JP2022169379A - 水蒸気改質器、水素製造装置及び水素ガス製造方法 - Google Patents

水蒸気改質器、水素製造装置及び水素ガス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、安定的に運転できる水蒸気改質器、及び水素製造装置、水素ガス製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の一態様は、炭化水素を含有する原料ガスに水分を混合した混合ガスを水蒸気改質するための触媒を含む改質路、及びこの改質路を加熱する加熱手段を有する反応部を備える水蒸気改質器であって、上記混合ガスを生成するための水分を加熱する水分加熱器と、上記水分加熱器から排出されるガス、又は上記反応部から排出されるガスの温度を測定する排出ガス温度測定部と、この排出ガス温度測定部によって測定された上記温度に基づいて上記水分加熱器に供給する上記水分の流量を調整する流量調整部とをさらに備える。本発明の他の一態様は、上記水蒸気改質器と、上記水蒸気改質器によって改質されたガスから不純物を吸着する吸着塔とを備える水素製造装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、水蒸気改質器、水素製造装置及び水素ガス製造方法に関する。
水素を製造する方法として水蒸気改質法が知られている。水蒸気改質法は、天然ガス等の原料ガスと水蒸気との混合ガスを加熱した触媒の存在下で改質して改質ガスを生成し、この改質ガスからメタン、一酸化炭素、二酸化炭素等の不純物を除去することで高純度水素ガスを得る方法である。高純度水素ガスは、例えば燃料電池車等に利用される。上記原料ガスに混合される上記水蒸気は、ボイラ等によって生成される。
水蒸気を生成するために混合前の水蒸気及び原料ガス、並びに混合ガスを余熱する温度一定化器を有する熱媒供給系を備えた水素製造装置における水蒸気改質器が公知である(特開2011-051860号公報)。
特開2011-051860号公報
上記公知文献では、改質反応器が、各ガスが所定の温度に維持されることで上記高純度水素ガスが効率的に得られるとされている。しかし、上記公知文献所載の水素製造装置では、ボイラ(水蒸気発生器)の温度管理について考慮されていない。ボイラの温度が上がり過ぎるとボイラの耐熱温度を超えるおそれがあり、温度を下げるために供給する水量を多くすると生成される水蒸気の温度が下がり過ぎるおそれがある。
この点に着目し、発明者は、ボイラから排出される混合前の水蒸気温度(ボイラ出口温度)を観測し、ボイラに供給する供給水量を調整することを検討した。しかし、ボイラ出口温度の変化は、供給水量の変化に対して時間的に遅れが大きいことが判明した。特に、ボイラ起動時には、水蒸気発生までボイラ出口温度の変化は起こりにくいが、状態変化を境に出口温度の変化が急激に起こる。急速な温度変化に対応するために供給水量を多くすると水蒸気の温度が低下し過ぎ、改質反応器の運転ができなくなるおそれがある。
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、ボイラの温度変化を時間遅れが少ないポイントで温度を把握することで、安定的に運転できる水蒸気改質器、水素製造装置、及び水素ガス製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、炭化水素を含有する原料ガスに水分を混合した混合ガスを水蒸気改質するための触媒を含む改質路、及びこの改質路を加熱する加熱手段を有する反応部を備える水蒸気改質器であって、上記混合ガスを生成するための水分を加熱する水分加熱器と、上記水分加熱器から排出されるガス、又は上記反応部から排出されるガスの温度を測定する排出ガス温度測定部と、この排出ガス温度測定部によって測定された上記温度に基づいて上記水分加熱器に供給する上記水分の流量を調整する流量調整部とをさらに備える。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様は、上記水蒸気改質器と、上記水蒸気改質器によって改質されたガスから不純物を吸着する吸着塔とを備える水素製造装置である。
上記課題を解決するためになされた本発明のさらに他の一態様は、反応部の改質路を加熱手段によって加熱し、炭化水素を含有する原料ガスに水分を混合した混合ガスを上記改質路が含む触媒によって水蒸気改質する水蒸気改質工程を有する水素ガス製造方法であって、上記水蒸気改質工程が、水分加熱器によって上記混合ガスを生成するための水分を加熱する手順と、上記水分加熱器から排出されるガス、又は上記反応部から排出されるガスの温度を排出ガス温度測定部によって測定する手順と、上記排出ガス温度測定部によって測定された上記温度に基づいて上記水分加熱器に供給する上記水分の流量を調整する手順とを備える。
本発明の水蒸気改質器は、ボイラの温度変化を時間遅れが少ないポイントで温度を把握するため、安定的に運転できる。また、本発明の水素製造装置及び水素ガス製造方法は、上記水蒸気改質器から改質ガスが安定して供給されるため、高純度水素ガスを安定して製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態である水蒸気改質器の構成を示す模式的断面図である。 図2は、ボイラに供給される水量、上記ボイラから排出されるガスの温度及び上記ボイラから排出される水蒸気の温度の変化を示すグラフである。 図3は、図1とは異なる水蒸気改質器の構成を示す模式的側面図である。 図4は、本発明の他の実施形態である水素製造装置の構成を示す概略図である。
[本発明の実施態様の説明]
以下、本発明の実施態様について説明する。
本発明の一態様は、炭化水素を含有する原料ガスに水分を混合した混合ガスを水蒸気改質するための触媒を含む改質路、及びこの改質路を加熱する加熱手段を有する反応部を備える水蒸気改質器であって、上記混合ガスを生成するための水分を加熱する水分加熱器と、上記水分加熱器から排出されるガス、又は上記反応部から排出されるガスの温度を測定する排出ガス温度測定部と、この排出ガス温度測定部によって測定された上記温度に基づいて上記水分加熱器に供給する上記水分の流量を調整する流量調整部とをさらに備える。
上記水分加熱器は、供給される水分の量が調整されることで上記水分を加熱するのに好適な温度に維持される。上記水分加熱器から排出されるガス、又は上記反応部から排出されるガスの温度は、上記水分加熱器の実際の温度に対する時間的な応答性に優れるため、上記水分加熱器の温度変化をより容易かつ確実に把握できる。当該水蒸気改質器は、上記水分加熱器から排出されるガス、又は上記反応部から排出されるガスの温度を測定する排出ガス温度測定部を備えるため、上記水分加熱器への上記水分の供給量を増減して上記水分加熱器を所定の温度に維持することが容易にできる。このため、当該水蒸気改質器は、上記水分を加熱することが安定してでき、高品質の改質ガスの安定した生産ができる。
当該水蒸気改質器が、上記排出ガス温度測定部によって測定された上記温度を受信して上記流量調整部を制御する流量制御部をさらに備えることが好ましい。上記排出ガス温度測定部によって測定された上記温度を受信して上記水分の必要な供給量を算出し、算出した水量を水分加熱器に供給するように上記流量調整部を制御する流量制御部を備えることで、上記水分の供給量の調整を確実かつ安定してすることができる。このため、上記水分加熱器を所定の温度により容易かつ確実に維持することができる。
上記水分加熱器の耐熱温度が上記触媒の活性温度以下であることが好ましい。このようにすることで、当該水蒸気改質器の低コスト化を図ることができる。
上記水分加熱器が、上記加熱手段の熱が上記水分に伝達されるように上記反応部の周囲に配されていることが好ましい。当該水蒸気改質器が、上記ボイラを上記反応部の周囲に配して上記水分加熱器と上記反応部とを一体的に構成することで、上記反応部の熱で上記ボイラを加熱することができる。
上記水分加熱器に上記反応部から排出されるガスが供給され、このガスと上記水分加熱器に供給される水分とが熱交換されるように上記水分加熱器が構成されており、上記排出ガス温度測定部が上記反応部から排出されるガスの温度を測定するよう構成されていることが好ましい。上記水分加熱器を上記反応部から離間して配することで、当該改質器の設置の自由度を向上できる。
本発明の他の一態様は、当該水蒸気改質器と、上記水蒸気改質器によって改質されたガスから不純物を吸着する吸着塔とを備える水素製造装置である。
本発明の水素製造装置は、当該水蒸気改質器から改質ガスが安定的に供給されるため、高純度な水素ガスを安定して製造することができる。
本発明のさらに他の一態様は、反応部の改質路を加熱手段によって加熱し、炭化水素を含有する原料ガスに水分を混合した混合ガスを上記改質路が含む触媒によって水蒸気改質する水蒸気改質工程を有する水素ガス製造方法であって、上記水蒸気改質工程が、水分加熱器によって上記混合ガスを生成するための水分を加熱する手順と、上記水分加熱器から排出されるガス、又は上記反応部から排出されるガスの温度を排出ガス温度測定部によって測定する手順と、上記排出ガス温度測定部によって測定された上記温度に基づいて上記水分加熱器に供給する上記水分の流量を調整する手順とを備える。
本発明の水素ガス製造方法は、水蒸気改質工程が上記排出ガス温度測定部によって測定された上記温度に基づいて上記水分加熱器に供給する上記水分の流量を調整する手順を含むため、上記水分加熱器の温度が所定の温度に維持され、水蒸気改質を安定して行うことができる。このため、高純度な水素ガスを安定して製造することができる
以下では、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。なお、図1,3は、構成を模式的に示したものであり、各構成(各部材)の縮尺などは実際のものと異なることがある。
[第一実施形態]
本発明の一実施形態である水蒸気改質器1(以下、単に「改質器1」ともいう)は、図1で示すように、炭化水素を含有する原料ガスRに水分W(水蒸気S)を混合した混合ガス(混合原料ガスR)を水蒸気改質するための触媒を含む改質路21、及びこの改質路21を加熱する加熱手段22を有する反応部2を備える水蒸気改質器である。改質器1は、上記混合原料ガスRを生成するための水分Wを加熱する水分加熱器(ボイラ)3と、上記ボイラ3から排出されるガスの温度を測定する排出ガス温度測定部4と、この排出ガス温度測定部4によって測定された上記温度に基づいて上記ボイラ3に供給する上記水分Wの流量を調整する流量調整部5とをさらに備える。
また、改質器1は、原料ガスRを改質路21に供給する原料ガス供給路6と、改質路21から改質ガスMを排出する改質ガス供給路7と、ボイラ3に水分Wを供給する水分供給路51と、ボイラ3が水分Wを加熱することで生成される水蒸気Sを排出する水蒸気排出路8と、ボイラ3を加熱するための加熱ガスを排出する加熱ガス排出路9とを有する。なお、図1では、反応部2及びボイラ3以外の構成は、模式的な側面図で示している。
<原料ガス供給路>
原料ガス供給路6は、原料ガスRを供給する原料ガス供給器61と、原料ガスRの供給を受ける原料ガス導入路62と、原料ガスRにボイラ3から排出された水蒸気Sを混合する第一混合部63と、原料ガスRに水蒸気Sを混合した混合原料ガスRを改質路21に供給する混合原料ガス供給路64とを含む。原料ガス供給器61は、原料ガス供給路6に原料ガスRを供給するポンプである。
原料ガスRとしては、炭化水素を含み、水蒸気改質法により改質ガスが得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、天然ガス、ナフサ、灯油、メタノール、LPG(Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス)等を用いることができる。
<改質ガス排出路>
改質ガス供給路7は、改質路21が改質ガスMを排出する改質ガス供給路71と、改質ガスMに水蒸気Sを混合する第二混合部72と、改質ガスMに水蒸気Sを混合した混合改質ガスMを水素製造装置の吸着塔等に供給する混合改質ガス供給路73とを含む。
<水分供給路>
水分供給路51は、流量調整部5とボイラ3とを連通し、ボイラ3に水分Wを供給する。流量調整部5は、水分Wを水分供給路51に供給する流量が調整可能なポンプである。水分Wは、例えば、純水である。
改質器1は、本実施形態においては混合改質ガスMと水分Wとが熱交換する凝縮器10を備える。具体的には、混合改質ガス供給路73の一部及び水分供給路51の一部が、凝縮器10の内部に配置される。高温の混合改質ガスM及び低温の水分Wは、凝縮器10内で熱交換する。凝縮器10は、上記熱交換によって、混合改質ガスM中の水分を凝縮させ、この凝縮水を廃液として排出すると共に、ボイラ3に供給する水分Wを予熱する。このようにすることで、当該水素製造装置の吸着塔に供給される混合改質ガスMの品質を向上できると共に、ボイラ3による水分Wの加熱を効率的にすることができる。
<水蒸気排出路>
水蒸気排出路8は、ボイラ3が排出する水蒸気Sの流路である。水蒸気排出路8は、水蒸気Sの一部を原料ガス供給路6に供給する原料ガス混合流路81と、水蒸気Sの残部を改質ガス供給路7に供給する改質ガス混合流路82と、水蒸気Sを原料ガス混合流路81及び改質ガス混合流路82に分配する分配部83と、ボイラ3と分配部83とを連通する水蒸気供給路84とを含む。
〔原料ガス混合流路〕
原料ガス混合流路81は、水蒸気Sの一部を原料ガス供給路6に供給する。具体的には、混合原料ガス供給路64は、分配部83と第一混合部63とを連通し、水蒸気Sの一部が第一混合部63で原料ガスRに混合される。
〔改質ガス混合流路〕
改質ガス混合流路82は、水蒸気Sの残部を改質ガス供給路7に供給する。具体的には、改質ガス混合流路82は、分配部83と第二混合部61とを連通し、水蒸気Sの残部が第二混合部61で改質ガスMに混合される。
(分配部)
分配部83は、水蒸気Sを原料ガス混合流路81及び改質ガス混合流路82に分配する。分配部83は、例えば、三方バルブである。原料ガス混合流路81及び改質ガス混合流路82に分配する水蒸気Sの量は、改質路21に供給する原料ガスRの供給量に対する水蒸気Sの混合量の比を決定することで原料ガス混合流路81への水蒸気Sの分配量を決定し、残りの水蒸気Sが改質ガス混合流路82に分配されるようにすることが好ましい。原料ガス混合流路81への水蒸気Sの分配量は、例えば原料ガス混合流路81を構成する配管の内径を選定することで調整することができる。水蒸気Sの分配量は、少なくとも過剰に原料ガスRに混合されることを防止するため、一定の量を超えて原料ガス混合流路81に供給されないように制御されることが好ましい。
分配部83が、水蒸気Sの圧力及び温度に基づいて原料ガス混合流路81への水蒸気Sの流量を調整する流量調整機構を有することが好ましい。具体的には、分配部83が、水蒸気排出路8に配設される圧力計85及び温度計86と、流量調整弁87と、水蒸気流量制御部(不図示)とを含むことが好ましい。このようにすることで、より安定して水蒸気Sを原料ガスRに混合することができる。圧力計85、温度計86、及び流量調整弁87それぞれと、上記水蒸気流量制御部とは電気的に接続される。
より具体的には、圧力計85及び温度計86は、分配部83より上流側の水蒸気供給路84に配設され、水蒸気Sの圧力及び温度を測定する。圧力計85及び温度計86は、分配部83より下流側に配設することもできるが、分配部83より上流側に配設してボイラ3から排出された直後の水蒸気Sの圧力及び温度を測定することが好ましい。圧力計85及び温度計86は、配管に付設して上記配管内の圧力及び温度を測定する。又は、分配部83が圧力計85及び温度計86を内蔵してもよい。圧力計85及び温度計86は、一体化されたものであってもよい。
上記水蒸気流量制御部は、分配部83内に配設されてもよいし、分配部83と分離して配設されてもよい。上記水蒸気流量制御部は、圧力計85及び温度計86が測定する水蒸気Sの圧力及び温度の測定値を電気信号として受信し、上記測定値に応じて原料ガス混合流路81に供給する水蒸気Sの流量が予め定められた所定の量となるように調整するための指示を流量調整弁87に対して出力する。
流量調整弁87は、分配部83より下流側で、改質ガス混合流路82に配設される。流量調整弁87は、上記水蒸気流量制御部からの指示を受信して弁の開口面積を拡縮することにより水蒸気Sの流量を調整する。流量調整弁87としては、水蒸気の流量を調整できるものであれば特に限定されるものではなく、他の公知のものを用いてもよい。
水蒸気Sの圧力及び温度の測定値が低下すると、上記水蒸気流量制御部は流量調整弁87に弁の開口を縮小する指示を送信して改質ガス混合流路82中の水蒸気Sの流量を減少させ、原料ガス混合流路81中の水蒸気Sの流量を相対的に増大する。上記測定値が増加すると、上記水蒸気流量制御部は流量調整弁86に弁の開口を拡大する指示を送信して改質ガス混合流路82中の水蒸気Sの流量を増加させ、原料ガス混合流路81中の水蒸気Sの流量を相対的に減少する。
このように、分配部83が流量調整機構を含むことで、ボイラ3が生成する水蒸気Sの量が増減しても原料ガス混合流路81中の水蒸気Sの量を一定とすることができる。すなわち、水蒸気Sの量が増減しても、水蒸気Sと原料ガスRとの混合比を常に一定とすることができ、改質器1が高品質な改質ガスMを安定して生成することができる。
〔反応部〕
反応部2は、水蒸気改質をする改質路21と、この改質路21を加熱する加熱手段22とを含む。
(改質路)
改質路21は、原料ガスRに水蒸気Sを混合した混合原料ガスRを改質して改質ガスMを生成する。改質路21は、混合原料ガスRが混合原料ガス供給路64から改質ガス供給路71へと流通する際に上述のような改質を行う。この改質路21には、上述のような改質を行う触媒が介在されている。上記触媒としては、特に限定されず公知のものを用いることができ、例えば、酸化改質部分とシフト反応部分とを有するものとすることができる。酸化改質部分は、混合原料ガスR中の炭化水素を酸化(燃焼)させて上記触媒を加熱し、加熱手段22と共に水蒸気改質反応に必要な温度を得るための酸化触媒と、炭化水素を水蒸気改質させて水素を生成するための改質触媒とを含むものとすることができる。シフト反応部分は、シフト触媒が充填される高温シフト触媒及び低温シフト触媒を含むものとすることができる。シフト反応部分は、生成中の改質ガスに残存する水蒸気と一酸化炭素との混合物を上記シフト触媒の存在下で水素と二酸化炭素とにシフト変換して水素を発生させ、生成中の改質ガス中の水素濃度を向上し、これに応じて一酸化炭素濃度を低減する。
(加熱手段)
加熱手段22は、改質路21を加熱する。加熱手段22は、燃料及び酸素を燃焼室に供給して燃焼するバーナーである。上記触媒は、上記バーナーの燃焼エネルギー(熱)が伝導して加熱される。加熱手段22としては、特に限定されるものでなく、他の公知のものを用いてもよい。加熱手段22の上記燃料としては、当該改質器1で使用される原料ガスRの一部、又は当該改質器1を含む水素製造装置から排出され、高純度水素ガスを含むオフガスを用いる。加熱手段22の上記燃料としては、特に限定されるものでなく、他の公知の燃料が用いられてもよい。
〔ボイラ〕
ボイラ3は、供給される水分Wを加熱して水蒸気Sとして排出する。ボイラ3は、加熱手段22の熱が水分Wに伝達されるように反応部2の周囲に配されている。換言すれば、反応部2の少なくとも一部が、ボイラ3内に収容されるように一体的に構成されている。このようにすることで、加熱された反応部2の熱をボイラ3に伝導することができる。また、加熱手段22は、燃料の燃焼によって発生する排ガスを加熱ガスとしてボイラ3に供給する。この加熱ガスでボイラ3は加熱される。換言すれば、ボイラ3は、反応部2の余熱と排ガスの熱とで加熱され、供給される水分Wを加熱して水蒸気Sとして排出する。
具体的には、ボイラ3は、反応部2の外壁に沿うように形成され、水分Wが流通する水分流路3aと、この水分流路3aの周囲を囲むように近接して配置され、上記加熱ガスが流通する加熱ガス流路3bとを有する。水分流路3aは、反応部2の側壁に巻かれるように配置される一又は複数の配管としてもよい。
反応部2及びボイラ3が一体的に構成されることで、改質器1を簡易な構成とすることができ、小型化を図ることができる。また、一つの加熱手段22で改質路21及びボイラ3を効率的に加熱することができ、反応部2及びボイラ3それぞれに加熱手段を用意する必要がないため、改質器1のコスト、及び消費される燃料のコストを低減することができる。また、加熱手段22によって改質路21とボイラ3とが加熱されるため、改質器1、及び当該改質器1を含む水素製造装置の起動時間の短縮を図ることができる。このため、当該改質器1を備える水素製造装置は、起動と停止とを毎日行うDSS(Dairy Start and Stop)タイプの水素ステーションとして好適である。
ボイラ3の耐熱温度は、上記触媒の活性温度以下であることが好ましい。改質ガスMは、上記触媒の温度を700℃以上とすることで、効率的に生成することができる。水蒸気Sは、ボイラ3を概ね200℃以上400℃以下とすることで効率的に生成することができる。一般に、ボイラは、耐熱温度が高くなると共にコストが高くなる。このため、上記触媒の活性温度と同等の耐熱温度を有するボイラを用いると、改質器1及び当該改質器1を含む水素製造装置の低コスト化を図ることが困難になるおそれがある。ボイラ3の耐熱温度を上記触媒の活性温度以下にすることで、改質器1及び当該改質器1を含む水素製造装置の低コスト化を図ることができる。また、改質器1は、後述するように、ボイラ3から排出されるガスの温度を測定することでボイラ3への水分Wの供給量を調整するため、ボイラ3の温度が上記耐熱温度を超えないように調整することが容易にできる。
<加熱ガス排出路>
改質器1は、ボイラ3を加熱するために供給された加熱ガスをボイラ3から排出する加熱ガス排出路9を備える。
<排出ガス温度測定部>
改質器1は、ボイラ3から排出される上記加熱ガスの温度を測定する排出ガス温度測定部4を備える。ボイラ3への水分Wの供給量は、排出ガス温度測定部4が測定する上記加熱ガスの温度に基づいて調整される。
排出ガス温度測定部4は、ボイラ3から排出される上記加熱ガスを測定するように加熱ガス排出路9に設置される。排出ガス温度測定部4が測定する温度と、ボイラ3から排出される水蒸気Sの温度とが略等しくなるように排出ガス温度測定部4を設置するのが好ましい。具体的には、排出ガス温度測定部4が測定する温度が、ボイラ3から排出される水蒸気Sの温度の+30℃以内となるように排出ガス温度測定部4を設置するのが好ましく、+20℃以内となるように設置するのがより好ましい。排出ガス温度測定部4は、ボイラ3内に設置されてもよい。
水蒸気Sは、上述のように、ボイラ3を概ね200℃以上400℃以下とすることで効率的に生成することができる。ボイラは、耐熱温度があり、この耐熱温度を超えて運転すると、破損等するおそれがある。このため、上記耐熱温度を超えないように上記ボイラに水分を供給する。一方で、上記水分の供給量が過剰であると、上記ボイラの温度が低下して十分な上記水蒸気が生成できなくなるおそれがあり、上記水蒸気の温度が低下して改質ガスの生成が十分にできなくなるおそれもある。
上記ボイラから出る水蒸気の温度を測定することで上記ボイラの温度を予測し、上記ボイラへの上記水の供給量を調整することもできるが、上記水蒸気の温度は、図2で示すように、上記ボイラの温度に対する時間的な応答性が悪く、上記ボイラの温度変化から遅れて変化する。このため、上記水蒸気の温度から上記水分の供給量を調整して上記ボイラの温度を所定の範囲に維持することは困難になることがある。
改質器1は、排出ガス温度測定部4でボイラ3から排出される上記加熱ガスの温度を測定する。上記加熱ガスは、ボイラ3の温度に対する時間的な応答性に優れるため、ボイラ3に必要とされる水分Wの供給量を容易に把握できる。このため、作業者は、水分Wの供給量の調整を容易に行うことができ、ボイラ3の温度を所定の範囲に維持することが容易にできる。
図2は、改質器1の運転開始における水分Wの供給量、ボイラ3から排出される加熱ガスの温度及びボイラ3から排出される水蒸気Sの温度の経時変化の一例を示したものである。運転開始30分後に加熱手段22を着火し、改質路21及びボイラ3の加熱を開始した。運転開始50分後までを見ると、上記加熱ガスは80℃から緩やかに昇温しているが、水蒸気Sは、常温から急激な昇温をして上記加熱ガスと同様な温度に達している。このように、水蒸気Sの温度変化は、時間的な応答性が悪く、かつ急激である。運転開始130分後から150分後の温度を見ても、上記加熱ガスの変化は比較的小さく、温度を予測しやすいことがわかる。なお、上記加熱ガスの温度が運転開始時において80℃であるのは、前日の運転によってボイラ3が保温されていたためである。また、水分Wの供給量の調整は、作業者が行った。加熱手段22として50~100NL/minで安定して燃焼するバーナーを用いて、このバーナーを着火して3時間前後で触媒の温度が800℃になるように加熱した。
改質器1が、排出ガス温度測定部4によって測定された上記温度を受信して流量調整部5を制御する流量制御部(不図示)をさらに備えることが好ましい。具体的には、上記流量制御部は、排出ガス温度測定部4及び流量調整部5に電気的に接続され、排出ガス温度測定部4が測定した上記加熱ガスの温度を受信し、流量調整部5に水分Wの供給量の増減を行う指示を送信する。この指示によって、流量調整部5は水分Wの供給量を増減する。このようにすることで、ボイラ3への水分Wの供給量の調整をより安定して行うことができる。また、水分Wの供給量を調整する作業者を配置する必要がなくなる。
[水素製造装置]
本発明の他の一態様である水素製造装置100は、改質器1と、上記改質器1によって改質されたガスから不純物を吸着する吸着塔101とを備える。また、当該水素製造装置100は、改質ガスMを一時貯蔵する改質ガスバッファタンク102、製品となる高純度水素ガスEを貯蔵する製品ガスバッファタンク103、吸着塔101に含まれる吸着剤を再生する際に排出されるオフガスFを貯蔵するオフガスバッファタンク104、これらのバッファタンクと吸着塔101等とを連通する複数の流通路100a、この複数の流通路100aに配置される複数のバルブ100bを主に有する。当該水素製造装置100は、吸着塔101を複数備える。水素製造装置が備える吸着塔の数は、一つであってもよい。
<吸着塔>
吸着塔101は、改質ガスM中の不純物を圧力スウィング吸着法により吸着除去する。吸着塔は、TSA(Temperature swing adsorption)法又はPSA(Pressure Swing Adsorption)法で再生可能な吸着剤が充填され、この吸着剤で改質ガスM中の水素以外の上記不純物を吸着して高純度の水素ガスを排出する。上記不純物としては、例えば、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素等である。
吸着塔101に充填される吸着剤としては、上記不純物を吸着し、水素を吸着しないものであれば特に限定されるものではない。また、上記不純物に応じて種類の異なる複数の吸着剤を吸着塔に充填してもよい。
[高純度水素ガスの製造方法]
本発明のさらに他の一態様である水素ガス製造方法は、反応部2の改質路21を加熱手段22によって加熱し、炭化水素を含有する原料ガスRに水分Wを混合した混合原料ガスRを上記改質路21が含む触媒によって水蒸気改質する水蒸気改質工程を有する。上記水蒸気改質工程は、ボイラ3によって上記混合原料ガスRを生成するための水分Wを加熱する手順と、上記ボイラ3から排出されるガス、又は上記反応部2から排出されるガスの温度を排出ガス温度測定部4によって測定する手順と、上記排出ガス温度測定部4によって測定された上記温度に基づいて上記ボイラ3に供給する上記水分Wの流量を調整する手順とを備える。また、当該水素ガス製造方法は、吸着塔101で上記水蒸気改質した改質ガスMに加熱された水分Wを混合した混合改質ガスMから不純物を除去する工程を有する。
<水蒸気改質工程>
水蒸気改質工程は、反応部2の改質路21を加熱手段22によって加熱し、炭化水素を含有する原料ガスRに水分Wを混合した混合原料ガスRを上記改質路21によって水蒸気改質する。上記水蒸気改質工程は、ボイラ3によって上記混合原料ガスRを生成するための水分Wを加熱する手順と、上記ボイラ3から排出されるガスの温度を排出ガス温度測定部4によって測定する手順と、上記排出ガス温度測定部4によって測定された上記温度に基づいて上記ボイラ3に供給する上記水分Wの流量を調整する手順とを備える。また、上記水蒸気改質工程は、上記三つの手順と並行して行う、原料ガスRに水蒸気Sを混合した混合原料ガスRを改質路21に供給する手順と、混合原料ガスRを改質ガスMに改質する手順と、改質ガスMに水蒸気Sを混合した混合改質ガスMを吸着塔101に供給する手順とを有する。
(水分加熱手順)
水分加熱手順では、ボイラ3によって上記混合原料ガスRを生成するための水分Wを加熱する。具体的には、流量調整部5から供給された水分Wをボイラ3が加熱する。ボイラ3に供給される水分Wの状態としては、特に限定されるものではなく、気体、液体又はこれらの状態が混在していてもよい。水分Wの状態は、水分供給路51を閉塞することがなければ、固体であってもよい。
(温度測定手順)
温度測定手順では、ボイラ3から排出されるガスの温度を排出ガス温度測定部4によって測定する。具体的には、ボイラ3は、反応部2から加熱ガスとして加熱手段22の排ガスが供給され、上記加熱ガスを排出する。この加熱ガスを排出ガス温度測定部4が測定する。
(流量調整手順)
流量調整手順では、排出ガス温度測定部4によって測定された上記温度に基づいてボイラ3に供給する水分Wの流量を調整する。具体的には、排出ガス温度測定部4によって測定された上記温度が所定の範囲を超えるとボイラ3への水分Wの供給量を増加し、上記温度が所定の範囲に満たないとボイラ3への水分Wの供給量を低減する。このように、上記温度の測定によってボイラ3への水分Wの供給量を増減することで、ボイラ3の温度を所定の範囲に維持することができる。
(混合原料ガス供給手順)
混合原料ガス供給手順では、原料ガスRに水蒸気Sを混合した混合原料ガスRを改質路21に供給する。具体的には、原料ガス供給部51から供給された原料ガスRと、ボイラ3から排出され、分配部83で混合原料ガス供給路64に分配された水蒸気Sとを第一混合部63で混合する。原料ガスRと水蒸気Sとを混合した混合原料ガスRは、反応部2の加熱手段22により加熱された改質路21に供給される。
(改質手順)
改質手順では、混合原料ガスRを改質ガスMに改質する。具体的には、改質路21に供給された混合原料ガスRは、改質路21に含まれる酸化触媒、改質触媒、シフト触媒等を通過することにより水素濃度の高い改質ガスMに改質される。
(混合改質ガス供給手順)
混合改質ガス供給手順では、改質ガスMに水蒸気Sを混合した混合改質ガスMを吸着塔に供給する。具体的には、反応部2の改質路21から排出された改質ガスMと、ボイラ3から排出され、分配部83で混合原料ガス供給路64に分配された水蒸気Sとを第二混合部72で混合をする。改質ガスMと水蒸気Sとを混合した混合改質ガスMは、吸着塔101に供給される。
<不純物除去工程>
不純物除去工程では、吸着塔101で上記水蒸気改質した改質ガスMに加熱された水分Wを混合した混合改質ガスMから不純物を除去する。具体的には、吸着塔101に含まれる吸着剤が、供給された混合改質ガスM中の不純物を吸着する。吸着塔101は上記不純物が除去された高純度な水素ガスEを排出する。吸着塔101から排出される高純度水素ガスEは、製品ガスとして利用される。
当該水素製造装置が複数の吸着塔101を備え、この複数の吸着塔101が、吸着、減圧、洗浄及び均圧、昇圧、並びに吸着の一連の工程を順次切り替えて運転されることが好ましい。具体的には、上記不純物を上記吸着剤で吸着する吸着工程の終了後、一の吸着塔内の圧力を減圧する工程、及び得られた高純度水素ガスEで吸着剤を洗浄する工程により、吸着した上記不純物を除去し、上記吸着剤を再生する。その後、上記吸着剤を再生した上記一の吸着塔を昇圧して高純度水素ガスEの精製に再び供する。水素ガス製造装置100の稼働中に、少なくとも一の吸着塔が吸着工程となるように上記一連の工程のタイミングを上記複数の吸着塔でずらして行うことで、吸着と再生とを異なる吸着塔で同時に行うことが可能となり、連続的に高純度水素ガスEを製造できる。
不純物除去工程では、混合改質ガスMを冷媒により冷却しながら精製を行うのが好ましい。このように吸着時に吸着塔101内部に流通する混合改質ガスMを冷却することで、上記吸着剤による不純物の有効吸着量が増加し、上記吸着剤の必要量を低減することができ、当該水素製造装置を小型化することができる。
[利点]
当該改質器1は、排出ガス温度測定部4がボイラ3の加熱ガスの温度を測定し、この温度変化からボイラ3への水分Wの供給量を決定しているため、ボイラ3の温度を所定の範囲に維持することが容易にできる。このため、当該改質器1は、水蒸気Sを安定的に生成して原料ガスRに混合することができ、品質の優れた改質ガスMを効率的に生成することができる。
また、当該改質器1は、反応部2からの熱で水蒸気Sを生成するため、消費されるエネルギーを低減することができ、高品質な改質ガスMを低コストで生成することができる。
当該水素製造装置100及び当該水素ガス製造方法は、改質器1によって生成される品質の優れた改質ガスMと水蒸気Sとを混合した混合改質ガスMが安定して供給されるため、高純度な水素ガスEを効率的に製造することができる。
当該改質器1は、反応部2の周囲にボイラ3が配され、一体的に構成されているため、当該改質器1及び水素製造装置100の小型化、低コスト及び起動時間の短縮を図ることができる。よって、当該改質器1及び水素製造装置100は、汎用性が高く、オフサイト型の水素ステーション、オンサイト型水素ステーションいずれに用いることができ、特に、DSSタイプの小規模のオンサイト型水素ステーションに好適に用いることができる。
[第二実施形態]
図3に、本発明の他の一実施形態である改質器11を示す。上述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。改質器11は、炭化水素を含有する原料ガスRに水分Wを混合した混合原料ガスRを水蒸気改質するための触媒を含む改質路21、及びこの改質路21を加熱する加熱手段22を有する反応部2を備える。改質器11は、上記混合原料ガスRを生成するための水分Wを加熱するボイラ31と、上記反応部2から排出されるガスの温度を測定する排出ガス温度測定部41と、この排出ガス温度測定部41によって測定された上記温度に基づいて上記ボイラ31に供給する上記水分Wの流量を調整する流量調整部50とをさらに備える。改質器11は、ボイラ31と反応部2とを離間して配置している。
<加熱ガス排出路>
改質器11は、反応部2とボイラ31とを連通する加熱ガス排出路91を備える。加熱ガス排出路91は、反応部2から排出される加熱手段22の排ガスを加熱ガスとしてボイラ31に供給する。
<排出ガス温度測定部>
排出ガス温度測定部41は、反応部2から排出されるガスの温度を測定する。排出ガス温度測定部41は、加熱ガス排出路91の上記加熱ガスを測定するように設置される。改質器11は、排出ガス温度測定部41が測定する上記加熱ガスの温度に応じてボイラ31への水分Wの供給量が調整される。
<ボイラ>
ボイラ31は、反応部2から排出されるガスが供給され、このガスとボイラ3に供給される水分Wとが熱交換される。すなわち、ボイラ31は、反応部2から排出される排ガスで水分Wを加熱し、水蒸気Sとして排出する。
[利点]
改質器11は、反応部2とボイラ31とを離間して配置するため、設置の自由度を向上できる。また、反応部とボイラとを離間して配置している既存の改質器に排出ガス温度測定部を追加することで、上記反応部から排出される排ガスの温度からボイラへの水分の供給量を調整可能にすることができる。このため、上記既存の改質器を、高品質な改質ガスMを効率的に生成できる改質器とすることができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
上記実施形態では、流量制御部が、流量調整部5に水分Wの供給量の増減を行う指示を送信するもので説明したが、水分供給路51が、水量を調整可能なバルブを備え、このバルブに上記流量制御部が水分Wの供給量を調整する指示を送信してもよい。
改質器1,11は、凝縮器10を備えるもので説明したが、凝縮器10は必須の構成ではない。又は、凝縮器10に換えて、例えば、熱媒体などで水分Wの加熱と、混合改質ガスMの冷却とをしてもよい。
水蒸気排出路8の分配部83は必須の構成ではない。例えば、水蒸気排出路8が二つの流路を有し、その一方がボイラ3,31と第一混合部63とを連通し、他方がボイラ3,31と第二混合部72とを連通するようにしてもよい。
上記実施形態において、分配部83が有する流量調整機構の流量調整弁87が改質ガス混合流路82に配設されるものについて説明したが、流量調整弁87は、混合原料ガス供給路64に配設してもよく、改質ガス混合流路82及び混合原料ガス供給路64それぞれに配設してもよい。
上記実施形態では、ボイラ3,31が加熱手段22の排ガスの熱を利用して水蒸気Sを生成するもので説明したが、ボイラ3,31自体が燃焼部を有し、この燃焼部で燃料を燃焼する熱と、加熱手段22の排ガスの熱とで水蒸気Sを生成するものであってもよい。
本発明に係る改質器及び水素製造装置は、高純度な水素ガスを製造する水素ガスステーション等に特に好適に利用することができる。
1,11 改質器
2 反応部
21 改質路
22 加熱手段
3,31 水分加熱器(ボイラ)
3a 水分流路3a
3b 加熱ガス流路3b
4,41 排出ガス温度測定部
5,50 流量調整部
51 水分供給路
6 原料ガス供給路
61 原料ガス供給器
62 原料ガス導入路
63 第一混合部
64 混合原料ガス供給路
7 改質ガス供給路
71 改質ガス排出路
72 第二混合部
73 混合改質ガス供給路
8 水蒸気排出路
81 原料ガス混合流路
82 改質ガス混合流路
83 分配部
84 水蒸気供給路
85 圧力計
86 温度計
87 流量調整弁
9,91 加熱ガス排出路
10 凝縮器
100 水素製造装置
101 吸着塔
102 改質ガスバッファタンク
103 製品ガスバッファタンク
104 オフガスバッファタンク
100a 流通路
100b バルブ
E 高純度水素ガス
F オフガス
M 改質ガス
混合改質ガス
R 原料ガス
混合原料ガス
S 水蒸気
W 水分

Claims (7)

  1. 炭化水素を含有する原料ガスに水分を混合した混合ガスを水蒸気改質するための触媒を含む改質路、及びこの改質路を加熱する加熱手段を有する反応部を備える水蒸気改質器であって、
    上記混合ガスを生成するための水分を加熱する水分加熱器と、
    上記水分加熱器から排出されるガス、又は上記反応部から排出されるガスの温度を測定する排出ガス温度測定部と、
    この排出ガス温度測定部によって測定された上記温度に基づいて上記水分加熱器に供給する上記水分の流量を調整する流量調整部と
    をさらに備える水蒸気改質器。
  2. 上記排出ガス温度測定部によって測定された上記温度を受信して上記流量調整部を制御する流量制御部をさらに備える請求項1に記載の水蒸気改質器。
  3. 上記水分加熱器の耐熱温度が上記触媒の活性温度以下である請求項1又は請求項2に記載の水蒸気改質器。
  4. 上記水分加熱器が、上記加熱手段の熱が上記水分に伝達されるように上記反応部の周囲に配されている請求項1、請求項2又は請求項3に記載の水蒸気改質器。
  5. 上記水分加熱器に上記反応部から排出されるガスが供給され、このガスと上記水分加熱器に供給される水分とが熱交換されるように上記水分加熱器が構成されており、
    上記排出ガス温度測定部が上記反応部から排出されるガスの温度を測定するよう構成されている請求項1、請求項2又は請求項3に記載の水蒸気改質器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の水蒸気改質器と、
    上記水蒸気改質器によって改質されたガスから不純物を吸着する吸着塔と
    を備える水素製造装置。
  7. 反応部の改質路を加熱手段によって加熱し、炭化水素を含有する原料ガスに水分を混合した混合ガスを上記改質路が含む触媒によって水蒸気改質する水蒸気改質工程を有する水素ガス製造方法であって、
    上記水蒸気改質工程が、
    水分加熱器によって上記混合ガスを生成するための水分を加熱する手順と、
    上記水分加熱器から排出されるガス、又は上記反応部から排出されるガスの温度を排出ガス温度測定部によって測定する手順と、
    上記排出ガス温度測定部によって測定された上記温度に基づいて上記水分加熱器に供給する上記水分の流量を調整する手順と
    を備える水素ガス製造方法。
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