JP2022140123A - 気圧制御装置、及び気圧制御装置を含む車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両における様々な乗員に対して、乗り物酔いの発生をより適切に抑制可能な気圧制御装置、及び車両を提供する。【解決手段】本開示の一形態における気圧制御装置は、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続される少なくとも1つのメモリとを含み、前記プロセッサは、車両に乗車する乗員の年齢および性別の少なくとも1つの情報が入力されると、前記入力された年齢および性別の少なくとも1つの情報に基づいて、予め定められた車室内の適正気圧情報を前記メモリから読み出し、前記読み出した適正気圧情報に基づいて前記車室内の気圧を調整するための気圧調整信号を出力し、前記車室内の前記乗員の車酔い発生信号が入力された場合に、前記調整された気圧よりも車室内の気圧を上昇させるための気圧上昇信号を出力する。【選択図】図1
Description
本開示は、気圧制御装置、及び気圧制御装置を含む車両に関する。
特許文献1には、気密構造を有する車室内の気圧を制御する車両用気圧制御空調装置が開示されている。また、特許文献2には、車両の室内の空間を空気調和することによりドライバーの居眠り運転状態を防止する装置において、車室内の気圧を検出し、この気圧が閾値以下の時には気圧が閾値を越えるまでブロアーを運転させる技術が開示されている。
従来、乗り物酔いの問題に対して様々な解決方法が提案されてきた。本開示はこれらの解決方法の一つを提案するものである。すなわち本開示は、車室内の気圧制御により乗り物酔いの問題を解決しようとするものである。
「乗り物酔い」は、一般的には、乗り物による揺れ、不規則な加速又は減速などを受けた三半規管などからの情報と、それとは異なる目や体からの情報と、を受けた脳が混乱することによって起こる自律神経系の反応と認知されている。なお自律神経系が受ける外部要因として、例えば自律神経と気圧との関連性が特開2018-011729号公報等において指摘されている。
そして上述した特許文献に限らず現在の技術では、「乗り物酔い」に関する市場のニーズを適切に満たしているとは言えず、以下に述べる課題が存在する。
例えば上記した特許文献1や特許文献2では、車両に搭乗する乗員の属性(年齢、性別、等)に応じた、乗り物酔いを起こしにくい気圧に関する情報が使われていない。したがって、乗員の属性によっては乗り物酔いの発生を適切に抑制できない可能性がある。
また、車両に複数の乗員が存在した場合には、これら複数の乗員の間で乗り物酔いを起こしにくい気圧の範囲は重複しない可能性がある。そのような場合、特許文献1や特許文献2では、すべての乗員がより快適に乗車できるための方法を提示できているとは言い難い。
本開示は、上記した課題を一例に鑑みて為されたものであり、車両における様々な乗員に対して乗り物酔いの発生をより適切に抑制可能な、気圧制御装置、及びその気圧制御装置を含む車両を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本開示の一実施形態における気圧制御装置は、メモリと、ハードウェアを有するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、車室内の乗員の年齢および性別の少なくとも1つの情報が入力されると、前記入力された年齢および性別の少なくとも1つの情報に基づいて、予め定められた車室内の適正気圧情報をメモリから読み出し、前記読み出した適正気圧情報に基づいて前記車室内の気圧を調整するための気圧調整信号を出力し、前記車室内の前記乗員の車酔い発生信号が入力された場合に、前記調整された気圧よりも車室内の気圧を上昇させるための気圧上昇信号を出力する。
本開示によれば、車両における様々な乗員に対して、乗り物酔いの発生をより適切に抑制可能な気圧制御装置、及びその気圧制御装置を含む車両を提供することができる。
次に本開示の好適な実施形態について説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一又は対応する部分には同一の符号を付す。また、本開示は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る気圧制御装置100を備えた車両1の構成例を示す模式図である。図1に示した車両1は、車両の駆動トルクを生成する駆動力源9から出力される駆動トルクを左前輪3LF、右前輪3RF、左後輪3LR及び右後輪3RR(以下、特に区別を要しない場合には「車輪3」と総称する)に伝達する四輪駆動車として構成されている。駆動力源9は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよく、駆動用モータであってもよく、内燃機関及び駆動用モータをともに備えていてもよい。
図1は、本実施形態に係る気圧制御装置100を備えた車両1の構成例を示す模式図である。図1に示した車両1は、車両の駆動トルクを生成する駆動力源9から出力される駆動トルクを左前輪3LF、右前輪3RF、左後輪3LR及び右後輪3RR(以下、特に区別を要しない場合には「車輪3」と総称する)に伝達する四輪駆動車として構成されている。駆動力源9は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよく、駆動用モータであってもよく、内燃機関及び駆動用モータをともに備えていてもよい。
なお、車両1は、例えば前輪駆動用モータ及び後輪駆動用モータの二つの駆動用モータを備えた電気自動車であってもよく、それぞれの車輪3に対応する駆動用モータを備えた電気自動車であってもよい。また、車両1が電気自動車やハイブリッド電気自動車の場合、車両1には、駆動用モータへ供給される電力を蓄積する二次電池や、バッテリに充電される電力を発電するモータや燃料電池等の発電機が搭載される。
車両1は、車両1の運転制御に用いられる機器として、駆動力源9、電動ステアリング装置25及びブレーキ装置27LF,27RF,27LR,27RR(以下、特に区別を要しない場合には「ブレーキ装置27」と総称する)を備えている。駆動力源9は、図示しない変速機や前輪差動機構7F及び後輪差動機構7Rを介して前輪駆動軸5F及び後輪駆動軸5Rに伝達される駆動トルクを出力する。駆動力源9や変速機の駆動は、少なくとも1つの電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)を含んで構成された車両制御装置41により制御される。
前輪駆動軸5Fには電動ステアリング装置25が設けられている。電動ステアリング装置25は図示しない電動モータやギヤ機構を含み、車両制御装置41により制御されることによって左前輪3LF及び右前輪3RFの操舵角を調節する。車両制御装置41は、手動運転中には、ドライバによるステアリングホイール23の操舵角に基づいて電動ステアリング装置25を制御する。また、車両制御装置41は、自動運転中には、運転支援装置50により設定される目標操舵角に基づいて電動ステアリング装置25を制御する。
ブレーキ装置27LF,27RF,27LR,27RRは、それぞれ前後左右の駆動輪3LF,3RF,3LR,3RRに制動力を付与する。ブレーキ装置27は、例えば油圧式のブレーキ装置として構成され、それぞれのブレーキ装置27に供給する油圧が車両制御装置41により制御されることで所定の制動力を発生させる。車両1が電気自動車あるいはハイブリッド電気自動車の場合、ブレーキ装置27は、駆動用モータによる回生ブレーキと併用される。
車両制御装置41は、車両1の駆動トルクを出力する駆動力源9、ステアリングホイール23又は操舵輪の操舵角を制御する電動ステアリング装置25、車両1の制動力を制御するブレーキ装置27の駆動を制御する少なくとも1つの電子制御装置を含む。車両制御装置41は、駆動力源9から出力された出力を変速して車輪3へ伝達する変速機の駆動を制御する機能を備えていてもよい。車両制御装置41は、運転支援装置50から送信される情報を取得可能に構成され、車両1の自動運転制御を実行可能に構成されている。
また、車両1は、例えば乗員監視センサー31、車両状態センサー32、GPS(Global Positioning System)センサー33及びHMI34などを含んで構成されている。なお、車両1は、それぞれ公知の前方撮影カメラ、後方撮影カメラ、LiDAR(Light Detection And Ranging)、HMI(Human Machine Interface)及びヘッドアップディスプレイ(HUD)の少なくとも1をさらに備えていてもよい。
乗員監視センサー31は、車室内の乗員を撮像可能な1又は複数の公知のデバイスであって、例えば車内撮影カメラ又は生体情報検出センサー(生体センサー)の少なくとも1つを含む。このうち、例えば乗員監視センサー31としての車内撮影カメラは、CCD又はCMOS等の撮像素子を備え、車室内を撮影して画像データを生成する。また、本実施形態の車内撮影カメラは、生成した上記画像データを気圧制御装置100へ送信する。本実施形態において、車内撮影カメラは、車両1のドライバ又は同乗者を撮影可能に配置される。なお、車室内に配置される車内撮影カメラの数は、1つのみであってもよく、複数の乗員の各人をそれぞれ撮影できるように運転席用、助手席用、左後部座席用および右後部座席用といったように複数であってもよい。
生体センサーは、例えばドライバの心拍を検出するための電波式のドップラーセンサであってもよく、ドライバの脈拍を検出するための非装着型の脈拍センサーであってもよい。また、生体センサーは、ドライバの心拍又は心電図を計測するためにステアリングホイール23に埋設された電極組であってもよい。また、生体センサーは、ドライバが座席に着座している着座状態での座圧分布を計測するために運転席のシートに埋設された圧力計測器であってもよい。また、生体センサーは、ドライバの心拍又は呼吸を計測するためにシートベルトの位置の変化を検出する変位センサーであってもよい。また、生体センサーは、ドライバの位置の情報を検出するためのTOF(Time of Flight)センサーであってもよい。また、生体センサーは、ドライバの皮膚の表面温度を計測するためのサーモグラフィであってもよい。
また、生体センサーは、ドライバに装着されてドライバの生体情報を検出する装着型のセンサーであってもよい。装着型の生体センサーとしては、例えば腕時計型、あるいは、頭部又は腕部装着型のウェアラブル機器であってもよい。これらのウェアラブル機器は、ドライバの心拍や脈拍、血圧、体温等の生体情報を検出する機能を有していてもよい。装着型の生体センサーは、直接的に又は(Controller Area Network)あるいはLIN(Local Inter Net)等の通信手段を介して気圧制御装置100と接続されていてもよい。あるいは、装着型の生体センサーは、Blutooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、wifi(wireless fidelity)又は無線LAN(Local Area Network)等の無線通信手段を介して運転支援装置50と通信可能に構成されていてもよい。
車両状態センサー32は、車両1の操作状態及び挙動(以下、まとめて「車両の走行状態」ともいう)を検出する少なくとも1つのセンサーからなる。車両状態センサー32は、例えば舵角センサー、アクセルポジションセンサー、ブレーキストロークセンサー、ブレーキ圧センサー又はエンジン回転数センサーのうちの少なくとも一つを含み、ステアリングホイール23あるいは操舵輪の操舵角、アクセル開度、ブレーキ操作量又はエンジン回転数等の車両1の操作状態を検出する。また、車両状態センサー32は、例えば車速センサー、加速度センサー、角速度センサーのうちの少なくとも一つを含み、車速、前後加速度、横加速度、ヨーレート等の車両の挙動を検出する。車両状態センサー32は、検出した情報を含むセンサー信号を気圧制御装置100へ送信することができる。
GPSセンサー33は、GPS衛星からの衛星信号を受信する。GPSセンサー33は、受信した衛星信号に含まれる車両1の地図データ上の位置情報を気圧制御装置100へ送信する。なお、GPSセンサー33の代わりに、車両1の位置を特定する他の衛星システムからの衛星信号を受信するアンテナが備えられていてもよい。
HMI34は、気圧制御装置100により駆動され、画像表示や音声出力等の手段により、ドライバに対して種々の情報を提示する。HMI34は、例えばインストルメントパネル内に設けられた表示装置及び車両に設けられたスピーカを含む。表示装置は、ナビゲーションシステムの表示装置であってもよい。
外部通信部45は、公知のネットワーク等を介して無線通信が可能な公知の通信装置である。かような外部通信部45は、例えば乗員の所持するスマートフォンを利用したパケット通信や、コネクテッドのサービスに代表される次世代の自動車無線通信技術を利用して外部との各種の情報通信を行うことができる公知の通信装置などが例示できる。
<気圧制御装置100>
図2は、本実施形態に係る気圧制御装置100の構成例を示すブロック図である。
気圧制御装置100には、直接的に又はCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Inter Net)等の通信手段を介して、それぞれ上記した乗員監視センサー31、車両状態センサー32、GPSセンサー33およびHMI34などが接続されている。
図2は、本実施形態に係る気圧制御装置100の構成例を示すブロック図である。
気圧制御装置100には、直接的に又はCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Inter Net)等の通信手段を介して、それぞれ上記した乗員監視センサー31、車両状態センサー32、GPSセンサー33およびHMI34などが接続されている。
また、気圧制御装置100には、直接的に又はCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Inter Net)等の通信手段を介して、上記した車両制御装置41が接続されている。なお、気圧制御装置100は、車両1に搭載された電子制御装置に限られるものではなく、スマートフォンやウェアラブル機器等の端末装置であってもよい。
気圧制御装置100は、電子制御部10、記憶部30及び適正気圧データベース30aを備えている。また、本実施形態の気圧制御装置100は、車両1に装備されて車室内の気圧を調整可能な気圧調整機構20の駆動を制御する。このうち、電子制御部10は、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えて構成される。電子制御部10の一部又は全部は、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。
気圧調整機構20は、車両1における車室内の気圧を調整する機能を有している。この気圧調整機構20の具体例としては、図3に例示するように、車室内に空気を取り入れるブロワー21や、体積を可変して車室内の空間を増減可能な体積可変装置22が例示できる。
このうちブロワー21としては、車両1に装備されて上記した電子制御部10と通信可能な公知の種々のエアコンプレッサーが適用できる。また、体積可変装置22としては、例えば車室内に配備可能な大きさを有して上記した電子制御部10と通信可能なエアコンプレッサーが接続された公知のバルーンなどが例示できる。なお本実施形態では気圧調整機構20の一例としてブロワー21及び体積可変装置22を例示したが、車室内の気圧を調整可能な他の公知の機構を気圧調整機構20として適用してもよい。
このうちブロワー21としては、車両1に装備されて上記した電子制御部10と通信可能な公知の種々のエアコンプレッサーが適用できる。また、体積可変装置22としては、例えば車室内に配備可能な大きさを有して上記した電子制御部10と通信可能なエアコンプレッサーが接続された公知のバルーンなどが例示できる。なお本実施形態では気圧調整機構20の一例としてブロワー21及び体積可変装置22を例示したが、車室内の気圧を調整可能な他の公知の機構を気圧調整機構20として適用してもよい。
記憶部30は、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等の記憶素子(メモリ)により構成される。ただし、本実施形態における記憶部30の数や種類は、特に限定されない。記憶部30は、電子制御部10により実行されるコンピュータプログラムや、演算処理に用いられる種々のパラメタ、検出データ、演算結果等の情報を記憶する機能を有して構成されている。
適正気圧データベース30aは、RAM等の記憶素子、あるいは、HDD(Hard Disk Drive)やCD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュ、ストレージ装置等の更新可能な記録媒体を用いて構成された階層的なデータ構造である。ただし、本データベースを保存可能な記録媒体の種類は特に限定されない。
また、本実施形態では車両1内に適正気圧データベース30aが設けられる例を示したが、本開示はこの形態には限られない。例えば適正気圧データベース30aを、車両1の外部に設けられたクラウドサーバとして適用してもよい。
また、本実施形態では車両1内に適正気圧データベース30aが設けられる例を示したが、本開示はこの形態には限られない。例えば適正気圧データベース30aを、車両1の外部に設けられたクラウドサーバとして適用してもよい。
適正気圧データベース30aは、乗員の年齢別、性別、等に複数の適正気圧情報が検索可能に構造化されて格納された情報またはデータの組織的な集合である。かような適正気圧データベース30aは、例えば図4に例示するように、年齢及び性別毎に適正気圧情報が互いに関連付けされて検索可能なデータ構造とされている。なお図4における「SA」とは、本実施形態では標準気圧(Standard Atmosphere)に相当し、約1013hPaとなっている。また図4では、標準気圧SAを基準としてこの標準気圧に所定の係数を乗算することで調整気圧値を決定しているが、この形態に限られず他の気圧値を基準値としてもよい。
ここで本実施形態における「適正気圧情報」とは、実験またはシミュレーションによる解析で得られる経験則に基づく情報であって、その気圧内であれば他の気圧に比して相対的に酔いが生じにくいとされた気圧に関する情報を言う。例えば年齢又は性別を区切って多数の被験者に対して実験を行った結果、その過半数が車酔いを感じなかったときの気圧に関する情報などが本実施形態でいう適正気圧情報に相当する。また、上述した相対的に酔いが生じにくいとされた気圧を本実施形態においては「適正気圧」又は「適正気圧値」と称する。
なお、この適正気圧データベース30aで管理される適正気圧情報は、例えば電子制御部10によって、公知の外部通信装置(不図示)を介して車両1の外から収集されてもよい。また、この適正気圧情報は、乗員や保守点検者などによって不図示の入出力部(例えば車室内のインスツルメンツパネルにおける操作入力部など)を介して入力されたりしてもよい。
(機能構成)
気圧制御装置100の電子制御部10は、車両1に乗車する乗員(運転手又は同乗者)の年齢および性別の少なくとも1つの情報が入力されると、この入力された年齢および性別の少なくとも1つの情報に基づいて予め定められた車室内の適正気圧情報を読み出し、この読み出した適正気圧情報に基づいて車室内の気圧を調整するための気圧調整信号を出力する処理を実行する。さらに電子制御部10は、車室内において乗員の車酔い発生信号が入力された場合には、適正気圧情報に基づいて調整された気圧よりも車室内の気圧をさらに上昇させるための気圧上昇信号を出力する処理を実行する。
気圧制御装置100の電子制御部10は、車両1に乗車する乗員(運転手又は同乗者)の年齢および性別の少なくとも1つの情報が入力されると、この入力された年齢および性別の少なくとも1つの情報に基づいて予め定められた車室内の適正気圧情報を読み出し、この読み出した適正気圧情報に基づいて車室内の気圧を調整するための気圧調整信号を出力する処理を実行する。さらに電子制御部10は、車室内において乗員の車酔い発生信号が入力された場合には、適正気圧情報に基づいて調整された気圧よりも車室内の気圧をさらに上昇させるための気圧上昇信号を出力する処理を実行する。
図2に示したように、気圧制御装置100における電子制御部10は、気圧制御部11、乗員情報検出部12、適正気圧決定部13、酔い判定部14、調整気圧値決定部15及び提示部16を含んで構成されている。これらの各部は、少なくとも1つのCPU等のプロセッサによるコンピュータプログラムの実行により実現される機能であってもよい。
(気圧制御部)
気圧制御部11は、気圧調整機構20を制御することで、車両1における車室内の気圧を制御する機能を有して構成されている。より具体的に、気圧制御部11は、例えば車室内に設けられた公知の気圧計(不図示)から車室内の気圧情報を得ることができる。また、気圧制御部11は、適正気圧決定部13から車室内の乗員に対する適正気圧情報を受信することで、車両1に乗車する乗員に対しての適正気圧となるように車室内の気圧を制御することができる。なお気圧制御部11による処理の具体的な内容については、後に詳述する。
気圧制御部11は、気圧調整機構20を制御することで、車両1における車室内の気圧を制御する機能を有して構成されている。より具体的に、気圧制御部11は、例えば車室内に設けられた公知の気圧計(不図示)から車室内の気圧情報を得ることができる。また、気圧制御部11は、適正気圧決定部13から車室内の乗員に対する適正気圧情報を受信することで、車両1に乗車する乗員に対しての適正気圧となるように車室内の気圧を制御することができる。なお気圧制御部11による処理の具体的な内容については、後に詳述する。
(乗員情報検出部)
乗員情報検出部12は、乗員監視センサー31から送信される検出データに基づいて、車両1の車室内に存在する乗員を検出する機能を有して構成されている。例えば乗員情報検出部12は、車内撮影カメラから送信される画像データに基づいて車室内における運転手及び同乗者の少なくとも一方を検出する。また、本実施形態における乗員情報検出部12には、例えば特開2019-149022号公報などに記載された技術のように、画像データから自動で人物や顔を検出して性別、年齢あるいはマスク装着有無などを推定する公知の画像認識アルゴリズムを具備してもよい。さらに本実施形態における乗員情報検出部12は、車両1の車室内に固定配置されるため、車室内で検出された人物の撮像された位置によって運転手であるのか同乗者であるのかも判定することが可能となっている。
乗員情報検出部12は、乗員監視センサー31から送信される検出データに基づいて、車両1の車室内に存在する乗員を検出する機能を有して構成されている。例えば乗員情報検出部12は、車内撮影カメラから送信される画像データに基づいて車室内における運転手及び同乗者の少なくとも一方を検出する。また、本実施形態における乗員情報検出部12には、例えば特開2019-149022号公報などに記載された技術のように、画像データから自動で人物や顔を検出して性別、年齢あるいはマスク装着有無などを推定する公知の画像認識アルゴリズムを具備してもよい。さらに本実施形態における乗員情報検出部12は、車両1の車室内に固定配置されるため、車室内で検出された人物の撮像された位置によって運転手であるのか同乗者であるのかも判定することが可能となっている。
これにより、乗員情報検出部12は、車両1の車室内で撮像された乗員について、運転手か同乗者のいずれであるかと、この撮像された乗員の年齢及び性別と、を検出することが可能となっている。なお本実施形態の乗員情報検出部12は、画像データから人物や顔を検出して性別及び年齢を推定しているが、この態様に限られず、例えば性別と年齢の少なくとも一方を検出して他方は乗員からの入力を促す態様であってもよい。
(適正気圧決定部)
適正気圧決定部13は、乗員情報検出部12で検出された乗員情報と、適正気圧データベース30aで管理される適正気圧情報と、に基づいて、車両1に乗車している乗員に対しての適正気圧値を決定する機能を有して構成されている。具体的に、例えば車両1に乗車した者が40代男性の運転手のみであった場合には、乗員情報検出部12によって乗員が40代男性の運転手であることが検出される。そして適正気圧決定部13は、適正気圧データベース30aを参照することで、この40代男性運転手にとっての適正気圧値は「SA」であると決定する。
適正気圧決定部13は、乗員情報検出部12で検出された乗員情報と、適正気圧データベース30aで管理される適正気圧情報と、に基づいて、車両1に乗車している乗員に対しての適正気圧値を決定する機能を有して構成されている。具体的に、例えば車両1に乗車した者が40代男性の運転手のみであった場合には、乗員情報検出部12によって乗員が40代男性の運転手であることが検出される。そして適正気圧決定部13は、適正気圧データベース30aを参照することで、この40代男性運転手にとっての適正気圧値は「SA」であると決定する。
(酔い判定部)
酔い判定部14は、車両1の手動運転中に、車室内の乗員に酔いが発生したか否かを決定する機能を有して構成されている。より具体的に酔い判定部14は、上記した車内撮影カメラで撮像された乗員における顔面の撮像データから、この乗員に酔いが発生しているか否かを決定する。
酔い判定部14は、車両1の手動運転中に、車室内の乗員に酔いが発生したか否かを決定する機能を有して構成されている。より具体的に酔い判定部14は、上記した車内撮影カメラで撮像された乗員における顔面の撮像データから、この乗員に酔いが発生しているか否かを決定する。
ここで近年における車酔いを推定するアルゴリズムの開発過程において、例えば車酔いが始まると、顔の表面温度が上がり、次いで冷や汗が出て、その後に顔の表面温度が急速に低下することが判明している。従って本実施形態の酔い判定部14は、こうした車酔いが発生した場合の顔面経過に基づいて、所定時間毎に撮像された乗員における顔面の撮像データから得られる表情の変位に基づいて酔いの発生有無を決定してもよい。また、酔い判定部14は、上記した生体センサーから得られる検出データ(心拍、脈拍、心電図、呼吸、血圧又は体温の少なくともいずれか)に基づいて酔いの発生有無を検出してもよい。
(調整気圧値決定部)
調整気圧値決定部15は、適正気圧決定部13で決定された適正気圧値に調整された環境下においても酔い判定部14によって乗員に酔いが発生していると決定された場合に、車両1において車室内の気圧を上昇させる機能を有して構成されている。より具体的には、調整気圧値決定部15は、適正気圧データベース36aにおける第一段調整気圧情報と第二段調整気圧情報の少なくとも一方に基づいて、車室内の乗員に対する調整気圧値を決定することができる。なお調整気圧値決定部15による具体的な処理の内容については、後で詳しく説明する。
調整気圧値決定部15は、適正気圧決定部13で決定された適正気圧値に調整された環境下においても酔い判定部14によって乗員に酔いが発生していると決定された場合に、車両1において車室内の気圧を上昇させる機能を有して構成されている。より具体的には、調整気圧値決定部15は、適正気圧データベース36aにおける第一段調整気圧情報と第二段調整気圧情報の少なくとも一方に基づいて、車室内の乗員に対する調整気圧値を決定することができる。なお調整気圧値決定部15による具体的な処理の内容については、後で詳しく説明する。
(提示部)
提示部16は、電子制御部10による気圧制御の状況を提示する機能を有して構成されている。より具体的には、提示部16は、例えば上記したHMI34を介して、車室内における気圧情報、適正気圧情報、酔いの発生および調整した気圧情報の少なくとも1つを提示することができる。また、提示部16のHMI34を介した提示態様としては、例えば音声、映像、音声および映像のいずれかによって実行してもよい。
提示部16は、電子制御部10による気圧制御の状況を提示する機能を有して構成されている。より具体的には、提示部16は、例えば上記したHMI34を介して、車室内における気圧情報、適正気圧情報、酔いの発生および調整した気圧情報の少なくとも1つを提示することができる。また、提示部16のHMI34を介した提示態様としては、例えば音声、映像、音声および映像のいずれかによって実行してもよい。
<気圧制御装置の動作>
続いて、本実施形態に係る気圧制御装置100の動作例を具体的に説明する。
図5は、車両1において実行される気圧制御処理(気圧制御方法)の一例を示すフローチャートである。なお本実施形態では、車室内のドライバ以外の一人の乗員Aの乗員情報に基づいて気圧を制御する方法について説明する。
続いて、本実施形態に係る気圧制御装置100の動作例を具体的に説明する。
図5は、車両1において実行される気圧制御処理(気圧制御方法)の一例を示すフローチャートである。なお本実施形態では、車室内のドライバ以外の一人の乗員Aの乗員情報に基づいて気圧を制御する方法について説明する。
図5に示すように、まず、ステップST1において乗員情報が検出される。具体的には、車両1の停車中または走行中に上記車内撮影カメラにより撮像された画像データは、乗員情報検出部12に送信される。乗員監視センサー31としての車内撮影カメラによって撮像された画像データは、本例では例えば乗員Aの顔データとなっている。乗員情報検出部12は、当該乗員Aの顔データに基づいて、乗員Aの年齢及び性別のうちの少なくとも一つを検出する。なお、この乗員Aの年齢及び性別のうちの少なくとも一つの情報は、例えば上記した記憶部30に保存されるようにしてもよい。
次にステップST2において、適正気圧決定部13は、乗員情報検出部12で検出した乗員情報に基づいて、当該乗員Aにとっての適正気圧値を決定する。具体的には、適正気圧決定部13は、図4に例示した適正気圧データベース36aに基づいて、当該乗員Aの年齢及び性別のうちの少なくとも一つの情報から、当該乗員Aの適正気圧値を決定する。
次にステップST3において、適正気圧決定部13により決定された適正気圧値に基づいて、車両1の車室内の気圧を上記決定された適正気圧値に近づける処理が実行される。具体的には、気圧制御部11は、上記適正気圧決定部13により決定された適正気圧値と、現在の車室内の気圧とを比較する。そして上記適正気圧決定部13により決定された適正気圧値が現在の車室内の気圧よりも低い場合には、気圧制御部11は、例えば上記した気圧調整機構20を介して車両1における車室内の気圧を上昇させる制御を実行する。
一方で上記適正気圧決定部13により決定された適正気圧値が現在の車室内の気圧よりも高い場合には、気圧制御部11は、例えば車両1のパワーウインドウを制御することなどによって車室内の気圧を下降させる制御を実行する。なお、本実施形態では、上記した気圧計などによって車室内の気圧を定期的に検出し、車室内の気圧と適正気圧値との間に所定値以上の差が生じた場合には適正気圧値に維持されるように上記処理が繰り返される態様であってもよい。
次にステップST4において、酔い判定部14により、乗員Aの酔いの発生有無が判定される。具体的には酔い判定部14は、車両1の走行中の異なるタイミングにおいて複数回に渡り、乗員監視センサー31(車内撮影カメラなど)から乗員Aの顔の画像データ(乗員の顔画像データ)を受け取る。そして酔い判定部14は、例えば異なるタイミングにおいて撮像された複数枚の乗員Aの顔画像データを比較する。これにより酔い判定部14は、上記した酔い発生のメカニズムに即した乗員Aの顔変化に基づいて、乗員Aの酔いの発生有無を判定することができる。
乗員Aに酔いが発生していると判定された場合、次のステップST5に進む。一方で乗員Aに酔いが発生していると判定されなかった場合、上述のステップST1に戻ってもよいし、処理を終了してもよい。
次にステップST5において、乗員Aに酔いが発生していると判定された場合、車両1において車室内の気圧を上昇させる処理が行われる。具体的には、調整気圧値決定部15は、上記した適正気圧データベース30aに基づいて、乗員Aの調整気圧値を決定する。なおこの調整気圧値の決定に際しては、ステップST2で利用された乗員Aの年齢及び性別のうちの少なくとも一つの情報を、記憶部30から読み出すこと等により再度利用することができる。
次にステップST5において、乗員Aに酔いが発生していると判定された場合、車両1において車室内の気圧を上昇させる処理が行われる。具体的には、調整気圧値決定部15は、上記した適正気圧データベース30aに基づいて、乗員Aの調整気圧値を決定する。なおこの調整気圧値の決定に際しては、ステップST2で利用された乗員Aの年齢及び性別のうちの少なくとも一つの情報を、記憶部30から読み出すこと等により再度利用することができる。
なお、適正気圧データベース30aは、図4に例示するように、段階的に異なる複数種類の調整気圧値を含んでいてもよい。より具体的には、本実施形態の適正気圧データベース30aでは、適正気圧情報の他に、気圧の値を一段階だけ上昇させた第一段調整気圧情報と、この第一段調整気圧をさらにもう一段階だけ上昇させた第二段調整気圧情報と、を含んで構成されていることが好ましい。すなわち、本実施形態の気圧制御処理方法においては、車室内の気圧は段階的に上昇されるように調整されてもよいし、予め記憶部30等に記憶された乗員Aの好みや設定情報等に基づいて指定の調整気圧値となるように上昇されてもよい。
次にステップST6において、上記決定された乗員Aの調整気圧値に基づいて、車室内の気圧を上昇させる処理が行われる。具体的には、調整気圧値決定部34により決定された調整気圧値が気圧制御部に出力される。そして気圧制御部11は、例えば気圧調整機構20に対して駆動信号を出力し、例えばエアコンプレッサーの出力を最大化する等により車室内の気圧を上昇させる制御を実行する。
ステップST6が終了した後は、本実施形態における気圧制御処理を終了してもよいし、例えばステップST4の処理に戻ってそれ以降の処理を繰り返してもよい。車両1のシステム電源が停止されて走行終了となった場合には、本実施形態における気圧制御処理も終了される。
[第2実施形態]
次に、図6~図9を参照しつつ、第2実施形態における気圧制御装置110及びこの気圧制御装置110において実行される気圧制御方法について説明する。
第2実施形態では、車室内の運転手以外に複数(本例では2人)の乗員B(年齢:35歳、後部座席右側に乗車)及び乗員C(年齢:3歳、後部座席左側に乗車)も乗車している状況において車室内の気圧を制御する方法について説明する。
次に、図6~図9を参照しつつ、第2実施形態における気圧制御装置110及びこの気圧制御装置110において実行される気圧制御方法について説明する。
第2実施形態では、車室内の運転手以外に複数(本例では2人)の乗員B(年齢:35歳、後部座席右側に乗車)及び乗員C(年齢:3歳、後部座席左側に乗車)も乗車している状況において車室内の気圧を制御する方法について説明する。
以下では、既述した第1実施形態と同じ機能を有する構成には、同じ参照番号を付して適宜その説明は省略する。また、本実施形態では、運転手以外に2人の同乗者が車両1に乗車する場合について説明するが、運転手と合わせて2人でもよいし、車両1の定員内である限り運転手以外に3人以上であってもよい。
<気圧制御装置110>
図6は、本実施形態に係る気圧制御装置110の構成例を示すブロック図である。
第2実施形態における気圧制御装置110には、第1実施形態の気圧制御装置100と同様に、直接的に又はCAN等の通信手段を介して、それぞれ上記した乗員監視センサー31、車両状態センサー32、GPSセンサー33およびHMI34などが接続されている。そして本実施形態の気圧制御装置110は、さらに、優先乗員決定部17および優先順位データベース30bを含んで構成されている。
図6は、本実施形態に係る気圧制御装置110の構成例を示すブロック図である。
第2実施形態における気圧制御装置110には、第1実施形態の気圧制御装置100と同様に、直接的に又はCAN等の通信手段を介して、それぞれ上記した乗員監視センサー31、車両状態センサー32、GPSセンサー33およびHMI34などが接続されている。そして本実施形態の気圧制御装置110は、さらに、優先乗員決定部17および優先順位データベース30bを含んで構成されている。
優先乗員決定部17は、車両1に対して複数人が乗車している場合に、後述する優先順位データベース30bを参照して、乗車するいずれの人物を優先して適正気圧値又は調整気圧値を車室内の気圧制御として適用するかを決定する機能を有して構成されている。より具体的には、本実施形態では、優先乗員決定部17は、優先順位データベース30bに格納された優先順位情報に基づいて、車室内の2人の乗員B及び乗員Cのうち、どちらの適正気圧値又は調整気圧値を優先して気圧制御するかを決定することができる。
優先順位データベース30bは、図8に例示するように、一例として、乗員特性に応じた順位付けが規定された優先順位情報を含むデータ構造(優先順位データテーブル)となっている。かような乗員特性としては、図示されるごとき年齢の他、例えば性別や車室内における属性(運転手であるのかそれ以外の同乗者であるのかなど)などが例示できる。
また、本実施形態では、乗員特性として年齢で順位を区切っているが、例えば図9に示すように他の特性と合わせて順位付けすることもできる。すなわち、図9に示すように、優先順位として、運転手を最上位とし、以下に年齢ごとに区分けした順位付けとすることができる。
また、本実施形態では、乗員特性として年齢で順位を区切っているが、例えば図9に示すように他の特性と合わせて順位付けすることもできる。すなわち、図9に示すように、優先順位として、運転手を最上位とし、以下に年齢ごとに区分けした順位付けとすることができる。
図7は、第2実施形態における気圧制御装置110で実行可能な気圧制御方法を説明するためのフローチャートである。
図7に示すように、まず、ステップST11において乗員B及び乗員Cの情報が検出される。具体的には、乗員監視センサー31としての車内撮影カメラによりそれぞれ撮像された乗員B及び乗員Cの顔画像データが、乗員情報検出部12に送信される。乗員情報検出部12は、受けとった乗員B及び乗員Cの顔画像データより、乗員Bの年齢(35歳)及び乗員Cの年齢(3歳)を検出する。
図7に示すように、まず、ステップST11において乗員B及び乗員Cの情報が検出される。具体的には、乗員監視センサー31としての車内撮影カメラによりそれぞれ撮像された乗員B及び乗員Cの顔画像データが、乗員情報検出部12に送信される。乗員情報検出部12は、受けとった乗員B及び乗員Cの顔画像データより、乗員Bの年齢(35歳)及び乗員Cの年齢(3歳)を検出する。
次にステップST12において、適正気圧決定部13は、乗員情報検出部12によって検出された乗員情報に基づき、当該乗員B及び乗員Cの適正気圧値を決定する。具体的には、適正気圧決定部13は、適正気圧データベース30aを参照して、検出された乗員Bの年齢(35歳)と乗員Cの年齢(3歳)に基づいて、当該乗員Bと乗員Cの適正気圧値をそれぞれ「SA」と「SA×1.01」として決定する。
次にステップST13において、電子制御部10は、ステップST12で求めた乗員B及びCの適正気圧値における重複の有無を判定する。そして乗員B及びCの適正気圧値における重複がある場合(ステップST13でYes)、気圧制御部11は、続くステップST14aにおいて、重複する気圧の範囲内に車室内の気圧が維持されるように気圧調整機構20の駆動を制御する。
乗員B及びCの適正気圧値における重複がない場合(ステップST13でNo)、気圧制御部11は、ステップST14bで、優先順位データベース30bを参照しつつ、車室内の気圧が優先する乗員に対応する適正気圧値となるように気圧調整機構20の駆動を制御する。より具体的に、本実施形態の優先順位データベース30bでは乗員Cの年齢(3歳)が優先順位第1位であることから、気圧制御部11は、乗員Bに比して乗員Cの適正気圧値又は調整気圧値を優先して気圧の制御を実行する。
次にステップST15において、酔い判定部14により、乗員B及び乗員Cの酔いの発生有無が判定される。具体的には酔い判定部14は、車両1の走行中の異なるタイミングにおいて複数回に渡り、乗員監視センサー31(車内撮影カメラなど)から乗員B及び乗員Cの顔画像データを受け取る。そして第1実施形態と同様に、酔い判定部14は、例えば異なるタイミングにおいて撮像された複数枚の乗員Bの顔画像データを比較し、同様に異なるタイミングにおいて撮像された複数枚の乗員Cの顔画像データを比較する。これにより酔い判定部14は、乗員B及び乗員Cにおけるそれぞれの顔変化に基づいて、乗員B及び乗員Cそれぞれの酔い発生の有無を判定することができる。
そしてステップST15において、乗員Bと乗員Cのいずれかで酔いが発生していると判定された場合、次のステップST16aに進む。そしてステップST16aでは、酔いが発生した乗員に対応して車両1において車室内の気圧を上昇させる処理が行われる。具体的に、調整気圧値決定部15は、上記した適正気圧データベース30aに基づいて、酔いが発生したと判定された乗員に対応した調整気圧値を決定する。
また、ステップST15において、乗員Bと乗員Cの双方で酔いが発生していると判定された場合、次のステップST16bに進む。そしてステップST16bでは、電子制御部10は、優先順位データベース30bを参照して、酔いがそれぞれ発生した複数の乗員に対していずれを優先するかを決定する。本実施形態の優先順位データベース30bでは乗員B(35歳)よりも乗員C(3歳)の優先順位が上であることから、電子制御部10は、優先順位データベース30bを参照して、酔いが発生した乗員Cを優先することを決定する。
そしてステップ16bに続くステップST16cでは、優先すると決定された乗員の調整気圧値を決定する処理が実行される。具体的に、調整気圧値決定部15は、上記した適正気圧データベース30aに基づいて、酔いが発生した乗員Bに対応した調整気圧値を決定する。
次にステップST17において、上記でそれぞれ決定された乗員の調整気圧値に基づいて、車室内の気圧を上昇させる処理が行われる。具体的には、調整気圧値決定部34により決定された調整気圧値が気圧制御部11に出力された後、気圧制御部11は、例えば気圧調整機構20に対して駆動信号を出力して車室内の気圧を上昇させる制御を実行する。
次にステップST18では気圧制御装置100を含む車載システムが停止したか否かが判定され、この車載システムが停止していない限りステップST11へ戻って上述した気圧制御処理を繰り返す。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について説明したが、かかる例に限定されるものではない。例えば第1実施形態および第2実施形態でそれぞれ説明した特徴は、各実施形態で共通に有する構成としてもよい。すなわち当業者であれば上記した実施形態に対して更なる修正を試みることは明らかであるものと了解される。
100、110 気圧制御装置
10 気圧制御部
20 気圧調整機構
30 記憶部
30a 適正気圧データベース
30b 優先順位データベース
10 気圧制御部
20 気圧調整機構
30 記憶部
30a 適正気圧データベース
30b 優先順位データベース
Claims (5)
- 少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続される少なくとも1つのメモリとを含み、
前記プロセッサは、
車両に乗車する乗員の年齢および性別の少なくとも1つの情報が入力されると、前記入力された年齢および性別の少なくとも1つの情報に基づいて、予め定められた車室内の適正気圧情報を前記メモリから読み出し、
前記読み出した適正気圧情報に基づいて前記車室内の気圧を調整するための気圧調整信号を出力し、
前記車室内の前記乗員の車酔い発生信号が入力された場合に、前記調整された気圧よりも車室内の気圧を上昇させるための気圧上昇信号を出力する、
気圧制御装置。 - 前記プロセッサは、
乗員監視センサーによって複数の前記乗員に前記車酔いが発生したと推定された場合に、前記複数の乗員の間で適正気圧の重なる範囲で前記気圧を調整する気圧調整信号を出力する、
請求項1に記載の気圧制御装置。 - 前記メモリは、予め定めた乗員間の優先順位データテーブルを保持可能であり、
前記プロセッサは、
乗員監視センサーによって複数の前記乗員に前記車酔いが発生したと推定された場合、前記複数の乗員の間で適正気圧が重ならないときには前記優先順位データテーブルに基づいて前記気圧を調整する気圧調整信号を出力する、
請求項1に記載の気圧制御装置。 - 前記プロセッサは、
乗員監視センサーによって前記車室内で運転手の車酔いが検出された場合に前記車両の走行停止する処理を実行する、請求項1に記載の気圧制御装置。 - 車室内の気圧を調整する気圧調整機構と、
車両の走行を停止するブレーキ装置と、
請求項1に記載の気圧制御装置と、
を含む車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021040784A JP2022140123A (ja) | 2021-03-12 | 2021-03-12 | 気圧制御装置、及び気圧制御装置を含む車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021040784A JP2022140123A (ja) | 2021-03-12 | 2021-03-12 | 気圧制御装置、及び気圧制御装置を含む車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022140123A true JP2022140123A (ja) | 2022-09-26 |
Family
ID=83398926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021040784A Pending JP2022140123A (ja) | 2021-03-12 | 2021-03-12 | 気圧制御装置、及び気圧制御装置を含む車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022140123A (ja) |
-
2021
- 2021-03-12 JP JP2021040784A patent/JP2022140123A/ja active Pending
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