JP2022164560A - 情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 生体情報が所定の要因によって変動する場合においても、生体情報の異常を正確に検知する情報処理システムを提供する。【解決手段】 情報処理システムは、被検者の生体情報を取得する生体情報取得部111と、被検者の生体情報に影響を与えるイベントに関するイベント情報を取得するイベント情報取得部112と、生体情報とイベント情報に基づいて、生体情報の異常を検知する異常検知部123と、異常を検知した情報を、被検者または生体情報の取得に関する関係者に報知する報知部113と、を備える。【選択図】 図1
Description
本発明は、被検者の生体情報の異常を検知する情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
被検者の生体情報を経時的に取得し、取得した生体情報が基準となる閾値を超えた場合に報知を行うことで、生体情報の異常を素早く検知することができる技術が知られている。例えば、特許文献1には、事前に生体情報を取得して基準となる閾値を算出しておき、現在の生体情報と比較することで、現在の生体情報の異常を検知する技術が開示されている。
特許文献1に開示されている技術では、生体情報の種類によっては、服薬や摂食などのイベントに伴って生体情報に大きな変化が生じた場合に、実際には正常であるにもかかわらず異常と誤検知される場合があった。
そこで本発明は、生体情報が所定の要因によって変動する場合においても、生体情報の異常を正確に検知することを目的とする。
本発明の目的を達成するために、本発明の情報処理システムでは、被検者から第一の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記第一の生体情報に影響を与えるイベントに関するイベント情報を取得するイベント情報取得部と、前記イベント情報に基づいて前記第一の生体情報に関する閾値を設定し、前記第一の生体情報と前記閾値との比較を行い、前記第一の生体情報の異常を検知する異常検知部と、前記異常を検知した情報を、前記被検者または前記第一の生体情報の取得に関する関係者に報知する報知部とを備える。
本発明によれば、生体情報が所定の要因によって変動する場合においても、生体情報の異常を正確に検知することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。同一の構成要素には原則として同一の符号を付して、説明を省略する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されるものではない。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態では、被検者の生体情報を取得し、生体情報に影響を与えるイベントとして運動、睡眠、入浴等の活動状態を取得して、生体情報の異常を検知する場合について説明する。
以下、第1の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態では、被検者の生体情報を取得し、生体情報に影響を与えるイベントとして運動、睡眠、入浴等の活動状態を取得して、生体情報の異常を検知する場合について説明する。
図1は、本実施形態における情報処理システム10の構成を示す図である。本実施形態に係る情報処理システム10は、ウェアラブル端末110と、情報処理サーバ120からなる。ウェアラブル端末110と情報処理サーバ120とは、それぞれの通信部を介して接続されている。
ウェアラブル端末110は、被検者が身体に装着して被検者の生体情報を経時的に計測する。ウェアラブル端末110は、例えば、腕時計型の端末である。ウェアラブル端末110は、被検者の生体情報を取得する生体情報取得部111と、被検者の生体情報に影響を与えるイベントに関するイベント情報を取得するイベント情報取得部112と、被検者の生体情報に関して異常を検知した場合、被検者または生体情報の取得に関する関係者に報知する報知部113と、外部装置と通信を行う通信部114から構成される。
関係者は、被検者の親族、かかりつけ医などである。図示はしないが、関係者が所有する携帯端末などの情報端末に報知部113が含めることもできる。
ウェアラブル端末110は、生体情報取得部111で取得した被検者の生体情報と、イベント情報取得部112で取得したイベント情報を、通信部114を介して、情報処理サーバ120に送信する。また、通信部114は、情報処理サーバ120から異常検知信号を受信し、報知部113に送信する。報知部113は、異常検知信号を受信した際、所定の方法で異常検知情報を報知する。
情報処理サーバ120は、通信部121を介して、ウェアラブル端末110の通信部114から生体情報及びイベント情報を経時的に取得する。生体情報及びイベント情報は、時系列データとして記憶部122及び異常検知部123へ送信される。記憶部122は、データ記憶用の記憶領域を有し、時系列データを記憶領域に記憶する。異常検知部123は、通信部121及び記憶部122から時系列データ(生体情報/イベント情報)を受信し、記憶部122より受信した時系列データに基づき対象となる生体情報の閾値を設定する。また、異常検知部123は、通信部121より受信した時点(現時点)での生体情報及びイベント情報に基づいて、生体情報と閾値との比較を行う。生体情報が閾値を超えた場合には通信部121を通して、ウェアラブル端末110に異常検知信号を送信する。
以下、本実施形態に係るウェアラブル端末110及び情報処理サーバ120の各構成の詳細を説明する。
生体情報取得部111は、例えば、体温、血圧、血糖値、活動量、心拍数、心電位、血中酸素飽和度など対象となる生体情報に対応したセンサを有している。つまり、生体情報は、体温、血圧、血糖値、活動量、心拍数、心電位、血中酸素飽和度の少なくとも一つである。生体情報取得部111は、センサを介して、生体情報を取得する。本実施形態では心拍数などを計測対象とする場合について記述するが、センサの種類は1種類でも複数でもよい。
ここで、生体情報取得部111における生体情報の取得タイミングについて説明する。ウェアラブル端末110は、被検者に装着されているため、ウェアラブル端末110が被検者に装着されている間、生体情報取得部111は、生体情報を取得し続けることができる。そのため、被検者の生体情報を常時監視することができる。また、生体情報取得部111は、事前に設定された取得タイミング(時刻)において、被検者の生体情報を取得してもよい。例えば、被検者が朝6時に起床する習慣があれば、朝6時から7時の間、生体情報取得部111は、被検者の生体情報を取得する。被検者が朝7時に食事をとる習慣があれば、朝7時から8時の間、生体情報取得部111は、被検者の生体情報を取得する。生体情報取得部111は、事前に設定された取得タイミング(時刻)において、体温、血圧、血糖値、活動量、心拍数、心電位、血中酸素飽和度などの複数の生体情報の内、監視対象となる第一の生体情報を選択して取得することもできる。
さらに、被検者が所定のイベントを行う前に、被検者が生体情報の取得タイミングを設定することもできる。例えば、被検者が運動を行う前に、被検者が運動を行っている間の被検者の生体情報が取得されるように、被検者が生体情報の取得タイミングを設定することができる。被検者が睡眠を行う前に、被検者が睡眠を行っている間の被検者の生体情報が取得されるように、被検者が生体情報の取得タイミングを設定することができる。このように、被検者は、生体情報取得部111に対して、生体情報の取得時刻やタイミングを任意に設定することができる。また、被検者は、生体情報取得部111に対して、複数の生体情報の内、監視対象となる第一の生体情報の取得時刻やタイミングを任意に設定することもできる。
第1の実施形態に係る情報処理システムは、複数の生体情報の内、第一の生体情報の異常を検知することを設定する設定部115を備えている。生体情報取得部111は、被検者から取得される複数の生体情報の内、第一の生体情報を取得する。イベント情報取得部112は、第一の生体情報に影響を与えるイベントに関するイベント情報を取得する。異常検知部122は、イベント情報に基づいて第一の生体情報に関する閾値を設定し、第一の生体情報と閾値との比較を行い、第一の生体情報の異常を検知する。
生体情報取得部111は、体温、血圧、血糖値、活動量、心拍数、心電位、血中酸素飽和度などの複数の生体情報を取得する。設定部115は、複数の生体情報から第一の生体情報(特定の生体情報)を取得することを設定する。つまり、設定部115は、被検者が監視したい第一の生体情報を選択することができる。例えば、被検者が心拍数を監視したいのであれば、設定部115によって心拍数の異常を検知することを設定すれば、心拍数の異常を検知することができる。監視を行うことができる。被検者が血圧と血糖値を監視したいのであれば、設定部115によって血圧と血糖値の異常を検知することを設定すれば、血圧と血糖値の異常を検知することができる。
イベント情報取得部112は、入力インターフェースを有している。被検者が入力インターフェースを介してイベント情報を入力する。イベントの例としては、服薬、食事、睡眠、運動、入浴などが挙げられる。つまり、イベント情報は、服薬、食事、睡眠、運動、入浴の少なくとも一つである。所定のイベントが始まる前に、被検者は、入力インターフェースを介してイベント情報を入力する。例えば、被検者が服薬する前に、被検者は、入力インターフェースを介して服薬に関するイベント情報を入力する。被検者が食事をとる前に、被検者は、入力インターフェースを介して食事に関するイベント情報を入力する。
なお、イベント情報取得部112は、事前に設定された取得タイミング(時刻)において、イベント情報を取得することもできる。ここでは、事前に設定された時刻とイベント情報とが対応付けられている。例えば、被検者が朝7時に食事をとる習慣があれば、イベント情報取得部112は、朝7時に食事をとるイベント情報を定期的に取得する。被検者が夜8時に入浴する習慣があれば、イベント情報取得部112は、夜8時に入浴するイベント情報を定期的に取得する。
仮に、被検者が夜8時に入浴しないことが生じた場合、被検者は、イベント情報取得部112に対して、入浴するイベント情報の時刻をずらすこともできる。例えば、被検者が夜9時に入浴することになった場合、被検者は、入力インターフェースを介して入浴の時刻(夜9時)を入力する。イベント情報取得部112は、夜9時に入浴するイベント情報を取得する。
また、イベント情報取得部112は、被検者のイベントを検出するセンサを有していてもよい。例えば、イベント情報取得部112は、被検者の運動のイベントを検出する加速度センサを有している。加速度センサが被検者の加速度を測定することにより、被検者の運動を計測することができる。そのため、イベント情報取得部112は、加速度センサを用いることにより、被検者の歩行や体操などの運動のイベントを検出することができる。被検者のイベントを検出するセンサは、加速度センサなどの慣性センサに限らず、GPSなどの位置センサ、被検者を監視カメラで撮影した画像によるセンサなどであってもよい。
報知部113は、被検者に対して異常が発生したことを報知する手段を有している。報知部113は、前述した異常発生信号を受信した際に被検者に対して異常の発生を報知する。
報知部113の報知手段としては、音によるアラートや、インターフェース上に異常発生を示す画面の表示、バイブレーション機能が例として挙げられる。図1に示すように、被検者が装着するウェアラブル端末110に報知部113を備えているため、被検者は異常検知情報を認識することができる。
通信部114は、ネットワークに接続されている。ネットワークは、通信ネットワーク、例えば、無線通信(Wi-Fi)、インターネット、無線基地局、プロバイダ、通信回線などを含む。通信部114は、生体情報及びイベント情報を情報処理サーバ120に送信する。通信部114は、生体情報及びイベント情報を時系列データとして送信してもよい。
また、通信部114は、後述する異常検知部123で設定した閾値を超える生体信号の値が検知された際に、情報処理用サーバ120から異常発生信号を受信する。
通信部121は、通信部114と同様に、ネットワークに接続されている。通信部121と通信部114は、ネットワークを介して、互いに通信することができる。通信部121は、ウェアラブル端末110から送信された生体情報及びイベント情報を受信する。
また、後述する異常検知部123で設定した閾値を超える生体信号の値が検知された際に、通信部114に異常発生信号を送信する。
記憶部122は、データ記憶用の記憶領域を有している。記憶部122は、例えば、大容量を記憶できる磁気ディスク(HDD)である。記憶部122は、通信部121から受信した生体情報及びイベント情報を記憶領域に記憶する。生体情報及びイベント情報が時系列データである場合、記憶部122は、生体情報及びイベント情報を時系列データとして記憶する。
異常検知部123は、通信部121及び記憶部122から、生体情報及びイベント情報を受信する。異常検知部123は、生体情報及びイベント情報を用いて、生体情報における異常値の閾値を設定する。
例えば、異常検知部123は、記憶部122に記憶されている過去の日(前日)の生体情報及びイベント情報の時系列データから、イベント非発生時の所定の期間での生体情報の平均及び分散を求める。なお、異常検知部123は、記憶部122に記憶されている過去の期間(曜日、月、年)の生体情報及びイベント情報の時系列データから、イベント非発生時の所定の期間における生体情報の平均及び分散を求めてもよい。
そして、異常検知部123は、生体情報の平均及び分散の値に基づいて閾値を設定する。具体的には、例えばホテリングの理論に基づき、イベント非発生時の生体情報の平均及び分散に対して、計測する生体情報値の負の対数尤度が、自由度1のカイ二乗分布において有意水準が5%を下回るような値を、計測する生体情報の閾値として設定するなどが例として挙げられる。
また、生体情報に影響を及ぼすイベントが発生している場合、そのイベントによって影響を受ける生体情報の閾値を、イベントごとに設定された値及び期間に基づいて変動させてもよい。例えば、運動を行う運動イベントの発生により、体温が正の影響を受けることが分かっている場合、運動イベントの発生に応じて体温の閾値を上昇させるなどが例として挙げられる。運動を行う運動イベントの発生により、血圧が正の影響を受けることが分かっている場合、運動イベントの発生に応じて血圧の閾値を上昇させてもよい。また、食事をとる食事イベントにより、血糖値が正の影響を受けることが分かっている場合、食事イベントの発生に応じて血糖値の閾値を上昇させてもよい。
このように、イベント情報に基づいて生体情報の閾値を変動させる処理を行うことにより、例えば運動による一時的な体温上昇、血圧や血糖値の上昇を異常として誤検知するような事象を防ぐことが可能である。
異常検知部123は、複数の生体情報を監視することを前提に、イベント情報取得部112で取得されるイベント情報の種類によって複数の生体情報の閾値をそれぞれ設定することができる。例えば、異常検知部123は、イベント情報取得部112で取得されるイベントが食事イベントである場合、食事イベントによって影響を受ける血糖値の閾値を変更し、食事イベントによって影響を受けない血圧の閾値を変更しない。異常検知部123は、イベント情報取得部112で取得されるイベントが運動イベントである場合、運動イベントによって影響を受けない血糖値の閾値を変更せず、運動イベントによって影響を受ける血圧の閾値を変更する。つまり、異常検知部123は、イベント情報取得部112で取得されるイベントによって影響を受ける第一の生体情報の閾値を変更し、イベントによって影響を受けない第二の生体情報の閾値を変更しない。
ここで、設定部115は、被検者が監視したい第一の生体情報を選択することができる。設定部115によって、監視したい第一の生体情報が選択された場合、異常検知部123は、選択された第一の生体情報に影響を及ぼすイベント情報を抽出し、イベント情報に対応する閾値を設定する。例えば、被検者が心拍数を監視したいのであれば、設定部115によって、心拍数が選択される。心拍数に影響を与えるイベントは、運動、入浴であるため、異常検知部123は、運動、入浴のイベントに合わせて心拍数の閾値を上昇させる。このように、設定部115によって心拍数の異常を検知することを設定すれば、心拍数の異常を検知することができる。なお、設定部115によって心拍数を監視対象として第一の生体情報を設定した場合、第一の生体情報と異なる第二の生体情報(血圧、脈拍など)は監視しないようにすることもできる。イベント情報取得部112は、第一の生体情報に影響を与えないイベント情報(運動)は取得しないように設定することもできる。
また、被検者が血糖値を監視したいのであれば、設定部115は、血糖値を選択する。血糖値に影響を与えるイベントは、食事であるため、異常検知部123は、食事のイベントに合わせて血糖値の閾値を上昇させる。
このように、設定部115によって血糖値の異常を検知することを設定すれば、血糖値の異常を検知することができる。なお、設定部115によって血糖値を監視対象として第一の生体情報を設定した場合、第一の生体情報と異なる第二の生体情報(血圧、脈拍など)は監視しないようにすることもできる。
つまり、異常検知部123は、監視対象として設定した第一の生体情報と、第一の生体情報に影響を与えるイベント情報とを用いて、第一の生体情報における異常値の閾値を設定する。一方、異常検知部123は、第一の生体情報と異なる生体情報に影響を与えないイベント情報から異常値の閾値を設定しない。
そして、異常検知部123は、第一の生体情報の値が閾値を超えた場合、通信部121を通して報知部113に異常発生信号を送信する。複数の生体情報の内、第一の生体情報の値が閾値を超えた場合、異常検知部123は、異常発生信号を第一の生体情報の種類情報とともに送信する。例えば、被検者が血圧と血糖値を監視し、血圧の値が閾値を超えた場合、異常検知部123は、異常発生信号を第一の生体情報の種類情報(血圧)とともに送信する。また、血糖値の値が閾値を超えた場合、異常検知部123は、異常発生信号を第一の生体情報の種類情報(血糖値)とともに送信する。
ここで、生体情報取得部111、イベント情報取得部112、報知部113、通信部114、通信部121、記憶部122、異常検知部123で用いられている演算回路は、専用に設計されたプロセッサであってもよい。また、それら演算回路の各構成は異なるハードウェアによって構成されてもよい。また、演算回路の少なくとも一部の構成は単一のハードウェアで構成されていてもよい。本実施形態ではウェアラブル端末110と情報処理サーバ120の2つから構成される実施例について記載しているが、本発明の形態はこれに限らない。例えばウェアラブル端末110上に全ての構成要素が含まれる1つの装置であってもよいし、ウェアラブル端末110が内包している構成要素を、情報処理サーバ120に内包してもよい。
また、イベント情報取得部112と報知部113が情報端末に設置されていてもよい。図2は、情報端末130がイベント情報取得部112と報知部113を有している形態を示している。情報端末130は、PC端末、スマートフォンなどの携帯端末、ノート端末、タブレット端末などである。
ウェアラブル端末110は、被検者の生体情報を取得する生体情報取得部111と、外部装置と通信を行う通信部114とから構成される。
情報端末130は、被検者の生体情報に影響を与えるイベントの発生タイミングに関するイベント情報を取得するイベント情報取得部112と、被検者の生体情報に関して異常を検知した場合、被検者または生体情報の取得に関する関係者に報知する報知部113とから構成される。情報端末130は、外部装置と通信を行う機能を有している。
イベント情報取得部112と報知部113は、図1のイベント情報取得部112と報知部113と同一の機能であるため、説明は省略する。
生体情報の値が閾値を超えた場合、情報処理サーバ120における異常検知部123が、通信部121を通して、情報端末130の報知部113に異常発生信号を送信する。情報端末130の報知部113は、被検者に対して異常が発生したことを報知する。
次に、図3のフローチャートを用いて、本実施形態において情報処理サーバ120が生体情報についての閾値を決定する処理について説明する。情報処理サーバ120は、被検者からの指示を受け付けて図3のフローチャートの処理を開始する。
ステップS21において、異常検知部123は、記憶部122に記憶されている過去の生体情報(例えば、心拍数)及びイベント情報の時系列データを受信する。
ステップS22において、異常検知部123は、ステップS21で受信した時系列データから、生体情報について、イベント中の生体情報の平均及び分散を抽出する。ここでは、イベントごとに対象の生体情報の所定期間の平均及び分散が抽出される。
ステップS23において、異常検知部123は、ステップS22で抽出された生体情報の平均及び分散と、イベントが無い状態の生体情報の平均及び分散とを比較して、有意差があるイベントを、生体情報に対して影響のあるイベントとして抽出する。
ステップS24において、異常検知部123は、生体情報に対して影響のあるイベントごとに、生体情報の閾値を、S22で算出した平均及び分散に基づいて設定する。
ステップS25において、異常検知部123は、S24で設定した閾値と対応するイベント情報を記憶部122に送信し、記憶部122は受信した情報を記憶領域に記憶する。
次に、図4のフローチャートを用いて、本実施形態において情報処理システム10が、生体情報に対して異常を検知し、報知する処理について説明する。ウェアラブル端末110及び情報処理サーバ120は、被検者からの指示を受け付けて図4のフローチャートの処理を開始する。
ステップS31において、生体情報取得部111は、被検者の生体情報(例えば、心拍数)の取得を開始し、取得した生体情報を、通信部114を通して情報処理サーバ120に送信する。
ステップS32において、イベント情報取得部112は、被検者が入力インターフェースを通じて入力した現在のイベント情報(服薬、食事、睡眠、運動、入浴等)を取得する。入力がない場合は、イベントが発生していないものとする。イベント情報取得部112は、取得したイベント情報を、通信部114を通して情報処理サーバ120に送信する。
ステップS33において、異常検知部123は、ステップS31で取得した生体情報及びS32で取得したイベント情報に基づき、現在のイベント状態に対応する生体情報の閾値を記憶部122より受信する。
ステップS34において、異常検知部123は、ステップS31で取得した生体情報と、S33で読み込んだ閾値を比較する。生体情報が閾値内であった場合には、記憶部122に生体情報及びイベント情報を送信する。記憶部122は、生体情報及びイベント情報を記憶し、処理を終了する。一方、生体情報が閾値を超えていた場合には、異常検知部123は、報知部113に対して異常発生信号を送信し、ステップS35へ遷移する。
ステップS35において、報知部113は、異常発生信号を受信し、被検者または生体情報の取得に関する関係者に、音でのアラートもしくはインターフェースへの表示によって、異常の発生を報知する。
以上、本実施形態に係る情報処理システムによれば、被検者の生体情報を取得する生体情報取得部111と、被検者の生体情報に影響を与えるイベントに関するイベント情報を取得するイベント情報取得部112と、生体情報とイベント情報に基づいて、生体情報の異常を検知する異常検知部123と、異常を検知した情報を、被検者または生体情報の取得に関する関係者に報知する報知部113と、を備える。
具体的には、被検者から第一の生体情報を取得する生体情報取得部11と、第一の生体情報に影響を与えるイベントに関するイベント情報を取得するイベント情報取得部112と、イベント情報に基づいて第一の生体情報に関する閾値を設定し、第一の生体情報と閾値との比較を行い、第一の生体情報の異常を検知する異常検知部123と、異常を検知した情報を、被検者または第一の生体情報の取得に関する関係者に報知する報知部113とを備える。よって、生体情報の取得中に生体情報に影響を及ぼすイベントが発生した場合でも、生体情報の異常を正しく検知することができる。
<実施形態1の変形例1>
本実施形態では、計測する生体情報として心拍数などを例に説明したが、本発明の実施はこれに限らない。心拍数以外にも体温、血圧、血糖値、活動量、心電位、血中酸素飽和度などの生体情報でもよく、それらの任意の組み合わせでもよい。
本実施形態では、計測する生体情報として心拍数などを例に説明したが、本発明の実施はこれに限らない。心拍数以外にも体温、血圧、血糖値、活動量、心電位、血中酸素飽和度などの生体情報でもよく、それらの任意の組み合わせでもよい。
また、本実施形態では、イベント情報の取得方法の例として、入力インターフェースを通じた被検者からの入力を挙げたが、イベント情報の取得方法はこれに限らない。例えば、生体情報取得部111より取得した他の生体情報や、時刻情報に基づき、イベント状態を推定する方法が挙げられる。より具体的には、生体情報として活動量及び体温を同時に取得しておき、日中に活動量と心拍数と体温が同時に上昇した場合には、運動イベントが発生したと推定する。そして、夜間に一定期間活動量が低いままの場合には睡眠イベントが発生したと推定するなどが例として挙げられる。このような変形を行うことにより、被検者がイベントの発生を入力する頻度を削減することができ、被検者の作業を減らすことができる。
また、本実施形態では、閾値を記憶部122に記憶している過去の生体情報及びイベント情報に基づき決定したが、閾値の決定方法はこれに限らない。例えば、図5に示すように、被検者の健康診断情報や服薬情報といったPHR(Personal Health Record)情報(医療情報)をPHR情報DB230から情報取得部(通信部121)において取得し、記憶部122に記憶する。そして、イベント非発生時の閾値を設定する際に、記憶部122より健康診断時の生体情報の値を読み込み、その値に基づいて閾値を決定するなどが例として挙げられる。このような変形を行うことにより、健康診断で留意が必要である生体情報などにおいて、より実態に即した閾値を設定することができる。
異常検知部123は、第一の生体情報に影響を与える服薬情報(種別)を用いて、第一の生体情報における異常値の閾値を設定することもできる。イベント情報取得部112によって、第一の生体情報に影響を与える服薬のイベントを取得した場合、異常検知部123は、第一の生体情報における異常値の閾値を下げる。
例えば、監視対象として血圧を監視する場合、異常検知部123は、血圧に影響を与える降圧剤の服薬情報を用いて、血圧における異常値の閾値を設定することもできる。イベント情報取得部112によって、血圧に影響を与える降圧剤の接種に関するイベントを取得した場合、異常検知部123は、血圧における異常値の閾値を下げる。
降圧剤は、Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、β遮断薬、利尿薬などがある。降圧剤の種別によって、それぞれ効果が異なるため、異常検知部123は、降圧剤の種別に応じて、血圧における異常値の閾値を設定することもできる。つまり、異常検知部123は、服薬情報の種別に応じて、第一の生体情報における異常値の閾値を設定することができる。
また、血圧に影響を与える降圧剤は、被検者は定期的(例えば、毎日)に取得する必要がある。イベント情報取得部112から服薬のイベントを取得しない場合、報知部113は、被検者に対して降圧剤を服薬するように報知することもできる。つまり、イベント情報取得部112から服薬のイベントを取得しない場合、報知部113は、被検者に対して服薬を促すように報知することもできる。この時、報知部113は、被検者に対して、上述した異常の発生の報知方法と異なる報知手法により報知を行う。このように、被検者に対して服薬するように促すこともできる。
本実施形態では、被検者の医療情報をPHR情報DB230から取得する情報取得部(通信部121)を備え、異常検知部123は、生体情報、イベント情報及び医療情報に基づいて生体情報の異常を検知する。異常検知部123は、イベント情報及び医療情報に基づいて生体情報の異常を検知するための閾値を設定する。異常検知部123は、生体情報と閾値との比較によって、生体情報の異常を検知する。
また、本実施形態では異常検知の方法として、生体情報に閾値を設定する方法を例示したが、検知の方法はこれに限らない。例えば、イベント発生直後の生体情報(値)の立ち上がり勾配の差を用いてもよいし、正常/異常を判別できる機械学習モデルを用いてもよい。
また、本実施形態では、ウェアラブル端末110が腕時計型の端末である場合を例に説明したが、これに限らず、被検者の生体情報を経時的に計測できる端末であれば何でもよい。例えば、眼鏡型の端末や首掛け型の端末などでもよい。あるいは、身体に装着せずに生体情報を取得できる端末でもよい。例えばベッドに寝たきりの状態の被検者の体温を、ベッド脇から非接触で計測可能なサーマルカメラなどの端末でもよい。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態では一例として、被検者の生体情報として血糖値を取得し、生体情報に影響を与えるイベントとして食事及び服薬の状態を取得して異常検知を行う場合について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以下、第2の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態では一例として、被検者の生体情報として血糖値を取得し、生体情報に影響を与えるイベントとして食事及び服薬の状態を取得して異常検知を行う場合について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図6のフローチャートを用いて、本実施形態において情報処理サーバ120が服薬イベント時の血糖値についての閾値を決定する際に実行する処理について説明する。情報処理サーバ120は、被検者からの指示を受け付けて図6のフローチャートの処理を実行する。
ステップS51において、異常検知部123は、通信部121を通じてPHR情報DB230より被検者が服薬している血糖値に影響を与える服薬情報(医薬品情報)を取得する。
ステップS52において、異常検知部123は、服薬情報から、服薬タイミング、血糖値への影響量、薬効の持続時間といった、血糖値に対する影響に関連する情報を抽出する。
ステップS53において、異常検知部123は、ステップS52で抽出した血糖値に対する影響から、服薬イベント時の血糖値の閾値を設定し、記憶部122に送信する。この際、閾値として設定する値は、薬効の半減期の時間等に基づき、服薬からの時間に応じて時系列的に変化するような値であってもよい。
ステップS54において、記憶部122は、異常検知部123から受信した情報を記憶領域に記憶する。
以下、図4のフローチャートを用いて、本実施形態において情報処理システム10が、測定した血糖値に対して異常を検知し、報知する際に実行する処理について説明する。
本実施形態において、異常判定のフローチャートは生体情報として血糖値、イベント情報として食事、服薬、判定閾値として服薬時の血糖値の変化に基づく閾値を使用する以外は、実施形態1と同様である。
ステップS31において生体情報取得部111は被検者の血糖値を取得し、取得したデータを情報処理サーバ120に送信する。
ステップS32において、被検者はイベント情報取得部112に食事イベント、服薬イベント情報を、入力インターフェースを通じて入力する。
ステップS33において、異常検知部123は、食事、服薬イベントに対応する血糖値の閾値を記憶部122より受信する。
ステップS34において、異常検知部123は、生体情報取得部111から取得した血糖値と閾値とを比較し、閾値内であった場合には記憶部122に血糖値とイベント情報を記憶し、処理を終了する。一方、生体情報取得部111から取得した血糖値が閾値を超えていた場合には、異常検知部123は、報知部113に異常発生信号を送信し、ステップS35に処理を進める。
ステップS35において、報知部113は、被検者または生体情報の取得に関する関係者に対して異常検知の報知を実行する。
以上、本実施形態に係る情報処理システムによれば、血糖値に対する食事及び服薬のように、対象となる生体情報に対して時系列的な影響を及ぼすようなイベントが発生した場合でも、生体情報の異常を正しく検知することができる。
本発明は、実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
なお、上述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、または、その主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
Claims (20)
- 複数の生体情報の内、第一の生体情報の異常を検知することを設定する設定部と、
被検者から第一の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記第一の生体情報に影響を与えるイベントに関するイベント情報を取得するイベント情報取得部と、
前記イベント情報に基づいて前記第一の生体情報に関する閾値を設定し、前記第一の生体情報と前記閾値との比較を行い、前記第一の生体情報の異常を検知する異常検知部と、
前記異常を検知した情報を、前記被検者または前記第一の生体情報の取得に関する関係者に報知する報知部とを備えることを特徴とする情報処理システム。 - 前記生体情報取得部を有するウェアラブル端末と、前記異常検知部を有する情報処理サーバとを備え、前記ウェアラブル端末と前記情報処理サーバは、それぞれの通信部を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記異常検知部は、前記第一の生体情報と前記イベント情報に基づいて閾値を設定し、前記第一の生体情報と前記閾値との比較を行い、前記第一の生体情報が前記閾値を超えた場合、前記ウェアラブル端末に異常検知信号を送信することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
- 前記第一の生体情報は、体温、血圧、血糖値、活動量、心拍数、心電位、血中酸素飽和度の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記イベントは、服薬、食事、睡眠、運動、入浴の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記生体情報取得部は、事前に設定された取得タイミングにおいて、前記被検者の第一の生体情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記イベント情報取得部は、事前に設定された取得タイミングにおいて、イベント情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記イベント情報取得部は、前記被検者のイベントを検出するセンサを有していることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記イベント情報取得部は、前記第一の生体情報に影響を与えないイベント情報を取得しないことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記被検者の医療情報を取得する情報取得手段をさらに備え、
前記異常検知部は、前記第一の生体情報、前記イベント情報及び前記医療情報に基づいて第一の生体情報の異常を検知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。 - 前記異常検知部は、前記イベント情報及び前記医療情報に基づいて前記生体情報の異常を検知するための閾値を設定し、前記第一の生体情報と前記閾値との比較によって、前記生体情報の異常を検知することを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
- 前記異常検知部は、前記イベント情報の種類によって複数の生体情報の閾値をそれぞれ設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記異常検知部は、前記イベント情報取得部で取得されるイベント情報によって影響を受ける前記第一の生体情報の閾値を変更し、前記イベント情報によって影響を受けない第二の生体情報の閾値を変更しないことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記異常検知部は、前記第一の生体情報の平均及び分散の値に基づいて閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記第一の生体情報に影響を及ぼすイベントが発生している場合、前記異常検知部は、イベントごとに設定された値及び期間に基づいて前記閾値を変動させることを特徴とする請求項3又は13に記載の情報処理システム。
- 前記異常検知部は、前記第一の生体情報に影響を与える服薬情報を用いて、前記第一の生体情報における異常値の閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記異常検知部は、前記第一の生体情報に影響を与える服薬情報の種別に応じて、前記第一の生体情報における異常値の閾値を設定することを特徴とする請求項16に記載の情報処理システム。
- 前記イベント情報取得部から服薬のイベントを取得しない場合、前記報知部は、前記被検者に対して服薬を促すように報知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 複数の生体情報の内、第一の生体情報の異常を検知することを設定するステップと、
被検者から前記生体情報を取得するステップと、
前記第一の生体情報に影響を与えるイベントに関するイベント情報を取得するステップと、
前記イベント情報に基づいて前記第一の生体情報に関する閾値を設定し、前記第一の生体情報と前記閾値との比較を行い、前記第一の生体情報の異常を検知するステップと、
前記異常を検知した情報を、前記被検者または前記第一の生体情報の取得に関する関係者に報知するステップとを有する情報処理方法。 - 請求項19に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
US17/720,178 US20220336093A1 (en) | 2021-04-16 | 2022-04-13 | Information processing system, information processing method, and storage medium |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021069722 | 2021-04-16 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022013183A Pending JP2022164560A (ja) | 2021-04-16 | 2022-01-31 | 情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム |
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2022
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