JP2022133016A - アンダーディスプレイカメラ型の表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロントカメラで撮影した写真の面内に色ムラが生じることを抑制し得る、アンダーディスプレイカメラ型の表示装置を提供する。【解決手段】表示素子及びフロントカメラをこの順に有するアンダーディスプレイカメラ型の表示装置であって、前記表示素子は少なくとも複屈折基材を有し、前記表示素子と前記フロントカメラとの間に偏光解消部材を有する、アンダーディスプレイカメラ型の表示装置。【選択図】図1

Description

本発明は、アンダーディスプレイカメラ型の表示装置に関する。
スマートフォン等の携帯情報端末、及び、ノートPC等の表示装置の多くの機種は、フロントカメラ及びリアカメラを有している。
多くの表示装置では、表示装置の厚み方向の同じ位置に、フロントカメラと表示素子とが並列して配置されている。また、多くの表示装置では、フロントカメラが目立たないようにするため、表示装置の上部、下部又は角部等にフロントカメラを配置している。このため、フロントカメラを有する表示装置は、フロント部分にフロントカメラに由来する穴などが必要となり、フロント部分の全面に画像を表示することができなかった。
2020年に、表示素子のリア側にフロントカメラを配置してなる、アンダーディスプレイカメラ型の表示装置が発表された(非特許文献1等参照)。「表示素子のリア側」とは、表示素子の光出射面とは反対側を意味する。アンダーディスプレイカメラ型の表示装置は、「UDC」と略称されたり、「ディスプレイ内蔵カメラ型の表示装置」と称される場合もある。
アンダーディスプレイカメラ型の表示装置は、フロント部分にフロントカメラに由来する穴などがなく、フロント部分の全面に画像を表示できるため、デザイン及び機能に優れている。
佐藤由紀子、"ZTE、"アンダーディスプレイ"インカメラの「Axon 20 5G」を449ドルで発売"、ITmedia、2020年12月22日、[令和3年2月1日検索]、インターネット〈URL:https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2012/22/news093.html〉
しかし、アンダーディスプレイカメラ型の表示装置は、フロントカメラで写真を撮影した際に、写真の面内に色ムラが生じる場合があった。
本発明は、フロントカメラで撮影した写真の面内に色ムラが生じることを抑制し得る、アンダーディスプレイカメラ型の表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]~[4]を提供する。
[1] 表示素子及びフロントカメラをこの順に有するアンダーディスプレイカメラ型の表示装置であって、
前記表示素子は少なくとも複屈折基材を有し、前記表示素子と前記フロントカメラとの間に偏光解消部材を有する、アンダーディスプレイカメラ型の表示装置。
[2] 前記表示素子が、少なくとも、前記複屈折基材、第1の電極、第2の電極、及び、前記第1の電極と前記第2の電極とに挟まれた発光層を有する有機EL表示素子である、[1]に記載のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置。
[3] 前記表示素子の光出射面上に円偏光板を有する、[1]又は[2]に記載のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置。
[4] 前記偏光解消部材が、厚さが異なる複数の領域が配列されてなる液晶層を有する、[1]~[3]のいずれかに記載のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置。
本発明のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置は、フロントカメラで撮影した写真の面内に色ムラが生じることを抑制することができる。
本開示のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置の一実施形態を示す断面図である。 本開示のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置を構成する表示素子の一実施形態を示す平面図である。 本開示のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置を構成する表示素子に関して、表示素子の画素の配列の一実施形態を示す部分拡大図である。 図4(a)は偏光解消部材10の斜視図、図4(b)は偏光解消部材10の分解斜視図である。 偏光解消部材10の断面図である。 偏光解消部材20の断面図である。 偏光解消部材20の作用を説明するグラフである。 偏光解消部材20の作用を説明するグラフである。 偏光解消部材30の断面図である。 偏光解消部材40の断面図である。 図11(a)は偏光解消部材50の断面図、図11(b)は偏光解消部材60の断面図である。 偏光解消部材70の断面図である。
以下、本開示の実施形態を説明する。
[表示装置]
本開示のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置は、表示素子及びフロントカメラをこの順に有するアンダーディスプレイカメラ型の表示装置であって、
前記表示素子は少なくとも複屈折基材を有し、前記表示素子と前記フロントカメラとの間に偏光解消部材を有する。
図1は、本開示のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置800の一実施形態を断面図である。図1の表示装置800は、表示素子200及びフロントカメラ100をこの順に有している。図1において、表示素子200の光出射面は、図1の上面である。すなわち、図1において、フロントカメラ100は、表示素子200の光出射面とは反対側に位置している。図1のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置では、観察者は、図1の上側から画像を視認する。このため、図1のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置は、観察者側から、表示素子200及びフロントカメラ100をこの順に有している。
また、図1の表示装置800は、表示素子200とフロントカメラ100との間に偏光解消部材10を有している。
また、図1の表示装置800は、表示素子200の光出射面上に円偏光板300を有している。
本明細書において、「本開示のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置」のことを、「本開示の表示装置」と略称する場合がある。
<表示素子>
本開示の表示装置においては、フロントカメラは、表示素子を通して写真を撮影する。このため、表示素子は、表示素子の面内のフロントカメラと重複する領域において、可視光を透過することを要する。
本明細書において、表示素子の面内のフロントカメラと重複する領域のことを「重複領域」と称する場合がある。図1及び図2の符号260は重複領域である。また、本明細書において、表示素子の面内のフロントカメラと重複しない領域のことを「非重複領域」と称する場合がある。
上記のように、表示素子は、少なくとも重複領域が可視光を透過することを要する。表示素子は、少なくとも重複領域が可視光透過性を有すれば特に制限されず、汎用の表示素子を用いることができる。
表示素子の重複領域は、可視光を透過してフロントカメラの撮像性を良好にしやすくするため、全光線透過率が10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。
表示素子の非重複領域の全光線透過率は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に制限されない。
本明細書において、全光線透過率とは、JIS K7361-1:1997に規定される全光線透過率を意味する。また、本明細書において、ヘイズとは、JIS K7136:2000に規定されるヘイズを意味する。
表示素子の中でも有機EL表示素子は、可視光透過性に優れており、2020年の時点で、すでに背面が透けて見える有機EL表示素子が発表されている。このため、本開示の表示装置の表示素子は、有機EL表示素子であることが好ましい。
有機EL表示素子としては、複屈折基材、第1の電極、第2の電極、及び、前記第1の電極と前記第2の電極とに挟まれた発光層を有する構成が挙げられる(構成1)。前記構成1において、複屈折基材は、例えば、第1の電極又は第2の電極の基板として用いることができる。
また、有機EL表示素子としては、第1の基板上に、第1の電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び第2の電極を有する構成が挙げられる(構成2)。前記構成2は、第2の電極とは反対側には第2の基板を有することが好ましい。前記構成2において、第1の基板として複屈折基材を用いることができる。また、前記構成2において、第1の基板及び第2の基板を有する場合、第1の基板及び第2の基板の少なくとも何れかに複屈折基材を用いることができる。
前記構成1及び前記構成2において、第1の電極及び第2の電極は、一方が陽極であり、他方が陰極である。
前記構成1及び前記構成2は、有機EL表示素子の基本構成である。例えば、本開示の表示装置の表示素子としては、前記構成1及び前記構成2に対して、さらに別の構成が付加されたものを用いてもよい。
正孔輸送層、発光層及び電子輸送層に含まれる有機材料、並びに、陽極及び陰極に含まれる導電材料、として可視光透過率が良好な材料を用いることにより、有機EL表示素子の可視光透過率を良好にすることができる。なお、重複領域には可視光透過率が良好な材料を用いることが好ましい一方で、非重複領域には、可視光透過率が良好な材料を用いてもよいし、可視光透過率が良好ではない材料を用いてもよい。
正孔輸送層、発光層及び電子輸送層に含まれる有機材料、並びに、陽極及び陰極に含まれる導電材料としては、汎用の材料を用いることができる。
有機EL表示素子の重複領域の可視光透過性を良好にする第一の手段としては、陽極及び陰極の透明性を高める手段が挙げられる。従来の有機EL表示素子では、陽極又は陰極として、アルミニウム等の金属電極を採用している。本開示の表示装置では、陽極及び陰極として、透明性に優れる金属酸化物電極を用いることが好ましい。また、本開示の表示装置において、陽極又は陰極として金属電極を用いる場合には、金属電極の厚みを薄くすることが好ましい。
有機EL表示素子の重複領域の可視光透過性を良好にする第二の手段としては、重複領域の画素を小さくする手段が挙げられる。有機EL表示素子は、画素ごとに発光素子を有する。そして、有機EL表示素子の画素が存在しない箇所は、陽極及び陰極が実質的に存在しないため、可視光の透過率は高くなる。このため、重複領域の画素を小さくすることにより、重複領域の可視光透過性を良好にすることができる。第二の手段の場合、非重複領域の画素の大きさは、重複領域の画素の大きさよりも大きくすることが好ましい。かかる構成とすることにより、非重複領域の表示性能を維持しつつ、フロントカメラの撮像性を良好にすることができる。また、非重複領域と重複領域との画像の違いを認識しにくくするために、非重複領域の画素の大きさに対して、重複領域の画素の大きさを小さくし過ぎないことが好ましい。
有機EL表示素子の重複領域の可視光透過性を良好にする第三の手段としては、重複領域の画素密度を低くする手段が挙げられる。有機EL表示素子は、画素ごとに発光素子を有する。そして、有機EL表示素子の画素が存在しない箇所は、陽極及び陰極が実質的に存在しないため、可視光の透過率は高くなる。このため、重複領域の画素密度を低くすることにより、重複領域の可視光透過性を良好にすることができる。第三の手段の場合、非重複領域の画素密度は、重複領域の画素密度よりも高くすることが好ましい。かかる構成とすることにより、非重複領域の表示性能を維持しつつ、フロントカメラの撮像性を良好にすることができる。また、非重複領域と重複領域との画像の違いを認識しにくくするために、非重複領域の画素密度に対して、重複領域の画素密度を低くし過ぎないことが好ましい。
有機EL表示素子の重複領域の可視光透過性を良好にするためには、上述した第一の手段、第二の手段及び第三の手段を適宜組み合わせることが好ましい。図3の表示素子200の部分拡大図において、非重複領域270の画素220と、重複領域270の画素210とを比較すると、重複領域270の画素210の方が大きさが大きく、かつ密度が低くなっている。
また、本開示の表示装置は、上述した第一の手段、第二の手段及び第三の手段を適宜組み合わせるとともに、フロントカメラの撮影時には、重複領域の画素を表示しないようにすることが好ましい。また、重複領域の画素のみを表示しないようにした場合、画面に違和感が生じる。このため、フロントカメラの撮影時には、重複領域の画素を表示しないとともに、重複領域に近接する非重複領域の画素を表示しないようにしてもよい。例えば、図2の符号mのドットの領域においては、非重複領域の画素を表示しないようにしてもよい。
本開示の表示装置は、表示素子が少なくとも複屈折基材を有する。表示素子が複屈折基材を有すると、複屈折基材により干渉した光がフロントカメラに入射し、撮影した写真の面内に色ムラが生じる場合がある。しかし、本開示の表示装置は、複屈折基材を有する表示素子とフロントカメラとの間に偏光解消部材を有しているため、表示素子が複屈折基材を有していても、写真の面内に色ムラが生じることを抑制できる。
複屈折基材は、プラスチックフィルムが挙げられる。複屈折基材としてのプラスチックフィルムは、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo-Olefin-Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。
複屈折基材としてのプラスチックフィルムは、厚みが1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。また、複屈折基材としてのプラスチックフィルムは、厚みが50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
本明細書において、複屈折基材とは、厚さ方向位相差が50nm以上の基材を意味する。複屈折基材の厚さ方向位相差は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましく、300nm以上であることがさらに好ましい。また、複屈折基材の厚さ方向位相差は、10000nm以下であることが好ましく、5000nm以下であることがより好ましく、2000nm以下であることがさらに好ましい。
上述したように、有機EL表示素子の構成として、複屈折基材、第1の電極、第2の電極、及び、前記第1の電極と前記第2の電極とに挟まれた発光層を有する構成が挙げられる(構成1)。前記構成1において、複屈折基材は、例えば、第1の電極又は第2の電極の基板として用いることができる。
また、上述したように、有機EL表示素子の構成として、第1の基板上に、第1の電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び第2の電極を有する構成が挙げられる(構成2)。前記構成2は、第2の電極とは反対側には第2の基板を有することが好ましい。前記構成2において、第1の基板として複屈折基材を用いることができる。また、前記構成2において、第1の基板及び第2の基板を有する場合、第1の基板及び第2の基板の両方が複屈折基材であってもよいし、一方のみが複屈折基材であってもよい。
第1の基板及び第2の基板としては、上述したプラスチックフィルム、ガラス等が挙げられる。
本明細書において、面内位相差(Re)、厚み方向の位相差(Rth)は、各測定箇所における屈折率が最も大きい方向である遅相軸方向の屈折率nx、各測定箇所における前記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率ny、ポリエステルフィルムの厚み方向の屈折率nz、及び、ポリエステルフィルムの厚みT[nm]により、下記式(1)及び(2)によって表わされるものである。本明細書において、面内位相差及び厚み方向の位相差は、波長550nmにおける値を意味するものとする。また、本明細書において、面内位相差をRe、厚み方向の位相差をRthと称する場合がある。
Re=(nx-ny)×T[nm] (1)
Rth=((nx+ny)/2-nz)×T[nm] (2)
遅相軸の方向、Re及びRthは、例えば、大塚電子社製の商品名「RETS-100」により測定できる。
大塚電子社製の商品名「RETS-100」を用いてRe等を測定する場合には、以下の手順(A1)~(A4)に沿って測定の準備をすることが好ましい。
(A1)まず、RETS-100の光源を安定させるため、光源をつけてから60分以上放置する。その後、回転検光子法を選択するとともに、θモード(角度方向位相差測定およびRth算出のモード)選択する。このθモードを選択することにより、ステージは傾斜回転ステージとなる。
(A2)次いで、RETS-100に以下の測定条件を入力する。
(測定条件)
・面内位相差の測定範囲:回転検光子法
・測定スポット径:φ5mm
・傾斜角度範囲:0°
・測定波長範囲:400nm以上800nm以下
・測定対象の基材の平均屈折率。例えば、ポリエチレンテレフタレート基材の場合には、N=1.617とする。なお、基材の平均屈折率Nは、nx、ny及びnzを元に、(N=(nx+ny+nz)/3)の式で算出できる。
・厚み:SEM又は光学顕微鏡で別途測定した厚み
(A3)次いで、この装置にサンプルを設置せずに、バックグラウンドデータを得る。装置は閉鎖系とし、光源を点灯させる毎にこれを実施する。
(A4)その後、装置内のステージ上にサンプルを設置して、測定する。
<フロントカメラ>
フロントカメラは、表示素子よりもリア側に位置する。言い換えると、フロントカメラは、表示素子の光出射面とは反対側に位置している。
フロントカメラは汎用のカメラを用いることができる。図1のフロントカメラ100は、レンズ110及び受光部120を有している。
<円偏光板>
本開示の表示装置は、表示素子の光出射面上に円偏光板を有していてもよい。表示素子の光出射面上に円偏光板を有することにより、外光の反射を抑制することができる。
表示素子の光出射面上に、円偏光板のような光の位相状態を揃える部材を有する場合、フロントカメラで撮影した写真の面内に色ムラが生じやすくなる。この理由は、位相が揃った光(=偏光度合いの高い光)の方が、複屈折基材を透過する際に干渉しやすいためである。しかし、本開示の表示装置は、複屈折基材を有する表示素子とフロントカメラとの間に偏光解消部材を有しているため、表示素子の光出射面上に円偏光板を有していても、写真の面内に色ムラが生じることを抑制できる。
円偏光板300は、例えば、図1のように、偏光子310と位相差層320との積層構造が挙げられる。
偏光子としては、例えば、ヨウ素等により染色したフィルムを延伸してなるシート型偏光子(ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等)、平行に並べられた多数の金属ワイヤからなるワイヤーグリッド型偏光子、リオトロピック液晶及び二色性ゲスト-ホスト材料を塗布した塗布型偏光子、多層薄膜型偏光子等が挙げられる。なお、これらの偏光子は、透過しない偏光成分を反射する機能を備えた反射型偏光子であってもよい。
偏光子の両面は透明保護部材で保護されていることが好ましい。一方の透明保護部材としては、円偏光板を構成する位相差層、透明プラスチックフィルム及び透明ガラス等を用いることができる。他方の透明保護部材としては、透明プラスチックフィルム及び透明ガラス等を用いることができる。
位相差層は、少なくともλ/4位相差層を有することが好ましい。また、位相差層は、幅広い波長の外光反射を抑制するため、λ/4位相差層及びλ/2位相差層を有することがより好ましい。λ/4位相差層及びλ/2位相差層等の位相差層は、汎用の材料を用いることができる。
位相差層として、λ/4位相差層のみを用いる場合、λ/4位相差層の配向軸と、偏光子の吸収軸とがなす角度は45±5°とすることが好ましく、45±2°とすることがより好ましい。
位相差層として、λ/4位相差層及びλ/2位相差層を用いる場合、各位相差層の配向軸と、偏光子の吸収軸とがなす角度は、下記(i)又は(ii)の範囲が好ましい。
(i)第1の例として、λ/2位相差層の遅相軸と、偏光子層の吸収軸とがなす角度は15±8°であることが好ましく、15±6°であることがより好ましい。そして、このとき、λ/4位相差層の遅相軸と、偏光子層の吸収軸とのなす角度は75±15°であることが好ましく、75±13°であることがより好ましい。
(ii)第2の例として、λ/2位相差層の遅相軸と、偏光子層の吸収軸とがなす角度は75±15°であることが好ましく、75±13°であることがより好ましい。そして、このとき、λ/4位相差層の遅相軸と、偏光子層の吸収軸とのなす角度は15±8°であることが好ましく、15±6°であることがより好ましい。
<偏光解消部材>
本開示の表示装置は、表示素子とフロントカメラとの間に偏光解消部材を有することを要する。本開示の表示装置は、表示素子とフロントカメラとの間に偏光解消部材を有することにより、表示素子が複屈折基材を有していても、写真の面内に色ムラが生じることを抑制できる。
本開示の表示装置を平面方向から視認した際の偏光解消部材の外形を外形1、本開示の表示装置を面方向から視認した際のフロントカメラの外形を外形2とした際に、外形1は外形2を覆うことができる大きさであることが好ましい。すなわち、外形1の大きさは、外形2の大きさ以上であることが好ましい。前述の条件を満たすことにより、フロントカメラに入射する光を、偏光解消部材を通した光とすることができる。
偏光解消部材としては、下記(1)~(3)の部材が挙げられる。
(1)面内位相差が4000nm以上の部材。
(2)透明媒体中に複屈折を有する無機粒子を分散させた部材。
(3)面内に面内位相差が異なる複数の領域を有する部材。
上記(1)~(3)の中では、(3)の部材が好ましい。(1)の部材は、厚みが厚くなりやすく、また、波長により透過率が大きく異なるため、写真の面内に色ムラが生じなかったとしても、実際の色と写真の色との色味が異なる場合がある。(2)の部材は、光を無秩序に屈折させることにより偏光状態を解消することができる。しかし、(2)の部材は、透明樹脂等の透明媒体中に、透明媒体と屈折率が異なる無機粒子が分散されているため、偏光解消部材を透過した光のヘイズが上昇し、写真の鮮明性が低下しやすくなる。(3)の部材は、色味及びヘイズの問題を生じにくい点で好ましい。
偏光解消部材は、全光線透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
偏光解消部材は、ヘイズが5%以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。
偏光解消部材は、下記(A)及び(B)を満たすことが好ましい。
下記(A)及び(B)を満たす偏光解消部材は、偏光を解消する性能に優れるため、写真の色ムラをより抑制することができる。
(A)偏光子1、偏光解消部材及び偏光子2をこの順に積層した積層体を積層体Aとする。積層体Aにおいて、偏光子1の吸収軸と偏光子2の吸収軸とを直交させる。偏光解消部材が面内に光軸を有する場合には、積層体Aにおいて、偏光子1の吸収軸と偏光解消部材の光軸とが成す角を45度とする。
上記の前提条件において、積層体Aは、波長380nm以上780nm以下の範囲において、いずれの波長でも透過率が20%以上80%以下であることが好ましく、いずれの波長でも透過率が30%以上70%以下であることがより好ましく、いずれの波長でも透過率が40%以上60%以下であることがさらに好ましい。
(B)偏光子1、偏光解消部材及び偏光子2をこの順に積層した積層体を積層体Bとする。積層体Bにおいて、偏光子1の吸収軸と偏光子2の吸収軸とを平行にする。偏光解消部材が面内に光軸を有する場合には、積層体Bにおいて、偏光子1の吸収軸と偏光解消部材の光軸とが成す角を45度とする。
上記の前提条件において、積層体A及び積層体Bは、波長380nm以上780nm以下の範囲において、いずれの波長でも透過率が20%以上80%以下であることが好ましく、いずれの波長でも透過率が30%以上70%以下であることがより好ましく、いずれの波長でも透過率が40%以上60%以下であることがさらに好ましい。
後述する「厚さが異なる複数の領域が配列されてなる液晶層を有する部材」において配向膜を用いない場合には、凹凸の方向が上記(A)及び(B)における光軸の方向となる。また、後述する「厚さが異なる複数の領域が配列されてなる液晶層を有する部材」において配向膜を用いる場合には、偏光露光で決めた所定の方向、または、偏光露光で決めた所定の方向と直交する方向が上記(A)及び(B)における光軸の方向となる。
上記(3)の「面内に面内位相差が異なる複数の領域を有する部材」としては、厚さが異なる複数の領域が配列されてなる液晶層を有する部材が挙げられる。「厚さが異なる複数の領域が配列されてなる液晶層を有する部材」は、例えば、国際公開番号WO2018/043618に記載されている。
《液晶層を有する偏光解消部材》
以下、偏光解消部材の好適な実施形態である、「厚さが異なる複数の領域が配列されてなる液晶層を有する部材」の実施形態について説明する。本明細書において、「厚さが異なる複数の領域が配列されてなる液晶層を有する部材」のことを「液晶層を有する偏光解消部材」と称する場合がある。
液晶層は、少なくとも一方の面に複数の凸部と、隣り合う凸部の間に形成される凹部と、が配列される形態としてもよい。
また、液晶層は、少なくとも一方の面に複数の凸部と、隣り合う凸部の間に形成される凹部と、が不規則的に配列されてもよい。凹部には透明樹脂からなる凹凸形成層が設けられているように構成することもできる。
液晶層を有する偏光解消部材は、透明な基材の一方の面に、前記液晶層及び前記凹凸形成層が積層されている形態とすることもできる。
図4は、液晶層を有する偏光解消部材の第一の形態を説明する図である。図4(a)は第一の形態の斜視図、図4(b)は第二の形態の分解斜視図である。図4(a)、図4(b)からわかるように、本形態の偏光解消部材10は、基材11、凹凸形成層12、及び液晶層15を有して構成されている。
基材11は、その一方の面に凹凸形成層12、及び液晶層15を積層するための基材となる透明層である。基材11をなす材料としては、種々の材料を使用することができるが、機械的特性、光学特性、安定性および加工性が良好な材料が好ましい。このような材料としては、脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体、メタクリル酸メチル-スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等の樹脂、ガラス等が挙げられる、樹脂が好ましい。
基材の厚さは10μm以上1000μm以下の範囲で構成することができる。
凹凸形成層12は、液晶層15に厚さの異なる複数の領域を付与する層であり、本形態では複数の凸条13が間隔を有して配列されている。従って凸条13が配置された部位では凸部12a、凸条13の間は凹部12bとなり、この凸部12aと凹部12bとが繰り返されて配列される。
本形態では凸条13は、四角形断面を有した四角柱状であり、複数の凸条13が、その柱状の軸線が平行になるように、基材11の一方の面に沿って並べられている。
凹凸形成層12の凸条13をなす材料としては、種々の材料を使用することができるが、機械的特性、光学特性、安定性および加工性が良好な材料が好ましい。このような材料としては、脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体、メタクリル酸メチル-スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等の樹脂が挙げられる。
基材11と凹凸形成層12とは、境界なく一体の形態であってもよいし、基材11の面に凹凸形成層12が積層された形態であってもよい。
製造過程としては、押出し成形、賦型、及びフォトリソグラフィー等を挙げることができる。押し出し成型で製造された場合においては、基材11、及び凹凸形成層12が一体的に形成され得る。また、賦型によって製造する場合には、基材11上に凹凸形成層12を賦型して形成することができる。賦型の場合には基材層11と凹凸形成層12とが、同一の樹脂材料であっても、異なる材料であってもよい。
液晶層15は、凹凸形成層12に積層された液晶材料からなる層である。従って液晶層15のうち、凹凸形成層12に接する側の面には、凹凸形成層12の凹凸と反対の凹凸を有する。すなわち、液晶層15は凹凸形成層12の凹部12bを満たすように凸部15aを具備し、凹凸形成層12の凸部12aに満たされるように凹部15bを備えている。従って、本形態では凹凸形成層12と液晶層15とは凹凸界面を有して接している。
一方、液晶層15のうち、凹凸面側とは反対側の面は本形態では平滑面とされている。ただしこれに限定されることなく、他の凹凸面が形成されていてもよい。
液晶層15を構成する液晶について、波長450nmにおける複屈折率をΔn450、波長550nmにおける複屈折率をΔn550、波長650nmにおける複屈折率をΔn650としたとき、
Δn450>Δn550>Δn650
の関係とすることもできる。すなわち、可視光領域において短波長側から長波長側にかけて位相差が小さくなる波長分散性(正分散性)を有している液晶層を用いることもできる。ここで各波長の「複屈折率」は、ガラス基材上に液晶を配向させ、位相差測定後、液晶膜厚で割ることで求めた。
従来において、正分散性とは逆の特性を有する逆分散性の材料としては、フルオレンを用いたポリカーボネート共重合樹脂が知られているが、これを用いると部材が厚くなってしまう。(逆分散性とは、可視光領域において短波長側から長波長側にかけて位相差が大きくなる波長分散性である。)
液晶材料でも逆分散性を有する重合性液晶化合物が挙げられる。しかしながら、このような重合性液晶化合物では薄膜化は可能になるが、正分散性材料よりコストが高く、広く製品を供給する観点からは問題がある。
本開示の表示装置は、液晶層を有する偏光解消部材の液晶材料として正分散性の液晶材料を使用しても、フロントカメラで撮影した写真の面内に色ムラが生じることを抑制することができる。また、正分散性の液晶材料を用いた場合、偏光解消部材の厚みを薄くすることができる。
液晶層15を構成する液晶材料は特に限定されることはないが、例えば次の化学式で表される(1)~(17)のような棒状液晶材料を挙げることができる。
Figure 2022133016000002
Figure 2022133016000003
液晶材料の中でも重合性棒状液晶材料が好ましい。重合性棒状液晶材料の重合性官能基としては、紫外線、電子線等の電離放射線、又は熱の作用によって重合するものが挙げられる。具体例としては、ラジカル重合性官能基が挙げられる。ラジカル重合性官能基としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、より具体的には、置換基を有する又は有しない、ビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。
液晶材料としては、上記棒状の液晶材料の他、円盤状の液晶材料であるディスコティック液晶を用いることもできる。ディスコティック液晶は、円盤状のコア部を有するとともに、該コア部から放射状に側鎖が延びる構造を備えている。
以上のような液晶層15は、例えば、凹凸形成層12上に、液晶材料を塗布することにより形成することができる。
以上のような構造を有する偏光解消部材10は、例えば次のような形態とされている。図5に説明のための断面図を示した。
本形態では凹凸形成層12により、液晶層15が2種類の異なる厚さ領域が交互に配置されるようになっている。すなわち、図5にd1で示した液晶厚さを有する領域と、d2で示した液晶厚さを有する領域である。d1で示した液晶厚さは液晶層15の凸部15aによる領域の厚さであり、d2で示した液晶厚さは液晶層15の凹部15bによる領域の厚さである。このような液晶層が後の説明のように作用するための液晶層15の厚さ(d1)は、1μm以上10μm以下の範囲とすることができる。1μm以上5μm以下の範囲でも効果を得ることが可能である。
液晶層15では、最も厚い部位(本形態ではd1の部位)、と最も薄い部位(本形態ではd2の部位)の厚さの差が5μm以下であることが好ましい。
図5で示した隣り合う凸部15aのピッチpは、50nm以上100μm以下であることが好ましい。ピッチが50nmより小さいと液晶の配向性が低下する。また、ピッチが100μmより大きくなると凹凸が視認されてしまう場合がある。より好ましいピッチは20μm以下である。
また、1ピッチの間における凸部15aと凹部15bとの割合は特に限定されることなく、必要な偏光解消及び波長ごとの透過率特性に基づいて適宜設定することができる。
液晶層を有する偏光解消部材は、液晶層を用いているので、薄膜でも偏光状態を解消することができる。例えば、図5にd0で示した偏光解消部材10の厚さを20μm以下にすることもできる。
また、液晶層は可撓性を有する材料により構成することができるので、偏光解消部材に可撓性を持たせ、偏光解消部材10を適用する対象の形状に対して柔軟に対応することが可能である。
液晶層を有する偏光解消部材は、液晶を用いて位相差が異なる複数の光に変換するため、無機粒子を分散させたときに起こるヘイズの上昇がなく、ヘイズの上昇が無い状態で光を透過させることが可能である。具体的にはヘイズ値が5%以下である偏光解消部材を形成することも可能である。
以上のような構成を有する偏光解消部材10は例えば次のように作用する。
位相が揃った(所定の偏光状態にある)光が偏光解消部材10に入射する。そしてこの光は液晶層15を透過する。
ここで、本形態の偏光解消部材10では、液晶層15において、凸部15aからなる厚さd1の領域と、凹部15bからなる厚さd2の領域と、の厚さが異なる2種類の領域を有している。
液晶層を透過する光に発生する位相差(Re:リタデーション)は、液晶材料に依存する複屈折光の屈折率差Δnと、液晶層の厚さdの積で決まる。すなわち、
Re=Δn×d
である。
従って、本形態の偏光解消部材10では、位相が揃った(所定の偏光状態にある)光が偏光解消部材10を透過した結果、
Re1=Δn×d1
Re2=Δn×d2
である2種類の位相差を有する光となり、単一の位相差(偏光)状態を解消することができる。このように、本形態の偏光解消部材10は、偏光状態を解消できるため、写真のムラを抑制することができる。
液晶層を有する偏光解消部材では、上述した配向膜を用いない形態の場合には凹凸の方向が光軸の方向となる。また、凹凸の方向は容易に精度よく制御できる。従って、液晶層を有する偏光解消部材は、精度よく光軸を制御することができる。
また、後述する形態のように、配向膜を用いる場合にはその偏光露光で決めた任意の方向を光軸とすることができる。
偏光解消部材10の液晶層15における厚さが異なる各領域では、光軸が揃っていることが好ましい。具体的には各領域間で遅相軸の向きが±1°の範囲で揃っていることが好ましい。
図6は、偏光解消部材を変形した例の第二の形態である偏光解消部材20を説明するための図であり、第一の形態の図5に相当する。上記説明した偏光解消部材10では、液晶層15が2種類の厚さ(d1、d2)を有するように形成したが、偏光解消部材20では、液晶層25に3種類の厚さd21、d22、d23ができるように構成されている。
すなわち、凹凸形成層22が、第一凸部22a、第一凸部22aとは高さ(厚さ)が異なる第二凸部22b、及び凹部22cを備えている。従って、第一凸部22aと第二凸部22bとの間に凹部22cが形成されている。そして、これに対応して、液晶層25が凸部25a、第一凹部25b、第二凹部25cを備えるものである。基本的な構成は偏光解消部材10と同様である。
これによれば、図6にも表したように、液晶層25において、凸部25aの領域で最も厚くなり(厚さd21)、次に第一凹部25bの領域が厚く(厚さd22)、及び第二凹部25cの領域で最も薄く(厚さd23)なる。
このような偏光解消部材20によれば、透過光が3種類の異なる位相差(非偏光状態)を有するので、さらに偏光解消が確実に行われる。
図7及び図8は、第二の形態である偏光解消部材20の波長380nm以上780nm以下の透過率を示す図である。図7は上述した積層体Aの状態における透過率であり、図8は上述した積層体Bの状態における透過率である。図7及び図8において、実線は凸部25aの領域の透過率、破線は凸部25bの領域の透過率、一点鎖線は凸部25cの領域の透過率を、点線は3つの領域の合算の透過率を示している。
図7及び図8の合算の透過率に示すように、偏光解消部材20全体としてみたときに、可視光全ての波長において概ね同じ透過率(50%)を得ることができ、偏光が解消されていることが確認できる。
なお、図7及び図8は、凸部25aの領域の位相差を510nm、凸部25bの位相差を300nm、凸部25cの位相差を100nmとして、かつ、凸部25aと凸部25bと凸部25cとの面積比を0.4:1.0:1.4として、汎用の式により算出した値である。
クロスニコル配置において、一様配向している液晶層を透過する光強度Iは、下記式(A)で表すことができる。パラレルニコル配置において、一様配向している液晶層を透過する光強度I’は、下記式(B)で表すことができる。
下記式(1)及び(2)中、「Re550」は「液晶層の波長550nmのリタデーション値」、「N(λ)」は「液晶層の波長380nm~780nmの各波長の複屈折率/液晶層の波長550nmの複屈折率」、「θ」は「偏光子の吸収軸と液晶層の光軸とがなす角度」を示す。
I=I・sin(2θ)・sin(π・N(λ)・Re550/λ) (A)
I’=I-I・sin(2θ)・sin(π・N(λ)・Re550/λ) (B)
この変形例では、液晶層25において3種類の厚さを得られるように構成したが、さらに多くの種類の厚さを得られるように液晶層の凸部、及び凹部を形成してもよい。その際、凹凸の配列が規則性を有するように形成してもよいし、不規則であってもよい。ここで不規則とは、10個の凸部を1つの単位としたときに、ある1つの単位の凸部の形状と、これに隣り合う他の単位の凸部の形状と、に規則性がないことをいう。
第二の形態である偏光解消部材20を含む疑似的な評価装置を作製し、色ムラの抑制を評価した。前記評価に用いた偏光解消部材20は、図7及び図8の透過率を有するものを用いた。
具体的には、市販のスマートフォン(Apple社のiPhone(登録商標) 8。表示装置の厚み方向の同じ位置に、フロントカメラと表示素子とが並列して配置されている表示装置。)を準備した。前記スマートフォンのフロントカメラ上に、偏光解消部材、複屈折部材(厚さ方向位相差7500nmのPETフィルム)及び偏光子をこの順に積層した状態で、フロントカメラにより写真を撮影した。この事例を参考例1とする。
一方、前記スマートフォンのフロントカメラ上に、前記複屈折部材及び前記偏光子をこの順に積層した状態で、フロントカメラにより写真を撮影した。この事例を参考例2とする。
上記の評価において、参考例1では写真の面内に色ムラが確認されない一方で、参考例2では写真の面内に筋状の色ムラが観察された。
図9は第三の形態の偏光解消部材30を説明するための図であり、第一の形態の図5に相当する図である。本形態では偏光解消部材10に対して基材11が無い点で異なる。他の部位については偏光解消部材10と同様である。
図10は第四の形態の偏光解消部材40を説明するための図であり、第一の形態の図5に相当する図である。第四の形態では偏光解消部材10に対して基材11、及び凹凸形成層12が無い点で異なる。
第三及び第四の形態の偏光解消部材は、偏光解消部材をさらに薄くすることができる。
第三及び第四の形態の偏光解消部材は、例えば、第一の形態の偏光解消部材を製造した後、基材のみを剥離したり、基材及び凹凸形成層を剥離することにより、製造することができる。
図11(a)は第五の形態の偏光解消部材50を説明するための図であり、図11(b)は第六の形態の偏光解消部材60を説明するための図である。これら偏光解消部材50、偏光解消部材60は、液晶層15の凹凸が形成された面に配向膜51を設けた例である。すなわち、図11(a)に示した偏光解消部材50は上記偏光解消部材10の液晶層15の凹凸が形成された面に配向膜51を設けた例であり、図11(b)に示した偏光解消部材60は上記偏光解消部材40の液晶層15の凹凸が形成された面に配向膜51を設けた例である。
配向膜51により、液晶層15内の液晶分子の配向状態を所望の方向に揃えやすくすることができる。そして、配向膜により所望の方向に光軸を設定することが可能であるため、光軸制御を精度よく容易に行うことができる。例えば、液晶層として重合性棒状液晶を用いた場合において、配向膜を用いて該重合性棒状液晶の遅相軸の方向が、液晶層の凸部が延びる方向と異なるように設定することもできる。
配向膜51の具体的態様は必要に応じて公知の形態のものを適用することができる。また、配向膜はその種類によって必ずしも液晶層に積層した形で残っている必要はなく、製造段階において配向膜を使用した場合であっても、最終的に配向膜を残さないようにすることもできる。
偏光解消部材60は、例えば、基材11及び凹凸形成層12の配向膜51が積層される側の面に剥離をしやすくする処理を施しておき、基材11に凹凸形成層12を賦形し、配向膜51、液晶層15を形成した後に、基材11及び凹凸形成層12を剥離することにより作製することができる。
図12は第七の形態の偏光解消部材70を説明する図である。偏光解消部材70では、図12にpで示す1単位の凹凸の中に、階段状に複数の高さ(厚さ)の異なる凸部15aが具備されている例である。
表示素子には画素が存在し、画素は規則的な格子模様を形成している。このため、画素による規則模様と、偏光解消部材が有する規則性を有する構成とにより、モアレが生じる場合がある。
上述した液晶層を有する偏光解消部材によれば、凹凸のピッチ、凹凸が延びる方向、延びる方向における形状(直線状、波型等)、凹凸の大きさ等、変更することができる要素が多いため、モアレを生じ難くすることができる。例えば、外形(縁の形状)が四角形である偏光解消部材において、凹凸が伸びる方向を当該縁の辺に対して平行となる及び直交する角度以外の角度(0度より大きく90度より小さい角度)を有して形成しておけば、画素の規則的な配列方向に対して0度より大きく90度より小さい角度で傾けることができ、モアレの発生を抑制しやすくできる。
なお、上述した各形態の液晶層を有する偏光解消部材は、凹凸形成層における凸部及び凹部が所定の断面を有して一方向に延び、他の方向に凹凸が繰り返されるという形態である。ただし、凹凸形成層はこれに限定されることなく、厚さが異なる複数の領域が配列された液晶からなる液晶層が形成されていれば良い。従って、凸部が平面内に規則的、不規則的を問わず複数点在し、その間が凹部となる形態であってもよい。具体的には、ドット形状、アイランド形状、千鳥配列形状などを挙げることができる。
また、上記説明した液晶層の凸部及び凹部はその断面形状が四角形である例を説明した。ただしこれに限定されることはなく、例えば三角形、台形、又は半円形、半楕円形等であってもよい。
<その他の部材>
本開示の表示装置は、さらに、その他の部材を有していてもよい。
例えば、図1の表示装置において、表示素子200と円偏光板300とは、粘着剤層を介して貼り合わせられていてもよい。また、表示装置は、ハードコートフィルム、帯電防止フィルム等の機能性フィルム、タッチパネル、表面保護板等を有していてもよい。
10、20、30、40、50、60、70:偏光解消部材
11:基材
12:凹凸形成層
13:凸条
15:液晶層
15a:凸部
15b:凹部
100:フロントカメラ
110:レンズ
120:受光部
200:表示素子
210,220:画素
260:重複領域
270:非重複領域
300:円偏光板
310:偏光子
320:位相差層
800:アンダーディスプレイカメラ型の表示装置

Claims (4)

  1. 表示素子及びフロントカメラをこの順に有するアンダーディスプレイカメラ型の表示装置であって、
    前記表示素子は少なくとも複屈折基材を有し、前記表示素子と前記フロントカメラとの間に偏光解消部材を有する、アンダーディスプレイカメラ型の表示装置。
  2. 前記表示素子が、少なくとも、前記複屈折基材、第1の電極、第2の電極、及び、前記第1の電極と前記第2の電極とに挟まれた発光層を有する有機EL表示素子である、請求項1に記載のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置。
  3. 前記表示素子の光出射面上に円偏光板を有する、請求項1又は2に記載のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置。
  4. 前記偏光解消部材が、厚さが異なる複数の領域が配列されてなる液晶層を有する、請求項1~3のいずれかに記載のアンダーディスプレイカメラ型の表示装置。
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