JP2022131026A - レーザー干渉計 - Google Patents

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Abstract

【課題】受光信号から測定対象物に由来する情報を復調するときの復調精度が高いレーザー干渉計を提供する。【解決手段】第1レーザー光L1を射出する光源2と、振動素子30を備え、振動素子を用いて第1レーザー光を周波数の異なる第2レーザー光L2に変調する光変調器12と、第1レーザー光が進行する第1光路に配置され、第1レーザー光の進行方向を第1光路と、第1光路とは異なる第2光路と、の間で切り替える光路切替部153と、第2光路に沿って移動し、第2光路を進行する第1レーザー光を反射する光反射面を有する光反射体17と、第1レーザー光が測定対象物で14反射して生成された第3レーザー光L3と、第2レーザー光と、の第1干渉光、および、第1レーザー光が光反射面で反射して生成された第4レーザー光L4と、第2レーザー光と、の第2干渉光、を受光して受光信号を出力する受光素子10と、を備えるレーザー干渉計1。【選択図】図2

Description

本発明は、レーザー干渉計に関するものである。
特許文献1には、物体の振動速度を測定する装置として、物体に対してレーザー光を照射し、ドップラーシフトを受けた散乱レーザー光に基づいて、振動速度を計測するレーザー振動計が開示されている。このレーザー振動計では、光ヘテロダイン干渉法を用いることにより、散乱レーザー光に含まれたドップラー信号を取り出す。
また、特許文献1に記載のレーザー振動計では、電圧を変えることで振動周波数が可変となるピエゾ素子または水晶振動子が用いられており、これらの振動素子にレーザー光を照射することにより、周波数をシフトさせる。このようにして周波数がシフトしたレーザー光を参照光として用いることにより、散乱レーザー光からドップラー信号を復調している。このようにして得られたドップラー信号を用いることにより、物体の振動速度を計測することができる。
一方、特許文献2には、光変調器に正弦波信号を印加し、光ビームに対して周波数が正弦波状に遷移する参照光ビームと、光ビームを物体に照射して得られる反射光ビームと、を光検出素子で受光するとともに、受光信号に対して演算処理を行うことが開示されている。そして、参照光ビームの周波数が時間に応じて遷移する場合でも、物体由来の信号(うなり信号)が得られること、および、このうなり信号をFM復調回路に通すことにより、物体の変位および振動速度が得られること、が開示されている。
特開2007-285898号公報 特開平2-38889号公報
特許文献2に記載の方法では、受光信号を2つに分岐し、別々の演算処理を加えた後、加算することによって信号の不要項を消去し、最終的にうなり信号を取り出す復調処理が行われる。しかしながら、物体の振動状態が所定の条件を満たさない場合、うなり信号を精度よく復調することができず、物体の変位や振動速度を精度よく求めることができないという課題がある。
本発明の適用例に係るレーザー干渉計は、
第1レーザー光を射出する光源と、
振動素子を備え、前記振動素子を用いて前記第1レーザー光を周波数の異なる第2レーザー光に変調する光変調器と、
前記第1レーザー光が進行する第1光路に配置され、前記第1レーザー光の進行方向を前記第1光路と、前記第1光路とは異なる第2光路と、の間で切り替える光路切替部と、
前記第2光路に沿って移動し、前記第2光路を進行する前記第1レーザー光を反射する光反射面を有する光反射体と、
前記第1レーザー光が測定対象物で反射して生成された第3レーザー光と、前記第2レーザー光と、の第1干渉光、および、前記第1レーザー光が前記光反射面で反射して生成された第4レーザー光と、前記第2レーザー光と、の第2干渉光、を受光して受光信号を出力する受光素子と、
を備えることを特徴とする。
実施形態に係るレーザー干渉計を示す機能ブロック図である。 図1に示すセンサーヘッド部を示す概略構成図である。 図2に示す光変調器の第1構成例を示す斜視図である。 光変調器の第2構成例の一部を示す平面図である。 光変調器の第3構成例を示す平面図である。 振動素子の表面に対して垂直な方向から入射光Kが入射したとき、複数の回折光が発生することを説明する概念図である。 入射光Kの進行方向と参照光L2の進行方向とのなす角度が180°となるように構成された光変調器を説明する概念図である。 入射光Kの進行方向と参照光L2の進行方向とのなす角度が180°となるように構成された光変調器を説明する概念図である。 入射光Kの進行方向と参照光L2の進行方向とのなす角度が180°となるように構成された光変調器を説明する概念図である。 パッケージ構造を有する光変調器を示す断面図である。 一段インバーター発振回路の構成を示す回路図である。 振動素子のLCR等価回路の例である。 標準サンプルの一例を示す概念図である。 標準サンプルの一例を示す概念図である。 標準サンプルの一例を示す概念図である。 標準サンプルの一例を示す概念図である。 信号波形検出器に入力された信号が、正しいAGC係数を用いた振幅の調整を経て生成された信号であるか、または、不適なAGC係数を用いた振幅の調整を経て生成された信号であるか、を区別するための波形の一例である。 位相波形検出器に入力された位相が、正しいAGC係数を用いた振幅の調整を経て算出された位相であるか、または、不適なAGC係数を用いた振幅の調整を経て算出された位相であるか、を区別するための波形の一例である。 制御部による各部の制御を説明するためのフローチャートである。 第1変形例に係るレーザー干渉計が備える復調回路を示す機能ブロック図である。 標準サンプル信号を含む受光信号の波形の一例を示す図である。 最大AC成分幅/最大DC成分幅の比と、B値と、の間に成り立つ相関関係を示すグラフの一例である。 図20に示す制御部による各部の制御を説明するためのフローチャートである。 第2変形例に係るレーザー干渉計が備える復調回路を示す機能ブロック図である。 第3変形例に係るレーザー干渉計が備える光学系の実装構造を示す概略構成図である。 第4変形例に係るレーザー干渉計が備える光学系の実装構造を示す概略構成図である。
以下、本発明のレーザー干渉計を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るレーザー干渉計を示す機能ブロック図である。
図1に示すレーザー干渉計1は、光学系50および発振回路54を備えるセンサーヘッド部51と、光学系50からの受光信号が入力される復調回路52と、制御部57と、を有する。
1.センサーヘッド部
図2は、図1に示すセンサーヘッド部51を示す概略構成図である。
センサーヘッド部51は、前述したように、光学系50を備える。
光学系50は、図2に示すように、光源2と、偏光ビームスプリッター4と、1/4波長板6と、1/4波長板8と、検光子9と、受光素子10と、周波数シフター型の光変調器12と、光路切替部15と、被測定物14が配置されたセット部16と、標準サンプル17と、を備える。
光源2は、所定の波長の出射光L1(第1レーザー光)を射出する。受光素子10は、受けた光を電気信号に変換する。光変調器12は、振動素子30を備えており、出射光L1を変調し、変調信号を含む参照光L2(第2レーザー光)を生成する。セット部16は、必要に応じて設けられればよいが、被測定物14を配置することができるようになっている。被測定物14に入射した出射光L1は、被測定物14に由来するサンプル信号を含む物体光L3(第3レーザー光)として反射する。
光源2から射出される出射光L1の光路を、光路18とする。光路18は、偏光ビームスプリッター4の反射により、光路20に結合される。光路20上には、偏光ビームスプリッター4側から1/4波長板8および光変調器12がこの順で配置されている。また、光路18は、偏光ビームスプリッター4の透過により、光路22に結合される。光路22上には、偏光ビームスプリッター4側から1/4波長板6、光路切替部15およびセット部16がこの順で配置されている。
光路20は、偏光ビームスプリッター4の透過により、光路24に結合される。光路24上には、偏光ビームスプリッター4側から検光子9および受光素子10がこの順で配置されている。
光源2から射出された出射光L1は、光路18および光路20を経て、光変調器12に入射する。また、出射光L1は、光路18および光路22を経て、被測定物14に入射する。光変調器12で生成された参照光L2は、光路20および光路24を経て、受光素子10に入射する。被測定物14での反射により生成された物体光L3は、光路22および光路24を経て、受光素子10に入射する。
光路23は、光路切替部15と標準サンプル17との間の光路である。光路切替部15で出射光L1の進行方向が光路23に変更されると、出射光L1は、標準サンプル17で反射し、標準物体光L4として光路切替部15に戻る。その後、標準物体光L4は、光路22および光路24を経て、受光素子10に入射する。
以下、光学系50の各部についてさらに説明する。
1.1.光源
光源2は、可干渉性を有する線幅の細い出射光L1を射出するレーザー光源である。線幅を周波数差で表すと、線幅がMHz帯以下のレーザー光源が好ましく用いられる。具体的には、HeNeレーザーのようなガスレーザー、DFB-LD(Distributed feedback - laser diode)、FBG-LD(Fiber bragg Grating付き laser diode)、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)のような半導体レーザー素子等が挙げられる。
光源2は、特に半導体レーザー素子を含むことが好ましい。これにより、光源2を特に小型化することが可能になる。このため、レーザー干渉計1の小型化を図ることができる。特に、レーザー干渉計1のうち、光学系50が収容されるセンサーヘッド部51の小型化および軽量化が図られるため、レーザー干渉計1の操作性を高められる点でも有用である。
1.2.偏光ビームスプリッター
偏光ビームスプリッター4は、入射光を透過光と反射光とに分割する光学素子である。また、偏光ビームスプリッター4は、P偏光を透過し、S偏光を反射させる機能を有する。以下、直線偏光であって、P偏光とS偏光の比を例えば50:50にした出射光L1を、偏光ビームスプリッター4に入射する場合を考える。
偏光ビームスプリッター4では、前述したように、出射光L1のS偏光を反射し、P偏光を透過させる。
偏光ビームスプリッター4で反射した出射光L1のS偏光は、1/4波長板8で円偏光に変換され、光変調器12に入射する。光変調器12に入射した出射光L1の円偏光は、f[Hz]の周波数シフトを受け、参照光L2として反射する。したがって、参照光L2は、変調周波数f[Hz]の変調信号を含む。参照光L2は、再び1/4波長板8を透過するときP偏光に変換される。参照光L2のP偏光は、偏光ビームスプリッター4および検光子9を透過して受光素子10に入射する。
偏光ビームスプリッター4を透過した出射光L1のP偏光は、1/4波長板6で円偏光に変換され、動いている状態の被測定物14に入射する。被測定物14に入射した出射光L1の円偏光は、f[Hz]のドップラーシフトを受け、物体光L3として反射する。したがって、物体光L3は、周波数f[Hz]のサンプル信号を含む。物体光L3は、光路切替部15を介して、再び1/4波長板6を透過するときS偏光に変換される。物体光L3のS偏光は、偏光ビームスプリッター4で反射され、検光子9を透過して受光素子10に入射する。
前述したように、出射光L1は可干渉性を有しているため、参照光L2および物体光L3は、第1干渉光として受光素子10に入射する。
なお、偏光ビームスプリッターに代えて無偏光ビームスプリッターを用いるようにしてもよい。この場合、1/4波長板6および1/4波長板8が不要となるため、部品点数の削減によるレーザー干渉計1の小型化を図ることができる。
1.3.検光子
互いに直交するS偏光およびP偏光は、互いに独立しているので、単純に重ね合わせただけでは干渉が現れない。そこで、S偏光とP偏光を重ね合わせた光波を、S偏光およびP偏光の双方に対して45°傾けた検光子9に通す。検光子9を用いることにより、互いに共通した成分同士の光を透過させ、干渉を生じさせることができる。その結果、検光子9では、参照光L2と物体光L3とが干渉し、f-f[Hz]の周波数を持つ第1干渉光が生成される。
1.4.受光素子
参照光L2および物体光L3は、偏光ビームスプリッター4および検光子9を介して受光素子10に入射する。これにより、参照光L2と物体光L3とが光ヘテロダイン干渉し、f-f[Hz]の周波数を持つ第1干渉光が受光素子10に入射する。この第1干渉光から後述する方法でサンプル信号を復調することにより、最終的に、被測定物14の動き、すなわち振動速度や変位を求めることができる。受光素子10としては、例えばフォトダイオード等が挙げられる。
1.5.光変調器
図3は、図2に示す光変調器12の第1構成例を示す斜視図である。
1.5.1.光変調器の第1構成例の概要
周波数シフター型の光変調器12は、光変調振動子120を有している。図3に示す光変調振動子120は、板形状の振動素子30と、振動素子30を支持する基板31と、を備えている。
振動素子30は、電位を加えることにより、面に沿う方向に歪むように振動するモードを繰り返す材料で構成されている。本構成例では、振動素子30は、MHz帯の高周波領域で、振動方向36に沿って厚みすべり振動する水晶AT振動子である。振動素子30の表面には、回折格子34が形成されている。回折格子34は、直線状の複数の溝32が周期的に並んでなる構造を有している。
基板31は、互いに表裏の関係を有する表面311および裏面312を有している。表面311には、振動素子30が配置されている。また、表面311には、振動素子30に電位を加えるためのパッド33が設けられている。一方、裏面312にも、振動素子30に電位を加えるためのパッド35が設けられている。
基板31の大きさは、例えば、長辺が0.5mm以上10.0mm以下程度とされる。また、基板31の厚さは、例えば、0.10mm以上2.0mm以下程度とされる。一例として、基板31の形状は、1辺が1.6mmの正方形とされ、その厚さは0.35mmとされる。
振動素子30の大きさは、例えば、長辺が0.2mm以上3.0mm以下程度とされる。また、振動素子30の厚さは、例えば、0.003mm以上0.5mm以下程度とされる。
一例として、振動素子30の形状は、1辺が1.0mmの正方形とされ、その厚さ0.07mmとされる。この場合、振動素子30は、基本発振周波数24MHzで発振する。なお、振動素子30の厚さを変えたり、オーバートーンまで考慮したりすることにより、発振周波数を1MHzから1GHzの範囲で調整することが可能である。
なお、図3では、回折格子34が振動素子30の表面全体に形成されているが、一部にのみ形成されていてもよい。
光変調器12による光変調の強さは、光変調器12に入射する出射光L1の波数ベクトルと光変調器12から出射する参照光L2の波数ベクトルとの差分波数ベクトルと、振動素子30の振動方向36のベクトルとの内積で与えられる。本構成例では、振動素子30が厚みすべり振動するが、この振動は面内振動であることから、振動素子30単体の表面に対して垂直に光を入射しても、光変調はできない。そこで、本構成例では、振動素子30に回折格子34を設けることにより、後述する原理によって光変調を可能にしている。
図3に示す回折格子34は、ブレーズド回折格子である。ブレーズド回折格子は、回折格子の断面形状が階段状になっているものをいう。回折格子34の直線状の溝32は、その延在方向が振動方向36に対して直交するように設けられている。
図1に示す発振回路54から図3に示す振動素子30に駆動信号Sdを供給する(交流電圧を印加する)と、振動素子30が発振する。振動素子30の発振に必要な電力(駆動パワー)は、特に限定されないが、0.1μW~100mW程度と小さい。このため、発振回路54から出力した駆動信号Sdを増幅することなく、振動素子30を発振させるために用いることができる。
また、従来の光変調器は、光変調器の温度を維持する構造が必要なため、体積を小さくすることが難しい。また、光変調器の消費電力が大きいため、レーザー干渉計の小型化および省電力化が困難であるという課題を有している。これに対し、本構成例では、振動素子30の体積が非常に小さく、発振に要する電力も小さいため、レーザー干渉計1の小型化および省電力化が容易である。
1.5.2.回折格子の形成方法
回折格子34の形成方法は、特に限定されないが、一例として、機械刻線式(ルーリングエンジン)を用いた方法で型を作り、水晶AT振動子の振動素子30の表面に成膜した電極上に、ナノインプリント法で溝32を形成する方法が挙げられる。ここで、電極上としたのは、水晶AT振動子の場合は、原理上、電極上で高品質な厚みすべり振動を発生させることができるためである。なお、溝32を形成するのは、電極上に限定されず、非電極部の材料の表面上であってもよい。また、ナノインプリント法に代えて、露光およびエッチングによる加工方法、電子線描画リソグラフィー法、集束イオンビーム加工法(FIB)等を用いるようにしてもよい。
また、水晶AT振動子のチップ上にレジスト材料で回折格子を形成し、そこに、金属膜や誘電体多層膜によるミラー膜を設けるようにしてもよい。金属膜やミラー膜を設けることにより、回折格子34の反射率を高めることができる。
さらに、水晶AT振動子のチップやウエハー上にレジスト膜を形成し、エッチングによって加工を施した後、レジスト膜を除去し、その後、加工面に金属膜やミラー膜を形成するようにしてもよい。この場合、レジスト材料が除去されるため、レジスト材料の吸湿等による影響がなくなり、回折格子34の化学的安定性を高めることができる。また、Au、Alのような導電性の高い金属膜を設けることにより、振動素子30を駆動する電極としても用いることができる。
なお、回折格子34は、陽極酸化アルミナ(ポーラスアルミナ)のような技術を用いて形成されてもよい。
1.5.3.光変調器の他の構成例
振動素子30は、水晶振動子に限定されず、例えば、Si振動子、弾性表面波(SAW)デバイス等であってもよい。
図4は、光変調器12の第2構成例の一部を示す平面図である。図5は、光変調器12の第3構成例を示す平面図である。
図4に示す振動素子30Aは、MEMS技術を用いて製造されたSi振動子である。MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)は、微小電気機械システムのことである。
振動素子30Aは、隙間を介して同一平面上に隣り合う第1電極301および第2電極302と、第1電極301上に設けられた回折格子載置部303と、回折格子載置部303上に設けられた回折格子34と、を備えている。第1電極301および第2電極302は、例えば、静電引力を駆動力として、図4の左右方向に、すなわち、図4に示す第1電極301と第2電極302とを結ぶ軸に沿って互いに接近と離間とを繰り返すように振動する。これにより、回折格子34に面内振動を与えることができる。Si振動子の発振周波数は、例えば1kHzから数100MHz程度である。
図5に示す振動素子30Bは、表面波を利用するSAWデバイスである。SAW(Surface Acoustic Wave)は、弾性表面波のことである。
振動素子30Bは、圧電基板305と、圧電基板305上に設けられた櫛歯状電極306と、接地電極307と、回折格子載置部303と、回折格子34と、を備えている。櫛歯状電極306に交流電圧を印加すると、逆圧電効果により、弾性表面波が励振される。これにより、回折格子34に面内振動を与えることができる。SAWデバイスの発振周波数は、例えば数100MHzから数GHz程度である。
以上のようなデバイスについても、回折格子34を設けることにより、水晶AT振動子の場合と同様、後述する原理によって光変調が可能になる。
一方、振動素子30が水晶振動子を有している場合、水晶が持つ極めて高いQ値を利用して、高精度な変調信号を生成することができる。Q値とは、共振のピークの鋭さを示す指標である。また、水晶振動子は、外乱にも影響を受けにくいという特長を持つ。したがって、水晶振動子を備える光変調器12で変調された変調信号を用いることにより、被測定物14に由来するサンプル信号を高精度に取得することができる。
1.5.4.振動素子による光変調
次に、振動素子30を用いて光を変調する原理について説明する。
図6は、振動素子30の表面に対して垂直な方向から入射光Kが入射したとき、複数の回折光が発生することを説明する概念図である。
振動方向36に沿って厚みすべり振動をしている回折格子34に入射光Kが入射すると、回折現象により、図6に示すように、複数の回折光Knsが発生する。nは、回折光Knsの次数であり、n=0、±1、±2、・・・である。なお、図6に示す回折格子34には、図3に示すブレーズド回折格子ではなく、別の回折格子の例として、凹凸の繰り返しによる回折格子を図示している。また、図6では、回折光K0sの図示を省略している。
図6では、入射光Kが振動素子30の表面に対して垂直な方向から入射しているが、この入射角は特に限定されず、振動素子30の表面に対して斜めに入射するように入射角を設定するようにしてもよい。斜めに入射させた場合には、回折光Knsの進行方向もそれに対応して変化する。
なお、回折格子34の設計によっては、│n│≧2の高次の光は出現しないことがある。そこで、安定して変調信号を得るために、│n│=1に設定するのが望ましい。すなわち、図2のレーザー干渉計1において、周波数シフター型の光変調器12は、±1次回折光が参照光L2として利用されるように配置されることが好ましい。この配置により、レーザー干渉計1による計測の安定化を実現することができる。
一方、回折格子34から│n│≧2の高次の光が出現している場合には、±1次回折光ではなく、±2次以上のいずれかの回折光が参照光L2として利用されるように、光変調器12を配置するようにしてもよい。これにより、高次の回折光を利用することができるので、レーザー干渉計1の高周波化と小型化を実現することができる。
本実施形態では、一例として、光変調器12に入射する入射光Kの進入方向と光変調器12から出射する参照光L2の進行方向とのなす角度が180°となるように、光変調器12が構成されている。以下、3つの例について説明する。
図7ないし図9は、それぞれ、入射光Kの進行方向と参照光L2の進行方向とのなす角度が180°となるように構成された光変調器12を説明する概念図である。
図7では、光変調器12が、振動素子30に加えてミラー37を備えている。ミラー37は、回折光K1sを反射して回折格子34に戻すように配置されている。このとき、ミラー37に対する回折光K1sの入射角とミラー37における反射角とのなす角度が180°になっている。この結果、ミラー37から出射して回折格子34に戻された回折光K1sは、回折格子34で再び回折し、光変調器12に入射する入射光Kの進行方向と反対の方向に進行することになる。このため、ミラー37を追加することによって、前述した、入射光Kの進入方向と参照光L2の進行方向とのなす角度が180°という条件を満たすことができる。
またこのようにミラー37を経由させることで、光変調器12で生成される参照光L2は、2回の周波数変調を受けたものとなる。したがって、ミラー37を併用することにより、振動素子30単体を用いた場合に比べて、より高周波の周波数変調が可能になる。
図8では、図6の配置に対し、振動素子30を傾けている。このときの傾斜角度θは、前述した、入射光Kの進入方向と参照光L2の進行方向とのなす角度が180°という条件を満たすように設定されている。
図9に示す回折格子34は、ブレーズ角θを有するブレーズド回折格子である。そして、振動素子30の表面の法線Nに対し、入射角βで進行する入射光Kが回折格子34に入射すると、法線Nに対してブレーズ角θと同じ角度で参照光L2が戻ることになる。したがって、入射角βをブレーズ角θと等しくすることで、前述した、入射光Kの進入方向と参照光L2の進行方向とのなす角度が180°という条件を満たすことができる。この場合、図7に示すミラー37を用いずに、また、図8に示すように振動素子30自体を傾けることなく、前記条件を満たすことができるので、レーザー干渉計1のさらなる小型化および高周波化を図ることができる。特に、ブレーズド回折格子の場合には、前記条件を満たす配置を「リトロー配置」といい、回折光の回折効率を特に高めることができるという利点もある。
なお、図9のピッチPは、ブレーズド回折格子のピッチを表しており、一例として、ピッチPが1μmとされる。また、ブレーズ角θは、25°とされる。この場合、前記条件を満たすためには、入射光Kの法線Nに対する入射角βも25°にすればよい。
1.5.5.パッケージ構造
図10は、パッケージ構造を有する光変調器12を示す断面図である。
図10に示す光変調器12は、筐体である容器70と、容器70に収容されている光変調振動子120と、発振回路54を構成する回路素子45と、を備えている。なお、容器70は、例えば、真空等の減圧雰囲気、または、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気に気密封止されている。
容器70は、図10に示すように、容器本体72とリッド74とを有している。このうち、容器本体72は、その内部に設けられた第1凹部721と、第1凹部721の内側に設けられ、第1凹部721より深い第2凹部722と、を有している。容器本体72は、例えば、セラミックス材料、樹脂材料等で構成されている。また、図示しないが、容器本体72は、内面に設けられた内部端子、外面に設けられた外部端子、内部端子と外部端子とを接続する配線等を備えている。
また、容器本体72の開口部は、図示しないシールリングや低融点ガラス等の封止部材を介して、リッド74で塞がれている。リッド74の構成材料には、レーザー光を透過可能な材料、例えばガラス材料等が用いられる。
第1凹部721の底面には、光変調振動子120が配置されている。光変調振動子120は、図示しない接合部材により、第1凹部721の底面に支持されている。また、容器本体72の内部端子と光変調振動子120との間は、例えばボンディングワイヤー、接合金属等の図示しない導電材料を介して電気的に接続されている。
第2凹部722の底面には、回路素子45が配置されている。回路素子45は、ボンディングワイヤー76を介して容器本体72の内部端子と電気的に接続されている。これにより、光変調振動子120と回路素子45との間も、容器本体72が備える配線を介して電気的に接続される。なお、回路素子45には、後述する発振回路54以外の回路が設けられていてもよい。
このようなパッケージ構造を採用することにより、光変調振動子120と回路素子45とを重ねることができるので、両者の物理的距離を近づけることができ、光変調振動子120と回路素子45との間の配線長を短くすることができる。このため、駆動信号Sdに外部からノイズが入ったり、反対に駆動信号Sdがノイズ源になったりするのを抑制することができる。また、1つの容器70で、光変調振動子120と回路素子45の双方を外部環境から保護することができる。このため、センサーヘッド部51の小型化を図りつつ、レーザー干渉計1の信頼性を高めることができる。
なお、容器70の構造は、図示した構造に限定されず、例えば、光変調振動子120と回路素子45とが、個別のパッケージ構造を有していてもよい。また、図示しないものの、容器70には、発振回路54を構成するその他の回路要素が収容されていてもよい。なお、容器70は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
1.6.光路切替部
図2に示す光路切替部15は、出射光L1が進行する光路を光路22(第1光路)から光路23(第2光路)に切り替える機能を有する。光路22は、前述したように、偏光ビームスプリッター4とセット部16とをつなぐ光路である。光路23は、光路22と交差する光路であって、光路切替部15と標準サンプル17とをつなぐ光路である。
光路切替部15は、光路変更素子153と、駆動部155と、を備えている。光路変更素子153は、第1位置P1および第2位置P2に移動するように構成されている。図2では、光路変更素子153が第1位置P1と第2位置P2との間を往復するように構成されているが、それ以外の位置にも移動するようになっていてもよい。光路変更素子153は、例えばレーザー光を反射して光路を変換するミラーである。図2では、光路変更素子153の光反射面を光路22に対して傾けることにより、光路変更素子153が光路22を伝搬する出射光L1の進行方向を光路23に変更することができる。また、光路変更素子153は、光路23を伝搬する標準物体光L4の進行方向を光路22に変更することができる。
第1位置P1は、光路変更素子153が光路22を横切る位置である。したがって、第1位置P1に配置された光路変更素子153は、出射光L1の進行方向を光路23に変更することができる。
光路23を伝搬する出射光L1は、標準サンプル17に入射し、標準サンプル17に由来する標準サンプル信号を含む標準物体光L4として反射する。標準物体光L4の進行方向は、光路変更素子153で光路23から光路22に変更される。そして、標準物体光L4は、1/4波長板6、偏光ビームスプリッター4および検光子9を経て受光素子10で受光される。これにより、参照光L2および標準物体光L4は、第2干渉光として受光素子10に入射する。
第2位置P2は、光路変更素子153が光路22を横切らない位置である。したがって、第2位置P2に配置された光路変更素子153は、出射光L1の進行方向を変更しない。したがって、光路変更素子153が第2位置P2にあるとき、光路22を伝搬する出射光L1は、被測定物14に入射する。
駆動部155は、駆動力を発生させ、光路変更素子153を移動させる。また、光路変更素子153を目的とする位置で保持する。駆動部155としては、光路変更素子153を直線に沿って駆動するデバイスが用いられ、例えば、リニアステージ、電磁駆動アクチュエーター、ピエゾアクチュエーター等が挙げられる。なお、駆動部155は、光路変更素子153を回転軸まわりに回転させることで、第1位置P1および第2位置P2に移動させるデバイスであってもよい。かかるデバイスとしては、例えば、各種モーター等が挙げられる。
以上のように、光路切替部15は、光路変更素子153と、駆動部155(光路変更素子駆動部)と、を備える。光路変更素子153は、第1位置P1および第2位置P2に移動する。駆動部155は、光路変更素子153を移動させる。第1位置P1は、光路変更素子153が、出射光L1(第1レーザー光)の進行方向を変更する位置である。第2位置P2は、光路変更素子153が、出射光L1の進行方向を変更しない位置である。
このような構成によれば、出射光L1を被測定物14に入射させる光路22を、簡単な構成で、標準サンプル17に入射させる光路23に切り替えることができる。このため、光路切替部15によれば、AGC係数記録モードと計測モードとを容易に切り替えることができる。また、レーザー干渉計1の小型化および軽量化を容易に図ることができる。
なお、光路変更素子153は、前述したようなミラーに限定されず、例えばレーザー光を遮蔽するシャッター部材であってもよい。この場合、光路切替部15は、出射光L1を光路22と光路23とに分岐させる光分配器と、分岐後の光路22または光路23のいずれか一方を遮蔽するシャッター部材と、を備えている。光路変更素子153であるシャッター部材が光路22を遮蔽する位置が、前述した第1位置P1に相当し、シャッター部材が光路23を遮蔽する位置が、前述した第2位置P2に相当する。光分配器では、常時、出射光L1を光路22と光路23の双方に分配しているので、シャッター部材が第1位置P1にあるときは、出射光L1の進行方向が光路23に変更され、シャッター部材が第2位置P2にあるときは、出射光L1の進行方向が変更されない。よって、光路切替部15は、このようなシャッター部材を用いた構成であっても、上記と同様の機能が実現される。
また、シャッター部材は、光路22または光路23のいずれか一方を遮蔽する構成であってもよいが、光路22を遮蔽する第1部材および光路23を遮蔽する第2部材を備える構成であってもよい。後者の場合も、第1部材の作動と第2部材の作動とを連動させることにより、上記と同様の機能が実現される。
2.制御部
制御部57は、光路切替部15の動作および復調回路52の動作を制御する。
具体的には、制御部57は、復調回路52の動作状況に応じて、光路切替部15の動作を制御する。復調回路52は、後述するAGC係数記録モードおよび計測モードという2つの動作モードで動作する。制御部57は、この動作モードに応じて、光路切替部15の動作を切り替える。
制御部57のハードウェア構成は、図示しないが、例えば、内部バスで互いに接続されたプロセッサー、メモリーおよび外部インターフェース等を備える。メモリーに記憶されているプログラムをプロセッサーが読み出して実行することにより、例えば、AGC係数記録モードと計測モードとの切り替え制御等、制御部57による各種制御が実現される。
また、図1に示すレーザー干渉計1は、制御部57と接続されている表示部58を備えている。制御部57は、表示部58の表示動作を制御する。これにより、復調回路52の出力結果、エラー内容、報知内容等を表示部58に表示し、ユーザーに知らせることができる。表示部58としては、例えば液晶表示装置等が挙げられる。
3.発振回路
図1に示すように、発振回路54は、光学系50の光変調器12に入力される駆動信号Sdを出力する。また、発振回路54は、復調回路52に入力される基準信号Ssを出力する。
発振回路54には、振動素子30を発振可能な回路であれば、特に限定されず、様々な構成の回路が用いられる。図11は、回路構成の一例として、一段インバーター発振回路の構成を示す回路図である。
図11に示す発振回路54は、回路素子45と、帰還抵抗Rfと、第1制限抵抗R1と、第2制限抵抗R2と、第1コンデンサーCgと、第2コンデンサーCdと、第3コンデンサーC3と、を備えている。
回路素子45は、インバーターICである。回路素子45の端子X1および端子X2は、それぞれインバーターに接続された端子である。端子GNDは、グランド電位に接続され、端子Vccは、電源電位に接続される。端子Yは、発振出力用の端子である。
端子X1とグランド電位との間には、第1コンデンサーCgが接続されている。また、端子X2とグランド電位との間には、互いに直列に接続された第1制限抵抗R1および第2コンデンサーCdが、端子X2側からこの順で接続されている。さらに、端子X1と第1コンデンサーCgとの間には、帰還抵抗Rfの一端が接続され、端子X2と第1制限抵抗R1との間には、帰還抵抗Rfの他端が接続されている。
また、第1制限抵抗R1と第2コンデンサーCdとの間には、第2制限抵抗R2の一端が接続されている。さらに、第1コンデンサーCgおよび帰還抵抗Rfと、第2制限抵抗R2の他端と、の間には、前述した振動素子30が接続されている。つまり、振動素子30が、発振回路54の信号源となっている。
図12は、振動素子30のLCR等価回路の例である。
図12に示すように、振動素子30のLCR等価回路は、直列容量C、直列インダクタンスL、等価直列抵抗R、および並列容量Cで構成されている。
図11に示す発振回路54では、第1コンデンサーCgの容量をCとし、第2コンデンサーCdの容量をCとするとき、負荷容量Cが以下の式(a)で与えられる。
Figure 2022131026000002
そうすると、発振回路54の端子Yから出力される発振周波数foscは、以下の式(b)で与えられる。
Figure 2022131026000003
は、振動素子30の固有振動数である。
上記式(b)によれば、負荷容量Cを適宜変更することにより、端子Yから出力される信号の発振周波数foscを微調整し得ることがわかる。
また、振動素子30の固有振動数fと、発振回路54の発振周波数foscと、の差Δfは、以下の式(c)で与えられる。
Figure 2022131026000004
ここで、C<<C、C<<Cであるので、Δfは、近似的に以下の式(d)で与えられる。
Figure 2022131026000005
したがって、発振回路54の発振周波数foscは、振動素子30の固有振動数fに応じた値となる。
振動素子30が例えば容器70に固定されるとき、固定部を介して温度による膨張応力を受けると、固有振動数fが変動する。また、振動素子30を傾けると、自重による重力等の影響を受けて、固有振動数fが変動する。
発振回路54では、このような理由で固有振動数fが変動したとしても、上記式(d)に基づいて、その変動に連動するように発振周波数foscが変化することになる。つまり、発振周波数foscは、常にΔfだけ、固有振動数fからずれた値となる。これにより、振動素子30は、変位振幅Lを安定して得ることができる。変位振幅Lを安定させることができれば、光変調器12の変調特性を安定化させることができ、復調回路52におけるサンプル信号の復調精度を高めることができる。
一例として、Δf=fosc-f≦600[Hz]であるのが好ましく、240[Hz]≦Δf≦450[Hz]であるのがより好ましい。
なお、発振回路54に代えて、例えばファンクションジェネレーターやシグナルジェネレーター等の信号生成器を用いてもよい。
4.復調回路
復調回路52は、受光素子10から出力された受光信号から、被測定物14に由来するサンプル信号を復調する復調処理を行う。サンプル信号には、例えば位相情報および周波数情報が含まれている。そして、位相情報からは、被測定物14の変位情報を取得することができ、周波数情報からは、被測定物14の速度情報を取得することができる。このように異なる情報を取得することができれば、変位計や速度計としての機能を持たせられるため、レーザー干渉計1の高機能化を図ることができる。
復調回路52は、変調処理の方式に応じて、その回路構成が設定される。本実施形態に係るレーザー干渉計1では、振動素子30を備えた光変調器12が用いられている。振動素子30は、単振動する素子であるため、振動速度が刻々と変化する。このため、変調周波数も時間で変化することになり、従来の復調回路をそのまま用いることはできない。
従来の復調回路とは、音響光学変調器(AOM)を用いて変調された変調信号を含む受光信号からサンプル信号を復調する回路を指す。音響光学変調器では、変調周波数が変化しない。このため、従来の復調回路は、変調周波数が変化しない光変調器で変調された変調信号を含む受光信号からサンプル信号を復調することはできるが、変調周波数が変化する光変調器12で変調された変調信号を含む場合、そのままでは復調することはできない。
そこで、図1に示す復調回路52は、前処理部53と、復調処理部55と、を備えている。受光素子10から出力された受光信号は、まず、前処理部53を通された後、復調処理部55に導かれる。前処理部53は、受光信号に前処理を施す。この前処理により、従来の復調回路で復調可能な信号が得られる。したがって、復調処理部55では、公知の復調方式により、被測定物14由来のサンプル信号を復調する。
4.1.前処理部
図1に示す前処理部53は、第1バンドパスフィルター534と、第2バンドパスフィルター535と、第1遅延調整器536と、第2遅延調整器537と、乗算器538と、第3バンドパスフィルター539と、第1信号振幅検出器540と、第2信号振幅検出器541と、基準信号振幅検出器542と、AGC部543と、B値算出器544と、和算器546と、信号波形検出器547と、を備えている。なお、AGCは、Auto Gain Controlである。
また、受光素子10と前処理部53との間には、受光素子10側から電流電圧変換器531およびADC532がこの順で接続されている。電流電圧変換器531は、トランスインピーダンスアンプであり、受光素子10からの電流出力を電圧信号に変換する。ADC532は、アナログ-デジタル変換器であり、所定のサンプリングビット数でアナログ信号をデジタル信号に変換する。
受光素子10から出力された電流出力は、電流電圧変換器531で電圧信号に変換される。電圧信号は、ADC532でデジタル信号に変換され、分岐部jp1で第1信号S1と第2信号S2の2つに分割される。図1では、第1信号S1の経路を第1信号経路ps1とし、第2信号S2の経路を第2信号経路ps2とする。
さらに、発振回路54と第2遅延調整器537との間には、ADC533が接続されている。ADC533は、アナログ-デジタル変換器であり、所定のサンプリングビット数でアナログ信号をデジタル信号に変換する。
第1バンドパスフィルター534、第2バンドパスフィルター535および第3バンドパスフィルター539は、それぞれ、特定の周波数帯の信号を選択的に透過させるフィルターである。
第1遅延調整器536および第2遅延調整器537は、それぞれ、信号の遅延を調整する回路である。乗算器538は、2つの入力信号の積に比例した出力信号を生成する回路である。
第1信号振幅検出器540は、第1遅延調整器536から出力された第1信号S1の振幅を検出する回路である。
第2信号振幅検出器541は、第3バンドパスフィルター539から出力された第2信号S2の振幅を検出する回路である。
基準信号振幅検出器542は、第2遅延調整器537から出力された基準信号Ssの振幅を検出する回路である。
AGC部543は、基準信号Ssの振幅およびAGC係数に基づいて、第2信号S2の振幅を調整する。これにより、第1信号S1の振幅と第2信号S2の振幅とを揃えることができる。
B値算出器544は、AGC係数の算出に用いたパラメーターから、B値を算出し、記録する。B値とは、後述するように、変調信号の位相偏移である。
和算器546は、2つの入力信号の和に比例した出力信号を生成する回路である。
信号波形検出器547は、和算器546から出力された信号の波形を検出し、検出結果を制御部57に出力する回路である。
次に、第1信号S1、第2信号S2および基準信号Ssの流れに沿って、前処理部53の作動を説明する。
第1信号S1は、第1信号経路ps1上に配置された第1バンドパスフィルター534に通された後、第1遅延調整器536で群遅延が調整される。第1遅延調整器536で調整する群遅延は、後述する第2バンドパスフィルター535による第2信号S2の群遅延に相当する。この遅延調整によって、第1信号S1が通過する第1バンドパスフィルター534と、第2信号S2が通過する第2バンドパスフィルター535および第3バンドパスフィルター539と、の間でフィルター回路の通過に伴う遅延時間を揃えることができる。第1遅延調整器536を通過した第1信号S1は、2つに分割され、一方は第1信号振幅検出器540に入力され、他方は和算器546に入力される。第1信号振幅検出器540では、後述するAGC係数記録モードにおいて、第1信号S1の振幅V1を検出する。検出した振幅V1は、AGC部543およびB値算出器544に入力される。
第2信号S2は、第2信号経路ps2上に配置された第2バンドパスフィルター535に通された後、乗算器538に入力される。乗算器538では、第2信号S2に対し、第2遅延調整器537から出力された基準信号Ssが乗算される。具体的には、発振回路54から出力されたcos(ωt)で表される基準信号Ssは、ADC533でデジタル変換、第2遅延調整器537で位相の調整が行われ、乗算器538に出力される。ωは、光変調器12による変調信号の角周波数であり、tは、時間である。その後、第2信号S2は、第3バンドパスフィルター539に通された後、2つに分割され、一方は第2信号振幅検出器541に入力され、他方はAGC部543に入力される。第2信号振幅検出器541では、後述するAGC係数記録モードにおいて、第2信号S2の振幅V2を検出する。検出した振幅V2は、AGC部543およびB値算出器544に入力される。
基準信号Ssは、ADC533および第2遅延調整器537を経た後、基準信号振幅検出器542に入力される。基準信号振幅検出器542では、後述するAGC係数記録モードにおいて、基準信号Ssの振幅Vqを検出する。検出した振幅Vqは、AGC部543およびB値算出器544に入力される。
AGC部543では、AGC係数記録モードにおいて、第1信号S1の振幅V1、第2信号S2の振幅V2および基準信号Ssの振幅Vqに基づいて、AGC係数を算出し、記録する。また、計測モードでは、AGC部543が、記録しておいたAGC係数、新たに検出した第2信号S2の振幅および基準信号Ssの振幅に基づいて、第2信号S2の振幅を調整する。そして、振幅調整後の第2信号S2は、和算器546に入力される。なお、本実施形態では、AGC部543が第2信号S2の振幅のみを調整するよう構成されているが、AGC部543は、第1信号S1の振幅のみを調整するよう構成されていてもよいし、双方の信号の振幅を調整するよう構成されていてもよい。また、第1信号経路ps1に第2信号S2を通過させ、第2信号経路ps2に第1信号S1を通過するように構成されていてもよい。
B値算出器544では、AGC係数記録モードにおいて検出した第1信号S1の振幅V1、第2信号S2の振幅V2および基準信号Ssの振幅Vqに基づいて、B値を算出する。B値を算出することにより、光変調器12の変位振幅を算出することができる。このため、B値をモニターすることにより、光変調器12の変位振幅を継続して監視し、異常の有無を検出することができる。
和算器546では、第1信号S1と第2信号S2の和に比例する出力信号が、復調処理部55に出力される。
4.2.前処理部の基本原理
次に、前処理部53における前処理の基本原理について説明する。なお、ここでいう基本原理とは、特開平2-38889号公報に記載されている原理のことをいう。また、この基本原理では、変調信号として周波数が正弦波状に変化し、かつ被測定物の変位も光軸方向に単振動で変化している系について考える。ここで、E、E、φを、
Figure 2022131026000006
としたとき、受光素子10から出力される受光信号強度IPDは、理論的に次式で表される。
Figure 2022131026000007
なお、E、E、φ、φ、φ、ω、ω、ω、a、aは、それぞれ以下のとおりである。
Figure 2022131026000008
また、式(4)中の<>は、時間平均を表している。
上記式(4)の第1項および第2項は、直流成分を表しており、第3項は、交流成分を表している。この交流成分をIPD.ACとすると、IPD.ACは次式のようになる。
Figure 2022131026000009
ここで、次式のようなν次ベッセル関数が知られている。
Figure 2022131026000010
上記式(5)を上記式(8)および式(9)のベッセル関数を使って級数展開すると、次のように変形できる。
Figure 2022131026000011
ただし、J(B)、J(B)、J(B)、・・・は、それぞれベッセル係数である。
以上のように展開すると、理論的には、特定の次数に対応する帯域をバンドパスフィルターによって抽出することが可能であるといえる。
そこで、前述した前処理部53では、この理論に基づいて、以下のフローで受光信号に前処理を行っている。
まず、前述したADC532から出力された受光信号は、分岐部jp1で第1信号S1と第2信号S2の2つに分割される。第1信号S1は、第1バンドパスフィルター534に通される。第1バンドパスフィルター534は、中心角周波数がωに設定されている。これにより、第1バンドパスフィルター534を通過後の第1信号S1は、次式で表される。
Figure 2022131026000012
一方、第2信号S2は、第2バンドパスフィルター535に通される。第2バンドパスフィルター535の中心角周波数は、第1バンドパスフィルター534の中心角周波数とは異なる値に設定されている。ここでは、一例として、第2バンドパスフィルター535の中心角周波数が2ωに設定されている。これにより、第2バンドパスフィルター535通過後の第2信号S2は、次式で表される。
Figure 2022131026000013
第2バンドパスフィルター535通過後の第2信号S2には、乗算器538で基準信号Ssが乗算される。乗算後の第2信号S2は、次式で表される。
Figure 2022131026000014
乗算器538通過後の第2信号S2は、第3バンドパスフィルター539に通される。第3バンドパスフィルター539の中心角周波数は、第1バンドパスフィルター534の中心角周波数と同じ値に設定されている。ここでは、一例として、第3バンドパスフィルター539の中心角周波数がωに設定されている。これにより、第3バンドパスフィルター539通過後の第2信号S2は、次式で表される。
Figure 2022131026000015
その後、上記式(11)で表される第1信号S1は、第1遅延調整器536で位相を調整される。
また、上記式(14)で表される第2信号S2も、AGC部543で振幅が調整され、第1信号S1の振幅に対して第2信号S2の振幅が揃えられる。
そして、第1信号S1および第2信号S2は、和算器546で和算される。和算結果は、次式で表される。
Figure 2022131026000016
上記式(15)のように、和算の結果、不要項が消え、必要項を取り出すことができる。この結果が復調処理部55に出力される。
4.3.復調処理部の構成
復調処理部55は、前処理部53から出力された信号から被測定物14に由来する情報を復調する復調処理を行う。復調処理としては、特に限定されないが、公知の直交検波法が挙げられる。直交検波法は、入力信号に対し、互いに直交する信号を外部から混合する操作を行うことにより、復調処理を施す方法である。
図1に示す復調処理部55は、乗算器551と、乗算器552と、移相器553と、第1ローパスフィルター555と、第2ローパスフィルター556と、除算器557と、逆正接演算器558と、出力回路559と、位相波形検出器560と、を備えたデジタル回路である。
4.4.復調処理部による復調処理の原理
復調処理では、まず、前処理部53から出力された信号を、2つに分割する。分割後の一方の信号に対し、乗算器551において、発振回路54から出力した、cos(ωt)で表される基準信号Ssを乗算する。分割後の他方の信号に対しては、乗算器552において、発振回路54から出力した基準信号Ssの位相を移相器553で-90°シフトさせた、-sin(ωt)で表される信号を乗算する。基準信号Ss、および、基準信号Ssの移動をシフトさせた信号は、互いに位相が90°ずれた信号である。
乗算器551を通過した信号は、第1ローパスフィルター555を通され、その後、信号xとして除算器557に入力される。乗算器552を通過した信号は、第2ローパスフィルター556を通され、その後、信号yとして除算器557に入力される。除算器557では、信号yを信号xで除する除算を行い、その出力y/xを逆正接演算器558に通して、出力atan(y/x)を求める。
その後、出力atan(y/x)を出力回路559に通すことにより、被測定物14由来の情報として位相φが求められる。出力回路559では、位相アンラップ処理により、隣り合う点に2πの位相飛びがある場合の位相接続を行う。復調処理部55から出力された位相情報から、被測定物14の変位情報を算出することができる。これにより、被測定物14の変位を計測する変位計が実現される。また、変位情報から、速度情報を求めることができる。これにより、被測定物14の速度を計測する速度計が実現される。
以上、復調処理部55の回路構成について説明したが、上記のデジタル回路の回路構成は、一例であり、これに限定されない。また、復調処理部55は、デジタル回路に限定されず、アナログ回路であってもよい。アナログ回路には、F/Vコンバーター回路やΔΣカウンター回路が含まれていてもよい。
また、上述した復調処理部55の回路構成は、被測定物14由来の周波数情報が求められるようになっていてもよい。周波数情報に基づいて、被測定物14の速度情報を算出することができる。
4.5.復調可能条件
ここで、前述した前処理部53の基本原理では、AGC部543において、第1信号S1の振幅に対して第2信号S2の振幅が揃えられる。つまり、式(11)に含まれる係数-2J(B)と、式(14)に含まれる係数J(B)と、を揃えることが必要になる。これらの係数に含まれるJ(B)、J(B)は、前述したベッセル係数であるが、このうちのB値は、前述したように、変調信号の位相偏移であり、具体的には、変調信号の周波数に対する変調信号のドップラー周波数偏移の比である。一方、式(11)および式(14)に含まれるA値は、サンプル信号の位相偏移であり、具体的には、サンプル信号の周波数に対するサンプル信号のドップラー周波数偏移の比である。B値は、光学系50の設定によって決定され、設定が同じであれば原則として一定値となる。このような理由から、AGC部543では、AGC係数記録モードにおいて、第1信号S1の振幅V1、第2信号S2の振幅V2および基準信号Ssの振幅Vqに基づいて、J(B)とJ(B)の比を含む「AGC係数」を算出する。そして、計測モードでは、このAGC係数に基づいて、AGC部543は、第2信号S2の振幅を第1信号S1の振幅に揃えることができる。
しかしながら、このような振幅の調整が可能になるのは、式(11)中の係数-2J(B)以外の部分と、式(14)中の係数J(B)以外の部分が、それぞれ最大値1、最小値-1の範囲で周期変動している場合に限られる。式(11)中の係数-2J(B)以外の部分は、以下の式(16)で表される。式(14)中の係数J(B)以外の部分は、以下の式(17)で表される。
Figure 2022131026000017
したがって、AGC部543において振幅の調整を可能にするためには、式(16)および式(17)が、それぞれ最大値1、最小値-1の範囲で周期変動しているという条件を満たす必要がある。
ここで、変調信号の角周波数ωは、サンプル信号の角周波数ωに比べて十分に大きく、ω>>ωが成り立つ。したがって、上記条件を満たすためには、式(16)のうち、sin(Asinωt-φ)の絶対値の最大値が1であること、および、式(17)のうち、cos(Asinωt-φ)の絶対値の最大値が1であること、が条件となる。この条件が満たされることにより、前処理部53での前処理が可能になり、最終的に復調処理部55での復調処理が可能になる。したがって、この条件を「復調可能条件」という。
以上をまとめると、以下の式(18)および式(19)の双方が成り立つことが、復調可能条件となる。
Figure 2022131026000018
この復調可能条件が成り立つためには、Asinωt-φの値の範囲がπ以上である必要がある。ここで、光路位相差φは、通常、任意の値をとることができない。そうすると、Asinωt-φの値の範囲がπ以上であるためには、特にA値について、以下の式を満たすことが求められる。
Figure 2022131026000019
一方、裏を返すと、式(20)が成り立たない場合には、復調可能条件を満たすことができないということになる。そこで、本実施形態では、式(20)の条件によらずにAGC部543における第2信号S2の振幅の調整を可能にするため、被測定物14とは別の標準サンプル17を用いる。具体的には、標準サンプル17からの標準物体光L4を受光する機構を設け、標準物体光L4から、前述したJ(B)とJ(B)の比を求める。標準サンプル17には、式(20)の条件を満たすものを選択する。これにより、被測定物14の状態によらず、AGC部543の作動に必要なAGC係数を求めることができる。そして、計測モードでは、算出したAGC係数を用いることで、被測定物14によらず、被測定物14由来の位相情報や周波数情報を求めることができ、被測定物14の変位情報や速度情報を求めることができる。
4.6.AGC部の作動原理
次に、AGC部543が作動する原理について説明する。
AGC係数CAGCは、前述した基本原理に基づき、第2信号S2の振幅を第1信号S1の振幅に揃えるための係数であるから、以下の式(21)で表される。
Figure 2022131026000020
ここで、Vqは、基準信号Ssの振幅である。
このAGC係数CAGCは、標準物体光L4の受光信号を分割した第1信号S1の振幅V1と第2信号S2の振幅V2の比から算出することができる。具体的には、振幅V1および振幅V2と、AGC係数CAGCと、の間には、以下の式(22)で表される関係が成り立つ。
Figure 2022131026000021
以上のようにしてAGC係数CAGCを求めることができる。そして、後述する計測モードでは、算出したAGC係数CAGCを用いることにより、AGC部543において第2信号S2の振幅を第1信号S1の振幅に揃えることができる。これにより、前述した式(20)が成り立たない場合でも、復調回路52における復調処理が可能になる。
4.7.レーザー干渉計の動作モード
レーザー干渉計1の動作モードには、前述したように、AGC係数記録モードと、計測モードと、がある。以下、これらを順に説明する。
4.7.1.AGC係数記録モード
4.7.1.1.AGC係数の算出および記録
レーザー干渉計1の制御部57は、AGC係数記録モードを選択すると、光路変更素子153を第1位置P1に配置するように光路切替部15の動作を制御する。光路変更素子153を第1位置P1に配置すると、出射光L1が標準サンプル17に入射し、標準物体光L4が生成される。標準物体光L4が受光素子10に受光されると、第1信号振幅検出器540により第1信号S1の振幅V1が得られ、第2信号振幅検出器541により第2信号S2の振幅V2が得られる。また、一方、基準信号振幅検出器542により、基準信号Ssの振幅Vqが得られる。AGC部543では、これらのパラメーターに基づいて、AGC係数CAGCを算出し、記録する。
標準サンプル17は、標準サンプル信号の位相偏移、具体的には、標準サンプル信号の周波数に対する標準サンプル信号のドップラー周波数偏移の比であるA値について、前述した式(20)の条件を満たすものである。標準サンプル17は、好ましくは光路23に沿って単振動している光反射体である。このため、前述した式(20)を標準サンプル17に適用した場合、式(23)のように変形することができる。
Figure 2022131026000022
式(23)において、famaxは、標準サンプル17由来の標準サンプル信号のドップラー周波数偏移であり、faは、標準サンプル信号の周波数であり、Laは、標準サンプル17の光路23に沿った変位量であり、λは、出射光L1の波長である。式(23)から標準サンプル17に必要な変位量Laは、式(24)で表される。
Figure 2022131026000023
式(24)から、標準サンプル17では、光路23に沿った変位量Laが出射光L1の波長λの1/8以上であることが好ましい。このような条件を満たす標準サンプル17を用いることで、AGC係数記録モードでは、式(23)の条件を満たした状態で第1信号S1の振幅V1および第2信号S2の振幅V2を求めることができる。その結果、AGC係数記録モードでは、理論的には、正しいAGC係数CAGCを求めることができる。なお、変位量Laがこのような条件を満たしていれば、標準サンプル17は、必ずしも往復振動していなくてもよい。つまり、標準サンプル17は、変位量La以上で一方向に移動するように構成されたデバイスであってもよい。
標準サンプル17は、前述したように、出射光L1を反射する光反射面を有する光反射体である。標準サンプル17は、面内振動、すなわち光反射面と平行に変位するデバイスであってもよいが、好ましくは面外振動、すなわち光反射面と交差する面外方向に変位するデバイスとされる。このような面外方向に変位するデバイスを用いることにより、光路23に沿った変位量Laを効率よく確保することができる。
標準サンプル17の具体例としては、圧電素子、MEMS素子等が挙げられる。
このうち、圧電素子は、逆圧電効果による変位を利用して光反射面を振動させる素子である。圧電素子としては、例えば、水晶振動子、ピエゾアクチュエーター等が挙げられる。
水晶振動子は、例えば、水晶で構成された振動片と、振動片に設けられた光反射面と、を有する。そして、水晶が示す逆圧電効果により、例えば振動片が厚み方向に屈曲振動する。この屈曲振動に基づいて、出射光L1を反射する光反射面を光路23に沿って往復振動させる。これにより、標準物体光L4が生成される。
なお、振動片としては、振動安定性等を考慮すると、屈曲振動モードで32kHzの共振周波数を有する音叉型の振動片が好ましく用いられる。このような音叉型の水晶振動片では、例えば振動片に印加する電圧が3V程度であっても、1μm以上の変位量Laを確保することができる。このため、特に標準サンプル17の低電圧駆動が可能になり、自励発振が可能であることも踏まえると、標準サンプル17の小型化および省電力化を図ることができる。
ピエゾアクチュエーターは、圧電体と、圧電体に設けられた電極層および光反射面と、を有する。圧電体を構成する圧電材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、チタン酸鉛等の圧電セラミックス、ポリフッ化ビニリデン等の圧電プラスチック等が挙げられる。圧電体は、交流電界が印加されることにより、例えば伸縮振動する。この伸縮振動に基づいて、出射光L1を反射する光反射面を光路23に沿って往復振動させる。これにより、標準物体光L4が生成される。
例えば、積層ピエゾアクチュエーターの場合、圧電体に10kHzの周波数で7V程度の交流電圧を印加すると、波長850nmの出射光L1について前述した式(24)の条件を満たす変位量Laを確保し得る素子がある。
一方、MEMS素子としては、例えば、シリコン振動子、MEMS振動ミラー素子等が挙げられる。なお、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)とは、微小電気機械システムのことである。
シリコン振動子は、例えば、シリコンで構成された振動片と、振動片に設けられた圧電体層および電極層と、振動片に設けられた光反射面と、を有する。圧電体層は、交流電界が印加されることにより、例えば振動片を屈曲振動させる。この屈曲振動に基づいて、出射光L1を反射する光反射面を光路23に沿って往復振動させる。これにより、標準物体光L4が生成される。
MEMS振動ミラー素子は、例えば、一対のトーションバーと、トーションバー同士の間に懸架された可動部と、可動部に設けられた光反射面と、を有する。可動部は、トーションバーとともに、MEMS技術を用いて形成されている。そして、可動部は、トーションバーを回動軸として、回動軸まわりに回動往復振動する。この回動往復振動に基づいて、出射光L1を反射する光反射面を光路23に沿って往復振動させる。これにより、標準物体光L4が生成される。なお、可動部を駆動する方式としては、例えば、電磁駆動方式、静電駆動方式、圧電駆動方式等が挙げられる。
以上のように、標準サンプル17(光反射体)には、圧電素子またはMEMS素子が好ましく用いられる。これらの素子は、高いQ値により、自励発振が可能であるため、発振回路を用いて簡単な発振機構でも、精度の高い振動特性を示す。このため、これらの素子を標準サンプル17に用いることで、より精度の高いAGC係数CAGCを求めることができ、かつ、レーザー干渉計1の小型化および軽量化を容易に図ることができる。また、発振機構が簡単であれば、消費電力を抑えることができるため、レーザー干渉計1の省電力化を容易に図ることができる。
一方、標準サンプル17は、上述した圧電素子やMEMS素子以外の構造体であってもよい。
図13ないし図16は、それぞれ、標準サンプル17の一例を示す概念図である。
図13に示す標準サンプル17Aは、片持ち梁171と、片持ち梁171に設けられた光反射面172と、片持ち梁171を駆動する駆動部173と、を有する。駆動部173は、例えば、回転軸AXまわりに回転する回転部174と、回転部174に設けられた突起部175と、を備える。回転部174が回転軸AXまわりに1回転するたびに、突起部175が片持ち梁171に当たって弾く動きを与える。これにより、光反射面172は、光路23に沿って往復振動しながら出射光L1を反射し、標準物体光L4が生成される。
図14に示す標準サンプル17Bは、図13に示す片持ち梁171を音叉型振動片176に変更した以外、標準サンプル17Aと同様である。
図15に示す標準サンプル17Cは、図13に示す駆動部173を励振器177に変更した以外、標準サンプル17Aと同様である。励振器177としては、例えば、音響スピーカー等が挙げられる。音響スピーカーは、片持ち梁171に向けて音波を発生することにより、片持ち梁171に振動を与える。これにより、光反射面172は、光路23に沿って往復運動しながら出射光L1を反射し、標準物体光L4が生成される。
図16に示す標準サンプル17Dは、図15に示す片持ち梁171を音叉型振動片176に変更した以外、標準サンプル17Cと同様である。
以上のように、標準サンプル17A、17Bは、光反射面172を移動させる光反射面駆動部として駆動部173を有し、標準サンプル17C、17Dは、光反射面172を移動させる光反射面駆動部として励振器177を有する。
このような構成によれば、特に簡単な構成でも、光反射面172を光路23に沿って往復振動させることができる。このため、レーザー干渉計1の小型化、軽量化、省電力化および低コスト化を容易に図ることができる。
また、標準サンプル17では、前述したように、光反射面172が、光路23(第2光路)に沿って単振動する。出射光L1(第1レーザー光)の波長をλとしたとき、単振動する光反射面172の変位量Laは、La≧λ/8を満たすことが好ましい。これにより、標準物体光L4に含まれる標準サンプル信号は、単振動の1周期を超える時間の信号を含むことになる。これにより、より精度の高いAGC係数CAGCを求めることができる。
なお、正しいAGC係数CAGC、すなわち、復調処理部55で十分な精度の復調処理を行うことができるAGC係数CAGCが算出できたか否かは、AGC部543において記録したAGC係数CAGCを用いて第2信号S2の振幅を実際に調整し、信号波形検出器547に入力された信号の波形から確認することができる。
図17は、信号波形検出器547に入力された信号が、正しいAGC係数CAGCを用いた振幅の調整を経て生成された信号であるか、または、不適なAGC係数CAGCを用いた振幅の調整を経て生成された信号であるか、を区別するための波形の一例である。
AGC部543において正しいAGC係数CAGCを用いた振幅の調整が行われた場合には、信号波形検出器547に入力される信号の波形、すなわち入力電圧の時間変化を表す振動波形は、図17にOKで示すように、2本の包絡線が互いにほぼ平行な直線になる。これに対し、AGC部543において不適なAGC係数CAGCを用いた振幅の調整が行われた場合には、信号波形検出器547に入力される信号の波形が、図17にNGで示すように、2本の包絡線がそれぞれ波状の曲線になる。信号波形検出器547では、このような包絡線の形状を検出し、検出結果を制御部57に出力する。制御部57は、この検出結果を表示部58に表示させることにより、AGC係数CAGCの良否をユーザーに知らせる。これにより、ユーザーは、例えばAGC係数記録モードを再度実行したり、AGC係数CAGCが不良になった原因を調査したりすることができる。
また、正しいAGC係数CAGCが算出できたか否かは、信号波形検出器547に入力された信号の波形だけではなく、復調処理部55から出力され、位相波形検出器560に入力された位相の波形からも確認することができる。
図18は、位相波形検出器560に入力された位相が、正しいAGC係数CAGCを用いた振幅の調整を経て算出された位相であるか、または、不適なAGC係数CAGCを用いた振幅の調整を経て算出された位相であるか、を区別するための波形の一例である。
AGC部543において正しいAGC係数CAGCを用いた振幅の調整が行われた場合には、位相波形検出器560に入力される位相の波形、すなわち位相の時間変化を表す波形は、図18にOKで示すように、標準サンプル17に由来して、例えば単振動を表す正弦波状の曲線になる。これに対し、AGC部543において不適なAGC係数CAGCを用いた振幅の調整が行われた場合には、位相波形検出器560に入力される位相の波形が、図18にNGで示すように、正弦波状ではない曲線になる。位相波形検出器560では、このような位相の波形を検出し、検出結果を制御部57に出力する。制御部57は、この検出結果を表示部58に表示させることにより、AGC係数CAGCの良否をユーザーに知らせる。これにより、ユーザーは、例えばAGC係数記録モードを再度実行したり、AGC係数CAGCが不良になった原因を調査したりすることができる。
また、正しいAGC係数CAGCが用いられていたことを確認すると、復調処理部55から出力された変位も十分な精度を有していると認められる。
標準サンプル17について求めた変位情報や周波数情報は、標準サンプル17の健全性を評価する指標となる。このため、例えば出力回路559は、標準サンプル17の変位情報や周波数情報を取得し、制御部57に出力する機能を有していてもよい。制御部57は、これらの情報を表示部58に表示させる機能や、保存しておいたしきい値に基づいて標準サンプル17の異常の有無を評価し、評価結果を表示部58に表示させる機能等を有していてもよい。これらの機能により、ユーザーは、標準サンプル17の健全性を知ることができ、必要に応じて、標準サンプル17を修理したり、交換したりすることができる。
4.7.1.2.B値の算出
以上のようにして、AGC係数CAGCを算出した後、必要に応じて、B値を算出し、記録するようにしてもよい。
B値算出器544は、AGC係数記録モードにおいて、第1信号S1の振幅V1、第2信号S2の振幅V2および基準信号Ssの振幅Vqから、式(22)に基づいてベッセル係数の比J(B)/J(B)の実測値を求める。
一方、ベッセル係数J(B)の理論値およびベッセル係数J(B)の理論値は、それぞれ、公知のベッセル関数の式から算出することができる。そうすると、ベッセル係数の比J(B)/J(B)の実測値を、理論値に対してフィッティングすることにより、B値の近似値を求めることができる。
なお、ベッセル係数の比J(B)/J(B)と、その比から算出されるB値と、の関係をテーブル化し、B値算出器544に格納しておいてもよい。これにより、B値算出器544は、算出したAGC係数CAGCからベッセル係数の比J(B)/J(B)を求め、さらにB値を簡単に求めることができる。このため、演算の負荷を減らすことができ、B値算出器544の構成を簡素化することができる。
4.7.2.計測モード
制御部57は、計測モードを選択すると、光路変更素子153を第2位置P2に配置するように、すなわち、第1位置P1にあった場合には第2位置P2に移動させるように、光路切替部15の動作を制御する。光路変更素子153を第2位置P2に配置すると、出射光L1が被測定物14に入射し、物体光L3が生成される。物体光L3が受光素子10に受光されると、AGC部543では、記録しておいたAGC係数CAGCに基づいて、物体光L3に由来する第2信号S2の振幅を調整する。具体的には、前述した式(22)の右辺を、第2信号S2に乗算する。これにより、第1信号S1の振幅に対して第2信号S2の振幅が揃えられる。これにより、和算器546における和算によって不要項を消去し、必要項を取り出すことができる。その結果、復調処理部55における復調処理が可能な信号を出力することができる。
なお、AGC部543では、AGC係数記録モードで記録したAGC係数CAGCの固定値を用いて第2信号S2の振幅を調整してもよいが、AGC係数CAGCに含まれる基準信号Ssの振幅Vqについては、リアルタイムに取得した値に置き換えるようにしてもよい。すなわち、計測モードでは、第2信号S2の振幅を調整するタイミングで、AGC部543は、基準信号振幅検出器542で検出した基準信号Ssの振幅Vqを取得し、取得した振幅Vqを記録しておいたAGC係数CAGCに反映させる機能、および、更新後のAGC係数CAGCを用いて第2信号S2の振幅を調整する機能、を有していてもよい。これにより、電源電圧の変動、発振回路54の温度特性等の原因によって、基準信号Ssの振幅Vqが変化した場合でも、その変化後の振幅VqをAGC係数CAGCに反映させることができる。その結果、より精度の高いAGC係数CAGCを用いて第2信号S2の振幅を調整することができる。
以上のように、本実施形態に係るレーザー干渉計1は、光源2と、光変調器12と、光路切替部15と、標準サンプル17(光反射体)と、受光素子10と、を備える。
光源2は、出射光L1(第1レーザー光)を射出する。光変調器12は、振動素子30を備え、振動素子30を用いて出射光L1を周波数の異なる参照光L2(第2レーザー光)に変調する。光路切替部15は、出射光L1が進行する光路22(第1光路)に配置され、出射光L1の進行方向を光路22と、光路22とは異なる光路23(第2光路)と、の間で切り替える。標準サンプル17は、光路23に沿って移動し、光路23を進行する出射光L1を反射する光反射面172を有する。受光素子10は、出射光L1が被測定物14(測定対象物)で反射して生成された物体光L3(第3レーザー光)と、参照光L2と、の第1干渉光、および、出射光L1が光反射面172で反射して生成された標準物体光L4(第4レーザー光)と、参照光L2と、の第2干渉光、を受光して受光信号を出力する。
このような構成によれば、被測定物14の状態に依存するA値が復調回路52における復調処理において適当でない値である場合でも、AGC係数CAGCを用いることで、復調処理に必要な前処理、そしてその後の復調処理を適切に行うことができる。これにより、被測定物14の状態によらず、被測定物14に由来する情報を受光信号から高い復調精度で復調することができ、精度の高い変位情報や速度情報等を求めることが可能なレーザー干渉計1を実現することができる。また、光変調器12が備える振動素子30は、体積が非常に小さく、発振に要する電力も小さいため、レーザー干渉計1の小型化および省電力化を容易に図ることができる。
また、レーザー干渉計1は、復調回路52を備える。復調回路52は、前述したように、被測定物14(測定対象物)に由来する情報を復調する回路である。また、復調回路52は、分岐部jp1と、第1信号経路ps1と、第2信号経路ps2と、第1信号振幅検出器540と、第2信号振幅検出器541と、AGC部543と、を含む。分岐部jp1は、受光信号を第1信号S1および第2信号S2に分割する。第1信号経路ps1は、第1信号S1を伝搬する。第2信号経路ps2は、第2信号S2を伝搬する。第1信号振幅検出器540は、第1信号S1の振幅を検出する。第2信号振幅検出器541は、第2信号S2の振幅を検出する。AGC部543は、光路切替部15が出射光L1の進行方向を光路23(第2光路)に切り替えているとき、すなわち、一例としてAGC係数記録モードが選択されているとき、第1信号S1の振幅および第2信号S2の振幅に基づくAGC係数CAGCを記録する。また、AGC部543は、光路切替部15が出射光L1の進行方向を光路22(第1光路)に切り替えているとき、すなわち、一例として計測モードが選択されているとき、AGC係数CAGCに基づいて第2信号S2の振幅を調整する。
このような構成によれば、計測モードで被測定物14についての計測を行う前に、AGC係数記録モードにおいて、AGC係数CAGCを記録することができる。これにより、環境の変化によってAGC係数CAGCが変化している場合でも、最新の値に更新することができる。その結果、より正しいAGC係数CAGCを用いて復調処理を行うことができ、最終的に精度の高い変位情報や速度情報等を求めることができる。
5.制御部の作動
図19は、制御部による各部の制御を説明するためのフローチャートである。
図19に示すステップS102では、制御部57が、光源2、光変調器12、標準サンプル17等を起動する。
ステップS104では、制御部57の制御により、光路変更素子153を第1位置P1に配置する。
ステップS106では、制御部57においてAGC係数記録モードを実行する。これにより、復調回路52のAGC部543は、ステップS108において、AGC係数CAGCを算出し、ステップS110において、算出したAGC係数CAGCを記録する。その後、必要に応じて、算出したAGC係数CAGCが正しいか否かを確認し、正しくない場合には再度AGC係数CAGCを算出するようにしてもよい。
ステップS112では、制御部57の制御により、光路変更素子153を第2位置P2に配置する。
ステップS114では、制御部57において計測モードを実行する。これにより、復調回路52は、ステップS116において、記録しておいたAGC係数CAGCを用いて復調処理を行う。その結果、被測定物14由来の情報を得ることができる。
ステップS118では、制御部57において計測モードを終了するか否かを判断する。AGC係数CAGCが不適である場合には、一旦、計測モードを終了し、後述するステップS120を経てAGC係数CAGCを更新すればよい。AGC係数CAGCが正しく、計測を続けてもよい場合には、ステップS114に戻って計測を継続する。
ステップS120では、AGC係数CAGCを維持するか否かを判断する。AGC係数CAGCが正しい場合には、フローを終了し、AGC係数CAGCが不適である場合には、ステップS104に戻る。
6.第1変形例
次に、第1変形例に係るレーザー干渉計について説明する。
図20は、第1変形例に係るレーザー干渉計が備える復調回路を示す機能ブロック図である。
以下、第1変形例について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、各図において、前記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
図20に示す復調回路52Aは、AGC部543AおよびB値算出器544Aの構成が異なること以外、図1に示す復調回路52と同様である。
前述した実施形態では、AGC部543において、第1信号S1の振幅V1、第2信号S2の振幅V2および基準信号Ssの振幅VqからAGC係数CAGCを算出している。また、AGC係数CAGCの算出に用いたパラメーターから、B値算出器544においてB値を算出している。
これに対し、第1変形例では、前処理部53に入力される前の受光信号に基づいて、B値算出器544AにおいてB値を算出する。そして、AGC部543Aは、第1信号S1の振幅V1、第2信号S2の振幅V2、基準信号Ssの振幅Vqおよび算出したB値に基づいて、AGC係数CAGCを算出する。
図20に示す前処理部53Aは、前述した前処理部53が備える構成に加え、最大AC成分幅検出器562と、最大DC成分幅検出器563と、B値算出器544Aと、AGC部543Aと、を含む。
前処理部53Aでは、ADC532から出力された受光信号が、分岐部jp2で第3信号S3と第4信号S4の2つに分割される。第3信号S3は、最大AC成分幅検出器562に入力され、第4信号S4は、最大DC成分幅検出器563に入力される。最大AC成分幅検出器562は、AGC係数記録モードにおいて、標準サンプル信号を含む受光信号について最大AC成分幅を検出する。最大DC成分幅検出器563は、AGC係数記録モードにおいて、標準サンプル信号を含む受光信号について最大DC成分幅を検出する。
図21は、標準サンプル信号を含む受光信号の波形の一例を示す図である。
図21に示す波形は、相対的に長い周期を持つ成分と、相対的に短い周期を持つ成分と、が重なっている。相対的に長い周期を持つ成分がDC成分に相当し、相対的に短い周期を持つ成分がAC成分に相当する。なお、AC成分は、その周期が非常に短いため、図21では波形が分解されず、塗りつぶされた状態に描かれている。なお、図21に示す波形は、標準サンプル信号の周波数が10kHz、標準サンプル17における光反射面172の変位量Laが150nm、光変調器12の変調信号の周波数が5MHz、出射光L1の波長が850nmであるときの波形例である。
最大DC成分幅は、図21に示すように、AC成分を除いたときの受光信号全体の最大幅であり、最大AC成分幅は、図21に示すように、DC成分の幅の中心位置におけるAC成分の振幅である。最大AC成分幅検出器562では、最大AC成分幅を検出する機能を有する。最大DC成分幅検出器563は、最大DC成分幅を検出する機能を有する。
ここで、本発明者は、最大AC成分幅/最大DC成分幅の比が、B値との間に相関関係を有することを見出した。この相関関係を用いることにより、B値算出器544Aでは、最大AC成分幅/最大DC成分幅の比からB値を算出することができる。そして、AGC部543Aでは、このB値を用いて、AGC係数CAGCを算出することができる。
図22は、最大AC成分幅/最大DC成分幅の比と、B値と、の間に成り立つ相関関係を示すグラフの一例である。図22に示すグラフでは、横軸(x軸)を最大AC成分幅/最大DC成分幅の比とし、縦軸(y軸)をB値としている。図22に示すように、最大AC成分幅/最大DC成分幅の比、および、B値は、決定係数Rが十分に大きい関数が成り立つ。したがって、この関数に基づくことで、B値算出器544Aでは、B値を容易に算出することができる。なお、図22に示す関数の式は一例であり、これに限定されない。
また、この関数をテーブル化し、B値算出器544Aに格納しておいてもよい。これにより、B値算出器544Aは、B値を簡単に求めることができる。このため、演算の負荷を減らすことができ、B値算出器544Aの構成を簡素化することができる。
AGC部543Aでは、第1信号S1の振幅V1、第2信号S2の振幅V2、基準信号Ssの振幅Vqおよび算出したB値に基づいて、AGC係数CAGCを算出する。そして、算出したAGC係数CAGCを記録する。
図23は、図20に示す制御部による各部の制御を説明するためのフローチャートである。以下、図19に示すフローチャートとの相違点のみ説明する。
ステップS107では、復調回路52のB値算出器544Aが、B値を算出する。ステップS108では、AGC部543Aが、算出したB値等に基づいてAGC係数CAGCを算出する。
以上のように、第1変形例に係るレーザー干渉計1は、復調回路52Aを備える。復調回路52Aは、前述したように、被測定物14(測定対象物)に由来する情報を復調する回路である。また、復調回路52Aは、分岐部jp1と、第1信号経路ps1と、第2信号経路ps2と、第1信号振幅検出器540と、第2信号振幅検出器541と、B値算出器544A(指標算出部)と、AGC部543Aと、を含む。分岐部jp1は、受光信号を第1信号S1および第2信号S2に分割する。第1信号経路ps1は、第1信号S1を伝搬する。第2信号経路ps2は、第2信号S2を伝搬する。第1信号振幅検出器540は、第1信号S1の振幅を検出する。第2信号振幅検出器541は、第2信号S2の振幅を検出する。B値算出器544Aは、光路切替部15が出射光L1の進行方向を光路23(第2光路)に切り替えているとき、すなわち、一例としてAGC係数記録モードが選択されているとき、受光信号の波形と、B値(光変調器12に関する指標)と、の間に成り立つ相関関係に基づいて、受光信号からB値を算出し、記録する。AGC部543Aは、光路切替部15が出射光L1の進行方向を光路22(第1光路)に切り替えているとき、すなわち、一例として計測モードが選択されているとき、AGC係数CAGCに基づいて第2信号S2の振幅を調整する。
このような構成によれば、計測モードで被測定物14についての計測を行う前に、AGC係数記録モードにおいて、AGC係数CAGCを記録することができる。これにより、環境の変化によってAGC係数CAGCが変化している場合でも、最新の値に更新することができる。その結果、より正しいAGC係数CAGCを用いて復調処理を行うことができ、最終的に精度の高い変位情報や速度情報等を求めることができる。
7.第2変形例
次に、第2変形例に係るレーザー干渉計について説明する。
図24は、第2変形例に係るレーザー干渉計が備える復調回路を示す機能ブロック図である。
以下、第2変形例について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、各図において、前記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
図24に示す復調回路52Bは、復調処理部55Bの構成が異なること以外、図1に示す復調回路52と同様である。なお、復調回路52Bは、信号処理の順序が異なっているものの、基本的な復調原理は、復調回路52と同様である。
復調回路52Bは、前述した前処理部53の構成要素に加え、遅延調整器565と、移相器566と、乗算器567と、AGC部543Bと、B値算出器544Bと、を備えている。
第1信号経路ps1には、分岐部jp1と除算器557との間に、分岐部jp1側から、第1バンドパスフィルター534、乗算器551および第1ローパスフィルター555がこの順で設けられている。
第2信号経路ps2には、分岐部jp1と除算器557との間に、分岐部jp1側から、第2バンドパスフィルター535、乗算器552、第2ローパスフィルター556およびAGC部543Bがこの順で設けられている。
第1信号S1は、第1信号経路ps1上に配置された第1バンドパスフィルター534に通された後、乗算器551で信号が乗算される。乗算器551で乗算される信号は、基準信号Ssを第3バンドパスフィルター539、遅延調整器565および移相器566に順次通した信号である。なお、遅延調整器565は、図1に示す第1遅延調整器536と同様の構成を有する。また、移相器566は、図1に示す移相器553と同様の構成を有する。乗算器551の出力信号は、第1ローパスフィルター555を通された後、除算器557に入力される。除算器557に入力される第1信号S1を信号xとする。
第2信号S2は、第2信号経路ps2上に配置された第2バンドパスフィルター535に通された後、乗算器552で信号が乗算される。乗算器552で乗算される信号は、基準信号Ssを第3バンドパスフィルター539および遅延調整器565に順次通した後、乗算器567で2乗された信号である。
AGC部543Bでは、AGC係数記録モードにおいて、第1信号S1の振幅V1、第2信号S2の振幅V2および基準信号Ssの振幅Vqに基づいて、AGC係数CAGCを算出し、記録する。また、計測モードでは、AGC部543Bが、記録しておいたAGC係数CAGC、新たに検出した第2信号S2の振幅および基準信号Ssの振幅に基づいて、第2信号S2の振幅を調整する。そして、振幅調整後の第2信号S2は、除算器557に入力される。除算器557に入力される第2信号S2を信号yとする。
除算器557では、信号yを信号xで除する除算を行い、その出力y/xを逆正接演算器558に通して、出力atan(y/x)を求める。その後、出力atan(y/x)を出力回路559に通すことにより、被測定物14由来の情報として位相φが求められる。
また、B値算出器544Bでは、AGC係数記録モードにおいて検出した第1信号S1の振幅V1、第2信号S2の振幅V2および基準信号Ssの振幅Vqに基づいて、B値を算出する。
以上のような第2変形例においても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
8.第3、第4変形例
次に、第3、第4変形例に係るレーザー干渉計について説明する。
図25は、第3変形例に係るレーザー干渉計が備える光学系の実装構造を示す概略構成図である。図26は、第4変形例に係るレーザー干渉計が備える光学系の実装構造を示す概略構成図である。
以下、第3、第4変形例について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図25および図26において、前記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
図25に示すレーザー干渉計1の光学系50Dは、基板39を備えている。光源2、光変調器12および受光素子10は、それぞれ、この基板39上に実装されている。そして、図25に示す基板39には、光路22と直交する方向に沿って、受光素子10、光源2および光変調器12がこの順で並ぶように配置されている。
また、図25に示す光学系50Dは、プリズム40、42を備えている。プリズム40は、受光素子10と検光子9との間の、光路24上に設けられている。プリズム42は、光変調器12と1/4波長板8との間の、光路20上に設けられている。
さらに、図25に示す光学系50Dは、凸レンズ44を備えている。凸レンズ44は、光源2と偏光ビームスプリッター4との間の、光路18上に設けられている。凸レンズ44を設けることにより、光源2から出た出射光L1を集束させて、有効に利用することができる。
そして、図25に示す光路切替部15は、偏光ビームスプリッター4と被測定物14との間の光路22上に配置されている。
図26に示すレーザー干渉計1の光学系50Eは、素子等の配置が異なる以外、図25に示す光学系50Dと同様である。
図26に示す基板39には、光路22と直交する方向に沿って、光源2、受光素子10および光変調器12がこの順で並ぶように配置されている。プリズム40は、光路18上に設けられ、プリズム42は、光路20上に設けられている。
そして、図26に示す光路切替部15は、偏光ビームスプリッター4と被測定物14との間の光路22上に配置されている。
以上のような図25および図26に示す実装構造によれば、レーザー干渉計1の小型化を容易に図ることができる。なお、素子の配置は、図示した配置に限定されない。
また、図25および図26に示す実装構造では、受光素子10のサイズが例えば0.1mm角であり、光源2のサイズが例えば0.1mm角であり、光変調器12のサイズが例えば0.5~10mm角である。そして、これらを実装する基板39のサイズについては、例えば1~10mm角とされる。これにより、この基板39のサイズ程度まで、光学系の小型化を図ることができる。
以上のような第3、第4変形例においても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明のレーザー干渉計を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明のレーザー干渉計は、前記実施形態に限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、前記実施形態に係るレーザー干渉計には、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明の実施形態は、前記実施形態および前記各変形例のうちの任意の2つ以上を含み合わせたものであってもよい。
1…レーザー干渉計、2…光源、4…偏光ビームスプリッター、6…1/4波長板、8…1/4波長板、9…検光子、10…受光素子、12…光変調器、14…被測定物、15…光路切替部、16…セット部、17…標準サンプル、17A…標準サンプル、17B…標準サンプル、17C…標準サンプル、17D…標準サンプル、18…光路、20…光路、22…光路、23…光路、24…光路、30…振動素子、30A…振動素子、30B…振動素子、31…基板、32…溝、33…パッド、34…回折格子、35…パッド、36…振動方向、37…ミラー、39…基板、40…プリズム、42…プリズム、44…凸レンズ、45…回路素子、50…光学系、50D…光学系、50E…光学系、51…センサーヘッド部、52…復調回路、52A…復調回路、52B…復調回路、53…前処理部、53A…前処理部、54…発振回路、55…復調処理部、55B…復調処理部、57…制御部、58…表示部、70…容器、72…容器本体、74…リッド、76…ボンディングワイヤー、120…光変調振動子、153…光路変更素子、155…駆動部、171…片持ち梁、172…光反射面、173…駆動部、174…回転部、175…突起部、176…音叉型振動片、177…励振器、301…第1電極、302…第2電極、303…回折格子載置部、305…圧電基板、306…櫛歯状電極、307…接地電極、311…表面、312…裏面、531…電流電圧変換器、532…ADC、533…ADC、534…第1バンドパスフィルター、535…第2バンドパスフィルター、536…第1遅延調整器、537…第2遅延調整器、538…乗算器、539…第3バンドパスフィルター、540…第1信号振幅検出器、541…第2信号振幅検出器、542…基準信号振幅検出器、543…AGC部、543A…AGC部、543B…AGC部、544…B値算出器、544A…B値算出器、544B…B値算出器、546…和算器、547…信号波形検出器、551…乗算器、552…乗算器、553…移相器、555…第1ローパスフィルター、556…第2ローパスフィルター、557…除算器、558…逆正接演算器、559…出力回路、560…位相波形検出器、562…最大AC成分幅検出器、563…最大DC成分幅検出器、565…遅延調整器、566…移相器、567…乗算器、721…第1凹部、722…第2凹部、AX…回転軸、C…並列容量、C…直列容量、C3…第3コンデンサー、Cd…第2コンデンサー、Cg…第1コンデンサー、GND…端子、K-2s…回折光、K-1s…回折光、K0s…回折光、K1s…回折光、K2s…回折光、K…入射光、L…直列インダクタンス、L1…出射光、L2…参照光、L3…物体光、L4…標準物体光、N…法線、P…ピッチ、P1…第1位置、P2…第2位置、R1…第1制限抵抗、R…等価直列抵抗、R2…第2制限抵抗、R…決定係数、Rf…帰還抵抗、S1…第1信号、S102…ステップ、S104…ステップ、S106…ステップ、S107…ステップ、S108…ステップ、S110…ステップ、S112…ステップ、S114…ステップ、S116…ステップ、S118…ステップ、S120…ステップ、S2…第2信号、S3…第3信号、S4…第4信号、Sd…駆動信号、Ss…基準信号、Vcc…端子、X1…端子、X2…端子、Y…端子、jp1…分岐部、jp2…分岐部、ps1…第1信号経路、ps2…第2信号経路、x…信号、y…信号、β…入射角、θ…傾斜角度、θ…ブレーズ角

Claims (7)

  1. 第1レーザー光を射出する光源と、
    振動素子を備え、前記振動素子を用いて前記第1レーザー光を周波数の異なる第2レーザー光に変調する光変調器と、
    前記第1レーザー光が進行する第1光路に配置され、前記第1レーザー光の進行方向を前記第1光路と、前記第1光路とは異なる第2光路と、の間で切り替える光路切替部と、
    前記第2光路に沿って移動し、前記第2光路を進行する前記第1レーザー光を反射する光反射面を有する光反射体と、
    前記第1レーザー光が測定対象物で反射して生成された第3レーザー光と、前記第2レーザー光と、の第1干渉光、および、前記第1レーザー光が前記光反射面で反射して生成された第4レーザー光と、前記第2レーザー光と、の第2干渉光、を受光して受光信号を出力する受光素子と、
    を備えることを特徴とするレーザー干渉計。
  2. 前記光路切替部は、
    第1位置および第2位置に移動する光路変更素子と、
    前記光路変更素子を移動させる光路変更素子駆動部と、
    を備え、
    前記第1位置は、前記光路変更素子が、前記第1レーザー光の進行方向を変更する位置であり、
    前記第2位置は、前記光路変更素子が、前記第1レーザー光の進行方向を変更しない位置である請求項1に記載のレーザー干渉計。
  3. 前記光反射面は、前記第2光路に沿って単振動し、
    前記第1レーザー光の波長をλとしたとき、前記光反射面の変位量Laは、La≧λ/8を満たす請求項1または2に記載のレーザー干渉計。
  4. 前記光反射体は、圧電素子またはMEMS素子である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のレーザー干渉計。
  5. 前記光反射体は、前記光反射面を移動させる光反射面駆動部を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のレーザー干渉計。
  6. 前記受光信号から前記測定対象物に由来する情報を復調する復調回路を備え、
    前記復調回路は、
    前記受光信号を第1信号および第2信号に分割する分岐部と、
    前記第1信号を伝搬する第1信号経路と、
    前記第2信号を伝搬する第2信号経路と、
    前記第1信号の振幅を検出する第1信号振幅検出器と、
    前記第2信号の振幅を検出する第2信号振幅検出器と、
    前記光路切替部が前記第1レーザー光の進行方向を前記第2光路に切り替えているとき、前記第1信号の振幅および前記第2信号の振幅に基づくAGC係数を記録し、前記光路切替部が前記第1レーザー光の進行方向を前記第1光路に切り替えているとき、前記AGC係数に基づいて前記第2信号の振幅を調整するAGC部と、
    を含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載のレーザー干渉計。
  7. 前記受光信号から前記測定対象物に由来する情報を復調する復調回路を備え、
    前記復調回路は、
    前記受光信号を第1信号および第2信号に分割する分岐部と、
    前記第1信号を伝搬する第1信号経路と、
    前記第2信号を伝搬する第2信号経路と、
    前記第1信号の振幅を検出する第1信号振幅検出器と、
    前記第2信号の振幅を検出する第2信号振幅検出器と、
    前記光路切替部が前記第1レーザー光の進行方向を前記第2光路に切り替えているとき、前記受光信号の波形と前記光変調器に関する指標との間に成り立つ相関関係に基づいて、前記受光信号から前記指標を算出し、記録する指標算出部と、
    前記指標からAGC係数を算出し、前記光路切替部が前記第1レーザー光の進行方向を前記第1光路に切り替えているとき、前記AGC係数に基づいて前記第2信号の振幅を調整するAGC部と、
    を含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載のレーザー干渉計。
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