JP2022146637A - 同期信号変換装置及び同期信号変換方法 - Google Patents
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Abstract
Description
移動体通信システムの基地局に設けられる同期信号変換装置では、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)の基準時刻に同期した信号を生成して、システムに供給している。これにより、システム全体で通信のタイミングを一致させることが可能となっている。
尚、疑似GPS受信信号は、後述するように、当該信号をGPS受信機で受信した基地局が、GPSの基準時刻に同期した時刻を算出可能なように、複数の衛星からのGPS信号が重なった疑似的な信号として生成されるものである。
そして、放送波から取得した時刻情報を、LTEのシステムタイミング信号に合わせて出力することで、GPSに同期した時刻情報を生成し、更に、受信側の基地局装置において、当該時刻情報が算出されるような疑似GPS受信信号を生成して基地局装置に出力する。
基地局装置では、疑似GPS受信信号に基づいて、GPSに同期した1秒周期のタイミング信号を生成して同期信号として用いる。
従来の同期信号変換装置における処理について図4を用いて説明する。図4は、従来の同期信号変換装置における処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、従来の同期信号変換装置では、LTE信号を探索し(S31)、LTE信号を検出したかどうかを判断し(S32)、LTE信号を検出していなければ(Noの場合)、処理S31に戻ってLTE信号の探索を続ける。
そして、同期信号変換装置は、地上デジタル放送のチャンネルを探索し(S34)、地上デジタル放送のチャンネルを検出したかどうかを判断し(S35)、検出していない場合(Noの場合)には、処理S34に戻って探索を続ける。
そして、同期信号変換装置は、処理S33で生成したクロックと、処理S35で取得したTOT信号に基づいて疑似GPS受信信号(図では「GPSに同期した信号」と記載)を生成して、接続される基地局装置に出力する(S37)。
そして、同期信号変換装置は、LTE信号の受信状態を監視して、一定時間に亘ってLTE信号が受信できなかったかどうか判断し(S38)、一定時間に亘ってLTE信号が受信できなかった場合(Yesの場合)には、疑似GPS受信信号の出力を停止し(S39)、処理S31に戻って、再度LTE信号と地上デジタル放送のチャンネルの探索を行う。
このようにして、従来の同期信号変換装置における処理が行われるようになっていた。
尚、同期信号変換装置に関する従来技術としては、尚、同期信号変換装置の従来技術としては、特開2016-39514号公報「同期信号変換装置」(特許文献1)、特開2019-204999号公報「同期信号変換装置」(特許文献2)がある。
これらの問題点は、地上デジタル放送のチャンネルの再探索によって発生するものである。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る同期信号変換装置(本同期信号変換装置)は、LTE信号のシステム同期信号と地上デジタル放送波信号の時刻情報に基づいてGPSの基準時刻に同期した1秒周期のタイミング信号を抽出可能な疑似GPS受信信号を生成して出力するものであり、一旦疑似GPS受信信号を出力した後で一定時間LTE信号を受信できなかった場合に、LTE信号及び地上デジタル放送波のチャンネルの探索を行わずに、疑似GPS受信信号の出力を停止すると共に、それまで受信していたLTE信号の受信を試み、再受信した場合には当該LTE信号に基づいて疑似GPS受信信号を生成して出力を再開するものであり、一時的にLTE信号を受信できなくなった場合でも、地上デジタル放送のチャンネルの再探索によって発生する疑似GPS受信信号の1秒周期のタイミングのずれを防ぎ、GPSに同期した信号を安定して提供することができるものである。
次に、本同期信号変換装置の概略構成について図1を用いて説明する。図1は、本同期信号変換装置の概略を示す説明図である。
本同期信号変換装置10は、図1に示すように、GPS受信機21を備えた基地局装置20に接続されて用いられ、基地局装置20に、GPSに同期した信号として疑似GPS受信信号を供給するものである。
つまり、基地局装置20のGPS受信機21は、疑似GPS受信信号が入力されると、複数の衛星からのGPS信号が重畳されてGPS受信信号として入力されたものとして認識し、本来のGPS受信信号を入力した場合と同じ動作を行うものである。
尚、ここでは「GPSの基準時刻に同期した時刻情報」は「UTCに同期した時刻情報」と同義として用いる。
本同期信号変換装置の構成について図2を用いて説明する。図2は、本同期信号変換装置の構成ブロック図である。
図2に示すように、本同期信号変換装置10は、LTE受信アンテナ102,103と、放送波受信アンテナ104,105と、LTE信号受信部111と、同期用LTE信号探索部116と、放送波信号受信部121と、疑似GPS受信信号送出部115と、制御部130とを備えている。
LTE受信アンテナ102,103は、LTEシステムの基地局からの電波を受信するアンテナである。
放送波受信アンテナ104,105は、放送局からの放送波を受信するアンテナである。
尚、ここでは、空間ダイバーシティ効果を得るためにアンテナを2本ずつ設けているが、1本であってもよい。
探索範囲とは、同期用LTE信号の中心周波数を探索する範囲であり、ここでは、LTEシステムで用いられる2GHz帯1つと、800MHz帯2つとしている。
具体的には、同期用LTE信号探索部116は、受信信号におけるS-SS信号と、504パターンの既知のリファレンスとの相関演算を行って相関値を算出し、相関値が最大となったLTE信号について、報知信号を復調し、CRC(Cyclic Redundancy Check)結果に基づいて当該探索範囲での同期用LTE信号候補を特定する。
そして、全ての探索範囲における候補の内で、相関値が最大となったものを同期用LTE信号とし、内部に当該LTE信号の情報を記憶する。
また、同期用LTE信号探索部116は、一旦LTE信号と同期した後は、受信したLTE信号を復調して、CRC結果を監視し、正常に受信しているかどうかを判断し、正常に受信している場合には報知情報を疑似GPS受信信号送出部115に出力し、正常に受信できなかった場合には、報知情報を出力しない。
特に、本同期信号変換装置では、制御部130は、同期用LTE信号探索部116におけるLTE信号の受信状況を把握し、それに基づいて同期用LTE信号探索部116における動作や疑似GPS受信信号送出部115における動作を制御する。
放送波信号受信部121では、地上デジタル放送の時刻情報としてTOTを取得する1セグメント放送(ワンセグ)のチャンネルを特定するため、設定された方法で探索を行って、ワンセグの無線品質が設定値以上のチャンネルをTOT取得チャンネルとして選択する。
放送波信号受信部121は、探索したTOT取得チャンネルを内部に記憶しておく。
また、時刻情報同期部13は、LTE信号のシステム同期信号に同期した1秒周期のクロックを生成して自走するカウンタを備えている。
当該カウンタは、LTE信号を受信した場合には受信したLTE信号の同期信号で補正されるため、LTE信号を受信している間は、GPSの基準時刻に同期したタイミングを生成し、疑似GPS受信信号送出部115は、それに基づいて疑似GPS受信信号を生成して出力する。
しかし、LTE信号を受信していない状態が一定時間を超えた場合には、自走させたクロックがGPSの基準時刻のタイミングとずれる可能性があるため、疑似GPS受信信号の出力を一旦停止する。
本同期信号変換装置では、疑似GPS受信信号の出力後に、LTE信号を一定時間以上受信しなかった場合の動作が特徴となっている。
同期用LTE信号探索部116では、疑似GPS受信信号を出力した後もLTE信号を正常に受信しているかどうかをCRCによってチェックしており、LTE信号が正常に受信できない場合には、LTE信号の報知情報を疑似GPS受信信号送出部115に出力しない。
上述したように、この場合でも、疑似GPS受信信号送出部115は、時刻情報同期部13で自走するクロックに基づいて疑似GPS受信信号を生成して出力を続ける。
但し、時刻情報同期部13で生成するLTEの報知情報に同期したクロックは、1秒周期の情報を保持するため自走を継続させる。
つまり、本同期信号変換装置では、一時的にLTE信号を受信できなくなった場合でも、すぐに全候補の中から同期用LTE信号の探索及びTOT取得用の放送波信号のチャンネル探索を行うのではなく、TOT取得用の放送波信号のチャンネルは保持したまま、それまでのLTE信号を再度受信できないか、試みるようにしている。
次に、本同期信号変換装置における処理について図3を用いて説明する。図3は、本同期信号変換装置における処理を示すフローチャートである。
図3に示すように、本同期信号変換装置では、LTE信号受信部111でLTE信号を受信し、同期用LTE信号探索部116で同期用LTE信号を探索する(S11)。
同期用LTE信号探索部116では、同期用LTE信号を探索(検出)したかどうか判断し(S12)、同期用LTE信号を検出していなければ(Noの場合)、処理S11に戻ってLTE信号の探索を行う。
疑似GPS受信信号送出部115では、TOT信号から時刻情報を取得し(S16)、当該時刻情報と処理S13で生成するクロックとに基づいて、疑似GPS受信信号(図では「GPSに同期した信号」と記載)を生成して、接続される基地局装置20に出力する(S17)。
処理S18で、継続してLTE信号を受信しており、一定時間以上LTE信号が受信できない状態ではない場合(Noの場合)には、制御部130は、処理S18に戻って監視を続ける。
このようにして、本同期信号変換装置における処理が行われる。
本同期信号変換装置によれば、同期用LTE信号探索部116がLTE信号のシステム同期信号を取得し、放送波信号受信部121が地上デジタル放送波信号の時刻情報を取得し、疑似GPS受信信号送出部115が、LTE信号の同期信号と放送波信号の時刻情報とに基づいて、GPSの基準時刻に同期した1秒周期のタイミング信号を抽出可能な疑似GPS受信信号を生成して出力し、疑似GPS信号送出部115が、一旦疑似GPS受信信号を出力した後で、一定時間以上同期用LTE信号探索部116からのLTE信号の報知情報を入力しなかった場合に、疑似GPS受信信号の出力を停止し、同期用LTE信号探索部116が、新たなLTE信号の探索を行わずに、それまで受信していたLTE信号の受信を再度試み、再受信した場合には当該LTE信号のシステム同期信号を出力し、疑似GPS受信信号送出部115が、入力されたシステム同期信号に基づいて疑似GPS受信信号を生成して出力を再開するものであり、一時的にLTE信号を受信できなくなった場合でも、地上デジタル放送のチャンネルの再探索によって発生する疑似GPS受信信号の1秒周期のタイミングのずれを防ぎ、GPSに同期した信号を安定して提供することができる効果がある。
Claims (3)
- 無線通信システムの基地局の受信機に接続される同期信号変換装置であって、
LTE信号を受信するLTE信号受信部と、
前記受信したLTE信号から同期用LTE信号を探索し、前記同期用LTE信号から報知情報を取り出す同期用LTE信号探索部と、
放送波を受信する放送波受信部と、
前記放送波から取得した時刻情報と、前記報知情報から取得したシステム同期情報に基づいて、前記基地局の受信機においてGPS受信信号と同等に扱われる疑似GPS受信信号を生成して、前記基地局の受信機に出力する疑似GPS受信信号送出部とを備え、
前記同期用LTE信号探索部が、前記疑似GPS受信信号の出力後に、一定時間以上に亘って前記同期用LTE信号を受信しない場合に、新たな信号の探索を行わず、再度当該同期用LTE信号の受信を試み、前記同期用LTE信号を受信した場合には、前記同期用LTE信号の報知情報を前記疑似GPS受信信号送出部に出力し、
前記疑似GPS受信信号送出部が、前記疑似GPS受信信号の出力後に、前記一定時間以上に亘って 前記報知情報が入力されない場合に、前記疑似GPS受信信号の出力を停止し、前記報知情報の入力が再開されると、前記疑似GPS受信信号送出部から疑似GPS受信信号の出力を再開することを特徴とする同期信号変換装置。 - 疑似GPS受信信号送出部は、報知情報に基づいてクロックを生成して自走させ、前記報知情報が入力されない場合に、前記自走するクロックに基づいて疑似GPS受信信号を生成し、前記報知情報が入力されない状態が一定時間以上になると、前記疑似GPS受信信号の出力を停止し、その後前記報知情報の入力が再開されると、前記入力が再開された報知情報に基づいて前記クロックを補正して、前記疑似GPS受信信号の出力を再開することを特徴とする請求項1記載の同期信号変換装置。
- 無線通信システムの基地局の受信機に接続され、LTE信号の報知情報と放送波信号の時刻情報に基づいて前記基地局の受信機においてGPS受信信号と同等に扱われる疑似GPS受信信号を生成して出力する同期信号変換装置における同期信号変換方法であって、
同期用として探索された同期用LTE信号を一定時間以上受信しなかった場合に、前記疑似GPS受信信号の出力を停止し、新たな信号の探索を行わずに、再度当該同期用LTE信号の受信を試み、当該同期用LTE信号を受信した場合には、前記疑似GPS受信信号の出力を再開することを特徴とする同期信号変換方法。
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