JP2022161489A - 形質変化推定システム及び自動栽培システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、比較的低コストであり、自然光を使用する半開放型栽培施設に設置され、天候が変化する場合であっても、作物を効率良く栽培し、作物の生育状態にばらつきが少ない栽培環境を実現する形質変化推定システムを提供する。【解決手段】本発明の形質変化推定システムは、作物の栽培環境及び作物の形質変化を計測する計測手段によって計測される計測値に基づいて、作物の体内の状態を推定する体内状態推定手段と、体内状態推定手段によって推定される作物の体内の状態に基づいて、作物の生育状態を示す推定値を推定する生育予測手段と、作物の生育状態における望ましい外観形質の情報値を記録する至適形質情報記録手段と、至適形質情報記録手段に記録される情報値と生育予測手段によって推定される推定値とを比較する比較演算手段と、を有することを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、作物(植物体)の栽培技術に関するものであり、特に、大量の作物を同時に効率良く栽培するための作物の形質変化推定システム及び自動栽培システムに関する。
作物を効率良く栽培するためには、十分な光合成の達成と光合成産物の作物の構成に向けた効率的な分配とが、不可欠である。
十分な光合成の達成には、太陽光(日光)に相当する十分な光量(高強度な光エネルギー)の確保、地下部(根部)からの十分な水分吸収を可能とするための葉面からの積極的な蒸散活性の維持、過不足ないCO環境や施肥環境の維持などが必要である。
また、光合成産物は、主として、作物の同化のための構成呼吸や生命維持のための維持呼吸として消費されるが、作物をより早く、より大きく栽培するためには、作物の同化に、より多くの光合成産物を使用する必要がある。
このためには、生命維持のためのストレスを抑制し、維持呼吸として消費される光合成産物を低減する必要がある。そして、光合成産物を地上部へ、より多く分配することができれば、葉面を増加し、光合成量(光合成産物の生産量)を増加することができる。
近年、作物の栽培施設として、栽培環境を制御し、LED光源などによる人工光を使用する植物工場と、自然の採光(自然光)を使用しつつ、風雨を遮断し、換気の制御機能などを有する半開放型栽培施設とが、幅広く使用されている。
人工光を使用する植物工場は、閉鎖空間であるため、十分な蒸散活性を維持し、常に一定の湿度や温度の環境、空気の循環環境、高濃度なCO環境を設定することができる。しかし、植物工場は、太陽光に相当する十分な光量を確保するために、多くの光源と相応の電力とが必要となる。このため初期投資やエネルギーコストが増加する。
自然光を使用する半開放型栽培施設は、初期投資やエネルギーコストを低減することができるが、天候によって光量(照度)が変化する。そして、栽培施設内の湿度変化や温度変化を抑制するため、随時、窓を開閉する、又は、栽培施設に設置される換気装置を使用し、適宜、外気を取り入れるなど、天候の変化に配慮した、きめ細かいオペレーションが必要となる。そして、栽培施設内を均一な栽培環境に維持することは、現状では困難であり、作物の生育状態にばらつきが発生することは否めない。
このように、植物工場と半開放型栽培施設とには、一長一短があり、未だ、低コストで、高効率な栽培を可能とする栽培施設は提供されていない。
こうした技術分野における背景技術として、特開2012-191903号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、検出対象である個々の農作物の複数の物理量を検出する検出部と、検出された複数の物理量を、個々の農作物を識別する識別情報に関連付けて記憶する記憶部と、記憶部に記憶された複数の物理量を含む時系列情報に基づいて、生長度及び成熟度を推定し、個々の農作物をクラス分けする判定部と、を有する植物栽培システムが記載されている(特許文献1の要約参照)。また、特許文献1には、植物栽培用の植生床と、植生床を外気と隔てるプラント囲いと、植生床で植生される植物に人工光を照射するランプと、を有する植物栽培システムが記載されている(特許文献1の0009参照)。
特開2012-191903号公報
特許文献1には、植生床で植生される植物に人工光を照射するランプを有する植物栽培システム、つまり、植物工場が記載されている。しかし、植物工場は、太陽光に相当する十分な光量を確保するために、多くの光源と相応の電力とが必要となり、初期投資やエネルギーコストが増加する。
なお、特許文献1には、半開放型栽培施設については、記載されていない。そして、特許文献1には、比較的低コストであり、自然光を使用する半開放型栽培施設であって、天候が変化する場合であっても、作物を効率良く栽培し、作物の生育状態にばらつきが少ない半開放型栽培施設は記載されていない。
そこで、本発明は、比較的低コストであり、自然光を使用する半開放型栽培施設に設置される作物の形質変化推定システム及び自動栽培システムであって、天候が変化する場合であっても、作物を効率良く栽培し、作物の生育状態にばらつきが少ない栽培環境を実現する半開放型栽培施設に設置される作物の形質変化推定システム及び自動栽培システムを提供する。
上記した課題を解決するため、本発明の形質変化推定システムは、作物の栽培環境及び作物の形質変化を計測する計測手段によって計測される計測値に基づいて、作物の体内の状態を推定する体内状態推定手段と、体内状態推定手段によって推定される作物の体内の状態に基づいて、作物の生育状態を示す推定値を推定する生育予測手段と、作物の生育状態における望ましい外観形質の情報値を記録する至適形質情報記録手段と、至適形質情報記録手段に記録される情報値と生育予測手段によって推定される推定値とを比較する比較演算手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明の自動栽培システムは、本発明の形質変化推定システムを有するものであって、作物の栽培環境及び作物の形質変化を計測する計測手段や栽培環境制御信号に基づいて作物の栽培環境を管理する栽培環境管理手段を有するものである。
本発明によれば、比較的低コストであり、自然光を使用する半開放型栽培施設に設置される作物の形質変化推定システム及び自動栽培システムであって、天候が変化する場合であっても、作物を効率良く栽培し、作物の生育状態にばらつきが少ない栽培環境を実現する半開放型栽培施設に設置される作物の形質変化推定システム及び自動栽培システムを提供することができる。
なお、上記した以外の課題、構成及び効果については、下記する実施例の説明によって、明らかにされる。
実施例1に記載する自動栽培システムを説明する概念図である。 実施例2に記載する自動栽培システムを説明する説明図である。 実施例2に記載する環境変化予測部11を説明する構成図である。 実施例2に記載する環境変化予測のフローを説明するフローチャートである。 実施例2に記載する形質抽出部9を説明する構成図である。 実施例2に記載する形質抽出のフローを説明するフローチャートである。 実施例2に記載する体内状態推定部10を説明する構成図である。 実施例2に記載する体内状態推定のフローを説明するフローチャートである。 実施例2に記載する形質変化予測部12を説明する構成図である。 実施例2に記載する形質変化予測のフローを説明するフローチャーである。 実施例2に記載する作物生長予測のための解析モデルを説明する構成図である。 実施例2に記載する作物種による栄養吸収パターンの違いを説明する説明図である。 実施例2に記載する生育ステージに合わせた施肥量の変更を説明する説明図である。 実施例2に記載する通常形質変化と至適形質変化との履歴データを説明する説明図である。 実施例2に記載する比較演算のフローを説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施例を、図面を使用し、説明する。なお、実質的に同一又は類似の構成には、同一の符号を付し、説明が重複する場合には、その説明を省略する場合がある。
本実施例に記載する自動栽培システムは、人為的に制御可能な人工光を使用する植物工場に設置されるものではなく、特に、人為的に制御不可能な自然光を使用する半開放型栽培施設(以下、栽培施設)に設置されるものである。
先ず、実施例1に記載する自動栽培システムを説明する。
図1は、実施例1に記載する自動栽培システムを説明する概念図である。
実施例1に記載する自動栽培システムは、光合成に関する環境パラメータとして、温度、湿度、風速、CO濃度、照度を計測する環境計4(計測手段と呼称する場合がある)、作物の生育に伴うパラメータであり、作物の生長量106を演算するための葉面積(作物の代表的な葉の面積)や草高(作物の高さ(最高値))、作物のSPAD値105を演算するための葉色(作物の代表的な葉の色(強度平均値))、といった作物の形質変化(外観形質の変化)を計測する画像センサ6(計測手段と呼称する場合がある)、現状推定部A(体内状態推定手段と呼称する場合がある)及び未来推定部Bからなる推定部、作物に肥料を供給する施肥装置15(栽培環境管理手段と呼称する場合がある)、作物に空気を送風する空気調整器17(栽培環境管理手段と呼称する場合がある)、を有する。
そして、環境計4によって計測される計測値(以下、環境データ又は環境計測データ)及び画像センサ6によって計測される計測値(以下、形質データ又は形質計測データ)が、推定部に入力され、推定部によって推定される出力値が、施肥装置15及び空気調整器17に出力される。
環境計4(環境データを計測する環境計測部)は、栽培施設内の栽培環境の分布とそれらの経時変化を計測するために複数点に設置される。環境計4は、光合成に関する環境パラメータとして、環境データ(温度、湿度、風速、CO濃度、照度)を、一定時間(計測頻度)毎に(時々刻々に)計測する。
画像センサ6(作物の外観形質(形質データ)を計測する3D計測部)は、作物の生育に伴う葉面積や草高、葉色といった形質変化を計測(外観形質を計測)するために代表的な作物をセンシング(撮影)することができる位置(代表作物位置)に設置され、形質データ(葉面積や草高、葉色)を連続的又は一定時間毎に計測する。
そして、計測される葉面積や草高に基づいて生長量106が演算され、計測される葉色に基づいてSPAD値105が演算される。
現状推定部Aは、光合成量を演算する光合成既定部100、作物の循環系を記述した解析モデルである第1の作物生長モデル部101(第1の循環系モデル部)、を有する。
光合成既定部100は、環境計4によって計測される環境データに基づいて、光合成量を演算する。
作物生長モデル部101は、作物の循環系を記述した解析モデルであり、光合成既定部100によって演算される光合成量と、演算される生長量106及びSPAD値105と、に基づいて、現状の作物の窒素吸収量(地下部の窒素吸収量)102及び作物の生長係数103を同化推定する。なお、窒素吸収量102及び生長係数103は、作物の体内の状態を示す。
未来推定部Bは、第2の作物生長モデル部101(第2の循環系モデル部)を有する生育予測部104(生育予測手段と呼称する場合がある)、比較演算部14(比較演算手段と呼称する場合がある)、至適形質情報記録部13(至適形質情報記録手段と呼称する場合がある)、を有する。
生育予測部104は、作物生長モデル部101に、現状推定部Aによって同化推定される窒素吸収量102及び生長係数103を、初期値として入力し、解析モデルの時間ステップを進行させることによって、近未来(少し後、少し未来、一定時間経過後)の作物の生育状態(推定値)を推定する。ここで、推定される作物の生育状態は、生長量及びSPAD値である。
至適形質情報記録部13は、作物の生育状態における望ましい外観形質の情報値(至適形質変化データ:実績データ)を記録し、必要に応じて、至適形質変化データを出力する。ここで、至適形質変化データは、生長量及びSPAD値である。
比較演算部14は、生育予測部104が推定する作物の生育状態と、至適形質情報記録部13が出力する至適形質変化データと、を比較することによって、適切な空気送風量(空気量)及び施肥供給量(施肥量)を演算する。
施肥装置15及び空気調整器17は、比較演算部14によって演算される空気量及び施肥量に基づいて、作物に送風する空気量及び作物に供給する施肥量を、調整する。
このように、実施例1に記載する自動栽培システムは、環境データを計測する環境計測部(4)と、作物の外観形質を計測する3D計測部(6)と、環境データ及び外観形質に基づいて、作物への施肥量及び空気量を出力する推定部(A及びB)と、を有する。
そして推定部(A及びB)は、環境データに基づいて、光合成量を演算する光合成既定部100と、光合成量及び外観形質に基づいて、現状の窒素吸収量102及び生長係数103を同化推定する第1の作物生長モデル部101と、現状の窒素吸収量102及び生長係数103が入力され、近未来の窒素吸収量及び生長係数を同化推定する第2の作物生長モデル部101と、近未来の窒素吸収量及び生長係数に基づいて、近未来の外観形質を推定する生育予測部104と、望ましい過去の外観形質を記録する至適形質情報記録部13と、近未来の外観形質と過去の外観形質とを比較し、適切な施肥量及び空気量を調整する制御信号を生成する比較演算部14と、を有する。
また、前記推定部(A及びB)は、環境データに基づいて、近未来の環境データを予測する後述する環境変化予測部を有し、第2の作物生長モデル部101は、窒素吸収量、生長係数及び近未来の環境データに基づいて、近未来の窒素吸収量及び生長係数を同化推定する。
これにより、比較的低コストである半開放型栽培施設に設置される自動栽培システムにおいて、天候が変化する場合、特に、自然光の強度が増加し、温度や照度が増加する場合であっても、作物を効率良く栽培し、作物の生育状態にばらつきが少ない栽培環境を実現することができる。
次に、実施例2に記載する自動栽培システムを説明する。
図2は、実施例2に記載する自動栽培システムを説明する説明図である。
なお、実施例2に記載する自動栽培システムは、実施例1に記載する自動栽培システムと比較して、環境変化予測データを加えて、作物の形質変化予測データを推定する点が相違する。
実施例2に記載する自動栽培システムは、栽培施設2に設置され、栽培施設2は、自然光を取り入れ、光量(日射量)を調整する屋根1を有する。なお、屋根1には、日射量を調整するためのシェード(日除け)が設置される。
なお、図2では、栽培施設2の内部の様子を見やすくするため、屋根1の右半分を取り除いている。
栽培施設2の内部には、作物3が列状に栽培される。
自動栽培システムは、実施例1と同様に、環境計4、画像センサ6、作物3に肥料を供給する施肥装置15、作物3に空気を送風する空気調整器17、を有する。なお、これらを作物3の栽培環境を管理する管理部(管理手段)と呼称する場合がある。
また、栽培施設2には、施肥装置15から作物3に肥料(例えば、液状肥料)を供給するチューブ16が列状に設置され、チューブ16は作物3に肥料を分配する。
環境計4は、栽培施設2の内部の栽培環境の分布とそれらの経時変化を計測するために複数点に設置され、環境計4は、光合成に関する環境パラメータとして、環境データ(環境計測データ)を、一定時間毎に計測する。そして、環境計測データは、環境計4から無線によって、環境情報無線中継器5に送信され、有線によって、栽培管理部8に一定時間毎に送信される。
つまり、栽培施設2の内部の複数点に分散し、設置される環境計4は、その近傍の環境データ(温度、湿度、風速、CO濃度、照度)を、一定時間毎に計測する。
画像センサ6は、作物3の生育に伴う葉面積や草高、葉色といった形質変化を計測するために代表的な作物3をセンシングすることができる位置に設置され、画像センサ6は、形質データ(形質計測データ)を連続的又は一定時間毎に計測する。そして、形質計測データは、画像センサ6から無線によって、形質情報無線中継器7に送信され、有線によって、栽培管理部8に連続的又は一定時間毎に送信される。
つまり、画像センサ6は、作物画像(上面画像、側面画像、緑色画像)である画像情報(形質データ)を、連続的又は一定時間毎に計測する。
また、自動栽培システムは、環境情報無線中継器5、形質情報無線中継器7、栽培管理部8、形質抽出部9、体内状態推定部10(体内状態推定手段と呼称する場合がある)、環境変化予測部11(環境変化予測手段と呼称する場合がある)、形質変化予測部12(生育予測手段又は形質変化予測手段と呼称する場合がある)、至適形質情報記録部13、比較演算部14、を有する。なお、これらを作物3の栽培環境を制御する制御部(制御手段)、形質変化推定システム、推定部(推定手段)と呼称する場合がある。
環境計4は、無線によって環境情報無線中継器5に接続され、環境情報無線中継器5は、環境計4が計測する環境データを中継する。
画像センサ6は、無線によって形質情報無線中継器7に接続され、形質情報無線中継器7は、画像センサ6が計測する形質データを中継する。
環境情報無線中継器5及び形質情報無線中継器7は、有線によって、栽培管理部8に接続され、栽培管理部8は、環境計4が計測する環境データ(履歴データ)及び画像センサ6が計測する形質データ(履歴データ)を集約し、記録する。なお、栽培管理部8は、環境データや形質データを記録する記録部(記録手段)を有する。
栽培管理部8に集約される環境データは、後述の体内養分状態推定部10及び環境変化予測部11に送信される。また、栽培管理部8に集約される形質データは、後述の形質抽出部9に送信される。
形質抽出部9は、栽培管理部8に接続し、栽培管理部8から形質データを入力し、形質データに基づいて、作物3の生育状態を示す生長量及びSPAD値(作物3の生育に伴う形質情報)を演算する。なお、葉面積や草高に基づいて生長量が演算され、葉色に基づいてSPAD値が演算される。これら演算される生長量及びSPAD値を、形質抽出データと呼称する場合がある。
体内状態推定部10は、栽培管理部8及び形質抽出部9に接続し、栽培管理部8から環境データを入力し、形質抽出部9から形質抽出データを入力し、環境データ及び形質抽出データに基づいて、現状における、作物3の窒素吸収量及び作物3の生長係数を推定する。この推定される窒素吸収量及び生長係数を、作物3の体内の状態を示す体内状態データと呼称する場合がある。
環境変化予測部11は、栽培管理部8に接続し、栽培管理部8から環境データを入力し、環境データに基づいて、近未来の環境データを推定する。この推定される環境データを、栽培施設2の内部の栽培環境の時系列変化を示す環境変化予測データと呼称する場合がある。
つまり、環境変化予測部11は、解析プログラムを使用し、送信される栽培施設2の内部に分散する複数点の環境データに基づいて、栽培施設2の内部の任意の場所の栽培環境を補間した近未来の環境変化予測データを生成する。
形質変化予測部12は、体内状態推定部10及び環境変化予測部11に接続し、体内状態推定部10から体内状態データを入力し、環境変化予測部11から環境変化予測データを入力し、体内状態データ及び環境変化予測データに基づいて、近未来の作物3の生育状態を示す作物3の形質変化予測データ(推定値)を推定する。なお、推定される作物3の形質変化予測データは、生長量及びSPAD値である。
至適形質情報記録部13は、作物3の生育状態における望ましい外観形質の情報値(至適形質変化データ:実績データ)を記録し、必要に応じて、至適形質変化データを出力する。なお、至適形質変化データは、生長量及びSPAD値である。つまり、至適形質情報記録部13には、作物3にとって望ましい栽培環境が生長量及びSPAD値として記録される。
なお、至適形質情報記録部13には、後述する図8に示すように、対象とする栽培中の作物3に対して、過去に、収穫量増(作物3の収穫量の増加)又は/及び高品質(良好な作物3の品質)など、目的とする形質が発現した場合の、経験的に明らかな、作物3の外観形質の時系列変化の履歴データを記録する。
つまり、この作物3の外観形質を、至適形質情報記録部13に記録される外観形質に漸近するように、変化させることにより、作物3に対して、最終的に作物3の生育状態における望ましい形質を発現させる。
比較演算部14は、形質変化予測部12が推定する形質変化予測データと、至適形質情報記録部13が出力する至適形質変化データとを、後述する図10に示すように、比較(二つのデータの差分を演算)する。
そして、比較演算部14は、この差分(比較結果:偏差)に一定以上の大きさがある場合には、この差分を低減する(差分を小さくする)ように、栽培環境制御信号(施肥装置15に対する作物3に供給する施肥量(施肥時期、施肥頻度)を調整する制御信号及び空気調整器17に対する作物3に送風する空気量を調整する制御信号)を生成し、栽培管理部8に出力する。この栽培環境制御信号は、施肥量又は/及び空気量である。栽培管理部8に出力される栽培環境制御信号は、栽培管理部8を介して、施肥装置15及び空気調整器17に出力される。
つまり、比較演算部14は、差分がある場合には差分を低減する栽培環境制御のための栽培環境制御信号を生成する。
栽培管理部8は、比較演算部14に接続し、比較演算部14から栽培環境制御信号を入力し、栽培環境制御信号に基づいて、施肥装置15に対する施肥制御信号及び空気調整器17に対する空気制御信号を生成する。
そして、施肥装置15は、施肥制御信号に基づいて、作物3に対する施肥量を調整し、空気調整器17は、空気制御信号に基づいて、作物3に対する空気量を調整する。
施肥装置15では、施肥制御信号に則り、適宜、肥料を作物3に分配する。また、空気調整器17では、空気制御信号に則り、換気の強度・時間を変更し、栽培施設2の内部の温度や湿度を調整する。
つまり、施肥装置15及び空気調整器17である栽培環境制御手段は、比較演算部14からの栽培環境制御信号を、栽培管理部8を介して、入力し、作物3の周辺の栽培環境(栽培施設2の内部の栽培環境)を制御する。
この作物3にも依存するが、このような動作を一定時間毎に繰り返すことにより、この作物3の外観形質を、至適形質情報記録部13に記録される外観形質に漸近するように変化させ、作物3に対して、最終的に作物3の生育状態における望ましい形質を発現させることができる。
このように、自動栽培システムにおける形質変化推定システムは、作物3の栽培環境及び作物3の形質変化を計測する計測手段によって計測される計測値に基づいて、作物3の体内の状態を推定する体内状態推定手段と、体内状態推定手段によって推定される作物3の体内の状態に基づいて、近未来の作物3の生育状態を示す推定値を推定する生育予測手段と、作物3の生育状態における望ましい外観形質の情報値を記録する至適形質情報記録手段と、至適形質情報記録手段に記録される情報値と生育予測手段によって推定される推定値とを比較する比較演算手段と、を有する。
そして、形質変化推定システムは、作物3の栽培環境を計測する計測手段によって計測される計測値に基づいて、近未来の環境データを推定する環境変化予測手段を有し、生育予測手段は、体内状態推定手段によって推定される作物3の体内の状態及び環境変化予測手段によって推定される近未来の環境データに基づいて、近未来の作物3の生育状態を示す推定値を推定する。
これにより、比較的低コストである半開放型栽培施設に設置される自動栽培システムにおいて、天候が変化する場合、特に、自然光の強度が増加し、温度や照度が増加する場合であっても、作物3を更に効率良く栽培し、作物3の生育状態に更にばらつきが少ない栽培環境を実現することができる。
このような自動栽培システムによれば、半開放型栽培施設において、天候が変化する場合であっても、その条件において、目的とする形質を発現させることができる。
次に、実施例2に記載する環境変化予測部11を説明する。
図3Aは、実施例2に記載する環境変化予測部11を説明する構成図である。
環境変化予測部11は、現状の環境データ(環境計測データ)に基づいて、近未来の環境データ(環境変化予測データ)を推定する。
つまり、環境変化予測部11は、環境計4が計測する栽培施設2の内部に分散する複数点の環境データに基づいて、栽培施設2の内部の任意の場所の栽培環境を補間した解析温度偏差(近未来の環境変化予測データ)を生成する解析プログラムが実装される。
なお、図3Aでは、環境データとして、温度を使用し、説明する。
環境変化予測部11は、温度と他の環境データとを記録する記録部と、各種の初期パラメータである物性値(例えば、他の環境データ、日射量、空気調整器17の稼働状態などの設定値)を設定する物性値設定部と、推定される温度を演算する解析温度算出部と、計測される温度(実温度)と推定される温度(解析温度)との解析温度偏差を演算する実温度・解析温度偏差算出部と、初期値を設定する初期値設定部と、環境変化予測データを推定する環境変化予測データ設定部を有する再解析処理部と、を有する。
次に、実施例2に記載する環境変化予測のフローを説明する。
図3Bは、実施例2に記載する環境変化予測のフローを説明するフローチャートである。
なお、図3Bでは、環境データとして、温度を使用し、説明する。
先ず、S301において、物性値設定部よって、各種の初期パラメータである物性値を設定する。
次に、S302において、初期値設定部によって、初期値を設定する。
次に、S303において、解析シミュレーションを実行する。この解析シミュレーションでは、解析温度算出部によって、推定される温度を演算すると共に、実温度・解析温度偏差算出部によって、実温度と解析温度との解析温度偏差を演算する。
次に、S304において、再解析処理部によって、演算される解析温度偏差が所定値Td(例えば、現状の空気調整器17の設定温度と近未来の空気調整器17の設定温度との偏差又は作物3の生育に望ましい温度偏差)以下となるか否かを判定する。そして、解析温度偏差が所定値Tdよりも大きい場合(NO)は、S302に戻る。解析温度偏差が所定値Td以下の場合(YES)は、S305に進む。
最後に、S305において、再解析処理部によって、所定値Td以下の解析温度偏差に基づいて、環境変化予測データを推定する。
このように、環境変化予測部11は、環境データに基づいて、栽培施設2の内部の近未来の環境変化予測データを推定する。
環境変化予測部11は、栽培施設2の内部に設置される環境計4が計測する現状の環境データ(温度)を、初期値として、入力し、栽培施設2の境界条件として、空気調整器17の稼働状態を、設定値として、入力する。
そして、これらに基づいて、近未来の栽培施設2の内部の温度変化(解析温度偏差)を、熱流体解析を基盤とするシミュレータを使用し、推定する。
シミュレータが推定する解析温度偏差が、現状の空気調整器17の設定温度と近未来の空気調整器17の設定温度との偏差よりも大きい場合には、近未来の空気調整器17の設定温度を変更し、再度、このシミュレーションを実行する。
シミュレータが推定する解析温度偏差が、現状の空気調整器17の設定温度と近未来の空気調整器17の設定温度との偏差以下の場合には、その温度(実温度±解析温度偏差)と他の環境データとを、環境変化予測データとして、推定する。
そして、環境変化予測データは、形質変化予測部12に出力される。
次に、実施例2に記載する形質抽出部9を説明する。
図4Aは、実施例2に記載する形質抽出部9を説明する構成図である。
形質抽出部9は、現状の形質データ(形質計測データ)に基づいて、形質抽出データ(生長量(生長相当量)及びSPAD値(SPAD相当値))を演算する。なお、形質データは、作物3の上面画像、側面画像、緑色画像を有する。
つまり、形質抽出部9は、作物3の生育に伴う葉面積や草高、葉色といった形質変化(形質情報)を演算する画像処理プログラム(形質抽出プログラム)が実装される。
形質抽出部9は、環境データを記録する記録部と、各種の初期パラメータである物性値(例えば、環境データ、日射量、空気調整器17の稼働状態などの設定値)を設定する物性値設定部と、葉面積を演算する葉面積算出部と、草高を演算する草高算出部と、葉色を演算する葉色算出部と、そして、演算される葉面積や草高に基づいて、作物3の生長相当量を演算する生長相当量算出部と、演算される葉色に基づいて、SPAD相当値を演算するSPAD相当値算出部と、を有する再解析処理部と、を有する。
次に、実施例2に記載する形質抽出のフローを説明する。
図4Bは、実施例2に記載する形質抽出のフローを説明するフローチャートである。
先ず、S401において、作物3の上面画像、側面画像、緑色画像を有する形質データを入力する。
S402において、葉面積算出部によって、形質データに基づいて、作物3の上面画像を演算(抽出)する。
そして、S405において、葉面積算出部によって、上面画像を二値化した後、葉面積(葉面積相当部)を演算する。
S403において、草高算出部によって、形質データに基づいて、作物3の側面画像を演算(抽出)する。
そして、S406において、草高算出部によって、側面画像を二値化した後、草高(草高相当部)を演算する。
S404において、葉色算出部によって、形質データに基づいて、作物3の緑色画像を演算(抽出)する。
そして、S407において、葉色算出部によって、演算される緑色画像に基づいて、緑色画像の強度平均値(葉色データ)を演算する。
S408において、S405において演算される葉面積とS406において演算される草高との積(作物3の体積のデータである作物重データ(体積相当値(検定データ)))を演算する。
S409において、再解析処理部の生長相当量算出部によって、S408において演算される作物重データと、事前に設定される作物3の標準的な体積のデータである作物重標準データ(過去に蓄積された作物重(乾燥重))と、を比較し、現状の作物3の生長量(生長の度合い)を演算する。
S410において、再解析処理部のSPAD相当値算出部によって、S407において演算される葉色データ(検定データ)と、事前に設定される葉色の標準的なデータである葉色標準データ(過去に蓄積された緑色画像の強度平均値)と、を比較し、現状の作物3のSPAD値(緑色の度合い)を演算する。
最後に、S411において、再解析処理部によって、S409において演算される生長量とS410において演算されるSPAD値とに基づいて、形質抽出データを推定する。
このように、形質抽出部9は、形質データに基づいて、現状の形質抽出データを推定する。
形質抽出部9は、作物3の外観画像から、上面画像、側面画像、緑色画像を分離し、生成する。
そして、上面画像及び側面画像は、それぞれ二値化され、二値化される上面画像及び側面画像に基づいて、作物3の葉面積及び作物3の草高が演算される。これらの積に基づいて、作物3の体積相当値が演算される。演算される体積相当値と過去に蓄積された作物重とに基づいて、作物重を指標とする生長量を演算する。
一方、緑色画像に基づいて、緑色画像の強度平均値が演算される。演算される緑色画像の強度平均値と過去に蓄積された緑色画像の強度平均値とに基づいて、葉色を指標とするSPAD値を演算する。
そして、形質抽出データは、体内状態推定部10に出力される。
なお、緑色画像(緑色信号値)に基づいて、SPAD値を演算する方法は、画像内に葉色スケール板を設置し、葉と葉色スケール板とを同時に撮影し、SPAD値を照合し、演算してもよい。
次に、実施例2に記載する体内状態推定部10を説明する。
図5Aは、実施例2に記載する体内状態推定部10を説明する構成図である。
体内状態推定部10は、栽培管理部8から入力する環境データ及び形質抽出部9から入力する形質抽出データに基づいて、現状における、作物3の体内の状態を示す体内状態データ(作物3の窒素吸収量及び作物3の生長係数、特に、実施例2では、地下部の窒素吸収量及び枯死率を規定する生長係数)を推定する。
つまり、体内状態推定部10は、環境データ及び形質抽出データを入力し、作物3の体内の状態を推定する体内状態推定プログラム(解析モデル)が実装される。
体内状態推定部10は、環境データ及び形質抽出データを記録する記録部と、各種の初期パラメータである物性値を設定する物性値設定部と、そして、地上部の生長量及びSPAD値を演算する生長予測解析部を有し、地下部の窒素吸収量及び生長係数を推定する初期値推定部と、を有する。
次に、実施例2に記載する体内状態推定のフローを説明する。
図5Bは、実施例2に記載する体内状態推定のフローを説明するフローチャートである。
先ず、S501において、作物3の環境データ及び形質抽出データ、並びに、初期値として仮の地下部の窒素吸収量及び生長係数を入力する。
次に、S502において、初期値制定部によって、地下部の窒素吸収量及び生長係数の初期値の変更を設定する。
次に、S503において、生長予測解析部によって、作物生長モデル(解析モデル)による生長予測解析を実行する。
S504において、生長予測解析部によって、地上部の生長量を演算する。
S505において、生長予測解析部によって、地上部のSPAD値を演算する。
S506において、初期値制定部によって、S504において演算される地上部の生長量と地上部の実生長量との偏差を演算し、演算される偏差が、所定値δ(例えば、作物3の生育に望ましい生長量偏差)以下となるか否かを判定する。そして、偏差が所定値δよりも大きい場合(NO)は、S502に戻る。偏差が所定値δ以下の場合(YES)は、S508に進む。
S507において、初期値制定部によって、S505において演算されるSPAD値と実SPAD値との偏差を演算し、演算される偏差が、所定値δ(例えば、作物3の生育に望ましいSPAD値偏差)以下となるか否かを判定する。そして、偏差が所定値δよりも大きい場合(NO)は、S502に戻る。偏差が所定値δ以下の場合(YES)は、S508に進む。
最後に、S508において、初期値制定部によって、S506において演算される生長量とS507において演算されるSPAD値とに基づいて、作物3の体内の状態を示す体内状態データ(地下部の窒素吸収量及び生長係数)を推定する。
そして、このような動作を一定時間毎に繰り返す。
このように、体内状態推定部10は、作物3の体内の状態を示す体内状態データ(地下部の窒素吸収量及び生長係数)を推定する。
体内状態推定部10は、栽培管理部8からの環境データ及び形質抽出部9からの形質抽出データを入力する。また、同時に、初期値として、仮の地下部の窒素吸収量及び生長係数を入力する。そして、近未来の生長量(演算値)及びSPAD値(演算値)を演算する。
そして、演算される生長量及びSPAD値と実際に画像センサ6によって取得される画像から抽出される形質抽出データ(実際の生長量及びSPAD値)とを比較する。
この比較結果として、演算される生長量と実際の生長量との偏差、及び、演算されるSPAD値と実際のSPAD値との偏差が、それぞれ所定値δ以下の場合には、仮の地下部の窒素吸収量及び生長係数を、近未来の体内状態データとして、記録する。
また、この比較結果として、演算される生長量と実際の生長量との偏差、及び、演算されるSPAD値と実際のSPAD値との偏差が、それぞれ所定値δよりも大きい場合には、以後、一定時間毎に、このシミュレーションを繰り返し、一定時間毎の体内状態データを推定する。
そして、体内状態データは、形質変化予測部12に出力される。
次に、実施例2に記載する形質変化予測部12を説明する。
図6Aは、実施例2に記載する形質変化予測部12を説明する構成図である。
形質変化予測部12は、環境変化予測部11において推定される環境変化予測データ及び体内状態推定部10において推定される体内状態データに基づいて、近未来の作物3の生育状態を示す作物3の形質変化予測データ(推定値)を推定する。
つまり、形質変化予測部12には、現状の体内状態データを初期値として、また、環境変化予測データを入力し、近未来の光合成量の推定、光合成産物の地上部と地下部とへの分配の推定、地上部又は地下部に分配される光合成産物の同化構成(光合成産物の構成呼吸における消費)の推定、光合成産物の維持呼吸における消費の推定、作物3の体内(地下部)の窒素吸収量の推定に基づいて、近未来の形質変化予測データを推定する形質変化予測プログラム(解析モデル)が実装される。
形質変化予測部12は、体内状態データ及び環境変化予測データを記録する記録部と、各種の初期パラメータである物性値を設定する物性値設定部と、地上部の生長量及びSPAD値を演算する生長予測解析部と、を有する。
次に、実施例2に記載する形質変化予測のフローを説明する
図6Bは、実施例2に記載する形質変化予測のフローを説明するフローチャーである。
先ず、S601において、作物3の体内状態データ及び環境変化予測データを入力する。
次に、S602において、生長予測解析部によって、体内状態推定部10において演算される体内状態データ(地下部の窒素吸収量及び生長係数)を初期値として設定する。
次に、S603において、生長予測解析部によって、作物生長モデル(解析モデル)による生長予測解析を実行する。
S604において、生長予測解析部によって、地上部の生長量を演算する。
S605において、生長予測解析部によって、地上部のSPAD値を演算する。
最後に、S606において、生長予測解析部によって、S604において演算される生長量とS605において演算されるSPAD値とに基づいて、形質変化予測データを推定する。
このように、形質変化予測部12は、形質変化予測データを推定する。
形質変化予測部12は、現状の体内状態データを初期値として、また、栽培環境の時系列変化を示す環境変化予測データを入力する。そして、近未来に、作物3がどのように生育し、作物3の形質変化を推定する。
そして、形質変化予測部12では、環境変化予測部11によって推定される環境変化予測データを、解析モデルの環境データの入力値として、入力する。また、同時に、体内状態推定部10によって推定される地下部の窒素吸収量及び生長係数(体内状態データ)を、解析モデルの初期値として、逐次入力する。更に、一定時間、解析モデルを実行することにより、近未来の生長量及びSPAD値を演算することができる。
そして、形質変化予測データは、比較演算部14に出力される。
次に、実施例2に記載する作物生長予測のための解析モデルを説明する。
図7は、実施例2に記載する作物生長予測のための解析モデルを説明する構成図である。
作物3の生長を予測するための、この解析モデルは、入力値として、時々刻々の環境データ、初期値として、地下部の窒素吸収量、生長係数(生長係数とは、地上部の構成に分配される光合成産物の内、どの程度が有効となったかを示す割合である)を、入力する。
また、蒸散に伴う水分吸収及び地下部における養分(窒素イオン及びカリウムイオン)濃度を入力する。
これにより、時々刻々の光合成産物の生産量、地上部と地下部とへの分配量が演算される。これらの分配量は、地上部と地下部とにおいて、光合成産物の消費に伴う充足状態や地上部と地下部との温度環境によって決定される。具体的には、光合成産物の駆動力としては、圧流説によって説明される。
また、温度によって、地上部と地下部とを接続する師管内の流動摩擦が変化することによって、分配比が変化する。当然ながら、生長に伴い、導管の数及びその長さ延伸、師管の数及びその長さ延伸も増加するため、これらも考慮される。
地上部へ分配される光合成産物は、維持呼吸に使用されると共に、地上部の構成呼吸に使用される。なお、構成呼吸積算部における地上部の構成呼吸量の積算値は、地上部の生長量(演算値)として出力される。なお、地上部の生長量の増加は、光合成産物の生産量に比例して増加する。
また、地下部へ分配される光合成産物は、維持呼吸に使用されると共に、地下部の構成呼吸や、窒素イオンやカリウムイオンの吸収エネルギーに使用される。
また、光合成部における蒸散圧によって、地下部から水分が吸収される。そして、これに伴い、窒素イオン(養分)やカリウムイオン(養分)も同時に土壌中から作物3の体内に吸収される。この窒素やカリウムは、地上部に至ると光合成産物と反応し、一部がクロロフィルなどに変化し、結果的に葉色の変化として、発現する。これらはSPAD値として出力される。
このように、この解析モデルを使用することによって、時々刻々の生長量の変化やSPAD値の変化を推定することができる。
こうした解析モデルは、体内状態推定部10、環境変化予測部11、形質変化予測部12に実装され、時々刻々の環境データ、地下部の窒素吸収量及び生長係数を入力することによって、作物3の生育状態を示す生長量及びSPAD値(近未来の生長量及びSPAD値)を推定する。
形質変化予測部12において近未来の生長量及びSPAD値の推定値が推定され、比較演算部14において比較演算された後、栽培施設2の内部の栽培環境を制御するため、栽培管理部8において施肥制御信号及び空気制御信号が生成される。
これについて、以下、図8、図9、図10を使用し、説明する。
図8Aは、実施例2に記載する作物種による栄養吸収パターンの違いを説明する説明図である。
図8Bは、実施例2に記載する生育ステージに合わせた施肥量の変更を説明する説明図である。
図8Aに示すように、作物種による栄養吸収パターンには、作物種毎に、その生長(生長日数)に合わせて、最適な栄養の吸収パターン(栄養吸収量)がある。これにより、栄養が少ない場合には生長が滞り、栄養が多い場合には根腐れなどが起こる。そして、一般的には、図8Aに示すような施肥工程を一律に実行する。
一方、図8Bに示すように、生育段階に応じて、必要な栄養(肥料)を逐次与える施肥方法(リアルタイム施肥)が、作物3を効率良く栽培する方法として、提唱されている。
しかし、作物3の生長は、施肥環境のみに依存しているわけではなく、光環境、CO環境、湿度や温度の環境、空気の循環環境などのような光合成環境の相違によって、光合成量が変化するため、現実的には、それら環境の変化に応じて、作物3の生長に変化が発現することを前提に、施肥量を調整する必要がある。
例えば、作物3が苗の段階から実をつける段階までの栄養生長段階においては、日射量の少ない状態が続く場合は、光合成が低調になるため、生長が滞る。従って、施肥量も生長度合いに合わせて低減する必要がある。
一方、この栄養生長段階においては、日射量の多い状態が続く場合は、光合成が活発になる。しかし、過剰な生育を引き起こし、結果的に作物3の一部が枯死する割合が高まる場合がある。こうした場合には、施肥量を低減し、生長を抑制する必要がある。
更に、結実の段階、つまり、生殖生長と呼称される段階においては、光合成産物の多くは、果実に分配されるため、施肥量を低減すると、果実の充実度が阻害される。
一方、この結実の段階において、施肥量を増加すると、余分なタンパク成分が増加し、味に影響を与える場合がある。
施肥をどの程度の時期や頻度、また、どの程度の量で実施するかについては、作物種によって相違する。なお、栄養分の吸収が、作物3の生長の変化として発現する場合には、日単位でなされる場合が多い。また、一日においても、光合成環境の変化を考慮し、栽培環境を制御する必要がある。
つまり、日射量が少ない場合には、生長が滞るため、より多くの自然光を取り込む操作、例えば、屋根1に設置されるシェードを開放するなどの操作が必要となる。
一方、日射量が多い場合には、葉面の日焼け(チップバーン)などの不具合が発生する場合がある。この場合には、例えば、屋根1に設置されるシェードを閉鎖するなどの操作が必要となる。
また、根からの蒸散流に乗って、養分は地上部に配分されるため、湿度が高い状態が続くと、飽差が小さく、蒸散活性が低減するため、養分が地上部に行き渡らなくなり、光合成が抑制されるため、これを防ぐために、湿度を下げる、又は、空気の循環を活発にし、蒸散活性を維持する必要がある。
一方、湿度が低い状態が続くと、作物3の体内の水分が不足するため、光合成に支障をきたすと共に、しおれて枯死する割合が高まるため、これを防ぐため、湿度を上げる必要がある。
以上のように、栽培環境が常に変化する半開放型栽培施設においては、図8Aに示すような施肥工程を一律に実行するだけではなく、作物3の生育状態における望ましい形質変化を発現させるように、施肥量や空気量を制御する必要がある。
図9は、実施例2に記載する通常形質変化と至適形質変化との履歴データを説明する説明図である。
至適形質情報記録部13には、図9のケース2に示すように、高品質な作物3の収穫量が増加した場合の生長量(葉面積や草高)及びSPAD値(葉色)の外観形質に関する時系列変化の履歴データが記録される。
そして、一般的には、図9のケース1に示すように、作物3の外観形質が変化する。
そこで、形質変化予測部12は、近未来の作物3の生育状態を示す作物3の形質変化予測データ(生長量(葉面積や草高)及びSPAD値(葉色))を推定し、比較演算部14によって、この差分を低減するように、栽培環境制御信号(施肥量を調整する制御信号及び空気量を調整する制御信号)を生成し、栽培管理部8に出力する。
ここで、望ましい形質変化とは、図9のケース2に示すように、対象とする栽培中の作物3に対して、過去に、収穫量増又は/及び高品質など、目的とする形質が発現した場合の、経験的に明らかな、作物3の外観形質の時系列変化のことである。
このような作物3の外観形質の時系列変化の履歴データが、至適形質情報記録部13に、至適形質変化データとして、記録される。
つまり、この作物3の外観形質を、至適形質情報記録部13に記録される外観形質に漸近するように変化させるため、施肥量や空気量を制御し、作物3に対して、最終的に作物3の生育状態における望ましい形質(目的とする形質に近い形質)を発現させる。
図10は、実施例2に記載する比較演算のフローを説明するフローチャートである。
栽培施設2における制御対象としては、(1)施肥装置15による施肥量の調整、(2)空気調整器17(窓の開閉、ファン駆動停止)による空気量の調整、(3)シェードの開閉による日射量の調整、などがある。なお、実施例2では、特に、(1)又は/及び(2)を実行する。
環境計4や画像センサ6の計測頻度としては、きゅうりやトマト、レタス、ホウレンソウなどの野菜類は、生長が速い(生長の日内変化が大きい)ため、1~2時間程度に設定し、一方、水稲などの穀物類は、生長が遅い(生長の日内変化が小さい)ため、日単位に設定する。そして、その計測頻度毎の形質変化予測データ(地上部生長量及びSPAD値)を演算する。
先ず、S101において、時間Tをカウントする。
S102において、形質変化予測部12から形質変化予測データを取得する。なお、この際、i=1の際にはSPAD値を、i=2の際には地上部生長量を取得する。
S103において、至適形質情報記録部13から至適形質変化データを取得する。なお、この際、i=1の際にはSPAD値を、i=2の際には地上部生長量を取得する。
次に、S104において、形質変化予測データと至適形質変化データとから偏差dを演算する。
次に、S105において、演算される偏差(SPAD値の絶対値)とSPAD値許容偏差(作物3の窒素吸収量相当値)とを逐次比較する。演算される偏差がSPAD値許容偏差以内の場合(YES)には、S106に進み、演算される偏差がSPAD値許容偏差より大きい場合(NO)には、S107(偏差dが負の場合)又はS108(偏差dが正の場合)に進む。
次に、S106において、演算される偏差(地上部生長量の絶対値)と地上部生長量許容偏差(作物3の生長係数相当値)とを逐次比較する。演算される偏差が地上部生長量許容偏差以内の場合(YES)には、S101に戻り、演算される偏差が地上部生長量許容偏差より大きい場合(NO)には、S109(偏差dが負の場合)又はS110(偏差dが正の場合)に進む。
S107(偏差dが負の場合)において、栽培管理部8によって施肥量増加の施肥制御信号を生成する。
そして、S111において、施肥装置15によって施肥流量を増加する。その後、S101に戻る。
S108(偏差dが正の場合)において、栽培管理部8によって施肥量低減の施肥制御信号を生成する。
そして、S112において、施肥装置15によって施肥流量を低減する。その後、S101に戻る。
S109(偏差dが負の場合)において、光合成活性を上げるため(日射量を増加させるため)や蒸散量を増加させるために、栽培管理部8によって空気量(日射量、蒸散量)増加の空気(日射、蒸散)制御信号を生成する。
そして、S113において、空気調整器17によって空気流量を増加する(シェード開度増加、窓開、ファン駆動など)。その後、S101に戻る。
S108(偏差dが正の場合)において、光合成活性を下げるため(日射量を低減させるため)や蒸散量を低減させるために、栽培管理部8によって空気量(日射量、蒸散量)低減の空気(日射、蒸散)制御信号を生成する。
そして、S114において、空気調整器17によって空気流量を低減する(シェード開度低減、窓閉、ファン停止など)。その後、S101に戻る。
そして、S101において、一定時間経過(計測インターバル)ΔT後の時間T+ΔTをカウントし、このような動作を一定時間毎に繰り返す。
これにより、比較的低コストであり、自然光を使用する半開放型栽培施設に設置される自動栽培システムにおいて、天候が変化する場合、特に、自然光の強度が増加し、温度や照度が増加する場合であっても、作物3を効率良く栽培し、作物3の生育状態にばらつきが少ない栽培環境を実現することができる。
なお、実施例2では、近未来の形質変化予測データと至適形質変化データとを比較し、栽培環境を制御する方法を説明したが、当然ながら、現状の形質データと至適形質変化データとを比較し、栽培環境を制御する方法を使用することもできる。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために、具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を有するものに限定されるものではない。
なお、ある実施例の構成の一部を、他の実施例の構成の一部に置換することもできる。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を追加することもできる。また、各実施例の構成の一部について、それを削除し、他の構成の一部を追加し、他の構成の一部と置換することもできる。
1・・・屋根、2・・・栽培施設、3・・・作物、4・・・環境計、5・・・環境情報無線中継器、6・・・画像センサ、7・・・形質情報無線中継器、8・・・栽培管理部、9・・・形質抽出部、10・・・体内状態推定部、11・・・環境変化予測部、12・・・形質変化予測部、13・・・至適形質情報記録部、14・・・比較演算部、15・・・施肥装置、16・・・チューブ、17・・・空気調整器。

Claims (12)

  1. 作物の栽培環境及び前記作物の形質変化を計測する計測手段によって計測される計測値に基づいて、前記作物の体内の状態を推定する体内状態推定手段と、
    前記体内状態推定手段によって推定される前記作物の体内の状態に基づいて、作物の生育状態を示す推定値を推定する生育予測手段と、
    前記作物の生育状態における望ましい外観形質の情報値を記録する至適形質情報記録手段と、
    前記至適形質情報記録手段に記録される情報値と生育予測手段によって推定される推定値とを比較する比較演算手段と、を有することを特徴とする形質変化推定システム。
  2. 請求項1に記載する形質変化推定システムであって、
    前記作物の栽培環境を計測する計測手段によって計測される計測値に基づいて、環境データを推定する環境変化予測手段を有し、
    前記生育予測手段は、前記体内状態推定手段によって推定される前記作物の体内の状態及び前記環境変化予測手段によって推定される環境データに基づいて、作物の生育状態を示す推定値を推定することを特徴とする形質変化推定システム。
  3. 請求項1に記載する形質変化推定システムであって、
    前記比較演算手段は、比較結果である差分に一定以上の大きさがある場合には、前記差分を低減する栽培環境制御信号を生成することを特徴とする形質変化推定システム。
  4. 請求項1に記載する形質変化推定システムであって、
    前記至適形質情報記録手段に記録される情報値と生育予測手段によって推定される推定値とが、前記作物の生育状態を示す生長量及びSPAD値であることを特徴とする形質変化推定システム。
  5. 請求項1に記載する形質変化推定システムであって、
    前記生育予測手段が、近未来の前記作物の生育状態を示し、前記作物の形質変化予測データを推定する形質変化予測手段であることを特徴とする形質変化推定システム。
  6. 請求項3に記載する形質変化推定システムと、
    前記作物の栽培環境及び前記作物の形質変化を計測する計測手段と、
    を有することを特徴とする自動栽培システム。
  7. 請求項6に記載する自動栽培システムであって、
    前記栽培環境制御信号に基づいて、前記作物の栽培環境を管理する栽培環境管理手段を有することを特徴とする自動栽培システム。
  8. 請求項6に記載する自動栽培システムであって、
    前記作物の栽培環境を計測する計測手段が、環境データを一定時間毎に計測する環境計であり、前記作物の形質変化を計測する計測手段が、形質データを一定時間毎に計測する画像センサであることを特徴とする自動栽培システム。
  9. 請求項7に記載する自動栽培システムであって、
    栽培環境管理手段が、前記栽培環境制御信号に基づいて、前記作物に対する施肥量を調整する施肥装置であり、前記栽培環境制御信号に基づいて、前記作物に対する空気量を調整する空気調整器であることを特徴とする自動栽培システム。
  10. 請求項9に記載する自動栽培システムであって、
    前記生育予測手段によって推定される推定値を、前記至適形質情報記録手段に記録される外観形質の情報値に漸近するように変化させるため、前記栽培環境管理手段が施肥量や空気量を制御することを特徴とする自動栽培システム。
  11. 請求項9に記載する自動栽培システムであって、
    体内状態推定手段は、
    環境データに基づいて、光合成量を演算する光合成既定部と、
    前記光合成量及び前記外観形質に基づいて、現状の窒素吸収量及び生長係数を同化推定する第1の作物生長モデル部と、を有し、
    形質変化予測手段は、
    前記窒素吸収量及び前記生長係数が入力され、近未来の窒素吸収量及び生長係数を同化推定する第2の作物生長モデル部と、
    前記近未来の窒素吸収量及び生長係数に基づいて、近未来の外観形質を推定する生育予測部を有することを特徴とする自動栽培システム。
  12. 請求項11に記載する自動栽培システムであって、
    前記環境データに基づいて、近未来の環境データを予測する環境変化予測部と、
    前記窒素吸収量、前記生長係数及び前記近未来の環境データに基づいて、近未来の窒素吸収量及び生長係数を同化推定する第2の作物生長モデル部と、
    を有することを特徴とする自動栽培システム。
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