JP2022147154A - 電池管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の保管期間を有効活用しつつ、効率良く電池から新たな組電池を製造する。【解決手段】電池セラー2は、複数の電池を保管する保管ユニット21と、保管ユニット21に保管された複数の電池と電力系統5との間に電気的に接続され、双方向の電力変換動作が可能な電力変換装置(AC/DCコンバータ22およびDC/DCコンバータ23)と、電力変換装置を制御するサーバ20とを備える。サーバ20は、電力系統5からのDR要求に応じて電力変換装置の動作を制御しつつ、複数の電池の各々の満充電容量を評価する。新たな組電池を製造する場合、サーバ20は、組電池の満充電容量に関する販売業者3の要求を満たすように、満充電容量を評価済みの複数の電池のなかから2以上の電池の組み合わせを決定する。【選択図】図8

Description

本開示は電池管理システムに関する。
特開2018-205873号公報(特許文献1)には、電力貯蔵システムに適合する蓄電池を有する電気自動車のユーザに当該蓄電池の交換を促すことが記載されている。
特開2018-205873号公報
近年、走行用の組電池が搭載された車両の普及が急速に進んでいる。そのため、これらの車両の買い換え、解体等に伴って回収される中古電池の数量が増加している。持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)を推進する観点からは、回収された中古電池を用いて新たな組電池を製造し、中古電池の再利用を図ることが要望される。発明者らは、中古電池の再利用を図る際などに以下のような課題が生じ得ることに着目した。
電池は、利用を待つ間、物流拠点などに保管される。電池を適切に保管するにはコストが掛かる。また、電池の入庫から再利用に向けた出庫までには一定程度の時間(保管期間)を要し得る。したがって、電池の保管期間を有効活用することが望ましい。
また、単にユーザ(電池の販売先)の求めに応じて必要数量の電池を販売することも考えられる。しかし、電池の劣化度合いは電池毎に異なり得る。そのため、一般に、新品電池の特性が比較的均一であるのに対して、電池の特性には、ばらつきが大きい。したがって、ユーザが電池の特性ばらつきに対応しながら適切な組電池を製造することは、作業量が多く煩雑である。より効率良く、電池から新たな組電池を製造することが望ましい。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、電池の保管期間を有効活用しつつ、効率良く電池から新たな組電池を製造することである。
本開示のある局面に係る電池管理システムは、複数の電池を保管する保管庫と、保管庫に保管された複数の電池と電力系統との間に電気的に接続された電力変換装置と、電力変換装置を制御する制御装置とを備える。制御装置は、電力系統からのデマンドレスポンス要求に応じて電力変換装置を制御しつつ、複数の電池の各々の満充電容量を評価する。保管庫に保管された複数の電池を用いて新たな組電池を製造する場合、制御装置は、組電池の満充電容量に関するユーザの要求を満たすように、満充電容量を評価済みの複数の電池のなかから2以上の電池の組み合わせを決定する。
上記構成において、制御装置は、複数の電池が保管庫に保管されている状態で、複数の電池の満充電容量を評価する。これにより、電池の保管期間中に満充電容量の評価も完了するので、満充電容量の評価を別途実施する時間を節約できる。さらに、制御装置は、満充電容量の評価を、電力系統からのデマンドレスポンス要求に応じて複数の電池が充放電される機会を利用して行う。デマンドレスポンス要求に応えることで電力系統の管理者(一般的には電力会社)から対価を得ることができる。よって、電池の保管期間を時間的にも金銭的にも有効活用できる。さらに、上記構成において、満充電容量の評価結果は、組電池の製造(リビルド)に用いられる電池の組み合わせの決定にも利用される。これらの電池は、劣化評価試験も充放電検査も完了しているため、直ちに組電池の製造工程に回すことが可能である。その結果、組電池を速やかに出荷できる。よって、上記構成によれば、回収された電池の保管期間を有効活用しつつ、効率良く電池から新たな組電池を製造できる。
本開示によれば、電池の保管期間を有効活用しつつ、効率良く電池から新たな組電池を製造できる。
本実施の形態における組電池の物流の一態様を示す図である。 中古電池が保管ユニットに保管されている様子の一例を示す図である。 中古電池を再利用するための作業工程の概要を示すフローチャートである。 電池セラーの電気的な構成を示すシステム構成図である。 電池データのデータ構造の一例を示す図である。 中古電池の劣化評価に関するサーバの機能ブロック図である。 電池セラーと電力系統との間の電力調整に関するサーバの機能ブロック図である。 組み合わせ決定処理の処理手順を示すフローチャートである。 中古電池の組み合わせ候補の抽出手法の一例を示す図である。
本開示および実施の形態において、電池の充放電とは、電池の充電および放電のうちの少なくとも一方を意味する。すなわち、電池の充放電とは、電池の充電および放電の両方に限られず、電池の充電だけであってもよいし、電池の放電だけであってもよい。
本開示および実施の形態において、組電池は、複数のモジュール(ブロック、スタックとも呼ばれる)を含む。複数のモジュールは、直列接続されていてもよいし、互いに並列接続されていてもよい。複数のモジュールの各々は、複数のセル(単電池)を含む。
一般に、組電池の「再利用」は、リユース、リビルド、材料リサイクルに大別される。リユースの場合、回収された組電池は、必要な出荷検査を経て、そのままリユース品として出荷される。リビルトの場合、回収された組電池は、一旦、モジュールに分解される。そして、分解されたモジュールのうち、使用可能なモジュール(性能回復後に使用可能となるモジュールであってもよい)が組み合わされて新たな組電池が製造される。新たに製造された組電池は、出荷検査を経て、リビルト品として出荷される。これに対し、材料リサイクルでは、各セルから再生可能な材料(資源)が取り出される。回収された組電池が他の組電池として使用されることはない。
以下に説明する実施の形態においては、車両から回収された組電池が一旦モジュールに分解される。そして、モジュール単位で各種工程が行われる。つまり、以下では、再利用が可能な中古電池とは、リビルトが可能なモジュールを意味する。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
[実施の形態]
<電池物流モデル>
図1は、本実施の形態における組電池の物流の一態様を示す図である。以下では、図1に示される物流の態様を「電池物流モデル」と称する。電池物流モデル100は、回収業者1と、電池セラー2と、販売業者3と、リサイクル工場4と、電力系統5と、分散型エネルギーリソース(DER:Distributed Energy Resource)6とを含む。
回収業者1は、複数の車両から使用済みの組電池(中古電池9)を回収する。回収業者1は、車両販売店(ディーラー)であってもよいし、車両の解体業者であってもよい。なお、この例では、中古電池9毎に識別情報(電池ID)が付与されている(図5参照)。したがって、電池物流モデル100では、IDを用いて中古電池9を特定し、その中古電池9のデータ(後述する電池データなど)を管理したり、その中古電池9の流通経路を追跡したりすることができる。
電池セラー2とは、ワインボトルを温度および湿度の管理下で貯蔵するワインセラーのように、回収業者1により回収された中古電池9を適切に管理するための施設である。電池セラー2は、図1に示す例では港湾近くの物流拠点に設置されている。電池セラー2は、中古電池9に関するデータを管理するサーバ20と、複数の保管ユニット21とを含む。なお、電池セラー2は、本開示に係る「電池管理システム」に相当する。保管ユニット21は、本開示に係る「保管庫」に相当する。電池セラー2に保管される電池は、中古電池に限らず、新品の電池が含まれてもよい。
図2は、中古電池9が保管ユニット21に保管されている様子の一例を示す図である。図2に示すように、電池セラー2の建屋内には複数の保管ユニット21が配置されている。複数の保管ユニット21の各々は、多くの中古電池9を格納するように構成されている。詳細は後述するが、本実施の形態においては、電池セラー2は、保管ユニット21に格納された中古電池9の各々について劣化評価試験を実施する。そして、電池セラー2は、劣化評価試験の結果に基づいて、各中古電池9を再利用可能か再利用不可能か(再利用に適するか適さないか)を判定する。
図1に戻り、販売業者3は、電池セラー2により再利用可能と判定された中古電池9(より詳細には、再利用可能と判定された中古電池9を用いて製造された組電池)を販売する。販売業者3は、中古電池9を車両用として販売する販売店31と、工場、ビル等で使用される定置用として販売する販売店32とを含み得る。また、販売業者3は、中古電池9を補給品(保守・修理用の交換部品)として販売する販売店33を含んでもよい。なお、販売業者3は、本開示に係る「ユーザ」の一例である。
リサイクル工場4は、電池セラー2により再利用不可能と判定された中古電池9を他の製品の原料として再生するための材料リサイクルを行う。
電力系統5は、発電所および送配電設備等によって構築された電力網である。この実施の形態では、電力会社が発電事業者と送配電事業者とを兼ねる。電力会社は、一般送配電事業者に相当するとともに、電力系統5の管理者に相当し、電力系統5を保守および管理する。電力系統5には事業者サーバ50が設けられている。事業者サーバ50は、電力会社に帰属し、電力系統5の電力需給を管理する。サーバ20と事業者サーバ50とは双方向通信が可能に構成されている。
DER6は、電池セラー2が設置された物流拠点(または、その周辺地域)に設けられ、電池セラー2との間で電力の授受が可能な比較的小規模な電力設備である。DER6は、たとえば、発電型DERと、蓄電型DERとを含む。
発電型DERは、自然変動電源と、発電機とを含み得る。自然変動電源は、気象条件によって発電出力が変動する発電設備である。図1には太陽光発電設備(太陽光パネル)が例示されているが、自然変動電源は、太陽光発電設備に代えてまたは加えて、風力発電設備を含んでもよい。一方、発電機は、気象条件に依存しない発電設備である。発電機は、蒸気タービン発電機、ガスタービン発電機、ディーゼルエンジン発電機、ガスエンジン発電機、バイオマス発電機、定置式の燃料電池などを含み得る。発電機は、発電時に発生する熱を活用するコージェネレーションシステムを含んでもよい。
蓄電型DERは、電力貯蔵システムと、蓄熱システムとを含み得る。電力貯蔵システムは、自然変動電源などにより発電された電力を蓄える定置式の蓄電装置である。電力貯蔵システムは、電力を用いて気体燃料(水素、メタン等)を製造するパワー・ツー・ガス(Power to Gas)機器であってもよい。蓄熱システムは、熱源と負荷との間に設けられた蓄熱槽を含み、蓄熱槽内の液媒体を保温状態で一時的に蓄えるように構成されている。蓄熱システムを用いることで熱の発生と消費とを時間的にずらすことができる。そのため、たとえば、夜間に電力を消費して熱源機を運転することで発生した熱を蓄熱槽に蓄えておき、昼間にその熱を消費して空調することが可能になる。
このように、回収業者1により回収された中古電池9は、販売業者3またはリサイクル工場4への出庫を待つ間、電池セラー2に保管される。しかし、電池セラー2を用いて中古電池9を適切に保管するにも維持費(ランニングコスト)が掛かる。さらに、回収された中古電池9の入庫から販売業者3またはリサイクル工場4への出庫までの間には一定程度の時間を要し得る。したがって、電池セラー2における中古電池9の保管期間を有効活用することが望ましい。
そこで、本実施の形態においては、電池セラー2を中古電池9の保管場所に加えてバーチャルパワープラント(VPP:Virtual Power Plant)としても機能させる構成を採用する。これにより、中古電池9が充放電する機会が、中古電池9の再利用態様を決定するための中古電池9の劣化評価と、中古電池9を利用した電力系統5の電力需給バランス調整とを兼ねる。その結果、電池セラー2では、中古電池9の保管と、中古電池9の劣化評価と、中古電池9による電力需給バランス調整とが「三位一体」に行われる。
<中古電池の再利用工程>
図3は、中古電池9を再利用するための作業工程の概要を示すフローチャートである。まず、回収業者1により回収された中古電池9が電池セラー2に引き渡される(S1)。
本実施の形態においては、サーバ20は、中古電池9の各々について、保管ユニット21に格納された状態で劣化評価試験(性能検査)を実施する(S2)。サーバ20は、各中古電池9について、満充電容量、内部抵抗(たとえば交流インピーダンス)等の電気的特性に基づいて劣化度合いを評価する。そして、サーバ20は、劣化評価試験の結果に応じて、各中古電池9が再利用可能か再利用不可能かを判定する(S3)。
再利用可能と判定された場合(S3においてYES)、作業工程は性能回復工程へと進む(S4)。性能回復工程においては、中古電池9の性能を回復させるための処理(性能回復処理)が実施される。たとえば中古電池9を過充電することによって、中古電池9の満充電容量を回復させることができる。ただし、性能回復工程を省略してもよい。また、劣化評価試験の結果、劣化度合いが大きい(性能が大きく低下している)中古電池9には性能回復処理を実施する一方で、劣化度合いが小さい(あまり性能低下していない)中古電池9については性能回復処理を非実施としてもよい。
続いて、性能回復工程により性能が回復された中古電池9を用いて新たな組電池が製造(リビルド)される(S5)。組電池のリビルドに用いられる中古電池9は、基本的には性能回復工程を経て性能が回復された中古電池9であるが、性能回復工程が省略された中古電池9を含んでもよいし、新品電池(新品のモジュール)を含んでもよい。その後、組電池は販売業者3へと出荷される(S6)。
劣化評価試験の結果、再利用不可能と判定された場合(S3においてNO)、中古電池9は、リサイクル工場4へと運ばれる(S7)。リサイクル工場4では中古電池9が解体されて再資源化される。
このように、回収業者1により回収されて販売業者3またはリサイクル工場4に引き渡されるまでの間、中古電池9は、電池セラー2内に保管され、その間に劣化評価試験が実施される。劣化評価試験において中古電池9の満充電容量等の電気的特性を測定する際には、中古電池9が充放電される。本実施の形態では、この充放電に、電池セラー2(およびDER6)と電力系統5との間で授受される電力が用いられる。これにより、電池セラー2がVPP(またはDERの1つ)として機能し、電力系統5の負荷平準化に貢献する。より詳細には、電池セラー2は、電力系統5において需要に対して供給の余剰が生じている時間帯には、その余剰分の電力を中古電池9に充電することで電力余剰を吸収する。一方、電池セラー2は、電力系統5において需要に対して供給の不足が生じている場合には、その不足分の電力を中古電池9から放電することで電力不足を緩和する。
ただし、電池セラー2は、電力系統5における電力余剰の吸収および電力不足の緩和の両方に貢献するように構成されていなくてもよい。電池セラー2は、電力余剰の吸収および電力不足の緩和のうちの一方のみに貢献するように構成されていてもよい。たとえば、電池セラー2は、電力系統5における余剰分の電力を中古電池9に充電する一方で、中古電池9からの放電先に電力系統5を含まないようにすることも可能である。中古電池9からの放電先は、たとえばDER6のみであってもよい。
<電池セラーのシステム構成>
図4は、電池セラー2の電気的な構成を示すシステム構成図である。電池セラー2は、たとえば、保管ユニット21と、AC/DCコンバータ22と、DC/DCコンバータ23と、サーバ20とを備える。なお、図4では紙面の都合上、保管ユニット21が1つだけ図示されているが、図2に示したように、典型的な電池セラー2は複数の保管ユニット21を備える。
保管ユニット21は複数の中古電池9を格納する。図4では複数の中古電池9が互いに並列接続されているが、これは例示に過ぎず、複数の中古電池9の接続態様は特に限定されない。複数の中古電池9は、直列接続されていてもよいし、直列接続と並列接続とが組み合わせられていてもよい。保管ユニット21は、電圧センサ211と、電流センサ212と、リレー213とを含む。
電圧センサ211は、中古電池9の電圧VBを検出し、その検出値をサーバ20に出力する。電流センサ212は、中古電池に充放電される電流IBを検出し、その検出値をサーバ20に出力する。なお、中古電池9の劣化評価に温度が用いられる場合には、保管ユニット21が温度センサ(図示せず)をさらに含んでもよい。また、各センサは、中古電池9に備え付けのセンサであってもよい。
リレー213は、たとえば、中古電池9の正極側に電気的に接続された第1リレーと、中古電池9の負極側に電気的に接続された第2リレーとを含む。これにより、任意の中古電池9を他の中古電池9の充放電中にも電気的に切り離し、その中古電池9を保管ユニット21から取り出すことができる。
AC/DCコンバータ22は、電力系統5とDC/DCコンバータ23との間に電気的に接続されている。AC/DCコンバータ22は、サーバ20からの制御指令(充放電指令)に従って、保管ユニットに格納された中古電池9を充放電するための双方向の電力変換動作が可能に構成されている。より具体的には、AC/DCコンバータ22は、電力系統5から供給される交流電力を、中古電池9を充電するための直流電力に変換する。また、AC/DCコンバータ22は、中古電池9から放電される直流電力を、電力系統5に供給するための交流電力に変換する。
DC/DCコンバータ23は、AC/DCコンバータ22と保管ユニット21との間に電気的に接続されているとともに、DER6と保管ユニット21との間に電気的に接続されている。DC/DCコンバータ23もAC/DCコンバータ22と同様に、サーバ20からの制御指令(充放電指令)に従って双方向の電力変換動作が可能に構成されている。DC/DCコンバータ23は、AC/DCコンバータ22および/またはDER6からの直流電力を中古電池9に充電させたり、中古電池9に蓄えられた直流電力をAC/DCコンバータ22および/またはDER6に放電させたりすることができる。
サーバ20は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリと、各種信号が入出力される入出力ポート(いずれも図示せず)とを含む。サーバ20は、各センサから受ける信号ならびにメモリに記憶されたプログラムおよびマップに基づいて、様々な制御を実行する。サーバ20は、電池データ記憶部201と、劣化評価部202と、電力調整部203と、タイミング調整部204と、組合せ決定部205と、表示部206とを含む。
電池データ記憶部201は、電池セラー2において中古電池9を管理するために使用される電池データを記憶する。
図5は、電池データのデータ構造の一例を示す図である。電池データは、たとえばマップ形式で記憶されている。電池データは、パラメータとして、たとえば、中古電池9を識別するための識別情報(電池ID)と、中古電池9の型番と、製造日と、現在のSOC(State Of Charge)と、満充電容量と、ランクと、劣化評価日時(劣化評価試験を実施した最新の日時)と、保管位置(中古電池9が格納された保管ユニットの識別情報)とを含む。電池データは上記以外のパラメータ(中古電池9の内部抵抗、中古電池9の電解液中の塩濃度分布の偏りを示す指標ΣDなど)を含んでもよい。
図4を再び参照して、劣化評価部202は、中古電池9の充放電に際して電圧センサ211および電流センサ212によりそれぞれ検出される電圧VBおよび電流IBに基づいて、中古電池9の劣化評価試験を実施する。この評価手法の一例については図6にて説明する。
電力調整部203は、電池セラー2(およびDER6)と電力系統5との間の電力調整を行う。より具体的には、サーバ20は、複数の中古電池9のなかから、事業者サーバ50(図1参照)からのデマンドレスポンス(DR:Demand Response)要求に応えるために充放電される中古電池9を選択する。電力調整部203は、選択された中古電池9が充放電されるように、リレー213、AC/DCコンバータ22およびDC/DCコンバータ23への指令を出力する。この制御手法の一例については図7にて説明する。
タイミング調整部204は、劣化評価部202による中古電池9の劣化評価試験のタイミングと、電力調整部203による電池セラー2と電力系統5との間の電力調整のタイミングとを調整する。より具体的には、タイミング調整部204は、事業者サーバ50からのDR要求に応答して電池セラー2のDRが行われるタイミングに合わせて中古電池9の劣化評価試験が実施されるように、タイミング調整を行う。なお、電池セラー2のDRに合わせて行われるのは中古電池9の劣化評価試験に限られず、劣化評価試験に加えて性能回復処理(図3のS4参照)が行われてもよい。
組合せ決定部205は、組電池のリビルドに使用される中古電池9の組み合わせを決定する。この「組み合わせ決定処理」については図8および図9にて説明する。
表示部206は、電池セラー2の管理者(電池セラー2で働く作業員であってもよい)の操作に応じて電池データ(図5参照)を表示する。また、表示部206は、劣化評価部202による劣化評価試験の進捗および結果を表示する。これにより、管理者が劣化評価試験の状況を把握できる。さらに、表示部206は、電力調整部203により選択されて充放電されている中古電池9の状態を表示する。これにより、管理者が電池セラー2と電力系統5との間の電力調整の状況を把握できる。また、表示部206は、組合せ決定部205により決定された中古電池9の組み合わせを表示する。これにより、電池セラー2の作業員が保管ユニット21から中古電池9を取り出して組電池のリビルド工程へと作業工程を進めることができる。
なお、サーバ20は、本開示に係る「制御装置」に相当する。AC/DCコンバータ22およびDC/DCコンバータ23は、本開示に係る「電力変換装置」に相当する。
<劣化評価>
図6は、中古電池9の劣化評価に関するサーバ20(劣化評価部202)の機能ブロック図である。以下では、説明の簡略化のため、1つの中古電池9に着目して説明する。しかし、実際には、劣化評価が未実施の中古電池9が複数存在する場合には、それらの中古電池9に対して同様の処理が同時に実行され得る。劣化評価部202は、電流積算部71と、OCV(Open Circuit Voltage)算出部72と、SOC変化量算出部73と、満充電容量算出部74と、ランク付け部75とを含む。
電流積算部71は、電流センサ212により検出される電流IBに基づいて、電流積算の開始条件が成立してから終了条件が成立するまでの間に中古電池9に充放電された電流の積算値(電流積算量)ΔAh(単位:Ah)を算出する。本実施の形態では前述のように、中古電池9の充放電が事業者サーバ50からのDR要求に応じて実施され、そのDR時に流れる電流が積算される。より具体的には、上げDR(電力需要の増大要請)を行う場合には、電池セラー2の電力需要を増やすために中古電池9が充電され、そのときの充電電流が積算される。一方、下げDRを行う場合には、電池セラー2の電力需要を減らすために中古電池9が放電され、そのときの放電電流が積算される。電流積算部71は、算出された電流積算量ΔAhを満充電容量算出部74に出力する。
OCV算出部72は、電流積算開始時における中古電池9のOCVと、電流積算終了時における中古電池9のOCVとを算出する。OCVは、たとえば下記式(1)に従って算出できる。
OCV=VB-ΔVp-IB×R ・・・(1)
式(1)では、中古電池9の内部抵抗をRと記載し、分極電圧をVpと記載している。電流積算開始時(充放電の開始直前)には電流IB=0である。また、電流積算開始前に中古電池9が充放電されずに放置されていた場合には分極電圧Vp≒0と近似できる。したがって、電流積算開始時におけるOCVは、電圧センサ211により検出される電圧VBに基づいて算出できる。一方、内部抵抗Rについては電圧VBと電流IBとの間の関係(オームの法則)から特定できる。また、中古電池9の充放電時が一定電流で行われる場合には、電流と分極電圧Vpとの間の関係を事前に測定しておくことで、電流センサ212により検出される電流IBから分極電圧Vpも特定できる。したがって、電流積算終了時における中古電池9のOCVも電圧VBおよび電流IBに基づいて算出できる。OCV算出部72は、算出された2通りのOCVをSOC変化量算出部73に出力する。
SOC変化量算出部73は、2通りのOCVに基づいて、電流積算開始時から電流積算終了時までの間の中古電池9のSOC変化量ΔSOCを算出する。SOC変化量算出部73は、OCVのSOC依存性を示す特性曲線(OCV-SOCカーブ)を予め有している。したがって、SOC変化量算出部73は、OCV-SOCカーブを参照することによって、電流積算開始時におけるOCVに対応するSOCと、電流積算終了時におけるOCVに対応するSOCとを読み出し、これらのSOC間の差をΔSOCとして算出できる。SOC変化量算出部73は、算出されたΔSOCを満充電容量算出部74に出力する。
満充電容量算出部74は、電流積算部71からのΔAhと、SOC変化量算出部73からのΔSOCとに基づいて、中古電池9の満充電容量Cを算出する。詳細には、中古電池9の満充電容量Cは、ΔSOCに対するΔAhとの比率と、ΔSOC=100%に対する満充電容量Cとの比率とが等しいとする下記式(2)に従って算出できる。なお、初期状態における満充電容量C0は中古電池9の仕様から既知であるため、満充電容量算出部74は、満充電容量Cから容量維持率Qをさらに算出してもよい(Q=C/C0)。満充電容量算出部74は、算出された満充電容量Cをランク付け部75に出力する。
C=ΔAh/ΔSOC×100 ・・・(2)
ランク付け部75は、満充電容量C(または容量維持率Q)に応じて中古電池9をランク付けする。本実施の形態では図2に示すように、再利用(リビルド)が可能な中古電池9に関しては、満充電容量Cが大きい順に、Sランク、Aランク、Bランク、Cランクの4段階にランク付けされる。一方、満充電容量Cが規定値を下回る中古電池9に関しては、Cランクよりも低くランク付けされ(Reと記載)、材料リサイクルに回される。なお、ランク付け部75は、ランク付けの日時を劣化評価日時として電池データ(図5参照)に記録できる。
なお、上記の満充電容量Cの算出手法は一例に過ぎない。満充電容量Cの算出には、中古電池9の充放電に伴って検出される電圧VBおよび電流IBを用いる手法であれば、任意の手法を採用できる。また、ランク付け部75は、中古電池9が充放電された時間の長さ、および/または、中古電池9が充放電された回数に応じて、中古電池9のランクを決定してもよい。ランク付け部75は、精度は多少低下する可能性はあるものの、中古電池9の製造時からの経過時間に応じて中古電池9のランクを決定してもよい。ランク付け部75は、上記の各要素(満充電容量C、内部抵抗R、リチウムイオン電池における電解液濃度の偏りを表す指標ΣD、充放電時間、充放電回数、製造時からの経過時間など)を組み合わせて中古電池9のランクを決定することも可能である。
<電力調整>
図7は、電池セラー2と電力系統5との間の電力調整に関するサーバ20(電力調整部203)の機能ブロック図である。この例では、理解を容易にするため、DER6が発電型DER(特に、太陽光発電設備などの自然変動電源)である状況を想定して説明する。電力調整部203は、全体調整量算出部81と、DER調整量算出部82と、電池セラー調整量算出部83と、中古電池選択部84と、変換演算部85と、指令生成部86とを含む。
全体調整量算出部81は、事業者サーバ50からDR要求を受け、電池セラー2およびDER6を用いて所定期間中(たとえば30分間)に電力調整を要する全体の電力量を算出する。この電力量を以下、全体調整量と呼び、kWh(total)とも記載する。全体調整量算出部81は、算出されたkWh(total)を電池セラー調整量算出部83に出力する。
DER調整量算出部82は、各DER6の運転状態(より詳細には、所定期間中に各DER6で発電される予想電力量)を、そのDER6との通信により取得する。この電力量を以下、DER調整量と呼び、kWh(DER)とも記載する。DER調整量算出部82は、取得されたkWh(DER)を電池セラー調整量算出部83に出力する。
電池セラー調整量算出部83は、全体調整量算出部81からのkWh(total)と、DER調整量算出部82からのkWh(DER)とに基づいて、電池セラー2を用いた電力調整を要する電力量を算出する。この電力量を以下、電池セラー調整量と呼び、kWh(bat)とも記載する。電池セラー調整量算出部83は、たとえば、上記2つの電力量の差であるΔkWh=kWh(total)-kWh(DER)を電池セラー調整量kWh(bat)として算出できる。電池セラー調整量算出部83は、算出されたkWh(bat)を中古電池選択部84に出力する。
中古電池選択部84は、複数の保管ユニット21に格納された多数の中古電池9の各々について、充放電可能な電力量を把握している(図5の電池データ参照)。中古電池選択部84は、電池セラー調整量算出部83からのkWh(bat)に基づいて、多数の中古電池9のなかから電力調整に使用する中古電池を選択する。kWh(bat)>0である場合、電池セラー2からの放電により電力系統5の電力不足分が補われる。したがって、中古電池選択部84は、kWh(bat)以上の電力量を放電可能な数量の中古電池9を選択する。一方、kWh(bat)<0である場合には、電池セラー2への充電により電力系統5の電力余剰分が吸収される。したがって、中古電池選択部84は、kWh(bat)(絶対値)以上の電力量を充電可能な数量の中古電池9を選択する。中古電池選択部84は、選択された中古電池9と、選択された各中古電池9に割り当てられる電力量(各中古電池9により調整される電力量)とを変換演算部85に出力する。
変換演算部85は、中古電池選択部84により選択された中古電池9毎に、その中古電池9に充放電される電力を算出する。より具体的には、変換演算部85は、中古電池9毎に、その中古電池9により調整される電力量(単位:kWh)を電力調整の残り時間を用いて電力(単位:kW)へと換算する。一例として、ある中古電池9に割り当てられた電力調整量が10kWhであり、電力調整の残り時間が15分である場合、10kWh×(60分/15分)=40kWと算出できる。変換演算部85は、各中古電池9に充放電される電力を指令生成部86に出力する。
指令生成部86は、変換演算部85による演算結果に基づいて、AC/DCコンバータ22およびDC/DCコンバータ23への充放電指令を生成するとともに、リレー213への開閉指令を生成する。より詳細には、また、指令生成部86は、選択された中古電池9がDC/DCコンバータ23に電気的に接続される一方で、非選択の中古電池9がDC/DCコンバータ23から電気的に遮断されるように開閉指令を生成する。指令生成部86は、選択された中古電池9に割り当てられた電力の合計が充放電されるように充放電指令を生成する。
なお、図7に示した電力調整手法も例示に過ぎないことを確認的に記載する。この例では、DER6が発電型DER、特に発電量を制御できない自然変動電源である状況を想定した。そのため、電池セラー調整量算出部83は、全体調整量kWh(total)からDER調整量kWh(DER)を差し引いた差分kWh(total)-kWh(DER)に基づいて電池セラー調整量kWh(bat)を算出する。つまり、この例では、DER調整量kWh(DER)の決定後に、電池セラー調整量kWh(bat)によって最終的な電力調整が行われる。しかし、たとえばDER6が蓄電型DERを含む場合には、電池セラー調整量算出部83は、全体調整量kWh(total)を、DER調整量kWh(DER)と電池セラー調整量kWh(bat)とに分配し、DER調整量kWh(DER)および電池セラー調整量kWh(bat)の両方を用いて電力調整を行ってもよい。
以上のように、本実施の形態においては、保管ユニット21に格納された状態で各中古電池9の劣化度合いが評価される。これにより、中古電池9の保管期間を時間的に有効活用できる。さらに、中古電池9の劣化度合いを評価するための中古電池9の充放電が基本的には事業者サーバ50からのDR要求に応じて行われる。また、中古電池9の数量が多い場合には大電力が充放電されるところ、その大電力が事業者サーバ50からのDR要求に応じて電池セラー2と電力系統5との間で授受される。これにより、電池セラー2の運営会社は、電力会社から対価(インセンティブ)の支払いを受けることができるので、その対価を電池セラー2のランニングコストとして使用できる。あるいは、電池セラー2の運営会社は、電池セラー2の初期投資(イニシャルコスト)の一部を回収できる。これにより、中古電池9の保管期間を金銭的にも有効活用できる。
<組電池のリビルド>
中古電池9から新たな組電池をリビルドする工程において、中古電池9の劣化度合いは電池毎に異なり得る。そのため、一般に新品電池の特性が比較的均一であるのに対して、中古電池9の特性には、ばらつきが大きい。したがって、中古電池9の特性ばらつきに対応しながら適切な組電池のリビルドに至るまでの工程は煩雑になり得る。そこで、本実施の形態において、サーバ20は、組電池の満充電容量に関する販売業者3の要求を満たすように中古電池9の組み合わせを決定する(組み合わせ決定処理)。
図8は、組み合わせ決定処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、たとえば予め定められた条件成立時に実行される。各ステップは、サーバ20によるソフトウェア処理により実現されるが、サーバ20内に配置されたハードウェア(電気回路)により実現されてもよい。以下、ステップをSと略す。
S11において、サーバ20は、リビルドされる組電池に関する販売業者3の要求仕様を取得する。販売業者3の要求仕様は、組電池の満充電容量に関する仕様を含む。この例では、販売業者3の要求仕様は、組電池のサイズおよび価格に関する仕様をさらに含む。
S12において、サーバ20は、S11にて取得された組電池の満充電容量に関する仕様が満たされるように、満充電容量を評価済みの中古電池9の組み合わせ方の一候補を抽出する。
図9は、中古電池9の組み合わせの候補の抽出手法の一例を示す図である。図9に示す様に、この例では、中古電池9の容量維持率Qに応じてランク付けが行われる。たとえば、中古電池9の容量維持率Qが90%以上かつ100%以下である場合、サーバ20は、その中古電池9をSランクにランク付けする。中古電池9の容量維持率Qが80%以上かつ90%未満である場合、サーバ20は、その中古電池9をAランクにランク付けする。BランクおよびCランクについても同様である。図示しないが、中古電池9の容量維持率Qが60%未満である場合には、その中古電池9は材料リサイクルに回される。
中古電池9の初期状態における満充電容量C0(仕様値)が10kWhであると想定する。この場合、Sランクの中古電池9の満充電容量Cは、9kWh以上かつ10kWh以下の範囲内である。Aランク、BランクおよびCランクの中古電池9についても同様に満充電容量Cの範囲が算出される。サーバ20は、各中古電池9の満充電容量Cが上記の範囲内に分布する(ばらつく)ことを考慮した上で、組電池の満充電容量に関する販売業者3の要求仕様が満たされるように、中古電池9の組み合わせ候補を抽出する。
一例として、組電池の満充電容量の要求仕様が100kWhであるとする。Sランクの中古電池ばかりを11個組み合わせた場合、満充電容量の合計は、99kWhから110kWhの範囲内であり、要求仕様を満たす可能性が高い。また、Aランクの中古電池ばかりを12個組み合わせた場合にも、満充電容量の合計は、96kWhから108kWhの範囲内であり、要求仕様を満たす可能性が高い。したがって、もし、満充電容量の要求仕様(100kWh)に一定程度の誤差が許容されるのであれば、サーバ20は、11個のSランクの中古電池9の組み合わせ、または、12個のAランクの中古電池9の組み合わせを候補として抽出できる。あるいは、組電池の満充電容量が100kWhを下回ることが許容されないのであれば、たとえば、Sランクの中古電池を12個組み合わせたり、Aランクの中古電池を13個組み合わせたりすることで、満充電容量の合計が100kWhを確実に上回るようにすることもできる。
なお、ここでは、組み合わせられる中古電池9のランクが共通である(すなわち、劣化度合いが同等の中古電池9が組み合わせられる)例について説明した。互いに劣化度合いが異なる中古電池9が組み合わせられた場合、劣化度合いが相対的に大きい中古電池9によって、組電池の使用可能なSOC範囲が制限され得る。その結果、劣化度合いが相対的に小さい中古電池9を十分に活用できない可能性がある。中古電池9のランクを共通にすることで、そのような事態を回避できる。しかしながら、組み合わせられる中古電池9のランクが共通であることは必須ではなく、様々なランクの中古電池9を組み合わせてもよい。
図8を再び参照して、S13において、サーバ20は、S12にて抽出された中古電池9の組み合わせの候補が組電池のサイズに関する販売業者3の要求仕様を満たすかどうかを判定する。サーバ20は、たとえば、中古電池9の数量が多く、それらの中古電池9をリビルドすると組電池のサイズが要求仕様の上限を超過する場合には、サイズに関する要求仕様を満たさないと判定できる。サイズに関する販売業者3の要求仕様が満たされる場合(S13においてYES)、サーバ20は、処理をS14に進める。
S14において、サーバ20は、S12にて抽出された中古電池9の組み合わせの候補が組電池の価格に関する販売業者3の要求仕様を満たすかどうかを判定する。サーバ20は、たとえば、中古電池9のランクが高く、それらの中古電池9をリビルドすると組電池の価格が要求仕様の上限を超過する場合には、価格に関する要求仕様を満たさないと判定できる。価格に関する販売業者3の要求仕様が満たされる場合(S14においてYES)、サーバ20は、処理をS15に進める。
サイズに関する要求仕様および価格に関する要求仕様のうちの少なくとも一方が満たされない場合(S13においてNOまたはS14においてNO)には、サーバ20は、処理をS12に戻す。そして、サーバ20は、満充電容量を評価済みの中古電池の組み合わせに関する他の候補を抽出する。
S15において、サーバ20は、抽出された候補を、リビルドされる組電池に用いられる中古電池9の組み合わせとして決定する。この候補によれば、満充電容量に関する要求仕様、サイズに関する要求仕様、および、価格に関する要求仕様がいずれも満たされるためである。ただし、サーバ20が組電池のサイズおよび価格に関する要求仕様を検討する処理は省略したり別途実施したりしてもよい。
その後、サーバ20は、S15にて決定された中古電池9を保管ユニット21から取り出す指示を表示部206に表示させる(S16)。そうすると、上記の中古電池9が電池セラー2の作業員により取り出され、リビルド工程(図3のS5参照)が進められる。さらに、サーバ20は、中古電池9が取り出されることで生まれた空きスペース(空いた保管ユニット21)に次に格納される中古電池を指定する(S17)。これにより、空いた保管ユニット21が劣化評価試験を未実施の中古電池9によって補充される。
以上のように、本実施の形態においては、電力需給バランス調整を兼ねて実施された各中古電池9の劣化評価試験の結果(満充電容量の測定結果)が、組電池にリビルドされる中古電池9の組み合わせの決定にも利用される。これらの中古電池9は、劣化評価試験も充放電検査(動作確認)も完了しているため、直ちにリビルド工程に回すことが可能である。その結果、組電池を速やかに出荷できる。したがって、本実施の形態によれば、中古電池9の保管、劣化評価、電力需給バランス調整に加えて、中古電池9の販売も効率的に行うことができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 電池物流モデル、1 回収業者、2 電池セラー、3 販売業者、31~33 販売店、4 リサイクル工場、5 電力系統、50 事業者サーバ、6 分散型エネルギーリソース(DER)、9 中古電池、20 サーバ、201 電池データ記憶部、202 劣化評価部、203 電力調整部、204 タイミング調整部、205 組合せ決定部、206 表示部、21 保管ユニット、211 電圧センサ、212 電流センサ、213 リレー、22 AC/DCコンバータ、23 DC/DCコンバータ、71 電流積算部、72 OCV算出部、73 SOC変化量算出部、74 満充電容量算出部、75 ランク付け部、81 全体調整量算出部、82 調整量算出部、83 電池セラー調整量算出部、84 中古電池選択部、85 変換演算部、86 指令生成部。

Claims (1)

  1. 複数の電池を保管する保管庫と、
    前記保管庫に保管された前記複数の電池と電力系統との間に電気的に接続された電力変換装置と、
    前記電力変換装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記電力系統からのデマンドレスポンス要求に応じて前記電力変換装置の動作を制御しつつ、前記複数の電池の各々の満充電容量を評価し、
    前記保管庫に保管された前記複数の電池を用いて新たな組電池を製造する場合、前記組電池の満充電容量に関するユーザの要求を満たすように、満充電容量を評価済みの前記複数の電池のなかから2以上の電池の組み合わせを決定する、電池管理システム。
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