JP2022138692A - 情報処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通信環境が変化した場合でも安定した動作を行える情報処理装置を提供する。【解決手段】動作に必要なソフトウェアを、ネットワークを介して第一の装置から取得することと、前記第一の装置とは異なる第二の装置から前記ソフトウェアを取得することと、を選択可能に構成された情報処理装置。自装置と前記ネットワークとの間の通信環境に基づいて、前記第一の装置から前記ソフトウェアを取得するか、前記第二の装置から前記ソフトウェアを取得するかを切り替える。【選択図】図7

Description

本発明は、情報処理装置に関する。
近年、組み込み機器のクラウドコンピューティング化が進んでいる。これに関連し、特許文献1には、ネットワークと通信を行うことで、必要なデータをサーバ装置から取得するナビゲーション装置が開示されている。
特開2004-309382号公報
本開示は、通信環境が変化した場合でも安定した動作を行える情報処理装置を提供することを目的とする。
本開示の第一の態様は、動作に必要なソフトウェアを、ネットワークを介して第一の装置から取得することと、前記第一の装置とは異なる第二の装置から前記ソフトウェアを取得することと、を選択可能に構成され、自装置と前記ネットワークとの間の通信環境に基づいて、前記第一の装置から前記ソフトウェアを取得するか、前記第二の装置から前記ソフトウェアを取得するかを切り替える情報処理装置である。
また、他の態様として、上記の情報処理装置が実行する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、該プログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。
本開示によれば、通信環境が変化した場合でも安定した動作を行える情報処理装置を提供することができる。
実施形態に係る車両システムのシステム構成図。 車両が有する構成要素を示したブロック図。 DCMが有する制御部および記憶部の論理構成を示したブロック図。 DCMが利用するソフトウェアのパターンを示した図。 センタサーバが有する構成要素を示したブロック図。 ユーザ端末が有する構成要素を示したブロック図。 DCMが実行する処理のフローチャート。
本開示の一態様は、移動体に搭載される情報処理装置である。
具体的には、動作に必要なソフトウェアを、ネットワークを介して第一の装置から取得することと、前記第一の装置とは異なる第二の装置から前記ソフトウェアを取得することと、を選択可能に構成され、自装置と前記ネットワークとの間の通信環境に基づいて、前記第一の装置から前記ソフトウェアを取得するか、前記第二の装置から前記ソフトウェア
を取得するかを切り替えることを特徴とする。
情報処理装置は、例えば、移動体(車両等)に搭載されたコンピュータとすることができる。情報処理装置は、動作に必要なソフトウェアを、ネットワークを介して取得する。動作に必要なソフトウェアとは、典型的には、ブートイメージ、ファームウェア、システムファイル等であるが、これ以外(例えば、アプリケーションソフトウェア等)を含んでもよい。
これらのソフトウェアを、ネットワークを介して取得することで、常に最新の環境で装置を動作させることが可能になるほか、ローカルストレージにかかるコストを抑制することができる。
一方、装置の起動にネットワーク接続を必須とした場合、移動体の通信環境(例えば、基地局との通信における電界強度等)によってはブートが失敗するといった問題が起こりうる。そこで、本開示に係る情報処理装置は、動作に必要なソフトウェアを、複数の装置から選択的に取得可能にし、どの装置からソフトウェアを取得するかを、自装置の通信環境に基づいて決定する。
例えば、広域ネットワーク上のサーバ装置にソフトウェアが配置されており、ネットワークを介して当該ソフトウェアを取得することが困難である通信環境下に装置がある場合、当該装置は、ローカル接続された別の装置に接続し、代替となるソフトウェアを取得する。このように、複数の異なる装置からソフトウェアを取得可能に構成することで、通信環境の変化に強いクラウドコンピューティングシステムを提供することが可能になる。
なお、第一の装置と、第二の装置は、同一のネットワークに接続された装置であってもよいし、それぞれ異なるネットワークに接続された装置であってもよい。さらに、第二の装置は、ネットワーク接続ではなく、ローカル接続された装置(ローカルデバイス)であってもよい。ローカル接続された装置とは、自装置と有線接続された装置であってもよいし、自装置に内蔵された記憶装置等であってもよい。
また、第一の装置によって提供されるソフトウェアと、第二の装置によって提供されるソフトウェアは、それぞれ異なるものであってもよい。例えば、第一の装置によって提供されるソフトウェアは、設計された全ての機能を提供するものであり、第二の装置によって提供されるソフトウェアは、設計された機能のうちの一部(限定された機能)を提供するものであってもよい。
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る車両システムの概要について、図1を参照しながら説明する。本実施形態に係る車両システムは、車両1と、センタサーバ2と、ユーザ端末3と、を含んで構成される。
車両1は、通信機能を有するコネクティッドカーである。車両1は、車載端末と、複数の電子制御ユニット(Electronic Control Unit,ECUとも称する)と、当該複数の電
子制御ユニットを管理するコンピュータであるDCM(Data Communication Module)1
0と、を含んで構成される。
DCM10は、自車両の内外における通信を仲介する機能と、各種アプリケーションソフトウェアを実行する機能を有する。本実施形態では、DCM10は、必要最低限の記憶
装置のみを有しており、システムが起動するごとに、自装置の動作に必要なソフトウェアを、ネットワークを介してセンタサーバ2から取得する。
センタサーバ2は、車両1を管理するサーバ装置である。センタサーバ2は、車両1に搭載されたDCM10を動作させるためのソフトウェアを記憶しており、要求に応じて、当該ソフトウェアをネットワーク(例えば、移動体通信ネットワーク)経由で配信する。
ユーザ端末3は、車両1のユーザが所持する携帯型のコンピュータである。本実施形態では、ユーザ端末3は、車室内においてDCM10と無線接続され、車両1とセンタサーバ2との間の通信に問題が発生した場合のバックアップ装置として機能する。
システムの構成要素について、詳しく説明する。
図2は、図1に示した車両1のハードウェア構成の一例を概略的に示したブロック図である。車両1は、DCM10、車載端末20、および複数のECU(ECU30A,ECU30B,ECU30C…)を有して構成される。車両が有する複数のECUとして、例えば、エンジンECU、ボディECU、パワートレインECU、または、ハイブリッドECUなどを挙げることができる。なお、図2には、複数のECUを例示しているが、互いを区別する必要がない場合、これらをECU30と総称する。
これらの構成要素は、車載ネットワーク(CANバス)によって相互に接続される。本実施形態では、車両1は、CANバス40を備えており、複数のECUが接続される。接続された複数のECUは、CANバス40を介して互いにデータを送受信する。なお、図2には、単一のCANバスを例示しているが、車両1は、複数のCANバスを有していてもよい。これら複数のCANバスは、DCM10をゲートウェイとして互いに接続されていてもよい。
DCM10は、車両1が有する構成要素をネットワークに接続する装置(通信モジュール)として機能する。DCM10を介することで、車両1が有する車載端末20、または、複数のECU30は、外部ネットワークと通信を行うことができる。
外部ネットワークとして、本実施形態では、移動体通信ネットワーク、および、ローカルネットワークを例示する。移動体通信ネットワークは、3G、4G(LTE)、5G等の移動体通信規格によって、広域ネットワーク上にあるコンピュータ(例えば、センタサーバ2)と無線通信を行うためのネットワークである。ローカルネットワークとは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信規格によって、車室内にあるコンピュータ(例えば、ユーザ端末3)と通信を行うためのネットワークである。本実施形態では、DCM10は、移動体通信ネットワーク、および、ローカルネットワークのそれぞれに対して通信が可能な構成を有している。
DCM10は、制御部11と、記憶部12と、複数のCANバスと通信を行うインタフェースである通信部13Aと、外部ネットワークと通信を行うインタフェースである通信部13Bおよび13Cと、を含んで構成される。
DCM10は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROMやディスクドライブ
、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
制御部11は、所定のプログラムを実行することで、DCM10の各種機能を実現する
演算ユニット(プロセッサ)である。
記憶部12は、主記憶装置および補助記憶装置を含むメモリ装置である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを主記憶装置にロードして実行することによって、後述するような、所定の目的に合致した各機能を実現することができる。
制御部11は、外部ネットワークと、車両1が有する構成要素との通信を仲介する機能を実行する。例えば、車載端末20が、外部ネットワークとの通信を必要とする場合、DCM10は、当該車載端末20から送信されたデータを外部ネットワークに中継する。また、外部ネットワークから送信されたデータを受信し、当該データを車載端末20に転送する。
さらに、制御部11は、自装置に固有な機能を実行することができる。例えば、DCM10は、セキュリティシステムの監視機能や通話機能、緊急通報機能等を有しており、車内で発生したトリガに基づいて、セキュリティ通報や緊急通報等を行うことができる。
通信部13Aは、DCM10を車載ネットワークに接続する通信インタフェースである。通信部13Aは、制御部11によって生成された所定形式のメッセージをCANデータに変換する処理と、受信したCANデータを所定形式のメッセージに変換し、制御部11に送信する処理を実行する。
通信部13Bおよび13Cは、DCM10を外部ネットワークに接続する通信インタフェースである。通信部13Bおよび13Cは、制御部11によって生成された所定形式のメッセージを通信パケットに変換する処理と、受信した通信パケットを所定形式のメッセージに変換し、制御部11に送信する処理を実行する。
通信部13Bは、移動体通信ネットワークに対する接続を行い、通信部13Cは、ローカルネットワークに対する接続を行う。通信先が異なるのみで、それぞれの機能は同一である。
図3は、制御部11および記憶部12の論理構成を示した図である。
制御部11は、機能モジュールとして、OS実行部11A、通信環境検出部11B、および、ソフトウェア取得部11Cを有している。各機能モジュールは、記憶部12に記憶されたプログラムをプロセッサ等によって実行することで実現してもよい。
制御部11が有する機能モジュールについて説明する。
OS実行部11Aは、オペレーティングシステムを実行する。本実施形態では、制御部11は、所定のオペレーティングシステム(OS)を実行し、当該OS上でアプリケーションソフトウェアを実行することで、様々な機能を提供することができる。
本明細書では、制御部11が実行するオペレーティングシステムを含むシステムソフトウェアを、ファームウェアと称する。
DCM10の起動に必要なファームウェアは、外部装置から取得可能に構成されている。
通信環境検出部11Bおよびソフトウェア取得部11Cは、自装置の起動時に、外部装置からファームウェアを取得する処理を実行する。具体的には、通信環境検出部11Bが検出した通信環境に基づいて、ソフトウェア取得部11Cが、適切な装置からファームウェアの取得を行う。
通信環境検出部11Bは、DCM10が置かれている通信環境を検出する。具体的には、移動体通信ネットワークにおいて利用される電波の電界強度、および、ローカルネットワークにおいて利用される電波の電界強度をそれぞれ測定する。測定結果は、ソフトウェ
ア取得部11Cに送信される。
ソフトウェア取得部11Cは、測定された電界強度に基づいて、ソフトウェアを取得する先の装置を決定し、ソフトウェアの取得を行う。具体的な方法については後述する。
なお、以降の説明において、DCM10が取得するソフトウェアとは、ファームウェアと、アプリケーションソフトウェアの双方を含むものとする。
記憶部12は、第一種ファームウェアを記憶している。第一種ファームウェアとは、DCM10が利用可能なファームウェアのうち、通信モジュールとしての必要最低限の機能のみを提供するファームウェアである。
第一種ファームウェアは、軽量である代わりに、通信モジュールとして最低限必要とされる機能(例えば、緊急通報機能、セキュリティ機能等)しか提供しないファームウェアである。
ここで、DCM10が利用可能なソフトウェアの種類と、その取得方法について説明する。
図4は、DCM10が取得するソフトウェアの種類と、提供される機能の違いを説明する図である。第一種ファームウェアのみが利用可能である場合、制御部11が実行するオペレーティングシステムは、必要最低限の機能のみを提供する。第二種ファームウェアのみが利用可能である場合、制御部11が実行するオペレーティングシステムは、予め設計された全ての機能を提供する。さらに、アプリケーションソフトウェアが利用可能である場合、制御部11は、オペレーティングシステムの機能に加え、ベンダが作成した様々なソフトウェアを実行することができる。
本実施形態では、センタサーバ2が、第二種ファームウェアおよびアプリケーションソフトウェアの双方を提供し、ユーザ端末3が、第二種ファームウェアのみを提供する。
DCM10が起動すると、通信環境検出部11Bが、自装置における通信環境がソフトウェアのダウンロードに適しているか否かを判定する。そして、当該判定結果に基づいて、どの装置からソフトウェアを取得するかを決定し、ソフトウェア取得部11Cが、ソフトウェアの取得を行う。
具体的には、自装置とセンタサーバ2との間の通信環境が良好な場合、ソフトウェア取得部11Cは、センタサーバ2から第二種ファームウェアおよびアプリケーションソフトウェアを取得する。自装置とセンタサーバ2との間の通信環境が良好ではない場合、ソフトウェア取得部11Cは、ユーザ端末3から第二種ファームウェアのみを取得する。ユーザ端末3との通信も行えない場合、DCM10は、自装置に記憶された第一種ファームウェアを使用してシステムを起動する。これにより、記憶装置をスリム化するとともに、多彩な機能を提供することが可能になる。
なお、通信環境検出部11Bおよびソフトウェア取得部11Cは、オペレーティングシステムとは独立して動作可能に構成される。
図2に戻り、説明を続ける。
車載端末20は、車両1に搭載された情報端末である。車載端末20は、インフォテイメント端末とも呼ばれ、車両の乗員に対して情報(例えば、交通情報や経路案内)や娯楽(例えば、音楽や動画)を提供する機能を有する。
ECU(ECU30A、ECU30B…)は、車両の制御を行う電子制御ユニット(Electronic Control Unit)である。車両1は、エンジンECU、ボディECU、パワート
レインECU、ハイブリッドECUなど、それぞれが複数の車両コンポーネントを管轄す
る複数のECUを有していてもよい。
CANバス40は、CAN(Controller Area Network)プロトコルに基づく車載ネッ
トワークを構成する通信バスである。なお、本例では、単一のCANバス40が例示されているが、車載ネットワークは、二つ以上の通信バスを有していてもよい。この場合、複数のCANバスが、DCM10によって互いに接続されていてもよい。
次に、センタサーバ2について説明する。
センタサーバ2は、車両1が有するDCM10に対してソフトウェアを提供する装置である。センタサーバ2は、無線通信によって、複数の車両とデータの送受信を行うことができる。
センタサーバ2は、汎用のコンピュータにより構成することができる。すなわち、センタサーバ2は、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、後述するような、所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
図5は、図1に示したセンタサーバ2の構成の一例を概略的に示したブロック図である。
センタサーバ2は、制御部21、記憶部22、および通信部23を有して構成される。
制御部21は、センタサーバ2の制御を司る手段である。制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の情報処理ユ
ニットによって構成される。
制御部21は、機能モジュールとして、配布部211を有している。当該機能モジュールは、ROM等の記憶手段に記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
配布部211は、管理下にある車両1(DCM10)からの要求に応じて、DCM10の動作に必要なソフトウェアをオンラインで配布する。
記憶部22は、情報を記憶する手段であり、RAM、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体により構成される。記憶部22には、制御部21にて実行される各種プログラム、当該プログラムが利用するデータ等が記憶される。また、記憶部22は、DCM10に配布するソフトウェア(第二種ファームウェアおよびアプリケーションソフトウェア)を記憶する。
第二種ファームウェアは、前述したように、オペレーティングシステムの全ての機能が利用可能なファームウェアである。記憶部22は、DCM10のタイプ別(例えば、オペレーティングシステム別)に、複数の第二種ファームウェアを記憶していてもよい。
また、記憶部22は、DCM10にて実行されるアプリケーションソフトウェアの集合を記憶する。記憶部22は、複数のアプリケーションソフトウェアを記憶し、DCM10のタイプ別、および/または、車両別に、複数のアプリケーションソフトウェアの組み合わせを提供してもよい。
通信部23は、センタサーバ2をネットワークに接続するためのインタフェースである
。通信部23は、例えば、インターネットや移動体通信網などを介して、車両1が有するDCM10(通信部13B)と通信することができる。
次に、ユーザ端末3について説明する。
ユーザ端末3は、車両1のユーザが携帯する小型のコンピュータである。ユーザ端末3は、DCM10が利用するソフトウェア(第二種ファームウェア)を記憶しており、DCM10とセンタサーバ2との間の通信に障害がある場合に、センタサーバ2に代わって、DCM10に対して第二種ファームウェアを提供する。
ユーザ端末3は、センタサーバ2のバックアップとして機能する。このため、ユーザ端末3は、最新の第二種ファームウェアをセンタサーバ2から取得して保持する機能を有している。ユーザ端末3は、例えば、センタサーバ2に周期的に問い合わせを行い、第二種ファームウェアが更新されていた場合に、これをダウンロードして記憶部に格納する機能を有していてもよい。ただし、管理コストが必要となるため、ユーザ端末3は、アプリケーションソフトウェアの管理および提供は行わない。
ユーザ端末3は、センタサーバ2と同様に、汎用のコンピュータにより構成することができる。すなわち、センタサーバ2は、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。
図6は、図1に示したユーザ端末3の構成の一例を概略的に示したブロック図である。
ユーザ端末3は、制御部31、記憶部32、および通信部33を有して構成される。
制御部31は、ユーザ端末3の制御を司る手段である。制御部31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の情報処理ユニ
ットによって構成される。
制御部31は、機能モジュールとして、配布部311を有している。当該機能モジュールは、ROM等の記憶手段に記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
配布部311は、管理下にある車両1(DCM10)からの要求に応じて、DCM10の動作に必要なソフトウェアを配布するが、第二種ファームウェアのみを配布するという点において配布部211と相違する。
記憶部32は、情報を記憶する手段である。記憶部32は、記憶部22と同様の構成を持つが、アプリケーションソフトウェアを記憶しないという点において、記憶部22と相違する。
通信部33は、ユーザ端末3をネットワークに接続するためのインタフェースである。通信部33は、例えば、任意のワイヤレス接続規格を介して、車両1が有するDCM10(通信部13C)と通信することができる。
次に、DCM10が行う処理について説明する。DCM10が行う処理は、起動時において、動作に必要なソフトウェアをダウンロードする処理(第一の処理)と、オペレーティングシステムを起動し、サービスを提供する処理(第二の処理)とに大別される。
図7は、第一の処理を説明するフローチャートである。図示した処理は、車両1のシステム電源が投入された場合に、制御部11によって実行される。
まず、ステップS11で、通信環境検出部11Bが、移動体通信ネットワークの通信環
境を評価する。通信環境は、例えば、通信部13Bが利用する無線電波の電界強度に基づいて評価してもよいし、センタサーバ2と通信を行う際の通信速度に基づいて評価してもよい。
ステップS12では、移動体通信ネットワークを利用した通信が良好に行えるか否かを判定する。ここで、現在の通信環境が、ソフトウェアの転送に適さないと評価(電界強度が所定値を下回っている場合や、実効通信速度が所定値を下回っている場合など)された場合、処理はステップS15へ遷移する。現在の通信環境が、ソフトウェアの転送に適していると評価された場合、処理はステップS13へ遷移する。
ステップS13では、ソフトウェア取得部11Cが、センタサーバ2から、第二種ファームウェアとアプリケーションソフトウェアを取得(ダウンロード)する。
ダウンロードが完了すると、処理がOS実行部11Aに引き渡され、OS実行部11Aが、第二の処理を開始させるため、ダウンロードされた第二種ファームウェアを利用してシステムを起動する(ステップS14)。これにより、全ての機能を利用可能なオペレーティングシステムを動作させることができる。また、オペレーティングシステム上で動作するアプリケーションソフトウェアを利用することができる。
ステップS12において否定判定となった場合、ステップS15で、通信環境検出部11Bが、ローカルネットワークの通信環境を評価する。通信環境は、例えば、通信部13Cが利用する無線電波の電界強度に基づいて評価してもよいし、ユーザ端末3と通信を行う際の通信速度に基づいて評価してもよい。また、ユーザ端末3と無線接続が可能であるか否かに基づいて評価してもよい。
ステップS16では、ローカルネットワークを利用した通信が良好に行えるか否かを判定する。ここで、現在の通信環境が、ソフトウェアの転送に適さないと評価された場合(ユーザ端末3に接続できない場合を含む)、処理はステップS18へ遷移する。現在の通信環境が、ソフトウェアの転送に適していると評価された場合、処理はステップS17へ遷移する。
ステップS17では、ソフトウェア取得部11Cが、ユーザ端末3から、第二種ファームウェアを取得(ダウンロード)する。
ダウンロードが完了すると、処理がOS実行部11Aに引き渡され、OS実行部11Aが、第二の処理を開始させるため、ダウンロードされた第二種ファームウェアを利用してシステムを起動する(ステップS14)。これにより、全ての機能を利用可能なオペレーティングシステムを動作させることができる。
一方、ステップS16で否定判定となった場合、ステップS18で、ソフトウェア取得部11Cが、記憶部12に記憶された第一種ファームウェアを取得する。取得が完了すると、処理がOS実行部11Aに引き渡され、OS実行部11Aが、第二の処理を開始させるため、第一種ファームウェアを利用してシステムを起動する(ステップS14)。これにより、機能が限定されたオペレーティングシステムの動作が開始する。
このように、第一の実施形態では、DCM10が、センタサーバ2との通信環境に基づいて、動作に必要なソフトウェアをセンタサーバ2から取得するか、ユーザ端末3から取得するか、または、ソフトウェアの取得を行わないかを選択する。
センタサーバ2との通信が良好に行える場合、第二種ファームウェアと、アプリケーションソフトウェアが利用可能になる。センタサーバ2との通信が良好に行えない場合、バックアップ手段として、ユーザ端末3との通信を試みる。ここで、ユーザ端末3との通信が良好に行える場合、第二種ファームウェアのみが利用可能になる。センタサーバ2、ユーザ端末3の双方に対して良好な通信が行えない場合、DCM10は、記憶された第一種
ファームウェアを利用してシステムを起動する。
かかる構成によると、好適な通信環境が得られない場合において、機能を限定したうえで装置をブートアップさせることが可能になる。
DCM10の記憶容量を削減し、全てのソフトウェアをセンタサーバから取得する構成とした場合、移動体通信ネットワークとの通信に異常が発生した場合(例えば、車両が通信サービス圏外に入った場合)においてDCMのブートアップが不可能となる。一方、第一の実施形態によると、通信環境に基づいて、ソフトウェアの取得先を動的に切り替えることができるため、一部のネットワークにおいて通信に異常が発生した場合においても、必要最低限の機能を維持した状態で、装置をブートアップさせることが可能になる。
(第一の実施形態の変形例)
第一の実施形態では、複数の装置が、それぞれ異なるネットワークを介してソフトウェアを提供したが、同一の装置が、それぞれ異なるネットワークを介してソフトウェアを提供する構成としてもよい。例えば、センタサーバ2が、移動体通信ネットワーク(第一のネットワーク)を介した通信と、無線LANネットワーク(第二のネットワーク)を介した通信をそれぞれ行えるように構成されてもよい。DCM10は、第一のネットワークにおける通信品質が不十分と判定した場合において、通信回線を切り替え、第二のネットワークを介してソフトウェアを取得するようにしてもよい。
また、第一の実施形態では、ユーザ端末3に、第二種ファームウェアのみを記憶させたが、センタサーバ2が記憶するソフトウェアと、ユーザ端末3が記憶するソフトウェアは同一であってもよい。
また、第一の実施形態では、センタサーバ2の代替としてユーザ端末3がファームウェアの提供を行う構成を例示したが、他の装置によってセンタサーバ2の代替を行ってもよい。例えば、車載端末20に、第一の実施形態におけるユーザ端末3の役割を持たせてもよい。この場合、車載端末20は、例えば、センタサーバ2に周期的に問い合わせを行い、第二種ファームウェアが更新されていた場合に、これをダウンロードして保持するようにしてもよい。この他にも、任意のオンラインストレージに、センタサーバ2の代替をさせてもよい。
また、DCM10が制限つきでブートアップした場合、オペレーティングシステムが起動した後で、周期的に通信環境を監視し、センタサーバ2(またはユーザ端末3)との通信が回復したタイミングで、ソフトウェアの取得を行うようにしてもよい。
この場合、例えば、第一種ファームウェアで起動したシステムを、第二種ファームウェアを利用して再起動させてもよい。また、第二種ファームウェアで起動したシステムに、アプリケーションソフトウェアを追加してもよい。これにより、システムを稼働させながら機能を回復させることが可能になる。
(他の変形例)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
1・・・車両
2・・・センタサーバ
3・・・ユーザ端末
10・・・DCM
11・・・制御部
12・・・記憶部
13・・・通信部
20・・・車載端末
30・・・ECU
21,31・・・制御部
22,32・・・記憶部
23,33・・・通信部

Claims (1)

  1. 動作に必要なソフトウェアを、ネットワークを介して第一の装置から取得することと、
    前記第一の装置とは異なる第二の装置から前記ソフトウェアを取得することと、を選択可能に構成され、
    自装置と前記ネットワークとの間の通信環境に基づいて、前記第一の装置から前記ソフトウェアを取得するか、前記第二の装置から前記ソフトウェアを取得するかを切り替える、
    情報処理装置。
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