JP2022158914A - 較正方法及びx線スキャナシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】X線スキャナシステムにおける較正方法を効率化すること。【解決手段】実施形態の較正方法は、X線スキャナシステムの視野内に少なくとも1つのスラブを配置し、前記X線スキャナシステムにおいて、前記スラブに対する照射角度が異なる複数の位置に配置されるX線管を用いて前記スラブをスキャンし、前記スキャンに基づいて物質弁別データを生成し、前記物質弁別データに基づいて、前記X線スキャナシステムのフォワードモデルを較正することを含む。【選択図】図10

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、較正方法及びX線スキャナシステムに関する。
コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)システム及び方法は、医用イメージング及び診断に一般的に使用されている。CTシステムでは、通常、一連の投影角度で、被験者の身体を透過した投影画像が作成される。例えば、X線管などの放射線源から被験者の身体に対して照射が行なわれ、様々な角度の投影画像が生成される。投影画像から、被験者の身体の画像を再構成することができる。
従来、エネルギー積分検出器(Energy-Integrating Detectors:EID)及び/又は光子計数検出器(Photon-Counting Detectors:PCD)は、CT投影データの測定に使用されてきた。PCDは、スペクトルCTを実行する能力を含む多くの利点を提供する。PCDは、入射X線の計数をエネルギービンと称するスペクトル成分に分解し、これらのエネルギービンが全体としてX線ビームのエネルギースペクトルに亘って広がるようになっている。非スペクトルCTとは異なり、スペクトルCTは、X線エネルギーの関数として異なるX線減衰を示す様々な物質に起因した情報を生成する。これらの違いは、スペクトル分解された投影データを異なる基準物質に弁別することを可能にする。例えば、物質弁別の2つの基準物質は骨と水である。
PCDの応答時間は早いが、臨床X線イメージングを示す高いX線フラックス速度では、単一の検出器において、複数のX線検出イベントが検出器の時間応答内に発生する可能性がある。これはパイルアップと呼ばれる現象である。修正せずに放置すると、パイルアップ効果がPCDエネルギー応答を歪め、PCDから再構成された画像を劣化させる可能性がある。これらの影響を補正すれば、スペクトルCTは従来のCTに比べて多くの利点を有する。スペクトルCTは、画像化されたオブジェクトから高精度の組織特性情報を抽出するので、多くの臨床現場においてスペクトルCT技術の恩恵を受けることができ、これには物質の差別化の改善が含まれる。
スペクトルCTに半導体ベースのPCDをより効果的に使用するための1つの課題は、堅牢かつ効率的な方法で、投影データの物質弁別を実行することである。例えば、検出プロセスにおけるパイルアップの修正は不完全である可能性があり、これらの不完全性は、物質弁別に基づく基準物質の信頼性を低下させる。
光子計数CTシステムにおいて、直接変換を使用する半導体ベースの検出器は、個々の入射光子のエネルギーを分解し、各積分期間について複数のエネルギービン計数の測定値を生成するように設計される。しかし、このような半導体材料(CdTe/CZTなど)の検出物理学に起因して、検出器のエネルギー応答は、エネルギー蓄積及び電荷誘導プロセスにおける電荷共有、kエスケープ及び散乱効果、ならびに関連するフロントエンド電子機器の電子ノイズによって大きく劣化/歪みを生じる。有限の信号誘導時間に起因して、高い計数レート条件では、上記で述べたように、パルスパイルアップもエネルギー応答を歪める。
統合検出システムのセンサ材料の不均一性及び複雑さのために、物理理論又は信号誘導プロセスの特定のモデル化を使用したモンテカルロシミュレーションだけに基づいて、PCDのこのような検出器応答を正確にモデル化することは困難である。なお、このモデル化は、各測定のフォワードモデルの精度を決定するものである。また、入射X線管スペクトルモデル化の不確実性に起因して、当該モデル化がフォワードモデルに追加のエラーが生じる。これら全ての要因によって、最終的にはPCD測定、即ち生成されたスペクトル画像からの物質弁別精度が低下する。
同様の問題を解決するために、文献において較正方法が提案されてきた。一般的な考え方は、様々な既知経路長の複数の透過測定を使用して、それが較正測定と一致するようにフォワードモデルを変更することである。従来のCTにおけるX線スペクトルの推定には、非特許文献1及び非特許文献2など、いくつかのアイデアが適用される。非特許文献2は、結合されたシステムスペクトル応答を推定するため、光子計数検出器に対して採用される(非特許文献3を参照されたい)。しかしながら、特に第3世代CTジオメトリにおける適用の実現可能性を考慮すると、較正方法の詳細設計及び実装には多くの変形例が存在し得る。
Sidky et al., Journal of Applied Physics 97(12), 124701 (2005) Duan et al., Medical Physics 38(2), Feb, 2011 Dickmann et al., Proc. SPIE 10573, Medical Imaging 2018: Physics of Medical Imaging, 1057311 (March 9, 2018)
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、X線スキャナシステムにおける較正方法を効率化することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態の較正方法は、X線スキャナシステムの視野内に少なくとも1つのスラブを配置し、前記X線スキャナシステムにおいて、前記スラブに対する照射角度が異なる複数の位置に配置されるX線管を用いて前記スラブをスキャンし、前記スキャンに基づいて物質弁別データを生成し、前記物質弁別データに基づいて、前記X線スキャナシステムのフォワードモデルを較正することを含む。
図1は、光子計数検出器のPCDビン応答関数Sb(E)の例を示す。各曲線は、各エネルギービンの関数例を表す。 図2は、物質弁別較正及び処理のワークフローを示す。 図3は、様々な物質の正規化された線形減衰係数を示す。 図4は、較正構造設計の概略図を示し、ここではパイルアップ補正テーブルPが生成され、各電流(mA)について個別に使用される。 図5は、別の較正構造設計の概略図を示す。ここでは、全電流(mA)範囲に対してユニバーサルパイルアップ補正テーブルPが生成される。 図6は、較正スキャン手順を示す。 図7は、様々な検出器画素での較正スラブ経路長を示す。 図8は、較正スラブ設計の例を示しており、ここでは、較正スラブが検出器フィールド内の患者用寝台又は他の可動機構の少なくとも一部に沿ってZ方向に並んでいる。 図9は、弁別の較正及び処理に使用できる様々な加算スキームを示している。 図10は、異なるX線管の位置が、較正中にスラブスキャンの様々な経路長を生成する仕方を示す概略図である。 図11は、実施形態に開示する例を組み込むことができるCTスキャナシステムを示す。
以下、添付図面を参照しながら、較正方法及びX線スキャナシステムの実施形態について説明する。一実施形態における較正方法は、X線スキャナシステムの視野内に少なくとも1つのスラブを配置し、前記X線スキャナシステムにおいて、前記スラブに対する照射角度が異なる複数の位置に配置されるX線管を用いて前記スラブをスキャンし、前記スキャンに基づいて物質弁別データを生成し、前記物質弁別データに基づいて、前記X線スキャナシステムのフォワードモデルを較正することを含む。
一実施形態において、前記スラブは、前記照射角度に応じてパス長が変わる形状を有する。
一実施形態において、較正方法は、前記X線管を少なくとも1つの回転速度で使用して、少なくとも1回のエアスキャンに基づいてエア較正データを生成し、前記物質弁別データ及び前記エア較正データに基づいて、前記X線スキャナシステムのフォワードモデルを較正することを含む。
一実施形態において、前記スキャンは、前記照射角度が異なる複数の位置の各々において、前記X線管の位置を固定した状態で実施される。
一実施形態において、前記物質弁別データは、加重ビン応答及びパルスパイルアップ補正項を含む。
一実施形態において、前記フォワードモデルは、加重ビン応答、パルスパイルアップ補正項、前記スラブにおける少なくとも1つの線形減衰係数、前記スラブにおける少なくとも1つの経路長、及び、前記エア較正データを含む。
一実施形態において、前記スラブは、前記X線スキャナシステムの視野内に水平に配置される。
一実施形態において、前記スラブは、前記照射角度の各々において少なくとも一部のX線パスが前記スラブを通過するように配置される。
一実施形態において、較正方法は、前記X線スキャナシステムの前記フォワードモデルの前記較正後に、オブジェクトをスキャンすることを更に含む。
一実施形態において、前記スラブは、複数の物質で構成される。
一実施形態において、前記X線スキャナシステムは、光子計数CTスキャナシステムである。一実施形態において、前記X線スキャナシステムは、第3世代の光子計数CTスキャナシステムである。
一実施形態において、前記スラブは、複数の高さを有する。
一実施形態において、前記スラブは、高さ方向に異なる複数の幅を有する。
一実施形態におけるX線スキャナシステムは、X線スキャナシステムの視野内に配置された少なくとも1つのスラブと、前記X線スキャナシステムにおいて、前記スラブに対する照射角度が異なる複数の位置に配置されるX線管を用いて前記スラブをスキャンし、前記スキャンに基づいて物質弁別データを生成し、前記物質弁別データに基づいて、前記X線スキャナシステムのフォワードモデルを較正する処理部とを含む。
本明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本願の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味するが、それらが全ての実施形態に存在することを意味するものではない。
したがって、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態において」又は「実施形態において」という句の出現は、必ずしも本出願の同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
本開示は、物質弁別のための光子計数CTスキャナシステムに関する。当該CTスキャナはX線放射を放出する1つ又は複数のX線管と、当該CTスキャナシステムの視野を通って伝播するX線放射を受信するための検出器画素のアレイを備えている。
光子計数エネルギー分解検出器(Photon Counting Energy-Resolving Detector:PCD)を使用した透過測定では、フォワードモデルは、次の式(1)のように定式化できる。
Figure 2022158914000002
ここで、S(E)は、次の式(2)で定義されるビン応答関数を示す。
Figure 2022158914000003
ここで、R(E,E’)は、検出器の応答関数である。EbL及びEbHは、各計数ビンの低エネルギー閾値と高エネルギー閾値である。図1は、PCDの典型的なS(E)関数のモデル例を示している。ここでは、エネルギーウィンドウ上のロングテールが、電荷共有、kエスケープ、及び散乱効果によって誘導される。低エネルギーテールは主に、関連する電子ノイズからの有限のエネルギー分解能によるものである。Nはエアスキャンからの全フラックス、μ及びlは、m番目の基準物質の線形減衰係数及び経路長である。w(E)は、正規化された入射X線スペクトルである。実際には、w(E)及びS(E)の両方が正確にわかっているわけではなく、1つの項、即ち、Swb(E)=w(E)S(E)として組み合わせることができ、以下ではこれを加重ビン応答関数と称する。Swb(E)を測定によって較正できれば、低フラックス条件での分解問題を十分に解決できる。
高フラックススキャン条件(例えば、数パーセントのパルスパイルアップ)の場合、パルスパイルアップは測定に追加のスペクトル歪みをもたらす。パイルアップ効果を修正する1つの方法は、追加の修正項を導入することである(例えば、測定された計数率を入力として使用する上記の非特許文献3を参照されたい)。そして、このタイプの追加の較正は、フラックスに依存しない加重ビン応答Swb(E)の正確な推定に基づいている。フルサイズの第3世代CTシステムでSwb(E)を推定する方法は、本出願で解決される第1の問題である。
典型的なCT臨床スキャン条件では、幾つかの測定において数パーセント以上のパルスパイルアップが発生するのが一般的である。結果として生じる物質弁別への影響は、測定されたスペクトルとフラックスに依存する。実際の検出器の応答を知らなければ、フォワードモデルを調整するために実行できる透過測定の数は限られる。臨床現場での完全なCTシステムの場合、実行可能な較正手順を用意することが重要である。したがって、モデルを効率的にパラメータ化して較正手順を最適化する方法が、本願で解決される第2の問題である。
フルサイズのCTシステムにおいて、このような2段階較正を実行する際の追加の実際的な課題には次のものが含まれる。即ち、ビームの事前フィルタ(ボウタイフィルタ等)によるファン角度依存性の加重スペクトル応答、X線管の動作仕様及び固定されたシステム形状に起因する制限された最小フラックス、画素全体の様々な検出器応答による全検出器リング較正、システム内較正ファントム配置用の限られたスペース、散乱防止グリッドを備えた回転システム上で較正する場合の複雑さ、較正の系統的誤差及び関連する機械的設計公差、ならびにエネルギー分解能、計数及びエネルギー閾値設定のドリフト等に関して均一性の問題がある非理想的な検出器という問題である。
光子計数CTが、システムのダウン時間を顕著に増加させない同様の較正手順/ワークフローを維持しながら、はるかに単純な検出器応答モデル化及び関連の較正を備えた、従来のエネルギー統合検出器(Energy Integrating Detector:EID)ベースのシステムと競合する画質に到達するには、上記の非理想的要因を考慮する必要がある。
1つの非限定的な実施形態では、物質弁別のためのPCDフォワードモデルのための2段階較正方法が適用される。この方法は、1)期待値最大化(Expectation Maximization:EM)法を使用したフラックスに依存しない加重ビン応答関数Swb(E)の推定、及び2)パイルアップ補正項の推定の2つの部分で構成される。
(E,N,Ntot)は、エネルギー(E)及び測定されたビン計数(N,Ntot)の関数である。ここでのNは個々のビン計数であり、Ntotは全てのエネルギービンの総計数である。較正されたフォワードモデルは、次の式(3)のように表すことができる。
Figure 2022158914000004
ここでは、2つの物質のみを使用する代わりに、ポリプロピレン、水、アルミニウム、チタン/銅、K吸収端物質など、2~5の異なる物質を使用して、低フラックスでの加重ビン応答関数Swb(E)を較正する。より選択的な物質を較正で使用すると、総経路長の数が減少して同等以上の結果が得られる。
ステップ1:入射スペクトルの特徴的なピークを捕捉するための適切な管スペクトルモデル化と、光子計数検出器のスペクトル応答をシミュレートするための物理モデルとを使用して、Swb(E)の初期推定値を生成できる。EM法(例:非特許文献1参照)を使用することにより、Swb(E)は、幾つかの透過測定に基づいて、この非常な悪条件の問題について確実に推定できる。
ここで、P(E,Nb,Ntot)はステップ1において一定であると想定される。較正されたフォワードモデルは、式(4)の線形方程式のシステムに簡略化できる。
Figure 2022158914000005
通常、データ測定の数(M)は、未知の数(Emax)よりもはるかに少ない。データ取得のポアソン分布を仮定すると、反復EMアルゴリズムを導出して、以下に説明するように未知のエネルギービン応答関数Swb(E)の最適な推定値を見つけることがでる。
低フラックスデータ取得を使用してビン応答関数を推定する場合、パイルアップ効果補正Pbは既知の項(例えば定数)であると想定される。したがって、当該モデルは次の式(5)のように簡略化される。
Figure 2022158914000006
下記の式(6)が、j番目の測定の減衰経路長を表すとしよう。従って、各測定値jについては、次の式(7)のようになる。
Figure 2022158914000007
Figure 2022158914000008
M測定では、データ取得は、式(8)のマトリックス形式又は式(9)で記述できる。
Figure 2022158914000009
Figure 2022158914000010
EM反復アルゴリズムを適用することにより、Swb(E)は次の式(10)のように推定できる。
Figure 2022158914000011
Figure 2022158914000012
wb(E)の更新式は、次の式(11)で与えられる。
Figure 2022158914000013
ステップ2:各検出器画素の各管電圧(kVp)設定での較正からSwb(E)が推定されると、当該システムにソフトウェア較正テーブルとして保存される。これは、より高いフラックススキャンでパイルアップ補正項P(E,N,Ntot)をさらに推定するための入力として使用される。次に、両方のテーブルをオブジェクト/患者スキャンの物質弁別に使用して、基準物質の経路長を推定する。
較正テーブルは、システム/検出器の性能の変動に基づいて随時更新される。これは、反復手順として設計することもできる。品質チェックファントムで画質が十分でない場合、この較正プロセスは、最後の反復から更新された較正テーブルを最初の推測として使用して繰り返される。
上記プロセスにおける高レベルのワークフローを図2に示す。ステップ1)~4)は較正ワークフローを表し、ステップ5)~8)は、患者/オブジェクトの操作スキャンにおいて、較正テーブルを使用してスペクトル画像を生成する方法を示す。
最初に、様々な物質スラブでの一連の低フラックススキャンが、X線管に適用されるピーク電位である各管のkVp設定において収集される。典型的なCTシステムは、70~140kVpの幾つかのkVp設定をサポートしており、様々なスキャンプロトコルのために、X線管から様々なエネルギースペクトルを生成する。CTスキャンの場合、X線管をオンにする前に、mAとkVpの両方を事前に選択する必要がある。次に、低フラックス加重ビン応答関数Swbが推定され、この推定されたSwbを使用し、高フラックスのスラブスキャンを使用して、パイルアップ補正項Pの追加パラメータが推定される。各検出器ピクセルのSwb及びPの推定較正テーブルを使用して、較正の品質が品質ファントム、例えば均一な水ファントム、又は均一な既知の物質を使用した複数のインサートを備えたファントムに対してチェックされる。画質は事前に定義された標準を用いて評価され、合格した場合にはその時点での較正テーブルが保存され、次の患者/オブジェクトスキャンデータ処理に使用される。それ以外の場合、手順は、Swb及びPの最後の反復を最初の推測として使用して、最初の3つのステップを再度実行する。ここで、一般的に検査される基準は、画像CT番号の精度、均一性、空間分解能、ノイズ、及びアーチファクトである。この較正の品質をチェックするには、これらの測定基準を全てチェックする必要がある。特に、較正が十分でないことを示す画像におけるリング又はバンドのような、精度及びアーチファクトをチェックする必要がある。
この較正に最適な物質及び経路長を選択するためには、エネルギーに対する正規化された線形減衰係数曲線(図3)を使用して、互いに異なるものを選択する。例えば、ポリプロピレン、水、アルミニウム、チタンは、このような較正のための良好な組み合わせ群であり、人体に存在する広範囲の一般的な物質をカバーする。
較正測定を通じて低フラックス条件を満たし、フロー図のパイルアップ効果を最小限に抑えるために、ステップ1では、「nτ<x」を使用することを選択できる。ここで、「x≒0.005~0.01」であり、「n」は最も低い管フラックス設定での画素計数率であり、「τ」はPCD特定用途向け集積回路(ASIC)の有効デッド時間である。この条件を満たすことにより、選択した各較正物質の最短経路長を計算でき、残りの経路長は、経路長の等間隔又は得られる測定計数率の何れかによって選択できる。
ステップ3におけるパイルアップ補正項Pbの較正のために、同じスラブ物質及び経路長が、高mA設定でのスキャンに使用される。較正データは、mAごとにグループ化され、mA設定ごとに異なる補正テーブルを生成するか(図4)、全てのフラックス範囲(例えば、低から高mA、高から低mA、又は最も頻繁に使用される値を最初に)での測定を含めて、連続mA設定でのユニバーサル補正テーブル(図5)を生成することができる。
キャリブレーション測定は、統計変動の影響を最小限に抑えるために、十分な統計を使用して行う必要がある。非限定的な例の1つは、較正において転送される統計エラーを最小限に抑えるために、較正データ組の一般的な積分期間として、1000倍を超える統計を使用することである。較正測定の各エネルギービンbは、対応するSwb(E)及びP(E,N,Ntot)を更新するために使用されるであろう。
少数のエネルギービンを用いて限られた数の測定しか実行できないため、推定は非常に悪条件である。この場合、それがEM法に追加の制約を提供するので、正確な推定のためには適切な初期推定が不可欠である。非理想的な検出器に対応するための設計バリエーションの1つは、特にASICの実際のエネルギー閾値設定に僅かな変動がある場合に、Sの初期推定で各ビンに対してより柔軟なエネルギーウィンドウを許容することである。低い閾値xkeVをより低く設定し、高い閾値ykeVをより高く設定すると、最初のSは次の式(12)のようになる。
Figure 2022158914000014
ここでの「x」及び「y」は、ASICパフォーマンスの特定の変動を可能にすると同時に、EM問題について追加の制約を与えるために、「5~10keV」から選択することができる。
実施形態で説明する設計は、較正において3つ以上の物質を使用し、これは、光子計数検出器の加重ビン応答関数推定問題を制約するためのより高い感度を提供する。
さらに、この方法は、高フラックスパイルアップ補正項P(これはここではE,N及びNtotの関数である)のために異なるパラメータ化を利用する。総計数項Ntotは、真のパイルアップ現象をより適切に近似するために導入されており、より少ないパラメータを伴ったより高いフラックス条件でのモデル能力を大幅に向上させることができる。
さらに、非理想的な検出器/ASIC性能に対応するために、エネルギー閾値ウィンドウを拡大することにより、加重ビン応答関数の初期推定値を計算することも可能である。
物質弁別のためのPCDフォワードモデルの2段階較正方法が提案される。これは次の2つの部分で構成される。即ち、1)最新技術のEM(Expectation Maximization:期待値最大化)法を使用した、フラックスに依存しない加重ビン応答関数Swb(E)の推定、2)エネルギー(E)及び測定されたビン数(N,Ntot)の関数であるパイルアップ補正項P(E,N,Ntot)の推定である。ここでのNは個々のビン計数であり、Ntotは全てのエネルギービンの総計数である。較正されたフォワードモデルは、上記の式(3)に示すように表すことができる。
さらに、式(3)のフォワードPCD測定モデルを較正するために、一実施形態では、少なくとも1つの所定の物質及び既知の厚さの少なくとも1つのスラブが、CTスキャナの視野内で水平に配置される。所定の物質のスラブを使用することにより、当該スラブの線形減衰係数を知ることができる。さらに、スラブの厚さを知ることにより、当該スラブを通るX線放射の経路長を知ることができる。スラブ測定は静止スキャンによって実行できる。この場合、X線管がCTスキャナの固定位置に配置され、様々なフラックスレベルで動作する。
一実施形態において、同じスラブを使用して経路長サンプル及びカバレッジを増加させるために、スラブスキャンは複数の固定X線管位置で行うこともできる。スラブは、X線管位置ごと、各照射角度において少なくとも一部のX線パスがスラブを通過するように配置される。
ガントリが回転しているときに患者/オブジェクトのスキャンを適用するために、各回転速度で追加のエアスキャンを実行して、回転中に散乱防止グリッド(ASG)が逸脱したときの、各ピクセルの追加のシャドウ効果を補正することができる。このエアスキャンは、各ピクセルの積分期間ごとに到着する光子の数に関するデータを含み得るエア較正テーブルを生成することができるであろう。
第3世代ジオメトリにおけるフルリング較正の場合、ボウタイフィルタリングと一般的なスキャンオブジェクトの形状により、周辺検出器のキャリブレーション物質の経路長は、中央検出器とは異なる方法で設計され得る。ファンビームのエッジに向かってより細い経路長範囲を使用することができ、各物質の経路長範囲の関係は、ボウタイフィルタの物質及び形状に基づいて導き出すことができる。さらに、マルチ物質スラブファントムは、較正測定を実装するように設計することができる。
図6は、較正方法600の一実施形態を示す。ステップS610では、既知の物質のスラブを、経路長が既知であり制御されるように、最初にCTスキャナの患者用寝台の上に配置し水平にする。次に、S620では、CTガントリに配置された1つ又は複数の静止X線管(例えば、3つの異なる位置にある3つの異なるX線管)が、当該スラブをスキャンする。このスキャンから、次のステップS630において物質弁別較正処理が実行され、上記のように弁別較正テーブルが生成される。さらに、S640では、エアスキャンが様々な回転速度で実行され、エア較正テーブルが作成される。S650では、患者/オブジェクトのスキャン(既知の回転速度で)を収集できる。弁別較正テーブル、エア較正テーブル、及び患者/オブジェクトスキャンは、ファントム/オブジェクトスキャン処理のためにS660で使用でき、較正されたフォワードモデルを利用できる。
スラブ較正経路長(L)の範囲は、臨床スキャンの最大減衰長をカバーするように設計できる(例えば、Lwater=0.1~40cm、Lbone=0.1~10cm)。これは、異なるスキャンプロトコルの代表的な臨床スキャン群を通じて推定できる。通常は、患者の形状とサイズが原因で視野の端(FOV)が中心に比べて減衰がはるかに少ないので、この範囲はファンの角度に依存する可能性がある。較正経路長の範囲の選択は、様々な解剖学的構造に焦点を当てた様々なイメージングタスクに依存する可能性がある。較正経路長の範囲は、ファンの角度全体で普遍的であり、患者が大きすぎるか、アイソセンターから大幅にシフトする必要がある異常なケースをより適切にカバーできる。換言すれば、様々な較正経路長範囲を異なるファン角度で使用して、較正の精度及び効率を改善することができる。フォワードモデルのキャリブレーションに使用されるスラブスキャンは、最高の画質を生成するために、イメージングタスクに基づいて選択できる。
図7に示すように、第3世代CTの一般的なファンビームカバレッジでは、フラットスラブがこの較正に使用され、検出器アレイ全体の実際の経路長が僅かに異なる。これら較正スキャンにおける各検出器画素の実際の経路長Lは次の式(13)によって計算できる。
Figure 2022158914000015
Figure 2022158914000016
経路長エラーを最小限に抑えるために、様々なスラブ及び厚さを用いた較正は、回転なしの静的スキャン構成を使用して実行できる。スラブは、検出器アレイ全体をカバーするのに十分な大きさであり、データ取得全体を通して十分に水平に保たれている必要がある。厚いスラブの場合、CTガントリの洞サイズが単一のスラブ位置で検出器表面全体をカバーできない場合は、スラブ位置を調整し、複数のスキャンを使用して検出器表面全体をカバーできる。別の実施形態では、異なるスラブ及び厚さでの較正は、回転を伴うスキャン構成を使用して行うことができる。
異なる回転速度での追加のシステム変動(例えば、管フラックス、ASGシャドウなど)は、エアスキャン及び参照検出器によって捕捉され、フォワードモデルのエアフラックス項Nにおいては、それに応じて修正され得る。例えば、患者/オブジェクトスキャンの前に各回転速度でエアスキャンを実行して、ASG逸脱、ならびに様々な視野において検出器全体に入射フラックス変動を誘発する回転の際の他のビーム経路変動を較正することができる。
図8を参照すると、様々な較正スラブを、患者用寝台の長さの少なくとも一部に沿った方向に一緒に組み合わせて、長い「くさび状」ファントムにすることができる。即ち、スラブは、複数の高さを有するように構成されてもよい。図8に示す場合、寝台の位置を動かすことによって(又はスラブを搬送する輸送メカニズムが何であれ)、ファントムを再調整することなく各較正経路長を検出でき、したがって較正プロセスが加速される。
ボウタイフィルタの後のファンビーム全体のスペクトル変動と、異なる検出器画素全体の検出器応答変動を捕捉するために、この較正プロセスは、各ボウタイ/フィルタ構成で画素ごとに実行できる。結合画素モード(N×N)について、この較正は、各フィルタ構成の結合画素の合計(又は平均)の測定に基づいて実行できる。例えば、図9は、弁別の較正及び処理のための様々な合計スキームを示しており、ここでの次のオブジェクトスキャン物質弁別は、対応する較正済みテーブルを伴う合計パターンのうちの1つを使用することを選択できる。図9に示されるs加算スキームは、A)マクロ画素ピッチ、例えば3×3結合モードに亘る合計、B)行方向に亘る合計(例えば、1×3結合モード)、C)チャネル方向に亘る合計(例えば、3×1結合モード)、及びD)個々のマイクロ画素(例えば、1×1)に基づく較正である。
図10に示すように、各スラブ較正の較正経路長の組み合わせを増やすために、X線管を様々な場所に配置し、スラブをXY平面に固定して水平にすることができる。静止スキャンを実施する場合、「-θ」、「0」、「θ」で示す各位置において、X線管の位置を固定した状態でスキャンが実施される。即ち、静止スキャンは、照射角度が異なる複数の位置の各々において、X線管の位置を固定した状態で実施される。図10は概略図であり、この較正では、複数の管を配置することで異なるスラブスキャンの経路長がどのように形成され得るかを示している。例として、与えられたスラブの厚さTについて、ファン角度φにある検出器ピクセルiにおいて、管が異なる位置(-θ、0、θ)に配置されるとき、測定された経路長は次の式(14)、式(15)及び式(16)で与えられる。
Figure 2022158914000017
Figure 2022158914000018
Figure 2022158914000019
ここで、「x1=θ-φ」、「x2=θ+φ」である。一実施形態において、φの典型的な範囲は、0~25度の間であることができ、θは、スラブの厚さの間隔に応じて、20から60度の間で選択され得る。このパークアンドシュート方式を使用することにより、殆どの検出器チャネルの経路長サンプルを3倍にすることができるため、同じ又はより広い経路長範囲をカバーするために必要な較正スラブの数を大幅に減らすことができる。上記と同じ計算方法に従って、管を4つ以上の位置に停止させて、較正サンプルをさらに増やすこともできる。ワイドコーンシステムの場合、較正経路長は、チャネル方向及び行方向の両方で投影された角度に基づいて計算する必要がある。
一実施形態において、スラブは平坦であり、較正の間は水平に保たれる。これは、経路長の不確実性を低減/制御するためである。別の実施形態では経路長が既知であり、制御されている限り、スラブは必ずしも平坦又は水平である必要はない。例えば、スラブは、平坦な板である場合に限らず、柱体や錐体、多面体といった形状であっても構わない。即ち、スラブの形状については、経路長を求めることが可能であり、照射角度に応じてパス長が変わる形状である限りは、特に限定されるものではない。また、スラブは、高さ方向に異なる複数の幅を有するように構成されてもよい。一例を挙げると、スラブは、幅の異なる複数の板を積み重ねて構成されてもよい。また、スラブは、水平に配置される場合に限らず、垂直に配置したり、傾斜した状態で配置したりしてもよい。
さらに、一実施形態において、各スラブは単一の物質で構成されている。別の実施形態において、スラブは必ずしも単一の物質からなる必要はない。例えば、スラブは複数の物質を含むことができるであろう。スラブの物質の例には、ポリプロピレン、水、アルミニウム、チタン/銅、組織サロゲート、他のポリマー、ステンレス鋼又は他の金属、kエッジ物質、及び様々な組織模倣物質が含まれる。スラブを複数の物質で構成する場合において、スラブは、第1の物質から成る第1の部材と第2の物質から成る第2の部材とを組み合わせて構成されてもよいし、一部が第1の物質であって他の部分が第2の物質である単一の部材により構成されてもよい。
少なくとも1つのスラブはまた、1つ又は複数の物質から複数の経路長を取得するために様々な方法で配置することができる。例えば、患者の寝台が放射線撮影ガントリ内を移動するときにスキャンするために、複数のスラブを患者の寝台に沿って隣接して並べることができる。複数のスラブは、複数の物質で同じ高さ、同じ物質で複数の高さ、又は複数の物質で複数の高さにすることができる。別の例示的実施形態において、スラブは、CT装置の視野内に保持及び吊り下げることができる(例えば、ロボットアームを使用して)。別の例示的実施形態では、複数のスラブを、各2つの隣接するスラブ間におけるz方向のシフトで整列させることができる。スラブがスキャン視野に出入りするときに、複数の段階的な経路長データを連続的に取得できる。
一実施形態において、上記の技術は、CT装置又はスキャナに適用できることを理解することができる。図11は、CT装置又はスキャナに含まれる水平X線撮影ガントリの実装を示している。図11に示すように、放射線撮影ガントリ1150(側面から示される)は、X線管1151、環状フレーム1152、及び多列又は二次元アレイ型X線検出器1153を含んでいる。X線管1151及びX線検出器1153は、回転軸RAの周りで回転可能に支持された環状フレーム1152上のオブジェクトOBJ(例えば、患者)を横切って、直径方向に取り付けられる。回転ユニット1157は、オブジェクトOBJ(例えば、患者)が軸RAに沿って図示のページに出入りしている間、環状フレーム1152を0.4秒/回転のような高速で回転させる。
本発明によるX線CT装置の実施形態を、添付図面の図を参照して以下に説明する。なお、X線CT装置には様々な種類の装置、例えば、X線管及びX線検出器が検査されるオブジェクトの周りを一緒に回転する回転/回転式装置や、多くの検出素子がリング又は平面の形で配列されて、X線管のみが検査されるオブジェクトの周りを回転する静止/回転式装置などが含まれる。本発明は、何れのタイプにも適用することができる。ここでは、現在主流となっている回転/回転型を例示する。
マルチスライスX線CT装置は、X線管1151がX線を生成するように、スリップリング1158を介してX線管1151に印加される管電圧を生成する高電圧発生装置1159をさらに含む。X線検出器1153は、オブジェクトOBJ(例えば、患者)を透過した放出X線を検出するために、オブジェクトOBJ(例えば、患者)を横切るX線管1151の反対側に配置される。X線検出器1153は、個々の検出器要素又はユニットをさらに含み、また光子計数検出器であり得る。第4世代の幾何学システムでは、X線検出器1153は、オブジェクトOBJ(例えば、患者)の周りに360°の配置で配置された複数の検出器のうちの1つであり得る。
CT装置は、X線検出器1153からの検出された信号を処理するための他の装置をさらに含む。データ取得回路又はデータ取得システム(DAS)1154は、各チャネルのX線検出器1153から出力された信号を電圧に変換し、信号を増幅し、さらに信号をデジタル信号に変換する。X線検出器1153及びDAS1154は、回転ごとの所定の投影の総数(Total Number Of Projections Per Rotation:TPPR)を処理するように構成される。
上記のデータは、非接触型データ送信機1155を介して、放射線撮影ガントリ1150の外側のコンソールに収容されている処理装置1156に送信される。処理装置1156は、生データに対して感度補正等の特定の補正を実行する。メモリ1162は、結果として得られたデータ(これは再構成処理の直前の段階で投影データとも呼ばれる)を記憶する。メモリ1162は、再構成装置1164、入力装置1165、及びディスプレイ1166と共に、データ/制御バス1161を介してシステムコントローラ1160に接続される。システムコントローラ1160は電流レギュレータ1163を制御し、これはCTシステムを駆動するため十分なレベルに電流を制限する。一実施形態において、システムコントローラ1160は、上記のように、最適化されたスキャン取得パラメータを実装する。再構成装置1164は、方法600のような上記技術を実行するように構成された回路を含むことができる。再構成装置1164は、処理部の一例である。
本明細書に記載の方法及びシステムは、多くの技術で実施することができるが、一般には、本明細書に記載の技術を実行するためのイメージング装置及び/又は処理回路に関する。一実施形態において、前記処理回路は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、汎用論理アレイ(Generic Array Of Logic:GAL)、プログラマブル論理アレイ(Programmable Array Of Logic :PAL)1回限りのプログラム可能性を可能にする論理ゲート(例えば、ヒューズを使用)又は再プログラム可能な論理ゲートの回路の1つとして、又はそれらの組み合わせとして実装される。さらに、前記処理回路は、本明細書に記載のプロセスを実行するように前記コンピュータプロセッサを制御するためのコンピュータ命令(バイナリ実行可能命令及び/又は解釈されたコンピュータ命令)を格納する、埋め込まれた及び/又は外部の不揮発性コンピュータ可読メモリ(例えば、RAM、SRAM、FRAM(登録商標)、PROM、EPROM、及び/又はEEPROM)を有するコンピュータプロセッサ回路を含むことができる。コンピュータプロセッサ回路は、単一のコア又は複数のコアを有する単一のプロセッサ又は複数のプロセッサを実装することができ、当該プロセッサの各々が単一のスレッド又は複数のスレッドをサポートし、その各々が単一のコア又は複数のコアを有する単一のプロセッサ又は複数のプロセッサを実装することができる。
この開示は、以下の主要な構成要素を備えたフルサイズ光子計数CTシステムのための2段階物質弁別較正方法及び装置設計を提示した。即ち、既知の物質及び厚さのスラブは、第3世代PCDベースのCTシステムにおける2段階物質弁別較正に使用される。検出器の表面全体をカバーする適切なサイズの選択された各物質のスラブは較正スキャンに使用され、スキャン中には前記スラブを水平にする必要があり得る。複数のX線管固定位置を使用する静的スキャンスキームは、スラブの厚さごとに較正経路長のサンプルを増やすように設計され、様々な厚さ及び物質のスラブをZ方向に積み重ねて、較正手順を高速化できる。較正経路長の範囲は、標的のスキャンオブジェクトのサイズ/形状をカバーするように設計される。較正経路長のサンプル又は範囲は、ファンビーム全体の全ての検出器チャネルで同じにすることができる。又は、サンプルのサブグループを使用して、様々な検出器チャネルのオブジェクトスキャンの経路長範囲を標的にすることができる。較正に使用されるサンプル及び結果のテーブルは、イメージングタスク固有のものにすることができる。静的較正スキャン及び回転オブジェクトスキャンのシャドウの違いを修正するために、同じデータ取得条件でのエアスキャンは、各回転速度での検出幾何学的効率係数を抽出する機能であるが、管側の参照検出器を使用して従来のCTシステムの方法と同様に管フラックスの正規化を提供する。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、X線スキャナシステムにおける較正方法を効率化することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1150:放射線撮影ガントリ
1164:再構成装置

Claims (14)

  1. X線スキャナシステムの視野内に少なくとも1つのスラブを配置し、
    前記X線スキャナシステムにおいて、前記スラブに対する照射角度が異なる複数の位置に配置されるX線管を用いて前記スラブをスキャンし、
    前記スキャンに基づいて物質弁別データを生成し、
    前記物質弁別データに基づいて、前記X線スキャナシステムのフォワードモデルを較正する
    ことを含む、較正方法。
  2. 前記スラブは、前記照射角度に応じてパス長が変わる形状を有する、請求項1に記載の較正方法。
  3. 前記X線管を少なくとも1つの回転速度で使用して、少なくとも1回のエアスキャンに基づいてエア較正データを生成し、
    前記物質弁別データおよび前記エア較正データに基づいて、前記X線スキャナシステムのフォワードモデルを較正すること
    を含む、請求項1に記載の較正方法。
  4. 前記スキャンは、前記照射角度が異なる複数の位置の各々において、前記X線管の位置を固定した状態で実施される、請求項1に記載の較正方法。
  5. 前記物質弁別データは、加重ビン応答及びパルスパイルアップ補正項を含む、請求項1に記載の較正方法。
  6. 前記フォワードモデルは、加重ビン応答、パルスパイルアップ補正項、前記スラブにおける少なくとも1つの線形減衰係数、前記スラブにおける少なくとも1つの経路長、及び、エア較正データを含む、請求項1に記載の較正方法。
  7. 前記スラブは、前記X線スキャナシステムの視野内に水平に配置される、請求項1に記載の較正方法。
  8. 前記スラブは、前記照射角度の各々において少なくとも一部のX線パスが前記スラブを通過するように配置される、請求項1に記載の較正方法。
  9. 前記X線スキャナシステムの前記フォワードモデルの前記較正後に、オブジェクトをスキャンすることを更に含む、請求項1に記載の較正方法。
  10. 前記スラブは、複数の物質で構成される、請求項9に記載の較正方法。
  11. 前記X線スキャナシステムは、光子計数CTスキャナシステムである、請求項1に記載の較正方法。
  12. 前記スラブは、複数の高さを有する、請求項1に記載の較正方法。
  13. 前記スラブは、高さ方向に異なる複数の幅を有する、請求項1に記載の較正方法。
  14. X線スキャナシステムの視野内に配置された少なくとも1つのスラブと、
    前記X線スキャナシステムにおいて、前記スラブに対する照射角度が異なる複数の位置に配置されるX線管を用いて前記スラブをスキャンし、
    前記スキャンに基づいて物質弁別データを生成し、
    前記物質弁別データに基づいて、前記X線スキャナシステムのフォワードモデルを較正する処理部と
    を備える、X線スキャナシステム。
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