JP2022153011A - 全二重通信用のデータベース生成方法、及び全二重無線通信方法 - Google Patents

全二重通信用のデータベース生成方法、及び全二重無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】変動や相違に対して安定した回り込み信号のキャンセルが可能な全二重無線通信方法を提供する。【解決手段】全二重無線通信を用いて無線通信する通信機器を用いて、送信アンテナにより送信され、さらに受信アンテナにより受信される回り込み信号をキャンセルするためのデータベースを生成する全二重通信用のデータベース生成方法において、参照用回り込み信号のみを受信する回り込み受信ステップと、受信した参照用回り込み信号をサンプリングし、さらに当該参照用回り込み信号を記録するデータベースを生成する生成ステップとを有し、生成ステップは、受信アンテナにより参照用回り込み信号を受信する期間の長さに関する期間情報と、参照用回り込み信号をサンプリングする周期に関する周期情報との何れか1以上に応じて情報量がそれぞれ異なるようにデータベースを順次生成することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、全二重無線通信により無線通信する全二重通信用のデータベース生成方法、及び全二重無線通信方法に関する。
従来における6GHz帯域以下の周波数帯域では、携帯電話回線の増大に伴い、平均スループットが年間約1.5倍に急増しており、周波数の逼迫問題が常態化している。また、第5世代移動通信システム(5G)の導入に伴い、高SHF(Super High Frequency)帯域等の活用も開始されるが、必ずしも多くのチャネル数を確保できるとは限らず、周波数の逼迫問題は解消できないものと考えられている。
このため、5Gの次の世代の通信規格であるB5G(Beyond 5G)においては、このような携帯電話回線の増大に起因するモバイルトラフィックの更なる急増に対応する必要がある。特に近年において、このような周波数有効利用効率の向上を目標とした様々な技術が開発されてきた。これらの技術の中の一つとして、例えば無線信号の送信及び受信を同時に行う無線多重化技術の1つである全二重無線通信技術がある。
全二重無線通信技術は、無線信号の送信及び受信を同時に行うので、原理上、周波数の利用効率を2倍にできる。このため、IoTシステムを含める5G及びB5G無線通信システムにおいて、有用性が高い。
非特許文献1の開示技術では、複数の無線端末と基地局との間で全二重無線通信するので、電波資源拡大のための、周波数資源の有効利用については達成される。
Bharadia, E.McMilin, and S.Katti, "Full duplex radios." In Proceedings of the ACM SIGCOMM 2013 conference on SIGCOMM’13, pages 375-386, NewYork, NY, USA, 2013.
ところで、この全二重無線通信技術は、無線信号の送信と受信を同時で、しかも同一周波数で実施するため、自機により発信した送信信号が、受信回路に回りこむ回り込み信号が受信信号に混ざる、いわゆる自己干渉による通信品質の劣化が生じる。このため、全二重無線通信技術を実装する無線通信システムにおいては、この自己干渉を十分にキャンセルするための自己干渉キャンセル技術の実装が不可欠となる。
一般的に自己干渉キャンセルは、図6に示すように、アンテナアイソレーションと、高周波アナログキャンセラ、ベースバンドデジタルキャンセラのそれぞれを対象とし、周波数に応じて最適な設計開発が行われて実現される。アンテナアイソレーション9は、送信アンテナ71と受信アンテナ72の離間距離や配置により、数十dBのアイソレーションを稼ぐことは比較的容易である。またベースバンドデジタルキャンセラ73は、デジタル領域での干渉キャンセラであり、システムによる依存性はあるものの、周波数の依存性は無く、また入力信号のレベルも前段のアナログ回路によりある程度の範囲に収束されるため、異なる周波数のシステムに対しても同一の干渉キャンセラを適用することができる。
高周波アナログキャンセラ74は、送信回路75と受信回路76の間にフィードバック回路を実装し、自身の送信信号を参照信号として、送信アンテナ71による回り込み信号に対して同振幅・逆位相となるような最適なゲイン(信号レベル)と遅延の補正を行い、参照信号と回り込み信号とを混合することで、回り込み信号をキャンセルするものである。
ところで、このような高周波アナログ回路における自己干渉キャンセラは、例えば送信アンテナ71と受信アンテナ72の離間距離や配置により、対象となる回り込み信号が変化する。このため、予め送信アンテナ71から受信アンテナ72に回り込む参照用回り込み信号が記録されたデータベース77を作成し、データベース77に記録された参照用回り込み信号を参照して、最適なゲインと遅延の補正を行い、参照信号を生成する必要がある。
かかる場合、データベース77は、通信環境が時間的に変動したり、端末間で通信環境が相違したりすることで回り込み信号を安定してキャンセルするために求められる情報量が変化する。例えば、通信量が多くなる日中の通信環境と、通信量が少なくなる夜間の通信環境では、求められる最適な情報量が異なる。求められる最適な情報量より少ない情報量であれば、通信の精度は不安定になり、求められる最適な情報量よりも多い情報量であれば、余計な通信コストが発生する。このため、回り込み信号を安定してキャンセルするためには、通信環境に合わせた情報量のデータベース77を適用する必要がある。
また、例えば、一般的な送信アンテナ71及び受信アンテナ72には無線通信を行う通信機器との方向により通信の精度が変化する指向性がある。このため、上述した方向に合わせて回り込み信号を安定してキャンセルするために求められる情報量が異なる。このため、回り込み信号を安定してキャンセルするためには、アンテナの指向性に合わせた情報量のデータベース77を適用する必要がある。
しかしながら、非特許文献1の開示技術では、通信環境が時間的に変動したり、端末間で相違したり、通信機器との方向が異なる場合にも、同一のデータベース77が運用されることになり、当該変動や相違に対して回り込み信号を安定してキャンセルができなかった。
本発明は、上述した問題を解決するために導出されたものであり、通信環境の時間的な変動や相違に対して安定した回り込み信号のキャンセルが可能な全二重通信用のデータベース生成方法、及び全二重無線通信方法を提供することを目的とする。
第1発明に係る全二重通信用のデータベース生成方法は、送信信号を送信するための送信アンテナと受信信号を受信するための受信アンテナとを有すると共に全二重無線通信を用いて外部端末との間で無線通信する通信機器を用いて、前記送信アンテナにより送信された送信信号が前記受信アンテナにより受信される回り込み信号をキャンセルするためのデータベースを生成する全二重通信用のデータベース生成方法において、参照用回り込み信号のみを受信する回り込み受信ステップと、前記回り込み受信ステップにより受信した参照用回り込み信号をサンプリングし、さらに当該参照用回り込み信号を記録する前記データベースを生成する生成ステップとを有し、前記生成ステップは、前記受信アンテナにより前記参照用回り込み信号を受信する期間の長さに関する期間情報と、前記参照用回り込み信号をサンプリングする周期に関する周期情報との何れか1以上に応じて情報量がそれぞれ異なるように前記データベースを順次生成する処理を行うことを特徴とする。
第2発明に係る全二重通信用のデータベース生成方法は、第1発明において、前記回り込み受信ステップは、前記外部端末から前記通信機器への方向に対する前記送信アンテナ又は前記受信アンテナの指向に関する指向情報を取得し、前記生成ステップは、前記回り込み受信ステップにより取得された指向情報に応じて、前記期間情報と前記周期情報との何れか1以上を決定する処理を行うことを特徴とする。
第3発明に係る全二重通信用のデータベース生成方法は、第2発明において、前記生成ステップは、前記回り込み受信ステップにおいて取得した指向情報が他の指向情報と同一である場合には、当該他の指向情報について生成したデータベースと同一の情報量のデータベースを生成することを特徴とする。
第4発明に係る全二重無線通信方法は、第2発明において、前記生成ステップは、前記回り込み受信ステップにおいて取得した指向情報が他の指向情報と同一である場合には、当該他の指向情報について生成した前記データベースを共用することを特徴とする。
第5発明に係る全二重無線通信方法は、送信信号を送信するための送信アンテナと受信信号を受信するための受信アンテナとを有する通信機器と外部端末との間で、全二重無線通信する全二重無線通信方法であって、前記送信アンテナにより送信された送信信号が前記受信アンテナにより受信される参照用回り込み信号のみを受信する回り込み受信ステップと、前記回り込み受信ステップにより受信した参照用回り込み信号をサンプリングし、さらに当該参照用回り込み信号を記録するデータベースを順次生成する生成ステップと、新たに前記受信アンテナにより回り込み信号を含む受信信号を受信する通信受信ステップと、前記生成ステップにより生成したデータベースの中から1以上を参照し、前記通信受信ステップにより受信した受信信号に含まれる回り込み信号をキャンセルする処理ステップとを有し、前記生成ステップは、前記受信アンテナにより前記参照用回り込み信号を受信する期間の長さに関する期間情報と、前記参照用回り込み信号をサンプリングする周期に関する周期情報との何れか1以上に応じて情報量がそれぞれ異なるように前記データベースを順次生成することを特徴とする。
第6発明に係る全二重無線通信方法は、第5発明において、前記生成ステップは、前記外部端末毎にデータベースを生成し、前記通信受信ステップは、前記通信機器への方向に対する前記送信アンテナ又は前記受信アンテナの指向に関する指向情報を前記外部端末毎に取得し、前記処理ステップは、前記通信受信ステップにおいて新たに取得した外部端末の指向情報が他の外部端末の指向情報と同一である場合には、当該他の外部端末について生成したデータベースを参照することを特徴とする。
第1発明~第6発明によれば、受信アンテナにより参照用回り込み信号を受信する期間の長さに関する期間情報と、参照用回り込み信号をサンプリングする周期に関する周期情報との何れか1以上に応じて情報量がそれぞれ異なるようにデータベースを順次生成する。これにより、期間情報又は周期情報に応じて、情報量の異なるデータベースを複数生成することができるため、通信環境の変動や相違に対してそれぞれ適切な情報量のデータベースを参照することができる。このため、通信環境の変動や相違に対して安定した回り込み信号のキャンセルが可能となる。
特に、第2発明によれば、生成ステップは、回り込み受信ステップにより取得された指向情報に応じて、期間情報と周期情報との何れか1以上を決定する。これにより、指向情報に応じて適切なデータベースの情報量を決定することができるため、指向性の変化による変動や相違に対して安定した回り込み信号のキャンセルが可能となる。
特に、第3発明によれば、生成ステップは、回り込み受信ステップにおいて取得した指向情報が他の指向情報と同一である場合には、当該他の指向情報について生成したデータベースと同一の情報量のデータベースを生成する。これにより、例えば指向情報が同一である場合において、一義的にデータベースの情報量を決定できるため、データベースを生成する負担が少なくなる。
特に、第4発明によれば、生成ステップは、回り込み受信ステップにおいて取得した指向情報が他の指向情報と同一である場合には、当該他の指向情報について生成したデータベースを共用することを特徴とする。これにより、指向情報が同じ外部端末間で同一のデータベースを共用できるため、データベースを生成する負担が少なくなる。
特に、第6発明によれば、処理ステップは、通信受信ステップにおいて新たに取得した外部端末の指向情報が他の外部端末の指向情報と同一である場合には、当該他の外部端末について生成したデータベースを参照する。これにより、複数の外部端末と無線通信を行う場合において、例えば指向情報が同一であるならば外部端末間で同一のデータベースを共用できるため、回り込み信号のキャンセルの負担が少なくなる。
図1は、本発明を適用したデータベース生成装置及び自己干渉キャンセル回路が適用される無線通信システムの全体概略図である。 図2は、自己干渉キャンセル回路のブロック構成を示している。 図3は、データベース生成装置のブロック構成を示している。 図4は、本発明を適応した全二重無線通信方法のフローチャートを示している。 図5は、アンテナの指向性を示している。 図6は、一般的な自己干渉キャンセル方法について説明するための図である。
以下、本発明を適用した自己干渉キャンセル回路について、図面を参照しながら詳細に説明をする。
図1は、本発明を適用した無線通信システム1の全体概略図である。無線通信システム1は、基地局2と、複数のユーザ端末3とを備える。無線通信システム1は、同一の周波数、同一の時間スロットを利用し、送信と受信とを同時に行う複信方式である全二重無線通信方式を採用する場合を例に取り説明をするが、これに限定されるものではなく、一般的な半二重無線通信方式を採用するものであってもよい。
基地局2は、ユーザ端末3との間において無線アクセスポイントとしての役割を果たし、インターネット等を始めとした公衆通信網との間においてインタフェースとしての役割を果たすものである。即ち、基地局2は、これを介してユーザ端末3がインターネット等を始めとした公衆通信網との間でデータの送受信を行うことを可能とするための中継手段を担うものである。基地局2は、このユーザ端末3との無線通信を、上述した全二重無線通信方式に基づいて行う。また、基地局2は、回り込み信号をキャンセルするための自己干渉キャンセル回路10を備える。
ユーザ端末3は、例えばノート型のパーソナルコンピュータ(PC)、携帯端末、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等の無線通信可能な端末装置で構成されている。このようなユーザ端末3は、基地局2との間で、パケットデータを無線周波数からなる送信信号又は受信信号とし、無線通信により送受信する。
図2は、自己干渉キャンセル回路10のブロック構成を示している。自己干渉キャンセル回路10は、大きく分類して、データベース生成装置4と、データベース生成装置4に接続された受信回路5及び送信回路6と、受信回路5及び送信回路6に接続された局部発振回路8とを備えている。この自己干渉キャンセル回路10は、いわゆるスーパーヘテロダイン方式の回路構成を適用しており、受信回路5では、ユーザ端末3から受信した受信信号の無線周波数を帯域変換することにより変換信号を生成し、これを基地局2内部へ出力する。また、送信回路6は、基地局2内部から出力された変換信号を無線周波数に帯域変換し、これを送信信号にしてユーザ端末3へ送信する。局部発振回路8は、各帯域変換において混合させる基準信号を受信回路5、送信回路6にそれぞれ供給する。以下、これらの各構成について詳述する。
受信回路5は、受信アンテナ11と、受信アンテナ11及びデータベース生成装置4に接続された処理器31と、受信アンテナ11及び処理器31に接続されたカプラー32と、カプラー32に接続された増幅器12と、増幅器12に接続された受信帯域フィルタ13と、受信帯域フィルタ13に接続された減衰器14と、減衰器14に接続されたミキサ15と、ミキサ15に接続されたフィルタ16と、フィルタ16に接続された高利得増幅器18と、高利得増幅器18に接続された減衰器19とを備え、減衰器19は、基地局2内部に接続されている。
送信回路6は、基地局2内部に接続された減衰器21と、減衰器21に接続されたミキサ22と、ミキサ22に接続されたバンドパスフィルタ23と、バンドパスフィルタ23に接続されたバッファ増幅器24と、バッファ増幅器24に接続された可変減衰回路25と、可変減衰回路25に接続されたドライバ増幅器26と、ドライバ増幅器26に接続されたパワーアンプ28と、パワーアンプ28に接続されたアイソレータ29と、アイソレータ29に接続されたデータベース生成装置4及び送信アンテナ30とを備えている。
局部発振回路8は、参照用時計41と、この参照用時計41に接続された電圧制御発振器42、43とを備え、電圧制御発振器42は、受信回路5におけるミキサ15に、また電圧制御発振器43は、送信回路6におけるミキサ22にそれぞれ接続される。
受信アンテナ11は、ユーザ端末3から送信されてきた、より高周波な無線周波数からなる受信信号を受信するためのアンテナである。この受信アンテナ11により受信する受信信号の成分は、送信アンテナ30から送信された送信信号が回り込んで受信した回り込み信号による、いわゆる自己干渉となりえる成分も含まれる。受信アンテナ11は、このような回り込み信号を含む受信信号の無線信号を電気信号に変換し、これをカプラー32、データベース生成装置4、及び処理器31へと出力する。
処理器31は、データベース生成装置4により記録された後述するデータベース55を参照し、受信信号に含まれる回り込み信号がこれと同振幅で逆位相となるような最適なゲインと遅延補正がなされた参照信号をカプラー32に出力する。
カプラー32は、受信アンテナ11から回り込み信号を含む受信信号の電気信号が入力される。カプラー32には、更に処理器31から参照信号が入力される。カプラー32は、電気信号と参照信号とを混合する処理を行う。これにより電気信号に含まれる回り込み信号がこれと同振幅で逆位相となるような最適なゲインと遅延補正がなされた参照信号と重畳することにより、回り込み信号そのものをキャンセルすることができる。カプラー32は、この回り込み信号がキャンセルされた電気信号を増幅器12へ出力する。
増幅器12は、カプラー32から出力された電気信号を増幅し、これを受信帯域フィルタ13へ出力する。
受信帯域フィルタ13は、この増幅器12からの電気信号の帯域を所定範囲に制限した上で、これを減衰器14に出力する。
減衰器14は、受信帯域フィルタ13から入力された電気信号につき、電気信号を減衰させる処理を施した上で、これをミキサ15へ出力する。
ミキサ15は、局部発振回路8から出力される基準信号と電気信号を混合し、変換信号を生成する。ミキサ15は、この変換信号を、フィルタ16へ出力する。
フィルタ16は、ミキサ15から入力された変換信号から特定の周波数成分を取り出すと共にそれ以外の周波数成分に関しては帯域制限をかける。帯域制限は、受信帯域フィルタ13において行っているが、これは高周波な無線周波数帯域において行うものであることから、改めてこの特定の周波数域において帯域制限をかけることで、余分な周波数成分をカットする。フィルタ16は、帯域制限をかけた変換信号を高利得増幅器18へと出力する。
高利得増幅器18は、フィルタ16から入力される変換信号について、より高利得な増幅を行う回路である。高利得増幅器18は、増幅した変換信号を減衰器19へと出力する。
減衰器19は、高利得増幅器18から入力された変換信号を減衰させる処理を施した上で、これを基地局2内部へ送信し、これに含まれる様々な情報を利用する。
減衰器21は、基地局2内部から入力される変換信号を減衰させる処理を施した上で、これをミキサ22へと出力する。
ミキサ22は、局部発振回路8から出力される基準信号と変換信号を混合し、高周波な無線周波数に変換した送信信号の電気信号を生成する。ミキサ22は、この無線周波数の成分に変換した送信信号を、バンドパスフィルタ23へ出力する。
バンドパスフィルタ23は、ミキサ22から出力された送信信号について所定の帯域のみを通過し、それ以外の帯域を制限するフィルタリング処理を施し、これをバッファ増幅器24へ出力する。
バッファ増幅器24は、バンドパスフィルタ23から出力された送信信号を増幅し、これを可変減衰回路25へ出力する。
可変減衰回路25は、バッファ増幅器24から入力された送信信号について適正な出力レベルになるように減衰量を調整し、これをドライバ増幅器26へ出力する。
ドライバ増幅器26は、送信信号を所望の電圧レベルまで増幅させて、これをパワーアンプ28へ出力する。
パワーアンプ28は、ドライバ増幅器26から供給される送信信号について電力増幅をし、これをアイソレータ29へと出力する。
アイソレータ29は、必要に応じて送信信号を作り出して送信アンテナ30へと導く回路を絶縁するためのデバイスである。パワーアンプ28からの送信信号は、アイソレータ29を通過した場合には、送信アンテナ30へと出力される。
参照用時計41は、実際に基準信号を生成する上で参照するための時計である。電圧制御発振器42は、ミキサ15へ供給する基準信号を発振する上で、参照用時計41からの時間情報を参照する。同様に電圧制御発振器43は、ミキサ22へ供給する基準信号を発振する上で、参照用時計41からの時間情報を参照する。
次に、回り込み信号をキャンセルするためのデータベース55を生成するためのデータベース生成装置4の構成について説明をする。回り込み信号をキャンセルするためのデータベース55は、サンプリングされた参照用回り込み信号が記録され、回り込み信号をキャンセルする上で必要な参照信号を作り出すためのデータベースである。
図3は、データベース生成装置4のブロック構成を示す図である。データベース生成装置4は、送信アンテナ30に接続される受信情報取得部50と、指向情報取得部51と、受信情報取得部50及び指向情報取得部51に接続される期間情報決定部52と、指向情報取得部51に接続される周期情報決定部53と、受信アンテナ11、期間情報決定部52、及び周期情報決定部53に接続されるデータベース生成部54と、データベース生成部54に接続される記録部56とを備える。また、記録部56は、処理器31に接続される。
受信情報取得部50は、受信アンテナ11による受信アンテナの受信状況に関する受信情報を取得し、受信情報に応じて送信アンテナ30に参照用送信信号を出力する。また、受信情報取得部50は、取得した受信情報を期間情報決定部52に出力してもよい。
指向情報取得部51は、ユーザ端末3から基地局2への方向に対する送信アンテナ30又は受信アンテナ11の指向に関する指向情報を取得する。指向情報取得部51は、取得した指向情報を期間情報決定部52及び周期情報決定部53に出力する。
期間情報決定部52は、受信情報取得部50から出力された受信情報、又は指向情報取得部51から出力された指向情報に応じて、受信アンテナ11により参照用回り込み信号を受信する期間の長さに関する期間情報を取得する。期間情報決定部52は、取得した期間情報をデータベース生成部54に出力する。
周期情報決定部53は、指向情報取得部51から出力された指向情報に応じて、参照用回り込み信号をサンプリングする周期に関する周期情報を取得する。周期情報決定部53は、取得した周期情報をデータベース生成部54に出力する。
データベース生成部54は、期間情報決定部52から出力された期間情報に応じて、受信アンテナ11により参照用回り込み信号を受信する。データベース生成部54は、周期情報決定部53により出力された周期情報に応じて、受信した参照用回り込み信号をサンプリングする。データベース生成部54は、期間情報と周期情報との何れか1以上に応じて情報量が異なる、サンプリングした参照用回り込み信号を記録するデータベース55を複数作成する。データベース生成部54は、生成したデータベース55を記録部56に出力する。
記録部56は、生成したデータベース55を記憶し、必要に応じて、データベース55を処理部31に出力する。
次に、全二重無線通信において、本実施形態における回り込み信号をキャンセルする動作について図4を用いて説明する。本実施形態における回り込み信号をキャンセルする動作は、参照用回り込み信号を受信する回り込み受信ステップS11と、データベース55を生成する生成ステップS12とにより、回り込み信号をキャンセルするためのデータベース55を生成する。その後、新たに受信信号を受信する通信受信ステップS13と、回り込み信号をキャンセルする処理ステップS14とにより、データベース55を参照し、回り込み信号をキャンセルする動作が完了する。以下に各ステップの詳細を説明する。
まず、回り込み受信ステップS11において、指向情報取得部51は、ユーザ端末3から基地局2への方向に対する送信アンテナ30又は受信アンテナ11の指向に関する指向情報を取得する。指向情報取得部51は、ユーザ端末3のGPS位置情報、又は基地局2とユーザ端末3間の相対的な位置関係等に基づいて、指向情報を取得する。かかる場合、ユーザ端末3は実際に通信をしているものではなく、例えば生成したデータベース55を用いて、無線通信することを想定しているユーザ端末3であってもよい。指向情報取得部51は、取得した指向情報を期間情報決定部52及び周期情報決定部53に出力する。
指向情報は、例えば図5に示すように、受信アンテナ11が指向している方向Aに対するユーザ端末3から基地局2への方向Bの角度、受信アンテナ11が指向している方向Aに対するユーザ端末3の位置、又は方向Aに指向している受信アンテナ11と基地局2から方向Bに位置するユーザ端末3との間の無線通信における送信信号又は受信信号のエネルギー損失の程度等を示す情報であってもよい。受信アンテナ11等の指向性アンテナは、アンテナが指向している方向Aに対するユーザ端末3から基地局2への方向Bの変化により、通信の精度が変化する。例えば、方向Aに指向している受信アンテナ11を用いて、方向B1に位置するユーザ端末3aと通信するときと比較して、方向Aに対する方向B1の角度よりも角度が大きな方向B2に位置するユーザ端末3bと通信するときの受信アンテナ11が受信する受信信号のエネルギー損失は大きくなる。このため、受信アンテナ11又は送信アンテナ30とユーザ端末3間での指向情報により、求められるデータベース55の情報量が異なる。
次に、受信情報取得部50は、受信アンテナ11による受信信号の受信状況に関する受信情報を取得する。受信情報は、例えば受信アンテナ11が受信信号を受信しているか否かを示す情報、受信アンテナ11による受信信号の受信の程度を示す情報、又は受信アンテナ11が受信している受信信号の送信元を示す情報等であってもよい。受信情報取得部50は、受信情報に応じて、送信アンテナ30による参照用送信信号の送信を制御する。受信情報取得部50は、受信情報に応じて、例えば受信アンテナ11が受信信号を受信していないとき、参照用送信信号を送信アンテナ30に送信し、受信アンテナ11により、参照用回り込み信号を受信することが好ましいがこの限りではない。受信情報取得部50は、例えば受信アンテナ11による受信信号の受信の程度が予め設定された閾値より低いとき、参照用送信信号を送信アンテナ30に送信し、受信アンテナ11により、参照用回り込み信号を受信してもよい。また、受信情報取得部50は、受信アンテナ11が受信している受信信号の送信元が送信アンテナ30のみであるとき、参照用送信信号を送信アンテナ30に送信し、受信アンテナ11により、参照用回り込み信号を受信してもよい。また、受信情報取得部50は、受信情報を期間情報決定部52に出力してもよい。
参照用送信信号は、データベース55を生成するために送信アンテナ30から送信される送信信号である。参照用回り込み信号は、データベース55を生成するために送信アンテナ30から送信された参照用送信信号が、受信アンテナ11により受信された回り込み信号である。
次に、生成ステップS12において、期間情報決定部52は、受信情報取得部50から出力された受信情報、又は指向情報取得部51から出力された指向情報に応じて、受信アンテナ11により参照用回り込み信号を受信する期間の長さに関する期間情報を決定し、取得する。期間情報は、例えば受信アンテナ11による受信信号の受信を開始する日時及び受信を終了する日時、又は受信を開始する日時から受信を終了する日時までの期間の長さであってもよい。期間情報決定部52は、受信情報取得部50により受信情報が入力されるとき、例えば受信アンテナ11が送信アンテナ30から送信される参照用送信信号のみを受信するように期間情報を決定し、取得する。また、期間情報決定部52は、指向情報取得部51により指向情報が入力されるとき、指向情報に応じて、期間情報を決定し、取得してもよい。かかる場合、期間情報決定部52は、例えば入力された指向情報が無線通信における受信信号のエネルギー損失の程度を示す情報である場合、エネルギー損失の程度に応じて、受信を開始する日時から受信を終了する日時までの期間の長さを決定してもよい。これにより、受信アンテナ11又は送信アンテナ30とユーザ端末3間での指向情報に応じて、適切な情報量のデータベース55を生成することが可能となる。
また、期間情報決定部52は、受信情報及び指向情報が入力されることなく、期間情報を取得してもよい。かかる場合、例えば期間情報決定部52は通信量が多くなる日中の期間に参照用回り込み信号を長時間受信するように期間情報を決定し、通信量が少なくなる夜間の期間に参照用回り込み信号を短時間受信するように期間情報を決定してもよい。これにより、通信環境の変動や相違に対してそれぞれ適切な情報量のデータベース55を生成することが可能となる。
また、周期情報決定部53は、参照用回り込み信号をサンプリングする周期に関する周期情報を決定し、取得する。周期情報は、参照用回り込み信号をサンプリングする周期に関する情報であり、例えば10秒に一度の周期でサンプリングをするという情報であってもよいが、この限りではない。周期情報決定部53は、例えば通信量が多くなる日中の時間帯等にサンプリングの周期が短くなるように周期情報を決定し、通信量が少なくなる夜間の間帯等にサンプリングの周期が長くなるように周期情報を決定してもよい。データベース55を生成することにおいて、サンプリング周期が短く、サンプリングをする頻度が高くなるとデータベース55の情報量が多くなるため、通信環境の変動や相違に対してそれぞれ適切な情報量のデータベース55を生成することが可能となる。
また、周期情報決定部53は、指向情報取得部51から出力された指向情報に応じて、周期情報を決定し、取得してもよい。かかる場合、周期情報決定部53は、例えば入力された指向情報が無線通信における受信信号のエネルギー損失の程度を示す情報である場合、エネルギー損失の程度に応じて、参照用回り込み信号の周期を決定してもよい。これにより、受信アンテナ11又は送信アンテナ30とユーザ端末3間での指向情報に応じて、適切な情報量のデータベース55を生成することが可能となる。
次に、データベース生成部54は、期間情報決定部52から出力された期間情報に基づいて、参照用回り込み信号の受信アンテナ11による受信を制御する。かかる場合、期間情報が示す期間のみ、参照用回り込み信号を受信するように制御してもよい。また、データベース生成部54は、受信アンテナ11により受信された参照用回り込み信号の中で、期間情報が示す期間に受信した参照用回り込み信号のみを取得するようにしてもよい。その後、データベース生成部54は、受信又は取得した参照用回り込み信号を周期情報に基づき、サンプリングした後、サンプリングした参照用回り込み信号を記録するデータベース55を順次生成する。データベース生成部54は、期間情報又は周期情報により、情報量がそれぞれ異なるようにデータベース55を順次生成する。データベース生成部54は、同じ情報を示す参照用回り込み信号から期間情報又は周期情報毎にそれぞれ情報量が異なるデータベース55を順次生成してもよい。また、データベース生成部54は、例えば画像を示す参照用回り込み信号や、音声を示す参照用回り込み信号等の参照用回り込み信号の種類毎に情報量の異なるデータベース55を生成してもよい。これにより、期間情報又は周期情報に応じて、情報量の異なるデータベース55を複数生成することができるため、通信環境の変動や相違に対してそれぞれ適切なデータベース55を参照することができる。このため、通信環境の変動や相違に対して安定した回り込み信号のキャンセルが可能となる。
また、生成ステップS12は、回り込み受信ステップS11において、取得した指向情報が他の指向情報と同一である場合には、当該他の指向情報に応じたデータベース55と同一の情報量のデータベース55を生成してもよい。これにより、例えば指向情報が同一である場合において、一義的にデータベース55の情報量を決定できるため、データベース55を生成する負担が少なくなる。また、生成ステップS12は、取得した指向情報が他の指向情報と同一である場合には、当該他の指向情報について生成したデータベース55を共用してもよい。これにより、指向情報が同じ外部端末間で同一のデータベース55を共用できるため、データベース55を生成する負担が少なくなる。また、データベース55は、通信を想定するユーザ端末3毎それぞれ対応するように生成されてもよい。また、データベース55は、新しく通信を始める前に予め作成しておいてもよいし、通信を行う直前に生成してもよい。
次に、データベース55を参照し、回り込み信号をキャンセルする自己干渉キャンセル回路10の動作について説明をする。
自己干渉キャンセル回路10では、送信と受信を同時に行う複信方式である全二重無線通信方式の下、先ず変換信号を作り出す。変換信号は、基地局2の内部において生成され、減衰器21へ供給される。
減衰器21に供給された変換信号は、減衰処理が施された上でミキサ22に出力される。ミキサ22に出力された変換信号は、局部発振回路8から供給される基準信号と混合されて、高周波な無線周波数に変換した送信信号となる。送信信号は、バンドパスフィルタ23において帯域制限され、バッファ増幅器24において増幅され、可変減衰回路25において減衰処理が施される。更にこの送信信号は、ドライバ増幅器26において増幅され、パワーアンプ28において増幅され、アイソレータ29を介して送信アンテナ30へと送られる。送信アンテナ30は、この送信信号を発信し、無線周波数帯域における無線信号としてユーザ端末3へと搬送される。
通信受信ステップS13において、この送信アンテナ30から発信された送信信号の一部が仮に受信アンテナ11に回り込み、回り込み信号として、ユーザ端末3から送られてくる送信信号に重畳された受信信号が、受信アンテナ11により受信される場合がある。受信アンテナ11は、受信した受信信号を処理部31及びカプラー32に出力する。
また、通信受信ステップS13において、ユーザ端末3等の外部端末から基地局2等の通信機器への方向に対する送信アンテナ30又は受信アンテナ11の指向情報をユーザ端末3毎にそれぞれ取得してもよい。
このカプラー32に送られた受信信号は、まだ回り込み信号が含まれる状態となっている。処理ステップS14において、カプラー32では、この受信信号に含まれている回り込み信号をキャンセルする処理を行う。具体的には、この回り込み信号が含まれている受信信号に、処理器31から入力された参照信号を混合する。
この参照信号は、処理ステップS14において、上述したデータベース55を参照して生成される。例えば処理器31は、受信信号から回り込み信号を抽出し、生成ステップS12により生成したデータベース55の中から1以上を参照し、データベース55に含まれる参照用回り込み信号の中から、抽出した回り込み信号と同等、又は類似する参照用回り込み信号と同振幅で逆位相となるような参照信号を生成するようにしてもよい。このため、生成ステップS12において予め生成されたデータベース55を参照し、参照用回り込み信号と同振幅で逆位相となるような参照信号を生成し、これを回り込み信号と重ね合わせることにより、当該回り込み信号をキャンセルすることができる。
また、カプラー32及び処理部31を含める回り込み信号を処理するためのユニットは、受信回路5の任意の部分に設けられていてもよい。例えば、カプラー32及び処理部31は、ミキサー15に接続され、フィルタ16は、カプラー32に接続されるようにしてもよい。受信信号から回り込み信号を抽出する方法は、周知のいかなる方法を利用してもよい。また受信信号から回り込み信号を都度得ることは必須ではなく、実際の通信開始前において、予め生成しておいたデータベース55に含まれる参照用回り込み信号を回り込み信号と仮定し、これについて事前に振幅と位相を検出するようにしてもよい。
また、処理部31において、生成ステップS12により生成したデータベース55の中から1以上を参照するとき、例えば通信環境に応じて、参照するデータベース55を選択してもよい。かかる場合、例えば、通信量の多い日中などの無線通信の精度が低くなる時間帯や、通信相手の受信及び送信感度が低いとき、複数のデータベース55の中から、情報量の多いデータベース55を選択し、参照することで、安定した回り込み信号のキャンセルが可能となる。
また、処理部31において、生成ステップS12により生成したデータベース55の中から1以上を参照するとき、例えば通信受信ステップS13により取得した指向情報に応じて、参照するデータベース55を選択してもよい。かかる場合、無線通信を行うユーザ端末3との指向情報に応じて、適切なデータベース55を選択することが可能となる。このため、指向性の変化による変動や相違に対して安定した回り込み信号のキャンセルが可能となる。また、処理部31において、通信受信ステップS11において、ユーザ端末3の指向情報が他のユーザ端末3の指向情報と同一である場合には、当該他のユーザ端末3に応じたデータベース55と同一のデータベース55を参照してもよい。例えば、ユーザ端末3aと基地局2とでデータベース55aを参照し、回り込み信号をキャンセルして無線通信を行った後、ユーザ端末3aと同一の指向情報を有するユーザ端末3bと基地局2で無線通信を行う場合、データベース55aを参照し、回り込み信号をキャンセルする。かかる場合、ユーザ端末3aと連続してユーザ端末3bと無線通信してもよいが、この限りではなく、例えばユーザ端末3aとの無線通信の後にユーザ端末3cと無線通信を行い、その後ユーザ端末3bと無線通信を行う場合においても、同一のデータベース55aを参照してもよい。これにより、複数のユーザ端末3と無線通信を行う場合において、例えば指向情報が同一であるならばユーザ端末3間で同一のデータベースを共用できるため、回り込み信号のキャンセルの負担が少なくなる。
回り込み信号の振幅については、図示しないパワーディテクタを介して振幅を測定するようにしてもよい。位相については、処理部31において、参照用回り込み信号に基づいて位相を仮設定した上で、これと回り込み信号を重畳させる。その結果、回り込み信号がどの程度キャンセルされたかをユーザ側、又はシステム側において目視で確認するようにしてもよいし、プログラム上でその回り込み信号の減少度合を自動検出するようにしてもよい。
その上で、処理部31は、改めて位相を再設定し、前回と比較した回り込み信号の減少度合を同様に検出する。その結果、回り込み信号が前回よりも更に減っている場合には、その再設定の過程で位相を大きくしているのであれば更に大きくし、また再設定の過程で位相を小さくしているのであればさらに小さくさせる等の処理を行う。また、回り込み信号が前回よりも逆に増えている場合には、その再設定の過程で位相を大きくしているのであれば逆に小さくし、また再設定の過程で位相を小さくしているのであれば、逆に大きくさせる等の処理を行う。
このようにして、検出した回り込み信号に応じた参照信号を、全て増幅器12により信号が増幅される前に行うようにしてもよいが、これに限定されるものでは無い。例えば局部発振回路8において、受信信号から回り込み信号を抽出し、データベース55を参照し、抽出した回り込み信号の位相に応じた上記基準信号を生成するようにしてもよい。局部発振回路8側において、上述と同様に受信信号から回り込み信号を抽出する機能を実装しておく。そして、回り込み信号と同様の位相となるように局部発振回路8において基準信号を生成し、ミキサ15において、受信信号と混合させて変換信号を生成するようにしてもよい。この基準信号との混合を通じて、既に位相に関しては回り込み信号と整合するように調整がなされているため、処理器21においては、参照信号の振幅のみを上述と同様に調整することで、回り込み信号と合わせる動作のみを行えばよい。
このように、回り込み信号のキャンセルの処理動作は、参照信号の振幅と位相の調整を全て受信回路5側で行う方法と、基準信号において位相を調整し、参照信号の振幅の調整のみを受信回路5側で行う方法に分類することができる。
また、処理器31は、データベース55を参照し、送信信号に基づいて、参照信号を生成してもよい。かかる場合、データベース55に参照用回り込み信号と参照用送信信号とを紐づけて記録し、送信回路6により送信される送信信号に類似、又は一致する参照用送信信号をデータベースの中から選択し、選択した参照用送信信号に紐づく参照用回り込み信号と同振幅で逆位相となる参照信号を生成してもよい。これらにより、通信環境の変動や相違に対して安定した回り込み信号のキャンセルが可能となる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。このような新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 無線通信システム
2 基地局
3 ユーザ端末
4 データベース生成装置
5 受信回路
6 送信回路
8 局部発振回路
9 アンテナアイソレーション
10 自己干渉キャンセル回路
11 受信アンテナ
12 増幅器
13 受信帯域フィルタ
14 減衰器
15 ミキサ
16 フィルタ
18 高利得増幅器
19 減衰器
21 減衰器
22 ミキサ
23 バンドパスフィルタ
24 バッファ増幅器
25 可変減衰回路
26 ドライバ増幅器
28 パワーアンプ
29 アイソレータ
30 送信アンテナ
31 処理器
32 カプラー
41 参照用時計
42 電圧制御発振器
43 電圧制御発振器
50 受信情報取得部
51 指向情報取得部
52 期間情報決定部
53 周期情報決定部
54 データベース生成部
55 データベース
56 記録部
71 送信アンテナ
72 受信アンテナ
73 ベースバンドデジタルキャンセラ
74 高周波アナログキャンセラ
75 送信回路
76 受信回路
77 データベース
S11 回り込み受信ステップ
S12 生成ステップ
S13 通信受信ステップ
S14 処理ステップ

Claims (6)

  1. 送信信号を送信するための送信アンテナと受信信号を受信するための受信アンテナとを有すると共に全二重無線通信を用いて外部端末との間で無線通信する通信機器を用いて、前記送信アンテナにより送信された送信信号が前記受信アンテナにより受信される回り込み信号をキャンセルするためのデータベースを生成する全二重通信用のデータベース生成方法において、
    参照用回り込み信号のみを受信する回り込み受信ステップと、
    前記回り込み受信ステップにより受信した参照用回り込み信号をサンプリングし、さらに当該参照用回り込み信号を記録する前記データベースを生成する生成ステップとを有し、
    前記生成ステップは、前記受信アンテナにより前記参照用回り込み信号を受信する期間の長さに関する期間情報と、前記参照用回り込み信号をサンプリングする周期に関する周期情報との何れか1以上に応じて情報量がそれぞれ異なるように前記データベースを順次生成すること
    を特徴とする全二重通信用のデータベース生成方法。
  2. 前記回り込み受信ステップは、前記外部端末から前記通信機器への方向に対する前記送信アンテナ又は前記受信アンテナの指向に関する指向情報を取得し、
    前記生成ステップは、前記回り込み受信ステップにより取得された指向情報に応じて、前記期間情報と前記周期情報との何れか1以上を決定すること
    を特徴とする請求項1に記載の全二重通信用のデータベース生成方法。
  3. 前記生成ステップは、前記回り込み受信ステップにおいて取得した指向情報が他の指向情報と同一である場合には、当該他の指向情報について生成したデータベースと同一の情報量のデータベースを生成すること
    を特徴とする請求項2に記載の全二重通信用のデータベース生成方法。
  4. 前記生成ステップは、前記回り込み受信ステップにおいて取得した指向情報が他の指向情報と同一である場合には、当該他の指向情報について生成した前記データベースを共用すること
    を特徴とする請求項2に記載の全二重通信用のデータベース生成方法。
  5. 送信信号を送信するための送信アンテナと受信信号を受信するための受信アンテナとを有する通信機器と外部端末との間で、全二重無線通信する全二重無線通信方法であって、
    前記送信アンテナにより送信された送信信号が前記受信アンテナにより受信される参照用回り込み信号のみを受信する回り込み受信ステップと、
    前記回り込み受信ステップにより受信した参照用回り込み信号をサンプリングし、さらに当該参照用回り込み信号を記録するデータベースを順次生成する生成ステップと、
    新たに前記受信アンテナにより回り込み信号を含む受信信号を受信する通信受信ステップと、
    前記生成ステップにより生成したデータベースの中から1以上を参照し、前記通信受信ステップにより受信した受信信号に含まれる回り込み信号をキャンセルする処理ステップとを有し、
    前記生成ステップは、前記受信アンテナにより前記参照用回り込み信号を受信する期間の長さに関する期間情報と、前記参照用回り込み信号をサンプリングする周期に関する周期情報との何れか1以上に応じて情報量がそれぞれ異なるように前記データベースを順次生成すること
    を特徴とする全二重無線通信方法。
  6. 前記生成ステップは、前記外部端末毎にデータベースを生成し、
    前記通信受信ステップは、前記通信機器への方向に対する前記送信アンテナ又は前記受信アンテナの指向に関する指向情報を前記外部端末毎に取得し、
    前記処理ステップは、前記通信受信ステップにおいて新たに取得した外部端末の指向情報が他の外部端末の指向情報と同一である場合には、当該他の外部端末について生成したデータベースを参照すること
    を特徴とする請求項5に記載の全二重無線通信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024106255A1 (ja) * 2022-11-16 2024-05-23 京セラ株式会社 通信装置および通信システム

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