JP2022146784A - 原材料ヘッジサービス提供システム - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、非金融分野においては、原材料を加工して製品を製造する事業会社において、原材料の価格変動リスクの増大に対処し、また、原材料の低価格での有効な仕入れを実現するために、原材料のヘッジを行う必要性が高まっている。
もしくは、国内製造業者等において、ヘッジ済の固定価格原材料を仕入れる場合であっても、その仕入れ価格については、独自でヘッジを行う変動価格原料の仕入れに比べて、非常に割高であったことから、その優位性が高いとは言えない状況にある。
従来、大企業は、総合商社との間で先物取引による原材料のヘッジサービスの提供を受けている。大企業からの先物取引の注文が大口注文であり、大企業は事業会社の0.3%と少ないため、総合商社によるヘッジサービスの提供業務は、担当するヒトが主に介在することによって処理されている。
本来、中小企業に対するヘッジサービスの提供を担う役割を果たしうるのは、取引市場や民間銀行であるが、国内市場は低迷し、ヘッジ機能が低下している。
また、民間銀行では、国債の運用による収益化が限界となって収益源が失われ、企業への融資も、低金利で収益が望めないうえ、中小企業の信用が下がっている状況下において不良債権のリスクが大きくなっていることに加え、中小企業に対するヘッジサービス業務には、国債運用業務等との業務特性の違いや、手間や収益性の問題等の理由から実質的に対処できていない。
また、デジタル通貨の融資側も、本来は手動管理による担保を前提とした融資業務が主体であり、近年のSNSやEコマースといった新興ネットビジネス系企業の金融事業参入に苦戦している。新興事業体は、既存金融の担保ベースの融資ではなく、得意とする商流をベースとした融資事業を拡大していることから、既存金融の事業エリアに入り込んでいる。そのため、既存金融は、現状の担保管理を主体とした事業をデジタル(DX)化する事で新興企業への対処を必要としていることも事実である。
中小企業において、原材料の価格変動を回避する方策として、原材料の現物を長期間保管することが考えられるが、時間経過に伴う原材料の劣化や、保管コスト等の問題があるため、原材料の現物を長期間保管することは、現実的には難しい。
なお、本願明細書における「デジタル通貨」とは、中央銀行が発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)とは異なり、民間銀行が発行する、ある目的のために通貨価値的なものをトークン化し、通貨の代わりとして処理しうるようにした、前払い方式の暗号通貨をいう。
なお、本発明の原材料ヘッジサービス提供システムは、「デジタル通貨」として、前払い方式の暗号通貨の他に、中央銀行デジタル通貨と同じような通貨特性を有する暗号資産や、さらには、中央銀行デジタル通貨も適用可能である。
なお、本願明細書における「データベース」とは、「従来一般的に用いられてきた集中型の台帳管理システム」の他、「ブロックチェーン等の分散技術による台帳管理システム」を含む。
なお、本願明細書における「スマートコントラクト」とは、ブロックチェーン上で稼働するプログラムであって、ブロックチェーンにおけるトランザクションのデータ処理を、ブロックチェーンの外部から取り込まれた情報をトリガーとして自動的に執行するプログラムを意味し、ノードという分散された環境で、並列的に処理できるものである。
近年、超低金利政策が国際的に長期化する可能性が強くなる状況下、金融と非金融の両分野において共通する問題がある。
また、企業への融資も、低金利で収益が望めないうえ、中小企業の信用が下がっている状況下において、不良債権のリスクが大きくなっている。
そのため、非金融分野においては、原材料を加工して製品を製造する事業会社において、原材料の価格変動リスクの増大に対処し、また、原材料の低価格での有効な仕入れを実現するために、原材料のヘッジを行う必要性が高まっている。
従来、大企業は、総合商社との間で先物取引による原材料のヘッジサービスの提供を受けているが、事業会社の99.7%を占める中小企業は、商品先物取引法の規制により総合商社との間でヘッジサービスの提供を受けることができない。
民間銀行は、上述のように、国債の運用による収益化が限界となって収益源が失われ、企業への融資も不良債権のリスクが大きくなっていることに加え、ヘッジ業務が融資業務と違いすぎ、難しい金融工学を理解した担当者を確保することや、多くの事業体に対し営業することにより手間に見合う収益を得ることが難しいこと等の理由から、中小企業に対するヘッジ業務には、実質的にほとんど対処できていない。
中小企業において、原材料の価格変動を回避する方策として、原材料の現物を長期間保管することが考えられるが、時間経過に伴う原材料の劣化や、保管コストの問題から現実的には難しい。
特に、近年の超低金利政策により原材料価格を安定させることが国際的に難しくなっている。
まず、本件発明者は、「商品先物」を用いず、「現物取引」の概念を主体としたヘッジサービス、また、レバレッジを設けたとしても数倍(例えば、2~3倍)程度であって現物取引の拡大解釈としてのデリバティブとして扱うことの可能なヘッジサービスを考えた。
但し、現物をそのまま扱うのではなく、現物の購入権もしくは、その対価に該当するものを、ブロックチェーンなどの最新の分散技術を活用した、デジタル概念でのトークンとして発行する方式を考えた。
また、本件発明者は、原材料についての現物の購入権、もしくは、その対価に該当するものがブロックチェーンなどの分散技術上で作成され管理されるデータとして示されたトークンを、例えば、総合商社に原材料トークン発行体として発行してもらうようにするとともに、発行された原材料トークンに対する市場的役割として、原材料トークンの交換、販売、取引等を行う場を提供することを考えた。
そして、本件発明者は、この原材料トークンを、ヘッジ業務を行うことを主目的としたヘッジトークンとして位置づけて、原材料ヘッジサービス提供システムの構築について、さらなる検討、考察を重ねた。
中小企業向けの原材料ヘッジサービス提供システムに原材料トークンとして用いるヘッジトークンとしてICO型のトークンを採用するのは、ICO型のトークンのみ不特定多数者に対してアプローチでき、換金性や流通など、流動性の制御を行い易いこと、ブロックチェーンなどの分散技術を用いてつくられるトークンであることから、ブロックチェーンやスマートコントラクトなどの分散技術を介した無停止処理による24時間の自動稼働を実現できること、さらには小口化など定量化していないこと等が、技術的特性として適していることによる。
例えば、証券(STO型)のような、販売対象が投資家に限定され、しかも取引単位や取引時間、清算方法などが定型化された制限付きの取引とは異なり、ヘッジ業務として必要とされる制限の少ない上記ICO型トークンの特性が中小企業向けの原材料ヘッジサービス提供システムに用いるヘッジトークンには適している。
また、ICO型トークンはデリバティブではないため、難解なヘッジ会計(先物などの一般的なデリバティブと現物との価格連動性を説明しないとヘッジとして認められない)を導入する必要がなく、通常の会計処理として現物の売買によるヘッジが可能になる。
しかるに、将来使用予定の現物原材料のトークンの初期購入においては、その購入費用がそのまま必要となるが、通常、中小企業において原材料を用いて製造した製品を売却後、その売却費用を用いて現物原材料を購入することの繰り返しを行っている。ここで、中小企業は、低価格で原材料を有効に仕入れるために、原材料の価格が経験上安いと思われるときに(もしくは、流動性供給者によるシステム等のアドバイス、例えば、クラウド会計を用いた、企業の原料ストックと、購入予定より導き出される、最適な購入タイミングの自動アドバイス等に従い、)原材料のトークンを購入する。そして、その後に原材料の価格が下がれば、トークンを買い増すことが望まれる。但し、原材料のトークンは、ICO型トークンであり、レバレッジが効かない。このため、資金に余裕のない中小企業においては、原材料トークンを用いた原材料ヘッジサービスを活用し難くなることが懸念される。
民間銀行においても、原材料トークンが担保として確保されていれば、不良債権化を極力抑えることができ、融資し易くなるものと考えられる。
また、原材料の現物購入権、もしくは、その対価に該当するものをブロックチェーン上で作成され管理されるデータとして示す、原材料トークンは、ICO型のトークンであり、ICO型のトークンは、デリバティブではないため、難しいヘッジ会計が不要となり、通常の会計処理として、現物の売買によるヘッジが可能となる。
そして、中小企業は、安いと認識できるタイミングで原材料トークンを購入でき、その後の原材料調達時に原材料トークンを売却し、原材料トークンの売却金額と原材料トークンの購入金額との差額金額を本来の購入予算と合わせて現物を購入することで原材料の低価格での有効な仕入れを実現でき、現物の価格がトークン購入時よりも上昇していたとしても、上昇に伴う損失を極力抑えることができ、ヘッジによる効果を得ることができる。
そして、本発明のように、原材料トークンの担保を条件としたデジタル通貨等の融資処理を行い、融資に際しては、融資条件として、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件を設定し、担保維持条件を満たさない場合に、当該原材料トークンの売却を行い、売却金額を徴収するようにすれば、デジタル通貨等の融資に伴う金利により収益を得ることができる。また、原材料トークンが担保として確保され、担保が維持できなくなりそうなときにはロスカット処理による原材料トークンの売却益を徴収できる。しかも、本発明のように、企業による原材料のヘッジニーズを自動解析し、ヘッジニーズがあるとの解析結果が出た場合、顧客となる企業に対し、原材料のヘッジ提案情報を、広告等として自動的に送信するようにすれば、中小企業は、高い予測確度でもって安いと認識できるタイミングで原材料トークンを購入でき、その後の原材料調達時には現物の価格が原材料トークン購入時よりも上昇している確率が高くなる。このため、中小企業がヘッジトークンを購入した場合における、ヘッジトークンの不良債権化を極力防ぐことができる。
このため、本発明の原材料ヘッジサービス提供システムのようにすれば、中小企業であっても、大企業と同等のヘッジサービス提供を受けることができる。
なお、本発明における「担保維持条件」としては、担保維持率や、強制ロスカット維持率等が挙げられる。
また、本発明の原材料ヘッジサービス提供システムにおいては、好ましくは、原材料トークン発行体は、日次処理として前記集中管理型の業務システムにおいて保有されている原材料トークンの保有総量から原材料トークン発行体のコスト分を削減するスマートコントラクトを備え、前記原材料トークン発行・償却手段は、前記原材料トークン取引手段、前記原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段は、前記担保管理口座をデータベースに有する、サーバ機能での集中管理型の業務システムに備えられ、前記原材料トークン発行体に備わるスマートコントラクトにより処理されたコスト分の削減量に基づき、日次処理として顧客となる企業の担保管理口座ごとの原材料トークンを削減する機能を有する。
このようにすれば、本発明の原材料ヘッジサービス提供システムがより具現化する。
また、本発明の原材料ヘッジサービス提供システムにおいては、好ましくは、前記原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段は、第3のスマートコントラクトからなり、第2のスマートコントラクトから顧客の保有する原材料トークンが第3のスマートコントラクトの所定アドレスへ移動したときに、原材料トークン価値評価機能、ロスカット機能、引き出しロック機能を有効化する。
本発明のように、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段、原材料トークン取引手段、原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段をスマートコントラクトで構成すれば、取引所におけるデータベースを有する業務システムを構築したサーバでの集中処理が不要となり、ヘッジトークンの取引処理がブロックチェーン等の分散技術を用いて稼働する状況下で、決済処理を、デジタル通貨等を用いて自動化できる。
また、本発明の態様の原材料ヘッジサービス提供システムにおいては、好ましくは、前記ヘッジ提案広告手段は、第5のスマートコントラクトで構成する。
本発明の原材料ヘッジサービス提供システムにおいて、全ての処理がスマートコントラクトによりブロックチェーンなどの分散技術を用いて自動的に行われるようにすれば、分散技術による無停止の処理環境を実現でき、データ改竄などのリスクに強く、広域へのサービスに優れ、比較的低価格でシステム構築が可能な原材料ヘッジサービス提供システムが得られる。
このようにすれば、原材料トークンを担保としてデジタル通貨等を借りている顧客(中小企業)が、原材料トークンを売却してヘッジを行うまでの間に、金利収入を得ることができ、銀行への金利負担を軽減することができるようになる。
このようにすれば、現金を借りてトークンの購入を所望する第三者が、トークンを購入後、購入したトークンを更に他の第三者へ貸し出すことで、金利収入を得ることができ、トークンの借入先である顧客への金利負担を軽減することができるようになる。
各実施形態に共通の構成
図1は本発明の各実施形態に係る原材料ヘッジサービス提供システムに共通する構成を概念的に示すブロック図である。
図1の原材料ヘッジサービスシステムは、原材料トークン発行・償却手段11と、原材料トークン取引手段12と、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13と、原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段14と、ヘッジ提案広告手段15と、を有している。
なお、原材料トークン発行体20における当該原材料トークンのコストは、例えば、原材料トークン発行体20による原材料の調達や原材料トークンを発行している段階でブロックチェーンに記録されている部分についての維持コストである。
原材料トークン発行・償却手段11は、上述の原材料トークンを発行・償却する処理において、原材料トークン取引手段12が当該注文を約定させたと同時に、自動的に顧客30への約定額に相当する当該原材料トークンの発行または顧客30からの約定額に相当する当該原材料トークンの授受を行う機能を有する。
より詳しくは、原材料トークン取引手段12は、原材料トークンの取引レートを、顧客30となる企業に開示する取引レート開示機能と、原材料トークン発行体20からの注文と顧客30からの注文とを含む全ての注文において対当する注文を約定させる約定機能と、を有する。
原材料トークンの取引レートは、原材料トークン発行体20をなす総合商社などのマーケットメイカーの提示するメイク値と、実際の取引や交換などからくる約定(テイク値)を比べ、指値やリーブオーダーの流動性ベースの最良値に修正して提示する。
より詳しくは、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13は、民間銀行40が顧客30となる企業からの原材料トークンを担保とすることを条件としたデジタル通貨等の融資の申し込みを受けたとき、ヘッジ対象とする原材料の銘柄、原材料トークンの購入のために融資するデジタル通貨等の融資額、デジタル通貨等の融資期日の設定を受け付けるとともに、融資条件として、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件を設定し、設定した融資条件に対する顧客の承認があったときに、融資額のデジタル通貨等を原材料トークン取引手段12に送付する機能を有する。
担保維持条件としては、担保維持率、強制ロスカット維持率などが挙げられる。
より詳しくは、原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段14は、顧客30の保有する原材料トークンの価値を、定期的に評価する原材料トークン価値評価機能と、原材料トークン価値評価機能により評価された、評価時点での当該原材料トークンの価値が原材料トークンの購入価格を下回り、担保維持条件を満足しうる下限に近付いてきたときに、顧客となる企業に対し警告情報を通知し、一定の猶予期間内に担保維持条件を満たす分の金額が補充されない場合に、当該原材料トークンの売却を行い、売却金額を徴収するロスカット機能と、原材料トークン価値評価機能により評価された、評価時点での当該原材料トークンの価値が原材料トークンの購入価格を上回っている状況下で、顧客30が当該原材料トークンを売却した場合における、売却金額と購入時の金額との差額分を超える額のデジタル通貨等の引き出しをロックする引き出しロック機能と、を有する。
より詳しくは、ヘッジ提案広告手段15は、例えば、顧客30となる企業等の事業体側のインターフェースとして使用されるクラウド会計システムにおいて、顧客30となる企業における原材料管理を行うデータ(年間使用量、現在の在庫量)や、原材料トークン発行体20により作成され、原材料トークン取引手段12を中継して配信される原材料価格の市況情報などを用いて、ヘッジニーズについてのAI等を用いた解析システムによる自動解析を行い、顧客30となる企業等におけるヘッジが必要となる時期において、原材料の価格の上下幅及び平均的な価格水準に対する、現在の原材料価格から、最適なヘッジアドバイス(ヘッジトークンの購入時期、購入量)情報を、広告等として顧客30となる企業に対して自動的に送信するように構成されている。なお、原材料となる素材特性(例えば、複数種類の原材料の混ざり具合)は、企業によって異なる。このため、解析システムでは、実際の原材料と原材料トークン取引手段12によって決済する原材料トークンとを、価格変換率などのファクターによって同じ基準で価値を評価し易くし、可能な限り、ヘッジ先物との価格連動性を追求したものを用いる。
図7は本発明の第1実施形態に係る原材料ヘッジサービス提供システムの全体構成を模式的に示すブロック図、図8は第1実施形態に係る原材料ヘッジサービス提供システムにおける原材料トークン取引手段に特有の処理の概要を示す説明図である。
第1実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムは、図7に示すように、図1~図6を用いて説明した構成における原材料トークン発行・償却手段11、原材料トークン取引手段12、原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段14が、顧客30となる企業の担保管理口座をデータベースに有する、トークン取引所に構築された、サーバ機能での集中管理型の業務システムに備えられている。
また、原材料トークン発行体20は、日次処理として集中管理型の業務システムにおいて保有されている原材料トークンの保有総量から原材料トークン発行体のコスト分を削減するスマートコントラクト(図示省略)を備えている。
原材料トークン発行・償却手段11は、原材料トークン発行体20に備わるスマートコントラクトにより処理されたコスト分の削減量に基づき、日次処理として顧客30となる企業の担保管理口座ごとの原材料トークンを削減する機能を有する。
原材料トークン取引手段12は、図8に示すように、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13で設定を受け付け及び設定した、ヘッジ対象とする原材料の銘柄、原材料トークンの購入のために融資するデジタル通貨等の融資額、デジタル通貨等の融資期日、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件等の情報を受け取り、受け取った当該情報を、当該担保管理口座に設定し、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13からデジタル通貨等の入金を確認後に、デジタル通貨等を当該担保管理口座へ移動させ、デジタル通貨等を当該担保管理口座へ移動させた後に、原材料トークン発行体20からの注文と顧客30からの注文とを受け付けるように構成されている。
図9は本発明の第2実施形態に係る原材料ヘッジサービス提供システムの全体構成を模式的に示すブロック図、図10~図13は第2実施形態に係る原材料ヘッジサービス提供システムにおける原材料トークン取引手段、原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段に特有の処理の概要を示す説明図である。
第2実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムは、図9~図13に示すように、図1を用いて説明した構成における原材料トークン発行・償却手段11、原材料トークン取引手段12、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13、原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段14、ヘッジ提案広告手段15が、夫々別個のスマートコントラクトで構成されている。そして、原材料トークンの注文・約定処理は、第1実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムのようなサーバ機能での集中管理型の業務システムを介して行うトークン取引所とは異なり、トークン取引機能として複数のスマートコントラクトにより分散して行われる。
原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13は、第1のスマートコントラクトからなり、図10に示すように、民間銀行40が顧客30となる企業からの原材料トークンを担保としたデジタル通貨等の融資の申し込みを受けたとき、第1のスマートコントラクト内における、ヘッジ対象とする原材料の銘柄、原材料トークンの購入のために融資するデジタル通貨等の融資額、デジタル通貨等の融資期日の設定を受け付けるとともに、融資条件として、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件を設定し、設定した融資条件に対する顧客の承認があったときに、融資額のデジタル通貨等を第1のスマートコントラクト内の管理アドレスに送付する機能を有する。
原材料トークン取引手段12は、第2のスマートコントラクトからなり、図11に示すように、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13における、第1のスマートコントラクトから、ヘッジ対象とする原材料の銘柄、原材料トークンの購入のために融資するデジタル通貨等の融資額、デジタル通貨等の融資期日、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件等の情報を受け取り、第1のスマートコントラクトの管理アドレスからデジタル通貨等が第2のスマートコントラクトの所定アドレスへ移動したときに、原材料トークン発行体20からの注文と顧客30からの注文とを受け付けるように構成されている。
また、原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段14は、第3のスマートコントラクトからなり、図12に示すように、第2のスマートコントラクトから顧客30の保有する原材料トークンが第3のスマートコントラクトの所定アドレスへ移動したときに、原材料トークン価値評価機能、ロスカット機能、引き出しロック機能を有効化するように構成されている。
また、原材料トークン発行・償却手段11は、図13(a)に示すように、原材料トークンの発行・償却処理と、コスト徴収処理と、を自動的に執行する第4のスマートコントラクトで構成されている。
また、ヘッジ提案広告手段15は、図13(b)に示すように、処理を自動的に執行する第5のスマートコントラクトで構成されている。
なお、ここでは、顧客30となる企業が、例えば、次のような状況下において原材料ヘッジサービス提供システムを用いるものとする。
顧客30となる企業は、工作機械工場である。大口の工業機械の製造を受注してから納品までに複数年かかる。原材料は劣化するため、定期的に購入する。製造の受注契約は、初期の見積金額で行われ、追加費用を請求できない。初期の受注契約時の見積金額に対し、その後に原材料が高騰すると赤字になる。このため、原材料の価格を初期の受注契約の段階で確定させたい。しかし、先物などによるヘッジが難しくてできない。現物の代わりに同じ原材料のトークンを事前購入すれば、ヘッジできるが、ヘッジ用の原材料トークンを購入する資金がない。このため、民間銀行40から原材料トークンを購入するための原材料トークンの担保を条件としたデジタル通貨等の融資を受けて原材料トークンを購入する。その後、原材料の価格が上がったときに、原材料トークンを売却し、売却益と本来の購入予算とにより、原材料を購入することで、原材料の価格高騰による損失リスクを極力抑え、また、原材料の低価格での有効な仕入れを実現できるようにする。
図14~図18は第1実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムを用いた処理の流れの一例を示す説明図である。
なお、クラウド会計システムが、顧客30となる企業に提供されており、企業は、クラウド会計システムを用いて、会計情報や、事業計画による原材料の購入計画を入力しており、クラウド会計システムにおいては、顧客30となる企業における原材料の年間使用量や現在の在庫量を把握できるようになっているものとする。
また、クラウド会計システムと提携する民間銀行40が、顧客30の承認を得て顧客情報を管理しているものとする。
また、原材料トークン発行体20は、システム接続している海外の主要取引所から市況情報のベースを作成し、トークン取引所に送信し、トークン取引所は、市況情報を配信し、クラウド会計システムが、配信された市況情報を受け取っているものとする。
トークン取引所では、原材料トークン取引手段12が、原材料トークン発行体20から発注された原材料トークンの売買それぞれの価格に手数料を加算した額を原材料トークンの取引レートとして、顧客30となる企業、クラウド会計システムに配信する。
クラウド会計システムに備わるヘッジ提案広告手段15は、顧客30となる企業における原材料の年間使用量及び現在の在庫に関する情報と、原材料価格の市況情報とを取得し、取得した情報を用いて顧客30となる企業による原材料のヘッジニーズを自動解析し、ヘッジニーズがあるとの解析結果が出た場合、顧客30となる企業に対し、原材料のヘッジ提案情報を、広告等として自動的に送信する。なお、クラウド会計システムに備わるヘッジ提案広告手段15は、顧客情報を管理している民間銀行40に対しても上記広告を送信することができる。その場合は、民間銀行40は、顧客30となる企業に対し、ヘッジトークンを担保としたデジタル通貨等の融資提案情報を送信する。
顧客30となる企業は、ヘッジ提案広告手段15から送信された広告としての原材料のヘッジ提案情報(あるいは、これに加えて、民間銀行40からのデジタル通貨等の融資提案情報)を受信する。
民間銀行40は、顧客30からの当該融資の申し込みを受託後、顧客に対し、融資条件の入力を要請する。
顧客30は、原材料のヘッジに関する情報(ヘッジ対象とする原材料の銘柄(商品名)、原材料トークンの購入のために融資するデジタル通貨等の融資額、デジタル通貨等の融資期日)を、ブラウザ等を介して設定する。設定内容は、民間銀行40のパッケージソフトを介して、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13に設定される。
民間銀行40は、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13を介して、融資条件として、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件(担保維持率、強制ロスカット維持率)を設定する。その後、設定した融資契約内容を、ブラウザ等に表示し、顧客30からの融資契約内容の承認を受ける。
また、民間銀行40は、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13に、顧客30が設定した融資額のデジタル通貨等を送付する。
顧客30は、トークン取引所に構築されたサーバ機能での集中管理型の業務システム内に総合口座を作成する。
原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13は、トークン取引所、銀行40、顧客30に対し、融資契約の執行を通知する。なお、このとき、クラウド会計システムに、原材料トークンを担保とした融資契約内容を共有させてもよい。また、クラウド会計システムに原材料トークンを担保とした融資契約内容を管理させることも可能である。
原材料トークン取引手段12は、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13から、融資契約に関する情報を受け取り、顧客30の総合口座内に担保管理口座を開設し、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13に設定されている融資契約内容(ヘッジ対象とする原材料の銘柄、原材料トークンの購入のために融資するデジタル通貨等の融資額、デジタル通貨等の融資期日、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件(担保維持率、強制ロスカット維持率)を、担保管理口座に設定する。
その後、デジタル通貨等の送金を原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13に指示する。
原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13は、デジタル通貨等をトークン取引所が指定した所定アドレスに送金し、送金内容をトークン取引所に通知する。
原材料トークン取引手段12は、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13からの入金を確認し、その後、デジタル通貨等を顧客30の担保管理口座に移す。
また、顧客30は、トークン取引所において作成した口座を設定後、デジタル通貨等とは別に、余力資金を現金で、トークン取引所における顧客30の総合口座へ送金し、送金した現金を総合口座から担保管理口座へ移動させる。
原材料トークン取引手段12は、原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段14により、担保管理口座内の入金合計が担保維持条件を満たしていることを確認された後、顧客30に対し、原材料トークンの売買についての取引開始可能通知を送信する。
ここで、当該システムにおいて行う指値、成行等の注文について説明する。
注文を注文板に入れる場合は、「指値」である。注文板の指値の注文を取りに行く場合は、「成行」になり、基本的に「取次」(注文板をつくり、オーダードリブン的な処理)扱いになる。
また、顧客の注文処理に取引所である自己が介在する場合、自己の背後に委託の注文を持つため、板注文の処理とは異なり、ダークプールのように、板情報を開示しないで、その所有する注文のストックから、自己が独自のレートを出し、そのレートに対して注文が入り約定する場合(即ち、レート側がメイクで、約定側がテイク的な処理。クオートドリブン的な処理)を成行とはいわず、「ストリーミング」注文といい、指定されたスリップ範囲で約定させる。このダークプールに入れる指値のようなものを「リーブオーダー」という。これらは、自己が受託販売などのために使う処理であり、当該システムでは、内部的にはオーダードリブン的な処理とクオートドリブン的な処理を行うことができるように構成されている。
注文においては、原材料の銘柄、売買別、価格(成行と指値を含む)、数量を指定する。
原材料トークン取引手段12は、顧客30の注文と、原材料トークン発行体20からのトークン取引所の手数料を上乗せした注文とが対当したとき、原材料トークン発行体20、顧客30の夫々に約定を返す。なお、原材料トークン取引手段12は、受託販売など自己が受けて注文処理の間に入る場合、トークン取引所の手数料を上乗せする代わりにスプレッドで処理するように構成されていてもよい。
原材料トークン発行体20は、同時に約定のヘッジ(カバー処理)を行う。顧客30は、約定管理を行う。
また、原材料トークン取引手段12は、約定を返すと同時に、トークン取引所に設けられた顧客30の担保管理口座内で保有する預かり資産である、原材料トークンの評価額及び余力資金(さらには、原材料トークンの購入に用いられずに残っているデジタル通貨等)の合計額が担保維持率を割った場合を条件として執行されるロスカット注文を入れる。
ロスカット注文は、担保管理口座の預かり資産に対して、原材料トークンの価値の下落により一定量の資産が無くなることによって、担保を維持できない状況となる水準において、執行する逆指値の注文である。
第1実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムでは、担保管理口座には、民間銀行40からのデジタル通貨等の融資を受けて購入した原材料トークンと、(デジタル通貨等が、原材料トークンの購入に用いられずに残っている場合には、当該残りのデジタル通貨等と)、借主である顧客30の余力資金が入っている。原材料トークンの購入に際し、買い注文が約定した場合は同時に、原材料トークンの価値の下落により余力資金が無くなる水準を逆指値とする反対売買の注文(ここでは売り注文)をロスカット注文として出しておく。
例えば、民間銀行40からの原材料トークンを担保とする融資額を100万円とし、顧客30が余力資金として20万円を担保管理口座に預け入れているとする。この状況下で、100万円分の原材料トークンを買い注文し、約定した場合、当該数量の原材料トークンに対して80万円の逆指値での反対売買の注文(ここでは売り注文)をロスカット注文として出しておく。
逆指値での売り注文が執行されたとき、80万円の売却代金と20万円の資金の合計100万円が、当該担保管理口座に残り、返済原資となって、民間銀行40に対し返済処理を行うことができることになる。
例えば、融資額が100万円で20%の担保維持率が設定されている場合、100万円分の原材料トークンを購入し、80万円の逆指値での反対売買の注文(ここでは売り注文)をロスカット注文として出しておく。ロスカット時には、当該担保管理口座に残る80万円を民間銀行40に振り込むことになるが、20万円が不足し民間銀行40の損失分となる。民間銀行40は損失分については、事前に担保として抑えている顧客30の所有する他の資産を処分して回収することになる。
顧客30は、顧客の担保管理口座に担保維持金を入金する。指定日までに、担保維持条件を満たす分の金額が補充されず、最終維持率(例えば、3%)を割る場合、原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段14は、強制ロスカット処理を行う。
なお、担保維持率が0%に設定されている場合のロスカット処理は、担保維持率がマイナスになる水準で執行する。
詳しくは、日次処理におけるコスト分の削減は、原材料トークン発行体20に備わるスマートコントラクトが、ブロックチェーンに記録されている、集中管理型の業務システムにおいて保有されている原材料トークンの保有総量から原材料トークン発行体のコスト分を削減する。
トークン取引所では、原材料トークン発行・償却手段11が、原材料トークン発行体20に備わるスマートコントラクトにより処理されたコスト分の削減量に基づき、集中管理型の業務システムにおける顧客30となる企業の担保管理口座ごとの原材料トークンを削減する。
また、担保管理口座での管理ではなく、第2実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムのようにスマートコントラクトで自動管理する場合は、顧客のアドレスでコスト分の原材料トークンを自動的に削減し、削減分を原材料トークン発行体20のアドレスに加算する。
ここで、顧客30が原材料トークンを購入したときには、原材料トークン取引手段12は、顧客30の担保管理口座内のデジタル通貨等から約定分のデジタル通貨等を原材料トークン発行体20の所定アドレスに移動させる。一方、原材料トークン発行・償却手段11は、約定分の原材料トークンを発行し、発行した原材料トークンを顧客30の担保管理口座に移動させる。
また、顧客30が原材料トークンを売却したときには、原材料トークン取引手段12は、顧客30の担保管理口座内の原材料トークンから売却分の原材料トークンを原材料トークン発行体20の所定アドレスに移動させる。一方、原材料トークン発行・償却手段11は、原材料トークン発行体20の口座内のデジタル通貨等から約定分のデジタル通貨等を顧客30の担保管理口座に移動させる。
なお、期日内であれば、繰り返し注文することが可能となっている。
また、顧客30は、当該契約を期日内に強制終了することを希望する場合、原材料トークンを売却後に、原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段14を介して契約の終了を設定する。
また、契約期日を延長する場合、別契約を、原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13を介して締結する。
当該契約が終了した場合、残金がトークン取引所の総合口座に振り替えられ、当該担保管理口座は、終了となる。
図19~図24は第2実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムを用いた処理の流れの一例を示す説明図である。なお、便宜上、第1実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムを用いた処理の流れと略同じ箇所の説明は省略する。
第2実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムでは、(原材料トークン取引手段12を構成する)第2のスマートコントラクトが、原材料トークン発行体20から発注された原材料トークンの売買それぞれの価格に手数料を加算した額を原材料トークンの取引レートとして、顧客30となる企業、クラウド会計システムに備わる(ヘッジ提案広告手段15を構成する)第5のスマートコントラクトへ配信する。
第5のスマートコントラクトは、顧客30となる企業における原材料の年間使用量及び現在の在庫に関する情報と、原材料価格の市況情報とを取得し、取得した情報を用いて顧客30となる企業による原材料のヘッジニーズを自動解析し、ヘッジニーズがあるとの解析結果が出た場合、顧客30となる企業に対し、原材料のヘッジ提案情報を、広告等として自動的に送信する。第5のスマートコントラクトは、顧客情報を管理している民間銀行40に対しても上記広告を送信することができる。その場合は、民間銀行40は、顧客30となる企業に対し、ヘッジトークンを担保としたデジタル通貨等の融資提案情報を送信する。
顧客30となる企業は、第5のスマートコントラクトから送信された広告としての原材料のヘッジ提案情報(あるいは、これに加えて、民間銀行40からのデジタル通貨等の融資提案情報)を受信する。
民間銀行40は、(原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段13を構成する)第1のスマートコントラクト内に設定した融資契約内容を、ブラウザ等に表示し、顧客30からの融資契約内容の承認を受け、第1のスマートコントラクトの管理アドレスに、顧客30が設定した融資額のデジタル通貨等を送付後、顧客30は、余力資金を現金で、第1のスマートコントラクトの指定アドレスに送金する。
第1のスマートコントラクトは、管理番号を自動採番し、基本設定を終了する。
そして、第1のスマートコントラクトは、民間銀行40、顧客30に対し、融資契約の執行を通知する。なお、このとき、第5のスマートコントラクトに、原材料トークンを担保とした融資契約内容を共有させてもよい。また、第5のスマートコントラクトに、原材料トークンを担保とした融資契約内容を管理させることも可能である。
次に、(原材料トークン取引手段12を構成する)第2のスマートコントラクトを呼び出し、顧客を指定するとともに、第1のスマートコントラクトの管理アドレス内のデジタル通貨等を第2のスマートコントラクトの指定アドレスに移動させる。これにより、原材料トークン取引手段における原材料トークン発行体20からの注文と顧客30からの注文とを受け付け可能となる。
注文においては、原材料トークン取引手段12を構成する第2のスマートコントラクトに原材料の銘柄、売買別、価格(成行と指値を含む)、数量、有効期日、条件等を指定する。
注文処理を行うのは、第2のスマートコントラクトであるが、注文データは、ブロックチェーンなどの分散台帳で管理されている。
第2のスマートコントラクトは、稼働時に常に分散台帳に記録される注文情報(基本的には指値での注文情報)の断片情報(データを統合した最新の注文板)を参照し、成行注文の場合は、対当する注文データを見つけ出し、約定処理(相手のトークンをロックして交換処理し、該当注文データを更新する)を行う。注文データの更新においては、約定分を削減することで、注文量がゼロとなる場合は当該注文を消去する。
指値注文の場合は、対当する注文データがある場合は、成行注文の場合と同様に処理し、対当しない場合は、自らの注文データを分散台帳に記録する。また、指値注文の場合においては一部約定となり、注文が残る場合があるが、注文が残る場合も成行注文と同様の処理を行い、処理後の注文データの更新を行う。
また、第2のスマートコントラクトは、約定処理時に、原材料トークンと、現金となるデジタル通貨等もしくは準現金となる交換可能なデジタル資産(トークン)と、同時交換を行う。原材料トークンとデジタル通貨等との交換により、各々の注文主のアドレスに対して交換されたデータが記録処理される。
なお、分散台帳の注文データは、訂正(価格・数量)、取消が可能となっている。
原材料トークン発行体20は、同時に約定のヘッジ(カバー処理)を行う。
なお、原材料トークン発行体20は、第2のスマートコントラクトに、原材料トークンを事前に預けている。あるいは、エレメントと称されるトークンの発行の元になる一時的処理データを預けておき、約定と同時にエレメントを変換してトークンを発行し、デジタル通貨等と清算する。トークンの発行指示は第2のスマートコントラクトが行う。
また、約定相手である原材料トークン発行体20から送付され、第2のスマートコントラクトにおける顧客30のアドレスへ送付され、ロックされている原材料トークンを、(原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段14を構成する)第3のスマートコントラクトの指定アドレスへ送付する。
顧客30が購入した原材料トークンの約定管理は、所定のスマートコントラクトが自動的に行う。
トークン取引機能における原材料トークンの注文・約定処理は、分散台帳の分散処理を次のように構築できる。
例えば、データ更新が同期タイプをベースとし、スマートコントラクトが処理している途中で、高速にトランザクションの処理(データ更新)が行なえるブロックチェーンの場合、まず、ブロックチェーンに注文データの更新をかけて、ブロックチェーンに注文データを集中して記録し、ブロックチェーンに集中して記録された注文データに対して、原材料トークンの約定処理を行う。なお、注文データの数量が多くなることによる約定処理の負荷の増大を避けるため、好ましくは、銘柄単位で、ノードの構成を独立させる。
また、例えば、データ更新が非同期型の超高速処理の分散処理を行う分散台帳の場合、分散台帳には注文データの更新をかけず、注文データをそのままスマートコントラクトにて約定処理させ、約定したタイミングで注文データを約定データと併せて記録する。なお、この場合、注文データを集中させた流動性のバランスからの約定を誘導しないため、約定価格の妥当性が問題となる。それを回避するために、約定情報はスマートコントラクト間で常に共有し、その直前の約定価格をベースに、参考価格をつくるスマートコントラクトを用いて設定された、例えばその参考価格の上下1%などの所定範囲で約定処理を行う。
そして、第3のスマートコントラクトは、原材料トークンの評価額、デジタル通貨等、余力資金の合計額が担保維持率を満足しうる下限に近付いてきたときに、顧客30に対し警告情報を通知し、日数(例えば、2日)を指定して担保維持金の入金を求める。
顧客30は、顧客の担保管理口座に担保維持金を入金する。指定日までに、担保維持条件を満たす分の金額が補充されず、最終維持率(例えば、3%)を割る場合、第3のスマートコントラクトは、強制ロスカット処理を行う。
なお、担保維持率が0%に設定されている場合のロスカット処理は、担保維持率がマイナスになる水準で執行する。
なお、期日内であれば、繰り返し注文することが可能となっている。
また、契約期日を延長する場合、別契約を第1のスマートコントラクトを介して締結する。
第3のスマートコントラクトは、取引完了内容を記録し、その内容を顧客30と民間銀行40に通知する。
第1実施形態、第2実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムによれば、中小企業側と銀行側の双方におけるヘッジ業務に関する上述の課題を解決でき、中小企業であっても、容易に原材料の価格変動を回避し、また、原材料の低価格での有効な仕入れを実現するためのヘッジを目的としたサービスを受けることができ、他方で、民間銀行が、新たな収益を得ることが可能となる。
また、原材料の現物購入権、もしくは、その対価に該当するものをブロックチェーン上で作成され管理されるデータとして示す、原材料トークンは、ICO型のトークンであり、ICO型のトークンは、デリバティブではないため、難しいヘッジ会計が不要となり、通常の会計処理として、現物の売買によるヘッジが可能となる。
そして、中小企業は、安いと認識できるタイミングで原材料トークンを購入でき、その後の原材料調達時に原材料トークンを売却し、原材料トークンの売却金額と原材料トークンの購入金額との差額金額を本来の購入予算と合わせて現物を購入することで原材料の低価格での有効な仕入れを実現でき、現物の価格がトークン購入時よりも上昇していたとしても、上昇に伴う損失を極力抑えることができ、ヘッジによる効果を得ることができる。
そして、第1実施形態、第2実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムによれば、原材料トークンの担保を条件としたデジタル通貨等の融資処理を行い、融資に際しては、融資条件として、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件を設定し、担保維持条件を満たさない場合に、当該原材料トークンの売却を行い、売却金額を徴収するようにしたので、デジタル通貨等の融資に伴う金利により収益を得ることができる。また、原材料トークンが担保として確保され、担保が維持できなくなりそうなときにはロスカット処理による原材料トークンの売却益を徴収できる。しかも、第1実施形態、第2実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムによれば、企業による原材料のヘッジニーズを自動解析し、ヘッジニーズがあるとの解析結果が出た場合、顧客となる企業に対し、原材料のヘッジ提案情報を、広告等として自動的に送信するようにしたので、中小企業は、高い予測確度でもって安いと認識できるタイミングで原材料トークンを購入でき、その後の原材料調達時には現物の価格が原材料トークン購入時よりも上昇している確率が高くなる。このため、中小企業がヘッジトークンを購入した場合における、ヘッジトークンの不良債権化を極力防ぐことができる。
このため、第1実施形態、第2実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムのようにすれば、中小企業であっても、大企業と同等のヘッジサービス提供を受けることができる。
より詳しくは、原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段14を介して担保としてロックされている、顧客30となる企業の原材料トークンの第三者への貸出期間、貸出金利を含む貸付条件の指定を受け付ける貸付条件受付手段と、原材料トークンの借り入れを希望する第三者の借入期間、借入金利を含む借入条件の指定を受け付ける借入条件受付手段と、を有する第6のスマートコントラクト(図示省略)を備え、第6のスマートコントラクトが、貸付条件受付手段が受け付けた貸出期間、貸出金利と、借入条件受付手段が受け付けた借入期間、借入金利と、がマッチした場合、顧客30の原材料トークンを当該第三者へ貸し付け、当該第三者へ貸し付けた原材料トークンを管理するようにする。
貸付条件受付手段は、担保としてロックされている顧客30の原材料トークンの第三者への貸出期間、貸出金利を含む貸付条件の指定を受け付けるようにする。
借入条件受付手段は、原材料トークンの借り入れを希望する第三者の借入期間、借入金利を含む借入条件の指定を受け付けるようにする。
そして、貸付条件受付手段、借入条件受付手段を備える第6のスマートコントラクトは、より詳しくは、貸し手、借り手の別、原材料トークンの銘柄、所有者(管理しているアドレス)、数量、金利条件、期間条件(最小)、期間条件(最大)等の設定を受け付け、管理する。
なお、貸付条件受付手段は、貸し手(原材料トークンをロックされている顧客)が貸出期間を指定すると、約定し易い金利を提示するようにする。貸し手は、提示された金利を修正して指値とするか、そのまま(金利を修正しないで貸付条件受付手段が提示した金利)で、貸付の指定を完了する。
そして、第6のスマートコントラクトは、貸付条件受付手段が受け付けた貸出期間、貸出金利と、借入条件受付手段が受け付けた借入期間、借入金利と、がマッチした場合、顧客の原材料トークンを当該第三者へ貸し付け、当該第三者へ貸し付けた原材料トークンを管理する。
レポ型のように貸付期間が短期の場合、金利が低く、貸し付ける相手が常に見つかるかが不確実であるため、金利による利益を大きく得ることが難しいという欠点がある一方で、事故や政治問題等想定外の事象の発生により、想定外の不利な価格が予測できる相場状況においては、民間銀行40との原材料トークンを担保としたデジタル通貨等の融資契約を解除してトークンを売却できる機会を多く持つことができるという利点がある。
他方、2年等の長期の貸し付けの場合、貸付金利を高めに設定してその分多くの金利収入を得ることができるという利点がある一方、第三者への貸付期間内に民間銀行40との原材料トークンを担保としたデジタル通貨等の融資契約を終了したい相場状況になっても、原材料トークンが貸し出されているため、直ちに売却することができないという欠点がある。
なお、第三者が反対売買を行わない場合は、所定のスマートコントラクトが自動的に反対売買を行い、清算処理を自動的に行うようにする。
そこで、例えば、第2実施形態の原材料ヘッジサービス提供システムにおいて、原材料トークンを借り入れた第三者が取引を行う第7のスマートコントラクトを介して当該原材料トークンを売却した場合、その売却代金をなす現金のさらに他の第三者への貸出期間、貸出金利を含む貸付条件の指定を受け付ける第2の貸付条件受付手段と、現金の借り入れを希望する前記他の第三者の借入期間、借入金利を含む借入条件の指定を受け付ける第2の借入条件受付手段と、を有する第8のスマートコントラクト(図示省略)を更に備えるようにする。
また、この担保維持率は購入予定の銘柄を指定したとき、その銘柄の価格変動率から計算された値が設定されるようにする。
また、信用買いの場合も、信用売りと同様に、担保維持率を維持できなくなった場合、上述した原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段におけるロスカット機能と同様の機能をもつ所定のスマートコントラクトがロスカット処理を行うようにする。
そして、原材料トークンの購入や売却といった注文処理の取引が行われた場合には、例えば、タイプ0で日次のコスト分の徴収処理を行い、注文処理が行われず原材料トークンを保有するときに、トークンの特性として、日次のコスト分の徴収処理のタイプを選択して管理するようにし、管理したタイプにしたがって、日次のコスト分の徴収処理を行うようにしてもよい。
なお、指値で注文を入れる場合、タイプ0のコスト分の徴収処理を行うと、日またぎで数量が変わる。このため、タイプ0で日次のコスト分の徴収処理を行う場合、例えば、指値の注文は当日のみ有効とし、当日の終わりに失効するようにして、翌日にスマートコントラクトが自動的に再発注するようにする。
また、タイプ1とタイプ2による日次のコスト分の徴収処理は、原材料トークンの数量を変えないため、例えば1カ月などの期日指定注文を行う場合に適している。
12 原材料トークン取引手段
13 原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段
14 原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段
15 ヘッジ提案広告手段
20 原材料トークン発行体
30 顧客(となる企業)
40 民間銀行
Claims (9)
- ブロックチェーンなどの分散技術を用いて企業に原材料のヘッジサービスを提供するシステムであって、
原材料の現物購入権、もしくは、その対価に該当するものがブロックチェーンなどの分散技術上で作成され管理されるデータとして示された、原材料トークンを発行・償却する処理と、原材料トークン発行体により発行され、所定手段を用いて管理されている、顧客の保有している原材料トークンから、日次で所定割合の原材料トークンを、原材料トークン発行体のコストとして徴収する処理と、を行う原材料トークン発行・償却手段と、
原材料トークン発行体と顧客とによる原材料トークンの取引を行う原材料トークン取引手段と、
民間銀行、もしくは金融機能による、顧客となる企業に対する、購入予定の原材料トークンを担保とすることを条件としてデジタル通貨等(デジタル通貨、もしくはそれに準じたもの)を融資する処理を行う原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段と、
融資されたデジタル通貨等を管理する処理を行う原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段と、
顧客となる企業における原材料の年間使用量及び現在の在庫に関する情報と、原材料価格の市況情報とを取得し、取得した情報を用いて顧客となる企業による原材料のヘッジニーズを自動解析し、ヘッジニーズがあるとの解析結果が出た場合、顧客となる企業に対し、原材料のヘッジ提案情報を広告等として自動的に送信する、ヘッジ提案広告手段と、
を有し、
前記原材料トークン取引手段は、
原材料トークンの取引レートを、顧客となる企業に開示する取引レート開示機能と、
原材料トークン発行体からの注文と顧客からの注文とを含む全ての注文において対当する注文を約定させる約定機能と、
を有し、
前記原材料トークン発行・償却手段は、前記原材料トークン取引手段が当該注文を約定させたと同時に、自動的に顧客への約定額に相当する当該原材料トークンの発行または顧客からの約定額に相当する当該原材料トークンの授受を行う機能を有し、
前記原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段は、民間銀行が顧客となる企業からの原材料トークンを担保としたデジタル通貨等の融資の申し込みを受けたとき、ヘッジ対象とする原材料の銘柄、原材料トークンの購入のために融資するデジタル通貨等の融資額、デジタル通貨等の融資期日の設定を受け付けるとともに、融資条件として、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件を設定し、設定した融資条件に対する顧客の承認があったときに、融資額のデジタル通貨等を前記原材料トークン取引手段に送付する機能を有し、
前記原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段は、
顧客の保有する原材料トークンの価値を定期的に評価する原材料トークン価値評価機能と、
前記原材料トークン価値評価機能により評価された、評価時点での当該原材料トークンの価値が原材料トークンの購入価格を下回り、担保維持条件を満足しうる下限に近付いてきたときに、顧客となる企業に対し警告情報を通知し、一定の猶予期間内に前記担保維持条件を満たす分の金額が補充されない場合に、当該原材料トークンの売却を行い、売却金額を徴収するロスカット機能と、
前記原材料トークン価値評価機能により評価された、評価時点での当該原材料トークンの価値が原材料トークンの購入価格を上回っている状況下で、顧客が当該原材料トークンを売却した場合における、売却金額と購入時の金額との差額分を超える額のデジタル通貨等の引き出しをロックする引き出しロック機能と、
を有することを特徴とする原材料ヘッジサービス提供システム。 - 前記原材料トークン取引手段、前記原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段は、銀行から原材料トークンを担保としたデジタル通貨等の融資を受ける、顧客となる企業の担保管理口座をデータベースに有する、サーバ機能での集中管理型の業務システムに備えられ、
前記原材料トークン取引手段は、
前記原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段で設定を受け付け及び設定した、ヘッジ対象とする原材料の銘柄、原材料トークンの購入のために融資するデジタル通貨等の融資額、デジタル通貨等の融資期日、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件等の情報を受け取り、受け取った当該情報を、当該担保管理口座に設定し、該原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段からデジタル通貨等の入金を確認後に、デジタル通貨等を当該担保管理口座へ移動させ、デジタル通貨等を当該担保管理口座へ移動させた後に、原材料トークン発行体と顧客との注文を受け付け可能にすることを特徴とする請求項1に記載の原材料ヘッジサービス提供システム。 - 原材料トークン発行体は、日次処理として前記集中管理型の業務システムにおいて保有されている原材料トークンの保有総量から原材料トークン発行体のコスト分を削減するスマートコントラクトを備え、
前記原材料トークン発行・償却手段は、前記原材料トークン取引手段、前記原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段は、前記担保管理口座をデータベースに有する、サーバ機能での集中管理型の業務システムに備えられ、前記原材料トークン発行体に備わるスマートコントラクトにより処理されたコスト分の削減量に基づき、日次処理として顧客となる企業の担保管理口座ごとの原材料トークンを削減する機能を有することを特徴とする請求項2に記載の原材料ヘッジサービス提供システム。 - 前記原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段は、第1のスマートコントラクトからなり、民間銀行が顧客となる企業からの原材料トークンを担保としたデジタル通貨等の融資の申し込みを受けたとき、前記第1のスマートコントラクト内における、ヘッジ対象とする原材料の銘柄、原材料トークンの購入のために融資するデジタル通貨等の融資額、デジタル通貨等の融資期日の設定を受け付けるとともに、融資条件として、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件を設定し、設定した融資条件に対する顧客の承認があったときに、融資額のデジタル通貨等を第1のスマートコントラクト内の管理アドレスに送付する機能を有し、
前記原材料トークン取引手段は、第2のスマートコントラクトからなり、
前記原材料トークン担保デジタル通貨等融資手段における、第1のスマートコントラクトから、ヘッジ対象とする原材料の銘柄、原材料トークンの購入のために融資するデジタル通貨等の融資額、デジタル通貨等の融資期日、デジタル通貨等の融資額に対する金利、担保維持条件等の情報を受け取り、該第1のスマートコントラクトの管理アドレスからデジタル通貨等が第2のスマートコントラクトの所定アドレスへ移動したときに、原材料トークン発行体と顧客との注文を受け付け可能にすることを特徴とする請求項1に記載の原材料ヘッジサービス提供システム。 - 前記原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段は、第3のスマートコントラクトからなり、
第2のスマートコントラクトから顧客の保有する原材料トークンが第3のスマートコントラクトの所定アドレスへ移動したときに、原材料トークン価値評価機能、ロスカット機能、引き出しロック機能を有効化することを特徴とする請求項4に記載の原材料ヘッジサービス提供システム。 - 前記原材料トークン発行・償却手段は、第4のスマートコントラクトからなることを特徴とする請求項4又は5に記載の原材料ヘッジサービス提供システム。
- 前記ヘッジ提案広告手段は、第5のスマートコントラクトからなることを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載の原材料ヘッジサービス提供システム。
- 前記原材料トークン担保デジタル通貨等管理手段を介して、担保としてロックされている顧客の原材料トークンの第三者への貸出期間、貸出金利を含む貸付条件の指定を受け付ける貸付条件受付手段と、原材料トークンの借り入れを希望する前記第三者の借入期間、借入金利を含む借入条件の指定を受け付ける借入条件受付手段と、を有する第6のスマートコントラクトを備え、
前記第6のスマートコントラクトは、前記貸付条件受付手段が受け付けた貸出期間、貸出金利と、借入条件受付手段が受け付けた借入期間、借入金利と、がマッチした場合、顧客の原材料トークンを当該第三者へ貸し付け、当該第三者へ貸し付けた原材料トークンを管理することを特徴とする請求項4~7のいずれかに記載の原材料ヘッジサービス提供システム。 - 原材料トークンを借り入れた前記第三者が取引を行う第7のスマートコントラクトを介して当該原材料トークンを売却した場合、その売却代金をなす現金のさらに他の第三者への貸出期間、貸出金利を含む貸付条件の指定を受け付ける第2の貸付条件受付手段と、現金の借り入れを希望する前記他の第三者の借入期間、借入金利を含む借入条件の指定を受け付ける第2の借入条件受付手段と、を有する第8のスマートコントラクトを更に備えることを特徴とする請求項8に記載の原材料ヘッジサービス提供システム。
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