JP2022147221A - Exterior component for vehicles and method for producing exterior component for vehicles - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、車両用外装部品及び車両用外装部品の製造方法に関するものである。 TECHNICAL FIELD The present invention relates to a vehicle exterior component and a method for manufacturing the vehicle exterior component.
例えば、特許文献1に開示されているように、車両のドア枠には、金属製のサッシュモールが設けられる場合がある。例えば、このようなサッシュモールは、金属製の薄板が成形されることによって形成されている。
For example, as disclosed in
特許文献1に示されたサッシュモールのように、車両に対しては、外部から視認可能な車両用外装部品が設置されている。このような車両用外装部品の表面には、輸送中や車両取り付け時における傷付きを防止するための保護フィルムが貼付される場合がある。このような保護フィルムは、作業者が容易に保護フィルムを剥がすことが可能な程度の接着力で車両用外装部品に貼付されている。
Like the sash mall shown in
ところが、車両用外装部品の表面に酸化被膜が露出していると、保護フィルムの接着剤が、例えば酸化被膜表面の凹凸構造に入り込む等により、保護フィルムの剥離後に車両用外装部品の表面に視認可能に残存する場合がある。 However, if the oxide film is exposed on the surface of the exterior vehicle component, the adhesive of the protective film may enter the uneven structure of the surface of the oxide film, for example. It may remain.
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、表面に保護フィルムが貼付される車両用外装部品において、保護フィルムの接着剤が視認可能に残存することを抑止可能とすることを目的とする。 SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above problems, and an object of the present invention is to prevent the adhesive of the protective film from visibly remaining in a vehicle exterior component having a protective film attached to the surface thereof. and
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。 The present invention employs the following configurations as means for solving the above problems.
本発明の第1の態様は、車両用外装部品であって、ステンレス鋼からなる基材と、上記基材の表面に形成されると共にクロムを含む第1酸化被膜と、上記第1酸化被膜上に形成されると共に上記第1酸化被膜よりもクロムの含有量が多い第2酸化被膜と、上記第2酸化被膜上に形成されると共にシロキサンを含むコーティング層とを備えるという構成を採用する。 A first aspect of the present invention is a vehicle exterior component, comprising: a base material made of stainless steel; a first oxide film containing chromium formed on the surface of the base material; and a second oxide film having a higher chromium content than the first oxide film and a coating layer formed on the second oxide film and containing siloxane.
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記第1酸化被膜が、上記基材が空気と接触することで発生する自然酸化被膜よりもクロムの含有量が多いという構成を採用する。 According to a second aspect of the present invention, in the first aspect, the first oxide film has a higher chromium content than the natural oxide film generated when the base material comes into contact with air. do.
本発明の第3の態様は、上記第1または第2の態様において、上記第1酸化被膜が、干渉色が得られる膜厚に形成されているという構成を採用する。 A third aspect of the present invention employs a configuration in which, in the first or second aspect, the first oxide film is formed to have a film thickness that provides an interference color.
本発明の第4の態様は、上記第1~第3のいずれかの態様において、外部から視認可能な露出面に対して局所的に上記コーティング層が設けられているという構成を採用する。 According to a fourth aspect of the present invention, in any one of the first to third aspects, a configuration is adopted in which the coating layer is locally provided on the exposed surface visible from the outside.
本発明の第5の態様は、車両用外装部品の製造方法であって、ステンレス鋼からなる基材から上記基材と空気とが接触することで発生した自然酸化被膜を除去する自然酸化被膜除去工程と、上記基材の表面にクロムを含む第1酸化被膜を形成する第1酸化被膜形成工程と、上記第1酸化被膜上に上記第1酸化被膜よりもクロムの含有量が多い第2酸化被膜を形成する第2酸化被膜形成工程と、上記第2酸化被膜上にシロキサンを含むコーティング層を形成するコーティング層形成工程とを有するという構成を採用する。 A fifth aspect of the present invention is a method for manufacturing an exterior vehicle component, wherein a natural oxide film is removed from a stainless steel base material by contact between the base material and air. a first oxide film forming step of forming a first oxide film containing chromium on the surface of the base material; and a second oxide film having a higher chromium content than the first oxide film on the first oxide film. A configuration having a second oxide film forming step of forming a film and a coating layer forming step of forming a coating layer containing siloxane on the second oxide film is adopted.
本発明の第6の態様は、上記第5の態様において、上記コーティング層にて、上記車両用外装部品の外部から視認可能な露出面に対して局所的にシロキサンを含む溶剤を塗布し、上記溶剤を乾燥させることで、露出面に対して局所的に上記コーティング層を形成するという構成を採用する。 According to a sixth aspect of the present invention, in the fifth aspect, a solvent containing siloxane is locally applied to the exposed surface of the vehicle exterior component that is visible from the outside in the coating layer, and the A configuration is adopted in which the coating layer is locally formed on the exposed surface by drying the solvent.
本発明においては、ステンレス鋼の酸化被膜との密着性が高いシロキサンを含むコーティング層が表面に設けられる。このため、本発明によれば、保護フィルムが酸化被膜と直接的に接触することを防止できる。したがって、本発明によれば、表面に保護フィルムが貼付される車両用外装部品において、保護フィルムの接着剤が表面に視認可能に残存することを抑止することが可能となる。 In the present invention, a coating layer containing siloxane, which has high adhesion to the oxide film of stainless steel, is provided on the surface. Therefore, according to the present invention, the protective film can be prevented from coming into direct contact with the oxide film. Therefore, according to the present invention, it is possible to prevent the adhesive of the protective film from visibly remaining on the surface of the vehicle exterior component to which the protective film is attached.
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用外装部品及び車両用外装部品の製造方法の一実施形態について説明する。 BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION An embodiment of a vehicle exterior component and a method for manufacturing a vehicle exterior component according to the present invention will be described below with reference to the drawings.
図1は、本実施形態のサッシュモール1(車両用外装部品)を備える車両100の概略構成を示す側面図である。図1に示すように、サッシュモール1は、車両100の一部として設けられた外装部品であり、フロントドア101及びリアドア102の上部に配置されている。
FIG. 1 is a side view showing a schematic configuration of a
図1に示すように、サッシュモール1は、フロントドア101の前部からフロントドア101の上縁部及びリアドア102の上縁部を経由して、リアドア102の後方に配置されたリアサイドガラス103の後部まで設けられた長尺状の部品である。サッシュモール1は、フロントドア101とリアドア102との境界と、リアドア102とリアサイドガラス103との境界との2箇所で切断されている。なお、サッシュモール1の形状はこれに限定されるものではない。
As shown in FIG. 1, the
図2は、サッシュモール1の概略構成を模式的に示す断面図である。この図に示すように、本実施形態のサッシュモール1は、基材2と、第1酸化被膜3と、第2酸化被膜4と、コーティング層5とを有している。
FIG. 2 is a cross-sectional view schematically showing the schematic configuration of the
基材2は、ステンレス鋼によって形成されている。基材2を形成するステンレス鋼の種類は特に限定されるものではないが、例えば、SUS304、SUS430、SUS329JI等が用いられる。
The
第1酸化被膜3は、基材2に含まれる鉄(Fe)とクロム(Cr)とが酸素(O)と結合することによって形成された酸化被膜である。この第1酸化被膜3の主成分は、鉄(Fe)、クロム(Cr)及び酸素(O)の元素である。酸素(O)は、第1酸化被膜3に対して全体の2/3程度の割合で含有されている。さらに、酸素(O)は、含有量全体の2/3が金属酸化物として存在し、残りが水酸基(-OH)として存在する。つまり、第1酸化被膜3は、水酸基(-OH)を多く含む層である。このような第1酸化被膜3は、複数の微細孔を有しており、外部から視認した場合に例えば黒色の干渉色が得られる膜厚に形成されている。具体的には、第1酸化被膜3は、400~500nm程度の膜厚に形成されている。
The
このような第1酸化被膜3は、例えば発色処理液中に基材2を浸漬することにより形成される人工的な被膜であり、基材2を空気中に晒すことで生じる自然酸化被膜よりもクロム(Cr)の含有量(質量%)が多い膜である。この第1酸化被膜3は、自然酸化被膜を基材2との間に挟むことなく、基材2の表面に直接的に形成されている。
Such a
第2酸化被膜4は、第1酸化被膜3上に設けられており、第1酸化被膜3よりもさらにクロム(Cr)の含有量(質量%)が多い膜である。第2酸化被膜4は、第1酸化被膜3の微細孔の少なくとも一部を埋設するように設けられている。
The
なお、図2の模式図においては、第2酸化被膜4は、説明の便宜上、第1酸化被膜3の微細孔を埋設する緻密層として描かれている。ただし、実際の第2酸化被膜4は、コーティング層5と比較すると、表面が粗い層であり、後述する保護フィルム20の接着剤22が残存しやすい層である。
In the schematic diagram of FIG. 2, the
第2酸化被膜4は、クロム酸系溶液中での陰極還元により例えば第1酸化被膜3の表層にクロム(Cr)化合物を充填することによって形成される。このため、この第2酸化被膜4は、第1酸化被膜3と同様に、水酸基(-OH)が多く存在する。このような第2酸化被膜4は、例えば膜厚が数nmで形成されている。
The
コーティング層5は、第2酸化被膜4上に設けられており、シロキサンを含む層である。具体的には、コーティング層5は、シロキサンガラスを90質量%以上含んでおり、層厚が10μm以下とすることができる。このようなコーティング層5の表面は、サッシュモール1の光沢感を向上させるために、表面粗さRaが0.1以下とすることが好ましい。
The
コーティング層5に含有されるシロキサンは、水酸基(-OH)を有する。このため、コーティング層5に含有されるシロキサンの水酸基(-OH)は、第2酸化被膜4の水酸基(-OH)と水素結合する。この結果、コーティング層5は、第2酸化被膜4と強固に固着されている。
The siloxane contained in the
なお、本実施形態のサッシュモール1においては、基材2の全面に対して、第1酸化被膜3、第2酸化被膜4及びコーティング層5が設けられている。つまり、サッシュモール1の表面側と裏面側との全域にコーティング層5が設けられている。
In addition, in the
続いて、図3を参照して、本実施形態のサッシュモール1の製造方法について説明する。
Next, a method for manufacturing the
図3(a)に示すように、基材2の表面には、基材2が空気と接触することで形成された自然酸化被膜10が形成されている。このような基材2を発色処理液に浸漬する。発色処理液としては、硫酸(H2SO4)、クロム酸(CrO3)、リン酸(H3PO4)とを含む混合液を用いることができる。より具体的には、例えば発色処理液を100℃~110℃とし、この発色処理液に8~20分程度、基材2を浸漬する。
As shown in FIG. 3A, a
このように基材2を発色処理液に浸漬すると、図3(b)に示すように、自然酸化被膜10が硫酸(H2SO4)の作用で除去されると共に、基材2の表層が硫酸(H2SO4)の作用で溶解される。基材2の表面から自然酸化被膜10が除去されると、発色処理液中のクロム(Cr)イオンと、基材2の表面から溶出した金属イオンとの反応によって、図3(c)に示すように、基材2の表面に第1酸化被膜3が形成される。
When the base material 2 is immersed in the coloring treatment liquid in this way, as shown in FIG. It is dissolved by the action of sulfuric acid (H 2 SO 4 ). When the
なお、図3(b)で示す工程は、ステンレス鋼からなる基材2から基材2と空気とが接触することで発生した自然酸化被膜10を除去する自然酸化被膜除去工程である。また、図3(c)で示す工程は、基材2の表面にクロム(Cr)を含む第1酸化被膜3を形成する第1酸化被膜形成工程である。つまり、基材2を発色処理液に浸漬する工程には、自然酸化被膜除去工程及び第1酸化被膜形成工程が含まれている。
The step shown in FIG. 3(b) is a natural oxide film removal step for removing the
続いて、第1酸化被膜3が表面に形成された基材2を、第2酸化被膜4を形成するための硬膜処理液に浸漬する。硬膜処理液としては、クロム酸(CrO3)、リン酸(H3PO4)とを含む混合液を用いることができる。より具体的には、例えば硬膜処理液を常温とし、この硬膜処理液に5分程度、基材2を浸漬する。基材2を硬膜処理液に浸漬している間、硬膜処理液に含まれる水を電気分解して水素(H)と酸素(O)とを発生させる。電気分解で発生した水素(H)が硬膜処理液に含まれる6価クロム(Cr)と反応して3価クロム(Cr)に変化する。この3価クロム(Cr)を通電することで第1酸化被膜3に化学結合させることで第2酸化被膜4が形成される。つまり、第1酸化被膜3が表面に形成された基材2を膜処理液に浸漬することで、図3(d)に示すように第2酸化被膜4が形成される。なお、図3(c)に示す工程は、第1酸化被膜3上に第1酸化被膜3よりもクロム(Cr)の含有量が多い第2酸化被膜4を形成する第2酸化被膜形成工程である。
Subsequently, the
続いて、図3(e)に示すように、第1酸化被膜3及び第2酸化被膜4が形成された基材2を、シロキサンを含む塗料Xに浸漬する。このようなシロキサンを含む塗料Xとしては、アルコキシシロキサンが50質量%以上含有する塗料を用いることができる。その後、塗料を乾燥させることで、図2に示すコーティング層5を形成する。なお、図3(e)に示す工程及び塗料Xを乾燥させる工程は、第2酸化被膜4上にシロキサンを含むコーティング層5を形成するコーティング層形成工程である。
Subsequently, as shown in FIG. 3(e), the
なお、図3(e)に示すように、第1酸化被膜3及び第2酸化被膜4が形成された基材2を、シロキサンを含む塗料Xに浸漬する前に、親和性を付与する溶剤を塗布しても良い。例えば、カルボン酸基(-COOH)を含む溶剤を第2酸化被膜4に塗布する。この溶剤には、ホスホン酸(H3PO3)あるいはリン酸(H3PO4)を含んでも良い。
As shown in FIG. 3(e), before the
図4は、本実施形態のサッシュモール1に対して保護フィルム20を着脱する様子を示す模式図である。保護フィルム20は、車体に対して取り付ける前のサッシュモール1の運搬中等において、サッシュモール1の表面に貼付されるシート材である。この保護フィルム20がサッシュモール1の表面に貼付されることで、サッシュモール1の表面が保護される。
FIG. 4 is a schematic diagram showing how the
図4に示すように、保護フィルム20は、フィルム本体21と、接着剤22とを有している。フィルム本体21は、樹脂によって形成された可撓性フィルムである。接着剤22は、フィルム本体21の一方側の面に設けられており、フィルム本体21をサッシュモール1の表面に接着可能とされている。
As shown in FIG. 4 , the
上述のようにサッシュモール1が製造されると、図4(a)に示すようにサッシュモール1の表面すなわちコーティング層5の表面に対して対向させ、図4(b)に示すようにサッシュモール1のコーティング層5の表面に保護フィルム20を貼付する。このとき、保護フィルム20の接着剤22がコーティング層5の表面に接触することで、保護フィルム20がサッシュモール1の表面に接着される。
When the
保護フィルム20は、サッシュモール1の意匠面に貼付されている。また、保護フィルム20は、サッシュモール1の取付面の全部あるいは一部に対しては貼付されない。なお、意匠面とは、サッシュモール1が車体に対して取り付けられた場合に、外部から視認可能に露出された面である。また、取付面とは、サッシュモール1が車体に対して取り付けられた場合に、外部から視認不能な面である。
A
このような保護フィルム20は、サッシュモール1が車体に対して取り付けられた後、あるいはサッシュモール1が車体に対して取り付けられる直前にサッシュモール1から取り外される。このとき、本実施形態では、保護フィルム20の接着剤22がサッシュモール1のコーティング層5に接触しているが、接着剤22が残りやすい酸化被膜(第1酸化被膜3及び第2酸化被膜4)には保護フィルム20の接着剤22が接触していない。このため、図4(c)に示すように、接着剤22がサッシュモール1の表面に残ることなく、保護フィルム20をサッシュモール1から剥離することが可能となる。
Such a
以上のような本実施形態のサッシュモール1は、ステンレス鋼からなる基材2と、基材2の表面に形成されると共にクロム(Cr)を含む第1酸化被膜3と、第1酸化被膜3上に形成されると共に第1酸化被膜3よりもクロム(Cr)の含有量が多い第2酸化被膜4と、第2酸化被膜4上に形成されると共にシロキサンを含むコーティング層5とを備えている。
The
本実施形態のサッシュモール1においては、ステンレス鋼の酸化被膜との密着性が高いシロキサンを含むコーティング層5が表面に設けられる。このため、本実施形態のサッシュモール1によれば、保護フィルム20が酸化被膜と直接的に接触することを防止できる。したがって、本実施形態のサッシュモール1によれば、表面に保護フィルム20が貼付されるサッシュモール1において、保護フィルム20の接着剤22が表面に視認可能に残存することを抑止することが可能となる。
In the
また、本実施形態のサッシュモール1においては、コーティング層5が設けられることによって、酸化被膜(第1酸化被膜3及び第2酸化被膜4)が空気や雨水等に触れることを防止することができる。このため、酸化被膜(第1酸化被膜3及び第2酸化被膜4)が劣化することを抑止することが可能となる。
In addition, in the
また、本実施形態のサッシュモール1においては、第1酸化被膜3が、基材2が空気と接触することで発生する自然酸化被膜10よりもクロム(Cr)の含有量が多い。このように人工的にクロム(Cr)の含有量を自然酸化被膜10よりも多くされた第1酸化被膜3は、接着剤22が残存しやすい層である。しかしながら、本実施形態のサッシュモール1によれば、このような接着剤22が残存しやすい層を備える場合であっても、接着剤22が第1酸化被膜3に対して接触しない。このため、本実施形態のサッシュモール1によれば、第1酸化被膜3を有していながら、接着剤22が残存しないものとなる。
In addition, in the
また、本実施形態のサッシュモール1においては、第1酸化被膜3が、干渉色が得られる膜厚に形成されている。このため、サッシュモール1に干渉色を付与することが可能となる。
In addition, in the
また、本実施形態のサッシュモール1の製造方法は、ステンレス鋼からなる基材2から基材2と空気とが接触することで発生した自然酸化被膜10を除去する自然酸化被膜除去工程と、基材2の表面にクロム(Cr)を含む第1酸化被膜3を形成する第1酸化被膜形成工程と、第1酸化被膜3上に第1酸化被膜3よりもクロム(Cr)の含有量が多い第2酸化被膜4を形成する第2酸化被膜形成工程と、第2酸化被膜4上にシロキサンを含むコーティング層5を形成するコーティング層形成工程とを有している。
Further, the method for manufacturing the
このような本実施形態のサッシュモール1の製造方法によれば、ステンレス鋼からなる基材2と、基材2の表面に形成されると共にクロム(Cr)を含む第1酸化被膜3と、第1酸化被膜3上に形成されると共に第1酸化被膜3よりもクロム(Cr)の含有量が多い第2酸化被膜4と、第2酸化被膜4上に形成されると共にシロキサンを含むコーティング層5とを備えるサッシュモール1を製造することができる。したがって、本実施形態のサッシュモール1の製造方法によれば、保護フィルム20の接着剤22が表面に視認可能に残存することを抑止することが可能なサッシュモール1を製造することが可能となる。
According to the method for manufacturing the
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
(Second embodiment)
Next, a second embodiment of the invention will be described with reference to FIGS. 5 and 6. FIG. In the description of the present embodiment, the description of the same parts as those of the first embodiment will be omitted or simplified.
上記第1実施形態においては、サッシュモール1の全面にコーティング層5が設けられた構成について説明した。これに対して、本実施形態においては、サッシュモール1の意匠面のみに局所的にコーティング層5が設けられている。
In the above-described first embodiment, the configuration in which the
図5は、サッシュモール1の断面図である。なお、図5に示すサッシュモール1の断面形状は一例であり、サッシュモール1の断面形状はこれに限定されるものではない。また、サッシュモール1の取付け姿勢に関わらず、以下の説明においては、図5における下側を下方とし、図5における上側を上方とする。また、後述する意匠部位1aの意匠面1a1が向けられた方向を外側と称し、外側と反対側の方向を内側と称する。
FIG. 5 is a sectional view of the
図5に示すように、サッシュモール1は、外部から視認可能な意匠面1a1を有する平板状の意匠部位1aを有している。また、サッシュモール1は、意匠部位1aの下端から内側に曲げられた下部湾曲部位1bを有している。この下部湾曲部位1bは、一方側の端部と他方側の端部とのいずれもが上方に向けられるように約180°の範囲で湾曲された部位である。この下部湾曲部位1bの外側に位置する端部は意匠部位1aの下端と接続されている。
As shown in FIG. 5, the
また、サッシュモール1は、下部湾曲部位1bの他端から上方に直線状に延出する下部端末部位1cを有している。この下部端末部位1cは、図5に示す断面におけるサッシュモール1の一端部からなる部位であり、意匠部位1aの内壁面に対向配置されている。また、サッシュモール1は、意匠部位1aの上端から内側に曲げられた上部湾曲部位1dを有している。この上部湾曲部位1dは、一方側の端部が意匠部位1aの上端と接続され、他方側の端部が内側かつ水平方向に向けられるように約90°の範囲で湾曲された部位である。
The
また、サッシュモール1は、上部湾曲部位1dの他方側の端部から内側に向けて水平に延出する平板状の上壁部位1eを有している。また、サッシュモール1は、上壁部位1eの内側に向けられた先端から下方に向けて曲げられた上部内側湾曲部位1fを有している。この上部内側湾曲部位1fは、一方の端部が上壁部位1eの先端に接続され、他方の端部が意匠部位1aに向かうように約180°の範囲で湾曲された部位である。また、サッシュモール1は、上部内側湾曲部位1fの他方の端部から意匠部位1aに向けて水平方向に延出する上壁対向部位1gを有している。この上壁対向部位1gは、先端が意匠部位1aに向けられた平板状の部位であり、上壁部位1eの下方にて上壁部位1eに対向配置されている。
The
また、サッシュモール1は、上壁対向部位1gの先端から下方に向けて曲げられた内側湾曲部位1hを有している。この内側湾曲部位1hは、一端が上壁対向部位1gの先端と接続され、他端が内側に向くように斜め下方に向けられるように約120°の範囲で湾曲された部位である。また、サッシュモール1は、内側湾曲部位1hの先端から斜め下方に先端を向けて延出する平板状の斜壁部位1jを有している。また、サッシュモール1は、斜壁部位1jの先端から内側に曲げられた中央湾曲部位1kを有している。この中央湾曲部位1kは、一端が斜壁部位1jの先端と接続され、他端が水平に内側に向けられるように約60°の範囲で湾曲された部位である。
The
また、サッシュモール1は、中央湾曲部位1kの他端から先端が内側に向けて水平に延出された平板状の水平壁部位1mを有している。また、サッシュモール1は、水平壁部位1mの先端から上方に曲げられた水平壁湾曲部位1nを有している。水平壁湾曲部位1nは、一端が水平壁湾曲部位1nの先端に接続され、他端が上方に向けられるように約90°の範囲で湾曲された部位である。
The
また、サッシュモール1は、水平壁湾曲部位1nの他端から先端が上方に向けて延出された平板状の立壁部位1pを有している。また、サッシュモール1は、立壁部位1pの上端から外側に向けて折り曲げられた折曲部位1qを有している。この折曲部位1qは、一端が立壁部位1pの先端に接続され、他端が下方に向けられるように約180°の範囲で湾曲された部位である。また、サッシュモール1は、折曲部位1qの他端から先端が下方に向けて延出された平板状の上部端末部位1rを有している。この上部端末部位1rは、立壁部位1pの外側の面に当接するように、立壁部位1pに対向配置されている。
Further, the
このように、サッシュモール1は、複数の平板状の部位(意匠部位1a 下部端末部位1c、上壁部位1e、上壁対向部位1g、斜壁部位1j、水平壁部位1m 、立壁部位1p、及び上部端末部位1r)と、複数の湾曲された部位(下部湾曲部位1b、上部湾曲部位1d、上部内側湾曲部位1f、内側湾曲部位1h、中央湾曲部位1k、水平壁湾曲部位1n、及び折曲部位1q)とを有する断面形状に形成されている。
Thus, the
本実施形態においては、このような断面形状を有するサッシュモール1の意匠面1a1のみに局所的に上記第1実施形態で示したコーティング層5が設けられている。また、サッシュモール1の運搬中等においては、意匠面1a1に対して上述した保護フィルム20が貼付される。このような本実施形態のサッシュモール1においても、保護フィルム20が貼付される面に対してはコーティング層5が設けられているため、保護フィルム20の接着剤22がサッシュモール1の表面に視認可能に残存することを抑止することが可能となる。
In this embodiment, the
このようなサッシュモール1の意匠面1a1に対して局所的にコーティング層5を形成する場合には、図6に示すように、意匠面1a1に対して局所的にスプレー塗装等によってシロキサンを含む塗料X(溶剤)を塗布し、この塗料Xを乾燥させる。これによって、意匠面1a1すなわち露出面に対して局所的にコーティング層5を形成することが可能となる。
When forming the
このような本実施形態のサッシュモール1及びサッシュモール1の製造方法によれば、全面に対してコーティング層5を形成する場合と比較して、コーティング層5の形成材料である塗料Xの使用量を削減することが可能となる。
According to the
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。 Although the preferred embodiments of the present invention have been described above with reference to the accompanying drawings, it goes without saying that the present invention is not limited to the above embodiments. The various shapes, combinations, and the like of the constituent members shown in the above-described embodiment are merely examples, and can be variously changed based on design requirements and the like without departing from the gist of the present invention.
例えば、上記実施形態においては、本発明の車両用外装部品がサッシュモール1である構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、アウトサイドモールに対して本発明を適用することも可能である。このような場合には、アウトサイドモールに露出して設けられる芯材が本発明の車両用外装部品となる。
For example, in the above embodiment, the configuration in which the vehicle exterior component of the present invention is the
図7は、アウトサイドモール6の概略構成を示す断面図である。アウトサイドモール6は、図7に示すように、芯材7(車両用外装部品)と、樹脂部8とを備えている。アウトサイドモール6が取り付けられるドアパネル11は、上端部が車両の外側から内側に向けて折り返されている。ドアパネル11は、このようにドアパネル11の折り返された部位(折り返し部11a)が車両の前後方向における一端から他端まで設けられた形状を有している。
FIG. 7 is a cross-sectional view showing a schematic configuration of the
芯材7は、アウトサイドモール6の剛性を確保するための強度部材であり、ロール成形により形成されたステンレス鋼からなる部品である。この芯材7は、アウトサイドモール6の延在方向に沿って配設されており、一部が露出状態にて樹脂部8に保持されている。図7に示すように、芯材7は、樹脂部8に埋設された埋設領域7aと、外部に向けて片面が露出された露出領域7bと、露出領域7bの下端部に接続された先端領域7cとを有している。
The
埋設領域7aと先端領域7cとは、ドアパネル11の折り返し部11aを挟むように対向配置されており、埋設領域7aが車内側に配置され、先端領域7cが車外側に配置されている。また、露出領域7bは、埋設領域7aと先端領域7cとを繋ぐように湾曲されている。この露出領域7bは、アウトサイドモール6が車両に装着された状態では、外面が車両外側に向けて露出される領域である。なお、埋設領域7aと先端領域7cとは、アウトサイドモール6が車両に装着された状態では、表面を外部から視認することはできない。
The embedded
樹脂部8は、芯材7を保持しておりかつ芯材7によって支持されており、例えば塩化ビニルによって形成された樹脂製の部材である。この樹脂部8は、芯材7の埋設領域7aが内部に配設された基部8aと、芯材7の傾倒を防止する傾倒防止部8bと、車内側に突出する2つのリップ8cと、上方に突出する装飾リップ8dと、緩衝リップ8eとを有している。
The
基部8aは、芯材7の埋設領域7aを表裏面両側から覆うように設けられている。基部8aは、傾倒防止部8bに対向配置されており、傾倒防止部8bと共にドアパネル11を挟持する。これらの基部8aと傾倒防止部8bとの隙間にドアパネル11が差し込まれると、傾倒防止部8bが弾性変形し、ドアパネル11が保持される。
The
傾倒防止部8bは、ドアパネル11を挟み込むようにして基部8aに対向配置されている。この傾倒防止部8bは、芯材7の露出領域7bの内壁面に接着されており、芯材7を内側から支持することによって芯材7が傾倒することを防止している。
The
リップ8cは、低摩擦層を介して窓板に当接しており、窓板とアウトサイドモール6との間に雨水等が入り込むことを防止する。また、リップ8cは、窓板の昇降を阻害しない程度の可撓性を有している。
The
装飾リップ8dは、基部8aの上端部に設けられており、基部8aから窓板の方向に突出している部位である。緩衝リップ8eは、芯材7の先端領域に設けられており、ドアパネル11と当接して弾性変形する部位である。この緩衝リップ8eは、ドアパネル11とアウトサイドモール6との間に雨水等が入り込むことを防止すると共に取付時のばらつきを吸収している。
The
このようなアウトサイドモール6において、芯材7は、上記第1実施形態のサッシュモール1と同様に、基材2と、第1酸化被膜3と、第2酸化被膜4と、コーティング層5とを備えている。このようなアウトサイドモール6によれば、芯材7の露出領域7bに保護フィルム20が貼付されても、露出領域7bの表面に視認可能に接着剤22が残存することを防止することができる。なお、コーティング層5は、芯材7の全体ではなく、露出領域7bの外側面に局所的に形成されていても良い。
In the
1……サッシュモール(車両用外装部品)、2……基材、3……第1酸化被膜、4……第2酸化被膜、5……コーティング層、6……アウトサイドモール、7……芯材(車両用外装部品)、10……自然酸化被膜、20……保護フィルム、21……フィルム本体、22……接着剤、100……車両、X……塗料
DESCRIPTION OF
Claims (6)
ステンレス鋼からなる基材と、
前記基材の表面に形成されると共にクロムを含む第1酸化被膜と、
前記第1酸化被膜上に形成されると共に前記第1酸化被膜よりもクロムの含有量が多い第2酸化被膜と、
前記第2酸化被膜上に形成されると共にシロキサンを含むコーティング層と
を備えることを特徴とする車両用外装部品。 A vehicle exterior component,
a base material made of stainless steel;
a first oxide film formed on the surface of the base material and containing chromium;
a second oxide film formed on the first oxide film and having a higher chromium content than the first oxide film;
and a coating layer formed on the second oxide film and containing siloxane.
ステンレス鋼からなる基材から前記基材と空気とが接触することで発生した自然酸化被膜を除去する自然酸化被膜除去工程と、
前記基材の表面にクロムを含む第1酸化被膜を形成する第1酸化被膜形成工程と、
前記第1酸化被膜上に前記第1酸化被膜よりもクロムの含有量が多い第2酸化被膜を形成する第2酸化被膜形成工程と、
前記第2酸化被膜上にシロキサンを含むコーティング層を形成するコーティング層形成工程と
を有することを特徴とする車両用外装部品の製造方法。 A method for manufacturing a vehicle exterior component,
a natural oxide film removing step of removing a natural oxide film generated from a base material made of stainless steel due to contact between the base material and air;
a first oxide film forming step of forming a first oxide film containing chromium on the surface of the base material;
a second oxide film forming step of forming a second oxide film having a higher chromium content than the first oxide film on the first oxide film;
and a coating layer forming step of forming a coating layer containing siloxane on the second oxide film.
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