JP2022155515A - パッケージ、方法および使用 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明の目的は、使い捨ての実験室用消耗品の既知のパッケージにおける問題の少なくともいくつかを解決することである。【解決手段】本発明の例示的な態様によれば、箱形パッケージであって、ベースと、前記パッケージを閉じるために前記ベース上に配置されるように構成されたカバーと、を備え、ここで、前記パッケージの閉じられた構成において、前記ベースと前記カバーとの間のインターフェースは気密性を有し、前記ベースおよび／または前記カバーは、特に閉じられた構成において、前記パッケージへの、空気などのガスの取り入れおよび排出ができる１つまたは複数のガス透過可能ゾーンを備える、箱形パッケージが提供される。【選択図】図１Ａ

Description

本発明は、使い捨て実験用消耗品のパッケージ、特に使い捨てピペットチップ用パッケージに関する。

使い捨てピペットチップのパッケージは、通常、それ自体気密性を有さない。代わりに、例えばバッグまたはパウチの形態で前記パッケージを柔軟なプラスチック材料で包み、包囲することによって、内容物の純度が、確保される。

よく使用される包装方法の一つに、チップ箱の周囲にしっかり密閉されたプラスチックバッグが形成されるフローパック（flowpack）プロセスがある。フローパックプロセスの欠点は、バッグの内部に残った空気が高温や低圧で膨張し、それによりバッグが破裂することである。このような問題は、特に滅菌中および高所へ輸送中に発生する。さらに、フローパックのバッグは、コントロールされた方法で開封することが困難であるため、開封状況において内容物の汚染リスクが高まるという欠点がある。

圧力および温度変動の際の可撓性バッグの膨張に関する問題は、包装材の製造において、例えばシュリンクラッププロセスを用いることによって回避することができる。シュリンクラッププロセスでは、薄いプラスチックフィルムが熱によってチップパッケージの周囲で収縮される。前記シュリンクラップフィルムには多数の小さな穴が開いており、収縮の過程でこの穴から包装材内部の空気が抜けていく。シュリンクラップバッグはフローパックバッグに比べ開封しやすく、また、フィルムに空いた穴から空気が抜けるため、圧力変動による膨張がない。ただし、シュリンクラップバッグは、気密性を提供または内容物の純度を確保するものではない。

気密性を提供するために、チップパッケージのベースとカバーとの間に軟質材を配置することが知られている。

特許文献１（欧州特許第１５１４６０２号明細書）は、閉じた箱を提供するベースと蓋とを備える、ピペットチップ用のスタンドを開示する。前記ベースと前記蓋との間には充填物（packing）があり、この充填物は、それによって構成される接合部の周りに延在し、前記ベースおよび前記蓋に使用される材料よりも軟らかい材料から作製されている。

欧州特許第１５１４６０２号明細書

内容物の高い純度を確保する改良されたパッケージが、必要とされている。

パッケージの輸送および滅菌など、使用中の圧力や温度の変動に関連する問題を回避する必要性が、存在する。

ガス滅菌プロセスによって簡単かつ確実に滅菌できるパッケージが、必要とされている。

本発明の目的は、使い捨ての実験室用消耗品の既知のパッケージにおける問題の少なくともいくつかを解決することである。

発明の概要
本発明は、独立請求項の特徴によって定義される。いくつかの特定の実施形態は、従属請求項に定義される。

本発明の第１の態様によれば、箱形のパッケージであって、ベースと、前記パッケージを閉じるために前記ベース上に配置されるように構成されたカバーと、を備え、前記パッケージの閉じられた構成において、前記ベースと前記カバーとの間のインターフェースが気密性を有し、前記ベースおよび／または前記カバーが、特に閉じられた構成において前記パッケージへの、空気などのガスの取り入れおよび排出ができる、１つまたは複数のガス透過可能ゾーンを備える、パッケージが提供される。

第１の態様の様々な実施形態は、以下の箇条書きされたリストからの少なくとも１つの特徴を含み得る。
－少なくとも前記ガス透過可能ゾーンの外側では、前記ベースの材料、および前記カバーの材料は、プラスチック材料を含む。
－１つまたは複数の前記ゾーンは、微生物を透過しない。
－例えば前記パッケージの保管、輸送および／または滅菌の際、前記ゾーンは、閉じられた構成において、前記パッケージの内部と前記パッケージの周囲との間に圧力差が生じるのを防止するように構成されている。
－前記ゾーンは、特に閉じられた構成において、前記パッケージの内部と前記パッケージの周囲との間の圧力差および／または湿度差を低減するように構成されている。
－ 前記ゾーンの材料は、パッケージの他の部分の材料よりも、酸素および窒素などのガスに対する透過性が高く、それにより、前記パッケージは、閉じられた構成において、主に前記ゾーンを介して、好ましくは前記ゾーンのみを介して、ガスを透過させる。
－前記ゾーンの材料は、紙ベースの材料、タイベック（Tyvek）の群から選択されるうちの１つまたは複数を含む。
－前記ゾーンの材料は、通気性のある不織布材料を含む。
－前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンは、好ましくは柔軟で通気性のある布の形態における、高密度スパンボンドポリエチレンを含む。
－閉じられた構成において、前記１つまたは複数のゾーンは、前記ベースと前記カバーとの間の前記インターフェースから分離している。
－前記１つまたは複数のゾーンの外側では、前記ベースおよび前記カバーは、前記パッケージへのガスの取り入れ、または前記パッケージからのガスの排出ができない。
－前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンは、フィルム材料で構成されている。
－前記ベースの材料および前記カバーの材料は、少なくとも前記１つまたは複数のゾーンの外側では、ポリプロピレンなどの熱可塑性材料を含むか、またはその熱可塑性材料からなる。
－前記パッケージは、４つの横側壁と底面とを有し、開かれた構成において開口上端部を有する箱形ベース；および、４つの横側壁と上面とを有し、開かれた構成において開口底端部を有する箱形カバー、を備える。
－前記パッケージは、液体処理装置用の使い捨てチップを受容し、保持するように適合された開口部を含み、通常、前記ベースの内部に配置されるプレート状チップトレイを備える。
－前記パッケージは、前記ベースの前記開口上端部の周縁部上にある第１シール要素、および／または、前記カバーの前記開口底端部の周縁部上にある第２シール要素、を備える。
－前記パッケージの閉じられた構成において、前記カバーは前記ベース上にあり、前記ベースの開口端部および前記カバーの開口端部は対向し、前記ベースの周縁部および前記カバーの周縁部は、前記第１シール要素および／または前記第２シール要素を介して互いに係合する。
－前記ゾーンは、前記ベースの横側壁、前記ベースの底面、前記カバーの横側壁、および前記カバーの上面のうちの１つ以上に配置されている。
－少なくとも１つのゾーンは、前記ベースの底面に配置されている。
－前記第１シール要素および／または第２シール要素は、前記パッケージの閉じられた構成において、前記ベースと前記カバーとの間のインターフェースを気密密閉するように構成される。
－前記シール要素は、前記ベースの開口上端部の全周縁部上におよび沿って、および／または前記カバーの開口下端部の全周縁部上におよび沿って、延在する。
－前記シール要素は、前記ベースおよび／または前記カバーと一体化されている。
－前記シール要素は、別個の着脱可能な部分（単数または複数）を構成する。
－前記シール要素の材料は、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性加硫物、スチレンブロックコポリマー、およびそれらの組合せの群から好ましくは選択される熱可塑性エラストマー材料を含む、または熱可塑性エラストマー材料から構成されている。
－前記パッケージは、気密再密閉可能であり、前記第１シール要素および／または第２シール要素は、前記パッケージの繰り返し封鎖時に前記ベースと前記カバーとの間のインターフェースを繰り返し気密密閉するように構成される。
－前記パッケージは、ピペットなどの液体処理装置用の、使い捨てチップを含む。
－前記チップは、前記ベースの内部に配置されているプレート状に形成されたチップトレイによって、支持されている。
－前記チップは、前記チップトレイにおけるそれぞれの開口部に挿入されている。

本発明の第２態様によれば、液体処理装置用のプラスチック製使い捨てチップを好ましくは含む、第１態様によるパッケージを提供するステップ；一般に閉じられた構成において、例えばガス滅菌プロセスまたは放射線滅菌プロセスによって、前記パッケージを滅菌するステップ、を含む方法が提供される。

第２の態様の様々な実施形態は、以下の箇条書きされたリストからの少なくとも１つの特徴を含み得る。
－滅菌は、ガス滅菌プロセスによって行われる。
－滅菌（sterilizing）ガスとして、殺菌（bacteriacidal）ガスが使用される。
－前記ゾーンは、殺菌ガスに対して透過性を有する。
－前記滅菌は、滅菌ガスとして酸化エチレンを使用するガス滅菌プロセスによって行われる。
－前記ゾーンは、酸化エチレンに対して透過性を有する。
－前記ゾーンは、前記滅菌プロセスで殺菌ガスが死滅させることができる微生物を、透過しない。
－滅菌ステップの後、および前記パッケージを開封した後、前記カバーを閉じて前記パッケージを閉じられた構成に戻すことにより、気密再密閉が可能である。

本発明の第３の態様によれば、第１態様によるパッケージを滅菌するための、ガス滅菌または放射線滅菌の使用が提供される。

本発明は、多くの利点を提供する。

本発明のいくつかの実施形態は、パッケージの内容物に対して高レベルの純度を確保する。

本発明のいくつかの実施形態は、滅菌ガスが前記パッケージの内部に到達でき、前記パッケージの内容物に接触できるように、効果的にガス滅菌できるパッケージを提供する。

本発明のいくつかの実施形態は、通気性がある（ガス透過可能）と同時に、微生物などの空気由来の汚染物質を透過しないパッケージを、提供する。

本発明では、前記パッケージを包囲するプラスチック袋だけでなく、前記パッケージ自体によって、汚染バリア特性が提供されるため、前記パッケージの保管の際にも内容物の汚染を低減することができる。本発明のいくつかの実施形態では、プラスチック袋から取り出され、開封され、部分的に消費されたパッケージは、前記パッケージのカバーを閉じることによって再び気密密閉され得る。

本発明により、製造温度より低い温度で、または製造時の周囲圧力より高い周囲圧力で、気密密閉された包装を開封する場合に発生しうる問題を、回避できる。完全にガス密封されたパッケージでは、パッケージ内の低圧により、パッケージの開封が難しくなる。しかし、本発明では、パッケージが通気性を有しているため、そのような圧力差を均一化し、開封を容易にする。

本発明の１つの実施形態によるパッケージを、分解図として示す図である。 本発明の１つの実施形態によるパッケージを、分解図として示す図である。 本発明の別の実施形態によるパッケージを、分解図として示す図である。 本発明の別の実施形態によるパッケージを、分解図として示す図である。 図１Ｂのパッケージを、開かれた構成で三次元図として示す図である。 閉じられた構成における、三次元図としての図１Ｂのパッケージを示す図である。 閉じられた構成における、三次元図としての図１Ｂのパッケージを示す図である。 図１Ｂのパッケージを、二次元投影図として示す図である。 図１Ｂのパッケージを、二次元投影図として示す図である。 図１Ｂのパッケージを、二次元投影図として示す図である。 図１Ｂのパッケージを、二次元投影図として示す図である。

定義

本文脈において、用語「微生物バリア」は、材料または層を介する微生物の移動に対するバリアを提供する、材料または層を指す。

本明細書において、「気密密閉される」という用語は、気密性の高い密閉または封鎖を指す。

本明細書において、用語「ガス滅菌」は、殺菌ガスによる滅菌を指す。ガス滅菌は、通常、熱および湿気に敏感な品目に使用される。酸化エチレンは最もよく使用されるガスであり、二酸化炭素またはフッ化炭化水素で希釈されることもある。ガス滅菌は、バクテリアの細胞内の化学基とガスとの間の化学反応によって行われる。ガス滅菌に影響を与える要因としては、少なくとも暴露時間、ガス濃度、ガスの浸透性、ならびに滅菌槽の温度および湿度が挙げられる。自動制御の酸化エチレン滅菌器は、通常、約または少なくとも５４℃の温度に加熱される。３５～７０％のレベルの湿度が、通常使用される。

本文脈において、用語「放射線滅菌」は、滅菌対象物に放射線を照射することにより滅菌することを指す。

本発明は、高い純度レベルおよび滅菌性を必要とする使い捨て実験消耗品のための改良されたパッケージを、提供する。

驚くべきことに、制御された透過性を前記パッケージに付与することにより、前記パッケージの通常の使用中に多くの利点が得られうることが、発見された。特に、前記パッケージにガス透過可能ゾーンの組み込むことと、カバーとベースのインターフェースのガス気密性を向上させることにより、効率的に滅菌され、実験作業の過程で気密再密閉され得るパッケージが、提供される。

いくつかの実施形態において、本発明は、箱形パッケージであって、ベースと、前記パッケージを閉じるために前記ベース上に配置されるように構成されたカバーと、を備え、前記パッケージの閉じられた構成において、前記ベースと前記カバーとの間のインターフェースは気密性を有し、前記ベースおよび／または前記カバーは、ガスに対して透過性を有する材料を含む１つまたは複数のガス透過可能ゾーンを備え、閉じられた構成において、前記ガス透過可能ゾーンが、前記パッケージに空気などのガスを通過させることができる、箱形パッケージを、提供する。

いくつかの実施形態では、前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンは、ガスに対して透過性を有するフィルムなどの材料を含むか、またはその材料からなる。好ましくは、前記ガス透過可能ゾーンの外側では、前記ベースの材料および前記カバーの材料は、プラスチック材料もしくはプラスチック複合材料を含むか、またはそのプラスチック材料もしくはプラスチック複合材料からなる。

好ましくは、前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンは、微生物を透過しない。

好ましくは、前記ベースおよび／または前記カバーは、ガスに対して透過性を有し、微生物を透過しない材料を含む、１つまたは複数のガス透過可能ゾーンを、備える。

１つの実施形態において、前記ガス透過可能ゾーンは、例えばパッケージの保管、輸送および／または滅菌の際、閉じられた構成における前記パッケージの内部と前記パッケージの周囲との間の圧力差の発生を防止するように構成される。

１つの実施形態において、前記ゾーンは、特に閉じられた構成において、前記パッケージの内部と前記パッケージの周囲との間の圧力差および／または湿度差を低減するように構成される。典型的には、最終的な圧力差および／または湿度差の均一化は、閉じられた構成において、前記ガス透過可能ゾーンを主にまたはそれのみを介して生じる。

前記ガス透過可能ゾーンは、好ましくは水蒸気に対して透過性を有し、典型的にはポリプロピレンが有するものより、水蒸気に対して、より透過性を有する。

１つの実施形態において、前記ガス透過可能ゾーンは、前記パッケージの他の部分の材料よりも、酸素および窒素などのガスに対して、より透過性を有し、そのことによって前記パッケージは、閉じられた構成において、前記ガス透過可能ゾーンを主にまたはそれのみを介してガスを透過させる。

１つの実施形態において、閉じられた構成において、前記パッケージは、前記ガス透過可能ゾーンのみを介してガスを透過させる。

前記ガス透過可能ゾーンは、好ましくは酸素および窒素に対して透過性を有し、典型的にはポリプロピレンが有するものよりも、酸素および窒素に対して、より透過性を有する。

１つの実施形態において、閉じられた構成において、前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンは、前記ベースと前記カバーとの間のインターフェースから分離されている。典型的には、前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンは、前記インターフェースの気密密閉を妨害しないように、前記インターフェースおよびシール要素（１つまたは複数）から距離を置いて前記パッケージ構造内に配置される。

いくつかの実施形態では、前記ガス透過可能ゾーンは、特定のガスを選択的に透過させ、汚染物質の通過を阻止するように構成されているバリア要素を、備える。

前記ガス透過可能ゾーンを介したガスに対する透過性により、好ましくは、前記パッケージが通気性を有するようになる。前記ガス透過可能ゾーンを介してガスを通過させることにより、前記カバーと前記ベースとの間のインターフェースを介した制御不能なガス漏れや、パッケージの内部空間と周囲との間の圧力差の発生など、周囲の圧力変動に起因する悪影響を低減させることができる。

前記ガス透過可能ゾーンをガスが通過することにより、滅菌ガスがパッケージの内部に入り、ピペットチップなどの滅菌されるべき物品に接触することができるので、内容物の効果的なガス滅菌を可能にできる可能性がある。

いくつかの実施形態において、前記ガス透過可能ゾーンは、多孔質紙ベース材料などの通気性材料を含む。

いくつかの実施形態において、前記ガス透過可能ゾーンは、非コーティングまたはコーティングされたタイベック、非コーティングまたはコーティングされた医療グレード紙のうちの１つまたは複数の材料を含む。

１つの実施形態において、前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンは、タイベック製のフィルターとして構成される。

１つの実施形態において、前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンは、好ましくは柔軟で通気性のある布の形態における、高密度スパンボンドポリエチレンを含む。

タイベックが通気性材料であるため、前記パッケージが膨張することを防止しながら、前記パッケージ内の物品の汚染を防止するのに十分なバリアを提供するので、タイベックは、有益な材料である。タイベックは、ＨＤＰＥ（high-density polyethylene，高密度ポリエチレン）繊維を含む。その多孔性繊維構造によって、当該材料が依然として良好な微生物バリアを提供しながら、滅菌に使用されるガスおよび蒸気が当該材料を通過することが可能になる。

別の実施形態では、前記ガス透過可能ゾーンは、医療グレードの紙、好ましくは滅菌グレードの医療グレードの紙から作製されている。好ましくは、前記医療グレードの紙は、基本重量として表される、少なくとも７０ポンドなどの、例えば３５～１００ポンドである、少なくとも３５ポンドの坪量を有する。

１つの実施形態では、前記ガス透過可能ゾーンの材料の坪量は、３０～１７０ｇ／ｍ^２の範囲であり、１つの例では１２０ｇ／ｍ^２未満、例えば１００ｇ／ｍ^２未満である。

１つの実施形態において、前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンの材料の厚さは、１ｍｍ未満などの、例えば０．１～１ｍｍである、２ｍｍ未満である。

射出成形による前記パッケージの製造の際に、インモールドラベリング（in-mould labeling（ＩＭＬ））プロセスによって、前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、前記パッケージの材料に取り付けられ得る。あるいは、前記ガス透過可能ゾーンは、前記パッケージの他の部分の射出成形ステップの後に、別の溶接ステップにおいて取り付けられ得る。

いくつかの実施形態において、前記ガス透過可能ゾーンは、前記ベースの材料および前記カバーの材料よりも、大気ガスおよび水分に対する透過性が高い。

いくつかの実施形態において、前記ガス透過可能ゾーンは、少なくとも以下の大気ガス：窒素、酸素、二酸化炭素、水蒸気、に対して透過性を有する。

いくつかの実施形態において、前記ガス透過可能ゾーンは、微生物バリアとして機能する。

微生物バリア性能は、以下の規格:ＡＳＴＭ Ｆ１６０８およびＡＳＴＭ Ｆ２６３８、好ましくは後者の規格、によって測定され得る。

１つの実施形態において、少なくとも１つのガス透過可能ゾーンは、前記ベースおよび／または前記カバーに配置されている。好ましくは、少なくとも１つのガス透過可能ゾーンは、前記ベースの底面に配置されるが、その理由は、このように配置すると、保管または輸送中の前記ゾーンの機能および構造が乱されにくくなり、ダメージを受けにくくなる可能性があるからである。

前記ガス透過可能ゾーンの総面積は、パッケージの外面（すなわち、横側壁、ならびにカバーとベースの上面および底面）の総面積の、１０％未満などの、好ましくは５０％未満である。このようにすることで、パッケージ構造の十分な剛性を確保することができる。

前記ガス透過可能ゾーンの総面積は、好ましくは、前記パッケージの外面（すなわち、横側壁、ならびにカバーとベースの上面および底面）の総面積の、少なくとも１％などの、少なくとも０．１％、例えば、１～１０％などの、少なくとも５％である。こうすることにより、前記パッケージの内部と周囲との間の圧力差および／または湿度差の効率的な均一化が、確保され得る。

１つの例示的な実施形態において、前記パッケージは、４つの横側壁および底面を有する箱形のベースを備え、前記ベースは、カバーによって覆われるように適合されている開口端部（開口上部）を有する。前記カバーもまた箱形であり、４つの横側壁と上面とを備え、カバーもまた開口端部（開口底部）を有する。前記パッケージの閉じられた構成では、前記ベースおよび前記カバーの開口端部は、対向するように配置される。

前記パッケージは、通常、液体処理装置用の使い捨てチップを保管することを目的としている。そのような実施形態において、前記パッケージは、使い捨てチップを受容し保持するように適合された開口部を有する、プレート状に形成されたチップトレイ、を備える。前記チップトレイは、前記ベースの底面に対して平行である。前記開口部は、通常、マトリクスレイアウトになっている。前記チップトレイは、前記ベースに固定され、その中の前記チップと共に、閉じられた構成において前記ベースと前記カバーとによって包囲される。前記チップトレイは、例えば、前記ベースの内面に固定されるか、または、前記ベースの内面によって支持され得る。

好ましくは、前記パッケージは、前記ベースの開口端部の周縁部上にある第１シール要素および／または前記カバーの開口端部の周縁部上にある第２シール要素を、備える。前記シール要素は、前記パッケージの閉じられた構成において、前記ベースと前記カバーとの間に気密密閉を形成する。したがって、前記シール要素（単数または複数）は共に、前記ベースと前記カバーとの間のインターフェースおよび接触領域全体に沿って延在し、占有する。

従って、前記パッケージの閉じられた構成では、前記カバーは前記ベース上にあり、前記ベースの開口端部と前記カバーの開口端部は対向し、前記ベースの周縁部と前記カバーの周縁部は、前記第１シール要素および／または第２シール要素を介して互いに係合する。

前記ガス透過可能ゾーンは、前記ベースの横側壁、前記ベースの底面、前記カバーの横側壁、および前記カバーの上面のうちの１つまたは複数に配置され得る。

本発明のいくつかの実施形態では、前記パッケージは、前記パッケージの前記カバーと前記ベースとの間に気密シールまたは密閉シールを含む。前記パッケージは、前記カバーを前記ベース上に配置することによって閉じられる。前記気密シールは、前記カバーと前記ベースとの間のインターフェース（接触面上）に位置し、気密バリアを提供する。好ましくは、前記気密シールは、前記インターフェースにおいて、前記パッケージの内部空間と周囲との間の実質的にすべてのガス交換、特に、周囲空気中のガスおよび滅菌プロセスに使用されるガスの交換を、防止する。

シール要素（単数または複数）の材料は、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性加硫物、スチレンブロックコポリマーおよびそれらの組合せの群から好ましくは選択される、熱可塑性エラストマー材料を含むか、またはその熱可塑性エラストマー材料からなる。

本発明の１つの実施形態では、前記パッケージの前記カバーと前記ベースとの間のインターフェースを介したガスの漏れが、完全に防止される。漏れを防止するための手段は、好ましくは、弾性材料から作製されたシーリング材である。

前記パッケージは、通常、ベースと、カバーと、前記カバーを前記ベースに接続するヒンジと、閉じられた構成においてカバー－ベースインターフェースで前記パッケージが気密密閉されるように、パッケージが閉じられたときに前記カバーと前記ベースの間のインターフェース全体に気密シールを提供するために、前記カバーと前記ベースの対向する面の間に位置するように構成されるシール要素と、を備える。

前記シール要素は、前記ベースに、あるいは前記カバーに取り付けられ、一体化され得る。さらなる実施形態では、前記ベースおよび前記カバーの両方がシール要素を含み、２つのシール要素は、前記パッケージの閉じられた構成において互いに接触して対向するように構成される。

１つの実施形態において、前記ベースおよび前記カバーは、少なくとも１つのヒンジによって、好ましくは永久的に、互いに接続される。

１つの実施形態において、前記パッケージを開封した後、前記カバーを閉じて前記パッケージを閉じられた構成に戻すことにより、気密再密閉が可能である。

１つの実施形態では、前記パッケージの開封動作および気密封鎖動作を繰り返し行うことができる。

１つの実施形態では、前記シール要素は、パッケージの繰り返し封鎖時に前記ベースと前記カバーとの間のインターフェースを繰り返し気密密閉するように構成される。

前記カバーを前記ベース上に配置すると、気密性の高い封鎖が形成される。好ましくは、前記カバーと前記ベースを接続し、前記パッケージの封鎖時に前記カバーを前記ベース上の適切な方向に誘導するために、ヒンジが、提供される。

好ましくは、前記ヒンジの構造は、前記シールの信頼できる機能、特に、典型的には前記カバーの周縁部または前記ベースの周縁部またはかかる周縁部に取り付けられた第２のシールである、ターゲット表面全体との、前記シールの確実な接触を確保にするように、設計される。

さらに、前記パッケージは、閉じられた構成において、前記カバーを前記ベースにロックするためのロック機構を備え得る。

好ましくは、前記ベースおよび前記カバー、典型的には前記１つまたは複数のゾーンの少なくとも外側は、ポリプロピレンなどのプラスチック材料から作製されている。

１つの実施形態において、前記パッケージの材料の、少なくとも９５重量％などの少なくとも９０重量％は、プラスチック材料である。

１つの実施形態において、前記パッケージのすべての部分は、プラスチック材料から作製されている。

１つの実施形態において、前記ガス透過可能ゾーンを除く前記パッケージのすべての部分は、プラスチック材料またはプラスチック複合材料から作製されている。

１つの実施形態において、前記パッケージは、いかなる金属部品も含んでいない。

１つの実施形態において、前記パッケージの前記ベースおよび前記カバーは、剛構造、例えば、成形された構造を有する。

１つの実施形態において、閉じられた構成では、前記パッケージは、直方体または立方体の全体形状を有する。

１つの実施形態において、前記ベースおよび前記カバーは、射出成形によって製造される。

１つの実施形態において、前記ベースおよび前記カバーは、成形プロセスによって製造される。

本発明はまた、好ましくは液体処理装置用のプラスチック製使い捨てチップを含む、パッケージを提供するステップ；および、例えばガス滅菌プロセスまたは放射線滅菌プロセスによって前記パッケージを滅菌するステップ、を含む方法を提供する。

１つの実施形態において、前記パッケージは、液体処理装置用のプラスチック製使い捨てチップを含む。

１つの実施形態において、前記パッケージは、プラスチック製の実験用消耗品を含む。

いくつかの実施形態において、滅菌は、滅菌ガスとして殺菌ガスが使用されるガス滅菌プロセスによって行われ、前記ゾーンは、前記殺菌ガスに対して透過性を有する。前記殺菌ガスは、前記パッケージの内容物を滅菌するために、ガス透過可能ゾーンの材料を通過することができる。ガス透過可能ゾーンの存在により、前記パッケージの内部と前記パッケージの周囲との間に圧力差が生じない。前記パッケージが閉じられた構成であり、前記ベースと前記カバーの間のインターフェースが気密密閉されている場合に、滅菌を行うことができる。

いくつかの実施形態において、滅菌は、酸化エチレンが滅菌ガスとして使用されるガス滅菌プロセスによって行われ、前記ゾーンは、酸化エチレンに対して透過性を有する。

いくつかの実施形態において、前記ゾーンは、前記殺菌ガスが前記滅菌プロセス中に死滅させることができる微生物を、透過しない。

本発明はまた、前記パッケージを滅菌するためのガス滅菌または放射線滅菌の使用を、提供する。

本発明の通気性パッケージは、酸化エチレン滅菌、二酸化塩素滅菌、もしくは蒸気滅菌などのガス滅菌プロセス、および／または放射線滅菌プロセスにおいて有益であり得る。このような滅菌プロセスでは、前記プロセス中の最終的な圧力および温度の変動が均一化され、滅菌ガスが、妨げられることなくパッケージの内部に到達できることが、好都合である。

ガス滅菌の際、前記滅菌ガスは、前記パッケージの内部の微生物およびピペットチップなどの内容物の表面の微生物を死滅させるために、前記パッケージの内部に入り込み可能である必要がある。本発明により、滅菌ガスは、前記ガス透過可能ゾーンを透過してパッケージの内部に自由に入り込むことができる。好ましくは、前記ガス透過可能ゾーンは、少なくとも滅菌ガス酸化エチレンに対して透過性を有する。

前記パッケージが、好ましくは前記パッケージの異なる側部または面に、少なくとも２つのガス透過可能ゾーンを備えることは有益であり、その結果、前記パッケージへの滅菌ガスの拡散がより効果的に行われ、滅菌プロセスを、より迅速に実行することができる。１つの実施形態では、前記パッケージは、２～４個のガス透過可能ゾーンなどの、２～６個のガス透過可能ゾーンを備える。複数のガス透過可能ゾーンを前記パッケージの別々の面に配置することにより、前記面の１つが周囲のガス雰囲気に適切に曝されていない場合、または何らかの理由で一方のゾーンのガス透過可能性が低下または阻害された場合に、ガス交換が停止しないようにさせることが、可能である。

放射線滅菌の際、前記パッケージに照射される放射線は、前記パッケージ内の温度を上昇させ、それによって圧力も上昇する。圧力が高くなると、前記パッケージが破損したり、変形や漏れが生じたりして、前記パッケージ内部から空気が流出し、その後、放射線照射が停止して温度が下がると、前記パッケージ内部に汚染された空気が流入する可能性がある。また、前記パッケージを高所へ輸送した後、低所へ戻す場合にも、同様の問題が生じる可能性がある。本発明により、このような圧力差、およびそれに伴う変形や漏れを防止することができる。

好ましい実施形態では、前記ベース、前記カバーおよび前記ヒンジは、前記パッケージの閉じられた構成において、前記ベースと前記カバーとの間の前記シール要素に、均一な密閉圧力を与えるように構成される。このような均一な密閉圧力は、例えば、前記パッケージの構造の最終的な寸法変動を補うために、ヒンジの接合点に柔軟性を提供することによって、達成され得る。このような寸法変動は、例えば、前記パッケージの射出成形の結果として、また、温度変動の際にも生じる可能性がある。

１つの実施形態において、前記ベース、前記カバーおよびそれらの間の前記シールは、前記ベースおよび前記カバーの寸法における±１ｍｍまでの寸法変動にもかかわらず、前記インターフェースにおいて均一な密閉圧力を提供するように構成される。

いくつかの実施形態において、前記パッケージは、ダストバリアとして機能するシュリンクラップフィルムなどのプラスチックフィルム材料で、包まれ得る。

ここで図面について説明する。

図１Ａおよび図１Ｂは、本発明の少なくともいくつかの実施形態によるパッケージを、分解図として示している。

図１Ａに示すように、パッケージ１００は、ベース１０１と、前記ベース１０１に一体化されたシール要素１０２と、チップトレイ１０３と、カバー１０４とを備える。シール要素１０２は、周縁部の全長に沿って前記ベースの上端部の周縁部１０５（視認不可）に固定され、延在する。閉じられた構成では、前記ベースと前記カバーの周縁部１０５，１０６は、前記シール要素を介して互いに係合し、従って前記シール要素は、前記ベースと前記カバーとの間に気密密閉されたインターフェースを形成している。前記パッケージはさらに、前記ベースの底面に一体化されるように、正方形状のガス透過可能ゾーン１０７を備えている。チップトレイ１０３は、前記ベースによって、典型的には前記ベースの横側壁の、内面１０８ａなどの内面における適切な形状（図示せず）によって支持され、閉じられた構成において、前記パッケージの内部に配置される。前記チップトレイは、開口部１０９ａなどの開口部をマトリックスレイアウトで備え、この開口部は、プラスチック製ピペットチップなどの使い捨てチップを受容し、支持するように構成される。前記パッケージは、ヒンジ１１０ａ，１１０ｂおよびロック１１１をさらに備える。

図１Ｂは、図１Ａのパッケージ１００と、追加的に、前記パッケージに収容されチップトレイによって支持される使い捨てピペットチップ１１２と、を示している。

図２Ａおよび２Ｂに示す実施形態では、パッケージ２００は、別個のシール要素２０２を備え、このシール要素２０２は、閉じられた構成では、図１Ａおよび１Ｂのシール要素１０２と対応する様式でベース２０１とカバー２０４との間に位置するが、ベース２０１およびカバー２０４のそれぞれの周縁部２０５，２０６のいずれにも固定されない、別個の要素である。前記シール要素２０２は、前記ベースと前記カバーとの間に、閉じられた構成においてそれらが対向するように、気密密閉されたインターフェースを形成する。

図２Ｂは、図２Ａのパッケージ２００と、追加的に、パッケージ内に収容されチップトレイ２０３によって支持される使い捨てピペットチップ２１２と、を示す。

図３は、開かれた構成において、前記ピペットチップが前記チップトレイによって保持された状態で、図１Ｂのパッケージ１００を三次元図として示している。

図４Ａおよび図４Ｂは、閉じられた構成において、図１Ｂのパッケージ１００を三次元図として示す図である。図４Ｂは、前記ベースの底面におけるガス透過可能ゾーン１０７を示す。

図５Ａ～図５Ｄは、図１Ｂのパッケージ１００を、下方から（図５Ａ）、側方から（図５Ｂおよび５Ｃ）、および上方から（図５Ｄ）の二次元投影図として示し、全て閉じられた構成である。

開示された本発明の実施形態は、本明細書に開示された特定の構造、方法工程、または材料に限定されるものではなく、関連技術の当業者によって認識されるように、それらの同等物にまで拡張されるものであることが理解される。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ使用されており、限定を意図するものではないことも理解される。

本明細書を通して「１つの（one）実施形態」または「１つの（an）実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも１つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な場所での「１つの（one）実施形態において」または「１つの（an）実施形態において」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。

ここでの使用において、複数の品目、構造要素、成分要素、および／または材料は、便宜的に、共通のリストで提示され得る。ただし、これらのリストは、あたかも、リストの各メンバーが別体かつ固有のメンバーとして個別に識別されているかのように解釈されなければならない。したがって、そのようなリストのいかなる個々のメンバーも、別段の指示がない限り、共通のグループにおけるそれらの提示に基づいて、同じリストの任意のその他のメンバーの事実上の均等物として解釈されてはならない。更に、本発明の種々の実施形態および例は、ここで、その種々の構成要素に対する代替物と共に参照され得るものである。そのような実施形態、例および代替物は、互いの事実上の均等物として解釈されるべきではなく、本発明の別個で自律的な表現として解釈されなければならない。

更に、説明した特徴、構造、または特性は、１つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、長さ、幅、形状などの例など、多くの特定の詳細が提供されている。しかしながら、当業者は、本発明が１つ以上の特定の詳細なしで、または他の方法、構成要材料料などを用いて実施可能であることを認識するであろう。他の例では、本発明の態様を不明瞭化することを回避するために、周知の構造、材料、または動作は、詳細には図示または記載されていない。

上述の例は、一つまたは複数の具体的な用途における本発明の原理を説明するのに役立つものだが、当業者には、発明の能力を発揮することなく、かつ本発明の原理および概念から逸脱することなく、実装の形態、使用法および詳細における数多くの修正を行うことができることが明らかになるだろう。したがって、本発明が、以下に述べる請求項によって制限される場合を除いて、制限されることは意図していない。

動詞「備える」および「含む」は、本文書においては、記載されていない特徴構成の存在を除外しない、または、その存在を要件としないオープンな限定として使用されている。従属請求項に記載されている特徴は、特に銘記されない限り、互いに自由に組み合わせ可能である。更に、「１つ（a）」または「１つ（an）」、すなわち、単数形は、この文献全体を通じて、複数を除外するものではない。

本発明は、少なくとも、ピペットチップなどの制御された純度管理を必要とする包装品目に適用可能である。

１００，２００ パッケージ
１０１ ベース
１０２，２０２ シール要素
１０３，２０３ チップトレイ
１０４ カバー
１０５，２０５ ベースの周縁部
１０６，２０６ カバーの周縁部
１０７，２０７ ガス透過可能ゾーン
１０８ａ ベースの横側壁の内面
１０９ａ 開口部
１１０ａ，１１０ｂ ヒンジ
１１１ ロック
１１２，２１２ ピペットチップ

Claims (27)

1. 箱形のパッケージであって、
   ベースと、前記パッケージを閉じるために前記ベース上に配置されるように構成されたカバーと、を備え、
   前記パッケージの閉じられた構成において、前記ベースと前記カバーとの間のインターフェースが気密性を有し、
   前記ベースおよび／または前記カバーが、閉じられた構成において前記パッケージへの空気などのガスの取り入れおよび排出ができる、１つまたは複数のガス透過可能ゾーンを備え、
   前記ガス透過可能ゾーンの外側では、前記ベースの材料、および前記カバーの材料が、プラスチック材料を含む、パッケージ。
2. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、微生物を透過しない、請求項１に記載のパッケージ。
3. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、例えば前記パッケージの保管、輸送および／または滅菌の際、閉じられた構成において、前記パッケージの内部と前記パッケージの周囲との間に圧力差が生じるのを防止するように構成されている、請求項１または２に記載のパッケージ。
4. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、閉じられた構成において、前記パッケージの内部と前記パッケージの周囲との間の圧力差および／または湿度差を低減するように構成されている、請求項１～３の何れか１項に記載のパッケージ。
5. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、ガスに対する透過性を有するフィルム材料などの材料を含むか、またはその材料からなる、請求項１～４の何れか１項に記載のパッケージ。
6. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンの材料が、前記パッケージの他の部分の材料よりも、酸素および窒素などのガスに対する透過性が高い、請求項１～５の何れか１項に記載のパッケージ。
7. 前記パッケージが、閉じられた構成において、前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンのみを介して、ガスを透過させる、請求項１～６の何れか１項に記載のパッケージ。
8. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンの材料が、紙ベースの材料、タイベック（Tyvek）の群から選択されるうちの１つまたは複数を含む、請求項１～７の何れか１項に記載のパッケージ。
9. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、好ましくは柔軟で通気性のある布の形態における、高密度スパンボンドポリエチレンを含む、請求項１～８の何れか１項に記載のパッケージ。
10. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、閉じられた構成において、前記ベースと前記カバーとの間の前記インターフェースから分離している、請求項１～９の何れか１項に記載のパッケージ。
11. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンの外側では、前記ベースおよび前記カバーが、前記パッケージへのガスの取り入れ、または前記パッケージからのガスの排出ができない、請求項１～１０の何れか１項に記載のパッケージ。
12. 前記ベースの材料および前記カバーの材料が、ポリプロピレンなどの熱可塑性材料を含むか、またはその熱可塑性材料からなる、請求項１～１１の何れか１項に記載のパッケージ。
13. ４つの横側壁と底面とを有し、開かれた構成において開口上端部を有する箱形ベース、
    ４つの横側壁と上面とを有し、開かれた構成において開口底端部を有する箱形カバー、
    液体処理装置用の使い捨てチップを受容し、保持するように適合された開口部を含み、前記ベースの内部に配置されるプレート状チップトレイ、
    前記ベースの前記開口上端部の周縁部上にある第１シール要素、および／または、前記カバーの前記開口底端部の周縁部上にある第２シール要素、を備え、
    前記パッケージの閉じられた構成において、前記カバーが、前記ベース上にあり、前記ベースの開口端部および前記カバーの開口端部が対向し、前記ベースの周縁部および前記カバーの周縁部が、前記第１シール要素および／または前記第２シール要素を介して互いに係合し、
    前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、前記ベースの横側壁、前記ベースの底面、前記カバーの横側壁、および前記カバーの上面のうちの１つ以上に配置される、請求項１～１２の何れか１項に記載のパッケージ。
14. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、前記ベースの底面に配置されている、請求項１～１３の何れか１項に記載のパッケージ。
15. 前記第１シール要素および／または第２シール要素が、前記パッケージの閉じられた構成において、前記ベースと前記カバーとの間の前記インターフェースを気密密閉するように構成されている、請求項１～１４の何れか１項に記載のパッケージ。
16. 前記シール要素が、前記ベースの開口上端部の全周縁部上におよび沿って、ならびに／または前記カバーの開口下端部の全周縁部上におよび沿って、延在する、請求項１～１５の何れか１項に記載のパッケージ。
17. 前記シール要素が、前記ベースおよび／もしくは前記カバーと一体化され、または前記シール要素が、別個の着脱可能な部分（単数または複数）を構成する、請求項１～１６の何れか１項に記載のパッケージ。
18. 前記シール要素の材料が、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性加硫物、スチレンブロックコポリマー、およびそれらの組合せの群から好ましくは選択される熱可塑性エラストマー材料を含む、または熱可塑性エラストマー材料を含む、またはその熱可塑性エラストマー材料から構成されている、請求項１～１７の何れか１項に記載のパッケージ。
19. 前記パッケージが、気密再密閉可能であり、前記第１シール要素および／または第２シール要素が、前記パッケージの繰り返し封鎖時に前記ベースと前記カバーとの間の前記インターフェースを繰り返し気密密閉するように構成されている、請求項１～１８の何れか１項に記載のパッケージ。
20. 前記パッケージが、ピペットなどの液体処理装置用の、使い捨てチップを含み、前記チップが、前記ベースの内部に配置されているプレート状に形成されたチップトレイによって支持されており、前記チップが、前記チップトレイにおけるそれぞれの開口部に挿入されている、請求項１～１９の何れか１項に記載のパッケージ。
21. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンの材料が、紙ベースの材料、または高密度スパンボンドポリエチレンを含み、
    前記ガス透過可能ゾーンの外側では、前記ベースの材料、および前記カバーの材料が、熱可塑性材料を含み、
    前記パッケージが、液体処理装置用の使い捨てチップを含む、請求項１～２０の何れか１項に記載のパッケージ。
22. 液体処理装置用のプラスチック製使い捨てチップを好ましくは含む、請求項１～２１の何れか１項に記載のパッケージを提供するステップ、
    ガス滅菌プロセスまたは放射線滅菌プロセスによって、閉じられた構成において、前記パッケージを滅菌するステップ、を含む、方法。
23. 滅菌が、滅菌（sterilizing）ガスとして殺菌（bacteriacidal）ガスを使用するガス滅菌プロセスによって行われ、前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、殺菌ガスに対して透過性を有する、請求項２２に記載の方法。
24. 滅菌が、滅菌ガスとして酸化エチレンを使用するガス滅菌プロセスによって行われ、前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、酸化エチレンに対して透過性を有する、請求項２２または２３に記載の方法。
25. 前記１つまたは複数のガス透過可能ゾーンが、前記滅菌プロセスで殺菌ガスが死滅させることができる微生物を透過しない、請求項２２～２４の何れか１項に記載の方法。
26. 滅菌ステップの後、および前記パッケージを開封した後、前記カバーを閉じて前記パッケージを閉じられた構成に戻すことにより、気密再密閉が可能である、請求項２２～２５の何れか１項に記載の方法。
27. 請求項１～２１の何れか１項に記載のパッケージを滅菌するための、ガス滅菌または放射線滅菌の使用。

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