JP2022173738A - 波長変換部材、バックライトユニット、及び画像表示装置 - Google Patents

波長変換部材、バックライトユニット、及び画像表示装置 Download PDF

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Yutaro Takamatsu
しん 江
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Abstract

【課題】輝度低下を抑制することが可能な波長変換部材、並びにこれを用いたバックライトユニット及び画像変換装置を提供する。【解決手段】波長変換部材は、蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物と、を含有する波長変換層を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、波長変換部材、バックライトユニット、及び画像表示装置に関する。
近年、液晶表示装置等の画像表示装置の分野においては、ディスプレイの色再現性を向上させることが求められている。色再現性を向上させる手段として、量子ドット蛍光体を含む波長変換部材が注目を集めている(例えば、特許文献1及び2参照)。
量子ドット蛍光体を含む波長変換部材は、例えば、画像表示装置のバックライトユニットに配置される。赤色光を発光する量子ドット蛍光体及び緑色光を発光する量子ドット蛍光体を含む波長変換部材を用いる場合、波長変換部材に対して励起光としての青色光を照射すると、量子ドット蛍光体から発光された赤色光及び緑色光と、波長変換部材を透過した青色光とにより、白色光を得ることができる。
量子ドット蛍光体を含む波長変換部材は、通常、量子ドット蛍光体を含む硬化性組成物を硬化させた硬化物を有する。硬化性組成物としては熱硬化型及び光硬化型があり、生産性の観点からは光硬化型の硬化性組成物が好ましく用いられる。
特表2013-544018号公報 国際公開第2016/052625号
ところで、蛍光体を含む波長変換部材において、蛍光体は酸素と反応して容易に劣化するおそれがある。波長変換部材を保護する方法として、蛍光体を含む波長変換層の両面に酸素に対するバリア性を有する被覆材を設ける手法等が採られている。しかしながら、波長変換部材における蛍光体の劣化、特に輝度低下の抑制には依然として改善の余地がある。上記の輝度低下は実際の使用状況下のみならず、製品を通常の環境下(例えば室温(例えば20℃)、湿度40~70%程度)で保管する際にも起こりうる。これは製品製造後の加工、及びモジュールに組み込まれるまでの間に製品の性能が低下しうることを意味しており、製品の品質を維持する際の大きな課題となっている。
上記事情に鑑みて、本開示は、輝度低下を抑制することが可能な波長変換部材、並びにこれを用いたバックライトユニット及び画像変換装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1> 蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物と、を含有する波長変換層を有する波長変換部材。
<2> 蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物由来のプレニルオキシ基を有する樹脂硬化物と、を含有する波長変換層を有する波長変換部材。
<3> 蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する樹脂組成物の硬化物である波長変換層を有する波長変換部材。
<4> 前記プレニルオキシ基を有する化合物が、プレニルオキシ基を2個以上有する化合物を含む、<1>~<3>のいずれか1項に記載の波長変換部材。
<5> 前記プレニルオキシ基を有する化合物が、2個~4個のプレニルオキシ基が炭素数3~15の連結基を介して連結されている化合物を含む、<1>~<4>のいずれか1項に記載の波長変換部材。
<6> 前記連結基が、水酸基及び(メタ)アクリロイルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1つを含む、<5>に記載の波長変換部材。
<7> 蛍光体と、プレニルオキシ基を有する樹脂硬化物と、を含有する波長変換層を有する波長変換部材。
<8> 前記蛍光体が、量子ドット蛍光体を含む、<1>~<7>のいずれか1項に記載の波長変換部材。
<9> <1>~<8>のいずれか1項に記載の波長変換部材と、光源と、を備えるバックライトユニット。
<10> <9>に記載のバックライトユニットを備える画像表示装置。
本開示によれば、輝度低下を抑制することが可能な波長変換部材、並びにこれを用いたバックライトユニット及び画像変換装置が提供される。
波長変換部材の概略構成の一例を示す模式断面図である。 バックライトユニットの概略構成の一例を示す図である。 液晶表示装置の概略構成の一例を示す図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。但し、本開示の実施形態は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示の実施形態を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本開示において「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及びメタクリロイルの少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味し、「(メタ)アリル」はアリル及びメタリルの少なくとも一方を意味する。
本開示において実施形態を図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。また、各図面において、実質的に同じ機能を有する部材には、全図面同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
≪波長変換部材≫
本開示の第1の実施形態に係る波長変換部材は、蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物と、を含有する波長変換層を有する。
本開示の第2の実施形態に係る波長変換部材は、蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物由来のプレニルオキシ基を有する樹脂硬化物と、を含有する波長変換層を有する。
本開示の第3の実施形態に係る波長変換部材は、蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する樹脂組成物の硬化物である波長変換層を有する。
本開示の第4の実施形態に係る波長変換部材は、蛍光体と、プレニルオキシ基を有する樹脂硬化物と、を含有する波長変換層を有する。
第1~第4の実施形態の波長変換部材によれば、輝度低下の抑制を図ることができる。この理由は必ずしも明らかではないが、波長変換層中に侵入した酸素ラジカルをプレニルオキシ基が効率的に捕捉し、蛍光体の劣化が抑制されるものと推測される。波長変換部材は、さらに波長変換層の一方の主面上又は両方の主面上に配置される被覆材を備えていてもよい。
以下、波長変換部材に含まれる必須又は任意の各部材について詳述する。
<波長変換層>
本開示の第1の実施形態において、波長変換層は、蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物と、を含有する。第1の実施形態に係る波長変換層は、第2~第4の実施形態における波長変換層のいずれか少なくとも1つを満たすものであってもよい。波長変換層は、樹脂硬化物をさらに含んでもよく、蛍光体が樹脂硬化物に含まれた状態であってもよい。また、波長変換層は光拡散材をさらに含んでいてもよい。
本開示の第2の実施形態において、波長変換層は、蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物由来のプレニルオキシ基を有する樹脂硬化物と、を含有する。本実施形態において、「プレニルオキシ基を有する化合物由来のプレニルオキシ基」とは、プレニルオキシ基を有する化合物に含まれるプレニルオキシ基、及びプレニルオキシ基を有する化合物が他の分子と反応した後に反応生成物中に残存するプレニルオキシ基からなる群より選択される少なくともいずれかを表す。第2の実施形態に係る波長変換層は、第1、第3及び第4の実施形態における波長変換層のいずれか少なくとも1つを満たすものであってもよい。波長変換層は、蛍光体が樹脂硬化物に含まれた状態の層であってもよい。また、波長変換層は光拡散材をさらに含んでいてもよい。
本開示の第3の実施形態において、波長変換層は、蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する樹脂組成物の硬化物である。第3の実施形態に係る波長変換層は、第1、第2、及び第4の実施形態における波長変換層のいずれか少なくとも1つを満たすものであってもよい。
本開示の第4の実施形態において、波長変換層は、蛍光体と、プレニルオキシ基を有する樹脂硬化物と、を含有する波長変換層を有する。第4の実施形態に係る波長変換層は、第1~第3の実施形態における波長変換層のいずれか少なくとも1つを満たすものであってもよい。波長変換層は、蛍光体が樹脂硬化物に含まれた状態の層であってもよい。また、波長変換層は光拡散材をさらに含んでいてもよい。
以下、第1~第4の実施形態における波長変換層の必須又は任意の構成について詳述する。
〔蛍光体〕
蛍光体としては、光源から光を照射されることで発光する蛍光体が用いられる。蛍光体の種類は特に限定されるものではなく、例えば、有機蛍光体及び無機蛍光体を挙げることができる。波長変換層に含まれる蛍光体は、1種のみでも2種以上であってもよい。
有機蛍光体としては、ナフタルイミド化合物、ペリレン化合物等が挙げられる。
無機蛍光体としては、Y:Eu、YVO:Eu、Y:Eu、3.5MgO・0.5MgF、GeO:Mn、(Y・Cd)BO:Eu等の赤色発光無機蛍光体、ZnS:Cu・Al、(Zn・Cd)S:Cu・Al、ZnS:Cu・Au・Al、ZnSiO:Mn、ZnSiO:Mn、ZnS:Ag・Cu、(Zn・Cd)S:Cu、ZnS:Cu、GdOS:Tb、LaOS:Tb、YSiO:Ce・Tb、ZnGeO:Mn、GeMgAlO:Tb、SrGaS:Eu2+、ZnS:Cu・Co、MgO・nB:Ge・Tb、LaOBr:Tb・Tm、LaS:Tb等の緑色発光無機蛍光体、ZnS:Ag、GaWO、YSiO:Ce、ZnS:Ag・Ga・Cl、CaOCl:Eu2+、BaMgAl:Eu2+等の青色発光無機蛍光体、量子ドット蛍光体などが挙げられる。
蛍光体としては、画像表示装置の色再現性に優れる観点から、量子ドット蛍光体が好ましい。
量子ドット蛍光体としては特に制限されず、II-VI族化合物、III-V族化合物、IV-VI族化合物、及びIV族化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む粒子が挙げられる。発光効率の観点からは、量子ドット蛍光体は、Cd及びInの少なくとも一方を含む化合物を含むことが好ましい。
II-VI族化合物の具体例としては、CdSe、CdTe、CdS、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe等が挙げられる。
III-V族化合物の具体例としては、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb等が挙げられる。
IV-VI族化合物の具体例としては、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe等が挙げられる。
IV族化合物の具体例としては、Si、Ge、SiC、SiGe等が挙げられる。
量子ドット蛍光体としては、コアシェル構造を有するものであってもよい。コアを構成する化合物のバンドギャップよりもシェルを構成する化合物のバンドギャップを広くすることで、量子ドット蛍光体の量子効率をより向上させることが可能となる。コア及びシェルの組み合わせ(コア/シェル)としては、CdSe/ZnS、InP/ZnS、PbSe/PbS、CdSe/CdS、CdTe/CdS、CdTe/ZnS等が挙げられる。
また、量子ドット蛍光体としては、シェルが多層構造である、いわゆるコアマルチシェル構造を有するものであってもよい。バンドギャップの広いコアにバンドギャップの狭いシェルを1層又は2層以上積層し、さらにこのシェルの上にバンドギャップの広いシェルを積層することで、量子ドット蛍光体の量子効率をさらに向上させることが可能となる。
量子ドット蛍光体としては、ペロブスカイト型量子ドット蛍光体を用いてもよい。ペロブスカイト型量子ドット蛍光体としては、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物の粒子が挙げられる。ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物としては、例えば、下記の一般式(1)で表される化合物及び下記の一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
RMX・・・(1)
一般式(1)中、Rは1価のカチオンであり、Mは2価の金属カチオンであり、Xはハロゲンアニオンである。
n-13n+1・・・(2)
一般式(2)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に1価のカチオンであり、Mは2価の金属カチオンであり、Xはハロゲンアニオンであり、nは1~10の整数である。
前記Rは1価のカチオンであり、例えば、周期表第一族元素のカチオン、及び有機カチオンが挙げられる。周期表第一族元素のカチオンとしては、例えば、Li、Na、K、及びCsが挙げられる。有機カチオンとしては、例えば、置換基を有していてもよいアンモニウムイオン、及び置換基を有していてもよいホスホニウムイオンが挙げられる。置換基に特段の制限はない。置換基を有していてもよいアンモニウムイオンとしては、例えば、アルキルアンモニウムイオン、ホルムアミジニウムイオン及びアリールアンモニウムイオンが挙げられ、好ましくはアルキルアンモニウムイオン及びホルムアミジニウムイオンから選ばれる1種以上であり、より好ましくはモノアルキルアンモニウムイオン及びホルムアミジニウムイオンから選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはメチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ブチルアンモニウムイオン及びホルムアミジニウムイオンから選ばれる1種以上であり、特に好ましくはメチルアンモニウムイオンである。
前記R、R、及びRはそれぞれ独立に1価のカチオンであり、R、R、及びRのいずれか又は全てが同一でもよい。1価のカチオンとしては、例えば、周期表第一族元素のカチオン、及び有機カチオンが挙げられる。周期表第一族元素のカチオンとしては、例えば、Li、Na、K、及びCsが挙げられる。有機カチオンとしては、例えば、置換基を有していてもよいアンモニウムイオン、及び置換基を有していてもよいホスホニウムイオンが挙げられる。置換基に特段の制限はない。置換基を有していてもよいアンモニウムイオンとしては、例えば、アルキルアンモニウムイオン、ホルムアミジニウムイオン及びアリールアンモニウムイオンが挙げられ、好ましくはアルキルアンモニウムイオン及びホルムアミジニウムイオンから選ばれる1種以上であり、より好ましくはモノアルキルアンモニウムイオンであり、さらに好ましくはメチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ブチルアンモニウムイオン、ヘキシルアンモニウムイオン、オクチルアンモニウムイオン、デシルアンモニウムイオン、ドデシルアンモニウムイオン、テトラデシルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、及びオクタデシルアンモニウムイオンから選ばれる1種以上である。
前記nは1~10の整数であり、好ましくは1~4である。
前記Mは2価の金属カチオンであり、例えば、Pb2+、Sn2+、Hg2+、Cd2+、Zn2+、Mn2+、Cu2+、Ni2+、Fe2+、Co2+、Pd2+、Ge2+、Y2+、及びEu2+等が挙げられる。前記Mは、耐久性(耐湿性等)に優れる観点から、好ましくはPb2+、Sn2+、又はGe2+であり、より好ましくはPb2+、又はSn2+であり、さらに好ましくはPb2+である。
前記Xはハロゲンアニオンであり、例えば、フッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、及びヨウ素アニオンが挙げられる。前記Xは、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、又は臭素アニオンであり、より好ましくは塩素アニオン、又は臭素アニオンであり、さらに好ましくは臭素アニオンである。
波長変換層が量子ドット蛍光体を含有する場合、波長変換層は、1種類の量子ドット蛍光体を単独で含有していてもよく、2種類以上の量子ドット蛍光体を組み合わせて含有していてもよい。2種類以上の量子ドット蛍光体を組み合わせて含有する態様としては、例えば、成分は異なるものの平均粒子径を同じくする量子ドット蛍光体を2種類以上含有する態様、平均粒子径は異なるものの成分を同じくする量子ドット蛍光体を2種類以上含有する態様、並びに成分及び平均粒子径の異なる量子ドット蛍光体を2種類以上含有する態様が挙げられる。量子ドット蛍光体の成分及び平均粒子径の少なくとも一方を変更することで、量子ドット蛍光体の発光中心波長を変更することができる。
例えば、波長変換層は、520nm~560nmの緑色の波長域に発光中心波長を有する量子ドット蛍光体Gと、600nm~680nmの赤色の波長域に発光中心波長を有する量子ドット蛍光体Rと、を含有していてもよい。量子ドット蛍光体Gと量子ドット蛍光体Rとを含有する波長変換層に対して430nm~480nmの青色の波長域の励起光を照射すると、量子ドット蛍光体G及び量子ドット蛍光体Rからそれぞれ緑色光及び赤色光が発光される。その結果、量子ドット蛍光体G及び量子ドット蛍光体Rから発光される緑色光及び赤色光と、硬化物を透過する青色光と、により、白色光を得ることができる。
波長変換層中の蛍光体の含有率は、波長変換層全体に対して、例えば、0.01質量%~2.0質量%であることが好ましく、0.05質量%~1.5質量%であることがより好ましく、0.1質量%~1.0質量%であることがさらに好ましい。蛍光体の含有率が波長変換層全体に対して0.01質量%以上であると、充分な波長変換機能が得られる傾向にあり、蛍光体の含有率が2.0質量%以下であると、蛍光体の凝集が抑えられる傾向にある。
〔プレニルオキシ基を有する化合物〕
プレニルオキシ基を有する化合物は、プレニルオキシ基(すなわち3-メチル-2-ブテノキシ基)を少なくとも1つ有する化合物であれば特に制限されず、プレニルオキシ基を2個以上有する化合物であることが好ましく、プレニルオキシ基を2個~4個有する化合物であることがより好ましく、プレニルオキシ基を2個有する化合物であることがさらに好ましい。
プレニルオキシ基を含有する化合物は、2個以上のプレニルオキシ基、好ましくは2個~4つのプレニルオキシ基、より好ましくは2個のプレニルオキシ基が、連結基、例えば炭素数3~15の連結基、好ましくは炭素数3~12の連結基、より好ましくは炭素数3~10の連結基を介して連結されている化合物であってもよい。
炭素数3~15の連結基としては、炭素数3~15の脂肪族炭化水素基、炭素数3~15の脂肪族炭化水素基の一部の炭素原子が酸素原子で置換された基等が挙げられ、これらの基はさらに置換基を有していても有していなくてもよい。ここで、上記連結基の炭素数は、置換基の炭素数も含めた数とする。
連結基には、水酸基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スチリルオキシ基、炭素数2~5のアルケニルオキシ基等の基が含まれることが好ましく、波長変換部材の輝度低下をより効率的に抑制する観点からは、水酸基及び(メタ)アクリロイルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1つが含まれることがより好ましい。
プレニルオキシ基を含有する化合物は、下記一般式(I)の化合物を含むことが好ましい。
Figure 2022173738000002
一般式(I)中、Rは水素原子、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。Rは、水素原子又は(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
プレニルオキシ基を含有する化合物は、市販品を用いてもよく、合成して用いてもよい。プレニルオキシ基を含有する化合物の合成方法は特に制限されない。例えば、上記一般式(I)の化合物は、水酸化カリウム等のアルカリ存在下で、3-メチル-2-ブテン-1-オールに対して、連結基を形成可能な化合物を反応させることにより製造することができる。例えば、一般式(I)におけるRが水素原子である場合、連結基を形成可能な化合物としては、エピクロロヒドリンを用いることができる。また、一般式(I)におけるRが(メタ)アクリロイル基、スチリル基、又は炭素数2~5のアルケニル基である場合は、上記で得られたRが水素原子である化合物に、さらに該当する基を導入することにより得ることができる。
〔樹脂硬化物〕
波長変換層は、蛍光体に加えて樹脂硬化物をさらに含んでもよい。波長変換層は、上述の蛍光体が樹脂硬化物に含まれた状態の層であってもよい。
樹脂硬化物の材質は特に制限されない。樹脂硬化物としては、例えば、アクリル系樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂としては、後述する樹脂組成物中に含まれていてもよい(メタ)アクリル化合物の硬化物、又は当該(メタ)アクリル化合物と他の重合性化合物との共重合樹脂が挙げられる。ここで、アクリル系樹脂とは、樹脂中の(メタ)アクリル化合物に由来する構造単位の占める割合が50質量%以上であるものを表すものとする。
樹脂硬化物の他部材(被覆材等)に対する密着性、及び硬化時の体積収縮によるシワの発生の抑制の観点からは、樹脂硬化物はスルフィド構造を含有することが好ましい。スルフィド構造を含有する樹脂硬化物は、例えば、後述するチオール化合物と、当該チオール化合物のチオール基とエンチオール反応を生じる炭素炭素二重結合を有する重合性化合物と、を含む樹脂組成物を硬化させて得ることができる。
波長変換層の耐熱性及び耐湿熱性の観点からは、樹脂硬化物は脂環式構造又は芳香環構造を含有することが好ましい。脂環式構造又は芳香環構造を有する樹脂硬化物は、例えば、後述する重合性化合物として脂環式構造又は芳香環構造を有するものを含む樹脂組成物を硬化させて得ることができる。
蛍光体と酸素との接触を抑制する観点からは、樹脂硬化物はアルキレンオキシ基を含有することが好ましい。樹脂硬化物がアルキレンオキシ基を含有すると、樹脂硬化物の極性が増大し、非極性の酸素が硬化物中の成分に溶解しにくくなる傾向にある。また、樹脂硬化物の柔軟性が増して被覆材との密着性が向上する傾向にある。
アルキレンオキシ基を含有する樹脂硬化物は、例えば、後述する重合性化合物としてアルキレンオキシ基を有するものを含む樹脂組成物を硬化させて得ることができる。
-樹脂組成物-
波長変換層は、蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する樹脂組成物の硬化物であってもよい。本開示において、プレニルオキシ基を有する化合物は、重合性を有しているとしても、便宜上、「重合性化合物」ではなく「プレニルオキシ基を有する化合物」に分類するものとする。樹脂組成物は、さらに光拡散材、液状媒体等の成分を含有していてもよい。硬化物において、プレニルオキシ基を有する化合物は、少なくとも一部が硬化物中に組み込まれず残存していてもよく、少なくとも一部が硬化物中に組み込まれてプレニルオキシ基を有する樹脂硬化物を形成していてもよい。以下、樹脂組成物の各成分について詳述する。
(蛍光体)
蛍光体の詳細は、上述のとおりである。
蛍光体として量子ドット蛍光体を用いる場合、量子ドット蛍光体は、分散媒体に分散された量子ドット蛍光体分散液の状態で用いてもよい。量子ドット蛍光体を分散する分散媒体としては、各種有機溶剤、シリコーン化合物、及び単官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。量子ドットは、必要に応じて分散剤を用いて量子ドット蛍光体分散液の状態で用いてもよい。
分散媒体として使用可能な有機溶剤としては、量子ドット蛍光体の沈降及び凝集が確認されない限り特に制限されず、アセトニトリル、メタノール、エタノール、アセトン、1-プロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ヘキサン等が挙げられる。
分散媒体として使用可能なシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等のストレートシリコーンオイル;アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
分散媒体として使用可能な単官能(メタ)アクリレート化合物としては、25℃において液体であれば特に限定されるものではなく、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリレート化合物(好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレート)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
必要に応じて用いられる分散剤としては、ポリエーテルアミン(JEFFAMINE M-1000、HUNTSMAN社)、オレイン酸等が挙げられる。
量子ドット蛍光体分散液に占める量子ドット蛍光体の質量基準の割合は、1質量%~20質量%であることが好ましく、1質量%~10質量%であることがより好ましい。
量子ドット蛍光体分散液に占める量子ドット蛍光体の質量基準の割合が1質量%~20質量%である場合、樹脂組成物中の量子ドット蛍光体分散液の含有率は、樹脂組成物の全量に対して、例えば、1質量%~15質量%であることが好ましく、4質量%~12質量%であることがより好ましく、4質量%~10質量%であることがさらに好ましい。
また、樹脂組成物中の量子ドット蛍光体の含有率は、樹脂組成物の全量に対して、例えば、0.01質量%~2.0質量%であることが好ましく、0.05質量%~1.5質量%であることがより好ましく、0.1質量%~1.0質量%であることがさらに好ましい。量子ドット蛍光体の含有率が0.01質量%以上であると、硬化物に励起光を照射する際に充分な発光強度が得られる傾向にあり、量子ドット蛍光体の含有率が2.0質量%以下であると、量子ドット蛍光体の凝集が抑えられる傾向にある。
(プレニルオキシ基を有する化合物)
プレニルオキシ基を有する化合物の詳細は、前述の通りである。
樹脂組成物中のプレニルオキシ基を有する化合物の含有率は特に制限されず、樹脂組成物の全質量に対して0.5質量%~10.0質量%であることが好ましく、0.7質量%~8.0質量%であることがより好ましく、1.0質量%~7.0質量%であることがさらに好ましい。プレニルオキシ基を有する化合物の含有率が波長変換層全体に対して0.5質量%以上であると、波長変換部材の輝度低下がより効率に抑制される傾向にある。また、プレニルオキシ基を有する化合物の含有率が波長変換層全体に対して10.0質量%以下であると、初期の光学特性(輝度)の低下を抑制できる傾向にある。
(重合性化合物)
樹脂組成物に含まれる重合性化合物は特に制限されず、チオール化合物、(メタ)アクリル化合物、(メタ)アリル化合物等が挙げられる。なお、(メタ)アリル化合物は、分子中に(メタ)アリル基を有する化合物を意味し、(メタ)アクリル化合物は、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。分子中に(メタ)アリル基及び(メタ)アクリロイル基の両方を有する化合物は、便宜上、(メタ)アリル化合物に分類するものとする。
波長変換層の他部材(被覆材等)に対する密着性の観点からは、樹脂組成物は、重合性化合物として、チオール化合物と、(メタ)アクリル化合物及び(メタ)アリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種と、を含んでいてもよい。重合性化合物としてチオール化合物と、(メタ)アクリル化合物及び(メタ)アリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種と、を含む樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、チオール基と(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アリル基の炭素炭素二重結合との間でエンチオール反応が進行して形成されるスルフィド構造(R-S-R’、R及びR’は有機基を表す)を含む。これにより、波長変換層と被覆材との密着性が向上する傾向にある。また、波長変換層の光学特性がより向上する傾向にある。
以下、重合性化合物として用いうるチオール化合物、(メタ)アクリル化合物、及び(メタ)アリル化合物について詳述する。
A.チオール化合物
チオール化合物は、1分子中に1個のチオール基を有する単官能チオール化合物であってもよく、1分子中に2個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物であってもよい。樹脂組成物に含まれるチオール化合物は、1種のみでも2種以上であってもよい。
チオール化合物は、分子中にチオール基以外の重合性基(例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基)を有していても、有していなくてもよい。
本開示において分子中にチオール基と、チオール基以外の重合性基を含む化合物は、「チオール化合物」に分類するものとする。
単官能チオール化合物の具体例としては、ヘキサンチオール、1-ヘプタンチオール、1-オクタンチオール、1-ノナンチオール、1-デカンチオール、3-メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸トリデシル、2-エチルヘキシル-3-メルカプトプロピオネート、n-オクチル-3-メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
多官能チオール化合物の具体例としては、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,2-プロピレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトブチレート)、1,8-オクタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,8-オクタンジオールビス(3-メルカプトブチレート)、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサキスチオグリコレート等が挙げられる。
波長変換層と被覆材との密着性、耐熱性、及び耐湿熱性をより向上させる観点からは、チオール化合物は、多官能チオール化合物を含むことが好ましい。チオール化合物の全量に対する多官能チオール化合物の割合は、例えば、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。
チオール化合物は、(メタ)アクリル化合物と反応したチオエーテルオリゴマーの状態であってもよい。チオエーテルオリゴマーは、チオール化合物と(メタ)アクリル化合物とを重合開始剤の存在下で付加重合させることにより得ることができる。
樹脂組成物がチオール化合物を含有する場合、樹脂組成物中のチオール化合物の含有率は、樹脂組成物の全量に対して、例えば、5質量%~80質量%であることが好ましく、15質量%~70質量%であることがより好ましく、20質量%~60質量%であることがさらに好ましい。
チオール化合物の含有率が5質量%以上であると、波長変換層の被覆材との密着性がより向上する傾向にあり、チオール化合物の含有率が80質量%以下であると、波長変換層の耐熱性及び耐湿熱性がより向上する傾向にある。
B.(メタ)アクリル化合物
(メタ)アクリル化合物は、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリル化合物であってもよく、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリル化合物であってもよい。樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル化合物は、1種でも2種以上であってもよい。
単官能(メタ)アクリル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1~18であるアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート化合物;ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアリールエーテル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチレンオキシド付加シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート化合物;ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ化アルキル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート化合物;2-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物;テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;などが挙げられる。
多官能(メタ)アクリル化合物の具体例としては、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物;エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート化合物;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3-アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA(ポリ)エトキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA(ポリ)プロポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF(ポリ)エトキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF(ポリ)プロポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールS(ポリ)エトキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールS(ポリ)プロポキシジ(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
(メタ)アクリル化合物は、硬化物の耐熱性及び耐湿熱性をより向上させる観点からは、脂環構造又は芳香環構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。脂環構造又は芳香環構造としては、イソボルニル骨格、トリシクロデカン骨格、ビスフェノール骨格等が挙げられる。
(メタ)アクリル化合物は、アルキレンオキシ基を有するものであってもよく、アルキレンオキシ基を有する2官能(メタ)アクリル化合物であってもよい。
アルキレンオキシ基としては、例えば、炭素数が2~4のアルキレンオキシ基が好ましく、炭素数が2又は3のアルキレンオキシ基がより好ましく、炭素数が2のアルキレンオキシ基がさらに好ましい。
(メタ)アクリル化合物が有するアルキレンオキシ基は、1種でも2種以上であってもよい。
アルキレンオキシ基含有化合物は、複数個のアルキレンオキシ基を含むポリアルキレンオキシ基を有するポリアルキレンオキシ基含有化合物であってもよい。
(メタ)アクリル化合物がアルキレンオキシ基を有する場合、一分子中のアルキレンオキシ基の数は、2個~30個であることが好ましく、2個~20個であることがより好ましく、3個~10個であることがさらに好ましく、3個~5個であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル化合物がアルキレンオキシ基を有する場合、ビスフェノール構造を有することが好ましい。これにより、硬化物の耐熱性により優れる傾向にある。ビスフェノール構造としては、例えば、ビスフェノールA構造及びビスフェノールF構造が挙げられ、中でも、ビスフェノールA構造が好ましい。
アルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリル化合物の具体例としては、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアリールエーテル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート化合物;トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物;エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート化合物;エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート化合物;などが挙げられる。
アルキレンオキシ基含有化合物としては、中でも、エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート及びプロポキシ化エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレートが好ましく、エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
樹脂組成物が(メタ)アクリル化合物を含有する場合、樹脂組成物中の(メタ)アクリル化合物の含有率は、樹脂組成物の全量に対して、例えば、40質量%~98質量%であってもよく、50質量%~97質量%であってもよく、60質量%~97質量%であってもよい。
C.(メタ)アリル化合物
(メタ)アリル化合物は、1分子中に1個の(メタ)アリル基を有する単官能(メタ)アリル化合物であってもよく、1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する多官能(メタ)アリル化合物であってもよい。樹脂組成物に含まれる(メタ)アリル化合物は、1種のみでも2種以上であってもよい。
(メタ)アリル化合物は、分子中に(メタ)アリル基以外の重合性基(例えば、(メタ)アクリロイル基)を有していても、有していなくてもよい。
本開示において分子中に(メタ)アリル基以外の重合性基を有する化合物(ただし、チオール化合物を除く)は、「(メタ)アリル化合物」に分類するものとする。
単官能(メタ)アリル化合物の具体例としては、(メタ)アリルアセテート、(メタ)アリルn-プロピオネート、(メタ)アリルベンゾエート、(メタ)アリルフェニルアセテート、(メタ)アリルフェノキシアセテート、(メタ)アリルメチルエーテル、(メタ)アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
多官能(メタ)アリル化合物の具体例としては、ベンゼンジカルボン酸ジ(メタ)アリル、シクロヘキサンジカルボン酸ジ(メタ)アリル、ジ(メタ)アリルマレエート、ジ(メタ)アリルアジペート、ジ(メタ)アリルフタレート、ジ(メタ)アリルイソフタレート、ジ(メタ)アリルテレフタレート、グリセリンジ(メタ)アリルエーテル、トリメチロールプロパンジ(メタ)アリルエーテル、ペンタエリスリトールジ(メタ)アリルエーテル、1,3-ジ(メタ)アリル-5-グリシジルイソシアヌレート、トリ(メタ)アリルシアヌレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリ(メタ)アリルトリメリテート、テトラ(メタ)アリルピロメリテート、1,3,4,6-テトラ(メタ)アリルグリコールウリル、1,3,4,6-テトラ(メタ)アリル-3a-メチルグリコールウリル、1,3,4,6-テトラ(メタ)アリル-3a,6a-ジメチルグリコールウリル等が挙げられる。
(メタ)アリル化合物としては、硬化物の耐熱性及び耐湿熱性の観点から、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等のイソシアヌレート骨格を有する化合物、トリ(メタ)アリルシアヌレート、ベンゼンジカルボン酸ジ(メタ)アリル、及びシクロヘキサンジカルボン酸ジ(メタ)アリルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、イソシアヌレート骨格を有する化合物がより好ましく、トリ(メタ)アリルイソシアヌレートがさらに好ましい。
樹脂組成物が(メタ)アリル化合物を含有する場合、樹脂組成物中の(メタ)アリル化合物の含有率は、樹脂組成物の全量に対して、例えば、10質量%~50質量%であってもよく、15質量%~45質量%であってもよい。
ある実施態様では、重合性化合物は、チオール化合物としてのチオエーテルオリゴマーと、(メタ)アリル化合物(好ましくは、多官能(メタ)アリル化合物)と、を含むものであってもよい。
重合性化合物がチオール化合物としてのチオエーテルオリゴマーと(メタ)アリル化合物とを含み、蛍光体として量子ドット蛍光体を使用する場合、量子ドット蛍光体は、分散媒体としてシリコーン化合物に分散された分散液の状態であることが好ましい。
ある実施態様では、重合性化合物はチオール化合物としてチオエーテルオリゴマーの状態ではないものと、(メタ)アクリル化合物(好ましくは多官能(メタ)アクリル化合物、より好ましくは2官能(メタ)アクリル化合物)と、を含むものであってもよい。
重合性化合物がチオール化合物としてチオエーテルオリゴマーの状態ではないものと、(メタ)アクリル化合物と、を含み、蛍光体として量子ドット蛍光体を使用する場合、量子ドット蛍光体は、分散媒体として(メタ)アクリル化合物、好ましくは、単官能(メタ)アクリル化合物、より好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレートに分散された分散液の状態であることが好ましい。
(光重合開始剤)
樹脂組成物に含まれる光重合開始剤の種類は特に制限されず、紫外線等の活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する化合物が挙げられる。
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、N,N’-テトラアルキル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパノン-1、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(「ミヒラーケトン」とも称される)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン等の芳香族ケトン化合物;アルキルアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインアルキルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2,4-ジ(p-メトキシフェニル)-5-フェニルイミダゾール二量体、2-(2,4-ジメトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;9-フェニルアクリジン、1,7-(9,9’-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;1,2-オクタンジオン1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリン等のクマリン化合物;2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-フェニル-エトキシ-ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;などが挙げられる。樹脂組成物は、1種類の光重合開始剤を単独で含有していてもよく、2種類以上の光重合開始剤を組み合わせて含有していてもよい。
光重合開始剤としては、硬化性の観点から、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族ケトン化合物、及びオキシムエステル化合物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物及び芳香族ケトン化合物からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物がさらに好ましい。
樹脂組成物中の光重合開始剤の含有率は、樹脂組成物の全量に対して、例えば、0.1質量%~5質量%であることが好ましく、0.1質量%~3質量%であることがより好ましく、0.1質量%~1.5質量%であることがさらに好ましい。光重合開始剤の含有率が0.1質量%以上であると、樹脂組成物の感度が充分なものとなる傾向にあり、光重合開始剤の含有率が5質量%以下であると、樹脂組成物の色相への影響及び保存安定性の低下が抑えられる傾向にある。
(光拡散材)
光変換効率向上の観点から、樹脂組成物は、光拡散材をさらに含有していてもよい。光拡散材の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、光散乱効率の観点から酸化チタンであることが好ましい。酸化チタンはルチル型酸化チタンであってもアナターゼ型酸化チタンであってもよく、ルチル型酸化チタンであることが好ましい。
光拡散材の平均粒子径は、0.1μm~2.0μmであることが好ましく、0.2μm~1.5μmであることがより好ましく、0.2μm~1.0μmであってもよく、0.2μm~0.5μmであってもよい。
本開示において光拡散材の平均粒子径は、以下のようにして測定することができる。
光拡散材が樹脂組成物に含まれている場合、抽出した光拡散材を、界面活性剤を含んだ精製水に分散させ、分散液を得る。この分散液を用いてレーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、株式会社島津製作所、SALD-3000J)で測定される体積基準の粒度分布において、小径側からの積算が50%となるときの値(メジアン径(D50))を光拡散材の平均粒子径とする。樹脂組成物から光拡散材を抽出する方法としては、例えば、樹脂組成物を液状媒体で希釈し、遠心分離処理等により光拡散材を沈澱させて分収することで得ることができる。
光拡散材を含む樹脂組成物を硬化して得られる硬化物中における光拡散材の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡を用いた粒子の観察により、50個の粒子について円相当径(長径と短径の幾何平均)を算出し、その算術平均値として求めることができる。
樹脂組成物中で光拡散材が凝集するのを抑制する観点から、光拡散材は、表面の少なくとも一部に有機物を含む有機物層を有することが好ましい。有機物層に含まれる有機物としては、有機シラン、オルガノシロキサン、フルオロシラン、有機ホスホネート、有機リン酸化合物、有機ホスフィネート、有機スルホン酸化合物、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸の誘導体、アミド、炭化水素ワックス、ポリオレフィン、ポリオレフィンのコポリマー、ポリオール、ポリオールの誘導体、アルカノールアミン、アルカノールアミンの誘導体、有機分散剤等が挙げられる。
有機物層に含まれる有機物は、ポリオール、有機シラン等を含むことが好ましく、ポリオール又は有機シランの少なくとも一方を含むことがより好ましい。
有機シランの具体例としては、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘプタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
オルガノシロキサンの具体例としては、トリメチルシリル基で終端されたポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルヒドロシロキサン(PMHS)、PMHSのオレフィンによる官能化(ヒドロシリル化による)により誘導されるポリシロキサン等が挙げられる。
有機ホスホネートの具体例としては、例えば、n-オクチルホスホン酸及びそのエステル、n-デシルホスホン酸及びそのエステル、2-エチルヘキシルホスホン酸及びそのエステル並びにカンフィル(camphyl)ホスホン酸及びそのエステルが挙げられる。
有機リン酸化合物の具体例としては、有機酸性ホスフェート、有機ピロホスフェート、有機ポリホスフェート、有機メタホスフェート、これらの塩等が挙げられる。
有機ホスフィネートの具体例としては、例えば、n-ヘキシルホスフィン酸及びそのエステル、n-オクチルホスフィン酸及びそのエステル、ジ-n-ヘキシルホスフィン酸及びそのエステル並びにジ-n-オクチルホスフィン酸及びそのエステルが挙げられる。
有機スルホン酸化合物の具体例としては、ヘキシルスルホン酸、オクチルスルホン酸、2-エチルヘキシルスルホン酸等のアルキルスルホン酸、これらアルキルスルホン酸と、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の金属イオン、アンモニウムイオン、トリエタノールアミン等の有機アンモニウムイオンなどとの塩が挙げられる。
カルボン酸の具体例としては、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、安息香酸、フタル酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられる。
カルボン酸エステルの具体例としては、上記カルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グリセロール、ヘキサントリオール、エリトリトール、マンニトール、ソルビトール、ペンタエリトリトール、ビスフェノールA、ヒドロキノン、フロログルシノール等のヒドロキシ化合物と、の反応により生成するエステル及び部分エステルが挙げられる。
アミドの具体例としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられる。
ポリオレフィン及びそのコポリマーの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと、プロピレン、ブチレン、酢酸ビニル、アクリレート、アクリルアミド等から選択される1種又は2種以上の化合物と、の共重合体などが挙げられる。
ポリオールの具体例としては、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
アルカノールアミンの具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
有機分散剤の具体例としては、クエン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、陰イオン性、陽イオン性、双性、非イオン性等の官能基をもつ高分子有機分散剤などが挙げられる。
樹脂組成物中における光拡散材の凝集が抑制されると、硬化物中における光拡散材の分散性が向上する傾向にある。
光拡散材は、表面の少なくとも一部に酸化物を含む酸化物層を有していてもよい。酸化物層に含まれる酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ジルコニア、ホスホリア(phosphoria)、ボリア(boria)等が挙げられる。酸化物層は一層であっても二層以上であってもよい。光拡散材が二層の酸化物層を有する場合、酸化ケイ素を含む第一酸化物層及び酸化アルミニウムを含む第二酸化物層を含むものであることが好ましい。
光拡散材が酸化物層を有することで、硬化物中における光拡散材の分散性が向上する傾向にある。
光拡散材が有機物を含む有機物層と酸化物層とを有する場合、光拡散材の表面に、酸化物層及び有機物層が、酸化物層及び有機物層の順に設けられることが好ましい。
光拡散材が有機物層と二層の酸化物層とを有するものである場合、光拡散材の表面に、酸化ケイ素を含む第一酸化物層、酸化アルミニウムを含む第二酸化物層及び有機物層が、第一酸化物層、第二酸化物層及び有機物層の順に設けられる(有機物層が最外層となる)ことが好ましい。
樹脂組成物が光拡散材を含有する場合、これを硬化して形成される波長変換層における光拡散材の含有率は、波長変換層の全量に対して、例えば、0.1質量%~25.0質量%であることが好ましく、0.2質量%~20.0質量%であることがより好ましく、0.3質量%~18.0質量%であることがさらに好ましく、0.3質量%~5.0質量%であってもよく、0.3質量%~3.0質量%以下であってもよい。
(液状媒体)
樹脂組成物は、液状媒体をさらに含有していてもよい。液状媒体とは、25℃において液体の状態の媒体をいう。
液状媒体の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル-n-ペンチルケトン、メチル-n-ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4-ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のケトン溶剤;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル-n-プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル-n-ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチル-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチル-n-ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル-n-ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル-n-ヘキシルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル-n-ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル-n-ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル-n-ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールジ-n-ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル-n-ヘキシルエーテル等のエーテル溶剤;プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸n-ペンチル、酢酸sec-ペンチル、酢酸3-メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2-エチルブチル、酢酸2-エチルヘキシル、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリエチレングリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n-ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ-n-ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n-ブチル、乳酸n-アミル、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等のエステル溶剤;アセトニトリル、N-メチルピロリジノン、N-エチルピロリジノン、N-プロピルピロリジノン、N-ブチルピロリジノン、N-ヘキシルピロリジノン、N-シクロヘキシルピロリジノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、イソペンタノール、2-メチルブタノール、sec-ペンタノール、t-ペンタノール、3-メトキシブタノール、n-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、sec-ヘキサノール、2-エチルブタノール、sec-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、sec-オクタノール、n-ノニルアルコール、n-デカノール、sec-ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec-テトラデシルアルコール、sec-ヘプタデシルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル溶剤;テルピネン、テルピネオール、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、ピネン、カルボン、オシメン、フェランドレン等のテルペン溶剤;ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等のストレートシリコーンオイル;アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイル;ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、エイコセン酸等の炭素数4以上の飽和脂肪族モノカルボン酸;オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、パルミトレイン酸等の炭素数8以上の不飽和脂肪族モノカルボン酸;などが挙げられる。樹脂組成物が液状媒体を含有する場合、樹脂組成物は、1種類の液状媒体を単独で含有していてもよく、2種類以上の液状媒体を組み合わせて含有していてもよい。
樹脂組成物が液状媒体を含有する場合、樹脂組成物中の液状媒体の含有率は、樹脂組成物の全量に対して、例えば、1質量%~10質量%であることが好ましく、4質量%~10質量%であることがより好ましく、4質量%~7質量%であることがさらに好ましい。
(その他の成分)
樹脂組成物は、上述した成分以外の成分をさらに含有していてもよい。例えば、樹脂組成物は、重合禁止剤、シランカップリング剤、界面活性剤、密着付与剤、酸化防止剤などの成分をさらに含有していてもよい。各成分は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(樹脂組成物の調製方法)
樹脂組成物は、蛍光体、プレニルオキシ基を有する化合物、重合性化合物、光重合開始剤、及び必要に応じてその他の成分を常法により混合することで調製することができる。
波長変換層は、1種類の樹脂組成物を硬化したものであってもよく、2種類以上の樹脂組成物を硬化したものであってもよい。例えば、波長変換部材がフィルム状である場合、波長変換層は、第1の蛍光体を含有する樹脂組成物を硬化した第1の硬化物層と、第1の蛍光体とは発光特性が異なる第2の蛍光体を含有する樹脂組成物を硬化した第2の硬化物層と、が積層されたものであってもよい。
波長変換層の平均厚みは特に制限されず、例えば、50μm~200μmであることが好ましく、50μm~150μmであることがより好ましく、80μm~120μmであることがさらに好ましい。波長変換層の平均厚みが50μm以上であると、波長変換効率がより向上する傾向にあり、波長変換層の平均厚みが200μm以下であると、後述するバックライトユニットに波長変換部材を適用した場合に、バックライトユニットをより薄型化できる傾向にある。波長変換層の平均厚みは、例えば、マイクロメータを用いて測定した任意の3箇所の厚みの算術平均値として求められる。被覆材等を備える波長変換部材から波長変換層の平均厚みを測定する場合、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて波長変換層の断面を観察し、測定した任意の3箇所の厚みの算術平均値として求めてもよい。
波長変換層は、例えば、樹脂組成物の塗膜、成形体等を形成し、必要に応じて乾燥処理を行った後、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより得ることができる。活性エネルギー線の波長及び照射量は、樹脂組成物の組成に応じて適宜設定することができる。一態様では、280nm~400nmの波長の紫外線を100mJ/cm~5000mJ/cmの照射量で照射する。紫外線源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯等が挙げられる。
<被覆材>
波長変換部材は、被覆材を備えていてもよい。被覆材は、波長変換層の一方の主面上又は両方の主面上に配置される。本開示において波長変換層の「主面」とは波長変換層の最も大きい面積を有する向かい合う2つの面を表す。被覆材は、波長変換層の両方の主面上に配置されることが好ましい。
被覆材の材質は特に制限されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン;ナイロン等のポリアミド;エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)などであってもよい。入手容易性の観点からは、被覆材の材質はポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。
被覆材は、蛍光体の発光効率の低下を抑える観点から、酸素及び水の少なくとも一方に対するバリア性を有することが好ましく、酸素及び水の両方に対するバリア性を有することがより好ましい。酸素及び水の少なくとも一方に対するバリア性を有する被覆材としては特に制限されず、基材層と無機層とを有するバリアフィルム等が挙げられる。基材層としては上述の材質から形成される基材層が挙げられる。無機層を形成する無機物としてはシリカ、アルミナ等が挙げられる。基材層と無機層とを有するバリアフィルムの作製方法は特に制限されず、例えば基材層の片面又は両面に無機物を蒸着する方法が挙げられる。
被覆材が基材層と無機層とを有するバリアフィルムである場合、波長変換部材における被覆材と波長変換層の配置方法は特に制限されず、無機層が波長変換部材と対向する配置とすることが好ましい。すなわち無機層が基材層と波長変換層の間に配置されることが好ましい。これにより好適にバリア機能を発揮できる傾向にある。
被覆材の酸素透過率は、例えば、1.0mL/(m・24h・atm)以下であることが好ましく、0.8mL/(m・24h・atm)以下であることがより好ましく、0.6mL/(m・24h・atm)以下であることがさらに好ましい。被覆材の酸素透過率は、酸素透過率測定装置(例えば、MOCON社、OX-TRAN)を用いて、温度23℃かつ相対湿度90%の条件で測定することができる。
また、被覆材の水蒸気透過率は、例えば、1×10g/(m・24h)以下であることが好ましく、8×10-1g/(m・24h)以下であることがより好ましく、6×10-1g/(m・24h)以下であることがさらに好ましい。被覆材の水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(例えば、MOCON社、AQUATRAN)を用いて、温度40℃かつ相対湿度100%の条件で測定することができる。
被覆材はシート状であることが好ましい。被覆材の平均厚みは、例えば、10μm~200μmであることが好ましく、12μm~170μmであることがより好ましく、15μm~150μmであることがさらに好ましい。平均厚みが10μm以上であると、バリア性等の機能が充分なものとなる傾向にあり、平均厚みが200μm以下であると、光透過率の低下が抑えられる傾向にある。
被覆材の平均厚みは、例えば、マイクロメータを用いて測定した任意の3箇所の厚みの算術平均値として求められる。被覆材を備える波長変換部材から被覆材の平均厚みを測定する場合、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて被覆材の断面を観察し、測定した任意の3箇所の厚みの算術平均値として求めてもよい。
波長変換部材の概略構成の一例を図1に示す。但し、本開示の波長変換部材は図1の構成に限定されるものではない。
図1に示す波長変換部材10は、フィルム状の硬化物である波長変換層11と、波長変換層11の両面に設けられたフィルム状の被覆材12A及び12Bと、を有する。被覆材12A及び被覆材12Bの種類及び平均厚みは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
図1に示す構成の波長変換部材は、例えば、以下のような製造方法により製造することができる。
まず、連続搬送されるフィルム状の被覆材(以下、「第1の被覆材」ともいう。)の表面に波長変換層形成用の樹脂組成物を付与し、塗膜を形成する。樹脂組成物の付与方法は特に制限されず、ダイコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法、ロールコーティング法等が挙げられる。
次いで、樹脂組成物の塗膜の上に、連続搬送されるフィルム状の被覆材(以下、「第2の被覆材」ともいう。)を貼り合わせる。
次いで、第1の被覆材及び第2の被覆材のうち活性エネルギー線を透過可能な被覆材側から活性エネルギー線を照射することにより、塗膜を硬化し、硬化物層を形成する。その後、規定のサイズに切り出すことにより、図1に示す構成の波長変換部材を得ることができる。
なお、第1の被覆材及び第2の被覆材のいずれも活性エネルギー線を透過可能でない場合には、第2の被覆材を貼り合わせる前に塗膜に活性エネルギー線を照射し、硬化物層を形成してもよい。
≪バックライトユニット≫
本開示の一実施形態に係るバックライトユニットは、光源と、本開示の波長変換部材と、を有する。
バックライトユニットとしては、色再現性を向上させる観点から、多波長光源化されたものが好ましい。好ましい一態様としては、430nm~480nmの波長域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度ピークを有する青色光と、520nm~560nmの波長域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度ピークを有する緑色光と、600nm~680nmの波長域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度ピークを有する赤色光と、を発光するバックライトユニットを挙げることができる。なお、発光強度ピークの半値幅とは、ピーク高さの1/2の高さにおけるピーク幅を意味する。
色再現性をより向上させる観点から、バックライトユニットが発光する青色光の発光中心波長は、440nm~475nmの範囲であることが好ましい。同様の観点から、バックライトユニットが発光する緑色光の発光中心波長は、520nm~545nmの範囲であることが好ましい。また、同様の観点から、バックライトユニットが発光する赤色光の発光中心波長は、610nm~640nmの範囲であることが好ましい。
また、色再現性をより向上させる観点から、バックライトユニットが発光する青色光、緑色光、及び赤色光の各発光強度ピークの半値幅は、いずれも80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることが特に好ましく、25nm以下であることが極めて好ましい。
バックライトユニットの光源としては、例えば、430nm~480nmの波長域に発光中心波長を有する青色光を発光する光源を用いることができる。光源としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)及びレーザーが挙げられる。青色光を発光する光源を用いる場合、波長変換部材は、少なくとも、赤色光を発光する量子ドット蛍光体R及び緑色光を発光する量子ドット蛍光体Gを含むことが好ましい。これにより、波長変換部材から発光される赤色光及び緑色光と、波長変換部材を透過した青色光と、により、白色光を得ることができる。
また、バックライトユニットの光源としては、例えば、300nm~430nmの波長域に発光中心波長を有する紫外光を発光する光源を用いることもできる。光源としては、例えば、LED及びレーザーが挙げられる。紫外光を発光する光源を用いる場合、波長変換部材は、量子ドット蛍光体R及び量子ドット蛍光体Gとともに、励起光により励起され青色光を発光する量子ドット蛍光体Bを含むことが好ましい。これにより、波長変換部材から発光される赤色光、緑色光、及び青色光により、白色光を得ることができる。
本開示のバックライトユニットは、エッジライト方式であっても直下型方式であってもよい。
エッジライト方式のバックライトユニットの概略構成の一例を図2に示す。
図2に示すバックライトユニット20は、青色光Lを出射する光源21と、光源21から出射された青色光Lを導光して出射させる導光板22と、導光板22と対向配置される波長変換部材10と、波長変換部材10を介して導光板22と対向配置される再帰反射性部材23と、導光板22を介して波長変換部材10と対向配置される反射板24と、を備える。波長変換部材10は、青色光Lの一部を励起光として赤色光L及び緑色光Lを発光し、赤色光L及び緑色光Lと、励起光とならなかった青色光Lと、を出射する。この赤色光L、緑色光L、及び青色光Lにより、再帰反射性部材23から白色光Lが出射される。
≪画像表示装置≫
本開示の一実施形態に係る画像表示装置は、上述した本開示のバックライトユニットを備える。画像表示装置としては特に制限されず、例えば、テレビ、パソコン、携帯電話等の液晶表示装置が挙げられる。
液晶表示装置の概略構成の一例を図3に示す。
図3に示す液晶表示装置30は、バックライトユニット20と、バックライトユニット20と対向配置される液晶セルユニット31と、を備える。液晶セルユニット31は、液晶セル32が偏光板33Aと偏光板33Bとの間に配置された構成とされる。
液晶セル32の駆動方式は特に制限されず、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式等が挙げられる。
次に本開示の実施形態を実施例により具体的に説明するが、本開示の実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1~4、比較例1、2>
〔樹脂組成物の調製〕
下記に示す材料を表1に示す配合量(質量部)で混合して、樹脂組成物を調製した。
・蛍光体・・・InP/ZnS量子ドット蛍光体G(発光色:緑色)、及びInP/ZnS量子ドット蛍光体R(発光色:赤色)
いずれも、表中の配合量は、蛍光体分散液(濃度:10質量%、分散媒体:イソボルニルアクリレート)の配合量を表す。
・プレニルオキシ基を有する化合物・・・1,3-ビス(3-メチル-2-ブテノキシ)-2-ヒドロキシプロパン(一般式(I)においてRが水素原子である化合物)
・重合性化合物・・・2官能(メタ)アクリル化合物
・光重合開始剤・・・2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド
・光拡散材・・・酸化チタン;酸化チタンの表面には、酸化ケイ素を含む第一酸化物層、酸化アルミニウムを含む第二酸化物層及びポリオール化合物を含む有機物層が、第一酸化物層、第二酸化物層及び有機物層の順に設けられている。(平均粒子0.36μm)
〔波長変換部材の作製〕
得られた樹脂組成物を、被覆材として厚み72μmのバリアフィルムのバリア層側に塗布して塗膜を形成した。この塗膜上に、上記と同じ被覆材を配置した。次いで、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社)を用いて紫外線を照射し(照射量:1000mJ/cm)、樹脂組成物を硬化させて、波長変換層の両面に被覆材が配置された状態の波長変換部材を作製した。波長変換層の平均厚みは80μmであり、波長変換部材の平均厚みは224μmであった。
上記で得られた各波長変換部材を、幅210mm、長さ300mmの寸法に裁断して測定サンプルを作製した。
(耐光熱性、及び耐熱性の評価)
上記で得られた各波長変換部材を、直径22mmサイズの寸法に裁断し、評価用サンプルを準備した。評価用サンプルについてファイバマルチチャンネル分光器(オーシャンフォトニクス株式会社、オーシャンビュー)にて初期の発光強度の測定を行った。
次に信頼性条件として、85℃、照度150mW/cmの青色光(蛍光極大波長450nm)の環境において評価用サンプルを放置する試験を耐光熱性試験とした。また、85℃、光照射の無い環境において評価用サンプルを放置する試験を耐熱性試験とした。
耐光熱性試験環境下、及び耐熱性試験環境下で500時間放置後に評価用サンプルを取り出し、下記式に従って波長変換部材の相対発光強度保持率(すなわち、輝度残存率)を算出した。
相対発光強度保持率(%)=(RLb1/RLa)×100
RLa:初期相対発光強度
RLb1:各信頼性環境下での500時間後の相対発光強度
なお、相対発光強度保持率の数値が高いほど波長変換部材は耐熱性又は耐光熱性に優れている。
Figure 2022173738000003
表中、「‐」は成分が配合されていないこと又は評価が未実施であることを表す。
表からわかるように、500時間の耐熱性試験を行った結果、実施例1及び実施例2の波長変換部材は比較例1の波長変換部材よりも相対発光強度保持率に優れていた。また、500時間の耐光熱性試験を行った結果、実施例3及び実施例4の波長変換部材は比較例2の波長変換部材よりも相対発光強度保持率に優れていた。
<実施例5~7、比較例3>
〔樹脂組成物の調製〕
下記に示す材料を表2に示す配合量(質量部)で混合して、樹脂組成物を調製した。
・蛍光体・・・InP/ZnS量子ドット蛍光体G(発光色:緑色)、及びInP/ZnS量子ドット蛍光体R(発光色:赤色)
いずれも、表中の配合量は、蛍光体分散液(濃度:10質量%、分散媒体:イソボルニルアクリレート)の配合量を表す。
・プレニルオキシ基を有する化合物・・・1,3-ビス(3-メチル-2-ブテノキシ)-2-ヒドロキシプロパン(一般式(I)においてRが水素原子である化合物)
・重合性化合物・・・2官能(メタ)アクリル化合物
・光重合開始剤・・・2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド
・光拡散材・・・酸化チタン;酸化チタンの表面には、酸化ケイ素を含む第一酸化物層、酸化アルミニウムを含む第二酸化物層及びポリオール化合物を含む有機物層が、第一酸化物層、第二酸化物層及び有機物層の順に設けられている。(平均粒子径1.5μm)
〔波長変換部材の作製〕
得られた樹脂組成物を、被覆材として厚み72μmのバリアフィルムのバリア層側に塗布して塗膜を形成した。この塗膜上に、上記と同じ被覆材を配置した。次いで、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社)を用いて紫外線を照射し(照射量:1000mJ/cm)、樹脂組成物を硬化させて、波長変換層の両面に被覆材が配置された状態の波長変換部材を作製した。波長変換層の平均厚みは80μmであり、波長変換部材の平均厚みは224μmであった。
上記で得られた各波長変換部材を、幅210mm、長さ300mmの寸法に裁断して測定サンプルを作製した。
(20℃放置における輝度変化の評価)
上記で得られた各波長変換部材を、直径22mmサイズの寸法に裁断し、評価用サンプルを準備した。評価用サンプルについてファイバマルチチャンネル分光器(オーシャンフォトニクス株式会社、オーシャンビュー)にて初期の発光強度の測定を行った。次に上記のサンプルを20℃、相対湿度50%で暗所に静置した。本条件で4か月経過後に評価用サンプルを取り出し、下記式に従って波長変換部材の相対発光強度保持率(すなわち、輝度残存率)を算出した。
相対発光強度保持率(%)=(RLb1/RLa)×100
RLa:初期相対発光強度
RLb1:上記環境下での4か月後の相対発光強度
Figure 2022173738000004
表中、「‐」は成分が配合されていないことを表す。
表からわかるように、実施例5~7の波長変換部材は比較例3の波長変換部材よりも4か月経過後の相対発光強度保持率に優れていた。
<比較例4>
〔樹脂組成物の調製〕
下記に示す材料を表3に示す配合量(質量部)で混合して、樹脂組成物を調製した。
・蛍光体・・・InP/ZnS量子ドット蛍光体G(発光色:緑色)、及びInP/ZnS量子ドット蛍光体R(発光色:赤色)
いずれも、表中の配合量は、蛍光体分散液(濃度:10質量%、分散媒体:イソボルニルアクリレート)の配合量を表す。
・プレニルオキシ基を有さない比較化合物・・・アデカスタブLA-82(商品名、株式会社アデカ製)
・重合性化合物・・・2官能(メタ)アクリル化合物
・光重合開始剤・・・2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド
・光拡散材・・・酸化チタン;酸化チタンの表面には、酸化ケイ素を含む第一酸化物層、酸化アルミニウムを含む第二酸化物層及びポリオール化合物を含む有機物層が、第一酸化物層、第二酸化物層及び有機物層の順に設けられている。(平均粒子径0.36μm)
〔波長変換部材の作製〕
得られた樹脂組成物を、被覆材として厚み72μmのバリアフィルムのバリア層側に塗布して塗膜を形成した。この塗膜上に、上記と同じ被覆材を配置した。次いで、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社)を用いて紫外線を照射し(照射量:1000mJ/cm)、樹脂組成物を硬化させて、波長変換層の両面に被覆材が配置された状態の波長変換部材を作製した。波長変換層の平均厚みは80μmであり、波長変換部材の平均厚みは224μmであった。
上記で得られた各波長変換部材を、幅210mm、長さ300mmの寸法に裁断して測定サンプルを作製した。
(耐光熱性の評価)
上記で得られた各波長変換部材を、直径22mmサイズの寸法に裁断し、評価用サンプルを準備した。評価用サンプルについてファイバマルチチャンネル分光器(オーシャンフォトニクス株式会社、オーシャンビュー)にて初期の発光強度の測定を行った。
次に信頼性条件として、85℃、照度150mW/cmの青色光(蛍光極大波長450nm)の環境において評価用サンプルを放置する試験を耐光熱性試験とした。
上記条件で500時間放置後に評価用サンプルを取り出し、下記式に従って波長変換部材の相対発光強度保持率を算出した。
相対発光強度保持率(%)=(RLb1/RLa)×100
RLa:初期相対発光強度
RLb1:500時間後の相対発光強度
なお、相対発光強度保持率の数値が高いほど波長変換部材は耐光熱性に優れている。
Figure 2022173738000005
表からわかるように、プレニルオキシ基を有さない化合物を配合した比較例4では、耐光熱試験後の相対発光強度保持率に劣っていた。
10…波長変換部材
11…波長変換層
12A、12B…被覆材
13…酸化物層
14…樹脂層
15…保護層
20…バックライトユニット
21…光源
22…導光板
23…再帰反射性部材
24…反射板
30…液晶表示装置
31…液晶セルユニット
32…液晶セル
33A…偏光板
33B…偏光板
…青色光
…赤色光
…緑色光
…白色光

Claims (10)

  1. 蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物と、を含有する波長変換層を有する波長変換部材。
  2. 蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物由来のプレニルオキシ基を有する樹脂硬化物と、を含有する波長変換層を有する波長変換部材。
  3. 蛍光体と、プレニルオキシ基を有する化合物と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する樹脂組成物の硬化物である波長変換層を有する波長変換部材。
  4. 前記プレニルオキシ基を有する化合物が、プレニルオキシ基を2個以上有する化合物を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  5. 前記プレニルオキシ基を有する化合物が、2個~4個のプレニルオキシ基が炭素数3~15の連結基を介して連結されている化合物を含む、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  6. 前記連結基が、水酸基及び(メタ)アクリロイルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項5に記載の波長変換部材。
  7. 蛍光体と、プレニルオキシ基を有する樹脂硬化物と、を含有する波長変換層を有する波長変換部材。
  8. 前記蛍光体が、量子ドット蛍光体を含む、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  9. 請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の波長変換部材と、光源と、を備えるバックライトユニット。
  10. 請求項9に記載のバックライトユニットを備える画像表示装置。
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