JP2022159993A - 超音波診断装置 - Google Patents

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【課題】遷移するモードの種類にかかわらず最適なROIを自動で設定すること。【解決手段】実施形態に係る超音波診断装置は、取得部と、推定部と、計算部と、表示制御部とを備える。取得部は、第1のモードの第1の超音波画像データを取得する。推定部は、第1の超音波画像データに学習済みモデルを適用することによって第1の超音波画像データに含まれる検査対象物の位置を推定し推定結果を出力する。計算部は、推定結果と、第1のモードとは異なる第2のモードの情報とに基づいて、第2のモードに対応した関心領域の座標を計算する。表示制御部は、座標に基づいて第2のモードの第2の超音波画像データに関心領域を表示する。【選択図】 図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、超音波診断装置に関する。
近年、超音波診断装置は、複数の表示モードを搭載していることがある。複数の表示モードは、例えば、超音波の反射エコー信号を輝度変調して画面に表示するBモード、二次元の画像で血流を表示する血流映像モード、および生体組織の硬さを測定するシアウェーブエラストグラフィ(SWE:Shear Wave Elastography)モードである。これらの表示モードでは、検査対象物(例えば、腫瘍、病変部)を含んだ関心領域(ROI:Region Of Interest)のサイズがそれぞれ異なっている。
例えば、血流映像モードであれば、検査対象物と、検査対象物の面積よりも広い面積を有する周辺領域とを内包したROIサイズを設定することが好ましい。他方、SWEモードであれば、単に検査対象物を内包したROIサイズを設定することが好ましい。
上述のように、表示モードの種類毎に最適なROIサイズが異なるため、ユーザは、表示モードの変更(遷移)がある度にROIの設定をする必要がある。このことは、ユーザにとって負担なだけでなく、最適なROIが設定されない可能性もある。
特開2020-68797号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、遷移するモードの種類にかかわらず最適なROIを自動で設定することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る超音波診断装置は、取得部と、推定部と、計算部と、表示制御部とを備える。取得部は、第1のモードの第1の超音波画像データを取得する。推定部は、第1の超音波画像データに学習済みモデルを適用することによって第1の超音波画像データに含まれる検査対象物の位置を推定し推定結果を出力する。計算部は、推定結果と、第1のモードとは異なる第2のモードの情報とに基づいて、第2のモードに対応した関心領域の座標を計算する。表示制御部は、座標に基づいて第2のモードの第2の超音波画像データに関心領域を表示する。
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態における関心領域自動設定処理に関する画面表示および内部処理の一例を示す図である。 図3は、第1の実施形態における関心領域自動設定処理を実行する処理回路の動作の一例を示すフローチャートである。 図4は、図3のフローチャートのROI座標計算処理の一例を示すフローチャートである。 図5は、一つの検出単位から一つの検出エリアを特定することを説明する図である。 図6は、複数の検出単位から一つの検出エリアを特定することを説明する図である。 図7は、複数の検出単位から複数の検出エリアを特定することを説明する図である。 図8は、複数の検出エリアに含まれる検出単位の尤度の一例を説明する図である。 図9は、検出エリアからROI座標を計算することを説明する図である。 図10は、第2の実施形態における関心領域自動設定処理に関する画面表示および内部処理の一例を示す図である。 図11は、第2の実施形態における関心領域自動設定処理を実行する処理回路の動作の一例を示すフローチャートである。 図12は、第1の実施形態および第2の実施形態における関心領域自動設定処理が行われた後の表示画面を例示する図である。 図13は、他の実施形態における関心領域自動設定処理に関する第1の例を説明するための図である。 図14は、他の実施形態における関心領域自動設定処理に関する第2の例を説明するための図である。 図15は、他の実施形態における関心領域自動設定処理に関する第3の例を説明するための図である。 図16は、第3の実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。 図17は、第3の実施形態における関心領域再設定処理を実行する処理回路の動作の第1の具体例を示すフローチャートである。 図18は、第3の実施形態における関心領域再設定処理を実行する処理回路の動作の第2の具体例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、超音波診断装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。図1の超音波診断装置1は、装置本体100と、超音波プローブ101とを有している。装置本体100は、入力装置102および出力装置103と接続されている。また、装置本体100は、ネットワークNWを介して外部装置104と接続されている。外部装置104は、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)を搭載したサーバなどである。
超音波プローブ101は、例えば、装置本体100からの制御に従い、被検体である生体P内のスキャン領域について超音波スキャンを実行する。超音波プローブ101は、例えば、複数の圧電振動子、複数の圧電振動子とケースとの間に設けられる整合層、および複数の圧電振動子から放射方向に対して後方への超音波の伝搬を防止するバッキング材等を有する。超音波プローブ101は、例えば、複数の超音波振動子が所定の方向に沿って配列された一次元アレイリニアプローブである。超音波プローブ101は、装置本体100と着脱自在に接続される。超音波プローブ101には、オフセット処理、および超音波画像をフリーズさせる操作(フリーズ操作)等の際に押下されるボタンが配置されてもよい。
複数の圧電振動子は、装置本体100が有する後述の超音波送信回路110から供給される駆動信号に基づいて超音波を発生する。これにより、超音波プローブ101から生体Pへ超音波が送信される。超音波プローブ101から生体Pへ超音波が送信されると、送信された超音波は、生体Pの体組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流または心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向の速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。超音波プローブ101は、生体Pからの反射波信号を受信して電気信号に変換する。
図1には、一つの超音波プローブ101と装置本体100との接続関係を例示している。しかしながら、装置本体100には、複数の超音波プローブを接続することが可能である。接続された複数の超音波プローブのうちいずれを超音波スキャンに使用するかは、例えば、後述するタッチパネル上のソフトウェアボタンによって任意に選択することができる。
装置本体100は、超音波プローブ101により受信された反射波信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体100は、超音波送信回路110と、超音波受信回路120と、内部記憶回路130と、画像メモリ140と、入力インタフェース150と、出力インタフェース160と、通信インタフェース170と、処理回路180とを有している。
超音波送信回路110は、超音波プローブ101に駆動信号を供給するプロセッサである。超音波送信回路110は、例えば、トリガ発生回路、遅延回路、およびパルサ回路等により実現される。トリガ発生回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返して発生する。遅延回路は、超音波プローブから発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な複数の圧電振動子毎の遅延時間を、トリガ発生回路が発生する各レートパルスに対し与える。パルサ回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101に設けられる複数の超音波振動子へ駆動信号(駆動パルス)を印加する。遅延回路により各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、複数の圧電振動子の表面からの送信方向が任意に調整可能となる。
また、超音波送信回路110は、駆動信号によって、超音波の出力強度を任意に変更することができる。超音波診断装置では、出力強度を大きくすることにより、生体P内での超音波の減衰の影響を小さくすることができる。超音波診断装置は、超音波の減衰の影響を小さくすることによって、受信時において、S/N比の大きい反射波信号を取得することができる。
一般的に、超音波が生体P内を伝播すると、出力強度に相当する超音波の振動の強さ(これは、音響パワーとも称する)が減衰する。音響パワーの減衰は、吸収、散乱および反射などによって起こる。また、音響パワーの減少の度合いは、超音波の周波数および超音波の放射方向の距離に依存する。例えば、超音波の周波数を大きくすることにより、減衰の度合いは大きくなる。また、超音波の放射方向の距離が長くなるほど、減衰の度合いは大きくなる。
超音波受信回路120は、超音波プローブ101が受信した反射波信号に対して各種処理を施し、受信信号を生成するプロセッサである。超音波受信回路120は、超音波プローブ101によって取得された超音波の反射波信号に対する受信信号を生成する。具体的には、超音波受信回路120は、例えば、プリアンプ、A/D変換器、復調器、およびビームフォーマ等により実現される。プリアンプは、超音波プローブ101が受信した反射波信号をチャネル毎に増幅してゲイン補正処理を行う。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をディジタル信号に変換する。復調器は、ディジタル信号を復調する。ビームフォーマは、例えば、復調されたディジタル信号に受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与えて、遅延時間が与えられた複数のディジタル信号を加算する。ビームフォーマの加算処理により、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調された受信信号が発生する。
内部記憶回路130は、例えば、磁気的記憶媒体、光学的記憶媒体、または半導体メモリ等、プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体等を有する。内部記憶回路130は、超音波送受信を実現するためのプログラム、後述する関心領域自動設定処理に関するプログラム、および各種データ等を記憶している。プログラム、および各種データは、例えば、内部記憶回路130に予め記憶されていてもよい。また、プログラムおよび各種データは、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されて内部記憶回路130にインストールされてもよい。また、内部記憶回路130は、入力インタフェース150を介して入力される操作に従い、処理回路180で生成されるBモード画像データ、造影画像データ、および血流映像に関する画像データ等を記憶する。内部記憶回路130は、記憶している画像データを、通信インタフェース170を介して外部装置104等に転送することも可能である。
なお、内部記憶回路130は、CDドライブ、DVDドライブ、およびフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。内部記憶回路130は、記憶しているデータを可搬性記憶媒体へ書き込み、可搬性記憶媒体を介してデータを外部装置104に記憶させることも可能である。
画像メモリ140は、例えば、磁気的記憶媒体、光学的記憶媒体、または半導体メモリ等、プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体等を有する。画像メモリ140は、入力インタフェース150を介して入力されるフリーズ操作直前の複数フレームに対応する画像データを保存する。画像メモリ140に記憶されている画像データは、例えば、連続表示(シネ表示)される。
上記の内部記憶回路130および画像メモリ140は、必ずしもそれぞれが独立した記憶装置により実現されなくてもよい。内部記憶回路130および画像メモリ140は、単一の記憶装置により実現されてもよい。また、内部記憶回路130および画像メモリ140は、それぞれが複数の記憶装置により実現されてもよい。
入力インタフェース150は、入力装置102を介し、操作者からの各種指示を受け付ける。入力装置102は、例えば、マウス、キーボード、パネルスイッチ、スライダースイッチ、トラックボール、ロータリーエンコーダ、操作パネル、およびタッチパネルである。入力インタフェース150は、例えばバスを介して処理回路180に接続され、操作者から入力される操作指示を電気信号へ変換し、電気信号を処理回路180へ出力する。なお、入力インタフェース150は、マウスおよびキーボード等の物理的な操作部品と接続するものだけに限られない。例えば、超音波診断装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路180へ出力する回路も入力インタフェースの例に含まれる。
出力インタフェース160は、例えば処理回路180からの電気信号を出力装置103へ出力するためのインタフェースである。出力装置103は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイ等の任意のディスプレイである。出力装置103は、入力装置102を兼ねたタッチパネル式のディスプレイでもよい。出力装置103は、ディスプレイの他に、音声を出力するスピーカーを更に含んでもよい。出力インタフェース160は、例えばバスを介して処理回路180に接続され、処理回路180からの電気信号を出力装置103に出力する。
通信インタフェース170は、例えばネットワークNWを介して外部装置104と接続され、外部装置104との間でデータ通信を行う。
処理回路180は、例えば、超音波診断装置1の中枢として機能するプロセッサである。処理回路180は、内部記憶回路130に記憶されているプログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。処理回路180は、例えば、Bモード処理機能181と、ドプラ処理機能182と、画像生成機能183と、取得機能184(取得部)と、推定機能185(推定部)と、計算機能186(計算部)、表示制御機能187(表示制御部)と、システム制御機能188とを有している。
Bモード処理機能181は、超音波受信回路120から受け取った受信信号に基づき、Bモードデータを生成する機能である。Bモード処理機能181において処理回路180は、例えば、超音波受信回路120から受け取った受信信号に対して包絡線検波処理、および対数圧縮処理等を施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。生成されたBモードデータは、2次元的な超音波走査線(ラスタ)上のBモードRAWデータとして不図示のRAWデータメモリに記憶される。
また、処理回路180は、Bモード処理機能181により、造影エコー法、例えば、コントラストハーモニックイメージング(Contrast Harmonic Imaging:CHI)を実行することができる。即ち、処理回路180は、造影剤が注入された生体Pの反射波データ(高調波成分または分周波成分)と、生体P内の組織を反射源とする反射波データ(基本波成分)とを分離することができる。これにより、処理回路180は、生体Pの反射波データから高調波成分または分周波成分を抽出して、造影画像データを生成するためのBモードデータを生成することができる。
造影画像データを生成するためのBモードデータは、造影剤を反射源とする反射波の信号強度を輝度で表したデータとなる。また、処理回路180は、生体Pの反射波データから基本波成分を抽出して、組織画像データを生成するためのBモードデータを生成することができる。
なお、CHIを行う際、処理回路180は、上述したフィルタ処理を用いた方法とは異なる方法により、ハーモニック成分(高調波成分)を抽出することができる。ハーモニックイメージングでは、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)法や位相変調(PM:Phase Modulation)法、AM法及びPM法を組み合わせたAMPM法と呼ばれる映像法が行なわれる。
AM法、PM法およびAMPM法では、同一の走査線に対して振幅や位相が異なる超音波送信を複数回行う。これにより、超音波受信回路120は、各走査線で複数の反射波データを生成し、生成した反射波データを出力する。処理回路180は、Bモード処理機能181により、各走査線の複数の反射波データを、変調法に応じた加減算処理することで、ハーモニック成分を抽出する。そして、処理回路180は、ハーモニック成分の反射波データに対して包絡線検波処理などを行って、Bモードデータを生成する。
ドプラ処理機能182は、超音波受信回路120から受け取った受信信号を周波数解析することで、スキャン領域に設定されるROI(Region Of Interest:関心領域)内にある移動体のドプラ効果に基づく運動情報を抽出したデータ(ドプラ情報)を生成する機能である。生成されたドプラ情報は、2次元的な超音波走査線上のドプラRAWデータ(ドプラデータとも称する)として不図示のRAWデータメモリに記憶される。
具体的には、処理回路180は、ドプラ処理機能182により、例えば移動体の運動情報として、平均速度、平均分散値、平均パワー値などを複数のサンプル点それぞれで推定し、推定した運動情報を示すドプラデータを生成する。移動体は、例えば、血流や、心壁などの組織、造影剤である。本実施形態に係る処理回路180は、ドプラ処理機能182により、血流の運動情報(血流情報)として、血流の平均速度、血流速度の分散値、血流信号のパワー値などを、複数のサンプル点それぞれで推定し、推定した血流情報を示すドプラデータを生成する。
さらに、処理回路180は、ドプラ処理機能182により、カラーフローマッピング(CFM:Color Flow Mapping)法とも呼ばれるカラードプラ法を実行することができる。CFM法では、超音波の送受信が複数の走査線上で複数回行われる。そして、CFM法では、例えば、同一位置のデータ列に対してMTI(Moving Target Indicator)フィルタを掛けることで、静止している組織、又は動きの遅い組織に由来する信号(クラッタ信号)を抑制して、血流に由来する信号を抽出する。そして、CFM法では、抽出した血流信号を用いて、血流の速度、血流の分散、血流のパワーなどの血流情報を推定する。後述する画像生成機能183では、推定した血流情報の分布を、例えば、2次元でカラー表示した超音波画像データ(カラードプラ画像データ)として生成する。以降では、ドプラ法に基づいて血流信号をMTIフィルタで抽出し、抽出した血流信号を映像化に用いた超音波診断装置のモードを血流映像モードと称する。尚、カラー表示とは、血流情報の分布を所定のカラーコードに対応させて表示させるものであり、グレースケールもカラー表示に含まれるものとする。
血流映像モードには、所望する臨床情報によって様々な種類がある。一般的には、血流の方向や血流の平均速度が可視化可能な速度表示用血流映像モードや、血流信号のパワーを可視化可能なパワー表示用血流映像モードがある。
速度表示用血流映像モードは、血流の方向や血流の平均速度によってドプラシフト周波数に対応した色を表示するモードである。例えば、速度表示用血流映像モードは、流れの方向として、向かってくる流れを赤系色、遠ざかる流れを青系色で表し、それぞれの速度の違いを色相の違いで表す。速度表示用血流映像モードは、カラードプラモードや、カラードプライメージング(Color Doppler Imaging:CDI)モードと呼ばれることもある。
パワー表示用血流映像モードは、例えば、血流信号のパワーを赤系色の色相、色の明るさ(明度)または彩度の変化で表すモードである。パワー表示用血流映像モードは、パワードプラ(Power Doppler:PD)モードと呼ばれることもある。パワー表示用血流映像モードは、速度表示用血流映像モードと比べて高感度に血流を描出できることから、高感度血流映像モードと呼ばれてもよい。
CDIモードおよびPDモードの他にも、血流映像モードには、低流速の描出に特化した低流速用血流映像モード(SMI:Superb Micro-vascular Imaging)や、高分解能血流映像モード(ADF:Advanced Dynami Flow)などがある。これらの血流映像モードは、スキャンプロトコルおよび信号処理などによって定義される映像方式がそれぞれ異なる。尚、血流映像モードには、上記以外のモードが含まれてもよい。
画像生成機能183は、Bモード処理機能181により生成されたデータに基づいて、Bモード画像データを生成する機能である。例えば、画像生成機能183において処理回路180は、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の画像データ(表示用画像データ)を生成する。具体的には、処理回路180は、RAWデータメモリに記憶されたBモードRAWデータに対してRAW-ピクセル変換、例えば、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じた座標変換を実行することで、ピクセルから構成される2次元Bモード画像データ(超音波画像データとも称する)を生成する。換言すると、処理回路180は、画像生成機能183により、超音波の送受信によって、連続する複数のフレームにそれぞれ対応する複数の超音波画像(医用画像)を生成する。
また、処理回路180は、例えば、RAWデータメモリに記憶されたドプラRAWデータに対してRAW-ピクセル変換を実行することで、血流情報が映像化されたドプラ画像データを生成する。ドプラ画像データは、平均速度画像データ、分散画像データ、パワー画像データ、又はこれらを組み合わせた画像データである。処理回路180は、ドプラ画像データとして、血流情報がカラーで表示されるカラードプラ画像データ、および一つの血流情報がグレースケールで波形状に表示されるドプラ画像データを生成する。カラードプラ画像データは、前述の血流映像モードの実行時に生成される。
取得機能184は、後述する関心領域自動設定処理に関する各種データを取得する機能である。具体的には、例えば、処理回路180は、取得機能184により、現在の表示モードとは異なる他の表示モードの実行指示を取得する。また、処理回路180は、実行指示を取得した時点における現在の表示モードの超音波画像データを取得する。尚、「実行指示」は、他の表示モードに関する情報(「表示モード情報」)、或いは遷移後の表示モードに関する情報(「遷移モード情報」)に言い換えられてもよい。
推定機能185は、超音波画像データに学習済みモデルを適用することによって超音波画像データに含まれる検査対象物の位置を推定する機能である。具体的には、例えば、処理回路180は、推定機能185により、超音波画像データに学習済みモデルを適用することによって、超音波画像データに含まれる検査対象物の位置を推定し推定結果を出力する。検査対象物の位置の推定は、例えば、超音波画像データの中で尤度が閾値以上となる領域がある場合、その領域に検査対象物が含まれていると推定する。この場合、推定結果は、例えば、検査対象物を含むと推定した一つ以上の領域(これは、「検出領域」、或いは「検出単位」と呼ばれてもよい)を含む。尚、超音波画像データ内の全領域について推定尤度が閾値以下(或いは、閾値未満)である場合、その画像データは検査対象物を含まないと推定する。この場合、推定結果に検出単位の情報は含まれず、例えば、検査対象物を検出していない旨の情報が含まれてもよい。即ち、処理回路180は、検査対象物の位置が推定されたか否か、換言すると、検出単位が含まれているか否かに関わらず推定結果を出力する。
上記の学習済みモデルは、例えば、予め用意された、検査対象物を含む超音波画像データに基づき機械学習された機械学習モデルである。尚、機械学習は、超音波画像データを任意の領域に分割して、分割した領域毎、或いは分割した領域を組み合わせた領域毎に行われてもよい。この場合、推定機能185でも同様に、超音波画像データを任意の領域に分割した領域毎に推定処理が行われるものとする。
本実施形態に係る機械学習モデルは、典型的には、生物の脳の神経回路を模した多層のネットワークモデルである深層ニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)であるとする。DNNは、複数の調整可能な関数およびパラメータの組合せにより定義されるパラメータ付きの合成関数を含む。
計算機能186は、推定結果に基づいて所望の表示モードに対応した関心領域の座標(以降、ROI座標と称する)を計算する機能である。本実施形態における「ROI座標」は、ROIの位置およびサイズを含むものとする。具体的には、例えば、処理回路180は、計算機能186により、推定結果に含まれる一つ以上の検出単位から、一つ以上の検出エリアを特定する。次に、処理回路180は、一つ以上の検出エリアのうちの、最も確からしい検出エリアを選択し、少なくとも検出エリアを含むROI座標を計算する。このとき、ROI座標の計算は、所望の表示モードに応じて行われる。検出エリアとは、一つ以上の検出単位が重複している全体の領域である。具体的な説明は後述される。
なお、推定結果に検査対象物が含まれていない場合、処理回路180は、計算機能186による処理を行わなくてもよい。この場合、ユーザは、従来通り、ROIの位置およびサイズをマニュアル設定する。
表示制御機能187は、画像生成機能183により生成された各種超音波画像データに基づく画像を出力装置103としてのディスプレイに表示させる機能である。具体的には、例えば、処理回路180は、表示制御機能187により、画像生成機能183により生成されたBモード画像データ、ドプラ画像データ、又はこれらの両方を含む画像データに基づく画像のディスプレイにおける表示を制御する。
より具体的には、処理回路180は、表示制御機能187により、例えば、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用画像データを生成する。また、処理回路180は、表示用画像データに対し、ダイナミックレンジ、輝度(ブライトネス)、コントラスト、及びγカーブ補正、並びにRGB変換等の各種処理を実行してもよい。また、処理回路180は、表示用画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディマーク等の付帯情報を付加してもよい。また、処理回路180は、操作者が入力装置により各種指示を入力するためのユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)を生成し、GUIをディスプレイに表示させてもよい。
また、表示制御機能187により処理回路180は、計算機能186によって計算されたROI座標に基づいて超音波画像データにROIを表示する。尚、処理回路180は、ROIの自動設定に関する情報を表示してもよい。具体的には、処理回路180は、表示モードの遷移後にROIが自動設定されたことをユーザへ通知する文字またはマークの表示や、遷移後の表示モードのROIの表示色を変更する。表示色の変更は、例えば、自動設定されたROIの表示色を従来の表示色から変えてもよいし、自動設定されなかった際に表示されるデフォルトのROIの表示色を従来の表示色から変えてもよい。
システム制御機能188は、超音波診断装置1全体の動作を統括して制御する機能である。例えば、システム制御機能188において処理回路180は、超音波の送受信に関するパラメータに基づいて超音波送信回路110および超音波受信回路120を制御する。
なお、処理回路180は、Bモードおよび血流映像モード以外の他の撮像モードを実行してもよい。他の撮像モードは、例えば、ストレインエラストグラフィモード、シアウェーブエラストグラフィ(SWE:Shear Wave Elastography)モードおよび減衰イメージング(ATI:Attenuation Imaging)モードを含む。
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成について説明した。次に、第1の実施形態における処理の概要について図2を用いて説明する。
図2は、第1の実施形態における関心領域自動設定処理に関する画面表示および内部処理の一例を示す図である。図2には、表示画面として、モード遷移の前後において、表示モードがそれぞれ異なる超音波画像211および超音波画像212が示されている。また、図2には、モード遷移の間に行われる内部処理(関心領域自動設定処理)について示されている。
まず、画面表示について説明する。第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、ユーザのモード遷移に関する操作を契機として、画面表示を、超音波画像211から超音波画像212へと変更する。ここで、超音波画像211は、現在の表示モード(これは、「第1のモード」、「第1の表示モード」および「遷移前の表示モード」と呼ばれてもよい)に対応する。また、超音波画像212は、遷移後の表示モード(これは、「第2のモード」および「第2の表示モード」と呼ばれてもよい)に対応する。また、超音波画像212には、遷移後の表示モードに最適なROI213が併せて表示される。尚、モード遷移の間は、超音波画像211の画面更新を止めた状態、即ちフリーズと略同様の状態であってもよい。
次に、内部処理について説明する。処理回路180は、例えば、ユーザのモード遷移に関する操作を契機として、取得機能184により超音波画像データおよび遷移後の表示モードに関する情報を取得する。処理回路180は、推定機能185により、超音波画像データに学習済みモデル221を適用し、当該超音波画像データに関する推定結果を生成する。処理回路180は、計算機能186によりROI座標計算処理222が実行され、推定結果と遷移後の表示モードの情報とに基づいて遷移後の表示モードに対応したROI座標を計算する。
図3は、第1の実施形態における関心領域自動設定処理を実行する処理回路の動作の一例を示すフローチャートである。図3に示す関心領域自動設定処理は、例えば、ユーザのモード遷移に関する操作を契機として開始される。尚、モード遷移に関する操作は、例えば、現在の表示モードとは異なる表示モードを実行する操作である。
(ステップST110)
関心領域自動設定処理が開始すると、処理回路180は、取得機能184を実行する。取得機能184を実行すると、処理回路180は、ユーザによって入力された、現在の第1の表示モードとは異なる第2の表示モードの実行指示を取得する。尚、以降の説明では、第1の表示モードがBモード、第2の表示モードが血流映像モードであるものとする。
(ステップST120)
ユーザから実行指示を取得した後、更に、処理回路180は、実行指示を取得した時点における第1の表示モードの第1の超音波画像データを取得する。尚、取得される第1の超音波画像データは、二つ以上のフレームを含む動画データであってもよい。
(ステップST130)
第1の超音波画像データを取得した後、処理回路180は、推定機能185を実行する。推定機能185を実行すると、処理回路180は、第1の超音波画像データに学習済みモデルを適用することによって第1の超音波画像データに含まれる検査対象物の位置を推定し推定結果を出力する。具体的には、処理回路180は、第1の超音波画像データに学習済みモデルを適用することによって、一つ以上の検出単位を含む推定結果を生成する。尚、推定結果に検査対象物が含まれていない場合、推定結果には検出単位が含まれていないものとする。
(ステップST140)
推定結果が生成された後、処理回路180は、推定結果に検査対象物が含まれるか否かを判定する。換言すると、処理回路180は、推定結果に検出単位情報が含まれているか否かを判定する。推定結果に検出単位情報が含まれている場合、処理はステップST150へと進む。推定結果に検出単位情報が含まれていない場合、処理は終了する。
(ステップST150)
推定結果に検出単位情報が含まれていると判定された後、処理回路180は、計算機能186を実行する。計算機能186を実行すると、処理回路180は、推定結果(検出単位情報)に基づいて第2の表示モードに対応したROI座標を計算する。以降では、ステップST150の処理を「ROI座標計算処理」と称する。ROI座標計算処理の具体例について図4のフローチャートを用いて説明する。
図4は、図3のフローチャートのROI座標計算処理の一例を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、図3のステップST140から遷移する。
(ステップST151)
推定結果に検出単位情報が含まれていると判定された後、処理回路180は、推定結果に含まれる検出単位に基づいて検出エリアを特定する。具体的には、処理回路180は、一つ以上の検出単位から、一つ以上の検出エリアを特定する。以下、検出エリアの特定について詳細に説明する。尚、「一つ以上の検出単位から、一つ以上の検出エリアを特定する」とは、例えば、一つの検出単位から一つの検出エリアを特定すること、複数の検出単位から一つの検出エリアを特定すること、および複数の検出単位から複数の検出エリアを特定することのいずれか一つを含むものとする。以下、それぞれの場合について、図5から図7までを用いて説明する。
図5は、一つの検出単位から一つの検出エリアを特定することを説明する図である。図5には、検出エリアを特定する前後の超音波画像510および超音波画像520が示されている。超音波画像510は、一つの検出単位511を含む。よって、処理回路180は、一つの検出単位511を検出エリアとして特定する。これにより、超音波画像520には、特定された一つの検出エリア521が示されている。換言すると、検出エリア521は、一つの検出単位511によって構成される。
図6は、複数の検出単位から一つの検出エリアを特定することを説明する図である。図6には、検出エリアを特定する前後の超音波画像610および超音波画像620が示されている。超音波画像610は、複数の検出単位611から613までを含む。複数の検出単位611から613までは、互いに一部が重複している。よって、処理回路180は、複数の検出単位611から613までを含む輪郭線を検出エリアとして特定する。これにより、超音波画像620には、特定された一つの検出エリア621が示されている。換言すると、検出エリア621は、複数の検出単位611,612,613によって構成される。
図7は、複数の検出単位から複数の検出エリアを特定することを説明する図である。図7には、検出エリアを特定する前後の超音波画像710および超音波画像720が示されている。超音波画像710は、複数の検出単位711から718までを含む。複数の検出単位711から713までと、複数の検出単位714から716までと、複数の検出単位717および718とは、それぞれ互いに一部が重複している。よって、処理回路180は、複数の検出単位711から713までを含む輪郭線、複数の検出単位714から716までを含む輪郭線、および複数の検出単位717および718までを含む輪郭線をそれぞれ検出エリアとして特定する。これにより、超音波画像720には、特定された複数の検出エリア721から723までが示されている。換言すると、検出エリア721は、複数の検出単位711,712,713によって構成され、検出エリア722は、複数の検出単位714,715,716によって構成され、検出エリア723は、複数の検出単位717,718によって構成される。
(ステップST152)
一つ以上の検出エリアを特定した後、処理回路180は、検出エリアが2箇所以上であるか否かを判定する。検出エリアが2箇所以上である場合、処理はステップST153へと進む。検出エリアが2箇所以上でない場合(即ち、1箇所の場合)、処理はステップST155へと進む。
(ステップST153)
検出エリアが2箇所以上であると判定された後、処理回路180は、各検出エリアの尤度の合計値を計算する。
(ステップST154)
各検出エリアの尤度の合計値が計算された後、処理回路180は、尤度の合計値が最も高い検出エリアを選択する。以下では、ステップST153およびステップST154の処理の具体例について、図8を用いて説明する。
図8は、複数の検出エリアに含まれる検出単位の尤度の一例を説明する図である。図8には、図7の超音波画像720に含まれる複数の検出エリアに対応した検出エリア721、検出エリア722、および検出エリア723が示されている。検出エリア721には、複数の検出単位711,712,713に対応した複数の検出単位A1,A2,A3が示されている。同様に、検出エリア722には、複数の検出単位714,715,716に対応した複数の検出単位B1,B2,B3が示され、検出エリア723には、複数の検出単位717,718に対応した複数の検出単位C1,C2が示されている。
検出エリア721について、処理回路180は、検出単位A1の尤度「0.71」、検出単位A2の尤度「0.73」、および検出単位A3の尤度「0.63」を足し合わせた合計値「2.07」を計算する。また、検出エリア722について、処理回路180は、検出単位B1の尤度「0.91」、検出単位B2の尤度「0.93」、および検出単位B3の尤度「0.93」を足し合わせた合計値「2.77」を計算する。同様に、検出エリア723について、検出単位C1の尤度「0.61」および検出単位C2の尤度「0.63」を足し合わせた合計値「1.24」を計算する。各検出エリアの尤度の合計値が計算された後、処理回路180は、尤度の合計値が最も高い検出エリア722を選択する。
(ステップST155)
ステップST152において検出エリアが1箇所であると判定された後、またはステップST154において検出エリアが選択された後、処理回路180は、検出エリアに基づいて第2の表示モードに対応したROI座標データを計算する。換言すると、処理回路180は、推定結果と、第2の表示モードの情報とに基づいて、第2の表示モードに対応したROI座標データを計算する。以下では、ステップST155の具体例について図9を用いて説明する。
図9は、検出エリアからROI座標を計算することを説明する図である。図9には、図7および図8の検出エリア722に対応する検出エリア910と、検出エリア910の外周に内接する矩形920と、矩形920を所定の拡大率で拡大した関心領域930とが示されている。
処理回路180は、検出エリア910に基づいて矩形920を算出する。そして、処理回路180は、第2の表示モードの種類に応じて、矩形920を所定の拡大率で拡大させ、関心領域930を算出する。所定の拡大率は、「1」以上であり、第2の表示モードの種類に応じて任意に設定されてよい。例えば、第2の表示モードがSWEモードの場合、検出エリアに検査対象物が含まれていればよいため、検出エリアと関心領域とが同じサイズとなるように、所定の拡大率「1」が設定されてもよい。
なお、ROI座標データの算出は、上記に限らない。例えば、検出エリアに基づいて算出された矩形の中心および長辺に基づいて関心領域のROI座標データが計算されてもよい。また、矩形から関心領域を計算する際に、関心領域のサイズおよび形状の少なくとも一方を変更してもよい。関心領域の形状を変更するとは、例えば、矩形の長辺と短辺との比(アスペクト比)と関心領域のアスペクト比とを異ならせることに相当する。
(ステップST160)
ROI座標が計算された後、処理回路180は、表示制御機能187により、ROI座標に基づいて第2の表示モードの第2の超音波画像データにROIを表示する。
以上説明したように、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、第1のモードの第1の超音波画像データを取得し、第1の超音波画像データに学習済みモデルを適用することによって第1の超音波画像データに含まれる検査対象物の位置を推定し推定結果を出力し、推定結果と、第1のモードとは異なる第2のモードの情報とに基づいて、第2のモードに対応した関心領域の座標を計算し、座標に基づいて第2のモードの第2の超音波データに関心領域を表示する。
従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、遷移するモードの種類にかかわらず最適なROIを自動で設定することできるため、モード遷移の度に手動でROIを設定する必要が無く、ユーザの手間を低減することができる。
なお、関心領域自動設定処理の開始および各処理が行われるタイミングは、図3の処理に限らない。例えば、現在の第1の表示モードの実行中に、並行して関心領域自動設定処理が行われてもよい。この場合、例えば、ステップST110の処理は省略され、ユーザの実行指示にかかわらずステップST120の処理が実行される。そして、ステップST110の処理に相当するユーザのモード遷移に関する操作を契機として、ステップST130の推定処理が行われてもよいし、ステップST150のROI座標計算処理が行われてもよい。
また、ROI座標計算処理の各処理は、図4の処理に限らない。例えば、ステップST153およびステップST154の処理の代わりに、処理回路180は、一つ以上の検出エリアのうち最も高い尤度を持つ検出単位を含む検出エリアを選択してもよいし、或いは、一つ以上の検出エリアのうちの検出単位の重複している数が最も多い検出エリアを選択してもよい。
また、第1の実施形態では、推定結果に検査対象物が含まれない場合も考慮したがこれに限らない。例えば、遷移前の超音波画像データに検査対象物が含まれていることを前提としてもよい。この場合、推定結果には検査対象物が全て含まれることになるため、例えば、図3のステップST140の処理は省略されてもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、学習済みモデルを用いて検査対象物の位置を推定し、推定結果に基づいてROI座標を計算することについて説明した。他方、第2の実施形態では、学習済みモデルを用いてROI座標を推定することについて説明する。尚、第2の実施形態にかかる超音波診断装置の構成は、超音波診断装置1と略同様である。以下では、第2の実施形態における処理の概要について図10を用いて説明する。
図10は、第2の実施形態における関心領域自動設定処理に関する画面表示および内部処理の一例を示す図である。図10には、表示画面として、モード遷移の前後において、表示モードがそれぞれ異なる超音波画像1011および超音波画像1012が示されている。また、図10には、モード遷移の間に行われる内部処理(関心領域自動設定処理)について示されている。
まず、画面表示について説明する。第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、ユーザのモード遷移に関する操作を契機として、画面表示を、超音波画像1011から超音波画像1012へと変更する。ここで、超音波画像1011は、現在の表示モード(これは、「第1の表示モード」および「遷移前の表示モード」と呼ばれてもよい)に対応する。また、超音波画像1012は、遷移後の表示モード(これは、「第2の表示モード」と呼ばれてもよい)に対応する。また、超音波画像1012には、第2の表示モードに最適なROI1013が併せて表示される。尚、モード遷移の間は、超音波画像1011の画面更新を止めた状態、即ちフリーズと略同様の状態であってよい。
次に、内部処理について説明する。処理回路180は、例えば、ユーザのモード遷移に関する操作を契機として、取得機能184により超音波画像データおよび遷移後の表示モードに関する情報を取得する。処理回路180は、推定機能185により、超音波画像データおよび表示モードの情報に学習済みモデル1021を適用し、遷移後の表示モードに対応したROI座標データを出力する。
図11は、第2の実施形態における関心領域自動設定処理を実行する処理回路の動作の一例を示すフローチャートである。図11に示す関心領域自動設定処理は、例えば、ユーザのモード遷移に関する操作を契機として開始される。尚、モード遷移に関する操作は、例えば、現在の表示モードとは異なる表示モードを実行する操作である。
(ステップST210)
関心領域自動設定処理が開始すると、処理回路180は、取得機能184を実行する。取得機能184を実行すると、処理回路180は、ユーザによって入力された、現在の第1の表示モードとは異なる第2の表示モードの実行指示を取得する。尚、以降の説明では、第1の表示モードがBモード、第2の表示モードが血流映像モードであるものとする。
(ステップST220)
ユーザから実行指示を取得した後、更に、処理回路180は、実行指示を取得した時点における第1の表示モードの第1の超音波画像データを取得する。尚、取得される第1の超音波画像データは、二つ以上のフレームを含む動画データであってもよい。
(ステップST230)
第1の超音波画像データを取得した後、処理回路180は、推定機能185を実行する。推定機能185を実行すると、処理回路180は、第1の超音波画像データに学習済みモデルを適用することによって第2の表示モードに対応したROI座標を推定する。具体的には、処理回路180は、第1の超音波画像データに対して第2の表示モードの情報に紐づく学習済みモデルを適用することによって、第1の超音波画像データに含まれる検査対象物の位置を推定し、第2の表示モードに対応した関心領域の座標を推定結果として出力する。尚、第2の表示モードの情報は、例えば、表示モードの種類に対応する要素の有無を「ゼロ」および「1」で表したワンホット・ベクトル(One-Hot Vector)形式のデータである。また、学習済みモデルは、表示モードの種類に応じてそれぞれモデルが用意されてもよいし、表示モードの種類によらず一つのモデルが用意されてもよい。
(ステップST240)
ROI座標が推定された後、処理回路180は、表示制御機能187により、ROI座標に基づいて第2の表示モードの第2の超音波画像データにROIを表示する。
以上説明したように、第2の実施形態に係る超音波診断装置は、第1のモードの第1の超音波画像データおよび第1のモードとは異なる第2のモードの情報を取得し、第1の超音波画像データに対して第2のモードの情報に紐づく学習済みモデルを適用することによって第1の超音波画像データに含まれる検査対象物の位置を推定し、第2のモードに対応した関心領域の座標を推定結果として出力し、座標に基づいて第2のモードの第2の超音波画像データに関心領域を表示する。
従って、第2の実施形態に係る超音波診断装置は、遷移するモードの種類にかかわらず最適なROIを自動で設定することできるため、モード遷移の度に手動でROIを設定する必要が無く、ユーザの手間を低減することができる。
(表示画面の例)
図12は、第1の実施形態および第2の実施形態における関心領域自動設定処理が行われた後の表示画面を例示する図である。図12の表示画面1200には、第2の表示モードとして血流映像モードが選択された際の超音波画像1210が表示されている。超音波画像1210には、ROI1211が表示されている。また、表示画面1200には、関心領域自動設定処理によってROIが自動設定されたことを示す文字列1212「ROI自動設定」が表示されている。尚、表示画面1200には、文字列に変えて、ROI自動設定が行われたことを示すマーク(例えば、アイコン)を表示してもよい。また、ROI1211の色、即ち関心領域の外枠の色をデフォルトの色から変更することによって、ROI自動設定が行われた、或いは行われなかったことを示してもよい。また、外枠の色が変更された場合、処理回路180は、指定時間が経過した後、或いはユーザがROIの手動設定を行ったタイミングで、デフォルトの色に戻してもよい。
(他の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態では、モード遷移として、例えば、異なる映像モードへの遷移(例えば、Bモードから血流映像モードへの遷移)を想定したがこれに限らない。他の実施形態におけるモード遷移は、例えば、現在の表示モードに付随するモード(例えば、計測モード)に遷移することを含んでもよい。
図13は、他の実施形態における関心領域自動設定処理に関する第1の例を説明するための図である。図13には、Bモードで表示した超音波画像1310と、セグメンテーション画像1320と、ストレインエラストグラフィモードで表示した超音波画像1330とが示されている。図13の第1の例では、処理回路180は、超音波画像1310に対して画像セグメンテーションを実行し、セグメンテーション結果に応じて計測ROIを設定する。尚、スキャンROIは予め設定されているものとする。
例えば、超音波画像1330に乳腺領域が示されている場合、処理回路180は、超音波画像1330に対して乳腺領域に関する画像セグメンテーションを実行し、セグメンテーション画像1320を生成する。セグメンテーション画像1320には、5つの領域1321から1325までが区分けされて示されており、それぞれ「皮膚」、「脂肪」、「乳腺」、「腫瘍」および、「大胸筋」が対応付けられている。
画像セグメンテーションが実行された後、処理回路180は、セグメンテーション結果であるセグメンテーション画像1320に基づいて、例えば、脂肪と病変との歪みを比較するFLR(Fat Lesion Ratio)の値の算出に必要な二つの計測ROIを設定する。具体的には、処理回路180は、超音波画像1330に対して、「腫瘍」を示す領域1324に関する計測ROI1331と、「脂肪」を示す領域1322に関する計測ROI1332とを自動で設定する。
図14は、他の実施形態における関心領域自動設定処理に関する第2の例を説明するための図である。図14には、Bモードで表示した超音波画像1410と、セグメンテーション画像1420と、SWEモードで表示した超音波画像1430とが示されている。図14の第2の例では、処理回路180は、超音波画像1410に対して画像セグメンテーションを実行し、セグメンテーション結果に応じてスキャンROIおよび計測ROIを設定する。尚、スキャンROIは予め設定されていてもよい。
例えば、超音波画像1410に腫瘍が含まれている場合、処理回路180は、超音波画像1410に対して画像セグメンテーションを実行し、セグメンテーション画像1420を生成する。セグメンテーション画像1420には、「腫瘍」を示す領域1421を含む複数の領域が区分けされて示されている。
画像セグメンテーションが実行された後、処理回路180は、セグメンテーション結果であるセグメンテーション画像1420に基づいて、SWEにおけるスキャンROI1432と、例えば、弾性値(elasticity)を計測する計測ROI1431とを自動で設定する。尚、スキャンROI1432は、予めユーザによって設定されてもよいし、第1の実施形態および第2の実施形態の手法によって自動で設定されてもよい。
図15は、他の実施形態における関心領域自動設定処理に関する第3の例を説明するための図である。図15には、Bモードで表示した超音波画像1510と、セグメンテーション画像1520と、低流速用血流映像モードで表示した超音波画像1530とが示されている。図15の第3の例では、処理回路180は、超音波画像1510に対して画像セグメンテーションを実行し、セグメンテーション結果に応じてスキャンROIおよび計測ROIを設定する。
例えば、超音波画像1510に計測対象部が含まれている場合、処理回路180は、超音波画像1510に対して画像セグメンテーションを実行し、セグメンテーション画像1520を生成する。セグメンテーション画像1520には、「計測対象部」を示す領域1521を含む複数の領域が区分けされて示されている。
画像セグメンテーションが実行された後、処理回路180は、セグメンテーション結果であるセグメンテーション画像1520に基づいて、低流速用血流映像モードにおけるスキャンROI1532と、例えば、計測対象部の血管指数(Vascular Index)を算出するための計測ROI1531とを自動で設定する。尚、スキャンROI1532は、予めユーザによって設定されていてもよいし、第1の実施形態および第2の実施形態の手法によって自動で設定されてもよい。
上記各実施形態では、関心領域自動設定処理によってROIが自動で設定されたがこれに限らない。例えば、超音波診断装置1は、システム制御機能188(設定部)により、ROIを設定した位置およびサイズに応じて、遷移後のモードに関するパラメータ(例えば、画質パラメータ)を自動変更させてもよい。画質パラメータは、例えば、超音波ビームの送受信周波数、フォーカス位置、ゲイン、および深さである。また、超音波診断装置1は、ROIの自動設定と共に、画質パラメータを自動変更させるか否かを設定できるようにしてもよい。
(第3の実施形態)
上記各実施形態では、関心領域が表示されていない超音波画像において、例えばユーザのモード遷移に関する操作を契機として、関心領域を自動で設定して表示する構成について説明した。他方、第3の実施形態では、関心領域が表示されている超音波画像において、例えば所定の条件に応じて関心領域を再設定して表示する構成について説明する。尚、以降では、関心領域を再設定する処理を、関心領域再設定処理と呼ぶ。
関心領域を再設定する必要性として、例えば撮像断面の変化による注目領域の移動という好ましくない状況を解消することが挙げられる。撮像断面の変化は、例えば、超音波プローブに起因するものと、生体に起因するものとがある。超音波プローブに起因する撮像断面の変化は、例えば、超音波プローブを当てている位置がずれる、或いは超音波プローブを当てている位置を変えることにより生じる。生体に起因する撮像断面の変化は、例えば、呼吸、或いは脈動などにより着目している部位(例えば、臓器)が動くことにより生じる。撮像断面に変化が生じると、超音波画像内の注目領域(例えば、血流映像を表示させたい領域)と、超音波画像に設定された関心領域(例えば、血流映像を表示している領域)との間にずれが生じる。よって、超音波画像内の注目領域と関心領域との間にずれが生じることによる注目領域の移動に対応させるため、関心領域を再設定する必要がある。
図16は、第3の実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。図16の超音波診断装置1Aは、装置本体100Aと、超音波プローブ101とを有している。装置本体100Aは、入力装置102および出力装置103と接続されている。また、装置本体100Aは、ネットワークNWを介して外部装置104と接続されている。
装置本体100Aは、超音波プローブ101により受信された反射波信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体100Aは、超音波送信回路110と、超音波受信回路120と、内部記憶回路130と、画像メモリ140と、入力インタフェース150と、出力インタフェース160と、通信インタフェース170と、処理回路180Aとを有している。
処理回路180Aは、例えば、超音波診断装置1の中枢として機能するプロセッサである。処理回路180Aは、内部記憶回路130に記憶されているプログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。処理回路180Aは、例えば、Bモード処理機能181と、ドプラ処理機能182と、画像生成機能183と、取得機能184(取得部)と、推定機能185(推定部)と、計算機能186(計算部)、表示制御機能187(表示制御部)と、システム制御機能188と、再設定機能1600(再設定部)とを有している。
再設定機能1600は、所定の条件に応じて既に設定されている関心領域を再設定する機能である。所定の条件には、例えば、ROI座標を再計算するか否かに関する条件(再計算条件)、再計算したROI座標を再設定するか否かに関する条件(再設定条件)、撮像断面のずれについての相関値を算出するか否かに関する条件(相関値算出条件)、および算出した相関値に基づいてROI座標を再設定するか否かに関する条件がある。尚、所定の条件は、ユーザによって関心領域を再設定する指示が入力される場合も含む。
具体的には、例えば、処理回路180Aは、再設定機能1600により、再計算条件に基づいてROI座標を再計算するか否かを判定する。再計算条件は、例えば、ROI座標を計算するフレーム間隔である。よって、フレーム間隔を1以上の任意の数とすることにより、処理回路180Aは、ROI座標の再計算を、毎フレーム或いは複数フレーム毎に行うように設定することができる。
また例えば、処理回路180Aは、再設定機能1600により、再設定条件に基づいて新たなROIを表示するか否かを判定する。再設定条件は、例えば、現在のROI座標の領域と再計算されたROI座標の領域との一致度に関する閾値である。例えば、一致度が100%であれば、再計算前後のROI座標にはずれが無いことを意味する。また例えば、一致度が100%から下がるほど再計算前後のROI座標のずれが大きくなることを意味する。閾値には、ずれの許容に応じて任意の値が設定される。よって、処理回路180Aは、一致度が閾値を下回った場合に、新たなROIを表示するように設定することができる。
また例えば、処理回路180Aは、再設定機能1600により、相関値算出条件に基づいて相関値を算出するか否かを判定する。相関値とは、異なる二つのフレーム間における二つの超音波画像(例えば、Bモード画像)の相関に関する値である。相関値の算出は、例えば、超音波画像の所定領域(例えば、全体またはROI内)で行われてもよい。相関値算出条件は、例えば、相関値を算出するフレーム間隔である。よって、フレーム間隔を1以上の任意の数とすることにより、処理回路180Aは、相関値の算出を、毎フレーム或いは複数フレーム毎に行うように設定することができる。
また例えば、処理回路180Aは、相関値と閾値とを比較することによって、ROI座標を再計算して新たなROIを表示するか否かを判定する。閾値には、相関の程度に応じて任意の値が設定される。よって、処理回路180Aは、相関値が閾値を下回った場合に、ROI座標を再計算して新たなROIを表示するように設定することができる。
以下では、関心領域再設定処理として、二つの具体例について説明する。第1の具体例は、所定のフレーム間隔でROI座標を再計算した後、再計算したROI座標に基づいて、(1)常に新たな関心領域を表示させる構成、或いは(2)ROIを再設定する条件を満たした場合に新たな関心領域を表示させる構成である。第2の具体例は、関心領域を再設定する条件を満たした場合にROI座標を再計算し、再計算したROI座標に基づいて新たな関心領域を表示させる構成である。
(第1の具体例)
図17は、第3の実施形態における関心領域再設定処理を実行する処理回路の動作の第1の具体例を示すフローチャートである。図17に示す関心領域再設定処理は、例えば、図3のフローチャートのステップST160の処理の後に開始される。
(ステップST310)
関心領域再設定処理が開始すると、処理回路180Aは、再設定機能1600を実行する。再設定機能1600を実行すると、処理回路180Aは、再計算条件を満たすか否かを判定する。具体的には、処理回路180Aは、過去にROI座標を計算したフレームと現在のフレームとのフレーム間隔が任意の数である否かを判定する。フレーム間隔が任意の数である場合、処理回路180Aは、再計算条件を満たすと判定し、処理はステップST320へと進む。フレーム間隔が任意の数ではない、即ち、フレーム間隔が任意の数未満である場合、処理回路180Aは、再計算条件を満たさないと判定し、フレーム間隔が任意の数となるまでステップST310の処理を繰り返す。
(ステップST320)
再計算条件を満たすと判定された後、処理回路180Aは、ROI座標を再計算する。具体的には、処理回路180Aは、第1の実施形態で説明したように、Bモード画像に基づいて検査対象物の位置を推定し、推定結果に基づいてROI座標を再計算する。または、処理回路180Aは、第2の実施形態で説明したように、Bモード画像に基づいて直接ROI座標を推定(再計算)する。
(ステップST330)
ROI座標を再計算した後、処理回路180Aは、再設定機能1600により、再設定条件を満たすか否かを判定する。具体的には、処理回路180Aは、現在のROI座標の領域と再計算されたROI座標の領域との一致度を算出し、算出した一致度が閾値未満であるか否かを判定する。一致度が閾値未満である場合、処理回路180Aは、再設定条件を満たすと判定し、処理はステップST340へと進む。一致度が閾値未満でない場合、処理回路180Aは、再設定条件を満たさないと判定し、処理はステップST310へと戻る。
(ステップST340)
再設定条件を満たすと判定された後、処理回路180Aは、表示制御機能187により、再計算されたROI座標に基づいて超音波画像データに新たなROIを表示させる。
なお、上記ステップST330における再設定条件は、ROI座標の領域に関する一致度の比較に限らない。例えば、再設定条件は、推定結果に含まれる検査対象物の位置の領域に関する一致度と閾値との比較でもよいし、Bモード画像データに関する相関値と閾値の比較でもよい。
(第2の具体例)
図18は、第3の実施形態における関心領域再設定処理を実行する処理回路の動作の第2の具体例を示すフローチャートである。図18に示す関心領域再設定処理は、例えば、図3のフローチャートのステップST160の処理の後に開始される。
(ステップST410)
関心領域再設定処理が開始すると、処理回路180Aは、再設定機能1600を実行する。再設定機能1600を実行すると、処理回路180Aは、相関値算出条件を満たすか否かを判定する。具体的には、処理回路180Aは、基準とするフレームと現在のフレームとのフレーム間隔が任意の数であるか否かを判定する。フレーム間隔が任意の数である場合、処理回路180Aは、相関値算出条件を満たすと判定し、処理はステップST420へと進む。フレーム間隔が任意の数ではない、即ち、フレーム間隔が任意の数未満である場合、処理回路180Aは、相関値算出条件を満たさないと判定し、フレーム間隔が任意の数となるまでステップST410の処理を繰り返す。
(ステップST420)
相関値算出条件を満たすと判定された後、処理回路180Aは、基準の超音波画像の所定領域と現在の超音波画像の所定領域との相関値を算出する。基準の超音波画像は、例えば、以前にROIを新規に設定または再設定したフレームの超音波画像である。尚、基準の超音波画像は、現在のフレームの超音波画像から所定フレーム前のフレームを基準としてもよい。
(ステップST430)
相関値を算出した後、処理回路180Aは、相関値が閾値未満であるか否かを判定する。相関値が閾値未満であると判定された場合、処理はステップST440へと進む。相関値が閾値よりも大きいと判定された場合、処理はステップST410へと戻る。
(ステップST440)
相関値が閾値未満であると判定した後、処理回路180Aは、ROI座標を再計算する。再計算については、図17のステップST320と同様である。
(ステップST450)
ROI座標を再計算した後、処理回路180Aは、表示制御機能187により、再計算されたROI座標に基づいて超音波画像データに新たなROIを表示させる。
以上説明したように、第3の実施形態に係る超音波診断装置は、所定の条件に応じて関心領域を再設定することができるため、撮像断面が変化した場合であっても適切に関心領域を表示させることができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、遷移するモードの種類にかかわらず最適なROIを自動で設定することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,1A 超音波診断装置
100,100A 装置本体
101 超音波プローブ
102 入力装置
103 出力装置
104 外部装置
110 超音波送信回路
120 超音波受信回路
130 内部記憶回路
140 画像メモリ
150 入力インタフェース
160 出力インタフェース
170 通信インタフェース
180,180A 処理回路
181 Bモード処理機能
182 ドプラ処理機能
183 画像生成機能
184 取得機能
185 推定機能
186 計算機能
187 表示制御機能
188 システム制御機能
211,212,510,520,610,620,710,720,1011,1012,1210,1310,1330,1410,1430,1510,1530 超音波画像
221,1021 学習済みモデル
222 ROI座標計算処理
511,611,612,613,711,712,713,714,715,716,717,718 検出単位
521,621,721,722,723,910 検出エリア
920 矩形
930 関心領域
1200 表示画面
1212 文字列
1320,1420,1520 セグメンテーション画像
1321,1322,1323,1324,1325,1421,1521 領域
A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2 検出単位
1331,1332,1431,1531 計測ROI
1432,1532 スキャンROI
1600 再設定機能

Claims (26)

  1. 第1のモードの第1の超音波画像データを取得する取得部と、
    前記第1の超音波画像データに学習済みモデルを適用することによって前記第1の超音波画像データに含まれる検査対象物の位置を推定し推定結果を出力する推定部と、
    前記推定結果と、前記第1のモードとは異なる第2のモードの情報とに基づいて、前記第2のモードに対応した関心領域の座標を計算する計算部と、
    前記座標に基づいて前記第2のモードの第2の超音波画像データに前記関心領域を表示する表示制御部と
    を具備する、超音波診断装置。
  2. 前記推定結果は、前記検査対象物を含んだ一つ以上の検出単位を含み、
    前記計算部は、
    前記一つ以上の検出単位に基づいて、一つ以上の検出エリアを特定し、
    前記一つ以上の検出エリアのうちの、最も確からしい一つの検出エリアに基づいて、前記座標を計算する、
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記一つ以上の検出エリアが複数特定された場合、
    前記計算部は、前記検査対象物の位置を推定した際の検出単位の尤度に基づいて、前記一つ以上の検出エリアそれぞれに含まれる検出単位の尤度の合計値を計算し、前記一つ以上の検出エリアのうち尤度の合計値が最も高い検出エリアを前記一つの検出エリアとして特定する、
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記一つ以上の検出エリアが複数特定された場合、
    前記計算部は、前記検査対象物の位置を推定した際の検出単位の尤度に基づいて、前記一つ以上の検出エリアのうちの検出単位が最も高い尤度を含む検出エリアを前記一つの検出エリア特定する、
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  5. 前記一つ以上の検出エリアが複数特定された場合、
    前記計算部は、前記一つ以上の検出エリアのうちの検出単位の重複している数が最も多い検出エリアを前記一つの検出エリアとして特定する、
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  6. 前記一つの検出エリアは、一つの検出単位または複数の検出単位によって構成される、 請求項2から請求項5までのいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  7. 前記一つの検出エリアが前記複数の検出単位によって構成される場合、
    前記計算部は、前記複数の検出単位の外周に内接する矩形に基づいて、前記座標を計算する、
    請求項6に記載の超音波診断装置。
  8. 前記計算部は、前記矩形の中心および長辺に基づいて、前記座標を計算する、
    請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記計算部は、前記第2のモードの情報に応じて、前記関心領域のサイズおよび形状の少なくとも一方を変更する、
    請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  10. 所定の条件に応じて前記関心領域を再設定する再設定部
    を更に具備する、
    請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  11. 前記計算部は、前記関心領域の座標が計算されたフレームよりも後のフレームにおける新たな関心領域の座標を計算し、
    前記再設定部は、前記関心領域の座標の領域と前記新たな関心領域の座標の領域との一致度が閾値未満である場合、前記新たな関心領域を再設定し、
    前記表示制御部は、前記第2の超音波画像データに前記新たな関心領域を表示する、
    請求項10に記載の超音波診断装置。
  12. 前記計算部は、基準の超音波画像データの所定領域と現在の超音波画像データの所定領域との相関値を算出し、
    前記再設定部は、前記相関値が閾値未満である場合、新たな関心領域を再設定することを決定し、
    前記計算部は、前記現在の超音波画像データに基づいて前記新たな関心領域の座標を計算し、
    前記表示制御部は、前記第2の超音波画像データに前記新たな関心領域を表示する、
    請求項10に記載の超音波診断装置。
  13. 第1のモードの第1の超音波画像データおよび前記第1のモードとは異なる第2のモードの情報を取得する取得部と、
    前記第1の超音波画像データおよび前記第2のモードの情報に学習済みモデルを適用することによって前記第1の超音波画像データに含まれる検査対象物の位置を推定し、前記第2のモードに対応した関心領域の座標を推定結果として出力する推定部と、
    前記座標に基づいて前記第2のモードの第2の超音波画像データに前記関心領域を表示する表示制御部と
    を具備する、超音波診断装置。
  14. 所定の条件に応じて前記関心領域を再設定する再設定部
    を更に具備する、
    請求項13に記載の超音波診断装置。
  15. 前記推定部は、前記関心領域の座標を推定したフレームよりも後のフレームにおける新たな関心領域の座標を推定し、
    前記再設定部は、前記関心領域の座標の領域と前記新たな関心領域の座標の領域との一致度が閾値未満である場合、前記新たな関心領域を再設定し、
    前記表示制御部は、前記第2の超音波画像データに前記新たな関心領域を表示する、
    請求項14に記載の超音波診断装置。
  16. 基準の超音波画像データの所定領域と現在の超音波画像データの所定領域との相関値を算出する計算部
    を更に具備し、
    前記再設定部は、前記相関値が閾値未満である場合、新たな関心領域を再設定することを決定し、
    前記推定部は、前記現在の超音波画像データに基づいて新たな関心領域の座標を推定し、
    前記表示制御部は、前記第2の超音波画像データに前記新たな関心領域を表示する、
    請求項14に記載の超音波診断装置。
  17. 前記計算部は、ユーザのモード遷移に関する操作を契機として、前記座標を計算する、 請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  18. 前記取得部は、ユーザのモード遷移に関する操作を契機として、前記第1の超音波画像データを取得する、
    請求項1から請求項16までのいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  19. 前記推定部は、ユーザのモード遷移に関する操作を契機として、前記検査対象物の位置を推定する、
    請求項1から請求項16までのいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  20. 前記表示制御部は、前記推定結果に応じて、前記関心領域の外枠の色を変更する、
    請求項1から請求項19までのいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  21. 前記表示制御部は、前記推定結果に応じて、前記第2のモードの表示画面上に文字列およびマークの少なくとも一方を表示する、
    請求項1から請求項20までのいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  22. 前記第2のモードは、血流映像モードまたはエラストグラフィモードである、
    請求項1から請求項21までのいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  23. 前記第2のモードは、血流映像モードまたはエラストグラフィモードに付随する計測モードであり、
    前記関心領域は、計測領域を示す、
    請求項22に記載の超音波診断装置。
  24. 前記関心領域の位置に応じて、前記第2のモードに関するパラメータを変更する設定部
    を更に具備する、
    請求項1から請求項23までのいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  25. 前記設定部は、前記パラメータとして、超音波ビームの送受信周波数、フォーカス位置、ゲイン、および深さのいずれか一つを変更する、
    請求項24に記載の超音波診断装置。
  26. 前記学習済みモデルは、深層ニューラルネットワークである、
    請求項1から請求項25までのいずれか一項に記載の超音波診断装置。
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