JP2022160016A - 導体付き積層体及びアンテナユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光線透過率を長期間に亘って維持できる導体付き積層体及びアンテナユニットを提供する。【解決手段】本発明の導体付き積層体10は、OCA12と、導電性メッシュ層14と、補強シート16と、OCA18とが厚さ方向に順に積層された導体付き積層体10であって、導電性メッシュ層14は補強シート16に接着され、OCA12の酸価は3以下であり、OCA18は紫外線カット剤を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、導体付き積層体及びアンテナユニットに関する。
近年、無線通信の高速化及び大容量化を図るため、第4世代移動通信システム(4Generation)及び第5世代移動通信システム(5Generation)用の周波数帯のように、使用する周波数帯域の高周波化が進められている。アンテナ、送信機又は受信機等で用いられる高周波伝送路(高速伝送線路とも言う。)として、絶縁性の基板の片面に導体(信号線とグランド線)が備えられたコプレーナ型伝送路、又は基板の一方の片面に信号線が備えられ、他方の片面にグランド線が備えられたマイクロストリップ型伝送路等が知られている(特許文献1等参照)。
また、特許文献2には、アンテナ又は電波吸収体を被覆する3層構造の電波透過体が開示されている。この電波透過体は、最外層の第1層に一般の表面仕上げ材が配され、第2層に比誘電率1~1.5の空気又は発砲スチロールが配され、第3層にアクリル樹脂又は塩化ビニル樹脂等の低誘電率材が配されて構成されている。
特開2008-227720号公報 特開平6-196915号公報
近年、アンテナ機能(電磁波の送受信等の機能)を備えた小型のアンテナユニットを、例えば窓ガラスを構成するガラス板に接着することにより、窓ガラスのガラス板をアンテナユニットの支持部材として有効利用することが考えられている。
しかしながら、上記のアンテナユニット等に使用される導体付き積層体は、長期間に亘って変色しないこと、つまり、可視光線透過率を長期間に亘って維持できることが要求されるが、現在において、このような要求を満足するものはなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、可視光線透過率を長期間に亘って維持できる導体付き積層体及びアンテナユニットを提供することを目的とする。
本発明の一形態は、本発明の目的を達成するために、第1の光学透明粘着剤と、導体と、第1の透明板状体と、第2の光学透明粘着剤とが厚さ方向に順に積層された導体付き積層体であって、導体は第1の透明板状体に接着され、第1の光学透明粘着剤の酸価は3以下であり、第2の光学透明粘着剤は紫外線カット剤を含む導体付き積層体を提供する。
本発明の一形態は、本発明の目的を達成するために、第1の光学透明粘着剤と、導体と、第2の光学透明粘着剤とが厚さ方向に順に積層された導体付き積層体であって、第1の光学透明粘着剤及び第2の光学透明粘着剤の酸価は3以下であり、第2の光学透明粘着剤は紫外線カット剤を含む、導体付き積層体を提供する。
本発明の一形態は、本発明の目的を達成するために、窓ガラスに取り付けて使用されるアンテナユニットであって、アンテナと、本発明の導電体付き積層体とを備えるアンテナユニットを提供する。
本発明によれば、可視光線透過率を長期間に亘って維持できる。
実施形態の導体付き積層体の構成を示した概略断面図 6種類の試験片の構成を示した断面図 耐湿性試験を行った6種類の試験片の外観図 各試験片における耐湿性試験の可視光線透過率の変化と黄変度を示した表 各試験片の耐湿性試験中における可視光線透過率の変化の変遷を示したグラフ 各試験片の耐湿性試験中における黄変度の変遷を示したグラフ 耐候性試験を行った6種類の試験片の外観図 各試験片における耐候性試験の可視光線透過率の変化と黄変度を示した表 各試験片の耐候性試験中における可視光線透過率の変化の変遷を示したグラフ 各試験片の耐候性試験中における黄変度の変遷を示したグラフ 変形例に係るアンテナユニットの断面図 変形例に係るアンテナの断面図
まず、本発明に係る導体付き積層体を説明するに先立ち、アンテナユニットに適用された場合における導体付き積層体の構成について説明する。
アンテナユニットには、ガラス板に導体を容易に接着する観点、及び導体を外部から保護する観点から導体付き積層体が使用されることが好ましい。また、導体付き積層体を窓ガラスに取り付けたときに、窓ガラスの透光性を確保するために、導体を網状(メッシュ構造)に構成し、且つ積層体を構成する他の部材についても透光性を有する部材によって構成することが好ましい。このような要求を満足する導体付き積層体として例えば、以下の構成が考えられる。
まず、メッシュ構造の導体は、単独での取り扱いが難しいため、透明の補強シートに導体を接着してシート状(以下、導体シートと言う。)に構成することで取り扱いを容易にする。そして、導体シートの導体側の面に第1の光学透明粘着剤を塗布して透明の保護シートを接着する。そして、導体シートの補強シート側の面に第2の光学透明粘着剤を塗布し、第2の光学透明粘着剤によって導体シートを上記のガラス板に接着する。このような導体付き積層体を構成することにより、上記の要求を満足できる。なお、第1及び第2の光学透明粘着剤(OCA(Optical Clear Adhesive)ともいう)としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤を例示でき、補強シート及び保護シートしては、PET(polyethylene terephthalate)等の樹脂シートを例示できる。
しかしながら、上記の導体付き積層体を用いて耐湿性試験を行うと、その導体付き積層体が緑青色に変色し、また、耐候性試験を行うと、その導体付き積層体が褐色に変色してしまうという問題があった。つまり、上記の導体付き積層体は、上記の変色により可視光線透過率を長期間に亘って維持できないという問題があった。
以下、上記の内容を前提として、本発明に係る導体付き積層体及びアンテナユニットの好ましい実施形態を説明する。
図1は、実施形態の導体付き積層体10の構成を示した概略断面図である。
図1に示すように、実施形態の導体付き積層体10は、OCA12と、導電性メッシュ層14と、透明の補強シート16と、OCA18とが厚さ方向に順に積層されて構成される。また、導電性メッシュ層14にはOCA12により透明の保護シート20が接着され、更に、補強シート16にはOCA18により透明のガラス板22が接着されている。また、導電性メッシュ層14と補強シート16とは、アクリル系接着剤24によって互いに接着されている。
ここで、OCA12は、本発明の第1の光学透明粘着剤の一例であり、OCA12の酸価は3以下である。導電性メッシュ層14は、本発明の導体の一例である。補強シート16は、本発明の第1の透明板状体の一例であり、本例ではPET製のシートが適用されている。OCA18は、本発明の第2の光学透明粘着剤の一例であり、OCA18は紫外線カット剤を含んでいる。保護シート20は、本発明の第2の透明板状体の一例であり、本例ではPET製のシートが適用されている。ガラス板22は、本発明の第3の透明板状体の一例である。このように構成された導体付き積層体10によれば、ガラス板22側が太陽光の入射側に位置するように窓ガラス側に取り付けられる。
また、実施形態に係るアンテナユニット36は、一例として導体付き積層体10の保護シート20を、図1のアンテナ34に取り付けることにより構成される。アンテナユニット36は、導体付き積層体10を支持部材によりアンテナ34に取り付けてもよく、導体付き積層体10とアンテナ34との間に空間が形成されてもよい。支持部材としては、シリコーン系樹脂、ポリサルファイド系樹脂、アクリル系樹脂を例示できる。また、アルミニウムなどの金属を用いてもよい。アンテナ34は、一例として透明のガラス板に導電体を積層して構成されたものであり、導体付き積層体10と同様に透光性を備えている。アンテナ34は、本発明の導体付き積層体10を用いてもよい。このように構成されたアンテナユニット36は、上記の窓ガラスに取り付けられるが、窓ガラスとしては、建築用の窓ガラスでもよく、自動車用の窓ガラスであってもよい。
上記の酸価〔mgKOH/g〕とは、油脂1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいい、電位差滴定法で測定された値である。具体的にはJISK2501(2003)に従い、粘着剤をトルエンとメタノール(1+1
)(体積比)を混合した滴定溶剤に溶かし、0.1モル/L水酸化カリウム・メタノール溶液で滴定し、滴定曲線状の変曲点を終点とする。水酸化カリウム・メタノール溶液の終点までの滴定量から酸価を算出する。なお、酸価が1以下、好ましくは0.5以下、特に好ましくは0であるものは、実質的に酸素を含んでいないものとして定義できる。OCA12の酸価は好ましくは2以下、より好ましくは1以下、さらに好ましくは0.5以下、特に好ましくは0である。
上記の紫外線カット剤とは、公知のものであり、金属系紫外線遮蔽剤、金属酸化物系紫外線遮蔽剤、ベンゾトリアゾール系紫外線遮蔽剤(ベンゾトリアゾール化合物)、ベンゾフェノン系紫外線遮蔽剤(ベンゾフェノン化合物)又はトリアジン系紫外線遮蔽剤(トリアジン化合物)等を例示できる。本例のOCA18に含まれる紫外線カット剤の含有量については、OCA18の総質量に対する紫外線カット剤の含有率が0.03~35質量%が好ましく、0.05~10質量%がより好ましい。これにより、ガラス板22を透過した紫外線を効果的にカットできる。なお、上記の含有率は、高速液体クロマトグラフ法により測定された値である。
実施形態の導体付き積層体10の可視光線透過率(Tv)、すなわち、ガラス板22から入射し、保護シート20から出射する可視光線の透過率は、一例として80%以上であることが好ましい。これにより、透光性のよい導体付き積層体10を構成できる。但し、その数値に限定されるものではなく、例えば、窓ガラスのガラス板に接着してアンテナユニット36として使用される導体付き積層体の場合には、窓ガラスの透光性を損なわない透過率であればよい。
また、実施形態の導体付き積層体10では、導体として透光性の優れた導電性メッシュ層14を適用し、そして、導電性メッシュ層14として銅製のものが適用されている。この導電性メッシュ層14は後述するように厚さが薄いため、導電性メッシュ層14をアクリル系接着剤24によって補強シート16に接着し、導体シート26として構成することで取り扱い性を向上させている。説明が重複するが、この導体シート26は、導電性メッシュ層14の側の面にOCA12によって保護シート20が接着され、補強シート16の側の面にOCA18によってガラス板22が接着される。
実施形態の導体付き積層体10を、上記のアンテナユニット36として使用する場合は、ガラス板22として、建築用又は自動車用の窓ガラスのガラス板を代用してもよい。この場合の導体付き積層体10は、OCA18に離型紙(不図示)が接着された状態で流通され、窓ガラスのガラス板に接着される場合に離型紙がOCA18から剥離される。
導電性メッシュ層14の厚さ(メッシュの線径)は、一例として25μm程度であり、またピッチは300μm程度である。このような構成の導電性メッシュ層14によれば、導体付き積層体10を見たときに導電性メッシュ層14が目立たないので、導体付き積層体10の意匠性が向上する。
この場合、OCA12の厚さは、導電性メッシュ層14の厚さよりも厚い、例えば25μm~50μm程度であることが好ましい。これにより、導電性メッシュ層14のメッシュ間の隙間にOCA12が十分に侵入するので、気泡のない透光性の優れた導体付き積層体10を構成できる。なお、OCA12の分子量は、例えば100~100000であることが好ましい。このように硬度が高いOCA12を適用することにより、紫外線によるOCA12の樹脂成分の劣化を抑制できる。
ここで、本願発明者は、導体付き積層体について鋭意検討した結果、以下の原因により導体付き積層体が変色することを突き止めた。すなわち、耐湿性試験においては、導体の銅成分とOCAに含まれる酸成分とが耐湿性試験中の水分を介して反応することにより緑青色に変色することを突き止めた。また、耐候性試験においては、耐候性試験中の紫外線によってOCA、補強シート及び保護シートに含まれる樹脂成分や導体の銅成分が劣化し、また、導体の銅成分とOCAに含まれる酸成分とが耐候性試験中の熱によって反応して褐色に変色することを突き止めた。
そこで、本願発明者は、以下の試験片を製作し、それぞれの試験片について耐湿性試験と耐候性試験を実施し、これらの試験の結果に基づいて本願発明の目的を達成するための好ましい導体付き積層体の構成を見出した。
<試験片について>
図2は、6種類の試験片A、B、C、D、E、Fの構成を示した概略断面図である。試験片A~Fの構成を説明するに当たり、図1に示した導体付き積層体10の構成部材と同一の部材については同一の符号を付して説明する。
試験片Aは、導電性メッシュ層14と、補強シート16と、OCA30と、ガラス板22とが厚さ方向に順に積層されたものである。試験片AのOCA30の酸価は4.0であり、また、試験片AのOCA30には紫外線カット剤が含まれていなかった。
試験片Bは、補強シート16と、OCA30と、ガラス板22とが厚さ方向に順に積層されたものである。試験片BのOCA30の酸価は4.0であり、また、試験片BのOCA30には紫外線カット剤が含まれていなかった。
上記の試験片A、Bは、導体付き積層体として製作されたものではなく、変色発生原理を確認するために製作されたものなので、評価対象外の試験片である。なお、評価対象となる試験片は、導体付き積層体として製作された以下の試験片C~Fである。
試験片Cは、保護シート20と、OCA32と、導電性メッシュ層14と、補強シート16と、OCA30と、ガラス板22とが厚さ方向に順に積層された導体付き積層体である。試験片CのOCA30、32の酸価は4.0であり、また、試験片CのOCA30には紫外線カット剤が含まれていなかった。
試験片Dは、保護シート20と、OCA32と、導電性メッシュ層14と、補強シート16と、OCA18と、ガラス板22とが厚さ方向に順に積層された導体付き積層体である。試験片DのOCA18、32の酸価は4.0であったが、試験片DのOCA18には紫外線カット剤が4.1質量%含まれていた。
試験片Eは、保護シート20と、OCA12と、導電性メッシュ層14と、補強シート16と、OCA18と、ガラス板22とが厚さ方向に順に積層された導体付き積層体である。試験片EのOCA12は酸価が0であり、試験片EのOCA18には紫外線カット剤が4.1質量%含まれていた。この試験片Eは、図1に示した実施形態の導体付き積層体10に相当する。
試験片Fは、保護シート20と、OCA12と、導電性メッシュ層14と、補強シート16と、OCA30と、ガラス板22とが厚さ方向に順に積層された導体付き積層体である。試験片FのOCA12は酸価が0であるが、試験片FのOCA30の酸価は4.0であり、また、試験片FのOCA30には紫外線カット剤が含まれていなかった。
<耐湿性試験について>
恒温恒湿器(espec社製恒温恒湿器:LH-113)を用い、60℃、95%RHの環境下で、図2に示した試験片A~Fをそれぞれ600時間放置した。
図3には、耐湿性試験後の試験片A~Fの外観が示されている。
図3によれば、試験片A、B、E、Fに変色は認められなかったが、試験片C、Dが緑青色に変色した。試験片A、B、E、Fと試験片C、Dとの構成の相違点は、試験片C、Dの導電性メッシュ層14が、酸価が4.0であるOCA32に接触している点にある。よって、試験片C、Dは、導体である導電性メッシュ層14の銅成分とOCA32に含まれる酸成分とが耐湿性試験中の水分を介して反応したことで、上記の変色が発生したと考えられる。
次に、耐湿性試験における試験片A~Fの性能を、可視光線透過率(Tv)と黄色度(YI)とから評価するために、耐湿性試験前後における可視光線透過率(Tv)の変化量(ΔTv)と黄変度(ΔYI)とを算出した。
すなわち、耐湿性試験に先立って、試験片A~Fの可視光線透過率(Tv)と黄色度(YI)とをそれぞれ測定し、耐湿性試験後に試験片A~Fの可視光線透過率(Tv)と黄色度(YI)とをそれぞれ測定することで可視光透過率の変化量(ΔTv)と黄変度(ΔYI)とを算出した。
ここで、可視光透過率の変化量(ΔTv)とは、初期(試験前)の可視光線透過率(Tv)をa、600時間経過後(試験後)の可視光線透過率(Tv)をbとしたときに、下記の式にて算出される値である(以下、同じ。)。
[数1] ΔTv=b-a
また、黄変度(ΔYI)とは、初期(試験前)の黄色度(YI)をc、600時間経過後(試験後)の黄色度(YI)をdとしたときに、下記の式にて算出される値である(以下、同じ。)。
[数2] ΔYI=d-c
なお、可視光線透過率(Tv)と黄色度(YI)の測定は、分光光度計(日立製作所社製「U-4100 Spectrophotometar」)を用いて行った。また、可視光線透過率(Tv)に関しては、JIS R3106(1998)に従い試験片A~Fごとに算出し、黄色度(YI)に関しては、JIS K7373(2006)に従い標準D65光源を用いた場合の算出式により試験片A~Fごとに算出した。その結果を図4、図5及び図6に示す。
図4に示す表1は、各試験片A~Fにおける600時間経過後の可視光透過率の変化量(ΔTv)と黄変度(ΔYI)を示したデータ表である。
図5は、各試験片A~Fの耐湿性試験中における可視光透過率の変化量(ΔTv)の変遷を示したグラフであり、縦軸が可視光透過率の変化量(ΔTv)を示し、横軸が試験時間(hr)を示している。また、図5のグラフに示されるラインA、B、C、D、E、Fは試験片A、B、C、D、E、Fの可視光透過率の変化量(ΔTv)の変遷を示している。
図6は、各試験片A~Fの耐湿性試験中における黄変度(ΔYI)の変遷を示したグラフであり、縦軸が黄変度(ΔYI)を示し、横軸が試験時間(hr)を示している。また、図6のグラフに示されるラインA、B、C、D、E、Fは試験片A、B、C、D、E、Fの黄変度(ΔYI)の変遷を示している。
図4及び図5に示すように、緑青色に変色した試験片C、Dの可視光透過率の変化量(ΔTv)は「-3.1」、「-2.8」であり、緑青色の変色が認められなかった試験片A、B、E、Fの可視光透過率の変化量(ΔTv)は、「-0.1」、「-0.3」、「0.2」、「0.2」であった。この結果に基づけば、上記の耐湿性試験において、可視光透過率の変化量(ΔTv)が「-2.5以上」であれば、実使用上の耐湿性の観点から良好であると評価できた。
一方、耐湿性試験では、試験片A~Fに褐色に変色したものは認められなかった。ここで、緑青色に変色した試験片C、Dの黄変度(ΔYI)は「5.40」、「5.41」であり、緑青色の変色が認められなかった試験片A、B、E、Fの黄変度(ΔYI)は「0.45」、「0.04」、「1.46」、「1.15」であった。この結果に基づけば、上記の耐湿性試験において、黄変度(ΔYI)が「2以下」であれば、実使用上の耐湿性の観点から良好であると評価できた。
以上により、上記の耐湿性試験に基づく、本願発明の目的を達成するための導体付き積層体の構成は、ΔTv≧-2.5であることが好ましく、ΔYI≦2であることがより好ましいことを見出した。ΔTvは、-1.5以上がより好ましく、-1.0以上がさらに好ましく、-0.5以上が特に好ましく、-0.3以上が最も好ましい。また、ΔYIは、1.7以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましい。
<耐候性試験について>
促進耐候性試験機(スガ試験機社製7.5kW スーパーキセノンウェザーメーター SX75)を用い、照射強度180W/m、ブラックパネル温度63℃の環境下で図2の試験片A~Fをそれぞれ1500時間放置した。
図7には、耐候性試験後の試験片A~Fの外観が示されている。
図7によれば、試験片B、Eに変色は認められなかったが、試験片A、C、D、Fに褐色の変色が認められた。
上記の結果に基づけば、試験片Aは、OCA30(図2参照)を通過した紫外線によって補強シート16の樹脂成分と導電性メッシュ層14の銅成分が劣化したことにより褐色に変色したと考えられる。
試験片Cは、OCA30を通過した紫外線によって補強シート16及び保護シート20の樹脂成分と導電性メッシュ層14の銅成分が劣化し、また、導電性メッシュ層14の銅成分とOCA32に含まれる酸成分とが耐候性試験中の熱によって酸化したことにより褐色に変色したと考えられる。
試験片Dは、OCA18によってOCA18を通過する紫外線はカットされるが、導電性メッシュ層14の銅成分とOCA32に含まれる酸成分とが耐候性試験中の熱によって酸化したことにより褐色に変色したと考えられる。
試験片Fは、OCA30を通過した紫外線によって補強シート16及び保護シート20の樹脂成分と導電性メッシュ層14の銅成分とが劣化したことにより褐色に変色したと考えられる。
一方、評価対象外である試験片Bは、OCA30を通過した紫外線によって補強シート16の樹脂成分は劣化したが、導電性メッシュ層14及びOCA32を備えていないことから褐色の変色を確認できなかったと考えられる。
上記の試験片A、B、C、D、Fに対し、実施形態の導体付き積層体10に相当する試験片Eは、紫外線カット剤が含まれるOCA18と、酸価が3以下のOCA12とを有しているので、耐候性試験において褐色の変色を確認できなかったと考えられる。
次に、耐候性試験における試験片A~Fの性能を、黄色度(YI)と可視光線透過率(Tv)とから評価するために、耐湿性試験後の黄変度(ΔYI)と可視光線透過率(Tv)の変化量(ΔTv)とを、耐湿性試験と同様の装置及び手法によって算出した。その結果を図8、図9及び図10に示す。
図8に示す表2は、各試験片A~Fにおける1500時間経過後の黄変度(ΔYI)と可視光透過率の変化量(ΔTv)とを示したデータ表である。
図9は、各試験片A~Fの耐候性試験中における黄変度(ΔYI)の変遷を示したグラフであり、縦軸が黄変度(ΔYI)を示し、横軸が試験時間(hr)を示している。また、図9のグラフに示されるラインA、B、C、D、E、Fは試験片A、B、C、D、E、Fの黄変度(ΔYI)の変遷を示している。
図10は、各試験片A~Fの耐候性試験中における可視光透過率の変化量(ΔTv)の変遷を示したグラフであり、縦軸が可視光透過率の変化量(ΔTv)を示し、横軸が試験時間(hr)を示している。また、図10のグラフに示されるラインA、B、C、D、E、Fは試験片A、B、C、D、E、Fの可視光透過率の変化量(ΔTv)の変遷を示している。
図8及び図9に示すように、褐色に変色した試験片A、C、D、Fの黄変度(ΔYI)は「30.60」、「41.60」、「10.00」、「38.10」であり、褐色の変色が認められなかった試験片B、Eの黄変度(ΔYI)は、「0.81」、「1.86」であった。この結果に基づけば、上記の耐候性試験において、黄変度(ΔYI)が「3以下」であれば、実使用上の耐候性の観点から良好であると評価できた。
一方、耐候性試験では、試験片A~Fに緑青色に変色したものは認められなかった。ここで、褐色に変色した試験片A、C、D、Fの可視光透過率の変化量(ΔTv)は「-11.8」、「-14.0」、「-0.5」、「-14.1」であり、他の試験片B、Eの可視光透過率の変化量(ΔTv)は「-0.2」、「0.7」であった。この結果に基づけば、上記の耐候性試験において、可視光透過率の変化量(ΔTv)が「-3以上」であれば、実使用上の耐候性の観点から良好であると評価できた。
以上により、上記の耐候性試験に基づく、本願発明の目的を達成するための導体付き積層体の構成は、ΔYI≦3であることが好ましく、ΔTv≧-3であることがより好ましいことを見出した。ΔYIは、2.5以下がより好ましく、2.2以下がさらに好ましく、2.0以下が特に好ましい。また、ΔTvは、-2.0以上がより好ましく、-1.0以上がさらに好ましい。
<試験結果のまとめ>
上記の耐湿性試験及び耐候性試験の結果に基づき、酸価が3以下のOCA12と、紫外線カット剤が含まれるOCA18とを有する導体付き積層体10であれば、可視光線透過率を長期間に亘って維持できることが判明した。
また、上記の耐湿性試験において、ΔTv≧-2.5を満足し、ΔYI≦2を満足する導体付き積層体10であれば、可視光線透過率を長期間に亘って維持できることが実証できた。
更に、上記の耐候性試験においてΔYI≦3を満足し、ΔTv≧-3を満足する導体付き積層体10であれば、可視光線透過率を長期間に亘って維持できることが実証できた。
〔他の実施形態の態様について〕
上記の実施形態では、本発明の第3の透明板状体としてガラス板22を例示したが、これに限定されるものではない。第3の透明板状体としては、電子用途に使用される透明板状体であれば代用可能であり、例えば、アクリル樹脂等の透明樹脂又はガラス樹脂複合体(例えば、繊維強化プラスチック)であっても適用できる。
上記の実施形態では、本発明の第1及び第2の透明板状体としてPET製の補強シート16及び保護シート20を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、ポリエチレン樹脂製、ポリイミド樹脂又はガラスであっても適用できる。ガラスは、例えばソーダライムガラス、無アルカリガラス、ボロシリケートガラス、アルミノシリケートガラスを適用できる。
上記の実施形態では、本発明の導体として銅製の導電性メッシュ層14を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、銅に代えて金、銀、白金、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム等の導電性材料を適用してもよい。また、導体の態様はメッシュ層に限定されず、ベタ状又は織物状であってもよい。但し、導体として銅製のものを採用した場合、銅成分とOCAの酸成分とが反応し易くなることから、本発明の効果が顕著なものとなるので好ましい。また、高い透光性を得る観点から、導体はベタ状よりもメッシュ層であることが好ましい。
上記の導電性メッシュ層は、一般的には金属箔のエッチングで形成した物が代表的であるが、これ以外のものであってもよい。例えば、導電性組成物からなるインキの印刷、又は金属パターン状めっき法等を利用して補強材に最初からメッシュ状の形状で形成したもの、又は最初は補強材に全面に、蒸着、スパッタ、めっき等の物理的又は化学的形成手法を用いて導体層を形成後、エッチング等でメッシュ状の形状にしたものであってもよい。
上記の実施形態では、アンテナユニット36(図1参照)に適用される導体付き積層体10について説明した。ここで、アンテナユニット36として使用される導体付き積層体10は、位相制御部材として用いられることが好ましい。位相制御部材は、アンテナから放射された電波を特定の方向に導く機能を有する。
一方、本発明の他の実施形態の導体付き積層体として、第1の光学透明粘着剤と、導体と、第2の光学透明粘着剤とが厚さ方向に順に積層された導体付き積層体を提供できる。この導体付き積層体の場合は、以下の構成を有する。すなわち、第1の光学透明粘着剤及び第2の光学透明粘着剤の酸価は3以下であり、第2の光学透明粘着剤は紫外線カット剤を含む。これにより、上記の実施形態の導体付き積層体10と同様の効果が得られる。また、上記他の実施形態の導体付き積層体を用いたアンテナユニットにおいても同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。以下、変形例について説明する。
図11は、変形例に係るアンテナユニット40の断面図である。アンテナユニット40を説明するに当たり、図1に示した導体付き積層体10及びアンテナユニット36と同一若しくは類似の部材については同一の符号を付して説明する。
図11に示すアンテナユニット40は、大別して導体付き積層体10とアンテナ42とを備え、不図示の支持部材を介して既存の窓ガラスに取り付けられる。このとき、導体付き積層体10とアンテナ42は、導体付き積層体10と窓ガラスとの間に空間が形成され、且つ導体付き積層体10とアンテナ42との間にも空間が形成されるように窓ガラスにガラス板22側が太陽光の入射側に位置するように上記の支持部材を介して取り付けられる。
導体付き積層体10は、既述したように、酸価が3以下のOCA12と、導電性メッシュ層14と、透明のPET製の補強シート16と、紫外線カット剤を含んでいるOCA18と、が厚さ方向に順に積層されて構成される。また、導電性メッシュ層14にはOCA12により透明のPET製の保護シート20が接着され、更に、補強シート16にはOCA18により透明のソーダライム製のガラス板22が接着されている。また、導電性メッシュ層14と補強シート16とは、アクリル系接着剤24によって互いに接着されている。
ここで、導体付き積層体10を構成する各部材の好ましい厚さ(mm)、εr(比誘電率)及びtanδ(誘電損失)、導電性メッシュ層14の好ましいメッシュ幅(μm)、ピッチ(μm)について説明する。なお、εr及びtanδは、4.5GHzにおける値を示す。
<OCA12>
・厚さ :0.005~0.2mm、より好ましくは0.01~0.1mm、さらに好ましくは0.025mm
・εr :2~7、より好ましくは3~5、さらに好ましくは3.2
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.004~0.015、さらに好ましくは0.007
<導電性メッシュ層14>
・厚さ :0.002~0.02mm、より好ましくは0.01mm
・メッシュ幅:50~30μm、より好ましくは6~15μm、さらに好ましくは10μm
・ピッチ :50~500μmが好ましく、より好ましくは200~400μm、さらに好ましくは300μm
<補強シート16>
・厚さ :0.03~0.3mm、より好ましくは0.05~0.2mm、さらに好ましくは0.100mm
・εr :2~7、より好ましくは3~5、さらに好ましくは3.2
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.004~0.015、さらに好ましくは0.007
<OCA18>
・厚さ :0.01~0.1mm、より好ましくは0.02~0.05mm、さらに好ましくは0.025mm
・εr :2~7、より好ましくは3~5、さらに好ましくは3.2
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.004~0.015、さらに好ましくは0.007
<保護シート20>
・厚さ :0.03~0.3mm、より好ましくは0.05~0.2mm、さらに好ましくは0.100mm
・εr :2~7、より好ましくは3~5、さらに好ましくは3.2
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.004~0.015、さらに好ましくは0.007
<ガラス板22>
・厚さ :0.3~10mm、より好ましくは0.7~3mm、さらに好ましくは1.100mm
・εr :3~10、より好ましくは5~8、さらに好ましくは6.8
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.010~0.022、さらに好ましくは0.02
<アクリル系接着剤24>
・厚さ :0.005mm~0.05mm、より好ましくは、0.007mm~0.03mm、さらに好ましくは0.025mm
・εr :2~7、より好ましくは3~5、さらに好ましくは3.2
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.004~0.015、さらに好ましくは0.007
図12は、変形例に係るアンテナ42の断面図である。アンテナ42は、一対の導体付き積層体46、48とホウケイ酸ガラス板50とを備えている。導体付き積層体46、48は、導体付き積層体46、48を構成する各部材が、ホウケイ酸ガラス板50を挟んでそれぞれ対称位置となるようにホウケイ酸ガラス板50に接着されている。
具体的に説明すると、導体付き積層体46は、太陽光の入射方向から出射方向に向けて、無アルカリガラス板52と、OCA54と、導電性メッシュ層56と、アクリル系接着剤58と、透明のPET製の保護シート60と、OCA62と、が厚さ方向に順に積層されて構成される。なお、OCA54は、酸価が3以下であり、紫外線カット剤を含んでいる。また、OCA62は、酸価が3を超えており、紫外線カット剤は含んでいない。導体付き積層体46は、OCA62によってホウケイ酸ガラス板50の一方面(太陽光の入射側面)に接着される。
一方、導体付き積層体48は、太陽光の入射方向から出射方向に向けて、OCA62と、透明のPET製の保護シート60と、アクリル系接着剤58と、導電性メッシュ層56と、OCA54と、無アルカリガラス板52と、が厚さ方向に順に積層されて構成される。なお、導体付き積層体46は、OCA62によってホウケイ酸ガラス板50の他方面(太陽光の出射側面)に接着されている。
ここで、導体付き積層体46、48を構成する各部材とホウケイ酸ガラス板50の好ましい厚さ(mm)、εr(比誘電率)及びtanδ(誘電損失)、導電性メッシュ層56の好ましいメッシュ幅(μm)、ピッチ(μm)について説明する。なお、εr及びtanδは、4.5GHzにおける値を示す。
<無アルカリガラス板52>
・厚さ :0.05~5mm、より好ましくは0.1~2mm、さらに好ましくは0.500mm
・εr :3~10、より好ましくは4~7、さらに好ましくは5.5
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.003~0.010、さらに好ましくは0.006
<OCA54>
・厚さ :0.01~0.2mm、より好ましくは0.05~0.15mm、さらに好ましくは0.100mm
・εr :2~7、より好ましくは3~5、さらに好ましくは3.2
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.004~0.015、さらに好ましくは0.007
<導電性メッシュ層56>
・厚さ :0.002~0.02mm、より好ましくは0.01mm
・メッシュ幅:50~30μm、より好ましくは6~15μm、さらに好ましくは10μm
・ピッチ :50~500μmが好ましく、より好ましくは200~400μm、さらに好ましくは300μm
<アクリル系接着剤58>
・厚さ :0.005mm~0.05mm、より好ましくは、0.007mm~0.03mm、さらに好ましくは0.025mm
・εr :2~7、より好ましくは3~5、さらに好ましくは3.2
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.004~0.015、さらに好ましくは0.007
<保護シート60>
・厚さ :0.03~0.3mm、より好ましくは0.05~0.2mm、さらに好ましくは0.100mm
・εr :2~7、より好ましくは3~5、さらに好ましくは3.2
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.004~0.015、さらに好ましくは0.007
<OCA62>
・厚さ :0.01~0.1mm、より好ましくは0.02~0.05mm、さらに好ましくは0.025mm
・εr :2~7、より好ましくは3~5、さらに好ましくは3.2
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.004~0.015、さらに好ましくは0.007
<ホウケイ酸ガラス板50>
・厚さ :0.5~10mm、より好ましくは2.5~5mm、さらに好ましくは3.300mm
・εr :3~10、より好ましくは4~6、さらに好ましくは4.4
・tanδ:0.001~0.025、より好ましくは0.007~0.015、さらに好ましくは0.01
また、太陽光の入射方向に沿うアンテナユニット40の寸法の一例として、窓ガラスの他方面(太陽光の出射側面)からホウケイ酸ガラス板50の一方面(太陽光の入射側面)までの寸法Hは、5~100mmが好ましく、より好ましくは10~50mmであり、さらに好ましくは18.2mmである。アンテナの共振周波数における波長をλとしたとき、寸法Hは0.1λ~3λが好ましい。寸法Hが0.1λ~3λであれば、ガラス界面の電波の反射を軽減できる。寸法Hは、0.2λ以上がより好ましい。また、寸法Hは、2λ以下がより好ましく、λ以下がさらに好ましく、0.6λ以下が特に好ましい。
また、ソーダライム製のガラス板22の他方面(太陽光の出射側面)からホウケイ酸ガラス板50の一方面(太陽光の入射側面)までの寸法Jは、2~100mmが好ましく、より好ましくは4~30mmであり、さらに好ましくは8.35mmである。また、アンテナの動作周波数における波長をλgとすると、寸法Jは100×λg/85.7以下であってもよく、30×λg/85.7以下であってもよい。
10…導体付き積層体、12…OCA、14…導電性メッシュ層、16…補強シート、18…OCA、20…保護シート、22…ガラス板、24…アクリル系接着剤、26…導体シート、30…OCA、32…OCA、34…アンテナ、36…アンテナユニット、40…アンテナユニット、42…アンテナ、46…導体付き積層体、48…導体付き積層体、50…ホウケイ酸ガラス板、52…無アルカリガラス板、54…OCA、56…導電性メッシュ層、58…アクリル系接着剤、60…保護シート、62…OCA

Claims (16)

  1. 第1の光学透明粘着剤と、導体と、第1の透明板状体と、第2の光学透明粘着剤とが厚さ方向に順に積層された導体付き積層体であって、
    前記第1の光学透明粘着剤の酸価は3以下であり、
    前記導体は前記第1の透明板状体に接着され、
    前記第2の光学透明粘着剤は紫外線カット剤を含む、
    導体付き積層体。
  2. 前記導体には、前記第1の光学透明粘着剤により第2の透明板状体が接着され、
    前記第1の透明板状体には、前記第2の光学透明粘着剤により第3の透明板状体が接着されている、
    請求項1に記載の導体付き積層体。
  3. 前記導体は銅製であってメッシュ形状である、
    請求項1または2に記載の導体付き積層体。
  4. 前記第1の光学透明粘着剤の厚さが前記導体の厚さより厚い、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の導体付き積層体。
  5. 前記第2の光学透明粘着剤の総質量に対する前記紫外線カット剤の含有率が0.03~35質量%である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の導体付き積層体。
  6. 前記第2の透明板状体は樹脂製であり、
    前記第3の透明板状体はガラス製である、
    請求項2に記載の導体付き積層体。
  7. 前記第3の透明板状体は窓ガラスのガラス板である、
    請求項6に記載の導体付き積層体。
  8. 前記第3の透明板状体から入射し、前記第2の透明板状体から出射した可視光線の透過率が80%以上である、
    請求項2に記載の導体付き積層体。
  9. 下記の耐湿性試験における可視光線透過率の変化量が、-2.5以上である、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の導体付き積層体。
    [耐湿性試験]
    60℃、95%RHの環境下で導体付き積層体を600時間放置する。
    <可視光線透過率の変化量の算出方法>
    耐湿性試験前後の導体付き積層体の可視光線透過率を、分光光度計(日立製作所社製「U-4100」)を用いてJISR3106(1998)に従い算出し、耐湿性試験前
    後の可視光線透過率に基づいて可視光線透過率の変化量を算出する。
  10. 下記の耐湿性試験における黄変度が、2以下である、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の導体付き積層体。
    [耐湿性試験]
    60℃、95%RHの環境下で導体付き積層体を600時間放置する。
    <黄変度の算出方法>
    耐湿性試験前後の導体付き積層体黄色度を、JIS K7373(2006)に従い標準D65光源を用いた場合の算出式により算出し、耐湿性試験前後の黄色度に基づいて黄変度を算出する。
  11. 下記の耐候性試験における黄変度が、3以下である、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の導体付き積層体。
    [耐候性試験]
    促進耐候性試験機を使用し、照射強度180W/m、ブラックパネル温度63℃の環境下で導体付き積層体を1500時間放置する。
    <黄変度の算出方法>
    耐湿性試験前後の導体付き積層体黄色度を、JIS K7373(2006)に従い標
    準D65光源を用いた場合の算出式により算出し、耐湿性試験前後の黄色度に基づいて黄変度を算出する。
  12. 下記の耐候性試験における可視光線透過率の変化が、-3以上である、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の導体付き積層体。
    [耐候性試験]
    促進耐候性試験機を使用し、照射強度180W/m、ブラックパネル温度63℃の環境下で導体付き積層体を1500時間放置する。
    <可視光線透過率の変化量の算出方法>
    耐湿性試験前後の導体付き積層体の可視光線透過率を、JIS R3106(1998
    )に従い算出し、耐湿性試験前後の可視光線透過率に基づいて可視光線透過率の変化を算出する。
  13. 第1の光学透明粘着剤と、導体と、第2の光学透明粘着剤とが厚さ方向に順に積層された導体付き積層体であって、
    前記第1の光学透明粘着剤及び前記第2の光学透明粘着剤の酸価は3以下であり、
    前記第2の光学透明粘着剤は紫外線カット剤を含む、
    導体付き積層体。
  14. 窓ガラスに取り付けて使用されるアンテナユニットであって、
    アンテナと、
    請求項1から13のいずれか1項に記載の導電体付き積層体とを備える、アンテナユニット。
  15. 前記窓ガラスは建物用の窓ガラスである、請求項14に記載のアンテナユニット。
  16. 前記窓ガラスは自動車用の窓ガラスである、請求項14に記載のアンテナユニット。
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