JP2022152051A - 走行制御装置 - Google Patents

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Meng Lian
公彦 廣井
Kimihiko Hiroi
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Abstract

【課題】道路の状況に応じて進行方向前方の車両を安全に回避する。【解決手段】自車両の周囲の状況を検出するカメラ1aと、自車両の走行車線の区画線を認識する区画線認識部141と、区画線認識部141により認識された区画線と、カメラ1aにより検出された周囲の状況とに基づいて、自車両が走行する車線が対面通行の車線であるか否かを判定する判定部144と、自車両の進行方向前方の物体の側方を通過するように側方通過走行制御を行う走行制御部16と、を備える。走行制御部16は、判定部144により対面通行の車線でないと判定されると、側方通過走行制御を有効化する一方、判定部144により対面通行の車線であると判定されると、側方通過走行制御を無効化する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の走行動作を制御する走行制御装置に関する。
この種の装置として、従来、自車両の進行方向前方に停止車両が存在するとき、停止車両を回避するように目標経路を設定し、目標経路に応じて車両の走行動作を制御するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1記載の装置では、停止車両を回避するときに対向車線を走行する対向車両を検知すると、対向車両と急接近しないように目標経路を停止車両側に補正する。
特開2016-38836号公報
上記特許文献1記載の装置は、対向車線を走行する対向車両との対面通行を想定する。したがって、同一車線内を対面通行する道路のように幅員が狭い道路において特許文献1記載の技術を適用すると、自車両と対向車両とのすれ違いが困難となるおそれがある。
本発明の一態様である走行制御装置は、自車両の周囲の状況を検出する車載検出器と、自車両の走行車線の区画線を認識する区画線認識部と、区画線認識部により認識された区画線と、車載検出器により検出された周囲の状況とに基づいて、自車両が走行する車線が対面通行の車線であるか否かを判定する判定部と、自車両の進行方向前方の物体の側方を通過するように側方通過走行制御を行う走行制御部と、を備える。走行制御部は、判定部により対面通行の車線でないと判定されると、側方通過走行制御を有効化する一方、判定部により対面通行の車線であると判定されると、側方通過走行制御を無効化する。
本発明によれば、道路の状況に応じて進行方向前方の車両を安全に回避することができる。
本発明の実施形態に係る車両制御システムの全体構成を概略的に示すブロック図。 自車両の走行シーンの一例を示す図。 本発明の実施形態に係る走行制御装置の要部構成を示すブロック図。 図2のコントローラのCPUで実行される処理の一例を示すフローチャート。 本実施形態に係る走行制御装置による動作を説明するための図。 本実施形態に係る走行制御装置による動作を説明するための図。 中央分離帯が設けられた道路の一例を示す図。 図6Aの道路の延在方向の位置と、区画線から道路の境界までの距離との関係を示すグラフ。 隣接車線において車両が渋滞しているシーンの一例を示す図。 図7Aの道路の延在方向の位置と、区画線から道路の境界までの距離との関係を示すグラフ。 路脇の垣根PTや塀FCにより回避側境界BRが形成される道路の一例を示す図。 図8Aの道路の延在方向の位置と、区画線から道路の境界までの距離との関係を示すグラフ。
以下、図1~図8Bを参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る走行制御装置は、自動運転機能を有する車両、すなわち自動運転車両に適用することができる。なお、本実施形態に係る走行制御装置が適用される車両を、他車両と区別して自車両と呼ぶことがある。自車両は、内燃機関(エンジン)を走行駆動源として有するエンジン車両、走行モータを走行駆動源として有する電気自動車、エンジンと走行モータとを走行駆動源として有するハイブリッド車両のいずれであってもよい。自車両は、ドライバによる運転操作が不要な自動運転モードでの走行だけでなく、ドライバの運転操作による手動運転モードでの走行も可能である。
まず、自動運転に係る概略構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る走行制御を有する車両制御システム100の全体構成を概略的に示すブロック図である。図1に示すように、車両制御システム100は、コントローラ10と、コントローラ10にそれぞれ通信可能に接続された外部センサ群1と、内部センサ群2と、入出力装置3と、測位ユニット4と、地図データベース5と、ナビゲーション装置6と、通信ユニット7と、走行用のアクチュエータACとを主に有する。
外部センサ群1は、自車両の周辺情報である外部状況を検出する複数のセンサ(外部センサ)の総称である。例えば外部センサ群1には、自車両の全方位の照射光に対する散乱光を測定して自車両から周辺の障害物までの距離を測定するライダ、電磁波を照射し反射波を検出することで自車両の周辺の他車両や障害物等を検出するレーダ、自車両に搭載され、CCDやCMOS等の撮像素子を有して自車両の周辺(前方、後方および側方)を撮像するカメラなどが含まれる。
内部センサ群2は、自車両の走行状態を検出する複数のセンサ(内部センサ)の総称である。例えば内部センサ群2には、自車両の車速を検出する車速センサ、自車両の前後方向の加速度および左右方向の加速度(横加速度)をそれぞれ検出する加速度センサ、走行駆動源の回転数を検出する回転数センサ、自車両の重心の鉛直軸回りの回転角速度を検出するヨーレートセンサなどが含まれる。手動運転モードでのドライバの運転操作、例えばアクセルペダルの操作、ブレーキペダルの操作、ステアリングホイールの操作等を検出するセンサも内部センサ群2に含まれる。
入出力装置3は、ドライバから指令が入力されたり、ドライバに対し情報が出力されたりする装置の総称である。例えば入出力装置3には、操作部材の操作によりドライバが各種指令を入力する各種スイッチ、ドライバが音声で指令を入力するマイク、ドライバに表示画像を介して情報を提供するディスプレイ、ドライバに音声で情報を提供するスピーカなどが含まれる。
測位ユニット(GNSSユニット)4は、測位衛星から送信された測位用の信号を受信する測位センサを有する。測位衛星は、GPS衛星や準天頂衛星などの人工衛星である。測位ユニット4は、測位センサが受信した測位情報を利用して、自車両の現在位置(緯度、経度、高度)を測定する。
地図データベース5は、ナビゲーション装置6に用いられる一般的な地図情報を記憶する装置であり、例えばハードディスクや半導体素子により構成される。地図情報には、道路の位置情報、道路形状(曲率など)の情報、交差点や分岐点の位置情報、道路に設定された制限速度の情報が含まれる。なお、地図データベース5に記憶される地図情報は、コントローラ10の記憶部12に記憶される高精度な地図情報とは異なる。
ナビゲーション装置6は、ドライバにより入力された目的地までの道路上の目標経路を探索するとともに、目標経路に沿った案内を行う装置である。目的地の入力および目標経路に沿った案内は、入出力装置3を介して行われる。目標経路は、測位ユニット4により測定された自車両の現在位置と、地図データベース5に記憶された地図情報とに基づいて演算される。外部センサ群1の検出値を用いて自車両の現在位置を測定することもでき、この現在位置と記憶部12に記憶される高精度な地図情報とに基づいて目標経路を演算するようにしてもよい。
通信ユニット7は、インターネット網や携帯電話網等に代表される無線通信網を含むネットワークを介して図示しない各種サーバと通信し、地図情報、走行履歴情報および交通情報などを定期的に、あるいは任意のタイミングでサーバから取得する。ネットワークには、公衆無線通信網だけでなく、所定の管理地域ごとに設けられた閉鎖的な通信網、例えば無線LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等も含まれる。取得した地図情報は、地図データベース5や記憶部12に出力され、地図情報が更新される。
アクチュエータACは、自車両の走行を制御するための走行用アクチュエータである。走行駆動源がエンジンである場合、アクチュエータACには、エンジンのスロットルバルブの開度(スロットル開度)を調整するスロットル用アクチュエータが含まれる。走行駆動源が走行モータである場合、走行モータがアクチュエータACに含まれる。自車両の制動装置を作動するブレーキ用アクチュエータと転舵装置を駆動する転舵用アクチュエータもアクチュエータACに含まれる。
コントローラ10は、電子制御ユニット(ECU)により構成される。より具体的には、コントローラ10は、CPU(マイクロプロセッサ)等の演算部11と、ROM,RAM等の記憶部12と、I/Oインターフェース等の図示しないその他の周辺回路とを有するコンピュータを含んで構成される。なお、エンジン制御用ECU、走行モータ制御用ECU、制動装置用ECU等、機能の異なる複数のECUを別々に設けることができるが、図1では、便宜上、これらECUの集合としてコントローラ10が示される。
記憶部12には、高精度の詳細な地図情報(高精度地図情報と呼ぶ)が記憶される。高精度地図情報には、道路の位置情報、道路形状(曲率など)の情報、道路の勾配の情報、交差点や分岐点の位置情報、車線数の情報、車線の幅員および車線毎の位置情報(車線の中央位置や車線位置の境界線の情報)、地図上の目印としてのランドマーク(信号機、標識、建物等)の位置情報、路面の凹凸などの路面プロファイルの情報が含まれる。記憶部12に記憶される高精度地図情報には、通信ユニット7を介して取得した自車両の外部から取得した地図情報、例えばクラウドサーバを介して取得した地図(クラウド地図と呼ぶ)の情報と、外部センサ群1による検出値を用いて自車両自体で作成される地図、例えばSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)等の技術を用いてマッピングにより生成される点群データからなる地図(環境地図と呼ぶ)の情報とが含まれる。記憶部12には、各種制御のプログラム、プログラムで用いられる閾値等の情報についての情報も記憶される。
演算部11は、機能的構成として、自車位置認識部13と、外界認識部14と、行動計画生成部15と、走行制御部16と、地図生成部17とを有する。
自車位置認識部13は、測位ユニット4で得られた自車両の位置情報および地図データベース5の地図情報に基づいて、地図上の自車両の位置(自車位置)を認識する。記憶部12に記憶された地図情報と、外部センサ群1が検出した自車両の周辺情報とを用いて自車位置を認識してもよく、これにより自車位置を高精度に認識することができる。なお、道路上や道路脇の外部に設置されたセンサで自車位置を測定可能であるとき、そのセンサと通信ユニット7を介して通信することにより、自車位置を認識することもできる。
外界認識部14は、ライダ、レーダ、カメラ等の外部センサ群1からの信号に基づいて自車両の周囲の外部状況を認識する。例えば自車両の周辺を走行する周辺車両(前方車両や後方車両)の位置や走行速度や加速度、自車両の周囲に停車または駐車している周辺車両の位置、および他の物体の位置や状態などを認識する。他の物体には、標識、信号機、道路の区画線や停止線等の標示(路面標示)、建物、ガードレール、電柱、看板、歩行者、自転車等が含まれる。他の物体の状態には、信号機の色(赤、青、黄)、歩行者や自転車の移動速度や向きなどが含まれる。他の物体のうち静止している物体の一部は、地図上の位置の指標となるランドマークを構成し、外界認識部14は、ランドマークの位置と種別も認識する。
行動計画生成部15は、例えばナビゲーション装置6で演算された目標経路と、自車位置認識部13で認識された自車位置と、外界認識部14で認識された外部状況とに基づいて、現時点から所定時間先までの自車両の走行軌道(目標軌道)を生成する。目標経路上に目標軌道の候補となる複数の軌道が存在するときには、行動計画生成部15は、その中から法令を順守し、かつ効率よく安全に走行する等の基準を満たす最適な軌道を選択し、選択した軌道を目標軌道とする。そして、行動計画生成部15は、生成した目標軌道に応じた行動計画を生成する。行動計画生成部15は、先行車両を追い越すための追い越し走行、走行車線を変更する車線変更走行、先行車両に追従する追従走行、走行車線を逸脱しないように車線を維持するレーンキープ走行、減速走行または加速走行等の走行態様に対応した種々の行動計画を生成する。行動計画生成部15は、目標軌道を生成する際に、まず走行態様を決定し、走行態様に基づいて目標軌道を生成する。
走行制御部16は、自動運転モードにおいて、行動計画生成部15で生成された目標軌道に沿って自車両が走行するように各アクチュエータACを制御する。より具体的には、走行制御部16は、自動運転モードにおいて道路勾配などにより定まる走行抵抗を考慮して、行動計画生成部15で算出された単位時間毎の目標加速度を得るための要求駆動力を算出する。そして、例えば内部センサ群2により検出された実加速度が目標加速度となるようにアクチュエータACをフィードバック制御する。すなわち、自車両が目標車速および目標加速度で走行するようにアクチュエータACを制御する。なお、手動運転モードでは、走行制御部16は、内部センサ群2により取得されたドライバからの走行指令(ステアリング操作等)に応じて各アクチュエータACを制御する。
地図生成部17は、手動運転モードで走行しながら、外部センサ群1により検出された検出値を用いて、3次元の点群データからなる環境地図を生成する。具体的には、カメラ1aにより取得された撮像画像から、画素ごとの輝度や色の情報に基づいて物体の輪郭を示すエッジを抽出するとともに、そのエッジ情報を用いて特徴点を抽出する。特徴点は例えばエッジの交点であり、建物の角や道路標識の角などに対応する。地図生成部17は、抽出された特徴点を順次、環境地図上にプロットし、これにより自車両が走行した道路周辺の環境地図が生成される。カメラに代えて、レーダやライダにより取得されたデータを用いて自車両の周囲の物体の特徴点を抽出し、環境地図を生成するようにしてもよい。また、地図生成部17は、環境地図を生成する際に、地図上の目印としての信号機、標識、建物等のランドマークがカメラにより取得された撮像画像に含まれているか否かを、例えばパターンマッチングの処理により判定する。そして、ランドマークが含まれていると判定すると、撮像画像に基づいて、環境地図上におけるランドマークの位置および種別を認識する。これらランドマーク情報は環境地図に含まれ、記憶部12に記憶される。
自車位置認識部13は、地図生成部17による地図作成処理と並行して、自車両の位置推定処理を行う。すなわち、特徴点の時間経過に伴う位置の変化に基づいて、自車両の位置を推定して取得する。また、自車位置認識部13は、自車両の周囲のランドマークとの相対的な位置関係に基づいて自車位置を推定して取得する。地図作成処理と位置推定処理とは、例えばSLAMのアルゴリズムにしたがって同時に行われる。地図生成部17は、手動運転モードで走行するときだけでなく、自動運転モードで走行するときにも同様に環境地図を生成することができる。既に環境地図が生成されて記憶部12に記憶されている場合、地図生成部17は、新たに得られた特徴点により環境地図を更新してもよい。
ところで、図2に示すように、同一車線LN内を車両が対面通行する左側通行の道路において、自車両101の進行方向前方の停止車両102を認識したときに、停止車両102との接近を回避するために、自車両101が停止車両102の側方(図における右側)を通過するように転舵用アクチュエータが制御される。このような制御(以下、側方通過走行制御と呼ぶ)が行われるとき、自車両101が同一車線LNを走行する対向車両103と接近または接触するおそれがある。そこで、このような問題に対処するため、本実施形態では、以下のように走行制御装置を構成する。
図3は、本発明の実施形態に係る走行制御装置50の要部構成を示すブロック図である。この走行制御装置50は、自車両101の走行動作を制御するものであり、図1の車両制御システム100の一部を構成する。図3に示すように、走行制御装置50は、コントローラ10と、カメラ1aと、レーダ1bと、ライダ1cとを有する。
カメラ1aは、CCDやCMOS等の撮像素子(イメージセンサ)を有する単眼カメラであり、図1の外部センサ群1の一部を構成する。カメラ1aはステレオカメラであってもよい。カメラ1aは、自車両101の周囲を撮像する。カメラ1aは、例えば自車両101の前部の所定位置に取り付けられ、自車両101の前方空間を連続的に撮像し、対象物の画像データ(以下、撮像画像データまたは単に撮像画像と呼ぶ)を取得する。カメラ1aは、撮像画像をコントローラ10に出力する。レーダ1bは、自車両101に搭載され、電磁波を照射し反射波を検出することで自車両101の周辺の他車両や障害物等を検出する。レーダ1bは、検出値(検出データ)をコントローラ10に出力する。ライダ1cは、自車両101に搭載され、自車両101の全方位の照射光に対する散乱光を測定して自車両101から周辺の障害物までの距離を検出する。ライダ1cは、検出値(検出データ)をコントローラ10に出力する。
コントローラ10は、演算部11(図1)が担う機能的構成として、区画線認識部141と、境界認識部142と、算出部143と、判定部144と、走行制御部16とを有する。区画線認識部141と境界認識部142と算出部143と判定部144とは、例えば図1の外界認識部14により構成される。
区画線認識部141は、自車両101の走行車線(以下、自車線と呼ぶ)の区画線を認識する。境界認識部142は、自車両101が走行する道路の内側の領域と外側の領域との境界を認識する。
算出部143は、区画線認識部141により認識された区画線のうち、側方通過走行制御により自車両が回避する方向に位置する区画線(以下、回避側区画線と呼ぶ)と自車両との間の領域(以下、第1領域と呼ぶ)の車両の走行速度に基づいて、自車両101が走行する車線が対面通行の車線である可能性(以下、単に対面通行の可能性と表現する)の程度を算出する。以下、このとき算出される対面通行の可能性の程度を、P1とする。算出部143は、第1領域の車両の走行速度がマイナス値であって、かつ、マイナス値の絶対値が大きいほど、対面通行の可能性の程度P1をより高く算出する。なお、左側通行の道路では、自車両101に対して右側の区画線(図2の例では区画線LL)が回避側区画線であり、右側通行の道路では、自車両101に対して左側の区画線(図2の例では区画線LR)が回避側区画線である。
また、算出部143は、回避側区画線と、境界認識部142により認識された境界のうち、側方通過走行制御により自車両が回避する方向に位置する境界(以下、回避側境界)との間の領域(以下、第2領域と呼ぶ)の車両の走行速度に基づいて、対面通行の可能性の程度を算出する。以下、このとき算出される対面通行の可能性の程度を、P2とする。算出部143は、第2領域の車両の走行速度の絶対値が小さいほど、対面通行の可能性の程度P2をより高く算出する。つまり、対面通行の可能性の程度P2は、第2領域の車両の走行速度に対する標準正規分布の確率密度関数で表される。なお、算出部143は、第1領域および第2領域の車両の走行速度を、ライダ1cの検出データに基づいて認識してもよいし、カメラ1aにより取得された撮像画像データやレーダ1bの検出データに基づいて認識してもよい。
判定部144は、算出部143により算出された対面通行の可能性の程度P1,P2に基づいて、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であるか否かを判定する。判定部144は、算出部143により算出された可能性の程度P1,P2が所定程度(所定の閾値)以上であるとき、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であると判定する。このとき、判定部144は、算出部143により算出された可能性の程度P1,P2のいずれかが所定程度以上であるとき、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であると判定してもよいし、可能性の程度P1,P2の和が所定程度以上であるとき、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であると判定してもよい。また、所定の閾値には、予め自車両101が所定の道路を走行することで得られた走行結果に基づき機械学習等により算出した値が設定されてもよいし、その他の方法により算出された値が設定されてもよい。
走行制御部16は、判定部144による判定の結果に基づいて、側方通過走行制御を有効化または無効化する。なお、側方通過走行制御を有効化または無効化するための設定情報が記憶部12に予め記憶されていて、走行制御部16は、記憶部12に記憶されたその設定情報を書き換えることで、側方通過走行制御を有効化または無効化する。走行制御部16は、外界認識部14により自車両101の進行方向前方に停止車両102が認識されると、停止車両102を回避するための走行制御を行う。その際、記憶部12に記憶された設定情報が側方通過走行制御の有効化を示すときには、走行制御部16は、側方通過走行制御を行う。具体的には、停止車両102の側方を通過するように転舵用アクチュエータを制御する。一方、記憶部12に記憶された設定情報が側方通過走行制御の無効化を示すときには、走行制御部16は、自動ブレーキ制御(自動制動制御)を行う。より具体的には、停止車両102の手前で自車両101が停止するようにブレーキ用アクチュエータを制御する。
図4は、予め定められたプログラムに従い図3のコントローラ10で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4のフローチャートに示す処理は、例えば、コントローラ40に電源が投入されると所定周期ごとに繰り返される。
まず、ステップS11で、自車両101が走行する道路上の区画線および該道路の境界を認識する。ステップS12で、自車両101の周囲の状況を検出する。具体的には、ステップS11で認識された区画線および境界に基づいて、第1領域と第2領域とを走行する車両の速度を検出する。ステップS13で、ステップS12で検出された第1領域と第2領域とを走行する車両の速度に基づいて、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であるか否かを判定する。ステップS13で肯定されると、ステップS14で、側方通過走行制御を無効化する。一方、ステップS13で否定されると、ステップS15で、側方通過走行制御を有効化する。
図5Aおよび図5Bを参照して、本実施形態に係る走行制御装置50による動作をより具体的に説明する。図5Aおよび図5Bは、本実施形態に係る走行制御装置50による動作を説明するための図である。なお、図5Aおよび図5Bに示す道路は、左側通行であるものとする。図5Aに示す例において、自車両101が車線LNを走行しているとき、自車両101と、区画線LL,LRのうち回避側区画線である区画線LRとの間の第1領域AR1を走行する車両の走行速度が検出される(ステップS11,S12)。そして、第1領域AR1を走行する車両の走行速度に基づいて、自車両101が走行する車線が対面通行の車線である可能性の程度P1が算出される。このとき、対面通行の可能性の程度P1は、上述したように、第1領域AR1の車両の走行速度がマイナス値であって、かつ、マイナス値の絶対値が大きいほどより高く算出される。
また、図5Aに示す例において、自車両101が車線LNを走行しているとき、回避側区画線LRと、道路の境界BL,BRのうち回避側境界である境界BRとの間の第2領域AR2を走行する車両の走行速度が検出される(ステップS11,S12)。そして、第2領域AR2を走行する車両の走行速度に基づいて、自車両101が走行する車線が対面通行の車線である可能性の程度P2が算出される。このとき、対面通行の可能性の程度P2は、第2領域AR2の車両の走行速度の絶対値が小さいほどより高く算出される。
なお、図5Bに示すように、自車両101の進行方向前方の停止車両102が車線LNの右側で停車しているときには、側方通過走行制御により自車両101は区画線LL側に回避する。すなわち、回避側区画線は区画線LLとなる。したがって、図5Bの例では、自車両101と区画線LLとの間に第1領域AR1が設定され、その第1領域AR1を走行する車両の走行速度が検出される(ステップS11,S12)。このように、第1領域AR1の位置は、停止車両102の車線幅方向の停車位置に応じて停止車両102の斜め後方に設定される。つまり、算出部143は、停止車両102が車線LNの左側に停車しているときには第1領域AR1の位置を停止車両102の右斜め後方(図において右斜め下側)に設定し、停止車両102が車線LNの右側に停車しているときには第1領域AR1の位置を停止車両102の左斜め後方(図において左斜め下側)に設定する。なお、図5Aおよび5Bでは、停止車両102が上側(図の上側)を前方とするように停車されている例が示されているが、停止車両102が下側(図の下側)を前方とするように停車されているときも同様に、図5Aおよび5Bに示す位置に第1領域AR1が設定される。
そして、対面通行の可能性の程度P1,P2が所定程度以上であるとき、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であると判定され、側方通過走行制御が無効化される(ステップS12,S13)。これにより、自動ブレーキ制御による停止車両102の回避が行われる。一方、対面通行の可能性の程度P1,P2が所定程度未満であるとき、自車両101が走行する車線が片側通行の車線であると判定され、側方通過走行制御が有効化される(ステップS12,S14)。このように、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であるときには、側方通過走行制御の実行が抑制されるので、進行方向前方の停止車両102を安全に回避することができる。
なお、図4に示す処理では、ステップS13で、ステップS12で検出された第1領域と第2領域とを走行する車両の速度に基づいて、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であるか否かを判定するようにした。しかしながら、現時点より所定時間手前の時点から現時点までの間に検出された、第1領域と第2領域とを走行する車両の速度に基づいて、上記判定を行ってもよい。例えば、現時点より所定時間手前の時点から現時点までの間に検出された、第1領域と第2領域とを走行する車両の速度の平均値に基づいて、上記判定を行ってもよい。
本発明の実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)走行制御装置50は、自車両101の周囲の状況を検出するカメラ1aと、自車両101の走行車線の区画線を認識する区画線認識部141と、区画線認識部141により認識された区画線と、カメラ1aにより検出された周囲の状況とに基づいて、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であるか否かを判定する判定部144と、自車両101の進行方向前方の物体(例えば、図2の停止車両102)の側方を通過するように側方通過走行制御を行う走行制御部16と、を備える。走行制御部16は、判定部144により対面通行の車線でないと判定されると、側方通過走行制御を有効化する一方、判定部144により対面通行の車線であると判定されると、側方通過走行制御を無効化する。これにより、進行方向前方の車両を安全に回避することができる。
(2)走行制御装置50は、カメラ1aにより検出された、区画線認識部141により認識された区画線のうち、側方通過走行制御により自車両101が回避する方向に位置する回避側区画線と自車両101との間の第1領域AR1の車両の走行速度に基づいて、自車両101が走行する車線が対面通行の車線である可能性の程度を算出する算出部143をさらに備える。このとき、算出部143は、第1領域AR1の車両の走行速度がマイナス値であって、かつ、マイナス値の絶対値が大きいほど、対面通行の可能性の程度をより高く算出する。判定部144は、算出部143により算出された可能性の程度が所定程度以上であると自車両101が走行する車線が対面通行の車線であると判定する。これにより、センターラインが存在しないような道路においても、自車両が走行する車線が対面通行の車線であるか否かを精度よく判定することができ、対向車両との接近や接触が予測されるような道路での側方通過走行制御を抑制できる。
(3)走行制御装置50は、道路の内側の領域と外側の領域との境界を認識する境界認識部142をさらに備える。算出部143は、カメラ1aにより検出された、区画線認識部141により認識された区画線のうち、側方通過走行制御により自車両が回避する方向に位置する回避側区画線と、境界認識部142により認識された境界のうち、側方通過走行制御により自車両が回避する方向に位置する回避側境界との間の第2領域AR2の車両の走行速度に基づいて、自車両101が走行する車線が対面通行の車線である可能性の程度を算出する。このとき、算出部143は、第2領域AR2の車両の走行速度の絶対値が小さいほど、対面通行の可能性の程度がより高くなるように、対面通行の可能性の程度を算出する。これにより、センターラインが存在しないような道路においても、自車両が走行する車線が対面通行の車線であるか否かを精度よく判定することができ、対向車両との接近や接触が予測されるような道路での側方通過走行制御を抑制できる。
上記実施形態は種々の形態に変形することができる。以下、いくつかの変形例について説明する。上記実施形態では、カメラ1aにより自車両の周囲の状況を検出するようにしたが、自車両の周囲の状況を検出するのであれば、車載検出器の構成はいかなるものでもよい。例えば、車載検出器は、レーダ1bやライダ1cであってもよい。
また、上記実施形態では、算出部143が、第1領域AR1および第2領域AR2の車両の走行速度に基づいて、対面通行の可能性の程度P1,P2を算出するようにした。しかし、算出部の構成はこれに限らない。算出部は、回避側区画線と回避側境界との車線幅方向の距離に基づいて、対面通行の可能性の程度を算出してもよい。以下、このとき算出される対面通行の可能性の程度を、P3とする。算出部は、回避側区画線から回避側境界までの距離が短いほど対面通行の可能性の程度P3をより高く算出する。判定部144は、対面通行の可能性の程度P3が所定程度以上であるとき、自車両が走行する車線が対面通行の車線であると判定する。なお、中央分離帯が設けられた道路では、中央分離帯が回避側境界として認識される場合がある。その場合、回避側区画線から回避側境界(中央分離帯)までの距離が短いため、自車両が走行する車線が一方通行の車線であっても対面通行であると誤認識される可能性がある。図6Aは、中央分離帯が設けられた道路の一例を示す図である。図6Aに示すように、回避側境界BRが中央分離帯MSであるとき、回避側区画線LRから回避側境界BR(中央分離帯MS)までの距離dは、道路上の位置(延在方向の位置)によらずに一定となる。図6Bは、図6Aの道路上の位置と、回避側区画線から回避側境界までの距離dとの関係を示すグラフである。図6Bに示すように、回避側区画線から回避側境界までの距離dが道路上の位置によらずに一定であるときには、算出部は、回避側境界が中央分離帯であると判断して、対面通行の可能性の程度P3をゼロと算出する。
図7Aは、隣接車線において車両が渋滞しているシーンの一例を示す図である。図7Aに示すように、自車線の隣接車線において車両が渋滞しているとき、隣接車線の各車両の左側面(図において左側面)が回避側境界と誤認識される場合がある。そのよう場合、回避側区画線LRから各車両の左側面までの距離dが短いため、自車両101が走行する車線が一方通行の車線であっても対面通行であると誤認識される可能性がある。そこで、回避側区画線から回避側境界までの距離dが、図7Aに示すように、道路上の位置に応じて周期的に変化するときには、算出部は、隣接車線において車両が渋滞していると判断して、対面通行の可能性の程度P3を低く算出する。具体的には、算出部は、回避側区画線と回避側境界までの距離dの周期性の度合いが高いほど対面通行の可能性の程度P3を低く算出する。図7Bは、図7Aの道路上の位置と、回避側区画線から回避側境界までの距離dとの関係を示すグラフである。
このように、回避側区画線と回避側境界までの距離dが自己相関(周期性)を有する場合には、その自己相関の度合い(自己相関関数の値)が大きいほど、対面通行の可能性の程度P3を低く算出する。図8Aは、道路脇の垣根PTや塀FCにより回避側境界BRが形成される道路の一例を示す図である。図8Bは、図8Aの道路上の位置と、回避側区画線から回避側境界までの距離dとの関係を示すグラフである。図8Aに示すような道路では、回避側区画線LRと回避側境界BRまでの距離dの自己相関の度合いが小さいので、対面通行の可能性の程度P3が図6A、7Aの道路を走行しているときよりも高く算出される。なお、判定部144は、対面通行の可能性の程度P1,P2,P3のいずれかが所定程度以上であるとき、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であると判定してもよいし、対面通行の可能性の程度P1,P2,P3の和が所定程度以上であるとき、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であると判定してもよい。
なお、上記実施形態では、判定部144が、算出部143により算出された対面通行の可能性の程度に基づいて、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であるか否かを判定するようにした。しかし、判定部は、算出部143により算出された対面通行の可能性の程度P1,P2,P3にそれぞれ重み係数を乗算し、重み付け係数を乗算したP1,P2,P3が所定程度であるか否かに基づいて、自車両101が走行する車線が対面通行の車線であるか否かを判定してもよい。例えば、第1領域AR1を走行する車両の走行軌道が、自車両101が側方回避走行時に走行すると予測される走行軌道に近いほど、対面通行の可能性の程度P1により大きな重み係数を乗算してもよい。また例えば、対面通行の可能性の程度P2を表す確率密度関数に対して、自車両101と第2領域AR2を走行する車両との車線幅方向の距離に応じて重み係数を乗算してもよい。詳細には、自車両101と第2領域AR2を走行する車両との車線幅方向の距離が短いほど、上記確率密度関数により大きな重み係数を乗算してもよい。
また、上記実施形態では、自車両101の進行方向前方に停止車両が認識されると、走行制御部16が、側方通過走行制御または自動ブレーキ制御を行うようにしたが、走行制御部は、自車両101の進行方向前方に停止車両以外の静止物体を認識したときにも、側方通過走行制御または自動ブレーキ制御を行ってもよい。また、走行制御部は、静止物体に限らず、徐行する車両など、自車両との相対速度がマイナス値であって、その値が所定値以上である物体が認識されたときにも、側方通過走行制御または自動ブレーキ制御を行ってもよい。
さらに、上記実施形態では、走行制御装置50を自動運転車両に適用したが、走行制御装置50は、自動運転車両以外の車両にも適用可能である。例えば、ADAS(Advanced driver-assistance systems)を備える手動運転車両にも走行制御装置50を適用することができる。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の一つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。
1a カメラ、1b レーダ、1c ライダ、10 コントローラ、50 走行制御装置、141 区画線認識部、142 境界認識部、143 算出部、144 判定部、16 走行制御部、AC アクチュエータ、100 車両制御システム

Claims (8)

  1. 自車両の周囲の状況を検出する車載検出器と、
    自車両が走行する車線の区画線を認識する区画線認識部と、
    前記区画線認識部により認識された区画線と、前記車載検出器により検出された周囲の状況とに基づいて、自車両が走行する車線が対面通行の車線であるか否かを判定する判定部と、
    自車両の進行方向前方の物体の側方を通過するように側方通過走行制御を行う走行制御部と、を備え、
    前記走行制御部は、前記判定部により対面通行の車線でないと判定されると、前記側方通過走行制御を有効化する一方、前記判定部により対面通行の車線であると判定されると、前記側方通過走行制御を無効化することを特徴とする走行制御装置。
  2. 請求項1に記載の走行制御装置において、
    前記車載検出器により検出された、前記区画線認識部により認識された区画線のうち、前記側方通過走行制御により自車両が回避する方向に位置する回避側区画線と自車両との間の第1領域の車両の走行速度に基づいて、自車両が走行する車線が対面通行の車線である可能性の程度を算出する算出部をさらに備え、
    前記判定部は、前記算出部により算出された前記可能性の程度が所定程度以上であると自車両が走行する車線が対面通行の車線であると判定することを特徴とする走行制御装置。
  3. 請求項2に記載の走行制御装置において、
    前記算出部は、自車両の進行方向前方の前記物体が、自車両が走行する車線内の車線幅方向の一方側に位置しているとき、前記第1領域の位置を、前記物体の手前側、且つ、車線幅方向の他方側に設定することを特徴とする走行制御装置。
  4. 請求項3に記載の走行制御装置において、
    前記算出部は、前記第1領域の車両の走行速度がマイナス値であって、かつ、前記マイナス値の絶対値が大きいほど、前記可能性の程度がより高くなるように、前記可能性の程度を算出することを特徴とする走行制御装置。
  5. 請求項1に記載の走行制御装置において、
    道路の内側の領域と外側の領域との境界を認識する境界認識部と、
    前記車載検出器により検出された、前記区画線認識部により認識された区画線のうち、前記側方通過走行制御により自車両が回避する方向に位置する回避側区画線と、前記境界認識部により認識された境界のうち、前記側方通過走行制御により自車両が回避する方向に位置する回避側境界との間の第2領域の車両の走行速度に基づいて、自車両が走行する車線が対面通行の車線である可能性の程度を算出する算出部と、をさらに備えることを特徴とする走行制御装置。
  6. 請求項5に記載の走行制御装置において、
    前記算出部は、前記第2領域の車両の走行速度の絶対値が小さいほど、前記可能性の程度がより高くなるように、前記可能性の程度を算出することを特徴とする走行制御装置。
  7. 請求項1に記載の装置において、
    道路の内側の領域と外側の領域との境界を認識する境界認識部と、
    前記区画線認識部により認識された区画線のうち、前記側方通過走行制御により自車両が回避する方向に位置する回避側区画線と、前記境界認識部により認識された境界のうち、前記側方通過走行制御により自車両が回避する方向に位置する回避側境界との車線幅方向の距離に基づいて、自車両が走行する車線が対面通行の車線である可能性の程度を算出する算出部と、をさらに備えることを特徴とする走行制御装置。
  8. 請求項7に記載の装置において、
    前記算出部は、前記距離が短いほど前記可能性の程度がより高くなるように、且つ、前記距離の変化の周期性の程度が低いほど前記可能性の程度がより高くなるように、前記可能性の程度を算出することを特徴とする走行制御装置。
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