JP2022167329A - 管理システム、及び、管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】厩舎内での家畜に感染し得る感染症の拡大を簡便に抑制できる管理システム等を提供する。【解決手段】管理システム100は、厩舎内の複数の領域であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する検知部110と、検知部110での検知結果に基づいて、複数の領域のうち、病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、複数の領域のうち、第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する制御部120と、を備える。【選択図】図3
Description
本開示は、家畜が飼育される厩舎で用いられる管理システム、及び、管理方法に関する。
従来、動物の飼育室等の閉鎖空間における空気中の微生物の検査を行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている方法では、閉鎖空間を換気するためのファンにフィルタを設けることで、当該フィルタで閉鎖空間の浮遊物を捕集し、当該フィルタを溶出液に浸漬して捕集物を溶出させて微生物の検査を行う。
また、従来、紫外線等により殺菌した空気を家畜小屋に出入りさせることで、家畜にウィルスが伝染することを予防する家畜部屋がある(例えば、特許文献2参照)。
また、従来、車両等の人を収容する収容部の内部にいる発熱者の位置に基づいて所定の位置にエアカーテンを送出するエアカーテン装置がある(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に開示されているエアカーテン装置によれば、例えば、発熱者が空気感染するウィルス等に感染していたとしても、発熱者と同じ収容部の内部にいる他の人への当該ウィルスの感染拡大を抑制できる。
家畜が飼育される厩舎においては、厩舎内での家畜に感染し得る感染症の拡大を簡便に抑制できることが望まれている。
本開示は、厩舎内での家畜に感染し得る感染症の拡大を簡便に抑制できる管理システム等を提供する。
本開示の一態様に係る管理システムは、厩舎内の複数の領域であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する検知部と、前記検知部での検知結果に基づいて、前記複数の領域のうち、前記病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、前記複数の領域のうち、前記第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する制御部と、を備える。
また、本開示の一態様に係る管理方法は、厩舎内の複数の領域であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する検知ステップと、前記検知ステップでの検知結果に基づいて、前記複数の領域のうち、前記病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、前記複数の領域のうち、前記第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する制御ステップと、を含む。
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の一態様に係る管理システムによれば、厩舎内での家畜に感染し得る感染症の拡大を簡便に抑制できる。
(本開示に至った知見)
従来、家畜及び空気における病原体の有無を検査するシステムは、人手を介した検査方法が一般的である。そのため、日常的に(例えば、毎日)病原体の有無を検査し続けることは、非常に困難である。
従来、家畜及び空気における病原体の有無を検査するシステムは、人手を介した検査方法が一般的である。そのため、日常的に(例えば、毎日)病原体の有無を検査し続けることは、非常に困難である。
また、特定家畜伝染病に対しては、国によって定められた方法に従って適切に対処しなければならない。しかしながら、特定家畜伝染病以外の他の伝染病については、明確な感染メカニズムが明らかにされていないものも多くあるのが実情である。
上記特許文献1には、空気中からウィルスを捕集し、PCR法によって検査することが開示されているが、フィルタに付着したウィルスをPCR検査するためには必ず人手を介する必要があり、連続的に検査することは困難である。
上記特許文献2には、折り畳み式の簡易な家畜小屋に対し、紫外線殺菌によって正常化することが開示されているが、日本の家畜小屋の多くは常設式であり、現実的ではない。
上記特許文献3には、制御対象が人間であり、発熱を起点としてエアカーテンにより感染防止をする旨が開示されているが、家畜に関する記述はなく、個々に発熱を判断する必要があり、時間及び手間がかかるため、現実的ではない。
そこで、本開示は、家畜(例えば、豚)が飼育されている厩舎内において空気中に浮遊する病原体を連続的に監視し、病原体が検知された際の家畜の管理システムを提供する。
(本開示の概要)
本開示の一態様に係る管理システムは、厩舎内の複数の領域であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する検知部と、前記検知部での検知結果に基づいて、前記複数の領域のうち、前記病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、前記複数の領域のうち、前記第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する制御部と、を備える。
本開示の一態様に係る管理システムは、厩舎内の複数の領域であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する検知部と、前記検知部での検知結果に基づいて、前記複数の領域のうち、前記病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、前記複数の領域のうち、前記第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する制御部と、を備える。
これによれば、例えば、厩舎内の大部屋等であって柵等によって空気が流動可能に複数の領域に分離された空間であっても、検知部によって病原体の濃度が高い位置を特定して制御部がエアカーテンを形成する空調部又は壁部(例えば、いわゆるシャッタ)を駆動させる駆動部等を制御することによって、複数の領域において互いの領域での空気が流動を制限できる。そのため、本開示の一態様に係る管理システムによれば、厩舎内での家畜に感染し得る感染症の拡大を簡便に抑制できる。
また、例えば、前記家畜は、豚を含み、前記病原体は、オーエスキー病の発症源となるウィルスを含む。
上記した通り、特定家畜伝染病に対しては、国によって定められた方法に従って適切に対処しなければならない。しかしながら、特定家畜伝染病以外の他の伝染病については、明確な感染メカニズムが明らかにされていないものも多くある。例えば、豚に感染し得るオーエスキー病の発症源となるウィルス(AVD:Aujeszky’s disease virus)については感染メカニズムが明らかにされていない。そこで、複数の領域において互いの領域での空気が流動を制限することで、このような感染メカニズムが明らかでない病原体であっても、空気中の病原体の移動を制限することにより、厩舎内での家畜に感染し得る感染症の拡大を抑制できる可能性がある。つまり、本開示に係る管理システムは、このような感染メカニズムが明らかでないオーエスキー病の発症源となるウィルスについて感染拡大を抑制できるシステムとして特に有効である。
また、例えば、前記制御部は、前記検知結果に基づいて、前記複数の領域のうち、前記第1領域を決定し、前記第1領域と隣り合う領域を第2領域と決定し、前記第2領域と隣り合い、且つ、前記第1領域と前記第2領域との距離よりも前記第1領域との距離が遠い領域を第3領域と決定し、前記第1領域及び前記第2領域と、前記第2領域及び前記第3領域とのそれぞれの間で空気の流動を制限する。
第1領域と第2領域と第3領域とでは、家畜が病原体に感染している可能性(感染リスク)が異なる。そこで、第1領域と第2領域と第3領域とでの互いの空気の流動を制限することで、それぞれの領域で感染リスクが上がることを抑制できる。また、例えば、第2領域で飼育されている家畜と第3領域で飼育されている家畜との両方で感染している家畜が検出されなければ、第2領域と第3領域との間においては空気の流動の制限を止め、第1領域と第2領域との間においては空気の流動の制限を続ける等、部分的な制御が容易になる。部分的な制御が容易にできることで、例えば、エアカーテン等を形成するために空調部を不要に稼働させることを抑制できる。
また、例えば、本開示に係る管理システムは、さらに、エアカーテンを形成するための空調部、及び、領域を分離するための壁部を駆動する駆動部のうちの少なくとも一方を有する制限部を備え、前記制御部は、前記制限部を制御することで、前記第1領域及び前記第2領域と、前記第2領域及び前記第3領域とのそれぞれの間で、前記エアカーテン及び前記壁部の少なくとも一方によって前記第1領域及び前記第2領域と、前記第2領域及び前記第3領域とのそれぞれの間での空気の流動を制限する。
これによれば、例えば、病原体の濃度が非常に高い場合には壁部により空気の流動を制限し、病原体の濃度がそこまで高くない場合にはエアカーテンにより空気の流動を制限する等、空気の流動の制限方法が適切選択され得る。
また、例えば、前記制御部は、前記制限部を制御することで、前記第1領域と前記第2領域との間を、前記壁部によって空気の流動を制限し、前記第2領域と前記第3領域との間を、前記エアカーテンによって空気の流動を制限する。
例えば、壁部により空気の流動を制限すると、病原体が空気中を移動することは非常に制限されることが想定されるが、人等の移動も大変になり、人等を移動させやすくするために壁部に扉等を設けようとすると、壁部を移動させるために大掛かりな設備が必要になる可能性がある。一方。エアカーテンにより空気の流動を制限すると、簡便な設備で実現でき、且つ、人等の移動は簡単にできるため人等の作業効率(例えば、家畜の世話、家畜の感染病の検査等のしやすさ)は上がるが、壁部と比較して病原体が空気中を移動する可能性が高くなる可能性がある。そこで、第1領域と第2領域との間を、壁部によって空気の流動を制限し、第2領域と第3領域との間を、エアカーテンによって空気の流動を制限することで、感染リスクの高い第1領域については病原体が他の領域にできるだけ移動しないように制限しつつ、且つ、第1領域程は感染リスクが高くない第2領域については作業効率を上げることができる。
また、例えば、前記制御部は、前記制限部を制御することで、前記第1領域と前記第2領域との間を、第1風力で形成した前記エアカーテンによって空気の流動を制限し、前記第2領域と前記第3領域との間を、前記第1風力よりも低い第2風力で形成したエアカーテンによって空気の流動を制限する。
これによれば、感染リスクの高い第1領域については病原体が他の領域にできるだけ移動しないように制限しつつ、且つ、第1領域程は感染リスクが高くない第2領域については少し風力を下げることで、空調部を駆動することによるコストを削減できる。
また、例えば、前記検知部は、第1周期で繰り返し前記病原体の濃度を検知し、前記制御部が、前記第1領域と、前記第2領域と、前記第3領域とを決定した場合、前記第3領域については、前記第1周期よりも短い第2周期で前記病原体の濃度を検知し、前記第2領域については、前記第2周期よりも短い第3周期で前記病原体の濃度を検知する。
これによれば、例えば、第1領域から病原体が空気中を移動してきたとしても、直ぐに検知しやすくできる。
また、例えば、本開示に係る管理システムは、さらに、前記制御部が、前記第1領域と前記第2領域と前記第3領域とを決定した場合、前記第2領域及び前記第3領域における家畜の抜き取り検査の個体数を通知する通知部を備え、前記制御部は、前記第2領域における個体数の方が前記第3領域における個体数よりも多くなるように前記通知部に通知させる。
これによれば、家畜の抜き取り検査を行う獣医師等が、家畜の抜き取り検査の検査数を間違えにくくできる。
また、例えば、本開示に係る管理システムは、さらに、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域のそれぞれにおける家畜の抜き取り検査の検査結果を取得する取得部を備え、前記制御部は、前記検査結果に基づいて、前記病原体の感染が認められた家畜が飼育されている領域を前記第2領域と再決定する。
これによれば、検知部による検知結果だけでなく、例えば、獣医師等が実行した検査結果にも基づいて、制御部が空気の流動を制限できるため、厩舎内での家畜に感染し得る感染症の拡大をさらに抑制できる。
また、本開示の一態様に係る管理方法は、厩舎内の複数の領域であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する検知ステップと、前記検知ステップでの検知結果に基づいて、前記複数の領域のうち、前記病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、前記複数の領域のうち、前記第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する制御ステップと、を含む。
これによれば、本開示の一態様に係る管理システムと同様の効果を奏する。
以上のように、本開示によれば、家畜に症状が出る前に迅速にウィルス等の病原体を検知し、即座に対処することが可能となる。また、厩舎内での管理区分を詳細に分類することで、厩舎内での感染拡大を抑制するとともに、病原体が検知されてから一定期間後の家畜の個体検査の際に感染リスクの高い家畜を効率よく抽出でき、病原体の早期根絶が可能となる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る管理システムの構成について説明する。
[構成]
まず、実施の形態に係る管理システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る管理システム100が利用される厩舎200の内部を示す図である。図2は、実施の形態に係る管理システム100が利用される厩舎200のレイアウト及びセンサ301~310の配置を説明するための図である。
なお、図2に示す領域201~210は、それぞれ図1に示す領域220の具体的な一例であって、図2においては、説明のために符号を変えて示している。以下では、領域201~210について特に区別せずに説明する場合は領域220として説明する。
また、図2に示すセンサ301~310は、それぞれ図1に示すセンサ320の具体的な一例であって、図2においては、説明のために符号を変えて示している。以下では、センサ301~310について特に区別せずに説明する場合はセンサ320として説明する。
厩舎200は、家畜を飼育するための小屋である。本実施の形態では、厩舎200内は、家畜の移動を制限する(つまり、家畜が自由に行き来できないようにする)ように、複数の領域220に分離されている。言い換えると、複数の領域220は、それぞれで家畜が飼育されており、互いに家畜が行き来できず、且つ、互いに空気が流動可能に厩舎200内に設けられている。
なお、厩舎200内とは、後述する制限部130(図3参照)以外には厩舎200における壁及びドア等によって内部が仕切られていない一の領域(例えば、一の大部屋)を意味し、厩舎200内における複数の領域220とは、それぞれが当該一の領域における一部の領域であって、互いに重ならない領域(例えば、複数の小部屋)を示す。本実施の形態では、複数の領域200は、家畜の移動を制限するための柵で囲まれた領域である。具体的には、複数の領域220は、家畜の妊娠が確認された後、出産まで暮らす妊娠ストール、又は、出産後一か月程の間子と暮らす分娩ストール等が例示される。
妊娠ストールにおいては、例えば、2ケージで1つの領域220として、領域220毎にセンサ320が1つずつ、家畜の顔が位置する付近の空気取込口の近傍に配置される。
分娩ストールにおいては、例えば、親の家畜(例えば、豚)が子を圧死させるのを防ぐために当該親の家畜が入れられる固定具が配置され、当該固定具の中央床面にセンサ320が配置される。
なお、領域220のサイズは、例えば、2m×2m四方、又は、1.8m×2.4m四方等、任意に設定されてよい。また、通路230についても例えば幅が1m等、任意に設定されてよい。また、複数の領域220のそれぞれのサイズは、同じでもよいし異なっていてもよい。また、隣り合う領域220同士は、例えば、領域201及び領域202のように接していてもよいし、領域201及び領域206のように通路230等を介していてもよい。
また、厩舎200内で飼育される家畜は、牛、豚、馬、鶏等、任意でよい。本実施の形態では、厩舎200内で飼育される家畜は、豚である。
図2に示すように、例えば、厩舎200内は、領域201~210にそれぞれ分離(区分)されている。なお、厩舎200内は、通路230のように、領域201~210以外の領域が設けられていてもよい。
実施の形態に係る管理システムは、具体的なハードウェア構成としては、例えば、複数のセンサ320と、空調部400と、コンピュータ500と、表示装置510と、操作装置520と、を備える。
複数のセンサ320は、それぞれ、領域220毎のインフルエンザウィルス等の病原体の量(例えば、単位体積当たりの空気中の濃度)を検知するためのセンサである。複数のセンサ320は、例えば、複数の領域220のそれぞれに配置される。本実施の形態では、センサ301は、領域201に配置されている。また、センサ302は、領域202に配置されている。また、センサ303は、領域203に配置されている。また、センサ304は、領域204に配置されている。また、センサ305は、領域205に配置されている。また、センサ306は、領域206に配置されている。また、センサ307は、領域207に配置されている。また、センサ308は、領域208に配置されている。また、センサ309は、領域209に配置されている。また、センサ310は、領域210に配置されている。
センサ320は、空気中に含まれる病原体を連続的に検知し、領域220の病原体の量(より具体的には、濃度)を測定する。例えば、オーエスキー病の発症源となるウィルスを含む病原体の濃度を検知する。
なお、センサ320は、特定の病原体のみを検知するセンサでもよいし、複数種類の病原体を検知するセンサでもよい。また、センサ320は、複数種類の病原体を検知するセンサである場合、複数種類の病原体それぞれの濃度を検知できるセンサでもよいし、数種類の病原体を区別なく当該複数種類の病原体全体の濃度を検知するセンサでもよい。
センサ320は、例えば、空気を吸引する吸引装置によって取り込まれた空気中の微粒子を捕集液に捕集する捕集装置と、当該捕集液からウィルス等の病原体を検知する検知装置とにより実現される。検知装置は、例えば、センサデバイスと、光源と、を備え、光源によって捕集液に光(励起光)を照射し、捕集液から出射される蛍光をセンサデバイスによって分光測定することで空気中の病原体の濃度を検知する。
なお、センサ320は、空気中の病原体の濃度を検知することができればよく、蛍光分光法以外が用いられてもよい。例えば、センサ320は、抗原抗体反応及び誘電泳動を用いて空気中の病原体を検知するセンサでもよいし、上記した蛍光分光法を用いて空気中の細菌、カビ等の病原体濃度を検知するセンサでもよい。
また、複数のセンサ320の配置は、特に限定されるものではなく、例えば、床面に配置されてもよい、天井に配置されてもよいし、支持部材等によって支持されて中空に配置されてもよい。
また、各領域220には、1つのセンサ320が配置されてもよいし、2以上のセンサ320が配置されてもよい。
空調部400は、エアカーテンを形成するための空気(風)を吹き出す空調設備である。空調部400は、例えば、厩舎200内の天井に設置され、複数の領域220を領域毎にエアカーテンによって分離できるように設けられている。
なお、空調部400は、厩舎200内の天井、柱及び/又は壁等に設けられていてもよいし、床面に吸気を吸引するように設けられていてもよく、任意の位置に取り付けられていてよい。また、空調部400の下方の床面には、空調部400は吹き出した、エアカーテンを形成するための空気(風)が流通する開口等が設けられていてもよい。
また、空調部400は、エアカーテンを形成することで複数の領域220を領域220毎に分離できればよく、1つの空調設備によって実現されてもよいし、複数の空調設備によって実現されてもよい。
コンピュータ500は、複数のセンサ320のそれぞれと通信可能に接続され、複数のセンサ320のそれぞれが測定した病原体の濃度を示す濃度情報を取得するコンピュータである。また、コンピュータ500は、表示装置510と有線又は無線によって通信可能に接続され、表示装置510に画像を表示させる。
コンピュータ500は、例えば、パーソナルコンピュータであって、複数のセンサ320、表示装置510、操作装置520、及び、図示しないサーバと通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサ等で実現される。コンピュータ500は、センサ320から得られた濃度情報をサーバに送信し、当該サーバに記憶させてもよい。
なお、コンピュータ500は、家畜の飼育作業員等のスタッフ(つまり、実施の形態に係る管理システムのユーザ)が滞在するスタッフルームに配置されてもよいし、厩舎200に配置されてもよく、コンピュータ500の配置位置は、特に限定されない。
表示装置510は、各種情報を飼育作業員等のユーザに通知するためのディスプレイである。コンピュータ500は、例えば、濃度情報に基づいて、複数の領域220それぞれにおける病原体の検知状況(例えば、病原体の濃度)を示す画像を表示装置510に表示させる。これにより、ユーザは、複数の領域220それぞれで飼育されている家畜に対して病原体に感染しているかを検査する必要があるか否かを判定できる。
操作装置520は、ユーザが操作するユーザインターフェースである。コンピュータ500は、例えば、操作装置520が受け付けたユーザからの操作に基づいて処理を実行する。操作装置520は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等で実現される。
続いて、以上のようなハードウェア構成で実現される実施の形態に係る管理システム100の機能構成について説明する。
図3は、実施の形態に係る管理システム100の機能構成を示すブロック図である。
管理システム100は、検知部110と、制御部120と、制限部130と、通知部140と、取得部150と、記憶部160と、を備える。
検知部110は、厩舎200内の複数の領域220であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域220それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する。例えば、検知部110は、複数のセンサ320で検知された病原体の検知情報を解析することで、領域220毎の病原体量(例えば、病原体の濃度)を検知(言い換えると、測定又は算出)する。
検知部110は、例えば、複数のセンサ320、並びに、コンピュータ500が備える、通信インターフェース、メモリに記憶されるプログラム、当該プログラムを実行するプロセッサ等によって実現される。
制御部120は、検知部110での検知結果に基づいて、複数の領域220のうち、病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、複数の領域220のうち、第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する処理部である。制御部120は、例えば、空調部400等を有する制限部130を制御することで、領域220間での空気の流動を制限する(つまり、行き来できにくくする)。
図4は、実施の形態に係る管理システム100によるエアカーテンでの領域の分離する方法を説明するための図である。具体的には、図4は、センサ302で所定の閾値以上の病原体の濃度が検知された場合に、制御部120が空調部400を制御することでエアカーテンを形成される位置(エアカーテン形成領域)の一例を示す図である。
制御部120は、例えば、センサ302で所定の閾値以上の病原体の濃度が検知された場合、空調部400を制御することで、領域202を囲むようにエアカーテンを形成される。つまり、この場合、第1領域は、領域202であり、他の領域は、領域201、203~210である。
また、制御部120は、例えば、検知部110での検知結果に基づいて、複数の領域220のうち、第1領域を決定し、第1領域と隣り合う領域を第2領域と決定し、第2領域と隣り合い、且つ、第1領域と第2領域との距離よりも第1領域との距離が遠い領域を第3領域と決定し、第1領域及び第2領域と、第2領域及び第3領域とのそれぞれの間で空気の流動を制限する。つまり、この場合、図4に示す例では、第1領域は、領域202であり、第2領域は、領域201、203、207であり、第3領域は、領域204~206、208~210である。
このように、所定の閾値以上の病原体の濃度が検知された第1領域の周囲だけでなく、その周囲の領域220を段階的にエアカーテンで分離してもよい。また、領域220が隣り合っているか否かではなく、所定の閾値以上の病原体の濃度が検知された第1領域からの距離等に基づいて、領域220が段階的にエアカーテンで分離されてもよい。例えば、所定の閾値以上の病原体の濃度が検知されたセンサ320からの距離が、1m未満に位置する領域220を第1領域とし、1m以上3m未満に位置する領域220を第2領域とし、3m以上に位置する領域220を第3領域のように定めてもよい。この場合、複数の領域220全てにセンサ320が必ずしも配置されていなくてもよい。1m等の具体的な数値はもちろんあくまで一例であって、適宜設定されてよい。
なお、以下では、第1領域を区分Aともいい、第2領域を区分Bともいい、第3領域を区分Cともいう。また、区分A、B、Cのいずれにも分類されていない領域220を通常区分ともいう。
また、制御部120が決定した領域200毎に各部が実行する処理が変更されてもよい。
例えば、検知部110は、第1周期で繰り返し病原体の濃度を検知するとする。このときに、例えば、検知部110は、制御部120が、第1領域と、第2領域と、第3領域とを決定した場合、第3領域については、第1周期よりも短い第2周期で病原体の濃度を検知し、第2領域については、第2周期よりも短い第3周期で病原体の濃度を検知する。
なお、第1周期、第2周期、及び、第3周期は、予め任意に設定されてよく、特に限定されない。例えば、第1周期は10分毎、第2周期は5分毎、第3周期は1分毎等のように設定される。
また、検知対象となる病原体は、豚等の家畜間において空気感染する可能性が高いとされる、オーエスキー病、口蹄疫、豚呼吸器コロナウィルス等のウィルスを含むが、これらに限定されない。
本実施の形態では、例えば、家畜は、豚を含み、病原体は、オーエスキー病の発症源となるウィルスを含む。
なお、所定の閾値は、任意に定められてよく、特に限定されない。例えば、厩舎200内の清浄度が正常値であるという閾値(つまり、所定の閾値)は、TCID50(50% Tissue Culture Infectious Dose:宿主細胞のうち半分がウィルスに感染した場合のウィルスの濃度)の1/10でもよい。或いは、例えば、所定の閾値は、厩舎200及び制限部130の規模に応じて独自に定められてもよい。所定の閾値を示す情報は、例えば、記憶部160に予め記憶される。
また、制御部120は、検知部110が検知した病原体の濃度を示す情報を、病原体が検知された時刻を示す情報と紐付けて記憶部160に記憶させてもよい。
制御部120は、例えば、コンピュータ500が備える、通信インターフェース、メモリに記憶されるプログラム、当該プログラムを実行するプロセッサ等によって実現される。
制限部130は、複数の領域220における領域220間での空気の流動を制限する(つまり、空気を移動させなくする)ための装置である。制限部130は、例えば、エアカーテンを形成するための空調部400、及び、領域220を分離するための壁部を駆動する駆動部のうちの少なくとも一方を有する。壁部は、木製、鉄製等の板体、又は、いわゆるシャッタ等の物理的な壁であり、駆動部は、壁部を動かすためのガイド及びモータ等である。
制御部120は、例えば、制限部130を制御することで、第1領域及び第2領域と、第2領域及び第3領域とのそれぞれの間で、エアカーテン及び壁部の少なくとも一方によって第1領域及び第2領域と、第2領域及び第3領域とのそれぞれの間での空気の流動を制限する。
このように、制御部120は、制限部130が領域220間での空気の流動を制限するための機構を複数有する場合、任意の機構を用いて領域220間での空気の流動を制限してもよい。
例えば、制御部120は、制限部130を制御することで、第1領域と第2領域との間を、壁部によって空気の流動を制限し、第2領域と第3領域との間を、エアカーテンによって空気の流動を制限する。
或いは、例えば、制御部120は、制限部130を制御することで、第1領域と第2領域との間を、第1風力(例えば、第1風速又は第1風量等)で形成したエアカーテンによって空気の流動を制限し、第2領域と第3領域との間を、第1風力よりも低い第2風力(例えば、第2風速又は第2風量等)で形成したエアカーテンによって空気の流動を制限する。
第1風力及び第2風力は、上記条件(第1風力>第2風力)を満たせば任意に設定されてよく、特に限定されない。
通知部140は、検知部110による病原体の検知状況等を通知するための装置である。例えば、通知部140は、制御部120が、第1領域と第2領域と第3領域とを決定した場合、第2領域及び第3領域における家畜の抜き取り検査の個体数を通知する。この場合、例えば、制御部120は、第2領域における個体数の方が第3領域における個体数よりも多くなるように通知部140に通知させる。
通知部140は、例えば、表示装置510によって実現される。通知部140は、例えば、介護施設ユーザが待機するスタッフルームに設けられる(つまり、配置される)。通知部140は、例えば、制御部120等の処理部に制御されることによって、病原体に関する情報をユーザに通知する。
なお、通知部140は、病原体の種類を示す情報又は日付等の病原体の濃度以外の情報を通知してもよい。
また、通知部140は、音声を出力するアンプ、スピーカ等により実現されてもよく、音声によって病原体の濃度を示す情報をユーザに通知してもよい。
通知部140がユーザに病原体の濃度を示す情報を通知するための画像情報及び音声情報等は、予め記憶部160に記憶されていればよく。任意に設定されてよい。
取得部150は、家畜の抜き取り検査の検査結果(データ)を取得する。例えば、取得部150は、第1領域、第2領域及び第3領域のそれぞれにおける家畜の抜き取り検査の検査結果(データ)を取得する。制御部120は、当該検査結果に基づいて、病原体の感染が認められた家畜が飼育されている領域を第2領域と再決定する。例えば、制御部120は、第2領域と決定した領域で飼育されている家畜の中に病原体の感染が認められた家畜がいた場合、当該領域を第2領域と再決定(つまり、第2領域のまま維持)する。また、例えば、制御部120は、第3領域と決定した領域で飼育されている家畜の中に病原体の感染が認められた家畜がいた場合、当該領域を第2領域と再決定(つまり、第2領域に変更)する。
取得部150は、例えば、操作装置520で実現される。なお、取得部150は、操作装置520と通信可能に接続されるコンピュータ500が備える処理部であってもよい。この場合、例えば、取得部150は、操作装置520及びコンピュータ500が備える通信インターフェースを介して家畜の抜き取り検査の検査結果を取得する。
記憶部160は、管理システム100が備える検知部110、制御部120、及び、取得部150等の処理部が実行する各種プログラム、及び、閾値等の情報が記憶される記憶装置である。記憶部160は、コンピュータ500が備えるメモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等のストレージ等により実現される。
[処理手順]
続いて、管理システム100の処理手順について説明する。なお、以下で説明する管理システム100が備える制限部130は、空調部400を有し、エアカーテンを形成することで複数の領域220を分離するとして説明する。
続いて、管理システム100の処理手順について説明する。なお、以下で説明する管理システム100が備える制限部130は、空調部400を有し、エアカーテンを形成することで複数の領域220を分離するとして説明する。
<概要>
図5は、実施の形態に係る管理システム100によるエアカーテンでの領域の分離の処理手順を示すフローチャートである。
図5は、実施の形態に係る管理システム100によるエアカーテンでの領域の分離の処理手順を示すフローチャートである。
まず、検知部110は、厩舎200内の空気を捕集して、捕集した空気中に家畜に感染し得る特定の病原体(ウィルス)の濃度を検知(測定)する(S101)。
次に、制御部120は、検知部110が捕集した空気中に家畜に感染し得る特定の病原体(ウィルス)が含まれているか否かを判定する(S102)。例えば、制御部120は、検知部110から捕集した空気中における病原体の濃度を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて、空気中にウィルスが所定の閾値以上の濃度で含まれているか否かを判定する。
制御部120は、空気中にウィルスが含まれていないと判定した場合(S102でNo)、処理をステップS101に戻す。
検知部110及び制御部120は、例えば、捕集した空気中にウィルスが含まれていなければ、10分毎にステップS101及びステップS102を繰り返し実行する。
一方、制御部120は、空気中にウィルスが含まれていると判定した場合、厩舎200内における管理区分を決定する(S103)。具体的には、制御部120は、上記したように、厩舎200内における複数の領域220について、第1領域(区分A)、第2領域(区分B)、及び、第3領域(区分C)を決定する。
なお、区分A~区分Cのように、所定の閾値以上の濃度の病原体が検知された場合に区分が設定される前においては、複数の領域220は、予め通常区分等と設定されていてもよいし、区分なし等と区分されていてもよい。以下では、所定の閾値以上の濃度の病原体が検知される前については、複数の領域220が全て通常区分であるとして説明する。
次に、制御部120は、制限部130を制御することで、決定した管理区分に基づいて、厩舎200内をエアカーテンで分離する(S104)。具体的には、制御部120は、区分Aと区分Bとの間にエアカーテンを制限部130に形成させ、且つ、区分Bと区分Cとの間にエアカーテンを制限部130に形成させる。
なお、制御部120は、ステップS103の後に、通知部140を制御することで、厩舎200内において所定の閾値以上の濃度のウィルスが検知されたことを示す情報を通知してもよいし、制限部を制御することで厩舎200内にエアカーテンを形成していることを通知してもよいし、厩舎200内における決定した管理区分を示す情報をユーザに通知してもよい。
<第1領域>
図6は、実施の形態に係る管理システム100における区分Aに対する処理手順を示すフローチャートである。
図6は、実施の形態に係る管理システム100における区分Aに対する処理手順を示すフローチャートである。
まず、作業者等のユーザは、区分Aで飼育されている家畜を厩舎200外に出し、区分Aの消毒等を行う。また、獣医師等は、例えば、制御部120が通知部140に通知させた厩舎200内における管理区分を示す情報に基づいて、区分Aに決定された領域220で飼育されている家畜について、ウィルスに感染しているか否かを全数検査する(S201)。
次に、作業者等は、ウィルスに感染していると診断された家畜については(S202でYes)、管理省庁等の特定の機関に通知(S203)した上で、殺処分等の予め定められた処理を行う。
一方、作業者等は、ウィルスに感染していないと診断された家畜については(S202でNo)、消毒が完了した区分Aに戻す。
次に、作業者等は、例えば、取得部150が有するキーボード等を操作することで、区分Aで飼育されていた家畜に対して特定の処理が完了したことを示す情報を入力する。
これにより、例えば、制御部120は、区分Aと決定した領域220を区分Bに再決定する(S204)。つまり、例えば、制御部120は、区分Aを区分Bに区分を変更する。
なお、制御部120は、区分Aから変更された区分Bと、元々区分Bと決定された区分Bとの間にエアカーテンを形成させることを制限部130に停止させてもよいし、停止させなくてもよい。例えば、制御部120は、区分Aから変更された区分Bと、元々区分Bと決定された区分Bとの間にエアカーテンを形成させることを、予め任意に定められる期間(例えば、2週間等)経過した後で、制限部130に停止させてもよい。
なお、制御部120は、RTC(Real Time Clock)等の計時部を備えてもよい。
<第2領域及び第3領域>
図7は、実施の形態に係る管理システム100における区分B及び区分Cに対する処理手順を示すフローチャートである。
図7は、実施の形態に係る管理システム100における区分B及び区分Cに対する処理手順を示すフローチャートである。
まず、検知部110は、厩舎200内の空気を捕集して、捕集した空気中に家畜に感染し得る特定の病原体(ウィルス)の濃度を検知(測定)する(S301)。
次に、制御部120は、検知部110が捕集した空気中に家畜に感染し得る特定の病原体(ウィルス)が含まれているか否かを判定する(S302)。例えば、制御部120は、検知部110から捕集した空気中における病原体の濃度を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて、空気中にウィルスが所定の閾値以上の濃度で含まれているか否かを判定する。
制御部120は、空気中にウィルスが含まれていないと判定した場合(S302でNo)、区分が決定(又は、再決定)されてから所定期間が経過したか否かを判定する(S304)。所定期間は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。所定期間は、例えば、2週間等と設定される。
制御部120は、区分が決定(又は、再決定)されてから所定期間が経過していないと判定した場合(S304でNo)、処理をステップS301に戻す。
このように、検知部110及び制御部120は、例えば、捕集した空気中にウィルスが含まれていなければ、所定期間の間、10分毎にステップS301~ステップS302を繰り返し実行する。
なお、空気を捕集してウィルスの濃度を検知する処理の頻度(周期)は、図5に示すステップS101~ステップS102と同じでもよいし、異なっていてもよい。検知部110及び制御部120は、例えば、捕集した空気中にウィルスが含まれていなければ、所定期間の間、5分毎にステップS301~ステップS302を繰り返し実行する。このように、空気を捕集してウィルスの濃度を検知する処理の頻度(周期)は、区分B又は区分Cにおいては、ステップS101~ステップS102(つまり、通常区分)よりも短く設定されてもよい。
また、区分Bと区分Cとで、空気を捕集してウィルスの濃度を検知する処理の頻度(周期)を異ならせてもよい。例えば、検知部110及び制御部120は、区分Cにおいては、捕集した空気中にウィルスが含まれていなければ、所定期間の間、5分毎にステップS301~ステップS30Sを繰り返し実行する。また、例えば、検知部110及び制御部120は、区分Bにおいては、捕集した空気中にウィルスが含まれていなければ、所定期間の間、1分毎にステップS301及びステップS302を繰り返し実行する。
また、所定期間は、区分Bと区分Cとで同じでもよいし、異なっていてもよい。例えば、所定期間は、区分Bでは2週間であり、区分Cでは1週間のように区分Cの方が区分Bよりも短く設定されてもよい。なお、上記した区分B及び区分Cと頻度及び所定期間との関係は、上記とは逆でもよい。
また、制御部120は、空気中にウィルスが含まれていると判定した場合(S302でYes)、区分B又は区分Cを区分Aに再決定する(S303)。この場合、図6示すフローチャートが実行される。なお、この場合、制御部120は、通知部140を制御することで、区分B又は区分Cが区分Aに変更されたことを示す情報をユーザに通知してもよい。
また、獣医師等は、制御部120が、区分が決定(又は、再決定)されてから所定期間が経過したと判定した場合(S304でYes)、制御部120が通知部140に通知させた厩舎200内における管理区分を示す情報に基づいて、区分B又は区分Cに決定された領域220で飼育されている家畜について、ウィルスに感染しているか否かを検査する(S304)。ここでの検査数は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。区分Bでは、例えば、予め定められる指定検査数の7割~8割程度が検査され、区分Cでは、例えば、予め定められる指定検査数の2割~3割程度が検査される。
次に、作業者等は、ウィルスに感染している家畜がいると診断された場合(S306でYes)、ウィルスに感染していると診断された家畜については、管理省庁等の特定の機関に通知(S307)した上で、殺処分等の予め定められた処理を行う。
次に、作業者等は、例えば、取得部150が有するキーボード等を操作することで、区分B又は区分Cで飼育されていた家畜にウィルスに感染した家畜がいたことを示す情報を入力する。これにより、例えば、制御部120は、区分B又は区分Cと決定した領域220を区分Bに再決定し(S308)、処理をステップS301に戻す。
一方、作業者等は、ウィルスに感染している家畜がいないと診断された場合(S306でNo)、例えば、取得部150が有するキーボード等を操作することで、区分B又は区分Cで飼育されていた家畜にウィルスに感染した家畜がいなかったことを示す情報を入力する。これにより、例えば、制御部120は、区分B又は区分Cと決定した領域220を通常区分に再決定する(S309)。
なお、制御部120は、区分を変更した場合に、隣り合う区分が異なる区分から同じ区分になるとき、当該隣り合う区分の間にエアカーテンを形成させることを制限部130に停止させてもよいし、停止させなくてもよい。また、制御部120は、区分を変更した場合に、隣り合う区分が同じ区分から異なる区分になるとき、当該隣り合う区分の間にエアカーテンを制限部130に形成させてもよいし、させなくてもよい。
<まとめ>
以上説明したように、管理システム100は、以下の処理を行う。
以上説明したように、管理システム100は、以下の処理を行う。
図8は、実施の形態に係る管理システム100の処理手順を示すフローチャートである。
管理システム100は、厩舎200内の複数の領域220であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域220それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する(S401)。
次に、管理システム100は、ステップS401での検知結果に基づいて、複数の領域220のうち、病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、複数の領域220のうち、第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する(S402)。
[効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る管理システム100は、厩舎200内の複数の領域220であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域220それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する検知部110と、検知部110での検知結果に基づいて、複数の領域220のうち、病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、複数の領域220のうち、第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する制御部120と、を備える。
以上説明したように、実施の形態に係る管理システム100は、厩舎200内の複数の領域220であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域220それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する検知部110と、検知部110での検知結果に基づいて、複数の領域220のうち、病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、複数の領域220のうち、第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する制御部120と、を備える。
これによれば、例えば、厩舎200内の大部屋等であって柵等によって空気が流動可能に複数の領域220に分離された空間であっても、検知部110によって病原体の濃度が高い位置を特定して制御部120がエアカーテンを形成する空調部400又は壁部(例えば、いわゆるシャッタ)を駆動させる駆動部等を制御することによって、複数の領域220において互いの領域での空気が流動を制限できる。そのため、管理システム100によれば、厩舎200内での家畜に感染し得る感染症の拡大を簡便に抑制できる。
また、例えば、家畜は、豚を含み、病原体は、オーエスキー病の発症源となるウィルスを含む。
これによれば、複数の領域220において互いの領域での空気が流動を制限することで、このような感染メカニズムが明らかでない病原体であっても、空気中の病原体の移動を制限することにより、厩舎200内での家畜に感染し得る感染症の拡大を抑制できる可能性がある。
また、例えば、制御部120は、上記検知結果に基づいて、複数の領域220のうち、上記第1領域を決定し、第1領域と隣り合う領域を第2領域と決定し、第2領域と隣り合い、且つ、第1領域と第2領域との距離よりも第1領域との距離が遠い領域を第3領域と決定し、第1領域及び第2領域と、第2領域及び第3領域とのそれぞれの間で空気の流動を制限する。
第1領域と第2領域と第3領域とでは、家畜が病原体に感染している可能性(感染リスク)が異なる。そこで、第1領域と第2領域と第3領域とでの互いの空気の流動を制限することで、それぞれの領域で感染リスクが上がることを抑制できる。また、例えば、第2領域で飼育されている家畜と第3領域で飼育されている家畜との両方で感染している家畜が検出されなければ、第2領域と第3領域との間においては空気の流動の制限を止め、第1領域と第2領域との間においては空気の流動の制限を続ける等、部分的な制御が容易になる。部分的な制御が容易にできることで、制限部130を不要に稼働させることを抑制できる。
また、例えば、管理装置100は、さらに、エアカーテンを形成するための空調部400、及び、領域220を分離するための壁部を駆動する駆動部のうちの少なくとも一方を有する制限部130を備える。この場合、例えば、制御部120は、制限部130を制御することで、第1領域及び第2領域と、第2領域及び第3領域とのそれぞれの間で、エアカーテン及び壁部の少なくとも一方によって第1領域及び第2領域と、第2領域及び第3領域とのそれぞれの間での空気の流動を制限する。
これによれば、例えば、病原体の濃度が非常に高い場合には壁部により空気の流動を制限し、病原体の濃度がそこまで高くない場合にはエアカーテンにより空気の流動を制限する等、空気の流動の制限方法が適切選択され得る。
また、例えば、制御部120は、制限部130を制御することで、第1領域と前記第2領域との間を、壁部によって空気の流動を制限し、第2領域と第3領域との間を、エアカーテンによって空気の流動を制限する。
これによれば、感染リスクの高い第1領域については病原体が他の領域にできるだけ移動しないように制限しつつ、且つ、第1領域程は感染リスクが高くない第2領域については作業効率を上げることができる。
また、例えば、制御部120は、制限部130を制御することで、第1領域と第2領域との間を、第1風力で形成したエアカーテンによって空気の流動を制限し、第2領域と第3領域との間を、第1風力よりも低い第2風力で形成したエアカーテンによって空気の流動を制限する。
これによれば、感染リスクの高い第1領域については病原体が他の領域にできるだけ移動しないように制限しつつ、且つ、第1領域程は感染リスクが高くない第2領域については少し風力を下げることで、空調部を駆動することによるコストを削減できる。
また、例えば、検知部110は、第1周期で繰り返し病原体の濃度を検知し、制御部120が、第1領域と、第2領域と、第3領域とを決定した場合、第3領域については、第1周期よりも短い第2周期で病原体の濃度を検知し、第2領域については、第2周期よりも短い第3周期で病原体の濃度を検知する。
これによれば、例えば、第1領域から病原体が空気中を移動してきたとしても、直ぐに検知しやすくできる。
また、例えば、管理システム100は、さらに、制御部120が、第1領域と第2領域と第3領域とを決定した場合、第2領域及び第3領域における家畜の抜き取り検査の個体数を通知する通知部140を備える。この場合、例えば、制御部120は、第2領域における個体数の方が第3領域における個体数よりも多くなるように通知部140に通知させる。
これによれば、家畜の抜き取り検査を行う獣医師等が、家畜の抜き取り検査の検査数を間違えにくくできる。
また、例えば、管理システム100は、さらに、第1領域、第2領域及び第3領域のそれぞれにおける家畜の抜き取り検査の検査結果を取得する取得部150を備える。制御部120は、上記検査結果に基づいて、病原体の感染が認められた家畜が飼育されている領域を第2領域と再決定する。
これによれば、検知部110による検知結果だけでなく、例えば、獣医師等が実行した検査結果にも基づいて、制御部120が空気の流動を制限できるため、厩舎200内での家畜に感染し得る感染症の拡大をさらに抑制できる。
また、本開示の一態様に係る管理方法は、厩舎200内の複数の領域220であって、それぞれで家畜が飼育されており、互いに家畜が行き来できず、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域220それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する検知ステップと(S401)、検知ステップでの検知結果に基づいて、複数の領域220のうち、病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、複数の領域200のうち、第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する制御ステップ(S402)と、を含む。
これによれば、本開示の一態様に係る管理システム100と同様の効果を奏する。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の実施の形態に係る管理システム等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
以上、本開示の実施の形態に係る管理システム等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記実施の形態では、制御部120は、検知部110が空気中に所定の閾値以上の濃度の病原体を検知した場合、複数の領域220を3つの区分に分割したが、2つの区分に分割してもよいし、4つ以上の区分に分割してもよい。
また、例えば、検知部110、制御部120、取得部150等が有する処理部の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム処理部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、処理部の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示に係る管理システムは、厩舎内で家畜に感染し得る感染症の拡大を簡便に抑制できる装置として有用である。
100 管理システム
110 検知部
120 制御部
130 制限部
140 通知部
150 取得部
160 記憶部
200 厩舎
201~210、220 領域
230 通路
301~310、320 センサ
400 空調部
500 コンピュータ
510 表示装置
520 操作装置
110 検知部
120 制御部
130 制限部
140 通知部
150 取得部
160 記憶部
200 厩舎
201~210、220 領域
230 通路
301~310、320 センサ
400 空調部
500 コンピュータ
510 表示装置
520 操作装置
Claims (10)
- 厩舎内の複数の領域であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する検知部と、
前記検知部での検知結果に基づいて、前記複数の領域のうち、前記病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、前記複数の領域のうち、前記第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する制御部と、を備える
管理システム。 - 前記家畜は、豚を含み、
前記病原体は、オーエスキー病の発症源となるウィルスを含む
請求項1に記載の管理システム。 - 前記制御部は、前記検知結果に基づいて、前記複数の領域のうち、
前記第1領域を決定し、
前記第1領域と隣り合う領域を第2領域と決定し、
前記第2領域と隣り合い、且つ、前記第1領域と前記第2領域との距離よりも前記第1領域との距離が遠い領域を第3領域と決定し、
前記第1領域及び前記第2領域と、前記第2領域及び前記第3領域とのそれぞれの間で空気の流動を制限する
請求項1又は2に記載の管理システム。 - さらに、エアカーテンを形成するための空調部、及び、領域を分離するための壁部を駆動する駆動部のうちの少なくとも一方を有する制限部を備え、
前記制御部は、前記制限部を制御することで、
前記第1領域及び前記第2領域と、前記第2領域及び前記第3領域とのそれぞれの間で、前記エアカーテン及び前記壁部の少なくとも一方によって前記第1領域及び前記第2領域と、前記第2領域及び前記第3領域とのそれぞれの間での空気の流動を制限する
請求項3に記載の管理システム。 - 前記制御部は、前記制限部を制御することで、
前記第1領域と前記第2領域との間を、前記壁部によって空気の流動を制限し、
前記第2領域と前記第3領域との間を、前記エアカーテンによって空気の流動を制限する
請求項4に記載の管理システム。 - 前記制御部は、前記制限部を制御することで、
前記第1領域と前記第2領域との間を、第1風力で形成した前記エアカーテンによって空気の流動を制限し、
前記第2領域と前記第3領域との間を、前記第1風力よりも低い第2風力で形成したエアカーテンによって空気の流動を制限する
請求項4に記載の管理システム。 - 前記検知部は、
第1周期で繰り返し前記病原体の濃度を検知し、
前記制御部が、前記第1領域と、前記第2領域と、前記第3領域とを決定した場合、前記第3領域については、前記第1周期よりも短い第2周期で前記病原体の濃度を検知し、前記第2領域については、前記第2周期よりも短い第3周期で前記病原体の濃度を検知する
請求項3~6のいずれか1項に記載の管理システム。 - さらに、前記制御部が、前記第1領域と前記第2領域と前記第3領域とを決定した場合、前記第2領域及び前記第3領域における家畜の抜き取り検査の個体数を通知する通知部を備え、
前記制御部は、前記第2領域における個体数の方が前記第3領域における個体数よりも多くなるように前記通知部に通知させる
請求項3~7のいずれか1項に記載の管理システム。 - さらに、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域のそれぞれにおける家畜の抜き取り検査の検査結果を取得する取得部を備え、
前記制御部は、前記検査結果に基づいて、前記病原体の感染が認められた家畜が飼育されている領域を前記第2領域と再決定する
請求項3~8のいずれか1項に記載の管理システム。 - 厩舎内の複数の領域であって、それぞれで家畜が飼育されており、且つ、互いに空気が流動可能に設けられた複数の領域それぞれにおける家畜に感染し得る病原体の濃度を検知する検知ステップと、
前記検知ステップでの検知結果に基づいて、前記複数の領域のうち、前記病原体の濃度が所定の閾値以上の第1領域と、前記複数の領域のうち、前記第1領域とは異なる他の領域との空気の流動を制限する制御ステップと、を含む
管理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021073063A JP2022167329A (ja) | 2021-04-23 | 2021-04-23 | 管理システム、及び、管理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021073063A JP2022167329A (ja) | 2021-04-23 | 2021-04-23 | 管理システム、及び、管理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022167329A true JP2022167329A (ja) | 2022-11-04 |
Family
ID=83852761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021073063A Pending JP2022167329A (ja) | 2021-04-23 | 2021-04-23 | 管理システム、及び、管理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022167329A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102625155B1 (ko) * | 2023-04-06 | 2024-01-16 | 동문이엔티(주) | 축사 악취 측정 및 차단 장치 |
-
2021
- 2021-04-23 JP JP2021073063A patent/JP2022167329A/ja active Pending
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KR102625155B1 (ko) * | 2023-04-06 | 2024-01-16 | 동문이엔티(주) | 축사 악취 측정 및 차단 장치 |
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