JP2022154000A - 太陽電池の製造方法および太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造プロセスの簡略化および太陽電池の低コスト化を図っても、太陽電池の性能低下の抑制が可能な太陽電池の製造方法を提供する。【解決手段】太陽電池の製造方法は、第1半導体層25および第2半導体層35の上に、透明電極層、金属電極層および導電性保護層の材料膜を形成する工程と、第1領域を第1非絶縁領域41aを除いて全体的に覆う第1絶縁層41、第2領域を第2非絶縁領域42aを除いて全体的に覆う第2絶縁層42を形成する工程と、第1非絶縁領域および第2非絶縁領域にコンタクト電極51,52を形成する工程と、第1絶縁層、第2絶縁層およびコンタクト電極をマスクとするエッチング法を用いて、透明電極層28,38、金属電極層29,39および導電性保護層27P,37Pを形成する工程とを含む。コンタクト電極形成工程では、粒子状の金属材料および樹脂材料を含む印刷材料を印刷して硬化または乾燥させる。【選択図】図2A

Description

本発明は、太陽電池の製造方法および太陽電池に関する。
特許文献1~3には、裏面電極型の太陽電池における2つの極性の電極と配線部材との接続に関する技術が開示されている。特許文献1および2には、裏面電極型の太陽電池において、
・第1電極および第2電極に交差する第1配線および第2配線を有し、
・第1配線は、第1電極と交差する点で第1電極と接続され、第2電極と交差する点で絶縁層によって第2電極と絶縁され、
・第2配線は、第2電極と交差する点で第2電極と接続され、第1電極と交差する点で絶縁層によって第1電極と絶縁される、
ことが記載されている。
また、特許文献3には、裏面電極型の太陽電池セルにおいて、
・p電極およびn電極に交差するp電極用配線およびn電極用配線を有し、
・裏面に絶縁樹脂が形成され、
・p電極用配線は、p電極と交差する点で絶縁樹脂の孔部の導電部材によってp電極と接続され、n電極と交差する点で絶縁樹脂によってn電極と絶縁され、
・n電極用配線は、n電極と交差する点で絶縁樹脂の孔部の導電部材によってn電極と接続され、p電極と交差する点で絶縁樹脂によってp電極と絶縁される、
ことが記載されている。
特開2018-133567号公報 特開2015-159286号公報 特開2014-127550号公報
本願発明者(ら)は、このような太陽電池の低コスト化の目的で、金属電極層の材料として、比較的に高価な公知のAgペーストに代えて、比較的に安価な金属、例えばCu(例えば、スパッタリング等のPVD法を用いて製膜後、ウエットエッチング)を用いることを考案している。なお、配線部材とのコンタクトを行う部分のみに、Agペーストからなるコンタクト電極を用いる。
また、本願発明者(ら)は、このような太陽電池の製造プロセルの簡略化の目的で、配線部材との絶縁およびコンタクトを確保するための絶縁層およびコンタクト電極(Agペースト)を、金属電極層(例えばCu)および透明電極層のウエットエッチングのレジストとして兼用することを考案している。
しかし、本願発明者(ら)の知見によれば、このような太陽電池およびその製造方法では、金属電極層および透明電極層のウエットエッチング後のアニール(加熱)の際に、金属電極層の金属成分、例えばCuが半導体基板に拡散することにより、太陽電池の性能が低下してしまう。
本発明は、製造プロセスの簡略化および太陽電池の低コスト化を図っても、太陽電池の性能低下の抑制が可能な太陽電池の製造方法および太陽電池を提供することを目的とする。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、半導体基板と、前記半導体基板の一方主面側の一部である第1領域に順に積層された第1導電型半導体層、第1透明電極層および第1金属電極層と、前記半導体基板の前記一方主面側の他の一部である第2領域に順に積層された第2導電型半導体層、第2透明電極層および第2金属電極層を備える裏面電極型の太陽電池の製造方法であって、前記半導体基板の前記一方主面側における前記第1導電型半導体層および前記第2導電型半導体層の上に、一連の透明電極層の材料膜を形成する透明電極層材料膜形成工程と、前記透明電極層の材料膜の上に、一連の金属電極層の材料膜を形成する金属電極層材料膜形成工程と、前記金属電極層の材料膜の上に、一連の導電性保護層の材料膜を形成する導電性保護層材料膜形成工程と、前記第1領域における前記導電性保護層の材料膜を第1非絶縁領域を除いて全体的に覆う第1絶縁層、および、前記第2領域における前記導電性保護層材料膜を第2非絶縁領域を除いて全体的に覆う第2絶縁層であって、互いに離間する前記第1絶縁層および前記第2絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記第1非絶縁領域および前記第2非絶縁領域にコンタクト電極を形成するコンタクト電極形成工程と、前記第1絶縁層、前記第2絶縁層および前記コンタクト電極をマスクとするエッチング法を用いて、前記導電性保護層の材料膜の露出部分、およびこの露出部分に対応する前記金属電極層の材料膜および前記透明電極層の材料膜を除去することにより、パターン化された前記第1透明電極層、前記第1金属電極層および第1導電性保護層と、パターン化された前記第2透明電極層、前記第2金属電極層および第2導電性保護層とを形成する透明電極層および金属電極層形成工程と、を含む。前記コンタクト電極形成工程では、粒子状の金属材料および樹脂材料を含む印刷材料を印刷して硬化または乾燥させることにより、前記コンタクト電極を形成し、前記透明電極層および金属電極層形成工程では、前記導電性保護層の材料膜が、前記コンタクト電極を介して侵入するエッチング溶液から、前記金属電極層、前記透明電極層、前記半導体層および前記半導体基板を保護する。
本発明に係る太陽電池は、半導体基板と、前記半導体基板の一方主面側の一部である第1領域に順に積層された第1導電型半導体層、第1透明電極層および第1金属電極層と、前記半導体基板の前記一方主面側の他の一部である第2領域に順に積層された第2導電型半導体層、第2透明電極層および第2金属電極層を備える裏面電極型の太陽電池であって、前記第1金属電極層の上に形成された第1導電性保護層と、前記第2金属電極層の上に形成された第2導電性保護層と、前記第1導電性保護層を第1非絶縁領域を除いて全体的に覆う第1絶縁層と、前記第2導電性保護層を第2非絶縁領域を除いて全体的に覆う第2絶縁層と、前記第1非絶縁領域および前記第2非絶縁領域に形成されたコンタクト電極であって、粒子状の金属材料および樹脂材料を含む印刷材料を印刷して硬化させてなる前記コンタクト電極と、を備える。
本発明によれば、製造プロセルの簡略化および太陽電池の低コスト化を図っても、太陽電池の性能低下を抑制することができる。
本実施形態に係る太陽電池を裏面側からみた図である。 図1の太陽電池におけるIIA-IIA線断面図である。 図1の太陽電池におけるIIB-IIB線断面図である。 本実施形態に係る太陽電池の製造方法における半導体層形成工程を示す図である。 本実施形態に係る太陽電池の製造方法における電極層材料膜形成工程、すなわち透明電極層材料膜形成工程、金属電極層材料膜形成工程および導電性保護層材料膜形成工程を示す図である。 本実施形態に係る太陽電池の製造方法における絶縁層形成工程を示す図である。 本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるコンタクト電極形成工程を示す図である。 本実施形態に係る太陽電池の製造方法における電極層形成工程、すなわち透明電極層形成工程、金属電極層形成工程および導電性保護層形成工程を示す図である。 比較例の太陽電池の断面図であって、図1におけるIIA-IIA線相当の断面図である。 比較例の太陽電池の断面図であって、図1におけるIIB-IIB線相当の断面図である。 比較例の太陽電池の製造方法における半導体層形成工程を示す図である。 比較例の太陽電池の製造方法における電極層材料膜形成工程、すなわち透明電極層材料膜形成工程および金属電極層材料膜形成工程を示す図である。 比較例の太陽電池の製造方法における絶縁層形成工程を示す図である。 比較例の太陽電池の製造方法におけるコンタクト電極形成工程を示す図である。 比較例の太陽電池の製造方法における電極層形成工程、すなわち透明電極層形成工程および金属電極層形成工程を示す図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。また、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。
(本実施形態の太陽電池)
図1は、本実施形態に係る太陽電池を裏面側からみた図である。図2Aは、図1の太陽電池におけるIIA-IIA線断面図であり、図2Bは、図1の太陽電池におけるIIB-IIB線断面図である。図1、図2Aおよび図2Bに示す太陽電池1は、裏面電極型(バックコンタクト型、裏面接合型ともいう。)であってヘテロ接合型の太陽電池である。
太陽電池1は、2つの主面を備える半導体基板11を備え、半導体基板11の主面において第1領域7と第2領域8とを有する。以下では、半導体基板11の主面のうちの受光する側の主面を受光面とし、半導体基板11の主面のうちの受光面の反対側の主面(一方主面)を裏面とする。
第1領域7は、帯状の形状をなし、Y方向(第2方向)に延在する。同様に、第2領域8は、帯状の形状をなし、Y方向に延在する。第1領域7と第2領域8とは、Y方向に交差するX方向(第1方向)に交互に設けられている。
太陽電池1は、半導体基板11の受光面側に順に積層されたパッシベーション層13および光学調整層15を備える。また、太陽電池1は、半導体基板11の裏面側の一部(第1領域7)に順に積層されたパッシベーション層23、第1導電型半導体層25、第1電極層27および第1絶縁層41を備える。また、太陽電池1は、半導体基板11の裏面側の他の一部(第2領域8)に順に積層されたパッシベーション層33、第2導電型半導体層35、第2電極層37および第2絶縁層42を備える。また、太陽電池1は、第1電極層27に対応する第1コンタクト電極51と、第2電極層37に対応する第2コンタクト電極52とを備える。
半導体基板11は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコン等の結晶シリコン材料で形成される。半導体基板11は、例えば結晶シリコン材料にn型ドーパントがドープされたn型の半導体基板である。なお、半導体基板11は、例えば結晶シリコン材料にp型ドーパントがドープされたp型の半導体基板であってもよい。n型ドーパントとしては、例えばリン(P)が挙げられる。p型ドーパントとしては、例えばホウ素(B)が挙げられる。半導体基板11は、受光面側からの入射光を吸収して光キャリア(電子および正孔)を生成する光電変換基板として機能する。
半導体基板11の材料として結晶シリコンが用いられることにより、暗電流が比較的に小さく、入射光の強度が低い場合であっても比較的高出力(照度によらず安定した出力)が得られる。
パッシベーション層13は、半導体基板11の受光面側に形成されている。パッシベーション層23は、半導体基板11の裏面側の第1領域7に形成されている。パッシベーション層33は、半導体基板11の裏面側の第2領域8に形成されている。パッシベーション層13,23,33は、例えば真性(i型)アモルファスシリコン材料を主成分とする材料で形成される。パッシベーション層13,23,33は、半導体基板11で生成されたキャリアの再結合を抑制し、キャリアの回収効率を高める。
光学調整層15は、半導体基板11の受光面側のパッシベーション層13上に形成されている。光学調整層15は、入射光の反射を防止する反射防止層として機能するとともに、半導体基板11の受光面側およびパッシベーション層13を保護する保護層として機能する。光学調整層15は、例えば酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、または酸窒化珪素(SiON)のようなそれらの複合物等の絶縁体材料で形成される。
第1導電型半導体層25は、パッシベーション層23上に、すなわち半導体基板11の裏面側の第1領域7に形成されている。一方、第2導電型半導体層35は、パッシベーション層33上に、すなわち半導体基板11の裏面側の第2領域8に形成されている。すなわち、第1導電型半導体層25および第2導電型半導体層35は、帯状の形状をなし、Y方向に延在する。第1導電型半導体層25と第2導電型半導体層35とは、X方向に交互に並んでいる。第2導電型半導体層35の一部は、隣接する第1導電型半導体層25の一部の上に重なっていてもよい(図示省略)。
第1導電型半導体層25は、例えばアモルファスシリコン材料で形成される。第1導電型半導体層25は、例えばアモルファスシリコン材料にp型ドーパント(例えば、上述したホウ素(B))がドープされたp型の半導体層である。
第2導電型半導体層35は、例えばアモルファスシリコン材料で形成される。第2導電型半導体層35は、例えばアモルファスシリコン材料にn型ドーパント(例えば、上述したリン(P))がドープされたn型の半導体層である。なお、第1導電型半導体層25がn型の半導体層であり、第2導電型半導体層35がp型の半導体層であってもよい。
第1電極層27は、第1導電型半導体層25上に、すなわち半導体基板11の裏面側の第1領域7に形成されている。一方、第2電極層37は、第2導電型半導体層35上に、すなわち半導体基板11の裏面側の第2領域8に形成されている。すなわち、第1電極層27および第2電極層37は、帯状の形状をなし、Y方向に延在する。第1電極層27と第2電極層37とは、X方向に交互に設けられている。
第1電極層27は、第1導電型半導体層25上に順に積層された第1透明電極層28、第1金属電極層29および第1導電性保護層27Pを有する。一方、第2電極層37は、第2導電型半導体層35上に順に積層された第2透明電極層38、第2金属電極層39および第2導電性保護層37Pを有する。
第1透明電極層28および第2透明電極層38は、透明な導電性材料で形成される。透明導電性材料としては、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムおよび酸化スズの複合酸化物)、ZnO(Zinc Oxide:酸化亜鉛)等が挙げられる。
第1金属電極層29および第2金属電極層39は、金属材料で形成される。金属材料としては、公知のAg粉末を含有する導電性ペースト材料と比較して安価な材料、例えばCu、Al等が用いられる。
第1導電性保護層27Pおよび第2導電性保護層37Pは、上述した第1透明電極層28および第2透明電極層38と同様に、透明な導電性材料で形成される。第1導電性保護層27Pは、コンタクト電極51,52の印刷の際に、印刷ダメージから金属電極層29を保護するように機能する。また、第1導電性保護層27Pは、金属電極層29,39および透明電極層28,38の同時エッチングおよびアニール(加熱)の際に、エッチング溶液から第1金属電極層29、第1透明電極層28、半導体層25,23および半導体基板11を保護するように機能する。同様に、第2導電性保護層37Pは、コンタクト電極51,52の印刷の際に、印刷ダメージから金属電極層39を保護するように機能する。また、第2導電性保護層37Pは、金属電極層29,39および透明電極層28,38の同時エッチングおよびアニール(加熱)の際に、エッチング溶液から第2金属電極層39、第2透明電極層38、半導体層35,33および半導体基板11を保護するように機能する。これらの機能の詳細は後述する。
これらの機能を実現するため、第1透明電極層28および第2透明電極層38は、アモルファス(非晶質)の透明導電膜であり、第1導電性保護層27Pおよび第2導電性保護層37Pは、結晶質の透明導電膜であると好ましい。結晶質の透明導電膜では、アモルファスの透明導電膜と比較して、例えば断面をTEM等で観察すると、膜中における結晶粒が占める領域が多い。そのため、結晶質の透明導電膜のエッチングレート(速度)は、アモルファスの透明導電膜のエッチングレート(速度)よりも低い(遅い)。
第1絶縁層41は、第1電極層27上に、すなわち半導体基板11の裏面側の第1領域7に形成されている。第2絶縁層42は、第2電極層37上に、すなわち半導体基板11の裏面側の第2領域8に形成されている。すなわち、第1絶縁層41および第2絶縁層42は、図1に示すように、帯状の形状をなし、Y方向に延在する。第1絶縁層41と第2絶縁層42とは、X方向に交互に設けられている。
第1絶縁層41は、第1非絶縁領域41aを除いて、第1電極層27を全体的に覆う。同様に、第2絶縁層42は、第2非絶縁領域42aを除いて、第2電極層37を全体的に覆う。
第1非絶縁領域41aは、第1絶縁層41で覆われておらず、第1電極層27を露出する開孔で構成される。第1非絶縁領域41aは、X方向(第1方向)に延在する第1直線X1上に配置されている。同様に、第2非絶縁領域42aは、第2絶縁層42で覆われておらず、第2電極層37を露出する開孔で構成される。第2非絶縁領域42aは、X方向(第1方向)に延在する第1直線X1と異なる第2直線X2上に配置されている。第1直線X1および第2直線X2は、第1電極層27および第2電極層37と交差し、Y方向(第2方向)に交互に並んでいる。
第1絶縁層41および第2絶縁層42の材料としては、例えば酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、または酸窒化珪素(SiON)のようなそれらの複合物等が挙げられる。また、例えばスクリーン印刷によって塗布し、焼成することができるエポキシ樹脂系またはレジンエステル系などの熱硬化性樹脂を用いることもできる。これらの樹脂に対して、印刷性向上または耐薬品性向上の目的で、シリカまたはタルクなどの無機系の粒子を混合してもよい。
第1絶縁層41の第1非絶縁領域41aには、第1コンタクト電極51が形成されており、第2絶縁層42の第2非絶縁領域42aには、第2コンタクト電極52が形成されている。すなわち、第1コンタクト電極51は、第1電極層27上に形成されており、第1直線X1上に配置されている。一方、第2コンタクト電極52は、第2電極層37上に形成されており、第2直線X2上に配置されている。
第1コンタクト電極51および第2コンタクト電極52は、Cu、Ag、Al等の粒子状の金属材料および樹脂材料を含む印刷材料、或いは金属材料および樹脂材料に加えて更に溶媒を含む印刷材料を印刷して硬化させてなる。これらの中でも、印刷材料としては、配線部材との接続のための半田とのコンタクト性の観点で、Agペースト材料が好ましい。
第1絶縁層41の第1非絶縁領域41aのY方向(第2方向)の幅、すなわち第1コンタクト電極51のY方向(第2方向)の幅は、第1配線部材91の幅よりも大きい。同様に、第2非絶縁領域42aのY方向(第2方向)の幅、すなわち第2コンタクト電極52のY方向(第2方向)の幅は、第2配線部材92の幅よりも大きい。例えば、第1非絶縁領域41aおよび第2非絶縁領域42aの幅、すなわち第1コンタクト電極51および第2コンタクト電極52の幅は、1mm以上50mm以下である。これによれば、配線部材接続時のアライメントのクリアランスを確保することができる。
図1、図2Aおよび図2Bに示すように、第1電極層27と第2電極層37とは、第1領域7と第2領域8との境界において分離している。すなわち、第1透明電極層28と第2透明電極層38とは離間しており、第1金属電極層29と第2金属電極層39とは離間しており、第1導電性保護層27Pと第2導電性保護層37Pとは離間している。また、第1絶縁層41と第2絶縁層42とは分離している。
第1透明電極層28と第2透明電極層38との間の領域、すなわち第1金属電極層29と第2金属電極層39との間の領域、換言すれば第1導電性保護層27Pと第2導電性保護層37Pと間の領域は、第1絶縁層41および第2絶縁層42で覆われていない。
第1導電性保護層27Pにおける第1金属電極層29と接する主面と反対側の主面は、第1絶縁層41で覆われている。同様に、第2導電性保護層37Pにおける第2金属電極層39と接する主面と反対側の主面は、第2絶縁層42で覆われている。一方、第1導電性保護層27Pの側面は第1絶縁層41で覆われていない。同様に、第2導電性保護層37Pの側面は第2絶縁層42で覆われていない。
また、第1金属電極層29の側面および第1透明電極層28の側面は、第1絶縁層41で覆われていない。同様に、第2金属電極層39の側面および第2透明電極層38の側面は、第2絶縁層42で覆われていない。
図1に示すように、第1配線部材91は、第1直線X1に沿ってX方向(第1方向)に延在する。同様に、第2配線部材92は、第2直線X2に沿ってX方向(第1方向)に延在する。すなわち、第1配線部材91および第2配線部材92は、第1電極層27および第2電極層37と交差し、Y方向(第2方向)に交互に並んでいる。
第1配線部材91は、第1絶縁層41の第1非絶縁領域41aにおける第1コンタクト電極51によって第1電極層27に電気的に接続され、第2絶縁層42によって第2電極層37と電気的に絶縁される。同様に、第2配線部材92は、第2絶縁層42の第2非絶縁領域42aにおける第2コンタクト電極52によって第2電極層37に電気的に接続され、第1絶縁層41によって第1電極層27と電気的に絶縁される。
第1配線部材91と第2配線部材92とのY方向の中心間隔(ピッチ)は、第1電極層27と第2電極層37とのX方向の中心間隔(ピッチ)よりも大きい。例えば、第1配線部材91と第2配線部材92との中心間隔(ピッチ)は、5mm以上50mm以下である。これによれば、電極層を流れる電流経路を短くすることができ、電極抵抗に起因する出力ロスを低減することができ、太陽電池の発電効率を向上することができる。
第1配線部材91および第2配線部材92としては、公知のタブ線等が挙げられる。
ここで、本願発明者(ら)は、このような太陽電池の低コスト化の目的で、金属電極層29,39の材料として、比較的に高価な公知のAgペーストに代えて、比較的に安価な金属、例えばCu(例えば、スパッタリング等のPVD法を用いて製膜後、ウエットエッチング)を用いることを考案している。なお、配線部材91,92とのコンタクトを行う部分のみに、Agペーストからなるコンタクト電極51,52を用いる。
また、本願発明者(ら)は、このような太陽電池の製造プロセルの簡略化の目的で、配線部材91,92との絶縁およびコンタクトを確保するための絶縁層41,42およびコンタクト電極51,52(Agペースト)を、金属電極層29,39(例えばCu)および透明電極層28,38のウエットエッチングのレジストとして兼用することを考案している。以下に、このような本願発明者(ら)の考案の太陽電池およびその製造方法について、比較例として説明する。
(比較例の太陽電池)
図4Aは、比較例の太陽電池の断面図であって、図1におけるIIA-IIA線相当の断面図であり、図4Bは、比較例の太陽電池の断面図であって、図1におけるIIB-IIB線相当の断面図である。図4Aおよび図4Bに示す比較例の太陽電池1Xは、図2Aおよび図2Bに示す太陽電池1と比較して、第1電極層27Xが第1導電性保護層27Pを備えていない点、および第2電極層37Xが第2導電性保護層37Pを備えていない点で、本実施形態と異なる。
(比較例の太陽電池の製造方法)
以下では、図5A~図5Eを参照して、比較例の太陽電池の製造方法について説明する。図5Aは、比較例の太陽電池の製造方法における半導体層形成工程を示す図であり、図5Bは、比較例の太陽電池の製造方法における電極層材料膜形成工程、すなわち透明電極層材料膜形成工程および金属電極層材料膜形成工程を示す図である。また、図5Cは、比較例の太陽電池の製造方法における絶縁層形成工程を示す図であり、図5Dは、比較例の太陽電池の製造方法におけるコンタクト電極形成工程を示す図である。また、図5Eは、比較例の太陽電池の製造方法における電極層形成工程、すなわち透明電極層形成工程および金属電極層形成工程を示す図である。図5A~図5Eでは、半導体基板11の裏面側を示し、半導体基板11の表面側を省略する。
まず、図5Aに示すように、半導体基板11の裏面側の一部に、具体的には第1領域7に、パッシベーション層23および第1導電型半導体層25を形成する(半導体層形成工程)。例えば、CVD法またはPVD法を用いて、半導体基板11の裏面側の全てにパッシベーション層材料膜および第1導電型半導体層材料膜を製膜した後、フォトリソグラフィ技術または印刷技術を用いて生成するレジスト、またはメタルマスク、を利用したエッチング法を用いて、パッシベーション層23および第1導電型半導体層25をパターニングしてもよい。
次に、半導体基板11の裏面側の他の一部に、具体的には第2領域8に、パッシベーション層33および第2導電型半導体層35を形成する(半導体層形成工程)。例えば、上述同様に、CVD法またはPVD法を用いて、半導体基板11の裏面側の全てにパッシベーション層材料膜および第2導電型半導体層材料膜を製膜した後、フォトリソグラフィ技術または印刷技術を用いて生成するレジスト、またはメタルマスク、を利用したエッチング法を用いて、パッシベーション層33および第2導電型半導体層35をパターニングしてもよい。
次に、図5Bに示すように、第1導電型半導体層25および第2導電型半導体層35上にこれらに跨って一連の透明電極層材料膜28Zを形成する(透明電極層材料膜形成工程)。透明電極層材料膜28Zの形成方法としては、例えばCVD法またはPVD法等が用いられる。
次に、透明電極層材料膜28Z上に、すなわち第1導電型半導体層25および第2導電型半導体層35に跨って一連の金属電極層材料膜29Z(例えばCu)を形成する(金属電極層材料膜形成工程)。金属電極層材料膜29Zの形成方法としては、例えばスパッタリング等のPVD法が用いられる。
次に、図5Cに示すように、透明電極層材料膜28Zおよび金属電極層材料膜29Zを介して第1導電型半導体層25上に、すなわち第1領域7に、第1非絶縁領域41aを除いて第1絶縁層41を形成する。また、透明電極層材料膜28Zおよび金属電極層材料膜29Zを介して第2導電型半導体層35上に、すなわち第2領域8に、第2非絶縁領域42aを除いて第2絶縁層42を形成する(絶縁層形成工程)。なお、第1絶縁層41と第2絶縁層42とは、互いに離間するように形成される。
第1絶縁層41および第2絶縁層42の形成方法としては、PVD法、CVD法、スクリーン印刷法、インクジェット法、グラビアコーティング法、またはディスペンサー法等が挙げられる。
次に、図5Dに示すように、第1絶縁層41の第1非絶縁領域41aに第1コンタクト電極51を形成し、第2絶縁層42の第2非絶縁領域42aに第2コンタクト電極52を形成する(コンタクト電極形成工程)。第1コンタクト電極51および第2コンタクト電極52の形成方法としては、スクリーン印刷法等の印刷法が挙げられる。例えば、Ag粒子および樹脂材料を含む印刷材料、或いはAg粒子および樹脂材料に加えて更に溶媒を含む印刷材料、すなわちAgペースト材料を印刷して硬化または乾燥させることにより、第1コンタクト電極51および第2コンタクト電極52を形成する。なお、乾燥とは、硬化温度よりも低い温度で、かつ硬化時間よりも短い時間で完全に硬化させない状態とすることである。
次に、図5Eに示すように、第1絶縁層41および第1コンタクト電極51、および第2絶縁層42および第2コンタクト電極52をマスクとするウエットエッチング法を用いて、金属電極層材料膜29Zおよび透明電極層材料膜28Zをパターニングすることにより、互いに分離された第1透明電極層28および第2透明電極層38、および、互いに分離された第1金属電極層29および第2金属電極層39を形成する(透明電極層形成工程および金属電極層形成工程)。これにより、第1電極層27Xおよび第2電極層37Xが形成される。このとき、第1絶縁層41および第2絶縁層42を除去せずに残す。その後、アニール(加熱)を行うことにより、比較例の太陽電池1Xが得られる。
金属電極層材料膜29Zおよび透明電極層材料膜28Zの同時エッチングのエッチング溶液としては、過硫酸アンモニウム(過硫安)等の酸化剤と塩酸(HCl)等の酸性溶液との混合溶液が挙げられる。
次に、半導体基板11の両面側をクリーニングする(洗浄工程)。洗浄工程では、例えばオゾン処理を行った後、フッ酸処理(フッ酸、またはフッ酸と他の種類の酸との混合物での処理)が行われる。
本願発明者(ら)の知見によれば、この比較例の太陽電池1Xの製造方法では、第1コンタクト電極51および第2コンタクト電極52の下の半導体基板11に局所的な物理的なダメージが生じてしまうことがあった。これは以下のように考察される。
コンタクト電極形成工程における例えばAgペーストのスクリーン印刷の際に、例えばCuからなる金属電極層材料膜29Zに局所的な物理的なダメージが生じてしまう。すると、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、アニール(加熱)の際に、Cuからなる金属電極層29,39のダメージ箇所に侵入し、透明電極層28,38を局所的に溶かし、半導体層25,23,35,33のダメージ箇所に侵入する。すると、金属電極層29,39の金属成分、例えばCuが半導体基板11に拡散する。これにより、太陽電池1Xの性能が低下してしまうことが考えられる。
また、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、アニール(加熱)の際に、Cuからなる金属電極層29,39をエッチングすることにより、Cuイオンが生じる。このCuイオンが、アニールの際に、例えば金属電極層29,39の表面を介して移動し、半導体基板11に拡散する。これにより、太陽電池1Xの性能が低下してしまうことが考えられる。
この点に関し、コンタクト電極形成工程における印刷ダメージに対する耐性、および透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるエッチング溶液およびアニール(加熱)に対する耐性を向上するため、本願発明者(ら)は、第1電極層27に第1導電性保護層27Pを設け、第2電極層37に第2導電性保護層37Pを設けることを考案する。
(本実施形態の太陽電池の製造方法)
以下では、図3A~図3Eを参照して、本実施形態に係る太陽電池の製造方法について説明する。図3Aは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法における半導体層形成工程を示す図であり、図3Bは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法における電極層材料膜形成工程、すなわち透明電極層材料膜形成工程、金属電極層材料膜形成工程および導電性保護層材料膜形成工程を示す図である。また、図3Cは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法における絶縁層形成工程を示す図であり、図3Dは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるコンタクト電極形成工程を示す図である。また、図3Eは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法における電極層形成工程、すなわち透明電極層形成工程、金属電極層形成工程および導電性保護層形成工程を示す図である。図3A~図3Eでは、半導体基板11の裏面側を示し、半導体基板11の表面側を省略する。
まず、図3Aに示すように、半導体基板11の裏面側の一部に、具体的には第1領域7に、パッシベーション層23および第1導電型半導体層25を形成する(半導体層形成工程)。例えば、CVD法またはPVD法を用いて、半導体基板11の裏面側の全てにパッシベーション層材料膜および第1導電型半導体層材料膜を製膜した後、フォトリソグラフィ技術または印刷技術を用いて生成するレジスト、またはメタルマスク、を利用したエッチング法を用いて、パッシベーション層23および第1導電型半導体層25をパターニングしてもよい。
なお、p型半導体層材料膜に対するエッチング溶液としては、例えばオゾンを含有するフッ酸、または硝酸とフッ酸の混合液のような酸性溶液が挙げられ、n型半導体層材料膜に対するエッチング溶液としては、例えば水酸化カリウム水溶液のようなアルカリ性溶液が挙げられる。
または、CVD法またはPVD法を用いて、半導体基板11の裏面側にパッシベーション層および第1導電型半導体層を積層する際に、マスクを用いて、パッシベーション層23および第1導電型半導体層25の製膜およびパターニングを同時に行ってもよい。
次に、半導体基板11の裏面側の他の一部に、具体的には第2領域8に、パッシベーション層33および第2導電型半導体層35を形成する(半導体層形成工程)。例えば、上述同様に、CVD法またはPVD法を用いて、半導体基板11の裏面側の全てにパッシベーション層材料膜および第2導電型半導体層材料膜を製膜した後、フォトリソグラフィ技術または印刷技術を用いて生成するレジスト、またはメタルマスク、を利用したエッチング法を用いて、パッシベーション層33および第2導電型半導体層35をパターニングしてもよい。
または、CVD法またはPVD法を用いて、半導体基板11の裏面側にパッシベーション層および第2導電型半導体層を積層する際に、マスクを用いて、パッシベーション層33および第2導電型半導体層35の製膜およびパターニングを同時に行ってもよい。
なお、この半導体層形成工程において、半導体基板11の受光面側の全面に、パッシベーション層13を形成してもよい(図示省略)。
次に、図3Bに示すように、第1導電型半導体層25および第2導電型半導体層35上にこれらに跨って一連の透明電極層材料膜28Zを形成する(透明電極層材料膜形成工程)。透明電極層材料膜28Zの形成方法としては、例えばCVD法またはPVD法等が用いられる。
次に、透明電極層材料膜28Z上に、すなわち第1導電型半導体層25および第2導電型半導体層35に跨って一連の金属電極層材料膜29Z(例えばCu)を形成する(金属電極層材料膜形成工程)。金属電極層材料膜29Zの形成方法としては、例えばスパッタリング等のPVD法が用いられる。
次に、金属電極層材料膜29Z上に、すなわち第1導電型半導体層25および第2導電型半導体層35に跨って一連の導電性保護層材料膜27PZを形成する(導電性保護層材料膜形成工程)。導電性保護層材料膜27PZの形成方法としては、上述した透明電極層材料膜28Zと同様に、例えばCVD法またはPVD法等が用いられる。
次に、図3Cに示すように、透明電極層材料膜28Z、金属電極層材料膜29Zおよび導電性保護層材料膜27PZを介して第1導電型半導体層25上に、すなわち第1領域7に、第1非絶縁領域41aを除いて第1絶縁層41を形成する。また、透明電極層材料膜28Zおよび金属電極層材料膜29Zを介して第2導電型半導体層35上に、すなわち第2領域8に、第2非絶縁領域42aを除いて第2絶縁層42を形成する(絶縁層形成工程)。なお、第1絶縁層41と第2絶縁層42とは、互いに離間するように形成される。
第1絶縁層41および第2絶縁層42の形成方法としては、PVD法、CVD法、スクリーン印刷法、インクジェット法、グラビアコーティング法、またはディスペンサー法等が挙げられる。
次に、図3Dに示すように、第1絶縁層41の第1非絶縁領域41aに第1コンタクト電極51を形成し、第2絶縁層42の第2非絶縁領域42aに第2コンタクト電極52を形成する(コンタクト電極形成工程)。第1コンタクト電極51および第2コンタクト電極52の形成方法としては、スクリーン印刷法等の印刷法が挙げられる。例えば、Ag粒子および樹脂材料を含む印刷材料、或いはAg粒子および樹脂材料に加えて更に溶媒を含む印刷材料、すなわちAgペースト材料を印刷して硬化または乾燥させることにより、第1コンタクト電極51および第2コンタクト電極52を形成する。なお、乾燥とは、上述したように、硬化温度よりも低い温度で、かつ硬化時間よりも短い時間で完全に硬化させない状態とすることである。
このとき、すなわち、例えばAgペーストのスクリーン印刷の際、導電性保護層材料膜27PZにより、例えばCuからなる金属電極層材料膜29Zが保護され、金属電極層材料膜29Zに局所的な物理的なダメージが生じることが抑制される。
次に、図3Eに示すように、第1絶縁層41および第1コンタクト電極51、および第2絶縁層42および第2コンタクト電極52をマスクとするウエットエッチング法を用いて、導電性保護層材料膜27PZをパターニングすることにより、互いに分離された第1導電性保護層27Pおよび第2導電性保護層37Pを形成する(電極層形成工程)。
導電性保護層材料膜27PZのエッチング溶液としては、塩酸(HCl)等の酸性溶液が挙げられる。
次に、第1絶縁層41および第1コンタクト電極51、および第2絶縁層42および第2コンタクト電極52をマスクとするウエットエッチング法を用いて、金属電極層材料膜29Zおよび透明電極層材料膜28Zをパターニングすることにより、互いに分離された第1透明電極層28および第2透明電極層38、および、互いに分離された第1金属電極層29および第2金属電極層39を形成する(電極層形成工程)。これにより、第1電極層27および第2電極層37が形成される。このとき、第1絶縁層41および第2絶縁層42を除去せずに残す。
金属電極層材料膜29Zおよび透明電極層材料膜28Zの同時エッチングのエッチング溶液としては、過硫酸アンモニウム(過硫安)等の酸化剤と塩酸(HCl)等の酸性溶液との混合溶液が挙げられる。
次に、半導体基板11の両面側をクリーニングする(洗浄工程)。洗浄工程では、例えばオゾン処理を行った後、フッ酸処理(フッ酸、またはフッ酸と他の種類の酸との混合物での処理)が行われる。
その後、半導体基板11の受光面側の全面に、光学調整層15を形成する(図示省略)。なお、上述したコンタクト電極形成工程において印刷材料を乾燥させた場合、印刷材料を硬化させてもよい。その後、アニール(加熱)を行うことにより、図1および図2に示す本実施形態の裏面電極型の太陽電池1が得られる。
ここで、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、エッチング溶液が、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入する。しかし、上述したように、金属電極層材料膜29Zの局所的な物理的なダメージが抑制されている。そのため、アニール(加熱)の際に、コンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、Cuからなる金属電極層29,39、透明電極層28,38、半導体層25,23,35,33に侵入することが抑制され、金属電極層29,39の金属成分、例えばCuが半導体基板11に拡散することが抑制される。これにより、太陽電池1の性能の低下が抑制されると考えられる。
また、コンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液は、その後の洗浄工程に至るまでコンタクト電極51,52内に長時間保持され得る。そのため、このエッチング溶液のコンタクト電極51,52下の層への侵入を抑制する観点で、第1導電性保護層27Pおよび第2導電層保護層37Pのエッチング溶液に対するエッチングレートは低いと好ましい。これにより、金属電極層29,39および透明電極層28,38へのエッチング溶液の侵入をより抑制することができ、より性能の高い太陽電池を得ることができる。
一方、金属電極層29,39および透明電極層28,38のパターンの形成精度を向上させる観点では、透明電極層28,38のエッチングレートは高いと好ましい。第1導電性保護層27Pおよび第2導電層保護層37Pを設けることで、金属電極層29,39を介した透明電極層28,38へのエッチング溶液の侵入が抑制されるため、エッチング溶液にする透明電極層28,38のエッチングレートを高くしても、性能の高い太陽電池を生産性よく製造することが可能となる。
これらの点に関し、本実施形態では、第1透明電極層28および第2透明電極層38が、アモルファス(非晶質)の透明導電膜であり、第1導電性保護層27Pおよび第2導電性保護層37Pが、結晶質の透明導電膜であると、結晶質の透明導電膜のエッチングレート(速度)は、アモルファスの透明導電膜のエッチングレート(速度)よりも低い(遅い)。そのため、アニール(加熱)の際に、コンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、Cuからなる金属電極層29,39、透明電極層28,38、半導体層25,23,35,33に侵入することが抑制され、金属電極層29,39の金属成分、例えばCuが半導体基板11に拡散することが抑制される。これにより、太陽電池1の性能の低下が抑制されると考えられる。
また、第1導電性保護層27Pおよび第2導電性保護層37Pによって、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、アニール(加熱)の際に、Cuからなる金属電極層29,39をエッチングして、Cuイオンが生じ、このCuイオンが、アニールの際に、例えば金属電極層29,39の表面を介して移動し、半導体基板11に拡散することが、抑制される。これにより、太陽電池1の性能の低下が抑制されると考えられる。
以上説明したように、本実施形態の太陽電池の製造方法によれば、金属電極層29,39の材料として、比較的に高価な公知のAgペーストに代えて、比較的に安価な金属、例えばCu(例えば、スパッタリング等のPVD法を用いて製膜後、ウエットエッチング)を用いる。これにより、太陽電池の低コスト化が可能である。
また、本実施形態の太陽電池の製造方法によれば、配線部材91,92との絶縁およびコンタクトを確保するための絶縁層41,42およびコンタクト電極51,52(Agペースト)を、金属電極層29,39(例えばCu)および透明電極層28,38のウエットエッチングのレジストとして兼用する。これにより、金属電極層29,39および透明電極層28,38のウエットエッチングのレジストの形成および除去の工程を削減することができ、太陽電池の製造プロセルの簡略化が可能である。
更に、本実施形態の太陽電池の製造方法によれば、透明電極層28,38および金属電極層29,39の上に導電性保護層27P,37Pを設ける。これにより、コンタクト電極形成工程における例えばAgペーストのスクリーン印刷の際に、導電性保護層27P,37Pにより、例えばCuからなる金属電極層29,39が保護され、Cuからなる金属電極層29,39に局所的な物理的なダメージが生じることが抑制される。そのため、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、アニール(加熱)の際に、Cuからなる金属電極層29,39、透明電極層28,38、半導体層25,23,35,33に侵入することが抑制され、金属電極層29,39の金属成分、例えばCuが半導体基板11に拡散することが抑制される。これにより、太陽電池1の性能の低下を抑制することができる。
また、第1透明電極層28および第2透明電極層38が、アモルファス(非晶質)の透明導電膜であり、第1導電性保護層27Pおよび第2導電性保護層37Pが、結晶質の透明導電膜であると、結晶質の透明導電膜のエッチングレート(速度)は、アモルファスの透明導電膜のエッチングレート(速度)よりも低い(遅い)。そのため、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、アニール(加熱)の際に、Cuからなる金属電極層29,39、透明電極層28,38、半導体層25,23,35,33に侵入することが抑制され、金属電極層29,39の金属成分、例えばCuが半導体基板11に拡散することが抑制される。これにより、太陽電池1の性能の低下を抑制することができる。
また、第1導電性保護層27Pおよび第2導電性保護層37Pによって、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、アニール(加熱)の際に、Cuからなる金属電極層29,39をエッチングして、Cuイオンが生じ、このCuイオンが、アニールの際に、例えば金属電極層29,39の表面を介して移動し、半導体基板11に拡散することが、抑制される。これにより、太陽電池1の性能の低下を抑制することができる。
また、比較例の太陽電池1Xのように、ITO/Cu/Ag電極構造では、従来のITO/Ag電極構造と比較して、Cuからなる金属電極層29,39の表面が酸化し、金属電極層29,39と、Agペーストからなるコンタクト電極51,52とのコンタクト抵抗が増大してしまう。そのため、比較例の太陽電池1XのITO/Cu/Ag電極構造では、従来のITO/Ag電極構造と比較して、直列抵抗Rsが増大してしまう。
一方、本実施形態の太陽電池1のように、ITO/Cu/ITO/Ag電極構造では、導電性保護層27P,37Pにより、Cuからなる金属電極層29,39の表面の酸化が抑制され、金属電極層29,39と、Agペーストからなるコンタクト電極51,52とのコンタクト抵抗の増大を抑制することができる。そのため、太陽電池1のITO/Cu/ITO/Ag電極構造では、比較例のITO/Cu/Ag電極構造と比較して、直列抵抗Rsの増大を抑制することができ、従来のITO/Ag電極構造と比較しても、直列抵抗Rsを同程度とすることができる。
また、本実施形態の太陽電池1のように、ITO/Cu/ITO/Ag電極構造では、導電性保護層27P,37Pにより、Cuからなる金属電極層29,39の表面の酸化が抑制されるので、比較例のITO/Cu/Ag電極構造と比較して、高温の熱処理を実施することができ、Cuの体積抵抗率の低減により直列抵抗Rsが低下し、太陽電池の性能を向上することができる。
また、本実施形態の太陽電池1のように、ITO/Cu/ITO/Ag電極構造では、導電性保護層27P,37Pにより、Cuからなる金属電極層29,39の表面の酸化が抑制されるので、比較例のITO/Cu/Ag電極構造と比較して、金属電極層29,39と、Agペーストからなるコンタクト電極51,52との密着性を向上することができ、その結果、太陽電池の信頼性を高めることができる。
このように、本実施形態の太陽電池の製造方法によれば、製造プロセスの簡略化および太陽電池の低コスト化を図っても、太陽電池の性能低下を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、結晶シリコン材料を用いた太陽電池1を例示したが、これに限定されない。例えば、太陽電池の材料としては、ガリウムヒ素(GaAs)等の種々の材料が用いられてもよい。
また、上述した実施形態では、図2に示すようにヘテロ接合型の太陽電池1を例示した。しかし、本発明はこれに限定されず、ホモ接合型の太陽電池等の種々の太陽電池セルにも適用可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図3A~図3Eに示す本実施形態の太陽電池の製造方法を用いて図1~図2Bに示す本実施形態の裏面電極型の太陽電池を実施例1として作製した。なお、実施例1では、コンタクト電極の印刷の際の局所的なダメージの低減効果をより明確にするために、コンタクト電極の印刷領域を大きくした。具体的には、図1~図3Eにおいて、第1絶縁層41および第2絶縁層42の形成を省略し、第1領域7全体に第1コンタクト電極51を形成し、第2領域8全体に第2コンタクト電極52を形成した。実施例1の太陽電池およびその製造方法の特徴は以下の通りである。
<透明電極層材料膜形成工程>
透明電極層材料膜材料:アモルファスITO、形成方法:CVD、膜厚:100nm
<金属電極層材料膜形成工程>
金属電極層材料膜材料:Cu、形成方法:PVD(スパッタ)、膜厚:250nm
<導電性保護層材料膜形成工程>
導電性保護層材料膜材料:結晶ITO、形成方法:PVD、膜厚:50nm
<絶縁層形成工程>
省略
<コンタクト電極形成工程>
コンタクト電極材料:Agペースト、形成方法:スクリーン印刷、乾燥:180度/60分、膜厚:約30μm
<導電性保護層形成工程(パターニング)>
エッチング溶液:塩酸(HCl)1wt%の溶液、エッチング時間:30秒
<透明電極層形成工程および金属電極層形成工程(同時パターニング)>
エッチング溶液:過硫酸アンモニウム(過硫安)5wt%と塩酸(HCl)9wt%との混合溶液、エッチング時間:60秒
<アニール>
コンタクト電極 乾燥:180度/1時間
(比較例1)
図5A~図5Eに示す比較例の太陽電池の製造方法を用いて図4A~図4Bに示す比較例の裏面電極型の太陽電池を比較例1として作製した。なお、比較例1でも、コンタクト電極の印刷の際の局所的なダメージの低減効果をより明確にするために、コンタクト電極の印刷領域を大きくした。具体的には、図4A~図5Eにおいて、第1絶縁層41および第2絶縁層42の形成を省略し、第1領域7全体に第1コンタクト電極51を形成し、第2領域8全体に第2コンタクト電極52を形成した。比較例1の太陽電池およびその製造方法の特徴は以下および表2の通りである。
<透明電極層材料膜形成工程>
実施例1に同じ。
<金属電極層材料膜形成工程>
実施例1に同じ。
<絶縁層形成工程>
省略
<コンタクト電極形成工程>
実施例1に同じ。
<透明電極層形成工程および金属電極層形成工程(同時パターニング)>
実施例1に同じ。
<アニール>
実施例1に同じ。
(比較例2)
比較例2の太陽電池は、比較例1と比較して、金属電極層29,39として、Cuに代えて、Agペーストからなる金属電極層を形成し、コンタクト電極51,52の形成を省略した点で異なる。
<透明電極層材料膜形成工程>
比較例1に同じ。
<金属電極層材料膜形成工程>
金属電極層材料:Agペースト、形成方法:スクリーン印刷、乾燥:180度/60分、膜厚:約30μm
<絶縁層形成工程>
省略
<コンタクト電極形成工程>
省略
<透明電極層形成工程(パターニング)>
エッチング溶液:塩酸(HCl)1wt%の溶液、エッチング時間:30秒
<アニール>
比較例1に同じ。
(評価1)
フォトルミネッセンス測定装置を用いて、太陽電池のフォトルミネッセンス特性に応じた波長の光(波長:915nm、強度0.67sun)を、太陽電池の受光面に照射し、太陽電池からのフォトルミネッセンス強度を観測した。その結果を表1に示す。表1では、実施例1および比較例1の各々において、アニール前のフォトルミネッセンス強度値を基準として、アニール前およびアニール後のフォトルミネッセンス強度値を規格化して示す。
Figure 2022154000000002
(評価2)
AM1.5のスペクトル分布を有するパルスソーラーシミュレーターを用いて、25℃の下で擬似太陽光を100mW/cmのエネルギー密度で照射して、上記の実施例および比較例の太陽電池の性能特性(開放電圧Voc、短絡電流Isc、曲線因子FF、変換効率Eff、直列抵抗Rsおよび並列抵抗Rsh)を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2022154000000003
表1によれば、比較例1のITO/Cu/Ag電極構造では、アニールによって熱が加わると、Agペーストからなるコンタクト電極の下部のフォトルミネッセンス強度が低下した。また、表2によれば、比較例1のITO/Cu/Ag電極構造では、比較例2のITO/Ag電極構造と比較して、太陽電池の性能特性が低下した。
これより、比較例1では、コンタクト電極形成工程におけるAgペーストのスクリーン印刷の際に、Cuからなる金属電極層29,39に局所的な物理的なダメージが生じてしまう。すると、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、アニール(加熱)の際に、Cuからなる金属電極層29,39のダメージ箇所に侵入し、透明電極層28,38を局所的に溶かし、半導体層25,23,35,33のダメージ箇所に侵入する。すると、金属電極層29,39のCu成分が半導体基板11に拡散する。これにより、太陽電池の性能が低下してしまうことが考えられる。
また、比較例1では、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、アニール(加熱)の際に、Cuからなる金属電極層29,39をエッチングすることにより、Cuイオンが生じる。このCuイオンが、アニールの際に、例えば金属電極層29,39の表面を介して移動し、半導体基板11に拡散する。これにより、太陽電池の性能が低下してしまうことが考えられる。
一方、表1によれば、実施例1のITO/Cu/ITO/Ag電極構造では、アニールによって加熱しても、Agペーストからなるコンタクト電極の下部のフォトルミネッセンス強度の低下が抑制された。また、表2によれば、実施例1のITO/Cu/ITO/Ag電極構造では、比較例1のITO/Cu/Ag電極構造と比較して、太陽電池の性能特性の低下が抑制され、比較例2のITO/Ag電極構造と比較しても太陽電池の性能特性が同程度であった。
これより、実施例1では、コンタクト電極形成工程におけるAgペーストのスクリーン印刷の際に、導電性保護層27P,37Pにより、Cuからなる金属電極層29,39が保護され、Cuからなる金属電極層29,39に局所的な物理的なダメージが生じることが抑制される。そのため、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、アニール(加熱)の際に、Cuからなる金属電極層29,39、透明電極層28,38、半導体層25,23,35,33に侵入することが抑制され、金属電極層29,39のCu成分が半導体基板11に拡散することが抑制される。これにより、太陽電池の性能の低下を抑制することができると考えられる。
また、実施例1では、第1透明電極層28および第2透明電極層38が、アモルファス(非晶質)の透明導電膜であり、第1導電性保護層27Pおよび第2導電性保護層37Pが、結晶質の透明導電膜であり、結晶質の透明導電膜のエッチングレート(速度)は、アモルファスの透明導電膜のエッチングレート(速度)よりも低い(遅い)。そのため、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、アニール(加熱)の際に、Cuからなる金属電極層29,39、透明電極層28,38、半導体層25,23,35,33に侵入することが抑制され、金属電極層29,39の金属成分、例えばCuが半導体基板11に拡散することが抑制される。これにより、太陽電池1の性能の低下を抑制することができると考えられる。
また、第1導電性保護層27Pおよび第2導電性保護層37Pによって、透明電極層形成工程および金属電極層形成工程におけるウエットエッチングの際に、Agペーストからなるコンタクト電極51,52に侵入したエッチング溶液が、アニール(加熱)の際に、Cuからなる金属電極層29,39をエッチングして、Cuイオンが生じ、このCuイオンが、アニールの際に、例えば金属電極層29,39の表面を介して移動し、半導体基板11に拡散することが、抑制される。これにより、太陽電池1の性能の低下を抑制することができると考えられる。
また、表2によれば、比較例1のITO/Cu/Ag電極構造では、比較例2のITO/Ag電極構造と比較して、直列抵抗Rsが増大した。これより、比較例1では、Cuからなる金属電極層29,39の表面が酸化し、金属電極層29,39と、Agペーストからなるコンタクト電極51,52とのコンタクト抵抗が増大してしまうことが考えられる。
一方、表2によれば、実施例1のITO/Cu/ITO/Ag電極構造では、比較例1のITO/Cu/Ag電極構造と比較して、直列抵抗Rsの増大が抑制され、比較例2のITO/Ag電極構造と比較しても、直列抵抗Rsが同程度であった。これより、実施例1では、導電性保護層27P,37Pにより、Cuからなる金属電極層29,39の表面の酸化が抑制され、金属電極層29,39と、Agペーストからなるコンタクト電極51,52とのコンタクト抵抗の増大を抑制することができると考えられる。
1,1X 太陽電池
7 第1領域
8 第2領域
11 半導体基板
13,23,33 パッシベーション層
15 光学調整層
25 第1導電型半導体層
27,27X 第1電極層
27P 第1導電性保護層
27PZ 導電性保護層材料膜
28 第1透明電極層
28Z 透明電極層材料膜
29 第1金属電極層
29Z 金属電極層材料膜
35 第2導電型半導体層
37,37X 第2電極層
37P 第2導電性保護層
38 第2透明電極層
39 第2金属電極層
41 第1絶縁層
41a 第1非絶縁領域
42 第2絶縁層
42a 第2非絶縁領域
51 第1コンタクト電極
52 第2コンタクト電極
91 第1配線部材
92 第2配線部材
X1 第1直線
X2 第2直線

Claims (14)

  1. 半導体基板と、前記半導体基板の一方主面側の一部である第1領域に順に積層された第1導電型半導体層、第1透明電極層および第1金属電極層と、前記半導体基板の前記一方主面側の他の一部である第2領域に順に積層された第2導電型半導体層、第2透明電極層および第2金属電極層を備える裏面電極型の太陽電池の製造方法であって、
    前記半導体基板の前記一方主面側における前記第1導電型半導体層および前記第2導電型半導体層の上に、一連の透明電極層の材料膜を形成する透明電極層材料膜形成工程と、
    前記透明電極層の材料膜の上に、一連の金属電極層の材料膜を形成する金属電極層材料膜形成工程と、
    前記金属電極層の材料膜の上に、一連の導電性保護層の材料膜を形成する導電性保護層材料膜形成工程と、
    前記第1領域における前記導電性保護層の材料膜を第1非絶縁領域を除いて全体的に覆う第1絶縁層、および、前記第2領域における前記導電性保護層の材料膜を第2非絶縁領域を除いて全体的に覆う第2絶縁層であって、互いに離間する前記第1絶縁層および前記第2絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記第1非絶縁領域および前記第2非絶縁領域にコンタクト電極を形成するコンタクト電極形成工程と、
    前記第1絶縁層、前記第2絶縁層および前記コンタクト電極をマスクとするエッチング法を用いて、前記導電性保護層の材料膜の露出部分、およびこの露出部分に対応する前記金属電極層の材料膜および前記透明電極層の材料膜を除去することにより、パターン化された前記第1透明電極層、前記第1金属電極層および第1導電性保護層と、パターン化された前記第2透明電極層、前記第2金属電極層および第2導電性保護層とを形成する透明電極層および金属電極層形成工程と、
    を含み、
    前記コンタクト電極形成工程では、粒子状の金属材料および樹脂材料を含む印刷材料を印刷して硬化または乾燥させることにより、前記コンタクト電極を形成し、
    前記透明電極層および金属電極層形成工程では、前記導電性保護層の材料膜が、前記コンタクト電極を介して侵入するエッチング溶液から、前記金属電極層、前記透明電極層、前記半導体層および前記半導体基板を保護する、
    太陽電池の製造方法。
  2. 前記金属電極層の材料膜は銅を含む、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記導電性保護層の材料膜は透明導電膜である、請求項2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記透明電極層および金属電極層形成工程では、前記導電性保護層の材料膜の露出部分をエッチングし、次いで、前記金属電極層の材料膜および前記透明電極層の材料膜を同時にエッチングする、請求項3に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記導電性保護層の材料膜のエッチング溶液は、酸性溶液であり、
    前記金属電極層の材料膜および前記透明電極層の材料膜の同時エッチングのエッチング溶液は、酸化剤と酸性溶液との混合溶液である、
    請求項4に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記印刷材料は銀ペーストである、請求項1~5のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  7. 半導体基板と、前記半導体基板の一方主面側の一部である第1領域に順に積層された第1導電型半導体層、第1透明電極層および第1金属電極層と、前記半導体基板の前記一方主面側の他の一部である第2領域に順に積層された第2導電型半導体層、第2透明電極層および第2金属電極層を備える裏面電極型の太陽電池であって、
    前記第1金属電極層の上に形成された第1導電性保護層と、
    前記第2金属電極層の上に形成された第2導電性保護層と、
    前記第1導電性保護層を第1非絶縁領域を除いて全体的に覆う第1絶縁層と、
    前記第2導電性保護層を第2非絶縁領域を除いて全体的に覆う第2絶縁層と、
    前記第1非絶縁領域および前記第2非絶縁領域に形成されたコンタクト電極であって、粒子状の金属材料および樹脂材料を含む印刷材料を印刷して硬化させてなる前記コンタクト電極と、
    を備える、太陽電池。
  8. 前記第1金属電極層および前記第2金属電極層は銅を含む、請求項7に記載の太陽電池。
  9. 前記第1導電性保護層および前記第2導電性保護層は透明導電膜である、請求項8に記載の太陽電池。
  10. 前記第1透明電極層および前記第2透明電極層は、非晶質の透明導電膜であり、
    前記第1導電性保護層および前記第1導電性保護層は、結晶質の透明導電膜である、
    請求項9に記載の太陽電池。
  11. 前記印刷材料は銀ペーストからなる、請求項7~10のいずれか1項に記載の太陽電池。
  12. 前記第1金属電極層と前記第2金属電極層との間の領域であって、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間の前記領域は、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層で覆われておらず、
    前記第1非絶縁領域は、前記第1絶縁層で覆われておらず、前記第1導電性保護層を露出し、露出した前記第2導電性保護層の上に前記コンタクト電極を有し、前記半導体基板の前記一方主面に沿う第1方向に延びる第1直線上に配置されており、
    前記第2非絶縁領域は、前記第2絶縁層で覆われておらず、前記第2導電性保護層を露出し、露出した前記第2導電性保護層の上に前記コンタクト電極を有し、前記第1方向に延びる前記第1直線と異なる第2直線上に配置されている、
    請求項7~11のいずれか1項に記載の太陽電池。
  13. 前記第1絶縁層および前記第2絶縁層は、前記一方主面に沿う第2方向であって前記第1方向に交差する前記第2方向に延びる帯状をなし、前記第1方向に交互に並んでおり、
    前記第1直線および前記第2直線は、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層と交差し、前記第2方向に交互に並んでいる、
    請求項12に記載の太陽電池。
  14. 前記第1直線に沿って前記第1方向に延在し、前記第1非絶縁領域において前記コンタクト電極に電気的に接続される第1配線部材と、
    前記第2直線に沿って前記第1方向に延在し、前記第2非絶縁領域において前記コンタクト電極に電気的に接続される第2配線部材と、
    を備える、請求項12または13に記載の太陽電池。
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