JP2022137593A - 無線機 - Google Patents

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Abstract

【課題】送信部の非線形特性および周波数特性を考慮する必要がない干渉除去技術を提供する。【解決手段】無線機は、自己干渉除去部と合成部を備える。自己干渉除去部は、搬送送信信号を入力とし、搬送受信信号に含まれる搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する。合成部は、搬送受信信号と干渉除去信号とを合成し、干渉除去受信信号を出力する。自己干渉除去部は、一方の偏波のみの校正用搬送送信信号を送信する状態で、当該一方の偏波の搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する設定を求める。また、自己干渉除去部は、他方の偏波のみの校正用搬送送信信号を送信する状態で、当該他方の偏波の搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する設定を求める。【選択図】図1

Description

本発明は、異なる偏波の2つの搬送送信信号を有する無線機、もしくは異なる偏波の2つの搬送受信信号を有する無線機に関する。
非特許文献1,2および特許文献1,2に示された技術が従来技術として知られている。同一周波数全二重通信もしくはアップリンクとダウンリンクのガードバンドの狭い周波数分割複信では、機器内部の漏れ込みやアンテナのミスマッチによる反射、送受信アンテナ間の干渉等による過大な送信信号の自己干渉により受信回路のローノイズアンプやミキサ等の非線形素子が歪み、遠方からの過小な受信信号の正常な取り込みが困難となってしまう。この問題への対策として、自己干渉を除去する技術がある。自己干渉を除去する技術は、非特許文献1,2に示されている。非特許文献1は、アナログ自己干渉除去回路とディジタル自己干渉除去回路を組み合わせることで80MHz帯域において約110dBの干渉除去量を達成している。一入力一出力(SISO)システムの送受信回路、サーキュレータ、PCBアナログ自己干渉除去回路、ディジタル自己干渉除去回路で構成される。PCBアナログ自己干渉除去回路は、複数の遅延線と可変減衰器の並列回路から構成され、あらかじめ送信信号に組み込まれた周波数特性推定用のリファレンス信号(パイロット信号)から自己干渉信号の周波数特性を取得し、自己干渉信号を最小化する可変減衰器の値を設定する。非特許文献2も同様に、アナログ自己干渉除去回路とディジタル自己干渉除去回路を組み合わせることで20MHz帯域において約95dBの干渉除去量を達成している。SISOシステムの送受信回路、サーキュレータ、PCBアナログ自己干渉除去回路、ディジタル自己干渉除去回路で構成される。PCBアナログ自己干渉除去回路は、複数の可変減衰器と可変キャパシタを用いるRLCの可変BPF(Band-Pass Filter)、可変位相器の並列回路から構成され、あらかじめ送信信号に組み込まれた周波数特性推定用のリファレンス信号から自己干渉信号の周波数特性を取得し、自己干渉信号を最小化する可変減衰器、可変BPF、可変位相器の値を設定する。
この種のシステムの技術として、特許文献1,2に示された技術もある。特許文献1は、全二重無線機であって、無線機の自己干渉を低減する方法を提供する。構成は、送信信号を送信するための回路(主送信機)と受信信号を受信するための回路(主受信機)の他に、補助送信機、アナログドメインフィルタ、ベクトル変調器、送信信号を受信するための回路、ディジタル残留自己干渉除去回路(ディジタル信号処理回路)を備え、受信信号に対してアナログ無線周波数領域およびディジタル領域で干渉除去を実行する。特許文献2は、多入力多出力(MIMO)システムの全二重無線機であって、複数の自己干渉の効果的な除去または低減を可能とする方法を提供する。構成は、複数の送信回路と複数のアンテナ、複数の受信回路、合成器またはカプラを備え、チャネル状態に従い生成されるプリコーディング行列を使用し、複数の送信信号に対応する自己干渉除去信号を生成し、受信信号と加算することで干渉除去を実行する。
特表2018-524941号公報 特表2017-513293号公報
Dinesh Bharadia, Emily McMilin, and Sachin Katti, "Full duplex radios",SIGCOMM’13: ACM SIGCOMM 2013 Conference, Hong Kong China, August 2013, p.375-385. Tingjun Chen, Mahmood Baraani Dastjerdi, Jin Zhou, Harish Krishnaswamy,and Gil Zussman,"Wideband Full-Duplex Wireless via Frequency-Domain Equalization: Design and Experimentation", Mobicom’19: The 25th Annual International Conference on Mobile Computing and Networking, August 2019, No.3, p.1-16.
しかしながら、非特許文献1,2、特許文献1の技術では、MIMOを考慮していないため、送信アンテナおよび受信アンテナが複数ある場合の干渉除去について議論されていない。特許文献2では、MIMOを考慮しているが、干渉を除去する信号はディジタル信号であり、DA変換や増幅を行って受信側に加算している。したがって、DA変換と増幅を備えた構成(送信部)の非線形特性および周波数特性の影響を受けてしまう。
本発明は、異なる偏波の2つの搬送送信信号を有する無線機、もしくは異なる偏波の2つの搬送受信信号を有する無線機において、送信部の非線形特性および周波数特性を考慮する必要がない干渉除去技術を提供することを目的とする。
本発明の無線機は、アンテナ部、送信部、自己干渉除去部、合成部、受信部を備える。アンテナ部は、搬送送信信号を送信するとともに搬送受信信号を受信する。送信部は、送信信号を変調して搬送送信信号を生成する。自己干渉除去部は、搬送送信信号を入力とし、搬送受信信号に含まれる搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する。合成部は、搬送受信信号と干渉除去信号とを合成し、干渉除去受信信号を出力する。受信部は、干渉除去受信信号を復調して受信信号を得る。本発明の第1の無線機の場合は、異なる偏波の2つの搬送送信信号を有する。第1の無線機の場合、自己干渉除去部は、一方の偏波のみの校正用搬送送信信号を送信する状態で、当該一方の偏波の搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する設定を求める。また、自己干渉除去部は、他方の偏波のみの校正用搬送送信信号を送信する状態で、当該他方の偏波の搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する設定を求める。本発明の第2の無線機の場合、搬送送信信号と搬送受信信号の中心周波数が異なり、かつ、1つの搬送送信信号と異なる偏波の2つの搬送受信信号を有する。第2の無線機の場合、自己干渉除去部は、校正用搬送送信信号を送信する状態で、搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する設定を、校正用搬送送信信号の中心周波数を搬送送信信号の中心周波数として求めた設定条件と、校正用搬送送信信号の中心周波数を搬送受信信号の中心周波数として求めた設定条件の両方に基づいて決める。
本発明の無線機によれば、自己干渉除去部は、搬送送信信号を入力とし、搬送受信信号に含まれる搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する。つまり、送信部の出力から干渉除去信号を生成するので、送信部の非線形性および周波数特性を考慮する必要がない。
実施例1の無線機の機能構成例を示す図。 送信部の構成例を示す図。 自己干渉除去部の構成例を示す図。 受信部の構成例を示す図。 自己干渉除去部の設定の処理フロー例を示す図。 A偏波のみでの自己干渉除去部の設定の処理フロー例を示す図。 B偏波のみでの自己干渉除去部の設定の処理フロー例を示す図。 A偏波とB偏波の両方での自己干渉除去部の設定調整の処理フロー例を示す図。 A偏波のみでの自己干渉除去部の設定の別の処理フロー例を示す図。 B偏波のみでの自己干渉除去部の設定の別の処理フロー例を示す図。 変形例1の無線機の機能構成例を示す図。 変形例2の無線機の機能構成例を示す図。 変形例2の受信部の機能構成例を示す図。 変形例2の自己干渉除去部の機能構成例を示す図。 変形例3の無線機の機能構成例を示す図。 変形例3の送信部の機能構成例を示す図。 変形例3の自己干渉除去部の機能構成例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
<無線機の構成>
図1に実施例1の無線機の機能構成例を示す。図2は送信部の構成例、図3は自己干渉除去部の構成例、図4は受信部の構成例を示す。無線機1は、アンテナ部109、送信部10、自己干渉除去部105、合成部110、受信部20、制御部114、記憶部115を備える。アンテナ部109は、搬送送信信号を送信するとともに搬送受信信号を受信する。アンテナ部109は、アンテナ109a,109b、サーキュレータ108a,108bを備える。アンテナ109aは、第1の所定の偏波であるA偏波の搬送送信信号を送信するとともに搬送受信信号を受信する。以下では、第1の所定の偏波を「A偏波」と呼ぶ。アンテナ109bは、第2の所定の偏波であるB偏波の搬送送信信号を送信するとともに搬送受信信号を受信する。以下では、第2の所定の偏波を「B偏波」と呼ぶ。A偏波とB偏波とは、直交する偏波である。サーキュレータ108aは、送信部10が出力したA偏波の搬送送信信号をアンテナ109aに送り、アンテナ109aが受信した搬送受信信号を受信部20側に送る。サーキュレータ108bは、送信部10が出力したB偏波の搬送送信信号をアンテナ109bに送り、アンテナ109bが受信した搬送受信信号を受信部20側に送る。
送信部10は、送信信号(例えば、A偏波用送信データストリームとB偏波用送信データストリーム)を変調して搬送送信信号を生成する。送信部10は、A偏波用送信回路101a、B偏波用送信回路101b、局部発振器102を備える。局部発振器102は、ベースバンドの信号を所定の中心周波数の搬送信号に変換するための正弦波を生成する。A偏波用送信回路101aは、変調回路1010a、DA変換回路1011a、周波数変換回路1012a、パワーアンプ1013aを備える。変調回路1010aは、A偏波用送信データストリームを入力とし、変調してA偏波用ディジタル送信信号を出力する。DA変換回路1011aは、A偏波用ディジタル送信信号を入力とし、ディジタル-アナログ変換を行い、ベースバンドの信号であるA偏波用アナログ送信信号を出力する。周波数変換回路1012aは、A偏波用アナログ送信信号と局部発振器102が生成した正弦波を入力とし、A偏波送信信号を出力する。パワーアンプ1013aは、A偏波送信信号を入力とし、所定の電力に増幅してA偏波の搬送送信信号を出力する。B偏波用送信回路101bは、変調回路1010b、DA変換回路1011b、周波数変換回路1012b、パワーアンプ1013bを備える。変調回路1010bは、B偏波用送信データストリームを入力とし、変調してB偏波用ディジタル送信信号を出力する。DA変換回路1011bは、B偏波用ディジタル送信信号を入力とし、ディジタル-アナログ変換を行い、B偏波用アナログ送信信号を出力する。周波数変換回路1012bは、B偏波用アナログ送信信号と局部発振器102が生成した正弦波を入力とし、B偏波送信信号を出力する。パワーアンプ1013bは、B偏波送信信号を入力とし、所定の電力に増幅してB偏波の搬送送信信号を出力する。
自己干渉除去部105は、搬送送信信号を入力とし、搬送受信信号に含まれる搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する。自己干渉除去部105は、アナログ自己干渉除去回路105a,105b,106a,106b、合成器107a,107bを備える。アナログ自己干渉除去回路105a,105b,106a,106bは、例えば、固定遅延線、可変減衰器、可変位相器、可変BPF(Band-Pass Filter)などを備えればよい。アナログ自己干渉除去回路105aは、A偏波の搬送送信信号を入力とし、アンテナ109aで受信した搬送受信信号に含まれるA偏波の搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する。アナログ自己干渉除去回路105bは、B偏波の搬送送信信号を入力とし、アンテナ109aで受信した搬送受信信号に含まれるB偏波の搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する。合成器107aは、アナログ自己干渉除去回路105aが出力した干渉除去信号とアナログ自己干渉除去回路105bが出力した干渉除去信号を合成し、A偏波用の干渉除去信号を出力する。アナログ自己干渉除去回路106aは、A偏波の搬送送信信号を入力とし、アンテナ109bで受信した搬送受信信号に含まれるA偏波の搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する。アナログ自己干渉除去回路106bは、B偏波の搬送送信信号を入力とし、アンテナ109bで受信した搬送受信信号に含まれるB偏波の搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する。合成器107bは、アナログ自己干渉除去回路106aが出力した干渉除去信号とアナログ自己干渉除去回路106bが出力した干渉除去信号を合成し、B偏波用の干渉除去信号を出力する。
合成部110は、搬送受信信号と干渉除去信号とを合成し、干渉除去受信信号を出力する。合成部110は、合成器110a,110bを備える。合成器110aは、アンテナ109aで受信した搬送受信信号と、A偏波用の干渉除去信号を合成し、A偏波用の干渉除去受信信号を出力する。合成器110bは、アンテナ109bで受信した搬送受信信号と、B偏波用の干渉除去信号を合成し、B偏波用の干渉除去受信信号を出力する。
受信部20は、干渉除去受信信号を復調して受信信号(例えば、A偏波用受信データストリームとB偏波用受信データストリーム)を得る。受信部20は、A偏波用受信回路112a、B偏波用受信回路112b、局部発振器111を備える。局部発振器111は、所定の中心周波数の搬送信号をベースバンドの信号に変換するための正弦波を生成する。A偏波用受信回路112aは、ローノイズアンプ1120a、周波数変換回路1121a、AD変換回路1122a、復調回路1123aを備える。ローノイズアンプ1120aは、A偏波用の干渉除去受信信号を、所定の電力に増幅し、A偏波用の増幅干渉除去受信信号を出力する。周波数変換回路1121aは、A偏波用の増幅干渉除去受信信号と局部発振器111が生成した正弦波を入力とし、ベースバンドの信号であるA偏波用アナログ受信信号を出力する。AD変換回路1122aは、A偏波用アナログ受信信号を入力とし、アナログ-ディジタル変換を行い、A偏波用ディジタル受信信号を出力する。復調回路1123aは、A偏波用ディジタル受信信号を入力とし、復調してA偏波用受信データストリームを出力する。B偏波用受信回路112bは、ローノイズアンプ1120b、周波数変換回路1121b、AD変換回路1122b、復調回路1123bを備える。ローノイズアンプ1120bは、B偏波用の干渉除去受信信号を、所定の電力に増幅し、B偏波用の増幅干渉除去受信信号を出力する。周波数変換回路1121bは、B偏波用の増幅干渉除去受信信号と局部発振器111が生成した正弦波を入力とし、ベースバンドの信号であるB偏波用アナログ受信信号を出力する。AD変換回路1122bは、B偏波用アナログ受信信号を入力とし、アナログ-ディジタル変換を行い、B偏波用ディジタル受信信号を出力する。復調回路1123bは、B偏波用ディジタル受信信号を入力とし、復調してB偏波用受信データストリームを出力する。
記憶部115は、自己干渉除去部105の設定条件などを記憶する。制御部114は、記憶部115から自己干渉除去部105の設定条件など読み出し、自己干渉除去部105、送信部10、受信部20などを制御する。
<自己干渉除去部の設定>
図5に自己干渉除去部の設定の処理フロー例を示す。図6にA偏波のみでの自己干渉除去部の設定の処理フロー例を、図7にB偏波のみでの自己干渉除去部の設定の処理フロー例を、図8にA偏波とB偏波の両方での自己干渉除去部の設定調整の処理フロー例を、図9にA偏波のみでの自己干渉除去部の設定の別の処理フロー例を、図10にB偏波のみでの自己干渉除去部の設定の別の処理フロー例を示す。
図5は制御部114が実行する自己干渉除去部の設定の全体の流れを示している。まず、無線機1の電源を入れる(S501)。前回の設定を使用するかを決める(S502)。ステップS502がYesの場合は、記憶部115から設定の条件を読み込み(S503)、ステップS530に進む。ステップS502がNoの場合は、A偏波のみでの自己干渉除去部105の設定を行う(S510-1,2)。B偏波のみでの自己干渉除去部105の設定を行う(S520-1,2)。A偏波とB偏波の両方での自己干渉除去部105の設定調整を行い(S530)、設定の条件を記憶部に書き込む(S540)。なお、ステップS530は必ずしも実行しなくてもよい。
ステップS510-1では具体的には、以下のように処理を行えばよい。A偏波用のアナログ自己干渉除去回路105a,106aの減衰量を最小値(減衰しない状態)に設定し、B偏波用のアナログ自己干渉除去回路105b,106bの減衰量を最大値(減衰する状態)に設定する(S511-1)。A偏波用送信回路101aから校正用搬送送信信号を出力し、B偏波用送信回路101bから校正用搬送送信信号は出力しない(S512-1)。校正用搬送送信信号の中心周波数は、実際の送信データストリームを送信するときの搬送送信信号と同じ中心周波数にする。この状態で、A偏波用受信回路112aとB偏波用受信回路112bの両方で受信レベルが閾値以下になるまで(S513-1)、A偏波用のアナログ自己干渉除去回路105aの設定の変更とA偏波用のアナログ自己干渉除去回路106aの設定の変更(S514-1)を繰り返す。設定の変更では、アナログ自己干渉除去回路105a,106aが備えている可変減衰器、可変位相器、可変BPF(Band-Pass Filter)の設定を適宜変更すればよい。「校正用搬送送信信号」には、帯域中の周波数特性を推定することが可能な、周波数軸上にリファレンス信号を挿入する変調方式を用いればよい。変調方式は、たとえば、第4、5世代モバイル通信で用いられるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、DFT-spread-OFDM(Discrete Fourier Transform-spread-Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を使用すればよい。なお、実際の送信データストリームを送信するときの変調方式は、校正用搬送送信信号と同じにする方が望ましいが、必ずしも同じにしなくてもよい。
ステップS520-1では具体的には、以下のように処理を行えばよい。A偏波用のアナログ自己干渉除去回路105a,106aの減衰量を最大値(減衰する状態)に設定し、B偏波用のアナログ自己干渉除去回路105b,106bの減衰量を最小値(減衰しない状態)に設定する(S521-1)。A偏波用送信回路101aから校正用搬送送信信号を出力しないようにし、B偏波用送信回路101bから校正用搬送送信信号は出力する(S522-1)。校正用搬送送信信号の中心周波数は、実際の送信データストリームを送信するときの搬送送信信号と同じ中心周波数にする。この状態で、A偏波用受信回路112aとB偏波用受信回路112bの両方で受信レベルが閾値以下になるまで(S523-1)、B偏波用のアナログ自己干渉除去回路105bの設定の変更とB偏波用のアナログ自己干渉除去回路106bの設定の変更(S524-1)を繰り返す。設定の変更では、アナログ自己干渉除去回路105b,106bが備えている可変減衰器、可変位相器、可変BPF(Band-Pass Filter)の設定を適宜変更すればよい。ステップS510-1,S520-1のように設定すれば、送信部10の非線形性および周波数特性を考慮する必要なく、自己干渉除去部105を設定できる。
ステップS530では具体的には、以下のように処理を行えばよい。A偏波用のアナログ自己干渉除去回路105a,106aをステップS510-1,2で求めた設定にし、B偏波用のアナログ自己干渉除去回路105b,106bをステップS520-1,2で求めた設定にする(S531)。A偏波用送信回路101aから校正用搬送送信信号を出力し、B偏波用送信回路101bから校正用搬送送信信号を出力する(S532)。この状態で、A偏波用受信回路112aとB偏波用受信回路112bの両方で受信レベルが条件を満たすまで(S533)、A偏波用のアナログ自己干渉除去回路105a,106aとB偏波用のアナログ自己干渉除去回路105b,106bを設定調整する。設定調整では、最急降下法などを用いればよい。受信レベルが条件は、あらかじめ定めた閾値以下になることとしてもよいし、ステップS510-1,2、S520-1,2で定めた条件の近傍の範囲で受信レベルが最小となることとしてもよい。ステップS530も行えば、2つの偏波を同時に送信したときに互いに影響がある場合にも対応できる。なお、ステップS510-1,2、S520-1,2の設定だけで十分な場合は、ステップS530の処理は省略してもよい。
ステップS510-2,S520-2は、搬送送信信号の中心周波数と搬送受信信号の中心周波数が異なる場合に限定された処理フローの例である。ステップS510-2では具体的には、以下のように処理を行えばよい。ステップS511-1、S512-1、S513-1、S514-1は、ステップS510-1のときと同じであり、求めた設定を記憶部115に記憶する(S515)。再度、A偏波用のアナログ自己干渉除去回路105a,106aの減衰量を最小値(減衰しない状態)に設定し、B偏波用のアナログ自己干渉除去回路105b,106bの減衰量を最大値(減衰する状態)に設定する(S511-2)。A偏波用送信回路101aから校正用搬送送信信号を出力し、B偏波用送信回路101bから校正用搬送送信信号は出力しない(S512-2)。ステップS512-2では、校正用搬送送信信号の中心周波数は、実際の送信データストリームを送信するときの搬送受信信号と同じ中心周波数にする。この状態で、A偏波用受信回路112aとB偏波用受信回路112bの両方で受信レベルが閾値以下になるまで(S513-2)、A偏波用のアナログ自己干渉除去回路105aの設定の変更とA偏波用のアナログ自己干渉除去回路106aの設定の変更(S514-2)を繰り返す。設定の変更では、アナログ自己干渉除去回路105a,106aが備えている可変減衰器、可変位相器、可変BPF(Band-Pass Filter)の設定を適宜変更すればよい。校正用搬送送信信号の中心周波数を搬送送信信号の中心周波数として求めた設定条件と、校正用搬送送信信号の中心周波数を搬送受信信号の中心周波数として求めた設定条件の両方に基づいて、A偏波用のアナログ自己干渉除去回路105a,106aの設定を決めればよい。両方に基づく決定では、両方の設定条件を重み付け加算(例えば平均)して決定すればよい。
ステップS520-2では具体的には、以下のように処理を行えばよい。ステップS521-1、S522-1、S523-1、S524-1は、ステップS520-1のときと同じであり、求めた設定を記憶部115に記憶する(S525)。再度、A偏波用のアナログ自己干渉除去回路105a,106aの減衰量を最大値(減衰する状態)に設定し、B偏波用のアナログ自己干渉除去回路105b,106bの減衰量を最小値(減衰しない状態)に設定する(S521-2)。A偏波用送信回路101aから校正用搬送送信信号を出力しないようにし、B偏波用送信回路101bから校正用搬送送信信号は出力する(S522-2)。ステップS522-2では、校正用搬送送信信号の中心周波数は、実際の送信データストリームを送信するときの搬送受信信号と同じ中心周波数にする。この状態で、A偏波用受信回路112aとB偏波用受信回路112bの両方で受信レベルが閾値以下になるまで(S523-2)、B偏波用のアナログ自己干渉除去回路105bの設定の変更とB偏波用のアナログ自己干渉除去回路106bの設定の変更(S524-2)を繰り返す。設定の変更では、アナログ自己干渉除去回路105b,106bが備えている可変減衰器、可変位相器、可変BPF(Band-Pass Filter)の設定を適宜変更すればよい。校正用搬送送信信号の中心周波数を搬送送信信号の中心周波数として求めた設定条件と、校正用搬送送信信号の中心周波数を搬送受信信号の中心周波数として求めた設定条件の両方に基づいて、B偏波用のアナログ自己干渉除去回路105b,106bの設定を決めればよい。両方に基づく決定では、両方の設定条件を重み付け加算(例えば平均)して決定すればよい。ステップS510-2,S520-2のように設定すれば、実際の搬送送信信号に含まれる搬送受信信号の中心周波数の成分も考慮した設定にできる。
無線機1によれば、自己干渉除去部105は、搬送送信信号を入力とし、搬送受信信号に含まれる搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する。つまり、送信部10の出力から干渉除去信号を生成するので、送信部10の非線形性および周波数特性を考慮する必要がない。
[変形例1]
図11に、変形例1の無線機の機能構成例を示す。無線機2の無線機1との変更点は、アンテナ部21だけである。アンテナ部21は、送信と受信で別のアンテナを用い、サーキュレータを用いていない。アンテナ部21は、A偏波の搬送送信信号を送信するアンテナ20a、B偏波の搬送送信信号を送信するアンテナ20b、A偏波の搬送受信信号を受信するアンテナ21a、B偏波の搬送受信信号を受信するアンテナ21bを備える。そのほかの構成および自己干渉除去部105の設定方法は実施例1と同じである。したがって、無線機2の場合も無線機1と同様の効果が得られる。
[変形例2]
図12に、変形例2の無線機の機能構成例を示す。変形例2では、送信側が異なる偏波の2つの搬送送信信号を有し、受信側は1つの偏波の送信受信信号を有する。無線機3は、無線機1とは、アンテナ部109’、自己干渉除去部205、受信部40、合成部110’が異なる。図13に変形例2の受信部の機能構成例、図14に変形例2の自己干渉除去部の機能構成例を示す。アンテナ部109’は、アンテナ109a、サーキュレータ108a、アンテナ20bを備える。合成部110’は、合成器110aのみを備える。受信部40は、偏波用受信回路112a、局部発振器111を備える。偏波用受信回路112a、局部発振器111の機能は、受信部20と同じである。自己干渉除去部205は、アナログ自己干渉除去回路105a,105b、合成器107aを備える。アナログ自己干渉除去回路105a,105b、合成器107aの機能は、自己干渉除去部105と同じである。無線機3の場合、ステップS510-1,2、S520-1,2、S530では、A偏波用のアナログ自己干渉除去回路106aの設定の変更およびB偏波用のアナログ自己干渉除去回路106bの設定の変更は行わない。無線機3の場合も実施例1と同様の効果が期待できる。
[変形例3]
図15に、変形例3の無線機の機能構成例を示す。変形例3では、送信側が1つの搬送送信信号を有し、受信側は異なる偏波の2つの偏波の送信受信信号を有する。無線機4は、無線機1とは、アンテナ部109”、送信部30、自己干渉除去部305が異なる。図16に変形例3の送信部の機能構成例、図17に変形例3の自己干渉除去部の機能構成例を示す。アンテナ部109”は、アンテナ109a、サーキュレータ108a、アンテナ21bを備える。送信部30は、A偏波用送信回路101a、局部発振器102を備える。A偏波用送信回路101a、局部発振器102の機能は、送信部10と同じである。自己干渉除去部305は、アナログ自己干渉除去回路105a,106aを備える。アナログ自己干渉除去回路105a,106aの機能は、自己干渉除去部105と同じである。無線機4の場合は、搬送送信信号の中心周波数と搬送受信信号の中心周波数が異なることを前提としている。したがって、ステップS510-1を実行するのではなく、ステップS510-2を実行する。また、送信側にB偏波がないので、B偏波のみでの設定であるステップS520-1,2およびA偏波とB偏波の両方での設定調整S530は実行しない。無線機4の場合は、実施例1のステップS510-2を実行したときと同様の効果が期待できる。
1,2,3,4 無線機
10,30 送信部
20,40 受信部
21,109,109’,109” アンテナ部
20a,20b,21a,21b,109a,109b アンテナ
101a A偏波用送信回路
101b B偏波用送信回路
102,111 局部発振器
105,205,305 自己干渉除去部
105a,105b,106a,106b アナログ自己干渉除去回路
107a,107b,110a,110b 合成器
108a,108b サーキュレータ
110,110’ 合成部
112a A偏波用受信回路
112b B偏波用受信回路
114 制御部
115 記憶部
1010a,1010b 変調回路
1011a,1011b DA変換回路
1012a,1012b 周波数変換回路
1013a,1013b パワーアンプ
1120a,1120b ローノイズアンプ
1121a,1121b 周波数変換回路
1122a,1122b AD変換回路
1123a,1123b 復調回路

Claims (5)

  1. 異なる偏波の2つの搬送送信信号を有する無線機であって、
    搬送送信信号を送信するとともに搬送受信信号を受信するアンテナ部と、
    送信信号を変調して搬送送信信号を生成する送信部と、
    前記搬送送信信号を入力とし、搬送受信信号に含まれる搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する自己干渉除去部と、
    搬送受信信号と前記干渉除去信号とを合成し、干渉除去受信信号を出力する合成部と、
    前記干渉除去受信信号を復調して受信信号を得る受信部と
    を備え、
    前記自己干渉除去部は、一方の偏波のみの校正用搬送送信信号を送信する状態で、当該一方の偏波の搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する設定を求め、
    前記自己干渉除去部は、他方の偏波のみの校正用搬送送信信号を送信する状態で、当該他方の偏波の搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する設定を求める
    ことを特徴とする無線機。
  2. 請求項1記載の無線機であって、
    異なる偏波の2つの搬送受信信号も有する
    ことを特徴とする無線機。
  3. 請求項1または2記載の無線機であって、
    搬送送信信号と搬送受信信号の中心周波数が異なる場合は、
    前記自己干渉除去部の干渉除去信号を生成する設定は、校正用搬送送信信号の中心周波数を搬送送信信号の中心周波数として求めた設定条件と、校正用搬送送信信号の中心周波数を搬送受信信号の中心周波数として求めた設定条件の両方に基づいて決める
    ことを特徴とする無線機。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の無線機であって、
    前記自己干渉除去部は、さらに、2つの偏波で校正用搬送送信信号を送信する状態で、2つの偏波の搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する設定を調整する
    ことを特徴とする無線機。
  5. 搬送送信信号と搬送受信信号の中心周波数が異なり、かつ、1つの搬送送信信号と異なる偏波の2つの搬送受信信号を有する無線機であって、
    搬送送信信号を送信するとともに搬送受信信号を受信するアンテナ部と、
    送信信号を変調して搬送送信信号を生成する送信部と、
    前記搬送送信信号を入力とし、搬送受信信号に含まれる搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する自己干渉除去部と、
    搬送受信信号と前記干渉除去信号とを合成し、干渉除去受信信号を出力する合成部と、
    前記干渉除去受信信号を復調して受信信号を得る受信部と
    を備え、
    前記自己干渉除去部は、校正用搬送送信信号を送信する状態での搬送送信信号の成分を除去するための干渉除去信号を生成する設定を、校正用搬送送信信号の中心周波数を搬送送信信号の中心周波数として求めた設定条件と、校正用搬送送信信号の中心周波数を搬送受信信号の中心周波数として求めた設定条件の両方に基づいて決める
    ことを特徴とする無線機。
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JP2017513293A (ja) * 2014-02-27 2017-05-25 華為技術有限公司Huawei Technologies Co.,Ltd. 多入力多出力(mimo)全2重プリコーディング構造のためのシステムおよび方法
JP2020173107A (ja) * 2019-04-08 2020-10-22 三菱電機株式会社 レーダ装置

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