JP2022171552A - トナー搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Fuyuko Koyama
規寛 松本
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Abstract

【課題】トナー搬送力を長期的に安定させること。【解決手段】トナーを収容可能な容器、容器内部に回転軸線方向に垂直な方向に突出する突出部を有する回転部材、回転部材に固定されトナーを撹拌する撹拌部材、を備えるトナー搬送装置において、容器の内面と接触してない状態の撹拌部材の自由端と回転中心を結んだ線分を半径とした回転部材の回転軌跡において、撹拌部材の自由端が変形する第1の位相、容器の内面と接触しない第2の位相、回転軌跡を第1の直線で二分した時に自由端が配置される領域を第1の領域、その反対側の領域を第2の領域としたとき、突出部は、第1の直線に対して垂直で回転部材の中心を通る第2の直線が回転軌跡と交わり第2の領域に位置する第1の位置と、撹拌部材の変形時に容器の内面と撹拌部材とで形成される接点を通る接線に垂直で中心を通る第3の直線が回転軌跡と交わり第2の領域に位置する第2の位置と、の間に設けられる。【選択図】図9

Description

本発明は、トナー搬送装置、及びトナー搬送装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真プロセスを用いたプリンタ等の電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)には、トナーを搬送するトナー搬送装置が備えられる場合がある。例えば、現像装置へ供給するトナーを搬送するため、または、画像形成後に感光ドラムや転写ベルトといった像担持体に残留したトナーを回収した後、その回収したトナーを搬送するために、トナー搬送装置が備えられる。そして、トナー搬送装置としては、トナー搬送装置に設けられたトナー容器内に、収容しているトナーを撹拌する撹拌部材や、容器内外へ搬送するための搬送部材などが備えているものが知られている。
特許文献1に開示された構成では、トナー容器内の回転軸にフィルム状の撹拌部材が備えられ、撹拌部材の先端がトナー容器の内面に接触し撓んだ状態で、トナー容器の内面と摺動しながら回転している。
特開2019-174724号公報
このような構成において、回転軸は樹脂で形成されていることが多いが、回転軸の剛性や、撹拌部材の厚み、撹拌部材の先端とトナー容器内面との距離などによっては、撹拌部材がトナー容器内面から受ける反力によって、回転軸が撓んでしまうことがある。またこのように、撹拌部材がトナー容器内面から反力を受けた状態で、高温環境下で長期保管した場合においては、回転軸がクリープ変形を起こしてしまう可能性がある。そして、クリープ変形によって、回転軸がトナー容器の内面から離れる方向に撓んでしまった場合には、回転軸と搬送部材によるトナーの搬送力は低下してしまうおそれがある。
そこで、本発明の目的は、トナー搬送力を長期的に安定させることができるトナー搬送装置、及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明のトナー搬送装置は、
トナーを収容可能な容器と、
前記容器の内部に回転可能に設けられ回転軸線方向に延びる回転部材であって、前記回転軸線方向に垂直な方向に突出する突出部を有する回転部材と、
前記回転部材の外周に設けられ、一端部が前記回転部材に固定された可撓性を有するシート状の撹拌部材であって、前記回転部材が回転することによって前記トナーを撹拌することが可能な撹拌部材と、
を備え、
前記撹拌部材は、前記回転部材の回転に伴って、前記容器の内面と接触し、変形するものであって、
前記回転部材を前記回転軸線に直交する断面で見た場合に、前記回転部材が回転することによって形成される、前記撹拌部材の自由端が前記容器の内面と接触して変形していない状態における前記自由端と前記回転部材の回転中心を結んだ線分を半径とした回転軌跡
において、
前記自由端が前記容器の内面と接触し、変形する位相を第1の位相、前記自由端が前記容器の内面と接触しない位相を第2の位相とする場合、
前記回転軌跡を前記撹拌部材の延伸方向と平行で前記回転部材の回転中心を通る第1の直線で二分した時の前記自由端が前記第1の位相に位置している状態で前記自由端が配置される第1の領域に対して前記第1の直線を跨いだ反対側の領域を第2の領域、とすると、
前記突出部は、
前記回転部材の円周方向に部分的に設けられており、かつ少なくとも一部が前記回転部材の方向において、前記第1の直線に対して垂直で前記回転部材の回転中心を通る第2の直線が前記回転軌跡と交わり前記第2の領域に位置する第1の位置と、
前記第1の位相において、前記撹拌部材が変形した状態において前記容器の内面と前記撹拌部材とで形成される接点を通る接線に垂直であって前記回転中心を通る第3の直線で二分したときの前記第3の直線が前記回転軌跡と交わり前記第2の領域に位置する第2の位置と、
の間に設けられることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体から前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を含む画像形成部と、
前記像担持体からトナーを除去するクリーニング手段と、
前記クリーニング手段が前記像担持体から除去したトナーを回収するトナー回収装置と、
を備える画像形成装置において、
前記トナー回収装置は、本発明のトナー搬送装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、トナー搬送装置のトナー搬送力を長期的に安定させることができる。
本実施例に係る画像形成装置の概略構成を示す模式的断面図 中間転写ユニットの概略構成を示す模式的斜視図 中間転写ユニットの駆動側構成を示す模式図 クリーニング手段の概略構成を示す模式的断面図 撹拌手段の構成を示す模式的斜視図 クリーニング手段の概略構成を示す模式的断面図 クリーニング手段のトナー搬送を示す模式的断面図 クリーニング手段の概略構成を示す模式的断面図 実施例1における撹拌軸と撹拌部材の様子を示す図 突出部の形状の例を示す模式図 回転軸の形状の例を示す模式図 撹拌手段の構成を示す模式的斜視図 撹拌手段の一部を示す模式的矢視図 容器本体の模式的斜視図 容器本体の長手方向中央部を示す模式的拡大図 トナー搬送部の構成を示す模式的断面図 容器本体の模式的斜視図 実施例1における突出部の形成位置の説明図 実施例2における撹拌軸と撹拌部材の様子を示す図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
[画像形成装置]
図1は、本実施例の画像形成装置100の構成を示す概略断面図である。なお、本実施例の画像形成装置100は、複数の画像形成部Sa~Sdを設けている、いわゆるタンデム型の画像形成装置(フルカラーレーザプリンタ)である。第1の画像形成部Saはイエロー(Y)、第2の画像形成部Sbはマゼンタ(M)、第3の画像形成部Scはシアン(C)、第4の画像形成部Sdはブラック(Bk)の各色のトナーによって画像を形成する。これら4つの画像形成部は、一定の間隔をおいて一列に配置されており、各画像形成部の構成は、収容するトナーの色を除いて、実質的に共通である部分が多い。したがって、以下の説明において、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを示すために図中の符号に与えた添え字a、b、c、dは省略して総括的に説明する。
画像形成部S(Sa、Sb、Sc、Sd)は、ドラム状の感光体である感光ドラム1(1a、1b、1c、1d)と、感光ドラム1を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)と、現像手段4(4a、4b、4c、4d)と、ドラムクリーニング手段6(6a、6b、6c、6d)(クリーニング装置)と、を有する。本実施例においては、感光ドラム1と、帯電ローラ2と、現像手段4と、ドラムクリーニング手段6とは、一体的にカートリッジ化されて画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ19(19a、19b、19c、19d)を構成している。
感光ドラム1は、トナー像を担持する像担持体であり、図示矢印R1方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。現像手段4は、現像剤(本実施例においては非磁性一成分現像剤)としてのトナーを収容し、トナーによって感光ドラム1にトナー像を現像するための現像部材としての現像ローラ41(41a、41b、41c、41d)と、現像剤規制部材としての現像塗布ブレード(不図示)と、を有する。現像手段4に収容されたトナーは、現像塗布ブレードと現像ローラ41とが対向する位置において現像ローラ41に担持された後に、現像ローラ41の回転に伴って感光ドラム1と現像ローラ41との対向部(現像部)まで搬送される。
ドラムクリーニング手段6は、感光ドラム1に付着したトナーを回収するための手段である。ドラムクリーニング手段6は、感光ドラム1に接触するファーブラシやクリーニングブレードなどのクリーニング部材と、クリーニング部材によって感光ドラム1から除去されたトナーなどを収容する廃トナー容器と、を有する。
露光手段3は、レーザー光を多面鏡によって走査させるレーザスキャナユニット、またはLEDアレイなどで構成することができるが、本実施例ではレーザスキャナユニットを用いている。詳細は後述するが、露光手段3は、画像信号に基づいて変調された走査ビーム18(18a、18b、18c、18d)を感光ドラム1に向けて照射することで、感光ドラム1の表面に静電潜像を形成する。
制御手段(不図示)が画像信号を受信することによって画像形成動作が開始されると、感光ドラム1は回転駆動される。感光ドラム1は回転過程で、不図示の帯電電源から電圧を印加された帯電ローラ2により所定の極性(本実施例では負極性)で所定の電位(帯電
電位)に一様に帯電処理され、露光手段3から画像信号に応じた走査ビーム18を照射される。これにより、各画像形成部Sにおいて目的のカラー画像の各色成分像に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像は現像位置において、不図示の現像電源から電圧を印加された現像ローラ41により現像され、感光ドラム1にトナー像として可視化される。
ここで、本実施例においては、現像手段4に収容されたトナーの正規の帯電極性は、負極性である。この実施例では帯電部材2による感光ドラム1の帯電極性と同極性に帯電したトナーにより静電潜像を反転現像しているが、本発明は、感光ドラム1の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーにより静電潜像を正現像するようにした画像形成装置にも適用できる。
無端状で移動可能な中間転写体としての中間転写ベルト71(像担持体)は、各画像形成部Sの各感光ドラム1と当接する位置に配置され、張架部材である駆動ローラ72、テンションローラ73、従動ローラ74の3つのローラで張架されている。中間転写ベルト71は、テンションローラ73により所定の張力を付与された状態で張架されており、駆動力を受けて回転する駆動ローラ72の回転によって図示矢印R2方向に移動する。なお、詳細は後述するが、本実施例における中間転写ベルト71は、複数の層によって構成されている。
感光ドラム1に形成されたトナー像は、感光ドラム1と中間転写ベルト71とが接触する一次転写部N1(N1a、N1b、N1c、N1d)を通過する過程で中間転写ベルト71に一次転写される。このとき、一次転写ローラ5(5a、5b、5c、5d)には、不図示の一次転写電源から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧(本実施例においては正極性)が印加される。その後、中間転写ベルト71に一次転写されることなく感光ドラム1に残留したトナーは、ドラムクリーニング手段6によって回収されることで感光ドラム1の表面から除去される。ここで、一次転写ローラ5は、中間転写ベルト71を介して感光ドラム1に対応する位置に設けられ、中間転写ベルト71の内周面に接触する一次転写部材(接触部材)である。
このように、各画像形成部Sにおいて形成された各色のトナー像は、各一次転写部N1において中間転写ベルト71に順次重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト71には、目的のカラー画像に対応した4色のトナー像が形成される。
露光手段3による感光ドラム1への静電潜像の形成に合わせて、収容部としての給紙カセット11に積載されている被転写体としての転写材P(記録材)は、給紙手段としての給紙ローラ12によって給送された後に搬送ローラ13に搬送される。そして、中間転写ベルト71に担持された4色のトナー像が二次転写ローラ8と中間転写ベルト71とが接触して形成する二次転写部N2に到達するタイミングに合わせて、転写材Pは搬送ローラ13によって二次転写部N2に搬送される。その後、中間転写ベルト71に担持された4色のトナー像は、給紙ローラ12により給紙された紙やOHPシートなどの転写材Pの表面に一括で二次転写される。
二次転写ローラ8は、中間転写ベルト71の外周面に接触しており、中間転写ベルト71を介して二次転写ローラ8に対向する位置に配置された駆動ローラ72に対して50Nの加圧力で押圧され、二次転写部N2を形成している。中間転写ベルト71に担持された4色のトナー像は、二次転写部N2を通過する過程で転写材Pの表面に一括で二次転写される。このとき、二次転写ローラ8には、不図示の二次転写電源からトナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例においては正極性)の電圧が印加される。この二次転写にかかわる構成は、本発明の転写手段に相当する。
二次転写によって4色のトナー像を転写された転写材Pは、その後、定着手段としての定着装置10において加熱および加圧されることにより、4色のトナーが溶融混色して転写材Pに定着される。二次転写後に中間転写ベルト71に残ったトナーは、中間転写ベルト71の移動方向に関して二次転写部N2よりも下流側に設けられたクリーニング手段9(回収手段)により清掃、除去される。
クリーニング手段9は、駆動ローラ72に対向する位置で中間転写ベルト71の外周面に当接する回収部材であって、ウレタンゴム等で形成された弾性を有するクリーニングブレード91を有する。クリーニングブレード91によって中間転写ベルト71の表面から回収されたトナーは、中間転写ベルト71の内周面が形成する領域内に設けられた回収容器75に向けて搬送され、回収容器75に回収される。なお、以下の説明においては、クリーニングブレード91を単にブレード91と称する。ブレード91は、中間転写ベルト71を介して駆動ローラ72に対向した位置に配置されている。また、ブレード91は、中間転写ベルト71の移動方向に対してカウンター方向で中間転写ベルト71に当接している。クリーニング手段9、ならびに回収容器75に関しては、詳細な構成を後述する。
本実施例の画像形成装置100においては、以上の動作により、フルカラーのプリント画像が形成される。
ここで、本実施例の画像形成装置100においては、重力方向に関して二次転写部N2に対して垂直上方向に転写材Pを搬送している。そして、本実施例においては、図1に示すように、重力方向に関してクリーニング手段9を駆動ローラ72よりも上方に配置する構成としている。
また、本実施例の画像形成装置100においては、中間転写ベルト71、クリーニング手段9、回収容器75は一体的にユニット化されており、中間転写ユニット7として画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能に構成されている。
以上、本実施例の画像形成装置100における画像形成動作の説明として、画像形成部Sa~Sdの4つを用いて画像を形成する例を用いて説明した。しかし、画像形成装置100は、所望の単一、または複数(全てではない)の画像形成部Sを用いて画像形成を行うことで、単一色、またはフルカラーの画像を形成することもできる。
[中間転写ユニット]
図2、図3、図4を用いて中間転写ユニット7の構成について説明する。図2は、中間転写ユニット7の概略構成を示した模式的斜視図である。ここでは説明を容易にするために図2において中間転写ベルト71の図示を省略している。図3(a)は、図2の中間転写ユニット7を図示矢印AA方向(AA側)から見たときの模式図であり、クリーニング手段9の構成を説明する簡易的な分解模式図である。図3(b)は、トナー搬送部92内部からトナー搬送路761を経て回収容器75の入口763まで到達するトナーの搬送経路の概略構成を示す模式的断面図である。また、図4は、図2において中間転写ユニット7の図示断面Cを図示矢印BB方向から見たときの概略断面図である。
図2に示すように、中間転写ユニット7は、駆動ローラ72とテンションローラ73および従動ローラ74の3本の張架ローラによって中間転写ベルト71を張架支持している。駆動ローラ72は、両端を軸受721によって回動自在に支持されており、回転軸線方向に関する一端側に装置本体からの所定の回転駆動力が伝達されることで回転する。なお、以下の説明においては、駆動伝達される側を駆動側(図2における矢印AA方向の下流側)、逆側を非駆動側(図2における矢印BB方向の下流側)と称する。また、本実施例
においては、駆動ローラ72として、アルミニウム製の芯金にカーボンを導電剤として分散したゴムを被覆した直径25mm程度のパイプの両端に、SUS等の金属軸を圧入して得られたローラを用いている。
また、本実施例においては、テンションローラ73として、直径25mm程度のアルミニウム製の金属棒を用いており、テンションローラ73の回転軸線方向に関して、両端には軸受731が設けられている。軸受731が圧縮バネ732によって付勢されることで、テンションローラ73の両端が付勢され、中間転写ベルト71に所定の張力が付与される。従動ローラ74は、テンションローラ73と同様にアルミニウム製の金属棒を用いており、両端を軸受741によって回動自在に支持されている。
中間転写ベルト71を挟んで、感光ドラム1に対応する位置には、一次転写ローラ5が設けられている。一次転写ローラ5は、回転軸線方向に関する両端を軸受51(51a、51b、51c、51d)によって支持されており、軸受51を介して圧縮バネ52(52a、52b、52c、52d)によって所定の力で中間転写ベルト71に向けて付勢され、中間転写ベルト71の回転に伴って従動回転する。また、本実施例において、一次転写ローラ5としては、直径6mm程のSUS等の金属軸によって構成されたローラを用いている。両端側に設けられた軸受51の少なくとも片方は導電性の部材で構成されており、不図示の一次転写電源から一次転写ローラ5に正極性の電圧を印加することにより、感光ドラム1から中間転写ベルト71にトナー像が一次転写される。
また、中間転写ベルト71の材料としては、ゴムや樹脂等を適宜用いることができる。本実施例では、中間転写ベルト71としては、中間転写ベルト71の移動方向及び各張架ローラの回転軸線方向と直交する厚さ方向に関して、厚さが60μm程度の中抵抗性を有した樹脂材料で成形された無端ベルト状のフィルムを用いた。
フレーム76は、各張架ローラを支持するための中間転写ユニット7の枠体であり、モールド成形された樹脂材料を用いている。一次転写ローラ5を支持する両端の軸受51、およびテンションローラ73を支持する両端の軸受731は、フレーム76に対し各圧縮バネの加圧方向に移動可能な状態でフレーム76に支持されている。
フレーム76に支持された駆動ローラ72の近傍には、各軸受を介して駆動ローラ72及び従動ローラ74を回転可能に支持する支持プレート77と、支持プレート78と、がそれぞれ設けられている。支持プレート77及び支持プレート78は、それぞれ駆動ローラ72の回転軸線方向の両端側において、フレーム76に対し位置決めされた状態でビス等によって固定されている。本実施例においては、支持プレート77と支持プレート78として、プレス加工された板金を用いている。
詳細は後述するが、図2~図4に示すように、クリーニング手段9は、トナー回収装置として、クリーニング部材としてのブレード91と、ブレード91によって中間転写ベルト71から除去したトナーを回収し、搬送するトナー搬送部92と、を有する。ブレード91とトナー搬送部92は、支持プレート77及び支持プレート78にそれぞれ位置決めされた状態で固定されている。
ブレード91によって中間転写ベルト71から除去されたトナーは、一時的にトナー搬送部92の内部に収容される。そして、図3(b)に示すように、トナー搬送部92の内部において搬送された後に、フレーム76の駆動側に設けられたトナー搬送路761を通じて回収容器75に回収される。トナー搬送路761は、図3(a)に示すように、容器本体94に搬送路カバー762をビス等で締結することで封止形成されており、中間転写ユニット7においてトナーが外部へ漏洩することを防いでいる。
回収容器75は、モールド成形された樹脂部品によって構成されており、複数の樹脂部品を接着させることで、外周を封止された容器として構成されている。回収容器75は、フレーム76に対してビス等によって固定されている。また、回収容器75には、容器内のトナーが満タン状態になったことを検知するための検知手段(不図示)、例えば、光学式のセンサー等が設けられている。これにより、ユーザーに対して回収容器75の交換時期を報知することが可能である。満タンに状態になった回収容器75は、サービスマン、もしくはユーザーによって中間転写ユニット7を交換することで、新品に交換することが可能である。
[クリーニング手段]
図2~図4に示すように、クリーニング手段9は、前述したように、クリーニング部材としてのブレード91と、ブレード91によって中間転写ベルト71から除去されたトナーを一時的に収容し回収容器75まで搬送するためのトナー搬送部92と、を有する。図4に示すように、ブレード91は、弾性を有するウレタンゴム91aと、ウレタンゴム91aが接着された保持板金91bと、を有する。ウレタンゴム91aの長手方向(駆動ローラ72の回転軸線方向)に関して、ウレタンゴム91aの長さは、中間転写ベルト71においてトナー像を担持することが可能な画像形成領域よりも長い幅に設定されている。また、ブレード91は、中間転写ベルト71に圧接して配置されており、中間転写ベルト71に残留したトナーを除去することが可能である。
ここで、トナーを確実に除去するためには、ブレード91を所定の圧で中間転写ベルト71に対して圧接する必要がある。本実施例においては、中間転写ベルト71を張架している複数の張架ローラの少なくとも一本に対して、ブレード91を対向配置することで、前述した所定の圧を確保している。より詳細には、中間転写ベルト71の移動方向に関する二次転写部N2の下流側にあたる位置、且つ、重力方向に関して駆動ローラ72の上方にあたる位置において、駆動ローラ72に対向して接触するように配置している。
ブレード91の長手方向に関して、保持板金91bの両端部にはブレード91を回転可能に支持するための穴部91cと、ブレード91を中間転写ベルト71に圧接するための、加圧バネを掛けるバネ掛け部91dと、が設けられている。ブレード91は、両端の穴部91cを介して、支持プレート77及び支持プレート78に加締められた金属製のブレード支持軸77a及び78aとそれぞれ係合しており、中間転写ベルト71に対して接離自由であって回動可能な状態で支持されている。
また、ブレード91の長手両端に設けられるバネ掛け部91dと、トナー搬送部92を構成する容器本体94の長手両端に設けられるバネ掛け部94dは、引っ張りバネ93の伸縮方向両端に設けられたフック93a及びフック93bとそれぞれ係合する。より詳細には、図3及び図4に示すように、バネ掛け部91dはフック93aと係合し、バネ掛け部94dはフック93bと係合することで、バネ掛け部91dとバネ掛け部94dは引っ張りバネ93によって架け渡されている。これにより、引っ張りバネ93によってブレード91は穴部91cを中心としたモーメントが発生し、中間転写ベルト71に対して所定の圧で圧接される。
トナー搬送部92においては、中間転写ベルト71から回収されたトナーが容器本体94から外部に漏洩するのを防止するために、不図示の複数のシール部材をそれぞれ両面テープ等によって容器本体94に貼り付けている。また、中間転写ベルト71の移動方向に関して、ブレード91と中間転写ベルト71とが接触するクリーニング部CLよりも上流側には、中間転写ベルト71と当接してトナー搬送部92と中間転写ベルト71との隙間を封止するシート部材44が設けられている。封止部材としてのシート部材44は、中間
転写ベルト71の幅方向に関して延在して配置されている。これらの構成により、トナー搬送部92内に一次的に収容されたトナーは、クリーニング手段9から外部に漏れることなく回収容器75まで搬送される。
<トナー搬送部におけるトナーの搬送>
図4に示すように、トナー搬送装置としてのトナー搬送部92は、容器本体94と、撹拌手段97と、スクリュー98と、を備える。容器本体94は、ブレード91によって除去されたトナーを一時的に収容可能に構成されている。撹拌手段97は、容器本体94の内部に回転可能に設けられた回転部材としての回転軸95と、可撓性を有するシート状の撹拌部材96と、からなり、容器本体94に収容されたトナーを撹拌、搬送する。スクリュー98は、撹拌手段97の回転軸95と平行に配置された回転軸98aと、該回転軸98aの外周をその軸線に対して螺旋状に延びる羽根部98bと、を有している(図3(b)参照)。スクリュー98は、回転することにより、容器本体94に収容されたトナーを回収容器75へ搬送するための搬送部材である。
二次転写部N2を通過した後にブレード91によって中間転写ベルト71から除去されたトナーは、トナー搬送部92内において、ブレード91と中間転写ベルト71とが接触するクリーニング部CLや、シート部材44の周囲に堆積する。そして、トナー搬送部92内に堆積するトナーは、回転する撹拌手段97によって、撹拌されつつ、スクリュー98に供給される。
図5を参照して、撹拌手段97の構成について説明する。図5は、撹拌手段97の斜視図である。前述したとおり、撹拌手段97は、回転軸95と撹拌部材96で構成されている。回転軸95は、樹脂部材から成り、回転軸方向の一端側に、容器本体94に設けられた不図示の軸と係合する穴95b、もう一端には図2に示すギア82との係合部95cが設けられている。回転軸95は、駆動ローラ72と平行な軸上に配置されたギア80、ギア81、ギア82から順次駆動力を伝達されることにより、図4における時計周り方向に回転する。回転軸95は、図4に示すとおり、軸方向と平行な平面部である平面部a1を少なくとも一ヶ所有し、平面部a1には両面テープ等(不図示)によって撹拌部材96の一端側が固定されている。撹拌部材96は、80μm程度の厚みを持ったPET等の可撓性を有するシート部材であり、ブレード91の長手方向に関しトナー搬送部92の内部全域に延在して設けられ、回転軸95とともに回転する。また、回転軸95の長手方向の略中央部には、円周方向の一部に突出部95aが設けられている。
図6、図7(a)、図7(b)を用いて、撹拌手段97によるスクリュー98へのトナーの供給メカニズムについて説明する。図6は、回転軸95の回転軸線方向から見たときの、容器本体94の一部である内壁94hから撹拌部材96の自由端側の端部が離れる瞬間の状態を表した模式的な断面図であり、図2の断面Cを図示矢印BB方向から見たときの断面に対応する。図7(a)、図7(b)は、図6と同じ方向から見たときの、トナーの搬送について説明する模式的な断面図である。図7(a)は、容器本体94の一部である内壁94hと撹拌部材96とが接触している状態、すなわち第1の位相(摺動位相)、図7(b)は、内壁94hと撹拌部材96との接触が解除された状態、すなわち第2の位相(非摺動位相)を示している。
容器本体94(トナー搬送部92)においてトナー搬送路(トナー収容部)を形成する内面は、回転軸95の回転軸線に垂直な方向において回転軸線との間の距離が、回転軸線周りに(回転軸95の回転方向において)変化する形状を有している。この容器本体94の内面形状の変化により、撹拌部材96は、回転軸95の回転により、回転軸95に取り付けられた固定端部(一端部)とは反対の自由端である先端部(他端部)の側が容器本体94の内面と接触する第1の位相(摺動位相)と、接触しない第2の位相(非摺動位相)
と、を取り得るように構成されている。
図6に示す円Rmは、撹拌部材96が回転軸95とともに回転した際の、撹拌部材96の回転軸95に固定されていない側の端部(先端部)である自由端の仮想の移動軌跡である。すなわち、撹拌部材96が周囲の部品との接触による外力を受けていない状態における、回転軸95の回転中心から撹拌部材96の自由端までの距離を半径とした円で示される、上記自由端の仮想の回転軌跡である。また、内壁94hは、回転軸95の回転中心を中心とした凹状の曲面部94rを備えており、rは、曲面部94rの半径である。撹拌部材96の自由端が内壁94hから離れる瞬間の図6の状態においては、上記自由端側は回転軌跡Rm上にあり、上記自由端が容器本体94に接触しない位相(非摺動位相)においては、上記自由端は回転軌跡Rmに沿って時計回りに回転する。一方、重力方向に関するウレタンゴム91aの上面部の一部や容器本体94の内壁94h、内壁94iの一部は、接触部として、回転軌跡Rmよりも内側にある。したがって、図7(a)に示すように、撹拌部材96の自由端の対向に、回転軌跡Rmよりも内側に配置されているウレタンゴム91aの上面部や内壁94hがある位相(摺動位相)においては、撹拌部材96はそれらと接触し、撓みながら回転する。
内壁94hと接触した撹拌部材96の自由端側は、撹拌部材96の回転方向に関して上流側に変形した変形状態(第1の状態)で回転する。このとき、撹拌部材96は内壁94hと接触したまま回転するため、撹拌部材96の上面に載ったトナーが、内壁94側から落下するのを抑制された状態で、すくい上げられる。つまり、撹拌部材96は、シート部材44上に堆積したトナーのうち、回転軌跡Rmよりも半径方向に関して内側に堆積したトナーをすくい上げ、ウレタンゴム91aの上面部に堆積したトナーを掻き取る。そのように回収したトナーを保持しながら、撹拌部材96は内壁94hに沿って回転する。
一方で、回転軌跡Rmよりも半径方向に関して外側において、シート部材44付近に堆積したトナーは、引き続き重力方向に関するシート部材44の上側に滞留する。この状態において更にブレード91によってトナーが回収されると、ブレード91によって中間転写ベルト71から除去されたトナーに押されることで、シート部材44上に滞留したトナーが重力方向に関して上昇していく。そして、トナーが回転軌跡Rmの内側に到達すると、回転する撹拌部材96によってすくい上げられる。以上によって、シート部材44上に滞留したトナーは、順次入れ替わっていくことになる。
そして、撹拌部材96は図7(a)の位置から時計回りに更に回転すると、図6に示した位相(非摺動位相)に達し、自由端側の先端は内壁94hから離れる。内壁94hから離れた撹拌部材96の自由端側は、摺動位相から非摺動位相への切り替わりにより、内壁94hと接触していたことによる変形が解放された自由状態(第2の状態)となる。そして、図7(b)に示すように、撹拌部材96によってすくい上げられてきた一部のトナーTは、撹拌部材96が前記変形状態から前記自由状態に戻ろうとする反動によって、撹拌部材96からスクリュー98に向かって飛翔する。飛翔したトナーTは、スクリュー98へと到達した後に、回転するスクリュー98の搬送部60によって、トナー搬送路761に向かって搬送される。なお、撹拌部材96が自由状態に戻る反動で飛翔しなかったトナーは、図7(b)中の矢印で示すように、ウレタンゴム91aの天面部に落下し、その後、再び回転する撹拌部材96によってすくい上げられることになる。
搬送部60においてスクリュー98の回転軸線方向に関して図2の矢印BB方向に向かって搬送されたトナーTは、トナー搬送路761に到達する。図3(a)に示すように、トナー搬送路761は、トナーTが自重で落下する角度以上のスロープ角度で形成されている。これにより、図3(b)に示すように、スクリュー98の回転によってトナー搬送路761まで搬送されたトナーTは、トナー自身の自重によって回収容器75の入口76
3まで搬送される。そして、入口763まで搬送されたトナーTは、回収容器75の内部にトナーを充填させるために回収容器75に配置された不図示のトナー拡散部材によって、回収容器75内において拡散、充填される。
<撹拌手段のクリープ変形>
前述のとおり、撹拌部材96は、回転軌跡Rm内のトナー搬送部92を構成する内壁94hや壁94i、と接触し、変形する。このとき、撹拌部材96及び回転軸95は、それらの壁から反力を受けることとなる。上述のとおり、回転軸95は樹脂部材であるため、反力を受けた状態で長期間、高温下で保管された場合などにおいて、クリープ変形を起こしてしまう可能性がある。そのような状況において回転軸を駆動した場合、回転軸95は反力を受ける撹拌部材96と壁94iとの接触部と略対向側に撓んだ状態で回転することとなる。
図8(a)は、撹拌部材96が内壁94iと接触し、反力Fを受けている状態を示す模式的な断面図である。図8(b)は、その状態で回転軸95にクリープ変形が起きてしまった場合の様子を示す模式的な断面図である。図8(a)、図8(b)の点Oは、クリープ変形が起きていない状態における、回転軸95の回転中心である。
ここで、前述のとおり、内壁94iの一部は、回転軌跡Rm内の内側に配置されている。これは、撹拌部材96からスクリュー98に向かって飛翔するトナーTを、効率的に搬送部60に受け渡すべく、搬送部60を回転軸95に接近させているためである。搬送部60と連続している内壁94iは、その回転軸95の回転方向上流側の端部が回転軌跡Rm内の内側に配置される構成となっている。
図8(a)に示すように、撹拌部材96が内壁94iから反力を受けると、撹拌部材96が固定されている回転軸95も、撹拌部材96を介して力を受ける。ここで、回転軸95は、樹脂でできているため、この状態で、長期間、高温下で保管された場合などにおいては、クリープ変形を起こしてしまう可能性がある。その場合には、回転軸95は、回転可能に支持されている軸方向の両端部を起点に、回転軸の軸方向中央部が反力Fの方向と略同方向に撓むと考えられる。その状態を表したものが図8(b)であり、図8(b)は軸方向の撓み量が最も大きい点における断面である。回転軸95の変形は、変形した撹拌部材96が復元しようとする力の反力によるものであるため、図8(b)の断面における回転軸95の中心である点OOは、撹拌部材96の自由端と略反対側に押される。そして、この状態で回転軸95が回転した場合、図8(b)の断面における回転軸95は、点Oから点OO間の距離だけ中心がずれて回転することになる。そして、前記の中心がずれた状態で、回転軸95が回転した場合、撹拌部材96の自由端の回転時に接触していた内壁94h、94i及びウレタンゴム91aの上面部に対しての侵入量は回転中心がずれた分だけ減少することになる。
図8(b)に示す円Rmxは、点Oを中心とし、図8(b)の断面における撹拌部材96が回転軸95とともに回転した際の、撹拌部材96の上記自由端の仮想の移動軌跡である。すなわち、図8(b)の断面における撹拌部材96が周囲の部品との接触による外力を受けていない状態における、回転軸95の回転中心から撹拌部材96の自由端までの距離を半径とした円で示される、上記自由端の仮想の回転軌跡である。回転軌跡Rmxの半径は、回転中心のずれ量である点O-点OO間の距離だけ、回転軌跡Rmよりも小さくなる。
そして、ここでもし回転軸95の撓み量、回転中心のずれ量が大きく、内壁94hが回転軌跡Rmxの内側に入らないことがあった場合、図8(b)の断面において撹拌部材96と内壁94hは接触することが無く、隙間が発生することになる。また、上記断面に限
らず、回転軸95のクリープ変形による撓みが大きい位置における、同様の断面においても撹拌部材96と壁94hの間に隙間が空いてしまう可能性がある。そして、そうした場合、撹拌部材96が内壁94hと接触することで保たれていたトナーの搬送性が損なわれ、トナーの搬送力が低下してしまう恐れがある。
ここで、例えば、回転軸95の撓みの大きい部分に回転軸95を支持する軸受け形状を設けて、クリープ変形を抑えることが考えられる。しかし、トナーが一定の温度以上になると、トナーの溶解と固着が発生してしまうため、摩擦熱を発生させる摺動部は必要最小限であることが好ましい。トナー搬送部92内の回転軸95においては、回転軸95の被支持部と軸受け部の隙間に入り込んだトナーが、連続的に摺擦されることで、トナーが摺擦熱によって溶けてしまう可能性がある。そして、溶けたトナーが再び固まることにより、回転軸95へのトナーの固着が発生することで、正常な回転を阻害してしまう可能性がある。
そこで、本実施例では、図8に示すように、回転軸95の、撹拌部材96とトナー搬送部92(容器本体94)の内壁94iとの接点の略対向部に、突出部95aを設けている。突出部95aは、回転軸95の外周面における、摺動位相にある撹拌部材96がトナー搬送部92の内壁面と接触する位置に対して回転軸95の回転軸線を挟んで略対向する位置において、トナー搬送部92の内壁面に向かうように突出している。これにより、回転軸95が撹拌部材96を介してトナー搬送部92内の一部から反力を受けた場合でも、突出部95aがトナー搬送部92の内壁94hと接触し、それ以上の変形を防ぐ構成となっている。
回転軸95の撓み変形は、上述したクリープ変形のような経時的に定着してしまう変形に限られず、撹拌部材96がトナー搬送部92の内壁から反力を受ける状態となっている間だけ生じる一時的な撓み変形なども含まれ得る。すなわち、回転軸95の太さや長さや材質等、撹拌部材96の厚みや材質等、トナー搬送部92の内壁の形状や寸法等々に起因して、回転停止時にトナー搬送部92の内壁から反力を受ける状態になると、回転軸95が大きく撓むことがある。特に回転軸95の長手中央部が相対的に大きく撓む変形姿勢が形成される場合がある。このような場合において、突出部95aは、トナー搬送部92の内壁94hと接触することで、上述した撓みを抑制する、あるいは撓みの程度を低減することができるように、回転軸95の外周面からの突出高さや回転方向における幅などが設定され得る。一方で、突出部95aは、例えば、回転再開により撹拌部材96がトナー搬送部92の内壁からの反力を受けなくなることで回転軸95の撓みが解消し、あるいは低減し、内壁94hと接触しない(離間する)、あるいは、内壁94hとの接触の程度が停止時よりも低減されるように構成され得る。あるいは、停止時や回転時にかかわらず回転軸95に撓みが生じてしまうような場合においては、撹拌部材96がトナー搬送部92の内壁から反力を受ける間は常に突出部95aが内壁94hと接触する構成となることもある。すなわち、トナー搬送部92の内壁から受ける反力によって撹拌部材96に弾性力が発生している間は、突出部95aが常に内壁94hに対して突っ張って支える構成となる場合もある。なお、このような場合には、回転軸95の回転を妨げないように、回転軸95に対して突出部95aが形成される範囲(突出部95aがトナー搬送部92内壁と摺動する範囲)、すなわち、突出部95aの大きさや位置等は必要最低限で限定的であることが好ましい。
図18は、突出部95aの形成位置、形成範囲について説明するための模式図であり、回転軸95において突出部95aが設けられた長手位置(回転軸線方向位置)における、回転軸95の回転軸線と直交する断面を示している。突出部95aは、回転軸95の外周において、撹拌部材96との接触部(接点)を形成する内壁94iに対して回転軸線(点O)を挟んで略反対側の領域に設けられている。より具体的には、突出部95aは、内壁
94iにおける撹拌部材96との接触部と回転軸線(点O)とを通る第1の仮想線C1と直交する第2の仮想線C2に対し、上記接触部が位置する側とは反対側の領域に位置するように形成されている。なお、突出部95aは、少なくとも、上記反対側の領域に位置する部分を含むように形成されればよく、当該領域以外の形態については、回転軸95の回転を妨げること等が無い範囲において任意である。また、本実施例では、突出部95aは、回転軸95の外周の周方向における幅は、90度より大きい位相範囲DDで形成されている。すなわち、上記外周方向における一方の端部95a1と他方の端部95a2とが回転軸線(点O)の周りになす角度が90度より大きくなるように形成されている。したがって、突出部95aは、第1の仮想線C1と交差するように形成されており、撹拌部材96が内壁94iと接触する位置に対して回転軸線(点O)を挟んで略対向する位置において内壁94hと接触する。
なお、ここで示した突出部95aの形態はあくまで一例である。少なくとも、第2の仮想線C2に対し、上記接触部が位置する側とは反対側の領域に位置して、撹拌部材96がトナー搬送部92の内壁94iからの反力Fに対して対向する力(該対向方向に働く分力を含む力)を発生させることができるように、トナー搬送部92の内壁と接触する構成であればよい。したがって、突出部95aの形態としては、例えば、第1の仮想線C1とは交わらず、第2の仮想線C2の近傍に形成されるような形態であっても、上記対向力を発生させることを可能に構成することができる。そのような形態も突出部95aの形態として採用し得る。
本実施例では、回転軸95が撹拌部材96を介して、内壁94iからの反力Fを受ける状態において、突出部95aが内壁94hの一部である曲面部94rと接するように構成されている。そして、図6に示す“Rmの半径-r”が、“撹拌手段97が変形していない状態における突出部95aと曲面部94rのクリアランス”より大きくなるように設定する。ここで、“Rmの半径-r”は、“撹拌手段97が変形していない状態における撹拌部材96の曲面部94rへの侵入量”である。
つまり、回転中心から突出部95aの曲面部94rとの接触部までの径方向における距離をrとしたときに、
(Rmの半径-r)>(r-r)・・・(1)
>(2r-Rmの半径)・・・(2)
となるように設定する。
上記のように設定することで、回転軸95が、図8(b)に示すようにトナー搬送部92の一部から反力を受けクリープ変形によって撓んでしまった場合においても、撹拌部材96が確実に内壁94hに設けられた曲面部94rと接触するよう設定している。
また、上記のように、トナーは一定の温度以上になると溶解してしまうため、摩擦熱を発生させる摺動部は必要最小限であることが好ましい。特に、本実施例においては、クリーニングユニット9の直上が定着装置10であるため、トナー搬送部92内のトナーは、定着手段において発生する熱の影響を受けやすい。そのため、トナー搬送部92内のトナーに加わる熱をより抑えておく必要がある。本実施例においては、突出部95aを回転方向の全域ではなく、一部とすることにより、突出部95aとトナー搬送部92、及びトナー搬送部92との間に介在するトナーとの摺擦による摩擦熱を抑えている。つまりは、回転軸95を回転軸と直交する断面から見た時に、回転軸95の外周上に設けられた突出部95aの範囲に相当する中心角は360°よりも小さく設定されている。
ここで、前述の通り、回転軸95は変形した撹拌部材96が復元しようとする際の反力Fで撹拌部材96の自由端と略反対側に押される。図9に撹拌部材96が内壁94iと接
触した状態における撹拌軸95および撹拌部材96の様子の一例を示す。なお、図9(b)は図9(a)の部分的な拡大図である。また、図9(c)は、本実施例における突出部95aが設けられている範囲についての説明図である。
このときの回転軸95の復元力は、変形していない状態の撹拌シート96の延伸方向(図9(b)破線s)に対する法線方向から、撹拌部材96が内壁94i接触時の接触部端部(接点)αにおける接線に対する法線方向の間で作用する。よって、突出部95aは、次の範囲に設けられていればよい。すなわち、回転軸95の中心Oを通り、変形していない状態の撹拌シート96の延伸方向(図9(b)破線s)に対して垂直な直線vが、撹拌部材96の内壁94iとの接触部(接点)αと回転軸95の中心点Oに対し反対側で、回転軌跡Rmと接触する点をD(第1の位置)とする。そして、撹拌部材96が内壁94i接触時の接触部(接点)αにおける接線(図9(b)一点鎖線t)に垂直な直線wが、撹拌部材96の前記接触部と回転軸95の中心点Oに対し反対側で、回転軌跡Rmと接触する点をE(第2の位置)とする。このように設定したときに、突出部95aは、回転軸95の回転方向において、少なくとも一部が線分OEから線分ODの間にあればよい。
ここで、撹拌部材96の撓みが大きい程、線分OEと線分OD間の角度は大きくなる。本実施例においては、変形していない状態の撹拌シート96の延伸方向は平面部a1と平行であり、撹拌部材96が内壁94iに接触し、最も撓んだ状態における撹拌部材96の接触部(接点)における接線は図4に示す平面部a1と略垂直である。よって、本実施例における突出部95aは、以下に記載の位置に設けられている。すなわち、図9に示すように回転軸95の外周において、平面部a1と回転軸95の中心Oに対し垂直方向に対向する側で、平面部a1に対し中心Oを挟んで垂直である位置から、撹拌部材96の回転方向とは反対方向へ平面部a1までの略90°の範囲に突出部95aが設けられている。
さらに、突出部95aの設けられている範囲について、別の表現で説明する。図9(c)において、回転軸95の中心Oを通り、直線sと平行で、かつ、直線wと垂直をなす直線をuとする。そして、直線uを含む回転軸95の中心Oを通る直線を第1の直線A、直線vを含む回転軸95の中心Oを通る直線を第2の直線B、直線wを含む回転軸95の中心Oを通る直線を第3の直線C、回転軸95の中心Oを通り直線Cと垂直な直線をD1とする。さらに、直線Aを境界として二分したとき、平面部a1を含む領域を第1の領域、第1の領域から直線Aを跨った平面部a1を含まない領域を第2の領域とする。このとき、前述の第1の位置Dと第2の位置Eは、第2の領域内に位置している。よって、この第2の領域において、前述のように、突出部95aの少なくとも一部が線分OEから線分ODの間である範囲DEにあればよい。
なお、ヒータ等の発熱体を備える定着装置10は、画像形成装置100の構成の中において特に典型的な熱源構成となるが、画像形成装置100においてトナーに対して熱の影響を与える熱源としては、定着装置10に限定されるものではない。例えば駆動源としてのモータや、CPUやメモリ等を備える制御部なども熱源として挙げられる。
トナーは一定以上の温度になると溶融し、再度温度が低下することで固まるため、駆動する部品へのトナーの固着は、部品単体や装置本体の破損を招くおそれがある。これに対し、本実施例における撹拌手段97の構成は、摩擦による熱の発生を防ぎ、トナー搬送部92の周囲の雰囲気温度が高い場合においても、トナー搬送部92内のトナーを固着させにくい構成となっている。
突出部95aは、回転軸95の回転方向の位相において、摺動位相にある撹拌部材96がトナー搬送部92内面から受ける反力の作用方向に対して回転軸線を挟んで対向する位相を含む位相範囲で設けられる。本実施例では、突出部95aは、回転軸95の外周面か
ら回転軸線に略垂直な方向に突出し、かつ、回転軸95の外周面上を回転軸95の回転方向に沿って延びるように設けられている。突出部95aの側面は、回転軸95の回転軸線に垂直な面となっている。なお、突出部95aの形状は、本実施例で採用した形状に限るものではなく、図10(a)~図10(c)に示すような変形例形状でも良い。
図10(a)に示す変形例1の突出部95a1は、トナーの軸方向への搬送性を考慮し、回転軸95の外周面上を回転軸線に対して略らせん状に傾斜して延びるように設けられるとともに、その側面がスクリューの一部となるような曲面で構成されている。回転軸95は、スクリュー98がトナーを搬送する方向(図2矢印BBの方向(第1の方向))と逆方向(図2矢印AAの方向(第2の方向))に見たときに、回転軸線を中心に反時計回りに回転する。突出部95a1は、上記逆方向に向かうにつれて、回転軸95の回転方向における位置が該回転方向の上流側から下流側に変化するように傾斜している。
図10(b)に示す変形例2の突出部95a2は、図10(a)の変形例1の突出部95a1と同様、トナーの軸方向への搬送性を考慮し、回転軸95の外周面に回転軸95の回転方向に対して略らせん状に延びるように設けられている。突出部95a2の側面は、回転軸95の回転軸線に対して垂直な方向から見たときに、回転軸線の方向及び回転軸線に垂直な方向のそれぞれに対して傾斜した方向に延びる平面で構成される。突出部95a2の側面の傾斜方向は、金型の抜き方向を考慮したものとなっており、回転軸線に垂直な方向である金型の抜き方向に対して平行な方向となる。図10(b)の変形例2の突出部95a2の形状については、実施例2において詳細に説明する。
図10(c)に示す変形例3の突出部95a3は、回転軸95の外周面上を延びる方向において、突出高さのピークが複数形成されるように、上記延びる方向に複数の凸部が並ぶような凹凸形状を有する。凸部の数は、図10(c)に示す構成例では2個だが、3個以上設けてもよいし、突出部95a3の延びる方向における凸部の間隔(凹部の長さ)は適宜設定してよい。この凹凸形状は、図10(a)の変形例1の突出部95aや図9(b)の変形例2の突出部95a2に適用してもよい。
また、本実施例においては、突出部95aを回転軸95の長手方向(回転軸線方向)の中央部に設けているが、その限りではなく、図11(a)、図11(b)に示すように、突出部95aを複数設けてもよい。すなわち、図11(a)に示すように、長手方向の中央部だけでなく、その長手方向の両側に長手方向に間隔を空けて複数設けてよい。また、図11(b)に示すように、長手方向の中央部と両端部との間の位置に複数設けるようにしてもよい。回転軸95の撓み防止の観点からは、長手方向の両端から離れた中央部の近傍に設けることが好ましい。
なお、図11(a)の構成では、複数の突出部95aが同位相で配置されているが、図11(b)の構成では、複数の突出部を異なる位相で配置している。図11(b)の構成によれば、回転軸95が撹拌部材96を介し、トナー搬送部92の内壁94iから反力を受ける位相に対し、一つの突出部95で内壁94hと接触し変形を防ぐのではなく、複数の突出部で位相を分けて内壁94hと接触させる。こうすることにより、突出部一つ当たりのトナーの摺擦を抑えることができる。このように複数配置される突出部の形状としては、本実施例の突出部95aの形状に限られず、図10(a)~図10(c)に示した各変形例の突出部形状を採用してもよい。また、本実施例の突出部95aと図10(a)~図10(c)に示した各変形例の突出部とを複数組み合わせた配置構成としてもよい。
このようにして、本実施例によれば、回転軸に撹拌部材が備えられた撹拌手段において、回転軸の変形を抑制することができる。これにより、効率的なトナーの撹拌と搬送が可能であり、かつ高温環境下においてもトナーの固着を起こしにくい、トナー搬送装置、及
び画像形成装置を提供することが可能である。
なお、本実施例においては、本撹拌手段の構成を、画像形成装置における中間転写ベルトのクリーニング手段に対して適用したが、その限りではない。内部にトナーを収容し、撹拌を必要とする構成、例えば、トナー収容容器を備えた現像装置やドラムのクリーニング手段に対しても適用することができる。
また、本実施例では、トナー搬送部92の内面構成において回転軌跡Rmよりも内側にある構成部分として、内壁94iの一部に撹拌部材96の自由端が接触する場合について説明した。ウレタンゴム91aの上面部の一部や容器本体94の内壁94hに撹拌部材96の自由端が接触する場合についても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、回転軸95の撓みにより突出部95aが内壁94hに接触する状態となった場合において、回転軸95の回転が再開されると、内壁94hの下流にある内壁94iの上流側端部に突出部95aの下流側端部が干渉することが有り得る。しかしながら、突出部95aは、回転軸95の長手方向における極一部の領域に設けられた構成であるため、内壁94iの上流側端部から受ける反力と回転軸95の回転力とによって内壁94iに乗り上げる状態となり、回転軸95の回転を妨げることはない。すなわち、突出部95aは、経時変形の撓みによりずれを生じていた回転軸95の回転中心である点OOを点Oに戻す力を、回転軸95に付与し、回転軸95の撓み状態を解消させることができる。
(実施例2)
図12~図17、図19を用いて本発明の実施例2について説明する。なお、実施例2は、トナー搬送手段92内の容器本体と撹拌手段の形状のみが実施例1と異なり、その他の部分は実施例1と同様である。実施例2において実施例1と共通する構成については説明を省略する。
ここで、本実施例におけるトナー搬送部をトナー搬送部920、容器本体を容器本体940、撹拌手段を撹拌手段970、回転軸を950、実施例1の95aに当たる突出部を950a、また、95b、95cに当たる部分を950b、950cとする。
図12は、撹拌手段970の模式的斜視図、図13は、図12に示す矢印dの方向から見たときの矢視図である。回転軸950には、長手方向の中央部に突出部950aが設けられている。突出部950aは、実施例1の図10(b)で示した形状と同様である。図13に示すように、突出部950aは、回転軸950の軸方向から見たときに、回転軸950の軸線と同軸の曲面950a1と、軸線に対して垂直な方向(矢印dの方向)から見たときに、回転軸線に対して傾斜した平面950a2、950a3からなる。
図14は、容器本体940の模式的斜視図である。図15は、容器本体940の長手方向中央部の拡大図、図16は、トナー搬送部920を撹拌部材96の回転軸方向から見た模式的な断面図であり、実施例1の図6~図8と同方向から見た断面図である。図12~図16に示す通り、本実施例においては、容器本体940の内壁940hの長手方向において突出部950aと対向する部分に、緩やかな突出形状940k(凸状部)を設けている。本実施例において、突出形状940kは、内壁940hと同軸の曲面を備えており、その半径をrとする。
前述のとおり、実施例1では、“Rmの半径-r”が、“突出部95aと壁94hのクリアランス”より大きくなるようにする。つまりは、
(Rmの半径-r)>(r-r)・・・(1)
>(2r-Rmの半径)・・・(2)
となるようにする。こうすることで、回転軸95がトナー搬送部92の一部から反力を受けクリープ変形によって撓んでしまった場合においても、撹拌部材96が所望の位相で確実に壁94hと接触するよう構成している。
ここで、本実施例においては、突出形状940kを設けることにより、実施例1で述べたようなクリープ変形が起こった場合に、突出部950aは、内壁940hと接触する前に、突出形状940kと接触し、それ以上変形することができなくなる。よって、本実施例では、式(2)においてrをrに置き換えることができる。
>(2r-Rmの半径)・・・(3)
中心Oから突出形状940kの半径であるrは、内壁94hの半径rよりも小さいため、突出形状940kを設けることで、突出部950aの突出量、つまりは突出部950aの半径rを減らすことができる。
ここで、前述のとおり、トナーは一定の温度以上になると溶解してしまうため、トナー搬送部920の構成は、回転軸950と対向部材間の微小な隙間でトナーが連続的に摺擦され、摩擦熱を蓄積してしまうような構成でないことが好ましい。
本実施例のように、内壁940hを部分的に突出させると、クリープによる変形量が一定量以上になった場合に内壁940hと当接する突出部950aの突出量を減らすことができる。これにより、撹拌手段970の回転時における突出部950aと、突出形状940k以外の内壁940hや、回転軸950の回転軸に対する半径方向における周囲のトナー搬送部920内部部品とのクリアランスを増やし、摩擦熱の増加を防ぐことができる。
また、回転時の突出部950aとのクリアランスを増やし摩擦熱を低減する為には、突出形状940kの回転方向の存在範囲は、必要最小限であることが好ましい。つまり、トナー搬送部920のうち、クリープ変形時に突出部950aと接触する箇所のみを突出させればよい。すなわち、トナー搬送部920のうち、回転軸950との距離が近く、撹拌部材96が内壁940iと接触することで、回転軸950のクリープ変形が懸念される箇所に対し、撹拌部材96を内壁940iと接触させる。そして、接触することによって生じる反力で回転軸950が撓む方向、つまりは撹拌部材96の自由端と略反対側に押される方向にあれば良い。
図19(a)、(b)は撹拌部材96が内壁940iと接触した状態における回転軸950および撹拌部材96の様子を示しており、本実施例においてクリープ変形が懸念される位相の一つである。なお、図19(b)は図19(a)の部分的な拡大図である。このときの回転軸950の復元力は、変形していない状態の撹拌部材96の延伸方向(破線s)に対する法線方向から、撹拌部材96が内壁940i接触時の接触部(接点)における接線に対する法線方向の間で作用する。
よって、突出形状940kは次の範囲に設けられていればよい。すなわち、回転軸950の中心Oを通り、変形していない状態の撹拌部材96の延伸方向(図19(b)破線s)に対して垂直な直線vが、撹拌部材96の前記接触部と、回転軸950の中心点Oに対し反対側で回転軌跡Rmと接触する点をFFとする。そして、撹拌部材96接触時の接触部(接点)における接線(図19(b)一点鎖線t)に垂直な直線wが、撹拌部材96の前記接触部と、回転軸950の中心点Oに対し反対側で回転軌跡Rmと接触する点をGとする。このように設定したときに、突出形状940kは、回転軸950の回転方向において、線分OGから線分OFFの間にあればよい。
ここで本実施例において、回転軸950との距離が近く、クリープ変形が懸念される位
相は、撹拌部材96が940iと接触する略全位相である。その為、突出形状940kはその各位相において、上記の範囲にあることが好ましい。その結果、本実施例では図19に示すように突出形状940kを設けている。
更に、図13に示すように、突出部950aは回転軸950の軸方向に対し垂直ではなく傾斜するように構成されており、軸方向へのトナーの搬送力を持っている。回転軸950が回転するとともに、突出部950aの回転方向下流側の側面950a2によって周囲のトナーを押し除け、突出部950aとトナー搬送部920の間で摺擦され摩擦熱を帯びたトナーが、再度摺擦されるのを防いでいる。そしてこのとき、突出部950aによってトナーが押し除けられ搬送される方向を、スクリュー98によるトナー搬送方向と同方向にすることで、トナー搬送路761に向けてのトナー搬送をより効率的に行うことが可能となる。
また、図14、図15に示すとおり、内壁940iには、長手方向において、突出部950aと対向する部分に、940iよりも、回転軸950から離れる方向に逃げた面940jが設けられている。これにより、更に突出部950aと容器本体940の内壁とのクリアランスを確保することができている。一方、図14に示す通り、面940jは長手方向の中央部の一部に設けられているため、面940jの影響により撹拌部材96の姿勢が大きく変わることは無い。
なお、本実施例では、回転時に撹拌部材96が突出形状940kを通過する際に、撹拌部材96の自由端側が長手方向に変形しつつ突出形状940kに沿うよう、突出形状940kの形状を緩やかに形成している。それにより、撹拌部材96の先端が内壁940h及び突出形状940kと離れることなく回転し、トナーの搬送性を低下させることが無いようにしている。
本実施例の突出形状940kと突出部950aの形状は、上記の形状に限られるものではない。例えば、本実施例の突出形状940kと、実施例1に示す突出部95aとを組み合わせた構成であっても良い。また、図17に示す突出形状940kは、図14に示す突出形状940kのような緩やかな斜面を持たず、突出部と接触する部分だけを突出させているが、これと突出部95a、950aの形状とを組み合わせても良い。
さらに、図10(a)~図10(c)に示した各変形例の突出部形状についても、本実施例において採用してもよく、また、図11(a)、図11(b)に示すような複数配置の突出部構成に対応して、突出形状940kを複数配置する構成としてもよい。
このようにして、本実施例によれば、回転軸に撹拌部材が備えられた撹拌手段において、回転軸の変形を抑制することができる。これにより、効率的なトナーの撹拌と搬送が可能であり、かつ高温環境下においてもトナーの固着を起こしにくい、トナー搬送装置、及び画像形成装置を提供することが可能である。
上述した各実施例及び各変形例の構成は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合わせた構成としてよい。本実施例では、トナー容器においてトナーの収容空間を形成する内面が、撹拌部材と摺動する摺動位相と、摺動しない非摺動位相と、を取り得るように構成された容器構成例について説明したが、本発明が適用可能な容器構成はこれに限定されない。例えば、非摺動位相のない容器内面構成、すなわち、摺動部材が常に容器内面と接触する容器構成を備えたトナー搬送装置についても本発明は好適に適用可能である。
9…クリーニング装置、71…中間転写ベルト、92…トナー搬送部、94…容器本体
、95…回転軸、95a…突出部、96…撹拌部材、97…撹拌手段、98…スクリュー

Claims (24)

  1. トナーを収容可能な容器と、
    前記容器の内部に回転可能に設けられ回転軸線方向に延びる回転部材であって、前記回転軸線方向に垂直な方向に突出する突出部を有する回転部材と、
    前記回転部材の外周に設けられ、一端部が前記回転部材に固定された可撓性を有するシート状の撹拌部材であって、前記回転部材が回転することによって前記トナーを撹拌することが可能な撹拌部材と、
    を備え、
    前記撹拌部材は、前記回転部材の回転に伴って、前記容器の内面と接触し、変形するものであって、
    前記回転部材を前記回転軸線に直交する断面で見た場合に、前記回転部材が回転することによって形成される、前記撹拌部材の自由端が前記容器の内面と接触して変形していない状態における前記自由端と前記回転部材の回転中心を結んだ線分を半径とした回転軌跡において、
    前記自由端が前記容器の内面と接触し、変形する位相を第1の位相、前記自由端が前記容器の内面と接触しない位相を第2の位相とする場合、
    前記回転軌跡を前記撹拌部材の延伸方向と平行で前記回転部材の回転中心を通る第1の直線で二分した時の前記自由端が前記第1の位相に位置している状態で前記自由端が配置される第1の領域に対して前記第1の直線を跨いだ反対側の領域を第2の領域、とすると、
    前記突出部は、
    前記回転部材の円周方向に部分的に設けられており、かつ少なくとも一部が前記回転部材の回転方向において、前記第1の直線に対して垂直で前記回転部材の回転中心を通る第2の直線が前記回転軌跡と交わり前記第2の領域に位置する第1の位置と、
    前記第1の位相において、前記撹拌部材が変形した状態において前記容器の内面と前記撹拌部材とで形成される接点を通る接線に垂直であって前記回転中心を通る第3の直線で二分したときの前記第3の直線が前記回転軌跡と交わり前記第2の領域に位置する第2の位置と、
    の間に設けられることを特徴とするトナー搬送装置。
  2. 前記容器は、前記内面に、前記撹拌部材が接触する接触部を有し、
    前記突出部は、前記回転部材の外周面から前記容器の前記内面に向かうように突出し、前記回転部材の外周における前記接触部に対して前記回転軸線を挟んで略反対側の領域に設けられ、前記回転部材が停止し、かつ前記撹拌部材が前記接触部と接触している状態において、前記内面に接触することを特徴とする請求項1に記載のトナー搬送装置。
  3. 前記突出部は、前記回転軸線と直交する断面において、前記接触部と前記回転軸線とを通る第1の仮想線と直交する第2の仮想線に対し、前記接触部が位置する側とは反対側の領域に位置する部分を含むことを特徴とする請求項2に記載のトナー搬送装置。
  4. 前記突出部の前記部分は、前記第1の仮想線と交差することを特徴とする請求項3に記載のトナー搬送装置。
  5. 前記突出部の前記部分は、前記回転部材の外周の周方向における一方の端部と他方の端部とが前記回転軸線の周りになす角度が90度より大きいことを特徴とする請求項3又は4に記載のトナー搬送装置。
  6. 前記突出部は、前記回転部材が回転する間は、前記内面から離間することを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  7. 前記容器の前記内面は、前記回転部材の回転により、前記撹拌部材が、前記第1の位相と、前記第2の位相と、を取り得るように、前記回転部材の回転軸線に垂直な方向において前記回転軸線との間の距離を変化させる形状を有することを特徴とする請求項2~6のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  8. 前記突出部は、前記回転軸線の方向において、前記回転部材の端部から離れた位置に設けられることを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  9. 前記突出部は、前記回転軸線の方向において、前記回転部材の略中央に設けられることを特徴とする請求項2~8のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  10. 前記突出部は、前記回転軸線の方向に間隔を空けて複数設けられることを特徴とする請求項2~9のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  11. 前記突出部は、前記回転部材の外周面に前記回転部材の回転方向に沿って延びるように設けられることを特徴とする請求項2~10のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  12. 前記突出部は、前記回転部材の外周面に前記回転部材の回転方向に対して傾斜した方向に延びるように設けられることを特徴とする請求項2~11のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  13. 前記突出部は、前記回転部材の外周面に前記回転軸線に対してらせん状に延びるように設けられることを特徴とする請求項2~11のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  14. 前記突出部の側面は、トナーを前記回転軸線の方向に搬送させる搬送性を有するスクリューの一部を形成するような曲面で構成されることを特徴とする請求項12又は13に記載のトナー搬送装置。
  15. 前記突出部の側面は、前記回転軸線の方向及び前記回転軸線に垂直な方向のそれぞれに対して傾斜した方向に延びる面で構成されることを特徴する請求項12又は13に記載のトナー搬送装置。
  16. 前記容器の内部において前記回転軸線と平行な第1の方向にトナーを搬送する搬送部材をさらに備え、
    前記回転部材は、前記第1の方向の逆方向である第2の方向に見たときに、前記回転軸線を中心に反時計回りに回転し、
    前記突出部は、前記第2の方向に向かうにつれて、前記回転方向における位置が前記回転方向の上流側から下流側に変化するように傾斜していることを特徴とする請求項12~15のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  17. 前記突出部は、前記回転部材の外周面上を延びる方向において、突出高さのピークが複数形成されるように前記延びる方向に並ぶ複数の凸部を有することを特徴とする請求項2~16のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  18. 前記容器の前記内面は、前記回転軸線の方向における前記突出部に対応する位置において前記回転軸線に向かって突出する凸状部を有し、
    前記凸状部は、前記撹拌部材が前記接触部と接触している状態において、前記突出部と対向することを特徴とする請求項2~17のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  19. 前記回転軸線に垂直な断面において、
    前記自由端が外力を受けることにより前記撹拌部材に変形が生じていない状態における、前記回転軸線から前記自由端までの前記回転軸線を中心とした径方向における距離をRmとし、
    前記撹拌部材が前記接触部と接触している状態における、前記回転軸線から前記撹拌部材の前記内面と接触する位置までの前記径方向における距離をrとし、
    前記回転軸線から前記突出部の先端までの前記径方向における距離を、rとしたときに、
    (Rm-r)>(r-r)・・・(1)
    >(2r-Rm)・・・(2)
    を満たすことを特徴とする請求項2~18のいずれか1項に記載のトナー搬送装置。
  20. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体から前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を含む画像形成部と、
    前記像担持体からトナーを除去するクリーニング手段と、
    前記クリーニング手段が前記像担持体から除去したトナーを回収するトナー回収装置と、
    を備える画像形成装置において、
    前記トナー回収装置は、請求項1~19のいずれか1項に記載のトナー搬送装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  21. 前記トナー回収装置は、前記クリーニング手段が前記像担持体から除去したトナーを収容するための回収容器を備え、
    前記トナー搬送装置は、前記クリーニング手段が前記像担持体から除去したトナーを前記回収容器まで搬送することを特徴とする請求項20に記載の画像形成装置。
  22. 前記トナー搬送装置は、画像形成装置における熱源の近傍に配置されることを特徴とする請求項20又は21に記載の画像形成装置。
  23. 前記被転写体としての記録材に転写された前記トナー像を加熱して前記記録材に定着させる定着装置を備え、
    前記トナー搬送装置は、前記定着装置の近傍に配置されることを特徴とする請求項20~22のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  24. 前記像担持体は、中間転写ベルトであることを特徴とする請求項20~23のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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