JP2022162275A - ライナリング及びポンプ装置 - Google Patents

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【課題】異なる特性を兼ね備えるライナリング及びポンプ装置を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様にかかるライナリングは、ポンプケーシングにおいて、前記ポンプケーシング内に配されるインペラの外周に設けられた収容部に配され、前記収容部と前記インペラとの間に配され、第1の材料で構成され、前記収容部に対向する面を構成する第1パーツと、前記第1の材料よりも寸法精度が高い第2の材料で構成され、前記インペラに対向する面を構成する第2パーツと、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、ポンプに配されるライナリング及びポンプ装置の構造に関する。
例えばポンプ装置においてポンプケーシングの内面とインペラとの間に、ライナリングが設けられる。一般的に、インペラを囲むライナリングは環状に構成され、ポンプケーシングの内側に固定される。例えばフローティング型として低摩擦で安価な樹脂を採用する場合もある。
特開平11-257287号公報
樹脂性のライナリングにおいて、低摩擦、寸法精度、耐摩耗性といった様々な特性を両立することが求められるが、特殊製法や、主要素の一部を犠牲にする必要がある。
そこで、本発明は、異なる特性を兼ね備えるライナリング及びポンプ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかるライナリングは、ポンプケーシングにおいて、前記ポンプケーシング内に配されるインペラの外周に設けられた収容部に配され、前記収容部と前記インペラとの間に配され、第1の材料で構成され、前記収容部に対向する面を構成する第1パーツと、前記第1の材料よりも寸法精度が高い第2の材料で構成され、前記インペラに対向する面を構成する第2パーツと、を備える。
本発明の他の一態様にかかるポンプ装置は、上記のライナリングと、インペラ側に開口する周溝状の収容部を有し、前記収容部に前記ライナリングを保持する、ポンプケーシングと、前記ポンプケーシングに収容されるインペラと、を備える。
本発明によれば、異なる特性を兼ね備えるライナリング及びポンプ装置を提供できる。
本発明の第1実施形態にかかるポンプ装置の構成を一部断面で示す側面図。 同ポンプ装置の構成を示す側面図。 同実施形態にかかるポンプ装置の一部の構成を示す断面図。 同ポンプ装置のライナリング及び収容部の構成を示す断面図。 他の実施形態に係るライナリングの断面図。 他の実施形態に係るライナリングの断面図。 他の実施形態に係るライナリングの断面図。 本発明の他の実施形態にかかるポンプ装置の構成を一部断面で示す側面図。
以下、本発明の一実施の形態に係るライナリング40及びポンプ装置10について図1乃至図3を参照して説明する。図1及び図2は本発明の一実施の形態に係るポンプ装置10の側面図であり、図1において一部断面で示す。図3はポンプ装置の一部の構成を示す断面図であり、図4はライナリング及び収容部の構成を示す断面図である。なお、説明のため、各図において適宜構成を省略して示している。
図1及び図2に示すように、ポンプ装置10は、モータ11と、モータ11に接続されたインペラ22を有する1段または複数段のポンプ部12と、を備える。ポンプ装置10は、例えば、多段のタービンポンプである。ポンプ装置10は、インバータや複数の制御基板を収容する制御盤に接続される。ポンプ装置10は、吸込側の流路が受水槽に接続され、吐出側の流路が給水先の水道機器に接続される。ポンプ装置10は、例えば横置きに設置されている。
モータ11はケーブルによって制御盤に接続される。モータ11はインバータを介して制御基板に接続され、制御基板に搭載された制御部の制御によって回転数制御される。
ポンプ部12は、回転軸21と、インペラ22と、ポンプケーシング23と、を備える。ポンプ部12には、インペラ22とポンプケーシング23との間に配されるライナリング40や、回転軸21とポンプケーシング23との間に配される軸受部材が設けられる。
回転軸21(主軸)は、モータ11に接続される。回転軸21はポンプ部12のインペラ22を固定可能に構成されている。回転軸21は軸受部材に軸支される。
インペラ22は、例えばクローズドタイプのプレスインペラである。インペラ22は例えばSUS製である。インペラ22は、第1シュラウド31と、第1シュラウド31に対向配置される第2シュラウド32と、一対のシュラウド31、32の間に配された羽根33と、備え、流体を通過可能に形成されている。インペラ22は、鋼板等の金属板をプレス加工し、主板となる第1シュラウド31、側板となる第2シュラウド32、及び羽根33を形成し、形成された第1シュラウド、第2シュラウド、及び羽根33をレーザ溶接により一体に接合して構成されるプレスインペラである。
第1シュラウド31は、円板形状に構成される。第1シュラウド31は、第1方向に交差する面に沿って延設される。第1シュラウド31は、平板状であり、例えば第1方向に直交する方向に沿って、延設される。
第1シュラウド31の中心部にボス部31aが設けられている。ボス部31aは、シュラウド31の中心部に一体に設けられた円筒状部材であり、第1シュラウド31から軸方向の一方と他方にそれぞれ突出する。ボス部31aの中心部には位置決め用の二面幅を有する挿通孔31bが形成されている。この挿通孔31bに、回転軸21が固定される。
第2シュラウド32は、第1方向において、第1シュラウド31の一方側に対向配置される。第2シュラウド32は、軸方向に見た平面視の外形が円形に形成されている。第2シュラウド32は、流体を吸込む円形のインペラマウス22a(マウス部)を有している。第2シュラウド32のインペラマウス22aの外周縁部分がポンプケーシング23の内部に、ライナリングを介して回動可能に支持される。
第2シュラウド32は、第1方向に沿う断面視において、外周部位が第1方向に直交する面方向に沿って延びるとともに、中心部に設けられたインペラマウス22aが第1方向に沿う円筒状に構成される。第2シュラウド32の第1方向他方側の表面が、羽根33の端面に溶接され、接合される。
羽根33は、一対のシュラウド31、32間に一枚または複数枚設けられる。羽根33は、その一方の端部が、シュラウド31、32の中心側に、その他方の端部がシュラウド31、32の外周縁に配置される。
羽根33は、第1シュラウド31の一方の主面と第2シュラウド32の他方の主面との間において立設されている。羽根33は、軸方向に見た平面視においてシュラウド31、32の中心、すなわちインペラ22の回転中心から湾曲形状、例えばボリュート形状に形成されている。羽根33は、インペラ22の回転によって、第2シュラウド32のインペラマウス22aから吸い込まれた水を、インペラ22の外周部に形成されるインペラ吐出口22bへ、案内する。
ポンプケーシング23は、外部ケーシング25と、中間ケーシング27と、ケーシングカバー28と、を備える。外部ケーシング25は、例えばステンレス材で構成され、回転軸の先端側に設けられた小径の円筒状の吸込部25aと、吸込部に連続して設けられた収納部25bと、収納部25bの外周から連通して上方向に向かう円筒状の吐出部25cと、を一体に備えて構成され、所定の流路を形成する。外部ケーシング25内に複数の中間ケーシング27が設けられる。ポンプケーシング23の軸方向基端側にはケーシングカバー28が組み付けられる。ケーシングカバー28にモータ11が固定されている。
中間ケーシング27は軸方向に複数積層されて配置されている。中間ケーシング27は、インペラ22の外周に配される周壁部27aと、軸方向に並ぶ複数のインペラ22の間に配されるガイドベーン27bと、ガイドベーン27bの一方の主面に形成された複数の戻り羽根と、一体に備える。周壁部27aは例えば円筒状に構成され、インペラ22の外周を覆う。
ガイドベーン27bは、SUS材で、円形の板状に構成され、回転軸21に直交して配置される。ガイドベーン27bは軸方向に並ぶ複数のインペラ22の間に配され、インペラ吐出口22bからの流体を次段のインペラに案内する戻り流路を形成する。ガイドベーン27bの中央には、回転軸21の回りを囲む円形の開口部27fが形成される。ガイドベーン27bの一方側の面は第1シュラウド31の裏面に対向する。ガイドベーン27bの他方側の面には戻り羽根が形成される。戻り羽根は、ガイドベーン27bの他方の主面から軸方向の他方に突出する羽根部材であり、例えば回転方向において複数等間隔で設けられている。戻り羽根は、流体を二次側のインペラ22に送ることが可能な形状に設定される。
ガイドベーン27bの開口部27fには、ライナリング40を収容する収容部35が形成される。具体的には、開口部27fの周縁に、円環形状であって段差を有する保持プレート29が接合される。保持プレート29は、ガイドベーン27bの一方の面の開口部27fの縁に固定される固定部29aと、固定部29aから屈曲する段差を有しガイドベーン27bと所定の隙間を形成する保持部29bと、を一体に有する。SUSで構成された保持プレート29の段差によってガイドベーン27bの主面との間に隙間が形成される。保持プレート29とガイドベーン27bの主面によって中心軸に向けて開口する環状の周溝である収容部35が形成される。この収容部35に、インペラ22と摺動可能な環状のライナリング40の一部が保持され、ライナリング40が装着される。
ライナリング40は、インペラ22のインペラマウス22aの外周に配される環状に構成される。ライナリング40はポンプケーシング23の収容部35に対応して構成され、その内周面がわずかな隙間を介してインペラ22の外周面と対向配置されるように形成されている。
ライナリング40は、一対の第1パーツとしての第1リングパーツ41、42と、第2パーツとしての第2リングパーツ43と、を備える。一対の第1リングパーツ41、42と第2リングパーツ43とは例えば材料が異なるとともにそれぞれが環状に構成される。
第1リングパーツ41、42は、第1の材料で構成され、前記ポンプケーシングに対向する面を構成する。第1の材料は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、POM(ポリアセタール)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、及びPA66(ナイロン66)の少なくともいずれかを含む材料により形成される。本実施形態において一例として、第1の材料は例えばPTFEとした。
一対の第1リングパーツ41、42はそれぞれ、円環状に構成される。
第2リングパーツ43は、第1の材料とは異なる材料で構成され、インペラ22のインペラマウス22aの外周面に対向する面を構成する。第2リングパーツ43は例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)で形成される。第2リングパーツ43は、断面がT字状であり、一対の第1リングパーツ41、42間に挟まれる基部43aと、基部43aよりも回転軸21側に配され軸方向の寸法が大きく構成された突出部43bと一体に有する。第2リングパーツ43は、外径が一対の第1リングパーツ41、42と略同径であり、内径は第1リングパーツ41、42の内径よりも小さく構成される。したがって、第2リングパーツ43の内周側の部位である突出部43bが、一対の第1リングパーツ41、42よりもインペラ22のインペラマウス22aに向けて径方向内側に突出する。
ライナリング40は、一対の第1リングパーツ41,42の間に第2リングパーツ43の基部43aを挟み、外周部を収容部35の周溝に挿入することにより、ポンプケーシング23に設置される。例えば、一対の第1リングパーツ41,42の間に第2リングパーツ43の基部43aを挟み接着剤等で接合してライナリング40を一体に構成してから、収容部35に嵌めてもよく、あるいは別体に構成された一対の第1リングパーツ41,42の間に第2リングパーツ43の基部43aを挟んだ状態で収容部35に設置してもよい。また、ライナリング40は接着剤により収容部35に固定され、あるいは突起などの凹凸形状により係合させて保持されていてもよい。あるいは、ライナリング40の軸方向の寸法を収容部35の隙間より僅かに大きく構成し、ライナリング40を圧縮することで収容部35に嵌合させて保持する構成であってもよい。
ライナリング40の各パーツに用いられる材料の一例として、PPS及びPTFEが挙げられる。特性として、PPSは寸法精度に優れた材料であり、PTFEに比べて寸法精度及び安定性が高い。一方で、PTFEは低摩擦性と耐摩耗性に優れた材料であり、PPSよりも耐摩耗性が高い。すなわち、本実施形態にかかるライナリング40においては、回転することにより対向配置されたガイドベーン27b、保持プレート29によって摩耗する可能性がある第1リングパーツ41、42は低摩擦で耐摩耗性の高いPTFEで構成される。また、回転部材であるインペラ22に僅かな隙間を介して対向し高い寸法精度が求められる第2リングパーツ43は、寸法精度に優れるPPSで構成される。
なお、第2リングパーツ43は、軸方向の寸法が大きく構成された突出部43bを一体に有するT字形状としてインペラ22に対向する摺動面の幅寸法を大きくすることで、図3に破線矢印で示すように高圧の流体がインペラ22とライナリング40との間を通って戻ることを抑制できる。また、射出成型可能で形状の自由度が高いPPSを、T字状の第2リングパーツ43に用いることで、所望の形状を実現できる。
以上のように構成されたポンプ装置10において、モータ11の回転によりインペラ22が回転することで、各インペラ22はインペラマウス22aから流体を吸込み、羽根33と第1シュラウド31と第2シュラウド32との間に形成される流路を流体が通過する際に流体を増圧し、インペラ吐出口22bから吐出する。インペラ吐出口22bから流出した流体は、中間ケーシング27のガイドベーン27b及び戻り羽根によって形成される戻り流路によって、次段に配されるインペラ22のインペラマウス22aに案内される。最終段のインペラ22のインペラ吐出口22bから流出した流体は、外部ケーシング25の吐出部25cから排出される。
本実施形態にかかるポンプ装置10およびライナリング40は、例えば低摩擦、寸法精度、耐摩耗性といった異なる特性を兼ね備えるライナリング及びポンプ装置を実現できる。すなわち、第1の材料で構成され、ポンプケーシングに対向する面を構成する第1リングパーツ41、42と、第1の材料とは異なる材料で構成され、インペラに対向する面を構成する第2リングパーツ43と、を備え、部位によって異なる材料特性を持たせることで、異なる要求を兼ね備えることができる。例えば、第1リングパーツ41、42を構成する第1の材料は低摩擦性及び耐摩耗性に優れた材料とし、第2リングパーツ43を構成する第2の材料は寸法精度に優れた材料とすることで、低摩擦性、耐摩耗性、及び寸法精度を両立できる。具体的には、インペラ22のインペラマウス22aとの摺動部となる第2リングパーツ43は寸法精度が高いPPSで形成することで、寸法精度を確保でき、ガイドベーン27b及び保持プレート29で構成される収容部35側となる第1リングパーツ41、42はPTFE、POM、PEEK、及びPA66の少なくともいずれかを含む材料により形成されることにより、耐摩耗性を確保することができる。例えば第1リングパーツ41,42をPTFEで構成することで、低摩擦性と耐摩耗性を確保できる。また、第2リングパーツ43は一対の第1リングパーツ41、42の間に挟まれる基部43aと、インペラに向けて突出する突出部43bとを一体に有する構成としたことにより、装着性を向上できるとともに、インペラ22に対向する摺動面の幅寸法を大きくすることで、流体が高圧側から低圧側に移動する流体の戻りを減らすことが可能となる。さらに、射出成型可能で、形状の自由度が高いPPSを第2リングパーツ43に用いることで、所望の形状を実現できる。したがってT字状に形成される第2リングパーツ43と、軸方向寸法を一定に構成した第1リングパーツ41,42を組み合わせることで、射出成型が困難なPTFEを用いた第1リングパーツ41,42はシンプルな形状としながら、所望の形状及び性能を実現できる。したがって、コスト面や成型性、騒音対策といった複数の要求を満たしたライナリングを提供できる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
例えば、ライナリング40を構成する複数のパーツは例えば接着剤などにより接着されていてもよいし、別々のパーツで構成され、重ねて装着されていてもよい。例えば他の実施形態として図5に示すライナリング40Aは、収容部35に支持される第1リングパーツ41、42と、第2リングパーツ43との対向面に、互いに係合する係合部41a、42a、43cがそれぞれ形成されている。ライナリング40Aにおいて、第1リングパーツ41、42の、第2リングパーツ43に対向する面に、段差や穴部や凹凸部等の係合部41a、42aが形成される。一方、第2リングパーツ43の、第1リングパーツ41、42に対向する面にも、係合部41a、42aに係合する係合部43cとなる段差や穴部や凹凸部が形成されている。本実施形態においても、ポンプケーシング側に対向するパーツとインペラに対向する面を形成するパーツとを、それぞれ異なる材料で構成することにより、例えば低摩擦、寸法精度、耐摩耗性といった異なる特性を兼ね備えるライナリング及びポンプ装置を実現できる。さらに、本実施形態にかかるライナリング40Aによれば、凹凸部によって、位置決めと同時に回転の規制が可能となる。
また、収容部35の構成も上記実施形態に限られない。例えば他の実施形態として図6に示すように、収容部35にフラッシング用の孔29cが形成されていてもよい。例えば図6において、ライナリング40の外面を構成する第1リングパーツ42に対向する保持プレート29には厚さ方向に貫通する孔29cが形成される。この保持プレート29を貫通する孔29cによって、収容部と保持プレート29の反対側に形成される流路とが連通している。すなわち、収容部35の外側に形成される流路における高圧の流体が、当該孔29cを通って、ライナリング40の外面を押圧可能に構成されている。本実施形態においても、ポンプケーシング側に対向するパーツとインペラに対向する面を形成するパーツとを、それぞれ異なる材料で構成することにより、例えば低摩擦、寸法精度、耐摩耗性といった異なる特性を兼ね備えるライナリング及びポンプ装置を実現できる。さらに、本実施形態によれば、収容部35に設けられたフラッシング用の孔29cにより、図6に矢印で示すように、運転中に、高圧流体による圧力でライナリング40が押圧されることから、ライナリング40のばたつきを抑制させて、振動及び騒音を防止することができる。
また、ライナリング40のパーツ構成も上記実施形態に限られるものではない。例えば他の実施形態として図7に示すライナリング40Bのように、第1パーツ41と第2リングパーツ43の2層で構成されていてもよい。本実施形態においても、ポンプケーシング側に対向するパーツとインペラに対向する面を形成するパーツとを、それぞれ異なる材料で構成することにより、例えば低摩擦、寸法精度、耐摩耗性といった異なる特性を兼ね備えるライナリング及びポンプ装置を実現できる。
また、上記実施形態において、ガイドベーン27bに収容部35が形成される例を示したが、ライナリング40、40A、40Bの設置箇所は上記に限られるものではない。例えば他の実施形態として図8に示すポンプ装置10Aのように、ガイドベーンを備えないポンプ装置10Aにおいて、ポンプケーシング23の内壁であってインペラマウス22aの外周に対向する位置にライナリング40、40A、40Bを設ける構成であってもよい。本実施形態においても、ポンプケーシング側に対向するパーツとインペラに対向する面を形成するパーツとを、それぞれ異なる材料で構成することにより、例えば低摩擦、寸法精度、耐摩耗性といった異なる特性を実現することができる。
また、採用する材料についても、上記の例に限られない。例えば他にPOMやPEEK、PA66も、第2部材として用いることで同様に、耐摩耗性を補うことができる。
また、上記実施形態において多段の横軸ポンプを例示したが、これに限られるものではなく、様々なタイプのポンプ装置に用いることが可能である。
これらの場合にあっても、ポンプケーシング側に対向するパーツとインペラに対向する面を形成するパーツとを、それぞれ異なる材料で構成することにより、例えば低摩擦、寸法精度、耐摩耗性といった異なる特性を兼ね備えるライナリング及びポンプ装置を実現できる。
また、上述の実施形態において各材料の特性として例示した、寸法精度、低摩擦性、及び耐摩耗性に限らず、例えば、耐熱性、限界PV値、対向配置される部材の性質等、他の特性を基準に、部位毎に異なる材料で構成される複数のパーツを組み合わせてライナリングを構成することも可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
10…ポンプ装置、11…モータ、12…ポンプ部、21…回転軸、22…インペラ、22a…インペラマウス(インペラ吸込口)、22b…インペラ吐出口、23…ポンプケーシング、24…ライナリング、25…外部ケーシング、25a…吸込部、25b…収納部
25c…吐出部、27…中間ケーシング、27b…ガイドベーン、27f…開口部、28…ケーシングカバー、29…保持プレート、29a…固定部、29b…保持部、31…シュラウド、31a…ボス部、31b…挿通孔、32…シュラウド、33…羽根、33e…端面、35…収容部、40、40A、40C…ライナリング、41…第1リングパーツ(第1パーツ)、41a…係合部、42…第1リングパーツ、42a…係合部、43…第2リングパーツ(第2パーツ)、43a…基部、43b…突出部、43c…係合部。

Claims (10)

  1. ポンプケーシングにおいて、前記ポンプケーシング内に配されるインペラの外周に設けられた収容部に配され、
    前記収容部と前記インペラとの間に配され、第1の材料で構成され、前記収容部に対向する面を構成する第1パーツと、前記第1の材料よりも寸法精度が高い第2の材料で構成され、前記インペラに対向する面を構成する第2パーツと、を備える、
    ライナリング。
  2. 前記第1の材料は前記第2の材料よりも耐摩耗性が高い、請求項1に記載のライナリング。
  3. 前記第1の材料はPTFE、POM、PEEK、及びPA66の少なくともいずれかを含み、
    前記第2の材料はPPSを含む、請求項1または2に記載のライナリング。
  4. 一対の前記第1パーツを備え、前記第2パーツは一対の前記第1パーツの間に配される基部と、前記インペラに向けて突出する突出部とを一体に有する、請求項1に記載のライナリング。
  5. 前記第2パーツは、突出部の軸方向における寸法が前記基部より大きく、断面視T字状に構成された、請求項4に記載のライナリング。
  6. 前記第1パーツと、前記第2パーツとの対向面に、互いに係合する係合部がそれぞれ設けられる、請求項1乃至5のいずれかに記載のライナリング。
  7. 請求項1乃至6のいずれか記載のライナリングと、
    インペラ側に開口する周溝状の収容部を有し、前記収容部に前記ライナリングを保持する、ポンプケーシングと、
    前記ポンプケーシングに収容されるインペラと、を備えるポンプ装置。
  8. 前記ポンプケーシングにおいて前記ライナリングを保持する収容部の前記ライナリングの外面に対向する位置に、前記収容部と流路とを連通させる孔が形成される、請求項7に記載のポンプ装置。
  9. 複数のインペラを有し、
    前記ポンプケーシングは、複数の前記インペラの間に配され、戻り流路を形成するとともに回転軸側に開口する開口部を有するガイドベーンを備え、
    前記収容部は前記ガイドベーンの前記開口部に設けられる、請求項8に記載のポンプ装置。
  10. 前記収容部は、前記ポンプケーシングに形成されるとともに前記インペラのマウス部が配される開口部に設けられる、請求項8に記載のポンプ装置。
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