射することで、血管Bを凝結することができる。
このとき、先端部28同士が対向する箇所において高さ方向Hの両側に設けられた樹脂凸部50T同士に略囲まれた空間内において血管Bに対して照射用電極24から高周波(マイクロ波)を照射して、血管Bを効率よく凝結することができる。
なお、上述の説明では、一対の先端部28のそれぞれに設けた樹脂凸部50T同士が把持状態で対向するように配置したが、図10(c),(d)に示すように、一対の先端部28の一方にだけ樹脂凸部50Tを備えてもよい。
さらには、図11(a),(b)に示すように、両方の先端部28に樹脂凸部50Tを備えるものの、樹脂凸部50Tを高さ方向Hより幅方向Wの長さが長い断面長方形状に形成し、一方の先端部28に設けた樹脂凸部50T同士の高さ方向Hの間隔を、他方の先端部28に設けた樹脂凸部50T同士の間隔より広く形成してもよい。
この場合、図11(b)に示すように、把持状態において、高さ方向Hの間隔が狭い側の一対の樹脂凸部50Tが、高さ方向Hの間隔が広い側の一対の樹脂凸部50T同士の間に配置されることとなる。これにより、把持状態において、一方の先端部28に設けた樹脂凸部50Tと他方の先端部28に設けた樹脂凸部50Tとが高さ方向Hに重なり合う状態となる。
さらまた、図11(c),(d)に示すように、両方の先端部28に樹脂凸部50Tを備えるものの、樹脂凸部50Tを高さ方向Hより幅方向Wの長さが長い断面長方形状に形成し、両方の先端部28に設けた樹脂凸部50T同士の高さ方向Hの間隔を同じ形成するものの、高さ方向Hの配置を樹脂凸部50Tの高さ方向Hの厚み分ずらして配置してもよい。
この場合、図11(d)に示すように、把持状態において、高さ方向Hにおいて一対の樹脂凸部50Tの間に他方の一対の樹脂凸部50Tのひとつが配置されることとなる。これにより、把持状態において、一方の先端部28に設けた樹脂凸部50Tと他方の先端部28に設けた樹脂凸部50Tとが高さ方向Hに重なり合う状態となる。
なお、上述の先端部28における樹脂凸部50Tの形状や配置のバリエーションについては、上述の鉗子1Sにおける樹脂凸部50Sに適用することができる。
互いに開閉可能に組付けられ、血管Bに当接させる先端部28と、先端部28の同士を回動させる把持アーム27とを有する鑷子1Tは、先端部28における血管Bに当接する当接箇所の各々に、高周波(マイクロ波)を照射するための照射用電極24が設けられるとともに、照射用電極24同士が対向する状態において、照射用電極24の両側方に、他方に向かって突出するとともに、柔軟性を有する樹脂凸部50Tが設けられているため、血溜まりなどの中で高周波(マイクロ波)を照射しても液への漏れが少なく、高周波(マイクロ波)を血管Bに確実に作用させることができる。
詳述すると、鑷子1Tは、先端部28における血管Bに当接する当接箇所の各々に設けられた照射用電極24の両側方に、他方に向かって突出するとともに、柔軟性を有する樹脂凸部50Tが設けられているため、先端部28で血管Bを把持する把持状態において、高周波(マイクロ波)を照射するための照射用電極24が両側方の樹脂凸部50Tによって、血溜まりなどの中において遮蔽され、つまり、照射用電極24が血溜まりなどの中で露出することを防止し、確実に血管Bに対して減衰されることなく高周波(マイクロ波)を照射することができる。
なお、鑷子1Tにおける一方の先端部28の先端側Fに、鉗子1の上顎部14に設けた先端突部144を設けてもよい。
次に、第4実施例として、生体組織に高周波(マイクロ波)照射のためのエンドエフェクタ10aについて、図12及び図13に基づいて説明する。前述の鉗子1は電磁波を照射する照射用電極24を備えており、本実施例において具体的な電極構造を説明する。
図12は第4実施例のエンドエフェクタ10aの概略正面図を示している。
図13は図12のエンドエフェクタ10aの概略説明図を示している。図13(a)は図12におけるH-H矢視の側断面図を示し、図13(b)はエンドエフェクタ10aの部分縦断面図を示し、図13(c)は図12におけるI-I矢視の拡大平面図を示している。
エンドエフェクタ10aは、ハサミ型多機能手術機器に用いるものであり、上述の鉗子1における把持機構17に対応している。そのため、上述の鉗子1における構成と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略している。また、本実施例におけるエンドエフェクタは、前述の施術具、鉗子を構成し得るものであり、他の同様な構成を含む。
なお、図12及び図13において、エンドエフェクタ10aの先端側Fの一部を図示している。
エンドエフェクタ10aは、ハサミ型多機能手術機器に取付けられる管状の支持具100の先端に設けられた蛇腹状の可撓部101を貫通する基準軸11a(把持機構17における基準フレーム112に対応)と、先端に上顎部14a(把持機構17における上顎部14に対応)が設けられる可動フレーム12a(把持機構17におけるスライドフレーム12に対応)とがある。
なお、基準軸11a及び可動フレーム12aにおいて、可撓性を有する可撓部101の内部に対応する箇所は可動する可撓部101に追従して変形可能な可撓性を有するように構成されているが、駆動としてワイヤーを用いてもよい。
このように構成されたエンドエフェクタ10aにおける上顎部14aの動作については、上述の鉗子1における把持機構17の上顎部14と同様であり、基準軸11aに対して可動フレーム12aを長手方向Lに移動することで、基準軸11aの先端側Fの端部に設けた下顎部116aと上顎部14aとで構成する把持機構17aで対象部位を把持することができる。
下顎部116aは、ステンレスなどの金属で構成された基準軸11aの先端に設けられているが、柔軟性を有する樹脂製であり、図13(b)に示すように、基準軸11aより、高さ方向Hの厚みが薄く形成されている。
なお、下顎部116aの上方向Huの面(上顎部14と対向する側の面)には、樹脂凸部50aと後述する照射用電極24bとが設けられている。
樹脂凸部50aは、下顎部116aの上面の幅方向Wの中央に配置された照射用電極24bの幅方向Wの両側に設けられている。
樹脂凸部50aは、樹脂凸部50と同様に、幅方向Wの外側が上方向Huに向かって延びるとともに、幅方向Wの内側の脚(内側面51)が傾斜し、上方向Huに向かって、つまり対向する上顎部14に向かって突出する、断面台形状で形成されている。
樹脂凸部50aは、樹脂凸部50と同様に、柔軟性を有する樹脂製であり、下顎部116aと一体で構成されてもよいし、別体で構成されて固定してもよい。
また、内側面51には、照射用電極24dが設けられている。
このように構成されたエンドエフェクタ10aにおける下顎部116aと、上顎部14aには長手方向Lに沿う照射用電極24(24a,24b,24c,24d)を備えている。
なお、上顎部14aに備えた照射用電極24aは他方に向かって突出する凸状電極で構成され、及び下顎部116に備えた照射用電極24bは照射用電極24aの凸状に対応する凹状となる凹状電極で構成されている。
また、エンドエフェクタ10aには、高周波(マイクロ波)を照射する高周波(マイクロ波)発信器30と照射用電極24とを接続する同軸ケーブル40が接続されている。なお、高周波(マイクロ波)発信器30は、エンドエフェクタ10aの内部に設けてもよい。
そして、図13(b)に示すように、上顎部14a及び下顎部116aに設けられたそれぞれの照射用電極24a,24cと、同軸ケーブル40の中央導体41が接続され、照射用電極24b,24dと同軸ケーブル40の外側導体43が接続され、同極接続となっている。必要であれば、一方を逆極性に接続してもよい。
このように、同軸ケーブル40を介して高周波(マイクロ波)発信器30と接続された照射用電極24は、高周波(マイクロ波)発信器30が稼働すると、同軸ケーブル40を介して照射用電極24a,24cと、照射用電極24b,24dとの間に高周波(マイクロ波)を照射することができる。
このとき、上顎部14aと下顎部116aと対向する箇所において幅方向Wの両側に設けられた樹脂凸部50a同士に略囲まれた空間内において血管Bに対して照射用電極24から高周波(マイクロ波)を照射して、血管Bを効率よく凝結することができる。
把持機構17aで対象部位である血管Bを把持した把持状態で照射用電極24から高周波(マイクロ波)を照射すると、把持機構17aで把持された血管Bは高周波(マイクロ波)によって凝結する。なお、本実施例の変形例として、図12にエンドエフェクタ10a内に電子モジュール31を内蔵する実施例を示す。
前述の高周波(マイクロ波)発信器30をエンドエフェクタ10aに内蔵させる例であるが、高周波(マイクロ波)照射モジュール222(図16参照)を組み込む、又は、図18(b)に示す手術装置221の電子回路を適宜組み込む電子モジュールとしてもよい。エンドエフェクタ10a(10b)に電子モジュール31を設けることにより、医療機器の小型化が可能となり、手術の利便性を高める。
なお、図示省略するが、エンドエフェクタ10a(10b)において、上顎部14aと下顎部116aの対向面との一方にのみ照射用電極24を設けてもよい。
次に、第5実施例として、生体組織に高周波(マイクロ波)照射のためのエンドエフェクタ10bについて、図14及び図15に基づいて説明する。前述の鉗子1Sは電磁波を照射する照射用電極24を備えており、本実施例において具体的な電極構造を説明する。
図14は第5実施例のエンドエフェクタ10bの概略正面図を示している。
図15は図14のエンドエフェクタ10bの概略説明図を示している。図15(a)は図14におけるJ-J矢視の側断面図を示し、図15(b)はエンドエフェクタ10bの部分縦断面図を示し、図15(c)は図14におけるK-K矢視の拡大平面図を示している。
なお、上述の第4実施例のエンドエフェクタ10aと同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
エンドエフェクタ10bは、ハサミ型多機能手術機器に用いるものであり、上述の鉗子1Sにおける切断機構10に対応している。そのため、上述の鉗子1Sにおける構成と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略している。また、本実施例におけるエンドエフェクタは、前述の施術具、切断機構、鉗子を構成し得るものであり、他の同様な構成を含む。
なお、図14及び図15において、エンドエフェクタ10bの先端側Fの一部を図示している。
エンドエフェクタ10bは、エンドエフェクタ10aと同様に、基準軸11a、上顎部14b並びに可動フレーム12aを備えるとともに、切断カッタ15b及び同軸電極20をさらに備えている。
このように構成されたエンドエフェクタ10bにおける上顎部14b及び切断カッタ15bの動作については、上述の鉗子1Sにおける切断機構10の上顎部14b及び切断カッタ15と同様であり、基準軸11aに対して可動フレーム12aを長手方向Lに移動することで、基準軸11aの先端側Fの端部に設けた下顎部116aと上顎部14bとで構成する把持機構17bで対象部位を把持するとともに、切断カッタ15bで切断することができる。
このように構成されたエンドエフェクタ10bにおける下顎部116aの上面と、上顎部14bの底面には、長手方向Lに沿う同軸電極20を備えている。
また、エンドエフェクタ10bには、高周波(マイクロ波)を照射する高周波(マイクロ波)発信器30と同軸電極20とを接続する同軸ケーブル40が接続されている。なお、高周波(マイクロ波)発信器30は、エンドエフェクタ10bの内部に設けてもよい。
同軸ケーブル40は、図14におけるA部分の拡大断面図に示すように、中央導体41、中央導体41を挟んで、絶縁体42、外側導体43及び絶縁被覆44で構成され、中心から径外側に向かってこの順で配置されるとともに、適宜の可撓性を有している。
上顎部14bの底面及び下顎部116aの上面に設けた同軸電極20は、図15(a)に示すように、中央導体21と、半円断面状の半円絶縁体22、半円絶縁体22の外側に配置される半円管状の半円管導体23とで構成している。
このように構成された同軸電極20は、図15(a)に図示するように、半円柱状で所定長さに構成されており、図15(c)の図示のとおり、上顎部14bの底面及び下顎部116aの上面において、フラット面が対向するように長手方向に沿って配置されている。
なお、図示省略されるが、上顎部14b及び下顎部116aに配置される同軸電極20は、外側に絶縁層が配置され、上顎部14b及び下顎部116aと絶縁されている。
そして、図15(b)に示すように、上顎部14b及び下顎部116aに設けられたそれぞれの同軸電極20の中央導体21と、同軸ケーブル40の中央導体41が接続され、同軸電極20の半円管導体23と同軸ケーブル40の外側導体43が接続され、同極接続となっている。必要であれば、一方を逆極性に接続してもよい。
このように、同軸ケーブル40を介して高周波(マイクロ波)発信器30と接続された同軸電極20は、高周波(マイクロ波)発信器30が稼働すると、同軸ケーブル40を介して同軸電極20の中央導体21と半円管導体23との間に高周波(マイクロ波)を照射することができる。
把持機構17bで対象部位である血管Bを把持した把持状態で同軸電極20から高周波(マイクロ波)を照射すると、把持機構17bで把持された血管Bは高周波(マイクロ波)によって凝結する。
このとき、上顎部14bと下顎部116aと対向する箇所において幅方向Wの両側に設けられた樹脂凸部50S同士に略囲まれた空間内において血管Bに対して照射用電極24から高周波(マイクロ波)を照射して、血管Bを効率よく凝結することができる。
そして、血管Bにおいて、同軸電極20から照射された高周波(マイクロ波)で凝結した部分を切断カッタ15bで切断することができる。本実施例の変形例として、図14にエンドエフェクタ10b内に電子モジュール31を内蔵する実施例を示す。
前述の高周波(マイクロ波)発信器30をエンドエフェクタ10bに内蔵させる例であるが、高周波(マイクロ波)照射モジュール222(図16参照)を組み込む、又は、図18(b)に示す手術装置221の電子回路を適宜組み込む電子モジュールとしてもよい。エンドエフェクタ10bに電子モジュール31を設けることにより、医療機器の小型化が可能となり、手術の利便性を高める。
なお、図示省略するが、エンドエフェクタ10bにおいて、下顎部116aと上顎部14bとの対向面に加え、切断カッタ15bの側面にも同軸電極20を設けてもよいし、上顎部14bに同軸電極20を設けず、下顎部116aの上面と切断カッタ15aの側面とに同軸電極20を設けてもよい。さらには、上顎部14bと下顎部116aの対向面との一方にのみ同軸電極20を設けてもよい。
以下において、図16に示す、本発明の他の実施例における医療機器220について説明する。
図16(a)において、医療機器220は、図14及び図15の実施例で説明されたようなハサミ型多機能手術機器(医療用処理具)のエンドエフェクタ10bを駆動する手術装置221を含んでいる。なお、エンドエフェクタ10bの代わりに、医療機器220にエンドエフェクタ10aを備えてもよい。
手術装置221は、照射器及び増幅器などの高周波(マイクロ波)制御回路を含む高周波(マイクロ波)照射モジュール222と、レバー223の手動操作によりエンドエフェクタ10bを駆動するメカ機構の駆動ユニット224を含んでいる。具体的には、図4~図8に示した鉗子1Sのトリガハンドル13をレバー223とし、トリガハンドル13からエンドエフェクタ10b,10bに至るメカ機構を手術装置221に組み入れても良い。
照射器を有する高周波(マイクロ波)照射モジュール222は、手術装置221内に設けているが、必要によりシャフト部225の内部に、又は手首機能を有する屈曲部226(図14の可撓部101など)に、若しくはエンドエフェクタ10b(図4の電子モジュール31)に設けることにより、医療機器220を超小型化することが可能となる。
操作者がマニュアルで手術装置221のグリップ部のレバー223を把持操作することにより、駆動ユニット224が図14のエンドエフェクタ10bを、シャフト部225を介して操作する構成である。
手術装置221にはアダプタ227から電源の供給を受ける。手術装置221に含まれる高周波(マイクロ波)照射モジュール222は従来の据え置き型や肩掛け型、内蔵型以外にロボット本体に設置された照射器に直接間接的に繋がるように構成してもよい。
上記実施例において、高周波(マイクロ波)の照射は、エンドエフェクタ10bの下顎部116bと上顎部14b(以下において、鉗子両刃という)で把持する時に凝固するのではなく、下顎部116bに対して上顎部14bが回動する際に対象部位である生体組織を凝固しても組織の凝固止血切断は可能となる。
さらに、エンドエフェクタ10bにおける把持機構17bで生体組織を把持して切断カッタ15bで切る際に高周波(マイクロ波)を照射してもよい。
このような鉗子であれば組織を開排、把持して邪魔なものを除け、術野を整備する操作に把持機能を使うことができ、しかも凝固切断したい部分を鉗子で把持し、そのまま凝固切断することが可能である。凝固と切断の操作が複数にわたる組織把持し直しや、挟み込みのし直しにはならず、一度挟んだものを1連の握りこみで操作を完成することになる。したがって、手術操作が把持、凝固、切断を一つのデバイスのままで実行可能になる。
一般的な切除手術の1連操作全てであり、単独の器具で切除手術を完遂でき、他器具との取り替えが不要となる。
本実施例の変形例として、高周波(マイクロ波)照射モジュール222に実行プログラムメモリを設け、駆動ユニット224を実行プログラムにより制御される電動のメカ機構とする構成としてもよい。動作としては、レバー223を把持すると、レバー223の位置データに基づいて、実行プログラムが駆動ユニット224を可動させ、図14のエンドエフェクタ10bの構成とすることで、スライドフレーム12を移動させることにより上顎部14bを切断カッタ15b(図5参照)と協働して下顎部116bの方向に回動させ、前記プログラムにより、高周波(マイクロ波)信号を照射用電極24に送り、高周波(マイクロ波)を照射することで生体組織を凝固させることができる。
レバー223をさらに把持すると、前述のとおり前記位置データに従って前記プログラムにより可動フレーム12aがさらに前進し、前記生体組織を上顎部14bと下顎部116bで把持する。
レバー223をさらに把持すると、レバーの位置データにより上記プログラムにより可動フレーム12aが更なる前進をして切断カッタ15bのみを回動させることにより、凝固した上記生体組織を切断する。切断した後、レバー223を解放することにより、レバーの位置データに基づき、医療機器220は初期状態(開状態)に戻る構成とする。
図16(b)は、図16(a)に図示する医療機器220を複数備えた手術システムの概略図であり、それぞれの内部構成は、図16(a)と同様であるが、医療機器220の各高周波(マイクロ波)照射モジュール222には、さらに、お互いの高周波(マイクロ波)の波長を同期させるユニットが含まれており、アダプタ227を介して又は無線で同期させている。
そのため、二つの医療機器220を一人又は二人の操作者により患者内で操作するときに、双方の高周波(マイクロ波)の波長が同期していることにより、二つの医療機器220間でスパークなどの発生を防ぐことができ、安全性が高まる。
図17は、本発明の一実施例における、遠隔手術システム200を示す。遠隔手術システム200は、2人の操作者D(D1、D2)のそれぞれのステーションとなる外科医コンソール201、操作者Dにより操作されるマスタ制御ユニット202、視角・コアカート240,患者側カートである患者側カート210のロボットを有する。
外科医コンソール201は、手術部位の画像が操作者Dに表示されるビューア201aを備える。外科医コンソール201を使用する場合、操作者D1及び/又はD2は、一般的には、外科医コンソールの椅子に座り、自身の両目をビューア201aの前に合わせ、マスタ制御ユニット202を片手に把持する。
遠隔手術システム200では、操作者2人が同時に操作することができるが、操作者一人でも操作することができる。操作者2人が同時に操作する場合は2者の連携操作が可能となり、全体の患者の手術時間を短縮できる利点がある。外科医コンソール201及びマスタ制御ユニット202は、必要によりそれぞれ3台以上設けるシステムにしてもよい。
患者側カート210のロボットは、患者に隣接して設置される。使用中、患者側カート210は、手術を必要とする患者の近くに設置される。患者側カート210のロボットは、外科手術中は固定されるが移動できるように台座211にはキャスタを備える。外科医コンソール201は、患者側カートと同じ手術室内で使用されるが、患者側カート210から遠隔に設置してもよい。
患者側カート210は、4つのロボットアーム組立体212を含むが、ロボットアーム組立体212の数は任意である。各ロボットアーム組立体212は、3次元移動を可能にする駆動装置213に接続され駆動制御される構造としている。
表示器214は手術に関連する画像データを表示する。駆動装置213は、外科医コンソール201のマスタ制御ユニット202により制御される。ロボットアーム組立体212のマニピュレータ部分の動きは、マスタ制御ユニット202の操作によって制御される。
4つのロボットアーム組立体212のうちひとつのロボットアーム組立体212aには、内視鏡などの画像取込み機器215が配置される。画像取込み機器215の遠隔端部に視認カメラ216を含んでいる。細長いシャフト状の画像取込み機器215によって、患者(図示省略)の手術侵入ポートを通して視認カメラ216を挿入することが可能になる。
画像取込み機器215は、その視認カメラ216に取り込まれた画像を表示するために、外科医コンソール201のビューア201aに動作可能に接続される。
他のロボットアーム組立体212の各々は、着脱可能な手術器具であるツール217をそれぞれ支持及び含むリンク装置である。ロボットアーム組立体212のツール217は、それぞれエンドエフェクタ10b(10a)を含む。
ツール217は、患者の手術侵入ポートを通してエンドエフェクタ10b(10a)挿入することを可能にするように、細長いシャフトを有する。エンドエフェクタ10b(10a)の動きは、外科医コンソール201のマスタ制御ユニット202によって制御される。
ツール217として、エンドエフェクタ10b(10a)に高周波(マイクロ波)照射用の電極(20,24)と高周波(マイクロ波)照射ユニットが使われる場合、それぞれエンドエフェクタ10b(10a)から照射される高周波(マイクロ波)の波長を同期させる構成としている。
例えば、一人又は二人の操作者Dにより患者内で複数のツール217を操作するときに、照射される高周波(マイクロ波)の波長が同期していることにより、複数のツール217間又は複数のエンドエフェクタ10b(10a)間でスパークなどの発生を防ぐことができ、安全性が高められる。同時に複数のエンドエフェクタ10b(10a)を操作することは高度の手術のみならず手術時間を短縮できる。
図18は、図17の遠隔手術システム200のロボットアーム組立体212に装填され得るツール217を手術装置の代表例として構成を示す。他のロボットアーム組立体212に装着されるツール217は同様の構成でもよいし、他の構成の手術装置であってもよい。
図18(a)は、ツール217の平面図を示す。ツール217は、ハサミ型多機能手術機器のエンドエフェクタ10b、屈曲部226、シャフト部225、ツール217を駆動制御・モニタする手術装置221、ロボットに結合するコネクタ228を有する。屈曲部226はエフェクタの操作角度の自由度を増し、ロボット制御の精度が向上する。
図18(b)は図18(a)のツール217の内部構成を示す。図14のスライド軸に直結するエンドエフェクタ10bを、シャフト部225を介して駆動する手術装置221、手術装置221を制御する患者側カート210のロボットで構成される医療システムを示す。
エンドエフェクタ10bは開閉可能に保持された回動可能な第1把持部材と固定第2把持部材と、該第1把持部材と該第2部材に併設された可動な切断部材とを有する施術具を備える。エンドエフェクタ10bと接続される手術装置221はツール217との整合ユニット231,反射波モニタ232,手術装置内の信号を制御する制御回路233,ツール217のシャフト部225を介してツール217の施術具を機械的に駆動するアンプと高周波(マイクロ波)発生の照射器を有する照射・駆動ユニット234、患者側カート210のロボットとの信号インターフェース235を有する。
図19にも動作説明しているが、患者側カート210のロボットは、手術装置221と信号インターフェース235とコネクタ228を介して有線及び/又は無線で接続されており、患者側カート210のロボットの内部には、マスタ制御ユニット202からの操作信号を受信する入力ユニットと、操作信号に基づき予め定められた操作プログラムを実行する演算ユニットCPUと、該演算ユニットからの出力に基づき手術装置221を介してエンドエフェクタ10bの前記第1把持部材と前記切断部材を駆動する駆動信号を発生する出力ユニットを備えている。前記入力ユニットと前記出力ユニットは、入出力ユニット210a(I/O)で構成される。
図19は、遠隔手術システム200の説明図であり。図19(a)は各ユニットとの接続関係を示すブロック図であり、図19(b)は遠隔手術システム200の動作フロー図である。
視覚・コアカート240は、画像取込み機器に関連する機能を有する。手術のために遠隔手術システム200を起動すると、外科医は、外科医コンソール201のマスタ制御ユニット202を操作し、外科医が2名の場合は、外科医コンソール201のマスタ制御ユニット202も操作し(ステップS1)、操作により生成されたコマンドは、視覚・コアカート240に送信される(ステップS2)。
次いで、視覚・コアカート240は、信号を解釈し、所望のロボットアーム組立体212を患者の手術領域に移動をさせる(ステップS3)。
次に選択されたロボットアーム組立体212に取り付けられたツール217を細長いパイプを通して患者に挿入し(ステップS4)、上記実施例のエンドエフェクタ10bに、組織体を把持・凝固・切断の動作をさせて(ステップS5)、生体組織の手術を完了させる。
なお、ステップS5における生体組織を把持・凝固・切断の動作は、エンドエフェクタ10bの動作であるが、電極から高周波(マイクロ波)を照射しながら、生体組織に対して凝固、把持、及び切断を行う第1動作パターン、生体組織を把持してから、電極から高周波(マイクロ波)を照射して凝固させるとともに、電極から高周波(マイクロ波)を照射しながら切断する第2動作パターン、並びに電極から高周波(マイクロ波)を照射しながら生体組織を把持するとともに凝固するものの、電極からの高周波(マイクロ波)の照射を停止して切断する第3動作パターンの3つの動作パターンがある。
これら3つの動作パターンは、手術内容に応じて選択的に取り得る構成としている。また、ツール217で把持又は凝固し、他のツール217で切断するなど図17の複数のツールで分担して動作するパターンとしてもよい。
本実施例における、組織体の凝固・把持・切断の動作は、図16の実施例の変形例として述べたレバー223の位置データに基づくエンドエフェクタ10b(10a)の制御動作の代わりに、患者側カート210のロボットからの制御信号に基づくエンドエフェクタ10b(10a)の動作にすることで、同様の制御動作フローが得られる。
上述の実施例及び実施態様は、鉗子及び医療器具など、医療を例に記載したが、本発明は上記記載に限定されることなく、対象部位として、物の一部だけでなく、部材であってもよく、対象部材を把持/当接し、切断できる汎用の施術具を含む。また、鉗子の電極から照射するエネルギー波は、高周波(マイクロ波)に限らず、その他の電磁波を含めてよい。
例えば、上述のように、鉗子1等における切断機構10やエンドエフェクタ10bでは、下顎部116b及び上顎部14bで把持機構17bを構成し、把持機構17bで把持した血管B等の対象部位を切断カッタ15bで切断するように構成したが、下顎部116b及び上顎部14bで構成する把持機構17bを、切断カッタ15bを挟んで両側に備え、二組の把持機構17bで把持した間の対象部位を切断カッタ15bで切断するように構成してもよい。
また、本発明の鉗子又はエンドエフェクタで水平移動は軸移動に限らず、エンドエフェクタの位置、角度の自由度を高めるため、ワイヤーで繋げた構造としてもよい。生体組織を把持、凝固、切断を行わせるための上顎部と切断カッタを移動させるバネ機構は実施例に限らず任意の位置に設けてもよい。
また、電極や刃先以外は腐食、スパークを防ぐため適宜、絶縁コーテイングしてもよい。上記実施例では、両把持部材(上下顎部、両刃)刃の間にある組織を両サイドから凝固可能としている。エンドエフェクタに高周波(マイクロ波)を供給する同軸ケーブルの分割部位は、複数の関節の動きを制約せず複数のロボット関節をしなやかなケーブルにて超えてエネルギーを送る構造が可能となる。
また、金属製の刃を使うことで、剛性、形を自在に設計できる。本発明の鉗子、エンドエフェクタを有する医療機器は、MR画像誘導下で使え、高周波(マイクロ波)エネルギーを鏡視下やロボットハンドのみならず、血管内外科や胎児外科に導入可能となる
本発明の鉗子又はエンドエフェクタで水平移動は軸移動に限らず、エンドエフェクタの位置、角度の自由度を高めるため、ワイヤーで繋げた構造としてもよい。
生体組織を把持、凝固、切断を行わせるための上顎部と切断カッタを移動させるバネ機構は実施例に限らず任意の位置に設けてもよい。また、電極や刃先以外は腐食、スパークを防ぐため適宜、絶縁コーテイングしてもよい。
上記実施例では、両把持部材(上下顎部、両刃)刃の間にある組織を両サイドから凝固可能とする。エンドエフェクタに高周波(マイクロ波)を供給する同軸ケーブルの分割部位は、複数の関節の動きを制約せず複数のロボット関節をしなやかなケーブルにて超えてエネルギーを送ることが可能となる。
本発明の実施形態は、全ての点で例示であり、本発明の範囲は特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、仕様によっては、施術具として、上述の鉗子1,1Sにおける上顎部14、切断カッタ15及び下顎部116に、同軸電極20や照射用電極24を設けなくてもよい。
また、上述の鉗子1,1Sにおける照射用電極24a,24bの少なくとも一方を同軸電極20で構成してもよい。この場合、照射用電極24a,24bを同軸電極20で構成することにより、照射用電極24c,24dは不要となる。
さらに、上述の鉗子1において上顎部14の代わりに切断カッタ15と下顎部116とで切断機構10を構成してもよい。
また駆動ユニット32の機能を図20の医療機器の駆動ユニット224に、又は図16に示す手術装置の照射・駆動ユニット2に組み込むことにより、携帯の医療機器、ロボットによる穿孔機能、把持機能、凝固機能、切断機能、開排機能の多機能を容易に提供することができる。
例えば、図19(b)のフローチャートにおけるステップS5において、図16のツール217のエンドエフェクタ10cに本実施例のエンドエフェクタ部10Dを適用すると、上顎部14と切断カッタ15を容易に独立して駆動できるため、図20に示すように、
(1)上顎部、下顎部、切断カッタをすべて閉じる操作をして使用すれば、平坦面の穿孔切開機能の提供をし、
(2)上顎部と下顎部を合わせる操作をしての把持機能を提供し、
(3)第2の把持機能状態で凝固ボタン操作をして凝固機能を提供し、
(4)切断カッタの操作で切断機能を提供し、
(5)上顎部と下顎部を開閉することにより、開排機能を提供する。
これにより、手術現場で、交換することなく一本の鉗子のツール217で多機能の鉗子機能を提供することができる。
すなわち、把持機構と切断機構とを有するエンドエフェクタと、該エンドエフェクタを駆動する駆動ユニットとが備えられ、前記把持機構は、開閉可能に組付けられた第1把持部及び第2把持部と、前記第1把持部を前記第2把持部に向かって回動させる把持部回動手段とを有し、前記切断機構は、前記第1把持部に併設された切断部と、前記切断部を前記第1把持部の回動と同方向に回動させる切断部回動手段とを有し、前記駆動ユニットは、前記第1把持部と前記第2把持部と前記切断部を組み合わせ駆動することにより、穿孔機能、把持機能、凝固機能、切断機能、及び開排機能のうち少なくともひとつを選択的に提供する医療用ツールを提供できる。医療用ツールを単独で使用してもよいし、ロボットからの制御信号で駆動する医療ロボットにも使用できる。また、把持部と切断部を全て閉じ一体化した場合、開窓に使え、この状態から切断部と把持部の一方が一体となって開く場合、開排に使え、ロボットに手術操作を全て記録して残し、人工知能(AI)の機能を使った手術も可能となる。
なお、上述の説明では、樹脂凸部が柔軟性を有する樹脂製であり、下顎部と一体で構成されてもよいし、別体で構成されて固定してもよいと説明したが、上顎部の形状に対応し、閉じた状態で密閉性が確保できれば、下顎部に設けた凸部は剛性を有する剛性素材であってもよい。
1,1S,1X,1Y…鉗子
1T…鑷子
10a,10b…エンドエフェクタ
14,14S,14a,14b…上顎部
15,15a,15b…切断カッタ
20…同軸電極
21…中央導体
22…半円絶縁体
23…半円管導体
24,24a,24b,24c,24d…照射用電極
40…同軸ケーブル
41…中央導体
43…外側導体
50,50S,50T,50a…樹脂凸部
113…指輪部
116,116S,116a,116b…下顎部
143…突出規制部
153…切断刃
200…遠隔手術システム
210a…入出力ユニット
212a…ロボットアーム組立体
213…駆動装置
220…医療機器
221…手術装置
223…レバー
224,234…駆動ユニット
235…信号インターフェース
B…血管
L…長手方向
W…幅方向

Claims (34)

  1. 対象部位に当接させる第1当接部と、
    該第1当接部に対して、開閉可能に組付けられ、前記対象部位に当接させる第2当接部と、
    前記第1当接部に対して前記第2当接部を回動させる当接部回動手段とを有する施術器であって、
    前記第1当接部及び前記第2当接部における前記対象部位に当接する当接箇所の各々に、電磁波を照射するための電極が設けられるとともに、
    前記電極同士が対向する状態において、前記電極の両側方に、他方の当接部に向かって突出する突出部が設けられた
    施術器。
  2. 前記突出部は、柔軟性を有する柔軟性樹脂で構成された
    請求項1に記載の施術器。
  3. 前記電極は、前記第1当接部及び前記第2当接部の長手方向に沿って設けられ、
    前記突出部は、前記長手方向に沿って設けられた
    請求項1又は請求項2に記載の施術器。
  4. 前記突出部は、前記第1当接部において前記第2当接部と対向する箇所に設けられ、
    前記第2当接部は、閉状態において、前記突出部同士の間に進入する
    請求項1から請求項3までのうちいずれかに記載の施術器。
  5. 前記第2当接部は、
    前記第1当接部に対向する先端に前記電極を配置されるとともに、
    前記先端に向かって幅が先細り形状である
    請求項4に記載の施術器。
  6. 先細り形状である前記第2当接部の基端側の角度が、
    前記突出部同士の間隔より広角である
    請求項5に記載の施術器。
  7. 前記突出部は、前記第1当接部及び前記第2当接部における他方の当接部と対向する箇所において幅方向の両側に設けられた
    請求項1から請求項6までのうちいずれかに記載の施術器。
  8. 前記第1当接部に設けられた一対の前記突出部と、
    前記第2当接部に設けられた一対の前記突出部とが対向する
    請求項7に記載の施術器。
  9. 前記第1当接部に設けられた前記突出部と、
    前記第2当接部に設けられた前記突出部とのうち一方が他方の幅方向における外側に配置された
    請求項7に記載の施術器。
  10. 前記電極は、
    中心電極と、絶縁体を介して該中心電極を囲繞する外側電極とが備えられた同軸電極であり、
    前記電磁波を照射する照射装置と前記電極とを接続する同軸ケーブルを複数に並列分岐させるとともに、前記同軸ケーブルの中心導体と外部導体に前記同軸電極のそれぞれが電気的に接続された
    請求項1から請求項9までのうちいずれかに記載の施術器。
  11. 前記同軸電極は、前記同軸ケーブルに対して逆極性に接続された
    請求項10に記載の施術器。
  12. 前記第1当接部及び前記第2当接部の少なくとも一方は、前記他方と協働して前記対象部位を切断する切断刃で構成された
    請求項1から請求項5までのうちいずれかに記載の施術器。
  13. 前記切断刃に前記電極及び前記突出部が設けられた
    請求項12に記載の施術器。
  14. 前記第1当接部及び前記第2当接部の少なくとも一方と協働して前記対象部位を切断する切断刃と、
    前記第1当接部及び前記第2当接部の少なくとも一方に対して前記切断刃を回動させる切断刃回動手段とが設けられた
    請求項1から請求項5までのうちいずれかに記載の施術器。
  15. 前記切断刃に前記電極及び前記突出部が設けられた
    請求項14に記載の施術器。
  16. 請求項1から請求項15までのうちいずれかに記載された施術器と、
    前記当接部回動手段を駆動する駆動ユニットと、
    該駆動ユニットに駆動信号を印加するように接続された医療用ロボットとを有する
    医療システム。
  17. 請求項1から請求項13までのうちいずれかに記載された施術器に有線及び/又は無線で接続された入出力ユニットと、
    リアルタイムに操作信号を受信する入力ユニットと、
    前記操作信号に基づき予め定められた操作プログラムを実行する演算ユニットと、
    該演算ユニットからの出力に基づき前記当接部回動手段によって前記第1当接部と前記第2当接部により前記対象部位を把持する把持駆動信号を発生する出力ユニットとを備えた
    ロボット。
  18. 請求項14又は請求項15に記載された施術器に有線及び/又は無線で接続された入出力ユニットと、
    リアルタイムに操作信号を受信する入力ユニットと、
    前記操作信号に基づき予め定められた操作プログラムを実行する演算ユニットと、
    該演算ユニットからの出力に基づき前記当接部回動手段によって前記第1当接部と前記第2当接部により前記対象部位を把持する把持駆動信号及び/又は前記切断刃回動手段の長手方向の移動によって前記切断刃で前記対象部位を切断する切断駆動信号を発生する出力ユニットとを備えた
    ロボット。
  19. 請求項17又は請求項18に記載のロボットを備え、
    前記出力ユニットは、前記施術器を機械的に駆動する外部に設けられた駆動ユニットに駆動信号を提供する
    医療用ロボット。
  20. 請求項17に記載のロボットを備え、
    前記出力ユニットは、前記施術器を機械的に駆動する外部に設けられた駆動ユニットに駆動信号を提供し、
    前記駆動ユニットに駆動信号を印加することによって、対象部位を把持した状態で、前記対象部位を、凝固するように構成された
    医療システム。
  21. 請求項18に記載のロボットを備え、
    前記出力ユニットは、前記施術器を機械的に駆動する外部に設けられた駆動ユニットに駆動信号を提供し、
    前記駆動ユニットに駆動信号を印加することによって、対象部位を把持した状態で、前記対象部位を、凝固及び切断するように構成された
    医療システム。
  22. 請求項1から請求項13までのうちいずれかに記載された施術器と、
    前記施術器における少なくとも前記第2当接部をロボットアームの先端に取付ける取付部と、
    ロボットアーム側において前記当接部回動手段を駆動する駆動機構と接続する当接部側接続部とが備えられた
    エンドエフェクタ。
  23. 請求項22に記載のエンドエフェクタと、
    該エンドエフェクタを駆動する駆動ユニットとが備えられ、
    前記駆動ユニットは、
    前記第1当接部と前記第2当接部とを駆動することにより、
    把持機能、凝固機能、及び開排機能のうち少なくともひとつを選択的に提供する
    医療用ツール。
  24. 請求項14又は請求項15に記載された施術器と、
    前記施術器における少なくとも前記第2当接部をロボットアームの先端に取付ける取付部と、
    ロボットアーム側において前記当接部回動手段を駆動する駆動機構と接続する当接部側接続部と、
    ロボットアーム側において前記切断刃回動手段を駆動する駆動機構と接続する切断刃側接続部とが備えられた
    エンドエフェクタ。
  25. 請求項24に記載のエンドエフェクタと、
    該エンドエフェクタを駆動する駆動ユニットとが備えられ、
    前記駆動ユニットは、
    前記第1当接部と前記第2当接部と前記切断刃を組み合わせ駆動することにより、穿孔機能、把持機能、凝固機能、切断機能、及び開排機能のうち少なくともひとつを選択的に提供する
    医療用ツール。
  26. 請求項1から請求項13までのうちいずれかに記載された施術器を備え、
    前記対象部位は生体組織であるとともに、
    前記当接部回動手段を駆動操作する把持操作部が備えられ、
    前記把持操作部を操作して前記生体組織を前記第1当接部と前記第2当接部とで把持し、
    前記電極から電磁波を照射して生体組織の少なくとも一部を凝固させる
    鉗子。
  27. 請求項14又は請求項15に記載された施術器を備え、
    前記対象部位は生体組織であるとともに、
    前記当接部回動手段を駆動操作する把持操作部と、
    前記切断刃回動手段を駆動操作する切断操作部とが備えられ、
    前記把持操作部を操作して前記生体組織を前記第1当接部と前記第2当接部とで把持し、
    前記電極から電磁波を照射して生体組織の少なくとも一部を凝固させ、
    前記切断操作部を操作して前記生体組織を切断刃で切断する
    鉗子。
  28. 請求項1から請求項13までのうちいずれかに記載された施術器を備え、
    前記対象部位は生体組織であるとともに、
    前記当接部回動手段を駆動操作する把持操作部が備えられ、
    前記把持操作部を操作して前記生体組織を前記第1当接部と前記第2当接部とで把持し、
    前記電極から電磁波を照射して生体組織の少なくとも一部を凝固させる
    鑷子。
  29. 請求項14又は請求項15に記載された施術器を備え、
    前記対象部位は生体組織であるとともに、
    前記当接部回動手段を駆動操作する把持操作部と、
    前記切断刃回動手段を駆動操作する切断操作部とが備えられ、
    前記把持操作部を操作して前記生体組織を前記第1当接部と前記第2当接部とで把持し、
    前記電極から電磁波を照射して生体組織の少なくとも一部を凝固させ、
    前記切断操作部を操作して前記生体組織を切断刃で切断する
    鑷子。
  30. 請求項26に記載の鉗子又は請求項28に記載の鑷子を用い、
    前記当接部回動手段を操作して前記第2当接部を前記第1当接部に向かって回動し、前記第1当接部と前記第2当接部とで前記対象部位を把持する工程と、
    前記電極から電磁波を照射して生体組織の少なくとも一部を凝固させる工程とを行う
    把持・凝固方法。
  31. 請求項27に記載の鉗子又は請求項29に記載の鑷子を用い、
    前記当接部回動手段を操作して前記第2当接部を前記第1当接部に向かって回動し、前記第1当接部と前記第2当接部とで前記対象部位を把持する工程と、
    前記電極から電磁波を照射して生体組織の少なくとも一部を凝固させる工程と、
    前記切断刃回動手段を操作して前記第1当接部に併設された前記切断刃を前記第1当接部に沿って移動させ、前記第2当接部と接合することにより前記把持及び凝固された対象部位を切断する工程を有する
    把持・切断方法。
  32. 請求項14又は請求項15に記載された施術器が備えられ、
    前記当接部回動手段を駆動する把持側駆動部と、前記切断刃回動手段を駆動する切断側駆動部とが備えられ、
    前記把持側駆動部によって駆動する前記当接部回動手段により前記第1当接部を回動させて切断対象となる生体組織を把持した状態において、
    前記切断側駆動部によって駆動する前記切断刃回動手段により前記切断刃を回動させ、前記第1当接部又は前記第2当接部と接合することにより前記生体組織を切断する
    携帯用手術器。
  33. 請求項1から請求項11までのうちいずれかに記載された施術器を備えたロボットに対し、有線及び/又は無線で接続された入出力ユニットがリアルタイムに操作信号を受信し、
    演算ユニットが、受信した前記操作信号に基づき予め定められた操作プログラムを実行すると、
    該演算ユニットからの出力に基づき前記当接部回動手段によって前記第1当接部と前記第2当接部により前記対象部位を把持する
    ロボットの操作方法。
  34. 請求項14又は請求項15に記載された施術器を備えたロボットに対し、有線及び/又は無線で接続された入出力ユニットがリアルタイムに操作信号を受信し、
    演算ユニットが、受信した前記操作信号に基づき予め定められた操作プログラムを実行すると、
    該演算ユニットからの出力に基づき前記当接部回動手段によって前記第1当接部と前記第2当接部により前記対象部位を把持する及び/又は前記切断刃回動手段の長手方向の移動によって前記対象部位を切断する
    ロボットの操作方法。
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