JP2022173989A - 窒化チタン膜の成膜方法、及び窒化チタン膜を成膜する装置 - Google Patents

窒化チタン膜の成膜方法、及び窒化チタン膜を成膜する装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2022173989000001
【課題】比抵抗の低い窒化チタン膜を成膜すること。
【解決手段】
処理容器内に収容された基板に対し、塩素とチタンとを含むチタン化合物を含有した原料ガスを供給することと、前記基板に対し、窒素を含み、前記チタン化合物と反応して、窒化チタンを形成する窒素化合物を含有した反応ガスを供給することと、を交互に繰り返し実施して、前記窒化チタン膜を形成する。前記窒化チタン膜を形成する工程は、2.7~12.6kPaの範囲内であって、前記窒化チタン膜の比抵抗が57μΩ・cm以下となるように前記処理容器内の圧力が設定された条件下で実施される。
【選択図】 図4

Description

本開示は、窒化チタン膜の成膜方法、及び窒化チタン膜を成膜する装置に関する。
半導体デバイスの製造において、窒化チタン(TiN)膜は、種々の用途に用いられている。このTiN膜は、例えば成膜ガスとして、チタン(Ti)を含むガス例えば四塩化チタン(TiCl)ガスと、窒素(N)を含むガス例えばアンモニア(NH)ガスを用いて成膜される。
TiN膜については、特許文献1に、TiClガスと、NHガスとを用いて、1.3kPa(10Torr)以内に設定された圧力の下で、ALD(Atomic Layer Deposition)法により成膜する技術が記載されている。また、特許文献2には、前記ガスを用いて、10-3Torr~数十Torrの範囲内に設定された圧力の下で、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により成膜する技術が記載されている。
特開2018-66050号公報 特開平6-188205号公報
本開示は、比抵抗の低い窒化チタン膜を成膜することができる技術を提供する。
本開示は、
窒化チタン膜の成膜方法であって、
処理容器内に収容された基板に対し、塩素とチタンとを含むチタン化合物を含有した原料ガスを供給することと、前記基板に対し、窒素を含み、前記チタン化合物と反応して窒化チタンを形成する窒素化合物を含有した反応ガスを供給することと、を交互に繰り返し実施して、前記窒化チタン膜を形成する工程を含み、
前記窒化チタン膜を形成する工程は、2.7~12.6kPaの範囲内であって、前記窒化チタン膜の比抵抗が57μΩ・cm以下となるように前記処理容器内の圧力が設定された条件下で実施されることを特徴とする。
本開示によれば、比抵抗の低い窒化チタン膜を成膜することができる。
本開示の窒化チタン膜を成膜する装置の一例を示す縦断側面図である。 本開示の窒化チタン膜を成膜する方法のガス供給シーケンスの一例を示す図である。 基板の一面側に形成された窒化チタン膜を示す縦断側面図である。 成膜方法の圧力条件を説明するための特性図である。 窒化チタン膜の評価結果を示す第1の特性図である。 窒化チタン膜の評価結果を示す第2の特性図である。 窒化チタン膜の評価結果を示す第3の特性図である。 窒化チタン膜の評価結果を示す第4の特性図である。 窒化チタン膜の評価結果を示す第5の特性図である。 窒化チタン膜の評価結果を示す第6の特性図である。
<成膜装置>
基板に対して窒化チタン膜(TiN膜)を成膜する装置(以下「成膜装置」と称する)の一実施形態について、図1を参照して説明する。
成膜装置1は、基板である半導体ウエハ(以下、「ウエハ」と称する)Wを収容する処理容器10を備え、この処理容器10の側壁の上部には、例えば円環状の排気ダクト13が配置されている。さらにこの排気ダクト13の上面には、処理容器10の上部開口を塞ぐように天壁14が設けられている。処理容器10は、排気ダクト13の排気口131を介して、真空排気路16により、例えば真空ポンプよりなる真空排気部17に接続される。
真空排気路16には、圧力調節部をなすAPC(Auto pressure Controller)バルブ18が介設されている。APCバルブ18は、例えばバタフライバルブよりなり、真空排気路16を開閉自在に設けられ、その開度の調節により真空排気路16のコンダクタンスを増減することによって、処理容器10内の圧力を調節する役割を果たすように構成される。
処理容器10の内部には、ウエハWを水平に支持すると共に、ウエハWを加熱するためのヒータ21が埋設された載置台2が設けられている。この載置台2は昇降機構24により昇降自在に構成されている。なお図1中、受け渡し位置にある載置台2について一点鎖線にて示す。図中、符号25は、ウエハWの受け渡し用の支持ピンを指し、昇降機構26により昇降自在に構成される。符号22は、支持ピン25用の貫通孔、符号27及び28は、載置台2、支持ピン25の昇降動作に伴って伸縮するベローズを夫々指す。
処理容器10には、載置台2と対向するように、処理容器10内に処理ガスをシャワー状に供給するためのシャワーヘッド3が設けられている。シャワーヘッド3は、その内部にガス拡散空間31を備えると共に、その下面は、多数のガス吐出孔33が形成されたシャワープレート32として構成される。ガス拡散空間31にはガス導入孔34を介して、ガス供給系4が接続されている。
ガス供給系4は、処理容器10に、原料ガスを供給するための原料ガス供給部4Aと、反応ガスを供給する反応ガス供給部4Bと、原料ガスに添加される添加ガスを供給するための添加ガス供給部4Cと、原料ガス及び反応ガスをパージするためのパージガスとして水素ガスの供給を行うための水素ガス供給部4Dと、を備えている。原料ガスは塩素(Cl)とチタン(Ti)とを含むチタン化合物を含有したガスであり、チタン化合物としては例えば四塩化チタン(TiCl)が用いられる。また、反応ガスは、窒素(N)を含み、チタン化合物と反応して、窒化チタン(TiN)を形成する窒素化合物を含有したガスであり、窒素化合物としては例えばアンモニア(NH)が用いられる。さらに、添加ガスは、前記チタン化合物であるTiClに含まれる塩素と反応するケイ素化合物を含有したガスであり、ケイ素化合物としてはシラン(SiH)が用いられる。
原料ガス供給部4Aは、TiClガスの供給源41及び供給路411を含むものであり、例えばガス供給路411には、上流側から流量調整部412、貯留タンク413及びバルブV1が介設される。また、反応ガス供給部4Bは、NHガスの供給源42及び供給路421を含むものであり、例えばガス供給路421には、上流側から流量調整部422、貯留タンク423及びバルブV2が介設される。さらに添加ガス供給部4Cは、SiHガスの供給源43及び供給路431を含むものであり、例えばガス供給路431には、上流側から流量調整部432、貯留タンク433及びバルブV3が介設される。そして、水素ガス供給部4Dは、Hガスの供給源44及び供給路441を含むものであり、例えばガス供給路441には、上流側から流量調整部442及びバルブV4が介設される。
これらTiClガス、NHガス、SiHガスは、夫々貯留タンク413、423、433に一旦貯留されて、これら貯留タンク413、423、433内にて所定の圧力に昇圧された後、処理容器10内に供給される。貯留タンク413、423、433から処理容器10への夫々のガスの供給及び停止は、バルブV1~V3の開閉により行われる。
さらに、ガス供給系4は、処理容器10に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部を備え、不活性ガスとしては例えば窒素(N)ガスが用いられる。この例における不活性ガス供給部は、Nガスの供給源45、46、47及び供給路451、461、471を含むものである。本例では、供給源45から供給されるNガスはTiClガス用のパージガスであり、供給源45はガス供給路451を介して、ガス供給路411におけるバルブV1の下流側に接続される。また、供給源46から供給されるNガスはNHガス用のパージガスであり、供給源46は、ガス供給路461を介して、ガス供給路421におけるバルブV2の下流側に接続される。さらに供給源47から供給されるNガスはSiHガス用のパージガスであり、供給源47はガス供給路471を介して、ガス供給路431におけるバルブV3の下流側に接続される。また、供給源48から供給されるNガスはHガスと共に処理容器10に供給されるパージガスであり、供給源48は、ガス供給路481を介して、ガス供給路421におけるバルブV4の下流側に接続される。なお、図1中、符号452、462、472、482は夫々流量調整部を指し、符号V5~V8は夫々バルブを指している。
後述するように、ガス供給路451、461、471から供給されるNガスは、TiN膜の成膜処理の期間中、継続して供給されるパージガスである。一方、ガス供給路441から供給されるHガス、及びガス供給路481から供給されるNガスは、所定のステップにて供給されるパージガスである。そこでこれらのパージガスを区別するため、後者のHガス及びNガスを供給する動作をフラッシュパージと呼び、これらのパージガスをフラッシュパージガスとも呼ぶ、
成膜装置1は制御部100を備えており、この制御部100は、例えばコンピュータよりなり、プログラム、メモリ、CPUを含むデータ処理部を有している。プログラムは、制御部100から成膜装置1の各部に制御信号を送り、後述のTiN膜を形成する工程を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれる。プログラムは、コンピュータ記憶媒体、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)等の記憶部に格納されて制御部100にインストールされる。具体的にこのプログラムは、成膜装置1における原料ガスや反応ガス、不活性ガスの供給、処理容器10内の圧力調節などの動作を制御する。
<成膜方法>
次に、本開示のTiN膜の成膜方法の一例について、図2のガス供給シーケンスを参照しながら説明する。この例は、既述の成膜装置1を用いて、ウエハWの一面側に、ALD法によりTiN膜を成膜するものである。図2のガス供給シーケンスは、成膜に用いられるTiClガス、SiHガス、NHガス、Hガス及び各Nガスの処理容器10への供給タイミングを示すものである。図2中、TiClの下段のNは、供給源45から供給されるNガス、SiHの下段のNは、供給源47から供給されるNガス、NHの下段のNは、供給源46から供給されるNガス、Hの下段のNは、供給源48から供給されるNガスである。
先ず、APCバルブ18の開度を調節するAPCセット工程を実施する。この工程では、例えば処理容器10内にウエハWを搬入して載置台2に載置し、ヒータ21によるウエハWの加熱を開始すると共に、処理容器10内に、供給源45、46、47から夫々予め設定された流量でNガスを供給する。そして、真空排気部17により処理容器10内の真空排気を実施し、処理容器10内の圧力が例えば4.0kPa(30Torr)になるようにAPCバルブ18の開度を調節する。APCセット工程に引き続いてTiN膜を形成する工程である成膜工程が実施されるが、この成膜工程においても、APCバルブ18の開度は、APCセット工程にて調節された開度に維持される。APCセット工程の間に、載置台2に載置されたウエハWは、例えば400℃~750℃の範囲内の温度である600℃に加熱される。
続いて、図2のガス供給シーケンスに基づき、TiN膜を形成する工程である成膜工程を実施する。成膜工程は後述するステップS1~S6により構成される。先ず、バルブV1を開いて原料ガスであるTiClガスを処理容器10内に供給すると共に、供給源45、46、47から夫々予め設定された流量でNガスを処理容器10内に供給する。成膜工程では、下記のよう処理容器10内の圧力を上昇させる調節を行う。この圧力調節に当たっては、APCセット工程よりもNガスの流量が多くなるように設定する手法を例示することができる。また、Nガスと共に、少量の水素(H)ガスを供給するようにしてもよい。特にNガスの供給により、処理容器10内の圧力は、例えば8.6kPa(64.8Torr)~9.0kPa(67.4Torr)に上昇し、成膜工程では当該圧力にて維持される。こうして、処理容器10内の圧力が設定された状態で、TiClガスがウエハWの全面に吸着される(ステップS1)。
次に、バルブV1を開いた状態のまま、バルブV3を開き、TiClガスが処理容器10内に供給されている期間中であって、当該TiClガスの供給が開始された後のタイミングにて、添加ガスであるSiHガスを供給する(ステップS2)。後述の実験結果に示すように、SiHガスは、TiN膜の比抵抗の上昇を抑えつつ、TiN膜の成膜速度の向上に寄与する。SiHガスの添加により、これらの効果が得られる推定のメカニズムについては、実験結果と合わせて後述する。
次に、開かれた状態となっている2つのバルブのうち、バルブ3を閉じてSiHガスの供給を停止する(ステップS3)。次いで所定の時間が経過した後、もう一方のバルブV1を閉じてTiClガスの供給を停止する。一方、供給源45、46、47からのNガスの供給を続けると共に、バルブV4、V8を開いてフラッシュパージ用のNガス、Hガスの供給を行う。このようにして、Nガスの供給流量を増加させるフラッシュパージを行い、処理容器10内に残存するTiClガスを除去する。また、フラッシュパージの際に、Nガスと共にHガスを供給することにより、残存する塩素(Cl)と水素を反応させ塩化水素(HCl)として除去する(ステップS4)。後述するようにHガスを添加することによるClの除去についても、TiN膜の比抵抗の低減に寄与する。
次いで、供給源45、46、47からのNガスの供給を続けた状態で、バルブV4を閉じてHガスの供給を停止する一方、バルブV2を開いて、処理容器10内に反応ガスであるNHガスを供給する。既述のように、処理容器10内の圧力は成膜工程の圧力に設定されているので、この圧力下にて、ウエハWに吸着されたTiClとNHとが反応し、TiN膜が形成される(ステップS5)。
続いて、バルブV2を閉じてNHガスの供給を停止する一方、供給源45、46、47からのNガスの供給を継続すると共に、バルブV8を開いてNガスの供給流量を増大させフラッシュパージを行い、処理容器10内に残存するNHガスを除去する。さらに、フラッシュパージ時には、バルブV4を開いてHガスの供給も行う(ステップS6)。こうして、成膜工程では、処理容器10内に不活性ガスであるNガスの供給を行いながら、原料ガスと反応ガスとを交互に供給すると共に、原料ガスと反応ガスとが切り替えられるフラッシュパージのタイミングにてHガスを供給する。これらステップS1~S6を設定された回数繰り返して実施し、所望の厚さのTiN膜を形成する。
ここで本開示の手法により形成されるTiN膜5は、例えばDRAMのワード線である配線層を成すものであり、例えば図3に示すように、ウエハWの一面側の絶縁膜51に形成された溝状の凹部52に埋め込まれる。TiN膜5は、凹部52の底部の内面及び側壁の内面に夫々堆積していき、既述のステップS1~S6の繰り返しにより、凹部52への埋め込みが進行する。絶縁膜51は、例えばシリコン酸化膜(SiO)膜よりなり、凹部52は、その深さDが80~200nm、開口幅Wが10~20nm程度であって、前記深さDと開口幅Wとの比D/Wが5~20程度の大きさに形成されている。一般に、ワード線の凹部52は、ビアホールを形成する凹部と比較してアスペクト比が小さいため、凹部52にタングステンよりもTiNを埋め込むことにより抵抗値が低くなる。このように、当該凹部52に配線層をTiNで埋め込むことによって、形成されるTiNが厚くなる傾向がある。
DRAMの製造工程では、凹部52に埋め込まれるTiN膜5を成膜した後、不純物の拡散等の目的で、アニール処理が実施されている。一方、成膜されたTiN膜5には小さな空隙であるマイクロボイドが形成される場合がある。さらには、成膜後に実施されるアニール処理など加熱によっても、TiN膜内にさらに多くのマイクロボイド53が追加形成されてしまうことがある。このように配線層として用いられるTiN膜中に多数のマイクロボイド53が発生すると、電流の流れが悪くなり、TiN配線層の比抵抗が上昇する要因となって、デバイス動作に悪影響を及ぼす懸念がある。
ここでウエハWの加熱により形成されるマイクロボイド53は、TiN膜5中のグレイン(crystal grain:結晶粒)がアニール処理により成長することに伴い、隣接するグレイン同士の間に微小な隙間が生成することによって発生すると推察される。また後述のように、TiClなどのClを含有する原料ガスを用いてTiN膜を成膜する場合には、アニール処理によりマイクロボイド53が多く発生する傾向にあることが把握されている。このため、TiN膜中のCl不純物濃度を低下させることがマイクロボイド53の発生の抑制に有効であると推定される。
このような背景から、本開示の発明者らは、既述のステップS4、S6のNガス及びHガスによるパージ時間(フラッシュパージの時間)を長くすることにより、不要なTiClガスや、成膜反応の反応副生成物などのClを含む成分を処理容器10から排出することを試みた。この結果、パージ時間を5倍程度長くすることにより、Cl含有量が低いTiN膜を成膜することができると共に、アニール処理時のマイクロボイド53発生の抑制に有効でもあることが認められた。しかしながら、既述の凹部52にTiN膜5を埋め込む処理では、TiN膜5の膜厚が15nm~20nmと大きく、サイクルの繰り返し回数が多い。このため、パージ時間を長くすると、成膜処理のトータルの処理時間が長時間化し、生産性の大幅な低下は免れなくなってしまう。
そこで、発明者らは、パージ時間の長時間化以外の手法で比抵抗の低いTiN膜5を成膜するべく、TiN膜の成膜処理における処理条件の見直しを行った。
従来からTiN膜をALD法にて成膜する場合には、既述の特許文献1に記載されているように、処理容器10内の圧力が1.33kPa(10Torr)以下の条件下で成膜されることが一般的である。ALD法は、ウエハWの一面側に吸着したTiClとNHとを反応させてTiN膜を成膜するため、気相中にてTiClとNHとを反応させるCVD法による成膜反応が進行しないように、できるだけ短時間で原料ガスをパージすることが要求される。処理容器10内の圧力を上げるとパージに時間がかかるため、低圧条件にて実施することが常識と考えられていたからである。
これに対して、発明者らは、処理容器10内の圧力について、広い範囲で変化させてTiN膜の成膜処理を実施したところ、TiN膜の比抵抗が低くなる最適な圧力範囲が、従来の圧力条件よりも高圧側に存在することを見出した。以下に、圧力条件の最適化の経緯について記載する。
先ず、図4に基づいて、TiN膜の成膜処理における処理容器10内の圧力に関して説明する。図4中、縦軸は処理容器10内の圧力、横軸は経過時間を夫々示す。また、同図において、本開示の成膜処理の圧力を実線にて示し、従来実施していた1.33kPa(10Torr)以下の圧力条件については点線にて示す。
図4に示す例における本開示の成膜処理について説明する。この成膜処理は、既述のように、APCセット工程と成膜工程とよりなり、時刻t1にて、供給源45、46、47からNガスを7.5slm(リットル/分、標準状態(1気圧、0℃))で供給して、APCセット工程を開始する。そして、処理容器10内の圧力が安定した状態(4.0kPa(30Torr))でAPCバルブ18の開度を固定し、時刻t2にてAPCセット工程を終了する。
次いで、時刻t2にて、既述の成膜工程を開始する。この成膜工程では、既述のように、例えばAPCセット工程よりもNガスの流量を多くすることにより、処理容器10内の圧力が8.6kPa(64.8Torr)~9.0kPa(67.4Torr)まで上昇する。既述のステップS1~S6を繰り返して実施される成膜工程中、ステップS1のTiClガスの供給時には圧力が0.3~0.4kPa程度低下し、ステップS2~S6にて再び圧力が0.3~0.4kPa程度上昇する。このように、TiClガスの供給時に間欠的に圧力が僅かに低下する理由は、TiClガスの供給時のみNガスの流量を低下させるためである。
一方、従来の圧力条件の成膜処理においても、設定される圧力が異なること以外については、既述のとおりに成膜処理が実施される。従って、時刻t1にて、Nガスを2.5slmで供給して、APCセット工程を開始する。そして、処理容器10内の圧力が安定した状態(0.67kPa(5Torr))で、APCバルブ18の開度を固定し、時刻t2にて既述の成膜工程を開始する。この成膜工程は、処理容器10内の圧力が0.96kPa(7.2Torr)~1.09kPa(8.2Torr)まで上昇する状態で、TiN膜の形成が実施される。
続いて、図5について説明する。当図は、処理容器10内の圧力と、TiN膜の比抵抗との関係を示す特性図(第1の特性図)であり、APCセット工程の圧力を変えて既述の成膜処理を実施し、形成されたTiN膜の比抵抗を測定した結果を示している。図5中、縦軸はTiN膜の比抵抗、横軸は処理容器10内の「APCセット工程」における圧力を夫々示す。また、図5では、パージガスの流量が2.5slmのデータを○、5.0slmのデータを△、7.5slmのデータを◇、10.0slmのデータを□にて、夫々プロットしている。
また、各ガスの供給流量の設定例を記載しておくと、TiClガスは34sccm、NHガスは600sccm、SiHガスは250sccmであり、供給路451、461、471から連続的に供給されるNガスは例えば、上述のパージガスの各流量を3等分した値である。また、ステップS4、S6におけるフラッシュパージ用のNガスは18000sccm、同じくフラッシュパージ用のHガスは7000sccmである。ステップS1~S3、S5の実施時間は、0.05秒、ステップS4、S6のパージの実施時間は、約1秒であり、ステップS1~S6の1サイクルは2.5秒に設定されている。
TiN膜の成膜工程では、既述のようにステップS1~S6を繰り返して膜厚15nmのTiN膜を成膜した。一連のステップS1~S6を実施するのに要する時間は2.5秒とした。また、成膜されたTiN膜の比抵抗については、エリプソメーターによるTiN膜の膜厚測定結果及び44探針法によるシート抵抗値に基づき特定した。
図5には成膜工程における処理容器10内の圧力については記載を省略しているが、その対応関係の例を挙げると、
パージガス流量が2.5slm、APCセット工程の圧力が5.3kPaの条件では、成膜工程の圧力は8.8kPa、
パージガス流量が5.0slm、APCセット工程の圧力が5.3kPaの条件では、成膜工程の圧力は10.4kPa、
パージガス流量が7.5slm、APCセット工程の圧力が5.3kPaの条件では、成膜工程の圧力は11.8kPaである。
このように、成膜工程の圧力は、TiClガスやNHガス、パージガス(Nガス)の流量によって異なるものの、いずれの場合もAPCセット工程の圧力の凡そ2倍程度の圧力となる。従って、図4の横軸に示すAPCセット工程の圧力条件の指示値を2倍すれば、成膜工程の圧力との対応関係を把握することが可能である。即ち、成膜工程における圧力の変化に対するTiN膜の比抵抗の変化の傾向は、図4に示すAPCセット工程の圧力変化に対する比抵抗の変化の傾向とほぼ相似形を成すと言える。このことは、後述する図6~図8の場合においても同様である。
この図5の結果から、TiN膜の比抵抗は、APCセット工程の圧力、つまりは成膜工程の圧力によって変化することが認められる。パージガス流量が2.5slmの成膜条件に着目すると、APCセット工程の圧力が0.67kPa(5Torr)から上昇するに連れて比抵抗が低下する。そして、前記圧力が2.7kPa(20Torr)において最も低くなるものの、それ以上の圧力では、圧力の上昇と共に比抵抗も上昇することが分かる。
また、パージガス流量が5slm、7.5slm、10slmの成膜条件においても、TiN膜の比抵抗は、APCセット工程の圧力によって変化し、これらの条件では、前記圧力が4.0kPa(30Torr)の条件下にて最も比抵抗が低下し、51.6μΩcmであることが確認された。さらに、前記圧力が同じ場合には、パージガス流量が多い程、比抵抗が小さくなる傾向がある。但し、パージガス流量の増加量に対する比抵抗の低下幅は次第に小さくなり、飽和していく傾向もあることが分かる。
以上に記載したように、TiN膜の比抵抗の低減を図るためには、成膜工程の圧力に最適な条件があることが認められる。図4に示す従来の圧力条件では、APCセット工程の圧力が6.65kPa(5Torr)であるので、形成されるTiN膜の比抵抗は約59μΩcmであるが、本開示ではこの値よりも低い、例えば57μΩcm以下の比抵抗を有するTiN膜を成膜することを目指している。
そして、発明者らは、既述のように、処理容器10内の圧力条件を種々、変えてTiN膜を形成した。その結果、図5に示すデータを踏まえると、成膜工程の圧力が、2.7kPa(20Torr)~12.6kPa(95Torr)の範囲内であれば、成膜されるTiN膜の比抵抗が57μΩcm以下となる場合が多いことを把握した。但し、図5に示すように、パージガスの流量によってもTiN膜の比抵抗が変化する。このため、本開示では、前記圧力が、2.7kPa(20Torr)~12.6kPa(95Torr)の範囲内であって、成膜されるTiN膜の比抵抗が57μΩcm以下となるような条件にてTiN膜の形成を実施することを要件としている。このような条件は、図5を用いて説明した予備実験を行うことなどにより予め把握することができる。
以上に説明したように、上述の実施形態によれば、パージ時間の長時間化を抑えつつ、ALD法により形成されるTiN膜の比抵抗を低下させることができる。また以下に説明するように、成膜工程時の圧力を高くすることにより、TiN膜の成膜速度が上昇するという副次的効果を得ることができる。
図6は、処理容器10内の圧力と、TiN膜の成膜速度との関係を示す特性図(第2の特性図)であり、APCセット工程における圧力を変えて、図5のTiN膜と同様の成膜処理を実施し、形成されたTiN膜の成膜速度を測定した結果を示している。図6中、縦軸はTiN膜の成膜速度、横軸はAPCセット工程の処理容器10内の圧力を夫々示す。また、図5では、パージガスの流量が2.5slmのデータを○、5.0slmのデータを△、7.5slmのデータを◇、10.0slmのデータを□にて夫々プロットしている。
この図6の結果から、TiN膜の成膜速度は、APCセット工程の圧力、つまり成膜工程の圧力が上昇するほど大きくなることが認められる。但し、パージガス流量の増加量に対する成膜速度の減少幅は、次第に小さくなり飽和してくることも認められる。また、パージガス流量が5slm、7.5slm、10slmの成膜条件では、前記圧力に対する成膜速度がほぼ同じであることが分かる。
以上に説明した図5(第1の特性図)及び図6(第2の特性図)における、パージガス2.5slmの条件のデータに基づくと、以下のことが言える。APCセット工程の圧力が1.3kPa~3.6kPa、つまり成膜工程の圧力が凡そ2.7kPa~7.2kPaの範囲ではTiN膜の比抵抗が57μΩcm以下となる。一方、この範囲外の圧力では、比抵抗が急激に増大する傾向がみられる。また、成膜速度については、圧力範囲によらず、圧力の上昇と共に増大する。
これらのことから、成膜工程の圧力が2.7kPa~7.2kPaの範囲内の圧力ではALDによるTiN膜の形成がより進行しやすく、1回のサイクルで形成されるTiN膜の成膜量が多くなる。そして、不純物であるClの含有率が少ないより緻密なTiN膜が形成されると推察される。
一方、APCセット工程の圧力が3.6kPaより高くなると、圧力の上昇と共に、比抵抗が増大する。これは、圧力が3.6kPaを超えると、ALDによるTiN膜の形成と、気相においてTiClとNHとが反応するCVDにより形成されるTiN膜の割合が増大するからではないかと推察される。
このように、成膜工程時の圧力によってTiN膜の比抵抗が改善するメカニズムについては明らかではないが、以下に説明する図7に示すように、TiN膜のCl含有率が低下することが実験的に確認されている。このため、圧力が高く、またHガスが存在する雰囲気下では、TiN膜の表面からClが離脱しやすくなるものと推察される。
図7は、処理容器10内の圧力と、TiN膜のCl含有率との関係を示す特性図(第3の特性図)であり、APCセット工程における圧力を変えて、図5と同様の成膜処理を実施し、形成されたTiN膜のCl含有率を測定した結果を示している。
TiN膜のCl含有率(at%)は、SIMS(二次イオン質量分析:Secondary Ion Mass Spectrometry)により、TiN膜中のCl原子の割合を測定した結果を示している。同図中、縦軸はCl含有率、横軸は処理容器10内のAPCセット工程の処理容器10内の圧力を夫々示す。また、パージガスの流量が2.5slmのデータを○、7.5slmのデータを◇にて夫々プロットしている。
パージガス2.5slmのデータでは、APCセット工程における圧力が0.67kPa(5Torr)~4.0kPa(30Torr)の範囲では、圧力が上昇するに連れて、形成されるTiN膜のCl含有率は徐々に低下することが分かる。従って、APCセット工程、つまり成膜工程の圧力を上昇させることにより、TiN膜の形成時にTiN膜に取り込まれるClが減少している。この結果、マイクロボイドの発生を抑えて、比抵抗の低下に繋がるものと推察される。
実際に、処理容器10内の圧力と、TiN膜のボイド率との関係を調べたところ、図8(第4の特性図)に示す結果が得られた。当図は、APCセット工程における圧力を変えて、図5と同様の成膜処理を実施し、形成されたTiN膜のアニール処理後のボイド率を測定した結果を示すものである。アニール処理条件は750℃、2時間、N雰囲気である。ボイド率については、トレンチ形状に平行に加工したサンプルのTEM(Transmission Electron Microscope)観察を行い、ボイド部分が白く見える面積の割合を全体の面積から算出する画像処理を行う事により求めた。同図中、縦軸はボイド率、横軸は処理容器10内のAPCセット工程の処理容器10内の圧力を夫々示す。また、パージガスの流量が2.5slmのデータを○、7.5slmのデータを◇にて夫々プロットしている。
パージガス2.5slmのデータにおいて、APCセット工程の圧力が1.3kPa(10Torr)~4.0kPa(30Torr)の範囲では、圧力が上昇するに連れて、形成されるTiN膜のボイド率は低下することが分かる。このように、TiN膜のCl含有率とボイド率との間には相関性が見られ、APCセット工程、つまり成膜工程の圧力を上昇させることにより、TiN膜の形成時にTiN膜に取り込まれるClが減少し、この結果、ボイドの発生が抑制されることが理解される。
さらに、SiHガスの添加の影響を確認するため、ステップS2におけるSiHガスの供給流量を変化させ、TiN膜の比抵抗及び成膜速度への影響を確認した例を図9及び図10に示す。供給路451、461、471から連続的に供給されるパージガス(Nガス)の流量は合計で7.5slmであり、処理容器10内の圧力は5.3kPa(40Torr)に設定されている。
図9、図10において、SiHガスの供給流量が450sccmのプロットは、図5、図6の圧力は5.3kPa(40Torr)におけるひし形(◇)のプロットと同様の処理条件で成膜されている。そして、SiHガスの供給流量を250sccm、0sccmと減らしていった場合には、比抵抗についてはやや上昇する傾向がみられる(図9)。また、成膜速度については、SiHガスの供給流量の低下に伴って低下する傾向がみられる(図10)。
このように、添加ガスとしてSiHガスを供給することにより、TiN膜の比抵抗を低減すると共に、成膜速度を向上させることが可能となるメカニズムについては明らかでない。この点を推定すると、ステップS1~S3にてTiClガスを供給すると、前のサイクルにて形成されたTi-NHの層にTiClが吸着し、膜の表面にはTi-N-Ti-Clが形成される。このTi-N-Ti-Clは、次のサイクルに供給されるTiClの吸着サイトの形成を制限しているのではないかと考えられる。このとき、TiClガスに対し、Ti-N-Ti-Clに含まれるClと反応するケイ素化合物であるSiHガスが添加されていると、膜表面にTi-N-Ti-Hが形成され、Clは、SiHCl(4-Y)の化合物となって膜から引き抜かれる。Ti-N-Ti-Hは、Ti-N-Ti-Clと比較して吸着サイトの形成を阻害する作用が小さいと考えられることから、新たなTiClの吸着の阻害を抑えることができる。例えば上述の反応メカニズムにより、TiN膜中へのClの残存を抑えつつ、膜の表面に多くの吸着サイトが形成され、TiN膜の成膜速度が向上するのではないかと推定している。
但し、TiN膜中にSiHのSiが取り込まれてしまうと、絶縁材料であるSiNが形成され、TiN膜の比抵抗を増大させる要因ともなる。そこで、図2に記載のように、SiHガスの供給を開始するタイミングについて、TiClガスの供給を開始した後に設定する(ステップS1、S2)。これにより、膜の表面にTiClを十分に吸着させてから、SiHとの反応を進行させることが可能となり、TiN膜中へのSiの取り込みを抑制することができる。
また、SiHガスを停止するタイミングについても、TiClガスの供給停止する前とすることにより、処理容器10内へのSiHの残存量を低減して、TiN膜中へのSiの取り込みを抑える効果も得られる。
但し、TiClガスの供給を開始した後にSiHガスの供給を開始し、またTiClガスの供給を停止する前にSiHガスの供給を停止することは、必須の要件ではない。例えばTiN膜の比抵抗が既述の57μΩcm以下となる限りにおいては、TiClガス及びSiHガスを同時に停止してもよいし、供給開始のタイミングについても同時に設定してもよい。
また、図9に示す例では、TiN膜の比抵抗は、60μΩcm前後であり、目標値である57μΩcmよりも大きな値となっている。但し、既述のように、TiN膜の比抵抗は、パージガスの流量など、他の処理条件によっても変化する。そして、図9に記載の結果は、比抵抗については添加するSiHガスの流量を変化させても、図10に示す成膜速度ほどの大きな変化は見られない。従って、比抵抗が57μΩcm以下のTiN膜を成膜できる条件であれば、必要な成膜速度が得られる範囲で、SiHガスの供給流量を450sccmよりも低い流量に設定してもよい(SiHガスの供給流量が0sccmの場合を含む)。また、これとは反対に、より高い成膜速度を実現するため、TiN膜へのSiの取り込みの影響が増大しない範囲で、SiHガスの供給流量を450sccmよりも増やしてもよい。
以上に説明したように、本開示によれば、成膜工程における圧力条件の最適化を図ることにより、比抵抗が低いTiN膜を形成することができる。また、TiN膜の成膜速度を増大させることもできる。従って、原料ガスや反応ガスをパージするステップS4、S6の長時間化を抑えることができる。さらに、成膜速度が大きくなることにより、従来と比較して、目標の膜厚に到達するまでの成膜工程のサイクル(ステップS1~S6)の繰り返し回数を低減することもできる。このため、成膜処理のトータルの処理時間の短縮に貢献でき、生産性の向上を図ることができる。このように、成膜工程における圧力条件の最適化により、TiN膜の比抵抗の低減や成膜速度の向上を図ることができるため、既存の設備を用いて、生産性の大幅な改善が可能になる。
以上において、原料ガスのチタン化合物としては、四塩化チタン(TiCl)の他に、三塩化チタン(TiCl)ガス、二塩化チタン(TiCl)ガス、四臭化チタン(TiBr)ガス、四ヨウ化チタン(TiI)ガスを用いることができる。
また、反応ガスの窒素化合物としては、アンモニアの他にヒドラジン(N)、モノメチルヒドラジン(CHNH-NH)あるいは窒素ラジカルを用いることができる。
さらに、添加ガスにおいて、チタン化合物に含まれる塩素と反応するケイ素化合物としては、シラン(SiH)の他に、ジシラン(Si)を用いてもよい。但し、比抵抗の増大が問題になる場合には、例えばSiHClなどのように、Clを含むケイ素化合物は、避けることが好ましい。また不活性ガスとしては、窒素ガスの他に、アルゴン(Ar)ガスやヘリウム(He)ガスを用いてもよい。
上述の実施形態では、APCセット工程の設定圧力を成膜工程よりも低くして、APCバルブ18の開度を設定している。但し、この例に限らず、APCセット工程において、不活性ガスの供給量を成膜工程時と同程度にして、処理容器10内の圧力を成膜工程時における圧力である、2.7~12.6kPaの範囲内の圧力に調節するように、APCバルブ18の開度を設定してもよい。
また、成膜工程時における圧力調節は原料ガス、反応ガス、不活性ガスの流量制御のみにて実施するのではなく、APCバルブ18の開度の調節と組み合わせて実施してもよい。例えば、上述の例では、TiN膜を形成する工程では不活性ガスの供給を行なっていたが、原料ガスや反応ガスの供給時には、不活性ガスの供給を停止する一方、APCバルブ18の開度を変更して、処理容器10内の圧力を既述のように調節するようにしてもよい。この他、NガスとHガスとを同時供給するフラッシュパージの実施は必須の要件ではない。比抵抗が57μΩcm以下のTiN膜が得られる範囲で、例えばNガスのみによるフラッシュパージを行ってもよい。また、フラッシュパージは行わずに、常時供給されているNガスのみによるパージのみを行ってもよい。
さらに、TiN膜を成膜する装置は、図1に示す構成には限られない。例えば、複数枚のウエハWに対して同時に成膜を行うバッチ式の成膜装置を用いてもよい。この場合にもALD法によりTiN膜の成膜を行うにあたり、2.7~12.6kPaの範囲内であって、TiN膜の比抵抗が57μΩ・cm以下となる圧力条件下で成膜工程を実施することができる。
<他の適用>
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更または組み合わせが行われてもよい。
W 半導体ウエハ
1 成膜装置
10 処理容器
4A 原料ガス供給部
4B 反応ガス供給部
4C 添加ガス供給部
4D 水素ガス供給部

Claims (17)

  1. 窒化チタン膜の成膜方法であって、
    処理容器内に収容された基板に対し、塩素とチタンとを含むチタン化合物を含有した原料ガスを供給することと、前記基板に対し、窒素を含み、前記チタン化合物と反応して窒化チタンを形成する窒素化合物を含有した反応ガスを供給することと、を交互に繰り返し実施して、前記窒化チタン膜を形成する工程を含み、
    前記窒化チタン膜を形成する工程は、2.7~12.6kPaの範囲内であって、前記窒化チタン膜の比抵抗が57μΩ・cm以下となるように前記処理容器内の圧力が設定された条件下で実施される、方法。
  2. 前記チタン化合物は、四塩化チタンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記窒素化合物は、アンモニアである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記窒化チタン膜を形成する工程にて、前記原料ガスを前記基板に供給する期間中に、前記チタン化合物に含まれる塩素と反応するケイ素化合物を含有した添加ガスを供給する、請求項1ないし3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 前記添加ガスの供給を開始するタイミングは、前記原料ガスの供給を開始した後である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ケイ素化合物は、シランである、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記窒化チタン膜を形成する工程は、前記基板を400~750℃の範囲内の温度に加熱した条件下で実施される、請求項1ないし6のいずれか一つに記載の方法。
  8. 前記窒化チタン膜を形成する工程は、前記処理容器内に不活性ガスの供給を行いながら実施される、請求項1ないし7のいずれか一つに記載の方法。
  9. 前記原料ガスの供給と、前記反応ガスの供給とが切り替えられるタイミングにて、前記不活性ガスと共に、水素ガスを供給する、請求項8に記載の方法。
  10. 基板に窒化チタン膜を成膜する装置であって、
    前記基板を収容するように構成される処理容器と、
    前記処理容器に、塩素とチタンとを含むチタン化合物を含有した原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
    前記処理容器に、窒素を含み、前記チタン化合物と反応して窒化チタンを形成する窒素化合物を含有した反応ガスを供給する反応ガス供給部と、
    制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記処理容器内に、前記原料ガス供給部から原料ガスを供給する操作と、前記反応ガス供給部から反応ガスを供給する操作と、を交互に繰り返し実施すると共に、2.7~12.6kPaの範囲内であって、前記窒化チタン膜の比抵抗が57μΩ・cm以下となるように、前記処理容器内の圧力が設定された条件下にて前記窒化チタン膜を形成するステップを実施する制御を行うように構成される、装置。
  11. 前記チタン化合物は、四塩化チタンである、請求項10に記載の装置。
  12. 前記窒素化合物は、アンモニアである、請求項10または11に記載の装置。
  13. 前記処理容器に、前記チタン化合物に含まれる塩素と反応するケイ素化合物を含有した添加ガスを供給する添加ガス供給部を備え、
    前記制御部は、
    前記窒化チタン膜を形成するステップにて、前記原料ガス供給部から前記原料ガスを供給する期間中に、前記添加ガス供給部から前記添加ガスを供給する制御を行うように構成される、請求項10ないし12のいずれか一つに記載の装置。
  14. 前記制御部は、前記添加ガスの供給を開始するタイミングが、前記原料ガスの供給を開始した後となるように、前記原料ガス供給部及び前記添加ガス供給部の制御を行う、請求項13に記載の装置。
  15. 前記ケイ素化合物は、シランである、請求項13または14に記載の装置。
  16. 前記処理容器に、不活性ガスを供給する不活性ガス供給部を備え、
    前記制御部は、前記不活性ガス供給部から前記処理容器内に不活性ガスの供給を行いながら、前記窒化チタン膜を形成するステップを実施する制御を行うように構成される、請求項10ないし15のいずれか一つに記載の装置。
  17. 前記処理容器に、水素ガスを供給する水素ガス供給部を備え、
    前記制御部は、前記原料ガスの供給と、前記反応ガスの供給とが切り替えられるタイミングにて、前記不活性ガスの供給と共に、前記水素ガス供給部から水素ガスの供給を実施する制御を行う、請求項16に記載の装置。
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