JP2022155794A - 車両駆動装置 - Google Patents

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広明 三治
Hiroaki Mitsuharu
雄亮 吉田
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Abstract

【課題】動力伝達機構の回転軸部材にパーキングギヤが嵌合される構成において、パーキングギヤに係る歯の軸方向位置の設計自由度を高める。【解決手段】回転電機と、回転電機により発生される回転トルクに基づく動力を車輪に伝達する動力伝達機構と、動力伝達機構に含まれる回転軸部材の回転をロックするパーキングロック機構とを備え、パーキングロック機構は、回転軸部材と一体に回転するように回転軸部材に圧入嵌合されるパーキングギヤを含み、パーキングギヤ及び回転軸部材は、それぞれ、圧入嵌合部の軸方向全長及び周方向全周にわたって、スプラインを有することなく、径方向の締め代を有する、車両駆動装置が開示される。【選択図】図5

Description

本開示は、車両駆動装置に関する。
回転電機により発生される回転トルクに基づく動力を車輪に伝達する動力伝達機構における回転軸部材にパーキングロック機構のパーキングギヤが嵌合される技術が知られている。
特開2004-175261号公報
パーキングギヤと回転軸部材との嵌合構造としては、一般的に、スプラインによる圧入が採用される。スプラインによる圧入を採用した嵌合構造は、信頼性が高いものの、スプライン加工で必要となる逃げ部(切削刃を逃がすための逃げ部)に起因して、嵌合構造の軸方向全長のうちの、パーキングギヤに係る歯を設定できる軸方向位置(荷重点直下の軸方向範囲)に制約が生まれやすいという問題がある。すなわち、径方向に視て逃げ部と重なる軸方向位置に歯を設定すると、荷重点直下の軸方向範囲に逃げ部が位置することになり、パーキングギヤのたわみ等の強度上の問題が生じやすい。
このように、パーキングギヤと回転軸部材との嵌合構造として、スプラインによる圧入を採用すると、パーキングギヤに係る歯の軸方向位置の設計自由度が低下する傾向がある。
そこで、1つの側面では、本開示は、動力伝達機構の回転軸部材にパーキングギヤが嵌合される構成において、パーキングギヤに係る歯の軸方向位置の設計自由度を高めることを目的とする。
1つの側面では、回転電機と、
前記回転電機により発生される回転トルクに基づく動力を車輪に伝達する動力伝達機構と、
前記動力伝達機構に含まれる回転軸部材の回転をロックするパーキングロック機構とを備え、
前記パーキングロック機構は、前記回転軸部材と一体に回転するように前記回転軸部材に圧入嵌合されるパーキングギヤを含み、
前記パーキングギヤ及び前記回転軸部材は、それぞれ、圧入嵌合部の軸方向全長及び周方向全周にわたって、スプラインを有することなく、径方向の締め代を有する、車両駆動装置が提供される。
1つの側面では、本開示によれば、動力伝達機構の回転軸部材にパーキングギヤが嵌合される構成において、パーキングギヤに係る歯の軸方向位置の設計自由度を高めることが可能となる。
回転電機及び動力伝達機構を含む車両用駆動システムのスケルトン図である。 車両駆動装置の要部を概略的に示す断面図である。 図2のQ1部の拡大図である。 入力軸の一例を示す斜視図である。 パーキングギヤと入力軸との嵌合構造の断面図である。 パーキングギヤの荷重点直下の軸方向範囲の説明図である。 比較例によるパーキングギヤと入力軸との圧入嵌合部の断面図である。 図7の一部を拡大した図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、また、図面内の形状等は、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。
以下では、まず、本実施例による車両駆動装置17が好適に適用可能な車両用駆動システム100について説明し、本実施例による車両駆動装置17について説明する。
[駆動システム全体]
図1は、回転電機1及び動力伝達機構7を含む車両用駆動システム100のスケルトン図である。図1には、X方向と、X方向に沿ったX1側とX2側が定義されている。X方向は、第1軸A1の方向(以下、「軸方向」とも称する)に平行である。
図1に示す例では、車両用駆動システム100は、車輪の駆動源となる回転電機1と、回転電機1と車輪Wとを結ぶ動力伝達経路に設けられた動力伝達機構7と、を備える。動力伝達機構7は、入力部材3と、カウンタギヤ機構4と、差動歯車機構5と、左右の出力部材6A、6Bと、を備える。
入力部材3は、入力軸31と、入力ギヤ32とを有する。入力軸31は、第1軸A1まわりに回転する回転部材である。入力ギヤ32は、回転電機1からの回転トルク(駆動力)をカウンタギヤ機構4に伝達するギヤである。入力ギヤ32は、入力部材3の入力軸31と一体的に回転するように、入力部材3の入力軸31に設けられる。
カウンタギヤ機構4は、動力伝達経路において、入力部材3と差動歯車機構5との間に配置される。カウンタギヤ機構4は、カウンタ軸41と、第1カウンタギヤ42と、第2カウンタギヤ43とを有する。
カウンタ軸41は、第2軸A2まわりに回転する回転部材である。第2軸A2は、第1軸A1に平行に延在する。第1カウンタギヤ42は、カウンタギヤ機構4の入力要素である。第1カウンタギヤ42は、入力部材3の入力ギヤ32と噛み合う。第1カウンタギヤ42は、カウンタ軸41と一体的に回転するように、カウンタ軸41に連結される。
第2カウンタギヤ43は、カウンタギヤ機構4の出力要素である。本実施例では、一例として、第2カウンタギヤ43は、第1カウンタギヤ42よりも小径に形成される。第2カウンタギヤ43は、カウンタ軸41と一体的に回転するように、カウンタ軸41に設けられる。
差動歯車機構5は、その回転軸心としての第3軸A3上に配置される。第3軸A3は、第1軸A1に平行に延在する。差動歯車機構5は、回転電機1の側から伝達される駆動力を、左右の出力部材6A、6Bに分配する。差動歯車機構5は、差動入力ギヤ51を備え、差動入力ギヤ51は、カウンタギヤ機構4の第2カウンタギヤ43と噛み合う。また、差動歯車機構5は、差動ケース52を備え、差動ケース52内には、ピニオンシャフトや、ピニオンギヤ、左右のサイドギヤ等が収容される。左右のサイドギヤは、それぞれ、左右の出力部材6A、6Bと一体的に回転するように連結される。
左右の出力部材6A、6Bのそれぞれは、左右の車輪Wに駆動連結される。左右の出力部材6A、6Bのそれぞれは、差動歯車機構5によって分配された駆動力を車輪Wに伝達する。なお、左右の出力部材6A、6Bは、2つ以上の部材により構成されてもよい。
このようにして回転電機1は、動力伝達機構7を介して車輪Wを駆動する。ただし、他の実施例では、遊星歯車機構のような他の減速機構が利用されてもよい。
[車両駆動装置]
図2は、車両駆動装置17の要部を概略的に示す断面図である。図3は、図2のQ1部の拡大図である。図3には、Z方向と、Z方向に沿ったZ1側とZ2側が定義されている。Z方向は軸方向に垂直な方向であり、上下方向に対応する。ここでは、Z1側を上側とし、Z2側を下側とする。ただし、Z方向は、重力方向に厳密に平行である必要はなく、重力方向に対して若干傾斜する方向であってもよい。
車両駆動装置17は、ケース2内に収容される回転電機1及び動力伝達機構7を備える。
ケース2は、例えばアルミ等により形成されてよい。ケース2は、鋳造等により形成できる。ケース2は、モータケース250と、カバー部材252と、ギヤケース部材254とを含む。
モータケース250は、回転電機1を収容するモータ収容室SP1を形成する。なお、モータ収容室SP1は、回転電機1(及び/又は動力伝達機構7)を冷却及び/又は潤滑するための油を含む油密空間であってよい。モータケース250は、回転電機1の径方向外側を囲繞する周壁部を有する形態である。モータケース250は、複数の部材を結合して実現されてもよい。
図2及び図3に示す例では、モータケース250は、モータ収容室SP1とギヤ収容室SP2とを軸方向に仕切る隔壁部2500を有する。隔壁部2500は、カバー部材252の底部2521(後述)と軸方向に対向する。
隔壁部2500におけるX方向X1側には、ギヤケース部材254との結合部2502や、ベアリング241を支持するベアリング支持部2504等が形成されている。ベアリング支持部2504は、隔壁部2500におけるX方向X1側の中央部(第1軸A1を中心とした部分)に、X方向X1側に突出する態様で形成される。なお、ベアリング支持部2504は、第1軸A1を中心として同芯に形成される。
カバー部材252は、モータケース250のX方向X2側に結合される。カバー部材252は、モータ収容室SP1におけるX方向X2側を覆うカバーの形態である。この場合、カバー部材252は、モータケース250のX方向X2側の開口部を完全に又は略完全に閉塞する態様で覆ってもよい。なお、モータ収容室SP1のX方向X2側の一部は、カバー部材252により形成されてもよい。
カバー部材252には、ロータ310を回転可能に支持するベアリング240が設けられる。すなわち、カバー部材252は、ベアリング240を支持するベアリング支持部2524を有する。
ベアリング240は、図3に示すように、ロータシャフト314のX2側の端部における径方向外側に設けられる。具体的には、ベアリング240は、アウタレースの径方向外側がカバー部材252に支持され、インナレースの径方向内側がロータシャフト314の外周面に支持される。
図2及び図3に示す例では、カバー部材252は、第1軸A1を中心とした円形状の底部2521と、底部2521の外周縁からX方向X1側へと突出する周壁部2522とを含み、周壁部2522のX方向X1側の端面がモータケース250に結合されている。底部2521におけるX方向X1側の中央部(第1軸A1を中心とした部分)には、X方向X1側に突出する円筒状のベアリング支持部2524が形成される。なお、ベアリング支持部2524は、第1軸A1を中心として同芯に形成される。
また、底部2521におけるX方向X1側の中央部(第1軸A1を中心とした部分)には、図3に示すように、円筒状のベアリング支持部2524の径方向内側に、軸方向突出部2525が形成される。軸方向突出部2525は、底部2521におけるX方向X1側の中央部(第1軸A1を中心とした部分)に、X方向X1側に突出する態様で形成される。軸方向突出部2525には、ロータシャフト314の中空内部314A(軸心油路83)に油を供給する第1油路81及び第2油路82が形成されてよい。
ギヤケース部材254は、動力伝達機構7を収容するギヤ収容室SP2を形成する。なお、ギヤ収容室SP2は、モータ収容室SP1と連通する油密空間であってよい。ギヤケース部材254は、モータケース250のX方向X1側に結合される。本実施例では、ギヤケース部材254は、隔壁部2500の結合部2502の合わせ面2502Aに軸方向に当接される態様で、モータケース250に結合される。ギヤケース部材254は、動力伝達機構7の径方向外側を囲繞する周壁部を有する態様で、ギヤ収容室SP2におけるX方向X1側を覆うカバーの形態である。ギヤケース部材254は、複数の部材を結合して実現されてもよい。なお、ギヤ収容室SP2のX方向X2側の一部は、モータケース250により形成されてもよい。
ロータ310は、ロータコア312と、ロータシャフト314とを備える。
ロータコア312は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板からなってよい。ロータコア312の内部には、永久磁石(図示せず)が埋め込まれてよい。あるいは、永久磁石(図示せず)は、ロータコア312の外周面に取り付けられてもよい。なお、永久磁石(図示せず)の配列等は任意である。ロータコア312は、ロータシャフト314の外周面に固定され、ロータシャフト314と一体となって回転する。
ロータシャフト314は、回転電機1の回転軸である第1軸A1を画成する。ロータシャフト314は、ロータコア312が固定される部分よりもX2側において、カバー部材252にベアリング240を介して回転可能に支持される。また、ロータシャフト314は、回転電機1のX方向X1側において、モータケース250の隔壁部2500にベアリング241を介して回転可能に支持される。このようにして、ロータシャフト314が軸方向両端で回転可能にケース2に支持されてよい。
本実施例では、ロータシャフト314は、ベアリング241を支持する。ロータシャフト314は、ベアリング241のインナレース(内輪)のX方向X2側に軸方向に当接する。ロータシャフト314は、ベアリング241のインナレースを介してX方向X2側に向かうスラスト荷重を受け持つ。ロータシャフト314は、ケース2の隔壁部2500と協動して、ベアリング241を嵌合する環状の空間を形成する。
ロータシャフト314は、X方向X1側で入力軸31に動力伝達可能に連結される。本実施例では、一例として、ロータシャフト314の内周面にはスプライン61が形成され、入力軸31の外周面に形成されるスプライン62と噛み合う態様で、スプライン嵌合される。
ロータシャフト314は、例えば中空管の形態であり、中空内部314Aを有する。中空内部314Aは、ロータシャフト314の軸方向の全長にわたり延在してよい。本実施例では、一例として、ロータシャフト314の内周面は、スプライン61が形成される区間を除いて、一定の内径を有する。ただし、他の実施例では、ロータシャフト314は、軸方向両端又は一端において小径化される形態であってよく、この場合、ロータシャフト314の内周面は、軸方向両端又は一端において、低減された内径を有してもよい。
ロータシャフト314の中空内部314Aは、軸心油路83として機能してもよい。すなわち、中空内部314Aには、カバー部材252の第1油路81及び第2油路82を介して油が供給されてもよい。この場合、ロータシャフト314が冷却されることで、ロータコア312(及び永久磁石が設けられる場合は永久磁石)を径方向内側から冷却することが可能である。
ロータシャフト314の中空内部314Aには、油溜め用の堰部89が形成されてもよい。すなわち、ロータシャフト314は、内周面に、周方向全周にわたって径方向内側に突出する堰部89を有してもよい。図2及び図3に示す例では、一例として、堰部89は、ロータシャフト314の中空内部314Aに嵌合される円環状のプラグにより形成されている。
ロータシャフト314には、ステータ320のコイルエンド部322A、322Bにそれぞれ油を吐出する径方向の油孔831A及び油孔831Bが形成されてよい。
油孔831Aは、コイルエンド部322Aに径方向に対向する開口を有し、軸心油路83内の油をコイルエンド部322Aに向けて供給してよい。なお、図2及び図3に示す例では、油孔831Aは、径方向に平行に直線状に延在するが、径方向に対して若干傾斜する斜め方向に直線状に延在してもよい。
油孔831Bは、コイルエンド部322Bに径方向に対向する開口を有し、軸心油路83内の油をコイルエンド部322Bに向けて供給してよい。なお、図2及び図3に示す例では、油孔831Bは、径方向に平行に直線状に延在するが、径方向に対して若干傾斜する斜め方向に直線状に延在してもよい。
ステータ320は、ステータコア321と、ステータコイル322とを備える。
ステータコア321は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板からなってよい。ステータコア321の内周部には、径方向内側に突出するティース(図示せず)が放射状に形成される。
ステータコイル322は、例えば断面平角状又は断面円形状の導体に絶縁被膜が付与された形態であってよい。ステータコイル322は、ステータコア321のティース(図示せず)まわりに巻装される。なお、ステータコイル322は、例えば、1つ以上の並列関係で、Y結線で電気的に接続されてもよいし、Δ結線で電気的に接続されてもよい。
ステータコイル322は、ステータコア321のスロットから軸方向外側に突出する部分であるコイルエンド部322A、322Bを有する。コイルエンド部322Aは、X1側に位置し、コイルエンド部322Bは、X2側に位置する。
動力伝達機構7は、ギヤ収容室SP2に配置される。動力伝達機構7の各構成要素は、図1を参照して上述した通りであるので、図2において同一の参照符号を付して、適宜、説明を省略する。
本実施例では、動力伝達機構7の入力軸31には、パーキングロック機構のパーキングギヤ36が取り付けられる。なお、パーキングロック機構は、パーキングギヤ36を回転可能な状態と回転不能な状態(ロック状態)とで切り替える機構(図示せず)を含む。パーキングロック機構の詳細は任意であり、例えば、特開2011-89597号公報に開示されるような原理を利用する機構であってもよい。なお、パーキングロック機構は、電動式であってもよいし、手動式であってもよい。
パーキングギヤ36は、第1軸A1まわりに回転する回転部材である。パーキングギヤ36は、入力部材3の入力軸31と一体的に回転するように、入力部材3の入力軸31に連結される。パーキングギヤ36は、軸方向で入力ギヤ32とベアリング241の間に配置される。
パーキングギヤ36は、X方向X2側がベアリング241のインナレースのX方向X1側に軸方向に当接する。また、パーキングギヤ36は、X方向X1側が入力軸31の入力ギヤ32(又はその近傍の部位)のX方向X2側に軸方向に当接する。この場合、入力軸31とロータシャフト314との間の軸方向の位置関係は、パーキングギヤ36のX方向X2側がベアリング241のインナレースのX方向X1側に軸方向に当接することで、定まる。また、この場合、入力軸31に発生するスラスト荷重は、パーキングギヤ36及びベアリング241を介して、ケース2で受けられる。
なお、本実施例では、堰部89を有することでスプライン61に係る嵌合部への油の供給が可能であり、これにより、入力軸31を中実の回転軸部材により実現することが可能である。この場合、入力軸31を中空の回転軸部材(すなわち油路を形成する中空内部を有する回転軸部材)により実現する場合に比べて、入力軸31の加工コストを低減できる。
次に、図4から図6を参照して、本実施例によるパーキングギヤ36と入力軸31との嵌合構造について詳説する。
図4は、入力軸31の一例を示す斜視図であり、図5は、パーキングギヤ36と入力軸31との圧入嵌合部90の断面図であり、図3の一部の断面図である。図6は、パーキングギヤ36の荷重点直下の軸方向範囲L5の説明図であり、図5の一部を拡大した図である。
本実施例では、パーキングギヤ36と入力軸31とは、スプラインによる圧入嵌合によることなく、圧入嵌合される。以下では、パーキングギヤ36と入力軸31との間の圧入嵌合部を、圧入嵌合部90と称する。
具体的には、入力軸31におけるパーキングギヤ36が嵌合される部位31A(以下、「雄嵌合部31A」と称する)の外周面は、図4に示すように、スプライン(軸方向の凸条部)を周方向全周にわたって有さない。すなわち、雄嵌合部31Aは、軸方向の嵌合範囲L4全長及び周方向全周にわたって、一定の外径を有する。なお、図4に示す例では、雄嵌合部31Aは、X方向X2側で隣接する部位よりもわずかに大きい外径を有する(図6も参照)。
また、パーキングギヤ36における入力軸31に嵌合される部位361(以下、「雌嵌合部361」と称する)の内周面は、スプライン用の軸方向の凸条部を周方向全周にわたって有さない。すなわち、雌嵌合部361は、軸方向の嵌合範囲L4全長及び周方向全周にわたって、一定の内径を有する。
このようにして本実施例では、パーキングギヤ36と入力軸31とは、それぞれ、圧入嵌合部90の軸方向全長及び周方向全周にわたって、スプライン用の軸方向の凸条部(歯)を有することなく、径方向の締め代を確保する。なお、この場合、径方向の締め代は、公差等を無視すると、周方向全周にわたって一定値(0よりも有意に大きい一定値)となる。
ここで、図7及び図8を参照して、比較例による圧入嵌合部90’と対比して、本実施例の効果を説明する。
図7は、比較例によるパーキングギヤ36’と入力軸31’との圧入嵌合部90’の断面図であり、図5との対比用に、図5と同様の部分を示す。図8は、パーキングギヤ36’の荷重点直下の軸方向範囲L5の説明図であり、図7の一部を拡大した図である。
比較例によるパーキングギヤ36’と入力軸31’との圧入嵌合部90’は、一般的に採用される形態であり、スプラインによる圧入嵌合により実現される。このようなスプラインによる圧入嵌合部90’は、“発明が解決しようとする課題”の欄で説明したように、スプライン加工で必要となる逃げ部901(切削刃を逃がすための逃げ部)に起因して不都合が生じる。すなわち、図8に示すように、入力軸31’のスプライン91’を加工により形成する際に、切削刃を逃がすための逃げ部901が形成されると、圧入嵌合部90’の軸方向全長のうちの、パーキングギヤ36’に係る歯362を設定できる軸方向位置(荷重点直下の軸方向位置)に制約が生まれやすいという問題がある。具体的には、径方向に視て逃げ部901と重なる軸方向位置に歯362を設定すると、荷重点直下の軸方向範囲L5内に逃げ部901が位置することになり、パーキングギヤ36’のたわみ等の強度上の問題が生じやすい。すなわち、入力軸31’における逃げ部901には荷重が伝わられないため、パーキングギヤ36’及び入力軸31’間における軸方向の荷重受け範囲が狭くなり、その分、比較的大きい応力がパーキングギヤ36’に生じやすくなる。
このような課題を回避するために、比較例では、スプラインの噛み合いが実現されている軸方向範囲L6内にパーキングギヤ36’に係る歯362の軸方向全体が位置するように、パーキングギヤ36’に係る歯362の軸方向位置が制約される。このように、比較例では、パーキングギヤ36’に係る歯362の軸方向位置の設計自由度が低下する傾向がある。
これに対して、本実施例によれば、スプライン91’のようなスプラインを形成しない入力軸31と、パーキングギヤ36とを圧入嵌合することで、圧入嵌合部90を実現するので、このような比較例で生じうる不都合を無くすことができる。すなわち、入力軸31には、スプライン91’のようなスプラインを形成しないことから、逃げ部901のような部位を形成する必要がない。従って、本実施例によれば、図6に示すように、パーキングギヤ36に係る歯362の軸方向位置を、入力ギヤ32に隣接する位置までX方向X1側に寄せても、荷重点直下の軸方向範囲L5内に、締め代を有する嵌合範囲L4全体を含ませることができる。
このようにして、本実施例によれば、動力伝達機構7の入力軸31にパーキングギヤ36が嵌合される構成において、パーキングギヤ36に係る歯362の軸方向位置の設計自由度を高めることができる。換言すると、本実施例によれば、パーキングギヤ36に係る歯362の軸方向位置に応じて、荷重点直下の軸方向範囲L5内に、締め代を有する嵌合範囲L4を容易に設定できる。
なお、パーキングギヤ36に係る歯362の軸方向位置は、パーキングギヤ36に係合する構成要素を有するパーキングロック機構(図示せず)の配置に応じて、その最適な位置が決まる傾向がある。基本的に、パーキングギヤ36に係る歯362の軸方向位置は、パーキングロック機構(図示せず)の軸方向位置に近い方が望ましい。
例えば、図5及び図6に示すようなパーキングギヤ36に係る歯362の軸方向位置(例えば歯362の軸方向範囲のうちの、最もX方向X2側の位置)は、モータケース250の結合部2502の合わせ面2502A(図3参照)よりもX方向X1側に位置するので、モータケース250の結合部2502の合わせ面2502AよりもX方向X1側にパーキングロック機構(図示せず)の構成要素が位置する場合に好適である。
このようにして、本実施例によれば、パーキングギヤ36に係る歯362の軸方向位置の設計自由度を高めることで、パーキングロック機構(図示せず)の軸方向位置の設計自由度を高めることもできる。
また、本実施例では、上述したように、パーキングギヤ36は、第1軸A1まわりに設けられるので、例えば第2軸A2まわりに設けられる場合に比べて、パーキングギヤ36にかかる負荷が低減される。すなわち、パーキングギヤ36は、減速機構であるカウンタギヤ機構4のカウンタ軸41よりも上流側(動力伝達経路で回転電機1に近い側)の入力軸31に配置されるので、外部等からの回転トルクに起因してパーキングギヤ36にかかる負荷を低減できる。従って、本実施例によれば、例えば登降坂等の環境下でも特段の問題が生じないよう締め代を、パーキングギヤ36と入力軸31との圧入嵌合部90において容易に確保できる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。また、各実施例の効果のうちの、従属項に係る効果は、上位概念(独立項)とは区別した付加的効果である。
例えば、上述した実施例では、パーキングギヤ36は、入力軸31上の、軸方向で入力ギヤ32とベアリング241の間に配置されるが、これに限られない。例えば、パーキングギヤ36は、入力軸31上の、軸方向でベアリング242と入力ギヤ32との間に配置されてもよい。この場合、パーキングギヤ36は、X方向で反転した形状を有してよく、ベアリング242のインナレースにX方向X2側から軸方向に当接されてもよい。また、この場合、ベアリング241のインナレースには、入力軸31に周方向に沿って形成可能な径方向外側の凸部等がX方向X1側から軸方向に当接されてもよい。
また、上述した実施例では、好ましい例として、パーキングギヤ36は入力軸31上に設けられるが、カウンタ軸41のような他の回転軸部材に同様の態様で圧入嵌合されてもよい。
1・・・回転電機、2・・・ケース(支持部材)、250・・・モータケース(第1支持部材)、254・・・ギヤケース部材(第2支持部材)、2502A・・・合わせ面、4・・・カウンタギヤ機構(減速機構)、7・・・動力伝達機構、31・・・入力軸(回転軸部材)、32・・・入力ギヤ(動力伝達用ギヤ)、36・・・パーキングギヤ、90・・・圧入嵌合部、320・・・ステータ、322・・・ステータコイル、310・・・ロータ、314・・・ロータシャフト、241・・・ベアリング(第1ベアリング)、242・・・ベアリング(第2ベアリング)、SP1・・・モータ収容室(収容室)

Claims (5)

  1. 回転電機と、
    前記回転電機により発生される回転トルクに基づく動力を車輪に伝達する動力伝達機構と、
    前記動力伝達機構に含まれる回転軸部材の回転をロックするパーキングロック機構とを備え、
    前記パーキングロック機構は、前記回転軸部材と一体に回転するように前記回転軸部材に圧入嵌合されるパーキングギヤを含み、
    前記パーキングギヤ及び前記回転軸部材は、それぞれ、圧入嵌合部の軸方向全長及び周方向全周にわたって、スプラインを有することなく、径方向の締め代を有する、車両駆動装置。
  2. 前記動力伝達機構は、前記回転軸部材に動力伝達可能に接続される減速機構を含み、
    前記回転軸部材は、前記回転電機のロータシャフトと同軸に配置される、請求項1に記載の車両駆動装置。
  3. 前記回転軸部材は、支持部材に、それぞれ、軸方向の前記回転電機に近い側で第1ベアリングを介して、軸方向の前記回転電機から遠い側で第2ベアリングを介して、回転可能に支持され、
    前記動力伝達機構は、前記回転軸部材と一体に回転するように前記回転軸部材に設けられる動力伝達用ギヤを含み、
    前記パーキングギヤは、軸方向で前記第1ベアリングと前記動力伝達用ギヤの間に位置付けられる、請求項2に記載の車両駆動装置。
  4. 前記パーキングギヤに係る歯の軸方向位置は、前記圧入嵌合部の軸方向範囲内でありかつ前記動力伝達用ギヤに隣接する、請求項3に記載の車両駆動装置。
  5. 前記支持部材は、前記回転電機の収容室を形成する第1支持部材と、前記動力伝達機構の収容室を形成する第2支持部材とを含み、
    前記第1支持部材と前記第2支持部材は、軸方向に合わせられる合わせ面を有し、
    前記パーキングギヤに係る歯は、軸方向で前記合わせ面よりも前記回転電機から遠い側に配置される、請求項3又は4に記載の車両駆動装置。
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