JP2022168753A - 磁性体材料、その製造方法および鉄心 - Google Patents

磁性体材料、その製造方法および鉄心 Download PDF

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Abstract

【課題】材料コストを抑制して高い飽和磁束密度と低い鉄損を両立できる磁性体材料、その製造方法、および、これを用いた鉄心を提供する。【解決手段】磁性体材料は、FeとCoを合計で90質量%以上含み、箔または板であり、5質量%以上40質量%以下のCoを含み、厚さ方向において、20質量%以上のコバルト濃度を有する高濃度領域(10)と、0質量%を超え10質量%以下のコバルト濃度を有する低濃度領域(20)と、高濃度領域(10)のコバルト濃度と低濃度領域(20)のコバルト濃度とをつなぐ濃度遷移領域(30)とを有する。鉄心は、軟磁性鋼板が積層された鉄心であって、軟磁性鋼板の一部または全部が、この磁性体材料で形成されている。磁性体材料の製造方法は、20質量%以上のコバルト濃度を有する前駆体と、0質量%を超え10質量%以下のコバルト濃度を有する前駆体とを積層し、前駆体を熱処理して原子を拡散させる。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄-コバルト系合金にコバルトの濃度勾配を形成した磁性体材料、その製造方法および鉄心に関する。
バルクの合金中で最も飽和磁束密度Bsが高い材料は、鉄-コバルト系合金である。例えば、Fe-49Co-2Vのパーメンジュールは、バルクのBsが2.3Tであり、高Bsを示す軟磁性体材料としてモータの鉄心等に広く用いられている。しかし、鉄-コバルト系合金は、鉄と比較して高価なコバルトを含むため、量産性やコスト性に課題を抱えている。
近年、鉄-コバルト系合金よりも安価であり、薄膜の状態で鉄-コバルト系合金と同等の高い飽和磁束密度Bsを示す磁性体材料として、窒化鉄α″-Fe16が注目されている。α″-Fe16は、体心正方晶(bct)の鉄系マルテンサイトであり、α-FeにNが侵入して格子間隔がc軸方向に拡張した結晶構造を有する。α″-Fe16の薄膜のBsは、2.4Tを超えることが知られている。
窒化鉄α″-Fe16は、準安定相であり、熱的な安定性が低く、結晶成長させるのが難しいことが知られている。従来、α″-Fe16について、製造方法をはじめとして、種々の研究開発が行われている。特許文献1には、炭素および窒素を含有するマルテンサイトを含む軟磁性材料や、その製造方法が記載されている。
特開2020-132894号公報
回転電機、変圧器等の種々の用途で、安価でありながら、高い飽和磁束密度Bsを示す軟磁性材料が求められている。従来のパーメンジュール等の鉄-コバルト系合金には、50原子%に近いCoが含まれるため、Co量の低減が望まれている。しかし、Coの一部を他の元素に置換すると、飽和磁束密度Bsが低くなると共に、透磁率μが低下して鉄損Piが増大する。
安価で高い飽和磁束密度Bsを示す磁性体材料としては、窒化鉄α″-Fe16もあるが、熱的な安定性の低さから、工業的な製造が妨げられている。窒化鉄α″-Fe16のように、高Bsの鉄-コバルト系合金に窒素原子を置換型固溶させると、Bsが更に向上することが期待される。
しかし、鉄-コバルト系合金の合金相内は窒素原子が拡散し難く、窒素置換されたマルテンサイトを形成するのは容易でないという問題がある。鉄-コバルト系合金に対し、窒素と共にAl、Cr、Mo、Nb、V等を添加することも考えられるが、FeやCoが減少するため、飽和磁束密度Bsが低くなると共に、透磁率μが低下して鉄損Piが増大してしまう。
また、鉄心をはじめとする軟磁性材料の用途では、鉄損Piを抑制するだけでなく、強度、靭性等の機械的特性も求められる。機械的特性は、適切な磁気特性が得られる材料形態において得られなければならない。窒素置換を導入するか否かにかかわらず、安価で材料コストが低減されていながら、高い飽和磁束密度Bsと低い鉄損Piを実現可能であり、窒素置換の導入や機械的特性の向上も図れる基本的な組成・構造を持つ軟磁性材料が望まれている。
そこで、本発明は、材料コストを抑制して高い飽和磁束密度と低い鉄損を両立できる磁性体材料、その製造方法、および、これを用いた鉄心を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る磁性体材料は、FeとCoを合計で90質量%以上含む磁性体材料であって、前記磁性体材料は、箔または板であり、5質量%以上40質量%以下のCoを含み、前記箔または前記板の厚さ方向において、20質量%以上のコバルト濃度を有する高濃度領域と、0質量%を超え10質量%以下のコバルト濃度を有する低濃度領域と、前記高濃度領域のコバルト濃度と前記低濃度領域のコバルト濃度とをつなぐ濃度遷移領域と、を有する。また、本発明に係る鉄心は、軟磁性鋼板が積層された鉄心であって、前記軟磁性鋼板の一部または全部が、前記の磁性体材料で形成されている。また、本発明に係る磁性体材料の製造方法は、FeとCoを含む磁性体材料の製造方法であって、前記磁性体材料は、箔または板であり、20質量%以上のコバルト濃度を有する鉄系材料で形成された前駆体と、0質量%を超え10質量%以下のコバルト濃度を有する鉄系材料またはコバルト系材料で形成された前駆体とを積層し、互いに積層された前記前駆体を熱処理して原子を拡散させて、前記箔または前記板の厚さ方向において、20質量%以上のコバルト濃度を有する高濃度領域と、0質量%を超え10質量%以下のコバルト濃度を有する低濃度領域と、前記高濃度領域のコバルト濃度と前記低濃度領域のコバルト濃度とをつなぐ濃度遷移領域と、を形成する。
本発明によると、材料コストを抑制して高い飽和磁束密度と低い鉄損を両立できる磁性体材料、その製造方法、および、これを用いた鉄心を提供することができる。
本発明の実施形態に係る磁性体材料の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る磁性体材料の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る磁性体材料の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る磁性体材料の製造方法の一例を示す図である。 回転電機の固定子の一例を模式的に示す斜視図である。 固定子のスロット領域を拡大して模式的に示す横断面図である。 実施例に係る磁性体材料の走査型電子顕微鏡による反射電子像と組成分析の結果を示す画像である。 実施例に係る磁性体材料の走査型電子顕微鏡による反射電子像と組成分析の結果を示す画像である。
以下、本発明の一実施形態に係る磁性体材料、その製造方法、および、これを用いた鉄心および回転電機について、図を参照しながら説明する。なお、以下の各図において、共通する構成については同一の符号を付して重複した説明を省略する。
<磁性体材料>
本実施形態に係る磁性体材料は、常温で強磁性を示し、箔または板の形態で提供される。この磁性体材料は、材料100質量%に対して、鉄(Fe)とコバルト(Co)を合計で90質量%以上含み、且つ、材料100質量%に対して、5質量%以上40質量%以下のCoを少なくとも含み、軟磁性を示す磁性体材料である。
本実施形態に係る磁性体材料は、特に、箔または板の主面に垂直な厚さ方向において、コバルトの濃度勾配が形成されたものである。箔または板の厚さ方向に沿って、コバルトの濃度が互いに異なる領域が形成され、これらの領域間でコバルト原子が拡散されることにより、これらの領域間をつなぐコバルト濃度の濃度勾配が形成される。
具体的には、本実施形態に係る磁性体材料は、箔または板の厚さ方向において、コバルトの濃度が相対的に高い高濃度領域と、コバルトの濃度が相対的に低い低濃度領域と、これらの領域間に介在する濃度遷移領域と、を有する。濃度遷移領域は、高濃度領域のコバルト濃度と低濃度領域のコバルト濃度とをつなぐ濃度勾配を形成し、高濃度領域のコバルト濃度と低濃度領域のコバルト濃度との中間のコバルト濃度を示す領域である。
従来、モータ等の電動機には、電磁鋼板をはじめ、軟磁性材料の箔または板を積層した鉄心が用いられている。箔ないし板の厚さは、10μm~1mm程度とされている。従来のパーメンジュール等の鉄-コバルト系合金は、高い飽和磁束密度Bsを示す軟磁性材料であるが、高価なコバルトを含むため、低コスト性と磁気特性との両立が望まれている。
鉄心に用いられる磁性体材料には、軟磁性を示すこと、純鉄よりも高い飽和磁束密度Bsを示すこと、電磁鋼板と同等以下の鉄損Piを示すこと、高い機械的強度を示すこと、靭性が良好であり加工・積層が可能であること等が求められる。純鉄のBsは、20℃で2.14Tであり、これを上回るBsを低コストで実現できることが望まれる。
パーメンジュール等の鉄-コバルト系合金を、低Co量にすると、Feと比較して高価なCoが減るため、量産性やコスト性が良好な軟磁性材料が得られる可能性がある。しかし、低Co量にすると、飽和磁束密度Bsが低くなると共に、透磁率μが低下して鉄損Piが増大する。Ni等の他の合金元素を増やすと、透磁率μの向上や、鉄損Piの低減等がもたらされる場合があるが、Bsの低下や材料コストの増大を招く問題がある。
また、安価で高い飽和磁束密度Bsを示す磁性体材料としては、窒化鉄α″-Fe16が知られている。α″-Fe16は、2.1~2.8Tの高Bsが得られる可能性が見出されている。窒化鉄α″-Fe16のように、鉄-コバルト系合金に窒素を添加し、窒素原子を置換型固溶させると、窒化鉄と同様にBsが向上する可能性がある。
しかし、鉄-コバルト系合金の合金相内は、純鉄と比較して、窒素原子が拡散し難く、窒素原子を置換型固溶させるのが容易ではない。窒素と共にAl、Cr、Mo、Nb、V等を添加することも考えられるが、添加元素が多いと、Fe量やCo量が少なくなる。飽和磁束密度Bsが低くなると共に、透磁率μが低下して鉄損Piが増大してしまう。窒素原子を置換型固溶させると、結晶歪が増加して、Piが増大する問題もある。
このような状況下、本発明者らは、鉄-コバルト系合金に基づく磁性体材料について、コバルトの濃度分布の形態、熱処理の時間、磁気特性等の種々の因子の相互関係を調査・検討し、コバルトの濃度勾配の有効性を見出し、本発明を完成させた。コバルトの濃度勾配を形成し、高濃度領域、低濃度領域および濃度遷移領域を設けると、純鉄の利点と、高Bs・低Piであるパーメンジュールの利点が得られ、材料コストを抑制して高い飽和磁束密度Bsと低い鉄損Piを両立できることを見出した。
図1、図2および図3は、本発明の実施形態に係る磁性体材料の一例を模式的に示す図である。
図1、図2および図3において、各図の上側は、コバルトの濃度勾配を形成した磁性体材料の層構造の例を示す。各図の下側は、磁性体材料の厚さ方向に沿ったコバルトの概略濃度分布を示す。
各図において、符号1、2、3は、コバルトの濃度勾配を形成した磁性体材料を示す。符号100は、コバルトの濃度が相対的に高い高濃度領域を示す。符号200は、コバルトの濃度が相対的に低い低濃度領域を示す。符号300は、高濃度領域と低濃度領域との間に介在する濃度遷移領域を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る磁性体材料は、例えば、高濃度領域100/(濃度遷移領域300)/低濃度領域200が、この順に積層された2層構造に設けることができる。高濃度領域100と低濃度領域200は、互いに磁気特性が異なる。しかし、箔または板の磁性体材料を積層して用いる用途では、このような2層構造であっても、形状的な磁気異方性を小さくすることができる。
図2に示すように、本実施形態に係る磁性体材料は、低濃度領域200/(濃度遷移領域300)/高濃度領域100/(濃度遷移領域300)/低濃度領域200が、この順に積層された3層構造に設けることもできる。また、図3に示すように、高濃度領域100/(濃度遷移領域300)/低濃度領域200/(濃度遷移領域300)/高濃度領域100が、この順に積層された3層構造に設けることもできる。
高濃度領域100、低濃度領域200および濃度遷移領域300は、各領域の厚さや磁性体材料当たりの体積率が、特に限定されるものではない。各領域の厚さは、要求性能や材料コスト等に応じて、任意の厚さに設けることができる。高濃度領域100および低濃度領域200の厚さは、それぞれ、製造性の観点等からは、0.1μm以上0.5mm以下程度であることが好ましい。
また、高濃度領域100、低濃度領域200および濃度遷移領域300は、各領域内のコバルトの濃度が、特に限定されるものではない。高濃度領域100および低濃度領域200のコバルトの濃度は、要求性能や材料コスト等に応じて、所定の範囲内で任意の濃度に設けることができる。高濃度領域100や低濃度領域200のコバルトの濃度は、各領域内の厚さ方向に沿って、実質的に均一であってもよいし、濃度勾配を形成していてもよい。
なお、図1、図2および図3において、濃度遷移領域300は、独立的な層として図示されているが、濃度遷移領域300は、高濃度領域100や低濃度領域200に対し、明確な境界を持たなくてもよい。濃度遷移領域300は、元素分析上で、高濃度領域100と低濃度領域200との中間のコバルト濃度を示す限り、直線的に変化する濃度分布を示さなくてもよく、曲線的または段階的に変化する濃度分布を示してもよい。
また、図1、図2および図3には、2層構造や3層構造を示しているが、高濃度領域100および低濃度領域200は、領域間に濃度遷移領域300が介在する限り、4層以上の層構造に設けてもよい。磁性体材料の箔または板の両主面には、高濃度領域100および低濃度領域200のうち、いずれが位置してもよい。
高濃度領域(100)は、磁性体材料100質量%に対し、20質量%以上のコバルト濃度を有する領域である。コバルトの濃度が相対的に高い高濃度領域を形成すると、磁性体材料の飽和磁束密度Bsを、純鉄の場合と比較して向上させることができる。また、高い透磁率μが得られるため、磁性体材料の鉄損Piを低減することができる。
高濃度領域は、Co:20質量%以上であり、窒素(N)、炭素(C)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)およびバナジウム(V)のうちの一種以上を任意に含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなる構成とすることができる。高濃度領域の好ましい形態は、これらの任意の元素を含まない組成や、これらの任意の元素のうち、Nのみを含む組成、または、NとCを含む組成である。
高濃度領域のCo量は、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上等であってもよい。Co量が多いと、高い飽和磁束密度Bsが得られる。また、高い透磁率μが得られるため、鉄損Piが低減する。高濃度領域のCo量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。Co量が少ないほど、安価な磁性体材料が得られる。
低濃度領域(200)は、磁性体材料100質量%に対し、0質量%を超え10質量%以下のコバルト濃度を有する領域である。コバルトの濃度が相対的に低い低濃度領域を形成すると、磁性体材料に含まれるコバルトが少なくなるため、安価で工業生産に適した磁性体材料を得ることができる。
低濃度領域は、Co:0質量%を超え10質量%以下であり、窒素(N)、炭素(C)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)およびバナジウム(V)のうちの一種以上を任意に含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなる構成とすることができる。低濃度領域の好ましい形態は、これらの任意の元素を含まない組成や、これらの任意の元素のうち、Nのみを含む組成、または、NとCを含む組成である。
低濃度領域のCo量は、8質量%以下、6質量%以下、4質量%以下、2質量%以下等であってもよい。Co量が少ないほど、安価な磁性体材料が得られる。低濃度領域のCo量は、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上等であってもよい。Co量が多いと、高い飽和磁束密度Bsが得られる。また、高い透磁率μが得られるため、鉄損Piが低減する。
濃度遷移領域(300)は、高濃度領域のコバルト濃度と低濃度領域のコバルト濃度とをつなぐ領域である。すなわち、高濃度領域のコバルト濃度と低濃度領域のコバルト濃度との中間のコバルト濃度を有する領域である。濃度遷移領域は、コバルトの濃度が互いに異なる高濃度領域の前駆体と低濃度領域の前駆体との間で、コバルト原子が拡散されることによって形成される。濃度遷移領域が形成されると、高濃度領域と低濃度領域との間で磁壁等の磁化状態が伝搬し易くなる。
濃度遷移領域は、高濃度領域と低濃度領域との間の中間的な化学組成を有する。濃度遷移領域は、高濃度領域や低濃度領域の化学組成に応じた量のCoを含み、高濃度領域や低濃度領域と同様に、窒素(N)、炭素(C)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)およびバナジウム(V)のうちの一種以上を任意に含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなる。
このようなコバルトの濃度勾配が形成された磁性体材料によると、高濃度領域、低濃度領域および濃度遷移領域が形成されており、純鉄の利点とパーメンジュールの利点が得られるため、材料コストを抑制して高い飽和磁束密度Bsと低い鉄損Piを両立することができる。高い透磁率μが確保されるため、軟磁性材料として有用である。また、コバルトの濃度が相対的に低い低濃度領域が形成されるため、低濃度領域側を窒素原子が拡散し易くなる。そのため、窒素原子を置換型固溶させる場合に、窒素と親和的な添加元素を削減・省略しても、Bsを適切に向上させることができる。
濃度遷移領域におけるコバルトの濃度の濃度勾配は、0.1質量%/μm以上10質量%/μm以下であることが好ましい。濃度勾配が0.1質量%/μm未満であると、高濃度領域と低濃度領域とのコバルトの濃度差が小さいため、材料コストを十分に抑制できなくなる。一方、濃度勾配が10質量%/μmを超えると、濃度勾配が急峻すぎて高濃度領域と低濃度領域との磁気的結合が生じ難くなる。
ここで、コバルトの濃度勾配が形成された磁性体材料について、材料全体における化学組成を具体的に説明する。以下の説明において、「%」は、質量%を意味する。
(Fe,Co:90%以上)
FeおよびCoは、本実施形態に係る磁性体材料の主要な成分であり、磁気特性の向上に寄与する。Fe量およびCo量の合計が90%未満であると、高い飽和磁束密度Bs、高い透磁率μ、小さい保磁力Hc等の磁気特性が得られない。一方、90%以上であると、軟磁性材料に必要とされる良好な磁気特性を得ることができる。そのため、Fe量およびCo量の合計は、磁性体材料の全体において、90%以上とする。
(Co:5%以上40%以下)
Coは、本実施形態に係る磁性体材料の主要な成分であり、濃度勾配を形成して磁気特性の向上に寄与する。Co量が5%未満であると、Coの添加による効果が得られない。Co量が5%以上であれば、高い飽和磁束密度Bsを得ることができる。また、高い透磁率μが得られるため、鉄損Piを低減できる。一方、Co量が40%を超えると、従来のパーメンジュールに近い化学組成となるため、材料コストが高くなる。Co量が40%以下であれば、従来よりも材料コストを低減できる。そのため、Co量は、磁性体材料の全体において、5%以上40%以下とする。Co量は、好ましくは10%以上である。また、Co量は、好ましくは35%以下である。
(N:0%以上4.0%以下)
Nは、機械的特性や磁気特性、特に飽和磁束密度Bsの向上に寄与する。窒化鉄相としては、規則相α″-Fe16ないし不規則相α′-FeNと、γ′-FeNがある。前者はBsが高いが、後者はBsが低い。前者を形成すると、高Bsを示す磁性体材料が得られる。N量が4.0%を超えると、低磁性のγ′-FeN等が生成し易くなるため、良好な磁気特性が得られない。N量が4.0以下であれば、α″-Fe16によって、良好な磁気特性と機械的特性を得ることができる。そのため、N量は、磁性体材料の全体において、0%以上4.0%以下とする。N量は、好ましくは0.1%以上である。また、N量は、好ましくは1.0%以下である。
(C:0%以上1.0%以下)
Cは、機械的特性や磁気特性の向上に寄与する。Cは、Nと組み合わされると、Fe-C-N系の鉄窒化物を形成して、Nと同様にBsを向上させる作用を示す。C量が1.0%を超えると、低磁性の炭化物等が生成し易くなるため、良好な磁気特性が得られない。C量が1.0以下であれば、Cが固溶した鉄窒化物等によって、良好な磁気特性を得ることができる。そのため、C量は、磁性体材料の全体において、0%以上1.0%以下とする。C量は、好ましくは0.5%以下である。
(Ni:0%以上2.0%以下)
Niは、耐食性、機械的特性、温度特性等の向上に寄与する。Niは、比較的高い透磁率μや磁気モーメントを示すが、磁気特性がFeやCoに劣る。また、比較的高価であり、Nを置換型固溶させる場合に、Nの固溶量を低下させる。そのため、Ni量は、磁性体材料の全体において、0%以上2.0%以下とする。
(Mn、Si、Cr、Ti、Nb、V:0%以上0.2%以下)
Mn、Si、Cr、Ti、Nb、Vは、機械的特性等の向上に寄与する。これらの元素は、析出物を生成して、強度や靭性を向上させたり、鉄損Piを低減したりする。しかし、添加量が多いと、主要な成分であるFeやCoの量を減少させる。また、NやCと組み合わされると、低磁性の窒化物や炭化物を生成する。そのため、これらの量は、磁性体材料の全体において、0%以上0.2%以下とする。
(不可避的不純物)
不可避的不純物としては、例えば、水素(H)、リン(P)、硫黄(S)、酸素(O)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)等が挙げられる。不可避的不純物は、元素毎に、0.01質量%以下であることが好ましく、0.001質量%以下であることがより好ましい。
磁性体材料の化学組成は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)-エネルギ分散型X線分析(Energy dispersive X-ray spectroscopy:EDX)や、電子線マイクロアナライザ(Electron Probe Micro Analyzer:EPMA)等によって確認することができる。磁性体材料の結晶構造は、X線回折(X‐ray diffraction:XRD)測定によって確認することができる。
<磁性体材料の製造方法>
本実施形態に係る磁性体材料は、高濃度領域の前駆体と低濃度領域の前駆体とを積層し、前駆体間でコバルト原子を拡散させる方法によって製造することができる。各領域の前駆体としては、箔または板を用いることができる。また、箔または板の表面に成膜した薄膜も前駆体として用いることができる。
図4は、本発明の実施形態に係る磁性体材料の製造方法の一例を示す図である。
図4に示すように、コバルトの濃度勾配を有する前記の磁性体材料は、原料混合溶解工程S1と、鋳造工程S2と、焼鈍工程S3と、1次圧延工程S4と、1次焼鈍工程S5と、2次圧延工程S6と、2次焼鈍工程S7と、積層工程S8と、拡散層形成工程S9と、を含む製造方法によって製造できる。
図1において、原料混合溶解工程S1は、原料合金塊形成素工程S1aと、再溶解素工程S1bと、を含んでいる。積層工程S8は、クラッド加工工程S8a、または、物理化学的積層工程S8bから選択することができる。
なお、原料混合溶解工程S1から2次焼鈍工程S7までは、箔または板の前駆体を作製するために実施することができる。これらの工程によって、高濃度領域の前駆体、低濃度領域の前駆体や、これらの両方を作製できる。但し、これらの工程は一例を示すものであり、これらの工程の全てが必須ではなく、一部の工程の省略や、複数の工程を合わせた連続工程化等も可能である。
(原料混合溶解工程)
原料混合溶解工程S1は、磁性体材料の原料を混合して溶解する工程である。磁性体材料の原料である地金等を目的の化学組成となるように溶解炉に投入し、加熱・混合して溶湯30とする。原料を溶解する方法は、特に限定されるものではない。原料を溶解する溶解炉としては、誘導炉、アーク式電気炉、抵抗炉等の適宜の炉を用いることができる。
原料としては、高濃度領域の前駆体を作製する場合、Co:20質量%以上であり、低炭素且つ低合金元素である合金鋼、鉄-コバルト系合金等の鉄系材料や、純コバルト等のコバルト系材料を用いることができる。また、低濃度領域の前駆体を作製する場合、Co:10質量%以下である純鉄や、低炭素且つ低合金元素である鉄鋼、合金鋼、電磁鋼、鉄-コバルト系合金等の鉄系材料を用いることができる。溶解時には、化学組成に応じて、溶融精錬、炉外精錬等の精錬を行ってもよい。
原料混合溶解工程S1は、原料合金塊形成素工程S1aと、再溶解素工程S1bと、を含むことが好ましい。原料合金塊形成素工程S1aは、磁性体材料の原料を混合して溶解し、溶湯10を凝固させて合金塊11を溶製する工程である。再溶解素工程S1bは、合金塊31を再溶解する工程である。
原料合金塊形成素工程S1aおよび再溶解素工程S1bを行うと、一旦溶製された合金塊11を再溶解させるため、再溶解時に浮上した介在物の除去が可能であり、凝固時に生じるマクロ偏析も低減される。そのため、O、P、S等の不可避的不純物やマクロ偏析が低減されており、清浄度が高い清浄化溶湯32を得ることができる。
合金塊31を再溶解する方法は、特に限定されるものではない。合金塊31の再溶解は、コストを削減する観点や、必要とされる精錬作用を得る観点等からは、真空アーク再溶解(Vacuum Arc Remelting:VAR)法や、エレクトロスラグ再溶解(Electro Slag Remelting:ESR)法によって行うことが好ましい。
(鋳造工程)
鋳造工程S2は、原料を溶解した溶湯を凝固させて圧延加工の素材を鋳造する工程である。溶湯30を注型してスラブ状の鋳造成形体50とする。再溶解素工程S1bを行う場合は、清浄化溶湯32を注型して清浄度が高い鋳造成形体50とする。
鋳造成形体50の厚さや、鋳造の方法は、特に限定されるものではない。鋳造成形体50の厚さは、例えば、1~3mmとすることができる。鋳造は、連続鋳造、精密鋳造、砂型鋳造、金型鋳造等の適宜の方法で行うことができる。連続鋳造は、以降の工程と一体的に連続して行うことができる。精密鋳造は、最終製品の形状に近い板状ないし箔状の鋳造成形体50を形成する限り、ワックスを使用しない鋳造であってもよい。
精密鋳造等の鋳造時には、大型の合金塊を一旦鋳造し、得られた合金塊を適切な大きさに分割し、分割された合金片を再溶解して本鋳造を行うことがある。このような鋳造法を用いる場合、結晶粒の粗大化を抑制する観点から、一般的な鋼板等の場合と比較して、凝固速度を速くすることが好ましい。本鋳造時の冷却方法としては、接触伝導冷却、水冷、強制空冷等を用いることができる。
(焼鈍工程)
焼鈍工程S3は、鋳造された成形体を完全焼鈍する工程である。鋳造された鋳造成形体50を、鉄-コバルト系の共析温度(A1変態点)よりも高温で熱処理して鋳造組織を均質化する。熱処理の温度は、1000℃以上が好ましい。
(1次圧延工程)
1次圧延工程S4は、鋳造された成形体を1次圧延する工程である。1次圧延では、鋳造された鋳造成形体50を、所定の中間的な圧延率(圧下率)まで圧延する。一次圧延は、冷間圧延とすることができる。例えば、1~3mmの成形体を、0.2mmまで冷間圧延できる。1次圧延の圧延荷重は、例えば、1~10kNとすることができる。
(1次焼鈍工程)
1次焼鈍工程S5は、1次圧延された1次圧延材を中間焼鈍する工程である。1次圧延材60を熱処理して歪み取り焼鈍を行い、1次圧延後に残留している残留応力を緩和する。加工歪みを除去すると、磁性体材料の磁気特性、特に鉄損Piを低減できる。熱処理の温度は、1000℃以上が好ましい。
(2次圧延工程)
2次圧延工程S6は、1次圧延材を2次圧延する工程である。2次圧延では、一次圧延材60を、高濃度領域の前駆体や低濃度領域の前駆体に求められる厚さまで圧延する。例えば、0.2mmの1次圧延材60を、0.1mmまで冷間圧延できる。2次圧延の圧延荷重は、例えば、4~6kNとすることができる。
(2次焼鈍工程)
2次焼鈍工程S7は、2次圧延された2次圧延材を中間焼鈍する工程である。2次圧延材を熱処理して歪み取り焼鈍を行い、2次圧延後に残留している残留応力を緩和する。加工歪みを除去すると、磁性体材料の磁気特性、特に鉄損Piを低減できる。熱処理の温度は、1000℃以上が好ましい。
(積層工程)
積層工程S8は、高濃度領域の前駆体と低濃度領域の前駆体とを積層する工程である。積層工程S8では、所定の厚さまで圧延された圧延材を、高濃度領域の前駆体や低濃度領域の前駆体として用いることができる。積層工程S8では、前駆体同士を積層する方法に応じて、クラッド加工工程S8aまたは化学的積層工程S8bを行う。
クラッド加工工程S8aは、高濃度領域の前駆体と低濃度領域の前駆体とを機械的加工によって接合する工程である。製造しようとする磁性体材料の層構成に応じて、高濃度領域の前駆体と、低濃度領域の前駆体とを重ね合わせ、互いに圧着ないし溶着させる。高濃度領域および低濃度領域のうちの少なくとも一方を複数領域含む層構成とする場合、高濃度領域の前駆体と低濃度領域の前駆体とを交互に積層する。
クラッド加工工程S8aでは、高濃度領域の前駆体としては、Co:20質量%以上である鉄系材料または純コバルト等のコバルト系材料で形成された箔または板を用いることができる。低濃度領域の前駆体としては、Co:0質量%を超え10質量%以下である鉄系材料で形成された箔または板を用いることができる。
前駆体同士を接合させる方法としては、熱間圧接(圧延)法、冷間圧接(圧延)法、摩擦圧接法、超音波接合法等の適宜の方法を用いることができる。前駆体同士を接合させる装置としては、圧延ロール、プレス機、摩擦圧接機、超音波金属接合機等を用いることができる。
前駆体同士の接合は、前駆体同士を互いに仮止めできる限り、コバルト原子の拡散を伴わなくてよい。圧着または溶着で接合させなくとも、前駆体同士が互いに固定される場合には、クラッド加工工程S8aを省略することも可能である。
物理化学的積層工程S8bは、高濃度領域の前駆体と低濃度領域の前駆体とを物理的成膜法または化学的成膜法によって積層する工程である。製造しようとする磁性体材料の層構成に応じて、高濃度領域の前駆体および低濃度領域の前駆体のうち、いずれか一方の前駆体の片面または両面に、他方の前駆体としての薄膜を成膜する。
物理化学的積層工程S8bでは、高濃度領域の前駆体としては、Co:20質量%以上である鉄系材料で形成された箔または板を用いるか、或いは、Co:20質量%以上である鉄系材料で形成された薄膜または純コバルト等のコバルト系材料で形成された薄膜を成膜することができる。低濃度領域の前駆体としては、Co:0質量%を超え10質量%以下である鉄系材料で形成された箔または板を用いるか、或いは、Co:0質量%を超え10質量%以下である鉄系材料で形成された薄膜を成膜することができる。
成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的成膜法や、電気めっき法、電解めっき法等の化学的成膜法を用いることができる。化学的成膜法を用いる場合は、低濃度領域の前駆体として、箔または板を用いると共に、高濃度領域の前駆体として、薄膜を成膜することが好ましい。また、高濃度領域の前駆体として、純コバルト膜を成膜することが好ましい。
積層工程S8では、製造しようとする磁性体材料の層構成に応じて、クラッド加工工程S8aおよび化学的積層工程S8bのいずれか一方を行ってもよいが、これらの両方を組み合わせて行ってもよい。高濃度領域の前駆体や低濃度領域の前駆体としては、磁性体材料を構成する各領域の目標厚さに応じて、適宜の厚さの箔または板を用いたり、適宜の厚さの薄膜を形成したりすることができる。
拡散層形成工程S9は、高濃度領域の前駆体および低濃度領域の前駆体を熱処理して原子を拡散させる工程である。互いに積層された高濃度領域の前駆体および低濃度領域の前駆体を熱処理して、前駆体同士の間でコバルト原子等を拡散させる。コバルト原子の拡散後に冷却すると、高濃度領域の前駆体と低濃度領域の前駆体との界面近傍に濃度遷移領域が形成されており、コバルトの濃度勾配が形成された磁性体材料が得られる。
原子を拡散させる熱処理の温度は、800℃以上1200℃以下が好ましい。800℃以上であると、原子の拡散速度が十分に大きいため、コバルトの濃度勾配を短時間で形成できる。また、1200℃以下であると、不純物が混入し難くなり、前駆体が溶融せず、結晶粒の粗大化も抑制できる。熱処理の時間は、0.1時間以上12時間以下が好ましい。原子を拡散させる熱処理は、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
拡散層形成工程S9では、熱処理で原子を拡散させるため、高濃度領域の前駆体と低濃度領域の前駆体との界面近傍に濃度遷移領域が形成される。そのため、領域間で磁化状態が伝搬し易くなる。また、コバルト原子等を拡散させるため、磁性体材料の機械的特性を向上させることができる。また、クラッド加工等で生じた加工歪みを除去できるため、磁性体材料の磁気特性、特に鉄損Piを低減できる。
なお、以上の工程では、鋳造された成形体に対して、多段の冷間圧延や中間焼鈍を施しているが、高濃度領域の前駆体や低濃度領域の前駆体を作製する方法は、これらの方法に限定されるものではない。高濃度領域の前駆体や低濃度領域の前駆体は、熱間圧延や、熱間圧延と冷間圧延の組み合わせ等を用いて作製してもよい。また、原料混合溶解工程S1から以降の工程までを、多層化させるロールキャストによって一体的に連続して行ってもよい。
<磁性体材料の元素置換>
本実施形態に係る磁性体材料は、材料の全体において、N:0質量%を超え4.0質量%以下の化学組成として、窒素原子を置換型固溶させてもよい。すなわち、本実施形態に係る磁性体材料は、0質量%を超え4.0質量%以下の窒素(N)を含み、規則相α″-Fe16および不規則相α′-FeNのうちの少なくとも一方を含む磁性体材料としてもよい。
規則相α″-Fe16は、α-FeにNが侵入して格子間隔がc軸方向に拡張した結晶構造を有し、体心正方晶(bct)であり、高い飽和磁束密度Bsを示す。規則相α″-Fe16と不規則相α′-FeNは、必ずしも明確に区別できない場合があるが、これらの窒化鉄相を含むと、高Bsが得られる傾向がある。
本実施形態に係る磁性体材料は、0質量%を超え4.0質量%以下の窒素(N)を含み、規則相α″-Fe16および不規則相α′-FeNのうちの少なくとも一方に含まれる鉄(Fe)の一部または全部がコバルト(Co)に置換された磁性体材料としてもよい。
規則相α″-Fe16ないし不規則相α′-FeNは、高濃度領域、低濃度領域および濃度遷移領域のうち、いずれの領域に含まれてもよいが、低濃度領域に少なくとも含まれることが好ましい。これらの窒化鉄相は、原子の拡散性から、低濃度領域に安定的に形成されるため、コバルトの濃度勾配が形成された磁性体材料の磁気特性を向上させることができる。
窒化鉄相を合成する方法としては、高濃度領域の前駆体や低濃度領域の前駆体を被処理材として、拡散層形成工程S9よりも前に、浸窒素熱処理を施す方法を用いることができる。また、コバルトの濃度勾配が形成された磁性体材料を被処理材として、拡散層形成工程S9よりも後に、浸窒素熱処理を施す方法を用いることができる。
具体的には、窒化鉄相を合成する場合、高濃度領域の前駆体や低濃度領域の前駆体、または、コバルトの濃度勾配が形成された磁性体材料を、浸窒素熱処理工程と、冷却工程と、に供することができる。被処理材の厚さは、例えば、0.01mm以上1mm以下であることが好ましい。被処理材としては、原子の拡散性から、高濃度領域の前駆体および低濃度領域の前駆体のうち、少なくとも低濃度領域の前駆体を処理することが好ましい。
高濃度領域の前駆体や低濃度領域の前駆体を被処理材とする場合、予め均質化熱処理工程に供することが好ましい。均質化熱処理工程は、被処理材をオーステナイト形成温度(Ac3変態点)以上に加熱して均質化する工程である。均質化熱処理は、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行う。例えば、被処理材を900℃以上に加熱して、材料中の化学成分を均一性高い状態に拡散させる。
浸窒素熱処理工程は、熱処理下の被処理材に浸窒素性ガスを接触させて、被処理材中に窒素を侵入・拡散させる工程である。浸窒素熱処理は、共析温度(A1変態点)よりも高温で行うことが好ましい。窒素は、γ相等には固溶し易いためである。例えば、ガス冷却した材料を700~900℃に加熱して、不活性ガス雰囲気下、1×10Pa前後に調整した浸窒素性ガスを供給する。浸窒素性ガスとしては、アンモニア等を用いることができる。
浸窒素熱処理工程は、拡散層形成工程S9中に行うこともできる。不活性ガス雰囲気下、コバルト原子等を拡散させている間に、浸窒素性ガスを供給すると、磁性体材料の母相中に窒素を侵入・拡散させて、置換型固溶させることができる。
冷却工程は、被処理材をマルテンサイト変態温度(Ms変態点)以下に急冷して、体心正方晶(bct)のマルテンサイト組織に相変態させる工程である。急冷は、油、水等の冷却材で100℃未満まで冷却する処理、好ましくはドライアイス、液体窒素等の冷却材で0℃以下まで冷却するサブゼロ処理とすることができる。
浸窒素熱処理された被処理材を急冷すると、母相中に窒素原子が固溶しており、規則相α″-Fe16ないし不規則相α′-FeNが形成された磁性体材料が得られる。窒素原子は、合金相よりもFe相に拡散し易いため、特に、低濃度領域側に高い体積率で窒化鉄相を形成することができる。
本実施形態に係る磁性体材料は、0質量%を超え4.0質量%以下の窒素(N)、および、0質量%を超え1.0質量%以下の炭素(C)を含み、規則相α″-Fe16および不規則相α′-FeNのうちの少なくとも一方に含まれる窒素(N)の一部が炭素(C)に置換された磁性体材料としてもよい。
窒素の一部を炭素で置換する場合、冷却工程よりも前、且つ、浸窒素熱処理工程の前または後に、被処理材に共析温度(A1変態点)よりも高温で浸炭処理を施す。浸炭処理は、例えば、ガス浸炭等で行うことができる。浸炭性ガスとしては、アセチレン、メタン、プロパン、ブタン等を用いることができる。浸炭性ガスは、不活性ガス雰囲気下、連続的または間欠的に供給することができる。
窒素の一部を炭素で置換する場合、被処理材に共析温度(A1変態点)よりも高温で浸炭処理を施した後、200℃付近まで冷却して炭化物を生成させることが好ましい。続いて、炭化物を生成させた後、被処理材を共析温度(A1変態点)付近まで加熱して保持した後、オーステナイト形成温度(Ac3変態点)以上に急速加熱してから急冷することが好ましい。
例えば、浸炭処理後に冷却して炭化物を生成させた被処理材を、700~900℃に加熱して保持した後、900℃以上に急速加熱する。急速加熱の加熱速度は、100℃/秒以上であることが好ましい。急速加熱は、950℃付近で1秒程度保持する処理であることが好ましい。
このように、被処理材を共析温度付近まで加熱すると、γ相よりも炭素の固溶限界が低い相に炭化物を分散させることができる。その後に急速加熱すると、母相中に分散させた炭化物が急速に分解されるため、炭素原子を均一性高く固溶させることができる。そのため、急冷すると、窒素の一部が均一性高く炭素で置換されている被処理材が得られる。
<軟磁性鋼板>
本実施形態に係る磁性体材料は、箔状または板状の軟磁性鋼板の形態で用いることができる。軟磁性鋼板は、前記の磁性体材料で形成された軟磁性を示す鋼板であり、コバルトの濃度勾配が形成されており、高濃度領域、低濃度領域および濃度遷移領域を有する。軟磁性鋼板の厚さは、例えば、1μm以上1mm以下である。
軟磁性鋼板は、コバルトの濃度勾配が形成されており、高濃度領域、低濃度領域および濃度遷移領域を有する箔または板の磁性体材料が、積層された形態とされてもよい。積層型の軟磁性鋼板は、このような磁性体材料を含む限り、低炭素鋼板、電磁純鉄板、電磁鋼板、鉄-ケイ素系合金板、鉄-コバルト系合金板等を含んでもよい。
<鉄心・回転電機>
本実施形態に係る磁性体材料を用いた軟磁性鋼板は、鉄心の材料として用いることができる。鉄心は、軟磁性鋼板を打ち抜いて積層することによって形成される。このような鉄心は、回転電機の固定子に用いることができる。鉄心は、コバルトの濃度勾配が形成されており、高濃度領域、低濃度領域および濃度遷移領域を有する箔または板の磁性体材料を用いている限り、低炭素鋼板、電磁純鉄板、電磁鋼板、鉄-ケイ素系合金板、鉄-コバルト系合金板等を含んでもよい。
図5は、回転電機の固定子の一例を模式的に示す斜視図である。図6は、固定子のスロット領域を拡大して模式的に示す横断面図である。なお、横断面とは、回転軸方向に直交する断面(法線が回転軸方向と平行である断面)を意味する。回転電機では、図5~図6に示す固定子の径方向の内側に、回転子(図示せず)が配設される。
図5~図6に示すように、固定子10は、鉄心11の内周側に形成された複数の固定子スロット12に、固定子コイル20が巻装されたものである。固定子スロット12は、鉄心11の周方向に所定の周方向ピッチで配列形成されると共に、軸方向に貫通形成された空間であり、最内周部分には軸方向に延びるスリット13が開口形成されている。隣り合う固定子スロット12の仕切る領域は、鉄心11のティース14と称される。ティース14の内周側先端領域でスリット13を規定する部分は、ティース爪部15と称される。
固定子コイル20は、通常、複数のセグメント導体21から構成される。例えば、図5~図6において、固定子コイル20は、三相交流のU相、V相、W相に対応する3本のセグメント導体21から構成されている。また、セグメント導体21と鉄心11との間の部分放電、および、各相(U相、V相、W相)間の部分放電を防止する観点から、各セグメント導体21は、通常、その外周を電気絶縁材22(例えば、絶縁紙、エナメル被覆)で覆われる。
本実施形態に係る軟磁性鋼板を用いた鉄心および回転電機とは、本実施形態に係る軟磁性鋼板を所定の形状に成形加工したものを軸方向に多数枚積層して形成された鉄心11および該鉄心11を利用した回転電機である。軟磁性鋼板は、純鉄を超える飽和磁束密度Bsと純鉄と同程度以下の保磁力Hcという磁気特性を示すことから、従来の電磁鋼板を用いた鉄心よりも電気エネルギと磁気エネルギとの変換効率を高めた鉄心を提供できる。高効率な鉄心は、回転電機の小型化や高トルク化を実現することができる。
また、本実施形態に係る軟磁性鋼板は、Fe-Co系鋼板よりも材料コストが低い低炭素鋼板、電磁純鉄板等を採用可能なことから、高効率な鉄心および回転電機を低コストで提供できる利点もある。
本実施形態に係る軟磁性鋼板を鉄心に用いた回転電機は、このような固定子(コア)10と、固定子コイル20と、回転子(ロータ)と、を備える。固定子(コア)10は、鉄心11のティース14、ティース爪部15およびバックヨークは、コバルトの濃度勾配が形成されており、高濃度領域、低濃度領域および濃度遷移領域を有する箔または板の磁性体材料を含むため、材料コストを抑制して、高い飽和磁束密度Bsが得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、本発明は、必ずしも前記の実施形態が備える全ての構成を備えるものに限定されない。或る実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えたり、或る実施形態の構成の一部を他の形態に追加したり、或る実施形態の構成の一部を省略したりすることができる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
(実施例T-1)
コバルトの濃度勾配を有する磁性体材料を作製し、飽和磁束密度Bsと、鉄損Piと、金属組織および化学組成を評価した。高濃度領域の前駆体としては、Fe-50Co合金の箔材を用いた。低濃度領域の前駆体としては、高濃度領域の前駆体の1/2の厚さであり、純Feの箔材を用いた。磁性体材料は、低濃度領域/(濃度遷移領域)/高濃度領域/(濃度遷移領域)/低濃度領域が、この順に積層された3層構造とした。
高濃度領域の前駆体を芯材、低濃度領域の前駆体を皮材として、芯材の両面に皮材をクラッドして、表1に示す化学組成の積層体を得た。この積層体を表1に示す条件で熱処理して、コバルトの濃度勾配を有する3層構造の実施例T-1に係る磁性体材料を得た。厚さは、約200μmである。得られた磁性体材料を、飽和磁束密度Bsの測定、鉄損Piの測定、金属組織の観察、組成分析に供した。
(実施例T-2)
熱処理の条件を表1のように変えた点を除いて、実施例T-1と同様にして、コバルトの濃度勾配を有する3層構造の実施例T-2に係る磁性体材料を作製し、飽和磁束密度Bsの測定、鉄損Piの測定、金属組織の観察、組成分析に供した。
(比較例C-1)
表1に示す化学組成を有し、コバルトの濃度勾配を有しないバルク(1層構造)の比較例C-1に係る箔材を、飽和磁束密度Bsの測定、鉄損Piの測定に供した。厚さは、約200μmである。
(比較例C-2)
表1に示す化学組成を有し、コバルトの濃度勾配を有しない(1層構造)バルクの比較例C-2に係る箔材を、飽和磁束密度Bsの測定、鉄損Piの測定に供した。厚さは、約200μmである。
(比較例C-3)
表1に示す化学組成を有し、コバルトの濃度勾配を有しない(1層構造)バルクの比較例C-3に係る箔材を、飽和磁束密度Bsの測定、鉄損Piの測定に供した。厚さは、約200μmである。
(参考例R-1)
表1に示す化学組成を有し、コバルトの濃度勾配を有しない3層構造の参考例R-1に係る磁性体材料を作製し、飽和磁束密度Bsの測定、鉄損Piの測定に供した。この磁性体材料は、Fe-50Co合金の箔材と、この箔材の1/2の厚さであり、純Feの箔材とを、実施例T-1と同様の配置で単に積層し、熱処理を施すことなく得た。厚さは、約200μmである。
[鉄損の測定]
鉄損の測定は、次の手順で行った。作製した各磁性体材料から4cm×10cmの試験片を採取した。BHループアナライザ(IFG社製、IF-BH550)と縦型ヨーク単板試験機を用いたHコイル法により、磁束密度1.0T、400Hz、温度20℃の条件下で試験片の鉄損Pi(単位:W/kg)を測定した。
[飽和磁束密度の測定]
飽和磁束密度の測定は、次の手順で行った。作製した各磁性体材料から4cm×10cmの試験片を採取した。振動試料型磁束計(VSM、理研電子社製、BHV-525H)を用いて、印加磁界1.6MA/m、温度20℃における試験片の磁化(単位:emu)を測定し、試験片の体積および質量から飽和磁束密度Bs(単位:T)を求めた。
[組織観察・組成分析]
合金組織の観察および化学組成の分析は、次の手順で行った。作製した各磁性体材料から4cm×10cmの試験片を採取した。走査型電子顕微鏡(SEM、日立ハイテクノロジーズ社製、S-3400N)を用いて、15kVで、試験片の断面方向における反射電子像の観察と、SEM-EDXによる成分分析を行った。
表1に、各磁性体材料の化学組成、熱処理の条件、鉄損および飽和磁束密度の測定結果を示す。
Figure 2022168753000002
表1に示すように、コバルトの濃度勾配を有する実施例T-1,T-2は、全体として同じ化学組成である比較例C-3と比較して、類似した高い飽和磁束密度Bsを示した。実施例T-1,T-2は、比較例C-3と比較して、鉄損Piが低減された。コバルトの濃度勾配を形成すると、高い飽和磁束密度Bsと低い鉄損Piを両立できることが確認できた。
図7および図8は、実施例に係る磁性体材料の走査型電子顕微鏡による反射電子像と組成分析の結果を示す画像である。
図7および図8には、磁性体材料の断面を観察した走査型電子顕微鏡(SEM)による反射電子(Back Scattered Electron:BSE)像と、磁性体材料の断面方向に分析したSEM-EDXのスペクトルを合成した結果を示す。図7は、実施例T-1の結果である。図8は、実施例T-2の結果である。
図7および図8に示すように、前駆体を積層した積層体を熱処理し、コバルト原子を拡散させると、高濃度領域、低濃度領域および濃度遷移領域が形成された。実施例T-2は、実施例T-1と比較して、熱処理の時間が長いため、濃度遷移領域の厚さが拡大し、高濃度領域や低濃度領域の厚さが薄くなることが確認された。
1,2,3…磁性体材料、10…固定子、11…鉄心、12…固定子スロット、13…スリット、14…ティース、15…ティース爪部、20…固定子コイル、21…セグメント導体、22…電気絶縁材、100…高濃度領域、200…低濃度領域、300…濃度遷移領域

Claims (8)

  1. FeとCoを合計で90質量%以上含む磁性体材料であって、
    前記磁性体材料は、箔または板であり、5質量%以上40質量%以下のCoを含み、
    前記箔または前記板の厚さ方向において、
    20質量%以上のコバルト濃度を有する高濃度領域と、
    0質量%を超え10質量%以下のコバルト濃度を有する低濃度領域と、
    前記高濃度領域のコバルト濃度と前記低濃度領域のコバルト濃度とをつなぐ濃度遷移領域と、を有する磁性体材料。
  2. 請求項1に記載の磁性体材料であって、
    0質量%を超え1.0質量%以下のC、および、0質量%を超え4.0質量%以下のNのうちの少なくとも一方を含む磁性体材料。
  3. 請求項1に記載の磁性体材料であって、
    0質量%を超え4.0質量%以下のNを含み、
    規則相α″-Fe16および不規則相α′-FeNのうちの少なくとも一方を含む磁性体材料。
  4. 請求項3に記載の磁性体材料であって、
    0質量%を超え1.0質量%以下のCを含み、
    前記規則相α″-Fe16および前記不規則相α′-FeNのうちの少なくとも一方に含まれるNがCに置換された磁性体材料。
  5. 請求項1に記載の磁性体材料であって、
    前記濃度遷移領域におけるコバルトの濃度勾配が0.1質量%/μm以上10質量%/μm以下である磁性体材料。
  6. 請求項1に記載の磁性体材料であって、
    前記高濃度領域および前記低濃度領域のうちの少なくとも一方を複数含む磁性体材料。
  7. 軟磁性鋼板が積層された鉄心であって、前記軟磁性鋼板の一部または全部が、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の磁性体材料で形成されている鉄心。
  8. FeとCoを含む磁性体材料の製造方法であって、
    前記磁性体材料は、箔または板であり、
    20質量%以上のコバルト濃度を有する鉄系材料で形成された前駆体と、0質量%を超え10質量%以下のコバルト濃度を有する鉄系材料またはコバルト系材料で形成された前駆体とを積層し、
    互いに積層された前記前駆体を熱処理して原子を拡散させて、前記箔または前記板の厚さ方向において、20質量%以上のコバルト濃度を有する高濃度領域と、0質量%を超え10質量%以下のコバルト濃度を有する低濃度領域と、前記高濃度領域のコバルト濃度と前記低濃度領域のコバルト濃度とをつなぐ濃度遷移領域と、を形成する磁性体材料の製造方法。
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