JP2022142602A - 電磁波レーダ装置および電磁波レーダ装置の学習方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 媒質内の探査時間を短縮でき、かつ媒質に適合した状態で媒質内の検出対象を判別することができる。【解決手段】 コントローラ6は、車体情報取得装置4から取得した車体2の位置と姿勢の情報に基づいて、予め決められた経路Rに従って車体2を自動走行させる自動走行制御部7と、自動走行制御部7によって車体2が経路Rを自動走行するときに、探査装置5が受信した反射波に基づいて、経路Rに沿った2次元の画像情報を生成する信号処理部8と、オートエンコーダ10によって構成され、信号処理部8によって生成された画像情報Gに基づいて、地中の検出対象を判別する画像判別部9と、を備えている。コントローラ6は、自動走行制御部7を用いて経路Rに沿って車体2を自動走行させたときに、信号処理部8が生成した画像情報Gを記憶部11に記憶し、記憶部11に記憶された画像情報Gを用いて、画像判別部9のオートエンコーダ10を教師なしで自己学習させる。【選択図】 図2
Description
新規性喪失の例外適用申請有り
本開示は、例えば地中やコンクリート等の媒質内の探査を行う電磁波レーダ装置および電磁波レーダ装置の学習方法に関する。
電磁波レーダ装置の一例である地中レーダ装置は、地上から非破壊に地中の情報を可視化することができる。このため、地中レーダ装置は、近年問題になっており市場規模も大きい道路空洞やコンクリート亀裂の検出に有益である。しかし、従来技術による地中レーダ装置は、人や自動車で牽引して探査するため、地中探査に時間を要する。これに加え、地中レーダ装置で得られるレーダ画像からの状態識別は、人手によるものであり、精度や客観性に問題があった。これに対し、人工知能技術を用いて地中探査のレーダ画像から物体の材質や形状を自動識別する技術が知られている(特許文献1)。
ところで、従来技術による地中レーダ装置は、人や自動車で牽引して探査するため、地中探査に時間を要する。また、特許文献1に開示された技術では、人工的に作成した学習データを用いて人工知能の学習を行っている。しかしながら、実際の探査現場は、その場所毎に土壌環境が異なる。これに対し、特許文献1に開示された技術を用いて学習した識別装置は、実際の土壌環境のような地中の状態を十分に反映したものではないという問題があった。
本発明の目的は、媒質内の探査時間を短縮でき、かつ媒質に適合した状態で媒質内の検出対象を判別することができる電磁波レーダ装置および電磁波レーダ装置の学習方法を提供することにある。
本発明は、車体の走行中に媒質に向けて探査波を放射し、受信した反射波に基づいて媒質内の検出対象を特定する電磁波レーダ装置であって、前記車体の位置と姿勢の情報を取得する車体情報取得装置と、前記車体に搭載され、媒質に向けて前記探査波を放射し、前記反射波を受信する探査装置と、前記車体の走行と前記探査装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記車体情報取得装置から取得した前記車体の位置と姿勢の情報に基づいて、予め決められた経路に従って前記車体を自動走行させる自動走行制御部と、前記自動走行制御部によって前記車体が前記経路を自動走行するときに、前記探査装置が受信した前記反射波に基づいて、前記経路に沿った2次元の画像情報を生成する信号処理部と、ニューラルネットワークによって構成され、前記信号処理部によって生成された前記画像情報に基づいて、媒質内の検出対象を判別する画像判別部と、を備え、前記制御装置は、前記自動走行制御部を用いて前記経路に沿って前記車体を自動走行させたときに、前記信号処理部が生成した前記画像情報を記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶された前記画像情報を用いて、前記画像判別部の前記ニューラルネットワークを教師なしで自己学習されていることを特徴としている。
また、本発明による電磁波レーダ装置の学習方法は、走行可能な車体と、前記車体の位置と姿勢の情報を取得する車体情報取得装置と、前記車体に搭載され、媒質に向けて探査波を放射し、反射波を受信する探査装置と、前記車体の走行と前記探査装置を制御する制御装置と、を備えた電磁波レーダ装置に適用され、前記制御装置は、前記車体情報取得装置から取得した前記車体の位置と姿勢の情報に基づいて、予め決められた経路に従って前記車体を自動走行させる自動走行制御部と、前記自動走行制御部によって前記車体が前記経路を自動走行するときに、前記探査装置が受信した前記反射波に基づいて、前記経路における2次元の画像情報を生成する信号処理部と、ニューラルネットワークによって構成され、前記信号処理部によって生成された前記画像情報に基づいて、媒質内の検出対象を判別する画像判別部と、を備え、前記制御装置は、前記自動走行制御部を用いて前記経路に沿って前記車体を自動走行させたときに、前記信号処理部が生成した前記画像情報を記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶された前記画像情報を用いて、前記画像判別部の前記ニューラルネットワークを教師なしで自己学習させることを特徴としている。
本発明によれば、媒質内の探査時間を短縮でき、かつ媒質に適合した状態で媒質内の検出対象を判別することができる。
以下、本発明の実施形態による電磁波レーダ装置および電磁波レーダ装置の学習方法として、例えば地中レーダ装置に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図7は、本発明の実施形態を示している。図1に示すように、実施形態による地中レーダ装置1は、走行可能な車体2と、車体2の位置と姿勢の情報を取得する車体情報取得装置4と、車体2に搭載され、地中(媒質)に向けて探査波を放射し、反射波を受信する探査装置5と、車体2の走行と探査装置5を制御するコントローラ6(制御装置)と、を備えている。
車体2は、例えば無限軌道式の走行装置3を備えている。具体的には、走行装置3は、遊動輪3Aと、電動モータによって回転駆動する駆動輪3Bと、駆動輪3Bによって駆動される一対の無限軌道3Cとを備えている。無限軌道3Cは、例えばゴム材料によって形成され、遊動輪3Aと駆動輪3Bとの間に巻回されている。車体2の駆動輪3Bは、コントローラ6によってその回転駆動が制御される。なお、走行装置3は、無限軌道式に限らず、例えば操舵輪と駆動輪とを備えた車輪式でもよい。
図2に示すように、車体情報取得装置4は、車体2の位置情報を取得するGNSS4A(Global Navigation Satellite System)と、車体2の姿勢情報を取得する姿勢センサ4Bとを備えている。GNSS4Aは、例えばGPS衛星等のような測位用の人工衛星からの測位信号に基づいて車体2の位置情報を取得する。GNSS4Aは、車体2の位置情報をコントローラ6に出力する。
なお、車体2の位置情報は、GNSSに限らず、リアルタイムキネマティック(RTK)やセンチメートル級測位補強サービス(CLAS)などのような高精度測位方式を用いて取得してもよい。
姿勢センサ4Bは、例えば3軸加速度センサおよび3軸ジャイロセンサからなるモーションセンサ、地磁気センサ等からなる方位センサ等を含んで構成されている。姿勢センサ4Bは、方位センサを用いて現在地から目標地点に向かう目標角(方位角)を取得する。姿勢センサ4Bは、モーションセンサを用いて車体2の方向姿勢情報を取得する。姿勢センサ4Bは、これらの目標角や方向姿勢情報をコントローラ6に出力する。
本実施形態では、車体情報取得装置4は、GNSS4Aによって車体2の位置情報を取得するものとした。本発明はこれに限らず、例えばトンネル内のように衛星からの測位信号が受信できない場所では、車体情報取得装置4は、例えば予め記憶した地図情報と車体2の移動軌跡等に基づいて、車体2の位置情報を取得してもよい。
探査装置5は、作業エリアの経路Rに沿って車体2が走行したときに、車体2の下面に設けられたアンテナ(図示せず)から所定の電磁波からなる探査波を地中に放射する。経路Rは、探査作業の対象となる所定の作業エリアに予め設定される。探査波は、例えば中心周波数が800MHzのパルス波である。探査波の中心周波数は、800MHzに限らない。探査波の使用周波数帯は、例えば50MHz~4.5GHzの間で探査装置5の仕様や作業エリアに応じて適宜設定される。探査波は、パルス波に限らず、例えば一定周波数の連続波でもよく、周波数変調されたチャープ波でもよい。放射された電磁波の伝播経路に埋設管などの埋設物が存在すると、その位置で電磁波は反射される。探査装置5は、このときの反射波を受信する。探査装置5は、反射波のデータをコントローラ6に出力する。
図5に示すように、経路Rは、所定の作業エリアを漏れなく覆うために、例えば互いに略平行に延びる複数の測線S1~Snを往復したものになっている。このため、探査装置5は、測線S1~Sn毎に反射波のデータを取得する。なお、探査装置5は、測線S1~Snに限らず、経路R全体に対して所定の区間毎に反射波のデータを取得してもよい。また、経路Rは、複数の測線S1~Snを往復させたものに限らない。経路Rは、例えば曲線状でもよく、折り返し部分を備えないものでもよい。また、探査装置5は、車体2の左右方向(走行方向と直交した方向)に複数個のアンテナを備え、複数の測線(例えば測線S1,S2)での探査を同時に行うものでもよい。
コントローラ6は、車体2の走行と探査装置5を制御する制御装置を構成している。図2に示すように、コントローラ6は、自動走行制御部7、信号処理部8、画像判別部9を備えている。コントローラ6は、例えばROM、RAM等からなる記憶部11に接続されている。記憶部11は、コントローラ6と共に車体2に搭載されている。記憶部11は、コントローラ6に内蔵されたものでもよく、コントローラ6とは別個に設けられたものでもよい。
なお、コントローラ6は、通信部12を介して外部と通信可能としてもよい。この場合、記憶部11は、車体2に搭載されている必要はなく、通信部12を介して接続された外部の記憶装置でもよい。また、コントローラ6の自動走行制御部7、信号処理部8、画像判別部9も、通信部12を介して接続された外部のサーバコンピュータによって構成してもよく、クラウドサーバによって構成してもよい。
自動走行制御部7は、車体情報取得装置4から取得した車体2の位置と姿勢の情報に基づいて、予め決められた経路Rに従って車体2を自動走行させる。具体的には、自動走行制御部7は、図3に示す自動走行処理のプログラムを実行する。ステップ1では、自動走行制御部7は、GNSS4Aから車体2の位置情報を取得する。ステップ2では、自動走行制御部7は、姿勢センサ4Bの方位センサで現在地から目標地点への目標角を算出すると共に、現在地から目標地点までの距離を算出する。ステップ3では、自動走行制御部7は、姿勢センサ4Bのモーションセンサによって、車体2の方向姿勢情報を取得する。ステップ4では、自動走行制御部7は、車体2の方向姿勢情報に基づいて目標角を修正し、車体2を目標地点に向けて走行させる。自動走行制御部7は、ステップ1~4の処理を繰り返し実行することによって、経路Rに従って車体2を自動走行させる。
信号処理部8は、自動走行制御部7によって車体2が経路Rを自動走行するときに、探査装置5が受信した反射波に基づいて、経路Rに沿った2次元の画像情報Gを生成する。このとき、探査装置5は、測線S1~Sn毎に反射波のデータを取得する。このため、信号処理部8は、反射波データによる2次元の画像情報Gを、測線S1~Sn毎に生成する。なお、信号処理部8は、単一の測線(例えば測線S1)に対して、複数の画像情報Gを生成してもよい。また、探査装置5が経路R全体に対して所定の区間毎に反射波のデータを取得する場合には、信号処理部8は、これら複数の所定区間に応じて複数の画像情報Gを生成してもよい。
画像判別部9は、ニューラルネットワークによって構成され、信号処理部8によって生成された画像情報Gに基づいて、地中(媒質内)の検出対象を判別する。図6に示すように、画像判別部9は、画像情報Gが入力されたときに検出対象の特徴を抽出して出力するエンコーダ10Aと、エンコーダ10Aの出力に基づいて元の画像情報を復元するデコーダ10Bとを備えたオートエンコーダ10によって構成されている。オートエンコーダ10のネットワークは、エンコーダ10Aによって入力したデータの次元数をいったん低下させた後、デコーダ10Bによって次元数を再び戻して出力するという構造になっている。
エンコーダ10Aは、例えば4層のニューラルネットワークによって構成されている。デコーダ10Bも、エンコーダ10Aと同様に例えば4層のニューラルネットワークによって構成されている。各層は、複数のニューロン(ノード)を備えており、隣り合う2つの層のニューロンは、重み係数で結合されている。重み係数は、学習によって設定される。オートエンコーダ10は、多層のニューラルネットワークを含む積層オートエンコーダによって構成されている。なお、ニューラルネットワークの層数は、画像の判別精度等を考慮して適宜設定される。
オートエンコーダ10は、複数の画像情報Gを入力することにより、教師なし学習が行われる。複数の画像情報Gは、例えば測線S1~Sn毎の画像情報である。オートエンコーダ10の学習は、入力データ(画像情報G)と一致するデータを出力することを目的とする教師なし学習である。オートエンコーダ10の学習過程では、入出力が一致するように、隣り合う2つの層のニューロン間で重み係数(重み付け)が調整される。画像判別部9のエンコーダ10Aは、この学習結果を使って画像情報Gが入力されたときに検出対象の特徴を抽出して出力する。
エンコーダ10Aの出力は、入力したデータよりも次元数の少ない特徴量となる。図7に示すように、画像判別部9は、エンコーダ10Aの出力をデータの特徴毎にクラスタリング(分類)する。なお、図7は、線形空間での主成分分析の第1主成分Z1と、第2主成分Z2のような特徴量でクラスタリングした場合を例示している。クラスタリングの結果と実際の埋設物との関係を明確化することによって、画像判別部9は、クラスタリングの結果に基づいて、例えば各種管路、空洞、木材、岩石等のような地中の検出対象を判別することができる。なお、画像判別部9は、画像情報Gの特徴量に基づいて、埋設物を含めた地中状態の2次元または3次元の画像を生成することができる。
本実施形態による地中レーダ装置1は、上述の如き構成を有するもので、次に、地中レーダ装置1の画像判別部9を学習する学習処理(学習方法)について、図4を参照して説明する。
まず、地中レーダ装置1を作業エリアに配置する。このとき、地中レーダ装置1のコントローラ6には、作業エリアに応じた経路Rが予め設定されている。ステップ11では、コントローラ6は、自動走行制御部7を用いて経路Rに沿って車体2を自動走行させる。ステップ12では、コントローラ6は、車体2が経路Rに沿って自動走行するときに、探査装置5を駆動させ、地中に向けて探査波を放射し、反射波を受信する。ステップ13では、コントローラ6は、探査装置5が受信した反射波に基づいて、信号処理部8によって経路Rに沿った2次元の画像情報Gを生成する。ステップ14では、コントローラ6は、信号処理部8によって生成した画像情報Gを記憶部11に記憶する。このとき、コントローラ6は、画像情報Gを取得した位置情報(測線の位置情報)も画像情報Gと一緒に記憶部11に記憶する。
ステップ15では、コントローラ6は、記憶部11に記憶された画像情報Gを用いて、画像判別部9のニューラルネットワークからなるオートエンコーダ10を教師なしで自己学習させる。具体的には、オートエンコーダ10は、入力データ(画像情報G)と出力データが一致するように重み付けを教師なし学習する。このとき、オートエンコーダ10は、入力データと出力データとの間の誤差が最小化するように、重み付けを学習する。これらステップ11~15の処理を繰り返すことによって、オートエンコーダ10を自動的に自己学習させることができる。この結果、学習済みの画像判別部9が形成されるから、画像判別部9を用いて地中の埋設物を判別することができる。
なお、図4は、単一の画像情報Gが記憶部11に記憶される毎に、オートエンコーダ10を自己学習する場合を例示した。本発明はこれに限らず、例えば経路Rの走行が完了して複数の画像情報Gを記憶部11に記憶した後に、オートエンコーダ10を教師なしで自己学習してもよい。オートエンコーダ10は、初期状態から全て学習過程で教師なし学習を行ってもよく、例えば人工的に作成した学習データを用いて予め学習を行った後に、教師なし学習を行ってもよい。また、オートエンコーダ10は、入力データと出力データとの間の誤差が予め設定された閾値よりも低下したときに、学習を完了してもよい。
かくして、本実施形態による地中レーダ装置1は、車体2の位置と姿勢の情報を取得する車体情報取得装置4と、車体2に搭載され、地中に向けて探査波を放射し、反射波を受信する探査装置5と、車体2の走行と探査装置5を制御するコントローラ6(制御装置)と、を備えている。
また、コントローラ6は、車体情報取得装置4から取得した車体2の位置と姿勢の情報に基づいて、予め決められた経路Rに従って車体2を自動走行させる自動走行制御部7と、自動走行制御部7によって車体2が経路Rを自動走行するときに、探査装置5が受信した反射波に基づいて、経路Rに沿った2次元の画像情報を生成する信号処理部8と、ニューラルネットワークによって構成され、信号処理部8によって生成された画像情報Gに基づいて、地中の検出対象を判別する画像判別部9と、を備えている。
そして、コントローラ6は、自動走行制御部7を用いて経路Rに沿って車体2を自動走行させたときに、信号処理部8が生成した画像情報Gを記憶部11に記憶し、記憶部11に記憶された画像情報Gを用いて、画像判別部9のニューラルネットワークを教師なしで自己学習されている。
このとき、地中レーダ装置1は、車体2を自動走行させて、多数の画像情報Gを取得することができるから、これらの多数の画像情報Gを用いて画像判別部9のニューラルネットワークを教師なしで自己学習させることができる。このため、例えばシミュレーションによる画像情報Gを用いて画像判別部9を学習させた場合に比べて、例えば作業エリアの土壌環境等に応じて画像判別部9を学習させることができる。この結果、画像判別部9を作業エリアに合わせてチューニングすることができ、探査現場毎の高精度な識別モデルを作成することができる。これに加え、車体2を自動走行させて地中探査を行うから、人や自動車で地中レーダ装置を牽引して探査する場合に比べて、地中探査の時間を短縮することができる。
このように、本実施形態では、地中レーダ装置1の自律・自動化を行うことにより、自動判定などの知能化が可能になる。これにより、例えば夜間に指定した範囲を地中レーダ装置1で探査し、道路の空洞などの異常箇所をピンポイントで把握できるようになる。このため、近年問題になっている道路や橋脚など社会インフラ点検を高度化することができる。また,大規模自然災害において捜索が必要な箇所を、人間に代って24時間捜索できるようになるから、人命救助の72時間問題にも貢献することができる。
また、本実施形態では、画像判別部9のニューラルネットワークは、画像情報Gが入力されたときに検出対象の特徴を抽出して出力するエンコーダ10Aと、エンコーダ10Aの出力に基づいて元の画像情報Gを復元するデコーダ10Bとを備えたオートエンコーダ10を構成し、コントローラ6は、画像情報Gがエンコーダ10Aに入力されたときに、デコーダ10Bから同じ画像情報Gが出力されるように、オートエンコーダ10を教師なしで自己学習させる。
これにより、オートエンコーダ10は、入力データ(画像情報G)と一致するデータを出力するように教師なし学習を行う。このため、車体2を自動走行させた状態で、取得した画像情報Gに基づいてオートエンコーダ10の学習を進めることができる。画像判別部9の学習を効率的に行うことができる。
また、本実施形態では、車体情報取得装置4は、衛星からの測位信号を受信して車体2の位置情報を取得するGNSS4A(衛星測位システム)と、車体2の姿勢情報を取得する姿勢センサ4Bと、を備え、自動走行制御部7は、GNSS4Aから取得した車体2の位置情報と、姿勢センサ4Bから取得した車体2の姿勢情報とに基づいて、経路Rに沿うように、車体2を走行させる。
これにより、自動走行制御部7は、高精度に経路Rをトレースした状態で車体2を走行させることができる。このため、例えば探査作業の対象となる作業エリア全体を覆うように経路Rを設定することによって、作業エリア全体の地中探査を自動的に行うことができる。また、コントローラ6は、画像情報Gを取得した位置情報を画像情報Gと一緒に記憶部11に記憶する。このため、例えば地上の状態が変化したときや地上に目印がないときでも、埋設物の位置を容易に特定することができる。
さらに、本実施形態では、車体2は、無限軌道式の走行装置3を備えている。これにより、例えば車輪式の走行装置を用いた場合に比べて、複数の測線S1~Snをその場旋回により効率的に車体2を走行させることができる。このため、経路R全体の計測時間を短縮することができるから、地中レーダ装置1は、短時間で多数の画像情報Gを取得することができる。この結果、短時間でオートエンコーダ10の学習を進めることができ、画像判別部9による検出精度を効率的に高めることができる。また、車体2は無限軌道式の走行装置3を備えているから、不整地の作業エリアであっても地中探査を行うことができる。
前記実施形態では、オートエンコーダ10を例に挙げて、画像判別部9のニューラルネットワークを教師なしで自己学習するものとしたが、本発明はこれに限らない。画像判別部の特徴抽出部分は、教師なし学習で低次元特徴を抽出するものであればよい。このため、k平均法(k-means)、自己組織化マップ(SOM)、t分布型確率的近傍埋め込み法(t-SNE)等を用いて、画像判別部のニューラルネットワークを教師なしで自己学習してもよい。
前記実施形態では、地中の埋設物を探査する地中レーダ装置を例に挙げて説明した。本発明はこれに限らず、道路やコンクリート等の内部不良個所を、電磁波を用いて検出する電磁波レーダ装置に適用してもよい。
1 地中レーダ装置(電磁波レーダ装置)
2 車体
3 走行装置
3C 無限軌道
4 車体情報取得装置
4A GNSS(衛星測位システム)
4B 姿勢センサ
5 探査装置
6 コントローラ(制御装置)
7 自動走行制御部
8 信号処理部
9 画像判別部
10 オートエンコーダ
10A エンコーダ
10B デコーダ
11 記憶部
2 車体
3 走行装置
3C 無限軌道
4 車体情報取得装置
4A GNSS(衛星測位システム)
4B 姿勢センサ
5 探査装置
6 コントローラ(制御装置)
7 自動走行制御部
8 信号処理部
9 画像判別部
10 オートエンコーダ
10A エンコーダ
10B デコーダ
11 記憶部
Claims (5)
- 車体の走行中に媒質に向けて探査波を放射し、受信した反射波に基づいて媒質内の検出対象を特定する電磁波レーダ装置であって、
前記車体の位置と姿勢の情報を取得する車体情報取得装置と、
前記車体に搭載され、媒質に向けて前記探査波を放射し、前記反射波を受信する探査装置と、
前記車体の走行と前記探査装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記車体情報取得装置から取得した前記車体の位置と姿勢の情報に基づいて、予め決められた経路に従って前記車体を自動走行させる自動走行制御部と、
前記自動走行制御部によって前記車体が前記経路を自動走行するときに、前記探査装置が受信した前記反射波に基づいて、前記経路に沿った2次元の画像情報を生成する信号処理部と、
ニューラルネットワークによって構成され、前記信号処理部によって生成された前記画像情報に基づいて、媒質内の検出対象を判別する画像判別部と、を備え、
前記制御装置は、前記自動走行制御部を用いて前記経路に沿って前記車体を自動走行させたときに、前記信号処理部が生成した前記画像情報を記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶された前記画像情報を用いて、前記画像判別部の前記ニューラルネットワークを教師なしで自己学習されていることを特徴とする電磁波レーダ装置。 - 前記画像判別部の前記ニューラルネットワークは、前記画像情報が入力されたときに前記検出対象の特徴を抽出して出力するエンコーダと、前記エンコーダの出力に基づいて元の画像情報を復元するデコーダとを備えたオートエンコーダを構成し、
前記制御装置は、前記画像情報が前記エンコーダに入力されたときに、前記デコーダから同じ画像情報が出力されるように、前記オートエンコーダを教師なしで自己学習させることを特徴とする請求項1に記載の電磁波レーダ装置。 - 前記車体情報取得装置は、衛星からの測位信号を受信して前記車体の位置情報を取得する衛星測位システムと、前記車体の姿勢情報を取得する姿勢センサと、を備え、
前記自動走行制御部は、前記衛星測位システムから取得した前記車体の位置情報と、前記姿勢センサから取得した前記車体の姿勢情報とに基づいて、前記経路に沿うように、前記車体を走行させることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波レーダ装置。 - 前記車体は、無限軌道式の走行装置を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電磁波レーダ装置。
- 走行可能な車体と、
前記車体の位置と姿勢の情報を取得する車体情報取得装置と、
前記車体に搭載され、媒質に向けて探査波を放射し、反射波を受信する探査装置と、
前記車体の走行と前記探査装置を制御する制御装置と、を備えた電磁波レーダ装置に適用され、
前記制御装置は、
前記車体情報取得装置から取得した前記車体の位置と姿勢の情報に基づいて、予め決められた経路に従って前記車体を自動走行させる自動走行制御部と、
前記自動走行制御部によって前記車体が前記経路を自動走行するときに、前記探査装置が受信した前記反射波に基づいて、前記経路における2次元の画像情報を生成する信号処理部と、
ニューラルネットワークによって構成され、前記信号処理部によって生成された前記画像情報に基づいて、媒質内の検出対象を判別する画像判別部と、を備え、
前記制御装置は、前記自動走行制御部を用いて前記経路に沿って前記車体を自動走行させたときに、前記信号処理部が生成した前記画像情報を記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶された前記画像情報を用いて、前記画像判別部の前記ニューラルネットワークを教師なしで自己学習させることを特徴とする電磁波レーダ装置の自己学習方法。
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