JP2022167781A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤ内腔面から制音体が剥離するのを長期に亘って抑制することができる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】タイヤ内腔面1iを含む空気入りタイヤである。タイヤ内腔面1iには、多孔質状の制音体10が固定化層11を介して固着されている。制音体10の硬さGaと、固定化層11の硬さGbとは、下記の式(1)を満足する。|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦10 …(1)【選択図】図2
Description
本発明は、空気入りタイヤに関する。
下記特許文献1には、トレッド部の内腔面に、多孔質状の制音体が固着された空気入りタイヤが提案されている。この空気入りタイヤは、前記制音体によって、走行ノイズの抑制を期待している。
上述のような空気入りタイヤでは、走行に伴って、前記制音体がタイヤ内腔面から剥離する傾向があり、改善が求められていた。
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、タイヤ内腔面から制音体が剥離するのを長期に亘って抑制することができる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、タイヤ内腔面を含む空気入りタイヤであって、前記タイヤ内腔面には、多孔質状の制音体が固定化層を介して固着されており、前記制音体の硬さGaと、前記固定化層の硬さGbとは、下記の式(1)を満足する。
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦10 …(1)
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦10 …(1)
本発明の空気入りタイヤは、下記式(2)を満足するのが望ましい。
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦5 …(2)
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦5 …(2)
本発明の空気入りタイヤは、下記式(3)を満足するのが望ましい。
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦1 …(3)
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦1 …(3)
本発明の空気入りタイヤの前記制音体は、タイヤ軸方向の幅W1を有し、前記幅W1/前記硬さGbは、1.1×10-4以上であるのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記幅W1/前記硬さGbは、1.5×10-4以上であるのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記固定化層は、タイヤ軸方向の幅W2を有し、前記幅W2/前記硬さGaは、1.1×10-4以上であるのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記幅W2/前記硬さGaは、1.5×10-4以上であるのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記硬さGaは、前記硬さGbよりも大きいのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記硬さGaと前記硬さGbとの差は、1.0×104(Pa)よりも小さいのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記制音体のタイヤ半径方向の外周面は、前記固定化層を介して前記タイヤ内腔面に固着された第1部分と、前記タイヤ内腔面に固着されていない第2部分とを含むのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記第1部分の合計面積S1は、前記第2部分の合計面積S2よりも小さいのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記第1部分の合計面積S1/前記硬さGbは、0.3以上であるのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記固定化層は、タイヤ軸方向の中央部と、前記中央部よりも厚さが大きいタイヤ軸方向の端部とを含むのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部にベルト層が配され、前記固定化層のタイヤ軸方向の外端は、前記ベルト層のタイヤ軸方向の外端よりもタイヤ軸方向内側に配されているのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記固定化層は、タイヤ軸方向の幅W2を有し、前記ベルト層は、タイヤ軸方向の幅W3を有し、前記幅W2、前記幅W3及び前記硬さGaは、下記式(4)を満足するのが望ましい。
(W3-W2)/Ga<1.0×10-4…(4)
(W3-W2)/Ga<1.0×10-4…(4)
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記制音体は、トレッド部に固着されており、正規リムに組み込まれ、正規内圧が充填された無負荷の正規状態で、前記制音体のタイヤ軸方向の幅W1は、ビードベースラインからサイドウォール部の内腔面における最大幅位置までのタイヤ半径方向距離よりも小さいのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤは、上記の構成を採用したことによって、タイヤ内腔面から制音体が剥離するのを長期に亘って抑制することができる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。図1は、本発明の一実施形態を示す空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という場合がある。)1の正規状態におけるタイヤ子午線断面図である。本実施形態では、好ましい態様として、乗用車用の空気入りタイヤ1が示される。但し、本発明は、例えば、自動二輪車用や重荷重用の空気入りタイヤ1として採用されても良い。
前記「正規状態」とは、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。各種の規格が定められていないタイヤの場合、前記正規状態は、タイヤの使用目的に応じた標準的な使用状態であって車両に未装着かつ無負荷の状態を意味する。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1の内部には、カーカス6やベルト層7等、従来のタイヤ構成部材が配されている。これらタイヤ構成部材には、公知の態様が適宜採用され得る。
カーカス6は、一方側のビード部4から、一方側のサイドウォール部3、トレッド部2、他方側のサイドウォール部3を経て、他方側のビード部4に至る。また、カーカス6は、少なくとも1枚、本実施形態では2枚のカーカスプライ6Aを有する。カーカスプライ6Aは、例えば、カーカスコードの配列体がトッピングゴムで被覆されて形成されている。カーカスコードは、例えば、タイヤ周方向に対して75~90°の角度で配されている。カーカスコードには、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維等の有機繊維が適用される。
カーカスプライ6Aは、例えば、本体部6aと折返し部6bとを含んでいる。本体部は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビードコア5に至る。折返し部6bは、本体部6aに連なり、ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されてタイヤ半径方向外側に延びている。
ベルト層7は、トレッド部2においてカーカス6のタイヤ半径方向外側に配されている。ベルト層7は、少なくとも1枚のベルトプライを含み、本実施形態のベルト層7は、2枚のベルトプライ7A、7Bで構成されている。ベルトプライ7A、7Bは、例えば、ベルトコードの配列体がトッピングゴムで被覆されて形成されている。
図2には、トレッド部2の拡大図が示されている。図2に示されるように、トレッド部2のタイヤ内腔面1iには、多孔質状の制音体10が固定化層11を介して固着されている。この制音体10は、走行中のタイヤの内部において、空気の振動を吸収でき、タイヤが発生するノイズを低減するのに役立つ。なお、図2では、発明を理解し易いように、固定化層11が実物よりも厚く描かれている。
制音体10は、硬さGaを有している。固定化層11は、硬さGbを有している。本明細書において、前記硬さGa及びGbは、それぞれ、各部材の貯蔵弾性率を意味し、例えば、JIS K7244の規格で定められた方法で測定することができる。
本実施形態の前記硬さGa及びGbは、それぞれ、各部材を厚さ1mmのサンプルとして採取したもので測定される。測定方法としては、前記サンプルをφ7.9mmのパラレルプレートを装着したTA Insturments社製のARESの該パラレルプレート間に載置し、50℃に昇温させた後、垂直抗力の安定化を確認し、温度30℃、角周波数10Hz、動歪±2%の条件により、貯蔵弾性率が測定される。
なお、固定化層11について、厚さ1mmのサンプルを採取することが困難な場合は、採取可能な固定化層11の小片を集めて積層させ、前記サンプルを作成しても良い。
本発明では、制音体10の硬さGaと、固定化層11の硬さGbとは、下記の式(1)を満足する。これにより、本発明では、タイヤ内腔面1iから制音体10が剥離するのを長期に亘って抑制することができる。その理由としては、以下のメカニズムが推察される。
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦10 …(1)
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦10 …(1)
従来の制音体付き空気入りタイヤでは、ウレタン発泡体等の比較的柔らかい素材からなる制音体が、硬化接着型の接着材からなる固定化層を介してタイヤ内腔面に固着されている場合が多い。このような態様は、制音体が剥離し易いという問題があった。その理由は、制音体と固定化層との硬さの差が大きいために、制音体と固定化層との間に応力集中が生じるためと考えられる。
このため、上述の不具合を抑制するには、制音体と固定化層との硬さの差を小さくすることが望ましいと考えられる。一方、制音体及び固定化層は、様々な素材が採用され得る。また、固定化層は、接着剤の硬化物の場合もあり、粘着テープの場合もある。また、制音体10は、空気の振動を吸収する多孔質状である。このため、制音体と固定化層の硬さの差を一義的に規定し難いという問題があった。
発明者らは、鋭意研究の結果、上記式(1)により、制音体10と固定化層11との硬さの差を一義的に規定できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明では、制音体10の硬さGaと、固定化層11の硬さGbとの差が上記の式(1)を満足することにより、制音体10と固定化層11との間に応力集中が発生し難くなり、制音体10の剥離が抑制できると考えられる。
以下、本実施形態のさらに詳細な構成が説明される。なお、以下で説明される各構成は、本実施形態の具体的態様を示すものである。したがって、本発明は、以下で説明される構成を具えないものであっても、上述の効果を発揮し得るのは言うまでもない。また、上述の特徴を具えた本発明のタイヤに、以下で説明される各構成のいずれか1つが単独で適用されても、各構成に応じた性能の向上は期待できる。さらに、以下で説明される各構成のいくつかが複合して適用された場合、各構成に応じた複合的な性能の向上が期待できる。なお、以下で説明される各部の寸法は、タイヤがリム組みされず、かつ、2つのビードコア5(図1に示す)間の距離が前記正規状態と同じとされ、しかも、無負荷の状態における寸法を指すものとする。
上述の効果をさらに高めるために、制音体10の硬さGaと、固定化層11の硬さGbとは、下記の式(2)を満足するのが望ましく、下記式(3)を満足するのがより望ましい。
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦5 …(2)
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦1 …(3)
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦5 …(2)
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦1 …(3)
制音体10としては、エーテル系ポリウレタンスポンジ、エステル系ポリウレタンスポンジ、ポリエチレンスポンジなどの合成樹脂スポンジ、クロロプレンゴムスポンジ(CRスポンジ)、エチレンプロピレンゴムスポンジ(EPDMスポンジ)、ニトリルゴムスポンジ(NBRスポンジ)などのゴムスポンジを好適に用いることができる。なかでも、制音性、軽量性、発泡の調節可能性又は耐久性などの観点からエーテル系ポリウレタンスポンジを含むポリウレタン系のスポンジが好ましい。
制音体10のタイヤ軸方向の幅W1は、例えば、60~100mmであり、望ましくは70~90mmである。制音体の10の厚さは、例えば、25~50mmであり、望ましくは30~40mmである。但し、制音体10は、このような寸法に限定されるものではない。
本実施形態では、前記正規状態で、制音体10のタイヤ軸方向の幅W1は、ビードベースラインからサイドウォール部3の内腔面における最大幅位置までのタイヤ半径方向距離h1よりも小さい。なお、ビードベースラインは、タイヤが基づく規格で定まるリム径位置を通るタイヤ軸方向線である。
発明者らは、種々の実験の結果、制音体10のノイズ低減効果は、制音体10の前記幅W1が前記タイヤ半径方向距離h1よりも小さい場合でも、十分に発揮できることを知見した。本実施形態では、制音体10の前記幅W1が前記タイヤ半径方向距離h1よりも小さく規定することにより、制音体10によるタイヤ重量の増加を出来るだけ抑制しつつ、ノイズを十分に低減させることができる。
タイヤ重量の増加を抑制しつつ、ノイズ性能を高める観点から、制音体10の前記幅W1は、前記タイヤ半径方向距離h1の好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上であり、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。
制音体10の硬さGaは、例えば、3.0×103(Pa)~5.0×107(Pa)である。このような制音体10は、公知の方法により製造することができる。但し、制音体10の硬さGaは、このような範囲に限定されるものではない。
本実施形態の固定化層11は、接着剤の硬化物で構成されている。但し、このような態様に限定されるものではなく、固定化層11は、粘着性を有する粘着剤で構成されても良い。また、固定化層11は、両面テープで構成されても良い。
固定化層11に使用可能な粘着剤、接着剤としては、無機系粘着剤(接着剤)、有機系粘着剤(接着剤)等が挙げられる。無機系粘着剤(接着剤)としては、珪酸ソーダ、セメント、セラミックス等が挙げられる。有機系粘着剤(接着剤)としては、天然系、合成系(熱可塑性樹脂系、熱硬化性樹脂系、エラストマー系等)の粘着剤(接着剤)が挙げられる。天然系粘着剤(接着剤)としては、デンプン系、蛋白系、天然ゴム系、アスファルト等、熱可塑性樹脂系としては、酢酸ビニル樹脂系、ポリビニルアセタール系、エチレン酢酸ビニル樹脂系、塩化ビニル樹脂系、アクリル樹脂系(ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル等)、ポリアミド系、セルロース系、α-オレフィン系等、熱硬化性樹脂系としては、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、エポキシ樹脂系、構造用アクリル樹脂系、ポリエステル系、ポリアロマティック系等、エラストマー系としては、クロロプレン系、ニトリルゴム系、スチレンブタジエンゴム系、ポリサルファイド系、ブチルゴム系、シリコーンゴム系、アクリルゴム系、変性シリコーンゴム系、ウレタンゴム系、シリル化ウレタン樹脂系、テレケリックポリアクリレート系、シアノアクリレート系等が挙げられる。
固定化層11に使用可能な両面テープは、シート状の基材と、基材の両面に付着した粘着剤とを含む。基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラートなど)などのプラスチックフィルム、レーヨン、パルプ、合成繊維、織布、不織布、綿布、アクリレート、プラスチックの発泡材シート(発泡剤を用いたアクリルフォームなど)、金属(アルミニウム、銅など)などが好適に用いられる。粘着剤としては、上述の粘着剤を適用できる。
固定化層11の硬さGbは、例えば、3.0×103(Pa)~2.0×107(Pa)である。このような固定化層11は、公知の方法により製造することができる。但し、固定化層11の硬さGbは、このような範囲に限定されるものではない。
本発明は、上述の式(1)を満足するものであれば、前記硬さGaと前記硬さGbとは、どちらが大きい場合でも構わない。すなわち、前記硬さGaは、前記硬さGbよりも大きいものでも良く、前記硬さGaは、前記硬さGbよりも小さいものでも良い。
前記硬さGaと前記硬さGbとの差は、1.0×104(Pa)以下が望ましく、より望ましくは0.5×104(Pa)以下ある。
本実施形態の固定化層11のタイヤ軸方向の外端は、ベルト層7のタイヤ軸方向の外端よりもタイヤ軸方向内側に配されているのが望ましい。これにより、制音体10が、ベルト層7をタイヤ半径方向内側に仮想延長した領域内に含まれ、制音体10が剥離し難くなる。
本実施形態の固定化層11のタイヤ軸方向の幅W2は、制音体10の外周面10oのタイヤ軸方向の幅W1と同じである。これにより、タイヤ内腔面1iに固定化層11が露出せず、埃等が付着するのを防ぐことができる。但し、固定化層11のタイヤ軸方向の幅W2は、例えば、制音体10の外周面10oのタイヤ軸方向の幅W1よりも大きいものでも良い。このような態様は、タイヤ製造時、制音体10をタイヤ内腔面1iに固着し易くすることができる。
本実施形態では、制音体10のタイヤ半径方向の外周面10oの全部が、固定化層11を介してタイヤ内腔面1iに固着されている。これにより、制音体10が確実に固着される。
本実施形態では、制音体10の前記幅W1(mm)及び固定化層11の硬さGb(Pa)について、前記幅W1/前記硬さGb(mm/Pa)が、望ましくはより望ましくは1.1×10-4以上、より望ましくは1.5×10-4以上であり、望ましくは3.0×10-2以下、より望ましくは5.0×10-3以下である。これにより、制音体10の幅を適度に確保でき、上述の剥離を抑制しつつ、優れたノイズ性能が発揮される。
同様の観点から、固定化層11の前記幅W2(mm)及び制音体10の硬さGa(Pa)について、前記幅W2/前記硬さGa(mm/Pa)が、望ましくは1.1×10-4以上、より望ましくは1.5×10-4以上であり、望ましくは3.0×10-2以下、より望ましくは5.0×10-3以下である。
さらに望ましい態様として、本実施形態では、固定化層11の幅W2(mm)、ベルト層7のタイヤ軸方向の幅W3(mm)、及び、制音体10の硬さGa(Pa)が、下記式(4)を満足する。これにより、固定化層11の幅が十分に確保され、制音体10の剥離が確実に抑制される。
(W3-W2)/Ga<1.0×10-4…(4)
(W3-W2)/Ga<1.0×10-4…(4)
本実施形態の固定化層11は、例えば、全面に亘って一定の厚さを有する。これにより、応力集中が発生し難くなり、制音体10の剥離がさらに抑制される。他の実施形態では、固定化層11は、その厚さがタイヤ軸方向で異なるものでも良い。この場合、固定化層11は、タイヤ軸方向の中央部と、中央部よりも厚さが大きいタイヤ軸方向の端部とを含むのが望ましい。トレッド部2は、タイヤ赤道Cから離れている部分の方が変形が大きいため、固定化層11の端部の厚さを大きくすることにより、制音体10の剥離をさらに抑制することができる。
図3には、本発明の他の実施形態のトレッド部2の拡大断面図が示されている。この実施形態では、制音体10のタイヤ半径方向の外周面10oは、固定化層11を介してタイヤ内腔面1iに固着された第1部分16と、タイヤ内腔面1iに固着されていない第2部分17とを含む。このような実施形態は、固定化層11の体積を減らしてタイヤ重量の増加を抑制でき、かつ、トレッド部2のタイヤ内腔面1i側における放熱性を維持することができる。
第1部分16は、少なくとも、制音体10のタイヤ軸方向の両端部に位置している。より望ましい態様では、制音体10のタイヤ軸方向の中央部にも第1部分16が配されている。これにより、制音体10を確実に固着しつつ、上述の効果を得ることができる。
制音体10を剥離し難くするために、第1部分16は、例えば、タイヤ全周に亘って連続して延びている。但し、このような態様に限定されるものではなく、第1部分16がタイヤ周方向に隔設されているものでも良い。これにより、タイヤ重量の増加をさらに抑制することができる。
第1部分16の合計面積S1は、制音体10のタイヤ半径方向の外周面10oの合計の面積の10%~40%である。また、第1部分16の合計面積S1は、第2部分17の合計面積S2よりも小さいのが望ましい。前記合計面積S1及びS2の比S1/S2は、例えば、0.2~0.6である。これにより、タイヤ重量を維持しつつ、制音体10の剥離を抑制することができる。
本実施形態では、前記合計面積S1(mm2)及び前記硬さGb(Pa)について、前記合計面積S1/前記硬さGb(mm2/Pa)が、望ましくは0.3以上、より望ましくは3.0以上であり、望ましくは40.0以下、より望ましくは30.0以下である。これにより、第1部分16の合計面積S1が適正となり、タイヤ重量の増加を抑制しつつ、制音体10の剥離がさらに確実に抑制される。
本実施形態の固定化層11は、タイヤ軸方向の中央部21と、タイヤ軸方向の端部22とを含む。本実施形態では、これらの厚さが一定とされている。但し、このような態様に限定されず、例えば、端部22の厚さが中央部21の厚さよりも大きいものでも良い。この場合、端部22の厚さは、例えば、中央部21の厚さ105%~120%である。これにより、制音体10のタイヤ軸方向の端部からの剥離がさらに抑制される。
以上、本発明の一実施形態の空気入りタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
図1の基本構造を有し、かつ、表1~2の仕様に基づいたサイズ215/55R17の空気入りタイヤが製造された。また、比較例1~5として、式(1)を満足しない空気入りタイヤが試作された。比較例のタイヤは、上記の事項を除き、実施例のタイヤと実質的に同じである。また、比較例1~5及び各実施例は、制音体のタイヤ軸方向の幅W1が、ビードベースラインからサイドウォール部の内腔面における最大幅位置までのタイヤ半径方向距離h1の約90%である。これらのテストタイヤについて、制音体の耐剥離性能がテストされた。各テストタイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
装着リム:17×7.5J
タイヤ内圧:250kPa
ビードベースラインから前記最大幅位置までのタイヤ半径方向距離h1=62.7mm
制音体のタイヤ軸方向の幅W1=56.4mm
固定化層のタイヤ軸方向の幅W2=56.4mm
ベルト層のタイヤ軸方向の幅W3=164.7mm
制音体の外周面の面積=109810.8mm2
装着リム:17×7.5J
タイヤ内圧:250kPa
ビードベースラインから前記最大幅位置までのタイヤ半径方向距離h1=62.7mm
制音体のタイヤ軸方向の幅W1=56.4mm
固定化層のタイヤ軸方向の幅W2=56.4mm
ベルト層のタイヤ軸方向の幅W3=164.7mm
制音体の外周面の面積=109810.8mm2
<制音体の耐剥離性能>
テストタイヤを、走行面に複数の凸部を配したドラム試験機上で、一定の縦荷重を負荷して一定の速度で走行させ、制音体が剥離するまでの走行距離が測定された。結果は、比較例1の前記走行距離を100とする指数で示されており、数値が大きい程、制音体の耐久性が優れていることを示す。
テストの結果が表1~2に示される。
テストタイヤを、走行面に複数の凸部を配したドラム試験機上で、一定の縦荷重を負荷して一定の速度で走行させ、制音体が剥離するまでの走行距離が測定された。結果は、比較例1の前記走行距離を100とする指数で示されており、数値が大きい程、制音体の耐久性が優れていることを示す。
テストの結果が表1~2に示される。
表1~2に示されるように、実施例のタイヤは、タイヤ内腔面から制音体が剥離するのを長期に亘って抑制していることが確認できた。
1i タイヤ内腔面
10 制音体
11 固定化層
Ga 制音体の硬さ
Gb 固定化層の硬さ
10 制音体
11 固定化層
Ga 制音体の硬さ
Gb 固定化層の硬さ
Claims (16)
- タイヤ内腔面を含む空気入りタイヤであって、
前記タイヤ内腔面には、多孔質状の制音体が固定化層を介して固着されており、
前記制音体の硬さGaと、前記固定化層の硬さGbとは、下記の式(1)を満足する、
空気入りタイヤ。
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦10 …(1) - 下記式(2)を満足する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦5 …(2) - 下記式(3)を満足する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
|(Ga-Gb)/Ga+(Gb-Ga)/Gb|≦1 …(3) - 前記制音体は、タイヤ軸方向の幅W1を有し、
前記幅W1/前記硬さGbは、1.1×10-4以上である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記幅W1/前記硬さGbは、1.5×10-4以上である、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
- 前記固定化層は、タイヤ軸方向の幅W2を有し、
前記幅W2/前記硬さGaは、1.1×10-4以上である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記幅W2/前記硬さGaは、1.5×10-4以上である、請求項6に記載の空気入りタイヤ。
- 前記硬さGaは、前記硬さGbよりも大きい、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記硬さGaと前記硬さGbとの差は、1.0×104(Pa)よりも小さい、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記制音体のタイヤ半径方向の外周面は、前記固定化層を介して前記タイヤ内腔面に固着された第1部分と、前記タイヤ内腔面に固着されていない第2部分とを含む、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第1部分の合計面積S1は、前記第2部分の合計面積S2よりも小さい、請求項10に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第1部分の合計面積S1/前記硬さGbは、0.3以上である、請求項10又は11に記載の空気入りタイヤ。
- 前記固定化層は、タイヤ軸方向の中央部と、前記中央部よりも厚さが大きいタイヤ軸方向の端部とを含む、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- トレッド部にベルト層が配され、
前記固定化層のタイヤ軸方向の外端は、前記ベルト層のタイヤ軸方向の外端よりもタイヤ軸方向内側に配されている、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記固定化層は、タイヤ軸方向の幅W2を有し、
前記ベルト層は、タイヤ軸方向の幅W3を有し、
前記幅W2、前記幅W3及び前記硬さGaは、下記式(4)を満足する、請求項14に記載の空気入りタイヤ。
(W3-W2)/Ga<1.0×10-4…(4) - 前記制音体は、トレッド部に固着されており、
正規リムに組み込まれ、正規内圧が充填された無負荷の正規状態で、前記制音体のタイヤ軸方向の幅W1は、ビードベースラインからサイドウォール部の内腔面における最大幅位置までのタイヤ半径方向距離よりも小さい、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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