JP2022172414A - マイクロプレートリーダーおよび光学プレート - Google Patents

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雄司 興
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Abstract

【課題】マイクロプレートの各ウェルに収容された試料の光測定を容易かつ高精度に行うことができるマイクロプレートリーダーおよびそれに用いられる光学プレートを提供する。【解決手段】マイクロプレートリーダーは、筐体と、投光部と、受光部と、を備え、1つのウェルに対応した投光部と受光部との組が複数設けられている。受光部とマイクロプレートとの間に配置され、投光部から放出され、ウェルを透過した光を、受光部へ導光する位置に、マイクロプレートのウェルに対応して同数設けられた受光用導光路と、受光用導光路を、光を吸収する特性を有する顔料を含有する顔料含有樹脂によりなる包囲部材により包囲した導光部と、をさらに備える。導光部は、マイクロプレートの底面側に形成された凹部に嵌め込まれて当該マイクロプレートの底面と密着している。1つの投光部から放出された光は、1つの受光用導光路を通過して1つの受光部に到達する。【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロプレートのウェルに収容された試料に対して光学的測定を行うマイクロプレートリーダーおよびそのマイクロプレートリーダーに用いられる光学プレートに関する。
従来、例えばアクリル、ポリエチレン、ポリスチレン、ガラス等からなり、多数の窪み(ウェル)が設けられた平板状のマイクロプレートを用いて、試薬の分離、合成、抽出、分析、細胞培養などが行われている。例えば、抗体が固定された各ウェルに抗原を含む試薬を注入することにより発生する抗体抗原反応(酵素免疫反応)に関する測定(例えば、ELISA(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay)法による測定)が、マイクロプレートを用いて行われる。
マイクロプレートの各ウェルに収容された試料に対しては、例えば、当該試料の光学的性質が測定される。この測定は、上記試料に対して光学的測定を行う測定装置であるマイクロプレートリーダーによって行われる。マイクロプレートリーダーは、例えば、吸光、蛍光、化学発光、蛍光偏光等の光学的性質を測定可能である。
ポイントオブケア(POCT)検査等の分野において携帯可能な程度に小型化されたマイクロプレートリーダーとして、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載のマイクロプレートリーダーでは、投光部と受光部との組が全てのウェルに対してそれぞれ設けられており、マイクロプレートの各ウェルに収容される試料の全ての光測定をほぼ同時に行うことが可能である。また、導光路を、外光や散乱光を吸収可能な顔料含有樹脂により包囲するので、簡易な構成で外光や散乱光等が迷光(ノイズ光)となって受光部に入射されることを抑制することができる。
国際公開第2019/044969号
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術のように、マイクロプレートの各ウェルを通過した光をそれぞれ導光路によって受光部へ導光する構成の場合、各ウェルと各ウェルにそれぞれ対応する導光路との位置決めを容易かつ適切に行う必要がある。さらに、外光の影響を効果的に抑制するためには、導光路への外光の回り込みを適切に抑制する必要がある。
そこで、本発明は、マイクロプレートの各ウェルに収容された試料の光測定を容易かつ高精度に行うことができるマイクロプレートリーダーおよびそれに用いられる光学プレートを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係るマイクロプレートリーダーの一態様は、筐体と、前記筐体内において、配置される複数のウェルを有するマイクロプレートの1つのウェルに対応した投光部と、前記投光部から放出された光が前記マイクロプレートの1つのウェルを透過した透過光を受光する受光部と、を備え、1つのウェルに対応した前記投光部と前記受光部との組が複数設けられていて、前記受光部と前記マイクロプレートとの間に配置され、前記投光部から放出され、前記ウェルを透過した光を、前記受光部へ導光する位置に、前記マイクロプレートのウェルに対応して同数設けられた受光用導光路と、前記受光用導光路を、光を吸収する特性を有する顔料を含有する顔料含有樹脂によりなる包囲部材により包囲した導光部と、をさらに備え、前記導光部は、前記マイクロプレートの底面側に形成された凹部に嵌め込まれて当該マイクロプレートの底面と密着しており、1つの前記投光部から放出された光は、1つの前記受光用導光路を通過して1つの前記受光部に到達する。
このように、1つのウェルに投光部と受光部とが対応して設けられており、投光部と受光部との組が複数設けられている。そして、受光用導光路を、外光や散乱光を吸収可能な顔料含有樹脂により包囲した導光部をさらに備える。したがって、外光や散乱光等が迷光(ノイズ光)となって受光部に入射されることを抑制することができる。また、複数の投光部から放出された光が1つの受光用導光路を通過して1つの受光部に到達しないようにすることができるため、適切に測定誤差を低減することができる。
さらに、導光部は、マイクロプレートの底面側に形成された凹部に嵌め込まれて当該マイクロプレートの底面と密着している。そのため、各ウェルと各ウェルにそれぞれ対応する導光路との位置決めを容易に行うことができるとともに、光測定中の両者の位置ずれを抑制することができる。また、マイクロプレートと導光部と間に隙間が生じることを適切に抑制することができるので、導光路への外光の回り込みを適切に抑制することができる。
また、上記のマイクロプレートリーダーにおいて、前記1つのウェルに対応した前記投光部と前記受光部との組は、少なくとも前記マイクロプレートのウェルの数だけ設けられていてもよい。
この場合、マイクロプレートの各ウェルに収容される試料の全ての光測定をほぼ同時に行うことが可能となり、測定時間を短縮することができる。また、従来のようなマイクロプレートを走査させるための複雑な駆動機構等が不要であるため、小型化を実現することができる。
さらに、上記のマイクロプレートリーダーにおいて、前記1つのウェルに対応した前記投光部と前記受光部との組は、前記マイクロプレートのウェルの数より少なく、前記マイクロプレートの全てのウェルに対応するように、前記投光部と前記受光部との組に対して、前記導光部が嵌め込まれた前記マイクロプレートを相対的に逐次移動させる移動機構を有していてもよい。
この場合、投光部と受光部との組をマイクロプレートの全てのウェルに対応させて設ける必要がなく、大幅に小型化することができる。また、投光部と受光部との組に対してマイクロプレートを相対的に逐次移動させることで、マイクロプレートの各ウェルに収容される試料の全ての光測定を行うことが可能である。
また、上記のマイクロプレートリーダーにおいて、前記1つのウェルに対応した前記投光部と前記受光部との組は、前記マイクロプレートの一つの辺のウェルの数だけ設けられており、前記移動機構は、前記投光部と前記受光部との組に対して、前記導光部が嵌め込まれた前記マイクロプレートを、前記一つの辺に直交する方向にのみ相対的に逐次移動させてもよい。
この場合、移動機構による移動を1軸方向のみの移動とすることができる。そのため、移動機構の構造を簡略化することができ、安価に構成することができる。また、薄型化を実現することができるので、例えばインキュベータ内の培養空間などの限られた空間内にも設置することが可能となる。
さらに、上記のマイクロプレートリーダーにおいて、前記投光部は、前記マイクロプレートの底面とは反対側に配置され、前記受光部は、前記マイクロプレートを挟んで前記投光部とは反対側に配置されていてもよい。
この場合、投光部から放出された光がウェルを透過し、受光用導光路を通過して受光部に到達する構成のマイクロプレートリーダーにおいて、マイクロプレートの各ウェルに収容された試料の光測定を容易かつ高精度に行うことができる。
また、上記のマイクロプレートリーダーにおいて、前記投光部および前記受光部は、前記マイクロプレートの底面側に配置され、前記マイクロプレートを挟んで前記投光部および前記受光部とは反対側に配置され、前記投光部から放出された光を前記受光部へ反射させる反射部材と、前記投光部と前記マイクロプレートとの間に配置され、前記投光部から放出される光を前記ウェルに導光する投光用導光路と、をさらに備え、前記導光部は、前記受光用導光路および前記投光用導光路のそれぞれを、前記顔料含有樹脂によりなる前記包囲部材により包囲してもよい。
この場合、投光部から放出された光がウェルを透過し、反射部材によって反射され、受光用導光路を通過して受光部に到達する構成のマイクロプレートリーダーにおいて、マイクロプレートの各ウェルに収容された試料の光測定を容易かつ高精度に行うことができる。
また、上記のマイクロプレートリーダーにおいて、前記導光部は、前記凹部に嵌め込まれた状態において、当該凹部の側壁部によって全周が包囲されていてもよい。この場合、マイクロプレートに対して導光部を適切に位置決めすることができるとともに、マイクロプレートに対する導光部の位置ずれを確実に抑制することができる。
また、上記のマイクロプレートリーダーにおいて、前記導光部は、前記凹部に対して着脱可能に構成されていてもよい。この場合、マイクロプレートから導光部を取り外し、マイクロプレートのみを交換することが可能となる。また、導光部は柔らかい樹脂により構成することができるため、ウェルに試料が入ったままでも導光部の取り外しが可能である。
さらに、上記のマイクロプレートリーダーにおいて、前記受光用導光路は、前記1つのウェルに対して複数設けられていてもよい。この場合、1つのウェルを通過した光を良好なS/N比で効率的に受光部へ導光させることができる。したがって、導光部の薄型化が可能となる。
また、上記のマイクロプレートリーダーにおいて、前記受光用導光路は、光透過特性を有するシリコーン樹脂により構成されていてもよい。この場合、受光用導光路と包囲部材との界面における光の反射や散乱を抑制することができる。
さらに、上記のマイクロプレートリーダーにおいて、前記顔料含有樹脂は、光透過特性を有する樹脂に前記顔料を含有させたものであり、前記受光用導光路は、前記光透過特性を有する樹脂と同等の樹脂により構成されていてもよい。この場合、受光用導光路と包囲部材との界面における光の反射や散乱を効果的に抑制することができる。
また、上記のマイクロプレートリーダーにおいて、前記マイクロプレートの前記ウェルの底面は球面状であり、前記導光部が前記凹部に嵌め込まれた状態において、前記1つのウェルに対応する前記受光用導光路は、前記ウェルを通過した光が前記球面状の底面にて集光される位置に配置されていてもよい。この場合、ウェルを通過した光を適切に受光部へ導光させることができる。
さらに、上記のマイクロプレートリーダーは、前記導光部が前記凹部に嵌め込まれた状態において、前記マイクロプレートと前記導光部とが密着する方向に押圧する押圧部材をさらに備えていてもよい。この場合、マイクロプレートの底面と導光部の上面との密着性を向上させることができる。したがって、マイクロプレートと導光部との隙間が生じることを確実に抑制することができる。
また、上記のマイクロプレートリーダーは、前記導光部が前記凹部に嵌め込まれた前記マイクロプレートを、前記受光用導光路の光出射端と前記受光部とが対向する位置に位置決めする位置決め部材をさらに備えていてもよい。この場合、マイクロプレートの各ウェル、受光用導光路および受光部の位置決めを容易に行うことができる。
さらに、本発明に係る光学プレートの一態様は、マイクロプレートの複数のウェルにそれぞれ対応し、前記ウェルに収容された試料を通過した光を導光する導光路と、前記導光路を、光を吸収する特性を有する顔料を含有する顔料含有樹脂により包囲する包囲部材と、を備え、前記導光路は、1つの前記ウェルに対して複数設けられており、前記マイクロプレートの底面側に形成された凹部に嵌め込まれることで前記マイクロプレートの底面と密着可能である。
このように、1つのウェルに対応する複数の導光路を有するので、ウェルに収容された試料を通過した光を良好なS/N比で導光させることが可能となり、導光路の光路長を短縮することが可能となる。つまり、光学プレートの薄型化が図れる。また、マイクロプレートの凹部に嵌め込み可能な構成であるため、各ウェルと各ウェルにそれぞれ対応する導光路との位置決めを容易に行うことができる。さらに、マイクロプレートの底面と密着可能な構成であるため、マイクロプレートと導光部と間に隙間が生じることを抑制し、導光路への外光の回り込みを抑制することができる。
本発明のマイクロプレートリーダーは、マイクロプレートの各ウェルに収容された試料の光測定を容易かつ高精度に行うことができる。
本実施形態におけるマイクロプレートリーダーの概略構成図である。 マイクロプレートの別の例を説明するための図である。 光源およびセンサの電源ラインの一例である。 導光路に侵入する外光について説明する図である。 受光用導光路の一例を示す図である。 受光用導光路の比較例を示す図である。 マイクロプレートリーダーのセッティング方法を説明する図である。 マイクロプレートリーダーのセッティング方法を説明する図である。 マイクロプレートリーダーのセッティング方法を説明する図である。 導光プレート部の別の例を示す図である。 マイクロプレートの別の例を示す図である。 押圧部材および位置決め部材を示す側面図である。 押圧部材および位置決め部材を示す上面図である。 マイクロプレートリーダーの別の例を示す概略構成図である。 スキャン式のマイクロプレートリーダーの一例である。 スキャン式のマイクロプレートリーダーの要部を示す図である。 スキャン式のマイクロプレートリーダーの別の例である。 1回目の光測定時のマイクロプレートの位置を示す図である。 2回目の光測定時のマイクロプレートの位置を示す図である。 スキャン式のマイクロプレートリーダーの別の例である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一の実施形態)
図1は、本実施形態におけるマイクロプレートリーダー10の概略構成図である。
マイクロプレートリーダー10は、投光用基板11aと、測定用基板11bと、複数の光源(投光部)12aと、複数の受光センサ(受光部)12bと、導光プレート部(導光部)13と、筐体15と、電源部16と、給電ケーブル17a、17bと、を備える。
投光用基板11a、測定用基板11b、複数の光源12a、複数の受光センサ12b、導光プレート部13、電源部16および給電ケーブル17a、17bは、上方に開口部を有する筐体15内に配置され、固定されている。本実施形態におけるマイクロプレートリーダー10は、測定用基板11bに複数の受光センサ12bが設けられ、当該測定用基板11bの上に導光プレート部13が設けられ、筐体15内における導光プレート部13の上部にマイクロプレート20が設置可能に構成されている。
また、本実施形態におけるマイクロプレートリーダー10は、導光プレート部13の上部に設置されたマイクロプレート20の上方に、投光用基板11aが配置されるよう構成されている。投光用基板11aには複数の光源12aが設けられており、投光用基板11aは、光源12aがマイクロプレート20に対向するように配置される。
(マイクロプレート)
マイクロプレート20は、例えばアクリル、ポリエチレン、ポリスチレン、ガラス等からなる平板状の部材である。マイクロプレート20は、例えば長方形状の平板であり、表面に多数のウェル21が設けられている。ウェル21の形状は、例えば平底を有する円柱形状である。また、ウェル21の数は、6個、24個、96個、384個、1536個等であり、容量は数μリットル~数mリットルである。例えば96ウェルのマイクロプレートの場合、各ウェルは8×12で配置される。
マイクロプレート20の底面の外縁部には、全周に亘って壁部20aが形成されている。壁部20aは、マイクロプレート20の底面から下方に突出しており、マイクロプレート20の底面と壁部20aとにより、マイクロプレート20の底面側に凹部が形成されている。つまり、壁部20aは、当該凹部の側壁部である。このマイクロプレート20の凹部には、図1に示すように導光プレート部13が嵌め込み可能である。
なお、壁部20aの底面からの高さは、任意の高さとすることができる。壁部20aの高さは、例えば図1に示すように、導光プレート部13の厚みよりも低くてもよいし、図2に示すように、導光プレート部13の厚みと同等であってもよい。また、特に図示しないが、壁部20aの高さは、導光プレート部13の厚みよりも高くてもよい。
(投光部および受光部)
光源12aは、光を放出する投光部であり、投光用基板11aの一方の表面(下部表面)に配置される。受光センサ12bは、光を受光する受光部であり、測定用基板11bの一方の表面(上部表面)に配置される。光源12aは、例えば発光ダイオード(LED)であり、受光センサ12bは、例えばRGBカラーセンサである。光源12aは、例えばチップLED(表面実装型LED)とすることができる。この場合、1つの光源12aは、複数の発光部(発光点)を有するチップLEDを含む。
マイクロプレートリーダー10は、光源12aおよび受光センサ12bを、それぞれマイクロプレート20のウェル21と同じ数だけ備える。つまり、マイクロプレート20の1つのウェル21に対し、1つの光源12aおよび1つの受光センサ12bが対応して設けられている。マイクロプレート20のウェル21が96個ある場合、投光用基板11aには96個の光源12aが設けられ、測定用基板11bには96個の受光センサ12bが設けられる。
(投光用基板および測定用基板)
投光用基板11aは、光源12aが接続される光源用電源ラインを有する。複数の光源12aは、投光用基板11aに設けられた光源用電源ラインに接続され、光源用電源ラインから電力を得ている。投光用基板11aの光源用電源ラインには、電源部16から給電ケーブル17aを介して電力が供給される。
同様に、測定用基板11bは、受光センサ12bが接続されるセンサ用電源ラインを有する。複数の受光センサ12bは、測定用基板11bに設けられたセンサ用電源ラインに接続され、センサ用電源ラインから電力を得ている。測定用基板11bのセンサ用電源ラインには、電源部16から給電ケーブル17bを介して電力が供給される。
複数の光源12aは、例えば図3に示すように、光源用電源ラインに対し並列に接続されている。また、同様に複数の受光センサ12bは、例えば図3に示すように、センサ用電源ラインに対し並列に接続されている。
光源12aおよび受光センサ12bに接続される給電用の配線部は、それぞれ2つである。そのため、本実施形態のように投光部および受光部がそれぞれ96個設けられる場合は、384個の配線が必要となる。このように膨大な配線をコンパクトにまとめるために、投光用基板11aおよび測定用基板11bは、上記配線のパターン(給電回路)が形成されたプリント基板として構成される。なお、測定用基板11bには、受光センサ12bへの給電回路のみならず、センサ出力回路やセンサ出力の外部への通信回路等が設けられていてもよい。
(導光プレート部)
導光プレート部13は、マイクロプレート20の底面側に形成された凹部に密着して嵌め込み可能な光学プレートである。導光プレート部13は、当該凹部に対して着脱可能に構成されている。
導光プレート部13は、受光用導光路13aを備える。受光用導光路13aは、投光用基板11aに設けられた光源12aから放出され、マイクロプレート20のウェル21に入射し、後述するようにウェル21に収容された試料30等を通過して放出される光を受光センサ12bに導光する。
導光プレート部13は、受光用導光路13aを複数備える。具体的には、マイクロプレート20の1つのウェル21に対し、複数の受光用導光路13a(導光路群)が対応して設けられる。図1では、1つのウェル21に対応する導光路群として、3本の受光用導光路13aを示しているが、1つのウェル21に対応する導光路群を構成する受光用導光路13aの数は、任意に設定することができる。
受光用導光路13aは、導光プレート部13がマイクロプレート20の底面側に形成された凹部に嵌め込まれた場合に、上記導光路群の光入射端が、マイクロプレート20のウェル21の底面に対向する位置に配置されるように、導光プレート部13に設けられている。
このように、本実施形態では、導光プレート部13がマイクロプレート20の底面側に形成された凹部に嵌め込まれることで、各ウェル21と各ウェル21にそれぞれ対応する導光路群とが位置決めされる。また、導光プレート部13は、マイクロプレート20の底面側に形成された凹部に嵌め込まれることでマイクロプレート20の底面と密着する。
さらに、受光用導光路13aは、上記導光路群の光出射端が、測定用基板11bに設けられた受光センサ12bに対応する位置に配置されるように、導光プレート部13に設けられている。すなわち、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20は、受光用導光路13aの光出射端が受光センサ12bに対向する位置に位置決めされる。
また、光源12aは、上記のように位置決めされたマイクロプレート20の上方に投光用基板11aが設置された場合に、マイクロプレート20の各ウェル21に対応する位置に配置されるように、投光用基板11aに設けられている。
測定用基板11b上に、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20が配置され、マイクロプレート20上に投光用基板11aが配置された状態では、光源12aと受光センサ12bとは、鉛直方向に一列に配置される。
なお、光源12aおよび受光センサ12bの配置は、厳密に鉛直方向に一列である必要はなく、光源12aから放出され、マイクロプレート20のウェル21に収容された試料30等を通過して放出される光が、受光センサ12bに到達可能な配置であればよい。
受光用導光路13aは、光源12aから放出され、マイクロプレート20のウェル21に収容された試料30等を通過して放出される光に対して透明な樹脂(例えば、シリコーン樹脂)により構成される。また、受光用導光路13aは、顔料含有樹脂からなる包囲部材13bにより包囲されている。ここで、顔料含有樹脂は、光透過特性を有する樹脂(例えば、シリコーン樹脂)に、迷光を吸収する特性を有する顔料を含有したものである。上記顔料は、例えば、黒色顔料であるカーボンブラック等を採用することができる。
本実施形態では、受光用導光路13aを構成する透明な樹脂と、顔料含有樹脂を構成する光透過性を有する樹脂との材質を同じにする。これにより、両樹脂の界面での反射および散乱が抑制される。また、顔料含有樹脂に入射した迷光は、その顔料含有樹脂で吸収され、受光用導光路13aにほとんど戻らず、迷光の複雑な多重反射がほとんど発生しない。
図4に示すように、受光用導光路13aに侵入する外光等のノイズ光L11のうち、受光用導光路13aの光軸と同方向に進む成分は非常に少なく、大部分は、受光用導光路13aと顔料含有樹脂からなる包囲部材13bとの界面から顔料含有樹脂へと入射し、顔料により吸収される。このとき、上記界面での反射は、受光用導光路13aを構成する透明な樹脂と、包囲部材13bを構成する顔料含有樹脂との材質を同じとすることにより、発生しない。
なお、顔料に入射する外光やその散乱光は、当該顔料によりほぼ吸収されるが、わずかながら顔料表面で散乱される。しかしながら、その散乱光は、再度顔料含有樹脂からなる包囲部材13bへと入射する場合が多く、顔料含有樹脂の顔料により吸収されることになる。
したがって、図4に示すように、受光用導光路13aから取り出される光の大部分は、受光用導光路13aの光軸に沿った直進光L1となる。
ところで、受光用導光路13aの断面積や光路長の設定によっては、顔料表面によりわずかながら散乱される散乱光の一部が、受光用導光路13aの光出射端から放出される場合がある。そのため、受光用導光路13aの断面積や光路長を適宜設定し、その強度を測定に影響しない程度にまで減衰することが好ましい。
受光用導光路13aの光入射端の面積が大きくなると、受光用導光路13aへ入射する光量は大きくなる。よって、当該光入射端の面積が大きくなると、受光用導光路13aを進む直進光の強度も、受光用導光路13aの光入射端で散乱して光出射端へと散乱光として到達する外光の強度も大きくなる。
本発明者らは、受光用導光路13aの光入射端の面積に対する直進光の強度依存性、および外光の強度依存性を調査した。その結果、受光用導光路13aの直径の増加に対する外光の強度の増加量は、測定光の強度の増加量よりも大きいことがわかった。
つまり、受光用導光路13aの光入射端の面積が狭いほど、S/N比が向上することがわかった。具体的には、光入射端から光出射端までの距離(L)に対する、受光用導光路13aの光入射端の面積(A)の平方根の比(√A/L)が、0.4以下であると、S/N比が十分に高い光測定が可能となることがわかった。
したがって、受光用導光路13aの断面積や光路長は、上記の条件を満たすように設定することが好ましい。これにより、散乱光の光測定への悪影響を適切に抑制することができる。
本実施形態では、1つのウェル21に対して複数の受光用導光路13aからなる導光路群を配置している。例えば図5に示すように、1つのウェルに対応する導光路群を構成する受光用導光路13aの数は、7本とすることができる。ここで、図5に示す1つの受光用導光路13aの直径は、0.5mmであるものとする。
図6は、比較例として、1つのウェルに対して1つの受光用導光路13a’を有する導光プレート部13Aを示す図である。ここで、図6に示す1つの受光用導光路13a’の直径は、10mmであるものとする。
図5に示す導光プレート部13と図6に示す導光プレート部13Aとの厚みが同等である場合、図5に示すように1つのウェルに対して複数の細い受光用導光路13aを配置した方が、図6に示すように1つのウェルに対して1本の太い受光用導光路13a’を配置した場合と比較してノイズ成分を大幅に低減させることができる。
換言すると、図5に示すように1つのウェルに対して複数の受光用導光路13aを配置した導光プレート部13は、図6に示すように1つのウェルに対して1つの受光用導光路13a’を配置した導光プレート部13Aよりも厚みが薄くても、当該導光プレート部13Aと同等の特性(S/N比)が得られる。例えば、厚みLa=1.6mmの導光プレート部13と、厚みLb=10mmの導光プレート部13Aとでは、ほぼ同等の特性が得られる。
つまり、本実施形態では、導光プレート部13の薄型化を図ることができる。
なお、マイクロプレート20が有する僅かな反りや歪みの影響を吸収し、マイクロプレート20と導光プレート部13との隙間を作らない構造を維持するため、受光用導光路13aの長さ、すなわち導光プレート部13厚さは1mm以上であることが望ましい。
また、図6に示す導光プレート部13Aでは、となり合うウェルにそれぞれ配置された1本の受光用導光路13a’同士を隔てる包囲部材13bの幅は、最低でも3mm以上を確保することが好ましい。これにより、となり合うウェル間の信号の混入率を1000000分の1以下にすることができる。一方で、図5に示す導光プレート部13のように一つのウェルに対して複数の受光用導光路13aからなる導光路群を用いる場合、となり合う受光用導光路13a同士を隔てる包囲部材の厚さは0.15mmまで薄くしてもよい。これは互いの光の透過が100分の1程度あっても、反射、散乱による混入率と同程度で良いためである。
また、本実施形態では、1つのウェル21に対して設けられた導光路群により導光される光の照射領域(投影面積)は、受光センサ12bの受光面の面積と同等の大きさに設定されている。したがって、複数の受光用導光路13aからなる導光路群により導光される光をすべて受光センサ12bの受光面に入射させることができる。
(投光用基板における光源の配置)
上述したように、マイクロプレート20の1つのウェル21には、1つの光源12aおよび1つの受光センサ12bが対応して配置される。すなわち、1つの光源12aから放出される光が、マイクロプレート20のウェル21が収容する試料30に照射され、試料30とウェル21とを通過して複数の受光用導光路13aに入射し、当該複数の受光用導光路13aから放出される光が1つの受光センサ12bによりセンシングされる。
この1つの光源12aに隣接する他の光源12aから放出される光の一部が、試料30およびウェル21を通過して受光用導光路13aに外光として入射した場合であっても、その光の殆どは、図4に示すように、受光用導光路13aと顔料含有樹脂からなる包囲部材13bとの界面から顔料含有樹脂へと入射し、顔料により吸収される。
しかしながら、投光用基板11aにおける光源12aの配置位置によっては、上記の他の光源12aから放出される光の一部が受光用導光路13aに外光として入射し、受光用導光路13aと包囲部材13bとの界面に入射することなく、受光用導光路13aの光出射端から外部に放出される可能性がある。この場合、光測定精度が低くなってしまう。
そこで、本実施形態では、1つのウェル21に対応する複数の受光用導光路13aからなる導光路群を通過して受光センサ12bに到達する光は、1つの光源12aから放出された光となるように、各光源12aの配置、受光用導光路13aの形状、導光路群を構成する受光用導光路13aの配置および数の少なくとも1つを規定する。これにより、隣接する他の光源12aからの光が、受光用導光路13aを包囲する顔料含有樹脂によって吸収されずに外光として直接受光センサ12bに到達することを防止することができる。そのため、例えば、384ウェルのマイクロプレートのようにウェル自体が小型であり、各ウェルに対応させて複数の光源12aを近接させて配置する必要がある場合であっても、隣接する他の光源12aからの光が測定結果に悪影響を及ぼすことを防止し、測定誤差を適切に低減することができる。
次に、本実施形態におけるマイクロプレートリーダー10のセッティング方法について説明する。
図7に示すように、筐体15内部に測定用基板11b、複数の受光センサ12b、電源部16および給電ケーブル17bが固定された状態のマイクロプレートリーダー10に対して、作業者は、図8に示すように、底面側に導光プレート部13が嵌め込まれ、各ウェル21に試料30が収容されたマイクロプレート20を設置する。このとき、導光プレート部13は、受光センサ12b上に載置される。また、このとき、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20は、受光用導光路13aの光出射端が受光センサ12bの受光面に対向する位置に配置するように、位置決めされる。
次に、図9に示すように、作業者は、マイクロプレート20の上方に投光用基板11aを設置する。このとき、作業者は、投光用基板11a上の複数の光源12aが、それぞれ1個ずつマイクロプレート20の各ウェル21に対応した位置に配置されるように、投光用基板11aをマイクロプレート20の上方に設置する。ここで、投光用基板11a上の複数の光源12aは、当該投光用基板11aをマイクロプレート20の上方に位置合わせしたときに、マイクロプレート20の各ウェル21に対応した位置に配置されるように、予め隣接する光源12aとの間の距離が設定されている。なお、投光用基板11aは、不図示の位置決め部材により上下方向に位置決めがなされるようにしてもよい。
作業者は、投光用基板11aをマイクロプレート20の上方に設置した後、投光用基板11aと電源部16とを給電ケーブル17aにより接続する。その後、作業者は、不図示の電源スイッチ等を操作して、電源部16から給電ケーブル17a、17bを介して各光源12aおよび各受光センサ12bへ電力を供給する。これにより、各光源12aから光が放出される。
各光源12aから放出された光は、マイクロプレート20の各ウェル21に収容された試料30を通過する。ウェル21を通過した光は、導光プレート部13の複数の受光用導光路13aを通過して受光センサ12bによって受光される。このようにして、試料30の光学特性(例えば、吸光特性)が測定される。
受光センサ12bによる測定結果は、光強度情報として、不図示のデータ通信部を介して外部装置に送信可能であってもよい。この場合、外部装置は、上記の光強度情報をもとに、試料30の光学特性を測定する。
以上説明したように、本実施形態におけるマイクロプレートリーダー10は、水平配置されるマイクロプレート20の上方に配置され、マイクロプレート20の1つのウェル21に対応した投光部としての光源12aと、水平配置されるマイクロプレート20の下方に配置され、マイクロプレート20の1つのウェル21に対応した受光部としての受光センサ12bとからなる組を、マイクロプレート20のウェル21の数だけ有する。また、マイクロプレートリーダー10は、受光センサ12bとマイクロプレート20との間に配置され、光源12aから放出されウェル21に収容された試料30を通過した光を受光センサ12bへ導光する受光用導光路13aと、受光用導光路13aを顔料含有樹脂により包囲する包囲部材13bと、を有する導光プレート部13を備える。
このように、本実施形態におけるマイクロプレートリーダー10によれば、マイクロプレート20の各ウェル21全てに対応して、当該ウェル21に収容される試料30に光を照射するための光源12aと、当該試料30から放出される光を計測する受光センサ12bが設けられている。
従来、マイクロプレート20の各ウェル21全てに対応して光源および受光センサを設けるという発想はなく、1回の光測定毎に都度、マイクロプレート20を走査させ、複数回の測定によって全てのウェル21の光測定を行っていた。そのため、全てのウェル21の光測定には時間を要していた。
本実施形態では、従来のように1回の光測定毎にマイクロプレート20を走査させることなく、1回の測定でマイクロプレート20の各ウェル21に収容される試料30の全ての光測定をほぼ同時に行うことが可能である。したがって、測定時間を短縮することができる。また、マイクロプレート20を走査させるための複雑な駆動機構等が不要であるため、装置サイズを小さくすることが可能である。
また、導光プレート部13は、透明な樹脂(シリコーン樹脂)により構成される受光用導光路13aを、外光や散乱光を吸収可能な顔料含有樹脂からなる包囲部材13bにより包囲した構成を有する。したがって、上記外光や散乱光からのノイズ光(迷光)の影響を抑制することが可能である。
特に、上記透明な樹脂と、顔料含有樹脂との材質を同じにすることにより、両樹脂の界面での反射や散乱を適切に抑制することができる。つまり、顔料含有樹脂に入射した迷光は当該顔料含有樹脂により吸収され導光路に殆ど戻らず、迷光の複雑な多重反射がほとんど発生しない。また、受光用導光路13aの断面積や光路長を適宜設定することにより、外光の影響を著しく抑制することもできる。
すなわち、装置内部に外光が進入したとしても、導光プレート部13における受光用導光路13aにおいて、外光の影響は著しく減衰される。よって、マイクロプレートリーダー内部の光学系に対して厳密にノイズ光対策を行う必要がなく、また、そのノイズ光対策のために装置自体が大がかりになることもない。
以上のようなシリコーン樹脂を用いたモノリシックな光学系の技術を、SOT(Silicone Optical Technologies)と呼称する。本実施形態では、SOT構造をマイクロプレートリーダーの光学系に採用することにより、外光(ノイズ光)の影響をほぼ無視することが可能となり、装置の小型化と高精度な光測定とが実現されたマイクロプレートリーダーとすることができる。
さらに、本実施形態におけるマイクロプレートリーダー10において、マイクロプレート20の底面側に形成された凹部に嵌め込み可能である。したがって、導光プレート部13をマイクロプレート20の底面側に嵌め込むことで、マイクロプレート20の各ウェル21と各ウェル21にそれぞれ対応する導光路群との位置決めを容易に行うことができる。
なお、導光プレート部13は、マイクロプレート20の底面側に接触する側の表面が前記マイクロプレート29の底面の微細な凸凹構造に対応して変形することができるので、マイクロプレート20の底面側に形成された凹部に隙間なく密着させることができる。
また、導光プレート部13の上面には、顔料含有樹脂からなる包囲部材13bが露出している。包囲部材13bの表面は粗いため、導光プレート部13上にマイクロプレート20を載置しただけでは、光測定中にマイクロプレート20と導光プレート部13との間で位置ずれが生じる虞がある。これに対して、本実施形態では、導光プレート部13は、マイクロプレート20の底面側に形成された凹部に嵌め込み可能であるため、光測定中の上記位置ずれを適切に抑制することができる。
また、導光プレート部13は、マイクロプレート20の底面側に形成された凹部に嵌め込まれることでマイクロプレート20の底面と密着可能である。このように、マイクロプレート20と導光プレート部13とを密着させることができるので、マイクロプレート20と導光プレート部13との間に隙間が生じることを抑制し、当該隙間から受光用導光路13aに外光が侵入することを適切に抑制することができる。
また、導光プレート部13はシリコーン樹脂からなり、比較的柔らかいため、ウェル21に試料30が入ったままでもマイクロプレート20に対して容易に取り外しが可能である。
さらに、一般的に、マイクロプレートは、底面の外縁部に底面から下方に突出する壁部を有し、マイクロプレートの底面側には、底面と壁部とにより空間(窪み)が設けられている。したがって、この既存の空間(窪み)を、導光プレート部13を嵌め込む凹部として利用すれば、専用のマイクロプレートを用意する必要がない。
なお、本実施形態では、導光プレート部13は、マイクロプレート20の底面側に形成された凹部に嵌め込まれた状態において、壁部20aによって全周が包囲される場合について説明した。しかしながら、壁部20aは、導光プレート部13の少なくとも一部を包囲していればよい。
さらに、本実施形態におけるマイクロプレートリーダー10において、受光用導光路13aは、マイクロプレート20の1つのウェル21に対して複数設けられている。そして、1つのウェル21に対応する複数の受光用導光路13aにより導光される光の投影面積は、1つのウェル21に対応する1つの受光センサ12bの受光面の面積と同等である。したがって、1つのウェルを通過した光を良好なS/N比で受光センサ12bに受光させることができ、光測定の精度を向上させることができる。
また、受光用導光路13aが、マイクロプレート20の1つのウェル21に対して複数設けられているため、導光プレート部13の薄型化が可能である。その結果、マイクロプレートリーダー10の低背化が可能となる。さらに、導光プレート部13を、例えば上述した厚み1.6mmのように薄型化した場合、成型ではなく、例えば3Dプリンタによる作製が可能となり、製造コストを低減させることができる。
また、マイクロプレートリーダー10は、マイクロプレート20を配置する筐体15を備える。筐体15は、例えば遮光性や断熱性を有する材料により構成することもできる。この場合、マイクロプレート20の側面から入射する外光の影響や温度の影響を抑制することができる。したがって、マイクロプレート20の端部に位置するウェル21の測定データの信頼性を確保することができる。
以上のように、本実施形態におけるマイクロプレートリーダー10は、POCT検査等の分野において携帯可能な程度に小型化され、マイクロプレート20の各ウェル21に収容された試料30全ての光測定を短時間で高精度に行うことができる。
とりわけ、本実施形態におけるマイクロプレートリーダー10は、マイクロプレート20の各ウェル21と各ウェル21にそれぞれ対応した受光用導光路13aとの位置決めを容易に行うことができるとともに、光測定中における両者の位置ずれを抑制することができる。さらに、本実施形態におけるマイクロプレートリーダー10は、マイクロプレート20と導光プレート部13との間の隙間から受光用導光路13aに外光が侵入することを適切に抑制することができ、当該外光が光測定に与える悪影響を適切に抑制することができる。
(変形例)
上記実施形態のマイクロプレートリーダー10においては、導光プレート部13は、マイクロプレート20の1つのウェル21に対応して複数の受光用導光路13aを備える場合について説明した。しかしながら、図6で示したように、マイクロプレート20の1つのウェル21に対応する1つの受光用導光路13a’を備える導光プレート部13Aを用いることもできる。この場合にも、図10に示すように、導光プレート部13Aは、マイクロプレート20の底面側に密着して嵌め込み可能であればよい。
また、上記実施形態においては、マイクロプレート20のウェル底面が平板形状である場合について説明した。ウェル底面が平板形状の場合、導光プレート部13との密着性が良いため好ましいが、ウェル底面の形状は、必ずしも平板形状でなくてもよい。
例えば図11に示すマイクロプレート20Aのように、ウェル22の底面の形状が球面であってもよい。この場合にも、導光プレート部13は、マイクロプレート20Aの底面に一部密着して嵌め込むことが可能である。この場合、ウェル22を通過した光が球面状の底面にて集光される位置(集光領域)に導光路群の光入射端が配置されるように、導光プレート部13に受光用導光路13aを形成する。これにより、ウェル22を通過した光を適切に受光センサ12bに導光することができる。
また、上記実施形態において、マイクロプレートリーダー10は、導光プレート部13がマイクロプレート20の底面側に形成された凹部に嵌め込まれた状態において、マイクロプレート20と導光プレート部13とが密着する方向に押圧する押圧部材を備えていてもよい。さらに、マイクロプレートリーダー10は、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20を、受光用導光路13aの光出射端と受光センサ12bとが対向する位置に位置決めする位置決め部材を備えていてもよい。
例えば、図12および図13に示すように、測定用基板11bに複数(例えば、4本)の棒状の位置決め部材11cを設け、これら位置決め部材11cによって導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20の側面を支持することで、当該マイクロプレート20を測定用基板11bに対して位置決めするようにしてもよい。なお、位置決め部材11cの数は、図12および図13に示す数に限定されない。また、位置決め部材11cの形状も、図12および図13に示す形状に限定されない。
また、この図12および図13に示すように、測定用基板11b上に導光プレート部13を介して載置されたマイクロプレート20の上面の一部と当接する押圧部材11dを設け、押圧部材11dによってマイクロプレート20を下方に押圧するようにしてもよい。ここで、押圧部材11dは、例えば測定用基板11bに設けられた支柱11e(図13参照)に係合されており、当該支柱11eの軸方向に沿って移動可能、かつ、当該支柱11eの軸方向の任意の位置で固定可能な構成とすることができる。
なお、押圧部材および位置決め部材は、図12および図13に示す構成に限定されない。例えば、押圧部材は、測定用基板11bと測定用基板11b上に導光プレート部13を介して載置されたマイクロプレート20とを結束する結束具(輪ゴムや面テープ等)であってもよい。
また、上記実施形態のマイクロプレートリーダー10においては、マイクロプレート20の上方に光源12aが配置され、マイクロプレート20を挟んで光源12aとは反対側に受光センサ12bが配置されている場合について説明した。しかしながら、マイクロプレート20の下方に光源12aおよび受光センサ12bを配置することもできる。
図14は、マイクロプレート20の下方に光源12aおよび受光センサ12bを配置したマイクロプレートリーダー10Aの概略構成図である。この図14において、図1に示すマイクロプレートリーダー10と同様の構成を有する部分には、図1と同一符号を付し、以下、構成の異なる部分を中心に説明する。
マイクロプレートリーダー10Aは、基板11と、複数の光源12aと、複数の受光センサ12bと、導光プレート部(導光部)13Bと、ミラープレート(反射部材)14と、筐体15と、電源部16と、給電ケーブル17と、を備える。
このマイクロプレートリーダー10Aは、基板11の上に複数の光源12aおよび複数の受光センサ12bが設けられ、光源12aおよび受光センサ12bの上に、導光プレート部13Bが底面側に嵌め込まれたマイクロプレート20が設置可能に構成されている。さらに、マイクロプレートリーダー10Aは、マイクロプレート20の上に、ミラープレート14が配置されるよう構成されている。ミラープレート14のマイクロプレート20と対向する面14aは、反射面(ミラー面)となっている。ミラープレート14は、筐体15の開口部を塞ぎ、マイクロプレート20の上蓋として機能する。
基板11は、光源12aが接続される光源用電源ラインと、受光センサ12bが接続されるセンサ用電源ラインとを有する。複数の光源12aは、基板11に設けられた光源用電源ラインに接続され、光源用電源ラインから電力を得ている。また、複数の受光センサ12bは、基板11に設けられたセンサ用電源ラインに接続され、センサ用電源ラインから電力を得ている。基板11の光源用電源ラインおよびンサ用電源ラインには、電源部16から給電ケーブル17を介して電力が供給される。
導光プレート部13Bは、上記実施形態と同様に、SOT構造を有する。
具体的には、導光プレート部13Bは、基板11に設けられた光源12aから放出される光をマイクロプレート20のウェル21に導光するための投光用導光路13cと、ウェル21に収容された試料30等を通過して放出される光を受光センサ12bに導光する受光用導光路13a”とを備える。そして、投光用導光路13cおよび受光用導光路13a”は、それぞれ顔料含有樹脂からなる包囲部材13bにより包囲されている。
導光プレート13Bが嵌め込まれたマイクロプレート20は、投光用導光路13cの光入射端および受光用導光路13a”の光出射端が、それぞれ基板11上に設置された光源12aおよび受光センサ12bに対向する位置に配置されるように、基板11上に載置される。また、導光プレート13Bがマイクロプレート20に嵌め込まれることで、投光用導光路13cの光出射端および受光用導光路13a”の光入射端は、それぞれマイクロプレート20のウェル21の底面に対向する位置に配置するように位置決めされる。
ミラープレート14のマイクロプレート20と対向する面14aは、反射面(ミラー面)となっている。そのため、各光源12aから放出され、導光プレート部13Bの各投光用導光路13cを通過し、マイクロプレート20の各ウェル21に収容された試料30を通過した光は、ミラープレート14に到達後、当該ミラープレート14の反射面14aにより反射される。そして、反射面14aにより反射された光は、再度、マイクロプレート20の各ウェル21に収容された試料30を通過し、導光プレート部13Bの各受光用導光路13a”を通過し、各受光センサ12bにより受光される。このようにして、試料30の光学測定(例えば、吸光特性)が測定される。
このように、マイクロプレート20の下方に光源12aおよび受光センサ12bが配置されたマイクロプレートリーダー10Aにおいても、導光プレート部13Bは、マイクロプレート20の底面側に形成された凹部に嵌め込まれて当該マイクロプレート20の底面と密着した構成とすることができる。したがって、マイクロプレート20の各ウェル21と導光プレート部13Bが備える導光路とを容易に位置決めすることができると共に、マイクロプレート20と導光プレート部13Bとの間に隙間が生じることを抑制し、外光の回り込みを抑制することができる。
さらに、上記実施形態において、受光用導光路(13a、13a’、13a”)を透明な樹脂により構成する場合について説明したが、これら受光用導光路は空洞であってもよい。その場合、受光用導光路を透明な樹脂により構成した場合のような、受光用導光路とそれを包囲する顔料含有樹脂からなる包囲部材(13b)との界面における迷光反射の抑制効果は得られない。しかしながら、顔料含有樹脂に入射した迷光は当該顔料含有樹脂によって吸収されるので、迷光の複雑な多重反射はある程度抑制される。
さらに、上記実施形態においては、投光部(光源)と受光部(受光センサ)とを1組ずつ個別に駆動可能な構成であってもよい。この場合、マイクロプレートのウェル数および位置に応じて、必要な数および位置の投光部と受光部とを選択的に駆動することもできる。これにより、ウェル数の異なるマイクロプレートに対応したマイクロプレートリーダーとすることができる。
また、上記実施形態においては、投光部(光源)数、受光部(受光センサ)数とウェル数とは必ずしも一致する必要はなく、投光部数および受光部数よりも少ないウェル数のマイクロプレートを配置することもできる。
また、上記実施形態においては、必ずしもマイクロプレートを水平配置して、その鉛直方向に投光部と受光部とを配置することに限られるものではなく、例えばマイクロプレートを垂直配置したり、マイクロプレートの斜め方向に投光部と受光部とを配置したりするなど、ウェルに収容されている試料が光測定できる範囲内で適宜変形可能である。
(応用例)
先に説明した通り、上記実施形態におけるマイクロプレートリーダーは、導光路を、外光や散乱光を吸収可能な顔料含有樹脂によりなる包囲部材により包囲するので、外光や散乱光等が迷光(ノイズ光)となって受光部に入射されることを抑制することができる。また、複数の投光部から放出された光が1つの受光用導光路を通過して1つの受光部に到達しないようにすることができるため、適切に測定誤差を低減することができる。したがって、高精度な測定が可能となる。
さらに、上記実施形態におけるマイクロプレートリーダーは、導光部を、マイクロプレートの底面側に形成された凹部に嵌め込んでマイクロプレートの底面と密着させるので、各ウェルと各ウェルにそれぞれ対応する導光路との位置決めを容易に行うことができるとともに、光測定中の両者の位置ずれを抑制することができる。また、マイクロプレートと導光部と間に隙間が生じることを適切に抑制することができるので、導光路への外光の回り込みを適切に抑制することができる。
このような構造は、例えば、投光部および受光部の組に対して、導光部が嵌め込まれたマイクロプレートを相対的に走査させる方式(以下、「スキャン式」という。)のマイクロプレートリーダーにも適用することができる。
スキャン式のマイクロプレートリーダーでは、マイクロプレートを相対的に走査させるための駆動機構が必須となり、一般に、装置自体が大がかりとなる。また、従来のマイクロプレートリーダーでは、迷光の複雑な多重反射が発生する場合があり、それに対応する光学系設計が必要となる。
しかしながら、上述した実施形態の光学系構成(SOT構造)を採用することにより、従来のように多重散乱等が発生する迷光に対応する光学系設計が必要ない。SOT構造は比較的構成が簡易であるため、SOT構造を採用したスキャン式のマイクロプレートリーダーは、従来のスキャン式のマイクロプレートリーダーと比較して小型化することができる。また、SOT構造の採用により、従来と比較して測定の高精度化を図ることもできる。
以下、スキャン式のマイクロプレートリーダーの構成について説明する。
図15および図16は、SOT構造を採用したスキャン式のマイクロプレートリーダー10Bにおける要部を示す。ここで、図16は、図15のX-X断面図である。なお、上述した実施形態と同様の構成要素については、詳細な説明を省略する。
図16に示すように、マイクロプレートリーダー10Bは、投光用基板11a´と、測定用基板11b´と、光源12a´と、受光センサ12b´と、を備える。測定用基板11b´には複数の受光センサ12b´が設けられている。
測定用基板11b´の上部には、一定の間隔が設けられた隙間を挟んで投光用基板11a´が配置されており、この投光用基板11a´には複数の光源12a´が設けられている。
測定用基板11b´および投光用基板11a´は、例えば支持部材(例えば、支柱)11fにより一体的に保持されている。
測定用基板11b´と投光用基板11a´との間の一定の間隔が設けられた隙間には、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20が挿入される。すなわち、上記隙間の間隔は、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20が挿入可能なように、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20の厚みよりも大きく設定される。
導光プレート部13は、上述したように、複数の受光用導光路13aを顔料含有樹脂からなる包囲部材13bにより包囲した構造を有する。
上記隙間にマイクロプレート20が挿入され位置決めされた状態では、投光用基板11a´に設けられた複数の光源12a´は、当該隙間に挿入されたマイクロプレート20の所定の複数のウェル21にそれぞれ対向するように配置される。また、測定用基板11b´に設けられた複数の受光センサ12b´も同様に、隙間に挿入されたマイクロプレート20の所定の複数のウェル21にそれぞれ対向するように配置される。
ここで、マイクロプレートリーダー10Bは、マイクロプレート20の一列分のウェル21と同じ数だけ、光源12a´および受光センサ12b´を備える。すなわち、マイクロプレート20の一列分の各ウェルにそれぞれ対応して、1つの光源12a´および1つの受光センサ12b´が設けられる。
この1つのウェル21に対応した光源12a´および受光センサ12b´の組は、マイクロプレート20のウェル21の列方向(一つの辺の方向)に複数配置される。例えば、マイクロプレート20が8×12=96ウェルを有する場合、複数配置される光源12a´および受光センサ12b´の組数は、8または12となる。
また、1つの光源12a´および1つの受光センサ12b´は、鉛直方向に一列に配置される。さらに、複数配置される光源12a´および受光センサ12b´の組の配置間隔は、マイクロプレート20の各ウェル21のピッチに等しい。
よって、測定用基板11b´と投光用基板11a´との間の隙間において、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20を位置決めすることにより、一列分の各ウェル21にそれぞれ対応するように、光源12a´および受光センサ12b´の組が配置される。
すなわち、マイクロプレート20の一列分の各ウェル21において、1つの光源12a´から放出された光は、1つのウェル21に収容された試料30等を経由して受光用導光路13a(導光路群)を通過し、1つの受光センサ12b´に到達する。
これにより、マイクロプレート20のウェル一列分の光測定を同時に行うことが可能となる。
なお、光源12a´および受光センサ12b´の配置は、厳密に鉛直方向に一列である必要はなく、1つの光源12a´から放出され、マイクロプレート20の1つのウェル21に収容された試料30等を通過して放出される光が、導光路群を通過して1つの受光センサ12b´に到達可能な配置であればよい。
そして、上記構成を有するマイクロプレートリーダー10Bにおいて、マイクロプレート20のウェル21の列方向に配置された複数の光源12a´および受光センサ12b´の組に対して、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20を、ウェル21の列方向にほぼ直交する方向に相対的に逐次移動させることにより、マイクロプレート20の全てのウェル21に対して光測定を行うことが可能となる。
例えば、8×12=96ウェルのマイクロプレート20に対して、一列8個のウェル21に対応して光源12a´および受光センサ12b´の組が8組設けられている場合、上記の相対的に逐次移動させる方向は、ウェル21が12個並ぶ方向となる。
上記の相対的な逐次移動は、図示を省略した移動機構により行うことができる。移動機構は、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20をウェル21の列方向に直交する方向に移動させるか、鉛直方向に一列に配置された光源12a´および受光センサ12b´の組を互いの位置関係を保持したままウェル21の列方向に直交する方向に移動させる。
図15は、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20が固定されており、支柱11fにより一体的に保持される投光用基板11a´および測定用基板11b´の組が、移動機構により逐次移動される場合を示している。
移動機構は、例えばサーボモータやステッピングモータの制御機能を有することができる。なお、マイクロプレート20の各ウェル21のピッチが比較的大きい場合には、高精度な位置制御が不要であるため、移動機構はメカ的なストッパ等により実現することもできる。
このように、スキャン式のマイクロプレートリーダー10Bは、マイクロプレート20のウェル21の数よりも少ない光測定部(光源12a´および受光センサ12b´)の組を用いて、マイクロプレート20の全てのウェル21に対する光測定を行うことができる。したがって、上述した図1などに示すようにウェル21の数と同一の数の光測定部の組を設ける場合と比較して、装置を小型化することが可能である。
また、光測定部の組をマイクロプレート20の一列分のウェル21の数だけ設け、これら光測定部の組をウェル21の列方向に直交する方向に移動させる構成の場合、1軸方向のみの移動とすることができるので、比較的簡易に移動機構を構成することができる。光測定部の組を直交する2軸方向に移動させる場合には、例えばガイドレールを2段にするなど移動機構が高さ方向に大型化するが、1軸方向のみの移動であれば移動機構が高さ方向に大きくならないようにすることができ、結果として装置の薄型化を図ることができる。
さらに、上記のマイクロプレートリーダー10Bでは、SOT構造の導光プレート部13を、マイクロプレート20底面側に形成された凹部に嵌め込み、マイクロプレート20の底面と密着させている。そのため、マイクロプレート20と導光プレート部13との間に隙間が形成されることがなく、外光や散乱光などの迷光(ノイズ光)の影響を無視することができる。また、外光の影響を受けないため、室外でも高精度な光測定が可能となる。
このように、スキャン式のマイクロプレートリーダー10Bは、小型で高精度な光測定が可能であるため、測定対象となる試料が得られた現場(オンサイト)での光測定が可能である。例えば、港における輸入穀物に対するカビ毒検査などに適用することができる。
なお、図15および図16においては、上述した図1などに示す筐体15、電源部16、給電ケーブル17aおよび17bの図示を省略しているが、上記のように移動機構により、投光用基板11a´および測定用基板11b´の組を移動させる場合、電源部16から投光用基板11a´や測定用基板11b´に給電するための給電ケーブル17a、17bは、投光用基板11a´および測定用基板11b´の移動に追随可能な構成(例えば、長さ、配置)とする。
また、上記のマイクロプレートリーダー10Bでは、投光用基板11a´および測定用基板11b´からなる光測定部の組を逐次移動させる場合について説明したが、光測定部の組を固定し、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20を逐次移動させるようにしてもよい。
ただし、マイクロプレート20を移動させる場合、各ウェル21に収容された液体試料30の液面が動き、液面が安定するまでに時間を要する。そのため、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20を移動させるのではなく光測定部の組を移動させる方が、液面を安定させたまま保持することができ、全てのウェル21に対する光測定を短時間で完了させることができるので好ましい。
さらに、図15および図16に示すマイクロプレートリーダー10Bは、マイクロプレート20の一列分のウェル21と同数の光源12a´および受光センサ12b´からなる光測定部の組を備える場合について説明した。しかしながら、スキャン式のマイクロプレートリーダーにおいて、光測定部の組数は、マイクロプレート20のウェル数よりも少ない数であればよく、上記に限定されるものではない。
例えば、光測定部の組数を、マイクロプレート20の一列分のウェル21よりも少ない数とし、光測定部の組をマイクロプレート20に対して2次元的に逐次移動させるようにしてもよい。この場合にも、マイクロプレート20の全ウェルに対する光測定を行うことができる。
また、光測定部の組数を、マイクロプレート20の一列分のウェル21よりも多い数としてもよい。例えば、光測定部の組数を、マイクロプレート20の二列分や三列分といった複数列分のウェル21と同一の数とし、光測定部の組を複数列分ずつ逐次移動させるようにしてもよい。
さらに、光測定部の組は、必ずしもマイクロプレート20の隣接するウェルにそれぞれ対応させて配置しなくてもよい。
図1などに示すようにウェル21の数と同一の数の光源12aおよび受光センサ12bからなる光測定部の組を設ける場合、マイクロプレート20のウェル数が多いほど、光測定部のコストが嵩む。また、マイクロプレート20のウェル数が多いほど各ウェル21のピッチは狭く、光測定部のアライメントが困難になる。
そこで、図17に示すマイクロプレートリーダー10Cのように、光源12a´および受光センサ12b´の組を、1つおきに各ウェル21に対応させて配置するようにしてもよい。
このようなマイクロプレートリーダー10Cの場合、図18に示すように、光源12a´および受光センサ12b´の組を、マイクロプレート20の各ウェル21の位置に対して、市松模様状に配置してもよい。この場合、マイクロプレート20を、図18の矢印の方向に一列分移動させることにより、図19に示すようにマイクロプレート20の全てのウェル21に対して光測定を行うことが可能となる。
つまり、1回目の光測定では、図18に示すように、光源12a´が対向配置されているウェル21について光測定が行われ、2回目の光測定では、図19に示すように、1回目の光測定において光測定が行われなったウェル21について光測定が行われる。なお、図19において、黒塗りのウェル21´は、1回目に光測定が行われたウェルである。
このような構成により、ウェル数の多い、例えば各ウェル21のピッチが2.25mmである1536ウェルのマイクロプレート20の光測定にも適切に対応することができる。
また、マイクロプレートリーダー10Cにおいては、マイクロプレート20の位置を2位置間で切り替えるだけでよいため、モータの位置制御のような複雑な制御が必要なく、移動機構を簡易なアクチュエータで安価に構成することができる。
上記のマイクロプレートリーダー10Cは、例えばインキュベータ(培養器)内にて使用することができる。
インキュベータは、培養容器を収容する収容空間(培養空間)を内部に備える。一般に、収容空間には、複数の棚板が上下方向に離間して水平に配置されており、これらの棚板に培養容器を載置するようになっている。そのため、棚段数をかせぐためには、インキュベータ内で使用されるマイクロプレートリーダーには薄型化が要求される。
また、インキュベータの中では、できるだけウェル中の細胞(幹細胞など)に外部刺激(振動)を与えたくない。
上述したように、マイクロプレートリーダー10Cは、1軸方向のみの移動であるため、高さ方向に大きくならない装置構成とすることができる。また、マイクロプレートリーダー10Cは、2位置間のみの移動であるため、極力、振動等の刺激を与えない最低限での走査にとどめることができる。
さらに、図17に示すように、導光プレート部13を、受光用導光路13aがマイクロプレート20の1つのウェル21に対して複数設けられた構成とすることで、導光プレート部13の薄型化が可能である。したがって、この導光プレート部13を用いることで、測定用基板11b´と投光用基板11a´との間の隙間を狭くすることができ、マイクロプレートリーダー10Cを薄型化することができる。
したがって、マイクロプレートリーダー10Cは、インキュベータ内での使用に適したマイクロプレートリーダーとすることができる。
なお、上記のスキャン式のマイクロプレートリーダー10B、10Cにおいては、マイクロプレート20の上方に光源12a´が配置され、マイクロプレート20を挟んで光源12a´とは反対側に受光センサ12b´が配置されている場合について説明した。しかしながら、図20に示すように、マイクロプレート20の下方に光源12a´および受光センサ12b´を配置したスキャン式のマイクロプレートリーダー10Dとすることもできる。なお、図20において、上述した実施形態(図14)と同様の構成要素には同一符号を付している。
このマイクロプレートリーダー10Dでは、光源12a´から放出された光は、投光用導光路13cを通過し、試料30等を透過して反射部材14によって反射され、受光用導光路13a”を通過して受光センサ12b´により受光される。そして、光源12a´と受光センサ12b´との組を、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20に対して相対的に移動させることで、マイクロプレート20の全てのウェル21に対して光測定を行うことが可能である。
この場合、マイクロプレート20の上側に配置されるミラープレート14を固定とし、導光プレート部13が嵌め込まれたマイクロプレート20の下側に配置される光源12a´と受光センサ12b´との組を移動機構により移動させる構成とすることができる。このように、マイクロプレート20の上側に配置される部材を固定とすることができるので、スキャンに伴うゴミがマイクロプレート20に落下するのを防止することができる。
10…マイクロプレートリーダー、11a…投光用基板、11b…測定用基板、12a…光源、12b…受光センサ、13…導光プレート部、13a…受光用導光路、15…筐体、20…マイクロプレート、21…ウェル

Claims (15)

  1. 筐体と、
    前記筐体内において、配置される複数のウェルを有するマイクロプレートの1つのウェルに対応した投光部と、
    前記投光部から放出された光が前記マイクロプレートの1つのウェルを透過した透過光を受光する受光部と、を備え、
    1つのウェルに対応した前記投光部と前記受光部との組が複数設けられていて、
    前記受光部と前記マイクロプレートとの間に配置され、前記投光部から放出され、前記ウェルを透過した光を、前記受光部へ導光する位置に、前記マイクロプレートのウェルに対応して同数設けられた受光用導光路と、
    前記受光用導光路を、光を吸収する特性を有する顔料を含有する顔料含有樹脂によりなる包囲部材により包囲した導光部と、をさらに備え、
    前記導光部は、前記マイクロプレートの底面側に形成された凹部に嵌め込まれて当該マイクロプレートの底面と密着しており、
    1つの前記投光部から放出された光は、1つの前記受光用導光路を通過して1つの前記受光部に到達することを特徴とするマイクロプレートリーダー。
  2. 前記1つのウェルに対応した前記投光部と前記受光部との組は、少なくとも前記マイクロプレートのウェルの数だけ設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロプレートリーダー。
  3. 前記1つのウェルに対応した前記投光部と前記受光部との組は、前記マイクロプレートのウェルの数より少なく、
    前記マイクロプレートの全てのウェルに対応するように、前記投光部と前記受光部との組に対して、前記導光部が嵌め込まれた前記マイクロプレートを相対的に逐次移動させる移動機構を有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロプレートリーダー。
  4. 前記1つのウェルに対応した前記投光部と前記受光部との組は、前記マイクロプレートの一つの辺のウェルの数だけ設けられており、
    前記移動機構は、前記投光部と前記受光部との組に対して、前記導光部が嵌め込まれた前記マイクロプレートを、前記一つの辺に直交する方向にのみ相対的に逐次移動させることを特徴とする請求項3に記載のマイクロプレートリーダー。
  5. 前記投光部は、前記マイクロプレートの底面とは反対側に配置され、
    前記受光部は、前記マイクロプレートを挟んで前記投光部とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロプレートリーダー。
  6. 前記投光部および前記受光部は、前記マイクロプレートの底面側に配置され、
    前記マイクロプレートを挟んで前記投光部および前記受光部とは反対側に配置され、前記投光部から放出された光を前記受光部へ反射させる反射部材と、
    前記投光部と前記マイクロプレートとの間に配置され、前記投光部から放出される光を前記ウェルに導光する投光用導光路と、をさらに備え、
    前記導光部は、前記受光用導光路および前記投光用導光路のそれぞれを、前記顔料含有樹脂によりなる前記包囲部材により包囲することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロプレートリーダー。
  7. 前記導光部は、前記凹部に嵌め込まれた状態において、当該凹部の側壁部によって全周が包囲されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のマイクロプレートリーダー。
  8. 前記導光部は、前記凹部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のマイクロプレートリーダー。
  9. 前記受光用導光路は、前記1つのウェルに対して複数設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のマイクロプレートリーダー。
  10. 前記受光用導光路は、光透過特性を有するシリコーン樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のマイクロプレートリーダー。
  11. 前記顔料含有樹脂は、光透過特性を有する樹脂に前記顔料を含有させたものであり、
    前記受光用導光路は、前記光透過特性を有する樹脂と同等の樹脂により構成されていることを特徴とする1から10のいずれか1項に記載のマイクロプレートリーダー。
  12. 前記マイクロプレートの前記ウェルの底面は球面状であり、
    前記導光部が前記凹部に嵌め込まれた状態において、前記1つのウェルに対応する前記受光用導光路は、前記ウェルを通過した光が前記球面状の底面にて集光される位置に配置されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のマイクロプレートリーダー。
  13. 前記導光部が前記凹部に嵌め込まれた状態において、前記マイクロプレートと前記導光部とが密着する方向に押圧する押圧部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のマイクロプレートリーダー。
  14. 前記導光部が前記凹部に嵌め込まれた前記マイクロプレートを、前記受光用導光路の光出射端と前記受光部とが対向する位置に位置決めする位置決め部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のマイクロプレートリーダー。
  15. マイクロプレートの複数のウェルにそれぞれ対応し、前記ウェルに収容された試料を通過した光を導光する導光路と、
    前記導光路を、光を吸収する特性を有する顔料を含有する顔料含有樹脂により包囲する包囲部材と、を備え、
    前記導光路は、1つの前記ウェルに対して複数設けられており、
    前記マイクロプレートの底面側に形成された凹部に嵌め込まれることで前記マイクロプレートの底面と密着可能であることを特徴とする光学プレート。
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