JP2022158953A - フォトクロミック化合物、フォトクロミック物品および眼鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】配向した液晶化合物との共存下での性能低下が少ないフォトクロミック化合物を提供すること。【解決手段】下記一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物。JPEG2022158953000027.jpg65170【選択図】なし
Description
本発明は、フォトクロミック化合物、フォトクロミック物品および眼鏡に関する。
フォトクロミック化合物は、光応答性を有する波長域の光の照射下で発色し、非照射下では退色する性質(フォトクロミック性)を有する化合物である(例えば特許文献1参照)。フォトクロミック化合物によってフォトクロミック性が付与された物品(フォトクロミック物品)としては、例えば、眼鏡レンズ等の光学物品を挙げることができる。
特許文献1には、フォトクロミック化合物としてインデノ縮合ナフトピラン系化合物が開示されている。これに対し、本発明者が、フォトクロミック物品の性能向上を図るべく、フォトクロミック物品においてフォトクロミック化合物を配向した液晶化合物と共存させることを検討する中で、ナフトピラン系化合物は、液晶化合物との共存下でフォトクロミック化合物としての性能低下が生じ易いことが明らかになった。フォトクロミック化合物を配向した液晶化合物と共存させると、配向した液晶化合物によってフォトクロミック化合物の分子の配向方向を一方向に揃えること(即ち一軸配向させること)ができ、これによりフォトクロミック化合物が二色性を発現することが期待される。「二色性」とは、媒質が光に対して選択吸収の異方性を有するために透過光の色が伝播方向によって異なる性質を意味し、化合物が二色性を発現すると、偏光光に対して分子のある特定の方向で光吸収が強くなり、これと直交する方向では光吸収が小さくなる。フォトクロミック化合物がフォトクロミック物品において二色性を発現できれば、フォトクロミック物品はフォトクロミック性能とともに偏光性能も発揮することが可能になる。
本発明の一態様は、配向した液晶化合物との共存下での性能低下が少ないフォトクロミック化合物を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で表されるフルギド系化合物が、配向した液晶化合物との共存下での性能低下が少ないことを新たに見出した。
即ち、本発明の一態様は、下記一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物に関する。
一般式(1)中、
Xは、酸素原子または無置換もしくは下記Y1群から選ばれる置換基によって置換された窒素原子を表し、
Y1群:-R1、-A1(B1)l(A2)m(B2)nR2、-A3A4、-A5R3
R1は、シアノ基、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表し、
R2は、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、ナフチル基またはナフチルアルキル基を表し、
R3は、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基を表し、
A1、A2、A3およびA5は、それぞれ独立に、それぞれ置換基を有していてもよいアルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基またはアルキルシクロアルカン-ジイル基を表し、
A4は、置換基を有していてもよいナフチル基を表し、
B1およびB2は、それぞれ独立に下記群から選ばれる二価の基のいずれか1つを表し、
l、mおよびnは、それぞれ独立に0または1であり、ただしmが0のときnは0であり、
Y2は、水素原子または上記Y1群から選ばれる置換基を表し、
Rは、水素原子、トリフルオロメチル基、または置換基を有していてもよいシクロプロピル基を表し、
は、それぞれ置換基を有していてもよいノルボルニリデン基、ビシクロ〔3.3.1〕ノニリデン基またはアダマンチリデン基を表す。
Xは、酸素原子または無置換もしくは下記Y1群から選ばれる置換基によって置換された窒素原子を表し、
Y1群:-R1、-A1(B1)l(A2)m(B2)nR2、-A3A4、-A5R3
R1は、シアノ基、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表し、
R2は、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、ナフチル基またはナフチルアルキル基を表し、
R3は、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基を表し、
A1、A2、A3およびA5は、それぞれ独立に、それぞれ置換基を有していてもよいアルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基またはアルキルシクロアルカン-ジイル基を表し、
A4は、置換基を有していてもよいナフチル基を表し、
B1およびB2は、それぞれ独立に下記群から選ばれる二価の基のいずれか1つを表し、
Y2は、水素原子または上記Y1群から選ばれる置換基を表し、
Rは、水素原子、トリフルオロメチル基、または置換基を有していてもよいシクロプロピル基を表し、
本発明の一態様によれば、配向した液晶化合物との共存下での性能低下が少ないフォトクロミック化合物を提供することができる。
[フォトクロミック化合物]
フォトクロミック化合物は、一例として、太陽光等の光の照射を受けて励起状態を経て、着色体に構造変換する。光照射を経て構造変換した後の構造を「着色体」と呼ぶことができる。これに対し、光照射前の構造を「無色体」と呼ぶことができる。ただし、無色体について「無色」とは、完全な無色に限定されるものではなく、着色体に対して色が薄い場合も包含される。一般式(1)の構造は、無色体の構造である。一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物は、無色体の構造が開環構造である。
フォトクロミック化合物は、一例として、太陽光等の光の照射を受けて励起状態を経て、着色体に構造変換する。光照射を経て構造変換した後の構造を「着色体」と呼ぶことができる。これに対し、光照射前の構造を「無色体」と呼ぶことができる。ただし、無色体について「無色」とは、完全な無色に限定されるものではなく、着色体に対して色が薄い場合も包含される。一般式(1)の構造は、無色体の構造である。一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物は、無色体の構造が開環構造である。
以下、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物について、更に詳細に説明する。本発明および本明細書において、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物には、一般式(1)として示された構造の幾何異性体も包含される。
一般式(1)中、Xは、酸素原子を表すか、または、無置換もしくは下記Y1群から選ばれる置換基によって置換された窒素原子を表す。
Y1群:-R1、-A1(B1)l(A2)m(B2)nR2、-A3A4、-A5R3
R1は、シアノ基、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。
R1で表されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n-、iso- またはter-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。これらの中で炭素数1~20のアルキル基が好ましく、炭素数が1~10のアルキル基がより好ましい。
R1で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、トリル基またはナフチル基等の炭素数6~10のアリール基が挙げられる。
R2は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいナフチルアルキル基を表す。
R2で表されるアルキル基については、R1で表されるアルキル基に関する先の記載を参照できる。R2で表されるアルキル基の炭素数は特に限定されないが、例えば1~10であることが好ましい。
R2で表されるナフチルアルキル基としては、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基またはナフチルブチル基等を挙げることができる。ナフチルアルキル基のアルキル基の炭素数は1~4であることが好ましい。
R3は、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基を表す。R3で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子または臭素原子等を挙げることができる。
A1、A2、A3およびA5は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアルキリデン基、置換基を有していてもよいシクロアルキレン基、または置換基を有していてもよいアルキルシクロアルカン-ジイル基を表す。これらの具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基または2,2-ジメチルトリメチレン基等の炭素数1~10のアルキレン基;エチリデン基、プロピリデン基またはイソプロピリデン基等の炭素数2~10のアルキリデン基;シクロヘキシレン基等の炭素数3~10のシクロアルキレン基;下記式:
で表わされる2-メチルシクロヘキサン-α,1-ジイル基;下記式:
で表わされる4-メチルシクロヘキサン-α,1-ジイル基;等の炭素数6~10のアルキルシクロアルカン-ジイル基が挙げられる。A1、A2、A3およびA5は、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数2~6のアルキリデン基、炭素数3~6のシクロアルキレン基、または炭素数6~7のアルキルシクロアルカン-ジイル基であることが好ましい。
l、mおよびnは、それぞれ独立に0または1である。ただし、mが0のときnは0である。
上記した各基は、一形態では無置換であり、他の一形態では置換基を有する。置換基は特に限定されない。置換基を有する場合、各基について記載した炭素数は、置換基を含まない部分の炭素数をいうものとする。例えば、上記アルキル基は、ハロゲン原子、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1~3個の原子および/または基で置換されていてもよい。また、上記ナフチル基またはナフチルアルキル基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~3のアルキルアミノ基、炭素数1~3のアルキル基および炭素数1~3のアルコキシ基からなる群から選ばれる1~3個の原子および/または基で置換されていてもよい。
A4は、置換基を有していてもよいナフチル基を表す。A4で表されるナフチル基は、一形態では無置換であり、他の一形態では置換基を有する。かかる置換基の種類は特に限定されない。例えば、A4で表されるナフチル基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~3のアルキルアミノ基、炭素数1~3のアルキル基および炭素数1~3のアルコキシ基からなる群から選ばれる1~3個の原子および/または基で置換されていてもよい。
Y2は、水素原子または上記Y1群から選ばれる置換基を表す。Y2は、一形態では水素原子であることが好ましい。また、他の一形態では、Y2は、上記Y1群中の-R1であることが好ましく、置換基を有していてもよいアリール基であることがより好ましく、置換基を有するアリール基であることが更に好ましく、-R11-R12で表され、-R11-が下記群からなる群から選ばれ、-R12が-(CH2)nCH3であってnが3~10の範囲の整数であることが一層好ましい。
Rは、水素原子、トリフルオロメチル基、または置換基を有していてもよいシクロプロピル基を表す。Rで表されるシクロプロピル基は、一形態では無置換であり、他の一形態では置換基を有する。かかる置換基としては、上記Y1群から選ばれる置換基を挙げることができる。一形態では、Rが置換基を有していてもよいシクロプロピル基を表すことが好ましく、Rが無置換のシクロプロピル基を表すことがより好ましい。
上記の7-ノルボルニリデン基、ビシクロ〔3.3.1〕ノニリデン基および2-アダマンチリデン基の構造は、いずれも置換基を有さない構造である。
一般式(1)中、
で表されるノルボルニリデン基、ビシクロ〔3.3.1〕ノニリデン基およびアダマンチリデン基は、いずれも一形態では無置換であり、他の一形態では置換基を有する。置換基を有する場合、置換基の数は1つまたは2つ以上であることができる。置換基としては、例えばヒドロキシ基;メチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数1~4のアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、tert-ブトキシ基等の炭素数1~4のアルコキシ基;ベンジルオキシ基等の炭素数7~15のアラルコキシ基;フエノキシ基、1-ナフトキシ基等の炭素数6~14のアリールオキシ基;メチル基、エチル基、t-ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;カルボキシ基;エトキシカルボニル基等の炭素数2~10のアルコキシカルボニル基;トリフルオロメチル基等の炭素数1または2のハロゲン置換アルキル基;ニトロ基;フェニル基、トルイル基等の炭素数6~10のアリール基、フェニルルエチル基、ふぇんるプロピル基等の炭素数7~9のアラルキル基等が挙げられる。これら置換基の好ましい例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、炭素数2~10のアルコキシカルボニル基、炭素数7~9のアラルキル基または炭素数6~10のアリール基を挙げることができる。
一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物は、フォトクロミック性を有する物品(フォトクロミック物品)の作製のために使用することができる。かかる化合物の具体例としては、以下の化合物を例示できる。ただし、本発明は例示した化合物に限定されるものではない。以下の構造は、無色体の構造である。化合物1(E体)の幾何異性体が化合物2(Z体)である。化合物3(E体)の幾何異性体が化合物4(Z体)である。
一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物の合成方法は特に限定されない。合成方法については、例えば、特開平7-2824号公報(特許文献1)の段落0068~0099および同公報の実施例を参照できる。また、化合物の同定方法も特に限定されない。同定方法については、例えば、特開平7-2824号公報(特許文献1)の段落0063~0066を参照できる。合成方法については、後述の実施例の項の記載も参照できる。
[フォトクロミック物品]
本発明の一態様は、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック物品に関する。
本発明の一態様は、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック物品に関する。
本発明および本明細書において、「フォトクロミック物品」とは、1種以上のフォトクロミック化合物を含む物品をいうものとする。一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物は、フォトクロミック物品のフォトクロミック層に含まれることができ、および/または、フォトクロミック物品の基材に含まれることができる。かかるフォトクロミック物品は、一形態では、一般式(1)で表される化合物を1種のみ含むことができ、他の一形態では、一般式(1)で表される化合物を2種以上含むことができる。また、上記フォトクロミック物品は、一形態では、一般式(1)で表される化合物の1種以上と、他のフォトクロミック化合物の1種以上と、を含むこともできる。他のフォトクロミック化合物としては、アゾベンゼン類、スピロピラン類、スピロオキサジン類、ナフトピラン類、インデノナフトピラン類、フェナントロピラン類、ヘキサアリルビスイミダゾール類、ドナー-アクセプターステンハウス付加物(DASA)類、サリシリデンアニリン類、ジヒドロピレン類、アントラセンダイマー類、フルギド類、ジアリールエテン類、フェノキシナフタセンキノン類、スチルベン類等を挙げることができる。
上記フォトクロミック物品は、フォトクロミック物品の種類に応じて選択された基材を含むことができる。基材の一例として、眼鏡レンズ基材としては、プラスチックレンズ基材またはガラスレンズ基材が挙げられる。ガラスレンズ基材は、例えば無機ガラス製のレンズ基材であることができる。プラスチックレンズ基材としては、(メタ)アクリル樹脂をはじめとするスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR-39)等のアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコール等のヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する硬化性組成物を硬化した硬化物(一般に透明樹脂と呼ばれる。)を挙げることができる。レンズ基材としては、染色されていないもの(無色レンズ)を用いてもよく、染色されているもの(染色レンズ)を用いてもよい。レンズ基材の屈折率は、例えば、1.60~1.75程度であることができる。ただしレンズ基材の屈折率は、上記範囲に限定されるものではなく、上記の範囲内でも、上記の範囲から上下に離れていてもよい。ここで屈折率とは、波長500nmの光に対する屈折率をいうものとする。また、レンズ基材は、屈折力を有するレンズ(いわゆる度付レンズ)であってもよく、屈折力なしのレンズ(いわゆる度なしレンズ)であってもよい。
例えば、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物の1種以上と重合性化合物の1種以上とを含む硬化性組成物を公知の成形方法によって成形することにより、かかる硬化性組成物の硬化物として、基材を作製することができる。上記硬化性組成物は、先に例示したような他のフォトクロミック化合物の1種以上を更に含むこともできる。硬化処理は、光照射および/または加熱処理であることができる。重合性化合物とは、重合性基を有する化合物であり、重合性化合物の重合反応が進行することによって硬化性組成物が硬化し硬化物が形成され得る。硬化性組成物は、1種以上の添加剤(例えば重合開始剤等)を更に含むことができる。
眼鏡レンズは、単焦点レンズ、多焦点レンズ、累進屈折力レンズ等の各種レンズであることができる。レンズの種類は、レンズ基材の両面の面形状により決定される。また、レンズ基材表面は、凸面、凹面、平面のいずれであってもよい。通常のレンズ基材および眼鏡レンズでは、物体側表面は凸面、眼球側表面は凹面である。ただし、これに限定されるものではない。フォトクロミック層は、通常、レンズ基材の物体側表面上に設けることができるが、眼球側表面上に設けてもよい。
フォトクロミック層は、基材の表面上に直接または一層以上の他の層を介して間接的に設けられた層であることができる。フォトクロミック層は、例えば、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物を含む硬化性組成物を硬化した硬化層であることができる。上記硬化性組成物は、先に例示したような他のフォトクロミック化合物の1種以上を更に含むこともできる。例えば、上記硬化性組成物を基材の表面上に直接塗布するか、または基材上に設けられた層の表面に塗布し、塗布された硬化性組成物に硬化処理を施すことによって、上記フォトクロミック化合物を含む硬化層を形成することができる。塗布方法としては、スピンコート法、ディップコート法等の公知の塗布方法を採用することができる。硬化処理は、光照射および/または加熱処理であることができる。硬化性組成物は、重合性化合物を含むことができ、1種以上の添加剤(例えば重合開始剤等)を更に含むことができる。重合性化合物の重合反応が進行することによって硬化性組成物が硬化し硬化層が形成され得る。
<液晶化合物>
上記フォトクロミック物品は、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物の1種以上と液晶化合物の1種以上とを、一形態では基材上に設けられたフォトクロミック層に含むことができ、他の一形態では一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物の1種以上を含む基材に1種以上の液晶化合物を更に含むことができる。一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物を液晶化合物とフォトクロミック層および/または基材において共存させることにより、配向した液晶化合物によってフォトクロミック化合物の分子の配向方向を一方向に揃えることができる。これにより、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物が二色性を発現することが期待される。一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物が二色性を発現することができれば、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック物品は、フォトクロミック性能に加えて偏光性能も発揮することができ、偏光物品としても機能し得る。偏光製品は、遮光機能を発揮することができ、例えば眼の保護のためのサングラス用レンズとして使用することができる。一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物は、液晶化合物との共存下での性能低下が少ないフォトクロミック化合物であることができる。かかる性能の一例としては、光照射後の退色速度を挙げることができる。
上記フォトクロミック物品は、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物の1種以上と液晶化合物の1種以上とを、一形態では基材上に設けられたフォトクロミック層に含むことができ、他の一形態では一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物の1種以上を含む基材に1種以上の液晶化合物を更に含むことができる。一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物を液晶化合物とフォトクロミック層および/または基材において共存させることにより、配向した液晶化合物によってフォトクロミック化合物の分子の配向方向を一方向に揃えることができる。これにより、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物が二色性を発現することが期待される。一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物が二色性を発現することができれば、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック物品は、フォトクロミック性能に加えて偏光性能も発揮することができ、偏光物品としても機能し得る。偏光製品は、遮光機能を発揮することができ、例えば眼の保護のためのサングラス用レンズとして使用することができる。一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物は、液晶化合物との共存下での性能低下が少ないフォトクロミック化合物であることができる。かかる性能の一例としては、光照射後の退色速度を挙げることができる。
上記フォトクロミック物品に含まれ得る液晶化合物は、配向状態で一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物の分子の配向方向を規制し得るものであればよく、公知の液晶化合物の1種以上を任意の量で使用することができる。液晶化合物は、例えば表面に溝を有する配向膜によって一方向に配向させることができる。かかる配向膜としては公知の配向膜を使用することができる。
<重合性化合物>
本発明および本明細書において、重合性化合物とは、1分子中に1つ以上の重合性基を有する化合物をいい、「重合性基」とは、重合反応し得る反応性基をいうものとする。重合性基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルエーテル基、エポキシ基、チオール基、オキセタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、イソシアネート基等を挙げることができる。
本発明および本明細書において、重合性化合物とは、1分子中に1つ以上の重合性基を有する化合物をいい、「重合性基」とは、重合反応し得る反応性基をいうものとする。重合性基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルエーテル基、エポキシ基、チオール基、オキセタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、イソシアネート基等を挙げることができる。
上記基材および上記フォトクロミック層の形成のために使用可能な重合性化合物としては、以下の化合物を例示できる。
(エピスルフィド系化合物)
エピスルフィド系化合物は、1分子内に2個以上のエピスルフィド基を有する化合物である。エピスルフィド基は、開環重合し得る重合性基である。エピスルフィド系化合物の具体例としては、ビス(1,2-エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2-エピチオエチル)ジスルフィド、ビス(2,3-エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3-エピチオプロピルチオ)メタン、ビス(2,3-エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)メタン、ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)エタン、ビス(6,7-エピチオ-3,4-ジチアヘプチル)スルフィド、ビス(6,7-エピチオ-3,4-ジチアヘプチル)ジスルフィド、1,4-ジチアン-2,5-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)、1,3-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)ベンゼン、1,6-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)-2-(2,3-エピチオプロピルジチオエチルチオ)-4-チアヘキサン、1,2,3-トリス(2,3-エピチオプロピルジチオ)プロパン、1,1,1,1-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)メタン、1,3-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)-2-チアプロパン、1,4-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)-2,3-ジチアブタン、1,1,1-トリス(2,3-エピチオプロピルジチオ)メタン、1,1,1-トリス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)メタン、1,1,2,2-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオ)エタン、1,1,2,2-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)エタン、1,1,3,3-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオ)プロパン、1,1,3,3-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)プロパン、2-[1,1-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)メチル]-1,3-ジチエタン、2-[1,1-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)メチル]-1,3-ジチエタン等を挙げることができる。
エピスルフィド系化合物は、1分子内に2個以上のエピスルフィド基を有する化合物である。エピスルフィド基は、開環重合し得る重合性基である。エピスルフィド系化合物の具体例としては、ビス(1,2-エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2-エピチオエチル)ジスルフィド、ビス(2,3-エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3-エピチオプロピルチオ)メタン、ビス(2,3-エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)メタン、ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)エタン、ビス(6,7-エピチオ-3,4-ジチアヘプチル)スルフィド、ビス(6,7-エピチオ-3,4-ジチアヘプチル)ジスルフィド、1,4-ジチアン-2,5-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)、1,3-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)ベンゼン、1,6-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)-2-(2,3-エピチオプロピルジチオエチルチオ)-4-チアヘキサン、1,2,3-トリス(2,3-エピチオプロピルジチオ)プロパン、1,1,1,1-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)メタン、1,3-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)-2-チアプロパン、1,4-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)-2,3-ジチアブタン、1,1,1-トリス(2,3-エピチオプロピルジチオ)メタン、1,1,1-トリス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)メタン、1,1,2,2-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオ)エタン、1,1,2,2-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)エタン、1,1,3,3-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオ)プロパン、1,1,3,3-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)プロパン、2-[1,1-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)メチル]-1,3-ジチエタン、2-[1,1-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)メチル]-1,3-ジチエタン等を挙げることができる。
(チエタニル系化合物)
チエタニル系化合物は、1分子内に2個以上のチエタニル基を有するチエタン化合物である。チエタニル基は、開環重合し得る重合性基である。チエタニル系化合物の中には、複数のチエタニル基と共にエピスルフィド基を有するものがある。かかる化合物は、上記のエピスルフィド系化合物の例に挙げられている。その他のチエタニル系化合物には、分子内に金属原子を有している含金属チエタン化合物と、金属を含んでいない非金属系チエタン化合物とがある。
チエタニル系化合物は、1分子内に2個以上のチエタニル基を有するチエタン化合物である。チエタニル基は、開環重合し得る重合性基である。チエタニル系化合物の中には、複数のチエタニル基と共にエピスルフィド基を有するものがある。かかる化合物は、上記のエピスルフィド系化合物の例に挙げられている。その他のチエタニル系化合物には、分子内に金属原子を有している含金属チエタン化合物と、金属を含んでいない非金属系チエタン化合物とがある。
非金属系チエタン化合物の具体例としては、ビス(3-チエタニル)ジスルフィド、ビス(3-チエタニル)スルフィド、ビス(3-チエタニル)トリスルフィド、ビス(3-チエタニル)テトラスルフィド、1,4-ビス(3-チエタニル)-1,3,4-トリチアブタン、1,5-ビス(3-チエタニル)-1,2,4,5-テトラチアペンタン、1,6-ビス(3-チエタニル)-1,3,4,6-テトラチアヘキサン、1,6-ビス(3-チエタニル)-1,3,5,6-テトラチアヘキサン、1,7-ビス(3-チエタニル)-1,2,4,5,7-ペンタチアヘプタン、1,7-ビス(3-チエタニルチオ)-1,2,4,6,7-ペンタチアヘプタン、1,1-ビス(3-チエタニルチオ)メタン、1,2-ビス(3-チエタニルチオ)エタン、1,2,3-トリス(3-チエタニルチオ)プロパン、1,8-ビス(3-チエタニルチオ)-4-(3-チエタニルチオメチル)-3,6-ジチアオクタン、1,11-ビス(3-チエタニルチオ)-4,8-ビス(3-チエタニルチオメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン、1,11-ビス(3-チエタニルチオ)-4,7-ビス(3-チエタニルチオメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン、1,11-ビス(3-チエタニルチオ)-5,7-ビス(3-チエタニルチオメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン、2,5-ビス(3-チエタニルチオメチル)-1,4-ジチアン、2,5-ビス[[2-(3-チエタニルチオ)エチル]チオメチル]-1,4-ジチアン、2,5-ビス(3-チエタニルチオメチル)-2,5-ジメチル-1,4-ジチアン、ビスチエタニルスルフィド、ビス(チエタニルチオ)メタン、3-[<(チエタニルチオ)メチルチオ>メチルチオ]チエタン、ビスチエタニルジスルフィド、ビスチエタニルトリスルフィド、ビスチエタニルテトラスルフィド、ビスチエタニルペンタスルフィド、1,4-ビス(3-チエタニルジチオ)-2,3-ジチアブタン、1,1,1-トリス(3-チエタニルジチオ)メタン、1,1,1-トリス(3-チエタニルジチオメチルチオ)メタン、1,1,2,2-テトラキス(3-チエタニルジチオ)エタン、1,1,2,2-テトラキス(3-チエタニルジチオメチルチオ)エタン等を挙げることができる。
含金属チエタン化合物としては、分子内に、金属原子として、Sn原子、Si原子、Ge原子、Pb原子等の14族の原子、Zr原子、Ti原子等の4族の元素、Al原子等の13族の原子、Zn原子等の12族の原子等を含むものが挙げられる。具体例としては、アルキルチオ(チエタニルチオ)スズ、ビス(アルキルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、アルキルチオ(アルキルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、ビス(チエタニルチオ)環状ジチオスズ化合物、アルキル(チエタニルチオ)スズ化合物等が挙げられる。
アルキルチオ(チエタニルチオ)スズの具体例としては、メチルチオトリス(チエタニルチオ)スズ、エチルチオトリス(チエタニルチオ)スズ、プロピルチオトリス(チエタニルチオ)スズ、イソプロピルチオトリス(チエタニルチオ)スズ等を例示できる。
ビス(アルキルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズの具体例としては、ビス(メチルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、ビス(エチルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、ビス(プロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、ビス(イソプロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ等を例示できる。
アルキルチオ(アルキルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズの具体例としては、エチルチオ(メチルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、メチルチオ(プロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、イソプロピルチオ(メチルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、エチルチオ(プロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、エチルチオ(イソプロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、イソプロピルチオ(プロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ等を例示できる。
ビス(チエタニルチオ)環状ジチオスズ化合物の具体例としては、ビス(チエタニルチオ)ジチアスタンネタン、ビス(チエタニルチオ)ジチアスタンノラン、ビス(チエタニルチオ)ジチアスタンニナン、ビス(チエタニルチオ)トリチアスタンノカン等を例示できる。
アルキル(チエタニルチオ)スズ化合物の具体例としては、メチルトリス(チエタニルチオ)スズ、ジメチルビス(チエタニルチオ)スズ、ブチルトリス(チエタニルチオ)スズ、テトラキス(チエタニルチオ)スズ、テトラキス(チエタニルチオ)ゲルマニウム、トリス(チエタニルチオ)ビスマス等を例示できる。
(ポリアミン化合物)
ポリアミン化合物は、一分子中にNH2基を2つ以上有する化合物であり、ポリイソシアネートとの反応でウレア結合を形成することができ、ポリイソチオシアネートとの反応でチオウレア結合を形成することができる。ポリアミン化合物の具体例としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、プトレシン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノ-ル、ジエチレントリアミン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、メラミン、1,3,5-ベンゼントリアミン等が挙げられる。
ポリアミン化合物は、一分子中にNH2基を2つ以上有する化合物であり、ポリイソシアネートとの反応でウレア結合を形成することができ、ポリイソチオシアネートとの反応でチオウレア結合を形成することができる。ポリアミン化合物の具体例としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、プトレシン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノ-ル、ジエチレントリアミン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、メラミン、1,3,5-ベンゼントリアミン等が挙げられる。
(エポキシ系化合物)
エポキシ系化合物は、分子内にエポキシ基を有する化合物である。エポキシ基は、開環重合し得る重合性基である。エポキシ系化合物は、一般に、脂肪族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物および芳香族エポキシ化合物に分類される。
エポキシ系化合物は、分子内にエポキシ基を有する化合物である。エポキシ基は、開環重合し得る重合性基である。エポキシ系化合物は、一般に、脂肪族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物および芳香族エポキシ化合物に分類される。
脂肪族エポキシ化合物の具体例としては、エチレンオキシド、2-エチルオキシラン、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2,2’-メチレンビスオキシラン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ノナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂環族エポキシ化合物の具体例としては、イソホロンジオールジグリシジルエーテル、ビス-2,2-ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
芳香族エポキシ化合物の具体例としては、レゾールシンジグリシジルエーテル、ビスフェノ-ルAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、上記以外にも、エポキシ基と共に、分子内に硫黄原子を有するエポキシ系化合物も使用することができる。このような含硫黄原子エポキシ系化合物には、鎖状脂肪族系のものと環状脂肪族系のものとがある。
鎖状脂肪族系含硫黄原子エポキシ系化合物の具体例としては、ビス(2,3-エポキシプロピル)スルフィド、ビス(2,3-エポキシプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)メタン、1,2-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)エタン、1,2-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)プロパン、1,3-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)プロパン、1,3-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)-2-メチルプロパン、1,4-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)ブタン、1,4-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)-2-メチルブタン、1,3-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)ブタン、1,5-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)ペンタン、1,5-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)-2-メチルペンタン、1,5-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)-3-チアペンタン、1,6-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)ヘキサン、1,6-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)-2-メチルヘキサン、3,8-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)-3,6-ジチアオクタン、1,2,3-トリス(2,3-エポキシプロピルチオ)プロパン、2,2-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)-1,3-ビス(2,3-エポキシプロピルチオメチル)プロパン、2,2-ビス(2,3-エポキシプロピルチオメチル)-1-(2,3-エポキシプロピルチオ)ブタン等が挙げられる。
環状脂肪族系含硫黄原子エポキシ系化合物の具体例としては、1,3-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4-ビス(2,3-エポキシプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3-ビス(2,3-エポキシプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(2,3-エポキシプロピルチオメチル)シクロヘキサン、2,5-ビス(2,3-エポキシプロピルチオメチル)-1,4-ジチアン、2,5-ビス[<2-(2,3-エポキシプロピルチオ)エチル>チオメチル]-1,4-ジチアン、2,5-ビス(2,3-エポキシプロピルチオメチル)-2,5-ジメチル-1,4-ジチアン等が挙げられる。
(ラジカル重合性基を有する化合物)
ラジカル重合性基を有する化合物は、ラジカル重合し得る重合性基である。ラジカル重合性基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。
ラジカル重合性基を有する化合物は、ラジカル重合し得る重合性基である。ラジカル重合性基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。
以下において、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる重合性基を有する化合物を、「(メタ)アクリレート化合物」と呼ぶ。(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ-ト、テトラエチレングリコ-ルジ(メタ)アクリレ-ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ-ルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールビスグリシジル(メタ)アクリレ-ト、ビスフェノ-ルAジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス(4-(メタ)アクロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、ビスフェノ-ルFジ(メタ)アクリレート、1,1-ビス(4-(メタ)アクロキシエトキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-(メタ)アクロキシジエトキシフェニル)メタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト-ルテトラ(メタ)アクリレート、メチルチオ(メタ)アクリレート、フェニルチオ(メタ)アクリレート、ベンジルチオ(メタ)アクリレート、キシリレンジチオールジ(メタ)アクリレート、メルカプトエチルスルフィドジ(メタ)アクリレート、2官能ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アリル基を有する化合物(アリル化合物)の具体例としては、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレ-ト、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカ-ボネート、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコールアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールアリルエーテル、ブトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールアリルエーテル、メタクリロイルオキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールアリルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールアリルエーテル、メタクリロイルオキシポリエチレングリコールアリルエーテル等が挙げられる。
ビニル基を有する化合物(ビニル化合物)としては、α-メチルスチレン、α-メチルスチレンダイマー、スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、3,9-ジビニルスピロビ(m-ジオキサン)等が挙げられる。
上記フォトクロミック物品は、耐久性向上のための保護層、反射防止層、撥水性または親水性の防汚層、防曇層、層間の密着性向上のためのプライマー層等の光学物品の機能性層として公知の層の1層以上を任意の位置に含むことができる。
上記フォトクロミック物品の一形態は、光学物品であり、光学物品としては、眼鏡レンズ、ゴーグル用レンズ、サンバイザーのバイザー(ひさし)部分、ヘルメットのシールド部材等を挙げることもできる。例えば、これらの光学物品用の基材上に上記硬化性組成物を塗布し、塗布された組成物に硬化処理を施すことによりフォトクロミック層を形成することによって、防眩機能を有する光学物品を得ることができる。
[眼鏡]
本発明の一態様は、上記フォトクロミック物品の一形態である眼鏡レンズを備えた眼鏡に関する。この眼鏡に含まれる眼鏡レンズの詳細については、先に記載した通りである。上記眼鏡は、かかる眼鏡レンズを備えることにより、例えば屋外ではフォトクロミック化合物が太陽光の照射を受けて発色することでサングラスのように防眩効果を発揮することができ、屋内に戻るとフォトクロミック化合物が退色することで透過性を回復することができる。上記眼鏡について、フレーム等の構成については、公知技術を適用することができる。
本発明の一態様は、上記フォトクロミック物品の一形態である眼鏡レンズを備えた眼鏡に関する。この眼鏡に含まれる眼鏡レンズの詳細については、先に記載した通りである。上記眼鏡は、かかる眼鏡レンズを備えることにより、例えば屋外ではフォトクロミック化合物が太陽光の照射を受けて発色することでサングラスのように防眩効果を発揮することができ、屋内に戻るとフォトクロミック化合物が退色することで透過性を回復することができる。上記眼鏡について、フレーム等の構成については、公知技術を適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に説明する。
以下において、分子構造の同定には、核磁気共鳴装置(NMR)、赤外分光装置(IR)および融点測定の1つ以上を用いた。
[実施例1]
<化合物1の合成>
以下に示す合成スキームにしたがって化合物1((E)-3-((1r,3r,5R,7S)-アダマンタン-2-イリデン)-4-(シクロプロピル(チオフェン-3-イル)メチレン)ジヒドロフラン-2,5-ジオン)を合成した。
<化合物1の合成>
以下に示す合成スキームにしたがって化合物1((E)-3-((1r,3r,5R,7S)-アダマンタン-2-イリデン)-4-(シクロプロピル(チオフェン-3-イル)メチレン)ジヒドロフラン-2,5-ジオン)を合成した。
化合物7は、上記合成スキームにしたがい、C.J.Thomas,M.A.Wolak,R.R.BirgeおよびW.J.Lees.J.Org.Chem.,2001,66,1914-1918に記載の方法によって合成した。具体的には、以下の方法によって化合物7(ジエチル2-((1r,3r,5R,7S)-アダマンタン-2-イリデン)サクシネート)を合成した。
カリウムtert-ブトキシド(12.90g,115.0mmol)をtert-ブチルアルコール(114mL)と混合して調製した溶液に、ジエチルサクシネート(19.0mL,114mmol)を添加した。5分後、2-アダマンタノン(17.25g,114.8mmol)を添加した後に溶液を還流しながら撹拌した。30分後、クルード(粗生成物)が溶液から析出し(crashed out of solution)、tert-ブチルアルコール(100mL)を追加添加し、不均一な混合物を22時間還流しながら撹拌した。その後、クルードを0℃に冷却し、23mLのHCl(37%濃HClを用いて50%w/wに調整)を添加し、有機残渣を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾燥させた。得られた残渣をエタノール(470mL)中に懸濁させ、濃HCl(37%,9.0mL)をゆっくり添加した。室温で2日間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO3溶液(100mL)によってクエンチさせた。その後、減圧下でアルコールを除去し、残渣を酢酸エチル(100mL)によって抽出し、水(100mL)によって洗浄し、無水Na2SO4によって乾燥させ、ろ過し、蒸発乾燥させた。バルブ-トゥー-バルブ蒸留(140℃、2×10-1torr)によって昇華した固体不純物と混合したコハク酸ジエチルが除去され、濃赤色の油状生成物(21.98g,63%)が得られた。
化合物7:vmax (neat) 2982, 1733, 1716, 1368, 1282, 1174, 1076, 1028 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δH 1.09 - 1.34 (6H, m, (CH3)2), 1.67 - 1.81 (12H, m, CH), 2.69 (1H, s, CH), 3.22 (2H, s, CH2), 3.54 (1H, s, CH), 3.96 - 4.04 (4H, m, (CH2)2) ppm; 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δC 14.0, 14.1, 27.5, 34.4, 34.5, 34.9, 36.5, 38.9, 39.1, 60.0, 60.4, 114.3, 162.3, 168.3, 171.3 ppm; HRMS (ESI) found [M+Na]+ = 329.1726 C18H26O4 requires [M+Na]+= 329.1729.
カリウムtert-ブトキシド(12.90g,115.0mmol)をtert-ブチルアルコール(114mL)と混合して調製した溶液に、ジエチルサクシネート(19.0mL,114mmol)を添加した。5分後、2-アダマンタノン(17.25g,114.8mmol)を添加した後に溶液を還流しながら撹拌した。30分後、クルード(粗生成物)が溶液から析出し(crashed out of solution)、tert-ブチルアルコール(100mL)を追加添加し、不均一な混合物を22時間還流しながら撹拌した。その後、クルードを0℃に冷却し、23mLのHCl(37%濃HClを用いて50%w/wに調整)を添加し、有機残渣を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾燥させた。得られた残渣をエタノール(470mL)中に懸濁させ、濃HCl(37%,9.0mL)をゆっくり添加した。室温で2日間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO3溶液(100mL)によってクエンチさせた。その後、減圧下でアルコールを除去し、残渣を酢酸エチル(100mL)によって抽出し、水(100mL)によって洗浄し、無水Na2SO4によって乾燥させ、ろ過し、蒸発乾燥させた。バルブ-トゥー-バルブ蒸留(140℃、2×10-1torr)によって昇華した固体不純物と混合したコハク酸ジエチルが除去され、濃赤色の油状生成物(21.98g,63%)が得られた。
化合物7:vmax (neat) 2982, 1733, 1716, 1368, 1282, 1174, 1076, 1028 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δH 1.09 - 1.34 (6H, m, (CH3)2), 1.67 - 1.81 (12H, m, CH), 2.69 (1H, s, CH), 3.22 (2H, s, CH2), 3.54 (1H, s, CH), 3.96 - 4.04 (4H, m, (CH2)2) ppm; 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δC 14.0, 14.1, 27.5, 34.4, 34.5, 34.9, 36.5, 38.9, 39.1, 60.0, 60.4, 114.3, 162.3, 168.3, 171.3 ppm; HRMS (ESI) found [M+Na]+ = 329.1726 C18H26O4 requires [M+Na]+= 329.1729.
化合物13および化合物14は、上記合成スキームにしたがい、WO2011/042918に記載の方法によって合成した。具体的には、以下の方法によって化合物13(N-メトキシ-N-メチルチオフェン-3-カルボキサミド)および化合物14(シクロプロピル(チオフェン-3-イル)メタノン)を合成した。
チオフェン-3-カルボン酸(25.01g,195.2mmol)を乾燥ジクロロメタン(424mL)と混合して調製した溶液に、0℃で塩化チオニル(74.0mL,1.02mol)を滴下して添加した。室温下で30分間撹拌した後、反応混合物を4時間還流させた(凝縮装置の上端にCaCl2乾燥管を取り付けた)。室温に冷却した後、クルードを蒸発乾燥させたところ、茶色粉末が得られた。N,O-ジメチルヒドロキシルアミンハイドロクロライド(20.93g,214.6mmol)を添加し、固体を乾燥ジクロロメタン(300mL)に懸濁させた。窒素雰囲気下、0℃で、得られた混合物にトリエチルアミン(55mL,395mmol)を滴下して添加した。室温で3時間撹拌した後、クルードを水(250mL)に注ぎ入れ、相分離した水相をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。有機相を水(2×200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾燥させたところ、目的生成物が琥珀色の油状物として得られた(30.15 g,90%)。
化合物13:vmax (neat) 3114, 1608, 1515, 1420, 1350, 1217, 1185, 979, 852, 819, 724, 530 cm-1;1H NMR (300 MHz, CDCl3) δH 3.37 (3H, s, CH3), 3.66 (3H, s, CH3), 7.28 (1H, dd, J = 5.1, 3.0 Hz, Ar-H), 7.57 (1H, dd, J = 5.1, 1.2 Hz, Ar-H), 8.07 (1H, dd, J = 3.0, 1.2 Hz) ppm; 13C NMR (77 MHz, CDCl3) δC 33.3, 61.2, 124.8, 129.0, 130.8, 134.5, 163.8 ppm; HRMS (ESI) found [M+H]+= 249.9535 C7H8BrNO2S requires [M+H]+ = 249.9537.
化合物13:vmax (neat) 3114, 1608, 1515, 1420, 1350, 1217, 1185, 979, 852, 819, 724, 530 cm-1;1H NMR (300 MHz, CDCl3) δH 3.37 (3H, s, CH3), 3.66 (3H, s, CH3), 7.28 (1H, dd, J = 5.1, 3.0 Hz, Ar-H), 7.57 (1H, dd, J = 5.1, 1.2 Hz, Ar-H), 8.07 (1H, dd, J = 3.0, 1.2 Hz) ppm; 13C NMR (77 MHz, CDCl3) δC 33.3, 61.2, 124.8, 129.0, 130.8, 134.5, 163.8 ppm; HRMS (ESI) found [M+H]+= 249.9535 C7H8BrNO2S requires [M+H]+ = 249.9537.
削状マグネシウム(7.66g,0.315mol)および少量のヨウ素の結晶を、乾燥させた三口1L丸底フラスコ(凝縮装置付き)に添加し、ヒートガン(heat gun)によって加熱した。その後、撹拌しながら無水THF(210mL)を添加した。その後、反応が自動継続するまで(反応混合物がオレンジ色から無色になるまで)、ヒートガンで時折加熱しながら、ブロモシクロプロパン(25.0mL,0.312mol)を数回に分けて添加した。削状マグネシウムが消費された後、N-メトキシ-N-メチルチオフェン-3-カルボキサミド(化合物13)(21.09g,0.1232mol)を無水THF(214mL)と混合して調製した溶液を、窒素雰囲気下、撹拌しながら滴下して添加した。窒素雰囲気下、反応混合物を室温で2時間撹拌した後、0℃でHCl(2M)を添加してクエンチさせた。その後、水(100mL)を添加し、相分離した水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、有機相を水(2×100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾燥させた。得られたオレンジ色の油状物(20.40g)をシリカのプラグを通してろ過した(Aldrich silica gel 60Å 230-400 mesh 40-63μm;溶離液:酢酸エチルを石油エーテルに混合、酢酸エチル濃度を10%から20%まで上昇させた、フラクション1)。目的生成物が黄色の油状物として得られた(16.88g,88%)。
化合物14:vmax (neat) 1653, 1510, 1418, 1230, 1169, 1035, 1005, 909, 877, 816, 799, 732, 696 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δH 0.98 - 1.03 (2H, m, CH2), 1.16 - 1.24 (2H, m, CH2), 2.49 - 2.55 (1H, m, CH), 7.33 (1H, dd, J = 5.1, 2.9 Hz, Ar-H), 7.59 (1H, dd, J = 5.1, 1.0 Hz, Ar-H), 8.13 (1H, dd, J = 2.9 Hz, 1.2 Hz) ppm; 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δC 11.3, 18.3, 126.2, 127.0, 131.5, 143.1, 194.7 ppm.
化合物14:vmax (neat) 1653, 1510, 1418, 1230, 1169, 1035, 1005, 909, 877, 816, 799, 732, 696 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δH 0.98 - 1.03 (2H, m, CH2), 1.16 - 1.24 (2H, m, CH2), 2.49 - 2.55 (1H, m, CH), 7.33 (1H, dd, J = 5.1, 2.9 Hz, Ar-H), 7.59 (1H, dd, J = 5.1, 1.0 Hz, Ar-H), 8.13 (1H, dd, J = 2.9 Hz, 1.2 Hz) ppm; 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δC 11.3, 18.3, 126.2, 127.0, 131.5, 143.1, 194.7 ppm.
化合物1は、以下の方法によって合成した。
ジエチル2-((1r,3r,5R,7S)-アダマンタン-2-イリデン)ペンタンジオエート(11.01g,35.93mmol)を無水トルエン(50mL)と混合して調製した溶液を、窒素雰囲気下、室温で、NaH[鉱油油中60%分散物](2.10g,52.5 mmol)を無水トルエン(134mL)に添加して調製した懸濁液に滴下して添加した。懸濁液を60℃に加熱し、エタノールを1滴添加し、混合物を2時間撹拌した。その後、シクロプロピル(チオフェン-3-イル)メタノン(5.00g,32.8mmol)を無水トルエン(50mL)と混合して調製した溶液を、60℃で滴下して添加し、メタノールを1滴添加し、窒素雰囲気下、60℃で、反応混合物を18時間撹拌し続けた。クルードを室温に冷却し、撹拌しながら氷(200mL)中にゆっくり注ぎ入れ、相分離した有機相を水(2×100mL)で抽出した。水相をHCl(2M)を添加することによって酸性(pH=1~2)に調整し、ジエチルエーテル(3×100mL)で抽出し、有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾燥させたところ、黄色の泡状物(10.91g)が得られた。得られた残渣を10%水酸化カリウムエタノール溶液(400mL)で6時間還流させた。その後、クルードを蒸発乾燥させ、水(250mL)を添加し、HCl(2M)を添加することによって溶液を酸性(pH=1~2)に調整した。その後、残渣をジエチルエーテル(3×100mL)内で抽出し、水(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾燥させた。これにより、E体とZ体との混合物がオレンジ色の泡状物(10.60g)として得られた。その後、固体を無水酢酸(60mL)に溶解させ、還流しながら5分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、無水酢酸を蒸発させて除去したところ、茶色の固体(8.60g)が得られた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Aldrich silica gel 60Å 230-400 mesh 40-63μm;溶離液:酢酸エチルを濃度10%で石油に混合)の後、石油によってトリチュレーションし、目的のE体(化合物1)(1.85g)、Z体(化合物2)(0.97g)、およびE体とZ体との混合物(2.02g)-全体(4.84g,40%)を得た。
化合物1:オフホワイト色の粉末; mp = 138 - 143℃; vmax (neat) 2916, 2849, 1798, 1748, 1585, 1229, 1211, 987, 923, 897 cm-1; 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δH 0.52 - 0.57 (2H, m, CH), 0.81 - 0.87 (2H, m, CH), 0.94 - 1.01 (2H, m, CH), 1.56 - 1.91 (11H, m, CH), 2.41 (1H, s, CH), 3.17 - 3.26 (1H, m, CH), 4.09 (1H, s, CH), 6.88 - 6.90 (1H, m, Ar-H), 7.09 - 7.10 (1H, m, Ar-H), 7.31 - 7.34 (1H, m, Ar-H) ppm; 13C NMR (77 MHz, CDCl3) δC 7.29, 7.95, 15.8, 27.0, 27.3, 33.4, 36.2, 37.8, 39.0, 39.4, 114.0, 120.9, 125.3, 125.8, 126.4, 128.4, 136.6, 154.7, 163.2, 164.2, 171.0 ppm; HRMS (ESI) found [M+H]+ = 367.1354 C22H22O3S requires [M+H]+ = 367.1368.
ジエチル2-((1r,3r,5R,7S)-アダマンタン-2-イリデン)ペンタンジオエート(11.01g,35.93mmol)を無水トルエン(50mL)と混合して調製した溶液を、窒素雰囲気下、室温で、NaH[鉱油油中60%分散物](2.10g,52.5 mmol)を無水トルエン(134mL)に添加して調製した懸濁液に滴下して添加した。懸濁液を60℃に加熱し、エタノールを1滴添加し、混合物を2時間撹拌した。その後、シクロプロピル(チオフェン-3-イル)メタノン(5.00g,32.8mmol)を無水トルエン(50mL)と混合して調製した溶液を、60℃で滴下して添加し、メタノールを1滴添加し、窒素雰囲気下、60℃で、反応混合物を18時間撹拌し続けた。クルードを室温に冷却し、撹拌しながら氷(200mL)中にゆっくり注ぎ入れ、相分離した有機相を水(2×100mL)で抽出した。水相をHCl(2M)を添加することによって酸性(pH=1~2)に調整し、ジエチルエーテル(3×100mL)で抽出し、有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾燥させたところ、黄色の泡状物(10.91g)が得られた。得られた残渣を10%水酸化カリウムエタノール溶液(400mL)で6時間還流させた。その後、クルードを蒸発乾燥させ、水(250mL)を添加し、HCl(2M)を添加することによって溶液を酸性(pH=1~2)に調整した。その後、残渣をジエチルエーテル(3×100mL)内で抽出し、水(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾燥させた。これにより、E体とZ体との混合物がオレンジ色の泡状物(10.60g)として得られた。その後、固体を無水酢酸(60mL)に溶解させ、還流しながら5分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、無水酢酸を蒸発させて除去したところ、茶色の固体(8.60g)が得られた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Aldrich silica gel 60Å 230-400 mesh 40-63μm;溶離液:酢酸エチルを濃度10%で石油に混合)の後、石油によってトリチュレーションし、目的のE体(化合物1)(1.85g)、Z体(化合物2)(0.97g)、およびE体とZ体との混合物(2.02g)-全体(4.84g,40%)を得た。
化合物1:オフホワイト色の粉末; mp = 138 - 143℃; vmax (neat) 2916, 2849, 1798, 1748, 1585, 1229, 1211, 987, 923, 897 cm-1; 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δH 0.52 - 0.57 (2H, m, CH), 0.81 - 0.87 (2H, m, CH), 0.94 - 1.01 (2H, m, CH), 1.56 - 1.91 (11H, m, CH), 2.41 (1H, s, CH), 3.17 - 3.26 (1H, m, CH), 4.09 (1H, s, CH), 6.88 - 6.90 (1H, m, Ar-H), 7.09 - 7.10 (1H, m, Ar-H), 7.31 - 7.34 (1H, m, Ar-H) ppm; 13C NMR (77 MHz, CDCl3) δC 7.29, 7.95, 15.8, 27.0, 27.3, 33.4, 36.2, 37.8, 39.0, 39.4, 114.0, 120.9, 125.3, 125.8, 126.4, 128.4, 136.6, 154.7, 163.2, 164.2, 171.0 ppm; HRMS (ESI) found [M+H]+ = 367.1354 C22H22O3S requires [M+H]+ = 367.1368.
<配向した液晶化合物共存下での性能評価>
化合物1について、配向場(即ち配向した液晶化合物の共存下)および無配向場における退色速度を、以下の方法によって測定した。
後述の方法で作製したテストセルに、キセノンランプを使用してエアロマスフィルターを介して15分間(900秒)、テストセルに対して光を照射し、テストセル中のフォトクロミック化合物を発色させた。その後、光照射を停止した。上記光照射は、JIS T7333:2005に規定されているように放射照度および放射照度の許容差が下記表1に示す値となるように行った。
化合物1について、配向場(即ち配向した液晶化合物の共存下)および無配向場における退色速度を、以下の方法によって測定した。
後述の方法で作製したテストセルに、キセノンランプを使用してエアロマスフィルターを介して15分間(900秒)、テストセルに対して光を照射し、テストセル中のフォトクロミック化合物を発色させた。その後、光照射を停止した。上記光照射は、JIS T7333:2005に規定されているように放射照度および放射照度の許容差が下記表1に示す値となるように行った。
発色前のレンズの視感透過率T(%)を1、発色後の視感透過率を0に規格化し、光照射の停止後、規格化した透過率が0.5に達するまでの時間をT(1/2)と定め、配向場および無配向場についてT(1/2)の時間を求めた。以下の式によって退色速度変化率を算出した。
退色速度変化率=配向場におけるT(1/2)/無配向場におけるT(1/2)
退色速度変化率=配向場におけるT(1/2)/無配向場におけるT(1/2)
<テストセルの作製>
(配向場)
ホスト液晶100質量%に対して化合物1を1質量%添加し、室温~50℃の温度範囲で30分間撹拌し完全に溶解させた。この液晶混合物を室温に降温したのち、キャピラリー圧を利用してテストセルに充填した。テストセルは、一対のガラス板によって構成されている。テストセルを構成する2枚のガラス板は、一方向にラビング処理が施されて表面に複数本の筋状の溝が形成されたポリイミドフィルムをセル内側にそれぞれ備えている。テストセルでは、2枚のガラス板を、ポリイミドフィルムのラビング方向が同じ方向に向くように対向させた。セルギャップは40μmである。上記ポリイミドフィルムが配向膜として機能することによって、ホスト液晶を一軸配向させることができる。ホスト液晶としては、室温(23℃)で液晶相を示す4-シアノ-4’-ペンチルビフェニルを使用した。
(配向場)
ホスト液晶100質量%に対して化合物1を1質量%添加し、室温~50℃の温度範囲で30分間撹拌し完全に溶解させた。この液晶混合物を室温に降温したのち、キャピラリー圧を利用してテストセルに充填した。テストセルは、一対のガラス板によって構成されている。テストセルを構成する2枚のガラス板は、一方向にラビング処理が施されて表面に複数本の筋状の溝が形成されたポリイミドフィルムをセル内側にそれぞれ備えている。テストセルでは、2枚のガラス板を、ポリイミドフィルムのラビング方向が同じ方向に向くように対向させた。セルギャップは40μmである。上記ポリイミドフィルムが配向膜として機能することによって、ホスト液晶を一軸配向させることができる。ホスト液晶としては、室温(23℃)で液晶相を示す4-シアノ-4’-ペンチルビフェニルを使用した。
(無配向場)
ホスト液晶として室温(23℃)で等方相を示す4-ブチル安息香酸4-シアノ-3-フルオロフェニルを使用し、テストセルとして上記ポリイミドフィルムなしのテストセルを使用した点以外、配向場のテストセルの作製について記載した方法によって、無配向場のテストセルを作製した。
ホスト液晶として室温(23℃)で等方相を示す4-ブチル安息香酸4-シアノ-3-フルオロフェニルを使用し、テストセルとして上記ポリイミドフィルムなしのテストセルを使用した点以外、配向場のテストセルの作製について記載した方法によって、無配向場のテストセルを作製した。
[比較例1、2]
化合物1に代えて、以下の比較化合物1または2を使用した点以外、実施例1について記載した方法によって評価を実施した。
化合物1に代えて、以下の比較化合物1または2を使用した点以外、実施例1について記載した方法によって評価を実施した。
以上の結果を、表2に示す。
表2中の実施例1の評価結果と比較例1、2の評価結果との対比から、一般式(1)で表される化合物が、配向した液晶化合物との共存下での性能低下が少ないこと(詳しくは退色速度の変化が少ないこと)が確認できる。
[フォトクロミック性能(ダイナミックレンジ)の確認]
実施例1の配向場のテストセルおよび無配向場のテストセルについて、それぞれ、未照射時の視感透過率(Tini)、および疑似太陽光を一定時間照射して着色が飽和した時間における視感透過率(Tact)を紫外可視分光光度計(島津製作所製UV-1900i、測定波長:800~250nm、波長2nm刻み、高速モード)による測定によって求めた。測定は、室温(23℃)で行った。ダイナミックレンジ「(Tini)-(Tact)」は、無色体に対する着色体の着色の程度の指標とすることができ、この値が大きいほど、フォトクロミック性能に優れるということができる。
実施例1の配向場のテストセルおよび無配向場のテストセルについて、それぞれ、未照射時の視感透過率(Tini)、および疑似太陽光を一定時間照射して着色が飽和した時間における視感透過率(Tact)を紫外可視分光光度計(島津製作所製UV-1900i、測定波長:800~250nm、波長2nm刻み、高速モード)による測定によって求めた。測定は、室温(23℃)で行った。ダイナミックレンジ「(Tini)-(Tact)」は、無色体に対する着色体の着色の程度の指標とすることができ、この値が大きいほど、フォトクロミック性能に優れるということができる。
[偏光性能(二色比、偏光度)の確認]
実施例1の配向場のテストセルについて、ポリイミドフィルムのラビング方向(即ち液晶化合物の配向方向)に平行な偏光を入射させた場合の吸光度(Apara)および視感透過率(Tpara)、ならびにラビング方向に垂直な方向に偏光を入射させた場合の吸光度(Aperp)および視感透過率(Tperp)を測定した。下記式1によって二色比Rを算出し、下記式2によって偏光度Pを算出した。
式1:R=Apara/Aperp
式2:P(Tperp-Tpara)/(Tperp+Tpara)*100
実施例1の配向場のテストセルについて、ポリイミドフィルムのラビング方向(即ち液晶化合物の配向方向)に平行な偏光を入射させた場合の吸光度(Apara)および視感透過率(Tpara)、ならびにラビング方向に垂直な方向に偏光を入射させた場合の吸光度(Aperp)および視感透過率(Tperp)を測定した。下記式1によって二色比Rを算出し、下記式2によって偏光度Pを算出した。
式1:R=Apara/Aperp
式2:P(Tperp-Tpara)/(Tperp+Tpara)*100
以上の評価結果を表3に示す。
表3に示す結果から、実施例1で評価した化合物1が、無配向場と比べて配向場においてより良好なフォトクロミック性能を示すこと、および配向した液晶化合物との共存下で二色性を示すため偏光性能を発揮することが確認できる。
最後に、前述の各態様を総括する。
一態様によれば、一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物が提供される。
一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物は、配向した液晶化合物との共存下における性能低下が少ないフォトクロミック化合物であることができる。
一形態では、一般式(1)中、Xは、酸素原子を表すことができる。
一態様によれば、上記フォトクロミック化合物を含むフォトクロミック物品が提供される。
一形態では、上記フォトクロミック化合物は。少なくとも、基材と、上記フォトクロミック化合物を含むフォトクロミック層と、を有することができる。
一形態では、上記フォトクロミック層は、液晶化合物を更に含むことができる。
一形態では、上記フォトクロミック物品は、眼鏡レンズであることができる。
一形態では、上記フォトクロミック物品は、ゴーグル用レンズであることができる。
一形態では、上記フォトクロミック物品は、サンバイザーのバイザー部分であることができる。
一形態では、上記フォトクロミック物品は、ヘルメットのシールド部材であることができる。
一態様によれば、上記眼鏡レンズを備えた眼鏡が提供される。
本明細書に記載の各種態様および形態は、任意の組み合わせで2つ以上を組み合わせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、眼鏡、ゴーグル、サンバイザー、ヘルメット等の技術分野において有用である。
Claims (10)
- 下記一般式(1)で表されるフォトクロミック化合物。
Xは、酸素原子または無置換もしくは下記Y1群から選ばれる置換基によって置換された窒素原子を表し、
Y1群:-R1、-A1(B1)l(A2)m(B2)nR2、-A3A4、-A5R3
R1は、シアノ基、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表し、
R2は、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、ナフチル基またはナフチルアルキル基を表し、
R3は、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基を表し、
A1、A2、A3およびA5は、それぞれ独立に、それぞれ置換基を有していてもよいアルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基またはアルキルシクロアルカン-ジイル基を表し、
A4は、置換基を有していてもよいナフチル基を表し、
B1およびB2は、それぞれ独立に下記群から選ばれる二価の基のいずれか1つを表し、
Y2は、水素原子または前記Y1群から選ばれる置換基を表し、
Rは、水素原子、トリフルオロメチル基、または置換基を有していてもよいシクロプロピル基を表し、
- 前記Xは酸素原子を表す、請求項1に記載のフォトクロミック化合物。
- 請求項1または2に記載のフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック物品。
- 少なくとも、基材と、前記フォトクロミック化合物を含むフォトクロミック層と、を有する、請求項3に記載のフォトクロミック物品。
- 前記フォトクロミック層は液晶化合物を更に含む、請求項4に記載のフォトクロミック物品。
- 眼鏡レンズである、請求項3~5のいずれか1項に記載のフォトクロミック物品。
- ゴーグル用レンズである、請求項3~5のいずれか1項に記載のフォトクロミック物品。
- サンバイザーのバイザー部分である、請求項3~5のいずれか1項に記載のフォトクロミック物品。
- ヘルメットのシールド部材である、請求項3~5のいずれか1項に記載のフォトクロミック物品。
- 請求項6に記載の眼鏡レンズを備えた眼鏡。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
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EP22166176.2A EP4067353A1 (en) | 2021-03-31 | 2022-03-31 | Photochromic compound, photochromic article and eyeglasses |
US18/238,193 US20230399563A1 (en) | 2021-03-31 | 2023-08-25 | Photochromic compound, photochromic article and eyeglasses |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2021062097 | 2021-03-31 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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-
2022
- 2022-02-24 JP JP2022026474A patent/JP2022158953A/ja active Pending
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